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  • 特表-自動カメラウォッシャの作動停止 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-02
(54)【発明の名称】自動カメラウォッシャの作動停止
(51)【国際特許分類】
   B60S 1/62 20060101AFI20230222BHJP
【FI】
B60S1/62 110A
B60S1/62 120B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022538864
(86)(22)【出願日】2020-12-21
(85)【翻訳文提出日】2022-07-20
(86)【国際出願番号】 US2020066380
(87)【国際公開番号】W WO2021138111
(87)【国際公開日】2021-07-08
(31)【優先権主張番号】16/724,771
(32)【優先日】2019-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】313005662
【氏名又は名称】コンチネンタル オートモーティブ システムズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CONTINENTAL AUTOMOTIVE SYSTEMS, INC.
【住所又は居所原語表記】1 Continental Drive, Auburn Hills, Michigan 48326-1581, USA
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】マシュー レティツィオ
(72)【発明者】
【氏名】ジェイソン レイ フィーガン
(72)【発明者】
【氏名】レイモンド スコット ウォルターズ
【テーマコード(参考)】
3D225
【Fターム(参考)】
3D225AA11
3D225AB01
3D225AC02
3D225AD22
(57)【要約】
車載カメラ洗浄システムは、選択された動作モードおよび検出されたレンズの閉塞物に応じて、ポンプおよびバルブを制御するように構成されたコントローラを含む。選択された動作モードにより、洗浄液を節約するために、カメラ洗浄システムの動作が現在の車両の動作状態に合うように調整される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車載カメラ洗浄システムであって、
カメラのレンズ上の閉塞物を洗浄するために洗浄液を導くノズルと、
洗浄液貯蔵容器と、
前記洗浄液貯蔵容器から前記ノズルを通して洗浄液を推進するポンプと、
洗浄液の前記ノズルへの連通を制御する制御バルブと、
選択された動作モードおよび検出されたレンズの閉塞物に応じて、前記ポンプおよびバルブの動作を制御するコントローラと
を備える、車載カメラ洗浄システム。
【請求項2】
前記選択された動作モードが、オフロードモード、自動モード、時間制限モード、および速度制限モードを含む、請求項1記載の車載カメラ洗浄システム。
【請求項3】
前記カメラ洗浄システムが、前記選択された動作モードのうちの1つを選択するために車両運転者により作動させることができるセレクタを含む、請求項2記載の車載カメラ洗浄システム。
【請求項4】
前記オフロードモードでは、前記コントローラが、検出されたレンズの閉塞物に応答して、前記レンズを洗浄するために前記バルブを作動させない、請求項2記載の車載カメラ洗浄システム。
【請求項5】
前記コントローラが、オフロード環境における車両の動作を示す車両動作状態を検出したことに応答して、前記オフロードモードに従って動作する、請求項4記載の車載カメラ洗浄システム。
【請求項6】
オフロード環境における前記車両の動作を示す車両動作状態は、サスペンションシステムのオフロード最低地上高への設定、四輪駆動パワートレイン設定、またはオフロード環境での動作を示す検出されたサスペンション動作を含む、請求項5記載の車載カメラ洗浄システム。
【請求項7】
前記速度制限モードが、車両速度が閾値を下回ったことに応答して、前記カメラの前記レンズ上の閉塞物を洗浄する洗浄液を導く前記バルブの作動を停止させるコントローラを含む、請求項2記載の車載カメラ洗浄システム。
【請求項8】
前記コントローラが、前記車両速度が前記閾値を下回ったことに加えて、オフロード動作を示す車両動作状態に応答して、前記速度制限モードへの切り替えを行う、請求項7記載の車載カメラ洗浄システム。
