(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-02
(54)【発明の名称】微生物コンソーシアム及びその使用
(51)【国際特許分類】
C12N 1/20 20060101AFI20230222BHJP
A61K 35/741 20150101ALI20230222BHJP
A61K 35/742 20150101ALI20230222BHJP
A61K 35/744 20150101ALI20230222BHJP
A61K 35/747 20150101ALI20230222BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20230222BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20230222BHJP
A61P 37/02 20060101ALI20230222BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20230222BHJP
A61P 1/04 20060101ALI20230222BHJP
A61P 1/00 20060101ALI20230222BHJP
C12N 15/11 20060101ALN20230222BHJP
【FI】
C12N1/20 E ZNA
A61K35/741
A61K35/742
A61K35/744
A61K35/747
A61K45/00
A61P43/00 121
A61P37/02
A61P29/00
A61P1/04
A61P1/00
C12N15/11 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022539433
(86)(22)【出願日】2020-12-31
(85)【翻訳文提出日】2022-08-26
(86)【国際出願番号】 IL2020051367
(87)【国際公開番号】W WO2021137237
(87)【国際公開日】2021-07-08
(32)【優先日】2019-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521441216
【氏名又は名称】バイオミカ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】メシュナー、シリ
(72)【発明者】
【氏名】ハーバー、エルラン
(72)【発明者】
【氏名】エシャー、シリ
(72)【発明者】
【氏名】ティロシュ、オスナット
(72)【発明者】
【氏名】クルーガー ベン シャバット、シェールリ
(72)【発明者】
【氏名】リンゲル、イェフダ
(72)【発明者】
【氏名】ポロンスキー、オムリ
【テーマコード(参考)】
4B065
4C084
4C087
【Fターム(参考)】
4B065AA01X
4B065AB01
4B065BA01
4B065CA14
4B065CA44
4C084AA19
4C084NA05
4C084ZA661
4C084ZA662
4C084ZA681
4C084ZA682
4C084ZB071
4C084ZB072
4C084ZB111
4C084ZB112
4C084ZC751
4C087AA01
4C087AA02
4C087BC31
4C087BC53
4C087BC55
4C087BC57
4C087BC68
4C087BC72
4C087MA02
4C087MA52
4C087NA05
4C087NA13
4C087NA14
4C087ZA66
4C087ZA68
4C087ZB07
4C087ZB11
4C087ZC75
(57)【要約】
本発明は、2種以上の微生物を含む微生物コンソーシアム、それを含む組成物及びキット、並びに免疫関連状態を治療する方法におけるこれらの使用を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2種以上の微生物を含む微生物コンソーシアムであって、前記2種以上の微生物は、少なくとも1つのリン脂質及び/又は少なくとも1つのエンドカンナビノイドを調節することと、(i)少なくとも1つの短鎖脂肪酸(short chain fatty acid:SCFA)、(ii)乳酸、(iii)二次胆汁酸、(iv)多糖、及び(v)グリコサミノグリカン(glycosaminoglycan:GAG)のうち少なくとも1つを調節することと、が可能である、微生物コンソーシアム。
【請求項2】
前記2種以上の微生物が、少なくとも1つのリン脂質及び/又はエンドカンナビノイドの産生を調節することと、(i)少なくとも1つのSCFAを産生することができる、(ii)乳酸を産生することができる、(iii)二次胆汁酸を産生することができる、(iv)少なくとも1つの多糖を分解することができる、及び(v)少なくとも1つのGAGを分解することができる、のうち少なくとも1つを有することと、が可能である、請求項1に記載の微生物コンソーシアム。
【請求項3】
前記2種以上の微生物のうち少なくとも1種が、少なくとも1つのリン脂質を産生すること、及び/又は少なくとも1つのエンドカンナビノイドの産生を調節することが可能であり、かつ前記2種以上の微生物のうち少なくとも一方が、(i)少なくとも1つのSCFA、(ii)乳酸、(iii)二次胆汁酸、(iv)多糖、及び(v)GAGのうち少なくとも1つを調節することが可能である、請求項1又は2に記載の微生物コンソーシアム。
【請求項4】
前記2種以上の微生物のうち少なくとも1種が、少なくとも1つのリン脂質を産生することが可能であり、かつ前記2種以上の微生物のうち少なくとも一方が、(i)少なくとも1つのSCFAを調節することができる、(ii)乳酸を調節することができる、(iii)二次胆汁酸を産生することができる、(iv)少なくとも1つの多糖を分解することができる、及び(v)少なくとも1つのGAGを分解することができる、のうち少なくとも1つを有している、請求項1~3のいずれか一項に記載の微生物コンソーシアム。
【請求項5】
前記2種以上の微生物のうち少なくとも1種が、少なくとも1つのリン脂質を産生することが可能であり、かつ前記2種以上の微生物のうち少なくとも一方が、(i)少なくとも1つのSCFAを調節することができる、(ii)乳酸を調節することができる、及び(iii)二次胆汁酸を産生することができる、のうち少なくとも1つを有している、請求項1~4のいずれか一項に記載の微生物コンソーシアム。
【請求項6】
前記2種以上の微生物のうち少なくとも1種が、少なくとも1つのリン脂質を産生することが可能であり、かつ前記2種以上の微生物のうち少なくとも一方が、(i)少なくとも1つのSCFAを調節することができる、(ii)二次胆汁酸を産生することができる、(iii)少なくとも1つの多糖を分解することができる、及び(iv)少なくとも1つのGAGを分解することができる、のうち少なくとも1つを有している、請求項1~5のいずれか一項に記載の微生物コンソーシアム。
【請求項7】
前記2種以上の微生物のうち少なくとも1種が、少なくとも1つのリン脂質を産生することが可能であり、かつ前記2種以上の微生物のうち少なくとも一方が、(i)少なくとも1つのSCFAを調節することができる、(ii)乳酸を調節することができる、(iii)二次胆汁酸を産生することができる、及び(iv)少なくとも1つの多糖を分解することができる、のうち少なくとも1つを有している、請求項1~6のいずれか一項に記載の微生物コンソーシアム。
【請求項8】
前記2種以上の微生物のうち少なくとも1種が、少なくとも1つのリン脂質を産生することが可能であり、かつ前記2種以上の微生物のうち少なくとも一方が、(i)少なくとも1つのSCFAを調節することができる、(ii)乳酸を調節することができる、及び(iii)二次胆汁酸を産生することができる、のうち少なくとも1つを有している、請求項1~7のいずれか一項に記載の微生物コンソーシアム。
【請求項9】
前記少なくとも1つのリン脂質が、ホスファチジルエタノールアミン(phosphatidylethanolamine:PE)、ホスファチジルセリン(phosphatidylserine:PS)、ホスファチジルコリン(phosphatidylcholine:PC)、又はそれらの任意の組合せである、請求項1~8のいずれか一項に記載の微生物コンソーシアム。
【請求項10】
前記少なくとも1つのエンドカンナビノイドが、アナンダミド(anandamide:AEA)である、請求項1~8のいずれか一項に記載の微生物コンソーシアム。
【請求項11】
前記SCFAが、酢酸、プロピオン酸、酪酸、又はそれらの任意の組合せのうち少なくとも1つを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の微生物コンソーシアム。
【請求項12】
前記二次胆汁酸が、デオキシコール酸(deoxycholic acid:DOC)又はリトコール酸(lithocholic acid:LCA)である、請求項1~8のいずれか一項に記載の微生物コンソーシアム。
【請求項13】
前記GAG調節が、GAG分解酵素の産生を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の微生物コンソーシアム。
【請求項14】
前記GAG分解酵素が、ヘパリナーゼ又はコンドロイチンリアーゼである、請求項13に記載の微生物コンソーシアム。
【請求項15】
前記2種以上の微生物が、宿主において、(i)制御性T細胞(Treg)、(ii)抗炎症性サイトカイン、(iii)胆汁酸受容体、(iv)腸障壁完全性、(v)活性化B細胞の核内因子カッパ軽鎖エンハンサ(NF-κB)、(vi)インフラマソーム、及び(vii)炎症誘発性サイトカインのうち少なくとも1つを調節することが可能である、請求項1~14のいずれか一項に記載の微生物コンソーシアム。
【請求項16】
少なくとも2種の微生物種が、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)種、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)種、バクテロイデス・ステルコリス(Bacteroides stercoris)種、メガモナス・ハイパーメガーレ(Megamonas hypermegale)種、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)種、ラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus lactis)種、ファスコラークトバクテリウム・スクシナテュテンス(Phascolarctobacterium succinatutens)種、クロストリジウム・シンデンス(Clostridium scindens)種、クロストリジウム・ハイレモンアエ(Clostridium hylemonae)種、パラバクテロイデス・ディスタソニス(Parabacteroides distasonis)種、ユウバクテリウム・リモサム(Eubacterium limosum)種、クロストリジウム・レプタム(Clostridium leptum)種、プロテオカテラ・スフェニスシ(Proteocatella sphenisci)種、ラクノスピラセアエ(Lachnospiraceae)5_1_57FAA種、ユウバクテリウム・レクターレ(Eubacterium rectale)種、クロストリジウム種SS2/1(Clostridium sp.SS2/1)種、ラクノスピラセアエ・バクテリウム(Lachnospiraceae bacterium)種、ユウバクテリウム・ハリイ(Eubacterium hallii)種、クロストリジウム・クロストリディオフォルメ(Clostridium clostridioforme)種、アナエロスティペス・カッカエ(Anaerostipes caccae)種、ルミノコッカス・アルブス(Ruminococcus albus)種、クロストリジウム・セルロボランス(Clostridium cellulovorans)種、亜種、又はそれらの組合せから選択される種に属する、請求項1~15のいずれか一項に記載の微生物コンソーシアム。
【請求項17】
少なくとも2種の微生物種が、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)種、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)種、バクテロイデス・ステルコリス(Bacteroides stercoris)種、メガモナス・ハイパーメガーレ(Megamonas hypermegale)種、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)種、ラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus lactis)種、ファスコラークトバクテリウム・スクシナテュテンス(Phascolarctobacterium succinatutens)種、亜種、又はそれらの組合せから選択される種に属する、請求項1~16のいずれか一項に記載の微生物コンソーシアム。
【請求項18】
前記2種以上の微生物のうち少なくとも1種が、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、又は配列番号13によって示される少なくとも1つの配列と、少なくとも85%の配列同一性を有することを特徴とする、請求項1~16のいずれか一項に記載の微生物コンソーシアム。
【請求項19】
前記2種以上の微生物のうち1種が、配列番号2、配列番号12、又は配列番号13によって示される少なくとも1つの16S rDNA配列と少なくとも85%同一である16S rDNA配列を有することを特徴とし、かつ前記2種以上の微生物のうち少なくとも1種の異なる微生物が、(i)少なくとも1つのSCFAを産生することができる、(ii)乳酸を産生することができる、(iii)二次胆汁酸を産生することができる、(iv)少なくとも1つの多糖を分解することができる、(v)少なくとも1つのGAGを分解することができる、又は(vi)それらの組合せ、のうち少なくとも1つを有している、請求項1~18のいずれか一項に記載の微生物コンソーシアム。
【請求項20】
1種以上の微生物が、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)DSM 13275、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)DSM 3319、バクテロイデス・ステルコリス(Bacteroides stercoris)ATCC 43183、メガモナス・ハイパーメガーレ(Megamonas hypermegale)NCTC10570、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)ATCC BAA-613、ラクトコッカス・ラクチス・サブスピーシズ・クレモリス(Lactococcus lactis subsp.cremoris)MG1363、ファスコラークトバクテリウム・スクシナテュテンス(Phascolarctobacterium succinatutens)YIT 12067、バクテロイデス・ステルコリス(Bacteroides stercoris)CC31F、クロストリジウム種SS2/1(Clostridium sp.SS2/1)若しくはラクノスピラセアエ・バクテリウム(Lachnospiraceae bacterium)5_1_63FAA、クロストリジウム・シンデンス(Clostridium scindens)ATCC 35704、パラバクテロイデス・ディスタソニス(Parabacteroides distasonis)CL09T03C24、ユウバクテリウム・リモサム(Eubacterium limosum)SA11、又はそれらの組合せから選択される、請求項1~19のいずれか一項に記載の微生物コンソーシアム。
【請求項21】
1種以上の微生物が、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)DSM 13275、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)DSM 3319、バクテロイデス・ステルコリス(Bacteroides stercoris)ATCC 43183、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)ATCC BAA-613、メガモナス・ハイパーメガーレ(Megamonas hypermegale)NCTC10570、又はラクトコッカス・ラクチス・サブスピーシズ・クレモリス(Lactococcus lactis subsp.cremoris)MG1363から選択される、請求項1~20のいずれか一項に記載の微生物コンソーシアム。
【請求項22】
コンソーシアム1、コンソーシアム2、コンソーシアム3、コンソーシアム4、コンソーシアム5、コンソーシアム6、コンソーシアム7、コンソーシアム8、コンソーシアム9、コンソーシアム10、コンソーシアム11、コンソーシアム12、及びコンソーシアム13からなる群から選択される、請求項1~21のいずれか一項に記載の微生物コンソーシアム。
【請求項23】
前記2種以上の微生物が、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)DSM 13275、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)DSM 3319、バクテロイデス・ステルコリス(Bacteroides stercoris)ATCC 43183、及びメガモナス・ハイパーメガーレ(Megamonas hypermegale)NCTC10570のうちから少なくとも2種の株である、請求項1~21のいずれか一項に記載の微生物コンソーシアム。
【請求項24】
前記2種以上の微生物が、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)DSM 13275、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)DSM 3319、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)ATCC BAA-613、及びラクトコッカス・ラクチス・サブスピーシズ・クレモリス(Lactococcus lactis subsp.cremoris)MG1363のうちから少なくとも2種の株である、請求項1~21のいずれか一項に記載の微生物コンソーシアム。
【請求項25】
免疫関連状態の治療で使用するための、請求項1~24のいずれか一項に記載の微生物コンソーシアム。
【請求項26】
前記免疫関連状態が、炎症状態である、請求項25に記載の微生物コンソーシアム。
【請求項27】
前記炎症状態が、胃腸管の炎症状態である、請求項26に記載の微生物コンソーシアム。
【請求項28】
前記胃腸管の前記炎症状態が、クローン病、炎症性腸疾患、胃炎、大腸炎、潰瘍性大腸炎、過敏性腸症候群、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、又はそれらの組合せのうち1つ以上である、請求項27に記載の微生物コンソーシアム。
【請求項29】
前記胃腸管の前記炎症状態が、腸疾患(IBD)、潰瘍性大腸炎、又はクローン病のうち1つ以上である、請求項28に記載の微生物コンソーシアム。
【請求項30】
2種以上の微生物を含む微生物コンソーシアムを含む医薬組成物であって、前記2種以上の微生物は、少なくとも1つのリン脂質及び/又は少なくとも1つのエンドカンナビノイドの産生を調節することと、(i)少なくとも1つの短鎖脂肪酸(SCFA)、(ii)乳酸、(iii)二次胆汁酸、(iv)多糖、及び(v)グリコサミノグリカン(GAG)のうち少なくとも1つを調節することと、が可能である、医薬組成物。
【請求項31】
前記微生物コンソーシアムが、請求項2~24のいずれか一項に記載のものである、請求項30に記載の医薬組成物。
【請求項32】
免疫関連状態の治療で使用するための、請求項30又は31に記載の医薬組成物。
【請求項33】
前記免疫関連状態が、炎症状態である、請求項32に記載の医薬組成物。
【請求項34】
前記炎症状態が、胃腸管の炎症状態である、請求項33に記載の医薬組成物。
【請求項35】
前記胃腸管の前記炎症状態が、クローン病、炎症性腸疾患、胃炎、大腸炎、潰瘍性大腸炎、過敏性腸症候群、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、又はそれらの組合せのうち1つ以上である、請求項34に記載の医薬組成物。
【請求項36】
前記胃腸管の前記炎症状態が、腸疾患(IBD)、潰瘍性大腸炎、又はクローン病のうち1つ以上である、請求項35に記載の医薬組成物。
【請求項37】
経口投与用に製剤化された、請求項30~36のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項38】
抗炎症治療と組み合わせて投与される、請求項30~37のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項39】
それを必要とするヒト対象において、免疫関連状態の発症を、治療、予防、寛解、軽減、又は遅延させる方法であって、有効量の、2種以上の単離された微生物又は精製された微生物を含む微生物コンソーシアムを前記対象に投与する工程を含み、前記2種以上の微生物が、少なくとも1つのリン脂質及び/又は少なくとも1つのエンドカンナビノイドの産生を調節することと、(i)少なくとも1つの短鎖脂肪酸(SCFA)、(ii)乳酸、(iii)二次胆汁酸、(iv)多糖、及び(v)グリコサミノグリカン(GAG)のうち少なくとも1つを調節することと、が可能である、方法。
【請求項40】
前記微生物コンソーシアムが、請求項2~24のいずれか一項で定義されたとおりである、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記免疫関連状態が、炎症状態である、請求項39又は40に記載の方法。
【請求項42】
前記炎症状態が、胃腸管の炎症状態である、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記胃腸管の前記炎症状態が、腸疾患(IBD)、潰瘍性大腸炎、又はクローン病のうち1つ以上である、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
治療有効量の抗炎症治療を前記対象へと投与することを含む、請求項39又は43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
前記微生物コンソーシアムと、同時に又は順次、前記抗炎症治療を投与することを含む、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
それを必要とするヒト対象において、炎症状態の発症を、治療、予防、寛解、軽減、又は遅延させる方法であって、有効量の、2種以上の単離された微生物又は精製された微生物を含む微生物コンソーシアムを前記対象へと投与する工程を含み、ここで、前記2種以上の微生物のうち1種が、配列番号2、配列番号12、又は配列番号13によって示される少なくとも1つの16S rDNA配列と少なくとも85%同一である16S rDNA配列を有することを特徴とし、かつ前記2種以上の微生物のうち少なくとも1種の異なる微生物が、(i)少なくとも1つのSCFAを産生することができる、(ii)乳酸を産生することができる、(iii)二次胆汁酸を産生することができる、(iv)少なくとも1つの多糖を分解することができる、(v)少なくとも1つのGAGを分解することができる、又は(vi)それらの組合せ、のうち少なくとも1つを有している、方法。
【請求項47】
それを必要とするヒト対象において、腸の炎症状態の発症を、治療、予防、寛解、軽減、又は遅延させる方法であって、有効量の、2種以上の単離された微生物又は精製された微生物を含む微生物コンソーシアムを前記対象へと投与する工程を含み、ここで、前記2種以上の微生物のうち1種が、配列番号2、配列番号12、又は配列番号13によって示される少なくとも1つの16S rDNA配列と少なくとも85%同一である16S rDNA配列を有することを特徴とし、かつ前記2種以上の微生物のうち少なくとも1種の異なる微生物が、(i)少なくとも1つのSCFAを産生することができる、(ii)乳酸を産生することができる、(iii)二次胆汁酸を産生することができる、(iv)少なくとも1つの多糖を分解することができる、(v)少なくとも1つのGAGを分解することができる、又は(vi)それらの組合せ、のうち少なくとも1つを有している、方法。
【請求項48】
2種以上の単離された微生物又は精製された微生物を含む微生物コンソーシアムを含むキットであって、前記2種以上の微生物は、少なくとも1つのリン脂質及び/又は少なくとも1つのエンドカンナビノイドの産生を調節することと、(i)少なくとも1つの短鎖脂肪酸(SCFA)、(ii)乳酸、(iii)二次胆汁酸、(iv)多糖、及び(v)グリコサミノグリカン(GAG)、又はその組成物のうち少なくとも1つを調節することと、が可能である、キット。
【請求項49】
前記微生物コンソーシアムが、請求項2~24のいずれか一項に記載のものである、請求項48に記載のキット。
【請求項50】
免疫関連状態の治療で使用するための説明書を含む、請求項48又は49のいずれか一項に記載のキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本論説は、一般に、微生物のコンソーシアム、それを含む組成物及びキット、並びにそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
本開示の主題の背景として関連すると考えられる参考文献を以下に列挙する。
[1]Lynch、Susan V.及びPedersen O.、「The human intestinal microbiome in health and disease」、New England Journal of Medicine;(2016年);第375巻;第2369~2379頁。
[2]国際出願公開第2018187272号
[3]米国特許第9,642,881号
[4]米国特許第9,610,308号
[5]米国特許出願公開第2019/0099455号
[6]国際出願公開第19/227085号
【0003】
本明細書における上記の参考文献の承認は、これらが本開示の主題の特許性に何らかの意味で関連することを意味すると推測されるべきではない。
【0004】
背景
ヒト微生物叢は、ヒトの健康及び疾患に影響を及ぼす宿主内の様々な生理学的プロセスにおいて重要な役割を集合的に果たす、細菌、真菌、古細菌、及びウイルスを含む、1兆より多い微生物の多様な多種集団である。例えば、微生物叢は、食物からのエネルギー抽出を増加させ、宿主を外部病原体から保護するための物理的障壁として機能し、宿主免疫系の発達を支援する能力を有することが示された[1]。
【0005】
精製された細菌株の組成物、及び疾患を治療するためのそれらの使用が記載される[2~6]。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、その第1の態様によれば、2種以上の微生物を含む微生物コンソーシアムであって、2種以上の微生物は、少なくとも1つのリン脂質及び/又は少なくとも1つのエンドカンナビノイドを調節することと、(i)少なくとも1つの短鎖脂肪酸(short chain fatty acid:SCFA)、(ii)乳酸、(iii)二次胆汁酸、(iv)多糖、及び(v)グリコサミノグリカン(glycosaminoglycan:GAG)のうち少なくとも1つを調節することと、が可能である、微生物コンソーシアムを提供する。
【0007】
いくつかの他の態様によれば、本開示は、2種以上の微生物を含む微生物コンソーシアムを含む医薬組成物であって、2種以上の微生物は、少なくとも1つのリン脂質及び/又は少なくとも1つのエンドカンナビノイドを調節することと、(i)少なくとも1つの短鎖脂肪酸(SCFA)、(ii)乳酸、(iii)二次胆汁酸、(iv)多糖、及び(v)グリコサミノグリカン(GAG)のうち少なくとも1つを調節することと、が可能である、医薬組成物を提供する。
【0008】
また、本開示は、それを必要とするヒト対象において、炎症状態の発症を、治療、予防、寛解、軽減、又は遅延させる方法であって、有効量の、2種以上の単離された微生物又は精製された微生物を含む微生物コンソーシアムを対象に投与する工程を含み、2種以上の微生物が、少なくとも1つのリン脂質及び/又は少なくとも1つのエンドカンナビノイドを調節することと、(i)少なくとも1つの短鎖脂肪酸(SCFA)、(ii)乳酸、(iii)二次胆汁酸、(iv)多糖、及び(v)グリコサミノグリカン(GAG)のうち少なくとも1つを調節することと、が可能である、方法を提供する。
【0009】
更に、本明細書では、2種以上の単離された微生物又は精製された微生物を含む微生物コンソーシアムを含むキットであって、2種以上の微生物は、少なくとも1つのリン脂質及び/又は少なくとも1つのエンドカンナビノイドを調節することと、(i)少なくとも1つの短鎖脂肪酸(SCFA)、(ii)乳酸、(iii)二次胆汁酸、(iv)多糖、及び(v)グリコサミノグリカン(GAG)のうち少なくとも1つを調節することと、が可能である、キットを提供する。いくつかの実施形態では、キットは炎症状態の治療で使用するための説明書を含む。
【0010】
本明細書に開示される主題をよりよく理解し、それを実際どのように実行することができるかを例示するために、添付の図面を参照して、非限定的な例としてのみ実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1A】
図1Aは、HPLC-MS/MSで検出されるように、アナエロスティペス・ハドラス(A.hadrus)で処理した後のRAW細胞における、アラキドン酸(arachidonic acid:AA)のレベルを示す棒グラフである。結果は平均±SEMとして表され、Y軸は、試料中の総タンパク質当たりの分析物のフェムトモルを表す。
【
図1B】
図1Bは、HPLC-MS/MSで検出されるように、アナエロスティペス・ハドラス(A.hadrus)で処理した後のRAW細胞における、アナンダミド(anandamide:AEA)のレベルを示す棒グラフである。結果は平均±SEMとして表され、Y軸は、試料中の総タンパク質当たりの分析物のフェムトモルを表す。
【
図2】
図2は、デキストラン硫酸ナトリウム(dextran sodium sulfate:DSS)投与の7日間中のマウス糞便中におけるリポカリンレベル(ng/糞便g)を示すグラフである。結果は平均±SEMとして表す。
【
図3】
図3は、マウスにおけるDSS投与から7日間後の、細菌コンソーシアムで処置されたマウス対未処置マウスにおける疾患重症度を示す棒グラフである。
【
図4】
図4は、実験日を通してマウス糞便中にて測定された、リポカリン-2レベルに対する細菌コンソーシアム処理の効果を示すグラフである。データは平均±SEMとして提示される。
【
図5A】
図5Aは、個別の日程である1日目にマウス糞便中で測定された、リポカリン-2レベルに対する細菌コンソーシアム処理の効果を示す箱ひげ図である。箱ひげ図は四分位範囲を有する中央値を示し、エラーバーは四分位範囲の1.5倍である(ひげ)。
【
図5B】
図5Bは、個別の日程である8日目にマウス糞便中で測定された、リポカリン-2レベルに対する細菌コンソーシアム処理の効果を示す箱ひげ図である。箱ひげ図は四分位範囲を有する中央値を示し、エラーバーは四分位範囲の1.5倍である(ひげ)。
【
図5C】
図5Cは、個別の日程である14日目にマウス糞便中で測定された、リポカリン-2レベルに対する細菌コンソーシアム処理の効果を示す箱ひげ図である。箱ひげ図は四分位範囲を有する中央値を示し、エラーバーは四分位範囲の1.5倍である(ひげ)。
【
図6】
図6は、複合型疾患活動性指数(DAIスコア)として、DSS誘導性大腸炎の臨床パラメータに対する細菌コンソーシアム処理の効果を示すグラフである。データは平均±SEMとして提示される。
【
図7】
図7は、試験終了時(20日目)におけるマウス脾臓重量を示すグラフである。箱ひげ図は四分位範囲を有する中央値を示し、エラーバーは四分位範囲の1.5倍である(ひげ)。
【
図8】
図8は、試験終了時(20日目)におけるマウス結腸長さを示すグラフである。箱ひげ図は四分位範囲を有する中央値を示し、エラーバーは四分位範囲の1.5倍である(ひげ)。
【
図9】
図9は、カプレン・マイヤー(Kaplen-Meier)分析により計算し、異なる群間で比較した、生存確率を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
腸内微生物叢とは、例えば宿主の免疫系の発達及び分化、活性化又は抑制を含む、宿主内の様々な生理学的プロセスに影響を及ぼすことが可能である、多数の多様な微生物を含む。
【0013】
本開示は、免疫系及び胃腸管系と、炎症状態などの免疫関連状態との間の可能性のある関係に基づいており、かつ免疫系の調節に寄与し、したがって免疫関連状態、具体的には炎症状態の予防及び治療で使用してもよい、微生物叢、例えば腸内微生物叢から、検出、単離、又は精製された特定の微生物を用いることを目的とする。
【0014】
その目的のために、本発明者らは、ハイスループットシーケンシングのデータを処理するために利用される一連の計算ツールを使用し、微生物の遺伝子及び経路並びに微生物の分類群の高分解能の検出及びアノテーションを得た。これにより、生物の細胞内プロセス(微生物など)と、腸の炎症状態及び免疫機能などの炎症状態に関連した様々なヒト細胞内プロセスとの間の関係の機構的理解が得られた。分析プロセス中に、ストリンジェントな統計比較分析などのいくつかの方法を適用して、炎症状態対非炎症状態において炎症性疾患を有すると診断されたことが判明した患者間を区別する、特定の微生物及び微生物機能の同定及び選択を可能にした。
【0015】
本発明の微生物コンソーシアムへの微生物の帰属は、同定された微生物の各々の複数の機能と、それらの組み合わされた機能とを考慮することによって行った。選択された微生物は、腸障壁の完全性を維持することによってもまた、炎症誘発性効果を低減すること、並びにとりわけ腸の炎症状態を含む炎症状態などの免疫関連状態を治療及び/又は予防することが可能であると示唆された。
【0016】
また、本発明によって計算的に同定された微生物の独特かつ特異的な組合せは、微生物叢の多様性を高め、とりわけ腸の炎症状態を含む炎症状態などの免疫関連状態を治療又は予防するために、単独で又は好ましくは特定の組合せで対象へと投与され得ることが示唆された。更に、同定された微生物を診断及び予後診断の目的のため、例えば治療に対する対象の応答性を評価するため、及び治療プロトコルを決定するために使用できることが示唆された。
