(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-03
(54)【発明の名称】高度バスケット駆動モード
(51)【国際特許分類】
A61B 34/35 20160101AFI20230224BHJP
A61B 17/221 20060101ALI20230224BHJP
A61B 1/307 20060101ALI20230224BHJP
B25J 13/00 20060101ALI20230224BHJP
【FI】
A61B34/35
A61B17/221
A61B1/307
B25J13/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022540451
(86)(22)【出願日】2020-12-14
(85)【翻訳文提出日】2022-07-11
(86)【国際出願番号】 IB2020061905
(87)【国際公開番号】W WO2021137071
(87)【国際公開日】2021-07-08
(32)【優先日】2019-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】518083032
【氏名又は名称】オーリス ヘルス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】リン・ジャイー
(72)【発明者】
【氏名】グレッツェル・チョーンシー・エフ
(72)【発明者】
【氏名】プリュー・サラ
(72)【発明者】
【氏名】チョク・レイチェル・リー
【テーマコード(参考)】
3C707
4C160
4C161
【Fターム(参考)】
3C707AS35
3C707BS26
3C707JU02
3C707JU12
3C707KS35
3C707KS39
3C707KT01
3C707KT04
3C707KT15
3C707LU01
4C160EE22
4C160MM53
4C160NN09
4C161AA15
4C161GG15
(57)【要約】
ロボットシステムは、ロボットマニピュレータを含み、ロボットマニピュレータは、バスケットを有する医療器具を操作し、第1の開放速度及びより速い第2の開放速度でバスケットを開き、第1の閉鎖速度及びより速い第2の閉鎖速度でバスケットを閉じるように構成される。システムは、1つ以上のユーザインタラクションを受信し、ロボットマニピュレータによって、直接制御された運動及び事前にプログラムされた動作のうちの少なくとも1つを含む、1つ以上の動作を開始するように構成された入力デバイスを含む。ロボットシステムの制御回路は、入力デバイスを介して第1のユーザインタラクションを受信したことに応じて、より速い第2の開放速度でバスケットを開くために、ロボットマニピュレータの第1のプログラムされた動作をトリガし、入力デバイスを介して第2のユーザインタラクションを受信が受信されたことに応じて、より速い第2の閉鎖速度でバスケットを閉じるために、第2の事前にプログラムされた動作をトリガするように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療処置を実行するためのロボットシステムであって、
ロボットマニピュレータであって、
バスケットを備え、人間の解剖学的構造にアクセスするように構成された医療器具を操作することと、
第1の開放速度、及び前記第1の開放速度よりも速い第2の開放速度で前記バスケットを開くことと、
第1の閉鎖速度、及び前記第1の閉鎖速度よりも速い第2の閉鎖速度で前記バスケットを閉じることと、を実行するように構成されたロボットマニピュレータと、
1つ以上のユーザインタラクションを受信し、前記ロボットマニピュレータによって、直接制御された移動及び事前にプログラムされた動作のうちの少なくとも1つを含む、1つ以上の動作を開始するように構成された入力デバイスと、
前記入力デバイス及び前記ロボットマニピュレータに通信可能に結合された制御回路であって、
前記入力デバイスを介して第1のユーザインタラクションが受信されたことに応じて、前記第2の開放速度で前記バスケットを開くことを含む、前記ロボットマニピュレータの第1の事前にプログラムされた動作をトリガし、
前記入力デバイスを介して第2のユーザインタラクションが受信されたことに応じて、前記第2の閉鎖速度で前記バスケットを閉じることを含む、前記ロボットマニピュレータの第2の事前にプログラムされた動作をトリガするように構成された制御回路と、を備える、ロボットシステム。
【請求項2】
前記医療器具が尿管鏡をさらに備える、請求項1に記載のロボットシステム。
【請求項3】
前記医療処置が尿管鏡検査を含む、請求項1に記載のロボットシステム。
【請求項4】
前記入力デバイスが制御パッドを備え、前記制御パッドが、
複数の軸に沿って前記ロボットマニピュレータの移動を方向付けるように構成された方向制御部と、
第1のボタン及び第2のボタンを含む複数のボタンと、を備える、請求項1に記載のロボットシステム。
【請求項5】
前記第1のユーザインタラクションが、前記第1のボタンをダブルタップすることを含む、請求項4に記載のロボットシステム。
【請求項6】
前記第2のユーザインタラクションが、前記第2のボタンをダブルタップすることを含む、請求項5に記載のロボットシステム。
【請求項7】
前記制御回路が、
前記第1のボタン及び前記第2のボタンが同時にタップされたことに応じて、加速された速度で、繰り返し短距離で前方及び後方に移動することを含む、前記ロボットマニピュレータの第3の事前にプログラムされた動作を、トリガするようにさらに構成されている、請求項6に記載にロボットシステム。
【請求項8】
前記制御回路が、
第3のユーザインタラクションが受信されたことに応じて、加速された速度で、繰り返し短距離で前方及び後方に移動することを含む、前記ロボットマニピュレータの第3の事前にプログラムされた動作を、トリガするようにさらに構成されている、請求項1に記載にロボットシステム。
【請求項9】
前記第2の事前にプログラムされた動作が、
前記バスケットの駆動機構におけるトルクを検出することと、
前記トルクが閾値を超えることに応じて、前記バスケットの前記閉鎖を停止することと、をさらに含む、請求項1に記載のロボットシステム。
【請求項10】
前記第1のユーザインタラクション及び前記第2のユーザインタラクションのうちの少なくとも一方が、音声コマンドを含む、請求項1に記載のロボットシステム。
【請求項11】
医療処置を実行するためのロボットデバイスを制御するための制御システムであって、
1つ以上のユーザインタラクションを受信し、前記ロボットデバイスによる、直接制御された移動及び事前にプログラムされた動作のうちの少なくとも1つを含む、1つ以上の動作を開始するように構成された入力デバイスと、
前記直接制御された移動及び前記事前にプログラムされた動作に対応するコマンドを、前記ロボットデバイスに送信するように構成された通信インターフェースであって、前記コマンドが、
前記ロボットデバイスが、バスケットを備え、人間の解剖学的構造にアクセスするように構成された医療器具を移動させることと、
第1の開放速度及び前記第1の開放速度よりも速い第2の開放速度で前記バスケットを開くことと、
第1の閉鎖速度及び前記第1の閉鎖速度よりも速い第2の閉鎖速度で前記バスケットを閉じることと、を含む、通信インターフェースと、
前記入力デバイス及び前記通信インターフェースに通信可能に結合された制御回路であって、前記制御回路が、
第1のユーザインタラクションが受信されたことに応じて、前記第2の開放速度で前記バスケットを開くことを含む、前記ロボットデバイスの第1の事前にプログラムされた動作をトリガし、
第2のユーザインタラクションが受信されたことに応じて、前記第2の閉鎖速度で前記バスケットを閉じることを含む、前記ロボットデバイスの第2の事前にプログラムされた動作をトリガするように構成された制御回路と、を備える、制御システム。
【請求項12】
前記入力デバイスが、
複数の軸に沿って前記ロボットデバイスの移動を方向付けるように構成された方向制御部と、
前記第1の事前にプログラムされた動作をトリガするように構成された第1のボタンと、前記第2の事前にプログラムされた動作をトリガするように構成された第2のボタンと、を含む、複数のボタンと、を備える、請求項11に記載の制御システム。
【請求項13】
前記第1のボタンをダブルタップすることで、前記第1の事前にプログラムされた動作がトリガされ、
前記第2のボタンをダブルタップすることで、前記第2の事前にプログラムされた動作がトリガされる、請求項12に記載の制御システム。
【請求項14】
前記第1のボタンを一度タップすることで、前記第1の事前にプログラムされた動作とは異なる第3の事前にプログラムされた動作がトリガされ、
前記第2のボタンを一度タップすることで、前記第2の事前にプログラムされた動作とは異なる第4の事前にプログラムされた動作がトリガされる、請求項12に記載の制御システム。
【請求項15】
前記制御回路が、
前記第1のボタン及び前記第2のボタンが同時にタップされたことに応じて、加速された速度で、繰り返し短距離で前方及び後方に移動することを含む、前記ロボットデバイスの第3の事前にプログラムされた動作を、トリガするようにさらに構成されている、請求項12に記載の制御システム。
【請求項16】
前記制御回路が、
前記方向制御部を介して、第1の軸に沿った移動の要求を受信したことに応じて、前記第1の軸に沿って、前記ロボットデバイスの前記第3の事前にプログラムされた動作の中心位置を移動させ、
前記中心位置で短距離にて前方及び後方に移動することを繰り返すようにさらに構成されている、請求項15に記載の制御システム。
【請求項17】
前記入力デバイスが、音声ユーザコマンドを取得するように構成されたマイクロフォンを備え、
前記制御回路が、前記第1のユーザインタラクションに対応する第1の音声ユーザコマンドと、前記第2のユーザインタラクションに対応する第2の音声ユーザコマンドとを識別するようにさらに構成されている、請求項11に記載の制御システム。
【請求項18】
前記ロボットデバイスが、前記制御システムの、第2の地理的位置とは異なる第1の地理的位置に位置し、
前記通信インターフェースが、ワイドエリアネットワークを通じて前記コマンドを送信するようにさらに構成されている、請求項11に記載の制御システム。
【請求項19】
コンピュータ実行可能命令を記憶する1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記命令が、制御回路によって実行されると、前記制御回路に、
ロボットデバイスを使用して、人間の解剖学的構造にアクセスするための、バスケットを含む医療器具を操作することであって、前記ロボットデバイスが、第1の開放速度及び第2の開放速度で前記バスケットを開くように構成され、前記ロボットデバイスが、第1の閉鎖速度及び第2の閉鎖速度で前記バスケットを閉じるようにさらに構成されている、操作することと、
入力デバイスを介して、前記ロボットデバイスにより事前にプログラムされた動作をトリガするための1つ以上の入力を受信することと、
前記入力デバイスを介して第1の入力が受信されたことに応じて、前記第1の開放速度よりも速い前記第2の開放速度で前記バスケットを開くことを含む、前記ロボットデバイスの第1の事前にプログラムされた動作をトリガすることと、
前記入力デバイスを介して第2の入力が受信されたことに応じて、前記第1の閉鎖速度よりも速い前記第2の閉鎖速度で前記バスケットを閉じることを含む、前記ロボットデバイスの第2の事前にプログラムされた動作をトリガすることと、を含む操作を実行させる、1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項20】
前記第1の入力が、前記入力デバイスの第1のボタンをダブルタップすることを含み、前記第2の入力が、前記入力デバイスの第2のボタンをダブルタップすることを含む、請求項19に記載の1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項21】
前記コンピュータ実行可能命令が、前記制御回路に、
前記第1のボタン及び前記第2のボタンが同時にタップされたことに応じて、加速された速度で、繰り返し短距離で前方及び後方に移動することを含む、前記ロボットデバイスの第3の事前にプログラムされた動作を、トリガすることを含む操作を実行させるようにさらに構成されている、請求項20に記載の1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項22】
前記コンピュータ実行可能命令が、前記制御回路に、
前記入力デバイスを介して、前記ロボットデバイスの直接移動を制御するための第3の入力を受信することと、
前記ロボットデバイスを使用して、受信された前記第3の入力に基づいて、1つ以上の移動軸に沿って前記医療器具を操作することと、を含む操作を実行させるようにさらに構成されている、請求項19に記載の1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は高度バスケット駆動モードという名称の、米国仮特許出願第62/956,071号(2019年12月31日出願)に対する優先権を主張し、その開示はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、医療デバイス及び処置、並びにユーザインターフェースの分野に関する。
【背景技術】
【0003】
様々な医療処置において、人間の解剖学的構造を貫通して治療部位に到達するように構成された1つ以上のデバイスが使用される。ある特定の手術処置は、患者の皮膚又は開口を通して1つ以上のデバイスを挿入して治療部位に到達し、患者から尿路結石などの物体が抽出され得ることに関与する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書では、医師他が、医療器具を制御して、人間の解剖学的構造内に存在する尿路結石などの物体にアクセスすることを支援するための1つ以上のシステム、デバイス、及び/又は方法が記載される。
【0005】
1つの一般的な態様は、医療処置を実行するためのロボットシステムを含む。ロボットシステムは、ロボットマニピュレータを含み、ロボットマニピュレータは、バスケットを有し、人間の解剖学的構造にアクセスするように構成された医療器具を操作し、第1の開放速度及び第1の開放速度より速い第2の開放速度でバスケットを開き、第1の閉鎖速度及び第1の閉鎖速度より速い第2の閉鎖速度でバスケットを閉じるように構成されている。システムは、1つ以上のユーザインタラクションを受信し、ロボットマニピュレータによって、直接制御された移動及び事前にプログラムされた動作のうちの少なくとも1つを含み得る、1つ以上の動作を開始するように構成された入力デバイスを含み得る。システムはさらに、入力デバイス及びロボットマニピュレータに通信可能に結合された制御回路を含み得る。制御回路は、入力デバイスを介して第1のユーザインタラクションが受信されたことに応じて、バスケットを第2の開放速度で開くことを含む、ロボットマニピュレータの第1の事前にプログラムされた動作をトリガし、入力デバイスを介して第2のユーザインタラクションが受信されたことに応じて、バスケットを第2の閉鎖速度で閉じることを含む、ロボットマニピュレータの第2の事前にプログラムされた動作をトリガするように構成されている。本態様の他の実施形態は、対応するコンピュータシステム、デバイス、及び1つ以上のコンピュータ記憶デバイスに記録されたコンピュータプログラムを含み、それぞれは方法の動作を実行するように構成されている。
【0006】
ロボットシステムの実現形態は、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。ロボットシステムは、尿管鏡を含み得る。医療処置は、尿管鏡検査を含み得る。入力デバイスは、複数の軸に沿ってロボットマニピュレータの移動を方向付けるように構成された方向制御部と、第1のボタン及び第2のボタンを含む複数のボタンと、を含み得る。第1のユーザインタラクションは、第1のボタンをダブルタップすることを含み得る。第2のユーザインタラクションは、第2のボタンをダブルタップすることを含み得る。制御回路は、第1のボタン及び第2のボタンが同時にタップされたことに応じて、加速された速度で、繰り返し短距離にて前方及び後方に移動することを含む、ロボットマニピュレータの第3の事前にプログラムされた動作を、トリガするようにさらに構成され得る。制御回路は、第3のユーザインタラクションが受信されたことに応じて、加速された速度で、繰り返し短距離にて前方及び後方に移動することを含む、ロボットマニピュレータの第3の事前にプログラムされた動作を、トリガするようにさらに構成され得る。第2の事前にプログラムされた動作は、バスケットの駆動機構におけるトルクを検出することと、トルクが閾値を超えることに応じて、バスケットの閉鎖を停止することと、をさらに含み得る。第1のユーザインタラクション及び第2のユーザインタラクションのうちの少なくとも一方は、音声コマンドを含み得る。記載した技術の実施形態は、機械設備、方法若しくは工程、又はコンピュータアクセス可能媒体でのコンピュータソフトウェアを含み得る。
