(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-02
(54)【発明の名称】翼端に位置付けられたプロペラを伴う航空機
(51)【国際特許分類】
B64C 27/26 20060101AFI20230222BHJP
【FI】
B64C27/26
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022565734
(86)(22)【出願日】2020-12-30
(85)【翻訳文提出日】2022-08-24
(86)【国際出願番号】 US2020067536
(87)【国際公開番号】W WO2021138470
(87)【国際公開日】2021-07-08
(32)【優先日】2019-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522260643
【氏名又は名称】ラス,ジョナサン クリスチャン
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ラス,ジョナサン クリスチャン
(57)【要約】
湾曲した翼端を有する第2の翼の上方に位置付けられた、湾曲した翼端を伴う第1の翼を有する機体を含んだ、航空機が提供される。第1及び第2の翼間における湾曲した翼端間に位置されたロータアセンブリは、航空機の垂直離陸のための垂直の推力と、搭載電源を再充電するための電気エネルギーを生成するための、自動回転と、の両方を提供するために利用可能である。第1の翼は、V形状で形成され得る。前方への推力及び垂直の推力を飛行機に提供する、追加のロータアセンブリを、回転可能な先尾翼に含むことができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空機であって、
前端部及び後端部を有し、かつ右側及び前記右側の反対側の左側を有する、機体と、
第2の翼の上方に位置付けられた、第1の翼であって、
前記第1の翼は、前記機体の前記右側に位置付けられた第1の湾曲した翼端を有し、かつ前記機体の前記左側に位置付けられた第2の湾曲した翼端を有し、
前記第2の翼は、前記機体の前記右側に第1の湾曲した翼端を有し、かつ前記機体の左側に位置付けられた第2の湾曲した翼端を有する、第1の翼と、
前記第1の翼における前記第1の湾曲した翼端の遠位端、及び前記第2の翼における前記第1の湾曲した翼端の遠位端の間に位置付けられた、第1のロータアセンブリと、
前記第1の翼における前記第2の湾曲した翼端の遠位端、及び前記第2の翼における前記第2の湾曲した翼端の遠位端の間に位置付けられた、第2のロータアセンブリと、
を備え、
前記第1のロータアセンブリは、第1の発動発電機に係合された第1のプロペラを有し、前記プロペラは水平面で回転し、前記水平面は、前記第1の翼と前記第2の翼との間の空隙の中に延び、
前記第2にロータアセンブリは、第2の発動発電機に係合された第2のプロペラを有し、前記第2のプロペラは、前記水平面で回転する、航空機。
【請求項2】
前記第1の翼はV形状であり、
第1の端部で前記機体と係合して遠位端へ延びた、垂直安定板を追加で備え、
前記第1の翼は、前記水平安定板の前記遠位端と係合した中央部分を有する、請求項1に記載の航空機。
【請求項3】
前記機体の前記右側と係合した第1の端部から、その遠位端へ延びた、右側先尾翼と、
前記機体の前記左側と係合した第1の端部から、その遠位端へ延びた、左側先尾翼と、
前記右側先尾翼に位置付けられ、プロペラと係合された第3の発動発電機を有する、第3のロータアセンブリと、
前記左側先尾翼に位置付けられ、プロペラと係合された第4の発動発電機を有する、第4のロータアセンブリと、
を追加で備える、請求項1に記載の航空機。
【請求項4】
前記機体の前記右側と係合した第1の端部から、その遠位端へ延びた、右側先尾翼と、
前記機体の前記左側と係合した第1の端部から、その遠位端へ延びた、左側先尾翼と、
前記右側先尾翼に位置付けられ、プロペラと係合された第3の発動発電機を有する、第3のロータアセンブリと、
前記左側先尾翼に位置付けられ、プロペラと係合された第4の発動発電機を有する、第4のロータアセンブリと、
を追加で備える、請求項2に記載の航空機。
【請求項5】
前記右側先尾翼の前記第1の端部、及び前記左側先尾翼の前記第1の端部は、両方ともアクチュエータに係合され、
前記アクチュエータは回転可能であり、
前記右側先尾翼は両方とも、水平位置付けと垂直位置付けとの間で、前記アクチュエータの回転によって回転可能であり、
前記水平位置付けは、前記第3のロータアセンブリの前記プロペラ、及び前記第4のロータアセンブリの前記プロペラを、垂直位置付けに位置させ、それによってそれらは前記航空機の水平飛行中に、前方への推力を生成し、
前記垂直位置付けは、前記第3のロータアセンブリの前記プロペラ、及び前記第4のロータアセンブリの前記プロペラを、水平位置付けに位置させ、それによってそれらは、前記機体の垂直飛行中に、垂直の推力を生成する、請求項3に記載の航空機。
【請求項6】
前記右側先尾翼の前記第1の端部、及び前記左側先尾翼の前記第1の端部は、両方ともアクチュエータに係合され、
前記アクチュエータは回転可能で、
前記右側先尾翼は両方とも、水平位置付けと垂直位置付けとの間で、前記アクチュエータの回転によって回転可能であり、
前記水平位置付けは、前記第3のロータアセンブリの前記プロペラ、及び前記第4のロータアセンブリの前記プロペラを、垂直位置に位置させ、それによってそれらは前記航空機の水平飛行中に、前方への推力を生成し、
前記垂直位置付けは、前記第3のロータアセンブリの前記プロペラ、及び前記第4のロータアセンブリの前記プロペラを、水平位置付けに位置させ、それによってそれらは、前記機体の垂直飛行中に、垂直の推力を生成する、請求項4に記載の航空機。
【請求項7】
