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特表2023-508455側壁カバーを有する非空気圧式タイヤ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-02
(54)【発明の名称】側壁カバーを有する非空気圧式タイヤ
(51)【国際特許分類】
   B60C 7/00 20060101AFI20230222BHJP
   B60B 7/01 20060101ALI20230222BHJP
   B60B 9/26 20060101ALI20230222BHJP
【FI】
B60C7/00 H
B60B7/01 A
B60B9/26
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022539310
(86)(22)【出願日】2020-11-16
(85)【翻訳文提出日】2022-07-28
(86)【国際出願番号】 US2020060733
(87)【国際公開番号】W WO2021137957
(87)【国際公開日】2021-07-08
(31)【優先権主張番号】62/954,756
(32)【優先日】2019-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515168916
【氏名又は名称】ブリヂストン アメリカズ タイヤ オペレーションズ、 エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パール、リチャード エス.
【テーマコード(参考)】
3D131
【Fターム(参考)】
3D131AA30
3D131BB19
3D131BC51
3D131CC03
3D131LA28
3D131LA40
(57)【要約】

非空気圧式タイヤは、第1の直径を有する下部リングと、第1の直径よりも大きい第2の直径を有する上部リングと、を含む。上部リングは、下部リングと実質的に同軸である。非空気圧式タイヤは、下部リングと上部リングとの間に延在する支持構造体を更に含む。非空気圧式タイヤはまた、支持構造体の第1の側部の一部分を覆う環形状を有する上部側壁も含む。上部側壁は、第1の直径よりも大きい内径を有する。
【選択図】図6

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非空気圧式タイヤ、リム、及び側壁アセンブリであって、
非空気圧式タイヤであって、
第1の直径を有する下部リングと、
前記第1の直径よりも大きい第2の直径を有する上部リングであって、前記下部リングと実質的に同軸である、上部リングと、
前記下部リングと前記上部リングとの間に延在する支持構造体と、を含む、非空気圧式タイヤと、
前記非空気圧式タイヤの前記下部リングに接続されたリムと、
前記リムに接続された下部側壁カバーであって、前記下部側壁カバーが、前記下部リングの第1の側部と、前記支持構造体の第1の側部の一部分と、を覆う環状部分を含み、
前記下部側壁カバーの前記環状部分が、前記第1の直径よりも小さい内径を有し、かつ
前記下部側壁カバーの前記環状部分が、前記第2の直径よりも小さい外径を有する、下部側壁カバーと、
前記支持構造体の前記第1の側部の一部分を覆う環形状を有する上部側壁カバーであって、
前記上部側壁カバーが、前記下部側壁カバーの前記環状部分の前記外径よりも小さい内径を有する、上部側壁カバーと、を備える、非空気圧式タイヤ、リム、及び側壁アセンブリ。
【請求項2】
前記上部側壁カバーが、複数の位置において前記非空気圧式タイヤに取り付けられている、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記上部側壁カバーが、前記上部リングに取り付けられている、請求項2に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記上部側壁カバーが、前記支持構造体に取り付けられている、請求項2に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記上部側壁カバーが、前記下部側壁カバーに直接取り付けられていない、請求項2に記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記下部側壁カバーが、前記上部側壁カバーに取り付けられている、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記上部側壁カバーが、前記非空気圧式タイヤに直接取り付けられていない、請求項6に記載のアセンブリ。
