(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-01
(54)【発明の名称】マイクロ流体装置及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
B01F 33/301 20220101AFI20230221BHJP
B01F 23/40 20220101ALI20230221BHJP
B01F 101/22 20220101ALN20230221BHJP
【FI】
B01F33/301
B01F23/40
B01F101:22
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022564095
(86)(22)【出願日】2020-12-22
(85)【翻訳文提出日】2022-08-15
(86)【国際出願番号】 US2020066541
(87)【国際公開番号】W WO2021133765
(87)【国際公開日】2021-07-01
(32)【優先日】2019-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521126302
【氏名又は名称】ナットクラッカー セラピューティクス, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100101890
【氏名又は名称】押野 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100098268
【氏名又は名称】永田 豊
(72)【発明者】
【氏名】エルドリッジ・ベンジャミン
(72)【発明者】
【氏名】ウェン・シミャオ
【テーマコード(参考)】
4G035
4G036
【Fターム(参考)】
4G035AB36
4G036AC70
(57)【要約】
本出願は、マイクロ流体装置及びその使用方法に関する。一例では、第1の流体入力及び第2の流体入力と、第1の流体入力及び第2の流体入力から流体を受容する流体交差チャネルであって、流体交差チャネルが、第1の混合チャンバの第1の側の上側領域上で第1の混合チャンバ内へと開口し、第1の混合チャンバが、長さ、幅、及び深さを有し、この深さは、流体交差チャネルの深さの約1.5倍超である、流体交差チャネルと、第1の混合チャンバの第2の側の上側領域上の出口チャネルであって、出口チャネルが、第1の混合チャンバの深さ未満の深さを有し、出口チャネルの開口部が、流体交差部に対して第1の混合チャンバの第2の側の幅に沿ってオフセットされている、出口チャネルと、を備える、マイクロ流体デバイスが提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロ流体デバイスであって、
第1の流体入力及び第2の流体入力と、
前記第1の流体入力及び前記第2の流体入力から流体を受容する流体交差チャネルであって、前記流体交差チャネルが、第1の混合チャンバの第1の側の上側領域上で前記第1の混合チャンバ内へと開口し、前記第1の混合チャンバが、長さ、幅、及び深さを有し、前記深さは、前記流体交差チャネルの深さの約1.5倍超である、流体交差チャネルと、
前記第1の混合チャンバの第2の側の上側領域上の出口チャネルであって、前記出口チャネルが、前記第1の混合チャンバの前記深さ未満の深さを有し、前記出口チャネルの開口部が、前記流体交差部に対して前記第1の混合チャンバの前記第2の側の幅に沿ってオフセットされている、出口チャネルと、
を備える、マイクロ流体デバイス。
【請求項2】
マイクロ流体デバイスであって、
第1の流体入力チャネル及び第2の流体入力チャネルであって、幅及び上面から第1の底面まで延在する深さを有する流体交差チャネルに収束する、第1の流体入力チャネル及び第2の流体入力チャネルと、
前記上面から第2の底面まで延在する深さ、第1の側から第2の側まで延在する幅、及び長さを有する第1の混合チャンバであって、前記第1の混合チャンバの前記深さが前記流体交差チャネルの前記深さよりも大きく、前記第1の混合チャンバの前記幅が前記流体交差チャネルの前記幅よりも大きく、前記第1の混合チャンバが、前記上面において前記第1の側に近接して、前記流体交差チャネルに流体接続されている、第1の混合チャンバと、
出口チャネルであって、前記出口チャネルが、前記上面において前記第1の混合チャンバの前記第2の側に近接して、前記第1の混合チャンバに流体接続されている、出口チャネルと、
を備える、マイクロ流体デバイス。
【請求項3】
マイクロ流体デバイスであって、
第1の流体入力及び第2の流体入力と、
前記第1の流体入力及び前記第2の流体入力から流体を受容する流体交差チャネルであって、前記流体交差チャネルが、第1の混合チャンバの第1の側の上側領域上で前記第1の混合チャンバ内へと開口し、前記第1の混合チャンバが、幅、長さ、及び深さを有し、前記深さが、前記流体交差チャネルの深さの約1.5倍超である、流体交差チャネルと、
前記第1の混合チャンバの第2の側の上側領域上の接続チャネルであって、前記接続チャネルが、前記第1の混合チャンバの前記深さ未満の深さを有し、更に、前記接続チャネルの開口部が、前記流体交差部に対して前記第1の混合チャンバの前記第2の側の前記幅に沿ってオフセットされており、前記接続チャネルが、第2の混合チャンバ内へと開口している、接続チャネルと、
前記第2の混合チャンバから延在する出口チャネルと、
を備える、マイクロ流体デバイス。
【請求項4】
前記第1の混合チャンバが、追加の混合チャンバに直列に接続することなく前記出口チャネルが混合器出力を形成する単一の混合器として構成されている、請求項1又は2に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項5】
前記第1の混合チャンバの前記深さが、前記流体交差チャネルの深さの約2倍~約4倍である、請求項1~4のいずれか一項に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項6】
前記第1の混合チャンバの前記深さが、前記流体交差チャネルの深さの約3倍である、請求項1~5のいずれか一項に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項7】
前記第1の混合チャンバの前記幅が、前記第1の混合チャンバの前記長さの約1.5倍~約3倍である、請求項1~6のいずれか一項に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項8】
前記第1の混合チャンバの前記幅が、前記第1の混合チャンバの前記長さの約2倍である、請求項1~7のいずれか一項に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項9】
前記第1の混合チャンバの前記長さが、前記流体交差チャネルの長さの約2倍~約4倍である、請求項1~8のいずれか一項に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項10】
前記第1の混合チャンバの前記長さが、前記流体交差チャネルの前記長さの約3倍である、請求項1~9のいずれか一項に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項11】
前記流体交差チャネル、前記第1の混合チャンバ、及び前記出口チャネルが全て、第1の層内にあり、前記流体交差チャネル、前記第1の混合チャンバ、及び前記出口チャネルの前記上面が、第2の層の一部である、請求項1~10のいずれか一項に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項12】
前記出口チャネルが、前記混合チャンバの第1の長さのところで前記第1の混合チャンバと流体連通し、前記流体交差チャネルが、前記混合チャンバの第2の長さのところで前記混合チャンバと流体連通している、請求項1~11のいずれか一項に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項13】
前記第1の混合チャンバが、丸みを帯びた角部を有する、請求項1~12のいずれか一項に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項14】
前記第1の混合チャンバが、約65~約85μmの角部半径を有する、請求項1~13のいずれか一項に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項15】
0.25~5mL/分の流量で前記第1の混合チャンバを通る流体圧力の変化が、約6.9kPa~約206.8kPaである、請求項1~14のいずれか一項に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項16】
前記第1の混合チャンバの前記幅が、約150~約600μmであり、前記第1の混合チャンバの前記深さが、約150~約500μmであり、前記第1の混合チャンバの前記長さが、約500μm~約1000μmである、請求項1~15のいずれか一項に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項17】
前記接続チャネルが、約75μm~約225μmの幅、約75μm~約225μmの深さ、及び約225~約550μmの長さを有する、請求項3に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項18】
第2の混合チャンバであって、前記上面から前記第2の混合チャンバの底面まで延在する深さ、前記第2の混合チャンバの第1の側から第2の側まで延在する幅、及び長さを有し、前記第2の混合チャンバの前記深さが前記出口チャネルの前記深さよりも大きく、前記第2の混合チャンバの前記幅が前記出口チャネルの幅よりも大きく、更に、前記第2の混合チャンバは、前記上面において前記第2の側に近接して前記出口チャネルに流体接続されている、第2の混合チャンバと、
深さ及び幅を有する第2の出口チャネルであって、前記上面において前記第2の混合チャンバの前記第1の側に近接して、前記第2の混合チャンバに流体接続されている、第2の出口チャネルと、
を更に備える、請求項1又は2に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項19】
前記マイクロ流体デバイス内の弾性膜の少なくとも一部分を偏向させることによって、前記流体交差チャネルから前記第1の混合チャンバ内へと流体をポンプ搬送するための1つ以上の流体ポンプを更に備える、請求項1~18のいずれか一項に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項20】
1つ以上の流体ポンプを更に備え、前記1つ以上の流体ポンプが、前記マイクロ流体デバイス内の弾性膜の少なくとも一部分を偏向させることによって、前記流体交差チャネルから前記第1の混合チャンバ内へと流体をポンプ搬送するためのものである、請求項1~18のいずれか一項に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項21】
前記第1の混合チャンバを含む複数の流体接続された混合チャンバを備える、請求項1又は2に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項22】
前記マイクロ流体デバイス内の弾性層を偏向させて、前記第1の混合チャンバを通して間で流体を駆動するための複数の圧力ポートを更に備える、請求項1~21のいずれか一項に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項23】
前記第1の流体入力と流体連通している流れ制限器を更に備え、前記流れ制限器が、蛇行細長流体チャネルを含む、請求項1~22のいずれか一項に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項24】
マイクロ流体混合装置であって、
混合チャンバであって、前記混合チャンバを囲んでいる、底面を画定するベース、側壁、及び上面を含む、混合チャンバと、
前記混合チャンバの第1の側壁において前記混合チャンバへの開口部を含む混合入口チャネルと、
前記混合チャンバの第2の側壁において前記混合チャンバへの開口部を含む混合出口チャネルと、を備え、
前記混合チャンバの垂直寸法が、前記混合入口チャネルの垂直寸法よりも大きく、前記混合出口チャネルの垂直寸法よりも大きい、
マイクロ流体混合装置。
【請求項25】
前記第1の側壁及び前記第2の側壁が、前記混合チャンバの対向する側壁である、請求項24に記載のマイクロ流体装置。
【請求項26】
前記混合入口チャネル及び前記混合出口チャネルが、前記第1の側壁及び前記第2の側壁に沿ったオフセット位置において前記混合チャンバに接続する、請求項24又は25に記載のマイクロ流体装置。
【請求項27】
前記混合入口チャネルの前記開口部の高さと前記混合出口チャネルの前記開口部の高さとが同じである、請求項24~26のいずれか一項に記載のマイクロ流体装置。
【請求項28】
前記混合入口チャネルの前記開口部の幅と前記混合出口チャネルの前記開口部の幅とが同じである、請求項24~27のいずれか一項に記載のマイクロ流体装置。
【請求項29】
前記混合入口チャネルの前記開口部が、前記混合チャンバの前記上面に隣接する前記第1の側壁の高さのところに配置され、前記混合出口チャネルの前記開口部が、前記混合チャンバの前記上面に隣接する前記第2の側壁の高さのところに配置されている、請求項24~28のいずれか一項に記載のマイクロ流体装置。
【請求項30】
前記混合入口チャネルが、流体交差部を含む第1の終端と、前記混合チャンバへの前記開口部を含む第2の終端と、を有する、請求項24~29のいずれか一項に記載のマイクロ流体装置。
【請求項31】
前記流体交差部が、前記流体交差部において前記混合入口チャネルと交差する、第1の流体入力チャネル及び第2の流体入力チャネルを更に含む、請求項30に記載のマイクロ流体装置。
【請求項32】
前記第1の流体チャネル及び前記第2の流体チャネルが、互いに対して約180度未満の角度で前記流体交差部において交差している、請求項24~31のいずれか一項に記載のマイクロ流体装置。
【請求項33】
前記第1の流体チャネル及び前記第2の流体チャネルが、互いに対して約30度超の角度で前記流体交差部において交差している、請求項24~32のいずれか一項に記載のマイクロ流体装置。
【請求項34】
前記混合チャンバが第1の混合チャンバであり、前記混合入口チャネルが第1の混合入口チャネルであり、前記混合出口チャネルが第1の混合出口チャネルであり、前記マイクロ流体装置が、第2のマイクロ流体混合装置を更に備え、前記第2のマイクロ流体混合装置が、
第2の混合チャンバであって、前記第2の混合チャンバを囲んでいる、底面を画定するベース、側壁、及び上面を含む、第2の混合チャンバと、
前記第2の混合チャンバの第1の側壁において前記第2の混合チャンバへの開口部を含む第2の混合入口チャネルと、
前記第2の混合チャンバの第2の側壁において前記第2の混合チャンバへの開口部を含む第2の混合出口チャネルと、を含み、
前記第2の混合チャンバの垂直寸法が、前記第2の混合入口チャネルの垂直寸法よりも大きく、前記第2の混合出口チャネルの垂直寸法よりも大きい、
請求項24~33のいずれか一項に記載のマイクロ流体装置。
【請求項35】
更に、
前記第2の混合チャンバの前記第1の側壁及び前記第2の側壁が、前記第2の混合チャンバの対向する側壁である、
前記第2の混合入口チャネル及び前記第2の混合出口チャネルが、前記第2の混合チャンバの前記第1の側壁及び前記第2の側壁に沿ったオフセット位置において前記第2の混合チャンバに接続する、
前記第2の混合入口チャネルの前記開口部の高さと前記第2の混合出口チャネルの前記開口部の高さとが同じである、
前記第2の混合入口チャネルの前記開口部の幅と前記第2の混合出口チャネルの開口部の幅とが同じである、
前記第2の混合入口チャネルの前記開口部及び前記第2の混合出口チャネルの前記開口部が、前記第2の混合チャンバの前記上面に隣接する前記第2の混合チャンバのそれぞれの第1の側壁及び第2の側壁の高さのところに配置されている、
又は
それらの任意の組み合わせである、
請求項24~34のいずれか一項に記載のマイクロ流体装置。
【請求項36】
前記第2の混合出口チャネルが、前記第2の混合チャンバへの前記開口部において第1の終端を含む、請求項24~35のいずれか一項に記載のマイクロ流体装置。
【請求項37】
カスケードマイクロ流体混合器を備えるマイクロ流体装置であって、前記カスケードマイクロ流体混合器の各々が、
底面を画定するベース、側壁、及び上面を含む、混合チャンバと、
前記混合チャンバの第1の側壁において前記混合チャンバへの開口部を含む混合入口チャネルと、
前記混合チャンバの第2の側壁において前記混合チャンバへの開口部を含む混合出口チャネルと、を備え、
前記混合チャンバの垂直寸法が、前記混合入口チャネルの垂直寸法よりも大きく、前記混合出口チャネルの垂直寸法よりも大きく、
カスケードマイクロ流体混合器が、互いに直列で接続されており、それによって、前記直列のうちの第1のマイクロ流体混合器の後にある前記カスケードマイクロ流体混合器の各々の前記混合入口チャネルが、前記直列のうちの前のマイクロ流体混合器の前記混合出口に接続されている、
マイクロ流体装置。
【請求項38】
マイクロ流体装置であって、
第1のプレート及び第2のプレートと、
前記第1のプレートと前記第2のプレートとの間に配置された弾性層と、
前記第1のプレートと前記第2のプレートとの間のマイクロ流体経路と、を含み、前記マイクロ流体経路が、
前記弾性層の一部分によって分離された固定容積を各々が含む複数のブレンドチャンバであって、前記弾性層の一部分が、前記複数のブレンドチャンバのうちのブレンドチャンバ間で流体を駆動するために偏向するためのものである、複数のブレンドチャンバと、
第1のマイクロ流体混合器と、を備え、前記第1のマイクロ流体混合器が、
第1の流体入力及び第2の流体入力と、
前記第1の流体入力及び前記第2の流体入力から流体を受容する流体交差部であって、前記流体交差部が、第1の混合チャンバの第1の側の上側領域上で前記第1の混合チャンバ内へと開口し、前記第1の混合チャンバが、前記流体交差部の深さの1.5倍超の深さを有する、流体交差部と、
前記第1の混合チャンバの第2の側の上側領域上の接続チャネルであって、前記接続チャネルが、前記第1の混合チャンバの前記深さ未満の深さを有し、更に、前記接続チャネルの開口部が、前記流体交差部に対して前記第1の混合チャンバの前記第2の側の幅に沿ってオフセットされており、前記接続チャネルが、第2の混合チャンバの第1の側の上側領域上で前記第2の混合チャンバ内へと開口しており、更に、前記第2の混合チャンバが、前記接続チャネルの深さの1.5倍超の深さを有する、接続チャネルと、
前記第2の混合チャンバの第2の側の上側領域上の前記第2の混合チャンバからの出力チャネルであって、前記第2の混合チャンバの前記第2の側が、前記第2の混合チャンバの前記第1の側とは反対側にある、出力チャネルと、を含む、
マイクロ流体装置。
【請求項39】
前記流体交差部の上面が、前記第1の混合チャンバの上面と実質的に同じ高さである、請求項38に記載のマイクロ流体装置。
【請求項40】
前記接続チャネルの上面が、前記第1の混合チャンバの上面及び前記第2の混合チャンバの上面と同じ高さであるように構成されている、請求項38又は39に記載のマイクロ流体装置。
【請求項41】
前記弾性層の少なくとも一部分を偏向させることによって、前記ブレンドチャンバから前記第1のマイクロ流体混合器内へと流体をポンプ搬送するための1つ以上の流体ポンプを更に備える、請求項38~40のいずれか一項に記載のマイクロ流体装置。
【請求項42】
前記複数のブレンドチャンバと前記第1のマイクロ流体混合器との間に1つ以上の流体ポンプを更に備え、前記流体ポンプが、前記弾性層の少なくとも一部分を偏向させることによって、前記ブレンドチャンバから前記第1のマイクロ流体混合器内へと流体をポンプ搬送するためのものである、請求項38~41のいずれか一項に記載のマイクロ流体装置。
【請求項43】
前記マイクロ流体装置が、前記第1のマイクロ流体混合器を含む複数のマイクロ流体混合器を備える、請求項38~42のいずれか一項に記載のマイクロ流体装置。
【請求項44】
前記ブレンドチャンバ間で前記第1のマイクロ流体混合器を通して流体を駆動するために前記弾性層を偏向させるように構成されている、前記第1のプレートへの複数の圧力ポートを更に備える、請求項38~43のいずれか一項に記載のマイクロ流体装置。
【請求項45】
前記第1の流体入力と流体連通している流れ制限器を更に備え、前記流れ制限器が、蛇行細長流体チャネルを含む、請求項38~44のいずれか一項に記載のマイクロ流体装置。
【請求項46】
固定容積を有する一対のブレンドチャンバを更に備え、各ブレンドチャンバが、前記第1のプレートと前記第2のプレートとの間に配置され、前記弾性層の一部分が、各チャンバを前記第2のプレート内の流体接触側と前記第1のプレート内の圧力受容側とに分割する、請求項45に記載のマイクロ流体装置。
【請求項47】
治療用mRNAを送達ビヒクルと配合する方法であって、前記治療用mRNAと前記送達ビヒクルとを、約2~約20℃の温度でマイクロ流体デバイスのマイクロ流体混合チャンバ内で混合することを含み、前記温度が、少なくとも前記治療用mRNAの組成、前記送達ビヒクルの組成、又はそれらの組み合わせを使用して選択される、方法。
【請求項48】
少なくとも、前記治療用mRNAのポリヌクレオチド配列、前記送達ビヒクルの配列、前記送達ビヒクルの分子量、前記治療用mRNAの分子量、前記送達ビヒクルの電荷、前記治療用mRNAの電荷、前記送達ビヒクルの分子量、前記治療用mRNAの分子量、前記マイクロ流体混合チャンバ内の前記治療用mRNA及び/又は前記送達ビヒクルの流量、並びに前記マイクロ流体混合チャンバの寸法、又はそれらの任意の組み合わせを使用して、前記温度を選択することを更に含む、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
混合することが、前記マイクロ流体混合チャンバを備えるマイクロ流体デバイス内で混合することを含む、請求項47に記載の方法。
【請求項50】
前記マイクロ流体デバイスの残りの部分に対して、前記混合チャンバの前記温度を約2~約20℃に別々に維持することを更に含む、請求項47に記載の方法。
【請求項51】
前記マイクロ流体混合チャンバ内で混合することが、前記治療用mRNA及び前記送達ビヒクルを第1の開口部を通してマイクロ流体デバイスの前記混合チャンバ内へと通過させ、それによって、前記治療用mRNA及び前記送達ビヒクルが前記混合チャンバの壁に対して駆動され、前記第1の開口部の平面から前記第1の開口部の前記深さの1倍超の深さまで駆動されることを含む、請求項47に記載の方法。
【請求項52】
前記通過させることが、前記治療用mRNA及び前記送達ビヒクルを前記混合チャンバの前記壁に対して、前記第1の開口部を横切る平面から前記第1の開口部の前記深さの約2.5倍超の深さまで駆動することを含む、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記治療用mRNA及び前記送達ビヒクルが、前記混合チャンバの前記壁に対して、前記第1の開口部を横切る平面から前記第1の開口部の前記深さの3倍以上の深さまで駆動される、請求項51に記載の方法。
【請求項54】
前記第1の開口部の上部が、前記混合チャンバの上部と一列になっている、請求項51に記載の方法。
【請求項55】
混合する方法であって、
第1の流体及び第2の流体を第1の開口部を通してマイクロ流体デバイスの混合チャンバ内へと通過させ、それによって、前記第1の流体及び前記第2の流体が、前記混合チャンバの壁に対して駆動され、前記第1の開口部の平面から前記第1の開口部の前記深さの1倍超の深さまで駆動されて、混合流体を形成することと、
前記混合流体を、出口開口部を通過させて前記混合チャンバから出すことと、
を含み、
前記混合チャンバが、約2~約20℃の温度に維持される、
方法。
【請求項56】
混合する方法であって、
第1の流体及び第2の流体を、少なくとも1つの開口部を通してマイクロ流体デバイス内の混合チャンバ内へと通過させ、それによって、前記第1の流体及び前記第2の流体が前記混合チャンバの壁に対して駆動され、少なくとも第1の開口部の平面から混合流体として駆動される、ことと、
前記混合流体を、出口開口部を通過させて前記混合チャンバから出すことであって、前記混合チャンバが2~20℃の温度に維持される、ことと、
を含む、方法。
【請求項57】
混合する方法であって、
オリゴヌクレオチド分子を含有する第1の流体及び送達ビヒクル化学物質を含有する第2の流体を、少なくとも1つの開口部を通してマイクロ流体デバイスの混合チャンバ内へと通過させ、それによって、前記第1の流体及び前記第2の流体が、前記混合チャンバの壁に対して駆動され、開口部の平面から駆動される、ことと、
前記混合流体を、出口開口部を通過させて前記混合チャンバから出すことと、
を含み、前記混合チャンバが、約2~約20℃の温度に維持される、
方法。
【請求項58】
マイクロ流体デバイス内で混合する方法であって、
第1の流体及び第2の流体を第1の開口部を通して前記マイクロ流体デバイス内の混合チャンバ内へと通過させ、それによって、前記第1の流体及び前記第2の流体が、前記混合チャンバの壁に対して、前記第1の開口部を横切る平面から前記第1の開口部の前記深さの約2.5倍超の深さまで駆動されて、実質的混合流体を形成することと、
前記混合流体を、出口開口部を通過させて前記混合チャンバから出すことであって、前記出口開口部が、前記第1の開口部とは反対側にあるが、前記第1の開口部からオフセットされている、ことと、
を含み、前記混合チャンバが、約5~約20℃の温度に維持される、
方法。
【請求項59】
前記第1の流体及び前記第2の流体を前記第1の開口部を通して前記混合チャンバ内へと前記通過させることが、前記第1の流体及び前記第2の流体を通過させ、それによって、前記第1の流体及び前記第2の流体が前記混合チャンバの前記壁に対して、前記第1の開口部を横切る前記平面から前記第1の開口部の前記深さの約2.5倍超の深さまで駆動されることを含む、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記混合チャンバの前記温度を約5~約15℃に維持することを更に含む、請求項58又は59に記載の方法。
【請求項61】
前記混合流体の前記温度を約5~約15℃に維持することを更に含む、請求項58~60のいずれか一項に記載の方法。
【請求項62】
前記混合流体の温度を約10℃に維持することを更に含む、請求項58~61のいずれか一項に記載の方法。
【請求項63】
前記混合流体を前記出口開口部から第2の開口部を通して第2の混合チャンバ内へと通過させ、それによって、前記流体が前記第2の混合チャンバの壁に対して駆動され、前記第2の開口部の平面から前記第2の開口部の前記深さの1倍超の深さまで駆動されて、前記混合流体を更に混合すること、を更に含む、請求項58~62のいずれか一項に記載の方法。
【請求項64】
前記流体が、前記混合チャンバの前記壁に対して、前記第1の開口部を横切る前記平面から前記第1の開口部の前記深さの約3倍以上の深さまで駆動される、請求項58~63のいずれか一項に記載の方法。
【請求項65】
前記第1の開口部の上部が、前記第1の混合チャンバの上部と一列になっている、請求項58~64のいずれか一項に記載の方法。
【請求項66】
前記出口開口部が、前記第1の開口部の断面積に等しい断面積を有する、請求項58~65のいずれか一項に記載の方法。
【請求項67】
前記混合チャンバが、前記マイクロ流体デバイスの第1の層と第2の層との間にある、請求項58~66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項68】
前記混合チャンバが、幅よりも大きい長さを有し、前記長さが前記第1の開口部の幅の約2倍超である、請求項58~67のいずれか一項に記載の方法。
【請求項69】
組成物を形成する方法であって、
マイクロ流体デバイス内で1つ以上の治療用mRNAを合成することであって、前記1つ以上の治療用mRNAが第1の流体内にあり、前記1つ以上の治療用mRNA用の送達ビヒクルが第2の流体内にある、ことと、
前記第1の流体及び前記第2の流体を第1の開口部を通して前記マイクロ流体デバイスの混合チャンバ内へと通過させ、それによって、前記第1の流体及び前記第2の流体が前記混合チャンバの壁に対して駆動され、前記第1の開口部の平面から前記第1の開口部の前記深さの1倍超の深さまで駆動されて、混合流体を形成することであって、前記混合チャンバが、前記治療用mRNA及び前記送達ビヒクルの混合を強化するように選択された温度に維持される、ことと、
