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  • 特表-脊椎装置に用いられる付勢装置 図1
  • 特表-脊椎装置に用いられる付勢装置 図2
  • 特表-脊椎装置に用いられる付勢装置 図3
  • 特表-脊椎装置に用いられる付勢装置 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-02
(54)【発明の名称】脊椎装置に用いられる付勢装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/70 20060101AFI20230222BHJP
【FI】
A61B17/70
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022538895
(86)(22)【出願日】2020-12-20
(85)【翻訳文提出日】2022-08-16
(86)【国際出願番号】 IL2020051308
(87)【国際公開番号】W WO2021130745
(87)【国際公開日】2021-07-01
(31)【優先権主張番号】16/726,872
(32)【優先日】2019-12-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513070381
【氏名又は名称】アピフィックス・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100117606
【弁理士】
【氏名又は名称】安部 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100121186
【弁理士】
【氏名又は名称】山根 広昭
(74)【代理人】
【識別番号】100136423
【弁理士】
【氏名又は名称】大井 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100154449
【弁理士】
【氏名又は名称】谷 征史
(72)【発明者】
【氏名】アルニン,ウリ
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160LL69
(57)【要約】
脊椎装置は、ハウジングの内部に設けられた第1端部と、開口を通ってハウジングの外部に突出した第2端部とを有し、かつ、ハウジングからの突出がより多くなる、または、ハウジングからの突出がより少なくなるように移動可能なロッドを備えている。付勢装置は、ロッドに取り付けられ、連続的に接続された複数の少なくとも部分的に巻かれたコイルを備えている。付勢装置の第1端部は、ハウジングに当接するように配置されており、第1端部と反対側の第2端部は、ロッドに取り付けられている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングの内部に設けられた第1端部と、開口を通って前記ハウジングの外部に突出した第2端部とを有し、かつ、前記ハウジングからの突出がより多くなる、または、前記ハウジングからの突出がより少なくなるように移動可能なロッドと、
前記ロッドに取り付けられ、連続的に接続された複数の少なくとも部分的に巻かれたコイルを備える付勢装置とを備え、前記付勢装置の第1端部は、前記ハウジングに当接するように配置されており、前記第1端部と反対側の、前記付勢装置の第2端部は、前記ロッドに取り付けられている、脊椎装置。
【請求項2】
前記複数の少なくとも部分的に巻かれたコイルは、完全には前記ロッドの周囲に巻かれておらず、代わりに360度以下の角度で巻かれており、前記複数の少なくとも部分的に巻かれたコイルのうち一対の隣り合うコイルはそれぞれ連結部材によって接続されており、前記連結部材は周方向の隙間によって互いに分かれている、請求項1に記載の脊椎装置。
【請求項3】
前記第2端部の軸方向の固定によって前記付勢装置の予張力が定められる、請求項1に記載の脊椎装置。
【請求項4】
前記ロッドは、前記ハウジングから前記ロッドが突出する量を調整するラチェット機構に接続されている、請求項1に記載の脊椎装置。
【請求項5】
前記ロッドの前記第2端部には、第1多軸継手取付部材が設けられており、前記ハウジングの一部には、第2多軸継手取付部材が設けられている、請求項1に記載の脊椎装置。
【請求項6】
