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特表2023-508440溶液工程でのPNAオリゴマーの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-02
(54)【発明の名称】溶液工程でのPNAオリゴマーの製造方法
(51)【国際特許分類】
   C07K 2/00 20060101AFI20230222BHJP
【FI】
C07K2/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022539282
(86)(22)【出願日】2020-12-22
(85)【翻訳文提出日】2022-07-14
(86)【国際出願番号】 KR2020018912
(87)【国際公開番号】W WO2021133033
(87)【国際公開日】2021-07-01
(31)【優先権主張番号】10-2019-0174492
(32)【優先日】2019-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522253210
【氏名又は名称】シーサンバイオ マテリアルズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パク,ヒ ギョン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヨンテ
(72)【発明者】
【氏名】チョン,ジュヒョン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン,ジンウ
(72)【発明者】
【氏名】ホン,イン ソク
【テーマコード(参考)】
4H045
【Fターム(参考)】
4H045AA10
4H045AA20
4H045BA54
4H045FA32
4H045FA57
4H045GA01
(57)【要約】
本発明は、PNAオリゴマーを製造する方法を提供する。より具体的には、PNAブロックとPNAブロックを溶液相で反応させてPNAオリゴマーを製造するステップを含み、簡単な溶液工程におり、驚くべき向上した純度および収率で目的のPNAオリゴマーを製造することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
PNAブロックとPNAブロックを溶液相で反応させ、PNAオリゴマーを製造するステップを含み;
前記PNAブロックは、異なるかもしくは同一である2つ以上のPNA単量体が結合されたものである、PNAオリゴマーの製造方法。
【請求項2】
カップリング試薬および溶媒の存在下で、
下記化学式1で表される第1PNA二量体、下記化学式2で表される第1PNA三量体、または下記化学式3で表される第1PNA四量体に、下記化学式4で表される第2PNA二量体、下記化学式5で表される第2PNA三量体、または下記化学式6で表される第2PNA四量体を混合した後、アミン化合物を添加して、下記化学式7~9で表されるPNAオリゴマーを製造するステップを含む、請求項1に記載のPNAオリゴマーの製造方法。
(前記化学式1~9中、
~AおよびA11~A14は、互いに独立して、互いに異なるかもしくは同一の核酸塩基を含むPNA単量体であり;
~P18は、互いに独立して、水素、または互いに異なるかもしくは同一の保護基であり、PとP、PとP、PとP、P11とP12、P13とP14、P15とP16、およびP17とP18のそれぞれが同時に水素である場合は除き、
aおよびbは、互いに独立して、1の整数であり、cおよびdは、互いに独立して、0または1の整数である。)
【請求項3】
a)カップリング試薬および溶媒の存在下で、
下記化学式1-1で表される第1PNA二量体、下記化学式2-1で表される第1PNA三量体、または下記化学式3-1で表される第1PNA四量体に、下記化学式4-1で表される第2PNA二量体、下記化学式5-1で表される第2PNA三量体、または下記化学式6-1で表される第2PNA四量体を添加して混合液を得るステップと、
b)前記ステップの混合液にアミン化合物を添加して、前記化学式7~9の化合物を製造するステップと、を含む、請求項2に記載のPNAオリゴマーの製造方法。
(前記化学式1-1、2-1、3-1、4-1、5-1、および6-1中、
~AおよびA11~A14は、互いに独立して、互いに異なるかもしくは同一の核酸塩基を含むPNA単量体であり;
、P、P、P、P、およびP11は、互いに独立して、水素、または互いに異なるかもしくは同一の保護基であり;
~Xは、互いに独立して、酸性塩であり;
aおよびbは、互いに独立して、1の整数であり、cおよびdは、互いに独立して、0または1の整数である。)
【請求項4】
前記アミン化合物がN,N-ジイソプロピルエチルアミンである、請求項2または3に記載のPNAオリゴマーの製造方法。
【請求項5】
前記b)ステップで得られた生成物をさらに出発物質として用いて、a)ステップおよびb)ステップを繰り返して行うステップをさらに含む、請求項3に記載のPNAオリゴマーの製造方法。
【請求項6】
前記混合液中の出発物質と溶媒の体積比が1:10以上である、請求項3に記載のPNAオリゴマーの製造方法。
【請求項7】
前記核酸塩基は、アデニン、シトシン、5-メチルシトシン、グアニン、チミン、ウラシル、プリン、2,6-ジアミノプリン、N-エタノシトシン、N-エタノ-2,6-ジアミノプリン、5-(C3-C6)-アルキニルウラシル、5-(C3-C6)-アルキニル-シトシン、5-(1-プロパルギルアミノ)ウラシル、5-(1-プロパルギルアミノ)シトシン、フェノキサジン、9-アミノエトキシフェノキサジン、5-フルオロウラシル、シュードイソシトシン、5-(ヒドロキシメチル)ウラシル、5-アミノウラシル、シュードウラシル、ジヒドロウラシル、5-(C1-C6)-アルキルウラシル、5-(C1-C6)-アルキル-シトシン、5-(C2-C6)-アルケニルシトシン、5-フルオロシトシン、5-クロロウラシル、5-クロロシトシン、5-ブロモウラシル、5-ブロモシトシン、7-デアザアデニン、7-デアザグアニン、8-アザプリン、7-デアザ-7-置換されたプリン、チオウラシル、または人工核酸塩基である、請求項2または3に記載のPNAオリゴマーの製造方法。
【請求項8】
前記保護基は、フルオレニルメトキシカルボニル、3級-ブチルオキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、Bhoc(Benzhydryloxycarbonyl)、アセチル、ベンゾイル、ベンジル、カルバメート、p-メトキシベンジル、3,4-ジメトキシベンジル、p-メトキシフェニル、トシル、トリクロロエチルクロロホルメート、スルホンアミド、またはイソブチリルである、請求項2または3に記載のPNAオリゴマーの製造方法。
【請求項9】
前記第1PNA二量体または第2PNA二量体は、下記化学式11で表され、
前記第1PNA三量体または第2PNA三量体は、下記化学式12で表され、
前記第1PNA四量体または第2PNA四量体は、下記化学式13で表される、請求項2に記載のPNAオリゴマーの製造方法。
(前記化学式11および13中
~R18は、互いに独立して、水素、アミノ酸の残基または置換基を有するアミノ酸残基であり;
~Tは、互いに独立して、アミン保護基であり;
~Zは、互いに独立して、ヒドロキシ保護基であり;
~Bは、互いに独立して、アミン保護基を含むかもしくは含まない核酸塩基である。)
【請求項10】
前記化学式1-1で表される第1PNA二量体、前記化学式2-1で表される第1PNA三量体、または前記化学式3-1で表される第1PNA四量体1当量に対して、前記化学式4-1で表される第1PNA二量体、前記化学式5-1で表される第1PNA三量体、または前記化学式6-1で表される第1PNA四量体が1:0.8~1.2モルで用いられる、請求項3に記載のPNAオリゴマーの製造方法。
【請求項11】
前記カップリング試薬が、HBTU、PyBop、またはこれらの混合物である、請求項2または3に記載のPNAオリゴマーの製造方法。
【請求項12】
前記b)ステップは、-10~5℃で10~60分間行われる、請求項3に記載のPNAオリゴマーの製造方法。
【請求項13】
前記溶媒が、クロロ化(C1-C4)アルカン、DMF、およびDIEAの混合溶媒である、請求項2または3に記載のPNAオリゴマーの製造方法。
【請求項14】
前記製造された化学式7~9の化合物に水を添加して分離精製するステップをさらに含む、請求項2に記載のPNAオリゴマーの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶液工程でのPNAオリゴマーの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
核酸は、公知されているように、生物の遺伝情報を担当するDNAおよびRNAである。
【0003】
これに対し、ペプチド核酸(PNA)は、核酸の糖リン酸骨格をN-(2-アミノエチル)グリシン骨格に変換させた核酸である。
【0004】
DNA/RNAの糖リン酸骨格は、中性条件で負電荷を帯びているため相補鎖(complementary chains)間の静電気的な反発があるが、PNAの骨格構造(backbone structure)は元々電荷を有さないため、静電気的な反発がない。
【0005】
すなわち、PNA主鎖が実質的に電荷を全く有さないが、これは、PNAの非常に重要な特徴であり、かかる特徴により、天然オリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチド誘導体が使用されにくい多くの用途に用いられることができる。
【0006】
さらには、PNAは、天然オリゴヌクレオチドより高い親和性によりDNAまたはRNAと結合し、天然DNAに比べて血清中で非常に安定的であるという利点を有する。
【0007】
しかし、PNAの活用に対する関心と研究は多様となり、高くなっているが、PNAオリゴマーの合成方法についての研究は不十分な状態である。
【0008】
通常、PNAオリゴマーの合成方法としては固相(solid-phase)ペプチド合成法が用いられているため、PNA単量体ユニット(unit)をPNAの骨格構造によって分類すると、Fmoc型PNA単量体ユニットとBoc型PNA単量体ユニットの2種類に分類され得る。
【0009】
Fmoc型PNA単量体ユニットの合成方法は既に確立されているが、大量生産が容易ではないだけでなく、低い収率および純度が問題となっている。
【0010】