前記混合流体を、出口開口部を通過させて前記混合チャンバから出すことと、
を含む、方法。
【請求項70】
前記混合チャンバが、前記治療用mRNAと前記送達ビヒクルとの混合を強化するように選択され、かつ2~20℃である温度に維持される、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
前記混合チャンバの強化された混合温度を選択することを更に含む、請求項69に記載の方法。
【請求項72】
前記強化された混合温度を選択することが、インビボでの又はインビトロでの混合チャンバ内での混合をモデル化することを含む、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
前記強化された混合温度を選択することが、前記送達ビヒクル及び前記1つ以上の治療用mRNAに基づいて約2~約20℃の温度を選択することを含む、請求項71に記載の方法。
【請求項74】
前記第1の流体及び前記第2の流体を前記第1の開口部を通して前記混合チャンバ内へと前記通過させることが、前記第1の流体及び前記第2の流体を通過させ、それによって、前記第1の流体及び前記第2の流体が前記混合チャンバの前記壁に対して、前記第1の開口部を横切る平面から前記第1の開口部の前記深さの約2.5倍超の深さまで駆動されることを含む、請求項69に記載の方法。
【請求項75】
前記流体が、前記混合チャンバの前記壁に対して、前記第1の開口部を横切る平面から前記第1の開口部の前記深さの約3倍以上の深さまで駆動される、請求項69に記載の方法。
【請求項76】
前記第1の開口部の上部が、前記混合チャンバの上部と一列になっている、請求項69に記載の方法。
【請求項77】
前記出口開口部が、前記第1の開口部の断面積に等しい断面積を有する、請求項69に記載の方法。
【請求項78】
前記混合チャンバが、前記マイクロ流体デバイスの第1の層と第2の層との間にある、請求項69に記載の方法。
【請求項79】
前記混合チャンバが、幅よりも大きい長さを有し、更に、前記長さが、前記第1の開口部の前記幅の2倍超である、請求項69に記載の方法。
【請求項80】
治療用組成物を形成する方法であって、
第1の流体内の1つ以上の治療用mRNA、及び第2の流体内の前記1つ以上の治療用mRNA用の送達ビヒクルを、第1の開口部を通してマイクロ流体デバイス内の混合チャンバ内へと通過させ、それによって、前記第1の流体及び前記第2の流体が前記混合チャンバの壁に対して駆動され、前記第1の開口部の平面から前記第1の開口部の前記深さの1倍超の深さまで駆動されて、前記治療用組成物を含む混合流体を形成することと、
前記混合チャンバの温度を、混合を強化するように判定された強化された混合温度に維持することと、
前記混合流体を、出口開口部を通過させて前記混合チャンバから出すことと、
を含む、方法。
【請求項81】
前記強化された混合温度が、約2~約20℃である、請求項80に記載の方法。
【請求項82】
維持することが、前記1つ以上の治療用mRNA及び/又は前記送達ビヒクルの前記強化された混合温度を判定することを含む、請求項80に記載の方法。
【請求項83】
インビボでの又はインビトロでの前記混合チャンバ内での混合をモデル化することによって、前記強化された混合温度を判定することを更に含む、請求項82に記載の方法。
【請求項84】
約2~約20℃の他の温度での混合と比較してより優れた混合を行う約2~約20℃の温度を選択することによって、前記強化された混合温度を判定することを更に含む、請求項82に記載の方法。
【請求項85】
前記第1の流体及び前記第2の流体を前記第1の開口部を通して前記混合チャンバ内へと前記通過させることが、前記第1の流体及び前記第2の流体を通過させ、それによって、前記第1の流体及び前記第2の流体が前記混合チャンバの前記壁に対して、前記第1の開口部を横切る平面から前記第1の開口部の前記深さの約2.5倍超の深さまで駆動されることを含む、請求項80に記載の方法。
【請求項86】
前記流体が、前記混合チャンバの前記壁に対して、前記第1の開口部を横切る平面から前記第1の開口部の前記深さの約3倍以上の深さまで駆動される、請求項80に記載の方法。
【請求項87】
前記第1の開口部の上部が、前記混合チャンバの上部と一列になっている、請求項80に記載の方法。
【請求項88】
前記出口開口部が、前記第1の開口部の断面積に相当する断面積を有する、請求項80に記載の方法。
【請求項89】
前記混合チャンバが、前記マイクロ流体デバイスの第1の層と第2の層との間に形成されている、請求項80に記載の方法。
【請求項90】
前記混合チャンバが、幅よりも大きい長さを有し、更に、前記長さが、前記第1の開口部の幅の2倍超である、請求項80に記載の方法。
【請求項91】
混合する方法であって、
第1の流体及び第2の流体を第1の開口部を通してマイクロ流体デバイスの混合チャンバ内へと通過させ、それによって、前記第1の流体及び前記第2の流体が、前記混合チャンバの壁に対して駆動され、前記第1の開口部の平面から前記第1の開口部の前記深さの1倍超の深さまで駆動されて、混合流体を形成することと、
前記混合流体を、出口開口部を通過させて前記混合チャンバから出すことと、
を含む、方法。
【請求項92】
前記第1の流体及び前記第2の流体を前記第1の開口部を通して前記混合チャンバ内へと前記通過させることが、前記第1の流体及び前記第2の流体を通過させ、それによって、前記第1の流体及び前記第2の流体が前記混合チャンバの前記壁に対して、前記第1の開口部を横切る前記平面から前記第1の開口部の前記深さの約2.5倍超の深さまで駆動されることを含む、請求項91に記載の方法。
【請求項93】
前記混合流体が、前記混合チャンバによって実質的に混合され、前記混合チャンバが、第2の混合チャンバに接続していない単一の混合器として構成されている、請求項91又は92に記載の方法。
【請求項94】
前記混合流体を前記出口開口部から第2の開口部を通して第2の混合チャンバ内へと通過させ、それによって、前記流体が前記第2の混合チャンバの壁に対して駆動され、前記第2の開口部の平面から前記第2の開口部の前記深さの1倍超の深さまで駆動されて、前記混合流体を更に混合すること、を更に含む、請求項91又は92に記載の方法。
【請求項95】
前記流体が、前記混合チャンバの前記壁に対して、前記第1の開口部を横切る前記平面から前記第1の開口部の前記深さの約3倍以上の深さまで駆動される、請求項91又は92に記載の方法。
【請求項96】
前記出口開口部が、前記第1の開口部の断面積に等しい断面積を有する、請求項91~95のいずれか一項に記載の方法。
【請求項97】
前記混合チャンバが、幅よりも大きい長さを有し、前記長さが、前記第1の開口部の前記幅の約2倍超である、請求項91~96のいずれか一項に記載の方法。
【請求項98】
前記混合チャンバが、丸みを帯びた角部を有する、請求項91~97のいずれか一項に記載の方法。
【請求項99】
0.25~5mL/分の流量で前記混合チャンバを通る流体圧力の変化が、約6.9kPa~約206.8kPaである、請求項91~98のいずれか一項に記載の方法。
【請求項100】
前記混合チャンバの幅が、約150~約600μmであり、前記混合チャンバの前記深さが、約150~約500μmであり、前記混合チャンバの前記長さが、約500μm~約1000μmである、請求項91~99のいずれか一項に記載の方法。
【請求項101】
マイクロ流体デバイス内で混合する方法であって、
第1の流体及び第2の流体を第1の開口部を通してマイクロ流体デバイス内の混合チャンバ内へと通過させ、それによって、前記第1の流体及び前記第2の流体が、前記混合チャンバの壁に対して、前記第1の開口部を横切る平面から前記第1の開口部の前記深さの約2.5倍超の深さまで駆動されて、実質的混合流体を形成することと、
前記混合流体を出口開口部を通過させて前記混合チャンバから出すことであって、前記出口開口部が、前記第1の開口部とは反対側にあるが、前記第1の開口部からオフセットされている、ことと、
を含み、前記混合流体が、前記混合チャンバによって実質的に混合され、前記混合チャンバが、第2の混合チャンバに接続していない単一の混合器として構成されている、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願の相互参照〕
本出願は、2019年12月23日に出願された、「MICROFLUIDIC APPARATUS AND METHODS OF USE THEREOF」と題する、米国仮特許出願第62/953,102号の優先権を主張するものであり、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
〔参照による組み込み〕
本明細書で言及される全ての公報及び特許出願は、各個別の公報又は特許出願が参照により組み込まれることが具体的かつ個別に示された場合と同程度まで、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
ポリヌクレオチド治療薬、特にmRNA治療薬を製造及び配合するための現在利用可能な技術は、多くの場合、製品を汚染及び劣化に曝露する。現在利用可能な集中型生産は、費用及び時間がかかりすぎ、また、複数のポリヌクレオチド種を含む可能性のある治療用配合での使用の場合、汚染の影響を受けやすい可能性がある。スケーラブルなポリヌクレオチドの開発、一回分の患者投与量の生産、汚染を制限するためのタッチポイントの排除、臨床製造要件を満たすための入力及びプロセスの追跡、並びにポイントオブケア(Point-of-Care)作業での使用により、これらの有望な治療薬の使用を前進させることができる。マイクロ流体機器及びプロセスは、これらの目標に対して主要な利点を提供することができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書に記載の装置及び方法は、生体分子含有製品、特に個別ケア用の治療薬の製造及び配合に使用され得る。特に、本明細書には、治療用ポリヌクレオチドをポイントオブケアにおいて処理するための閉鎖経路方法及び装置が記載されている。
【0005】
一般に、本明細書には、マイクロ流体デバイスを使用して組成物を配合するための装置及び方法が記載されている。特に、本明細書には、比較的小さなフットプリントで高度に効率的な混合を提供するように構成されているマイクロ流体混合チャンバ(又は一連の相互接続されたマイクロ流体混合チャンバ)を使用して組成物を配合することを含む方法及び装置が記載されている。これらの混合チャンバは、高度の混合を達成するために特定の流量内で動作し得る。いくつかの例では、混合チャンバは、本明細書に記載のマイクロ流体混合チャンバ内の混合を強化する室温未満の温度まで冷却され得る。
【0006】
例えば、本明細書に記載の混合チャンバは、ボックス混合チャンバ及び/又はボルテックス混合チャンバと呼ばれ得る。これらの混合チャンバは、本明細書では代替的にマイクロ流体経路デバイスと呼ばれ得る、マイクロ流体装置、例えばマイクロ流体デバイスの一部であり得る。これらのチャンバは、一般に、チャンバを囲んでいる、ベース面(例えば、底面)を有するベースと、側壁と、カバー面(例えば、上面)とを含み得る。これらの混合チャンバはまた、マイクロ流体デバイス内の(又はその中への)2つ以上の流体経路から入力を受容する入口、例えば混合入口を含み得る。入口は、上部及び/又は底部からオフセットされているボックスチャンバの一方の側の領域の近くで、一般には、チャンバの第1の側の上側領域の近くで、チャンバ(例えば、いくつかの例では、ボックス形状のチャンバ)内へと供給する。入口は、一般に、入口の深さの約1.5倍超の深さだけ、チャンバの上部及び/又は底部からオフセットされている。入口はまた、流体交差チャネルと呼ばれ得る。例えば、混合入口チャネルは、ボルテックス混合チャンバの第1の側壁において混合チャンバへの開口部を含み得る。これらのチャンバはまた、混合出口チャネルを含み得る。混合出口チャネルは、ボルテックス混合チャンバの第2の側壁への混合チャンバへの開口部を含み得る。一般に、ボルテックス混合チャンバの垂直寸法は、混合入口チャネルの垂直寸法よりも大きくてもよく、混合出口チャネルの垂直寸法よりも大きくてもよい。
【0007】
本明細書に記載の混合チャネルは、入口から2つ以上の流体(例えば、mRNAなどの第1の組成物を含有する第1の流体、及び送達ビヒクルなどの第2の組成物を含有する第2の流体)を受容することができる。(混合チャンバ内へと駆動される前に組み合わされ得る)流体は、混合チャンバ内へと広がってもよく、入口とは反対側の壁に対してわずかに下向きに向けられ得る。これにより、湾曲又はカールした流体経路を形成することができ、その中で、流体は、入口を横切って、下方に、及びその下に向けられて、入口からチャンバ内へと入る新しい材料と混合され、組み合わされる。流体は、混合し続け、最終的には、混合流体を駆動して出口から出すことができる。いくつかの例では、第1の混合チャンバは、隣接する混合チャンバが互いに直列に供給されるように、1つ以上の混合チャンバに直列に結合される。例えば、1つのチャンバの出口は、別のチャンバの入口へと供給され得る。以下に記載されるように、これらの方法及び装置のうちのいずれかは、混合チャンバの温度を、本明細書に記載の混合チャンバ内で混合するために、混合を強化するように較正されている温度又は温度範囲(いくつかの例では約10~約20℃)に制御することを含み得る。強化された混合温度は、混合チャンバの特定の幾何学的形状内の混合されている配合(いくつかの例では、mRNA及び/又は送達ビヒクルの配列)に基づき得る。この最適な温度は、実験的に及び/又はシミュレーションによって判定され得る。本明細書で使用される場合、「送達ビヒクル」は、標的とされるセル又は組織(例えば、腫瘍など)に対するポリヌクレオチドのインビボでの、インビトロでの、又はエクスビボでの送達を少なくとも部分的に促進する任意の物質を指す。送達ビヒクルとして何かを参照することは、治療効果を有さない場合もあることを必ずしも意味する必要はない。一例では、送達ビヒクルは、追加の治療効果を提供する。別の例では、送達ビヒクルは、追加の治療効果を提供しない。例えば、送達ビヒクルは、mRNAを少なくとも部分的にカプセル化し得る、アミノ脂質化ペプトイド送達ビヒクルであり得る。
【0008】
本明細書に記載の装置及び方法は、任意の適切なマイクロ流体装置(例えば、マイクロ流体デバイス、マイクロ流体システムなど)と共に、特に一列の一部として高度な混合が望まれるもの、及びいくつかの例では、空間がプレミアムであり得る封入(例えば、閉鎖経路)マイクロ流体経路と共に使用され得る。本明細書に記載の混合器及び混合技術のうちのいずれかと共に使用され得るマイクロ流体システムの例は、例えば、2019年8月9日に出願された「MICROFLUIDIC APPARATUS AND METHODS OF USE THEREOF」と題する米国仮特許出願第62/885159号及び2019年8月9日に出願された「METHODS AND APPARATUSES FOR MANUFACTURING THERAPEUTIC COMPOSITIONS」と題する米国仮特許出願第62/885170号に対する優先権を主張する、2020年8月10日に出願された「METHODS AND APPARATUSES FOR MANUFACTURING FOR REMOVING MATERIAL FROM A THERAPEUTIC COMPOSITION」と題する第16/989,833号に見いだすことができ、これらの開示の各々が、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0009】
また、本明細書には、記載された1つ以上の混合器を含むマイクロ流体デバイスが記載されている。例えば、マイクロ流体デバイスは、第1の流体入力及び第2の流体入力と、第1の流体入力及び第2の流体入力から流体を受容するように構成された流体交差チャネルであって、流体交差チャネルが、第1の混合チャンバの第1の側の上側領域上で第1の混合チャンバ内へと開口し、第1の混合チャンバが、流体交差チャネルの深さの約1.5倍超の深さを有する、流体交差チャネルと、第1の混合チャンバの第2の側の上側領域上の出口チャネルであって、出口チャネルが、第1の混合チャンバの深さ未満の深さを有し、更に、出口チャネルの開口部が、流体交差部に対して第1の混合チャンバの第2の側の幅に沿ってオフセットされている、出口チャネルと、を含み得る。
【0010】
マイクロ流体デバイスは、第1の流体入力チャネル及び第2の流体入力チャネルであって、第1の流体入口チャネル及び第2の流体入力チャネルが収束して、上面から第1の底面まで延在する深さ及び幅を有する流体交差チャネルを形成する、第1の流体入力チャネル及び第2の流体入力チャネルと、上面から第2の底面まで延在する深さ、第1の側から第2の側まで延在する幅、及び長さを有する第1の混合チャンバであって、第1の混合チャンバの深さが流体交差チャネルの深さよりも大きく、第1の混合チャンバの幅が流体交差チャネルの幅よりも大きく、更に、第1の混合チャンバが、上面において第1の側に近接して、流体交差チャネルに流体接続されている、第1の混合チャンバと、出口チャネルであって、出口チャネルが、上面において混合チャンバの第2の側に近接して、第1の混合チャンバに流体接続されている、出口チャネルと、を含み得る。
【0011】
マイクロ流体デバイスは、第1の流体入力及び第2の流体入力と、第1の流体入力及び第2の流体入力から流体を受容するように構成された流体交差チャネルであって、流体交差チャネルが、第1の混合チャンバの第1の側の上側領域上で第1の混合チャンバ内へと開口し、第1の混合チャンバが、流体交差チャネルの深さの約1.5倍超の深さを有する、流体交差チャネルと、第1の混合チャンバの第2の側の上側領域上の接続チャネルであって、接続チャネルが、第1の混合チャンバの深さ未満の深さを有し、更に、接続チャネルの開口部が、流体交差部に対して第1の混合チャンバの第2の側の幅に沿ってオフセットされており、接続チャネルが、第2の混合チャンバ内へと開口している、接続チャネルと、第2の混合チャンバから延在する出口チャネルと、を含み得る。
【0012】
これらのマイクロ流体デバイスのうちのいずれかは、(例えば、追加の混合チャンバに直列に接続することなく)出口チャネルが混合器出力を形成する単一の混合器として構成され得る。出口チャネルは、マイクロ流体デバイスの出力に接続してもよく、又は別の流体との組み合わせ(及びその後の混合)を含む更なる処理のための入力などを提供してもよい。混合チャンバが単一の混合器として構成されている場合、出口チャネルは、第1の混合チャンバと直列に接続された第2の混合チャンバへの唯一の入力として作用しない。
【0013】
これらのマイクロ流体デバイスのうちのいずれかは、流体交差チャネルの深さの約2倍~約4倍である第1の混合チャンバの深さを有し得る。第1の混合チャンバの深さは、流体交差チャネルの深さの約3倍であり得る。いくつかの例では、第1の混合チャンバの幅は、ボックスの長さの約1.5倍~約3倍である。例えば、第1の混合チャンバの幅は、ボックスの長さの約2倍であり得る。
【0014】
第1の混合チャンバの長さは、流体交差チャネルの長さの約2倍~約4倍であり得る。いくつかの例では、第1の混合チャンバの長さは、ボックスの長さの約3倍である。
【0015】
一般に、本明細書に記載の混合器は、マイクロ流体経路デバイスに統合され得る。例えば、流体交差チャネル、第1の混合チャンバ、及び出口チャネルは全て、第1の層内に形成されてもよく、更に、流体交差チャネル、第1の混合チャンバ、及び出口チャネルの上面は、第2の層で形成されている。
【0016】
一般に、本明細書に記載の混合チャンバの中/外への入口及び出口は、オフセットによって互いに分離され得る。例えば、出口チャネルは、混合チャンバの第1の長さのところで第1の混合チャンバと流体連通してもよく、流体交差チャネルは、混合チャンバの第2の長さのところで混合チャンバと流体連通してもよい。
【0017】
混合チャンバは、正方形の角部及び/又は丸みを帯びた角部を有するボックスであり得る。例えば、第1の混合チャンバは、角部のうちの全て又はいくつかにおいて約65~85μmの角部半径を有し得る。本明細書で使用される場合、「丸みを帯びた(rounded)」とは、ある角度で急激にではなく、曲線で滑らかに移行する表面を指す。丸みを帯びた角部は、例えば、それが接続する最短側壁の長さの0.5倍~0.01倍である非ゼロの曲率半径を有し得る。
【0018】
本明細書に記載の実施例のうちのいずれかのマイクロ流体デバイスは、約0.25mL/分~約5mL/分(例えば、約0.25mL/分~約4mL/分、約0.25mL/分~約3mL/分、約0.25mL/分~約2mL/分、約0.25mL/分~約1.5mL/分)の流量で、約1psi(6.9kPa)~約30psi(206.8kPa)、例えば、約1psi~約25psi(約6.9kPa~172.4kPa)、約1psi~約22.5psi(約6.9kPa~155.1kPa)、約1psi~約20psi(約6.9kPa~137.9kPa)、1~10psi(約6.9kPa~68.9kPa)、1~5psi(約6.9kPa~34.5kPa)などの、第1の混合チャンバを通る流体圧力の変化を提供するように構成され得る。
【0019】
マイクロ流体デバイスは、直列に接続され得る任意の数の混合チャンバを含み得る。したがって、マイクロ流体装置は、複数の流体接続された混合チャンバを含み得る。例えば、マイクロ流体経路デバイスは、第2の混合チャンバであって、上面から第2の混合チャンバの底面まで延在する深さ、第2の混合チャンバの第1の側から第2の側まで延在する幅、及び長さを有し、第2の混合チャンバの深さが出口チャネルの深さよりも大きく、第2の混合チャンバの幅が出口チャネルの幅よりも大きく、更に、第2の混合チャンバが、上面において第2の側に近接して出口チャネルに流体接続されている、第2の混合チャンバと、深さ及び幅を有する第2の出口チャネルであって、上面において第2の混合チャンバの第1の側に近接して、第2の混合チャンバに流体接続されている、第2の出口チャネルと、を有し得る。
【0020】
これらのマイクロ流体デバイスのうちのいずれかは、マイクロ流体デバイス内の弾性膜の少なくとも一部分を偏向させることによって、流体交差チャネルから第1の混合チャンバ内へと流体をポンプ搬送するように構成された1つ以上の流体ポンプを含み得る。例えば、マイクロ流体デバイスは、複数のブレンドチャンバとマイクロ流体混合器との間に1つ以上の流体ポンプを含み得、流体ポンプは、マイクロ流体デバイス内の弾性膜の少なくとも一部分を偏向させることによって、流体交差チャネルから第1の混合チャンバ内へと流体をポンプ搬送するように構成されている。代替的又は追加的に、本明細書に記載のこれらの装置のうちのいずれか(例えば、これらのマイクロ流体デバイスのうちのいずれか)は、非拍動圧力源を使用して、流体交差チャネルから1つ以上の混合チャンバ内へと流体を駆動することができる。したがって、混合器を通る流れは、連続的かつ非パルス式であり得る。
【0021】
例えば、これらのマイクロ流体デバイスのうちのいずれかは、マイクロ流体デバイス内の弾性層を偏向させて、第1の混合チャンバを通して間で流体を駆動するように構成された複数の圧力ポートを含み得る。
【0022】
いくつかの例では、マイクロ流体デバイスは、第1の流体入力と流体連通している流れ制限器を含み、流れ制限器は、蛇行細長流体チャネルを含む。いくつかの例では、出口チャネルは、1つ以上の最終ブレンドチャンバと流体連通している。
【0023】
一般に、マイクロ流体混合器(例えば、混合装置、混合システム、混合デバイス、マイクロ流体ボルテックス混合装置など)は、ボルテックス混合チャンバであって、ボルテックス混合チャンバを囲んでいる、底面を画定するベース、側壁、及び上面を含む、ボルテックス混合チャンバと、ボルテックス混合チャンバの第1の側壁においてボルテックス混合チャンバへの開口部を含む混合入口チャネルと、ボルテックス混合チャンバの第2の側壁においてボルテックス混合チャンバへの開口部を含む混合出口チャネルと、含み得、ボルテックス混合チャンバの垂直寸法は、混合入口チャネルの垂直寸法よりも大きく、混合出口チャネルの垂直寸法よりも大きい。
【0024】
第1の側壁及び第2の側壁は、ボルテックス混合チャンバの対向する側壁上にあり得る。いくつかの例では、混合入口チャネル及び混合出口チャネルは、第1の側壁及び第2の側壁に沿ったオフセット位置においてボルテックス混合チャンバに接続する。混合入口チャネルの開口部の高さと混合出口チャネルの開口部の高さとは、同じであり得る。混合入口チャネルの開口部の幅と混合出口チャネルの開口部の幅とは、同じであり得る。
【0025】
混合入口チャネルの開口部及び混合出口チャネルの開口部は、ボルテックス混合チャンバの上面に隣接するそれぞれの第1の側壁及び第2の壁の高さのところに配置され得る。
【0026】
混合入口チャネルは、流体交差部を含む第1の終端、及びボルテックス混合チャンバへの開口部を含む第2の終端を有し得る。いくつかの例では、流体交差部は、流体交差部において混合入口チャネルと交差するように構成された、第1の流体入力チャネル及び第2の流体入力チャネルを更に備え得る。
【0027】
第1の流体チャネル及び第2の流体チャネルは、互いに対して180度未満の角度で流体交差部において交差するように構成され得る。第1の流体チャネル及び第2の流体チャネルは、互いに対して30度超の角度で流体交差部において交差するように構成され得る。
【0028】
いくつかの例では、ボルテックス混合チャンバ、混合入口チャネル、及び混合出口チャネルは、第1のボルテックス混合チャンバ、第1の混合入口チャネル、及び第2の混合出口チャネルであり得、マイクロ流体装置は、第2のボルテックス混合チャンバであって、第2のボルテックス混合チャンバを囲んでいる、底面を画定するベース、側壁、及び上面を含む、第2のボルテックス混合チャンバと、第2のボルテックス混合チャンバの第1の側壁において第2のボルテックス混合チャンバへの開口部を含む第2の混合入口チャネルと、第2のボルテックス混合チャンバの第2の側壁において第2のボルテックス混合チャンバへの開口部を含む第2の混合出口チャネルと、を備える、第2のマイクロ流体混合装置を更に含み得、第2のボルテックス混合チャンバの垂直寸法は、第2の混合入口チャネルの垂直寸法よりも大きく、第2の混合出口チャネルの垂直寸法よりも大きい。
【0029】
本明細書で使用される場合、混合装置は、混合システム又は混合デバイスを含み得る。混合装置は、本明細書では、マイクロ流体混合器、又はマイクロ流体混合デバイス、又はマイクロ流体混合システムと同等に呼ばれ得る。
【0030】
本明細書に記載のマイクロ流体装置のうちのいずれかは、第2のボルテックスチャンバの第1の側壁及び第2の側壁が、第2のボルテックス混合チャンバの対向する側壁であること、第2の混合入口チャネル及び第2の混合出口チャネルは、第2のボルテックスチャンバの第1の側壁及び第2の側壁に沿ったオフセット位置において第2のボルテックス混合チャンバに接続すること、第2の混合入口チャネルの開口部の高さと第2の混合出口チャネルの開口部の高さとが同じであること、第2の混合入口チャネルの開口部の幅と第2の混合出口チャネルの開口部の幅とが同じであること、第2の混合入口チャネルの開口部及び第2の混合出口チャネルの開口部は、第2のボルテックス混合チャンバの上面に隣接する第2のボルテックス混合チャンバのそれぞれの第1の側壁及び第2の壁の高さのところに配置されていること、及びそれらの任意の組み合わせ、のうちの1つ以上を含み得る。
【0031】
本明細書に記載のマイクロ流体装置のうちのいずれかは、第2のボルテックス混合チャンバへの開口部において第1の終端を含む第2の混合出口チャネルを含み得る。
【0032】
本明細書に記載のマイクロ流体混合器は、2つの層の間に形成されるマイクロ流体デバイス(例えば、マイクロ流体チップ)の一部として含まれてもよく、1つ以上のポンプ、ブレンドチャンバなどを含み得る。例えば、マイクロ流体装置は、第1のプレート及び第2のプレートと、第1のプレートと第2のプレートとの間に配置された弾性層と、第1のプレートと第2のプレートとの間に形成されたマイクロ流体流路と、を含み、マイクロ流体流路は、弾性層の少なくともある領域を偏向させることによってブレンドチャンバ間で流体を駆動するように構成された固定容積を各々が含む、複数のブレンドチャンバと、マイクロ流体混合器と、を備え、マイクロ流体混合器は、第1の流体入力及び第2の流体入力と、第1の流体入力及び第2の流体入力から流体を受容するように構成された流体交差部であって、流体交差部が、第1の混合チャンバの第1の側の上側領域上で第1の混合チャンバ内へと開口し、第1の混合チャンバが、流体交差部の深さの約1.5倍超の深さを有する、流体交差部と、第1の混合チャンバの第2の側の上側領域上の接続チャネルであって、接続チャネルが、第1の混合チャンバの深さ未満の深さを有し、更に、接続チャネルの開口部が、流体交差部に対して第1の混合チャンバの第2の側の幅に沿ってオフセットされており、接続チャネルが、第2の混合チャンバの第1の側の上側領域上で第2の混合チャンバ内へと開口しており、更に、第2の混合チャンバの深さが接続チャネルの深さの約1.5倍超の深さを有する、接続チャネルと、第2の混合チャンバの第2の側の上側領域上の第2の混合チャンバからの出力チャネルであって、第2の混合チャンバの第2の側が、第2の混合チャンバの第1の側とは反対側にある、出力チャネルと、を含み得る。