【0007】
1つの一般的な態様は、ロボットマニピュレータを使用して医療器具を制御する方法を含む。方法は、ロボットマニピュレータを使用して、人間の解剖学的構造にアクセスするための、バスケットを含む医療器具を操作することであって、ロボットマニピュレータが、第1の開放速度及び第2の開放速度でバスケットを開くように構成され、ロボットマニピュレータが、第1の閉鎖速度及び第2の閉鎖速度でバスケットを閉じるようにさらに構成されている、操作することと、入力デバイスを介して、ロボットマニピュレータによって事前にプログラムされた動作をトリガするための1つ以上のユーザインタラクションを受信することと、を含み得る。方法はさらに、入力デバイスを介して第1のユーザインタラクションが受信されたことに応じて、第1の開放速度よりも速い第2の開放速度でバスケットを開くことを含む、ロボットマニピュレータの第1の事前にプログラムされた動作をトリガすることをさらに含み得る。方法はさらに、入力デバイスを介して第2のユーザインタラクションが受信されたことに応じて、第1の閉鎖速度よりも速い第2の閉鎖速度でバスケットを閉じることを含む、ロボットマニピュレータの第2の事前にプログラムされた動作をトリガすることをさらに含み得る。本態様の他の実施形態は、対応するコンピュータシステム、デバイス、及び1つ以上のコンピュータ記憶デバイスに記録されたコンピュータプログラムを含み、それぞれは方法の動作を実行するように構成されている。
【0008】
方法の実現形態は、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。第1のユーザインタラクションは、入力デバイスの第1のボタンをダブルタップすることを含み得、第2のユーザインタラクションは、入力デバイスの第2のボタンをダブルタップすることを含み得る。方法は、第1のボタン及び第2のボタンが同時にタップされたことに応じて、加速された速度で、繰り返し短距離にて前方及び後方に移動することを含む、ロボットマニピュレータの第3の事前にプログラムされた動作を、トリガすることをさらに含み得る。方法は、入力デバイス上で、第1の軸に沿った移動の入力を受信したことに応じて、第1の軸に沿って、ロボットマニピュレータの第3の事前にプログラムされた動作の中心位置を移動させることと、中心位置で短距離にて前方及び後方に移動することを繰り返すことと、をさらに含み得る。第3の事前にプログラムされた動作が、繰り返しの回転運動をさらに含み得る。方法はさらに、ロボットマニピュレータを使用して、内視鏡を操作して、人間の解剖学的構造にアクセスすることをさらに含み、内視鏡が、人間の解剖学的構造内の医療器具の画像を捕捉するように構成され得る。方法はさらに、入力デバイスを介して、医療器具の移動を直接制御するための第3のユーザインタラクションを受信することと、ロボットマニピュレータを使用して、受信された第3のユーザインタラクションに基づいて、1つ以上の移動軸に沿って医療器具を操作することと、をさらに含み得る。第2の事前にプログラムされた動作はさらに、バスケットの駆動機構におけるトルクを検出することと、トルクが閾値を超えることに応じて、バスケットの閉鎖を停止することと、をさらに含み得る。記載した技術の実施形態は、機械設備、方法若しくは工程、又はコンピュータアクセス可能媒体でのコンピュータソフトウェアを含み得る。
【0009】
1つの一般的な態様は、医療処置を実行するためのロボットデバイスを制御するための制御システムを含む。制御システムは、1つ以上のユーザインタラクションを受信し、ロボットデバイスによる、直接制御された移動及び事前にプログラムされた動作のうちの少なくとも1つを含む、1つ以上の動作を開始するように構成された入力デバイスを含み得る。制御システムはさらに、直接制御された移動及び事前にプログラムされた動作に対応するコマンドを、ロボットデバイスにコマンドを送信するように構成された通信インターフェースであって、コマンドが、ロボットデバイスがバスケットを有し、人間の解剖学的構造にアクセスするように構成された医療器具を移動させることと、第1の開放速度及び第1の開放速度よりも速い第2の開放速度でバスケットを開くことと、第1の閉鎖速度及び第1の閉鎖速度よりも速い第2の閉鎖速度でバスケットを閉じることと、を含む、通信インターフェースを含み得る。制御システムはさらに、入力デバイス及び通信インターフェースに通信可能に結合された制御回路をさらに含み得る。制御回路は、第1のユーザインタラクションを受信したことに応じて、バスケットを第2の開放速度で開くことを含む、ロボットデバイスの第1の事前にプログラムされた動作をトリガし、第2のユーザインタラクションが受信されたことに応じて、バスケットを第2の閉鎖速度で閉じることを含む、ロボットデバイスの第2の事前にプログラムされた動作をトリガするように構成されている。本態様の他の実施形態は、対応するコンピュータシステム、デバイス、及び1つ以上のコンピュータ記憶デバイスに記録されたコンピュータプログラムを含み、それぞれは方法の動作を実行するように構成されている。
【0010】
制御システムの実現形態は、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。入力デバイスは、複数の軸に沿ってロボットデバイスの移動を方向付けるように構成された方向制御部と、第1の事前にプログラムされた動作をトリガするように構成された第1のボタン及び第2の事前にプログラムされた動作をトリガするように構成された第2のボタンとを含む複数のボタンを含み得る。第1のボタンをダブルタップすることは、第1の事前にプログラムされた動作をトリガし得、第2のボタンをダブルタップすることは、第2の事前にプログラムされた動作をトリガし得る。第1のボタンを一度タップすることは、第1の事前にプログラムされた動作とは異なる第3の事前にプログラムされた動作をトリガし得、第2のボタンを一度タップすることは、第2の事前にプログラムされた動作とは異なる第4の事前にプログラムされた動作をトリガし得る。制御回路は、第1のボタン及び第2のボタンが同時にタップされたことに応じて、加速された速度で、繰り返し、短距離にて前方及び後方に移動することを含む、ロボットデバイスの第3の事前にプログラムされた動作を、トリガするようにさらに構成され得る。制御回路は、方向制御部を介して、第1の軸に沿った移動の要求を受信したことに応じて、第1の軸に沿って、ロボットデバイスの第3の事前にプログラムされた動作の中心位置を移動させ、中心位置で短距離にて前方及び後方に移動することを繰り返すようにさらに構成され得る。入力デバイスは、音声ユーザコマンドを取得するように構成されたマイクロフォンを含み得、制御回路は、第1のユーザインタラクションに対応する第1の音声ユーザコマンドと、第2のユーザインタラクションに対応する第2の音声ユーザコマンドとを識別するようにさらに構成されている。ロボットデバイスは、制御システムの第2の地理的位置とは異なる第1の地理的位置に配置され得、通信インターフェースは、ワイドエリアネットワークを通じてコマンドを送信するようにさらに構成されている。記載した技術の実施形態は、機械設備、方法若しくは工程、又はコンピュータアクセス可能媒体でのコンピュータソフトウェアを含み得る。
【0011】
1つの一般的な態様は、コンピュータ実行可能命令を記憶する1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体であって、命令は、制御回路によって実行されると、制御回路に、ロボットデバイスを使用して、人間の解剖学的構造にアクセスするための、バスケットを含む医療器具を操作することであって、ロボットデバイスが、第1の開放速度及び第2の開放速度でバスケットを開くように構成され、ロボットデバイスが、第1の閉鎖速度及び第2の閉鎖速度でバスケットを閉じるようにさらに構成されている、操作することと、入力デバイスを介して、ロボットデバイスによる、事前にプログラムされた動作をトリガするための1つ以上の入力を受信することと、入力デバイスを介して第1の入力が受信されたことに応じて、第1の開放速度よりも速い第2の開放速度でバスケットを開くことを含む、ロボットデバイスの第1の事前にプログラムされた動作をトリガすることと、入力デバイスを介して第2の入力が受信されたことに応じて、第1の閉鎖速度よりも速い第2の閉鎖速度でバスケットを閉じることを含む、ロボットデバイスの第2の事前にプログラムされた動作をトリガすることと、を含む動作を実行させる。本態様の他の実施形態は、対応するコンピュータシステム、デバイス、及び1つ又は2つ以上のコンピュータ記憶デバイスに記録されたコンピュータプログラムを含み、それぞれは方法の動作を実行するように構成されている。
【0012】
非一時的コンピュータ可読媒体の実施形態は、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。第1の入力は、入力デバイスの第1のボタンをダブルタップすることを含み得、第2の入力は、入力デバイスの第2のボタンをダブルタップすることを含み得る。コンピュータ実行可能命令は制御回路に、第1のボタン及び第2のボタンが同時にタップされたことに応じて、加速された速度で、繰り返し、短距離にて前方及び後方に移動することを含む、ロボットデバイスの第3の事前にプログラムされた動作を、トリガすることを含む操作を実行させるようにさらに構成されている。コンピュータ実行可能命令はさらに制御回路に、入力デバイスを介して、ロボットデバイスの直接移動を制御するための第3の入力を受信することと、ロボットデバイスを使用して、受信された第3の入力に基づいて、1つ以上の移動軸に沿って医療器具を操作することを含む操作を実行させるように構成され得る。記載した技術の実施形態は、機械設備、方法若しくは工程、又はコンピュータアクセス可能媒体でのコンピュータソフトウェアを含み得る。
【0013】
本開示を要約する目的で、特定の態様、利点、及び新規の特徴が記載されている。任意の特定の実施形態に従って、必ずしもそのような利点全てが達成され得る必要はないことを理解されたい。したがって、例えば、開示の実施形態は、本明細書で教示又は提示されるように1つの利点又は利点群を実現又は最適化しながら、同じく本明細書において示される他の利点を必ずしも実現するとは限らない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
様々な実施形態が、図面に示されているが、これは例示目的であって、本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。さらに、異なる開示の実施形態の様々な特徴を組み合わせて、追加の実施形態を形成することができる。それも本開示の一部である。図面を通して、参照要素間の対応を示すために、参照番号を繰り返し使用し得る。
【
図1】特定の実施形態による医療処置を実行するか、又はその実行を支援するための例示的な医療システムを示す。
【
図2A】特定の実施形態による、医療システムのコントローラの斜視図及び上面図をそれぞれ示す。
【
図2B】特定の実施形態による、医療システムのコントローラの斜視図及び上面図をそれぞれ示す。
【
図3A】ある特定の実施形態による、尿路結石捕捉処置を示す。
【
図3B】ある特定の実施形態による、尿路結石捕捉処置を示す。
【
図3C】ある特定の実施形態による、尿路結石捕捉処置を示す。
【
図4A】特定の実施形態による、バスケット式回収デバイス及びいくつかのバスケット構成を示す。
【
図4B】特定の実施形態による、バスケット式回収デバイス及びいくつかのバスケット構成を示す。
【
図5】特定の実施形態による、事前にプログラムされた急速開放プロセスのフロー図である。
【
図6】特定の実施形態による、事前にプログラムされた急速閉鎖プロセスのフロー図である。
【
図7】特定の実施形態による、事前にプログラムされた急速閉鎖プロセスのフロー図である。
【
図8】特定の実施形態による、ロボットシステム110の例示的な詳細を示す。
【
図9】特定の実施形態による、制御システム140の例示的な詳細を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本明細書で提供される見出しは、単に便宜上のものであり、本開示の範囲又は意味に影響するものではない。特定の好ましい実施形態及び実施例が以下に開示されるが、主題は、具体的に開示された実施形態にとどまらず、別の代替実施形態及び/また利用及びそれらの修正及び均等物にまで及ぶ。したがって、本明細書に発生し得る特許請求の範囲は、以下に記載される特定の実施形態のいずれかによって限定されない。例えば、本明細書に開示される任意の方法又はプロセスでは、その作用及び操作は、任意の好適な順序で実施され得、必ずしも特定の開示された順序に限定されない。様々な操作は、特定の実施形態の理解を促進するように、複数の別個の操作として説明され得る。しかしながら、説明の順序は、これらの操作が特定の順序に依存するものであることを意味するように解釈されるべきではない。さらに、本明細書に記載の構造、システム、及び/又はデバイスは、一体的な構成要素として、又は別個の構成要素として実施され得る。様々な実施形態を比較する目的で、これらの実施形態の特定の態様及び利点が記載される。必ずしもそのような態様又は利点が全て、特定の実施形態によって達成されるわけではない。したがって、例えば、様々な実施形態は、本明細書で教示又は提示されるように1つの利点又は利点群を実現又は最適化しながら、同じく本明細書において示される他の態様又は利点を必ずしも実現するとは限らない。
【0016】
特定の標準的な位置の解剖学的用語は、本明細書では、好ましい実施形態に関して動物、具体的には人間の解剖学的構造を指すために使用され得る。「外側」、「内側」、「上側」、「下側」、「下方」、「上」、「垂直」、「水平」、「頂部」、「底」、及び同様の用語などの特定の空間関連用語は、本明細書では、1つのデバイス/要素又は解剖学的構造の、別のデバイス/要素又は解剖学的構造に対する空間的関係を説明するために使用される。これらの用語は、図示のように、要素(複数可)/構造(複数可)の位置関係を説明するために本明細書で使用されることが理解される。空間関連用語は、図示されている向きに加えて、使用時又は操作時の、1つ以上の要素(複数可)/構造(複数可)の異なる向きを包含するように意図されることを理解されたい。例えば、別の要素/構造の「上」として記載される要素/構造は、対象患者又は要素/構造の向きが変われば、当該別要素/構造の下方、又は側方の位置を示し得ること、そしてその逆もあり得ることが理解されよう。
【0017】
概論
本開示は、尿路結石を回収するためのバスケット式回収デバイスなどの医療デバイスを制御するための技術及びシステムに関する。バスケット式回収デバイスは、医療処置中の、尿管鏡検査などの様々な状況で使用することができる。例えば、バスケットを使用して、尿路結石を捕捉し、尿路結石を放出し、尿路結石を再配置し、バスケット上で組織を振り落とし、及び/又は尿路結石の詰まりを解消することができる。バスケット式回収デバイスを操作する技術は、状況に応じて異なる。バスケットは、状況に応じて異なる速度で、開閉、挿入/取り出し、及び/又は回転するように制御することができる。いくつかの実施形態では、バスケット式回収デバイスの移動は、より良好なフィードバック及び制御のため、スコープの移動と協調される。典型的には、バスケット式回収デバイスは、バスケット式回収デバイスの挿入/後退を制御する医師、及びバスケットそのものの開閉を制御する助手という、2人の人物によって操作される。このように、医師と助手との間の協働及び協調は、デバイスを適切に操作させるために必須である。
【0018】
尿路結石症としても知られる腎臓結石疾患は、「腎臓結石」、「尿路結石」、「腎結石」、「腎結石症」、又は「腎臓結石症」と呼ばれる物質の固体片の形成を伴う、比較的一般的な医学的症状である。尿路結石は、腎臓、尿管、及び膀胱(「膀胱結石」と呼ばれる)に形成及び/又は確認され得る。こうした尿路結石は、ミネラルが濃縮した結果として形成され、尿管又は尿道を通る尿の流れを妨げるのに十分なサイズに達すると、著しい腹痛を引き起こし得る。尿路結石は、カルシウム、マグネシウム、アンモニア、尿酸、システイン、及び/又は他の化合物から形成され得る。