【0017】
したがって、本開示は、微生物コンソーシアムを提供する。微生物コンソーシアムは、とりわけ短鎖脂肪酸(SCFA)及び/又は乳酸の産生を含む微生物における、異なる生理学的/生物学的プロセス(経路)をまとめて調節することが可能な2種以上の微生物を含む。これらの産物は、微生物から宿主へと分泌され、次いで、とりわけ制御性T細胞(Treg)の活性化又は誘導を含む、宿主における生理学的/生物学的プロセスを調節し得る。
【0018】
本明細書で使用される生理学的プロセスは、様々な機能及び活性を伴う微生物及び/又は宿主における、物理的及び/又は生物学的及び/又は化学的事象を包含する。
【0019】
驚くべきことに、炎症性疾患の非炎症状態を有すると診断された患者において過剰に存在する微生物は、宿主のエンドカンナビノイド代謝を調節することが可能であったことが分かった。
【0020】
宿主のエンドカンナビノイド代謝のこの調節は、ホスファチジルコリン(phosphatidylcholine:PC)、ホスファチジルエタノールアミン(phosphatidylethanolamine:PE)、又はホスファチジルセリン(phosphatidylserine:PS)などの少なくとも1つのリン脂質の産生と、その後の微生物から宿主(おそらく、宿主の腸)への分泌とを伴う、独特かつ新規な機構によるものであることが示唆された。少なくとも1つのリン脂質は、エンドカンナビノイド産生のための前駆体として宿主によって使用されてもよい。
【0021】
したがって、本開示は、いくつかの態様によれば、2種以上の微生物を含む微生物コンソーシアムを提供し、2種以上の微生物のうち少なくとも1種は、少なくとも1つのリン脂質を調節することが可能である。
【0022】
以下の本文において、微生物コンソーシアムに言及する場合、これはまた、本明細書に開示される医薬組成物、キット、及び方法にも言及するものとして理解されるべきである。したがって、微生物コンソーシアムを参照して特徴を提供する場合はいつでも、これは、必要な変更を加えて、医薬組成物、キット、及び方法に関して同じ特徴を定義するものと理解されるべきである。
【0023】
本明細書で使用される微生物コンソーシアムは、細菌及び/又は古細菌の少なくとも1つを含む微生物の混合物/カクテルを指す。少なくとも1種の微生物に言及する場合は、共通の科学的分類に分類される1種の微生物種及び/又は株を指すと理解されるべきである。本開示の主題である微生物は、ヒト微生物叢中に存在し、したがって、以下にも詳述するような当該技術分野における任意の公知の方法によって、又は生物学的材料(例えば、糞便、又は小腸及び大腸の様々なセグメントから単離された物質などの、糞便材料)から精製することによって、ヒト微生物叢などの任意の微生物叢から単離及び/又は精製することができる。
【0024】
したがって、本明細書で使用される微生物という用語は、いくつかの実施形態によれば、単離された微生物、精製された微生物、組換え微生物、又はそれらの任意の組合せを指す。
【0025】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、単離された微生物を含む。いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、精製された微生物を含む。いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、組換え微生物を含む。いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、単離された微生物、精製された微生物、又はそれらの任意の組合せを含む。
【0026】
なお、本発明の組換え微生物は、新たな遺伝要素の意図的な導入により遺伝子構造が改変された微生物である。組換え微生物は、元の微生物の機能(細胞内プロセス)を維持し得る。
【0027】
いくつかの実施形態では、微生物は、胞子、微生物の加熱殺菌された非生存形態、生物の抽出物、微生物の構成成分、又はそれらの任意の組合せとして提供される、生きた微生物である。
【0028】
いくつかの実施形態では、微生物は、生きた微生物である。いくつかの他の実施形態では、微生物は、胞子、微生物の加熱殺菌された非生存形態として提供される。いくつかの更なる実施形態では、微生物は、生物の抽出物である。更にいくつかの更なる実施形態では、微生物は、微生物の構成成分である。
【0029】
本明細書中上記で記載されるように、計算分析により、炎症性疾患の非炎症状態と診断された患者において過剰に(より多い存在量で)存在する微生物が同定され、その結果、これらの微生物の少なくとも1種は、少なくとも1つのリン脂質を産生することが可能であったことが見出された。換言すれば、本明細書中上記で記載される計算分析により、少なくとも1つのリン脂質を産生することが可能な少なくとも1つの微生物、具体的にはPEが同定された。
【0030】
リン脂質は全ての細胞膜の主要な構成成分であり、それらの両親媒性に起因して、脂質二重層を形成することができる。リン脂質は、一般に、2つの疎水性脂肪酸「尾部」と、リン酸基からなる親水性「頭部」とからなる構造を有する。2つの構成成分は、通常、グリセロール分子によって一緒に結合される。リン酸基は、それぞれ、PC、PE、又はPSをもたらすコリン、エタノールアミン、又はセリンなどの、単純な有機分子で修飾することができる。PEは、シチジン二リン酸-エタノールアミンをジグリセリドに添加し、シチジン一リン酸を放出することによって合成されてもよい。PSは、アミノ酸セリンをCDP(シチジン二リン酸)活性化ホスファチジン酸と縮合させることによって、細菌中で生合成される。
【0031】
理解されるように、例えばPEを含む少なくとも1つのリン脂質の産生は、複数の内因性(すなわち、微生物の)経路を介してもよい。
【0032】
また本明細書に記載されるように、少なくとも1つの微生物によって産生される、例えばPEを含む少なくとも1つのリン脂質は、宿主の腸へと分泌され、とりわけエンドカンナビノイド代謝を含む宿主のプロセスを媒介し得ることが示唆された。
【0033】
以下の例、具体的には例1及び関連する
図1A及び
図1Bに示すように、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)DSM 3319によるマクロファージの処理は、マクロファージにおけるアラキドン酸レベルを低下させ、アナンダミド合成を増加させた。これらの結果は、微生物によって産生されたPEなどの少なくとも1つのリン脂質が宿主(おそらく、宿主の腸)へと分泌され、そこでは宿主細胞によるアナンダミド合成の前駆体として機能する、新規な微生物-宿主相互関連機構を示唆している。換言すれば、微生物による、例えばPEを含む少なくとも1つのリン脂質の産生は、宿主のアナンダミドレベルを増加させた。
【0034】
アナンダミド(anandamide:ANA)(N-アラキドノイルエタノールアミン(AEA)としても知られている)(本明細書ではANA又はAEAと示される)は、必須オメガ-6脂肪酸であるエイコサテトラエン酸(アラキドン酸)の非酸化的代謝に由来する脂肪酸神経伝達物質である。アナンダミドは、カルシウム依存的様式で、ニューロン及びマクロファージによって合成される。これは主に、アナンダミドをエタノールアミン及びアラキドン酸へと変換する脂肪酸アミド加水分解酵素(fatty acid amide hydrolase:FAAH)によって分解される。アナンダミド及び2-アラキドニルグリセロール(2-arachidonyl glycerol:2-AG)を含むエンドカンナビノイドは、要求に応じて作られ、カンナビノイド及びバニロイド受容体を活性化して、運動性、分泌、及び小腸炎症を制御する生理学的及び病態生理学的作用を含む様々な細胞内応答を引き起こす、脂質メディエータである。
【0035】
したがって、本発明の実施形態として実施され得るいくつかの態様によれば、2種以上の微生物を含む微生物コンソーシアムである、2種以上の微生物のうち少なくとも1種は、宿主におけるエンドカンナビノイド代謝を調節することが可能である。
【0036】
いくつかの他の実施形態によれば、2種以上の微生物を含む微生物コンソーシアムである、2種以上の微生物のうち少なくとも1種は、宿主中のアナンダミドレベルを調節することが可能である。
【0037】
いくつかの更なる実施形態によれば、2種以上の微生物を含む微生物コンソーシアムである、2種以上の微生物のうち少なくとも1種は、宿主中のAEAの産生を調節することが可能である。
【0038】
いくつかの更なる実施形態によれば、2種以上の微生物を含む微生物コンソーシアムである、2種以上の微生物のうち少なくとも1種は、宿主中のAEAレベルを調節することが可能である。
【0039】
いくつかの実施形態によれば、2種以上の微生物を含む微生物コンソーシアムである、2種以上の微生物のうち少なくとも1種は、少なくとも1つのリン脂質を調節することと、宿主又はそれらの組合せにおけるエンドカンナビノイド代謝を調節することと、が可能である。
【0040】
いくつかの実施形態によれば、2種以上の微生物を含む微生物コンソーシアムである、2種以上の微生物のうち少なくとも1種は、PEを調節することと、宿主又はそれらの組合せにおけるエンドカンナビノイド代謝を調節することと、が可能である。
【0041】
いくつかの実施形態によれば、2種以上の微生物を含む微生物コンソーシアムである、2種以上の微生物のうち少なくとも1種は、少なくとも1つのリン脂質を調節することと、宿主又はそれらの組合せにおけるAEAレベルを増加させることと、が可能である。
【0042】
いくつかの実施形態によれば、2種以上の微生物を含む微生物コンソーシアムである、2種以上の微生物のうち少なくとも1種はPEを産生することと、宿主又はそれらの組合せにおけるAEAレベルを増加させることと、が可能である。
【0043】
少なくとも1つのリン脂質、AEA、又はそれら2つの組合せを調節することに加えて、本発明の微生物コンソーシアム内の微生物のうち1種以上は、更なる生理学的/生物学的プロセスを調節することが可能であり、そのいくつかは関連し得る。
【0044】
換言すれば、微生物コンソーシアム内の少なくとも2種以上の微生物は、例えば、少なくとも1種の微生物が少なくとも1種の他の微生物から利益を得ることができるように、様々な生物学的関係を持ち得る。例えば、微生物コンソーシアムの1種の微生物の代謝産物は、微生物コンソーシアムの別の微生物によって、又は代替的には更なる腸共生生物によって、基質として使用されてもよい。これは一緒になって、微生物コンソーシアムによる腸内コロニー形成、又は1種以上の微生物の所望の活性の促進の可能性を高め得る。
【0045】
微生物コンソーシアム内の少なくとも2種の微生物の組合せが、いくつかの基礎となり重複する相補的機構(プロセス)を介して免疫調節をもたらす作用を達成し得ることが示唆された。例えば、微生物コンソーシアム内の少なくとも1種の微生物は、本明細書で以下に詳述するように、少なくとも1つのプロセス、時には少なくとも2つのプロセス、更に時には少なくとも3つ又は少なくとも4つのプロセスを調節することが可能であり得る。
【0046】
追加的又は代替的に、特定のプロセスは、単一の微生物によって、又は時には、微生物コンソーシアム内の少なくとも2種の微生物、少なくとも3種の微生物、又は更には少なくとも4種の微生物によって調節されてもよい。
【0047】
調節されたプロセスの一部は2種以上の微生物間で重複してもよいが、一方でコンソーシアムは、広範かつ相補的な効果を得るために、ある程度の多様性を有する。例えば、本明細書で述べるように、本発明の微生物コンソーシアムは、少なくとも1つの短鎖脂肪酸(SCFA)、乳酸、又はそれらの組合せを調節することができる2種以上の微生物を含む。
【0048】
したがって、いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアム内の2種以上の微生物は、少なくとも1つのSCFA、乳酸、又はそれらの組合せを調節することが可能である。
【0049】
したがって、いくつかの態様によれば、本開示は、2種以上の微生物を含む微生物コンソーシアムを提供し、2種以上の微生物は、少なくとも1つのリン脂質を調節することと、SCFA、乳酸、又はそれらの組合せのうち少なくとも1つを調節することと、が可能である。
【0050】
いくつかの実施形態によれば、2種以上の微生物は、PEを調節することと、SCFA、乳酸、又はそれらの組合せのうち1つ以上を調節することと、が可能である。
【0051】
PE、少なくとも1つのSCFA、又は乳酸のうち1つ以上は、微生物から宿主へと分泌されて、宿主における生理学的/生物学的プロセスを調節し得る。
【0052】
宿主におけるプロセスは、例えば、微生物の酵素によって調節され得る。
【0053】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアム内の2種以上の微生物は、宿主の二次胆汁酸、多糖、又はグリコサミノグリカン(GAG)を調節することが可能である。本明細書の以下で詳述するように、宿主中の二次胆汁酸、多糖、GAG、又はそれらの組合せは、宿主の腸へと分泌される微生物コンソーシアムにおいて、少なくとも1種の微生物によって産生される酵素によって調節され得ることが示唆された。
【0054】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアム内の2種以上の微生物は、宿主中の少なくとも1つの二次胆汁酸、宿主中の多糖、宿主中のグリコサミノグリカン(GAG)、又はそれらの任意の組合せのうち1つ以上を調節することが可能である。
【0055】
したがって、いくつかの態様によれば、本開示は、2種以上の微生物を含む微生物コンソーシアムを提供し、2種以上の微生物は、少なくとも1つのリン脂質を調節することと、(i)二次胆汁酸、(ii)多糖、(iii)GAG、又は(iv)それらの組合せのうち1つ以上を調節することと、が可能である。
【0056】
いくつかの態様によれば、本開示は、2種以上の微生物を含む微生物コンソーシアムを提供し、2種以上の微生物は、少なくとも1つのリン脂質を調節することと、(i)SCFA、(ii)乳酸、(iii)二次胆汁酸、(iv)多糖、(v)GAG、又は(vi)それらの任意の組合せのうち1つ以上を調節することと、が可能である。
【0057】
調節又は調節することという用語は、指定された品目における変化又は改変などを指し、指定された品目(例えば、乳酸)の活性化/増加活性又は阻害/減少活性のいずれかをもたらす変化、例えば生理学的/細胞内プロセス、具体的には本明細書で指定される本発明のプロセス/産物のいずれかを包含する。
【0058】
したがって、2種以上の微生物を含む微生物コンソーシアムは、特定のプロセスの活性化剤又は阻害剤のいずれかと見なされてもよい。
【0059】
活性化剤とは、少なくとも1つの生理学的/細胞内プロセスを誘導、活性化、刺激、増加、亢進、活性化増強、増感、又は上方制御する微生物を指す。
【0060】
阻害剤とは、生理学的/細胞内プロセスを、阻害、部分的若しくは完全に刺激又は活性化を遮断、低減、予防、活性化遅延、不活性化、脱感作、又は下方制御する微生物を指す。
【0061】
本明細書に記載されるように、本発明は、微生物において内因性に調節されるプロセスと、微生物において調節され、そこから宿主へと分泌される産物によって宿主において調節されるプロセスとを包含する。
【0062】
微生物において内因的に調節されるプロセス、すなわち微生物内因性プロセスは、全て、本明細書では時として「微生物プロセス」と総称される。微生物プロセスは、少なくとも1つの特定のタイプ(種又は微生物)の微生物で起こり得る(内因性プロセス)。そのような微生物プロセスは、例えば、宿主に影響を及ぼすために微生物から分泌され得る微生物産物を(時として、本発明の特定のプロセスによって)産生する。
【0063】
したがって、微生物コンソーシアムは、例えば、産物の産生をもたらす微生物プロセスを(活性化によって)調節し得る。産物は、例えば、SCFA、乳酸、PE、又はそれらの組合せのうち1つ以上を含む。本明細書で詳述するように、1つ以上の産物は、宿主(おそらく、宿主の腸)へと分泌されてもよい。
【0064】
加えて、分泌された産物は、宿主におけるプロセスを調節するために宿主によって使用されてもよい(すなわち、宿主構成成分を用いる)。
【0065】
本明細書に記載されるように、本発明の微生物は、宿主における様々な細胞内プロセスを調節することが見出された。そのようなプロセスは、本明細書では「宿主プロセス」と総称される。
【0066】
これらのプロセスは、微生物によって産生され、宿主へと分泌される、微生物構成成分によって媒介されてもよい。したがって、2種以上の微生物のうち少なくとも1種、例えば、少なくとも1つのリン脂質を産生することが可能である少なくとも1種の微生物は、宿主対象における細胞内プロセス(機能的宿主プロセス)を調節することが可能である。
【0067】
理論に束縛されるものではないが、微生物における特定のプロセスと、例えば宿主対象におけるこの特定のプロセス(又はプロセスの産物)によって活性化される、調節された細胞内プロセスとの間に、相互作用が存在することが示唆された。
【0068】
本明細書に記載されるように、生理学的プロセスの調節は、産物(例えば、少なくとも1つのSCFA)の産生をもたらし得る。本明細書で使用される場合、少なくとも1つの微生物による産物の産生/合成は、時には、少なくとも1つの微生物から宿主の腸及び糞便への産物の分泌を包含する。
【0069】
いくつかの実施形態によれば、微生物コンソーシアムは、2種以上の微生物を含み、2種以上の微生物は、少なくとも1つのリン脂質を産生することと、(i)少なくとも1つのSCFA及び(ii)乳酸の少なくとも1つを産生することと、が可能である。
【0070】
いくつかの他の実施形態によれば、微生物コンソーシアムは、2種以上の微生物を含み、2種以上の微生物は、少なくとも1つのエンドカンナビノイドの産生を調節することと、次の特徴、(i)二次胆汁酸を産生すること、(ii)多糖を分解すること、(iii)GAGを分解すること、又は(iv)それらの任意の組合せのうち1つ以上を有することと、が可能である。
【0071】
いくつかの他の実施形態によれば、微生物コンソーシアムは、2種以上の微生物を含み、2種以上の微生物は、少なくとも1つのリン脂質、エンドカンナビノイド、又はそれらの組合せの産生を調節することと、(i)二次胆汁酸を産生すること、(ii)多糖を分解すること、(iii)GAGを分解すること、又は(iv)それらの任意の組合せという特徴のうち1つ以上を有することと、が可能である。
【0072】
いくつかの更なる実施形態によれば、本開示は、2種以上の微生物を含む微生物コンソーシアムを提供し、2種以上の微生物は、少なくとも1つのリン脂質を産生すること、エンドカンナビノイド産生を調節すること、又はそれらの任意の組合せと、以下、(i)少なくともSCFAを産生すること、(ii)乳酸を産生すること、(iii)二次胆汁酸を産生すること、(iv)多糖を分解すること、(v)GAGを分解すること、又は(vi)それらの任意の組合せのうち1つ以上を有することと、が可能である。
【0073】
リン脂質を産生すること、エンドカンナビノイド産生を調節すること、又はそれらの組合せ可能である少なくとも1つの微生物はまた、(i)少なくとも1つのSCFAを産生すること、(ii)乳酸を産生すること、(iii)二次胆汁酸を産生すること、(iv)多糖を分解すること、及び(v)GAGを分解することのうち少なくとも1つが可能であり得ることに留意されたい。
【0074】
リン脂質を産生すること、エンドカンナビノイド産生を調節すること、又はそれらの組合せが可能である少なくとも1つの微生物はまた、少なくとも1種の他の(異なる)微生物であり得ることに更に留意されたい。
【0075】
いくつかの実施形態によれば、微生物コンソーシアム内の2種以上の微生物のうち少なくとも1種は、少なくとも1つのリン脂質、エンドカンナビノイド、又はそれらの任意の組合せを調節することが可能であり、2種以上の微生物のうち少なくとも他の1種(すなわち、異なる微生物)は、(i)少なくとも1つのSCFAを産生すること、(ii)乳酸を産生すること、(iii)二次胆汁酸を産生すること、(iv)多糖を分解すること、(v)GAGを分解すること、又は(vi)それらの任意の組合せのうち1つ以上を有することを特徴とする。
【0076】
いくつかの実施形態によれば、微生物コンソーシアム内の2種以上の微生物のうち少なくとも1種は、少なくとも1つのリン脂質、エンドカンナビノイド、又はそれらの任意の組合せを調節することが可能であり、2種以上の微生物のうち少なくとも他の1種(すなわち、異なる微生物)は、(i)少なくとも1つのSCFAを産生すること、(ii)乳酸を産生すること、(iii)二次胆汁酸を産生すること、又は(iv)それらの任意の組合せのうち1つ以上を有することを特徴とする。
【0077】
いくつかの実施形態によれば、微生物コンソーシアム内の2種以上の微生物のうち少なくとも1種は、少なくとも1つのリン脂質、エンドカンナビノイド、又はそれらの任意の組合せを調節することが可能であり、2種以上の微生物のうち少なくとも他の1種(すなわち、異なる微生物)は、(i)少なくとも1つのSCFAを産生すること、(ii)二次胆汁酸を産生すること、(iii)多糖を分解すること、(iv)GAGを分解すること、又は(v)それらの任意の組合せのうち1つ以上を有することを特徴とする。
【0078】
いくつかの実施形態によれば、微生物コンソーシアム内の2種以上の微生物のうち少なくとも1種は、少なくとも1つのリン脂質、エンドカンナビノイド、又はそれらの任意の組合せを調節することが可能であり、2種以上の微生物のうち少なくとも他の1種は、(i)少なくとも1つのSCFAを産生すること、(ii)二次胆汁酸を産生すること、(iii)多糖を分解すること、(iv)乳酸を産生すること、又は(v)それらの任意の組合せのうち1つ以上を有することを特徴とする。
【0079】
いくつかの実施形態によれば、微生物コンソーシアム内の2種以上の微生物のうち少なくとも1種は、少なくとも1つのリン脂質、エンドカンナビノイド、又はそれらの任意の組合せを調節することが可能であり、2種以上の微生物のうち少なくとも他の1種は、(i)少なくとも1つのSCFAを産生すること、(ii)二次胆汁酸を産生すること、(iii)乳酸を産生すること、又は(iv)それらの任意の組合せのうち1つ以上を有することを特徴とする。
【0080】
いくつかの実施形態によれば、微生物コンソーシアム内の2種以上の微生物のうち少なくとも1種は、少なくとも1つのリン脂質、エンドカンナビノイド、又はそれらの任意の組合せを調節することが可能であり、2種以上の微生物のうち少なくとも他の1種は、(i)少なくとも1つのSCFAを産生すること、(ii)二次胆汁酸を産生すること、又は(iii)それらの任意の組合せのうち1つ以上を有することを特徴とする。
【0081】
いくつかの実施形態では、2種以上の微生物のうち少なくとも1種は、SCFAを産生することと、二次胆汁酸を産生することと、を特徴とする。
【0082】
いくつかの実施形態では、2種以上の微生物のうち少なくとも1種は、SCFAを産生すること、多糖を分解すること、GAGを分解すること、又はそれらの組合せを特徴とする。
【0083】
いくつかの実施形態では、2種以上の微生物のうち少なくとも1種は、SCFAを産生すること、乳酸を産生すること、多糖を分解すること、又はそれらの組合せを特徴とする。
【0084】
いくつかの実施形態では、2種以上の微生物のうち少なくとも1種は、SCFAを産生すること、乳酸を産生すること、又はそれらの組合せを特徴とする。
【0085】
いくつかの実施形態では、2種以上の微生物のうち少なくとも1種は、乳酸を産生することを特徴とする。
【0086】
いくつかの実施形態では、2種以上の微生物のうち少なくとも1種は、SCFAを産生することを特徴とする。
【0087】
いくつかの実施形態では、2種以上の微生物のうち2種は、SCFAを産生することが可能である。
【0088】
いくつかの実施形態では、2種以上の微生物のうち少なくとも1種は、リン脂質、エンドカンナビノイド、又はそれらの組合せ、及び少なくとも1つのSCFAを産生することを特徴とする。
【0089】
いくつかの実施形態では、2種以上の微生物のうち少なくとも1種は、リン脂質及び少なくとも1つのSCFAを産生することを特徴とする。
【0090】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのリン脂質は、PE、PC、PS、及びそれらの任意の組合せである。
【0091】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのリン脂質は、PEである。
【0092】
いくつかの実施形態では、2種以上の微生物のうち少なくとも1種は、PE及び少なくとも1つのSCFAを産生することを特徴とする。
【0093】
いくつかの実施形態では、2種以上の微生物のうち少なくとも1種は、エンドカンナビノイド及び少なくとも1つのSCFAの産生を調節することを特徴とする。
【0094】
いくつかの実施形態では、2種以上の微生物のうち少なくとも1種は、AEAの産生を調節することと、少なくとも1つのSCFAを産生することと、を特徴とする。
【0095】
同定された微生物によって調節されるプロセスはまた、SCFAの調節も含む。腸内微生物叢によって典型的に産生される少なくとも1つのSCFAは、本発明の微生物コンソーシアムによって増大されることが示唆された。産生されたSCFAは宿主の腸へと分泌され得る。
【0096】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのSCFAは、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、蟻酸、イソ酪酸、又はそれらの任意の組合せのうち少なくとも1つを含む。
【0097】
いくつかの他の実施形態では、少なくとも1つのSCFAは、酢酸、プロピオン酸、酪酸、又はそれらの任意の組合せのうち少なくとも1つを含む。
【0098】
いくつかの実施形態では、2種以上の微生物のうち少なくとも1種は、酢酸、酪酸、プロピオン酸、又はそれらの任意の組合せのうち少なくとも1つを産生することが可能である。
【0099】
いくつかの実施形態では、2種以上の微生物のうち少なくとも1種は、酢酸を産生することと、二次胆汁酸を産生することと、を特徴とする。
【0100】
いくつかの実施形態では、2種以上の微生物のうち少なくとも1種は、酪酸を産生すること、多糖を分解すること、及びGAGを分解することを特徴とする。
【0101】
いくつかの実施形態では、2種以上の微生物のうち少なくとも1種は、酢酸を産生すること、プロピオン酸を産生すること、乳酸を産生すること、及び多糖を分解することを特徴とする。
【0102】
いくつかの実施形態では、2種以上の微生物のうち少なくとも1種は、酢酸を産生することと、乳酸を産生することと、を特徴とする。
【0103】
いくつかの実施形態では、2種以上の微生物のうち少なくとも1種は、乳酸を産生することを特徴とする。
【0104】
いくつかの他の実施形態では、2種以上の微生物のうち少なくとも1種は、リン脂質、エンドカンナビノイド、又はそれらの任意の組合せを産生することが可能であり、微生物コンソーシアム内の2種以上の微生物のうち少なくとも1種は、酢酸、酪酸、及びプロピオン酸のうち少なくとも1つを産生することが可能である。
【0105】
いくつかの実施形態では、2種以上の微生物のうち少なくとも1種は、PE及び酪酸を産生することが可能である。いくつかの実施形態では、2種以上の微生物のうち少なくとも1種は、PE及び酢酸を産生することが可能である。いくつかの実施形態では、2種以上の微生物のうち少なくとも1種は、PE及びプロピオン酸を産生することが可能である。
【0106】
いくつかの実施形態では、2種以上の微生物のうち少なくとも1種は、AEA及び酪酸の産生を調節することが可能である。いくつかの実施形態では、2種以上の微生物のうち少なくとも1種は、AEAの産生を調節することが可能であり、かつ酢酸を産生することが可能である。いくつかの実施形態では、2種以上の微生物のうち少なくとも1種は、AEA及びプロピオン酸の産生を調節することが可能である。
【0107】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアム内の2種以上の微生物のうち少なくとも1種は、乳酸を産生することが可能である。
【0108】
微生物コンソーシアム内の2種以上の微生物のうち少なくとも1種による乳酸調節に言及する場合、これは、微生物による乳酸の産生、及び場合により宿主の腸へのその分泌として理解されるべきである。
【0109】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、酢酸、プロピオン酸、乳酸、又はそれらの組合せを産生することが可能である、少なくとも1種の微生物を含む。
【0110】
いくつかの他の実施形態では、2種以上の微生物のうち少なくとも1種は、PEを産生することが可能であり、酢酸、プロピオン酸、乳酸、又はそれらの任意の組合せを産生することが可能である少なくとも1つの微生物である。
【0111】
いくつかの他の実施形態では、2種以上の微生物のうち少なくとも1種は、AEAの産生を調節することが可能であり、酢酸、プロピオン酸、乳酸、又はそれらの任意の組合せを産生することが可能である少なくとも1つの微生物である。
【0112】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、酢酸及び乳酸を産生することが可能である、少なくとも1種の微生物を含む。
【0113】
いくつかの他の実施形態では、2種以上の微生物のうち少なくとも1種は、PEを産生することが可能であり、酢酸及び乳酸を産生することが可能である少なくとも1つの微生物である。
【0114】
いくつかの他の実施形態では、2種以上の微生物のうち少なくとも1種は、AEAの産生を調節することが可能であり、酢酸及び乳酸を産生することが可能である少なくとも1つの微生物である。
【0115】
いくつかの実施形態では、同定された微生物(本発明の微生物コンソーシアムを形成)は、二次胆汁酸産生を調節する。胆汁酸とは、哺乳動物及び他の脊椎動物の胆汁中に見出される両親媒性ステロイド分子である。
【0116】
本開示によれば、二次胆汁酸を調節する微生物(複数可)は、実際には、宿主の一次胆汁酸を二次胆汁酸へと形質転換/変換することが可能な微生物(複数可)である。したがって、本発明の文脈における二次胆汁酸は、微生物の活性による改変後の宿主産物、具体的には微生物コンソーシアム内の微生物によるものを指す。
【0117】
宿主の一次胆汁酸の二次胆汁酸への変換は、この反応が可能な任意の微生物の酵素によって行ってもよい。例えば、酵素は、とりわけ、7-アルファ-デヒドロキシラーゼを含み得る。
【0118】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアム内の2種以上の微生物のうち少なくとも1種は、二次胆汁酸を調節する。上記のように、2種以上の微生物は、宿主腸内の二次胆汁酸の合成に影響を及ぼしており、したがって、宿主内の二次胆汁酸レベル(含有量/量)を調節する。
【0119】
いくつかの他の実施形態によれば、微生物コンソーシアム内の2種以上の微生物のうち少なくとも1種は、宿主中で二次胆汁酸を産生することが可能である。
【0120】
いくつかの実施形態では、二次胆汁酸は、デオキシコール酸(deoxycholic acid:DOC)、リトコール酸(lithocholic acid:LCA)、又はそれらの任意の組合せを含む。
【0121】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアム内の2種以上の微生物のうち少なくとも1種は、DOCを産生することが可能である。
【0122】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアム内の2種以上の微生物のうち少なくとも1種は、LCAを産生することが可能である。
【0123】
DOCはコール酸から形成され、LCAはケノデオキシコール酸から形成される。
【0124】
加えて、微生物コンソーシアムは、多糖類を調節することが可能である。
【0125】
多糖は、グリコシド結合によって互いに結合された単糖単位の長鎖で構成されるポリマー炭水化物分子であり、加水分解すると、構成単糖又はオリゴ糖が得られる。
【0126】
微生物コンソーシアムは、例えば微生物由来の特定の酵素を用いて多糖を分解することによって、多糖を調節することが可能である。したがって、多糖の調節に言及する場合、宿主多糖(宿主基質)及び宿主食物多糖が微生物の構成成分によって調節(分解)されるものと理解すべきである。そのような微生物の構成成分は、いくつかの実施形態によれば、酵素である。酵素の非限定的な例としては、ペクチン酸リアーゼ、ラムノガラクツロン酸リアーゼ(rhamnogalacturonate lyase)、グルクロニルヒドロラーゼ、アルギン酸リアーゼ、又はセルラーゼが挙げられる。
【0127】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアム内の2種以上の微生物のうち少なくとも1種は、それらの分解によって多糖類を調節する。
【0128】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアム内の2種以上の微生物のうち少なくとも1種は、少なくとも1つの多糖を分解する。いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアム内の2種以上の微生物のうち少なくとも1種は、植物細胞壁多糖のうち少なくとも1つを分解する。植物細胞壁多糖の非限定的な例としては、デンプン、ペクチン、イヌリン、アルギン酸、ムチン、又はフルクタンが挙げられる。
【0129】
また更には、微生物コンソーシアムは、少なくとも1つのGAGを調節することが可能である。
【0130】
GAGの調節に言及する場合、宿主のGAGが、GAG分解酵素、すなわちグリコサミノグリカン(GAG)を開裂(解重合)する酵素などの微生物の構成成分によって調節(分解)されるものと理解されるべきである。
【0131】
GAG(ムコ多糖とも示される)とは、繰り返し二糖(二重糖(double sugar))単位からなる長い線状(非分枝状)多糖である。GAGとしては、例えば、ヘパリン/ヘパラン硫酸(HSGAG)及びコンドロイチン硫酸/デルマタン硫酸(CSGAG)が挙げられる。
