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特表2023-508312パターン形成されたミラーを用いたレーザビーム位置決め方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-02
(54)【発明の名称】パターン形成されたミラーを用いたレーザビーム位置決め方法
(51)【国際特許分類】
   B23K 26/042 20140101AFI20230222BHJP
【FI】
B23K26/042
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022538112
(86)(22)【出願日】2020-12-18
(85)【翻訳文提出日】2022-08-16
(86)【国際出願番号】 US2020065807
(87)【国際公開番号】W WO2021127312
(87)【国際公開日】2021-06-24
(31)【優先権主張番号】16/722,283
(32)【優先日】2019-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500116694
【氏名又は名称】サウスウェスト リサーチ インスティテュート
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100212705
【弁理士】
【氏名又は名称】矢頭 尚之
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】リーム、スタンレー・エル.
(72)【発明者】
【氏名】ウォルターズ、クレイグ・ティー.
(72)【発明者】
【氏名】フラニガン、ウィリアム・シー.
【テーマコード(参考)】
4E168
【Fターム(参考)】
4E168AD00
4E168CA06
4E168CA07
4E168CA13
4E168CB19
4E168DA23
(57)【要約】
レーザビーム位置合わせシステムが、レーザビームを受光及び反射するように構成された表面パターンを有する少なくとも1つのミラーと、ミラーからのレーザビームの偏向部分を検出するように構成された少なくとも1つの検出器と、少なくとも1つのミラー及び少なくとも1つの検出器と通信することと、レーザビームの偏向部分に基づいて、ミラー位置を制御することと、を行うように構成された少なくとも1つの制御装置と、を含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザビーム位置合わせシステムであって、
第1の偏向システム及びその下流に配置された第2の偏向システムと、前記第1及び第2の偏向システムはそれぞれが、フレームと、鏡面に入射したレーザビームの一部を反射ビーム部分として反射するための前記鏡面を有するミラーと、を備え、
前記第1の偏向システムは、前記鏡面に対する前記反射ビーム部分の角度を調整するために、前記フレームに対して前記ミラーを位置決めするための、前記フレームと前記ミラーとに接続された移動システムを更に備え、
前記第2の偏向システムは、
- 前記第2の偏向システムの前記鏡面においてパターン状に配置された複数の要素であって、前記要素に入射する前記レーザビームの一部を、前記ミラーによって反射された前記反射ビーム部分とは異なる偏向ビーム部分として偏向させるための複数の要素と、
- 前記反射ビーム部分の経路の外側に配置され、前記偏向ビーム部分の少なくとも一部を検出するための1つ以上の検出器と、を更に備え、
前記第1のミラー偏向システムの前記移動システムと通信し、前記第2のミラー偏向システムの前記1つ以上の検出器と通信することを行うように構成されるとともに、前記偏向ビーム部分の検出された部分に基づいて、前記レーザビームを前記第2のミラー上に位置合わせするために、前記フレームに対して前記第1のミラーを位置決めするように前記移動システムを制御することを行うように構成された少なくとも1つの制御装置と、
を備える、レーザビーム位置合わせシステム。
【請求項2】
前記第1及び第2の偏向システムの前記ミラー間のビーム経路は、少なくとも0.5メートル、好ましくは少なくとも5メートルである、請求項1に記載のレーザビーム位置合わせシステム。
【請求項3】
前記第1及び第2の偏向システムの前記ミラーは、前記第1の偏向システムからの反射ビームが、前記第2の偏向システムの前記ミラーまで真っすぐ直線状に進行し得るように配置されている、請求項1に記載のレーザビーム位置合わせシステム。
【請求項4】
前記第1の偏向システムの前記ミラーの前記鏡面は、実質的に平面であり、及び/又は、前記第2の偏向システムの前記ミラーの前記鏡面は、実質的に平面である、請求項1に記載のレーザビーム位置合わせシステム。
【請求項5】
前記第1及び第2の偏向システムは、少なくとも2分の時間期間中に、10キロワット以上の平均電力出力を有するレーザビームを位置合わせ及び反射するように適合されている、請求項1に記載のレーザビーム位置合わせシステム。
【請求項6】
前記鏡面上の投影で見たとき、前記複数の要素の結合面積が、前記複数の要素の凸包の面積の0.5%より少ない、請求項1に記載のレーザビーム位置合わせシステム。
【請求項7】
前記鏡面上の投影で見たとき、前記複数の要素の凸包の面積が、少なくとも90cmである、請求項1に記載のレーザビーム位置合わせシステム。
【請求項8】
前記複数の要素は、互いに離間しており、好ましくは、各要素は、前記鏡面上の投影で見たとき、0.01cm~0.25cmの面積を有する、請求項1に記載のレーザビーム位置合わせシステム。
【請求項9】
前記パターンは、
互いに対してある角度をなす2つ以上の線上に互いに離間して配置された要素と、ここにおいて、好ましくは、前記線は、互いに対して45度の整数倍の角度をなしており、
同心円上に互いに離間して配置された要素と、
のうちの1つ以上を含む、請求項1に記載のレーザビーム位置合わせシステム。
【請求項10】
前記第2の偏向システムは、前記鏡面に対する前記反射ビーム部分の角度を調整するために、前記フレームに対して前記ミラーを位置決めするための、前記フレームと前記ミラーとに接続された移動システムを更に備え、
前記システムは、前記第2の偏向システムの下流に第3の偏向システムを更に備え、前記第3の偏向システムには、
- フレームと、
- ミラーに入射したレーザビームの一部を反射ビーム部分として反射するための鏡面を有する前記ミラーと、
- 前記第2の偏向システムの前記鏡面においてパターン状に配置された複数の要素であって、前記ミラーに入射する前記レーザビームの一部を、前記ミラーによって反射された前記反射ビーム部分とは異なる偏向ビーム部分として偏向させるための複数の要素と、
- 前記反射ビーム部分の経路の外側に配置され、前記偏向ビーム部分の少なくとも一部を検出するための1つ以上の検出器と、が設けられており、
ここにおいて、前記少なくとも1つの制御装置は、前記第2の偏向システムの前記移動システムと通信し、前記第3の偏向システムの前記1つ以上の検出器と通信することを行うように構成されるとともに、前記偏向ビーム部分の前記検出された部分に基づいて、前記レーザビームを前記第3のミラー上に位置合わせするために、前記フレームに対して前記第2のミラーを位置決めするように前記移動システムを制御することを行うように構成されている、請求項1に記載のレーザビーム位置合わせシステム。
【請求項11】
前記第2の偏向システムは、前記レーザビームの一部が、前記鏡面若しくは前記複数の要素に入射することなく、前記ミラーを通り越して進行したかどうか、及び/又は、前記レーザビームの一部が、前記ミラーの外縁から所定の距離内にあるかどうか、を検出するための安全検出器を備える、請求項1に記載のレーザビーム位置合わせシステム。
【請求項12】
支柱が取り付けられた移動基部を備えるロボットシステムにおいて、アームが前記支柱に移動可能に取り付けられており、リストが前記アームに移動可能に取り付けられており、前記ロボットシステムは、請求項1に記載のレーザビーム位置合わせシステムを更に備え、ここにおいて、前記レーザビーム位置合わせシステムは、前記支柱、前記アーム、及び/又は前記リスト内に配置されている、ロボットシステム。
【請求項13】
少なくとも2分の時間期間中に、少なくとも10キロワットの平均電力出力を有するレーザを発生させるための高出力レーザ発生装置を更に備える、請求項12に記載のロボットシステム。
【請求項14】
30ワットより少ない平均電力出力を有する可視レーザ光のビームを発生させるための低出力レーザ発生装置を更に備え、ここにおいて、前記制御装置は、高出力レーザ発生装置を作動させる前に、前記低出力レーザを使用して、前記レーザビーム位置合わせシステムにおける前記ミラーの初期位置合わせを実行するように適合されている、請求項12に記載のロボットシステム。
【請求項15】
レーザビーム位置合わせ方法であって、
a)第1のミラーにおいてレーザビームを第2のミラーへ反射するステップと、
ここにおいて、前記第1のミラーは、前記レーザビームが前記第1のミラーから前記第2のミラーへと反射される角度を調整するために、フレームに対して前記第1のミラーを位置決めするように適合された移動システムを介して前記フレームに接続されており、
前記第2のミラーは、反射ビーム部分として鏡面に入射する前記レーザビームの一部を反射するための前記鏡面を備え、且つ前記反射ビーム部分とは異なる偏向ビーム部分として、前記鏡面においてパターン状に配置された複数の要素に入射する前記レーザビームの一部を偏向するための前記複数の要素を備え、
b)前記反射ビーム部分の主軸から離間した位置において、前記偏向ビーム部分の少なくとも一部を検出するステップと、
