(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-02
(54)【発明の名称】細胞培養基材及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
C12M 3/00 20060101AFI20230222BHJP
C07K 17/14 20060101ALI20230222BHJP
C07K 17/08 20060101ALI20230222BHJP
C07K 19/00 20060101ALI20230222BHJP
C07K 14/435 20060101ALI20230222BHJP
C07K 5/068 20060101ALI20230222BHJP
C07K 7/06 20060101ALI20230222BHJP
C07K 7/08 20060101ALI20230222BHJP
C12N 15/12 20060101ALN20230222BHJP
C12N 15/62 20060101ALN20230222BHJP
【FI】
C12M3/00 A ZNA
C07K17/14
C07K17/08
C07K19/00
C07K14/435
C07K5/068
C07K7/06
C07K7/08
C12N15/12
C12N15/62 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022539438
(86)(22)【出願日】2020-12-28
(85)【翻訳文提出日】2022-08-26
(86)【国際出願番号】 KR2020019213
(87)【国際公開番号】W WO2021133142
(87)【国際公開日】2021-07-01
(31)【優先権主張番号】10-2019-0177038
(32)【優先日】2019-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517202249
【氏名又は名称】アモライフサイエンス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ヒョン・テク・キム
(72)【発明者】
【氏名】ドン・シク・ソ
(72)【発明者】
【氏名】フイ・カン・ク
【テーマコード(参考)】
4B029
4H045
【Fターム(参考)】
4B029AA02
4B029AA08
4B029AA21
4B029BB11
4B029BB15
4B029CC02
4B029CC08
4B029GA01
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4B029GB09
4H045AA10
4H045AA20
4H045AA30
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4H045BA15
4H045BA16
4H045BA17
4H045BA18
4H045BA19
4H045BA20
4H045BA21
4H045BA41
4H045BA62
4H045BA63
4H045CA50
4H045EA50
4H045EA60
4H045FA74
(57)【要約】
細胞培養基材が提供される。本発明の一実施例による細胞培養基材は、非多孔性表面を備える基材、及び前記非多孔性表面の少なくとも一部を被覆した細胞培養コーティング層を備え、前記細胞培養コーティング層は、機能性ペプチドがムール貝接着タンパク質に結合された細胞培養用融合タンパク質から形成された粒子が集合して表面の少なくとも一部を形成するように具現される。これによれば、細胞培養に役立つタンパク質などの物質を含有するにもかかわらず、常温で数年間、長期保存が可能であるので、保存安定性に非常に優れており、また細胞培養に役立つ物質の活性は、そのまま維持されるか、または最小限の低下のみが発生して初度設計した水準で細胞を培養させることができる。また、細胞培養基材への細胞付着性に優れており、付着した細胞を安定的に増殖させることができることにより高い細胞培養効率を達成できるため、幹細胞などの各種の細胞培養に広く応用できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非多孔性表面を備える基材と、
前記非多孔性表面の少なくとも一部を被覆した細胞培養コーティング層と、を備え、
前記細胞培養コーティング層は、機能性ペプチドがムール貝接着タンパク質に結合された細胞培養用融合タンパク質から形成された粒子が集合したものである、細胞培養基材。
【請求項2】
前記機能性ペプチドは、細胞の付着、移動、増殖及び分化のいずれか1つ以上を促進させる機能を有することを特徴とする、請求項1に記載の細胞培養基材。
【請求項3】
前記基材は、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリイミド、ポリエステル、ポリウレタン及びガラスからなる群から選ばれたいずれか1つ以上の材質から形成されることを特徴とする、請求項1に記載の細胞培養基材。