【0019】
膀胱及び尿管から尿路結石を除去するためには、外科医は、通常、尿道を通して尿路内へ挿入される尿管鏡を使用する。典型的には、尿管鏡はその遠位端に、尿路の可視化を可能にするように構成された内視鏡を含む。尿管鏡はまた、尿路結石を捕捉又は破壊するためのバスケット式回収デバイスなどの砕石機構を含むことができる。上記のように、尿管鏡検査処置の間、一人の医師/技術者が、尿管鏡の位置を制御し、もう一人の医師/技術者が解剖切断機構を制御し得る。
【0020】
1つの例示的な操作では、医師は、助手にバスケットの開閉を制御させる間に、石を捕捉しようと試みる。この場合、医師がバスケットを挿入して関節駆動させ(スコープも同時に駆動され得る)、同時に石が完全に捕捉されるまで助手がバスケットを迅速に閉じる必要があり、これらの動作にはある程度の協調が必要となる。石を放出することを含む別の操作では、助手は、石を放出するために、バスケットを最大量及び高速で開く必要がある。組織を振り落とすための操作において、助手又は医師は、組織がバスケットから落下するように、素早くバスケットを前後に揺らす必要がある。バスケット内の結石を再配置するための操作では、助手は、石が回転できるようにバスケットを若干開く必要があり得る。その際に医師はバスケット式回収デバイスを前後に揺らし、時にバスケット式回収デバイスを挿入及び後退させ、同時にバスケットの位置付けを補助する。
【0021】
上述のように、バスケット操作は、医療処置に応じて、様々なレベルの複雑さとなり得る。2人のユーザによる動作を要する、単一の低速バスケット駆動モードを用いる従来の手法では、医師にとって柔軟性及び使いやすさが十分ではない。したがって、よりダイナミックなバスケット操作、そして同時に複数の器具を同時に制御可能とするよう、医師がバスケットも制御する(例えば、バスケットの速度調整、及び/又はバスケット開閉)ことを可能にする、より高度なバスケット駆動モードが必要である。
【0022】
多くの実施形態では、技術及びシステムは、低侵襲処置に関して説明される。 しかしながら、技術及びシステムは、任意の医療処置の状況で実装され得る。例えば、これは医療器具を挿入するために身体に穿刺及び/又は小さな切開を行い、目標部位への到達を実現する経皮的操作、非侵襲的処置、治療処置、診断処置、非経皮的処置、又は他の種類の処置である。内視鏡処置は、気管支鏡検査、尿管鏡検査、胃鏡検査、腎鏡検査、腎摘出術などを含み得る。さらには、多くの実施形態では、技術及びシステムは、ロボット支援処置として実現されるものとして説明される。しかしながら、技術及びシステムは、完全ロボット医療処置などの他の手順でも実装され得ることを理解されたい。
【0023】
図示及び説明を容易にするために、技術及びシステムは、腎臓から腎結石などの尿路結石を除去する状況で説明される。ただし、上記のように、技術及びシステムを使用して、他の処置を実行することができる。
【0024】
医療システム
図1は、1つ以上の実施形態による医療処置を実行する、又はその実行を支援するための例示的な医療システム100を示す。医療システム100の実施形態は、外科手術及び/又は診断処置に使用することができる。医療システム100は、医療器具120と協働、及び/又は医療器具120を制御して、患者130に対して処置を実行するように構成されたロボットシステム110を含む。医療システム100はまた、ロボットシステム110とインターフェース接続され、処置に関する情報を提供し、及び/又は様々な他の操作を実行するように構成された制御システム140を含む。例えば、制御システム140は、医療器具120の使用時に医師160を支援するためにユーザインターフェース144を提示するディスプレイ142を含むことができる。さらには、医療システム100は、患者130を支持するように構成された台150、及び/又はカメラ、X線、コンピュータ断層撮影(CT)、磁気共鳴撮像(MRI)、陽電子放出断層撮影(PET)デバイスなどの撮像センサ180を含むことができる。
【0025】
いくつかの実施形態では、医師は、尿管鏡検査などの低侵襲医療処置を実行する。医師160は、制御システム140と相互作用して、ロボットシステム110を制御し、尿道から尿路結石165が位置する腎臓170まで医療器具120(例えば、バスケット式回収デバイス及び/又はスコープ)を操縦することができる。制御システム140は、ディスプレイ142を介して、医療器具120又は撮像センサ180からのリアルタイム画像など、医療器具120に関する情報を提供して、操縦時に医師160を支援できる。腎結石の部位まで来ると、医療器具120を使用して、尿路結石165を破壊及び/又は捕捉することができる。
【0026】
医療システム100を使用するいくつかの実装形態では、医師160は、経皮的処置を行うことができる。例示として、患者130が、尿路を通して除去するには大きすぎる腎結石165を腎臓170に有する場合、医師160は、患者130の経皮アクセスポイントを通して腎石を除去する処置を実行することができる。例えば、医師160は、制御システム140とのインタラクションを通じて、ロボットシステム110を制御して、尿道から石165が位置する腎臓170まで医療器具120(例えば、スコープ)を操縦することができる。制御システム140は、ディスプレイ142を介して、医療器具120又は撮像センサ180からのリアルタイム画像などの、医療器具120に関する情報を提供して、医療器具120操縦時に医師160を支援できる。腎臓石の部位に来ると、医療器具120を使用して、腎臓に経皮的にアクセスする第2の医療器具(不図示)の目標位置(例えば、腎臓にアクセスするための所望の部位)を指定し得る。腎臓への損傷を最小限に抑えるために、医師160は、第2の医療器具を腎臓に入れる際の目標位置として、特定の乳頭を指定し得る。ただし、別の目標位置を指定又は決定することもできる。第2の医療器具が目標位置に到達すると、医師160は、第2の医療器具及び/又は別の医療器具を使用して、経皮アクセスポイントを通じて、患者130から腎臓結石を取り出すことができる。上記の経皮的処置は、医療器具120を使用する状況で説明されているが、いくつかの実施形態では、医療器具120の支援なしに経皮的手順を実行することができる。さらには、医療システム100を使用して、様々な他の処置を実行することができる。
【0027】
図1の例では、医療器具120は、バスケット式回収デバイスとして実装される。したがって、説明を容易にするために、医療器具120を、「バスケット式回収デバイス120」とも称する。しかしながら、医療器具120は、例えば、スコープ(「内視鏡」と呼ばれることもある)、ニードル、カテーテル、ガイドワイヤ、砕石器、鉗子、バキューム、メス、これらの組み合わせなどを含む、様々な種類の医療器具として実装可能である。いくつかの実施形態では、医療器具は操縦可能デバイスであり、他の実施形態では、医療器具は操縦不能デバイスである。いくつかの実施形態では、外科手術器具は、ニードル、メス、ガイドワイヤなどの人間の解剖学的構造を通して穿刺又は挿入されるように構成されたデバイスを指す。しかしながら、外科手術器具は、別の種類の医療器具も示し得る。いくつかの実施形態では、複数の医療器具が使用され得る。例えば、内視鏡は、バスケット式回収デバイス120と共に使用され得る。いくつかの実施形態では、医療器具120は、バキューム、バスケット式回収デバイス、スコープ、又は器具の様々な組み合わせなどのいくつかの器具を組み込んだ複合的デバイスであり得る。
【0028】
ロボットシステム110は、医療処置を少なくとも部分的に支援するように構成され得る。ロボットシステム110は、特定の処置に応じて様々な態様で配置され得る。ロボットシステム110は、1つ以上のロボットアーム112(ロボットアーム112(a)、112(b)、112(c))を含むことができ、医療器具120と協働、及び/又は医療器具120を制御することができる。図示のように、各ロボットアーム112は、関節に結合された複数のアームセグメントを含むことができる。これにより、多自由度の運動が実現可能である。
図1の例では、ロボットシステム110は、患者130の下腹部に近接して配置され、ロボットアーム112は、患者130の尿道などのアクセスポイントにアクセスするために医療器具120と協働し、配置するように作動される。ロボットシステム110が適切に配置された状態で、ロボットアーム112を使用してロボットで、医師160による手動、又はそれらの組み合わせで、医療器具120を患者130に挿入することができる。
【0029】
ロボットシステム110はまた、1つ以上のロボットアーム112に結合されたベース114を含み得る。ベース114は、制御電子機器、電源、空気圧システム、光源、アクチュエータ(例えば、ロボットアームを移動させるためのモータ)、制御回路、メモリ、及び/又は通信インターフェースなどの様々なサブシステムを含み得る。いくつかの実施形態では、ベース114は、ロボットシステム110を制御するためのユーザ入力などの入力を受信し、患者ステータス、医療器具位置などの出力を提供するように構成された入力/出力(I/O)デバイス116を含む。I/Oデバイス116は、コントローラ、マウス、キーボード、マイクロフォン、タッチパッド、他の入力デバイス、又はこれらの組み合わせを含み得る。I/Oデバイスは、スピーカ、ディスプレイ、触覚フィードバックデバイス、他の出力デバイス、又はこれらの組み合わせなどの出力構成要素を含み得る。いくつかの実施形態では、ロボットシステム110は、移動可能である(例えば、ベース114がホイールを含む)。その結果、ロボットシステム110は、処置に適切な又は望ましい場所に配置され得る。他の実施形態では、ロボットシステム110は、据付式システムである。さらには、いくつかの実施形態では、ロボットシステム110は、台150と一体である。
【0030】
ロボットシステム110は、制御システム140、台150、撮像センサ180、及び/又は医療器具120などの医療システム100の任意の構成要素に結合可能である。いくつかの実施形態では、ロボットシステムは、制御システム140に通信可能に結合されている。一例では、ロボットシステム110は、制御システム140から制御信号を受信して、ロボットアーム112を特定の様式で配置する、スコープを操作するなどの操作を実行することができる。それに応じて、ロボットシステム110は、ロボットシステム110の構成要素を制御して、操作を実行することができる。別の例では、ロボットシステム110は、スコープから患者130の内部解剖学的構造を示す画像を受信し、及び/又は当該画像を制御システム140に送信することができる(その後、制御システム140に表示され得る)。さらには、いくつかの実施形態では、ロボットシステム110は、制御システム140などの医療システム100の構成要素に結合されて、データ信号、電力などを受信する。IVバッグ、血液パックなどの他の医療器具のような他のデバイスも、実行される医療処置に応じて、ロボットシステム110又は医療システム100の他の構成要素に結合することができる。
【0031】
制御システム140は、医療処置の実行を支援するために様々な機能を提供するように構成され得る。いくつかの実施形態では、制御システム140は、ロボットシステム110に結合され、ロボットシステム110と協働して、患者130に対して医療処置を実行するように操作することができる。例えば、制御システム140は、無線又は有線接続を介してロボットシステム110と通信する(例えば、ロボットシステム110、バスケット式回収デバイス120を制御、スコープによって捕捉された画像(複数可)を受信するためなど)、1つ以上の流路を通じてロボットシステム110を流れる流体の流れを制御する、1つ以上の電気的接続を介してロボットシステム110に電力を提供する、1つ以上の光ファイバ又は他の構成要素などを介してロボットシステム110に光信号を提供するなどが可能である。さらには、いくつかの実施形態では、制御システム140は、センサデータを受信するためにスコープと通信することができる。さらに、いくつかの実施形態では、制御システム140は、台150と通信して、台150を特定の向きに配置するか、又は別様に台150を制御することができる。
【0032】
図1に示すように、制御システム140は、医師160などが医療処置を行う際に支援するように構成された様々なI/Oデバイスを含む。いくつかの実施形態では、制御システム140は、バスケット式回収デバイス120を制御するために医師160又は別のユーザによって用いられる入力デバイス146を含む。例えば、入力デバイス146を使用して、患者130内でバスケット式回収デバイス120を操縦可能である。医師160は、入力デバイス146を介して入力を提供することができ、それに応じて、制御システム140は、制御信号をロボットシステム110に送信して、医療器具120を操作することができる。
【0033】
入力デバイス146は、
図1の例でコントローラとして示されているが、タッチスクリーン/パッド、マウス、キーボード、マイク、スマートスピーカなどの様々なタイプのI/Oデバイスとして実装することができる。
図1にも示すように、制御システム140は、処置に関する様々な情報を提供するためのディスプレイ142を含み得る。例えば、制御システム140は、スコープによって撮影されたリアルタイム画像を受信し、ディスプレイ142により表示できる。さらに/又は、制御システム140は、信号(例えば、アナログ、デジタル、電気、音響/音波、空気圧、触覚、油圧など)を医療用モニタ及び/又は患者130に関連するセンサに受信することができ、ディスプレイ142は、患者130の健康状態及び/又は患者130の環境に関する情報を提示することができる。そのような情報は、例えば、心拍数(例えば、心電図(ECG)、心拍数変動(HRV)など)、血圧/速度、筋肉生体信号(例えば、筋電図(EMG))、体温、酸素飽和度(例えば、SpO
2))、二酸化炭素(CO
2)脳内(例えば、脳波(EEG))、環境温度などを含む、医療用モニタを介して表示される情報を含み得る。
【0034】
いくつかの実施形態では、入力デバイス146は、バスケット式回収デバイス120の運動を直接制御する、並びに事前にプログラムされた動作をトリガするように構成されている。一実施形態では、直接制御は、例えば、ジョイスティックを押す、又はボタンを作動させることによって、ユーザによってアクティブな入力が提供される限り続く移動を含む。直接制御は、挿入/後退、時計回り/反時計回り回転、左/右、及び/又は上下への移動などの1つ以上の軸に沿った移動を含み得る。事前にプログラムされた動作は、急速開放、急速閉鎖、揺れ、又はコマンドによってトリガされ、ユーザからの継続的な入力を必要としない他の事前に定義された動作を含み得る。事前にプログラムされた動作を使用することにより、複雑な動きが、簡略化されたコマンドによって開始され得るため、バスケット式回収デバイスの操作は簡略化される。例えば、結石上でバスケットを閉じるために、医師160と助手との間に協調動作を必要とするのではなく、簡略化されたコマンド(例えば、ボタンを押圧又はダブルタップすること)を使用して、単一のユーザによって急速閉鎖動作をトリガすることができる。
【0035】
急速開放の場合、バスケットの通常開放速度よりも速い速度でバスケットが開く。いくつかの状況では、ユーザは急速開放を、バスケットを迅速に開いて結石の捕捉の準備をし、結石を放出するために使用することもできる。一実施形態では、通常開放は、ユーザによって直接制御される。例えば、バスケット駆動機構は、ボタンが押されている限りバスケットを開くことができる。一方、ボタンが離され、又はトルク閾値レベルに到達したときには停止する。これは、バスケットが完全に開いていることを通常示す。これにより、バスケット機構のより細やかな制御が実現される。一方、特定の実施形態では、急速開放は、トリガに応じて一連の動作を完了するように事前にプログラムされる。そして駆動機構はバスケットを作動し、上述の閾値トルクレベルに達するまで、又は新しいコマンド(例えば、ボタンを押圧)が受信されるまで開いておく。通常開放及び急速開放を組み合わせることで、医療処置中により高度な制御及び柔軟性をユーザに提供することができる。すなわち、より微細な制御が必要とされる場合に通常開放が利用され、迅速さ及び/又はタイミングに重点を置く場合に急速開放が利用される。
【0036】
