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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-03
(54)【発明の名称】2端子デバイス
(51)【国際特許分類】
   H01L 31/042 20140101AFI20230224BHJP
【FI】
H01L31/04 500
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022558287
(86)(22)【出願日】2021-03-23
(85)【翻訳文提出日】2022-11-10
(86)【国際出願番号】 GB2021050710
(87)【国際公開番号】W WO2021191600
(87)【国際公開日】2021-09-30
(31)【優先権主張番号】2004533.2
(32)【優先日】2020-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515207499
【氏名又は名称】パワー ロール リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【弁理士】
【氏名又は名称】徳山 英浩
(72)【発明者】
【氏名】マカードル,トレバー
(72)【発明者】
【氏名】トッピング,アレクサンダー ジョン
(72)【発明者】
【氏名】カシュ,ニコラス
【テーマコード(参考)】
5F151
【Fターム(参考)】
5F151CB21
5F151EA06
5F151EA07
5F151EA10
5F151GA05
(57)【要約】
基板を備える2端子デバイスであって、基板は、第1の特性抵抗を有する第1セルと、基板のウェブ方向に沿って第1セルから間隔を空けて配置され、第2の特性抵抗を有する第2セルと、第1端子及び第2端子であって、各端子は、横方向における基板の対向する縁部の方に、又は対向する縁部に形成されており、各端子は第1セル及び第2セルと電気的に連通している、第1端子及び第2端子と、第1セルと第2セルとの間にあり、第3の特性抵抗を有する接続部分と、を備え、第3の特性抵抗は、第1の特性抵抗及び第2の特性抵抗の少なくとも一方よりも大きいか又は等しい、2端子デバイスが提供される。また、このような2端子デバイスを形成する方法が提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2端子デバイスであって、基板を備え、前記基板は、
第1の特性抵抗を有する第1セルと、前記基板のウェブ(web)方向に沿って前記第1セルから間隔を空けて配置され、第2の特性抵抗を有する第2セルと、
第1端子及び第2端子であって、各端子は、横方向における前記基板の対向する縁部の方に、又は前記対向する縁部に形成されており、各端子は前記第1セル及び前記第2セルと電気的に連通している、第1端子及び第2端子と、
前記第1セルと前記第2セルとの間にあり、第3の特性抵抗を有する接続部分と、
を備え、
前記第3の特性抵抗は、前記第1の特性抵抗及び前記第2の特性抵抗の少なくとも一方よりも大きいか又は等しく、前記第1セル又は前記第2セルからの電荷は、前記接続部分を介して前記第1セルと前記第2セルとの間を移動されるよりも優先して、前記第1端子又は前記第2端子で取り出し可能である、2端子デバイス。
【請求項2】
前記第3の特性抵抗は、前記第1の特性抵抗及び前記第2の特性抵抗の少なくとも一方よりも大きい、請求項1に記載の2端子デバイス。
【請求項3】
前記第3の特性抵抗は、前記第1の特性抵抗及び前記第2の特性抵抗の少なくとも一方よりも、少なくとも2倍、好ましくは少なくとも5倍、さらに好ましくは少なくとも10倍大きい、請求項2に記載の2端子デバイス。
【請求項4】
前記接続部分は、少なくとも1つの抵抗要素を有する、請求項1から3のいずれかに記載の2端子デバイス。
【請求項5】
少なくとも1つの前記抵抗要素は、前記基板の峰部(peak)、前記基板の不連続な非絶縁性コーティング、及び/又は前記基板の轍状部分(rutted portion)を有する、請求項4に記載の2端子デバイス。
【請求項6】
少なくとも1つの前記抵抗要素は、前記基板内のチャネルを有する、請求項4又は請求項5に記載の2端子デバイス。
【請求項7】
前記第1セルが少なくとも1つの第1溝を有し、及び/又は前記第2セルが少なくとも1つの第2溝を有し、
前記チャネルは、少なくとも1つの前記第1溝の一部分及び/又は少なくとも1つの前記第2溝の一部分を横断している、請求項6に記載の2端子デバイス。
【請求項8】
前記第1セルが第1の一連の溝を有し、及び/又は前記第2セルが第2の一連の溝を有し、
前記チャネルは前記第1の一連の溝の一部及び/又は前記第2の一連の溝の一部分を横断している、請求項6に記載の2端子デバイス。
【請求項9】
前記チャネルは、前記第1の一連の溝及び/又は前記第2の一連の溝を、各溝の端部の方で横断している、請求項8に記載の2端子デバイス。
【請求項10】
少なくとも1つの前記抵抗要素は、前記基板内の複数のチャネルを有する、請求項4又は請求項5に記載の2端子デバイス。
【請求項11】
前記第1セルが少なくとも1つの第1溝を有し、及び/又は前記第2セルが少なくとも1つの第2溝を有し、
各チャネルが少なくとも1つの前記第1溝及び/又は少なくとも1つの前記第2溝を横断している、請求項10に記載の2端子デバイス。
【請求項12】
前記第1セルが第1の一連の溝を有し、及び/又は前記第2セルが第2の一連の溝を有し、
各チャネルが第1の一連の溝の一部分及び/又は第2の一連の溝の一部分を横断している、請求項10に記載の2端子デバイス。
【請求項13】
各チャネルは、前記第1の一連の溝及び/又は前記第2の一連の溝を、各溝の端部の方で横断している、請求項12に記載の2端子デバイス。
【請求項14】
複数の前記チャネルは、第1のチャネル特性抵抗を有する第1チャネルと、第2のチャネル特性抵抗を有する第2チャネルと、を備え、
前記第1のチャネル特性抵抗及び前記第2のチャネル特性抵抗は、前記第3の特性抵抗の実質的に全部を提供する、請求項10から13のいずれか一項に記載の2端子デバイス。
【請求項15】
複数の前記チャネルは、第3のチャネル特性抵抗を有する第3チャネルをさらに備え、 前記第1のチャネル特性抵抗、前記第2のチャネル特性抵抗及び前記第3のチャネル特性抵抗は、実質的に前記第3の特性抵抗の全部である、請求項14に記載の2端子デバイス。
【請求項16】
前記チャネル又は複数の前記チャネルの各チャネルは、所定の角度を有する実質的にZ字形状である、請求項6から15のいずれか一項に記載の2端子デバイス。
【請求項17】
前記第1セルが少なくとも1つの第1溝を有し、前記第2セルが少なくとも1つの第2溝を有し、
前記基板は、
複数の前記チャネルの各チャネルをそのチャネルの遠位端で横断し、少なくとも1つの前記第1溝を横断する第1横断チャネルと、
複数の前記チャネルの各チャネルをそのチャネルの近位端で横断し、少なくとも1つの前記第2溝を横断する第2横断チャネルと、をさらに備える、請求項10に記載の2端子デバイス。
【請求項18】
前記第1セルが第1の一連の溝を備え、前記第2セルが第2の一連の溝を備え、
前記基板は、
複数の前記チャネルの各チャネルをそのチャネルの遠位端で横断し、前記第1の一連の溝の一部を横断する第1横断チャネルと、
複数の前記チャネルの各チャネルをそのチャネルの近位端で横断し、前記第2の一連の溝の一部を横断する第2横断チャネルと、
をさらに備える、請求項10に記載の2端子デバイス。
【請求項19】
前記第1横断チャネル及び/又は前記第2横断チャネルが、各溝の端部の方で、それぞれの溝又は複数の溝を横断する、請求項17又は請求項18に記載の2端子デバイス。
【請求項20】
複数の前記チャネルは、第1チャネル及び第2チャネルを含み、
前記第1横断チャネルは、前記第1チャネル及び前記第2チャネルをそれらのチャネルの遠位端で横断し、
前記第2横断チャネルは、前記第1チャネル及び前記第2チャネルをそれらのチャネルの近位端で横断し、
任意で、複数の前記チャネルは、第3チャネルをさらに含み、前記第1横断チャネルは、前記第3チャネルの遠位端で前記第3チャネルをさらに横断し、前記第2横断チャネルは、前記第3チャネルの近位端で前記第3チャネルをさらに横断する、請求項17から19のいずれか一項に記載の2端子デバイス。
【請求項21】
各チャネル、前記第1横断チャネル及び前記第2横断チャネルは、所定の角度を有する実質的なZ字形状を形成する、請求項17から20のいずれか一項に記載の2端子デバイス。
【請求項22】
前記チャネル又は複数の前記チャネルの1つ以上は、轍状の基部、轍状の壁、及び/又は、そのチャネル内にある非導電性の電気絶縁体材料を有する、請求項6から21のいずれか一項に記載の2端子デバイス。
【請求項23】
前記チャネル又は複数の前記チャネルの1つ以上は、少なくとも1:1.6のアスペクト比を有する、請求項6から22のいずれか一項に記載の2端子デバイス。
【請求項24】
2端子デバイスを形成する方法であって、前記方法は、
基板を提供することと、
前記基板内に、第1の特性抵抗を有する第1セルを形成することと、
前記基板内に、前記基板のウェブ方向に沿って前記第1セルから間隔をあけて、第2の特性抵抗を有する第2セルを形成することと、
第1端子及び第2端子を形成することであって、各端子は、前記ウェブ方向において前記基板の対向する縁部の方に、又は前記対向する縁部に形成され、1つの端子又は各端子は前記第1セル及び前記第2セルと電気的に接続して形成される、第1端子及び第2端子を形成することと、
前記第1セルと前記第2セルとの間に、第3の特性抵抗を有する接続部分を形成することと、を含み、
前記第3の特性抵抗は、前記第1の特性抵抗及び前記第2の特性抵抗の少なくとも一方よりも大きいか又は等しく、前記第1セル又は前記第2セルからの電荷は、前記接続部分を介して前記第1セルから前記第2セルへ移動されるよりも優先して、前記第1端子又は前記第2端子で取り出し可能である、方法。
【請求項25】
前記第1セルを形成するステップは、前記基板内に第1の一連の溝を形成することを含み、
前記第2セルを形成するステップは、前記基板内に第2の一連の溝を形成することを含み、
前記接続部分を形成するステップは、前記接続部分内に少なくとも1つのチャネルを形成することを含み、
前記方法は、
前記第1の一連の溝の各溝、前記第2の一連の溝の各溝、及び、前記チャネル又は各チャネルの第1の面を、第1の材料でコーティングすることと、
前記第1の一連の溝の各溝、前記第2の一連の溝の各溝、及び、前記チャネル又は各チャネルの第2の面を、第2の材料でコーティングすることと、
前記第1の一連の溝の各溝、前記第2の一連の溝の各溝、及び、前記チャネル又は各チャネルを、第3の材料で少なくとも部分的に充填することと、をさらに含む、請求項24に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2端子電子デバイスに関する。特に、2端子デバイスは、光電子(オプトエレクトロニクス)デバイスであってもよい。また、本発明は、2端子電子デバイスの形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
2端子デバイスは、2つの端子、すなわち第1端子と第2端子とを有する電気部品である。端子は、一般に、電気部品への、又は電気部品からの電流の出入りを可能にする電気部品のエリア、領域又は部分として定義される。2端子デバイスは、例えば発光ダイオード(LED)のようなダイオードを含む。また、2端子デバイスには、光電子デバイス、光起電力デバイス、トランジスタ、フォトトランジスタ、垂直共振器面発光レーザ(VCSEL)、エネルギ貯蔵デバイスなどのデバイスがある。当業者には認識されるように、これらは、2端子デバイスの単なる非限定的な例である。
【0003】
光起電力技術として別途知られている光電子(オプトエレクトロニクス)技術などのいくつかの例では、光電子デバイスは、光にさらされる2つの材料の間の接合部で、光から電気を生成する。さらに、光電子デバイスは、電気の入力から光を生成することもある。一般に、光電子工学において用いられる光は太陽光であるため、光起電力技術は太陽光発電と呼ばれることが多い。上記2つの材料として、半導体を使用することが知られている。使用される半導体材料は、光起電力効果を示す。
【0004】
使用される半導体材料は、通常、p型半導体材料及びn型半導体材料である。これらの半導体材料を接合すると、その間に、しばしばp-n接合と呼ばれる界面が形成される。また、P-i-N(又はPIN)接合と呼ばれる半導体材料の界面も知られている。p-n接合は、半導体を使用した光電子デバイスのほとんどに設けられている。光電子デバイスには、光電池、太陽電池、ダイオード、発光ダイオード(LED)、トランジスタなどがある。p-n接合は、電気エネルギの発生や消費が生じる活性部位と考えることができる。
【0005】
光電子デバイスは、即時使用又は貯蔵目的のための電気を生成するためのデバイスとして使用され得る。即時使用のための電気を生成するために使用される光電子デバイスは、典型的には、半導体間のp-n接合を利用する。貯蔵用の電気を生成するために使用される光電子デバイスは、エネルギ貯蔵デバイスとみなされる。
【発明の概要】
【0006】
既存の2端子デバイス、特に光電子技術で使用されるデバイスは、現在、比較的高価な発電方法である。再生可能エネルギの供給源の需要の増加に伴い、太陽光発電セルの効率を向上させ、これらのデバイスの製造及び稼働に関連するコストを低減する動きがある。また、既存の太陽電池では、他の発電方法と比較して、相対的に効率が低いままである。
【0007】
このような問題を克服するために、2端子デバイス、特に光起電力デバイス用の溝付き基板が開発されている。これは、複数の一連の溝を互いに並列に設け、それぞれの一連の溝を直列に接続したものである。このような例は、図1に示されている。この図には、第1セル12a、第2セル12b及び第3のセル12cを含む従来技術のデバイス10が示されている。図1に示すように、第1セル12a、第2セル12b及び第3セル12cは、光電池であってもよい。この特定の例では、第1セル12a、第2セル12b及び第3セル12cは、フォトダイオードを備える。フォトダイオードは、まず互いに並列に接続され、これによりセル12a、12b、12cが形成され、その後、各フォトダイオード、すなわち各セル12a、12b、12cが互いに直列に接続されている。
【0008】
しかしながら、このような構成は、意図しない電気的短絡が発生した場合、2端子デバイスの性能に大きな影響が見られるという欠点がある。さらに、図1に示されるような従来の基板では、使用中にフォトダイオードの一部が影になり、1つ以上のセル12a、12b、12cのフォトダイオードが光エネルギを電気エネルギに変換できない場合に備えて、典型的には、1つ以上のセル12a、12b、12cの周囲に電気経路を設けるためにバイパスダイオード(図示せず)が必要である。すなわち、デバイスの一部が遮光されると、1つ以上のセル12a、12b、12cが機能しなくなる可能性がある。デバイスの一部が遮光されている場合、基板全体の性能が低下し、いくつかの例では、これが基板に損傷を与える可能性がある。したがって、バイパスダイオードは、典型的には、機能しないセル12a、12b、12cの周囲に代替の電流経路を提供することによって、これらの欠点を軽減するために設けられる。
【0009】
この問題に対する1つの解決策は、交差指状の溝配置(interdigitated grooved arrangement)を用いて、溝のセクション同士を互いに並列に接続することである。しかしながら、このような構成では、各セルを直列に配線して単一のモジュールを提供する必要があり、商業的に望ましくない。
【0010】
改善された解決策を得る試みとして、2端子デバイス用の更なる溝付き基板が開発された。そのような溝付き基板には、複数の一連の溝(series of grooves)が設けられ、1つの一連の溝内の各溝は直列に(一連に)接続され、各一連の溝は互いに並列又は直列に接続されている。隣接する一連の溝は、チャネルなどの区切り機構(delineation feature)によって、互いに電気的に分離される。区切り機構は、典型的には、区切り機構の一端において第1の一連の溝の1つ以上の溝を横断し、又は交差し、区切り機構の他端において第2の一連の溝の1つ以上の溝を横断し、又は交差している。このようにして、溝を適切な材料でコーティングして充填し、2端子デバイスを形成すると、一連の溝における溝は、基板の表面にわたって電気的に直列接続される。これにより、基板の機械方向に電圧を付加することができる。したがって、一連の溝内の溝の数を変えることにより、2端子デバイスの出力電圧を制御することができる。
【0011】
さらに、区切り機構は、隣接する一連の溝同士を電気的に絶縁する。2端子デバイスの第1端子及び第2端子は、基板の対向する側に設けられ、各一連の溝から電荷を取り出すように配置される。第1端子は、一連の溝の最初の溝に電気的に接続され、第2端子は、同じ一連の溝の最後の溝に電気的に接続される。
【0012】
溝付き基板を有するこのような2端子デバイスは、他の既知の2端子デバイスよりも効率的で安価に製造される傾向があるが、このような溝付き基板は、製造欠陥が発生しやすい場合がある。具体的には、そのような溝付きデバイスの製造中に、一連の溝内の各溝の間に電気接続をもたらすことができるように、溝が充填される。しかし、そのようなステップが溝の形成後に実施される場合、充填材料は、チャネルなどの区切り機構にも蓄積される。そのため、意図せずチャネル内に充填材料が溜まってしまい、チャネルを介して電気接続がもたらされる。この結果、隣接する一連の溝が電気的に接続され、電気的に短絡することがよくある。これは、装置の効率を著しく低下させるため、従来は非常に好ましくないと考えられていた。このような問題を克服するために、製造業者は、区切り機構内に蓄積される充填材料の量を適正化しようとしているが、これには時間と費用がかかり、効果が得られないことが少なくない。
【0013】
しかしながら、本発明者らが非常に驚いたことに、隣接する並列又は直列に接続されたセル間が電気的に接続された2端子デバイスが商業的に製造可能であるだけでなく、実際、本明細書でさらに説明するように、そのような2端子デバイスに利点があることが見出された。
【0014】
従って、本発明の目的は、前述の問題の少なくとも1つ以上を低減する2端子デバイスを提供することである。
【0015】
本明細書で使用されるように、用語「セル」は、電気エネルギを提供し、特に、ある種類のエネルギ、例えば光、化学などのエネルギを、電気エネルギに変換するコンポーネントを説明するために使用される。セルは、本明細書に記載されるように、任意選択で一連の溝として提供される1つ以上の溝を有してもよい。また、セルは、溝の間又は一連の溝の間の1つ以上の接続部分と、溝から電荷を取り出す手段とを備えてもよい。
【0016】
本明細書で使用されるように、「溝」という用語は、基板における凹部(depression)、くぼみ(indentation)、エッチング溝(etch)などを説明するために使用される。溝は、概して、細長い長さ、幅及び深さを有する。溝は、その第1の面及び第2の面上をコーティングされ、材料で充填されており、それによって適切なセルが提供され得る。
【0017】
本明細書で使用されるように、「抵抗要素(resistive element)」という用語は、抵抗を有する要素を説明するために使用される。抵抗要素の抵抗は、第3の特性抵抗に寄与する。例えば、抵抗要素は、接続部分に高い抵抗を付与することができる。
【0018】
本明細書で使用されるように、用語「チャネル」は、抵抗要素の一例を説明するために使用される。チャネルは、基板における凹部、窪み、エッチング溝等の形態をとることができる。チャネルは、概して、細長い長さ、幅及び深さを含み、チャネルの幅又は深さは、溝の深さより大きい。
【0019】
本明細書で使用されるように、用語「アスペクト比」は、ある形状の幅と深さとの比率を説明するために使用される。アスペクト比は、幅:深さ又は幅/深さとして示される。
【0020】
本発明の一態様によれば、基板を備える2端子デバイスが提供される。基板は、
第1の特性抵抗を有する第1セルと、基板のウェブ(web)方向に沿って第1セルから間隔を空けて配置され、第2の特性抵抗を有する第2セルと、
第1端子及び第2端子であって、各端子は、横方向における基板の対向する縁部の方に、又は対向する縁部に(towards or at opposing edges)形成されており、各端子は第1セル及び第2セルと電気的に連通している、第1端子及び第2端子と、
第1セルと第2セルとの間にあり、第3の特性抵抗を有する接続部分と、
を備え、
第3の特性抵抗は、第1の特性抵抗及び第2の特性抵抗の少なくとも一方よりも大きいか又は等しく、第1セル又は第2セルからの電荷は、接続部分を介して第1セルと第2セルとの間を移動されるよりも優先して、第1端子又は第2端子で取り出し可能である。
【0021】
2端子デバイスは、第1端子及び第2端子を有する任意の適切なデバイスであってよい。2端子デバイスは、光電子デバイスであってもよい。光電子デバイスは、光エネルギを電気エネルギに変換するデバイス、及び/又は電気エネルギを光エネルギに変換するデバイスとして定義されることがある。光エネルギという用語は、一般に、電磁スペクトル内の任意の波長の光を定義するために使用される。いくつかの例では、光エネルギは、UV光、可視光及び/又は赤外線を含んでもよい。いくつかの例では、光エネルギは、10nmから1mmまでの波長を有する電磁放射線を含んでもよい。
【0022】
基板は、フレキシブル基板であり得る。フレキシブル基板は、可撓性材料のウェブから構成され得る。基板は、基板の幅に沿った方向である横方向と、基板の細長い長さに沿った方向であるウェブ方向とを有することができる。ウェブ方向は、長手方向(縦方向)又は機械方向とみなされてもよい。基板は、ウェブ方向に所定の長さ、横方向に所定の幅、及び、所定の深さを有していてもよい。
【0023】
フレキシブル基板は、1つ(一続き)の連続的なフレキシブル基板として提供されてもよい。いくつかの例では、1つの連続的なフレキシブル基板は、ロール又はロールコア上に提供される。これにより、ロール・ツー・ロールの連続製造が可能になり、よりコスト及び労働効率の高い製造工程が提供される。いくつかの特定の例では、1つの連続的なフレキシブル基板の長さは6000mまでであり、すなわち6000m以下である。
【0024】
第1セル及び第2セルは、任意の適切な電気セル、すなわち、1つの形態のエネルギを電気又は電気エネルギに変換することができるデバイスであってよい。第1セル及び第2セルは、独立して、太陽光発電セルのような光電子セルであってもよい。あるいは、第1セル及び第2セルは、それぞれ独立して、コンデンサ(capacitor)又はバッテリであってもよい。第1セル、第2セル、又は第1セル及び第2セルの両方は、1つ以上の溝、又は1つ以上の一連の溝を含んでもよい。それらの任意の組み合わせが意図されてもよい。第1セル及び第2セルは、基板のウェブ方向に沿って、又は基板の横方向に沿って、間隔を空けて配置されてもよい。第1端子及び第2端子は、横方向における基板の対向する縁部の方(縁部の近く)又は縁部に形成されてもよく、又はウェブ方向にわたって形成されてもよい。
【0025】
いくつかの例では、接続部分は、第1セルと第2セルとの間の領域の実質的に全て、又は全てにわたって形成されてもよい。すなわち、いくつかの例では、接続部分は、基板のウェブ方向に沿って第1セルと第2セルとを接続してもよい。接続部分は、第1セルと第2セルとの間の電気的接続を提供してもよい。あるいは、接続部分は、第1セルと第2セルとの間の電気的接続を妨げてもよい。いくつかの例において、接続部分は、第1セルと第2セルとの間の電気的接続を提供してもよいが、電荷は、好ましくは、第1端子と第2端子とに流れる。すなわち、電荷は、使用中に、第1セルと第2セルとの間で移動される電荷よりも優先的に、第1端子及び第2端子で取り出されるなどされる。この優先順位は、概ね、第1の特性抵抗、第2の特性抵抗、又は第1の特性抵抗と第2の特性抵抗との両方に対する第3の特性抵抗の関数で表される。
【0026】
