(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-03
(54)【発明の名称】リザーバを備えるエネルギー生成および/または貯蔵装置
(51)【国際特許分類】
H01M 8/04 20160101AFI20230224BHJP
H01M 8/16 20060101ALI20230224BHJP
【FI】
H01M8/04 N
H01M8/04 J
H01M8/16
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022528554
(86)(22)【出願日】2020-11-13
(85)【翻訳文提出日】2022-06-08
(86)【国際出願番号】 EP2020082150
(87)【国際公開番号】W WO2021094593
(87)【国際公開日】2021-05-20
(32)【優先日】2019-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506316557
【氏名又は名称】サントル ナショナル ドゥ ラ ルシェルシュ シアンティフィック
(71)【出願人】
【識別番号】522191325
【氏名又は名称】アンスティテュ ポリテクニーク ドゥ グルノーブル
(71)【出願人】
【識別番号】517017399
【氏名又は名称】ウニヴェルシテ・グルノーブル・アルプ
(74)【代理人】
【識別番号】100106091
【氏名又は名称】松村 直都
(74)【代理人】
【識別番号】100079038
【氏名又は名称】渡邉 彰
(74)【代理人】
【識別番号】100199369
【氏名又は名称】玉井 尚之
(72)【発明者】
【氏名】ホルツィンガー ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】ハモンド ジュール
(72)【発明者】
【氏名】グロス アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】ブロック ジャン-フランソワ
【テーマコード(参考)】
5H127
【Fターム(参考)】
5H127AA08
5H127BA01
5H127BB01
5H127EE02
5H127EE13
5H127EE25
(57)【要約】
電気エネルギーを生成および/または貯蔵するための装置(2)であって、この装置は、アノード(4)と、カソード(6)と、アノード(4)とカソード(6)との間に配設された、電気エネルギーの生成および/または貯蔵をトリガすることおよび/または可能にすることができる(8)であって、少なくとも1種の化合物の移送を可能するセパレータ(8)と、電気エネルギーの生成および/または貯蔵をトリガすることおよび/または可能にすることができる化合物で作製された、少なくとも1つの破断可能な、穿孔可能な、および/または変形可能なリザーバ(10)であって、該化合物および該セパレータ(8)を互いに接触させるための手段を有する、該リザーバ(10)と、を備え、該化合物および該セパレータ(8)を互いに接触させるための該手段が、特に、液体を移送するための手段であることを特徴とする、装置(2)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気エネルギーを生成および/または貯蔵するための装置(2)であって、前記装置が、
アノード(4)と
カソード(6)と、
前記アノード(4)と前記カソード(6)との間に配設された、電気エネルギーの生成および/または貯蔵をトリガすることおよび/または可能にすることができる(8)であって、少なくとも1種の化合物の移送を可能するセパレータ(8)と、
電気エネルギーの生成および/または貯蔵をトリガすることおよび/または可能にすることができる化合物で作製された、少なくとも1つの破断可能な、穿孔可能な、および/または変形可能なリザーバ(10)であって、前記化合物および前記セパレータ(8)を互いに接触させるための手段を有する、前記リザーバ(10)と、
を備え、前記化合物および前記セパレータ(8)を互いに接触させるための前記手段が、特に、液体を移送するための手段であることを特徴とする、装置(2)。
【請求項2】
前記アノードおよび/または前記カソードが、酵素を含む、請求項1に記載の装置(2)。
【請求項3】
前記リザーバが、開口部を有するシェル(12)と、前記シェル(12)の前記開口部を封鎖する保持手段(14)と、を備える、請求項1または2に記載の装置(2)。
【請求項4】
電気エネルギーの生成および/または貯蔵をトリガすることができる前記化合物および前記セパレータ(8)を互いに接触させるための前記手段が、穿孔手段(18)または開口手段を含み、場合によっては、切断端部または尖端部を有する少なくとも1つの構成要素を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の装置(2)。
【請求項5】
前記装置の前記リザーバ10が、1つ以上の区画を備える、請求項1~4のいずれか一項に記載の装置(2)。
【請求項6】
前記装置が、少なくとも1つの他のリザーバ(29、30)を備え、前記少なくとも1つの他のリザーバが、電気エネルギーの生成および/または貯蔵をトリガすることができる、前記化合物または別の化合物を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の装置(2)。
【請求項7】
電気エネルギーの生成および/または貯蔵をトリガすることができる前記化合物が、液体、固体、またはゲル、好ましくは水性液体である、請求項1~6のいずれか一項に記載の装置(2)。
【請求項8】
前記化合物および前記セパレータ(8)を互いに接触させるための前記手段が、ダクト(11)および/または前記セパレータ(8)の拡張部(5)を備え、前記拡張部(5)または前記ダクト(11)が、好ましくは、前記リザーバ(10)の一部と接触するように構成されている、請求項1~7のいずれか一項に記載の装置(2)。
【請求項9】
前記装置が、前記電気エネルギーの生成および/または貯蔵を増加させる(10b)、減少させる(10c)、不活性化させる(10c)、および/または再活性化させる(10b)ための手段(10b)をさらに備える、請求項1~8のいずれか一項に記載の装置(2)。
【請求項10】
前記装置が、1つ以上の活性化手段、好ましくは取り外し可能なタブなどのスイッチをさらに備える、請求項1~9のいずれか一項に記載の装置(2)。
【請求項11】
前記電気エネルギーの生成および/または貯蔵のための請求項1~10のいずれか一項に記載の装置(2)の使用。
【請求項12】
請求項1~10のいずれか一項に記載の電気エネルギー生成および/または貯蔵装置(2)を備えることを特徴とする、使い捨て装置。
【請求項13】
前記使い捨て装置が、妊娠検査などの医療検査である、請求項12に記載の使い捨て装置。
【請求項14】
電気化学電池、例えば燃料電池などのエネルギー生成および/または貯蔵装置を製造するためのキットであって、請求項1~10のいずれか一項に記載の装置(2)と、使用説明書と、を備える、キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザによる制御された活性化を可能にする電気エネルギー生成または貯蔵装置、ならびにその製造および使用に関する。具体的には、この装置は、燃料電池の活性化および/または制御を可能にし得る。
【背景技術】
【0002】
(先行技術の説明)