【請求項9】
前記時間制限モードが、所定の時間間隔の経過後に、前記カメラの前記レンズ上の閉塞物を洗浄する洗浄液を導く前記バルブを作動させるコントローラを含む、請求項2記載の車載カメラ洗浄システム。
【請求項10】
前記カメラが、複数のカメラと、対応する複数のノズルと、バルブと、ポンプとを備え、前記選択された動作モードが、洗浄される前記複数のカメラのサブグループと洗浄されない前記複数のカメラのサブグループとの選択をさらに含む、請求項2記載の車載カメラ洗浄システム。
【請求項11】
前記複数のカメラが、フロントカメラと、サイドカメラと、リアカメラとを備え、前記複数のカメラのうちの選択されたサブグループが前記フロントカメラのみを含み、前記複数のカメラのうちの洗浄されないサブグループが前記サイドカメラおよび前記リアカメラを含む、請求項10記載の車載カメラ洗浄システム。
【請求項12】
前記複数のカメラが、フロントカメラと、サイドカメラと、リアカメラとを備え、前記複数のカメラのうちの選択されたサブグループが、前記フロントカメラ、前記サイドカメラおよび前記リアカメラの全てより少ないカメラを含む、請求項11記載の車載カメラ洗浄システム。
【請求項13】
車載カメラ洗浄システムを動作させる方法であって、
セレクタを作動させることにより、カメラ洗浄システムの、オフロードモード、自動モード、時間制限モード、および速度制限モードのうちの1つを含む動作モードを選択することと、
選択された前記動作モードに従って、カメラのレンズ上の閉塞物を洗浄する洗浄液を導くために、流体貯蔵容器からノズルを通して洗浄液を排出するように、ポンプおよびバルブをコントローラによって作動させることと
を含む、方法。
【請求項14】
前記オフロードモードでは、前記コントローラが、検出されたレンズの閉塞物に応答して、前記レンズを洗浄するために前記バルブを作動させない、請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記方法が、オフロード環境における前記車両の動作を示す車両動作状態を検出することと、前記オフロード環境における前記車両の動作を検出することに応答して、前記オフロードモードに従って前記バルブを作動させるように前記コントローラを動作させることとを含む、請求項13記載の方法。
【請求項16】
前記方法が、サスペンションシステムのオフロード最低地上高への設定、車両パワートレインの四輪駆動設定への設定に応答して、前記車両がオフロード環境で動作していることを検出すること、またはオフロード環境での動作を示す形式でサスペンションシステムの動作を検出することを含む、請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記時間制限モードでは、前記コントローラが、所定の時間間隔の経過後に、前記カメラの前記レンズ上の閉塞物を洗浄する洗浄液を導く前記バルブを作動させる、請求項13記載の方法。
【請求項18】
前記速度制限モードでは、前記コントローラが、車両速度が閾値を下回ったことに応答して、前記カメラの前記レンズ上の閉塞物を洗浄する洗浄液を導く前記バルブの作動を停止させる、請求項13記載の方法。
【請求項19】
前記カメラが、複数のカメラと、対応する複数のノズルと、バルブとを備え、前記動作モードを選択することが、前記複数のカメラのうちの洗浄されるサブグループと前記複数のカメラのうちの洗浄されないサブグループとを選択することをさらに含む、請求項13記載の方法。
【請求項20】
前記複数のカメラが、フロントカメラと、サイドカメラと、リアカメラとを備え、前記複数のカメラのうちの洗浄されないサブグループを選択することが、前記フロントカメラ、前記サイドカメラ、および前記リアカメラの全てより少ないカメラを選択することを含む、請求項19記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車載カメラ洗浄システム、とりわけ、車両動作モードに基づいて制御されるカメラ洗浄システムに関する。
【0002】
発明の背景
車両は、周囲の環境に関する情報を提供するためのカメラをますます含むようになっている。一部の車両システムの作動および動作を維持するために、カメラの継続的かつ妨げられない動作が必要である。したがって、多くの場合、操作性を維持するために、洗浄システムが車載カメラを継続的に洗浄するように提供されている。車両内に保持される洗浄液の量は限られており、一旦排出されると、カメラが覆われたまま無効となってしまうことがある。