前記第1のロータアセンブリと係合された前記プロペラ、及び前記第2のロータアセンブリと係合された前記プロペラの自動回転を使用して、前記機体に搭載の電源を充電することに関連して使用された、再生充電プロセスを追加で備え、
前記再生充電プロセスによって生成された電気エネルギーを、前記搭載電源に伝えることで、前記電源を再充電する、請求項5に記載の航空機。
【請求項8】
前記第1のロータアセンブリと係合された前記プロペラ、及び前記第2のロータアセンブリと係合された前記プロペラの自動回転を使用して、前記機体に搭載の電源を充電することに関連して使用された、再生充電プロセスを追加で備え、前記再生充電プロセスによって生成された電気エネルギーを、前記搭載電源に伝えることで、前記電源を再充電する、請求項6に記載の航空機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2019年12月31日に申請された米国仮特許出願第62/956,227号明細書の優先権を主張する。
【0002】
本発明は、全体的に航空機及び航空機に利用されるプロペラに関する。より詳細には、本発明は、電気発動発電機に動作可能に係合され、翼端に位置付けられたプロペラに関する。この発動発電機は、飛行のために航空機に推力を提供すること、及び航空機の飛行期間中に、翼端の渦エネルギーを捕捉して、これを電力に変換すること、の両方のために構成される。
【背景技術】
【0003】
近年、無人航空機の出現に伴い、多くの、従来の音速以下での滑走路離陸、及び垂直離陸の飛行体が、有効性のためにプロペラ駆動される。このような航空機において、プロペラは回転ハブと係合される。回転ハブは、径方向に突出したブレードを有し、これらブレードは、係合されたモータの動作に依拠して、揚力及び抗力を生成する。プロペラは、電源に動作可能に接続された電気モータからの回転力を、直線推力に変換し、その時の飛行体の動作に依拠して、飛行体を上方及び前方に推進する。
【0004】
バッテリ及び/または低速放電のコンデンサなどの電源によって、電力を動作可能に供給されるとき、このような推力を生成するプロペラは、段階的に気流を増加させ、プロペラ面まで空気圧を減少させる。回転するプロペラ面に到達した際に、自由流の値まで減少するときに段階的に減少する下流フローにおいて、空気圧は急激に増加する。
【0005】
近年における、このような軽量無人機または遠隔制御された航空機は、その動作中に垂直離着陸で動作する。しかし、着陸装置が装備されたとき、このような乗物は、従来の滑走路離着陸動作で容易に操作される。
【0006】
垂直動作において、従来このような航空機は、少なくとも1つ、好ましくは複数の、電気モータに動作可能に係合されたプロペラを利用する。この垂直離着陸動作におけるプロペラは、垂直方向に推力を生成するように方向付けられる。
【0007】
垂直に運動する間、乗物の制御は、複数のロータにわたる推力を発生及び変化させること、ならびに/またはロータブレードのピッチ角を制御することが必要である。垂直から水平飛行へ移行するために、いくつかの航空機は、推力生成構成要素または乗物全体を傾ける。その一方で他の軽量航空機は、各飛行モードのために、分離したモータ駆動プロペラを利用する。
【0008】
これら全てのシステムは、飛行中の航空機が方向付けを生成するのを維持するため、ならびに、様々な翼面及びプロペラを制御して、空中の航空機を維持し、飛行中に垂直方向及び水平方向に動かすための、制御器を必要とする。
【0009】
上記に関して、本明細書における、翼端に位置付けられたプロペラを伴う航空機システムの、少なくとも1つの好ましい実施形態を説明する前に、開示するデバイス及びシステムは、利用の詳細、ならびに以下の説明に記載された、もしくは図面に例示された、構成要素の配置またはステップに、適用を限定しないことを理解されたい。本明細書で開示される航空機システムの、様々な装置及び動作は、他の実施形態で可能であり、かつ様々な方法で実施及び実行が可能である。それらの全ては、当業者が一旦本明細書の情報を考察すると、明白となろう。
【0010】
さらに、本明細書で利用する表現法及び専門用語は、説明を目的としており、限定と見なすべきではないことを理解されたい。したがって、当業者は、本開示が基づく概念が、翼端に係合された発動発電機に動作可能に係合された、翼端に位置付けられたプロペラを有する、他の航空機の基本として容易に利用され得ることを、理解するであろう。したがって、これらの同等の構造及び方法が、本発明の趣旨及び範囲を逸脱しない限り、本明細書の実施形態、目標、及び特許請求の範囲に含まれるものと見なすことは、重要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
近年、軽量でプロペラ駆動の航空機は、趣味、ならびに空中観測、測量、及び写真撮影などの仕事の両方に、広く利用されている。新しい設計が、荷物及び人の両方における、複数の位置間、特に垂直離着陸(VTOL:vertical take-off and landing)が利用される位置間の輸送を提供することに、大きい期待を示している。
【0012】
本明細書における航空機及びシステムは、本明細書のシステム及び方法の様々なモードで動作するよう構成可能であり、より長い飛行及び惰行時間の機能と組み合わせて、より速い巡行スピードを提供する。追加として、本明細書における、航空機構成及び動作システムは、このような航空機の距離及び飛行機能の両方の拡張を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本明細書における航空機システムの、特に好ましいモードにおいて、飛行範囲の拡張は、翼端に位置付けられたプロペラを含むことで提供され、プロペラの各々は、電気発動発電機と動作可能に係合される。本明細書における、翼端に位置付けられたプロペラとは、プロペラが、発動発電機に動作可能に係合され、第1の上部翼との湾曲した翼端と、第1または上部翼の下方に位置付けられた第2の翼の翼端と、の間に位置付けられることを意味する。それぞれの発動発電機に係合された、翼端に位置付けられたプロペラは、実質的な水平面で回転する。実質的な水平面とは、各翼端に位置付けられたプロペラの回転面が、第1及び第2の翼面の20°内にあることを意味する。