【0033】
流体交差部の上面は、第1の混合チャンバの上面と同じ高さであるように構成され得る。いくつかの例では、接続チャネルの上面は、第1の混合チャンバの上面及び第2の混合チャンバの上面と同じ高さであるように構成され得る。いくつかの例では、マイクロ流体装置はまた、弾性層の少なくとも一部分を偏向させることによって、ブレンドチャンバからマイクロ流体混合器内へと流体をポンプ搬送するように構成された1つ以上の流体ポンプを含み得る。
【0034】
これらのマイクロ流体装置のうちのいずれかは、複数のブレンドチャンバとマイクロ流体混合器との間に1つ以上の流体ポンプを含み得、流体ポンプは、弾性層の少なくとも一部分を偏向させることによって、ブレンドチャンバからマイクロ流体混合器内に流体をポンプ搬送するように構成されている。例えば、マイクロ流体装置は、複数のマイクロ流体混合器を含み得る。いくつかの例では、装置は、ブレンドチャンバ間でマイクロ流体混合器を通して流体を駆動するために弾性層を偏向させるように構成された第1のプレートへの複数の圧力ポートを含み得る。
【0035】
いくつかの例では、マイクロ流体装置は、第1の流体入力と流体連通している流れ制限器を含み、流れ制限器は、蛇行細長流体チャネルを含む。出力チャネルは、1つ以上のブレンドチャンバと流体連通し得る。ブレンドチャンバは、最終ブレンドチャンバであり得、及び/又は各ブレンドチャンバが、第1のプレートと第2のプレートとの間に形成された固定容積を有する一対のブレンドチャンバを含み得、弾性層の一部分は、各チャンバを第2のプレート内の流体接触側と第1のプレート内の圧力受容側とに分割する。
【0036】
本明細書に記載の混合チャンバのうちの1つ以上を使用して混合することを含む、本明細書に記載の方法及び装置のうちのいずれかは、一般に約1~約30℃(例えば、約2~約20℃、例えば、約5~約18℃、約5℃~約15℃など)であるより低い温度(例えば、混合温度)で混合することを含み得る。特定の組成物(例えば、治療用mRNA及び/又は送達ビヒクル)、及び/又は混合チャンバの幾何学的形状、及び/又は混合されている流体の流量(流体圧力など)に対して強化された混合温度。
【0037】
例えば、治療用mRNAを送達ビヒクルと配合する方法は、mRNAと送達ビヒクルとを、約2~約20℃の温度でマイクロ流体混合チャンバ内で混合することを含み得、温度は、mRNAの組成及び/又は送達ビヒクルの組成に基づいて選択される。温度は、治療用mRNAのポリヌクレオチド配列、送達ビヒクルの配列、送達ビヒクルの分子量、治療用mRNAの分子量、送達ビヒクルの電荷、mRNAの電荷、送達ビヒクルの分子量、mRNAの分子量、マイクロ流体混合チャンバ内のmRNA及び/又は送達ビヒクルの流量、並びにマイクロ流体混合チャンバの寸法、のうちの1つ以上に基づいて選択され得る。
【0038】
これらの方法及び装置のうちのいずれかにおいて、混合することは、マイクロ流体混合チャンバを含むマイクロ流体デバイス内で混合することを含み得る。これらの方法のうちのいずれかは、マイクロ流体デバイスの残りの部分に対して、混合チャンバ(単数又は複数)の温度を別々に維持することを含み得る。マイクロ流体混合チャンバ内で混合することは、mRNA及び送達ビヒクルを第1の開口部を通してマイクロ流体デバイスの混合チャンバ内へと通過させ、それによって、mRNA及び送達ビヒクルが、混合チャンバの壁に対して駆動され、第1の開口部の平面から第1の開口部の深さの1倍超の深さまで駆動されて、治療用組成物を含む混合流体を形成することを含み得る。
【0039】
通過させることは、mRNA及び送達ビヒクルを混合チャンバの壁に対して、第1の開口部を横切る平面から第1の開口部の深さの約2.5倍超の深さまで駆動することを含み得る。mRNA及び送達ビヒクルは、混合チャンバの壁に対して、第1の開口部を横切る平面から第1の開口部の深さの約3倍以上の深さまで駆動され得る。第1の開口部の上部は、混合チャンバの上部と一列になっていてもよい。
【0040】
また、本明細書に記載された方法のうちのいずれかを使用して作製された治療用組成物が記載されている。例えば、本明細書には、mRNAと送達ビヒクルとを約2~約20℃の温度でマイクロ流体混合チャンバ内で混合することによって作製された、mRNAと送達ビヒクルとからなる治療用組成物であって、温度は、mRNAの組成及び/又は送達ビヒクルの組成に基づいて選択される、治療用組成物が記載されている。
【0041】
本明細書に記載のマイクロ流体デバイス内で混合する方法は、第1の流体及び第2の流体を第1の開口部を通してマイクロ流体デバイス内の混合チャンバ内へと通過させ、それによって、第1の流体及び第2の流体が混合チャンバの壁に対して、第1の開口部の平面から第1の開口部の深さの1倍超の深さまで駆動されて、混合流体を形成することと、混合流体を、出口開口部を通過させて混合チャンバから出すことと、を含み得、混合チャンバは、約2~約20℃の温度に維持される。
【0042】
マイクロ流体デバイス内で混合する方法は、第1の流体及び第2の流体を、少なくとも1つの開口部を通してマイクロ流体デバイス内の混合チャンバ内へと通過させ、それによって、第1の流体及び第2の流体が混合チャンバの壁に対して駆動され、少なくとも第1の開口部の平面から駆動されることと、混合流体を、出口開口部を通過させて混合チャンバから出すことと、を含み得、混合チャンバは、約2~約20℃の温度に維持される。
【0043】
本明細書に記載の方法のうちのいくつかの例では、本方法は、オリゴヌクレオチド及び送達ビヒクルをマイクロ流体デバイス内で混合して凝集ナノ粒子を形成する方法であり、オリゴヌクレオチド分子を含有する第1の流体及び送達ビヒクル化学物質を含有する第2の流体を、少なくとも1つの開口部を通してマイクロ流体デバイス内の混合チャンバ内へと通過させ、それによって、第1の流体及び第2の流体が混合チャンバの壁に対して駆動され、開口部の平面から駆動されることと、混合流体を、出口開口部を通過させて混合チャンバから出すことと、を含み得、混合チャンバは、約2~約20℃の温度に維持される。
【0044】
マイクロ流体デバイス内で混合する方法は、第1の流体及び第2の流体を第1の開口部を通してマイクロ流体デバイス内の混合チャンバ内へと通過させ、それによって、第1の流体及び第2の流体が混合チャンバの壁に対して、第1の開口部に横切る平面から第1の開口部の深さの約2.5倍超の深さまで駆動されて、均一な混合流体を形成することと、均一な(又はほぼ均一な)混合流体を、出口開口部を通過させて混合チャンバから出すことであって、出口開口部が、第1の開口部とは反対側にあるが、第1の開口部からオフセットされている、ことと、を含み得、混合チャンバは、第1の流体及び第2の流体を均一に混合するために、約5~約20℃の温度に維持される。
【0045】
第1の流体及び第2の流体を第1の開口部を通して混合チャンバ内へと通過させることは、第1の流体及び第2の流体を通過させ、それによって、第1の流体及び第2の流体が混合チャンバの壁に対して、第1の開口部を横切る平面から第1の開口部の深さの約2.5倍超の深さまで駆動されることを含み得る。
【0046】
上記のように、いくつかの例では、混合チャンバは、第1の流体及び第2の流体を均一に混合するために、約5~約15℃の温度に維持され得、いくつかの例では、混合物の温度は、約5~約15℃(例えば、約10℃)に維持される。これらの方法のうちのいずれかは、混合流体を出口開口部からへの第2の混合チャンバ内への第2の開口部へと通過させ、それによって、流体が第2の混合チャンバの壁に対して駆動され、第2の開口部の平面から第2の開口部の深さの1倍超の深さまで駆動されて、混合流体を更に混合することを含み得る。例えば、流体は、混合チャンバの壁に対して、第1の開口部を横切る平面から第1の開口部の深さの約3倍以上の深さまで駆動され得る。上記のように、第1の開口部の上部は、第1の混合チャンバの上部と一列になっていてもよい。いくつかの例では、出口開口部は、第1の開口部の断面積と同等の断面積を有する。混合チャンバは、マイクロ流体経路デバイスの第1の層と第2の層との間に形成され得る。混合チャンバは、幅よりも大きい長さを有し得、更に、長さは、第1の開口部の幅の約2倍超である。
【0047】
また、本明細書に、例えば、mRNAを含む第1の流体及び送達ビヒクル(DV)を含む第2の流体を第1の開口部を通してマイクロ流体デバイス内の混合チャンバ内へと通過させ、それによって、第1の流体及び第2の流体が混合チャンバの壁に対して駆動され、第1の開口部の平面から第1の開口部の深さの1倍超の深さまで駆動されて、混合流体を形成することと、混合流体を、出口開口部を通過させて混合チャンバから出すこととによって、本明細書に記載されるように作製された、mRNAと送達ビヒクル(DV)とを含む治療用組成物が記載されており、混合チャンバは、約2~約20℃の温度に維持される。
【0048】
また、本明細書には、本明細書に記載されるように形成された組成物のうちのいずれかを使用する治療方法が記載されている。場合によっては、これらの組成物は、記載された方法を使用する際に、所望の濃度及び容積(並びに純度)にのみ製造され得る。例えば、疾患を治療する方法は、マイクロ流体デバイス内で1つ以上の治療用mRNAを合成することであって、1つ以上の治療用mRNAが第1の流体内にあり、1つ以上の治療用mRNA用の送達ビヒクルが第2の流体内にある、ことと、第1の流体及び第2の流体を第1の開口部を通してマイクロ流体デバイス内の混合チャンバ内へと通過させ、それによって、第1の流体及び第2の流体が混合チャンバの壁に対して駆動され、第1の開口部の平面から第1の開口部の深さの1倍超の深さまで駆動されて、治療用組成物を含む混合流体を形成することと、混合流体を、出口開口部を通過させて混合チャンバから出すことであって、混合チャンバが約2~約20℃の温度に維持される、ことと、治療用組成物を患者に投与することと、を含み得る。
【0049】
一般に(しかし必ずしもではないが)約2~約20℃であり得る混合温度は、混合器(例えば、ボックス混合器)の寸法、mRNA(例えば、治療用mRNA)の組成、及び/又は送達ビヒクル(DV)の組成に基づいて、(強化された混合温度として)選択され得る。したがって、本明細書に記載の方法のうちのいずれかは、混合チャンバの温度を較正又は選択して、強化された混合温度を設定することを含み得、混合チャンバ(単数又は複数)の温度は、混合器を含むマイクロ流体デバイスの他の部分の温度(単数又は複数)とは別々に制御され得る。いくつかの例では、混合温度は、インビトロでの又はインビボでの混合をモデル化することによって、(強化された混合温度に対して)較正又は選択され得る。例えば、最適な混合温度は、mRNA組成物に基づいて(例えば、mRNA(単数又は複数)を作製するヌクレオチドの百分率又は比率、mRNA(単数又は複数)の長さ(単数又は複数)、mRNA(単数又は複数)の濃度などの1つ以上の関数として)、推定及び/又は設定され得る。追加的又は代替的に、最適な混合温度は、限定されないが、分子量、濃度、電荷などの送達ビヒクルの組成に基づいて推定され得る。例えば、いくつかの例では、強化された混合温度を選択及び/又は設定することは、送達ビヒクル及び1つ以上の治療用mRNAに基づいて約2~約20℃の温度を選択することを含む。いくつかの例では、最適な温度は、約2~20度(約2度超、約5度超、約10度超、約12.5度超、約15度超、約17.5度超、約20度超など)であり得る。例えば、いくつかの例では、最適な温度範囲は、約2~約50℃であり得る。いくつかの例では、最適な混合温度は、混合チャンバ(単数又は複数)の幾何学的形状、並びに/又は混合チャンバ(単数又は複数)内で混合されている材料の流体圧力及び/若しくは流量に部分的に基づいて、計算又は推定され得る。最適な混合温度は、混合チャンバ(単数又は複数)を通過した後により均一な混合をもたらすために、混合中に混合チャンバが保持され得る温度を指し得る。
【0050】
第1の流体及び第2の流体を第1の開口部を通して混合チャンバ内へと通過させることは、第1の流体及び第2の流体を通過させ、それによって、第1の流体及び第2の流体が混合チャンバの壁に対して、第1の開口部を横切る平面から第1の開口部の深さの約2.5倍超の深さまで駆動されることを含み得る。流体は、混合チャンバの壁に対して、第1の開口部を横切る平面から第1の開口部の深さの約3倍以上の深さまで駆動され得る。いくつかの例では、第1の開口部の上部は、混合チャンバの上部と一列になっていてもよい。出口開口部は、第1の開口部の断面積と同等の断面積を有し得る。混合チャンバは、マイクロ流体経路デバイスの第1の層と第2の層との間に形成され得る。いくつかの例では、混合チャンバは、幅よりも大きい長さを有し、例えば、長さは、第1の開口部の幅の約2倍超であり得る。
【0051】
疾患を治療するための治療用組成物を形成する方法は、
第1の流体内の1つ以上の治療用mRNA、及び第2の流体内の1つ以上の治療用mRNA用の送達ビヒクルを、第1の開口部を通してマイクロ流体デバイス内の混合チャンバ内へと通過させ、それによって、第1の流体及び第2の流体が混合チャンバの壁に対して駆動され、第1の開口部の平面から第1の開口部の深さの1倍超の深さまで駆動されて、治療用組成物を含む混合流体を形成することと、混合チャンバの温度を、1つ以上の治療用及び/又は送達ビヒクルによって判定された温度に維持することであって、温度が、混合流体を形成する際に約2~約20℃である、ことと、混合流体を、出口開口部を通過させて混合チャンバから出すことと、を含み得る。
【0052】
上記のように、これらの方法のうちのいずれかは、最適な混合温度を判定することを含み得る。例えば、混合チャンバの温度を維持することは、混合チャンバの温度を強化された混合温度になるように選択及び/又は設定することを更に含み得る。強化された混合温度は、インビトロでの混合のモデル化すること、及び/又はインビボでの強化された混合温度を実験的に判定することを含み得るによって判定され得る。これらの例のうちのいずれかにおいて、強化された混合温度の選択及び/又は設定は、活性化合物の生成を強化(例えば、増大)するために、インビボでの又はインビトロでのmRNAの収率(例えば、mRNA発現)が様々な温度について最大化される温度又は温度範囲を判定することを含み得る。したがって、強化された混合温度は、本明細書に記載のシステム(単数又は複数)におけるmRNA発現のために混合が行われる温度又は温度範囲を含み得る。強化された混合温度を判定及び/又は設定することは、送達ビヒクル及び1つ以上の治療用mRNAに基づいて約2~約20℃の温度を選択することを含み得る。
【0053】
例えば、本明細書には、第1の流体入力及び第2の流体入力と、第1の流体入力及び第2の流体入力から流体を受容する流体交差チャネルであって、流体交差チャネルが、第1の混合チャンバの第1の側の上側領域上で第1の混合チャンバ内へと開口し、第1の混合チャンバが、長さ、幅、及び深さを有し、この深さは、流体交差チャネルの深さの約1.5倍超である、流体交差チャネルと、第1の混合チャンバの第2の側の上側領域上の出口チャネルであって、出口チャネルが、第1の混合チャンバの深さ未満の深さを有し、出口チャネルの開口部が流体交差部に対して第1の混合チャンバの第2の側の幅に沿ってオフセットされている、出口チャネルと、を備える、マイクロ流体デバイスが記載されている。
【0054】
マイクロ流体デバイスは、第1の流体入力チャネル及び第2の流体入力チャネルであって、幅及び上面から第1の底面まで延在する深さを有する流体交差チャネルに収束する、第1の流体入力チャネル及び第2の流体入力チャネルと、上面から第2の底面まで延在する深さ、第1の側から第2の側まで延在する幅、及び長さを有する第1の混合チャンバであって、第1の混合チャンバの深さが流体交差チャネルの深さよりも大きく、第1の混合チャンバの幅が流体交差チャネルの幅よりも大きく、第1の混合チャンバが、上面において第1の側に近接して、流体交差チャネルに流体接続されている、第1の混合チャンバと、出口チャネルであって、出口チャネルが、上面において第1の混合チャンバの第2の側に近接して、第1の混合チャンバに流体接続されている、出口チャネルと、を含み得る。
【0055】
マイクロ流体デバイスは、第1の流体入力及び第2の流体入力と、第1の流体入力及び第2の流体入力から流体を受容する流体交差チャネルであって、流体交差チャネルが、第1の混合チャンバの第1の側の上側領域上で第1の混合チャンバ内へと開口し、第1の混合チャンバが、幅、長さ、及び深さを有し、深さが、流体交差チャネルの深さの約1.5倍超である、流体交差チャネルと、第1の混合チャンバの第2の側の上側領域上の接続チャネルであって、接続チャネルが、第1の混合チャンバの深さ未満の深さを有し、更に、接続チャネルの開口部が、流体交差部に対して第1の混合チャンバの第2の側の幅に沿ってオフセットされており、接続チャネルは、第2の混合チャンバ内へと開口している、接続チャネルと、第2の混合チャンバから延在する出口チャネルと、を含み得る。
【0056】
これらのマイクロ流体デバイスのうちのいずれかにおいて、第1の混合チャンバの深さは、流体交差チャネルの深さの約2倍~約4倍であり得る。第1の混合チャンバの深さは、流体交差チャネルの深さの約3倍であり得る。第1の混合チャンバの幅は、ボックスの長さの約1.5倍~約3倍であり得る。第1の混合チャンバの幅は、ボックスの長さの約2倍であり得る。第1の混合チャンバの長さは、流体交差チャネルの長さの約2倍~約4倍であり得る。第1の混合チャンバの長さは、ボックスの長さの約3倍であり得る。
【0057】
流体交差チャネル、第1の混合チャンバ、及び出口チャネルは全て、第1の層内にあり得、流体交差チャネル、第1の混合チャンバ、及び出口チャネルの上面は、第2の層を含む。出口チャネルは、混合チャンバの第1の長さのところで第1の混合チャンバと流体連通してもよく、流体交差チャネルは、混合チャンバの第2の長さのところで混合チャンバと流体連通している。
【0058】
第1の混合チャンバは、丸みを帯びた角部を有し得る。第1の混合チャンバは、約65~約85μmの角部半径を有し得る。0.25~5mL/分の流量で第1の混合チャンバを通る流体圧力の変化は、約6.9kPa~約206.8kPaであり得る。第1の混合チャンバの幅は、約150~約600μmであり得、第1の混合チャンバの深さは、約150~約500μmであり得、第1の混合チャンバの長さは、約500μm~約1000μmであり得る。
【0059】
接続チャネルは、約75μm~約225μmの幅、約75μm~約225μmの深さ、及び約225~約550μmの長さを有し得る。
【0060】
これらのマイクロ流体デバイスのうちのいずれかは、第2の混合チャンバであって、上面から第2の混合チャンバの底面まで延在する深さ、第2の混合チャンバの第1の側から第2の側まで延在する幅、及び長さを有し、第2の混合チャンバの深さが出口チャネルの深さよりも大きく、第2の混合チャンバの幅が出口チャネルの幅よりも大きく、更に、第2の混合チャンバが、上面において第2の側に近接して出口チャネルに流体接続されている、第2の混合チャンバと、深さ及び幅を有する第2の出口チャネルであって、上面において第2の混合チャンバの第1の側に近接して、第2の混合チャンバに流体接続されている、第2の出口チャネルと、を含み得る。
【0061】
本明細書に記載のマイクロ流体デバイスのうちのいずれかは、マイクロ流体デバイス内の弾性膜の少なくとも一部分を偏向させることによって、流体交差チャネルから第1の混合チャンバ内に流体をポンプ搬送するための1つ以上の流体ポンプを有し得る。本明細書に記載のマイクロ流体デバイスのうちのいずれかは、複数のブレンドチャンバとマイクロ流体混合器との間に1つ以上の流体ポンプを有し得、流体ポンプは、マイクロ流体デバイス内の弾性膜の少なくとも一部分を偏向させることによって、流体交差チャネルから第1の混合チャンバ内へと流体をポンプ搬送するためのものである。
【0062】
マイクロ流体デバイスは、第1の混合チャンバを含む複数の流体接続された混合チャンバを含み得る。
【0063】
本明細書に記載のマイクロ流体デバイスのうちのいずれかは、マイクロ流体デバイス内の弾性層を偏向させて、第1の混合チャンバを通して間で流体を駆動するように構成された複数の圧力ポートを含み得る。本明細書に記載のマイクロ流体デバイスのうちのいずれかは、第1の流体入力と流体連通している流れ制限器を含み得、流れ制限器は、蛇行細長流体チャネルを備える。
【0064】
マイクロ流体混合装置は、混合チャンバ(例えば、混合チャンバを囲んでいる、底面を画定するベース、側壁、及び上面を含む)、混合入口チャネル(例えば、混合チャンバの第1の側壁において混合チャンバへの開口部を備える)、混合出口チャネル(例えば、混合チャンバの第2の側壁において混合チャンバへの開口部を備える)、又はこれらの任意の組み合わせ、を含み得る。混合チャンバの垂直寸法は、混合入口チャネルの垂直寸法よりも大きくてもよく、混合出口チャネルの垂直寸法よりも大きくてもよい。
【0065】
第1の側壁及び第2の側壁は、混合チャンバの対向する側壁であり得る。混合入口チャネル及び混合出口チャネルは、第1の側壁及び第2の側壁に沿ったオフセット位置で混合チャンバに接続し得る。混合入口チャネルの開口部の高さと混合出口チャネルの開口部の高さとは、同じであり得る。混合入口チャネルの開口部の幅と混合出口チャネルの開口部の幅とは、同じであり得る。
【0066】
混合入口チャネルの開口部及び混合出口チャネルの開口部は、混合チャンバの上面に隣接するそれぞれの第1の側壁及び第2の壁の高さのところに配置され得る。混合入口チャネルは、流体交差部を含む第1の終端と、混合チャンバへの開口部を含む第2の終端と、を有し得る。
【0067】
流体交差部は、流体交差部において混合入口チャネルと交差する、第1の流体入力チャネル及び第2の流体入力チャネルを更に備え得る。第1の流体チャネル及び第2の流体チャネルは、互いに対して約180度未満の角度で流体交差部において交差し得る。第1の流体チャネル及び第2の流体チャネルは、互いに対して約30度超の角度で流体交差部において交差し得る。
【0068】
混合チャンバは、第1の混合チャンバであってもよく、混合入口チャネルは、第1の混合入口チャネルであってもよく、及び/又は混合出口チャネルは、第1の混合出口チャネルであってもよい。マイクロ流体装置は、第2の混合チャンバであって、第2の混合チャンバを囲んでいる、底面を画定するベース、側壁、及び上面を含む、第2の混合チャンバと、第2の混合チャンバの第1の側壁において第2の混合チャンバへの開口部を含む第2の混合入口チャネルと、第2の混合チャンバの第2の側壁において第2の混合チャンバへの開口部を含む第2の混合出口チャネルと、を含む、第2のマイクロ流体混合装置を更に備え、第2の混合チャンバの垂直寸法は、第2の混合入口チャネルの垂直寸法よりも大きく、第2の混合出口チャネルの垂直寸法よりも大きい。
【0069】
第2のチャンバの第1の側壁及び第2の側壁は、第2の混合チャンバの対向する側壁であり得、第2の混合入口チャネル及び第2の混合出口チャネルは、第2のチャンバの第1の側壁及び第2の側壁に沿ったオフセット位置において第2の混合チャンバに接続し得る。第2の混合入口チャネルの開口部の高さと第2の混合出口チャネルの開口部の高さとは同じであり得、第2の混合入口チャネルの開口部の幅と第2の混合出口チャネルの開口部の幅とは同じであり得る。
【0070】
第2の混合出口チャネルが、第2の混合チャンバへの開口部において第1の終端を含む、請求項23~34のいずれか一項に記載のマイクロ流体装置。
【0071】
また、本明細書には、カスケードマイクロ流体混合装置を備えるマイクロ流体装置が記載されており、カスケードマイクロ流体混合装置の各々が、(例えば、底面を画定するベース、側壁、及び上面を含む)混合チャンバ、混合入口チャネル(例えば、混合チャンバの第1の側壁において混合チャンバへの開口部を備える)、混合出口チャネル(例えば、混合チャンバの第2の側壁において混合チャンバへの開口部を備える)、又はこれらの任意の組み合わせ、を含み得る。混合チャンバの垂直寸法は、混合入口チャネルの垂直寸法よりも大きくてもよく、混合出口チャネルの垂直寸法よりも大きくてもよい。更に、カスケードマイクロ流体混合器は、互いに直列に接続され得、それによって、直列のうちの第1のマイクロ流体混合器の後にあるカスケードマイクロ流体混合器の各々の混合入口チャネルが、直列のうちの前のマイクロ流体混合器の混合出口に接続され得る。
【0072】
マイクロ流体装置は、第1のプレート及び第2のプレートと、第1のプレートと第2のプレートとの間に配置された弾性層と、第1のプレートと第2のプレートとの間のマイクロ流体経路と、を含み、マイクロ流体経路が、弾性層の一部分によって分離された固定容積を各々が含む複数のブレンドチャンバであって、弾性層の一部分が、複数のブレンドチャンバのうちのブレンドチャンバ間で流体を駆動するために偏向するように構成されている、複数のブレンドチャンバと、第1のマイクロ流体混合器と、を備え、第1のマイクロ流体混合器が、第1の流体入力及び第2の流体入力と、第1の流体入力及び第2の流体入力から流体を受容する流体交差部であって、流体交差部が、第1の混合チャンバの第1の側の上側領域上で第1の混合チャンバ内へと開口し、第1の混合チャンバが、流体交差部の深さの1.5倍超の深さを有する、流体交差部と、第1の混合チャンバの第2の側の上側領域上の接続チャネルであって、接続チャネルが、第1の混合チャンバの深さ未満の深さを有し、更に、接続チャネルの開口部が流体交差部に対して第1の混合チャンバの第2の側の幅に沿ってオフセットされ、接続チャネルが第2の混合チャンバの第1の側の上側領域上で第2の混合チャンバ内へと開口しており、更に、第2の混合チャンバが、接続チャネルの深さの1.5倍超の深さを有する、接続チャネルと、第2の混合チャンバの第2の側の上側領域上の第2の混合チャンバからの出力チャネルであって、第2の混合チャンバの第2の側が、第2の混合チャンバの第1の側とは反対側にある、出力チャネルと、を備え得る。
【0073】
流体交差部の上面は、第1の混合チャンバの上面と実質的に同じ高さであり得る。接続チャネルの上面は、第1の混合チャンバの上面及び第2の混合チャンバの上面と同じ高さであるように構成され得る。
【0074】
本明細書に記載のマイクロ流体装置のうちのいずれかは、弾性層の少なくとも一部分を偏向させることによって、ブレンドチャンバから第1のマイクロ流体混合器内へと流体をポンプ搬送するための1つ以上の流体ポンプを含み得る。本明細書に記載のマイクロ流体装置は、複数のブレンドチャンバと第1のマイクロ流体混合器との間に1つ以上の流体ポンプを含み得、流体ポンプは、弾性層の少なくとも一部分を偏向させることによって、ブレンドチャンバから第1のマイクロ流体混合器内へと流体をポンプ搬送するためのものである。
【0075】
マイクロ流体装置は、第1のマイクロ流体混合器を含む複数のマイクロ流体混合器、及び/又はブレンドチャンバ間で第1のマイクロ流体混合器を通して流体を駆動するために弾性層を偏向させるように構成された第1のプレートへの複数の圧力ポートを含み得る。本明細書に記載のマイクロ流体装置のうちのいずれかは、第1の流体入力と流体連通している流れ制限器を含み得、流れ制限器は、蛇行細長流体チャネルを備える。
【0076】
最終ブレンドチャンバは、固定容積を有する一対のブレンドチャンバを含み得、各ブレンドチャンバは、第1のプレートと第2のプレートとの間に配置され、弾性層の一部分は、各チャンバを第2のプレート内の流体接触側と第1のプレート内の圧力受容側とに分割する。
【0077】
また、本明細書には、治療用mRNAを送達ビヒクルと配合する方法が記載されており、本方法は、mRNAと送達ビヒクルとを、約2~約20℃の温度でマイクロ流体混合チャンバ内で混合することを含み、温度は、少なくともmRNAの組成、送達ビヒクルの組成、又はそれらの組み合わせを使用して選択される。
【0078】