【0003】
本明細書で提供される背景技術の説明は、本開示の文脈を一般的に提示することを目的とする。本件の発明者の研究は、この背景技術のセクションに記載する範囲においては、出願時に先行技術として他の点で資格がないとされうる説明の態様と同様に、明示的にも暗示的にも本開示に対する先行技術として認められない。
【0004】
発明の概要
本開示の例示的な実施形態に係る車載カメラ洗浄システムは、他の可能性のあるもののなかでも、カメラのレンズ上の閉塞物を洗浄するために洗浄液を導くノズルと、洗浄液貯蔵容器と、ノズルを通して洗浄液を推進するポンプと、洗浄液のノズルへの連通を制御する制御バルブと、選択された動作モードおよび検出されたレンズの閉塞物に応じて、ポンプおよびバルブを制御するように構成されたコントローラとを含む。
【0005】
前述の車載カメラ洗浄システムの更なる実施形態では、選択された動作モードは、オフロードモード、自動モード、時間制限モード、および速度制限モードを含む。
【0006】
前述の車載カメラ洗浄システムのいずれかの更なる実施形態では、選択された動作モードのうちの1つを選択するために車両運転者により作動させることができるセレクタが含まれる。
【0007】
前述の車載カメラ洗浄システムのいずれかの更なる実施形態では、オフロードモードでは、コントローラは、検出されたレンズの閉塞物に応答して、レンズを洗浄するためにバルブを作動させない。
【0008】
前述の車載カメラ洗浄システムのいずれかの更なる実施形態では、コントローラは、オフロード環境における車両の動作を示す車両動作状態を検出することに応答して、オフロードモードに従って動作する。
【0009】
前述の車載カメラ洗浄システムのいずれかの更なる実施形態では、オフロード環境における車両の動作を示す車両動作状態は、サスペンションシステムのオフロード最低地上高に設定、四輪駆動パワートレイン設定、またはオフロード環境での作動を示す検出されたサスペンション動作を含む。
【0010】
前述の車載カメラ洗浄システムのいずれかの更なる実施形態では、速度制限モードは、車両速度が閾値を下回ったことに応答して、カメラのレンズ上の閉塞物を洗浄する洗浄液を導くバルブの作動を停止させるコントローラを含む。
【0011】
前述の車載カメラ洗浄システムのいずれかの更なる実施形態では、コントローラは、車両速度が閾値を下回ったことに加えて、オフロード動作を示す車両動作状態に応答して、速度制限モードへの切り替えを行う。
【0012】
前述の車載カメラ洗浄システムのいずれかの更なる実施形態では、時間制限モードは、所定の時間間隔の経過後に、カメラのレンズ上の閉塞物を洗浄する洗浄液を導くバルブを作動させるコントローラを含む。
【0013】
前述の車載カメラ洗浄システムのいずれかの更なる実施形態では、カメラが、複数のカメラと、対応する複数のノズルと、バルブと、ポンプとを備え、選択された動作モードは、洗浄される複数のカメラのサブグループと洗浄されない複数のカメラのサブグループとの選択をさらに含む。
【0014】
前述の車載カメラ洗浄システムのいずれかの更なる実施形態では、複数のカメラは、フロントカメラと、サイドカメラと、リアカメラとを備え、複数のカメラのうち選択されたサブグループはフロントカメラのみを含み、複数のカメラのうちの洗浄されないサブグループはサイドカメラおよびリアカメラを含む。
【0015】
前述の車載カメラ洗浄システムのいずれかの更なる実施形態では、複数のカメラは、フロントカメラと、サイドカメラと、リアカメラとを備え、複数のカメラのうちの選択されたサブグループは、フロントカメラ、サイドカメラおよびリアカメラの全てより少ないカメラを含む。
【0016】
本開示の例示的な実施形態に係る車載カメラ洗浄システムを動作させる方法は、他の可能性のあるもののなかでも、セレクタを作動させることによりカメラ洗浄システムの、オフロードモード、自動モード、時間制限モードおよび速度制限モードのうちの1つを含む動作モードを選択することと、選択された動作モードに従って、カメラのレンズ上の閉塞物を洗浄する洗浄液を導くために、流体貯蔵容器からノズルを通して洗浄液を排出するように、ポンプおよびバルブをコントローラによって作動させることとを含む。
【0017】
前述の車載カメラ洗浄システムを動作させる方法の更なる実施形態では、オフロードモードでは、コントローラは、検出されたレンズの閉塞物に応答して、レンズを洗浄するために前記バルブを作動させない。