【請求項4】
前記ムール貝接着タンパク質は、配列番号1~配列番号14のアミノ酸配列からなる群から選ばれたいずれかのタンパク質または前記群から選ばれた1種以上のアミノ酸配列が連結されたタンパク質であることを特徴とする、請求項1に記載の細胞培養基材。
【請求項5】
前記機能性ペプチドは、RGD配列を含むことを特徴とする、請求項1に記載の細胞培養基材。
【請求項6】
前記機能性ペプチドは、配列番号15~配列番号18のアミノ酸配列からなる群から選ばれたいずれか1つ以上のペプチドまたは前記群から選ばれた1種以上のアミノ酸配列が連結されたペプチドであることを特徴とする、請求項1に記載の細胞培養基材。
【請求項7】
(1)カルボジイミド系カップリング剤及び反応剤を含む活性溶液と機能性ペプチドがムール貝接着タンパク質に結合された細胞培養用融合タンパク質を準備する段階と、
(2)準備された活性溶液と細胞培養用融合タンパク質を混合して細胞培養コーティング組成物を製造する段階と、
(3)細胞培養コーティング組成物を非多孔性基材の表面に処理して細胞培養コーティング層を形成させる段階と、を含む細胞培養基材の製造方法。
【請求項8】
前記カルボジイミド系カップリング剤は、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC)またはN,N'-ジシクロヘキシルカルボイミド(DCC)であり、前記反応剤は、N-ヒドロキシスルホスクシンイミド(Sulfo-NHS)であることを特徴とする、請求項7に記載の細胞培養基材の製造方法。
【請求項9】
前記カルボジイミドカップリング剤と反応剤は、1:0.1~10重量比で活性溶液に含まれ、
前記細胞培養コーティング組成物は、細胞培養用融合タンパク質100重量部に対してカルボジイミド系カップリング剤が1~100重量部で混合されることを特徴とする、請求項7に記載の細胞培養基材の製造方法。
【請求項10】
非多孔性細胞培養基材の表面に細胞培養コーティング層を形成する細胞培養コーティング組成物であって、機能性ペプチドがムール貝接着タンパク質に結合された細胞培養用融合タンパク質、カルボジイミド系カップリング剤及び反応剤を含むことを特徴とする、非多孔性細胞培養基材用細胞培養コーティング組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、細胞培養基材及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、疾病の治療において培養細胞の利用が拡大されるにしたがって、細胞培養に対する関心及び研究が増加している。細胞培養は、細胞を生体から採取し、生体外で培養させる技術であり、培養された細胞は、皮膚、臓器、神経など身体の様々な組織に分化させて人体に移植されるか、または分化させる前の状態で人体に移植させて生着及び分化が同時に行われるようにして多様な疾病の治療に活用できる。
【0003】
哺乳類細胞の培養は、生命科学及び保健科学において多くの工程のうちの1つである。固定-依存性細胞を伴う哺乳類細胞の培養及び分析のための細胞培養基材は、よくある例では、高分子ポリマーまたはガラス製のウェル-プレートなどの容器やフィルムなどのプレートが多用されるが、細胞が容器やプレートの表面に付着するようにする追加の表面処理が要求される。このような表面処理は、例えば、吸着、グラフティングまたはプラズマ重合技術によって表面上に吸着層を形成させるか、または適切な表面形状を具現することを含んでもよい。または、前記表面処理は、容器やプレートの表面そのものに化学的改質により行ってもよく、例えば、大気コロナ、無線周波数真空プラズマ(radio frequency vacuum plasma)、DCグロー放電(glow discharge)、及びマイクロ波プラズマ処理(microwave plasma treatments)などによって行われてもよい。
【0004】
一方、幹細胞、例えば、成人幹細胞(adult stem cells、ASCs)、多能性幹細胞(Pluriopotent stem cell)を含む各種の幹細胞及び体細胞を培養及び分化、交差分化、リプログラミングする現在の方法は、複雑な培養環境、例えば、細胞外基質タンパク質や、細胞の増殖に役立つ他のいくつかのタンパク質を用いたコーティング層を固形基材の表面上に形成させて細胞外基質のような類似した微細環境を形成させて幹細胞を培養することが一般的である。
【0005】
