IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ステン イノベーション テクノロジー カンパニー リミテッドの特許一覧

<>
  • 特表-レーザーレーダー 図1A
  • 特表-レーザーレーダー 図1B
  • 特表-レーザーレーダー 図1C
  • 特表-レーザーレーダー 図1D
  • 特表-レーザーレーダー 図2
  • 特表-レーザーレーダー 図3
  • 特表-レーザーレーダー 図4
  • 特表-レーザーレーダー 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-02
(54)【発明の名称】レーザーレーダー
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/481 20060101AFI20230222BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20230222BHJP
   H05K 9/00 20060101ALI20230222BHJP
【FI】
G01S7/481 Z
H05K7/20 F
H05K9/00 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022539429
(86)(22)【出願日】2020-01-03
(85)【翻訳文提出日】2022-06-27
(86)【国際出願番号】 CN2020070252
(87)【国際公開番号】W WO2021051721
(87)【国際公開日】2021-03-25
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518372316
【氏名又は名称】深セン市速騰聚創科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100146374
【弁理士】
【氏名又は名称】有馬 百子
(72)【発明者】
【氏名】江 申
【テーマコード(参考)】
5E321
5E322
5J084
【Fターム(参考)】
5E321AA02
5E321GG01
5E321GG05
5E322AA03
5E322EA02
5E322FA04
5J084AA04
5J084AA05
5J084BA03
5J084BA35
5J084BA36
5J084BA50
5J084BB04
5J084BB25
5J084BB28
5J084CA49
5J084EA01
5J084EA18
(57)【要約】
【要約】
本発明の実施形態では、レーザーレーダーを開示しており、本出願の実施形態は、それぞれ独立した基板でレーザーレーダーのコントロール機能、処理機能、送信機能、受信機能とインタフェース機能を実現することにより、部品の熱蓄積効果の発生を避ける。また、本出願の実施形態は、デジタル信号処理のデジタル基板とアナログ信号処理のアナログ基板を別々に配置し、アナログ信号とデジタル信号の間の電磁干渉を低減することにより、レーザーレーダーの内部干渉をさらに低減することができる。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザーレーダーであって、筐体、アナログ基板、デジタル基板、送信基板、受信基板、振動ミラーおよびインタフェース基板を備え、前記アナログ基板、前記デジタル基板、前記送信基板および前記受信基板は、前記筐体の内部に設けられ、
ここで、前記送信基板は、出射レーザーを照射するためのものであり、
前記受信基板は、前記出射レーザーが対象物を通過して形成した反射レーザーを受信し、前記反射レーザーを第1電気信号に変換するためのものであり、
前記振動ミラーは、前記出射レーザーを偏向させるためのものであり、
前記アナログ基板は、前記振動ミラーの偏向角度を制御し、前記第1電気信号を調整して第2電気信号を得るためのものであり、
前記デジタル基板は、前記第2電気信号をサンプリングしてサンプリング信号を取得し、前記サンプリング信号に応じてスキャン画像を生成するためのものであり、
前記受信基板は、通信インタフェースと電源インタフェースを備え、前記通信インタフェースは、外部機器と通信するためのものであり、前記電源インタフェースは、外部電圧信号を入力するためのものであることを特徴とするレーザーレーダー。
【請求項2】
前記インタフェース基板は、さらに、加熱回路、バス電圧安定化回路、電源保護回路、およびインタフェース保護回路を備え、
ここで、前記電源保護回路は、前記インタフェース基板の過電圧保護と過電流保護を行うためのものであり、
前記バス電圧安定化回路は、前記外部電圧信号を安定化してバス電圧信号を得るためのものであり、
前記加熱回路は、前記バス電圧信号を利用してウィンドウヒーターに電気エネルギーを伝送するためのものであり、
前記インタフェース保護回路は、前記通信インタフェースに対して干渉抑制をするためのものであることを特徴とする請求項1に記載のレーザーレーダー。
【請求項3】
前記インタフェース基板は、さらに第1放熱部品を備え、前記バス電圧安定化回路は、前記第1放熱部品を介して前記筐体の内壁に密着することを特徴とする請求項2に記載のレーザーレーダー。
【請求項4】
前記デジタル基板は、メインコントローラー、メモリー、ウォッチドッグ回路、クロックユニット、サンプリングユニットおよび電源ユニットを備え、
ここで、前記メモリーは、コンピュータプログラムを保存するためのものであり、
前記ウォッチドッグ回路は、前記メインコントローラーに障害が発生する場合に前記メインコントローラーをリセットするためのものであり、
前記クロックユニットは、クロック信号を生成するためのものであり、
前記サンプリングユニットは、前記クロック信号に応じて前記第2電気信号をサンプリングしてサンプリング信号を得るためのものであり、
前記メインコントローラーは、前記コンピュータプログラムを呼び出して前記サンプリング信号を処理してスキャン画像を得るためのものであり、
前記電源ユニットは、バス電圧信号を異なる電圧値の複数の動作電圧信号に変換し、複数の前記動作電圧信号を前記デジタル基板の各回路に提供することを特徴とする請求項1に記載のレーザーレーダー。
【請求項5】
前記デジタル基板は、アナログ信号領域とデジタル信号領域に分けられ、
ここで、クロック回路、サンプリング回路および第1電源回路は、前記アナログ信号領域にあり、前記メインコントローラー、前記メモリーおよび前記ウォッチドッグ回路は、前記デジタル信号領域にあることを特徴とする請求項1に記載のレーザーレーダー。