【0014】
それぞれの湾曲した翼端の間に位置付けられると、各プロペラは、搭載電源によって電力を供給されたときに作動され、航空機に揚力を提供し得る。電力を供給されないとき、2つのそれぞれの湾曲した翼端間に動作可能に位置されたプロペラは、第1及び第2の翼端の両方から、渦エネルギーを捕捉するよう動作する。この渦エネルギーは、各プロペラを回転させるよう動作し、動作可能に係合された発動発電機は、風エネルギーを収集して、それを電気エネルギーに変換して、搭載電源を再充電するよう動作する。このような搭載電源は、1つまたは組み合わされた、動作可能に接続されたバッテリ及び/またはコンデンサなどが公知である。
【0015】
水平飛行期間中に、翼端の各々で生成される渦エネルギーを捕捉することに加えて、実験によって、翼端に位置されたプロペラは、翼及び先尾翼からの渦から生成された風力も捕捉し、さらには先尾翼に係合されたプロペラからのプロペラ後流ならびに環境風も捕捉することが判っている。このような翼端における位置付けは、搭載電源への電気を生成及び貯蔵するために、複数の手段を提供する。
【0016】
さらに、それぞれの発動発電機に係合されたプロペラの、翼端の位置付けは、航空機の前方運動の下降中に、回生制動または自動回転を、基本的に提供するためにも作動され得る。これは、航空機の下降中に生成された気流から、各翼端に位置付けられたプロペラの自動回転中に発生する。このプロペラの回転は、係合した発動発電機を回転させて、搭載電源を再充電するために伝えられ得る電流を生成する。
【0017】
発動発電機に対して動作可能に係合された、翼端に水平に方向付けられて位置付けられた、言及した好ましいプロペラに加え、本明細書で特に好ましいモードにおいて、航空機は、回転可能に前部に位置付けられた先尾翼に係合された、発動発電機によって駆動されるプロペラを含み得る。このようなモータ駆動のプロペラは、単に翼に係合される一方で、機体に係合され、第1すなわち上部翼及び第2の翼両方の前方で機体に位置された先尾翼に位置付けることで、翼端における、より大きい径の水平回転プロペラを可能にし、同様に先尾翼を回転させるアクチュエータを使用して、推力の方向制御を可能にする。
【0018】
このように位置付けられると、両方の先尾翼は機体に対する係合において回転可能であり、それによって、各先尾翼に装着された発動発電機に動作可能に接続された各プロペラ面を、回転させる。垂直離着陸のために、先尾翼に係合された各プロペラ面は、それぞれの先尾翼を回転させることによって回転され、位置付けの垂直面と実質的な水平面との間において、プロペラ面を動かし得る。プロペラの位置付けにおける、実質的な水平面とは、回転する先尾翼に係合されたプロペラ面が、第1の翼及び/または第2の翼の面に対して実質的に平行であることを意味する。先尾翼に係合されたプロペラの、位置付けにおける垂直面とは、このような各プロペラの回転面が、第1の翼及び/または第2の翼の面に対して直角、または実質的に垂直であることを意味する。したがって、各先尾翼の回転は、先尾翼における発動発電機を回転させ、それは同様に、それぞれの発動発電機に係合されたそれぞれのプロペラの回転面を回転させる。
【0019】
水平すなわち前方飛行のために、先尾翼は、係合されたプロペラ面を、各先尾翼に係合されたプロペラの、実質的な平行面と実質的な垂直回転面との間で動かすために、回転可能である。したがって、各先尾翼の回転は、係合された発動発電機を回転させ、同様に、それぞれの先尾翼に係合された発動発電機に係合された、プロペラ面を回転させる。
【0020】
発動発電機を有し、各それぞれの先尾翼に係合された発動発電機に動作可能に係合された、それぞれのプロペラを伴う、本明細書の航空機のモードにおいて、先尾翼は制御器によって回転させることができる。このような回転中、各プロペラは、回転の実質的な水平面と実質的な垂直面との間で、飛行の特定の瞬間で必要に応じて、同時に回転することができる。したがって、各プロペラ面のこの回転は、離陸、前方への推進力、または着陸期間中に、航空機の必要に応じて、揚力及び/前方への推進力を提供するために制御することができる。制御器で作動するソフトウェア、または制御器と動作可能に通信するソフトウェアは、アクチュエータまたはモータを作動させて、先尾翼の各々を回転させ、航空機の飛行における任意の期間中に、必要な揚力及び/または前方への推力を提供することができる。電力が供給されないとき、翼端に位置付けられたプロペラは自動回転するため、プロペラは常に揚力を提供し、それは、航空機の失速に対して大きな抵抗を生成することができる。
【0021】
理解されるように、垂直離着陸のために、先尾翼に係合されたプロペラの回転面は、翼端に係合されたプロペラの回転面のように、実質的に水平にすることができる。このような方向付けは、離陸中に航空機を浮揚させるための、4つのプロペラからの推力と、着陸中の下降を遅くするための、4つのプロペラの自動回転と、を可能にする。
【0022】
一旦上昇すると、先尾翼に係合されたプロペラの回転面は、各先尾翼に係合されたアクチュエータの制御された回転によって回転させることができ、それによって先尾翼に係合されたプロペラを、航空機に前方への推力を提供するための回転面に位置付けて、飛行中に第1の及び第2の翼から揚力を生成する。垂直離着陸(VTOL)中に、2つの先尾翼に係合されたプロペラは、実質的に水平である回転面に戻るよう回転され、それらと係合された発動発電機は、搭載電源によって電力を供給され、下降中及び/または垂直離陸中に、係合されたプロペラを回転させる。翼端に位置付けられた2つのプロペラと係合された発動発電機も、VTOL中に搭載電源によってエネルギーを供給される。