例えば、WO2005-009998A1に、高い収率で容易にPNAを合成できる単量体が公知されているが、多数の工程により、大量生産において経済的ではない。
【0011】
したがって、目的とするPNAを単純な工程により、高い純度および収率で効率的に製造することができる溶液工程でのPNAオリゴマーの製造方法が必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、簡単な溶液工程により、驚くべき向上した純度および収率で目的のPNAオリゴマーを製造する方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、単純な工程、容易な溶液工程で、極めて向上した純度および収率でPNAオリゴマーを製造することができる方法を提供するものであって、本発明のPNAオリゴマーの製造方法は、
PNAブロックとPNAブロックを溶液相で反応させてPNAオリゴマーを製造するステップを含み;
前記PNAブロックは、異なるかもしくは同一である2つ以上のPNA単量体が結合されていることを特徴とする。
【0014】
好ましくは、本発明のPNAオリゴマーの製造方法は、
カップリング試薬および溶媒の存在下で、
下記化学式1で表される第1PNA二量体、下記化学式2で表される第1PNA三量体、または下記化学式3で表される第1PNA四量体に、下記化学式4で表される第2PNA二量体、下記化学式5で表される第2PNA三量体、または下記化学式6で表される第2PNA四量体を混合した後、アミン化合物を添加し、下記化学式7~9で表されるPNAオリゴマーを製造するステップを含む。
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
(前記化学式1~9中、
~AおよびA11~A14は、互いに独立して、互いに異なるかもしくは同一の核酸塩基を含むPNA単量体であり;
~P18は、互いに独立して、水素、または互いに異なるかもしくは同一の保護基であり、PとP、PとP、PとP、P11とP12、P13とP14、P15とP16、およびP17とP18のそれぞれが同時に水素である場合は除き、
aおよびbは、互いに独立して、1の整数であり、cおよびdは、互いに独立して、0または1の整数である。)
【0024】
好ましくは、本発明の一実施形態に係るPNAオリゴマーの製造方法は、
a)カップリング試薬および溶媒の存在下で、
下記化学式1-1で表される第1PNA二量体、下記化学式2-1で表される第1PNA三量体、または下記化学式3-1で表される第1PNA四量体に、下記化学式4-1で表される第2PNA二量体、下記化学式5-1で表される第2PNA三量体、または下記化学式6-1で表される第2PNA四量体を添加して混合液を得るステップと、
b)前記ステップの混合液にアミン化合物を添加し、前記化学式7~8で表される化合物を製造するステップと、を含む。
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
(前記化学式1-1、2-1、3-1、4-1、5-1、および6-1中、
~AおよびA11~A14は、互いに独立して、互いに異なるかもしくは同一の核酸塩基を含むPNA単量体であり;
、P、P、P、P、およびP11は、互いに独立して、水素、または互いに異なるかもしくは同一の保護基であり;
~Xは、互いに独立して、酸性塩であり;
aおよびbは、互いに独立して、1の整数であり、cおよびdは、互いに独立して、0または1の整数である。)
【0031】
好ましくは、本発明の一実施形態に係るアミン化合物は、これに制限されるものではないが、N,N-ジイソプロピルエチルアミンであってもよい。
【0032】
好ましくは、本発明の一実施形態に係るPNAオリゴマーの製造方法は、b)ステップで得られた生成物をさらに出発物質として用いて、a)ステップおよびb)ステップを繰り返して行うステップをさらに含んでもよい。
【0033】
より好ましくは、混合液中の出発物質と溶媒の体積比は1:10以上であってもよい。
【0034】
本発明の一実施形態に係る核酸塩基は、アデニン、シトシン、5-メチルシトシン、グアニン、チミン、ウラシル、プリン、2,6-ジアミノプリン、N-エタノシトシン、N-エタノ-2,6-ジアミノプリン、5-(C3-C6)-アルキニルウラシル、5-(C3-C6)-アルキニル-シトシン、5-(1-プロパルギルアミノ)ウラシル、5-(1-プロパルギルアミノ)シトシン、フェノキサジン、9-アミノエトキシフェノキサジン、5-フルオロウラシル、シュードイソシトシン、5-(ヒドロキシメチル)ウラシル、5-アミノウラシル、シュードウラシル、ジヒドロウラシル、5-(C1-C6)-アルキルウラシル、5-(C1-C6)-アルキル-シトシン、5-(C2-C6)-アルケニルシトシン、5-フルオロシトシン、5-クロロウラシル、5-クロロシトシン、5-ブロモウラシル、5-ブロモシトシン、7-デアザアデニン、7-デアザグアニン、8-アザプリン、7-デアザ-7-置換されたプリン、チオウラシル、または人工核酸塩基であってもよい。
【0035】
本発明の一実施形態に係る保護基は、フルオレニルメトキシカルボニル、3級-ブチルオキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、Bhoc(Benzhydryloxycarbonyl)、アセチル、ベンゾイル、ベンジル、カルバメート、p-メトキシベンジル、3,4-ジメトキシベンジル、p-メトキシフェニル、トシル、トリクロロエチルクロロホルメート、スルホンアミド、またはイソブチリルであってもよい。
【0036】
好ましくは、本発明の一実施形態に係る第1PNA二量体または第2PNA二量体は、下記化学式11で表され、
前記第1PNA三量体または第2PNA三量体は、下記化学式12で表され、
前記第1PNA四量体または第2PNA四量体は、下記化学式13で表されるPNAオリゴマーの製造方法。
【0037】
【0038】
【0039】
(前記化学式11および13中
~R18は、互いに独立して、水素、アミノ酸の残基、または置換基を有するアミノ酸残基であり;
~Tは、互いに独立して、アミン保護基であり;
~Zは、互いに独立して、ヒドロキシ保護基であり;
~Bは、互いに独立して、アミン保護基を含むかもしくは含まない核酸塩基である。)
【0040】
本発明の一実施形態に係る化学式1-1で表される第1PNA二量体、前記化学式2-1で表される第1PNA三量体、または前記化学式3-1で表される第1PNA四量体1当量に対して、前記化学式4-1で表される第1PNA二量体、前記化学式5-1で表される第1PNA三量体、または前記化学式6-1で表される第1PNA四量体が1:0.8~1.2モルで用いられてもよい。
【0041】
好ましくは、本発明の一実施形態に係るカップリング試薬は、HBTU、PyBop、またはこれらの混合物であってもよく、b)ステップは、-10~5℃で10~60分間行われてもよい。
【0042】
本発明の一実施形態に係る溶媒は、クロロ化(C1-C4)アルカン、DMF、およびDIEAの混合溶媒であってもよい。
【0043】
本発明の一実施形態に係る化学式7~9の化合物に水を添加し、分離精製するステップをさらに含んでもよい。
【発明の効果】
【0044】
本発明のPNAオリゴマーの製造方法は、PNAブロックを製造し、PNAブロックとPNAブロックを反応させてPNAオリゴマーを製造することで、PNAの製造ステップを画期的に減少させて非常に経済的であるとともに、高い純度でPNAオリゴマーを製造することができる。
【0045】
具体的に、本発明のPNAオリゴマーの製造方法は、PNA二量体、PNA三量体、またはPNA四量体を用いて製造することで、PNA単量体を用いて製造する従来の方法に比べてより簡単な工程によりPNAオリゴマーの製造が可能であるだけでなく、目的とするPNAオリゴマーをより正確に製造することができる。
【0046】
したがって、本発明のPNAオリゴマーの製造方法は、PNA単量体を用いて製造する従来の方法に比べて、より短い工程ステップにより製造され、副産物からの分離が非常に容易であるため、製造されるPNAオリゴマーの収率および純度が極めて高い。
【0047】
さらに、本発明のPNAオリゴマーの製造方法は、全ての工程が溶液相で製造可能であるため、大量生産が可能であって、商業化に非常に有利である。
【0048】
また、本発明のPNAオリゴマーの製造方法は、PNAブロック、具体的に、PNA二量体、PNA三量体、またはPNA四量体を用いて製造することで、従来の方法に比べて非常に少量のPNA二量体、PNA三量体、またはPNA四量体を用いるため非常に経済的であり、高い収率で高純度のPNAオリゴマーを容易に大量生産および製造が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
図1】本発明の実施例20で製造されたPNAオリゴマーのHPLC測定結果である。
図2】本発明の比較例1で製造されたPNAオリゴマーのHPLC測定結果である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
以下、本発明のPNAオリゴマーの製造方法およびこれにより製造されたPNAオリゴマーについて詳述するが、この時に用いられる技術用語および科学用語において別に定義されない限り、この発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が通常理解している意味を有し、下記説明において本発明の要旨を不明瞭にする可能性のある公知機能および構成についての説明は省略する。
【0051】
本明細書に記載されたアミノ酸は、最も広義で用いられ、天然アミノ酸、例えば、セリン(Ser)、アスパラギン(Asn)、バリン(Val)、ロイシン(Leu)、イソロイシン(Ile)、アラニン(Ala)、チロシン(Tyr)、グリシン(Gly)、リシン(Lys)、アルギニン(Arg)、ヒスチジン(His)、アスパラギン酸(Asp)、グルタミン酸(Glu)、グルタミン(Gln)、スレオニン(Thr)、システイン(Cys)、メチオニン(Met)、フェニルアラニン(Phe)、トリプトファン(Trp)、プロリン(Pro)のみならず、アミノ酸変異体および誘導体のような非天然アミノ酸を含む。当業者であれば、この広い定義を考慮して、本明細書におけるアミノ酸として、例えば、L-アミノ酸;D-アミノ酸;アミノ酸変異体および誘導体などの化学修飾されたアミノ酸;ノルロイシン、β-アラニン、オルニチンなど、生体内でタンパク質の構成材料にならないアミノ酸;および当業者に公知のアミノ酸の特性を有する、化学的に合成された化合物などが挙げられることを理解することができる。非天然アミノ酸の例として、スレオニン誘導体Aの他に、α-メチルアミノ酸(α-メチルアラニンなど)、D-アミノ酸、ヒスチジン類似アミノ酸(2-アミノ-ヒスチジン、β-ヒドロキシ-ヒスチジン、ホモヒスチジン、α-フルオロメチル-ヒスチジン、およびα-メチル-ヒスチジンなど)、側鎖に余分のメチレンを有するアミノ酸(「ホモ」アミノ酸)、および側鎖中のカルボン酸官能基アミノ酸がスルホン酸基で置換されるアミノ酸(システイン酸など)が挙げられる。
