(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-02
(54)【発明の名称】経皮的アクセスのための位置合わせ技術
(51)【国際特許分類】
A61B 34/20 20160101AFI20230222BHJP
A61B 34/30 20160101ALI20230222BHJP
【FI】
A61B34/20
A61B34/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022540395
(86)(22)【出願日】2020-12-22
(85)【翻訳文提出日】2022-07-13
(86)【国際出願番号】 IB2020062360
(87)【国際公開番号】W WO2021137109
(87)【国際公開日】2021-07-08
(32)【優先日】2019-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】518083032
【氏名又は名称】オーリス ヘルス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】アイバリ・エリフ
(72)【発明者】
【氏名】イブラギモフ・ボラート
(72)【発明者】
【氏名】プリュー・サラ
(72)【発明者】
【氏名】ボーン・ジャネット・ジェン
(72)【発明者】
【氏名】ドラホス・ミロスラフ
(72)【発明者】
【氏名】マリニン・ユーリー
(57)【要約】
人体解剖学的構造内の場所への経皮的アクセスのために医療器具を位置合わせするための技術は、医療器具の向きを判定することと、人体解剖学的構造内の標的場所を判定することと、標的場所を含む平面を判定することと、を含むことができる。更に、本技術は、平面上の医療器具の投影位置を判定することと、平面上の投影位置と標的場所との間の距離を示唆するインターフェースデータを生成することと、を含むことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、
医療システムの制御回路によって、
医療器具の少なくとも一部分の位置を示唆するセンサデータを受信することと、
前記センサデータに少なくとも部分的に基づいて、前記医療器具の向きを判定することと、
患者の臓器内の標的場所を判定することと、
前記標的場所を含む平面を判定することと、
前記医療器具の前記向きに少なくとも部分的に基づいて、前記平面上の前記医療器具の投影位置を判定することと、
前記平面上の前記投影位置と前記標的場所との間の第1の距離を示唆する、1つ又は2つ以上のインターフェース要素を表すインターフェースデータを生成することと、
前記インターフェースデータに少なくとも部分的に基づいて前記1つ又は2つ以上のインターフェース要素を表示することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記平面を前記判定することが、前記医療器具の進行方向が前記平面に対して垂直であるように前記平面を判定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記医療器具の前記進行方向が前記平面に対して垂直のままであるように、前記医療器具の前記向きが変化するときに前記平面の向きを更新することを更に含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記平面を前記判定することが、前記医療器具の遠位端と前記標的場所との間のラインを判定することと、前記ラインが前記平面に対して垂直であるように前記平面を判定することと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記医療器具の前記向きが変化するときに前記平面の向きを維持することを更に含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記標的場所を前記判定することが、スコープからの追加のセンサデータに少なくとも部分的に基づいており、前記平面を前記判定することが、前記スコープの進行方向が前記平面に対して垂直であるように前記平面を判定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記1つ又は2つ以上のインターフェース要素を前記表示することが、前記1つ又は2つ以上のインターフェース要素のうちの第1のインターフェース要素を、前記1つ又は2つ以上のインターフェース要素のうちの第2のインターフェース要素の中心から第2の距離に表示することを含み、前記第2の距離が、前記第1の距離、及び前記医療器具の先端と前記平面上の前記標的場所との間の挿入距離に少なくとも部分的に基づいている、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記医療器具の先端の前記標的場所への近接を示唆する進行インジケータを表示することと、
前記進行インジケータの進行変化パラメータを第1の値に設定することであって、前記進行変化パラメータが前記医療器具の移動単位に対する前記進行インジケータの進行変化量を示唆する、設定することと、
前記医療器具の前記先端が前記標的場所のより近くに移動していると判定することと、
前記医療器具の前記先端が前記標的場所のより近くに移動していると判定することに少なくとも部分的に基づいて、前記進行変化パラメータを第2の値に設定することであって、前記第2の値が、前記第1の値よりも大きい、前記医療器具の前記移動単位に対する前記進行インジケータの進行変化量と関連付けられている、設定することと、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
医療システムであって、
人体解剖学的構造に経皮的にアクセスするように構成された医療器具からセンサデータを受信するように構成されている通信インターフェースと、
制御回路であって、前記通信インターフェースに通信可能に結合され、かつ
前記センサデータに少なくとも部分的に基づいて、前記医療器具の向きを判定することと、
前記人体解剖学的構造内の標的場所を判定することと、
前記標的場所を含む平面を判定することと、
前記医療器具の前記向きに少なくとも部分的に基づいて、前記平面上の前記医療器具の投影位置を判定することと、
前記平面上の前記投影位置と前記標的場所との間の距離を示唆する、1つ又は2つ以上のインターフェース要素を表すインターフェースデータを生成することと、を行うように構成されている、制御回路と、を備える、医療システム。
【請求項10】
前記人体解剖学的構造の管腔を介して前記標的場所にアクセスするように構成された内視鏡を更に備え、前記内視鏡が、追加のセンサデータを前記通信インターフェースに提供するように構成されているセンサを含み、
前記制御回路が、前記追加のセンサデータに少なくとも部分的に基づいて前記標的場所を判定するように構成されている、請求項9に記載の医療システム。
【請求項11】
前記制御回路が、前記医療器具の進行方向が前記平面に対して垂直であるように前記平面を判定するように構成されている、請求項9に記載の医療システム。
【請求項12】
前記制御回路が、
前記医療器具の前記進行方向が前記平面に対して垂直のままであるように、前記医療器具の前記向きが変化するときに前記平面の向きを更新するように更に構成されている、請求項11に記載の医療システム。
【請求項13】
前記制御回路が、前記医療器具の遠位端と前記標的場所との間のラインを判定し、前記ラインが前記平面に対して垂直であるように前記平面を判定することによって、前記平面を判定するように構成されている、請求項9に記載の医療システム。
【請求項14】
前記制御回路が、
前記医療器具の前記向きが変化するときに前記平面の向きを維持するように更に構成されている、請求項13に記載の医療システム。
【請求項15】
前記医療システムが、信号を生成するように構成されているデバイスに結合されたロボットシステムを含み、前記センサデータが、前記信号に少なくとも部分的に基づいており、前記制御回路が、
前記ロボットシステムの座標フレームに少なくとも部分的に基づいて前記医療器具の座標フレームを判定することと、
前記1つ又は2つ以上のインターフェース要素を、前記医療器具の前記座標フレームに対する前記医療器具の移動方向に相関する方向にインターフェース内で移動させることと、を行うように更に構成されている、請求項9に記載の医療システム。
【請求項16】
前記制御回路が、
位置変化パラメータを第1の値に設定することであって、前記位置変化パラメータが、前記医療器具の移動単位に対するインターフェース内の前記1つ又は2つ以上のインターフェース要素の位置変化量を示唆する、設定することと、
前記医療器具が前記標的場所のより近くに移動していると判定することと、
前記位置変化パラメータを第2の値に設定することであって、前記第2の値が、前記第1の値よりも大きい、前記医療器具の前記移動単位に対する前記インターフェース内の前記1つ又は2つ以上のインターフェース要素の位置変化量と関連付けられている、設定することと、を行うように更に構成されている、請求項9に記載の医療システム。
【請求項17】
前記制御回路が、
前記医療器具の前記標的場所への近接を示唆する進行インジケータを表示させることと、
前記進行インジケータの進行変化パラメータを第1の値に設定することであって、前記進行変化パラメータが、前記医療器具の移動単位に対する前記進行インジケータの進行変化量を示唆する、設定することと、
前記医療器具が前記標的場所のより近くに移動していると判定することと、
前記進行変化パラメータを第2の値に設定することであって、前記第2の値が、前記第1の値よりも大きい、前記医療器具の前記移動単位に対する前記進行インジケータの進行変化量と関連付けられている、設定することと、を行うように更に構成されている、請求項9に記載の医療システム。
【請求項18】
コンピュータ実行可能命令を記憶する1つ又は2つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記コンピュータ実行可能命令が、制御回路によって実行されると、前記制御回路に、
人体解剖学的構造に経皮的にアクセスするように構成されている医療器具の向きを判定することと、
前記人体解剖学的構造内の標的場所を判定することと、
前記標的場所を含む平面を判定することと、
前記医療器具の前記向きに少なくとも部分的に基づいて、前記平面上の前記医療器具の投影位置を判定することと、
前記平面上の前記投影位置と前記標的場所との間の第1の距離を示唆する、1つ又は2つ以上のインターフェース要素を表すインターフェースデータを生成することと、を含む動作を実行させる、1つ又は2つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項19】
前記医療器具の進行方向が、前記平面に対して垂直である、請求項18に記載の1つ又は2つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項20】
前記動作が、
前記医療器具の前記進行方向が前記平面に対して垂直のままであるように、前記医療器具の前記向きが変化するときに前記平面の向きを更新することを更に含む、請求項19に記載の1つ又は2つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項21】
前記平面が、前記医療器具の遠位端と前記標的場所との間のラインに対して垂直である、請求項18に記載の1つ又は2つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項22】
前記動作が、
前記医療器具の前記向きが変化するときに前記平面の向きを維持することを更に含む、請求項21に記載の1つ又は2つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項23】
前記動作が、
前記1つ又は2つ以上のインターフェース要素のうちの第1のインターフェース要素を、前記1つ又は2つ以上のインターフェース要素のうちの第2のインターフェース要素の中心から第2の距離に表示することを更に含み、前記第2の距離が、前記第1の距離に少なくとも部分的に基づいている、請求項18に記載の1つ又は2つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項24】
前記第2の距離が、前記医療器具の先端と前記平面上の前記標的場所との間の挿入距離に少なくとも部分的に更に基づいている、請求項23に記載の1つ又は2つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項25】
前記動作が、
前記医療器具の前記標的場所への近接を示唆する進行インジケータを表示させることと、
前記医療器具が1回目に第1の量だけ前記標的場所のより近くに移動することに少なくとも部分的に基づいて、前記進行インジケータを第2の量だけ更新することと、
前記医療器具が2回目に前記第1の量だけ前記標的場所のより近くに移動することに少なくとも部分的に基づいて、前記第1の量よりも大きい第3の量だけ前記進行インジケータを更新することと、を更に含む、請求項18に記載の1つ又は2つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項26】
前記動作が、
前記医療器具の環境に対する複数の区域を示唆する進行区域データを生成することと、
前記第1のセンサデータ及び前記進行区域データに少なくとも部分的に基づいて、前記複数の区域の中から、前記医療器具が位置する区域を判定することと、
前記区域に少なくとも部分的に基づいて、前記医療器具の状態を判定することと、
前記状態の示唆を表示させることと、を更に含む、請求項18に記載の1つ又は2つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項27】
方法であって、
医療システムの制御回路によって、患者内に経皮的に挿入されるように構成されている針から第1のセンサデータを受信することと、
前記第1のセンサデータに少なくとも部分的に基づいて、前記制御回路によって、前記針の姿勢を判定することと、
前記制御回路によって、前記患者の解剖学的管腔内に少なくとも部分的に配設されている内視鏡から第2のセンサデータを受信することと、
前記第2のセンサデータに少なくとも部分的に基づいて、前記制御回路によって、前記患者の臓器内の標的場所を判定することと、
前記制御回路によって、前記標的場所を含む平面を判定することと、
前記針の前記姿勢に少なくとも部分的に基づいて、前記制御回路によって、前記平面上の前記針の投影位置を判定することと、
前記平面上の前記投影位置と前記標的場所との間の距離を示唆する、1つ又は2つ以上のインターフェース要素を表すインターフェースデータを生成することと、を含む、方法。
【請求項28】
インターフェース内に前記1つ又は2つ以上のインターフェース要素を表示することと、
前記平面上に表された寸法と前記インターフェース上に表された寸法とのスケーリング比を識別することと、
前記針が前記標的場所のより近くに移動していると判定することと、
前記針が前記標的場所のより近くに移動していると判定することに少なくとも部分的に基づいて、前記スケーリング比を更新することと、を更に含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
位置変化パラメータを第1の値に設定することであって、前記位置変化パラメータが、前記針の位置変化単位又は向き変化単位に対するインターフェース内の前記1つ又は2つ以上のインターフェース要素の位置変化量を示唆する、設定することと、
前記医療器具が前記標的場所のより近くに移動していると判定することと、
前記医療器具が前記標的場所のより近くに移動していると判定することに少なくとも部分的に基づいて、前記位置変化パラメータを第2の値に設定することであって、前記第2の値が、前記第1の値よりも大きい、前記針の前記位置変化単位又は向き変化単位に対する前記インターフェース内の前記1つ又は2つ以上のインターフェース要素の位置変化量と関連付けられている、設定することと、を更に含む、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記医療システムが、電磁場生成器に結合されたロボットアームを含み、前記第1のセンサデータが、前記電磁場生成器からの電磁場に少なくとも部分的に基づいており、前記方法が、
前記ロボットアームと関連付けられたロボットシステムのワールド座標フレームを判定することと、
前記ワールド座標フレームにおいて前記針の前記姿勢を表すことと、
前記ワールド座標フレームにおいて前記平面を表すことと、
前記ワールド座標フレーム内の前記針の前記姿勢に少なくとも部分的に基づいて、前記ワールド座標フレームにおいて表される前記平面の標的座標フレームを判定することと、
前記標的座標フレームに少なくとも部分的に基づいて前記針の座標フレームを判定することと、
前記針の前記座標フレームに対する前記針の移動方向に相関する方向にインターフェース内の前記1つ又は2つ以上のインターフェース要素を移動させることと、を更に含む、請求項27に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2019年12月31日に出願され、かつ「ALIGNMENT TECHNIQUES FOR PERCUTANEOUS ACCESS」と題された米国仮出願第62/956,019号の優先権を主張するものであり、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、医療処置の分野に関する。
【背景技術】
【0003】
様々な医療処置は、人体解剖学的構造を貫通して治療部位に到達するように構成された1つ又は2つ以上のデバイスの使用を伴う。ある特定の手術プロセスは、1つ又は2つ以上のデバイスを患者の皮膚及び他の解剖学的構造を通して挿入して治療部位に到達させ、尿路結石などの物体を患者から摘出することを伴い得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
いくつかの実装形態では、本開示は、医療システムの制御回路によって、医療器具の少なくとも一部分の位置を示唆するセンサデータを受信することと、そのセンサデータに少なくとも部分的に基づいて、医療器具の向きを判定することと、患者の臓器内の標的場所を判定することと、その標的場所を含む平面を判定することと、を含む、方法に関する。本方法は、医療器具の向きに少なくとも部分的に基づいて、平面上の医療器具の投影位置を判定することと、平面上の投影位置と標的場所との間の第1の距離を示唆する1つ又は2つ以上のインターフェース要素を表すインターフェースデータを生成することと、そのインターフェースデータに少なくとも部分的に基づいて1つ又は2つ以上のインターフェース要素を表示することと、を更に含む。
【0005】
いくつかの実施形態では、平面を判定することは、医療器具の進行方向が平面に対して垂直であるように平面を判定することを含む。本方法は、医療器具の進行方向が平面に対して垂直なままであるように、医療器具の向きが変化するときに平面の向きを更新することを更に含むことができる。
【0006】
いくつかの実施形態では、平面を判定することは、医療器具の遠位端と標的場所との間のラインを判定することと、そのラインが平面に対して垂直であるように平面を判定することと、を含む。本方法は、医療器具の向きが変化するときに平面の向きを維持することを更に含むことができる。
【0007】
いくつかの実施形態では、標的場所を判定することは、スコープからの追加のセンサデータに少なくとも部分的に基づく。更に、平面を判定することは、スコープの進行方向が平面に対して垂直であるように平面を判定することを含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上のインターフェース要素を表示することは、1つ又は2つ以上のインターフェース要素のうちの第1のインターフェース要素を、1つ又は2つ以上のインターフェース要素のうちの第2のインターフェース要素の中心から第2の距離に表示することを含む。第2の距離は、第1の距離、及び医療器具の先端と平面上の標的場所との間の挿入距離に少なくとも部分的に基づき得る。
【0009】
いくつかの実施形態では、本方法は、医療器具の先端の標的場所への近接を示唆する進行インジケータを表示することと、その進行インジケータの進行変化パラメータを第1の値に設定することであって、進行変化パラメータが医療器具の移動単位に対する進行インジケータの進行変化量を示唆する、設定することと、医療器具の先端が標的場所のより近くに移動していると判定することと、その医療器具の先端が標的場所のより近くに移動していると判定することに少なくとも部分的に基づいて、進行変化パラメータを第2の値に設定することと、を更に含む。第2の値は、第1の値よりも大きい、医療器具の移動単位に対する進行インジケータの進行変化量と関連付けることができる。
【0010】
いくつかの実装形態では、本開示は、人体解剖学的構造に経皮的にアクセスするように構成されている医療器具からセンサデータを受信するように構成された通信インターフェースと、その通信インターフェースに通信可能に結合された制御回路と、を備える、医療システムに関する。制御回路は、センサデータに少なくとも部分的に基づいて、医療器具の向きを判定することと、人体解剖学的構造内の標的場所を判定することと、標的場所を含む平面を判定することと、医療器具の向きに少なくとも部分的に基づいて、平面上の医療器具の投影位置を判定することと、平面上の投影位置と標的場所との間の距離を示唆する、1つ又は2つ以上のインターフェース要素を表すインターフェースデータを生成することと、を行うように構成されている。
【0011】
いくつかの実施形態では、医療システムは、人体解剖学的構造の管腔を介して標的場所にアクセスするように構成された内視鏡を更に備える。内視鏡は、追加のセンサデータを通信インターフェースに提供するように構成されているセンサを含むことができる。制御回路は、追加のセンサデータに少なくとも部分的に基づいて標的場所を判定するように構成することができる。
【0012】
いくつかの実施形態では、制御回路は、医療器具の進行方向が平面に対して垂直であるように平面を判定するように構成されている。制御回路は、医療器具の進行方向が平面に対して垂直のままであるように、医療器具の向きが変化するときに平面の向きを更新するように更に構成することができる。
【0013】
いくつかの実施形態では、制御回路は、医療器具の遠位端と標的場所との間のラインを判定し、そのラインが平面に対して垂直であるように平面を判定することによって、平面を判定するように構成されている。制御回路は、医療器具の向きが変化するときに平面の向きを維持するように更に構成することができる。
【0014】
いくつかの実施形態では、医療システムは、信号を生成するように構成されているデバイスに結合されたロボットシステムを含み、センサデータは、信号に少なくとも部分的に基づいている。制御回路は、ロボットシステムの座標フレームに少なくとも部分的に基づいて医療器具の座標フレームを判定することと、1つ又は2つ以上のインターフェース要素を、医療器具の座標フレームに対する医療器具の移動方向に相関する方向にインターフェース内で移動させるように更に構成することができる。
【0015】
いくつかの実施形態では、制御回路は、位置変化パラメータを第1の値に設定し、医療器具が標的場所に近づくことを判定することと、位置変化パラメータを第2の値に設定することと、を行うように更に構成されている。位置変化パラメータは、医療器具の移動単位に対するインターフェース内の1つ又は2つ以上のインターフェース要素の位置変化量を示唆することができる。第2の値は、第1の値よりも大きい、医療器具の移動単位に対するインターフェース内の1つ又は2つ以上のインターフェース要素の位置変化量と関連付けることができる。
【0016】
いくつかの実施形態では、制御回路は、医療器具の標的場所への近接を示唆する進行インジケータを表示させることと、進行インジケータの進行変化パラメータを第1の値に設定し、医療器具が標的場所のより近くに移動していると判定することと、進行変化パラメータを第2の値に設定することと、を行うように更に構成されている。進行変化パラメータは、医療器具の移動単位に対する進行インジケータの進行変化量を示唆することができる。第2の値は、第1の値よりも大きい、医療器具の移動単位に対する進行インジケータの進行変化量と関連付けることができる。
【0017】
いくつかの実装形態では、本開示は、コンピュータ実行可能命令を記憶する1つ又は2つ以上の非一時的なコンピュータ可読媒体であって、そのコンピュータ実行可能命令が、制御回路によって実行されると、制御回路に、人体解剖学的構造に経皮的にアクセスするように構成されている医療器具の向きを判定することと、人体解剖学的構造内の標的場所を判定することと、その標的場所を含む平面を判定することと、医療器具の向きに少なくとも部分的に基づいて、平面上の医療器具の投影位置を判定することと、平面上の医療器具の投影位置と標的場所との間の第1の距離を示唆する、1つ又は2つ以上のインターフェース要素を表すインターフェースデータを生成することと、を含む動作を実行させる。
【0018】
いくつかの実施形態では、医療器具の進行方向は、平面に対して垂直である。動作は、医療器具の進行方向が平面に対して垂直のままであるように、医療器具の向きが変化するときに平面の向きを更新することを更に含むことができる。
【0019】
いくつかの実施形態では、平面は、医療器具の遠位端と標的場所との間のラインに対して垂直である。動作は、医療器具の向きが変化するときに平面の向きを維持することを更に含むことができる。
【0020】
いくつかの実施形態では、動作は、1つ又は2つ以上のインターフェース要素のうちの第1のインターフェース要素を、1つ又は2つ以上のインターフェース要素のうちの第2のインターフェース要素の中心から第2の距離に表示することを更に含む。第2の距離は、第1の距離に少なくとも部分的に基づき得る。第2の距離は、更に、医療器具の先端と平面上の標的場所との間の挿入距離に少なくとも部分的に基づき得る。
【0021】
いくつかの実施形態では、動作は、医療器具の標的場所への近接を示唆する進行インジケータを表示させることと、医療器具が1回目に第1の量だけ標的場所のより近くに移動することに少なくとも部分的に基づいて、進行インジケータを第2の量だけ更新することと、医療器具が2回目に第1の量だけ標的場所のより近くに移動することに少なくとも部分的に基づいて、第1の量よりも大きい第3の量だけ進行インジケータを更新することと、を更に含む。
【0022】
いくつかの実施形態では、動作は、医療器具の環境に対する複数の区域を示唆する進行区域データを生成することと、第1のセンサデータ及び進行区域データに少なくとも部分的に基づいて、複数の区域の中から、医療器具が位置する区域を判定することと、その区域に少なくとも部分的に基づいて、医療器具の状態を判定することと、その状態の示唆を表示させることと、を更に含む。
【0023】
いくつかの実装形態では、本開示は、医療システムの制御回路によって、患者内に経皮的に挿入されるように構成されている針から第1のセンサデータを受信することと、第1のセンサデータに少なくとも部分的に基づいて、制御回路によって、針の姿勢を判定することと、制御回路によって、患者の解剖学的管腔内に少なくとも部分的に配設されている内視鏡から第2のセンサデータを受信することと、第2のセンサデータに少なくとも部分的に基づいて、制御回路によって、患者の臓器内の標的場所を判定することと、制御回路によって、標的場所を含む平面を判定することと、針の姿勢に少なくとも部分的に基づいて、制御回路によって、平面上の針の投影位置を判定することと、平面上の投影位置と標的場所との間の距離を示唆する、1つ又は2つ以上のインターフェース要素を表すインターフェースデータを生成することと、を含む方法に関する。
【0024】
いくつかの実施形態では、本方法は、インターフェース内に1つ又は2つ以上のインターフェース要素を表示することと、平面上に表された寸法とインターフェース上に表された寸法とのスケーリング比を識別することと、針が標的場所のより近くに移動していると判定することと、針が標的場所のより近くに移動していると判定することに少なくとも部分的に基づいて、スケーリング比を更新することと、を更に含む。
【0025】
いくつかの実施形態では、本方法は、位置変化パラメータを第1の値に設定することと、医療器具が標的場所のより近くに移動していると判定することと、医療器具が標的場所のより近くに移動していると判定することに少なくとも部分的に基づいて、位置変化パラメータを第2の値に設定することと、を更に含む。位置変化パラメータは、針の位置変化単位又は向き変化単位に対するインターフェース内の1つ又は2つ以上のインターフェース要素の位置変化量を示唆することができる。第2の値は、第1の値よりも大きい、針の位置変化単位又は向き変化単位に対するインターフェース内の1つ又は2つ以上のインターフェース要素の位置変化量と関連付けることができる。
【0026】
いくつかの実施形態では、医療システムは、電磁場生成器に結合されたロボットアームを含み、第1のセンサデータは、電磁場生成器からの電磁場に少なくとも部分的に基づいている。本方法は、ロボットアームと関連付けられたロボットシステムのワールド座標フレームを判定することと、ワールド座標フレームにおいて針の姿勢を表すことと、ワールド座標フレームにおいて平面を表すことと、ワールド座標フレーム内の針の姿勢に少なくとも部分的に基づいて、ワールド座標フレームにおいて表される平面の標的座標フレームを判定することと、標的座標フレームに少なくとも部分的に基づいて針の座標フレームを判定することと、針の座標フレームに対する針の移動方向に相関する方向に1つ又は2つ以上のインターフェース要素を移動させることと、を更に含むことができる。
【0027】
本開示を要約する目的で、ある特定の態様、利点、及びフィーチャーが記載されている。全てのかかる利点が、任意の特定の実施形態によって必ず達成され得るわけではないことを理解されたい。こうして、開示される実施形態は、本明細書に教示又は提案され得る他の利点を必ずしも達成することなく、本明細書で教示される1つの利点又は一群の利点を達成又は最適化する方法で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
様々な実施形態が、例示目的のために添付の図面に描写されるが、本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。加えて、異なる開示される実施形態の様々なフィーチャーを組み合わせて追加の実施形態を形成することができるが、それは、本開示の一部である。図面全体を通して、参照番号は、参照要素間の対応を示唆するために再利用され得る。
【
図1】1つ又は2つ以上の実施形態による、本明細書で考察される技術を実装するように構成された医療システムの実施形態を例示する。
【
図2】1つ又は2つ以上の実施形態による、医療器具の位置及び/又は向きに関する情報を提供するための例示的なインターフェースを例示する。
【
図3】1つ又は2つ以上の実施形態による、患者内にスコープを挿入するのを支援するように配列された
図1の医療システムの上面図を例示する。
【
図4】1つ又は2つ以上の実施形態による、患者内のスコープをナビゲートするように配列された
図1の医療システムの上面図を例示する。
【
図5】1つ又は2つ以上の実施形態による、患者内に針を挿入するのを支援するように配列された
図1の医療システムの上面図を例示する。
【
図6-1】1つ又は2つ以上の実施形態による、処置中の医療器具の位置合わせ及び/又は進行に関する情報を提供するための例示的なインターフェースを例示する。
【
図6-2】1つ又は2つ以上の実施形態による、処置中の医療器具の位置合わせ及び/又は進行に関する情報を提供するための例示的なインターフェースを例示する。
【
図6-3】1つ又は2つ以上の実施形態による、処置中の医療器具の位置合わせ及び/又は進行に関する情報を提供するための例示的なインターフェースを例示する。
【
図6-4】1つ又は2つ以上の実施形態による、処置中の医療器具の位置合わせ及び/又は進行に関する情報を提供するための例示的なインターフェースを例示する。
【
図6-5】1つ又は2つ以上の実施形態による、処置中の医療器具の位置合わせ及び/又は進行に関する情報を提供するための例示的なインターフェースを例示する。
【
図6-6】1つ又は2つ以上の実施形態による、処置中の医療器具の位置合わせ及び/又は進行に関する情報を提供するための例示的なインターフェースを例示する。
【
図6-7】1つ又は2つ以上の実施形態による、処置中の医療器具の位置合わせ及び/又は進行に関する情報を提供するための例示的なインターフェースを例示する。
