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特表2023-508321ブルセラ症の予防接種をされたウシを識別するための電子識別ボタンタグ用のワクチン接種識別ボタン、ならびにそれに関連するキットおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-02
(54)【発明の名称】ブルセラ症の予防接種をされたウシを識別するための電子識別ボタンタグ用のワクチン接種識別ボタン、ならびにそれに関連するキットおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A01K 11/00 20060101AFI20230222BHJP
   G06K 19/077 20060101ALI20230222BHJP
【FI】
A01K11/00 E
G06K19/077 220
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022538203
(86)(22)【出願日】2020-12-15
(85)【翻訳文提出日】2022-08-17
(86)【国際出願番号】 US2020065032
(87)【国際公開番号】W WO2021126810
(87)【国際公開日】2021-06-24
(31)【優先権主張番号】62/950,607
(32)【優先日】2019-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】522243978
【氏名又は名称】アルフレックス、ユーエスエイ、リミテッド、ライアビリティー、カンパニー
【氏名又は名称原語表記】ALLFLEX USA LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100208188
【弁理士】
【氏名又は名称】榎並 薫
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド、マックエルハニー
(57)【要約】
一態様において、本明細書では、ブルセラ症の予防接種をされたウシにタグ付けして識別するためのEIDボタンタグであって、EIDボタンタグは、中央開口部を有するシェルと、シェル内に配置されたトランスポンダと、円盤状のパンチ本体およびパンチ本体から末端方向に延在するステムを有するオスパンチであって、ステムが、中央開口部に不可逆的に挿入されるように構成されたヘッドを有し、取り付け開口部が、パンチ本体を貫通して形成され、取り付けチャネルは、取り付け開口部から末端方向に、ステムに沿って同軸に延在する、オスパンチと、円盤状の視覚的識別体および視覚的識別体から末端方向に延在する取り付けステムを有するワクチン接種識別ボタンであって、取り付けステムが、取り付けチャネルに不可逆的に挿入されるように構成された、ワクチン接種識別ボタンとを含むEIDボタンタグが提供される。パンチ本体および視覚的識別体は、ブルセラ症の予防接種をされたウシ頭部の視覚的識別を提供するために異なる色で主に着色される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブルセラ症の予防接種をされたウシにタグ付けして識別するための電子識別(EID)ボタンタグであって、
中央開口部を有するシェルと、
前記シェル内に配置されたトランスポンダと、
円盤状のパンチ本体および前記パンチ本体から末端方向に延在するステムを有するオスパンチであって、前記ステムが、その末端に、前記中央開口部に不可逆的に挿入されるように構成されたヘッドを有し、取り付け開口部が、前記パンチ本体を貫通して形成され、取り付けチャネルが、前記取り付け開口部から末端方向に、前記ステムに沿って同軸に延在する、オスパンチと、
円盤状の視覚的識別体、および前記視覚的識別体から末端方向に延在する取り付けステムを有するワクチン接種識別ボタンであって、前記取り付けステムが前記取り付けチャネルに不可逆的に挿入されるように構成された、ワクチン接種識別ボタンと、を備え、
前記パンチ本体が第1の色で主に着色され、前記視覚的識別体が第2の色で主に着色され、前記第1の色と前記第2の色とが異なることにより、前記視覚的識別体が、ブルセラ症の予防接種をされたウシ頭部の視覚的識別を提供する、