【0052】
本明細書に記載された「置換基を有するアミノ酸残基」は、アミノ酸残基が置換基を有するものであって、例えば、アセチル基で置換されたアラニン、システイン、アスパラギン酸、グルタミン酸、フェニルアラニン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、リシン、ロイシン、メチオニン、アスパラギン、プロリン、グルタミン、アルギニン、セリン、バリン、トリプトファン、またはチロシンを含んでもよく、アミノ酸が結合されたペプチドであってもよい。
【0053】
本発明に記載された「保護基」は、有機反応で特定の官能基、例えば、アミンまたはヒドロキシ基などを保護するための官能基であって、有機合成分野の当業者が認識できる範囲の官能基であれば何れも可能であり、アミン保護基の具体例として、Fmoc(フルオレニルメトキシカルボニル)、Boc(3級-ブチルオキシカルボニル)、Cbz(ベンジルオキシカルボニル)、Bhoc、アリルオキシカルボニル(Alloc)、アセチル、ベンゾイル、ベンジル、カルバメート、p-メトキシベンジル、3,4-ジメトキシベンジル、p-メトキシフェニル、トシル、トリクロロエチルクロロホルメート、スルホンアミド(Bts、Nosyl&Nps)、イソブチリルが挙げられる。
【0054】
本発明に記載された「クロロ化アルカン」は、アルカンの1つ以上の水素がクロロで置換されたものを意味し、アルカンは、直鎖状または分岐状を両方とも含み、特に記載された場合を除き、アルカンは1~10個の炭素原子、好ましくは1~7の炭素原子、より好ましくは1~4の炭素原子を有する。
【0055】
本明細書に記載された「置換された」、「置換基を有する」、および置換体に関連して別の記載がない限り、本発明の任意に置換された置換体としては、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボン酸基、ニトロ、シアノ、(低級)アルキル、ハロアルキル、モノ-またはジ-アルキルアミノ、アルコキシ、チオアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、-NO、-NRa1b1、-NRa1C(=O)Rb1、-NRa1C(=O)NRa1b1、-NRa1C(=O)ORb1、-NRa1SOb1、-ORa1、-CN、-C(=O)Ra1、-C(=O)ORa1、-C(=O)NRa1b1、-OC(=O)Ra1、-OC(=O)ORa1、-OC(=O)NRa1b1、-NRa1SOb1、-POa1、-PO(ORa1)(ORb1)、-SOa1、-S(O)Ra1、-SO(NRa1)Rb1(例えば、スルホキシイミン)、-S(NRa1)Rb1(例えば、スルフィルイミン)、および-SRa1が使用でき、ここで、Ra1とRb1は同一でも異なっていてもよく、互いに独立して、ハイドロジェン、ハロゲン、アミノ、アルキル、アルコキシアルキル、ハロアルキル、アリール、またはヘテロ環であり、または、付着された窒素原子とともにRa1とRb1はヘテロ環の形態になってもよい。ここで、Ra1とRb1は、結合された原子によって複数個であってもよく、好ましくは、前記アルキルはC1-6アルキルであってもよく、シクロアルキルおよびヘテロシクロアルキルはC3-12であってもよく、アリールはC6-12であってもよく、ヘテロ環およびヘテロアリールはC3-12であってもよい。
【0056】
本発明に記載されたPNA単量体は、PNA基本骨格、具体的に、N-(2-アミノエチル)グリシン(化合物5)または化合物8のN位にアミンまたはヒドロキシ基保護基を有するか有さない核酸塩基を何れも含むものを意味する。
【0057】
具体的に、ヒドロキシ基を有さないかアミン基を有さないなどの、下記の構造も何れも含む。
【0058】
本発明に記載されたPNA二量体は、PNAの基本骨格であるN-(2-アミノエチル)グリシン(化合物5)または化合物8のN位に核酸塩基が結合されたPNA単量体が2個連結されたものであり、PNA二量体に含まれる核酸塩基は互いに異なるかもしくは同一であり、具体的に、前記化学式11で表されることができる。
【0059】
本発明に記載されたPNA三量体は、PNAの基本骨格であるN-(2-アミノエチル)グリシン(化合物5)または化合物8のN位に核酸塩基が結合されたPNA単量体が3個連結されたものであり、PNA三量体に含まれる核酸塩基は互いに異なるかもしくは同一であり、具体的に、前記化学式12で表されることができる。
【0060】
本発明に記載されたPNA四量体も、PNA三量体と同様にPNA単量体が4個連結された構造を意味し、具体的に、前記化学式13で表されることができる。
【0061】
本明細書に記載された「PNAブロック」は、2つ以上のPNA単量体が結合されたものを意味し、PNA二量体、PNA三量体、PNA四量体などを意味する。
【0062】
本発明は、溶液工程で高い純度および収率でPNAオリゴマーを製造することができる方法を提供し、本発明のPNAオリゴマーの製造方法は、
PNAブロックとPNAブロックを溶液相で反応させてPNAオリゴマーを製造するステップを含み;
前記PNAブロックは、異なるかもしくは同一である2つ以上のPNA単量体が結合されていることを特徴とする。
【0063】
本発明のPNAオリゴマーの製造方法は、支持体にPNA単量体を一々連結して製造する従来の方法と異なって、溶液相PNA単量体が2つ以上結合されたPNAブロックを製造し、これらのPNAブロックを反応させてPNAオリゴマーを製造することで、より短い工程ステップにより目的のPNAオリゴマーを正確に製造することができる。
【0064】
さらに、本発明のPNAオリゴマーの製造方法は、PNAブロックを用いることで、より高い純度および収率でPNAオリゴマーが製造可能であり、溶液工程で全ての反応が進行されるため、製造がより容易であり、大量生産が可能である利点を有する。
【0065】
好ましくは、本発明のPNAオリゴマーの製造方法は、
カップリング試薬および溶媒の存在下で、下記化学式1で表される第1PNA二量体、下記化学式2で表される第1PNA三量体、または下記化学式3で表される第1PNA四量体に、下記化学式4で表される第2PNA二量体、下記化学式5で表される第2PNA三量体、または下記化学式6で表される第2PNA四量体を混合した後、アミン化合物を添加し、下記化学式7~9で表されるPNAオリゴマーを製造するステップを含む。
【0066】
【0067】
【0068】
【0069】
【0070】
【0071】
【0072】
【0073】
【0074】
(前記化学式1~9中、
~AおよびA11~A14は、互いに独立して、互いに異なるかもしくは同一の核酸塩基を含むPNA単量体であり;
~P18は、互いに独立して、水素、または互いに異なるかもしくは同一の保護基であり、PとP、PとP、PとP、P11とP12、P13とP14、P15とP16、およびP17とP18のそれぞれが同時に水素である場合は除き、
aおよびbは、互いに独立して、1の整数であり、cおよびdは、互いに独立して、0または1の整数である。)
【0075】
本発明の一実施形態に係るPNAオリゴマーの製造方法は、従来の支持体(レジン)にPNA単量体を結合させ、それを洗浄し、さらにPNA単量体を結合させてPNAオリゴマーを製造していた方法と異なって、PNAブロックであるPNA二量体、PNA三量体、およびPNA四量体を用いて製造することで、合成ステップが短縮されて非常に経済的であり、固相での製造方法に比べて高い収率および純度でPNAオリゴマーを製造することができる。
【0076】
さらに、本発明のPNA二量体、PNA三量体、またはPNA四量体を用いてPNAオリゴマーを製造することで、工程ステップが減少して経済的であり、溶液相で特定の化合物であるアミン化合物を出発物質およびカップリング試薬の混合物に追加することで、副産物の生成が低く、高い収率で高純度のPNAオリゴマーが製造可能である。
【0077】
すなわち、本発明のPNAオリゴマーの製造方法は、出発物質、カップリング試薬、およびアミン化合物を混合してPNAオリゴマーを製造していたことと異なって、出発物質およびカップリング試薬を混合した混合液にアミン化合物を滴下することで、副産物の生成を画期的に低め、高い収率および純度でPNAオリゴマーを製造することができる。
【0078】
さらには、これにより製造されるPNAオリゴマーの分離精製も非常に容易である。
【0079】
具体的に、本発明の一実施形態に係るPNAオリゴマーの製造方法は、溶液工程により合成可能なPNA二量体、PNA三量体、またはPNA四量体を用いることで、n個の核酸塩基を有するPNAオリゴマーの製造時に、n-1個の核酸塩基を有するPNAオリゴマーまたはn-2個の核酸塩基を有するPNAオリゴマーが副産物として製造されず、他の副産物などの不純物からのPNAオリゴマーの分離が非常に容易であるため、分離されたPNAオリゴマーの純度が非常に高い。
【0080】
より好ましくは、本発明の一実施形態に係るPNAオリゴマーの製造方法は、
a)カップリング試薬および溶媒の存在下で、
下記化学式1-1で表される第1PNA二量体、下記化学式2-1で表される第1PNA三量体、または下記化学式3-1で表される第1PNA四量体に、下記化学式4-1で表される第2PNA二量体、下記化学式5-1で表される第2PNA三量体、または下記化学式6-1で表される第2PNA四量体を添加して混合液を得るステップと、
b)前記ステップの混合液にアミン化合物を添加し、前記化学式7~9の化合物を製造するステップと、を含む。
【0081】
【0082】
【0083】
【0084】
【0085】
【0086】
(前記化学式1-1、2-1、3-1、4-1、5-1、および6-1中、
~AおよびA11~A14は、互いに独立して、互いに異なるかもしくは同一の核酸塩基を含むPNA単量体であり;
、P、P、P、P、およびP11は、互いに独立して、水素、または互いに異なるかもしくは同一の保護基であり;
~Xは、互いに独立して、酸性塩であり;
aおよびbは、互いに独立して、1の整数であり、cおよびdは、互いに独立して、0または1の整数である。)
【0087】