これらの方法のうちのいずれかは、少なくとも、治療用mRNAのポリヌクレオチド配列、送達ビヒクルの配列、送達ビヒクルの分子量、治療用mRNAの分子量、送達ビヒクルの電荷、mRNAの電荷、送達ビヒクルの分子量、mRNAの分子量、マイクロ流体混合チャンバ内のmRNA及び/又は送達ビヒクルの流量、並びにマイクロ流体混合チャンバの寸法、あるいはそれらの任意の組み合わせを使用して、温度を選択することを含み得る。
【0079】
混合することは、マイクロ流体混合チャンバを含むマイクロ流体デバイス内での混合を含み得る。
【0080】
これらの方法のうちのいずれかは、マイクロ流体デバイスの残りの部分に対して、混合チャンバの温度を約2~約20℃に別々に維持することを含み得る。マイクロ流体混合チャンバ内で混合することは、mRNA及び送達ビヒクルを第1の開口部を通してマイクロ流体デバイスの混合チャンバ内に通過させ、それによって、mRNA及び送達ビヒクルが混合チャンバの壁に対して駆動され、第1の開口部の平面から第1の開口部の深さの1倍超の深さまで駆動されることを含み得る。本明細書に記載の方法は、mRNA及び送達ビヒクルを混合チャンバの壁に対して、第1の開口部を横切る平面から第1の開口部の深さの約2.5倍超の深さまで駆動することを含む、通過させることを含み得る。
【0081】
mRNA及び送達ビヒクルは、混合チャンバの壁に対して、第1の開口部を横切る平面から第1の開口部の深さの3倍以上の深さまで駆動され得る。第1の開口部の上部は、混合チャンバの上部と一致し得る。
【0082】
また、本明細書には、混合する方法が記載されており、本方法は、第1の流体及び第2の流体を第1の開口部を通してマイクロ流体デバイスの混合チャンバ内へと通過させ、それによって、第1の流体及び第2の流体が、混合チャンバの壁に対して駆動され、第1の開口部の平面から第1の開口部の深さの1倍超の深さまで駆動されて、混合流体を形成することと、混合流体を、出口開口部を通過させて混合チャンバから出すことと、を含み、混合チャンバは、約2~約20℃の温度に維持される。
【0083】
混合する方法は、第1の流体及び第2の流体を、少なくとも1つの開口部を通してマイクロ流体デバイス内の混合チャンバ内へと通過させ、それによって、第1の流体及び第2の流体が混合チャンバの壁に対して駆動され、少なくとも第1の開口部の平面から駆動される、ことと、混合流体を、出口開口部を通過させて混合チャンバから出すことと、を含み得、混合チャンバは、2~20℃の温度に維持される。
【0084】
また、本明細書には、混合する方法が記載されており、本方法は、オリゴヌクレオチド分子を含有する第1の流体及び送達ビヒクル化学物質を含有する第2の流体を、少なくとも1つの開口部を通してマイクロ流体デバイスの混合チャンバ内へと通過させ、それによって、第1の流体及び第2の流体が混合チャンバの壁に対して駆動され、開口部の平面から駆動される、ことと、混合流体を、出口開口部を通過させて混合チャンバから出すことと、を含み、混合チャンバは、約2~約20℃の温度に維持される。
【0085】
マイクロ流体デバイス内で混合する方法は、第1の流体及び第2の流体を第1の開口部を通してマイクロ流体デバイス内の混合チャンバ内へと通過させ、それによって、第1の流体及び第2の流体が、混合チャンバの壁に対して、第1の開口部を横切る平面から第1の開口部の深さの約2.5倍超の深さまで駆動されて、実質的混合流体を形成することと、混合流体を、出口開口部を通過させて混合チャンバから出すことであって、出口開口部が、第1の開口部とは反対側にあるが、第1の開口部からオフセットされている、ことと、を含み得、混合チャンバは、約5~約20℃の温度に維持される。
【0086】
第1の流体及び第2の流体を第1の開口部を通して混合チャンバ内に通過させることは、第1の流体及び第2の流体が混合チャンバの壁に対して、第1の開口部を横切る平面から第1の開口部の深さの約2.5倍超の深さまで駆動されるように、第1の流体及び第2の流体を通過させることを含み得る。
【0087】
本明細書に記載の方法のうちのいずれかは、混合チャンバの温度を約5~約15℃に維持することを含み得る。本明細書に記載の方法は、混合流体の温度を約5~約15℃に維持することを含み得る。本明細書に記載の方法は、混合流体の温度を約10℃に維持することを含み得る。本明細書に記載の方法は、混合流体を出口開口部から第2の開口部を通して第2の混合チャンバ内へと通過させ、それによって、流体が第2の混合チャンバの壁に対して駆動され、第2の開口部の平面から第2の開口部の深さの1倍超の深さまで駆動されて、混合流体を更に混合することを含み得る。流体は、混合チャンバの壁に対して、第1の開口部を横切る平面から第1の開口部の深さの約3倍以上の深さまで駆動され得る。
【0088】
これらの方法のうちのいずれかにおいて、第1の開口部の上部は、第1の混合チャンバの上部と一致し得る。出口開口部は、第1の開口部の断面積に等しい断面積を有し得る。混合チャンバは、マイクロ流体デバイスの第1の層と第2の層との間にあり得る。混合チャンバは、幅よりも大きい長さを有し得、長さは、第1の開口部の幅の約2倍超であり得る。
【0089】
また、本明細書には、組成物を形成する方法が記載されおり、本方法は、マイクロ流体デバイス内の1つ以上の治療用mRNAを合成することであって、1つ以上の治療用mRNAが第1の流体内にあり、1つ以上の治療用mRNA用の送達ビヒクルが第2の流体内にある、ことと、第1の流体及び第2の流体を第1の開口部を通してマイクロ流体デバイスの混合チャンバ内へと通過させ、それによって、第1の流体及び第2の流体は混合チャンバの壁に対して駆動され、第1の開口部の平面から第1の開口部の深さの1倍超の深さまで駆動されて、混合流体を形成することであって、混合チャンバが、治療用mRNA及び送達ビヒクルの混合を強化するように選択された温度に維持される、ことと、混合流体を、出口開口部を通過させて混合チャンバから出すことと、を含む。温度は、全ての他のパラメータ(温度を除く)を用いた混合と比較して、混合を強化(例えば、増大)するように選択され得、実質的に一定に保たれ、本明細書に記載されるように、これにより、より低い温度での混合が同じレベル以上(例えば、2℃~20℃の温度)になり得る。
【0090】
例えば、混合チャンバは、治療用mRNAと送達ビヒクルとの混合を強化するように選択され、かつ2~20℃である温度に維持され得る。
【0091】
これらの方法のうちのいずれかは、混合チャンバの強化された混合温度を選択することを含み得る。強化された混合温度を選択することは、インビトロでの又はインビボでの混合をモデル化することを含み得る。強化された混合温度を選択することは、送達ビヒクル及び1つ以上の治療用mRNAに基づいて約2~約20℃の温度を選択することを含み得る。第1の流体及び第2の流体を第1の開口部を通して混合チャンバ内へと通過させることは、第1の流体及び第2の流体を通過させ、それによって、第1の流体及び第2の流体が混合チャンバの壁に対して、第1の開口部を横切る平面から第1の開口部の深さの約2.5倍超の深さまで駆動されることを含み得る。流体は、混合チャンバの壁に対して、第1の開口部を横切る平面から第1の開口部の深さの約3倍以上の深さまで駆動され得る。第1の開口部の上部は、混合チャンバの上部と一致し得る。出口開口部は、第1の開口部の断面積に等しい断面積を有し得る。混合チャンバは、マイクロ流体デバイスの第1の層と第2の層との間にあり得る。混合チャンバは、幅よりも大きい長さを有し得、更に長さは、第1の開口部の幅の2倍超であり得る。
【0092】
また、本明細書には、治療用組成物を形成する方法が記載されており、本方法は、第1の流体内の1つ以上の治療用mRNA、及び第2の流体内の1つ以上の治療用mRNA用の送達ビヒクルを第1の開口部を通してマイクロ流体デバイスの混合チャンバ内へと通過させ、それによって、第1の流体及び第2の流体が混合チャンバの壁に対して駆動され、第1の開口部の平面から第1の開口部の深さの1倍超の深さまで駆動されて、治療用組成物を含む混合流体を形成することと、混合チャンバの温度を、混合を強化するように判定された強化された混合温度に維持することと、混合流体を、出口開口部を通過させて混合チャンバから出すことと、を含む。
【0093】
強化された混合温度は、約2~約20℃であり得る。維持することは、1つ以上の治療用mRNA及び/又は送達ビヒクルの強化された混合温度を判定することを含み得る。
【0094】
本明細書に記載の方法のうちのいずれかは、インビボでの又はインビトロでの混合をモデル化することによって、強化された混合温度を判定することを含み得る。これらの方法のうちのいずれかは、約2~約20℃の他の温度での混合と比較してより優れた混合を行う約2~約20℃の温度を選択することによって、強化された混合温度を判定することを含み得る。したがって、強化された混合温度は、この温度範囲内の他の温度と比較して混合が最大又はその近くにある、約2~20℃の範囲内の温度であり得る。強化された混合温度は、ピーク(最大)値ではなくてもよいが、ピーク混合値に対応する温度の範囲内(例えば、2度以内、1.5度以内、1度以内、0.5度以内、0.2度以内、0.2度以内など)にあり得る。
【0095】
第1の流体及び第2の流体を第1の開口部を通して混合チャンバ内へと通過させることは、第1の流体及び第2の流体を通過させ、それによって、第1の流体及び第2の流体が混合チャンバの壁に対して、第1の開口部を横切る平面から第1の開口部の深さの約2.5倍超の深さまで駆動されることを含み得る。流体は、混合チャンバの壁に対して、第1の開口部を横切る平面から第1の開口部の深さの約3倍以上の深さまで駆動され得る。第1の開口部の上部は、混合チャンバの上部と一致し得る。出口開口部は、第1の開口部の断面積と同等の断面積を有し得る。混合チャンバは、マイクロ流体デバイスの第1の層と第2の層との間に形成され得る。混合チャンバは、幅よりも大きい長さを有し得、長さは、第1の開口部の幅の2倍超であり得る。
【0096】
また、本明細書には、混合する方法が記載されており、本方法は、第1の流体及び第2の流体を第1の開口部を通してマイクロ流体デバイスの混合チャンバ内へと通過させ、それによって、第1の流体及び第2の流体が、混合チャンバの壁に対して駆動され、第1の開口部の平面から第1の開口部の深さの1倍超の深さまで駆動されて、混合流体を形成することと、混合流体を、出口開口部を通過させて混合チャンバから出すことと、を含む。
【0097】
本明細書に記載の混合する方法は、第1の流体及び第2の流体を第1の開口部を通して混合チャンバ内へと通過させ、それによって、第1の流体及び第2の流体が混合チャンバの壁に対して、第1の開口部を横切る平面から第1の開口部の深さの約2.5倍超の深さまで駆動されることを含み得る。
【0098】
本明細書に記載の混合する方法のうちのいずれかは、シングル混合チャンバ(例えば、ボックス混合器)のみが使用され、実質的に完全な混合を達成することができるシングル混合チャンバ混合器であり得る。したがって、これらのシングル混合チャンバは、マイクロ流体デバイスにおいて非常に小さいフットプリントで高レベルの混合を達成することができる。混合流体は、混合チャンバによって実質的に混合され得、混合チャンバは、第2の混合チャンバに接続していない単一の混合器として構成され得る。
【0099】
例えば、マイクロ流体デバイス内で混合する方法は、第1の流体及び第2の流体を第1の開口部を通してマイクロ流体デバイス内の混合チャンバ内へと通過させ、それによって、第1の流体及び第2の流体が、混合チャンバの壁に対して、第1の開口部を横切る平面から第1の開口部の深さの約2.5倍超の深さまで駆動されて、実質的混合流体を形成することと、混合流体を、出口開口部を通過させて混合チャンバから出すことであって、出口開口部が、第1の開口部とは反対側にあるが、第1の開口部からオフセットされている、ことと、を含み得、混合流体が、混合チャンバによって実質的に混合され、混合チャンバが、第2の混合チャンバに接続していない単一の混合器として構成されている。
【0100】
あるいは、これらの方法は、混合することが、2つ以上(例えば、3つ、4つ、5つ、6つなど)の混合チャンバを直列に連結することによって実行されるように構成され得る。例えば、方法は、混合流体を出口開口部から第2の開口部を通して第2の混合チャンバ内へと通過させ、それによって、流体が第2の混合チャンバの壁に対して駆動され、第2の開口部の平面から第2の開口部の深さの1倍超の深さまで駆動されて、混合流体を更に混合することを含み得る。
【0101】
流体は、混合チャンバの壁に対して、第1の開口部を横切る平面から第1の開口部の深さの約3倍以上の深さまで駆動され得る。出口開口部は、第1の開口部の断面積に等しい断面積を有し得る。混合チャンバは、幅よりも大きい長さを有し得、長さは、第1の開口部の幅の約2倍超である。混合チャンバは、丸みを帯びた角部を有し得る。0.25~5mL/分の流量で混合チャンバを通る流体圧力の変化は、約6.9kPa~約206.8kPaであり得る。混合チャンバの幅は、約150~約600μmであり得、混合チャンバの深さは、約150~約500μmであり得、混合チャンバの長さは、約500μm~約1000μmであり得る。
【0102】
本明細書に記載の方法及び装置の全ては、任意の組み合わせで、本明細書で企図され、本明細書に記載の利益を達成するために使用され得る。
【0103】
本発明の新規な特徴は、特に以下の特許請求の範囲に詳細に記載されている。本発明の特徴及び利点のより良い理解は、本発明の原理が利用される例示的な実施例を記載する以下の詳細な説明、及び以下の添付の図面を参照することによって得られるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【
図1A】本開示のいくつかの例による、混合装置の概略図である。
【
図1B】本開示のいくつかの例による、混合装置の概略図である。
【
図2A】混合装置の一例の混合挙動を概略的に示す。
【
図2B】混合装置の一例の混合挙動を概略的に示す。
【
図2C】混合装置の一例の混合挙動を概略的に示す。
【
図2D】エタノールと水の混合を示す、本明細書に記載の混合装置の別の例を示す。
【
図2E】エタノールと水の混合を示す、本明細書に記載の混合装置の別の例を示す。
【
図2F】エタノールと水の混合を示す、本明細書に記載の混合装置の別の例を示す。
【
図2G】エタノールと水の混合を示す、本明細書に記載の混合装置の別の例を示す。
【
図2H】エタノールと水の混合を示す、本明細書に記載の混合装置の別の例を示す。
【
図2I】エタノールと水の混合を示す、本明細書に記載の混合装置の別の例を示す。
【
図2J】本明細書に記載の混合装置の別の例における混合を示す。
【
図3A】本明細書に記載の混合器(例えば、混合装置)を含む装置(例えば、マイクロ流体装置)の一例を概略的に示す。
【
図3B】本明細書に記載の混合器を含むマイクロ流体装置の例を示す。
【
図3C】本明細書に記載の混合器を含むマイクロ流体装置の例を示し、
図3Bの混合器(混合装置)の拡大図を示す。
【
図3D】混合器の出力と希釈バッファとの接合部との間に短い距離を有するマイクロ流体装置の混合器の別の例を示す。
【
図3E】混合器の出力と希釈バッファとの接合部との間により長い距離を有する装置の例である。
【
図4】本開示のいくつかの例による、例示的な混合器を含む例示的な装置の選択された特性の概略図である。
【
図5】本開示のいくつかの例による、例示的な混合器及び処理構成要素を含む例示的な装置の概略図である。
【
図6】一例での、本明細書に記載の混合装置を使用した混合に対する温度の効果(例えば、冷却)を示すグラフである。
【
図7A】異なる構成の混合装置の例を示す。
図7Aは、1つのチャンバ混合装置を示す。
【
図7B】異なる構成の混合装置の例を示す。
図7Bは、本明細書に記載の3個の直列に接続された混合器を示す。
【
図7C】異なる構成の混合装置の例を示す。
図7Cは、本明細書に記載の6個の直列に接続された混合器の例を示す。
【
図7D】異なる構成の混合装置の例を示す。
図7Dは、本明細書に記載の12個の直列に接続された混合器の例を示す。
【
図8】混合器内の堆積を示す、3個の直列に接続された混合器を含む混合装置を示す図である。
【
図9A】異なるサイズの3個の直列に接続された混合器(「3ボックス」混合器)を有する混合装置の第1の例を示す図である。
図9Aでは、混合装置の各混合器は、250μm×200μm×500μmのボックスを形成する。
【
図9B】異なるサイズの3個の直列に接続された混合器(「3ボックス」混合器)を有する混合装置の第1の例を示す図である。
図9Bでは、混合装置の各混合器は、各混合器を形成する各ボックスが500μm×400μm×1000μmであるように、
図9Aに示された装置と比較して2倍にスケールアップされている。
【
図9C】
図9Bに示される、より大きな(スケールアップされた)混合装置(「3ボックスL」)及び
図9Aに示される混合装置(「3ボックス」)の混合効果を比較するグラフである。棒グラフは、Z平均値、左側のスケールを示し、ドットは、に多分散度指数(polydispersity index、PDI)、右側のスケールを示す。
【
図10A】本明細書に記載されるように、直列に接続された3個の混合器を含む混合装置を示す。
【
図10B】
図10Aに示されるものと同様の混合装置を示しているが、角部領域が丸みを帯びており、これにより、混合器内のデッド領域(ほとんど流体流がない領域)を減少させることができ、場合によっては排除さえすることができる。
【
図11A】90度超であるが180度未満の角度で直列に接続された3個の混合器を有する混合装置の例を示す。
図11Aは、混合装置の上部斜視図を示す。隣接する混合器間の角度は、135度である。
【
図11B】90度超であるが180度未満の角度で直列に接続された3個の混合器を有する混合装置の例を示す。
図11Bは、混合装置の上側(上部)領域を通る断面図を示す。隣接する混合器間の角度は、135度である。
【
図11C】直列に接続された3個の混合器(「3ボックス」)を有する
図7Bに示されるような混合装置、又は単一の混合器(「1ボックス」)を有する
図7Aに示されるような混合装置と比較して、135度の角度(
図11A及び
図11Bに示される「3ボックス角度」)を有する混合装置、及び湾曲した混合装置(
図10A~
図10Bに示される「3ボックス湾曲」)を含む、混合装置の異なる構成の混合効果を示すグラフである。
図11Cでは、棒グラフは、Z平均値、左側のスケールを示し、ドットは、多分散度指数(PDI)、右側のスケールを示す。
【
図12A】本明細書に記載されるように、直列に接続された3個の混合器を含む混合装置の別の例を示す。
【
図12B】より狭い高さのチャネルから混合器のより深いボックスへの段差を含まない装置の例を示す。
【
図12C】
図12Aに示されるような混合装置(「3ボックス」)又は
図12Bに示されるような線形混合チャネル(「3ボックス平面」)を複数回の通った後の(混合に起因する)粒子サイズを示すグラフであり、
図12Bと比較すると、
図12Aの混合装置において、可視的により小さい粒子サイズ(したがってより効率的な混合)を示している。
【
図13】
図7B、
図9A、及び
図10Aに示されるものと同様の3個の混合器(「3ボックス」混合器)を有する混合装置を通る流量の効果を示すグラフであり、より高い流量が、より小さな粒子サイズをもたらし、手による混合と比較すると可視的により良好な混合をもたらすことを示している。
図13では、棒グラフは、左側のスケールに容積平均値、左側のスケールを示し、ドットは、多分散度指数(PDI)、右側のスケールを示している。単一の手により混合された試料と共に、1mL/分の4つの実例が示され、2mL/分の4つの実例が示され、4mL/分の2つの実例が示されている。
【
図14A】斜視図及び断面図でそれぞれ示された、透析器の一例を示す。
【
図14B】斜視図及び断面図でそれぞれ示された、透析器の一例を示す。
【
図16】デバイスを通る例示的な流量(速度)を示す、本明細書に記載の透析器の一例を示す。
【
図17A】デバイスを通る流量を示す、本明細書に示された透析器装置の別の例を通る流量の図である。
【
図17B】デバイスを通る流量を示す、本明細書に示された透析器装置の別の例を通る流量の図である。
【
図17C】デバイスを通る流量を示す、本明細書に示された透析器装置の別の例を通る流量の図である。
【
図18】本明細書に記載の濃縮器の例を示す図である。
【
図19】混合(1つ以上のボルテックス混合チャンバを使用する)、透析、及び濃縮の全てを含む、本明細書に記載のマイクロ流体経路デバイスの例を概略的に示す。
【
図20】本開示のいくつかの実施形態による、マイクロ流体混合器(例えば、ボックス混合器)、配合構成要素、及び濃縮器を含む、マイクロ流体装置の圧力特性の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0105】
一般に、本明細書には、治療用ポリヌクレオチドを含むがこれらに限定されない流体混合物を処理するための装置(例えば、システム、デバイスなど)及び方法が記載されている。特に、本明細書には、以前に記載されたマイクロ流体混合器よりも少ないマイクロ流体空間を使用して、マイクロ流体装置内の材料をより迅速かつ効率的に混合することができる混合装置が記載されている。本明細書に記載の混合装置のうちのいずれかは、ボックス混合器又はボルテックス混合器と呼ばれ得る1つ以上の混合器を含み得、これらは直列に接続されてもよく、マイクロ流体装置の一部として含まれ得る。例えば、これらの装置及び方法のうちのいずれかは、閉鎖経路マイクロ流体装置及び方法の一部として使用され得、最小化するように構成され得、場合によっては、手動による取り扱いを排除するようにさえ構成され得る。閉鎖経路装置及び方法は、実質的に無菌環境を提供し得、初期入力(例えば、テンプレート)から出力(調合された治療薬)までの処理のための滅菌経路を形成し得る。本明細書で使用される場合、「実質的に」という用語は、ほとんど又は本質的に全て/本質的に完全に(例えば、90%超、95%超、97.5%超、99%超、99.5%超、99.9%超など)を指し得、全て又は完全に、を含み得る。例えば、「実質的に混合された」は、ほとんど又は完全に混合されている混合物、すなわち、均質に混合されている混合物を指し得る。装置への材料入力(ヌクレオチド、及び任意の化学成分)は、滅菌であり得、実質的に任意の手動による相互作用を必要とせずにシステムに入力され得る。本明細書に記載の混合装置は、マイクロ流体装置を使用して組成物を形成及び/又は調合するための、これらの成分の完全かつ徹底的な混合を可能にし得る。
【0106】
したがって、本明細書に記載の混合する方法及び装置を使用して、高度の再現性で迅速なサイクル時間で治療薬を生成することができる。したがって、本明細書に記載の混合する方法及び装置は、マイクロ流体装置が単一の統合された装置において、1つ以上の治療用組成物(治療用ポリヌクレオチドを含むがこれらに限定されない)の合成、精製、及び調合を行うことを可能にし得る。これらの処理ステップのうちの全て又はいくつかは、マイクロ流体経路チップ、マイクロ流体経路プレート、プロセスチップ、バイオチップ、又はプロセスプレートとも呼ばれ得る、1つ又は一連の消費可能なマイクロ流体デバイス(単数又は複数)として構成され得る破損していない流体処理経路で実行され得る。これにより、ポイントオブケア(例えば、病院、診療所、薬局など)での調合を含む、患者固有の治療薬を合成することが可能になり得る。
【0107】
装置の動作中、流体経路は、破損しないままであり得、流体流測定、混合監視などを含む非接触監視(例えば、光学的監視)によって、並びに流体チャンバ及びチャネルの反対側にある偏向可能な膜から印加される圧力を使用して、正確なマイクロ流体量を操作(計量、混合など)することによって、汚染が実質的に排除され得る。
【0108】
これらの装置及び方法は、ポイントオブケアにおいて使用するように構成され得る。例えば、本明細書に記載の方法及び装置は、1つ以上の治療用ポリヌクレオチド(例えば、mRNA、マイクロRNA、DNAなど)を含むカスタマイズされた治療用組成物を製造するように構成され得る。
【0109】
したがって、本明細書に記載の方法及び装置は、治療薬について、スケーラブルなポリヌクレオチド製造、一回分の患者投与量の生産、汚染を制限するためのタッチポイントの排除、臨床製造要件を満たすための入力及びプロセスの追跡、並びにポイントオブケア作業での使用を提供することができる。本明細書に記載のマイクロ流体機器及びプロセスは、主要な利点を提供することができる。
【0110】
一般に、本明細書に記載の装置は、マイクロ流体装置であり得る。いくつかの例では、これらのマイクロ流体装置は、限定されないが、治療用ポリヌクレオチドなどの生体分子生成物を処理するための閉鎖経路マイクロ流体装置を含み得、これは、生体分子生成物を(例えば、選択された担体又はビヒクルと組み合わせて)混合及び配合することを含み得る。これらの装置は、1つ以上のマイクロ流体デバイス上で動作するように構成され得る。マイクロ流体装置は、1つ以上のマイクロ流体デバイス(例えば、ブレンドチップ、配合チップなど)を含み得る。
【0111】
本明細書に記載の混合装置は、驚くほど効果的であり、マイクロ流体流路に沿って実装され得る。これらの混合装置は、偏向可能な膜によって分離された材料の一対の層の中又は間にあるマイクロ流体経路デバイスの一部であり得る。混合装置を含む流体経路は、(例えば、膜の片側上に第1の層(単数又は複数)を形成することによって)偏向可能な膜の片側上に形成され得、膜は、混合装置の上部を形成し得、膜の反対側にあるプレートは、平坦であり得る。いくつかの例では、偏向可能な膜の反対側にあるプレートは、切り欠きされてもよく、混合器に対向するチャンバを形成してもよく、これは、例えば流体を駆動するために、膜の混合器内及び/又は上側チャンバ内への偏向を可能にするように圧力チャネルに接続され得る。
【0112】
本明細書に記載の混合装置は、直列に配置され、より小さい高さ及び/又は幅を有するチャネルによって接続され得る、1つ以上の個別の混合器を含み得る。混合器は、混合構成要素、ボックス混合器、又はボルテックス混合器と呼ばれ得る。これらの混合器の例は、本明細書でより詳細に説明される。したがって、1つ以上の混合器を含む混合装置は、集合的に「マイクロ流体混合装置」、「ボックス混合装置」、又は「ボルテックス混合装置」、又は単に「混合装置」と呼ばれ得る。本明細書に記載の混合器は、ボルテックス混合チャンバ(例えば、「ボックス」又は一連の流体接続ボックス)内でボルテックス混合を使用して、不均一な流入ストリーム又は流体材料のパルスを効率的に混合して、マイクロ流体流路に沿った非常に小さい距離にわたってより均一な混合流体混合物を得ることができる。これは、広範囲の流体混合物にわたって達成され得る。混合される流体のうちの1つ以上は、ナノ粒子が封入された薬物物質などの粒子を更に含み得る。以下で詳細に論じられるように、混合のために導入された流体内に同伴された成分の多種多様な比率にわたって、効率的な混合もまた得ることができる。本明細書に記載の混合装置のいくつかの例では、流体は、混合装置のチャンバ内にボルテックスを形成すると考えられており、その結果、流体流の方向は、円形のボルテックスパターンでそれ自体の上に逆戻りし得る。以下に示される流体のモデル化において示されるように。したがって、これらの混合装置は、ボルテックス混合器又はボルテックス混合チャンバと呼ばれ得る。ボルテックス混合又はボルテックス混合チャンバとして本明細書に記載される混合及び混合装置に言及することは、これらの方法及び装置を特定の動作理論に限定することを意図するものではないことを理解されたい。
【0113】
図1Aは、互いにオフセットされており、一緒に組み合わされ得る1つ以上の物質(例えば、生体分子生成物(単数又は複数)、バッファ、担体、副成分)を搬送するように構成されている、2つの流体入口チャネル103及び105を有するマイクロ流体混合装置100を示している。2つの入口チャネルが示されているが、3つ以上(4つ、5つ、6つなど)が使用されてもよく、同じ混合器上に収束し得る。混合される流体は、正圧下で入口チャネルを通過し得る。この圧力は、一定であっても、可変であっても、増加していても、減少していても、及び/又は拍動性であってもよい。混合装置は、入力終端と出力終端との間のマイクロ流体流路に沿って配置されるように構成され、混合及び配合された生体分子生成物は、マイクロ流体流路及び装置から排出され得る。マイクロ流体装置は、第1又は上側プレート、及び第2又は下側プレートを有し得る。マイクロ流体流路及びマイクロ流体構成要素(混合器、ポンプなど)は、それらの間に形成され得、任意の好適な方式で機械加工、成形、又は製造され得る。マイクロ流体流路は、流路に沿って1つ以上の幅を有し得、1つ以上の垂直寸法を有し得る。一般に、マイクロ流体経路を画定する上面は、装置のマイクロ流体流路全体を通して同じ高さであり得る。