急速閉鎖の場合、バスケットの通常閉鎖速度よりも速い速度でバスケットが閉鎖される。いくつかの状況では、使用者が結石を迅速に把持し、さらに使用していないときにバスケットを迅速に閉じるために、急速閉鎖が使用され得る。一実施形態では、通常閉鎖は、ユーザによって直接制御される。例えば、バスケット駆動機構は、ボタンが押されている限りバスケットを閉じることができる。一方、ボタンが離され、又はトルク閾値レベルに到達したときには停止する。これは、バスケットが完全に閉じている又は結石が補足されたことを通常示す。これにより、バスケット機構のより細やかな制御が実現される。一方、特定の実施形態では、急速閉鎖は、トリガに応じて一連の動作を完了するように事前にプログラムされる。そして駆動機構はバスケットを作動し、上述の閾値トルクレベルに達するまで、又は新しいコマンド(例えば、ボタン押圧)が受信されるまで閉じておく。通常閉鎖及び急速閉鎖を組み合わせることで、医療処置中により高度な制御及び柔軟性をユーザに提供することができる。すなわち、より微細な制御が必要とされる場合に通常閉鎖が利用され、迅速さ及び/又はタイミングに重点を置く場合に急速閉鎖が利用される。
【0037】
一実施形態では、バスケット式回収デバイスの揺れ動作は、入力デバイス146上の2つのボタンを同時に長押しすることによってトリガされ得る。他の実施形態では、他のボタン押圧、タッチスクリーン選択、音声コマンド、及び/又は他のユーザ入力を用いて揺れ動作をトリガすることができる。いくつかの実施形態では、揺れ動作は事前にプログラムされた動作である。この場合、通常バスケット挿入速度よりも速く、バスケットが固定量移動するように、バスケット式回収デバイスが前後に挿入/後退させられる。例えば、バスケット式回収デバイスは、直接制御中に、通常の速度(1倍速度)で移動(例えば、挿入/後退)することができ、事前にプログラムされた動作時に、加速速度(例えば、1.5倍、2倍、3倍など)で移動することができる。この高頻度動的移動は、バスケットに付着する組織を振り落とし、結石の放出時に結石を振り落とし、及び/又は結石の詰まりを解消するために使用され得る。
【0038】
いくつかの実施形態では、揺れ動作は、可変運動を含む。例えば、ユーザは、直接制御運動を利用して、バスケット式回収デバイスを、揺れ動作を実行中の第1地点から、揺れ動作の実行が継続される第2地点へと移動させることができる。この状況では、事前にプログラムされた動作が、直接制御運動と組み合わされている。可変揺れ動作を使用して、結石の位置を調整して、結石の詰まりに対処することができる。一実施形態では、可変揺れ動作は、第1のボタン及び第2のボタンを同時に長押しすることによってトリガされ、一方、ジョイスティックの移動により、動きの方向(例えば、挿入/後退)が提供される。ユーザが、第1のボタン及び第2のボタンを押圧する間、バスケットは、一定量前後に揺れる。ユーザは、両方のボタンを長押ししたまま、ジョイスティックを使用して挿入又は後退を行うことで、バスケットは新たな位置に移動することができる。ユーザが挿入時に操作していたジョイスティックを離すと、バスケットは、その移動軌跡がユーザに示された位置にまで動いた状態で、揺れモードに戻る。可変揺れモードでは、ユーザは、結石を固まらないようにする又は回転させるために揺れを実施し、その後、例えばスコープ又は撮像センサ180から受信した視覚的フィードバックに基づいて、揺れ位置を調整するように挿入又は後退を実施し、そして結石が所与の位置に再配置されるまで、揺れ動作を継続させることができる。
【0039】
図1はさらに、本開示の特定の態様に関連する、患者130の様々な解剖学的構造を示す。特に、患者130は、尿道172を介して膀胱171に流体接続された腎臓170と、膀胱171に流体接続された尿道173と、を含む。腎臓170の拡大描写に示されるように、腎臓は、腎杯174(例えば、大小腎杯)、腎乳頭(「乳頭176」とも称する腎乳頭176を含む)、及び腎錐体(腎錐体178を含む)を含む。これらの実施例では、腎結石165は、乳頭176近傍に存在する。ただし、腎結石は、腎臓170内の他の場所にも存在し得る。
【0040】
図1に示すように、例示的な低侵襲処置で腎結石165を除去するために、医師160は、ロボットシステム110を台150の足側に配置し、患者130内への医療器具120の送達を開始することができる。特に、ロボットシステム110は、患者130の下部腹部領域近傍に配置され、患者130の尿道173への直接的直線アクセスのために配置され得る。台150の足側から、ロボットアーム112(B)を制御して、尿道173へのアクセスを実現することができる。この例では、医師160は、この直接的直線アクセス経路(「仮想レール」とも称する)に沿って、少なくとも部分的に尿道に医療器具120を挿入する。医療器具120は、スコープ及び/又はバスケット式回収デバイスを収容するように構成された管腔を含むことができる。これにより、当該デバイスの患者130の解剖学的構造への挿入が支援される。
【0041】
ロボットシステム110が適切に配置され、及び/又は医療器具120が少なくとも部分的に尿道173に挿入されると、スコープは、ロボットにより、手動で、又はそれらの組み合わせで患者130に挿入され得る。例えば、医師160は、医療器具120をロボットアーム112(C)に接続することができる。次いで、医師160は、入力デバイス146などの制御システム140とのインタラクションを通じて、患者130内で医療器具120を操縦することができる。例えば、医師160は、入力デバイス146を介して入力を行うことでロボットアーム112(C)を制御して、バスケット式回収デバイス120を尿道173、膀胱171、尿管172、及び腎臓170まで操縦することができる。
【0042】
制御システム140は、その機能向上を図るため、様々な構成要素(「サブシステム」とも称する)を含むことができる。例えば、制御システム140は、制御電子機器、電源、空気圧システム、光源、アクチュエータ、制御回路、メモリ、及び/又は通信インターフェースなどの様々なサブシステムを含み得る。いくつかの実施形態では、制御システム140は、実行されると、様々な操作を実施する実行可能命令を記憶するコンピュータベースの制御システムを含む。いくつかの実施形態では、制御システム140は、
図1に示されるように可動式であるが、他の実施形態では、制御システム140は、据付式システムである。様々な機能及び構成要素が、制御システム140によって実現されるものとし説明されるが、この機能及び/又は構成要素のいずれかは、ロボットシステム110及び/又は台150などの他のシステム及び/又はデバイスに統合され得る及び/又はそれらにより実行され得る。
【0043】
医療システム100は、処置を実施することを支援するためのガイダンス(例えば、器具追跡、患者ステータスなど)を提供するなど、様々な利点を提供することができる。これにより医師は、使い勝手の良い姿勢で処置を実行できる。すなわち、ぎこちない動き/姿勢をとる必要がなくなる。したがって、医師は一人で1つ以上の医療器具を用いて処置できる。そして被爆(例えば、蛍光透視法に関する)が避けられ、処置設定を変えることなく処置を実行可能となり、より効率的に物体を除去する(例えば、腎結石を除去する)ために、連続的な吸引を実現する、などの効果も得られる。さらには、医療システム100は、放射線への医師の曝露を低減し、及び/又は手術室内の機器の量を減らすために、非放射線ベースの操縦及び位置特定技術を提供することができる。さらに、医療システム100は機能を、それぞれ独立して移動可能な制御システム140及びロボットシステム110に分割することができる。そのような機能及び/又は可動性の分割は、制御システム140及び/又はロボットシステム110が、特定の医療処置に対して最適な場所に配置されることを可能にし、患者の周りの作業領域を最大化することができ、並びに/又は医師が処置を実行するための最適化された場所を提供することができる。例えば、処置の多くの部分が、ロボットシステム110(患者の比較的近くに配置される)によって実行され、その間医師は、処置を制御システム140(より遠くに配置され得る)から快適に管理するということが可能となる。
【0044】
いくつかの実施形態では、制御システム140は、ロボットシステム110から地理的に異なる位置に存在しても機能できる。例えば、遠隔医療を行う場合、制御システム140は、ワイドエリアネットワークを通じてロボットシステム110と通信するように構成されている。ある状況では、医師160と制御システム140がある病院にいる状態で、ロボットシステム110が異なる病院に存在し得る。この状況で、医師は、医療処置を遠隔で実行することができる。これは、特定の処置についての経験則が限られている、農村地域などの遠隔地にある病院において有効となり得る。すなわちそのような病院は、別の場所に存在する、より経験豊富な医師に力を借りることができるのである。いくつかの実施形態では、制御システム140は、例えば、特定のロボットシステムを選択し、(例えば、パスワード、暗号化、認証トークンなどを使用して)安全なネットワーク接続を形成することによって、様々なロボットシステム110と協働できる。したがって、ある場所にいる医師が、上述のように異なる場所の各々に存在するロボットシステム110との接続を設定することによって、様々な異なる場所で医療処置を行うことが可能となり得る。
【0045】
いくつかの実施形態では、ロボットシステム110、台150、医療器具120、ニードル及び/又は撮像センサ180は、無線及び/又は有線ネットワークを含み得るネットワークを通じて互いに通信可能に結合される。例示的なネットワークとしては、1つ以上のパーソナルエリアネットワーク(PAN)、1つ以上のローカルエリアネットワーク(LAN)、1つ以上のワイドエリアネットワーク(WAN)、1つ以上のインターネットエリアネットワーク(IAN)、1つ以上のセルラーネットワーク(IAN)、1つ以上のセルラーネットワーク、インターネットなどが挙げられる。いくつかの実施形態では、制御システム140、ロボットシステム110、台150、医療器具120、及び/又は撮像センサ180は、1つ以上のサポートケーブルを通じて、通信、液体/気体交換、電力交換などのために接続される。
【0046】
図1には示されていないが、いくつかの実施形態では、医療システム100は、患者130の健康、及び/又は患者130が存在する環境を監視するように構成された医療用モニタを含む、かつ/又はそれとリンクされる。例えば、医療用モニタは、医療システム100が手術室内などに位置する同じ環境内に配置され得る。医療用モニタは、患者130及び/又はその環境に関連付けられた1つ以上の物理的、生理学的、化学的、及び/又は生物学的信号、パラメータ、特性、状態及び/又は状況を検出又は決定するように構成された1つ以上のセンサに、物理的及び/又は電気的に結合され得る。例えば、1つ以上のセンサは、温度、圧力、振動、触覚/触覚特徴、音、光学レベル若しくは特性、負荷若しくは重量、流量(例えば、標的ガス及び/若しくは液体の)、磁場及び電子場の振幅、位相、及び/又は配向、気体、液体、若しくは固体形態の物質に関連する構成濃度などを含む、任意の種類の物理的特性を決定/検出するように構成され得る。1つ以上のセンサは、センサデータを医療用モニタに提供することができ、医療用モニタは、患者130の健康及び/又は患者130の環境に関する情報を提示することができる。当該情報は、例えば、心拍数(例えば、ECG、HRVなど)、血圧/速度、筋肉生体信号(例えば、EMG)、体温、酸素飽和度(例えば、SpO
2)、CO
2の体積、脳波(例えば、EEG)、環境温度などを含む、医療用モニタを介して表示される情報を含み得る。いくつかの実施形態では、医療用モニタ及び/又は1つ以上のセンサは、制御システム140に結合され、制御システム140は、患者130の健康及び/又は患者130の環境に関する情報を提供するように構成されている。
【0047】
例示的コントローラ
図2A及び
図2Bは、特定の実施形態による、制御システム140のコントローラ200の斜視図及び上面図をそれぞれ示す。
図1に示すように、いくつかの実施形態では、入力デバイス146は、コントローラ200であるか、又はコントローラ200を含む。コントローラの面は、1つ以上のジョイスティック205、215、及び1つ以上のDパッド210という軸移動入力部を含み得る。いくつかの実施形態では、ジョイスティック205、215は、アナログ入力を提供し、一方、Dパッド210は、デジタル入力を提供する。コントローラの面は、追加の制御を提供するために複数のボタン220をさらに含み得る。
図2Bに示される例では、コントローラ200は、コントローラの上側に4つのボタン、R1 225、R2 230、L1 235、及びL2 240を含む。他の実施形態では、ボタンの数及び/又はレイアウトは異なり得る。いくつかの実施形態では、コントローラ200は、ロボットシステム110と共に機能するように改造されたゲーム機コントローラであり得る。例えば、コントローラゲームファームウェアは、医療デバイスファームウェアで上書きされ得る。及び/又は、入力デバイスマネージャは、医療システム100の構成要素(例えば、制御システム140)にインストールされて、コントローラからの入力をロボットシステム110によって解釈可能な入力に変換し得る。
【0048】
一実施形態では、ペンダント状の頂部の右下ボタン(R2 225)をダブルタップすることによって急速開放をトリガすることができ、ペンダント状の頂部の左下ボタン(L2 240)をダブルタップすることによって急速閉鎖をトリガすることができる。ユーザは、バスケットの急速開放及び急速閉鎖をダブルタップにより実行できる。ダブルタップ操作は、ユーザに、2つの頂部ボタン(R2、L2)を使用することによる、事前にプログラムされたコマンドへの容易なアクセスを可能とする。一方、コントローラ上の他の入力部は、スコープの挿入、スコープの関節操縦、及び/又はバスケット挿入などの、その他医療器具制御を含む、別の機能に使用可能である。これらの他の機能は、同時に、又は事前にプログラムされた動作とは独立してトリガされ得る。他の実施形態では、別様でコントローラを構成することができることが明らかであろう。例えば、急速開放/急速閉鎖は、他のボタン及び/又は他のインタラクションを使用して(例えば、一度のタップ、ダブルタップ、ボタン長押しなどを使用して)トリガされ得る。一実施形態では、ボタン機能割り当ては、L2ボタンによって急速開放がトリガする、R2ボタン225によって急速閉鎖がトリガするように切り替えられる。
【0049】
一実施形態では、バスケット式回収デバイスの揺れ動作は、頂部右下ボタン(R2 225)及び頂部左下ボタン(L2 24)の両方を同時に長押しすることによってトリガされ得る。両方のボタンを押すことを必要とすることにより、急速開放及び急速閉鎖に使用されるボタン(R2/L2)は、2つの機能を呈する。したがって、コントローラ200の入力により多くのコマンドを割り当てることが可能になる。一実施形態では、R2及びL2ボタンは3つの機能を呈する。すなわち、R2及びL2ボタンに対する1度のタップが、それぞれ異なる動作をトリガする。例えば、R2を1度タップすると、バスケットの通常開放速度が開始し得、L2を1度タップすると、バスケットの通常閉鎖速度が開始し得る。割り当てはこの逆でもよい。他の実施形態では、他のボタン押圧で揺れ動作をトリガすることができる。
【0050】
図1に記載されるように、揺れ動作は、可変運動を含み得る。一実施形態では、第1のジョイスティック205は、バスケット式回収デバイス120の挿入及び後退運動を直接制御するように構成され得る。揺れ動作をトリガするためにR2及びL2を長押ししている間に、ユーザは、ジョイスティック205を動かして、バスケット式回収デバイス120を患者の体内の新しい場所へとさらに挿入することができる。あるいは、ユーザは、ジョイスティック205を動かして、バスケット式回収デバイス120を、身体への挿入点側の、新しい場所まで後退させることができる。ユーザがジョイスティック205を離すと(R2及びL2を長押ししたまま)、揺れ動作を、新しい場所で同じ軌跡で継続することができる。挿入及び後退は、第2のジョイスティック215又はDパッド210などの他のコントローラ入力に割り当て可能である。
【0051】
いくつかの実施形態では、コントローラ200の操作は、カスタマイズ可能であり得る。制御システム140は、事前にプログラムされた動作(例えば、急速開放/閉鎖、揺れなど)を、ユーザにより所望のコントローラレイアウトに割り当てることを可能にするユーザインターフェースを含むことができる。例えば、ユーザは、頂部ボタン220、Dパッド210、又はジョイスティック205、215のうちの1つのうちのいずれかに急速開放又は急速閉鎖を割り当てることができる。
