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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-02
(54)【発明の名称】通気されるシューソール
(51)【国際特許分類】
   A43B 7/083 20220101AFI20230222BHJP
   A43B 3/44 20220101ALI20230222BHJP
   A43B 3/34 20220101ALI20230222BHJP
   A43B 13/26 20060101ALI20230222BHJP
   A43B 13/38 20060101ALI20230222BHJP
【FI】
A43B7/083
A43B3/44
A43B3/34
A43B13/26 A
A43B13/38 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022540988
(86)(22)【出願日】2020-12-23
(85)【翻訳文提出日】2022-08-16
(86)【国際出願番号】 IB2020062394
(87)【国際公開番号】W WO2021137114
(87)【国際公開日】2021-07-08
(31)【優先権主張番号】102020000000055
(32)【優先日】2020-01-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521440714
【氏名又は名称】ワフ エッセ.エッレ.エッレ.
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カザーリ、パトリツィア
(72)【発明者】
【氏名】アルメッリーニ、マルコ
(72)【発明者】
【氏名】デ サンティス、マッティア
(72)【発明者】
【氏名】ボリア、ファニー
(72)【発明者】
【氏名】ロヴァティ、パオロ
【テーマコード(参考)】
4F050
【Fターム(参考)】
4F050BA02
4F050BA03
4F050BA19
4F050BA25
4F050BA33
4F050DA04
4F050DA10
4F050DA29
(57)【要約】
本開示の主題は、履物1のためのソール10、及び、上記ソール10を備える履物1である。本開示によると、ソール10が、 - 履物1のアッパー300に接続され、履物1の内側環境11を形成するように構成された、貫通する複数のオリフィス101を有する第1の層100と、 - 複数のチャンバ201を備える、上記第1の層100に結合された第2の層200と、 - 上記複数のオリフィス101及び上記複数のチャンバ201を流体的に接続する1つ又は複数のチャンネル又は通路400と、 - 上記複数のチャンバ201内の空気圧力を増大させるように構成された、上記1つ又は複数のチャンネル又は通路400に流体連通された加圧デバイス500と、 - 上記複数のチャンバ201内の圧力を調節するように構成された、上記1つ又は複数のチャンネル又は通路400に流体連通された1つ又は複数の調整弁600と、を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
履物(1)のためのソール(10)であって、
- 履物(1)のアッパー(300)に接続され、前記履物(1)の内側環境(11)を形成するように構成された、複数の貫通オリフィス(101)を有する第1の層(100)と、
- 複数のチャンバ(201)を備える、前記第1の層(100)に結合された第2の層(200)と、
- 前記複数のオリフィス(101)及び前記複数のチャンバ(201)を流体的に接続する1つ又は複数のチャンネル又は通路(400)と、
- 前記複数のチャンバ(201)内の空気圧力を増大させるように構成された、前記1つ又は複数のチャンネル又は通路(400)に流体連通された加圧デバイス(500)と、
- 前記複数のチャンバ(201)内の圧力を調節するように構成された、前記1つ又は複数のチャンネル又は通路(400)に流体連通された1つ又は複数の調整弁(600)と
を備える、ソール(10)。
【請求項2】
前記加圧デバイス(500)及び前記1つ又は複数の調整弁(600)が、前記複数のオリフィス(101)から前記複数のチャンバ(201)までの及びその逆の空気の流れを、動的な通気状態と少なくとも1つの静止状態との間で、制御するように構成され、
前記動的な通気状態では、前記加圧デバイス(500)及び前記1つ又は複数の調整弁(600)が、前記複数のオリフィス(101)と前記複数のチャンバ(201)との間での及びその逆での空気の通過を可能にするように構成され、
前記少なくとも1つの静止状態では、前記1つ又は複数の調整弁(600)が、前記複数のチャンバ(201)と前記複数のオリフィス(101)との間の空気の通過を防止又は阻止するように構成される、請求項1に記載のソール(10)。
【請求項3】
前記動的な状態が、直接の通気状態又は逆方向の通気状態であってよく、前記直接の通気状態では、前記加圧デバイス(500)が、前記複数のオリフィス(101)を通して空気を吸い込むように及び空気を前記複数のチャンバ(201)に供給するように構成され、前記1つ又は複数の調整弁(600)が、前記複数のオリフィス(101)から前記複数のチャンバ(201)までの空気の通過を可能にするように構成され、
前記逆方向の通気状態では、前記1つ又は複数の調整弁(600)が、前記複数のチャンバ(201)から前記複数のオリフィス(101)までの空気の戻りを可能にするように構成される、請求項2に記載のソール(10)。
【請求項4】
前記逆方向の通気状態では、前記1つ又は複数の調整弁(600)が、前記複数のチャンバ(201)から前記複数のオリフィス(101)まで完全な又は最大限の空気の通過を可能にするように構成される、請求項3に記載のソール(10)。
【請求項5】
前記静止状態が第1の静止状態であり、前記第1の静止状態では、前記複数のチャンバ(201)の内部の圧力が大気圧より高く、前記加圧デバイス(500)及び前記1つ又は複数の調整弁(600)が、前記複数のオリフィス(101)から前記複数のチャンバ(201)までの及びその逆の空気流を、動的な通気状態と第2の静止状態との間で、制御するように構成され、前記第2の静止状態では、前記複数のチャンバ(201)の内部の圧力が大気圧に実質的に等しい、請求項2から4までのいずれか一項に記載のソール(10)。
【請求項6】
前記第1の静止状態では、前記複数のチャンバ(201)が第1の容積(v1)を有し、前記第2の静止状態では、前記複数のチャンバ(201)が、前記第1の容積(v1)より小さい第2の容積(v2)を有する、請求項5に記載のソール(10)。
【請求項7】
使用時に歩行面(S)の方を向くように又は前記歩行面(S)に接触するように置かれるのに適した支持表面(203)を有し、前記第2の層(200)が、前記支持表面(203)の少なくとも一部分を画定し、前記第2の静止状態では、前記支持表面(203)が実質的に平坦であり、前記第1の静止状態では、前記支持表面(203)が前記複数のチャンバ(201)の各チャンバのところに隆起部分を有するか又は形成し、前記隆起部分が使用時に前記歩行面(S)の方に突出する、請求項6に記載のソール(10)。
【請求項8】
前記複数のチャンバ(201)のチャンバが前記ソール(10)の第1の端部領域及び前記ソール(10)の第2の端部領域に分布し、前記1つ又は複数の調整弁(600)が、前記1つ又は複数のチャンネル又は通路(400)と前記ソール(10)の前記第1の端部領域にある前記複数のチャンバの各チャンバ(201)との間の流体連通を開けるか又は閉じるように構成された第1の弁(601)、及び、前記1つ又は複数のチャンネル又は通路(400)と前記ソール(10)の前記第2の端部領域にある前記複数のチャンバの各チャンバ(201)との間の流体連通を開けるか又は閉じるように構成された第2の弁(602)を備える、請求項1から7までのいずれか一項に記載のソール(10)。
【請求項9】
前記1つ又は複数の調整弁(600)及び/又は前記加圧デバイス(500)に接続された計時装置を備え、前記計時装置が、所定の時間間隔で前記1つ又は複数の調整弁(600)を開ける/閉じるのを制御すること、並びに/或いは、所定の時間間隔で前記加圧デバイス(500)の起動を制御することを行うように構成又はプログラムされる、請求項1から8までのいずれか一項に記載のソール(10)。
【請求項10】
前記複数のチャンバ(201)内の圧力を検出するのに適した圧力センサ(603)と、前記センサ圧力(603)及び前記1つ又は複数の調整弁(600)に接続された制御ユニット(700)と備え、前記制御ユニット(700)が、前記圧力センサ(603)によって検出された圧力が一定の圧力閾値に達した場合に前記少なくとも1つの調整弁(600)を閉じる及び/又は開けるのを制御するように構成又はプログラムされる、請求項1から8までのいずれか一項に記載のソール(10)。
【請求項11】
前記制御ユニット(700)が前記加圧デバイス(500)に接続され、前記加圧デバイス(500)の起動を制御するように構成又はプログラムされる、請求項10に記載のソール(10)。
【請求項12】
前記加圧デバイス(500)が前記ソール(10)の端部領域に位置決めされる、請求項1から11までのいずれか一項に記載のソール(10)。
【請求項13】
前記第1の層(100)に関連付けられた温度センサ(901)及び/又は湿度センサ(902)を備え、前記温度センサ(901)及び/又は前記湿度センサ(902)が、使用時に、前記内側環境(11)内の温度及び湿度をそれぞれ測定するのに適しており、前記温度センサ(901)及び/又は前記湿度センサ(902)が、前記制御ユニット(700)に接続され、前記ユニット制御(700)が、特定の温度閾値及び/又は湿度閾値に達したときに前記加圧デバイス(500)を起動するようにプログラム又は構成される、請求項10及び11に記載のソール(10)。
