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特表2023-508486知的車両の制御方法、装置、および制御システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-02
(54)【発明の名称】知的車両の制御方法、装置、および制御システム
(51)【国際特許分類】
   B60W 50/10 20120101AFI20230222BHJP
   B60W 40/09 20120101ALI20230222BHJP
   B60W 40/02 20060101ALI20230222BHJP
   B60W 60/00 20200101ALI20230222BHJP
【FI】
B60W50/10
B60W40/09
B60W40/02
B60W60/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022539450
(86)(22)【出願日】2020-10-31
(85)【翻訳文提出日】2022-08-19
(86)【国際出願番号】 CN2020125644
(87)【国際公開番号】W WO2021129156
(87)【国際公開日】2021-07-01
(31)【優先権主張番号】201911385152.7
(32)【優先日】2019-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504161984
【氏名又は名称】ホアウェイ・テクノロジーズ・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シ、ビン
【テーマコード(参考)】
3D241
【Fターム(参考)】
3D241BA10
3D241BA30
3D241BA51
3D241CD05
3D241CE04
3D241CE08
3D241DA13Z
3D241DA39Z
3D241DB02Z
3D241DC41Z
3D241DC51Z
3D241DD05Z
3D241DD11Z
(57)【要約】
本願は、知的車両の制御方法を開示する。知的車両の制御システムが、現時点における知的車両の運転モード、運転スタイルモデル、および目標速度を取得し、次に、運転モードおよび運転スタイルモデルに基づいて速度制御命令を決定し、知的車両の実行システムに速度制御命令を送信する。これによって、優れた快適性および良好な体験を伴う知的車両の制御方法が提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
知的車両の制御方法であって、
車両制御システムが、現時点における知的車両の運転モード、運転スタイルモデル、および目標速度を取得する段階と、
前記車両制御システムが、前記運転モードおよび前記運転スタイルモデルに基づいて速度制御命令を決定する段階と、
前記車両制御システムが、前記知的車両の車両実行システムに前記速度制御命令を送信する段階と
を備える制御方法。
【請求項2】
前記速度制御命令は、アクセル開度およびブレーキ値を含み、前記アクセル開度は、前記知的車両の車両加速を制御するために使用されるパラメータであり、前記ブレーキ値は、前記知的車両の車両ブレーキを制御するために使用されるパラメータである、請求項1に記載の制御方法。
【請求項3】
前記車両制御システムは、意思決定コントローラおよび自動運転コントローラを含み、前記制御方法は、
前記意思決定コントローラが、前記現時点の道路状況情報に基づいて走行軌道および前記目標速度を決定する段階であって、前記道路状況情報は、前記知的車両のマップシステム、位置決めデバイス、および融合システムにより提供される1つまたは複数の情報を含む、決定する段階と、
前記自動運転コントローラが、運転者により選択される運転モードおよび運転スタイルモデルを取得する段階と
を更に備える、請求項1または2に記載の制御方法。
【請求項4】
前記運転モードは自動運転モードであり、前記知的車両は運転スタイルモデルライブラリを含み、前記運転スタイルモデルライブラリは、複数の事前設定された運転スタイルモデルのセットを含み、各運転スタイルモデルは、異なるアクセル開度およびブレーキ値を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の制御方法。
【請求項5】
車両制御システムが、現時点における知的車両の運転モード、運転スタイルモデル、および目標速度を取得する前記段階の前に、前記制御方法は、
前記知的車両の前記運転モードが手動運転モードである場合に、前記車両制御システムが、事前設定された期間内に前記知的車両の運転者の運転データを収集する段階と、
前記車両制御システムが、機械学習アルゴリズムを使用することにより前記運転データに基づいてカスタマイズ済み運転スタイルモデルを取得する段階であって、前記カスタマイズ済み運転スタイルモデルは、前記運転者の運転習慣に適合するアクセル開度およびブレーキ値を含む、取得する段階と、
前記車両制御システムが、前記知的車両の運転スタイルモデルライブラリに前記カスタマイズ済み運転スタイルモデルを追加する段階と
を更に備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の制御方法。
【請求項6】
前記車両制御システムが、前記運転モードおよび前記運転スタイルモデルに基づいて速度制御命令を決定する前記段階は、
前記車両制御システムの自動運転コントローラが、前記現時点における前記知的車両の実速度と前記目標速度との間の誤差を計算する段階と、
前記自動運転コントローラが、前記誤差に基づいて加速度を決定する段階であって、前記加速度は、前記現時点の前記実速度から前記目標速度までの前記知的車両の単位時間内の速度変化量を示すために使用される、決定する段階と、
前記自動運転コントローラが、比例・積分・微分アルゴリズムに従って第1アクセル開度および第1ブレーキ値を決定する段階と、
前記自動運転コントローラが、運転者により選択される前記運転スタイルモデルに基づいて第2アクセル開度および第2ブレーキ値を決定する段階と、
前記自動運転コントローラが、前記第1アクセル開度、第1重み、前記第2アクセル開度、および第2重みに基づく計算を通じて第3アクセル開度を取得し、前記第1ブレーキ値、第3重み、前記第2ブレーキ値、および第4重みに基づく計算を通じて第3ブレーキ値を取得する段階であって、前記第1重みおよび前記第2重みはアクセル開度の重みであり、前記第1重みと前記第2重みとの和が1であり、前記第3重みおよび前記第4重みはブレーキ値の重みであり、前記第3重みと前記第4重みとの和が1である、取得する段階と、
を有し、
前記車両制御システムが、前記知的車両の車両実行システムに前記速度制御命令を送信する前記段階は、
前記自動運転コントローラが、前記車両実行システムに前記速度制御命令を送信する段階であって、前記速度制御命令は、前記第3アクセル開度および前記第3ブレーキ値を含む、送信する段階
を有する、
請求項1から5のいずれか一項に記載の制御方法。
【請求項7】
前記制御方法は、
前記車両制御システムが、ヒューマンコンピュータインタラクションコントローラを通じて運転者に前記知的車両の運転スタイルモデルライブラリを提供する段階であって、前記運転者は、音声、テキスト、またはボタンの形態で前記運転スタイルモデルライブラリから運転スタイルモデルを選択することができる、提供する段階と、
前記車両制御システムが、前記運転者により選択され、且つ、前記ヒューマンコンピュータインタラクションコントローラにより送信される、前記運転スタイルモデルを受信する段階と
を更に備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の制御方法。
【請求項8】
知的車両の制御装置であって、
現時点における知的車両の運転モード、運転スタイルモデル、および目標速度を取得するように構成されている取得ユニットと、
前記運転モードおよび前記運転スタイルモデルに基づいて速度制御命令を決定するように構成されている自動運転制御ユニットと、
前記知的車両の車両実行システムに前記速度制御命令を送信するように構成されている送信ユニットと
を備える制御装置。
【請求項9】
前記速度制御命令は、アクセル開度およびブレーキ値を含み、前記アクセル開度は、前記知的車両の車両加速を制御するために使用されるパラメータであり、前記ブレーキ値は、前記知的車両の車両ブレーキを制御するために使用されるパラメータである、請求項8に記載の制御装置。
【請求項10】
前記自動運転制御ユニットは、前記現時点の道路状況情報に基づいて走行軌道および前記目標速度を決定することであって、前記道路状況情報は、前記知的車両のマップシステム、位置決めデバイス、および融合システムにより提供される1つまたは複数の情報を含む、決定することを行うように更に構成されており、
前記取得ユニットは、運転者により選択される運転モードおよび運転スタイルモデルを取得するように更に構成されている、
請求項8または9に記載の制御装置。
【請求項11】
前記運転モードは自動運転モードであり、前記知的車両は運転スタイルモデルライブラリを含み、前記運転スタイルモデルライブラリは、複数の運転スタイルモデルのセットを含み、各運転スタイルモデルは、異なるアクセル開度およびブレーキ値を含む、請求項8から10のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項12】
前記取得ユニットは、前記運転モードが手動運転モードである場合に、事前設定された期間内に前記知的車両の運転者の運転データを収集するように更に構成されており、
前記自動運転制御ユニットは、機械学習方法を使用することにより前記運転データに基づいてカスタマイズ済み運転スタイルモデルを取得することであって、前記カスタマイズ済み運転スタイルモデルは、前記運転者の運転習慣に適合するアクセル開度およびブレーキ値を含む、取得することと、前記知的車両の運転スタイルモデルライブラリに前記カスタマイズ済み運転スタイルモデルを追加することとを行うように更に構成されている、
請求項8から10のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項13】
前記自動運転制御ユニットは、前記現時点における前記知的車両の実速度と前記目標速度との間の誤差を計算することと、前記誤差に基づいて加速度を決定することであって、前記加速度は、前記現時点の前記実速度から前記目標速度までの前記知的車両の単位時間内の速度変化量を示すために使用される、決定することと、比例・積分・微分アルゴリズムに従って第1アクセル開度および第1ブレーキ値を決定することと、運転者により選択される前記運転スタイルモデルに基づいて第2アクセル開度および第2ブレーキ値を決定することと、前記第1アクセル開度、第1重み、前記第2アクセル開度、および第2重みに基づく計算を通じて第3アクセル開度を取得することであって、前記第1重みと前記第2重みとの和が1である、取得することと、前記第1ブレーキ値、第3重み、前記第2ブレーキ値、および第4重みに基づく計算を通じて第3ブレーキ値を取得することであって、前記第3重みと前記第4重みとの和が1である、取得することとを行うように更に構成されており、