【0052】
いくつかの実施形態では、事前にプログラムされた動作をトリガすることは、少なくとも部分的に自動化され得る。機械学習又はコンピュータビジョンアルゴリズムは、バスケット回収デバイス120が事前にプログラムされた動作を実行するために適切な位置にある状態を認識するように実装され得る。例えば、医療システム100は、その撮像センサ180、スコープ、又は別のセンサデバイスを使用して、バスケットが尿路結石165に対して、デバイスを捕捉するための急速開放をトリガするのに、十分近くにあることを認識することができる。閾値距離に達すると、急速開放をトリガしてバスケットを急速開放できる。追加の事前にプログラムされた動作は、急速開放に連動し得る。例えば、バスケットを開放した後に、尿道結石がバスケットによって取り囲まれるように、バスケット式回収デバイス120をさらに挿入するという(事前にプログラムされた「順方向挿入」動作)、事前にプログラムされた動作がトリガされ得る。次に、急速閉鎖を自動的にトリガして、尿路結石165を捕捉することができる。
【0053】
安全予防措置として、事前にプログラムされた動作は、自動動作が許可された特定のモード(「自動捕捉」モード)でのみ自動的にトリガするように構成され得る。この自動捕捉モードは、コントローラ200上のボタン又は他の入力部のうちの1つを使用して、又は制御システム140インターフェース内のメニュー設定を介して有効にされ得る。ある状況では、医師160は、直接制御された運動により、バスケット式回収デバイス120を尿路結石165の近くの適切な位置に移動させる。その後、医師は、自動捕捉モードを有効にすることができる。結石が距離閾値を満たすか、又は超えるように、十分に近接する場合、事前にプログラムされた自動捕捉動作(例えば、急速開放、順方向挿入、及び/又は急速閉鎖)が自動的にトリガされる。距離が距離閾値よりも大きい場合、医師は、事前にプログラムされた自動捕捉動作がトリガされるまでバスケット式回収デバイス120の位置をさらに調整することができる。
【0054】
図2A及び
図2Bは、コントローラ200の一実施形態を示しているが、他のタイプのコントローラ又は他の入力デバイスをさらに、制御システム140と共に使用することができる。例えば、制御システム140の入力デバイス146は、無線(例えば、Wi-Fi、Bluetoothなど)又は有線(例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB))式であり得る。別の例では、入力デバイス146は、タブレット又はスマートフォンなどのタッチスクリーンデバイス上に実装されたグラフィカルユーザインターフェース(GUI)であり得る。一例では、コントローラは、音声コマンドを受け入れる内蔵マイクロフォンを有するスマートスピーカであり得る。別の例では、入力デバイス146は、仮想現実又は拡張現実システムのためのコントローラであり得る。
【0055】
尿路結石捕捉
図3A~
図3Cはある特定の実施形態による、尿路結石捕捉処置を示す。これらの実施例では、医療システム100は、患者130から腎結石を除去するために手術室に配置される。そのような処置の多くの例において、患者130は、患者の130の後方又は側面へのアクセスのため、側方に若干傾いた、変速的な仰向け状態となる。尿路結石捕捉処置はまた、
図1に示すような、通常の仰臥位で患者にも実行され得る。
図3A~
図3Cは、医療システム100の使用を例示する。ここでは、患者130から腎結石を除去するための低侵襲的処置が実行される。医療システム100は、他の様式で腎結石を除去するために、及び/又は他の処置を実行するためにも使用され得る。さらには、患者130は、処置のために必要に応じて他の姿勢を取り得る。
図3A~
図3C及び本開示全体で示される様々な動作は、医師160によって実行されるものとして説明される。これらの動作は、医師160により直接、医療システム100に補助された医師により間接的に、医師の指示を受けたユーザにより、別のユーザ(例えば技師)により、及び/又はその他の任意のユーザにより実行され得ることが理解されたい。
【0056】
ロボットシステム110の特定のロボットアームが、
図3Aから
図3Cに示す状況ではで特定の機能を実行するものとして示されているが、当該機能は任意のロボットアーム112を使用して実行することができる。さらには、任意の追加のロボットアーム及び/又はシステムを使用して、処置を実行することができる。さらに、ロボットシステム110を使用して、処置の別の部分を実行することができる。
【0057】
ブロック305において、バスケット式回収デバイス120は、腎臓170まで操縦されて、尿道結石165に近づけられる。いくつかの状況では、医師160又はその他ユーザは、入力デバイス146を使用して、バスケット式回収デバイス120の動きを直接制御する。そのような直接制御された動きは、挿入/後退、バスケット式回収デバイス120を左右に曲げる、回転、及び/又はバスケットの通常開放/閉鎖を含み得る。様々な動きを通じて、バスケット式回収デバイス120が結石の近くに配置される。
【0058】
ブロック310において、事前にプログラムされた急速開放運動が、ユーザ入力に応答してトリガされる(例えば、ボタンのダブルタップ)。急速開放により、バスケット式回収デバイス120のバスケットがより速い速度で開く。急速開放を使用することにより、バスケット式回収デバイス120は、より迅速に尿路結石165を捕捉するための状態に到達することができる。そして、別の動き(例えば、バスケット式回収デバイスによるもの、又は腎臓内の呼吸/循環/尿流の動きによる)がバスケット式回収デバイス120の位置をずらしてしまう可能性が低減される。急速開放運動は、コントローラ200ボタンをダブルタップすることによって、コントローラ上の異なる入力部を使用して、又は音声コマンドなどの別の種類の入力デバイスを使用することによって、トリガされ得る。
【0059】
いくつかの実施形態では、レーザ、衝撃波デバイス、又はその他デバイスが、結石を破壊するために使用される。レーザ又はその他デバイスは、バスケット式回収デバイス120に組み込まれてもよく、又は別個の医療器具であってもよい。結石を破壊するためのデバイスはまた、急速開放、急速閉鎖、及び/又は揺れ動作をトリガするために使用されるのと同じ入力デバイス(例えば、コントローラ200)によって制御され得る。状況によっては、結石165は、より小さな破片へと破壊する必要がないほどに小さい。このような場合、プロセスは、ブロック315はスキップされ得、ブロック320に進み得る。
【0060】
任意で、ブロック315において、結石の詰まりを解消する、又は他の方法で結石(複数可)を移動させるのを補助するように事前にプログラムされた揺れ動作がトリガされる。例えば、上述のように、尿路結石165がより小さな破片に分解される場合、揺れ動作を利用して、結石を散らすことができる。揺れ動作は事前にプログラムされた動作であり得、この場合、通常バスケット挿入速度よりも速い速度で、バスケットが固定量移動するように、バスケット式回収デバイスが前後に挿入/後退させられる。事前にプログラムされた揺れ動作は、コントローラ200の2つのボタンを同時に押すことによって、コントローラ上の別の入力部を使用して、又は音声コマンドなどの別の種類の入力デバイスを使用することによって、トリガされ得る。
【0061】
ブロック320において、開放されたバスケットは、尿路結石165又はそのより小さい破片を取り囲むように操作される。いくつかのシナリオでは、操縦は、バスケット式回収デバイス120の医師160による直接制御された動きによって行われる。いくつかの実施形態では、事前にプログラムされた前方挿入動作を利用して、結石をバスケットで取り囲むことができる。例えば、バスケットがワイヤによって形成されている場合、結石がワイヤで形成されたバスケットの遠位端に当たることを回避するために、順方向の挿入運動は任意で、一方の側に逸れるための、わずかな横方向の動きを含むことができる。結石が遠位端を通過すると、既に行われた横方向のずれ動作とは反対方向の、任意の横方向の動作をバスケットに適用して、石を中心にバスケットを取り囲むように配置することができる。複数の歯によって形成されたバスケットなどを使用する他の実施形態では、バスケットの挿入は、バスケットを結石の周りに長手方向で中心に配置し、バスケット閉鎖中に結石が動くことを防止するために、歯の閉鎖に連動する。
【0062】
順方向挿入運動は、コントローラ200上の入力を使用することによって、又は音声コマンドなどの別の種類の入力デバイスを使用することによってトリガされ得る。事前にプログラムされた順方向挿入運動が上述されたが、この運動は、尿路結石を取り囲むための、ユーザによる直接制御された運動によっても実現できる。
【0063】
ブロック325において、プログラムされた急速閉鎖運動は、ユーザ入力に応じてトリガされる(例えば、ボタンをダブルタップする)。急速閉鎖により、バスケット式回収デバイス120のバスケットがより速い速度で閉じる。閉鎖動作は、バスケットが完全に閉じる、及び/又は閾値トルクに達するまで継続し得る。バスケットの駆動機構がトルク閾値に達するとき、これはバスケットが結石の上で閉じていることを示し得る。これはバスケットのさらなる閉鎖を防止する。トルクを制限することで、バスケットは、閉鎖中に加えられる応力/力の増加に起因した、あらゆる損傷から保護され得る。急速閉鎖を使用することにより、バスケット式回収デバイス120は、より迅速に尿路結石165を捕捉できる。そして、別の動き(例えば、患者、又はバスケット式回収デバイス120による)がバスケット式回収デバイス120の位置をずらしてしまう可能性が低減される。急速閉鎖運動は、コントローラ200ボタンをダブルタップすることによって、コントローラ上の異なる入力部を使用して、又は音声コマンドなどの別の種類の入力デバイスを使用することによって、トリガされ得る。任意で、揺れ動作は、腎臓からの結石のより容易な取り出しのために、結石165の位置を調整するのを補助するためにトリガされ得る。
【0064】
ブロック330において、バスケット式回収デバイス120は、腎臓170から引き抜かれ、患者の体から引き出される。バスケット式回収デバイス120が、捕捉された石を迅速に放出するために、バスケット式回収デバイス120が患者の体から引き出された際に、急速開放運動を任意でトリガしてもよい。
【0065】
さらに結石(又は結石165を粉砕した大きな破片)が存在する場合、バスケット式回収デバイス120は、残存する大きな破片を捕捉するために患者に再挿入され得る。いくつかの実施形態では、バキューム器具を使用して、破片の除去を容易にすることができる。状況によっては、結石の破片は、自然に患者から排出されるほど小さくなり得る。
【0066】
例示的バスケット式回収デバイス
図4Aは、特定の実施形態による、バスケット式回収デバイス120を示す。バスケット式回収デバイス120は、遠位側に形成されたバスケット405と、近位側のハンドル410と、バスケットとハンドルとの間のシース415と、及びバスケット駆動機構420とを含み得る。バスケットは、尿路結石を捕捉するための様々な態様で形成することができる。いくつかの実施形態では、バスケットは、2つ以上のワイヤループ425によって形成される。ワイヤループは、結石が操作により収容される空間を形成するために広がり、その結石を捕捉するために、その周囲で収縮する。
図4Bに示すように、ワイヤは、電球、涙滴、らせん、ボウル形状などの様々な形状を形成するように構成され得る。他の実施形態では、バスケットは、2つの実質的に楕円形又は丸いボウルによって形成される。この場合、凹部が互いに対向して尿路結石用の中空領域を形成する。いくつかの実施形態では、バスケットは、結石の周囲で閉じるように構成された複数の歯によって形成される。バスケットは、ニチノール、ニッケル、チタン、鋼、コバルトクロム合金、他のタイプの金属、セラミック、プラスチックなどのポリマー、又はそれらの組み合わせなどの様々な材料から作製することができる。
【0067】
バスケット式回収デバイス120のハンドル410は、ユーザ又はロボットによって操作され得る。いくつかの実施形態では、バスケット駆動機構420は、ハンドル内に組み込まれる。例えば、駆動機構によりスライド又はねじれ動作を実施することで、バスケットを開閉させることができる。一実施形態では、開放状態への駆動を実施すると、バスケットワイヤがシースから延在し、開放バスケット状態となる。駆動機構により閉鎖状態を実施すると、バスケットワイヤをシースに向かって後退させることで、バスケットが折り畳まれ得る。尿路結石がバスケットの内側にある場合、尿路結石はバスケットワイヤの閉鎖によって捕捉される。
【0068】
バスケット式回収デバイス120の一部であり得るか、又はそれと併せて使用され得るスコープ(不図示)は、人間の解剖学的構造の天然の開口又は管腔内など、人間の解剖学的構造内で操縦されるように構成され得る。例えば、スコープは、バスケット式回収デバイス120の遠位部分が挿入され得るチャネルを含むことができる。スコープは、例えば、尿管鏡(例えば、尿路にアクセスするための)、腹腔鏡、腎鏡(例えば、腎臓にアクセスするための)、気管支鏡(例えば、気管支にアクセスするための)、結腸鏡(例えば、結腸にアクセスするための)、関節鏡(例えば、関節にアクセスするための)、膀胱鏡(例えば、膀胱にアクセスするための)などを含み得る。スコープはまた、スコープの遠位部分などで関節運動可能であり得るため、ヒトの解剖学的構造内で操縦され得る。スコープは、内側先端部分及び外側シース部分などに伸縮部を含み得る。これにより、スコープを伸縮式に延伸するように操作することができる。いくつかの実施形態では、スコープは、医療器具(例えば、砕石器、バスケットデバイス、鉗子など)、灌注、及び/又は吸引を、スコープの遠位端の動作領域に展開するための作業チャネルを含む。スコープは、光学カメラなどの撮像デバイスを含み得る光学アセンブリ及びスコープの遠位端からの、又はこれらへの信号を伝達するためのワイヤ及び/又は光ファイバを収容し得る。スコープは、発光ダイオードなどの近位側に配置された光源から、スコープの遠位端に光を搬送するための光ファイバも収容し得る。スコープの遠位端はまた、手術部位にツール、灌注、及び/又は吸引を送達するための作業チャネルのための開口部を含み得る。スコープの遠位端はさらに、内部解剖学的空間の画像を捕捉するように構成され得る、カメラなどの撮像デバイス用のポートを含み得る。スコープの遠位端は、撮像デバイスを使用する際に、解剖学的空間を照明するための光源用のポートを含み得る。いくつかの実施形態では、スコープは、ロボットシステム110により制御されるように構成されている。スコープは、ロボットシステム110と協働するための構成要素を含み得る。
【0069】
事前にプログラムされた運動の例
図5は、特定の実施形態による、事前にプログラムされた急速開放プロセス500のフロー図である。急速開放プロセス500は、ロボットシステム110によって、又は
図1の医療システム100の別の構成要素によって実行することができる。例えば、ロボットシステム110は、バスケット式回収デバイス120を、そのアームのうちの1つ以上で操作することができる。プロセス500は、ユーザ(例えば、医師)によって提供される入力に従って実行され得るか、又は少なくとも部分的に自動化され得る。以下は、当該プロセスに対する1つのあり得るシーケンスを説明するが、他の実施形態では、異なる順序でプロセスが実行され得る。
【0070】
ブロック505において、ロボットシステム110の制御システム140は、入力デバイス146からの第1のユーザ入力を受信する。例えば、入力は、ボタンのダブルタップ、音声コマンド、又はその他の入力であり得る。一実施形態では、第1の入力は、
図2A及び
図2Bのコントローラ200上の第1のボタンをダブルタップすることである。
【0071】
ブロック510において、ロボットシステム110は、バスケット駆動機構と協働して、バスケット式回収デバイス120のバスケット405を加速された速度で開く。いくつかの実施形態では、バスケット駆動機構420は、バスケットの通常開放速度に対応する第1の速度、及び第1の速度よりも速い第2の速度という、少なくとも2つの速度で動作するように構成されている。一実施形態では、通常開放速度は、事前にプログラムされた動作ではなく、直接制御運動を使用してバスケットが開かれるときに使用される。
【0072】
