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特表2023-508550補強された支持構造体を有する非空気圧式タイヤ及びその作製方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-02
(54)【発明の名称】補強された支持構造体を有する非空気圧式タイヤ及びその作製方法
(51)【国際特許分類】
   B60C 7/00 20060101AFI20230222BHJP
【FI】
B60C7/00 H
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022540432
(86)(22)【出願日】2020-12-03
(85)【翻訳文提出日】2022-06-29
(86)【国際出願番号】 US2020063022
(87)【国際公開番号】W WO2021137993
(87)【国際公開日】2021-07-08
(31)【優先権主張番号】62/954,731
(32)【優先日】2019-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515168916
【氏名又は名称】ブリヂストン アメリカズ タイヤ オペレーションズ、 エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リマイ、ベンジャミン イー.
【テーマコード(参考)】
3D131
【Fターム(参考)】
3D131AA27
3D131BB19
3D131CC03
3D131CC04
3D131LA28
(57)【要約】
非空気圧式タイヤを作製する方法は、エラストマー材料のインナーリングを提供することと、エラストマー材料のアウターリングを提供することと、インナーリングがアウターリングと実質的に同軸であるようにインナーリング及びアウターリングを配列することと、を含む。本方法は、補強されたエラストマー材料の複数のシートを提供することと、複数のシートを複数のU字形状のシートに形成することと、を更に含む。本方法はまた、複数のU字形状のシートをインナーリングとアウターリングとの間に配列することと、インナーリング、アウターリング、及び複数のU字形状のシートを硬化させることと、を含む。
【選択図】図3

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非空気圧式タイヤであって、
第1の直径を有するインナーリングと、
前記第1の直径よりも大きい第2の直径を有するアウターリングであって、前記インナーリングと実質的に同軸である、アウターリングと、
前記インナーリングと前記アウターリングとの間に延在している支持構造体であって、前記支持構造体が、前記非空気圧式タイヤの第1の側から前記非空気圧式タイヤの第2の側まで横方向に延在している複数のU字形状の構成要素を含み、
前記複数のU字形状の構成要素の各々が、前記非空気圧式タイヤの前記第1の側から可視である開口部を画定し、
前記複数のU字形状の構成要素の各々が、前記インナーリング及び前記アウターリングの両方と直接接触しており、
前記複数のU字形状の構成要素が、少なくとも第1のU字形状の構成要素及び第2のU字形状の構成要素を含み、前記第1のU字形状の構成要素が、前記第2のU字形状の構成要素と直接接触している、支持構造体と、
前記インナーリングと前記アウターリングとの間に配置された複数のフィレットと、を備え、前記複数のフィレットが、少なくとも第1のフィレット及び第2のフィレットを含み、
前記第1のフィレットが、前記インナーリング、前記第1のU字形状の構成要素、及び前記第2のU字形状の構成要素と直接接触しており、
前記第2のフィレットが、前記アウターリング、前記第1のU字形状の構成要素、及び前記第2のU字形状の構成要素と直接接触している、非空気圧式タイヤ。
【請求項2】
前記第1のU字形状の構成要素が、前記インナーリングと前記アウターリングとの間に延在している第1の範囲及び第2の範囲を含み、前記第2のU字形状の構成要素が、前記インナーリングと前記アウターリングとの間に延在している第3の範囲及び第4の範囲を含み、前記第2の範囲が、前記第3の範囲に接触している、請求項1に記載の非空気圧式タイヤ。
【請求項3】
前記第1の範囲、前記第2の範囲、前記第3の範囲、及び前記第4の範囲の各々が、湾曲している、請求項2に記載の非空気圧式タイヤ。
【請求項4】
前記第1の範囲が、実質的に径方向に延在している第1の補強層を含む、第1の実質的に径方向の範囲であり、前記第2の範囲が、前記径方向に対して湾曲している第2の補強層を含む、第2の実質的に径方向の範囲である、請求項2に記載の非空気圧式タイヤ。
【請求項5】
前記複数のU字形状の構成要素の各々が、内部に配置された補強材の単一の層を有するエラストマー材料のシートによって形成されている、請求項1に記載の非空気圧式タイヤ。
【請求項6】
前記複数のU字形状の構成要素のうちの1つの前記補強材の単一の層が、前記アウターリングに沿って周方向に、かつ前記U字形状の構成要素の一対の範囲の各々に沿って径方向に延在し、前記インナーリングに隣接する位置で終端する、請求項5に記載の非空気圧式タイヤ。
【請求項7】
前記複数のU字形状の構成要素のうちの1つの前記補強材の単一の層が、前記インナーリングに沿って周方向に、かつ前記U字形状の構成要素の一対の範囲の各々に沿って径方向に延在し、前記アウターリングに隣接する位置で終端する、請求項5に記載の非空気圧式タイヤ。
【請求項8】
前記複数のU字形状の構成要素のうちの1つが、第1の範囲内の補強材の第1の層及び第2の範囲内の補強材の第2の層を含み、前記U字形状の構成要素の基部が、補強材の層を含まない、請求項1に記載の非空気圧式タイヤ。
【請求項9】
非空気圧式タイヤを作製する方法であって、前記方法が、
エラストマー材料のインナーリングを提供することと、
エラストマー材料のアウターリングを提供することと、
前記インナーリングが前記アウターリングと実質的に同軸であるように、前記インナーリング及び前記アウターリングを配列することと、
補強されたエラストマー材料の複数のシートを提供することと、