c)前記偏向ビーム部分の前記検出された部分に基づいて、前記反射ビーム部分が、前記パターンに対して所望の位置にその主軸がある状態で、前記第1のミラーから前記第2のミラー上へと反射されるように、前記フレームに対して前記第1のミラーを位置決めするように前記移動システムを制御するステップと、
を備えるレーザビーム位置合わせ方法。
【請求項16】
前記パターンの一部の画像を含む前記偏向ビーム部分に基づいて、前記検出された偏向ビーム部分に基づく前記パターンに対する前記第2のミラー上のビーム重心の位置を決定することを備え、ここにおいて、ステップd)は、前記パターンに対する前記ビーム重心の相対位置に基づいて、前記移動システムを制御することを備える、請求項15に記載のレーザビーム位置合わせ方法。
【請求項17】
前記レーザビームは、低出力レーザビームであり、前記所望の位置がステップc)を通じて到達されると、前記方法は、
前記低出力レーザビームをオフに切り替えることと、
高出力レーザビームをオンに切り替えることと、
前記高出力レーザビームを用いて、ステップa)~c)を行うことと、
を更に備える、請求項15に記載のレーザビーム位置合わせ方法。
【請求項18】
前記レーザビームは、少なくとも2分の時間期間中に、少なくとも10キロワットの平均電力出力を有する高出力レーザビームであり、ステップa)~c)は、前記時間期間中に少なくとも10Hzの周波数で繰り返される、請求項15に記載のレーザビーム位置合わせ方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
[0001]レーザ技術は、多種多様な用途に使用される。それは、ディスクから情報を読み取るためにDVDプレーヤ等の日常生活製品、バーコード読み取り、手術において、そしてまた、例えば、リソグラフィにおいて、切断、マーキング又は穿孔等、製品の製造及び保守整備においても使用される。
【0002】
[0002]リソグラフィ及びコンピュータ支援製造システムの分野では、位置決め段階が、時として干渉測位のために使用される。例えば、米国特許第4,060,315号は、差動ねじアクチュエータ及び屈曲コネクタを使用した精密レーザミラー取付けを示す。しかしながら、このシステムは、ミラーの手動位置合わせを必要とする。
【発明の概要】
【0003】
[0003]第1の態様によれば、本発明は、第1の偏向システム及びその下流に配置された第2の偏向システムと、上記偏向システムはそれぞれが、フレームと、鏡面に入射したレーザビームの一部を反射ビーム部分として反射するための上記鏡面を有するミラーと、を備え、
第1の偏向システムは、鏡面に対する反射ビーム部分の角度を調整するために、フレームに対してミラーを位置決めするための、フレームとミラーとに接続された移動システムを更に備え、
第2の偏向システムは、
- 第2の偏向システムの鏡面においてパターン状に配置された複数の要素であって、これら要素に入射するレーザビームの一部を、上記ミラーによって反射された反射ビーム部分とは異なる偏向ビーム部分として偏向させるための複数の要素と、
- 反射ビーム部分の経路の外側に配置され、偏向ビーム部分の少なくとも一部を検出するための1つ以上の検出器と、を更に備え、
第1のミラー偏向システムの移動システムと、第2のミラー偏向システムの1つ以上の検出器と通信することと、偏向ビーム部分の検出された部分に基づいて、レーザビームを第2のミラー上に位置合わせするために、フレームに対して第1のミラーを位置決めするように上記移動システムを制御することと、を行うように構成された少なくとも1つの制御装置と、を備えるレーザビーム位置合わせシステムを提供する。
レーザビーム位置合わせシステムは、ビームが第2のミラーに入射する位置を連続的に調整しながら、レーザビームの主要部分が第1のミラーから第2のミラー上へと反射されることを可能にする。従って、このシステムは、上記レーザが、例えば、表面の剥離(ablation)又は溶接のために使用されているときに、高出力レーザビームを位置合わせされた状態に保つのに特に好適である。
【0004】
[0004]従って、1つ以上の検出器において、パターンの一部が検出され、これは、X位置の値及びY位置の値として、中心ミラー位置に対する第2のミラー上のビームのオフセットの数値計算を可能にする。このようにして、制御装置は、第2のミラーに入射するビームのX及びYでの数値オフセットを決定し得、移動システムが第1のミラーをどのように変位させるべきかについての後続の更なる数値計算を可能にする。このようにして、レーザビームの連続的な位置合わせのためのデジタル制御ループが達成され得る。
【0005】
[0005]一実施形態では、偏向ビーム部分は、反射ビーム部分に対して少なくとも25度の角度をなす。
【0006】
[0006]一実施形態では、複数の要素のうちの要素は、鏡面に対して実質的に45度で入射するビームを、鏡面から実質的に垂直な方向において1つ以上の検出器上へと反射するように配置されている。一般に、フレームに対する第1のミラーの調整は小さくなり、例えば、ミラーのX軸又はY軸周りに5度より小さく、第2のミラーも同様に可動である場合、第2の偏向システムの検出器に対する第2のミラーの移動の程度(the degree of movement)も同様に小さくなり、例えば、ミラーのX軸又はY軸周りに5度より小さい。従って、たとえ第1のミラー又は第2のミラーが調整されていたとしても、偏向ビームの少なくとも一部は、1つ以上の検出器に到達する可能性が高い。
【0007】
[0007]一実施形態では、第1及び第2の偏向システムのミラー間のビーム経路は、少なくとも0.5メートル、好ましくは少なくとも5メートル、より好ましくは6~12メートルである。このようなシステムでは、第1の鏡面の角度における比較的小さい変化又は不正確さが、第2の鏡面上のビームスポットの位置における大きいシフトを生じさせ得る。本発明は、第1のミラーの角度が、第2のミラー上の偏向ビーム部分の検出された部分に基づいて調整されるので、そのようなシフトが、レーザビームが動作中である間に補償されることを可能にする。
【0008】
[0008]一実施形態では、第1及び第2の偏向システムのミラーは、第1の偏向システムからの反射ビームが、例えば、2つの偏向システムの間の中間反射面なしに、第2の偏向システムのミラーまで真っすぐ直線状に進行し得るように配置されている。
【0009】
[0009]一実施形態では、第1の偏向システムのミラーの鏡面は、実質的に平面であり、及び/又は、第2の偏向システムのミラーの鏡面は、実質的に平面である。湾曲した鏡面が代わりに使用され得るが、平面鏡面を使用することが好ましく、これは、偏向システム間の距離が、ビーム形状を大幅に変化させることなく、ビーム経路と平行な方向において調整されることを可能にするからである。
【0010】
[0010]一実施形態では、第1及び第2の偏向システムは、少なくとも2分の時間期間中に、10キロワット以上、好ましくは20又は25キロワット以上の平均電力出力を有するレーザビームを位置合わせ及び反射するように適合されている。従って、ビーム位置合わせシステムは、レーザが、例えば、表面を洗浄するため、及び/又は表面から塗料を剥離するために使用されている間、高出力レーザを位置合わせされた状態に保つために使用されるのに好適である。
【0011】
[0011]一実施形態では、複数の要素の結合面積は、鏡面上の投影で見たとき、複数の要素の凸包の面積の0.5%より少ない。素子の表面積が比較的小さいので、レーザビームエネルギーの大部分は、偏向ビーム部分として偏向されるのではなく、反射ビーム部分として反射されることになる。これにより、総レーザビームエネルギーのうちの少量しか1つ以上の検出器に到達せず、従って、それへの損傷を防止することを確実にする。
【0012】
[0012]一実施形態では、鏡面上への投影で見たとき、複数の要素の凸包の面積は、少なくとも90cmである。従って、凸包が及ぶ面積は、パターンの個々の要素の面積の合計よりも著しく大きく、ミラーに入射するレーザビームのエネルギーの大部分が、反射ビーム部分として反射されることをもたらす。例えば、反射ビーム部分は、一般に、反射エネルギービーム部分と偏向エネルギービーム部分のエネルギーの合計の少なくとも99%又は少なくとも99.8%を含む。
【0013】
[0013]一実施形態では、複数の要素は、互いに離間しており、好ましくは、各要素は、鏡面上の投影で見たとき、0.01cm~0.25cmの面積を有する。例えば、0.2~2.5cmの距離だけ、要素を互いに離間させることによって、これら要素は、1つ以上の検出器によって個別に検出され得、パターンにおけるどの場所にレーザの中心があるかを決定することが可能になる。
【0014】
[0014]一実施形態では、パターンは、互いに対してある角度をなす2つ以上の線上に互いに離間して配置された要素と、ここで、好ましくは、これら線は、互いに対して45度の整数倍の角度をなしており、同心円上に互いに離間して配置された要素と、のうちの1つ以上を含む。例えば、パターンは、「+」字形状及び「X」字形状、又は「x」字形状を中心とし、その上に重ね合わせられた「+」字形状を備え得る。
【0015】