【
図6-8】1つ又は2つ以上の実施形態による、処置中の医療器具の位置合わせ及び/又は進行に関する情報を提供するための例示的なインターフェースを例示する。
【
図6-9】1つ又は2つ以上の実施形態による、処置中の医療器具の位置合わせ及び/又は進行に関する情報を提供するための例示的なインターフェースを例示する。
【
図6-10】1つ又は2つ以上の実施形態による、処置中の医療器具の位置合わせ及び/又は進行に関する情報を提供するための例示的なインターフェースを例示する。
【
図6-11】1つ又は2つ以上の実施形態による、処置中の医療器具の位置合わせ及び/又は進行に関する情報を提供するための例示的なインターフェースを例示する。
【
図7】1つ又は2つ以上の実施形態による、標的軌道に対する医療器具の位置合わせを判定し、かつその位置合わせに関する情報を提示するためのプロセスの例示的なフロー図を例示する。
【
図8】1つ又は2つ以上の実施形態による、医療器具の向きに関する情報を提示するためのプロセスの例示的なフロー図を例示する。
【
図9】1つ又は2つ以上の実施形態による、医療器具の標的場所への近接に関する情報を提示するためのプロセスの例示的なフロー図を例示する。
【
図10】1つ又は2つ以上の実施形態による、器具-位置合わせ要素と関連付けられた位置変化パラメータを設定及び/又は更新するためのプロセスの例示的なフロー図を例示する。
【
図11】1つ又は2つ以上の実施形態による、
図1のロボットシステムの例示的な詳細を例示する。
【
図12】1つ又は2つ以上の実施形態による、
図1の制御システムの例示的な詳細を例示する。
【
図13-1】1つ又は2つ以上の実施形態による、医療器具の姿勢が変化するときに固定されたままである表現/平面上に医療器具の姿勢をマッピングする例示的な技術を例示する。
【
図13-2】1つ又は2つ以上の実施形態による、医療器具の姿勢が変化するときに固定されたままである表現/平面上に医療器具の姿勢をマッピングする例示的な技術を例示する。
【
図13-3】1つ又は2つ以上の実施形態による、医療器具の姿勢が変化するときに固定されたままである表現/平面上に医療器具の姿勢をマッピングする例示的な技術を例示する。
【
図14-1】1つ又は2つ以上の実施形態による、医療器具の姿勢が変化するときに更新する表現/平面上に医療器具の姿勢をマッピングする例示的な技術を例示する。
【
図14-2】1つ又は2つ以上の実施形態による、医療器具の姿勢が変化するときに更新する表現/平面上に医療器具の姿勢をマッピングする例示的な技術を例示する。
【
図14-3】1つ又は2つ以上の実施形態による、医療器具の姿勢が変化するときに更新する表現/平面上に医療器具の姿勢をマッピングする例示的な技術を例示する。
【
図15-1】1つ又は2つ以上の実施形態による、医療器具の姿勢が変化するときに更新する表現/平面上に医療器具の姿勢をマッピングする別の例を例示する。
【
図15-2】1つ又は2つ以上の実施形態による、医療器具の姿勢が変化するときに更新する表現/平面上に医療器具の姿勢をマッピングする別の例を例示する。
【
図15-3】1つ又は2つ以上の実施形態による、医療器具の姿勢が変化するときに更新する表現/平面上に医療器具の姿勢をマッピングする別の例を例示する。
【
図16-1】1つ又は2つ以上の実施形態による、医療器具の姿勢が変化するときに更新する表現/平面上に医療器具の姿勢をマッピングする更なる例を例示する。
【
図16-2】1つ又は2つ以上の実施形態による、医療器具の姿勢が変化するときに更新する表現/平面上に医療器具の姿勢をマッピングする更なる例を例示する。
【
図16-3】1つ又は2つ以上の実施形態による、医療器具の姿勢が変化するときに更新する表現/平面上に医療器具の姿勢をマッピングする更なる例を例示する。
【
図17】1つ又は2つ以上の実施形態による、医療器具の移動をインターフェース内のインターフェース要素の移動に相関させるために1つ又は2つ以上の座標フレームを確立するための例示的な技術を例示する。
【
図18】1つ又は2つ以上の実施形態による、インターフェースのための例示的なアダプティブ標的化技術を例示する。
【
図19-1】1つ又は2つ以上の実施形態による、医療器具の挿入距離に基づいて標的平面をスケーリングする例示的な技術を例示する。
【
図19-2】1つ又は2つ以上の実施形態による、医療器具の挿入距離に基づいて標的平面をスケーリングする例示的な技術を例示する。
【
図19-3】1つ又は2つ以上の実施形態による、医療器具の標的場所までの距離に対する標的平面のスケーリングの例示的なグラフを例示する。
【
図20】1つ又は2つ以上の実施形態による、ユーザが医療器具をナビゲートするのを支援するためにインターフェースを介して提供され得る例示的な解剖学的視覚化を例示する。
【
図21】1つ又は2つ以上の実施形態による、医療器具の状態を判定するために実装/生成され得る例示的な区域を例示する。
【
図22】1つ又は2つ以上の実施形態による、標的場所までの医療器具の距離に対する進行率の例示的なグラフを例示する。
【
図23】1つ又は2つ以上の実施形態による、平面上の医療器具の投影位置と平面上の標的場所との間の距離を示唆するデータを生成するためのプロセスの例示的なフロー図を例示する。
【
図24】1つ又は2つ以上の実施形態による、医療器具の移動単位に対する示唆される進行量を更新するためのプロセスの例示的なフロー図を例示する。
【
図25】1つ又は2つ以上の実施形態による、医療器具の向き変化単位/移動変化単位に対するインターフェース要素の位置変化量を示唆する位置変化パラメータを更新するためのプロセスの例示的なフロー図を例示する。
【
図26】1つ又は2つ以上の実施形態による、インターフェースに対する平面のスケーリング比を更新するためのプロセスの例示的なフロー図である。
【
図27】1つ又は2つ以上の実施形態による、医療器具の座標フレームを判定し、及び/又はインターフェース要素の移動を医療器具の移動に相関させるためのプロセスの例示的なフロー図を例示する。
【
図28】1つ又は2つ以上の実施形態による、医療器具が位置する区域に基づいて医療器具の状態を判定するためのプロセスの例示的なフロー図を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本明細書で提供される進行方向は、便宜的なものに過ぎず、必ずしも開示の範囲又は意味に影響を及ぼすものではない。ある特定の好ましい実施形態及び実施例が以下に開示されるが、主題は、具体的に開示される実施形態を超えて他の代替的な実施形態及び/又は使用並びにそれらの改変及び等価物にまで及ぶ。そのため、本明細書から生じ得る特許請求の範囲は、以下に記載される特定の実施形態のいずれによっても限定されない。例えば、本明細書に開示される任意の方法又はプロセスにおいて、方法又はプロセスの行為又は動作は、任意の適切なシーケンスで実行され得、必ずしも任意の特定の開示されたシーケンスに限定されない。様々な動作は、ある特定の実施形態を理解するのに役立ち得る方法で、複数の別個の動作として記載され得る。しかしながら、記載の順序は、これらの動作が順序依存であることを意味すると解釈されるべきではない。加えて、本明細書に記載される構造、システム、及び/又はデバイスは、一体化された構成要素として、又は別個の構成要素として具現化され得る。様々な実施形態を比較する目的で、これらの実施形態のある特定の態様及び利点が記載される。かかる態様又は利点が全て、任意の特定の実施形態によって必ずしも達成されるわけではない。そのため、例えば、様々な実施形態は、本明細書で教示又は提案され得る他の態様又は利点を必ずしも達成することなく、本明細書に教示される1つの利点又は一群の利点を達成又は最適化する方法で実施され得る。
【0030】
場所というある特定の標準的な解剖学的用語は、本明細書において、好ましい実施形態に関して、動物、すなわちヒトの解剖学的構造を指すために使用され得る。「外側」、「内側」、「上側」、「下側」、「下方」、「上方」、「垂直」、「水平」、「頂部」、「底部」、及び同様の用語など、ある特定の空間的に相対的な用語は、本明細書では、1つのデバイス/要素又は解剖学的構造と別のデバイス/要素又は解剖学的構造との空間的関係を記述するために使用されるが、これらの用語は、図面に例示されるように、要素/構造の位置関係を記述するために本明細書で使用されることが理解される。空間的に相対的な用語は、図面に描写される向きに加えて、使用又は動作における、要素/構造の異なる向きを包含することが意図されていることを理解されたい。例えば、別の要素/構造の「上方に」と記載される要素/構造は、対象患者又は要素/構造の代替的な向きに対してかかる他の要素/構造の下又は横にある位置を表し得、その逆も同様である。
【0031】
概論
本開示は、人体解剖学的構造内の場所への経皮的アクセスのために医療器具を位置合わせさせる際に医師又は他のユーザを支援するためのシステム、デバイス、及び方法に関する。本開示のある特定の態様は、腎石の除去/治療処置などの腎臓、泌尿器、及び/又は神経学的な処置の文脈において本明細書で詳細に記載されるが、かかる文脈は、便宜上及び明確化のために提供され、本明細書に開示される概念は、任意の適切な医療処置に適用可能であることを理解されたい。しかしながら、上述のように、腎臓/泌尿の解剖学的構造並びに関連する医学的問題及び処置の記載が、本明細書に開示される概念の記載を補助するために以下に提示される。
【0032】
尿路結石症とするときに知られる腎石疾患は、「腎石」、「尿結石」、「腎結石」、「腎臓結石」、又は「腎結石症」と称される、物質の固体片の尿路における形成を伴う比較的一般的な医学的状態である。尿結石は、腎臓、尿管、及び膀胱内に形成及び/又は見出され得る(「膀胱結石」と称される)。かかる尿結石は、ミネラルが濃縮した結果として形成され、尿管又は尿道を通る尿の流れを妨げるのに十分な大きさに達すると、著しい腹痛を引き起こし得る。尿結石は、カルシウム、マグネシウム、アンモニア、尿酸、システイン、又は他の化合物から形成され得る。
【0033】
膀胱及び尿管から尿結石を除去するために、外科医は、一般に、尿管鏡を尿道を通して尿路内へ挿入することができる。典型的には、尿管鏡は、尿路の視覚化を可能にするように構成された内視鏡をそれの遠位端に含む。尿管鏡はまた、尿結石を取り込み又は破砕するための結石摘出機構を含み得る。尿管鏡処置中、1人の医師/技術者が、尿管鏡の位置を制御することができ、別の他の医師/技術者が、結石摘出機構を制御することができる。
【0034】
腎臓から比較的大きな結石(すなわち、「腎石」)を除去するために、医師は、皮膚を通して腎孟尿管鏡を挿入して結石を破砕及び/又は除去することを含む経皮的腎結石摘出(percutaneous nephrolithotomy、「PCNL」)技術を使用することができる。腎石の位置を定めることは、腎孟尿管鏡の挿入のために標的を提供するために蛍光透視法を使用して達成され得る。しかしながら、蛍光透視法は、蛍光鏡自体のコスト、並びに蛍光鏡を操作する技術者のコストのために、腎結石摘出処置のコストを増加させる。蛍光透視法はまた、患者を長期間にわたって放射線にさらす。蛍光透視法を用いても、腎石にアクセスするために経皮的切開を正確に行うことは困難であり、望ましくないほど不正確であり得る。更に、いくつかの腎結石摘出技術は、2日間又は3日間の入院を伴う。要約すると、ある特定の腎結石摘出技術は、比較的高価であり、患者にとって問題となり得る。
【0035】
いくつかの実装形態では、本開示は、人体解剖学的構造内の標的場所への経皮的アクセスのために医療器具を位置合わせすることを支援するための例示的な技術及びシステムに関する。例えば、医療処置を実行するために、医師又は他のユーザは、腎臓内に位置する腎石を除去するためなど、患者内の標的場所にアクセスするために医療器具を使用することができる。標的場所は、腎臓内の所望の乳頭又は他の場所など、医療器具が患者の解剖学的構造にアクセスするための所望の場所を表することができる。本明細書で考察される技術及びシステムは、医師又は他のユーザが、医療器具を適切な向きに位置合わせし及び/又は医療器具を患者内に挿入して標的場所に到達させるのを支援するために、医療器具の向き/位置に関する情報を提供することができる。例えば、本技術及びシステムは、標的軌道/姿勢に対する医療器具の現在の向きを示唆する視覚的表現、医療器具の標的場所への近接を示唆する視覚的表現、並びに/又は医療器具及び/若しくは処置に関する他の情報を提供することができる。標的軌道は、患者の皮膚上の位置などから、患者の入口点から標的場所にアクセスするための所望の経路を表することができる。かかる情報を提供することにより、医師又は他のユーザは、医療器具を正確に操縦/操作して標的場所に到達させ、患者の解剖学的構造への損傷を最小限に抑える方法で医療処置を実行することができる。
【0036】
多くの実施形態では、本技術及びシステムは、皮膚、粘膜、及び/又は他の身体層の穿刺及び/又は切開を行うことによって、標的場所へのアクセスが得られる任意の処置を含み得る、経皮的処置の文脈で考察される。しかしながら、本技術及びシステムは、例えば、低侵襲処置(例えば、腹腔鏡検査)、非侵襲的処置(例えば、内視鏡検査)、療法処置、診断処置、経皮的処置、非経皮的処置、又は他のタイプの処置を含む、任意の医療処置の文脈において実装され得ることを理解されたい。内視鏡処置は、気管支鏡検査、尿管鏡検査、胃鏡検査、腎孟尿管鏡検査、腎結石摘出などを含み得る。いくつかの実施形態では、腹腔鏡処置又は別の処置の文脈において、本技術及びシステムは、ポート配置を誘導するためなど、第1の医療器具を第2の医療器具/解剖学的位置に位置合わせするために(例えば、第1のトロカールを第2のトロカール/解剖学的位置に位置合わせするために)使用され得る。更に、いくつかの実施形態では、診断処置の文脈において、本技術及びシステムは、電磁センサを装備した超音波プローブを解剖学的標的に位置合わせさせるために、又は三次元(three-dimensional、3D)腎臓解剖学的構造などの解剖学的構造を再構築するようにユーザを一組の標的向きに誘導するために使用され得る。更に、いくつかの実施形態では、内視鏡処置の文脈において、本技術及びシステムは、腫瘍の場所などのマーク付けされた場所で生検を実行しながら、気管支鏡の位置を誘導するために使用され得る。
【0037】
医療システム
図1は、本開示の態様による、様々な医療処置を実行するための例示的な医療システム100を例示する。医療システム100は、患者130に対して処置を実行するために、医療器具120と係合し及び/又はそれを制御するように構成されたロボットシステム110を含む。医療システム100はまた、ロボットシステム110とインターフェース接続し、処置に関する情報を提供し、及び/又は様々な他の動作を実行するように構成された制御システム140を含む。例えば、制御システム140は、医師160を支援するために、ある特定の情報を提示するディスプレイ142を含み得る。医療システム100は、患者130を保持するように構成されたテーブル150を含み得る。システム100は、ロボットシステム110の1つ又は2つ以上のロボットアーム112によって保持され得るか、又は独立型デバイスであり得る電磁(electromagnetic、EM)場発生器180を更に含み得る。実施例では、医療システム100はまた、Cアームに一体化され、及び/又は蛍光透視方タイプの処置などの処置中に撮像を提供するように構成され得る撮像デバイス190を含み得る。
図1に示されているが、いくつかの実施形態では、撮像デバイス190は省かれる。
【0038】
いくつかの実装形態では、医療システム100は、経皮的処置を実行するために使用され得る。例えば、患者130が、尿路を通して除去するには大きすぎる腎石を有する場合、医師160は、患者130上の経皮的アクセス点を通して腎石を除去するための処置を実行することができる。例示するために、医師160は、制御システム140と対話して、ロボットシステム110を制御し、医療器具120(例えば、スコープ)を尿道から膀胱を通して尿管を上昇し、結石が位置する腎臓内に前進させナビゲートすることができる。制御システム140は、医師160が医療器具120をナビゲートするのを支援するために、それを用いて取り込まれたリアルタイム画像など、医療器具120に関する情報をディスプレイ142を介して提供することができる。
【0039】
腎石の(例えば、腎臓の杯内の)部位に到達すると、医療器具120を使用して、腎臓に経皮的にアクセスするために、医療器具170の標的場所(例えば、腎臓にアクセスするための所望の点)を指定/タグ付けすることができる。腎臓及び/又はその周囲の解剖学的構造への損傷を最小限に抑えるために、医師160は、医療器具170で腎臓内に進入するための標的場所として特定の乳頭を指定することができる。ただし、他の標的場所が指定又は判定され得る。医師が特定の乳頭を通して医療器具170を患者130に挿入するのを支援するために、制御システム140は、標的軌道(例えば、所望のアクセス経路)に対する医療器具170の向きの位置合わせを示唆する視覚化、例えば、医療器具170を標的場所に向かって挿入する進行を示唆する視覚化、及び/又は他の情報を含み得る器具位置合わせインターフェース144を提供することができる。医療器具170が標的場所に到達すると、医師160は、医療器具170及び/又は別の医療器具を使用して、経皮的アクセス点などを通して、患者130から腎石を摘出することができる。
【0040】
上記の経皮的処置及び/又は他の処置は、医療器具120を使用する文脈で考察されているが、いくつかの実装形態では、経皮的処置が医療器具120の支援を伴わずに実行され得る。更に、医療システム100は、様々な他の処置を実行するために使用され得る。
【0041】
更に、多くの実施形態では、医師160が医療器具170を使用すると記述されているが、医療器具170は、代替的に、医療システム100の構成要素によって使用され得る。例えば、医療器具170は、ロボットシステム110(例えば、1つ又は2つ以上のロボットアーム112)によって保持/操作され得、本明細書で考察される技術は、医療器具170を適切な向きに挿入して標的場所に到達させるためにロボットシステム110を制御するように実装され得る。
【0042】
図1の実施例では、医療器具120は、スコープとして実装され、医療器具170は、針として実装される。こうして、考察を容易にするために、医療器具120は、「スコープ120」又は「管腔ベースの医療器具120」と称され、医療器具170は、「針170」又は「経皮的医療器具170」と称される。しかしながら、医療器具120及び医療器具170は各々、例えば、スコープ(「内視鏡」と称されることもある)、針、カテーテル、ガイドワイヤ、腎石砕石器、バスケット回収デバイス、鉗子、バキューム、針、メス、針ホルダ、マイクロ切開器具、ステープルアプライヤ、タッカ、吸引/灌注ツール、クリップアプライヤなどを含む、適切なタイプの医療器具として実装され得る。いくつかの実施形態では、医療器具は、操縦可能デバイスであるが、他の実施形態では、医療器具は非操縦可能デバイスである。いくつかの実施形態では、外科用ツールは、針、メス、ガイドワイヤなどの人体解剖学的構造を穿刺するか又は人体解剖学的構造を通して挿入されるように構成されているデバイスを指す。しかしながら、外科用ツールは、他のタイプの医療器具を指すことができる。
【0043】
いくつかの実施形態では、スコープ120及び/又は針170などの医療器具は、別のデバイスに送信され得るセンサデータを生成するように構成されているセンサを含む。実施例では、センサデータは、医療器具の場所/向きを示唆することができ、及び/又は医療器具の場所/向きを判定するために使用され得る。例えば、センサは、導電性材料のコイルを有する電磁(EM)センサを含み得る。ここで、EM場発生器180などのEM場発生器は、医療器具上のEMセンサによって検出されるEM場を提供することができる。磁場は、EMセンサのセンサコイル内に小電流を誘導することができ、この小電流を分析して、EMセンサとEM場生成器との間の距離及び角度を判定することができる。更に、医療器具は、カメラ、範囲センサ、レーダデバイス、形状検知ファイバ、加速度計、ジャイロスコープ、加速度計、衛星ベースの測位センサ(例えば、地球測位システム(global positioning system、GPS))、無線周波数トランシーバなどのセンサデータを生成するように構成された他のタイプのセンサを含み得る。いくつかの実施形態では、センサは、医療器具の遠位端上に位置決めされるが、他の実施形態では、センサは、医療器具上の別の場所に位置決めされる。いくつかの実施形態では、医療器具上のセンサは、センサデータを制御システム140に提供することができ、制御システム140は、医療器具の位置及び/又は向きを判定/追跡するために1つ又は2つ以上の位置特定技術を実行することができる。
【0044】
「スコープ」又は「内視鏡」という用語は、本明細書では、それらの広義及び通常の意味に従って使用され、画像生成、視認、及び/又は取り込み機能性を有し、身体の任意のタイプの臓器、腔、管腔、室、及び/又は隙に導入されるように構成された任意のタイプの細長い医療器具を指すことができる。例えば、本明細書におけるスコープ又は内視鏡への言及は、(例えば、尿路にアクセスするための)尿管鏡、腹腔鏡、(例えば、腎臓にアクセスするための)腎孟尿管鏡、(例えば、気管支などの気道にアクセスするための)気管支鏡、(例えば、結腸にアクセスするための)結腸鏡、(例えば、関節にアクセスするための)関節鏡、(例えば、膀胱にアクセスするための)膀胱鏡、ボアスコープなどを指すことができる。
【0045】
スコープは、解剖学的構造の画像を取り込むために患者の解剖学的構造内に挿入されるように構成されているチューブ状及び/又は可撓性の医療器具を備え得る。いくつかの実施形態では、スコープは、光学アセンブリ及びスコープの遠位端との間で信号を転送するために、ワイヤ及び/又は光ファイバを収容することができ、スコープは、光学カメラなどの撮像デバイスを含み得る。カメラ/撮像デバイスは、肝臓の標的腎杯/乳頭などの内部解剖学的空間の画像を取り込むために使用され得る。スコープは、発光ダイオードなどの近位に位置する光源からスコープの遠位端まで光を搬送するために光ファイバを収容するように更に構成され得る。スコープの遠位端は、カメラ/撮像デバイスを使用するときに解剖学的空間を照明するための光源用のポートを含み得る。いくつかの実施形態では、スコープは、ロボットシステム110などのロボットシステムによって制御されるように構成されている。撮像デバイスは、光ファイバ、ファイバアレイ、及び/又はレンズを備え得る。光学構成要素は、スコープの先端部と共に移動することができるため、スコープの先端部の移動が撮像装置によって取り込まれた画像に変化をもたらす。
【0046】
スコープは、スコープの少なくとも遠位側部分などに対して関節運動可能であり得るため、スコープは、人体解剖学的構造内で操縦され得る。いくつかの実施形態では、スコープは、例えば、X、Y、Z座標移動、並びにピッチ、ヨー、及びロールを含む、例えば、5又は6自由度で関節運動されるように構成されている。スコープの位置センサは、同様に、それらが作成/提供する位置情報に関して同様の自由度を有することができる。スコープは、内側リーダ部分及び外側シース部分などの伸縮部品を含み得、これら伸縮部品は、スコープを伸縮自在に延伸するように操作され得る。スコープは、いくつかの事例では、剛性又は可撓性チューブを備え得、外側シース、カテーテル、導入器、又は他の管腔型デバイス内を通過するように寸法決めされ得るか、又はかかるデバイスを伴わずに使用され得る。いくつかの実施形態では、スコープは、スコープの遠位端において動作区域に対し、医療器具(例えば、砕石器、バスケットデバイス、鉗子など)、灌注、及び/又は吸引を展開するための作業チャネルを含む。
【0047】
ロボットシステム110は、医療処置の遂行を少なくとも部分的に容易にするように構成され得る。ロボットシステム110は、特定の処置に応じて様々な方法で配列され得る。ロボットシステム110は、処置を実行するためにスコープ120と係合し、及び/又はそれを制御するように構成された1つ又は2つ以上のロボットアーム112を含み得る。示されるように、各ロボットアーム112は、ジョイントに結合された複数のアームセグメントを含み得、これにより、複数の移動度が提供され得る。
図1の実施例では、ロボットシステム110は、患者130の脚に近接して位置決めされ、ロボットアーム112は、患者130の尿道などのアクセス点へのアクセスのために、スコープ120と係合して位置決めするように作動される。ロボットシステム110が適切に位置決めされると、スコープ120は、ロボットアーム112を使用してロボット的に、医師160によって手動で、又はそれらの組み合わせで患者130に挿入され得る。ロボットアーム112はまた、EM場発生器180に接続され得、これは患者130の腎臓に近接範囲内など、治療部位の近くに位置決めされ得る。
【0048】
ロボットシステム110はまた、1つ又は2つ以上のロボットアーム112に結合された支持構造114を含み得る。支持構造114は、制御電子機器/回路、1つ又は2つ以上の電源、1つ又は2つ以上の空気圧、1つ又は2つ以上の光源、1つ又は2つ以上のアクチュエータ(例えば、1つ又は2つ以上のロボットアーム112を移動させるモータ)、メモリ/データ記憶装置、及び/又は1つ又は2つ以上の通信インターフェースを含み得る。いくつかの実施形態では、支持構造114は、ロボットシステム110を制御するためのユーザ入力などの入力を受信することと、及び/又はグラフィカルユーザインターフェース(graphical user interface、GUI)、ロボットシステム110に関する情報、処置に関する情報などの出力を提供することと、を行うように構成された入力/出力(input/output、I/O)デバイス116を含む。I/Oデバイス116は、ディスプレイ、タッチスクリーン、タッチパッド、プロジェクタ、マウス、キーボード、マイクロフォン、スピーカなどを含み得る。いくつかの実施形態では、ロボットシステム110は、移動可能である(例えば、支持構造114は、ホイールを含む)ため、ロボットシステム110は、処置に適切な又は所望される場所に位置決めされ得る。他の実施形態では、ロボットシステム110は、固定システムである。更に、いくつかの実施形態では、ロボットシステム112は、テーブル150に一体化されている。
【0049】
ロボットシステム110は、制御システム140、テーブル150、EM場発生器180、スコープ120、及び/又は針170などの医療システム100の任意の構成要素に結合することができる。いくつかの実施形態では、ロボットシステムは、制御システム140に通信可能に結合されている。一実施例では、ロボットシステム110は、制御システム140から制御信号を受信して、特定の方法でロボットアーム112を位置決めする、スコープ120を操作するなどの動作を実行するように構成され得る。これに応答して、ロボットシステム110は、ロボットシステム110の構成要素を制御して、動作を実行することができる。別の実施例では、ロボットシステム110は、患者130の内部解剖学的構造を描写する画像をスコープ120から受信し、及び/又は画像を制御システム140に送信するように構成され、次いで、その画像はディスプレイ142上に表示され得る。更に、いくつかの実施形態では、ロボットシステム110は、制御システム140などの医療システム100の構成要素に、流体、光学系、電力などをそこから受信することを可能にするように結合される。ロボットシステム110の例示的な詳細が、
図11を参照して以下で更に詳細に考察される。
【0050】
制御システム140は、医療処置を実行するのを支援する様々な機能性を提供するように構成され得る。いくつかの実施形態では、制御システム140は、ロボットシステム110に結合され、患者130に医療処置を実行するために、ロボットシステム110と協働して動作することができる。例えば、制御システム140は、(例えば、ロボットシステム110及び/又はスコープ120を制御するため、スコープ120などによって取り込まれた画像を受信するために)無線接続又は有線接続を介してロボットシステム110と通信し、1つ又は2つ以上の流体チャネルを介してロボットシステム110に流体を提供し、1つ又は2つ以上の電気接続を介してロボットシステム110に電力を提供し、1つ又は2つ以上の光ファイバ又は他の構成要素などを介してロボットシステム110に光学系を提供することができる。更に、いくつかの実施形態では、制御システム140は、針170及び/又はスコープ170と通信して、針170及び/又は内視鏡120から(ロボットシステム110を介して、及び/又は針170及び/又は内視鏡120から直接)センサデータを受信することができる。更に、いくつかの実施形態では、制御システム140は、テーブル150と通信して、テーブル150を特定の向きに位置決めするか、又は別様にテーブル150を制御することができる。更に、いくつかの実施形態では、制御システム140は、EM場発生器180と通信して、患者130の周囲のEM場の生成を制御することができる。
【0051】
制御システム140は、医師160又は他の者が医療処置を実行するのを支援するように構成された様々なI/Oデバイスを含む。この実施例では、制御システム140は、患者130内でスコープ120をナビゲートするなど、スコープ120を制御するために医師160又は他のユーザによって用いられるI/Oデバイス146を含む。例えば、医師160は、I/Oデバイス146を介して入力を提供することができ、それに応答して、制御システム140は、スコープ120を操作するために制御信号をロボットシステム110に送信することができる。I/Oデバイス146は、
図1の実施例ではコントローラとして例示されているが、I/Oデバイス146は、タッチスクリーン、タッチパッド、マウス、キーボードなどの様々なタイプのI/Oデバイスとして実装され得る。
【0052】
図1にも示されるように、制御システム140は、処置に関する様々な情報を提供するためにディスプレイ142を含むことができる。上記のように、ディスプレイ142は、器具位置合わせインターフェース144を提示して、医師160が針170を操作するのを支援することができる。ディスプレイ142はまた、スコープ120に関する情報を(例えば、器具位置合わせインターフェース144及び/又は別のインターフェースを介して)提供することができる。例えば、制御システム140は、スコープ120によって取り込まれるリアルタイム画像を受信し、ディスプレイ142を介してリアルタイム画像を表示することができる。例示的な器具位置合わせインターフェースが
図2に例示される。追加的又は代替的に、制御システム140は、患者130に関連付けられた医療モニタ及び/又はセンサから信号(例えば、アナログ、デジタル、電気、音響/音波、空気圧、触覚、油圧など)を受信することができ、ディスプレイ142は、患者130の健康又は環境に関する情報を提示することができる。かかる情報は、例えば、心拍数(例えば、ECG、HRVなど)、血圧/レート、筋生体信号(例えば、EMG)、体温、血中酸素飽和度(例えば、SpO
2)、CO
2、脳波(例えば、EEG)、環境及び/又は局所若しくはコア体温などを含む、医療モニタを介して表示される情報を含むことができる。
【0053】
制御システム140の機能性を容易にするために、制御システム140は、様々な構成要素(「サブシステム」と称されることもある)を含むことができる。例えば、制御システム140は、制御電子機器/回路、並びに1つ又は2つ以上の電源、空気圧、光源、アクチュエータ、メモリ/データ記憶デバイス、及び/又は通信インターフェースを含むことができる。いくつかの実施形態では、制御システム140は、実行可能な命令を記憶するように構成されているコンピュータベースの制御システムを備える制御回路を含み、実行可能な命令は、実行されると、様々な動作を実装させる。いくつかの実施形態では、
図1に示されるように、制御システム140は、移動可能であるが、他の実施形態では、制御システム140は、固定システムである。様々な機能性及び構成要素が制御システム140によって実装されるものとして考察されているが、この機能性及び/又は構成要素のうちのいずれも、ロボットシステム110、テーブル150、及び/又はEM生成器180(又は更にはスコープ120及び/又は針170)などの他のシステム及び/又はデバイスに一体化され、及び/又はそれらによって実行され得る。制御システム140の例示的な詳細が、
図12を参照して以下で更に詳細に考察される。
【0054】
撮像デバイス190は、1つ又は2つ以上のX線又はCT画像など、処置中に患者130の1つ又は2つ以上の画像を取り込み/生成するように構成され得る。実施例では、撮像デバイス190からの画像は、医師160が処置を実行するのを支援するために、患者130内の、解剖学的構造及び/又はスコープ120及び/又は針170などの医療器具を視認するようにリアルタイムで提供され得る。撮像デバイス190を使用して、(例えば、患者130内の造影剤を用いた)蛍光透視法又は別のタイプの撮像技術を実行することができる。
