IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 北京八億時空液晶科技股▲ふん▼有限公司の特許一覧

特表2023-508304ネマチック液晶組成物及び液晶表示デバイスにおける応用
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-02
(54)【発明の名称】ネマチック液晶組成物及び液晶表示デバイスにおける応用
(51)【国際特許分類】
   C09K 19/42 20060101AFI20230222BHJP
   C09K 19/12 20060101ALI20230222BHJP
   C09K 19/20 20060101ALI20230222BHJP
   C09K 19/30 20060101ALI20230222BHJP
   C09K 19/54 20060101ALI20230222BHJP
【FI】
C09K19/42
C09K19/12
C09K19/20
C09K19/30
C09K19/54 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022537789
(86)(22)【出願日】2019-12-24
(85)【翻訳文提出日】2022-08-08
(86)【国際出願番号】 CN2019127706
(87)【国際公開番号】W WO2021127950
(87)【国際公開日】2021-07-01
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517081840
【氏名又は名称】北京八億時空液晶科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BEIJING BAYI SPACE LCD TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.20 Dongliushui Road Yanshan, Fangshan District Beijing 102502, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】王 杰
(72)【発明者】
【氏名】儲 士紅
(72)【発明者】
【氏名】陳 卯先
(72)【発明者】
【氏名】陳 海光
(72)【発明者】
【氏名】姜 天孟
【テーマコード(参考)】
4H027
【Fターム(参考)】
4H027BA01
4H027BD02
4H027BD03
4H027BD07
4H027BD09
4H027BE04
4H027BE05
4H027CD04
4H027CF04
4H027CG04
4H027CG05
4H027CP04
(57)【要約】
本発明は、ネマチック液晶組成物及びその調製方法に関する。前記液晶組成物は、一般式がIである化合物、一般式がIIである化合物、一般式がIIIである化合物、一般式がIVである化合物、一般式がVである化合物、一般式がVIである化合物、及び一般式がVIIである化合物を原料として採用し、適切な比率で配合して、最終的に液晶組成物を得る。この液晶組成物は、多環、シアノ基及びエステル基化合物を同時に含み、十分に広い温度範囲と速い応答速度を有し、また高い透明点、大きな光学異方性の特性を有し、低温環境の条件に適応できる。本発明のネマチック液晶組成物は、様々な表示デバイスに適用することができ、特にPDLC装置に適用することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネマチック液晶組成物であって、原料成分は、
0.1~60重量部の一般式がIである化合物と、
0.1~20重量部の一般式がIIである化合物と、
0.1~20重量部の一般式がIIIである化合物と、
0.1~40重量部の一般式がIVである化合物と、
0.1~20重量部の一般式がVである化合物と、
0.1~20重量部の一般式がVIである化合物と
0.1~20重量部の一般式がVIIである化合物と、を含み、
上記の7種類の化合物の構造は以下のとおりであり、
上記の構造式におけるR、R、R、R、R、R、Rは、それぞれ独立して、C-C12のアルキル基を表す、ことを特徴とするネマチック液晶組成物。
【請求項2】
原料成分は、
20~55重量部の一般式がIである化合物と、
1~15重量部の一般式がIIである化合物と、
1~15重量部の一般式がIIIである化合物と、
10~35重量部の一般式がIVである化合物と、
1~15重量部の一般式がVである化合物と、
1~15重量部の一般式がVIである化合物と
1~15重量部の一般式がVIIである化合物と、を含み、
一般式I~一般式Vにおいて、R、R、R、R、R、R、Rは、それぞれ独立して、C-Cのアルキル基を表す、ことを特徴とする請求項1に記載の液晶組成物。