EIDボタンタグ。
【請求項2】
前記第1の色および前記第2の色が、異なる基本色または基本色の組み合わせである、請求項1に記載のEIDボタンタグ。
【請求項3】
前記第1の色および前記第2の色が、同じ基本色または基本色の組み合わせの、異なる色調である、請求項1に記載のEIDボタンタグ。
【請求項4】
前記第2の色が、オレンジ色である、請求項1に記載のEIDボタンタグ。
【請求項5】
前記取り付けステムが、少なくとも1つの突出リブを含む、請求項1に記載のEIDボタンタグ。
【請求項6】
前記少なくとも1つの突出リブが、前記取り付けステムの周りに円周方向に延在する、請求項5に記載のEIDボタンタグ。
【請求項7】
前記少なくとも1つの突出リブが、前記取り付けステムを境界付ける内縁から外側自由縁までの近位に延在するベルビルワッシャ形状である、請求項5に記載のEIDボタンタグ。
【請求項8】
前記取り付けステムが、テーパ状端部で末端方向に終端し、複数の突出リブが、前記テーパ状端部の近位に前記取り付けステムに沿って配置される、請求項7に記載のEIDボタンタグ。
【請求項9】
請求項1に記載のEIDボタンタグと、
第1開口端部、および前記第1開口端部に隣接する縮径部を有する管状アプリケータであって、前記第1開口端部が、前記視覚的識別体を密接に受け入れるように形成された内径を有し、前記取り付けステムが前記視覚的識別体から外向きに延在し、前記縮径部が、前記視覚的識別体の前記管状アプリケータへの挿入を制限する、管状アプリケータと、を備える、
キット。
【請求項10】
ウシ頭部にタグ付けされ、前記ウシ頭部がブルセラ症の予防接種をされたと識別する電子識別(EID)ボタンタグであって、取り付け開口部を含み、前記取り付け開口部から取り付けチャネルが延在する、EIDボタンタグを更新するためのキットであって、
円盤状の視覚的識別体、および前記視覚的識別体から末端方向に延在する取り付けステムを有するワクチン接種識別ボタンであって、前記取り付けステムが、前記取り付けチャネルに不可逆的に挿入されるように構成された、ワクチン接種識別ボタンと、
第1開口端部、および前記第1開口端部に隣接する縮径部を有する管状アプリケータであって、前記第1開口端部が、前記視覚的識別体を密接に受け入れるように形成された内径を有し、前記取り付けステムが前記視覚的識別体から外向きに延在し、前記縮径部が、前記視覚的識別体の前記管状アプリケータへの挿入を制限する、管状アプリケータと、を備える、
キット。
【請求項11】
前記取り付けステムが、少なくとも1つの突出リブを含む、請求項10に記載のキット。
【請求項12】
前記少なくとも1つの突出リブが、前記取り付けステムの周りに円周方向に延在する、請求項11に記載のキット。
【請求項13】
前記少なくとも1つの突出リブが、前記取り付けステムを境界付ける内縁から外側自由縁までの近位に延在するベルビルワッシャ形状である、請求項11に記載のキット。
【請求項14】
前記取り付けステムが、テーパ状端部で末端方向に終端し、複数の突出リブが、前記テーパ状端部の近位に前記取り付けステムに沿って配置される、請求項13に記載のキット。
【請求項15】
各々が電子識別(EID)ボタンタグでタグ付けされるウシを、ブルセラ症の予防接種をされていると識別するために、前記ウシの各々にタグ付けする方法であって、
円盤状の視覚的識別体を有するワクチン接種識別ボタンを提供することと、
ウシ頭部がブルセラ症の予防接種をされたと識別することと、
前記ワクチン接種識別体を、識別された前記ウシ頭部に沿った位置から視覚的に認識可能となるように、識別された前記ウシ頭部の前記EIDボタンタグに固定することであって、前記EIDボタンタグが第1の色で主に着色され、前記視覚的識別体が第2の色で主に着色され、前記第1の色と前記第2の色とが異なる、前記ワクチン接種識別体を識別された前記ウシ頭部の前記EIDボタンタグに固定することとを含む、
方法。
【請求項16】