燃料電池は、2つの電極間のイオン、一般的にはプロトンの輸送によって機能する。電池が機能するためには、アノードとカソードとの間に配設された媒体が、電子ではなく、簡略化されたバージョンでH+としても表記される、ヒドロキソニウム(H3O+)イオンを搬送することができなければならない。燃料電池内のこの電解質は、プロトン交換膜燃料電池または高分子電解質膜燃料電池(PEMFC)などのプロトン交換膜と、イオンの移動を可能にする水性液体と、を備える。技術的進歩は、二水素二酸素電池または酵素電池、特に環境配慮型グルコース二酸素酵素電池の開発を可能にした(CNRS[フランス国立科学研究センター]による特許文献1を参照)。そのような電池は、コンパクトであり、低温(80℃未満)で、場合によってポリマー電解質(PEMFC)または水成電解質(水溶液、生物学的流体)によって機能することができる。そうした電池は、固定モードだけでなく、携帯モードにおいても使用することができる。したがって、これらの電池は、小電流の発生、ならびに家庭用途および/または個人用途に好適であり得る。しかしながら、このような装置の活性化および/または制御、および場合によって不活性化は、依然として問題である。従来、制御は電気回路を開くことによって達成される。しかし、電池のこれらの部品(アノード、カソード、膜)と液体とのいかなる接触も、特にこれらの部品が生物学的材料(植物材料、酵素、など)を収容する場合、これらの部品に損傷を与え得る。その結果、電池の動作に必要とされる液体は、電池が最初に機能するときに、膜に有利に添加される。これは、一般に、装置の膜への液体の外部添加によって、特に、Sonyによる特許文献2に記載されているように、ピペットを使用することによって行われるか、またはPower Knowledge Ltdによる特許文献3に記載されているように、リザーバを使用することによって行われる。同様に、このような装置と関連付けられた多数の問題も存在する:第1に、ユーザは、電池の必要な使用および適切な動作のために十分な純度および品質の(水性)液体源にアクセスしなければならない。この使用はまた、加える容積を定量化することが可能でなければならない。これは、使い捨てピペットまたはdosetteなどの別個の測定装置の利用可能性を必要とし、装置のコストおよび環境影響を増加させる。加えて、この装置は、膜の上に液体を配置するための手段を備えなければならない。膜が外部からアクセス可能であり得るという事実は、特に、さらなる汚染問題を示唆する。最後に、このタイプの電池は、環境の相対湿度に影響され易い場合があるので、貯蔵することが困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2018/185417号
【特許文献2】米国特許出願公開第2011/287328号
【特許文献3】米国特許出願公開第2010/0297477号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、前述の不利な点を有しない、電流を生成するための装置が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
したがって、本発明は、電気エネルギー、特に電気化学的エネルギーを生成および/または貯蔵するための装置に関し、この装置は、
アノードと、
カソードと、
アノードとカソードの間に配設された、電気エネルギーの生成および/または貯蔵をトリガすることおよび/または可能にすることができる、少なくとも1種の化合物の移送を可能にする拡散層などのセパレータと、
電気エネルギーの生成および/または貯蔵をトリガすることおよび/または可能にすることができる化合物で作製された、少なくとも1つの破断可能な、穿孔可能な、および/または変形可能なリザーバであって、該化合物および該セパレータを互いに接触させるための手段を有する、リザーバと、
を備え、該化合物および該セパレータを互いに接触させるための該手段が、特に、流体および特に液体を移送するための手段であることを特徴とする。
【0006】
任意のリザーバのようなリザーバ(英語では「貯蔵タンク」)は、リザーバの内容物が使用されるエネルギー生成および/または貯蔵場所とは別の場所を画定する。リザーバは、この場所に隣接し得るか、さらにはそこをまたがり得るが、厳密には同一の場所を画定しない。換言すれば、リザーバおよび電気化学電池は、別個のおよび好ましくは分離した部品である。このリザーバは、有利には、リザーバの内容物をアノードおよびカソードから全体的または部分的に分離し得る。
【0007】
したがって、リザーバおよびその内容物は、装置の非活動状態から活動状態への遷移に関与する。リザーバの変形およびその内容物の放出は、装置を活性化させる能力を生じさせる。したがって、リザーバの変形は、エネルギーの生成または貯蔵を直接トリガすることを可能にし得るか、または装置の中間活性化状態を生じさせ得る。実際には、装置は、1つ以上の活性化手段を追加的に備え得、その構成は、エネルギーの生成および/または貯蔵を活性化するか、または増加させるか、または減少させるか、またはシャットダウンさせる(または不活性化させる)かのいずれかをさせるように選択される。例えば、装置はまた、ユーザによって有利に操作され得るスイッチも備え得る。そのようなスイッチは、例えば、取り外し可能なタブなどの回路遮断器を備え得る。次いで、このスイッチは、電気エネルギーの生成または貯蔵をトリガするための化合物とセパレータとを互いに接触させる前またはその後に、ユーザによって操作することができる。したがって、活性化は、直接であり得るか、またはいくつかのステップで起こり得る。例えば、活性化は、最初に、リザーバへの圧力(および場合によってはリザーバへの流体の放出)によって生じ、次いで、ユーザによる回路遮断器タブの取り外しによって生じ得る。本発明の主題はまた、特にいくつかのステップの連続的な様式または単一のステップでの、ユーザによる装置の活性化も含む。
【0008】
有利には、本発明による装置において、アノードおよび/またはカソードは酵素を含む。
【0009】
リザーバは、全体的または部分的に破断可能、穿孔可能、および/または変形可能である。例えば、リザーバは、ユーザによって破壊することができる部品を備え得る。リザーバは、例えば開口部を有するシェル(有利には変形可能および/または可撓性)の形態の容器と、シェルまたは容器の開口部を閉じる保持手段とを備え得る。したがって、このシェル、例えば潜在的に半球形のドームは、化合物を収容する空洞を形成し、かつ、開口部を備える。保持手段は、有利には、シェルもしくは容器の開口部を封鎖し、かつそれとともに閉じた、および好ましくは不浸透性の収容部を形成する、分離層またはフィルムである。このタイプのリザーバは、その英語名「ブリスターパック」または簡単に「ブリスター」としても知られている。このリザーバは、リザーバの全表面積に対する開口部表面積が比例的に大きく、例えば25~45%であることを特徴とし得る。しかしながら、本発明は、そのような特徴に限定されず、より広くまたはより狭くなり得る。保持手段は、化合物をリザーバ内部に保持し、特に、少なくとも部分的にアノードおよびカソードから化合物を分離する。
【0010】
シェルおよび分離層を作製するために使用される1種または複数種の材料の選択は、いくつかの要因に依存する。例えば、シェルが、液体、半液体、ゲル、または移動することができる物質を収容することを意図する場合は、耐性材料の層を備える層状材料が適所に配置される。リザーバ内に貯蔵される材料に対して不活性である材料[3]、または水蒸気、酸素(もしくは両方)を吸収する材料を選択して、リザーバ内の雰囲気を制御し、したがって収容された製品を保存する(経時的な安定性の増加)[4]ことも可能である。最も低い環境影響を有する1種以上の材料もまた選択され得る[2]。材料は、一般に熱成形材料[1]であり、以下からなる材料の群から選択され得る。