【請求項3】
原料成分は、
40~50重量部の一般式がIである化合物と、
3~10重量部の一般式がIIである化合物と、
4~10重量部の一般式がIIIである化合物と、
15~30重量部の一般式がIVである化合物と、
3~10重量部の一般式がVである化合物と、
4~10重量部の一般式がVIである化合物と
1~6重量部の一般式がVIIである化合物と、を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の液晶組成物。
【請求項4】
原料成分は、
48重量部の一般式がIである化合物と、
4.75重量部の一般式がIIである化合物と、
8重量部の一般式がIIIである化合物と、
22.75重量部の一般式がIVである化合物と、
7重量部の一般式がVである化合物と、
6.5重量部の一般式がVIである化合物と、
3重量部の一般式がVIIである化合物と、を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の液晶組成物。
【請求項5】
前記一般式がIである化合物は、以下の化合物のうちの1つ又は複数から選択され、
前記一般式がIIである化合物は、以下の化合物のうちの1つ又は複数から選択され、
前記一般式がIIIである化合物は、以下の化合物のうちの1つ又は複数から選択され、
前記一般式がIVである化合物は、以下の化合物のうちの1つ又は複数から選択され、
前記一般式がVである化合物は、以下の化合物のうちの1つ又は複数から選択され、
前記一般式がVIである化合物は、以下の化合物のうちの1つ又は複数から選択され、
前記一般式がVIIである化合物は、以下の化合物のうちの1つ又は複数から選択される、ことを特徴とする請求項1に記載の液晶組成物。
【請求項6】
原料成分は、0.1~0.5重量部の紫外線吸収剤をさらに含む、ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の液晶組成物。
【請求項7】
前記紫外線吸収剤は、ベンゾトリアゾール類、ベンゾフェノン類、トリアジン類、及びパラベン類のうちの1つ又は複数の混合物である、ことを特徴とする請求項6に記載の液晶組成物。
【請求項8】
原料成分は、0.01~0.05重量部の抗酸化剤をさらに含む、ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の液晶組成物。
【請求項9】
前記抗酸化剤は、ヒンダードフェノール類、亜リン酸エステル類、及び複合タイプのうちの1つ又は複数の混合物である、ことを特徴とする請求項8に記載の液晶組成物。
【請求項10】
液晶ディスプレイにおける請求項1~9のいずれか一項に記載のネマチック液晶組成物の応用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶材料技術の分野に関し、具体的には、ネマチック液晶組成物及び液晶表示デバイスにおける応用に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、液晶化合物は、情報表示の分野で広く応用され、同時に、光通信における応用でも一定の進歩が得られている。近年、液晶化合物の応用分野は、様々な表示デバイス、電気光学デバイス、電子部品、センサーなどに大きく拡大している。ネマチック液晶化合物は、フラットパネルディスプレイ、特にTFTアクティブマトリクスのシステムで最も広く使用されている。
【0003】
液晶表示は、液晶の発見に伴い、長い発展の道を歩んできた。1888年、オーストリアの植物学者Friedrich Reinitzerは、最初の液晶材料である安息香酸コレステロールを発見した。1917年、Manguinは、単一ドメイン液晶の作成及び光学異方性の研究のために、ラビング配向法を発明した。1909年、E.Boseは、動的揺らぎの理論を確立し、L.S.OrmsteinやF.Zernikeなどの実験によりサポートされ、その後、De Gennesにより統計的ゆらぎとして議論された。G.W.OseenとH.Zocherは、1933年に連続体理論を確立し、F.C.Frankにより完備された。M.BornとK.Lichtenneckerは、液晶の誘電異方性を発見し研究した。1932年、W.Kastは、それに基づいて、ネマチック相を正と負の2つの種類に分類した。1927年、V.FreederickszとV.Zolinaoは、ネマチック相液晶が電場又は磁場の作用下で変形し、且つ電圧閾値が存在することを発見した。この発見は液晶ディスプレイの製造に根拠を提供した。
【0004】