驚くべきことに、本発明者らは、接続部分、特に接続部分にある抵抗要素が、抵抗器と並列な逆バイアスダイオードとして機能することを見出した。このように、電気経路は接続部分を横切るように設けられているが、接続部分を横切る電荷の移動よりも優先して、セルからの電荷を端子において取り出すことが可能である。
【0027】
特性抵抗という用語は、最大電力点での電流で割った電圧の関数として抵抗を定義するために使用される。特性抵抗は、次のように定義することができる。
【数1】
【0028】
これにより、第1セルと第2セルとの間の電気的短絡が防止されるという利点が得られる。特に、第1セルと第2セルとの間に電気的短絡が生じるなどの製造上の不具合を最小限に抑えることができる。より詳細には、第3の特性抵抗は、端子において電荷が依然として取り出し可能であるように与えられるので、製造プロセス中に電気的短絡を発生させないように注意をあまり払わなくてもよい、改善された製造プロセスが提供され得る。すなわち、第1セルと第2セルとを電気的に接続する接続部分を設けることで、製造プロセス中にユーザが介入する必要なく、第1セルと第2セルとの間の電気的短絡を確実に防止することができる。したがって、より効率的及び/又は信頼性の高い2端子デバイスを形成することができる。
【0029】
ある実施形態において、第3の特性抵抗は、第1の特性抵抗及び第2の特性抵抗の少なくとも一方よりも大きい。
【0030】
すなわち、第3の特性抵抗は、第1の特性抵抗、第2の特性抵抗、又は第1及び第2の特性抵抗の両方よりも大きくてもよい。
【0031】
ある実施形態において、第3の特性抵抗は、第1の特性抵抗及び第2の特性抵抗の少なくとも一方よりも少なくとも2倍、好ましくは少なくとも5倍、さらに好ましくは少なくとも10倍大きい。
【0032】
いくつかの例では、第3の特性抵抗は、第1の特性抵抗及び第2の特性抵抗の少なくとも一方の2倍から100倍大きい。いくつかの例では、第3の特性抵抗は、第1の特性抵抗及び第2の特性抵抗の少なくとも一方よりも2倍から20倍大きい。いくつかの例では、第3の特性抵抗は、第1の特性抵抗と第2の特性抵抗の少なくとも一方よりも5倍から10倍大きい。本明細書では、任意の範囲の組み合わせが意図される。例えば、第3の特性抵抗は、第1の特性抵抗及び第2の特性抵抗の少なくとも一方よりも2倍、5倍、10倍、又は20倍から、5倍、10倍、20倍、又は50倍大きくてもよい。また、その間の任意の整数も意図される。さらに、第3の特性抵抗は、第1の特性抵抗及び第2の特性抵抗の少なくとも一方の、2倍、5倍、10倍、20倍、50倍、又は100倍大きくてもよい。
【0033】
従って、第3の特性抵抗は、第1の特性抵抗、第2の特性抵抗、又は第1及び第2の特性抵抗の両方よりも少なくとも2倍大きくてもよい。いくつかの例では、第3の特性抵抗は、第1の特性抵抗、第2の特性抵抗、又は第1及び第2の特性抵抗の両方よりも5倍大きいことが好適であり得る。いくつかの例では、第3の特性抵抗が、第1の特性抵抗、第2の特性抵抗、又は第1の特性抵抗と第2の特性抵抗の両方よりも10倍大きいことが好適であり得る。いくつかの例では、第3の特性抵抗が、第1の特性抵抗、第2の特性抵抗、又は第1の特性抵抗と第2の特性抵抗の両方よりも20倍大きいこと好適であり得る。いくつかの例では、第3の特性抵抗が、第1の特性抵抗、第2の特性抵抗、又は第1の特性抵抗と第2の特性抵抗の両方よりも50倍大きいことが好適であり得る。いくつかの例では、第3の特性抵抗が、第1の特性抵抗、第2の特性抵抗、又は第1の特性抵抗と第2の特性抵抗の両方よりも100倍大きいことが好適であり得る。
【0034】
これにより、製造中に接続部分を横切って電気的短絡が発生する可能性が最小限に抑えられるという利点が得られる。したがって、2端子デバイスの性能が改善され得る。特に、2端子デバイスは、より良い効率及び/又は信頼性を有し得る。
【0035】
ある実施形態において、接続部分は、少なくとも1つの抵抗要素を有する。
【0036】
つまり、基板は、第1セルと第2セルとの間において、接続部分内に少なくとも1つの抵抗要素を備えてもよい。
【0037】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの抵抗要素は、第3の特性抵抗の実質的に一部、大部分、又は全部を提供する。いくつかの実施形態では、各抵抗要素は、組み合わせて、第3の特性抵抗の実質的に一部、大部分、又は全部を提供する。
【0038】
いくつかの実施形態では、電子の移動経路(electron transfer path)は、接続部分内の抵抗要素、又は、それぞれの若しくはいくつかの抵抗要素を横切って形成されてもよい。いくつかの実施形態では、電子の移動経路は、第1セルと第2セルとの間から、接続部分内の抵抗要素、又は、それぞれの若しくは全ての抵抗要素を横切って形成されている。
【0039】
これにより、第3の特性抵抗は、少なくとも1つの抵抗要素の構造的特性の関数として、変更され(modified)得るという利点を提供する。例えば、第3の特性抵抗は、少なくとも1つの抵抗要素の数、サイズ、構造などの関数として変更され得る。つまり、第3の特性抵抗は、少なくとも1つの抵抗要素の関数として調整され得る。
【0040】
ある実施形態では、少なくとも1つの抵抗要素は、基板の峰部(peak)、基板の不連続な非絶縁性コーティング、及び/又は基板の轍状部分を有する。
【0041】
すなわち、ある実施形態において、少なくとも1つの抵抗要素は、基板の1つ以上の峰部から構成されてもよいし、1つ以上の峰部を有してもよいし、1つ以上の峰部であってもよい。1つ以上の峰部は、基板に形成された1つ以上の突起(projections)、凸部(protrusions)などである。
【0042】
代替的に、又は追加的に、少なくとも1つの抵抗要素は、基板の不連続な非絶縁性コーティングから構成されてもよいし、基板の不連続な非絶縁性コーティングを有してもよいし、あるいは、基板の不連続な非絶縁性コーティングであってもよい。すなわち、基板上に非絶縁性コーティングを堆積させて、1つ以上の抵抗要素を得ることができる。非絶縁性コーティングは、ウェブ方向において基板にわたって不連続性(discontinuity)があるという点で、不連続であってもよい。不連続な非絶縁コーティングは、基板の別のコーティングの一部分をエッチング又は除去して、非絶縁コーティングを露出させることによって形成されてもよい。非絶縁性コーティングは、ウェブ方向において基板にわたって不連続性があるという点で不連続であってもよい。いくつかの実施形態では、不連続な非絶縁性コーティングは、製造中に接続部分の一領域をマスキングすることによって形成されてもよい。従って、接続部分の一領域に、導電性材料が存在しなくてもよい。
【0043】
代替的に、又は追加的に、少なくとも1つの抵抗要素は、基板の轍状部分から構成されてもよいし、基板の轍状部分を有してもよいし、又は基板の轍状部分であってもよい。すなわち、ある実施形態では、接続部分は、1つ以上の轍状部分又は轍状の領域を有していてもよい。轍状部分は、ギザギザの(jagged)表面、凹凸のある(undulated)表面、うねりのある(undulated)表面等として定義されてもよい。
【0044】
ある実施形態では、少なくとも1つの抵抗要素は、基板内のチャネルを有している。
【0045】
すなわち、少なくとも1つの抵抗要素は、基板内のチャネルから構成されてもよいし、基板内のチャネルを有してもよいし、基板内のチャネルとして形成されてもよい。チャネルは、基板におけるくぼみ(indentation)又はエッチ溝(etch)等とみなすことができる。
【0046】
これによって、第1セル及び第2セルが、互いに電気的に分離され、又は実質的に電気的に分離され得るという利点が得られる。言い換えれば、第1セル及び第2セルは、第3の特性抵抗を介して直列に接続されている。
【0047】
ある実施形態では、チャネルは、轍状の基部(rutted-base)、轍状の壁及び/又はチャネル内の非導電性電気絶縁体材料を有する。
【0048】
すなわち、いくつかの例では、チャネルは、轍状の底部又は轍状の基部を有してもよい。つまり、チャネルの底部又は基部は、底部又は基部がギザギザである、凹凸がある、うねりがある等の点で、轍状であってもよい。
【0049】
追加的又は代替的に、チャネルは、轍状の壁を有してもよい。すなわち、チャネルの壁は、壁がギザギザである、凹凸がある、うねりがある等の点で、轍状であってもよい。
【0050】
これにより、第1セルと第2セルとの間の電子の移動経路を増加させることができ、したがって第3の特性抵抗を増加させ、製造プロセス中における電気的短絡の発生を防ぐことができるという利点が得られる。さらに、第3の特性抵抗は、轍状の壁又は轍状の底部の構造的特性の関数として変更され得る。例えば、第3の特性抵抗は、轍状の壁又は轍状の底部の数、大きさ、構造などの関数として変更され得る。つまり、第3の特性抵抗は、轍状の壁又は轍状の底部の関数として調整され得る。
【0051】
追加的又は代替的に、チャネルは、チャネル内に非導電性の電気絶縁体材料を有してもよい。非導電性の電気絶縁体は、チャネルを部分的に、チャネルの大部分を、又はチャネルを全体的に充填してもよい。
【0052】
これにより、第1セルと第2セルとの間の電子の移動経路を増加させることができ、したがって第3の特性抵抗を増加させ、製造プロセス中における電気的短絡の発生を防止することができるという利点が得られる。さらに、第3の特性抵抗は、非導電性の電気絶縁体材料の構造的特性の関数として変更され得る。例えば、第3の特性抵抗は、非導電性電気絶縁体材料の量、大きさ、構造などの関数として変更され得る。すなわち、第3の特性抵抗は、非導電性電気絶縁体材料の関数として調整され得る。
【0053】
ある実施形態において、チャネルは、少なくとも1:1.6のアスペクト比を有する。
【0054】
すなわち、ある実施形態では、チャネルは、1:1.6又は1:1.6よりも大きい、例えば1:1.8、1:1.9、1:2.0などのアスペクト比を有してもよい。アスペクト比という用語は、幅と深さとの比率を定義するために使用される。したがって、少なくとも1:1.6のアスペクト比は、チャネルの幅:深さを指して、1:1.6又はそれよりも大きい比率とみなすことができる。つまり、チャネルの深さは、チャネルの幅よりも大きくてもよい。
【0055】
これにより、第1セルから第2セルへの、電子の移動経路が長くなり、したがって、基板の第3の特性抵抗が増加するという利点が得られる。したがって、基板の第3の特性抵抗が調整され得る。
【0056】
ある実施形態において、チャネルは、少なくとも1.6:1のアスペクト比を有する。
【0057】
これにより、チャネルの幅方向の電子の移動経路が増加し、したがってチャネルによって形成されるギャップを電子が「ホップ」する可能性が低くなるという利点が得られる。
【0058】
ある実施形態において、第1セルは、少なくとも1つの第1溝を含み、及び/又は第2セルは、少なくとも1つの第2溝を含む。
【0059】
すなわち、ある実施形態において、第1セルは少なくとも1つの溝、又は少なくとも1つの第1溝を有する。第2セルは少なくとも1つの溝、又は少なくとも1つの第2溝を有する。又は、第1セルは少なくとも1つの溝、又は少なくとも1つの第1溝を有し、かつ、第2セルは少なくとも1つの溝、又は少なくとも1つの第2溝を有する。
【0060】
「溝」という用語は、基板における凹部(depression)、くぼみ(indentation)、エッチング溝(etch)などを定義するために使用されてもよい。溝又は各溝は、深さ又はアスペクト比においてチャネルと異なってもよい。例えば、溝は、チャネルよりも小さい深さを有していてもよい。例えば、溝は、約1:1、1:1.1、1:1.2、1:1.2以下、又は少なくとも1:1.2のアスペクト比を有し得る。例えば、溝は、チャネルのアスペクト比よりも小さいアスペクト比を有していてもよい。
【0061】
いくつかの例では、少なくとも1つの溝は、複数の平行部分(parallel sections)を有する単一の溝から構成されてもよい。複数の平行部分は対向する端部で接合され、これにより、実質的に繰り返されるS字形状が形成されてもよい。
【0062】
これにより、2端子デバイスの電流が、少なくとも1つの第1溝の長さ及び/又は少なくとも1つの第2溝の長さによって制御され得るという利点が得られる。特に、電圧付加(voltage addition)は、少なくとも1つの第1溝及び/又は少なくとも1つの第2溝のウェブ方向に沿って発生し得る。したがって、少なくとも1つの第1溝及び/又は少なくとも1つの第2溝の長さを増加又は減少させることによって、2端子デバイスの出力電圧が制御され得る。したがって、これによって、2端子デバイスが調整可能であるという利点が得られる。
【0063】
ある実施形態では、チャネルは、少なくとも1つの第1溝及び/又は少なくとも1つの第2溝の一部分を横断している。
【0064】
すなわち、チャネルは、少なくとも1つの第1溝、少なくとも1つの第2溝、又は少なくとも1つの第1溝と少なくとも1つの第2溝との両方の一部、ほとんど、又は全ての一部又は一部分を、横断又は交差してもよい。
【0065】
これにより、少なくとも1つの第1溝及び/又は少なくとも1つの第2溝がウェブ方向に電気的に接続され、したがって電圧付加(電圧加算)を可能にする一方で、少なくとも1つの第1溝(すなわち第1セル)を少なくとも1つの第2溝(すなわち第2セル)から電気的に絶縁するという利点が得られる。
【0066】
ある実施形態において、第1セルは少なくとも1つの第1溝を有し、及び/又は第2セルは少なくとも1つの第2溝を有する。チャネルは、少なくとも1つの第1溝の一部分及び/又は少なくとも1つの第2溝の一部分を横断している。
【0067】
すなわち、ある実施形態では、第1セルが少なくとも1つの溝を有するか、第2セルが少なくとも1つの第2溝を有するか、又は、第1セルが少なくとも1つの第1溝を有するとともに第2セルが少なくとも1つの第2溝を有する。さらに、ある実施形態において、チャネルは、少なくとも1つの第1溝の一部分を横断するか、少なくとも1つの第2溝の一部分を横断するか、又は少なくとも1つの第1溝の一部分及び第2溝の一部分の両方を横断する。チャネルは、少なくとも1つの第1溝及び/又は少なくとも1つの第2溝のいくつか、一部、ほとんど、又は全てを横断してもよい。
【0068】
ある実施形態において、第1セルは、第1の一連の溝を有し、及び/又は、第2セルは、第2の一連の溝を有する。
【0069】
すなわち、ある実施形態において、第1セルが第1の一連の溝を有するか、第2セルが第2の一連の溝を有するか、又は、第1セルが第1の一連の溝を有するとともに第2セルが第2の一連の溝を有する。
【0070】
第1の一連の溝は、任意の数の溝を有する。第1の一連の溝は、第1の終端溝及び第2の終端溝を有してもよい。第1の一連の溝の各溝は、基板の横方向に延在してもよい。第1の一連の溝の各溝は、平行に延在していてもよい。第1の一連の溝内において、第1の終端溝と第2の終端溝との間には、任意の数の溝が設けられ得る。第1の終端溝は、第1の一連の溝の一端、すなわち第1端部、例えば遠位端で終端するか、又は第1の一連の溝の終端を形成してもよい。第2の終端溝は、他端、すなわち第2端部、例えば近位端において、第1の一連の溝を終端させるか、又は第1の一連の溝の終端を形成してもよい。遠位端及び近位端は、基板のウェブ方向に交差する第1の一連の溝の端部を示す。
【0071】
第2の一連の溝は、任意の数の溝を有する。第2の一連の溝は、第1の終端溝及び第2の終端溝を有してもよい。第2の一連の溝の各溝は、基板の横方向に延在してもよい。第2の一連の溝の各溝は、平行に延在していてもよい。第2の一連の溝の各溝は、第1の一連の溝の各溝と平行であってもよい。第2の一連の溝内において、第1の終端溝と第2の終端溝との間には任意の数の溝が設けられ得る。第1の終端溝は、第2の一連の溝の一端、すなわち第1端部、例えば遠位端で終端するか、又は第2の一連の溝の終端を形成してもよい。第2の終端溝は、他端、すなわち第2端部、例えば近位端において、第2の一連の溝を終端させるか、又は第2の一連の溝の終端を形成してもよい。遠位端及び近位端は、基板のウェブ方向に交差する第2の一連の溝の端部を示す。第1の終端溝及び第2の終端溝はそれぞれ、基板の接続部分に近接していてもよい。
【0072】
第1の一連の溝の第2の終端溝と第2の一連の溝の第1の終端溝とは、接続部分によって分離され、又は、接続部分によって間隔を空けて配置されていてもよい。すなわち、第1の一連の溝と第2の一連の溝との間に接続部分が存在してもよい。
【0073】
第1の一連の溝及び第2の一連の溝は、それぞれ、第1の特性抵抗及び第2の特性抵抗を有していてもよい。第3の特性抵抗は、第1の特性抵抗、第2の特性抵抗、又は第1の特性抵抗及び第2の特性抵抗の両方よりも大きくてもよい。第3の特性抵抗は、第1の特性抵抗、第2の特性抵抗、又は第1の特性抵抗と第2の特性抵抗の両方に等しいか、又は実質的に等しくてもよい。
【0074】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの第1溝及び/又は少なくとも1つの第2溝は、第1の面において第1の材料でコーティングされてもよく(coated with)、第2の面において第2の材料でコーティングされてもよく、及び/又は、少なくとも部分的に、好ましくはほとんど又は完全に、第3の材料で充填されてもよい。
【0075】
すなわち、少なくとも1つの第1溝及び/又は少なくとも1つの第2溝の第1の面は、第1の材料でコーティングされている。少なくとも1つの第1溝及び/又は少なくとも1つの第2溝の第2の面は、第2の材料でコーティングされている。少なくとも1つの第1溝及び/又は少なくとも1つの第2溝は、少なくとも部分的に第3の材料で充填されている。ある実施形態では、上記溝又は複数の溝は、第3の材料が第1の面及び/又は第2の面上に堆積された第1の材料及び/又は第2の材料に接触する程度に、第3の材料で充填される。
【0076】
いくつかの実施形態では、第1の一連の溝の一部分及び/又は第2の一連の溝の一部分は、第1の面において第1の材料でコーティングされてもよく、第2の面において第2の材料でコーティングされてもよく、及び/又は、少なくとも部分的に、好ましくは大部分又は全体的に、第3の材料で充填されてもよい。
【0077】
すなわち、第1の一連の溝及び/又は第2の一連の溝の一部分、好ましくは大部分又は全部、の第1の面は、第1の材料でコーティングされている。第1の一連の溝及び/又は第2の一連の溝の一部分、好ましくは大部分又は全部、の第2の面は、第2の材料でコーティングされている。第1の一連の溝及び/又は第2の一連の溝の一部、好ましくは大部分又は全部は、第3の材料で少なくとも部分的に充填されている。ある実施形態では、上記溝又は複数の溝は、第3の材料が第1の面及び/又は第2の面上に堆積した第1の材料及び/又は第2の材料に接触する程度に、第3の材料で充填される。
【0078】
ある実施形態では、それぞれの溝又は複数の溝の第1の面及び/又は第2の面は、軸外方向コーティングプロセス(off-axis directional coating process)によって、第1の材料及び/又は第2の材料でコーティングされる。
【0079】
これにより、製造中に、溝又は複数の溝の特定の面を選択的にコーティングすることができるという利点が得られる。
【0080】
ある実施形態では、それぞれの溝又は複数の溝は、基板上に第3の材料を印刷することによって少なくとも部分的に充填される。
【0081】
これにより、2端子デバイスをより効率的に製造できるという利点が得られる。
【0082】
ある実施形態では、第1の材料は、非絶縁性材料を含む。
【0083】
いくつかの実施形態では、第1の材料は、導体材料、半導体材料、電子移動層、炭素60(C60、バックミンスターフラーレンとしても知られている)、又はそれらの組み合わせを含む。いくつかの例では、複数の材料が存在してもよい。つまり、少なくとも1つの第1の材料が存在してもよい。いくつかの例では、半導体材料は、金属酸化物を含む。いくつかの例では、金属酸化物は、酸化ニオブ、すなわちNb、又は酸化スズ、すなわち酸化スズ(IV)、SnOを含む。金属酸化物は、適切な材料でドープされてもよい。
【0084】
ある実施形態では、第2の材料は、非絶縁性材料を含む。
【0085】
いくつかの実施形態では、第2の材料は、導体材料、半導体材料、正孔輸送層、又はそれらの組み合わせを含む。いくつかの例では、複数の材料が存在してもよい。つまり、少なくとも1つの第2の材料が存在してもよい。いくつかの例では、半導体材料は、金属酸化物を含む。いくつかの例では、金属酸化物は、酸化ニッケル、すなわち酸化ニッケル(II)、NiO、又は酸化銅、すなわち酸化銅(I)、CuOを含む。金属酸化物は、適切な材料でドープされてもよい。
【0086】
ある実施形態において、第3の材料は、コンデンサ材料、スーパーキャパシタ(supercapacitor)材料、誘電体材料又はペロブスカイト構造材料を含む。
【0087】
第3の材料がペロブスカイト構造材料を含むことが好適であり得る。ペロブスカイト構造材料は、カルシウムチタン酸化物、CaTiOに対応する結晶構造を有する材料、すなわち、ABX、例えばXII2+ VI4+2- の一般化学構造を有する材料である。ここで、A及びBはサイズの異なる2つのカチオン、XはA及びB両方に化学的に結合するアニオンである。
【0088】
好ましい例では、ペロブスカイト構造材料は、1.1eVと2.5eVとの間の光学バンドギャップを有する。
【0089】
好ましい例では、ペロブスカイト構造材料は、三塩化メチルアンモニウム鉛、三臭化物又は三ヨウ化物のような有機三ハロゲン化鉛、三塩化ホルムアミジニウム鉛、三臭化物又は三ヨウ化物のようなホルムアミジニウム三ハロゲン化鉛、三ヨウ化セシウムスズのような三ハロゲン化セシウムスズ、又は上記で概説したABXの一般化学構造を有する別の同様の有機鉛又はハロゲン化スズの組み合わせを含む。
【0090】
ペロブスカイトは一般に地球上に豊富に存在するため、安価に入手することができる。
さらに、ペロブスカイトは低温での加工や製造に適しており、溶液処理にも適しているため、製造上の利点もある。さらに、ペロブスカイトを用いると、一般に、光エネルギを電気エネルギに変換する効率が高い。
【0091】
第1の材料、第2の材料及び第3の材料の任意の組み合わせが、本明細書において意図される。
【0092】
ある実施形態では、チャネルは、第1の一連の溝の一部分及び/又は第2の一連の溝の一部分を横断している。
【0093】
すなわち、チャネルを有する少なくとも1つの抵抗要素が存在するある実施形態では、チャネルは、第1の一連の溝、第2の一連の溝、又は第1の一連の溝と第2の一連の溝の両方のうちの一部分を、つまり1つ、いくつか、ほとんど、又は全部を横断する、交差する、又は横切るなどしている。
【0094】
ある実施形態において、第1セルは第1の一連の溝を有し、及び/又は第2セルは第2の一連の溝を有する。チャネルは、第1の一連の溝の一部分及び/又は第2の一連の溝の一部分を横断している。
【0095】
すなわち、チャネルを有する少なくとも1つの抵抗要素が存在するある実施形態では、チャネルは、少なくとも1つの第1溝、少なくとも1つの第2溝、又は少なくとも1つの第1溝及び少なくとも1つの第2溝の両方のうちの一部分を、つまり、1つ、いくつか、ほとんど、又は全部を横断する、交差する、また横切るなどしている。
【0096】
これにより、第1の一連の溝の部分及び/又は第2の一連の溝の部分がウェブ方向に電気的に接続され、したがって、各一連の溝(すなわち、第1セル及び第2セル)を電気的に分離する一方で、電圧付加が可能になるという利点が得られる。
【0097】
ある実施形態では、チャネルは、第1の一連の溝の全体及び/又は第2の一連の溝の全体を横断している。
【0098】
すなわち、ある実施形態では、チャネルは、第1の一連の溝、第2の一連の溝、又は第1の一連の溝と第2の一連の溝の両方の全体、すなわち全部又は1つ1つを横断している。
【0099】
ある実施形態では、チャネルは、各溝の端部の方で(端部のあたりで)、第1の一連の溝及び/又は第2の一連の溝を横断する。
【0100】