【請求項8】
前記上部側壁カバーの下部分が、前記非空気圧式タイヤに向かって内向きに曲がり、前記下部側壁カバーの上部分が、前記非空気圧式タイヤから離れる方向に外向きに曲がっている、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項9】
前記上部側壁カバーの下部分が、前記非空気圧式タイヤから離れる方向に曲がり、前記下部側壁カバーの上部分が、前記非空気圧式タイヤに向かって内向きに曲がっている、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項10】
前記下部側壁カバーが、シリンダを含み、前記下部側壁カバーの前記環状部分が、前記シリンダの第1の端部から半径方向外向きに延在し、環状壁が、前記シリンダの第2の端部から半径方向内向きに延在し、前記環状壁が、前記リムにボルト留めされている、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項11】
非空気圧式タイヤの側部を覆う方法であって、前記方法が、
非空気圧式タイヤを提供することであって、前記非空気圧式タイヤが、
第1の直径を有する下部リングと、
前記第1の直径よりも大きい第2の直径を有する上部リングであって、前記下部リングと実質的に同軸である、上部リングと、
前記下部リングと前記上部リングとの間に延在する支持構造体と、を含む、提供することと、
リムを提供することと、
前記リム上に前記非空気圧式タイヤを装着することと、
環状部分を有する下部側壁を提供することと、
前記下部側壁を前記リムに接続することであって、これによって、前記下部側壁の前記環状部分が、前記下部リングの第1の側部と、前記支持構造体の第1の側部の下部分と、を覆い、前記下部側壁が、前記支持構造体の前記第1の側部の上部分を覆わない、接続することと、を含む、方法。
【請求項12】
環形状を有する上部側壁を提供することと、
前記上部側壁を前記下部側壁に直接取り付けることなく、複数の位置において前記上部側壁を前記非空気圧式タイヤに取り付けることと、を更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
環形状を有する上部側壁を提供することと、
複数の位置において前記上部側壁を前記下部側壁に取り付けることと、を更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
複数の位置における前記上部側壁の前記下部側壁への前記取り付けが、前記非空気圧式タイヤの前記支持構造体間の開口内に前記上部側壁の突起を挿入することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記下部側壁を前記リムに前記接続することが、前記下部側壁を前記リムにボルト留めすることを含む、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、側壁を有する非空気圧式タイヤに関する。より具体的には、本開示は、2片の側壁カバーを有する非空気圧式タイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
タイヤが非膨張状態又は膨張不足状態で走行することを可能にする様々なタイヤの構造が開発されている。非空気圧式タイヤは膨張を必要としないが、「ランフラットタイヤ」は、パンクし、加圧空気が完全に又は部分的に失われた後に、長期間、比較的高速で動作し続けることができる。非空気圧式タイヤは、複数のスポーク、ウェビング、又は下部リングを上部リングに接続する他の支持構造体を含み得る。
【発明の概要】
【0003】