図1に示されているが、多くの実施形態では、撮像デバイス190は、処置を実行するために実装されず、及び/又は(Cアームを含む)撮像デバイス190は省かれる。
【0055】
医療システム100の様々な構成要素は、無線及び/又は有線のネットワークを含み得るネットワークを介して互いに通信可能に結合され得る。例示的なネットワークとしては、1つ又は2つ以上のパーソナルエリアネットワーク(personal area network、PAN)、ローカルエリアネットワーク(local area network、LAN)、ワイドエリアネットワーク(wide area network、WAN)、インターネットエリアネットワーク(Internet area network、IAN)、セルラーネットワーク、インターネットなどが挙げられる。更に、いくつかの実施形態では、医療システム100の構成要素は、1つ又は2つ以上の支持ケーブル、チューブなどを介して、データ通信、流体/ガス交換、電力交換などのために接続されている。
【0056】
医療システム100は、医師が処置実行するのを支援するためのガイダンス(例えば、器具追跡、器具位置合わせ情報など)を提供すること、医師が厄介な腕の動き及び/又は位置を必要とせずに人間工学的位置から処置を行うことを可能にすること、1人の医師が1つ又は2つ以上の医療器具を用いて処置を実行することを可能にすること、(例えば、蛍光透視技術に関連付けられた)放射線曝露を回避すること、処置が単一動作設定で実行されることを可能にすること、物体をより効率的に除去するために(例えば、腎石を除去するために)連続吸引を提供することなど、様々な利益を提供することができる。例えば、医療システム100は、医師が、解剖学的構造(例えば、重要な臓器、血管など)への出血及び/又は損傷を最小限に抑えながら、様々な医療器具を使用して標的解剖学的フィーチャーにアクセスするのを支援するために、ガイダンス情報を提供することができる。更に、医療システム100は、医師及び患者の放射線への曝露を低減、及び/又は手術室内の機器の量を低減するために、非放射線ベースのナビゲーション及び/又は位置特定技術を提供することができる。更に、医療システム100は、少なくとも制御システム140とロボットシステム110との間に分散された機能性を提供することができ、これにより、独立して移動可能になり得る。機能性及び/又は移動性のかかる分散は、制御システム140及び/又はロボットシステム110が、特定の医療処置に対して最適である場所に配置されることを可能にすることができ、これにより、患者の周囲の作業領域を最大化し、及び/又は医師が処置を実行するための最適化された場所を提供することが可能になる。
【0057】
様々な技術及びシステムがロボット支援処置(例えば、医療システム100を少なくとも部分的に使用する処置)として実装されるものとして考察されているが、これらの技術及びシステムは、完全ロボット医療処置、人間のみの処置(例えば、ロボットシステムを含まない)などの他の処置で実装され得る。例えば、医療システム100は、医師が医療器具を保持/操作することなく処置(例えば、完全ロボット処置)を実行するために使用され得る。すなわち、スコープ120及び針170など、処置中に使用される医療器具は各々、ロボットシステム110のロボットアーム112などの医療システム100の構成要素によって保持/制御され得る。
【0058】
例示的なインターフェース
図2は、1つ又は2つ以上の実施形態による、医療器具の位置及び/若しくは向きに関する情報、及び/又は医療処置に関する他の情報に関する情報を提供するための例示的な器具-位置合わせインターフェース200を例示する。示されるように、器具-位置合わせインターフェース200(「器具-位置合わせグラフィックユーザインターフェース(GUI)200」と称されることもある)は、スコープなどの第1の医療器具によって取り込まれた画像212を提供するためのスコープセクション210、及び針などの第2の医療器具の向きに関する情報を提供するための位置合わせセクション220を含むことができる。スコープセクション210及び位置合わせセクション220は、同じ器具-位置合わせインターフェース200に含まれるものとして例示されているが、いくつかの実施形態では、器具-位置合わせインターフェース200は、セクション210及び220のうちの一方のみを含む。例えば、位置合わせセクション220は、器具-位置合わせインターフェース200の一部として含まれ得、スコープセクション210は、追加のインターフェース内に含まれ得る。更に、いくつかの実施例では、スコープセクション210及び/又は位置合わせセクション220は、位置合わせセクション220がスコープセクション212の少なくとも一部分に重ね合わされ、スコープセクション212が位置合わせセクション220とは異なる形態で位置合わせ情報を提示されるなどして、拡張又は仮想現実インターフェース内に実装され得る。
図2の実施例では、器具-位置合わせインターフェース200は、スコープ及び別の医療器具を使用する処置の情報を提供する。しかしながら、器具-位置合わせインターフェース200は、スコープを伴わずに実行される処置などの他のタイプの処置に使用され得る。かかる場合、画像212は提示されなくてもよく、及び/又はスコープセクション210は省かれ得る。
【0059】
上記のように、スコープセクション212は、管腔又は他の解剖学的構造内をナビゲートするように構成されているスコープの画像212を提供する。この実施例では、画像212は、腔214と腔214のうちの1つ内に位置する腎石216とを含む、腎臓の内部部分を描写している。ここで、腎石216は、乳頭に近接する腎杯内に位置する。しかしながら、画像212は、患者内のスコープの場所に応じて、任意の人体解剖学的構造を描写することができる。画像212は、ビデオなどのリアルタイム画像を含むことができる。
【0060】
位置合わせセクション220は、標的軌道に対する医療器具の向きの位置合わせ及び/又は医療器具の標的場所への近接を示唆するための位置合わせ-進行視覚化230を含む。示されるように、位置合わせ-進行視覚化230は、医療器具の向きを表す器具-位置合わせ要素232(「器具-位置合わせアイコン232」又は「針-位置合わせアイコン232」と称されることもある)、及び標的軌道に関連付けられた位置合わせマーキング234を含む。この実施例では、器具-位置合わせ要素232は、医療器具の向きの変化に基づいて、位置合わせマーキング234(C)(「境界マーキング234(C)」とも称される)によって画定される領域内で移動することができる。例えば、医療器具が傾けられているとき、器具-位置合わせ要素232は、領域内の位置を変化させることができる。実施例では、位置合わせマーキング234(A)は、標的場所/標的軌道/標的姿勢を表すことができる。
【0061】
いくつかの実施形態では、一方向への医療器具の傾きは、ブルズアイ水準器タイプの水準器と同様に、反対方向への器具-位置合わせ要素232の移動を引き起こす。例えば、医療器具が右に傾けられている場合、器具-位置合わせ要素232は左に移動することができる。他の実施形態では、医療器具の傾きは、傾きと同じ方向への器具-位置合わせ要素232の移動を引き起こすことになる。例えば、医療器具が右に傾けられている場合、器具-位置合わせ要素232は右に移動することができる。いずれの場合も、医療器具の向きが標的軌道と位置合わせされるとき、器具位置合わせ要素232は、位置合わせマーキング234と位置合わせされた配列で(例えば、位置合わせマーキング234(A)内に、又はそこに中心を置くなど、位置合わせマーキング234と共に中心を置かれて)表示され得る。
【0062】
いくつかの実施形態では、医療器具の向き変化単位に対する器具-位置合わせ要素232の位置変化量(例えば、器具-位置合わせ要素232の感度)は、医療器具の標的場所への近接に基づく。例えば、医療器具が標的場所のより近くに移動するほど、器具位置合わせ要素232は、医療器具の向きの同じ変化量に対して、より大きい又はより小さい移動で実装され得る。例示するために、医療器具が標的場所から第1の距離であるとき、器具-位置合わせインターフェース200は、医療器具の向きの変化単位に応答して、器具-位置合わせ要素232の位置を第1の量だけ変化させることができる。医療器具が標的場所から第2の距離である(例えば、標的場所に近い)とき、器具-位置合わせインターフェース200は、医療器具の向きの同じ変化単位に応答して、器具-位置合わせ要素232の位置を第2の量(例えば、より大きい又はより小さい量)だけ変化させることができる。
【0063】
いくつかの実施形態では、器具-位置合わせ要素232の感度を変化させることは、医師が医療器具で標的場所に到達するのを更に支援することができる。例えば、いくつかの事例では、医療器具が標的からより遠いほど、医療器具の向きを合わせるために必要とされる精度はより低くなり得る。一方、医療器具が標的場所のより近くに移動するほど、医療器具の向きを合わせるために必要とされる精度はより高くなり得る。言い換えれば、医療器具が標的のより近くに移動するほど、医師は、医療器具の向きをより正確に調整して実際に標的に到達させる必要があり得る。そのため、器具-位置合わせ要素232の感度を変化させることによって、医師は、医療器具をより正確に操縦して標的場所に到達させることができるが、その変化は比較的小さいものであり得る。
【0064】
位置合わせ-進行視覚化230はまた、医療器具の標的場所への近接を示唆する進行バー236を含むことができる。
図2の実施例では、進行バー236は、境界マーキング234(C)の周囲に提示される。しかしながら、進行バー236は、位置合わせ-進行視覚化230の側面など、器具-位置合わせインターフェース200内の任意の場所に提示され得る。進行バー236は、標的場所に対する医療器具の現在位置情報を提供することができる。例えば、進行バー236は、以下の実施例で考察されるように、医療器具が標的場所のより近くに移動するときに塗りつぶすことができる。いくつかの実施形態では、医療器具が標的場所に到達した場合、器具-位置合わせインターフェース200は、進行バー236上の示唆などで、医療器具が標的場所に到達したという示唆を提供することができる。同様に、いくつかの実施形態では、医療器具が標的場所を越えて挿入される場合、器具-位置合わせインターフェース200は、医療器具が進行バー236上の示唆などで、標的場所を越えて挿入されたという示唆を提供することができる。
図2の実施例では、進行バー236は、医療器具が患者内にまだ挿入されていない(例えば、医療器具が患者の皮膚上にあるか、又は別様に患者の外部にある)ことを示唆する。
【0065】
いくつかの実施形態では、位置合わせ-進行視覚化230は、医療器具に関する向き及び進行情報を視認するための単一の視覚化を含む。例えば、医療器具の向き及び標的場所への器具の進行に関する情報は、組み合わされた視覚化で表示され得る。かかる組み合わされた視覚化は、医師又は他のユーザが、医療器具を操作しながら単一のアイテムとの視覚的接触を維持し、いくつかのディスプレイ、インターフェース、視覚化などを視認するための医師の目又は身体の移動によって生じ得る医療器具の不注意な移動を回避することを可能にすることができる。そのため、組み合わせた視覚化は、医師又は他のユーザが、医療器具をより正確に操作して患者内の標的場所に到達させることを可能にすることができる。
【0066】
図2の実施例では、位置合わせ-進行視覚化230の様々な構成要素は、円形形状で提示される。しかしながら、位置合わせ-進行視覚化230の任意の構成要素は、任意の他の形状などの様々な形態をとることができる。例えば、位置合わせマーキング234、器具-位置合わせ要素232、及び/又は進行バー236は、矩形形状又は任意の他の形状で提示され得る。いくつかの実装形態では、器具-位置合わせ要素232は、エアーバブルを表すバブル表現を含む。
【0067】
図2にも示されるように、器具-位置合わせインターフェース200は、処置の異なるフェーズ/ステップに関連付けられた異なる視覚化の間をナビゲートするためのナビゲーション表現240を含むことができる。例えば、腎石を除去することに関連付けられた処置は、様々なフェーズ/ステップを含むことができ、フェーズ/ステップのうちの1つは、医療器具を位置合わせし患者内に挿入して標的場所に到達させることを含む。かかるフェーズ/ステップの場合、器具-位置合わせインターフェース200は、医師がかかるフェーズ/ステップを実行するのを支援するために、
図2に示される情報を表示することができる。医師は、ナビゲーション表現240内の「戻る」又は「次へ」テキストを選択することによって、前の又は次のフェーズ/ステップのための異なる視覚化又はインターフェースに移動することができる。更に、器具-位置合わせインターフェース200は、メニューにアクセスするための視覚的表現250を含むことができ、これにより、他のタイプの処置又は他の情報に関連付けられたインターフェース/情報へのアクセスを可能にすることができる。
【0068】
多くの実施形態は二次元(two-dimensional、2D)表現を含む器具-位置合わせインターフェースの文脈で考察され、例示されているが、いくつかの実施形態では、器具-位置合わせインターフェースは、三次元(3D)表現を含むことができる。例えば、器具-位置合わせインターフェースは、位置ずれを示唆するために平面及び平面上の歪んだラインを提示すること、平面の形状/形態が位置ずれを示唆するために歪み/変化するように構成された平面を提示すること、などが可能である。
【0069】
いくつかの実施形態では、本明細書で考察される器具-位置合わせインターフェース200及び/又は任意の他のインターフェースは、標的化データ及び/又はインターフェースデータに基づく。例えば、平面上の標的場所に対する平面上の医療器具の投影位置を示唆する標的化データ/インターフェースデータを生成することができる。標的データ/インターフェースデータは、標的軌道に関連付けられた位置合わせマーキング234に対する医療器具の向きを表す器具-位置合わせ要素232を位置決めするためなど、位置合わせ-進行視覚化230を表示するために使用され得る。
【0070】
医療システムを使用する例示的な処置
図3~
図5は、1つ又は2つ以上の実施形態による、経皮的処置を実行するように配列された
図1の医療システム100の上面図を例示する。これらの実施例では、医療システム100は、スコープ120及び針170の助けを借りて患者130から腎石を除去するために手術室に配列される。かかる処置の多くの実施形態では、患者130は、
図1に例示されるように、患者130の背面又は側面にアクセスするために、患者130が側部にわずかに傾けられた修正された仰臥位に位置決めされる。しかしながら、患者130は、仰臥位、腹臥位など、別様に位置決めされ得る。患者130の解剖学的構造を視認する例示を容易にするために、
図3~
図5は、脚を広げた仰臥位の患者130を例示する。また、例示を容易にするために、撮像デバイス190(Cアームを含む)は取り外されている。
【0071】
図3~
図5は、患者130から腎石を除去するための経皮的処置を実行するための医療システム100の使用を例示しているが、医療システム100は、別様に腎石を除去するために、及び/又は他の処置を実行するために使用され得る。更に、患者130は、処置のために所望される他の位置に配列され得る。様々な行為が、
図3~
図5において、及び本開示全体を通して、医師160によって実行されるものとして記載されている。これらの行為は、医師160、医師の指示の下にあるユーザ、別のユーザ(例えば、技術者)、それらの組み合わせ、及び/又は任意の他のユーザによって直接実行され得ることを理解されたい。
【0072】
腎解剖学的構造は、
図3~
図5に少なくとも部分的に例示されるように、本概念の態様に関連するある特定の医療処置に関する参照のために本明細書に記載される。腎臓は、一般に、後腹膜腔の左右に位置する2つの豆形状臓器を含む。成人では、腎臓は、一般に、長さが約11cmである。腎臓は、対になった腎動脈から血液を受信する。血液は、対になった腎静脈内に出る。各腎臓は、尿管に付着し、尿管は腎臓から膀胱に排泄された尿を搬送するチューブである。膀胱は、尿道に付着している。
【0073】
腎臓は、典型的には腹腔内で比較的高く位置し、わずかに斜めの角度で腹膜後位にある。肝臓の位置によって引き起こされる腹腔内の非対称性は、典型的には、右腎臓が左腎臓よりわずかに低くかつ小さく、左腎臓よりもわずかに中央に配置されることをもたらす。各腎臓の上部には副腎がある。腎臓の上部は、第11及び第12の肋骨によって部分的に保護されている。各腎臓は、その副腎を有するが、2つの層、すなわち、腎筋膜と腎被膜との間に存在する腎周囲脂肪及び腎筋膜の上にある腎傍脂肪で囲まれている。
【0074】
腎臓は、様々な体液区画の容積、流体浸透圧、酸塩基バランス、様々な電解質濃度、及び毒素の除去の制御に関与する。腎臓は、ある特定の物質を分泌し、他の物質を再吸収することによって濾過機能性を提供する。尿中に分泌される物質の例は、水素、アンモニウム、カリウム、及び尿酸である。加えて、腎臓はまた、ホルモン合成などの様々な他の機能を実行する。
【0075】
腎臓の凹状境界上の凹部領域は腎門部であり、腎門部では、腎動脈が腎臓に入り、腎静脈及び尿管が出ている。腎臓は、丈夫な繊維状組織である腎被膜よって囲まれており、腎被膜自体は、腎周囲脂肪、腎筋膜、及び腎傍脂肪によって囲まれている。これらの組織の前方(正面)表面は、腹膜であり、後方(後部)表面は、横筋筋膜である。
【0076】
腎臓の機能基質又は実質は、2つの主要構造、すなわち、外側腎皮質及び内側腎髄質に分割される。これらの構造は、複数の円錐形の腎葉の形状をとり、それぞれが腎錐体と称される髄質の一部分を囲む腎皮質を含む。腎錐体間には、腎柱と称される皮質の突起がある。ネフロン、腎臓の尿産生機能構造体は、皮質及び髄質に及ぶ。ネフロンの最初の濾過分部は、皮質に位置する腎小体である。これに続いて腎細管があり、これは皮質から髄質錐体へ深く通過する。腎皮質の一部、髄腔は、単一の集合管に排出される尿細管の集合体である。
【0077】
各錐体の先端又は乳頭は、尿をそれぞれの小腎杯に排出し、小腎杯は大腎杯に排出し、大腎杯は腎孟に排出し、尿は尿管に遷移する。門部では、尿管及び腎静脈が腎臓から出て、腎動脈が入る。門脂肪とリンパ節を有するリンパ組織とは、これらの構造を取り囲む。門脂肪は、腎洞と称される脂肪で満たされた腔と隣接している。腎洞は、腎孟及び腎杯を集合的に含有し、これらの構造を髄質組織から分離する。
【0078】
図3~
図5は、患者130の解剖学的構造の様々なフィーチャーを示す。例えば、患者130は、尿管320を介して膀胱330に流体接続された腎臓310、及び膀胱330に流体接続された尿道340を含む。腎臓310(A)の拡大描写に示されるように、腎臓310(A)は、腎杯(腎杯312を含む)、腎乳頭(「乳頭314」とも称される、「腎乳頭314」を含む)、及び腎錐体(腎錐体316を含む)を含む。これらの実施例では、腎石318は、乳頭314に近接して位置している。しかしながら、腎石318は、腎臓310(A)内の他の場所などに位置し得る。
【0079】
図3に示されるように、例示的な経皮的処置において腎石318を除去するために、医師160は、ロボットシステム110をテーブル150の側部/足部に位置決めして、スコープ120(
図3には例示せず)の患者130への送達を開始することができる。具体的には、ロボットシステム110は、患者130の足の近接範囲内でテーブル150の側部に位置決めされ、患者130の尿道340への直接線形アクセスのために位置合わせされ得る。実施例では、患者130の股関節が、ロボットシステム110を位置決めするための基準点として使用される。位置決めされると、ロボットアーム112(B)及び112(C)などのロボットアーム112のうちの1つ又は2つ以上は、患者130の脚の間に到達するように外向きに伸びることができる。例えば、ロボットアーム112(B)は、
図3に示されるように、尿道340まで延伸して、そこに線形アクセスを提供するように制御され得る。この実施例では、医師160は、医療器具350を、この直接線形アクセス経路(「仮想レール」と称されることもある)に沿って、尿道340内に少なくとも部分的に挿入する。医療器具350は、スコープ130を受容するように構成された管腔型デバイスを含むことができ、それによって、スコープ120を患者130の解剖学的構造内に挿入するのを支援する。ロボットアーム112(B)を患者130の尿道340に位置合わせすることによって、及び/又は医療器具350を使用することによって、領域内の敏感な解剖学的構造に対する摩擦及び/又は力が低減され得る。医療器具350が
図3に例示されているが、いくつかの実施形態では、医療器具350は使用されない(例えば、スコープ120は、尿道340に直接挿入され得る)。
【0080】
医師160はまた、処置のためにロボットアーム112(A)を処置部位の近くに位置決めすることができる。例えば、ロボットアーム112(A)は、患者130の切開部位及び/又は腎臓310の近接範囲内に位置決めされ得る。ロボットアーム112(A)は、処置中にスコープ120及び/又は針170の場所を追跡するのを支援するために、EM場発生器180に接続され得る。ロボットアーム112(A)は、患者130の比較的近くに位置決めされているが、いくつかの実施形態では、ロボットアーム112(A)は、他の場所に位置決めされ、及び/又はEM場発生器180は、テーブル150に一体化されている(これにより、ロボットアーム112(A)がドッキング位置にあることを可能にすることができる)。この実施例では、処置のこの時点で、ロボットアーム112(C)は、
図3に示されるように、ドッキング位置のままである。しかしながら、ロボットアーム112(C)は、いくつかの実施形態では、ロボットアーム112(A)及び/又は112(C)の上記で考察された機能のうちのいずれかを実行するために使用され得る。
【0081】
ロボットシステム110が適切に位置決めされ、及び/又は医療器具350が尿道340に少なくとも部分的に挿入されると、
図4に示されるように、スコープ120は、ロボット的に、手動で、又はそれらの組み合わせで患者130に挿入され得る。例えば、医師160は、スコープ120をロボットアーム112(C)に接続し、及び/又はスコープ120を医療器具350及び/又は患者130内に少なくとも部分的に位置決めすることができる。スコープ120は、処置前又は処置中(例えば、ロボットシステム110を位置決めした後)などの任意の時点でロボットアーム112(C)に接続され得る。次いで、医師160は、スコープ120を患者130内でナビゲートするために、I/Oデバイス146などの制御システム140と対話することができる。例えば、医師160は、尿道340、膀胱330、尿管320(A)を通って腎臓310(A)までスコープ120をナビゲートするために、I/Oデバイス146を介して入力を提供して、ロボットアーム112(C)を制御することができる。
【0082】
示されるように、制御システム140は、医師160がスコープ120を制御するのを支援するために、ディスプレイ142を介して、
図2の器具-位置合わせインターフェース200などの、スコープ120によって取り込まれたリアルタイム画像412を視認するための器具-位置合わせインターフェース410を提示することができる。医師160は、画像412に描写されるように、腎石318を位置決めするためにスコープ120をナビゲートすることができる。いくつかの実施形態では、制御システム140は、位置特定技術を使用してスコープ120の位置及び/又は向きを判定することができ、これは、ディスプレイ142(
図4のディスプレイ142上に例示せず)を通して医師160によって視認され、スコープ120を制御するのを支援することもできる。更に、いくつかの実施形態では、医師160がスコープ120を制御するのを支援するために、患者130の内部解剖学的構造のX線画像など、他のタイプの情報がディスプレイ142を通して提示され得る。
【0083】
腎石318の位置を特定すると、医師160は、腎石318の最終的な摘出のために、針170が腎臓310(A)に進入する場所を識別することができる。例えば、出血を最小限に抑え、及び/又は腎臓310(A)の血管若しくは他の望ましくない解剖学的構造及び/又は腎臓310(A)を囲む解剖学的構造に当たることを回避するために、医師160は、針170を腎杯の軸と位置合わせすることを求めることができる(例えば、腎杯の中心を通って真正面から腎杯に到達することを求めることができる)。そうするために、医師160は、乳頭を標的場所として識別することができる。この実施例では、医師160は、スコープ120を使用して、腎石318の近くにある乳頭314の位置を特定し、乳頭314を標的場所として指定する。乳頭314を標的場所として指定するいくつかの実施形態では、医師160は、乳頭314に接触するためにスコープ120をナビゲートすることができ、制御システム140は、位置特定技術を使用して、スコープ120の場所(例えば、スコープ120の端部の場所)を判定することができ、制御システム140は、スコープ120の場所を標的場所と関連付けることができる。他の実施形態では、医師160は、乳頭314まで特定の距離内にある(例えば、乳頭314の前に静止状態にする)ようにスコープ120をナビゲートし、標的場所がスコープ120の視野内にあることを示唆する入力を提供することができる。制御システム140は、標的場所の場所を判定するために、画像分析及び/又は他の位置特定技術を実行することができる。更に他の実施形態では、スコープ120は、標的場所として乳頭314をマーク付けするための基準点を送達することができる。
【0084】
図5に示されるように、医師160は、標的場所への挿入のために針170を位置決めすることによって、処置を進めることができる。いくつかの実施形態では、医師160は、患者130の解剖学的構造に関する知識、以前に処置を実行した経験、CT/X線画像の分析、又は患者130の他の術前情報などに基づいて、自分の最良の判断を使用して、切開部位で患者130に針170を配置することができる。更に、いくつかの実施形態では、制御システム140は、針170を患者130に配置する場所に関する情報を提供することができる。医師160は、肺、胸膜、結腸、傍脊椎筋、肋骨、肋間神経などの患者130の重要な解剖学的構造を回避しようと試みることができる。いくつかの実施例では、制御システム140は、CT/X線/超音波画像を使用して、針170を患者130に配置する場所に関する情報を提供することができる。
【0085】
いずれの場合も、制御システム140は、医師160が標的場所(すなわち、乳頭314)に到達するのを支援するために、針170を挿入するための標的軌道502を判定することができる。標的軌道502は、標的場所にアクセスするための所望の経路を表すことができる。標的軌道502は、医療器具(例えば、針170、スコープ120など)の位置、人体解剖学的構造内の標的場所、患者の位置及び/又は向き、患者の解剖学的構造(例えば、標的場所に対する患者内の臓器の場所)に基づいて判定することができる。この実施例では、標的軌道502は、乳頭314及び針170を通過する(例えば、乳頭314の軸上の点など、針170の先端から乳頭314を通って延伸する)直線を含む。しかしながら、標的軌道502は、曲線などの他の形態をとることができ、及び/又は別様に定義することができる。いくつかの実施例では、針170は、針170が真直ぐに挿入されるときに湾曲するように構成されている可撓性斜角先端針として実装される。かかる針は、肋骨又は他の解剖学的構造などの特定の解剖学的構造の周囲を操縦するために使用され得る。ここで、制御システム140は、針軌道における逸脱を補償するため、又はユーザを標的軌道に維持するためなど、ユーザを誘導するための情報を提供することができる。
【0086】
図5の例は乳頭314を通って同軸に延伸する標的軌道502を例示しているが、標的軌道502は、別の位置、角度、及び/又は形態を有することができる。例えば、曲線軌道は、
図5に示される腎石318の下に位置する乳頭を通るような下部極アクセス点と共に実装され、乳頭を通る非同軸角度を有し、これは、股関節を回避するために使用され得る。
【0087】
制御システム140は、器具-位置合わせインターフェース410を介して位置合わせ-進行視覚化504を提供するために標的軌道502を使用することができる。例えば、位置合わせ-進行視覚化504は、標的軌道502に対する針170の向きを示唆する器具位置合わせ要素506を含むことができる。医師160は、位置合わせ-進行視覚化504を視認して、針170を適切な向き(すなわち、標的軌道502)に向けることができる。位置合わせされると、医師160は、針170を患者130に挿入して標的場所に到達させることができる。位置合わせ-進行視覚化504は、針170の標的場所への近接を示唆する進行視覚化508(「進行バー508」とも称される)を提供することができる。そのため、器具-位置合わせインターフェース410は、医師160が、針170を位置合わせ及び/又は挿入して標的場所に到達させるのを支援することができる。
【0088】
標的場所に針170が到達すると、医師160は、パワーカテーテル、バキューム、腎孟尿管鏡などの別の医療器具を、針170によって作り出された経路に及び/又は針170を通して挿入することができる。医師160は、他の医療器具及び/又はスコープ120を使用して、腎臓310(A)から腎石318の破片を断片化して除去することができる。
【0089】
いくつかの実施形態では、医療器具の位置は、点/点セットで表され得、及び/又は医療器具の向きは、軸/平面に対する角度/オフセットとして表され得る。例えば、医療器具の位置は、座標系内の点/点セットの座標(例えば、1つ又は2つ以上のX、Y、Z座標)で表され得、及び/又は医療器具の向きは、座標系の軸/平面に対する角度(例えば、X軸/平面、Y軸/平面、及び/又はZ軸/平面に対する角度)で表され得る。ここで、医療器具の向きの変化は、軸/平面に対する医療器具の角度の変化に対応することができる。更に、いくつかの実施形態では、医療器具の向きは、ヨー、ピッチ、及び/又はロール情報で表される。
【0090】
いくつかの実施形態では、軌道は、姿勢を指す。例えば、医療器具の軌道は、医療器具の位置及び向きの両方を含む/示唆する、医療器具の姿勢を指すことができる。同様に、標的軌道は、所望の経路の位置及び向きの両方を含む/示唆する標的姿勢を指すことができる。しかしながら、他の実施形態では、軌道は、向き又は位置のいずれかを指す。
【0091】
ロボットシステム110の特定のロボットアームは、
図3~
図5の文脈において特定の機能を実行するものとして例示されているが、ロボットアーム112のうちのいずれかを使用して機能を実行することができる。更に、任意の追加のロボットアーム及び/又はシステムを使用して、処置を実行することができる。更に、ロボットシステム110を使用して、処置の他の部分を実行することができる。例えば、ロボットシステム110は、針を患者130に位置合わせ及び/又は挿入するように制御することができる。例示するために、ロボットアーム112のうちの1つは、針170と係合し、及び/又は針170を制御して、針170を適切な場所に位置決めし、針170を標的軌道と位置合わせし、及び/又は針170を標的場所に挿入することができる。制御システム140は、位置特定技術を使用して、かかる処理を実行することができる。そのため、いくつかの実施形態では、経皮的処置は、完全に又は部分的に医療システム100を用いて(例えば、医師160の助けを借りて又はそれを伴わずに)実行され得る。
【0092】
例示的な器具視覚化
図6-1~
図6-11は、1つ又は2つ以上の実施形態による、処置中の医療器具の位置合わせ及び/又は進行に関する情報を提供するための例示的なインターフェースを例示する。例示的なインターフェースは、医療システム100を使用して患者130から腎石662を除去することの文脈で例示されている。具体的には、視覚化を提供して、医師160が針170を患者130に挿入して腎石662を摘出するのを支援することができる。しかしながら、視覚化は、他の医療システムと共に使用するために、及び/又は他の医療処置を実行するために表示され得る。例示を容易にするために、インターフェースのいくつかのフィーチャーは、
図6-1~
図6-11の各々には例示されていない。例えば、位置合わせマーキング634(B)は、
図6-2~
図6-11には例示されていない。
【0093】