【0132】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアム内の2種以上の微生物のうち少なくとも1種は、HSGAG及び/又はCSGAGなどの宿主のGAGを開裂する(解重合する)少なくとも1つの酵素を産生することによって、GAGを調節することが可能である。
【0133】
いくつかの実施形態では、2種以上の微生物のうち少なくとも1種は、ヘパリナーゼ、コンドロイチンリアーゼ、又はそれらの任意の組合せである少なくとも1つの酵素を含む。
【0134】
ヘパリナーゼ及びコンドロイチンリアーゼとは、宿主のGAGを分解することが可能である、微生物コンソーシアム内の2種以上の微生物のうち少なくとも1種に見られる酵素である。ヘパリナーゼは、複合化グルコサミノグリカン上のヘパリン又はヘパラン硫酸モチーフの加水分解性開裂を触媒する酵素である。
【0135】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアム内の2種以上の微生物のうち少なくとも1種は、ヘパリナーゼを産生することが可能である。
【0136】
いくつかの他の実施形態では、微生物コンソーシアム内の2種以上の微生物のうち少なくとも1種は、コンドロイチンリアーゼを産生することが可能である。
【0137】
宿主のGAGの調節は、いくつかの実施形態によれば、2種以上の微生物のうち少なくとも1種に由来するコンドロイチンリアーゼを介したものである。
【0138】
いくつかの実施形態によれば、微生物コンソーシアムは、(i)リン脂質、特にPEを産生すること、(ii)エンドカンナビノイド、特にAEAの産生を調節すること、(iii)乳酸を産生すること、(iv)酢酸を産生すること、(iv)酪酸を産生すること、(v)プロピオン酸を産生すること、(vi)少なくとも1つの胆汁酸、特にDOC、LCA、若しくはそれらの任意の組合せを産生すること、(vii)少なくとも1つの多糖を分解すること、(viii)少なくとも1つのGAGを分解すること、又は(ix)それらの任意の組合せのうち1つ以上を有することを特徴とする。
【0139】
いくつかの実施形態によれば、微生物コンソーシアム内の少なくとも1種の微生物は、(i)リン脂質、特にPEを産生すること、(ii)エンドカンナビノイド、特にAEAの産生を調節すること、又は(iii)それらの任意の組合せのうち1つ以上を有することを特徴とし、微生物コンソーシアム内の少なくとも1種の他の微生物は、(i)乳酸を産生すること、(ii)酢酸を産生すること、(ii)酪酸を産生すること、(iv)プロピオン酸を産生すること、(v)少なくとも1つの胆汁酸、特にDOC、LCA、若しくはそれらの任意の組合せを産生すること、(vi)少なくとも1つの多糖を分解すること、(vii)少なくとも1つのGAGを分解すること、又は(viii)それらの任意の組合せのうち1つ以上を有することを特徴とする。
【0140】
本明細書に記載されるように、微生物コンソーシアムは、対象(例えば、宿主対象)における様々な細胞内プロセスを調節することが可能である。
【0141】
理論に束縛されるものではないが、本発明者らは、内因性調節プロセスと宿主の細胞内プロセスとの間に関連があり得ることを示唆した。例えば、リン脂質の産生、及び/又はSCFAの産生、及び/又は二次胆汁酸の産生は、宿主対象において、特異的免疫細胞集団の分化に影響を及ぼし得る、及び/又は免疫細胞からの特異的メディエータの分泌を増加させ得る、又は腸粘膜細胞に影響を及ぼし得ることが示唆された。
【0142】
したがって、いくつかの実施形態では、2種以上の微生物のうち少なくとも1種は、宿主対象において少なくとも1つの細胞内プロセスを調節することが可能であり、そのようなプロセスは、本明細書では「宿主プロセス」と総称される。本明細書で使用される場合、「宿主プロセス」という用語は、とりわけ、少なくとも1つのリン脂質、乳酸、又はそれらの任意の組合せを含む、微生物によって産生される産物を介して調節される(本明細書で上に定義されるように活性化又は阻害される)、宿主における生理学的/生物学的/化学的プロセスを指す。
【0143】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、(i)制御性T細胞(Treg)、(ii)抗炎症性サイトカイン、(iii)胆汁酸受容体、(iv)腸障壁完全性、(v)活性化B細胞の核内因子カッパ軽鎖エンハンサ(NF-κB)、(vi)インフラマソーム、(vii)炎症誘発性サイトカイン、又は(viii)それらの任意の組合せのうち1つ以上を調節することが可能である。
【0144】
本明細書で以前に定義された「調節することが可能」という用語は、レベル/量/濃度/含有量における任意の変化(正又は負)、及び本明細書で定義された任意の関連表現を包含する。
【0145】
例えば、活性化によるプロセスの調節は、抗炎症性効果及び/又は腸の健康の促進に寄与し得るが、一方で阻害によるプロセスの調節は、炎症誘発性効果の低減に寄与し得る。調節は、最終的には免疫系及び/又は胃腸系に集合的へと影響を及ぼし得る。
【0146】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、宿主における少なくとも1つの細胞内プロセスを増加/誘導する。
【0147】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、抗炎症効果及び/又は腸の健康に寄与するプロセスを活性化することが可能である。
【0148】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、(i)Tregを活性化すること、(ii)抗炎症性サイトカインを活性化すること、(iii)胆汁酸受容体を活性化すること、(iv)腸障壁完全性を活性化すること、(v)NF-κBを阻害すること、(vi)インフラマソームを阻害すること、(vii)炎症誘発性サイトカインを阻害すること、又は(viii)それらの任意の組合せのうち1つ以上を有することが可能である。
【0149】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、(i)Treg、(ii)抗炎症性サイトカイン、(iii)胆汁酸受容体、(iv)腸障壁完全性、又は(v)それらの任意の組合せのうち1つ以上を活性化することが可能である。
【0150】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、Tregを活性化(誘導)することが可能である。微生物コンソーシアムがTregの量/数を増加させたことが示唆された。Tregは、免疫系を調節し、自己抗原に対する寛容を維持し、かつ自己免疫疾患を予防する、T細胞の亜集団である。
【0151】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、少なくとも1つの抗炎症性サイトカインの産生(合成)を誘導することが可能である。
【0152】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの抗炎症性サイトカインは、IL-4、IL-10、IL-11、IL-13、及びそれらの任意の組合せのうち少なくとも1つを含む。
【0153】
微生物コンソーシアムは、宿主中の少なくとも1つの抗炎症性サイトカインの量/レベルを増加させ得ることが示唆される。
【0154】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、炎症誘発性サイトカインを阻害することが可能である。
【0155】
炎症誘発性サイトカインは、免疫細胞、及び炎症を促進する特定の他の細胞型から分泌されるサイトカインの一種である。
【0156】
いくつかの実施形態では、炎症誘発性サイトカインは、インターロイキン-1(IL-1)、IL-2、IL-6、IL-12、IL-17、IL-22、IL-23及びIL-18、TNF-α、インターフェロンガンマ(IFNγ)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)、又はそれらの任意の組合せのうち少なくとも1つを含む。
【0157】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、TNF の分泌を阻害することが可能である。TNF とは、全身性炎症に関与する細胞シグナル伝達タンパク質(サイトカイン)であり、急性期反応を構成するサイトカインの1つである。TNFの主な役割は免疫細胞の調節にある。
【0158】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、胆汁酸受容体を活性化することが可能である。
【0159】
微生物コンソーシアムは、この機能を調節することが可能な微生物の増加した存在を含むことによって、二次胆汁酸産生を調節することが示唆された。例えば、微生物コンソーシアムは、宿主の一次胆汁酸を二次胆汁酸へと形質転換することが可能である少なくとも1つの酵素を含む、増加した微生物集団を有する。
【0160】
したがって、胆汁酸受容体の活性化は、本発明の微生物コンソーシアムの微生物によって産生される二次胆汁酸の量の増加に起因することが更に示唆された。
【0161】
胆汁酸受容体は当該技術分野で同定されている任意の受容体であってもよい。いくつかの実施形態では、胆汁酸受容体は、ファルネソイドX受容体(farnesoid X:FXR)、Gタンパク質共役胆汁酸受容体1(G protein-coupled bile acid receptor 1:GPBAR1)、又はそれらの組合せである。
【0162】
いくつかの実施形態では、胆汁酸受容体は、FXRである。FXRはまた、NR1H4(核受容体サブファミリー1、H基、メンバー4)としても知られており、ヒトにおいてNR1H4遺伝子によってコードされる核内受容体である。
【0163】
いくつかの実施形態では、胆汁酸受容体は、GPBAR1である。Gタンパク質共役受容体19(GPCR19)としても知られるGPBAR1、胆汁酸の膜型受容体(M-BAR)、又はTGR5としてもまた知られるGPBAR1は、ヒトにおいてGPBAR1遺伝子によってコードされる、タンパク質である。
【0164】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、腸障壁完全性を増大させることが可能である。「腸障壁完全性」という用語は、細胞接着分子(タンパク質)の上方制御を包含する。細胞接着タンパク質は、細胞表面に位置し、細胞接着と呼ばれるプロセスで他の細胞又は細胞外マトリックス(extracellular matrix:ECM)との結合に関与する。細胞接着タンパク質の非限定的な例としては、隣接する細胞と、タイトジャンクション内、並びに結腸ムチン、デソムソーム、及びヘミデスモソーム中の構成成分とを接続する、タイトジャンクションが挙げられる。
【0165】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、細胞内プロセスを阻害/低減することが可能である。
【0166】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、炎症誘発性プロセスを阻害/低減することが可能である。
【0167】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、(i)NF-κB、(ii)インフラマソーム、(iii)炎症誘発性サイトカインを阻害/低減することが可能である。
【0168】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、インフラマソームを阻害することが可能である。
【0169】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、NF-κBを阻害/低減することが可能である。
【0170】
インフラマソームとは、炎症応答の活性化に関与し、インターロイキン1β(IL-1β)及びインターロイキン18(IL-18)並びに更なるインターロイキン)などの、炎症誘発性サイトカインの成熟及び分泌を促進する、多タンパク質オリゴマーである。
【0171】
したがって、集合的に、微生物コンソーシアム内の少なくとも2つの微生物は、宿主組織に影響を及ぼし、免疫系を調節し得る。例示的な機構としては、二次胆汁酸産生/合成、SCFAの産生、多糖類利用の増加、及びTregの誘導が挙げられる。
【0172】
微生物コンソーシアムは、IL-10分泌の増加、Tregの誘導、NF-kB活性化の低減、IL-1分泌の低減、IL-6分泌の低減、インフラマソーム活性化の低減、活性酸素種の対抗、又はそれらの任意の組合せが可能であることが示唆された。
【0173】
加えて、微生物コンソーシアム内の少なくとも2種の微生物は、腸障壁完全性の維持を促進し得る。
【0174】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、(i)少なくとも1つのリン脂質、特にPEを産生すること、(ii)少なくとも1つのSCFAを産生すること、(iii)乳酸を産生すること、(iv)二次胆汁酸を産生すること、(v)少なくとも1つの多糖を分解すること、(vi)少なくとも1つのGAGを分解すること、(vii)Tregを活性化すること、(viii)抗炎症性サイトカインを活性化すること、(ix)胆汁酸受容体を活性化すること、(x)腸障壁完全性を活性化すること、(xi)NF-κBを阻害すること、(xii)インフラマソームを阻害すること、(xiii)炎症誘発性サイトカインを阻害すること、又は(xiv)それらの任意の組合せのうち1つ以上を有することが可能である。
【0175】
いくつかの実施形態では、2種以上の微生物のうち少なくとも1種は、(i)少なくとも1つのSCFA、特に酢酸を産生すること、(ii)二次胆汁酸を産生すること、(iii)Tregを活性化すること、(iv)IL-10を産生すること、(v)胆汁酸受容体を活性化すること、(vi)腸障壁完全性を活性化すること、(vii)TNF-aを阻害すること、(viii)インフラマソームを阻害すること、(ix)NF-κBを阻害すること、(x)炎症誘発性サイトカインを阻害すること、又は(xi)それらの任意の組合せのうち1つ以上を特徴とする。
【0176】
いくつかの実施形態では、2種以上の微生物のうち少なくとも1種は、(i)少なくとも1つのSCFA、特に酪酸を産生すること、(ii)少なくとも1つのリン脂質、特にPEを産生すること、(iii)Tregを活性化すること、(iv)IL-10を産生すること、(v)腸障壁完全性を活性化すること、(vi)TNF-aを阻害すること、(vii)NF-κBを阻害すること、(viii)炎症誘発性サイトカインを阻害すること、又は(ix)それらの任意の組合せのうち1つ以上を特徴とする。
【0177】
いくつかの実施形態では、2種以上の微生物のうち少なくとも1種は、(i)少なくとも1つのSCFA、特に酪酸を産生すること、(ii)少なくとも1つの多糖を分解すること、(iii)少なくとも1つのGAGを分解すること、(iv)Tregを活性化すること、(v)IL-10を産生すること、(vi)腸障壁完全性を活性化すること、(vii)TNF-aを阻害すること、(viii)NF-κBを阻害すること、(ix)炎症誘発性サイトカインを阻害すること、又は(x)それらの任意の組合せを特徴とする。
【0178】
いくつかの実施形態では、2種以上の微生物のうち少なくとも1種は、(i)少なくとも1つのSCFA、特に酢酸、プロピオン酸、若しくはそれらの組合せを産生すること、(ii)乳酸を産生すること、(iii)少なくとも1つの多糖を分解すること、(iv)Tregを活性化すること、(v)IL-10を産生すること、(vi)TNF-aを阻害すること、(vii)NF-κBを阻害すること、(viii)炎症誘発性サイトカインを阻害すること、又は(ix)それらの任意の組合せを特徴とする。
【0179】
いくつかの実施形態では、2種以上の微生物のうち少なくとも1種は、(i)少なくとも1つのSCFA、特に酢酸を産生すること、(ii)乳酸を産生すること、(iii)Tregを活性化すること、(iv)IL-10を産生すること、(v)腸障壁完全性を活性化すること、(vi)TNF-aを阻害すること、(vii)NF-κBを阻害すること、(viii)炎症誘発性サイトカインを阻害すること、又は(ix)それらの任意の組合せを特徴とする。
【0180】
いくつかの実施形態では、2種以上の微生物のうち少なくとも1種は、(i)乳酸を産生すること、(iii)Tregを活性化すること、(iii)IL-10を産生すること、又は(iv)それらの任意の組合せを特徴とする。
【0181】
本明細書に記載されるように、微生物コンソーシアムは、各々が本明細書で定義される少なくとも2つの微生物、又は本明細書に記載される微生物の各々の任意の組合せを含む。
【0182】
少なくとも2つの微生物を含む微生物コンソーシアムに言及する場合、2つの異なる微生物(すなわち、異なる株)に言及すると理解されるべきである。2つの異なる微生物は、同じ微生物属内又は微生物種内であってもよい。
【0183】
例えば、2種以上の微生物はどちらもアナエロスティペス(Anaerostipes)属などの1つの属に属するが、同じ属内の異なる種に属することもあれば、同じ種であるが異なる株に属することもある。あるいは、2種以上の微生物は、各々異なる属に属し得る。
【0184】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、アナエロスティペス(Anaerostipes)属由来の少なくとも1種の微生物を含む。
【0185】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム(Clostridium)属、アナエロスティペス(Anaerostipes)属、バクテロイデス(Bacteroides)属、ファスコラークトバクテリウム(Phascolarctobacterium)属、メガモナス(Megamonas)属、ラクトコッカス(Lactococcus)属、パエニクロストリジウム(Paeniclostridium)属、パラバクテロイデス(Parabacteroides)属、ユーバクテリウム(Eubacterium)属、ラクノスピラセアエ(Lachnospiraceae)属、ルミノコッカス(Ruminococcus)属、プロテオカテラ(Proteocatella)属、フィーカリバクテリウム(Faecalibacterium)属、ロゼブリア(Roseburia)属、ブチリシコッカス(Butyricicoccus)属、ラクトバチルス(Lactobacillus)属、ロイコノストック(Leuconostoc)属、ストレプトコッカス(Streptococcus)属、オエノコッカス(Oenococcus)属、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属、又はそれらの組合せのうち1つ以上に属する2種以上の微生物を含む。
【0186】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム(Clostridium)属、アナエロスティペス(Anaerostipes)属、バクテロイデス(Bacteroides)属、メガモナス(Megamonas)属、ラクトコッカス(Lactococcus)属、又はそれらの組合せうちのうち1つ以上に属する2種以上の微生物を含む。
【0187】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム(Clostridium)属由来の少なくとも1種の微生物を含む。クロストリジウム(Clostridium)属は、Taxonomy ID(又はtaxid):1485によって示され得る。クロストリジウム(Clostridium)とは、グラム陽性細菌の属である。
【0188】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、アナエロスティペス(Anaerostipes)属由来の少なくとも1種の微生物を含む。アナエロスティペス(Anaerostipes)属は、Taxonomy ID:207244によって示され得る。アナエロスティペス(Anaerostipes)とは、グラム陽性及び嫌気性細菌の属である。
【0189】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、バクテロイデス(Bacteroides)属由来の少なくとも1種の微生物を含む。バクテロイデス(Bacteroides)属は、Taxonomy ID:816によって示され得る。バクテロイデス(Bacteroides)とは、グラム陰性の偏性嫌気性細菌の属である。
【0190】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、ファスコラークトバクテリウム(Phascolarctobacterium)属由来の少なくとも1種の微生物を含む。ファスコラークトバクテリウム(Phascolarctobacterium)属は、Taxonomy ID:33024によって示され得る。ファスコラークトバクテリウム(Phascolarctobacterium)は、酢酸塩及びプロピオン酸塩を含む短鎖脂肪酸を産生し得る属であり、宿主の代謝状態及び気分に関連し得る。
【0191】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、メガモナス(Megamonas)属由来の少なくとも1種の微生物を含む。メガモナス(Megamonas)属は、Taxonomy ID:158846によって示され得る。
【0192】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、ラクトコッカス(Lactococcus)属由来の少なくとも1種の微生物を含む。ラクトコッカス(Lactococcus)属は、Taxonomy ID:1357によって示され得る。ラクトコッカス(Lactococcus)とは、乳酸菌の属である。
【0193】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、パラバクテロイデス(Parabacteroides)属由来の少なくとも1種の微生物を含む。パラバクテロイデス(Parabacteroides)属は、Taxonomy ID(又はtaxid):375288によって示され得る。パラバクテロイデス(Parabacteroides)は、グラム陰性、嫌気性、非胞子形成属である。
【0194】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、ユーバクテリウム(Eubacterium)属由来の少なくとも1種の微生物を含む。ユーバクテリウム(Eubacterium)属は、Taxonomy ID(又はtaxid):1730によって示され得る。ユーバクテリウム(Eubacterium)は、グラム陽性細菌の属であり、堅い細胞壁を特徴とする。
【0195】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、ラクノスピラセアエ(Lachnospiraceae)属由来の少なくとも1種の微生物を含む。ラクノスピラセアエ(Lachnospiraceae)属は、Taxonomy ID(又はtaxid):186803によって示され得る。ラクノスピラセアエ(Lachnospiraceae)は、嫌気性の胞子形成細菌のファミリーである属である。
【0196】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、プロテオカテラ(Proteocatella)属由来の少なくとも1種の微生物を含む。プロテオカテラ(Proteocatella)属は、Taxonomy ID(又はtaxid):181069によって示され得る。
【0197】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、ルミノコッカス(Ruminococcus)属由来の少なくとも1種の微生物を含む。ルミノコッカス(Ruminococcus)属は、Taxonomy ID(又はtaxid):1263によって示され得る。
【0198】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、フィーカリバクテリウム(Faecalibacterium)属由来の少なくとも1種の微生物を含む。フィーカリバクテリウム(Faecalibacterium)属は、Taxonomy ID(又はtaxid):216851によって示され得る。
【0199】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、ロゼブリア(Roseburia)属由来の少なくとも1種の微生物を含む。ロゼブリア(Roseburia)属は、Taxonomy ID(又はtaxid):841によって示され得る。
【0200】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、ブチリシコッカス(Butyricicoccus)属由来の少なくとも1種の微生物を含む。ブチリシコッカス(Butyricicoccus)属は、Taxonomy ID(又はtaxid):580596によって示され得る。
【0201】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、ラクトバチルス(Lactobacillus)属由来の少なくとも1種の微生物を含む。ラクトバチルス(Lactobacillus)属は、Taxonomy ID(又はtaxid):1578によって示され得る。
【0202】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、ロイコノストック(Leuconostoc)属由来の少なくとも1種の微生物を含む。ロイコノストック(Leuconostoc)属は、Taxonomy ID(又はtaxid):1243によって示され得る。
【0203】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、ストレプトコッカス(Streptococcus)属由来の少なくとも1種の微生物を含む。ストレプトコッカス(Streptococcus)属は、Taxonomy ID(又はtaxid):1301によって示され得る。
【0204】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、オエノコッカス(Oenococcus)属由来の少なくとも1種の微生物を含む。オエノコッカス(Oenococcus)属は、Taxonomy ID(又はtaxid):46254によって示され得る。
【0205】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属由来の少なくとも1種の微生物を含む。ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属は、Taxonomy ID(又はtaxid):1678によって示され得る。
【0206】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)種由来の少なくとも1種の微生物を含む。
【0207】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)種、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)種、バクテロイデス・ステルコリス(Bacteroides stercoris)種、メガモナス・ハイパーメガーレ(Megamonas hypermegale)種、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)種、ラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus lactis)種、ファスコラークトバクテリウム・スクシナテュテンス(Phascolarctobacterium succinatutens)種、クロストリジウム・シンデンス(Clostridium scindens)種、クロストリジウム・ハイレモンアエ(Clostridium hylemonae)種、パラバクテロイデス・ディスタソニス(Parabacteroides distasonis)種、ユウバクテリウム・リモサム(Eubacterium limosum)種、クロストリジウム・レプタム(Clostridium leptum)種、プロテオカテラ・スフェニスシ(Proteocatella sphenisci)種、ラクノスピラセアエ(Lachnospiraceae)5_1_57FAA種、ユウバクテリウム・レクターレ(Eubacterium rectale)種、クロストリジウム種SS2/1(Clostridium sp.SS2/1)種、ラクノスピラセアエ・バクテリウム(Lachnospiraceae bacterium)種、ユウバクテリウム・ハリイ(Eubacterium hallii)種、クロストリジウム・クロストリディオフォルメ(Clostridium clostridioforme)種、アナエロスティペス・カッカエ(Anaerostipes caccae)種、ルミノコッカス・アルブス(Ruminococcus albus)種、クロストリジウム・セルロボランス(Clostridium cellulovorans)種、フィーカリバクテリウム・プラウスニッツイ(Faecalibacterium prausnitzii)種、クロストリジウム・レプタム(Clostridium leptum)種、ユウバクテリウム・レクターレ(Eubacterium rectale)種、ロゼブリア・ファエシス(Roseburia faecis)種、ロセブリア・イヌリニボランス(Roseburia inulinivorans)種、ロゼブリア・インテスティナリス(Roseburia intestinalis)種、ロゼブリア・ホミニス(Roseburia hominis)種、ユウバクテリウム・ハリイ(Eubacterium hallii)種、アナエロスティペス・ブチラティカス(Anaerostipes butyraticus)種、アナエロスティペス・カッカエ(Anaerostipes caccae)種、ブチリシコッカス・プリカエコルム(Butyricicoccus pullicaecorum)種、ラクトバチルス・ジョンソニイ(Lactobacillus johnsonii)種、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)種、ラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)種、ラクトバチルス・ラムノサスGG(Lactobacillus rhamnosus GG)種、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)種、ラクトバチルス・ガリナラム(Lactobacillus gallinarum)種、ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)種、ラクトバチルス・パラカセイ(Lactobacillus paracasei)種、ロイコノストック・メゼンテロイデス(Leuconostoc mesenteroides)種、ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophiles)種、オエノコッカス・オエニ(Oenococcus oeni)種、バクテロイデス・シータイオタオミクロン(Bacteroides thetaiotaomicron)種、バクテロイデス・キシラニソルベンス(Bacteroides xylanisolvens)種、バクテロイデス・ブルガタス(Bacteroides vulgatus)種、バクテロイデス・フラジリス(Bacteroides fragilis)種、ロゼブリア・インテスティナリス(Roseburia intestinalis)種、ルミノコッカス・シャンパネレンシス(Ruminococcus champanellensis)種、ビフィドバクテリウム・アドレスセンティス(Bifidobacterium adolescentis)種、ペドバクター・ヘパリヌス(Pedobacter heparinus)種、バクテロイデス・エガーシイ(Bacteroides eggerthii)種、バクテロイデス・シータイオタオミクロン(Bacteroides thetaiotaomicron)種、ラクトバチルス・ラムノサス(Lactobacillus rhamnosus)種、ラクトバチルス・アニマリス(Lactobacillus animalis)種、ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)種、エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)種、アリスティペス・シャヒィ(Alistipes shahii)種、バクテロイデス・シータイオタオミクロン(Bacteroides thetaiotaomicron)種、バクテロイデス・オバツス(Bacteroides ovatus)種、バクテロイデス・カッカエ(Bacteroides caccae)種、亜種、又はそれらの組合せから選択された種に属する、少なくとも2種の微生物種を含む。
【0208】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)種、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)種、バクテロイデス・ステルコリス(Bacteroides stercoris)種、メガモナス・ハイパーメガーレ(Megamonas hypermegale)種、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)種、ラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus lactis)種、ファスコラークトバクテリウム・スクシナテュテンス(Phascolarctobacterium succinatutens)種、クロストリジウム・シンデンス(Clostridium scindens)種、クロストリジウム・ハイレモンアエ(Clostridium hylemonae)種、パラバクテロイデス・ディスタソニス(Parabacteroides distasonis)種、ユウバクテリウム・リモサム(Eubacterium limosum)種、クロストリジウム・レプタム(Clostridium leptum)種、プロテオカテラ・スフェニスシ(Proteocatella sphenisci)種、ラクノスピラセアエ(Lachnospiraceae)5_1_57FAA種、ユウバクテリウム・レクターレ(Eubacterium rectale)種、クロストリジウム種SS2/1(Clostridium sp.SS2/1)種、ラクノスピラセアエ・バクテリウム(Lachnospiraceae bacterium)種、ユウバクテリウム・ハリイ(Eubacterium hallii)種、クロストリジウム・クロストリディオフォルメ(Clostridium clostridioforme)種、アナエロスティペス・カッカエ(Anaerostipes caccae)種、ルミノコッカス・アルブス(Ruminococcus albus)種、クロストリジウム・セルロボランス(Clostridium cellulovorans)種、亜種、又はそれらの組合せから選択される種に属する、少なくとも2種の微生物種を含む。