一実施形態では、非空気圧式タイヤ、リム、及び側壁アセンブリが提供される。アセンブリは、第1の直径を有する下部リングと、第1の直径よりも大きい第2の直径を有する上部リングと、を有する、非空気圧式タイヤを含む。上部リングは、下部リングと実質的に同軸である。非空気圧式タイヤは、下部リングと上部リングとの間に延在する支持構造体を更に含む。アセンブリは、非空気圧式タイヤの下部リングに接続されたリムを更に含む。アセンブリはまた、リムに接続された下部側壁カバーを有する。下部側壁カバーは、下部リングの第1の側部と、支持構造体の第1の側部の一部分と、を覆う環状部分を含む。下部側壁カバーの環状部分は、第1の直径よりも小さい内径を有する。下部側壁カバーの環状部分は、第2の直径よりも小さい外径を有する。アセンブリはまた、支持構造体の第1の側部の一部分を覆う環形状を有する上部側壁カバーも含む。上部側壁カバーは、下部側壁カバーの環状部分の外径よりも小さい内径を有する。
【0004】
別の実施形態では、非空気圧式タイヤの側部を覆う方法が提供される。本方法は、第1の直径を有する下部リングと、第1の直径よりも大きい第2の直径を有する上部リングと、下部リングと上部リングとの間に延在する支持構造体と、を有する非空気圧式タイヤを提供することを含む。上部リングは、下部リングと実質的に同軸である。本方法は、リムを提供することと、リム上に非空気圧式タイヤを装着することと、を更に含む。本方法はまた、環状部分を有する下部側壁を提供することと、下部側壁をリムに接続することと、も含み、これによって、下部側壁の環状部分は、下部リングの第1の側部と、支持構造体の第1の側部の下部分と、を覆い、下部側壁は、支持構造体の第1の側部の上部分を覆わない。
【0005】
更に別の実施形態では、非空気圧式タイヤは、第1の直径を有する下部リングと、第1の直径よりも大きい第2の直径を有する上部リングと、を含む。上部リングは、下部リングと実質的に同軸である。非空気圧式タイヤは、下部リングと上部リングとの間に延在する支持構造体を更に含む。非空気圧式タイヤはまた、支持構造体の第1の側部の一部分を覆う環形状を有する上部側壁も含む。上部側壁は、第1の直径よりも大きい内径を有する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
添付の図面では、以下の詳細な説明と共に、特許請求される本発明の例示的実施形態を説明する構造が例解される。同様の要素は、同一の参照番号で特定される。単一の構成要素として示される要素は、多数の構成要素に置き換えられ得、多数の構成要素として示されている要素は、単一の構成要素に置き換えられ得ることが理解されるべきである。図面は正確な縮尺ではなく、特定の要素の比率が例解のために誇張されている場合がある。
図1】非空気圧式タイヤ及びリムアセンブリの一実施形態の斜視図である。
図2】上部側壁カバーを有する非空気圧式タイヤ及びリムアセンブリの斜視図である。
図3図2に示す上部側壁カバーを有する非空気圧式タイヤ及びリムアセンブリの部分断面図である。
図4】下部側壁カバーを有する非空気圧式タイヤ及びリムアセンブリの斜視図である。
図5図4に示す下部側壁カバーを有する非空気圧式タイヤ及びリムアセンブリの部分断面図である。
図6】上部側壁カバー及び下部側壁カバーを有する非空気圧式タイヤ並びにリムアセンブリの斜視図である。
図7図6に示す上部側壁カバー及び下部側壁カバーを有する非空気圧式タイヤ並びにリムアセンブリの部分断面図である。
図8】上部側壁カバー及び下部側壁カバーを有する非空気圧式タイヤ並びにリムアセンブリの代替実施形態の斜視図である。
図9図8に示す上部側壁カバー及び下部側壁カバーを有する非空気圧式タイヤ並びにリムアセンブリの断面図である。
図10】上部側壁カバー及び下部側壁カバーの代替実施形態の斜視図である。
図11図10に示す上部側壁カバー及び下部側壁カバーの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下は、本明細書において採用される選択用語の定義を含む。これらの定義には、用語の範囲に該当し、実施のために使用され得る構成要素の様々な例及び/又は形態が含まれる。例は、限定的であることを意図しない。用語の単数形及び複数形は、いずれも定義の範囲内であり得る。
【0008】
「軸方向の」及び「軸方向に」は、タイヤの回転軸と平行する方向を指す。
【0009】
「周方向の」及び「周方向に」は、軸方向に対して垂直であるトレッドの表面の外周部に沿って延在する方向を指す。
【0010】
「径方向の」及び「径方向に」は、タイヤの回転軸に対して垂直である方向を指す。
【0011】