脊椎構造に装着された脊椎装置のロッドに付勢装置を取り付けること、ここで、前記付勢装置は、連続的に接続された複数の少なくとも部分的に巻かれたコイルを備え、前記付勢装置の第1端部は、前記ハウジングに当接するように配置されており、前記第1端部と反対側の第2端部は、前記ロッドに取り付けられている、および、前記ロッドおよび前記脊椎構造を付勢するために前記付勢装置を使用することを含む、脊椎の湾曲の調整方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、脊椎インプラントおよび装具に関する。詳しくは、脊椎ロッド等の脊椎装置に用いられる付属または一体型の付勢装置に関する。
【背景技術】
【0002】
脊柱が変形する脊柱側弯症によって、多くの人々が影響を受けている。現在の外科的治療では、ペディクルスクリューによって長い固定ロッドを脊椎に固定することを伴う。かかるロッドシステムは、変形した脊椎をより健康的な位置に矯正することを目的としている。
【0003】
しかしながら、かかる手法には、いくつかの欠点がある。すなわち、変形が完全に修正されることはほとんどなく、臨床現場では生涯にわたって長期的に固定することは望まれず、失敗もまれではない。
【0004】
米国特許第10245081号明細書には、ハウジングから外部に移動可能なロッドを含んだ、改良されたラチェット式の脊椎装置が開示されている。ロッドがハウジングから突出する量は、ラチェット機構によって長くされたり短くされたりしうる。適切なコネクタを用いて、ロッドは、標準的なペディクルスクリューだけではなく、他の脊椎ロッドや脊椎構造にも接続されうる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第10245081号明細書
【発明の概要】
【0006】
本発明は、改良された脊椎装置または脊椎装置のための付属品、すなわち、以下で詳細に説明される、脊椎装置に用いられる付属または一体型の付勢装置を提供することを目的とする。
【0007】
したがって、本発明の非限定的な実施形態によると、脊椎装置は、ハウジングの内部に設けられた第1端部と、開口を通ってハウジングの外部に突出した第2端部とを有し、かつ、ハウジングからの突出がより多くなる、または、ハウジングからの突出がより少なくなるように移動可能なロッドと、ロッドに取り付けられ、連続的に接続された複数の少なくとも部分的に巻かれたコイルを備える付勢装置とを備え、付勢装置の第1端部は、ハウジングに当接するように配置されており、第1端部と反対側の、付勢装置の第2端部は、ロッドに取り付けられている。
【0008】
少なくとも部分的に巻かれたコイルは、完全に巻かれたコイルを含んでいてもよく、その代わりに、完全にはロッドの周囲に巻かれておらず、代わりに360度以下の角度で巻かれており、複数の少なくとも部分的に巻かれたコイルのうち一対の隣り合うコイルはそれぞれ連結部材によって接続されており、連結部材は周方向の隙間によって互いに分かれている、連続的に接続された部分的に巻かれたコイルを含んでいてもよい。
【0009】
本発明の一実施形態では、付勢装置の第1端部は、ハウジングに当接するように配置されており、第1端部と反対側の、付勢装置の第2端部には、第2端部をロッドに取り付ける固定部材が設けられている。
【0010】
本発明の一実施形態では、第2端部の軸方向の固定によって付勢装置の予張力が定められる。
【0011】
本発明の一実施形態では、ロッドは、ハウジングからロッドが突出する量を調整するラチェット機構に接続されている。
【0012】
本発明の一実施形態では、第1多軸継手取付部材は、ロッドの第2端部に設けられており、第2多軸継手取付部材は、ハウジングの一部に設けられている。
【0013】
本発明の一実施形態では、脊椎の湾曲の調整方法は、脊椎構造に装着された脊椎装置のロッドに付勢装置を取り付けること、ここで、付勢装置は、連続的に接続されたコイルを備えており、コイルは、完全にはロッドの周囲に巻かれておらず、代わりに360度以下の角度で巻かれており、複数の少なくとも部分的に巻かれたコイルのうち一対の隣り合うコイルはそれぞれ連結部材によって接続されており、連結部材は周方向の隙間によって互いに分かれている、および、ロッドおよび脊椎構造を付勢するために付勢装置を使用することを含んでいる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本発明は、以下の詳細な説明と図面から十分に理解され、把握される。
図1図1は、本発明の一実施形態に従って構成され動作する脊椎装置の簡略化された図である。