・ポリ塩化ビニル(PVC)、
・ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)(および特にACLAR(商標))、
・環状オレフィンコポリマー(COC)、
・ポリエチレン(PE)、
・オルトフタルアルデヒド(OPA)、
・アルミニウム、
・ヒートシールラッカー(HSL)、
・マレイン酸および塩化ビニルの酢酸ビニルコポリマー(VMCH)、
・ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、
・ポリエチレンテレフタレート(PET)、
・グリコール変性ポリエチレンテレフタレート(PETG)、
・環状オレフィンコポリマー(COC)、
・ポリプロピレン、および
・それらの混合物。
【0011】
リザーバはまた、積層体、特にこれらの材料の積層シートも備え得る。これらの構成要素は、耐薬品性および/または耐湿性の有利な特性を有する。例えば、PCTFE、PVDCによって覆われたPVC、またはポリプロピレンは、空気および水分に対するバリアとして作用するその能力のために、リザーバ、特にシェルに特によく適している。加えて、アルミニウムおよびHSLまたはアルミニウムおよびVMCHの積層シートを組み合わせた材料もまた、特に保持手段および/または分離手段を作製するために好ましい。あるいは、セルロース繊維に基づく材料(紙またはボール紙など)は、環境的な観点から、これらの材料の有利な代替物であり、考慮され得る。特に、この材料は、プラスチックフィルムなどのフィルム、および特に前述の熱成形材料のうちの1つのフィルムと組み合わせられ得る。
【0012】
リザーバのサイズは、放出される化合物(例えば、液体)の量によって決定され得る。液体という用語は、化合物または組成物だけを含むのではなく、半液体(例えば、粘性の化合物または組成物)、ならびにゲルも包含する。
【0013】
リザーバ内に収容される電気エネルギーの生成および/または貯蔵をトリガするための化合物は、液体、固体、またはゲル、好ましくは水性液体、すなわち、主に水に基づくものまたは単に普通の水(異なる純度を有し得る:蒸留水、純水、水道水、など)であり得る。
【0014】
化合物は、電気エネルギーの生成および/または貯蔵をトリガすることができる少なくとも1種の化合物を含む組成物であり得、この組成物は、電解質(ナトリウムまたは硫酸アンモニウムを含有するホスフェートバッファ)、酵素(例えば、アノードのためのグルコースオキシダーゼおよび/またはFADデヒドロゲナーゼ、ならびにカソードのためのラッカーゼおよび/またはビリルビンオキシダーゼ)、電子交換メディエータ(例えば、ABTS、1,2-金-1,4-ナフトキノン、フェナントロリンキノン、またはピレン、およびその誘導体のうちの1つ)、補因子(例えば、NAD+/NADP+、またはFAD(フラビンアデニンジヌクレチオド)またはFMN(フラビンモノヌクレオチド)などのフラビン補酵素)、基材(例えば、グルコース)のプロモータ(例えば、プロトポルフィリンIX)、および/または酵素配向分子、すなわち、寄生物質または毒性物質に作用することができる酵素または分子(例えば、酵素グルコースオキシダーゼによって生成された過酸化水素を分解するためのカタラーゼ)、を含み得るか、またはそれらからなり得る。
【0015】
化合物(例えば、液体)およびセパレータを互いに接触させるための手段は、ユーザがリザーバの一部に十分な圧力を印加することによる破断、好ましくはリザーバの特定の点または特別な領域においてなされる破断を可能にする材料の選択を含み得る。これは、ブリスターパックのシェルに印加される圧力およびその変形がフィルムに収容部を閉じさせる、医薬タブレット用のブリスターパックの場合であり、破断してタブレットを利用可能にするほどの強さではない[5~9を参照されたい]。液体は圧縮可能ではないので、この配設は、本発明による装置に好適であり得る。
【0016】
本発明の別の変形例によれば、化合物および拡散層を互いに接触させるための手段は、潜在的に切断部または尖端部を有する少なくとも1つの部品を備え得る、穿孔手段を備え得る。したがって、これらの穿孔手段は、例えば、針、ブレード、突起、またはスパイクの形態であり得る。これらの手段は、穿孔される表面の正面に配置されるが、リザーバの内側または外側に配置されることもあり得る。リザーバがブリスターパックまたはシェルである場合、穿孔手段は、ユーザがシェルの外層を押圧することによって作動するように有利に配設される。
【0017】
化合物および拡散層を互いに接触させるための該手段は、好ましくは、セパレータに向かうダクトおよび/またはセパレータからの突出部を備え、該突出部または該ダクトは、好ましくは、リザーバの一部と接触するように構成され、好ましくは、リザーバがブリスターパックの形態である場合、保持手段と直接接触するように構成される。したがって、化合物とセパレータとを接触させるための手段は、単純に、セパレータの少なくとも一部とリザーバとの、より具体的には、存在する場合にはその破断領域との単に並置および/または直接接触であり得る。したがって、セパレータは、有利には、電極(すなわち、アノードおよびカソード)を越えて延在し、かつリザーバの(提供される)破断領域の正面に位置決めされた部品を備えるように構成される。
【0018】
セパレータは、拡散層または移動層であり得る。セパレータは、アノードとカソードとの間の単純な空間であり得、空間は、電気エネルギーの生成および/または貯蔵をトリガすることができる化合物によって充填されることを意図している。また、セパレータは、電極の片面または両面に一体化され得るか、または電極とは別体であり得る。有利には、セパレータは、電解質基板を機能させるように適合された材料を含むか、または本質的にそれからなる。この材料は、織繊維または不織繊維(綿、ナイロン、ポリエステル、ガラス)、セラミック、および天然物質(ゴム、アスベスト、木)を含む。材料は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(テトラフルオロエチレン)、および/またはポリ塩化ビニルなどのポリマー材料、例えばDupontによって作製されたアイオノマーNafion(商標)であるパーフルオロポリマーなどを含み得る。材料はまた、イオンゲルおよび/またはヒドロゲルなどのゲル、またはゲルを生じさせることを可能にする品目であり得る。
【0019】
しかしながら、家庭での使用または一般大衆による使用の場合は、多孔膜、特に紙のシートおよび特に吸い取り紙または濾紙などの多孔質紙などのセルロース繊維で作製されたものの使用も想定される。この紙の重量は、10~300g/m-2、好ましくは50~150g/m-2の範囲内で有利に選択され得る。
【0020】
セパレータの厚さは一般に薄いが、所望の用途に適合させなければならない。したがって、2mm~10μm、特に1mm~10μm、好ましくは300~150μm(例えば190μm)の厚さを使用することができる。このようにして、セパレータを構成する97g/m-2の重量を有する紙が2つの電極の間に挟まれる。セパレータは、単一または複数の層/材料シートを備え得る。
【0021】
本発明の特定の実施形態によれば、装置のリザーバは、1つ以上の区画を備え得る。以下に説明するように、これらの区画は、同一の内容物または互いに異なる内容物を含み得る。しかしながら、この構成を使用することは、化合物の個々の用量の放出を、または経時的に不安定である成分の混合物を含む組成物の調製を可能にするために特に有利である。
【0022】