一方、前記コーティング層は、上述した各種のタンパク質を含む溶液を単に容器やプレートなどの細胞付着表面に処理した後に乾燥させて形成するが、コーティング層内のタンパク質の活性安定性は、非常に低く、コーティング層を形成させた後、常温で数時間以内に活性を容易に失うというという問題があり、あらかじめコーティング層が形成された細胞培養基材を製造しておくことが困難であり、製造してもこれを低温で保管しなければならず、低温保管時でも保管日数が30日以内と非常に短いという問題がある。また、このような劣った保存安定性によって細胞ローディング作業直前に細胞付着表面にコーティング層を形成させることが一般的であり、これにより細胞培養作業上の不便さと、細胞培養前の準備時間が延長されるという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記のような点を勘案して案出されたもので、常温で数年間、長期保存が可能であるので、保存安定性に非常に優れており、それにもかかわらず細胞培養に役立つ物質の活性は、そのまま維持されるか、または最小限の低下のみが発生して初度設計した水準で細胞を培養させることができる細胞培養基材及びその製造方法を提供することに目的がある。
【0007】
また、本発明は、細胞付着性に優れており、付着した細胞を安定的に増殖させることができるため、高い細胞培養効率を達成できる細胞培養基材及びその製造方法を提供することに他の目的がある。
【0008】
さらに、本発明は、前記のような優れた特性を達成できるようにする細胞培養コーティング組成物を提供することにさらに他の目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するため、本発明は、非多孔性表面を備える基材、及び前記非多孔性表面の少なくとも一部を被覆した細胞培養コーティング層を備え、前記細胞培養コーティング層は、機能性ペプチドがムール貝接着タンパク質に結合された細胞培養用融合タンパク質から形成された粒子が集合されたものである細胞培養基材を提供する。
【0010】
本発明の一実施例によれば、前記機能性ペプチドは、細胞の付着、移動、増殖及び分化のいずれか1つ以上を促進させる機能を有してもよい。
【0011】
また、前記基材は、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリイミド、ポリエステル、ポリウレタン及びガラスからなる群から選ばれたいずれか一つ以上の材質から形成されたものであってもよい。
【0012】
また、前記ムール貝接合タンパク質は、配列番号1~配列番号14のアミノ酸配列からなる群から選ばれたいずれかのタンパク質または前記群から選ばれた1種以上のアミノ酸配列が連結されたタンパク質であってもよい。
【0013】
また、前記機能性ペプチドは、RGD配列を含んでもよい。
【0014】
また、前記機能性ペプチドは、配列番号15~配列番号18のアミノ酸配列からなる群から選ばれたいずれか1つ以上のペプチドまたは前記群から選ばれた1種以上のアミノ酸配列が連結されたペプチドであってもよい。
【0015】
また、本発明は、(1)カルボジイミド系カップリング剤及び反応剤を含む活性溶液と機能性ペプチドがムール貝接着タンパク質に結合された細胞培養用融合タンパク質を準備する段階、(2)準備された活性溶液と細胞培養用融合タンパク質を混合して細胞培養コーティング組成物を製造する段階、及び(3)細胞培養コーティング組成物を非多孔性細胞培養基材の表面に処理して細胞培養コーティング層を形成させる段階を含む細胞培養基材の製造方法を提供する。
【0016】
本発明の一実施例によれば、前記カルボジイミド系カップリング剤は、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC)またはN,N'-ジシクロヘキシルカルボイミド(DCC)であり、前記反応剤は、N-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)またはN-ヒドロキシスルホスクシンイミド(Sulfo-NHS)であってもよく、より好ましくは、N-ヒドロキシスルホスクシンイミド(Sulfo-NHS)であってもよい。
【0017】
また、前記カルボジイミド系カップリング剤と反応剤は、1:0.1~10重量比で活性溶液に含まれ、前記細胞培養コーティング組成物は、細胞培養用融合タンパク質100重量部に対して、カルボジイミド系カプリング剤が1~100重量部で混合されてもよい。
【0018】
また、本発明は、非多孔性細胞培養基材の表面に細胞培養コーティング層を形成する細胞培養コーティング組成物であって、機能性ペプチドがムール貝接着タンパク質に結合された細胞培養用融合タンパク質、カルボジイミド系カップリング剤及び反応剤を含むことを特徴とする細胞培養コーティング組成物を提供する。
【0019】
以下、本発明で用いた用語について説明する。
【0020】
本発明の「細胞外基質(extracellular matrix、ECM)」とは、細胞の外部を囲む基質で、細胞と細胞の間を占めており、主にタンパク質と多糖類からなる網状構造を有するものを意味するものである。
【発明の効果】
【0021】