[0015]一実施形態では、第2の偏向システムは、鏡面に対する反射ビーム部分の角度を調整するために、フレームに対してミラーを位置決めするための、フレームとミラーとに接続された移動システムを更に備え、システムは、第2の偏向システムの下流に第3の偏向システムを更に備え、第3の偏向システムには、- フレームと、- ミラーに入射したレーザビームの一部を反射ビーム部分として反射するための鏡面を有するミラーと、- 第2の偏向システムの鏡面においてパターン状に配置された複数の要素であって、ミラーに入射するレーザビームの一部を、上記ミラーによって反射された反射ビーム部分とは異なる偏向ビーム部分として偏向させるための複数の要素と、- 反射ビーム部分の経路の外側に配置され、偏向ビーム部分の少なくとも一部を検出するための1つ以上の検出器と、が設けられており、ここで、少なくとも1つの制御装置は、第2の偏向システムの移動システムと、第3の偏向システムの1つ以上の検出器と通信することと、偏向ビーム部分の検出された部分に基づいて、レーザビームを第3のミラー上に位置合わせするために、フレームに対して第2のミラーを位置決めするように、第2の偏向システムの上記移動システムを制御することと、を行うように構成されている。従って、ビーム位置合わせシステムは、複数の偏向システムにおいて反射されるレーザビームを位置合わせされた状態に保つのに好適である。追加の偏向システムが、第3の偏向システムの下流に直列に配置され得ることが理解されよう。
【0016】
[0016]一実施形態では、第2の偏向システムは、レーザビームの一部が、鏡面若しくは複数の要素に入射することなく、ミラーを通り越して進行したかどうか、及び/又は、レーザビームの一部が、ミラーの外縁から所定の距離内にあるかどうか、を検出するための安全検出器を備える。安全検出器は、典型的に、レーザの安全停止システムに接続されており、この安全停止システムは、安全検出器のうちの少なくとも1つが、縁部から所定の距離を有するか又はミラーを通り越して進行したレーザビームの一部を検出すると直ぐに、レーザをオフに切り替えるように適合されている。更なる安全性のために、好ましくは、安全検出器の2つの冗長セットが設けられ、各々がレーザの別個の安全停止システムに接続されている。
【0017】
[0017]第2の態様によれば、本発明は、支柱が取り付けられた移動基部を備えるロボットシステムにおいて、アームが支柱に移動可能に取り付けられており、リストがアームに移動可能に取り付けられており、ロボットシステムは、本発明によるレーザビーム位置合わせシステムを更に備え、ここで、上記レーザビーム位置合わせシステムは、支柱、アーム、及び/又はリスト内に配置されている、ロボットシステムを提供する。従って、ビーム位置合わせシステムは、ロボット、そのアーム、支柱、及び/又はリストの移動中に、レーザビームを位置合わせされた状態に保つために使用され得る。これは、ロボットの寸法が比較的大きい場合に特に重要である。例えば、ロボットシステムは、基部上に取り付けられたレーザ源を備え得、ここで、支柱は、基部に対して回転可能であり、少なくとも8メートルの高さを有する。アームは、少なくとも8メートルの長さを有し得、支柱に対してその長手方向に沿って並進可能であり得、ここで、アームは、支柱の長手方向に沿って並進可能であり得、及び/又は、アームは、支柱に対して水平軸周りに回転可能である。移動基部は、ロボットが、レーザの反射部分が適用されることになる対象物の周りを移動することを可能にする。
【0018】
[0018]一実施形態では、ロボットシステムは、少なくとも2分の時間期間中に、少なくとも10キロワットの平均電力出力を有するレーザを発生させるための高出力レーザ発生装置を更に備える。高出力レーザ発生装置は、典型的に、移動基部上に取り付けられている。
【0019】
[0019]一実施形態では、レーザ発生装置は、6cmより大きい直径、好ましくは7~10cmの直径を有するレーザビームを発生させるように適合されている。
【0020】
[0020]一実施形態では、ロボットシステムは、30ワットより少ない平均電力出力を有する可視レーザ光のビームを発生させるための低出力レーザ発生装置を更に備え、ここで、制御装置は、高出力レーザ発生装置を作動させる前に、低出力レーザを使用して、ビーム位置合わせシステムにおけるミラーの初期位置合わせを実行するように適合されている。高出力レーザを作動させる前に、低出力レーザを使用して偏向システムの大まかな位置合わせを実行することによって、高出力レーザが偶発的に誤った方向に向けられるリスクが低減される。
【0021】
[0021]第3の態様によれば、本発明は、レーザビーム位置合わせ方法であって、
a)第1のミラーにおいてレーザビームを第2のミラーへ反射するステップと、
ここで、第1のミラーは、レーザビームが第1のミラーから第2のミラーへと反射される角度を調整するために、フレームに対して第1のミラーを位置決めするように適合された移動システムを介してフレームに接続されており、
第2のミラーは、反射ビーム部分として上記鏡面に入射するレーザビームの一部を反射するための鏡面を備え、且つ反射ビーム部分とは異なる偏向ビーム部分として、鏡面においてパターン状に配置された複数の要素に入射するレーザビームの一部を偏向させるための上記複数の要素を備え、
b)反射ビーム部分の主軸から離間した位置において、偏向ビーム部分の少なくとも一部を検出するステップと、
c)偏向ビーム部分の検出された部分に基づいて、反射ビーム部分が、パターンに対して所望の位置にその主軸がある状態で、第1のミラーから第2のミラー上へと反射されるように、フレームに対して第1のミラーを位置決めするように移動システムを制御するステップと、を備えるレーザビーム位置合わせ方法を提供する。
方法は、たとえこれら偏向システムの相対位置が、レーザビームを作動させている間にそれら位置が数メートル変化したとしても、レーザビームが位置合わせされたままであることを可能にする。
【0022】
[0022]一実施形態では、方法は、パターンの一部の画像を含む偏向ビーム部分に基づいて、検出された偏向ビーム部分に基づくパターンに対する第2のミラー上のビーム重心の位置を決定することを更に備え、ここで、ステップd)は、パターンに対するビーム重心の相対位置に基づいて、移動システムを制御することを備える。ビーム重心は、例えば、互いに対して最大距離にある検出された要素の位置に基づいて決定され得る。
【0023】
[0023]一実施形態では、レーザビームは、低出力レーザビームであり、所望の位置がステップc)を通じて到達されると、方法は、低出力レーザビームをオフに切り替えることと、高出力レーザビームをオンに切り替えることと、高出力レーザビームを用いて、ステップa)~c)を行うことと、を更に備える。
【0024】
[0024]一実施形態では、レーザビームは、少なくとも2分の時間期間中に、少なくとも10キロワットの平均電力出力を有する高出力レーザビームであり、ここで、ステップa)~c)は、上記時間期間中に少なくとも10Hzの周波数で繰り返される。好ましくは、上記時間期間中のレーザビームの平均電力出力は、少なくとも20キロワットである。
【0025】
[0025]第4の態様によれば、レーザビーム位置合わせシステムであって、レーザビームを受光及び反射するように構成された表面パターンを有する少なくとも1つのミラーと、ミラーからのレーザビームの偏向部分を検出するように構成された少なくとも1つの検出器と、少なくとも1つのミラー及び少なくとも1つの検出器と通信することと、レーザビームの偏向部分に基づいて、ミラー位置を制御することと、を行うように構成された少なくとも1つの制御装置と、を備えるレーザビーム位置合わせシステムが提供される。
【0026】
[0026]有利なことに、本発明は、正確且つ安全な方法で、1つ以上のミラー上で反射するか、又は1つ以上のミラーに当たるレーザビームの精密な位置合わせを提供する。これは、モバイル又はロボット用途等、静的に位置合わせされたシステムが位置ずれになることを引き起こす可能性がある、機械的な撓み、振動、衝撃荷重、又はその他の力を補償するために動的位置合わせを必要とする用途に特に有利である。
【0027】
[0027]本発明は、本明細書に説明されるもの等の大型ロボットレーザコーティング除去(LCR:laser coating removal)システムに適用され得、ここで、ロボットは、それが移動するにつれて構造的な撓みを経験することになり、また、ロボット構造がレーザビーム送出用のミラーを担持しているので、ロボットが移動するにつれて、特にレーザを作動させている間にロボットが移動するときに、ミラーの再位置合わせが必要となる。
【0028】
[0028]本願全体を通して、「反射された」は、鏡面の平面に垂直な平面に対してある角度で鏡面に当たり、且つ同じ角度を形成して反射するビームを指すために使用される。「偏向された」は、ある角度を形成して鏡面に当たり、且つミラー上の表面パターンにより、異なる角度を形成して反射されるビームを指すために使用される。
【0029】
[0029]一実施形態によれば、少なくとも1つのミラーは、表面パターンを備え、少なくとも1つの検出器は、表面パターンに基づいて、レーザビームの偏向部分を検出するように構成されている。表面パターンは、検出器に向かって偏向される光の量を最小限にし、ビーム重心測定の精度を最大限にするように設計されている。
【0030】
[0030]システムの一実施形態によれば、表面パターンは、鏡面上の複数の小さい窪み(dimples)によって形成されたパターンである。小さい窪みは、例えば、ごく少量のレーザエネルギーを検出器に向けて偏向させるのに寄与する、鏡面にフライス加工された特徴であり得る。
【0031】
[0031]一実施形態によれば、表面パターンは、円形又はX字形のパターンである。しかしながら、これは単なる例であり、当業者であれば、パターンの特定の形状は大幅に異なり得ること、及び他の好適な表面パターンが可能であることを理解するであろう。一実施形態によれば、表面パターンは、十分な数の小さい窪みがレーザビーム内にあるようなものである。これは、三角測量を行うことが可能であることによって、より正確な位置決めを可能にする。一実施形態によれば、対称パターンが使用される。これは、正確な位置決めのためのより単純なアルゴリズムの使用を可能にする。
【0032】