【請求項14】
請求項1から13までのいずれか一項に記載の履物のためのソール(10)及びアッパー(300)を備える履物(1)であって、前記ソール(10)及び前記アッパー(300)が前記履物(1)の前記内側環境(11)を画定する、履物(1)。
【請求項15】
請求項10及び11に記載の履物のためのソール(10)及びアッパー(300)を備える履物(1)であって、前記ソール(10)及び前記アッパー(300)が、使用時に使用者の足を収容するのに適した、前記履物(1)の内側環境(11)を画定し、前記履物(1)が、前記内側環境(11)の内部の温度及び湿度をそれぞれ測定するのに適した、前記アッパー(300)に関連付けられた温度センサ(901)及び/又は湿度センサ(902)をさらに備え、前記温度センサ(901)及び/又は前記湿度センサ(902)が前記制御ユニット(700)に接続され、前記制御ユニット(700)が、前記内側環境(11)内で特定の温度閾値又は湿度閾値に達したときに前記加圧デバイス(500)を起動するようにプログラム又は構成される、履物(1)。
【請求項16】
履物(1)の内側環境(11)に対して通気を行うための通気方法であって、
- アッパー(300)を提供するフェーズと、
- 複数の貫通オリフィス(101)を有する、ソール(10)の第1の層(100)を配置するフェーズと、
- 前記内側環境(11)を形成するために、ソール(10)の前記第1の層を前記アッパー(300)に接続するフェーズと、
- 複数のチャンバ(201)を備える、ソール(10)の第2の層(200)を提供するフェーズと、
- 前記第2の層(200)を前記第1の層(100)に結合するフェーズと、
- 前記複数のオリフィス(101)と前記複数のチャンバ(201)との間の1つ又は複数のチャンネル又は通路(400)を通して、前記複数のオリフィス(101)及び前記複数のチャンバ(201)を流体的に接続するフェーズと、
- 加圧デバイス(500)を提供するフェーズと、
- 前記加圧デバイス(500)を前記1つ又は複数のチャンネル又は通路(400)に流体連通するフェーズと、
- 1つ又は複数の調整弁(600)を提供するフェーズと、
- 前記1つ又は複数の調整弁(600)を前記1つ又は複数のチャンネル又は通路(400)に流体連通するフェーズと、
- 前記複数のオリフィス(101)と前記複数のチャンバ(201)との間で又はその逆で空気の通過又は流れを作り出して調整するフェーズと
を含む、方法。
【請求項17】
前記複数のオリフィス(101)と前記複数のチャンバ(201)との間の通過又は流入空気流を調節又は制御する前記ステップが、
- 前記加圧デバイス(500)により前記複数のオリフィス(101)を通して空気を吸い込むステップと、
- 前記1つ又は複数のチャンネル又は通路(400)及び前記1つ又は複数の調整弁(600)を通して前記空気を前記複数のチャンバ(201)に供給するステップと、
- 前記複数のチャンバ(201)内の空気圧力を増大させるステップと、
- 前記1つ又は複数の調整弁(600)を通して空気の戻りを防止するステップと、
- 前記1つ又は複数の調整弁(600)を通して前記複数のオリフィス(101)の方への空気の戻り又は空気の通過を可能にするステップと
を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記1つ又は複数の調整弁(600)を通して空気の戻り又は通過を可能にする前記ステップにおいて、前記戻し及び通過が、前記複数のチャンバ(201)から前記複数のオリフィス(101)までの空気の完全な通過又は最大限の通過である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
時間を測定するステップ、所定の時間間隔で前記1つ又は複数の調整弁(600)を開ける及び/又は閉じるステップ、並びに/或いは、所定の時間間隔で前記加圧デバイス(500)の起動を制御するステップをさらに含む、請求項16から18までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記複数のチャンバ(201)内の圧力を検出するステップと、圧力閾値を定めるステップと、前記検出した圧力がこの特定の圧力閾値に達した場合に前記1つ又は複数の調整弁(600)を閉じる及び/又は開けるのを制御するステップと、をさらに含む、請求項16から18までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記測定した圧力に応じて前記加圧デバイス(500)の起動を制御するステップを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記内側環境(11)内の温度及び/又は湿度を検出するステップと、温度閾値及び/又は湿度閾値を定めるステップと、前記加圧デバイス(500)の起動を、並びに/或いは、前記所定の温度閾値及び/又は前記湿度閾値に達したときに、前記1つ又は複数の調整弁(600)を開けるのを又は閉じるのを、制御するステップと、をさらに含む、請求項16から18までのいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、履物製造の分野に関し、より詳細には、履物の通気のための通気システムを装備する履物のためのソール、さらには、このソールを備える履物に関する。本開示はさらに、履物の内側環境に対して通気を行うための通気方法に関する。
【背景技術】
【0002】
閉塞的な履物を着用している間、足が熱及び汗を発生させ、熱及び汗が、一般には、アッパー及びソールを作るのに使用された材料の空気及び水蒸気に対しての透過性により、アッパー及びソールを通してなんとかして排出されることが知られている。
【0003】
しかし、過剰に汗をかく傾向の高い被験者においては、又はスポーツなどの動きの多い活動中においては、生じた熱及び汗がアッパー及び/又はソールを通して放出され得ない。その結果、履物の中で熱及び湿気が蓄積し、これは、アッパー及びソールを作るのに使用された材料の空気及び水蒸気に対しての透過性に応じて程度の差があり、それにより、履物内部の不快感及び健康に害のある局所的環境が決定される。実際、履物の内側環境内での汗及び熱の蓄積は履物の快適さ及び衛生状態に、並びに、履物自体に、悪影響を与え、不快感、持続性の悪臭、及び場合によっては病気の発症の原因となる。
【0004】
具体的には、他の身体領域と比較して汗腺密度の高い足の裏は、汗の最も生じさせ易い身体領域である。加えて、足の裏とソールの内側表面との間の摩擦が、足の裏とソールとの間の接触面において熱生成を引き起こす。したがって、足の裏とソールとの間の接触面は、一般に、熱の蓄積及び発汗からの湿気の停滞をより多大に引き起こすような履物のエリアであると考えられる。
【0005】
結果として、履物の内側環境と外部環境との間での、また特には足の裏とソールとの間の接触面領域においての、熱及び水蒸気の適切な交換を履物が保証することが重要である。
【0006】
足の裏とソール自体との間の接触面の領域の一定程度の蒸散又は通気を可能にすることができるソールを備える履物が知られている。しかし、通気ソールを備える既知の履物は、使用者の要求に応じて通気又は蒸散の調整を可能にすることができない。従来技術の文脈では、履物の内側環境に含まれる空気の流通が一定であり、実際の使用者の要求に応じてソールを通しての通気又は蒸散が調整され得ない。したがって、通気ソールを備える既知の履物は、蒸散又は通気のための使用者の要求に実時間で反応することができない。
【0007】
本開示は、従来技術を参照して上で言及した欠点を克服するのを及び/又は別の利点を達成するのを可能にする、履物のためのソールを提供することを狙いとする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本開示の主題の主要な目的は、既知の通気性のある履物のソールより良好に汗及び熱を放出するのを保証することができる、履物のためのソールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
これが、それぞれの独立請求項で定義される、履物ソール、及び、このようなソールを備える履物を通して、達成される。さらに、本開示の主題は、履物の内側環境に対して通気を行うための通気方法である。本開示の主題の二次的な特徴及び特定の実施例が、対応する従属請求項で定義される。
【0010】
本開示は、蒸散及び/又は通気のための既知の容量が固定された容量でありつまり一定であって修正可能ではないが、使用者の要求に応じて又は使用者の要求に応えてこの容量を適応させるか又は調節することが可能である、という本開示の著者の認識に由来する。
【0011】
本開示によると、ソールが、履物のアッパーに接続され、履物の内側環境を形成するように構成された、複数の貫通オリフィスを有する第1の層と、複数のチャンバを備える、上記第1の層に結合された第2の層とを備える。加えて、ソールが、上記複数のオリフィス及び上記複数のチャンバを流体的に接続する1つ又は複数のチャンネル又は通路と、上記複数のチャンバ内の空気圧力を増大させるように構成された、上記1つ又は複数のチャンネル又は通路に流体連通された加圧デバイスと、を備え、最後に、ソールが、上記複数のチャンバ内の圧力を調節するように構成された、1つ又は複数のチャンネル又は通路に流体連通された1つ又は複数の調整弁を備える。
【0012】