1968年、米国のRCA会社のR.Williamsは、ネマチック相液晶が電場の作用によりストライプドメインを形成し、光散乱の現象が存在することを発見した。その後すぐ、G.H.Heilmeirはそれを動的散乱表示モードとして発展させ、世界初の液晶ディスプレイLCDを製造した。70年代初頭、HelfrichとSchadtは、TN原理を発明した。人々は、TN光電効果を用いて集積回路と組み合わせ、それを表示デバイスTN-LCDとして作製し、液晶の応用の見通しを広く開いた。1970年代以降、大規模集積回路や液晶材料の発展のため、表示分野における液晶の応用は画期的に発展した。1983~1985年にT.Schefferなどが相次いで超ねじれネマチックSTN(Super Twisred Nematic)モードを提出し、かつP.Brodyが1972年に提出したアクティブマトリクスAM(Active matrix)方式が再度採用された。従来のTN-LCD技術は、STN-LCD及びTFT-LCD技術に発展した。STNの走査線本数は768以上に達することができるが、温度が上昇するとき、応答速度、視角及びグレースケールなどの問題が依然として存在するので、面積が大きく情報量が多いカラーディスプレイのほとんどは、アクティブマトリックス表示方式を使用している。TFT-LCDは、直視型のテレビ、大画面プロジェクションテレビ、コンピュータ端末表示、及び一部の軍用機器表示に幅広く使用されている。TFT-LCD技術はより幅広い応用の将来性を有するものと信じられている。「アクティブマトリクス」は、1、基板としてのシリコンウェハ上の金属酸化物半導体OMS又は他のダイオード、及び2、基板としてのガラス板上の薄膜晶体管TFTの2つのタイプを含む。各部分の表示デバイスだけでなくモジュールが接合の箇所にアセンブリされるとき多くの問題が生じるため、基板材料としての単結晶シリコンは、ディスプレイのサイズを制限する。したがって、第2タイプの薄膜トランジスタは、将来性のあるアクティブマトリクスのタイプであり、それが利用する光電効果は一般的にTN効果である。TFTは、Cdseのような化合物半導体、あるいは多結晶又はアモルファスシリコンに基づくTFTを含む。
【0005】
近年、液晶化合物の適用分野は、様々な表示デバイス、電気光学デバイス、電子部品、センサーなどに大きく拡大している。このため、多くの異なる構造が提案されており、特に、ネマチック液晶の分野において、ネマチック液晶化合物は、これまでフラットパネルディスプレイ及び調光分野に広く適用されている。特に広い動作温度、高速応答、及び消費電力低減のための駆動電圧の低減を達成するという点で、表示技術に対する人々の要求も高まっている。本発明で提供される液晶組成物は、大きな光学異方性を有すると同時に、高い透明点の特徴を有し、動作温度範囲を効果的に拡大する効果を実現する。
【発明の概要】
【0006】
従来技術における上記の問題を解決するために、本発明は、大きな光学異方性、より高い透明点及び良好な低温相溶性を有するネマチック液晶組成物及び液晶表示デバイスにおけるその応用を提供する。本発明のネマチック液晶組成物は、十分に広いネマチック相温度範囲及び大きな光学異方性△nを有し、且つ比較的良好な紫外線抵抗性能を有する。キラルドーパントの添加により、本発明の液晶の螺旋ピッチをさらに調整することができ、それにより、マルチ安定表示に必要なブラッグ反射を実現することができる。同時に、本発明によって提供される液晶は、高分子材料との良好な相溶性を有し、高分子材料と配合してPDLC(高分子分散型液晶、Polymer Dispersed Liquid Crystal)薄膜を調製し、散乱状態-透明状態の切換を実現することができ、さらにインテリジェントカーテン、カーテンウォール又は透明な表示デバイスに適用される。
【0007】
本発明が採用する技術的手段は次のとおりである。
ネマチック液晶組成物であって、原料成分は、
0.1~60重量部の一般式がIである化合物と、
0.1~20重量部の一般式がIIである化合物と、
0.1~20重量部の一般式がIIIである化合物と、
0.1~40重量部の一般式がIVである化合物と、
0.1~20重量部の一般式がVである化合物と、
0.1~20重量部の一般式がVIである化合物と
0.1~20重量部の一般式がVIIである化合物と、を含み、
上記の7種類の化合物の構造は以下のとおりであり、
上記の構造式におけるR、R、R、R、R、R、Rは、それぞれ独立して、C-C12のアルキル基を表す。
【0008】
さらに好ましくは、前記液晶組成物の原料成分は、
20~55重量部の一般式がIである化合物と、
1~15重量部の一般式がIIである化合物と、
1~15重量部の一般式がIIIである化合物と、
10~35重量部の一般式がIVである化合物と、
1~15重量部の一般式がVである化合物と、
1~15重量部の一般式がVIである化合物と
1~15重量部の一般式がVIIである化合物と、を含み、
一般式I~一般式Vにおいて、R、R、R、R、R、R、Rは、それぞれ独立して、C-Cのアルキル基を表す。
【0009】
さらに好ましくは、前記液晶組成物の原料成分は、