【0114】
図1Aでは、マイクロ流体混合装置は、各々が約50~約500μm(例えば、約50~約400、約50~約300、約50~約200、約170μm、約150μm、約110μm、約100μm、約80μm、約60μm、約50μmなど)の幅を有し得る、2つの流体チャネル103、105から流体を受容する。チャネルは、同じ幅(及び/又は断面直径)を有し得るか、又は異なる幅(及び/又は断面直径)を有し得る。チャネル103、105は、約20~約200μm(例えば、約200μm、約175μm、約150μm、約125μm、約100μm、約75μm、約60μm、約50μm、約40μm、又はそれらの間の任意の値)の垂直寸法を有し得る。2つのチャネル103、105は、流体交差部109で交差し、2つの流体のストリームを一緒にマージする。チャネルは、角度107で交わる。角度107は、約180度未満(例えば、5度~179度、10度~160度、15度~145度、30度~120度など)であり得る。いくつかの例では、角度107は、約30度以上であり得る(例えば、角度107は、約35度、約40度、約50度、約60度、約75度、約90度、約100度、約120度、約145度、約160度、又はそれらの間の任意の値であり得る)。
【0115】
流体交差部109を出ていくマージされたチャネルは、例えば、約50μm~約200μm(例えば、約50~約180、約50~150、約50~140、約50~130、約50~120μm、約110μm、約100μm、約80μm、約60μm、約50μmなど)の幅を有し得る。マージされたチャネルは、混合入口チャネルであり、入口垂直寸法(単数又は複数)、例えば、約100μm、約75μm、約60μm、約50μm、約40μm、又はそれらの間の任意の値のうちの1つ以上(例えば、全て)と一致する垂直寸法を有し得る。混合入口チャネルは、流体交差部を含む第1の終端と、ボルテックス混合チャンバへの開口部を含む第2の終端と、を有する。混合入口チャネルは、ボルテックス混合チャンバ115に入り、チャネルは、ボルテックス混合チャンバ115の側壁を通るボルテックス混合チャンバ115への混合入口開口部111を有する。
【0116】
混合入口チャネル開口部111の垂直寸法119よりも大きくなるように、いくつかの例では、混合出口チャネルの開口部113の垂直寸法123よりも大きくなるように、ボルテックス混合チャンバ115の垂直寸法121を増加させることにより、驚くほど強化された混合がもたらされる。
図1Bは、マイクロ流体混合ユニット130の一例を示している。ボルテックス混合チャンバの一例は、混合チャンバ115及び入口チャネル開口部の両方のための共通の上面を提供し、それによって、流入する流体を下面に向かって垂直に降下させる。更に、ボルテックス混合チャンバ115は、混合出口チャネルの出口開口部113において流体がボルテックス混合チャンバ115を出ていくように構成され得る。出口開口部は、混合チャンバへの開口部111と同様に構成され得、例えば、この例における開口部113の垂直寸法は、ボルテックス混合チャンバ115の垂直寸法よりも小さく、ボルテックス混合チャンバと同じ上面を共有し得、出口の高さ及び/又は断面積は、入口開口部111の高さ及び/又は断面積と同じであり得る。ボルテックス混合チャンバ115を出ていくために、流体は、上向きに並びに横方向に移動させられ、入口開口部111及び出口開口部113はまた、ボルテックス混合チャンバ115の両側(及び
図1Bでは、対向する壁上)に配置される。いくつかの例では、開口部111、113は、開口部111、113の上限(例えば、混合入口チャネル及び混合出口チャネルを画定する上面)が、ボルテックス混合チャンバ115の上面と同じ垂直寸法になるように、ボルテックス混合チャンバ115の側壁を通って垂直に配置される。開口部111、113は、ボルテックス混合チャンバ115の対向する側壁上に更に配置され、互いから水平にオフセットされている。流体は、ボックスの水平軸の周りにボルテックスを形成させ、それが開口部111から混合出口チャネルの開口部113に移動するにつれて強く混合する。一般に、出口開口部は、流体が入口に対向するチャンバの側壁から偏向し、混合の一部として底面に向かって「下方」に偏向するように、入口開口部からオフセットされている。
【0117】
一般に、ボルテックス混合チャンバ115は、ボルテックス混合チャンバを囲んでいる、底面を画定するベース、1つ以上の側壁、及び上面を有する。ボルテックスチャンバは、長方形、楕円形、円形、六角形などの形状を有し得、側壁は、湾曲していてもよい(例えば、それが接続する最短側壁の長さの0.5倍~0.01倍である曲率半径127を有する)。上記のように、混合入口チャネル及び混合出口チャネルは各々、ボルテックス混合チャンバの第1の側壁及び第2の側壁においてボルテックス混合チャンバ内へと開口している。ボルテックス混合チャンバ115、120及び混合入口/混合出口チャネルのサイズは、特定の全体的な流量又は流量の範囲に対して効率的な混合を提供するように選択され得る。
【0118】
いくつかの例では、混合入口チャネル及び/又は混合出口チャネルは各々、約50~約200μm(例えば、約50~170μm、約170μm、約110μm、約100μm、約80μm、約60μm、約50μmなど)の幅を有し得る。混合入口チャネル及び/又は混合出口チャネルは各々、約75μm、約60μm、約50μm、約40μm、又はそれらの間の任意の値の垂直寸法を有し得る。いくつかの例では、混合入口チャネル及び混合出口チャネルは、互いに同じ幅及び同じ高さを有し得る。
【0119】
図1Aに示されるように、混合アセンブリは、その後のボルテックス混合チャンバの入口が前のボルテックス混合チャンバの出口に連結されるように、一緒に連結された複数のボルテックス混合チャンバを含み得、接続チャネル132は、各ボルテックス混合チャンバ間に接続され得る。マイクロ流体ボルテックス混合ユニットは、同じ形状及び/又は寸法を有してもよく、又は異なる形状及び/又は寸法であってもよい。
【0120】
いくつかの例では、マイクロ流体ボルテックス混合ユニット(単数又は複数)130は、約250μm~約1100μmの長さ(例えば、約300μm、約350μm、約400μm、約500μm、約600μm、約1000μm、約1100μm、又はそれらの間の任意の長さ)を有し得る。ボルテックス混合チャンバは、約175μm~約600μmの幅(例えば、約200μm、約250μm、約275、約400μm、約500μm、約600μm、又はそれらの間の任意の幅)を有し得る。いくつかの例では、チャンバは、垂直寸法で約125μm~約500μmの高さ(例えば、約125μm、約150μm、約170μm、約200μm、約250μm、約300μm、約400μm、約500μm、又はそれらの間の任意の高さ)を有し得る。上記のように、いくつかの例では、ボルテックス混合チャンバの角部は丸みを帯びていてもよく、角部は、約50μm~約90μmの、又は約50μm、約60μm、約75μm、約80μm、約90μmの、あるいはそれらの間の任意の半径の曲率半径127を有し得る。ボルテックス混合チャンバ及び混合入口/出口チャネルの寸法は、簡単な機械加工を可能にし、かつ小さい距離内で混合を最大化しながら流体圧力(デルタP)の変化を最小化することを可能にするように選択され得る。マイクロ流体チップ表面領域の効率的な使用もまた、設計の考慮事項に含まれる。例えば、混合/サイズ選択因数は、混合入口/出口チャネルの高さの約2倍~約5倍(例えば、約2倍、3倍、4倍、5倍、約2倍~約4倍など)のボルテックス混合チャンバの高さを含み得る。いくつかの例では、ボルテックス混合チャンバの高さは、混合入口/出口チャネルの高さの約3倍である。ボルテックス混合チャンバの側壁の長さは、混合入口/出口チャネルの幅の約2倍以上(例えば、約2倍、約3倍、約4倍、約2倍~約5倍、約2倍~約4倍など)であり得る。
【0121】
一般に、本明細書で提供される混合チャンバの寸法仕様は、例示的なものであり、例えば、上記で提供される寸法は、約0.1~10mL/分(例えば、約0.2mL/分~約5mL/分、約0.5mL/分~約4mL/分など)の流量を有する混合器に使用され得る。本明細書に記載の寸法は、特定の印加圧力(例えば、約6.99kPa~約206.8kPa)について同じボルテックス状の流れ(例えば、同等の混合)を達成するために、(例えば、異なる寸法値での)より大きい又はより小さい流量を提供するためにスケールアップ又はスケールダウンされ得る。したがって、本明細書で提供される寸法は、異なる流量を可能にするために、スケーリング(例えば、これらの構造のスケーリング)され得る。
【0122】
例えば、マイクロ流体混合装置は、混合入口チャネル、マイクロ流体ボルテックス混合チャンバ、及び混合出口チャネルを含み得、混合入口及び混合出口チャネルは、約100μmの幅、及び約50μmの混合入口/出口チャネル(単数又は複数)のベースからの垂直寸法を有し、ボルテックス混合チャンバは、350μmの長さ、250μmの幅、150μmの高さ、及びチャンバの丸みを帯びた角部における約75μmの曲率半径を有する。したがって、混合入口開口部111は、350μmの長さの側壁に沿って、対向する350μmの長さの側壁に沿って混合出口開口部113から最大約150μmだけ離れて水平にオフセットされる。
【0123】
別の例では、マイクロ流体混合装置は、混合入口チャネル、マイクロ流体ボルテックス混合ユニット、及び混合出口チャネルを含み得、混合入口チャネル及び混合出口チャネルは、約150μmの幅、及び約50μmの混合入口/出口チャネル(単数又は複数)のベースからの垂直寸法を有し得、ボルテックス混合チャンバは、500μmの長さ、250μmの幅、150μmの高さ、及びチャンバの丸みを帯びた角部における約75μmの曲率半径を有する。したがって、混合入口開口部111は、500μmの長さの側壁に沿って、対向する500μmの長さの側壁に沿って混合出口開口部113から最大約200μmだけ離れて水平にオフセットされる。
【0124】
上記のように、ボルテックス混合ユニット130は、
図1Aに示される一対のボルテックス混合ユニットと同様に、第2の(又はより多くの)ボルテックス混合ユニットと対になったマイクロ流体流路に沿って配置され得る。第2のボルテックス混合ユニットは、第1のボルテックス混合ユニットと同様に構成され得る。すなわち、ボルテックス混合チャンバ115及び120は、上述のように同様のボルテックス特性及び混合特性を提供するために、互いに同じ寸法を有し得る。例えば、それぞれの混合入口チャネル及び出口チャネルは、以下のように関連し得、すなわち、第1のボルテックス混合ユニットの第1の混合出口チャネルは、第1のボルテックス混合チャンバ115への開口部113を含む第1の終端、及び第2のボルテックス混合ユニットの第2のボルテックス混合チャンバ120への開口部131を含む第2の混合入口チャネルを含む第2の終端を有し得る。例えば第2のボルテックス混合ユニットの第2の混合出口チャネルは、マイクロ流体経路に沿って、第2のボルテックス混合チャンバ120への開口部133において第1の終端、及び混合装置からの出口117において第2の終端を有する。2つのマイクロ流体ボルテックス混合ユニットの対は、圧力降下(デルタP)を最小化するように設計され得、上述のように、350μmの長さ、250μmの幅、及び150μmの高さを有するボルテックスチャンバを有する混合ユニットのより小さい対について、0.5mL/分の流量での対あたりのデルタPは、約10.3kPa(例えば、約6.9kPa~約206.8kPa、約6.9kPa~約172.4kPa、約6.9kPa~約106.0kPa、約6.9kPa~約103.4kPa、約6.9kPa~約68.9kPa、約6.9kPa~約34.5kPaなど)である。チャンバが500μmの長さ、250μmの幅、150μmの深さのより大きな寸法を有する一対のボルテックス混合ユニットの1mL/分の流量でのデルタPは、約2.4psi(16.5kPa)である。
【0125】
いくつかの例では、
図3Aに示されるように、マイクロ流体流路に沿って第3のマイクロ流体ボルテックス混合ユニット又は第4のマイクロ流体ボルテックス混合ユニット(単数又は複数)が含まれて、2段階の混合装置を提供してもよい。混合ユニット330の第1の連鎖群は、第1の段階であり、次いで、この混合生成物は、第2の段階で混合ユニット331の第2の群と組み合わされ得る。追加のマイクロ流体ボルテックス混合ユニットは、上述のマイクロ流体ボルテックス混合ユニットのように構成され得る。一般に、各個別のボルテックス混合ユニットは、同じ特徴及び寸法、又は異なる寸法を有し得る。
図3Aでは、第1の段階330は、図示のように接続され得る4つの混合ユニット(例えば、2対の混合ユニットの)を含む。例えば、第2の混合出口チャネルの第2の終端は、第3の混合入口チャネル及び第3のボルテックス混合チャンバへの開口部と連続している。第3の混合出口チャネルは、第3のボルテックス混合チャンバへの開口部を含む第1の終端と、第4の混合入口チャネル及び第4のボルテックスチャンバへの開口部であり得る第2の終端と、を有し得る。第4の混合出口チャネルは、第4のボルテックス混合チャンバへの開口部であり得る第1の終端と、マイクロ流体混合装置からの出力であり得る第2の終端と、を有し得る。
【0126】
ここで
図2A~
図2Cに戻ると、
図2Aは、
図1Aの混合装置100と同様である、一対のマイクロ流体ボルテックス混合ユニット130を有するマイクロ流体混合装置200用の流れ軌跡モデリングを示しており、(混合割合による等量のエタノール(矢印255)と水(矢印257)のと混合を示す)マイクロ流体混合装置の混合能力を表している。矢印の陰影は、混合割合を示している。
図2Aは、第1の入口203に導入されたエタノールと、第2の入口205に導入された水との1:1混合物の透視的なフローモデルである。矢印によって示されるマイクロ流体流路に沿った水に対するエタノールの容積割合は、ボルテックス混合器における実質的な混合を示している。入口203は、100%の容積エタノール割合を表すようにラベル付けされているが、第2の入口205は、エタノールが存在しないことを示すようにラベル付けされている。流体交差部209において、流れは、別個の混合されていないエタノール及び水流を示す領域204によって示されるように、あまり混合せずに層流状に移動している。しかしながら、白色の楕円によって包含された領域206は、流体流が(一般的なマイクロ流体ボルテックス混合ユニット130の115、120と同様であり得る)ボルテックス混合チャンバ215内へとカスケード降下するときの、エタノールの濃度の急激な変化を示し、このとき、流れの水縁部は、エタノールの約0.1667割合(v/v)である。流れが混合出口開口部領域208に到達すると、流れはこの時、ほぼ同等の容積割合のエタノールを含有し、領域212内の流れの残り(矢印259)は、エタノールの0.5000混合物(v/v)である。
図2Bは、同様の実験の表現を示し、マイクロ流体経路に沿った第1及び第2のボルテックス混合ユニット(215、220)の両方での側面図を示し、それらの両方は、一般的なマイクロ流体ボルテックス混合ユニット130の115、120と同様であり得る。
図2Bの側面図は、ボルテックス混合チャンバ215を出ていくために、流体を流し込ませるボルテックスの動きをより明確に示している。1:1のエタノール:水v/vの流れは、ボルテックス混合チャンバ215からの混合出口チャネルの開口部211において、0.4167~0.5833のエタノール/水v/vとのどこかになるように実質的に混合されるように示され得る。この例では、0.667の高さの容積割合が依然として存在する214において小さな領域があるが、大部分の領域216全体を通して0.4167~0.5833のエタノール/水v/v比率が支配的である。第2のボルテックス混合ユニット226を、ボルテックス混合チャンバ220内で最終混合に使用して、第2の出力217において、一対のマイクロ流体ボルテックス混合ユニットからの完全に混合されたエタノール/水を生成することができる。ボルテックス混合チャンバ内では、チャンバの配置により、
図2Bに示されるように、流れがチャンバの底部に向かって下向きに方向付けられる混合が可能になる。以下でより詳細に説明されるように、強化された混合温度は、単一のボルテックス混合チャンバ内でのほぼ完全な混合を可能にする、幾何学的形状、特にチャンバの深さ及び流量を較正することによって判定され得る。
【0127】
別の流れモデリングの例が
図2Cに示され、1:10のエタノール(入口203での入力)と水(入口205での入力)との比率を示している。陰影は、水に対するエタノールの割合(スケールあたり)を示している。領域218は、流れがボルテックス混合チャンバ215内にカスケード降下し始めるときの、エタノールの容積割合が既に0.7500~0.4167まで減少したエタノール/水の横に並んだ流れを示している。領域220は、0.1667~0.2500のエタノールのわずかに上昇した容積割合を有するが、第2のボルテックス混合チャンバ220を出ていくポイントにおいて、エタノール263の容積割合が完全に平衡化され、217においてマイクロ流体混合装置から出力される、流れの一部分を示している。示される混合入口開口部、混合出口開口部、ボルテックス混合チャンバの配置により、2つの入口チャネル内の流体の1:1比率及び1:10比率の両方が、217において混合装置を出ていくときに平衡化された混合物にもたらされるように、混合されている流体の比率に対して実質的に非感受性である混合装置を提供する。
【0128】
図2D~
図2Jは、例示的な圧力及び流量における、合計混合に対するボルテックス混合チャンバの構成での例の効果を示す他のボルテックス混合装置の例を示している。
【0129】
例えば、
図2D~
図2Eは、チャネル入口211の各々が100μmの幅×50μmの深さである一連のボルテックス混合チャンバを含む装置の例を示している。深さは、上面(例えば、上部プレート)から測定され、ボルテックス混合チャンバは、(丸みを帯びた側面を有する)ほぼ正方形であり、250μmの長さ、250μmの幅、及び100μmの深さを有する。したがって、この例では、ボルテックス混合チャンバの深さは入口の深さの2倍であり、入口開口部及びチャンバは共通の上面を有し、その結果、ボルテックス混合チャンバの入口開口部から上部(又は参照フレームに応じて、底部)までの最大降下は、入口の深さとほぼ同じである。この場合、影付き矢印によって示されるように、1:10のエタノール:水混合物に対して、混合は、(直列に接続された)第2の連続ボルテックス混合チャンバ226の後には完了しない。
図2Eは、同じ例の圧力降下を示している(6つの連続的に接続されたボルテックス混合チャンバを示している)。混合は、第3の混合チャンバによって実質的に完了する。水205及びエタノール203の各々からの圧力降下は、約20.3lbf/in
2のチャネルを供給し、各連続ボルテックス混合チャンバ間で約0.76lbf/in
2だけ降下する。
【0130】
図2F及び
図2Gは、チャネル入口211の各々が同じく(
図2D~
図2Eのように)100μmの幅×50μmの深さである一連のボルテックス混合チャンバを含む装置の別の例を示している。この例のボルテックス混合チャンバは、(丸みを帯びた側面を有する)ほぼ長方形であり、350μmの長さ、250μmの幅、及び100μmの深さを有する。したがって、この例は、上記の
図2D及び2Eに示されるように、長さが1.4倍であるが、そうでなければ同様に寸法決めされるボルテックス混合チャンバを有する。
図2F及び
図2Gでは、ボルテックス混合チャンバの深さもまた、入口の深さの2倍であり、入口開口部及びチャンバは、共通の上面を有し、その結果、ボルテックス混合チャンバの入口開口部から上部(又は参照フレームに応じて、底部)までの最大降下は、入口の深さとほぼ同じである。(影付き矢印で示されている)1:10のエタノール:水の混合プロファイルは、
図2D及び
図2Eの例とほぼ同じである。
図2Gは、同じ例の圧力降下を示している(同じく、6つの連続的に接続されたボルテックス混合チャンバ示している)。混合は、第2の混合チャンバを出た後に実質的に完了する。20.19(例えば、20.19lbf/in
2及び20.19lbf/in
2)の水205及びエタノール203の供給チャネルの各からの圧力降下は、各連続ボルテックス混合チャンバ間で約0.75lbf/in
2だけ降下する。
【0131】
図2H及び
図2Iは、チャネル入口211の各々が(
図2D~
図2Gのように)100μmの幅×50μmの深さである一連のボルテックス混合チャンバを含む装置の例を示している。この例のボルテックス混合チャンバは、(丸みを帯びた側面を有する)ほぼ長方形であり、500μmの長さ、250μmの幅、及び100μmの深さを有する。したがって、この例は、上記の
図2D及び2Eに示されるように、長さが2倍であるが、そうでなければ同様に寸法決めされたボルテックス混合チャンバを有する。
図2H及び
図2Iでは、ボルテックス混合チャンバの深さもまた入口の深さの2倍であり、入口開口部及びチャンバは共通の上面を有し、その結果、ボルテックス混合チャンバの入口開口部から上部(又は参照フレームに応じて、底部)までの最大降下は、入口の深さとほぼ同じである。(影付き矢印で示されている)1:10のエタノール:水の混合プロファイルは、
図2D及び
図2Eの例とほぼ同じである。
図2Iは、同じ例の圧力降下を示している(同じく、6つの連続的に接続されたボルテックス混合チャンバを示している)。混合は、第2の混合チャンバを出た後に実質的に完了する。約20(例えば、20.33lbf/in
2及び20.37lbf/in
2)の水205及びエタノール203の供給チャネルの各々からの圧力降下は、各連続ボルテックス混合チャンバ間で約0.75lbf/in
2だけ降下する。
【0132】
図2Jは、
図2D~
図2Iに示されるように、チャネル入口211の各々が、100μmの幅×50μmの深さである一連のボルテックス混合チャンバを含む装置の例を示している。この例のボルテックス混合チャンバは、(丸みを帯びた側面を有する)ほぼ長方形であるが、チャネル入口開口部の深さのほぼ3倍である。
図2Jでは、ボルテックス混合チャンバは、350μmの長さ、250μmの幅、及び150μmの深さを有する。したがって、この例では、
図2F~
図2Gに示されるものと同様の形状を有するが50%大きい深さを有する、ボルテックス混合チャンバを有する。したがって、
図2Jでは、ボルテックス混合チャンバの深さは、入口の深さの3倍であり、入口開口部及びチャンバは共通の上面を有し、その結果、ボルテックス混合チャンバの入口開口部から上部(又は参照フレームに応じて、底部)までの最大降下は、入口の深さの約2倍である。(影付き矢印で示されている)1:10のエタノール:水の混合プロファイルは、これらの圧力及び流量でのこの例における混合が非常に効率的であることを示し、エタノールの容積割合を示す矢印で示されるように、第1のボルテックス混合チャンバの後にほぼ完全な混合を示している。ボルテックス混合チャンバ間の圧力降下は、
図2D~
図2Iに示されるものとほぼ同じである。したがって、これらの圧力及び流量では、入口からボルテックス混合チャンバへの相対降下は、例えば、チャンバの長さと比較して、混合効率と強く相関するように見える。
図2Jの混合モデルでは、1つの段階において、ボルテックス度及び完全混合が達成された。
【0133】
本明細書に記載のボルテックス混合チャンバのうちのいずれかは、マイクロ流体混合装置の一部であり得、マイクロ流体混合装置は、1つ以上のボルテックス混合チャンバを含み得る。マイクロ流体混合装置は、マイクロ流体デバイスの一部として実装され得る。例えば、生体分子生成物を混合及び配合するためのマイクロ流体装置の一部として使用されるマイクロ流体混合装置を、
図3A~
図3E及び
図4に示している。上記のように、マイクロ流体装置は、第1のプレート及び第2のプレートから形成され得、マイクロ流体流路は、一方又は両方のプレートの一部分に形成され得る。
図3Aでは、マイクロ流体装置300は、第1のプレートと第2のプレートとの間に配置された弾性層を含み得る。この装置はまた、2つの混合領域330、331を含んでおり、3つの別個の入力303、305、335からの材料を混合するように構成されている。上述の混合装置と同様に、第1の流体は、第1の流体入力303に導入され、第2の流体は、第2の流体入力305内に導入され、これらは、流体交差部109のように構成され得る流体交差部309において交差する。流体は、大気圧よりも高い圧力で駆動され、入口バルブ332によって支援される(例えば、正圧又は負圧が印加され得る)ように構成され得る。マージされた流れは、マイクロ流体流路に沿って連続的に配置された4つのボルテックス混合チャンバ330内へと続く。混合装置330の個別のボルテックス混合チャンバの各々は、上述のマイクロ流体ボルテックス混合ユニット130のように構成され得、上述の寸法のうちのいずれかを有し得る。2段階の混合装置は、最終マイクロ流体ボルテックス混合チャンバ(直列のうちの4つ目)からの単一の出力を介して混合流体を出力するように構成され得る。
【0134】
装置300は、第3の流体成分を混合するように更に構成される。第1の段階の混合装置330から混合流体を出力した後、出力チャネルは、第3の流体入口333になり、第4の流体入口335と交差し、上述のように第2の流体交差部319において第3の流体成分を導入する。次いで、マージされた流体流は、マイクロ流体流路に沿って連続的に配置されている、第2の混合段階331のボルテックス混合チャンバに入力される。この第2の段階331のボルテックス混合チャンバの各々は、上述のマイクロ流体ボルテックス混合チャンバのうちのいずれかのように構成され得る。完全混合は、第1の段階又は第2の段階の混合経路のいずれかにおいて単一のボルテックス混合チャンバを使用して達成することができるが、いくつかの例では、追加の混合チャンバは、更なる混合を可能にし得、例えば流量でのバッファを提供し得る。ボルテックス混合チャンバを通って横断する混合流体は、混合経路から(例えば、第2の段階から)単一のチャネル内で出力され得、マイクロ流体装置の他の領域における更なる処理のためにマイクロ流体流路に沿って継続し得る。
【0135】
図3Aのマイクロ流体経路装置300はまた、ガス透過性である場合に流体経路の上にある膜を通してそれを引き出すことによって、液体(流体)ラインからガスを除去するために負圧で保持され得る真空キャップ334を含む。例えば、ポリジメチルシリコーン(PolyDiMethylSilicone、PDMS)エラストマーフィルムは、これを可能にするために十分にガス透過性である。この例に示されるカスケード型混合装置の場合、第1の流体成分、第2の流体成分、及び第3の流体成分の各々をそれぞれの入口チャネルに駆動するように構成された3つの流体駆動チャンバが存在する。各流体駆動チャンバは、固定容積を有し、第1のプレートと第2のプレートとの間に形成される。第1のプレートと第2のプレートとの間に配置された弾性層の一部分は、各流体駆動チャンバを第2のプレート内の流体接触側と第1のプレート内の圧力受容側とに分割する。圧力受容側は、チャンバを通して、混合装置330、335内へと流体を駆動するように加圧され得る。流体駆動チャンバは各々、第2のプレート内のそれぞれの流体チャネルを介して、それぞれの第1の流体及び第2の流体駆動チャンバの各々の流体接触側と流体接続する(マイクロ流体流路からの)流体ポートと、第2のプレートを通って第1のプレートに沿って延在するそれぞれの圧力チャネルを介して、流体駆動チャンバの圧力受容側と流体接続する、第1のプレートを通って第2のプレート内へと延在する圧力ポートと、を含む。流体駆動チャンバの流体接触側の容積は、それぞれの圧力ポートから圧力又は真空を印加することによって調節され得る。流体駆動チャンバの流体ポートは、流れ制限器336を更に含み得る。いくつかの例では、流れ制限器は、蛇行細長流体チャネルを含み得る。
【0136】
一般に、本明細書に記載の方法及び装置は、外部リザーバから供給され得る複数の流体(例えば、mRNA、バッファ、塩、送達ビヒクルなどを含む流体中の材料)の使用を含み得る。これらの方法及び装置のうちのいずれかは、全ての流体を気泡なしで開始ポイントに前進させ、次いで混合結果が混合時にわたって安定するように、制御された方法で流体を解放するための、1つ以上の真空キャップ構造及びバルブを含み得る。上述のように、真空キャップは、流体(単数又は複数)から気泡を低減又は除去するように構成され得る。本明細書に記載の装置及び方法はまた、1つ以上の廃棄物収集領域に接続するバルブを含み得る。いくつかの例では、出力全体の品質を維持するために、必要に応じて、初期結果を廃棄物出力に送信することができる。
【0137】