言い換えると、本開示によるソールが、履物の第1の層すなわち最も内側の層の中に存在するオリフィス及び第2の層内にある上記複数のチャンバを流体連通させる1つ又は複数のチャンネルと、上記オリフィスから空気を吸い込んだり空気を上記チャンバに供給したりするのに適した(be apt to)、1つ又は複数の接続チャンネルに接続された加圧デバイスと、を装備する。加えて、本開示によるソールが、1つ又は複数のチャンバ圧力調整弁をさらに備える。つまり、調整弁が、チャンバに供給された空気をチャンバ内部で維持するか又はチャンバ内部で保存されている空気を送り出すのを選択的に可能にするように構成される。つまり、調整弁が、複数のオリフィスと複数のチャンバとの間の流体連通の調整を可能にするように構成される。チャンバから送り出される空気が、上記1つ又は複数のチャンネル又は通路を通して搬送され得、履物の内側環境の中に再び戻ることができる。
【0013】
したがって、必要である場合、加圧デバイスが、履物の内側環境から湿気及び高温空気を取り除くか又は遠くへ移動させるために起動され得る。言い換えると、加圧デバイスが、ソールの第1の層すなわち最も内側の層に位置するオリフィスと複数のチャンバとの間に空気の流れ又は空気の通過を作り出すか又は発生させるのに適する。言い換えると、加圧デバイスにより、履物の内側環境からソールの第2の層内の複数のチャンバまでの空気戻り(air return)を発生させることが可能である。したがって、こうすることで、使用者の足によって発生する熱及び湿気が履物の内側環境から取り除かれ得る。さらに、履物の内側環境内の圧力の低下を補償するために、履物の外部からの空気が上記環境の中に引き戻され得る。したがって、履物の外部から空気が入ることにより冷却・通気効果が向上することになる。
【0014】
したがって、この加圧デバイスは、空気流又は流体を内側チャンバの方に搬送又は供給する供給装置として理解される。
【0015】
さらに、必要である場合、調整弁を起動することが可能である。調整弁が、複数のチャンバ内の圧力を決定又は調整するのにさらに適する。調整弁が、複数のチャンバから外に出るか又は複数のチャンバ内で維持されるそれぞれの空気量を定めるように開けられるか又は閉じられるのに適する。したがって、調整弁が、必要である場合、複数のチャンバ内に存在する空気の送り出しを作り出すように並びにひいては複数のチャンバから1つ又は複数のチャンネル及び複数のオリフィスを通して履物の内側環境まで空気又は流体の逆流又は逆方向の通過を作り出すように、構成される。したがって、使用時、調整弁が、必要に応じて、複数のチャンバから履物の内側環境までの空気流を作り出すように構成される。上記空気流が使用者の足の上を薄く覆って流れ(skim)、冷却効果を発生させる。
【0016】
本開示の好適な態様によると、上記加圧デバイス及び上記1つ又は複数の調整弁が、上記複数のオリフィスから上記複数のチャンバまでの及びその逆の空気流を、動的な通気状態と少なくとも静止状態との間で、制御するように構成され、上記動的な通気状態では、上記加圧デバイス及び上記1つ又は複数の調整弁が、上記複数のオリフィスと上記複数のチャンバとの間での及びその逆での空気の通過を可能にするように構成され、上記少なくとも1つの静止状態では、上記1つ又は複数の調整弁が、上記複数のチャンバと上記複数のオリフィスとの間の空気の通過を防止するか又は妨げるように構成される。
【0017】
言い換えると、この好適な態様によると、加圧デバイス及び1つ又は複数の調整弁が、複数のオリフィスから上記複数のチャンバまでの及びその逆の空気流の存在及び有意な不足を決定するのに適する。つまり、選択的に、つまり必要である場合、加圧デバイス及び1つ又は複数の調整弁が、履物の内側環境内に通気効果を発生させるように起動され得る。具体的には、上記少なくとも1つの静止状態では、加圧デバイス及び1つ又は複数の調整弁が、履物の内側環境と複数のチャンバとの間の流体連通を防止するように構成される。
【0018】
好適に態様によると、上記動的な状態が、直接の通気状態又は逆方向の通気状態であってよく、上記直接の通気状態では、上記加圧デバイスが、上記複数のオリフィスを通して空気を吸い込むように及び空気を複数のチャンバに供給するように構成され、上記1つ又は複数の調整弁が、上記複数のオリフィスから上記複数のチャンバまでの空気の通過を可能にするように構成され、上記逆方向の通気状態では、上記1つ又は複数の調整弁が、上記複数のチャンバから上記複数のオリフィスまでの空気の戻りを可能にするように構成される。言い換えると、加圧デバイス及び1つ又は複数の調整弁が、複数のオリフィスと複数のチャンバとの間での、第1の方向における、及び、複数のチャンバと複数のオリフィスとの間での、第1の方向の反対の第2の方向における、空気の流れ又は通過を発生させるのに適する。つまり、加圧デバイス及び1つ又は複数の調整弁が、履物の内側環境と複数のチャンバとの間での及びその逆での空気通過を発生させるように構成される。必要に応じて、つまり必要である場合、空気が履物の内側環境から取得され得、複数のチャンバに供給され得、やはり必要に応じて、つまり必要である場合、空気が複数のチャンバから内側環境に再び送られ得る。
【0019】
本開示の好適な態様によると、上記逆方向の通気状態では、上記1つ又は複数の調整弁が、上記複数のチャンバから上記複数のオリフィスまで完全な又は最大限の空気通過を可能にするように構成される。つまり、上記逆方向の通気状態では、調整弁が、複数のチャンバ内に存在する空気の完全な流通を可能にするように構成される。言い換えると、調整弁が、1つ又は複数のチャンネルとの及びひいては1つ又は複数のオリフィスとの流体連通を完全に開けるのに適する。したがって、複数のチャンバ内に存在するすべての空気が履物の内側環境まで送られ得、冷却効果を発生させる。
【0020】
本開示の好適な態様によると、上記静止状態が第1の静止状態であり、上記第1の静止状態では、複数のチャンバの内部の圧力が大気圧より高く、上記加圧デバイス及び上記1つ又は複数の調整弁が、上記複数のオリフィスから上記複数のチャンバまでの及びその逆の空気流を、動的な通気状態と第2の静止状態との間で、制御するように構成され、ここでは、複数のチャンバの内部の空気圧力が大気圧に実質的に等しい。第1の静止状態では、複数のチャンバ内に保存されている空気が大気圧より高い圧力にあり、調整弁が、上記チャンバに含まれる空気の送り出し又は戻りを防止するように構成される。つまり、第1の静止状態では、調整弁が、複数のチャンバ内で大気圧より高い圧力を維持するように構成される。しかし、第2の静止状態では、複数のチャンバ内の空気圧力が大気圧に実質的に等しく、したがって、履物の内側環境内の圧力に等しい。
【0021】
本開示の好適な態様によると、上記第1の静止状態では、複数のチャンバが第1の容積を有し、上記第2の静止状態では、複数のチャンバが、上記第1の容積より小さい第2の容積を有する。言い換えると、第1の静止状態では、複数のチャンバが、第2の静止状態において複数のチャンバによって占有される容積より大きい容積を占有する。別の言い方をすると、複数のチャンバ内の圧力が大気圧より高い値にある状態では、複数のチャンバが「膨張」構成をとることができ、対して、複数のチャンバ内の圧力が大気圧に等しい状態では、複数のチャンバが「収縮」構成をとることができる。したがって、これらの複数のチャンバは複数の拡大可能なチャンバである。
【0022】
本発明の好適な態様によると、ソールが支持表面を有し、つまり、使用時に歩行面の方を向くように又は歩行面に接触するように置かれるのに適した表面を有する。さらに、この好適な態様によると、第2の層が、上記載置表面の少なくとも一部分を画定する。したがって、支持表面の一部がソールの第2の層によって形成される、ということになる。この同じ好適な態様によると、第2の静止状態では、上記支持表面が実質的に平坦であり、上記第1の静止状態では、上記支持表面が上記複数のチャンバの各チャンバのところに凹凸部分を有するか又は形成し、この凹凸部分が使用時に上記歩行面の方に突出する。言い換えると、第2の層が、少なくとも部分的に、ソールの載置表面を形成し、さらには、この表面の構成を決定することができる。実際には、この好適な態様によると、第2の層が、複数のチャンバの到達する容積に応じて、ソールの支持表面の構造形態(conformation)を修正することができる。したがって、有利には、複数のチャンバ内の空気圧力を調整することにより、ソールの支持表面の構成を変えることも可能である。具体的には、複数のチャンバ内の圧力を大気圧に等しい圧力にする平坦構成と、複数のチャンバ内の圧力を大気圧より高い圧力にする、歩行面の方を向く凹凸部又は突起部を露わにする構成との間でソールの構成を変えるか又は修正することが可能である。したがって、本開示のソールを通して、必要に応じて履物の内部での通気に介入することに加えて、例えば、平坦ではない又は粗い地面上でのより強いグリップ又はより高い安定性を達成するために、支持表面を修正することが可能である。実際には、支持表面上の凹凸部分がスタッドとして機能する。
【0023】
本開示の好適な態様によると、上記複数のチャンバのうちのチャンバがソールの第1の端部領域及びソールの第2の端部領域に分布し、上記1つ又は複数の調整弁が、上記1つ又は複数のチャンネル又は通路とソールの第1の端部領域にある複数のチャンバの各チャンバとの間の流体連通を開けるか又は閉じるように構成された第1の弁、及び、上記1つ又は複数のチャンネル又は通路とソールの第2の端部領域にある複数のチャンバの各チャンバとの間の流体連通を開けるか又は閉じるように構成された第2の弁を備える。言い換えると、複数のチャンバのうちのチャンバが、例えば第1の端部領域すなわちヒール部分及び第2の端部領域すなわちつま先部分などである、ソールの第1の領域及びソールの第2の領域において第2の層内に画定される。さらに、複数のオリフィスと上記第1及び第2の領域と間の流体連通すなわち空気の通過が、それぞれ、第1の調整弁及び第2の調整弁により調節される。これにより、第1の調整弁及び第2の調整弁が、上記第1及び第2の領域との流体の通過をやはり選択的に調節するのを可能にするように構成される。したがって、有利には、必要である場合、上記第1の調整弁及び/又は上記第2の調整弁を起動することにより、ソールの支持表面の構成も変更され得る。例えば、上記第1の領域がヒール部分領域に対応しており、上記第2の領域がソールのつま先部分領域に対応している場合、支持表面がヒート部分とつま先部分との間で多様な構造形態をとることが可能となる。具体的には、これは、急勾配の歩行面での使用時に所望される場合に上り勾配方向又は下り勾配方向に応じてソールのヒール部分領域又はつま先部分領域において突起部又はスタッドを備えるソールを得ることが可能となることを理由として、特に有利である。