前記送信ユニットは、前記第3アクセル開度と前記第3ブレーキ値とを含む前記速度制御命令を前記車両実行システムに送信するように更に構成されている、
請求項8から12のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項14】
前記制御装置は、プロンプトユニットを更に備え、
前記プロンプトユニットは、ヒューマンコンピュータインタラクションコントローラを通じて運転者に前記知的車両の運転スタイルモデルライブラリを提供することであって、前記運転者は、音声、テキスト、またはボタンの形態で前記運転スタイルモデルライブラリから運転スタイルモデルを選択することができる、提供することを行うように構成されており、
前記取得ユニットは、前記運転者により選択され、且つ、前記ヒューマンコンピュータインタラクションコントローラにより送信される、前記運転スタイルモデルを受信するように更に構成されている、
請求項8から13のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項15】
プロセッサとメモリとを備える知的車両の制御システムであって、前記メモリは、コンピュータ実行可能命令を記憶するように構成されており、前記制御システムが実行されると、前記プロセッサは、前記メモリ内の前記コンピュータ実行可能命令を実行して、前記制御システム内のハードウェアリソースを使用することにより請求項1から7のいずれか一項に記載の制御方法の動作ステップを実行する、制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、知的車両の分野、特に、知的車両の制御方法、装置、およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
人工知能(artificial intelligence、AI)技術の進歩とこの技術の自動車分野への適用とに伴い、自動運転(automated driving)機能を有する知的車両(intelligent vehicle)に幅広い関心が向けられている。知的車両内の制御モジュールが、知的車両の走行を制御するために使用される。制御モジュールは、走行軌道および速度を決定する必要がある。走行軌道は、運転者により設定される目的地に依存しており、速度は通例、従来の誤差フィードバック方法を使用することにより決定される。制御モジュールは、知的車両を期待速度に到達させるために、比例・積分・微分(proportional-integral-derivative、PID)方法を使用することにより誤差を調整し、制御アルゴリズムと前の時点におけるアクセルおよびブレーキの値とに従って、現在のアクセル制御量および現在のブレーキ制御量を決定する。しかしながら、知的車両の走行道路区間の道路状況が複雑且つ多様であるため、知的車両は、別の車両の走行状況と道路インフラストラクチャ状況とを考慮して障害物を回避する必要があり、その結果、知的車両は常に、変化する速度で走行する。制御モジュールの場合は、現在の速度と目標速度との間の誤差がより大きいほど、調整範囲が大きいことを示す。知的車両の自動運転中、制御モジュールは、アクセルとブレーキとを頻繁に切り替える。前述の誤差フィードバック方法では、車両内の人物の快適性が考慮されておらず、体験が比較的乏しい。従って、優れた快適性および良好な体験を伴う知的車両の制御方法をいかにして提供するかが、解決すべき緊急の技術的課題になる。
【発明の概要】
【0003】
本願は、知的車両の快適性および運転体験を向上させるために、知的車両の制御方法を提供する。
【0004】
第1態様によれば、知的車両の制御方法が提供される。車両制御システムが、まず、現時点における知的車両の運転モード、運転スタイルモデル、および目標速度を取得し、次に、運転スタイルモデルおよび運転モードに基づいて速度制御命令を決定し、知的車両の車両実行システムに速度制御命令を送信する。前述の方法によれば、知的車両の走行が、運転者により選択される運転スタイルモデルを参照して制御されてよい。これによって、運転者の運転体験と運転者による知的車両の運転の快適性とが向上する。
【0005】
考えられる実装において、速度制御命令は、アクセル開度およびブレーキ値を含む。アクセル開度およびブレーキ値は、知的車両の走行を制御するための重要な要素である。知的車両を手動で運転する場合は、運転者が異なれば運転習慣も異なる。例えば、化石燃料を動力源とする車両では、運転者によるアクセルペダルおよびブレーキペダルの制御が別様であり、または、電気車両では、運転者による車両加速およびブレーキシステムの制御が別様である。アクセル開度は、知的車両の車両加速を制御するために使用されるパラメータであり、ブレーキ値は、知的車両の車両ブレーキを制御するために使用されるパラメータである。前述の方法によれば、アクセル開度とブレーキ値とを含む速度制御命令は、運転者により選択される運転スタイルモデルを使用することにより決定され、これによって、運転者により選択される運転スタイルモデルに基づいて知的車両の走行を制御する。これによって、運転者による知的車両の運転の快適性が向上する。
【0006】
別の考えられる実装において、車両制御システムは、意思決定コントローラおよび自動運転コントローラを含む。意思決定コントローラは、現時点の道路状況情報に基づいて走行軌道および目標速度を決定してよい。道路状況情報は、知的車両のマップシステム、位置決めデバイス、および融合システムにより提供される1つまたは複数の情報を含む。自動運転コントローラは、運転者により選択される運転モードおよび運転スタイルモデルを取得し、運転スタイルモデル、運転モード、および道路状況情報に基づいて速度制御命令を更に決定する。
【0007】
別の考えられる実装において、知的車両の運転モードは、手動運転モードおよび自動運転モードを含む。自動運転モードでは、運転者は、知的車両を通じて運転スタイルモデルを選択することができる。知的車両は運転スタイルモデルライブラリを含み、運転スタイルモデルライブラリは、複数の事前設定された運転スタイルモデルのセットを含み、各運転スタイルモデルは、異なるアクセル開度および異なるブレーキ値を含む。アクセル開度およびブレーキ値が、複数の異なる運転者の運転習慣を示すために使用される。知的車両の走行プロセスでは、異なる運転スタイルモデル内のアクセル開度およびブレーキ値に基づいて知的車両の走行を制御することで、運転者の嗜好に基づいて運転者により選択される運転スタイルを用いて知的車両の走行を制御することをシミュレートする。これによって、運転者の運転習慣により良く適合する運転動作が実装される。
【0008】
別の考えられる実装では、知的車両の運転モードが手動運転モードである場合に、車両制御システムは、事前設定された期間内に知的車両の運転者の運転データを収集することと、機械学習アルゴリズムを使用することにより運転データに基づいて、運転者の運転習慣に適合するカスタマイズ済み運転スタイルモデルを取得することであって、カスタマイズ済み運転スタイルモデルは、運転者の運転習慣に適合するアクセル開度およびブレーキ値を含む、取得することと、次に、知的車両に記憶される運転スタイルモデルライブラリにカスタマイズ済み運転スタイルモデルを追加することとを行ってよい。本願では、知的車両に事前設定される運転スタイルモデルライブラリを使用することに加えて、手動運転モードにおける運転者の運転データを収集し、運転データに基づくトレーニングを通じて運転者の現在の運転習慣に適合する運転スタイルモデルを取得することができる。知的車両が自動運転モードに切り替わった場合は、運転者は、カスタマイズ済み運転スタイルモデルを選択してよく、知的車両は、モデル内のアクセル開度およびブレーキ値に基づいて運転者の現在の運転習慣をシミュレートして、知的車両の走行を制御する。これによって、運転者の運転体験が向上する。
【0009】
別の考えられる実装において、自動運転コントローラは、現時点における知的車両の実速度と目標速度との間の誤差を計算することと、誤差に基づいて加速度を決定することであって、加速度は、現時点の実速度から目標速度までの知的車両の単位時間内の速度変化量を示すために使用される、決定することと、比例・積分・微分アルゴリズムに従って第1アクセル開度および第1ブレーキ値を決定することと、運転者により選択される運転スタイルモデルに基づいて第2アクセル開度および第2ブレーキ値を決定することと、第1アクセル開度、第1重み、第2アクセル開度、および第2重みに基づく計算を通じて第3アクセル開度を取得し、第1ブレーキ値、第3重み、第2ブレーキ値、および第4重みに基づく計算を通じて第3ブレーキ値を取得することとを行う。第1重みおよび第2重みはアクセル開度の重みであり、第1重みと第2重みとの和が1であり、第3重みおよび第4重みはブレーキ値の重みであり、第3重みと第4重みとの和が1である。第3アクセル開度と第3ブレーキ値とを含む速度制御命令は、車両実行システムに送信される。
【0010】
別の考えられる実装において、知的車両の運転スタイルモデルライブラリは、ヒューマンコンピュータインタラクションコントローラを通じて運転者に提供される。運転者は、音声、テキスト、またはボタンなどのヒューマンコンピュータインタラクションの形態で運転スタイルモデルライブラリから運転スタイルモデルを選択することができる。運転者により選択され、且つ、ヒューマンコンピュータインタラクションコントローラにより送信される、運転スタイルモデルは受信される。運転者は、知的車両の走行プロセスを全く知らない場合に自動運転プロセスを体験するのではなく、知的車両の走行ステータスを学習し、且つ、知的車両の走行プロセスを更に制御するために、ヒューマンコンピュータインタラクションコントローラを通じて音声またはテキストなどの形態で知的車両とメッセージを交換してよい。これによって、運転者の運転体験が向上する。また、緊急時には、運転者は、知的車両のコントローラに完全に依存するのではなく、ヒューマンコンピュータインタラクションコントローラにより提供されるインタラクションインタフェースまたは音声などの形態で知的車両の走行を制御してもよい。これによって、知的車両の走行プロセスの安全性が更に向上する。
【0011】
第2態様によれば、本願は、知的車両の制御装置を提供する。制御装置は、第1態様および第1態様の考えられる実装のいずれか1つに係る知的車両の制御方法を実行するように構成されているモジュールを含む。