本発明による細胞培養基材は、細胞培養に役立つタンパク質のような物質を含有するにもかかわらず、常温で数年間長期保存が可能であるので、保存安定性が非常に優れており、また、細胞培養に役立つ物質の活性は、そのまま維持されるか、または最小限の低下のみが発生して初度設計した水準で細胞を培養させることができる。また、細胞培養基材への細胞付着性に優れており、付着した細胞を安定的に増殖させることができるため、高い細胞培養効率を達成できることによって、幹細胞など各種の細胞培養に広く応用できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、本発明の実施例1と実施例2による細胞培養基材の表面のSEM写真である。
【
図2】
図2は、本発明の実施例1と実施例2による細胞培養基材の表面のSEM写真である。
【
図3】
図3は、本発明の比較例による細胞培養基材の表面のSEM写真である。
【
図4】
図4は、本発明の実施例による細胞培養基材の表面のSEM写真である。
【
図5】
図5は、本発明の実施例による細胞培養基材の表面のSEM写真である。
【
図6】
図6は、本発明の実施例による細胞培養基材の表面のSEM写真である。
【
図7】
図7は、本発明の実施例による細胞培養基材の表面のSEM写真である。
【
図8】
図8は、本発明の一実施例による細胞培養基材と、比較例による細胞培養基材による細胞培養結果を撮影した写真である。
【
図9】
図9は、本発明の一実施例による細胞培養基材と、比較例による細胞培養基材による細胞培養結果を撮影した写真である。
【
図10】
図10は、本発明の一実施例による細胞培養基材に様々な種類の培地を適用させた後、4種の細胞をそれぞれ培養させた結果に対する写真である。
【
図11】
図11は、本発明の一実施例による細胞培養基材と、比較例による細胞培養基材の保存安定性を評価するために加速化実験を行った後、細胞を培養した結果に対する写真である。
【
図12】
図12は、本発明の一実施例による細胞培養基材と、比較例による細胞培養基材の保存安定性を評価するために加速化実験を行った後、細胞を培養した結果に対する写真である。
【
図13】
図13は、本発明の一実施例による細胞培養基材と、比較例による細胞培養基材の保存安定性を評価するために加速化実験を行った後、細胞を培養した結果に対する写真である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付の図面を参考にして、本発明の実施例について、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。本発明は、様々な異なる形態で具現されてもよく、ここで説明する実施例に限定されない。
【0024】
本発明の一実施例による細胞培養基材は、非多孔性表面を備える基材及び前記非多孔性表面の少なくとも一部を被覆した細胞培養コーティング層を備え、前記細胞培養コーティング層は、機能性ペプチドがムール貝接着タンパク質に結合された細胞培養用融合タンパク質を含む。
【0025】
前記基材は、細胞を培養するための支持体であって、全てが非多孔性基材であってもよく、少なくとも後述する細胞培養コーティング層が配置される表面が非多孔性であってもよい。また、前記基材は、細胞培養時に通常使用される基材の場合、制限なく使用されてもよい。一例として、前記基材は、通常、ウェルプレートと呼ばれる容器状の基材であってもよく、フィルムなどの板状のプレートであってもよいが、これらに制限されるものではない。また、前記基材の材質も通常の細胞培養時に使用される基材の材質の場合、制限なく使用してもよく、一例として、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリイミド、ポリエステル、ポリウレタン及びガラスからなる群から選ばれたいずれか一つ以上の材質から形成されたものあってもよい。
【0026】
前記基材において細胞培養コーティング層が形成される表面は、プラズマ処理などの公知の表面改質処理が行われたものであってもよいが、好ましくは、プラズマ処理が行われていない表面であってもよい。後述する細胞培養コーティング層は、プラズマ処理が行われていない基材の表面に形成されたとき、プラズマ処理が行われた基材の表面に形成された場合に比べて細胞培養効率において上昇された効果を達成できる。
【0027】
次に、上述した基材の表面上に備えられる細胞培養コーティング層について説明する。
【0028】
前記細胞培養コーティング層は、培養される細胞が播種された後、安着及び増殖する細胞接着表面を提供する層である。前記細胞培養コーティング層は、機能性ペプチドがムール貝接着タンパク質に結合された細胞培養用融合タンパク質を含んで形成されるが、具体的に前記細胞付着表面には、前記細胞培養用融合タンパク質から形成された粒子が集合して形成された細胞培養コーティング層が備えられる。細胞培養用融合タンパク質を介して形成され、コーティング層の表面が粒子の集合した形態で具現された細胞培養コーティング層は、細胞培養の効率において非常に優れており、また常温でも数年以上保管する場合でも細胞培養コーティング層を形成する細胞培養用融合タンパク質が分解、変性することによりもたらされる機能性ペプチドの活性の減少が防止または最小化されることによって、保存安定性が非常に向上するという利点がある。また、前記細胞培養コーティング層は、ポリマー系の接着成分、例えば、アクリル系接着成分を使用せずに機能性ペプチドを細胞培養基材の表面に導入することにより細胞毒性がなく、細胞をより生体親和的に培養させることができるという利点がある。