前記複数のシートを複数のU字形状のシートに形成することと、
前記複数のU字形状のシートを前記インナーリングと前記アウターリングとの間に配列することと、
前記インナーリング、前記アウターリング、及び前記複数のU字形状のシートを硬化させることと、を含む、方法。
【請求項10】
前記複数のU字形状のシートを前記インナーリングと前記アウターリングとの間に前記配列することは、前記複数のU字形状のシートのある範囲が前記複数のU字形状のシートのうちの隣接する1つのある範囲に接触するように、前記複数のU字形状のシートを配列することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
複数のフィレットを、隣接するU字形状のシートの間に挿入することを更に含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記複数のU字形状のシートを前記インナーリングと前記アウターリングとの間に前記配列することは、前記複数のU字形状のシートのうちの1つの基部が前記インナーリングに隣接するように、前記複数のU字形状のシートを配列することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記複数のU字形状のシートを前記インナーリングと前記アウターリングとの間に前記配列することは、前記複数のU字形状のシートのうちの1つの基部が前記アウターリングに隣接するように、前記複数のU字形状のシートを配列することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記複数のU字形状のシートを前記形成することが、湾曲した範囲を有する前記複数のU字形状のシートを形成することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記複数のU字形状のシートを前記形成することが、真っ直ぐな範囲を有する前記複数のU字形状のシートを形成することを含む、請求項9に記載の方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、補強された支持構造体を有する非空気圧式タイヤ及びその作製方法に関する。より具体的には、本開示は、U字形状の構成要素によって形成された補強されたスポーク又はウェビングを有する、非空気圧式タイヤ及びその作製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
タイヤが非膨張状態又は膨張不足状態で走行することを可能にする様々なタイヤの構造が開発されている。非空気圧式タイヤは膨張を必要としないが、「ランフラットタイヤ」は、パンクし、加圧空気の完全又は部分的な喪失を経験した後で、長期間、比較的高速で動作し続けることができる。非空気圧式タイヤは、複数のスポーク、ウェビング、又はインナーリングをアウターリングに接続する他の支持構造体を含み得る。
【発明の概要】
【0003】
一実施形態では、非空気圧式タイヤは、第1の直径を有するインナーリングと、第1の直径よりも大きい第2の直径を有するアウターリングと、を含む。アウターリングは、インナーリングと実質的に同軸である。非空気圧式タイヤは、インナーリングとアウターリングとの間に延在している支持構造体を更に含む。支持構造体は、非空気圧式タイヤの第1の側から非空気圧式タイヤの第2の側まで横方向に延在している複数のU字形状の構成要素を含む。複数のU字形状の構成要素の各々は、非空気圧式タイヤの第1の側から可視である開口部を画定する。複数のU字形状の構成要素の各々は、インナーリング及びアウターリングの両方と直接接触している。複数のU字形状の構成要素は、少なくとも第1のU字形状の構成要素、及び第1のU字形状の構成要素と直接接触している第2のU字形状の構成要素を含む。非空気圧式タイヤは、インナーリングとアウターリングとの間に配置された複数のフィレットを更に含む。複数のフィレットは、少なくとも第1のフィレット及び第2のフィレットを含む。第1のフィレットは、インナーリング、第1のU字形状の構成要素、及び第2のU字形状の構成要素と直接接触している。第2のフィレットは、アウターリング、第1のU字形状の構成要素、及び第2のU字形状の構成要素と直接接触している。
【0004】
別の実施形態では、非空気圧式タイヤを作製する方法は、エラストマー材料のインナーリングを提供することと、エラストマー材料のアウターリングを提供することと、インナーリングがアウターリングと実質的に同軸であるようにインナーリング及びアウターリングを配列することと、を含む。本方法は、補強されたエラストマー材料の複数のシートを提供することと、複数のシートを複数のU字形状のシートに形成することと、を更に含む。本方法はまた、複数のU字形状のシートをインナーリングとアウターリングとの間に配列することと、インナーリング、アウターリング、及び複数のU字形状のシートを硬化させることと、を含む。
【0005】
更に別の実施形態では、非空気圧式タイヤは、インナーリング、アウターリング、及びインナーリングとアウターリングとの延在している複数のU字形状の構成要素を含む。複数のU字形状の構成要素は、少なくとも第1のU字形状の構成要素及び第2のU字形状の構成要素を含む。第1のU字形状の構成要素は、インナーリング及びアウターリングの両方と直接接触しており、内部に配置された単一の補強層を有する。第1のU字形状の構成要素は、インナーリングとアウターリングとの間に延在している第1の範囲と、インナーリングとアウターリングとの間に延在している第2の範囲と、を含む。第2のU字形状の構成要素もまた、インナーリング及びアウターリングの両方と直接接触しており、内部に配置された単一の補強層を有する。第2のU字形状の構成要素は、インナーリングとアウターリングとの間に延在している第3の範囲と、インナーリングとアウターリングとの間に延在している第4の範囲と、を含む。第2の範囲は、第3の範囲と直接接触している。
【図面の簡単な説明】
【0006】