[0032]一実施形態によれば、レーザビームは、高出力レーザビーム、例えば、高出力赤外線レーザビーム又はCOレーザビームである。これは、大量の指向性エネルギーが必要とされ、高出力レーザが、表面にわたってレーザスポットを走査することによって有機コーティングを剥離するために使用され得る、例えば、航空機等の大型構造物又は車両におけるコーティング除去等の用途に有利である。
【0033】
[0033]一実施形態によれば、レーザビームは、低出力レーザビーム、例えば、赤色光レーザビームである。これは、より少量の指向性電力を必要とする用途に有利であり得る。これはまた、例えば、高出力レーザを従事させる前に、システム内のミラーを位置合わせするための追加のステップとして、航空機等の大型構造物又は車両におけるコーティング除去の用途に有利であり得る。
【0034】
[0034]一実施形態によれば、少なくとも1つの検出器は、レーザビームの偏向部分を捕捉し、ビームの偏向部分に基づいて、鏡面上のレーザビーム位置を検出するためのカメラを備える。検出器は、任意の種類の好適な光検出器であり得る。検出器がカメラである場合、カメラは、レーザビームの偏向部分を受光又は捕捉し得、捕捉された画像に基づいて、それは、鏡面上のレーザビームの位置の検出を可能にし得る。
【0035】
[0035]一実施形態によれば、カメラは、赤外線カメラ及び/又は可視波長カメラであり得る。赤外線カメラは、高出力レーザビームの偏向部分を検出するために使用され得、可視波長カメラは、低出力レーザビームの偏向部分を検出するために使用され得る。
【0036】
[0036]一実施形態によれば、少なくとも1つの検出器は、ミラーからの第1のレーザビームの偏向部分を検出するように構成された第1の検出器と、低出力レーザビームの位置が制御された後に、高出力レーザビームの偏向部分を検出するように構成された第2の検出器と、を備える。システムは、2つの検出器、即ち、レーザビームの初期位置合わせを行うために、少なくとも1つのミラーから偏向された低出力レーザビームの光を検出するために最初に使用される第1の検出器と、レーザビームが最初に位置合わせされ、高出力レーザビームがオンに切り替えられた後に使用される第2の検出器と、を備え得る。第2の検出器(又は単に、検出器、若しくは少なくとも1つの検出器)は、少なくとも1つのミラーからの高出力レーザビームの偏向部分を検出するために使用される。
【0037】
[0037]一実施形態によれば、少なくとも1つのミラーは、カスケード構成で置かれた複数のミラーを備え、少なくとも1つの検出器は、複数の検出器を備え、ここで、少なくとも1つの検出器は、各ミラーに対応する。システムは、1つのミラーを更に備え得、これは、レーザビーム源から直接来る光を受光し、それを先端工具(end tool)等のレーザビームの最終目的地へと反射し、又はシステムは複数のミラーを備え得る。後者のシナリオでは、第1のミラーが、レーザビーム源から来るレーザビームを受光し、そのレーザビームを第2のミラーに反射するように構成され得る。この場合、この第2のミラーは、そのレーザビームを更に反射するように構成され得、この構成は、必要な数だけのミラーを含み得、これらミラーは、例えば、異なる可動セクションを備え且つレーザビームがそれを通って進行しなければならないロボットアームの構造に適合され得る。
【0038】
[0038]第5の態様によれば、本明細書で上記に説明された利点及び効果に従って、レーザビーム位置合わせ方法であって、
a)鏡面からレーザビームの一部を偏向させるステップと
b)偏向部分に基づいて、鏡面上のレーザビームの位置を検出するステップと
c)鏡面上の検出された位置及び所望の位置に基づいて、レーザビームを制御するステップと、
を備えるレーザビーム位置合わせ方法が提供される。
【0039】
[0039]レーザビーム位置合わせ方法は、正確且つ安全な方法で、1つ以上のミラー上に反射するレーザビームの精密な位置合わせを可能にする。この動的且つ自動的な位置合わせ方法は、ミラーシステムを用いたレーザビーム位置合わせのための単純であるが正確な機構を提供する。
【0040】
[0040]一実施形態によれば、レーザビームは、低出力レーザビームであり、所望の位置がステップc)を通じて到達されると、方法は、低出力レーザビームをオフに切り替えることと、高出力レーザビームをオンに切り替えることと、高出力レーザビームを用いて、ステップa)~c)を行うことと、を更に備える。
【0041】
[0041]従って、一実施形態による方法は、まず低出力レーザビームの位置を制御するために使用され得、一旦所望の位置が到達されると、同じ方法ステップを使用して、高出力レーザビームの位置を制御する。これは、有利なことに、ミラーの初期位置が所望の位置からかなりずれている可能性がある状況において、初期位置合わせのためにより安全でより適切な低出力レーザビームを使用して、システム内の1つ又は複数のミラーを最初に位置合わせすることを可能にする。1つ又は複数のミラーが最初に位置合わせされていると、高出力レーザビームは、安全に使用され得る。
【0042】
[0042]一実施形態によれば、レーザビームを制御することは、所望の位置の近くに移動されるようにレーザビームを制御することを備える。所望の位置は、例えば、鏡面の中心であり得る。しかしながら、鏡面内の他の特定の位置が所望の位置であり得、これは、事前定義され得るか、又は位置合わせ中に決定され得る。
【0043】
[0043]一実施形態によれば、鏡面からレーザビームの一部を偏向させるステップは、鏡面上の表面パターンを使用して、鏡面からレーザビームの一部を偏向させることを備える。
【0044】
[0044]一実施形態によれば、鏡面上のレーザビームの位置を検出することは、鏡面上のレーザビームの中心と所望の位置との間のオフセット値を取得することを備える。これは、方法を行うシステムが、位置を修正するために、レーザビームをどのくらい並びにどの方向及び角度に移動及び/又は傾斜させる必要があるかを容易且つ効率的に決定することを可能にする。
【0045】
[0045]一実施形態によれば、方法を行うシステムが、複数のミラーを備え、ステップa)~c)は、各ミラーについて行われる。
【0046】
[0046]一実施形態によれば、ステップc)は、位置がその上で検出されるミラー上の反射位置を変更するために、先のミラーを調整及び/又は移動することによって、鏡面上の検出された位置及び所望の位置に基づいて、レーザビームを制御することを備える。
【0047】
[0047]一実施形態によれば、ステップb)は、カメラがレーザビームの偏向部分をキャプチャすることに基づいて、鏡面上のレーザビームの位置を検出することを備える。
【0048】
[0048]本発明の第6の態様によれば、レーザビーム位置合わせシステム用のミラーが提供され、ミラーは、フレームと、レーザビームを反射することが可能な、フレームによって支持される鏡面と、レーザビームを偏向させるための鏡面上のパターンと、を備える。一実施形態によれば、ミラーは、ミラー及び/又はフレームに接続された、ミラーを移動させるための1つ以上の移動システムを更に備える。一実施形態によれば、ミラーは、鏡面に向けられ且つフレームに接続された1つ以上の検出器を更に備える。
【図面の簡単な説明】
【0049】
図1】[0049]図1は、大型車両の表面処理のために使用されるロボットシステムの斜視図を例示する。
図2a】[0050]図2aは、本発明による図1のロボットシステムを通るレーザ経路の図を示す。
図2b】[0051]図2bは、本発明による図2aの拡大部分を示す。
図2c図2cは、本発明による図2aの拡大部分を示す。
図2d図2dは、本発明による図2aの拡大部分を示す。
図2e図2eは、本発明による図2aの拡大部分を示す。
図3】[0052]図3は、本発明によるレーザビーム位置合わせシステムを概略的に示す。
図4】[0053]図4は、本発明による別のレーザビーム位置合わせシステムを概略的に示す。
図5】[0054]図5は、本発明によるレーザビーム位置合わせ方法を例示するフローチャートを示す。
図6】[0055]図6は、本発明によるレーザビーム位置合わせ方法を例示する図を示す。
図7a】[0056]図7aは、上側から見た本発明によるレーザ位置合わせシステムの斜視図を示す。
図7b】[0057]図7bは、下側から見た図7aのレーザ位置合わせシステムの斜視図を示す。
図8a】[0058]図8aは、本発明の一実施形態によるミラーの斜視図を例示する。
図8b】[0059]図8bは、本発明の一実施形態によるミラーの斜視図を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0050】
[0060]図面は、例示のみを目的とするものであり、特許請求の範囲によって規定される範囲又は保護の制限としての役割を果たすものではない。
【0051】
[0061]図1は、大型車両の表面処理のために使用されるロボットシステム10の斜視図を例示する。システム10は、航空機12の表面にわたってレーザを走査することによってコーティングを剥離するために高出力レーザを使用する塗料除去システムとして示され及び説明されている一方で、システム10は、塗装、サンダー仕上げ、直接印刷、他のコーティング又は表面処理の適用又は除去、洗浄、拭き取り、表面走査又は検査及び修復等の、多くの異なる表面処理を提供するために使用され得ることを理解されたい。追加として、システム10は、ヘリコプター、船、トラック、自動車、水中車両、宇宙船等の、その他の車両若しくは構造物、又は広い面積及び/若しくは全ての表面に到達するための複雑な位置決めを伴う任意の車両又は構造物と共に使用され得る。
【0052】
