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特表2023-508409車両用制動システム及び制動システムの制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-02
(54)【発明の名称】車両用制動システム及び制動システムの制御方法
(51)【国際特許分類】
   B60T 8/96 20060101AFI20230222BHJP
   B60T 17/22 20060101ALI20230222BHJP
   B60T 13/74 20060101ALI20230222BHJP
   B60T 8/17 20060101ALI20230222BHJP
【FI】
B60T8/96
B60T17/22
B60T13/74 G
B60T8/17 B
B60T8/17 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022538987
(86)(22)【出願日】2020-12-09
(85)【翻訳文提出日】2022-07-08
(86)【国際出願番号】 EP2020085258
(87)【国際公開番号】W WO2021130021
(87)【国際公開日】2021-07-01
(31)【優先権主張番号】201911345281.3
(32)【優先日】2019-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522087992
【氏名又は名称】ハルデックス・ヴィーアイイー・(シャンハイ)・エレクトロメカニカル・ブレイク・システム・カンパニー・リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】522089387
【氏名又は名称】ハルデックス・ブレイク・プロダクツ・アクチエボラーグ
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(74)【代理人】
【識別番号】100208258
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 友子
(72)【発明者】
【氏名】ニルソン・アンデシュ
(72)【発明者】
【氏名】リランデル・クリスチャン
(72)【発明者】
【氏名】リンドクヴィスト・アンデシュ
(72)【発明者】
【氏名】ワン・ズー
【テーマコード(参考)】
3D048
3D049
3D246
【Fターム(参考)】
3D048BB02
3D048HH18
3D048HH42
3D048HH67
3D048HH68
3D048HH70
3D048RR35
3D049BB02
3D049CC07
3D049HH45
3D049KK17
3D049RR13
3D246BA08
3D246DA01
3D246DA02
3D246GA01
3D246GB37
3D246HA02A
3D246HA06A
3D246HA31A
3D246JA12
3D246JB12
3D246JB41
3D246KA13
3D246KA15
3D246KA19
3D246MA16
3D246MA23
(57)【要約】
【課題】車両用制動システムのフォールトトレランスを向上する。
【解決手段】本発明は、車両の制動技術に関し、特に、車両用の高フォールトトレランス制動システム、制動システムの制御方法、及びコンピュータ可読媒体に関する。本発明に係る車両用制動システムは、少なくとも2つの制御モジュール(211、212)と、車両の各車輪に設けられた電気制動装置(131、(132)とを備える。各電気制動装置(131、(132)は、制動要求の検証用に、制動要求に応答して生成された少なくとも(2つ)の制御モジュール(211、212)からの制動要請を受信して、対応する車輪を制動又は解放してよい。制動システムは、制動要請の検証用に、制動要求を示す生信号を取得して電気制動装置(131、132)の少なくとも1つに生信号を直接送信する生信号取得モジュール(311)をさらに備えてよい。本発明は、車両用制動システムのフォールトトレランスを向上するだろう。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの制御モジュール(211、212、213)と、車両の各車輪に設けられた電気制動装置(131、132)とを備える車両用制動システムであって、
各電気制動装置(131、132)が、対応する車輪を制動又は解放する制動要求に応答して生成された制動要請を前記少なくとも2つの制御モジュール(211、212、213)から受信する、車両用制動システムにおいて、
前記制動システムが、複数の制動要請の検証に、制動要求を示す生信号を取得し、かつ生信号を電気制動装置(131、132)の少なくとも1つに直接送信する生信号取得モジュール(311、312)をさらに備えることを特徴とする、車両用制動システム。
【請求項2】
各制動要請は優先度を持っていて、ここにおいて、
前記少なくとも2つの制御モジュール(211、212、213)によって生成された、同じ優先度を持っているが異なる制動要請に応答して、電気制動装置(131、132)が前記生信号に合致している制動要請の1つに従うことを特徴とする、請求項1に記載の制動システム。
【請求項3】
生信号取得モジュール(311)は、独立した通信ネットワーク(320)を介して各電気制動装置(131、132)に通信可能に接続されているか、あるいは
生信号取得モジュール(311)は、制御モジュール(211、212、213)のいずれか1つの通信ネットワーク(325)を介して各電気制動装置(131、132)に通信可能に接続されている
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の制動システム。
【請求項4】
少なくとも2つの制御モジュールは、第1制御モジュール(211)及び第2制御モジュール(212)を備え、
前記制動システムが、
第1制御モジュール(211)が前記電気制動装置(131)の一部と通信する通信ネットワーク(321)に配置され、前記電気制動装置(131)の前記一部に前記生信号を送信するように構成された、複数の生信号取得モジュールの第1生信号取得モジュール(311)と、
第2制御モジュール(212)が前記電気制動装置(132)の残りの部分と通信する通信ネットワーク(323)に配置され、前記電気制動装置(132)の前記残りの部分に前記生信号を送信するように構成された、複数の生信号取得モジュールの第2生信号取得モジュール(312)と
をさらに備える
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の制動システム。
【請求項5】
前記電気制動装置(131、132)は、前記制動要請と前記生信号との間の対応関係を記憶し、ここにおいて、
前記対応関係に適合する、受信された複数の制動要請の1つ及び受信された生信号に応答して、前記電気制動装置は、前記受信された生信号に合致している前記受信された制動要請に従う
ことを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の制動システム。
【請求項6】
前記電気制動装置(131、132)は、前記制動要請と前記生信号との間の対応関係を示す補正変数をさらに記憶し、ここにおいて、
前記補正変数は、車両負荷状態と粘着係数との少なくとも一方に基づき、検証用に制動要請を生成するように構成されていることを特徴とする、請求項5に記載の制動システム。
【請求項7】
前記制動要請は、前記電気制動装置(131、132)によって提供されることが要求される目標制動力を示し、ここにおいて、