本明細書で使用するとき、「トレッド」は、通常の膨張度及び通常の荷重において、道路又は地面と接触するタイヤの部分を指す。
【0012】
以下の説明で使用される同様の用語によって一般的なタイヤ構成要素が説明されるが、当然のことながら、用語は若干異なる含意を有するため、当業者は、以下の用語のうちのいずれか1つが、一般的なタイヤ構成要素の説明に使用される別の用語と単に交換することができるとは見なさないであろうことを理解されたい。
【0013】
本明細書では、方向は、タイヤの回転軸を基準にして述べられる。「上向きの」及び「上向きに」という用語は、タイヤのトレッドに向かう一般方向を指し、「下向きの」及び「下向きに」は、タイヤの回転軸に向かう一般方向を指す。したがって、「上部の」及び「下部の」又は「頂部の」及び「底部の」など相対的な方向用語が要素に関連して使用されるとき、「上部の」又は「頂部の」要素は、「下部」又は「底部」の要素よりもトレッドに近い位置に離間配置される。加えて、「上」又は「下」など相対的な方向用語が要素に関連して使用されるとき、別の要素の「上」にある要素は、他の要素よりもトレッドに近い。
【0014】
「内向きの」及び「内向きに」という用語は、タイヤの赤道面に向かう一般方向を指し、「外向きの」及び「外向きに」は、タイヤの赤道面から離れ、タイヤのサイドウォールに向かう一般方向を指す。したがって、「内部」及び「外部」など相対的な方向用語が要素と関連して使用されるとき、「内部」要素は、「外部」要素よりもタイヤの赤道面の近くに離間配置される。
【0015】
図1は、非空気圧式タイヤ及びリムアセンブリの一実施形態の部分斜視図である。アセンブリは、第1の直径を有する下部リング105と、第1の直径よりも大きい第2の直径を有する上部リング110と、を有する、非空気圧式タイヤ100を含む。上部リング110は、下部リング105と実質的に同軸である。複数のスポーク115は、下部リング105と上部リング110との間に延在している。
【0016】
複数のフィレット120が、各スポーク115の端部で、下部リング105と上部リング110との間に配置されている。複数のフィレット120は、下部フィレット120と、上部フィレット120と、を含む。下部フィレット120、下部リング105と直接接触している。上部フィレット120は、上部リング110と直接接触している。代替の実施形態では、フィレットは、省略されてもよい。
【0017】
複数の耳部125が、隣接するスポーク115の対の間に配置されている。各耳部125は、開口部130を含む。開口部130は、ねじ山付き開口部又は滑らかな開口部であり得る。代替の実施形態では、耳部は、省略されてもよい。
【0018】
代替的な実施形態では、スポークの代わりにウェビング又は他の支持構造体が採用され得る。
【0019】
図示される実施形態では、上部リング110の周りに周方向トレッド135が配置されている。トレッド135は、溝、リブ、ブロック、ラグ、サイプ、スタッド、及び他の要素などの、トレッド要素を含み得る。剪断バンド若しくは他の剪断要素又は補強構造(図示せず)が、上部リング110とトレッド135との間に配置され得る。代替的な実施形態(図示せず)では、別個のトレッドは省略され得、代わりに、トレッド要素が上部リングに直接形成され得る。
【0020】
下部リング105及び上部リング110は、天然ゴム又は合成ゴムなどのポリマー材料、他のエラストマー材料で構築され得る。代替的に、下部リング105及び上部リング110は、ポリウレタン、ポリエステル、ナイロン、又はポリ塩化ビニル(polyvinyl chloride、PVC)などの、より硬いポリマー材料で構築され得る。スポーク115は、中に配置された単一の補強材層を有するエラストマー材料で構築され得る。トレッド135、フィレット120、及び耳部125は、天然ゴム若しくは合成ゴムなどのエラストマー材料、又は他のエラストマー材料で構築され得る。
【0021】
アセンブリは、リム140を更に含む。下部リング105は、接着剤などによって、又は化学結合プロセスを通して、リム140に取り付けられる。リム140は、開口部145を通って延在する複数のボルト(図示せず)を介して車両に取り付けられ得る。
【0022】