【0018】
前述の車載カメラ洗浄システムを動作させる方法のいずれかの更なる実施形態では、オフロード環境における車両の動作を示す車両動作状態が検出され、オフロード環境における車両の動作を検出することに応答して、オフロードモードに従ってバルブを作動させるように、コントローラが動作する。
【0019】
前述の車載カメラ洗浄システムを動作させる方法のいずれかの更なる実施形態では、サスペンションシステムのオフロード最低地上高への設定、車両パワートレインの四輪駆動設定への設定に応答して、車両がオフロード環境で動作していることを検出すること、またはオフロード環境での動作を示す形式でサスペンションシステムの動作を検出することを含む。
【0020】
前述の車載カメラ洗浄システムを動作させる方法のいずれかの更なる実施形態では、時間制限モードにある場合、コントローラは、所定の時間間隔の経過後に、カメラのレンズ上の閉塞物を洗浄する洗浄液を導くバルブを作動させる。
【0021】
前述の方法のいずれかの更なる実施形態では、速度制限モードでは、コントローラが、車両速度が閾値を下回ったことに応答して、カメラのレンズ上の閉塞物を洗浄する洗浄液を導くバルブの作動を停止させる。
【0022】
前述の車載カメラ洗浄システムを動作させる方法のいずれかの更なる実施形態では、カメラは、複数のカメラと、対応する複数のノズルと、バルブとを備え、動作モードを選択することは、洗浄される複数のカメラのサブグループと洗浄されない複数のカメラのサブグループとを選択することをさらに含む。
【0023】
前述の車載カメラ洗浄システムを動作させる方法のいずれかの更なる実施形態では、複数のカメラは、フロントカメラと、サイドカメラと、リアカメラとを備え、複数のカメラのうちの洗浄されないサブグループを選択することは、フロントカメラ、サイドカメラ、およびリアカメラの全てより少ないカメラを選択することを含む。
【0024】
種々の例示は、図に示された具体的なコンポーネントを有するが、本開示の実施形態は、これらの特定の組み合わせに限定されない。例示のうちの1つからのコンポーネントまたは特徴の幾つかを、例示のうちの別の1つからの特徴またはコンポーネントと組み合わせて使用することが可能である。
【0025】
本明細書に開示されたこれらおよび他の特徴は、以下の明細書および図面から最もよく理解することができ、以下の説明は、簡単な説明である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】例示的なカメラ洗浄システムを含む車両の模式図である。
図2】例示的なカメラ洗浄システムの実施形態の模式図である。
図3】例示的なカメラ洗浄システムの例示的な動作モードを示すフロー図である。
【0027】
発明を実施するための形態
図1および図2を参照すると、車両10は、カメラ14,16および18とカメラ洗浄システム12とを含む。カメラ洗浄システム12は、洗浄液を節約するために、現在の車両動作状態に動作を適応化するように制御可能である。システム12は、カメラ14,16および18のうちの対応する1つへの洗浄液の流れを制御するように動作可能なバルブ22A~22Cを含む。少なくとも1つのポンプ24は、貯留部26から複数のノズル20A~20Cそれぞれへの洗浄液の流れを発生させるために提供される。ノズル20A~20Cは、カメラ14,16および18のうちの対応する1つの近くに向けられている。コントローラ28は、カメラ14,16および18のうちのどの1つがいつ洗浄されるかを制御するために、ポンプ24およびバルブ22A~22Cの動作を制御する。
【0028】
システム12は、運転者の選択によって、または所定の車両動作に基づいて自動的に、のいずれかで識別することができる幾つかの異なるモードで動作可能である。開示された一例では、システム12の動作モードは、セレクタスイッチ30による運転者の入力により決定される。セレクタスイッチ30は、車両内でアクセス可能なノブであってよく、または運転者制御パネル、例えばタッチスクリーンディスプレイを介して行われる選択であってもよい。
【0029】
例示されているコントローラ28は、システムデバイスの必要なコンピューティング、計算および制御を実行するためのデバイスおよびシステムに関する。例示されているコントローラ28は、システム12のために専用に構築されていてよく、または少なくとも記憶されたプログラムにより選択的に起動されて構成される汎用車両コントローラを備えていてもよい。
【0030】
