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特表2023-508594新規なPqsRインバースアゴニスト
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-02
(54)【発明の名称】新規なPqsRインバースアゴニスト
(51)【国際特許分類】
   C07D 417/14 20060101AFI20230222BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20230222BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20230222BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230222BHJP
   C07D 401/12 20060101ALI20230222BHJP
   A61K 31/4439 20060101ALI20230222BHJP
   C07D 401/14 20060101ALI20230222BHJP
   A61K 31/501 20060101ALI20230222BHJP
   A61K 31/497 20060101ALI20230222BHJP
   A61K 31/506 20060101ALI20230222BHJP
   A61P 31/04 20060101ALI20230222BHJP
   A61L 29/08 20060101ALI20230222BHJP
   A61L 27/28 20060101ALI20230222BHJP
   A61L 31/08 20060101ALI20230222BHJP
【FI】
C07D417/14
A61K45/00
A61P11/00
A61P43/00 121
C07D401/12 CSP
A61K31/4439
C07D401/14
A61K31/501
A61K31/497
A61K31/506
A61P31/04
A61L29/08
A61L27/28
A61L31/08
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022540896
(86)(22)【出願日】2020-12-30
(85)【翻訳文提出日】2022-08-31
(86)【国際出願番号】 EP2020088029
(87)【国際公開番号】W WO2021136805
(87)【国際公開日】2021-07-08
(31)【優先権主張番号】20150119.4
(32)【優先日】2020-01-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517334160
【氏名又は名称】へルムホルツ-ツェントルム・フューア・インフェクツィオーンスフォルシュング・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Helmholtz-Zentrum fur Infektionsforschung GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】110002631
【氏名又は名称】弁理士法人イイダアンドパートナーズ
(74)【代理人】
【識別番号】100076439
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 敏三
(74)【代理人】
【識別番号】100161469
【弁理士】
【氏名又は名称】赤羽 修一
(74)【代理人】
【識別番号】100141771
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 宏和
(74)【代理人】
【識別番号】100164345
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100118809
【弁理士】
【氏名又は名称】篠田 育男
(72)【発明者】
【氏名】ハメド・モスタファ
(72)【発明者】
【氏名】アーメド・アフメド・エス・エー
(72)【発明者】
【氏名】エンプティング・マーティン
(72)【発明者】
【氏名】シュッツ・クリスチャン
(72)【発明者】
【氏名】ハルトマン・ロルフ・ダブリュー
(72)【発明者】
【氏名】レーリッグ・テレサ
(72)【発明者】
【氏名】カニー・アンドレアス・エム
(72)【発明者】
【氏名】ハーシュ・アンナ・ケー・エイチ
【テーマコード(参考)】
4C063
4C081
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C063AA01
4C063AA03
4C063BB01
4C063BB02
4C063BB08
4C063BB09
4C063CC22
4C063CC26
4C063CC28
4C063CC29
4C063CC34
4C063CC42
4C063CC43
4C063CC47
4C063CC62
4C063DD12
4C063EE01
4C081AC07
4C081AC08
4C081CE01
4C084AA19
4C084MA02
4C084ZB352
4C084ZC751
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC42
4C086BC64
4C086BC74
4C086BC82
4C086GA07
4C086GA08
4C086GA10
4C086MA02
4C086MA03
4C086MA05
4C086NA14
4C086ZA59
4C086ZC75
(57)【要約】
本発明は、PqsR(MvfRとも呼ばれることがある、シュードモナス・キノロンシグナル(Pseudomonas Quinolone Signal, PQS)の現在唯一知られている受容体)のインバースアゴニストとして作用する、一般式(I)による化合物;1つ以上の本発明の化合物を含有する医薬組成物;本発明の少なくとも1つの化合物及び少なくとも1つのさらなる活性医薬成分を含有する組み合わせ調製物;並びに、薬剤としての使用、例えば細菌感染症、特に緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)又はバークホルデリア(Burkholderia)感染症の治療又は予防における使用を含む、該化合物の使用に関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩:
一般式(I)中、
Aは、(C~C)アルキル基、CN、ハロゲン原子及びOHから選択される1個以上の同一の又は異なる基で場合により置換されていてもよい、少なくとも1個の窒素原子を含む5又は6員複素芳香族基を示し、
は、CH又はNを示し、
は、CF、Cl又はCNを示し、

Lは、一般式(L-1)又は(L-2)で表される基であり、
一般式(L-1)中、
環Bは、
であるか、又は一般式(B-1)で表される6員複素環であり、
一般式(B-1)中、
、M、M及びMはそれぞれ、互いに独立して、CH又はNを示し、M、M、M及びMのうちの少なくとも1つがNであり、
Uは、N又はC(R)を示し、
は、水素原子、ハロゲン原子、NRU1U2、OH、CN、CF、CH-OH、OCH又はOCFを示し、
U1及びRU2はそれぞれ、互いに独立して、水素原子、又は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヘテロアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アルキルシクロアルキル基、ヘテロアルキルシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基若しくはヘテロアラルキル基を示し、これらの基はすべて、ハロゲン原子、OH、=O及びNHから選択される1個以上の同一の又は異なる基で場合により置換されていてもよく、
一般式(L-2)中、
は、NH又はSであり、
は、N、NH、O又はSであり、
は、水素原子、F、Cl、OH、CN、(C~C)アルキル、CF、CH-OH、OCH又はOCFを示し、
それぞれの「-----」は、互いに独立して、単結合又は二重結合を示し、一般式(L-2)の環における少なくとも1つの「---」は、二重結合であり、