【0024】
本開示の好適な態様によると、ソールが、上記1つ又は複数の調整弁及び/又は上記加圧デバイスに接続された計時装置をさらに備えることができ、上記計時装置が、所定の時間間隔で上記1つ又は複数の調整弁を開ける/閉じるのを制御すること、並びに/或いは、所定の時間間隔で上記加圧デバイスの起動を制御することを行うように構成又はプログラムされる。言い換えると、ソールが、所定の時間間隔で1つ又は複数の調整弁を開けるか又は閉じるように、並びに/或いは、所定の時間間隔で加圧デバイスを起動するように、構成された計時装置又はタイム・スイッチを装備することができる。これは、例えば直接の通気状態の終了時などに、例えば最大容積などの、特定の容積をとるか又は特定の容積に達するために複数のチャンバによって採用される平均時間つまり複数のチャンバがこの特定の容積をとるか又は特定の容積に達するのに必要となる平均時間が既知である場合に、特に有用である。実際には、この時間が既知であることにより、例えば、複数のチャンバがその最大容積に達したときに、又は最大容積に達してからの一定期間の経過後に、少なくとも1つの調整弁を開けることが可能である。
【0025】
本開示の好適な態様によると、ソールが、複数のチャンバ内の圧力を検出するのに適した圧力センサと、上記圧力センサ及び上記1つ又は複数の調整弁に接続された制御ユニットとをさらに備えることができ、上記制御ユニットが、圧力センサによって検出された圧力が一定の圧力閾値に達した場合に上記少なくとも1つの調整弁を閉じるか又は開けるのを制御するように構成又はプログラムされる。言い換えると、ソールが、複数のチャンバの各チャンバ内の圧力を検出するための圧力センサと、記憶装置に保存されている、複数のチャンバのうちのチャンバ内の圧力のための特定の閾値の値を提示する、上記圧力センサに接続された制御ユニットとを装備することができる。加えて、この態様によると、制御ユニットが少なくとも1つの調整弁に接続され、閾値圧力に等しい圧力の検出時にこれらの少なくとも1つの調整弁の起動を、つまりこれらの少なくとも1つの調整弁を閉じるか又は開けるのを、制御するように構成又はプログラムされる。言い換えると、制御ユニットが、各チャンバ内において特定の閾値圧力に等しい圧力に達したときに流体連通を遮断するか又は開けるように構成又はプログラムされる。
【0026】
別の好適な態様によると、上記制御ユニットがさらに上記加圧デバイスに接続され、上記加圧デバイスの起動を制御するように構成又はプログラムされる。言い換えると、制御ユニットが、加圧デバイスを起動又は停止するように構成又はプログラムされる。具体的には、制御ユニットが、例えば、複数のチャンバ内の閾値圧力に達したときに加圧デバイスの動作を中断するのに適する。
【0027】
本開示の好適な態様によると、加圧デバイスがソールの端部領域に位置決めされる。つまり、加圧デバイスが、ソールのつま先部分領域又はヒール部分領域などの、端部領域内に配置又は収容される。こうすることで、加圧デバイスがソールの柔軟性に影響を与えなくなり、歩行中に邪魔にならなくなり、例えば、使用者による保守管理作業が実行されるとき、容易にアクセス可能となる。
【0028】
最後に、本開示の別の好適な態様によると、ソールが、上記第1の層に関連付けられた温度センサ及び/又は湿度センサをさらに備える。温度センサ及び/又は湿度センサが、履物の内側環境内の温度又は湿度をそれぞれ測定又は検出するように構成され、制御ユニットに接続される。制御ユニットが、特定の温度閾値及び/又は湿度閾値に達したときに加圧デバイスを起動するようにプログラム又は構成される。したがって、つまり、上記温度センサ及び/又は上記湿度センサによって検出される温度及び/又は湿度に応じて、制御ユニットが、加圧デバイスを制御するのに適する。言い換えると、履物の内側環境内において特定の温度閾値及び/又は湿度閾値に達したときに、制御ユニットが、空気及び水蒸気を引き寄せて上記内側環境から空気及び水蒸気を取り除くために、加圧デバイスの起動を制御するように構成される。これにより、ソールが、使用者の手動による起動なしで履物の内側環境内の温度及び/又は湿度の関しての最適状態を常に保証することが可能となる。
【0029】
本開示はさらに、本開示の好適な態様によるソールを備える履物に関連し、この履物が、上で簡単に定義したように、ソールを備える。具体的には、履物が、履物の内側環境を画定するためにソールに関連付けられたアッパーをさらに備える。履物のこの内側環境が、使用時、使用者の足を収容するのに適する。好適な態様によると、さらに、履物が、上記内側環境内の温度及び湿度をそれぞれ検出するための、上記アッパーに関連付けられた温度センサ及び/又は湿度センサを備える。制御ユニットが上記温度センサ及び/又は上記湿度センサに接続され、内側環境内で特定の温度閾値及び/又は湿度閾値に達したときに加圧デバイスを起動するようにプログラム又は構成される。制御ユニットがさらに少なくとも1つの調整弁に接続され得、内側環境内での到達した温度及び/又は湿度に応じて、少なくとも1つの調整弁を開けるか又は閉じるのを制御するように構成され得る。具体的には、制御ユニットが、内側環境内で上で言及した温度閾値及び/又は湿度閾値に達したときに少なくとも1つの調整弁を開けるか又は閉じるように構成され得る。
【0030】
最後に、履物の内側環境に対して通気を行うための通気方法も本開示の一部である。
【0031】
本開示に従って、履物の内側環境に対して通気を行うための本方法が、
- アッパーを提供するステップと、
- 複数の貫通オリフィスを有する、ソールの第1の層を提供するステップと、
- 上記内側環境を形成するためにソールの第1の層を上記アッパーに接続するステップと、
- 複数のチャンバを備える、ソールの第2の層を提供するステップと、
- 上記第2の層を上記第1の層に結合するステップと、
- 上記複数のオリフィスと上記複数のチャンバとの間の1つ又は複数のチャンネル又は通路を通して、上記複数のオリフィス及び上記複数のチャンバを流体的に接続するステップと、
- 加圧デバイスを提供するステップと、
- 上記加圧デバイスを上記1つ又は複数のチャンネル又は通路に流体連通するステップと、
- 1つ又は複数の調整弁を提供するステップと、
- 上記1つ又は複数の調整弁を上記1つ又は複数のチャンネル又は通路に流体連通するステップと、
- 上記複数のオリフィスと上記複数のチャンバとの間で又はその逆で通過又は空気流を作り出して調整するステップと
を含む。
【0032】
言い換えると、上で言及した方法を介して、履物の内側環境と複数のチャンバとの間での及びその逆での空気通過を作り出して調整することが可能である。こうすることで、履物の内側環境内で通気効果を達成するために2つの空気流を選択的に発生させることが可能である。
【0033】
本開示の好適な態様によると、上記複数のオリフィスと上記複数のチャンバとの間の通過又は空気流を調整又は制御するステップが、
- 上記加圧デバイスにより上記複数のオリフィスを通して空気を吸い込むことと、
- 上記1つ又は複数のチャンネル又は通路及び上記1つ又は複数の調整弁を通して上記空気を複数のチャンバに供給することと、
- 上記複数のチャンバ内の空気圧力を増大させることと、
- 上記1つ又は複数の調整弁を通して空気の戻りを防止することと、
- 上記1つ又は複数の調整弁を通して複数のオリフィスの方への空気の戻り又は空気の通過を可能にすることと
を含む。
【0034】
具体的には、別の好適な態様によると、上記1つ又は複数の調整弁を通して空気の戻り又は通過を可能にするステップでは、戻り又は通過は、上記複数のチャンバから上記複数のオリフィスまでの空気の完全な通過又は最大限の通過である。つまり、複数のチャンバのチャンバが完全に空にされるか又はその全体が空にされる。複数のチャンバ内に含まれるすべての空気が、圧力差により、履物の内側環境に戻る。
【0035】
加えて、好適な態様によると、本方法が、時間を測定するステップ、所定の時間間隔で上記1つ又は複数の調整弁を開ける及び/又は閉じるステップ、並びに/或いは、所定の時間間隔で上記加圧デバイスの起動を制御するステップを含むことができる。これにより、定期的に、本方法が、複数のチャンバと複数のオリフィスとの間での流体連通を可能にするか又は防止するのを実現することができるようになる。
【0036】
別の好適な態様によると、本方法が、上記複数のチャンバ内の圧力を検出するステップと、圧力閾値を定めるステップと、検出した圧力がこの特定の圧力閾値に達した場合に上記1つ又は複数の調整弁を閉じる及び/又は開けるのを制御するステップとを含むことができる。これにより、複数のチャンバ内の圧力に応じて、本方法が、複数のチャンバと複数のオリフィスとの間の流体連通を可能にするか又は防止することができるようになる。さらに、この同じ態様によると、本方法が、測定した圧力に応じて、上記加圧デバイスの起動を制御するステップをさらに含むことができる。したがって、本方法が、複数のチャンバの達した圧力に応じて、ソールの及びひいては履物の確定の静止状態又は動的な通気状態を決定するのを可能にする。
【0037】
最後に、別の好適な態様によると、本方法が、上記内側環境内の温度及び/又は湿度を検出するステップと、温度閾値及び/又は湿度閾値を定めるステップと、上記加圧デバイスの起動を、並びに/或いは、所定の温度閾値及び/又は湿度閾値に達したときに、上記1つ又は複数の調整弁を開けるのを又は閉じるのを、制御するステップとを実現する。これにより、本方法が、内側環境内の温度及び/又は湿度に応じて、ソールの及びひいては履物の静的であるか又は動程である特定の通気状態を決定することが可能となる。