[0062]システム10は、全方向型台車(omnidirectional bogies)16に接続された移動基部14を有する自立型の表面処理システム(self-contained surface treatment system)である。基部は、4つの台車16を使用し、これらは、各台車16に関連付けられた2組のメカナム車輪、並びに作業のための円滑な走行及び安定した停車を可能にするフレキシブル懸架システムの使用を通じて、任意の方向に移動され得る。
【0053】
[0063]電力、冷却水及びガス等の任意の必要とされるユーティリティが、基部14上のアンビリカル結合部34に接続し得るテザー(tether)を介して提供され得る。場合によっては、いくつかのユーティリティのみが必要とされるか、又はこれらのいずれも必要とされず(例えば、電力は、基部上のバッテリによって供給され)、システム10を、様々な場所での作業に対して柔軟性があるものにし、大量のコード又は接続なしに容易に操縦可能にする。
【0054】
[0064]移動基部14は、それが、航空機12まで走行し、それ自体を「停車」させ、作業のための安定した基部を提供し得るように、比較的小型でありながら安定していることによって、様々な航空機及び格納庫の変形形態に対応することが可能である。全方向型台車16及びフレキシブル懸架システムは、システム10の大きな荷重を均等に分配することが可能であると同時に、凹凸のある又は障害物を有する領域を円滑にナビゲートすることが可能である移動基部14をもたらす。台車16のフレキシブル懸架システムは、基部14が、基部及びジャッキ38が(障害物に対する十分な隙間を伴って)地表面より上に持ち上げられている走行モード(図1b参照)にあることを可能にし、次いで、ジャッキ38(及び場合によっては基部14全体)が降ろされ、その結果、システム10の重量が、停車モード(図1c参照)ではジャッキ38上にかかり、台車16上の車輪が、作業中にシステム10の重量をほとんど又は全く担持しないことを可能にする。これは、安定した基部を確実にし、その結果、アーム20及びリスト22の移動が作業中に支持されて、処理表面への損傷のリスクを最小限にする。
【0055】
[0065]システム10はまた、特定の表面処理に関連した基部14上のいくつかの他の構成要素、このシステムでは、レーザ発生装置24、レーザ電源ユニット(laser power unit)26、制御システムキャビネット28、ガスホルダ30、濾過ユニット32、アンビリカル結合部34、熱交換器35、スキャナ36、油圧システム37及びジャッキ38を含む。他のシステムは、基部14上に示される構成要素に加えて、又はその代わりに、基部によって支持される他の構成要素を含み得る。これらは、例えば、排気フィルタ、バッテリ、塗料、及び/又は塗料ライン等を含み得る。
【0056】
[0066]表面処理は、基部14から、支柱18、ショルダ19、アーム20及びリスト22を通じて行われ、この場合、これらは共に、基部14から航空機12の表面上の任意の所望の点までレーザビームを輸送することを可能にする構造を提供する。支柱18及びアーム20は、伸長可能であり、(例えば、線形ギア21及び回転ギア17を通じて)回転することが可能であるが、支柱18の回転は、基部14の移動又は回転を通じたものであり得る。ショルダ19は、支柱18に対するアーム20の回転及び並進を可能にする。いくつかの実施形態では、アーム20は、並進アームの代わりに伸縮アームであり得る。アーム20はまた、線形ギア21を通じて、支柱18の全長にわたって上下に移動することが可能である。リスト22は、航空機12の全ての表面に到達して、それを処理する能力をシステム10に提供するために、例えば、3つ等の、より多くの自由度の軸を提供する。示される移動システムは、支柱18、ショルダ19、アーム20及びリスト22の構成、処理表面、並びに/又は他の要件に応じて異なり得る。
【0057】
[0067]レーザは、基部14から、支柱18、アーム20及びリスト22の中空部分を通ってリスト22へと輸送され、図2a~図3bに関連して詳述されるように、ミラー制御及び位置合わせシステムを用いて一連のミラーによって誘導されて、正確なレーザビーム位置決めを確実にする。システム10はまた、支柱18、アーム20及びリスト22の内部を通じて排出物を除去するための排気ガスシステムと、航空機12に対するシステム10の全ての構成要素の位置決め及び方向付けのためのシステムと、を含む。
【0058】
[0068]ロボットシステム10の制御は、自動又は手動のいずれかであり得る。典型的に、作業の開始時に、航空機12(又は他の構造物)のタイプが選択される。位置決めシステムは、航空機12の位置及び向きを決定するために使用される。これは、典型的に、航空機上の既知の位置にいくつかのターゲットを吊り下げることと、既知の航空機寸法及び構成を用いて(with)ターゲット位置決めをマッピングするために、(1つ又は複数の)スキャナ36を使用することと、を伴い、これにより、ロボットシステムは、リスト22の出力部23を正確に位置決めして、航空機12の任意の表面に、その表面に接触することなく、レーザを向けることが可能になる。これは、航空機12の大きいサイズ及び複雑な幾何形状、並びに任意の接触から航空機12の表面が損傷を受けやすいことにより、重要である。
【0059】
[0069]一旦位置決めが分かると、ロボットシステムは、所望の開始場所へと移動され得る。台車16は、基部を、(例えば、航空機12の前部の近くであり、且つアーム20及びリスト22が伸長し得る長さを知っていることにより、出力部23が最前部に到達することが可能な位置における)第1の位置まで走行させ得る。次いで、基部14は、停車モード(図1c参照)に置かれ得、ここで、台車16のフレキシブル懸架システムは、基部14が少なくとも主に(車輪の代わりに)ジャッキ38によって支持されるように、基部14及びジャッキ38を降ろす。次いで、作業が開始し得る。アーム20及びリスト22は、開始位置に配置される。レーザ位置合わせがチェックされ、次いで、高出力レーザビームがオンにされ得る。ロボットシステムのアーム20及びリスト22の移動は、全ての表面が十分に処理されることを確実にするために予めプログラムされた経路に従い得、1つより多くの経路が必要に応じて使用され得る。レーザはまた、ある特定の層のみが除去されるように調整され得る。光学センサ(又は他のセンサ手段)が、レーザが障害物(例えば、窓)を回避することを確実にするために使用され得る。
【0060】
[0070]レーザは、航空機12の大きく複雑な表面積にもかかわらず、効率的な表面処理を確実にするために、非常に素早く、例えば、毎秒200回掃引し得る。加えて、カメラ又は他のセンサが、レーザが所望の層を効果的に除去することを確実にするために使用され得る。これは、例えば、色及び外観分析のために掃引毎に1回以上撮影された写真を使用することを通じて行われ得る。レーザ出力、並びにロボット移動及び速度は、この感知及び分析に基づいて、継続的に更新され得る。
【0061】
[0071]レーザ作業中、排出物除去システムはまた、発生したガスを除去するように機能する。排出物除去チャネルは、基部14から(例えば、基部14上の濾過システムを通じて)生成される負圧を有し、これにより、排出物は、リスト、アーム及び支柱を通って基部14へと吸引され、ここで、それは(例えば、濾過ユニット32内のフィルタを通じて)清浄化され、適切に廃棄され得る(例えば、クリーンガスが、フィルタ内での清浄化の後に放出される)。提供される吸引力は、レーザ除去点における排気ガス及び微小汚染物が、排気ガスと共に排出物除去チャネル内へ取り込まれるレベルでなければならない。出力部23は、全ての排気ガスの完全な吸引を促進するために、レーザチャネル出力部を完全に囲む排出物チャネル入力部等の、特定の構成を有し得る。次いで、このような構成は、図4aのアームに示されるチャネル(これらはまた、典型的に、リスト22を形成するチャネルである)内へと移行し得る。濾過ユニット32はまた、排出物の冷却のために追加の空気又は他のケースを提供し得る。排出物チャネルは、特に、アーム20から垂直支柱18への進行等の、狭い角部を回って移動するとき、ガスが正しい方向に移動するのに役立つように、様々な位置に羽根(vanes)を含み得る。
【0062】
[0072]ロボットシステム10が、アーム20及びリスト22の届く範囲内の全てのコーティングを除去したとき、システム10は、それが未処理の表面に届き得るように、航空機12に対して第2の位置に移動され得る。同じ手順が、移動、停車及びその後の作業のために使用される。航空機の全表面が処理されると、ロボットシステム10は、格納のため、又は新しい作業を開始するために、異なる場所に移動し得る。
【0063】
[0073]航空機上の塗料除去のための過去の表面処理システムは、典型的に、サンダー仕上げ又は溶剤の手動による適用を伴う。ロボットシステム10は、航空機への損傷のリスク及び必要とされる手作業を最小限にしながら、航空機の複雑な表面の形状を処理することが可能である、表面処理のための効率的な方法を提供する。高出力レーザの使用は、コーティングを効率的且つ効果的に除去し得、基部14、支柱18、ショルダ19、アーム20及びリスト22の移動システムは、手動介入を必要とせずに、レーザが所望の位置に到達することを可能にする。レーザ位置合わせシステムは、異なる表面に到達するための全ての移動及び旋回にもかかわらず、レーザが、可動ミラーの使用を通じて適切に位置合わせされたままであることを確実にし、高出力レーザビームを使用するときでさえも安全なシステムを確実にする。移動基部14は、多くの異なる航空機及び格納庫(又は他の処理の場所)の変形形態に対応するために、所望の位置への容易且つ柔軟な移動を可能にする。
【0064】
[0074]図2aは、本発明によるロボットシステム10を通るレーザ経路の図を示し、図2b~図2eは、レーザ経路の拡大部分を示す。
【0065】