Tは、R又は基:-Z-R’であり、ここで、
Rは、水素原子、ハロゲン原子、CN、CF、CH-OH、NRT1T2、又は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヘテロアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アルキルシクロアルキル基、ヘテロアルキルシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基若しくはヘテロアラルキル基を示し、これらの基はすべて場合により置換されていてもよく、
T1及びRT2はそれぞれ、互いに独立して、水素原子又は(C~C)アルキル基を示し、これは、ハロゲン原子、OH、=O及びNHから選択される1個以上の同一の又は異なる基で置換されていてもよく、
Zは、-NH-、-O-又は-S-であり、
R’は、水素原子、又は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヘテロアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アルキルシクロアルキル基、ヘテロアルキルシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基若しくはヘテロアラルキル基であり、これらの基はすべて場合により置換されていてもよい。
【請求項2】
Aが以下の基から選択される基である、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
Lが一般式(L-1)の基であり、
一般式(L-1)中、環Bは、
であるか、
又は
下記の基から選択される、一般式(B-1)で表される6員複素環である、
請求項1又は2に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
が、水素原子、Cl、F、CN、又は以下の基から選択される基を示す、請求項1~3のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項5】
一般式(L-1)で表される基が、部分構造として以下の基の1つを含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項6】
一般式(L-1)で表される基が、部分構造として以下の基の1つを含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項7】
Lが、一般式(L-2)の基であり、
一般式(L-2)で表される基が、以下の基から選択される基である、
請求項1又は2に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項8】
Tが、水素原子、Cl、F、又は以下の基から選択される基である、請求項1~7のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項9】
ZがNH又はOである、請求項8に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項10】
前記化合物が、以下の基からなる群から選択される、請求項1~9のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1項に記載の1つ以上の化合物、並びに場合により少なくとも1つの担体物質、賦形剤及び/又はアジュバントを含む、医薬組成物。
【請求項12】
請求項1~10のいずれか1項に記載の少なくとも1つの化合物、及びさらなる活性成分として少なくとも1つの抗生物質を含む、組み合わせ調製物。
【請求項13】
薬剤として使用するための、請求項1~10のいずれか1項に記載の化合物、請求項11に記載の医薬組成物、又は請求項12に記載の組み合わせ調製物。
【請求項14】
嚢胞性線維症(CF)、非嚢胞性線維症気管支拡張症(NCFB)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)及び原発性線毛運動不全症を含む呼吸器状態の予防又は治療に使用するための、請求項1~10のいずれか1項に記載の化合物、請求項11に記載の医薬組成物、又は請求項12に記載の組み合わせ調製物。
【請求項15】
少なくとも1つの請求項1~10のいずれか1項に記載の化合物を含む、医療機器のためのコーティング。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PqsR(MvfRとも呼ばれることがある、シュードモナス・キノロンシグナル(Pseudomonas Quinolone Signal, PQS)の現在唯一知られている受容体)のインバースアゴニストとして作用する、一般式(I)による化合物;1つ以上の本発明の化合物を含有する医薬組成物;本発明の少なくとも1つの化合物及び少なくとも1つのさらなる活性医薬成分を含有する組み合わせ調製物;並びに、薬剤としての使用、例えば細菌感染症、特に緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)又はバークホルデリア(Burkholderia)感染症の治療又は予防における使用を含む、該化合物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
耐性の出現による抗生物質の有効性の急速な低下を考慮して、感染症の効果的な治療のために新しい化合物を絶えず供給する必要がある。抗菌剤耐性の発生は、主に、細菌における必須の代謝プロセスを妨げる抗生物質の過剰使用に起因する。さらに、バイオフィルム中で生きている細菌、すなわち、低下した代謝活性及び成長速度を示す細胞外ポリマー物質のマトリックス中に埋め込まれた付着性細胞集団は、自由生活細菌よりも抗生物質に対して最大1000倍高い耐性を示す。したがって、それらの代謝活性の代わりに細菌病毒性及びバイオフィルム形成を妨げることによって細菌病原性を減少させることを目的とする新規な療法的アプローチは、非常に有利であると考えられ、緊急に必要とされている。
【0003】
日和見病原体緑膿菌は、尿路、消化管、慢性及び熱創傷、眼、耳、並びに肺の感染症などの重度かつ致死的な感染症を引き起こす。その病原性は、薬物療法の成功を妨げる進行性の組織損傷及びバイオフィルム形成を引き起こす病毒性因子の発現に強く関連している。病原性の調節は、クオラムセンシング(QS)として公知の細胞密度依存性細胞間コミュニケーション系に基づく。
【0004】
緑膿菌は、las及びrhl QS系については-アシル--ホモセリンラクトン類(AHLs)を、pqs QS系については2-アルキル-4-(1H)-キノロン類(AQs)をシグナル分子として使用する。後者は、pqs QS阻害剤による選択的療法を可能にするシュードモナス及びバークホルデリア種に限定される。シュードモナス及びバークホルデリアは両方とも2-ヘプチル-4-ヒドロキシキノリン(HHQ)を産生するが、シュードモナスはシグナル分子としてシュードモナス・キノロンシグナル(PQS)を独自に使用する。PQS及びその生合成前駆体HHQは、重要なDNA結合受容体PqsRの天然リガンド及びアゴニストとして機能する。この転写調節因子は、特に、HHQの生合成及び病毒性因子、例えば、ピオシアニン及びレクチンの産生に関与する遺伝子の大きなセットを微調整する。バイオフィルムに関して、両方とも主要なバイオフィルムマトリックス成分である細胞外DNA(eDNA)及びレクチンの産生は、pqs QS系によって制御される。緑膿菌のpqsR変異体はpqs QS欠損であり、ピオシアニン又はレクチンAを産生せず、eDNA産生の減少を示し、マウスにおける病原性の減少を示す。
【0005】
現在までに、緑膿菌においてQSを標的とするいくつかの化合物が発見されている。これらの化合物の大部分は、受容体LasR[非特許文献1,2]又はRhlR[非特許文献3]との直接相互作用を介して、転写後レベルで[非特許文献4~6]、又は優れた調節系で[非特許文献7]、シュードモナスのAHLベースのQS系に干渉することが報告されている。しかし、臨床試験で肺機能の有意な改善を示さなかったアリウム・サティバム(Allium sativum)(ニンニク)からの抽出物を除いて、これらのQS阻害剤は前臨床研究でのみ使用されてきた。AHL媒介性QSはグラム陰性菌の間で広く普及しているが、pqs QSによる干渉は、宿主に存在する有益な細菌叢に対する有害作用を回避する選択的療法を可能にする。シグナル分子生合成の遮断薬として作用する[非特許文献8~16]、又は受容体PqsRのアンタゴニストとして作用する[非特許文献17~21]いくつかのpqs QS阻害剤が記載されている。アントラニル酸構造に基づくQS阻害剤であるアントラニル酸メチルは、ミリモル濃度でPQS形成及び病毒性因子エラスターゼの産生を阻害することが示された[非特許文献12]。酵素PqsAを標的とするQS阻害剤は、シグナル分子HHQ及びPQSの産生を減少させることができ(IC50:6FABAについて約100μM)[非特許文献14、16、22]、熱傷マウスモデルにおいてシュードモナス感染マウスの生存率を高めることができた[非特許文献14]。しかしながら、インセルロ(in cellulo)又はインビボ(in vivo)効果を得るためには高濃度が必要であった。酵素PqsDの阻害剤は、緑膿菌バイオフィルムのバイオボリュームを減少させることができたが[非特許文献15]、抗病毒性特性を示さなかった(病毒性因子ピオシアニンに対する効果なし、シュードモナス感染ハチノスツヅリガ(Galleria mellonella)幼虫の生存に対する効果なし、未公開データ)。Zender[非特許文献18]及びKlein[非特許文献17]は、病毒性因子ピオシアニンの産生に影響を及ぼすが、中程度の効力(二桁マイクロモル濃度範囲のIC50値)を有するPqsRアンタゴニストを報告した。さらに、これらの化合物はバイオフィルム形成を阻害しなかった(未公開データ)。Paul Williamsのグループで開発されたキナゾリンベースのPqsRアンタゴニスト[非特許文献21]は、抗病毒性活性を示すことが報告された。しかしながら、最も有望な化合物は、ピオシアニン産生の減少において中程度にしか活性がなかった(IC50 PQS及びピオシアニンを産生する緑膿菌株が少ない場合、約50μM)。この化合物による緑膿菌バイオフィルムのバイオマスの減少が観察されたが、濃度は不明であった。PqsRの別の強力なアンタゴニストは、2-ヘプチル-6-ニトロ-4-オキソ-1,4-ジヒドロキノリン-3-カルボキサミドであり、Anke Steinbach及びRolf W.Hartmannのグループで開発された[非特許文献20]。2-ヘプチル-6-ニトロ-4-オキソ-1,4-ジヒドロキノリン-3-カルボキサミドは、PqsRに対して親和性が高く(大腸菌(E. coli)レポーター遺伝子アッセイではIC50=35nM、緑膿菌レポーター遺伝子アッセイではIC50=400nM)、シグナル分子産生を強力に減少させ(15μMでHHQ産生を54%、PQSを37%減少させる)、インセルロ(病毒性因子ピオシアニン産生の阻害:IC50=2μM)及びインビボ動物感染モデルにおいて優れた抗病毒性効力を示す。さらなる報告されたPqsR標的化化合物は、Laurence Rahmeの作業グループによって(DOI:10.1371/journal.ppat.1004321、国際公開第2012116010号パンフレット)、及びSpero Therapeuticsによる後続の特許(国際公開第2014176258号パンフレット、国際公開第2016040764号パンフレット、国際公開第2016007837号パンフレット、国際公開第2016112088号パンフレット)によって記載されている。これらの化合物クラスは、ナノモル範囲のピオシアニン及びアルキルキノロン産生に対する活性を示す。一般にM64及びSPR-00305(国際公開第2016112088号パンフレットでは205)と呼ばれる化合物は、薬物動態学的欠点(例えば、低い代謝安定性)を有する。
【0006】
全体として、これまでに知られている化合物は、低い代謝安定性、低いバイオアベイラビリティ/溶解性、低い選択性及び毒性を含む、薬物としてのそれらの有用性を妨げるいくつかの欠陥を示す。
【0007】
先行技術の化合物の欠陥並びに急性及び慢性の両方の抗生物質耐性微生物に関連する重度の状態を考慮して、新規な抗病原性化合物が必要とされており、「古典的」抗生物質とは異なる作用機序を使用する新規な抗病原性化合物が必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開第2012/116010号パンフレット
【特許文献2】国際公開第2014/176258号パンフレット
【特許文献3】国際公開第2016/040764号パンフレット
【特許文献4】国際公開第2016/007837号パンフレット
【特許文献5】国際公開第2016/112088号パンフレット
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Frei R, Breitbach AS, Blackwell HE (2012) Angew Chem Int Ed Engl 51:5226-5229
【非特許文献2】Yang L, Rybtke MT, Jakobsen TH, Hentzer M, Bjarnsholt T, Givskov M, Tolker-Nielsen T (2009) Antimicrob Agents Chemother 53:2432-2443
【非特許文献3】O'Loughlin CT, Miller LC, Siryaporn A, Drescher K, Semmelhack MF, Bassler BL (2013) Proc Natl Acad Sci U S A 110:17981-17986
【非特許文献4】Hentzer M, Wu H, Andersen JB, Riedel K, Rasmussen TB, Bagge N, Kumar N, Schembri MA, Song Z, Kristoffersen P, Manefield M, Costerton JW, Molin S, Eberl L, Steinberg P, Kjelleberg S, Hoiby N, Givskov M (2003) EMBO J 22:3803-3815
【非特許文献5】Hentzer M, Riedel K, Rasmussen TB, Heydorn A, Andersen JB, Parsek MR, Rice SA, Eberl L, Molin S, Hoiby N, Kjelleberg S, Givskov M (2002) Microbiology 148:87-102
【非特許文献6】Rasmussen TB, Skindersoe ME, Bjarnsholt T, Phipps RK, Christensen KB, Jensen PO, Andersen JB, Koch B, Larsen TO, Hentzer M, Eberl L, Hoiby N, Givskov M (2005) Microbiology 151:1325-1340
【非特許文献7】Jakobsen TH, van GM, Phipps RK, Shanmugham MS, Christensen LD, Alhede M, Skindersoe ME, Rasmussen TB, Friedrich K, Uthe F, Jensen PO, Moser C, Nielsen KF, Eberl L, Larsen TO, Tanner D, Hoiby N, Bjarnsholt T, Givskov M (2012) Antimicrob Agents Chemother 56:2314-2325
【非特許文献8】Hinsberger S, de Jong JC, Groh M, Haupenthal J, Hartmann RW (2014) Eur J Med Chem 76C:343-351
【非特許文献9】Storz MP, Brengel C, Weidel E, Hoffmann M, Hollemeyer K, Steinbach A, Muller R, Empting M, Hartmann RW (2013) ACS Chem Biol 8:2794-2801
【非特許文献10】Sahner JH, Brengel C, Storz MP, Groh M, Plaza A, Muller R, Hartmann RW (2013) J Med Chem 56:8656-8664
【非特許文献11】Weidel E, de Jong JC, Brengel C, Storz MP, Braunshausen A, Negri M, Plaza A, Steinbach A, Muller R, Hartmann RW (2013) J Med Chem 56:6146-6155
【非特許文献12】Calfee MW, Coleman JP, Pesci EC (2001) Proc Natl Acad Sci U S A 98:11633-11637
【非特許文献13】Pistorius D, Ullrich A, Lucas S, Hartmann RW, Kazmaier U, Muller R (2011) Chembiochem 12:850-853
【非特許文献14】Lesic B, Lepine F, Deziel E, Zhang J, Zhang Q, Padfield K, Castonguay MH, Milot S, Stachel S, Tzika AA, Tompkins RG, Rahme LG (2007) PLoS Pathog 3:1229-1239
【非特許文献15】Storz MP, Maurer CK, Zimmer C, Wagner N, Brengel C, de Jong JC, Lucas S, Musken M, Haussler S, Steinbach A, Hartmann RW (2012) J Am Chem Soc 134:16143-16146
【非特許文献16】Coleman JP, Hudson LL, McKnight SL, Farrow JM, III, Calfee MW, Lindsey CA, Pesci EC (2008) J Bacteriol 190:1247-1255
【非特許文献17】Klein T, Henn C, de Jong JC, Zimmer C, Kirsch B, Maurer CK, Pistorius D, Muller R, Steinbach A, Hartmann RW (2012) ACS Chem Biol 7:1496-1501
【非特許文献18】Zender M, Klein T, Henn C, Kirsch B, Maurer CK, Kail D, Ritter C, Dolezal O, Steinbach A, Hartmann RW (2013) J Med Chem 56:6761-6774
【非特許文献19】Lu C, Kirsch B, Zimmer C, de Jong JC, Henn C, Maurer CK, Musken M, Haussler S, Steinbach A, Hartmann RW (2012) Chem Biol 19:381-390
【非特許文献20】Lu C, Maurer CK, Kirsch B, Steinbach A, Hartmann RW (2014) Angew Chem Int Ed Engl 53:1109-1112
【非特許文献21】Ilangovan A, Fletcher M, Rampioni G, Pustelny C, Rumbaugh K, Heeb S, Camara M, Truman A, Chhabra SR, Emsley J, Williams P (2013) PLoS Pathog 9:e1003508
【非特許文献22】Maurer CK, Steinbach A, Hartmann RW (2013) J Pharm Biomed Anal 86C:127-134
【非特許文献23】Zhang Y, Miller RM (1992) Appl Environ Microbiol 58:3276-3282
【発明の概要】
【0010】
本発明は、先行技術及び上記の必要性に鑑みてなされたものであり、したがって、本発明の目的は、抗病毒性及び抗バイオフィルム活性の両方を示す一般式(I)による新規なPqsRインバースアゴニストを提供することである。PqsRに対するそれらのインバースアゴニスト活性のために、本発明の化合物は、細菌感染症、特に緑膿菌又はバークホルデリアによって引き起こされる感染症の効果的な予防又は治療を可能にする。本発明のPqsRインバースアゴニストは、好ましくは、1つ以上の改善された特性、例えばバイオフィルム阻害(バイオボリューム減少及び/又はeDNA抑制)、高い抗病毒性活性、改善された薬物動態学的及び/又は生理化学的特性(バイオアベイラビリティ、溶解性、及び代謝安定性を含む)を有する。本発明の他の目的は、本明細書に記載の少なくとも1つのPqsRインバースアゴニストを含む医薬組成物;少なくとも1つの本発明の化合物及び少なくとも1つのさらなる活性医薬成分を含有する組み合わせ調製物;並びに、薬剤としての使用、例えば細菌感染症、特に緑膿菌又はバークホルデリア感染症の治療又は予防における使用を含む、本発明の化合物の使用を提供することである。
【0011】
これらの目的は、以下の説明及び定義を参照すると明らかになるように、添付の特許請求の範囲の主題によって解決される。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、
【0013】
[1]一般式(I)を有する化合物:
【0014】
【化1】
【0015】
又はその薬学的に許容される塩に関する。
【0016】
(一般式(I)中、
【0017】
Aは、(C~C)アルキル基、CN、ハロゲン原子及びOHから選択される1個以上の同一の又は異なる基で場合により置換されていてもよい、少なくとも1個の窒素原子を含む5又は6員複素芳香族基を示し;
は、CH又はNを示し;
は、CF、Cl又はCNを示し;
Lは、一般式(L-1)又は(L-2)で表される基であり、
【0018】
【化2】
【0019】
一般式(L-1)中、
環Bは、
【0020】
【化3】
【0021】
であるか、又は一般式(B-1)で表される6員複素環であり、
【0022】
【化4】
【0023】
一般式(B-1)中、
、M、M及びMはそれぞれ、互いに独立して、CH又はNを示し、M、M、M及びMのうちの少なくとも1つがNであり;
【0024】
Uは、N又はC(R)を示し;
は、水素原子、ハロゲン原子、NRU1U2、OH、CN、CF、CH-OH、OCH又はOCFを示し;
U1及びRU2はそれぞれ、互いに独立して、水素原子;又は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヘテロアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アルキルシクロアルキル基、ヘテロアルキルシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基若しくはヘテロアラルキル基を示し、これらの基はすべて、ハロゲン原子、OH、=O及びNHから選択される1個以上の同一の又は異なる基で場合により置換されていてもよく;
【0025】
【化5】
【0026】
一般式(L-2)中、
は、NH又はSであり;
は、N、NH、O又はSであり;
は、水素原子、F、Cl、OH、CN、(C~C)アルキル、CF、CH-OH、OCH又はOCFを示し;
それぞれの「-----」は、互いに独立して、単結合又は二重結合を示し、一般式(L-2)の環における少なくとも1つの「---」は、二重結合であり;
【0027】
Tは、R又は基:-Z-R’であり、ここで、
Rは、水素原子、ハロゲン原子、CN、CF、CH-OH;NRT1T2;又は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヘテロアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アルキルシクロアルキル基、ヘテロアルキルシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基若しくはヘテロアラルキル基を示し、これらの基はすべて場合により置換されていてもよく;
T1及びRT2はそれぞれ、互いに独立して、水素原子又は(C~C)アルキル基を示し、これは、ハロゲン原子、OH、=O及びNHから選択される1個以上の同一の又は異なる基で置換されていてもよく;
Zは、-NH-、-O-又は-S-であり;
R’は、水素原子;又は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヘテロアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アルキルシクロアルキル基、ヘテロアルキルシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基若しくはヘテロアラルキル基であり、これらの基はすべて場合により置換されていてもよい。)
【0028】
化合物は、通常、標準的な命名法又は以下に提示される定義を使用して本明細書に記載される。不斉中心を有する化合物については、特に明記しない限り、すべての光学異性体及びそれらの混合物が包含されることを理解されたい。2つ以上の不斉要素を有する化合物は、ジアステレオマーの混合物として存在することもできる。さらに、炭素-炭素二重結合を有する化合物は、Z-及びE-形態で存在してもよく、特に明記しない限り、化合物のすべての異性体形態が本発明に含まれる。化合物が様々な互変異性形態で存在する場合、列挙された化合物はいずれか1つの特定の互変異性体に限定されず、むしろすべての互変異性形態を包含することが意図される。本発明の化合物は、水和物、溶媒和物又は非共有結合複合体として存在してもよいが、存在しなくてもよいことは明らかであろう。さらに、様々な結晶形態及び多形は、本発明の化合物のプロドラッグと同様に、本発明の範囲内である。列挙された化合物は、1個以上の原子が同位体、すなわち同じ原子番号を有するが異なる質量数を有する原子で置き換えられた化合物を包含することがさらに意図される。一般的な例として、限定されないが、水素の同位体にはトリチウム及び重水素が含まれ、炭素の同位体には11C、13C、及び14Cが含まれる。
【0029】
1つ以上の立体中心を有する、本明細書に提供される式による化合物は、少なくとも50%の鏡像体過剰率を有する。例えば、そのような化合物は、少なくとも60%、70%、80%、85%、90%、95%、又は98%の鏡像体過剰率を有し得る。化合物のいくつかの実施形態は、少なくとも99%の鏡像体過剰率を有する。単一のエナンチオマー(光学活性形態)は、不斉合成、光学的に純粋な前駆体からの合成、又はラセミ体の分割によって得ることができることは明らかであろう。ラセミ体の分割は、例えば、分割剤の存在下での結晶化、又は例えばキラルHPLCカラムを使用するクロマトグラフィーなどの従来の方法によって達成することができる。
【0030】
本発明による化合物は、例えばA、L、T、M~M、R、R’、R、R、RU1~RU2、RT1~RT2、U、X、Y~Y及びZなどの変数を含む一般式を使用して本明細書に記載される。特に明記しない限り、そのような一般式内の各変数は他の任意の変数とは無関係に定義され、一般式内で2回以上生じる任意の変数は各出現時に独立に定義される。したがって、例えば、ある基が0~2個のRで置換されていることが示されている場合、その基は、非置換であってもよく、又は1個若しくは2個の基Rで置換されていてもよく、各出現時のRは、Rの対応する定義から独立して選択される。また、置換基及び/又は変数の組み合わせは、そのような組み合わせが安定な化合物、すなわち単離、特徴付け及び生物学的活性について試験することができる化合物をもたらす場合にのみ許容される。
【0031】
本明細書で使用される場合、例えば「1~5」などの長さの範囲の限界を定義する文言は、1~5、すなわち1、2、3、4及び5の任意の整数を意味する。言い換えれば、明示的に言及された2つの整数によって定義される任意の範囲は、上記限界を定義する任意の整数及び上記範囲に含まれる任意の整数を含み、開示することを意味する。例えば、「C~C」という用語は、1~3個、すなわち1、2又は3個の炭素原子を指す。「C~C」という用語は、1~6個、すなわち1、2、3、4、5又は6個の炭素原子を指す。さらに、本明細書で使用される場合、接頭辞「(Cx~y)」は、接頭辞と直接関連して示される、全体としての鎖、環、又は鎖と環構造との組み合わせが、最小x個及び最大y個の炭素原子(すなわち、x<yである)からなり得ることを意味し、x及びyは、鎖の長さ(炭素原子の数)及び/又は環のサイズ(炭素環原子の数)の限界を定義する整数を表す。
【0032】
本明細書に開示される化合物の「薬学的に許容される塩」は、過剰な毒性又は発癌性なしに、好ましくは刺激、アレルギー応答、又は他の問題若しくは合併症なしに、ヒト又は動物の組織と接触して使用するのに適していると当技術分野で一般に考えられている酸又は塩基の塩である。そのような薬学的塩には、アミンなどの塩基性残基の無機及び有機酸塩、並びにカルボン酸などの酸性残基のアルカリ又は有機塩が含まれる。
【0033】
適切な薬学的塩としては、限定されないが、塩酸、リン酸、臭化水素酸、リンゴ酸、グリコール酸、フマル酸、硫酸、スルファミン酸、スルファニル酸、ギ酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、エタンジスルホン酸、2-ヒドロキシエチルスルホン酸、硝酸、安息香酸、2-アセトキシ安息香酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、ステアリン酸、サリチル酸、グルタミン酸、アスコルビン酸、パモ酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、プロピオン酸、ヒドロキシマレイン酸、ヨウ化水素酸、フェニル酢酸、酢酸などのアルカン酸、HOOC-(CH-COOH(式中、nは0~4の整数(すなわち、0、1、2、3、又は4)である)などの塩が挙げられる。同様に、薬学的に許容されるカチオンとしては、限定されないが、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アルミニウム、リチウム及びアンモニウムが挙げられる。当業者は、本明細書で提供される化合物のさらなる薬学的に許容される塩を認識するであろう。一般に、薬学的に許容される酸又は塩基塩は、任意の従来の化学的方法によって、塩基性又は酸性部分を含有する親化合物から合成することができる。簡潔には、このような塩は、これらの化合物の遊離酸又は塩基形態を、化学量論量の適切な塩基又は酸と、水中若しくは有機溶媒中、又はこれら2つの混合物中で反応させることによって調製することができる。一般に、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール又はアセトニトリルなどの非水性媒体の使用が好ましい。
【0034】
本明細書で使用される場合、「置換基」は、目的の分子内の原子に共有結合している分子部分を指す。例えば、環上の置換基は、ハロゲン原子、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシ、シアノ若しくはアミノ基などの部分、又は環員である原子、好ましくは炭素若しくは窒素原子に共有結合している本明細書に記載の任意の他の置換基であり得る。
【0035】
本明細書で使用される場合、「置換されている」という用語は、指定された原子又は基(例えば、アルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール)上の任意の1個以上の水素原子が、指定された原子の通常の原子価又は基の置換の可能な部位の数を超えない限り、示された置換基からの選択で置き換えられ、置換により、安定な化合物、すなわち単離、特徴付け及び生物学的活性について試験することができる化合物が得られることを意味する。置換基がオキソ、すなわち=Oである場合、原子上の2個の水素が置き換えられる。芳香族炭素原子の置換基であるオキソ基は、-CH-の-C(=O)-への変換をもたらし、芳香族性の喪失をもたらし得る。例えば、オキソで置換されたピリジル基はピリドンである。一置換、二置換、三置換又は四置換の表示は、置換が置換の可能な部位の数を超えず、安定な化合物をもたらす限り、1つ(モノ)、2つ(ジ)、3つ(トリ)又は4つの置換基を有する基を示す。例えば、一置換イミダゾリル基は(イミダゾリジン-2-オン)イル基であり得、二置換イソオキサゾリル基は((3,5-ジメチル)イソオキサゾリル)基であり得る。
【0036】
本明細書で使用される場合、「含む(comprising)」、「含む(including)」、「含有する(containing)」、「によって特徴付けられる」、及びそれらの文法的等価物は、追加の列挙されていない要素又は方法工程を除外しない包括的又は非限定的な用語である。しかし、「含む(Comprising)」などはまた、それぞれ「本質的にからなる」及び「からなる」というより限定的な用語を含むと解釈されるべきである。
【0037】
本明細書で使用される場合、「からなる(consisting of)」は、特許請求の範囲で指定されていない要素、工程、又は成分を除外する。
【0038】
本明細書で商標名が使用される場合、それは独立して、商標名製品製剤、後発薬、及び商標名製品の活性医薬成分を含むことが意図される。
【0039】
一般に、他に定義されない限り、本明細書で使用される技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有し、一般的な教科書及び辞書と一致する。
【0040】
「場合により置換される」という表現は、1個以上の水素原子、例えば1~6個の水素原子が、それぞれ互いに独立して、フッ素、塩素、臭素若しくはヨウ素原子によって、又はOH基、=O基、SH基、=S基、NH基、=NH基、CN基若しくはNO基によって、置き換えられている基を指す。この表現はさらに、1個以上の水素原子が、それぞれ互いに独立して、非置換C~Cアルキル、(C~C)ハロアルキル(例えば、フルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、(1-若しくは2-)ハロエチル(例えば(1-若しくは2-)クロロエチル)又は(2-若しくは3-)ハロプロピル(例えば(2-若しくは3-)フルオロプロピル)基)、(C~C)ヒドロキシアルキル(例えば、ヒドロキシメチル、(1-若しくは2-)ヒドロキシエチル、又は(2-若しくは3-)ヒドロキシプロピル基)、非置換C~Cアルケニル、非置換C~Cアルキニル、非置換C~Cヘテロアルキル、非置換C~C10シクロアルキル、非置換C~Cヘテロシクロアルキル、非置換C~C10アリール、非置換C~Cヘテロアリール、非置換C~C12アラルキル又は非置換C~C11ヘテロアラルキル基によって置き換えられている基を指す。
【0041】
アルキル又はアルキル基という表現は、1~20個の炭素原子、好ましくは1~12個の炭素原子、より好ましくは1~6個の炭素原子、又は接頭辞に示される炭素原子の数を含む飽和、直鎖又は分岐炭化水素基を示す。アルキルが置換されている場合、置換は、互いに独立して、分子の個々の炭素原子の一置換、二置換又は三置換によって行われてもよく、例えば、1、2、3、4、5、6又は7個の水素原子は、それぞれの機に独立して、示された置換基からの選択によって置き換えられてもよい。アルキル基が基の一部、例えば、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルキルアミノ、アルコキシ又はアルコキシアルキルを形成する場合にも、上記が適用される。アルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、n-ヘキシル、2,2-ジメチルブチル又はn-オクチルが挙げられ、置換アルキル基又はアルキルが基の一部を形成する基の例としては、ハロアルキル、例えば、トリフルオロメチル若しくはジフルオロメチル基;ヒドロキシアルキル、例えば、ヒドロキシメチル若しくは2-ヒドロキシエチル基、並びにメトキシメチル基が挙げられる。「(C1~6)アルキル」という用語は、例えば、HC-、HC-CH-、HC-CH-CH-、HC-CH(CH)-、HC-CH-CH-CH-、HC-CH-CH(CH)-、HC-CH(CH)-CH、HC-C(CH-、HC-CH-CH-CH-CH-、HC-CH-CH-CH(CH)-、HC-CH-CH(CH)-CH-、HC-CH(CH)-CH-CH-、HC-CH-C(CH-、HC-C(CH-CH-、HC-CH(CH)-CH(CH)-、HC-CH-CH(CHCH)-、-CHCHCHCHCHCH3、-CH(CH)CHCHCHCH3、(HCHC)CH(CHCHCH)-、-C(CH(CHCHCH)、-CH(CH)CH(CH)CHCH、及び-CH(CH)CHCH(CHを含む。
【0042】
アルケニルという表現は、1個以上の二重結合及び2~20個の炭素原子、好ましくは2~12個の炭素原子、より好ましくは2~6個の炭素原子を含む少なくとも部分的に不飽和の直鎖又は分岐炭化水素基、例えばエテニル(ビニル)、プロペニル(アリル)、イソプロペニル、ブテニル、イソプレニル又はヘキサ-2-エニル基を指す。好ましくは、アルケニル基は、1個又は2個、特に1個の二重結合を有する。
【0043】
アルキニルという表現は、1個以上の三重結合及び2~20個の炭素原子、好ましくは2~12個の炭素原子、より好ましくは2~6個、例えば2、3又は4個の炭素原子を含む少なくとも部分的に不飽和の直鎖又は分岐炭化水素基、例えばエチニル(アセチレニル)、プロピニル、ブチニル又はプロパルギル基を指す。好ましくは、アルキニル基は、1個又は2個、特に1個の三重結合を有する。
【0044】
アルコキシ又はアルコキシ基という表現は、酸素に単一に結合したアルキル基、すなわち-O-アルキルを指す。「(C~C)アルコキシ」という用語は、例えば、メトキシ、エトキシ、-プロポキシ、イソプロポキシ、-ブトキシ、sec-ブトキシ、イソブトキシ、tert-ブトキシ、-ペンチルオキシ、tert-アミルオキシ-又は-ヘキシルオキシを含み、したがって、(C~C)アルコキシは、メトキシ、エトキシ、-プロポキシ又はイソプロポキシを含む。
【0045】
アルコキシアルキル又はアルコキシアルキル基という表現は、1個以上のアルコキシ基に単一に結合したアルキル基、例えば-アルキル-O-アルキル又は-アルキル-O-アルキル-O-アルキルを指す。「(C~C)アルコキシアルキル」という用語は、例えば、メトキシメチル、メトキシエトキシメチル及び1-エトキシエチルを含む。