【0023】
追加として、航空機の水平飛行中、翼端に位置付けられたプロペラと係合された2つの発動発電機は、電力を供給されず、この飛行中は自動回転する。本明細書で言及する、正弦曲線の再生飛行経路を実施するとき、先尾翼に係合された発動発電機は電力を供給され、飛行経路の最高点まで、装着されたプロペラから推力を生成する。最高点において、先尾翼に係合された発動発電機への電力は、下降において切断される。これは、先尾翼に係合された発動発電機上のプロペラが、航空機を下方へ加速させる重力によって作り出される相対風に対して、自動回転するのを可能にする。これは、係合された発動発電機に回転を与えることになり、それは、搭載電源に伝えられる電気を生成するために、利用することができる。下降の底において、搭載電源からの電力を、2つの先尾翼に係合された発動発電機に再接続することができ、前方への推力を提供して航空機が上昇して最高点に戻るのを可能にするために、2つの先尾翼に係合されたプロペラを回転させる。
【0024】
本明細書における航空機デバイスの追加モードは、V形状または構成を有する、第1の翼すなわち上部翼を特徴とする。このV構成において、第1の翼すなわち上部翼の中央部分は、航空機の機体の後端部から延びた垂直安定板または尾翼に係合される。中央位置から、この第1の翼すなわち上部翼は、上から見るとV形状で、機体の前端部に向けて延び、ここで先尾翼はそれぞれの湾曲した翼端に係合される。V形状翼の湾曲した翼端は、翼端に位置付けられたプロペラが周りを回転する軸受への接続、もしくは発動発電機のハウジングへの接続、または任意の方法によって、翼端に位置付けられた発動発電機及びプロペラに接続し、発動発電機を固定位置に保持して、係合されたプロペラが回転するのを可能にする。当然ながらこれは、それぞれの翼端の湾曲、それらを形成する材料、及び当業者が思い付く他の要因に依拠して、変化し得る。
【0025】
実験において、このV形状の第1の翼すなわち上部翼は、直線翼の上部翼に対して、前方飛行中に追加の揚力を提供することが判明した。なぜならそれは、機体から実質的に直角または僅かな角度のみで突出する翼よりも、長い延長を有するからである。V形状の第1の翼は飛行中に、より容易に航空機を進行させることが、予期せず判明した。進行のために必要な力を軽くすることは、V形状の第1の翼が、前方飛行中に、より多くの空気を尾翼または垂直安定板へ導くという事実に対する、さらなる試験から考察された。前方飛行は、フラップを動かして航空機を進行させるための電力を、その後あまり必要とせず、機体軸に対して実質的に直角に突出した実質的な直線翼が設けられるものよりも、電力を節約し、かつ飛行時間を長くした。
【0026】
したがって、本明細書における航空機の1つのモードにおいて、実質的な利益は、水平面で回転するプロペラに係合された発動発電機を、湾曲した翼端の交差部に位置付けることによって、飛行中に渦エネルギーを捕捉して搭載電源を再充電し、かつ航空機の下降中に電力を生成して搭載電源を再充電することで、提供される。本明細書における航空機の第2のモードにおいて、先尾翼の制御された回転によって回転面を変化させることができるプロペラを伴う、先尾翼に係合された発動発電機を追加することによって、垂直下降中に追加の電力生成と、垂直離陸のための推力をもたらす機能と、を提供する。本明細書における発明の、さらに別の好ましいモードにおいて、V形状の第1の翼すなわち上部翼を全体構成に追加することによって、前方飛行中の全体揚力を増加させ、飛行体を前進させるために必要な電力を減少させ、それによって、長い飛行に利用可能な電力を引き延ばす。
【0027】
上記の説明に関して、本明細書で開示する、発動発電機に係合された翼端に位置付けられたプロペラを有する飛行体の、少なくとも1つの好ましい実施形態において説明する前に、本発明は構造の詳細な適用に限定されず、以下の説明または図面の例示における構成要素の配置に限定されないことを理解されたい。本明細書で説明する本発明は、他の実施形態も可能であり、当業者には明確であろう様々な方法で、実行及び実施が可能である。さらに、本明細書で利用する表現法及び専門用語は、説明を目的としており、限定と見なすべきではないことを理解されたい。
【0028】
したがって、当業者は、本開示に基づく概念は、他の翼端に位置付けられたプロペラが駆動する飛行体構造、ならびに先尾翼に係合されたプロペラの設計、ならびに本開示のデバイスのいくつかの目標を実行するための方法及びシステムの基礎として、容易に利用され得ることを、理解するであろう。したがって、これらの同等の構造及び方法が、本発明の趣旨及び範囲を逸脱しない限り、特許請求の範囲に含むものと見なされることは重要である。
【0029】
様々な発明の態様及び実施形態を説明するために、特許請求の範囲で使用される、「備える、含む(comprising)」は、限定ではないが、「備える」に続く単語を含むことを意味する。したがって、用語「備える、含む」は、列挙された要素が必要または必須であるが、他の要素が任意選択で存在しても存在しなくてもよいことを示す。「~から構成される(consisting of)」は、フレーズ「~から構成される」に続く全てを含み、かつそれらに限定されることを意味する。したがって、フレーズ「~から構成される」は、列挙された要素が必要または必須であり、かつ他のいかなる要素も存在しないことを示す。「実質的に~からなる(consisting essentially of)は、このフレーズの後に列挙された任意の要素を含むよう意味され、列挙された要素のための開示において明記された働きまたは作用に干渉しないか、または寄与しない他の要素に限定される。したがって、フレーズ「実質的に~から構成される」は、列挙された要素が必要または必須であるが、他の要素は任意選択で、それらが列挙された要素の働きまたは作用に影響を与えるか否かによって、存在してもよく、存在しなくてもよいことを示す。最後に用語「実質的に(substantially)」は、サイズもしくは寸法、または特定の部品もしくは構成を別様に定義しない場合、プラスマイナス10パーセントを意味する。