図2は、上部側壁カバー150を有する非空気圧式タイヤ及びリムアセンブリの斜視図である。上部側壁カバー150はまた、単に上部側壁又は上部カバーと称され得る。上部側壁カバー150は、非空気圧式タイヤ100の第1の側部の一部分を覆う環形状を有する。具体的には、上部側壁カバー150は、スポーク115の一部分を覆う。上部側壁カバー150は、下部リング105の直径よりも大きい内径を有する。図示された実施形態では、上部フィレット120、及びスポーク115の上部分は、上部側壁カバー150によって覆われている一方で、下部リング105、下部フィレット120、及びスポーク115の下部分は、覆われていない。
【0023】
一実施形態では、上部リング110は、上部側壁カバー150によって覆われている。言い換えれば、上部側壁カバー150の外径は、上部リング110の直径よりも大きい。代替的な実施形態では、上部リング110は、覆われていない。言い換えれば、そのような実施形態では、上部側壁カバー150の外径は、上部リング110の直径よりも小さい。同様に、一実施形態では、トレッド135の肩部領域は、側壁カバー150によって覆われている一方で、代替的な実施形態では、トレッド135の肩部領域は、覆われていない。
【0024】
図示された実施形態では、上部側壁カバー150は、複数の位置において非空気圧式タイヤ100に直接取り付けられている。具体的には、上部側壁カバー150は、非空気圧式タイヤ100にボルト留めされ、ボルト155は、耳部125の開口部130内に延在している。したがって、上部側壁カバー150は、非空気圧式タイヤ100に取り外し可能に取り付けられている。代替的な実施形態では、クリップなどの他の取り外し可能な締結具が用いられてもよい。別の代替の実施形態では、上部側壁カバーは、接着剤又は恒久締結具によって非空気圧式タイヤに恒久的に取り付けられ得る。
【0025】
図示された実施形態が、上部側壁カバー150を非空気圧式タイヤの耳部125に取り付けられているものとして示している一方で、上部側壁カバーが、他の位置において取り付けられ得ることを理解されたい。例えば、上部側壁カバーは、トレッド、上部リング、上部フィレット、又はスポーク若しくは他の支持構造体に取り付けられ得る。
【0026】
図3は、図2に示されるアセンブリの断面図である。この図から見ることができるように、上部側壁カバー150は、上部傾斜部分160と、半径方向部分165と、下部傾斜部分170と、を含む。言い換えれば、上部側壁カバー150の上部分は、非空気圧式タイヤ100に向かって内向きに曲がり、上部側壁カバー150の下部分は、同様に、非空気圧式タイヤ100に向かって内向きに曲がっている。代替の実施形態では、傾斜下部分は、非空気圧式タイヤから離れる方向に曲がっている。別の代替実施形態では、上部側壁カバーの下部分は、半径方向に延在する。更に別の代替実施形態では、上部側壁カバーの上部分は、半径方向に延在する。そのような一実施形態では、上部側壁カバーは、平坦な円盤形状の構成要素である。
【0027】
図4は、下部側壁カバー175を有する非空気圧式タイヤ及びリムアセンブリの部分斜視図である。下部側壁カバー175は、単に下部側壁又は下部カバーとも称され得る。下部側壁カバー175は、非空気圧式タイヤ100の第1の側部の一部分を覆う環状部分180を有する。具体的には、下部側壁カバー175は、下部リング105の第1の側部と、下部フィレット120と、スポーク115の下部分と、を覆う環状部分180を含む。
【0028】
下部側壁カバー175の環状部分180は、内部リング105の直径よりも小さい内径と、外部リング110の直径よりも小さい外径と、を有する。図示された実施形態では、下部リング105、下部フィレット120、及びスポークの下部分115は、下部側壁カバー175の環状部分180によって覆われている一方で、上部フィレット120、及びスポーク115の上部分は、覆われていない。
【0029】
下部側壁カバー175はまた、リム135の直径よりも小さい直径を有するシリンダ185も含む。したがって、シリンダ185は、リム135によって受容され得る。下部側壁カバー175の環状部分180は、シリンダ185の第1の端部から半径方向外向きに延在する。環状壁190は、シリンダ185の第2の端部から半径方向内向きに延在する。環状壁190は、リムの開口部を通過するボルトBと整列する複数の開口部(図示せず)を含むことにより、環状壁190がリム140にボルト留めされることが可能となっている。