前記第1の色および第2の色が、異なる基本色または基本色の組み合わせである、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第1の色および第2の色が、同じ基本色の異なる色調または基本色の組み合わせである、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記第2の色がオレンジ色である、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年12月19日に出願された米国仮出願第62/950,607号明細書の利益および優先権を主張する。上記で参照された出願の全明細書および全図は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
ウシの耳に配置するための電子識別(EID)ボタンタグは、従来技術で知られている。EIDボタンタグは、ウシに関する詳細(例えば、識別番号または識別英数字文字列)を電子的に記録するように構成されている。記録された詳細は、無線周波数識別(RFID)などの無線技術を使用して、関連するリーダによって無線で検索されてもよい。EIDボタンタグの例は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7,726,055号明細書および第7,854,079号明細書において見つけられ得る。
【0003】
ウシはまた、ウシがブルセラ症の予防接種をされたことを示すためにオレンジ色の金属のイヤータグでタグ付けされている。これらの金属タグは板状であり、EIDボタンタグとは別に設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第7,726,055号明細書
【特許文献2】米国特許第7,854,079号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様において、本明細書では、ブルセラ症の予防接種をされたウシにタグ付けして識別するためのEIDボタンタグであって、EIDボタンタグは、中央開口部を有するシェルと、シェル内に配置されたトランスポンダと、円盤状のパンチ本体およびパンチ本体から末端方向に延在するステムを有するオスパンチであって、ステムが、その末端に、中央開口部に不可逆的に挿入されるように構成されたヘッドを有し、取り付け開口部が、パンチ本体を貫通して形成され、取り付けチャネルが、取り付け開口部から末端方向に、ステムに沿って同軸に延在する、オスパンチと、円盤状の視覚的識別体、および視覚的識別体から末端方向に延在する取り付けステムを有するワクチン接種識別ボタンであって、取り付けステムが、取り付けチャネルに不可逆的に挿入されるように構成された、ワクチン接種識別ボタンとを含むEIDボタンタグが提供される。パンチ本体が第1の色で主に着色され、視覚的識別体が第2の色で主に着色され、第1の色と第2の色とが異なることにより、視覚的識別体が、ブルセラ症の予防接種をされたウシ頭部の視覚的識別を提供する。有利には、EIDボタンタグは、EID装置として完全に有効化され、ブルセラ症の予防接種の視覚的に示し、それによって複数のタグでウシにタグ付けする必要性を排除する。
【0006】
さらなる態様において、本明細書では、前段落で上述したようなEIDボタンタグを含むキットが、第1開口端部、および第1開口端部に隣接する縮径部を有する管状アプリケータであって、第1開口端部が、視覚的識別体を密接に受け入れるように形成された内径を有し、取り付けステムが視覚的識別体から外向きに延在し、縮径部が、視覚的識別体の管状アプリケータへの挿入を制限する、管状アプリケータと共に提供される。
【0007】
別の態様において、本明細書では、ウシ頭部にタグ付けされ、ウシ頭部がブルセラ症の予防接種をされたと識別する電子識別(EID)ボタンタグであって、取り付け開口部を含み、取り付け開口部から取り付けチャネルが延在する、EIDボタンタグを更新するためのキットであって、円盤状の視覚的識別体、および視覚的識別体から末端方向に延在する取り付けステムを有するワクチン接種識別ボタンであって、取り付けステムは、取り付けチャネルに不可逆的に挿入されるように構成された、ワクチン接種識別ボタンと、第1開口端部、および第1開口端部に隣接する縮径部を有する管状アプリケータであって、第1開口端部が、視覚的識別体を密接に受け入れるように形成された内径を有し、取り付けステムが視覚的識別体から外向きに延在し、縮径部が、視覚的識別体の管状アプリケータへの挿入を制限する、管状アプリケータとを含むキットが提供される。
【0008】