【0029】
前記細胞培養コーティング層は、機能性ペプチドがムール貝接着タンパク質に結合された細胞培養用融合タンパク質によって形成されるが、前記機能性ペプチドは、細胞培養に役立つ機能を持つ物質で、具体的には細胞の付着、移動、増殖及び分化のいずれか一つ以上を促進させる機能を果たす物質であってもよい。前記機能性ペプチドは、このような機能を果たす公知のペプチドの場合、制限なく使用されてもよい。これに対する非制限的な例として、アドレノメドリン(Adrenomedullin)、アンギオポイエチン(Angiopoietin)、骨形成タンパク質(BMP)、脳由来神経栄養因子(BDNF)、表皮成長因子(EGF)、エリスロポエチン(Erythropoietin)、線維芽細胞増殖因子(Fibroblast growth factor)、グリア細胞株由来神経栄養因子(GDNF)、顆粒球コロニー形成刺激因子(Granulocyte colony-stimulating factor、G-CSF)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(Granulocyte macrophage colony-stimulating factor、GM-CSF)、成長分化因子-9(Growth differentiation factor-9、GDF9)、肝細胞成長因子(HGF)、肝癌由来増殖因子(Hepatoma-derived growth factor、HDGF)、インスリン様成長因子(Insulin-like growth factor、IGF)、表皮細胞増殖因子(Keratinocyte growth factor、KGF)、
移動刺激因子(Migration-stimulating factor、MSF)、
ミオスタチン(Myostatin、GDF-8)、神経成長因子(Nerve growth factor、NGF)、血小板由来成長因子(Platelet-derived growth factor、PDGF)、トロンボポエチン(Thrombopoietin、TPO)、T-細胞成長因子(T-cell growth factor、TCGF)、ニューロフィリン、形質転換成長因子-α(TGF-α)、形質転換成長因子-β(TGF-β)、腫瘍壊死因子-α(TNF-α)、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)、IL-1、IL-2、IL-3、IL-4、IL-5、IL-6及びIL-7からなる群から選ばれたいずれか1つ以上の成長因子(GF)に含まれる所定のアミノ酸配列を含んでもよい。または、ヒアルロン酸、ヘパリン硫酸塩、コンドロイチン硫酸塩、デルマタン硫酸塩、ケラタン硫酸塩、アルジン塩、フィブリン、フィブリノーゲン、コラーゲン、エラスチン、フィブロネクチン、ビトロネクチン、カドヘリン及びラミニンからなる群から選ばれたいずれか一つ以上の細胞外基質(extracellular matrix)に含まれる所定のアミノ酸の配列を含んでもよい。
【0030】
一例として、前記機能性ペプチドは、アミノ酸配列内にRGD配列を含んでもよい。また、前記機能性ペプチドは、配列番号15~配列番号18のアミノ酸配列からなる群から選ばれたいずれか1つ以上のペプチドまたは前記群から選ばれた1種以上のアミノ酸配列が連結されたペプチドであってもよい。また、前記機能性ペプチドは、ビトロネクチンポリペプチド、コラーゲンポリペプチド、ラミニンポリペプチド、フィブロネクチンポリペプチド、またはそれらの変異体であってもよい。
【0031】
一方、前記機能性ペプチドは、一例としてアミノ酸の個数が3~100個、より好ましくは、3~50個、一例として3~30個のペプチドであってもよく、これを通じて長時間常温でコーティング層に含まれた状態で保管される場合にも分解、変性などが最小化または防止されるのにより有利になる。
【0032】
また、前記機能性ペプチドは、ムール貝接着タンパク質に結合されるが、具体的にムール貝接着タンパク質のカルボキシ末端、アミノ末端またはカルボキシ末端とアミノ末端の両端に結合されてもよい。このとき、前記結合は共有結合であり、具体的にアミノ結合であってもよい。一方、機能性ペプチドとムール貝接着タンパク質は、公知の方法により結合させることができ、一例として、大腸菌を用いた組換えタンパク質生産法により製造してもよい。一方、ムール貝接着タンパク質と機能性ペプチド間で直接共有結合により結合されてもよいが、これに制限されるものではなく、架橋剤などの所定の物質を介してムール貝接着タンパク質と機能性ペプチド間で間接的に結合できることを明らかにしておく。
【0033】