【0046】
ハロアルキル又はハロアルキル基という表現は、1、2、3個又はそれ以上の水素原子が互いに独立してハロゲン原子によって置き換えられているアルキル基を指す。「(C~C)ハロアルキル」という用語は、例えば、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチル、ブロモメチル、ジブロモメチル、ヨードメチル、(1-又は2-)ハロエチル(例えば、(1-若しくは2-)フルオロエチル又は(1-若しくは2-)クロロエチル)、(2-又は3-)ハロプロピル(例えば、(2-若しくは3-)フルオロプロピル又は(2-若しくは3-)クロロプロピル)を含む。
【0047】
ヒドロキシアルキル又はヒドロキシアルキル基という表現は、1、2、3個又はそれ以上の水素原子が互いに独立してヒドロキシ(OH)基によって置き換えられているアルキル基を指す。「(C1~C4)ヒドロキシアルキル」という用語は、例えば、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル及びヒドロキシブチルを含む。
【0048】
本明細書で使用される場合、ヘテロアルキル又はヘテロアルキル基という表現は、1個以上の、好ましくは1、2、3又は4個の炭素原子が、それぞれ互いに独立して、酸素、窒素、セレン、ケイ素若しくは硫黄原子、好ましくは酸素原子、硫黄原子又は窒素原子、C(O)、OC(O)、C(O)O、C(O)NH、NH、SO、SO若しくはCH=CH基によって置き換えられている、上で定義した直鎖又は分岐のアルキル基を指し、上記ヘテロアルキル基は置換されていてもよい。例えば、「(C~C)ヘテロアルキル基」は、1~4個、例えば1、2、3又は4個の炭素原子と、1、2、3又は4個、好ましくは1、2又は3個の、酸素、窒素及び硫黄(特に酸素及び窒素)から選択されるヘテロ原子とを含む。ヘテロアルキル基の例としては、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アシル、アシルアルキル、アルコキシカルボニル、アシルオキシ、アシルオキシアルキル、カルボキシアルキルアミド、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルカルバモイル、アルキルアミド、アルキルカルバモイルアルキル、アルキルアミドアルキル、アルキルカルバモイルオキシアルキル、アルキルウレイドアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル又はアルキルチオ基が挙げられる。アルキルチオ又はアルキルチオ基という表現は、1個以上の非隣接CH基が硫黄で置き換えられているアルキル基を指し、アルキルチオ基のアルキル部分は置換されていてもよい。ヘテロアルキル基の例は、一般式:R-O-Y-、R-S-Y-、R-SO-Y-、R-SO-Y-、R-N(R)-Y-、R-CO-Y-、R-O-CO-Y-、R-CO-O-Y-、R-CO-N(R)-Y-、R-N(R)-CO-Y-、R-O-CO-N(R)-Y-、R-N(R)-CO-O-Y-、R-N(R)-CO-N(R)-Y-、R-O-CO-O-Y-、R-N(R)-C(=NR)-N(R)-Y-、R-CS-Y-、R-O-CS-Y-、R-CS-O-Y-、R-CS-N(R)-Y-、R-N(R)-CS-Y-、R-O-CS-N(R)-Y-、R-N(R)-CS-O-Y-、R-N(R)-CS-N(R)-Y-、R-O-CS-O-Y-、R-S-CO-Y-、R-CO-S-Y-、R-S-CO-N(R)-Y-、R-N(R)-CO-S-Y-、R-S-CO-O-Y-、R-O-CO-S-Y-、R-S-CO-S-Y-、R-S-CS-Y-、R-CS-S-Y-、R-S-CS-N(R)-Y-、R-N(R)-CS-S-Y-、R-S-CS-O-Y-、R-O-CS-S-Y-であり、式中、Rは水素原子、C~Cアルキル、C~Cアルケニル又はC~Cアルキニル基であり;Rは、水素原子、C~Cアルキル、C~Cアルケニル又はC~Cアルキニル基であり;Rは、水素原子、C~Cアルキル、C~Cアルケニル又はC~Cアルキニル基であり;Rは、水素原子、C~Cアルキル、C~Cアルケニル又はC~Cアルキニル基であり、Yは、直接結合、C~Cアルキレン、C~Cアルケニレン又はC~Cアルキニレン基であり、各ヘテロアルキル基は、少なくとも1個の炭素原子を含み、場合により、1個以上の水素原子は、フッ素又は塩素原子で置き換えられていてもよい。ヘテロアルキル基の具体例としては、アシル、メトキシ、トリフルオロメトキシ、エトキシ、n-プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、tert-ブチルオキシ、メトキシメチル、エトキシメチル、メトキシエチル、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、イソプロピルエチルアミノ、メチルアミノメチル、エチルアミノメチル、ジイソプロピルアミノエチル、ジメチルアミノメチル、ジメチルアミノエチル、アセチル、プロピオニル、ブチリルオキシ、アセチルオキシ、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、イソブチリルアミノ-メチル、-エチル--メチルカルバモイル、-メチルカルバモイル、シアノ、ニトリル、イソニトリル、チオシアネート、イソシアネート、イソチオシアネート及びアルキルニトリルが挙げられる。
【0049】
シクロアルキル又はシクロアルキル基という表現は、1個以上の環(好ましくは1個又は2個)を含み、3~14個の環炭素原子、好ましくは3~10個(より好ましくは3、4、5、6又は7個)の環炭素原子を含む飽和炭素環基を指し、シクロアルキル基は置換されていてもよく、環系のあらゆる適切な位置を介して置換基として結合することができる。シクロアルキルの例としては、単環式炭化水素環、二環式炭化水素環及びスピロ炭化水素環が挙げられる。二環式シクロアルキル基では、2個の環は、それらが共通して少なくとも2個の炭素原子を有するように互いに結合される。スピロ炭化水素環では、2個又は3個の環が1個の共通の原子炭素原子(スピロ原子)によって互いに連結されている。シクロアルキルが置換されている場合、置換は、互いに独立して、分子の個々の環炭素原子の一置換又は二置換によって行われてもよく、シクロアルキル基は全体として、示された置換基の選択から1、2、3又は4個の置換基を有してもよく、すなわち、炭素環原子の1、2、3又は4個の水素原子は、それぞれの機に独立して、示された置換基のリストから選択される置換基によって置き換えられてもよく、それにより、一置換、二置換、三置換又は四置換シクロアルキル基がもたらされる。シクロアルキルの例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、ビシクロ[2.2.0]ヘキシル、ビシクロ[3.2.0]ヘプチル、ビシクロ[3.2.1]オクチル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[4.3.0]ノニル(オクタヒドロインデニル)、ビシクロ[4.4.0]デシル(デカヒドロナフチル)、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル(ノルボルニル)、ビシクロ[4.1.0]ヘプチル(ノルカラニル)、ビシクロ[3.1.1]ヘプチル(ピナニル)、スピロ[2.5]オクチル及びスピロ[3.3]ヘプチルが挙げられる。シクロアルキルが部分的に不飽和である場合、基は、1個、2個又はそれ以上の二重結合、例えば、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロブタジエニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキサジエニル、ビシクロ[2.2.1]ヘプタジエニル及びスピロ[4,5]デセニルを含むシクロアルケニル基を含む。
【0050】
ヘテロシクロアルキル又はヘテロシクロアルキル基という表現は、1個以上の、好ましくは1、2又は3個の環炭素原子が、互いに独立して、酸素、窒素若しくは硫黄原子、好ましくは酸素若しくは窒素によって、又はNO、SO若しくはSOによって置き換えられている、上で定義した飽和又は部分的に不飽和のシクロアルキル基を指し、ヘテロシクロアルキルは置換されていてもよく、環系のあらゆる適切な位置を介して置換基として結合することができ、少なくとも1個の炭素原子が、2個の酸素原子の間及び2個の硫黄原子の間又は酸素原子と硫黄原子の間に存在しなければならず、環全体が化学的安定性を有していなければならない。ヘテロシクロアルキル基は、好ましくは、3個~10個(より好ましくは3、4、5、6又は7個、最も好ましくは5、6又は7個)の環原子を含む1個又は2個の環を有する。ヘテロシクロアルキルの例としては、アジリジニル、オキシラニル、チイラニル、オキサジリジニル、ジオキシラニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ジアゼチジニル、ジオキセタニル、ジチエタニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、チオラニル、アゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、ジオキソラニル、ジチオラニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、トリオキサニル、アゼパニル、オキセパニル、チエパニル、ホモピペラジニル、ウロトロピニル、オキサゾリジノニル、ジヒドロピラゾリル、ジヒドロピロリル、ジヒドロピラジニル、ジヒドロピリジル、ジヒドロピリミジニル、ジヒドロフリル、ジヒドロピラニルが挙げられ、置換ヘテロシクロアルキルの例としては、ラクタム、ラクトン及び環式イミド環系が挙げられる。
【0051】
アルキルシクロアルキルという表現は、上記の定義によるシクロアルキル基、並びに及びアルキル、アルケニル若しくはアルキニル基の両方を含む基、例えばアルキルシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルキルシクロアルケニル、アルケニルシクロアルキル及びアルキニルシクロアルキル基を指す。アルキルシクロアルキル基は、好ましくは、3~10個(好ましくは3、4、5、6又は7個)の炭素原子を有する1個又は2個の環系と、1又は2~6個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル、アルケニル又はアルキニル基とを含むシクロアルキル基を含み、環式基は場合により置換されている。
【0052】
ヘテロアルキルシクロアルキルという表現は、1個以上(好ましくは1、2又は3個)の炭素原子が、それぞれ互いに独立して、酸素、窒素、ケイ素、セレン、リン又は硫黄原子(好ましくは酸素、硫黄又は窒素)によって置き換えられている上で定義したアルキルシクロアルキル基を指す。ヘテロアルキルシクロアルキル基は、好ましくは、3~10個(好ましくは3、4、5、6又は7個)の環原子を有する1個又は2個の環系と、1又は2~6個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル、アルケニル、アルキニル又はヘテロアルキル基とを含む。そのような基の例は、アルキルヘテロシクロアルキル、アルキルヘテロシクロアルケニル、アルケニルヘテロシクロアルキル、アルキニルヘテロシクロアルキル、ヘテロアルキルシクロアルキル、ヘテロアルキルヘテロシクロアルキル及びヘテロアルキルヘテロシクロアルケニルであり、環式基は、場合により置換されていてもよく、飽和又はモノ-、ジ-若しくはトリ-不飽和である。
【0053】
アリール、Ar又はアリール基という表現は、6~14個の環炭素原子(C~C14)、好ましくは6~10個(C~C10)、より好ましくは6個の環炭素原子を含む1個以上の芳香環を含む芳香族基を指し、アリールは置換されていてもよく、環系のあらゆる適切な位置を介して置換基として結合することができる。アリールの例としては、フェニル、ナフチル、ビフェニル、インダニル、インデニル、アントラセニル、フェナントレニル、テトラヒドロナフチル及びフルオレニルが挙げられる。
【0054】
ヘテロアリール又はヘテロアリール基という表現は、5~14個の環原子、好ましくは5~10個(より好ましくは5個又は6個)の環原子を含む1個以上の芳香環を含み、1個以上(好ましくは1、2、3又は4個)の酸素、窒素、リン又は硫黄環原子(好ましくはO、S又はN)を含む芳香族基を指し、ヘテロアリールは置換されていてもよく、環系のあらゆる適切な位置を介して置換基として結合することができる。非置換ヘテロアリール基の例としては、2-ピリジル、2-イミダゾリル、3-フェニルピロリル、チアゾリル、オキサゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、イソオキサゾリル、インダゾリル、インドリル、ベンズイミダゾリル、ピリダジニル、キノリニル、プリニル、カルバゾリル、アクリジニル、ピリミジル、2,3’-ビフリル、3-ピラゾリル及びイソキノリニルが挙げられる。
【0055】
アラルキルという表現は、上記の定義によるアリール基、並びにアルキル、アルケニル、アルキニル及び/若しくはシクロアルキル基の両方を含む基、例えば、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールシクロアルキル、アリールシクロアルケニル、アルキルアリールシクロアルキル及びアルキルアリールシクロアルケニル基を指す。アラルキルの具体例は、トルエン、キシレン、メシチレン、スチレン、塩化ベンジル、o-フルオロトルエン、1H-インデン、テトラリン、ジヒドロナフタレン、インダノン、フェニルシクロペンチル、クメン、シクロヘキシルフェニル、フルオレン及びインダンである。アラルキル基は、好ましくは、6~10個の炭素原子、並びに1又は2~6個の炭素原子を含む1個若しくは2個のアルキル、アルケニル及び/若しくはアルキニル基、並びに/又は5個又は6個の環炭素原子を含むシクロアルキル基を含む1個又は2個の芳香環系(1個又は2個の環)を含む。
【0056】
ヘテロアラルキルという表現は、1個以上(好ましくは1、2、3又は4個)の炭素原子が、それぞれ互いに独立して、酸素、窒素、ケイ素、セレン、リン、ホウ素又は硫黄原子(好ましくは酸素、硫黄又は窒素)によって置き換えられている上で定義したアラルキル基、すなわち、上記の定義によるアリール又はヘテロアリールと、アルキル、アルケニル、アルキニル及び/又はヘテロアルキル及び/又はシクロアルキル及び/又はヘテロシクロアルキル基との両方を含む基を指す。ヘテロアラルキル基は、好ましくは、5又は6~10個の環炭素原子、並びに1又は2~6個の炭素原子を含む1個又は2個のアルキル、アルケニル及び/又はアルキニル基、並びに/あるいは5個又は6個の環炭素原子を含むシクロアルキル基を含む1個又は2個の芳香環系(1個又は2個の環)を含み、これらの炭素原子の1、2、3又は4個は、それぞれ互いに独立して、酸素、硫黄又は窒素原子で置き換えられている。ヘテロアラルキル基の例は、アリールヘテロアルキル、アリールヘテロシクロアルキル、アリールヘテロシクロアルケニル、アリールアルキルヘテロシクロアルキル、アリールアルケニルヘテロシクロアルキル、アリールアルキニルヘテロシクロアルキル、アリールアルキルヘテロシクロアルケニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキニル、ヘテロアリールヘテロアルキル、ヘテロアリールシクロアルキル、ヘテロアリールシクロアルケニル、ヘテロアリールヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールヘテロシクロアルケニル、ヘテロアリールアルキルシクロアルキル、ヘテロアリールアルキルヘテロシクロアルケニル、ヘテロアリールヘテロアルキルシクロアルキル、ヘテロアリールヘテロアルキルシクロアルケニル、ヘテロアルキルヘテロアリールアルキル及びヘテロアリールヘテロアルキルヘテロシクロアルキル基であり、環式基は飽和又はモノ-、ジ-若しくはトリ-不飽和である。具体例は、テトラヒドロイソキノリニル、ベンゾイル、2-若しくは3-エチルインドリル、4-メチルピリジノ、2-、3-若しくは4-メトキシフェニル、4-エトキシフェニル、2-、3-若しくは4-カルボキシフェニルアルキル基である。
【0057】
複素環という表現は、上で定義したヘテロシクロアルキル及びヘテロアリール環系を含む環系を示し、例えば部分的に不飽和の複素環は部分的に不飽和のヘテロシクロアルキルと同義であり、芳香族複素環、例えば6員複素芳香族基はヘテロアリールと同義である。複素環は置換されていてもよく、環系のあらゆる適切な位置を介して置換基として結合することができる。部分的に不飽和の複素環又は芳香族複素環の例としては、オキセテニル、チエテニル、アゼチニル、2,3-ジヒドロフラニル、2,5-ジヒドロフラニル、2,5-ジヒドロチオフェニル、2,5-ジヒドロ-1H-ピロリル、フラニル、チオフェニル、ピロリル、ベンゾ[b]フラニル、ベンゾ[b]チオフェニル、インドリル、ベンゾ[c]ピロリル、ベンゾ[a]ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、1,2,3-トリアゾリル、1,2,4-トリアゾリル、テトラゾリル、ジヒドロピリジニル、オキサジニル、ピリジニル、ジヒドロピラニル、アゼピニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロチオピラニル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、プリニル、及びプテリジニルが挙げられる。
【0058】
本明細書で使用される場合、一般的な環という用語は、特に定義されない限り、本明細書で上に定義した環式基、例えばシクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基及び複素環を含む。
【0059】
本明細書で使用される場合、ハロゲン又はハロゲン原子という表現は、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を意味し、その中でもフッ素及び塩素が通常好ましい。
【0060】
本明細書で使用される場合、ヘテロ原子という表現は、特に明記しない限り、好ましくは酸素、窒素又は硫黄原子、より好ましくは窒素又は酸素原子を示す。
【0061】
「アルキレン」(又はアルカンジイル官能基)という表現は、示された数の炭素原子を(メチレン(CH)基の形態で)含み、末端メチレン基に遊離原子価を有する非置換の飽和直鎖炭化水素基、例えばブチレン-(CH-、n-ペンチレン-(CH-、n-ヘキシレン-(CH-、又はn-オクチレン-(CH-基を指す。
【0062】
「アルケニレン」という表現は、1個以上の二重結合を含む、上で定義した少なくとも部分的に不飽和のアルカンジイル官能基(すなわち、アルカンジイル官能基のメチレン基は、-CH=CH-で中断され、及び/又は-CH-CH=で終端される)を指す。
【0063】
「アルキニレン」という表現は、1個以上の三重結合を含む、上で定義した少なくとも部分的に不飽和のアルカンジイル官能基(すなわち、アルカンジイル官能基のメチレン基は、-CH≡CH-で中断され、及び/又は-CH-C≡で終端される)を指す。
【0064】
本明細書で使用される場合、「PqsRインバースアゴニスト」という用語は、本明細書で提供される一般式(I)の化合物、並びにその塩及び好ましくは薬学的に許容される塩を指す。そのような化合物が示されるようにさらに置換され得ることは明らかであろう。
【0065】
本発明による化合物の活性及びより具体的には生物活性は、当業者に公知の適切なアッセイ、例えばインビトロ又はインビボアッセイを使用して評価することができる。例えば、PqsRインバースアゴニスト活性は、大腸菌に基づくβ-ガラクトシダーゼレポーター遺伝子アッセイによって決定され得るか、又は当技術分野で公知の(例えば、引用された参考文献又はPCT/EP2019/067899を参照されたい)及び/又は以下の実施例で提供されるPQSアッセイ、ピオシアニン病毒性アッセイ及びバイオフィルムアッセイで評価され得る。
【0066】
好ましくは、本発明は、以下の1つ以上に関する。
【0067】
[2]XがCHである、上記[1]に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩;
【0068】
[3]XがNである、[1]に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩;
【0069】
[4]Aが、(C~C)アルキル基、CN、ハロゲン原子及びOHから選択される基で場合により置換されていてもよい、少なくとも1つの窒素原子を含む5員複素芳香族基を示す、[1]~[3]のいずれか1つに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩;
【0070】
[5]Aが以下の基から選択される基である、[4]に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩:
【0071】
【化6】
【0072】
[6]Aが、(C~C)アルキル基、CN、ハロゲン原子及びOHから選択される基で場合により置換されていてもよい、少なくとも1つの窒素原子を含む6員複素芳香族基である、[1]~[3]のいずれか1つに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩;
【0073】
[7]Aが以下の基から選択される基である、[6]に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩:
【0074】
【化7】
【0075】
[8]RがCFを示す、[1]~[7]のいずれか1つに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩;
【0076】
[9]Lが一般式(L-1)の基である、[1]~[8]のいずれか1つに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩;
【0077】
[10]環Bが以下の基である、[9]に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩:
【0078】
【化8】
【0079】
[11]環Bが、以下の基から選択される、一般式(B-1)で表される6員複素環である、[9]に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩:
【0080】
【化9】
【0081】
[12]Rが、水素原子、Cl、F、CN、又は以下の基から選択される基を示す、[1]~[11]のいずれか1つに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩:
【0082】
【化10】
【0083】
[13]一般式(L-1)で表される基が、部分構造として、以下の基の1つを含む、[9]、[10]又は[12]に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩:
【0084】
【化11】
【0085】
[14]一般式(L-1)で表される基が、部分構造として、以下の基の1つを含む、[9]、[11]又は[12]に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩:
【0086】
【化12】
【0087】
[15]Lが一般式(L-2)の基である、[1]~[8]のいずれか1つに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩;
【0088】
[16]YがNHである、[15]に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩;
【0089】
[17]YがSである、[15]に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩;
【0090】
[18]一般式(L-2)で表される基が、以下から選択される基である、[15]~[17]のいずれか1つに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩:
【0091】
【化13】
【0092】
[19]Yが、水素原子、F又はCHを示す、[15]~[18]のいずれか1つに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩;
【0093】
[20]Tが、水素原子、Cl、F、又は以下の基から選択される基である、[1]~[19]のいずれか1つに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩:
【0094】
【化14】
【0095】
[21]ZがNH又はOである、[20]に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩;
【0096】
[22]ZがNHである、[21]に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩;
【0097】
[23]ZがOである、[21]に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩;
【0098】
[24]化合物が、以下からなる群から選択される、[1]~[23]のいずれか1つに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩:
【0099】
【化15】
【0100】
【化16】
【0101】
【化17】
【0102】
【化18】
【0103】
一般式(I)の化合物又はその塩の好ましい実施形態、すなわち[2]~[23]又は[24]の適切な組み合わせを含む化合物、例えば、本明細書に開示されているように、[1]、[5]、[13]及び[20];[1]、[5]、[14]及び[20]又は[1]、[5]、[18]及び[20]の組み合わせを含む化合物又はその塩が特に好ましい。言い換えれば、本発明は、安定な化合物をもたらす上に示した[1]~[23]のすべての可能な組み合わせを特に包含する。
【0104】
一般式(I)の化合物は、通常の化学反応及び合成方法を用いた有機合成の当業者に周知のいくつかの方式での化学合成によって得ることができる。例えば、本発明による化合物の中間体は、PCT/EP2019/067899に記載されているように調製することができ、次いで、その中間体を、以下の実施例で提供される一般式(I)の化合物を調製するための材料及び反応条件に基づいて特許請求される化合物に変換することができる。
【0105】
一般式(I)の化合物、その薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは水和物、並びにそれらを含有する製剤及び医薬組成物の療法的使用も本発明の範囲内である。したがって、本発明は、薬剤として使用するための本発明の化合物又は医薬組成物に関する。本発明はまた、医薬の調製又は製造における活性成分としての一般式(I)の化合物の使用に関する。
【0106】
本発明による医薬組成物は、少なくとも1つの一般式(I)の化合物、並びに場合により1つ以上の担体物質、賦形剤及び/又はアジュバントを含む。医薬組成物は、例えば、水、緩衝液(例えば、中性緩衝食塩水又はリン酸緩衝食塩水)、エタノール、鉱油、植物油、ジメチルスルホキシド、炭水化物(例えば、グルコース、マンノース、スクロース又はデキストラン)、マンニトール、タンパク質、アジュバント、ポリペプチド又はアミノ酸、例えばグリシン、酸化防止剤、キレート剤、例えばEDTA若しくはグルタチオン、及び/又は防腐剤の1つ以上をさらに含み得る。さらに、1つ以上の他の活性成分が、本明細書で提供される医薬組成物に含まれてもよい(が、必須ではない)。例えば、本発明の化合物は、別の抗生物質若しくは抗真菌剤、抗ウイルス剤、抗ヒスタミン剤、非ステロイド性抗炎症薬、疾患修飾性抗リウマチ薬、別の細胞分裂阻害剤、平滑筋活性調節活性を有する薬物又は前述のものの混合物と組み合わせて有利に使用され得る。
【0107】
医薬組成物は、例えば、経皮又は眼、経口、頬側、経鼻、膣、直腸又は非経口投与などの局所投与を含む任意の適切な投与経路のために製剤化され得る。本明細書で使用される場合、非経口という用語は、皮下、皮内、血管内、例えば静脈内、筋肉内、脊髄、頭蓋内、髄腔内、眼内、眼周囲、眼窩内、滑液包内及び腹腔内注射、並びに任意の同様の注射又は注入技術を含む。本発明において、本明細書で提供される組成物は、凍結乾燥物として製剤化され得る。局所投与のための製剤は、例えば、熱傷又はかゆみなどの皮膚状態の治療などの特定の状態に好ましい場合がある。
【0108】
担体物質は、例えば、ヒドロキシプロピルβ-シクロデキストリンなどのシクロデキストリン、ミセル、リポソーム、固体脂質ナノ粒子などのナノ粒子、賦形剤及び/又はアジュバントである。慣用的な賦形剤としては、例えば、不活性希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウム又はリン酸ナトリウム、造粒剤及び崩壊剤、例えば、コーンスターチ又はアルギン酸、結合剤、例えば、デンプン、ゼラチン又はアカシア、並びに潤滑剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム又はステアリン酸が挙げられる。アジュバントの例は、水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム、リン酸カルシウムヒドロキシド(calcium phosphate hydroxide)、パラフィン油、スクアレン、チメロサール、洗剤、フロイント完全アジュバント、又はフロイント不完全アジュバントである。
【0109】
細菌感染症、特に緑膿菌又はバークホルデリア感染症の予防及び/又は治療のために、本発明による生物学的に活性な化合物の用量は、広い範囲内で変化し得、個々の要件に調整され得る。本発明による活性化合物は、一般に、療法有効量で投与される。「療法有効量」という表現は、それ自体がそれぞれの状態又は疾患を改善、治癒、又は平癒するのに役立つ結果をもたらす化合物の量を表す。好ましい用量は、約0.1mg~約140mg/キログラム体重/日(約0.5mg~約7g/患者/日)の範囲である。1日用量は、単回用量として、又は複数回用量で投与され得る。単一剤形を生成するために担体材料と組み合わせることができる活性成分の量は、治療される宿主及び特定の投与様式に応じて変化する。単位剤形は、一般に、約1mg~約500mgの活性成分を含有する。
【0110】
しかしながら、任意の特定の患者に対する特定の用量レベルは、使用される特定の化合物の活性、年齢、体重、全身の健康状態、性別、食事、投与時間、投与経路、及び排泄速度、薬物の組み合わせ(すなわち、患者を治療するために使用されている他の薬物)、並びに療法を受けている特定の疾患の重症度を含む様々な因子に依存することが理解されよう。
【0111】
本発明はさらに、本発明による少なくとも1つの化合物及び少なくとも1つのさらなる活性医薬成分を含有する組み合わせ調製物に関する。薬剤として使用するための、特に、緑膿菌又はバークホルデリア感染症などの細菌感染症の治療又は予防に使用するための本発明の組み合わせ調製物。
【0112】
好ましくは、本発明の組み合わせ調製物において、さらなる活性医薬成分は、古典的な抗生物質及び抗病毒性化合物、例えばクオラムセンシング及び接着阻害剤を含む別の抗生物質である。他の抗生物質は、(a)ペナム、カルバペナム、オキサペナム、ペネム、カルバペネム、モノバクタム、セフェム、カルバセフェム、オキサセフェム、及びモノバクタムを含むβ-ラクタム系抗生物質;(b)アミカシン、アルベカシン、アストロマイシン、ベカナマイシン、ジベカシン、フラミセチン、ゲンタマイシン、ハイグロマイシンB、イセパマイシン、カナマイシン、ネオマイシン、ネチルマイシン、パロモマイシン、硫酸パロモマイシン、リボスタマイシン、シソマイシン、スペクチノマイシン、ストレプトマイシン、トブラマイシン、及びベルダマイシンを含むアミノグリコシド系抗生物質;(c)シプロフロキサシン、エノキサシン、ガチフロキサシン、グレパフロキサシン、レボフロキサシン、ロメフロキサシン、モキシフロキサシン、ナリジクス酸、ノルフロキサシン、オフロキサシン、スパルフロキサシン、テマフロキサシン及びトロバフロキサシンを含むキノロン系抗生物質;並びに(d)ポリミキシン(例えば、コリスチン)、LL-37及びPOL7080を含むカチオン性ペプチド抗生物質からなる群から選択することができる。
【0113】
本発明の好ましい化合物は、特定の薬学的特性を有する。そのような特性には、限定されないが、上で議論した好ましい経口剤形がインビボで療法有効レベルの化合物を提供することができるような経口バイオアベイラビリティが含まれる。
【0114】
本発明による化合物及び本発明による医薬組成物は、患者に(例えば、ヒト又は別の哺乳動物に対して非経口的に)投与することができ、患者の少なくとも1つの体液又は組織内に存在する薬剤として使用することができる。本明細書で使用される場合、「治療」という用語は、疾患修飾治療及び対症治療の両方を包含し、これらのいずれかは、予防的に、すなわち症状の発症前に、症状の重症度を予防、遅延若しくは軽減するために、又は療法的に、すなわち症状の発症後に、症状の重症度及び/又は持続期間を軽減するために行うことができる。特に、本発明による一般式(I)の化合物又は医薬組成物を使用して改善、予防又は治療することができる状態又は疾患には、細菌感染症、特にグラム陰性菌に対する抗菌活性、特に緑膿菌株(例えば、PAO1、PA14、MHH9639、MHH11444、及び無傷のpqs QS系を示すさらなる臨床分離株)による感染症、例えば尿路、消化管、慢性及び熱創傷、眼、耳、及び肺の感染症又はバークホルデリア種(例えば、バークホルデリア・セノセパシア(B. cenocepacia)及びバークホルデリア・シュードマレイ(B. pseudomallei))による感染症が含まれる。したがって、本発明はまた、上記疾患に罹患している対象、例えば患者を治療する方法を提供する。本明細書に記載の投薬を用いる患者には、限定されないが、霊長類(特にヒト)、飼い慣らされたコンパニオンアニマル(例えば、イヌ、ネコ、ウマ)及び家畜(ウシ、ブタ、ヒツジ、ニワトリなど)が含まれ得る。
【0115】
本発明はまた、嚢胞性線維症(CF)、非嚢胞性線維症気管支拡張症(NCFB)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)及び原発性線毛運動不全症を含む呼吸器状態の予防又は治療を可能にする。すなわち、本発明はまた、対象における、嚢胞性線維症(CF)、非嚢胞性線維症気管支拡張症(NCFB)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)及び原発性線毛運動不全症を含む呼吸器状態を予防又は治療する方法であって、
有効量の本発明による化合物(すなわち、[1]~[24]のいずれか1つに記載の化合物)、医薬組成物又は組み合わせ調製物を上記対象に投与する工程と、
それによって上記呼吸器状態を治療する工程とを含む、方法を含む。
【0116】
本発明はさらに、本発明による少なくとも1つの化合物を含有する、医療機器、例えばカテーテル、インプラント又はチュービングのためのコーティングに関する。
【0117】
ここで、本発明を、本発明のさらなる特徴、実施形態及び利点を得ることができる以下の実施例によってさらに説明する。しかしながら、本発明は、実施例に限定されると解釈されるべきではなく、特許請求の範囲に定義される主題を包含する。
【実施例
【0118】
材料及び方法
A.有機合成に使用される化学物質及び分析方法
H及び13C NMRスペクトルをBruker DRX-500装置で記録した。化学シフトは、CDCl、MeOH- 及びDMSO- で得られたスペクトルの内部標準として溶媒共鳴を用いて百万分率(ppm)で与えられる。すべての結合定数()はヘルツ単位で与えられる。質量分析(LC/MS)は、MSQ(登録商標)エレクトロスプレー質量分析計(Thermo Fisher)で行った。システムは、標準ソフトウェアXcalibur(登録商標)によって操作した。RP C18 NUCLEODUR(登録商標)100-5(125×3mm)カラム(Macherey-Nagel GmbH)を固定相として使用し、水/アセトニトリル混合物を溶離液として使用した。すべての溶媒はHPLCグレードであった。試薬は、さらに精製することなく市販の供給業者から得られたものを使用した。フラッシュクロマトグラフィーをシリカゲル60、70~230メッシュ(Fluka)で行い、反応の進行をシリカゲル60、F254(Merck)での薄層クロマトグラフィー(TLC)分析によって決定した。可視化は、UV光及び塩基性過マンガン酸カリウム(KMnO)による染色を用いて達成した。融点は、融点装置SMP3(Stuart Scientific)を用いて測定した。装置は修正されていない。
【0119】
一般式(I)の化合物の調製のための具体例を以下の実施例に提供する。特に明記しない限り、すべての出発材料及び試薬は、標準的な市販グレードのものであり、さらに精製することなく使用されるか、又は日常的な方法によって若しくはPCT/EP2019/067899に記載されている手順に従ってそのような材料から容易に調製される。有機合成の当業者は、本発明に包含される化合物を製造するために用いられる追加の工程を含めて、出発材料及び反応条件が変更され得ることを認識するであろう。
【0120】
B.生物学的実験で使用される化学物質、細菌株及び培地
酵母抽出物はFluka(ノイウルム、ドイツ)から、カゼイン由来のペプトンはMerck(ダルムシュタット、ドイツ)から、Bacto(商標)TryptoneはBD Biosciences(ハイデルベルク、ドイツ)から購入した。分析グレードの塩及び有機溶媒をVWR(ダルムシュタット、ドイツ)から得た。
緑膿菌株PA14(PA14)を-80℃のグリセロールストックに保存した。
以下の培地:ルリア・ベルターニ・ブロス(Luria Bertani broth, LB)及びPPGAS培地[非特許文献23]を使用した。
【0121】
実施例1.化合物01~60
1.1 2-クロロ-N-((1-(3-クロロ-4-イソプロポキシフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)メチル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-アミンの調製
【0122】
【化19】
【0123】
工程(a) tert-ブチル(2-クロロ-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)カルバメート