本発明の別の特定の実施形態によれば、装置は、少なくとも他の1つリザーバを備え、この他のリザーバは、電気エネルギーの生成および/または貯蔵をトリガすることができる該化合物を含むか、または電気エネルギーの生成および/または貯蔵をトリガし得る、またはし得ない別の化合物を含む。後述するように(下記参照)、これらのリザーバは、所望の目的に応じて、同一のまたは異なる内容物を含み得、同じまたは異なるサイズであり得る。内容物が同一である場合、該他のリザーバは、装置の再充填として使用され得る。これらのリザーバは、順々に配設され得るか、またはアノードおよびカソードのいずれかの側に位置決めされ得る。
【0023】
本発明の別の特定の実施形態によれば、装置は、電気エネルギーの生成および/または貯蔵の(部分的、一時的、および/または最終的な)不活性化のための手段を備え得る。そのような手段は、有利には、本出願に記載されているものと同様の構造を有する別のリザーバの形態であり得る。そのような手段は、電気エネルギーの生成および/または貯蔵をトリガすることができる化合物を吸引するための手段を備え、したがって、該化合物を吸引して貯蔵することを可能にする。吸引手段は、例えば、リザーバを開く手段と関連付けられたリザーバ内の部分的真空の存在であってもよく、リザーバ内部の吸引を可能にする。これらの手段はまた、毛管作用によって液体を吸引するための吸水性物質も含み得る。この特定の実施形態の他の態様を以下に説明する。
【0024】
本発明の特定の態様によれば、装置は、1つを超えるリザーバまたは1つの区画を有し得、その内容物および構成は、エネルギーの生成および/または貯蔵を活性化もしくは増加させるか、または停止(もしくは不活性化)させるように選択される。そのような装置を以下で詳細に説明する。したがって、一事例では、本発明は、本出願で説明されるように、電気エネルギーの生成および/または貯蔵を、増加させる、減少させる、不活性化させる、および/または再活性化させるための手段を備える装置に関する。
【0025】
本発明による装置のアノードおよびカソードは、燃料電池として使用するように適合された電極である。当然ながら、本発明による装置は、スタック内に一連のアノードおよびカソードを備えることもできる。アノードおよびカソードは、金属で作製され得、例えば、銀で作製されたカソードおよびクロムめっきのニッケルで作製されたアノードを有する。しかしながら、アノードおよびカソードは、バイオ燃料電池および/または酵素的バイオ燃料電池に好適なタイプのものであることが好ましい。これらのバイオ電極(アノードまたはカソード)は、カーボンナノチューブ、レドックスメディエータ、および酵素からなるか、またはそれらをその表面上に堆積させた基材を備え得る。これらの電極は、多層であってもよく、有利には、以下を含む:
・カーボンナノチューブ、カーボンブラック、または凝集体もしくはゲルの形態の炭素の層などの高い活性比表面積を有する炭素層、カーボンナノチューブまたはメソ多孔性炭素マトリックスなどの高い比表面積を有する炭素系材料、特に、酸化マグネシウムMgOから得られるもの(Inagakiらの「Templated mesoporous carbon:Synthesis and applications」、Carbon107(2016)448~473を参照されたい)が好ましい、
・媒介層および/もしくは配向層、ならびに/または
・燃料の酸化または還元反応を触媒するための酵素層。
【0026】
層は、これらの層の基材を構成し得る導電性材料に連続して配設され得るか、またはそれ自体が不活性基材上に堆積され得る。
【0027】
導電性材料は、ガラス状炭素、熱分解グラファイト、特に「高配向性熱分解グラファイト」(HOPG)、金、プラチナ、ならびに/またはインジウムおよび酸化スズであり得る。好ましくは、材料は、ガラス状炭素または熱分解グラファイトからなる。実施例に示されるように、バイオ電極は、酵素および好ましくはメディエータによって官能化されたカーボンナノチューブのシートを備え得る。
【0028】
ナノチューブシートは、一般に炭素繊維を含む層であるガス拡散層(GDL)を備える微孔性ガス拡散電極に属する導電性材料に有利に適用される。この用途に適合したナノチューブシートは、市販であるか、またはN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)などの溶媒中のナノチューブの懸濁液、超音波処理(例えば30分)、および濾過(Millipore社のPTFEによるPTFEフィルタ(JHWP、ポアサイズ=0.45μm、直径=46mm))を使用して容易に作製され得る。この方法は、Grossら(2017)の「A High Power Buckypaper Biofuel Cell:Exploiting1,10-Phenanthroline-5,6-dione with FAD-Dependent Dehydrogenase for Catalytically-Powerful Glucose Oxidation」、ACS Catal.2017、7、4408~4416、に詳細に記載されている。
【0029】
バイオ燃料電池の燃料がグルコースである場合、アノードにおいてグルコースの酸化を触媒することができる酵素は、好ましくは、反応を触媒するグルコースデヒドロゲナーゼ(GDH)である。
D-グルコース + 受容体 → D-グルコノ-1,5-ラクトン + 還元受容体。
【0030】
受容体または補因子は、一般に、NAD+/NADP+、またはGDHに結合しているFAD(フラビンアデニンジヌクレチオド)またはFMN(フラビンモノヌクレオチド)などのフラビン補酵素である。特に好ましいグルコースデヒドロゲナーゼは、フラビンアデニンジヌクレチオド-グルコースデヒドロゲナーゼ(FAD-GDH)(EC1.1.5.9)である。FAD-GDHという用語は、天然タンパク質および誘導体、変異体、ならびに/またはその機能的等価物を包含する。特に、この用語は、構造および/または酵素活性が実質的に異ならないタンパク質を包含する。したがって、補因子と組み合わせたアノードについて、データバンク(例えば、SWISS PROT)に登録された1つまたは複数のGDH配列と少なくとも75%、好ましくは95%、さらにより好ましくは99%の同一性を有するアミノ酸配列を有するGDH酵素タンパク質が使用され得る。アスペルギルス種のFAD-GDHが特に好ましく、効果的であるが、Glomerella cingulata(GcGDH)から他のFAD-GDH、またはPichia pastoris(rGcGDH)において発現される組み換え形態も使用することができる。グルコースオキシダーゼ(GOx、GOD)型のオキシドリダクターゼ酵素(EC1.1.3.4)を使用してアノードを使用することも可能であり、これは、過酸化水素およびD-グルコノ-δ-ラクトン中のグルコースの酸化を触媒する。この酵素はまた、FAD(フラビンアデニンジヌクレチオド)のような補因子にも結合する。特に好ましいグルコースオキシダーゼは、フラビンアデニンジヌクレチオド-グルコースオキシダーゼ(FAD-GOx)である。この用語は、天然タンパク質および誘導体、変異体、ならびに/またはその機能的等価物を包含する。特に、FAD-GOxという用語は、構造および/または酵素活性が実質的に異ならないタンパク質を包含する。したがって、補因子と組み合わせた本発明による電極について、データバンク(例えば、SWISS PROT)に登録された1つまたは複数のGOx配列と少なくとも75%、好ましくは95%、さらにより好ましくは99%の同一性を有するGOx酵素タンパク質が使用され得る。アスペルギルスニガーから抽出されたFAD-GOxが特に好ましい。FAD-GDHは、グルコースオキシダーゼよりも大きい活性を有し、したがって、より高い触媒電流を有する。これは、酵素バイオ燃料電池で発生される電力を増加させる目的のために非常に魅力的である。グルコースオキシダーゼとは逆に、FAD-GDH酵素は、過酸化水素を生成しないことに留意されたい。過酸化水素は、その酸化特性のため、バイオ燃料電池の安定性(膜、カソード内の酵素の安定性など)の欠点を伴う可能性がある。