【0209】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)種、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)種、バクテロイデス・ステルコリス(Bacteroides stercoris)種、メガモナス・ハイパーメガーレ(Megamonas hypermegale)種、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)種、ラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus lactis)種、ファスコラークトバクテリウム・スクシナテュテンス(Phascolarctobacterium succinatutens)種、亜種、又はそれらの組合せから選択される種に属する、少なくとも2種の微生物種を含む。
【0210】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)種、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)種、バクテロイデス・ステルコリス(Bacteroides stercoris)種、メガモナス・ハイパーメガーレ(Megamonas hypermegale)種、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)種、ラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus lactis)種、亜種、又はそれらの組合せから選択される種に属する、少なくとも2種の微生物種を含む。
【0211】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)種、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)種、バクテロイデス・ステルコリス(Bacteroides stercoris)種、メガモナス・ハイパーメガーレ(Megamonas hypermegale)種、亜種、又はそれらの組合せから選択される種に属する、少なくとも2種の微生物種を含む。
【0212】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)種、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)種、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)種、ラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus lactis)種、亜種、又はそれらの組合せから選択される種に属する、少なくとも2種の微生物種を含む。
【0213】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)種、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)種、バクテロイデス・ステルコリス(Bacteroides stercoris)種、ファスコラークトバクテリウム・スクシナテュテンス(Phascolarctobacterium succinatutens)種、亜種、又はそれらの組合せから選択される種に属する、少なくとも2種の微生物種を含む。
【0214】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)種、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)種、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)種、メガモナス・ハイパーメガーレ(Megamonas hypermegale)種、亜種、又はそれらの組合せから選択される種に属する、少なくとも2種の微生物種を含む。
【0215】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)種、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)種、ラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus lactis)種、亜種、及び又はそれらの組合せから選択される種に属する、少なくとも2種の微生物種を含む。
【0216】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)種、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)種、又は亜種由来の少なくとも2種の微生物を含む。
【0217】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)種、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)種、及びバクテロイデス・ステルコリス(Bacteroides stercoris)種、亜種、又はそれらの組合せから選択される種に属する、少なくとも2種の微生物種を含む。
【0218】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)種、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)種、メガモナス・ハイパーメガーレ(Megamonas hypermegale)種、亜種、又はそれらの組合せから選択される種に属する、少なくとも2種の微生物種を含む。
【0219】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)種、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)種、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)種、亜種、又はそれらの組合せから選択される種に属する、少なくとも2種の微生物種を含む。
【0220】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)種、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)種、バクテロイデス・ステルコリス(Bacteroides stercoris)種、メガモナス・ハイパーメガーレ(Megamonas hypermegale)種、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)種、亜種、又はそれらの組合せから選択される種に属する、少なくとも2種の微生物種を含む。
【0221】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)種、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)種、メガモナス・ハイパーメガーレ(Megamonas hypermegale)種、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)種、ラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus lactis)種、亜種、又はそれらの組合せから選択される種に属する、少なくとも2種の微生物種を含む。
【0222】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)種、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)種、バクテロイデス・ステルコリス(Bacteroides stercoris)種、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)種、ラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus lactis)種、亜種、又はそれらの組合せから選択される種に属する、少なくとも2種の微生物種を含む。
【0223】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)種、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)種、バクテロイデス・ステルコリス(Bacteroides stercoris)種、メガモナス・ハイパーメガーレ(Megamonas hypermegale)種、ラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus lactis)種、亜種、又はそれらの組合せから選択される種に属する、少なくとも2種の微生物種を含む。
【0224】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)種、クロストリジウム種SS2/1(Clostridium sp.SS2/1)種、バクテロイデス・ステルコリス(Bacteroides stercoris)種、ファスコラークトバクテリウム・スクシナテュテンス(Phascolarctobacterium succinatutens)種、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)種、メガモナス・ハイパーメガーレ(Megamonas hypermegale)種、及びラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus lactis)種、亜種、又はそれらの組合せから選択される種に属する、少なくとも2種の微生物種を含む。
【0225】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)種、クロストリジウム種SS2/1(Clostridium sp.SS2/1)種、バクテロイデス・ステルコリス(Bacteroides stercoris)種、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)種、メガモナス・ハイパーメガーレ(Megamonas hypermegale)種、及びラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus lactis)種、亜種、又はそれらの組合せから選択される種に属する、少なくとも2種の微生物種を含む。
【0226】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)種、ラクノスピラセアエ・バクテリウム(Lachnospiraceae bacterium)種、バクテロイデス・ステルコリス(Bacteroides stercoris)種、ファスコラークトバクテリウム・スクシナテュテンス(Phascolarctobacterium succinatutens)種、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)種、メガモナス・ハイパーメガーレ(Megamonas hypermegale)種、及びラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus lactis)種、亜種、又はそれらの組合せから選択される種に属する、少なくとも2種の微生物種を含む。
【0227】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)種、ラクノスピラセアエ・バクテリウム(Lachnospiraceae bacterium)種、バクテロイデス・ステルコリス(Bacteroides stercoris)種、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)種、メガモナス・ハイパーメガーレ(Megamonas hypermegale)種、及びラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus lactis)種、亜種、又はそれらの組合せから選択される種に属する、少なくとも2種の微生物種を含む。
【0228】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)種、ユウバクテリウム・レクターレ(Eubacterium rectale)種、バクテロイデス・ステルコリス(Bacteroides stercoris)種、ファスコラークトバクテリウム・スクシナテュテンス(Phascolarctobacterium succinatutens)種、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)種、メガモナス・ハイパーメガーレ(Megamonas hypermegale)種、及びラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus lactis)種、亜種、又はそれらの組合せから選択される種に属する、少なくとも2種の微生物種を含む。
【0229】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)種、ユウバクテリウム・レクターレ(Eubacterium rectale)種、バクテロイデス・ステルコリス(Bacteroides stercoris)種、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)種、メガモナス・ハイパーメガーレ(Megamonas hypermegale)種、及びラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus lactis)種、亜種、又はそれらの組合せから選択される種に属する、少なくとも2種の微生物種を含む。
【0230】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)種、ユウバクテリウム・ハリイ(Eubacterium hallii)種、バクテロイデス・ステルコリス(Bacteroides stercoris)種、ファスコラークトバクテリウム・スクシナテュテンス(Phascolarctobacterium succinatutens)種、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)種、メガモナス・ハイパーメガーレ(Megamonas hypermegale)種、及びラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus lactis)種、亜種、又はそれらの組合せから選択される種に属する、少なくとも2種の微生物種を含む。
【0231】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)種、ユウバクテリウム・ハリイ(Eubacterium hallii)種、バクテロイデス・ステルコリス(Bacteroides stercoris)種、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)種、メガモナス・ハイパーメガーレ(Megamonas hypermegale)種、及びラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus lactis)種、亜種、又はそれらの組合せから選択される種に属する、少なくとも2種の微生物種を含む。
【0232】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)種、クロストリジウム・クロストリディオフォルメ(Clostridium clostridioforme)種、バクテロイデス・ステルコリス(Bacteroides stercoris)種、ファスコラークトバクテリウム・スクシナテュテンス(Phascolarctobacterium succinatutens)種、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)種、メガモナス・ハイパーメガーレ(Megamonas hypermegale)種、及びラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus lactis)種、亜種、又はそれらの組合せから選択される種に属する、少なくとも2種の微生物種を含む。
【0233】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)種、クロストリジウム・クロストリディオフォルメ(Clostridium clostridioforme)種、バクテロイデス・ステルコリス(Bacteroides stercoris)種、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)種、メガモナス・ハイパーメガーレ(Megamonas hypermegale)種、及びラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus lactis)種、亜種、又はそれらの組合せから選択される種に属する、少なくとも2種の微生物種を含む。
【0234】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)種、アナエロスティペス・カッカエ(Anaerostipes caccae)種、バクテロイデス・ステルコリス(Bacteroides stercoris)種、ファスコラークトバクテリウム・スクシナテュテンス(Phascolarctobacterium succinatutens)種、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)種、メガモナス・ハイパーメガーレ(Megamonas hypermegale)種、及びラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus lactis)種、亜種、又はそれらの組合せから選択される種に属する、少なくとも2種の微生物種を含む。
【0235】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)種、アナエロスティペス・カッカエ(Anaerostipes caccae)種、バクテロイデス・ステルコリス(Bacteroides stercoris)種、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)種、メガモナス・ハイパーメガーレ(Megamonas hypermegale)種、及びラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus lactis)種、亜種、又はそれらの組合せから選択される種に属する、少なくとも2種の微生物種を含む。
【0236】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)種、ルミノコッカス・アルブス(Ruminococcus albus)種、バクテロイデス・ステルコリス(Bacteroides stercoris)種、ファスコラークトバクテリウム・スクシナテュテンス(Phascolarctobacterium succinatutens)種、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)種、メガモナス・ハイパーメガーレ(Megamonas hypermegale)種、及びラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus lactis)種、亜種、又はそれらの組合せから選択される種に属する、少なくとも2種の微生物種を含む。
【0237】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)種、クロストリジウム・セルロボランス(Clostridium cellulovorans)種、バクテロイデス・ステルコリス(Bacteroides stercoris)種、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)種、メガモナス・ハイパーメガーレ(Megamonas hypermegale)種、及びラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus lactis)種、亜種、又はそれらの組合せから選択される種に属する、少なくとも2種の微生物種を含む。
【0238】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)種、ルミノコッカス・アルブス(Ruminococcus albus)種、バクテロイデス・ステルコリス(Bacteroides stercoris)種、ファスコラークトバクテリウム・スクシナテュテンス(Phascolarctobacterium succinatutens)種、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)種、メガモナス・ハイパーメガーレ(Megamonas hypermegale)種、及びラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus lactis)種、亜種、又はそれらの組合せから選択される種に属する、少なくとも2種の微生物種を含む。
【0239】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)種、クロストリジウム・セルロボランス(Clostridium cellulovorans)種、バクテロイデス・ステルコリス(Bacteroides stercoris)種、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)種、メガモナス・ハイパーメガーレ(Megamonas hypermegale)種、及びラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus lactis)種、亜種、又はそれらの組合せから選択される種に属する、少なくとも2種の微生物種を含む。
【0240】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、パラバクテロイデス・ディスタソニス(Parabacteroides distasonis)種、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)種、バクテロイデス・ステルコリス(Bacteroides stercoris)種、ファスコラークトバクテリウム・スクシナテュテンス(Phascolarctobacterium succinatutens)種、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)種、メガモナス・ハイパーメガーレ(Megamonas hypermegale)種、及びラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus lactis)種、亜種、又はそれらの組合せから選択される種に属する、少なくとも2種の微生物種を含む。
【0241】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、パラバクテロイデス・ディスタソニス(Parabacteroides distasonis)種、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)種、バクテロイデス・ステルコリス(Bacteroides stercoris)種、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)種、メガモナス・ハイパーメガーレ(Megamonas hypermegale)種、及びラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus lactis)種、亜種、又はそれらの組合せから選択される種に属する、少なくとも2種の微生物種を含む。
【0242】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、ユウバクテリウム・リモサム(Eubacterium limosum)種、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)種、バクテロイデス・ステルコリス(Bacteroides stercoris)種、ファスコラークトバクテリウム・スクシナテュテンス(Phascolarctobacterium succinatutens)種、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)種、メガモナス・ハイパーメガーレ(Megamonas hypermegale)種、及びラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus lactis)種、亜種、又はそれらの組合せから選択される種に属する、少なくとも2種の微生物種を含む。
【0243】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、ユウバクテリウム・リモサム(Eubacterium limosum)種、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)種、バクテロイデス・ステルコリス(Bacteroides stercoris)種、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)種、メガモナス・ハイパーメガーレ(Megamonas hypermegale)種、及びラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus lactis)種、亜種、又はそれらの組合せから選択される種に属する、少なくとも2種の微生物種を含む。
【0244】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・シンデンス(Clostridium scindens)種、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)種、バクテロイデス・ステルコリス(Bacteroides stercoris)種、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)種、メガモナス・ハイパーメガーレ(Megamonas hypermegale)種、及びラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus lactis)種、亜種、又はそれらの組合せから選択される種に属する、少なくとも2種の微生物種を含む。
【0245】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・シンデンス(Clostridium scindens)種、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)種、バクテロイデス・ステルコリス(Bacteroides stercoris)種、及びメガモナス・ハイパーメガーレ(Megamonas hypermegale)種由来の少なくとも2種の異なる微生物を含む。
【0246】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、パラバクテロイデス・ディスタソニス(Parabacteroides distasonis)種、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)種、バクテロイデス・ステルコリス(Bacteroides stercoris)種、及びメガモナス・ハイパーメガーレ(Megamonas hypermegale)種由来の少なくとも2種の異なる微生物を含む。
【0247】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、ユウバクテリウム・リモサム(Eubacterium limosum)種、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)種、バクテロイデス・ステルコリス(Bacteroides stercoris)種、及びメガモナス・ハイパーメガーレ(Megamonas hypermegale)種由来の少なくとも2種の異なる微生物を含む。
【0248】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・シンデンス(Clostridium scindens)種、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)種、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)種、及びラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus lactis)種、又は亜種由来の少なくとも2種の異なる微生物を含む。
【0249】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、パラバクテロイデス・ディスタソニス(Parabacteroides distasonis)種、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)種、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)種、及びラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus lactis)種、又は亜種由来の少なくとも2種の異なる微生物を含む。
【0250】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、ユウバクテリウム・リモサム(Eubacterium limosum)種、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)種、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)種、及びラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus lactis)種、又は亜種由来の少なくとも2種の異なる微生物を含む。
【0251】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)種、クロストリジウム・シンデンス(Clostridium scindens)種、クロストリジウム・ハイレモンアエ(Clostridium hylemonae)種、クロストリジウム・ビフェルメンタンス(Clostridium bifermentas)種、クロストリジウム・レプタム(Clostridium leptum)種、パラバクテロイデス・ディスタソニス(Parabacteroides distasonis)種、ユウバクテリウム・リモサム(Eubacterium limosum)種、プロテオカテラ・スフェニスシ(Proteocatella sphenisci)種、ラクノスピラセアエ・バクテリウム(Lachnospiraceae bacterium)種由来の少なくとも1種の微生物を含む。
【0252】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)種、ユウバクテリウム・レクターレ(Eubacterium rectale)種、ユウバクテリウム・ハリイ(Eubacterium hallii)種、クロストリジウム種SS2/1(Clostridium sp.SS2/1)種、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)種、クロストリジウム・クロストリディオフォルメ(Clostridium clostridioforme)種、クロストリジウム・セルロボランス(Clostridium cellulovorans)種、ラクノスピラセアエ・バクテリウム(Lachnospiraceae bacterium)種、アナエロスティペス・カッカエ(Anaerostipes caccae)種、ルミノコッカス・アルブス(Ruminococcus albus)種由来の少なくとも1種の微生物を含む。
【0253】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、フィーカリバクテリウム・プラウスニッツイ(Faecalibacterium prausnitzii)種、クロストリジウム・レプタム(Clostridium leptum)種、ユウバクテリウム・レクターレ(Eubacterium rectale)種、ロゼブリア・ファエシス(Roseburia faecis)種、ロセブリア・イヌリニボランス(Roseburia inulinivorans)種、ロゼブリア・インテスティナリス(Roseburia intestinalis)種、ロゼブリア・ホミニス(Roseburia hominis)種、ユウバクテリウム・ハリイ(Eubacterium hallii)種、アナエロスティペス・ブチラティカス(Anaerostipes butyraticus)種、アナエロスティペス・カッカエ(Anaerostipes caccae)種、及びブチリシコッカス・プリカエコルム(Butyricicoccus pullicaecorum)種由来の少なくとも1種の微生物を含む。
