(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-02
(54)【発明の名称】通気チャンバーを有するエアロゾル発生装置
(51)【国際特許分類】
A24F 40/40 20200101AFI20230222BHJP
A24F 40/20 20200101ALI20230222BHJP
A24D 3/17 20200101ALI20230222BHJP
A24F 40/46 20200101ALI20230222BHJP
A24D 1/20 20200101ALI20230222BHJP
【FI】
A24F40/40
A24F40/20
A24D3/17
A24F40/46
A24D1/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022537416
(86)(22)【出願日】2020-12-21
(85)【翻訳文提出日】2022-06-17
(86)【国際出願番号】 EP2020087530
(87)【国際公開番号】W WO2021130189
(87)【国際公開日】2021-07-01
(32)【優先日】2019-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100167911
【氏名又は名称】豊島 匠二
(72)【発明者】
【氏名】ジョルディル イヴ
(72)【発明者】
【氏名】ミンツォーニ ミルコ
【テーマコード(参考)】
4B045
4B162
【Fターム(参考)】
4B045BC24
4B045BC26
4B045BC35
4B162AA03
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB12
4B162AC06
4B162AC08
4B162AC12
4B162AC22
4B162AC41
(57)【要約】
エアロゾル発生物品(1)を受容するように構成されたエアロゾル発生装置(20)が提供されている。エアロゾル発生装置は、遠位端および口側端(2)を有し、かつハウジング(4)と、エアロゾル発生物品が装置空洞内に受容されたときにエアロゾル発生物品を加熱するためのヒーターとを備える。ハウジングは、周辺壁(6)を含む。周辺壁は、装置の口側端でエアロゾル発生物品を取り外し可能に受容するための装置空洞を画定する。ハウジングはまた、通気チャンバー(28)を含む。通気チャンバーは、周辺壁内に画定される。通気チャンバーは、エアロゾル発生装置の外部および装置空洞内に受容されたエアロゾル発生物品と流体連通するように構成されている。通気チャンバーは、ハウジング内に画定されるチャンバー入口(24)を通して、エアロゾル発生装置の外部と流体連通するように構成されている。チャンバー入口は、通気チャンバーの断面積よりも小さい断面積を有する。チャンバー入口は、通気チャンバーとエアロゾル発生装置の口側端との間に延びる。通気チャンバーの長さは8mm以下である。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生物品を受容するように構成されたエアロゾル発生装置であって、前記エアロゾル発生装置が、遠位端および口側端を有し、前記エアロゾル発生装置が、
ハウジングであって、前記ハウジングが、前記装置の前記口側端で前記エアロゾル発生物品を取り外し可能に受容するための装置空洞を画定する周辺壁を含む、ハウジングと、
前記エアロゾル発生物品が前記装置空洞内に受容されたときに前記エアロゾル発生物品を加熱するためのヒーターと、を備え、
前記ハウジングが、通気チャンバーを含み、前記通気チャンバーが、前記周辺壁内に画定され、前記通気チャンバーが、前記エアロゾル発生装置の外部および前記装置空洞内に受容されたエアロゾル発生物品と流体連通するように構成され、
前記通気チャンバーが、前記ハウジング内に画定されたチャンバー入口を通して前記エアロゾル発生装置の前記外部と流体連通するように構成され、前記チャンバー入口が、前記通気チャンバーの断面積よりも小さい断面積を有し、かつ前記通気チャンバーと前記エアロゾル発生装置の前記口側端との間に延び、
さらに前記通気チャンバーの長さが、8mm以下である、エアロゾル発生装置。
【請求項2】
前記通気チャンバーが、前記エアロゾル発生装置の前記口側端から離れた長軸方向の位置に位置する、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項3】
前記チャンバー入口の長さが、約1mm~約6mmである、請求項1または2のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項4】
前記チャンバー入口が、前記通気チャンバーの断面積の50パーセント以下の断面積を有する、請求項1~3のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項5】
前記通気チャンバーを画定する前記周辺壁の一部分の厚さが、前記周辺壁の異なる部分の厚さとは異なる、請求項1~4のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項6】
前記通気チャンバーを画定する前記周辺壁の前記一部分の厚さが、前記周辺壁の異なる部分の厚さよりも小さい、請求項5に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項7】
前記通気チャンバーを画定する前記周辺壁の前記一部分の厚さが、長軸方向に沿って変化する、請求項6に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項8】
前記通気チャンバーが、環状である請求項1~7のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項9】
前記エアロゾル発生装置が、前記エアロゾル発生装置内に受容された前記エアロゾル発生物品を抽出するための抽出器を備え、前記抽出器が、前記装置空洞内で移動可能であるように構成されている、請求項1~8のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項10】
前記抽出器が、前記抽出器が動作位置にあるときに前記通気チャンバーを露出するように構成されており、前記動作位置が、前記エアロゾル発生物品の前記エアロゾル形成基体と接触する前記ヒーターによって画定される、請求項9に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項11】
気流経路が、前記エアロゾル発生装置ハウジングの前記周辺壁と前記抽出器の外部表面との間に画定され、前記通気チャンバーが、前記気流経路と流体連通する、請求項9または10に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項12】
エアロゾル発生システムであって、
エアロゾル発生物品であって、
エアロゾル形成基体のロッド、および、
前記エアロゾル形成基体のロッドの下流に位置付けられたフィルター、を含み、
前記エアロゾル形成基体のロッドおよび前記フィルターが、ラッパー内に組み立てられ、前記エアロゾル発生物品が、前記ラッパー上に位置する通気ゾーンを含み、前記通気ゾーンが、前記ラッパーを通って延びる複数の開口を含む、エアロゾル発生物品と、
請求項1~11のいずれかに記載のエアロゾル発生装置と、を備え、
前記エアロゾル発生システムが、前記エアロゾル発生物品が前記装置空洞内に受容されたときに、前記エアロゾル発生物品の前記通気ゾーンが、前記通気チャンバーが前記エアロゾル発生物品の通気ゾーンを覆うように前記装置空洞内に位置するように構成されている、エアロゾル発生システム。
【請求項13】
前記エアロゾル発生物品の前記フィルターが、
前記エアロゾル形成基体のロッドの下流に配設された濾過材料のプラグを含むマウスピースセグメントと、
前記マウスピースセグメントと前記エアロゾル形成基体のロッドとの間に位置する中空の管状セグメントと、を備え、
前記通気ゾーンが、前記中空の管状セグメントの上流半分に沿った位置に位置する、請求項12に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項14】
前記ヒーターが、前記エアロゾル発生物品が前記エアロゾル発生装置内に受容されたときに前記エアロゾル形成基体のロッドを貫通するように構成された細長い発熱体を含む、請求項12または13に記載のエアロゾル発生システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル発生物品を受容するように構成され、かつ通気チャンバーを有するエアロゾル発生装置に関する。本出願はまた、こうしたエアロゾル発生装置を備えるエアロゾル発生システムを記載する。
【0002】
たばこ含有基体などのエアロゾル形成基体が燃焼されるのではなく加熱されるエアロゾル発生物品は、当技術分野で公知である。こうした加熱式喫煙物品において典型的に、エアロゾルは熱源からの熱を、物理的に分離されたエアロゾル形成基体または材料に伝達することによって発生され、このエアロゾル形成基体または材料は熱源に接触して、または熱源内に、または熱源の周囲に、または熱源の下流に位置してもよい。エアロゾル発生物品の使用中に、揮発性化合物は、熱源からの熱伝達によってエアロゾル形成基体から放出され、かつエアロゾル発生物品を通して引き出された空気中に同伴される。放出された化合物は冷めるにつれて凝結してエアロゾルを形成する。
【0003】
数多くの先行技術文書は、エアロゾル発生物品を消費するためのエアロゾル発生装置を開示している。こうした装置としては、例えばエアロゾル発生装置の一つ以上の電気ヒーター要素から加熱式エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体への熱伝達によってエアロゾルが発生される、電気加熱式エアロゾル発生装置が挙げられる。
【0004】
しかしながら、その外側ラッパー上に通気開口(「通気ゾーン」と呼ばれる)を有するエアロゾル発生物品が公知のエアロゾル発生装置内に受容されたときに、こうした通気開口が、装置の外部環境に露出する場合がある。装置内での物品の使用中、通気開口は、消費者に送達される物品を通って流れるエアロゾルの有益な希釈、ならびに発生したエアロゾルの温度を低下させ得る通気気流を提供し得る。
【0005】
通気開口の露出により、エアロゾル発生システムの通常の使用中に、消費者が不注意により自身の指または唇で物品の通気開口を遮断する可能性がある。その結果、こうした遮断は、物品の実質上の引き出し抵抗を増大させ、最適なエアロゾルの形成および冷却を妨害することによって、消費者の感覚体験に影響を与える場合がある。したがって、少なくともこの問題に対処するエアロゾル発生装置を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0006】