【0038】
本開示の主題を形成する別の利点、特有の特徴、及び使用形態が、非限定の例として提供される本発明の実施例の以下の詳細な説明から明らかとなる。しかし、本開示の主題を形成する各実施例が、上記に列記される利点のうちの1つ又は複数の利点を有することができることは明らかであるが、いずれの場合も、各実施例が列記されるすべての利点を同時に有しなければならないことが必要とわけではない。
【0039】
添付図面の図を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】本開示の態様によるソールを示す底面図である。
図2】第1の層を有さない、本開示の態様によるソールを示す正面図である。
図3】本開示の態様によるソールを示す背面図である。
図4】第1の層を有さない、本開示の態様によるソールを示す上面図である。
図5図4に示されるソールを示す長手方向断面図である。
図6図4に示されるソールを示す、線A-Aに沿う断面図である。
図7図4に示されるソールを示す分解概略図である。
図8】第1の層を有さない、本開示の態様によるソールを示す正面図である。
図9】第1の層を有さない、本開示の態様によるソールを示す上面図である。
図10図9に示されるソールを示す長手方向断面図である。
図11図9に示されるソールを示す、線A-Aに沿う断面図である。
図12図9に示されるソールを示す分解概略図である。
図13】直接的な通気の状態にある本開示の態様による、第1の層を有さない、履物の分解概略図である。
図14】直接的な通気の状態にある本開示の態様による、履物の概略断面図である。
図15】逆方向の通気の状態にある本開示の態様による、履物を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
添付図を参照すると、履物ソールの実施例が参照符号10で示される。本記述の文脈では、「履物ソール」という表現は、履物に関連付けられるように、また具体的には、履物1の例えばアッパー300などの外側アッパー部分に関連付けられるように、構成された要素を示す。
【0042】
添付図を再び参照すると、上記ソール10を関連付けることができる履物が、概して、参照符号1で示される。
【0043】
本開示によると、ソール10が、履物1の内側環境11を形成する履物1のアッパー300に接続されるように構成された第1の層100を備える。上記内側環境11が履物1の実質的に閉塞している空間であり、この空間が、使用時、使用者の足を中に受け入れるのに適する。
【0044】
本開示の文脈では、第1の層100が、使用者の足の方を向いており、使用時にこの使用者の足に直接に接触するように置かれるのに適している、ソール1の部分を意味する。したがって、上記第1の層100が、使用者の足の載置エリアに位置するソールの部分のみを備えることができ、つまり、履物1の内側ソール又はフットベッドを備えることができる。或いは、上記第1の層100が、使用者の踵骨又は踵を覆うのに適した部分である、内側バットレスをさらに備えることができる。
【0045】
本開示によると、第1の層100が、複数の貫通オリフィス101又は開口部を備える。したがって、第1の層100がアッパー300に結合されるとき、上記複数の貫通オリフィス101すなわち貫通孔が、履物の内側環境11との連通を可能にする。
【0046】
本開示の好適な態様によると、上記複数のオリフィス101が、第1の層100の周囲領域のところに、つまり周縁領域又は縁部領域のところに、作られる。さらに好適には、上記オリフィス101が、インソール又はフットベッドの周囲領域のところに、作られる。別法として又は上記態様に加えて、第1の層100が、複数のオリフィス101を装備するグリッド要素102を備える。上記グリッド要素102が、上記第1の層100のヒール部分領域に配置されているか又はこのヒール部分領域のところに作られた第1の層100の貫通開口部から構成された適切なシートの中に収容され得るか又は挿入され得る。具体的には、グリッド要素102が、履物1のバットレス内で或いは内側ソール又はフットベッド内で収容され得る。
【0047】
本開示によると、ソール10が、第1の層100に接続された第2の層200をさらに備える。上記第2の層200が、第1の層100を基準として、使用時に、歩行面Sの方を向くのに適する。第2の層200が複数のチャンバ201を備える。これらのチャンバ201が、上記第2の層200内の実質的に中空である空間を構成する。
【0048】
本開示によると、さらに、1つ又は複数のチャンネル又は通路400が流体連通システムを形成するソール10の一部であり、この部分が、上記複数のオリフィス101及び上記複数のチャンバ201を互いに流体的に接続する。言い換えると、複数のチャンネル又は通路400が空気圧通路又は空気圧回路を形成する。さらに、これらの複数のチャンネル又は通路400は流体連通システム400として理解されなければならず、ここでは、後で説明するように、流体連通が、一時的ではあるが、閉じられ得るか又は遮断され得る。流体連通システム400が、複数のオリフィス101と複数のチャンバ201との間を延在する1つ又は複数のチャンネル又は通路によって形成され、複数のオリフィス101と複数のチャンバ201との間の流体連通を可能にする。言い換えると、1つ又は複数のチャンネル又は通路400を通して、上記複数のオリフィス101と上記複数のチャンバ201との間で空気及び/又は水蒸気などの流体を流すか又は通過させることが可能である。概して、以降、本開示は、上記複数のオリフィス101と上記複数のチャンバ201との間の空気の通過のみを参照する。しかし、複数のオリフィス101と複数のチャンバ201との間の及びその逆の空気流中に、水蒸気も存在する、ということを理解されたい。こうすることで、高温空気又は汗の粒子が、使用者の足に近接する領域から取り除かれ得る。
【0049】
好適な態様によると、上記1つ又は複数のチャンネル又は通路400がさらに、複数のチャンバ201の各々のチャンバを一体に、複数のチャンバ201のうちの少なくとも1つのチャンバに接続するのに適する。つまり、チャンバ201がさらに、チャンバ201の間で、直接に、相互接続され得、及び/又は流体連通され得る。
【0050】
加えて、本開示によると、ソール10が、上記複数のチャンバ201内の空気圧力を増大させるように構成された、1つ又は複数のチャンネル又は通路400に接続された加圧デバイス500を備える。加圧デバイス10が、複数のオリフィス101を通して空気を引き寄せるように、及び、これらの空気を複数のチャンバ201に供給して複数のチャンバ201の内部の圧力を増大させるのに適する。したがって、加圧デバイス500は、空気流又は流体流を複数のチャンバ201の方に搬送又は供給する供給デバイスとして理解される。言い換えると、加圧デバイス500が、複数のチャンバ201内の空気を吸い込むのに適したデバイスであってよい。
【0051】
本開示によると、ソール10が、上記1つ又は複数のチャンネル又は通路400に流体連通された1つ又は複数の調整弁600をさらに有する。1つ又は複数の調整弁600が、つまり、1つ又は複数のチャンネル又は通路400に接続されるか又は関連付けられる。上記1つ又は複数の調整弁600が、複数のチャンバ201内の圧力を調整するように構成される。具体的には、少なくとも1つの調整弁600が、チャンバ201の内部の空気圧力を調節するのに適する。より正確には、少なくとも1つの調整弁600が、大気圧に等しい圧力と大気圧より高い圧力との間でチャンバ201の内部の空気圧力を調整するのに適する。好適には、1つ又は複数の調整弁600がオンオフ弁又は閉止弁である。つまり、好適には、1つ又は複数の調整弁600が、複数のチャンバ201を、大気圧に等しい予め定められた最低圧力で、又は、大気圧より高い予め定められた最大圧力で、維持するように構成される。この好適な態様によると、1つ又は複数の調整弁600が、複数のチャンバ201内の空気圧力の微調整を可能にしないが、代わりに、複数のチャンバ201と1つ又は複数のチャンネル又は通路400との間の流体連通を完全に閉じるのを又は開けるのを可能にするように構成される。1つ又は複数の調整弁600が、本開示の文脈では、複数のチャンバ201の各チャンバ内に存在する空気の量を調整するための及びその結果として複数のチャンバ201の各々の内部の圧力を定めるための、手段として理解されなければならない。
【0052】
本開示の態様によると、加圧デバイス500及び上記1つ又は複数の調整弁600が、通気の動的な状態と少なくとも1つの静止状態との間で、上記複数のオリフィス101から上記複数のチャンバ201までの及びその逆での空気流を制御するように構成される。
【0053】
つまり、加圧デバイス500及び上記1つ又は複数の調整弁600が、上記複数のオリフィス101と上記複数のチャンバ201との間の及びその逆の空気通過を制御及び調整するように構成される。したがって、本開示によるソール10がアッパー300に関連付けられるとき、加圧デバイス500及び上記1つ又は複数の調整弁600が、履物1の内側環境11と上記複数のチャンバ201との間の及び上記複数のチャンバ201と内側環境11との間の空気の交換を可能にするのに適する。
【0054】
具体的には、上記加圧デバイス500及び上記1つ又は複数の調整弁600が、履物の内側環境11内の圧力と複数のチャンバ201との間の圧力不均衡を決定するように、及び、履物の内側環境11と複数のチャンバ201との間の圧力均衡を復元するように、構成される。
【0055】