マイクロ流体混合装置300は、混合装置に続いて、マイクロ流体流路に沿って配置され得る、第4の流体駆動チャンバを更に含み得る。
図3Aでは、真空キャップ338が含まれ得る。2つのカスケード型混合器が示されているが、追加の混合器を流体チャネルの一部として含んでもよい。このようにして、ナノ粒子ベースの治療薬を形成するステップは、カスケードに沿って非常に適時で制御された方式で達成されるステップに分解され得る。例えば、第1の混合器では、水中のmRNAなどのポリヌクレオチドを、エタノール中の送達ビヒクル分子(単数又は複数)と混合して、錯体ナノ粒子を形成することができる。第2の混合器を使用して、pH調整用のクエン酸塩系バッファ液などの希釈剤を添加することができる。より多くの混合器が使用される場合、追加のステップが含まれ得る。例えば、第1の混合ステップで形成されたナノ粒子に表面層を添加して、ナノ粒子の生物活性を高めることが望ましい場合がある。これは、第1の混合器の出力流体ストリームを、第2の混合構造において所望のオーバーコーティング材料を含有する溶液と組み合わせることによって行われ得る。これは次いで、第3の混合器内でpH調整バッファ液と組み合わせられ得る。ポリヌクレオチド及び送達ビヒクル分子が組み合わされる上流の混合器構造内で、ポリヌクレオチドと水との混合物を作製することもまた有用であり得る。このようにして、典型的にはmRNA生成プロセスで生成される、より濃縮されたポリヌクレオチドは、ナノ粒子形成ステップの前に水を用いて均一に希釈され得る。同様に、エタノール及び送達ビヒクル分子の上流の混合は、ポリヌクレオチド溶液と送達ビヒクル溶液とを組み合わせた混合器の前に行うことができる。
【0138】
図3B及び
図3Cは、連続混合器として構成されたマイクロ流体装置の例を示している。
図3Bでは、マイクロ流体装置350は、並列に配置された複数の混合器を含む。上述のように、マイクロ流体装置は、偏向可能な膜によって分離された2つ以上のプレートを含み得、チャンバ及びチャネルは、膜によって分割され得るプレートの上面及び/又は下面に形成される。この例では、装置は、マイクロ流体装置(例えば、「チップ」)の外側にある試薬容器(例えば、バイアル、チューブ、図示せず)から直接ポンプ搬送され得る、複数の試薬、例えば、mRNA、送達ビヒクル、希釈剤などを受容するように構成され得る。混合器は、マイクロ流体装置から、例えば、収集容器(図示せず)内に分配するために、試薬を混合するために使用され得る。マイクロ流体デバイスは、(例えば、チップをオン/オフする試薬の流れを可能にする)1つ以上のバルブを制御する圧力(例えば、正及び/又は負の空気圧)を選択的に印加するために使用され得る、1つ以上の圧力ライン352に結合するためのポートを含み得る。試薬は、試薬容器内で加圧され、それらが流れるのを可能にするバルブが開放される場合に、マイクロ流体装置上にそれらを駆動することができる。
【0139】
図3Cは、
図3Bの装置300の領域Dの拡大図を示している。この例では、混合器369は、本明細書に記載の単一の混合器として構成され得る。3つの試薬の各々に対する3つの入力が示されており、mRNA入力355、送達ビヒクル入力357、及び希釈剤入力359を含む。バルブ363は、流体が流れることを可能にするために(例えば、コントローラによって)正圧及び/又は負圧を選択的に印加することによって、開放/閉鎖され得る。
図3Cに示される例では、各試薬はまた、それが通過して混合器369内に入る前に、流体から空気(例えば、気泡)を除去するために使用され得る真空キャップ361に結合されている。例えば、真空キャップは、空気の通過を可能にするが流体は通過させない膜を通して、空気を引き出すために負圧を印加することができる。
【0140】
図3Cでは、混合器369は、混合器369内へと入力する流体交差チャネルにおいて交わる第1の流体入力365及び第2の流体入力367を含む。この例では、mRNA試薬は、上述のように、混合器内の送達ビヒクルと混合される。混合器の出力は、マイクロ流体デバイス(「チップ」)の出力354のすぐ上流で、希釈バッファ用の入力371との交差を形成する。
【0141】
この例では、混合器は、その容積の材料がオフチップ容器から到達し、チップからの出力がオフチップ貯蔵容器内に貯蔵され得るので、連続的に又はほぼ連続的に動作され得る。したがって、この例では、流体は、空気圧を印加することによって直接的に、混合器を通して駆動され得る。より小さい容積の、又はより離散した(計量されたものを含む)容積の材料に使用され得るいくつかの場合には、流体は、マイクロ流体デバイスのプレート間で膜を偏向させることによって、チャネル及び/又は混合器を通して駆動され得る。
【0142】
図3Cに示される例は、混合器内の材料の詰まり又は堆積を防止するように構成され得、これは、
図8を参照して以下でより詳細に説明される。例えば、
図3D及び
図3Eは、
図3B及び
図3Cに示されるものと同様のマイクロ流体装置の例を示しており、希釈バッファは、混合チャンバ内で混合した後に、試薬、例えば、mRNA及び送達ビヒクルの混合溶液に(混合器を使用して混合して又は混合することなく)添加される。
図3Dでは、混合器369、369’、369’’の出力チャネル373は、希釈バッファ入力371と交差する前に、非常に短い距離(例えば、約100μm未満、約150μm未満、約200μm未満、約400μm未満、約500μm以下など)のみ延在する。対照的に、
図3Eでは、マイクロ流体装置は、長い場合、3つの直列に配置された混合器369、369’、369’’の出力チャネル373’が、例えば、約600μm超、約700μm超、約800μm超、約900μm超、約1000μm超などであるように構成されている。
【0143】
出力チャネルが、例えば、500μm(約400μm、約300μmなど)よりも短い装置は、一般に、強化された混合をなおも提供しながら、他の設計よりもコンパクトであり得る。更に、入力から非常に短い距離で希釈バッファと混合すると、材料の堆積が少ない場合がある。代替的又は追加的に、第1の369’’と第2の369’混合器(又は第2及び第3の369)との間の距離を短くすることによりまた、堆積を低減又は排除することができる。例えば、本明細書に記載の混合装置は、直列に配置された混合チャンバ間に約500μm未満(例えば、約400μm未満、約300μm未満、約200μm未満、約100μm未満)を含み得る。いくつかの例では、これらの装置は、混合装置の出力に、又はその近くに希釈バッファ入力を含み得る。
【0144】
図4は、装置300のように構成された混合サブアセンブリ433を含む、装置400にわたって同じく圧力降下する、別のマイクロ流体デバイスの一部の例を示している。第1の流体構成要素は、入力403’においてマイクロ流体デバイス内に導入され得る。この例では、流体流は、23.28lbf/in
2(160.5kPa)の圧力で開始され、流れ制限器434及び真空キャップ435を通って横断し、20.15lbf/in
2(138.9kPa)の圧力で第1の流体入口403に到達する。第2の流体構成要素は、入力405’において、23.30lbf/in
2(160.6kPa)の圧力で、そのそれぞれの流れ制限器及び流体駆動チャンバを通って、20.17lbf/in
2(139.0kPa)の圧力で第2の流体入口405に導入される。2つの流体は、等化された圧力で交差し、第1のボルテックス混合チャンバ内で混合され、例えば、16.73lbf/in
2(115.3kPa)で出力417を出ていくまで、混合サブアセンブリ433のその後の連続的に配置されたチャンバ内に通過し得る。次いで、混合物は、カスケード型混合装置の第2の段階445に入り、第2の流体交差部において第3の流体成分と交差し得る。この例における第3の流体成分は、入力407において、例えば、23.30lbf/in
2(160.6kPa)の圧力でマイクロ流体経路装置400内へと入力され、流れ制限器457を横断し、16.73lbf/in
2(115.3kPa)で第4の流体入口435に到達し、圧力は第3の流体入口417から到達する流体に等化される。マージされた流れは、混合サブアセンブリの第2の段階のボルテックス混合チャンバの最後の対を通過し、14.36lbf/in
2(99.0kPa)で438に入る。圧力は、438内で更に低減され得、流体は、出力414において、例えば、7.60lbf/in
2(52.4kPa)の圧力で出力され得る。いくつかの例では、この混合サブアセンブリは、同じマイクロ流体デバイス(マイクロ流体経路装置)又は別個のマイクロ流体デバイスのいずれかの上で、追加の処理構成要素と一列になって流体接続され得る。
【0145】
一般に、本明細書に記載の混合器は、一緒にカスケード接続され得る。カスケード混合器は、追加の混合を提供してもよく、増加した流量での高度の混合を可能にし得る。例えば、本明細書に記載のマイクロ流体装置のうちのいずれかは、複数のカスケードマイクロ流体ボルテックス混合装置であり得、各マイクロ流体ボルテックス混合装置が、ボルテックス混合チャンバであって、ボルテックス混合チャンバを囲んでいる、底面を画定するベース、側壁、及び上面を含む、ボルテックス混合チャンバと、ボルテックス混合チャンバの第1の側壁においてボルテックス混合チャンバへの開口部を含む混合入口チャネルと、ボルテックス混合チャンバの第2の側壁においてボルテックス混合チャンバへの開口部を含む混合出口チャネルと、を含み得、ボルテックス混合チャンバの垂直寸法は、混合入口チャネルの垂直寸法よりも大きく、混合出口チャネルの垂直寸法よりも大きく、更に、複数のマイクロ流体ボルテックス混合器が直列に接続されており、それによって、直列のうちの第1のマイクロ流体ボルテックス混合器の後にあるマイクロ流体ボルテックス混合器の各々の混合入口チャネルが、直列のうちの前のマイクロ流体ボルテックス混合器の混合出口に接続される。
【0146】
例えば、
図5は、
図4に示されたものと同様のカスケード混合サブアセンブリ510を含むマイクロ流体経路配合装置500として構成されたマイクロ流体デバイスを示している。この混合サブアセンブリは、直列に構成された複数のボルテックス混合チャンバを含み得る。装置500はまた、ポンプ520及び550、並びに流体駆動チャンバ530、540、560(ブレンドチャンバとして作用し得る)を含む。
【0147】
温度
本明細書に記載の混合装置のうちのいずれかにおいて、本出願人らは、驚くべきことに、いくつかの材料、例えば、水溶液中のmRNAと(例えば、エタノール中の)送達ビヒクルとは、例えば、20℃以下、18度以下、15度以下、12.5℃以下、10℃以下、8度以下、7℃以下など、例えば、20℃~5℃、約10℃などの室温より低い(例えば、約25℃未満の)温度で混合することが有益であることを見いだした。
【0148】
本明細書に記載のマイクロ流体経路装置のうちのいずれかは、マイクロ流体デバイスの混合部分(混合サブアセンブリ)の温度制御を含む温度制御を含むシステムの一部として動作され得る。したがって、1つ以上のボルテックス混合チャンバを含む混合サブアセンブリは、混合サブアセンブリの動作中に、例えば、約18度~5℃、約15℃~5℃、約15℃~8℃などの、約20度~5℃の温度まで冷却され得る。
【0149】
いくつかの例では、混合チャンバを含むマイクロ流体デバイス全体は、混合温度に調整され得る。あるいは、マイクロ流体デバイスの一部分のみが、本明細書に記載されるように温度制御され得る。例えば、混合チャンバ(単数又は複数)のみが、混合温度に温度制御され得、マイクロ流体デバイスの他の部分は、1つ以上の異なる温度に温度制御され得る。いくつかの例では、マイクロ流体デバイス(又は混合チャンバ(単数又は複数)などのその任意のサブ領域)は、混合中にのみ、混合温度に温度制御され得、他の時間には、別の温度に保持され得る。
【0150】
図6は、本明細書に記載の混合装置を使用した混合に対する温度の効果を示すグラフである。
図6では、上記の
図1A~
図1Bに示されるものと同様の混合装置を使用した混合が示され(「8/28ボックス」混合に対応している)、未混合(「セルのみ」)の使用及び手により混合された(「8/28ハンド」)試料と比較されている。試料は、蛍光剤でトランスフェクトされたセルを含み、混合の有効性の定量化を可能にし、より大きな蛍光信号は、補正生物発光(corrected bioluminescence、RLU)として測定される、より高度の混合効率を示している。手で混合された試薬(「8/28ハンドマスタ」、「8/28ハンドアリコート1」及び「8/28ハンドアリコート2」)は、上述の混合装置で21℃で混合されたもの(例えば、「8/28ボックス21C1」、「8/28ボックス21C2」「8/28ボックス21C3」、及び「8/28ボックス21C4」)とほぼ同等である補正生物発光を有した。驚くべきことに、より低い温度、例えば10℃で混合されたものは、はるかに高度の生物発光を示した(「8/28ボックスラン7 10C」及び「8/28ボックスラン8 10C」との比較)。
図6では、より低い温度、例えば10℃で同じ混合装置で混合されたものは、同じ混合装置又は21℃での手によるものと比較して、ほぼ2倍の生物発光を有した。示された試薬の組み合わせの場合、より高い温度(例えば、40℃及び60℃)では、生物発光は、21℃でのものとほぼ同じであった。
【0151】
混合温度は、手動で又は自動で設定され得る。いくつかの例では、通常は約20℃~約5℃であるが排他的ではない混合温度は、混合されているmRNA(例えば、治療用mRNA)及び/又は送達ビヒクルに基づいて判定され得る。例えば、mRNAと送達ビヒクルとの組み合わせを使用して、上述のように、強化された混合温度を判定することができる。強化された混合温度は、経験的に(例えば、実験的に)、並びに/又は例えば、mRNA及び/若しくは送達ビヒクルのサイズ、分子量、配列などに基づいて、計算することによって判定され得る。
【0152】
上述のように、本明細書に記載の混合装置は、マイクロ流体装置(例えば、マイクロ流体デバイス)の一部であり得、第1の流体入力及び第2の流体入力と、第1の流体入力及び第2の流体入力から流体を受容するように構成された流体交差チャネルであって、流体交差チャネルが、第1の混合チャンバの第1の側の上側領域上で第1の混合チャンバ内へと開口している、流体交差チャネルと、を含み得る。第1の混合チャンバは、流体交差チャネルの深さの約1.5倍超の深さを有し得る。デバイスはまた、第1の混合チャンバの第2の側の上側領域上の出口チャネルであって、出口チャネルが、第1の混合チャンバの深さ未満の深さを有し、更に、出口チャネルの開口部が、流体交差部に対して第1の混合チャンバの第2の側の幅に沿ってオフセットされている、出口チャネルを含み得る。
【0153】
いくつかの例では、マイクロ流体混合装置の一部として複数の混合器(例えば、複数の混合チャンバ)が含まれ得、直列に接続され得る。例えば、
図7A~
図7Dは、1個(
図7A)、3個(
図7B)、6個(
図7C)、及び12個(
図7D)の混合チャンバを有する混合装置の例を示している。上述のように、驚くべきことに、シングル混合チャンバを用いてほぼ均一な混合を達成することができる(例えば、
図2A~
図2Eを参照)。場合によっては、特に、混合物が混合されている流体中に懸濁される粒子を含む場合、2個以上、例えば、2個又は3個の混合チャンバを使用して完全又はほぼ完全な混合を達成することができる。これは以下に示されており、たとえ比較的高い流量及び低い圧力(例えば、約6.9kPa~約206.8kPaの圧力、及び1mL/分~約10mL/分の流量)が使用される場合であっても、混合装置の比較的小さな寸法(例えば、フットプリント)を考えると、特に驚くべきことである。本明細書に記載の混合装置は、入力から出力まで、約2mm以下(例えば、約1.75mm以下、約1.7mm以下、約1.6mm以下、約1.5mm以下、約1.4mm以下、約1.2mm以下、約1mm以下、約0.8mm以下、約0.7mm以下など)の全長を有し得る。たとえこれらの比較的短い長さであっても、ほぼ均一な混合を達成することができる。
【0154】
本明細書に記載の装置及び方法の全ては、より高い均一性、並びに(そうでなければクラスタ化し得る)粒子を含む混合物のより小さい結果としての粒子サイズを提供することを含む、手による混合のより優れた混合を提供する。しかしながら、粒子を有する混合物は、マイクロ流体混合に対して特定の課題を提示し得る。例えば、マイクロ流体混合器の繰り返しの使用及び/又は連続的な使用は、マイクロ流体混合装置のチャネル内に粒子の堆積をもたらし得る。
図8は、この潜在的な問題を示している。
図8では、混合装置の画像が示されている。混合装置は、例えば、約250/200/500μmの幅/深さ/長さを有する、本明細書に記載の3つの直列に接続している混合器(混合チャンバ)を含む。この図では、混合装置は、連続的な動作のために、材料(例えば、mRNA、及びアミノ脂質化ペプトイド送達ビヒクルの分子などのmRNAを含む又は含まない送達ビヒクルの分子)を含む流体を混合して、治療薬(例えば、送達ビヒクルにカプセル化されたmRNA)を形成するが、経時的に混合装置内に材料の堆積807をもたらした。動作中、そのような堆積は、詰まりにつながり得る。本明細書に記載の装置及び方法は、材料の詰まり及び/又は堆積を低減又は防止するように構成され得る。
【0155】
例えば、いくつかの例では、混合チャンバの数は限定され得る。したがって、場合によっては、3つ以下の混合チャンバが使用され得る。上記及び上記で図示したように、いくつかの例では、混合装置内で混合するために、2つの混合チャンバが直列に結合され得る。いくつかの例では、混合装置内で混合するために、3つの混合チャンバが直列に結合され得る。あるいは、いくつかの例では、シングル混合チャンバのみが含まれ得る。これらの構成は、他の混合器と比較して、実質的により小さいフットプリントを有するという追加の利点を有し得る。
【0156】
いくつかの例では、混合装置のチャンバ及び/又はチャネルのサイズは、比例的に増加し得る。より大きな混合チャンバは、チャネル内の粒子の堆積を低減し得る。例えば、いくつかの例では、混合チャンバ(単数又は複数)の寸法は、約225~約600μm(例えば、約250~約600μm、約300~約550μmなど)の幅、約175~約425μm(例えば、約200~約400μm、約300~約425μmなど)の深さ、及び約450~約1050μm(例えば、約500μm~約1000μmなど)の長さを有し得る。例えば、混合チャンバ(単数又は複数)は、約500/400/1000μmの幅/深さ/長さを有し得る。同様に、接続チャネル(単数又は複数)は、約75μm~約225μm(例えば、約100μm~約200μmなど)の幅、約75μm~約225μm(例えば、約100μm~約200μmなど)の深さ、及び約225μm~約525μm(例えば、約250μm~約500μmなど)の長さを有し得る。
【0157】
図9A及び
図9Bは、互いに対して同様であるがスケーリングされた混合装置の例を示している。
図9Aの混合装置は、(例えば、混合チャンバの幅/深さ/長さが約250/200/500μmであり、接続チャネルの幅/深さ/長が約100/100/250μmである)第1の寸法のセットである混合チャンバ905及び接続チャネル903を示している。
図9Bでは、同じ形状が2の因数(例えば、2回)だけスケールアップされており、その結果、混合チャンバ及び接続チャネルは、2倍の幅、深さ、及び長さを有する(例えば、混合チャンバは約500/400/1000μmの幅/深さ/長さを有し、接続チャネルは約200/200/500μmの幅/深さ/長さを有する)。
【0158】
図9Cに示されるように、より小さい(例えば、
図9A)及びより大きい(例えば、
図9B)寸法の両方での混合装置の全体的な混合効果は、比較可能であり、平均粒子サイズ並びに粒子の分散度の両方を、両方について試験した。分散度は、混合物中の分子又は粒子サイズの不均一性の尺度である。物体が同じサイズ、形状、又は質量を有する場合、物体の集合は均一と呼ばれる。一貫性のないサイズ、形状、及び質量分布を有する物体の試料は、不均一と呼ばれる。多分散度指数(PDI)は、分子量分布の広がりの尺度、したがってサイズ分布の指標として使用される。PDIが大きいほど、分子量分布が広くなる。ポリマーのPDIは、数平均分子量による重量平均の比率として計算される。分散度(例えば、PDI)は、例えば、マトリックス支援レーザー脱離/イオン化(matrix-assisted laser desorption/ionization、MALDI)又はタンデム質量分析を用いたエレクトロスプレーイオン化(electrospray ionization with tandem mass spectrometry、ESI-MS)を使用して、例えば、質量分析を介して、動的光散乱、及び/又は直接測定などの光散乱測定によって測定することができる。多分散度指数は無次元であり、0.05未満の値が高い単分散度の標準以外にはほとんど見られないようにスケーリングされる。0.7超の値は、試料が非常に広いサイズ分布を有し、したがってサイズが均一ではないことを示し得る。Z平均サイズ又はZ平均値は、分散液の粒子又は溶液中の分子に適用可能な流体力学的パラメータを提供するように、パラメータ(キュムラント平均としても知られる)として動的光散乱において使用され得る。
【0159】
図9Cに示されるように、より小さい(
図9A)及びより大きい(
図9B)混合装置の両方のPDIは、合理的に類似していたが、しかしながら、Z平均は、より大きな混合装置と比較して、より小さい混合器装置においてやや小さかった。
【0160】
本明細書に記載の混合装置のうちのいずれかは、丸みを帯びた若しくは湾曲した角部及び/又は縁部を有し得る。例えば、
図10Aは、上記に示されたものと同様の混合装置(例えば、
図7B、
図9Aなど)を示し、
図10Bは、混合装置の底部及び/又は上部に丸みを帯びた縁部1015及び/又は角部を有する混合装置の一例を示している。丸みを帯びた(例えば、アールを描いた、湾曲したなどの)縁部/角部は、粒子が堆積し得る混合器内のデッド領域又は停滞領域を防止することができる。更に、丸みのある縁部はまた、上述のように(流体が壁に対して駆動されて、チャンバ内で回転し、混合を強化するので)混合チャンバ内で混合を増幅することができる。いくつかの例では、混合チャンバから出口への(例えば、接続チャネル内への)開口部は、開口部の直径(又は幅及び深さ)が傾斜した漏斗形状などであって、混合チャンバとチャネル(単数又は複数)との間によりゆるやかな移行を提供し得る、傾斜形状又は漏斗形状を含み得る。
【0161】
本明細書に記載の装置のうちのいずれかは、上述のように、混合器が互いに対してある角度になるように構成され得る。いくつかの例では、角度は(
図7B~
図7Dに示されるように)約90度であり、混合チャンバは接続チャネルに対して垂直に配置される。
図11A~
図11Bは、上部から観察されるときに、混合チャンバと接続チャネルとの間の角度が約135度(
図11B参照)である混合装置の別の例を示している。したがって、いくつかの例では、(ボックス角度又は混合チャンバ角度と呼ばれ得る)混合チャンバと接続チャネルとの間の角度は、約100度、約110度、約120度、約130度、約135度、約140度、約150度、約160度などの、90度~180度であり得る。90度超のこの角度を増大させることにより、堆積を低減させることができ、及び/又は(より低い圧力に対して)流量を増大させることができる。逆に、場合によっては、角度を90度未満に減少させることが好ましく、混合効率を高めることができる。
【0162】
図11Cに示されるように、角度付きと湾曲した間(例えば、135度対90度の角度)のZ平均(例えば、粒子サイズ)又はPDIにおいて有意な変化はなかった。
図11Cに示されるように、一般に、1段階の混合器(例えば、シングル混合チャンバのみを有する混合器)は、たとえ粒子であっても十分に混合することができる。そうでなければ寸法が同様である3段階のデバイスと比較して、最終の粒子サイズ及びPDI値は、1段階の混合器に対して同等であるか、又は場合によっては更に良好であることが見いだされた。したがって、高度にコンパクトな1段階の装置を使用してもよく、流れ制限をより少なくすることができる。
【0163】
いくつかの例では、本明細書に記載の混合装置は、経時的に、実質的により少ない堆積をもたらし得る。例えば、側壁及び/又は底部及び/又は上部が湾曲している装置は、時間あたり25%未満の堆積、及び/又は流れ速度(例えば、20%未満、15%未満、10%未満、5%未満など)をもたらし得る。
【0164】
上記のように、流量は制御することができる。流量もまた、混合に効果を与え得る。一般に、これらの装置を通るより速い流量により、強化された混合を反映し得るより小さな粒子サイズをもたらすことができる。これを
図13に示す。
図13では、同じマイクロ流体デバイス基板(例えば、「チップ」)上で同様のマイクロ流体混合装置の複数の例を試験紙、1mL/分(1~4)、2mL/分(1~4)、及び4mL/分(1~2)の並列な繰り返しを提供した。流量は、マイクロ流体デバイスの粒子サイズ及び/又は寸法に調整され得る。
図13では、容積平均(nmでのサイズ)及びPDIの両方が合理的に同等であり、流量が増大するにつれて粒子サイズが減少することを示した。
【0165】
上述のように、混合チャンバの入力におけるより小さい開口部から混合チャンバまでの「段差」又は移行、及び出力(又は接続)チャネル(単数又は複数)における小さい直径へとの戻ることにより、混合を強化することができる。しかしながら、いくつかの例では、
図12Bに示されるように、混合装置は、入力と出力と混合チャンバとの間に同じ高さを有し得る。
図12Aは、
図7Bと同様に、直列に接続された3つの混合器を含む混合装置の別の例を示している。比較のために、
図12Bは、より狭い高さのチャネルから混合器のより深いボックスへの段差を含まない装置の例を示している。一般に、これらの混合器は、
図12Cに示されるように、他の実施例に対して示される高レベルの混合をもたらさない場合がある。
図12Cは、
図12Aに示されるような混合装置(「3ボックス」)又は
図12Bに示されるような線形混合チャネル(「3ボックス平面」)を通る複数回の実行後の粒子サイズ(混合に菌する)を示すグラフであり、
図12Bと比較すると、
図12Aの混合装置において、実質的により小さい粒子サイズ(したがってより効率的な混合)を示している。
【0166】
任意選択的な実施例
また、本明細書には、マイクロ流体装置の追加の例が記載されている。これらの装置は、1つ以上の追加的で任意選択的なマイクロ流体構成要素を備えた本明細書に記載の混合器を含み得る。例えば、混合器の出口チャネルは、一対の最終ブレンドチャンバ、透析チャンバ、又は蒸発チャンバのうちの1つ以上と流体連通し得る。マイクロ流体経路デバイス(例えば、マイクロ流体チップ)は、マイクロ流体透析チャンバ及び/又はマイクロ流体濃縮器を含み得る。透析チャンバ及び/又は濃縮器は、非常にコンパクトで効率的であり得、高効率及び精度を有するマイクロ流体装置の境界上又は境界内で動作し得る。本明細書に記載の混合する方法及び装置は、マイクロ流体装置が、単一の統合された装置において、1つ以上の治療用組成物(治療用ポリヌクレオチドを含むがこれらに限定されない)の精製、透析、及び濃縮を行うことも可能にし得る。
【0167】
例えば、マイクロ流体経路デバイスは、第1のプレート及び第2のプレートと、第1のプレートに形成された固定容積を有する流体接触チャンバと、第2のプレートに形成された固定容積を有する透析バッファチャンバであって、流体接触チャンバが、第1のプレートと第2のプレートとの間に配置された透析膜によって透析バッファチャンバから分離されている、透析バッファチャンバと、第1のプレートを通る複数の圧力ポートと、を含み、流体接触チャンバが、流体接触チャンバを区画する複数のチャネルを備える。
【0168】
マイクロ流体透析チャンバは、第1のプレートに形成された流体接触チャンバと、第2のプレートに形成された透析バッファチャンバであって、流体接触チャンバが、第1のプレートと第2のプレートとの間に配置された透析膜によって透析バッファチャンバから分離されている、透析バッファチャンバと、第1のプレートを通る複数の圧力ポート、を有し得、流体接触チャンバが、流体接触チャンバを区画する複数のチャネルを備える。
【0169】
これらのマイクロ流体透析チャンバデバイスのうちのいずれかは、流体接触チャンバへの入口及び流体接触チャンバからの出口を含み得、入口は、長さの反対側及び流体接触チャンバの幅の反対側に位置する。入口は、流体接触チャンバの側から、流体接触チャンバの幅の約15%~約35%だけオフセットされ得る。これらの透析装置のうちのいずれかは、第1のプレートと第2のプレートとの間に挟まれた弾性膜を含み得る。透析膜の周囲は、弾性膜によって封止され得る。
【0170】