好ましくは、化学式1-1、2-1、および3-1のアミン塩をfreeアミンに転換させるとともに、化学式4-1、5-1、および6-1のヒドロキシとの反応性を高める点から、特定のアミン化合物であるN,N-ジイソプロピルエチルアミンを用いることで、より向上した収率および純度でPNAオリゴマーを製造することができる。
【0088】
好ましくは、本発明の一実施形態に係るアミン化合物は、前記化学式1-1、2-1、および3-1の化合物1モルに対して、5~40モルで用いられてもよく、より好ましくは10~30モルで用いられてもよい。
【0089】
また、本発明の一実施形態に係るPNAオリゴマーの製造方法は、b)ステップで得られた生成物をさらに出発物質として用いて、a)ステップおよびb)ステップを繰り返して行うステップをさらに含んでもよい。
【0090】
本発明の一実施形態に係るPNAオリゴマーの製造方法は、PNA二量体、PNA三量体、またはPNA四量体を用いることで、従来の方法と異なって、未反応の官能基を保護するためのキャッピング(capping)ステップが不要であるため、製造ステップを画期的に減少させることができる利点があって、大量生産が可能である。
【0091】
本発明の一実施形態に係るPNAオリゴマーは、目的の個数を有する核酸塩基を容易に製造することができるが、好ましくは4個以上の核酸塩基を含んでもよく、より好ましくは4~40個の核酸塩基を含んでもよい。
【0092】
本発明の一実施形態に係る前記混合液中の出発物質と溶媒の体積比は、1:10以上であってもよく、好ましくは1:10~250であり、より好ましくは1:10~100であってもよい。
【0093】
本発明の一実施形態に係る混合液中の出発物質と溶媒の体積比が1:10以上である場合、より高い収率および純度でPNAオリゴマーを製造することができる。
【0094】
本発明の一実施形態に係る核酸塩基は、アデニン、シトシン、5-メチルシトシン、グアニン、チミン、ウラシル、プリン、2,6-ジアミノプリン、N-エタノシトシン、N-エタノ-2,6-ジアミノプリン、5-(C3-C6)-アルキニルウラシル、5-(C3-C6)-アルキニル-シトシン、5-(1-プロパルギルアミノ)ウラシル、5-(1-プロパルギルアミノ)シトシン、フェノキサジン、9-アミノエトキシフェノキサジン、5-フルオロウラシル、シュードイソシトシン、5-(ヒドロキシメチル)ウラシル、5-アミノウラシル、シュードウラシル、ジヒドロウラシル、5-(C1-C6)-アルキルウラシル、5-(C1-C6)-アルキル-シトシン、5-(C2-C6)-アルケニルシトシン、5-フルオロシトシン、5-クロロウラシル、5-クロロシトシン、5-ブロモウラシル、5-ブロモシトシン、7-デアザアデニン、7-デアザグアニン、8-アザプリン、7-デアザ-7-置換されたプリン、チオウラシル、または人工核酸塩基であってもよい。
【0095】
本発明の一実施形態に係る保護基は、フルオレニルメトキシカルボニル、3級-ブチルオキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、Bhoc(Benzhydryloxycarbonyl)、アセチル、ベンゾイル、ベンジル、カルバメート、p-メトキシベンジル、3,4-ジメトキシベンジル、p-メトキシフェニル、トシル、トリクロロエチルクロロホルメート、スルホンアミド、またはイソブチリルであってもよく、好ましくは、アミン保護基は、3級-ブチルオキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、Bhoc(Benzhydryloxycarbonyl)、アセチル、ベンゾイル、またはベンジルであってもよく、ヒドロキシ基の保護基は、(C1-C4)アルキルであってもよい。
【0096】
具体的に、本発明の一実施形態に係る前記第1PNA二量体または第2PNA二量体は、下記化学式11で表され、
前記第1PNA三量体または第2PNA三量体は、下記化学式12で表され、
前記第1PNA四量体または第2PNA四量体は、下記化学式13で表されることができる。
【0097】
【0098】
【0099】
(前記化学式11および13中、
~R18は、互いに独立して、水素、アミノ酸の残基または置換基を有するアミノ酸残基であり;
~Tは、互いに独立して、アミン保護基であり;
~Zは、互いに独立して、ヒドロキシ保護基であり;
~Bは、互いに独立して、アミン保護基を含むかもしくは含まない核酸塩基である。)
【0100】
本発明の一実施形態に係る前記化学式1-1で表される第1PNA二量体、前記化学式2-1で表される第1PNA三量体、または前記化学式3-1で表される第1PNA四量体1モルに対して、前記化学式4-1で表される第1PNA二量体、前記化学式5-1で表される第1PNA三量体、または前記化学式6-1で表される第1PNA四量体は1:0.8~1.2モル、好ましくは1:0.9~1.1モルで用いられてもよい。
【0101】
本発明の一実施形態に係るカップリング試薬は、これに制限されるものではないが、HBTU、PyBop((Benzotriazol-1-yloxy)tripyrrolidinophosphonium hexafluorophosphate)、またはこれらの混合物であってもよく、好ましくは、HBTU(N,N,N’,N’-Tetramethyl-O-(1H-benzotriazol-1-yl)uronium hexafluorophosphate)であってもよい。
【0102】
カップリング試薬の使用量も限定されないが、前記化学式1-1で表される第1PNA二量体、前記化学式2-1で表される第1PNA三量体、または前記化学式3-1で表される第1PNA四量体1モルに対して1.2~2.5モル、好ましくは1.2~2.0モルで用いられてもよい。
【0103】
本発明の一実施形態に係るb)ステップはカップリング反応が起こるステップであり、-10~5℃で10~60分間行われてもよく、より好ましくは-5~5℃で10~40分間行われてもよい。
【0104】
本発明の一実施形態に係る溶媒は、クロロ化(C1-C4)アルカン、DMF、およびDIEAの混合溶媒であってもよく、好ましくはDMFであってもよい。
【0105】
この時に用いられる溶媒は、クロロ化(C1-C4)アルカン、DMF(Dimethylformamide)、およびDIEA(N,N-Diisopropylethylamine)の混合溶媒であってもよく、クロロ化(C1-C4)アルカンは、卜リクロロメタン、ジクロロメタン、クロロメタン、1,1,2-トリクロロエタン、1,1,1-トリクロロエタン、1,2-ジクロロエタン、1,1-ジクロロエタン、およびクロロエタンから選択される1つまたは2つ以上であってもよい。
【0106】
本発明の一実施形態に係る溶媒としてDMF、DIEA、またはクロロ化アルカンを用いることで、カップリング反応時に反応物の溶解度が適切に調節されることにより、高い収率および純度で生成物を得ることができ、このような点から、より好ましくはDMFであってもよい。
【0107】
本発明の一実施形態により製造された化学式7~9のPNAオリゴマーは、当業者が認識できる多様な方法により分離精製することができるが、好ましくは、水を添加して分離精製することができる。
【0108】
また、本発明の一実施形態に係るPNAオリゴマーの製造方法は、全工程が溶液相で行われ、PNA二量体、PNA三量体、またはPNA四量体を用いることで、支持体(レジン)を用いる固相でPNA単量体からPNAオリゴマーを製造する従来の方法に比べて、驚くべき向上した収率および純度でPNAオリゴマーを製造することができ、非常に効率的且つ経済的な方法である。
【0109】
すなわち、本発明のPNAオリゴマーの製造方法は、第1PNA二量体、第1PNA三量体、第1PNA四量体、第2PNA二量体、第2PNA三量体、第2PNA四量体、およびPNAオリゴマーを何れも溶液相で製造可能であるため、優れた純度および収率のPNAオリゴマーを単純な工程により製造することで、大量生産が可能である利点を有する。
【0110】
本発明の一実施形態に係るPNAオリゴマーは、下記条件での高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)分析結果、70%以上の純度を有することができ、好ましくは75%以上、より好ましくは80%以上であることができる。
【0111】
(展開溶媒:TFA 0.1% in Water、TFA 0.1% in MeCN、gradient condition UV デテクター 260nm、カラム 250mm*4.6mm)
【0112】
また、本発明のPNAオリゴマーの製造方法は、キャッピング過程なしに合成され、製造されたPNAオリゴマーが、上記の条件での高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)分析結果、70%以上、好ましくは75%以上、より好ましくは80%以上の純度を有するPNAオリゴマーを提供する。
【0113】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、下記の実施例によって本発明の範疇が本発明を限定するのではない。
【0114】
反応に使用された物質および有機溶媒は、Novabiochem、Alfa aesar、SAMCHUN CHEMICALS、純正化学株式会社、DUKSAN reagents chemicalなどから購入して使用し、別途の追加精製なしに使用した。合成された化合物のH-NMR分析は、常温で、Bruker 400または500MHzを用いて行い、HPLC(waters 1525 Binary hplc pump)の展開溶媒として、TFA0.1%が含まれたMeCNと、TFA0.1%が含まれた水との割合が5:95である溶媒を使用し、徐々に展開溶媒の割合を変化させて、TFA0.1%が含まれたMeCNと、TFA0.1%が含まれた水との割合を20:80に20分にわたって変化させた後、10分間は、TFA0.1%が含まれたMeCNとTFA0.1%が含まれた水との割合が95:5である溶媒を使用し、column heater 60℃の方法により分析した。
【0115】
下記化合物1~4の核酸塩基またはアミン保護基を有する核酸塩基は、韓国特許登録第10-0464261号と同様の方法により製造した。
【0116】
[製造例1]化合物5(Boc-aeg-OEt)の製造