すなわち、チャネルを有する少なくとも1つの抵抗要素が存在するある実施形態では、チャネルは、各溝の端部の方で、第1の一連の溝、第2の一連の溝、又は第1の一連の溝及び第2の一連の溝の両方を横断している。いくつかの例では、チャネルは、第1の一連の溝、第2の一連の溝、又は第1の一連の溝と第2の一連の溝の両方を、各溝の端部で横断している。いくつかの例では、チャネルは、第1の一連の溝の1つの溝又は複数の溝を、各溝又は複数の溝の近位端の方で横断し、チャネルは、第2の一連の溝の1つの溝又は複数の溝を、各溝又は複数の溝の遠位端の方で横断している。
【0101】
ある実施形態において、チャネルは、所定の角度を有する実質的にZ字形状である。
【0102】
すなわち、チャネルは、上方から見たときに、例えば、実質的なZ字形状を形成していてもよい。Z字形チャネルは、実質的に平行に延在する第1領域及び第2領域を有し得る。第1チャネル領域及び第2チャネル領域は、基材のウェブ方向に沿って延在してもよい。第1チャネル領域は、第1の一連の溝の一部分を横断してもよい。第2チャネル領域は、第2の一連の溝の一部分を横断してもよい。実質的なZ字形状を形成するチャネルは、第1領域の一端から第2領域の一端まで延在する第3領域をさらに有してもよい。第3領域は、基板のウェブ方向に延在してもよい。第1の所定角度は、第1領域と第3領域との間に形成されてもよい。第2の所定角度は、第2領域と第3領域との間に形成されてもよい。第1の所定角度は、第2の所定角度と等しくてもよい。このような場合、Z字形チャネルは、所定の角度を有するとみなすことができる。あるいは、第1の所定の角度は、第2の所定の角度と等しくなくてもよい。その場合、Z字形チャネルは、第1の所定の角度と第2の所定の角度とを有するとみなすことができる。
【0103】
いくつかの実施形態では、所定の角度は、又は、第1の所定の角度及び第2の所定の角度は独立して、0度を除き、90度を除く、0度から90度の範囲内である。いくつかの実施形態では、所定の角度は、又は第1の所定の角度及び第2の所定の角度は、0度及び180度を除く0度~180度の範囲内である。いくつかの実施形態では、所定の角度は、又は、第1の所定の角度及び第2の所定の角度は独立して、0度と90度との間である(つまり0度及び90度を除く)。いくつかの実施形態において、所定の角度は、又は、第1の所定の角度及び第2の所定の角度は独立して、30度から60度の範囲であり、30度もしくは60度を含む、又は30度及び60度を含む。いくつかの実施形態では、所定の角度は、又は、第1の所定の角度及び第2の所定の角度は独立して、30度と60度との間である(つまり30度及び60度を除く)。いくつかの実施形態において、所定の角度は、又は、第1の所定の角度及び第2の所定の角度は独立して、40度から50度の範囲であり、40度もしくは50度を含む、又は40度及び50度を含む。いくつかの実施形態では、所定の角度は、又は、第1の所定の角度及び第2の所定の角度は独立して、40度と50度との間である(つまり40度及び50度を除く)。所定の角度は、又は、第1の所定の角度及び第2の所定の角度は独立して、約45度であることが好適であり得る。
【0104】
いくつかの実施形態において、所定の角度は、又は、第1の所定の角度及び第2の所定の角度は独立して、1度、5度、10度、15度、20度、25度、30度、35度、40度、45度、50度、55度、60度、65度、70度、75度、80度、85度、90度、95度、100度、105度、110度、115度、120度、125度、130度、135度、140度、145度、150度、155度、160度、165度、170度、175度、又はその間の任意の整数の下限を有していてもよい。所定の角度、又は、第1の所定の角度及び第2の所定の角度のそれぞれの上限は、5度、10度、15度、20度、25度、30度、35度、40度、45度、50度、55度、60度、65度、70度、75度、80度、85度、90度、95度、100度、105度、110度、115度、120度、125度、130度、135度、140度、145度、150度、155度、160度、165度、170度、175度、179度又はその間の任意の整数であってもよい。当業者には認識されるように、下限と上限との任意の組合せを用いることができる。
【0105】
他の実施形態では、所定の角度は、又は、第1の所定の角度及び第2の所定の角度は独立して、90度より大きい上限を有してもよい。
【0106】
2端子デバイスの製造中、軸外方向コーティングプロセスがしばしば使用される。軸外方向コーティングプロセスでは、溝の一方の面及び区切り機構が選択的にコーティングされる。これは、バッチプロセスではなく連続プロセスとして製造プロセスを実行できるため、このような2端子デバイスのロール・ツー・ロール製造に特に有用である。このような場合、溝の反対側の面は、コーティングされる面に影を落とすので、コーティングされる面の一部分のみが、入ってくる材料によってコーティングされ得る。これは「シャドーイング効果」と呼ばれる。このように、シャドーイング効果によって、溝における面に堆積される材料の量が制御される。シャドーイング効果は、軸外方向コーティングの角度を増減させることで調整され得る。
【0107】
Z字形チャネルによると、このような基板を使用する2端子デバイスの製造中にシャドウイング効果が増加するため、一連の溝とチャネルとの間の界面でコーティングされる材料が少なくなるという利点が得られる。したがって、チャネルの特性抵抗、ひいては基板の第3の特性抵抗が、製造プロセス中に増加する可能性がある。これにより、チャネルを横切る電気的短絡、ひいては第1セルと第2セルとの間の電気的短絡が防止されるという利点が得られる。
【0108】
ある実施形態では、少なくとも1つの抵抗要素は、基板内の複数のチャネルを有する。
【0109】
すなわち、少なくとも1つの抵抗要素は、基板に設けられた1つの、1つ以上の、又は2つ以上の、又は複数のチャネルから構成されてもよく、それらを有してもよく、又はそれらによって形成されてもよい。チャネルは、基板に設けられた窪み又はエッチング溝等として形成されてもよい。抵抗要素は、チャネルと、本明細書に記載の他の種類の抵抗要素、例えば、非導電性の電気絶縁体材料、チャネルの轍状の底部又は轍状の壁などとを有してもよい。
【0110】
これにより、例えば製造中に1つのチャネルに電気的短絡が生じた場合、別のチャネルが存在し、第1セルと第2セルとの間の電気的接続を防止できるという利点が得られる。このように、1つの抵抗素子が意図せずに電気的短絡を発生させた場合に備えて、複数の抵抗素子によって冗長性が確保される。したがって、製造中に電気的短絡が生じる可能性を低減することができる。これにより、より効率的かつ/又は信頼性の高い2端子デバイスを提供することができるという利点が得られる。
【0111】
ある実施形態では、複数のチャネルのうちの1つ以上は、轍状の(わだち掘れた)基部、轍状の壁、及び/又は、チャネル内にある非導電性の電気絶縁体材料を有している。
【0112】
ある実施形態では、複数のチャネルのうちの1つの、いくつかの、ほとんどの、又は全部のチャネルは、轍状の基部、轍状の壁、チャネル内にある非導電性の電気絶縁体材料、又はそれらの任意の組み合わせを有している。
【0113】
いくつかの例では、複数のチャネルのうちの1つの、いくつかの、ほとんどの、又は全部のチャネルは、轍状の底部又は轍状の基部を有してもよい。すなわち、複数のチャネルのうちの1つの、いくつかの、ほとんどの、又は全部のチャネルの底部又は基部は、轍状であってもよい。より具体的には、底部又は基部は、ギザギザである、凹凸がある、うねり(起伏)がある等である。
【0114】
追加的に又は代替的に、複数のチャネルのうちの1つの、いくつかの、ほとんどの、又は全部のチャネルは、轍状の壁を有してもよい。すなわち、複数のチャネルのうちの1つの、いくつかの、ほとんどの、又は全部の壁は、壁にギザギザ、凹凸、うねりがある等である点で轍状であってよい。
【0115】
追加的に又は代替的に、複数のチャネルのうちの1つの、いくつかの、ほとんどの、又は全部のチャネルは、そのチャネル内に非導電性の電気絶縁体材料を有してもよい。非導電性電気絶縁体は、複数のチャネルのうちの1つの、いくつかの、ほとんどの、又は全部のチャネルを部分的に、大部分又は全体的に充填してもよい。
【0116】
これにより、チャネル又は各チャネルの抵抗、ひいては第3の特性抵抗が増加し、それによって第1セルと第2セルとの間に電気的短絡が形成される可能性が低減されるという利点が得られる。さらに、第3の特性抵抗は、チャネル又は各チャネルの一部として、又はチャネル内に形成された抵抗要素の数及びタイプに基づいて調整され得る。
【0117】
ある実施形態において、複数のチャネルのうちの1つ以上は、少なくとも1:1.6のアスペクト比を有する。すなわち、ある実施形態では、複数のチャネルのうちの1つの、いくつかの、ほとんどの、又は全部のチャネルは、例えば、1:1.8、1:1.9、1:2.0などの1:1.6以上のアスペクト比を有していてもよい。アスペクト比という用語は、幅と深さとの比率を定義するために使用される。したがって、少なくとも1:1.6のアスペクト比は、複数のチャネルのうちの1つの、いくつかの、ほとんどの、又は全部のチャネルの幅:深さを指して、1:1.6又はそれ以上の比率とみなすことができる。従って、複数のチャネルのうちの1つの、いくつかの、ほとんどの、又は全部のチャネルの深さは、それぞれのチャネルの幅よりも大きくてもよい。
【0118】
これにより、アスペクト比が増加するにつれて、第1セルと第2セルとの間の電子移動経路が増加するという利点が得られる。すなわち、第1セルと第2セルとの間の電子移動経路は、チャネル又は複数のチャネルのアスペクト比の関数として増加する。従って、第3の特性抵抗は、チャネル又は複数のチャネルのアスペクト比の関数として増加する。このようにして、第3の特性抵抗は、1つのチャネル又は複数のチャネルのアスペクト比の関数として変更、又は調整され得る。
【0119】
ある実施形態では、複数のチャネルの1つ以上は、少なくとも1.6:1のアスペクト比を有する。
【0120】
ある実施形態では、複数のチャネルのうちの1つの、いくつかの、ほとんどの、又は全部のチャネルは、例えば1.8:1、1.9:1、2.0:1などの、1.6:1以上のアスペクト比を有してよい。アスペクト比という用語は、幅と深さとの比率を定義するために使用される。したがって、少なくとも1.6:1のアスペクト比は、複数のチャネルのうちの1つの、いくつかの、ほとんどの、又は全部のチャネルの幅:深さを指して、1.6:1又はそれ以上の比率とみなすことができる。従って、複数のチャネルのうちの1つの、いくつかの、ほとんどの、又は全部のチャネルの幅は、それぞれのチャネルの深さよりも大きくてもよい。
【0121】
これにより、アスペクト比が増加するにつれて、第1セルと第2セルとの間の電子移動経路が増加するという利点が得られる。すなわち、第1セルと第2セルとの間の電子移動経路は、チャネル又は複数のチャネルのアスペクト比の関数として増加する。従って、第3の特性抵抗は、チャネル又は複数のチャネルのアスペクト比の関数として増加する。このようにして、第3の特性抵抗は、チャネル又は複数のチャネルのアスペクト比の関数として変更、又は調整され得る。ある実施形態において、第1セルは少なくとも1つの第1溝を有し、及び/又は第2セルは少なくとも1つの第2溝を有し、各チャネルは少なくとも1つの第1溝及び/又は少なくとも1つの第2溝を横断している。
【0122】
ある実施形態では、第1セルは少なくとも1つの第1溝を有するか、第2セルは少なくとも1つの第2溝を有するか、又は、第1セルが少なくとも1つの第1溝を有するとともに第2セルが少なくとも1つの第2溝を有する。さらに、ある実施形態では、チャネルの1つ以上、いくつか、ほとんど、各々又は全部が、少なくとも1つの第1溝を横断しているか、少なくとも1つの第2溝を横断しているか、又は少なくとも1つの第1溝及び少なくとも1つの第2溝の両方を横断している。
【0123】
これにより、チャネルの1つがその電気的分離に失敗した場合に備えて、第1セルと第2セルの間の電気的短絡を防ぐように接続部分に冗長性が構築されていることに加えて、第3の特性抵抗が調整可能であるという利点が得られる。さらに、このような配置によって、溝と端子との間の横断領域(transection region)を介した電気的短絡を防止することができる。すなわち、一連の溝と隣接する端子との間の電気的な分離が達成されるように、チャネルは溝を横断してもよい。したがって、より効率的かつ/又は信頼性の高い2端子デバイスが提供され得る。
【0124】
ある実施形態では、第1セルは第1の一連の溝を有し、及び/又は第2セルは第2の一連の溝を有する。各チャネルは第1の一連の溝の一部分及び/又は第2の一連の溝の一部分を横断している。
【0125】
ある実施形態において、第1セルは第1の一連の溝を有し、又は第2セルは第2の一連の溝を有し、又は第1セルが第1の一連の溝を有し且つ第2セルが第2の一連の溝を有する。上述したように、第1の一連の溝及び第2の一連の溝は、任意の数の溝を有してよく、終端溝(terminal grooves)を有してよい。さらに、ある実施形態では、チャネルの1つ以上、いくつか、ほとんど、各々又は全てが、第1の一連の溝、第2の一連の溝、又は第1の一連の溝及び第2の一連の溝の両方の一部分(すなわち、1つ、いくつか、ほとんど、又は全部)を横断している。各チャネルは、第1の一連の溝及び/又は第2の一連の溝の全体を横断してもよい。
【0126】
これにより、チャネルの1つがその電気的分離に失敗した場合に備えて、第1セルと第2セルの間の電気的短絡を防ぐように接続部分に冗長性が構築されていることに加えて、第3の特性抵抗が調整可能であるという利点が得られる。さらに、このような配置によって、溝と端子との間の横断領域を介した電気的短絡を防止することができる。すなわち、一連の溝と隣接する端子との間の電気的な分離が達成されるように、チャネルが溝を横断してもよい。したがって、より効率的かつ/又は信頼性の高い2端子デバイスが提供され得る。
【0127】
ある実施形態では、各チャネルは、各溝の端部の方で、第1の一連の溝及び/又は第2の一連の溝を横断している。
【0128】
ある実施形態では、各チャネル、すなわち1つ以上の、いくつかの、ほとんどの、又は全部のチャネルは、第1の一連の溝、第2の一連の溝、又は第1の一連の溝及び第2の一連の溝の両方を、それぞれの溝の端部の方で横断している。いくつかの例では、各チャネルは、各溝の端部において、第1の一連の溝及び/又は第2の一連の溝を横断している。
【0129】
ある実施形態において、複数のチャネルは、第1のチャネル特性抵抗を有する第1チャネルと、第2のチャネル特性抵抗を有する第2チャネルとを含む。第1のチャネル特性抵抗及び第2のチャネル特性抵抗は、第3の特性抵抗の実質的に全部を提供する。
【0130】
すなわち、ある実施形態では、複数のチャネルは、第1チャネルと第2チャネルとを含む。第1チャネルは、第1のチャネル特性抵抗を有してもよい。第2チャネルは、第2のチャネル特性抵抗を有していてもよい。第1のチャネル特性抵抗と第2のチャネル特性抵抗は、それらの組み合わせることにより、第3の特性抵抗の実質的に全部、又は第3の特性抵抗の全部を提供することができる。
【0131】
これにより、第3の特性抵抗は、第1チャネル及び第2チャネルの特性抵抗に応じて調整可能であるという利点が得られる。
【0132】
ある実施形態において、複数のチャネルは、第3のチャネル特性抵抗を有する第3チャネルをさらに含む。第1チャネル特性抵抗、第2チャネル特性抵抗及び第3チャネル特性抵抗は、第3の特性抵抗の実質的に全部を提供する。
【0133】
ある実施形態では、複数のチャネルは、第1チャネル、第2チャネル、及び第3チャネルを含む。第1チャネルは、第1のチャネル特性抵抗を有してもよい。第2チャネルは、第2のチャネル特性抵抗を有してもよい。第3チャネルは、第3のチャネル特性抵抗を有してもよい。第1のチャネル特性抵抗、第2のチャネル特性抵抗、及び第3のチャネル特性抵抗は、それらを組み合わせることによって、第3の特性抵抗の実質的に全部、又は全部を提供してもよい。
【0134】
これにより、さらなるチャネルを設けることによって、第3の特性抵抗をさらに調整することができるという利点が得られる。さらに、追加のチャネル設けることによって、第3の特性抵抗を増加させることができる。
【0135】
ある実施形態では、チャネル、又は複数のチャネルの各チャネルは、所定の角度を有する実質的にZ字形状である。
【0136】
ある実施形態では、複数のチャネルの各チャネルは、所定の角度を有する実質的にZ字形状である。
【0137】
Z字形チャネル又は複数のZ字形チャネルは、Z字形チャネルに関連して上述した任意の特徴を有してもよい。
【0138】
ある実施形態では、2端子デバイスは、
複数のチャネルの各チャネルをそのチャネルの遠位端で横断し、少なくとも1つの第1溝を横断する第1横断チャネルと、
複数のチャネルの各チャネルをそのチャネルの近位端で横断し、少なくとも1つの第2溝を横断する第2横断チャネルと、をさらに備える。
【0139】
すなわち、ある実施形態において、第1セルは少なくとも1つの第1溝を有し、第2セルは少なくとも1つの第2溝を有し、基板はさらに、複数のチャネルの各チャネルをそのチャネルの遠位端で横断し、かつ、少なくとも1つの第1溝を横断する第1横断チャネルと、複数のチャネルの各チャネルをそのチャネルの近位端で横断し、かつ、少なくとも1つの第2溝を横断する第2横断チャネルと、を有する。
【0140】
すなわち、ある実施形態では、複数のチャネルが設けられてもよく、各チャネルは、その遠位端を第1横断チャネルによって横断され、かつ、各チャネルは、その近位端を第2横断チャネルによって横断されてもよい。第1横断チャネルは、少なくとも1つの第1溝を横断してよい。第2横断チャネルは、少なくとも1つの第2溝を横断してもよい。複数のチャネルは、基板の横方向に延在してもよい。第1横断チャネル及び第2横断チャネルは、基板のウェブ方向に延在してもよい。第1横断チャネル、第2横断チャネル、又は第1横断チャネルと第2横断チャネルの両方は、複数のチャネルの各チャネルに対して垂直に延在してもよい。
【0141】
これにより、各溝の端部を横切る電気的短絡が実質的に防止されるという利点が得られる。ある実施形態において、第1横断チャネルは、複数のチャネルの各チャネルをそのチャネルの遠位端で横断し且つ第1の一連の溝の一部分を横断し、及び/又は、第2横断チャネルは、複数のチャネルの各チャネルをそのチャネルの近位端で横断し且つ第2の一連の溝の一部分を横断している。
【0142】
ある実施形態において、第1横断チャネルは、第1の一連の溝の全体を横断し、及び/又は、第2横断チャネルは、第2の一連の溝の全体を横断している。
【0143】
ある実施形態では、第1横断チャネル及び/又は第2横断チャネルは、各溝の端部の方(端部の辺り)で、それぞれの溝又は複数の溝を横断している。
【0144】
ある実施形態において、複数のチャネルは、第1チャネル及び第2のチャネルを含み、第1横断チャネルは、第1チャネル及び第2チャネルの遠位端で第1チャネル及び第2のチャネルを横断し、第2横断チャネルは、第1チャネル及び第2チャネルの近位端で第1チャネル及び第2のチャネルを横断している。
【0145】
すなわち、ある実施形態では、複数のチャネルは、第1チャネルと第2チャネルとを含む。第1チャネル及び第2チャネルは、互いに平行に延在してもよい。第1横断チャネルは、第1チャネル及び第2チャネルの遠位端で、第1チャネル及び第2チャネルを横断している。第2横断チャネルは、第1チャネル及び第2チャネルの近位端で、第1チャネル及び第2チャネルを横断している。遠位端と近位端とは、基板の横方向に沿った対向する縁部にあってもよいし、基板の横方向に沿った対向する縁部の方(辺り)にあってもよい。
【0146】
ある実施形態において、複数のチャネルは、第3チャネルをさらに含み、第1横断チャネルは、第3チャネルの遠位端で第3チャネルをさらに横断し、第2横断チャネルは、第3チャネルの近位端で第3チャネルをさらに横断している。
【0147】
すなわち、ある実施形態では、複数のチャネルは、第1チャネル、第2チャネル、及び第3チャネルを含む。第1チャネル、第2チャネル、及び第3チャネルは、互いに平行に延びていてもよい。第1横断チャネルは、第1チャネル、第2チャネル、及び第3チャネルの遠位端で、第1チャネル、第2チャネル、及び第3チャネルを横断している。第2横断チャネルは、第1チャネル、第2チャネル、及び第3チャネルの近位端で、第1チャネル、第2チャネル、及び第3チャネルを横断している。遠位端と近位端とは、基板の横方向に沿った対向する縁部にあってもよいし、基板の横方向に沿った対向する縁部の方(辺り)にあってもよい。
【0148】
ある実施形態では、各チャネル、第1横断チャネル及び第2横断チャネルは、所定の角度を有する実質的なZ字形状を形成する。形成される実質的なZ字形状の特徴は、Z字形チャネルに関連して上述した任意の特徴(所定の角度を含む)を有してもよい。
【0149】
本発明に対する別の態様によれば、
基板を提供することと、
前記基板内に、第1の特性抵抗を有する第1セルを形成することと、
前記基板内に、前記基板のウェブ方向に沿って前記第1セルから間隔をあけて、第2の特性抵抗を有する第2セルを形成することと、
第1端子及び第2端子を形成することであって、各端子は、前記ウェブ方向にわたって、前記基板の対向する縁部の方に、又は前記対向する縁部に形成され、1つの端子又は各端子は前記第1セル及び前記第2セルと電気的に接続して形成される、第1端子及び第2端子を形成することと、
前記第1セルと前記第2セルとの間に、第3の特性抵抗を有する接続部分を形成することと、を含み、
前記第3の特性抵抗は、前記第1の特性抵抗及び前記第2の特性抵抗の少なくとも一方よりも大きいか又は等しく、前記第1セル又は前記第2セルからの電荷は、前記接続部分を介して前記第1セルから前記第2セルへ移動されるよりも優先して、前記第1端子又は前記第2端子で取り出し可能である、2端子デバイスを形成する方法が提供される。
【0150】
これにより、第1セルと第2セルとの間の電気的短絡が防止されるという利点が得られる。特に、第1セルと第2セルとの間の電気的短絡の生成などの製造上の欠陥を、最小限に抑えることができる。したがって、より効率的かつ/又は信頼性の高い2端子デバイスが形成され得る。
【0151】
ある実施形態では、第1セルを形成するステップは、基板内に少なくとも1つの第1溝を形成することを含む。
【0152】
ある実施形態では、少なくとも1つの第1溝を形成するステップは、基板内に第1の一連の溝を形成することを含む。
【0153】
一連に(直列に)接続された第1の一連の溝は、その一連内の溝の数の関数として電圧を付加する。従って、これにより、第1の一連の溝内の溝の数を変化させることによって、第1セルの電圧、すなわち第1の一連の溝の電圧を、変更又は調整することができるという利点が得られる。
【0154】
ある実施形態では、第2セルを形成するステップは、基板内に少なくとも1つの第2溝を形成することを含む。
【0155】
ある実施形態において、少なくとも1つの第2溝を形成するステップは、基板内に第2の一連の溝を形成することを含む。
【0156】
一連に(直列に)接続された第2の一連の溝は、その一連内の溝の数の関数として電圧を付加する。したがって、これにより、第2の一連の溝内の溝の数を変化させることによって、第2セルの電圧、すなわち第2の一連の溝の電圧を、変更又は調整することができるという利点が得られる。
【0157】
ある実施形態において、接続部分を形成するステップは、第1セルと第2セルとの間の接続部分内に少なくとも1つの抵抗要素を形成するステップをさらに含む。少なくとも1つの抵抗要素は、第3の特性抵抗を提供する。
【0158】
ある実施形態では、少なくとも1つの抵抗要素は、少なくとも1つのチャネルを有する。
【0159】
ある実施形態では、上記方法は、
第1の一連の溝の各溝、第2の一連の溝の各溝、及び、チャネル又は各チャネルの第1の面を、第1の材料でコーティングすることと、
第1の一連の溝の各溝、第2の一連の溝の各溝、及び、チャネル又は各チャネルの第2の面を、第2の材料でコーティングすることと、
第1の一連の溝の各溝、第2の一連の溝の各溝、及び、チャネル又は各チャネルを、第3の材料で少なくとも部分的に充填することと、をさらに含む。
【0160】