ポンプ24は、示されているような1つのポンプであってよく、または対応するノズル20A~20Cに洗浄液を加圧して駆動するために異なる位置に分配された一連のポンプであってもよい。バルブ22A~22Cは、対応するノズル20A~20Cへの洗浄液の選択的な連通を提供する任意の制御可能なバルブ構成とすることができる。
【0031】
開示された一例では、車両10は、フロントカメラ14と、サイドカメラ16と、リアカメラ18とを含む。カメラ14,16および18はそれぞれ、レンズ36(図2)を含む。フロントカメラ14、サイドカメラ16およびリアカメラ18のそれぞれについて1つのカメラのみが示されているが、車両10のフロント、サイドおよびリアそれぞれに2つ以上のカメラが配置されることも本開示が企図している範囲内にある。さらに、カメラが洗浄のための対応するノズルと共に車両上の他の位置に配置されてもよいことも、本開示の範囲内にあり、本開示が企図していることである。
【0032】
コントローラ28は、閉塞物がレンズ36上に存在するか否かを決定するために利用される各カメラ14,16および18から情報を受信する。レンズ36上の閉塞物が検出されると、コントローラ28は、洗浄液を噴霧してレンズ36を洗浄するように、システム12の動作を指令する。デフォルトモードでは、システム12は、閉塞物の検出時に、自動的に動作を開始して、洗浄液を噴霧し、レンズ36を洗浄する。一方、一部の車両動作モードでは、自動動作は望ましくない。利点がほとんどないし全く提供されず、かつ/または洗浄液の消耗をもたらす場合があるためである。例えば、車両10のオフロード動作により、全てのカメラが継続的に汚れおよび泥に曝され、システム12の自動動作により全ての洗浄液がすぐに排出されてしまう結果がもたらされうる。
【0033】
例示されているシステム12は、車両の動作状態に合わせて調整された複数の選択可能な動作モードに従って動作可能である。開示された一例では、システム12は、自動モード、時間制限モードおよびオフロードモードに従って動作可能である。各モードにおいて、システム12は、予め定義されかつ選択された基準に従って、カメラ14,16および18を洗浄するように動作する。開示している例では、システム12は、車両が後進ギアに入ったことに応じて、どの動作モードが選択されたかにかかわらず、リアカメラ18を洗浄するように動作することができる。車両が後進動作時にリアカメラ18を洗浄することにより、車両運転者は、安全な操作を可能にするために、車両後部を明瞭に見渡すことができる。
【0034】
引き続き図1および図2を参照すると共に、図3を参照すると、システム12についての動作モードおよび設定の1つの例示的なセットが模式的に40で示されている。例示されている設定は、スポーツ設定42、通常設定44、快適設定46、およびオフロードモード48を含む。また、システム12は、50で示されたようにオフとされることもある。
【0035】
設定42,44,46をそれぞれ、52に示されている自動モードに選択することができる。自動モード52では、コントローラ28は、対応するレンズ36上の閉塞物の検出に応じて、カメラ14,16および18のうちの1つに対応するバルブ22A~22Cのうちの1つを作動させる。この例では、設定42,44および46はそれぞれ、自動モード52で動作するものとして示される。
【0036】
オフロードモード48の選択により、システム12の動作を車両の動作に合わせて調整するための更なる選択肢が可能となる。この例では、オフロードモード48を、修正された自動モード55に従って動作させることができる。修正された自動モード55により、閉塞物の検出に応答して自動的に洗浄されるカメラ14,16および18の特定の1つおよび/またはグループの選択が提供される。場合により、フロントカメラ14の動作は重要であるがサイドカメラ16およびリアカメラ18はそれほど重要ではないということが起こりうる。したがって、例示されているシステム12によれば、どのカメラ14,16および18が洗浄されるかの選択が可能となる。この例では、フロントカメラ14のみが、56で示されているように自動的に洗浄される。サイドカメラ16およびリアカメラ18は、58で示されているようにオフにされる。
【0037】
