(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-02
(54)【発明の名称】長さの変化を測定するための装置
(51)【国際特許分類】
G01L 5/16 20200101AFI20230222BHJP
【FI】
G01L5/16
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022538862
(86)(22)【出願日】2020-12-08
(85)【翻訳文提出日】2022-06-29
(86)【国際出願番号】 EP2020085103
(87)【国際公開番号】W WO2021130014
(87)【国際公開日】2021-07-01
(31)【優先権主張番号】102019135732.2
(32)【優先日】2019-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522224955
【氏名又は名称】ニューラ ロボティクス ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】NEURA ROBOTICS GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】フォン シュトゥルマー、フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】シラキー、ヨーゼフ
(72)【発明者】
【氏名】レーガー、ダーヴィト
(72)【発明者】
【氏名】ズゼミール、ヘンドリック
(72)【発明者】
【氏名】シュタウデ、ティル
(72)【発明者】
【氏名】ブロックマン、ヤニック
【テーマコード(参考)】
2F051
【Fターム(参考)】
2F051DA03
2F051DB03
(57)【要約】
本発明は、長さの変化(ΔL)を測定するための装置(10、10’)に関する。この装置は、第1の固定要素(11、11’)、第2の固定要素(12、12’)、およびこれら2つの固定要素(11、11’、12、12’)の間に配置される少なくとも1つの長さ要素(15)を有しており、少なくとも1つの長さ要素(15)は、第1の端部(15a)、第2の端部(15b)、および長手方向(R)に沿って長さ(L)を有している。長手方向(R)に平行に作用する力(F)によって、少なくとも1つの長さ要素(15)の長さの変化(ΔL)が生じる。レバー要素(20)は第1の端部(20a)、第2の端部、および支点(D)を有するとともに、長手方向(R)に対して横方向に配置される。レバー要素(20)は、第1のレバーアーム(21)および第2のレバーアーム(22)を有しており、第1のレバーアーム(21)は支点(D)と第1のレバーアーム端部(21a)と間に第1の長さ(a)を有し、第2のレバーアーム(22)は支点(D)と第2のレバーアーム端部(22b)との間に第2の長さ(b)を有しており、第2の長さ(b)は第1の長さ(a)よりも大きい。少なくとも1つの長さ要素(15)は、その第1の端部(15a)が第1のレバーアームの第1のレバーアーム端部(21a)に回動可能に配置されている。第2のレバーアーム(22)の第2のレバーアーム端部(22b)は、材料測定部(30)に接続され、その動きが走査要素(40)によって検出可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長さの変化(ΔL)を測定するための装置(10、10’)であって、
第1の固定要素(11、11’)、第2の固定要素(12、12’)、およびこれら2つの固定要素(11、11’、12、12’)の間に配置される少なくとも1つの長さ要素(15)を有しており、少なくとも1つの長さ要素(15)は、第1の端部(15a)、第2の端部(15b)、および長手方向(R)に沿って長さ(L)を有しており、長手方向(R)に平行に作用する力(F)によって、少なくとも1つの長さ要素(15)の長さの変化(ΔL)が生じる、装置において、
第1の端部(20a)、第2の端部、および支点(D)を有するレバー要素(20)は、長手方向(R)に対して横方向に配置されていることと、
レバー要素(20)は、第1のレバーアーム(21)および第2のレバーアーム(22)を有しており、第1のレバーアーム(21)は支点(D)と第1のレバーアーム端部(21a)と間に第1の長さ(a)を有しており、第2のレバーアーム(22)は支点(D)と第2のレバーアーム端部(22b)との間に第2の長さ(b)を有していることと、
第2の長さ(b)は第1の長さ(a)よりも大きいことと、
少なくとも1つの長さ要素(15)は、その第1の端部(15a)が第1のレバーアーム(21)の第1のレバーアーム端部(21a)に回動可能に配置されていることと、
第2のレバーアーム(22)の第2のレバーアーム端部(22b)は、材料測定部(30)に接続されており、材料測定部(30)の動きが走査要素(40)によって検出可能であることと、を特徴とする装置。
【請求項2】