ある実施形態において、第1セルを形成するステップは、基板内に第1の一連の溝を形成することを含み、第2セルを形成するステップは、基板内に第2の一連の溝を形成することを含み、接続部分を形成するステップは、接続部分内に少なくとも1つのチャネルを形成することを含み、上記方法は、
第1の一連の溝の各溝、第2の一連の溝の各溝、及び、チャネル又は各チャネルの第1の面を、第1の材料でコーティングすることと、
第1の一連の溝の各溝、第2の一連の溝の各溝、及び、チャネル又は各チャネルの第2の面を、第2の材料でコーティングすることと、
第1の一連の溝の各溝、第2の一連の溝の各溝、及び、チャネル又は各チャネルを、第3の材料で少なくとも部分的に充填することと、をさらに含む。
【0161】
ある実施形態では、第1の面を第1の材料でコーティングするステップ及び/又は第2の面を第2の材料でコーティングするステップは、軸外方向コーティングプロセスを含む。
【0162】
ある実施形態では、溝とチャネル又は各チャネルとを、第3の材料で少なくとも部分的に充填するステップは、基板上に第3の材料を印刷することを含む。このようにして、第3の材料が基板上に印刷されると、第3の材料は、部分的に又は完全に、溝又は各溝内に印刷される。
【0163】
ある実施形態において、第1の一連の溝及び第2の一連の溝の各溝を少なくとも部分的に充填するステップは、各溝を第3の材料で充填し、それによって第1の一連の溝の各溝を横切る電気的接続、及び第2の一連の溝の各溝を横切る電気的接続を提供することを含む。
【0164】
ある実施形態において、少なくとも部分的にチャネル又は各チャネルを充填するステップは、第3の材料でチャネル又は各チャネルを充填し、それによってチャネル又は各チャネルを介した電気的接続を提供することを含む。
【0165】
本発明のさらに別の態様によれば、2端子デバイスであって、基板を備え、基板は、
第1の特性抵抗を有する第1セルと、基板のウェブ方向に沿って第1セルから間隔を空けて配置され、第2の特性抵抗を有する第2セルと、
第1端子及び第2端子であって、各端子は、基板の横方向に沿って対向する縁部の方に、又はそれらの縁部に形成されている、第1端子及び第2端子と、
第1セルと第2セルとの間にあり、チャネルを有する接続部分であって、第3の特性抵抗を有する接続部分と、
を備え、
チャネルは、第3の特性抵抗が第1の特性抵抗及び第2の特性抵抗の少なくとも一方よりも大きいか等しくなるように少なくとも1:1.6のアスペクト比を有し、接続部分を介した第1セルから第2セルへの電荷移動に優先して、第1端子及び第2端子で第1セル及び第2セルから電荷が取り出される、2端子デバイスが提供される。
【0166】
すなわち、第3の特性抵抗は、チャネルの深さの関数として調整され得る。すなわち、チャネルが深いほど、電子移動経路が大きくなり、したがって、第3の特性抵抗が高くなり得る。上述したように、これによって電気的短絡を防ぐことができる。
【0167】
本発明のさらに別の態様によれば、基板を備える2端子デバイスであって、基板は、
終端溝(terminal groove)又は終端部(terminal portion)を有し、第1の特性抵抗を有する少なくとも1つの第1溝、及び、終端溝又は終端部を有し、基板のウェブ方向に沿って少なくとも1つの第1溝から間隔をあけて配置され、かつ、第2の特性抵抗を有する少なくとも1つの第2溝と、
第1端子及び第2端子であって、各端子は、基板の横方向に沿って対向する縁部の方に又は対向する縁部に形成されている、第1端子及び第2端子と、
少なくとも1つの第1溝の終端溝又は終端部と少なくとも1つの第2溝の終端溝又は終端部との間にあり、チャネルを有する接続部分であって、第3の特性抵抗を有する、接続部分と、を備え、
チャネルは、少なくとも1つの第1溝の終端溝又は終端部及び少なくとも1つの第2溝の終端溝又は終端部のうちの少なくとも一方のアスペクト比よりも大きい、好ましくは20%と50%との間だけ大きい、アスペクト比を有し、
第3の特性抵抗が、第1の特性抵抗及び第2の特性抵抗の少なくとも1つよりも大きいか等しく、少なくとも1つの第1溝の終端溝又は終端部から少なくとも1つの第2溝の終端溝又は終端部への接続部分を介する電荷移動よりも優先して、第1端子及び第2端子で少なくとも1つの第1溝及び少なくとも1つの第2溝から電荷が取り出される、2端子デバイスがさらに提供される。
【0168】
すなわち、第3の特性抵抗は、隣接する溝に対するチャネルの深さの関数として調整され得る。すなわち、チャネルが、隣接する溝よりも大きい、例えば20%~50%大きい、アスペクト比を有することによって、電子移動経路をより大きくでき、したがって、第3の特性抵抗をより高くできる。上述したように、これにより、電気的短絡を防止することができる。
【0169】
本発明のさらに別の態様によれば、基板を備える2端子デバイスであって、基板は、
第1の特性抵抗を有する第1セル、及び、基板のウェブ方向に沿って第1セルから間隔をあけて配置され、第2の特性抵抗を有する第2セルと、
第1端子及び第2端子であって、各端子は基板の横方向に沿って対向する縁部の方に又は対向する縁部に形成されている、第1端子及び第2端子と、
第1セルと第2セルの間にあり、チャネルを有する接続部分であって、第3の特性抵抗を有する、接続部分と、を備え、
チャネルは、第3の特性抵抗が第1の特性抵抗及び第2の特性抵抗の少なくとも一方よりも大きいか又は等しくなるように、轍状の基部、轍状の壁、及び/又はチャネル内の非導電性の電気絶縁体を有し、これにより、電荷は、第1セルから第2セルへの接続部分を介する電荷移動に優先して、第1端子及び第2端子で第1セル又は第2セルから取り出される、2端子デバイスがさらに提供される。
【0170】
すなわち、チャネルは、轍状の基部、轍状の壁、チャネル内の非導電性の電気絶縁体、又はそれらの任意の組み合わせを有してもよい。これにより、第3の特性抵抗の調整が可能になる。
【0171】
本発明のさらに別の態様によれば、基板を備える2端子デバイスであって、基板は、
第1の特性抵抗を有する第1セル、及び、基板のウェブ方向に沿って第1セルから間隔をあけて配置され、第2の特性抵抗を有する第2セルと、
第1端子及び第2端子であって、各端子が基板の横方向に沿って対向する縁部の方に又は対向する縁部に形成されている、第1端子及び第2端子と、
第1セルと第2セルとの間にあり、複数のチャネルを有する接続部分であって、複数のチャネルはそれぞれチャネル抵抗を有し、チャネル抵抗の組み合わせは第3の特性抵抗を形成する、接続部分と、を備え、
第3の特性抵抗は、第1の特性抵抗及び第2の特性抵抗の少なくとも一方よりも大きいか又は等しく、第1セル又は第2セルの電荷は、第1セルから第2セルへ接続部分を介して移動するよりも優先して、第1端子又は第2端子で取り出される、2端子デバイスがさらに提供される。
【0172】
すなわち、接続部分内に複数のチャネルが形成されていてもよい。これにより、複数のチャネルのうちの1つが、第1セルと第2セルとの電気的分離に失敗した場合に備えて、冗長性をもたせることができる。したがって、2端子デバイスの製造中に、第1セルと第2セルとの間の電気的短絡が防止され得る。
【0173】
本発明のさらに別の態様によれば、基板を備える2端子デバイスであって、基板は、
第1の特性抵抗を有する第1セル、及び、基板のウェブ方向に沿って第1セルから間隔を空けて配置され、第2の特性抵抗を有する第2セルと、
第1端子及び第2端子であって、各端子は基板の横方向に沿って対向する縁部の方に又は対向する縁部に形成されている、第1端子及び第2端子と、
第1セルと第2セルの間の、複数のチャネルを有する接続部分であって、複数のチャネルはそれぞれチャネル抵抗を有し、チャネル抵抗の組み合わせが第3の特性抵抗を形成する、接続部分と、を備え、
第3の特性抵抗は、第1の特性抵抗及び第2の特性抵抗の一方に等しく、かつ、第1の特性抵抗及び第2の特性抵抗の他方よりも大きく、第1セルから第2セルへの接続部分を介した電荷移動よりも優先して、第1端子及び第2端子で第1セル及び第2セルから電荷が取り出される、2端子デバイスがさらに提供される。
【0174】
当業者には明らかなように、上述又は後述する特徴の任意の組合せを使用することができるが、そのような特徴が相互に矛盾しないことが条件である。この点を説明する例として、当業者は、第1セルが少なくとも1つの溝を有し、第2セルが一連の溝を有し得ることを認識するであろう。この点を説明する更なる例として、当業者は、例えば、基板の1つ以上の峰部(ピーク)と組み合わせた1つ以上のチャネルなど、任意の数の抵抗要素及び任意のタイプの抵抗要素を接続部分内で使用し得ることを認識するであろう。
【0175】
特定の用語は、以下の説明において便宜上のみ使用されており、限定するものではない。「右」、「左」、「下(lower)」、「上(upper)」、「前」、「後」、「上方(upward)」、「下に(down)」及び「下方(downward)」という語は、参照される、組み立てられ取り付けられたときの説明された構成要素に関する図面における方向を指す。「内側の(inner)」、「内側へ(inwardly)」及び「外側の(outer)」、「外側へ(outwardly)」は、それぞれ、指定された中心線又は記載される要素の幾何学的中心(例えば中心軸)に向かう方向及びそこから離れる方向を指し、特定の意味は、説明の文脈から容易に明らかである。
【0176】
さらに、本明細書で使用する場合、「接続された」、「取り付けられた(attached)」、「結合された」、「搭載された」、「取り付けられた(mounted)」という用語は、間に他の部材が介在しない2つの部材間の直接接続と、間に1つ又は複数の他の部材が介在する部材間の間接接続とを含むことを意図している。また、ここでの用語には、上記の用語、その派生語、及びそれに類する用語が含まれる。
【0177】
さらに、特に指定がない限り、「第1」、「第2」、「第3」などの序数的な形容詞の使用は、単に同様の対象の異なるインスタンスが参照されていることを示し、そのように記述された対象が、時間的、空間的、順位的又はその他の方法で、所定の順序になければならないことを意味するものではない。
【0178】
以下、非限定的な例の非網羅的なリストが提供される。これらの例の特徴のうちの任意の1つ以上を、それらが相互に矛盾しない限り、本明細書に記載される別の例、実施形態又は態様の任意の1つ以上の特徴と組み合わせることができる。特に、例1~56のいずれか1つは、それらが相互に矛盾しない限り、例57~96のいずれか1つと組み合わせることができる。
【0179】
例1.2端子デバイスであって、基板を備え、前記基板は、
第1の特性抵抗を有する第1セル、及び、前記基板のウェブ方向に沿って前記第1セルから間隔を空けて配置され、第2の特性抵抗を有する第2セルと、
第1端子及び第2端子であって、各端子が横方向における基板の対向する縁部の方に又は前記対向する縁部に形成されており、各端子が第1セル及び第2セルと電気的に連通している、第1端子及び第2端子と、
前記第1セルと前記第2セルとの間にあり、第3の特性抵抗を有する接続部分と、を備え、
前記第3の特性抵抗は、前記第1の特性抵抗及び前記第2の特性抵抗の少なくとも一方よりも大きいか又は等しく、これにより、前記接続部分を介する前記第1セルと前記第2セルとの間の電荷移動よりも優先して、電荷は、前記第1端子及び前記第2端子で前記第1セル及び前記第2セルから取り出し可能である、2端子デバイス。
【0180】
例2.前記第3の特性抵抗は、前記第1の特性抵抗及び前記第2の特性抵抗の少なくとも一方よりも大きい、例1に記載の2端子デバイス。
【0181】
例3.前記第3の特性抵抗は、前記第1の特性抵抗及び前記第2の特性抵抗の少なくとも一方よりも少なくとも2倍、好ましくは少なくとも5倍、さらに好ましくは少なくとも10倍大きい、例2に記載の2端子デバイス。
【0182】
例4.前記接続部分は、少なくとも1つの抵抗要素を有する、例1から例3のいずれかに記載の2端子デバイス。
【0183】
例5.少なくとも1つの前記抵抗要素は、前記基板の峰部、前記基板の不連続な非絶縁性コーティング、及び/又は前記基板の轍状の部分を有する、例4による2端子デバイス。
【0184】
例6.少なくとも1つの前記抵抗要素は、前記基板内のチャネルを有する、例4又は例5に記載の2端子デバイス。
【0185】
例7.前記チャネルは、轍状の基部、轍状の壁、及び/又は前記チャネル内の非導電性の電気絶縁体材料を有する、例6に記載の2端子デバイス。
【0186】
例8.前記チャネルは、少なくとも1:1.6のアスペクト比を有する、例6又は例7に記載の2端子デバイス。
【0187】
例9.前記チャネルは、少なくとも1:2のアスペクト比を有する、例8に記載の2端子デバイス。
【0188】
例10.前記第1セルが少なくとも1つの第1溝を含み、及び/又は第2セルが少なくとも1つの第2溝を含む、例1から例9のいずれかに記載の2端子デバイス。
【0189】
例11.第1セルが第1の一連の溝を備え、及び/又は前記第2セルが第2の一連の溝を備える、例10に記載の2端子デバイス。
【0190】
例12.前記チャネルは、少なくとも1つの前記第1溝の一部分及び/又は少なくとも1つの前記第2溝の一部分を横断している、例6から例9のいずれか1つを引用する例10に記載の2端子デバイス。
【0191】
例13.前記チャネルは、前記第1の一連の溝の一部分及び/又は前記第2の一連の溝の一部分を横断する、例10及び例6から例9のいずれか1つを引用する場合の例11に記載の2端子デバイス。
【0192】
例14.前記チャネルは、前記第1の一連の溝の全体及び/又は前記第2の一連の溝の全体を横断している、例13に記載の2端子デバイス。
【0193】
例15.前記チャネルは、前記第1の一連の溝及び/又は前記第2の一連の溝を、各溝の端部の方で横断している、例13又は例14に記載の2端子デバイス。
【0194】
例16.前記チャネルは、所定の角度を有する実質的にZ字形状である、例6から例15のいずれか1つに記載の2端子デバイス。
【0195】
例17.少なくとも1つの前記抵抗要素は、前記基板に設けられた複数のチャネルを有する、例4に記載の2端子デバイス。
【0196】
例18.複数の前記チャネルのうちの1つ以上は、轍状の基部、轍状の壁、及び/又はチャネル内の非導電性電気絶縁体を有する、例17に記載の2端子デバイス。
【0197】
例19.複数の前記チャネルのうちの1つ以上は、少なくとも1:1.6のアスペクト比を有する、例17又は例18に記載の2端子デバイス。
【0198】
例20.複数の前記チャネルのうちの1つ以上は、少なくとも1.6:1のアスペクト比を有する、例17又は例18に記載の2端子デバイス。
【0199】
例21.前記第1セルは少なくとも1つの第1溝を有し、及び/又は前記第2セルは少なくとも1つの第2溝を有する、例17から例20のいずれか1つに記載の2端子デバイス。
【0200】
例22.前記第1セルは第1の一連の溝を有し、及び/又は前記第2セルは第2の一連の溝を有する、例21に記載の2端子デバイス。
【0201】
例23.各チャネルが少なくとも1つの前記第1溝及び/又は少なくとも1つの前記第2溝を横断している、例17から例20のいずれか1つを引用する例21に記載の2端子デバイス。
【0202】
例24.各チャネルが、前記第1の一連の溝の一部分及び/又は前記第2の一連の溝の一部分を横断している、例21及び例17から例20のいずれか1つを引用する例22に記載の2端子デバイス。
【0203】
例25.各チャネルが、前記第1の一連の溝の全体及び/又は前記第2の一連の溝の全体を横断している、例24に記載の2端子デバイス。
【0204】
例26.各チャネルは、前記第1の一連の溝及び/又は前記第2の一連の溝を、各溝の端部の方で横断している、例24又は例25に記載の2端子デバイス。
【0205】
例27.複数の前記チャネルは、第1のチャネル特性抵抗を有する第1チャネルと、第2のチャネル特性抵抗を有する第2チャネルとを含み、前記第1のチャネル特性抵抗と前記第2のチャネル特性抵抗は、前記第3の特性抵抗の実質的に全部を提供する、例17から例26のいずれか1つに記載の2端子デバイス。
【0206】
例28.複数の前記チャネルは、第3のチャネル特性抵抗を有する第3チャネルをさらに含み、前記第1のチャネル特性抵抗、前記第2のチャネル特性抵抗、及び前記第3のチャネル特性抵抗は、前記第3の特性抵抗の実質的に全部を提供する、例27に記載の2端子デバイス。
【0207】
例29.複数の前記チャネルの各チャネルは、所定の角度を有する実質的にZ字形状である、例17から例28のいずれか1つに記載の2端子デバイス。
【0208】
例30.前記2端子デバイスは、
複数の前記チャネルの各チャネルをそれらの遠位端で横断し、少なくとも1つの前記第1溝を横断する第1横断チャネルと、
複数の前記チャネルの各チャネルをそれらの近位端で横断し、少なくとも1つの前記第2溝を横断する第2横断チャネルと、をさらに備える、例21に記載の2端子デバイス。
【0209】
例31.前記2端子デバイスは、
複数の前記チャネルの各チャネルをそれらの遠位端で横断し、前記第1の一連の溝の一部分を横断する第1横断チャネルと、
複数の前記チャネルの各チャネルをそれらの近位端で横断し、前記第2の一連の溝の一部分を横断する第2横断チャネルと、をさらに備える、例22に記載の2端子デバイス。
【0210】
例32.前記第1横断チャネルは、前記第1の一連の溝の全体を横断し、前記第2横断チャネルは、前記第2の一連の溝の全体を横断する、例31に記載の2端子デバイス。
【0211】
例33.前記第1横断チャネル及び/又は前記第2横断チャネルは、各溝の端部の方で前記溝を横断する、例31又は例32に記載の2端子デバイス。
【0212】
例34.複数の前記チャネルは、第1チャネル及び第2チャネルを含み、前記第1横断チャネルが、前記第1チャネル及び前記第2チャネルの遠位端で前記第1チャネル及び前記第2チャネルを横断し、前記第2横断チャネルが、前記第1チャネル及び前記第2チャネルの近位端で前記第1チャネル及び前記第2チャネルを横断している、例30から例33のいずれか1つに記載の2端子デバイス。
【0213】
例35.複数の前記チャネルは第3チャネルをさらに含み、前記第1横断チャネルが前記第3チャネルの遠位端で前記第3チャネルをさらに横断し、前記第2横断チャネルが前記第3チャネルの近位端で前記第3チャネルをさらに横断している、例34に記載の2端子デバイス。
【0214】
例36.各チャネル、前記第1横断チャネル及び前記第2横断チャネルは、所定の角度を有する実質的なZ字形状を形成している、例30から例35のいずれか1つに記載の2端子デバイス。
【0215】
例37.前記2端子デバイスは光電子(オプトエレクトロニクス)デバイスである、例1から例36のいずれか1つの記載の2端子デバイス。
【0216】
例38.2端子デバイスを形成する方法であって、前記方法は、
基板を提供すること、
前記基板内に、第1の特性抵抗を有する第1セルを形成すること、
前記基板内に、前記基板のウェブ方向に沿って前記第1セルから間隔を空けて、第2の特性抵抗を有する第2セルを形成すること、及び、
前記第1セルと前記第2セルとの間に、第3の特性抵抗を有する接続部分を形成すること、を含み、
前記第3の特性抵抗は、前記第1の特性抵抗及び前記第2の特性抵抗の少なくとも一方よりも大きいか又は等しく、これにより、前記接続部分を介する前記第1セルから前記第2セルへの電荷移動よりも優先して、前記第1端子及び前記第2端子において前記第1セル及び前記第2セルから電荷が取り出される、方法。
【0217】
例39.前記第1セルを形成するステップは、前記基板内に少なくとも1つの第1溝を形成することを含む、例38に記載の方法。
【0218】
例40.少なくとも1つの前記第1溝を形成するステップは、前記基板内に第1の一連の溝を形成することを含む、例39に記載の方法。
【0219】
例41.前記第2セルを形成するステップは、前記基板内に少なくとも1つの第2溝を形成することを含む、例38から40のいずれか1つに記載の方法。
【0220】
例42.少なくとも1つの前記第2溝を形成するステップは、前記基板内に第2の一連の溝を形成することを含む、例41に記載の方法。
【0221】
例43.前記接続部分を形成するステップは、前記第1セルと前記第2セルとの間の前記接続部分内に少なくとも1つの抵抗要素を形成するステップをさらに含み、少なくとも1つの前記抵抗要素は第3の特性抵抗を提供する、例38から42のいずれか1つに記載の方法。
【0222】
例44.少なくとも1つの前記抵抗要素は、少なくとも1つのチャネルを含む、例43に記載の方法。
【0223】
例45.前記方法は、
前記第1の一連の溝の各溝、前記第2の一連の溝の各溝、及び、前記チャネル又は各チャネルの第1の面を第1の材料でコーティングすることと、
前記第1の一連の溝の各溝、前記第2の一連の溝の各溝、及び、前記チャネル又は各チャネルの第2の面を第2の材料でコーティングすることと、
前記第1の一連の溝の各溝、前記第2の一連の溝の各溝、及び、前記チャネル又は各チャネルを第3の材料で少なくとも部分的に充填することと、をさらに含む、例40、42及び43を引用する例44に記載の方法。
【0224】
例46.前記第1の面を前記第1の材料でコーティングするステップ及び/又は前記第2の面を前記第2の材料でコーティングするステップは、軸外方向コーティングプロセスを含む、例45に記載の方法。
【0225】
例47.前記第3の材料で前記溝、及び前記チャネル又は各チャネルを少なくとも部分的に充填するステップは、前記基板の上に前記第3の材料を印刷することを含む、例45又は例46に記載の方法。
【0226】
例48.前記第1の一連の溝及び前記第2の一連の溝の各溝を少なくとも部分的に充填するステップは、各溝を前記第3の材料で充填し、それによって、前記第1の一連の溝の各溝を横切る電気的接続、及び、前記第2の一連の溝の各溝を横切る電気的接続を提供することを含む、例45から例47のいずれか1つに記載の方法。
【0227】
例49.前記チャネル又は各チャネルを少なくとも部分的に充填するステップは、前記チャネル又は各チャネルを前記第3の材料で充填し、それによって、前記チャネル又は各チャネルを横切る電気的接続を提供することを含む、例45から48のいずれか1つに記載の方法であって、方法。
【0228】
例50.例38から49のいずれか1つによって得られる2端子デバイス。
【0229】
例51.例38から49のいずれか1つによって得られる光電子デバイス。
【0230】
例52.2端子デバイスであって、基板を備え、前記基板は、
第1の特性抵抗を有する第1セル、及び、前記基板のウェブ方向に沿って前記第1セルから間隔をあけて配置され、第2の特性抵抗を有する第2セルと、
第1端子及び第2端子であって、各端子は前記基板の横方向に沿って対向する縁部の方に又は前記対向する縁部に形成されている、第1端子及び第2端子と、
前記第1セルと前記第2セルとの間にあり、チャネルを含む接続部分であって、第3の特性抵抗を有する接続部分と、を備え、
前記チャネルは、前記第3の特性抵抗が前記第1の特性抵抗及び前記第2の特性抵抗の少なくとも一方よりも大きいか又は等しくなるように、少なくとも1:1.6のアスペクト比を有し、これにより、前記接続部分を介して前記第1セルから前記第2セルに電荷が移動するより優先して、前記第1端子及び前記第2端子で前記第1セル及び前記第2セルから電荷が取り出される、2端子デバイス。
【0231】
例53.2端子デバイスであって、基板を備え、前記基板は、
終端溝又は終端部(terminal portion)を有し、第1の特性抵抗を有する少なくとも1つの第1溝、及び、終端溝又は終端部を有し、前記基板のウェブ方向に沿って少なくとも1つの前記第1溝から間隔をあけて配置され、かつ、第2の特性抵抗を有する少なくとも1つの第2溝と、
第1端子及び第2端子であって、各端子は、前記基板の横方向に沿って対向する縁部の方に又は対向する縁部に形成されている、第1端子及び第2端子と、
少なくとも1つの前記第1溝の終端溝又は終端部と少なくとも1つの前記第2溝の終端溝又は終端部との間にあり、チャネルを有する接続部分であって、第3の特性抵抗を有する、接続部分と、を備え、
前記チャネルは、少なくとも1つの前記第1溝の終端溝又は終端部及び少なくとも1つの前記第2溝の終端溝又は終端部のうちの少なくとも一方のアスペクト比よりも大きい、好ましくは20%と50%との間だけ大きい、アスペクト比を有し、前記第3の特性抵抗が、前記第1の特性抵抗及び前記第2の特性抵抗の少なくとも一方よりも大きいか等しく、これにより、少なくとも1つの前記第1溝の終端溝又は終端部から少なくとも1つの前記第2溝の終端溝又は終端部への前記接続部分を介する電荷移動よりも優先して、前記第1端子及び前記第2端子で少なくとも1つの前記第1溝及び少なくとも1つの前記第2溝から電荷が取り出される、2端子デバイス。