なおさらなる態様において、本明細書では、各々が電子識別(EID)ボタンタグでタグ付けされるウシを、ブルセラ症の予防接種をされていると識別するために、ウシの各々にタグ付けする方法であって、円盤状の視覚的識別体を有するワクチン接種識別ボタンを提供することと、ウシ頭部がブルセラ症の予防接種をされたと識別することと、識別されたウシ頭部に沿った位置から視覚的に認識可能となるようにワクチン接種識別体を識別されたウシ頭部のEIDボタンタグに固定することであって、EIDボタンタグが第1の色で主に着色され、視覚的識別体が第2の色で主に着色され、第1の色と第2の色とが異なる、ワクチン接種識別体を識別されたウシ頭部のEIDボタンタグに固定することとを含む方法が提供される。
【0009】
本発明のこれらおよび他の特徴は、以下の詳細な説明および添付の図面を検討することによってよりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に従って形成されたEIDボタンタグを示す。
図2】本発明に従って形成されたEIDボタンタグを示す。
図3】本発明に従って形成されたワクチン接種識別ボタンを示す。
図4】本発明で使用可能なアプリケータを示す。
図5】本発明で使用可能なアプリケータを示す。
図6】本発明で使用可能なアプリケータを示す。
図7】本発明で使用可能なアプリケータを示す。
図8】本発明で使用可能なアプリケータを示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、ブルセラ症の予防接種をされたウシを識別するためにEIDボタンタグと共に使用可能なワクチン接種識別ボタンに関する。本発明で使用可能なEIDボタンタグの実施形態を本明細書で説明する。当業者によって認識されるであろうように、本発明は、本明細書の開示と一致する任意のEIDボタンタグと共に使用してもよい。このようにして、本発明には、新しいEIDボタンタグにインストールする、または既にマウントされているEIDボタンタグを更新するアプリケータを備えたキットとして、あるいは、新しいEIDボタンタグにインストールする、または既に取り付けられているEIDボタンタグを更新するスタンドアロンアイテムとして、タグ付けの用意ができた新しいEIDボタンタグが提供されてもよい。
【0012】
図1および図2を参照すると、参照番号10で全体的に指定されたEIDボタンタグが示されている。EIDボタンタグ10は、一般に、シェル12と、シェル12内に配置されたトランスポンダ14と、オスパンチ16とを含む。ワクチン接種識別ボタン18は、EIDボタンタグ10に取り付けるために設けられている。後述するように、ワクチン接種識別ボタン18は、ウシ頭部がブルセラ症の予防接種をされたことを視覚的に示すために、オスパンチ16に取り付け可能である。
【0013】
シェル12は、円盤状体であって、円盤状体を貫通する中央開口部20を有する。シェル12は、少なくとも1つの内部の中空室22を含む。好ましくは、シェル12は、中空室22へのアクセスを可能にする少なくとも1つの取り外し可能な部品または部分を含む。
【0014】
トランスポンダ14は、無線で検索可能な情報を記録するための任意の既知の種類のものであってもよい。トランスポンダ14は、無線信号の受信または送信を容易にするための受信機および/または送信機を有してもよい。トランスポンダ14はまた、関連するウシ頭部の詳細を電子的に記録するために、読み取り可能/書き込み可能であり得る関連する非一時的メモリ(例えば、EEPROM)を含んでもよい。RFID、Bluetooth、セルラーなどの任意の無線技術を使用して、トランスポンダ14の記録された情報にアクセスしてもよい。
【0015】
トランスポンダ14は、好ましくはバッテリなどの電源と共に、シェル12の内側、例えば中空室22の内側に配置される。シェル12は、好ましくは、シェル12内への水分の進入を最小限に抑えるために液密である。水分の侵入を抑えるために、シェル12の部品同士または部分同士の間の任意の界面に任意のシール構造を設けてもよい。
【0016】