【0254】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、フィーカリバクテリウム・プラウスニッツイ(Faecalibacterium prausnitzii)種及びユウバクテリウム・ハリイ(Eubacterium hallii)種由来の少なくとも1種の微生物を含む。
【0255】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、アナエロスティペス・カッカエ(Anaerostipes caccae)種由来の少なくとも1種の微生物を含む。
【0256】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、ラクトバチルス・ジョンソニイ(Lactobacillus johnsonii)種、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)種、ラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)種、ラクトバチルス・ラムノサスGG(Lactobacillus rhamnosus GG)種、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)種、ラクトバチルス・ガリナラム(Lactobacillus gallinarum)種、ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)種、ラクトバチルス・パラカセイ(Lactobacillus paracasei)種、ロイコノストック・メゼンテロイデス(Leuconostoc mesenteroides)種、ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophiles)種、及びオエノコッカス・オエニ(Oenococcus oeni)種由来の少なくとも1種の微生物を含む。
【0257】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、バクテロイデス・シータイオタオミクロン(Bacteroides thetaiotaomicron)種、バクテロイデス・キシラニソルベンス(Bacteroides xylanisolvens)種、バクテロイデス・ブルガタス(Bacteroides vulgatus)種、バクテロイデス・フラジリス(Bacteroides fragilis)種、ロゼブリア・インテスティナリス(Roseburia intestinalis)種、ルミノコッカス・シャンパネレンシス(Ruminococcus champanellensis)種、及びビフィドバクテリウム・アドレスセンティス(Bifidobacterium adolescentis)種由来の少なくとも1種の微生物を含む。
【0258】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、ペドバクター・ヘパリヌス(Pedobacter heparinus)種、バクテロイデス・エガーシイ(Bacteroides eggerthii)種、バクテロイデス・シータイオタオミクロン(Bacteroides thetaiotaomicron)種、ラクトバチルス・ラムノサス(Lactobacillus rhamnosus)種、ラクトバチルス・アニマリス(Lactobacillus animalis)種、ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)種、エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)種、及びアリスティペス・シャヒィ(Alistipes shahii)種由来の少なくとも1種の微生物を含む。
【0259】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、バクテロイデス・シータイオタオミクロン(Bacteroides thetaiotaomicron)、バクテロイデス・オバツス(Bacteroides ovatus)種、及びバクテロイデス・カッカエ(Bacteroides caccae)種由来の少なくとも1種の微生物を含む。
【0260】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)種由来の少なくとも1種の微生物を含む。クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)種は、Taxonomy ID:89152によって示され得る。
【0261】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)種由来の少なくとも1種の微生物を含む。アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)種は、Taxonomy ID:649756によって示され得る。
【0262】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、バクテロイデス・ステルコリス(Bacteroides stercoris)種由来の少なくとも1種の微生物を含む。バクテロイデス・ステルコリス(Bacteroides stercoris)種は、Taxonomy ID:46506によって示され得る。
【0263】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、ファスコラークトバクテリウム・スクシナテュテンス(Phascolarctobacterium succinatutens)種由来の少なくとも1種の微生物を含む。ファスコラークトバクテリウム・スクシナテュテンス(Phascolarctobacterium succinatutens)種は、Taxonomy ID:626940によって示され得る。
【0264】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)種由来の少なくとも1種の微生物を含む。クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)種は、Taxonomy ID:208479によって示され得る。
【0265】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、メガモナス・ハイパーメガーレ(Megamonas hypermegale)種由来の少なくとも1種の微生物を含む。メガモナス・ハイパーメガーレ(Megamonas hypermegale)種は、Taxonomy ID:158847によって示され得る。
【0266】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、ラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus lactis)種由来の少なくとも1種の微生物を含む。ラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus lactis)種は、Taxonomy ID:1358によって示され得る。
【0267】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・シンデンス(Clostridium scindens)種由来の少なくとも1種の微生物を含む。クロストリジウム・シンデンス(Clostridium scindens)種は、Taxonomy ID:29347によって示され得る。
【0268】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・ハイレモンアエ(Clostridium hylemonae)種由来の少なくとも1種の微生物を含む。クロストリジウム・ハイレモンアエ(Clostridium hylemonae)種は、Taxonomy ID:89153によって示され得る。
【0269】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、パラクロスリジウム・ビフェルメンタンス(Paraclostridium bifermentans)種由来の少なくとも1種の微生物を含む。パラクロスリジウム・ビフェルメンタンス(Paraclostridium bifermentans)種は、Taxonomy ID:1490によって示され得る。
【0270】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・レプタム(Clostridium leptum)種由来の少なくとも1種の微生物を含む。クロストリジウム・レプタム(Clostridium leptum)種は、Taxonomy ID:1535によって示され得る。
【0271】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、パラバクテロイデス・ディスタソニス(Parabacteroides distasonis)種由来の少なくとも1種の微生物を含む。パラバクテロイデス・ディスタソニス(Parabacteroides distasonis)種は、Taxonomy ID:823によって示され得る。
【0272】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、ユウバクテリウム・リモサム(Eubacterium limosum)種由来の少なくとも1種の微生物を含む。ユウバクテリウム・リモサム(Eubacterium limosum)種は、Taxonomy ID:1736によって示され得る。
【0273】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、プロテオカテラ・スフェニスシ(Proteocatella sphenisci)種由来の少なくとも1種の微生物を含む。プロテオカテラ・スフェニスシ(Proteocatella sphenisci)種は、Taxonomy ID:181070によって示され得る。
【0274】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、ラクノスピラセアエ・バクテリウム(Lachnospiraceae bacterium)種由来の少なくとも1種の微生物を含む。ラクノスピラセアエ・バクテリウム(Lachnospiraceae bacterium)種は、Taxonomy ID:1898203によって示され得る。
【0275】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、ユウバクテリウム・レクターレ(Eubacterium rectale)種由来の少なくとも1種の微生物を含む。ユウバクテリウム・レクターレ(Eubacterium rectale)種は、Taxonomy ID:39491によって示され得る。
【0276】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、ユウバクテリウム・ハリイ(Eubacterium hallii)種由来の少なくとも1種の微生物を含む。ユウバクテリウム・ハリイ(Eubacterium hallii)種は、Taxonomy ID:39488によって示され得る。
【0277】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム種SS2/1(Clostridium sp.SS2/1)種由来の少なくとも1種の微生物を含む。クロストリジウム種SS2/1(Clostridium sp.SS2/1)種は、Taxonomy ID:411484によって示され得る。
【0278】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)種由来の少なくとも1種の微生物を含む。クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)種は、Taxonomy ID:208479によって示され得る。
【0279】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・クロストリディオフォルメ(Clostridium clostridioforme)種由来の少なくとも1種の微生物を含む。クロストリジウム・クロストリディオフォルメ(Clostridium clostridioforme)種は、Taxonomy ID:1531によって示され得る。
【0280】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・セルロボランス(Clostridium cellulovorans)種由来の少なくとも1種の微生物を含む。クロストリジウム・セルロボランス(Clostridium cellulovorans)種は、Taxonomy ID:1493によって示され得る。
【0281】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、アナエロスティペス・カッカエ(Anaerostipes caccae)種由来の少なくとも1種の微生物を含む。アナエロスティペス・カッカエ(Anaerostipes caccae)種は、Taxonomy ID:105841によって示され得る。
【0282】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、ルミノコッカス・アルブス(Ruminococcus albus)種由来の少なくとも1種の微生物を含む。ルミノコッカス・アルブス(Ruminococcus albus)種は、Taxonomy ID:1264によって示され得る。
【0283】
本開示の文脈において、ヒト対象の生体試料からの微生物の同定は、微生物学分野における任意の従来の方法を用いて行うことができる。例えば、これに限定されないが、ヒト対象の生体試料由来の細菌の同定は、16S rRNA(リボソームRNA)シーケンシングを用いて行うことができる。単離された微生物の同定は、単離された微生物の16S rRNA遺伝子と、データベースで入手可能な異なる微生物の16S rRNA遺伝子配列との間の類似性分析を実施することによって行うことができる。この分析は、所与の配列と、データベースで入手可能な配列の全てとの間の類似性を調査し、検討された類似性に対するスコアの計算によって最も良好に一致した配列を得るために行われ得る。同一性分析は、任意の適切なプログラム、例えば、公開されているデータベース、例としてアメリカ国立バイオテクノロジー情報センター(National Center for Biotechnology Information:NCBI)を用いた、Basic Local Alignment Search Tool(BLAST(登録商標))によって実施することができる。
【0284】
GenBank受託番号は以下を提供し、いずれもが微生物の16S rRNA配列又はゲノム全体の配列のいずれかを提供することに留意されたい。当業者は、ゲノム配列全体からの16S rRNA配列を評価することを知っているであろうことに更に留意すべきである。
【0285】
いくつかの実施形態では、2種以上の微生物のうち少なくとも1種は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、又は配列番号13によって示される、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ以上の核酸配列と、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%の同一性を有する、16S rRNA配列を含む。
【0286】
本発明の文脈において、同一性%に言及する場合、2種以上の微生物のうち少なくとも2種に由来する各1種の微生物は、上記で示された対応する配列とは異なる配列同一性を有し得ることに留意されたい。
【0287】
いくつかの実施形態では、2種以上の微生物のうち少なくとも1種は、配列番号1、配列番号9、配列番号10、又は配列番号11によって示される少なくとも1つの核酸配列と、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%の同一性を有する16S rRNA配列を含む。
【0288】
いくつかの実施形態では、2種以上の微生物のうち少なくとも1種は、配列番号2、配列番号13、又は配列番号14によって示される少なくとも1つの核酸配列と、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%の同一性を有する16S rRNA配列を含む。
【0289】
いくつかの実施形態では、2種以上の微生物のうち少なくとも1種は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、又は配列番号6によって示される少なくとも1つの核酸配列と、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%の同一性を有する16S rRNA配列を含む。
【0290】
いくつかの実施形態では、2種以上の微生物のうち少なくとも1種は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、又は配列番号11によって示される少なくとも1つの核酸配列と、85%~99%、時には90%~99%、時には95%~99%、時には96%~99%、時には97%~99%、時には98%~99%の同一性を有する16S rRNA配列を含む。
【0291】
いくつかの実施形態では、2種以上の微生物のうち少なくとも1種は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、又は配列番号6によって示される少なくとも1つの核酸配列と、85%~99%、時には90%~99%、時には95%~99%、時には96%~99%、時には97%~99%、時には98%~99%の同一性を有する16S rRNA配列を含む。
【0292】
いくつかの実施形態では、2種以上の微生物の少なくとも2種は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、及び配列番号4によって示される少なくとも2つの核酸配列と、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%の同一性を有する16S rRNA配列を含む。いくつかの実施形態では、2種以上の微生物の少なくとも2種は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、又は配列番号4によって示される少なくとも2つの核酸配列と、85%~99%、時には90%~99%、時には95%~99%、時には96%~99%、時には97%~99%、時には98%~99%の同一性を有する16S rRNA配列を含む。
【0293】
いくつかの実施形態では、2種以上の微生物の少なくとも2種は、配列番号1、配列番号2、配列番号5、又は配列番号6によって示される少なくとも2つの核酸配列と、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%の同一性を有する16S rRNA配列を含む。いくつかの実施形態では、2種以上の微生物の少なくとも2種は、配列番号1、配列番号2、配列番号5、又は配列番号6によって示される少なくとも2つの核酸配列と、85%~99%、時には90%~99%、時には95%~99%、時には96%~99%、時には97%~99%、時には98%~99%の同一性を有する16S rRNA配列を含む。
【0294】
いくつかの実施形態では、2種以上の微生物の少なくとも2種は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、又は配列番号7によって示される少なくとも2つの核酸配列と、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%の同一性を有する16S rRNA配列を含む。いくつかの実施形態では、2種以上の微生物の少なくとも2種は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、又は配列番号7によって示される少なくとも2つの核酸配列と、85%~99%、時には90%~99%、時には95%~99%、時には96%~99%、時には97%~99%、時には98%~99%の同一性を有する16S rRNA配列を含む。
【0295】
いくつかの実施形態では、2種以上の微生物の少なくとも2種は、配列番号1、配列番号2、配列番号4、又は配列番号5によって示される少なくとも2つの核酸配列と、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%の同一性を有する16S rRNA配列を含む。いくつかの実施形態では、2種以上の微生物の少なくとも2種は、配列番号1、配列番号2、配列番号4、又は配列番号5によって示される少なくとも2つの核酸配列と、85%~99%、時には90%~99%、時には95%~99%、時には96%~99%、時には97%~99%、時には98%~99%の同一性を有する16S rRNA配列を含む。
【0296】
いくつかの実施形態では、2種以上の微生物の少なくとも2種は、配列番号1、配列番号2、又は配列番号6によって示される少なくとも2つの核酸配列と、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%の同一性を有する16S rRNA配列を含む。いくつかの実施形態では、2種以上の微生物の少なくとも2種は、配列番号1、配列番号2、又は配列番号6によって示される少なくとも2つの核酸配列と、85%~99%、時には90%~99%、時には95%~99%、時には96%~99%、時には97%~99%、時には98%~99%の同一性を有する16S rRNA配列を含む。
【0297】
いくつかの実施形態では、2種以上の微生物の少なくとも2種は、配列番号1及び配列番号2によって示される少なくとも2つの核酸配列と、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%の同一性を有する16S rRNA配列を含む。いくつかの実施形態では、2種以上の微生物の少なくとも2種は、配列番号1及び配列番号2によって示される少なくとも2つの核酸配列と、85%~99%、時には90%~99%、時には95%~99%、時には96%~99%、時には97%~99%、時には98%~99%の同一性を有する16S rRNA配列を含む。
【0298】
いくつかの実施形態では、2種以上の微生物の少なくとも2種は、配列番号1、配列番号2、又は配列番号3のうち1つ以上によって示される少なくとも2つの核酸配列と、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%の同一性を有する16S rRNA配列を含む。いくつかの実施形態では、2種以上の微生物の少なくとも2種は、配列番号1、配列番号2、又は配列番号3のうち1つ以上によって示される少なくとも2つの核酸配列と、85%~99%、時には90%~99%、時には95%~99%、時には96%~99%、時には97%~99%、時には98%~99%の同一性を有する16S rRNA配列を含む。
【0299】
いくつかの実施形態では、2種以上の微生物の少なくとも2種は、配列番号1、配列番号2、又は配列番号4のうち1つ以上によって示される少なくとも2つの核酸配列と、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%の同一性を有する16S rRNA配列を含む。いくつかの実施形態では、2種以上の微生物の少なくとも2種は、配列番号1、配列番号2、又は配列番号4のうち1つ以上によって示される少なくとも2つの核酸配列と、85%~99%、時には90%~99%、時には95%~99%、時には96%~99%、時には97%~99%、時には98%~99%の同一性を有する16S rRNA配列を含む。
【0300】
いくつかの実施形態では、2種以上の微生物の少なくとも2種は、配列番号1、配列番号2、又は配列番号5のうち1つ以上によって示される少なくとも2つの核酸配列と、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%の同一性を有する16S rRNA配列を含む。いくつかの実施形態では、2種以上の微生物の少なくとも2種は、配列番号1、配列番号2、又は配列番号5のうち1つ以上によって示される少なくとも2つの核酸配列と、85%~99%、時には90%~99%、時には95%~99%、時には96%~99%、時には97%~99%、時には98%~99%の同一性を有する16S rRNA配列を含む。
【0301】
いくつかの実施形態では、2種以上の微生物の少なくとも2種は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、又は配列番号5のうち1つ以上によって示される少なくとも2つの核酸配列と、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%の同一性を有する16S rRNA配列を含む。いくつかの実施形態では、2種以上の微生物の少なくとも2種は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、又は配列番号5のうち1つ以上によって示される少なくとも2つの核酸配列と、85%~99%、時には90%~99%、時には95%~99%、時には96%~99%、時には97%~99%、時には98%~99%の同一性を有する16S rRNA配列を含む。
【0302】
いくつかの実施形態では、2種以上の微生物の少なくとも2種は、配列番号1、配列番号2、配列番号4、配列番号5、又は配列番号6のうち1つ以上によって示される少なくとも2つの核酸配列と、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%の同一性を有する16S rRNA配列を含む。いくつかの実施形態では、2種以上の微生物の少なくとも2種は、配列番号1、配列番号2、配列番号4、配列番号5、又は配列番号6のうち1つ以上によって示される少なくとも2つの核酸配列と、85%~99%、時には90%~99%、時には95%~99%、時には96%~99%、時には97%~99%、時には98%~99%の同一性を有する16S rRNA配列を含む。
【0303】
いくつかの実施形態では、2種以上の微生物の少なくとも2種は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号5、又は配列番号6のうち1つ以上によって示される少なくとも2つの核酸配列と、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%の同一性を有する16S rRNA配列を含む。いくつかの実施形態では、2種以上の微生物の少なくとも2種は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号5、又は配列番号6のうち1つ以上によって示される少なくとも2つの核酸配列と、85%~99%、時には90%~99%、時には95%~99%、時には96%~99%、時には97%~99%、時には98%~99%の同一性を有する16S rRNA配列を含む。
【0304】
いくつかの実施形態では、2種以上の微生物の少なくとも2種は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、又は配列番号6のうち1つ以上によって示される少なくとも2つの核酸配列と、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%の同一性を有する16S rRNA配列を含む。いくつかの実施形態では、2種以上の微生物の少なくとも2種は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、又は配列番号6のうち1つ以上によって示される少なくとも2つの核酸配列と、85%~99%、時には90%~99%、時には95%~99%、時には96%~99%、時には97%~99%、時には98%~99%の同一性を有する16S rRNA配列を含む。
【0305】
本明細書で使用される同一性(同一性%)という用語は、同一である2つ以上の核酸配列を指す。本開示との関連において、配列同一性は、DNAからRNAへの転写変化を包含し、例えば、T及びUは同一であると考えられる。同一性は、16S rRNAの可変領域として当業者に見なされる配列の領域にわたって存在し得る。いくつかの実施形態では、同一性は、16S rRNAの長さ又は可変領域の一部にわたって存在する。
【0306】
2つ以上の核酸配列間の同一性%は、最大の一致のために比較及びアラインメントした場合、2つ以上の配列について決定される。本開示の文脈において、同一性%を有する本明細書に記載の配列(核酸)は、同一性が計算される元の配列と同じ機能/活性を有すると考えられる。
【0307】
閾値配列同一性は、85%、時には86%、時には87%、時には88%、時には89%、時には90%、時には91%、時には92%、時には93%、時には94%、時には95%、時には96%、時には97%、時には98%、時には99%であってもよく、本明細書に示される同一性%の各1つは、本発明の別個の実施形態を構成する。
【0308】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)DSM 13275を含む。クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)DSM 13275は、Taxonomy ID:500633によって示され得る。クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)DSM 13275のDNA配列は、GenBank受託番号CP036523によって提供される。クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)DSM 13275の16S rRNA配列は、配列番号1として示される。
【0309】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)DSM 3319を含む。アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)DSM 3319は、Taxonomy ID:649757によって示され得る。アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)DSM 3319の16S rRNA配列は、GenBank受託番号NR_117139.2によって提供され、配列番号2として示される。
【0310】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、バクテロイデス・ステルコリス(Bacteroides stercoris)ATCC 43183を含む。バクテロイデス・ステルコリス(Bacteroides stercoris)ATCC 43183は、Taxonomy ID:449673によって示され得る。バクテロイデス・ステルコリス(Bacteroides stercoris)ATCC 43183の16S rRNA配列は、GenBank受託番号NR_112943によって提供され、配列番号3として示される。
【0311】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、メガモナス・ハイパーメガーレ(Megamonas hypermegale)NCTC10570を含む。メガモナス・ハイパーメガーレ(Megamonas hypermegale)NCTC10570は、Taxonomy ID:1122216によって示され得る。メガモナス・ハイパーメガーレ(Megamonas hypermegale)NCTC10570のDNA配列は、GenBank受託番号LT906446.1によって提供される。メガモナス・ハイパーメガーレ(Megamonas hypermegale)NCTC10570の16S rRNA配列は、配列番号4と示される。
【0312】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)ATCC BAA-613を含む。クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)ATCC BAA-613は、Taxonomy ID:411902によって示され得る。クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)ATCC BAA-613のDNA配列は、GenBank受託番号CP022464.2によって提供される。クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)ATCC BAA-613の16S rRNA配列は、配列番号5として示される。
【0313】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、ラクトコッカス・ラクチス・サブスピーシズ・クレモリス(Lactococcus lactis subsp.cremoris)MG1363を含む。ラクトコッカス・ラクチス・サブスピーシズ・クレモリス(Lactococcus lactis subsp.cremoris)MG1363は、Taxonomy ID:416870によって示され得る。ラクトコッカス・ラクチス・サブスピーシズ・クレモリス(Lactococcus lactis subsp.cremoris)MG1363のDNA配列は、GenBank受託番号AM406671.1によって提供される。ラクトコッカス・ラクチス・サブスピーシズ・クレモリス(Lactococcus lactis subsp.cremoris)MG1363の16S rRNA配列は、配列番号6として示される。
【0314】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、ファスコラークトバクテリウム・スクシナテュテンス(Phascolarctobacterium succinatutens)YIT 12067を含む。ファスコラークトバクテリウム・スクシナテュテンス(Phascolarctobacterium succinatutens)YIT 12067は、Taxonomy ID:626939によって示され得る。ファスコラークトバクテリウム・スクシナテュテンス(Phascolarctobacterium succinatutens)YIT 12067の16S rRNA配列は、GenBank受託番号AB490811.1によって提供され、配列番号7として示される。