【0012】
第3態様によれば、本願は、知的車両の制御システムを提供する。知的車両の制御システムは、意思決定コントローラおよび自動運転コントローラを含む。意思決定コントローラおよび自動運転コントローラは、第1態様および第1態様の考えられる実装のいずれか1つに係る各実行体により実行される方法の動作ステップを実行するように構成されている。
【0013】
第4態様によれば、本願は、知的車両の制御システムを提供する。制御システムは、プロセッサ、メモリ、通信インタフェース、およびバスを含む。プロセッサ、メモリ、および通信インタフェースは、バスを通じて互いに接続され、通信する。メモリは、コンピュータ実行可能命令を記憶するように構成されている。制御システムが実行されると、プロセッサは、メモリ内のコンピュータ実行可能命令を実行して、制御システム内のハードウェアリソースを使用することにより、第1態様および第1態様の考えられる実装のいずれか1つに係る方法の動作ステップを実行する。
【0014】
第5態様によれば、本願は、知的車両を提供する。知的車両は制御システムを含み、制御システムは、第4態様および第4態様の考えられる実装のいずれか1つに係る制御システムにより実装される機能を実行するように構成されている。
【0015】
第6態様によれば、本願は、コンピュータ可読記憶媒体を提供する。コンピュータ可読記憶媒体は命令を記憶する。命令がコンピュータ上で実行されると、コンピュータに、前述の態様における方法を実行させることができる。
【0016】
第7態様によれば、本願は、命令を含むコンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品がコンピュータ上で実行されると、コンピュータに、前述の態様に係る方法を実行させることができる。
【0017】
本願は、前述の態様で提供する実装に基づき、更なる組み合わせを通じてより多くの実装を提供してよい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本願に係る知的車両の論理アーキテクチャの概略図である。
【0019】
図2A】本願に係る知的車両の制御方法の概略フローチャートである。
図2B】本願に係る知的車両の制御方法の概略フローチャートである。
【0020】
図3】本願に係る自動運転モードで知的車両を制御するための方法の概略フローチャートである。
【0021】
図4】本願に係る知的車両のヒューマンコンピュータインタラクションシステムの概略図である。
【0022】
図5】本願に係る知的車両の制御装置の構造の概略図である。
【0023】
図6】本願に係る知的車両の制御システムの構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下では、本願の実施形態における添付図面を参照しながら、本願における技術的解決策について明確に説明する。
【0025】
まず、図1は、本願に係る知的車両100の論理アーキテクチャの概略図である。図に示すように、知的車両100は、ヒューマンコンピュータインタラクションコントローラ10、運転モード選択器20、車両制御システム30、車両実行システム40、位置決めデバイス50、融合システム60、およびマップシステム70を含む。
【0026】
ヒューマンコンピュータインタラクションコントローラ10は、知的車両と運転者との間のメッセージ交換を実装するように構成されている。運転者は、ヒューマンコンピュータインタラクションコントローラ10を通じて知的車両の運転モードおよび運転スタイルモデルを選択してよい。ヒューマンコンピュータインタラクションコントローラ10は、音声またはテキストなどの形態で運転者とメッセージを交換してもよいし、別の形態で、例えば、座席の振動または車内インジケータの点滅を通じて運転者とメッセージを交換してもよい。
【0027】
運転モード選択器20は、ヒューマンコンピュータインタラクションコントローラ10を使用することによって運転者により入力される情報を車両制御システム30に転送するように構成されており、次に、車両制御システム30は、運転者により選択される運転スタイルモデルに基づいて知的車両の走行を制御する。この場合は、車両制御システム30は、車両実行システム40を通じて知的車両を制御する。車両実行システム40は、以下に限定されるわけではないが、ブレーキシステム、ステアリングシステム、運転システム、または照明システムなどの、車体の走行を制御するデバイスまたはサブシステムを含む。
【0028】
車両制御システム30は、手動運転コントローラ301、意思決定コントローラ302、および自動運転コントローラ303を更に含む。手動運転コントローラ301は、ユーザ運転データを取得および記憶するように構成されており、ニューラルネットワークモデルを使用することにより収集済みデータをトレーニングして、トレーニングデータの運転スタイルモデルを取得するように構成されている。手動運転コントローラ301は、手動運転コントローラのメモリに取得済みユーザ運転データを記憶してもよいし、知的車両の別の記憶デバイスにユーザデータを記憶してもよい。意思決定コントローラ302は、以下に限定されるわけではないが、グローバル経路計画と、行動計画と、動作計画とを含む意思決定および経路計画を知的車両に提供するように構成されているサブシステムである。自動運転コントローラ303は、意思決定コントローラ302により計画される知的車両の走行軌道および速度と、運転者により選択される運転スタイルモデルとに基づいて知的車両の走行を制御するように構成されている。
【0029】
考えられる実装において、車両制御システム30は、1つのプロセッサまたは1つのプロセッサ群を含んでよい。手動運転コントローラ301、意思決定コントローラ302、および自動運転コントローラ303の機能が1つまたは複数のプロセッサにより実装されるか、または、手動運転コントローラ301、意思決定コントローラ302、および自動運転コントローラ303の機能が1つのプロセッサ群により実装される。オプションで、手動運転コントローラ301、意思決定コントローラ302、および自動運転コントローラ303の機能は、ハードウェアに加えて、ソフトウェアを使用することにより、または、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせを使用することにより実装されてよい。
【0030】
位置決めデバイス50は、グローバルポジショニングシステム(global positioning system、GPS)または慣性航法システム(inertial navigation system、INS)などの、車両位置を決定するように構成されているデバイスまたはサブシステムを含む。
【0031】
融合システム60は、知的車両の感知デバイス601に融合機能、関連付け機能、および予測機能を提供して目標対象を取得し、これによって、以下に限定されるわけではないが、人物、車両、またはバリケードなどの物理的対象の位置、サイズ、姿勢、および速度を含む正確な静的障害物情報および/または動的障害物情報を知的車両の各サブシステムに提供するように構成されている。感知デバイス601は、目標の検出および分類を知的車両に提供するように構成されており、レーダ、センサ、およびカメラなどの感知デバイスのうちの1つまたは複数を含む。
【0032】
オプションで、知的車両100は、マップファイルを記憶するように構成されているメモリ80を更に含んでよい。車両コントローラ30は、メモリ80からマップファイルを取得し、リアルタイムの道路状況情報を参照して知的車両の走行軌道を制御してよい。
【0033】
なお、本願の知的車両は、知的運転機能をサポートする車両を含み、化石燃料を動力源とする車両、電気車両、または別の新型エネルギー車両であってよい。図1に示す知的車両の論理アーキテクチャは、本願で提供する知的車両の例に過ぎず、知的車両の構造は、本願で保護すべき技術的解決策を制限するものではない。また、図1に示すデバイスまたはシステムは、ソフトウェアまたはハードウェアを使用することにより実装されてよい。本願では、これについて限定しない。
【0034】
以下では、図2Aおよび図2Bを参照しながら、本願で提供する知的車両の制御方法について更に説明する。図に示すように、この方法は以下のステップを含む。
【0035】
S201:運転者により選択される運転モードを取得する。
【0036】
知的車両が、図1に示すヒューマンコンピュータインタラクションコントローラ10を通じて運転者の命令を受信してよい。例えば、図3は、ヒューマンコンピュータインタラクションインタフェースの概略図である。図に示すように、運転者は、運転モード選択インタフェース10を通じて手動運転モード101または自動運転モード102を選択してよい。インタフェースは、複数の異なるモードを識別することができる、色および/またはパターンなどの識別子を使用することにより複数の異なるモードを示してよい。
【0037】
オプションで、ヒューマンコンピュータインタラクションコントローラは、前述のインタフェースボタンプロンプトに加えて音声プロンプトを提供し、運転者が音声を使用することにより命令を入力することができるようにしてもよく、その結果、ユーザが運転モードを便利に選択する。音声選択中、運転者は、まず、実際の要件に従って音声の形態で運転モードを選択することができる。
【0038】
運転者が自動運転モードを選択する場合は、ヒューマンコンピュータインタラクションシステムが更に、音声またはインタフェースの形態で、運転者が選択する必要がある運転スタイルの入力を促してよい。更に、ヒューマンコンピュータインタラクションシステムは、各運転スタイルの簡単な説明を提供してよい。具体的には、ヒューマンコンピュータインタラクションシステムは、インタフェースまたは音声の形態で各運転スタイルモデルの特徴を運転者に通知してよく、その結果、運転者は、運転者が必要とする運転スタイルをより良く選択する。例えば、図3は、運転スタイルモデル選択インタフェース30の概略図を提供する。図に示すように、知的車両は、3つの運転スタイルモデル、すなわち、運転スタイルモデル301、運転スタイルモデル302、およびカスタマイズ済み運転スタイルモデル303を含む。また、ヒューマンコンピュータインタラクションコントローラは、視覚化されたインタフェースを通じて知的車両と知的車両の運転者との間のインタラクションに関する情報を提示してよい。例えば、ヒューマンコンピュータインタラクションインタフェースは、フロントガラス上に表示されてもよいし、バックミラーまたは別の車載デバイスもしくはインタフェース上に表示されてもよい。これによって、運転者と知的車両システムとの間のインタラクションが容易になる。知的車両が運転者の命令を受信した後、運転モード選択器20は、運転者により選択される運転モードを取得し、知的車両の走行軌道および速度を更に計画する。