2-クロロ-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-アミン(589.7mg、3mmol)、DMAP(73.3mg、0.6mmol)、BocO(1.96g、9mmol)及びEtN(546μl、3.9mmol)を室温で無水THF(10mL)に懸濁し、アルゴン雰囲気下で一晩撹拌した。反応混合物をCHCl(40mL)で希釈し、0.1N HCl(5mL)で洗浄した。合わせた有機層を無水MgSOで乾燥させ、減圧下で蒸発させた。次いで、得られた残渣をDCM(20ml)に溶解し、TFA(2ml)を添加した。出発材料が完全に消費されるまで、反応物を室温で30分間撹拌した。飽和NaHCOを添加し、続いてDCMで抽出した。次いで、有機溶媒をMgSOで乾燥させ、減圧下で蒸発させた。自動カラムクロマトグラフィーを使用して精製を行った。LC-MS:m/z:295(M-H)
【0124】
工程(b) tert-ブチル(2-クロロ-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)(プロパ-2-イン-1-イル)カルバメート

0℃のDMF(5ml)中tert-ブチル(2-クロロ-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)カルバメート(593mg、2mmol)の撹拌溶液にNaH(60重量%)(92.1mg、2.4mmol)3-ブロモプロパ-1-イン(72.17mg、2.4mmol)を添加した。反応物を30分間撹拌し、次いで、プロパルギルブロミド(182μL、2.4mmol)を滴下し、室温で3時間撹拌した。次いで、反応物を氷水に添加し、続いて酢酸エチルで抽出した。次いで、有機溶媒をMgSOで乾燥させ、減圧下で蒸発させた。生成物をさらに精製することなく次の工程にもっていった。LC-MS:m/z:279(M+H-tBu)
【0125】
工程(c) 2-クロロ--(プロパ-2-イン-1-イル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-アミン

DCM(10mL)に溶解したtert-ブチル(2-クロロ-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)(プロパ-2-イン-1-イル)カルバメート(502mg、1.5mmol)に、TFA(2mL)を添加した。室温で5時間撹拌した後、混合物を0℃に冷却し、続いて飽和NaHCO溶液を添加し、DCMで抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。自動カラムクロマトグラフィーを使用して精製を行った。LC-MS:m/z:235(M+H)
【0126】
工程(d) 2-クロロ--((1-(3-クロロ-4-イソプロポキシフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)メチル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-アミン

2-クロロ--(プロパ-2-イン-1-イル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-アミン(23.4mg、0.1mmol)をBuOH/HO(2mL)に溶解し、続いて4-アジド-2-クロロ-1-イソプロポキシベンゼン(21.1mg、0.1mmol)、アスコルビン酸Na(1.9mg、0.01mmol)及び硫酸銅(II)五水和物(2.5mg、0.01mmol)を添加した。反応物をアルゴン雰囲気下で15時間撹拌した。過剰の溶媒を減圧下で蒸発させ、残りの残渣に水(20ml)を添加し、次いで、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、次いで、MgSOで乾燥させ、減圧下で蒸発させた。分取HPLCによって精製を行った。
【0127】
LC-MS: m/z: 446 (M+H)+. 1H-NMR (300 MHz, CDCl3):δ[ppm] = 1.43 (d, J=6.1 Hz, 6 H), 4.59 (d, J = 5.3 Hz, 2 H), 4.64 (sept, J = 6.1 Hz, 1 H), 5.38 (bs, 1 H), 6.69 (d, J = 2.0 Hz, 1 H), 6.86 (d, J = 2.0 Hz, 1 H), 7.07 (d, J = 8.9 Hz, 1 H), 7.56 (dd, J = 8.9 Hz, J = 2.6 Hz, 1 H), 7.74 (d, J = 2.6 Hz, 1 H), 7.85 (s, 1 H).
【0128】
1.2 本発明の反応物、中間体及び化合物を調製するための一般的な手順
【0129】
【化20】
【0130】
【化21】
【0131】
一般的な工程(e)