前記電気制動装置(131、132)は、前記生信号に合致している前記制動要請によって示される前記目標制動力に従って、対応する車輪を制動又は解放することを特徴とする、請求項5に記載の制動システム。
【請求項8】
異なる優先度を持つ前記少なくとも2つの制御モジュール(211、212、213)によって生成された複数の制動要請に応答して、前記車両の各車輪に設けられた電気制動装置(131、132)は、より高い優先度を持つ制動要請に従うことを特徴とする、請求項2から7のいずれか一項に記載の制動システム。
【請求項9】
前記優先度は、制動要請の信頼性に関連付けられた少なくとも2つのレベルを備えることを特徴とする、請求項8に記載の制動システム。
【請求項10】
制御モジュール(211、212)は、以下の条件
前記制御モジュール(211、212)の、前記通信ネットワーク(321、322、323、324)と電力ネットワークとの少なくとも一方が完全性を失うことと、
前記制御モジュール(211、212)の機能が完全性を失うことと、
前記制御モジュール(211、212)は、妥当な制動要請を生成できないこと
のうちの1つに応答して前記優先度の前記レベルを低減することを特徴とする、請求項9に記載の制動システム。
【請求項11】
前記生信号は、前記車両の制動ペダル(22)と、パーキングスイッチと、非人間の操作システム又はモジュール(23)とのうちの1つ又はそれより多くによって生成される信号を備えることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の制動システム。
【請求項12】
前記生信号取得モジュール(311、312)は、信号変換モジュールをさらに備えて、ここにおいて、
前記信号変換モジュールは、前記生信号を前記電気制動装置(131、132)の通信ネットワークプロトコルに適合する情報に変換するように構成されていることを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の制動システム。
【請求項13】
前記生信号取得モジュール(311)は、電源管理モジュールをさらに備え、前記電源管理モジュールは、前記電気制動装置(131、132)の電源供給を管理するように構成されていることを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載の制動システム。
【請求項14】
制動システムの制御方法において、
車両の各車輪に設けられた電気制動装置(131、132)によって、制動要求に応答して生成された少なくとも2つの制御モジュール(211、212、213)からの複数の制動要請を受信するステップと、
生信号取得モジュール(311、312)によって、制動要求を示す生信号を取得し、前記制動要求を検証するために、前記生信号を前記電気制動装置(131、132)の少なくとも1つに直接送信するステップと
を備えることを特徴とする、制御方法。
【請求項15】
各制動要請は優先度を持っていて、
前記少なくとも2つの制御モジュール(211、212、213)によって生成された、同じ優先度を持っているが異なる制動要請に応答して、電気制動装置(131、132)が前記生信号に合致している制動要請の1つを実行することを特徴とする、請求項14に記載の制御方法。
【請求項16】
前記制御方法が、
生信号取得モジュール(311)が、独立した通信ネットワーク(320)を介して前記生信号を各電気制動装置(131、132)に送信するステップ、あるいは
生信号取得モジュール(311)によって、前記制御モジュール(211、212、213)のいずれか1つの通信ネットワーク(325)を介して各電気制動装置(131、132)に前記生信号を送信するステップと
をさらに備えることを特徴とする、請求項14又は15に記載の制御方法。
【請求項17】
少なくとも2つの制御モジュールは、第1制御モジュール(211)及び第2制御モジュール(212)を備え、
第1制御モジュール(211)が電気制動装置(131)の一部と通信する通信ネットワーク(321)に配置された第1生信号取得モジュール(311)によって、電気制動装置(131)の前記一部への前記生信号を送信するステップと、
第2制御モジュール(212)が電気制動装置(132)の残りの部分と通信する通信ネットワーク(323)に配置された第2生信号取得モジュール(312)が、電気制動装置(132)の前記残りの部分に前記生信号を送信するステップと
を備えることを特徴とする、請求項14又は15に記載の制御方法。
【請求項18】
電気制動装置(131、132)は、前記制動要請と前記生信号との間の記憶された対応関係に従って、受信された複数の制動要請を検証し、前記生信号に合致している前記制動要請に従うことを特徴とする、請求項14から17のいずれか一項に記載の制御方法。
【請求項19】
前記制御方法が、
検証用に制動要請を生成すべく、前記制動要請と前記生信号との間の対応関係を示す記憶された補正変数に従って、前記電気制動装置(131、132)によって、前記生信号を処理するステップをさらに備え、ここにおいて、
前記補正変数が、車両負荷状態と粘着係数との少なくとも一方に基づいていることを特徴とする、請求項18に記載の制御方法。
【請求項20】
前記生信号に合致している制動要請に従うステップが、
前記電気制動装置(131、132)によって、前記生信号と一致する前記制動要請によって示される目標制動力に従って、対応する車輪を制動又は解放するステップをさらに備えることを特徴とする、請求項18に記載の制御方法。
【請求項21】
異なる優先度を持つ前記少なくとも2つの制御モジュール(211、212、213)によって生成された制動要請に応答して、前記電気制動装置(131、132)によって、より高い優先度を有する制動要請に従うことを特徴とする、請求項15から20のいずれか一項に記載の制御方法。
【請求項22】
前記制御方法が、
前記制動要請の前記信頼性に従って、前記優先度を少なくとも2つのレベルに区別するステップをさらに備えることを特徴とする、請求項21に記載の制御方法。
【請求項23】
前記制動要請の信頼性に従って前記優先度を少なくとも2つのレベルに区別するステップが、
以下の条件、
前記制御モジュール(211、212)の、通信ネットワーク(321、322、323、324)と電力ネットワークとの少なくとも一方が完全性を失うことと、
前記制御モジュール(211、212)の機能が完全性を失うことと、
前記制御モジュール(211、212)が妥当な制動要請を生成できないことと
のうちの1つに応答して、前記制御モジュールの前記優先度の前記レベルを低減するステップをさらに備えることを特徴とする、請求項22に記載の制御方法。
【請求項24】
前記生信号は、前記車両の制動ペダル(22)と、パーキングスイッチと、非人間の操作システム又はモジュール(23)とのうちの1つ又はそれより多くによって生成されることを特徴とする、請求項14から23のいずれか一項に記載の制御方法。
【請求項25】
前記制御方法が、
前記生信号取得モジュール(311、312)の信号変換モジュールによって、前記生信号を前記電気制動装置(131、132)の通信ネットワークプロトコルに適合する情報に変換するステップをさらに備えることを特徴とする、請求項14から24のいずれか一項に記載の制御方法。
【請求項26】
前記制御方法が、
前記生信号取得モジュール(311)の電源管理モジュールによって、前記電気制動装置(131、132)の電源供給を管理するステップをさらに備えることを特徴とする、請求項14から25のいずれか一項に記載の制御方法。
【請求項27】
コンピュータ読み取り可能な媒体であって、前記コンピュータ可読媒体は、コンピュータ命令を記憶し、ここにおいて、