例えば、マイクロ流体経路デバイスは、第1のプレート及び第2のプレートと、第1のプレートに形成された固定容積を有する流体接触チャンバと、第2のプレートに形成された固定容積を有する濃縮チャンバと、を含み得、流体接触チャンバは、第1のプレートと第2のプレートとの間に配置された疎水性膜、第1のプレートを通る複数の圧力ポート、及び圧力ポートによって制御される複数の個別にアドレス指定可能な膜駆動ポンプによって、濃縮チャンバから分離されており、流体接触チャンバを通して流体を駆動し、かつ濃縮チャンバを通して乾燥空気を駆動するように構成されている。
【0171】
マイクロ流体経路デバイスは、混合器と、透析サブアセンブリと、濃縮器サブアセンブリと、を含み得、混合器透析サブアセンブリ及び濃縮器が、第1のプレートと第2のプレートとの間に形成されている。
【0172】
透析器は、マイクロ流体経路デバイスの一部として形成され得、透析膜によって第2のチャンバから分離された第1のチャンバを含み得、第1及び/又は第2のチャンバは、複数のチャネルに分割され得る。第1のチャネルは、透析される流体を通過させるように構成され、第2のチャネルは、透析溶液を通過させるように構成されている。透析溶液は、(例えば、第1のチャネルを通って流れる流体の方向に対向する)逆流方向で第2のチャネルを通過することができる。
【0173】
いくつかの例では、透析器は、マイクロ流体経路デバイスの第1のプレートと第2のプレートと(例えば、第1の層と第2の層と)の間に形成される。第1のチャネルは、第1のプレート内に形成され得、第2のチャネルは、第2のプレート内に形成され得、透析膜は、第1のプレートと第2のプレートとの間に封止され得る。いくつかの例では、弾性膜は、第1のプレートと第2のプレートとの間に挟まれ得、透析膜は、弾性膜内の開口部にわたって第1のプレートと第2のプレートとの間に挟まれ得、弾性膜によって(例えば、その周囲の周りで)封止され得る。透析器の第1のチャンバは、第1のチャンバの一方の端部上に入口を、反対側の端部上に出口を含み得る。入口及び出口は、例えば、幅が側縁部の間に形成される、第1の側縁部からのチャンバの幅の15~45%の間の位置において、第1のチャンバの側縁部からオフセットされ得る。同様に、出口は、チャンバの反対側にあり得(チャンバの長さの大部分によって分離され)、入口が第1の側の縁部から同じ又はほぼ同じ量(例えば、チャンバの幅の15~45%)だけ、(第1の側の縁部に対向する)第2の側からオフセットされている。
【0174】
あるいは、いくつかの例では、弾性膜は、透析膜を封止するためには使用されない。したがって、透析膜は、第1のプレートの第2のプレートとの係合によって確実に保持され得る。いくつかの例では、追加の(例えば、第3のプレート)及び/又は弾性膜が、例えば、推定上の第1及び第2のプレートの下方又は上方に含まれ得る。
【0175】
透析器の第1及び/又は第2のチャンバは、上記のように、複数のチャネルに分割され得る。いくつかの例では、チャネルは並列であってもよく、直線状に延在してもよい。いくつかの例では、チャネルは、湾曲した又はジグザグの線に延在する。チャネルは、均一な断面直径であってもよく、若しくは異なる直径であってもよく、及び/又は同じ断面直径を有してもよい。
【0176】
図14Aは、本明細書に記載の透析器の例の斜視図を示している。
図14Aでは、透析器は、第1のプレート1401と、第2のプレート1403と、第1のプレートと第2のプレートとの間に挟まれた弾性膜1405とを含む、マイクロ流体デバイスのサブ領域(又は透析器モジュール)である。弾性膜を通る開口部(見えない)は、透析膜1407によって広がり得る。第1のチャンバは透析膜1407によって透析器の第2のチャンバから分離され、図示された各チャンバは、第1のチャンバ及び第2のチャンバの長さだけ延在する複数の並列チャネルへと分割される。
【0177】
図14Bは、
図14Aに示されるものと同様の透析器を通る断面の例である。
図14Bでは、透析器は、第1のチャンバ1411と、第2のチャンバ1413と、第1のチャンバと第2のチャンバとの間の透析膜1407と、を含む。第2のチャンバへの入口1422もまた、第1のチャンバからの出口1423であるように示されている(第2のチャンバ出口及び第1のチャンバ入口は、
図14Bでは見えない)。各チャンバ内のチャネルは、チャンバがそこから形成されるプレートによって形成され得る。いくつかの例では、チャネルは、片側(例えば、第1のチャンバ側)だけにあり、いくつかの例では、チャネルは両側にあり、互いの反対側にあってもよく、又は互いにオフセットされてもよい。
【0178】
図15は、
図14A~
図14Bに示された例などの透析器の縁部領域の例であり、上側チャンバ及び下側チャンバと透析膜との間の封止を示している。
図15では、第1のプレート1501は、第1のチャンバ1511を含む。第1のチャンバは、接続された複数のチャネルへと分割される。第2のプレート1503は、第1のプレートの底部に取り付けられ、同じくチャネルへと分割される第2のチャンバ1505を含む。第1及び/又は第2のプレートのチャネル分割器1509、1519は、それらの間に透析膜1515をクリンプする接触点を形成する。
【0179】
透析器1500の縁部において、弾性膜1521は、第1のプレートと第2のプレートとの間に挟まれ得る。
図15に示されるように、弾性膜の縁部(例えば、シリコーン膜など)はまた、第1のプレートと第2のプレートとの間に透析器膜を固定(例えば、封止)することができる。
【0180】
動作中、マイクロ流体経路デバイスの透析器部分は、透析器の第1のチャンバ内に透析される溶液を(圧力を印加することによって)駆動するためのデバイスの試料処理側上に入口を含み得る。
図16では、複数の並列チャネルによって分割された、第1のチャンバが示されている。この例での入口1601は、透析される流体が出口1603に向かってそこから流れ得る、チャネルの上部共通領域に配置されている。この例では、入口及び出口は、幅の両側上、及びチャンバの長さの両側上にある。陰影は、入口から出口まで、チャンバを通る流量(速度、Z、cm/秒単位)を示している。入口及び出口のこの配置により、陰影マップによって証明されるように、流量は不均一であり、より多くの周辺チャネル領域を通る流れがより遅くなることを示している。
【0181】
図17Aは、幅及び長さの両側上で、入口1701及び出口1703がチャンバの長い側からわずかに内向きに(例えば、チャンバの幅の15%~35%、例えば、幅の約4分の1)、チャンバの端部の共通領域内に配置される例を示している。(ヒートマップキー
図17Bによって示される)結果として生じる流速は、かなりより均一であり、入口及び出口に最も近いチャネル内にわずかに速い領域を伴う。
図17A~
図17Cの例では、最大流量は、例えば、約-1.1cm/秒であり得るが、最小流量は、例えば、約-0.9cm/秒であり得る。
図17Cは、透析器の第1のチャンバの長さだけ延在するチャネル内に供給する上側共通領域1707を示し、この領域は、より高い流量1711、1709の局所領域を有し得る。この例では、入口と出口との間の圧力は、流量が0.5mL/分であるときに、例えば、約14.92psi(102.87kPa)~14.70psi(101.35kPa)で、0.22psi(1.52kPa)のデルタに降下し得る。
【0182】
使用中、透析器は、治療用材料を含有する溶液を透析するために、例えば、溶液から望ましくない材料を除去するために、使用され得る。溶液が第1のチャンバを通って流れると、透析溶液は、第1のチャンバとは反対側の第2のチャンバと同じ方向又は反対方向に流れることができる。第2のチャンバは、上述の第1のチャンバと本質的に同じ構造を有し得る。
【0183】
また、本明細書には、濃縮器が記載されている。濃縮器は、上述の透析器と同じ構造を有し得るが、膜は、流体が第1のチャンバを通過するときに、空気が第2のチャンバ内の(疎水性膜)にわたって流れることができ、それによって溶液を蒸発させて濃縮することができるように、水蒸気が通過することを可能にする(それを通して蒸発を可能にする)膜であり得る。
【0184】
いくつかの例では、濃縮器は、第1の流体通過チャンバを通る1つ以上の経路(チャネル)、及び場合によっては、ガス(例えば、空気)が通る第2のチャンバを有するように構成される。
図18は、濃縮器装置の一例(例えば、マイクロ流体経路デバイス用の濃縮器サブアセンブリ)を示している。
図18では、濃縮器は、第1のチャンバ内の入口1801から出口1803までの細長いチャネルを含む。水蒸気が第1のチャンバと第2のチャンバとの間を通って広がることを可能にする膜(
図18には示されていない)。ガスが第2のチャンバを通過して水を除去、したがって、第1のチャンバを通過するときに溶液を濃縮することができる。蒸発速度は、濃縮器を通る流量に関連し得る。
図18では、陰影マップは、濃縮器の第1のチャンバを通る速度(cm/秒)を示している。
【0185】
使用中、濃縮器は、高度に効率的であり得、製造された用量の治療薬をマイクロ流体経路デバイスから、注入可能な用量形態への希釈(例えば、2mL~0.1mL)を可能にする濃度範囲に濃縮することができる。
【0186】
図18に示される例示的な濃縮器は、25.4mm×25.4mmの正方形である。膜は、Sterlite PTFE膜、孔径0.22μm、厚さ37μmである。
図18では、入力流量は、約0.5mL/分である。透析膜搬送速度は、0.483mL/分であり、得られる出力流量は、約0.019mL/分、1.1mL/時である。この例では、約4.321cm/秒~0.160cm/秒の速度に対して、入口と出口との間の圧力降下は、例えば、入口において14.96psi(103.15kPa)、及び出口(1.8kPaのデルタ)において14.70psi(101.35kPa)であり得る。
【0187】
上述のように、本明細書に記載のマイクロ流体経路デバイスのうちのいずれかは、1つ以上の透析器、並びに/又は1つ以上の濃縮器(透析器サブアセンブリ及び/若しくは集光器サブアセンブリ)を含み得る。
図19は、例えば、送達ビヒクルを追加することを含めて、マイクロ流体経路デバイス上に形成された、又はマイクロ流体経路デバイスに追加された治療薬(例えば、治療用RNA)を配合するための、一連の混合器1903と、混合器(単数又は複数)と濃縮器1907との間の直列の透析器1905の両方を含むマイクロ流体経路デバイスを概略的に示している。第1の入力1911、第2の入力1913、及び第3の入力1915は、
図4を参照して上述されたように挿入され得る。調合/混合、透析及び濃縮の後、最終生成物は、濃縮器1931から出力され得、かつ、使用又は貯蔵される、又は更に処理され得る。このような方式で、最終の注入可能な形態への透析及び濃縮を含むナノ粒子治療薬の作製は、配合プロセスにおいて生成された材料の中間貯蔵がない単一の連続的なフローのマイクロ流体デバイスを使用して行われ得る。
【0188】
図20は、
図19に概略的に示されるデバイスなどの例示的なマイクロ流体経路デバイス上での圧力と位置との間の関係の一例を示している。
図20では、入力圧力(V1~V4)の流れ抵抗及び圧力は、濃縮器を調整することによって最終濃度を制御するためにシステムによって調節及び/又は監視され得る。
【0189】
特徴又は要素が本明細書では別の特徴又は要素の「上に」あると呼ばれる場合、それは他の特徴若しくは要素上に直接あり、又は介在する特徴及び/若しくは要素も存在し得る。対照的に、特徴又は要素が別の特徴又は要素の「直接上に」あると呼ばれる場合、介在する特徴又は要素は存在しない。また、特徴又は要素が別の特徴又は要素に「接続されている」、「取り付けられている」、又は「結合されている」と呼ばれる場合、それは、他の特徴又は要素に直接接続され、取り付けられ、又は結合され得るか、又は介在する特徴又は要素が存在し得ることも理解されるであろう。対照的に、特徴又は要素が別の特徴又は要素に「直接接続されている」、「直接取り付けられている」、又は「直接結合されている」と呼ばれる場合、介在する特徴又は要素は存在しない。一例に関して説明又は示されているが、そのように説明又は示される特徴及び要素は、他の実施例に適用することができる。また、「隣接する」別の特徴に配置されている構造又は特徴への言及は、隣接する特徴の重なり合う部分又は下にある部分を有し得ることも理解されるであろう。
【0190】
本明細書で使用される用語は、特定の実施例のみを説明する目的のためであり、本発明を限定することを意図するものではない。例えば、本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が特に明記されていない限り、複数形も含むことが意図される。本明細書で使用される場合、「備える(comprises)」及び/又は「備える(comprising)」という用語は、記載された特徴、ステップ、動作、要素、及び/又は構成要素の存在を指定するが、1つ以上の他の特徴、ステップ、動作、要素、構成要素、及び/又はそれらのグループの存在又は追加を排除しないことが更に理解されるであろう。本明細書で使用される場合、「及び/又は(and/or)」という用語は、関連する列挙された項目のうちの1つ以上の任意の及び全ての組み合わせを含み、「/」と略され得る。
【0191】
「下(under)」、「下方(below)」、「下側(lower)」、「上方(over)」、「上側(upper)」などの空間的に相対的な用語は、本明細書では、図面に示されるような別の要素(単数又は複数)又は特徴(単数又は複数)に対する1つの要素又は特徴の関係を説明するために使用され得る。空間的に相対的な用語は、図面に示される向きに加えて、使用中又は動作中のデバイスの異なる向きを包含することが意図されることが理解されるであろう。例えば、図面中のデバイスが反転されている場合、他の要素又は特徴の「下(under)」又は「下に(beneath)」として説明される要素は、他の要素又は特徴の「上方」に配向される。したがって、「下」の例示的な用語は、上方及び下方の両方の向きを包含することができる。デバイスは、別様に(90度又は他の向きで)配向され得、本明細書で使用される空間的に相対的な記述子は、それに応じて解釈される。同様に、「上向き(upwardly)」、「下向き(downwardly)」、「垂直(vertical)」、「水平(horizontal)」などの用語は、別途具体的に示されない限り、説明の目的で本明細書において使用される。
【0192】
「第1」及び「第2」という用語は、本明細書では、(ステップを含む)様々な特徴/要素を説明するために使用され得るが、これらの特徴/要素は、文脈がそうでなく示されない限り、これらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語は、1つの特徴/要素を別の特徴/要素と区別するために使用され得る。したがって、以下で論じられる第1の特徴/要素は、第2の特徴/要素と呼ばれ得、同様に、本発明の教示から逸脱することなく、以下で論じられる第2の特徴/要素は、第1の特徴/要素と呼ばれ得る。
【0193】
本明細書及び以下に続く特許請求の範囲全体を通して、文脈がそうでなく必要としない限り、「備える(comprise)」という単語、並びに「備える(comprises)」及び「備える(comprising)」などの例は、様々な構成要素が方法及び物品(例えば、デバイス及び方法を含む組成物及び装置)において共同で使用され得ることを意味する。例えば、「備えている(comprising)」という用語は、任意の記載された要素又はステップの包含を意味するが、他の要素又はステップを除外しないことを意味すると理解されるであろう。
【0194】
実施例で使用されることを含む、本明細書及び特許請求の範囲において本明細書で使用される場合、そうでなく明示的に指定されない限り、全ての数は、たとえ「約(about)」又は「約(approximately)」という単語が明示的に現れない場合であっても、あたかも「約(about)」又は「約(approximately)」という用語によって読み取られ得る。全ての場合において、「約(about)」又は「約(approximately)」という句が使用される場合、実際の値(例えば、量、距離など)が使用され得る。「約(about)」又は「約(approximately)」という語句は、記載された値及び/又は位置が値及び/又は位置の妥当な予測範囲内にあることを示すために、大きさ及び/又は位置を説明する際に使用され得る。例えば、数値は、記載された値(又は値の範囲)の+/-0.1%、記載された値(若しくは値の範囲)の+/-1%、記載された値(若しくは値の範囲)の+/-2%、記載された値(若しくは値の範囲)の+/-5%、記載された値(若しくは値の範囲)の+/-10%などを有し得る。本明細書に与えられた数値は、別段の指示がない限り、(about)又は約(approximately)、その値を含むと理解されるべきである。例えば、値「10」が開示される場合、「約10」もまた開示される。本明細書に列挙される任意の数値範囲は、その中に包含される全てのサブ範囲を含むことが意図される。当業者であれば適切に理解されるように、値が、「値以下」、「値以上」、及び値間の可能な範囲も開示されていることを開示していることも理解される。例えば、値「X」が開示される場合、「X以下」並びに「X以上」(例えば、Xは数値である)もまた開示される。また、本出願全体を通して、データは、いくつかの異なるフォーマットで提供され、このデータは、終了ポイント及び開始ポイントを表し、データポイントの任意の組み合わせの範囲を表すことも理解されるであろう。例えば、特定のデータポイント「10」及び特定のデータポイント「15」が開示される場合、10及び15超、10及び15以上、10及び15未満、10及び15以下、並びに10及び15であると考えられ、並びに10~15であることが理解される。また、2つの特定の単位間の各単位も開示されることが理解される。例えば、10及び15が開示される場合、11、12、13、及び14も開示される。
【0195】
様々な例示的な例が上述されているが、特許請求の範囲によって説明されるように、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な例に対していくつかの変更のうちのいずれかを行うことができる。例えば、様々な記載された方法ステップが実行される順序は、多くの場合、代替例で変更されてもよく、他の代替例では、1つ以上の方法ステップが完全にスキップされてもよい。様々なデバイス及びシステムの例の任意選択的な特徴は、いくつかの例に含まれてもよく、他の例には含まれなくてもよい。したがって、前述の説明は、主に例示目的のために提供されており、特許請求の範囲に記載されているように本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0196】
本明細書に含まれる実施例及び図は、限定ではなく例示として、主題が実施され得る特定の例を示している。上述のように、本開示の範囲から逸脱することなく、構造的及び論理的な置換及び変更を行うことができるように、他の例を利用してそこから導出することができる。本発明の主題のそのような例は、単に便宜上の「発明」という用語によって、2つ以上が実際に開示される場合、この出願の範囲を任意の単一の発明又は発明概念に自発的に制限することを意図することなく、本明細書で個別的に又は集合的に参照されてもよい。このように、特定の例が本明細書に例示及び説明されてきたが、同じ目的を達成するために計算された任意の配置が、示される特定の実施例に対して置換されてもよい。この開示は、様々な実施例のいずれか及び全ての適合又は例を網羅することを意図している。上記の実施例、並びに本明細書に具体的に記載されていない他の実施例の組み合わせは、当業者には上記の説明を検討すると明らかであろう。
【0197】
〔実施の態様〕
(1) マイクロ流体デバイスであって、
第1の流体入力及び第2の流体入力と、
前記第1の流体入力及び前記第2の流体入力から流体を受容する流体交差チャネルであって、前記流体交差チャネルが、第1の混合チャンバの第1の側の上側領域上で前記第1の混合チャンバ内へと開口し、前記第1の混合チャンバが、長さ、幅、及び深さを有し、前記深さは、前記流体交差チャネルの深さの約1.5倍超である、流体交差チャネルと、
前記第1の混合チャンバの第2の側の上側領域上の出口チャネルであって、前記出口チャネルが、前記第1の混合チャンバの前記深さ未満の深さを有し、前記出口チャネルの開口部が、前記流体交差部に対して前記第1の混合チャンバの前記第2の側の幅に沿ってオフセットされている、出口チャネルと、
を備える、マイクロ流体デバイス。
(2) マイクロ流体デバイスであって、
第1の流体入力チャネル及び第2の流体入力チャネルであって、幅及び上面から第1の底面まで延在する深さを有する流体交差チャネルに収束する、第1の流体入力チャネル及び第2の流体入力チャネルと、
前記上面から第2の底面まで延在する深さ、第1の側から第2の側まで延在する幅、及び長さを有する第1の混合チャンバであって、前記第1の混合チャンバの前記深さが前記流体交差チャネルの前記深さよりも大きく、前記第1の混合チャンバの前記幅が前記流体交差チャネルの前記幅よりも大きく、前記第1の混合チャンバが、前記上面において前記第1の側に近接して、前記流体交差チャネルに流体接続されている、第1の混合チャンバと、
出口チャネルであって、前記出口チャネルが、前記上面において前記第1の混合チャンバの前記第2の側に近接して、前記第1の混合チャンバに流体接続されている、出口チャネルと、
を備える、マイクロ流体デバイス。
(3) マイクロ流体デバイスであって、
第1の流体入力及び第2の流体入力と、
前記第1の流体入力及び前記第2の流体入力から流体を受容する流体交差チャネルであって、前記流体交差チャネルが、第1の混合チャンバの第1の側の上側領域上で前記第1の混合チャンバ内へと開口し、前記第1の混合チャンバが、幅、長さ、及び深さを有し、前記深さが、前記流体交差チャネルの深さの約1.5倍超である、流体交差チャネルと、
前記第1の混合チャンバの第2の側の上側領域上の接続チャネルであって、前記接続チャネルが、前記第1の混合チャンバの前記深さ未満の深さを有し、更に、前記接続チャネルの開口部が、前記流体交差部に対して前記第1の混合チャンバの前記第2の側の前記幅に沿ってオフセットされており、前記接続チャネルが、第2の混合チャンバ内へと開口している、接続チャネルと、
前記第2の混合チャンバから延在する出口チャネルと、
を備える、マイクロ流体デバイス。
(4) 前記第1の混合チャンバが、追加の混合チャンバに直列に接続することなく前記出口チャネルが混合器出力を形成する単一の混合器として構成されている、実施態様1又は2に記載のマイクロ流体デバイス。
(5) 前記第1の混合チャンバの前記深さが、前記流体交差チャネルの深さの約2倍~約4倍である、実施態様1~4のいずれかに記載のマイクロ流体デバイス。
【0198】
(6) 前記第1の混合チャンバの前記深さが、前記流体交差チャネルの深さの約3倍である、実施態様1~5のいずれかに記載のマイクロ流体デバイス。
(7) 前記第1の混合チャンバの前記幅が、前記第1の混合チャンバの前記長さの約1.5倍~約3倍である、実施態様1~6のいずれかに記載のマイクロ流体デバイス。
(8) 前記第1の混合チャンバの前記幅が、前記第1の混合チャンバの前記長さの約2倍である、実施態様1~7のいずれかに記載のマイクロ流体デバイス。
(9) 前記第1の混合チャンバの前記長さが、前記流体交差チャネルの長さの約2倍~約4倍である、実施態様1~8のいずれかに記載のマイクロ流体デバイス。
(10) 前記第1の混合チャンバの前記長さが、前記流体交差チャネルの前記長さの約3倍である、実施態様1~9のいずれかに記載のマイクロ流体デバイス。
【0199】
(11) 前記流体交差チャネル、前記第1の混合チャンバ、及び前記出口チャネルが全て、第1の層内にあり、前記流体交差チャネル、前記第1の混合チャンバ、及び前記出口チャネルの前記上面が、第2の層の一部である、実施態様1~10のいずれかに記載のマイクロ流体デバイス。
(12) 前記出口チャネルが、前記混合チャンバの第1の長さのところで前記第1の混合チャンバと流体連通し、前記流体交差チャネルが、前記混合チャンバの第2の長さのところで前記混合チャンバと流体連通している、実施態様1~11のいずれかに記載のマイクロ流体デバイス。
(13) 前記第1の混合チャンバが、丸みを帯びた角部を有する、実施態様1~12のいずれかに記載のマイクロ流体デバイス。
(14) 前記第1の混合チャンバが、約65~約85μmの角部半径を有する、実施態様1~13のいずれかに記載のマイクロ流体デバイス。
(15) 0.25~5mL/分の流量で前記第1の混合チャンバを通る流体圧力の変化が、約6.9kPa~約206.8kPaである、実施態様1~14のいずれかに記載のマイクロ流体デバイス。
【0200】
(16) 前記第1の混合チャンバの前記幅が、約150~約600μmであり、前記第1の混合チャンバの前記深さが、約150~約500μmであり、前記第1の混合チャンバの前記長さが、約500μm~約1000μmである、実施態様1~15のいずれかに記載のマイクロ流体デバイス。
(17) 前記接続チャネルが、約75μm~約225μmの幅、約75μm~約225μmの深さ、及び約225~約550μmの長さを有する、実施態様3に記載のマイクロ流体デバイス。
(18) 第2の混合チャンバであって、前記上面から前記第2の混合チャンバの底面まで延在する深さ、前記第2の混合チャンバの第1の側から第2の側まで延在する幅、及び長さを有し、前記第2の混合チャンバの前記深さが前記出口チャネルの前記深さよりも大きく、前記第2の混合チャンバの前記幅が前記出口チャネルの幅よりも大きく、更に、前記第2の混合チャンバは、前記上面において前記第2の側に近接して前記出口チャネルに流体接続されている、第2の混合チャンバと、
深さ及び幅を有する第2の出口チャネルであって、前記上面において前記第2の混合チャンバの前記第1の側に近接して、前記第2の混合チャンバに流体接続されている、第2の出口チャネルと、
を更に備える、実施態様1又は2に記載のマイクロ流体デバイス。
(19) 前記マイクロ流体デバイス内の弾性膜の少なくとも一部分を偏向させることによって、前記流体交差チャネルから前記第1の混合チャンバ内へと流体をポンプ搬送するための1つ以上の流体ポンプを更に備える、実施態様1~18のいずれかに記載のマイクロ流体デバイス。
(20) 1つ以上の流体ポンプを更に備え、前記1つ以上の流体ポンプが、前記マイクロ流体デバイス内の弾性膜の少なくとも一部分を偏向させることによって、前記流体交差チャネルから前記第1の混合チャンバ内へと流体をポンプ搬送するためのものである、実施態様1~18のいずれかに記載のマイクロ流体デバイス。
【0201】
(21) 前記第1の混合チャンバを含む複数の流体接続された混合チャンバを備える、実施態様1又は2に記載のマイクロ流体デバイス。
(22) 前記マイクロ流体デバイス内の弾性層を偏向させて、前記第1の混合チャンバを通して間で流体を駆動するための複数の圧力ポートを更に備える、実施態様1~21のいずれかに記載のマイクロ流体デバイス。
(23) 前記第1の流体入力と流体連通している流れ制限器を更に備え、前記流れ制限器が、蛇行細長流体チャネルを含む、実施態様1~22のいずれかに記載のマイクロ流体デバイス。
(24) マイクロ流体混合装置であって、
混合チャンバであって、前記混合チャンバを囲んでいる、底面を画定するベース、側壁、及び上面を含む、混合チャンバと、
前記混合チャンバの第1の側壁において前記混合チャンバへの開口部を含む混合入口チャネルと、
前記混合チャンバの第2の側壁において前記混合チャンバへの開口部を含む混合出口チャネルと、を備え、
前記混合チャンバの垂直寸法が、前記混合入口チャネルの垂直寸法よりも大きく、前記混合出口チャネルの垂直寸法よりも大きい、
マイクロ流体混合装置。
(25) 前記第1の側壁及び前記第2の側壁が、前記混合チャンバの対向する側壁である、実施態様24に記載のマイクロ流体装置。
【0202】
(26) 前記混合入口チャネル及び前記混合出口チャネルが、前記第1の側壁及び前記第2の側壁に沿ったオフセット位置において前記混合チャンバに接続する、実施態様24又は25に記載のマイクロ流体装置。
(27) 前記混合入口チャネルの前記開口部の高さと前記混合出口チャネルの前記開口部の高さとが同じである、実施態様24~26のいずれかに記載のマイクロ流体装置。
(28) 前記混合入口チャネルの前記開口部の幅と前記混合出口チャネルの前記開口部の幅とが同じである、実施態様24~27のいずれかに記載のマイクロ流体装置。
(29) 前記混合入口チャネルの前記開口部が、前記混合チャンバの前記上面に隣接する前記第1の側壁の高さのところに配置され、前記混合出口チャネルの前記開口部が、前記混合チャンバの前記上面に隣接する前記第2の側壁の高さのところに配置されている、実施態様24~28のいずれかに記載のマイクロ流体装置。