本発明によると、エアロゾル発生物品を受容するように構成されたエアロゾル発生装置が提供されている。エアロゾル発生装置は、遠位端および口側端を有し、かつハウジングと、エアロゾル発生物品が装置空洞内に受容されたときにエアロゾル発生物品を加熱するためのヒーターとを備える。ハウジングは、周辺壁を含む。周辺壁は、装置の口側端でエアロゾル発生物品を取り外し可能に受容するための装置空洞を画定する。ハウジングはまた、通気チャンバーを含む。通気チャンバーは、周辺壁内に画定される。通気チャンバーは、エアロゾル発生装置の外部および装置空洞内に受容されたエアロゾル発生物品と流体連通するように構成されている。通気チャンバーは、ハウジング内に画定されたチャンバー入口を通してエアロゾル発生装置の外部と流体連通するように構成されている。チャンバー入口は、通気チャンバーの断面積よりも小さい断面積を有する。チャンバー入口は、通気チャンバーとエアロゾル発生装置の口側端との間に延びる。通気チャンバーの長さは、約8mm以下である。
【0007】
本出願によると、エアロゾル発生物品を受容するように構成されたエアロゾル発生装置が提供され得る。エアロゾル発生装置は、遠位端および口側端を有し得る。エアロゾル発生装置はハウジングを備えてもよい。エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品が装置空洞内に受容されたときにエアロゾル発生物品を加熱するためのヒーターを備え得る。ハウジングは、周辺壁を含み得る。周辺壁は、装置の口側端でエアロゾル発生物品を取り外し可能に受容するための装置空洞を画定し得る。ハウジングは、通気チャンバーを含み得る。通気チャンバーは、周辺壁内に画定されてもよい。通気チャンバーは、エアロゾル発生装置の外部および装置空洞内に受容されたエアロゾル発生物品と流体連通するように構成され得る。通気チャンバーは、ハウジング内に画定されたチャンバー入口を通してエアロゾル発生装置の外部と流体連通するように構成され得る。チャンバー入口は、通気チャンバーの断面積よりも小さい断面積を有してもよい。
【0008】
エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品が装置空洞内に受容されたときにエアロゾル形成基体を加熱するためのヒーターを備え得る。
【0009】
「口側端」という用語は、要素または構成要素の通常の使用中に、ユーザーの口の中または口の近くにあるように構成されている、要素または構成要素の一部分を指す。口側端はまた、下流端に対応し得る。例えば、エアロゾル発生物品の口側端はまた、物品の下流端であり得る。エアロゾル発生物品または装置の口側端は、通常の使用中に、消費者の口の中または口の近くに置かれるように構成されている。エアロゾル発生装置の口側端は、エアロゾル発生装置の近位端とも呼ばれ得る。エアロゾル発生装置の口側端とは、エアロゾル発生物品を受容するように構成された、エアロゾル発生装置の口側端面を指し得る。したがって、装置空洞の開放端は、エアロゾル発生装置の口側端面内に画定され得る。
【0010】
エアロゾル発生装置の周辺壁内に通気チャンバーを提供することによって、エアロゾル発生装置の空洞内に受容され、通気チャンバーによって重なった、または囲まれたエアロゾル発生物品の一部分を使用中に冷却することができる。エアロゾル発生物品のラッパーは、こうした冷却効果を提供するために、通気チャンバーに入る空気がエアロゾル発生物品にも入ることを可能にするように多孔性であってもよい。こうした冷却効果はまた、エアロゾル発生装置内に受容されたときに、使用中のエアロゾル発生物品内のエアロゾルの形成および核形成を改善し得る。こうしたエアロゾル核形成の向上は、消費者に改善された感覚体験を提供し得る。さらに、約8mm以下である比較的短い通気チャンバーを提供することによって、エアロゾル発生物品とエアロゾル発生装置の通気チャンバーとの間の短い重複が達成される。結果として、装置内に受容されたときに、エアロゾル発生物品のより標的かつ局所的な一部分が冷却され、それ故に、こうした一部分における、冷気が通気チャンバーに入ることによる冷却効果がより効果的なものとなり得る。
【0011】
さらに、エアロゾル発生物品の使用中、発生したエアロゾルは、通気チャンバー内に蓄積し得る。こうした蓄積されたエアロゾルは、使用中に消費者が吸うための補助的なエアロゾル源を提供し得る。これにより、ユーザーの感覚体験がさらに改善される。
【0012】
使用中に、消費者は、エアロゾル発生物品、好ましくは物品の口側端を吸い得る。空気は、チャンバー入口を通って通気チャンバーに入り、物品の周りを物品のエアロゾル形成基体に向かって流れ得る。気流は、物品の口側端で消費者にエアロゾルを提供するために、物品のエアロゾル形成基体を通って流れ得る。
【0013】
本明細書で使用される「エアロゾル発生装置」という用語は、エアロゾル発生物品のエアロゾル発生基体と相互作用してエアロゾルを発生するヒーター要素を備える装置を指す。
【0014】
エアロゾル発生装置のハウジングは、装置の遠位端と口側端との間に延びてもよい。エアロゾル発生装置のハウジングは、装置の遠位端から口側端まで延びてもよい。
【0015】
本明細書で使用される「長軸方向」という用語は、エアロゾル発生物品またはエアロゾル発生装置の上流端と下流端との間に延びる、エアロゾル発生物品または装置の主長軸方向軸に対応する方向を指す。
【0016】
本明細書で使用される「上流」および「下流」という用語は、使用中にエアロゾル発生物品を通してエアロゾルが搬送される方向に対する、エアロゾル発生物品または装置の要素(または要素の一部分)の相対的な位置を説明する。
【0017】
使用中、空気は長軸方向でエアロゾル発生物品を通して引き出される。「横断方向」という用語は、長軸方向軸に対して直角を成す方向を指す。エアロゾル発生物品またはエアロゾル発生物品の構成要素の「断面」への任意の言及は、別途記載のない限り、横断断面を指す。
【0018】
「長さ」という用語は、長軸方向におけるエアロゾル発生物品または装置の構成要素の寸法を意味する。
【0019】
本明細書で使用される「均質化したたばこ材料」という用語は、たばこ材料の粒子の凝集によって形成される任意のたばこ材料を包含する。均質化したたばこ材料のシートまたはウェブは、たばこ葉の葉身およびたばこ葉の茎のうちの一方または両方を粉砕することによって、またはその他の方法で粉末化することによって得られた粒子状たばこを凝集することによって形成されている。加えて、均質化したたばこ材料は、たばこの処理中、取り扱い中、および発送中に形成された少量のたばこダスト、たばこ微粉、およびその他の粒子状たばこ副産物のうちの一つ以上を含んでもよい。均質化したたばこ材料のシートは、キャスティング、押出成形、製紙プロセス、または当技術分野で公知の他の任意の適切なプロセスによって生産されてもよい。
【0020】
「多孔性」という用語は本明細書において、材料を通した空気の通過を可能にする複数の細孔または開口部を提供する材料を指すために使用される。
【0021】
「内に受容」という表現は、構成要素または要素が、別の構成要素または要素内に、完全に、または部分的に受容されているという事実を指し得る。例えば、「エアロゾル発生物品が装置空洞内に受容」という表現は、エアロゾル発生物品がエアロゾル発生物品の装置空洞内に、完全に、または部分的に受容されていることを指す。エアロゾル発生物品が装置空洞内に受容されたときに、エアロゾル発生物品は、装置空洞の遠位端に当接し得る。エアロゾル発生物品が装置空洞内に受容されたときに、エアロゾル発生物品は、装置空洞の遠位端に実質的に近接し得る。装置空洞の遠位端は、端壁によって画定され得る。
【0022】
装置空洞の長さは、約10mm~約50mmであってもよい。装置空洞の長さは、約20mm~約40mmであってもよい。装置空洞の長さは、約25mm~約30mmであってもよい。
【0023】
「口側端」という用語は、通常の使用中に、ユーザーの口の中または口の近くにあるように構成されている、要素または構成要素の一部分を指す。口側端はまた、下流端に対応し得る。例えば、エアロゾル発生物品の口側端はまた、物品の下流端であり得る。エアロゾル発生物品または装置の口側端は、通常の使用中に、消費者の口の中または口の近くに置かれるように構成されている。エアロゾル発生装置の口側端は、エアロゾル発生装置の近位端とも呼ばれ得る。エアロゾル発生装置の口側端とは、エアロゾル発生物品を受容するように構成された、エアロゾル発生装置の口側端面を指し得る。したがって、装置空洞の開放端は、エアロゾル発生装置の口側端面に画定され得る。
【0024】
通気チャンバーは、好ましくは、エアロゾル発生装置の口側端から離れた長軸方向の位置に位置し得る。通気チャンバーは、エアロゾル発生装置の口側端を介してエアロゾル発生装置の外部と流体連通するように構成されることが好ましい。通気チャンバーは、エアロゾル発生装置の口側端面を介してエアロゾル発生装置の外部と流体連通するように構成されることが好ましい。言い換えれば、空気が、エアロゾル発生装置の口側端または口側端面を介して、通気チャンバーに入るように構成されている。
【0025】
本文脈において、「エアロゾル発生装置の口側端から離れた長軸方向の位置」という表現は、エアロゾル発生装置の口側端に位置しない、長軸方向の位置を指す。したがって、エアロゾル発生装置の口側端から離れた長軸方向の位置とは、エアロゾル発生装置の口側端の長軸方向の位置とは異なる(またはそこからある距離にある)長軸方向の位置を指す。
【0026】
エアロゾル発生装置の口側端から離れて通気チャンバーを提供することによって、通気チャンバーは、装置の空洞内に受容されたエアロゾル発生物品の周りに、装置の口側端から離れて、空洞または空間を形成し得る。エアロゾル発生物品が物品とともに受容されたときに、こうした通気チャンバーは、エアロゾル発生物品の外部と流体連通する。エアロゾル発生物品の外部は、ラッパーによって画定され得る。ラッパーは多孔性であってもよい。ラッパーは、通気チャンバーからの空気がエアロゾル発生物品に入ることを可能にするように十分に多孔性であり得る。空気が入ることを可能にすることによって、通気チャンバーは、物品の冷却を促進し、これにより、物品内のエアロゾル粒子の核形成が向上し得る。通気チャンバーは、口側端から離れた長軸方向の位置に位置するときに核形成を促進する可能性が高いが、これは、通気チャンバーが、エアロゾル発生が起こる場所に近い、エアロゾル発生物品のより上流部分と重なり合う可能性が高いためである。したがって、通気チャンバーのこうした位置付けにより、消費者へのエアロゾル送達が改善し得る。
【0027】
こうした実施形態では、通気チャンバーは、第一の端および第二の端の二つの端を有する。通気チャンバーの第二の端は、通気チャンバーの第一の端よりも装置の口側端に近い。こうした実施形態では、通気チャンバーの両端は、エアロゾル発生装置の口側端から離れて位置する。言い換えれば、第二の端は、装置の口側端に位置しない。
【0028】
こうした実施形態では、チャンバー入口は、エアロゾル発生装置の通気チャンバーと口側端との間に延び得る。チャンバー入口は、通気チャンバーの第二の端とエアロゾル発生装置の口側端との間に延びてもよい。
【0029】