[0075]レーザ経路は、レーザ源から航空機12上の所望の表面処理点まで所望される経路をたどるために、レーザが偏向を必要とするあらゆる点において位置する、偏向システム40とも呼ばれるレーザビーム位置合わせシステムによって誘導される。システム10において、レーザビームは、所望の場所(レーザチャネルの中心)において支柱18に入射するように、基部14上の8つのレーザビーム位置合わせシステム40(図2b~図2cに示される)によって偏向される。レーザは、支柱からショルダ19まで垂直に上へと偏向され、次いで、そこで、レーザは、アーム20に入射するように水平に偏向され、次いで、リスト22に向かって延びるように偏向される(図2dに示される)。リスト22において、レーザは、2つの異なるレーザビーム位置合わせシステムによって偏向され、次いで、リスト22の出力部23における1つ以上のミラー41によって、航空機12の表面(又は他の所望の表面)に向かって反射される。
【0066】
[0076]図3は、本発明によるレーザビーム位置合わせシステム40を概略的に示す。
【0067】
[0077]図3の位置合わせシステム40は、図1のシステムに示されるような支柱18、ショルダ19、アーム20及び/又はリスト22によって形成される中空構造の内部に位置し得、従って、図2に示されるようなレーザビーム位置合わせシステムのうちの1つに対応し得る。位置合わせシステム40は、レーザビーム輸送を構造的な撓みから独立して維持するために、図1のシステム(又は他のシステム)内に組み込まれ得る動的なレーザビーム位置合わせシステムである。位置合わせシステム40は、第1のミラー48と、第2のミラー50と、第2のミラー50のための第1の検出器52aと、第2のミラー50のための第2の検出器52bと、制御装置46と、を備える。レーザ源、例えばレーザ発生装置24からのレーザビーム44が、概略的に示されており、第1のミラー48から第2のミラー50へと反射されている。
【0068】
[0078]レーザビーム44は、高出力レーザビームであり得るか、低出力レーザビームであり得るか、又は任意の好適なタイプのレーザビームであり得る。レーザビームが高出力レーザビームである場合、それは、赤外線レーザビームであり得る。高出力レーザビームは、例えば約9センチメートルの直径を有する20キロワットCOレーザであり得、これは、金属基板及び複合基板を含む多くの表面から、多種多様なコーティングを除去するために開発され得る。低出力レーザビームは、赤色レーザビーム又は赤色光ビーム等の可視光レーザビームであり得る。
【0069】
[0079]第1のミラー48は、レーザビーム源から来るレーザビームが最初に第1のミラー48に当たることになるように、中空構造内の第1の場所に位置し得る。この場合、第2のミラー50は、第1のミラー48の場所よりもレーザビーム源から離れている中空構造内の位置に位置する。第1のミラー48は、レーザビーム44を受光し、それを第2のミラーの方向に反射させるように構成されており、第2のミラー50は、第1のミラー48から反射されたレーザビームを受光し、それを更なるミラーの方向に、又はシステムの出力部若しくは先端工具の方向に反射するように構成されている。
【0070】
[0080]第2のミラー50のための第1の検出器52aは、第2のミラー50の鏡面の実質的に前方において、鏡面の方を向いて位置し得る検出器である。一例として、第1の検出器52aは、第2のミラー50の真上に取り付けられ得る。第1の検出器52aは、第2のミラー50から偏向される低出力レーザビームの少なくとも一部を検出するように構成されている。全てのレーザビームが同じ特性(エネルギー、ビーム幅)を有するわけではないので、特定の検出器が、ある特定のレーザビームタイプからのエネルギーのみを検出するように適合され得る。第1のミラー48と第2のミラー50との間の距離は異なり得、一実施形態では、それは、図1のリスト22に対応するセクション等での最小50センチメートルから、図1の支柱18に対応するセクション等での最大15メートルまでになり得る。しかしながら、この距離は、レーザビームが鏡面に適切に当たることを可能にする限りは、より小さくても、より大きくてもよい。
【0071】
[0081]第2のミラー50のための第2の検出器52bは、第2のミラー50に対して第1の検出器52aと同様の位置に位置する。第2の検出器52bは、第2のミラー50から偏向される高出力レーザビームの少なくとも一部を検出するように構成されている。光ビームの偏向部分は、レーザビーム総出力の約0.01%を表し得る約2ワットから、レーザビーム総出力の約0.1%まで等、非常に少なくなり得る。偏向された光の総量が少ないので、高出力検出器は必要とされない。
【0072】
[0082]第1の検出器52a及び第2の検出器52bは、偏向されたレーザビームの部分に基づいて、第2のミラー50に入射するレーザビームの位置を決定するように構成されている。これら検出器は、任意の種類の好適な光検出器、例えば、レーザビームの偏向部分を受光又は捕捉するように構成されたカメラであり得、捕捉された画像に基づいて、それらは、鏡面上のレーザビームの位置を検出し得る。これら検出器は、検出器がミラーから過剰なエネルギーを受けないように保護するためのシールド又は保護層を有し得る。
【0073】
[0083]第1の検出器52a及び第2の検出器52bは、それぞれがプリント回路基板内に組み込まれ得るか、又は同じプリント回路基板内に共に組み込まれ得、上記プリント回路基板はまた、検出器によって検出された位置を処理するためのマイクロプロセッサを備え得る。検出器がカメラである場合、マイクロプロセッサは、画像処理を行うように構成され得、又はそのような画像処理は、有線接続又は無線接続を通じて検出器と通信する遠隔地において行われ得る。
【0074】
[0084]制御装置46は、位置合わせ及び修正動作を制御するように構成されている。レーザビームがミラーの表面に到達すると、ミラーの向きに応じて、レーザビームは、ミラーの表面から特定の方向に向かって反射されることになる。レーザが望ましくない表面に到達して、損傷を引き起こし得ることがないように、レーザがたどる方向が正しいことが重要である。これは、レーザビームが高レベルの精度を必要とする用途に使用されるとき、例えば、複数のミラーが使用されるときに、特に重大である。図3の実施形態では、制御装置46は、第1の検出器52a及び第2の検出器52bから、レーザビームが当たる第2のミラー50の鏡面上の検出された位置を受信するように構成されている。従って、制御装置46は、第1の検出器52aから、低出力レーザビームの検出された位置に関する情報を受信し、第2の検出器52bから、高出力レーザビームの検出された位置に関する情報を受信し得る。この情報を使用して、制御装置46は、検出された位置を鏡面上のレーザビーム44の所望の位置と比較し得る。
【0075】
[0085]次いで、制御装置46は、比較の結果に基づいて、レーザビームが所望の位置で第2のミラー50に当たるように、第1のミラー48に入射するレーザビームが第2のミラー50に向かって反射されるために、第1のミラー48が移動及び/又は傾斜しなければならない方向及び距離を決定することが可能になり得る。次いで、制御装置は、レーザ位置を位置合わせするために、決定された方向及び距離に移動及び/又は傾斜するように、第1のミラー48を制御し得る。
【0076】
[0086]加えて、図3には示されていないが、システムは、高出力レーザビームがミラーに当たっていることを明確に示すために、バイナリ信号等の信号を提供する1つ以上の余分な安全センサを備え得る。アルゴリズムが、ビーム品質のインジケーションとしてレーザビーム重心位置及び断面形状を決定するために、制御装置46によって実施され得る。制御装置46は、小さい窪み(図7a~図7b参照)からのレーザ反射の重心を計算する画像処理アルゴリズムを備え得、従って、レーザビームの位置の測定値を提供する。他のアルゴリズムは、レーザ反射の形状を計算し、これは、ビーム品質のインジケーションを提供する。更に他のアルゴリズムが、レーザ出力を測定するためにレーザビームの強度を検出し、汚れたミラー等の他の異常を検出するために使用され得る。
【0077】
[0087]鏡面上の所望の位置は、システムを最適に機能させるために、レーザビームをある方向に向かって反射させる位置である。この所望の位置は、レーザビームが、囲まれた構造(中空構造)の壁に可能な限り平行に反射されることを可能にする位置であり得る。所望の位置は、鏡面の中心、又は鏡面の中心から特定の距離にある点であり得る。
【0078】
[0088]図3には示されていないが、一実施形態はまた、ビームが途絶されて、第2のミラー50に到達していないかどうかを決定するために、第1の検出器52a及び第2の検出器52bと同様の位置に位置する少なくとも1つの追加の検出器を備え得、これは、カメラであり得る。これは、検出器52a及び/又は52bが、システムの正常な機能に対応しない、偏向された光の一部を検出し得るので、追加の安全機構をシステムに提供し得る。一実施形態によれば、1つより多くの追加の検出器が、システムの安全性を更に向上させるために使用され得る。
【0079】
[0089]図4は、本発明による別のレーザビーム位置合わせシステム40を概略的に示す。
【0080】
[0090]図4のシステムは、図3のシステムと同様であり、ここで、追加の第3のミラー42が、例えば、中空構造内の、第2のミラー50の場所よりもレーザビーム源から離れている場所に置かれている。第3のミラー42は、第2のミラー50から反射されたレーザビームを受光し、それを更なるミラー又はシステムの出力部へ反射するように構成されている。検出器43a及び43bは、検出器52a及び52bと同様であり得、それらは、第3のミラー42に入射する偏向されたレーザビームの少なくとも一部を検出するように構成されている。制御装置46はまた、この実施形態によれば、検出器43a及び43bからレーザビーム位置を受信するように構成されている。図4は、制御装置46を2つの別個の要素として表しているが、当業者であれば、制御装置が1つの要素又は互いに通信する複数の要素によって形成され得ることを容易に理解されよう。