前記コンピュータ命令がプロセッサによって実行されると、請求項14から26のいずれか一項に記載の、制動システムの制御方法を実行することを特徴とする、コンピュータ読み取り可能な媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の制動技術に関し、特に、フォールトトレランス(故障などが生じても機能を保って稼働を継続する性能)を持つ車両用制動システム、制動システムの制御方法、及びコンピュータ可読媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
電気機械式制動(EMB)システムは、構造が簡単で応答が速く、環境に優しい車両制動システムであり、制動技術の将来の開発方向の1つである。
【0003】
エネルギー伝達媒体として気体又は液体を使用する従来の制動システムとは異なり、電気機械式制動システムのエネルギー伝達及び信号伝達は電気形式で実現され、その制動エネルギーは車両の電池又は発電機から来る。電池や発電機から出力された電気エネルギーは、車輪側に設けられた電気制動装置に伝達されて制動力を発生させる。電気制動装置は、制動力を発生する制動モータと、制動モータによって駆動される機械式伝達機構とを備えてもよい。ディスク制動において、機械式伝達機構は、キャリパを駆動して制動ディスクをクランプすることにより、最終的に制動力を生成する。
【0004】
運転者が制動ペダルを踏むことによって生成される制動要求は、収集され、処理され、電気信号によって送信され、最終的に電気制動装置に到達する。電気制動装置は、制動モータを回転制御することにより機械式伝達機構を駆動し、制動要求に応じて制動パッドを押圧して制動ディスクに押し付けたり制動ディスクから離したりする。
【0005】
図1は、従来の電気機械式制動システムの概略図を示す。図1に示すように、電気機械式制動システムは、2つの冗長制御モジュール211、212を備えてよい。各制御モジュール211、212は、制動ペダルなどの制動要求入力装置22から制動要求(デマンド)を受信し、制動要請(リクエスト)を各電気制動装置131、332に送信して、制動要求に合致する制動力を生成してよい。
制御モジュール211、212は、CAN(コントローラエリアネットワーク、Controller Area Network)等の通信ネットワークを介して、車両の各車輪端に設けられた電気制動装置131、132に接続されている。冗長システムアーキテクチャでは、各電気制動装置131、132は、2つの制御モジュール211、212から2つの制動要請をそれぞれ受信してよい。それにより、制御モジュール211、212のどちらかが故障した場合でも、依然として制動システムの動作を保証する。
【0006】
しかしながら、電気制動装置131、132が受信した2つの制動要請が合致しない場合、あるいは互いに矛盾する場合であっても、制動要請の正当性を判断できないので、電気制動装置131、132が動作できない場合があるという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、
従来技術の欠点を克服することと、
車両の高耐性制動システムを提供することと、
制動システム用の高公差制御方法を提供することと、
前記車両制動システムの故障に対する耐性を向上させるコンピュータ可読媒体を提供することとの中で少なくともいずれか一つである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、本発明の課題は、独立請求項の特徴によって解決される。本発明によるさらなる好ましい実施形態は、従属請求項に見られる。
【0009】
一観点又はそれより多い観点の概要が、これらの観点の基本的理解を提供すべく、以下提示される。概要は、企図される観点の全ての広範な概要ではなく、全ての観点において鍵となる要部又は決定的な要素の特定を意図するものではない。概要の唯一の目的は、後に提示されるより詳細な説明の前置きとして、簡略化された形式で1つ又はそれより多い観点のいくつかの概念を提示することである。
【0010】
本発明による車両用制動システムは、少なくとも2つの制御モジュールと、車両の各車輪に設けられた電気制動装置とを備える。
各電気制動装置は、対応する車輪を制動又は解放するための制動要求に応答して生成された制動要請を少なくとも2つの制御モジュールから受信してよい。
制動システムは、制動要請を検証すべく、制動要求を示す生信号を取得して生信号を電気制動装置のうちの少なくとも1つに直接送信する、生信号取得モジュールをさらに備えてもよい。
【0011】
生信号取得モジュールの設置により、車両の各車輪端に設けられた電気制動装置に、車両の制動要求を示す生信号を追加的に提供できる。
生信号は、制御モジュールをバイパスし、制動ペダル又は非人間の操作システムもしくはモジュールなどの制動要求入力装置から直接取得され、電気制動装置に直接送信されるので、生信号は、制御モジュールと同様の故障の可能性を低減可能であり、それによって、電気制動装置に追加の基準情報を提供する。
したがって、電気制動装置は、受信した生信号に従って各制動要請の信頼性を検証できるので、制動システムに障害が発生した場合、又は制御モジュールによって生成された制動要請が合致していない場合、電気制動装置は依然として制動要求に合致する動作を実行可能であり、それによってシステムのフォールトトレランスを向上する。
【0012】
本発明の別の態様によれば、制動システムの制御方法も本明細書で提供される。
【0013】
本発明に係る制動システムの制御方法は、以下のステップ、
前記車両の各車輪に設けられた電気制動装置が、制動要求に応じて生成された少なくとも2つの制御モジュールからの制動要請を受信するステップと、
生信号取得モジュールによって、制動要請の検証用に、前記制動要求を示す生信号を取得して前記生信号を前記電気制動装置のうちの少なくとも1つに直接送信するステップと
を備えてよい。
【0014】
制御方法は、合致を欠いた(一貫性のない)冗長な制動要請の問題を解決するように構成され、それによって車両制動システムのフォールトトレランスを改善する。
上述したように、車両の制動要求を示す生信号を取得し、車両の各車輪端に設けられた電気制動装置に送信することにより、電気制動装置は、受信した生信号に基づいて各制動要請の信頼性を検証するように構成され、冗長な制御モジュールによって生成された制動要請が互いに合致していない場合、生信号に合致している制動要請に従ってよい。
【0015】
本発明の別の観点によると、コンピュータ可読媒体も本明細書で提供される。
【0016】
本発明によるコンピュータ可読媒体は、コンピュータ命令を記憶する。
コンピュータ命令がプロセッサによって実行されるとき、制動システムの制御方法は、合致を欠いた冗長な制動要請の問題を解決し、それによって車両制動システムのフォールトトレランスを改良するように実装されてよい。
【0017】
本発明の有利な発展形態は、特許請求の範囲、明細書及び図面から得られる。
【0018】
本明細書の冒頭で述べた特徴及び複数の特徴の組合せの有利点は、例として役立てるのであって、本発明による実施形態は、これらの有利点を必須とせずに、代替的に又は累積的に使用してよい。
【0019】
以下は、元の出願及び特許の開示(保護の範囲ではない)に関して適用される。
さらなる特徴は、図面から、特に、複数の構成要素の互いに対する図示された設計及び寸法から、ならびにそれらの相対的な配置及びそれらの動作可能な接続から得てよい。特許請求の範囲の選択された参照とは無関係に、本発明の異なる実施形態の特徴又は異なる特許請求の範囲の特徴の組合せも可能であり、これによって動機付けられる。