通気チャンバーの第二の端は、エアロゾル発生装置の口側端(面)(または装置空洞の開放端)から少なくとも約1mmに位置してもよい。通気チャンバーの第二の端は、エアロゾル発生装置の口側端(面)から少なくとも約2mmに位置してもよい。通気チャンバーの第二の端は、エアロゾル発生装置の口側端(面)から少なくとも約3mmに位置してもよい。
【0030】
通気チャンバーの第一の端は、装置空洞の遠位端から少なくとも約10mmに位置してもよい。通気チャンバーの第一の端は、装置空洞の遠位端から少なくとも約20mmに位置してもよい。通気チャンバーの第一の端は、装置空洞の遠位端から少なくとも約30mmに位置してもよい。
【0031】
チャンバー入口は、装置空洞とは別個の要素であってもよい。言い換えれば、チャンバー入口は、装置空洞によって画定されず、代わりに、ハウジング内に画定されてもよい。チャンバー入口は、装置空洞を画定する周辺壁内に画定され得る。チャンバー入口は、周辺壁の厚さ内に、または周辺壁上に画定されることが好ましい。言い換えれば、チャンバー入口は、周辺壁の表面(例えば、内部もしくは内表面)上、または周辺壁の厚さ内に、周辺壁の内側長軸方向表面と外側長軸方向表面との間の位置に画定され得る。
【0032】
チャンバー入口は、エアロゾル発生装置の外部と通気チャンバーとの間の流体連通を可能にする。それによって、装置の外部からの空気は、装置内に受容されたときにエアロゾル発生物品のラッパーと流体連通し得る。こうした流体連通は、物品内に発生するエアロゾルの核形成および冷却を促進することによって、エアロゾルの発生を向上させる。
【0033】
エアロゾル発生物品がラッパー上に通気ゾーンを有する場合、チャンバー入口を通してエアロゾル発生装置の外部から通気チャンバーに入って来る空気は、物品の通気ゾーンを通過し得る。これにより、エアロゾル発生物品に通気が提供される。
【0034】
さらに、発生されたエアロゾルは、通気チャンバー内に蓄積し得る。こうしたエアロゾルの蓄積は、補助的なエアロゾル源を提供することによって、消費者の体験を向上させ得る。消費者は、こうした補助的なエアロゾル源を吸い得る。
【0035】
一部の実施形態では、チャンバー入口は、通気チャンバーとエアロゾル発生装置の口側端との間に延び得る。これにより、チャンバー入口を通して装置の外側から通気チャンバーに空気が流れることが可能になり、チャンバー入口が装置ハウジングの周辺の周りに位置せず、好ましくは装置の口側端面から延びるため、エアロゾル発生装置を保持するときにユーザーが指で遮断する可能性が最小化される。
【0036】
チャンバー入口は、通気チャンバーと装置の外部との間の流体接続を確立するために、通気チャンバーから任意の方向に沿って延び得る。チャンバー入口は、実質的に、エアロゾル発生装置の長軸方向軸に平行な方向に沿って延び得る。チャンバー入口は、実質的に、エアロゾル発生装置の長軸方向軸と直角を成す方向に沿って延び得る。
【0037】
チャンバー入口は、円形断面を有してもよい。チャンバー入口は、環状断面を有してもよい。チャンバー入口は、環状セクターの形状の断面を有してもよい。「環状セクター」とは、環状形状またはリングの一部分またはセクションを指す。
【0038】
チャンバー入口および通気チャンバーは、同じ断面形状を有してもよい。例えば、通気チャンバーが環状形状であってもよく、チャンバー入口が環状形状であってもよい。例えば、通気チャンバーが円形であってもよく、チャンバー入口も円形であってもよい。別の方法として、チャンバー入口および通気チャンバーは、異なる断面形状を有してもよい。例えば、チャンバー入口が円形であってもよく、通気チャンバーが環状であってもよい。
【0039】
チャンバー入口は、通気チャンバーの断面積よりも小さい断面積を有してもよい。チャンバー入口の断面積は、長軸方向に沿って変化してもよい。
【0040】
チャンバー入口は、円筒状または円錐状であってもよい。
【0041】
チャンバー入口は、通気チャンバーの断面積の約75パーセント以下の断面積を有してもよい。チャンバー入口は、通気チャンバーの断面積の約50パーセント以下の断面積を有してもよい。チャンバー入口は、通気チャンバーの断面積の約25パーセント以下の断面積を有してもよい。チャンバー入口は、通気チャンバーの断面積の約20パーセント以下の断面積を有してもよい。チャンバー入口は、通気チャンバーの断面積の約10パーセント以下の断面積を有してもよい。チャンバー入口は、通気チャンバーの断面積の約5パーセント以下の断面積を有してもよい。
【0042】
チャンバー入口の直径は、約0.1mm以上であってもよい。チャンバー入口の直径は、約0.2mm以上であってもよい。チャンバー入口の直径は、約0.5mm以上であってもよい。
【0043】
チャンバー入口の直径は、約2mm以下であってもよい。チャンバー入口の直径は、約1.5mm以下であってもよい。チャンバー入口の直径は、約1mm以下であってもよい。
【0044】
チャンバー入口の直径は、約0.1mm~約2mmであってもよい。チャンバー入口の直径は、約0.2mm~約1.5mmであってもよい。チャンバー入口の直径は、約0.5mm~約1mmであってもよい。
【0045】
チャンバー入口の直径と通気チャンバーの深さの比は、約30以下であってもよい。チャンバー入口の直径と通気チャンバーの深さの比は、約20以下であってもよい。チャンバー入口の直径と通気チャンバーの深さの比は、約15以上であってもよい。
【0046】
チャンバー入口の直径と通気チャンバーの深さの比は、約2以上であってもよい。チャンバー入口の直径と通気チャンバーの深さの比は、約5以上であってもよい。チャンバー入口の直径と通気チャンバーの深さの比は、約10以上であってもよい。
【0047】
チャンバー入口の直径と通気チャンバーの深さの比は、約2~約30であってもよい。チャンバー入口の直径と通気チャンバーの深さの比は、約5~約20であってもよい。チャンバー入口の直径と通気チャンバーの深さの比は、約10~約15であってもよい。
【0048】
通気チャンバーの深さが変化する場合、通気チャンバーの深さとは、通気チャンバーの平均深さを指し得る。チャンバー入口の直径が変化する場合、チャンバー入口の直径とは、チャンバー入口の平均直径を指し得る。
【0049】
チャンバー入口の長さは、約1mm以上であってもよい。チャンバー入口の長さは、約2mm以上であってもよい。チャンバー入口の長さは、約3mm以上であってもよい。
【0050】
チャンバー入口の長さは、約15mm以下であってもよい。チャンバー入口の長さは、約10mm以下であってもよい。チャンバー入口の長さは、約6mm以下であってもよい。チャンバー入口の長さは、約4mm以下であってもよい。
【0051】
チャンバー入口の長さは、約1mm~約15mmであってもよい。チャンバー入口の長さは、約1mm~約6mmであってもよい。チャンバー入口の長さは、約2mm~約6mmであってもよい。チャンバー入口の長さは、約3mm~約4mmであってもよい。
【0052】
チャンバー入口の長さは、エアロゾル発生装置の口側端からの通気チャンバーの距離を画定し得る。
【0053】
複数のチャンバー入口があってもよい。こうした実施形態では、チャンバー入口は、装置の口側端で均等かつ半径方向に分布し得る。
【0054】
一部の実施形態では、通気チャンバーを画定する周辺壁の一部分の厚さは、周辺壁の異なる部分の厚さとは異なってもよい。
【0055】
一部の実施形態では、通気チャンバーを画定する周辺壁の一部分の厚さは、周辺壁の異なる部分の厚さよりも小さい場合がある。一部の実施形態では、通気チャンバーを画定する周辺壁の一部分の厚さは、周辺壁の残りの部分の厚さよりも小さい場合がある。
【0056】
一部の実施形態では、通気チャンバーを画定する周辺壁の一部分の厚さは、長軸方向に沿って変化し得る。こうした実施形態では、通気チャンバーを画定する周辺壁の一部分は、エアロゾル発生装置の口側端に向かって低減し得る。こうした実施形態では、通気チャンバーを画定する周辺壁の一部分は、エアロゾル発生装置の口側端に向かって増大し得る。
【0057】
周辺壁の厚さの変化は、装置空洞の周辺壁内の通気チャンバーの画定を可能にする。こうした厚さの変化または差異は、装置内に受容されたエアロゾル発生物品と装置空洞の周辺壁との間に空間を提供し、これが次に、空気が周辺壁と受容された物品との間に流れることを可能にする。これにより、エアロゾルに通気または冷却効果を提供するために、空気が物品の通気ゾーンまたはラッパーに到達することが可能になる。
【0058】
通気チャンバーは、環状であってもよい。通気チャンバーは、装置ハウジングの周辺壁内に画定された連続的な環状チャンバーであってもよい。これは、通気チャンバーが、受容された物品のラッパーまたは通気ゾーン全体を囲い、それによって、通気チャンバーと、受容されたエアロゾル発生物品の通気ゾーンとの間の重複量を最大化することを可能にする。重複量が大きいほど、装置内に受容されるエアロゾル発生物品に提供される通気が大きくなる。さらに、環状の通気チャンバーは、製造が単純かつ効率的であり得る。
【0059】
通気チャンバーは、正方形形状、長方形形状、または三角形形状である、長軸方向の断面を有し得る。
【0060】
通気チャンバーは、受容されたエアロゾル発生物品のラッパーまたは通気ゾーンを部分的に囲む環状部分(またはセクター)であってもよい。エアロゾル発生装置は、複数の通気チャンバーを備え得る。こうした複数の通気チャンバーは、異なる長軸方向の位置に配設された複数の通気チャンバー、または異なる円周方向の位置に配設された複数の通気チャンバーを含み得る。
【0061】
通気チャンバーの長さは、約8mm以下であってもよい。通気チャンバーの長さは、約4mm以下であってもよい。通気チャンバーの長さは、約3mm以下であってもよい。
【0062】
通気チャンバーの長さは、約1mm以上であってもよい。通気チャンバーの長さは、約2mm以上であってもよい。通気チャンバーの長さは、約1mm以上であってもよい。
【0063】
通気チャンバーの長さは、約1mm~約8mmであってもよい。通気チャンバーの長さは、約2mm~約4mmであってもよい。通気チャンバーの長さは、約3mm~約4mmであってもよい。
【0064】
通気チャンバーの長さは、装置空洞の長さの少なくとも約2.5パーセントであってもよい。通気チャンバーの長さは、装置空洞の長さの少なくとも約5パーセントであってもよい。通気チャンバーの長さは、装置空洞の長さの少なくとも約7.5パーセントであってもよい。通気チャンバーの長さは、装置空洞の長さの少なくとも約10パーセントであってもよい。
【0065】
通気チャンバーの長さは、装置空洞の長さの約40パーセント未満であってもよい。通気チャンバーの長さは、装置空洞の長さの約30パーセント未満であってもよい。通気チャンバーの長さは、装置空洞の長さの約25パーセント未満であってもよい。通気チャンバーの長さは、装置空洞の長さの約20パーセント未満であってもよい。通気チャンバーの長さは、装置空洞の長さの約15パーセント未満であってもよい。
【0066】
通気チャンバーの長さは、装置空洞の長さの約2.5パーセント~約40パーセントであってもよい。通気チャンバーの長さは、装置空洞の長さの約5パーセント~約30パーセントであってもよい。通気チャンバーの長さは、装置空洞の長さの約7.5パーセント~約25パーセントであってもよい。