【0081】
[0091]図4はまた、第1のミラー48のための第1の検出器49a及び第2の検出器49bを示す。第1のミラー48のためのこれら検出器は、第1のミラー48の表面上のレーザビームの位置を検出し得、その結果、制御装置46はまた、第1のミラー48及び/又はレーザビーム源を調整するために、検出された位置を使用し得る。
【0082】
[0092]図3及び図4は、それぞれ2つ及び3つのミラーを有するシステムを表しているが、本発明によるレーザ位置合わせシステムはまた、3つより多くのミラーを備え得、これらは、レーザビームを、図1に描写されるロボットの基部における光源から、ロボット部品によって形成された中空構造を通して、システムの先端工具まで誘導する。
【0083】
[0093]図5は、本発明によるレーザビーム位置合わせ方法500を例示するフローチャートを備える。例として、本方法は、図3のシステムを参照して説明されるが、同様の方法が、他のシステム、例えば、図4のシステム等のより多くのミラーを備えるシステムにも適用されることが明らかであるべきである。
【0084】
[0094]第1のステップ501において、初期ミラー位置合わせが、低出力レーザビームを使用して行われる。この初期ステップでは、システムを構成するミラーが位置ずれしている場合がある。レーザビームが望ましくない表面で反射する場合、高出力レーザビームはより危険であり得るので、ミラーの位置ずれがかなり大きい可能性がある初期位置合わせの場合、高出力レーザビームはオフに切り替えられ、低出力レーザビームが使用される。このような低出力レーザビームは、たとえ大幅に位置ずれしており、望ましくない表面に向けられている場合でさえも、損傷をほとんど又は全く生じさせないであろう。
【0085】
[0095]第1のステップ中、第2のミラー50の第1の検出器52aは、レーザビームが当たる鏡面上の位置を検出する。これは、第1の検出器52aの方向におけるレーザビームの偏向部分を検出することと、偏向部分に基づいて、鏡面上のレーザビームの位置を取得することと、によって行われ得る。その後、第1の検出器52aは、検出された位置を制御装置46に送信し、制御装置は、鏡面の中心であり得る所望の位置において鏡面に到達するために、レーザビームが移動する必要のある距離及び方向を決定し得る。その後、制御装置46は、レーザビームを第2のミラー50の表面上の所望の位置に到達することになる方向に反射させるために、第1のミラー48を移動及び/又は傾斜させるように制御し得る。このプロセスは、各ミラーのための検出器が、鏡面に入射する低出力レーザビームが、所望の位置に入射することを検出するまで、ステップ502において、自動的且つ動的に、図4の第3のミラー42に対しても同様に実施され得る。これは「所望の位置」として説明されているが、当業者であれば、これは、システム、レーザ等に応じて、許容可能な位置の範囲内にある鏡面上のいくつかの位置を包含し得ることが理解されよう。
【0086】
[0096]一旦位置合わせが完了すると、高出力レーザビームが、航空機等の車両からコーティングを除去するため等、必要な用途のために使用され得る。このために、ステップ503が実施され、ここで、低出力レーザビームがオフに切り替えられ、高出力レーザビームがオンに切り替えられる。当初、これらミラーは、前のステップから位置合わせされているが、ロボット構造の支柱18及びアーム20がそれぞれ、リスト及び出力部を異なる所望の位置に移動させるように移動可能であるので、この変位は、これらミラーを位置ずれさせることになり、従って、(ミラーの調整を通じた)レーザビームの絶え間ない位置合わせ及び再位置合わせが、自動的且つ動的に行われる必要がある。
【0087】
[0097]次いで、ステップ504が開始され、この場合、第2の検出器52bは、第2のミラー50の鏡面に入射するレーザビームの位置を検出することになる。このステップは、ステップ501と同様であるが、低出力レーザビームの代わりに、高出力レーザビームが使用される。
【0088】
[0098]方法500は、低出力レーザビーム位置合わせ及び高出力レーザビーム位置合わせに対して同様に行われるが、低出力レーザは、オペレータによるミラーの手動による粗調整を可能にする。この低出力レーザビームから開始することは、高出力レーザビームがオンに切り替えられる前に、適切な開始位置合わせが達成されることと、システムが適切に機能していることとの両方を確実にする。従って、この方法は、システムが適切に位置合わせされて、安全に機能しているとみなされるまで、システム又は周囲の構成要素を損傷する可能性がある高出力レーザビームの使用を回避する安全なシステムをもたらす。
【0089】
[0099]図6は、本発明の一実施形態によるレーザビーム位置合わせ方法を例示する図を示す。
【0090】
[0100]より具体的には、図6は、システム内の検出器と、制御装置と、ミラーとの間の相互作用を示す。図6の図は、例として、及びその単純さゆえ、図3のシステムを参照して説明されるが、それは、より多くのミラーを有するシステムにおいても同様に適用されることになる。
【0091】
[0101]ステップ601において、第2のミラー50は、低出力レーザビームを受光する。次いで、レーザビームからのエネルギーの大部分は、次のミラー又は先端工具又は出力部に向かって反射されることになる。レーザビームの一部は、ステップ602において、第2のミラーの第1の検出器52aに向かって偏向されることになる。この部分は、鏡面上に存在する表面パターンにより、残りのレーザビームとは異なって偏向される。表面パターンは、鏡面上の特定の場所に位置する小さい窪みのパターンであり得る。小さい窪みは、鏡面にフライス加工された特徴であり得、これは、検出器へのごく少量のレーザエネルギーを画定する。高出力レーザビーム及び低出力レーザビームは、同じ光源から生じ得、それらは共に、当初、例えば30ミリメートルの直径を有し得る。次いで、低出力レーザビームは、そのビームを約6センチメートルに拡大し得るコリメータを通過し得、その結果、それは、約9センチメートルの高出力レーザシステムに近い一致となる。この拡張は、低出力レーザビームもまた、ミラー上の表面パターンをカバーし得、検出器が、表面パターンに基づいて、鏡面上のビームの位置を効果的に検出し得るように行われる。
【0092】
[0102]第1の検出器52aは、ステップ603において、表面パターンにより偏向されたレーザビームの部分を検出し、ステップ604において、偏向部分に基づいて、鏡面上のレーザの位置及びレーザビームの中心を検出する。ステップ605において、第1の検出器52aは、検出された位置を制御装置46に送信する。
【0093】
[0103]ステップ606において、制御装置は、第1の検出器52aからの受信されたレーザビーム位置を使用して、レーザビームの中心(ビーム中心線)と、ミラー中心線等の所望の位置との間の「オフセット」を取得する。次いで、ステップ607において、レーザオフセット位置が使用されて、レーザビームが測定ミラーの中心と位置合わせするように、第1のミラー48の角度及び/又は位置を変更する。第1のミラー48と第2のミラー50との間の距離(既知である)もまた、必要とされる角度変更の大きさを取得するために、レーザビームオフセットと併せて使用される。次いで、第1のミラー48のための運動制御システム(図7a~図7bに関連してより詳細に説明される)は、位置情報の次の更新の前に、非常に短い時間フレーム、例えば、100ミリ秒の時間フレーム内で、ミラーを移動させる。たとえオフセットが検出されたとしても、第1のミラー48をごくわずかな距離及び/又は傾斜だけ移動させるのに過剰な電力が必要とされる非効率的な性能を回避するために、制御装置が、第1のミラー48に移動及び/又は傾斜するように指示しない不感帯、即ちオフセット許容範囲が存在する。従って、オフセットの上記許容範囲内では、動作は行われず、検出されたオフセットが特定の閾値を上回る場合にのみ、制御装置は、第1のミラー48に移動及び/又は傾斜するように指示する。
【0094】
[0104]図7aは、上側から見たレーザ位置合わせシステムの偏向システム70の斜視図を示し、図7bは、下側から見た偏向システム70の斜視図を示す。偏向システム70は、フレーム72と、ミラー90(これは、上記で開示された第2のミラー50に対応し得る)と、フレームに対してミラー90を位置決めするための移動システム74(モータ76及び駆動列(drive train)78を有する)と、カメラ72a、72b(これらは、上記で開示された検出器52a及び52bに対応し得る)と、を含む。ミラー90は、あるパターン状に配置された複数の要素を含み、ここで、これら要素は、鏡面91において小さい窪み94として適用される。ミラーは、使用中にミラーを冷却するために、冷却剤用の入口96及び出口98を更に備える。
【0095】
[0105]鏡面91は、典型的に、アルミニウム又は銅であるが、他の好適な材料も使用され得る。入口96及び出口98は、レーザビームを偏向させるときに、ミラー90が作業中に過熱されないことを確実にするために、冷却剤(例えば、水又はガス)を循環させるためのものである。小さい窪み94は、任意の設定されたパターンであり得、カメラ72a、72bが、鏡面に当たるレーザビームと、鏡面91上のビームの場所とを検出することが可能であるように、レーザビームのごく一部を偏向させるように機能する。ミラー90はまた、2組の73a、73c及び73b、73dを含み、これらの組の各々は、それが、レーザビームがミラー90の縁部の所定の距離内に入っているか、又は縁部を越えて延びていることを検出した場合に、レーザの自動遮断のための信号を独立して送るように適合されている。これは、例えば、ミラー90の縁部又は角部にかかる熱負荷を監視する1つ以上の安全センサを含み得る。