図6-1は、医師160が針170を標的軌道670と位置合わせするのを支援するための視覚化を伴う例示的な器具-位置合わせインターフェース600を例示している。示されるように、器具-位置合わせインターフェース600は、患者130の腎臓660内に位置するスコープ120によって取り込まれた画像612を提供するためのスコープセクション610、及び針170の向き及び/又は位置に関する情報を提供するための位置合わせセクション620を含むことができる。ここで、画像612は、腎臓660の内部部分と腎臓660内に位置する腎石662とを描写している。位置合わせセクション620は、針170の向きの標的軌道670への位置合わせ及び/又は針170の標的場所664(例えば、乳頭上の場所)への近接を示唆する位置合わせ-進行視覚化630を含む。示されるように、位置合わせ-進行視覚化630は、標的軌道670に対する針170の向きを表す器具-位置合わせ要素632、及び標的軌道670を表す位置合わせマーキング634、並びに針170の標的場所664への近接を示唆する進行バー636(「進行表現636」とも称される)を含む。器具-位置合わせインターフェース600はまた、処置の異なるフェーズ/ステップに関連付けられた異なる視覚化をナビゲートするためのナビゲーション表現640と、メニュー及び/又は他のオプションにアクセスするための視覚的表現650とを含むことができる。器具-位置合わせ要素632及び位置合わせマーキング634は、特定の形状及び大きさで例示されているが、器具-位置合わせ要素632及び位置合わせマーキング634は、他の形状及び/又は大きさを有することができる。
【0094】
図6-1の実施例では、医師は、針170を患者130上に位置決めし、器具-位置合わせインターフェース600を使用して針170を標的軌道670と位置合わせしようと試みる。具体的には、医師160は、制御システム140を介して器具-位置合わせインターフェース600を視認しながら、1つ又は2つ以上の手部680を使用して、針170を保持し、かつ針170の向き(例えば、針170の傾き)を調整することができる。ここで、針170の向きは、標的軌道670と位置ずれしている。そのため、器具-位置合わせインターフェース600は、器具-位置合わせ要素632を中心位置合わせマーキング634(A)と位置ずれしているように例示する(例えば、器具-位置合わせ要素632は、中心位置合わせマーキング634(A)内に位置していない)。
【0095】
いくつかの実施形態では、器具-位置合わせ要素632は、境界位置合わせマーキング634(C)の領域内で(例えば、境界位置合わせマーキング634(C)の制限内で)移動することができる。器具位置合わせ要素632は、針170が標的軌道670とそれほど位置合わせされていないときに境界位置合わせマーキング634(C)のより近くに移動し、針170が標的軌道670とより位置合わせされているときに中心位置合わせマーキング634(A)のより近くに移動することができる。
図6-1の実施例では、器具-位置合わせインターフェース600はまた、針170が標的軌道670と位置ずれしていることを示唆するテキスト「針を傾けてバブルを中心に移動させる」を提供する。器具-位置合わせインターフェース600の視覚化は、医師160が針170を傾斜させて、針170を、針170を標的場所664に挿入するのに適切な向きと位置合わせするのを支援することができる。
【0096】
いくつかの実施形態では、針170が標的軌道670と実質的に位置ずれしている場合、器具-位置合わせ要素632は、
図6-2に示されるように、かかる位置ずれ構成の示唆を提供することができる。例えば、針170が閾値量(例えば、位置ずれ閾値)を超えて標的軌道670と位置ずれしている場合、進行バー636は、示されるように、特定の色/塗りつぶしパターンで強調表示され、輪郭が描かれ、及び/又は部分的/完全に塗りつぶされ、かかる位置ずれ示唆を提供することができる。例示するために、進行バー636は、赤色(例えば、閉じた赤色のリング)で塗りつぶされ得る。追加的又は代替的に、いくつかの実施形態では、器具-位置合わせ要素632は、
図6-2にも示されるように、変形した形状で境界マーキング634(C)と接触して表示され得る。ここで、器具-位置合わせ要素632は、器具-位置合わせ要素632が境界マーキング634(C)の近接範囲内に移動するときに初期円形形態で表示され、針170がより位置ずれして、位置ずれ閾値を超えて移動するほど、変形した形状に遷移し得る。かかる遷移視覚化は、表面と接触する液体内のエアーバブルと同様に見え得る。更に、いくつかの実施形態では、針170が閾値量を超えて標的軌道と位置ずれしていることを示唆するために、器具-位置合わせインターフェース600内にテキスト又は別の示唆が提供され得る。いずれの場合も、かかる位置ずれ示唆は、医師160が、針170が標的軌道670と実質的に軸外にあることを視認するのを支援することができる。進行バー636は、
図6-2において、実質的に位置ずれ示唆を提供するために、特定の強調表示、輪郭表示、及び/又は塗りつぶしパターンで例示されているが、いくつかの実施形態では、進行バー636は、かかる変更を伴わずに実装され得る。ここで、器具-位置合わせ要素632は、実質的に位置ずれ示唆を提供するために変形した形状で表示され得る。
【0097】
針170が標的軌道670と位置合わせされると、器具-位置合わせ要素632は、
図6-3に示されるように、位置合わせマーキング634と位置合わせされた状態で表示され得る。例えば、器具-位置合わせ要素632は、中心位置合わせマーキング634(A)内に及び/又はそれと同心円状に表示され得る。追加的又は代替的に、中心位置合わせマーキング634(A)は、針170が標的軌道670と位置合わせされていることを示唆するために(例えば、グロー視覚化、特定の色などで)強調表示され得る。更に、器具-位置合わせインターフェース600は、
図6-3に示されるように、テキスト「位置合わせされている」などの位置合わせを示唆するテキストを表示することができる。強調表示された位置合わせマーキング634(A)及びテキストが
図6-3に示されているが、いくつかの実施形態では、かかる視覚化のうちの1つのみが提示される。更に、他の視覚化を使用して、かかる位置合わせを示唆することができる。
【0098】
この実施例では、
図6-4~
図6-6に示されるように、針170が標的軌道670と位置合わせされるときに、医師160は針170を挿入する。ここで、進行バー636は、標的場所664に対する針170の近接(例えば、距離)の示唆を提供する。具体的には、進行バー636は、境界マーキング634(C)の周囲を時計回りに塗りつぶすことができる。制御システム140は、位置特定技術を使用して針170の位置及び/又は標的場所664/スコープ120の位置を追跡することによって、針170の標的場所664への近接を判定することができる。
【0099】
いくつかの実施形態では、針170が標的場所664のより近くに移動するとき、器具-位置合わせ要素632の移動量が変化し得る(例えば、器具-位置合わせ要素632の感度が変化し得る)。例えば、制御システム140は、針170が標的場所664から比較的離れている(例えば、標的場所664までの距離の外側にある)ときに、器具-位置合わせ要素632の位置変化パラメータを最初に第1の値に設定することができる。位置変化パラメータは、針170の移動単位に対する器具-位置合わせ要素632の位置変化量を示唆することができる。針170が標的場所664のより近くに移動するとき、位置変化パラメータは、第1の値よりも、針170と同じ移動単位に対してより大きい又はより小さい位置変化量に関連付けられている値など、第2の値に更新され得る。
【0100】
位置変化パラメータを更新する一例示では、針170が患者130の皮膚上に位置するとき、位置変化パラメータは、初期値に設定され得る。初期値は、例えば、5度の針170の向き変化に応答して、器具-位置合わせ要素632を第1の画素数だけ移動させることができる。針170が標的場所664のより近くに移動するとき、位置変化パラメータはより大きな値に更新され得、これにより、器具-位置合わせ要素632は、針170の5度の向き変化に応答して、第2の画素数だけ移動し、第2の画素数は第1の画素数よりも大きい。位置変化パラメータは、針170が標的場所664のより近くに移動するときに任意の回数更新され得る。いくつかの実施形態では、これは、医師が、針170を位置合わせし、直径4~8mmであり得る腎杯などの比較的小さな標的に到達させるのを支援することができる。
【0101】
針170が標的場所664に到達したとき、器具-位置合わせインターフェース600は、
図6~
図7に例示されるように、標的場所664に到達したという示唆を表示することができる。例えば、進行バー636は、境界マーキング634(C)の周囲を完全に塗りつぶすことができる。いくつかの実施形態では、進行バー636は、標的場所664に到達したことを示唆するために、特定の色/塗りつぶしパターンで強調表示され、輪郭が描かれ、及び/又は完全に塗りつぶされ得る。例えば、進行バー636は、緑色(例えば、閉じた緑色のリング)で塗りつぶされ得る。追加的又は代替的に、器具-位置合わせインターフェース600は、示されるように、テキスト「標的に到達した。」を提供するなど、標的場所664に到達したというテキストを提供することができる。いくつかの実施形態では、
図6~
図7に示されるように、腎臓660の内部部分を描写する画像612はまた、針170が標的場所664に到達したという視覚的確認を提供することができる。
【0102】
いくつかの実装形態では、針170が標的場所664を越えて挿入される場合、器具-位置合わせインターフェース600は、
図6~
図8に示されるように、針170が標的場所664を越えて挿入されているという示唆を提供することができる。例えば、進行バー636は、針170が標的場所664を越えて挿入されていることを示唆するために、特定の色/塗りつぶしパターンで強調表示され、輪郭が描かれ、及び/又は部分的/完全に塗りつぶされ得る。例示するために、進行バー636は、赤色(例えば、閉じた赤色のリング)及び/又は実質的に位置ずれしている針170の場合(例えば、
図6-2の場合)とは異なる色で塗りつぶされ得る。追加的又は代替的に、器具-位置合わせインターフェース600は、テキスト「標的を超えて挿入した。後退してください。」を提供するなど、針170が標的場所664を越えて挿入されているというテキストを提供することができる。いくつかの実施形態では、制御システム140は、針170が標的場所664を越えて閾値距離を上回るとき、及び/又は針170がスコープ120に対して特定の距離内にあるとき、針170が標的場所664を越えて挿入されていると判定することができる。
【0103】
いくつかの実施形態では、
図6~
図8に示されるように、腎臓660の内部部分を描写する画像612はまた、針170が標的場所664を越えて挿入されたという視覚的な確認を提供することができる。他の実施形態では、スコープ120の視野は、針170が腎臓660に進入する場所を含まなくてもよい(例えば、針170は、スコープ120の視野の上方又は下方に挿入され得る)。ここで、進行バー636は、針170が標的場所664を越えて挿入されていることを医師160に知らせるのに特に有用であり得る。
【0104】
いくつかの処置では、針170が標的場所664に到達すると、医療器具638は、
図6~
図9に示されるように、針170を通って及び/又は針170の代わりに挿入され得る。医療器具638は、腎臓660から腎石662を摘出するのを支援するためのデバイスを含むことができる。例えば、医療器具638は、カテーテル(例えば、パワーカテーテル)、バキュームチューブ、腎孟尿管鏡、又は任意の他の医療器具を含むことができる。いくつかの実施形態では、医療器具638の挿入に十分な空間を提供するために、1つ又は2つ以上の拡張器具(例えば、ワイヤ、チューブ、シースなど)を使用して、標的場所664への経路を拡張することができる。
【0105】
医療器具638及び/又はスコープ120(及び/又は、いくつかの事例では、針170)は、腎臓660からの腎石662の摘出を容易にすることができる。例えば、スコープ120は、
図6~
図10に示されるように、ツール(例えば、レーザ、切断器具など)を展開して、腎石662を破片に断片化することができ、医療器具638は、腎臓660から破片を吸引することができる。いくつかの実装形態では、スコープ120(及び/又は医療器具638)は、腎臓660から破片を除去するのを支援するための灌注を提供することができる。
図6~
図10の実施例では、画像612は、腎石662が腎臓660から除去されていることの視覚的確認を提供する。
【0106】
いくつかの実施形態では、患者130の皮膚上の針170の位置合わせ(例えば、
図6-2)に戻ると、針170が標的軌道670と実質的に位置ずれしているときに挿入される場合、器具-位置合わせインターフェース600は、
図6~
図11に示されるように、針170を後退させるための示唆を提供することができる。例えば、制御システム140は、(
図6-2を参照して考察したものと同様に)針が閾値量を超えて標的軌道670と位置ずれしていると判定することができる。更に、制御システム140は、針170が標的軌道670と実質的に位置ずれしているときに、針170が特定の距離を超えて患者130に挿入されていると判定することができる。いくつかの実施形態では、進行バー636は、針170が挿入され、実質的に位置ずれしていることを示唆するために、特定の色/塗りつぶしパターンで強調表示され、輪郭が描かれ、及び/又は部分的/完全に塗りつぶしされ得る。例示するために、進行バー636は、赤色(例えば、閉じた赤色のリング)及び/又は実質的に位置ずれしている針170の場合(例えば、
図6-2の場合)とは異なる色で塗りつぶすことができる。追加的又は代替的に、いくつかの実施形態では、器具-位置合わせインターフェース600は、テキスト「針を後退させ、適切な向きで再挿入する。」を提供するなど、針170が実質的に位置ずれしており後退される必要があるというテキストを提供することができる。いくつかの実施形態では、
図6~
図11の示唆は、標的場所664に到達するために針170に対して行われ得る調整がないと判定されるときに提示され得る。
【0107】
位置合わせ情報及び進行情報は、
図6-1~
図6-11において特定の示唆で例示されているが、聴覚、視覚、触覚などを含む他の示唆が提供され得る。例えば、制御システム140は、制御システム140に関連付けられたI/Oデバイスを介して音及び/又は触覚フィードバック(例えば、針170が標的軌道670と位置合わせされるときの第1の音、針170が最初に挿入されるときの第2の音、針170が標的軌道664の途中にあるときの第3の音、針170が標的場所664に到達したときの第3の音など)を提供して、針170の位置合わせ及び/又は進行を示唆することができる。更に、考察された示唆のうちのいずれかは、異なる形態(例えば、異なる形状、大きさ、色など)で例示され得、及び/又は器具-位置合わせインターフェース600内の異なる場所に提示され得る。
【0108】
いくつかの実装形態では、進行バー636は、境界マーキング634の周囲に例示される円形バーの代わりに直線進行バーを含むことができ、直線進行バーは、器具-位置合わせインターフェース600内の任意の場所に位置決めされ得る。更に、いくつかの実施形態では、針170の標的場所664への近接を示唆するために進行バー636に塗りつぶす代わりに、針170の現在位置がアイコンで進行バー636上に表示され得る(例えば、頂部位置のアイコンが、針170がまだ患者130内に挿入されていないこと、及び/又は標的場所664に到達したことを示唆する)。更に、いくつかの実施形態では、標的場所664への進行の割合が、器具-位置合わせインターフェース600を介して提示され得る。
【0109】
更に、いくつかの実施形態では、中心位置合わせマーキング634(A)、境界マーキング634(C)、及び/又は器具-位置合わせ要素632の大きさは、針170を標的場所664に挿入する進行を示唆するように変化し得る。例えば、中心位置合わせマーキング634(A)の直径は、中心位置合わせマーキング634(A)が器具-位置合わせ要素632と同じ直径に到達するまで、針170が挿入されるときに減少し得る。
【0110】
例示的なフロー図
図7~
図10は、本明細書で考察される1つ又は2つ以上の技術を実行するためのプロセスの例示的なフロー図を例示する。プロセスに関連付けられた様々な動作は、制御システム140、ロボットシステム110、テーブル150、EM場発生器180、スコープ120、及び/又は針170などの、本明細書で考察されるデバイス/システムのうちのいずれか、又はそれらの組み合わせに実装された制御回路によって実行され得る。
【0111】
図7は、1つ又は2つ以上の実施形態による、標的軌道に対する医療器具の位置合わせを判定し、医療器具の標的軌道への位置合わせに関する情報を提示するためのプロセス700の例示的なフロー図を例示する。ブロック702において、プロセス700は、1つ又は2つ以上の医療器具からセンサデータを受信することを含むことができる。例えば、ある特定の使用事例によれば、制御システムなどのデバイス/システムの制御回路は、スコープ、針、又は任意の他の医療器具などの1つ又は2つ以上の医療器具から通信インターフェースを介してセンサデータを受信することができる。センサデータは、1つ又は2つ以上の医療器具の位置及び/又は向きを示唆することができる。
【0112】
ブロック704において、プロセス700は、人体解剖学的構造内の標的場所を判定することを含むことができる。例えば、ある特定の使用事例によれば、制御回路は、解剖学的ランドマーク、医療器具の場所、又は任意の他の場所/標的などの患者内の標的場所を判定することができる。いくつかの実施形態では、制御回路は、患者内に少なくとも部分的に配設された医療器具からのセンサデータに少なくとも部分的に基づいて、標的場所を判定することができる。
【0113】
ブロック706において、プロセス700は、1つ又は2つ以上の医療器具の位置及び/又は向きを判定することを含むことができる。例えば、ある特定の使用事例によれば、制御回路は、1つ又は2つ以上の医療器具からのセンサデータに少なくとも部分的に基づいて、1つ又は2つ以上の医療器具の位置及び/又は向きを判定することができる。いくつかの実施形態では、制御回路は、1つ又は2つ以上の位置特定技術を使用して、1つ又は2つ以上の医療器具の位置及び/又は向きを判定することができる。
【0114】
ブロック708において、プロセス700は、標的場所にアクセスするための標的軌道を判定することを含むことができる。例えば、ある特定の使用事例によれば、制御回路は、患者内の標的場所に経皮的にアクセスするための標的軌道を判定することができる。いくつかの実施形態では、制御回路は、患者内に少なくとも部分的に配設された医療器具からのセンサデータ、患者の外部に位置する(又は部分的に挿入された)医療器具からのセンサデータ、標的場所の位置などに少なくとも部分的に基づいて、標的軌道を判定することができる。追加的又は代替的に、標的軌道は、ユーザが標的軌道を指定するためにインターフェースを介して入力を提供することに基づいて判定され得る。実施例では、標的軌道は、1つ又は2つ以上の解剖学的平面/軸に対して画定され得る。
【0115】
ブロック710において、プロセス700は、医療器具の向きの標的軌道への位置合わせを示唆する器具-位置合わせ要素を含むインターフェースを表すユーザインターフェースデータを生成することを含むことができる。例えば、ある特定の使用事例によれば、制御回路は、針の向きを表す針位置合わせアイコンなど、医療器具の向きを表す器具-位置合わせ要素を含むインターフェース(例えば、器具-位置合わせインターフェース)を表すユーザインターフェースデータを生成することができる。いくつかの実施形態では、インターフェース内の器具-位置合わせ要素の位置決めは、医療器具の向きの標的軌道への位置合わせを示唆することができる。
【0116】
ブロック712において、プロセス700は、インターフェースを表示させることを含むことができる。例えば、ある特定の使用事例によれば、制御回路は、制御システムに関連付けられたディスプレイデバイスにユーザインターフェースデータを送信することなどよって、ディスプレイデバイスを介してインターフェースを表示させることができる。更に、ある特定の使用事例によれば、ディスプレイデバイスは、ユーザインターフェースデータに少なくとも部分的に基づいてインターフェースを表示することができる。いずれの場合も、インターフェースは、医療器具の向きを表す器具-位置合わせ要素を含むことができる。
【0117】
ブロック714において、プロセス700は、医療器具の向きの変化に少なくとも部分的に基づいて、器具-位置合わせ要素の位置を更新することを含むことができる。例えば、ある特定の使用事例によれば、制御回路は、医療器具の向きに対する変化を判定し、医療器具の向きの変化に少なくとも部分的に基づいて、医療器具に関連付けられた器具-位置合わせ要素の位置を更新することができる。
【0118】
ブロック714のいくつかの実施形態では、制御回路は、医療器具の標的場所への近接に少なくとも部分的に基づいて、器具-位置合わせ要素の位置を更新することができる。例えば、医療器具の向きが測定単位だけ変化したことを判定すること、及び医療器具が標的場所の所定の近接範囲外にあると判定することに応答して、制御回路は、第1の量だけインターフェース内の器具-位置合わせ要素の位置を更新することができる。更に、医療器具の向きが測定単位だけ変化したことを判定すること、及び医療器具が標的場所の所定の近接範囲内にあると判定することに応答して、制御回路は、第2の量だけインターフェース内の器具-位置合わせ要素の位置を更新することができる。
【0119】
図8は、1つ又は2つ以上の実施形態による、医療器具の向きに関する情報を提示するためのプロセス800の例示的なフロー図を例示する。ブロック802において、プロセス800は、医療器具の向きを判定することを含むことができる。例えば、ある特定の使用事例によれば、制御回路は、医療器具からのセンサデータに少なくとも部分的に基づいて、人体解剖学的構造に経皮的にアクセスするように構成されている医療器具の向きを判定することができる。いくつかの実施形態では、制御回路は、1つ又は2つ以上の位置特定技術を使用して、医療器具の向きを判定することができる。
【0120】
ブロック804において、プロセス800は、医療器具の向きが標的軌道と位置合わせされているかどうかを判定することを含むことができる。例えば、ある特定の使用例によれば、制御回路は、医療器具のセンサデータに少なくとも部分的に基づいて、医療器具の向きが、標的場所に経皮的にアクセスするために判定される標的軌道と位置合わせしているかどうかを判定することができる。いくつかの実施形態では、制御回路は、医療器具の向きの1つ又は2つ以上の座標及び/又は角度を標的軌道の1つ又は2つ以上の座標及び/又は角度と比較し、1つ又は2つ以上の閾値が満たされるかどうか(例えば、医療器具の向きの1つ又は2つ以上の座標及び/又は角度は、標的軌道の1つ又は2つ以上の座標及び/又は角度に対して特定の数の座標及び/又は角度内にあるかどうか)を判定することができる。実施例では、位置合わせは、位置誤差及び/又は角度誤差(例えば、X、Y、Z、ヨー、ピッチ、ロール)、及び/又は任意の座標フレームに関して判定され得る。
【0121】
医療器具の向きが標的軌道と位置合わせしていると判定された場合、プロセス800は、ブロック806に進むことができる。それに対して、医療器具の向きが標的軌道と位置ずれしていると判定された場合、プロセス800は、ブロック808に進むことができる。
【0122】
ブロック806において、プロセス800は、医療器具の向きが標的軌道と位置合わせされているという示唆を表示させることを含むことができる。例えば、ある特定の使用事例によれば、制御回路は、制御システムに関連付けられたディスプレイデバイスにデータを送信することなどによって、インターフェース内に、医療器具の向きが標的軌道と位置合わせされるという示唆を表示させることができる。更に、ある特定の使用事例によれば、ディスプレイデバイスは、インターフェース内に、医療器具の向きが標的軌道と位置合わせしているという示唆を表示することができる。いくつかの実施形態では、器具-位置合わせ要素は、医療器具の向きが標的軌道と位置合わせされていることを示唆するために、1つ又は2つ以上の位置合わせマーキングと(例えば、マーキングに中心を置かれた)位置合わせされた配列で表示される。
【0123】
ブロック808において、プロセス800は、医療器具の向きが閾値量を超えて標的軌道と位置ずれしているかどうかを判定することを含むことができる。例えば、ある特定の使用事例によれば、制御回路は、医療器具のセンサデータに少なくとも部分的に基づいて、医療器具の向きが閾値量を超えて標的軌道と位置ずれしているかどうかを判定することができる。いくつかの実施形態では、制御回路は、医療器具の向きの1つ又は2つ以上の座標及び/又は角度を、標的軌道の1つ又は2つ以上の座標及び/又は角度と比較することができる。
【0124】
医療器具の向きが標的軌道と閾値量を超えて位置ずれしていると判定される場合、プロセス800は、ブロック810に進むことができる。それに対して、医療器具の向きが閾値量を超えて標的軌道と位置ずれしていないと判定される場合、プロセス800は、ブロック812に進むことができる。
【0125】
ブロック810において、プロセス800は、境界マーキングにおいてかつ/又は変形された形態で器具-位置合わせ要素を表示させることを含むことができる。例えば、ある特定の使用事例によれば、制御回路は、制御システムに関連付けられたディスプレイデバイスにデータを送信することなどによって、境界マーキングに対する所定の近接範囲内に及び/又は変形された形状で器具-位置合わせ要素を表示させることができる。更に、ある特定の使用事例によれば、ディスプレイデバイスは、インターフェース内に、境界マーキングに対する所定の近接範囲内に及び/又は変形された形状で器具-位置合わせ要素を表示することができる。
【0126】
ブロック812において、プロセス800は、位置ずれしている位置で器具-位置合わせ要素を表示させることを含むことができる。例えば、ある特定の使用事例によれば、制御回路は、制御システムに関連付けられたディスプレイデバイスにデータを送信することなどによって、位置合わせマーキングと位置ずれしている場所に器具-位置合わせ要素を表示させることができる。更に、ある特定の使用事例によれば、ディスプレイデバイスは、位置合わせマーキングと位置ずれしている場所に器具-位置合わせ要素を表示することができる。
【0127】
ブロック814において、プロセス800は、医療器具が人体解剖学的構造内に挿入されているかどうかを判定することを含むことができる。例えば、ある特定の使用事例によれば、制御回路は、医療器具からのセンサデータ並びに/又は患者の位置及び/若しくは向きに関する情報に少なくとも部分的に基づいて、医療器具が患者内に少なくとも部分的に配設されているかどうかを判定することができる。いくつかの実施形態では、制御回路は、医療器具が特定の量だけ患者に挿入されているかどうかを判定することができる。
【0128】
医療器具が人体解剖学的構造内に挿入されていると判定された場合、プロセス800は、ブロック816に進むことができる。それに対して、医療器具が人体解剖学的構造内に挿入されていないと判定された場合、プロセス800は、ブロック818に進むことができる。
【0129】
ブロック816において、プロセス800は、医療器具を後退させるための示唆を表示させることを含むことができる。例えば、ある特定の使用事例によれば、制御回路は、制御システムに関連付けられたディスプレイデバイスにデータを送信することなどによって、医療器具を後退させるための示唆を表示させることができる。更に、ある特定の使用事例によれば、ディスプレイデバイスは、医療器具を後退させるための示唆を表示することができる。いくつかの実施形態では、制御回路は、ブロック810及び/又は812と関連付けられた情報の表示(例えば、器具-位置合わせ要素)を維持し、並びに医療器具を後退させるための示唆を提供することができる。
【0130】
ブロック818において、プロセス800は、情報の表示を維持することを含むことができる。例えば、ある特定の使用事例によれば、制御回路は、医療器具の現在の向き及び/又は位置に関するテキスト又は他の視覚化の表示(例えば、ブロック810及び/又は812で提示される情報)を維持することができる。ブロック818が図示されているが、いくつかの実施形態では、別の動作又はプロセスが実行され得る。
【0131】
図9は、1つ又は2つ以上の実施形態による、医療器具の標的場所への近接に関する情報を提示するためのプロセス900の例示的なフロー図を例示する。ブロック902において、プロセス900は、医療器具の標的場所への近接を判定することを含むことができる。例えば、ある特定の使用事例によれば、制御回路は、医療器具からのセンサデータに少なくとも部分的に基づいて、医療器具の患者内の標的場所への近接を判定することができる。いくつかの実施形態では、制御回路は、1つ又は2つ以上の位置特定技術を使用して、医療器具の位置を判定することができる。
【0132】
ブロック904において、プロセス900は、医療器具の標的場所への近接の示唆を表示させることを含むことができる。例えば、ある特定の使用事例によれば、制御回路は、制御システムに関連付けられたディスプレイデバイスにデータを送信することなどによって、インターフェース内に、医療器具の標的場所への近接の示唆を表示させることができる。更に、ある特定の使用事例によれば、ディスプレイデバイスは、インターフェース内に、医療器具の標的場所への近接の示唆を表示することができる。
【0133】
ブロック906において、プロセス900は、医療器具が標的場所に到達したかどうかを判定することを含むことができる。例えば、ある特定の使用事例によれば、制御回路は、医療器具からのセンサデータに少なくとも部分的に基づいて、医療器具が患者内の標的場所に到達したかどうかを判定することができる。
【0134】
医療器具が標的場所に到達したと判定された場合、プロセス900は、ブロック908に進むことができる。それに対して、医療器具が標的場所に到達していないと判定された場合、プロセス900は、ブロック902に戻ることができる。
【0135】
ブロック908において、プロセス900は、医療器具が標的場所に到達したという示唆を表示させることを含むことができる。例えば、ある特定の使用事例によれば、制御回路は、制御システムに関連付けられたディスプレイデバイスにデータを送信することなどによって、インターフェース内に、医療器具が標的場所に到達したという示唆を表示させることができる。更に、ある特定の使用事例によれば、ディスプレイデバイスは、インターフェース内に、医療器具が標的場所に到達したという示唆を表示することができる。
【0136】
ブロック910において、プロセス900は、医療器具が標的場所を越えて挿入されているかどうかを判定することを含むことができる。例えば、ある特定の使用事例によれば、制御回路は、医療器具からのセンサデータに少なくとも部分的に基づいて、医療器具が標的場所を越えて挿入されているかどうかを判定することができる。
【0137】
医療器具が標的場所を越えて挿入されていると判定された場合、プロセス900は、ブロック912に進むことができる。それに対して、医療器具が標的場所を越えて挿入されていないと判定された場合、プロセス900は、ブロック902に戻ることができる。プロセス900は、
図9の例では、ブロック902に戻るように例示されているが、いくつかの実施形態では、プロセス900は、ブロック906、ブロック908、又は別のブロックに戻ることができる。
【0138】
ブロック912において、プロセス900は、医療器具が標的場所を越えて挿入されているという示唆を表示させることを含むことができる。例えば、ある特定の使用事例によれば、制御回路は、制御システムに関連付けられたディスプレイデバイスにデータを送信することなどによって、インターフェース内に、標的場所を越えて挿入されているという示唆を表示させることができる。更に、ある特定の使用事例によれば、ディスプレイデバイスは、インターフェース内に、医療器具が標的場所を越えて挿入されているという示唆を表示することができる。次いで、プロセス900は、ブロック902に戻ることができる。
【0139】