【0067】
比較的短いまたは小さい通気チャンバーを提供することによって、エアロゾル発生物品と、エアロゾル発生装置の通気チャンバーとの間の比較的短いまたは小さい重複が達成され得る。結果として、装置内に受容されたときに、エアロゾル発生物品のより標的かつ局所的な一部分が冷却され、それ故に、こうした物品の一部分における、冷気が通気チャンバーに入ることによる冷却効果がより効果的なものとなり得る。
【0068】
通気チャンバーの深さとは、通気チャンバーが装置ハウジングの周辺壁の中に延びる半径方向の距離を指す。通気チャンバーの深さは、約3mm以下であってもよい。通気チャンバーの深さは、約2mm以下であってもよい。通気チャンバーの深さは、約1.5mm以下であってもよい。
【0069】
通気チャンバーの深さは、約0.5mm以上であってもよい。通気チャンバーの深さは、約1mm以上であってもよい。
【0070】
通気チャンバーの深さは、約0.5mm~約3mmであってもよい。通気チャンバーの深さは、約1mm~約2mmであってもよい。
【0071】
通気チャンバーの横断断面積は、約5平方mm以上であってもよい。通気チャンバーの横断断面積は、約20平方mm以上であってもよい。通気チャンバーの横断断面積は、約50平方mm以上であってもよい。
【0072】
通気チャンバーの横断断面積は、約275平方mm以下であってもよい。通気チャンバーの横断断面積は、約150平方mm以下であってもよい。
【0073】
通気チャンバーの横断断面積は、約5平方mm~約275平方mmであってもよい。通気チャンバーの横断断面積は、約20平方mm~約150平方mmであってもよい。
【0074】
装置ハウジングを画定するエアロゾル発生装置ハウジングの周辺壁の厚さは、約1mm以上であってもよい。周辺壁の厚さは、約2mm以上であってもよい。周辺壁の厚さは、約3mm以上であってもよい。
【0075】
装置ハウジングを画定するエアロゾル発生装置ハウジングの周辺壁の厚さは、約10mm以下であってもよい。周辺壁の厚さは、約7.5mm以下であってもよい。周辺壁の厚さは、約5mm以下であってもよい。
【0076】
装置ハウジングを画定するエアロゾル発生装置ハウジングの周辺壁の厚さは、約1mm~約10mmであってもよい。周辺壁の厚さは、約2mm~約7.5mmであってもよい。周辺壁の厚さは、約3mm~約5mmであってもよい。
【0077】
通気チャンバーの深さは、周辺壁の厚さの約75パーセント以下であってもよい。通気チャンバーの深さは、周辺壁の厚さの約50パーセント以下であってもよい。通気チャンバーの深さは、周辺壁の厚さの約35パーセント以下であってもよい。
【0078】
通気チャンバーの深さは、周辺壁の厚さの約10パーセント以上であってもよい。通気チャンバーの深さは、周辺壁の厚さの約20パーセント以上であってもよい。通気チャンバーの深さは、周辺壁の厚さの約25パーセント以上であってもよい。
【0079】
通気チャンバーの深さは、周辺壁の厚さの約10パーセント~約75パーセントであってもよい。通気チャンバーの深さは、周辺壁の厚さの約20パーセント~約50パーセントであってもよい。通気チャンバーの深さは、周辺壁の厚さの約25パーセント~約35パーセントであってもよい。
【0080】
エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生装置内に受容されたエアロゾル発生物品を抽出するための抽出器を備えてもよく、抽出器は、装置空洞内で移動可能であるように構成されている。
【0081】
抽出器は、抽出器が、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体と接触するヒーターによって画定される動作位置にあるときに、通気チャンバーを露出するように構成されている。
【0082】
抽出器は、エアロゾル発生物品を受容するように構成されたレセプタクル本体を含む。抽出器(抽出器本体)のレセプタクル本体は、端壁および周辺壁を含み得る。抽出器のレセプタクル本体は、端壁の反対側に開放端を含み、開放端を通して、エアロゾル発生物品を受容することができる。エアロゾル発生物品は、抽出器本体内に受容されると、端壁に当接するように構成されている。レセプタクル本体の周辺壁は、抽出器内に受容されたときにエアロゾル発生物品を囲み得る。抽出器が存在するこうした実施形態では、抽出器本体の周辺壁は、通気チャンバーを画定し得る。別の方法として、装置ハウジングの周辺壁は、通気チャンバーを画定してもよい。
【0083】
抽出器は、動作位置で、レセプタクル本体が通気チャンバーの第一の端と装置空洞の遠位端との間に延びるようにサイズ設定され得る。これにより、抽出器本体が通気チャンバーとエアロゾル発生物品との間の流体連通を覆い隠すことなく、エアロゾル発生物品を通気チャンバーに直接露出させることが可能になる。
【0084】
抽出器は、動作位置で、レセプタクル本体が装置空洞の口側端と装置空洞の遠位端との間に延びるようにサイズ設定され得る。こうした実施形態では、抽出器本体は、挿入されたときに通気チャンバーをエアロゾル発生物品に露出させることができるように、切り抜きまたは複数の切り抜きを有し得る。抽出器本体および装置空洞は一緒に、使用中に、当該切り抜きまたは複数の切り抜きと通気チャンバーまたは複数の通気チャンバーとの整列を確実にするように構成され得る。例えば、抽出器本体は、エアロゾル発生装置のハウジング内に位置するスロットまたは溝と協働するように配設された突出部を含み得る。
【0085】
エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品が装置空洞内に受容されたときに、エアロゾル発生物品の中に挿入されるように配設された細長いヒーターを備え得る。細長いヒーターは、装置空洞内に配設され得る。細長いヒーターは、装置空洞の中に延びてもよい。代替的な加熱配設について、以下でさらに説明する。しかしながら、ヒーターが装置空洞の中に延びるこうした実施形態では、抽出器本体は、ヒーターがエアロゾル発生物品の中に延びることを可能にするための開口を端壁に含む。こうした開口は、空気が抽出器空洞の内部に入ることを可能にし得、そのため、空気は、使用中にエアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体のロッドを通って流れ得る。別の方法として、空気が抽出器空洞の内部に入ることを可能にするために、さらなる開口が提供されてもよい。
【0086】
一部の実施形態では、抽出器本体の長さは、装置空洞の長さよりも小さい場合がある。こうした実施形態では、抽出器が動作位置にある場合(抽出器が装置空洞の遠位端に当接するとき)、通気チャンバーは、抽出器を囲んでいない装置ハウジングの周辺壁の一部分によって画定され得る。周辺壁のこうした一部分は、抽出器が動作位置にあるときに通気チャンバーを画定する。実質的に、装置ハウジングの周辺壁の当該一部分は、抽出器を通過して長軸方向に延び、通気チャンバーを画定する。エアロゾル発生物品と装置ハウジングの周辺壁との間の空間または隙間は、通気チャンバーを画定する。
【0087】
気流経路は、装置空洞内に受容されたエアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体とエアロゾル発生装置の外部との間の流体連通を可能にするように画定され得る。この気流経路は、エアロゾル発生装置内で加熱されているエアロゾル発生物品をユーザーが吸煙した際のエアロゾル形成を可能にする。気流経路からの空気は、エアロゾル発生物品の上流端に流入し、物品のエアロゾル形成基体を通って流れ得る。こうした気流経路は、エアロゾル発生装置内に画定され得る。
【0088】
抽出器が提供される実施形態では、エアロゾル発生装置ハウジングの周辺壁と抽出器の外部表面との間に気流経路が画定され得、通気チャンバーは、当該気流経路と流体連通する。
【0089】
抽出器が提供されない実施形態では、気流経路は、エアロゾル発生装置ハウジングの周辺壁の厚さ内に画定され得る。気流経路はまた、通気チャンバーと流体連通し得る。
【0090】
上述のように、エアロゾル発生物品とエアロゾル発生装置とを備えるエアロゾル発生システムも提供されている。エアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基体のロッドと、エアロゾル形成基体のロッドの下流に位置付けられたフィルターとを備え得る。エアロゾル形成基体のロッドおよびフィルターは、ラッパー内に組み立てられてもよい。エアロゾル発生物品は、ラッパー上に位置する通気ゾーンを備え得る。エアロゾル発生システムは、エアロゾル発生物品が装置空洞内に受容されたときに、エアロゾル発生物品の通気ゾーンが、通気チャンバーがエアロゾル発生物品の通気ゾーンを覆うように装置空洞内に位置するように構成されている。
【0091】
上述のように、通気チャンバーは、装置内に受容されたときにエアロゾル発生物品の通気ゾーンを囲むように環状であってもよい。
【0092】
エアロゾル発生物品から通気ゾーンを覆う通気チャンバーを提供することにより、エアロゾル発生システムの使用中に、エアロゾル発生物品の通気ゾーンがエアロゾル発生装置のハウジングによって覆われ、装置の外部に露出されないことが確実になる。
【0093】
さらに、物品の通気ゾーンを覆う通気チャンバーを提供することにより、周辺壁内に画定された通気チャンバーの内表面と物品の通気ゾーンとの間に空気またはエアロゾルが流れることも確実になる。これは、通気ゾーンが、通常の使用中に消費者によって覆い隠されるか、または遮断されることなく、物品に通気を提供するよう機能する役割を果たし得ることを意味する。
【0094】
通気チャンバーは、エアロゾル発生装置の外部およびエアロゾル発生物品の通気ゾーンと流体連通するように構成され得る。
【0095】
エアロゾル発生物品が装置空洞内に受容されたときに、物品の通気ゾーンは、装置内に画定された通気チャンバーと整列し、かつ通気チャンバーによって囲まれるように配設される。これは、エアロゾル発生システムの通常の使用中に、エアロゾル発生物品の通気ゾーンがエアロゾル発生装置のハウジングによって覆われ、そのため、通気ゾーンが装置の外部に露出しないことを確実にする。また、空気またはエアロゾルが、装置の通気チャンバーと物品の通気ゾーンとの間で流れ得ることも確実になる。これは、通気ゾーンが、使用中に、消費者の口または指によって覆い隠されるか、または遮断されることなく、物品に通気を提供するよう機能する役割を果たし得ることを意味する。
【0096】
「通気レベル」という用語は、本明細書全体を通して、通気ゾーン(通気気流)を介してエアロゾル発生物品の中に入る気流と、エアロゾル気流および通気気流の合計との容積比を意味するために使用され得る。通気レベルが大きいほど、消費者に送達されるエアロゾル流の希釈が高くなる。通気レベルは、エアロゾル発生物品それ自体の上で、すなわち、エアロゾル発生物品をエアロゾル形成基体を加熱するよう適合された適切なエアロゾル発生装置に挿入することなく、測定される。
【0097】