これはまた、別個の図面に示されている特徴、又はそれらを説明する際に言及されている特徴にも関する。これら特徴はまた、異なる請求項の特徴と組み合わせて得てよい。
さらに、付与された特許の独立請求項には適用されないものの、特許請求の範囲に記載された特徴を有していない、本発明のさらなる実施形態が、可能である。
【0020】
特許請求の範囲及び明細書において言及される特徴の数は、「少なくとも」という副詞を明示的に使用する必要なく、この正確な数及び言及された数よりも大きい数を包含すると理解されるべきである。例えば、ある要素が言及されるとき、その要素が正確に1個の場合もあり、その要素が2個又はそれよい多い個数ある場合を理解されたい。追加の特徴がこれらの特徴に加えられてもよく、又はこれらの特徴がそれぞれの製品の唯一の特徴であってもよい。
【0021】
請求項に含まれる参照符号は、当該請求項によって保護される事項の範囲を制限するものではない。参照符号の機能はただ、当該請求項の理解をわかりやすくするだけのものである。
【0022】
以下の図面と併せて本発明の実施形態の詳細な説明を読むと、本発明の上記の特徴及び利点をより良く理解できるだろう。それら図面において、様々な構成要素は必ずしも縮尺通りに描かれていないことがあり、同様の関連する特性又は特徴を有する構成要素は同じ又は同様の参照番号を持つことがある。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は、従来の電気機械式制動システムの概略図を示す。
図2図2は、本発明の一実施形態による車両用制動システムの概略図を示す。
図3図3は、本発明の一実施形態による各電気制動装置によって受信される制動要請の概略図を示す。
図4図4は、本発明の一実施形態による車両用制動システムの概略図を示す。
図5図5は、本発明の一実施形態による車両用制動システムの概略図を示す。
図6図6は、本発明の実施形態による制動システムの制御方法の概略フローチャートを示す。
図7図7は、本発明の一実施形態による、制動要請及び生信号に従って対応する車輪を制動又は解放する概略フローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の(複数)実施形態は、以下の詳細な説明において説明され、本発明の他の利点及び効果は、本開示から当業者に容易に明らかになるであろう。本発明の説明は、好ましい実施形態に関連して説明されるが、これは本発明を限定するものではなく、逆に、本発明は、本発明の実施形態において可能な他の代替形態又は修正形態を包含するように、実施形態に関連して説明される。本発明の完全な理解を提供するために、以下の説明には多くの具体的な詳細が含まれていて、本発明はこれらの詳細がなくても実施してよく、また、本発明を混乱させたり不明瞭にしたりすることを避けるために、いくつかの具体的な詳細は説明においては省略されている。
【0025】
従来技術の欠点を克服するために、本発明は、合致を欠いた冗長な制動要請の問題を解決し、それによって車両制動システムのフォールトトレランス(故障などが発生しても機能を保って稼働を継続できる性能)を向上する、車両用の高フォールトトレランス制動システムと、制動システムの制御方法と、コンピュータ可読媒体を提供する。
【0026】
図2を参照すると、図2は、本発明の一実施形態による車両用制動システムの概略図を示す。
【0027】
図2に示すように、本実施形態に係る車両の制動システムは、2つの制御モジュール211、212と、車両の各車輪に設けられた電気制動装置131、132と、生信号取得モジュール311とを備えてもよい。
【0028】
制御モジュール211、212は、車両の制動要求(デマンド)に応じて2つの独立した制動要請(リクエスト)を生成するように構成されている、互いに冗長な2つの中央コントローラであってもよい。
制動要求は、制動力の提供又はパーキングの実行など、制動システムが実行する必要がある動作を示し、制動ペダル22、パーキングスイッチ(図示せず)などを介して運転者によって車両の制動システムに入力されてよい。
制動要請は、受信された制動要求を処理した後に制御モジュール211、212によって生成され、制動要求は、対応する車輪に目標制動力を提供すること、又は診断、もしくは他の動作を実行することなど、電気制動装置が実行する必要がある動作を示す情報を備えてよい。
いくつかの実施形態では、目標制動力は、制動ディスクに対するキャリパの締付力、制動モータの回転角、スラスト板ストローク、又は制動パッドストロークなどの変数によって特徴付けられてもよい。
各電気制動装置131、132は、受信した制動要請が示す目標制動力に応じて、対応する動作を行って車輪を制動又は解放してもよい。選択的に、制動要請には、優先度を示す優先度情報がさらに付与されてもよい。
制御モジュール211、212は、生成された制動要請を各電気制動装置131、132に送信して、対応する動作を実行するように電気制動装置131、132を制御してもよい。
【0029】
電気制動装置131、132は、制動要請に応じた制動力を発生する制動モータと、制動モータによって駆動される機械式の伝達機構とを備えてもよい。制御モジュール211、212によって送信された2つの独立した制動要請を受信したことに応答して、それら要請が合致しているとき、各電気制動装置131、132は、制動モータを制御して、制動モータの回転角度を調整すること、スラスト板もしくは制動パッドのストロークを変更すること、又は制動ディスクに対するキャリパの締付力を変更することによって、対応する車輪に提供される制動力を調整できる。例えば、制動要請が示す目標制動力が0である場合、電気制動装置131、132は、対応する車輪を解放してもよい。
【0030】
2つの独立した制動要請が合致してしない場合、生信号取得モジュール311は、制動ペダル22、パーキングスイッチ(図示せず)などの入力装置の生信号を取得し、取得した生信号を車両の各車輪に設けられた電気制動装置131、132に送信して、各電気制動装置131、132が生信号に基づいて受信した各制動要請の信頼性を検証するように構成されてもよい。
生信号取得モジュール311は、上記機能を実現するためのチップ及び回路を備えてもよいが、これらに限定されない。生信号取得モジュール311は、別々にパッケージ化された電気モジュールとして構成されてもよく、あるいは制御モジュール211、212に統合されてもよい。
【0031】
一実施形態では、車両の各車輪に設けられた電気制動装置131、132は、具体的には、車両の前車軸の左車輪及び右車輪にそれぞれ設けられた2つの電気制動装置131と、車両の後車軸の左車輪及び右車輪にそれぞれ設けられた2つの電気制動装置132とを含んでもよい。
制御モジュール211、212は、コントロールエリアネットワーク(CAN)バスによって形成された通信ネットワークを介して、車両の各車輪に設けられた電気制動装置131、132とそれぞれ通信してもよい。
生信号取得モジュール311は、独立した通信ネットワーク320を介して、車両の各車輪に設けられた電気制動装置131、132と通信してもよい。
独立した通信ネットワーク320は、CANバス、ローカルインターコネクトネットワーク(LIN)バス、フレックスレイ(FlexRay)バス、又はメディアオリエンテッドシステムズトランスポート(MOST)バスからなる通信ネットワークを備えるが、これらに限定されない。
【0032】
一実施形態では、制動ペダル22、パーキングスイッチ(図示せず)などを介して運転者によって入力された制動要求に応答して、2つの制御モジュール211、212は、優先度情報を有する独立した制動要請をそれぞれ生成してよく、そして、生成された制動要請を車両の各車輪に設けられた電気制動装置131、132にそれぞれ送信してよい。