ブロック515において、バスケット式回収デバイス120又はロボットアーム112内に配置され得るトルクセンサは、バスケット駆動機構420によってバスケット405に印加されるトルクを判定する。トルクがロボットシステム110のために設定されたトルク制限に到達、又は超える場合、駆動機構は係合解除される。例えば、バスケットの開放を妨げる組織がある場合、トルク限界に到達し得る。トルク限界に達した場合、プロセス500はブロック520に進む。そうでない場合には、プロセス500はブロック525に進む。
【0073】
ブロック520において、トルク限界に達し、駆動機構が係合解除される。バスケットがさらに開くことが妨げられていることで、さらなる動きはバスケット405又は周囲の組織を損傷する可能性がある。
【0074】
ブロック525において、急速開放運動が完了する。バスケット405は、(例えば、駆動機構トルクによって示されるように)完全に開いていてもよく、又は他の方法で所望の開放状態に達していてもよい。例えば、急速開放運動は、完全に開いているバスケットの50%、60%、70%、80%、90%、100%、又は他の量で停止するように構成され得る。一実施形態では、バスケットの目標開放量は、尿路結石の検出されたサイズに基づいて設定される。
【0075】
図6は、特定の実施形態による、事前にプログラムされた急速閉鎖プロセス600のフロー図である。急速閉鎖プロセス600は、ロボットシステム110によって、又は医療システム100の別の構成要素によって実行することができる。例えば、ロボットシステム110は、バスケット式回収デバイス120を、そのアームのうちの1つ以上で操作することができる。プロセス600は、ユーザ(例えば、医師)によって提供される入力に従って実行され得るか、又は少なくとも部分的に自動化され得る。以下は、当該プロセスに対する1つのあり得るシーケンスを説明するが、他の実施形態では、異なる順序でプロセスが実行され得る。
【0076】
ブロック605において、ロボットシステム110の制御システム140は、入力デバイス146からの第2のユーザ入力を受信する。例えば、入力は、ボタンのダブルタップ、音声コマンド、又はその他の入力であり得る。一実施形態では、第2の入力は、
図2A及び
図2Bのコントローラ200上の第2のボタンをダブルタップすることである。
【0077】
ブロック610において、ロボットシステム110は、バスケット駆動機構と協働して、バスケット式回収デバイス120のバスケット405を加速された速度で閉じる。いくつかの実施形態では、バスケット駆動機構420は、バスケットの通常閉塞速度に対応する第1の速度、及び第1の速度よりも速い第2の速度という、少なくとも2つの速度で動作するように構成されている。一実施形態では、通常閉鎖速度は、事前にプログラムされた動作ではなく、直接制御運動を使用してバスケットが閉じられるときに使用される。
【0078】
ブロック615において、トルクセンサは、バスケット駆動機構420によってバスケット405に印加されるトルクを判定する。トルクがロボットシステム110のために設定されたトルク制限に到達、又は超える場合、駆動機構は係合解除される。例えば、バスケットの開放を妨げる組織又は尿路結石がある場合、トルク限界に到達し得る。トルク限界に達した場合、プロセス600はブロック620に進む。そうでない場合には、プロセス600はブロック625に進む。
【0079】
ブロック620において、トルク限界に達し、駆動機構が係合解除される。バスケットがさらに閉じることが妨げられていることで、さらなる動きはバスケット405又は周囲の組織を損傷する可能性がある。
【0080】
ブロック625において、急速閉鎖運動が完了する。バスケット405は、(例えば、駆動機構トルクによって示されるように)完全に閉じていてもよく、又は他の方法で所望の閉鎖状態に達していてもよい。例えば、急速閉鎖運動は、完全に閉じているバスケットの50%、60%、70%、80%、90%、100%、又は他の量で停止するように構成され得る。一実施形態では、バスケットの目標閉鎖量は、尿路結石165の検出されたサイズに基づいて設定される。例えば尿路結石が大きい場合、次いでバスケットは、尿路結石に接触する又はそれを取り囲む前に少しだけ閉じ得る。
【0081】
図7は、特定の実施形態による、事前にプログラムされた急速閉鎖プロセス700のフロー図である。揺れプロセス700は、ロボットシステム110によって、又は医療システム100の別の構成要素によって実行することができる。例えば、ロボットシステム110は、バスケット式回収デバイス120を、そのアームのうちの1つ以上で操作することができる。プロセス700は、ユーザ(例えば、医師)によって提供される入力に従って実行され得るか、又は少なくとも部分的に自動化され得る。以下は、当該プロセスに対する1つのあり得るシーケンスを説明するが、他の実施形態では、異なる順序でプロセスが実行され得る。
【0082】
ブロック705において、ロボットシステム110の制御システム140は、入力デバイス146からの第3のユーザ入力を受信する。例えば、入力は、1つ以上のボタンの長押し、ボタンのダブルタップ、音声コマンド、又はその他の入力であり得る。一実施形態では、第3の入力は、
図2A及び
図2Bのコントローラ200の第1のボタン(急速開放に関連する)及び第2のボタン(急速閉鎖に関連する)の長押しである。
【0083】
ブロック710において、ロボットシステム110は、加速された速度でバスケットの短距離前方及び後方移動を開始する。例えば、バスケットは、数ミリメートル前後に移動し得る。状況によっては、バスケットは数センチメートル移動し得る。いくつかの実施形態では、バスケット駆動機構420は、バスケットの通常移動速度に対応する第1の速度、及び第1の速度よりも速い第2の速度という、少なくとも2つの速度でバスケットを動作するように構成されている。一実施形態では、通常移動速度は、事前にプログラムされた動作ではなく、直接制御運動を使用してバスケットが移動するときに使用される。
【0084】
ブロック715において、制御システム140は、第3のユーザ入力を受信しながら、移動入力に対応する第4のユーザ入力を受信する。一実施形態では、第4の入力は、コントローラ200のジョイスティックの軸(例えば、前方又は後方)に沿った移動である。例えば、医師160は、第1のボタン及び第2のボタンを長押ししながらジョイスティックを移動させることができる。
【0085】
ブロック720において、ロボットシステム110は、第4の入力に基づいてバスケットを新しい場所に移動させる。例えば、ジョイスティックが上方向に動かされると、バスケットは患者にさらに挿入される。ジョイスティックが後方に動かされると、バスケットはバスケット式回収デバイス120の近位端に向かって後退する。
【0086】
ブロック725において、ロボットシステム110は、新しい場所でバスケットの短距離で前後の移動を継続する。移動の位置又は中心は、当該新しい場所と一致する。
【0087】
ブロック730において、第3の入力が中止された場合(例えば、医師160が第1のボタン及び第2のボタンを離した場合)、プロセス700は、ブロック735に進み、揺れ動作が停止する。第3の入力が未だに継続中である場合、プロセス700はブロック725に進み、ロボットシステム110はバスケットの前後運動を継続する。他の実施形態では、揺れ動作は、他の入力に応じて、一定量の時間が経過した後、又は動きの一定量の繰り返しが完了した後に停止する。
【0088】
例示的ロボットシステム
図8は、1つ以上の実施形態によるロボットシステム110の例示的な詳細を示す。この例では、ロボットシステム110は、移動可能なカートベースのロボット対応システムとして示されている。ただし、ロボットシステム110は、台に一体化された据付式システムとしても実装され得る。
【0089】
ロボットシステム110は、細長い部位114(A)(「カラム114(A)」とも称する)及びベース114(B)を含む支持構造114を含み得る。カラム114(A)は、1つ以上のロボットアーム112(
図8には3つ示されている)の展開を支持するためのキャリッジ1102(代替的に「アーム支持体1102」と称する)などの1つ以上のキャリッジを含み得る。キャリッジ1102は、患者に対して位置決めするために垂直軸に沿って回転してロボットアーム112のベースを調整する、個別に構成可能なアームマウントを含み得る。キャリッジ1102はまた、キャリッジ1102がカラム114(A)に沿って垂直方向に並進することを可能にするキャリッジインターフェース1104を含む。キャリッジインターフェース1104は、キャリッジ1102の垂直方向の並進を案内するためにカラム114(A)の両側に位置決めされているスロット1106などのスロットを通してカラム114(A)に接続されている。スロット1106は、ベース114(B)に対して様々な垂直方向の高さでキャリッジ1102を位置付け、保持するための垂直方向の並進インターフェースを含む。キャリッジ1102の垂直並進は、ロボットシステム110がロボットアーム112の到達可能範囲を調整して、様々な台高さ、患者のサイズ、医師の好みなどを満たすことを可能にする。同様に、キャリッジ1102上の個別に構成可能なアームマウントは、ロボットアーム112のロボットアームベース1108を様々な構成で角度付けすることができる。カラム114(A)は、I/Oデバイス116(複数可)からの入力などのユーザ入力に応答して生成された制御信号に応答してキャリッジ1102を機械的に並進させるために垂直方向に位置合わせされた主ねじを使用するように設計された、ギア及び/又はモータなどの機構を内部に含み得る。
【0090】
いくつかの実施形態では、キャリッジ1102が垂直方向に並進するときにカラム114(A)の内部チャンバ及び/又は垂直方向の並進インターフェース内に汚れ及び/又は流体が侵入するのを防止するために、スロット1106には、スロット表面と同一平面及び/又は平行であるスロットカバー(複数可)が追加され得る。スロットカバーは、スロット1106の垂直方向の頂部及び底部付近に位置決めされている一対のばねスプールを通じて展開され得る。カバーは、キャリッジ1102が上下に垂直方向に並進するにつれてコイル状から伸縮するように展開されるまで、スプール内でコイル巻きにされ得る。スプールのばね荷重は、キャリッジ1102がスプールに向かって並進する場合にカバーをスプールに引き込む力を提供し、一方、キャリッジ1102がスプールから離れて並進する場合にはぴったりとした封止も維持し得る。カバーは、キャリッジ1102が並進するときにカバーが適切に伸縮するのを確実にするために、例えば、キャリッジインターフェース1104内のブラケットを使用してキャリッジ1102に接続され得る。
【0091】
ベース114(B)は、床などの表面上のカラム114(A)、キャリッジ1102、及び/又はアーム112の重量を均衡させることができる。したがって、ベース114(B)は、1つ以上の電子機器、モータ、電源など、並びにロボットシステム110の移動及び/又は固定化のいずれかを可能にする構成要素などの、より重い部品を収容できる。例えば、ベース114(B)は、ロボットシステム110が処置のために部屋内を移動することを可能にする回転ホイール1116(「キャスター1116」とも称される)を含み得る。適切な位置に到達した後、キャスター1116は、処置中にロボットシステム110を所定の場所に保持するためのホイールロックを使用して静止させられ得る。図示のように、ロボットシステム110はまた、ロボットシステム110の操作、及び/又は安定化を支援するハンドル1118を含む。
【0092】
ロボットアーム112は、一般に、一連の関節1114によって接続されている一連のリンク1112によって分離された、ロボットアームベース1108とエンドエフェクタ1110とを備え得る。各関節1114は、独立したアクチュエータを備え得る。各アクチュエータは、独立して制御可能なモータを備え得る。独立して制御可能な各関節1114は、ロボットアーム112が利用可能な独立した自由度を表す。例えばアーム112の各々は、7つの関節を有し、したがって、7つの自由度を提供し得る。しかしながら、任意の数の関節で任意の自由度を実現できる。例では、多数の関節は、多数の自由度をもたらし、「冗長」自由度を可能にする。冗長自由度は、ロボットアーム112が、異なる結合位置及び/又は関節角度を使用して空間内の特定の位置、配向、及び/又は軌道で、それらのそれぞれのエンドエフェクタ1110を位置決めすることを可能にする。いくつかの実施形態では、エンドエフェクタ1110は、医療器具、デバイス、物体などと協働する及び/又はそれを制御するように構成され得る。アーム112の移動の自由度により、ロボットシステム110は、空間内の所望の点から、医療器具を配置する、及び/又は配向することが可能になり得る。及び/又は医師が、アクセスのために、アーム112を処置時に臨床的に有利な位置に移動することが可能になり得る。そしてこの際アームがぶつかることは防止される。
【0093】
図8に示すように、ロボットシステム110はさらに、I/Oデバイス116(複数可)を含むことができる。I/Oデバイス(複数可)116は、ディスプレイ、タッチスクリーン、タッチパッド、プロジェクタ、マウス、キーボード、マイクロフォン、スピーカ、コントローラ、カメラ(例えば、ジェスチャ入力を受信するための)、又は入力を受信及び/又は出力を提供するための別のI/Oデバイスを含むことができる。I/Oデバイス(複数可)116は、タッチ、音声、ジェスチャ、又は任意の他のタイプ入力を受信するように構成され得る。I/Oデバイス(複数可)116は、カラム114(A)の垂直端に(例えば、列114(A)の頂部)に配置され得、並びに/又はユーザ入力を受信するための、及び/若しくは出力を提供するためのユーザインターフェースを提供することができる。例えば、I/Oデバイス116(複数可)は、入力を受信し、手術前及び/又は術中データを医師に提供するためのタッチスクリーン(例えば、二重目的デバイス)を含むことができる。例示的術前データは、術前計画、術前コンピュータ断層撮影(CT)スキャンから導出されたナビゲーション及びマッピングデータ、及び/又は術前の患者への問診からのメモを含み得る。例示的な術中データは、ツール/器具から提供される光学情報、センサ、センサからの座標情報、及び呼吸、心拍数、及び/又はパルスなどの不可欠な患者統計を含み得る。I/Oデバイス(複数可)116は、医師が、キャリッジ1102の反対側のカラム114(A)側などの様々な位置から、I/Oデバイス(複数可)116にアクセスすることを可能にするように配置及び/又は傾斜させることができる。この位置から、医師は、I/Oデバイス(複数可)116をロボットシステム110の後ろから動作させながら、I/Oデバイス116、ロボットアーム112、及び/又は患者を見ることができる。
【0094】
ロボットシステム110は、様々な他の構成要素を含むことができる。例えば、ロボットシステム110は、1つ以上の制御電子機器/回路、電源、空気圧システム、光源、アクチュエータ(例えば、ロボットアーム112を移動させるためのモータ)、メモリ、及び/又は通信インターフェース(例えば、別のデバイスと通信するために)を含むことができる。いくつかの実施形態では、メモリは、制御回路によって実行されると、制御回路に本明細書に説明される操作のいずれかを実行させるコンピュータ実行可能命令を記憶することができる。例えば、メモリは、制御回路によって実行されると、制御回路に、ロボットアーム112の操作に関する入力及び/又は制御信号を受信させ、それに応じて、ロボットアーム112を特定の位置に配置し、かつ/又はエンドエフェクタ1110に接続された医療器具を操縦させるコンピュータ実行可能命令を記憶することができる。
【0095】
いくつかの実施形態では、ロボットシステム110は、バスケット式回収デバイス120などの医療器具と協働する及び/又は医療器具を制御するように構成されている。例えば、ロボットアーム112は、スコープ(例えば、スコープのシース及び/又は先端)の位置、配向、及び/又は先端の関節運動を制御するように構成され得る。いくつかの実施形態では、ロボットアーム112は、細長い運動部材を使用してスコープを操作するように構成/構成可能であり得る。細長い運動部材は、1つ以上のプルワイヤ(例えば、プルワイヤ又はプッシュワイヤ)、ケーブル、繊維、及び/又は可撓性シャフトを含み得る。例示として、ロボットアーム112は、スコープに結合された複数のプルワイヤを作動させて、スコープの先端の向きを変えるように構成され得る。プルワイヤは、ステンレス鋼、ケブラー、タングステン、炭素繊維などの金属及び/又は非金属材料などの任意の好適な又は望ましい材料を含むことができる。一部の実施形態では、スコープは、細長い運動部材によって印加される力に応答して、非直線的挙動を呈するように構成されている。非直線的挙動は、スコープの剛性及び圧縮性、並びに異なる細長い運動部材どうしの間の緩み又は剛性の変動性に基づくものであり得る。