添付の図面では、以下の詳細な説明と共に、特許請求される本発明の例示的実施形態を説明する構造が例解される。同様の要素は、同一の参照番号で特定される。単一の構成要素として示される要素は、多数の構成要素と置き換えられ得、多数の構成要素として示されている要素は、単一の構成要素と置き換えられ得ることが理解されるべきである。図面は正確な縮尺ではなく、特定の要素の比率が例解のために誇張されている場合がある。
【0007】
図1】非空気圧式タイヤの一実施形態の正面図である。
【0008】
図2図1の非空気圧式タイヤの拡大部分正面図である。
【0009】
図3】構築中の非空気圧式タイヤの部分正面図を例解する概略図である。
【0010】
図4】非空気圧式タイヤのスポークの代替的な実施形態の部分正面図を例解する概略図である。
【0011】
図5A】非空気圧式タイヤのスポークの他の代替的な実施形態の部分正面図を例解する概略図である。
図5B】非空気圧式タイヤのスポークの他の代替的な実施形態の部分正面図を例解する概略図である。
図5C】非空気圧式タイヤのスポークの他の代替的な実施形態の部分正面図を例解する概略図である。
【0012】
図6】非空気圧式タイヤの更に別の代替的な実施形態の正面図である。
【0013】
図7図6の非空気圧式タイヤのスポークの部分正面図を例解する概略図である。
【0014】
図8】構築中の非空気圧式タイヤの更に別の代替的な実施形態の部分正面図を例解する概略図である。
【0015】
図9】構築中の非空気圧式タイヤの更に別の代替的な実施形態の部分正面図を例解する概略図である。
【0016】
図10】構築中の非空気圧式タイヤのまた別の代替的な実施形態の部分正面図を例解する概略図である。
【0017】
図11】構築中の非空気圧式タイヤの更に別の代替的な実施形態の部分正面図を例解する概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、非空気圧式タイヤ100の一実施形態の正面図である。非空気圧式タイヤ100は、第1の直径を有するインナーリング110と、第1の直径よりも大きい第2の直径を有するアウターリング120と、を含む。アウターリング120は、インナーリング110と実質的に同軸である。例解される実施形態では、インナーリング110は、ハブHに取り付けられているものとして示されている。複数のスポーク130は、インナーリング110とアウターリング120との間に延在している。代替的な実施形態では、スポークの代わりにウェビング又は他の支持構造体が採用され得る。
【0019】
例解される実施形態では、アウターリング120の周りに周方向トレッド140が配置されている。トレッド140は、溝、リブ、ブロック、ラグ、サイプ、スタッド、及び他の要素などの、トレッド要素を含み得る。剪断バンド若しくは他の剪断要素又は補強構造(図示せず)が、アウターリング120とトレッド140との間に配置され得る。代替的な実施形態(図示せず)では、別々のトレッドが省略され得、代わりに、トレッド要素がアウターリングに直接形成され得る。
【0020】
図2は、図1の非空気圧式タイヤの拡大部分正面図である。この図を見て分かるように、スポーク130は、U字形状の構成要素によって画定された複数のループ、及びタイヤの周りに周方向に連続して配置されたフィレット150によって形成されている。個々のループの各々は、非空気圧式タイヤ100の第1の側から非空気圧式タイヤ100の第2の側まで横方向に延在している。複数のループの各々は、タイヤの第1の側から可視である開口部を画定する。
【0021】
例解される実施形態では、複数のループの各々は、インナーリング110及びアウターリング120の両方と直接接触している。複数のフィレット150もまた、インナーリング110とアウターリング120との間に配置されている。複数のフィレット150は、内側フィレット150iと、外側フィレット150oと、を含む。内側フィレット150iは、インナーリング110、並びに各隣接する一対のループの第1のU字形状の構成要素及び第2のU字形状の構成要素の両方と直接接触している。外側フィレット150oは、アウターリング120、並びに各隣接する一対のループの第1のU字形状の構成要素及び第2のU字形状の構成要素の両方と直接接触している。
【0022】
インナーリング110及びアウターリング120は、天然ゴム又は合成ゴムなどのポリマー材料、他のエラストマー材料で構築され得る。代替的に、インナーリング110及びアウターリング120は、ポリウレタン、ポリエステル、ナイロン、及びポリ塩化ビニル(polyvinyl chloride、PVC)などの、より硬いポリマー材料で構築され得る。スポーク130は、内部に配置された補強材の単一の層を有するエラストマー材料で構築されたU字形状の構成要素で形成されている。U字形状の構成要素は、内部に配置された補強材の単一の層を有するエラストマー材料のシートから構築され得る。
【0023】
補強材は、スチールコードであってもよい。代替的に、補強材は、ナイロン、ポリエステル、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド、ガラス、ポリエチレン(ポリエチレンテレフタレート)、又は他の補強材料で構築されたコードによって形成され得る。代替的な実施形態では、U字形状の構成要素は、2層以上の補強材を有するエラストマー材料で構築され得る。
【0024】
トレッド140及びフィレット150はどちらも、天然ゴム又は合成ゴムなどのエラストマー材料、他のエラストマー材料で構築される。トレッド140及びフィレット150はまた、任意のポリマー材料で構築され得る。
【0025】
U字形状の構成要素の追加的な詳細は、構築中の非空気圧式タイヤ200の部分正面図を例解する概略図である図3に示され得る。非空気圧式タイヤ200は、第1の直径を有するインナーリング210と、第1の直径よりも大きい第2の直径を有するアウターリング220と、を含む。アウターリング220は、インナーリング210と実質的に同軸である。この図に示されるように、スポーク230は、第1のU字形状の構成要素240a及び第2のU字形状の構成要素240bによって形成されている。第1のU字形状の構成要素は、補強コードの第1の層250aを含み、第2のU字形状の構成要素は、補強コードの第2の層250bを含む。
【0026】