各電気制動装置131、132は、2つの制動要請の優先度情報を読み取り、優先度情報に従って制動要請の信頼性を判断してもよい。
具体的には、例えば、優先度は、制御モジュール211、212の動作状態、制動要請の合理性、通信ネットワーク及び/又は電力供給ネットワークの完全性などによって決定されてよい。
両方の制動要請の優先度が最も高いレベル1である場合には、同じ信頼度である可能性があり、どちらかの制動要請の優先度が低下している場合、例えば、優先度が低いレベル2である場合には、相対的に低い信頼度を持つとしてよい。
各電気制動装置131、132は、優先度の高い制動要請に応じて、対応する動作を実行してもよい。
【0033】
2つの制動要請の優先度情報が同じであることに応答して、各電気制動装置131、132は、2つの制動要請が同じであるかどうかをさらに比較してもよい。代替的に、比較順序は、最初に制動要請を比較し、次に優先度を比較することであってもよい。
目標制動力を例にとると、2つの制動要請によって示される目標制動力が同じである場合、各電気制動装置131、132は、制動要請によって示される目標制動力に従って、対応する車輪を制動又は解放すべく、制動パッドを強く押すか、又は制動ディスクから離すように機械伝達機構を駆動してよい。
【0034】
優先度の決定に関して、例えば、制御モジュール211、212は、電気制動装置131又は132との通信喪失又はそれ自体の電源の故障、制動要求の処理又は制動要請の生成の失敗、すなわち、機能完全性の喪失、制動要求に応じて妥当な制動要請を生成することの失敗などの予め定めておいたエラー状況に応答して、それ自体によって生成された制動要請の優先度レベルを下げてよい。
【0035】
しかしながら、制御モジュール211、212がそれらの優先度レベルを適切に下げられない場合、あるいは2つの制御モジュール211、212がそれらの制動要請を同じ優先度に下げるが、制動要請によって示される目標制動力が異なる場合、各電気制動装置131、132は、生信号取得モジュール311によって送信された生信号に応じて2つの制動要請の信頼性をさらに検証してよい。
【0036】
図2及び図3を併せて参照すると、図3は、本発明の一実施形態による各電気制動装置によって受信される制動要請の概略図を示す。
【0037】
図3に示すように、各電気制動装置131、132は、通信ネットワークを介して制御モジュール211、212から送信された制動要請を取得してよい。
制動要請は、電気制動装置131、132の動作を指示する情報を備えてよく、選択的に、それらの優先度を示す優先度情報を備えてよい。
【0038】
同時に、各電気制動装置131、132は、独立した通信ネットワーク320を介して、生信号取得モジュール311が送信した生信号を取得してもよい。
生信号は、車両の制動ペダル22から生信号取得モジュール31によって直接収集されたペダル変位信号であってもよい。
生信号は、制御モジュール211、212によって処理されず、生信号取得モジュール311によって、独立した通信ネットワーク320を介して各電気制動装置131、132に直接送信される。
そのため、生信号は、制御モジュール211、212のエラー状態に影響されず、それによって、電気制動装置131、132の信頼できる基準情報を提供する。
【0039】
制動ペダル22又はパーキングスイッチなどの人間操作入力装置に加えて、生信号取得モジュール311は、車両のアンチロック制動システム(ABS)、加速スリップ調整(ASR)システム、自律緊急制動(AEB)システム、及び無人運転システムなどの非人間の操作システム又はモジュールから生信号を取得してもよく、それによって、制動システムの拡張性及びフォールトトレランスの向上に、電気制動装置131、132に異なる情報源から基準情報を提供する。
【0040】
電気制動装置131、132が生信号を利用する例示的な実施形態として、制御モジュール211によって生成された制動要請は、値Xの目標制動力を生成するように指示してよく、制御モジュール212によって生成された制動要請は、値Yの目標制動力を生成するように指示してよい。XとYとの間の偏差は、妥当な誤差範囲よりも大きい。
制動要請が優先度情報を持っていないか、又は同じ優先度レベルを持つ場合、車両の車輪端に設けられた電気制動装置131は、生信号取得モジュール311によって送信された生信号を読み取って、2つの制動要請を検証する必要がある。
【0041】
生信号が制動ペダル22からの信号である場合、生信号は、運転者が制動ペダルを踏み込んだ深さを示すペダルセンサによって得られた値、例えば、ペダルの実際の変位位置、ペダルの実際の変位量、ペダルの全変位の割合などであってもよい。
電気制動装置131は、予め記憶された生信号と目標制動力との対応関係、例えば、ペダルの実際の変位又はパーセンテージとの目標制動力曲線に従って、生信号によって示される目標制動力Zを計算し、それをX及びYと比較してそれらの正確さを検証して、アービトレーション(周辺機器や拡張ボードが1つのバスを占有しないよう調停すること)のような方法で判断を行ってよい。
電気制動装置131は、Zに合致しているか、又は妥当な偏差範囲内の制動要請に従って、対応する車輪を制動してよい。
【0042】
当業者は、制動ペダル22からの信号を生信号として使用する提案が、本発明の特定の実装実施形態にすぎないことを理解するだろう。他の実施形態では、本発明の概念に基づいて、生信号取得モジュール311は、非人間の操作システム又はモジュールから生信号を取得し、取得した生信号を、生信号に合致している制動要請の決定のため、制御モジュール211、212によって生成された制動要請と比較できる次元に変換してもよい。
【0043】
当業者であれば、独立した通信ネットワーク320を介して車両の各車輪に設けられた電気制動装置131、132と通信する生信号取得モジュール311が、他の通信ネットワークから完全に独立した信号を提供してもよいことも理解するだろう。
しかしながら、上記の提案は本発明の特定の実施形態に過ぎず、主に本発明の概念を明確に示し、公衆が実施するのに便利な特定の解決策を提供するために使用されていて、本発明の保護範囲を限定するものではない。
他の実現可能な解決策は、生信号取得モジュール311が任意の制御モジュール211、212の通信ネットワークを介して各電気制動装置131、132と通信してよいこと、すなわち、生信号取得モジュール311が制御モジュール211、212と通信ネットワークを共有してシステムコストを低減してよいことをさらに備えてよい。
【0044】
図4を参照すると、図4は、本発明の一実施形態による車両用制動システムの概略図を示す。
【0045】
車両の制動システムは、2つの生信号取得モジュール311、312を備えてもよい。
2つの生信号取得モジュール311、312は、上記の実施形態において独立した通信ネットワークの形態で生信号を送信してもよく、そして、制御モジュール211、212の通信ネットワーク321、323をそれぞれ共有して電気制動装置131、132と通信してもよい。
【0046】
図4に示すように、この実施形態では、車両の制動システムは、2つの生信号取得モジュール311、312を備えてよく、そして、非人間の操作システム又はモジュール23をさらに備えてよい。
非人間操作システム又はモジュール23は、車両のアンチロック制動システム(ABS)、加速スリップ調整(ASR)システム、自律緊急制動(AEB)システム、及び無人運転システムのうちの1つ又は複数を備えるが、これらに限定されず、そして、人間の操作なしに制動要求を自動的に生成してよい。
【0047】
制御モジュール211は、CANバスによって形成された通信ネットワーク321を介して、車両の2つの前輪に設けられた2つの電気制動装置131とそれぞれ通信してよい。