図10は、1つ又は2つ以上の実施形態による、器具-位置合わせ要素と関連付けられた位置変化パラメータを設定及び/又は更新するためのプロセス1000の例示的なフロー図を例示する。ブロック1002において、プロセス1000は、医療器具の移動単位に関連付けられた位置変化パラメータを設定することを含むことができる。例えば、ある特定の使用事例によれば、制御回路は、位置変化パラメータを、器具-位置合わせ要素の特定の量の位置変化を示唆する初期値に設定することができる。位置変化パラメータは、医療器具の移動単位(例えば、向き変化単位)に対するインターフェース内の器具-位置合わせ要素の位置変化量を示唆することができる。いくつかの実施形態では、初期値は、患者の外部に位置する、及び/又は標的場所への所定の近接範囲の外側に位置する医療器具と関連付けられている所定の値又はデフォルト値を含む。例えば、位置変化パラメータは、医療器具の患者への挿入前に医療器具が位置合わせされているときに、初期値に設定され得る。
【0140】
ブロック1004において、プロセス1000は、位置変化パラメータを使用して、医療器具の向きの変化に少なくとも部分的に基づいて、器具-位置合わせ要素の位置を変化させることを含むことができる。例えば、ある特定の使用事例によれば、制御回路は、医療器具の向きが変化したことを判定し、それに応答して、位置変化パラメータを使用して器具-位置合わせ要素の位置を変化させ得る(例えば、位置変化パラメータの値を使用して、器具-位置合わせ要素に適用する位置変化量を識別する)。
【0141】
ブロック1006において、プロセス1000は、医療器具が標的場所により近いかどうかを判定することを含むことができる。例えば、ある特定の使用事例によれば、制御回路は、医療器具が医療器具の最後の位置と比較して標的場所により近いかどうかを判定することができる。かかる判定は、医療器具からのセンサデータに少なくとも部分的に基づき得る。いくつかの実施形態では、制御回路は、医療器具が標的場所の所定の近接範囲内にあるかどうかを判定することができる。
【0142】
医療器具が標的場所により近いと判定された場合、プロセス1000は、ブロック1008に進むことができる。それに対して、医療器具が標的場所により近くないと判定された場合、プロセス1000は、ブロック1004に戻り、以前に設定された位置変化パラメータを使用し続けることができる。
【0143】
ブロック1008において、プロセス1000は、位置変化パラメータを更新することを含むことができる。例えば、ある特定の使用事例によれば、制御回路は、医療器具の移動単位に対するより多くの又はより少ない位置変化に関連付けられた別の値に位置変化パラメータを更新することができる。いくつかの実施形態では、ブロック1008は、任意の回数実装され、医療器具が標的場所のより近くに移動するときに、位置変化パラメータを1回又は2回以上更新することができる。更に、いくつかの実施形態では、ブロック1008は、医療器具が標的場所の所定の近接範囲内にあるときに1回実装され得る。ここで、プロセス1000は、ブロック1008を実装した後にブロック1004に戻らなくてもよい。
【0144】
例示的なロボットシステム
図11は、1つ又は2つ以上の実施形態によるロボットシステム110の例示的な詳細を例示する。この実施例では、ロボットシステム110は、移動可能であるカート基部のロボット的に可能なシステムとして例示されている。しかしながら、ロボットシステム110は、テーブルなどに一体化された固定システムとして実装され得る。
【0145】
ロボットシステム110は、細長いセクション114(A)(「カラム114(A)」と称されることもある)及び基部114(B)を含む支持構造114を含むことができる。カラム114(A)は、1つ又は2つ以上のロボットアーム112(
図11には3つ示されている)の展開を支持するためのキャリッジ1102(代替的に「アーム支持体1102」と称される)などの1つ又は2つ以上のキャリッジを含むことができる。キャリッジ1102は、患者に対してより良好に位置決めするために、垂直軸に沿って回転してロボットアーム112の基部を調整する、個別に構成可能なアームマウントを含むことができる。キャリッジ1102はまた、キャリッジ1102がカラム114(A)に沿って垂直方向に並進することを可能にするキャリッジインターフェース1104を含む。キャリッジインターフェース1104は、キャリッジ1102の垂直並進を誘導するためにカラム114(A)の両側に位置決めされているスロット1106などのスロットを通してカラム114(A)に接続されている。スロット1106は、キャリッジ1102を基部114(B)に対して様々な垂直高さに位置決めして保持するための垂直並進インターフェースを含む。キャリッジ1102の垂直並進により、ロボットシステム110が、ロボットアーム112の到達範囲を調整して、様々なテーブル高さ、患者の大きさ、医師の選好などを満たすことが可能になる。同様に、キャリッジ1102上の個別に構成可能なアームマウントにより、ロボットアーム112のロボットアーム基部1108を様々な構成で角度付けすることが可能になる。カラム114(A)は、例えば、I/Oデバイス116からの入力などのユーザ入力に応答して生成される制御信号に応答して、キャリッジ1102を機械化された様式で並進させるために垂直方向に位置合わせされた親ねじを使用するように設計された、ギア及び/又はモータなどの機構を内部に備えることができる。
【0146】
いくつかの実施形態では、スロット1106には、キャリッジ1102が垂直方向に並進するときにカラム114(A)の内部チャンバ及び/又は垂直並進インターフェース内への汚れ及び/又は流体の侵入を防止するために、スロット表面と同一平面及び/又は平行であるスロットカバーで補完され得る。スロットカバーは、スロット1106の垂直方向の頂部及び底部付近に位置決めされたばねスプールの対を通して展開され得る。カバーは、キャリッジ1102が垂直方向に上下に並進するときに、コイル状の状態から延伸及び後退するように展開されるまで、スプール内でコイル状にされ得る。スプールのばね荷重は、キャリッジ1102がスプールに向かって並進するときにカバーをスプール内に後退させる力を提供し、同時に、キャリッジ1102がスプールから離れて並進するときに緊密なシールを維持することもできる。カバーは、キャリッジ1102が並進するときにカバーの適切な伸長及び後退を確実にするために、例えば、キャリッジインターフェース1104内のブラケットを使用してキャリッジ1102に接続され得る。
【0147】
基部114(B)は、床などの地表上で、カラム114(A)、キャリッジ1102、及び/又はアーム112の重量のバランスをとることができる。したがって、基部114(B)は、1つ又は2つ以上の電子機器、モータ、電源などの重量のある構成要素、並びにロボットシステム110を移動及び/又は固定することを可能にする構成要素を収容することができる。例えば、基部114(B)は、ロボットシステム110が処置のために部屋を動き回ることを可能にする転動可能ホイール1116(「キャスタ1116」とも称される)を含むことができる。適切な位置に到達した後、キャスタ1116は、処置中にカート110を所定の場所に保持するためにホイールロックを使用して固定され得る。示されるように、ロボットシステム110はまた、ロボットシステム110を操縦及び/又は安定させるのを支援するためのハンドル1118を含む。
【0148】
ロボットアーム112は、一般に、一連のジョイント1114によって接続された一連のリンク機構1112によって分離されたロボットアーム基部1108及びエンドエフェクタ1110を備えることができる。各ジョイント1114は、独立したアクチュエータを備えることができ、各アクチュエータは、独立して制御可能なモータを備えることができる。各独立して制御可能なジョイント1114は、ロボットアーム112に利用可能な独立した自由度を表す。例えば、アーム112の各々は、7つのジョイントを有し、したがって、7つの自由度を提供することができる。しかしながら、任意の数のジョイントを任意の自由度で実装することができる。実施例では、多数のジョイントは、多数の自由度をもたらし、「冗長」自由度を可能にすることができる。冗長自由度は、ロボットアーム112が、それらのそれぞれのエンドエフェクタ1110を、異なるリンク機構位置及び/又はジョイント角度を使用して、空間内の特定の位置、向き、及び/又は軌道に位置決めすることを可能にする。いくつかの実施形態では、エンドエフェクタ1110は、医療器具、デバイス、物体などと係合し、及び/又はそれらを制御するように構成され得る。アーム112の移動の自由度により、ロボットシステム110が、医療器具を空間内の所望の点から位置決めし、及び/又は方向付けることが可能になり、及び/又は医師が、アーム112を患者から離れた臨床的に有利な位置に移動させて、アームの衝突を回避しながらアクセスを作り出すことが可能になる。
【0149】
図11に示されるように、ロボットシステム110はまた、I/Oデバイス116を含むことができる。I/Oデバイス116は、ディスプレイ、タッチスクリーン、タッチパッド、プロジェクタ、マウス、キーボード、マイクロフォン、スピーカ、コントローラ、(例えば、ジェスチャ入力を受信するための)カメラ、又は入力を受信及び/又は提供するための別のI/Oデバイスを含むことができる。I/Oデバイス116は、タッチ、発話、ジェスチャ、又は任意の他のタイプの入力を受信するように構成され得る。I/Oデバイス116は、カラム114(A)の垂直端部(例えば、カラム114(A)の頂部)に位置決めされ得、及び/又はユーザ入力を受信するための及び/又は出力を提供するためのユーザインターフェースを提供することができる。例えば、I/Oデバイス116は、入力を受信し、術前及び/又は術中データを医師に提供するためのタッチスクリーン(例えば、兼用デバイス)を含むことができる。例示的な術前データは、術前計画、ナビゲーション、及び/又は術前コンピュータ断層撮影(CT)スキャンから導出されたマッピングデータ、及び/又は術前患者問診からのメモを含むことができる。例示的な術中データは、ツール/器具、センサから提供される光学情報、及び/又はセンサからの座標情報、並びに呼吸、心拍数、及び/又は脈拍などの重要な患者統計を含むことができる。I/Oデバイス116は、医師が、キャリッジ1102とは反対側のカラム114(A)の側面などの様々な位置からI/Oデバイス116にアクセスすることを可能にするように位置決め及び/又は傾けられ得る。この位置から、医師は、I/Oデバイス116、ロボットアーム112、及び/又は患者を視認すると同時に、I/Oデバイス116をロボットシステム110の背後から動作させることができる。
【0150】
ロボットシステム110は、様々な他の構成要素を含むことができる。例えば、ロボットシステム110は、1つ又は2つ以上の制御電子機器/回路、電源、空気圧、光源、アクチュエータ(例えば、ロボットアーム112を移動させるためのモータ)、メモリ、及び/又は(例えば、別のデバイスと通信するための)通信インターフェースを含むことができる。いくつかの実施形態では、メモリは、コンピュータ実行可能命令を記憶することができ、コンピュータ実行可能命令は、制御回路によって実行されると、制御回路に、本明細書で考察される動作のうちのいずれかを実行させる。例えば、メモリは、コンピュータ実行可能命令を記憶することができ、コンピュータ実行可能命令は、制御回路によって実行されると、制御回路に、ロボットアーム112の操作に関する入力及び/又は制御信号を受信させ、それに応答して、ロボットアーム112を制御して、特定の配列に位置決めし、及び/又はエンドエフェクタ1110に接続された医療器具をナビゲートする。
【0151】
いくつかの実施形態では、ロボットシステム110は、スコープ120などの医療器具と係合し、及び/又はそれを制御するように構成されている。例えば、ロボットアーム112は、スコープ(例えば、スコープのシース及び/又はリーダ)の位置、向き、及び/又は先端関節運動を制御するように構成され得る。いくつかの実施形態では、ロボットアーム112は、細長い移動部材を使用してスコープ120を操作するように構成され得る/構成可能であり得る。細長い移動部材は、1つ又は2つ以上のプルワイヤ(例えば、プルワイヤ又はプッシュワイヤ)、ケーブル、ファイバ、及び/又は可撓性シャフトを含むことができる。例示のために、ロボットアーム112は、スコープ120に結合された複数のプルワイヤを作動させて、スコープ120の先端を逸らすように構成され得る。プルワイヤは、ステンレス鋼、ケブラー、タングステン、炭素繊維などの金属及び/又は非金属材料などの任意の適切な又は望ましい材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、スコープ120は、細長い移動部材によって印加される力に応答して、非線形挙動を呈するように構成されている。非線形挙動は、スコープ120の剛性及び圧縮性、並びに異なる細長い移動部材間のたるみ又は剛性の変動性に基づき得る。
【0152】
例示的な制御システム
図12は、1つ又は2つ以上の実施形態による、制御システム140の例示的な詳細を例示する。例示されるように、制御システム140は、以下の構成要素、デバイス、モジュール、及び/又はユニット(本明細書では「構成要素」と称される)のうちの1つ又は2つ以上を、別個に/個別に、及び/又は組み合わせて/まとめてのいずれかで含むことができ、すなわち、制御回路1202、データ記憶装置/メモリ1204、1つ又は2つ以上の通信インターフェース1206、1つ又は2つ以上の電源ユニット1208、1つ又は2つ以上のI/O構成要素1210、及び/又は1つ又は2つ以上のホイール1212(例えば、キャスタ又は他のタイプのホイール)である。いくつかの実施形態では、制御システム140は、制御システム140の構成要素のうちの1つ又は2つ以上の少なくとも一部を収容若しくは含有するように構成及び/又は寸法決めされたハウジング/筐体を備えることができる。この実施例では、制御システム140は、1つ又は2つ以上のホイール1212と共に移動可能なカート基部のシステムとして例示されている。いくつかの事例では、適切な位置に到達した後、1つ又は2つ以上のホイール1212は、ホイールロックを使用して固定されて、制御システム140を所定の位置に保持することができる。しかしながら、制御システム140は、固定システムとして実装され、別のシステム/デバイスに一体化され得る。
【0153】
制御システム140のある特定の構成要素が
図12に例示されているが、示されていない追加の構成要素が本開示による実施形態に含まれ得ることを理解されたい。更に、いくつかの実施形態では、例示される構成要素のうちのいくつかは、省略され得る。制御回路1202は、
図12の図において別個の構成要素として例示されているが、制御システム140の残りの構成要素のうちのいずれか又は全てが、制御回路1202に少なくとも部分的に具現化され得ることを理解されたい。すなわち、制御回路1202は、様々なデバイス(能動的及び/又は受動的)、半導体材料、及び/又は領域、層、区域、及び/又はそれらの部分、導体、リード、ビア、接続などを含むことができ、制御システム140の他の構成要素のうちの1つ又は2つ以上及び/又はその一部分は、かかる回路構成要素/デバイスによって少なくとも部分的に形成及び/又は具現化され得る。
【0154】
制御システム140の様々な構成要素は、ある特定の接続回路/デバイス/フィーチャーを使用して、電気的及び/又は通信可能に結合され得るが、それら構成要素は、制御回路1202の一部であってもなくてもよい。例えば、接続フィーチャーは、制御システム140の様々な構成要素/回路のうちの少なくともいくつかの取り付け及び/又は相互接続を容易にするように構成された1つ又は2つ以上のプリント回路基板を含むことができる。いくつかの実施形態では、制御回路1202、データ記憶装置/メモリ1204、通信インターフェース1206、電源ユニット1208、及び/又は入力/出力(I/O)構成要素1210のうちの2つ以上は、互いに電気的及び/又は通信可能に結合され得る。
【0155】
例示されるように、メモリ1204は、位置特定構成要素1214、標的/軌道構成要素1216、及び本明細書で考察される様々な機能性を容易にするように構成されたユーザインターフェース構成要素1218を含むことができる。いくつかの実施形態では、位置特定構成要素1214、標的/軌道構成要素1216、及び/又はユーザインターフェース構成要素1218は、1つ又は2つ以上の動作を実行するために制御回路1202によって実行可能な1つ又は2つ以上の命令を含むことができる。多くの実施形態は、制御回路1202によって実行可能な1つ又は2つ以上の命令を含む構成要素1214~1218の文脈で考察されているが、構成要素1214~1218のうちのいずれも、1つ又は2つ以上の特定用途向け集積回路(ASIC)、1つ又は2つ以上のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、1つ又は2つ以上のプログラム固有標準製品(ASSP)、1つ又は2つ以上の複合プログラマブル論理デバイス(CPLD)など、1つ又は2つ以上のハードウェア論理構成要素として少なくとも部分的に実装され得る。更に、構成要素1214~1218は、制御システム140内に含まれるものとして例示されているが、構成要素1214~1218のうちのいずれも、ロボットシステム110、テーブル150、又は別のデバイス/システムなど、別のデバイス/システム内に少なくとも部分的に実装され得る。同様に、制御システム140の他の構成要素のうちのいずれも、別のデバイス/システム内に少なくとも部分的に実装され得る。
【0156】
位置特定構成要素1214は、1つ又は2つ以上の位置特定技術を実行して、医療器具などの物体の位置及び/又は向きを判定及び/又は追跡するように構成され得る。例えば、位置特定構成要素1214は、入力データ(例えば、医療器具からのセンサデータ、患者の解剖学的構造に関するデータ、患者の位置データ、術前データ、ロボットコマンド、及び/又は運動学データなど)を処理して、1つ又は2つ以上の医療器具の位置/向きデータ1220を生成することができる。位置/向きデータ1220は、視座に対する1つ又は2つ以上の医療器具の場所及び/又は向きを示唆することができる。視座は、患者の解剖学的構造、既知の物体(例えば、EM場発生器)、座標系/空間などに対する視座であり得る。いくつかの実装形態では、位置/向きデータ1220は、医療器具の遠位端(及び/又はいくつかの事例では、近位端)の場所及び/又は向きを示唆することができる。
【0157】
いくつかの実施形態では、位置特定構成要素1214は、術前データを処理して物体の位置及び/又は向きを判定することができる。術前データ(「マッピングデータ」と称されることもある)は、低用量CTスキャンなどのコンピュータ断層撮影(CT)スキャンを実行することによって生成することができる。スキャンからの術前CT画像は、三次元画像に再構成され得、三次元画像は、例えば、患者の内部解剖学的構造の切断図の「スライス」として視覚化される。全体として分析される場合、患者の肺網などの患者の解剖学的構造の解剖学的腔、空間、及び構造について画像ベースのモデルが生成され得る。中心線ジオメトリをCT画像から判定及び近似して、モデルデータと称される(術前CTスキャンのみを使用して生成された場合は「術前モデルデータ」とも称される)患者の解剖学的構造の三次元ボリュームを現像することができる。中心線ジオメトリの例示的な使用は、米国特許出願第14/523,760号で考察されており、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。ネットワークトポロジーモデルはまた、CT画像から導出され得る。
【0158】
更に、いくつかの実施形態では、位置特定構成要素1214は、物体の位置及び/又は向きを判定するために視覚ベースの技術を実行することができる。例えば、医療器具は、視覚データの形態でセンサデータを提供するために、カメラ、距離センサ(「深さセンサ」と称されることもある)、レーダデバイスなどを備えることができる。位置特定構成要素1214は、視覚データを処理して、医療器具の視覚ベースの場所追跡を容易にすることができる。例えば、術前モデルデータを視覚データと共に使用して、医療器具(例えば、内視鏡)のコンピュータ視覚ベースの追跡を可能にすることができる。実施例では、術前モデルデータを使用して、制御システム140は、スコープの予想される移動経路に基づいて、予測される内視鏡画像のライブラリを生成することができ、各画像はモデル内の場所にリンクされる。術中に、このライブラリは、スコープ(例えば、内視鏡の遠位端にあるカメラ)で取り込まれたリアルタイム画像及び/又は他の視覚データを画像ライブラリ内の画像と比較するために、制御システム140によって参照され、位置特定を支援することができる。
【0159】
更に、いくつかの実施形態では、物体の位置及び/又は向きを判定するために、他のタイプの視覚ベースの技術が実行され得る。例えば、位置特定構成要素1214は、画像センサ(例えば、カメラ又は他のセンサ)の運動を判定するためにフィーチャー追跡を使用することができ、こうして、医療器具は画像センサと関連付けられる。いくつかの事例では、位置特定構成要素1214は、解剖学的管腔に対応する術前モデルデータ内の円形ジオメトリを識別し、それらのジオメトリの変化を追跡して、どの解剖学的管腔が選択されたか、並びに医療器具の相対的な回転運動及び/又は並進運動を判定することができる。トポロジーマップの使用はまた、視覚ベースのアルゴリズム又は技術を更に強化することができる。更に、位置特定構成要素1214は、光学フロー、別のコンピュータ視覚ベースの技術を使用して、視覚データ内のビデオシーケンス内の画像ピクセルの変位及び/又は並進を分析してカメラ移動を推測することができる。光学フロー技術の例としては、動き検出、物体セグメント化計算、輝度、動き補償符号化、ステレオ視差測定などを挙げることができる。複数の反復にわたって複数のフレームを比較することによって、位置特定構成要素1214は、画像センサ(及び、したがって内視鏡)の移動及び場所を判定することができる。
【0160】
更に、いくつかの実施形態では、位置特定構成要素1214は、電磁追跡を使用して、物体の位置及び/又は向きを判定することができる。例えば、位置特定構成要素1214は、リアルタイムEM追跡を使用して、患者の解剖学的構造に記録され得る、座標系/空間における医療器具のリアルタイム場所を判定することができ、この場所は、術前モデル又は他のモデルによって表され得る。EM追跡では、1つ又は2つ以上のセンサコイルを含むEMセンサ(又はトラッカ)が、医療器具(例えば、スコープ、針など)内の1つ又は2つ以上の場所及び/又は向きに埋め込まれ得る。EMセンサは、既知の場所に位置決めされた1つ又は2つ以上の静的EM場発生器によって作り出されたEM場の変動を測定することができる。EMセンサによって検出された場所情報は、EMデータとして記憶され得る。位置特定構成要素1214は、EMデータを処理して、医療器具などの物体の位置及び/又は向きを判定することができる。EM場生成器(又は送信機)は、EMセンサが検出することができる低強度磁場を作り出すために、患者の近くに(例えば、所定の距離内に)配置することができる。磁場は、EMセンサのセンサコイル内に小電流を誘導することができ、これを分析して、EMセンサとEM場生成器との間の距離及び角度を判定することができる。これらの距離及び向きは、座標系内の単一の場所を患者の解剖学的構造の術前モデルにおける位置と位置合わせする幾何学的変換を判定するために、患者の解剖学的構造(例えば、術前モデル)に術中「記録」され得る。記録されると、医療器具の1つ又は2つ以上の位置(例えば、内視鏡の遠位先端、針など)におけるEMセンサ(例えば、埋め込まれたEMトラッカ)は、患者の解剖学的構造を通る医療器具の位置及び/又は向きのリアルタイム示唆を提供することができる。
【0161】
追加的又は代替的に、いくつかの実施形態では、位置特定構成要素1214は、ロボットコマンド及び/又は運動学データを使用して、物体の位置及び/又は向きを判定することができる。ロボットコマンド及び/又は運動学データは、術前較正中及び/又は処置中に使用されるコマンドなど、関節運動コマンドから生じる(例えば、ロボットアームの)ピッチ及び/又はヨーを示唆することができる。術中に、較正測定を既知の挿入深さ情報と組み合わせて使用して、医療器具の位置及び/又は向きを推定することができる。代替的又は追加的に、これらの計算は、EM、視覚、及び/又はトポロジーモデリングと組み合わせて分析されて、医療器具の位置及び/又は向きを推定することができる。
【0162】
更に、いくつかの実施形態では、位置特定構成要素1214は、他のタイプのデータを使用して、物体の位置及び/又は向きを判定することができる。例えば、位置特定構成要素1214は、医療器具に埋め込まれた、形状検知ファイバ(例えば、これは、医療器具の場所/形状に関する形状データを提供することができる)、加速度計、ジャイロスコープ、衛星ベースの位置決めセンサ(例えば、全地球測位システム(GPS))、無線周波数トランシーバなどからのセンサデータを分析することができる。かかるデータは、医療器具の位置及び/又は向きを示唆することができる。
【0163】
いくつかの実施形態では、位置特定構成要素1214は、入力データを組み合わせて使用することができる。例えば、位置特定構成要素1214は、信頼重みが複数の形態の入力データから判定された位置/向きに割り当てられる確率的手法を使用することができる。例示するために、EMデータが(EM干渉がある場合のように)信頼できない場合、EMデータは比較的低い信頼値と関連付けられ得、視覚データ、ロボットコマンド、運動学的データなどの他の形態の入力データに依拠することができる。
【0164】
標的/軌道構成要素1216は、人体解剖学的構造及び/又は座標空間/座標系内の標的場所の位置を判定するように構成され得る。標的場所は、人体解剖学的構造及び/又は座標空間/座標系内の点/点セットを表すことができる。例えば、標的/軌道構成要素1216は、座標系内の標的場所の1つ又は2つ以上の点を識別し、1つ又は2つ以上の点の座標(例えば、各点のX、Y、Z座標)を識別し、座標を標的場所と関連付けることができる。いくつかの実施形態では、標的/軌道構成要素1216は、医療器具の位置及び/又は向きを使用して、標的場所の位置を判定することができる。例えば、スコープは、標的場所に接触するか、又は近接範囲内にある(例えば、標的場所の前に静止状態にある)ようにナビゲートされ得る。位置特定構成要素1214は、位置特定技術を使用して、スコープの位置(例えば、スコープの端部の場所)及び/又はスコープの視野内の物体の位置を判定することができる。標的/軌道構成要素1216は、スコープの位置(例えば、スコープの座標)を標的場所と関連付けることができる。追加的又は代替的に、いくつかの実施形態では、スコープは、標的場所をマーク付けするために基準点を送達することができ、基準点の位置が判定され得る。
【0165】
標的場所は、人体解剖学的構造及び/又は座標空間/座標系内の固定点又は可動点を表すことができる。例えば、乳頭が最初に標的場所として指定されている場合、処置が進行し、(例えば、医療器具の挿入に起因して)乳頭が移動するときに、標的場所の座標が判定及び更新され得る。ここで、スコープの場所(乳頭の近接範囲内にあり得る)は、標的場所の座標を更新するために経時的に追跡され、使用され得る。いくつかの実施形態では、標的/軌道構成要素1216は、標的場所の位置を推定/予測することができる。ここで、標的場所は、予測位置で表すことができる。例えば、標的/軌道構成要素1216は、人体解剖学的構造が移動するときに標的場所の座標を予測するアルゴリズムを使用することができる。予測座標を使用して、標的軌道を判定することができる。
【0166】
標的/軌道構成要素1216はまた、医療器具又は別の物体の標的軌道を判定するように構成され得る。標的軌道は、標的場所にアクセスするための所望の経路を表すことができる。標的軌道は、医療器具(例えば、針、スコープなど)の位置、人体解剖学的構造内の標的場所、患者の位置及び/又は向き、患者の解剖学的構造(例えば、標的場所に対する患者内の臓器の場所)などの様々な情報に基づいて判定され得る。例えば、標的軌道は、医療器具の位置及び/又は患者の皮膚上の場所から患者内の標的場所の位置まで/そこを通って延伸するラインを含むことができる。実施例では、医師は、人体解剖学的構造の画像又はモデルを分析し、患者の内部解剖学的構造の画像上にラインを描くことなどによって、標的軌道を指定する入力を提供することができる。いくつかの実施形態では、標的/軌道構成要素1216は、最初に標的軌道を計算し、及び/又は処置全体を通して標的軌道を更新することができる。例えば、標的場所が処置中に移動するとき、標的軌道は、標的場所の位置の変化に起因して更新され得る。標的場所が推定される実施例では、標的軌道は、標的場所に到達するために推定経路を表すことができる。
【0167】
いくつかの実施形態では、標的軌道及び/又は医療器具の軌道は、1つ又は2つ以上の解剖学的平面/軸に関して画定/表現され得る。例えば、軌道は、冠状/矢状/横断面又は別の平面/軸に対する角度(例えば、20度の頭側-尾側角度、10度の内側-外側角度など)として画定/表現され得る。例示するために、制御システム140は、EM場発生器に対する医療器具の姿勢及び/又はEM場発生器に対する標的の場所を判定することができる。制御システム140はまた、ロボット運動学に基づいて、ロボットシステムに対するEM場発生器の姿勢を判定することができる。いくつかの事例では、制御システム140は、ロボットシステムがベッドに対して平行であると推測/判定することができる。かかる情報に基づいて、制御システム140は、ベッド上の患者の解剖学的平面に対する角度など、解剖学的平面に対する標的軌道及び/又は医療器具の軌道を判定することができる。
【0168】
ユーザインターフェース構成要素1218は、1つ又は2つ以上のユーザインターフェース(「1つ又は2つ以上のグラフィカルユーザインターフェース(GUI)」とも称される)を容易にするように構成され得る。例えば、ユーザインターフェース構成要素1218は、医療器具の向き及び/又は位置を示唆するために、1つ又は2つ以上の視覚化を含む器具-位置合わせインターフェース1224を表すユーザインターフェースデータ1222を生成することができる。ユーザインターフェース構成要素1228は、医療器具に関する位置/向きデータ1220、標的場所に関する情報、及び/又は標的軌道に関する情報を使用して、器具-位置合わせインターフェース1224内に、標的軌道に対する医療器具の向きの位置合わせ及び/又は医療器具の標的場所への近接を示唆する1つ又は2つ以上の視覚化を提示することができる。更に、ユーザインターフェース構成要素1228は、スコープによって取り込まれた画像などの視覚データを使用して、器具-位置合わせインターフェース1224内に情報を提示することができる。実施例では、情報は、スコープからの画像(例えば、拡張画像ビュー)上に重ね合わされ得る。ユーザインターフェース構成要素1228は、ユーザインターフェースデータ1222又は他のデータを、器具-位置合わせインターフェース1224の表示のために1つ又は2つ以上のディスプレイ142及び/又は別のディスプレイに提供することができる。
【0169】
1つ又は2つ以上の通信インターフェース1206は、1つ又は2つ以上のデバイス/センサ/システムと通信するように構成され得る。例えば、1つ又は2つ以上の通信インターフェース1206は、ネットワークを介して無線及び/又は有線の方式でデータを送信/受信することができる。本開示の実施形態によるネットワークは、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)(例えば、インターネット)、パーソナルエリアネットワーク(PAN)、ボディエリアネットワーク(body area network、BAN)などを含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上の通信インターフェース1206は、Bluetooth、Wi-Fi、近距離無線通信(near field communication、NFC)などの無線技術を実装することができる。
【0170】
1つ又は2つ以上の電源ユニット1208は、制御システム140(及び/又はいくつかの事例では、ロボットシステム110)の電力を管理するように構成され得る。いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上の電源ユニット1208は、リチウム系電池、鉛酸電池、アルカリ電池、及び/又は別のタイプの電池などの1つ又は2つ以上の電池を含む。すなわち、1つ又は2つ以上の電源ユニット1208は、電力源を提供し、及び/又は電力管理機能性を提供するように構成された1つ又は2つ以上のデバイス及び/又は回路を備えることができる。更に、いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上の電源ユニット1208は、交流(alternating current、AC)又は直流(direct current、DC)主電源に結合するように構成されている主電源コネクタを含む。