例解される実施形態では、各U字形状の構成要素は、アウターリング220に隣接する基部と、インナーリング210に向かって延在している一対の実質的に径方向の範囲と、を有する。具体的には、第1のU字形状の構成要素は、第1の実質的に径方向の範囲260aと、第2の実質的に径方向の範囲260bと、を有する。第2のU字形状の構成要素は、第3の実質的に径方向の範囲260cと、第4の実質的に径方向の範囲260dと、を有する。したがって、U字形状の構成要素の各々は、アウターリング220に沿って周方向に、かつ範囲260に沿って径方向に延在している補強材250を有し、インナーリング210に隣接する位置で終端する。
【0027】
更に、第1のフィレット270aは、第1のU字形状の構成要素240aと、第2のU字形状の構成要素240bと、インナーリング210との間に配置されている。同様に、第2のフィレット270bは、第1のU字形状の構成要素240aと、第2のU字形状の構成要素240bと、アウターリング220との間に配置されている。
【0028】
図3に示される段階では、第1のU字形状の構成要素240aは、第2のU字形状の構成要素240bから離間されている。この間隔は、例解の目的で誇張され得る。非空気圧式タイヤを形成する過程の間、硬化過程中に熱及び圧力が加えられる。具体的には、第1のU字形状の構成要素240aの第2の範囲260b及び第2のU字形状の構成要素240bの第3の範囲260cに圧力が加えられて、第2の範囲260bを第3の範囲260cに接触させる。熱及び圧力が加えられると、第2の範囲260bが第3の範囲260cと接合され、それにより、第1のU字形状の構成要素240a及び第2のU字形状の構成要素240bが、補強コードの第1及び第2の層250a、bによって形成された2層の補強コードを有する単一のスポーク230を形成する。結果として生じるスポーク230は、図1及び図2のスポーク130と同じ様式で、実質的に径方向に延在している。
【0029】
一実施形態では、第2の範囲260bの少なくとも半分が、第3の範囲260cの少なくとも半分と接触している。代替的な実施形態では、第2の範囲260bの少なくとも2/3が、第3の範囲260cの少なくとも2/3と接触している。
【0030】
例解される実施形態では、補強コードの第1及び第2の層250a、bの各々は、得られるスポーク130の実質的に径方向に延在している。代替的な実施形態では、補強コードの層の一方又は両方が、径方向に関して偏向している。そのような一実施形態では、補強コードの層の一方又は両方が、50°~90°の角度で偏向している。
【0031】
代替的な実施形態では、インナーリングとアウターリングとの間の範囲が、直線状ではなく、湾曲している。湾曲した範囲は、タイヤが回転するときのスポークの座屈の方向及び大きさを制御するために使用され得る。そのような湾曲した範囲は、それでも、実質的に径方向であるとみなされ得る。そのような一実施形態では、補強コードが、範囲と同じ湾曲部を有し得る。代替的な実施形態では、補強コードが、範囲とは異なる湾曲部を有し得る。別の代替の実施形態では、補強コードは、直線状に延在し得、一方で、範囲は、湾曲している。
【0032】
他の代替的な実施形態では、範囲は、実質的に直線状であり、一方で、補強コードの層のうちの1つ以上は、径方向に関して湾曲している。補強コードの湾曲した層は、タイヤが回転するときのスポークの座屈の方向及び大きさを制御するために使用され得る。そのような実施形態では、補強コードの層のうちの1つ以上が湾曲している場合であっても、得られるスポークは、それでも、非圧縮状態にあるときに直線状に延在し得る。そのような配列では、スポークは、補強材予備曲率を有するとして説明され得る。
【0033】
図4は、補強材予備曲率を有するスポークの一例を提供する。図4は、非空気圧式タイヤ300の代替的な実施形態の部分正面図を例解する概略図である。スポーク310は、補強コードの第1の層330aを有する第1のU字形状の構成要素320a及び補強コードの第2の層330bを有する第2のU字形状の構成要素320bによって画定される。スポーク310は、実質的に径方向に延在している。補強コードの第2の層330bもまた、スポーク310の長さに沿って実質的に径方向に延在しているが、補強コードの第1の層330aは、スポーク310の内側に湾曲している。
【0034】
例解される実施形態では、補強コードの第1の層330aは、湾曲しており、一方で、補強コードの第2の層は、実質的に直線状である。代替的な実施形態では、補強コードの第1及び第2の層は、どちらも湾曲している。
【0035】
図5A図5Cは、非空気圧式タイヤのスポーク400a~cの他の代替的な実施形態の部分正面図を例解する概略図である。図5Aでは、スポーク400aは、補強コードの第1の層410aと、補強コードの第2の層420aと、を含む。補強コードの層410a、420aの各々は、スポーク400aの長さに沿って複数の湾曲部を有し、したがって、波形として説明され得る。例解される実施形態では、補強コードの層410a、420aは、補強コードの第1の層410aのピークが補強コードの第2の層420aのピークに対応するように反対方向に湾曲している。代替的な実施形態(図示せず)では、補強コードの層の湾曲部は、オフセットされ得、又は補強コードの層は、それらが異なる周期性の波状部を有するように湾曲し得る。
【0036】
図5Bでは、スポーク400bは、補強コードの第1の層410bと、補強コードの第2の層420bと、を含む。補強コードの層410b、420bの各々は、スポーク400abの長さに沿って単一の湾曲部を有する。例解される実施形態では、補強コードの層410b、420bは、それらが両凹面形状を形成するように反対方向に湾曲している。代替的な実施形態(図示せず)では、補強コードの層は、同じ方向に湾曲し得るか、又はオフセットされた湾曲部を有し得る。
【0037】
図5Cでは、スポーク400cは、補強コードの第1の層410cと、補強コードの第2の層420cと、を含む。補強コードの層410c、420cの各々は、スポーク400cの長さに沿って単一の湾曲部を有する。例解される実施形態では、補強コードの層410c、420cは、それらが両凸形状又はオジーブ形状を形成するように、反対方向に湾曲している。代替的な実施形態(図示せず)では、補強コードの層は、同じ方向に湾曲し得るか、又はオフセットされた湾曲部を有し得る。