より具体的には、本開示の好適な態様によると、加圧デバイス500及び上記1つ又は複数の調整弁600が、複数のオリフィス101と複数のチャンバ201との間において又はその逆においてソール1の内部に空気流が存在するような、動的な通気状態すなわち動的な状態と、複数のオリフィス101と複数のチャンバ201との間において又はその逆において空気流或いは空気交換又は空気通過が実質的に不足しているような、少なくとも1つの静止状態と、の間の上記空気通路又は空気流を調整するのに適する。具体的には、上記動的な通気状態では、加圧デバイス500及び上記1つ又は複数の調整弁600が、上記複数のオリフィス101と上記複数のチャンバ201との間の及びその逆の通過又は空気流を可能にするように構成され、対して、上記少なくとも1つの静止状態では、1つ又は複数の調整弁600が、上記複数のチャンバ201と上記複数のオリフィス101との間の空気通過又は空気流を防止、或いは、妨害、防止、又は阻止するように構成される。
【0056】
具体的には、この好適な態様によると、動的な通気状態では、1つ又は複数の調整弁600が、複数のチャンバ201と複数のオリフィス101との間の流体連通を可能にするために完全に開いていてよい。好適には、逆方向の通気の状態では、加圧デバイス500がさらに、上記複数のチャンバ201から上記複数のオリフィス101までの空気の戻り又は通過を可能にするように、又は、このような戻りを防止しないように、構成される。逆に、やはりこの好適な態様によると、静止状態では、1つ又は複数の調整弁600が、複数のチャンバ201と複数のオリフィス101との間の流体連通を防止するように完全に閉じられていてよい。
【0057】
好適な態様によると、動的な通気状態が直接の通気状態又は逆方向の通気状態であってよい。
【0058】
直接の通気状態では、1つ又は複数の調整弁600が空気の通過を可能にするように構成され、加圧デバイス500が、オリフィス101から複数のチャンバ201までの空気流を発生させるように構成される。加圧デバイス500が、上記複数のオリフィス101を通して空気を吸い込むか又は引き寄せるように、並びに、連通システム400及び1つ又は複数の調整弁600を通して複数のチャンバ201に空気を供給するのに適する。したがって、加圧デバイス500が、大気圧に等しい圧力で履物の内側環境11から空気を引き寄せて、空気を上記複数のチャンバ201内に移送して、チャンバ201内の空気の圧力を増大させるように、構成される。このような直接的な通気の状態では、加圧デバイス500及び1つ又は複数の調整弁600が、複数のチャンバ201の内部の圧力と大気圧との間の圧力差又は圧力不均衡を、つまり、複数のチャンバ201と履物1の内側環境11との間の圧力の差を、作り出すか又は発生させるように構成される。好適には、上記加圧デバイス500が、チャンバ内部の空気圧力を、最大150kPa(1.5バール)~400kPa(4バール)の圧力にするように、またさらに好適には最大約250kPa(2.5バール)の圧力にするように、構成される。
【0059】
逆方向の通気状態では、1つ又は複数の調整弁600が、上記複数のチャンバ201から上記複数のオリフィス101までの空気の戻りを可能にするように構成される。言い換えると、1つ又は複数の調整弁600が、複数のチャンバ201から複数のオリフィス101の方に空気を送り出すか又は押し出すのを可能にするように構成される。好適には、チャンバ201からの空気の上記の送り出し又は上記の押し出しが、最大限の押し出し又は完全な押し出しである。言い換えると、好適には、上記逆方向の通気状態では、1つ又は複数の調整弁600が、上記複数のチャンバ201から上記複数のオリフィス101までの空気の完全な又は最大限の通過を可能にするように構成される。具体的には、逆方向の通気状態では、加圧デバイス500が、複数のオリフィス101を通して空気を引き寄せないように構成され、つまり、加圧デバイス500が作用していない。好適には、予期されるように、逆方向の通気の状態では、加圧デバイス500がさらに、上記複数のチャンバ201から上記複数のオリフィス101までの空気の戻り又は通過を可能にするように、又は、このような戻りを防止しないように、構成される。したがって、この間接的な通気状態では、加圧デバイス500及び1つ又は複数の調整弁600が、複数のチャンバ201の内部の圧力と大気圧との間の圧力均衡を復元するように、つまり、複数のチャンバ201内の圧力を履物1の内側環境11内の圧力すなわち大気圧に戻すように、構成される。
【0060】
好適な態様によると、少なくとも1つの静止状態が第1の静止状態であり、ここでは、チャンバ201とオリフィス101との間の流体連通が不足している。このような静止状態では、加圧デバイス500が、複数のオリフィス101を通して空気を引き寄せないように構成され、つまり、加圧デバイス500が作用していない。上記1つ又は複数の調整弁600が、上記複数のチャンバ201から上記複数のオリフィス101までの空気の戻りを防止するように構成される。つまり、上記第1の静止状態では、複数のチャンバ201内に存在する空気が、1つ又は複数のチャンネル又は通路400を通過して複数のオリフィス101に到達することができない。さらに言い換えると、上記第1の静止状態では、複数のチャンバ201から複数のオリフィス101までの空気の送り出し又は漏洩が阻止又は防止される。このような第1の静止状態では、チャンバ201が圧力を維持し、上記1つ又は複数の調整弁600が閉じられており、流体連通を遮断する。したがって、上記第1の静止状態では、不均衡又は圧力差が複数のチャンバ201の内部の圧力と大気圧との間で維持され、つまり、複数のチャンバ201と履物1の内側環境11との間の不均衡又は圧力差が維持される。具体的には、複数のチャンバ201が、大気圧より高い圧力となるか又は大気圧より高い圧力で維持される。好適には、この第1の静止状態では、複数のチャンバ201が約150kPa(1.5バール)~400kPa(4バール)の圧力にあり、さらに好適には約250kPa(2.5バール)の圧力にある。さらに、第1の静止状態では、加圧デバイス500が、複数のオリフィス101を通して空気を引き寄せないように構成され、つまり、加圧デバイス500が作用していない。
【0061】
好適な態様によると、別の静止状態又は第2の静止状態も可能である。この第2の静止状態では、複数のチャンバ201と大気圧のとの間に圧力均衡が存在し、つまり、チャンバ201内の圧力が大気圧に等しい。したがって、第2の静止状態では、複数のチャンバ201が履物の内側環境11と同じ圧力にある。第2の静止状態では、チャンバ101が圧力を維持する必要がないことを理由として、上記1つ又は複数の調整弁600が完全に開くように構成され、完全な流体連通を形成し、対して、加圧デバイス500が、複数のオリフィス101を通して空気を引き寄せないように構成され、つまり、加圧デバイス500が作用していない。したがって、チャンバ201が完全に空になっている。
【0062】
別の好適な態様によると、複数のチャンバ201が、第2の層200の確定の構成を決定するのに適した拡大可能なチャンバ又は拡大チャンバである。具体的には、チャンバの内部の空気流によるチャンバの容積の増大及びその結果としての圧力の増大が、この同じ第2の層200を変形させ、その結果、上記チャンバ201の各々において、複数の凹凸部分、突起部、又は隆起部分が露わになるか又は形成される。
【0063】
具体的には、この好適な態様によると、上記第1の静止状態では、複数のチャンバ201が第1の容積v1を有し、対して、上記第2の静止状態では、複数のチャンバ201が、第1の容積v1より小さい第2の容積v2を有する。言い換えると、上記第1の静止状態では、複数のチャンバ201が膨張構成にあるか又は膨張構成に達し、対して、上記第2の静止状態では、複数のチャンバ201が収縮構成にあるか又は収縮構成に達する。
【0064】
例えば、複数のチャンバ201内の圧力が、予め定められた最大圧力に達すると、第1の容積v1に到達することができ、複数のチャンバ201が大気圧に達すると、容積v2に到達することができる。第1の容積v1及び第2の容積v2の両方が事前に既知となり得るか、又は、当業者には既知であるテクニックに従って計算され得、結果として、第1の容積v1から第2の容積v2までにおいて及び/又はその逆において複数のチャンバ201が移行するのに必要となる平均時間が計算され得る。
【0065】
好適な態様によると、ソール10がさらに、使用時に歩行面Sの方に向くように配置されるか又は歩行面Sに接触するように置かれるのに適した支持表面203を有する。したがって、上記支持表面203は、使用時に使用者の足が接触している表面に対向する表面である。好適には、第2の層200が上記支持表面203の少なくとも一部を画定するか、又は、上記支持表面203の形態構造又は形状の変化を引き起こすことができる。第2の層200が地面上に載置されるソール10の層であるか、又は、第2の層200が地面上に載置されるソールの第3の層800に部分的に一体化される。言い換えると、支持表面203が第2の層200と一体に形成されるか、又は、支持表面203が上記第2の層200及び上記第3の層800によって部分的に形成される。別法として、第2の層200が第3の層800によって覆われ、それにより、上記支持表面203が画定される。具体的には、上記第2の静止状態では、上記支持表面203が実質的に平坦化されるか又は平坦である。つまり、チャンバ201が圧力下にないとき、つまり、チャンバ201が大気圧に等しい圧力にある場合、上記チャンバ201が、支持表面203のほぼ平坦化された又は平坦な構造形態を決定する。代わりに、上記第1の静止状態では、支持の表面203が、上記複数のチャンバ201の各チャンバのところに凹凸部分或いは突起部又は隆起部分を有するか又は形成する。言い換えると、チャンバ201が圧力下にあるとき、つまり、チャンバ201が大気圧より高い圧力にあるとき、上記チャンバ201が、支持表面203の3次元構造形態を決定する。好適には、上記凹凸部分或いは突起部又は隆起部分が、歩行面Sの方向に突出する。言い換えると、凹凸部分或いは突起部又は隆起部分が、使用時、上記歩行面Sの方に突出している。さらに言い換えると、好適には、凹凸部分或いは突起部又は隆起部分が、実質的に、支承表面203上にスタッドを形成する。