【0232】
例54.2端子デバイスであって、基板を備え、前記基板は、
第1の特性抵抗を有する第1セル、及び、前記基板のウェブ方向に沿って前記第1セルから間隔をあけて配置され、第2の特性抵抗を有する第2セルと、
第1端子及び第2端子であって、各端子は前記基板の横方向に沿って対向する縁部の方に又は対向する縁部に形成されている、第1端子及び第2端子と、
第1セルと第2セルの間にあり、チャネルを有する接続部分であって、第3の特性抵抗を有する、接続部分と、を備え、
前記チャネルは、轍状の基部、轍状の壁、及び/又はチャネル内の非導電性の電気絶縁体を有し、前記第3の特性抵抗は、前記第1の特性抵抗及び前記第2の特性抵抗の少なくとも一方よりも大きいか又は等しく、これにより、前記第1セルから前記第2セルへの前記接続部分を介する電荷移動に優先して、前記第1端子及び前記第2端子で前記第1セル又は前記第2セルから電荷が取り出される、2端子デバイス。
【0233】
例55.2端子デバイスであって、基板を備え、前記基板は、
第1の特性抵抗を有する第1セル、及び、前記基板のウェブ方向に沿って前記第1セルから間隔を空けて配置され、第2の特性抵抗を有する第2セルと、
第1端子及び第2端子であって、各端子が前記基板の横方向に沿って対向する縁部の方に又は前記対向する縁部に形成されている、第1端子及び第2端子と、
前記第1セルと前記第2セルの間の、複数のチャネルを有する接続部分であって、複数の前記チャネルがそれぞれチャネル抵抗を有し、前記チャネル抵抗の組み合わせが第3の特性抵抗を形成する、接続部分と、を備え、
前記第3の特性抵抗は、前記第1の特性抵抗及び前記第2の特性抵抗の少なくとも一方よりも大きいか又は等しく、これにより、前記接続部分を介する前記第1セルから前記第2セルへの電荷移動に優先して、前記第1端子及び前記第2端子で前記第1セル及び前記第2セルから電荷が取り出される、2端子デバイス。
【0234】
例56.2端子デバイスであって、基板を備え、前記基板は、
第1の特性抵抗を有する第1セル、及び、前記基板のウェブ方向に沿って前記第1セルから間隔を空けて配置され、第2の特性抵抗を有する第2セルと、
第1端子及び第2端子であって、各端子が前記基板の横方向に沿って対向する縁部の方に又は前記対向する縁部に形成されている、第1端子及び第2端子と、
前記第1セルと前記第2セルの間の、複数のチャネルを有する接続部分であって、複数の前記チャネルがそれぞれチャネル抵抗を有し、前記チャネル抵抗の組み合わせが第3の特性抵抗を形成する、接続部分と、を備え、
前記第3の特性抵抗は、前記第1の特性抵抗及び前記第2の特性抵抗の一方と等しく、かつ、前記第1の特性抵抗及び前記第2の特性抵抗の他方よりも大きく、これにより、前記接続部分を介する前記第1セルから前記第2セルへの電荷移動に優先して、前記第1端子及び前記第2端子で前記第1セル及び前記第2セルから電荷が取り出される、2端子デバイス。
【0235】
例57.2端子デバイスのための基板であって、
第1の一連の溝及び第2の一連の溝であって、各溝は、前記基板の横方向に近位端及び遠位端を有する、第1の一連の溝及び第2の一連の溝と、
前記第1の一連の溝の一部分及び前記第2の一連の溝の一部分を、各溝の前記近位端の方で横断するチャネルと、を備え、
各溝の前記近位端の方の横断領域(transection region)において、各溝の深さは、前記チャネルの深さに向かって傾斜している、基板。
【0236】
例58.各溝の深さは、前記チャネルの深さに向かって非直線的に傾斜している、例57に記載の基板。
【0237】
例59.各溝の深さは、前記チャネルの深さに向かって徐々に傾斜している、例58に記載の基板。
【0238】
例60.前記横断領域は実質的に円弧状である、例58又は例59に記載の基板。
【0239】
例61.各溝は、前記チャネルの深さに向かって直線的に傾斜している、例57に記載の基板。
【0240】
例62.各溝の深さは、各溝の細長い基部に沿って延びる軸に対して形成された、0°と90°との間の角度(0°及び90°を除く)で、前記チャネルの深さに向かって直線的に傾斜している、例61に記載の基板。
【0241】
例63.前記チャネルは、所定の角度を有する実質的にZ字形状である、例57から例62のいずれか1つに記載の基板。
【0242】
例64.各溝は、前記横断領域を除いて、前記遠位端から前記近位端まで、少なくとも1:1、好ましくは少なくとも1:1.2のアスペクト比を有する、例57から例63のいずれか1つに記載の基板。
【0243】
例65.前記チャネルは、少なくとも1:1.6のアスペクト比を有する、例57から例64のいずれか1つに記載の基板。
【0244】
例66.前記横断領域は、少なくとも1:1、好ましくは1:1.2から少なくとも1:1.6までのアスペクト比を有する、例57から例65のいずれか1つに記載の基板。
【0245】
例67.前記チャネルは、前記第1の一連の溝及び/又は前記第2の一連の溝の各溝を横断している、例57から例66のいずれか1つに記載の基板。
【0246】
例68.複数のチャネルを有する、例57から例67のいずれか1つに記載の基板。
【0247】
例69.複数の前記チャネルの各チャネルは、前記第1の一連の溝の一部分と前記第2の一連の溝の一部分とを、各溝の前記近位端の方で横断している、例68に記載の基板。
【0248】
例70.複数の前記チャネルの各チャネルは、前記第1の一連の溝の各溝及び前記第2の一連の溝の各溝を、各溝の前記近位端の方で横断している、例68に記載の基板。
【0249】
例71.複数の前記チャネルの各チャネルは、所定の角度を有する実質的にZ字形状である、例68から例70のいずれか1つに記載の基板。
【0250】
例72.前記基板は、
複数の前記チャネルの各チャネルを、そのチャネルの遠位端で横断する第1横断チャネルであって、前記第1の一連の溝セットの全体を各溝の前記近位端の方で横断する、第1横断チャネルと、
複数の前記チャネルの各チャネルを、そのチャネルの近位端で横断する第2横断チャネルであって、前記第2の一連の溝の全体を各溝の前記近位端の方で横断する、第2横断チャネルと、をさらに備える、例68に記載の基板。
【0251】
例73.前記第1横断チャネル、複数の前記チャネル、及び前記第2横断チャネルは、実質的に、所定の角度を有するZ字形状を形成する、例72に記載の基板。
【0252】
例74.前記所定の角度は、約0度と約90度との間、好ましくは約30度と約60度との間である、例63、例71又は例73に記載の基板。
73であり、
【0253】
例75.前記所定の角度は、約40度と約50度との間、好ましくは約45度である、例74に記載の基板。
【0254】
例76.例57から例75のいずれか1つに記載の基板を備える2端子デバイス。
【0255】
例77.前記2端子デバイスは光電子デバイスである、例76に記載の2端子デバイス。
【0256】
例78.2端子デバイスのための基板を形成する方法であって、
可撓性材料のウェブを提供すること、
可撓性材料の前記ウェブ内に第1の一連の溝を形成すること、
可撓性材料の前記ウェブ内に第2の一連の溝を形成すること、及び、
可撓性材料の前記ウェブ内の前記第1の一連の溝と前記第2の一連の溝との間に、前記第1の一連の溝及び前記第2の一連の溝の一部分を、各溝の近位端の方で横断するチャネルを形成すること、を含み、
前記チャネルを形成するステップは、各溝の深さを、各溝の前記近位端において前記チャネルの深さに向かって傾斜するように形成することを含む、方法。
【0257】
例79.前記第1の一連の溝、前記第2の一連の溝、及び前記チャネルが、一体的なステップとして形成される、例78に記載の方法。
【0258】
例80.可撓性材料の前記ウェブ内に前記第1の一連の溝を形成するステップは、可撓性材料の前記ウェブをエンボス加工して前記第1の一連の溝を形成することを含む、例78又は例79に記載の方法。
【0259】
例81.可撓性材料の前記ウェブ内に前記第2の一連の溝を形成するステップは、可撓性材料の前記ウェブをエンボス加工して前記第1の一連の溝を形成することを含む、例78から80のいずれか1つに記載の方法。
【0260】
例82.可撓性材料の前記ウェブ内に前記チャネルを形成するステップは、可撓性材料の前記ウェブをエンボス加工して前記チャネルを形成することを含む、例78から例81のいずれか1つに記載の方法。
【0261】
例83.前記エンボス加工のステップは、
前記第1の一連の溝、前記第2の一連の溝、及び前記チャネルのうちの少なくとも1つに対応する少なくとも1つの突起を有する1つ以上のシムを提供すること、
可撓性材料の前記ウェブの表面をUV硬化性コーティングでコーティングすること、
前記シムまたは各シムの少なくとも1つの前記突起をコーティングされた可撓性材料の前記ウェブと係合させること、
前記UV硬化性コーティングを少なくとも部分的にUV硬化すること、及び、
前記UV硬化性コーティングが完全に硬化する前に、前記シムまたは各シムの少なくとも1つの前記突起をコーティングされた可撓性材料の前記ウェブから除去すること、を含む、例80から例82のいずれか1つに記載の方法。
【0262】
例84.前記シムは、前記第1の一連の溝に対応する少なくとも1つの突起部、前記第2の一連の溝に対応する少なくとも1つの突起部、及び前記チャネルに対応する少なくとも1つの突起部を有するマスターシムである、例83に記載の方法。
【0263】
例85.前記マスターシムは、ニッケルメッキされたマスターシムである、例84に記載の方法。
【0264】
例86.前記シム又は各シムが円筒形のスタンピングロールとして形成される、例83から例85のいずれか1つに記載の方法。
【0265】
例87.前記シム又は各シムがスタンピングプレートとして形成される、例83から85のいずれか1つに記載の方法。
【0266】
例88.2端子デバイスを形成する方法であって、
例78から例87のいずれか1つに記載の方法に従って基板を形成することと、
前記第1の一連の溝、前記第2の一連の溝、及び前記チャネルの第1の面を少なくとも1つの第1の材料でコーティングすることと、
前記第1の一連の溝、前記第2の一連の溝、及び前記チャネルの対向する第2の面を少なくとも1つの第2の材料でコーティングすることと、
前記チャネルを少なくとも部分的に第3の材料で充填することと、を含む、方法。
【0267】
例89.前記第1の面を少なくとも1つの第1の材料でコーティングするステップ及び前記第2の面を少なくとも1つの第2の材料でコーティングするステップは、前記チャネルを少なくとも部分的に前記第3の材料で充填するステップよりも前に行われる、例88に記載の方法。
【0268】
例90.前記第1の面を少なくとも1つの第1の材料でコーティングするステップ、及び/又は第2の面を少なくとも1つの第2の材料でコーティングするステップは、軸外方向コーティングプロセスを含む、例88又は例89に記載の方法。
【0269】
例91.前記チャネルを少なくとも部分的に前記第3の材料で充填するステップは、前記基板の上に前記第3の材料を印刷することを含む、例88から例90のいずれか1つに記載の方法。
【0270】
例92.少なくとも1つの前記第1の材料は、非絶縁性材料を含む、例88から例91のいずれか1つに記載の方法。
【0271】
例93:少なくとも1つの前記第2の材料は、非絶縁性材料を含む、例88から例92のいずれか1つに記載の方法。
【0272】
94.前記第3の材料は、コンデンサ材料、スーパーキャパシタ材料、又はペロブスカイトを含む、例88から例93のいずれか1つに記載の方法。
【0273】
例95.例78から例87のいずれか1つに記載の方法によって得ることができる基板。
【0274】
例96.例88から例94のいずれか1つに記載の方法によって得ることができる2端子デバイス。
【0275】
他の例は、前述の発明の概要及び以下に記す詳細な説明から明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0276】
以下、本発明の実施形態を、添付図面を参照してさらに説明する。
図1】従来技術に係る2端子デバイスの電気回路図である。
図2】(a)は、本発明に係る2端子デバイスの電気回路図、(b)は、図2(a)の電気回路図の一部を拡大した図である。
図3】本発明の一実施形態に係る基板を示す平面図である。
図4】本発明の一実施形態に係る基板を示す平面図である。
図5】本発明の一実施形態に係る基板を示す平面図である。
図6】本発明の一実施形態に係る基板を示す平面図である。
図7】(a)は、本発明の一実施形態に係る基板の平面図、(b)は、本発明の一実施形態に係る他の基板の平面図である。
図8】(a)は、図5の基板の拡大上面図、(b)は、図5の基板の拡大斜視図、(c)は、図5の基板の別の拡大上面図、(d)は、図5の基板の横断領域の拡大斜視図である。
図9】(a)は、図7(a)の基板の拡大斜視図、(b)は、図7(a)の基板の横断領域の拡大斜視図である。
図10】本発明の一実施形態に係る基板の溝、横断領域及びチャネルを示す断面図である。
図11】本発明の一実施形態に係る基板の溝、横断領域及びチャネルを示す断面図である。
図12】本発明の一実施形態に係る基板の形成方法を示す図である。
図13】本発明の一実施形態に係る基板の形成方法を示す図である。
図14】本発明の一実施形態に係る2端子デバイスの形成方法を示す図である。
図15】(a)から(c)は、図14の方法のコーティングプロセスを示す図である。
図16】本発明の一実施形態に係る2端子デバイスを示す図である。
図17】本発明の一実施形態に係る2端子デバイスの断面図である。
図18】本発明の他の実施形態に係る2端子デバイスの断面図である。
図19】本発明のさらなる実施形態に係る2端子デバイスの断面図である。
図20】本発明の他の実施形態に係る2端子デバイスの断面図である。
図21】本発明のさらに別の実施形態に係る2端子デバイスの断面図である。
図22】本発明の他の実施形態に係る2端子デバイスの断面図である。
図23図1の2端子デバイスの性能と図2(a)及び図3の2端子デバイスの性能とを比較したグラフである。
図24】本明細書に記載される2端子デバイスの性能を示すグラフである。
図25】本明細書に記載の2端子デバイスの性能を示すさらに別のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0277】
同様の参照数字が、全体を通して同様の特徴を表すために使用される。
【0278】
詳細設計に対する様々な変更が想定される。例えば、任意の数の一連の溝内の任意の数の溝が使用されてもよい。同様に、チャネル、横断チャネルなどのような任意の数の区切り機構が使用されてもよい。さらに、そのような区切り機構の任意の組み合わせが使用されてもよい。
【0279】
上述した実施形態のいずれかに関連して説明された特徴は、異なる実施形態間で交換可能に適用できることは、当業者には明らかであろう。上述した実施形態は、本発明の様々な特徴を説明するための例である。
【0280】
本明細書の明細書及び特許請求の範囲を通じて、「備える、有する、含む(comprise)」及び「含む(contain)」ならびにそれらの変形は、「含む(備える)がこれに限定されない」を意味し、それらは他の部分(moieties)、添加物、成分、整数又はステップを除外することを意図しない(そして除外しない)。本明細書の説明及び請求の範囲を通じて、文脈上他に必要とされない限り、単数形は複数形を包含する。特に、不定冠詞が使用される場合、本明細書は、文脈上他に必要とされない限り、単数だけでなく複数も想定していると理解される。
【0281】
本発明の特定の態様、実施形態又は実施例と関連して記載された特徴、整数、特性、化合物、化学部分又は化学基は、それと矛盾しない限り、本明細書に記載された任意の他の実施形態、又は実施例に適用可能であると理解される。本明細書(添付の特許請求の範囲、要約書又は図面を含む)に開示された特徴の全て、及び/又はそのように開示された任意の方法又はプロセスのステップの全ては、かかる特徴及び/又はステップの少なくとも一部が相互に排他的である組み合わせを除き、任意の組み合わせで組み合わせることが可能である。本発明は、上述の実施形態の詳細に限定されるものではない。本発明は、本明細書(添付の特許請求の範囲、要約書及び図面を含む)に開示された特徴の任意の新規なもの、又は任意の新規な組み合わせ、又はそのように開示された任意の方法若しくはプロセスのステップの任意の新規なもの、又は任意の新規な組み合わせに及ぶ。
【0282】
読者の注意は、本願に関連して本明細書と同時又はそれ以前に提出され、本明細書とともに公開されるすべての論文及び文書に向けられ、そのようなすべての論文及び文書の内容は、参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0283】
図2(a)及び図2(b)は、本発明に係る、基板を備える2端子デバイス50の一例を示す図である。基板は、第1セル54a、第2セル54b及び第3セル54cを備える。第1セル54a、第2セル54b及び第3セル54cは、図2(a)及び図2(b)に示すように、光電池であってもよい。この具体例では、第1セル54a、第2セル54b及び第3セル54cは、第1の一連の溝54a、第2の一連の溝54b及び第3の一連の溝54cとして形成されている。各一連の溝54a、54b、54cは、複数の溝を含む。
【0284】
図2(a)及び図2(b)に示すように、複数の溝が互いに直列に(シリアルに)接続され、第1の一連の溝54aを形成している。同様に、複数の溝が直列に接続されて第2の一連の溝54bが形成され、さらに複数の溝が直列に接続されて第3の一連の溝54cが形成されている。このように、まず、それぞれの一連の溝54a、54b、54cにおける複数の溝が直列に接続されてそれぞれの一連の溝54a、54b、54cが形成され、その後、それぞれの一連の溝54a、54b、54cが互いに並列に接続されている。従って、図2(a)及び図2(b)の2端子デバイス50は、図1に示されるような先行技術のデバイスとは異なるものである。
【0285】
図2(a)及び図2(b)の2端子デバイス50では、図1に示された従来の基板などでは通常必要とされるバイパスダイオードを設ける必要がないという利点を有する。その代わりに、溝は、いくつかの例では、各溝の間に約0.1mm以下の間隔をおいて、互いに比較的接近して直列に配置される。これにより、一連の溝54a、54b、54c内の各溝は、使用中に、実質的に、又は全く同じ照明条件を受ける。さらに、各一連の溝54a、54b、54cは並列に接続されているので、個々の一連の溝54a、54b、54cによる遮光は、装置全体の性能にそれほど大きな影響を及ぼさない。従って、本発明では、バイパスダイオードの前提条件が否定される。
【0286】
さらに、図2(a)及び図2(b)に示すように、2端子デバイス50は、第1の区切り機構56aを有する第1の接続部分と、第2の区切り機構56bを有する第2の接続部分と、を含む。第1の区切り機構56aは、第1の一連の溝54aと第2の一連の溝54bとの間に設けられ、第2の区切り機構56bは、第2の一連の溝54bと第3の一連の溝54cとの間に設けられる。本明細書に記載されるように、間に任意の数の区切り機構56a、56bを有する任意の数の一連の溝54a、54b、54cには、任意の数の溝が存在してもよい。さらに、区切り機構56a、56bは、本明細書でさらに説明するように、任意の適切な形態をとってもよい。
【0287】
各一連の溝54a、54b、54cは、第1の電気接続部58と第2の電気接続部60との間の電気接続を可能にする。図示されている実施形態では、第1の電気接続部58は正の電気接続部であり、第2の電気接続部60は負の電気接続部である。あるいは、第1の電気接続部58は負の電気接続部であり、第2の電気接続部60は正の電気接続部であってもよい。正負の電気接続部58、60は、それぞれの端子、例えば、2端子デバイス50の正負のバスバー62、64に接続されてもよい。このようにして、正の電荷は正のバスバー62に運ばれ、負の電荷は対向する負のバスバー64に運ばれる。なお、バスバー62、64は、コンデンサ等の別の電気素子に接続されていてもよい。
【0288】
本明細書に記載されるように、区切り機構は、典型的には、隣接する一連の溝の間に電気的な遮断を提供するか、又は電気的な分離を提供する役割を果たす。しかしながら、本明細書に記載されるように、これはしばしば不可能であり、そのため、そのようなデバイスの製造中に、区切り機構の1つ以上を横断して電気的短絡が発生する。この場合、本発明者らは、驚くべきことに、導電性の区切り機構56a、56b、すなわち、それを横断する(介する)電気的接続を可能にする区切り機構は、図2(a)に示すように、逆バイアスダイオードと並列の抵抗器としてモデル化することができることを見いだした。このようにして、各区切り機構56a、56bは、一連の溝54a、54b、54cの終端溝からその隣接する電気接続部58、60への電気経路が、区切り機構56a、56bを横断する電気経路よりも優先されるような抵抗を提供する。このように、電荷は、各区切り機構56a、56bを横切る電荷移動、すなわち各区切り機構56a、56bを横切る短絡に優先して、正及び負のバスバー62、64で取り出され得る。
【0289】
さらに、本発明者らは、驚くべきことに、各区切り機構56a、56bが導電性である場合、当該各区切り機構56a、56bによって、隣接する一連の溝の間で電荷ブロッキングと実質的な電気的絶縁とが同時に可能になることを見いだした。すなわち、区切り機構56a、56bは、バイパスダイオードに使用されるのと同じ方向で電荷ブロッキングを提供する。このようにして、導電性の区切り機構56a、56bは、隣接する一連の溝54a、54b、54cを逆バイアス損傷から保護する、すなわち一連の溝54a、54b、54c内の各溝における(across)電荷の流れとは反対の方向に流れる電荷から、保護する。例えば、図2(b)を参照すると、区切り機構56aは、正バスバー62に接続された正電気接続部58から、区切り機構56aを通り、溝及び負バスバー64に接続された負電気接続部60に向かって流れる電荷を防止している。このように、発明者が驚いたことに、導電性の区切り機構56a、56bは、非導電性の区切り機構のように電荷の取り出しを可能にするだけでなく、導電性の区切り機構56a、56bが逆バイアス損傷に対する保護を提供できることが見いだされた。
【0290】
図3は、基板102を備える2端子デバイス100を示す平面図である。基板102は、複数の一連の溝104a~104dを有する表面を有する。特に、基板102は、第1の一連の溝104a、第2の一連の溝104b、第3の一連の溝104c及び第4の一連の溝104dを有する。なお、基板102の機械方向MDに、さらに一連の溝を設けてもよい。一連の溝104a~104dにおける各溝は、概ね、基板102の横方向TDに沿って互いに平行に延びており、例えば後述の第1端子112に近接する近位端から、例えば後述の第1端子112から遠位する遠位端まで延在している。各一連の溝104a~104dの間にチャネル106が設けられている。
【0291】
2端子デバイス100は、太陽電池のような光電子デバイスであってもよい。このような2端子デバイス100は、インターディジット型(並列接続型)(interdigitated (parallel connected))とカスケード型(直列接続型)(cascaded (series connected))とを組み合わせた溝104a~104dを有する。このような2端子デバイス100の動作電圧は、一連の溝104a~104dの数を変化させることによって制御され得る。一連の溝104a~104dの数を増やすと、2端子デバイス100の動作電圧が高くなる。このような2端子デバイス100は、並列配置、又は直列配置と並列配置との組み合わせで動作され得る。これにより、所望の出力電圧を達成するために、カスケード接続された溝構造を直列に接続するための余分なプロセスステップを使用する必要がなくなり、これは、2端子デバイス100の利点となり得る。
【0292】