【0031】
グルコースバイオ燃料電池の具体的事例では、カソードにおいて二酸素の還元が起こる。使用することができる1種または多種の酵素は、メディエータABTS(2,2’-アジノ-ビス(3-エチルベンズチアゾリン-6-スルホン酸)またはピレン、ナフタレン、アントラセン、またはアントラキノンなどのメディエータ/「オリエンタ」と有利に関連付けられたラッカーゼ酵素、またはプロモータプロトポルフィリンIXまたはメディエータABTS、(2,2’-アジノ-ビス(3-エチルベンズチアゾリン-6-スルホン酸と関連付けられたビリルビンオキシダーゼからなる群から選択され得る。
【0032】
本発明による装置は、有利には、電流が流れることを可能にする電気消費装置に接続された品目または電気回路を備える。上述のように、この回路は、スイッチを含み得る。
【0033】
本発明による装置は、特に、バイオ燃料電池および/または対応する電極に適したウエルであるが、この装置は、いかなる方式であれ、この実施形態に限定されない。
【0034】
選好に応じて、装置は携帯可能であり、好ましくは自己完結型である。自己完結型装置とは、それ自体の中に収容されて、有利には取り外し可能な部品を含まない装置である。このように、装置は、有利には、ユーザがリザーバの変形可能な部分にアクセスすることを可能にしながら、アノードおよびカソードを保護することができるハウジングまたは「ケーシング」を備える。
【0035】
本発明の好適な態様によれば、装置は、スタンドアロンであり、隔離された、および/またはガス以外の外部投入から独立している装置である。特に、装置は、いかなる液体および/または燃料の投入も必要としない。
【0036】
本発明はまた、本発明による装置を製造するための方法にも関する。この方法は、機能的な方式で説明されるように、装置の要素を接続するためのステップを含む。特に、この方法は、(i)アノードとカソードとの間での電気エネルギーの生成または貯蔵をトリガすることができる少なくとも1種の化合物、および(ii)電気エネルギーの生成または貯蔵をトリガすることができる液体のリザーバの配設と、リザーバを開放するための手段と、液体とセパレータとを互いに接触させるための手段と、を備える。
【0037】
本発明は、電流発生器として本発明による装置を組み込む装置にも関する。非限定的な例として、治療場所またはその近くにおいて、すなわち、(「ポイントオブケア検査」またはPOCTとしても知られる)看護の時間および場所において、個人によって自分自身に、または患者に対して行われる(測定または診断するための)医療検査について言及する。例えば、そのような検査は、排卵および/または妊娠検査であり得る。装置はまた、非医療検査用でもあり得、また、エネルギー生成を活性化するために、液体の容器をその設計に組み込むことができる電子装置またはパッケージングを備え得る。
【0038】
本発明はまた、電気エネルギーを生成するための本発明による装置の使用に関し、有利には、前段落で説明したような電気装置または電子装置の製造における使用に関する。
【0039】
本発明の別の態様は、電気化学電池などのエネルギー生成装置、例えばバッテリを作製するためのキットまたは「パーツキット」である。そのようなキットは、有利には使用説明書を伴う本発明による装置を含む。
【図面の簡単な説明】
【0040】
本発明は、単に一例として提供され、添付図面を参照しながら与えられる、以下の説明を通してよりよく理解されるであろう。
【
図1】第1の実施形態による、電気エネルギー生成装置の動作原理を示す異なるステップの図である。
【
図2a】第1の変形例による、溶液を放出するための手段を備えるリザーバの断面概略図である。
【
図2b】第2の変形例による、溶液を放出するための手段を備えるリザーバの断面概略図である。
【
図2c】第3の変形例による、溶液を放出するための手段を備えるリザーバの断面概略図である。
【
図3】第1の変形例による、複数の区画を有するリザーバの断面概略図である。
【
図4】第2の変形例による、複数の区画を有するリザーバの断面概略図である。
【
図5】本発明の第2の実施形態による、電気エネルギー生成装置の概略図である。
【
図6】本発明の第3の実施形態による、電気エネルギー生成装置の概略図である。
【
図7】本発明の第4の実施態様による、電気エネルギー生成装置の概略図である。
【
図8a】本発明による電気エネルギー生成装置で使用することができる2つのリザーバの組み合わせの概略図である。
【
図8b】本発明による電気エネルギー生成装置で使用することができる2つのリザーバの組み合わせの概略図である。
【
図8c】本発明による電気エネルギー生成装置で使用することができる3つのリザーバの組み合わせの概略図である。
【
図9】実施例1の本発明による電気エネルギー生成装置を正面および下から見たときの第1の分解斜視図である。
【
図10】実施例1の本発明による電気エネルギー生成装置を今度は側面およびわずかに上から見たときの
図9の第2の分解斜視図である。
【
図11】実施例1の電気エネルギー生成装置のエネルギー生成を示す曲線である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、本発明による電気エネルギー生成装置を示す
図1を概略的に参照する。最初に、実装形態およびエネルギー生成方法を説明する前に、この装置の異なる変形例を説明する。
【0042】
[アノードおよびカソード]
電気エネルギー生成装置2は、アノード4と、カソード6と、を備える。電気エネルギーを生成するための酸化還元反応が生じることを確実にするために、アノード4およびカソード6は、イオン交換を可能にする材料で作製される。アノードおよびカソードは、用途の機能として選択される特定の特性(厚さ、導電率、表面抵抗)を有しなければならない。これらの部品には、酵素およびメディエータが含侵され得る。
【0043】
例えば、アノード4およびカソード6は、ナノチューブのシート、特に、上述のような多層カーボンナノチューブ(MWNT)からなるシートを備える。グルコース燃料電池の場合、ナノチューブのシートは、アノードにおいてグルコースが酸化すること、およびアノードにおいて空気中の酸素を水に還元することを可能にする、メディエータおよび酵素が含浸される。例えば、アノード4は、グルコースの酸化のための酵素グルコースオキシダーゼおよび/またはFADデヒドロゲナーゼ、ならびに電極に電子を移送する酸化還元メディエータとしてのナフトキノンおよび/またはフェナントロリンキノンを含み得る。
【0044】
カソードに関しては、メディエータとして、酵素ラッカーゼ、ビリルビンオキシダーゼ、およびABTSを含む。
【0045】
[セパレータ]
拡散層8またはセパレータは、アノード4とカソード6との間に配置される。後者は、アノードとカソードとの間の酸化還元によって、電気エネルギーの生成をトリガする溶液の拡散または移送を可能にする。
【0046】
この移送は、拡散層と呼ばれるものによって行うことができる。拡散層8は、例えば、単純な空間とすることができ、または、より有利には、酸化還元をトリガする溶液を毛管作用によって拡散させることができる紙タイプの材料を含み得るか、またはそれからなり得る。その厚さとその槽容量(ボイド容積)との間で妥協点を見出す必要がある。
【0047】