6員複素環B反応物、例えば、(2-クロロピリミジン-5-イル)メタノール、又は(2-ブロモチアゾール-5-イル)メタノール(1当量);ボロン酸誘導体、例えば(3-クロロ-4-イソプロポキシフェニル)ボロン酸(1.2当量);Pd(dppf)Cl(0.05当量)及びNaCO(4当量)にジオキサン/HO混合物15mlを添加した。反応物を110℃で5時間還流した。過剰の溶媒を減圧下で蒸発させ、残りの残渣に水(20ml)を添加し、次いで、酢酸エチルで抽出した。次いで、有機溶媒をMgSOで乾燥させ、減圧下で蒸発させた。自動カラムクロマトグラフィーを使用して精製を行った。
【0132】
一般的な工程(f)

0℃のDCM(20ml)中の所望のメタノール誘導体(1当量)に、三臭化リン(5当量)を添加した。反応物を室温で18時間撹拌した。次いで、0℃でNaHCOを滴下して反応物を急冷し、続いてDCMで抽出した。次いで、有機溶媒をMgSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。自動カラムクロマトグラフィーを使用して精製を行った。
【0133】
一般的な工程(g)

0℃のDMF(10ml)中tert-ブチル(2-クロロ-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)カルバメート(1当量)にNaH(60重量%)(1.2当量)を添加した。反応物を30分間撹拌し、続いて、所望のブロモメチル誘導体(1.2当量)を添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌した。次いで、反応物を氷水に添加し、続いて酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層をMgSOで減圧下で乾燥させた。自動カラムクロマトグラフィーを使用して精製を行った。
【0134】
一般的な工程(h)