【0038】
代替的な実施形態では、スポーク自体が湾曲していてもよい。例えば、図6は、非空気圧式タイヤ500の更に別の代替的な実施形態の正面図である。非空気圧式タイヤ500は、第1の直径を有するインナーリング510と、第1の直径よりも大きい第2の直径を有するアウターリング520と、を含む。アウターリング520は、インナーリング510と実質的に同軸である。複数のスポーク530は、インナーリング510とアウターリング520との間に延在している。代替的な実施形態では、スポークの代わりにウェビング又は他の支持構造体が採用され得る。周方向トレッド(図示せず)は、アウターリング520の周りに配置され得る。非空気圧式タイヤ500は、本明細書で説明される違いを除いて、非空気圧式タイヤ100と実質的に同じである。同様の構成要素には、同様の材料が使用され得る。
【0039】
スポーク530は、非空気圧式タイヤ500の周りに周方向に配置された複数のU字形状の構成要素によって形成されている。各個々のU字形状の構成要素は、非空気圧式タイヤ500の第1の側から非空気圧式タイヤ500の第2の側まで横方向に延在している。複数のU字形状の構成要素の各々は、タイヤの第1の側から可視である開口部を画定する。この実施形態では、U字形状の構成要素は、湾曲しており、ひいては、湾曲したスポーク530を形成する。代替的な実施形態(図示せず)では、U字形状の構成要素は、他の曲率を有し得る。
【0040】
例解される実施形態では、複数のU字形状の構成要素の各々は、インナーリング510及びアウターリング520の両方と直接接触している。複数のフィレット540もまた、インナーリング510とアウターリング520との間に配置されている。複数のフィレット540は、内側フィレット540iと、外側フィレット540oと、を含む。内側フィレット540iは、インナーリング510、並びに各隣接する一対のU字形状の構成要素の第1のU字形状の構成要素及び第2のU字形状の構成要素の両方と直接接触している。外側フィレット540oは、アウターリング520、並びに各隣接する一対のU字形状の構成要素の第1のU字形状の構成要素及び第2のU字形状の構成要素の両方と直接接触している。
【0041】
図7は、図6の非空気圧式タイヤ500のスポーク530の部分正面図を例解する概略図である。この図に示されるように、スポーク530は、第1のU字形状の構成要素560a及び第2のU字形状の構成要素560bによって形成されている。第1のU字形状の構成要素は、補強コードの第1の層570aを含む。第2のU字形状の構成要素は、補強コードの第2の層570bを含む。U字形状の構成要素の各々は、インナーリングとアウターリングとの間に延在し、かつ隣接するU字形状の構成要素の湾曲した範囲と接触している一対の湾曲した範囲を有し、それによって、スポーク530を形成する。例解される実施形態では、各U字形状の構成要素の湾曲した範囲は、互いに実質的に平行である。代替的な実施形態(図示せず)では、隣接する湾曲した範囲の各対は、反対方向に湾曲している。
【0042】
一実施形態では、第1のU字形状の構成要素560aの湾曲した範囲の少なくとも半分が、第2のU字形状の構成要素560bの湾曲した範囲の少なくとも半分と接触している。代替的な実施形態では、第1のU字形状の構成要素560aの湾曲した範囲の少なくとも2/3が、第2のU字形状の構成要素560bの湾曲した範囲の少なくとも2/3と接触している。
【0043】
例解される実施形態では、補強コードの第1及び第2の層570a、bは、U字形状の構成要素560a、bの範囲と同じ様式で湾曲している。代替的な実施形態(図示せず)では、補強コードの層の1つ以上は、直線状であり得る。他の代替的な実施形態(図示せず)では、補強コードの層は、異なる様式で湾曲し得、図4及び図5A~cに示される湾曲部に類似し得る。
【0044】
図8は、構築中の非空気圧式タイヤ600の更に別の代替的な実施形態の部分正面図を例解する概略図である。非空気圧式タイヤ600は、本明細書で考察される違いを除いて、非空気圧式タイヤ200(上で考察された代替案を含む)と実質的に同じである。
【0045】
非空気圧式タイヤ600は、第1の直径を有するインナーリング610と、第1の直径よりも大きい第2の直径を有するアウターリング620と、を含む。アウターリング620は、インナーリング610と実質的に同軸である。この図に示されるように、スポーク630は、第1のU字形状の構成要素640a及び第2のU字形状の構成要素640bによって形成されている。第1のU字形状の構成要素は、補強コードの第1の層650aを含み、第2のU字形状の構成要素は、補強コードの第2の層650bを含む。
【0046】
例解される実施形態では、各U字形状の構成要素は、インナーリング610に隣接する基部と、アウターリング620に向かって延在している一対の実質的に径方向の範囲と、を有する。具体的には、第1のU字形状の構成要素は、第1の実質的に径方向の範囲660aと、アウターリング620に向かって延在している第2の実質的に径方向の範囲660bと、を有する。第2のU字形状の構成要素は、第3の実質的に径方向の範囲660cと、アウターリング620に向かって延在している第4の実質的に径方向の範囲660dと、を有する。したがって、U字形状の構成要素の各々は、インナーリング610に沿って周方向に、かつ範囲660に沿って径方向に延在している補強材650を有し、アウターリング620に隣接する位置で終端する。
【0047】
更に、第1のフィレット670aは、第1のU字形状の構成要素640aと、第2のU字形状の構成要素640bと、インナーリング610との間に配置されている。同様に、第2のフィレット670bは、第1のU字形状の構成要素640aと、第2のU字形状の構成要素640bと、アウターリング620との間に配置されている。
【0048】