【請求項6】
前記デジタルは、さらに第2放熱部品を備え、
ここで、前記メインコントローラー、サンプリング回路および前記第1電源回路は、第2放熱部品を介して前記筐体の内壁に密着することを特徴とする請求項4または5に記載のレーザーレーダー。
【請求項7】
前記アナログ基板は、送信電源回路、エコー調整回路、受信電源回路、振動ミラー駆動回路、第2電源回路およびコントロールユニットを備え、
ここで、前記第2電源回路は、バス電圧信号を第1電圧信号と第2電圧信号に変換するためのものであり、
前記送信電源回路は、前記第1電圧信号を利用して前記送信基板に給電するためのものであり、
前記受信電源回路は、前記第2電圧信号を利用して前記受信基板に給電するためのものであり、
前記エコー調整回路は、前記受信基板からの第1電気信号を受信し、前記第1電気信号を調整して第2電気信号を得るためのものであり、
前記コントロールユニットは、振動ミラー駆動信号を生成し、前記振動ミラー駆動ユニットに前記振動ミラー駆動信号を送るためのものであり、
前記振動ミラー駆動回路は、前記振動ミラー駆動信号に応じて前記振動ミラーの偏向角度を調整するためのものであることを特徴とする請求項1に記載のレーザーレーダー。
【請求項8】
前記アナログ基板は、デジタル信号領域とアナログ信号領域に分けられ、
ここで、前記コントロールユニットは前記デジタル信号領域にあり、
前記送信電源回路、前記エコー調整回路、前記受信電源回路、前記振動ミラー駆動回路および前記第2電源回路は、前記アナログ信号領域にあることを特徴とする請求項7に記載のレーザーレーダー。
【請求項9】
さらに、第3放熱部品を備え、
前記送信基板のプリント基板は、前記第3放熱部品を介して前記筐体の内壁に密着し、
前記送信基板は、フレキシブルケーブルを介して前記アナログ基板に接続され、
前記送信基板のプリント基板の材料は、セラミックであることを特徴とする請求項1に記載のレーザーレーダー。
【請求項10】
前記送信基板には、前記送信基板に対して電磁シールドをするための第1シールドカバーが設けられていることを特徴とする請求項1に記載のレーザーレーダー。
【請求項11】
前記受信基板には、前記受信基板に対して電磁シールドをするための第2シールドカバーが設けられており、
前記受信基板は、さらに前記第1電気信号の増幅処理を行うための信号増幅器を備えることを特徴とする請求項1に記載のレーザーレーダー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定分野に関し、特にレーザーレーダーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
レーザーレーダー(LiDAR)とは、レーザー光を照射してターゲットの位置や速度などを検出するレーダーシステムであり、その動作原理は、ターゲットに検出用のレーザー光を照射し、ターゲットから反射された受信信号と照射した信号を比較し、適切に処理することで、ターゲットに関する情報(例えば、ターゲットの距離、方位、高度、速度、姿勢、さらに形状など)を取得できることである。自動運転の分野では、車載レーザーレーダーは歩行者、車両やその他障害物などを検出するために使用されており、車載レーザーレーダーはますます小型化していく中、放熱や電磁干渉の問題はますます顕著になり、レーザーレーダー内で動作するデバイスによって生成された熱が蓄積すると、局部のデバイス温度が上昇し、レーザーレーダーの測定パフォーマンスに影響を与えてしまう。同様に、レーザーレーダーのデバイス間のますます深刻な電磁干渉により、レーザーレーダーに生成する波形の歪みを引き起こすことで、測定性能にも影響を与えてしまう。レーザーレーダーの放熱性能と干渉防止能力を如何に改善するかは、現在解決すべき緊急の課題となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の実施例は、関連技術におけるレーザーレーダーの放熱性が低く、内部干渉が大きいという問題を解決するレーザーレーダーを提供している。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記技術的課題を解決するために、本発明の実施例は、以下の技術的解決策を開示する。
【0005】
第1の態様では、本出願は、筐体、前記筐体内に設けられたアナログ基板、デジタル基板、送信基板、受信基板、振動ミラーとインターフェース基板を備えるレーザーレーダーを提供するものであり、
ここで、前記送信基板が、出射レーザーを送信するためのものであり、
前記受信基板は、前記出射レーザーが前記対象物を通過して形成された反射レーザーを受信し、前記反射レーザーを第1電気信号に変換するためのものであり、
前記振動ミラーは、前記出射レーザー及び前記反射レーザーの方向を偏向させるためのものであり、
前記アナログ基板は、前記発振器の偏向角度を制御し、前記第1電気信号を調整して第2電気信号を得るためのものであり、
【0006】
前記デジタル基板は、前記第2電気信号をサンプリングしてサンプリング信号を取得し、前記サンプリング信号に基づいてスキャン画像を生成するためのものであり、
前記受信基板は、外部機器と通信するための通信インタフェースと、外聞電圧信号を入力するための電源インタフェースを備える。
考えられる1つの設計では、さらに、
【0007】
ウィンドウヒーターを備え、前記ウィンドウヒーターはインターフェースボードに接続され、前記ウィンドウヒーターはインターフェースボードからの電気エネルギーを熱エネルギーに変換するためのものである。
考えられる1つの設計では、前記インタフェース基板は、さらに、
加熱回路、バス電圧安定化回路、電源保護回路、インタフェース保護回路を備え、
ここで、前記電源保護回路は、前記インタフェース基板の過電圧保護と過電流保護のためのものであり、
前記バス電圧安定化回路は、前記外部電圧信号の電圧安定処理を行ってバス電圧信号を取得するためのものであり、
前記加熱回路は、前記バス電圧信号を利用して前記ウィンドウヒーターに電気エネルギーを伝導するためのものであり、
前記インタフェース保護回路は、前記通信インタフェースに対して干渉抑制を行うためのものである。
【0008】
考えられる1つの設計では、前記インタフェース基板は、さらに、第1放熱部品を備え、前記バス電圧安定化回路は、前記第1放熱部品を介して前記筐体の内壁に密着する。
考えられる1つの設計では、前記ウィンドウヒーターは、ソケットを介して前記インタフェース基板に接続される。