【0096】
例示的制御システム
図9は、1つ以上の実施形態による制御システム140の例示的な詳細を示す。図示されるように、制御システム140は、別個に/個別に、及び/又は組み合わせで/まとめて以下の構成要素、デバイス、モジュール、及び/又はユニット(本明細書では「構成要素」と称される)を1つ以上含み得る。すなわち、制御回路1202、データストレージ/メモリ1204、1つ以上の通信インターフェース1206、1つ以上の電源ユニット1208、1つ以上のI/O構成要素1210、及び/又は1つ以上のホイール1212(例えば、キャスター又は他のタイプのホイール)である。いくつかの実施形態では、制御システム140は、制御システム140の構成要素のうちの1つ以上の少なくとも一部を収容する、又は含有するように構成された、及び/又はそのようなサイズを有するハウジング/筐体を備えることができる。この例では、制御システム140は、1つ以上のホイール1212と共に移動可能なカートベースのシステムとして示されている。場合によっては、適切な位置に到達した後、1つ以上のホイール1212は、ホイールロックを使用して固定される。これにより制御システム140を所定の位置に保持することができる。ただし、ロボットシステム140は、別のシステム/デバイスに一体化された据付式システムなどとしても実装され得る。
【0097】
制御システム140の特定の構成要素が
図9に示されているが、図示されていない追加の構成要素が、本開示による実施形態に含まれ得ることを理解されたい。さらに、いくつかの実施形態では、図示された構成要素の特定のものを省略することができる。制御回路1202は、
図9の図において別個の構成要素として示されているが、制御システム140の残りの構成要素のうちのいずれか又はすべてが、制御回路1202内で少なくとも部分的に実現され得ることを理解されたい。すなわち、制御回路1202は、様々なデバイス(能動的及び/又は受動的)、半導体材料、及び/又は領域、層、領域、及び/又はそれらの部分、導体、リード、ビア、接続部などを含み得る。制御システム140及び/又はその一部分(複数可)は、少なくとも部分的にそのような回路構成要素/デバイスによって、少なくとも部分的に形成及び/又は実施され得る。
【0098】
制御システム140の様々な構成要素は、制御回路1202の一部であり得るか、又はそうでない可能性のある特定の接続性回路/デバイス/特徴を使用して、電気的及び/又は通信可能に結合され得る。例えば、接続的特徴(複数可)は、制御システム140の様々な構成要素/回路のうちの少なくともいくつかの取り付け及び/又は相互接続を容易にするように構成された1つ以上のプリント回路基板を含み得る。いくつかの実施形態では、制御回路1202、データ記憶/メモリ1204、通信インターフェース(複数可)1206、電源ユニット(複数可)1208、及び/又は入力/出力(I/O)構成要素(複数可)1210のうちの2つ以上は、互いに電気的及び/又は通信可能に結合され得る。
【0099】
図示のように、メモリ1204は、本明細書に説明される様々な機能性を向上するように構成された入力デバイスマネージャ1216及びユーザインターフェース構成要素1218を含むことができる。いくつかの実施形態では、入力デバイスマネージャ1216、及び/又はユーザインターフェース構成要素1218は、1つ以上の操作を実行するために制御回路1202によって実行可能な1つ以上の命令を含むことができる。多くの実施形態は、制御回路1202によって実行可能な1つ以上の命令を含む構成要素1216~1218に関して説明しているが、構成要素1216~1218のいずれかは、少なくとも部分的に、1つ以上の特定の集積回路(ASIC)、1つ以上のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、1つ以上のプログラム固有の標準製品(ASSP)、1つ以上の複雑なプログラマブル論理デバイス(CPLD)などの1つ以上のハードウェア論理構成要素として実装され得る。さらに、構成要素1216~1218は、制御システム140内に含まれるものとして示されているが、構成要素1216~1218のいずれかは、ロボットシステム110、台150、又は別のデバイス/システムなどの別のデバイス/システム内に少なくとも部分的に実装され得る。同様に、制御システム140の他の構成要素のうちのいずれも、少なくとも部分的に別のデバイス/システム内に実装することができる。
【0100】
入力デバイスマネージャ1216は、入力デバイス146から入力を受信し、それらをロボットシステム110によって実行可能な動作に変換させるように構成され得る。例えば、急速開放、急速閉鎖、及び揺れ動作などの事前にプログラムされた動作は、入力デバイスマネージャ1216に格納され得る。そして、これらの事前にプログラムされた動作を所望の入力(例えば、1つ又は2つのボタンの押圧、音声コマンド、ジョイスティックの動きなど)に割り当てることができる。いくつかの実装では、事前にプログラムされた動作は、製造業者によって決定される。他の形態では、ユーザは、既存の事前にプログラムされた動作を変更することができ、かつ/又は新規作成することができる。
【0101】
ユーザインターフェース構成要素1218は、1つ以上のユーザインターフェース(「1つ以上のグラフィカルユーザインターフェース(GUI)」とも称される)を容易にするように構成され得る。例えば、ユーザインターフェース構成要素1218は、事前にプログラムされた動作を入力又は設定メニューに割り当てるための、又は特定の状況において特定の操作モードを起動にする、若しくは選択された事前にプログラムされた動作を停止する構成メニューを生成することができる。ユーザインターフェース構成要素1218はまた、ユーザに表示するためのユーザインターフェースデータ1222を提供することができる。
【0102】
1つ以上の通信インターフェース1206は、1つ以上のデバイス/センサ/システムと通信するように構成され得る。例えば、1つ以上の通信インターフェース1206は、ネットワークを通じて無線及び/又は有線データ送受信が可能である。本開示の実施形態によるネットワークは、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)(例えば、インターネット)、パーソナルエリアネットワーク(PAN)、ボディエリアネットワーク(BAN)などを含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上の通信インターフェース1206は、Bluetooth、Wi-Fi、近距離通信(NFC)などの無線技術を実装することができる。
【0103】
1つ以上の電源ユニット1208は、制御システム140(及び/又は場合によっては、ロボットシステム110)の電力を管理するように構成され得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の電源ユニット1208は、リチウム系電池、鉛蓄電池、アルカリ電池、及び/又は別の種類の電池などの1つ以上の電池を含む。すなわち、1つ以上の電源ユニット1208は、電力源を提供するように、及び/又は電力管理機能を提供するように構成された1つ以上のデバイス及び/又は回路を備えることができる。さらに、いくつかの実施形態では、1つ以上の電源ユニット1208は、交流(AC)又は直流(DC)主電源に結合するように構成された主電源コネクタを含む。
【0104】
1つ以上のI/O構成要素1210は、ユーザとのインターフェースなどのため、入力を受信する、及び/又は出力を提供するための様々な構成要素を含むことができる。1つ以上のI/Oデバイス1210は、タッチ、音声、ジェスチャ、又は任意の他のタイプ入力を受信するように構成され得る。例示として、1つ以上のI/O構成要素1210を使用して、ロボットシステム110を制御するためのデバイス/システムの制御に関する入力を提供することができる。すなわち、ロボットシステム110に取り付けられたスコープ又は他の医療器具を操縦し、台150を制御し、蛍光透視デバイス190を制御するものである。図示のように、1つ以上のI/O構成要素1210は、データを表示するように構成された1つ以上のディスプレイ142(「1つ以上の表示デバイス142」とも称する)を含むことができる。1つ以上のディスプレイ142は、1つ以上の液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、有機LEDディスプレイ、プラズマディスプレイ、電子紙表示、及び/又は任意の他の種類(複数可)の技術を含み得る。いくつかの実施形態では、1つ以上のディスプレイ142は、入力及び/又は表示データを受信するように構成された1つ以上のタッチスクリーンを含む。さらには、1つ以上のI/O構成要素1210は、タッチスクリーン、タッチパッド、コントローラ、マウス、キーボード、ウェアラブルデバイス(例えば、光学ヘッドマウントディスプレイ)、仮想若しくは拡張現実デバイス(例えば、ヘッドマウントディスプレイ)などを含むことができる1つ以上の入力デバイス146を含み得る。1つ以上のI/O構成要素1210はさらに、音声信号に基づいて音を出力するように構成された1つ以上のスピーカ1226、及び/又は音を受信し、音声信号を生成する1つ以上のマイクロフォン1228を含み得る。いくつかの実施形態では、1つ以上のI/O構成要素1210は、コンソールを含むか、コンソールとして実装される。
【0105】
図9には示されていないが、制御システム140は、医療器具(例えば、スコープ)に、制御下での灌注能力及び/又は吸引能力を提供するために、1つ以上のポンプ、流量計、バルブ制御、及び/又は流体アクセス構成要素などの他の構成要素、医療器具を通して展開され得るデバイスなどを含む、及び/又は制御することができる。いくつかの実施形態では、灌注及び吸引能力は、別個のケーブル(複数可)を通して医療器具に直接送達され得る。さらには、制御システム140はフィルタリングされ、保護された電力をロボットシステム110などの別のデバイスに提供するように設計された電圧及びサージ保護具を含み得る。これにより、ロボットシステム110内に電力変圧器及び他の補助電力構成要素を配置することが回避され、より小さく、より移動可能なロボットシステム110が実現される。
【0106】
ロボットシステム140は、医療システム100全体に配備されたセンサのための支持機器も含み得る。例えば、制御システム140は、光センサ及び/又はカメラから受信したデータを検出、受信、及び/又は処理するための光電子機器を含むことができる。そのような光電子機器を使用して、制御システム140を含む任意の数のデバイス/システムで表示するためのリアルタイム画像を生成することができる。
【0107】
いくつかの実施形態では、制御システム140は、1つ以上のケーブル又は接続部(不図示)を介して、スコープ及び/又はバスケット式回収デバイス120などの、ロボットシステム110、台150、及び/又は医療器具に結合することができる。いくつかの形態では、制御システム140からのサポート機能が、単一のケーブルを介して提供される。これにより手術室を簡素にし、整頓された状態にすることができる。他の実施形態では、特定の機能は、別個の配線及び接続部で結合され得る。例えば、単一の電力ケーブルを通じて電力が供給され得る一方、制御、光学、流体工学、及び/又はナビゲーションのためのサポートは、別個のケーブルを通して提供され得る。
【0108】
「制御回路」という用語は、その広義で一般的な意味に従って本明細書で使用され、1つ以上のプロセッサ、処理回路、処理モジュール/ユニット、チップ、ダイ(例えば、それらを含む半導体ダイ)、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、マイクロコンピュータ、中央処理ユニット、グラフィック処理ユニット、フィールドプログラマブルゲートアレイ、プログラマブルロジックデバイス、状態機械(例えば、ハードウェア状態機械)、論理回路、アナログ回路、デジタル回路、及び/又は回路及び/又は操作命令に基づいて信号(アナログ及び/又はデジタル)を操作する任意のデバイス、の任意の集合を示し得る。制御回路は、1つ以上の記憶デバイスをさらに含むことができ、これは、デバイスの単一のメモリデバイス、複数のメモリデバイス、及び/又はデバイス内蔵回路で具現化され得る。そのようなデータ記憶デバイスは、読み取り専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、静的メモリ、動的メモリ、フラッシュメモリ、キャッシュメモリ、データ記憶レジスタ、及び/又はデジタル情報を記憶する任意のデバイスを含むことができる。制御回路がハードウェア状態機械を含む(及び/又はソフトウェア状態機械を実装する)実施形態では、アナログ回路、デジタル回路、及び/又は論理回路を記憶するデータ記憶デバイス(複数可)/レジスタ(複数可)は、状態機械、アナログ回路、デジタル回路、及び/又は論理回路を含む回路内に、又はその外部に埋め込むことができることに留意されたい。
【0109】
「メモリ」という用語は、本明細書では、その広義の一般的な意味に従って使用され、任意の好適な又は望ましいタイプのコンピュータ可読媒体を指すことができる。例えば、コンピュータ可読媒体は、1つ以上の揮発性データ記憶デバイス、不揮発性データ記憶デバイス、取り外し可能なデータ記憶デバイス、及び/又は任意の適切な又は望ましいコンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、又は他のタイプのデータを含む、任意の技術、レイアウト、及び/又はデータ構造(複数可)/プロトコルを使用して実装される取り外し可能なデータ記憶デバイスを含むことができる。
【0110】
本開示の実施形態に従って実装することができるコンピュータ可読媒体は、位相変化メモリ、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、動的ランダムアクセスメモリ(DRAM)、他のタイプのランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、電気的消去可能なプログラマブル読み取り専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ若しくは他のメモリ技術、コンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)又はその他光記憶デバイス、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気ストレージデバイス、又はコンピューティングデバイスがアクセスするための情報を格納するために使用できるその他の非一時的な媒体を含むが、これらに限定されない。本明細書の特定の文脈で使用される場合、コンピュータ可読媒体は、一般に、変調されたデータ信号及び搬送波などの通信媒体を含まなくてもよい。したがって、コンピュータ可読媒体は、一般に、非一時的な媒体を指すと理解されるべきである。
【0111】
更なる実施形態
実施形態によっては、本明細書に記載されるプロセス又はアルゴリズムのうちのいずれかの特定の作用、イベント、又は機能は、異なる順序で実行され得、追加、統合、又は完全に除外され得る。したがって、特定の実施形態では、プロセスの実施には、記載されたすべての行為又は事象が必須ではない。
【0112】
本明細書で使用される仮定的な言語、例えば、中でも「することができる(can)」、「することができる(could)」、「し得る(might)」、「し得る(may)」、「例えば(e.g.)」などは、別途具体的に指定されない限り、又は使用される文脈内で別途理解されない限り、一般的な意味であることが意図され、一般的に、ある特定の機構、要素、及び/又はステップを、ある特定の実施形態は含み、他の実施形態は含まないことを伝えることを意図する。したがって、そのような仮定的な言語は、一般的に、機構、要素、及び/若しくはステップが、いかなる様式でも1つ又は2つ以上の実施形態のために必要とされること、又は1つ若しくは2つ以上の実施形態が、これらの機構、要素、及び/若しくはステップが任意の特定の実施形態に必ず含まれるか若しくは実施されるかどうかを判断するための論理を、オーサ入力若しくはプロンプティングを伴うか若しくは伴わずに、必ず含むことを暗示することを意図しない。「含む(comprising)」、「含む(including)」、「有する(having)」などの用語は同義であり、一般的な意味であることが意図され、非限定的な様式で包括的に使用され、追加の要素、機構、動作、操作などを排除しない。また、「又は」という用語は、使用される場合、例えば、要素の列挙を接続するために、「又は」という用語は、列挙された要素のうちの1つ、いくつか、又は全てを意味するように、その包含的な意味で(かつその排他的な意味ではなく)使用される。特に明記しない限り、「X、Y、及びZのうちの少なくとも1つ」という表現などの接続的表現は、一般に、特徴、用語、要素などがX、Y、又はZのいずれかであり得ることを伝える文脈で使用されるもの理解される。したがって、そのような接続的表現は、一般に、特定の実施形態がX、Yの少なくとも1つ、及びZのうちの少なくとも1つを必要とすることを意味することを意図していない。