DCM(10mL)に溶解した所望のBoc保護誘導体(1当量)に、TFA(2mL)を添加した。室温で5時間撹拌した後、混合物を0℃に冷却し、続いて飽和NaHCO溶液を添加し、DCMで抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。自動カラムクロマトグラフィーを使用して精製を行った。
【0135】
一般的な工程(i)
【0136】
【化22】
【0137】
所望のクロロピリジン誘導体(1当量)、4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(1.2当量)及びテトラキス(0.05当量)に、ジオキサン/水混合物15mL及びNaCO(4当量)を添加した。反応物を110℃で5時間還流し、その間に過剰の4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾールを出発材料の完全な反応まで添加した。過剰の溶媒を減圧下で蒸発させ、次いで、水(30mL)を添加し、酢酸エチルで抽出した。次いで、有機溶媒をMgSOで乾燥させ、真空中で濃縮した。分取HPLCを使用して精製を行った。
【0138】
一般的な工程(j)
【0139】
【化23】
【0140】
1,4-ジオキサン(1mL)中、所望のクロロピリジン誘導体(1当量)、1H-イミダゾール(1.5当量)、炭酸セシウム(2当量)の溶液に、Pd-175(0.1当量)を添加した。反応混合物を脱気し、N2(g)(×3)でパージし、その後、反応混合物を90℃で1時間撹拌した。反応混合物をセライトで濾過し、濾液を回収し、真空中で濃縮した。粗生成物を分取HPLCによって精製した。
以下に記載される化合物01~60は、基(L-1)を含む本発明の一般式(I)による化合物の代表例である。これらの化合物は、上記の手順に基づいて合成されたものである。
【0141】
N-((1-(4-フェノキシフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)メチル)-2-(1H-ピラゾール-4-イル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-アミン(01)
【0142】
【化24】
【0143】
LC-MS: m/z: 478 (M+H)+. 1H-NMR (500 MHz acetone-d6):δ[ppm] = 4.71 (bs, 2 H), 6.70 (bs, 1H), 6.98 (d, J = 2.0 Hz, 1 H), 7.09-7.10 (m, 2 H), 7.16-7.18 (m, 2 H), 7.19-7.20 (m, 1 H), 7.22-7.23 (m, 1 H), 7.42-7.45 (m, 2 H), 7.85-7.87 (m, 2 H), 8.15 (bs, 2 H), 8.53 (s, 1 H).
【0144】
2-(1H-イミダゾール-1-イル)-N-((1-(4-フェノキシフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)メチル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-アミン(02)
【0145】
【化25】
【0146】
LC-MS: m/z: 478 (M+H)+. 1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6):δ[ppm] = 4.79 (d, J = 5.7 Hz, 2 H), 7.09 (m, 1 H), 7.10-7.11 (m, 2 H), 7.15 (d, J = 1.7 Hz, 1 H), 7.16-7.19 (m, 2 H), 7.20-7.21 (m, 1 H), 7.23-7.25 (m, 2 H), 7.43-7.46 (m, 2 H), 7.83 (s, 1 H), 7.85-7.88 (m, 2 H), 8.40 (s, 1 H), 8.59 (s, 1 H).
【0147】
N-((1-(4-フェノキシフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)メチル)-2-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-アミン(03)
【0148】
【化26】
【0149】
LC-MS: m/z: 479 (M+H)+. 1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6):δ[ppm] = 4.79 (d, J = 5.7 Hz, 2 H), 7.08-7.09 (m, 1 H), 7.09-7.11 (m, 2 H), 7.16-7.19 (m, 2 H), 7.21 (s, 1 H), 7.22 (d, J = 2.1 Hz, 1 H), 7.35 (bs, 1 H), 7.42-7.46 (m, 2 H), 7.85-7.87 (m, 2 H), 8.13 (s, 1 H), 8.57 (s, 1 H), 9.15 (s, 1 H).
【0150】
N-((1-(4-(2-フルオロフェノキシ)フェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)メチル)-2-(1H-ピラゾール-4-イル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-アミン(04)
【0151】
【化27】
【0152】
LC-MS: m/z: 496 (M+H)+. 1H-NMR (300 MHz, CDCl3):δ[ppm] = 4.59 (s, 2 H), 5.54 (bs, 1 H), 6.69 (s, 1 H), 6.87 (s, 1 H), 7.09-7.11 (m, 2 H), 7.15-7.25 (m, 5 H), 7.64-7.67 (m, 2 H), 7.88 (s, 1 H).
【0153】
N-((1-(4-イソプロポキシフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)メチル)-2-(1H-ピラゾール-4-イル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-アミン(05)
【0154】
【化28】
【0155】
LC-MS: m/z: 444 (M+H)+. 1H-NMR (500 MHz, CDCl3):δ[ppm] = 1.36 (d, J = 6.0 Hz, 6 H), 4.61 (dq, J = 6.1 Hz, 1 H), 4.64 (d, J = 5.5 Hz, 2 H), 5.47 (bs, 1 H), 6.80 (d, J = 2.0 Hz, 1 H), 6.88 (s, 1 H), 6.98-7.00 (m, 2 H), 7.56-7.60 (m, 2 H), 7.88 (s, 1 H), 8.09 (s, 2 H).
【0156】
N-((1-(4-イソプロポキシフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)メチル)-2-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-アミン(06)
【0157】
【化29】
【0158】
LC-MS: m/z: 445 (M+H)+. 1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6):δ[ppm] = 1.32 (d, J = 6.0 Hz, 6 H), 4.70 (dq, J = 6.1 Hz, 1 H), 4.78 (d, J = 5.7 Hz, 2 H), 7.07-7.11 (m, 2 H), 7.21 (d, J = 2.0 Hz, 1 H), 7.32 (bs, 1 H), 7.41 (d, J = 1.8 Hz, 1 H), 7.72-7.74 (m, 2 H), 8.13 (s, 1 H), 8.48 (s, 1 H), 9.15 (s, 1 H).
【0159】
N-((1-(3-クロロ-4-イソプロポキシフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)メチル)-2-(1H-ピラゾール-4-イル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-アミン(07)
【0160】
【化30】
【0161】
LC-MS: m/z: 478.07 (M+H)+. NMRによる互変異性体の混合物, ratio = 1:0.15,以下で与えられる主要互変異性体のシフト:
1H NMR (500 MHz, Acetone) δ12.24 (s, 1H), 8.55 (s, 1H), 8.15 (s, 2H), 7.91 (d, J = 2.6 Hz, 1H), 7.77 (dd, J = 8.9, 2.6 Hz, 1H), 7.32 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.22 (d, J = 1.7 Hz, 1H), 6.97 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 6.73 (t, J = 5.4 Hz, 1H), 4.77 (hept, J = 6.0 Hz, 1H), 4.70 (d, J = 5.6 Hz, 2H), 1.37 (d, J = 6.0 Hz, 6H).
【0162】
2-クロロ-N-((1-(3-クロロ-4-イソプロポキシフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)メチル)-6-(1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-アミン(08)
【0163】
【化31】
【0164】
LC-MS: m/z: 444.2 (M+H)+. NMRによる互変異性体の混合物, ratio = 1:0.15,以下で与えられる主要互変異性体のシフト:
1H NMR (500 MHz, Acetone)δ12.15 (s, 1H), 8.53 (s, 1H), 8.07 (s, 2H), 7.91 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 7.77 (dd, J = 8.9, 2.7 Hz, 1H), 7.31 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.01 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 6.56 (d, J = 1.9 Hz, 2H), 4.77 (hept, J = 6.0 Hz, 1H), 4.63 (d, J = 5.7 Hz, 2H), 1.37 (d, J = 6.0 Hz, 6H).
【0165】
4-(((1-(3-クロロ-4-イソプロポキシフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)メチル)アミノ)-6-(1H-ピラゾール-4-イル)ピコリノニトリル(09)
【0166】
【化32】
【0167】
LC-MS: m/z: 435.2 (M+H)+. NMRによる互変異性体の混合物, ratio = 1:0.15,以下で与えられる主要互変異性体のシフト:
1H NMR (500 MHz, Acetone)δ12.08 (s, 1H), 8.56 (s, 1H), 8.14 (s, 2H), 7.90 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 7.77 (dd, J = 8.9, 2.7 Hz, 1H), 7.32 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.25 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 7.05 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 6.81 (t, J = 5.5 Hz, 1H), 4.78 (hept, J = 6.0 Hz, 1H), 4.69 (d, J = 5.7 Hz, 2H), 1.37 (d, J = 6.0 Hz, 6H).
【0168】
2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-N-((1-(4-フェノキシフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)メチル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-アミン(10)
【0169】
【化33】
【0170】
LC-MS: 492.12 (M+H)+.
【0171】
N-((2-(4-イソプロポキシフェニル)チアゾール-5-イル)メチル)-2-(1H-ピラゾール-4-イル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-アミン(11)
【0172】
【化34】
【0173】
LC-MS: 460.3 (M+H)+. 1H NMR (500 MHz, Acetone) δ8.20-8.12 (m, 1H), 7.91-7.78 (m, 1H), 7.21 (d, J = 5.9 Hz, 1H), 7.04-6.91 (m, 1H), 6.85 (s, 1H), 4.85 (d, J = 5.9 Hz, 1H), 4.76-4.61 (m, 1H), 1.37-1.25 (m, 1H).
【0174】
4-(((2-(4-イソプロポキシフェニル)チアゾール-5-イル)メチル)アミノ)-6-(1H-ピラゾール-4-イル)ピコリノニトリル(12)
【0175】
【化35】
【0176】
LC-MS: 417.3 (M+H)+. 1H NMR (500 MHz, Acetone) δ8.15 (s, 2H), 7.89-7.77 (m, 3H), 7.24 (dd, J = 4.4, 2.2 Hz, 1H), 7.04 (dd, J = 7.5, 2.2 Hz, 1H), 7.01-6.93 (m, 3H), 4.92-4.78 (m, 2H), 4.69 (dq, J = 12.0, 6.0 Hz, 1H), 1.32 (d, J = 6.0 Hz, 6H).
【0177】
N-((2-(4-イソプロポキシフェニル)チアゾール-5-イル)メチル)-2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-アミン(13)
【0178】
【化36】
【0179】
LC-MS: 474.2 (M+H)+. 1H NMR (500 MHz, CDCl3)δ7.88 (s, 1H), 7.79 (s, 1H), 7.77-7.70 (m, 2H), 7.61 (s, 1H), 6.87-6.84 (m, 1H), 6.84-6.82 (m, 1H), 6.70 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 6.66 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 4.56 (d, J = 5.6 Hz, 2H), 4.52 (dt, J = 12.1, 6.1 Hz, 1H), 3.85 (s, 3H), 1.28 (d, J = 6.1 Hz, 6H).
【0180】
N-((2-(4-イソプロポキシフェニル)チアゾール-5-イル)メチル)-2-(1H-ピラゾール-3-イル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-アミン(14)
【0181】
【化37】
【0182】
LC-MS: 460.2 (M+H)+. 1H NMR (500 MHz, MeOD)δ8.02 (s, br., 4H), 7.78-7.56 (m, 3H), 6.90-6.75 (m, 2H), 6.71 (s, 2H), 4.61 (s, 2H), 4.51 (dt, J = 12.1, 6.0 Hz, 1H), 1.19 (d, J = 6.0 Hz, 6H).
【0183】
2-(1H-イミダゾール-1-イル)-N-((2-(4-イソプロポキシフェニル)チアゾール-5-イル)メチル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-アミン(15)
【0184】
【化38】
【0185】
LC-MS: 460.2 (M+H)+. 1H NMR (500 MHz, Acetone)δ8.41 (s, 1H), 7.89-7.82 (m, 4H), 7.33 (s, 1H), 7.21 (s, 1H), 7.13 (d, J = 1.0 Hz, 1H), 7.04-6.93 (m, 2H), 4.93 (d, J = 5.7 Hz, 2H), 4.70 (dt, J = 12.1, 6.0 Hz, 1H), 1.32 (d, J = 6.0 Hz, 7H).
【0186】
N-((2-(3-クロロ-4-イソプロポキシフェニル)チアゾール-5-イル)メチル)-2-(1H-イミダゾール-1-イル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-アミン(16)
【0187】
【化39】
【0188】
LC-MS: 494.0 (M+H)+. 1H NMR (500 MHz, Acetone)δ8.27 (s, 1H), 7.81 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 7.74 (s, 1H), 7.68 (s, 1H), 7.65 (dd, J = 8.6, 2.2 Hz, 1H), 7.19 (t, J = 5.5 Hz, 1H), 7.05 (dd, J = 5.1, 3.5 Hz, 2H), 6.98 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 6.95 (s, 1H), 4.80 (d, J = 5.8 Hz, 2H), 4.67-4.55 (m, 1H), 1.22 (d, J = 6.0 Hz, 6H).
【0189】
N-((2-(4-イソプロポキシフェニル)チアゾール-5-イル)メチル)-2-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-アミン(17)
【0190】
【化40】
【0191】
LC-MS: 461.2 (M+H)+. 1H NMR (500 MHz, Acetone)δ9.16 (s, 1H), 8.13 (s, 1H), 7.93-7.75 (m, 1H), 7.40 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.19 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 7.07-6.92 (m, 1H), 4.94 (d, J = 5.8 Hz, 1H), 4.78-4.60 (m, 1H), 1.32 (d, J = 6.0 Hz, 1H).
【0192】
N-((2-(3-クロロ-4-イソプロポキシフェニル)チアゾール-5-イル)メチル)-2-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-アミン(18)
【0193】
【化41】
【0194】
LC-MS: 495.2 (M+H)+. 1H NMR (500 MHz, Acetone)δ9.01 (s, 1H), 7.99 (s, 1H), 7.81 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 7.73 (s, 1H), 7.64 (dd, J = 8.6, 2.2 Hz, 1H), 7.30 (t, J = 5.7 Hz, 1H), 7.24 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.08-7.00 (m, 2H), 4.81 (d, J = 5.6 Hz, 2H), 4.61 (hept, J = 6.0 Hz, 1H), 1.22 (d, J = 6.0 Hz, 6H).
【0195】
N-((2-(4-イソプロポキシフェニル)チアゾール-5-イル)メチル)-2-(2H-テトラゾール-5-イル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-アミン(19)
【0196】
【化42】
【0197】
LC-MS: 462.2 (M+H)+. 1H NMR (500 MHz, Acetone)δ7.89-7.82 (m, 3H), 7.79 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 7.43 (t, J = 5.5 Hz, 1H), 7.28 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 7.03-6.94 (m, 2H), 4.96 (d, J = 5.8 Hz, 2H), 4.76-4.62 (m, 1H), 1.32 (d, J = 6.0 Hz, 6H).
【0198】
N-((5-(4-イソプロポキシフェニル)ピリジン-2-イル)メチル)-2-(1H-ピラゾール-4-イル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-アミン(20)
【0199】
【化43】
【0200】
LC-MS: 454.4 (M+H)+. 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6)δ13.03 (s, 1H), 8.83 (dd, J= 2.5, 0.8 Hz, 1H), 8.15-8.04 (m, 2H), 8.02 (dd, J= 8.2, 2.4 Hz, 1H), 7.69-7.59 (m, 3H), 7.45 (dd, J= 8.1, 0.8 Hz, 1H), 7.06 (d, J= 2.0 Hz, 1H), 7.04-7.00 (m, 2H), 6.92-6.88 (m, 1H), 4.67 (hept, J= 6.1 Hz, 1H), 4.60 (d, J= 5.9 Hz, 2H), 1.29 (d, J= 6.0 Hz, 6H).
【0201】
N-((6-(4-イソプロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)メチル)-2-(1H-ピラゾール-4-イル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-アミン(21)
【0202】
【化44】
【0203】
LC-MS: 454.6 (M+H)+. 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6)δ13.05 (s, 1H), 8.66 (d, J= 2.4 Hz, 1H), 8.20-8.03 (m, 2H), 8.03-7.96 (m, 2H), 7.88 (dd, J= 8.2, 0.9 Hz, 1H), 7.82 (dd, J= 8.3, 2.3 Hz, 1H), 7.56 (t, J= 5.9 Hz, 1H), 7.05 (d, J= 2.0 Hz, 1H), 7.03-6.97 (m, 2H), 6.86 (d, J= 2.0 Hz, 1H), 4.68 (hept, J= 6.0 Hz, 1H), 4.52 (d, J= 5.8 Hz, 2H), 1.29 (d, J= 6.1 Hz, 6H).
【0204】
N-((6-(4-イソプロポキシフェニル)ピリダジン-3-イル)メチル)-2-(1H-ピラゾール-4-イル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-アミン(22)
【0205】
【化45】
【0206】
LC-MS: 455.3 (M+H)+. 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6)δ13.06 (s, 1H), 8.33-7.84 (m, 5H), 7.79-7.60 (m, 2H), 7.17-7.03 (m, 3H), 6.92 (d, J= 2.1 Hz, 1H), 4.81 (d, J= 6.1 Hz, 2H), 4.72 (hept, J= 6.1 Hz, 1H), 1.31 (d, J= 6.0 Hz, 6H).
【0207】
N-((6-(3-クロロ-4-イソプロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)メチル)-2-(1H-ピラゾール-4-イル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-アミン(23)
【0208】
【化46】
【0209】
LC-MS: 488.3 (M+H)+. 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6)δ13.06 (s, 1H), 8.68 (d, J= 2.3 Hz, 1H), 8.17-8.04 (m, 3H), 8.00 (dd, J= 8.7, 2.3 Hz, 1H), 7.96 (dd, J= 8.2, 0.9 Hz, 1H), 7.85 (dd, J= 8.3, 2.3 Hz, 1H), 7.57 (t, J= 6.0 Hz, 1H), 7.26 (d, J= 8.9 Hz, 1H), 7.05 (d, J= 2.0 Hz, 1H), 6.86 (d, J= 2.0 Hz, 1H), 4.75 (hept, J= 6.0 Hz, 1H), 4.54 (d, J= 5.9 Hz, 2H), 1.33 (d, J= 6.0 Hz, 6H).
【0210】
N-((5-(3-クロロ-4-イソプロポキシフェニル)ピリジン-2-イル)メチル)-2-(1H-ピラゾール-4-イル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-アミン(24)
【0211】
【化47】
【0212】
LC-MS: 489.3 (M+H)+. 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6)δ13.05 (s, 1H), 8.87 (d, J= 2.4 Hz, 1H), 8.26-8.19 (m, 1H), 8.07 (dd, J= 8.2, 2.5 Hz, 1H), 8.01-7.90 (m, 1H), 7.81 (d, J= 2.4 Hz, 1H), 7.70-7.60 (m, 2H), 7.46 (d, J= 8.2 Hz, 1H), 7.28 (d, J= 8.7 Hz, 1H), 7.06 (s, 1H), 6.94-6.86 (m, 1H), 4.74 (hept, J= 6.0 Hz, 1H), 4.61 (d, J= 5.4 Hz, 2H), 1.32 (d, J= 6.0 Hz, 6H).
【0213】
N-((5-(4-イソプロポキシフェニル)ピリジン-2-イル)メチル)-2-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-アミン(25)
【0214】
【化48】
【0215】
LC-MS: 455.4 (M+H)+. 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6)δ9.20 (s, 1H), 8.84 (d, J= 2.4 Hz, 1H), 8.34-8.25(m, 2H), 8.04 (dd, J= 8.2, 2.4 Hz, 1H), 7.71-7.61 (m, 2H), 7.46 (d, J= 8.2 Hz, 1H), 7.17 (br s, 2H), 7.07-6.99 (m, 2H), 4.72-4.61 (m, 3H), 1.29 (d, J= 6.0 Hz, 6H).
【0216】
N-((5-(3-クロロ-4-イソプロポキシフェニル)ピリジン-2-イル)メチル)-2-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-アミン(26)
【0217】
【化49】
【0218】
LC-MS: 489.4/491.4 (M+H)+. 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6)δ9.20 (s, 1H), 8.88 (dd, J= 2.4, 0.8 Hz, 1H), 8.31 (t, J= 5.9 Hz, 1H), 8.27 (s, 1H), 8.09 (dd, J= 8.1, 2.4 Hz, 1H), 7.82 (d, J= 2.3 Hz, 1H), 7.66 (dd, J= 8.6, 2.4 Hz, 1H), 7.47 (dd, J= 8.2, 0.8 Hz, 1H), 7.28 (d, J= 8.8 Hz, 1H), 7.16 (br s, 2H), 4.74 (hept, J= 6.0 Hz, 1H), 4.69-4.63 (m, 2H), 1.32 (d, J= 6.0 Hz, 6H).
【0219】
N-((5-(4-イソプロポキシフェニル)ピラジン-2-イル)メチル)-2-(1H-ピラゾール-4-イル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-アミン(27)
【0220】
【化50】
【0221】
LC-MS: 455.4 (M+H)+. 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6)δ13.06 (s, 1H), 9.16 (d, J= 1.5 Hz, 1H), 8.71 (d, J= 1.5 Hz, 1H), 8.31-7.89 (m, 4H), 7.63 (t, J= 6.1 Hz, 1H), 7.10 (d, J= 2.1 Hz, 1H), 7.07-7.02 (m, 2H), 6.91 (d, J= 2.0 Hz, 1H), 4.72 (hept, J= 6.0 Hz, 1H), 4.66 (d, J= 6.0 Hz, 2H), 1.30 (d, J= 6.0 Hz, 6H).
【0222】
N-((2-(4-イソプロポキシフェニル)ピリミジン-5-イル)メチル)-2-(1H-ピラゾール-4-イル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-アミン(28)
【0223】
【化51】
【0224】
LC-MS: 455.2 (M+H)+. NMRによる互変異性体の混合物, ratio = 1:0.15,以下で与えられる主要互変異性体のシフト:
1H NMR (500 MHz, Acetone)δ8.88 (s, 2H), 8.39 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 8.14 (s, 2H), 7.17 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 7.01 (d, J = 8.9 Hz, 2H), 6.94 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 6.83 (t, J = 5.7 Hz, 1H), 4.74 (hept, J = 6.0 Hz, 1H), 4.68 (d, J = 5.9 Hz, 2H), 1.33 (d, J = 6.0 Hz, 6H).
【0225】
2-(1H-イミダゾール-1-イル)-N-((2-(4-イソプロポキシフェニル)ピリミジン-5-イル)メチル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-アミン(29)
【0226】
【化52】
【0227】
LC-MS: 455.4 (M+H)+. 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ8.88 (s, 2H), 8.48-4.45(m, 1H), 8.35-8.27 (m, 2H), 7.98 (t, J= 5.8 Hz, 1H), 7.90-7.87(m, 1H), 7.17-7.09 (m, 2H), 7.08 -7.00 (m, 3H), 4.72 (hept, J= 6.0 Hz, 1H), 4.65 -4.56 (m, 2H), 1.30 (d, J= 6.0 Hz, 6H).
【0228】
N-((2-(3-クロロ-4-イソプロポキシフェニル)ピリミジン-5-イル)メチル)-2-(1H-イミダゾール-1-イル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-アミン(30)
【0229】
【化53】
【0230】
LC-MS: 489.3 (M+H)+. 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6)δ8.91 (s, 2H), 8.49 -8.44(m, 1H), 8.36 (d, J= 2.2 Hz, 1H), 8.30 (dd, J= 8.7, 2.2 Hz, 1H), 8.00 (t, J= 5.8 Hz, 1H), 7.91 -7.86(m, 1H), 7.32 (d, J= 8.8 Hz, 1H), 7.11(d, J=1.6 Hz, 2H),7.05 (d, J= 1.6 Hz, 1H),4.80 (hept, J= 6.1 Hz, 1H), 4.68 -4.55 (m, 2H), 1.34 (d, J= 6.0 Hz, 6H).
【0231】
N-((2-(4-イソプロポキシフェニル)ピリミジン-5-イル)メチル)-2-(1H-ピラゾール-3-イル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-アミン(31)
【0232】
【化54】
【0233】
LC-MS: 455.2 (M+H)+. Mixture of tautomers by NMR, ratio = 1:0.2, 以下で与えられる主要互変異性体のシフト:
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6)δ13.04 (s, 1H), 8.86 (s, 2H), 8.31 (d, J= 9.0 Hz, 2H), 7.81-7.77(m, 1H), 7.66 (t, J= 5.8 Hz, 1H),7.40-7.34(m, 1H), 7.09 -7.01 (m, 2H), 6.98 (d, J= 2.2 Hz, 1H), 6.77-6.72(m, 1H), 4.72 (hept, J= 6.0 Hz, 1H), 4.54 (d, J= 5.5 Hz, 2H), 1.30 (d, J= 6.0 Hz, 6H).
【0234】
N-((2-(3-クロロ-4-イソプロポキシフェニル)ピリミジン-5-イル)メチル)-2-(1H-ピラゾール-3-イル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-アミン(32)
【0235】
【化55】
【0236】
LC-MS: 490.3 (M+H)+. 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6)δ13.04 (s, 1H), 8.89 (s, 2H), 8.36 (d, J= 2.2 Hz, 1H), 8.30 (dd,J= 8.7, 2.2 Hz, 1H), 7.83 -7.76(m, 1H), 7.72 -7.65(m, 1H), 7.40 -7.35(m, 1H), 7.32 (d, J= 8.9 Hz, 1H), 7.01-6.97(m, 1H), 6.75 -6.71 (m, 1H), 4.86 -4.74 (m, 1H), 4.56 (d, J= 5.5 Hz, 2H), 1.34 (d, J= 6.0 Hz, 6H).
【0237】
N-((2-(4-クロロフェニル)ピリミジン-5-イル)メチル)-2-(1H-ピラゾール-4-イル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-アミン(33)
【0238】
【化56】
【0239】
LC-MS: 431.4/433.4 (M+H)+. 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6)δ13.07 (s, 1H), 8.95 (s, 2H), 8.43-8.34 (m, 2H), 8.26 (s, 1H), 8.02-7.94 (m, 1H), 7.63-7.54 (m, 3H), 7.07 (d, J= 2.0 Hz, 1H), 6.88 (d, J= 2.0 Hz, 1H), 4.57 (d, J= 5.8 Hz, 2H).
【0240】
N-((2-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)ピリミジン-5-イル)メチル)-2-(1H-ピラゾール-4-イル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-アミン(34)
【0241】
【化57】
【0242】
LC-MS: 449.4/451.4 (M+H)+. 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6)δ13.07 (s, 1H), 8.98 (s, 2H),8.30-8.18 (m, 3H),7.99 (s, 1H),7.76 (td, J= 8.0, 1.0 Hz, 1H),7.59 (t, J= 6.0 Hz, 1H),7.06 (d, J= 2.0 Hz, 1H),6.88 (d, J= 2.0 Hz, 1H),4.66-4.52 (m, 2H)
【0243】
N-((2-(3,4-ジクロロフェニル)ピリミジン-5-イル)メチル)-2-(1H-ピラゾール-4-イル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-アミン(35)
【0244】
【化58】
【0245】
LC-MS: 465.3/467.3/469.3 (M+H)+. 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6)δ13.07 (s, 1H), 8.98 (s, 2H),8.51 (d, J= 2.0 Hz, 1H), 8.33 (dd, J= 8.5, 2.0 Hz, 1H), 8.26 (s, 1H), 7.99 (s, 1H), 7.80 (d, J= 8.5 Hz, 1H), 7.60 (t, J= 6.0 Hz, 1H), 7.07 (d, J= 2.0 Hz, 1H), 6.88 (d, J= 2.0 Hz, 1H), 4.59 (d, J= 5.9 Hz, 2H).
【0246】
3-(5-(((2-(1H-ピラゾール-4-イル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)アミノ)メチル)ピリミジン-2-イル)ベンゾニトリル(36)
【0247】
【化59】
【0248】
LC-MS: 422.4 (M+H)+. 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6)δ13.07 (s, 1H), 9.00 (d, J= 1.4 Hz, 2H), 8.68 (dtd, J= 11.5, 3.4, 1.7 Hz, 2H), 8.26 (s, 1H), 8.01 (dtd, J= 6.8, 4.2, 3.6, 2.0 Hz, 2H), 7.81-7.72 (m, 1H), 7.61 (t, J= 6.0 Hz, 1H), 7.07 (d, J= 2.0 Hz, 1H), 6.89 (d, J= 2.0 Hz, 1H), 4.61 (d, J= 5.7 Hz, 2H).
【0249】
5-(5-(((2-(1H-ピラゾール-4-イル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)アミノ)メチル)ピリミジン-2-イル)-2-メチルベンゾニトリル(37)
【0250】
【化60】
【0251】
LC-MS: 436.4 (M+H)+. 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6)δ13.07 (s, 1H), 8.97 (s, 2H), 8.62 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 8.55 (dd, J= 8.1, 1.9 Hz, 1H), 8.26 (s, 1H), 7.99 (s, 1H), 7.64 (dt, J= 8.2, 0.7 Hz, 1H), 7.59 (t, J= 6.0 Hz, 1H), 7.07 (d, J= 2.0 Hz, 1H), 6.88 (d, J= 2.1 Hz, 1H), 4.59 (d, J= 5.9 Hz, 2H), 2.56 (s, 3H).
【0252】
5-(5-(((2-(1H-ピラゾール-4-イル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)アミノ)メチル)ピリミジン-2-イル)-2-フルオロベンゾニトリル(38)
【0253】
【化61】
【0254】
LC-MS: 440.4 (M+H)+. 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6)δ13.07 (s, 1H), 8.99 (s, 2H), 8.83-8.66 (m, 2H), 8.26 (s, 1H), 7.99 (s, 1H), 7.70 (t, J= 9.0 Hz, 1H), 7.60 (t, J= 6.0 Hz, 1H), 7.07 (d, J= 2.0 Hz, 1H), 6.88 (d, J= 2.0 Hz, 1H), 4.69-4.51 (m, 2H).
【0255】
5-(5-(((2-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)アミノ)メチル)ピリミジン-2-イル)-2-クロロベンゾニトリル(39)
【0256】
【化62】
【0257】
LC-MS: 457.4/459.4 (M+H)+. 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6)δ9.22 (s, 1H), 9.00 (s, 2H), 8.79 (d, J= 2.1 Hz, 1H), 8.66 (dd, J= 8.6, 2.2 Hz, 1H), 8.29 (s, 1H), 8.21 (t, J= 5.8 Hz, 1H), 7.93 (d, J= 8.6 Hz, 1H), 7.25 (br s, 1H), 7.14 (d, J= 2.0 Hz, 1H), 4.74-4.63 (m, 2H).
【0258】
N-((5-(4-イソプロポキシフェニル)ピリミジン-2-イル)メチル)-2-(1H-ピラゾール-4-イル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-アミン(40)
【0259】
【化63】
【0260】
LC-MS: 455.5 (M+H)+. 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6)δ13.04 (s, 1H), 9.09 (s, 2H), 8.22 (s, 1H), 7.95 (s, 1H), 7.79-7.67 (m, 2H), 7.59 (t, J= 6.0 Hz, 1H), 7.14-7.01 (m, 3H), 6.95 (s, 1H), 4.80-4.64 (m, 3H), 1.29 (d, J= 6.0 Hz, 6H).
【0261】
2-(1H-イミダゾール-5-イル)-N-((2-(4-イソプロポキシフェニル)ピリミジン-5-イル)メチル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-アミン(41)
【0262】
【化64】
【0263】
LC-MS: 455.4 (M+H)+. 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6)δ12.32 (s, 1H), 8.85 (s, 2H), 8.38-8.25 (m, 2H), 7.71 (t, J= 1.2 Hz, 1H), 7.65-7.55 (m,2H), 7.32 (d, J= 2.3 Hz, 1H), 7.07-7.00 (m, 2H), 6.87 (d, J= 2.2 Hz, 1H), 4.71 (app pd, J= 6.0, 1.6 Hz, 1H), 4.52 (d, J= 5.5 Hz, 2H), 1.30 (dd, J= 6.0, 1.3 Hz, 6H).
【0264】
N-((5-(4-イソプロポキシフェニル)ピリミジン-2-イル)メチル)-2-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-アミン(42)
【0265】
【化65】
【0266】
LC-MS: 456.7 (M+H)+. 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6)δ9.21 (s, 1H), 9.10 (s, 2H), 8.33 (t, J= 6.2 Hz, 1H), 8.27 (s, 1H), 7.77-7.69 (m, 2H), 7.39-6.96 (m, 4H), 4.77 (d, J= 6.2 Hz, 2H), 4.70 (hept, J= 6.0 Hz, 1H), 1.29 (d, J= 6.0 Hz, 6H).
【0267】
N-((5-(3-クロロ-4-イソプロポキシフェニル)ピリミジン-2-イル)メチル)-2-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-アミン(43)
【0268】
【化66】
【0269】
LC-MS: 490.4/492.4 (M+H)+. 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6)δ9.21 (s, 1H), 9.14 (s, 2H), 8.34 (t, J= 6.2 Hz, 1H), 8.27 (s, 1H), 7.95 (d, J= 2.4 Hz, 1H), 7.75 (dd, J= 8.6, 2.3 Hz, 1H), 7.31 (d, J= 8.8 Hz, 2H), 7.19 (br s, 1H), 4.81-4.72 (m, 3H), 1.32 (d, J= 6.0 Hz, 6H).
【0270】
N-((5-(4-イソプロポキシフェニル)ピリミジン-2-イル)メチル)-2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-アミン(44)
【0271】
【化67】
【0272】
LC-MS: 469.5 (M+H)+. 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6)δ8.87 (s, 2H), 8.33-8.28 (m, 2H), 8.23 (s, 1H), 7.94 (s, 1H), 7.57 (t, J= 5.9 Hz, 1H), 7.06-7.00 (m, 3H), 6.87 (d, J= 2.0 Hz, 1H), 4.71 (hept, J= 6.0 Hz, 1H), 4.53 (d, J= 5.7 Hz, 2H), 3.87 (s, 3H), 1.30 (d, J= 6.0 Hz, 6H).
【0273】
2-(1H-イミダゾール-1-イル)-N-((5-(4-イソプロポキシフェニル)ピリミジン-2-イル)メチル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-アミン(45)
【0274】
【化68】
【0275】
LC-MS: 456.5 (M+H)+. 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6)δ9.10 (s, 2H), 8.43 (s, 1H), 8.02 (t, J= 6.0 Hz, 1H), 7.86 (s, 1H), 7.78-7.67 (m, 2H), 7.26-6.94 (m, 5H), 4.90-4.76 (m, 2H), 4.70 (hept, J= 6.0 Hz, 1H), 1.29 (d, J= 6.0 Hz, 6H).
【0276】
N-((5-(3-クロロ-4-イソプロポキシフェニル)ピリミジン-2-イル)メチル)-2-(1H-イミダゾール-1-イル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-アミン(46)
【0277】
【化69】
【0278】
LC-MS: 489.8/491.5 (M+H)+. 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6)δ9.14 (s, 2H), 8.43 (s, 1H), 8.03 (t, J= 5.9 Hz, 1H), 7.95 (d, J= 2.3 Hz, 1H), 7.86 (s, 1H), 7.75 (dd, J= 8.6, 2.3 Hz, 1H), 7.31 (d, J= 8.8 Hz, 1H), 7.24-7.06 (m, 3H), 4.82 (d, J= 5.9 Hz, 2H), 4.76 (hept, J= 6.0 Hz, 1H), 1.32 (d, J= 6.0 Hz, 6H).
【0279】
N-((5-(3-クロロ-4-イソプロポキシフェニル)ピリミジン-2-イル)メチル)-2-(1H-ピラゾール-4-イル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-アミン(47)
【0280】
【化70】
【0281】
LC-MS: 489.4 (M+H)+. 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6)δ13.04 (s, 1H), 9.14 (s, 2H), 8.22 (s, 1H), 7.94 (d, J= 2.4 Hz, 2H), 7.74 (dd, J= 8.6, 2.3 Hz, 1H), 7.60 (t, J= 6.1 Hz, 1H), 7.31 (d, J= 8.8 Hz, 1H), 7.09 (d, J= 2.1 Hz, 1H), 6.96 (s, 1H), 4.84-4.69 (m, 3H), 1.32 (d, J= 6.0 Hz, 6H).
【0282】
N-((2-(3-クロロ-4-イソプロポキシフェニル)ピリミジン-5-イル)メチル)-2-(1H-ピラゾール-4-イル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-アミン(48)
【0283】
【化71】
【0284】
LC-MS: 489.4 (M+H)+. 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6)δ13.07 (s, 1H), 8.90 (s, 2H), 8.36 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 8.32-8.23 (m, 2H), 8.04-7.95 (m, 1H), 7.57 (t, J = 5.9 Hz, 1H), 7.31 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 7.07 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 6.87 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 4.80 (hept, J = 6.0 Hz, 1H), 4.61-4.50 (m, 2H), 1.34 (d, J = 6.0Hz, 6H).
【0285】
N-((2-(3-フルオロ-4-イソプロポキシフェニル)ピリミジン-5-イル)メチル)-2-(1H-ピラゾール-4-イル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-アミン(49)
【0286】
【化72】
【0287】
LC-MS: 473.4 (M+H)+. 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6)δ13.07 (s, 1H), 8.90 (s, 2H), 8.29-8.24 (m, 1H), 8.17 (ddd, J= 8.7, 2.2, 1.1 Hz, 1H), 8.09 (dd, J= 12.7, 2.1 Hz, 1H), 8.02-7.96 (m, 1H), 7.56 (t, J= 5.9 Hz, 1H), 7.34-7.29 (m, 1H), 7.06 (d, J= 2.0 Hz, 1H), 6.87 (d, J= 2.0 Hz, 1H), 4.76 (hept, J= 6.1 Hz, 1H), 4.60-4.50 (m, 2H), 1.33 (d, J= 6.0 Hz, 6H).
【0288】
5-(5-(((2-(1H-ピラゾール-4-イル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)アミノ)メチル)ピリミジン-2-イル)-2-クロロベンゾニトリル(50)
【0289】
【化73】
【0290】
LC-MS: 456.4/458.4 (M+H)+. 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6)δ13.07 (s, 1H), 9.01 (s, 2H), 8.78 (d, J= 2.1 Hz, 1H), 8.65 (dd, J= 8.6, 2.1 Hz, 1H), 8.25 (br s, 1H), 8.00 (br s, 1H), 7.92 (d, J= 8.6 Hz, 1H), 7.61 (t, J= 6.0 Hz, 1H), 7.07 (d, J= 2.0 Hz, 1H), 6.88 (d, J= 2.0 Hz, 1H), 4.61 (d, J= 5.9 Hz, 2H).
【0291】
N-((2-(4-(2-フルオロフェノキシ)フェニル)ピリミジン-5-イル)メチル)-2-(1H-ピラゾール-4-イル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-アミン(51)
【0292】
【化74】
【0293】
LC-MS: 507.1 (M+H)+. NMRによる互変異性体の混合物, ratio = 1:0.15, 以下で与えられる主要互変異性体のシフト: 1H NMR (500 MHz, Acetone)δ12.05 (s, 1H), 8.93 (s, 2H), 8.47 (d, J = 8.9 Hz, 2H), 8.14 (s, 2H), 7.34-7.26 (m, 4H), 7.17 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 7.06 (d, J = 8.9 Hz, 2H), 6.95 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 6.84 (t, J = 5.7 Hz, 1H), 4.71 (d, J = 5.8 Hz, 2H).
【0294】
N-((2-(4-(3-フルオロフェノキシ)フェニル)ピリミジン-5-イル)メチル)-2-(1H-ピラゾール-4-イル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-アミン(52)
【0295】
【化75】
【0296】
LC-MS: 507.4 (M+H)+. 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6)δ13.07 (s, 1H), 8.91 (s, 2H), 8.45-8.34 (m, 2H), 8.28-8.24 (m, 1H), 8.01-7.97 (m, 1H), 7.57 (t, J= 5.9 Hz, 1H), 7.35-7.24 (m, 2H), 7.23-7.15 (m, 2H), 7.12-7.03 (m, 3H), 6.87 (d, J= 2.0 Hz, 1H), 4.60-4.49 (m, 2H).
【0297】
N-((2-(4-(4-フルオロフェノキシ)フェニル)ピリミジン-5-イル)メチル)-2-(1H-ピラゾール-4-イル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-アミン(53)
【0298】
【化76】
【0299】
LC-MS: 507.4 (M+H)+. 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6)δ13.07 (s, 1H), 8.93 (s, 2H), 8.47-8.39 (m, 2H), 8.29-8.24 (m, 1H), 8.02-7.97 (m, 1H), 7.57 (t, J= 5.9 Hz, 1H), 7.47 (td, J= 8.3, 6.9 Hz, 1H), 7.20-7.14 (m, 2H), 7.08-6.99 (m, 3H), 6.94 (ddd, J= 8.3, 2.3, 0.8 Hz, 1H),6.88 (d, J= 2.0 Hz, 1H), 4.56 (d, J= 5.8 Hz, 2H).
【0300】
N-((2-(4-(4-クロロフェノキシ)フェニル)ピリミジン-5-イル)メチル)-2-(1H-ピラゾール-4-イル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-アミン(54)
【0301】
【化77】
【0302】
LC-MS: 523.4 (M+H)+. 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6)δ13.07 (s, 1H), 8.92 (s, 2H), 8.46-8.36 (m, 2H), 8.30-8.23 (m, 1H), 8.01-7.97 (m, 1H), 7.57 (t, J= 5.9 Hz, 1H), 7.51-7.47 (m, 2H), 7.18-7.10 (m, 4H), 7.07 (d, J= 2.0 Hz, 1H), 6.88 (d, J= 2.0 Hz, 1H), 4.60-4.50 (m, 2H).
【0303】
2-(1H-ピラゾール-4-イル)-N-((2-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピリミジン-5-イル)メチル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-アミン(55)
【0304】
【化78】
【0305】
LC-MS: 481.4 (M+H)+. 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6)δ13.07 (s, 1H), 8.97 (s, 2H), 8.59-8.43 (m, 2H), 8.28-8.24 (m, 1H), 8.01-7.97 (m, 1H), 7.59 (t, J= 5.9 Hz, 1H), 7.54-7.48 (m, 2H), 7.07 (d, J= 2.0 Hz, 1H), 6.88 (d, J= 2.0 Hz, 1H), 4.64-4.55 (m, 2H).
【0306】
N-((2-(4-(4-アミノフェノキシ)フェニル)ピリミジン-5-イル)メチル)-2-(1H-ピラゾール-4-イル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-アミン(56)
【0307】
【化79】
【0308】
LC-MS: 504.4 (M+H)+. 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6)δ13.07 (s, 1H), 8.88 (s, 2H), 8.36-8.29 (m, 2H), 8.28-8.23 (m, 1H), 8.01-7.97 (s, 1H), 7.55 (t, J= 5.9 Hz, 1H), 7.07 (d, J= 2.0 Hz, 1H), 7.01-6.90 (m, 2H), 6.87 (d, J= 2.0 Hz, 1H), 6.85-6.80 (m, 2H), 6.67-6.58 (m, 2H), 5.05 (s, 2H), 4.53 (d, J= 5.7 Hz, 2H).
【0309】
N-((5-(3-クロロ-4-イソプロポキシフェニル)ピラジン-2-イル)メチル)-2-(1H-ピラゾール-4-イル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-アミン(57)
【0310】
【化80】
【0311】
LC-MS: 489.3 (M+H)+. 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6)δ13.06 (s, 1H), 9.23 (d, J= 1.5 Hz, 1H), 8.73 (d, J= 1.5 Hz, 1H), 8.34-7.87 (m, 4H), 7.64 (t, J= 6.1 Hz, 1H), 7.31 (d, J= 8.9 Hz, 1H), 7.09 (d, J= 2.0 Hz, 1H), 6.92 (d, J= 2.0 Hz, 1H), 4.79 (hept, J= 6.0 Hz, 1H), 4.68 (d,J= 6.0 Hz, 2H), 1.33 (d, J= 6.0 Hz, 6H).
【0312】
N-((6-(3-クロロ-4-イソプロポキシフェニル)ピリダジン-3-イル)メチル)-2-(1H-ピラゾール-4-イル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-アミン(58)
【0313】
【化81】
【0314】
LC-MS: 489.3 (M+H)+. 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6)δ13.06 (s, 1H), 8.31-7.86 (m, 5H), 7.72 (dd, J = 7.5, 5.4 Hz, 2H), 7.35 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.10 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 6.92 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 4.73-4.90 (m, 3H), 1.34 (d, J = 6.0 Hz, 6H).
【0315】
N-((2-(4-イソプロポキシフェニル)ピリミジン-5-イル)メチル)-2-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-アミン(59)
【0316】
【化82】
【0317】
LC-MS: 456.4 (M+H)+. 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6)δ9.22 (s, 1H), 8.87 (s, 2H), 8.37-8.26 (m, 3H), 8.17 (t, J = 5.7 Hz, 1H), 7.27-7.17(m, 1H), 7.13 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.08-6.98 (m, 2H), 4.72 (hept, J = 6.0 Hz, 1H), 4.65-4.56 (m, 2H), 1.31 (d, J = 6.0 Hz, 6H).
【0318】
N-((2-(3-クロロ-4-イソプロポキシフェニル)ピリミジン-5-イル)メチル)-2-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-アミン(60)
【0319】
【化83】
【0320】
LC-MS: 490.3 (M+H)+. 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6)δ9.22 (s, 1H), 8.90 (s, 2H), 8.41-8.24 (m, 3H), 8.18 (t, J= 5.7 Hz, 1H), 7.32 (d, J= 8.9 Hz, 1H), 7.28 -7.19 (m, 1H), 7.13 (d, J= 1.9 Hz, 1H), 4.80 (hept, J= 6.1 Hz, 1H), 4.67-4.54 (m, 2H), 1.34 (d, J= 6.0 Hz, 6H).
【0321】
実施例2.化合物61~65