支点(D)が、レバー要素(20)の第1の端部(20a)と第2の端部(20b)との間に配置されており、第1のレバー要素(21)の第1のレバーアーム端部(21a)がレバー要素(20)の第1の端部(20a)を形成し、第2のレバーアーム(22)の第2のレバーアーム端部(22b)が、レバー要素(20)の第2の端部(20b)を形成することを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
支点(D)がレバー要素(20)の第1の端部(20a)に配置されることを特徴とする、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
第2の要素(50)であって、第1の端部(50a)および第2の端部(50b)を有するとともに、互いに平行に整列された第1のアーム(51)および第2のアーム(52)によって、レバー要素(20)に平行に配置されている、第2の要素(50)を特徴とし、前記配置が、第2の要素(50)と第1のアーム(51)との間、第2の要素(50)と第2のアーム(52)との間、レバー要素(20)と第1のアーム(51)との間、およびレバー要素(20)と第2のアーム(52)との間で回動可能であることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
材料測定部(30)が第2のアーム(52)上に配置され、好ましくはレバー要素(20)と第2の要素(50)との間の距離にわたって延在することを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
第1のアーム(51)が支点(D)と第2の要素(50)の第1の端部(50a)との間に配置されるとともに、第2のアーム(52)がレバー要素(20)の第2の端部(20b)と第2の要素(50)の第2の端部(50b)との間に配置されることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
回動可能な接続がフィルムヒンジの態様で実施されることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
第1の固定要素(11、11’)が第1の平面(E1)を備えた円板状であり、第2の固定要素(12、12’)が第2の平面(E2)を備えた円板状であり、第1の平面(E1)および第2の平面(E2)が互いに平行に配置され、好ましくは、長手方向(R)はこれらの平面(E1、E2)に対して直交することを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
いくつかの、特に6つの長さ要素(15)が、第1の固定要素(11’)と第2の固定要素(12’)との間に配置されることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
走査要素(40)が、光学的、容量的、誘導的、または磁気走査センサーとして構成されることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
少なくとも1つの走査要素(40)によって検出された信号を評価する評価ユニット(60)であって、特に、長さの変化によって前記2つの固定要素の間に加えられる力およびモーメントを算出する評価ユニット(60)を提供することを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の包括的な用語に従って長さの変化を測定するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動化技術では、6軸力トルクセンサーは、全方向の力とモーメントを測定するために頻繁に使用される。このようなセンサーは、例えばワークピースの自動接合または組み立て、バリ取り、研磨や研削、触覚測定時など、様々な分野で利用することができる。これらのセンサーは、3つの座標(x、y、z)に関して、力(Fx、Fy、Fz)とモーメント(Mx、My、Mz)を測定する。一方では、このようなセンサーは、力やモーメントによってセンサー自体が変形しないように、可能な限り剛性を高くする必要がある。他方では、測定される信号の可能な限り高い分解能を達成することができなければならないが、これは、原則として剛性センサーでは不可能である。既知のセンサーの場合、力とモーメントを測定するためにひずみゲージが使用され、このひずみゲージで非常に小さな材料のひずみを測定することができる。しかしながら、ひずみゲージの適用は非常に複雑である。さらに、ひずみゲージは信号を大きく増幅する必要があるため、このような6軸力トルクセンサーのコスト高につながる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、本発明の課題は、長さの変化を測定するための装置、特に6軸力トルクセンサーに使用するための装置を提供することであり、この装置は、高い剛性によって測定信号の高い分解能を達成することができる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の課題は、請求項1に記載の特徴を備えた、長さの変化を測定するための装置によって解決される。
本発明の有利な実施形態およびさらなる発展形は、従属請求項に示されている。
【0005】