オスパンチ16は、円盤状のパンチ本体24と、パンチ本体24から末端方向に延在するステム26とを含む。ステム26は、その末端30にヘッド28を含み、ヘッド28は、シェル12の中央開口部20に不可逆的に挿入されるように構成されている。シェル12は、中央開口部20の周りのリブまたは他の内向きに突出する要素を含んでもよく、中央開口部20は、挿入に伴いヘッド28が通過可能であるが、干渉によって逆方向の動きを制限する。さらに、または代替的に、中央開口部20は、円錐台形状の壁31によって境界を定められ、縮径端部33の末端方向に収束してもよい。ヘッド28は、中央開口部20を通って挿入されてもよく、中央開口部20の末端の縮径端部33は、逆方向の動きを制限するように作用する。ヘッド28は、図1に示すように、環状の肩部32の近位で終端するテーパ形状を有してもよい。肩部32と、中央開口部20の周りのリブまたは突出する要素との、および/または中央開口部20の末端の縮径端部33との相互係合は、シェル12に関してステム26の逆方向の動きを制限するように作用してもよい。
【0017】
図2に示すように、パンチ本体24とシェル12との間にギャップが画定され、ステム26が中央開口部20に不可逆的に挿入されることが好ましい。このギャップは、ウシ頭部の耳を収容するためのものである。EIDボタンタグ10をウシ頭部に取り付けるには、ウシの耳に穴を開ける。ステム26は、ヘッド28が先導して、パンチ穴を通ってシェル12の中央開口部20に挿入される。ステム26とシェル12との相互係合は、パンチ本体24およびシェル12がウシの耳の両側にある状態で、ウシの耳にEIDボタンタグ10を保持する。
【0018】
取り付け開口部34は、パンチ本体24を貫通して形成され、取り付けチャネル36は、取り付け開口部34から末端方向に、ステム26に沿って同軸に延在する。取り付けチャネル36は、テキサス州ダラスのAllflex USA株式会社によって「Universal Total Tagger」の名称で販売されているものなどの手動タグ付け機のアプリケータピンを受け入れるように形成してもよい。
【0019】
ワクチン接種識別ボタン18は、円盤状の視覚的識別体38と、視覚的識別体38から末端方向に延在する取り付けステム40とを含む。取り付けステム40は、取り付けチャネル36に挿入されるように構成され、好ましくは、取り付けチャネル36に不可逆的に挿入されるように構成されている。図2は、取り付けステム40が取り付けチャネル36内に受け入れられた状態で、パンチ本体24に取り付けられているワクチン接種識別ボタン18を示す。不可逆的挿入により、ワクチン接種識別ボタン18のパンチ本体24からの取り外しが制限される。
【0020】
ワクチン接種識別ボタン18をパンチ本体24に取り付けることは、ウシ頭部がブルセラ症の予防接種をされたことを視覚的に示す。したがって、EIDボタンタグ10をタグ付けされたウシ頭部は、ブルセラ症の予防接種を示すためにワクチン接種識別ボタン18により更新してもよく、別個のタグ付けの必要性を回避する。
【0021】
ワクチン接種識別ボタン18の視覚的認識を高めるために、パンチ本体24は第1の色で主に着色されてもよく、視覚的識別体38は第1の色とは異なる第2の色で主に着色されてもよい。第1の色および/または第2の色は、限定はしないが、黒、白、赤、オレンジ色、黄色、緑、青、藍色、および菫色を含む、色スペクトルの基本色のいずれかであってもよい。第1の色および/または第2の色はまた、茶色、黄褐色、灰色、銀色などの色スペクトルの基本色の組み合わせである任意の色であってもよい。さらに、第1の色および第2の色は、同じ基本色、または基本色の組み合わせであってもよいが、異なる色調、特に紺色と淡青色などの視覚的に区別可能な色調であってもよい。
【0022】
第2の色は、ブルセラ症予防接種を示す従来技術のオレンジ色のタグに基づいて、視覚的識別体38に認識可能な色をもたらすオレンジ色であってもよい。第1の色は、オレンジ色である第2の色とのコントラストをもたらすために、白色または黄色であってもよい。
【0023】
本明細書で使用される場合、「主に着色されている」という言及は、着色が、関連する表面の少なくとも大部分を占めていることを意味する。他の着色があってもよい。例えば、視覚的識別体38は、視覚的識別体38に同様に設けられた、追加情報を提供する、黒文字または他のしるしと共に、オレンジ色である第2の色で主に着色されてもよい。同様に、主な着色である第1の色とは異なる着色のしるしをパンチ本体24に設けてもよい。
【0024】