500mLの三角フラスコに、11.0gのエチレンジアミン(183mmol)を入れ、MCに溶かした。5.0gのBocO(22.9mmol)をMC(メチレンクロリド)に溶かして滴下し、常温で12時間撹拌した。TLCにより反応終了を確認した後、水を入れてMC層のみを抽出してsat.NaClで洗浄した。NaSOで処理した後、濾過して濃縮した。濃縮した溶液にMCを入れ、6.4mLのトリエチルアミン(45.8mmol)を添加した。2.4mLのブロモ酢酸エチル(ethyl bromoacetate)(22.0mmol)をMCに溶かしてゆっくりと滴下し、常温で12時間撹拌した。TLCにより反応終了を確認した後、水を入れてMC層のみを抽出した。NaSOで水を除去した後、濃縮し、シリカカラムクロマトグラフィー(溶離液:EA:Hex=1:1v/v)により精製することで、透明なオイル状の生成物である化合物5を得た(3.79g、70%)。
【0117】
[製造例2]化合物8(Boc-Lys(Z)-OMe)の製造
化合物6の製造
窒素下で、250mLの二口丸底フラスコに、5.40gのBoc-Lys(Z)-COOH(14.2mmol)を入れ、100mLのドライTHFに溶かした。9.21gの1,1’-カルボニルジイミダゾール(56.8mmol)を一度に入れ、常温で10分間撹拌させた。気泡がそれ以上発生しない時に、0℃で2.68gのNaBH(71.0mmol)を蒸留水30mLに溶かしてからゆっくりと入れ、30分間撹拌させた。TLCにより反応終了を確認した後、溶媒を濃縮させた。200mLのEAを入れた後、分液漏斗に移して1MのHClで洗浄した後、飽和塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム(Sodium sulfate)で水を除去して濃縮させた。シリカカラムクロマトグラフィー(溶離液:EA:HEX=1:1v/v)により精製することで、透明な黄色のオイル状の生成物である化合物6を得た(5.0g、96.2%)。
【0118】
化合物7の製造
窒素下で、250mLの二口丸底フラスコに、8.71mLのOxayl Chloride(17.4mmol)をシリンジを用いて入れ、20mLのドライMCを入れた。NaClと氷、メタノールを用いて温度を-20℃に5分かけて下げ、100mLの丸底フラスコに2.47mLのドライDMSO(34.8mmol)と5mLのドライMCを混合した溶液を滴下した。5分後、5.80gのBoc-Lys(Cbz)-OH(15.8mmol)をドライMC20mLに溶かした後、反応液に添加した。15分後、15.2mLのDIEA(87.1mmol)を添加した後、5分間撹拌させ、氷浴を除去してTLCを確認(EA only、p-Anisaldehyde)した。反応終了後、NaHCOで洗浄した後、溶媒を濃縮させて透明なオイル状の化合物7を得た(5.5g、95.3%)。
【0119】
化合物8の製造
化合物8は、FILBERT TOTSINGAN et.Al.CHIRALITY,2009,21,245-253を参照して同様の方法により製造し、これから化合物8が合成されたことを確認した。
【0120】
250mLの丸底フラスコに、5.50gのBoc-Lys(Cbz)-CHO(15.1mmol)を入れてメタノール50.0mLを入れ、2.84gのGly-OMe(22.6mmol)を入れた。0℃で1.30mLの酢酸(22.6mmol)と3.94mLのN,N-ジイソプロピルエチルアミン(22.6mmol)を添加した後、9.60gのナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(45.3mmol)を入れ、0℃で2時間撹拌した後、常温で一晩撹拌した。TLC(展開液:EA only、p-anisaldehyde)により確認して出発物質の反応有無を確認した後、終了時に溶液を濃縮した後、EAを入れてNaHCOで洗浄してから濃縮させ、シリカカラムクロマトグラフィー(溶離液:EA:HEX=1:1v/v)により精製することで、透明なオイル状の生成物を得た(4.5g、68.2%)。
【0121】
[製造例3]化合物11(Boc-Glu(OcHex)-OMe)の製造
化合物9の製造
500mLの一口丸底フラスコに、Boc-Glu(OcHex)-COOH20.0g(60.7mmol)を入れ、150mLのドライN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)に溶かした。HBTU[O-(1H-Benzotriazol-1-yl-N,N,N’,N’-tetramethyluroniumhexafluorophosphate)]22.3g(58.3mmol)を入れた。0℃でN,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)23.3mL(133.6mmol)を加えた後、N-メトキシ-N-メチルアミンヒドロクロリド7.11g(72.9mmol)を入れ、常温で一晩撹拌させた。TLC(展開液:3%AcOH、5%MeOH/MC、Ninhydrin)により確認して出発物質の反応有無を確認した後、終了時に溶液を濃縮した後、エチルアセテート(EA)150mLを入れ、0.5NのHCl、飽和されたNaHCOと1NのKHSOで洗浄した。有機層に硫酸ナトリウムを投入し、有機層の水を除去した後に濃縮して、透明な無色オイル状の生成物である化合物9を得た(21g、92.9%)。
【0122】
化合物10の製造
窒素下で、1Lの三口丸底フラスコに、21.0g(56.4mmol)の化合物9を入れ、ドライテトラヒドロフラン(THF)210mLに溶かした。-78℃で2.37Mのリチウムアルミニウムヒドリド26.2g(62.0mmol)を20分かけて投入した後、1時間撹拌させた。TLC(展開液:EA:Hex=1:1、Ninhydrin)により確認して出発物質の反応有無を確認した後、終了時にエチルアセテート600mLを入れ、1MのKHSO 210mLを10分かけて投入した後、10分間撹拌させた。有機層を1MのKHSO、飽和されたNaHCOで洗浄し、硫酸ナトリウムで水を除去した後に濃縮して、透明な黄色のオイル状の生成物である化合物10を得た(18.5g、88.1%)。
【0123】
化合物11の製造
500mLの丸底フラスコに、18.5g(59.0mmol)の化合物10を入れ、ジクロロエタン130mLを入れて、グリシンメチルエステルヒドロクロリド(HCl.Gly-OMe)を入れた。0℃で酢酸3.38mL(59.0mmol)とN,N-ジイソプロピルエチルアミン15.4mL(88.5mmol)を添加した後、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド18.8g(88.5mmol)を入れ、30分撹拌させた。TLC(展開液:EA:Hex=1:4、2回展開、Ninhydrin)により確認して出発物質の反応有無を確認した後、終了時に、0℃で飽和NaHCO 130mLを投入してから10分間撹拌させた。有機層を飽和NaHCO、飽和塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで水を除去した後に濃縮させ、シリカカラムクロマトグラフィー(溶離液:EA:Hex=1:1v/v)により精製することで、透明なオイル状の生成物11(Boc-Glu(OcHex)-OMe)を得た(14g、61.4%)。
【0124】
[製造例4]化合物12(Boc-Lys(Z)-NH)の製造
化合物12の製造
1Lの丸底フラスコに、Boc-Lys(Cbz)-COOH20.0g(52.6mmol)を入れ、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)200mLに溶かした。HBTU[O-(1H-Benzotriazol-1-yl-N,N,N’,N’-tetramethyluroniumhexafluor ophosphate)]29.9g(78.9mmol)を入れ、NHCl5.62g(105.1mmol)を入れた後、0℃でN,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)36.6mL(210.3mmol)を滴下した。約30分程度撹拌した後、TLCにより反応終了を確認し、ジクロロメタン(200mL)を入れ、分液漏斗を用いて5%のNaHCOで1回、0.5MのHClで1回洗浄した。有機層が徐々に濁り、solidが生成されて、濾過して化合物12(Boc-Lys(Z)-NH)を得た(19.9g、99.9%)。
【0125】
[実施例1]PNA単量体の製造
化合物13-3(Boc-aeg-A(Z)-OEt)の製造
3Lの丸底フラスコに、20.0g(61.1mmol)の化合物3を入れ、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)1Lに溶かした。HBTU[O-(1H-Benzotriazol-1-yl-N,N,N’,N’-tetramethyluroniumhexafluorophosphate)]34.8g(122mmol)を入れ、15.1g(61.1mmol)の化合物5を入れた後、0℃でN,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)31.9mL(183mmol)を滴下した後、30分間撹拌した。TLC(展開液:5%MeOH/MC)により反応終了を確認し、ジクロロメタン(MC)1Lを入れた。有機層を飽和されたNaHCO、0.5MのHClで洗浄した後、硫酸ナトリウムを投入して水を除去して濃縮した。シリカカラムクロマトグラフィー(溶離液:5%MeOH/MC)により精製することで、白色の固体生成物である化合物13(Boc-A(Z)-OEt)を得た。(30.0g、88.4%)
【0126】
化合物14-3(Boc-aeg-A(Z)-OH)の製造
500mLの丸底フラスコに、15.0g(27.0mmol)の化合物13-3を入れ、0.5NのLiOH270mL(135mmol)に溶かし、約30分程度撹拌した後、TLC(展開液:5%MeOH/MC)により反応終了を確認した。0℃で0.5MのHClでpH2~3まで下げた後、生成された固体をガラスフィルターで濾過し、水で複数回洗浄した後、Pで乾燥させて、白色の固体状の生成物である化合物14-3(Boc-A(Z)-OH)を得た(14.1g、99.0%)。
【0127】
化合物15-1(NH-aeg-A(Z)-OEt)の製造
250mLの丸底フラスコに、15.0g(27.0mmol)の化合物13-3を入れ、0℃で50%のTFA/MC135mLに溶かし、30分間撹拌した。TLC(展開液:5%MeOH/MC)により反応終了を確認した。過量のジエチルエーテルに溶液を滴下して沈殿させてからガラスフィルターで濾過し、ジエチルエーテルで複数回洗浄してから乾燥させ、白色の固体状の生成物である化合物15-1(NH2-A(Z)-OEt)を得た(14.5g、94.3%)。
【0128】