【0171】
1つ又は2つ以上のI/O構成要素1210は、ユーザとのインターフェース接続などの入力を受信し、及び/又は出力を提供するための様々な構成要素を含むことができる。1つ又は2つ以上のI/O構成要素1210は、タッチ、発話、ジェスチャ、又は任意の他のタイプの入力を受信するように構成され得る。実施例では、1つ又は2つ以上のI/O構成要素1210を使用して、ロボットシステム110を制御する、ロボットシステム110に付着したスコープ又は他の医療器具をナビゲートし、テーブル150を制御し、蛍光透視デバイス190を制御するなど、デバイス/システムの制御に関する入力を提供することができる。示されるように、1つ又は2つ以上のI/O構成要素1210は、データを表示するように構成された1つ又は2つ以上のディスプレイ142(「1つ又は2つ以上のディスプレイデバイス142」と称されることもある)を含むことができる。1つ又は2つ以上のディスプレイ142は、1つ又は2つ以上の液晶ディスプレイ(liquid-crystal display、LCD)、発光ダイオード(light-emitting diode、LED)ディスプレイ、有機LEDディスプレイ、プラズマディスプレイ、電子ペーパーディスプレイ、及び/又は任意の他のタイプの技術を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上のディスプレイ142は、入力及び/又は表示データを受信するように構成された1つ又は2つ以上のタッチスクリーンを含む。更に、1つ又は2つ以上のI/O構成要素1210は、タッチスクリーン、タッチパッド、コントローラ、マウス、キーボード、ウェアラブルデバイス(例えば、光学ヘッドマウントディスプレイ)、仮想又は拡張現実デバイス(例えば、ヘッドマウントディスプレイ)などを含む1つ又は2つ以上のI/Oデバイス146を含むことができる。追加的に、1つ又は2つ以上のI/O構成要素1210は、音声信号に基づいて音を出力するように構成された1つ又は2つ以上のスピーカ1226、及び/又は音を受信し音声信号を生成するように構成された1つ又は2つ以上のマイクロフォン1228を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上のI/O構成要素1210は、コンソールを含むか、又はコンソールとして実装される。
【0172】
図12には示されていないが、制御システム140は、制御された灌注能力及び/又は吸引能力を医療器具(例えば、スコープ)、医療器具を通して展開され得るデバイスなどに提供するために、1つ又は2つ以上のポンプ、流量計、バルブ制御、及び/又は流体アクセス構成要素などの他の構成要素を含み、及び/又は制御することができる。いくつかの実施形態では、灌注能力及び吸引能力は、別個のケーブルを通して医療器具に直接送達され得る。更に、制御システム140は、フィルタリングされた及び/又は保護された電力をロボットシステム110など別のデバイスに提供するように設計された電圧プロテクタ及び/又はサージプロテクタを含むことができ、それによって、ロボットシステム110内に電力変圧器及び他の補助電力構成要素を配置することが回避され、ロボットシステム110がより小さく、より移動可能になる。
【0173】
制御システム140はまた、医療システム100全体に展開されたセンサのための支持機器も含むことができる。例えば、制御システム140は、光センサ及び/又はカメラから受信されたデータを検出、受信、及び/又は処理するための光電子機器を含むことができる。かかる光電子機器を使用して、制御システム140内に含まれる、任意の数のデバイス/システムに表示するためのリアルタイム画像を生成することができる。同様に、制御システム140は、展開された電磁(EM)センサから受信された信号を受信及び/又は処理するための電子サブシステムも含んでもよい。いくつかの実施形態では、制御システム140を使用して、医療器具内又は医療器具上のEMセンサによる検出のためにEM場生成器を収容、及び位置決めすることもできる。
【0174】
いくつかの実施形態では、制御システム140は、1つ又は2つ以上のケーブル又は接続(図示せず)を介して、ロボットシステム110、テーブル150、並びに/又はスコープ120及び/若しくは針170などの医療器具に結合され得る。いくつかの実装形態では、制御システム140からのサポート機能性は、単一のケーブルを介して提供され得、手術室を簡略化し、脱乱雑にすることができる。他の実施形態では、特定の機能性は、別個の配線及び接続で結合され得る。例えば、電力は単一の電力ケーブルを通して供給され得るが、制御、光学、流体工学、及び/又はナビゲーションのためのサポートは、別個のケーブルを通して提供され得る。
【0175】
「制御回路」という用語は、本明細書では、その広い通常の意味に従って使用され、1つ又は2つ以上のプロセッサ、処理回路、処理モジュール/ユニット、チップ、ダイ(例えば、1つ又は2つ以上の能動デバイス及び/又は受動デバイス及び/又は接続回路を含む半導体ダイ)、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、マイクロコンピュータ、中央処理ユニット、グラフィック処理ユニット、フィールドプログラマブルゲートアレイ、プログラマブル論理デバイス、状態機械(例えば、ハードウェア状態機械)、論理回路、アナログ回路、デジタル回路、並びに/あるいは回路及び/又は動作命令のハードコーディングに基づいて信号(アナログ及び/又はデジタル)を操作する任意のデバイスの任意の集合を指すことができる。制御回路は、1つ又は2つ以上の記憶デバイスを更に含むことができ、これは、単一のメモリデバイス、複数のメモリデバイス、及び/又はデバイスの埋め込み回路の中に具現化され得る。かかるデータ記憶装置は、読み出し専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、スタティックメモリ、ダイナミックメモリ、フラッシュメモリ、キャッシュメモリ、データ記憶レジスタ、及び/又はデジタル情報を記憶する任意のデバイスを含むことができる。制御回路が、ハードウェア状態機械を備え(かつ/又はソフトウェア状態機械を実装し)、かつアナログ回路、デジタル回路、及び/又は論理回路を備える、実施形態では、任意の関連付けられた動作命令を記憶するデータ記憶デバイス/レジスタは、状態機械、アナログ回路、デジタル回路、及び/又は論理回路を備える回路の内部に又はその外部に埋め込まれ得ることに留意されたい。
【0176】
「メモリ」という用語は、本明細書では、その広い通常の意味に従って使用され、任意の適切な又は望ましいタイプのコンピュータ可読媒体を指すことができる。例えば、コンピュータ可読媒体は、1つ又は2つ以上の揮発性データ記憶デバイス、不揮発性データ記憶デバイス、取り外し可能なデータ記憶デバイス、並びに/又は任意の技術、レイアウト、及び/若しくはデータ構造/プロトコルを使用して実装される取り外し可能なデータ記憶デバイスを含むことができ、任意の適切な又は望ましいコンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、又は他のタイプのデータを含む。
【0177】
本開示の実施形態に従って実装され得るコンピュータ可読媒体は、これらに限定されないが、相変化メモリ、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、他のタイプのランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ若しくは他のメモリ技術、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)若しくは他の光学記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置若しくは他の磁気記憶デバイス、又はコンピューティングデバイスによるアクセスのための情報を記憶するために使用され得る任意の他の非一時的媒体を含む。本明細書においてある特定の文脈で使用される場合、コンピュータ可読媒体は、一般に、変調データ信号及び搬送波などの通信媒体を含まなくてもよい。そのため、コンピュータ可読媒体は、一般に、非一時的媒体を指すと理解されるべきである。
【0178】
例示的な標的平面及び投影場所
本明細書における様々な技術は、医療器具の向き/位置及び/又は標的軌道/標的場所に関する情報を提供/生成する。多くの実施例では、かかる技術は、患者からの腎石又は別の物体の除去を容易にするために、針、カテーテルなどの別の医療デバイスと集結するスコープの文脈で考察される。しかしながら、本技術は、他の文脈において実装され得る。考察を容易にするために、多くの実施例が針に言及する。とはいえ、上記のように、他の医療器具が実装され得る。
【0179】
一例示では、上記の実施例で同様に考察されるように、医師は、腎石が位置する腎臓内の場所にスコープをナビゲートすることができる。スコープは、乳頭に接触するようにナビゲートされ、及び/又は別様に乳頭に近接して位置決めされ得る。次いで、医師は、針が経皮的に腎臓に進入するための標的場所として、スコープの位置を記録する入力を提供することができる。針は、センサデータを提供するためにEMセンサ又は別のタイプのセンサを装備することができ、センサデータは、針の向き/位置を判定するために使用され得る。針の位置/向き及び/又は標的(すなわち、乳頭)の位置は、2D表現/平面、3D表現などの表現にマッピング/投影され得る。
【0180】
マッピングを使用して、現在の針姿勢と標的場所との間の誤差/差異(「標的化誤差」又は「軌道位置合わせ誤差」と称されることもある)を推定/判定することができる。標的化誤差は、標的軌道/姿勢(例えば、医療器具の望ましい/理想的な軌道/姿勢)に対する角度誤差を表す角度標的化誤差、及び/又は標的場所に対する位置誤差を表す位置標的化誤差を含むことができる。実施例では、角度標的化誤差及び/又は位置標的化誤差は、標的化データ内に表され/示唆され得る。標的化データを使用して、標的場所に対する針の位置合わせ/進行に関する情報を生成/提供することができる。これは、ユーザが、標的場所に到達するために針を挿入するのを支援することができる。例えば、標的化データを使用して、本明細書で考察されるユーザインターフェースのうちのいずれかを提示することができる。
【0181】
いくつかの実施形態では、本明細書で考察される技術のうちの1つ又は2つ以上は、処置中に移動が発生し得る標的場所などの移動曲線(「ライブ標的」と称されることもある)のために実装され得る。実施例では、スコープ及び/又は患者の解剖学的構造の位置に、及び/又はそれに基づいて設定される標的場所は、針が挿入されるときに解剖学的運動及び/又は組織変形によって移動することがある。いくつかの事例では、標的(例えば、乳頭)の場所は、追跡されたスコープ姿勢を使用して、及び/又は他の位置特定技術を実行してなどリアルタイムで、針が挿入されるときに更新され得る。
【0182】
図13~
図16は、インターフェースデータを提供するために、1つ又は2つ以上の実施形態による、針姿勢を表現上にマッピングし、かかるマッピングを使用する例示的な技術を例示する。これらの実施例では、左側の画像は、患者の解剖学的構造(腎臓1302/1402/1502/1602を含む)、並びに標的場所1304/1404/1504/1604及び針1306/1406/1506/1606の姿勢を描写している。一方、右側の画像は、標的場所1304/1404/1504/1604に対する針1302/1402/1502/1602の姿勢を示唆するためにインターフェースを介して提供され得る1つ又は2つ以上のインターフェース要素1308/1408/1508/1608を描写している。例えば、
図13-1~
図13-3に示されるように、1つ又は2つ以上のインターフェース要素1308は、針1306を表す器具位置合わせ要素1308(A)と、標的場所1304を表す位置合わせマーキング1308(B)とを含むことができる。一般に、針1306が標的場所1304と位置合わせされるとき、器具位置合わせ要素1308(A)は、(例えば、位置合わせマーキング1308(B)内に中心を置かれた)位置合わせマーキング1308(B)/1308(C)と位置合わせした配列で表示され得る。
図13~
図16では、標的場所1304/1404/1504/1604は、腎石1312/1412/1512/1612を除去するために使用され得るスコープ1310/1410/1510/1610によって指定され得る。
【0183】
図13-1~
図13-3は、針1306の姿勢が変化するときに固定されたままである表現/平面1320(「標的平面1320」と称されることもある)上に針1306の姿勢をマッピングする例示的な技術を例示する。
図13-1に示されるように、ユーザは、患者の皮膚上の挿入部位などの、針を初期場所1322に位置決めするか、又はさもなければ針1306の遠位端をある位置に固定することができる。次いで、針1306の遠位端(例えば、針先端)と標的場所1304との間のライン1324が判定され得る。平面1320は、ライン1324が平面1320に対して垂直であり、平面1320が標的場所1304を含むように判定され得る。次いで、平面1320上の針1306の投影位置1326が判定され得る。例えば、針1306の位置は、針1306の現在の向き/進行方向に基づいて平面1320上に投影され得る。投影位置1326は、針1306が現在の向き/進行方向で平面1320に挿入される場合、針1306と平面1320との交点を表すことができる。示されるように、針1306の標的軌道/姿勢は、ライン1324及び/又はライン1328を含むことができる。標的軌道/姿勢は、標的場所1304に成功裏に到達/位置合わせするために辿られるべき軌道/姿勢を表すことができる。更に、いくつかの事例では、標的軌道は、スコープ1310の進行方向を含むことができ、ライン1324と同じあってもなくてもよい。
【0184】
投影位置1326を使用して、1つ又は2つ以上のインターフェース要素1308を提示することができるため、ユーザは、標的場所1304に対する針1306の位置合わせを視認することができる。例えば、位置合わせマーキング1308(B)は、平面1320上の標的場所1304を表すことができ、器具位置合わせ要素1308(A)は、平面1320上の針1306の投影位置1326を表すことができる。位置合わせマーキング1308(B)に対する器具位置合わせ要素1308(A)の位置は、針1306の標的場所1304への位置合わせを示唆することができる。例えば、
図13-1~
図13-3に示されるように、針1306の向きが変化して(例えば、ユーザが針1306を傾斜させて)標的姿勢1328と位置合わせするとき、器具位置合わせ要素1308(A)は、位置合わせマーキング1308(B)のより近くに/その中に移動する。
図13-3は、標的姿勢1328(すなわち、標的場所1304と位置合わせされた投影位置1326)と位置合わせされた針1306を例示する。いくつかの実施例では、1つ又は2つ以上のインターフェース要素1308の位置決めは、角度標的化誤差、すなわち、針1306の向きと標的姿勢1328との間の差異を表す。
【0185】
いくつかの事例では、
図13-1~
図13-3のインターフェース内の1つ又は2つ以上のインターフェース要素1308の位置を容易にするために、平面1320をインターフェースにマッピングすることができる。すなわち、平面1320上の場所は、インターフェース内の場所にマッピングされ得る。例えば、平面1320上の特定の場所は、投影位置1326が平面1320上の特定の場所の近接範囲内に位置決めされている場合、器具位置合わせ要素1308(A)が位置合わせマーキング1308(C)の近くに位置決めされ得るように、外側位置合わせマーキング1308(C)と関連付けられ得る。
【0186】
上記のように、平面1320の向きは、針1306の姿勢が変化するときに固定されたままであり得る。例えば、処置の針挿入フェーズ中(例えば、標的場所1304に到達しようと試みて針1306を挿入している間)、平面1320の向きは、例え針1306の向き/位置が変化しても、同じままであり得る。そのため、平面1320は、一般に、針1306の初期固定位置に基づいて定められる固定面を表す。いくつかの事例では、平面1320は、針1306の遠位端が最初に患者の皮膚上などの比較的固定された位置に位置決めされるときに判定され得る。固定位置は、位置が固定されていることを示唆するユーザ入力(例えば、針位置合わせインターフェースへの切り替え、特定のアイコンの選択など)、針先端が比較的静止した位置にある針1320の向き移動の閾値量未満であることなどに基づいて検出され得る。しかしながら、事例では、平面1320は、針1306の新しい固定位置(例えば、固定先端点を中心とする向き移動)、新しい固定針位置を示唆するユーザによって提供される入力などを検出することに基づいて更新され得る。
【0187】
図14-1~
図14-3は、1つ又は2つ以上の実施形態による、針1406の姿勢が変化するときに更新する表現/平面1420上に針1406の姿勢をマッピングする例示的な技術を例示する。この実施例では、ユーザは、針1406の先端の位置を変化させることなく、針1406の向きを変化させる。
図14-1に示されるように、ユーザは、針を初期場所1422に位置決めすることができる。平面1420は、針1406の進行方向1424が平面1420に対して垂直であり、平面1420が標的場所1404を含むように、判定され得る。次いで、針1406の現在の向き/進行方向に基づいて、平面1420上の針1406の投影位置1426が判定され得る。
【0188】
針1406の標的軌道/姿勢は、様々な様式で判定され得る。一例示では、標的軌道/姿勢は、針1406の遠位端と標的場所1404との間のライン1428であり得る/を含み得る。ライン1428が基準として使用されるとき、1つ又は2つ以上のインターフェース要素1408は、針1406の角度誤差(例えば、針1406の姿勢とライン1428との間の角度差)を表すことができる。別の例示では、標的軌道/姿勢は、針1406の初期進行方向に平行であり、標的場所1404を通過するライン1430であり得る/を含み得る(例えば、ライン1430は平面1420に対して垂直であり得る)。ライン1430が基準として使用される場合、1つ又は2つ以上のインターフェース要素1408は、針1406の位置誤差(例えば、針1406の投影位置1426と標的場所との間の平面1420の位置差)を表すことができる。実施例では、標的軌道/姿勢は、スコープ1410の進行方向を含む/それと位置合わせする。いずれの場合も、針1406の姿勢が変化するときに、標的軌道が更新され得る。
【0189】
投影位置1426は、1つ又は2つ以上のインターフェース要素1408を提示するために使用され得るため、ユーザは、標的場所1404に対する針1406の位置合わせを視認することができる。例えば、位置合わせマーキング1408(B)は、標的場所1404を表すことができ、器具位置合わせ要素1408(A)は、針1406の投影位置1426を表すことができる。位置合わせマーキング1408(B)に対する器具位置合わせ要素1408(A)の位置は、針1406の標的場所1404への位置合わせを示唆することができる。この実施例では、ユーザは、針1406の先端を初期場所1422に固定し、針1406の向きを変化させる。
図14-1~
図14-3に示されるように、針1406の向きが(針1406が移動するときに変化する)標的軌道1428/1430と位置合わせするように変化するとき、器具位置合わせ要素1408(A)は、位置合わせマーキング1408(B)のより近くに/その中に移動する。
図14-3は、標的姿勢1428/1430と位置合わせされた針1406を例示する(すなわち、投影位置1426は標的場所1404と位置合わせされる)。そのため、インターフェースは、一般に、標的軌道に対する針1406の角度誤差及び位置誤差の両方を提供するが、ユーザは、先端位置を変化させることなく針1406の向きを変化させるため、角度誤差を視認するためにインターフェースを使用している。
【0190】
図13-1~
図13-3を参照して上述したのと同様に、平面1420をインターフェースにマッピングして、1つ又は2つ以上のインターフェース要素1408をインターフェース内の適切な位置に及び/又は互いに対して表示することができる。
【0191】
図15-1~
図15-3は、針1506の姿勢が変化するときに更新する表現/平面1520上に針1506の姿勢をマッピングする別の実施例を例示する。この実施例では、ユーザは、針1506の向きを変化させることなく、針1506の先端の位置を変化させる。
図15-1に示されるように、平面1520は、
図14-1~
図14-3を参照して考察したのと同様の様式で判定され得る。具体的には、ユーザは、針を初期場所1522に位置決めすることができる。次いで、平面1520は、針1506の進行方向1524が平面1520に対して垂直であり、平面1520が標的場所1504を含むように、判定され得る。針1506の現在の向き/進行方向に基づいて、平面1520上の針1506の投影位置1526が判定され得る。
【0192】
図14-1~
図14-3において上述したのと同様に、針1506の標的軌道/姿勢は、(i)針1506の遠位端と標的場所1504との間のライン1528、及び/又は(ii)針1506の初期姿勢に平行であり、標的場所1504を通過するライン1530である/を含むように判定され得る。標的軌道は、針1506の姿勢が変化するときに更新することができる。
【0193】
投影位置1526を使用して、1つ又は2つ以上のインターフェース要素1508を提示することができる。例えば、位置合わせマーキング1508(B)に対する器具位置合わせ要素1508(A)の位置は、針1506の標的場所1504への位置合わせを示唆することができる。この実施例では、ユーザは、針1506の向きを変化させることなく、針1506の先端の位置を変化させる。
図15-1~
図15-3に示されるように、針1506の位置が標的軌道1530と位置合わせするように変化するとき、器具位置合わせ要素1508(A)は、位置合わせマーキング1508(B)内で移動する。そのため、インターフェースは、一般に、標的軌道1528/1530に対する針1506の角度誤差及び位置誤差の両方を提供するが、ユーザは、ユーザが向きを変化させることなく位置を変化させるため、標的軌道1530に対する針1506の位置誤差を視認するためにインターフェースを使用する。ここで、ユーザは、針1506を使用して、標的場所1504を走査することができる。
【0194】
図14-1~
図14-3を参照して上述したのと同様に、平面1520をインターフェースにマッピングして、1つ又は2つ以上のインターフェース要素1508をインターフェース内の適切な位置に及び/又は互いに対して表示することができる。
【0195】
図16-1~
図16-3は、針1606の姿勢が変化するときに更新する表現/平面1620上に針1606の姿勢をマッピングする別の実施例を例示する。この実施例では、ユーザは、針1606の先端の位置を変化させ、針1606の向きを変化させる。
図16-1に示されるように、平面1620は、
図14-1~
図14-3を参照して考察したのと同様の様式で判定され得る。具体的には、ユーザは、針を初期場所1622に位置決めすることができる。次いで、平面1620は、針1606の進行方向1624が平面1620に対して垂直であり、平面1620が標的場所1604を含むように、判定され得る。針1606の現在の向き/進行方向に基づいて、平面1620上の針1606の投影位置1626が判定され得る。
【0196】
図14-1~
図14-3において上述したのと同様に、針1606の標的軌道/姿勢は、(i)針1606の遠位端と標的場所1604との間のライン1628、及び/又は(ii)針1606の姿勢に平行であり、標的場所1604を通過するライン1630である/を含むように判定され得る。標的軌道は、針1606の姿勢が変化するときに更新され得る。
【0197】
投影位置1626を使用して、1つ又は2つ以上のインターフェース要素1608を提示することができる。例えば、位置合わせマーキング1608(B)に対する器具位置合わせ要素1608(A)の位置は、針1606の標的場所1604への位置合わせを示唆することができる。この実施例では、ユーザは、針1406の先端の位置を変化させ、針1606の向きを変化させる。
図16-1~
図16-3に示されるように、針1606の位置が標的軌道1628/1630と位置合わせするように変化するとき、器具位置合わせ要素1608(A)は、位置合わせマーキング1608(B)内で移動する。そのため、ユーザは、一般に、ユーザが位置及び向きを変化させるため、針1406の位置誤差及び角度誤差の両方を視認するためにインターフェースを使用する。
【0198】
図14-1~
図14-3を参照して上述したのと同様に、平面1620をインターフェースにマッピングして、1つ又は2つ以上のインターフェース要素1608をインターフェース内の適切な位置に及び/又は互いに対して表示することができる。
【0199】
様々な実施例が針の先端を基準点として使用して針の位置を平面上に投影する文脈で考察されているが、針の近位端/先端、針の中央部分など、針の別の部分は、平面上に投影され得る。例えば、
図13-1の例に戻ると、針1306の近位端は、(針1306の先端の代わりに)平面1320上に投影され得るため、投影ラインは、針1306の近位端を含み、標的軌道1324に平行である。ここで、平面1320上の針1306の近位端の投影場所は、標的場所1304の上方にあることになる(及びインターフェース要素1308(A)は、
図13-1の左上角のインターフェース内に位置することになる)。いくつかの実施形態では、平面上の針又は別の医療器具の投影位置は、1つ又は2つ以上の投影ジオメトリ技術を使用して判定され得る。更に、様々な2D表現/平面が描写されているが、3D表現などの他のタイプの表現を実装することができる。
【0200】
本明細書で考察されるように、様々な技術を使用して、標的平面を判定することができる。例えば、標的平面は、スコープの進行方向に基づき得るため、スコープの進行方向は平面に対して垂直である。いくつかの事例では、スコープの進行方向は、標的軌道を表すこともできる。そのため、いくつかの実施例では、これは、ユーザが、スコープの進行方向と同軸に標的部位にアクセスするために針又は他の医療器具を位置合わせするのを支援することができる。
【0201】
例示的な座標フレーム
上記のように、医療器具を実装して、標的場所に到達することができる。針を使用するいくつかの解決策では、医療器具の特定のタイプの移動は、十分に画定されないことがあるが、これは、医療器具の特性(例えば、針の円筒形形態)、使用されているセンサのタイプ、及び/又は医療器具の姿勢を追跡するシステムの特性に起因し得る。そのため、針の移動を、効果的/直感的な様式で、インターフェース内のインターフェース要素の移動に相関させることは困難であり得る。例えば、かかる解決策は、針がユーザに対して右に傾けられるときに、針インジケータをインターフェース内で上方に移動させることができる。これは、針を操作するためにインターフェースを視認するときにユーザを混乱させることがある。
【0202】
図17は、医療器具の移動をインターフェース内のインターフェース要素の移動に相関させるために、1つ又は2つ以上の座標フレームを確立する例示的な技術を例示する。一般に、本技術は、ロボットシステムに関する情報を使用して、医療器具の座標フレームを判定し、医療器具の座標フレームを使用して、医療器具の位置合わせ/進行に関する情報を提供することができる。例えば、本技術は、医療器具がユーザによってどのように保持されているかに相関する様式で、医療器具の移動をユーザインターフェースにマッピングすることによって、直感的な手と目の協調を達成する(例えば、針をユーザに対して左/右に傾けるときに針のアイコンを左/右に移動させ、針をユーザに対して上/下に傾けるときにインターフェース内のインターフェースアイコンを上/下に移動させる)のを支援することができる。これは、ユーザが医療器具を位置合わせさせるのを支援することができる。
【0203】
例示するために、上記のように、医師は、ロボットシステム110を実装して、医療処置を実行することができる。ロボットシステム110は、ロボットアーム112(A)などのEM場発生器180に結合され得る。EM場発生器180は、針(
図17には例示せず)などの医療器具上のEMセンサによって検出されるEM場を提供することができる。医療器具からのセンサデータに基づいて、医療器具の姿勢は、EM場発生器180の座標フレーム1702に対して判定され得る。更に、座標フレーム1704(「ワールド座標フレーム1704」とも称される)は、キャリッジインターフェース1104/ロボットアーム112(A)の基部又はロボットシステム110の任意の他の構成要素に固定されているようなロボットシステム110に対して判定され得る。次いで、医療器具の姿勢は、ワールド座標フレーム1704内に表され得る。実施例では、医療器具の姿勢は、ロボットシステム110(例えば、ロボットアーム112(A))の順運動学を使用した座標フレーム1702と世界フレーム1704との間の変換(例えば、斉次変換)に基づいて、ワールド座標フレーム1704内で表され得る。
【0204】
更に、患者(例示せず)内の標的場所1706は、本明細書で考察される技術のうちのいずれかを使用して、EM場発生器180の座標フレーム1702に対して判定され得る。次いで、平面1708(「標的平面1708」とも称される)は、標的場所1706に基づいて判定され得る。次いで、平面1708は、医療器具の姿勢がワールド座標フレーム1704に表されるのと同様の様式などで、ワールド座標フレーム1704内に表され得る。次いで、標的平面1708の座標軸1710が、判定され得る。例えば、医療器具がワールド座標フレーム1704のz軸に平行ではないという仮定/推論を行うことができ、これを使用して、標的平面1708(例えば、y軸)上の座標軸を画定することができる。ワールド座標フレーム1704のz軸と医療器具の進行方向(z軸)との間でクロス積を実行して、標的平面1708(例えば、y軸)上の別の座標軸を画定することができる。2つの軸が画定されると、第3の軸が、新たに取得された/判定された軸と医療器具の進行方向との間でクロス積を実行することによって画定され得る。
図17は、平面1708(中央画像)の3D表現及び平面1708の2D表現(底部画像)を例示する。示されるように、医療器具の投影場所1712は、座標軸1710の原点として平面1708上に示されている。更に、標的場所1706は、標的平面1706上のバブルで表されている。
【0205】
標的平面1708の座標フレーム1710が判定されると、医療器具の座標フレームが判定され得る。例えば、医療器具の進行方向及び標的平面法線は互いの鏡像であり得るため、医療器具の座標フレームは、標的平面1708から直接並進することができる。そのため、医療器具の座標フレームは、標的平面1708の座標フレームの逆であり得る。
【0206】
実施例では、以下の数学的ステップのうちの1つ又は2つ以上を実行して、座標フレーム、軸、及び/又は他の要素のうちの1つ又は2つ以上を生成することができる。
【0207】
【0208】
例示的なアダプティブ標的化
図18及び
図19は、1つ又は2つ以上の実施形態による、様々な例示的なアダプティブ標的化技術(「アダプティブスケーリング」とも称される)を例示する。いくつかの実施形態では、医療器具が標的場所から比較的遠く離れている(例えば、閾値外である)とき、ある量の標的化誤差が許容され得る。しかしながら、医療器具が標的場所のより近くに移動するときに、標的化誤差は、標的場所へのアクセスを容易にするために、より小さく(例えば、解剖学的標的の大きさよりも小さい解剖学的標的の大きさ(例えば、乳頭の大きさ)、又は別の大きさなど)する必要があり得る。そのため、実施例では、アダプティブ標的化技術は、医療器具が標的場所のより近くに(又はより遠くに)移動するときに(例えば、医療器具が挿入されるときに)、インターフェース内の1つ又は2つ以上のインターフェースフィーチャーが異なる様式で機能することができるように実装され得る。事例では、医療器具先端が標的場所の比較的近くに位置決めされるとき、標的軌道からの比較的わずかな逸脱は、医療器具が標的場所からより遠く離れているときと比較して、インターフェース内の標的中心からの器具位置フィーチャーの比較的大きい移動をもたらし得る。これは、医療器具が標的場所からより遠くにあるときに、医師がより大きい量の許容誤差で医療器具を標的場所と位置合わせするのを支援することができ、及び/又は医療器具が標的場所に近づくときに、医師が医療器具を標的場所とより正確に位置合わせするのを支援することができる。
【0209】