考えられる1つの設計では、前記デジタル基板は、メインコントローラー、メモリー、ウォッチドッグ回路、クロックユニット、サンプリングユニット、電源ユニットを備え、
ここで、前記メモリーは、コンピュータプログラムを保存するためのものであり、
前記ウォッチドッグ回路は、前記メインコントローラーに障害が発生する場合に前記メインコントローラーをリセットするためのものであり、
前記クロック回路は、クロック信号を生成するためのものであり、
前記サンプリング回路は、前記クロック信号に応じて前記第2電気信号をサンプリングしてサンプリング信号を取得するためのものであり、
前記メインコントローラーは、前記コンピュータプログラムを呼び出して前記サンプリング信号を処理してスキャン画像を取得するためのものであり、
【0009】
前記第1電源回路は、前記バス電圧信号を異なる電圧値の複数の動作電圧信号に変換し、前記デジタル基板の各回路に複数の前記動作電圧信号を提供するためのものである。
考えられる1つの設計では、前記デジタル基板はアナログ信号領域とデジタル信号領域に分けられ、
【0010】
ここで、クロック回路、サンプリング回路と第1電源回路は前記アナログ信号領域に配置され、前記メインコントローラー、前記メモリーと前記ウォッチドッグ回路は前記デジタル信号領域に配置される。
考えられる1つの設計では、前記デジタル基板はさらに第2放熱部品を備え、
ここで、前記メインコントローラー、サンプリング回路と前記第1電源回路は第2放熱部品を介して前記筐体の内壁に密着する。
【0011】
考えられる1つの設計では、前記アナログ基板は、送信電源回路、エコー調整回路、受信電源回路、振動ミラー駆動電路、第2電源回路とコントロールユニットを備え、
ここで、前記第2電源回路は、前記バス電圧信号を第1電圧信号と第2電圧信号に変換するためのものであり、
前記送信電源回路は、前記第1電圧信号を利用して前記送信基板に給電するためのものであり、
前記受信電源回路は、前記第2電圧信号を利用して前記受信基板に給電するためのものであり、
前記エコー調整回路は、前記受信基板からの第1電気信号を受信し、前記第1電気信号の信号調整をすることで第2電気信号を得るためのものであり、
前記コントロールユニットは、振動ミラー駆動信号を生成し、前記振動ミラー駆動ユニットに前記振動ミラー駆動信号を送信するためのものであり、
前記振動ミラー駆動電路は、前記振動ミラー駆動信号に応じて前記振動ミラーの偏向角度を調整するためのものである。
考えられる1つの設計では、前記アナログ基板はデジタル信号領域とアナログ信号領域に分けられ、
【0012】
ここで、前記コントロールユニットは前記デジタル信号領域に配置され、前記送信電源回路、前記エコー調整回路、前記受信電源回路、前記振動ミラー駆動回路と前記第2電源回路は前記アナログ信号領域に配置される。
考えられる1つの設計では、さらに第3放熱部品を備え、
【0013】
前記送信基板のプリント基板は前記第3放熱部品を介して前記筐体の内壁に密着し、前記送信基板はフレキシブルケーブルを介して前記アナログ基板に接続され、前記送信基板のプリント基板の材質はセラミックである。
考えられる1つの設計では、前記送信基板には、前記送信基板に対して電磁シールドを行うための第1シールドカバーが設けられる。
【0014】
考えられる1つの設計では、前記受信基板には、前記受信基板に対して電磁シールドを行うための第2シールドカバーが設けられ、前記受信基板は、さらに前記第1電気信号の増幅処理を行うための信号増幅器を備える。
考えられる1つの設計では、前記アナログ基板と前記デジタル基板は積み重なって配置される。
【発明の効果】
【0015】
本実施例では、レーザーレーダーは、筐体、アナログ基板、デジタル基板、送信基板、受信基板、インタフェース基板と振動ミラーを備えている。アナログ基板、デジタル基板、送信基板、受信基板と受信基板は、筐体の内部に設けられ、複数の基板でレーザーレーダーの様々な機能を実現することで、関連技術におけるレーザーレーダーの全機能を1つの基板で実現することによる放熱不良によって引き起こした部品破損の問題を本実施例のレーザーレーダーでは避けることができる。本出願の実施例は、それぞれ独立した基板でレーザーレーダーのコントロール機能、処理機能、送信機能、受信機能とインタフェース機能を実現することにより、部品の熱蓄積効果の発生を避ける。また、本出願は、デジタル信号処理のデジタル基板とアナログ信号処理のアナログ基板を別々に配置し、アナログ信号とデジタル信号の間の電磁干渉を低減することにより、レーザーレーダーの内部干渉をさらに低減している。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本発明の実施例または従来技術の技術的解決策をより明確に説明するために、実施例において使われる添付図面について、以下に簡単に説明する。以下の説明における添付図面は、本発明の一部の実施例に過ぎず、本分野の当業者の場合は、創作的な努力なしに、これらの図面に基づいて他の図面を得られることは明らかである。
図1A】は、本発明の実施例によるレーザーレーダーの枠組を示す図である。
図1B】は、本発明の実施例によるレーザーレーダーの構造を示す図である。
図1C】は、本発明の実施例による各基板の間の位置を示す図である。
図1D】は、本発明の実施例の組立図である。
図2】は、本発明の実施例によるレーザーレーダーのインタフェース基板の構造を示す図である。
図3】は、本発明の実施例により提供されるレーザーレーダーのデジタル基板の構造を示す図である。
図4】は、本発明の実施例により提供されるレーザーレーダーのアナログ基板の構造を示す図である。
図5】は、本発明の実施例により提供されるレーザーレーダーの他の構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の以下の実施形態は、レーザーレーダーを提供しており、複数の独立した基板でレーザーレーダーの機能を実現することにより、レーザーレーダーの部品に熱蓄積効果が生じて部品機能が失われる現象を低減する。また、デジタル信号処理とアナログ信号処理を別々の基板で実現することにより、レーザーレーダーの内部干渉を低減する。上記を要約すると、本出願の実施形態は、レーザーレーダーの放熱および干渉防止の性能を高め、レーザーレーダーの動作の信頼性を向上させる。
【0018】