本開示のエアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基体のロッドの下流に位置する下流セクションを備え得る。こうした下流セクションは、エアロゾル発生物品のフィルターと見なされ得る。フィルター(もしくは物品の下流セクション)またはマウスピースセグメントは、濾過材料のプラグと、エアロゾル形成基体のロッドとマウスピースセグメントとの間の場所にある中空の管状セグメントとを含み得る。これらの三つの要素はすべて長軸方向に整列されている。エアロゾル形成基体のロッドは、少なくともエアロゾル形成体を含む。一部の実施形態では、本発明で使用するエアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基体のロッドと中空の管状セグメントとの間に、これらと長軸方向に整列して配設された追加的な支持要素(または支持セグメント)を備え得る。より詳細には、支持要素(または支持セグメント)は、ロッドのすぐ下流、かつ中空の管状セグメントのすぐ上流に提供されていることが好ましい。支持要素またはセグメントは、管状であってもよい。
【0098】
エアロゾル発生物品の通気ゾーンは、物品に沿った任意の場所に位置し得る。通気ゾーンは、エアロゾル形成基体のロッドの下流の位置に位置し得る。通気ゾーンは、物品のフィルターの中空の管状セグメントまたはマウスピースセグメントに沿った位置に位置し得る。通気ゾーンは、物品のフィルターの濾過材料のプラグに沿った位置に位置し得る。
【0099】
エアロゾル発生物品のフィルターは、エアロゾル形成基体のロッドの下流に配設された濾過材料のプラグを含むマウスピースセグメントと、マウスピースセグメントとエアロゾル形成基体のロッドとの間に位置する中空の管状セグメントとを含んでもよく、通気ゾーンは、中空の管状セグメントの上流半分に沿った位置に位置する。
【0100】
「上流半分」という用語は、要素の上流端と要素の中間点との間の、要素の領域または一部分を指す。
【0101】
エアロゾル発生物品は、中空の管状セグメントの上流端から、中空の管状セグメントに沿って約18ミリメートル(mm)未満の場所に通気ゾーンを備え得る。通気ゾーンと中空の管状セグメントの上流端との間の距離は、約15ミリメートル未満であってもよい。通気ゾーンと中空の管状セグメントの上流端との間の距離は、約10ミリメートル未満であることがなおより好ましい。
【0102】
加えて、または代替として、通気ゾーンと中空の管状セグメントの上流端との間の距離は、少なくとも約2ミリメートルであってもよい。通気ゾーンと中空の管状セグメントの上流端との間の距離は、少なくとも約4ミリメートルであってもよい。通気ゾーンと中空の管状セグメントの上流端との間の距離は、少なくとも約6ミリメートルであってもよい。
【0103】
通気ゾーンは、中空の管状セグメントに沿った、マウスピースの上流端から少なくとも約2ミリメートルの場所に提供され得る。通気ゾーンは、中空の管状セグメントに沿った、マウスピースの上流端から少なくとも4ミリメートルの場所に提供されていることが好ましい。通気ゾーンは、中空の管状セグメントに沿った、マウスピースの上流端から少なくとも約5ミリメートルの場所に提供されていることが好ましい。通気ゾーンは、中空の管状セグメントに沿った、マウスピースの上流端から少なくとも6ミリメートルの場所に提供されていることがなおより好ましい。
【0104】
エアロゾル発生物品を通って流れる空気とエアロゾル粒子の混合物が通気ゾーンに到達すると、通気ゾーンを介して中空の管状セグメントの中に引き出された外気がエアロゾルと混合する。これは、エアロゾル混合物の温度を急速に低減させる一方で、空気とエアロゾル粒子の混合物を部分的に希釈する。上述の範囲内に収まるマウスピースセグメントの上流端からの距離に通気ゾーンを提供することによって、マウスピースのすぐ上流に冷却チャンバーが効果的に提供され、有利なことに、エアロゾル粒子の核形成および成長に有利に働く。このように、中空の管状セグメントの中に入る通気空気の希釈効果は少なくとも部分的に対抗され、これは有利なことに、消費者にとって満足のいくエアロゾル送達レベルの提供を可能にする。
【0105】
通気ゾーンは、中空の管状セグメントに沿った、マウスピースセグメントの下流端から少なくとも約10ミリメートルの場所に提供され得る。通気ゾーンは、中空の管状セグメントに沿った、マウスピースセグメントの下流端から少なくとも約12ミリメートルの場所に提供され得る。通気ゾーンは、中空の管状セグメントに沿った、マウスピースセグメントの下流端から少なくとも約15ミリメートルの場所に提供され得る。これは、使用中に、通気ゾーンが消費者の唇によって閉塞されないことを確実にするという点で有利である。
【0106】
一部の実施形態において、通気ゾーンは、中空の管状セグメントに沿った、マウスピースセグメントの下流端から約10ミリメートル~約25ミリメートル、より好ましくはマウスピースセグメントの下流端から約12ミリメートル~約20ミリメートルの場所に提供されている。例示的な実施形態において、通気ゾーンは、中空の管状セグメントに沿った、マウスピースセグメントの下流端から約18ミリメートルの場所に提供されている。別の例示的な実施形態において、通気ゾーンは、中空の管状セグメントに沿った、マウスピースセグメントの下流端から約13ミリメートルの場所に提供されている。
【0107】
理論に束縛されることを望むものではないが、より冷たい外気を、通気ゾーンを介して中空の管状セグメントの中に入れることによって生じる温度低下が、エアロゾル粒子の核形成および成長に有利な効果を及ぼす場合があることが分かっている。
【0108】
このシナリオにおいて(シナリオは融合現象によってさらに複雑である場合)、冷却の温度および速度は、システムがどのように応答するかを決定する上で重要な役割を果たす場合がある。一般に、核形成プロセスが典型的に非線形であるため、異なる冷却速度は、液相(液滴)の形成に関して、著しく異なる温度挙動につながる場合がある。理論に束縛されることを望むものではないが、冷却は液滴の凝縮数の急速な増加を生じさせることができ、その後、この成長の短期間の強力な増加が続く(核形成バースト)と仮定される。この核形成バーストは、より低い温度にて、より著しいと思われる。さらに、より速い冷却速度は、早期の核形成の開始に有利に働く場合があると思われる。対照的に、冷却速度の低減は、エアロゾル液滴が最終的に到達する最終的なサイズに有利な効果を及ぼすと思われる。
【0109】
従って、通気ゾーンを介して中空の管状セグメントの中に外気を入れることによって誘起された急速な冷却は、エアロゾル液滴の有利な核形成および成長に有利なように使用することができる。しかしながら、同時に、中空の管状セグメントの中に外気を入れることは、消費者に送達されるエアロゾルの流れの希釈という直接の欠点を有する。
【0110】
加えて、本発明で使用するためのエアロゾル発生物品において、上述の中空の管状セグメントによって画定された導管に沿った場所で通気空気を入れることによって生じる冷却および希釈効果には、フェノール含有種の発生および送達に驚くべき低減効果があることが見出された。
【0111】
通気ゾーンは、エアロゾル発生物品のラッパーを通って延びる、一つ以上の列の開口または穿孔を含み得る。通気ゾーンの開口または穿孔は、エアロゾル発生物品のフィルターを通って延び得る。
【0112】
通気ゾーンは、エアロゾル形成基体のロッドに沿った位置に位置し得る。通気ゾーンは、エアロゾル形成基体のロッドの下流の位置に位置し得る。通気ゾーンは、中空の管状セグメントに沿った位置に位置し得る。通気ゾーンは、支持セグメントに沿った位置に位置し得る。通気ゾーンは、マウスピースセグメントに沿った位置に位置し得る。通気ゾーンの開口は、通気ゾーンがどこに位置するかに応じて、中空の管状セグメント、支持セグメント、またはマウスピースセグメントを通って延び得る。
【0113】
通気ゾーンは、中空の管状セグメントに沿って位置し得、通気ゾーンの開口または穿孔は、中空の管状セグメントの周辺壁を通って延び得る。これは、中空の管状セグメントによって画定された空洞の短い部分にわたる通気によってもたらされた冷却効果を凝縮させることによって、エアロゾルの核形成がさらに向上する可能性があり得るという点で有利であると理解される。これは、エアロゾル形成基体から揮発した種の流れの、より高速でより劇的な冷却が、エアロゾル粒子の新たな核の形成に特に有利に働くことが期待されるからである。
【0114】
通気ゾーンは、一列の開口または穿孔のみを含み得る。開口または穿孔の列は、8~30個の開口または穿孔を含み得る。通気ゾーンは、エアロゾル発生物品を囲み得る。通気ゾーンは、エアロゾル形成基体のロッドを囲み得る。通気ゾーンは、中空の管状セグメントを囲んでもよい。通気ゾーンは、支持セグメントを囲んでもよい。通気ゾーンは、マウスピースセグメントを囲んでもよい。通気穿孔(または開口)は均一なサイズのものであってもよい。代替として、通気穿孔はサイズが変化してもよい。通気穿孔の数およびサイズを変化させることによって、消費者が使用中にエアロゾル発生物品のマウスピースを吸う時に、中空の管状セグメントの中に入る外気の量を調整することが可能である。そのため、有利なことに、エアロゾル発生物品の通気レベルを調整することが可能である。
【0115】
通気穿孔は、任意の適切な技法を使用して、例えばレーザー技術、エアロゾル発生物品の一部としての中空の管状セグメントの機械的穿孔、または他の要素と組み合わされてエアロゾル発生物品を形成する前の中空の管状セグメントの事前穿孔によって、形成することができる。通気穿孔は、オンラインレーザー穿孔によって形成されていることが好ましい。
【0116】
本発明で使用するエアロゾル発生物品において、中空の管状セグメントが実質的に空であり、そのため実質的に全体的なRTDにわずかに寄与するのみであるため、物品の全体的な引き出し抵抗(RTD)は本質的に、エアロゾル形成基体のロッドのRTDおよびフィルターのマウスピースセグメントのRTDに依存する。実際には、中空の管状セグメントは、およそ0ミリメートルH2O(約0Pa)~およそ20ミリメートルH2O(約200Pa)の範囲のRTDを発生させるように適合されうる。中空の管状セグメントは、およそ0ミリメートルH2O(約0Pa)~およそ10ミリメートルH2O(約100Pa)のRTDを発生させるように適合され得る。
【0117】
エアロゾル発生物品は、約90ミリメートルH2O(約900Pa)未満の全体的なRTDを有してもよい。エアロゾル発生物品は、約80ミリメートルH2O(約800Pa)未満の全体的なRTDを有してもよい。エアロゾル発生物品は、約70ミリメートルH2O(約700Pa)未満の全体的なRTDを有してもよい。
【0118】
加えて、または代替として、エアロゾル発生物品は、少なくとも約30ミリメートルH2O(約300Pa)の全体的なRTDを有してもよい。エアロゾル発生物品は、少なくとも約40ミリメートルH2O(約400Pa)の全体的なRTDを有してもよい。エアロゾル発生物品は、少なくとも約50ミリメートルH2O(約500Pa)の全体的なRTDを有してもよい。
【0119】