制御モジュール211は、通信ネットワーク322を介して、車両の2つの後輪に設けられた2つの電気制動装置132とそれぞれ通信してよい。
生信号取得モジュール311は、通信ネットワーク321に設けられ、車両の2つの前輪に設けられた2つの電気制動装置131に生信号を送信するように構成されてもよい。
【0048】
制御モジュール212は、CANバスによって形成された通信ネットワーク323を介して、車両の2つの後輪に設けられた2つの電気制動装置132とそれぞれ通信してよい。
制御モジュール212は、通信ネットワーク324を介して、車両の2つの前輪に設けられた2つの電気制動装置131とそれぞれ通信してよい。
生信号取得モジュール312は、通信ネットワーク323内に設けられてもよく、車両の2つの後輪に設けられた2つの電気制動装置132に生信号を送信するように構成されてもよい。
【0049】
制動ペダル22あるいは非人間の操作システム又はモジュール23によって生成された制動要求に応答して、2つの制御モジュール211、212は、それぞれ独立した制動要請を生成してよい。
制御モジュール211は、それによって生成された制動要請を、通信ネットワーク322を介して車両の2つの前輪に設けられた電気制動装置131にそれぞれ送信してよく、それによって生成された制動要請を、通信ネットワーク321を介して車両の2つの後輪に設けられた電気制動装置132にそれぞれ送信できる。
制御モジュール212は、それによって生成された制動要請を、通信ネットワーク323を介して車両の2つの前輪に設けられた電気制動装置131にそれぞれ送信してよく、それによって生成された制動要請を、通信ネットワーク324を介して車両の2つの後輪に設けられた電気制動装置132にそれぞれ送信できる。
【0050】
制御モジュール211、212によって送信された2つの独立した制動要請を受信したことに応答して、それらが合致しているとき、各電気制動装置131、132は、制動モータを制御して、対応する車輪に提供される制動力を調整するか、又は制動モータの回転角度を調整する、スラスト板又は制動パッドのストロークを変更する、及び制動ディスクに対するキャリパのクランプ力を変更するなどの方法で他の動作を実行できる。
2つの独立した制動要請が合致してしない場合、前述の実施形態において生信号がそれを検証するために使用される方法を参照することによって、後続のために正しい制動要請が選択されてもよく、詳細は本明細書において再び説明されない。
【0051】
一実施形態では、制動要請は優先度情報を運んでもよい。
各電気制動装置131、132は、2つの制動要請の優先度情報を読み取り、優先度情報に基づいて制動要請の信頼性を判断してもよい。
具体的には、例えば、優先度は、制御モジュール211、212の動作状態と、制動要求の合理性と、通信ネットワークと、電力供給ネットワークの完全性との少なくともいずれかやその他によって決定され得る。
両方の制動要請が、最高の優先度を示すレベル1の優先度を有するとき、それらは同じ信頼性を持つとしてよい。
どちらかの制動要請の優先度が低下している場合、例えば、より低い優先度を示すレベル2に低下している場合、それは相対的に低い信頼性を持つとしてよい。
各電気制動装置131、132は、優先度の高い制動要請に応じて対応する動作を実行してもよい。
【0052】
優先度の決定方法は、制御モジュール211、212に予め記憶されていてもよい。
例示的に、制御モジュール211、212は、電気制動装置131又は132との通信喪失、又はそれ自体の電源の故障に応答して、すなわち、制御モジュール211、212の通信ネットワーク又は電力ネットワークがその整合性を失うことに応答して、わずかなエラーを示すレベル2にそれらの優先順位を下げてよい。
制御モジュール211、212は、制動要求を処理できない、又は制動要請を生成できない、すなわち機能が完全性を失うことに応答して、重大なエラーを示すレベル3に優先順位を下げてよく、そして制御モジュール211、212は、制動要求に基づいて妥当な制動要請を生成できないなどの所定のエラー状態に応答して、優先順位を下げてよい。
本発明における優先度の説明は、本発明の概念を明確に示すために使用されるにすぎず、本発明を限定することを意図するものではないことに留意されたい。
本発明では、2レベルより大きい任意の数の優先順位設定を採用してもよい。
優先度を下げる提案は、実際のシステム要件に応じて調整されてもよい。
【0053】
制御モジュール211、212がそれら自体の優先度レベルを適切に下げられない場合、又は2つの制御モジュール211、212が、それらによって生成された制動要請を同じ優先度に下げるが、制動要請が異なる場合、各電気制動装置131、132は、生信号取得モジュール311、312によって送信された生信号に応じて2つの制動要請の信頼性を検証してもよいことが理解されよう。
【0054】
具体的には、車両の2つの前輪に設けられた2つの電気制動装置131は、通信ネットワーク321を介して、生信号取得モジュール311によって送信された生信号を取得してよい。
車両の2つの後輪に設けられた2つの電気制動装置132は、通信ネットワーク323を介して、生信号取得モジュール312によって送信された生信号を取得してよい。
生信号は、車両制動ペダル22と、パーキングスイッチ(図示せず)と、非人間の操作システム又はモジュール23の中の1つ又は複数によって生成される信号を備えてよい。
生信号は、制御モジュール211、212によって処理されずに、生信号取得モジュール311、312によって、通信ネットワーク321、323を介して電気制動装置131、132に直接送信される。そのため、生のペダル信号は、一貫した誤差を生成するために、制御モジュール211、212の誤差状態によって影響されなくてもよい。
【0055】
一実施形態では、各電気制動装置131、132は、制動要請と生信号との間の対応関係を記憶してよい。
この対応関係は、制動要請と生信号とを異なる次元で直接相関してよい。
各電気制動装置131、132は、生信号に対して演算処理を行うのではなく、対応関係に従って生信号に対応する制動要請の妥当な範囲を取得してよく、それによって、制御モジュール211、212によって生成された制動要請を検証できる。
その結果、電気制動装置131、132の演算負荷を低減して、全体の応答速度を向上するだろう。
【0056】
各電気制動装置131、132は、制動要請と生信号との対応関係を示す補正変数をさらに記憶してもよい。補正変数は、特に限定されるものではないが、車両の積載状態や路面付着係数に基づくものである。
車両負荷状態は、限定はしないが、負荷容量、乗客の総重量、又は車両の負荷分布を含む。
その目的は、異なる車両負荷状態及び路面の粘着係数に応答して、生信号取得モジュール311、212によって収集された生信号に対応する基準制動要請が、補正変数によって処理された後に制御モジュール211、212によって生成された実際の制動要請から逸脱してもよいことである。そのため、電気制動装置131、132のそれぞれは、制御モジュール211、212によって生成された制動要請との比較及び検証のために、生信号を処理して制動要請を生成するために、制御モジュール211、212の動作と同じ動作又は動作の一部を使用してよく、これは、迅速かつ正確な判断により役立つ。
車両負荷状態及び粘着係数は、当業者に周知のアルゴリズムによって推定されてもよく、ここでは繰り返さない。
【0057】
具体的には、車両の制動システムの制御モジュール211、212が制動要請を発行するとき、それらは、車両の負荷状態及び路面の粘着係数に従って基準制動要請に基づいて各電気制動装置131、132に送信される制動要請を適切に調整できる。