例示されているオフロードモード48は、時間制限モード54に従って動作させることもできる。時間制限モード54では、システム12は、選択されたカメラを所定の時間にわたって一度洗浄するように断続的に動作する。例えば、システム12は、閉塞物が検出された場合、フロントカメラ14を数分に1回洗浄するように設定されうる。したがって、システム12は、閉塞物が存在するかどうかを検出し、レンズ36の洗浄を促す。ついで、システム12は、所定の時間待機し、再度閉塞物をチェックする。閉塞物が存在する場合にはレンズ36が洗浄され、閉塞物が存在しない場合、このシステムはアクティブのままとされ、別の所定の期間待機する。時間制限された洗浄を、全てのカメラ14,16および18または限定されたカメラグループ、例えば、示されているフロントカメラ14に適用することができる。開示している一例では、所定の時間は2分である。別の開示の例では、所定の時間は5分である。
【0038】
オフロードモード48のみが任意の動作モードを含むものとして示されているが、スポーツ設定42、通常設定44および快適設定46を、本開示の範囲および企図の範囲内で、修正された自動モード55および時間制限モード54に従って動作させることができると理解されたい。
【0039】
さらに、特定の動作モードを、車両動作に基づいて自動的に選択することができる。開示している一例では、システム12は、オフロード環境における車両の動作を示す車両動作状態の検出に応答して、オフロードモード48に従って自動的に動作可能である。この動作は、速度制限モード60として模式的に示されている。速度制限モード60では、システム12は、車両がオフロード環境で動作していることの表示に応答して、全てのカメラ14,16および18の洗浄を防止するために、全てのバルブ22A~22Cを自動的にオフにするであろう。
【0040】
車両10はサスペンションシステム34とパワートレイン32とを含み、これら両方ともが図1に模式的に示されている。オフロード動作を、閾値未満の車両速度と共に、運転者がパワートレイン32を四輪駆動または全輪駆動に設定することに基づいて示すことができる。開示している例示的な一実施形態では、車両速度閾値は、約20キロメートル/時(12マイル/時)未満である。さらに、オフロード動作を、サスペンションシステム34をオフロード最低地上高に設定することに基づいて示すことができる。コントローラ28は、パワートレイン32および/またはサスペンションシステム34の設定を認識し、所定のオフロード動作モード48に従って動作を自動的に調整する。ここでの開示の例では、速度制限モード60が選択されている。
【0041】
他の車両動作設定も、所定のモードに従ったシステム12の動作を指示するためのインジケータとして利用することができると理解されたい。この例では、所定のモードはオフロード動作に関係しているが、他の車両動作状態を利用してカメラ洗浄システム12の特別に調整された動作を指示することもできる。
【0042】
さらに、コントローラ28は、センシングされた車両動作のみに基づいて、システム12の動作を自動的に開始させることができる。例えば、通常の垂直方向車輪運動より高い車輪加速度、車両速度、および/または道路の進行状態を示すセンシングされた車両角度方向は、カメラ洗浄システム12をオフロードモード48に自動的に切り替えるように促すために予め定義されうる。さらに、他のセンシングされた車両動作状態を利用してシステム12の他の動作モードを促すことができ、このことも本開示の範囲および企図の範囲内にある。
【0043】
したがって、開示している例示的な車載カメラ洗浄システム12は、各カメラの洗浄を車両動作状態に具体的に合わせて調整するために、複数の動作モードに従って動作可能である。
【0044】
幾つかの図面を通して、同様の参照番号は、対応するまたは同様の構成要素を特定すると理解されたい。これらの例示的な実施形態では、特定のコンポーネント配置が開示され図示されているが、他の配置も、本開示の教示から利益を得ることができると理解されたい。
【0045】
種々の非限定的な実施形態を特定のコンポーネントまたは工程を有するものとして示したが、本開示の実施形態はこれらの特定の組み合わせには限定されない。非限定的な実施形態のいずれかからのコンポーネントまたは特徴の幾つかを、他の非限定的な実施形態のいずれかからの特徴またはコンポーネントと組み合わせて使用することが可能である。
【0046】
前述の説明は例示的なものとして解釈されるべきであり、いかなる限定的な意味においても解釈されるべきではない。当業者であれば、特定の修正が本開示の範囲内に入ることができることを理解するであろう。こうした理由のため、以下の特許請求の範囲は、本開示の真の範囲および内容を決定するものとして検討されるべきである。
図1
図2
図3
【国際調査報告】