機能性ペプチドをムール貝接着タンパク質に結合させる理由は、ムール貝接着タンパク質が機能性ペプチドを基材の表面に付着特性が良く固定させるのに有利であり、上述したように、ポリマー基盤の接着成分に対比して培養細胞に加えることができる毒性がなく、生体適合性に優れているためである。また、播種された細胞との付着特性が良く、播種された細胞が細胞付着の表面に安着した後、脱離を最小化できるという利点がある。
【0034】
前記ムール貝接着タンパク質は、ムール貝に由来した接着タンパク質であって、ムール貝接着タンパク質と通称される公知の接着タンパク質の場合、制限なく使用されてもよい。好ましくは、前記ムール貝接着タンパク質は、配列番号1~配列番号14のアミノ酸配列からなる群から選ばれたいずれか一つのタンパク質または前記群から選ばれた1種以上のアミノ酸配列が連結されたタンパク質であってもよく、一例として配列番号13番であってもよい。
【0035】
また、粒子は、適切な量で形成されることが好ましく、もし、アグリゲーション(aggregation)された量が多い場合、すなわち、粒子の粒径が大きくなり、粒子数が少なくなる場合、細胞付着及び細胞増殖が低下するおそれがある。
【0036】
上述した細胞培養コーティング層が基材の表面に備えられた本発明の一実施例による細胞培養基材は、(1)カルボジイミド系カップリング剤及び反応剤を含む活性溶液と機能性ペプチドがムール貝接着タンパク質に結合された細胞培養用融合タンパク質を準備する段階、(2)準備された活性溶液と細胞培養用融合タンパク質を混合して細胞培養コーティング組成物を製造する段階、及び(3)細胞培養コーティング組成物を非多孔性基材の表面に処理して細胞培養コーティング層を形成する段階を含んで製造されてもよい。
【0037】
まず、本発明による(1)段階として、カルボジイミド系カップリング剤及び反応剤を含む活性溶液と機能性ペプチドがムール貝接着タンパク質に結合された細胞培養用融合タンパク質を準備する段階を行う。
【0038】
前記活性溶液は、カルボジイミド系カップリング剤と反応剤を含み、溶媒をさらに含んでもよい。活性溶液は、細胞培養用融合タンパク質を基材の表面に導入させる物質で、単に細胞培養用融合タンパク質を通常の方法で基材の表面に処理した場合に対比して細胞培養コーティング層と基材の表面間の付着力を向上させ、細胞培養用溶融タンパク質を粒子形状に凝集させ、外部菌の感染のおそれが少なく、温度の変化にも安定して長期間保存が可能であり、細胞培養時に偏差が少ないという利点がある。一方、活性溶液が誘導する融合タンパク質が凝集した粒子形状は、融合タンパク質間のある特定の化学結合、例えば、従来知られているカルボジイミド系カップリング剤によるカルボキシ基とアミン基間のアミノ結合によるものとは見なし難いが、これはムール貝接着タンパク質内に含まれる多数のヒドロキシ基もカルボジイミド系カップリング剤と反応できるからである。したがって、多数の反応サイトを有している本発明による融合タンパク質が形成した粒子形状は、ある特定の反応及びこれによる化学結合によるものとは見なし難く、活性溶液と本発明による融合タンパク質間の組み合わせによって発生する特有の結果と言える。
【0039】
前記カルボジイミド系カップリング剤は、融合タンパク質が互いに結合されるようにするカップリング剤の場合、制限なく使用されてもよく、一例として、1-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC)またはN、N'-ジシクロヘキシルカルボイミド(DCC)であってもよい。
【0040】
また、前記反応剤は、カルボジイミド系カップリング剤とカップリングされた状態の融合タンパク質が水和されることを防止し、融合タンパク質が互いに結合される効率を増加させるために備えられるもので、一例として、N-ヒドロキシスルホスクシンイミド(Sulfo-NHS)であってもよい。一方、反応剤として従来知られているN-ヒドロキシスルホスクシンイミド(Sulfo-NHS)の場合、本発明が目的とする効果を発現するにあたって容易ではない場合がある。
【0041】
前記活性溶液は、前記カルボジイミド系カップリング剤と反応剤を1:0.1~10重量比で含んでもよい。もし、これらが適切な割合で含まれない場合、本発明が目的とする効果を達成しにくく、具現された細胞培養コーティング層において細胞の付着性が顕著に低下するおそれがある。
【0042】
また、前記活性溶液は、反応性向上のために酢酸ナトリウムをさらに含んでもよい。このとき、前記酢酸ナトリウムは、カルボジイミド系カップリング剤100重量部に対して1~100重量部で含まれてもよい。
【0043】
また、前記活性溶液は、溶媒をさらに含んでもよいが、前記溶媒は、水または有機溶媒であってもよく、一例として水であってもよい。
【0044】
前記活性溶液は、製造する方法が特に限定されるものではないが、一例として酢酸ナトリウム溶液をカルボジイミド系カップリング剤溶液と反応剤溶液にそれぞれ投入して混合して2種の溶液を製造した後、2種の溶液を適切な割合で混合した後、30~60分間反応を誘導し、以後、28~35℃の恒温培養器で再び25~40分間反応させて最終活性溶液が製造されてもよい。