【0039】
S202:運転モードが自動運転モードであるかどうかを判断する。
【0040】
車両制御システムが、運転者により選択される運転モードが自動運転モードであるかどうかを判断する必要があり、運転モードが自動運転モードである場合はステップS203を実行し、または、運転モードが手動運転モードである場合はステップS213を実行する。
【0041】
S203:運転モードが自動運転モードである場合は、運転者により選択される運転スタイルモデルを取得する。
【0042】
運転モードが自動運転である場合は、運転者は、ヒューマンコンピュータインタラクションインタフェースを通じて運転スタイルを更に選択してよい。各運転スタイルは、1つの運転スタイルモデルに対応する。例えば、図3に示す運転スタイル選択プロンプト30の場合は、インタフェースは、運転スタイルモデル301、運転スタイルモデル302、およびカスタマイズ済み運転スタイルモデル303を含む。運転者が運転スタイルモデルを決定した後、選択結果(例えば、運転スタイルモデルの識別子)がヒューマンコンピュータインタラクションコントローラおよび運転モード選択器を通じて車両コントローラに転送され、自動運転コントローラが、運転者により選択される運転スタイルに基づいて目的地までの知的車両の走行を制御する。
【0043】
知的車両には、少なくとも1つの運転スタイルモデルがある。運転スタイルモデルが、以下の方式のいずれか1つまたは複数で取得されてよい。
【0044】
方式1:運転スタイルモデルが知的車両に事前設定される。
【0045】
運転スタイルモデルライブラリが知的車両に事前設定され、運転スタイルモデルライブラリは、少なくとも1つの運転スタイルモデルを含む。各運転スタイルモデルは、知的車両の製造中に事前設定されてよい。具体的には、運転者の複数の事前設定型の運転データが元データ(または運転データと呼ばれる)として使用されてよく、元データは、機械学習アルゴリズムを使用することによりトレーニングされ、これによって、運転者の各タイプの運転習慣に適合する運転スタイルモデルを取得する。
【0046】
具体的には、運転スタイルモデルが、ニューラルネットワークモデルを使用することにより元データをトレーニングすることで取得されてよい。実装中、運転スタイルモデルは、サービス要件に従って任意のニューラルネットワークモデルを選択することにより元データをトレーニングすることで取得されてよい。例えば、運転データが、3層のニューロンを有するニューラルネットワークモデルを使用することによりトレーニングされる。ニューラルネットワークモデルは、3つの層、すなわち、入力層、隠れ層、および出力層を主に含む。入力層は、運転データの幾つかの特徴を抽出するために使用され、隠れ層は、入力層により抽出される特徴以外の運転データの特徴を抽出するために使用され、出力層は、入力層および隠れ層により抽出される特徴を処理して最終結果を出力するために使用される。オプションで、隠れ層は、入力層により抽出される特徴に基づいて必要とされるものを更に抽出し、入力層により抽出される特徴以外の特徴を抽出してよい。オプションで、ニューラルネットワークモデルにより取得される運転スタイルモデルを確実に運転者の実際の運転データに近づけるために、トレーニング結果が、逆伝播(back propagation、BP)の原理を使用することにより訂正されてよい。具体的には、ニューラルネットワークモデルにより取得される出力結果が実際のデータと比較され、各層のニューロンの重みが更に調整され、その結果、ニューラルネットワークモデルのトレーニングを通じて取得される結果が実際のデータに近づく。ニューラルネットワークモデル内の各層のニューロンの数が、特定のサービス要件に従って設定されてよい。
【0047】
運転スタイルモデルのトレーニング中、目標速度、現在の速度、および加速度が逆伝播ニューラルネットワークモデルの入力値として使用され、アクセル開度およびブレーキ値がニューラルネットワークモデルの出力値である。アクセル開度は、知的車両の車両加速を制御するために使用されるパラメータであり、アクセル開度が大きいほど、加速度が大きいことを示す。例えば、化石燃料を動力源とする車両では、エンジンがエアスロットル開度に基づいて燃料噴射量を制御し、これによって、車両加速を制御する。アクセル開度はエアスロットル開度である。実装中、アクセル開度とは、運転者がアクセルペダルを通じてエアスロットル開度を制御することを意味する。代替的に、アクセル開度はアクセルペダル開度として理解されてもよく、これは、運転者がアクセルペダルを踏んでアクセルペダルに圧力を加えるときにアクセルペダルと水平面との間に形成される角度と同様である。代替的に、アクセル開度は、運転者がアクセルペダルを踏む深さとして単に理解される。電気車両において、アクセル開度は、アクセル制御装置(例えば、電気加速ボタン)を通じて車両加速を制御するために使用されるパラメータである。ブレーキ値は、知的車両の車両ブレーキを制御するために使用されるパラメータであり、ブレーキ値が大きいほど、ブレーキトルクが大きいことを示す。例えば、化石燃料を動力源とする車両において、ブレーキ値とは、運転者が圧力をかけてブレーキペダルを踏み、この圧力が増幅され、バキュームブースタを通じて伝えられることと、増幅された力がブレーキマスタシリンダを押してブレーキ液を加圧することと、ブレーキ液がブレーキコンビネーションバルブを通じて前輪ブレーキおよび後輪ブレーキに分配され、ブレーキ警告灯が同時に点灯して、前輪ブレーキおよび後輪ブレーキを制御し、それにより、車両にブレーキをかけさせることとを意味する。電気車両において、ブレーキ値は、ブレーキ制御装置を通じて車両ブレーキを制御するために使用されるパラメータである。
【0048】
以下では、例を参照しながら、本願における運転スタイルモデルを取得するプロセスについて更に説明する。まず、運転者の実際の運転データから、時点tにおける速度v(t)、アクセルペダル位置(pedal position、PP)PP(t)、ブレーキペダル位置(brake position、BP)BP(t)、および時点t+kにおける速度v(t+k)が抽出される。知的車両の走行中に速度を取得するプロセスに遅延が存在する場合があるので、知的車両の実際の出力にはk秒の遅延がある。例えば、kの値は通常1~2秒である。ここでは、v(t)、PP(t)、およびBP(t)がニューラルネットワークモデルの入力として使用され、ニューラルネットワークモデル内の各層のニューロントレーニングの後に取得される時点t+kにおける速度がv'(t+k)である。この場合は、ニューラルネットワークモデルのトレーニングを通じて取得される速度と実速度との間の差が、v(t+k)-v'(t+k)である。次に、逆伝播の原理を使用することによりこの差を更に修正して、ニューラルネットワークトレーニングモデルにより取得されるデータを確実に実際の値に近づける。最終的に、ニューラルネットワークモデルに基づいてトレーニングされる運転スタイルモデルが取得される。運転者の運転データを継続的にトレーニングすることにより、運転スタイルモデルの正確さが向上し、最終的に、ニューラルネットワークモデルにより取得されるデータは、運転者の実際の運転データに近づく。
【0049】
オプションで、運転スタイルモデルのトレーニングが継続的且つ反復的である。継続的なトレーニングを通じて、最終的に取得される運転スタイルモデルが運転者の実際の運転データに近づく。実装中、事前設定された状況に基づいて反復回数が決定されてよい。例えば、ニューラルネットワークモデルのトレーニングを通じて取得される速度と実速度との間の差が事前設定された値より小さい場合は、ニューラルネットワークモデルのトレーニングは停止する。代替的に、トレーニング結果と実際の結果との間の差が事前設定された誤差範囲内にある場合は、モデルのトレーニングは完了する。
【0050】
なお、ニューラルネットワークモデルのトレーニングは、ブラックボックスプロセス、具体的には、複数の運転データ群をモデル入力として使用し、且つ、各反復プロセスで各層のニューロンに対する計算処理を実行して、最終的に取得されるモデルを運転者の実際の操作に近づけることができるプロセスとして理解されてよい。実装中、入力層、隠れ層、および出力層のニューロンの数が、特定の要件に従って設定されてよい。本願では、ニューラルネットワークモデルについて限定しない。実装中、ニューラルネットワークモデルは、サービス要件に従って選択されてよい。また、ニューラルネットワークモデル内の各層のニューロンを処理するプロセスと結果訂正プロセスとは、本願を制限するものではない。
【0051】
例えば、運転者Aの運転データおよび運転者Bの運転データが、体験ライブラリ内のサンプルデータとして使用される。これら2人の運転者が知的車両を運転するときに生成される運転データが収集され、運転データは、機械学習アルゴリズムの入力として使用され、複数の異なる運転スタイルモデルが機械学習アルゴリズムトレーニングを通じて取得され、事前設定された運転スタイルモデルとして使用される。この場合は、体験ライブラリは、2つの異なる運転者スタイルモデルを含む。運転者Aが高速運転を好む場合は、運転者Aの運転データをトレーニングすることにより取得される運転スタイルモデルで運転者の嗜好が考慮され、アクセルとブレーキとを切り替える操作が多くなる。運転者Bが円滑な運転を行う場合は、運転者Bの運転データをトレーニングすることにより取得される運転スタイルモデルでは緊急ブレーキおよび頻繁な加速がめったに起こらない。
【0052】
方式2:知的車両が、運転者の現在の運転データに基づくトレーニングを通じて運転スタイルモデルを取得する。
【0053】
代替的に、運転者が、運転者の運転習慣に基づいて収集される運転データをトレーニングすることにより取得されるカスタマイズ済み運転スタイルモデルを選択してもよい。具体的なトレーニングプロセスについては、方式1の事前設定された運転スタイルモデルをトレーニングするプロセスを参照されたい。本願では、これについて限定しない。
【0054】
S204:意思決定コントローラが、現在の道路状況情報に基づいて目標速度および軌道制御命令を決定する。
【0055】
知的車両が自動運転モードにある場合は、意思決定コントローラは、融合システムから障害物情報(以下に限定されるわけではないが、障害物のタイプ、高さ、および速度などを含む)を取得し、マップシステムおよび位置決めデバイスから知的車両の位置情報を取得してよい。次に、車両制御システム内の意思決定コントローラは、グローバル経路計画および/またはローカル経路計画を実行し、知的車両が目的地に到着するまでの走行軌道のうちの全てまたは幾つかを出力する。次に、意思決定コントローラは、知的車両が目的地に到着するまでの走行軌道のうちの全てまたは幾つかを自動運転コントローラに送信し、ステップS205の動作を実行する。