エアロゾル発生物品のRTDは、ISO3402で定義された通りの試験条件下で、マウスピースを通して安定した空気の体積流量17.5ml/sを維持するために、マウスピースの下流端に印加される必要がある陰圧として評価されてもよい。上記に列挙したRTDの値は、通気ゾーンの穿孔を遮断することなく、エアロゾル発生物品上でそれ自体に対して(すなわち、物品をエアロゾル発生装置の中に挿入する前に)測定されることが意図されている。
【0120】
通気ゾーンとエアロゾル発生物品の上流端との間の距離は、約50ミリメートル未満であってもよい。通気ゾーンとエアロゾル発生物品の上流端との間の距離は、約45ミリメートル未満であってもよい。通気ゾーンとエアロゾル発生物品の上流端との間の距離は、約40ミリメートル未満であってもよい。
【0121】
通気ゾーンとエアロゾル発生物品の上流端との間の距離は、少なくとも約12ミリメートルであってもよい。通気ゾーンとエアロゾル発生物品の上流端との間の距離は、少なくとも約15ミリメートルであってもよい。通気ゾーンとエアロゾル発生物品の上流端との間の距離は、少なくとも約20ミリメートルであってもよい。一部の実施形態では、通気ゾーンとエアロゾル発生物品の上流端との間の距離は、少なくとも約25ミリメートルであってもよい。
【0122】
通気ゾーンとエアロゾル形成基体のロッドの下流端との間の距離は、少なくとも約2ミリメートルであってもよい。通気ゾーンとエアロゾル形成基体のロッドの下流端との間の距離は、少なくとも約5ミリメートルであってもよい。通気ゾーンとエアロゾル形成基体のロッドの下流端との間の距離は、少なくとも約10ミリメートルであってもよい。一部の実施形態では、通気ゾーンとエアロゾル形成基体のロッドの下流端との間の距離は、少なくとも約15ミリメートルであってもよい。
【0123】
通気ゾーンとエアロゾル形成基体のロッドの下流端との間の距離は、約35ミリメートル未満であってもよい。通気ゾーンとエアロゾル形成基体のロッドの下流端との間の距離は、約30ミリメートル未満であってもよい。通気ゾーンとエアロゾル形成基体のロッドの下流端との間の距離は、約25ミリメートル未満であってもよい。
【0124】
エアロゾル発生基体のロッドは、エアロゾル発生物品の外径にほぼ等しい外径を有することが好ましい。
【0125】
エアロゾル発生基体のロッドは、少なくとも約5ミリメートルの外径を有することが好ましい。エアロゾル発生基体のロッドは、約5ミリメートル~約12ミリメートルの外径、例えば約5ミリメートル~約10ミリメートルの外径、または約6ミリメートル~約8ミリメートルの外径を有してもよい。好ましい一実施形態において、エアロゾル発生基体のロッドは、7.2ミリメートルから約10パーセント以内までの外径を有する。
【0126】
エアロゾル発生基体のロッドは、約5ミリメートル~約100mmの長さを有してもよい。エアロゾル発生基体のロッドは、少なくとも約5ミリメートルの長さを有することが好ましく、少なくとも約7ミリメートルの長さを有することがより好ましい。加えて、または代替として、エアロゾル発生基体のロッドは、約80ミリメートル未満の長さを有することが好ましく、約65ミリメートル未満の長さを有することがより好ましく、約50ミリメートル未満の長さを有することがなおより好ましい。特に好ましい実施形態において、エアロゾル発生基体のロッドは、約35ミリメートル未満の長さを有し、25ミリメートル未満の長さを有することがより好ましく、約20ミリメートル未満の長さを有することがなおより好ましい。一実施形態において、エアロゾル発生基体のロッドは、約10ミリメートルの長さを有してもよい。好ましい一実施形態において、エアロゾル発生基体のロッドは、約12ミリメートルの長さを有する。
【0127】
エアロゾル発生基体のロッドは、ロッドの長さに沿って実質的に均一な断面を有することが好ましい。エアロゾル発生基体のロッドは、実質的に円形の断面を有することが特に好ましい。
【0128】
好ましい実施形態において、エアロゾル形成基体は、均質化したたばこ材料の一つ以上のシートの集合体を含む。一つ以上の均質化したたばこ材料のシートは、テクスチャ加工されていることが好ましい。本明細書で使用される「テクスチャ加工されたシート」という用語は、捲縮された、エンボス加工された、デボス加工された、穿孔された、またはその他の方法で変形されたシートを意味する。本発明で使用する均質化したたばこ材料のテクスチャ加工されたシートは、複数の離隔したへこみ、突出部、穿孔、またはこれらの組み合わせを含んでもよい。本発明の特に好ましい実施形態によれば、エアロゾル形成基体のロッドは、ラッパーによって囲まれた均質化したたばこ材料の捲縮したシートの集合体を含む。
【0129】
本明細書で使用される「捲縮したシート」という用語は、「しわ付けしたシート」という用語と同義語であることが意図され、複数の実質的に平行した隆起または波形のあるシートを意味する。均質化したたばこ材料の捲縮したシートは、実質的に本発明によるロッドの円筒軸に平行な複数の隆起または波形を有することが好ましい。これは有利なことに、ロッドを形成するための均質化したたばこ材料の捲縮したシートの集合を容易にする。しかし、当然のことながら、本発明で使用する均質化したたばこ材料の捲縮したシートは別の方法として、または追加的に、ロッドの円筒軸に対して鋭角または鈍角で配置された複数の実質的に平行な隆起または波形を有する。ある特定の実施形態において、本発明の物品のロッドで使用する均質化したたばこ材料のシートは、実質的にその表面全体にわたって実質的に均等にテクスチャ加工されてもよい。例えば、本発明で使用するエアロゾル発生物品で使用するロッドの製造に使用する均質化したたばこ材料の捲縮したシートは、シートの幅にわたって実質的に均一に離隔した複数の実質的に平行な隆起または波形を含んでもよい。
【0130】
本発明で使用する均質化したたばこ材料のシートまたはウェブは、乾燥重量基準で少なくとも約40重量パーセントのたばこ含有量を有してもよく、乾燥重量基準で少なくとも約60重量パーセントのたばこ含有量を有することがより好ましく、乾燥基準で少なくとも約70重量パーセントのたばこ含有量を有することがより好ましく、乾燥重量基準で少なくとも約90重量パーセントのたばこ含有量を有することが最も好ましい。
【0131】
エアロゾル形成基体で使用する均質化したたばこ材料のシートまたはウェブは、粒子状たばこを凝集するのを補助するために、一つ以上の内因性結合剤、つまり、たばこ内因性結合剤、一つ以上の外因性結合剤、つまり、たばこ外因性結合剤、またはこれらの組み合わせを含み得る。別の方法として、または追加的に、エアロゾル形成基体で使用する均質化したたばこ材料シートは、たばこ繊維および非たばこ繊維、エアロゾル形成体、湿潤剤、可塑剤、風味剤、充填剤、水性および非水性の溶媒、およびこれらの組み合わせを含むがこれらに限定されないその他の添加剤を含んでもよい。
【0132】
エアロゾル形成基体で使用する均質化したたばこ材料のシートまたはウェブに含める適切な外因性結合剤は当技術分野で公知であり、ガム(例えばグアーガム、キサンタンガム、アラビアゴム、ローカストビーンガムなど)、セルロース系結合剤(例えばヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロースなど)、多糖類(例えばデンプン、有機酸(アルギン酸など)、有機酸の共役塩基塩(アルギン酸ナトリウムなど)、寒天、ペクチンなど)、およびこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0133】
エアロゾル形成基体で使用する均質化したたばこ材料のシートまたはウェブに含めるための好適な非たばこ繊維は当技術分野で公知であり、セルロース繊維、針葉樹繊維、広葉樹繊維、ジュート繊維、およびこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。エアロゾル形成基体で使用する均質化したたばこ材料のシートに含める前に、非たばこ繊維は、当技術分野で公知の好適なプロセスによって処理されてもよく、プロセスには機械パルプ化、精製、化学パルプ化、漂白、硫酸塩パルプ化、およびこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0134】
均質化したたばこ材料のシートまたはウェブは、一つのエアロゾル形成体を含んでもよい。本明細書で使用される「エアロゾル形成体」という用語は、使用時にエアロゾルの形成を容易にする、かつエアロゾル発生物品の動作温度にて熱分解に対して実質的に抵抗性である、任意の適切な公知の化合物または化合物の混合物を記述する。
【0135】
好適なエアロゾル形成体は当技術分野で公知であり、多価アルコール(プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、グリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテート、トリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチル、テトラデカン二酸ジメチルなど)を含むが、これらに限定されない。
【0136】
好ましいエアロゾル形成体は、多価アルコール(プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、および最も好ましくはグリセリンなど)またはこれらの混合物である。
【0137】
均質化したたばこ材料のシートまたはウェブは、単一のエアロゾル形成体を含んでもよい。別の方法として、均質化したたばこ材料のシートまたはウェブは、二つ以上のエアロゾル形成体の組み合わせを含んでもよい。
【0138】
均質化したたばこ材料のシートまたはウェブは、乾燥重量基準で約10パーセントを超えるエアロゾル形成体含有量を有する。均質化したたばこ材料のシートまたはウェブは、乾燥重量基準で約12パーセントを超えるエアロゾル形成体含有量を有することが好ましい。均質化したたばこ材料のシートまたはウェブは、乾燥重量基準で約14パーセントを超えるエアロゾル形成体含有量を有することがより好ましい。均質化したたばこ材料のシートまたはウェブは、乾燥重量基準で約16パーセントを超えるエアロゾル形成体含有量を有することがなおより好ましい。
【0139】
均質化したたばこ材料のシートは、乾燥重量基準でおよそ10パーセント~およそ30パーセントのエアロゾル形成体含有量を有してもよい。均質化したたばこ材料のシートまたはウェブは、乾燥重量基準で約25パーセント未満のエアロゾル形成体含有量を有することが好ましい。
【0140】
好ましい一実施形態において、均質化したたばこ材料のシートは、乾燥重量基準でおよそ20パーセントのエアロゾル形成体含有量を有する。
【0141】
本発明のエアロゾル発生物品で使用する均質化したたばこのシートまたはウェブは、当技術分野で公知の方法(例えば国際特許出願第WO-A-2012/164009(A2)号で開示されている方法)によって作製されてもよい。好ましい一実施形態において、エアロゾル発生物品で使用する均質化したたばこ材料のシートはキャストプロセスによって、粒子状たばこ、グアーガム、セルロース繊維、およびグリセリンを含むスラリーから形成されている。