【0030】
本発明の目標は、航空機の飛行中に駆動ロータ及び環境風から、風渦エネルギー、プロペラ後流のスリップストリームエネルギーを捕捉し、プロペラに動作可能に接続された翼端に係合された発動発電機の位置付けを介して、電力を生成することを提供することである。
【0031】
本発明の別の目標は、航空機の下降中に、プロペラに動作可能に係合された、翼端に位置付けられた発動発電機の風力による回転を介して、風エネルギーを捕捉することを提供することである。プロペラは下降中に自動回転して、電気を生成する。
【0032】
本明細書における本発明の追加の目標は、機体に係合された回転可能な先尾翼を提供することであり、これらの先尾翼は、プロペラに動作可能に接続された発動発電機を回転させることで、垂直及び水平飛行の両方のためにプロペラの回転面を回転させるよう、制御可能である。
【0033】
本明細書における本発明のさらに別の目標は、飛行中に水平安定板または尾翼への気流を増加させるために、実質的にV形状の第1の翼すなわち上部翼を有した、二重翼の航空機を提供することである。
【0034】
本航空機の他の目的、特徴、及び利点、ならびに現行の先行技術に対する利点は、以下の説明から明確になり、本仕様で説明した改善、及び本発明を完全に開示する以下の詳細の説明によって実現されるが、それに限定するように考慮するべきではない。
【0035】
本明細書に組み込まれ、本仕様の一部を形成する添付の図面は、本明細書の発明における航空機の様々なモードの実施形態及び/または特徴の、唯一かつ排他的ではない例のいくつかを例示する。これらは言及されるように、単独または組み合わせで利用され得る。本明細書で開示する実施形態及び図は、限定ではなく例示であるよう意図される。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】第1の翼すなわち上部翼の湾曲した翼端と、第1の翼の下方に位置された第2の翼の湾曲した翼端との間に位置付けられたプロペラに係合された発動発電機の好ましい構成、及び上部翼すなわち第1の翼のV形状構成、を示す、本明細書における航空機システムの正面斜視図である。
【
図2】V形状の第1の翼すなわち上部翼を示し、発動発電機に係合された翼端に位置付けられたプロペラの水平の回転面を示し、かつ、先尾翼に係合された発動発電機が、実質的に垂直の回転面にある、発動発電機に係合されたプロペラを有する位置まで、先尾翼が回転されていることを表わす、本明細書における航空機の上面図である。
【
図3】先尾翼が、
図1の水平位置から垂直位置に向けて回転し、それによって、先尾翼に接続されたプロペラが垂直の回転面、もしくは水平面、またはそれらの間の様々な回転面、のいずれかに位置付けられることを示す、
図1及び
図2の航空機システムを表わす図である。
【
図4】
図1~
図3に類似した形式だが、第1の翼すなわち上部翼が、機体の軸に対して実質的に直角に延びていることを示す、本明細書における航空機システムの表わす図である。
【
図5】軸受及び/または発動発電機のハウジングへの接続などによって、第1の翼すなわち上部翼の湾曲した翼端、及びその下方に位置された第2の翼の湾曲した翼端に動作可能に接続された、発動発電機に係合されたプロペラを伴う第2のロータの、特に好ましい位置付けを示す図である。
【
図6】垂直離着陸中の、本明細書における航空機システムの典型的な動作モードを表わす図である。
【
図7】渦エネルギーが前方飛行中及び/または滑空中に捕捉され、翼端に位置付けられたプロペラを回転させて飛行中に電気を生成し得る、本明細書における航空機システムの動作モードを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本明細書における航空機システムの他の態様は、添付の図及び以下の詳細の説明と共に考察すると、より容易に理解されよう。しかし、それらのいずれも限定と考慮するべきではない。
【0038】
この説明において、上に、上方に、下に、下方に、表、裏、頂部、上部、底部、下部、左、右、第1、第2、及び他のこのような方向を表わす用語は、デバイスが図中で方向付けられて現出する様を指し、単に便宜的に使用される。それらは、限定を意図されない。または航空機デバイスが、任意の特定の方向付けで使用もしくは位置付けられる必要があるようには意図されない。
【0039】
次に
図1~
図7を参照すると、類似の構成要素は同じ番号で識別される。
図1では、本明細書における航空システム10の正面斜視図が、複数のブレード16を有するプロペラ14に動作可能に接続された発動発電機12及び13を含む、ロータアセンブリを有する好ましい構成を示すことが確認される。
【0040】
システム10の特に好ましいモードにおいて、ブレード16を有するプロペラ14に動作可能に係合された、第1の発動発電機12を有する第1のロータアセンブリ11、及びブレード16を有するプロペラ14に動作可能に係合された、第2の発動発電機13を有する第2のロータアセンブリ15が、第1の翼20すなわち上部翼の第1の湾曲した翼端18と、第1の翼20の下方に位置付けられた第2の翼24における第2の湾曲した翼端22と、の間のそれぞれに係合部に、両方とも動作可能に位置付けられる。示されるように、発動発電機12を伴う第1のロータアセンブリ11は、機体26の右側に位置され、第2の発動発電機13を有する第2のロータアセンブリ15は、機体26の左側に位置付けられる。
【0041】