【0056】
オプションで、意思決定コントローラは、融合システム、マップシステム、および位置決めデバイスのうちの少なくとも1つにより提供される情報のみを取得し、前述の情報に基づいてグローバル経路計画および/またはローカル経路計画を実行し、知的車両が目的地に到着するまでの走行軌道のうちの全てまたは幾つかを出力してよい。
【0057】
S205:運転者により選択される運転スタイルモデルと目標速度とに基づいて速度制御命令を決定する。
【0058】
運転スタイルモデルおよび従来の目標速度調整方法を参照して、車両制御システム内の自動運転コントローラは、入力目標速度を制御し、アクセルおよびブレーキの制御を含む縦方向の命令を出力し、横方向の命令および縦方向の命令を車両実行システムに送信し、これによって、知的車両の走行を制御する。従来の目標速度調整方法は、比例・積分・微分方法である場合もあるし、別の方法である場合もある。本願では、これについて限定しない。
【0059】
図4は、本願に係る自動運転モードにおける制御プロセスの概略図である。図に示すように、車両制御システム内の自動運転コントローラは、意思決定コントローラから知的車両の目標速度および実速度を取得し、目標速度および実速度に基づいて誤差を計算し、誤差を比例・積分・微分アルゴリズムの入力として使用し、知的車両が目標速度に到達するために必要とされるアクセル開度およびブレーキ値を、誤差フィードバック方式を使用することにより計算し、アクセル開度およびブレーキ値を、知的車両が目標速度に到達するための幾つかの共通要件として使用する。比例・積分・微分アルゴリズムは、比例ユニット、積分ユニット、および微分ユニットを含む。誤差は、これら3つのユニットのゲインを調整することにより調整されてよく、誤差が大きいほど、調整範囲が大きいことを示す。具体的な実装プロセスについては、従来の技術における処理プロセスを参照されたい。本願では、詳細について説明しない。
【0060】
また、自動運転コントローラは、知的車両が目標速度に到達する加速度を目標速度および誤差に基づいて計算することであって、加速度は、知的車両の速度が単位時間内に目標速度に調整される速度変化量を実装するために使用される、計算することと、予想される加速度と目標速度とを運転スタイルモデルアルゴリズムの入力として使用することと、機械学習アルゴリズムを使用することにより計算を通じてアクセル開度およびブレーキ値を取得することと、アクセル開度およびブレーキ値をパーソナリティ部分として使用することとを行う。本願では、機械学習アルゴリズムのタイプについて限定しない。入力層、隠れ層、および出力層にニューロンを含むニューラルネットワークアルゴリズムが使用されてよい。各層のニューロンの数が、特定のサービス要件に従って設定されてよい。例えば、実装中、各層のニューロンの数は、精度要件に従って設定されてよく、ニューロンの数が多いほど、精度が高いことを示す。次に、運転スタイルモデルアルゴリズムを使用することにより取得されるアクセル開度およびブレーキ値は取得される。
【0061】
最終的に、運転スタイルモデルアルゴリズムを使用することにより取得されるアクセル開度と、比例・積分・微分アルゴリズムを使用することにより取得されるアクセル開度とは加算され、運転スタイルモデルアルゴリズムを使用することにより取得されるブレーキ値と、比例・積分・微分アルゴリズムを使用することにより取得されるブレーキ値とは加算される。具体的な加算方法は、重み付け方法を使用することによって、運転スタイルモデルアルゴリズムを使用することにより取得されるアクセル開度およびブレーキ値の重みと、比例・積分・微分アルゴリズムを使用することにより取得されるアクセル開度およびブレーキ値の重みとを、実装中のサービス要件に従って設定することであってよい。重みは、これら2つのアルゴリズムの各々を使用することにより取得されるアクセル開度またはブレーキ値の割合を示すために使用される。例えば、知的車両のハードウェア能力に基づいて、比例・積分・微分アルゴリズムを使用することにより取得されるアクセル開度と、運転スタイルモデルアルゴリズムを使用することにより取得されるアクセル開度とについて重みがそれぞれ構成され、前述のアクセル開度の重みの和が1であり、比例・積分・微分アルゴリズムを使用することにより取得されるブレーキ値と、運転スタイルモデルアルゴリズムを使用することにより取得されるブレーキ値とについて重みがそれぞれ構成され、前述のブレーキ値の重みの和が1である。最終的に、運転スタイルモデルアルゴリズムを使用することにより取得されるアクセル開度およびブレーキ値と、従来のアルゴリズムを使用することにより取得されるアクセル開度およびブレーキ値とに基づく重み加算の後に取得されるアクセル開度およびブレーキ値が、速度制御命令として車両実行システムに送信される。例えば、運転スタイルモデルアルゴリズムを使用することにより取得されるアクセル開度がS1であり、運転スタイルモデルアルゴリズムを使用することにより取得されるブレーキ値がB1であり、比例・積分・微分アルゴリズムを使用することにより取得されるアクセル開度がS2であり、且つ、比例・積分・微分アルゴリズムを使用することにより取得されるブレーキ値がB2であると仮定する。知的運転車両は、比較的優れた運転性能およびエンジン性能を有する車両である。運転スタイルモデルアルゴリズムを使用することにより取得されるアクセル開度の重みがa1であり、比例・積分・微分アルゴリズムを使用することにより取得されるアクセル開度の重みがa2であり、比例・積分・微分アルゴリズムを使用することにより取得されるブレーキ値の重みがb1であり、運転スタイルモデルアルゴリズムを使用することにより取得されるブレーキ値の重みがb2であり、a1+a2=1であり、且つ、b1+b2=1であると仮定する。この場合は、最終的に決定されるアクセル開度Sが(S1xa1+S2xa2)であり、最終的に決定されるブレーキ値Bが(B1xb1+B2xb2)である。従って、自動運転コントローラは、アクセル開度Sおよびブレーキ値Bを速度制御命令の内容として知的車両内の車両実行システムに送信し、これによって、知的車両の走行を制御してよい。
【0062】
考えられる実施形態において、前述の重み設定プロセスでは、アルゴリズムごとに重みが設定されてもよい。この場合は、最終的に決定されるアクセル開度およびブレーキ値は、各アルゴリズムに割り当てられる重みを使用することにより計算を通じて取得される。例えば、前述の例における重み設定は、a1=b1およびa2=b2である。この場合は、最終的に決定されるアクセル開度Sは(S1+S2)xa1であり、最終的に決定されるブレーキ値Bは(B1+B2)xb1である。
【0063】
考えられる実施形態において、知的車両の走行プロセスでは、別の車両の走行軌道および速度が不確実であり、結果的に、車両の走行軌道および速度は、知的車両の走行軌道および速度に影響を及ぼす。従って、速度および走行軌道を決定する前述のプロセスを、複数の異なる道路状況に基づいて複数回にわたって調整する必要がある。また、車両走行プロセスにおける複数の異なる道路状況に基づいて、車両走行のアクセル開度およびブレーキ値も、リアルタイムでまたは周期的に調整する必要がある。すなわち、知的車両が自動運転モードで走行する場合は、ステップS204およびステップS205のプロセスを繰り返す必要があるかもしれない。また、運転モード切り換えプロセスを考慮して知的車両を設計する必要もある。例えば、知的車両の運転モードが自動運転から手動運転に切り替えられる。この場合は、S206の動作プロセスを実行する必要がある。
【0064】
なお、知的車両では、比例・積分・微分アルゴリズムに加えて、別のアルゴリズムを使用することにより、目標速度に到達する共通部分が決定されてもよい。本願では、これについて限定しない。
【0065】
S206:運転者が運転スタイルモデルを調整するかどうかを判断する。
【0066】
S207:運転者が運転スタイルモデルを調整する場合は、運転者により調整される運転スタイルモデルと目標速度とに基づいて速度制御命令を更新する。
【0067】
知的車両が複数の運転スタイルモデルを含む場合は、運転者は、知的車両の走行プロセスで運転スタイルモデルを自由に変更し、これによって、異なる運転体験を取得することができる。運転者が運転スタイルを調整する場合は、ステップS204およびステップS205を参照して、新たな軌道制御命令および速度制御命令が決定される。
【0068】
S208:車両実行システムに更新済み軌道制御命令および更新済み速度制御命令を送信する。
【0069】
知的車両において、車両実行システムは車両制御の管理を担う。車両実行システムは、ブレーキシステム(例えば、ブレーキ)、ステアリングシステム(例えば、ハンドル)、運転システム(例えば、エンジン)、および照明システム(例えば、車両ランプ)を含む。車両実行システムで軌道制御命令および速度制御命令を実行し、これによって、知的車両の走行を制御する必要がある。
【0070】
S209:車両実行システムにより返される速度フィードバック結果を取得する。
【0071】
任意的なステップにおいて、車両実行システムは、軌道制御命令および速度制御命令を実行した後、車両制御システムに実行結果を返してよい。実行結果は、命令実行の成功または失敗を含む。
【0072】
S210:運転者が運転スタイルモデルを調整しない場合は、車両実行システムに軌道制御命令および速度制御命令を送信する。
【0073】
S211:車両実行システムにより返される速度フィードバック結果を取得する。
【0074】
考えられる実施形態において、運転者が運転モードを調整しない場合は、車両制御システムは、ステップS205で決定される軌道制御命令および速度制御命令を車両実行システムに直接送信し、車両実行システムは、命令の内容に基づいて知的車両の走行を制御する。
【0075】
S212:次に、運転者が運転モードを調整するかどうかを判断する。
【0076】
知的車両の走行プロセスでは、現在の運転者がハンドルの回転、ブレーキ、またはヒューマンコンピュータインタラクションインタフェースを通じて運転モードを随時調整してよい。運転者が運転モードを調整しない場合は、ステップS203が繰り返される。運転者が運転モードを手動運転モードに調整する場合は、ステップS213が実行される。
【0077】
考えられる実施形態において、知的車両には、配送前に運転スタイルモデルが事前設定される。しかしながら、複数の異なる運転者の運転習慣に適合させるために、知的車両が手動運転モードに入ると、現在の運転者の運転データが収集されてよく、運転データは入力として使用され、カスタマイズ済み運転スタイルモデルが機械学習アルゴリズムを再使用することによりトレーニングされ、知的車両の運転スタイルモデルは更新される。具体的な動作ステップについては、ステップS213からステップS215を参照されたい。車両制御システムは、現時点の運転データに基づいてカスタマイズ済み運転スタイルモデルを取得してよい。