【0142】
エアロゾル発生物品で使用するロッド中の均質化したたばこ材料の代替的な配列は当業者に公知であり、また均質化したたばこ材料の複数の積み重ねられたシート、長軸方向軸を中心として均質化したたばこ材料の細片を巻き取ることによって形成された複数の細長い管状要素等を含んでもよい。
【0143】
さらなる代替として、エアロゾル形成基体のロッドは、ニコチン(例えば、ニコチン塩の形態のもの)およびエアロゾル形成体を装填した吸収材非たばこ材料のシートなど、非たばこ由来のニコチンを有する材料を含んでもよい。かかるロッドの例は、国際出願第WO-A-2015/052652号に記載されている。加えて、または代替として、エアロゾル形成基体のロッドは、香りの良い非たばこ植物材料などの非たばこ植物材料を含んでもよい。
【0144】
エアロゾル形成基体は、ラッパーによって囲まれている。ラッパーは多孔性または非多孔性のシート材料で形成されてもよい。ラッパーは任意の好適な材料または材料の組み合わせで形成されてもよい。ラッパーは紙ラッパーであることが好ましい。
【0145】
マウスピースセグメントは、粒子状の構成要素、気体状の構成要素、または組み合わせを除去する能力を有する濾過材料のプラグを備える。好適な濾過材料は当技術分野で公知であり、繊維質の濾過材料(例えば、セルロースアセテートトウ、ビスコース繊維、ポリヒドロキシアルカン酸(PHA)繊維、ポリ乳酸(PLA)繊維、紙など)、吸着剤(例えば活性化アルミナ、ゼオライト、分子ふるい、シリカゲルなど)、およびこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。加えて、濾過材料のプラグは、一つ以上のエアロゾル修飾剤をさらに含んでもよい。好適なエアロゾル修飾剤は当技術分野で公知であり、例えばメントールなどの風味剤を含むが、これに限定されない。一部の実施形態において、マウスピースは、濾過材料のプラグの下流に口側端の凹部をさらに含んでもよい。一例として、マウスピースは、濾過材料のプラグと長軸方向に整列して、濾過材料のプラグのすぐ下流に配設された中空管を含んでもよく、中空管は、マウスピースおよびエアロゾル発生物品の下流端で外部環境に対して開放している口側端に空洞を形成する。
【0146】
マウスピースの長さは少なくとも約4ミリメートルであることが好ましく、少なくとも約6ミリメートルであることがより好ましく、少なくとも約8ミリメートルであることがなおより好ましい。加えて、または代替として、マウスピースの長さは25ミリメートル未満であることが好ましく、20ミリメートル未満であることがより好ましく、15ミリメートル未満であることがなおより好ましい。一部の好ましい実施形態において、マウスピースの長さは約4ミリメートル~約25ミリメートルであり、約6ミリメートル~約20ミリメートルであることがより好ましい。マウスピースの長さは、約7ミリメートルであってもよい。マウスピースの長さは、約12ミリメートルであってもよい。
【0147】
中空の管状セグメントの長さは、少なくとも約10ミリメートルであることが好ましい。中空の管状セグメントの長さは、少なくとも約15ミリメートルであることがより好ましい。加えて、または代替として、中空の管状セグメントの長さは、約30ミリメートル未満であることが好ましい。中空の管状セグメントの長さは、約25ミリメートル未満であることがより好ましい。中空の管状セグメントの長さは、約20ミリメートル未満であることがなおより好ましい。一部の好ましい実施形態において、中空の管状セグメントの長さは、約10ミリメートル~約30ミリメートルであり、約12ミリメートル~約25ミリメートルであることがより好ましく、約15ミリメートル~約20ミリメートルであることがなおより好ましい。一例として、特に好ましい一実施形態において、中空の管状セグメントの長さは約18ミリメートルである。別の特に好ましい一実施形態において、中空の管状セグメントの長さは約13ミリメートルである。
【0148】
中空の管状セグメントの周辺壁の厚さは、約1.5ミリメートル未満である。中空の管状セグメントの周辺壁の厚さは、約1250マイクロメートル未満であることが好ましく、約1000マイクロメートル未満であることがより好ましく、約900マイクロメートル未満であることがなおより好ましい。特に好ましい実施形態において、中空の管状セグメントの周辺壁の厚さは、約800マイクロメートル未満である。
【0149】
加えて、または代替として、中空の管状セグメントの周辺壁の厚さは、少なくとも約100マイクロメートルである。中空の管状セグメントの周辺壁の厚さは、少なくとも約200マイクロメートルであることが好ましい。
【0150】
本発明で使用するエアロゾル発生物品の全長は、少なくとも約40ミリメートルであることが好ましい。加えて、または代替として、本発明で使用するエアロゾル発生物品の全長は、約70ミリメートル未満であることが好ましく、60ミリメートル未満であることがより好ましく、50ミリメートル未満であることがなおより好ましい。好ましい実施形態において、エアロゾル発生物品の全長は、約40ミリメートル~約70ミリメートルである。例示的な一実施形態において、エアロゾル発生物品の全長は約45ミリメートルである。
【0151】
支持要素(またはセグメント)は、約5ミリメートル~約15ミリメートルの長さを有してもよい。好ましい一実施形態において、支持要素は、約8ミリメートルの長さを有する。
【0152】
ヒーターは、エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置内に受容されたときにエアロゾル形成基体のロッドを貫通するように構成された細長い発熱体を含み得る。
【0153】
ヒーターは、適切な任意のタイプのヒーターとし得る。ヒーターは、エアロゾル発生物品を内部から加熱してもよい。別の方法として、ヒーターは、エアロゾル発生物品を外部から加熱してもよい。こうした外部ヒーターは、エアロゾル発生装置内に挿入または受容されたときに、エアロゾル発生物品を囲んでもよい。
【0154】
一部の実施形態では、ヒーターは、エアロゾル形成基体の外表面を加熱するように配設される。一部の実施形態では、ヒーターは、エアロゾル形成基体が空洞内に受容されたときに、エアロゾル形成基体の中に挿入されるように配設される。ヒーターは空洞内に位置付けられてもよい。ヒーターは空洞の中へと延びてもよい。ヒーターは細長いヒーターであってもよい。細長いヒーターはブレード形状であってもよい。細長いヒーターはピン形状であってもよい。細長いヒーターは円錐形状であってもよい。一部の実施形態では、エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品が空洞内に受容された時に、エアロゾル発生物品の中へと挿入されるように配設された細長いヒーターを備える。
【0155】
ヒーターは、少なくとも一つの発熱体を備えてもよい。少なくとも一つの発熱体は、任意の適切なタイプの発熱体であり得る。一部の実施形態では、装置は、一つの発熱体のみを備える。一部の実施形態では、装置は、複数の発熱体を備える。
【0156】
ヒーターは、少なくとも一つの抵抗発熱体を含み得る。ヒーターは、複数の抵抗発熱体を含むことが好ましい。抵抗発熱体は、平行な配設で電気的に接続されていることが好ましい。有利なことに、平行な配設で電気的に接続された複数の抵抗発熱体を提供することは、望ましい電力を提供するために必要とされる電圧を低減または最小化しながら、ヒーターへの望ましい電力の送達を容易にし得る。有利なことに、ヒーターを動作させるために必要とされる電圧を低減または最小化することは、電源の物理的なサイズを低減または最小化することを容易にし得る。
【0157】
少なくとも一つの抵抗発熱体を形成するための適切な材料としては、ドープされたセラミックなどの半導体、「導電性」セラミック(例えば、二ケイ化モリブデンなど)、炭素、黒鉛、金属、金属合金、ならびにセラミック材料および金属材料で作製された複合材料が挙げられるが、これらに限定されない。こうした複合材料は、ドープされたセラミックまたはドープされていないセラミックを含んでもよい。適切なドープされたセラミックの例としては、ドープ炭化ケイ素が挙げられる。適切な金属の例としては、チタン、ジルコニウム、タンタル、および白金族の金属が挙げられる。適切な金属合金の例としては、ステンレス鋼、ニッケル含有、コバルト含有、クロム含有、アルミニウム含有、チタン含有、ジルコニウム含有、ハフニウム含有、ニオビウム含有、モリブデン含有、タンタル含有、タングステン含有、スズ含有、ガリウム含有、マンガン含有、および鉄含有合金、ならびにニッケル、鉄、コバルト、ステンレス鋼系の超合金、Timetal(登録商標)、ならびに鉄-マンガン-アルミニウム系合金が挙げられる。
【0158】
一部の実施形態において、少なくとも一つの抵抗発熱体は、電気抵抗性材料(ステンレス鋼など)の一つ以上のスタンプ加工された部分を含む。別の方法として、少なくとも一つの抵抗発熱体は、加熱ワイヤーまたはフィラメント(例えばNi-Cr(ニッケル-クロム)、白金、タングステンもしくは合金のワイヤー)を含んでもよい。
【0159】
一部の実施形態では、少なくとも一つの発熱体は、電気的に絶縁された基体を含み、少なくとも一つの抵抗発熱体は、電気的に絶縁された基体上に提供される。
【0160】
電気的に絶縁された基体は、任意の適切な材料を含み得る。例えば、電気的に絶縁された基体は、紙、ガラス、セラミック、陽極酸化金属、被覆金属、およびポリイミドのうちの一つ以上を含み得る。セラミックは、マイカ、アルミナ(Al2O3)またはジルコニア(ZrO2)を含み得る。電気的に絶縁された基体は、約40ワット/メートルケルビン以下、好ましくは約20ワット/メートルケルビン以下、理想的には約2ワット/メートルケルビン以下の熱伝導率を有することが好ましい。
【0161】
ヒーターは、その表面上に配置された一つ以上の導電性トラックまたはワイヤーを有する剛直な電気的に絶縁された基体を含む発熱体を含み得る。電気的に絶縁された基体のサイズおよび形状により、ヒーターをエアロゾル形成基体に直接挿入することができる場合がある。電気的に絶縁された基体が十分に剛直でない場合、発熱体は、さらなる補強手段を含んでもよい。電流は、発熱体およびエアロゾル形成基体を加熱するために、一つ以上の導電性トラックを通過し得る。
【0162】
一部の実施形態では、ヒーターは、誘導加熱配設を含む。誘導加熱配設は、インダクタコイルと、高周波振動電流をインダクタコイルに提供するように構成される電源とを含み得る。本明細書で使用される高周波振動電流とは、500kHz~30MHzの周波数を有する振動電流を意味する。ヒーターは、有利なことに、DC電源によって供給されるDC電流を交流電流に変換するためのDC/ACインバータを含み得る。インダクタコイルは、電源から高周波発振電流を受容すると高周波振動電磁場を発生するように配設され得る。インダクタコイルは、装置空洞内に高周波振動電磁場を発生するように配設されてもよい。一部の実施形態では、インダクタコイルは、装置空洞を実質的に囲んでもよい。インダクタコイルは、装置空洞の長さに沿って少なくとも部分的に延び得る。