図18-1は、針1820をある特定の姿勢1821に保持又は別様に維持するユーザを示しており、針1820は、姿勢1821と関連付けられたある特定の軸方向に向けられる。
図18-1Aの画像1824は、ユーザが、針1820の先端を腎錐体1825を通して標的場所1826(例えば、腎杯穿刺場所)まで前進させようとして、針1820を挿入する医療処置に関する。例えば、本明細書で詳細に記載されるように、関連システムの制御回路は、針先端の現在位置1828及び/又は針1820の向きに基づいて、標的針軌道1822を判定するように構成され得る。実施例では、標的軌道1822は、示されるように、針先端位置1828と標的場所1826との間の直接(又は間接/蛇行)経路と関連付けられ得る。したがって、関連する医療処置の理想的な実装形態は、ユーザが、標的針軌道1822からの逸脱が可能な限り少ないように、針1820を標的場所1826に挿入することを伴い得る。
【0210】
図18-1Bは、本明細書に記載されるような医療処置と関連して実装され得る、ある特定のユーザインターフェースフィーチャーを示す。例えば、関連システムの制御回路は、本明細書に示され記載される、ある特定の視覚的フィーチャーを表すインターフェースデータを生成するように構成され得、かかるフィーチャーのある特定の特性は、検出された針位置、判定された針標的針軌道、判定された標的場所、及び/又は1つ又は2つ以上の位置センサ又は他の位置判定手段/機構を使用して導出される他の情報に少なくとも部分的に判定され、及び/又はそれに基づく。
【0211】
図18-1Bに示されるユーザインターフェースフィーチャーは、針位置、軌道、及び/又は同等物の変化に応答して、その1つ又は2つ以上の特性に関して動的に調整され得る、ある特定のフィーチャーを含む位置合わせ視覚化要素1830を含むことができる。
図18-1Bの例示される例では、位置合わせ視覚化要素1830は、器具位置フィーチャー1832(「器具-位置合わせ要素1832」とも称される)を含み、バブルタイプの形状若しくは形態、又は任意の他の形状若しくは形態を有し得る。例えば、器具位置フィーチャー1832は、バブル水準器又は他の水準測量器具と同様の画像を視覚的に喚起するように構成され得る。位置合わせ視覚化要素1830は、位置合わせ曲線フィーチャー1831(「位置合わせマーキング1831」とも称される)を更に含み得、これは、中央標的場所1836の周囲の境界を画定する形状又は形態として表され得、一般に、位置合わせ視覚化要素1830の軸中心及び/又はその1つ又は2つ以上のフィーチャーと関連付けられ得る。完全な円形の境界として例示されているが、位置合わせ曲線フィーチャー1831は、破線の円又は任意の他の形状又は形態であり、標的中心1836の周囲の半径方向の境界を視覚的に示唆し得る。
【0212】
いくつかの実施形態では、位置合わせ視覚化要素1830は、1つ又は2つ以上の十字線フィーチャー1833を更に含み、これは、ユーザに示唆し、及び/又はユーザを標的中心1836に視覚的に向けるように機能し得る。実施例では、十字線フィーチャー1833は、標的中心1836で交差する。いくつかの実施形態では、位置合わせ視覚化要素1830は、外側境界フィーチャー1834(「境界マーキング1834」とも称される)を更に含み、外側境界は、器具位置フィーチャー1832の視覚的かつ/又は強制的な境界を提供し得る。制御回路は、器具位置フィーチャー1832の半径方向距離を、標的中心1836から外部境界フィーチャー1834の外部又は内部境界までに制限するように構成され得る。しかしながら、いくつかの実装形態では、器具位置フィーチャー1832は、外部境界1834の外側に逸脱することを許容され得、外側境界は、器具位置フィーチャー1832が標的中心1836及び/又は位置合わせ標的境界1831から逸脱した程度に関する視覚的示唆をユーザに提供する。
【0213】
本開示のいくつかの実装形態によれば、器具位置フィーチャー1832は、標的場所1826と交差する平面1827内に存在する判定された針投影点1829間の距離D
Pに基づく、及び/又はそれを表す、標的中心1836から距離d
tに提示され得る。例えば、平面1827は、針1820の進行方向/姿勢に実質的に直交する標的進入平面であり得る。ただし、投影位置1829と標的場所1826の間の距離D
Pは、標的場所1826と交差する任意の平面に対するものであり得ることを理解されたい。投影針位置1829は、針1820が標的平面1827と交差するまで現在軌道1823に沿って挿入される場合、針1820の先端に対して投影された場所/位置を表し得る。ただし、標的場所からの投影逸脱距離に関する本開示の態様は、標的場所からの針又は他の器具の任意の投影距離を表し得ることを理解されたい。
図18-1Bを参照すると、器具位置フィーチャー1832と標的中心1836との間の距離d
tは、投影逸脱距離D
Pに少なくとも部分的に基づき得る。
【0214】
図18-1B及び/又は本開示の他の図を参照するなど、本明細書に開示されるいくつかの実施形態に関連して、ユーザインターフェースの位置合わせ視覚化要素に対する器具位置フィーチャー1832と標的中心との間の距離d
tが参照される。距離d
tは、位置合わせ視覚化要素1830の1つ又は2つ以上の他の視覚的フィーチャーの大きさに対する相対的な寸法として解釈/表現され得ることを理解されたい。すなわち、器具位置フィーチャーと標的中心1836との間の距離d
tの変化が本明細書に記載される場合、かかる参照される距離は、ユーザインターフェースディスプレイ上に表されるような実際の距離の変化を指し得、及び/又は位置合わせ視覚化要素1830の1つ又は2つ以上の他の視覚的フィーチャーの寸法に対する器具位置フィーチャー1832と標的中心1836との間の距離変化を指し得ることを理解されたい。例えば、器具位置フィーチャー1832と標的中心1836との間の距離d
tの変化は、器具位置フィーチャー1832と標的中心1836との間の実際の距離d
tを変化させることによって、及び/又は位置合わせ標的フィーチャー1831の直径/寸法d
1、器具位置フィーチャー1832の直径/寸法d
2、外側境界フィーチャー1834の直径/寸法d
3、及び/又は十字線フィーチャー1833の長さ及び/又は位置など、位置合わせ視覚化要素1830のフィーチャーのうちの1つ又は2つ以上に関連付けられた寸法を変化させることによって視覚的に表され得る。したがって、器具位置フィーチャーと位置合わせ視覚化ユーザインターフェース要素の標的中心との間の距離の変化/変移の本明細書における記載は、器具位置フィーチャー1832と標的中心1836との間の距離d
tを変化させること、及び/又は
図18-1Bに示される他の寸法のいずれかを比例的な様式などで縮小又は拡大することを含むと理解され得る。
【0215】
図18-2Aは、変移した位置/姿勢1821bで針1820を保持しているユーザを示す。例えば、
図18-2Aの画像1837は、針1820を標的場所1826に向けて更に挿入することに関連付けられている姿勢1821bにある針1821を表し得る。すなわち、
図18-2Aでは、針点位置1828bと標的場所1826との間の距離D
I-2は、
図18-1Aに示される距離D
Iよりも短くてもよい。
図18-2Bは、位置合わせ視覚化要素1830の修正されたバージョンを示し、器具位置フィーチャー1832の距離d
tbは、針1820の現在の位置/姿勢1821bを表すように修正されている。
【0216】
図18-2Aに示されるように、制御回路は、標的針軌道1822b、及び/又は針先端位置1828bと標的場所1826との間の現在の挿入距離D
I-2を判定することができる。制御回路は、標的逸脱距離D
P-2を判定するように構成され得、標的逸脱距離D
P-2は、投影針位置1829bと標的場所1826との間の現在の投影逸脱を表す。
【0217】
図18-2Bの画像に関して、いくつかの実施例では、位置合わせ視覚化要素1830は、中央標的場所1836から距離d
tbに器具位置フィーチャー1832を提示するように構成され得、かかる距離d
tbは、現在の投影逸脱距離D
P-2に少なくとも部分的に基づき得る。いくつかの実装形態では、距離d
tbは、
図18-1Bの距離d
tとの関係を有し得、投影逸脱距離D
P-2と投影逸脱距離D
Pとの間の差に比例する。すなわち、標的中心1836からの器具位置フィーチャー1832の距離の変化は、姿勢1821と姿勢1821bとの間の投影逸脱距離の変化に関して概して線形であり得る。
【0218】
いくつかの実装形態では、標的中心1836からの器具位置フィーチャー1832の距離の変化は、姿勢1821と姿勢1821bとの間の投影逸脱距離の変化に対して一般に非線形であり得る。例えば、投影逸脱距離の変化が器具位置フィーチャー1832と標的中心1836との間の距離の変化を引き起こす程度は、挿入距離D
I/D
I-2に少なくとも部分的に基づき得る。すなわち、距離d
t/d
tbを判定するとき、制御回路は、距離D
I/D
I-2に少なくとも部分的に基づいて、かかる判定を行い得る。例えば、距離d
tbは、恐らく他の乗数の中でもとりわけ、投影逸脱距離D
P-2と挿入距離D
I-2との積に基づいて判定され得る。いくつかの実装形態では、かかる器具位置フィーチャー距離d
tb判定は、1つ又は2つ以上の挿入距離パラメータを使用して制御回路によって実行され得る。例えば、かかるパラメータは、比較的短い挿入距離に対して(例えば、器具位置フィーチャー距離の増加/減少をもたらす)より大きな値を有し得る。すなわち、挿入距離パラメータは、挿入距離と一般に逆の関係を有し得るため、パラメータは、挿入距離が減少するときに、器具位置フィーチャー距離d
tに対するより大きな影響を有する。ここで、ユーザが針先端を標的場所1826に比較的近い位置に挿入するとき、標的針軌道からの比較的わずかな逸脱は、標的中心1836からの器具位置フィーチャー1832の比較的大きな移動をもたらし得る。
図18-1A及び
図18-2Aに示される様々な距離は、直接ベクトル距離であり得るか、又は任意の適切な又は望ましい基準平面又は軸に対するベクトル成分の寸法/距離であり得ることを理解されたい。
【0219】
いくつかの実施例では、器具位置フィーチャー1832は、かかる要素1830の外側に提示されることなく、位置合わせ視覚化要素1830内に提示される。例えば、位置合わせ視覚化要素1830によって表される寸法は、針1820と標的場所1826との間の距離の関数として線形に変化することができ、器具位置フィーチャー1832の位置は、比較的大きい位置合わせ誤差の場合でも、位置合わせ視覚化要素1830内に位置決めされ得る。例示するために、器具位置フィーチャー1832の位置が、(いくつかの事例では)位置合わせ視覚化要素1830内にのみ表示され、位置合わせ視覚化要素1830の外側に位置決めされる場合にトリミングされるため、位置合わせ誤差が比較的大きい場合、器具位置フィーチャー1832の位置は、異なる距離で同じであり得る。そのため、いくつかの実施例では、針1820が標的場所1826のより近くに移動するほど、位置合わせ視覚化要素1830に関連付けられた物理的表現はより小さくなる(例え位置合わせ視覚化要素1830が同じに見えるとしても)。実施例では、ユーザインターフェース(例えば、位置合わせ視覚化要素1830及び/又は他の要素)は変化しない。ピクセル空間内の誤差又は距離は、針1820が標的場所1826のより近くに移動するときに、より小さな誤差に対応することができる。例示するために、針1820の2mmの誤差は、針1820が標的場所1826から比較的遠いときに顕著でないが、針1820が標的場所1826のより近くに移動するときに顕著になり得る。
【0220】
図19-1~
図19-3は、医療器具の挿入距離に基づいて標的平面をスケーリングする例示的な技術を例示する。
図19-1及び
図19-2では、左側の画像1902及び1904は、患者の解剖学的構造(腎臓1906を含む)、並びに標的場所1908及び針1910の姿勢を描写する。更に、中央の画像1912及び1914は、平面1916上の標的表現(「標的平面1916」とも称される)を描写する(例えば、標的までの距離でスケールする物理的寸法に対応する)。標的平面1916は、画定された直径を有する円と関連付ける/それを含むことができ、円は、標的場所1908に中心を置かれ得る。画像1912及び1914は、一般にユーザに提示されていないが、考察を容易にするためにここで提供される。更に、右側の画像1918及び120は、針1910の現在の姿勢を示唆するために(例えば、固定ユーザインターフェースの寸法に対応する)1つ又は2つ以上のインターフェース要素1922を描写する。インターフェース要素1922(A)は、針1910を表すことができ、インターフェース要素1922(B)は、標的場所1908を表すことができ、インターフェース要素1922(C)は、境界を表すことができる。
図19-1及び
図19-2はまた、腎石1926を除去するのを支援するためのスコープ1924を例示する。
【0221】
図19-1に示されるように、針1910の先端が標的場所1908からより遠くにあるとき、標的平面1916上の標的表現は比較的大きくなり得る。標的表現は、1つ又は2つ以上のインターフェース要素1922(例えば、1つ又は2つ以上のインターフェース要素1922の寸法)を表すことができる。考察を容易にするために、標的表現は、標的平面1916に関連付けられ/投影されるものとして例示されるが、ただし、標的表現のフィーチャーは、標的表現を標的平面1916に関連付ける/投影することなく、別の様式で実装され得る。
【0222】
図19-2に示されるように、針1910の先端が標的場所1908のより近くに移動するとき、標的表現は、画像1914に例示されるように、大きさを変化させることができる。例えば、標的平面1916上の標的表現の1つ又は2つ以上の寸法が縮小され得るため、標的平面1916上のより小さい領域は1つ又は2つ以上のインターフェース要素1922に対応する。そのため、標的平面1916に表される寸法とインターフェースに表される寸法とのスケーリング比を調整することができる。いくつかの実施形態では、標的表現の中心要素1928は、乳頭の大きさなどの解剖学的標的の大きさと同じか又はそれより小さくなるように変化することができる。例えば、針1910の先端が標的場所1908まで閾値距離を有する場合、中心要素1928は、解剖学的標的と同じ(又はそれより小さい)大きさであるように更新され得る。
【0223】
図19-3は、針1910の標的場所1908への距離(例えば、挿入距離)に対する標的平面1916のスケールの例示的なグラフ1930を例示する。特に、y軸は、針1910の先端と標的場所1908との間の距離を表し、x軸は、標的平面1916上の標的表現の大きさ(すなわち、インターフェース上の距離に対する標的平面1916上の距離のスケーリング比)を表す。示されるように、針1910が標的場所1908のより近くに移動するとき、標的平面1916上の距離とインターフェース内の対応する距離との間の関係(例えば、スケーリング比)を更新することができる。線形関係が
図19-3に例示されているが、別のタイプの関係(例えば、非線形、ステップなど)を実装することができる。
【0224】
いくつかの事例では、
図19-1~
図19-3(及び本明細書の他の場所)の文脈で考察されるスケーリング技術は、ユーザが針1910を正確に挿入して(比較的小さくてもよい)標的場所1908に到達させるのを支援するようにアダプティブ標的化を実装することができる。例えば、かかるスケーリング技術は、針1910が標的場所からより遠くにあるときに、インターフェース内の標的中心からの器具位置フィーチャーのより小さな移動をもたらすように標的軌道からの比較的わずかな逸脱を生じさせ、針1910が標的場所の比較的近くに位置決めされるときに、標的軌道からの器具位置フィーチャーの比較的大きい移動をもたらすように標的軌道からの比較的わずかな逸脱を生じさせることができる。実施例では、1つ又は2つ以上のインターフェース要素1922の寸法は、針1910が挿入されるときにインターフェース内で変化しなくてもよい(例えば、各インターフェース要素1922は、同じ大きさ/形状を維持することができる)。しかしながら、他の実施例では、1つ又は2つ以上のインターフェース要素1922の寸法は、インターフェース内で変化し得る。
【0225】
いくつかの実施形態では、本明細書で考察される技術のうちの1つ又は2つ以上は、標的軌道及び/又は標的場所に対する医療器具の位置合わせ/位置を示唆するための要素を含むインターフェースを提供することなどによって、標的場所に経皮的にアクセスする複雑性を低減することができる。実施例では、インターフェースは、医師又は他のユーザが医療器具を手動で操作するのを支援することができる。かかる技術は、蛍光透視法又は超音波などの他の技術と比較して、医師又は別のユーザが医療器具で標的場所に正確に到達する能力を高めることができる。
【0226】
例示的な解剖学的視覚化
図20は、1つ又は2つ以上の実施形態による、ユーザが医療器具をナビゲートするのを支援するためにインターフェースを介して提供され得る例示的な解剖学的視覚化2000を例示する。この実施例では、医療器具は、針として実装されるが、ただし、医療器具は、他の器具として実装され得る。いくつかの実施例では、視覚化2000は、ユーザが、針を適切な向きに位置合わせして、腎角錐/乳頭と同軸に位置合わせさせるなど、標的場所にアクセスするのを支援することができ、これは、周囲の解剖学的構造に損傷を与えること(例えば、針が行き過ぎたことによって発生し得る)を回避することができ、及び/又はアクセス経路に挿入される器具(例えば、カテーテル又は別の器具)により高い柔軟性を提供することができる。
【0227】
示されるように、視覚化2000は、針の針表現2002と、腎杯ネットワーク及び/又は患者に関連付けられた他の解剖学的構造などの患者の解剖学的構造の解剖学的表現2004とを含む。解剖学的表現2004は、本明細書で考察されるインターフェースのうちのいずれかなどのインターフェース内の2D又は3D表現として提示され得る。視覚化2000はまた、針が(標的場所表現2008で表される)標的場所に到達するように留まるべきである標的区域を表す標的区域表現2006を含む。標的区域表現2006は、(図示されるような)2D錐体、3D錐体などの2D又は3D表現として提示され得る。標的場所及び標的区域は、スコープ又は(視覚化200の要素2010で表される)別の要素の向き/位置に基づいて判定され得る。この実施例では、標的区域は、標的場所を指定するために腎臓内に位置決めされたスコープの遠位端と位置合わせされるため、スコープの遠位端に垂直であるライン2012(例えば、スコープの進行方向を表すライン)は、標的区域及び標的場所の中心を通る。ライン2012は、いくつかの事例では、標的軌道を表し得、それは、視覚化2000内に提示されてもされなくてもよい。実施例では、スコープが移動するとき、標的区域表現2006及び/又は標的場所表現2008を更新して、スコープの遠位端との位置合わせを維持することができる。標的場所表現2008は、(図示されるような)2Dライン、3D球体/表面などの2D又は3D表現として提示され得る。実施例では、標的場所表現2008は、解剖学的標的と関連付けられる(例えば、4又は6mmであり得る乳頭の大きさにスケーリングされる)。更に、視覚化2000は、針の進行方向を表すライン2014を含むことができる。
【0228】
様々な要素が視覚化の文脈で考察されているが、いくつかの事例では、かかる要素は提示されなくてもよく、単に、標的場所2008に対する針2000の現在の姿勢を評価するのに使用するために判定/生成され得る。例えば、標的区域及び/又は解剖学的表現/モデルは、標的区域視覚化2006及び/又は解剖学的表現2004を表示することなく、針の現在の姿勢を評価するために判定及び使用され得る。
【0229】
例示的な器具状態及び区域
図21は、1つ又は2つ以上の実施形態による、医療器具の状態(「進行状態」と称されることもある)を判定するために実装/生成され得る例示的な区域2102を例示する。示されるように、区域2102は、腎石2108の除去を支援するために、腎臓2106にアクセスする針2104の文脈において考察される。ここで、スコープ2110は、針2104による経皮的アクセスのために標的場所2112を指定するために実装される。ただし、区域2102は、他の状況/医療処置の文脈で実装され得る。実施例では、針2104の状態は、標的場所2112に対する針2104の場所/進行を示唆することができる。例えば、状態は、針2104が挿入されており、まだ標的場所2112に到達/通過していないことを示唆する進行中状態を含むことができ、針2104が挿入されており、標的軌道/姿勢と位置合わせされていることを示唆する進行中かつ位置合わせされた状態、針2104の現在の向きが与えられると標的場所2112に到達できないことを示唆する標的到達不能状態、針2104が標的場所2112に到達したことを示唆する標的到達状態、針2104が標的場所2112を超えて挿入されたことを示唆する標的通過状態などを含むことができる。針2104の状態は、インターフェースを介して示唆を提供するため、及び/又は他の処理を実行するためなど、様々な目的に使用され得る。
【0230】
いくつかの実施形態では、区域2102は、標的場所2112及び/又はスコープ2110の位置/向きに基づいて判定される。例えば、第1の区域2102(A)は、スコープ2110の標的平面及び/又は位置/向きに基づいて判定され得る。ここで、区域2102(A)は、スコープ2110の遠位端に対して垂直なライン2114と位置合わせされている円錐形区域を含む。ただし、区域2102(A)は、他の形態/形状を含むことができる。この実施例では、針2104はまた、ライン2114と位置合わせされる。区域2102(A)は、標的場所2112に到達することが可能である状態(例えば、進行中の状態、進行中かつ位置合わせされた状態など)と関連付けられ得る。例えば、針2104が区域2102(A)内に(例えば、針2104及び/又は任意の他の部分の先端に対して)位置決めされるとき、針2104を標的場所2112と位置合わせすることが可能であることを示唆する示唆がインターフェースを介して提供され得る。更に、針がライン2114(例えば、標的姿勢/軌道)と位置合わせされる場合、針2104は、針2104が標的場所2112と位置合わせされていることを示唆する状態(例えば、進行中かつ位置合わせされた状態)と関連付けられ得る。実施例では、針2104が区域2102(A)内に位置決めされるとき、進行インジケータは、針2104の標的場所2112への近接を示唆することができ、及び/又は針2104が挿入されている最中であることを示唆することができる。
【0231】
更に、第2の区域2102(B)は、スコープ2110の遠位端と位置合わせし、そこから延伸することができる。ここで、区域2102(B)は、特定の形態、すなわち、標的平面と位置合わせする直線を有する半円(
図21に部分的に例示される)を含む。ただし、区域2102(B)は、他の形態/形状を含むことができる。区域2102(B)は、標的場所2112に到達した状態と関連付けられ得る。例えば、針2104の先端が区域2102(B)内に位置するとき、標的場所2112に到達したと判定され得る。実施例では、かかる状態を示唆する示唆が、インターフェースを介して表示され得る。一例示では、針2104が標的場所2112に到達したことを示唆する進行インジケータが表示され得る。実施例では、区域2102(B)は、標的場所2112のいくらかの量の行き過ぎを可能にすることができる。更に、実施例では、区域2102(B)の寸法及び形状は、乳頭の(許容誤差の量を有する)平均的な大きさ、別の臓器/解剖学的構造の大きさ/形状など、標的場所に関連付けられた人体解剖学的構造の寸法及び/又は形状に基づいて判定され得る。実施例では、区域2102(A)及び/又は2102(B)は、標的区域(例えば、針2104が標的場所2112に到達するためにその中の留まるべき区域)を表す。
【0232】
更に、
図21にも示されるように、第3の区域2102(C)は、第1の区域2102(A)及び第2の区域2102(B)の外側の領域を包含することができる。区域2102(C)は、標的場所2112が到達不能である状態、標的場所2112は通過した状態、又は、さもなければ針2104が標的区域に位置していない状態と関連付けられ得る。例えば、針2104の先端が区域2102(C)内に位置するとき、針2104の現在の姿勢を考慮して、標的場所2112が当圧不可能であること、標的場所2112が通過されている(例えば、針2104が標的場所2112を実質的に通り越している)こと、又は、さもなければ針2104が標的区域に位置しないことが判定され得る。実施例では、かかる状態を示唆する示唆が、インターフェースを介して表示され得る。これは、医師がこの時点で針軌道を修正することができない場合がある、かつ/又は医師が標的場所2112を特定の量だけ通り越しているため、医師が針2104の挿入を停止する、かつ/又はそれを後退させるべきであることを示唆することができる。一例示では、針2104が区域2102(C)に上方に交差する場合、器具-位置合わせ要素は変形状態で表示され得、及び/又は別の示唆が提供され得る。
【0233】
例示的なアダプティブ進行示唆
本明細書の様々な実施例で考察されるように、医療器具の標的場所への近接/進行は、ユーザインターフェース内又は別様に示唆され得る。いくつかの実施形態では、かかる情報は線形様式で示唆されるため、標的場所からより近い/より遠い移動単位について示唆される進行量は、特定の量の進行変化によって一貫して表され得る。例示するために、医療器具の先端と標的場所との間の距離における各10mmの変化は、(例えば、医療器具を標的場所に挿入する進行を示唆するために)インターフェース内に表示される5%の進行変化に対応することができる。ここで、かかる進行変化は、医療器具が標的場所に到達するまで、10mmの変化ごとに実装され得る。
【0234】
他の実施形態では、1つ又は2つ以上のアダプティブ進行示唆技術を実行して、移動単位について示唆される進行量を調整することができる。一例示では、
図22のグラフ2200に示されるように、位置変化単位について示唆される進行変化量は、医療器具と標的場所との間の距離に基づき得る。この例示では、150mm~75mmの範囲内の挿入距離は、非線形進行示唆と関連付けられ得る。例えば、150mm~75mmの範囲内の標的場所への近接における各1mmの変化は、示唆される進行量を増加させることができる(例えば、150mm~140mmの変化は、進行における1%の変化と関連付けられ得、140mm~130mmの変化は、進行における2%の変化と関連付けられ得る)。更に、この例示では、進行変化は、75mmから標的場所を過ぎての変化に対して線形になり得る。かかるアダプティブ技術を実装することによって、インターフェース内の進行変化は、医療器具が標的場所から比較的離れているときに、最小限であり得、これにより、医師が、進行変化をあまり見ることなく、挿入部位を再位置決めするか又はさもなければ選択することを可能にし得る。更に、これは、医師に、医療器具が標的場所に近づくにつれて挿入を減速させ、それによってより正確な針の位置合わせを達成してから標的場所に到達することができる。
【0235】
図22及び上記の例示は、アダプティブ進行示唆のための多くの例示的な技術のうちの1つを記述している。そのため、区分的線形関数、指数関数などの他の線形又は非線形の進行示唆が実装され得る。
【0236】
情報を判定/進行提示/位置合わせする様々な技術が本明細書で考察されるが、かかる技術に加えて、又はそれから代替として、様々な他の技術が使用され得る。いくつかの実施形態では、スコープは、対象の乳頭の前に静止状態にあるなど、標的場所の近接範囲内に位置決めされ得る。ここで、スコープによって取り込まれた画像は、解剖学的運動が最小限であり、及び/又はスコープが適切な視野で静止状態にあるときなど、標的場所に到達したという視覚的確認を提供するために、インターフェースを通して提示され得る。実施例では、スコープからの画像を分析して、医療器具の進行状態を判定することができる。更に、いくつかの実施形態では、本明細書で考察される進行情報のうちのいずれかは、標的場所に到達したことを確認するのを支援するために、スコープによって取り込まれた画像に加えて、又はそれから代替的に提示され得る。かかる進行情報は、実質的な解剖学的運動があり、乳頭又は他の解剖学的構造がスコープのカメラに押し付けられるときなどに、特に有用であり得る。実施例では、かかる進行情報は、スコープによって取得された画像を補強することができる。更に、かかる進行情報は、医療器具が腎臓に挿入されたかどうかを確認するために腎臓内を探索するためにスコープをナビゲートすることを回避することができる。追加的又は代替的に、いくつかの実施形態では、針などの医療器具の現在位置は、スコープの画像ビュー上に重ね合わされ得る。追加的又は代替的に、いくつかの実施形態では、医療器具は、インピーダンス感知電極を装備することができ、インピーダンス信号を使用して、医療器具電極がどの媒体と接触しているかを分類することができる。実施例では、インピーダンス信号が尿として分類される場合、標的に到達したと判定され得る(例えば、標的到達状態が判定され得る)。
【0237】
例示的なフロー図
図23~
図28は、本明細書で考察される1つ又は2つ以上の技術を実行するためのプロセスの例示的なフロー図を例示する。プロセスに関連付けられた様々な動作/ブロックは、制御システム140、ロボットシステム110、テーブル150、EM場発生器180、スコープ120、及び/又は針170など、本明細書で考察されるデバイス/システムのいずれか、又はそれらの組み合わせで実装された制御回路によって実行され得る。
【0238】
図23は、1つ又は2つ以上の実施形態による、平面上の医療器具の投影位置と平面上の標的場所との間の距離を示唆するデータを生成するためのプロセス2300の例示的なフロー図を例示する。
【0239】
ブロック2302において、プロセス2300は、1つ又は2つ以上の医療器具からセンサデータを受信することを含むことができる。例えば、ある特定の使用事例によれば、制御システムなどのデバイス/システムの制御回路は、スコープ、針、又は任意の他の医療器具などの1つ又は2つ以上の医療器具から通信インターフェースを介してセンサデータを受信することができる。センサデータは、1つ又は2つ以上の医療器具の位置及び/又は向きを示唆し、及び/又はそれを判定するために使用され得る。
【0240】
ブロック2304において、プロセス2300は、人体解剖学的構造内の標的場所を判定することを含むことができる。例えば、制御回路は、解剖学的ランドマーク、医療器具の場所、又は任意の他の場所/標的などの患者内の標的場所を判定することができる。いくつかの実施形態では、制御回路は、患者内に少なくとも部分的に配設された医療器具(例えば、スコープ又は別の医療器具)からのセンサデータに基づいて、標的場所を判定することができる。
【0241】
ブロック2306において、プロセス2300は、1つ又は2つ以上の医療器具の位置及び/又は向きを判定することを含むことができる。例えば、制御回路は、1つ又は2つ以上の医療器具からのセンサデータに基づいて、1つ又は2つ以上の医療器具の位置及び/又は向きを判定することができる。いくつかの実施形態では、制御回路は、1つ又は2つ以上の位置特定技術を使用して、位置及び/又は向きを判定することができる。実施例では、医療器具の位置及び向きは、医療器具の姿勢と称され得る。
【0242】
2308において、プロセス2300は、標的場所を含む平面を判定することを含むことができる。一実施例では、制御回路は、医療器具のセンサデータに基づいて、医療器具の進行方向が平面に対して垂直であるように平面を判定することができる。別の実施例では、制御回路は、医療器具のセンサデータに基づいて、医療器具の遠位端と標的場所との間のラインを判定し、ラインが平面に対して垂直であるように平面を判定することができる。更に別の実施例では、制御回路は、スコープからのセンサデータに基づいて、スコープの進行方向が平面に対して垂直であるように平面を判定することができる。
【0243】
2310において、プロセス2300は、医療器具の向きが変化するときにプロセスの向きを更新すること、又は平面の向きを維持することを含むことができる。一実施例では、制御回路は、針の進行方向が平面に対して垂直なままであるように、針の向きが変化するときに平面の向きを更新することができる。別の実施例では、制御回路は、針の向きが変化するときに、平面の一定/固定の向きを維持することができる。更に別の実施例では、制御回路は、スコープの進行方向が平面に対して垂直なままであるように、スコープの向きが変化するときに平面の向きを更新することができる。
【0244】