本発明による長さの変化を測定するための装置は、第1の固定要素、第2の固定要素、およびこれら2つの固定要素の間に配置される少なくとも1つの長さ要素を有しており、少なくとも1つの長さ要素は、第1の端部、第2の端部、および長手方向に沿った長さを有している。長手方向に平行に作用する力は、少なくとも1つの長さ要素の長さの変化をもたらす。このような装置において、レバー要素は、第1の端部、第2の端部、および支点を有するとともに、長手方向に対して横方向に配置される。レバー要素は、第1のレバーアームおよび第2のレバーアームを有しており、第1のレバーアームは支点と第1のレバーアーム端部との間に第1の長さを有しており、第2のレバーアームは支点と第2のレバーアーム端部との間に第2の長さを有しており、第2の長さは第1の長さよりも大きい。少なくとも1つの長さ要素は、その第1の端部が第1のレバーアームの第1のレバーアーム端部に回動可能に配置されている。第2のレバーアームの第2のレバーアーム端部は、材料測定部に接続され、その動きが走査要素によって検出可能である。
【0006】
換言すれば、本発明の基本的な考え方は、レバー要素によって長さの変化を機械的に増幅し、より長いレバーアームの自由端で経路の変化を検出することである。この種の機械的増幅は、簡単かつ安価に実現できる。特に、剛性が高いシステムに使用することができ、剛性にもかかわらず、力またはモーメントによって引き起こされる長さの変化の高分解能を機械的増幅によって達成することができる。
【0007】
本発明の好ましい実施形態では、支点はレバー要素の第1の端部と第2の端部との間に配置され、第1のレバーアームの第1のレバーアーム端部はレバー要素の第1の端部を形成し、第2のレバーアームの第2のレバーアーム端部は、レバー要素の第2の端部を形成する。このようにして、両面レバーを形成する。
【0008】
本発明の代替の好ましい実施形態では、支点は、レバー要素の第1の端部に配置される。このようにして、片面レバーを形成する。
本発明の好ましいさらなる発展形では、第1の端部および第2の端部を有するとともに、互いに平行に整列された第1のアームおよび第2のアームによって、レバー要素に平行に配置される第2の要素を提供する。この配置は、第2の要素と第1のアームとの間、第2の要素と第2のアームとの間、レバー要素と第1のアームとの間、およびレバー要素と第2のアームとの間で回動可能である。このようにして、平行四辺形が形成され、この平行四辺形によって、第2のレバーアームの第2のレバーアーム端部に配置された材料測定部が、第2の要素なしで、レバー要素の回動時に走査要素に対して傾斜し、第2の要素によるレバー要素の回動時に長手方向と平行に整列して案内されることが可能になる。
【0009】
好ましくは、材料測定部は第2のアーム上に配置され、また、好ましくは、材料測定部はレバー要素と第2の要素との間の距離にわたって延びる。これにより、レバー要素の回動時に、材料測定部を長手方向に平行な任意の位置に位置合わせすることができる。
【0010】
レバー配置の良好な安定性は、好ましくは、第1のアームが支点と第2の要素の第1の端部との間に配置され、第2のアームがレバー要素の第2の端部と第2の要素の第2の端部との間に配置される場合に達成できる。
【0011】
本発明の特に好ましい実施形態では、回動可能な接続部はフィルムヒンジの態様である。非常に剛性の高い材料であっても、そのような回動可能な接続部は、一方では長さ要素の所望の高剛性に影響を与えないか、または最小限の影響を与えるだけであり、他方ではレバー配置による機械的補強によって所望の高分解能を達成できるように、弱化した材料領域によって容易に形成することができる。
【0012】
好ましくは、第1の固定要素は第1の平面を有する円板状であり、第2の固定要素は第2の平面を有する円板状である。第1の平面および第2の平面は互いに平行に配置され、好ましくは、長手方向はこれらの平面に対して直交する方向である。固定要素の円板状の設計により、相互に移動する構成要素への良好な固定が可能になり、その間で発生する力とモーメントが測定される。
【0013】
長手方向に直交する平面を配置することで、加えられる力およびモーメントの測定を容易にすることができる。
特に好ましい実施形態では、いくつかの、特に少なくとも6つ、例えば正確には6つの長さ要素は、第1の固定要素と第2の固定要素との間に配置される。これにより、2つの固定部材の間に働く3軸方向の力とモーメントを測定することができ、6軸力トルクセンサーとして構成することができる。
【0014】
有利には、走査要素は、光学的、容量的、誘導的、または磁気走査センサーとして実施される。特に光学センサーは非常に堅牢で、高い分解能の走査を可能にする。
好ましくは、少なくとも1つの走査要素によって検出された信号を評価し、特に、長さの変化によって2つの固定要素間に加えられる力およびモーメントを計算する評価ユニットが提供される。
【0015】
以下の図を参照して、本発明を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明による長さの変化を測定するための装置の第1の実施形態の斜視図を示す。
【
図2】
図1による装置の一部のさらなる斜視図を示す。
【
図4】
図1による装置のレバー配置の概略図を示す。
【
図5】長さの変化を測定するための装置の代替の実施形態のレバー配置の概略図を示す。