図8に示される段階では、第1のU字形状の構成要素640aは、第2のU字形状の構成要素640bから離間されている。この間隔は、例解の目的で誇張され得る。非空気圧式タイヤを形成する過程の間、硬化過程中に熱及び圧力が加えられる。具体的には、第1のU字形状の構成要素640aの第2の範囲660b及び第2のU字形状の構成要素640bの第3の範囲660cに圧力が加えられて、第2の範囲660bを第3の範囲660cに接触させる。熱及び圧力が加えられると、第2の範囲660bが第3の範囲660cと接合され、それにより、第1のU字形状の構成要素640a及び第2のU字形状の構成要素640bが、補強コードの第1及び第2の層650a、bによって形成された2層の補強コードを有する単一のスポーク630を形成する。結果として生じるスポーク630は、図1及び図2のスポーク130と同じ様式で、実質的に径方向に延在している。
【0049】
一実施形態では、第2の範囲660bの少なくとも半分が、第3の範囲660cの少なくとも半分と接触している。代替的な実施形態では、第2の範囲660bの少なくとも2/3が、第3の範囲660cの少なくとも2/3と接触している。
【0050】
図9は、構築中の非空気圧式タイヤ700の更に別の代替的な実施形態の部分正面図を例解する概略図である。非空気圧式タイヤ700は、本明細書で考察される違いを除いて、非空気圧式タイヤ200(上で考察された代替案を含む)と実質的に同じである。
【0051】
非空気圧式タイヤ700は、第1の直径を有するインナーリング710と、第1の直径よりも大きい第2の直径を有するアウターリング620と、を含む。アウターリング720は、インナーリング710と実質的に同軸である。この図に示されるように、スポーク730は、第1のU字形状の構成要素740a及び第2のU字形状の構成要素740bによって形成されている。
【0052】
例解される実施形態では、各U字形状の構成要素は、アウターリング720に隣接する基部と、インナーリング710に向かって延在している一対の実質的に径方向の範囲と、を有し、各範囲は、補強層を含む。具体的には、第1のU字形状の構成要素740aは、第1の実質的に径方向の範囲760aに埋め込まれた第1の補強層750aと、第2の実質的に径方向の範囲760bに埋め込まれた第2の補強層750bと、を有する。第2のU字形状の構成要素740bは、第3の実質的に径方向の範囲760cに埋め込まれた第3の補強層750cと、第4の実質的に径方向の範囲760dに埋め込まれた第4の補強層750dと、を有する。この実施形態では、U字形状の構成要素740の基部は、補強層を有していない。したがって、各補強層750は、インナーリング710に隣接する第1の端部で終端し、かつアウターリング720に隣接する第2の端部で終端する。
【0053】
更に、第1のフィレット770aは、第1のU字形状の構成要素740aと、第2のU字形状の構成要素740bと、インナーリング710との間に配置されている。同様に、第2のフィレット770bは、第1のU字形状の構成要素740aと、第2のU字形状の構成要素740bと、アウターリング720との間に配置されている。
【0054】
図9に示される段階では、第1のU字形状の構成要素740aは、第2のU字形状の構成要素740bから離間されている。この間隔は、例解の目的で誇張され得る。非空気圧式タイヤを形成する過程の間、硬化過程中に熱及び圧力が加えられる。具体的には、第1のU字形状の構成要素740aの第2の範囲760b及び第2のU字形状の構成要素740bの第3の範囲760cに圧力が加えられて、第2の範囲760bを第3の範囲760cに接触させる。熱及び圧力が加えられると、第2の範囲760bが第3の範囲760cと接合され、それにより、第1のU字形状の構成要素740a及び第2のU字形状の構成要素740bが、補強コードの第1及び第2の層750a、bによって形成された2層の補強コードを有する単一のスポーク730を形成する。結果として生じるスポーク730は、図1及び図2のスポーク130と同じ様式で、実質的に径方向に延在している。
【0055】
一実施形態では、第2の範囲760bの少なくとも半分が、第3の範囲760cの少なくとも半分と接触している。代替的な実施形態では、第2の範囲760bの少なくとも2/3が、第3の範囲760cの少なくとも2/3と接触している。
【0056】
代替的な実施形態(図示せず)では、U字形状の構成要素は、図9に示されるものとは反対方向に向き付けされ得る。言い換えれば、U字形状の構成要素は、図8に示されるように同じ向きを有し得る。しかしながら、代替的な実施形態では、いくつかのU字形状の構成要素は、インナーリングに隣接する基部で向き付けされ得る一方、その他のU字形状の構成要素は、アウターリングに隣接する基部で向き付けされていることを理解されたい。例えば、一実施形態では、各U字形状の構成要素の向きは、交互になり得る。別の実施形態では、隣接するU字形状の構成要素の第1の対は、第1の径方向に向き付けされ、隣接するU字形状の構成要素の次の対は、第1の径方向とは反対の第2の径方向に向き付けされている。他の実施形態では、U字形状の構成要素の向きは、他のパターンに従うことができるか、又はランダムであってもよい。
【0057】
図10は、構築中の非空気圧式タイヤ800の更に別の代替的な実施形態の部分正面図を例解する概略図である。非空気圧式タイヤ800は、本明細書で考察される違いを除いて、非空気圧式タイヤ200、600(上で考察された代替案を含む)と実質的に同じである。
【0058】
非空気圧式タイヤ800は、第1の直径を有するインナーリング810と、第1の直径よりも大きい第2の直径を有するアウターリング820と、を含む。アウターリング820は、インナーリング810と実質的に同軸である。この図に示されるように、スポーク830は、第1のU字形状の構成要素840a及び第2のU字形状の構成要素840bによって形成されている。第1のU字形状の構成要素は、構成要素の一部のみを通って延在している補強コードの第1の層850aを含む。同様に、第2のU字形状の構成要素は、構成要素の一部のみを通って延在している補強コードの第2の層850bを含む。
【0059】