この拡散層8は、アノードとカソードとの間に分離層を形成し、また、少なくとも部分的に電解質のための拡散基材も構成し得る。
【0048】
[リザーバ]
図1の電気エネルギー生成装置はまた、好ましくは変形可能である少なくとも1つのリザーバ10も備える。この変形例では、リザーバは、(半液体またはゲルを含む)少なくとも1種の液体を保持する手段に関連し、この液体は、放出されると、拡散層8を浸漬することによって、アノードとカソードとの間のイオン交換、および電気の生成を可能にする。拡散層8は、アノードとカソードとの間に位置決めされて、外側に延在する部分(例えば、タブ)を備え得る。液体のすべてまたは一部は、リザーバ10を封鎖する分離層からなり得る保持手段14によって、流体と接触する。流体の接触は、直接的である場合、またはそうでない場合がある。リザーバ10は、液体が封入される空洞を形成するシェル12と、シェル12の開口部を封鎖する分離層と、を備える。この装置はまた、その英語名「ブリスターパック」としても知られている。
【0049】
シェル12は、有利には変形可能である。シェルは、ポリ塩化ビニル(PVC)、フッ素化塩素化樹脂によって作製される材料、シクロオレフィンポリマー(COP)、シクロオレフィンコポリマー(COC)、ポリエチレン(PE)、配向ポリアミド(OPA)、アルミニウム(Al)、ヒートシールラッカー(HSL)と組み合わせたアルミニウム、または塩化ビニル/マレイン酸/酢酸ビニルコポリマー(VMCH)と組み合わせたアルミニウムの中から選択される材料で作製され得る。
【0050】
シェル12を作製するために使用される1種または複数種の材料の選択は、いくつかの要因に依存し得る。例えば、シェルが、移動することができる液体または物質を収容することを意図する場合は、バリア層が適所に配置される。また、アンプル10内部の大気を制御し、したがって収容された製品を保存する(経時的安定性の増加)ために、リザーバ10内に貯蔵された材料に対して不活性である材料、または水蒸気、酸素(または両方)を吸収する材料を選択することも可能である。また、最も低い環境影響を有する1種以上の材料も選択され得る。
【0051】
リザーバ10の内部に保持された液体は、例えば、前述の酵素と相互作用してカソード6とアノード4との間でのプロトンの交換を可能にする水性グルコース溶液であってもよい。この装置の利点は、電気エネルギー生成装置2を機能させるために、酸素以外の外部投入が必要ないことである。
【0052】
液体は、電流の生成が所望されるまで、リザーバ10内に封入されたままである。液体の隔離は、電気エネルギー生成装置2とこの装置の環境との間の汚染を防止する。
【0053】
シェル12の開口部を封鎖する保持手段14は、アンプル内で液体を保つ。保持手段は、上述の材料のうちの1種以上で作製され得る。例えば、保持手段は、アルミニウム層(場合によっては、ポリエチレンテレフタレート(PET)の保護層でコーティングされる)およびシール層(例えば、ポリプロピレンまたはポリエチレンで作製される)で構成される複合フィルムからなり得る。Bilcare Research AG,Hochbergerstrasse 60B 4057 Basel,Switzerlandによって販売されているECOmply(商標)などの生物分解可能なPVCで作製された紙またはフィルムなどの、生分解性材料に基づく溶液が好ましい。
【0054】
保持手段14は、リザーバ10の内容物を放出するために圧力下で破断することができる。
図1は、電気エネルギー生成装置2の動作原理を説明する。
【0055】
ステップ1Aでは、装置は、非活動状態にある。液体(または半液体またはゲル)28は、リザーバ10内に閉じ込められている。ステップ1Bでは、リザーバ10から保持手段14の破断によって、液体28が放出される。次いで、液体28が放出される。ステップ1Cでは、液体28が拡散層8へと広がる。ステップ1Dでは、液体28が、アノード4とカソード6との間に位置する拡散層の一部分に到達する。よって、この液体の存在は、酸化還元反応によって電気の生成を誘発するアノード4とカソード6との間のイオン交換を可能にし、そのタイプは、選択された電気化学電池に応じて異なり得る。
【0056】
[分離層を破断するための装置]
保持手段14は、リザーバ10の内容物を放出するために圧力下で破断することができる。これを行うために、いくつかの選択肢が実装され得る:
・
図2aに示されるように、例えば、シェル12に圧力が及ぼされたときに、シェル12と拡散層8との間にシールを設けてシール16の破断を生じさせることが可能である。この場合、アンプル内部の圧力の増加がシール16を破断する。圧力が閾値に到達するとすぐにシールが破断するように、シールがサイズ決定され、その材料が選択される。この破断を容易にするためにシール16に弱点を設けることも可能である。
・追加的または代替的に、保持手段14に穿孔手段18を提供することが可能である。これらの穿孔手段は、リザーバ10の内部または外部に配設され得る針またはスパイクの形態であり得る。
図2cは、アンプル10のチャンバ内部に配置された穿孔手段18(数も変化し得る)を示す。
図2bは、3つの貫通手段18(それらの数は変化し得る)がアンプル10のチャンバの正面に、またはその外側のシールに配置されている場合を示す。
【0057】
穿孔手段18が使用される場合、偶発的に穿孔することを回避するために、これらの手段と保持手段14との間に隙間を設けることが好ましい。このようにして、穿孔は、十分に強い圧力が及ぼされたときにだけ生じる。
【0058】
シェル12に及ぼされる外圧は、リザーバ10の内容物を放出するために、シェルを変形させる。この圧力は、ユーザによって、または自動化された油圧または空気圧手段によって及ぼされ得る。
【0059】
[多重区画リザーバ]
本発明による装置のリザーバ10は、1つ以上の区画を備え得る。実際には、電気の生成をトリガするために、構成要素を分離することが有利であり得る。例えば、セルの動作に必要とされる異なる化学化合物を分離することが可能である。しかしながら、長期間にわたる同じリザーバの組み合わせは、劣化などの好ましくない反応を生じさせ得る。また、1つ以上の区画内の生体分子を特定の状態(乾燥、湿潤、ゲルとして、粉末、など)に維持することも可能であり、様々な区画の破断は、エネルギー生成化合物(例えば、乾燥状態を維持し、次いで、別の区画内に存在する溶媒によって可溶化される品目)を得ることを可能にする。複数の区画の使用は、様々な構成要素を保存するだけでなく、最適な反応も提供する。
図3は、2つの区画112および113を有するリザーバ110の第1の変形例を示す概略図であり、
図4は、3つの区画212、213、および216を有するリザーバ210の第2の変形例を示す。電気エネルギー生成装置2の動作だけでなく、リザーバ10、110、または210内の内容物のタイプ(様々な化合物の状態、など)にも依存して、様々な区画は、溶媒(例えば、水)、電解質、酵素、メディエータ、補因子、基材(例えば、グルコース)、または酵素配向分子を含み得る。保持手段14は、シール16であり得るか、またはそれを備え得る。
【0060】
また、リザーバは、各々が複数の区画を備える2つの別個の空間を含むことも可能である。
【0061】
[電気エネルギー生成装置を構成する他の要素]
電気エネルギー生成装置2はまた、電気化学電池の通常の要素、および特に燃料電池も含み得る。したがって、装置は、アノード(特に、拡散層と接触するアノードの側とは反対の側)と接触する導電性要素を備え得る。装置にガスが供給されたときに、このガスを拡散させるための手段は、ガスの供給を可能にするように配設され得る。
【0062】