示されるように、第1のロータアセンブリ11及び第2のロータアセンブリ15の両方は、第1の翼20の両端における第1の湾曲した翼端18の両遠位端と、第2の翼24におけるそれぞれの両端における第2の湾曲した翼端22の両遠位端と、の間に位置された係合部に、それぞれ位置付けられる。第1のロータアセンブリ11及び第2のロータアセンブリ15への、湾曲した翼端18及び22のこのような接続は、それぞれの発動発電機12または13のハウジングに成されてよく、または発動発電機12及び13を囲むハウジングへの、一方もしくは両方の湾曲した翼端18及び20の接続であってもよい。または、それらの間に締結具もしくはコネクタを利用し得る。または、プロペラ14が回転する軸受もしくは取付具への、一方の湾曲した翼端18の接続、及び発動発電機12または13の外部への、他方の翼端22の接続、であってもよい。したがって、両方の翼端18及び20の間に、各々がプロペラと係合されたそれぞれの発動発電機を有する、第1のロータアセンブリ11及び第2のロータアセンブリ15いずれかの接続によって、それぞれのモータアセンブリ11及び15は、しっかりと保持され、所定の位置に固定されることを意味し、それは発動発電機に動作可能に係合されたプロペラ14が、第1の翼20と第2の翼24との間の空間31の中に延びる水平の回転面で回転するための、十分な領域を可能にする。
【0042】
第1のロータアセンブリ11及び第2のロータアセンブリ15と動作可能に係合されたプロペラ14は、発動発電機12及び13がエネルギーを供給されるモードにあり、搭載電源34から電力を供給されたとき、係合されたブレート16を実質的に水平面で回転させる。言及したように、水平面は、両方の回転アセンブリにおける1つの側において、2つの翼間における空間31の中に延びる。
【0043】
航空機の前方飛行の期間中、湾曲した翼端で係合された、第1の翼20及び第2の翼24における両方の端部で発生した渦気流は、ブレード16及びプロペラ14に、回転力を与え得る。この回転力は、第1のロータアセンブリ11における第1の発動発電機12、及び第2のロータアセンブリ15における第2の発動発電機13の両方を回し、それによって電源34に伝えられる電気エネルギーを生成して、電源34を再充填するのに役立つ。
【0044】
着陸における航空機の下降中、プロペラ14のブレード16に対して連通する気流は、第1の発動発電機12及び第2の発動発電機13を回転させる力を与え、それによって両方は自動回転して下降を遅らせる一方で、同時に電源34に伝えることができる電力を生成する。言及したように、電源34は、バッテリ及び/もしくはコンデンサ、または当技術分野で公知である他の電力貯蔵リザーバの、単独または組み合わせであってもよく、電力を、ワイヤ接続を介して、第1の発動発電機12、第2の発動発電機13、ならびに第3の発動発電機46を有する第3のロータアセンブリ45、及び第4の発動発電機48を有する第4のロータアセンブリ47へ送り、受け取るよう、動作可能に接続される。
【0045】
本明細書の航空機は、航空機の水平飛行のための前方への推力を提供するために、機体26の前部分の先尾翼38及び40に係合された、第3のロータアセンブリ45及び第4のロータアセンブリ47を伴って表わされるが、この航空機は、先尾翼38及び40なしで動作し、湾曲した翼端において2つの翼間に取り付けられた第1のロータアセンブリ11及び第2のロータアセンブリ15を有する、2つの翼構成から、やはり大きい実用性を獲得し得る。したがって、第3のロータアセンブリ45は、航空機に動作可能に接続され、本明細書で説明するような、第1のロータアセンブリ11及び第2のロータアセンブリ15におけるプロペラ14の回転からの電力生成、ならびに揚力を獲得する、本明細書における航空機システム10のモードで、水平飛行のための前方への推力を提供することができる。これは、先尾翼38及び40を除外してもなお、大きい電力生成と、第1のロータアセンブリ11及び第2のロータアセンブリ15の水平に回転するプロペラ14の自動回転中における揚力と、を提供する。
【0046】
図1~
図3に示されるように、航空機の機体26の後部には、尾翼または水平安定板28が位置付けられ、そこに、第1の翼20の中央部分30が動作可能に接続される。第1の翼18及び第2の翼24の両方は、フラップ32などの制御面を有するように示され、当技術分野で生じるような、他の従来の制御面を含むことができる。
【0047】
本明細書における航空機システム10は、第1の湾曲した翼端18を有する第1の翼18と、第2の湾曲した翼端22を有する第2の翼24とを有する任意の航空機を伴って、良好に働く。ここで第1のロータアセンブリ11及び第2のロータアセンブリ15は、第2の翼20に向けて湾曲した第1の翼20の両端部における、第1の湾曲した翼端18と、第1の翼20に向けて上方に湾曲した第2の翼24の両端部における、第2の湾曲した翼端22との、それぞれの遠位端間に係合される。このような構成は、
図4の拡大図、及び
図1~
図3に示される。
【0048】
当然ながら、第1の翼20における第1の湾曲した翼端18と、第2の翼24における第2の湾曲した翼端22とが互いに向けて湾曲する、当業者が考えつく他の構成も、第1のロータアセンブリ11及び第2のロータアセンブリ15に、それぞれ係合する。このような係合において、ロータアセンブリ11及び15の各々は、第1の翼20と第2の翼24との間における空間31の中に延びた水平面で回転するプロペラ14を有し、本明細書で言及した利益を獲得し、本明細書における特許請求の範囲に含まれるものと考えられる。
【0049】
図1~