チャネル106は、カスケード接続された(直列接続された)溝104a~104dを物理的に分離する。チャネル106によって、カスケード接続された溝104a~104dを、第1及び第2端子112、114への電気的接続を介して、並列に接続することができる。このようにして、カスケード接続された溝構造104a~104dの数によって設計された電圧で発生する所望の電荷を取り出すことができる。
【0293】
チャネル106は、区切り機構又は構造的区切り機構とも呼ばれ、最初に基板102の1つの縁部の方で第1の一連の溝104aを交差し、次に第1の一連の溝104aと第2の一連の溝104bとの間のスペーサ108を交差し、続いて基板102の反対側の縁部の方で第2の一連の溝104bを交差している。多くのこれらのチャネル106が使用されるので、例えば各一連の溝104a、104bは、図3に示すように、2つの連続する個々のチャネル106の要素によって各端部の方で交差されている。チャネル106は、一連の溝104a、104b、104c、104dの各溝の端部の方を交差している。しかしながら、他の実施形態では、チャネル106は、一連の溝104a、104b、104c、104dの各溝を終端させる、すなわち一連の溝104a、104b、104c、104dの各溝の端部で交差していてもよい。
【0294】
スペーサ108及びチャネル106は共に、基板102を第1のエリア110a及び第2のエリア110bに分割する。第1のエリア110aは正の電荷を帯び、第2のエリア110bは負の電荷を帯びている。第1のエリア110aは、横方向TDを基準として、基板102の一方の縁部において第1又は正の端子112で終端し、第2のエリア110bは、基板102の他方の、反対側の縁部において第2又は負の端子114で終端している。第1のエリア110aでは、各一連の溝104a~104dの最初の溝が、第1端子112に電気的に接続される。第2のエリア110bでは、各一連の溝104a~104dの最後の溝は、第2端子114に電気的に接続される。このようにして、第1端子112及び第2端子114を備える2端子デバイス100が形成される。
【0295】
図4は、基板202を備える他の2端子デバイス200の平面図である。基板202は、複数の一連の溝204a~204dを有する表面を有する。特に、基板202は、第1の一連の溝204a、第2の一連の溝204b、第3の一連の溝204c及び第4の一連の溝204dを有する。なお、基板202の機械方向MDに、さらに一連の溝を設けてもよい。一連の溝204a~204dにおける各溝は、概ね、基板202の横方向TDに沿って互いに平行に延びており、例えば後述の第1端子212に近接する近位端から、後述する第1端子212から遠位にある遠位端まで延在している。チャネル206、この場合、複数のチャネル206a~206cは、一連の溝204a~204dのそれぞれの間に設けられている。
【0296】
2端子デバイス200は、太陽電池などのような光電子デバイスであってもよい。このような2端子デバイス200は、インターディジット型(並列接続型)とカスケード型(直列接続型)とを組み合わせた溝204a~204dを有する。このような2端子デバイス200の動作電圧は、一連の溝204a~204dの数を変化させることによって制御され得る。一連の溝204a~204dの数を増やすと、2端子デバイス200の動作電圧が高くなる。このような2端子デバイス100は、並列配置、又は直列配置と並列配置との組み合わせで動作され得る。これにより、所望の出力電圧を達成するために、カスケード接続された溝構造を直列に接続するための余分なプロセスステップを使用する必要がなくなり、これは、2端子デバイス200の利点となり得る。
【0297】
複数のチャネル206a~206cの各チャネルは、カスケード接続された(直列接続された)溝204a~204dを物理的に分離している。複数のチャネル206a~206cのそれぞれによって、カスケード接続(直列接続)された溝204a~204dを第1端子212及び第2端子214に並列に電気的に接続することができる。このようにして、カスケード接続された溝構造204a~204dの数によって設計された電圧で発生する所望の電荷を取り出すことができる。
【0298】
第1チャネル206aは、第1の区切り機構又は構造的区切り機構とも呼ばれ、最初に基板202の1つの縁部の方で(縁部の近くで)(towards one end)第1の一連の溝204aを交差し、次に第1の一連の溝204aと第2の一連の溝204bの間のスペース208を交差し、続いて第2の一連の溝204bを基板202の反対側の縁部の方(towards the opposite edge)で交差している。多くのこれらのチャネルが使用されるので、例えば各一連の溝204a、204bは、図4に示すように、2つの連続する個々のチャネルの要素によって各端部の方で交差されている。第1チャネル206aは、一連の溝204a、204b、204c、204dの各溝の端部の方を交差している。しかしながら、他の実施形態では、第1チャネル206aは、一連の溝204a、204b、204c、204dの各溝を終端させる、すなわち一連の溝204a、204b、204c、204dの各溝の端部で交差していてもよい。
【0299】
第2チャネル206bは、第1チャネル206aと同様に、まず、基板202の1つの端部の方で第1の一連の溝204aを交差し、次に、第1の一連の溝204aと第2の一連の溝204bとの間のスペーサ208を交差し、続いて、基板202の反対側の縁部の方で第2の一連の溝204bを交差している。第3チャネル206cは、第1チャネル206a及び第2チャネル206bと同様に、第1の一連の溝204a、スペーサ208、及び第2の一連の溝204bを交差している。
【0300】
複数のチャネル206a~206cを使用することは、第1の一連の溝204aと第2の一連の溝204bとの間の界面を横切って、すなわち複数のチャネル206a~206cを横切って電気的短絡が形成される可能性を緩和するために有利であり得る。したがって、複数のチャネル206a~206cによって、より効率的で信頼性の高い2端子デバイス200を確保することができる。
【0301】
スペーサ208及びチャネル206は共に、基板202を第1のエリア210a及び第2のエリア210bに分割する。第1のエリア210aは正の電荷を帯び、第2のエリア210bは負の電荷を帯びている。第1のエリア210aは、横方向TDを基準として、基板202の一方の縁部において第1又は正の端子212で終端し、第2のエリア210bは、基板202の他方の、反対側の縁部において第2又は負の端子214で終端している。第1のエリア210aでは、各一連の溝204a~204dの最初の溝が、第1端子212に電気的に接続される。第2のエリア210bでは、各一連の溝204a~204dの最後の溝が、第2端子214に電気的に接続される。このように、第1端子212及び第2端子214を備える2端子デバイス200が形成される。
【0302】
図5は、基板302を備えるさらに別の2端子デバイス300を示す平面図である。基板302は、複数の一連の溝304a~304dを有する表面を有する。特に、基板302は、第1の一連の溝304a、第2の一連の溝304b、第3の一連の溝304c及び第4の一連の溝304dを有している。なお、基板302の機械方向MDに、さらに一連の溝を設けてもよい。一連の溝304a~304dにおける各溝は、概ね、基板302の横方向TDに沿って互いに平行に延びており、例えば後述の第1端子312に近接する近位端から、例えば後述の第1端子312に遠位する遠位端に延在している。各一連の溝304a~304dのそれぞれの間に、区切り機構(306a、306b、306c、316、318)が設けられている。
【0303】
2端子デバイス300は、太陽電池(太陽光発電セル)のような光電子デバイスであってもよい。このような2端子デバイス300は、インターディジット型(並列接続型)とカスケード型(直列接続型)とを組み合わせた溝304a~304dを有する。このような2端子デバイス300の動作電圧は、一連の溝304a~304dの数を変化させることによって制御することができる。一連の溝304a~304dの数を増やすと、2端子デバイス300の動作電圧が高くなる。このような2端子デバイス300は、並列配置又は直列配置と並列配置との組合せで動作され得る。これにより、所望の出力電圧を達成するために、カスケード接続された溝構造を直列に接続するための余分なプロセスステップを使用する必要がなくなり、これは、2端子デバイス300の利点となり得る。
【0304】
区切り機構(306a、306b、306c、316、318)は、カスケード接続(直列接続)された溝304a~304dを物理的に分離させる。区切り機構によって、カスケード接続された溝304a~304dを、第1端子312及び第2端子314への電気的接続を介して並列に接続させることができる。このようにして、カスケード接続された溝構造304a~304dの数によって設計された電圧で発生する所望の電荷を取り出すことが可能である。
【0305】
区切り機構は、複数のチャネル、具体的には、第1チャネル306a、第2チャネル306b及び第3チャネル306cを有する。各チャネル306a~306cは、各チャネル306a~306cの遠位端において第1横断チャネル316に接続され、各チャネル306a~306cの近位端において第2横断チャネル318に接続されている。第1横断チャネル316及び第2横断チャネル318は、区切り機構の一部を形成し、実質的にチャネル同様であってもよいし、更なるチャネルであってもよい。第1横断チャネル316及び第2横断チャネル318は、概して、各チャネル306a~306cにそれぞれのチャネル端部で垂直に接続する。第1横断チャネル316は、まず、基板302の1つの縁部の方で第1の一連の溝304aを交差し、次に、第1の一連の溝304aと第2の一連の溝304bとの間のスペーサ308を交差し、続いて基板302の反対側の縁部の方で第2の一連の溝304bを交差している。多くのこれらの区切り機構が使用されるので、例えば各一連の溝304a、304bは、図5に示すように、2つの連続する横断チャネル316、318の要素によって各端部の方(各端部の近く)で交差されている。区切り機構、具体的には横断チャネル316、318は、一連の溝304a、304b、304c、304dの各溝の端部の近くを交差している。しかしながら、他の実施形態では、横断チャネル316、318は、一連の溝304a、304b、304c、304dの各溝の端部を終端させる、すなわち端部で交差していてもよい。
【0306】
一連の溝の間に複数のチャネル306a~306cを使用することは、第1の一連の溝304aと第2の一連の溝304bとの間の界面を横切って、すなわち、区切り機構を横切って電気的短絡が形成される可能性を緩和するために有利であり得る。さらに、記述された配置、具体的には、各チャネル306a~306cの各端部における横断チャネル316、318の配置によって、そのような効率的かつ信頼性の高い基板を容易に製造することができる。
【0307】
スペーサ308及び複数のチャネル306a~306cは共に、基板302を第1のエリア310a及び第2のエリア310bに分割する。第1のエリア310aは正電荷を帯び、第2のエリア310bは負電荷を帯びている。第1のエリア310aは、横方向TDを基準として、基板302の一方の縁部における第1又は正の端子312で終端し、第2のエリア310bは、基板302の他方の、反対側の縁部における第2又は負の端子314で終端している。第1のエリア310aでは、各一連の溝304a~304dの最初の溝が、第1端子312に電気的に接続される。第2のエリア310bでは、各一連の溝304a~304dの最後の溝が第2端子314に電気的に接続される。このようにして、第1端子312及び第2端子314を備える2端子デバイス300が形成される。
【0308】
図6は、基板402を備えるさらに別の2端子デバイス400を示す平面図である。基板402は、複数の一連の溝404a~404cを有する表面を有する。特に、基板402は、第1の一連の溝404a、第2の一連の溝404b、及び第3の一連の溝404cを有する。基板402の機械方向MDにさらに一連の溝を設けてもよい。一連の溝404a~404cの各溝は、概ね、基板402の横方向TDに沿って互いに平行に延びており、例えば後述の第1端子412に近接する近位端から、例えば後述の第1端子412に遠位する遠位端まで延在する。一連の溝404a~404cのそれぞれの間には、チャネル406が設けられる。
【0309】
2端子デバイス400は、太陽電池などの光電子デバイスであってもよい。このような2端子デバイス400は、インターディジット型(並列接続型)とカスケード型(直列接続型)とを組み合わせた溝404a~404cを有する。このような2端子デバイス400の動作電圧は、一連の溝404a~404cの数を変化させることによって制御することができる。一連の溝404a~404cの数を増加させると、2端子デバイス400の動作電圧が高くなる。このような2端子デバイス400は、並列配置又は直列配置と並列配置の組合せで動作され得る。これにより、所望の出力電圧を達成するために、カスケード接続された溝構造を直列に接続するための余分なプロセスステップを使用する必要がなくなり、これは、2端子デバイス400の利点となり得る。
【0310】
チャネル406は、カスケード接続された(直列接続された)溝404a~404cを物理的に分離している。チャネル406によって、第1端子412及び第2端子414への電気的接続を介して、カスケード接続された溝404a~404cを並列に接続することができる。このようにして、カスケード接続された溝構造404a~404cの数によって設計された電圧で発生する所望の電荷を取り出すことができる。
【0311】
区切り機構又は構造的区切り機構とも呼ばれるチャネル406は、機械方向MDに沿って延びる第1領域と、機械方向MDに沿って延び、第1領域と実質的に平行な第2領域と、第1領域と第2領域との間を横方向TDに沿って延び、第1領域と第2領域とを接続するその間の第3領域とを有する。チャネル406は、まず、基板402の一方の縁部の方で第1の一連の溝404aを交差し、第1の一連の溝404aと第2の一連の溝404bとの間のスペーサ408を交差し、続いて第2の一連の溝404bを基板402の反対側の縁部の方で交差する。多くのこれらのチャネル406が使用されるので、例えば各一連の溝404a、404bは、図6に示すように、2つの連続するチャネル406の要素によって、溝の各端部の方(各端部の近く)で交差されている。チャネル406は、一連の溝404a、404b、404cの各溝の端部を終端させる、すなわち、各溝の端部で交差している。しかしながら、他の実施形態では、チャネル406は、一連の溝404a、404b、404cの各溝の端部の方を交差してもよく、すなわち、一連の溝404a、404b、404cの各溝の端部を終端しなくてもよい。
【0312】
さらに、チャネル406は、図示された実施形態では、実質的にZ字形状である。図6に示すように、チャネル406の第1領域とチャネル406の第3領域との間には、第1の所定角度αが形成される。チャネル406の第2領域とチャネル406の第3領域との間には、第2の所定角度βが形成される。この例では、α=βであるが、他の例では、αとβとは等しくない(α≠β)。この具体例では、α及びβは約70度である。α及びβは、他の例では異なる値、例えば、1度から179度の間の任意の値を有することができる。
【0313】
このような基板の製造中に有利になり得るので、Z字形チャネル406を使用することが望ましい場合がある。以下でさらに説明するように、そのような基板は、軸外方向コーティング法を用いてコーティングされる。したがって、チャネル406の様々な領域間に角度を設けることによって、シャドウイング効果が増大し、それによって、材料でコーティングされていないチャネル406の領域が得られる。このようにして、以下にさらに説明するように、チャネル406を横切る短絡の可能性が緩和される。
【0314】
スペーサ408及びチャネル406は共に、基板402を第1のエリア410a及び第2のエリア410bに分割する。第1のエリア410aは正電荷を帯び、第2のエリア410bは負電荷を帯びている。第1のエリア410aは、横方向TDを基準として、基板402の一方の縁部において第1又は正の端子412で終端し、第2のエリア410bは、基板402の他方の、反対側の縁部で第2又は負の端子414で終端している。第1のエリア410aは、各一連の溝404a~404cの最初の溝を、第1端子412に電気的に接続する。第2のエリア410bは、各一連の溝404a~404cの最後の溝を第2端子414に電気的に接続する。このようにして、第1端子412及び第2端子414を備える2端子デバイス400が形成される。
【0315】
図7(a)及び図7(b)は、基板502を備えるさらなる別の2端子デバイス500の平面図である。図7(a)及び図7(b)の2端子デバイス500は、図6の2端子デバイスと同様の構成である。すなわち、2端子デバイス500は、基板502と、複数の一連の溝504a~504dと、チャネル506と、スペーサ508と、正電荷を帯びた第1領域510aと、負電荷を帯びた第2領域510bと、第1端子512及び第2端子514と、を備える。これらの特徴は、図6に関連して説明され、ここではさらに説明されない。
【0316】
図7(a)及び図7(b)の2端子デバイス500は、第1の所定角度α及び第2の所定角度βが図6とは異なって形成されている点で図6と異なっている。図6では、チャネル406の第3領域が傾斜しており、第1領域及び第2領域が一連の溝404a~404cに対して実質的に垂直である。しかし、図7(a)に示すように、本例の2端子デバイス500では、チャネル506の第3領域は、一連の溝504a~504dに対して実質的に平行に延在し、第1領域及び第2領域は、第3領域に対してある角度をなして形成されている。図示された例では、α=βであるが、他の例では、αとβとは等しくない(α≠β)。この具体例では、α及びβは、約45度である。いくつかの例(図示せず)において、α及びβは、90度より大きくてもよく、例えば、180度まで(ただし、180度を含まない)である。図7(b)に示すように、区切り機構は、基板上の任意の適切な方法で配置され、任意の角度を有する、任意の形状をとることができる。
【0317】
Z字形チャネル506を使用することは、このような基板の製造中に有利になり得るので、望ましい場合がある。以下でさらに説明するように、そのような基板は、軸外方向コーティング法を用いてコーティングされる。したがって、チャネル506の様々な領域間に角度を設けることによって、シャドウイング効果が増大し、それによって、材料でコーティングされていないチャネル506の領域が得られる。このようにして、以下にさらに説明するように、チャネル506を横切る短絡の可能性が緩和される。さらに、Z字型のチャネル506によると、一連の溝504a~504dの間の空間をより効率的に使用することができるため、Z字型のチャネル506は好適であり得る。
【0318】
図8(a)~図8(d)は、図5に示すような2端子デバイス300の様々な図である。図8(a)~図8(d)において、同様の数字は同様の特徴部を示す。図8(c)及び図8(d)に最もよく示されているように、2端子デバイス300は一連の溝304を有し、各溝は溝基部350を有する。区切り機構、具体的には区切り機構の横断チャネル316、318は、それぞれ、チャネル基部354を有する。図8(a)~図8(d)から分かるように、また後述する図10及び図11をさらに参照すると分かるように、溝基部350は、溝304の細長い幅に沿って実質的に一定の深さを有している。さらに、溝基部350は、横断領域352において、チャネル基部354に向かって傾斜している。すなわち、溝304の各溝の深さは、横断領域352内の区切り機構、すなわちチャネル、この例では、横断チャネル316、318の深さに向かって傾斜している。これについては、図10及び図11を参照しながら、以下にさらに詳細に説明する。
【0319】
図9(a)及び図9(b)は、図7(a)に示されるような2端子デバイス500の様々な図を示している。図9(a)及び図9(b)において、同様の数字は同様の特徴部を示す。この図に示すように、2端子デバイス500は、一連の溝504を含み、各溝は、溝基部550を有する。区切り機構、具体的には、チャネル506は、チャネル基部554を含む。図9(b)に最もよく示されているように、また後述する図10及び図11をさらに参照すると、溝基部550は、溝504の細長い幅に沿って実質的に一定の深さを有している。さらに、溝基部550は、横断領域552において、チャネル基部554に向かって傾斜している。すなわち、溝504の各溝の深さは、横断領域552内で、区切り機構、この例ではチャネル506の深さに向かって傾斜している。これについては、図10及び図11を参照しながら、以下でさらに詳細に説明する。
【0320】
図10は、本明細書で説明した例のいずれにも適用可能な、溝とチャネルとの間の横断領域の一例の断面図を示す。具体的には、図10は、一連の溝の1つの溝604、及びチャネル606を有する基板602を示す。チャネル606は、溝604の近位端で溝604を横断している。溝604は、溝基部650を有し、チャネル606は、チャネル基部654を有する。
【0321】
溝604、具体的には溝基部650は、横断領域652において、チャネル606、具体的にはチャネル基部654に向かっている。横断領域652は、図示の例では実質的に円弧状である横断領域基部656を有する。すなわち、横断領域基部656は、溝基部650からチャネル基部654に向かうにつれて変化する深さ(可変深さ)を有する。可変深さは、図示する例では非線形(非直線的)である。
【0322】
図11は、本明細書で説明した例のいずれにも適用可能な、溝とチャネルとの間の横断領域の別の例を示す図である。具体的には、図11は、一連の溝の1つの溝704と、チャネル706とを有する基板702を示す。チャネル706は、溝704の近位端で溝704を横断している。溝704は、溝基部750を有し、チャネル706は、チャネル基部754を有する。
【0323】
溝704、具体的には溝基部750は、横断領域752において、チャネル706、具体的にはチャネル基部754に向かっている。横断領域752は、図示する例では、実質的に線形、すなわち直線である横断領域基部756を有する。すなわち、横断領域基部756は、溝基部750からチャネル基部754に向かうにつれて変化する深さ(可変深さ)を有する。可変深さは、図示する例では線形(直線的)である。
【0324】
図11に示すように、線形の横断領域752は、溝基部750の延長線として形成された仮想軸に対して角度Yなす。角度Yは、図示する例では、約45度として示されている。ただし、他の角度が使用されてもよい。
【0325】
図12は、本明細書に記載されるような基板を形成する方法800を示す図である。方法800は、可撓性材料のウェブを提供するステップ810、可撓性材料のウェブ内に第1の一連の溝を形成するステップ820、可撓性材料のウェブ内に第2の一連の溝を形成するステップ830、及び、可撓性材料のウェブ内に、第1の一連の溝と第2の一連の溝との間にチャネルを形成するステップ840を含む。
【0326】
それぞれのステップ810、820、830、840は、順次、つまり順番どおりに実施されてもよい。例えば、ステップ810、820、830、840は、図12に記載されるような順序で実施されてもよい。あるいは、ステップ810、820、830、840は、任意の他の順序で実施されてもよい。例えば、チャネルを形成するステップ840は、第1の一連の溝を形成するステップ820と第2の一連の溝を形成するステップ830との間で行われてもよい。さらに、ステップ810、820、830、840の2つ以上、又はすべてが、同時に、又は並行して、すなわち一緒に実施されてもよい。例えば、第1の一連の溝を形成するステップ820、第2の一連の溝を形成するステップ830、及びチャネルを形成するステップ840は、全て同時に行われてもよい。
【0327】
チャネルを形成するステップ840は、チャネルが第1の一連の溝及び第2の一連の溝の一部分を各溝の近位端の方(近位端の近く)で横断するようにチャネルを形成することをさらに含む。さらに、チャネルを形成するステップ840は、各溝の近位端でチャネルの深さに向かって傾斜する各溝の深さを形成することを含む。