以下に本発明の実施形態の添付図面を参照しながら、本発明の実施例における技術的解決策について明確且つ完全に説明する。記載される実施形態は、本発明の実施形態の一部に過ぎず、すべての実施形態ではないことが明らかである。本発明の実施形態に基づき、本分野の当業者が創造的な努力なしに成し得た他のすべての実施形態は、本発明の保護範囲に含まれるものとする。
【0019】
図1A図1Dは、本発明の実施例によるレーザーレーダー(LiDAR)を示す図であり、レーザーレーダーは、筐体17、送信基板10、受信基板11、振動ミラー12、アナログ基板13、ウィンドウヒーター14、デジタル基板15とインタフェース基板16を備え、インタフェース基板16には電源インタフェース164と通信インタフェース165が配置されている。
【0020】
ここで、送信基板10、振動ミラー12、受信基板11、アナログ基板13、デジタル基板14とインタフェース基板16は、筐体17内に配置されている。送信基板10、受信基板11、アナログ基板13とデジタル基板15は基板の一種であり、基板はプリント基板と、プリント基板に設けられる複数の部品で構成される。送信基板10とアナログ基板13との接続は電気的接続であり、例えば、送信基板10とアナログ基板13はフレキシブルケーブルまたはソケットを介して電気的に接続される。受信基板11とアナログ基板13との接続は電気的接続であり、例えば、受信基板11とアナログ基板13はフレキシブルケーブルを介して接続される。振動ミラー12とアナログ基板13との接続は電気的接続であり、例えば、振動ミラー12とアナログ基板13はフレキシブルケーブルまたはソケットを介して電気的に接続される。アナログ基板13とデジタル基板15との接続は電気的接続であり、例えば、アナログ基板13とデジタル基板15はソケットを介して電気的に接続される。デジタル基板15とインタフェース基板16との接続は電気的接続であり、例えば、デジタル基板15とインタフェース基板16はソケットを介して電気的に接続される。インタフェース基板16とウィンドウヒーター14との接続は電気的接続であり、例えば、インタフェース基板16とウィンドウヒーター14はソケットを介して電気的に接続される。図1Bに示すように、レーザーレーダーの筐体17にはウィンドゥ18が設けられ、レーザーレーダーからの出射レーザーと、受信された反射レーザーはこのウィンドゥ18を通過し、ウィンドゥ18は光通過率の高い材料で構成されている。選択的に、アナログ基板13とデジタル基板15は積み重なって配置されることで、レーザーレーダーの体積を減少する。例えば、図1C図1Dに示すように、アナログ基板13はデジタル基板15の下に配置されている。ここで、デジタル基板はレーザーレーダー機能を実現するための中核となるデジタル部分であり、アナログ基板と比較しては、デジタル基板のデバイスの消費電力は高くて放熱要求が高い。デジタル基板をアナログ基板の上に配置するため、デジタル基板が筐体17に近づき、筐体17を介した外部へのデジタル基板の熱伝導を促進することにより、全体としての放熱効率を向上させている。
以下に本出願の実施例によるレーザーレーダーの動作原理を詳細に説明する。
【0021】
送信基板10は出射レーザーを照射するためのものである。前記送信基板10の数は一つまたは複数であってよい。送信基板10は事前設定されたレーザー周波数と照射周期に応じて出射レーザーを照射でき、出射レーザーの周波数と周期は実際のニーズに従って決められ、本出願の実施例において制限しないものとする。出射レーザーは、振動ミラー12を介して偏向してから対象物に照射する。例えば、送信基板10は、レーザー機器、発信機コリメートユニット、中央丸穴リフレクターとレシーバーを備え、レーザー機器は出射レーザーを生成するためのものであり、発信機コリメートユニットはレーザー機器からの出射レーザーをコリメートするためのものであり、中央丸穴リフレクターは中央丸穴とエッジリフレクターを備え、コリメートされた出射レーザーを中央丸穴に通過させて振動ミラー12に照射するためのものである。
【0022】
受信基板11は、出射レーザーが対象物を通過して形成した反射レーザーを受信し、反射レーザーを第1電気信号に変換するためのものである。ここで、出射レーザーは対象物に照射され反射レーザーを形成し、受信基板11は受信ミラーを介して反射レーザーを受信し、受信ミラーは反射レーザーを集束してから光電変換器に送信し、光電変換器は反射レーザーを第1電気信号に変換する。例えば、受信基板11の光電変換器は、APD、 PIN、ガイガーモードのAPD、単一光子レシーバー、アバランシェフォトダイオードAPD、MPPC(Multi Pixel Photon Counters、マルチピクセル光電子増倍管)、および、シリコンマルチピクセル光電子増倍管のようなSiPM、のうちのいずれか一つ、或いは上記機能デバイスで構成された一つまたは複数のアレイによって構成されてもよい。
【0023】
振動ミラー12は、送信基板10からの出射レーザーを偏向させるためのものであり、アナログ基板13は、振動ミラー12に振動ミラー駆動信号を送信して振動ミラー12の偏向角度を制御することで、出射レーザーの偏向を実現する。例えば、アナログ基板13は、振動ミラー12が正弦モードで水平方向と垂直方向にスキャンするように制御する。振動ミラー12は1次元振動ミラーでも2次元振動ミラーでもよく、例えば、振動ミラー12は、MEMS(Micro-Electro-Mechanical System、微小電気機械システム)振動ミラー、またはその他の機械的・電気的振動ミラーであってもよい。
【0024】
アナログ基板13は、振動ミラー12の偏向角度を制御するためのものであり、振動ミラー12の偏向角度は、出射レーザーの偏向方向を制御するためのものである。アナログ基板13は、振動ミラー12へ振動ミラー駆動信号を送信する。振動ミラー駆動信号は、正弦波信号であってよい。正弦波の周波数と振幅は、実際のニーズに応じて決められる。また、アナログ基板13は、振動ミラー12のフィードバック信号(例えば、水平偏向角度と垂直偏向角度など)を採集して、フィードバック信号に応じて振動ミラー12の閉ループ制御を実現する。例えば、正弦波信号の周波数は振動ミラー12の共振周波数と等しいか、ほぼ等しい。振動ミラー駆動信号は、振動ミラー12が対応するスキャンモードでスキャンするように制御し、スキャンモードは正弦波モード、余弦波モードまたは三角波モードのいずれか1種であってよい。アナログ基板13は、さらに受信基板11の生成した第1電気信号を調整して第2電気信号を得るためのものでもあり、調整プロセスは、ジッター除去、フィルタリング、保護、電気レベル変換、および分離の1種類か複数種類を含むが、これらに限定されない。