40~50重量部の一般式がIである化合物と、
3~10重量部の一般式がIIである化合物と、
4~10重量部の一般式がIIIである化合物と、
15~30重量部の一般式がIVである化合物と、
3~10重量部の一般式がVである化合物と、
4~10重量部の一般式がVIである化合物と、
1~6重量部の一般式がVIIである化合物と、を含む。
【0010】
さらに好ましくは、前記液晶組成物の原料成分は、
48重量部の一般式がIである化合物と、
4.75重量部の一般式がIIである化合物と、
8重量部の一般式がIIIである化合物と、
22.75重量部の一般式がIVである化合物と、
7重量部の一般式がVである化合物と、
6.5重量部の一般式がVIである化合物と、
3重量部の一般式がVIIである化合物と、を含む。
【0011】
前記一般式がIである化合物は、以下の化合物のうちの1つ又は複数から選択され、
前記一般式がIIである化合物は、以下の化合物のうちの1つ又は複数から選択され、
前記一般式がIIIである化合物は、以下の化合物のうちの1つ又は複数から選択され、
前記一般式がIVである化合物は、以下の化合物のうちの1つ又は複数から選択され、
前記一般式がVである化合物は、以下の化合物のうちの1つ又は複数から選択され、
前記一般式がVIである化合物は、以下の化合物のうちの1つ又は複数から選択され、
前記一般式がVIIである化合物は、以下の化合物のうちの1つ又は複数から選択される。
【0012】
さらに好ましくは、前記液晶組成物の原料成分は、0.1~0.5重量部の紫外線吸収剤をさらに含む。
【0013】
前記紫外線吸収剤は、ベンゾトリアゾール類、ベンゾフェノン類、トリアジン類、及びパラベン類のうちの1つ又は複数の混合物である。
【0014】
さらに好ましくは、前記液晶組成物の原料成分は、0.01~0.05重量部の抗酸化剤をさらに含む。
【0015】
前記抗酸化剤は、ヒンダードフェノール類、亜リン酸エステル類、及びヒンダードフェノール類と亜リン酸エステル類の複合タイプのうちの1つ又は複数の混合物である。
【0016】
前記液晶組成物の調製方法は、
各原料成分を取り、融点の高いものから低いものの順に添加し、加熱撹拌条件下で溶解させ、十分に混合して均一にし、濾過及び不純物除去の後、前記液晶組成物得るステップを含む。
【0017】
前記加熱の温度は、60~100℃である。
【0018】
液晶ディスプレイにおける前記ネマチック液晶組成物の応用:
【0019】
本発明のネマチック液晶組成物の調製方法は、特に限定されるものではなく、従来の方法で2つ以上の化合物を混合して生産をすることができる。例えば、高温60~100℃下で異なる成分を混合し、互いに溶解させる方法によって調製することができる。ここで、液晶組成物を、その化合物のための溶媒に溶解させて混合し、次に減圧下で溶媒を留去する。あるいは、本発明の液晶組成物は、従来の方法によって調製することができる。例えば、含有量が少ない成分を、より高い温度で、含有量がより大きい主成分に溶解させるか、又は、それぞれに属する成分をアセトン、クロロホルム、メタノールなどの有機溶媒に溶解させ、次に、溶液を混合して溶媒を除去した後に、液晶組成物を取得する。
本発明の有益な効果は以下の通りである。
【0020】
(1)本発明のネマチック液晶組成物は、一般式がIである化合物、一般式がIIである化合物、一般式がIIIである化合物、一般式がIVである化合物、一般式がVである化合物、一般式がVIである化合物、及び一般式がVIIである化合物を原料として採用し、適切な比率で配合するものである。一般式Iと一般式IVで表される化合物は、大きな正の誘電異方性及び適度な光学異方性を有し、PDLC用液晶組成物の主成分として使用することができる。一般式II、一般式IIIで表される化合物は、高い相転移温度Tni(ネマチック相-等方性転移温度)及び大きな光学異方性を有し、液晶組成物の透明点を改善し、液晶の△nをさらに増加することができる。一般式Vで表される化合物は、高い相転移温度Tni及び適度な光学異方性を有し、一般式II、一般式IIIで表される化合物と互いに配合して、光学異方性を調整することができる。一般式VI、一般式VIIで表される化合物は、良好な相溶性を有し、ネマチック液晶の低温範囲をさらに広げることができ、同時に、2つの成分は異なる光学異方性を有し、相互の調合により、液晶組成物の△n値を効果的に調整することができる。以上の成分間の協同作用によって、本発明の液晶組成物は十分に広い温度範囲と速い応答速度を有し、また高い透明点、大きな光学異方性の特性を有し、低温環境の条件に適応できる。
【0021】