【0030】
図示された実施形態では、下部側壁カバー175は、複数の位置においてリム135に直接取り付けられている。したがって、下部側壁カバー175は、非空気圧式タイヤ及びリムアセンブリに取り外し可能に取り付けられている。代替的な実施形態では、他の取り外し可能な締結具が用いられてもよい。別の代替の実施形態では、下部側壁カバーは、接着剤又は恒久締結具によって非空気圧式タイヤ及びリムアセンブリに恒久的に取り付けられ得る。
【0031】
図示された実施形態が、下部側壁カバー175をリム135に取り付けられているものとして示している一方で、下部側壁カバーが、他の位置において取り付けられ得ることを理解されたい。例えば、下部側壁カバーは、下部リング、下部フィレット、又はスポーク若しくは他の支持構造体に取り付けられ得る。
【0032】
図5は、図4に示されるアセンブリの断面図である。この図から見ることができるように、下部側壁カバー175の環状部分180は、上部傾斜部分195と、半径方向部分196と、下部傾斜部分197と、を含む。言い換えれば、下部側壁カバー175の上部分は、非空気圧式タイヤ100から外向きに曲がり、下部側壁カバー175の下部分はまた、非空気圧式タイヤ100から外向きに曲がっている。代替の実施形態では、傾斜上部分は、非空気圧式タイヤに向かって曲がっている。別の代替実施形態では、上部分は、半径方向に延在する。更に別の代替の実施形態では、下部分は、半径方向に延在する。そのような一実施形態では、下部側壁カバーの環状部分は、平坦な円盤形状の構成要素である。
【0033】
図6は、上部側壁カバー150及び下部側壁カバー175を有する非空気圧式タイヤ並びにリムアセンブリの斜視図である。使用者は、図2及び図3に示すように、上部側壁カバーのみを用いるか、又は図4及び図5に示すように、下部側壁カバー175のみを用いることができる一方で、図6に示すように、上部側壁カバー150及び下部側壁カバー175の両方を用いることが望ましい場合がある。図示の実施形態では、キャップ199はまた、中央開口を覆うように、下部側壁カバー175に取り付けられている。キャップ199は、任意選択である。
【0034】
上部側壁カバー150と下部側壁カバー175との両方を用いると、任意選択のキャップ199は、破片が非空気圧式タイヤ100の開口に入るのを防止する。そのような破片は、タイヤに重量を加え、潜在的に、スポーク115又は他の構成要素を損傷する可能性がある。上部側壁カバー150、下部側壁カバー175、及び任意選択のキャップ199は、タイヤ100を縁石損傷から保護することもできる。上部側壁カバー150、下部側壁カバー175、及び任意選択のキャップ199は、タイヤ100をより空気力学的にし得る。
【0035】
図示された実施形態では、上部側壁カバー150は、下部側壁カバー175に直接取り付けられていない。したがって、2つの構成要素は、互いに対して半径方向に移動する(又は浮遊する)ことができる。一実施形態では、上部側壁150は、プラスチック又はゴムなどの半可撓性材料で構築される一方で、下部側壁175は、金属、ポリエチレン、ポリプロピレン、ガラス充填プラスチック、又は他のプラスチックなどの剛性材料で構築されている。したがって、上部側壁150は、スポーク115が回転中に座屈又は屈曲する場合に、(単独で、又は下部側壁175と組み合わせて使用されるかにかかわらず)屈曲し得る。下部側壁175は、タイヤ100が所定の量を超えて屈曲する場合に、(単独で、又は上側側壁150と組み合わせて使用されるかにかかわらず)「バンプ停止部」として機能し、トレッド135又は路面に接触し得る。
【0036】
図7は、図6に示す上部側壁カバー150及び下部側壁カバー175を有する非空気圧式タイヤ並びにリムアセンブリの断面図である。図3に関して上記で説明したように、上部側壁カバー150は、上部傾斜部分160と、半径方向部分165と、下部傾斜部分170と、を含む。言い換えれば、上部側壁カバー150の上部分は、非空気圧式タイヤ100に向かって内向きに曲がり、上部側壁カバー150の下部分は、非空気圧式タイヤ100に向かって内向きに曲がっている。図5に関して上記で更に説明されるように、下部側壁カバー175の環状部分180は、上部傾斜部分195と、半径方向部分196と、下部傾斜部分197と、を含む。言い換えれば、下部側壁カバー175の上部分は、非空気圧式タイヤ100から外向きに曲がり、下部側壁カバー175の下部分はまた、非空気圧式タイヤ100から外向きに曲がっている。