【0025】
デジタル基板15は、第2電気信号をサンプリングしてサンプリング信号を取得し、サンプリング信号によってスキャン画像を生成するためものであり、デジタル基板15のスキャン画像は複数の点群を含み、点群の位置は振動ミラー12の水平方向と垂直方向の偏向角度に関係し、検出距離は反射レーザーの強度に関係する。
【0026】
インタフェース基板16は、通信インタフェースと電源インタフェースを備える。通信インタフェースは外部機器と通信するためのものである。通信インタフェースはRS232インタフェース、USBインタフェースまたはCANインタフェースを含むが、これらに限定されない。電源インタフェースは外部電圧信号を入力するためのものであり、レーザーレーダーは外部電圧信号を利用して各基板に給電する。
【0027】
ウィンドウヒーター14は、インタフェース基板16に接続されている。ウィンドウヒーターは、インタフェース基板16からの電気エネルギーを熱エネルギーに変換するためのものである。ウィンドウヒーター14は、高抵抗材料で構成されることで、電気エネルギーを熱エネルギーに変換する効率を高める。ウィンドウヒーター14は、図1Bのウィンドゥ18に密着し、図1Bのウィンドゥ18を除霜することで、ウィンドゥ18の水蒸気が出射レーザーと照射レーザーの強度・方向を影響することを避ける。ウィンドウヒーター14とインタフェース基板16との接続は電気的接続であり、例えば、ウィンドウヒーター14とインタフェース基板16はソケットを介して電気的に接続される。
【0028】
考えられる一つの実施形態では、図1C図1D図2に示すように、インタフェース基板16は、加熱回路161、バス電圧安定化回路162、電源保護回路163、電源インタフェース164、通信インタフェース165とインタフェース保護回路166を備える。電源インタフェース164は、外部電圧信号を入力するためのものであり、例えば、外部電圧信号が5Vの直流電圧信号である。電源保護回路163は、インタフェース基板の過電圧保護と過電流保護を行い、瞬時電圧または瞬時電流が高すぎることによるレーザーレーダーのデバイス破損を防ぐためのものである。また、電源保護回路163は、さらに外部電源によるレーザーレーダーへの干渉、およびレーザーレーダーによる外部電源への干渉をフィルタリングするためのものでもある。バス電圧安定化回路162は、外部電圧信号の電圧安定化処理をすることでバス電圧信号を取得し、電圧変動のある外部電圧信号を安定化することで一定電圧値の目標電圧信号を取得し、下位電源の安定性を確保するためのものである。加熱回路161とウィンドウヒーター14は電気的に接続され、加熱回路161は、バス電圧安定化信号を利用してウィンドウヒーター14に電気エネルギーを伝導し、バス電圧安定化信号をウィンドウヒーター14に負荷する。ウィンドウヒーター14は電気エネルギーを熱に変換し、その熱を振動ミラー12のレンズおよび受信基板11の受信ミラーに伝導することで、レンズを除霜する。通信インタフェース165は、外部機器と通信するためのものである。レーザーレーダーは、通信インタフェース165を介して外部機器からのコマンドまたはデータを受信し、或いはレーザーレーダーは、通信インタフェース165を介して外部機器へコマンドまたはデータを送信する。インタフェース保護回路166は、通信インタフェース165の保護(例えば、過電圧保護、過電流保護、干渉抑制など)を行い、通信の信頼性を向上するためのものである。インタフェース基板16のバス電圧安定化回路163が、主な熱源であることは理解すべきである。
【0029】
さらに、インタフェース基板16は、第1放熱部品を備えている。第1放熱部品は、高い熱伝導性の材料で作られてもよく、例えば、第1放熱部品の材料はアルミニウム、セラミックなどである。インタフェース基板のバス電圧安定化回路163は主な熱源であり、バス電圧安定化回路163は第1放熱部品を介して筐体の内壁に密着し、バス電圧安定化回路163が発生した熱を速やかに筐体に伝導することにより、バス電圧安定化回路163の放熱効率を向上する。
【0030】
考えられる一つの実施形態では、図3に示すように、デジタル基板15は、クロック回路151、サンプリングユニット152、第1電源回路153、メモリー154、ウォッチドッグ回路155とメインコントローラー156を備える。ここで、メモリーは、コンピュータプログラムを保存するためのものである。ウォッチドッグ回路155は、ウォッチドッグタイマー(watchdog timer)とも呼ばれるタイマー回路である。ウォッチドッグ回路155は、メインコントローラー156に障害が発生する場合にメインコントローラー156をリセットするためのものである。メインコントローラー156は、定期的にウォッチドッグ回路155にパルス信号を送り、これはキック・ザ・ドッグ(kicking the dog/service the dog)とも呼ばれる。メインコントローラー156に障害が発生(例えば、無限ループの実行)した場合に、メインコントローラー156はウォッチドッグ回路155にパルス信号を送ることができない。ウォッチドッグ回路155は、事前設定された時間内にパルス信号を受信しないと、ウォッチドッグ回路155は、メインコントローラー156にリセット信号を送ってメインコントローラー156にリセット操作を行わせる。クロック回路151は、クロック信号を生成するためのものである。クロック回路151はメインコントローラー156に動作クロックを提供し、並びにサンプリング回路152にサンプリングクロックを提供する。サンプリング回路152は、事前設定されたサンプリング周波数に応じてアナログ基板13からの第1電気信号をサンプリングすることで、サンプリング信号を得る。メインコントローラー156は、メモリー154に保存されるコンピュータプログラムを呼び出してサンプリング信号を処理することでスキャン画像を得る。メインコントローラー156は、セントラルプロセッサー(central processing unit,CPU)、ネットワークプロセッサー(network processor,NP)、またはCPUとNPの組み合わせであり得る。プロセッサーは、さらにハードウェアチップを備えてもよい。前記ハードウェアチップは、特定用途用集積回路(application-specific integrated circuit,ASIC)、プログラマブルロジックデバイス(programmable logic device,PLD)、またはその組み合わせであってよい。