【0328】
いくつかの例では、第1の一連の溝を形成するステップ820、第2の一連の溝を形成するステップ830、及び第1の一連の溝と第2の一連の溝との間にチャネルを形成するステップ840のうちの1つ以上は、図13に関連して説明したように、エンボス加工を含む。
【0329】
図13は、本明細書に記載される基板を形成する具体的な方法900を示す。方法900は、図12の方法800の具体例であってもよく、例えば、方法900は、エンボス加工を表してもよい。方法900は、可撓性材料902のウェブを提供するステップ910によって開始する。方法900はまた、可撓性材料902のウェブをUV硬化性組成物でコーティングするステップ920であって、それによって可撓性材料902のウェブの少なくとも1つの面にUV(紫外線)硬化性コーティング904を形成するステップを含んでいる。本方法は、コーティングされた可撓性材料のウェブ(902、904)を、この特定の例では円筒形のスタンピングロール906であるマスターシムとして示されるシムと係合するステップ930も含んでもよい。他の例では、複数のシム、単一のマスターシム、又は、複数のシムの1つ以上又は単一のマスターシムとして形成されたスタンピングプレートがあってもよい。すなわち、当業者は、シムがマスターシムである必要はなく、また、円筒形スタンピングロール906である必要もないことを認識するであろう。図示の例では、円筒形スタンピングロール906は、一連の突起908を備える。突起908は、以下でさらに説明するように、第1の一連の溝、第2の一連の溝、及びチャネルに対応する。
【0330】
突起908がコーティング(被覆)された可撓性材料(902、904)のウェブに係合すると、係合ステップ930の間にUV硬化性コーティング904は少なくとも部分的にUV硬化される(940)。次いで、突起908は、コーティングされた可撓性材料(902、904)のウェブから除去される(950)。突起908が除去されると(ステップ950)、UV硬化性コーティング904の部分的なUV硬化により、コーティングされた可撓性材料(902、904)のウェブは、突起908が除去される(950)にしたがって、円筒形スタンピングロール906の突起908の方へ引き寄せられる。しかしながら、UV硬化性コーティング904は部分的にしかUV硬化しておらず、完全には硬化していないので、円筒形スタンピングロール906の突起908が完全に除去されると、コーティングされた柔軟な材料(902、904)のウェブは緩和する(relax)。このようにして、第1の一連の溝又は第2の一連の溝とチャネルとの間の横断領域は、最初に、円筒形スタンピングロール906に向かって、上方に引き寄せられ、その後、緩和することにより、上述のように、溝の深さがチャネルの深さに向かうように形成される。
【0331】
円筒形スタンピングロール906は、コーティングされた可撓性材料ウェブ(902、904)の機械方向MDに沿って連続的に回転する。このように、機械方向MDに沿ってプロセスが繰り返される。また、形成された基板を機械方向MDに沿って様々な間隔で切断することが望ましい場合がある。そのような場合、方法900は、マスター基板を複数の基板に切断するステップを任意に含んでもよい。
【0332】
図14は、本明細書に記載されるような基板を備える2端子デバイスを形成する方法1000を例示する。方法1000は、図12の方法800又は図13の方法900の続きであってよい。方法1000は、本明細書に記載されるような基板1001を提供すること、又は形成すること(1010)によって開始される。方法1000はまた、第1の一連の溝1006、第2の一連の溝1008、及びチャネル1011の第1の面1002を第1の材料1012でコーティングすること(1020)を含んでもよい。方法1000はまた、第1の一連の溝1006、第2の一連の溝1008、及びチャネル1010の第2の面1004を第2の材料1014でコーティングすること(1040)を含んでもよい。第1の材料1012及び第2の材料1014は、異なっていてもよい。
【0333】
コーティングするステップ1020、1040は、図14、及び図15(a)~15(c)に最もよく示されるように、軸外方向コーティングを含んでもよい。すなわち、コーティングするステップ1020、1040は、基板1001の平面に対して形成されるある角度でコーティングすることを含んでもよい。図15に示すように、このような角度δは、30~70度の範囲内、例えば約45度であってよい。
【0334】
図15(a)、(b)は、それぞれ、図10及び図11の基板のコーティングプロセスを示す図である。図15(c)は、さらに、説明した図10及び図11の横断領域を有しない比較コーティングプロセスを示す図である。図15(a)及び図15(b)は、入射コーティング角度δを有するコーティングプロセスを説明する図であり、矢印Cは、入射するコーティング材料を示す。図示のように、横断領域652、752は、上述のように溝深さ650、750からチャネル深さ654、754へ向かって傾斜しているので、横断領域652、752の大部分、すなわち溝604、704とチャネル606、706とを結ぶ領域の大部分が、矢印C以下の領域で示すように、コーティングプロセス中にチャネル606、706の壁Wによって影になる。このようにして、コーティングプロセスの間、横断領域652、752の大部分は、入射する材料でコーティングされない。したがって、溝604、704及びチャネル606、706が、後述するように、電気経路を可能にする材料で満たされると、横断領域652、752にはコーティング材料がないため、溝604、704とチャネル606、706との間に電気的接続が存在しない状態になる。
【0335】
比較のため、図15(c)を参照すると、説明したような溝深さからチャネル深さまで向かって傾斜する横断領域652、752がなければ、隣接する一連の溝780とチャネル790との間の界面には、図15(a)及び図15(b)と同じ入射コーティング角度δで材料がコーティングされる。すなわち、図15(c)の例では、製造中の電気的短絡の発生は、溝780及びチャネル790に充填される材料の量にのみ依存する。これは、制御が難しいことで知られている。一方、溝の深さがチャネルの深さに向かって傾斜する横断領域を使用して、製造中に溝とチャネルの間の領域の影を増加させることで、電気的短絡が抑制される。
【0336】
方法1000は、チャネル1010を第3の材料1016で少なくとも部分的に充填するステップ1060をさらに含む。第3の材料1016は、第1の材料1012及び第2の材料1014と異なっていてもよい。いくつかの例では、チャネル1010を少なくとも部分的に充填するステップ1060は、印刷プロセスを含んでいてもよい。チャネル1010が第3の材料1016で充填されることに加えて、図14に示すように、第1の一連の溝1006、第2の一連の溝1008、又は第1及び第2の一連の溝1006、1008の両方は、同じ第3の材料1016で少なくとも部分的に充填されてもよい。図14は、チャネル1010が第3の材料1016で充填されている、又は完全に充填されている実施形態を示す。
【0337】
第1の材料1012、第2の材料1014及び第3の材料1016は、形成される2端子デバイスの使用用途によって異なる。例えば、いくつかの例では、装置に電気を供給する太陽光発電デバイスを製造することが望ましい場合がある。この例では、第1の材料1012は、導体又は半導体などの非絶縁性材料であってもよく、第2の材料1014は、導体又は半導体などの非絶縁性材料であってもよく、第3の材料1016は、ペロブスカイト構造材料であってもよい。当業者に認識されるように、2端子デバイスは、製造される2端子デバイスの意図された最終用途に適した適切なコーティングで製造され得る。
【0338】
図16は、本明細書に記載されるような基板1102を備える2端子デバイス1100を示す。基板1102は、第1の一連の溝1104と、第2の一連の溝1106と、その間(第1の一連の溝1104と第2の一連の溝1106との間)のチャネル1108とを有する。チャネル1108は、図示するように、溝1104、1106の深さよりも大きな深さを有していてもよい。
【0339】
第1の一連の溝1104は、第1の面1104a、対向する第2の面1104b、及び、その間のキャビティ1104cを有する。第2の一連の溝1106は、第1の面1106a、対向する第2の面1106b、及びその間のキャビティ1106cを有する。チャネル1108は、第1の面1108a、対向する第2の面1108b、及びその間のキャビティ1108cを有する。第1の面1104a、1106a、1108aは、第1の材料1110でコーティングされている。第2の面1104b、1106b、1108bは、第2の材料1112でコーティングされている。さらに、キャビティ1104c、1106c、1108c内には第3の材料1114が設けられている。図16に示すように、第1の一連の溝1104及び第2の一連の溝1106のキャビティ1104c、1106cは、対向面(1104a、1104b及び1106a、1106b)の第1の材料1110及び第2の材料1112が第3の材料1114に接触する程度に充填されている。このようにして、第1の一連の溝1104と第2の一連の溝1106とに跨って電気経路が形成される。
【0340】
図16で分かるように、チャネル1108のキャビティ1108cは、第3の材料1114が第1の面1108a上の第1の材料1110又は第2の面1108b上の第2の材料1112に接触するように第3の材料1114で充填される。したがって、電気経路が提供される。しかしながら、本明細書に記載される基板の性質及び基板の形成方法により、チャネル1108のキャビティ1108cは、より少ない程度に第3の材料1114で充填され得る。したがって、キャビティ1108cが図示のように大きく充填されたとしても、溝1104、1106がチャネル1108と接する横断領域内では、第1の材料1110又は第2の材料1112と接触しない。このようにして、より単純な製造工程を実現しながら、チャネル1108を横断する電気経路、つまり電気的短絡が防止される。
【0341】
図17は、2端子デバイス1200を示す。2端子デバイス1200は、基板1202を備える。基板1202は、第1セルと、第1セルから間隔をあけて配置された第2セルとを備える。第2セルは、基板1202のウェブ方向に沿って、基板1202に沿って第1セルから間隔をあけて配置されている。第1セルには、第1の一連の溝1204が設けられている。第1の一連の溝1204のそれぞれは、第1の面1204a、対向する第2の面1204b、及びその間のキャビティ1204cを有する。第2セルには、第2の一連の溝1206が設けられている。第2の一連の溝1206のそれぞれは、第1の面1206a、対向する第2の面1206b、及びその間のキャビティ1206cを有する。第1セルと第2セルとの間には、第1チャネル1208及び第2チャネル1209を有する接続部分が設けられている。第1チャネル1208は、第1の面1208aと、対向する第2の面1208bと、その間のキャビティ1208cとを有する。第2チャネル1209は、第1チャネル1208と第2セルとの間に設けられる。第2チャネル1209は、第1の面1209aと、対向する第2の面1209bと、その間にあるキャビティ1209cとを有する。他の実施例では、単一のチャネル1208が、第1セルと第2セルとの間に設けられる。他の追加例では、2つ以上のチャネル1208、1209が、第1セルと第2セルとの間に設けられる。基板1202は、第1端子及び第2端子を備える。第1端子及び第2端子は、基板1202の横方向に沿って対向する縁部に形成されている。第1端子及び第2端子は、図3図7に関連して説明した方法と同様の方法で、第1セル及び第2セルに電気的に接続される。すなわち、第1端子及び第2端子は、第1セル及び第2セルのそれぞれと電気的に連通している。いくつかの例では、キャビティ1208c、1209cの一方、又は両方は、それらのキャビティ1208c、1209c内の第3の材料1214が第1の材料1210及び第2の材料1212に接触する程度まで充填されて、それらのキャビティを横断する電気的接続を提供してもよい。しかしながら、以下にさらに説明するように、チャネル1208、1209の合成抵抗のために、第1セル又は第2セルからの電荷は、接続部分1208、1209を介して(横切って)移動されるよりもむしろ、デバイスの第1端子及び第2端子で取り出される。
【0342】
第1の面1204a、1206a、1208a、1209aは、第1の材料1210でコーティングされる。第2の面1204b、1206b、1208b、1209bは、第2の材料1212でコーティングされる。さらに、第3の材料1214が、キャビティ1204c、1206c、1208c、1209c内に設けられる。第1の一連の溝1204及び第2の一連の溝1206のキャビティ1204c、1206cは、対向する面(1204a、1204b及び1206a、1206b)の第1の材料1210及び第2の材料1212が第3の材料1214に接触する程度に充填されている。これにより、第1セルの第1の一連の溝1204を横切り、第2セルの第2の一連の溝1206の間に電気経路が形成される。
【0343】
第1チャネル1208のキャビティ1208cは、キャビティ1208c内の第3の材料1214が、第1の面1208a上の第1の材料1210及び第2の面1208b上の第2の材料1212に接触しないように、第3の材料1214で部分的に充填されている。第3の材料1214と第1の面1208a上の第1の材料1210との間には、電気経路は設けられていない。第3の材料1214と第2の面1208b上の第2の材料1212との間には、電気経路が設けられていない。第2チャネル1209のキャビティ1209cは、キャビティ1209c内の第3の材料1214が第1の面1209a上の第1の材料1210及び第2の面1209b上の第2の材料1212に接触しないように、第3の材料1214で部分的に充填されている。第3の材料1214と第1の面1209a上の第1の材料1210との間には、電気経路は設けられていない。第3の材料1214と第2の面1209b上の第2の材料1212との間には、電気経路は設けられていない。第1チャネル1208及び第2チャネル1209により、接続部分の一方の側から他方の側への電気抵抗が確保される。
【0344】
使用中、第1チャネル1208及び第2チャネル1209を横切る合成抵抗(combined resistance across the first and second channels)、すなわち接続部分を横切る抵抗は、第1セルを横切る抵抗よりも大きい。第1チャネル1208及び第2チャネル1209を横切る合成抵抗は、第2セルを横切る抵抗よりも大きい。より具体的には、第1セルは、第1の特性抵抗を有する。第2セルは、第2の特性抵抗を有する。第1チャネル1208及び第2チャネル1209を横切る合成抵抗は、第1セルを横切る第1の特性抵抗よりも大きい第3の特性抵抗である。第3の特性抵抗は、第2セルを横切る第2の特性抵抗よりも大きい。第1チャネル1208及び第2チャネル1209を横切る合成抵抗が、第1セル及び第2セルを横切る抵抗よりも大きいことによって、電荷は、第1セルと第2セルとの間で、接続部分を横切って移動されるよりもむしろ、第1端子及び第2端子から取り出される。この特定の例では、第1の特性抵抗の抵抗値と第2の特性抵抗の抵抗値は同じである。いくつかの例において、接続部分を横切る第3の特性抵抗は、第1の特性抵抗及び第2の特性抵抗の少なくとも一方に等しいことが想定される。第1セルと第2セルとの間に2つ以上のチャネル1208、1209が設けられてもよいことが想定される。第1セルと第2セルとの間に複数のチャネルを設けることで、チャネルの数に応じて合成抵抗が増加する。チャネル間の間隔を大きくして、接続部分を横切る複合抵抗をさらに大きくしてもよい。この特定の例では、接続部分を横切る合成抵抗は、第1セルを横切る抵抗の5倍である。この特定の例では、接続部分を横切る抵抗はまた、第2セルを横切る抵抗の5倍である。この特定の例では、第1セルを横切る抵抗と第2セルを横切る抵抗とは同じである。
【0345】
図18は、2端子デバイス1300を示す。2端子デバイス1300は、基板1302を備える。基板1302は、図17を参照して前述したように、第1セル1304、第2セル1306、第1端子及び第2端子を有するので、ここでは再び詳細を説明しない。図18において、図17と同様の数字が適用されるが、数字が「12」の代わりに「13」で始まる点で異なる。第1セル1304と第2セル1306との間には、接続部分が設けられている。接続部分は、複数のチャネルを有する。この特定の例では、接続部分は、図17に関連して説明したように、第3の材料1314で充填された2つのチャネル1308、1309を有する。留意されるように、図18は、図17と同じであるが、各チャネルの一方の側の第1の材料1310と、各チャネルの他方の側の第2の材料1312との間で電気接続がなされるように、接続部分内のチャネルが充填されている点で異なる。このようにして、チャネルを横切る電気経路が形成される。
【0346】
使用中、接続部分を横切る抵抗は、第1セル1304を横切る抵抗よりも大きい。接続部分を横切る抵抗はまた、第2セル1306を横切る抵抗よりも大きい。より具体的には、第1セルは、第1の特性抵抗を有する。第2セルは、第2の特性抵抗を有する。接続部分を横切る抵抗は、第1セル1304を横切る第1の特性抵抗よりも大きい第3の特性抵抗である。第3の特性抵抗はまた、第2セル1306を横切る第2の特性抵抗よりも大きい。接続部分を横切る抵抗が、第1セル1304を横切る第1の特性抵抗よりも大きく、第2セル1306を横切る第2の特性抵抗よりも大きくなるような配置によって、電荷は、第1端子及び第2端子の間を移動されるよりもむしろ、第1端子及び第2端子から取り出される。この特定の例では、第3の特性抵抗は、第1セル1304を横切る第1の特性抵抗の3倍である。第3の特性抵抗は、第2セル1306を横切る第2の特性抵抗の3倍である。いくつかの実施例では、接続部分は、接続部分を横切る抵抗を増加させる抵抗要素(図示せず)を追加的に備えている。
【0347】
図19は、2端子デバイス1400を示す。2端子デバイス1400は、図17を参照して実質的に前述したように、第1セル1404及び第2セル1406を有する基板1402を備えるので、ここでは再び詳細に説明しない。基板1402は、図17を参照して前述したように実質的に第1端子及び第2端子を有しているので、ここでは再び詳細に説明しない。第1セル1404と第2セル1406の間には接続部分1408が設けられる。この特定の実施例では、接続部分1408は、第1セル1404を形成する第1の一連の溝及び第2セル1406を形成する第2の一連の溝から、及び、その間に延在する平面要素である。接続部分1408は、基板1402のウェブ方向に沿う方向において、第1セル1404と第2セル1406との間に延在している。第1の一連の溝は、第1の面1404a、対向する第2の面1404b、及びその間のキャビティ1404cを有する。第2の一連の溝は、第1の面1406a、対向する第2の面1406b、及びその間のキャビティ1406cを有する。第1の面1404a、1406aは、第1の材料1410でコーティングされている。第2の面1404b、1406bは、第2の材料1412でコーティングされている。接続部分1408に近接する溝1404の第2の面1404bをコーティングする第2の材料1412は、接続部分1408を部分的に被覆する。
【0348】
接続部分1408に近接する溝1404の第1の面1406aをコーティングする第1の材料1410は、接続部分1408を部分的に被覆する。このように、第1セル1404と第2セル1406との間に設けられた接続部分1408は、接続部分1408の第1セル1404に近接する端部において、第2の材料1412で部分的にコーティングされている。また、第1セル1404と第2セル1406との間に設けられた接続部分1408は、第2セル1406に近接する接続部分1408の端部において、第1の材料1410で部分的にコーティングされている。したがって、接続部分1408は、第1セル1404と第2セル1406との間に設けられ、第1セル1404に近接する第1端部において部分的に第2の材料1412でコーティングされ、第2セル1406に近接する第2端部において部分的に第1の材料1410でコーティングされる。接続部分1408を部分的に被覆する第1の材料1410及び第2の材料1412は、互いに電気的に分離されている。接続部分1408によって、一方の側から他方の側への電気抵抗が確保される。
【0349】
使用中、接続部分1408を横切る抵抗は、第1セル1404を横切る抵抗よりも大きい。接続部分1408を横切る抵抗は、第2セル1406を横切る抵抗よりも大きい。第1セル1404は、第1の特性抵抗を有する。第2セル1406は、第2の特性抵抗を有する。接続部分1408を横切る抵抗は、第1セル1404を横切る第1の特性抵抗よりも大きい第3の特性抵抗である。第3の特性抵抗は、第2セル1406を横切る第2の特性抵抗よりも大きい。第1セル1404と第2セル1406との間の接続部分1408を横断する抵抗がより大きくなるような配置により、第1セル又は第2セルからの電荷は、接続部分1408を介して(横切って)第1セル1404と第2セル1406との間で移動されるよりもむしろ、第1端子及び第2端子から取り出され得る。
【0350】
図20は、2端子デバイス1500を示す。2端子デバイス1500は、基板1502を備える。基板1502は、基板1502のウェブ方向に沿って、第1セル1504と、第1セル1504から間隔をあけて配置された第2セル1506とを有する。第1セル1504及び第2セル1506は、図17を参照して前述した通りであるので、ここで再び詳細に説明しない。基板1502は、図17を参照して説明したように、第1端子及び第2端子を備えているが、ここで再び詳細に説明しない。第1セル1504と第2セル1506との間には、接続部分が設けられる。接続部分は、第1の面1508a、対向する第2の面1508b、及びその間のキャビティ1508cを有するチャネル1508を備える。チャネル1508は、第1セル1504及び第2セル1506のそれぞれの溝よりも大きい深さを有する。
【0351】
第1の面1504a、1506a、1508aは、第1の材料1510でコーティングされる。第2の面1504b、1506b、1508bは、第2の材料1512でコーティングされる。さらに、第3の材料1514は、キャビティ1504c、1506c、1508c内に設けられる。第1セル1504及び第2セル1506のそれぞれのキャビティ1504c、1506cは、対向面(1504a、1504b及び1506a、1506b)の第1の材料1510及び第2の材料1512が第3の材料1514に接触する程度に充填されている。これにより、第1セル1504を横切り、第2セル1506を横切る電気経路が形成される。
【0352】
キャビティが材料1016によって完全に充填されている図14に示す2端子デバイスとは異なり、キャビティ1508cの面1508a、1508bによって形成される壁は、第3の材料1514によってコーティングされている。キャビティ1508cは、キャビティ1508c内の第3の材料1514が、第1の面1508a上の第1の材料1510、及び第2の面1508b上の第2の材料1512に電気的に接続されるようにコーティングされる。したがって、接続部分1508の第1の面1508a上の第1の材料1510と、接続部分1508の第2の面1508b上の第2の材料1512との間に、電気経路が設けられる。チャネル1508は、一方の側から他方の側への電気的接続を形成する。すなわち、チャネル1508は、第1セル1504に近接する一方側と、第2セル1506に近接する他方側とを電気的に接続する。
【0353】
使用中、接続部分を横切る抵抗は、第1セル1504を横切る抵抗よりも大きい。接続部分を横切る抵抗は、第2セル1506を横切る抵抗よりも大きい。第1セル1504は、第1の特性抵抗を有する。第2セル1506は、第2の特性抵抗を有する。接続部分を横切る抵抗は、第1セル1504を横切る第1の特性抵抗よりも大きい第3の特性抵抗である。第3の特性抵抗は、第2セル1506を横切る第2の特性抵抗よりも大きい。このような配置により、第1セル又は第2セルからの電荷は、第1セル1504と第2セル1506との間で接続部分1508を横切って移動されるよりもむしろ、第1端子及び第2端子から取り出され得る。