【0078】
S213:運転モードが手動運転モードである場合は、運転者の運転データを取得する。
【0079】
知的車両が手動運転モードにある場合は、運転者は、インタフェースを通じて、運転スタイルモデルをカスタマイズするかどうかの入力を促されてよい。図3に示すように、知的車両が手動運転モードにある場合は、運転者は、図3の手動運転モード選択インタフェース20を通じて、運転スタイルモデルをカスタマイズするかどうかの入力を促されてよい。運転者がカスタマイズ済み運転スタイルモデル201をタップした場合は、現時点における運転者の運転データが収集され、その後、運転データは、機械学習アルゴリズムの入力として使用される。
【0080】
オプションで、知的車両が手動運転モードにある場合は、車両制御システムは、音声または別の形態で運転者とメッセージを更に交換して、運転スタイルモデルをカスタマイズするかどうかを判断してよい。
【0081】
なお、図3は、本願で提供する例に過ぎない。本願の学習後、当業者は、別の形態またはインタフェース構造を使用して、運転モード、運転スタイルモデル、またはカスタマイズ済み運転スタイルモデルを選択するよう運転者を促してもよい。
【0082】
S214:機械学習アルゴリズムを使用することにより運転データをトレーニングして、トレーニング済み運転スタイルモデルを取得する。
【0083】
S215:知的車両の運転スタイルモデルライブラリにカスタマイズ済み運転スタイルモデルを追加する。
【0084】
知的車両が手動運転モードにある場合は、車両制御システムの手動運転コントローラが、まず、運転者の運転データを収集し、次に、方式1の方法を使用することにより運転データに基づいて前述の運転データをトレーニングして、現在の運転者の運転データに基づくトレーニングを通じて運転スタイルモデルを取得し、運転スタイルモデルをカスタマイズ済み運転スタイルモデルとして知的車両の運転スタイルモデルライブラリに追加し、運転者が自動運転モードで運転スタイルモデルを選択して、ステップS203からステップS209の動作プロセスを使用することにより知的車両の走行を制御することができるようにする。
【0085】
考えられる実施形態では、現在の運転者の運転データを収集した後、車両制御システムは、知的車両の運転データに対するトレーニングを完了することに加えて、クラウドデータセンタに運転データを更に送信してよく、クラウドデータセンタは、運転データおよび機械学習アルゴリズムに基づいてカスタマイズ済み運転スタイルモデルを生成する。前述のプロセスの説明によれば、運転データはクラウドデータセンタに送信され、クラウドデータセンタは、運転データをトレーニングするようバーチャルマシンをスケジューリングし、これによって、カスタマイズ済み運転スタイルモデルを取得してよい。これによって、知的車両内の車両制御システムの計算能力が処理速度を制限するという問題を回避し、知的車両の計算負荷を軽減することができる。また、クラウドデータセンタは更に、前述のモデルを記憶し、クラウドデータセンタに記憶される運転スタイルモデルライブラリに前述のモデルを追加し、運転者が位置付けられる知的車両に加えて、別の車両に運転スタイルモデルを追加してよく、その結果、別の車両は、運転スタイルモデルライブラリを更新し、運転者の選択のための運転スタイルモデルの数を増やす。更に、知的車両は、クラウドデータセンタに運転者の更新済み運転データを送信してもよく、クラウドデータセンタは、運転者に対応する運転スタイルモデルを更新し、その結果、運転スタイルモデルにより出力される結果が運転者の実際の運転プロセスに近づく。オプションで、運転者の運転データは、クラウドデータセンタに記憶され、運転者がヒューマンコンピュータインタラクションインタフェースを通じてカスタマイズ済みモデルを選択する場合は、知的車両の走行プロセスは、クラウドデータセンタによりリモート制御されてもよい。すなわち、運転者により選択される運転スタイルモデルの識別子がクラウドデータセンタに送信され、クラウドデータセンタは、運転スタイルモデルで規定されるアクセル開度およびブレーキ値に基づいて知的車両の走行プロセスを制御する。
【0086】
本願で提供する知的車両の制御方法によれば、知的車両には、2つのモード、すなわち、手動運転モードおよび自動運転モードが設定される。手動運転モードでは、車両制御システムは、現在の運転者の運転データをリアルタイムで収集し、機械学習アルゴリズムを使用することにより運転者のカスタマイズ済み運転スタイルモデルをトレーニングし、知的車両の運転スタイルモデルライブラリを更新し、運転者が自動運転モードでカスタマイズ済み運転スタイルモデルを選択して、知的車両の走行を制御することができるようにしてよい。これによって、運転者の運転体験が向上する。自動運転モードでは、運転者により選択される運転スタイルモデルは、従来の比例・積分・微分方法と組み合わされる。現在の速度が調整される場合は、運転者の運転習慣は、運転者により選択される運転スタイルモデルに基づいて運転プロセスで更に考慮され、これによって、知的車両に対する擬人化制御を実装する。知的車両の自動運転プロセスは、運転者の運転習慣に近づく。これによって、運転体験が向上する。更には、知的車両の製造時に典型的な運転スタイルモデルライブラリを事前設定することに加えて、カスタマイズ済み運転スタイルモデルが知的車両の現在の運転者の運転データに基づいて再トレーニングされてもよく、カスタマイズ済み運転スタイルモデルは、知的車両の運転スタイルモデルライブラリに追加される。自動運転モードでは、運転者は、カスタマイズ済み運転スタイルモデルを選択することができ、その結果、知的車両は、運転者により選択される運転スタイルモデル内のパラメータに基づいて走行する。これによって、運転者の運転体験が更に向上する。
【0087】
なお、説明を簡単にするために、方法の実施形態は、一連の動作の組み合わせとして説明されている。しかしながら、説明されている動作の順序に本願が限定されるわけではないことが、当業者には分かるはずである。
【0088】
以上では、図1から図4を参照しながら、本願で提供する知的車両の制御方法について詳細に説明した。以下では、図5および図6を参照しながら、本願で提供する知的車両の制御装置、制御システム、および知的車両について更に説明する。
【0089】
図5は、本願に係る制御装置500の構造の概略図である。図に示すように、制御装置500は、取得ユニット501、自動運転制御ユニット502、および送信ユニット503を含む。
【0090】
取得ユニット501は、現時点における知的車両の運転モード、運転スタイルモデル、および目標速度を取得するように構成されている。
【0091】
自動運転制御ユニット502は、運転モードおよび運転スタイルモデルに基づいて速度制御命令を決定するように構成されている。
【0092】
送信ユニット503は、知的車両の車両実行システムに速度制御命令を送信するように構成されている。
【0093】
本願の本実施形態における装置500が特定用途向け集積回路(application-specific integrated circuit、ASIC)またはプログラマブルロジックデバイス(programmable logic device、PLD)を使用することにより実装され得ることを理解されたい。PLDは、複合プログラマブルロジックデバイス(complex programmable logic device、CPLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field-programmable gate array、FPGA)、ジェネリックアレイロジック(generic array logic、GAL)、またはこれらの任意の組み合わせであってよい。代替的に、図2Aおよび図2Bに示す知的車両の制御方法がソフトウェアを使用することにより実装され得る場合は、装置500および装置のモジュールは、ソフトウェアモジュールであってよい。
【0094】
オプションで、速度制御命令は、アクセル開度およびブレーキ値を含み、アクセル開度は、知的車両の車両加速を制御するために使用されるパラメータであり、ブレーキ値は、知的車両の車両ブレーキを制御するために使用されるパラメータである。
【0095】
オプションで、自動運転制御ユニット502は、現時点の道路状況情報に基づいて走行軌道および目標速度を決定することであって、道路状況情報は、知的車両のマップシステム、位置決めデバイス、および融合システムにより提供される情報を含む、決定することを行うように更に構成されており、取得ユニット501は、運転者により選択される運転モードおよび運転スタイルモデルを取得するように更に構成されている。
【0096】
オプションで、運転モードは自動運転モードであり、知的車両は運転スタイルモデルライブラリを含み、運転スタイルモデルライブラリは、複数の運転スタイルモデルのセットを含み、各運転スタイルモデルは、異なるアクセル開度およびブレーキ値を含む。
【0097】
オプションで、取得ユニット501は、運転モードが手動運転モードである場合に、事前設定された期間内に知的車両の運転者の運転データを収集するように更に構成されており、自動運転制御ユニット502は、機械学習方法を使用することにより運転データに基づいてカスタマイズ済み運転スタイルモデルを取得することであって、カスタマイズ済み運転スタイルモデルは、運転者の運転習慣に適合するアクセル開度およびブレーキ値を含む、取得することと、運転スタイルモデルライブラリにカスタマイズ済み運転スタイルモデルを追加することとを行うように更に構成されている。
【0098】
オプションで、自動運転制御ユニット502は、現時点における知的車両の実速度と目標速度との間の誤差を計算することと、誤差に基づいて加速度を決定することであって、加速度は、現時点の実速度から目標速度までの知的車両の単位時間内の速度変化量を示すために使用される、決定することと、比例・積分・微分アルゴリズムに従って第1アクセル開度および第1ブレーキ値を決定することと、運転者により選択される運転スタイルモデルに基づいて第2アクセル開度および第2ブレーキ値を決定することと、第1アクセル開度、第1重み、第2アクセル開度、および第2重みに基づく計算を通じて第3アクセル開度を取得することであって、第1重みと第2重みとの和が1である、取得することと、第1ブレーキ値、第3重み、第2ブレーキ値、および第4重みに基づく計算を通じて第3ブレーキ値を取得することであって、第3重みと第4重みとの和が1である、取得することと行うように更に構成されている。