【
図6】6軸力トルクセンサーを形成するために、
図1による6つの長さ要素を使用して長さの変化を測定するための装置の斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1~4は、長さ要素15に対する長さの変化ΔLを測定するための、本発明による装置10の第1の実施形態の異なる図を示す。この長さ要素は、第1の端部15a、第2の端部15b、および長手方向Rに沿った長さLを有する。長手方向Rに平行に作用する力Fは、長さ要素15の長さの変化ΔLをもたらす。長さ要素15に対する長さのこの変化ΔLを直接測定することは、費用がかかるか、長さの変化ΔLが微少であるため、低い分解能でしか検出できないことが多い。したがって、図示の装置10は、長手方向Rに対して横方向に配置されるとともに、第1の端部20a、第2の端部20b、および支点Dを有するレバー要素20を含む。レバー要素20は、第1のレバーアーム21および第2のレバーアーム22を有しており、第1のレバーアーム21は支点Dと第1のレバーアーム端部21aとの間に第1の長さaを有し、第2のレバーアーム22は支点Dと第2のレバーアーム端部22bとの間に第2の長さbを有している。第2の長さbは、第1の長さaよりも大きくなるように形成されている。長さ要素15は、その第1の端部15aが第1のレバーアーム21の第1のレバーアーム端部21aに回動可能に配置されているのに対し、第2のレバーアーム22の第2のレバーアーム端部22bは材料測定部30に接続されている。長さ要素15と第1のレバーアーム21の第1のレバーアーム端部21aとの間の回動可能な配置は、特に、フィルムヒンジの態様で実施することもできる。フィルムヒンジは、例えば、弱化した材料領域によって形成されてもよい。
【0018】
装置10は、材料測定部30の動きを検出することができる走査要素40をさらに備える。
長手方向Rに平行に長さ要素15に作用して、短いレバーアーム21のレバーアーム端部21aに長さの変化ΔLをもたらす力Fは、レバー要素20による長いレバーアーム22の第2のレバーアーム端部22bに対して経路の変化Δsを引き起こす。そうすると、長さの変化ΔLは、特に、b:aの比率で増幅され、したがって、第2のレバーアーム端部22bでの長さの変化Δsは、Δs=b*ΔL/aになる。
【0019】
経路の変化Δsは、第2のレバーアーム端部22bに接続された材料測定部30を走査する走査要素40によって検出される。材料測定部30は、特に、光学的に走査することができ、そのために、例えば、材料測定部30は反射性を有するように実施することができる。
【0020】
図1~4に示すように、本実施形態では、レバー要素20の第1の端部20aと第2の端部20bとの間に支点Dが配置されて、両面レバーが形成される。そうすることで、第1のレバーアーム21の第1のレバーアーム端部21aは、特に、レバー要素20の第1の端部20aを形成し、第2のレバーアーム22の第2のレバーアーム端部22bは、特に、レバー要素20の第2の端部20bを形成する。
【0021】
図5に示すように、支点Dをレバー要素20の第1の端部20aに配置することができる。これは片面レバーを形成する。2つのレバーアーム21、22は、支点Dから同じ方向に延びるが、それぞれ異なる長さaまたはそれに代わる長さbを有する。
【0022】
材料測定部30は、レバー要素20の前面に配置することができる。走査要素40は、材料測定部を走査できるように、第2のレバーアーム端部22bの端面方向を向くように位置合わせされる。この場合、走査要素40は、特に、長手方向Rに平行でかつ長さ要素15に対して固定された状態で、特に強固に固定される。しかし、レバー要素20が移動すると、材料測定部30は円軌道に沿って支点Dを中心に回動するため、走査素子40の測定信号が歪んでしまうことがある。
【0023】
したがって、レバー要素が片面レバーとして実施されるか、両面レバーとして実施されるかにかかわらず、第2の要素50を設けることが好ましく、第2の要素は、第1の端部50aおよび第2の端部50bを有し、第1の端部51aおよび第2の端部51bを有する第1のアーム51によって、および第1のアーム51と平行に配置されるとともに、第1の端部52aおよび第2の端部52bを有する第2のアーム52によってレバー要素に並行に配置されることが好ましい。第1のアーム51の第1の端部51aは、特に、レバー要素20の支点Dに接続され、第1のアーム51の第2の端部51bは、第2の要素50の第1の端部20aに接続される。一方、第2のアーム52の第1の端部52aは、レバー要素20の第2の端部20bに接続され、第2のアーム52の第2の端部52bは、第2の要素50の第2の端部50bに接続される。この場合、第2要素50と第1のアーム51との間、第2の要素50と第2のアーム52との間、レバー要素20と第1のアーム51との間、およびレバー要素20と第2のアーム52との間の配置は、特にフィルムヒンジの態様において回動可能であるように実施される。フィルムヒンジは、例えば、弱化した材料領域によって形成することができる。
【0024】