[実施例2]PNA単量体の製造
実施例1の化合物13-3の製造において、化合物3に代えて化合物1を使用したことを除き、実施例1と同様に行ってPNA単量体14-1(Boc-aeg-T-OH)およびPNA単量体15-1(NH-aeg-T-OEt)を製造した。
【0129】
[実施例3]PNA単量体の製造
実施例1の化合物13-3の製造において、化合物3に代えて化合物2または4をそれぞれ使用したことを除き、実施例1と同様に行ってPNA単量体14-2(Boc-aeg-C(Z)-OH)、PNA単量体14-4(Boc-aeg-G(Z)-OH)、およびPNA単量体15-4(NH-aeg-G(Z)-OEt)を製造した。
【0130】
[実施例4]PNA単量体の製造
実施例1の化合物13-3の製造において、化合物5に代えて化合物8を使用し、化合物3に代えて化合物2を使用したことを除き、実施例1と同様に行ってPNA単量体14-5(Boc-Lys(Z)-C(Z)-OH)およびPNA単量体15-6(NH-Lys(Z)-NH)を製造した。
【0131】
[実施例5]PNA単量体の製造
実施例1の化合物13-3の製造において、化合物5に代えて化合物11を使用し、化合物3に代えて化合物1を使用したことを除き、実施例1と同様に行ってPNA単量体15-3(NH-Glu(OcHex)-T-OMe)を製造した。
【0132】
[実施例6]PNA単量体の製造
実施例5において、化合物1に代えて化合物2または4をそれぞれ使用したことを除き、実施例5と同様に行ってPNA単量体15-4(NH-Glu(OcHex)-C(Z)-OMe)、PNA単量体15-5(NH-Glu(OcHex)-G(Z)-OMe)をそれぞれ製造した。
【0133】
[実施例7]PNA二量体17-1(Boc-AA-OH)の製造
化合物16-1(Boc-AA-OEt)の製造
2Lの丸底フラスコに、13.0g(24.6mmol)の化合物14-3を入れ、ドライN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)650mLに溶かし、HBTU[O-(1H-Benzotriazol-1-yl-N,N,N’,N’-tetramethyluroniumhexa fluorophosphate)]14.0g(37.0mmol)を入れた。14.0g(24.6mmol)の化合物15-1を入れた後、0℃でN,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)21.5mL(123mmol)を滴下し、30分間撹拌させた。TLC(展開液:15%MeOH/MC)により反応終了を確認し、ジクロロメタン(MC)650mLを入れた。有機層を飽和されたNaHCO、0.5MのHClで洗浄した後、硫酸ナトリウムを投入し、水を除去して濃縮した。シリカカラムクロマトグラフィー(溶離液:10%MeOH/MC)により精製することで、白色の固体生成物Boc-AA-OEtを得た(21.0g、87.9%)。
【0134】
化合物17-1(Boc-AA-OH)の製造
500mLの丸底フラスコに、21.0g(21.7mmol)の化合物16-1を入れ、0℃で0.5NのLiOH217mL(108mmol)に溶かし、30分間撹拌した。TLC(展開液:10%MeOH/MC)によりモニタリングして反応を終了させた。0℃で1MのHClでpH2~3まで下げ、生成された固体をガラスフィルターで濾過し、水で複数回洗浄した後、MeOH/エーテルで再結晶し、白色の生成物である化合物17-1(Boc-AA-OH)を得た(19.7g、96.6%)。
【0135】
[実施例8]PNA二量体の製造
実施例7において、化合物14-3および15-3に代えてPNA単量体をそれぞれ変更し、実施例7と同様に製造することで、PNA二量体16-2(Boc-C’’A-OEt)、PNA二量体17-2(Boc-CC^-OH)、PNA二量体17-3(Boc-TT^-OH)、およびPNA二量体17-4(Boc-GG-OH)をそれぞれ製造した。この際、base’’はNH-γLys(Z)-base-OMeであり、base^はNH-γGlu(OcHex)-base-OMeである。
【0136】
[実施例9]PNA二量体18-1(NH-C’’A-OEt)の製造
250mLの丸底フラスコに、20.0g(17.4mmol)の16-2(Boc-C’’A-OEt)を入れ、0℃で50%TFA/MC180mLに溶かした後、30分間撹拌した。TLC(展開液:7%MeOH/MC)により反応を終了させた。過量のジエチルエーテルに溶液を滴下して沈殿させた後、ガラスフィルターを用いて濾過し、ジエチルエーテルで洗浄して白色の固体生成物であるNH-C’’A-OEtを得た(19.2g、94.9%)。
【0137】
[実施例10]OKリンカー(化合物18-2、NH-OK-NH)の製造
化合物16-6(Boc-OK-NH)の製造
2Lの丸底フラスコに、3,6,11-トリオキサ-9-アザトリデカン酸、12,12-ジメチル-10-オキソ-97%(Boc-O-OH)を13.0g(49.4mmol)入れ、ドライN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)650mLに溶かし、HBTU[O-(1H-Benzotriazol-1-yl-N,N,N’,N’-tetra methyluroniumhexa fluorophosp hate)]22.5g(59.3mmol)を入れた。19.4g(49.4mmol)の化合物15-6を入れた後、0℃でN,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)21.5mL(123mmol)を滴下し、30分間撹拌させた。TLC(展開液:7%MeOH/EA)により反応終了を確認し、ジクロロメタン(MC)650mLを入れた。有機層を飽和されたNaHCO、0.5MのHClで洗浄した後、硫酸ナトリウムを投入し、水を除去して濃縮した。シリカカラムクロマトグラフィー(溶離液:7%MeOH/EA)により精製することで、透明な無色オイル状のBoc-OK-NHを得た(21.0g、81.1%)。
【0138】
化合物18-2(NH-OK-NH)の製造
250mLの丸底フラスコに、化合物16-6(Boc-OK-NH)21.0g(40.0mmol)を入れ、0℃で50%TFA/MC180mLに溶かした後、30分間撹拌した。TLC(展開液:7%MeOH/EA)により反応を終了させた。過量のジエチルエーテルに溶液を滴下して沈殿させた後、遠心分離(Centrifuge)により得たオイル状の生成物をジクロロメタンに溶かし、溶媒を濃縮して、無色透明なオイル状の生成物であるNH-OK-NH-を得た(19.2g、89.1%)。
【0139】
[実施例11]PNA三量体19-1(Boc-AAG^-OMe)の製造
2Lの丸底フラスコに、15.2g(16.2mmol)の化合物17-1を入れ、ドライN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)750mLに溶かした。PyBOP(benzotriazole-1-yl-oxytripyrrolidinophosphate)12.6g(24.2mmol)を加えた後、11.7g(16.2mmol)の化合物15-5を入れた。0℃でN,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)56.3mL(323mmol)を入れ、30分程度撹拌させた後、TLC(展開液:20%MeOH/MC)により反応終了を確認した。ジクロロメタンを300mL投入した後、飽和されたNaHCO、0.5MのHCl溶液で有機層を洗浄し、硫酸ナトリウムで水を除去してから濃縮して、透明な黄色のオイル状の生成物を得た。この生成物をMeOH/エーテルで再結晶し、白色の固体化合物である化合物19-1(Boc-AAG^-OMe)を得た(21.3g、85.9%)。
【0140】
[実施例12]PNA三量体19-2(Boc-CC’’A-OEt)の製造
実施例11において、PNA二量体17-1およびPNA単量体15-5に代えてPNA単量体14-2、PNA二量体18-1を使用したことを除き、実施例11と同様に行ってPNA三量体19-2(Boc-CC’’A-OEt)を製造した。この際、Base’’はNH-γLys(Z)-base-OMeである。
【0141】
[実施例13]PNA三量体20-1(Boc-AAG^-OH)の製造
1Lの丸底フラスコに、20.3g(13.2mmol)の化合物19-1を入れ、1,4-ジオキサン100mLに溶かした。0℃で0.5MのLiOH132mL(66.1mmol)を滴下し、約30分程度撹拌させた。TLC(展開液:20%MeOH/MC)により反応終了を確認した。0℃で0.5MのHClでpH2~3まで下げ、生成された固体をガラスフィルターで濾過し、水で洗浄した後、MeOH/エーテルで再結晶して、白色の固体生成物である化合物20-1(Boc-AAG^-OH)を得た(18.3g、90.8%)。
【0142】
[実施例14]PNA三量体21-1(NH-CC’’A-OEt)の製造
250mLの丸底フラスコに、25.3g(16.5mmol)の19-2を入れ、0℃で50%TFA/MC230mLに溶かした後、30分間撹拌させ、TLC(展開液:20%MeOH/MC)により反応を終了させた。過量のジエチルエーテルに溶液を滴下して沈殿させた後、ガラスフィルターを用いて濾過し、ジエチルエーテルで洗浄して、白色の固体生成物である化合物21-1(NH-CC’’A-OEt)を得た(23.8g、93.2%)。
【0143】
[実施例15]PNA23-1(NH-GGOK-NH)の製造
化合物22-1(Boc-GGOK-NH)の製造
1Lの丸底フラスコに、13.8g(14.2mmol)の化合物17-4を入れ、ドライN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)650mLに溶かした。PyBOP(benzotriazole-1-yl-oxytripyrrolidinophosphate)11.1g(21.4mmol)を加えた後、7.67g(14.2mmol)の化合物18-2を入れた。0℃でN,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)49.6mL(285mmol)を入れ、30分程度撹拌させた後、TLC(展開液:20%MeOH/MC)により反応終了を確認した。ジクロロメタン(MC)を650mL投入した後、飽和されたNaHCO、0.5MのHCl溶液で有機層を洗浄し、硫酸ナトリウムで水を除去してから濃縮した透明な無色オイル状の生成物をMeOH/エーテルで再結晶し、白色の固体化合物である化合物22-1(Boc-GGOK-NH)を得た(17.7g、90.4%)。