【0045】
次に、本発明による(2)段階として、準備された活性溶液と細胞培養用融合タンパク質を混合して細胞培養コーティング組成物を製造する段階を行う。
【0046】
このとき、前記細胞培養用融合タンパク質と活性溶液は、細胞培養用融合タンパク質100重量部に対してカルボジイミド系カップリング剤が1~100重量部含まれるように含量を調節して混合されてもよい。もし、カルボジイミド系カップリング剤が1重量部未満の場合、細胞が付着されないか、または分化されることがあり、100重量部を超える場合、細胞が付着後に脱離しうるため、細胞を安定的に培養しにくい場合がある。
【0047】
また、準備された活性溶液と細胞培養用融合タンパク質は、混合後に0超過~2時間反応を誘導した後、最終細胞培養用コーティング組成物として製造されてもよい。
【0048】
次に、本発明による(3)段階として、細胞培養コーティング組成物を非多孔性基材の表面に処理して細胞培養コーティング層を形成させる段階を行う。
【0049】
準備された細胞培養コーティング組成物を基材の表面に処理する方法は、通常のコーティング方法によるものであってもよく、一例としてウェルプレートのような基材の場合、ピペットエイドを用いて分注してもよい。細胞培養コーティング組成物を表面に処理した後、4~60℃の恒温培養器で0分超~2時間反応を誘導して細胞培養コーティング層を形成させることができる。
【0050】
以後、洗浄工程をさらに経ることができ、一例として、3次蒸留水を通じて0超過~30分ずつ計2~5回洗浄工程を繰り返して行ってもよい。洗浄工程を経た後には空気中で自然乾燥させることができ、これを通じて細胞培養基材を製造してもよい。
【0051】
下記表1-1及び表1-2は、上述したムール貝接合タンパクと機能性ペプチドに対するアミノ酸配列を示す。
【0052】
【実施例】
【0053】
下記の実施例を通じて本発明をより具体的に説明するが、下記の実施例は本発明の範囲を制限するものではなく、これは本発明の理解を助けるためのものと解釈されなければならない。
【0054】
<実施例1>
基材として滅菌したポリスチレン製の6ウェルプレートを準備した。このとき、6ウェルプレートは、プラズマ処理が行われていないものを準備した。以後、下記の準備例で製造された細胞培養コーティング組成物を各ウェルあたり2mLずつピペットエイドを用いて分注した後、恒温培養器で反応して基材の表面に細胞培養コーティング層を形成させた。以後、3次蒸留水を用いて10分ずつ3回洗浄した後、クリーンベンチ内でプレート蓋を開けたまま、空気中で乾燥させて細胞培養基材を製造した。
【0055】
*準備例-細胞培養コーティング組成物の製造
【0056】
細胞培養用融合タンパク質は、配列番号13ムール貝接着タンパク質のカルボキシ末端に配列番号15の機能性ペプチドをアミノ末端に結合させたものを準備した。このとき、融合タンパク質は、大腸菌を用いた組換えタンパク質生産法により製造した。
【0057】
一方、活性溶液を準備するため、3次蒸留水に溶解したNaOAc、NaHCO3、2-(N-morpholino)ethaneSulfonic acid溶液を先に製造した後、EDCとSulfo-NHS試薬がそれぞれ分注されているマイクロチューブにそれぞれ入れて、EDC溶液とSulfo-NHSを製造した。
【0058】
細胞培養コーティング組成物を製造するためにコニカルチューブにEDC溶液を投入した後、Sulfo-NHS溶液を入れて攪拌しつつ、準備された活性溶液に細胞培養用融合タンパク質を投入した後、攪拌して細胞培養コーティング組成物を製造した。このとき、細胞培養コーティング組成物は、細胞培養用融合タンパク質100重量部に対してEDCが1重量部含まれるようにし、EDCとSulfo-NHSは、1:2重量比になるように混合し、コーティング組成物に含まれるNaOAcは、EDC100重量部に対して100重量部になるように含めた。このとき、細胞培養コーティング組成物において細胞培養用融合タンパク質の濃度は、0.05mg/mlであった。
【0059】
実施例1による細胞培養コーティング層の表面SEM写真は、
図1に示したように、細胞培養コーティング層が粒子が集合して形成されたことが確認できる。
【0060】
<実施例2>
実施例1と同様に実施して製造するが、細胞培養用融合タンパク質を配列番号14のムール貝接着タンパク質のカルボキシ末端に配列番号19の機能性ペプチドをアミノ末端に結合させたものに変更して細胞培養基材を製造した。実施例2による細胞培養コーティング層の表面SEM写真は、
図2に示したように、細胞培養コーティング層が粒子が集合して形成されたことが確認できる。
【0061】
<比較例1>
実施例1と同様に実施して製造するが、細胞培養コーティング組成物でコーティングさせず、プラズマ処理も行われていない6ウェルプレートを細胞培養基材として使用した。比較例2による細胞培養コーティング層の表面SEM写真は、