各電気制動装置131、132は、制御モジュール211、212から受信した車両の荷重状態と路面付着係数の少なくとも一方と、生信号取得モジュール311、312から受信した生信号とに基づいて制動要請を生成してよい。
各電気制動装置131、132は、生成された制動要請を、制御モジュール211、212から直接受信した制動要請と比較してよい、このことにより、生成された制動要請の精度をより正確に判断できる。
【0058】
選択的に、一実施形態では、生信号取得モジュール311、312は、信号変換モジュール(図示せず)をさらに備えてよい。
信号変換モジュールは、収集された生信号を、各電気制動装置131、132の通信ネットワークプロトコル(例えば、CANバス通信プロトコル)に適合する情報フォーマットに変換して、異なる通信プロトコルを使用する異なるソースからの生信号と互換性があり、電気制動装置131、132の計算負荷を低減するように構成されてもよい。
【0059】
当業者は、2つの制御モジュール211、212のみを備える制動システムが、本発明による特定の実施形態にすぎず、主に本発明の概念を明確に示すために使用され、本発明の保護範囲を限定するのではなく、公衆が実施するのに便利な特定の提案を提供するために使用されることを理解するだろう。他の実施形態では、多軸車両の場合、車両の制動システムは、車軸に対応する3つ以上の制御モジュールと生信号取得モジュール311とを備えてもよい。
生信号取得モジュール311は、制御モジュールと電気制動装置との間の通信ネットワークに配置されてもよく、通信ネットワークを介して各電気制動装置と通信する。
【0060】
図5を参照すると、図5は、本発明の一実施形態による車両用制動システムの概略図を示す。
【0061】
図5に示す実施形態において、制御モジュール211は、対応する通信ネットワーク(図示せず)を介して、車両の各車輪に設けられた電気制動装置131から133とそれぞれ通信してもよい。
制御モジュール212は、対応する通信ネットワーク325を介して、車両の各車輪に設けられた電気制動装置131から133とそれぞれ通信してもよい。
制御モジュール213は、対応する通信ネットワーク(図示せず)を介して車両の各車輪に設けられた電気制動装置131から133と通信してもよい。
生信号取得モジュール311は、通信ネットワーク325に設けられ、車両の各車輪に設けられた電気制動装置131から133に生信号を送信するように構成されてもよい。
【0062】
3つの制御モジュール211から213は、制動ペダル22、パーキングスイッチ(図示せず)又は他の装置を介して運転者によって入力された制動要求に応答して、それぞれ独立した制動要請を生成し、対応する通信ネットワークを介して車両の各車輪に設けられた電気制動装置131から133にそれぞれ生成された制動要請を送信してもよい。
選択的に、生成された制動要請には、優先度を示す優先度情報が付与されていてもよい。
【0063】
3つの制御モジュール211から213によって生成された制動要請が合致している場合、電気制動装置131から133は、制動要請に従って動作を実行してもよい。
生成された3つの制動要請が全て合致していない場合、電気制動装置131から133は、さらに、生信号取得モジュール311によって送信された生信号を参照して制動要請を検証してもよい。
【0064】
制動要請に優先度を示す優先度情報が付加されている場合、電気制動装置131から133のそれぞれは、3つの制動要請の優先度情報を読み出し、優先度情報に基づいて制動要請の信頼性を判定してもよい。
具体的には、例えば、優先度は、制御モジュール211から213の動作状態、制動要請の合理性、通信ネットワークと電力供給ネットワークの完全性との少なくとも一方、その他などによって決定されてよい。
3つの制動要請の全てが最も高い優先度を示すレベル1の優先度を持つ場合、それらは同じ信頼性を有し、いずれかの制動要請の優先度が低下している場合、例えば、より低い優先度を示すレベル2に低下している場合、より低い信頼性を持つとしてよい。
各電気制動装置131から133は、優先度の高い制動要請に応じて対応する動作を実行してもよい。
【0065】
3つの制動要請の優先度情報が同じであることに応答して、電気制動装置131から133のそれぞれは、3つの制動要請が同じであるかどうかをさらに判定してもよい。
3つの制動要請が同じである場合、電気制動装置131から133のそれぞれは、制動要請によって示される目標制動力に従って、機械伝達機構を駆動して制動パッドを押して制動ディスクに押し付けたり制動ディスクから離したりして、対応する車輪を制動したり解放したり、対応する動作を行ったりしてもよい。
【0066】
3つの制動要請の優先度情報が同じであるが、表示された目標制動力が異なる場合、制動システムに発生したエラー状態が表示される。
このとき、各電気制動装置131から133は、生信号取得モジュール311によって送信された生信号に基づいて、3つの制動要請の信頼性を検証してよい。
【0067】
生信号は、制御モジュール211から213によって処理されず、生信号取得モジュール311によって、通信ネットワーク325を介して電気制動装置131から133に直接送信される。そのため、生信号は、一貫した誤差を生成すべく、制御モジュール211から213の誤差状態によって影響されないとしてよい。
【0068】
電気制動装置131から133のそれぞれは、制動要請と生信号との間の対応関係を記憶してよい。対応関係は、制動要請と生信号とを異なる次元で直接相関させてよい。
各電気制動装置131から133は、生信号に対して演算処理を実行しなくてもよいが、対応関係に従って生信号に対応する制動要請の妥当な範囲を取得し、それによって、制御モジュール211から213によって生成された制動要請の正確性を検証してもよい。
その結果、電気制動装置131から133の演算負荷が低減し、全体の応答速度を向上するだろう。
【0069】
選択的に、上記の実施形態のいずれかに基づいて、生信号取得モジュールは、電力管理モジュール(図示せず)をさらに備えてよい。
電力管理モジュールは、各電気制動装置の電力供給を管理するように構成されてもよい。
【0070】
具体的には、電力管理モジュールは、1つ以上の制御モジュールが電気制動装置の電力供給を保証できない場合、電気制動装置に電力を供給するスイッチを開状態に維持してよく、それによって、電気制動装置の電力供給回路がオンにできることを確実にする。
電力管理モジュールは、車両電池又は制動システムの独立電源など、電気制動装置の電源をさらに管理してよい。
例えば、電力管理モジュールは、電力供給信号を車両電池に送信して、電気制動装置に電力を供給するか、又は制動システムの独立電源を充電し、それによって電気制動装置のエネルギー源を確保してよい。
【0071】
当業者であれば、上記の実施形態で説明した制御モジュール211から213は、ソフトウェアとハードウェアの組合せによって実装できることを理解するだろう。
他の実施形態では、制御モジュール211から213は、ソフトウェア又はハードウェアによって別々に実装されてもよい。
ハードウェア実装の場合、制御モジュール211から213が、上記の機能の実行に、1つ又は複数の、特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、プログラム可能論理装置(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、他の電子装置において使用されてよいし、又は上記の装置の選択された組合せで、制御モジュール211から213が使用されてよい。
ソフトウェア実装の場合、制御モジュール211から213は、汎用チップ上で実行される手順及び機能などの独立したソフトウェアモジュールによって実装されてよく、各モジュールは、本明細書で説明する機能及び動作のうちの1つ又は複数を実行されてよい。