【0163】
ヒーターは、誘導発熱体を含んでもよい。誘導発熱体は、サセプタ素子であってもよい。本明細書で使用される「サセプタ素子」という用語は、電磁エネルギーを熱に変換する能力を有する材料を含む要素を指す。サセプタ素子が交流電磁場内に位置している時に、サセプタは加熱される。サセプタ素子の加熱は、サセプタ材料の電気的特性および磁性に依存して、サセプタ内で誘発されるヒステリシス損失および渦電流のうちの少なくとも一つの結果であり得る。
【0164】
サセプタ素子は、エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置の空洞内に受容された時に、インダクタコイルによって発生される振動電磁場がサセプタ素子内に電流を誘発し、サセプタ素子を加熱するように配設され得る。これらの実施形態では、エアロゾル発生装置は、1~5キロアンペア/メートル(kA/m)、好ましくは2~3kA/m、例えば約2.5kA/mの磁界強度(H場の強度)を有する変動電磁場を発生させる能力があることが好ましい。電気的に動作するエアロゾル発生装置は、周波数が1~30MHz、例えば1~10MHz、例えば5~7MHzである、変動電磁場を発生させる能力があることが好ましい。
【0165】
一部の実施形態では、サセプタ素子は、エアロゾル発生物品内に位置する。これらの実施形態では、サセプタ素子は、エアロゾル形成基体に接触して位置することが好ましい。サセプタ素子は、エアロゾル形成基体内に位置し得る。
【0166】
一部の実施形態では、サセプタ素子は、エアロゾル発生装置内に位置する。これらの実施形態では、サセプタ素子は、空洞内に位置してもよい。エアロゾル発生装置は、一つのサセプタ素子のみを含み得る。エアロゾル発生装置は、複数のサセプタ素子を備え得る。
【0167】
一部の実施形態では、サセプタ素子は、エアロゾル形成基体の外表面を加熱するように配設される。一部の実施形態では、サセプタ素子は、エアロゾル形成基体が空洞内に受容された時に、エアロゾル形成基体の中へと挿入されるように配設される。
【0168】
サセプタ素子は、任意の適切な材料を含み得る。サセプタ素子は、エアロゾル形成基体から揮発性化合物を放出するのに十分な温度に誘導加熱され得る任意の材料から形成されてもよい。細長いサセプタ素子に適した材料には、黒鉛、モリブデン、炭化ケイ素、ステンレス鋼、ニオブ、アルミニウム、ニッケル、ニッケル含有化合物、チタン、および金属材料の複合体が含まれる。一部のサセプタ素子は、金属または炭素を含む。有利なことに、サセプタ素子は、例えばフェライト鉄、強磁性鋼またはステンレス鋼などの強磁性合金、強磁性粒子、およびフェライトなどの強磁性材料を含む、またはその強磁性材料から成り得る。適切なサセプタ素子はアルミニウムであってよく、またはアルミニウムを含んでもよい。サセプタ素子は好ましくは、約5パーセント超、好ましくは約20パーセント超、より好ましくは約50パーセント超もしくは約90パーセント超の強磁性材料または常磁性材料を含む。一部の細長いサセプタ素子は、摂氏約250度を超える温度に加熱されてもよい。
【0169】
サセプタ素子は、非金属コア上に配置された金属層を有する非金属コアを含んでもよい。例えば、サセプタ素子は、セラミックコアまたは基体の外表面上に形成された金属トラックを含み得る。
【0170】
一部の実施形態では、エアロゾル発生システムは、少なくとも一つの抵抗発熱体および少なくとも一つの誘導発熱体を備える。一部の実施形態では、エアロゾル発生システムは、抵抗発熱体と誘導発熱体との組み合わせを備える。
【0171】
エアロゾル発生装置は電源を備えてもよい。電源はDC電源であってもよい。一部の実施形態において、電源は電池である。電源は、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、またはリチウムベースの電池(例えば、リチウムコバルト、リン酸鉄リチウム、またはリチウムポリマー電池)であってもよい。しかしながら、いくつかの実施形態において、電源は、コンデンサーなどの別の形態の電荷蓄積装置であってもよい。電源は再充電を要するものとしてもよく、例えば一回以上のエアロゾル発生の体験などの一回以上のユーザー操作のために十分なエネルギーの蓄積が許容される容量を有し得る。例えば、電源は、従来の紙巻たばこ一本を喫煙するのにかかる一般的な時間に対応する約六分間、または六分間の倍数の時間にわたるエアロゾル形成基体の連続的な加熱を可能にするのに十分な容量を有してもよい。別の実施例において、電源は所定の吸煙回数、またはヒーターの不連続的な起動を可能にするのに十分な容量を有してもよい。
【0172】
具体的な実施形態について、ここで図を参照しながら説明する。
【図面の簡単な説明】
【0173】
【
図1】
図1は、比較用のエアロゾル発生装置および比較用のエアロゾル発生システムの概略断面図である。
【
図2】
図2は、エアロゾル発生システムの一実施形態の概略的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0174】
図1は、比較用のエアロゾル発生装置10およびエアロゾル発生物品1を備える、エアロゾル発生システム100を図示する。エアロゾル発生装置10は、口側端2と遠位端(図示せず)との間に延びるハウジング4を備える。ハウジング4は、周辺壁6を含む。周辺壁6は、エアロゾル発生物品1を受容するための装置空洞を画定する。抽出器8は、周辺壁6によって画定された装置空洞内に位置し、装置空洞からエアロゾル発生物品1を受容および抽出するように構成されている。抽出器8は、開放された口側端および閉鎖端を有する本体を含む。抽出器8の本体の閉鎖端は、端壁によって画定されている。装置空洞は、閉鎖された遠位端および開放された口側端によってさらに画定されている。装置空洞の口側端は、エアロゾル発生装置10の口側端に位置する。エアロゾル発生物品1は、装置空洞の口側端を通って受容されるように構成され、かつ装置空洞の閉鎖端または抽出器8の閉鎖端のいずれかに当接するように構成されている。抽出器8の閉鎖端は、装置空洞の閉鎖端に実質的に当接するか、または近接するように構成されている。
【0175】
気流経路32は、抽出器8の外部表面の周りに、かつエアロゾル発生装置ハウジング4の周辺壁6と抽出器8の外部表面との間に画定されている。空気は、抽出器8の本体の閉鎖端に存在する開口(図示せず)を介して、抽出器8に入ることができる。これにより、空気は、物品1の口側端でユーザーによって吸込みがなされると、エアロゾル形成基体のロッド12を通って、そしてさらにエアロゾル発生物品1の残りの部分を通って下流へと流れることが可能になる。
【0176】
エアロゾル発生装置10は、ヒーター(図示せず)、およびヒーターに電力を供給するための電源(図示せず)をさらに備える。ヒーターへのこうした電力供給を制御するために、コントローラ(図示せず)も提供されている。ヒーターは、エアロゾル発生物品1が装置10内に受容されたときに、使用中にエアロゾル発生物品1を加熱するように構成されている。
【0177】
エアロゾル発生物品1は、エアロゾル形成基体のロッド12、中空の支持セグメント14、中空の管状セグメント16、およびマウスピースセグメント18を備える。これらの四つの要素は端と端を接して長軸方向に整列して配設され、かつラッパー22によって囲まれていて、エアロゾル発生物品1を形成する。
図1に示したエアロゾル発生物品1は、エアロゾル形成基体のロッド12を加熱するためのヒーターを備える電気的に作動するエアロゾル発生装置1での使用に特に適切である。
【0178】
エアロゾル形成基体のロッド12は、約12ミリメートルの長さ、および約7ミリメートルの直径を有する。ロッド12は円筒状の形状である、および実質的に円形の断面を有する。ロッド12は、均質化したたばこ材料のシートの集合体を含む。中空のセルロースアセテートチューブ(中空の支持セグメント)14は、約8ミリメートルの長さ、および1.75ミリメートルの厚さを有する。
【0179】
マウスピースセグメント18は、フィラメント当たり8デニールのセルロースアセテートトウのプラグを含み、約12ミリメートルの長さを有する。
【0180】
中空の管状セグメント16は、約13ミリメートルの長さを有する円筒状の管として提供されていて、管壁の厚さは約175マイクロメートルである。
【0181】
エアロゾル発生物品1は、マウスピースセグメント18の上流端から少なくとも約5ミリメートルに提供された通気ゾーン26を備える。それ故に、通気ゾーン26は、エアロゾル発生物品1の下流端から約18ミリメートルにある。それ故に、通気ゾーン26は、ロッド12の下流端から少なくとも約21ミリメートルにある。通気ゾーン26は、ラッパー22を通って延びる一連のまたは一列の穿孔を含む。
【0182】
図1に示すように、エアロゾル発生物品1の通気ゾーン26は、エアロゾル発生物品1が装置空洞内に受容された時に露出している。
【0183】
図2は、エアロゾル発生装置20およびエアロゾル発生物品1を備える、エアロゾル発生システム200の一実施形態を図示する。エアロゾル発生装置20は、抽出器8を備える。
【0184】
エアロゾル発生装置20は、エアロゾル発生装置20内に受容されたときにエアロゾル発生物品1の通気ゾーン26を囲むように構成された通気チャンバー28をさらに備える。装置空洞は、30mmの全長を有し、通気チャンバー28は、5mmの長さを有する。通気チャンバー28は、長方形の、長軸方向の断面形状を有する。通気チャンバー28はまた、通気チャンバー28が周辺壁6の内側周辺全体の周りに延びるように、環状である。使用中に、通気チャンバー28は、エアロゾル発生物品1の外側周辺を囲む。
【0185】
通気チャンバー28は、装置10の口側端を介して、物品1の通気ゾーン26およびエアロゾル発生装置20の外部と流体連通するように構成されている。通気チャンバー28はまた、抽出器8の周りに画定された気流経路32と流体連通するように構成されている。
図2に示されるように、通気チャンバー28は、周辺壁6の厚さ内に画定されている。
【0186】
図2に示されるように、通気チャンバー28は、エアロゾル発生装置20の口側端2から離れて位置する。通気チャンバー28は、エアロゾル発生装置20の外部と直接流体連通しない。通気チャンバー28は、複数のチャンバー入口24を通してエアロゾル発生装置20の外部と流体連通する。各チャンバー入口24は、通気チャンバー28とエアロゾル発生装置20の口側端2との間の流体連通を確立するように、エアロゾル発生装置20の通気チャンバー28と口側端2との間に延びる。
【0187】
各チャンバー入口24は、円形断面を有する。各チャンバー入口24の直径は実質的に、通気チャンバー28の深さ(つまり、半径方向の深さ)よりも小さい。
図2に示されるように、通気チャンバー28の深さは、チャンバー入口24の直径の五倍超である。
【0188】
上述のエアロゾル発生システム200の使用中、エアロゾル発生物品1がエアロゾル発生装置20の空洞内に受容されたときに、エアロゾル発生物品1の通気ゾーン26を、消費者が直接遮断することはできない。これは、周辺壁6が通気ゾーン26と重複する結果である。
【国際調査報告】