前記PLDは、コンプレックスプログラマブルロジックデバイス(complex programmable logic device,CPLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field-programmable gate array,FPGA)、ジェネリックアレイロジック(generic array logic,GAL)、またはそれらの任意の組み合わせであってよく、メインコントローラー156はさらにインタフェース基板16の通信インタフェース165に接続され、通信インタフェース165を介して外部機器と通信する。メインコントローラー156は、さらにアナログ基板13のコントロールユニットに制御信号を発送し、送信基板10より出射レーザーを照射し、並びに、受信基板11が反射レーザーを受信するように制御するためのものである。第1電源回路153は、バス電圧信号を異なる電圧値の複数の動作電圧信号に変換し、デジタル基板15の各回路に給電するためのものである。デジタル基板15の熱源は、主にメインコントローラー156、サンプリング回路152と第1電源回路153に集中していることが理解すべきである。
【0031】
さらに、デジタル基板15はアナログ信号領域とデジタル信号領域に分けられ、クロック回路151、サンプリング回路152と第1電源回路153はアナログ信号領域にあり、メモリー154、ウォッチドッグ回路155とメインコントローラー156はデジタル信号領域にある。本出願の実施例は、デジタル基板15のデジタル信号とアナログ信号を隔離することにより、デジタル信号とアナログ信号の間の干渉レベルを削減する。
【0032】
さらに、デジタル基板15はさらに第2放熱部品を備える。第2放熱部品は高い熱伝導性の材料で作られ、例えば、第2放熱部品は圧縮可能な柔らかいスペーサである。第2放熱部品は、筐体とデジタル基板15の主要熱源の間に充填されている。メインコントローラー156、サンプリング回路152および第1電源回路153は、第2放熱部品を介して筐体の内壁に密着する。メインコントローラー156、サンプリング回路152および第1電源回路153は、デジタル基板15の主要熱源であるため、上記の3部品が発生した熱を第2放熱部品を介して筐体に伝導し、デジタル基板15の放熱効率を高める。
【0033】
考えられる一つの実施形態では、図4に示すように、アナログ基板13は、送信電源回路130、エコー調整回路131、受信電源回路132、振動ミラー駆動回路133、コントロールユニット134および第2電源回路135を備える。第2電源回路135は、バス電圧信号を異なる電圧値の複数の電圧信号に変換するためのものである。複数の電圧信号は、第1電圧信号と第2電圧信号を含み、第1電圧信号と第2電圧信号は異なる電圧値を持っている。送信電源回路130は、第1電圧信号を利用して送信基板10に給電するためのものである。受信電源回路132は、第2電圧信号を利用して受信基板11に給電するためのものである。エコー調整回路131は、受信基板11からの第1電気信号を調整して第2電気信号を得るためのものであり、調整プロセスは、ジッター除去、フィルタリング、保護、電気レベル変換、および、分離のいずれか1種類か複数の種類を含む。コントロールユニット134は、振動ミラー駆動信号を生成し、振動ミラー駆動ユニットに振動ミラー駆動信号を送ることで、振動ミラー12が対応するスキャンモードでスキャンするように制御する。コントロールユニット134は、メインコントローラーの指示により、送信基板10が出射レーザーを照射し、受信基板11が反射レーザーを受信するように制御できる。振動ミラー駆動ユニット133は、振動ミラー駆動信号に応じて振動ミラーの偏向角度を調整するためのものである。振動ミラー駆動信号は、三角波信号と正弦波信号を重ね合わせた信号で、振動ミラーが水平方向と垂直方向にスキャンするように制御できる。
【0034】
さらに、アナログ基板13は、デジタル信号領域とアナログ信号領域に分けられ、コントロールユニット134はデジタル信号領域にあり、送信電源回路130、エコー調整回路131、受信電源回路132、振動ミラー駆動回路133および第2電源回路は、アナログ信号領域にある。アナログ基板13のデジタル信号とアナログ信号を隔離することにより、デジタル信号とアナログ信号の間の干渉レベルを低減する。
【0035】
考えられる一つの実施形態では、レーザーレーダーはさらに第3放熱部品を備え、第3放熱部品は高い熱伝導性の材料で作られ、送信基板10のプリント基板は第3放熱部品を介して筐体の内壁に密着し、送信基板10が発生した熱を筐体に伝導することで、送信基板10の放熱効率を高める。送信基板10はフレキシブルケーブルを介してアナログ基板13に接続可能であり、送信基板10のプリント基板の材料はセラミックである。
【0036】
考えられる一つの実施形態では、送信基板10には第1シールドカバーが設けられ、第1シールドカバーの材料は金属であり、第1シールドカバーは、送信基板10のデバイスを覆い、送信基板10の電磁信号を遮断することで、送信基板10が発生した電磁信号による他の部品への干渉を避けるためのものである。
【0037】
考えられる一つの実施形態では、受信基板11には第2シールドカバーが設けられ、第2シールドカバーの材料は金属であり、第2シールドカバーは、受信基板11のデバイスを覆い、受信基板11の電磁信号を遮断することで、受信基板11が発生した電磁信号による他の部品への干渉を避けるためのものである。また、受信基板11は、また受信基板11の干渉防止能力を向上させるために第1信号の増幅処理を行うための信号増幅器を備える。
【0038】
本発明の実施例では、レーザーレーダーは、筐体、アナログ基板、デジタル基板、送信基板、受信基板、インタフェース基板と振動ミラーを備える。アナログ基板、デジタル基板、送信基板、受信基板とインタフェース基板は筐体の内部に設けられ、複数の基板でレーザーレーダーの様々な機能を実現する。関連技術におけるレーザーレーダーの全機能が一つの基板で実現することによる放熱不良によって引き起こした部品破損の問題を、本出願の実施形態は、避け、それぞれ独立した基板でレーザーレーダーのコントロール機能、処理機能、送信機能、受信機能とインタフェース機能を実現す。これにより、部品の熱蓄積効果の発生を避ける。また、本出願は、デジタル信号処理のデジタル基板とアナログ信号処理のアナログ基板を別々に配置し、アナログ信号とデジタル信号の間の電磁干渉を低減することにより、レーザーレーダーの内部干渉をさらに低減している。