【0072】
本発明の別の態様によれば、制動システムの制御方法の実施形態も本明細書で提供される。
【0073】
図6を参照すると、図6は、本発明の実施形態による制動システムのための制御方法の概略フローチャートを示していて、以下のステップを含む。
601 車両の各車輪に設けられた電気制動装置によって、制動要求に応答して生成された少なくとも2つの制御モジュールからの制動要請を受信するステップ。
602 制動要請の検証用に、生信号取得モジュールにより、前記制動要求を示す生信号を取得し、前記生信号を前記電気制動装置の少なくとも1つに直接送信するステップ。
603 車両の各車輪に設けられた電気制動装置によって、検証結果に応じて、生信号に対応する制動要請に従うステップ。
【0074】
選択的に、少なくとも2つの制御モジュールによって生成された制動要請は、各電気制動装置によって実行される必要がある動作を示すための情報を備えてよい。
選択的に、制動要請は、優先度を示すための優先度情報を備えてよい。
各電気制動装置は、各制動要請内の優先度情報を読み取って、制動要請の信頼性を検証してもよい。
【0075】
具体的には、優先度の異なる少なくとも2つの制御モジュールによって生成された制動要請に応答して、車両の各車輪に設けられた電気制動装置は、優先度の高い制動要請に従ってよい。優先度のない又は同じ優先度の少なくとも2つの制御モジュールによって生成された、合致していない制動要請に応答して、各電気制動装置は、生信号に基づいて制動要請を検証してよい。
【0076】
図7を参照すると、図7は、本発明の実施形態による、制動要請及び生信号に応じて、対応する車輪を制動又は解放する概略フローチャートを示す。
【0077】
図7に示すように、各電気制動装置は、少なくとも2つの制御モジュールによって生成された制動要請に応答して、まず、それら制動要請が合致しているか否かを判定してもよい。
合致している場合、各電気制動装置は制動要請に従ってよい。
合致していない場合、各電気制動装置は、制動要請の優先度を比較し、優先度が異なる場合には、優先度の高い制動要請に従うようにしてもよい。
優先度が同じである場合、制動要請は、生信号取得モジュールによって収集された生信号によって検証されてもよい。
生信号に対応する制動要請が決定され、追跡されてもよい。
例示的に、生信号は、生信号取得モジュールによって車両の制動ペダルから直接収集されたペダル変位信号であってもよい。
【0078】
当業者は、この実施形態において提供される車両の制動システムの制御方法が、独立して、又は車両制御ユニット(VCU)もしくは車両の車載コンピュータと協働して、制動システムによって実施してよいことを理解するだろう。
【0079】
選択的に、いくつかの実施形態において、車両の制動システムの制御方法は、対応する技術的効果を得るために、上記の異なる実施形態において提供される車両制動システムのための対応する実施ステップをさらに備えてよい。これについては、本明細書において再度説明しない。
【0080】
本発明の別の態様によれば、コンピュータ可読媒体の一実施形態も本明細書で提供される。
【0081】
本実施例で提供されるコンピュータ可読媒体は、コンピュータ命令を記憶可能であり、コンピュータ命令がプロセッサによって実行されるとき、上記実施例のいずれかによって提供される制動システムの制御方法は、合致を欠いた冗長な制動要請の問題を解決し、それによって車両制動システムのフォールトトレランスを改善するために実施してよい。
【0082】
当業者は、本明細書で開示される実施形態に関連して説明される様々な例示的な論理ブロック、モジュール、回路、及びアルゴリズムステップが、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、又はその2つの組合せとして実装してよいことを理解するだろう。
ハードウェア及びソフトウェアの交換能力を明確に示すために、様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路、及びステップが、一般的に機能形式で、上記で説明されている。そのような機能をハードウェアとして実装するか、ソフトウェアとして実装するかは、特定の適用例及び全体的なシステムに課される設計制約に依存する。当業者は、説明された機能を特定のアプリケーションごとに様々な方法で実装してよいが、そのような実装の決定は、本発明の範囲からの逸脱を引き起こすものとして解釈されるべきではない。
【0083】
本明細書で開示される実施形態に関連して説明される様々な例示的な論理モジュール及び回路は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、あるいは他のプログラマブル論理装置、個別ゲート又はトランジスタ論理、個別ハードウェア構成要素、又は本明細書で説明される機能を実行するように設計されたそれらの任意の組合せとともに使用してよく、実装又は実行されてよい。
汎用プロセッサはマイクロプロセッサであってもよいが、代替として、プロセッサは任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、又は状態機械であってもよい。
プロセッサはまた、DSPとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと協働する1つ又は複数のマイクロプロセッサ、又は任意の他のそのような構成など、コンピューティング装置の組合せとして実装してよい。
【0084】
本明細書で開示した実施形態に関して説明した方法又はアルゴリズムのステップは、直接ハードウェアで実施されるか、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールで実施されるか、又はその2つの組合せで実施されてよい。
ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD-ROM、又は当技術分野で知られている任意の他の形態の記憶媒体中に存在してよい。
例示的な記憶媒体は、プロセッサが記憶媒体から情報を読み取り、記憶媒体に情報を書き込めるように、プロセッサに結合される。代替として、この記憶媒体は、プロセッサに統合されてもよい。プロセッサ及び記憶媒体は、ASIC内に存在してもよく、ASICは、ユーザ端末内に存在してもよく、あるいは、プロセッサ及び記憶媒体は、ディスクリート部品としてユーザ端末内に存在してもよい。
【0085】
本開示の先述の説明は、当業者に本開示の作製又は使用を可能にすべく提供される。本開示に対する様々な修正は当業者には明らかであり、本明細書で定義される一般原理は、本開示の趣旨又は範囲から逸脱することなく他の変形形態に適用されてよい。そのため、本開示は、本明細書で説明する例及び設計に限定されるものではなく、本明細書で開示する原理及び新規の特徴の最も広い範囲が与えられるべきである。
【符号の説明】
【0086】
11 車両の電池
12 ウルトラキャパシタモジュール
131 電気制動装置
132 電気制動装置
133 電気制動装置
211 制御モジュール
212 制御モジュール
213 制御モジュール
22 制動ペダル
23 非人間操作システム又はモジュール
311 生信号取得モジュール
312 生信号取得モジュール
320 通信ネットワーク
321 通信ネットワーク
322 通信ネットワーク
323 通信ネットワーク
324 通信ネットワーク
325 通信ネットワーク
601 ステップ
602 ステップ
603 ステップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】