【0144】
化合物23-1(NH-GGOK-NH)の製造
250mLの丸底フラスコに、16.7g(12.1mmol)の22-1を入れ、0℃で50%TFA/MC140mLに溶かした後、30分間撹拌し、TLC(展開液:20%MeOH/MC)により反応を終了させた。過量のジエチルエーテルに溶液を滴下して沈殿させた後、ガラスフィルターを用いて濾過し、ジエチルエーテルで洗浄して、白色の固体生成物である化合物23-1(NH-GGOK-NH)を得た(16.0g、94.8%)。
【0145】
[実施例16]PNA五量体25-1(Boc-CC^CC’’A-OH)の製造
化合物24-1(Boc-CC^CC’’A-OEt)の製造
1Lの丸底フラスコに、6.13g(5.88mmol)の化合物17-2を入れ、ドライN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)300mLに溶かした。PyBOP(benzotriazole-1-yl-oxytripyr rolidinophosphate)4.59g(8.82mmol)を入れ、9.08g(5.88mmol)の化合物21-1を入れた後、0℃でN,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)20.5mL(118mmol)を滴下した。約30分程度撹拌した後、TLC(展開液:5%AcOH、10%MeOH/MC)により反応終了を確認し、ジクロロメタン(MC)300mLを入れ、飽和されたNaHCO、0.5MのHClで有機層を洗浄した。硫酸ナトリウムで有機層から水を除去してから濃縮して得た生成物をMeOH/エーテルで再結晶して、白色の固体生成物である化合物24-1(Boc-CC^CC’’A-OEt)を得た(13.2g、91.4%)。
【0146】
化合物25-1(Boc-CC^CC’’A-OH)の製造
500mLの丸底フラスコに、13.0g(5.29mmol)の化合物24-1を1,4-ジオキサン71.5mLに溶かした。0℃で0.5NのLiOH52.9mL(26.5mmol)を入れ、約30分程度撹拌させた。TLC(展開液:5%AcOH、20%MeOH/MC)により反応終了を確認し、0.5MのHClでpH2~3まで下げ、生成された固体をガラスフィルターで濾過し、水で洗浄した後、MeOH/エーテルで再結晶した。生成された固体をガラスフィルターで濾過し、ジエチルエーテルで洗浄してから乾燥させ、白色の固体状の生成物である化合物25-1(Boc-CC^CC’’A-OH)を得た(12.1g、94.2%)。
【0147】
[実施例17]PNA六量体27-1(Boc-AAG^CC’’A-OH)の製造
化合物26-1(Boc-AAG^CC’’A-OEt)の製造
2Lの丸底フラスコに、11.7g(7.66mmol)の化合物20-1をドライN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)550mLに溶かした。HBTU[O-(1H-Benzotriazol-1-yl-N,N,N’,N’-tetramethyluroniumhexa fluorophosphate)]4.36g(11.5mmol)を加えた後、11.8g(7.66mmol)の化合物21-1を入れた。0℃でN,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)26.7mL(153mmol)を入れ、30分間撹拌させた。TLC(展開液:5%AcOH、15%MeOH/MC)により反応終了を確認した後、ジクロロメタンを550mL投入し、飽和されたNaHCO、0.5MのHCl溶液で有機層を洗浄し、硫酸ナトリウムで水を除去してから濃縮して、透明な黄色のオイル状の生成物を得た。この化合物をMeOH/エーテルで再結晶し、白色の固体化合物である化合物26-1(Boc-AAG^CC’’A-OEt)を得た(収率:18.2g、81.0%)。
【0148】
化合物27-1(Boc-AAG^CC’’A-OH)の製造
500mLの丸底フラスコに、18.2g(6.20mmol)の化合物26-1を入れた後、1,4ジオキサン182mLに溶かした。0℃で0.5NのLiOH62.0mLを滴下した後、30分間撹拌させた。TLC(展開液:5%AcOH、15%MeOH/MC)によりモニタリングして反応を終了させた。0℃で1MのHClでpH2~3まで下げ、生成された固体を濾過した後、水で洗浄してから乾燥させた固体をMeOH/エーテルで再結晶して、白色の化合物である化合物27-1を得た(15.1g、83.8%)[Prep精製を進行した。]。
【0149】
[実施例18]PNA四量体リンカー化合物28-1(TFA.NH-TT^GGOK-NH)の製造
化合物26-2(Boc-TT^GGOK-NH)の製造
実施例17において、PNA三量体20-1およびPNA三量体21-1に代えて17-3、23-1を使用したことを除き、実施例17と同様に行って26-2(Boc-TT^GGOK-NH)を製造した。この際、Base^はNH-γGlu(OcHex)-base-OMeである。
【0150】
化合物28-1(TFA.NH-TT^GGOK-NH)の製造
250mLの丸底フラスコに、15.5g(7.52mmol)の化合物26-2を入れ、0℃で50%TFA/MC140mLに溶かした後、30分間撹拌させた。TLC(展開液:20%MeOH/MC)によりモニタリングして反応を終了させた。反応終了後、0℃で過量のジエチルエーテルに溶液を滴下して沈殿させた。濾過後、白色の固体状の生成物である化合物28-1(TFA.NH-TT^GGOK-NH2)を得た(14.6g、94.3%)。
【0151】
[実施例19]PNA十量体リンカー化合物30-1(NH-CC^CC’’AATT^GGOK-NH)の製造
化合物29-1(Boc-CC^CC’’ATT^GGOK-NH)の製造
1Lの丸底フラスコに、5.76g(2.37mmol)の化合物25-1をドライN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)250mLに溶かし、PyBOP(benzotriazole-1-yl-oxytri pyrrolidinophosphate)1.85g(3.56mmol)を投入した。4.92g(2.37mmol)の化合物28-1を投入した後、0℃でジイソプロピルエチルアミン(DIEA)12.0mL(68.8mmol)を滴下し、30分間撹拌した。製造された粗(crude)PNAオリゴマーに対して、HPLC(Agilent 1100、10% MeCN 70% for 20mins 100% for 25mins)により反応終了とCrude purityを測定した。MC250mLを入れ、飽和されたNaHCO、0.5MのHCl溶液で有機層を洗浄した後、硫酸ナトリウムで水を除去して濃縮して得た透明な黄色のオイル状である生成物をMeOH/エーテルで再結晶して、白色の固体状の化合物29-1(Boc-CC^CC’’ATT^GGOK-NH)を製造した(8.32g、80.3%)
【0152】
化合物30-1(TFA.NH2-CC^CC’’ATT^GGOK-NH2)の製造
250mLの丸底フラスコに、8.32g(1.90mmol)の化合物30-1を入れ、0℃で50%TFA/MC140mLに溶かした後、30分間撹拌させた。製造された粗PNAオリゴマーに対して、HPLC(Agilent 1100、10% MeCN 70% for 20mins 100% for 25mins)により反応終了とCrude purityを測定した。反応終了後、0℃で過量のジエチルエーテルに溶液を滴下し、沈殿させた。濾過後、白色の固体状の生成物である化合物30-1(TFA.NH-CC^CC’’ATT^GGOK-NH)を得た(7.31g、87.6%)。[Prep精製を進行した。]
【0153】
[実施例20]PNA十五量体31-1(Boc-AAG^CC’’ACC^CC’’ATT^GGOK-NH)の製造
500mLの丸底フラスコに、3.54g(1.22mmol)の化合物20-1をドライジメチルホルムアミド(DMF)350mLに溶かした後、HBTU[O-(1H-Benzotriazol-1-yl-N,N,N’,N’-tetramethyluronium hexafluorophosphate)]0.693g(1.83mmol)を投入した。5.34g(1.22mmol)の化合物30-1を投入した後、0℃でジイソプロピルエチルアミン(DIEA)4.24mL(24.4mmol)を投入して30分間撹拌した。製造された粗PNAオリゴマーに対してHPLC(Agilent 1100、10% MeCN 70% for 20mins 100% for 25mins)によりCrude purityを測定し、その結果を図1に示した。
【0154】
図1に示されたように、測定されたcrude purityは87%であった。
【0155】
[比較例1]化合物31-1(Boc-AAG^CC’’ACC^CC’’ATT^GGOK-NH)の製造
500mLの丸底フラスコに、1.00g(0.344mmol)の化合物20-1をドライジメチルホルムアミド(DMF)50mLに溶かした後、HBTU[O-(1H-Benzotriazol-1-yl-N,N,N’,N’-tetramethyluronium hexafluorophosphate)]0.196g(0.516mmol)を投入し、ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)0.6mL(3.44mmol)を常温で10分間撹拌させた。1.51g(0.344mmol)の化合物30-1をドライジメチルホルムアミド(DMF)50mLに溶かした後、ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)0.6mL(3.44mmol)を投入し、0℃で10分間撹拌させた。製造された溶液を0℃で混合し、30分間撹拌させた後、HPLC(Agilent 1100、10% MeCN 70% for 20mins 100% for 25mins)によりCrude purityを測定し、その結果を図2に示した。
【0156】
図2に示されたように、アミン化合物の添加順序によって、Crude purityに著しい差があることが分かる。
【0157】
[実施例21]PNAオリゴマーの製造
実施例20において、ドライジメチルホルムアミド(DMF)30mLを使用したことを除き、実施例20と同様に行ってPNAオリゴマー31-1(Boc-AAG^CC’’ACC^CC’’ATT^GGOK-NH)を製造した。