(30) 前記混合入口チャネルが、流体交差部を含む第1の終端と、前記混合チャンバへの前記開口部を含む第2の終端と、を有する、実施態様24~29のいずれかに記載のマイクロ流体装置。
【0203】
(31) 前記流体交差部が、前記流体交差部において前記混合入口チャネルと交差する、第1の流体入力チャネル及び第2の流体入力チャネルを更に含む、実施態様30に記載のマイクロ流体装置。
(32) 前記第1の流体チャネル及び前記第2の流体チャネルが、互いに対して約180度未満の角度で前記流体交差部において交差している、実施態様24~31のいずれかに記載のマイクロ流体装置。
(33) 前記第1の流体チャネル及び前記第2の流体チャネルが、互いに対して約30度超の角度で前記流体交差部において交差している、実施態様24~32のいずれかに記載のマイクロ流体装置。
(34) 前記混合チャンバが第1の混合チャンバであり、前記混合入口チャネルが第1の混合入口チャネルであり、前記混合出口チャネルが第1の混合出口チャネルであり、前記マイクロ流体装置が、第2のマイクロ流体混合装置を更に備え、前記第2のマイクロ流体混合装置が、
第2の混合チャンバであって、前記第2の混合チャンバを囲んでいる、底面を画定するベース、側壁、及び上面を含む、第2の混合チャンバと、
前記第2の混合チャンバの第1の側壁において前記第2の混合チャンバへの開口部を含む第2の混合入口チャネルと、
前記第2の混合チャンバの第2の側壁において前記第2の混合チャンバへの開口部を含む第2の混合出口チャネルと、を含み、
前記第2の混合チャンバの垂直寸法が、前記第2の混合入口チャネルの垂直寸法よりも大きく、前記第2の混合出口チャネルの垂直寸法よりも大きい、
実施態様24~33のいずれかに記載のマイクロ流体装置。
(35) 更に、
前記第2の混合チャンバの前記第1の側壁及び前記第2の側壁が、前記第2の混合チャンバの対向する側壁である、
前記第2の混合入口チャネル及び前記第2の混合出口チャネルが、前記第2の混合チャンバの前記第1の側壁及び前記第2の側壁に沿ったオフセット位置において前記第2の混合チャンバに接続する、
前記第2の混合入口チャネルの前記開口部の高さと前記第2の混合出口チャネルの前記開口部の高さとが同じである、
前記第2の混合入口チャネルの前記開口部の幅と前記第2の混合出口チャネルの開口部の幅とが同じである、
前記第2の混合入口チャネルの前記開口部及び前記第2の混合出口チャネルの前記開口部が、前記第2の混合チャンバの前記上面に隣接する前記第2の混合チャンバのそれぞれの第1の側壁及び第2の側壁の高さのところに配置されている、
又は
それらの任意の組み合わせである、
実施態様24~34のいずれかに記載のマイクロ流体装置。
【0204】
(36) 前記第2の混合出口チャネルが、前記第2の混合チャンバへの前記開口部において第1の終端を含む、実施態様24~35のいずれかに記載のマイクロ流体装置。
(37) カスケードマイクロ流体混合器を備えるマイクロ流体装置であって、前記カスケードマイクロ流体混合器の各々が、
底面を画定するベース、側壁、及び上面を含む、混合チャンバと、
前記混合チャンバの第1の側壁において前記混合チャンバへの開口部を含む混合入口チャネルと、
前記混合チャンバの第2の側壁において前記混合チャンバへの開口部を含む混合出口チャネルと、を備え、
前記混合チャンバの垂直寸法が、前記混合入口チャネルの垂直寸法よりも大きく、前記混合出口チャネルの垂直寸法よりも大きく、
カスケードマイクロ流体混合器が、互いに直列で接続されており、それによって、前記直列のうちの第1のマイクロ流体混合器の後にある前記カスケードマイクロ流体混合器の各々の前記混合入口チャネルが、前記直列のうちの前のマイクロ流体混合器の前記混合出口に接続されている、
マイクロ流体装置。
(38) マイクロ流体装置であって、
第1のプレート及び第2のプレートと、
前記第1のプレートと前記第2のプレートとの間に配置された弾性層と、
前記第1のプレートと前記第2のプレートとの間のマイクロ流体経路と、を含み、前記マイクロ流体経路が、
前記弾性層の一部分によって分離された固定容積を各々が含む複数のブレンドチャンバであって、前記弾性層の一部分が、前記複数のブレンドチャンバのうちのブレンドチャンバ間で流体を駆動するために偏向するためのものである、複数のブレンドチャンバと、
第1のマイクロ流体混合器と、を備え、前記第1のマイクロ流体混合器が、
第1の流体入力及び第2の流体入力と、
前記第1の流体入力及び前記第2の流体入力から流体を受容する流体交差部であって、前記流体交差部が、第1の混合チャンバの第1の側の上側領域上で前記第1の混合チャンバ内へと開口し、前記第1の混合チャンバが、前記流体交差部の深さの1.5倍超の深さを有する、流体交差部と、
前記第1の混合チャンバの第2の側の上側領域上の接続チャネルであって、前記接続チャネルが、前記第1の混合チャンバの前記深さ未満の深さを有し、更に、前記接続チャネルの開口部が、前記流体交差部に対して前記第1の混合チャンバの前記第2の側の幅に沿ってオフセットされており、前記接続チャネルが、第2の混合チャンバの第1の側の上側領域上で前記第2の混合チャンバ内へと開口しており、更に、前記第2の混合チャンバが、前記接続チャネルの深さの1.5倍超の深さを有する、接続チャネルと、
前記第2の混合チャンバの第2の側の上側領域上の前記第2の混合チャンバからの出力チャネルであって、前記第2の混合チャンバの前記第2の側が、前記第2の混合チャンバの前記第1の側とは反対側にある、出力チャネルと、を含む、
マイクロ流体装置。
(39) 前記流体交差部の上面が、前記第1の混合チャンバの上面と実質的に同じ高さである、実施態様38に記載のマイクロ流体装置。
(40) 前記接続チャネルの上面が、前記第1の混合チャンバの上面及び前記第2の混合チャンバの上面と同じ高さであるように構成されている、実施態様38又は39に記載のマイクロ流体装置。
【0205】
(41) 前記弾性層の少なくとも一部分を偏向させることによって、前記ブレンドチャンバから前記第1のマイクロ流体混合器内へと流体をポンプ搬送するための1つ以上の流体ポンプを更に備える、実施態様38~40のいずれかに記載のマイクロ流体装置。
(42) 前記複数のブレンドチャンバと前記第1のマイクロ流体混合器との間に1つ以上の流体ポンプを更に備え、前記流体ポンプが、前記弾性層の少なくとも一部分を偏向させることによって、前記ブレンドチャンバから前記第1のマイクロ流体混合器内へと流体をポンプ搬送するためのものである、実施態様38~41のいずれかに記載のマイクロ流体装置。
(43) 前記マイクロ流体装置が、前記第1のマイクロ流体混合器を含む複数のマイクロ流体混合器を備える、実施態様38~42のいずれかに記載のマイクロ流体装置。
(44) 前記ブレンドチャンバ間で前記第1のマイクロ流体混合器を通して流体を駆動するために前記弾性層を偏向させるように構成されている、前記第1のプレートへの複数の圧力ポートを更に備える、実施態様38~43のいずれかに記載のマイクロ流体装置。
(45) 前記第1の流体入力と流体連通している流れ制限器を更に備え、前記流れ制限器が、蛇行細長流体チャネルを含む、実施態様38~44のいずれかに記載のマイクロ流体装置。
【0206】
(46) 固定容積を有する一対のブレンドチャンバを更に備え、各ブレンドチャンバが、前記第1のプレートと前記第2のプレートとの間に配置され、前記弾性層の一部分が、各チャンバを前記第2のプレート内の流体接触側と前記第1のプレート内の圧力受容側とに分割する、実施態様45に記載のマイクロ流体装置。
(47) 治療用mRNAを送達ビヒクルと配合する方法であって、前記治療用mRNAと前記送達ビヒクルとを、約2~約20℃の温度でマイクロ流体デバイスのマイクロ流体混合チャンバ内で混合することを含み、前記温度が、少なくとも前記治療用mRNAの組成、前記送達ビヒクルの組成、又はそれらの組み合わせを使用して選択される、方法。
(48) 少なくとも、前記治療用mRNAのポリヌクレオチド配列、前記送達ビヒクルの配列、前記送達ビヒクルの分子量、前記治療用mRNAの分子量、前記送達ビヒクルの電荷、前記治療用mRNAの電荷、前記送達ビヒクルの分子量、前記治療用mRNAの分子量、前記マイクロ流体混合チャンバ内の前記治療用mRNA及び/又は前記送達ビヒクルの流量、並びに前記マイクロ流体混合チャンバの寸法、又はそれらの任意の組み合わせを使用して、前記温度を選択することを更に含む、実施態様47に記載の方法。
(49) 混合することが、前記マイクロ流体混合チャンバを備えるマイクロ流体デバイス内で混合することを含む、実施態様47に記載の方法。
(50) 前記マイクロ流体デバイスの残りの部分に対して、前記混合チャンバの前記温度を約2~約20℃に別々に維持することを更に含む、実施態様47に記載の方法。
【0207】
(51) 前記マイクロ流体混合チャンバ内で混合することが、前記治療用mRNA及び前記送達ビヒクルを第1の開口部を通してマイクロ流体デバイスの前記混合チャンバ内へと通過させ、それによって、前記治療用mRNA及び前記送達ビヒクルが前記混合チャンバの壁に対して駆動され、前記第1の開口部の平面から前記第1の開口部の前記深さの1倍超の深さまで駆動されることを含む、実施態様47に記載の方法。
(52) 前記通過させることが、前記治療用mRNA及び前記送達ビヒクルを前記混合チャンバの前記壁に対して、前記第1の開口部を横切る平面から前記第1の開口部の前記深さの約2.5倍超の深さまで駆動することを含む、実施態様51に記載の方法。
(53) 前記治療用mRNA及び前記送達ビヒクルが、前記混合チャンバの前記壁に対して、前記第1の開口部を横切る平面から前記第1の開口部の前記深さの3倍以上の深さまで駆動される、実施態様51に記載の方法。
(54) 前記第1の開口部の上部が、前記混合チャンバの上部と一列になっている、実施態様51に記載の方法。
(55) 混合する方法であって、
第1の流体及び第2の流体を第1の開口部を通してマイクロ流体デバイスの混合チャンバ内へと通過させ、それによって、前記第1の流体及び前記第2の流体が、前記混合チャンバの壁に対して駆動され、前記第1の開口部の平面から前記第1の開口部の前記深さの1倍超の深さまで駆動されて、混合流体を形成することと、
前記混合流体を、出口開口部を通過させて前記混合チャンバから出すことと、
を含み、
前記混合チャンバが、約2~約20℃の温度に維持される、
方法。
【0208】
(56) 混合する方法であって、
第1の流体及び第2の流体を、少なくとも1つの開口部を通してマイクロ流体デバイス内の混合チャンバ内へと通過させ、それによって、前記第1の流体及び前記第2の流体が前記混合チャンバの壁に対して駆動され、少なくとも第1の開口部の平面から混合流体として駆動される、ことと、
前記混合流体を、出口開口部を通過させて前記混合チャンバから出すことであって、前記混合チャンバが2~20℃の温度に維持される、ことと、
を含む、方法。
(57) 混合する方法であって、
オリゴヌクレオチド分子を含有する第1の流体及び送達ビヒクル化学物質を含有する第2の流体を、少なくとも1つの開口部を通してマイクロ流体デバイスの混合チャンバ内へと通過させ、それによって、前記第1の流体及び前記第2の流体が、前記混合チャンバの壁に対して駆動され、開口部の平面から駆動される、ことと、
前記混合流体を、出口開口部を通過させて前記混合チャンバから出すことと、
を含み、前記混合チャンバが、約2~約20℃の温度に維持される、
方法。
(58) マイクロ流体デバイス内で混合する方法であって、
第1の流体及び第2の流体を第1の開口部を通して前記マイクロ流体デバイス内の混合チャンバ内へと通過させ、それによって、前記第1の流体及び前記第2の流体が、前記混合チャンバの壁に対して、前記第1の開口部を横切る平面から前記第1の開口部の前記深さの約2.5倍超の深さまで駆動されて、実質的混合流体を形成することと、
前記混合流体を、出口開口部を通過させて前記混合チャンバから出すことであって、前記出口開口部が、前記第1の開口部とは反対側にあるが、前記第1の開口部からオフセットされている、ことと、
を含み、前記混合チャンバが、約5~約20℃の温度に維持される、
方法。
(59) 前記第1の流体及び前記第2の流体を前記第1の開口部を通して前記混合チャンバ内へと前記通過させることが、前記第1の流体及び前記第2の流体を通過させ、それによって、前記第1の流体及び前記第2の流体が前記混合チャンバの前記壁に対して、前記第1の開口部を横切る前記平面から前記第1の開口部の前記深さの約2.5倍超の深さまで駆動されることを含む、実施態様58に記載の方法。
(60) 前記混合チャンバの前記温度を約5~約15℃に維持することを更に含む、実施態様58又は59に記載の方法。
【0209】
(61) 前記混合流体の前記温度を約5~約15℃に維持することを更に含む、実施態様58~60のいずれかに記載の方法。
(62) 前記混合流体の温度を約10℃に維持することを更に含む、実施態様58~61のいずれかに記載の方法。
(63) 前記混合流体を前記出口開口部から第2の開口部を通して第2の混合チャンバ内へと通過させ、それによって、前記流体が前記第2の混合チャンバの壁に対して駆動され、前記第2の開口部の平面から前記第2の開口部の前記深さの1倍超の深さまで駆動されて、前記混合流体を更に混合すること、を更に含む、実施態様58~62のいずれかに記載の方法。
(64) 前記流体が、前記混合チャンバの前記壁に対して、前記第1の開口部を横切る前記平面から前記第1の開口部の前記深さの約3倍以上の深さまで駆動される、実施態様58~63のいずれかに記載の方法。
(65) 前記第1の開口部の上部が、前記第1の混合チャンバの上部と一列になっている、実施態様58~64のいずれかに記載の方法。
【0210】
(66) 前記出口開口部が、前記第1の開口部の断面積に等しい断面積を有する、実施態様58~65のいずれかに記載の方法。
(67) 前記混合チャンバが、前記マイクロ流体デバイスの第1の層と第2の層との間にある、実施態様58~66のいずれかに記載の方法。
(68) 前記混合チャンバが、幅よりも大きい長さを有し、前記長さが前記第1の開口部の幅の約2倍超である、実施態様58~67のいずれかに記載の方法。
(69) 組成物を形成する方法であって、
マイクロ流体デバイス内で1つ以上の治療用mRNAを合成することであって、前記1つ以上の治療用mRNAが第1の流体内にあり、前記1つ以上の治療用mRNA用の送達ビヒクルが第2の流体内にある、ことと、
前記第1の流体及び前記第2の流体を第1の開口部を通して前記マイクロ流体デバイスの混合チャンバ内へと通過させ、それによって、前記第1の流体及び前記第2の流体が前記混合チャンバの壁に対して駆動され、前記第1の開口部の平面から前記第1の開口部の前記深さの1倍超の深さまで駆動されて、混合流体を形成することであって、前記混合チャンバが、前記治療用mRNA及び前記送達ビヒクルの混合を強化するように選択された温度に維持される、ことと、
前記混合流体を、出口開口部を通過させて前記混合チャンバから出すことと、
を含む、方法。
(70) 前記混合チャンバが、前記治療用mRNAと前記送達ビヒクルとの混合を強化するように選択され、かつ2~20℃である温度に維持される、実施態様69に記載の方法。
【0211】
(71) 前記混合チャンバの強化された混合温度を選択することを更に含む、実施態様69に記載の方法。
(72) 前記強化された混合温度を選択することが、インビボでの又はインビトロでの混合チャンバ内での混合をモデル化することを含む、実施態様71に記載の方法。
(73) 前記強化された混合温度を選択することが、前記送達ビヒクル及び前記1つ以上の治療用mRNAに基づいて約2~約20℃の温度を選択することを含む、実施態様71に記載の方法。
(74) 前記第1の流体及び前記第2の流体を前記第1の開口部を通して前記混合チャンバ内へと前記通過させることが、前記第1の流体及び前記第2の流体を通過させ、それによって、前記第1の流体及び前記第2の流体が前記混合チャンバの前記壁に対して、前記第1の開口部を横切る平面から前記第1の開口部の前記深さの約2.5倍超の深さまで駆動されることを含む、実施態様69に記載の方法。
(75) 前記流体が、前記混合チャンバの前記壁に対して、前記第1の開口部を横切る平面から前記第1の開口部の前記深さの約3倍以上の深さまで駆動される、実施態様69に記載の方法。
【0212】
(76) 前記第1の開口部の上部が、前記混合チャンバの上部と一列になっている、実施態様69に記載の方法。
(77) 前記出口開口部が、前記第1の開口部の断面積に等しい断面積を有する、実施態様69に記載の方法。
(78) 前記混合チャンバが、前記マイクロ流体デバイスの第1の層と第2の層との間にある、実施態様69に記載の方法。
(79) 前記混合チャンバが、幅よりも大きい長さを有し、更に、前記長さが、前記第1の開口部の前記幅の2倍超である、実施態様69に記載の方法。
(80) 治療用組成物を形成する方法であって、
第1の流体内の1つ以上の治療用mRNA、及び第2の流体内の前記1つ以上の治療用mRNA用の送達ビヒクルを、第1の開口部を通してマイクロ流体デバイス内の混合チャンバ内へと通過させ、それによって、前記第1の流体及び前記第2の流体が前記混合チャンバの壁に対して駆動され、前記第1の開口部の平面から前記第1の開口部の前記深さの1倍超の深さまで駆動されて、前記治療用組成物を含む混合流体を形成することと、
前記混合チャンバの温度を、混合を強化するように判定された強化された混合温度に維持することと、
前記混合流体を、出口開口部を通過させて前記混合チャンバから出すことと、
を含む、方法。
【0213】
(81) 前記強化された混合温度が、約2~約20℃である、実施態様80に記載の方法。
(82) 維持することが、前記1つ以上の治療用mRNA及び/又は前記送達ビヒクルの前記強化された混合温度を判定することを含む、実施態様80に記載の方法。
(83) インビボでの又はインビトロでの前記混合チャンバ内での混合をモデル化することによって、前記強化された混合温度を判定することを更に含む、実施態様82に記載の方法。
(84) 約2~約20℃の他の温度での混合と比較してより優れた混合を行う約2~約20℃の温度を選択することによって、前記強化された混合温度を判定することを更に含む、実施態様82に記載の方法。
(85) 前記第1の流体及び前記第2の流体を前記第1の開口部を通して前記混合チャンバ内へと前記通過させることが、前記第1の流体及び前記第2の流体を通過させ、それによって、前記第1の流体及び前記第2の流体が前記混合チャンバの前記壁に対して、前記第1の開口部を横切る平面から前記第1の開口部の前記深さの約2.5倍超の深さまで駆動されることを含む、実施態様80に記載の方法。
【0214】
(86) 前記流体が、前記混合チャンバの前記壁に対して、前記第1の開口部を横切る平面から前記第1の開口部の前記深さの約3倍以上の深さまで駆動される、実施態様80に記載の方法。
(87) 前記第1の開口部の上部が、前記混合チャンバの上部と一列になっている、実施態様80に記載の方法。
(88) 前記出口開口部が、前記第1の開口部の断面積に相当する断面積を有する、実施態様80に記載の方法。
(89) 前記混合チャンバが、前記マイクロ流体デバイスの第1の層と第2の層との間に形成されている、実施態様80に記載の方法。
(90) 前記混合チャンバが、幅よりも大きい長さを有し、更に、前記長さが、前記第1の開口部の幅の2倍超である、実施態様80に記載の方法。
【0215】
(91) 混合する方法であって、
第1の流体及び第2の流体を第1の開口部を通してマイクロ流体デバイスの混合チャンバ内へと通過させ、それによって、前記第1の流体及び前記第2の流体が、前記混合チャンバの壁に対して駆動され、前記第1の開口部の平面から前記第1の開口部の前記深さの1倍超の深さまで駆動されて、混合流体を形成することと、
前記混合流体を、出口開口部を通過させて前記混合チャンバから出すことと、
を含む、方法。
(92) 前記第1の流体及び前記第2の流体を前記第1の開口部を通して前記混合チャンバ内へと前記通過させることが、前記第1の流体及び前記第2の流体を通過させ、それによって、前記第1の流体及び前記第2の流体が前記混合チャンバの前記壁に対して、前記第1の開口部を横切る前記平面から前記第1の開口部の前記深さの約2.5倍超の深さまで駆動されることを含む、実施態様91に記載の方法。
(93) 前記混合流体が、前記混合チャンバによって実質的に混合され、前記混合チャンバが、第2の混合チャンバに接続していない単一の混合器として構成されている、実施態様91又は92に記載の方法。
(94) 前記混合流体を前記出口開口部から第2の開口部を通して第2の混合チャンバ内へと通過させ、それによって、前記流体が前記第2の混合チャンバの壁に対して駆動され、前記第2の開口部の平面から前記第2の開口部の前記深さの1倍超の深さまで駆動されて、前記混合流体を更に混合すること、を更に含む、実施態様91又は92に記載の方法。
(95) 前記流体が、前記混合チャンバの前記壁に対して、前記第1の開口部を横切る前記平面から前記第1の開口部の前記深さの約3倍以上の深さまで駆動される、実施態様91又は92に記載の方法。
【0216】
(96) 前記出口開口部が、前記第1の開口部の断面積に等しい断面積を有する、実施態様91~95のいずれかに記載の方法。
(97) 前記混合チャンバが、幅よりも大きい長さを有し、前記長さが、前記第1の開口部の前記幅の約2倍超である、実施態様91~96のいずれかに記載の方法。
(98) 前記混合チャンバが、丸みを帯びた角部を有する、実施態様91~97のいずれかに記載の方法。
(99) 0.25~5mL/分の流量で前記混合チャンバを通る流体圧力の変化が、約6.9kPa~約206.8kPaである、実施態様91~98のいずれかに記載の方法。
(100) 前記混合チャンバの幅が、約150~約600μmであり、前記混合チャンバの前記深さが、約150~約500μmであり、前記混合チャンバの前記長さが、約500μm~約1000μmである、実施態様91~99のいずれかに記載の方法。
【0217】
(101) マイクロ流体デバイス内で混合する方法であって、
第1の流体及び第2の流体を第1の開口部を通してマイクロ流体デバイス内の混合チャンバ内へと通過させ、それによって、前記第1の流体及び前記第2の流体が、前記混合チャンバの壁に対して、前記第1の開口部を横切る平面から前記第1の開口部の前記深さの約2.5倍超の深さまで駆動されて、実質的混合流体を形成することと、
前記混合流体を出口開口部を通過させて前記混合チャンバから出すことであって、前記出口開口部が、前記第1の開口部とは反対側にあるが、前記第1の開口部からオフセットされている、ことと、
を含み、前記混合流体が、前記混合チャンバによって実質的に混合され、前記混合チャンバが、第2の混合チャンバに接続していない単一の混合器として構成されている、
方法。
【手続補正書】
【提出日】2022-08-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロ流体デバイスであって、
第1の流体入力チャネル及び第2の流体入力チャネルであって、幅及び上面から第1の底面まで延在する深さを有する流体交差チャネルに収束する、第1の流体入力チャネル及び第2の流体入力チャネルと、
前記上面から第2の底面まで延在する深さ、第1の側から第2の側まで延在する幅、及び長さを有する第1の混合チャンバであって、前記第1の混合チャンバの前記深さが前記流体交差チャネルの前記深さよりも大きく、前記第1の混合チャンバの前記幅が前記流体交差チャネルの前記幅よりも大きく、前記第1の混合チャンバが、前記上面において前記第1の側に近接して、前記流体交差チャネルに流体接続されている、第1の混合チャンバと、
出口チャネルであって、前記出口チャネルが、前記上面において前記第1の混合チャンバの前記第2の側に近接して、前記第1の混合チャンバに流体接続されている、出口チャネルと、
を備える、マイクロ流体デバイス。
【請求項2】
前記第1の混合チャンバが、追加の混合チャンバに直列に接続することなく前記出口チャネルが混合器出力を形成する単一の混合器として構成されている、請求項
1に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項3】
前記第1の混合チャンバの前記深さが、前記流体交差チャネルの深さの約2倍~約4倍である、請求項1
又は2に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項4】
前記第1の混合チャンバの前記幅が、前記第1の混合チャンバの前記長さの約1.5倍~約3倍である、請求項1~
3のいずれか一項に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項5】
前記第1の混合チャンバの前記長さが、前記流体交差チャネルの長さの約2倍~約4倍である、請求項1~
4のいずれか一項に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項6】
前記流体交差チャネル、前記第1の混合チャンバ、及び前記出口チャネルが全て、第1の層内にあり、前記流体交差チャネル、前記第1の混合チャンバ、及び前記出口チャネルの前記上面が、第2の層の一部である、請求項1~
5のいずれか一項に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項7】
前記出口チャネルが、前記混合チャンバの第1の長さのところで前記第1の混合チャンバと流体連通し、前記流体交差チャネルが、前記混合チャンバの第2の長さのところで前記混合チャンバと流体連通している、請求項1~
6のいずれか一項に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項8】
前記第1の混合チャンバが、丸みを帯びた角部を有する、請求項1~
7のいずれか一項に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項9】
前記第1の混合チャンバが、約65~約85μmの角部半径を有する、請求項1~
8のいずれか一項に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項10】
0.25~5mL/分の流量で前記第1の混合チャンバを通る流体圧力の変化が、約6.9kPa~約206.8kPaである、請求項1~
9のいずれか一項に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項11】
前記第1の混合チャンバの前記幅が、約150~約600μmであり、前記第1の混合チャンバの前記深さが、約150~約500μmであり、前記第1の混合チャンバの前記長さが、約500μm~約1000μmである、請求項1~
10のいずれか一項に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項12】
第2の混合チャンバであって、前記上面から前記第2の混合チャンバの底面まで延在する深さ、前記第2の混合チャンバの第1の側から第2の側まで延在する幅、及び長さを有し、前記第2の混合チャンバの前記深さが前記出口チャネルの前記深さよりも大きく、前記第2の混合チャンバの前記幅が前記出口チャネルの幅よりも大きく、更に、前記第2の混合チャンバは、前記上面において前記第2の側に近接して前記出口チャネルに流体接続されている、第2の混合チャンバと、
深さ及び幅を有する第2の出口チャネルであって、前記上面において前記第2の混合チャンバの前記第1の側に近接して、前記第2の混合チャンバに流体接続されている、第2の出口チャネルと、
を更に備える、請求項1
~11のいずれか一項に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項13】
前記マイクロ流体デバイス内の弾性膜の少なくとも一部分を偏向させることによって、前記流体交差チャネルから前記第1の混合チャンバ内へと流体をポンプ搬送するための1つ以上の流体ポンプを更に備える、請求項1~
12のいずれか一項に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項14】
前記第1の混合チャンバを含む複数の流体接続された混合チャンバを備える、請求項1
~13のいずれか一項に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項15】
前記マイクロ流体デバイス内の弾性層を偏向させて、前記第1の混合チャンバを通して間で流体を駆動するための複数の圧力ポートを更に備える、請求項1~
14のいずれか一項に記載のマイクロ流体デバイス。
【国際調査報告】