最後に、電気エネルギー生成装置は、基材、好ましくは非常に剛性の基材と、その内容物が放出され得るようにアクセス可能であるリザーバ10を除いて、上述の構成要素のアセンブリを取り囲む、ガラス繊維、プラスチック、またはポリスチレン、好ましくはバイオソース材料で作製されたストリップなどのトリム要素と、を備え得る。この要素の目的は、装置を固定し、保護することである。
【0063】
図5は、2つのリザーバ10aおよび10bが使用される、本発明による装置の第1の変形例を示す。ここでも、これらのリザーバは、上述のタイプのものであり得る。ここで、リザーバ10aは、破断可能なシール16と、液体28と、を備える。リザーバ10bは、セルの他方の側に位置し、また、シール16を穿孔するためにリザーバ10bのチャンバの外側に位置する穿孔手段を備える。リザーバ10bは、いかなる液体28も含まない。拡散手段8は、リザーバ10aからリザーバ10bへ進み、どちらとも接触する。
【0064】
この実施形態によれば、電気エネルギー生成装置2を活性化し、その後不活性化することが可能である。
【0065】
ステップ5A~5Cは、上で説明したステップ1A~1Dに対応し、液体28を拡散層8内に放出し、再活性化可能な動作に従って電気を生成する。
【0066】
ステップ5Dおよび5Eに示されるように、電気エネルギー生成装置2を不活性化することが可能である。ステップ5Dでは、放出されるいかなる液体も収容しないこのリザーバ10bを開くために、圧力がリザーバ10bに及ぼされる。開口は、穿孔手段18を保持手段14と接触させることによって達成され得る。次いで、リザーバ10bは拡散層8と流体連通しているので、液体28はリザーバ10bに進入することができる。ステップ5Eに示されるように、液体28を少なくとも部分的にリザーバ10bに進入させるための手段が使用される。これらの手段は、例えば、重力、空気(リザーバ10bが部分的真空を収容する場合)などのガスの流れであってもよい。十分な量の液体28がリザーバ10bに吸収または移送され、アノード4とカソード6との間にはもはや十分な液体28が存在しなくなると、電気エネルギー生成装置2は不活性化される。当然ながら、不活性化を可能にするためには液体28の量を予め定めておく必要がある。
【0067】
リザーバ10bを備える不活性化手段は一時的なものであってもよい。液体28をアノード4およびカソード6に送り戻すように、電気エネルギー生成装置2を再活性化させることが可能である。これは、重力によって、例えば、リザーバ10bを再位置決めすることによって、または液体28をアノードおよびカソードに向かって再注入するようにアンプル10bを再度押圧することによって行うことができる。
【0068】
あるいは、リザーバ10bについて上述のように、溶液28の内容物の機能として電気エネルギー生成装置2を不活性化するための1種以上の化合物を含むことが可能である。様々な不活性化戦略を実施することができる。例えば、不活性化戦略は、液体28を吸収する化合物の存在、酸または塩基の導入によるpHの変化、温度の変化、有機溶媒を加えることによる二次/三次構造の破断、酵素を固定することによって該酵素の活動を低減させる酵素阻害物質の添加、または酵素の水和を停止させるための塩の添加、からなり得る。特に液体28の性質およびリザーバ10a内のその量に応じて、他の戦略が可能である。
【0069】
例えば、
図6は、複数回使用することができる電気エネルギー生成装置2、すなわち多回使用装置を示す、本発明の第2の実施形態変形例を示す。この実施形態によれば、各々が順に装置の活性化液体28を放出することができる複数のリザーバを配設することによって、電気エネルギー生成装置2を複数回活性化することが可能である。
【0070】
ここでも、これらのリザーバは、上述のタイプのものであり得る。ここで、各リザーバ10aおよび10bは、圧力によって簡単に破断することができるシール(16aおよび16b)を備える。当然ながら、例えば上述のようなスパイクなどの、これらの保持手段を破断するための他の手段が可能である。
【0071】
この実施形態によれば、ステップ6A~6Cは、ステップ1A~1Dに対応し、溶液28Aの拡散層8への放出および再活性化可能な動作による電気生成を伴う。
【0072】
ステップ6Dでは、液体の蒸発または燃料の欠如のため、電気エネルギー生成装置2は非活動となる。電気エネルギー生成装置2の非活動は、エネルギー生成が全くないこと、または生成されるエネルギーの量が所定の最小値よりも下回ったときとして定義することができる。
【0073】
電気エネルギー生成装置2を再活性化するために(ステップ6Eおよび6F)、アクションが活性化液体28Bを充填したリザーバ10bに対して行われ、この活性化液体は、その後に、リザーバ10bへのアクション(例えば、圧力の印加)によって放出することができる。動作原理は、前に説明したものと同様である。
【0074】
図7は、再活性化することおよび/または2回以上不活性化することができる電気エネルギー生成装置2の第3の実施形態を示す。
【0075】
この場合、電気エネルギー生成装置2は、リザーバ10Aに(上述のように)シール16を破断する圧力を及ぼすことによって活性化することができる。
【0076】
電気エネルギー生成装置2がもはや活性状態でない(活性化していないまたは十分でない)場合は、活性化液体をアノード4とカソード6との間に再度注入することによって、既に存在する溶液を再生することによって、または反対に不活性化剤を注入することによって、装置を再活性化することが可能である。これは、リザーバ10Bおよび10Cによって行うことができ、それぞれの内容物29および30、ならびにそのサイズは、アンプル10A内の活性化液体28の性質、ならびに電気エネルギー生成装置2による活性を増加または維持すること、またはそれによるエネルギーの生成を減少または停止すること、といった所望の目的に従って決定される。したがって、内容物29および/または30は、液体28の再充填、または生体分子、電解質、メディエータ、酵素、もしくは基材の他の化合物を収容することができる。また、部分的真空、吸収剤などの、電気的活性を停止または減少させるための手段も含むことができる。
【0077】
図8a~
図8cは、本出願で説明されるような、本発明による電気エネルギー生成装置2に含まれ得る、リザーバ10、10A、10B、および/または10Cの配置の部分概略図である。
【0078】
図8aに示される部分的に示される変形例は、その各々が同一のまたは異なる組成物(好ましくは液体)を含み得る2つのリザーバ10および10Aを含む。2つのリザーバは、ダクト11によって並列に接続され、このダクトは、次に、拡散層に接続されるか、またはそれを備えるか、またはそれからなる。2つの組成物は、同時にまたは異なる時間に、分離手段(図示せず)の穿孔によって放出され得る。この配置では、リザーバ10および10Aは、別個でありかつ異なっている。リザーバが収容する組成物は、組成物のそれぞれのリザーバの外側でだけ互いに相互作用することができる。
【0079】
図8bに示される変形例は、各々が同一のまたは異なる組成物を収容する2つの区画10Aおよび10Bを備えるリザーバ10を備える。区画10Bは、区画10B内に全体的に収容され得る。穿孔手段(図示せず)は、区画10Aおよび10Bを同時にまたは連続的に穿孔することを可能にするように配設される。特に、穿孔手段は、ダクト11に放出する前に、リザーバ10内の区画10Aおよび10Bの2つの組成物の間の混合を可能にし得る。
【0080】
図8cに示される変形例は、4つのリザーバ10、10A、10B、および10Cを備える。その動作原理は、