図1
図2
【手続補正書】
【提出日】2022-07-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0024】
好ましくは、本発明の一実施形態に係るPNAオリゴマーの製造方法は、
a)カップリング試薬および溶媒の存在下で、
下記化学式1-1で表される第1PNA二量体、下記化学式2-1で表される第1PNA三量体、または下記化学式3-1で表される第1PNA四量体に、下記化学式4-1で表される第2PNA二量体、下記化学式5-1で表される第2PNA三量体、または下記化学式6-1で表される第2PNA四量体を添加して混合液を得るステップと、
b)前記ステップの混合液にアミン化合物を添加し、前記化学式7~9で表される化合物を製造するステップと、を含む。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0039】
(前記化学式11~13
~R18は、互いに独立して、水素、アミノ酸の残基、または置換基を有するアミノ酸残基であり;
~Tは、互いに独立して、アミン保護基であり;
~Zは、互いに独立して、ヒドロキシ保護基であり;
~Bは、互いに独立して、アミン保護基を含むかもしくは含まない核酸塩基である。)
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0040】
本発明の一実施形態に係る化学式1-1で表される第1PNA二量体、前記化学式2-1で表される第1PNA三量体、または前記化学式3-1で表される第1PNA四量体1当量に対して、前記化学式4-1で表される第2PNA二量体、前記化学式5-1で表される第2PNA三量体、または前記化学式6-1で表される第2PNA四量体が1:0.8~1.2モルで用いられてもよい。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0099
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0099】
(前記化学式11~13中、
~R18は、互いに独立して、水素、アミノ酸の残基または置換基を有するアミノ酸残基であり;
~Tは、互いに独立して、アミン保護基であり;
~Zは、互いに独立して、ヒドロキシ保護基であり;
~Bは、互いに独立して、アミン保護基を含むかもしくは含まない核酸塩基である。)
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0100
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0100】
本発明の一実施形態に係る前記化学式1-1で表される第1PNA二量体、前記化学式2-1で表される第1PNA三量体、または前記化学式3-1で表される第1PNA四量体1モルに対して、前記化学式4-1で表される第2PNA二量体、前記化学式5-1で表される第2PNA三量体、または前記化学式6-1で表される第2PNA四量体は1:0.8~1.2モル、好ましくは1:0.9~1.1モルで用いられてもよい。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0118
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0118】
化合物7の製造
窒素下で、250mLの二口丸底フラスコに、8.71mLのOxalyl Chloride(17.4mmol)をシリンジを用いて入れ、20mLのドライMCを入れた。NaClと氷、メタノールを用いて温度を-20℃に5分かけて下げ、100mLの丸底フラスコに2.47mLのドライDMSO(34.8mmol)と5mLのドライMCを混合した溶液を滴下した。5分後、5.80gのBoc-Lys(Cbz)-OH(15.8mmol)をドライMC20mLに溶かした後、反応液に添加した。15分後、15.2mLのDIEA(87.1mmol)を添加した後、5分間撹拌させ、氷浴を除去してTLCを確認(EA only、p-Anisaldehyde)した。反応終了後、NaHCOで洗浄した後、溶媒を濃縮させて透明なオイル状の化合物7を得た(5.5g、95.3%)。
【手続補正7】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
PNAブロックとPNAブロックを溶液相で反応させ、PNAオリゴマーを製造するステップを含み;
前記PNAブロックは、異なるかもしくは同一である2つ以上のPNA単量体が結合されたものである、PNAオリゴマーの製造方法。
【請求項2】
カップリング試薬および溶媒の存在下で、
下記化学式1で表される第1PNA二量体、下記化学式2で表される第1PNA三量体、または下記化学式3で表される第1PNA四量体に、下記化学式4で表される第2PNA二量体、下記化学式5で表される第2PNA三量体、または下記化学式6で表される第2PNA四量体を混合した後、アミン化合物を添加して、下記化学式7~9で表されるPNAオリゴマーを製造するステップを含む、請求項1に記載のPNAオリゴマーの製造方法。
(前記化学式1~9中、
~AおよびA11~A14は、互いに独立して、互いに異なるかもしくは同一の核酸塩基を含むPNA単量体であり;
~P18は、互いに独立して、水素、または互いに異なるかもしくは同一の保護基であり、PとP、PとP、PとP、P11とP12、P13とP14、P15とP16、およびP17とP18のそれぞれが同時に水素である場合は除き、
aおよびbは、互いに独立して、1の整数であり、cおよびdは、互いに独立して、0または1の整数である。)
【請求項3】
a)カップリング試薬および溶媒の存在下で、
下記化学式1-1で表される第1PNA二量体、下記化学式2-1で表される第1PNA三量体、または下記化学式3-1で表される第1PNA四量体に、下記化学式4-1で表される第2PNA二量体、下記化学式5-1で表される第2PNA三量体、または下記化学式6-1で表される第2PNA四量体を添加して混合液を得るステップと、
b)前記ステップの混合液にアミン化合物を添加して、前記化学式7~9の化合物を製造するステップと、を含む、請求項2に記載のPNAオリゴマーの製造方法。
(前記化学式1-1、2-1、3-1、4-1、5-1、および6-1中、
~AおよびA11~A14は、互いに独立して、互いに異なるかもしくは同一の核酸塩基を含むPNA単量体であり;
、P、P、P、P、およびP11は、互いに独立して、水素、または互いに異なるかもしくは同一の保護基であり;
~Xは、互いに独立して、酸性塩であり;
aおよびbは、互いに独立して、1の整数であり、cおよびdは、互いに独立して、0または1の整数である。)
【請求項4】
前記アミン化合物がN,N-ジイソプロピルエチルアミンである、請求項2または3に記載のPNAオリゴマーの製造方法。
【請求項5】
前記b)ステップで得られた生成物をさらに出発物質として用いて、a)ステップおよびb)ステップを繰り返して行うステップをさらに含む、請求項3に記載のPNAオリゴマーの製造方法。
【請求項6】
前記混合液中の出発物質と溶媒の体積比が1:10以上である、請求項3に記載のPNAオリゴマーの製造方法。
【請求項7】
前記核酸塩基は、アデニン、シトシン、5-メチルシトシン、グアニン、チミン、ウラシル、プリン、2,6-ジアミノプリン、N-エタノシトシン、N-エタノ-2,6-ジアミノプリン、5-(C3-C6)-アルキニルウラシル、5-(C3-C6)-アルキニル-シトシン、5-(1-プロパルギルアミノ)ウラシル、5-(1-プロパルギルアミノ)シトシン、フェノキサジン、9-アミノエトキシフェノキサジン、5-フルオロウラシル、シュードイソシトシン、5-(ヒドロキシメチル)ウラシル、5-アミノウラシル、シュードウラシル、ジヒドロウラシル、5-(C1-C6)-アルキルウラシル、5-(C1-C6)-アルキル-シトシン、5-(C2-C6)-アルケニルシトシン、5-フルオロシトシン、5-クロロウラシル、5-クロロシトシン、5-ブロモウラシル、5-ブロモシトシン、7-デアザアデニン、7-デアザグアニン、8-アザプリン、7-デアザ-7-置換されたプリン、チオウラシル、または人工核酸塩基である、請求項2または3に記載のPNAオリゴマーの製造方法。
【請求項8】
前記保護基は、フルオレニルメトキシカルボニル、3級-ブチルオキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、Bhoc(Benzhydryloxycarbonyl)、アセチル、ベンゾイル、ベンジル、カルバメート、p-メトキシベンジル、3,4-ジメトキシベンジル、p-メトキシフェニル、トシル、トリクロロエチルクロロホルメート、スルホンアミド、またはイソブチリルである、請求項2または3に記載のPNAオリゴマーの製造方法。
【請求項9】
前記第1PNA二量体または第2PNA二量体は、下記化学式11で表され、
前記第1PNA三量体または第2PNA三量体は、下記化学式12で表され、
前記第1PNA四量体または第2PNA四量体は、下記化学式13で表される、請求項2に記載のPNAオリゴマーの製造方法。
(前記化学式11~13
~R18は、互いに独立して、水素、アミノ酸の残基または置換基を有するアミノ酸残基であり;
~Tは、互いに独立して、アミン保護基であり;
~Zは、互いに独立して、ヒドロキシ保護基であり;
~Bは、互いに独立して、アミン保護基を含むかもしくは含まない核酸塩基である。)
【請求項10】
前記化学式1-1で表される第1PNA二量体、前記化学式2-1で表される第1PNA三量体、または前記化学式3-1で表される第1PNA四量体1当量に対して、前記化学式4-1で表される第2PNA二量体、前記化学式5-1で表される第2PNA三量体、または前記化学式6-1で表される第2PNA四量体が1:0.8~1.2モルで用いられる、請求項3に記載のPNAオリゴマーの製造方法。
【請求項11】
前記カップリング試薬が、HBTU、PyBop、またはこれらの混合物である、請求項2または3に記載のPNAオリゴマーの製造方法。
【請求項12】
前記b)ステップは、-10~5℃で10~60分間行われる、請求項3に記載のPNAオリゴマーの製造方法。
【請求項13】
前記溶媒が、クロロ化(C1-C4)アルカン、またはDMFを含む、請求項2または3に記載のPNAオリゴマーの製造方法。
【請求項14】
前記製造された化学式7~9の化合物に水を添加して分離精製するステップをさらに含む、請求項2に記載のPNAオリゴマーの製造方法。
【国際調査報告】