【0039】
図5は、本出願の実施例により提供されるレーザーレーダーの他の構造を示す図である。本出願の実施例では、レーザーレーダーは、筐体(図5に不図示)、送信基板10、受信基板11、振動ミラー12、アナログ基板13、ウィンドウヒーター14、デジタル基板15およびインタフェース基板16を備える。アナログ基板13は、送信電源回路130、エコー調整回路131、受信電源回路132、振動ミラー駆動回路133、コントロールユニット134および第2電源回路135を備える。デジタル基板15は、クロック回路151、サンプリング回路152、第1電源回路153、メモリー154、ウォッチドッグ回路155およびメインコントローラー156を備える。インタフェース基板16は、加熱回路161、バス電圧安定化回路162、電源保護回路163、電源インタフェース164、通信インタフェース165およびインタフェース保護回路166を備える。ここで、アナログ基板13は、2つの独立したデジタル信号領域とアナログ信号領域(図5中に未表示)に分けられ、コントロールユニット134はデジタル信号領域にあり、送信電源回路130、エコー調整回路131、受信電源回路132、振動ミラー駆動回路133および第2電源回路135はアナログ信号領域にある。デジタル基板15も2つの独立したデジタル信号領域(図5に未表示)とアナログ信号領域に分けられ、クロック回路151、サンプリング回路152および第1電源回路153はアナログ信号領域にあり、メモリー154、ウォッチドッグ回路155およびメインコントローラー156はデジタル信号領域にある。インタフェース基板16は、さらに第1放熱部品(図5に未表示)を備える。第1放熱部品は高い熱伝導性の材料で作られてよい。インタフェース基板のバス電圧安定化回路163は主な熱源であるため、バス電圧安定化回路163は、第1放熱部品を介して筐体の内壁に密着し、バス電圧安定化回路163が発生した熱を速やかに筐体に伝導することにより、バス電圧安定化回路163の放熱効率を高める。デジタル基板15は、さらに第2放熱部品(図5に未表示)を備え、第2放熱部品は高い熱伝導性の材料で作られてよい。例えば、第2放熱部品は、アルミニウムまたはセラミックなどであり、メインコントローラー156、サンプリング回路152および第1電源回路153は第2放熱部品を介して筐体の内壁に密着する。メインコントローラー156、サンプリング回路152および第1電源回路153は、デジタル基板15の主な熱源であるため、上記の3部品は第2放熱部品を介して発生した熱を筐体に伝導することにより、デジタル基板15の放熱効率を高める。送信基板10のプリント基板は、第3放熱部品を介して筐体の内壁に密着し、送信基板10が発生した熱を筐体に伝導することにより、送信基板10の放熱効率を高める。送信基板10は、フレキシブルケーブルを介してアナログ基板13に接続されてもよく、送信基板10のプリント基板の材料はセラミックである。送信基板10に第1シールドカバーが設けられ、第1シールドカバーの材料は金属である。第1シールドカバーは、送信基板10の部品を覆い、送信基板10の電磁信号を遮断し、送信基板10が発生した電磁信号による他の部品への干渉を避けるためのものである。受信基板11には第2シールドカバーが設けられ、第2シールドカバーの材料は金属である。第2シールドカバーは、受信基板11の部品を覆い、受信基板11の電磁信号を遮断し、受信基板11が発生した電磁信号による他の部品への干渉を避けるためのものである。また、受信基板11は、また第1信号の増幅処理を行い、さらに受信基板11の干渉防止能力を高めるための信号増幅器を備える。
【0040】
ここで、図5の各部品の接続関係は、以下のとおりである。送信基板10は、フレキシブルケーブルを介してアナログ基板13の送信基板給電回路130に接続される。受信基板11は、フレキシブル回路基板を介してアナログ基板13のエコー調整回路131と受信電源回路132に接続される。振動ミラー12は、フレキシブルケーブルを介してアナログ基板13の振動ミラー駆動回路133に接続される。コントロールユニット134は、振動ミラー駆動回路133に接続される。第2電源回路135は、アナログ基板13の送信電源回路130、エコー調整回路131、受信電源回路132、振動ミラー駆動回路133およびコントロールユニット134に接続される(図5に未表示)。アナログ基板13とデジタル基板15は、ソケットを介して電気的に接続され、メインコントローラー156はそのソケットを介してアナログ基板13のコントロールユニット134に接続される(図5に不図示)。メモリー154はメインコントローラー156に接続され、ウォッチドッグ回路155はメインコントローラー156に接続される。クロック回路151はメインコントローラー156とサンプリング回路152に接続される。第1電源回路153は、クロック回路151、サンプリング回路152、メモリー154、ウォッチドッグ回路155およびメインコントローラー156に接続される(図5に不図示)。デジタル基板15は、フレキシブルケーブルを介してインタフェース基板16に接続される。ウィンドウヒーター14はソケットを介してインタフェース基板16の加熱回路161に接続される。加熱回路161は、バス電圧安定化回路162に接続され、バス電圧安定化回路162は、電源保護回路163に接続される。電源保護回路163は、電源インタフェース164に接続され、受信保護回路166は、通信インタフェース165に接続される。
ここで、図5の各部品の動作フローは、以下のとおりである。
【0041】
電源インタフェース164は、外部電圧信号を入力するためのものである。電源保護回路163は、インタフェース基板16の過電圧保護と過電流保護のために使用され、バス電圧安定化回路162は、外部電圧信号の電圧安定化処理を行ってバス電圧信号を得るためのものである。加熱回路161は、バス電圧信号を利用してウィンドウヒーター14を加熱するためのものである。通信インタフェース165は、メインコントローラー156と外部機器との間にデータを伝送するインタフェースである。インタフェース保護回路166は、通信インタフェース165に対して干渉抑制をするためのものである。
【0042】