視覚的識別体38をパンチ本体24に取り付けることにより、ウシ頭部に沿って配置されたオブザーバーを視覚的に認識して、ウシがブルセラ症の予防接種をされたか否かを判定することができる。パンチ本体24および視覚的識別体38の外向きの表面が見えることにより、ウシの耳に前向きまたは後ろ向きの配置の両方が可能になる。
【0025】
図3を参照し、ワクチン接種識別ボタン18の取り付けステム40には、少なくとも1つの突出リブ42が設けられてもよい。少なくとも1つの突出リブ42は、取り付けステム40の周りに円周方向に延在してもよい。さらに、少なくとも1つの突出リブ42は、取り付けステム40を境界付ける内縁44から外側自由縁46までの近位に延在するベルビルワッシャ形状であってもよい。テーパ状端部48は、取り付けステム40の末端50に設けられてもよい。複数のリブ42は、テーパ状端部48の近位に、取り付けステム40に沿って配置されてもよい。少なくとも1つの突出リブ42および/またはテーパ状端部48は、取り付けチャネル36の壁と干渉して係合するのに十分な直径で形成されてもよく、したがって、オスパンチ16に取り付けられると、ワクチン接種識別ボタン18の取り外しに対する抵抗性を提供する。少なくとも1つの突出リブ42およびテーパ状端部48の両方のテーパ形状は、逆方向の動きに対する追加の抵抗を提供する。
【0026】
シェル12、オスパンチ16、およびワクチン接種識別ボタン18は、好ましくは各々がポリマー材料で形成され、厳しい環境条件でウシに使用するのに耐えるのに十分に丈夫である。
【0027】
ワクチン接種識別ボタン18のオスパンチ16への取り付けを容易にするために、図4から8に示すように、管状アプリケータ52を使用してもよい。管状アプリケータ52は、図5に示すように、視覚的識別体38を密接に受け入れるように形成された内径を有する第1開口端部54を含み、取り付けステム40は視覚的識別体38から外向きに延在する。縮径部56は、視覚的識別体38の管状アプリケータ52への挿入を制限するように形成された第1開口端部54に隣接して配置されている。管状アプリケータ52は、図5に示すように、視覚的識別体38が第1開口端部54に受け入れられた状態で、ワクチン接種識別ボタン18を操作する際、特にワクチン接種識別ボタン18をオスパンチ16に取り付ける際のハンドルとして作用してもよい。
【0028】
使用に際して、本発明は、ウシにタグ付けしてブルセラ症の予防接種をされたウシを識別するために使用してもよい。ウシの各々は、上述のEIDボタンタグ10に従って形成され得る、または異なる設計のEIDボタンタグでタグ付けされる。ブルセラ症の予防接種をされたと識別されたウシ頭部では、ワクチン接種識別ボタン18は、識別されたウシ頭に沿った位置から視覚的に認識可能となるように、識別されたウシ頭のEIDボタンタグに固定してもよい。上述のように、EIDボタンタグは第1の色で主に着色されてもよく、ワクチン接種識別ボタン18の視覚的識別体38は第1の色とは異なる第2の色で主に着色されてもよい。
【0029】
代替的に、ウシ頭部にタグ付けされた電子識別(EID)ボタンタグを使用して、ウシ頭部が多種多様な疾患の予防接種をされていると識別することができる。非限定的な例には、アカバネ病、炭疽(炭疽菌、アフリカブタ熱、ウシ結核(ウシ型結核菌)、ブルータング(血清型8)、ブルセラ症(ブルセラ・アボルタス)、ブルセラ症(ブルセラ・メリテンシス)、ブルセラ症(ブルセラ・スイス)、ウシ海綿状脳症、クリミアコンゴ出血熱、慢性消耗病、豚コレラ、コロナウイルス、流行性出血病、ブルータング(血清型8以外)、エキノコックス症/包虫症(単包条虫、多包条虫)、パラ結核症(ヨーネ病)(ヨーネ菌)、Q熱(コクシエラバーネティー)、野兎病(野兎病菌)、口蹄疫、鼻疽(鼻疽菌)、心水病(カウドリア・ルミナンチウム)、日本脳炎、類鼻疽(類鼻疽菌)、新世界スクリューワーム(新世界ラセンウジバエ)、旧世界スクリューワーム(旧世界ラセンウジバエ)、仮性狂犬病(オーエスキー病)、狂犬病、リフトバレー熱、牛疫、スクレイピー、スーラ病(トリパソーマエバンシ)、トリコモナス症(トリコモナス・フェトゥス)、旋毛虫症(旋毛虫)、水疱性口内炎がある。さらに、EIDボタンは、米国農務省または他の政府機関によって識別された任意の将来の新興ウイルス/疾患の視覚的識別として使用することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】