【0315】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、バクテロイデス・ステルコリス(Bacteroides stercoris)CC31Fを含む。バクテロイデス・ステルコリス(Bacteroides stercoris)CC31Fは、Taxonomy ID:1073351によって示され得る。バクテロイデス・ステルコリス(Bacteroides stercoris)CC31FのDNA配列は、GenBank受託番号NZ_ATFP00000000.1によって提供される。バクテロイデス・ステルコリス(Bacteroides stercoris)CC31Fの16S rRNA配列は、配列番号8として示される。
【0316】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・シンデンス(Clostridium scindens)ATCC 35704を含む。クロストリジウム・シンデンス(Clostridium scindens)ATCC 35704は、Taxonomy ID:411468によって示され得る。クロストリジウム・シンデンス(Clostridium scindens)ATCC 35704の16S rRNA配列は、GenBank受託番号NR_028785.1によって提供されており、配列番号9によって示される。
【0317】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、パラバクテロイデス・ディスタソニス(Parabacteroides distasonis)CL09T03C24を含む。パラバクテロイデス・ディスタソニス(Parabacteroides distasonis)CL09T03C24は、Taxonomy ID:999417によって示され得る。パラバクテロイデス・ディスタソニス(Parabacteroides distasonis)CL09T03C24のDNA配列は、GenBank受託番号JH976485.1によって提供される。パラバクテロイデス・ディスタソニス(Parabacteroides distasonis)CL09T03C24の16S rRNA配列は、配列番号10として示される。
【0318】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、ユウバクテリウム・リモサム(Eubacterium limosum)SA11を含む。ユウバクテリウム・リモサム(Eubacterium limosum)SA11は、アセンブリ番号GCF_000807675.2によって示され得る。ユウバクテリウム・リモサム(Eubacterium limosum)SA11のrRNA配列は、GenBank受託番号CP011914.1によって提供される。ユウバクテリウム・リモサム(Eubacterium limosum)株SA11の16S rRNA配列は、配列番号11と示される。
【0319】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム種SS2/1(Clostridium sp.SS2/1)を含む。クロストリジウム種SS2/1(Clostridium sp.SS2/1)は、Taxonomy ID:411484によって示され得る。クロストリジウム種SS2/1(Clostridium sp.SS2/1)のrRNA配列は、GenBank受託番号AY305319.1によって提供される。クロストリジウム種SS2/1(Clostridium sp.SS2/1)の16S rRNA配列は、配列番号12として示される。
【0320】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、ラクノスピラセアエ・バクテリウム(Lachnospiraceae bacterium)5_1_63FAAを含む。ラクノスピラセアエ・バクテリウム(Lachnospiraceae bacterium)5_1_63FAAは、Taxonomy ID:-658089によって示され得る。ラクノスピラセアエ・バクテリウム(Lachnospiraceae bacterium)5_1_63FAAのrRNA配列は、GenBank受託番号GL622435.1によって提供される。ラクノスピラセアエ・バクテリウム(Lachnospiraceae bacterium)5_1_63FAAの16S rRNA配列は、配列番号13として示される。
【0321】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、上記に示したように、2種の微生物を含む。いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、上記に示したように、2種、3種、4種、5種、又はそれ以上の微生物の組合せを含む。
【0322】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアム内の2種以上の微生物のうち少なくとも1種は、配列番号2によって示される16S rRNA配列を含む。
【0323】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアム内の2種以上の微生物のうち少なくとも1種は、配列番号2、配列番号12、配列番号13、又はそれらの組合せのうち少なくとも1つによって示される16S rRNA配列を含む。
【0324】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアム内の2種以上の微生物のうち少なくとも1種、時には少なくとも2種は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、又は配列番号13によって示される、16S rRNA配列を含む。
【0325】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアム内の2種以上の微生物のうち少なくとも1種、時には少なくとも2種は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、又は配列番号6によって示される、16S rRNA配列を含む。
【0326】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアム内の2種以上の微生物のうち少なくとも1種、時には少なくとも2種は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、又は配列番号4によって示される、16S rRNA配列を含む。
【0327】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアム内の2種以上の微生物のうち少なくとも1種、時には少なくとも2種は、配列番号1、配列番号2、配列番号5、又は配列番号6によって示される、16S rRNA配列を含む。
【0328】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアム内の2種以上の微生物のうち少なくとも1種、時には少なくとも2種は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、又は配列番号7によって示される、16S rRNA配列を含む。
【0329】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアム内の2種以上の微生物のうち少なくとも1種、時には少なくとも2種は、配列番号1、配列番号2、配列番号4、又は配列番号5によって示される、16S rRNA配列を含む。
【0330】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアム内の2種以上の微生物のうち少なくとも1種、時には少なくとも2種は、配列番号1、配列番号2、又は配列番号6によって示される、16S rRNA配列を含む。
【0331】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアム内の2種以上の微生物のうち少なくとも1種、時には少なくとも2種は、配列番号1又は配列番号2によって示される、16S rRNA配列を含む。
【0332】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアム内の2種以上の微生物のうち少なくとも1種、時には少なくとも2種は、配列番号1、配列番号2、又は配列番号3によって示される、16S rRNA配列を含む。
【0333】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアム内の2種以上の微生物のうち少なくとも1種、時には少なくとも2種は、配列番号1、配列番号2、又は配列番号4によって示される、16S rRNA配列を含む。
【0334】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアム内の2種以上の微生物のうち少なくとも1種、時には少なくとも2種は、配列番号1、配列番号2、又は配列番号5によって示される、16S rRNA配列を含む。
【0335】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアム内の2種以上の微生物のうち少なくとも1種、時には少なくとも2種は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、又は配列番号5によって示される、16S rRNA配列を含む。
【0336】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアム内の2種以上の微生物のうち少なくとも1種、時には少なくとも2種は、配列番号1、配列番号2、配列番号4、配列番号5、又は配列番号6によって示される、16S rRNA配列を含む。
【0337】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアム内の2種以上の微生物のうち少なくとも1種、時には少なくとも2種は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号5、又は配列番号6によって示される、16S rRNA配列を含む。
【0338】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアム内の2種以上の微生物のうち少なくとも1種、時には少なくとも2種は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、又は配列番号6によって示される、16S rRNA配列を含む。
【0339】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアム内の2種以上の微生物のうち少なくとも1種は、配列番号2、配列番号12、又は配列番号13の16S rRNA配列と、配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、又は配列番号11のうち少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つの16S rRNA配列と、を含む。
【0340】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアム内の2種以上の微生物のうち少なくとも1種は、配列番号2の16S rRNA配列と、配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、又は配列番号8のうち少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つの16S rRNA配列と、を含む。
【0341】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアム内の2種以上の微生物のうち少なくとも1種は、配列番号2の16S rRNA配列、又は配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、及び配列番号7のうち少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つの16S rRNA配列を含む。
【0342】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアム内の2種以上の微生物のうち少なくとも1種は、配列番号2の16S rRNA配列と、配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号5、又は配列番号6のうち少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つの16S rRNA配列と、を含む。
【0343】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)DSM 3319を含む。
【0344】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)DSM 3319、クロストリジウム種SS2/1(Clostridium sp.SS2/1)、又はラクノスピラセアエ・バクテリウム(Lachnospiraceae bacterium)5_1_63FAAから選択された1種以上の微生物を含む。
【0345】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)DSM 13275、クロストリジウム・シンデンス(Clostridium scindens)ATCC 35704、パラバクテロイデス・ディスタソニス(Parabacteroides distasonis)CL09T03C24、又はユウバクテリウム・リモサム(Eubacterium limosum)SA11から選択される1種以上の微生物を含む。
【0346】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)DSM 13275、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)DSM 3319、バクテロイデス・ステルコリス(Bacteroides stercoris)ATCC 43183、メガモナス・ハイパーメガーレ(Megamonas hypermegale)NCTC10570、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)ATCC BAA-613、ラクトコッカス・ラクチス・サブスピーシズ・クレモリス(Lactococcus lactis subsp.cremoris)MG1363、ファスコラークトバクテリウム・スクシナテュテンス(Phascolarctobacterium succinatutens)YIT 12067、バクテロイデス・ステルコリス(Bacteroides stercoris)CC31F、クロストリジウム種SS2/1(Clostridium sp.SS2/1)若しくはラクノスピラセアエ・バクテリウム(Lachnospiraceae bacterium)5_1_63FAA、クロストリジウム・シンデンス(Clostridium scindens)ATCC 35704、パラバクテロイデス・ディスタソニス(Parabacteroides distasonis)CL09T03C24、ユウバクテリウム・リモサム(Eubacterium limosum)SA11、又はそれらの組合せから選択される、1種以上の微生物を含む。
【0347】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)DSM 13275、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)DSM 3319、バクテロイデス・ステルコリス(Bacteroides stercoris)ATCC 43183、メガモナス・ハイパーメガーレ(Megamonas hypermegale)NCTC10570、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)ATCC BAA-613、ラクトコッカス・ラクチス・サブスピーシズ・クレモリス(Lactococcus lactis subsp.cremoris)MG1363、ファスコラークトバクテリウム・スクシナテュテンス(Phascolarctobacterium succinatutens)YIT 12067、バクテロイデス・ステルコリス(Bacteroides stercoris)CC31F、又はそれらの任意の組合せから選択される、少なくとも2種の微生物を含む。
【0348】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)DSM 13275、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)DSM 3319、バクテロイデス・ステルコリス(Bacteroides stercoris)ATCC 43183、メガモナス・ハイパーメガーレ(Megamonas hypermegale)NCTC10570、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)ATCC BAA-613、ラクトコッカス・ラクチス・サブスピーシズ・クレモリス(Lactococcus lactis subsp.cremoris)MG1363、ファスコラークトバクテリウム・スクシナテュテンス(Phascolarctobacterium succinatutens)YIT 12067、又はそれらの任意の組合せから選択される、少なくとも2種の微生物を含む。
【0349】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)DSM 13275、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)DSM 3319、バクテロイデス・ステルコリス(Bacteroides stercoris)ATCC 43183、メガモナス・ハイパーメガーレ(Megamonas hypermegale)NCTC10570、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)ATCC BAA-613、ラクトコッカス・ラクチス・サブスピーシズ・クレモリス(Lactococcus lactis subsp.cremoris)MG1363、又はそれらの組合せから選択される、少なくとも2種の微生物を含む。
【0350】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、2種以上の微生物を含み、2種以上の微生物のうち1種は、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)DSM 3319、及びクロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)DSM 13275、バクテロイデス・ステルコリス(Bacteroides stercoris)ATCC 43183、メガモナス・ハイパーメガーレ(Megamonas hypermegale)NCTC10570、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)ATCC BAA-613、ラクトコッカス・ラクチス・サブスピーシズ・クレモリス(Lactococcus lactis subsp.cremoris)MG1363、又はそれらの組合せから選択される2種以上の微生物のうち1種である。
【0351】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)DSM 3319、バクテロイデス・ステルコリス(Bacteroides stercoris)CC31F、バクテロイデス・ステルコリス(Bacteroides stercoris)ATCC 43183、ファスコラークトバクテリウム・スクシナテュテンス(Phascolarctobacterium succinatutens)YIT 12067、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)ATCC BAA-613、メガモナス・ハイパーメガーレ(Megamonas hypermegale)NCTC10570、ラクトコッカス・ラクチス・サブスピーシズ・クレモリス(Lactococcus lactis subsp.cremoris)MG1363、又はそれらの組合せから選択される少なくとも2種の微生物を含む。
【0352】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)DSM 13275、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)DSM 3319、バクテロイデス・ステルコリス(Bacteroides stercoris)ATCC 43183、メガモナス・ハイパーメガーレ(Megamonas hypermegale)NCTC10570、又はそれらの組合せから選択される、少なくとも2種の微生物を含む。
【0353】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)DSM 13275、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)DSM 3319、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)ATCC BAA-613、ラクトコッカス・ラクチス・サブスピーシズ・クレモリス(Lactococcus lactis subsp.cremoris)MG1363、又はそれらの組合せから選択される、少なくとも2種の微生物を含む。
【0354】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)DSM 13275、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)DSM 3319、バクテロイデス・ステルコリス(Bacteroides stercoris)ATCC 43183、及びファスコラークトバクテリウム・スクシナテュテンス(Phascolarctobacterium succinatutens)YIT 12067、又はそれらの組合せから選択される、少なくとも2種の微生物を含む。
【0355】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)DSM 13275、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)DSM 3319、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)ATCC BAA-613、メガモナス・ハイパーメガーレ(Megamonas hypermegale)NCTC10570、又はそれらの組合せから選択される、少なくとも2種の微生物を含む。
【0356】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)DSM 13275、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)DSM 3319、ラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus lactis)、又はそれらの組合せから選択される、少なくとも2種の微生物を含む。
【0357】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)DSM 13275及びアナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)DSM 3319から選択される、少なくとも2種の微生物を含む。
【0358】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)DSM 13275、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)DSM 3319、及びバクテロイデス・ステルコリス(Bacteroides stercoris)ATCC 43183、亜種、又はそれらの組合せから選択される、少なくとも2種の微生物を含む。
【0359】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)DSM 13275、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)DSM 3319、メガモナス・ハイパーメガーレ(Megamonas hypermegale)NCTC10570、又はそれらの組合せから選択される、少なくとも2種の微生物を含む。
【0360】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)DSM 13275、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)DSM 3319、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)ATCC BAA-613、又はそれらの組合せから選択される、少なくとも2種の微生物を含む。
【0361】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)DSM 13275、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)DSM 3319、バクテロイデス・ステルコリス(Bacteroides stercoris)ATCC 43183、メガモナス・ハイパーメガーレ(Megamonas hypermegale)NCTC10570、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)ATCC BAA-613、又はそれらの組合せから選択される、少なくとも2種の微生物を含む。
【0362】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)DSM 13275、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)DSM 3319、メガモナス・ハイパーメガーレ(Megamonas hypermegale)NCTC10570、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)ATCC BAA-613、ラクトコッカス・ラクチス・サブスピーシズ・クレモリス(Lactococcus lactis subsp.cremoris)MG1363、又はそれらの組合せから選択される、少なくとも2種の微生物を含む。
【0363】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)DSM 13275、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)DSM 3319、バクテロイデス・ステルコリス(Bacteroides stercoris)ATCC 43183、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)ATCC BAA-613、ラクトコッカス・ラクチス・サブスピーシズ・クレモリス(Lactococcus lactis subsp.cremoris)MG1363、又はそれらの組合せから選択される、少なくとも2種の微生物を含む。
【0364】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)DSM 13275、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)DSM 3319、バクテロイデス・ステルコリス(Bacteroides stercoris)ATCC 43183、メガモナス・ハイパーメガーレ(Megamonas hypermegale)NCTC10570、ラクトコッカス・ラクチス・サブスピーシズ・クレモリス(Lactococcus lactis subsp.cremoris)MG1363、又はそれらの組合せから選択される、少なくとも2種の微生物を含む。
【0365】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、上記に示したように、2種の微生物を含む。いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、上記に示したように、2種又は3種の微生物の組合せを含む。いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、上記に示したように、2、3、又は4種の微生物の組合せを含む。いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、上記に示したように、2種、3種、4種、5種、6種、又はそれ以上の微生物の組合せを含む。
【0366】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、NCBI Taxonomy ID:1485、207244、816、33024、158846、1357、375288、1730、186803、181069、1263、216851、841、580596、1578、1243、1301、46254、1678、89152、649756、46506、626940、208479、158847、1358、29347、89153、1490、1535、823、1736、181070、1898203、39491、39488、411484、208479、1531、1493、105841、1264、500633、649757、449673、1122216、411902、416870、626939、1073351、411468、999417、及び658089からなる群から選択された、NCBI Taxonomy IDによって同定される属、スパイス(spices)、又は株に属する、少なくとも2種の単離又は精製された微生物を含む。
【0367】
本発明の微生物コンソーシアムの特定の実施形態として実施され得るいくつかの態様では、2種以上の精製又は単離された微生物を含む微生物コンソーシアムが提供され、2種以上の微生物のうち少なくとも1種は、PE、AEA、又はそれらの組合せの産生を調節することが可能であり、2種以上の微生物のうち少なくとも1種の異なる微生物は、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)種、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)種、バクテロイデス・ステルコリス(Bacteroides stercoris)種、メガモナス・ハイパーメガーレ(Megamonas hypermegale)種、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)種、及びラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus lactis)亜種、又はそれらの組合せから選択される種に属する微生物である。
【0368】
本発明の微生物コンソーシアムの特定の実施形態として実施され得るいくつかの態様では、2種以上の精製又は単離された微生物を含む微生物コンソーシアムが提供され、2種以上の微生物のうち少なくとも1種は、PE、AEA、又はそれらの組合せの産生を調節することが可能であり、2種以上の微生物のうち少なくとも1種の異なる微生物は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、又はそれらの組合せによって示される少なくとも1つの核酸配列と、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%の同一性を有する16S rRNA配列を含む。
【0369】
本発明の微生物コンソーシアムの特定の実施形態として実施され得るいくつかの態様では、2種以上の精製又は単離された微生物を含む微生物コンソーシアムが提供され、2種以上の微生物のうち少なくとも1種は、PE、AEA、又はそれらの組合せの産生を調節することが可能であり、2種以上の微生物のうち少なくとも1種の異なる微生物は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、又はそれらの組合せによって示される16S rRNA配列を含む。
【0370】
本発明の微生物コンソーシアムの特定の実施形態として実施され得るいくつかの態様では、2種以上の精製又は単離された微生物を含む微生物コンソーシアムが提供され、2種以上の微生物のうち少なくとも1種は、PE、AEA、又はそれらの組合せの産生を調節することが可能であり、2種以上の微生物のうち少なくとも1種の異なる微生物は、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)DSM 13275、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)DSM 3319、バクテロイデス・ステルコリス(Bacteroides stercoris)ATCC 43183、メガモナス・ハイパーメガーレ(Megamonas hypermegale)NCTC10570、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)ATCC BAA-613、ラクトコッカス・ラクチス・サブスピーシズ・クレモリス(Lactococcus lactis subsp.cremoris)MG1363、又はそれらの任意の組合せから選択される。
【0371】