例解される実施形態では、各U字形状の構成要素は、インナーリング810に隣接する基部と、アウターリング820に向かって延在している一対の実質的に径方向の範囲と、を有する。具体的には、第1のU字形状の構成要素は、第1の実質的に径方向の範囲860aと、アウターリング820に向かって延在している第2の実質的に径方向の範囲860bと、を有する。この実施形態では、第2の実質的に径方向の範囲860bのみが、補強コードの第1の層850aを含む。代替的な実施形態では、第1の実質的に径方向の範囲のみが、補強コードの第1の層を含む。
【0060】
第2のU字形状の構成要素は、第3の実質的に径方向の範囲860cと、アウターリング820に向かって延在している第4の実質的に径方向の範囲860dと、を有する。この実施形態では、第4の実質的に径方向の範囲860dのみが、補強コードの第2の層850bを含む。代替的な実施形態では、第3の実質的に径方向の範囲のみが、補強コードの第2の層を含む。
【0061】
例解される実施形態を見て分かるように、U字形状の構成要素の各々は、単一の範囲に沿って径方向にのみ延在している補強材850を有する。したがって、各スポーク830は、補強材の単一の層を有する。
【0062】
更に、第1のフィレット870aは、第1のU字形状の構成要素840aと、第2のU字形状の構成要素840bと、インナーリング810との間に配置されている。同様に、第2のフィレット870bは、第1のU字形状の構成要素840aと、第2のU字形状の構成要素840bと、アウターリング820との間に配置されている。
【0063】
図10に示される段階では、第1のU字形状の構成要素840aは、第2のU字形状の構成要素840bから離間されている。この間隔は、例解の目的で誇張され得る。非空気圧式タイヤを形成する過程の間、硬化過程中に熱及び圧力が加えられる。具体的には、第1のU字形状の構成要素840aの第2の範囲860b及び第2のU字形状の構成要素840bの第3の範囲860cに圧力が加えられて、第2の範囲860bを第3の範囲860cに接触させる。熱及び圧力が加えられると、第2の範囲860bが第3の範囲860cと接合され、それにより、第1のU字形状の構成要素840a及び第2のU字形状の構成要素840bが、補強コードの第1の層850aによって形成された補強コードの単一の層を有する単一のスポーク830を形成する。結果として生じるスポーク830は、図1及び図2のスポーク130と同じ様式で、実質的に径方向に延在している。
【0064】
一実施形態では、第2の範囲860bの少なくとも半分が、第3の範囲860cの少なくとも半分と接触している。代替的な実施形態では、第2の範囲860bの少なくとも2/3が、第3の範囲860cの少なくとも2/3と接触している。
【0065】
図2図8、及び図10では、U字形状の構成要素の両方が、同じ径方向に向き付けされている。しかしながら、代替的な実施形態では、いくつかのU字形状の構成要素は、インナーリングに隣接する基部で向き付けされ得る一方、その他のU字形状の構成要素は、アウターリングに隣接する基部で向き付けされていることを理解されたい。例えば、一実施形態では、各U字形状の構成要素の向きは、交互になり得る。別の実施形態では、隣接するU字形状の構成要素の第1の対は、第1の径方向に向き付けされ、隣接するU字形状の構成要素の次の対は、第1の径方向とは反対の第2の径方向に向き付けされている。図2図8、及び図10は、かかる実施形態の同じタイヤの異なる部分を表し得る。他の実施形態では、U字形状の構成要素の向きは、他のパターンに従うことができるか、又はランダムであってもよい。
【0066】
図11は、構築中の非空気圧式タイヤ900の更に別の代替的な実施形態の部分正面図を例解する概略図である。非空気圧式タイヤ900は、本明細書で考察される違いを除いて、非空気圧式タイヤ200及び700(上で考察された代替案を含む)と実質的に同じである。
【0067】
非空気圧式タイヤ900は、第1の直径を有するインナーリング910と、第1の直径よりも大きい第2の直径を有するアウターリング920と、を含む。アウターリング920は、インナーリング910と実質的に同軸である。この図に示されるように、スポーク930は、第1のU字形状の構成要素940a及び第2のU字形状の構成要素940bによって形成されている。
【0068】
例解される実施形態では、各U字形状の構成要素は、アウターリング920に隣接する基部と、インナーリング910に向かって延在している一対の実質的に径方向の範囲と、を有し、各範囲は、構成要素の一部分のみを通って延在している補強層を含む。具体的には、第1のU字形状の構成要素940aは、第1の実質的に径方向の範囲960aにのみ埋め込まれた第1の補強層950aを有する。第2の実質的に径方向の範囲960bは、補強層を含まない。代替的な実施形態では、第1のU字形状の構成要素は、第2の実質的に径方向の範囲にのみ埋め込まれた第1の補強層を有する。
【0069】
第2のU字形状の構成要素940bは、第3の実質的に径方向の範囲960cにのみ埋め込まれた第2の補強層950bを有する。第4の実質的に径方向の範囲960dは、補強層を含まない。代替的な実施形態では、第2のU字形状の構成要素は、第4の実質的に径方向の範囲にのみ埋め込まれた第2の補強層を有する。
【0070】
例解される実施形態では、U字形状の構成要素940の基部は、補強層を有していない。したがって、各補強層950は、径方向にのみ延在し、各スポーク930は、単一の補強層のみを有する。
【0071】
第1のフィレット970aは、第1のU字形状の構成要素940aと、第2のU字形状の構成要素940bと、インナーリング910との間に配置されている。同様に、第2のフィレット970bは、第1のU字形状の構成要素940aと、第2のU字形状の構成要素940bと、アウターリング920との間に配置されている。
【0072】
図11に示される段階では、第1のU字形状の構成要素940aは、第2のU字形状の構成要素940bから離間されている。この間隔は、例解の目的で誇張され得る。非空気圧式タイヤを形成する過程の間、硬化過程中に熱及び圧力が加えられる。具体的には、第1のU字形状の構成要素940aの第2の範囲960b及び第2のU字形状の構成要素940bの第3の範囲960cに圧力が加えられて、第2の範囲960bを第3の範囲960cに接触させる。熱及び圧力が加えられると、第2の範囲960bが第3の範囲960cと接合され、それにより、第1のU字形状の構成要素940a及び第2のU字形状の構成要素940bが、補強コードの第1の層950aによって形成された補強コードの単一の層を有する単一のスポーク930を形成する。結果として生じるスポーク930は、図1及び図2のスポーク130と同じ様式で、実質的に径方向に延在している。