(2)本発明のネマチック液晶組成物は、多環、シアノ基及びエステル基化合物を同時に含み、十分に広いネマチック相温度範囲及び大きな光学異方性△nを有し、且つ比較的良好な紫外線抵抗性能を有する。キラルドーパントの添加により、本発明の液晶の螺旋ピッチをさらに調整することができ、それにより、マルチ安定表示に必要なブラッグ反射を実現することができる。同時に、本発明によって提供される液晶は、高分子材料との良好な相溶性を有し、高分子材料と配合してPDLC薄膜を調製し、散乱状態-透明状態の切換を実現することができ、さらにインテリジェントカーテン、カーテンウォール又は透明な表示デバイスに適用される。本発明の液晶組成物は、様々な表示デバイスに適用することができ、特にPDLC装置に適用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、具体的な実施例を参照しながら、本発明を詳細に説明する。以下の実施例は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を制限するものではない。
【0023】
特に明記しない限り、本発明におけるパーセントは重量パーセントである。温度単位は摂氏度である。△nは、光学異方性(25℃)を表す。△ε(△ε=ε∥-ε⊥)は、誘電異方性(25℃、1000Hz)を表し、ε∥及びε⊥はそれぞれ、平行及び垂直誘電率(25℃、1000Hz)を表す。ηは、体積粘性率(mPa・s、25℃)を表す。Tniは、液晶組成物の透明点(℃)を表す。Tcnは、液晶組成物の融点温度を表す。
【0024】
以下の各実施例では、液晶化合物における基構造は、表1に示されるコードによって表される。
表1-液晶化合物の基構造コード
【0025】
次の化合物構造を例として挙げる。
は、4PGPCNとして表される。
は、5CZPPCNとして表される。
【0026】
以下の各実施例では、前記液晶組成物の調製はすべて熱溶解法を採用し、以下のステップを含む。天秤を使用して重量パーセントで各原料成分を秤量する。秤量と添加の順序に特別な要件はない。通常、各原料成分を融点の高いものから低いものの順に秤量して混合し、60~100℃で加熱し撹拌して、各成分を均一に溶解させる。次に、濾過、回転蒸発、最後のパッケージングを経て、目標の液晶組成物を得る。
【0027】
以下の各実施例において、前記液晶組成物の各成分の重量パーセント及び得られた目標の液晶組成物の性能パラメータは、以下の表に示される。
【0028】
以下の実施例では、関係するすべての成分は、既知の液晶化合物であり、北京八億時空から入手することができる。
<実施例1>
【0029】
表2-液晶組成物における各成分の重量パーセント及び液晶組成物の性能パラメータ
<実施例2>
【0030】
表3-液晶組成物における各成分の重量パーセント及び液晶組成物の性能パラメータ
<実施例3>
【0031】
表4-液晶組成物における各成分の重量パーセント及び液晶組成物の性能パラメータ
<実施例4>
【0032】
表5-液晶組成物における各成分の重量パーセント及び液晶組成物の性能パラメータ
<実施例5>
【0033】
表6-液晶組成物における各成分の重量パーセント及び液晶組成物の性能パラメータ
<実施例6>
【0034】
本実施例と実施例1の違いは、原料成分に紫外線吸収剤V001がさらに含まれている点のみである。その他の原料成分及び液晶化合物の調製方法はいずれも実施例1と同じである。
【0035】
本実施例の液晶組成物の原料成分は、表7に示される。
【0036】
表7-液晶化合物における各原料成分の使用量
<実施例7>
【0037】
本実施例と実施例1の違いは、原料成分にヒンダードフェノール抗酸化剤0001がさらに含まれている点のみである。その他の原料成分及び液晶化合物の調製方法はいずれも実施例1と同じである。
【0038】
本実施例の液晶組成物の原料成分は、表8に示される。
【0039】
表8-液晶化合物における各原料成分の使用量
<比較例1>
【0040】
表9-液晶組成物における各成分の重量パーセント及び液晶組成物の性能パラメータ
【0041】
本比較例の液晶化合物の調製方法は、実施例1と同じである。
【0042】
実施例1と比較例1で得られた液晶組成物の各性能パラメータ値をまとめて比較する。表10を参照されたい。
【0043】
表10-実施例1と比較例1で得られた液晶組成物の性能パラメータの比較
【0044】
表10からわかるように、比較例1と比較すると、実施例1で提供された液晶組成物の光学異方性△n、誘電異方性Δε、及び体積粘性率ηは、実質的に一致しているが、実施例1で提供された液晶組成物の融点温度Tcnは非常に低く、透明点Tniはより高い。これは、本発明の液晶化合物が良好な低温相溶性を有し、より広い温度の動作範囲を有し、幾つかの低温環境の条件に適応できることを示している。
本発明は、上記の最良の実施形態に限らず、本発明の啓示の下で誰でも他の様々な形態の製品を得ることができるが、その形状又は構造に何らかの変更が加えられても、本出願のものと同じ又は類似する技術的解決策を有するものは、いずれも本発明の保護範囲に含まれる。
【国際調査報告】