2.1 2-(1H-イミダゾール-1-イル)-N-((5-フェノキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)メチル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-アミン(61)の調製
【0322】
【化84】
【0323】
工程a)2-ニトロ-5-フェノキシアニリン。

NMP(10mL)中、5-フルオロ-2-ニトロアニリン(1560mg、10mmol)の混合物に、フェノール(1128mg、12mmol)及びKCO(1656mg、12mmol)を添加した。反応混合物を160℃で5時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却した。固体を濾取し、冷水で洗浄し、乾燥させて、2-ニトロ-5-フェノキシアニリン(1.956g、7.56mmol、収率76%)を暗褐色固体として得た。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6)δ8.01 (d, J = 9.5 Hz, 1H), 7.55-7.45 (m, 4H), 7.34-7.25 (m, 1H), 7.22-7.14 (m, 2H), 6.37 (d, J = 2.6 Hz, 1H), 6.30 (dd, J = 9.5, 2.7 Hz, 1H); LC.MS: m/z 231.3 (M+H)+.
【0324】
工程b)4-フェノキシベンゼン-1,2-ジアミン。

2-ニトロ-5-フェノキシアニリン30a(1.956g、7.56mmol)、Fe(2.159g、38.7mmol)及び塩化アンモニウム(0.210g、3.93mmol)の混合物をEtOH/HO(30mL、2:1、予備混合)に懸濁した。反応混合物を100℃で2時間撹拌した。EtOH/HO(15mL、2:1、予備混合)を添加し、反応混合物を100℃で17時間撹拌した。熱い反応混合物を濾過し、固体をMeOH(2×2mL)ですすぎ、得られた濾液のアルコール性成分を真空中で還元した。残りの黒色水溶液を水(50mL)で希釈し、EtOAc(3×50mL)で抽出した。合わせた有機物を食塩水(50mL)で洗浄し、濾過し、相分離カートリッジに通し、真空中で還元した。得られた黒色ガム(1.25g)をEtOAc(5mL)に溶解し、セライトのプラグ(3g)に通し、プラグをEtOAc(3×20mL)ですすいだ。合わせた有機抽出物を真空中で還元して、4-フェノキシベンゼン-1,2-ジアミン(1.25g、5.62mmol、収率74.3%)を黒色油状物として得た。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6)δ7.36-7.23 (m, 2H), 6.98 (tt, J = 7.3, 1.1 Hz, 1H), 6.90-6.83 (m, 2H), 6.50 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 6.25 (d, J = 2.6 Hz, 1H), 6.10 (dd, J = 8.2, 2.7 Hz, 1H), 4.64 (s, 2H), 4.32 (s, 2H). LC.MS: m/z 201.4 (M+H)+.
【0325】
工程c)

2-クロロ-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-アミン(1.07g、5.44mmol)、DIPEA(2.092mL、11.98mmol)及びDMAP(0.200g、1.633mmol)のDCM(20mL)溶液に、BOC無水物(3.16mL、13.61mmol)を添加し、混合物を室温で18時間撹拌した。飽和水溶液NHCl(50mL)を添加し、混合物を10分間撹拌し、次いで、疎水性フリットに通し、DCM(2×10mL)で洗浄し、減圧下で濃縮して、粘性橙色油状物を得た。DCM(30mL)及びTFA(3mL)を添加し、混合物を室温で1時間撹拌した。10重量%クエン酸(50mL)を添加し、混合物を10分間撹拌し、次いで、疎水性フリットに通し、DCM(2×10mL)で洗浄し、減圧下で濃縮して、粘性橙色油状物を得た。粗生成物をシリカゲルのクロマトグラフィー(24gカートリッジ、0~50% EtOAc/イソヘキサン)によって精製し、無色固体として生成物1(1.79g、4.29mmol、収率79%)を得た。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6)δ10.52 (s, 1H), 7.89 (d, J = 1.7 Hz, 1H), 7.74 (d, J = 1.7 Hz, 1H), 1.51 (s, 9H). LC.MS: m/z 297 (M+H)+.
【0326】
工程d)

0℃に冷却したDMF(5mL、64.6mmol)中、tert-ブチル(2-クロロ-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)カルバメート(500mg、1.685mmol)及びエチル2-ブロモアセテート(0.291mL、2.53mmol)の溶液に、NaH(74.1mg、1.854mmol)を添加し、混合物を4時間撹拌した。混合物に飽和水溶液NHCl(20mL)を添加して急冷し、TBME(2×20mL)で抽出した。合わせた有機物を水(2×20mL)、食塩水(20mL)で洗浄し、疎水性フリットに通し、減圧下で濃縮して、淡黄色油状物を得た。粗生成物をシリカゲルのクロマトグラフィー(24gカートリッジ、0~50% EtOAc/イソヘキサン)によって精製し、エチル2-((tert-ブトキシカルボニル)(2-クロロ-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)アミノ)アセテート(583mg、1.508mmol、収率89%)を無色油状物として得た。LC.MS: m/z 383 (M+H)+.
【0327】
工程e)

エチル2-((tert-ブトキシカルボニル)(2-クロロ-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)アミノ)アセテート(150mg、0.392mmol)、及び1H-イミダゾール(53.4mg、0.784mmol)のジオキサン(3mL)溶液に、炭酸セシウム(383mg、1.176mmol)を添加し、混合物を排気し、窒素で3回パージし、次いで、マイクロ波照射下、90℃で60分間加熱した。Pd175(30.6mg、0.039mmol)を添加し、混合物を排気し、窒素で3回パージし、次いで、マイクロ波照射下、110℃で60分間加熱した。混合物を水(10mL)及びDCM(20mL)で希釈し、疎水性フリットに通し、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルのクロマトグラフィー(12gカートリッジ、0~50% EtOAc/イソヘキサン)によって精製し、エチル2-((2-(1H-イミダゾール-1-イル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)(tert-ブトキシカルボニル)アミノ)アセテート(66mg、0.158mmol、収率40.2%)を淡黄色固体として得た。LC.MS: m/z 415 (M+H)+.
【0328】
工程f)

エチル2-((2-(1H-イミダゾール-1-イル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)(tert-ブトキシカルボニル)アミノ)アセテート(66mg、0.159mmol)のTHF/HO(2.5mL、4:1)溶液に、LiOH(19.07mg、0.796mmol)を添加し、混合物を室温で90分間撹拌した。混合物を水(20mL)、DCM(10mL)で希釈し、疎水性フリットに通した。水相を1M水溶液の滴下によってpH1に酸性化した。次いで、HClをEtOAc(2×20mL)で抽出した。合わせた有機物を食塩水(2×20mL)で洗浄し、疎水性フリットに通し、減圧下で濃縮して、2-((2-(1H-イミダゾール-1-イル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)(tert-ブトキシカルボニル)アミノ)酢酸(22mg、0.048mmol、収率30.4%)をクリーム色固体として得た。LC.MS: m/z 387 (M+H)+.
【0329】
工程g)

0℃に冷却したDCM(5mL)中、2-((2-(1H-イミダゾール-1-イル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)(tert-ブトキシカルボニル)アミノ)酢酸(41mg、0.106mmol)及び4-フェノキシベンゼン-1,2-ジアミン(25.5mg、0.127mmol)の溶液に、DIPEA(0.056mL、0.318mmol)及びT3P(EtOAc中50重量%)(0.069mL、0.117mmol)を添加し、混合物を室温に加温し、18時間撹拌した。混合物をDCM(10mL)及び水(10mL)で希釈し、10分間撹拌し、疎水性フリットに通し、減圧下で濃縮して褐色ガムを得た。AcOH(3mL)を添加し、混合物を90℃で3時間加熱した。粗生成物を分取HPLC(Waters、塩基性(0.1%重炭酸アンモニウム)、塩基性、Waters X-Bridge Prep-C18、5μm、19×50mmカラム、水中25~55%MeCN)によって精製して、2-(1H-イミダゾール-1-イル)-N-((5-フェノキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)メチル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-アミン(61)(10.6mg、0.023mmol、収率21.95%)をベージュ色固体として得た。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d 6)δ12.51 (0.4H), 12.38 (s, 0.6H), 8.44 (s, 1H), 8.07- 8.01 (m, 1H), 7.86 (s, 1H), 7.60 (d, J = 8.7 Hz, 0.6H), 7.49 (d, J = 8.7 Hz, 0.4H), 7.40-7.31 (m, 2H), 7.24 (m, 0.4H), 7.18-7.15 (m, 1H), 7.12-7.04 (m, 3.6H), 6.99-6.87 (m, 3H), 4.77 (s, 2H). LC.MS: m/z 451 (M+H)+.
【0330】
以下に記載される化合物62及び63は、基Aとしてのイミダゾール基及び基(L-2)を含む本発明の一般式(I)による化合物のさらなる代表例である。これらの化合物は、上記の手順に基づいて合成されたものである。
【0331】
2-(((2-(1H-イミダゾール-1-イル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)チオ)メチル)-5-フェノキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール(62)
【0332】
【化85】
【0333】
LC-MS: 468.3 (M+H)+. 1H NMR (500 MHz, DMSO-d 6)δ12.56 (s, 1H), 8.58-8.56 (m, 1H), 8.24 (d, J = 1.4 Hz, 1H), 7.99-7.96 (m, 2H), 7.55 (br s, 1H), 7.39-7.31 (m, 2H), 7.21-7.05 (m, 3H), 6.99-6.88 (m, 3H), 4.83 (s, 2H).
【0334】
2-(((6-(1H-イミダゾール-1-イル)-2-(トリフルオロメチル)ピリミジン-4-イル)チオ)メチル)-5-フェノキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール(63)
【0335】
【化86】
【0336】
LC-MS: 469.2 (M+H)+. 1H NMR (500 MHz, DMSO-d 6)δ12.55 (s, 0.4H), 12.34 (s, 0.6H), 8.69 (app t, J = 1.1 Hz, 1H), 8.34 (s, 1H), 8.05 (app t, J = 1.5 Hz, 1H), 7.55 (br s, 1H), 7.35 (app t, J = 7.7 Hz, 2H), 7.24 (app t, J = 1.1 Hz, 2H), 7.09 (app t, J = 7.3 Hz, 1H), 7.00-6.88 (m, 3H), 4.85 (s, 2H).
【0337】
2.2 ピラゾール含有化合物64-2-(((2-(1H-ピラゾール-4-イル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)チオ)メチル)-5-フェノキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾールの調製
【0338】
【化87】
【0339】
工程a)