材料測定部30は第2のアーム52上に配置され、好ましくは、材料測定部はレバー要素20と第2の要素との間の距離にわたって延在してもよい。この配置によって、材料測定部30は、レバー要素20に接続し続けるが、好ましくは回動可能に、長さ要素15に作用する力Fによりレバー要素20が移動するとき、材料測定部30が伝達比に従って移動し続ける。しかし、第2の要素の案内によって、材料測定部30が移動しても走査要素40に対するその向きを維持するように平行移動が生じる。
【0025】
走査要素40は、走査要素40によって検出された信号を評価し、特に、測定された長さDlの変化から長さ要素15に作用する力Fを計算する、評価ユニット60を含むか、または評価ユニット60に接続されてもよい。
【0026】
長さ要素15に対して走査要素30を固定して配置できるようにするために、2つの横部材17a、17bが、長さ要素15の第1の端部15aおよび第2の端部15bに配置され、これらの横部材は、レバー要素および任意選択で第2の要素および2つのアーム51、52によって形成されるレバー配置を越えて案内され、特に両側でそれらの周りに係合し、その結果、走査要素が、長さ要素15から離れる方向を向く横部材17a、17bの端部に配置される。
【0027】
2つの構成要素間に力が加えられたときの長さの変化ΔLを測定できるようにするために、長さ要素15は、その第1の端部15aで第1の固定要素11に接続され、第2の端部15bで第2の固定要素12に接続される。第1の固定要素11が第1の構成要素(図示せず)に接続され、第2の固定要素12が第2の構成要素(図示せず)に接続される場合、2つの構成要素が互いに対して移動するときに加えられる力を測定することができる。第1の固定要素11は第1の横部材17aによって形成されてもよく、第2の固定要素12は第2の横部材17bによって形成されてもよい。
【0028】
図6は、長さの変化ΔLを測定するためのデバイス10’の斜視図を示しており、この装置は、
図1~4に示す実施形態の例による6つの長さ要素15を含む。この場合、装置10’は、第1の固定要素11’および第2の固定要素12’を含み、6つの長さ要素15の横部材17aは、第1の固定要素11’に接続されるとともに、6つの長さ要素15の横部材17bは、第2の固定要素12’に接続されている。固定要素11’、12’は、円板状、例えばディスクリングのような態様で、第1の平面E1または代替的に第2の平面E2を備えて形成されており、平面E1、E2は、互いに平行に配置され、特に、長さ要素15の長手方向Rに対して直交するように配置される。長さ要素15は、固定要素11’、12’の円周上に均一に分布しており、特に、6軸力トルクセンサーを形成している。このために、6つの走査要素40すべてによって検出された信号は、評価ユニット60に送られ、そこから、2つの固定要素11’、12’の間に加えられる力Fx、Fy、FzおよびモーメントMx、My、Mzを適切な較正によって算出することができる。
【符号の説明】
【0029】
10…装置、10’…装置、11、11’…第1の固定要素、12、12’…第2の固定要素、15…長さ要素、15a…第1の端部、15b…第2の端部、20…レバー要素、20a…第1の端部、20b…第2の端部、21…第1のレバーアーム、21a…第1のレバーアーム端部、22…第2のレバーアーム、22a…第2のレバーアーム端部、30…材料測定部、40…走査要素、50…第2の要素、50a…第1の端部、50b…第2の端部、51…第1のアーム、51a…第1の端部、51b…第2の端部、52…第2のアーム、52a…第1の端部、52b…第2の端部、60…評価ユニット、L…長さ、ΔL…長さの変化、R…長手方向、F…力、M…モーメント、D…支点、s…経路、Δs…経路の変化、a…第1の長さ、b…第2の長さ、E1…第1の平面、E2…第2の平面。
【手続補正書】
【提出日】2022-09-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長さの変化(ΔL)を測定するための装置(10、10’)であって、
第1の固定要素(11、11’)、第2の固定要素(12、12’)、およびこれら2つの固定要素(11、11’、12、12’)の間に配置される少なくとも1つの長さ要素(15)を有しており、少なくとも1つの長さ要素(15)は、第1の端部(15a)、第2の端部(15b)、および長手方向(R)に沿って長さ(L)を有しており、長手方向(R)に平行に作用する力(F)によって、少なくとも1つの長さ要素(15)の長さの変化(ΔL)が生じる、装置において、
第1の端部(20a)、第2の端部、および支点(D)を有するレバー要素(20)は、長手方向(R)に対して横方向に配置されていることと、
レバー要素(20)は、第1のレバーアーム(21)および第2のレバーアーム(22)を有しており、第1のレバーアーム(21)は支点(D)と第1のレバーアーム端部(21a)と
の間に第1の長さ(a)を有しており、第2のレバーアーム(22)は支点(D)と第2のレバーアーム端部(22b)との間に第2の長さ(b)を有していることと、
第2の長さ(b)は第1の長さ(a)よりも大きいことと、
少なくとも1つの長さ要素(15)は、その第1の端部(15a)が第1のレバーアーム(21)の第1のレバーアーム端部(21a)に回動可能に配置されていることと、