本発明の微生物コンソーシアムの特定の実施形態として実施され得るいくつかの態様では、2種以上の精製又は単離された微生物を含む微生物コンソーシアムが提供され、2種以上の微生物のうち少なくとも1種は、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)種から選択され、2種以上の微生物のうち少なくとも1種の異なる微生物は、(i)乳酸を産生すること、(ii)酢酸を産生すること、(ii)酪酸を産生すること、(iv)プロピオン酸を産生すること、(v)少なくとも1つの胆汁酸、具体的にはDOC、LCA、若しくはそれらの任意の組合せを産生すること、(vi)少なくとも1つの多糖を分解すること、(vii)少なくとも1つのGAGを分解すること、又は(viii)それらの任意の組合せのうち1つ以上を有することを特徴とする。
【0372】
本発明の微生物コンソーシアムの特定の実施形態として実施され得るいくつかの態様では、2種以上の精製又は単離された微生物を含む微生物コンソーシアムが提供され、2種以上の微生物のうち少なくとも1種は、配列番号2によって示される少なくとも1つの核酸配列と、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%の同一性を有する16S rRNA配列を含み、2種以上の微生物のうち少なくとも1種の異なる微生物は、(i)乳酸を産生すること、(ii)酢酸を産生すること、(ii)酪酸を産生すること、(iv)プロピオン酸を産生すること、(v)少なくとも1つの胆汁酸、具体的にはDOC、LCA、若しくはそれらの任意の組合せを産生すること、(vi)少なくとも1つの多糖を分解すること、(vii)少なくとも1つのGAGを分解すること、又は(viii)それらの任意の組合せのうち1つ以上を有することを特徴とする。
【0373】
本発明の微生物コンソーシアムの特定の実施形態として実施され得るいくつかの態様では、2種以上の精製又は単離された微生物を含む微生物コンソーシアムが提供され、2種以上の微生物のうち少なくとも1種は、配列番号2によって示される16S rRNA配列を含み、2種以上の微生物のうち少なくとも1種の異なる微生物は、(i)乳酸を産生すること、(ii)酢酸を産生すること、(ii)酪酸を産生すること、(iv)プロピオン酸を産生すること、(v)少なくとも1つの胆汁酸、具体的にはDOC、LCA、若しくはそれらの任意の組合せを産生すること、(vi)少なくとも1つの多糖を分解すること、(vii)少なくとも1つのGAGを分解すること、又は(viii)それらの任意の組合せのうち1つ以上を有することを特徴とする。
【0374】
本発明の微生物コンソーシアムの特定の実施形態として実施され得るいくつかの態様では、2種以上の精製又は単離された微生物を含む微生物コンソーシアムが提供され、2種以上の微生物のうち少なくとも1種は、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)DSM 3319であり、2種以上の微生物のうち少なくとも1種の異なる微生物は、(i)乳酸を産生すること、(ii)酢酸を産生すること、(ii)酪酸を産生すること、(iv)プロピオン酸を産生すること、(v)少なくとも1つの胆汁酸、具体的にはDOC、LCA、若しくはそれらの任意の組合せを産生すること、(vi)少なくとも1つの多糖を分解すること、(vii)少なくとも1つのGAGを分解すること、又は(viii)それらの任意の組合せのうち1つ以上を有することを特徴とする。
【0375】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)DSM 13275、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)DSM 3319、バクテロイデス・ステルコリス(Bacteroides stercoris)ATCC 43183、及びメガモナス・ハイパーメガーレ(Megamonas hypermegale)NCTC10570を含む。
【0376】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)DSM 13275、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)DSM 3319、バクテロイデス・ステルコリス(Bacteroides stercoris)ATCC 43183、及びメガモナス・ハイパーメガーレ(Megamonas hypermegale)NCTC10570からなる。4つの列挙された株を含むこの微生物コンソーシアムは、精製又は単離された細菌として、本明細書では時としてコンソーシアム1(「コンソーシアム#1又はBMC321)と称される。
【0377】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)DSM 13275、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)DSM 3319、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)ATCC BAA-613、及びラクトコッカス・ラクチス・サブスピーシズ・クレモリス(Lactococcus lactis subsp.cremoris)MG1363を含む。
【0378】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)DSM 13275、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)DSM 3319、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)ATCC BAA-613、及びラクトコッカス・ラクチス・サブスピーシズ・クレモリス(Lactococcus lactis subsp.cremoris)MG1363からなる。4つの列挙された株を含むこの微生物コンソーシアムは、精製又は単離された細菌として、本明細書では時としてコンソーシアム2(「コンソーシアム#2又はBMC322)と称される。
【0379】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)DSM 13275、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)DSM 3319、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)ATCC BAA-613、バクテロイデス・ステルコリス(Bacteroides stercoris)ATCC 43183、及びファスコラークトバクテリウム・スクシナテュテンス(Phascolarctobacterium succinatutens)YIT 12067を含む。
【0380】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)DSM 13275、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)DSM 3319、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)ATCC BAA-613、バクテロイデス・ステルコリス(Bacteroides stercoris)ATCC 43183、及びファスコラークトバクテリウム・スクシナテュテンス(Phascolarctobacterium succinatutens)YIT 12067からなる。4つの列挙された株を含むこの微生物コンソーシアムは、精製又は単離された細菌として、本明細書では時としてコンソーシアム3(「コンソーシアム#3)と称される。
【0381】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)DSM 13275、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)DSM 3319、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)ATCC BAA-613、及びメガモナス・ハイパーメガーレ(Megamonas hypermegale)NCTC10570を含む。
【0382】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)DSM 13275、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)DSM 3319、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)ATCC BAA-613、及びメガモナス・ハイパーメガーレ(Megamonas hypermegale)NCTC10570からなる。3つの列挙された株を含むこの微生物コンソーシアムは、精製又は単離された細菌として、本明細書では時としてコンソーシアム4(「コンソーシアム#4)と称される。
【0383】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)DSM 13275、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)DSM 3319、及びラクトコッカス・ラクチス・サブスピーシズ・クレモリス(Lactococcus lactis subsp.cremoris)MG1363を含む。
【0384】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)DSM 13275、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)DSM 3319、及びラクトコッカス・ラクチス・サブスピーシズ・クレモリス(Lactococcus lactis subsp.cremoris)MG1363からなる。3つの列挙された株を含むこの微生物コンソーシアムは、精製又は単離された細菌として、本明細書では時としてコンソーシアム5(「コンソーシアム#5)と称される。
【0385】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)DSM 13275及びアナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)DSM 3319を含む。
【0386】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)DSM 13275及びアナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)DSM 3319からなる。2つの列挙された株を含むこの微生物コンソーシアムは、精製又は単離された細菌として、本明細書では時としてコンソーシアム6(「コンソーシアム#6)と称される。
【0387】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)DSM 13275、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)DSM 3319、及びバクテロイデス・ステルコリス(Bacteroides stercoris)ATCC 43183を含む。
【0388】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)DSM 13275、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)DSM 3319、及びバクテロイデス・ステルコリス(Bacteroides stercoris)ATCC 43183からなる。3つの列挙された株を含むこの微生物コンソーシアムは、精製又は単離された細菌として、本明細書では時としてコンソーシアム7(「コンソーシアム#7)と称される。
【0389】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)DSM 13275、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)DSM 3319、及びメガモナス・ハイパーメガーレ(Megamonas hypermegale)NCTC10570を含む。
【0390】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)DSM 13275、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)DSM 3319、及びメガモナス・ハイパーメガーレ(Megamonas hypermegale)NCTC10570からなる。3つの列挙された株を含むこの微生物コンソーシアムは、精製又は単離された細菌として、本明細書では時としてコンソーシアム8(「コンソーシアム#8)と称される。
【0391】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)DSM 13275、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)DSM 3319、及びクロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)ATCC BAA-613を含む。
【0392】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)DSM 13275、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)DSM 3319、及びクロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)ATCC BAA-613からなる。3つの列挙された株を含むこの微生物コンソーシアムは、精製又は単離された細菌として、本明細書では時としてコンソーシアム9(「コンソーシアム#9)と称される。
【0393】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)DSM 13275、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)DSM 3319、バクテロイデス・ステルコリス(Bacteroides stercoris)ATCC 43183、メガモナス・ハイパーメガーレ(Megamonas hypermegale)NCTC10570、及びクロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)ATCC BAA-613を含む。
【0394】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)DSM 13275、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)DSM 3319、バクテロイデス・ステルコリス(Bacteroides stercoris)ATCC 43183、メガモナス・ハイパーメガーレ(Megamonas hypermegale)NCTC10570、及びクロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)ATCC BAA-613からなる。5つの列挙された株を含むこの微生物コンソーシアムは、精製又は単離された細菌として、本明細書では時としてコンソーシアム10(「コンソーシアム#10)と称される。
【0395】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)DSM 13275、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)DSM 3319、メガモナス・ハイパーメガーレ(Megamonas hypermegale)NCTC10570、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)ATCC BAA-613、及びラクトコッカス・ラクチス・サブスピーシズ・クレモリス(Lactococcus lactis subsp.cremoris)MG1363を含む。
【0396】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)DSM 13275、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)DSM 3319、メガモナス・ハイパーメガーレ(Megamonas hypermegale)NCTC10570、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)ATCC BAA-613、及びラクトコッカス・ラクチス・サブスピーシズ・クレモリス(Lactococcus lactis subsp.cremoris)MG1363からなる。5つの列挙された株を含むこの微生物コンソーシアムは、精製又は単離された細菌として、本明細書では時としてコンソーシアム11(「コンソーシアム#11)と称される。
【0397】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)DSM 13275、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)DSM 3319、バクテロイデス・ステルコリス(Bacteroides stercoris)ATCC 43183、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)ATCC BAA-613、及びラクトコッカス・ラクチス・サブスピーシズ・クレモリス(Lactococcus lactis subsp.cremoris)MG1363を含む。
【0398】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)DSM 13275、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)DSM 3319、バクテロイデス・ステルコリス(Bacteroides stercoris)ATCC 43183、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)ATCC BAA-613、及びラクトコッカス・ラクチス・サブスピーシズ・クレモリス(Lactococcus lactis subsp.cremoris)MG1363からなる。5つの列挙された株を含むこの微生物コンソーシアムは、精製又は単離された細菌として、本明細書では時としてコンソーシアム12(「コンソーシアム#12)と称される。
【0399】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)DSM 13275、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)DSM 3319、バクテロイデス・ステルコリス(Bacteroides stercoris)ATCC 43183、メガモナス・ハイパーメガーレ(Megamonas hypermegale)NCTC10570、及びラクトコッカス・ラクチス・サブスピーシズ・クレモリス(Lactococcus lactis subsp.cremoris)MG1363を含む。
【0400】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)DSM 13275、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)DSM 3319、バクテロイデス・ステルコリス(Bacteroides stercoris)ATCC 43183、メガモナス・ハイパーメガーレ(Megamonas hypermegale)NCTC10570、及びラクトコッカス・ラクチス・サブスピーシズ・クレモリス(Lactococcus lactis subsp.cremoris)MG1363からなる。5つの列挙された株を含むこの微生物コンソーシアムは、精製又は単離された細菌として、本明細書では時としてコンソーシアム13(「コンソーシアム#13)と称される。
【0401】
本発明の微生物コンソーシアムの特定の実施形態として実施し得る本発明の別の態様では、コンソーシアム1、コンソーシアム2、コンソーシアム3、コンソーシアム4、コンソーシアム5、コンソーシアム6、コンソーシアム7、コンソーシアム8、コンソーシアム9、コンソーシアム10、コンソーシアム11、コンソーシアム12、及びコンソーシアム13からなる群から選択された微生物コンソーシアムが提供される。
【0402】
本発明の微生物コンソーシアムの特定の実施形態として実施し得る本発明の別の態様では、コンソーシアム1及びコンソーシアム2から選択された微生物コンソーシアムが提供される。
【0403】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、コンソーシアムを形成する同じ又は同等の量の微生物を含む。
【0404】
いくつかの更なる実施形態では、微生物コンソーシアムは、コンソーシアムを形成する異なる量の微生物を含む。
【0405】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムを形成する各微生物の1用量当たりの総数(細胞の数/量/コロニー形成単位CFU/光学密度測定)は、少なくとも1×102、少なくとも1×103、少なくとも104、少なくとも1×105、時には少なくとも1×106、時には少なくとも1×107、時には少なくとも1×108である。
【0406】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムを形成する各微生物の1用量当たりの総数(細胞の数/量/コロニー形成単位CFU/光学密度測定)は、約1×108~約5×1010CFU、約2×108~約4×1010、約3×108~約3×1010、約5×108~約1×1010である。
【0407】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、コンソーシアムを形成する同じ又は同等の量の微生物を含む。
【0408】
いくつかの更なる実施形態では、微生物コンソーシアムは、コンソーシアムを形成する異なる量の微生物を含む。いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムを形成する各1つの微生物の総数(細胞の数/量/コロニー形成単位:CFU)は、約1×103~約1×1012、1×105~約1×1010、1×108~約5×1010、2×108~約4×1010、3×108~約3×1010、5×108~約1×1010である。
【0409】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムを形成する微生物の総数(細胞の数/量/コロニー形成単位:CFU)は、約1×103~約1×1012、1×105~約1×1010、1×108~約5×1010、2×108~約4×1010、3×108~約3×1010、5×108~約1×1010である。
【0410】
上に詳述したように、2種以上の微生物は、例えば生体試料を収集することによって、参照対象の微生物叢において同定され得るか、参照対象の微生物叢から精製又は単離され得る。生体試料は、微生物の集団を単離することができる任意の試料、例えば糞便であってもよい。更に別の実施形態では、試料は、ヒトの臓器又は組織の生検、具体的には腸生検であってもよい。
【0411】
微生物コンソーシアムは、貯蔵、投与等に応じて、様々な形態で製剤化され得る。非限定的な形態には、固形、乾燥形態、例えば、凍結乾燥粉末、ゲル形態、懸濁液、細胞可溶化物、又は抽出物が含まれる。いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、液体培地(PBS又は生理食塩水など)中に懸濁し、懸濁形態で使用することができる。
【0412】
本発明の微生物コンソーシアムは、治療に使用するための、医薬製剤/組成物/懸濁液の調製、又は製剤/組成物/懸濁液の製造で使用することができる。
【0413】
したがって、本発明の製剤/組成物/懸濁液は、治療有効量の本発明の微生物コンソーシアムとは別に、本明細書に詳述する少なくとも1つの追加の構成成分を含み得る。
【0414】
更なる態様では、本発明は、本発明の微生物コンソーシアムを含む組成物(懸濁液又は製剤)に関する。
【0415】
いくつかの実施形態によれば、本発明の組成物は、2種以上の2種以上の微生物を含む微生物コンソーシアムを含み、2種以上の微生物は、リン脂質及び/又はAEA、(i)短鎖脂肪酸(SCFA)、(ii)二次胆汁酸、(iii)多糖、(iv)GAG及び(v)乳酸の少なくとも1つを調節することが可能である。
【0416】
本明細書に記載されるように、微生物コンソーシアム、及び/又は微生物コンソーシアムを含む懸濁液/組成物は、本発明のキットを形成し得る。一般に、微生物コンソーシアム及び微生物コンソーシアム自体を含む、本明細書に記載の組成物及び/若しくは懸濁液並びに/又はキットは、本発明の一部を形成する。微生物コンソーシアム自体について本明細書に記載される形態は、微生物コンソーシアムを含む組成物及び/若しくは懸濁液並びに/又はキットに適用されることに留意されたい。
【0417】
更にいくつかの更なる実施形態では、本発明の組成物は、場合により、薬学的に許容される担体(複数可)、賦形剤(複数可)、添加剤(複数可)、希釈剤(複数可)、及びアジュバント(複数可)のうち少なくとも1つを更に含んでもよい。本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される担体」は、あらゆる溶媒、分散媒、及びコーティングなどを含む。
【0418】
水性懸濁液は、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、及び/又はデキストランを含む、懸濁液の粘度を増加させる物質を更に含有し得る。懸濁液はまた、安定剤も含有し得る。
【0419】
特に上述された成分に加えて、製剤はまた、問題の製剤のタイプを考慮して、当該技術分野で慣用的な他の薬剤を含み得ることが理解されるべきである。
【0420】
本発明の微生物コンソーシアム及び/又は本発明の微生物コンソーシアムを含む任意の懸濁液/組成物は、当該技術分野で公知の医療手順に従って、以下に記載される本発明の方法により投与及び投薬することができる。例えば、本明細書中で以下に記載される本発明の方法及びキットで使用される懸濁液/組成物は、例えば、全身性、非経口、腹腔内、経皮、経口(頬側又は舌下を含む)、直腸、局所(頬側又は舌下を含む)、膣、鼻腔内、及び任意の他の適切な経路を含む、当該技術分野で様々な様式のインターフェロン投与による投与のために適合されてもよい。具体例としては、注射(例えば、皮下、筋肉内、静脈内、又は皮内注射を用いる)、鼻腔内投与、及び経口投与が挙げられるが、これらに限定されない。
【0421】
いくつかの実施形態では、本発明の微生物コンソーシアム及び/又は本発明の微生物コンソーシアムを含む任意の懸濁液/組成物は、経口投与用に製剤化され得る。
【0422】
いくつかの実施形態では、本発明の微生物コンソーシアム及び/又は本発明の微生物コンソーシアムを含む任意の懸濁液/組成物は、腸への送達のために製剤化され得る。いくつかの実施形態では、本発明の微生物コンソーシアム及び/又は本発明の微生物コンソーシアムを含む任意の懸濁液/組成物は、食品又は飲料中に製剤化され得る。
【0423】
いくつかの実施形態では、本発明の微生物コンソーシアム及び/又は本発明の微生物コンソーシアムを含む任意の懸濁液/組成物は、担体内に含有されるように製剤化され得る。
【0424】
いくつかの実施形態では、本発明の微生物コンソーシアム及び/又は本発明の微生物コンソーシアムを含む任意の懸濁液/組成物は、腸溶性にコーティングされる(enterically coated)。
【0425】
微生物コンソーシアム、本発明の微生物コンソーシアムを含む組成物、及び本発明のキットは、本発明の微生物コンソーシアムによる治療を必要とする対象の治療用を含む、様々な目的に有用であり得る。具体的には、本発明の微生物コンソーシアムは、微生物コンソーシアムによって治療可能な疾患を治療するために使用するためのものであってもよい。
【0426】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアム内における、少なくとも2種の微生物のタイプ及び少なくとも2種の微生物の各々の量は、治療される障害又は障害の重症度に基づいて適合されてもよい。例えば、治療の前に、障害及び重症度の診断がこれらのパラメータを決定してもよい。
【0427】
いくつかの他の実施形態によれば、本明細書に記載の微生物コンソーシアムは、宿主対象の免疫系又は胃腸系に影響を及ぼし、したがって、免疫関連状態と診断されている対象を治療するのに有用であってもよい。
【0428】
したがって、本発明は更に、免疫関連状態、具体的には炎症状態、より具体的には腸の炎症性疾患に罹患している対象の治療で使用するための、上で微詳述した微生物コンソーシアムを提供する。
【0429】
いくつかの他の実施形態では、微生物コンソーシアムは、免疫関連状態などの、コンソーシアムによって治療可能であり得る疾患と診断されている対象の治療に使用するためのものである。
【0430】
したがって、本発明は更に、免疫関連状態、具体的には炎症状態に罹患している対象を治療する方法で使用するための、2種以上の本発明の精製若しくは単離された微生物、本発明の組成物、又は本発明のキットを含む、本発明にかかる微生物コンソーシアムを提供する。
【0431】
いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアム、微生物コンソーシアムを含む組成物又はキットは、抗炎症治療と組み合わせて投与されてもよい。微生物コンソーシアム及び抗炎症治療は、同時に又は順次投与されてもよい。
【0432】
いくつかの実施形態では、抗炎症治療は、抗炎症薬である。
【0433】
抗炎症薬は、コルチコステロイド又はアミノサリチル酸の少なくとも1つである。
【0434】
いくつかの実施形態では、コルチコステロイドは、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾン、プレドニゾロン、又はブデソニドのうち少なくとも1つである。
【0435】
いくつかの実施形態では、アミノサリチル酸は、メサラミン、スルファサラジン、バルサラジド、又はオルサラジンのうち少なくとも1つである。
【0436】
いくつかの実施形態では、抗炎症治療は、免疫系抑制剤であってもよい。
【0437】
いくつかの実施形態では、免疫系抑制剤は、アザチオプリン、メルカプトプリン、シクロスポリン、メトトレキサート、又はタクロリムスのうち少なくとも1つである。
【0438】
いくつかの実施形態では、抗炎症治療は、免疫系調節剤である。
【0439】
いくつかの実施形態では、免疫系調節剤は、生物学的処置である。いくつかの実施形態では、免疫系調節剤は、インフリキシマブ(Remicade)、アダリムマブ(Humira)、ゴリムマブ(Simponi)、ナタリズマブ(Tysabri)、ベドリズマブ(Entyvio)、又はウステキヌマブ(Stelara)のうち少なくとも1つである。
【0440】
いくつかの実施形態では、抗炎症治療は、抗生物質である。抗生物質の例としては、シプロフロキサシン又はメトロニダゾールが挙げられる。
【0441】
以下の例で示すように、本発明の微生物コンソーシアムは、腸の炎症状態の予防及び治療に有効であった。
【0442】
具体的には、例2で示されるように、デキストラン硫酸ナトリウム(DSS)誘導性大腸炎から得られた結果をマウスモデルにおいて提供すると、DSS投与の1週間前にマウスへと投与された本発明の微生物コンソーシアムは、炎症の予防と、回復の増大とに有効であった。加えて、例3で示すように、本発明の微生物コンソーシアムは、誘導された炎症性疾患に対して治療効果を有する。
【0443】
したがって、本発明の微生物コンソーシアムは、炎症状態、特に腸の炎症状態(大腸炎)を予防及び治療する方法で使用できることが示唆された。
【0444】
したがって、更に別の態様では、本発明は、それを必要とする対象の障害を治療する方法を提供する。いくつかの実施形態では、免疫関連状態の発症の治療、予防、寛解、軽減、又は遅延を、それを必要とする対象において行う方法は、そのような対象への治療有効量の本発明の微生物コンソーシアム又はそれを含む任意の組成物又はキットの投与を含む。
【0445】
本明細書で使用される場合、免疫関連状態は、免疫系の活性化又は阻害のいずれかを介して対象の免疫系に関連する状態、又は適応若しくは先天性免疫応答などの対象における免疫応答の特定の構成成分を標的とすることによって、治療、予防、若しくは診断することができる状態である。
【0446】
いくつかの実施形態では、免疫関連状態は、自己免疫状態又は炎症状態のいずれか1つであってもよい。
【0447】
いくつかの実施形態では、免疫関連状態は、自己免疫状態である。
【0448】
自己免疫状態の非限定的な例としては、多発性硬化症(Multiple Sclerosis:MS)、炎症性関節炎、関節リウマチ(rheumatoid arthritis:RA)、イートン・ランバート症候群、グッドパスチャー症候群、グレーブス病(Greave’s disease)、ギラン・バルー症候群(Guillain-Barr syndrome)、自己免疫性溶血性貧血(autoimmune hemolytic anemia:AIHA)、肝炎、インスリン依存性糖尿病(insulin-dependent diabetes mellitus:IDDM)及びNIDDM、全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus:SLE)、重症筋無力症、神経叢障害、例えば急性腕神経炎、多腺性欠乏症候群(polyglandular deficiency syndrome)、原発性胆汁性肝硬変、関節リウマチ、強皮症、血小板減少症、甲状腺炎、例えば橋本病、シェーグレン症候群、アレルギー性紫斑病、乾癬、混合性結合組織病、多発性筋炎、皮膚筋炎、血管炎、結節性多発性動脈炎、関節炎、円形脱毛症、リウマチ性多発筋痛症、ウェゲナー肉芽腫症、ライター症候群、ベーゲット症候群(Behget’s syndrome)、強直性脊椎炎、天疱瘡、水疱性類天疱瘡、疱疹状皮膚炎、炎症性腸疾患(inflammatory bowel disease:IBD)、潰瘍性大腸炎及びクローン病、並びに脂肪肝疾患が挙げられる。
【0449】
いくつかの実施形態では、免疫関連状態は、炎症状態である。
【0450】
本明細書で使用される場合、炎症状態とは、少なくとも1つの炎症パラメータの減少、例えば、IFN-ガンマ及びIL-2などの炎症性サイトカインの誘導から利益を得ることができる任意の疾患又は病理学的状態を指す。状態は、(主に)炎症から引き起こされ得るか、又は炎症は、別の生理学的原因によって引き起こされる疾患の徴候の1つであり得る。