図3に示したように、滑らかな表面を持つことが確認できる。
【0062】
<実施例3>
実施例2と同様に実施して製造するが、細胞培養用融合タンパク質を配列番号14のムール貝接着タンパク質のカルボキシ末端に配列番号19の機能性ペプチドをアミノ末端に結合させたものに変更し、細胞培養基材の材質をポリカーボネートに変更して細胞培養基材を製造した。実施例3による細胞培養コーティング層の表面SEM写真は、
図4に示したように、被コーティング基材の材質を変更した場合にも、細胞培養コーティング層が粒子が集合して形成されたことが確認できる。
【0063】
<実施例4~6>
実施例1と同様に実施して製造するが、細胞培養コーティング組成物において細胞培養用融合タンパク質の濃度をそれぞれ0.01mg/ml、0.1mg/ml、0.5mg/mlに変更して製造した細胞培養コーティング組成物を用いて細胞培養基材を製造した。実施例4~6による細胞培養コーティング層の表面SEM写真は、それぞれ
図5、
図6及び
図7に示したように、細胞培養用融合タンパク質の濃度が高くなるほど形成された粒子の粒径はさらに大きくなり、粒子数が少なくなり、粒子間結合によって粒子形状が非定型の巨大粒子が形成されることが確認できる。
【0064】
<比較例2>
実施例1と同様に実施して製造するが、細胞融合タンパク質の代わりに同一濃度で配列番号15の機能性ペプチドに変更して細胞培養基材を製造した。
【0065】
<実験例1>
実施例1及び比較例2による細胞培養基材に誘導多能性幹細胞を同量分注した後、幹細胞培養培地(StemMACS
TM)を用いて5日間培養後、細胞染色法で細胞培養の有無を観察し、細胞培養結果の写真を
図8及び
図9に示した。
【0066】
図8から確認できるように、実施例1による細胞培養基材は、細胞の付着、成長に優れているが、
図9の比較例2による細胞培養基材は、細胞の付着及び成長が正しく行われていないことが分かる。
【0067】
<実験例2>
実施例1による細胞培養基材においてそれぞれの培地にhiPSC-1、hESO、hiPSC-2、hiPSC-3を分注した後、mTeSR1
TM、TeSR2
TM、StemMACS
TM、E8
TM培地を用いて5日間培養した後、細胞染色法で細胞培養の有無を観察し、細胞培養結果の写真を
図10に示した。
【0068】
図10から確認できるように、実施例1の細胞培養基材は、様々な種類の細胞培養に適しており、様々な種類の培地と相溶性も優れていることが分かる。
【0069】
<比較例3~4>
基材として滅菌されたポリスチレン製の6ウェルプレートに細胞培養用コーティング組成物として市販中のMatrigel、Vitronectin-XFTMを当該コーティング組成物メーカーのプロトコルに基づいてコーティングさせて細胞培養基材を製造した。
【0070】
<実験例3>
実施例1、比較例3及び比較例4による細胞培養基材を下記の方法により医療機器の有効期間の設定及び安定性評価によるガイドラインに従って加速老化試験を行った後、誘導多能性幹細胞を培養させて保存安定性を評価した。
【0071】
具体的に、細胞培養基材をリアルタイムの老化を短縮した時間内で再現するため、上昇した温度(60℃)で細胞培養基材を0ヶ月、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月保管し、それぞれの細胞培養基材の老化期間が0年、1年、2年、3年となるように準備した。
【0072】
実施例及び比較例別にそれぞれ準備された4つの細胞培養基材に誘導多能性幹細胞を同量分注した後、幹細胞培養培地(StemMACS
TM)を用いて5日間培養後、光学顕微鏡で撮影して細胞培養の有無を観察し、細胞培養結果の写真を
図11(実施例1)、
図12(比較例3)及び
図13(比較例4)に示し、培養された細胞数をカウントして下記表2に示した。
【0073】
【0074】
図11~
図13及び表2から確認できるように、実施例1による細胞培養基材の場合、老化期間が0年、1年、2年、3年となるように加速化させた場合にも全て細胞培養が可能であり、細胞培養性能に優れていることが分かる。しかし、比較例3の場合、老化期間が0年の場合、細胞培養性能に優れているが、老化期間が1年~3年となるように加速化させた試片では細胞が培養されなかった。また、比較例4の場合、0年~3年加速化試片で細胞が培養されたが、実施例1による試料に対比して培養された細胞数が著しく少なく、これを通じて実施例1による細胞培養基材の保存安定性及び細胞培養性能が非常に優れていることが分かる。
【0075】
以上、本発明の一実施例について説明したが、本発明の思想は、本明細書に提示される実施例に制限されるものではなく、本発明の思想を理解する当業者は、同一の思想の範囲内で、構成要素の付加、変更、削除、追加などによって他の実施例を容易に提案できるが、これも本発明の思想の範囲内にあると言える。
【国際調査報告】