【0066】
本開示の特に好適な態様によると、チャンバ201が、第2の層200の第1の端部領域及び上記第1の端部領域の反対側にある第2の層200の第2の端部領域のところに作られる。言い換えると、チャンバ201が、ソール10の第1の端部領域及びソール10の第2の端部領域に分布する。好適には、ソール10の上記第1の端部領域及び第2の端部領域並びにひいては第2の層200が、ヒール部分領域又はつま先部分領域に対応している。別法として、複数のチャンバ201のチャンバがソール10の中央領域及び上記中央領域を囲むソール10の周縁領域のところに作られ得る。
【0067】
この同じ態様によると、上記1つ又は複数の調整弁600が、ソール10の第1の端部領域及びソール10の第2の端部領域のそれぞれにおいて、上で言及した流体連通システム400を介して、複数のオリフィス101と複数のチャンバのうちの各チャンバ201との間の流体連通を可能にするか又は防止するように構成された第1の弁601及び第2の弁602を備える。したがって、第1の弁601が第1のコンパートメント又は第1のグループのチャンバ201との流体連通を可能にするように又は可能にしないように構成され、対して、第2の弁が第2のコンパートメント又は第2のグループのチャンバ201との流体連通を可能にするように又は可能にしないように構成される。言い換えると、第1の弁601が、第1の端部領域内に位置するチャンバ内の圧力を調整し、同様に、第2の弁602が、第2の端部領域内に位置するチャンバ内の圧力を調整する。これにより、第1の弁601及び第2の弁602を別個に又は別個に起動するか又は動作させることが可能となり、このようにして、上記2つのグループのチャンバ201の間の通気の動的な状態又は静的な状態に差を作り出すことが可能となる。
【0068】
本開示の好適な態様によると、加圧デバイス500並びに/或いは1つ又は複数の調整弁600が、使用者により手動で起動され得る機械部材である。別法として、加圧デバイス500及び/又は1つ又は複数の調整弁600が電子デバイスである。好適には、加圧デバイス500及び1つ又は複数の調整弁600の両方が電子デバイスである。
【0069】
加圧デバイス500の可能性のある実例が、容積式コンプレッサ、回転コンプレッサ、蠕動ポンプ、電気機械ポンプ、手動ポンプである。調整弁600の可能性のある実例が、電子制御式のピンチ弁又は電子制御式のダックビル弁などの、電磁弁である。
【0070】
別の好適な態様によると、ソール10が、1つ又は複数の調整弁600及び/又は加圧デバイス500に接続されたタイム・スイッチ又は計時装置(図には示されない)を備える。計時装置が、所定の時間間隔で1つ又は複数の調整弁600を開ける/閉じるのを制御するように構成又はプログラムされ、別法として又はこの態様に加えて、タイム・スイッチ又は計時装置が、所定の時間間隔で加圧デバイス500の起動を制御するように構成又はプログラムされる。タイム・スイッチ又は計時装置が、機械式、電気式、又は電子式であってよい。別の好適な態様によると、ソール10が制御ユニット700を備える。制御ユニットが1つ又は複数の調整弁600に接続され、1つ又は複数の調整弁600である上記弁を閉じる及び/又は開けるのを制御するように構成又はプログラムされ、別法として又はこの態様に加えて、制御ユニット700が加圧デバイス500に接続され、加圧デバイス500の起動を制御するのに適する。言い換えると、加圧デバイス500が、制御ユニット700により加圧デバイス500に送信されるコマンドに従って起動される。言い換えると、制御ユニット700がさらに、加圧デバイス500を起動又は停止するように構成又はプログラムされ得る。具体的には、制御ユニット700が、例えば、複数のチャンバ201内で閾値圧力に達したときに加圧デバイス500の動作を中断するのに適する。例えば、制御ユニット700が、予め定められた時間間隔又は所定の時間間隔で、少なくとも1つの調整弁600を開ける/閉じるのを、並びに/或いは、加圧デバイス500の起動を、制御するためのタイム・スイッチ又は計時装置を備えることができる。これらの時間間隔が、好適には、一定又は規則的であるか、或いは等しい継続時間である。こうすることで、タイム・スイッチ又は計時装置により、複数のチャンバ201が規則的な時間間隔で送り出しを実施され得る。したがって、上述したように、例えばチャンバ201が第1の容積v1に達するのに必要な平均時間量が既知であることにより、複数のチャンバ201が、この第1の容積v1に到達するときに規則的に送り出しを実施され得る。加えて又は別法として、複数のチャンバ201との流体連通が規則的な時間間隔で閉じられ得る。上で言及したように、例えば、チャンバ201が第1の容積v1に達するのに必要な平均時間量が既知であることにより、複数のチャンバ201へのさらなる空気の流れが防止され得、それにより、第1の容積v1より大きい容積になることが回避される。
【0071】
本開示の好適な態様によると、ソール10が、複数のチャンバ201内の圧力を検出するのに適した圧力センサ603をさらに備える。この同じ好適な態様によると、上記圧力センサ602が制御ユニットに接続される。制御ユニット700が、圧力センサ603によって検出される圧力が特定の圧力閾値に達する場合に上記1つ又は複数の調整弁600を閉じる及び/又は開けるのを制御するように構成又はプログラムされる。つまり、制御ユニット700が、チャンバ201内で特定の閾値又は圧力限界値に達することに従って、1つ又は複数の調整弁600の起動を制御するように構成される。こうすることで、チャンバ201内で所定の圧力閾値に達すると、複数のチャンバ201と複数のオリフィスとの間の流体連通が選択的に可能にされ得るか又は防止され得る。これにより、例えば上で言及した予め定められた最大圧力などの、特定の圧力閾値に達するときに、複数のチャンバ201が送り出しを実施され得るか、又は、複数のチャンバ201へのさらなる空気の流入が防止され得、したがって、それにより、第1の容積v1より大きい容積に到達することが回避される。本開示の好適な態様によると、ソール10が、第1のグループのチャンバ内の圧力及び第2のグループのチャンバ201内の圧力を検出するのにそれぞれ適しており、制御ユニット700に接続された第1の圧力センサ603a及び第2の圧力センサ603bを備える。第1のグループのチャンバ201及び第2のグループのチャンバ201との流体連通が、ぞれぞれ、第1の調整弁601及び第2の調整弁602の状態に応じて、開けられるか又は閉じられる。この同じ好適な態様によると、制御ユニット700が、第1の圧力センサ603aによって検出された圧力が特定の圧力閾値に達する場合に上記第1の調整弁601を閉じるのを又は開けるのを制御するように構成又はプログラムされ、同様に、制御ユニット700が、第2の圧力センサ603bによって検出された圧力が特定の圧力閾値に達する場合に上記第2の調整弁602を閉じるのを又は開けるのを制御するように構成又はプログラムされる。つまり、制御ユニット700が、第1のグループのチャンバ201内の特定の閾値又は圧力限界値及び第2のグループのチャンバ201内の特定の閾値又は圧力限界値に達することに従って、第1の調整弁601及び第2の調整弁602の起動を別個に又は選択的に制御するように構成される。
【0072】
好適には、上記圧力センサ603、603a、又は603bが圧力スイッチである。好適には、上記圧力閾値が約150kPa(1.5バール)~400kPa(4バール)に等しく、より好適には約250kPa(2.5バール)に等しい。この圧力閾値が上で言及した予め定められた最大圧力に対応していてよい。
【0073】
本開示の好適な態様によると、加圧デバイス500が、例えばヒール部分領域などの、ソール10の端部領域に位置決めされる。こうすることで、加圧デバイス500が歩行中に又は他の活動の実施中にあまり邪魔にならず、加圧デバイス500の起動が手動である場合も使用者により容易にアクセス可能である。別法として、異なる好適な態様によると、加圧デバイス500が、ソール10の中央くびれ縁部(waist edge)の領域に位置決めされる。さらに、好適には、存在する場合、少なくとも1つの圧力センサ603及び制御ユニット700も第2の層200内に収容される。したがって、第2の層200が、圧力センサ603及び制御ユニット700のためのハウジング又はシートを備えることができる。より好適には、制御ユニット700が第2の層200の中央くびれ縁部領域内に位置する。
【0074】
好適な態様によると、ソール10が別の層を備える。上記別の層が、ソール10の第2の層200に結合された第3の層800である。好適には、第3の層800が第2の層200を少なくとも部分的に覆い、ソール10の載置表面203を完全に又は部分的に形成する。より好適には、上記加圧デバイス500が第3の層800内に収容される。好適には、上記第3の層800が、加圧デバイス500のためのハウジングを端部領域のところに有する。より好適には、加圧デバイス500が、ソール10のヒール部分領域又はバットレス領域内に作られた第3の層800のハウジング内に含まれる。
【0075】