【0113】
上記の実施形態の説明において、様々な特徴は、本開示を分かりやすくし、様々な本発明の態様のうちの1つ以上の理解に寄与する目的で単一の実施形態、図、又はその説明においてまとめられることを理解されたい。ただし、本開示の方法は、任意の請求項が当該請求項に明示的に記載されているよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映していると解釈されるべきではない。さらに、本明細書の特定の実施形態で図示及び/又は説明される任意の酵素性要素、特徴、又はステップは、任意の他の実施形態(複数可)に適用されるか、又はそれと共に使用され得る。さらには、各実施形態では、不可欠な構成要素、特徴、ステップ、又は構成要素、特徴、又はステップの群は存在しない。したがって、以下に開示及び特許請求される本発明の範囲は、上記の特定の実施形態によって限定されるべきではない。以下の特許請求の範囲を正しく読み取ることによってのみ当該範囲は決定されることが意図される。
【0114】
参照を容易にするために特定の順序用語(例えば、「第1の」又は「第2の」)が提供され得るが、必ずしも物理的特性又は順序を意味するものではないことを理解されたい。したがって、本明細書で使用される場合、構造、構成要素、操作などの要素を修正するために使用される順序表現(例えば、「第1」、「第2」、「第3」など)は、必ずしも他のいずれかの要素に対する要素の優先順位又は順序を示さず、むしろ、概して要素を同様の又は同一の名称を有する別の要素(しかし、順序項の使用のため)と区別し得るものである。さらに、本明細書で使用される場合、不定冠詞(「a」及び「an」)は、「1つ」ではなく「1つ以上」を示し得る。さらには、状態又は事象に「基づいて」実施された操作はまた、明示的に列挙されていない1つ以上の他の条件又は事象に基づいて実行され得る。
【0115】
特に定義されない限り、本明細書で使用されているすべての用語(技術的用語及び科学的用語を含む)は、例示的実施形態が属する分野の当業者に共通に理解されるものと同じ意味を有している。一般的に使用される辞書で定義されているものなどの用語は、従来技術及び本開示の文脈におけるそれらの意味と一致する意味を有するものとして解釈されるべきであり、本明細書で明示的に定義されない限り、理想的な意味又は過度に形式的な意味で解釈されないことがさらに理解されよう。
【0116】
特に明記しない限り、「より小さい」、「より多く」、「より大きな」などの比較及び/又は定量的用語は、均等物の概念を包含することが意図される。例えば、「より少ない」は、厳密な数学的意味において「より少ない」だけでなく、「以下の」を意味することができる。
【0117】
〔実施の態様〕
(1) 医療処置を実行するためのロボットシステムであって、
ロボットマニピュレータであって、
バスケットを備え、人間の解剖学的構造にアクセスするように構成された医療器具を操作することと、
第1の開放速度、及び前記第1の開放速度よりも速い第2の開放速度で前記バスケットを開くことと、
第1の閉鎖速度、及び前記第1の閉鎖速度よりも速い第2の閉鎖速度で前記バスケットを閉じることと、を実行するように構成されたロボットマニピュレータと、
1つ以上のユーザインタラクションを受信し、前記ロボットマニピュレータによって、直接制御された移動及び事前にプログラムされた動作のうちの少なくとも1つを含む、1つ以上の動作を開始するように構成された入力デバイスと、
前記入力デバイス及び前記ロボットマニピュレータに通信可能に結合された制御回路であって、
前記入力デバイスを介して第1のユーザインタラクションが受信されたことに応じて、前記第2の開放速度で前記バスケットを開くことを含む、前記ロボットマニピュレータの第1の事前にプログラムされた動作をトリガし、
前記入力デバイスを介して第2のユーザインタラクションが受信されたことに応じて、前記第2の閉鎖速度で前記バスケットを閉じることを含む、前記ロボットマニピュレータの第2の事前にプログラムされた動作をトリガするように構成された制御回路と、を備える、ロボットシステム。
(2) 前記医療器具が尿管鏡をさらに備える、実施態様1に記載のロボットシステム。
(3) 前記医療処置が尿管鏡検査を含む、実施態様1に記載のロボットシステム。
(4) 前記入力デバイスが制御パッドを備え、前記制御パッドが、
複数の軸に沿って前記ロボットマニピュレータの移動を方向付けるように構成された方向制御部と、
第1のボタン及び第2のボタンを含む複数のボタンと、を備える、実施態様1に記載のロボットシステム。
(5) 前記第1のユーザインタラクションが、前記第1のボタンをダブルタップすることを含む、実施態様4に記載のロボットシステム。
【0118】
(6) 前記第2のユーザインタラクションが、前記第2のボタンをダブルタップすることを含む、実施態様5に記載のロボットシステム。
(7) 前記制御回路が、
前記第1のボタン及び前記第2のボタンが同時にタップされたことに応じて、加速された速度で、繰り返し短距離で前方及び後方に移動することを含む、前記ロボットマニピュレータの第3の事前にプログラムされた動作を、トリガするようにさらに構成されている、実施態様6に記載にロボットシステム。
(8) 前記制御回路が、
第3のユーザインタラクションが受信されたことに応じて、加速された速度で、繰り返し短距離で前方及び後方に移動することを含む、前記ロボットマニピュレータの第3の事前にプログラムされた動作を、トリガするようにさらに構成されている、実施態様1に記載にロボットシステム。
(9) 前記第2の事前にプログラムされた動作が、
前記バスケットの駆動機構におけるトルクを検出することと、
前記トルクが閾値を超えることに応じて、前記バスケットの前記閉鎖を停止することと、をさらに含む、実施態様1に記載のロボットシステム。
(10) 前記第1のユーザインタラクション及び前記第2のユーザインタラクションのうちの少なくとも一方が、音声コマンドを含む、実施態様1に記載のロボットシステム。
【0119】
(11) ロボットマニピュレータを使用して医療器具を制御する方法であって、
前記ロボットマニピュレータを使用して、人間の解剖学的構造にアクセスするための、バスケットを備える医療器具を操作することであって、前記ロボットマニピュレータが、第1の開放速度及び第2の開放速度で前記バスケットを開くように構成され、前記ロボットマニピュレータが、第1の閉鎖速度及び第2の閉鎖速度で前記バスケットを閉じるようにさらに構成されている、操作することと、
入力デバイスを介して、前記ロボットマニピュレータによって事前にプログラムされた動作をトリガするための1つ以上のユーザインタラクションを受信することと、
前記入力デバイスを介して第1のユーザインタラクションが受信されたことに応じて、前記第1の開放速度よりも速い前記第2の開放速度で前記バスケットを開くことを含む、前記ロボットマニピュレータの第1の事前にプログラムされた動作をトリガすることと、
前記入力デバイスを介して第2のユーザインタラクションが受信されたことに応じて、前記第1の閉鎖速度よりも速い前記第2の閉鎖速度で前記バスケットを閉じることを含む、前記ロボットマニピュレータの第2の事前にプログラムされた動作をトリガすることと、を含む、方法。
(12) 前記第1のユーザインタラクションが、前記入力デバイスの第1のボタンをダブルタップすることを含み、前記第2のユーザインタラクションが、前記入力デバイスの第2のボタンをダブルタップすることを含む、実施態様11に記載の方法。
(13) 前記方法が、
前記第1のボタン及び前記第2のボタンが同時にタップされたことに応じて、加速された速度で、繰り返し短距離で前方及び後方に移動することを含む、前記ロボットマニピュレータの第3の事前にプログラムされた動作を、トリガすることを含む、実施態様12に記載の方法。
(14) 前記方法が、
前記入力デバイス上で、第1の軸に沿った移動の入力が受信されたことに応じて、前記第1の軸に沿って、前記ロボットマニピュレータの前記第3の事前にプログラムされた動作の中心位置を移動させることと、
前記中心位置で短距離にて前方及び後方に移動することを繰り返すことと、を含む、実施態様13に記載の方法。
(15) 前記第3の事前にプログラムされた動作が、繰り返しの回転運動をさらに含む、実施態様13に記載の方法。
【0120】
(16) 前記方法が、
前記ロボットマニピュレータを使用して、内視鏡を操作して、人間の解剖学的構造にアクセスすることを含み、前記内視鏡が、前記人間の解剖学的構造内の前記医療器具の画像を捕捉するように構成されている、実施態様11に記載の方法。
(17) 前記方法が、
入力デバイスを介して、前記医療器具の移動を直接制御するための第3のユーザインタラクションを受信することと、
前記ロボットマニピュレータを使用して、受信された前記第3のユーザインタラクションに基づいて、1つ以上の移動軸に沿って前記医療器具を操作することと、を含む、実施態様11に記載の方法。
(18) 前記第2の事前にプログラムされた動作が、
前記バスケットの駆動機構におけるトルクを検出することと、
前記トルクが閾値を超えることに応じて、前記バスケットの前記閉鎖を停止することと、をさらに含む、実施態様11に記載の方法。
(19) 医療処置を実行するためのロボットデバイスを制御するための制御システムであって、
1つ以上のユーザインタラクションを受信し、前記ロボットデバイスによる、直接制御された移動及び事前にプログラムされた動作のうちの少なくとも1つを含む、1つ以上の動作を開始するように構成された入力デバイスと、
前記直接制御された移動及び前記事前にプログラムされた動作に対応するコマンドを、前記ロボットデバイスに送信するように構成された通信インターフェースであって、前記コマンドが、
前記ロボットデバイスが、バスケットを備え、人間の解剖学的構造にアクセスするように構成された医療器具を移動させることと、
第1の開放速度及び前記第1の開放速度よりも速い第2の開放速度で前記バスケットを開くことと、
第1の閉鎖速度及び前記第1の閉鎖速度よりも速い第2の閉鎖速度で前記バスケットを閉じることと、を含む、通信インターフェースと、
前記入力デバイス及び前記通信インターフェースに通信可能に結合された制御回路であって、前記制御回路が、
第1のユーザインタラクションが受信されたことに応じて、前記第2の開放速度で前記バスケットを開くことを含む、前記ロボットデバイスの第1の事前にプログラムされた動作をトリガし、
第2のユーザインタラクションが受信されたことに応じて、前記第2の閉鎖速度で前記バスケットを閉じることを含む、前記ロボットデバイスの第2の事前にプログラムされた動作をトリガするように構成された制御回路と、を備える、制御システム。
(20) 前記入力デバイスが、
複数の軸に沿って前記ロボットデバイスの移動を方向付けるように構成された方向制御部と、
前記第1の事前にプログラムされた動作をトリガするように構成された第1のボタンと、前記第2の事前にプログラムされた動作をトリガするように構成された第2のボタンと、を含む、複数のボタンと、を備える、実施態様19に記載の制御システム。
【0121】
(21) 前記第1のボタンをダブルタップすることで、前記第1の事前にプログラムされた動作がトリガされ、
前記第2のボタンをダブルタップすることで、前記第2の事前にプログラムされた動作がトリガされる、実施態様20に記載の制御システム。
(22) 前記第1のボタンを一度タップすることで、前記第1の事前にプログラムされた動作とは異なる第3の事前にプログラムされた動作がトリガされ、
前記第2のボタンを一度タップすることで、前記第2の事前にプログラムされた動作とは異なる第4の事前にプログラムされた動作がトリガされる、実施態様20に記載の制御システム。
(23) 前記制御回路が、
前記第1のボタン及び前記第2のボタンが同時にタップされたことに応じて、加速された速度で、繰り返し短距離で前方及び後方に移動することを含む、前記ロボットデバイスの第3の事前にプログラムされた動作を、トリガするようにさらに構成されている、実施態様20に記載の制御システム。
(24) 前記制御回路が、
前記方向制御部を介して、第1の軸に沿った移動の要求を受信したことに応じて、前記第1の軸に沿って、前記ロボットデバイスの前記第3の事前にプログラムされた動作の中心位置を移動させ、
前記中心位置で短距離にて前方及び後方に移動することを繰り返すようにさらに構成されている、実施態様23に記載の制御システム。
(25) 前記入力デバイスが、音声ユーザコマンドを取得するように構成されたマイクロフォンを備え、
前記制御回路が、前記第1のユーザインタラクションに対応する第1の音声ユーザコマンドと、前記第2のユーザインタラクションに対応する第2の音声ユーザコマンドとを識別するようにさらに構成されている、実施態様19に記載の制御システム。
【0122】
(26) 前記ロボットデバイスが、前記制御システムの、第2の地理的位置とは異なる第1の地理的位置に位置し、
前記通信インターフェースが、ワイドエリアネットワークを通じて前記コマンドを送信するようにさらに構成されている、実施態様19に記載の制御システム。
(27) コンピュータ実行可能命令を記憶する1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記命令が、制御回路によって実行されると、前記制御回路に、
ロボットデバイスを使用して、人間の解剖学的構造にアクセスするための、バスケットを含む医療器具を操作することであって、前記ロボットデバイスが、第1の開放速度及び第2の開放速度で前記バスケットを開くように構成され、前記ロボットデバイスが、第1の閉鎖速度及び第2の閉鎖速度で前記バスケットを閉じるようにさらに構成されている、操作することと、
入力デバイスを介して、前記ロボットデバイスにより事前にプログラムされた動作をトリガするための1つ以上の入力を受信することと、
前記入力デバイスを介して第1の入力が受信されたことに応じて、前記第1の開放速度よりも速い前記第2の開放速度で前記バスケットを開くことを含む、前記ロボットデバイスの第1の事前にプログラムされた動作をトリガすることと、
前記入力デバイスを介して第2の入力が受信されたことに応じて、前記第1の閉鎖速度よりも速い前記第2の閉鎖速度で前記バスケットを閉じることを含む、前記ロボットデバイスの第2の事前にプログラムされた動作をトリガすることと、を含む操作を実行させる、1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体。
(28) 前記第1の入力が、前記入力デバイスの第1のボタンをダブルタップすることを含み、前記第2の入力が、前記入力デバイスの第2のボタンをダブルタップすることを含む、実施態様27に記載の1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体。
(29) 前記コンピュータ実行可能命令が、前記制御回路に、
前記第1のボタン及び前記第2のボタンが同時にタップされたことに応じて、加速された速度で、繰り返し短距離で前方及び後方に移動することを含む、前記ロボットデバイスの第3の事前にプログラムされた動作を、トリガすることを含む操作を実行させるようにさらに構成されている、実施態様28に記載の1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体。
(30) 前記コンピュータ実行可能命令が、前記制御回路に、
前記入力デバイスを介して、前記ロボットデバイスの直接移動を制御するための第3の入力を受信することと、
前記ロボットデバイスを使用して、受信された前記第3の入力に基づいて、1つ以上の移動軸に沿って前記医療器具を操作することと、を含む操作を実行させるようにさらに構成されている、実施態様27に記載の1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体。
【国際調査報告】