2312において、プロセス2300は、平面上の医療器具の投影位置を判定することを含むことができる。例えば、制御回路は、医療器具の向き/位置に基づいて、平面上の医療器具の投影位置を判定することができる。実施例では、投影位置は、医療器具の先端に対するものであり得る。しかしながら、投影位置は、医療器具の背面/近位端、医療器具の中央部分、又は別の部分などの、医療器具の他の部分に対するものであり得る。
【0245】
ブロック2314において、プロセス2300は、平面上の投影位置と標的場所との間の距離(例えば、投影逸脱距離)を示唆する1つ又は2つ以上のインターフェース要素を表すインターフェースデータを生成することを含むことができる。例えば、制御回路は、医療器具の向きを表す器具-位置合わせ要素及び/又は標的場所を表す位置合わせマーキングを表すユーザインターフェースデータを生成することができる。いくつかの実施形態では、インターフェース内の位置合わせマーキング及び/又は他のフィーチャーに対する器具-位置合わせ要素の位置決めは、医療器具の標的軌道への位置合わせを示唆することができる。
【0246】
ブロック2316において、プロセス2300は、インターフェースデータに基づいて1つ又は2つ以上のインターフェース要素を表示させることを含むことができる。例えば、制御回路は、ユーザインターフェースデータを制御システムと関連付けられたディスプレイデバイスに送信することなどによって、ディスプレイデバイスを介してインターフェースを表示させることができる。更に、ディスプレイデバイスは、インターフェースデータに基づいてインターフェースを表示することができる。いくつかの事例では、インターフェースは、第2のインターフェース要素の中心から距離だけ第1のインターフェース要素を提示し、距離は、平面上の投影位置と標的場所との間の距離、及び/又は平面上の医療器具の先端と標的場所との間の挿入距離に基づく。
【0247】
図24は、1つ又は2つ以上の実施形態による、医療器具の移動単位について示唆される進行量を更新するためのプロセス2400の例示的なフロー図を例示する。
【0248】
ブロック2402において、プロセス2400は、医療器具の先端が標的場所及び/又は医療器具の別の他の部分に近接することを示唆する進行インジケータを表示させることを含むことができる。例えば、制御回路は、制御システムに関連付けられたディスプレイデバイスにインターフェースデータを送信することなどによって、ディスプレイデバイスを介して進行インジケータを表示させることができる。更に、ディスプレイデバイスは、インターフェースデータに基づいて進行インジケータを表示することができる。
【0249】
ブロック2404において、プロセス2400は、進行インジケータの進行変化パラメータを第1の値に設定することを含むことができる。例えば、制御回路は、進行変化パラメータを第1の値に設定することができ、進行変化パラメータは、医療器具の移動単位(例えば、医療器具の先端の標的場所への近接の変化単位)に関する進行インジケータの進行の進行量変化を示唆する。
【0250】
ブロック2406において、プロセス2400は、医療器具の先端が標的場所のより近くに移動したと判定することを含むことができる。例えば、制御回路は、医療器具からのセンサデータに基づいて、医療器具の先端が標的場所のより近くに移動したと判定することができる(第1の時間/インスタンス)。実施例では、制御回路は、医療器具が第1の量だけ標的場所のより近くに移動したと判定することができる。
【0251】
ブロック2408において、プロセス2400は、進行インジケータを更新することを含むことができる。例えば、制御回路は、進行変化パラメータ、及び/又は医療器具の先端が標的場所のより近くに移動したと判定することに基づいて、進行インジケータを更新することができことができる(第1の時間/インスタンス)。
【0252】
ブロック2410において、プロセス2400は、進行変化パラメータを第2の値に設定することを含むことができる。例えば、制御回路は、医療器具の先端が標的場所のより近くに移動したと判定することに基づいて、進行変化パラメータを第2の値に設定することができる。第2の値は、第1の値よりも大きい、医療器具の移動単位に対する進行インジケータの進行変化量と関連付けることができる。
【0253】
ブロック2412において、プロセス2400は、医療器具の先端が標的場所のより近くに移動したと判定することを含むことができる。例えば、制御回路は、医療器具からのセンサデータに基づいて、医療器具の先端が標的場所のより近くに移動したと判定することができる(第2の時間/インスタンス)。実施例では、制御回路は、医療器具が第1の量だけ標的場所のより近くに移動したと判定することができる。
【0254】
ブロック2414において、プロセス2400は、進行インジケータを更新することを含むことができる。例えば、制御回路は、進行変化パラメータ、及び/又は医療器具の先端が標的場所のより近くに移動したと判定することに基づいて、進行インジケータを更新することができる(第2の時間/インスタンス)。実施例では、進行インジケータは、ブロック2408に示唆されるものとは異なる量の進行変化を示唆するように更新され得る。
【0255】
図25は、1つ又は2つ以上の実施形態による、医療器具の向き変化単位/移動変化単位に対するインターフェース要素の位置変化量を示唆する位置変化パラメータを更新するためのプロセス2500の例示的なフロー図を例示する。
【0256】
ブロック2502において、プロセス2500は、位置変化パラメータを第1の値に設定することを含むことができる。例えば、制御回路は、位置変化パラメータを第1の値に設定することができ、位置変化パラメータは、医療器具の移動変化単位/向き変化単位に対するインターフェース内の1つ又は2つ以上のインターフェース要素の位置変化量を示唆することができる。
【0257】
ブロック2504において、プロセス2500は、医療器具が標的場所のより近くに移動したと判定することを含み得る。例えば、制御回路は、医療器具からのセンサデータに基づいて、医療器具(例えば、針)の先端が標的場所のより近くに移動したと判定することができる。
【0258】
ブロック2506において、プロセス2500は、位置変化パラメータを第2の値に設定することを含むことができる。例えば、制御回路は、位置変化パラメータを第2の値に設定することができ、第2の値は、第1の値よりも大きい、医療器具の移動変化単位/向き変化単位に対するインターフェース内の1つ又は2つ以上のインターフェース要素の位置変化量と関連付けられる。実施例では、位置変化パラメータは、医療器具が標的場所のより近くに移動したと判定することに基づいて、第2の値に設定することができる。
【0259】
図26は、1つ又は2つ以上の実施形態による、インターフェースに対する平面(例えば、標的平面)のスケーリング比を更新するためのプロセス2600の例示的なフロー図である。
【0260】
ブロック2602において、プロセス2600は、インターフェース上に表される寸法に対する平面上に表される寸法のスケーリング比を識別することを含むことができる。例えば、制御回路は、インターフェースの寸法に対する標的平面の寸法のスケーリング比を判定することができる。
【0261】
ブロック2604において、プロセス2600は、医療器具が標的場所のより近くに移動したと判定することを含むことができる。例えば、制御回路は、医療器具からのセンサデータに基づいて、医療器具(例えば、針)の先端が標的場所のより近くに移動したと判定することができる。
【0262】
ブロック2606において、プロセス2600は、スケーリング比を更新することを含むことができる。例えば、制御回路は、医療器具が標的場所のより近くに移動したと判定することに基づいて、スケーリング比を更新することができる。スケーリング比を、減少又は増加させることができる。スケーリング比を使用して、インターフェース内の1つ又は2つ以上のインターフェース要素を移動/表現することができる。
【0263】
図27は、1つ又は2つ以上の実施形態による、医療器具の座標フレームを判定し、及び/又はインターフェース要素の移動を医療器具の移動に相関させるためのプロセス2700の例示的なフロー図を例示する。
【0264】
ブロック2702において、プロセス2500は、ロボットアームに関連付けられたロボットシステムのワールド座標フレームを判定することを含むことができる。例えば、医療システムは、電磁場生成器に結合されたロボットアームを含むことができ、電磁場生成器からの電磁場の検出に基づいてセンサデータを生成するように構成された針又は他の医療器具を含む。制御回路は、ロボットシステムの座標フレームを判定することができる。
【0265】
ブロック2704において、プロセス2700は、ワールド座標フレーム内に医療器具の姿勢を表すことを含むことができる。例えば、制御回路は、針からのセンサデータに基づいて針の姿勢を判定し、及び/又はワールド座標フレーム内に針の姿勢を表すことができる。
【0266】
ブロック2706で、プロセス2700は、ワールド座標フレーム内に平面を表すことを含むことができる。例えば、制御回路は、標的場所及び/又は針の姿勢に基づいて標的平面を判定し、及び/又はワールド座標フレーム内に標的平面を表すことができる。
【0267】
ブロック2708において、プロセス2700は、ワールド座標フレーム内に表される平面の標的座標フレームを判定することを含むことができる。例えば、制御回路は、ワールド座標フレーム内の針の姿勢に基づいて、標的平面の標的座標フレームを判定することができる。
【0268】
ブロック2710で、プロセス2700は、医療器具の座標フレームを判定することを含むことができる。例えば、制御回路は、標的座標フレームに基づいて針の座標フレームを判定することができる。
【0269】
ブロック2712において、プロセス2700は、インターフェース内の1つ又は2つ以上のインターフェース要素を、医療器具の座標フレームに対する医療器具の移動方向に相関する方向に移動させることを含むことができる。例えば、制御回路は、1つ又は2つ以上のインターフェース要素が、針の座標フレームに対する針の移動方向に相関する方向に移動するように、1つ又は2つ以上のインターフェース要素をインターフェース内で移動/更新させることができる。実施例では、これにより、ユーザは、ユーザに対して針を左/右に傾かせるときにインターフェース内で左/右に移動させ、ユーザに対して針を上/下に傾かせるときにインターフェース内で上/下に移動させるような、インターフェース要素を視認することを可能にすることができる。
【0270】
図28は、1つ又は2つ以上の実施形態による、医療器具が位置する区域に基づいて、医療器具の状態を判定するためのプロセス2800の例示的なフロー図を例示する。
【0271】
ブロック2802において、プロセス2800は、医療器具の環境に対する複数の区域を示唆する進行区域データを生成することを含むことができる。例えば、制御回路は、針からのセンサデータ及び/又はスコープからのセンサデータに基づいて進行区域データを生成することができる。進行区域データは、環境内の複数の区域を示唆することができ、各区域は、状態と関連付けられ得る。
【0272】
ブロック2804において、プロセス2800は、複数の区域の中から、医療器具が位置する区域を判定することを含むことができる。例えば、制御回路は、針からのセンサデータ及び/又は進行区域データに基づいて、針が位置する区域を判定することができる。
【0273】
ブロック2806において、プロセス2800は、区域に基づいて、医療器具の状態を判定することを含むことができる。例えば、制御回路は、針が位置する区域に基づいて、針の状態を判定することができる。かかる状態は、針が標的区域内にあるかどうか(例えば、標的場所に到達することに関連付けられる)、針が標的軌道/標的姿勢と位置合わせされているかどうか、針が標的場所に到達したかどうか、針が標的場所を通過したかどうか、などを示唆することができる。
【0274】
ブロック2808において、プロセス2800は、状態の示唆を表示させることを含むことができる。例えば、制御回路は、制御システムに関連付けられたディスプレイデバイスにユーザインターフェースデータを送信することなどによって、ディスプレイデバイスを介して進行/位置合わせ示唆を表示させることができる。更に、ディスプレイデバイスは、インターフェースデータに基づいて進行/位置合わせ示唆を表示することができる。実施例では、医療器具の状態及び/又はインターフェースを介して提供されるかかる状態の示唆は、医療器具が、異なる区域に移動することなどによって位置/向きを変化させるときに更新され得る。
【0275】
追加の実施形態
実施形態に応じて、本明細書に記載されるプロセス又はアルゴリズムのうちのいずれかのうちのある特定の行為、イベント、又は機能は、異なるシーケンスで実行され得、追加、マージ、又は完全に除外され得る。こうして、ある特定の実施形態では、記載された行為又はイベントの全てがプロセスの実施に必要であるとは限らない。
【0276】
本明細書で使用される条件付き言語、中でもとりわけ、「することができる(can)」、「することができる(could)」、「し得る(might)」、「し得る(may)」、「例えば(e.g.)」などは、特に別段の記載がない限り、又は使用される文脈内で理解されない限り、その通常の意味で意図され、一般に、ある特定の実施形態がある特定のフィーチャー、要素、及び/又はステップを含むが、他の実施形態は含まないことを伝えることを意図する。こうして、かかる条件付き言語は、一般に、フィーチャー、要素、及び/若しくはステップが、1つ又は2つ以上の実施形態に何らかの形で必要とされること、又は1つ又は2つ以上の実施形態が、作成者の入力若しくはプロンプトの有無にかかわらず、これらのフィーチャー、要素、及び/若しくはステップが任意の特定の実施形態に含まれるか若しくは実行されるかどうかを判定するための論理を必然的に含むことを暗示することを意図するものではない。「備える(comprising)」、「含む(including)」、「有する(having)」などの用語は同義であり、それらの通常の意味で使用され、オープンエンド方式で包括的に使用され、追加の要素、フィーチャー、行為、動作などを排除しない。また、「又は」という用語は、使用される場合、例えば、要素の列挙を接続するために、「又は」という用語は、列挙された要素のうちの1つ、いくつか、又は全てを意味するように、その包含的な意味で(かつその排他的な意味ではなく)使用される。特に明記しない限り、「X、Y、及びZのうちの少なくとも1つ」という語句などの接合言語は、アイテム、用語、要素などがX、Y、又はZのいずれかであり得ることを伝えるために一般に使用される文脈で理解される。したがって、かかる結合言語は、一般に、特定の実施形態が、Xのうちの少なくとも1つ、Yのうちの少なくとも1つ、及びZのうちの少なくとも1つがそれぞれ存在することを必要とすることを示唆することを意図していない。
【0277】
実施形態の上記の記載において、本開示を合理化し、様々な発明の態様のうちの1つ又は2つ以上理解を助ける目的で、様々なフィーチャーが、単一の実施形態、図面、又はその記載において一緒にグループ化されることがあることを理解されたい。しかしながら、本開示の方法は、特許請求された開示が各請求項に明示的に記載されているよりも多くのフィーチャーを必要とするという意図を反映していると解釈されるべきではない。更に、本明細書の特定の実施形態に例示及び/又は記載される任意の構成要素、フィーチャー、又はステップは、任意の他の実施形態に適用されるか、又はそれと共に使用され得る。更に、構成要素、フィーチャー、ステップ、又は構成要素、フィーチャー、ステップの群は、各実施形態には必要又は不可欠ではない。したがって、本開示の範囲は、上記の特定の実施形態によって限定されるべきではなく、以下の特許請求の範囲の公正に読むことによってのみ判定されるべきであることが意図される。
【0278】
特定の順序用語(例えば、「第1の」又は「第2の」)は、参照を容易にするために提供され得、必ずしも物理的特性又は順序を意味するものではないことを理解されたい。したがって、本明細書で使用される場合、構造、構成要素、動作などの要素を修飾するために使用される順序用語(例えば、「第1の」、「第2の」、「第3の」など)は、必ずしも任意の他の要素に対する要素の優先順位又は順序を示唆するものではなく、むしろ、同様又は同一の名称を有する別の要素とその要素を区別し得る(順序用語の使用を除く)。更に、本明細書で使用される場合、不定冠詞(「a」及び「an」)は、「1つ」ではなく「1つ又は2つ以上」を示唆し得る。更に、条件又はイベントに基づいて「基づいて」実行される動作は、明示的に列挙されていない1つ又は2つ以上の他の条件又はイベントに基づいて実行され得る。
【0279】
特に定義されない限り、本明細書で使用されている全ての技術的用語及び科学的用語は、例示的な実施形態が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有している。一般的に使用される辞書で定義されているものなどの用語は、従来技術及び本開示の文脈におけるそれらの意味と一致する意味を有するものとして解釈されるべきであり、本明細書で明示的に定義されない限り、理想的な意味又は過度に形態的な意味で解釈されないことが更に理解されよう。
【0280】
図に例示されるような1つの要素又は構成要素と別の要素又は構成要素との間の関係を説明するために説明を容易にするために、空間的に相対的な用語「外側」、「内側」、「上側」、「下側」、「下の」、「上」、「垂直」、「水平」、及び同様の用語を本明細書で使用され得る。空間的に相対的な用語は、図に描写される向きに加えて、使用中又は動作中のデバイスの異なる向きを包含することが意図されることが理解される。例えば、図面に示されているデバイスをひっくり返した場合、別のデバイスの「下方」又は「下に」位置決めされたデバイスは、別のデバイスに「上方」に配置され得る。したがって、「下方」例示的な用語は、より低い位置及びより高い位置の両方を含み得る。デバイスはまた、他の方向に向けられてもよく、したがって、空間的に相対的な用語は、向きに応じて異なって解釈され得る。
【0281】
特に明記しない限り、「より小さい」、「より多い」、「より大きい」などの比較及び/又は定量的用語は、同等性の概念を包含することが意図される。例えば、「より少ない」は、厳密な数学的意味において「より少ない」だけでなく、「以下の」を意味することができる。
【0282】
〔実施の態様〕
(1) 方法であって、
医療システムの制御回路によって、
医療器具の少なくとも一部分の位置を示唆するセンサデータを受信することと、
前記センサデータに少なくとも部分的に基づいて、前記医療器具の向きを判定することと、
患者の臓器内の標的場所を判定することと、
前記標的場所を含む平面を判定することと、
前記医療器具の前記向きに少なくとも部分的に基づいて、前記平面上の前記医療器具の投影位置を判定することと、
前記平面上の前記投影位置と前記標的場所との間の第1の距離を示唆する、1つ又は2つ以上のインターフェース要素を表すインターフェースデータを生成することと、
前記インターフェースデータに少なくとも部分的に基づいて前記1つ又は2つ以上のインターフェース要素を表示することと、を含む、方法。
(2) 前記平面を前記判定することが、前記医療器具の進行方向が前記平面に対して垂直であるように前記平面を判定することを含む、実施態様1に記載の方法。
(3) 前記医療器具の前記進行方向が前記平面に対して垂直のままであるように、前記医療器具の前記向きが変化するときに前記平面の向きを更新することを更に含む、実施態様2に記載の方法。
(4) 前記平面を前記判定することが、前記医療器具の遠位端と前記標的場所との間のラインを判定することと、前記ラインが前記平面に対して垂直であるように前記平面を判定することと、を含む、実施態様1に記載の方法。
(5) 前記医療器具の前記向きが変化するときに前記平面の向きを維持することを更に含む、実施態様4に記載の方法。
【0283】
(6) 前記標的場所を前記判定することが、スコープからの追加のセンサデータに少なくとも部分的に基づいており、前記平面を前記判定することが、前記スコープの進行方向が前記平面に対して垂直であるように前記平面を判定することを含む、実施態様1に記載の方法。
(7) 前記1つ又は2つ以上のインターフェース要素を前記表示することが、前記1つ又は2つ以上のインターフェース要素のうちの第1のインターフェース要素を、前記1つ又は2つ以上のインターフェース要素のうちの第2のインターフェース要素の中心から第2の距離に表示することを含み、前記第2の距離が、前記第1の距離、及び前記医療器具の先端と前記平面上の前記標的場所との間の挿入距離に少なくとも部分的に基づいている、実施態様1に記載の方法。
(8) 前記医療器具の先端の前記標的場所への近接を示唆する進行インジケータを表示することと、
前記進行インジケータの進行変化パラメータを第1の値に設定することであって、前記進行変化パラメータが前記医療器具の移動単位に対する前記進行インジケータの進行変化量を示唆する、設定することと、
前記医療器具の前記先端が前記標的場所のより近くに移動していると判定することと、
前記医療器具の前記先端が前記標的場所のより近くに移動していると判定することに少なくとも部分的に基づいて、前記進行変化パラメータを第2の値に設定することであって、前記第2の値が、前記第1の値よりも大きい、前記医療器具の前記移動単位に対する前記進行インジケータの進行変化量と関連付けられている、設定することと、を更に含む、実施態様1に記載の方法。
(9) 医療システムであって、
人体解剖学的構造に経皮的にアクセスするように構成された医療器具からセンサデータを受信するように構成されている通信インターフェースと、
制御回路であって、前記通信インターフェースに通信可能に結合され、かつ
前記センサデータに少なくとも部分的に基づいて、前記医療器具の向きを判定することと、
前記人体解剖学的構造内の標的場所を判定することと、
前記標的場所を含む平面を判定することと、
前記医療器具の前記向きに少なくとも部分的に基づいて、前記平面上の前記医療器具の投影位置を判定することと、
前記平面上の前記投影位置と前記標的場所との間の距離を示唆する、1つ又は2つ以上のインターフェース要素を表すインターフェースデータを生成することと、を行うように構成されている、制御回路と、を備える、医療システム。
(10) 前記人体解剖学的構造の管腔を介して前記標的場所にアクセスするように構成された内視鏡を更に備え、前記内視鏡が、追加のセンサデータを前記通信インターフェースに提供するように構成されているセンサを含み、
前記制御回路が、前記追加のセンサデータに少なくとも部分的に基づいて前記標的場所を判定するように構成されている、実施態様9に記載の医療システム。
【0284】
(11) 前記制御回路が、前記医療器具の進行方向が前記平面に対して垂直であるように前記平面を判定するように構成されている、実施態様9に記載の医療システム。
(12) 前記制御回路が、
前記医療器具の前記進行方向が前記平面に対して垂直のままであるように、前記医療器具の前記向きが変化するときに前記平面の向きを更新するように更に構成されている、実施態様11に記載の医療システム。
(13) 前記制御回路が、前記医療器具の遠位端と前記標的場所との間のラインを判定し、前記ラインが前記平面に対して垂直であるように前記平面を判定することによって、前記平面を判定するように構成されている、実施態様9に記載の医療システム。
(14) 前記制御回路が、
前記医療器具の前記向きが変化するときに前記平面の向きを維持するように更に構成されている、実施態様13に記載の医療システム。
(15) 前記医療システムが、信号を生成するように構成されているデバイスに結合されたロボットシステムを含み、前記センサデータが、前記信号に少なくとも部分的に基づいており、前記制御回路が、
前記ロボットシステムの座標フレームに少なくとも部分的に基づいて前記医療器具の座標フレームを判定することと、
前記1つ又は2つ以上のインターフェース要素を、前記医療器具の前記座標フレームに対する前記医療器具の移動方向に相関する方向にインターフェース内で移動させることと、を行うように更に構成されている、実施態様9に記載の医療システム。
【0285】
(16) 前記制御回路が、
位置変化パラメータを第1の値に設定することであって、前記位置変化パラメータが、前記医療器具の移動単位に対するインターフェース内の前記1つ又は2つ以上のインターフェース要素の位置変化量を示唆する、設定することと、
前記医療器具が前記標的場所のより近くに移動していると判定することと、
前記位置変化パラメータを第2の値に設定することであって、前記第2の値が、前記第1の値よりも大きい、前記医療器具の前記移動単位に対する前記インターフェース内の前記1つ又は2つ以上のインターフェース要素の位置変化量と関連付けられている、設定することと、を行うように更に構成されている、実施態様9に記載の医療システム。
(17) 前記制御回路が、
前記医療器具の前記標的場所への近接を示唆する進行インジケータを表示させることと、
前記進行インジケータの進行変化パラメータを第1の値に設定することであって、前記進行変化パラメータが、前記医療器具の移動単位に対する前記進行インジケータの進行変化量を示唆する、設定することと、
前記医療器具が前記標的場所のより近くに移動していると判定することと、
前記進行変化パラメータを第2の値に設定することであって、前記第2の値が、前記第1の値よりも大きい、前記医療器具の前記移動単位に対する前記進行インジケータの進行変化量と関連付けられている、設定することと、を行うように更に構成されている、実施態様9に記載の医療システム。
(18) コンピュータ実行可能命令を記憶する1つ又は2つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記コンピュータ実行可能命令が、制御回路によって実行されると、前記制御回路に、
人体解剖学的構造に経皮的にアクセスするように構成されている医療器具の向きを判定することと、
前記人体解剖学的構造内の標的場所を判定することと、
前記標的場所を含む平面を判定することと、
前記医療器具の前記向きに少なくとも部分的に基づいて、前記平面上の前記医療器具の投影位置を判定することと、
前記平面上の前記投影位置と前記標的場所との間の第1の距離を示唆する、1つ又は2つ以上のインターフェース要素を表すインターフェースデータを生成することと、を含む動作を実行させる、1つ又は2つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体。
(19) 前記医療器具の進行方向が、前記平面に対して垂直である、実施態様18に記載の1つ又は2つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体。
(20) 前記動作が、
前記医療器具の前記進行方向が前記平面に対して垂直のままであるように、前記医療器具の前記向きが変化するときに前記平面の向きを更新することを更に含む、実施態様19に記載の1つ又は2つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体。
【0286】
(21) 前記平面が、前記医療器具の遠位端と前記標的場所との間のラインに対して垂直である、実施態様18に記載の1つ又は2つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体。
(22) 前記動作が、
前記医療器具の前記向きが変化するときに前記平面の向きを維持することを更に含む、実施態様21に記載の1つ又は2つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体。
(23) 前記動作が、
前記1つ又は2つ以上のインターフェース要素のうちの第1のインターフェース要素を、前記1つ又は2つ以上のインターフェース要素のうちの第2のインターフェース要素の中心から第2の距離に表示することを更に含み、前記第2の距離が、前記第1の距離に少なくとも部分的に基づいている、実施態様18に記載の1つ又は2つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体。
(24) 前記第2の距離が、前記医療器具の先端と前記平面上の前記標的場所との間の挿入距離に少なくとも部分的に更に基づいている、実施態様23に記載の1つ又は2つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体。
(25) 前記動作が、
前記医療器具の前記標的場所への近接を示唆する進行インジケータを表示させることと、
前記医療器具が1回目に第1の量だけ前記標的場所のより近くに移動することに少なくとも部分的に基づいて、前記進行インジケータを第2の量だけ更新することと、
前記医療器具が2回目に前記第1の量だけ前記標的場所のより近くに移動することに少なくとも部分的に基づいて、前記第1の量よりも大きい第3の量だけ前記進行インジケータを更新することと、を更に含む、実施態様18に記載の1つ又は2つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体。
【0287】
(26) 前記動作が、
前記医療器具の環境に対する複数の区域を示唆する進行区域データを生成することと、
前記第1のセンサデータ及び前記進行区域データに少なくとも部分的に基づいて、前記複数の区域の中から、前記医療器具が位置する区域を判定することと、
前記区域に少なくとも部分的に基づいて、前記医療器具の状態を判定することと、
前記状態の示唆を表示させることと、を更に含む、実施態様18に記載の1つ又は2つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体。
(27) 方法であって、
医療システムの制御回路によって、患者内に経皮的に挿入されるように構成されている針から第1のセンサデータを受信することと、
前記第1のセンサデータに少なくとも部分的に基づいて、前記制御回路によって、前記針の姿勢を判定することと、
前記制御回路によって、前記患者の解剖学的管腔内に少なくとも部分的に配設されている内視鏡から第2のセンサデータを受信することと、
前記第2のセンサデータに少なくとも部分的に基づいて、前記制御回路によって、前記患者の臓器内の標的場所を判定することと、
前記制御回路によって、前記標的場所を含む平面を判定することと、
前記針の前記姿勢に少なくとも部分的に基づいて、前記制御回路によって、前記平面上の前記針の投影位置を判定することと、
前記平面上の前記投影位置と前記標的場所との間の距離を示唆する、1つ又は2つ以上のインターフェース要素を表すインターフェースデータを生成することと、を含む、方法。
(28) インターフェース内に前記1つ又は2つ以上のインターフェース要素を表示することと、
前記平面上に表された寸法と前記インターフェース上に表された寸法とのスケーリング比を識別することと、
前記針が前記標的場所のより近くに移動していると判定することと、
前記針が前記標的場所のより近くに移動していると判定することに少なくとも部分的に基づいて、前記スケーリング比を更新することと、を更に含む、実施態様27に記載の方法。
(29) 位置変化パラメータを第1の値に設定することであって、前記位置変化パラメータが、前記針の位置変化単位又は向き変化単位に対するインターフェース内の前記1つ又は2つ以上のインターフェース要素の位置変化量を示唆する、設定することと、
前記医療器具が前記標的場所のより近くに移動していると判定することと、
前記医療器具が前記標的場所のより近くに移動していると判定することに少なくとも部分的に基づいて、前記位置変化パラメータを第2の値に設定することであって、前記第2の値が、前記第1の値よりも大きい、前記針の前記位置変化単位又は向き変化単位に対する前記インターフェース内の前記1つ又は2つ以上のインターフェース要素の位置変化量と関連付けられている、設定することと、を更に含む、実施態様27に記載の方法。
(30) 前記医療システムが、電磁場生成器に結合されたロボットアームを含み、前記第1のセンサデータが、前記電磁場生成器からの電磁場に少なくとも部分的に基づいており、前記方法が、
前記ロボットアームと関連付けられたロボットシステムのワールド座標フレームを判定することと、
前記ワールド座標フレームにおいて前記針の前記姿勢を表すことと、
前記ワールド座標フレームにおいて前記平面を表すことと、
前記ワールド座標フレーム内の前記針の前記姿勢に少なくとも部分的に基づいて、前記ワールド座標フレームにおいて表される前記平面の標的座標フレームを判定することと、
前記標的座標フレームに少なくとも部分的に基づいて前記針の座標フレームを判定することと、
前記針の前記座標フレームに対する前記針の移動方向に相関する方向にインターフェース内の前記1つ又は2つ以上のインターフェース要素を移動させることと、を更に含む、実施態様27に記載の方法。
【国際調査報告】