本開示の好適な態様によると、ソール10が、温度センサ901及び/又は湿度センサ902をさらに備える。上記温度センサ901及び/又は湿度センサ902が第1の層100に関連付けられる。こうすることで、ソール10がアッパー300に結合されるとき、温度センサ901及び/又は湿度センサ902が履物1の内側環境11に対して露出される。したがって、温度センサ901及び/又は湿度センサ902が、動作中、履物1の内側環境11の温度及び湿度をそれぞれ検出又は測定するのに適する。上記温度センサ901及び/又は湿度センサ902が制御ユニット700に接続される。この好適な態様によると、制御ユニット700が、特定の温度閾値及び/又は湿度閾値に達するときに加圧デバイス500を起動するようにプログラム又は構成される。したがって、制御ユニット700が、履物1の内側環境11内で特定の温度値及び湿度値並びに/或いは閾値に達した場合に加圧デバイスを起動するようにプログラム又は構成される。この同じ好適な態様によると、さらに、制御ユニット700が少なくとも1つの調整弁600に接続され得、内側環境11内で達する温度及び/又は湿度に応じて、1つ又は複数の調整弁600を開けるのを又は閉じるのを制御するように構成され得る。具体的には、制御ユニット700が、内側環境11内で上で言及した温度閾値及び/又は湿度閾値に達したときに少なくとも1つの調整弁600を開けるか又は閉じるように構成され得る。つまり、制御ユニット700が、内側環境11内の温度及び/又は湿度に応じて、複数のチャンバ201と複数のオリフィス101との間の流体連通を可能にするか又は可能にしないように構成され得る。本開示はさらに、ここまでで説明した態様のうちの1つ又は複数の態様によるソール10を備える履物1に関連する。履物1が、履物10の内側環境11を画定するためにソール10の第1の層100に関連付けられたアッパー300をさらに備える。好適には、履物1が、アッパー300に結合された温度センサ901及び/又は湿度センサ902を備える。温度センサ901及び/又は湿度センサ902が、それぞれ、履物1の内側環境11内の温度及び湿度を検出又は測定するように構成される。したがって、温度センサ901及び/又はセンサ902が、制御ユニット700に接続される。制御ユニット700がさらに、加圧デバイス500の動作を制御するように、また具体的には加圧デバイス500の起動を決定するように、構成される。より具体的には、制御ユニット700が、特定の温度閾値すなわち予め定められた温度閾値及び/又は特定の湿度のs ogliaに達するときに加圧デバイス500の起動を決定又は制御するように構成又はプログラムされる。さらに、好適には、制御ユニット700がさらに少なくとも1つの調整弁600に接続され得、温度センサ901又は湿度センサ902によってそれぞれ検出される温度及び/又は湿度に応じて少なくとも1つの調整弁600を開けるのを又は閉じるのを制御するように構成され得る。具体的には、制御ユニット700が、内側環境11内で上で言及した温度閾値及び/又は湿度閾値に達したときに少なくとも1つの調整弁600を開けるか又は閉じるように構成され得る。
【0076】
本開示の別の主題が、履物の内側環境に対して通気を行うための方法を有する。
【0077】
このプロセスの説明では、上で説明した要素と同じ機能及び同じ構造を有する、本方法に関連するソール10及び履物1の要素は同じ参照符号を有し、再び詳細には説明されない。
【0078】
本開示によると、履物1の内側環境11に対して通気を行うための方法が、アッパー300を用意するステップと、複数の貫通オリフィス101を有する、ソール10の第1の層100を用意するステップと、内側環境11を形成するために上記第1の層100を上記アッパーに適用するか又は関連付けるか或いは接続するステップと、を含む。加えて、本開示による方法が、複数のチャンバ201を備える、ソール10の第2の層200を提供することと、上記第2の層200を上記第1の層100に結合することとを実現する。好適には、上記第2の層200が、アッパー300に対して反対側で、第1の層100に結合される。したがって、本方法は、上記複数のオリフィス101と上記複数のチャンバ201との間の1つ又はさらなるいくつかのチャンネル又は通路400を通して、上記複数のオリフィス101及び上記複数のチャンバ201を流体的に接続することをさらに実現する。言い換えると、本方法が、複数のオリフィス101と複数のチャンバ201との間の流体連通のシステムを作ることを実現する。本方法がさらに、加圧デバイス500を提供することと、上記加圧デバイス500を上記1つ又は複数のチャンネル又は通路400に流体連通することと、1つ又は複数の調整弁600を提供することと、上記1つ又は複数の調整弁600を上記1つ又は複数のチャンネル又は通路400に流体連通することとを実現する。最後に、本方法が、上記複数のオリフィス101と上記複数のチャンバ201との間の及びその逆の空気通過又は空気流を発生させて調整することを実現する。つまり、上で言及した方法によると、複数のオリフィス101と複数のチャンバ201との間で、第1の方向に、又は、複数のチャンバ201と複数のオリフィス101との間で、第1の方向の反対の第2の方向に、流れるか又は通過する空気流が作り出される。最初の事例では、履物1の内側環境11から離れるように移動するつまり履物1の内側環境11から外に出る空気流が発生して調整され、対して、2つ目の事例では、履物の内側環境11に入る空気流が作り出されて調整される。最初の事例では、直接の通気状態が作り出され、対して、2つ目の事例では、逆方向の通気状態が作り出される。
【0079】
好適な態様によると、上記複数のオリフィス101と上記複数のチャンバ201との間の又はその逆の空気通過又は空気流を作り出すステップが、上記加圧デバイス500により上記複数のオリフィス101を通して空気を吸い込むことと、上記1つ又は複数のチャンネル又は通路400及び上記1つ又は複数の調整弁600を通して複数のチャンバ201に上記空気を供給することと、上記複数のチャンバ201内の空気圧力を増大させることと、上記1つ又は複数の調整弁600を通して空気の戻りを防止することと、上記1つ又は複数の調整弁600を通して複数のオリフィス101の方への空気の戻り又は通過を可能にすることと、を含む。言い換えると、空気流を発生させることが、加圧デバイス500により、履物の内側環境から一定量の空気を吸い込むことと、チャンバ201内の空気の圧力の増大が達成されるまで、上記量の空気を複数のチャンバ201に供給することと、少なくとも1つの調整弁600により、複数のチャンバ201と複数のオリフィス101との間の流体連通を遮ることと、それにより、複数のチャンバ201と複数のオリフィス101との間の流体連通を可能にすることと、を含む。別の言い方をすると、複数のチャンバ201内の圧力を増大させるステップまで、複数のオリフィス101及びひいては履物の内側環境と上記複数のチャンバ201との間においてこの方向の空気流が発生する。対して、上記1つ又は複数の調整弁600を通して複数のオリフィス101の方に向かう空気の戻り又は通過のフェーズでは、複数のチャンバ201と複数のオリフィス101との間においてこの方向の空気流が発生する。
【0080】
さらに、本開示による別の好適な態様によると、上記1つ又は複数の調整弁600を通しての空気の戻り又は通過において、この戻り又は通過が、上記複数のチャンバ201から上記複数のオリフィス101までの完全な又は最大限の空気の通過である。言い換えると、複数のチャンバ201が完全に空になる。1つ又は複数の調整弁600が、複数のチャンバの完全な流通又は収縮を可能にするために完全に開いている。
【0081】
加えて、本開示の好適な態様によると、本方法が、時間を測定するステップ、所定の時間間隔で少なくとも1つの調整弁600を開ける及び/又は閉じるステップ、並びに/或いは、予め確立された時間間隔で加圧のデバイス500の起動を制御するステップをさらに含む。言い換えると、本方法が、所定の期間後、1つ又は複数の調整弁600が開けられるか又は閉じられること、並びに/或いは、加圧デバイス500が起動されるか又は停止されること、を実現することができる。所定の時間間隔が、複数のチャンバ201が予め定められた又は所定の最大圧力或いは予め定められた又は所定の最大容積に達するのに必要である時間に等しくてよい。
【0082】
本開示の別の好適な態様によると、本方法が、複数のチャンバ201内の圧力を検出するステップと、圧力閾値を定めるステップと、検出した圧力がこの特定の圧力閾値に達した場合に少なくとも1つの調整弁600を開ける及び/又は閉じるのを制御するステップと、をさらに含む。加えて、この好適な態様によると、本方法が、測定した圧力に応じて、加圧デバイス500の起動を制御するステップをさらに含むことができる。具体的には、このフェーズが、上で言及した圧力閾値に達したときの加圧デバイス500の起動又は停止を含むことができる。したがって、この好適な態様によると、本方法が、複数のチャンバ201内の圧力を測定又は監視することと、複数のチャンバ201への/複数のチャンバ201からの空気流及び湿度を調整することとを伴う。
【0083】
本開示の別の好適な態様によると、本方法が、履物の内側環境11内の温度及び/又は湿度を検出するステップと、温度閾値及び/又は湿度閾値を定めるステップと、所定の温度閾値及び/又は湿度閾値に達したときに、加圧デバイス500の起動を、並びに/或いは少なくとも1つの調整弁600を開ける又は閉じるのを、制御するステップと、をさらに含む。したがって、この好適な態様によると、本方法が、内側環境11内の温度及び/又は湿度を測定又は監視することと、複数のチャンバ201への/複数のチャンバ201からの空気流及び湿度を調整することと、を伴う。
【0084】
ここまで、本開示の主題の実施例を参照して本開示の主題を説明してきた。同じ本発明の発想に関連する他の実施例も存在し得、これらの他の実施例のすべてが、以下に示される特許請求の範囲の保護範囲内にあることが理解されよう。
【0085】
以下の特許請求の範囲内に留めながら、本明細書で説明及び例示された実施例に対して、当業者により、任意の変形又は追加が行われ得る。具体的には、別の実施例が、以下の請求項のうちの1つの請求項の技術的特性、さらには加えて、個別に記載されるか又は任意の相補的な組み合わせで記載される、本文脈で説明されるか又は図面に示される1つ又は複数の技術的特性を含むことができる。
図1
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【国際調査報告】