【0073】
一実施形態では、第2の範囲960bの少なくとも半分が、第3の範囲960cの少なくとも半分と接触している。代替的な実施形態では、第2の範囲960bの少なくとも2/3が、第3の範囲960cの少なくとも2/3と接触している。
【0074】
非空気圧式タイヤ100、200、300、500、600、700、800、900などの非空気圧式タイヤを築くために、操作者は、エラストマー材料のインナーリングを提供するステップと、エラストマー材料のアウターリングを提供するステップと、インナーリングがアウターリングと実質的に同軸であるようにインナーリング及びアウターリングを配列するステップと、を行い得る。一実施形態では、操作者は、補強されたエラストマー材料のシートを提供し、補強されたエラストマー材料のシートを有する複数のU字形状の構成要素を形成する。次いで、操作者は、補強されたエラストマー材料のU字形状の構成要素をインナーリングとアウターリングとの間に置く。
【0075】
「含む(includes)」又は「含むこと(including)」という用語が、本明細書又は特許請求の範囲において使用される程度まで、「含む(comprising)」という用語が特許請求項で移行句として採用される際の解釈と同様に包括的であることが意図される。更に、「又は(or)」という用語が採用される程度まで(例えば、A又はBなど)、「A、又はB、又はAとBとの両方とも」を意味することが意図されている。本出願人らが「A又はBの両方ではなく一方のみ」を示すことを意図する場合、「A又はBの両方ではなく一方のみ」という用語が採用されるであろう。したがって、本明細書における「又は」という用語の使用は、排他的ではなく、包括的である。Bryan A.Garner,A Dictionary of Modern Legal Usage 624(2d.Ed.1995)を参照。また、「中(in)」又は「中へ(into)」という用語が、本明細書又は特許請求の範囲において使用される程度まで、「上(on)」又は「上へ(onto)」を追加的に意味することが意図される。更に、「接続する(connect)」という用語が本明細書又は特許請求の範囲において使用される程度まで、「と直接接続する(directly connected to)」ことだけではなく、別の構成要素を介して接続するなどの「と間接的に接続する(indirectly connected to)」ことも意味することが意図される。
【0076】
本出願をその実施形態の記述によって例解し、またその実施形態をかなり詳細に説明してきたが、添付の特許請求の範囲の範囲をこのような詳細に制限するか、又はいかなる形式でも限定することは、出願人らの本意ではない。追加の利点及び改良が、当業者には容易に明らかとなるであろう。したがって、そのより広い態様における本出願は、図示及び説明される、特定の詳細、代表的な装置及び方法、並びに例解的な実施例に限定されない。このため、出願人の一般的な発明概念の趣旨又は範囲から逸脱することなく、このような詳細からの逸脱がなされ得る。

図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2022-06-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非空気圧式タイヤであって、
第1の直径を有するインナーリングと、
前記第1の直径よりも大きい第2の直径を有するアウターリングであって、前記インナーリングと実質的に同軸である、アウターリングと、
前記インナーリングと前記アウターリングとの間に延在している支持構造体であって、前記支持構造体が、前記非空気圧式タイヤの第1の側から前記非空気圧式タイヤの第2の側まで横方向に延在している複数のU字形状の構成要素を含み、
前記複数のU字形状の構成要素の各々が、前記非空気圧式タイヤの前記第1の側から可視である開口部を画定し、
前記複数のU字形状の構成要素の各々が、前記インナーリング及び前記アウターリングの両方と直接接触しており、
前記複数のU字形状の構成要素が、少なくとも第1のU字形状の構成要素及び第2のU字形状の構成要素を含み、前記第1のU字形状の構成要素が、前記第2のU字形状の構成要素と直接接触している、支持構造体と、
前記インナーリングと前記アウターリングとの間に配置された複数のフィレットと、を備え、前記複数のフィレットが、少なくとも第1のフィレット及び第2のフィレットを含み、
前記第1のフィレットが、前記インナーリング、前記第1のU字形状の構成要素、及び前記第2のU字形状の構成要素と直接接触しており、
前記第2のフィレットが、前記アウターリング、前記第1のU字形状の構成要素、及び前記第2のU字形状の構成要素と直接接触している、非空気圧式タイヤ。
【請求項2】
前記第1のU字形状の構成要素が、前記インナーリングと前記アウターリングとの間に延在している第1の範囲及び第2の範囲を含み、前記第2のU字形状の構成要素が、前記インナーリングと前記アウターリングとの間に延在している第3の範囲及び第4の範囲を含み、前記第2の範囲が、前記第3の範囲に接触している、請求項1に記載の非空気圧式タイヤ。
【請求項3】
前記複数のU字形状の構成要素の各々が、内部に配置された補強材の単一の層を有するエラストマー材料のシートによって形成されている、請求項1に記載の非空気圧式タイヤ。
【請求項4】
前記複数のU字形状の構成要素のうちの1つの前記補強材の単一の層が、前記アウターリングに沿って周方向に、かつ前記U字形状の構成要素の一対の範囲の各々に沿って径方向に延在し、前記インナーリングに隣接する位置で終端する、請求項3に記載の非空気圧式タイヤ。
【請求項5】
前記複数のU字形状の構成要素のうちの1つが、第1の範囲内の補強材の第1の層及び第2の範囲内の補強材の第2の層を含み、前記U字形状の構成要素の基部が、補強材の層を含まない、請求項1に記載の非空気圧式タイヤ。

【国際調査報告】