【0451】
いくつかの他の実施形態では、炎症状態は、急性炎症状態である。
【0452】
いくつかの実施形態では、炎症状態は、慢性炎症状態である。
【0453】
炎症状態は、病原体によって引き起こされる感染状態ではない。換言すれば、炎症状態は、非感染性炎症状態である。
【0454】
本明細書で使用される場合、本明細書で使用される「非感染性炎症障害」という用語は、例えば感染による免疫系の活性化に関連しない、任意の免疫応答を包含すると理解されるべきである。そのような非感染性炎症障害とは、マクロファージ又は活性化マクロファージの活性化が何らかの役割を果たしている任意の障害であって、感染性物質(例えば、自己抗原、過敏症、創傷)以外に起因した、感染因子に関連しない、すなわち非病原性の自己免疫障害及び炎症性障害などの障害を示す。
【0455】
炎症性障害の非限定的な例は、胃腸管の炎症性疾患、皮膚の炎症性疾患、呼吸器系の炎症性疾患、筋骨格系の炎症性疾患、腎臓の炎症性疾患、神経系の炎症性疾患、又は心筋梗塞、心筋炎、アテローム性動脈硬化、高血圧性心筋症、アテローム、内膜過形成、若しくは再狭窄などの心血管系の炎症状態である。
【0456】
いくつかの実施形態では、炎症状態は、胃腸管(腸)の炎症状態である。
【0457】
いくつかの実施形態では、胃腸管の炎症状態は、クローン病、炎症性腸疾患、胃炎、大腸炎、潰瘍性大腸炎、過敏性腸症候群、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、又はそれらの組合せのうち1つ以上である。
【0458】
いくつかの実施形態では、皮膚の炎症状態は、乾癬である。
【0459】
いくつかの実施形態では、呼吸器系の炎症状態は、喘息、アレルギー性鼻炎若しくは慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease:COPD)、肺線維症、サルコイドーシス、又はそれらの組合せのうち1つ以上である。
【0460】
いくつかの実施形態では、筋骨格系の炎症性疾患は、関節リウマチ、骨髄炎、骨粗鬆症、若しくは神経炎、全身性硬化症、又はそれらの組合せのうち1つ以上である。
【0461】
いくつかの実施形態では、腎臓の炎症性疾患は、糸球体腎炎、腎虚血、又は腎炎症のうち1つ以上である。
【0462】
いくつかの実施形態では、神経系の炎症性疾患は、多発性硬化症、アルツハイマー病、及びHIV-1関連認知症、又はそれらの組合せのうち1つ以上である。
【0463】
いくつかの実施形態では、心血管系の炎症状態は、心筋梗塞、心筋炎、アテローム性動脈硬化、高血圧性心筋症、アテローム、内膜過形成、再狭窄、又はそれらの組合せのうち1つ以上である。
【0464】
いくつかの実施形態では、本出願に適用可能であり得る炎症状態は、胃腸管の炎症性疾患であってもよい。
【0465】
いくつかの実施形態では、胃腸管の炎症状態は、IBDである。
【0466】
いくつかの実施形態では、胃腸管の炎症状態は、潰瘍性大腸炎、クローン病、又はそれらの組合せである。
【0467】
いくつかの実施形態では、胃腸管の炎症状態は、潰瘍性大腸炎である。
【0468】
いくつかの実施形態では、胃腸管の炎症状態は、クローン病である。
【0469】
本発明の方法によれば、有効量の本発明の微生物コンソーシアムの投与は、炎症状態の1つ以上の徴候又は症状を寛解する。換言すれば、本発明の方法は、障害を治療するためのものであり、本発明の微生物コンソーシアムで治療可能であり得る。
【0470】
別の態様では、本発明は、それを必要とするヒト対象において、炎症状態、特に腸の炎症状態の発症を、治療、予防、寛解、低減、又は遅延させる方法であって、有効量の、2種以上の単離された微生物又は精製した微生物を含む微生物コンソーシアムを対象へと投与する工程を含み、微生物コンソーシアム内の少なくとも2種の微生物は、(i)リン脂質、特にPEを産生すること、(ii)エンドカンナビノイド、特にAEAの産生を調節すること、(iii)乳酸を産生すること、(iv)酢酸を産生すること、(v)酪酸を産生すること、(vi)プロピオン酸を産生すること、(vii)少なくとも1つの胆汁酸、特にDOC、LCA、若しくはそれらの任意の組合せを産生すること、(viii)少なくとも1つの多糖を分解すること、(ix)少なくとも1つのGAGを分解すること、又は(x)それらの任意の組合せ、のうち1つ以上を有することを特徴とする、方法を提供する。そのような実施形態では、本方法は、腸の炎症状態、具体的にはIBD、より具体的には潰瘍性大腸炎、クローン病、又はそれらの組合せの発症を、治療、予防、寛解、軽減、又は遅延するためのものである。
【0471】
いくつかの実施形態では、本発明の方法は、有効量の、2種以上の単離された微生物又は精製された微生物を含む微生物コンソーシアムを対象へと投与する工程を含み、微生物コンソーシアム内の少なくとも1種の微生物は、(i)リン脂質、特にPEを産生すること、(ii)宿主において、エンドカンナビノイド、特にAEAの産生を調節すること、又は(iii)それらの任意の組合せのうち1つ以上を有することを特徴とし、微生物コンソーシアム内の少なくとも1種の他の微生物は、(i)乳酸を産生すること、(ii)酢酸を産生すること、(ii)酪酸を産生すること、(iv)プロピオン酸を産生すること、(v)少なくとも1つの胆汁酸、特にDOC、LCA、若しくはそれらの任意の組合せを産生すること、(vi)少なくとも1つの多糖を分解すること、(vii)少なくとも1つのGAGを分解すること、又は(viii)それらの任意の組合せのうち1つ以上を有することを特徴とする。
【0472】
いくつかの実施形態では、本発明の方法は、(i)Tregを活性化すること、(ii)抗炎症性サイトカインを活性化すること、(iii)胆汁酸受容体を活性化すること、(iv)腸障壁完全性を活性化すること、(v)NF-κBを阻害すること、(vi)インフラマソームを阻害すること、(vii)炎症誘発性サイトカインを阻害すること、又は(viii)それらの任意の組合せのうち1つ以上を有することが可能である、有効量の、2種以上の単離された微生物又は精製された微生物を含む微生物コンソーシアムを対象へと投与する工程を含む。
【0473】
いくつかの実施形態では、本発明の方法は、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)種、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)種、バクテロイデス・ステルコリス(Bacteroides stercoris)種、メガモナス・ハイパーメガーレ(Megamonas hypermegale)種、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)種、ラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus lactis)種、亜種、又はそれらの組合せから選択される種に属する、少なくとも2種の微生物種を含む、治療有効量の微生物コンソーシアムの投与を含む。
【0474】
いくつかの実施形態では、本発明の方法は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13によって示される1つ以上の核酸配列と、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%の同一性を持つ16S rRNA配列を有する、2種以上の微生物を含む、治療有効量の微生物コンソーシアムの投与を含む。
【0475】
いくつかの実施形態では、本発明の方法は、治療有効量の、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、又はそれらの組合せによって示される少なくとも1つの核酸配列と、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%の同一性を持つ16S rRNA配列を有する2種以上の微生物を含む微生物コンソーシアムの投与を含む。
【0476】
いくつかの実施形態では、本発明の方法は、治療有効量の、表1に列挙された1、2、3、4、5、6、7、8個の16S rDNA配列と、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%同一である16S rDNA配列を有する2種以上の精製又は単離された微生物を含む微生物コンソーシアムを対象に投与することを含む。
【0477】
いくつかの実施形態では、本発明の方法は、治療有効量の、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、又はそれらの組合せから選択された1種、2種、3種、4種、又は5種の微生物を含む微生物コンソーシアムの投与を含む。
【0478】
いくつかの実施形態では、本発明の方法は、治療有効量の、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、又はそれらの組合せから選択された1種以上の微生物を含む微生物コンソーシアムの投与を含む。
【0479】
いくつかの実施形態では、本発明の方法は、治療有効量の、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)DSM 13275、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)DSM 3319、バクテロイデス・ステルコリス(Bacteroides stercoris)ATCC 43183、メガモナス・ハイパーメガーレ(Megamonas hypermegale)NCTC10570、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)ATCC BAA-613、ラクトコッカス・ラクチス・サブスピーシズ・クレモリス(Lactococcus lactis subsp.cremoris)MG1363、又はそれらの組合せから選択される1種以上の微生物を含む微生物コンソーシアムの投与を含む。
【0480】
いくつかの実施形態では、本発明の方法は、治療有効量の、コンソーシアム1、コンソーシアム2、コンソーシアム3、コンソーシアム4、コンソーシアム5、コンソーシアム6、コンソーシアム7、コンソーシアム8、コンソーシアム9.コンソーシアム10、コンソーシアム11、コンソーシアム12、及びコンソーシアム13の少なくとも1つである微生物コンソーシアムを、対象に投与することを含む。
【0481】
いくつかの実施形態では、本発明の方法は、治療有効量の、コンソーシアム1及びコンソーシアム2のうち少なくとも1つである微生物コンソーシアムを対象に投与することを含む。
【0482】
本発明の方法のこのような実施形態では、本発明の微生物コンソーシアムは、炎症状態、具体的には腸の炎症状態、具体的にはIBD、より具体的には潰瘍性大腸炎、クローン病、又はそれらの組合せの発症を、治療、予防、寛解、低減又は遅延させるために投与される。
【0483】
本発明の方法の特定の実施形態として実施され得る本発明の別の態様では、治療有効量の本発明の微生物コンソーシアムと共に治療有効量の抗炎症治療又は免疫調節/抑制治療を投与することを含む、それを必要とするヒト対象において増殖性障害、炎症状態の発症を、治療、予防、寛解、軽減、又は遅延させる方法が提供される。
【0484】
いくつかの実施形態によれば、本方法は、治療有効量の本発明の微生物コンソーシアム及び治療有効量の抗炎症治療を、同時又は順次に対象へと投与することを含む。
【0485】
いくつかの実施形態によれば、本方法は、治療有効量の本発明の微生物コンソーシアム及び治療有効量の抗炎症治療を、同時に対象へと投与することを含む。
【0486】
いくつかの実施形態では、抗炎症治療は、抗炎症薬である。
【0487】
抗炎症薬は、コルチコステロイド又はアミノサリチル酸の少なくとも1つである。
【0488】
いくつかの実施形態では、コルチコステロイドは、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾン、プレドニゾロン、又はブデソニドのうち少なくとも1つである。
【0489】
いくつかの実施形態では、アミノサリチル酸は、メサラミン、スルファサラジン、バルサラジド、又はオルサラジンのうち少なくとも1つである。
【0490】
いくつかの実施形態では、抗炎症治療は、免疫系抑制剤であってもよい。
【0491】
いくつかの実施形態では、免疫系抑制剤は、アザチオプリン、メルカプトプリン、シクロスポリン、メトトレキサート、又はタクロリムスのうち少なくとも1つである。
【0492】
いくつかの実施形態では、抗炎症治療は、免疫系調節剤である。
【0493】
いくつかの実施形態では、免疫系調節剤は、生物学的処置である。いくつかの実施形態では、免疫系調節剤は、インフリキシマブ(Remicade)、アダリムマブ(Humira)、ゴリムマブ(Simponi)、ナタリズマブ(Tysabri)、ベドリズマブ(Entyvio)、又はウステキヌマブ(Stelara)のうち少なくとも1つである。
【0494】
いくつかの実施形態では、抗炎症治療は、抗生物質である。抗生物質の例としては、シプロフロキサシン又はメトロニダゾールが挙げられる。
【0495】
IBD、潰瘍性大腸炎、クローン病、又はそれらの組合せの発症を治療、予防、寛解、低減、又は遅延するためである本発明の方法のいくつかの実施形態では、治療有効量の本発明の微生物コンソーシアムを、それを必要とする対象へと投与することを含む。
【0496】
IBD、潰瘍性大腸炎、クローン病、又はそれらの組合せの発症を治療、予防、寛解、軽減、又は遅延するための本発明の方法のいくつかの実施形態では、それを必要とする対象に、治療有効量の本発明の微生物コンソーシアム及び治療有効量の抗炎症治療を投与することを含み、本方法は、本明細書に詳述するように、治療有効量の微生物コンソーシアムを治療有効量の抗炎症治療と共に投与することを含む。
【0497】
本発明の方法は、任意の年齢の個体に適用可能である。いくつかの実施形態では、本発明の方法は、最高で18歳、最高で16歳、時として最高で13歳の小児に適用可能である。いくつかの他の実施形態では、本発明の方法は、成人に適用可能である。
【0498】
微生物コンソーシアムは、当該技術分野で公知であり、本明細書に記載される任意の方法によって、ヒト対象へと投与され得る。いくつかの実施形態によれば、本発明の方法は、経口投与による、微生物コンソーシアム又は微生物コンソーシアムを含む組成物の投与を含む。いくつかの実施形態によれば、本発明の方法は、腸への送達のために製剤化された、微生物コンソーシアム又は微生物コンソーシアムを含む組成物の投与を含む。微生物コンソーシアム又は微生物コンソーシアムを含む組成物は、例えば、カプセル、錠剤、食品、若しくは飲料、又は同様のもののいずれかへと製剤化することができる。
【0499】
いくつかの実施形態では、本発明の方法は、本発明の微生物コンソーシアム、本発明の微生物コンソーシアムを含む組成物又はキット、及び場合により追加の治療を、単回1回用量として、又は単回1日用量又は複数回1日用量又は複数回1日用量として、好ましくは1~7日ごとに投与することを含み得る。そのような適用は、患者の生涯において1回若しくは数回、1日に1回、2回、3回、4回、5回、若しくは6回行われてもよく、又は1日に1回、2日に1回、3日に1回、4日に1回、5日に1回、6日に1回、1週間に1回、2週間、3週間、4週間、若しくは更に1ヶ月より長く行われてもよいことが、特に企図される。
【0500】
本発明は更に、治療を必要とする対象で腸の炎症状態を治療するための組成物の調製における本発明の微生物コンソーシアムの使用を提供する。
【0501】
別の態様では、本発明は、それを必要とする対象における、炎症状態の発症を、治療、予防、寛解、軽減、又は遅延するための組成物の調製において、本発明の微生物コンソーシアムを含むキットを提供する。したがって、2種以上の微生物を含むキットが提供され、2種以上の微生物のうち少なくとも1種は、PE、AEA、又はそれらの組合せの産生を調節することが可能である。いくつかの実施形態では、キットは、胃腸管の炎症状態の発症の、治療、予防、寛解、軽減、又は遅延で使用するためのものである。
【0502】
いくつかの実施形態では、キットは、IBD、潰瘍性大腸炎、クローン病、又はそれらの組合せの発症の、治療、予防、寛解、減少又は遅延で使用するためのものである。
【0503】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のキットは、投与の準備ができている既に調製された剤形として記載の組成物/懸濁液を含んでもよく、あるいは、液体剤形を提供するために溶媒で再構成することができる固体医薬組成物(例えば、凍結乾燥形態で)として記載の、微生物コンソーシアム又は微生物コンソーシアムを含む組成物を含んでもよい。本発明のキットは、腸の炎症状態の治療においてキットを用いるための説明書を追加で含み得る。
【0504】
本明細書で提供される治療方法は、治療有効量の本発明の微生物コンソーシアムの投与を含む。本明細書で使用される場合、「有効量」という用語は、当業者に公知であるような考慮事項によって決定されるものである。
【0505】
本発明は、炎症状態を治療又は予防する方法を提供する。「治療又は予防」という用語は、炎症状態、具体的には腸の炎症状態、又は腸関連障害のこのような炎症状態の望ましくない副作用の、阻害、減少、緩和、及び軽減を含む、対象への投与の治療的に正の効果の全範囲を指す。
【0506】
本明細書で使用される場合、「疾患」、「障害」、及び「状態」などは、それらが対象の健康に関連するので、交換可能に使用され、そのような用語の各々及び全てに帰する意味を有する。
【0507】
本発明は、治療を必要とする対象又は患者を治療するための方法に関する。「患者」又は「必要とする対象」とは、上述の状態に影響され得る、本明細書に記載の治療方法が望まれる任意の生物を意味する。特にヒト対象の場合、患者への本発明の組成物の投与は、自己投与及び別の人による患者への投与の両方を含むことを、更に留意すべきである。本明細書で上述したように、患者、個体、又は対象は、特定の年齢に限定されず、したがって、本発明は小児、成人、及び高齢者を包含する。
【0508】
本発明は、炎症状態を治療する方法を提供し、更に、腸の炎症状態に関連又は関係する障害に関する。「関連する」及び「関係する」という交換可能に使用される用語は、本明細書において病理に言及する場合、因果関係を共有するか、偶然の頻度よりも高い頻度で共存するか、又は少なくとも1つの疾患、障害、状態、若しくは病状が、第2の疾患、障害、状態、若しくは病状を引き起こす場所のうち少なくとも1つである、疾患、障害、状態又は任意の病状を意味することが理解される。
【0509】
本発明の微生物叢コンソーシアムに関連して本明細書で使用される、調節によって活性を「増加」又は「増強」することが示されたいくつかの実施形態によれば、そのような増加又は増強とは、例えば、治療なし、例として刺激薬なしで、好適な対照と比較して、活性の約5%~100%、具体的には10%~100%の増加又は上昇であり得ることを意味する。
【0510】
本明細書で使用される場合、「約」という用語は、言及される値よりも最大1%、より具体的には5%、より具体的には10%、より具体的には15%、場合によっては最大20%、高い又は低い値で逸脱し得る値を示し、この逸脱範囲は整数値を含み、適用可能な場合、非整数値も同様に連続範囲を構成する。本明細書で使用される場合、「約」という用語は、±10%を指す。
【表1】
【0511】
非限定的な例:
例1:インビトロ研究
例1A:アナンダミド(AEA)合成
材料及び方法:
これを試験するために、マウスマクロファージ細胞株(RAW細胞、5X10^7細胞)を、細菌アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)10^8CFU/mlと共に一晩インキュベートした。トリプシンを用いて細胞を回収し、PBSで洗浄し、AEA及びその前駆体の1つであるアラキドン酸(AA)含有量について、エレクトロスプレーイオン化(Electron Spray Ionization:ESI)を用いてポジティブ・イオン・モードにてHPLC-MS/MSで分析した。
【0512】
細胞を、内部標準として[2H4]AEAを伴うCHCl3:MeOH(2:1、体積/体積)で抽出し、氷冷したCHCl3で3回洗浄し、窒素流下において乾燥させ、MeOHで再構成した。次いで、総タンパク質を沈殿させた。LC-MS/MS分析は、島津(日本、京都市)のUHPLCシステムと組み合わせたAB Sciex(米国マサチューセッツ州フレーミングハム)のTriple Quad 5500質量分析計にて行った。液体クロマトグラフィ分離は、Kinetex(Phenomenex)カラム(C18、粒径2.6μm、100×2.1mm)を用いて行った。アナンダミド(AEA)及びアラキドン酸(AA)は、ESI及びMRM条件下においてポジティブ・イオン・モードで検出された。各化合物の分子イオン及びフラグメントは、AEAについてはm/z 348.3→62.1(クオンティファイア)及び91.1(クオリファイア)、AAについてはm/z 305.2→91.1(クオンティファイア)及び77.1(クオリファイア)、[2H4]AEAについては91.1(クオリファイア)であった。試料中のAEA及びAAのレベルは標準曲線に対して測定した。
【0513】
結果
図1A及び
図1Bから分かるように、細菌アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)による処理は、AEA及びAAの両方のレベルを調節した。
【0514】
図1A及び
図1Bは、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)で処理したマクロファージ細胞では、対照試料中のAEAレベルと比較して(すなわち、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)が存在しない場合)、AAレベルが減少した(
図1A)が、一方でAEAレベルは有意に増加した(
図1B)ことを示す。
【0515】
AAは、PEと一緒にAEAを合成するための前駆体の1つである。したがって、AAのレベルの低下はAEAのレベルの増加と相関し、AEA合成に関与するアナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)から分泌されたPEの使用を示唆する。
【0516】
これらの結果は、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)が宿主細胞(マクロファージ)におけるAEAの産生に影響を及ぼしたことを示す。アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)による治療は、最終的にAEA産生の増加をもたらす、宿主細胞内の様々な経路に直接影響を及ぼすことが示唆され得る。
【0517】
例1B:AEA合成
マウスマクロファージ細胞株(RAW細胞、5×10^7細胞)を、細菌アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)10^8CFU/ml、又は市販の細菌性ホスファチジルエタノールアミン(PE)若しくは対照細菌(PEを合成しない)と共に、一晩インキュベートする。トリプシンを用いて細胞を回収し、PBSで洗浄し、アナンダミド含有量について、エレクトロスプレーイオン化(ESI)を用いてポジティブ・イオン・モードにてHPLC-MS/MSで分析する。
【0518】
例1C:IL-10産生
ヒト末梢血単核細胞(peripheral blood mononuclear cell:PBMC)を、本明細書、例えば上記の表1で記載した微生物の各々と、又は本明細書に記載のコンソーシアムと1:1の比で、若しくは細菌馴化培地で72~144時間、インキュベートする。このインキュベーション後、細胞培地をELISAによって抗炎症性サイトカインIL-10のレベルについて分析し、細胞集団をフローサイトメトリによって分析して、FoxP3+マーカを用いて制御性T細胞(Treg)へのT細胞の分化を評価する。
【0519】
例2:インビボ研究-マウスモデルにおけるデキストラン硫酸ナトリウム(DSS)誘導性大腸炎
研究の目的は、マウスモデルでのデキストラン硫酸ナトリウム(DSS)誘導性大腸炎の予防及び治療における、細菌コンソーシアム投与の有効性を決定することであった。
【0520】
材料及び方法:
この実験では、以下の細菌コンソーシアムを試験した:
第1のコンソーシアムは、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)DSM 13275、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)DSM 3319、バクテロイデス・ステルコリス(Bacteroides stercoris)ATCC 43183、及びメガモナス・ハイパーメガーレ(Megamonas hypermegale)NCTC10570(本明細書では「コンソーシアム1」又は「BMC321」として示される)を含む。
【0521】
第2のコンソーシアムは、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)DSM 13275、アナエロスティペス・ハドラス(Anaerostipes hadrus)DSM 3319、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)ATCC BAA-613、及びラクトコッカス・ラクチス・サブスピーシズ・クレモリス(Lactococcus lactis subsp.cremoris)MG1363を含む(本明細書では、「コンソーシアム2」又は「BMC322」として示される)
【0522】
マウスは、DSS投与の前1週間にわたって1日おきに、経口胃管栄養法を介して上記の細菌コンソーシアム(BMC321又はBMC322)の1つを受け、続いて、マウスが飲料水を介して受けたDSSの投与と並行して更に1週間受けた。
【0523】
コンソーシアム内の各細菌は、10^9CFUの濃度であった(コンソーシアム当たり合計4×10^9CFU細菌)。
【0524】
2匹の対照群マウス(DSS投与あり又はなしのいずれか)に細菌コンソーシアムを投与するために使用したのと同様の体積で、PBSを経口胃管栄養法によって投与した。
【0525】
DSS投与の1週間の間、糞便を収集し、mouse Lipocalin-2/NGAL DouSet ELISAキット(R&D systems)によってリポカリンレベルについて分析して、小腸炎症レベルを評価した。疾患重症度をリポカリンレベルのレベルによって分類した。
【0526】
結果:
リポカリン-2は腸の炎症性疾患のバイオマーカであり、したがって、例えば糞便中のリポカリンのレベルは、炎症プロセス/疾患、及びその重症度の尺度となり得る。
【0527】
リポカリンレベルが高いほど、より重症な炎症を示す。
【0528】
図2に示すように、DSSのみを投与したマウスでは、実験の4日目、すなわち試験したマウスへのDSS投与の4日後から開始する、マウス糞便中のリポカリンレベルの上昇が観察された。
【0529】
DSSへの曝露下において、DSS投与の4日目から最長で7日目まで(DSSを停止したとき)、未処置群と比較して、2つの細菌コンソーシアム処置群の各々でより低いレベルのリポカリンレベルが観察された。これは、投与された細菌コンソーシアムによる抗炎症機構の活性化を示唆している。
【0530】
これらの結果から明らかなように、これらの2つの細菌コンソーシアムの各々の投与は、DSS誘導性炎症効果を首尾よく緩和/減少させた。
【0531】
これらの結果は、細菌コンソーシアムが予防的役割及び治療的役割を有することを示唆した。
【0532】
上記のように、疾患重症度はリポカリンレベルの上昇に関連しており、したがって、疾患重症度はリポカリン値によって分類することができる。1000ng/糞便gより高いリポカリンレベルをカットオフとして設定し、7日間のDSS投与後に疾患重症度を計算した。
【0533】
図3に示すように、7日間のDSS単独の投与後、対照群の試験マウスの43%が重症疾患を有するとして分類された。
【0534】
対照的に、BMC322で処置したマウス群では、10%のマウスのみが、重症疾患(sever disease)を有するとして分類された。したがって、これらの結果は、細菌コンソーシアムBMC322による処置が、疾患重症度を低下させ、マウスを炎症から回復させるのに有効であったことを示した。
【0535】
例3:マウスモデルにおけるDSS誘導性大腸炎-インビボ研究
この研究の目的は、マウスモデルにおけるDSS誘導性大腸炎の回復に対する細菌コンソーシアム投与の有効性を決定することであった。
【0536】
材料及び方法:
マウスは、マウスが飲料水を介して受けたDSSの投与と並行して、1週間にわたり1日おきに、経口胃管栄養法を介して、細菌コンソーシアム(上記のようなBMC322)を受けた。コンソーシアム内の各細菌は、10^9CFUの濃度であった(コンソーシアム当たり合計4×10^9CFU細菌)。
【0537】
DSS休止後、更に1週間にわたり、細菌コンソーシアムの経口胃管栄養法を継続してマウスに受けさせた。2匹の対照群マウス(DSS投与あり又はなしのいずれか)に細菌コンソーシアムを投与するために使用したのと同様の体積で、PBSを経口胃管栄養法によって投与した。
【0538】
DSS投与の開始後20日間にわたり、マウスのモニタリングを継続した。疾患重症度は、糞便の硬さ、直腸出血、及び体重の変化を、別個のスコアで各々評価し、それらを重み付きスコアと組み合わせた、疾患活動性指数(DAI)スケールによって評価した。
【0539】
DSS投与の1週間の間及びその1週間後、糞便を収集し、mouse Lipocalin-2/NGAL DouSet ELISAキット(R&D systems)によってリポカリンレベルについて分析して、小腸炎症レベルを評価した。
【0540】
初期体重の20%超を損失したマウスは、人道的な理由により、研究から除いた。異なる群におけるマウスの生存を、カプラン・マイヤー生存分析を用いて評価した。
【0541】
研究終了時、脾臓重量及び結腸長さを、炎症重症度のパラメータとして測定した。
【0542】
結果
例2に関連して上述したように、例えば糞便中のリポカリン-2レベルは、炎症プロセス/疾患及びその重症度の尺度であり得る。
【0543】
図4に示すように、DSS単独を投与したマウスでは、試験したマウスへのDSS投与直後から開始するマウス糞便中のリポカリンレベルの上昇が観察され、実験の8日目(DSS投与休止後から2日目)にリポカリンの最大値が認められた。
【0544】
リポカリンレベルの低下が細菌コンソーシアムで処置されたマウスの糞便にて観察された。これらの結果は、炎症性疾患に対する細菌の治療効果を示している。
【0545】
図5A~
図5Cは、細菌を含む又は細菌を含まないDSSを投与したマウスの糞便中における、リポカリンレベルの中央値を示す。示したように、14日間にわたりBMC322と本明細書では示される細菌コンソーシアムによって処置したマウスにおいて、リポカリンレベルの低下があった(
図5C)。
【0546】
したがって、これらの結果は、DSS誘導性大腸炎に対する試験した細菌コンソーシアムの治療効果を示唆する。
【0547】
DSS誘導性大腸炎の効果もまた、糞便の硬さ、直腸出血、及びマウス体重を含むいくつかのパラメータを測定することによって、評価された。
【0548】
図6の結果は、BMC322と本明細書では示される細菌コンソーシアムで処置したマウスにおいて、実験の15日目から改善が観察されたことを示している。
【0549】
炎症プロセスの重症度を、脾臓重量及び結腸長さなどの更なる測定によって評価した。脾臓重量の増加及び結腸長さの減少は、重度の炎症の尺度として考えられる。
【0550】
図7及び
図8は、それぞれ、20日目の終了時における脾臓重量及び結腸長さに対する細菌処理の効果を示す。
図7で見られるように、処置マウスでは、非処置マウスと比較して、脾臓重量の中央値の減少が観察された。加えて、
図8で見られるように、処置マウスでは、無処置マウスと比較して、結腸長さの中央値の増加が観察された。脾臓の肥大化及び結腸の短縮は、より高い疾患重症度を示す。
【0551】
まとめると、結果は、細菌コンソーシアムによる処置がDSS誘導性大腸炎の重症度を低下させたことを示している。
【0552】
更に、処置マウス及び非処置マウスの生存確率をカプレン・マイヤー(Kaplen-Meier)分析によって評価した。カプラン・マイヤー推定器とは、寿命データから生存関数を推定するために使用される、ノンパラメトリック統計量である。
【0553】
図9で見られるように、処置マウスにおいて生存確率の増加が観察され、細菌コンソーシアムによる処置の保護効果が示唆された。
【0554】
例4:IBDのマウスモデル-インビボ研究
本研究の目的は、IBDの免疫学的実験マウスモデルにおける小腸炎症の軽減に対する、2つの微生物コンソーシアムの経口投与の効果を評価することである。
【0555】
この研究では、新鮮な微生物コンソーシアムを、株当たり10^9CFU(コンソーシアム当たり合計4×10^9CFU)の濃度でマウスに投与する。この研究で利用されているモデルは、インターロイキン-10(IL-10)遺伝子欠損マウスの遺伝子改変動物モデルである。IL-10は、ヒトにおけるIBD感受性遺伝子による既知の調節性サイトカインであり、したがって、IL-10欠損マウスモデルは、IBDにおける新規治療アプローチの評価のために一般的に使用される。無菌(GF)バックグラウンドを有するIL-10欠損マウスは自然発生的な大腸炎を発症せず、これは、適切なIBDモデルに誘導されるはずである。大腸炎の誘導は、ヒトIBD患者から得られた糞便による、動物の糞便材料移植(fecal material transplant:FMT)によって行われる。IL-10欠損GFマウスに、FMTの1週間前に開始し、FMTの少なくとも4週間後まで続行する経口胃管栄養法によって、微生物コンソーシアムを投与する。DAIスコアリングシステム及び便リポカリンレベルによって臨床評価を行う。マウスをFMTの後に最長6週間までモニタする。終了時、微生物分析及びリポカリン測定のために、管腔内容物(糞便及び盲腸(ceacal)の両方)を収集する。盲腸、遠位結腸、近位結腸、及び直腸の組織診断を行う。
【0556】
培養された結腸組織(例えば、IL-12p40、IFNγ)を用いるサイトカインレベルをELISAによって評価し、結腸/盲腸組織における遺伝子発現(サイトカイン、ケモカイン、上皮マーカなどのレベルを評価する)を、qPCRによって測定及び定量する。
【配列表】
【国際調査報告】