【0037】
図示された実施形態では、上部側壁カバー150の下部傾斜部分170は、下部側壁カバー175の上部傾斜部分195の半径方向下方にある。したがって、2つの傾斜部分は、破片がタイヤ100の開口に入ることを更に防止するために、迷路又は蛇行経路を形成する。
【0038】
代替の実施形態では、上部及び下部側壁カバーは、反対方向に曲がっていてもよい。言い換えれば、下部側壁キャップの傾斜上部分は、非空気圧式タイヤに向かって曲がり得る一方で、上部側壁キャップの傾斜下部分は、非空気圧式タイヤから離れる方向に曲がっている。そのような構成は、依然として、迷路又は蛇行経路をもたらすであろう。
【0039】
別の代替の実施形態では、上部及び下部側壁カバーは、迷路又は蛇行経路を形成することなく、単に半径方向に互いに重なる。そのような構成は、製造及び組み立てがより容易であり得る。
【0040】
図8は、上部側壁カバー及び下部側壁カバーを有する非空気圧式タイヤ並びにリムアセンブリの代替実施形態の斜視図である。この実施形態では、非空気圧式タイヤ200は、非空気圧式タイヤ100と、又は上述の代替実施形態のいずれかと実質的に同じであり得る。したがって、非空気圧式タイヤ200は、更に詳細に説明されない。
【0041】
非空気圧式タイヤ200は、上部側壁カバー210と、下部側壁カバー220と、を含む。上部及び下部側壁カバー210、220は、本明細書で詳述される相違点を除いて、上述のように、上部及び下部側壁カバー150、175と実質的に同じである。
【0042】
図示された実施形態では、下部側壁カバー220は、複数のボルト230によって、上部側壁カバー210に直接取り付けられている。代替の実施形態では、他の一時的又は恒久的な締結具が用いられ得る。一実施形態では、上部側壁カバー210は、非空気圧式タイヤ200に直接取り付けられていない。代わりに、上部側壁カバー210は、タイヤのスポークが座屈又は屈曲する場合に、非空気圧式タイヤに対して半径方向に移動する(又は浮遊する)ことができる。
【0043】
アセンブリはまた、下部側壁カバー220に取り付けられたキャップ240も含む。代替の実施形態では、キャップは、省略されてもよい。
【0044】
図9は、図8に示す上部側壁カバー210及び下部側壁カバー220を有する非空気圧式タイヤ並びにリムアセンブリの断面図である。この図で見ることができるように、上部及び下部側壁カバー210、220は、図6に示す上部及び下部側壁カバー150、175と同じ曲がり構成を有する。図6に関して説明された代替物はまた、図8に示す実施形態にも適用され得ることを理解されたい。
【0045】
図10は、上部側壁カバー310及び下部側壁カバー320の代替実施形態の斜視図である。図11は、図10に示す上部側壁カバー及び下部側壁カバーの断面図である。これらの図で見ることができるように、上部側壁カバー310及び下部側壁カバー320は、複数のボルト330を用いて互いに直接取り付けられている。上部及び下部側壁カバー310、320は、本明細書に記載される違いを除いて、図8及び図9に関して上述した上部側壁カバー210及び下部側壁カバー220と実質的に同じである。
【0046】
図示された実施形態では、上部側壁カバー310は、軸方向内向きに延在する複数の突起340を含む。突起は、非空気圧式タイヤのスポーク間に収まるように寸法決めされており、追加の安定性を提供し、かつねじれを防止し得る。一実施形態では、突起は、タイヤへの圧入取り付けを提供するように寸法決めされている。突起は、突起とスポークとの間の摩擦を増加させるために、テクスチャ表面を有してもよいか、又は突起に成形された特徴を有してもよい。突起340は一定の直径を有するものとして示されているが、代替的な実施形態では、突起は先細であってもよい。代替の実施形態では、突起は、突起とスポークとの間にクリアランスが存在するように、より小さい寸法を有する。
【0047】