【0099】
送信ユニット503は、第3アクセル開度と第3ブレーキ値とを含む速度制御命令を車両実行システムに送信するように更に構成されている。
【0100】
オプションで、装置は、ヒューマンコンピュータインタラクションコントローラを通じて運転者に知的車両の運転スタイルモデルライブラリを提供するように構成されているプロンプトユニット504を更に含む。運転者は、音声、テキスト、またはボタンの形態で運転スタイルモデルライブラリから運転スタイルモデルを選択することができる。
【0101】
取得ユニット501は、運転者により選択され、且つ、ヒューマンコンピュータインタラクションコントローラにより送信される、運転スタイルモデルを受信するように更に構成されている。
【0102】
それに対応して、本願の本実施形態における制御装置500は、本願の実施形態で説明する方法を実行してよい。また、制御装置500内のユニットの前述の動作および/または機能並びに他の動作および/または機能は、図2Aおよび図2Bにおける方法の対応する手順を実装するために使用される。簡潔にするために、ここでは詳細について改めて説明しない。
【0103】
図6は、本願に係る制御システム600の概略図である。図に示すように、制御システム600は、プロセッサ601、メモリ602、通信インタフェース603、メモリ604、およびバス605を含む。プロセッサ601、メモリ602、通信インタフェース603、およびメモリ604は、バス605を通じて互いに通信し、または、別の方式で、例えば、無線伝送を通じて互いに通信してよい。メモリ602は、命令を記憶するように構成されている。プロセッサ601は、メモリ602に記憶される命令を実行するように構成されている。メモリ602はプログラムコードを記憶し、プロセッサ601は、メモリ602に記憶されるプログラムコードを呼び出して、現時点における知的車両の運転モード、運転スタイルモデル、および目標速度を取得する動作と、運転モードおよび運転スタイルモデルに基づいて速度制御命令を決定する動作と、知的車両の車両実行システムに速度制御命令を送信する動作とを実行してよい。
【0104】
本願の本実施形態では、プロセッサ601がCPUであってもよいし、プロセッサ601が別の汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor、DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)もしくは別のプログラマブルロジックデバイス、ディスクリートゲートもしくはトランジスタロジックデバイス、またはディスクリートハードウェアコンポーネントなどであってもよいことを理解されたい。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサまたは任意の従来のプロセッサなどであってよい。
【0105】
メモリ602は、リードオンリメモリおよびランダムアクセスメモリを含み、プロセッサ601に命令およびデータを提供してよい。メモリ602は、不揮発性ランダムアクセスメモリを更に含んでよい。例えば、メモリ602は、デバイスタイプに関する情報を更に記憶してよい。
【0106】
メモリ602は、揮発性メモリまたは不揮発性メモリであってもよいし、揮発性メモリおよび不揮発性メモリを含んでもよい。不揮発性メモリは、リードオンリメモリ(read-only memory、ROM)、プログラマブルリードオンリメモリ(programmable ROM、PROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(erasable PROM、EPROM)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(electrically EPROM、EEPROM)、またはフラッシュメモリであってよい。揮発性メモリは、ランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)であってよく、外部キャッシュとして使用される。限定ではなく例として、多くの形態のRAM、例えば、スタティックランダムアクセスメモリ(static RAM、SRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、シンクロナスダイナミックランダムアクセスメモリ(synchronous DRAM、SDRAM)、ダブルデータレートシンクロナスダイナミックランダムアクセスメモリ(double data rate SDRAM、DDR SDRAM)、エンハンスドシンクロナスダイナミックランダムアクセスメモリ(enhanced SDRAM、ESDRAM)、シンクリンクダイナミックランダムアクセスメモリ(synchlink DRAM、SLDRAM)、ダイレクトラムバスランダムアクセスメモリ(direct rambus RAM、DR RAM)が使用されてよい。
【0107】
通信インタフェース603は、別のデバイスまたはシステムと通信するように構成されているネットワークインタフェース/モジュールを含む。
【0108】
メモリ604は、プロセッサ601と物理的に統合されてもよいし、プロセッサ601に配置されてもよいし、独立したユニットの形態で存在してもよい。コンピュータプログラムがメモリ604またはメモリ602に記憶されてよい。オプションで、メモリ602に記憶されるコンピュータプログラムコード(例えば、カーネルまたはデバッグ予定のプログラム)がメモリ604にコピーされ、プロセッサ601により更に実行される。
【0109】
バス605は、データバスに加えて、電力バス、制御バス、およびステータス信号バスなどを更に含んでよい。しかしながら、説明を明確にするために、図では、様々なタイプのバスがバス605として表示されている。オプションで、バス605は、ペリフェラルコンポーネントインターコネクトエクスプレス(Peripheral Component Interconnect Express、PCIe)、コントローラエリアネットワーク(controller area network、CAN)、自動車用イーサネット(登録商標)(Ethernet(登録商標))、または、図6に示すコンポーネント/デバイス間の接続を実装するための別の内部バスであってよい。
【0110】
本願の本実施形態における知的車両の制御システム600が本願の本実施形態における制御装置500に対応してよく、それに対応して本願の本実施形態における図2Aおよび図2Bに示す方法を実行する主体に対応してよいことを理解されたい。また、制御システム600内のモジュールの前述の動作および/または機能並びに他の動作および/または機能は、図2Aおよび図2Bにおける方法の対応する手順を実装するために使用される。簡潔にするために、ここでは詳細について改めて説明しない。
【0111】
本願は、知的車両の制御システムを更に提供する。この制御システムは、図1に示す手動運転コントローラ301、意思決定コントローラ302、および自動運転コントローラ303を含む。制御システム内のコンポーネントは、図2Aおよび図2Bに示す方法における対応する実行体により実行される動作ステップを実行するように構成されている。簡潔にするために、ここでは詳細について改めて説明しない。
【0112】
本願は、知的車両を更に提供する。この知的車両は、図1に示すヒューマンコンピュータインタラクションコントローラ、運転モード選択器、車両制御システム、および車両実行システムを含む。知的車両内のコンポーネントは、図2Aおよび図2Bに示す方法における対応する実行体により実行される動作ステップを実行するように構成されている。簡潔にするために、ここでは詳細について改めて説明しない。
【0113】
本願は、制御システムを更に提供する。このシステムは、図1に示す知的車両に加えて、クラウドデータセンタを更に含む。知的車両は、図1に示すヒューマンコンピュータインタラクションコントローラ、運転モード選択器、車両制御システム、および車両実行システムを含む。知的車両内のコンポーネントは、図2Aおよび図2Bに示す方法における対応する実行体により実行される動作ステップを実行するように構成されている。簡潔にするために、ここでは詳細について改めて説明しない。また、クラウドデータセンタは、車両制御システムにより送信される運転データを受信し、運転データをトレーニングするようクラウドデータセンタ内のバーチャルマシンをスケジューリングし、これによって、カスタマイズ済み運転スタイルモデルを取得するように構成されている。これによって、知的車両内の車両制御システムの計算能力が処理速度を制限するという問題を回避し、知的車両の計算負荷を軽減することができる。また、クラウドデータセンタは更に、前述のモデルを記憶し、クラウドデータセンタに記憶される運転スタイルモデルライブラリに前述のモデルを追加し、運転者が位置付けられる知的車両に加えて、別の車両に運転スタイルモデルを追加してよく、その結果、別の車両は、運転スタイルモデルライブラリを更新し、運転者の選択のための運転スタイルモデルの数を増やす。更に、知的車両は、クラウドデータセンタに運転者の更新済み運転データを送信してもよく、クラウドデータセンタは、運転者に対応する運転スタイルモデルを更新し、その結果、運転スタイルモデルにより出力される結果が運転者の実際の運転プロセスに近づく。更に、知的車両は、運転者により選択される運転スタイルモデルの識別子をクラウドデータセンタに送信してもよく、クラウドデータセンタは、運転スタイルモデルで規定されるアクセル開度およびブレーキ値に基づいて知的車両の走行プロセスを制御する。
【0114】
前述の実施形態のうちの全てまたは幾つかが、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、またはこれらの任意の他の組み合わせを使用することにより実装されてよい。ソフトウェアが実施形態を実装するために使用される場合は、前述の実施形態のうちの全てまたは幾つかがコンピュータプログラム製品の形態で実装されてよい。コンピュータプログラム製品は、1つまたは複数のコンピュータ命令を含む。コンピュータプログラム命令がコンピュータ上にロードされるかまたはコンピュータ上で実行されると、本願の実施形態に係る手順または機能は、完全にまたは部分的に生成される。コンピュータは、汎用コンピュータ、特殊用途コンピュータ、コンピュータネットワーク、または別のプログラマブル装置であってよい。コンピュータ命令は、コンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよいし、コンピュータ可読記憶媒体から別のコンピュータ可読記憶媒体に伝送されてもよい。例えば、コンピュータ命令は、あるウェブサイト、コンピュータ、サーバ、またはデータセンタから別のウェブサイト、コンピュータ、サーバ、またはデータセンタに有線(例えば、同軸ケーブル、光ファイバ、またはデジタル加入者線(DSL))または無線(例えば、赤外線、電波、またはマイクロ波)の方式で伝送されてよい。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータからアクセス可能な任意の使用可能媒体、または、1つまたは複数の使用可能媒体を統合するサーバまたはデータセンタなどのデータ記憶デバイスであってよい。使用可能媒体は、磁気媒体(例えば、フロッピディスク、ハードディスク、または磁気テープ)、光媒体(例えば、DVD)、または半導体媒質であってよい。半導体媒質は、ソリッドステートドライブ(solid-state drive、SSD)であってよい。