送信基板10は、出射レーザーを照射するためのものである。受信基板11は、出射レーザーが対象物を通過して形成した反射レーザーを受信し、反射レーザーを第1電気信号変換するためのものである。振動ミラー12は、出射レーザーを偏向させるためのものである。第2電源回路135は、バス電圧信号を第1電圧信号と第2電圧信号に変換するためのものである。送信電源回路130は、第1電圧信号を利用して送信基板10に給電するためのものである。受信電源回路132は、第2電圧信号を利用して受信基板11に給電するためのものである。エコー調整回路131は、受信基板11からの第1電気信号を受信し、第1電気信号を調整して第2電気信号を得るためのものである。コントロールユニット134は、振動ミラー駆動信号を生成し、振動ミラー駆動ユニット133に振動ミラー駆動信号を送るためのものである。振動ミラー駆動回路133は、振動ミラー駆動信号に応じて振動ミラー12の偏向角度を調整するためのものである。
【0043】
メモリー154は、コンピュータプログラムを保存するためのものである。ウォッチドッグ回路155は、前記メインコントローラーに障害が発生する場合に前記メインコントローラーをリセットするためのものである。クロック回路151は、クロック信号を生成するためのものである。サンプリング回路152は、前記クロック信号に応じて前記第2電気信号をサンプリングしてサンプリング信号を得るためのものである。メインコントローラー156は、前記コンピュータプログラムを呼び出して前記サンプリング信号を処理してスキャン画像を得るためのものである。第1電源回路153は、前記バス電圧信号を異なる電圧値の複数の動作電圧信号に変換し、複数の前記動作電圧信号をデジタル基板の各前記回路に提供するためのものである。
図5の各回路の具体的な実施プロセスは、図2~図4の説明を参照できるので、ここでは繰り返して説明しない。
【0044】
本出願の実施例は、放熱の最適化(即ち、レーザーレーダーの放熱効率を高めること)、および電磁干渉の最適化(即ち、レーザーレーダーの干渉防止能力を向上させること)を実現することができる。
【0045】
放熱の最適化については、レーザーレーダーの主な熱源は、インタフェース基板、デジタル基板と送信基板に分布する。ここで、インタフェース基板のバス電圧安定化回路は、レーザーレーダーの筐体の側面に密着し、放熱部品を介してその回路の熱を筐体に伝導することにより、放熱効率を向上させる。デジタル基板のメインコントローラー、収集回路および電源回路はレーザーレーダーの筐体の頂部に密着し、放熱スペーサを介してその回路の熱を筐体に伝導することにより、放熱効率を向上させる。送信基板の材料は、高い熱伝導性のセラミックボードであり、放熱部品を介してレーザーレーダーの底部に密着することにより、熱を筐体に伝導して放熱効率を向上させる。全体としては、レーザーレーダー全体の各基板の主な熱源は筐体に近く、放熱を容易にすることで、機器全体の内部温度上昇を抑えている。
【0046】
電磁干渉の最適化については、対外インタフェースにおいて、レーザーレーダー全体としてはインタフェース基板のみは外部に接続され、インタフェース間の干渉を分離し、外部干渉信号によるレーザーレーダー内部への干渉を抑えるとともに、レーザーレーダーの内部干渉信号による外部インタフェースへの干渉を抑え、良好な電磁両立性設計を実現している。レーザーレーダーの内部回路設計において、アナログ基板とデジタル基板は、厳密にアナログ信号領域とデジタル信号領域に分けられ、デジタル信号領域とアナログ信号領域は空間から隔離される。これにより、アナログ信号とデジタル信号の間の干渉を抑え、アナログ信号とデジタル信号の信号品質の信頼性を確保し、レーザーレーダー全体の干渉防止能力を保証している。
【0047】
また、本出願の実施例は、送信基板と受信基板をそれぞれ独立した基板として設計している。送信基板の内部には非常に強い電磁放射干渉があり、独立した基板として設計される後、シールドカバーを追加して干渉を遮断することで、送信基板によるレーザーレーダー内部の他の回路部分への干渉を減少させるとともに、機器全体の対外的放射干渉を低減している。受信基板の受信センサーの出力は微弱な信号であり、外部干渉を受けやすく、独立した基板として設計された後、シールドカバーを追加して干渉を遮断し、レーザーレーダー内部の他の回路またはレーザーレーダー外部の電磁放射干渉を低減している。さらに、受信基板の内部には信号増幅回路が設けられ、増幅された信号はより強い干渉防止能力があり、エコー信号の品質を確保することで、様々な電磁干渉環境でのレーザーレーダーの性能を保証している。
【0048】
本発明の実施形態における技術は、ソフトウェアに加え、汎用集積回路、汎用CPU、汎用メモリー、汎用デバイスなどを含む必要な汎用ハードウェアにより、或いは専用集積回路、専用CPU、専用メモリ、専用部品などを含む専用ハードウェアにより実現することできる。多くの場合、前者の方がより好ましい実施形態であることは、本分野の当業者に明らかである。上記のような理解に基づき、本発明の実施形態における技術的解決策は、実質的にまたは従来技術に寄与する部分がソフトウェア製品の形態で具現化することができ、そのコンピュータソフトウェア製品は、読取専用メモリ(ROM,Read-Only Memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM,Random Access Memory)、磁気ディスク、光ディスクなどを含む記憶媒体に格納され、そして幾つかのコマンドを含めることにより、コンピュータ装置(パソコン、サーバーまたはネットワーク装置などであってもよい)に本発明の各実施形態または実施形態の一部に記載された方法を実行させることができる。
【0049】
本明細書における各実施形態は、漸進的に説明され、各実施形態の間の同等・類似部分は互いに参照すればよく、各実施形態は他の実施形態との違いに焦点を置いて説明されている。特に、システムの実施形態については、基本的に各方法の実施形態と類似しているため、説明を簡略化しており、関連する部分については、各方法の実施形態の説明部分を参照されたい。
【0050】
上記の本発明の実施形態は、本発明の保護範囲を限定するものではない。本発明の精神および原則の範囲内で行われた修正、同等置換および改善は、本発明の保護範囲に含まれるものとする。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2022-07-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1C
【補正方法】変更
【補正の内容】
図1C
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1D
【補正方法】変更
【補正の内容】
図1D
【国際調査報告】