第2のレバーアーム(22)の第2のレバーアーム端部(22b)は、材料測定部(30)に接続されており、材料測定部(30)の動きが走査要素(40)によって検出可能であることと、を特徴とする装置。
【請求項2】
支点(D)が、レバー要素(20)の第1の端部(20a)と第2の端部(20b)との間に配置されており、第1のレバー要素(21)の第1のレバーアーム端部(21a)がレバー要素(20)の第1の端部(20a)を形成し、第2のレバーアーム(22)の第2のレバーアーム端部(22b)が、レバー要素(20)の第2の端部(20b)を形成することを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
支点(D)がレバー要素(20)の第1の端部(20a)に配置されることを特徴とする、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
第2の要素(50)であって、第1の端部(50a)および第2の端部(50b)を有するとともに、互いに平行に整列された第1のアーム(51)および第2のアーム(52)によって、レバー要素(20)に平行に配置されている、第2の要素(50)を特徴とし、前記配置が、第2の要素(50)と第1のアーム(51)との間、第2の要素(50)と第2のアーム(52)との間、レバー要素(20)と第1のアーム(51)との間、およびレバー要素(20)と第2のアーム(52)との間で回動可能であることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
材料測定部(30)が第2のアーム(52)上に配置さ
れることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
材料測定部(30)がレバー要素(20)と第2の要素(50)との間の距離にわたって延在することを特徴とする、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
第1のアーム(51)が支点(D)と第2の要素(50)の第1の端部(50a)との間に配置されるとともに、第2のアーム(52)がレバー要素(20)の第2の端部(20b)と第2の要素(50)の第2の端部(50b)との間に配置されることを特徴とする、請求項1~
6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
回動可能な接続がフィルムヒンジの態様で実施されることを特徴とする、請求項1~
7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
第1の固定要素(11、11’)が第1の平面(E1)を備えた円板状であり、第2の固定要素(12、12’)が第2の平面(E2)を備えた円板状であり、第1の平面(E1)および第2の平面(E2)が互いに平行に配置さ
れることを特徴とする、請求項1~
8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
第1の固定要素(11、11’)が第1の平面(E1)を備えた円板状であり、第2の固定要素(12、12’)が第2の平面(E2)を備えた円板状であり、第1の平面(E1)および第2の平面(E2)が互いに平行に配置されており、長手方向(R)はこれらの平面(E1、E2)に対して直交することを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
いくつか
の長さ要素(15)が、第1の固定要素(11’)と第2の固定要素(12’)との間に配置されることを特徴とする、請求項1~
10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
走査要素(40)が、光学的、容量的、誘導的、または磁気走査センサーとして構成されることを特徴とする、請求項1~
11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
少なくとも1つの走査要素(40)によって検出された信号を評価する評価ユニット(60
)を提供することを特徴とする、請求項1~
12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
少なくとも1つの走査要素(40)によって検出された信号を評価するとともに、長さの変化によって前記2つの固定要素の間に加えられる力およびモーメントを算出する評価ユニット(60)を提供することを特徴とする、請求項1~12のいずれか一項に記載の装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
装置10は、材料測定部30の動きを検出することができる走査要素40をさらに備える。
長手方向Rに平行に長さ要素15に作用して、短いレバーアーム21のレバーアーム端部21aに長さの変化ΔLをもたらす力Fは、レバー要素20による長いレバーアーム22の第2のレバーアーム端部22bに対して経路の変化Δsを引き起こす。そうすると、長さの変化ΔLは、特に、b:aの比率で増幅され、したがって、第2のレバーアーム端部22bでの経路の変化Δsは、Δs=b*ΔL/aになる。
【国際調査報告】