【0115】
前述の説明は、本願の具体的な実装に過ぎない。本願で提供する具体的な実装に基づいて当業者により容易に考え出される変形または置換はいずれも、本願の保護範囲に含まれるものとする。
[他の考えられる項目]
(項目1)
知的車両の制御方法であって、
車両制御システムが、現時点における知的車両の運転モード、運転スタイルモデル、および目標速度を取得する段階と、
前記車両制御システムが、前記運転モードおよび前記運転スタイルモデルに基づいて速度制御命令を決定する段階と、
前記車両制御システムが、前記知的車両の車両実行システムに前記速度制御命令を送信する段階と
を備える制御方法。
(項目2)
前記速度制御命令は、アクセル開度およびブレーキ値を含み、前記アクセル開度は、前記知的車両の車両加速を制御するために使用されるパラメータであり、前記ブレーキ値は、前記知的車両の車両ブレーキを制御するために使用されるパラメータである、項目1に記載の制御方法。
(項目3)
前記車両制御システムは、意思決定コントローラおよび自動運転コントローラを含み、前記方法は、
前記意思決定コントローラが、前記現時点の道路状況情報に基づいて走行軌道命令および前記目標速度を決定する段階であって、前記道路状況情報は、前記知的車両のマップシステム、位置決めデバイス、および融合システムにより提供される1つまたは複数の情報を含む、決定する段階と、
前記自動運転コントローラが、運転者により選択される運転モードおよび運転スタイルモデルを取得する段階と
を更に備える、項目1または2に記載の制御方法。
(項目4)
前記運転モードは自動運転モードであり、前記知的車両は運転スタイルモデルライブラリを含み、前記運転スタイルモデルライブラリは、複数の事前設定された運転スタイルモデルのセットを含み、各運転スタイルモデルは、異なるアクセル開度およびブレーキ値を含む、項目1から3のいずれか一項に記載の制御方法。
(項目5)
車両制御システムが、現時点における知的車両の運転モード、運転スタイルモデル、および目標速度を取得する前記段階の前に、前記方法は、
前記知的車両の前記運転モードが手動運転モードである場合に、前記車両制御システムが、事前設定された期間内に前記知的車両の前記運転者の運転データを収集する段階と、
前記車両制御システムが、機械学習アルゴリズムを使用することにより前記運転データに基づいてカスタマイズ済み運転スタイルモデルを取得する段階であって、前記カスタマイズ済み運転スタイルモデルは、前記運転者の運転習慣に適合するアクセル開度およびブレーキ値を含む、取得する段階と、
前記車両制御システムが、前記知的車両の前記運転スタイルモデルライブラリに前記カスタマイズ済み運転スタイルモデルを追加する段階と
を更に備える、項目1から3のいずれか一項に記載の制御方法。
(項目6)
前記車両制御システムが、前記運転モードおよび前記運転スタイルモデルに基づいて速度制御命令を決定する前記段階は、
前記自動運転コントローラが、前記現時点における前記知的車両の実速度と前記目標速度との間の誤差を計算する段階と、
前記自動運転コントローラが、前記誤差に基づいて加速度を決定する段階であって、前記加速度は、前記現時点の前記実速度から前記目標速度までの前記知的車両の単位時間内の速度変化量を示すために使用される、決定する段階と、
前記自動運転コントローラが、比例・積分・微分アルゴリズムに従って第1アクセル開度および第1ブレーキ値を決定する段階と、
前記自動運転コントローラが、前記運転者により選択される前記運転スタイルモデルに基づいて第2アクセル開度および第2ブレーキ値を決定する段階と、
前記自動運転コントローラが、前記第1アクセル開度、第1重み、前記第2アクセル開度、および第2重みに基づく計算を通じて第3アクセル開度を取得し、前記第1ブレーキ値、第3重み、前記第2ブレーキ値、および第4重みに基づく計算を通じて第3ブレーキ値を取得する段階であって、前記第1重みおよび前記第2重みはアクセル開度の重みであり、前記第1重みと前記第2重みとの和が1であり、前記第3重みおよび前記第4重みはブレーキ値の重みであり、前記第3重みと前記第4重みとの和が1である、取得する段階と、
を有し、
前記車両制御システムが、前記知的車両の車両実行システムに前記速度制御命令を送信する前記段階は、
前記自動運転コントローラが、前記車両実行システムに前記速度制御命令を送信する段階であって、前記速度制御命令は、前記第3アクセル開度および前記第3ブレーキ値を含む、送信する段階
を有する、
項目1から5のいずれか一項に記載の制御方法。
(項目7)
前記方法は、
前記車両制御システムが、ヒューマンコンピュータインタラクションコントローラを通じて前記運転者に前記知的車両の前記運転スタイルモデルライブラリを提供する段階であって、前記運転者は、音声、テキスト、またはボタンの形態で前記運転スタイルモデルライブラリから運転スタイルモデルを選択することができる、提供する段階と、
前記車両制御システムが、前記運転者により選択され、且つ、前記ヒューマンコンピュータインタラクションコントローラにより送信される、前記運転スタイルモデルを受信する段階と
を更に備える、項目1から6のいずれか一項に記載の制御方法。
(項目8)
知的車両の制御装置であって、
現時点における知的車両の運転モード、運転スタイルモデル、および目標速度を取得するように構成されている取得ユニットと、
前記運転モードおよび前記運転スタイルモデルに基づいて速度制御命令を決定するように構成されている自動運転制御ユニットと、
前記知的車両の車両実行システムに前記速度制御命令を送信するように構成されている送信ユニットと
を備える制御装置。
(項目9)
前記速度制御命令は、アクセル開度およびブレーキ値を含み、前記アクセル開度は、前記知的車両の車両加速を制御するために使用されるパラメータであり、前記ブレーキ値は、前記知的車両の車両ブレーキを制御するために使用されるパラメータである、項目1に記載の制御装置。
(項目10)
前記自動運転制御ユニットは、前記現時点の道路状況情報に基づいて走行軌道命令および前記目標速度を決定することであって、前記道路状況情報は、前記知的車両のマップシステム、位置決めデバイス、および融合システムにより提供される1つまたは複数の情報を含む、決定することを行うように更に構成されており、
前記取得ユニットは、運転者により選択される運転モードおよび運転スタイルモデルを取得するように更に構成されている、
項目8または9に記載の制御装置。
(項目11)
前記運転モードは自動運転モードであり、前記知的車両は運転スタイルモデルライブラリを含み、前記運転スタイルモデルライブラリは、複数の運転スタイルモデルのセットを含み、各運転スタイルモデルは、異なるアクセル開度およびブレーキ値を含む、項目8から10のいずれか一項に記載の制御装置。
(項目12)
前記取得ユニットは、前記運転モードが手動運転モードである場合に、事前設定された期間内に前記知的車両の前記運転者の運転データを収集するように更に構成されており、
前記自動運転制御ユニットは、機械学習方法を使用することにより前記運転データに基づいてカスタマイズ済み運転スタイルモデルを取得することであって、前記カスタマイズ済み運転スタイルモデルは、前記運転者の運転習慣に適合するアクセル開度およびブレーキ値を含む、取得することと、前記運転スタイルモデルライブラリに前記カスタマイズ済み運転スタイルモデルを追加することとを行うように更に構成されている、
項目8から10のいずれか一項に記載の制御装置。
(項目13)
前記自動運転制御ユニットは、前記現時点における前記知的車両の実速度と前記目標速度との間の誤差を計算することと、前記誤差に基づいて加速度を決定することであって、前記加速度は、前記現時点の前記実速度から前記目標速度までの前記知的車両の単位時間内の速度変化量を示すために使用される、決定することと、比例・積分・微分アルゴリズムに従って第1アクセル開度および第1ブレーキ値を決定することと、前記運転者により選択される前記運転スタイルモデルに基づいて第2アクセル開度および第2ブレーキ値を決定することと、前記第1アクセル開度、第1重み、前記第2アクセル開度、および第2重みに基づく計算を通じて第3アクセル開度を取得することであって、前記第1重みと前記第2重みとの和が1である、取得することと、前記第1ブレーキ値、第3重み、前記第2ブレーキ値、および第4重みに基づく計算を通じて第3ブレーキ値を取得することであって、前記第3重みと前記第4重みとの和が1である、取得することとを行うように更に構成されており、
前記送信ユニットは、前記第3アクセル開度と前記第3ブレーキ値とを含む前記速度制御命令を前記車両実行システムに送信するように更に構成されている、
項目8から12のいずれか一項に記載の制御装置。
(項目14)
前記装置は、プロンプトユニットを更に備え、
前記プロンプトユニットは、ヒューマンコンピュータインタラクションコントローラを通じて前記運転者に前記知的車両の前記運転スタイルモデルライブラリを提供することであって、前記運転者は、音声、テキスト、またはボタンの形態で前記運転スタイルモデルライブラリから運転スタイルモデルを選択することができる、提供することを行うように構成されており、
前記取得ユニットは、前記運転者により選択され、且つ、前記ヒューマンコンピュータインタラクションコントローラにより送信される、前記運転スタイルモデルを受信するように更に構成されている、
項目8から13のいずれか一項に記載の制御装置。
(項目15)
プロセッサとメモリとを備える知的車両の制御システムであって、前記メモリは、コンピュータ実行可能命令を記憶するように構成されており、前記制御システムが実行されると、前記プロセッサは、前記メモリ内の前記コンピュータ実行可能命令を実行して、前記制御システム内のハードウェアリソースを使用することにより項目1から7のいずれか一項に記載の方法の動作ステップを実行する、制御システム。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】