【0096】
[0106]ミラー90は、移動システム74を通じてフレーム72に接続されており、移動システム74は、フレーム72に対してミラー90を移動又は傾斜させることが可能である。この移動は、ミラー90を制御可能に移動又は傾斜させるために、フレーム72とミラー90との間を接続する1つ以上のモータ76、駆動列78、及び他の構成要素(例えば、コネクタ、ブラケット、ギア)を通じて、1つ以上の方向であり得る。ミラー90は、2つのモータ76及び2つの駆動列78を使用して、2つの方向に傾斜させることが可能であるが、他の偏向システムは、より多い又はより少ない移動又は傾斜オプションを含み得る。この移動は、先の図に関連して説明されたように、制御装置46によって制御される。偏向システム70が図2aに示されるレーザ経路内のどこに位置するかに依存して、移動及び制御は異なり得る。例えば、レーザ源の直後に位置する第1の偏向システムは、典型的に、極めて最小の移動を伴い得るが、リスト22内に位置するレーザビーム偏向システムは、その場所での全ての異なる動きに対応するように、より大きい範囲(又は複数の範囲)内で移動又は傾斜することが可能であり得る。
【0097】
[0107]カメラ72a、72bは、典型的に、赤外線カメラ、又はミラー90上のレーザ及びミラー90上のレーザの位置を検出することが可能な他のタイプの検出器である。カメラ72a、72bは、上部においてフレーム72に接続されており、ミラー90上での適切な検出のために十分な距離をとり、ミラー90に対する安定した保持位置を提供している。先の図に関連して見られるように、一方のカメラ72aは、位置合わせのためだけに使用される低出力ビームを検出するために使用され得、もう一方のカメラ72bは、主又は高出力レーザビームの検出のために使用され得る。他の実施形態は、より多い又はより少ないカメラ、例えば、(1つ又は複数の)第1のカメラが小さい窪み検出のために使用される一方で、ビーム検出のためだけの追加のカメラ(例えば、ビームが中断されないこと、又は他の方法で損なわれないことを確実にするための安全のためのもの)を有し得る。余分なカメラはまた、主カメラが故障した場合のバックアップカメラを有するように、冗長性及び安全性の理由のために使用され得る。ミラーは、ミラーの前面に位置する複数の離間した要素を有する表面パターンを有し、上記表面パターンは、入射レーザビームの少なくとも一部が、カメラに向かって偏向されることを可能にする。この表面パターンは、小さい窪みパターンであり得る。表面パターン、例えば小さい窪み94は、レーザエネルギーの一部がビーム経路に沿って反射されないことをもたらし、小さい窪み94に当たるレーザビームの部分が、それがカメラ72a及び72bによってより容易に捕捉されることを可能にする異なる方法で反射するので、レーザビームを鏡面上でより観察可能なものにする。ミラー90上の小さい窪み94は、ビームのごく一部、例えば、ビーム総出力の0.01%~0.1%だけをカメラに向かって偏向させるように構成及び配置されている。この小さい偏向はまた、カメラ72a、72bに向かって偏向されるレーザエネルギーが、カメラ72a、72bを損傷するであろうレベルにないことを確実にし得る。いくつかの実施形態では、カメラ72a、72bは、偏向されたレーザがカメラ及びその機能する能力を損傷しないことを更に確実にするために、シールドを有し得る。カメラ72a、72bが説明されたが、レーザビーム及びミラー上の位置を検出し得る別のタイプの検出器、例えば、他のタイプの好適な光検出器が使用され得る。
【0098】
[0108]ミラー90は、レーザビームが鏡面91に、鏡面の平面に垂直な平面に対して例えば45度で当たるように方向付けされ得る。通常、全てのレーザビームエネルギーは、同じく45度の角度でミラーから反射されることになる。
【0099】
[0109]しかしながら、レーザビーム位置を検出するために、小さい窪み94は、小さい窪みに当たるレーザビームの一部が異なる方向に偏向されるように、換言すれば、検出器(カメラ)72a、72bに向かって偏向されるように設計される。検出器が鏡面91に対向して位置する場合、小さい窪みは、鏡面の平面に垂直な平面と特定の角度を形成するミラーの表面上の切り込みとして形成されるように設計され得、これにより、小さい窪みに入射するビームの部分は、検出器(カメラ)72a、72bの方向に偏向される。
【0100】
[0110]フレーム72は、ロボットシステム10の特定の構成に応じて、基部14、支柱18、ショルダ19、アーム20及びリスト22内の様々な部分に接続され得る。接続は、フレームが安定して保持されるようなものでなければならず、レーザビームが、フレーム72の一方の側に入射し、ミラー90によって偏向され、次いで、フレーム72の他方の側から、典型的に、後続の偏向システム70、ミラー、又は処理表面に向かって出射するように構成されている。追加として、偏向システム70の数及び構成は、システム10のサイズ及び要件に応じて異なり得る。
【0101】
[0111]ミラー90のそのフレーム72に対する移動又は傾斜は、相対部品の任意の移動(例えば、支柱18に対するアーム20の傾斜又は並進)にかかわらず、レーザビームが次の所望のミラー(又は他のシステム若しくは表面)へ偏向されることを確実にする。表面処理のために使用され、ミラーによって偏向されるレーザビームは、典型的に、非常に強力(例えば、20kW以上)であるので、他の近くのシステム又はロボットシステム10の構成要素への損傷を回避するために、レーザビームが所望の場所のみに適切に向けられることを確実にすることが重要である。フレーム72、カメラ72a、72b、鏡面91においてあるパターン状に配置された要素94、移動システム74、並びに制御及び位置合わせシステムは、ミラー90上のレーザビームの位置決めが検出され得ること、並びに位置決め情報が、先のミラー及び/又は後続のミラー90を移動又は傾斜させるために使用され、これにより、レーザビームがシステム内の1つ以上のミラー90と適切な位置合わせを達成することを確実にする。
【0102】
[0112]図8aは、本発明による鏡面の斜視図を例示し、図8bは、本発明による鏡面の別の斜視図を例示する。
【0103】
[0113]ミラー上の小さい窪み94のパターンであり得る表面パターンは、対称であり得、例えば、図8aに示されるような同心円状の離間した要素94aのパターン、又は図7aに示されるようなX字形のパターン54b、又は図8bに示されるような線パターンであり得る。これらは例に過ぎず、多くの他のパターンも可能であることが当業者には明らかであろう。
【0104】
[0114]検出器が赤外線カメラである場合、赤外線カメラは、鏡面91上の小さい窪み94a、94bからの偏向された光を見るために使用される。レーザ出力の大部分がミラーによって離れる方へ向けられるので、小さい窪み94a、94bは、赤外線カメラに対してホットスポットとして現れる。小さい窪みの全てが同時にレーザ経路内にあるわけではないので、照射(illumination)の重心を見ることは、レーザビームの中心のインジケーションとなり得る。
【0105】
[0115]本発明によるミラーは、各辺の長さが最小25ミリメートルである矩形形状を有し得る。ミラーは、外面上に金コーティングを有する銅基部又はアルミニウム基部等の異なる材料から作製され得、これは、次いで、水冷却される。
【0106】
[0116]前述の説明から分かるように、第1の位置決めステップにおいて、ミラーが第1のカメラを用いて低出力レーザビームによって位置合わせされる、2段階位置決めシステム及び方法の使用は、複雑なシステムを通じたレーザビームの正確且つ効率的な位置合わせ及び再位置合わせを可能にする。高出力レーザビームが動作する第2のステップの間、ミラーは、ミラーの中央位置(mid position)であり得る所望の位置にビームの重心を維持するために、レーザ光のごく一部をビーム経路から離れてカメラシステム(第2のカメラ)等の検出器システムへ偏向させることによって、正しい位置に維持される。ミラーを絶えず検出及び調整することによって、レーザビーム及び/又はレーザビームを出力部に伝送する車両又は他の構成要素が移動及び/又は軸変更された回数にかかわらず、レーザビームの適切な位置合わせが達成され得る。これは、非常に安全で正確な位置決めシステムをもたらし、位置ずれよって周囲部分を損傷するリスクなしに、高出力レーザビームの使用を可能にする。小さい窪みのパターン(鏡面上の特徴)等の表面パターンは、偏向される光の量を最小限にするために使用され得、これは、重心測定の精度を最大限にし、それによって、正確な位置合わせと、位置合わせ及び反射時に鏡面内に十分に留まる能力とを更に確実にする。
【0107】
[0117]本発明は、例示的な実施形態を参照して説明されてきたが、当業者であれば、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更が行われ得、等価物が、それらの要素の代わりになり得ることが理解されよう。加えて、多くの修正が、本発明の本質的な範囲から逸脱することなく、特定の状況又は材料を本発明の教示に適合させるために行われ得る。
従って、本発明は、開示された特定の実施形態に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲内に入る全ての実施形態を含むことが意図される。
図1
図2a
図2b
図2c
図2d
図2e
図3
図4
図5
図6
図7a
図7b
図8a
図8b
【国際調査報告】