図3に示されるように特に好ましいのは、実質的にV形状である、第1の翼20の構成である。上述したように、このV形状の翼20は、水平の気流が、第2の翼24の上面を越えて、かつ第1の翼20の下に進むよう、水平安定板28に向けて導くことによって、航空機の進行を向上させる、追加の利益の提供を示す。増加した接触する気流は、実験において、航空機を進行させるのを容易にし、水平面36において航空機をより安定させて保つことを示す。水平面36は、第2の翼の面に実質的に整合されるか、または第2の翼の面に対して実質的に平行に進む。その結果、翼端に位置付けられた第1の発動発電機12及び第2の発動発電機13に追加して、このV形状の第1の翼20を含むことで、航空機の性能をさらに向上させる。
【0050】
さらに
図1に示され、VTOL及び前方への推力のための追加の実用性を提供するのは、右側先尾翼38及び左側先尾翼40であり、それらの各々は、360°回転するよう構成され得る。制御器42は、
図3に示されるように、右側先尾翼38及び左側先尾翼40の両方の同時回転を提供する、先尾翼アクチュエータ44またはモータと、動作可能に連通する。このような制御器42は、広く役立ちかつ利用され、ジャイロスコープ、加速度計、磁力計、ならびに、先尾翼38及び40の位置付けと、全てのプロペラのプロペラスピードとを調整すること、ならびに飛行前及び飛行中にフラップ32などの制御面を調整すること、によって航空機の位置付けを計算、及び調整することを可能にする、他の構成要素、を含むことができる。制御器42は、航空機搭載式、または航空機における制御アクチュエータなどと動作可能に通信するもの、とし得る。
【0051】
制御された回転は、先尾翼38及び40の両方が含まれた場合、
図1及び
図2に示されるように実質的に水平位置から、
図3に示されるように実質的に垂直位置の間で、回転させることを可能にする。右側先尾翼38の位置付けを変えることは、同時に第3のロータアセンブリ45、及びそこに係合された第3のモータまたは発動発電機38を、同時に変えることになる。左側先尾翼40を回転させることによって、左側先尾翼40における第4のロータアセンブリ47の位置付けを同時に変えることは、第4のモータまたは発動発電機48、及びそこに係合されたプロペラ14との方向付けを変えることになる。
【0052】
第3の発動発電機46及び第4の発動発電機48の両方は、それらに係合されたプロペラ14を有し、プロペラ14はブレード16を有する。
図1及び
図2に示されるように、右側先尾翼38及び左側先尾翼40は、先尾翼アクチュエータ44によって、航空機の前方飛行のために、平行面36に対して実質的に整合されるか、または実質的に平行に進むよう、実質的に平行の位置まで回転されている。このような構成は、滑走路離陸及び前方飛行中のために、利用され得る。当然ながら、先尾翼は、任意の時間に任意の面で進めるために、アクチュエータ44への係合において回転させることができる。
【0053】
図3に示されるように、右側先尾翼38及び左側先尾翼40の両方は、実質的に垂直位置に回転されており、第1のロータアセンブリ11及び第2のロータアセンブリ15におけるプロペラ14のように、第3のロータアセンブリ45及び第4のロータアセンブリ47、ならびにそれらのプロペラ14及びブレード16は、実質的に水平面で回転する。この構成は、航空機の垂直離着陸のために利用され得る。第1の発動発電機12及び第2の発動発電機13、ならびに第3の発動発電機46及び第4の発動発電機48の、全てにおけるプロペラ14は、VTOL上昇を提供するために、それぞれ電力を提供された回転が生じる。
【0054】
航空機の垂直着陸中に、第1の発動発電機12、第2の発動発電機13、第3の発動発電機46、及び第4の発動発電機48のうち1つまたは複数を回すための電力を供給する、プロペラ14の自動回転は、電気を生成させることになり、それは電源34を再充電するよう伝えることができる。当然ながら、飛行中に、右側先尾翼38及び左側先尾翼40は、アクチュエータ44によって、必要に応じた制御器42の命令で、航空機を進めるよう、ならびに/または航空機の方向、及び/もしくは高度を変えるよう、回転させることができる。
【0055】
言及したように、
図4は、航空機デバイス10の代替構成が示され、そこでは、第1の翼20及び第2の翼24は、
図1~
図3に示された、第1の翼20の言及したV形状構成を有するものではなく、複葉機構成である。やはり言及したように、当業者が考えつく、第2の翼24の上方に位置された第1の翼20を有し、両翼の両端部において湾曲した翼端18及び22の間に、第1のロータアセンブリ11及び第2のロータアセンブリを位置付けるのを可能にする、任意の構成は、本特許の範囲内であると考慮される。
【0056】
ブレード付きプロペラを有する第2の発動発電機13を伴う第2のロータアセンブリ15の、翼端における位置付けの拡大図が、
図5に示される。示されるように、第1の翼20は、第2の翼24に向けて下方に湾曲した、第1の湾曲した翼端18を有する。さらに示されるように、第2の翼24は、上部の第1の翼20に向けて上方に湾曲した、第2の湾曲した翼端22を有する。第1の翼端18及び第2の翼端22の両方と動作可能に係合され、かつプロペラ14に係合されて示されて、第2の発動発電機13を有する第2のロータアセンブリ15が示される。第1の発動発電機12を有する第1のロータアセンブリ11は、2つの翼における反対側の端部と同じ方法で、翼端18及び22に係合される。
【0057】
例えばロータアセンブリ11及び15に対する、湾曲した翼端のこのような係合は、発動圧電気12または13の外部ハウジングに対するもの、または軸受もしくは他の取付具に対するものであってよく、この取付具は発動発電機12または13を固定位置に保持し、それによってプロペラ14及びプロペラ14から延びたブレード16を、固定した水平面に保持する。これは、電源34からの電力を受け、プロペラ14が垂直揚力のための垂直の推力を提供すること、及び下降中に自動回転して、下降を遅らせ、同時に電気を生成すること、を可能にする。さらに、この位置付けは、係合されたプロペラ14が、前方飛行期間中に翼端で発生する渦力を捕捉して、電源34を再充電するための電力を生成するのを可能にする。