図2図2は、図1の脊椎装置の付勢装置の簡略化された拡大図である。
図3図3は、付勢装置の部分的に巻かれたコイルの端部間の隙間を示す、付勢装置の他の簡略図である。
図4図4は、脊椎装置の簡略化された断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
ここでは、本発明の非限定的な実施形態に従って構成され動作する脊椎装置10を示す図1図3を参照する。
【0016】
脊椎装置10は、ハウジング16の内部に設けられた第1端部14(図4)と、開口19を通ってハウジング16の外部に突出した第2端部18とを有し、かつ、ハウジング16からの突出がより多くなる、または、ハウジング16からの突出がより少なくなるように移動可能なロッド12を備えている。「ロッド」という用語は、全体を通して、特に限定されないが、ロッド、バー、ラグ、ワイヤ、ポスト等、円形または非円形、規則的または不規則な外周面を有する任意の構成を含むものとする。
【0017】
図4に示されているように、ロッド12は、ハウジング16からロッド12が突出する量を調整するラチェット機構20に接続されている。ラチェット機構20は、ロッド12の軸の部分に沿って形成されたラチェット歯22と、ラチェット歯22のひとつに掛かるように配置されたツメ24と含みうる。ツメ24は、軸27周りに取り付けられ、かつ、偏芯カム28が設けられた制御要素26から延びていてもよい。偏芯カム28の回転により、ツメ24は、以下の3つの位置のうち1つの位置に移動する。a)ロッド12が一方向に徐々に移動することができるように歯22とラチェット係合する位置。b)ロッド12が動かないように歯22とロック係合する位置。c)ロッド12が両方向に自由に移動できるように歯22との係合が外れる位置。他のラチェット機構が用いられていてもよい。あるいは、ラチェット機構が用いられていなくてもよい。例えば、ロッド12がハウジング16の内部のばねに付勢されていてもよい。
【0018】
装置10には、二つの多軸継手取付部材30(特に限定されないが、ベアリングレースや単純な孔など)が設けられていてもよい。一方はロッド12の第2端部18に、他方はハウジング16の別の部分21に設けられていてもよい。両方の多軸継手取付部材30を用いて、部材30を通るペディクルスクリュー等によって、装置10を脊椎の骨構造に取り付けることができる。ここで、米国特許第10245081号明細書に示されているように、固定部材を部材30に締め付けた後においても、多軸回転を可能にしつつ固定部材はペディクルスクリューをその位置に安全に保持する。
【0019】
装置10は、患者に装着される前または後に装置10に取り付けることが可能な付属品でありうる付勢装置32を備えている。あるいは、製造者によって、装置10に付勢装置32が設けられていてもよい。
【0020】
付勢装置32は、連続的に接続された複数の少なくとも部分的に巻かれたコイル34(例えば、コイルばね)を備えうる。一実施形態では、コイル34は、完全に巻かれたコイル(完全に360度)である。他の実施形態では、コイル34は、完全にはロッド12の周囲に巻かれておらず、代わりに360度以下の角度で巻かれており、一対の隣り合うコイルはそれぞれ連結部材36によって接続されている、部分的に巻かれたコイルである。図3に示されているように、連結部材36は、周方向の隙間38によって互いに分かれている。ロッド12の一端からスライドさせ、次いで、軸方向の所望の位置までスライドさせなければならない完全に巻かれたコイルとは対照的に(完全に巻かれたコイルを有する装置は、製造業者によって提供されうる。)、付勢装置32が部分的に巻かれたコイル34を備えている場合には、このコイル34は、ロッド12の任意の軸の部分に直接配置されることができる。かかる構成によって、装置10が患者に装着された後においても付勢装置32を装置10に取り付けることができる。
【0021】
付勢装置32の第1端部40は、ハウジング16に当接するように配置されている。第1端部40と反対側の、第2端部42には、第2端部42をロッド12に取り付ける止ねじのような、固定部材44が設けられている。
【0022】
患者に装置10を装着した後においては、患者特有の治療計画に応じて、例えば、患者の脊椎の矯正を助けるために付勢装置32が装置10の両端を付勢する。

図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】