アセトニトリル(25mL、479mmol)中、2,4-ジクロロ-6-(トリフルオロメチル)ピリジン(1.563mL、11.57mmol)、メチル2-メルカプトアセテート(1.035mL、11.57mmol)及びK2CO3(1.600g、11.57mmol)の混合物を65℃(プレート温度)で3時間加熱し、次いで、室温に冷却した。混合物を10重量%クエン酸水溶液(100mL)にゆっくり添加し、TBME(3×50mL)で抽出した。合わせた有機物を水(100mL)、食塩水(50mL)で洗浄し、疎水性フリットに通し、減圧下で濃縮して無色油状物を得た。粗生成物をシリカゲルのクロマトグラフィー(40gカートリッジ、0~25% EtOAc/イソヘキサン)によって精製し、メチル2-((2-クロロ-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)チオ)アセテート(3.12g、10.92mmol、収率94%)を無色油状物として得た。LC.MS:m/z 286(M+H)
【0340】
工程b)

1-メチル-1H-ピロール-2,5-ジオン(19.45mg、0.175mmol)中、メチル2-((2-クロロ-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)チオ)アセテート(50mg、0.175mmol)、1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(58.4mg、0.210mmol)及びSILVER CARBONATE(48.3mg、0.175mmol)の混合物を排気し、窒素で3回パージし、次いで、マイクロ波照射下、130℃で10分間加熱した。反応物を水(20mL)で希釈し、EtOAc(2×20mL)で抽出した。合わせた有機物を水(20mL)、食塩水(20mL)で洗浄し、疎水性フリットに通し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、試験反応2505-14、2505-16&2505-17、2505-18、2505-19&2505-20からの生成物と合わせ、シリカゲルのクロマトグラフィー(24gカートリッジ、0~50% EtOAc/イソヘキサン)によって精製し、メチル2-((2-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)チオ)アセテート(206mg、0.498mmol、収率284%)を淡黄色油状物として得た。LC.MS:m/z 402(M+H)
【0341】
工程c)

THF-水(4mL、3:1)中、メチル2-((2-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)チオ)アセテート(206mg、0.513mmol)の溶液に、LiOH(61.5mg、2.57mmol)を添加し、混合物を室温で3時間撹拌した。混合物を水(20mL)で希釈し、DCM(10mL)で抽出した。水相を10重量%のクエン酸水溶液の添加によって酸性化し、EtOAc(2×20mL)で抽出した。合わせた有機物を水(20mL)、食塩水(20mL)で洗浄し、疎水性フリットに通し、減圧下で濃縮して、2-((2-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)チオ)酢酸(154mg、0.394mmol、収率77%)をクリーム色固体として得た。LC.MS:m/z 388(M+H)
【0342】
工程d) 2-ニトロ-5-フェノキシアニリン

NMP(10mL)中、5-フルオロ-2-ニトロアニリン(1560mg、10mmol)の混合物に、フェノール(1128mg、12mmol)及びKCO(1656mg、12mmol)を添加した。反応混合物を160℃で5時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却した。固体を濾取し、冷水で洗浄し、乾燥させて、2-ニトロ-5-フェノキシアニリン(1.956g、7.56mmol、収率76%)を暗褐色固体として得た。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6)δ8.01 (d, J = 9.5 Hz, 1H), 7.55-7.45 (m, 4H), 7.34-7.25 (m, 1H), 7.22-7.14 (m, 2H), 6.37 (d, J = 2.6 Hz, 1H), 6.30 (dd, J = 9.5, 2.7 Hz, 1H); LC.MS: m/z 231.3 (M+H)+.
【0343】
工程e) 4-フェノキシベンゼン-1,2-ジアミン

2-ニトロ-5-フェノキシアニリン30a(1.956g、7.56mmol)、Fe(2.159g、38.7mmol)及び塩化アンモニウム(0.210g、3.93mmol)の混合物をEtOH/HO(30mL、2:1、予備混合)に懸濁した。反応混合物を100℃で2時間撹拌した。EtOH/HO(15mL、2:1、予備混合)を添加し、反応混合物を100℃で17時間撹拌した。熱い反応混合物を濾過し、固体をMeOH(2×2mL)ですすぎ、得られた濾液のアルコール性成分を真空中で還元した。残りの黒色水溶液を水(50mL)で希釈し、EtOAc(3×50mL)で抽出した。合わせた有機物を食塩水(50mL)で洗浄し、濾過し、相分離カートリッジに通し、真空中で還元した。得られた黒色ガム(1.25g)をEtOAc(5mL)に溶解し、セライトのプラグ(3g)に通し、プラグをEtOAc(3×20mL)ですすいだ。合わせた有機抽出物を真空中で還元して、4-フェノキシベンゼン-1,2-ジアミン(1.25g、5.62mmol、収率74.3%)を黒色油状物として得た。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6)δ7.36-7.23 (m, 2H), 6.98 (tt, J = 7.3, 1.1 Hz, 1H), 6.90-6.83 (m, 2H), 6.50 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 6.25 (d, J = 2.6 Hz, 1H), 6.10 (dd, J = 8.2, 2.7 Hz, 1H), 4.64 (s, 2H), 4.32 (s, 2H). LC.MS: m/z 201.4 (M+H)+.
【0344】
工程f)

0℃に冷却したDCM(5mL)中、2-((2-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)チオ)酢酸(75mg、0.194mmol)及び4-フェノキシベンゼン-1,2-ジアミン(46.5mg、0.232mmol)の溶液に、DIPEA(0.101mL、0.581mmol)及びT3P(EtOAc中50重量%)(0.127mL、0.213mmol)を添加し、混合物を室温に加温し、2時間撹拌した。混合物をDCM(10mL)及び水(10mL)で希釈し、10分間撹拌し、疎水性フリットに通し、減圧下で濃縮して褐色ガムを得た。AcOH(3mL)を添加し、混合物を90℃で3時間加熱した。粗生成物を分取HPLC(Waters、塩基性(0.1%重炭酸アンモニウム)、塩基性、Waters X-Bridge Prep-C18、5μm、19×50mmカラム、水中25~55%MeCN)によって精製して、2-(((2-(1H-ピラゾール-4-イル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)チオ)メチル)-5-フェノキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール(37.6mg、0.080mmol、収率41.5%)をベージュ色固体として得た。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6)δ13.23 (s, 1H), 12.57 (s, 1H), 8.70-7.85 (m, 3H), 7.73 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 7.53 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.41-7.25 (m, 2H), 7.23-7.01 (m, 2H), 7.00-6.84 (m, 3H), 4.74 (s, 2H). LC.MS: m/z 468 (M+H)+.
【0345】
以下に記載される化合物65は、基Aとしてのピラゾール基及び基(L-2)を含む本発明の一般式(I)による化合物のさらなる代表例である。この化合物は、上記の手順に基づいて合成されたものである。
【0346】
2-(((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)チオ)メチル)-5-フェノキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール(65)
【0347】
【化88】
【0348】
LC-MS: 482.5 (M+H)+. 1H NMR (500 MHz, DMSO-d 6)δ12.64 (s, 0.4H), 12.50 (s, 0.6H), 8.35 (s, 1H), 8.07 (s, 1H), 8.03 (s, 1H), 7.76-7.69 (m, 1H), 7.62-7.47 (m, 1H), 7.37-7.31 (m, 2H), 7.25-7.02 (m, 2H), 7.00-6.85 (m, 3H), 4.74 (s, 2H), 3.90 (s, 3H).
【0349】
実施例3:化合物66~70

以下に記載される化合物66~70は、本発明の一般式(I)による化合物のさらなる代表例である。これらの化合物は、上記の手順に基づいて合成されたものである。
【0350】
2-(((2-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)チオ)メチル)-5-フェノキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール(66)
【0351】
【化89】
【0352】
LC-MS: 469.2 (M+H)+. 1H NMR (500 MHz, DMSO-d 6)δ12.64 (s, 0.4H), 12.51 (s, 0.6H), 9.35 (s, 1H), 8.38 (s, 1H), 8.17 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 8.12 (s, 1H), 7.58-7.48 (m, 1H), 7.39-7.32 (m, 2H), 7.21-7.03 (m, 2H), 6.99-6.85 (m, 3H), 4.81 (s, 2H).
【0353】
N-((1-(3-クロロ-4-イソプロポキシフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)メチル)-6-(トリフルオロメチル)-[2,3’-ビピリジン]-4-アミン(67)
【0354】
【化90】
【0355】
LC-MS: 489.1 (M+H)+. 1H NMR (500 MHz, Acetone)δ9.24 (s, 1H), 8.63 (s, 1H), 8.57 (s, 1H), 8.40 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.90 (d, J = 2.6 Hz, 1H), 7.77 (dd, J = 8.9, 2.7 Hz, 1H), 7.53 (s, 1H), 7.48 (dd, J = 7.8, 4.6 Hz, 1H), 7.33 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 7.17 (s, 1H), 6.97 (s, 1H), 4.79 (d, J = 5.7 Hz, 3H), 1.38 (d, J = 6.0 Hz, 6H).
【0356】
4-(((2-(4-イソプロポキシフェニル)チアゾール-5-イル)メチル)アミノ)-6-(トリフルオロメチル)-[2,3’-ビピリジン]-6’-カルボニトリル(68)
【0357】
【化91】
【0358】
LC-MS: 496.2 (M+H)+. 1H NMR (500 MHz, Acetone)δ9.38 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 8.66 (dd, J = 8.2, 2.2 Hz, 1H), 8.05 (dd, J = 8.2, 0.7 Hz, 1H), 7.88-7.82 (m, 3H), 7.64 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 7.22 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.18 (t, J = 5.8 Hz, 1H), 7.02-6.95 (m, 2H), 4.96 (d, J = 5.2 Hz, 2H), 4.76-4.63 (m, 1H), 1.32 (d, J = 6.0 Hz, 6H).
【0359】
N-((2-(3-クロロ-4-イソプロポキシフェニル)ピリミジン-5-イル)メチル)-2-(チアゾール-4-イル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-アミン(69)
【0360】
【化92】
【0361】
LC-MS: 506.3 (M+H)+. 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6)δ9.15 (d,J = 0.6 Hz, 1H), 8.92 (s, 2H), 8.61-8.57 (m, 1H), 8.36 (d, J= 2.2 Hz, 1H), 8.30 (dd, J= 8.8, 2.2 Hz, 1H),7.83 (t, J= 5.9 Hz, 1H), 7.40-7.28 (m, 2H), 7.01 (d, J= 2.0 Hz, 1H), 4.80 (hept, J= 6.0 Hz, 1H), 4.60 (d, J= 5.8 Hz, 2H), 1.34 (d, J= 6.1 Hz, 6H).
【0362】
N-((2-(4-イソプロポキシフェニル)ピリミジン-5-イル)メチル)-2-(チアゾール-5-イル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-アミン(70)
【0363】
【化93】
【0364】
LC-MS: 472.4 (M+H)+. 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6)δ9.15 (s, 1H), 8.88 (s, 2H), 8.59 (s, 1H), 8.35-8.27 (m, 2H), 7.82 (t, J= 5.9 Hz, 1H), 7.38 (d, J= 2.0 Hz, 1H), 7.09-6.98 (m, 3H), 4.72 (hept, J= 6.2 Hz, 1H), 4.58 (d, J= 5.4 Hz, 2H), 1.36-1.25 (m, 6H).
【0365】
実施例4:試験化合物のPqsRインバースアゴニスト活性(大腸菌におけるレポーター遺伝子アッセイ)

試験化合物のpqsR依存性遺伝子発現の阻害を、大腸菌ベースのβ-ガラクトシダーゼレポーター遺伝子アッセイで決定した[非特許文献19]。大腸菌DH5αに、プロモーターtacの制御下でpqsRをコードするpEAL08-2プラスミド及びプロモーターpqsAの制御下でβ-ガラクトシダーゼレポーター遺伝子lacZをトランスフェクトした。化合物の拮抗作用を、50nM PQSの存在下/競合下で評価した。陽性対照を使用して、個々のアッセイの信頼性を確保した。まず、PQSをメタノールで希釈し、ガラスコーティングした96ディープウェルプレートのウェルに添加し、溶媒を蒸発させた。次いで、化合物を5μLのDMSOに添加して、0.001~10μMの最終濃度にした。大腸菌DH5a×pEAL08-2の一晩培養物を、アンピシリン(50μg/ml)を含むLB培地で1:100に希釈し、0.2のOD600に達するまで振とうしながら37℃でインキュベートした。最後に、995μLの培養物を各ウェルに添加し、2.5時間のインキュベーション期間(37℃、180rpm)後の透過処理細胞におけるortho-ニトロフェニル-β-ガラクトシド変換によってβ-ガラクトシダーゼ活性を決定した。POLARstar Omega(BMG Labtech、オルテンベルク、ドイツ)を用いてOD600、OD420及びOD550を測定し、基礎対照(PQSなし)と溶媒対照との間のβ-ガラクトシダーゼ活性の傾きの比として活性を示した。アンタゴニストのIC50値を、試験化合物の濃度の変動によって決定した。
【0366】
試験化合物の例の測定結果を以下に要約する。
【0367】
実施例化合物02、03、04、07、08、09、10、11、12、15、18、48、66は、PqsR依存性転写に対して50nM以下のIC50値を示した。
【0368】
実施例化合物01、13、14、16、17、65、67は、PqsR依存性転写に対して51nM~250nMのIC50値を示した。
【0369】
試験した化合物のいずれも、細胞ベースの試験系においていかなる静菌効果又は殺菌効果も示さなかった。
【0370】
実施例5:ピオシアニンアッセイ

化合物による緑膿菌ピオシアニン産生の阻害を、前述のように測光的に決定した[非特許文献20]。要約すれば、PPGAS培地中のPA14の一晩培養物を洗浄し、0.02の開始OD600まで培地で希釈し、試験化合物の存在下で16時間(37℃、200rpm、相対湿度75%)インキュベートした。次いで、培養物をクロロホルムで抽出し、0.2M HClで再抽出した。プロトン化赤色ピオシアニンについて、OD520を測定し、OD600に正規化することによって決定した。
【0371】
試験化合物の例の測定結果を以下に要約する。
【0372】
実施例化合物07、11、12、15、17、18、28は、ピオシアニン産生に対して100nM以下のIC50値を示した。
【0373】
実施例化合物01、04、16、20、21、25、27、29、30、35、37、38、39、48、49、50、51、52、53、56、57、58、59、60、61、61、64、66、70は、ピオシアニン産生に対して101nM~200nMのIC50値を示した。
【0374】
実施例化合物02、03、08、09、10、13、14、22、23、24、26、31、32、33、34、36、40、42、44、45、46、47、55、62、68、69は、ピオシアニン産生に対して201nM~500nMのIC50値を示した。
【0375】
実施例6:化合物の溶解度

室温で5分間の動力学的濁度水溶解度(Kinetic Turbidimetric Aqueous Solubility)。試験化合物をPBS緩衝液で希釈して濃度範囲(典型的には0.4、2、4、20、40、100及び200μM、最終DMSO濃度2%)を得て、室温で5分間インキュベートした。吸光度を波長620nMで測定し、溶解度を、ビヒクル対照(すなわち、緩衝液中1% DMSO)を超える吸光度の増加をもたらす試験化合物の濃度から推定した。測定及び正規化された吸光度に4パラメータシグモイド関数を当てはめてデータを分析し、LogS(溶解度の10進対数)へのアクセスを提供するAUC計算を行った。
【0376】
実施例化合物19は、室温で5分間、100μM以上の動力学的濁度水溶解度を示した。
【0377】
実施例化合物17、51は、室温で5分間、50μM超の動力学的濁度水溶解度を示した。
【0378】
実施例化合物01、02、03、05、07、08、10、21、22、23、27、28、36、38、48、57、58、68は、室温で5分間、25μM超の動力学的濁度水溶解度を示した。
【0379】
実施例化合物04、06、09、11、12、13、14、15、20、24、30、31、33、34、35、37、39、40、41、43、47、49、54、55、56、60、61、63、64、65、66、69は、室温で5分間、10μM超の動力学的濁度水溶解度を示した。
【0380】
実施例7:マウス肝ミクロソーム(MLM)における代謝安定性試験。

第I相代謝安定性の評価のために、化合物(1μM)を0.5mg/mLのMLM(Corning)及び1mMのNADPHと共に37℃で0、5、10、15及び30分間インキュベートした。ベラパミル、ジフェンヒドラミン及びベンジダミン(それぞれ1μM)の代謝安定性を並行して決定して、MLMの酵素活性を確認した。内部標準(1μMロイシンエンケファリン)を含有する2体積のアセトニトリルを添加することによって、インキュベーションを停止した。試料を遠心分離した(15分間、3,500rpm)。異なる時点での残りの試験化合物の濃度をHPLC-MS/MSによって分析し、半減期(t1/2)を決定するために使用した。
【0381】
試験化合物の例の測定結果を以下に要約する。
【0382】
実施例化合物14、16、18、19、20、21、23、24、25、26、27、29、30、31、34、35、39、41、42、43、44、45、48、49、51、52、53、54、55、57、58、59、68、69、70は、MLMに対して100分を超える半減期(t1/2)を示した。
【0383】
実施例化合物03、06、17、28、32、33、46、56、60は、MLMに対して61分~100分の半減期(t1/2)を示した。
【0384】
実施例化合物04、07、10、11、12、13、15、47、61は、MLMに対して30分~60分の半減期(t1/2)を示した。
【0385】
全体として、本明細書に提示される結果は、本発明の化合物が、細菌感染症の効果的な治療及びインビボでのそれらの適用を可能にする抗病毒性及び抗バイオフィルム活性の両方を示す抗病毒性化合物であることを示す。
【0386】
本明細書及び/又は特許請求の範囲に開示された本発明の特徴は、別々に及びそれらの任意の組み合わせの両方で、本発明をその様々な形態で実現するための材料となり得る。

【国際調査報告】