「含む(includes)」又は「含むこと(including)」という用語が、本明細書又は特許請求の範囲において使用される範囲まで、「含む(comprising)」という用語が特許請求項で移行句として採用される際の解釈と同様に包括的であることが意図される。更に、「又は(or)」という用語が採用される範囲において(例えば、A又はBなど)、「A、又はB、又はAとBとの両方とも」を意味することが意図されている。本出願人らが「A又はBの両方ではなく一方のみ」を示すことを意図する場合、「A又はBの両方ではなく一方のみ」という用語が採用されるであろう。したがって、本明細書における「又は」という用語の使用は、排他的ではなく、包括的である。Bryan A.Garner,A Dictionary of Modern Legal Usage 624(2d.Ed.1995)を参照。また、「中(in)」又は「中へ(into)」という用語が、本明細書又は特許請求の範囲において使用される範囲において、「上(on)」又は「上へ(onto)」を追加的に意味することが意図される。更に、「接続する(connect)」という用語が本明細書又は特許請求の範囲において使用される限りにおいて、「と直接接続する(directly connected to)」ことだけではなく、別の構成要素を介して接続することなどのように「と間接的に接続する(indirectly connected to)」ことも意味することが意図される。
【0048】
本出願をその実施形態の記述によって例解し、またその実施形態をかなり詳細に説明てきたが、添付の特許請求の範囲の範囲をこのような詳細に制限するか、又はいかなる形式でも限定することは、出願人らの本意ではない。追加の利点及び改良が、当業者には容易に明らかとなるであろう。したがって、そのより広い態様における本出願は、図示及び説明される、特定の詳細、代表的な装置及び方法、並びに例解的な実施例に限定されない。このため、出願人の一般的な発明概念の趣旨又は範囲から逸脱することなく、このような詳細からの逸脱がなされ得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2022-07-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非空気圧式タイヤ、リム、及び側壁アセンブリであって、
非空気圧式タイヤであって、
第1の直径を有する下部リングと、
前記第1の直径よりも大きい第2の直径を有する上部リングであって、前記下部リングと実質的に同軸である、上部リングと、
前記下部リングと前記上部リングとの間に延在する支持構造体と、を含む、非空気圧式タイヤと、
前記非空気圧式タイヤの前記下部リングに接続されたリムと、
前記リムに接続された下部側壁カバーであって、前記下部側壁カバーが、前記下部リングの第1の側部と、前記支持構造体の第1の側部の一部分と、を覆う環状部分を含み、
前記下部側壁カバーの前記環状部分が、前記第1の直径よりも小さい内径を有し、かつ
前記下部側壁カバーの前記環状部分が、前記第2の直径よりも小さい外径を有する、下部側壁カバーと、
前記支持構造体の前記第1の側部の一部分を覆う環形状を有する上部側壁カバーであって、
前記上部側壁カバーが、前記下部側壁カバーの前記環状部分の前記外径よりも小さい内径を有する、上部側壁カバーと、を備える、非空気圧式タイヤ、リム、及び側壁アセンブリ。
【請求項2】
前記下部側壁カバーが、前記上部側壁カバーに取り付けられている、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記上部側壁カバーの下部分が、前記非空気圧式タイヤに向かって内向きに曲がり、前記下部側壁カバーの上部分が、前記非空気圧式タイヤから離れる方向に外向きに曲がっている、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記上部側壁カバーの下部分が、前記非空気圧式タイヤから離れる方向に曲がり、前記下部側壁カバーの上部分が、前記非空気圧式タイヤに向かって外向き内向きに曲がっている、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記下部側壁カバーが、シリンダを含み、前記下部側壁カバーの前記環状部分が、前記シリンダの第1の端部から半径方向外向きに延在し、環状壁が、前記シリンダの第2の端部から半径方向内向きに延在し、前記環状壁が、前記リムにボルト留めされている、請求項1に記載のアセンブリ。

【国際調査報告】