【0058】
図6は、VTOL動作のための先尾翼38及び44の動作、ロータ、及び航空機100(
図1~
図5)の飛行曲線(
図7の曲線300)に対応したコンデンサの、プロセス100の詳細ステップを示す例示的なフローチャートである。
【0059】
プロセスはステップ102で開始する。ステップ104において、先尾翼の上方の方向付けが確認される。ステップ106において、全ての発動発電機は、揚力を生成するためにエネルギーを供給される。航空機による、所望または好都合な高度への上昇が、ステップ108において実現される。先尾翼の角度は、ステップ110において減少される。
【0060】
ステップ112において、航空機の下降開始が始まる。発動発電機は、ステップ114において、エネルギー供給を止められる。翼端に位置付けられた発動発電機の自動回転が、ステップ116において始まり、電源34の再充電をもたらす。ステップ118において、航空機は、所望または好都合な高度まで下降する。一旦、この所望または好都合な高度が実現されると、その後のステップ120で、先尾翼38及び40の迎角を増加させ、航空機の推進力から得られる高度の上昇をもたらす。ステップ122において、航空機の制御器42などによって、速度の低下が検出される前に、ステップ124において、電源34の放電が始まる。次にステップ126において、駆動ロータにエネルギーが供給され、その後航空機は、ステップ108において最大高度まで上昇する。
【0061】
図7では、本明細書における航空機システム10の動作モードの例を示し、渦エネルギー及び自動回転エネルギーが捕捉されて、翼端に位置付けられたプロペラを回転させ、飛行期間中に電源34に充電するための電気を生成する。
【0062】
曲線200は、高度を上昇または下降させる航空機100(
図1~
図5)に関連した電気生成の、様々な段階を通して示す。
【0063】
段階201は、当初の消費段階を示し、それは航空機10が地上から離陸していることに相当し得る。この段階中、高度は航空機から得られ、電源34からの電気は、航空機によって消費され得る。
【0064】
ステップ202は、航空機10の垂直離着陸(VTOL)に相当し得る、曲線200上のセグメント/ポイントを示す。
【0065】
ステップ204は、航空機10の高度の初期上昇に相当する、曲線300のセグメントを示す。
【0066】
段階205は、本明細書で説明したような、航空機の滑空再生段階を示す。この段階中、迎角が、外部の横風(右側の主な第1の発動発電機12及び左側の第2の発動発電機13(
図1))に対して変化する間に、高度の低下は、第1の発動発電機12及び第2の発動発電機13の、自動回転の結果として生成された再生電力に関連して生じ、第2の翼24及び第1の翼20からの揚力を増加させ、その一方で回転による電気を生成する。追加として、第3の発動発電機46及び第4の発動発電機48は、関連の風から生成された電気を捕捉して貯蔵するために、エネルギー供給を止められ得る。
【0067】
ステップ206は、電力供給されずに滑空を開始することに対応した、曲線200のセグメントを示す。
【0068】
ステップ208は、
図1~
図3の航空機10が、高度の回復に向けて上昇を始めることを表わした、曲線200の変曲点を示す。
【0069】
段階209は、電源34の放電段階を示す。航空機上で充電され得る、バッテリ及び/またはコンデンサなどの電源34からのエネルギーは、航空機の搭載動作に電力を供給するために、有利に使用され得る。曲線200における電源放電セグメントは、抗力、翼性能、追加の横風の電気生成などに対して揚力を最大化する、有利な傾斜または角度を示す曲線200のセグメントに相当する。搭載発動発電機による、高度の獲得または損失、及び電気の生成または使用は、本明細書で言及した段階セクションの各々の中で留意される。
【0070】
段階211は、航空機の滑空中のエネルギー再生を示す。これは、電力を供給されない滑空212中に可能にされ、発動発電機のいくつか、または全ては、電力を供給され、上述のように電気を回転及び生成する。
【0071】
航空機の2つの翼における、湾曲した翼端間に位置付けられたプロペラに対して係合された発動発電機を含んで開示される、本明細書における航空機システムは、他の用途を有し、当業者はそれを理解できる。本発明の特徴における解釈は、本出願の特許請求の範囲を限定せず、本出願を検討した当業者によって展開された他の用途は、本発明に含まれるものと考慮される。
【0072】
デバイスが、その最も単純な形態及び潜在的な構成で示されても、開示される翼システムの様々な構成要素及び態様は、本明細書における発明を形成するとき、別様に形状されるか、または僅かに変更されることが、追加として留意かつ予想される。したがって、当業者は本開示に記載された説明及び表現は、本発明の全範囲及び意図内で、本明細書における発動発電機と係合した、湾曲した翼システムの好ましいモードの、例を表現することを単に意味し、いかなる限定も考慮しないことを、理解するであろう。
【0073】
さらに、本発明の全ての基本的な特性及び特徴を、それらの特定の実施形態を参照して本明細書で示され、説明してきたが、変更の範囲、様々は変化及び代替が、前述の開示、ならびに以下の特許請求の範囲において意図される。本発明のいくつかの例及びいくつかの特徴は、説明したような本発明の範囲から逸脱することなく、他の特徴の対応した使用を用いることなく利用され得ることは明白である。様々な代替、変更、及び変形が、本発明の趣旨または範囲を逸脱することなく、当業者によって成され得ることも理解されたい。その結果、このような全ての変更、ならびに変形及び代替は、以下の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内に含まれる。
【国際調査報告】