図8aの変形例と同様である。この図は、これらのリザーバに収容される組成物の性質を変化させること、すなわち、増加させるか、維持するか、または減少させることによって、どのようにエネルギー生成に影響を及ぼすことが可能であるかに関する理解を提供する。
図8aに示されるリザーバでのように、組成物は、ダクト11内のそれらのそれぞれのアンプルの外側でだけ相互作用することができる。
【0081】
[本発明の実装形態の実施例]
電気エネルギー生成装置2の一実施例が作製されている。この装置は、燃料電池である。より具体的には、この装置は、
図9および
図10に示される構造を有するグルコースバイオ燃料電池である。電極は、MWNTシート(上記参照)を備える。これらのシートは、アノード4において80μL/0.785cm
2の量のメディエータ(アセトニトリル中の10mmol/Lのフェナントロリンキノン)の溶液、およびカソード6において80μL/0.785cm
2の量を有するプロモータ(水中の10mmol/LのプロトポルフィリンIX)の溶液の堆積(ピペット)によって修飾されている。2つの電極を乾燥させた後、アノード4において80μL/0.785cm
2の量を有する5mg/LのFAD-GDHの溶液、およびカソード6において80μL/0.785cm
2の量を有する5mg/Lビリルビンオキシダーゼの溶液の堆積(ピペット)によって、酵素をこれらのシートに添加する。次いで、各シート/電極4および6を周囲温度で一晩乾燥させた。
【0082】
例示として、薬剤パッケージング(アルミニウム箔によって閉じられたプラスチックブリスターパック)を再使用することによって作製したリザーバ10に、0.1Mの濃度のリン酸緩衝食塩(PBS)溶液中の150mMの濃度のグルコース溶液約250μLを充填した。次いで、これをポリエチレンフィルム(商標名:PARAFILM M)(Neenah,Wisconsin(米国)にあるBemis North America社によって製造された紙上のプラスチックパラフィンフィルムである)によって覆った。これは、延性があり、可鍛性があり、水を通さず、無臭で、凝集性で、および半透明である熱可塑性材料(結果的に、オートクレーブにおいて使用することができない)である。次いで、グルコース溶液のあらゆる望ましくない漏出を防止するために、リザーバ10を接着ストリップでシールする。
【0083】
電極4および6を乾燥させた後、
図1および
図2に示される電気エネルギー生成装置を以下のように組み立てる:拡散層8を構成する、例えば、バイオ燃料電池の構成に応じた寸法、厚さ190μm、重量97g/m
-2を有するワットマン濾紙などの吸い取り紙のシートを、2つの電極4と6との間に挟む。吸い取り紙のこの層は、拡張部5を備える。アノード4の拡散層8と接触しない側には、導電層20を構成するGDL(ガス拡散層)グラファイトシートが配置される。
【0084】
グラファイトのシートからなる導電性およびガス拡散層22もまた、(カソード6の拡散層8と接触する側とは反対側で)カソード6と接触させられる。この層は、カソード6に酸素を導くことを可能にする。この層はまた、導電層も構成する。ガスの拡散は、ガスの流れを可能にする陥凹ラインによって達成される。
図9で分かるように、ガス拡散層22およびカソード6は、リザーバ10の保持手段14および拡散層8を互いの正面に直接配置して、保持手段14が穿孔されたときにリザーバ10の内容物が拡散層8内に広がることを可能にするように、サイズ決定および配設される。
【0085】
最後に、電気エネルギー生成装置2は、好ましくは非常に剛性であり、例えばポリエステルまたは紙で作製された基材24と、以下のものを除いて上述のすべての構成要素を取り囲むガラス繊維ストリップ(または別の材料、好ましくはバイオソース材料)からなるトリム層26と、を備える:
・その内容物を放出するためにアクセス可能なアンプル10、
・ガス拡散層22の正面に配置され、酸素がセルに到達することを可能にする開口部27、
・導電層20または22へのアクセスを提供する、可能な開口部31。
【0086】
電気生成が必要とされるときには、リザーバ10のシェル12に圧力が及ぼされ、この圧力は、保持手段14を破断して、グルコース溶液を吸い取り紙または拡散層8のシートの拡張部5上へ放出するのに十分な圧力である。液体は、毛管作用によってシートに広がり、カソードとアノードとの間のプロトンのイオン交換、およびその結果の電流の生成を可能にする。
【0087】
図11は、上述の電気エネルギー生成装置2によって生成されたエネルギーの測定を示す。この測定は、ポテンショスタットを使用して行われ、対電極および基準電極の端部は、一緒に短絡されてアノードに接続され、一方で、作業電極は、鰐口クランプ(図示せず)などのコネクタによってカソードに接続される。次いで、開回路電位(OCP)を測定する。
【0088】
例示として、リザーバ10の保持手段14は、そのシェル12の手動の圧縮によってt=50秒で破断して、その内容物が拡散層8に広がることを可能にする。10秒後(t=60秒)および25秒後(t=75秒)、ポテンショスタットは、それぞれ、0.458Vおよび0.526Vの電圧を示す。
図11に示されるように、電気エネルギー生成装置2は、経時的に電気を生成し続ける。
【0089】
本発明は、提示された実施形態に限定されず、他の実施形態が当業者には明らかであろう。
【0090】
特に、上述したもの以外の材料を使用して、電気エネルギー生成装置の様々な構成要素を作製することが可能である。
【0091】
エネルギーを生成するための化合物は、上述したものと異なり得る。
【符号の説明】
【0092】
2 電気エネルギー生成装置
4 アノード
5 拡散層8の拡張部
6 カソード
8 拡散層またはセパレータ
10、110、210、10a、10b、10c、10A、10B、および10C リザーバ
12 リザーバシェル
14 保持手段
16 シール
18 穿孔手段
20 導電層
22 ガス拡散層および導電層
24 基材
26 トリム層
27 酸素の進入を可能にする開口部
28、29、30 リザーバ内に収容される液体
31 導電性シート20および22にアクセスするための開口部
112、113、212、213、216 リザーバ区画
【0093】
[参考文献]
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(7)Kurowski,D.;Paul,O.WO2012062648A1:Blister Packaging for Liquid and Use Thereof and Method for Supplying Liquid to a Fluidic Assembly,2012.
(8)Kurowski,D.;Paul,O.US20130327672A1:Blister Packaging for Liquid and Use Thereof and Method for Supplying a Liquid to a Fluidic Assembly,2013.
(9)Stange,O.;Hohl,H.-W.;Diederich,R.;Droder,K.;Herrmann,C.;Dietrich,F.;Blumenthal,P.;Stuhm,K.;Bobka,P.;Schmidt,C.;et al.WO2017032674:Blister Packaging,2015.
(10)Wright,D.W.;Aiello,D.;Kroehl,P.;Kayyem,J.F.;Gray,D.S.US9598722B2:Cartridge for Performing Assays in a Closed Sample Preparation and Reaction System,2017.
【国際調査報告】