【0354】
図21は、2端子デバイス1600を示す図である。2端子デバイス1600は、第1セル1604と、第2セル1606と、第1端子と、第2端子とを有する基板1602を備える。これは、図20を参照して本明細書で説明したとおりであり、ここで再び詳細に説明しない。第1セル1604と第2セル1606との間には、チャネル1608を有する接続部分が設けられる。チャネル1608は、第1セル1604に近接する第1の面1608aと、第2セル1606に近接する、対向する第2の面1608bと、を備える。チャネル1608は、第1の面1608aと第2の面1608bとの間にキャビティ1608cを有する。チャネル1608の第1の面1608a及びチャネル1608の第2の面1608bは、第1セル1604及び第2セル1606の溝の深さよりも深く基板1602内に延在している。この特定の例では、チャネル1608は、第1の面1608a、第2の面1608b、及び轍状の底部(bottom rutted portion)を有する、実質的にU字形状である。この例では、轍状の底部は、8つの起伏(凹凸)(undulations)で形成されている。チャネル1608のキャビティ1608cは、第1セル1604及び第2セル1606のそれぞれのキャビティ1604c、1606cと比較して、より大きいサイズを有している。第1セル1604及び第2セル1606の溝と比較して、チャネル1608のサイズ及び深さが大きいほど、第1セル1604及び第2セル1606のそれぞれを横切る抵抗に対して、接続部分を横切る抵抗が大きくなる。
【0355】
第1の面1604a、1606a、1608aは、第1の材料1610でコーティングされる。第2の面1604b、1606b、1608bは、第2の材料1612でコーティングされる。さらに、第3の材料1614は、キャビティ1604c、1606c、1608c内に設けられる。第1セル1604及び第2セル1606それぞれのキャビティ1604c、1606cは、対向面(1604a、1604b及び1606a、1606b)の第1の材料1610及び第2の材料1612が第3の材料1614に接触する程度に充填されている。これにより、第1セル1604の溝を横切り、第2セル1606の溝の間に電気経路が形成される。
【0356】
この特定の実施例では、キャビティ1608cを形成する轍状の底部の溝のそれぞれは、第3の材料1614で部分的に充填され、例えばコーティングされる。このようにして、第3の材料1614は、チャネル1608の起伏(凹凸)内に第3の材料1614のコーティング、又は適合した(起伏に整合した)コーティング又はフィルムを形成する。このように、第3の材料1614は、第1の面1608aで第1の材料1610と接触している。また、第3の材料1614は、第2の面1608b上で第2の材料1612と接触している。第3の材料1614と第1の面1608a上の第1の材料1610との間には、電気経路が設けられる。第3の材料1614と第2の面1608b上の第2の材料1612との間には、電気経路が設けられる。接続部分は、一方の側から他方の側への電気的接続を提供する。すなわち、接続部分は、第1セル1604に近接する接続部分の一方の側から、第2セル1606に近接する接続部分の他方の側への電気的接続を提供する。
【0357】
使用中、接続部分を横切る抵抗は、第1セル1604を横切る抵抗よりも大きい。接続部分を横切る抵抗はまた、第2セル1606を横切る抵抗よりも大きい。第1セル1604は、第1の特性抵抗を有する。第2セル1606は、第2の特性抵抗を有する。接続部分を横切る抵抗は、第1セル1604を横切る第1の特性抵抗よりも大きい第3の特性抵抗を有する。接続部分を横切る第3の特性抵抗は、第2セル1606を横切る第2の特性抵抗よりも大きい。接続部分を横切る抵抗が、第1セル1604及び第2セル1606を横切る抵抗よりも大きいことにより、第1セル又は第2セルからの電荷は、第1セル1604と第2セル1606との間を移動されるよりもむしろ、第1端子及び第2端子から取り出される。
【0358】
図22は、2端子デバイス1700を示す。2端子デバイス1700は、基板1702を備える。基板1702は、第1セル1704と、基板1702のウェブ方向に沿って、基板1702に沿って第1セル1704から間隔をあけて配置された第2セル1706とを有する。第1セル1704及び第2セル1706は、図20を参照して既に説明した通りであるので、ここで再び詳細な説明はしない。基板1702は、第1端子及び第2端子を備える。第1端子及び第2端子は、基板1702の横方向に沿って対向する縁部に形成されている。第1端子及び第2端子は、第1セル1704及び第2セル1706に電気的に接続されている。すなわち、第1端子及び第2端子は、第1セル1704及び第2セル1706のそれぞれと電気的に連通している。
【0359】
第1セル1704と第2セル1706の間には、基板1702の峰部(頂部)1708を含む接続部分が設けられている。峰部1708は、第1の面1708aと、対向する第2の面1708bとを有する。この例では、峰部1708は、第1セル1704及び第2セル1706の溝の方向とは反対の方向である、上方に向いている。峰部1708の第1の面1708aは、第1セル1704に近接する側に設けられる。峰部1708の第2の面1708bは、第2セル1706に近接する側に設けられる。峰部1708は、第1セル1704及び第2セル1706のそれぞれの溝の深さよりも大きい高さを有する。この特定の例では、峰部1708は、ブロック材料から形成され、第1の面1708a上に配置された第1の材料と、第2の面1708b上に配置された第2の材料とを有している。これらの面上に配置された第1の材料及び第2の材料は、後述するセル1704、1706の面1704a、1704b、1706a、1706bに配置された第1の材料1710及び第2の材料1712と同じであってよい。特に、第1の面1708aは、導電体などの非絶縁性材料でコーティングされてもよい。特に、第2の面1708bは、導電体などの非絶縁性材料でコーティングされてもよい。第1の面1708a、1708bの間に、ギャップなどの、材料が設けられていない領域があってもよい。これは、第1の面1708a及び第2の面1708bに設けられた材料の一部分を除去することによって設けられ得る。あるいは、そのような部分は、製造中にマスクされていてもよい。さらに、他の実施形態では、ブロック材料の上部は、第1の面1708a及び第2の面1708bをコーティングした後に除去され、それによって、それぞれの面の間に、電気抵抗を与えてもよい。この例では、接続部分は、キャビティを有さない。接続部分は、第1セル1704及び第2セル1706の溝の遠端部において(at an end distal)、峰部を有する。
【0360】
第1セル1704及び第2セル1706のそれぞれの第1の面1704a、1706aは、第1の材料1710でコーティングされる。第1セル1704及び第2セル1706のそれぞれの第2の面1704b、1706bは、第2の材料1712でコーティングされる。さらに、第1セル1704及び第2セル1706それぞれのキャビティ1704c、1706c内に第3の材料1714が設けられる。キャビティ1704c、1706cは、対向する面(1704a、1704b及び1706a、1706b)の第1の材料1710及び第2の材料1712が第3の材料1714に接触する程度に充填されている。これにより、第1セル1704を横切り、第2セル1706を横切る電気経路が形成される。
【0361】
使用中、接続部分を横切る抵抗は、第1セル1704を横切る抵抗よりも大きい。接続部分を横切る抵抗は、第2セル1706を横切る抵抗よりも大きい。第1セル1704は、第1の特性抵抗を有し、第2セル1706は、第2の特性抵抗を有する。接続部分を横切る抵抗は、第1セル1704を横切る第1の特性抵抗よりも大きい第3の特性抵抗である。第3の特性抵抗は、第2セル1706を横切る第2の特性抵抗よりも大きい。この配置により、第1セル又は第2セルからの電荷は、第1セル1704と第2セル1706との間で接続部分を介して移動されるよりもむしろ、第1端子と第2端子とから取り出され得る。
【0362】
図23は、図1に関連して説明した2端子デバイス(「並列ファースト」)と、図2(a)及び図3に関連して説明した2端子デバイス(「直列ファースト(区切り機構付き)」)との比較を示す図である。図23は、溝セクション(groove section)当たりの電気短絡確率の関数としての各デバイスの性能を示す。デバイスの性能は、入射光エネルギが電気エネルギに変換される百分率又は割合(PCE(エネルギ変換効率))として定義される。図23から分かるように、図2(a)及び図3に記載の2端子デバイスの性能は、図1に記載の2端子デバイスの性能よりはるかに優れている。特に、図2(a)及び図3のデバイスは、溝セクション当たりの短絡確率が高い場合であっても、高い動作性能を維持している。一方、図1のデバイスの動作性能は、溝セクション当たりの短絡確率が高くなると急激に低下する。このように、本明細書に記載の2端子デバイスは、従来技術よりも優れた性能を有する。
【0363】
図24は、ここで説明されている2端子デバイスについての性能、特に隣接する溝の特性抵抗に対する区切り機構の特性抵抗の倍数として測定された、区切り機構の抵抗の関数としての性能、具体的には区切り機構のない2端子デバイスに対する最適性能の割合を示している。図24に示すように、隣接する溝の特性抵抗に対して、区切り機構、すなわち接続部分の特性抵抗が増加するにつれて、デバイスの性能は、期待される理想的な性能に向かう傾向がある。
【0364】
図25は、一連の溝内の電流の割合としての、区切り短絡電流の関数である性能、具体的には、区切り機構のない2端子デバイスに対する最適性能の割合を示している。特に、本明細書で説明するように、区切り機構は逆バイアスのダイオードとして機能するので、動作電圧が逆方向に流れるため、生じる開回路電圧は重要ではない。これは、図25に示されるように、これらの関数間の線形関係によって示される。
【0365】
上記の実施形態は、限定的な意味ではなく例としてのみ記載されていること、及び、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲から逸脱することなく様々な変更及び修正が可能であることは、当業者には理解されるであろう。上述したような詳細設計に対する様々な変更が可能であり、例えば、数、形状、サイズ、配置、組立などにバリエーションが存在してもよい。例えば、任意の数の溝及び任意の数の一連の溝を使用してもよく、任意の数のチャネル、又は区切り機構を使用してもよい。さらに、チャネルは、任意の適切な角度で溝と交差してもよく、任意の適切な方法で成形されてもよい。さらに、様々な溝、チャネル、接続部分などは、本明細書に記載されるように、部分的に充填、充填、完全に充填、又はコーティングされてもよい。1つの実施形態におけるコーティング又は充填への単なる言及は、当該実施形態の特徴部(feature)をそれぞれ充填又はコーティングする可能性を排除するものではない。
図1
図2(a)】
図2(b)】
図3
図4
図5
図6
図7(a)】
図7(b)】
図8(a)】
図8(b)】
図8(c)】
図8(d)】
図9(a)】
図9(b)】
図10
図11
図12
図13
図14
図15(a)】
図15(b)】
図15(c)】
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
【手続補正書】
【提出日】2022-11-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2端子デバイスであって、基板を備え、前記基板は、
第1の特性抵抗を有する第1セルと、前記基板のウェブ(web)方向に沿って前記第1セルから間隔を空けて配置され、第2の特性抵抗を有する第2セルと、
第1端子及び第2端子であって、各端子は、横方向における前記基板の対向する縁部の方に、又は前記対向する縁部に形成されており、各端子は前記第1セル及び前記第2セルと電気的に連通している、第1端子及び第2端子と、
前記第1セルと前記第2セルとの間にあり、前記第1セルと前記第2セルの間の電気的接続を提供し、かつ、第3の特性抵抗を有する接続部分と、
を備え、
前記第3の特性抵抗は、前記第1の特性抵抗及び前記第2の特性抵抗の両方よりも大きく、前記第1セル又は前記第2セルからの電荷は、前記接続部分を介して前記第1セルと前記第2セルとの間を移動されるよりも優先して、前記第1端子又は前記第2端子で取り出し可能である、2端子デバイス。
【請求項2】
前記第3の特性抵抗は、前記第1の特性抵抗及び前記第2の特性抵抗の少なくとも一方よりも、少なくとも2倍、好ましくは少なくとも5倍、さらに好ましくは少なくとも10倍大きい、請求項に記載の2端子デバイス。
【請求項3】
前記接続部分は、少なくとも1つの抵抗要素を有する、請求項1または2に記載の2端子デバイス。
【請求項4】
少なくとも1つの前記抵抗要素は、前記基板の峰部(peak)、及び/又は前記基板の轍状部分(rutted portion)を有する、請求項に記載の2端子デバイス。
【請求項5】
少なくとも1つの前記抵抗要素は、前記基板内のチャネルを有する、請求項又は請求項に記載の2端子デバイス。
【請求項6】
前記チャネルは、前記基板における凹部(depression)、くぼみ(indentation)、またはエッチング溝として形成されている、請求項5に記載の2端子デバイス。
【請求項7】
第1のセルが少なくとも1つの第1溝を有し、及び/又は第2のセルが少なくとも1つの第2溝を有し、少なくとも1つの前記第1溝及び/又は少なくとも1つの前記第2溝は、ペロブスカイト構造材料を含む第3の材料で少なくとも部分的に充填されている、請求項1から6のいずれか一項に記載の2端子デバイス。
【請求項8】
少なくとも1つの前記第1溝及び/又は少なくとも1つの前記第2溝は、第1の面において第1の材料でコーティングされ、及び/又は、第2の面において第2の材料でコーティングされている、請求項7に記載の2端子デバイス。
【請求項9】
第1のセルが少なくとも1つの第1溝を有し、及び/又は第2のセルが少なくとも1つの第2溝を有し、
少なくとも1つの前記第1溝及び/又は少なくとも1つの前記第2溝は、第1の面において第1の材料でコーティングされ、第2の面において第2の材料でコーティングされ、及び/又は少なくとも部分的に、好ましくはほとんどまたは完全に、第3の材料で充填されている、請求項1から6のいずれか一項に記載の2端子デバイス。
【請求項10】
前記第3の材料は、コンデンサ材料、スーパーキャパシタ材料、誘電体材料、またはペロブスカイト構造材料を含む、請求項9に記載の2端子デバイス。
【請求項11】
前記第3の材料は、前記第1の面にコーティングされた第1の材料及び/又は前記第2の面にコーティングされた第2の材料に接触している、請求項8から10のいずれか一項に記載の2端子デバイス。
【請求項12】
前記第1の材料は、非絶縁性材料を含み、好ましくは、前記第1の材料は、導体材料、半導体材料、電子移動層、またはそれらの組み合わせを含む、請求項8から11のいずれか一項に記載の2端子デバイス。
【請求項13】
前記第2の材料は、非絶縁性材料を含み、好ましくは、導体材料、半導体材料、正孔輸送層、またはこれらの組み合わせを含む、請求項8から12のいずれか一項に記載の2端子デバイス。
【請求項14】
前記ペロブスカイト構造材料は、ABX の一般化学構造を有し、ここで、AおよびBはサイズの異なる2つのカチオンであり、XはAおよびBの両方に化学的に結合するアニオンである、請求項7、8、10のいずれか一項に記載の2端子デバイス。
【請求項15】
前記ペロブスカイト構造材料は、1.1eVと2.5eVとの間の光学バンドギャップを有する、請求項7、8、10、14のいずれか一項に記載の2端子デバイス。
【請求項16】
前記第1セルが少なくとも1つの第1溝を有し、及び/又は前記第2セルが少なくとも1つの第2溝を有し、
前記チャネルは、少なくとも1つの前記第1溝の一部分及び/又は少なくとも1つの前記第2溝の一部分を横断している、請求項5または6に記載の2端子デバイス。
【請求項17】
前記第1セルが第1の一連の溝を有し、及び/又は前記第2セルが第2の一連の溝を有し、
前記チャネルは前記第1の一連の溝の一部及び/又は前記第2の一連の溝の一部分を横断している、請求項5、6および16のいずれか一項に記載の2端子デバイス。
【請求項18】
前記チャネルは、前記第1の一連の溝及び/又は前記第2の一連の溝を、各溝の端部の方で横断している、請求項17に記載の2端子デバイス。
【請求項19】
少なくとも1つの前記抵抗要素は、前記基板内の複数のチャネルを有する、請求項3から6、16および17のいずれか一項に記載の2端子デバイス。
【請求項20】
前記第1セルが少なくとも1つの第1溝を有し、及び/又は前記第2セルが少なくとも1つの第2溝を有し、
複数の前記チャネルの各チャネルが少なくとも1つの前記第1溝及び/又は少なくとも1つの前記第2溝を横断している、請求項19に記載の2端子デバイス。
【請求項21】
前記第1セルが第1の一連の溝を有し、及び/又は前記第2セルが第2の一連の溝を有し、
複数の前記チャネルの各チャネルが第1の一連の溝の一部分及び/又は第2の一連の溝の一部分を横断している、請求項19に記載の2端子デバイス。
【請求項22】
複数の前記チャネルの各チャネルは、前記第1の一連の溝及び/又は前記第2の一連の溝を、各溝の端部の方で横断している、請求項21に記載の2端子デバイス。
【請求項23】
複数の前記チャネルは、第1のチャネル特性抵抗を有する第1チャネルと、第2のチャネル特性抵抗を有する第2チャネルと、を備え、
前記第1のチャネル特性抵抗及び前記第2のチャネル特性抵抗は、前記第3の特性抵抗の実質的に全部を提供する、請求項19から22のいずれか一項に記載の2端子デバイス。
【請求項24】
複数の前記チャネルは、第3のチャネル特性抵抗を有する第3チャネルをさらに備え、 前記第1のチャネル特性抵抗、前記第2のチャネル特性抵抗及び前記第3のチャネル特性抵抗は、実質的に前記第3の特性抵抗の全部である、請求項23に記載の2端子デバイス。
【請求項25】
前記チャネル又は複数の前記チャネルの各チャネルは、所定の角度を有する実質的にZ字形状である、請求項5、6、16から24のいずれか一項に記載の2端子デバイス。
【請求項26】
前記第1セルが少なくとも1つの第1溝を有し、前記第2セルが少なくとも1つの第2溝を有し、
前記基板は、
複数の前記チャネルの各チャネルをそのチャネルの遠位端で横断し、少なくとも1つの前記第1溝を横断する第1横断チャネルと、
複数の前記チャネルの各チャネルをそのチャネルの近位端で横断し、少なくとも1つの前記第2溝を横断する第2横断チャネルと、をさらに備える、請求項19から25のいずれか一項に記載の2端子デバイス。
【請求項27】
前記第1セルが第1の一連の溝を備え、前記第2セルが第2の一連の溝を備え、
前記基板は、
複数の前記チャネルの各チャネルをそのチャネルの遠位端で横断し、前記第1の一連の溝の一部を横断する第1横断チャネルと、
複数の前記チャネルの各チャネルをそのチャネルの近位端で横断し、前記第2の一連の溝の一部を横断する第2横断チャネルと、
をさらに備える、請求項19から25のいずれか一項に記載の2端子デバイス。
【請求項28】
前記第1横断チャネル及び/又は前記第2横断チャネルが、各溝の端部の方で、それぞれの溝又は複数の溝を横断する、請求項26又は請求項27に記載の2端子デバイス。
【請求項29】
複数の前記チャネルは、第1チャネル及び第2チャネルを含み、
前記第1横断チャネルは、前記第1チャネル及び前記第2チャネルをそれらのチャネルの遠位端で横断し、
前記第2横断チャネルは、前記第1チャネル及び前記第2チャネルをそれらのチャネルの近位端で横断し、
任意で、複数の前記チャネルは、第3チャネルをさらに含み、前記第1横断チャネルは、前記第3チャネルの遠位端で前記第3チャネルをさらに横断し、前記第2横断チャネルは、前記第3チャネルの近位端で前記第3チャネルをさらに横断する、請求項26から28のいずれか一項に記載の2端子デバイス。
【請求項30】
複数の前記チャネルの各チャネル、前記第1横断チャネル及び前記第2横断チャネルは、所定の角度を有する実質的なZ字形状を形成する、請求項26から29のいずれか一項に記載の2端子デバイス。
【請求項31】
前記チャネル又は複数の前記チャネルの1つ以上は、轍状の基部及び/又は轍状の壁を有する、請求項5、6、16から30のいずれか一項に記載の2端子デバイス。
【請求項32】
前記チャネル又は複数の前記チャネルの1つ以上は、少なくとも1:1.6のアスペクト比を有する、請求項5、6、16から31のいずれか一項に記載の2端子デバイス。
【請求項33】
2端子デバイスを形成する方法であって、前記方法は、
基板を提供することと、
前記基板内に、第1の特性抵抗を有する第1セルを形成することと、
前記基板内に、前記基板のウェブ方向に沿って前記第1セルから間隔をあけて、第2の特性抵抗を有する第2セルを形成することと、
第1端子及び第2端子を形成することであって、各端子は、前記ウェブ方向において前記基板の対向する縁部の方に、又は前記対向する縁部に形成され、1つの端子又は各端子は前記第1セル及び前記第2セルと電気的に接続して形成される、第1端子及び第2端子を形成することと、
前記第1セルと前記第2セルとの間に、前記第1セルと前記第2セルの間の電気的接続を提供し、かつ、第3の特性抵抗を有する接続部分を形成することと、を含み、
前記第3の特性抵抗は、前記第1の特性抵抗及び前記第2の特性抵抗の両方よりも大きく、前記第1セル又は前記第2セルからの電荷は、前記接続部分を介して前記第1セルから前記第2セルへ移動されるよりも優先して、前記第1端子又は前記第2端子で取り出し可能である、方法。
【請求項34】
前記第1セルを形成することは、前記基板内に第1の一連の溝を形成することを含み、
前記第2セルを形成することは、前記基板内に第2の一連の溝を形成することを含み、
前記接続部分を形成することは、前記接続部分内に少なくとも1つのチャネルを形成することを含み、
前記方法は、
前記第1の一連の溝の各溝、前記第2の一連の溝の各溝、及び、前記チャネル又は各チャネルの第1の面を、第1の材料でコーティングすることと、
前記第1の一連の溝の各溝、前記第2の一連の溝の各溝、及び、前記チャネル又は各チャネルの第2の面を、第2の材料でコーティングすることと、
前記第1の一連の溝の各溝、前記第2の一連の溝の各溝、及び、前記チャネル又は各チャネルを、第3の材料で少なくとも部分的に充填することと、をさらに含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記接続部分は、前記接続部分内に少なくとも1つの抵抗要素を備え、
少なくとも1つの前記抵抗要素は、前記第1セル及び前記第2セルの間において、前記基板に凹部、くぼみ又はエッチング溝として形成された少なくとも1つのチャネルを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
前記第1セルを形成することは、前記基板内に第1の一連の溝を形成することを含み、
前記第2セルを形成することは、前記基板内に第2の一連の溝を形成することを含み、
前記方法は、
前記第1の一連の溝の各溝、前記第2の一連の溝の各溝、及び、前記チャネル又は各チャネルの第1の面を、第1の材料でコーティングすることと、
前記第1の一連の溝の各溝、前記第2の一連の溝の各溝、及び、前記チャネル又は各チャネルの第2の面を、第2の材料でコーティングすることと、
前記第1の一連の溝の各溝、前記第2の一連の溝の各溝、及び、前記チャネル又は各チャネルを、第3の材料で少なくとも部分的に充填することと、をさらに含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記第1セルを形成することは、前記基板内に第1の一連の溝を形成することを含み、
前記第2セルを形成することは、前記基板内に第2の一連の溝を形成することを含み、
前記方法は、
前記第1の一連の溝の各溝及び前記第2の一連の溝の各溝を、ペロブスカイト構造材料で少なくとも部分的に充填し、それによって、前記第1の一連の溝の各溝を横切る電気的接続および前記第2の一連の溝の各溝を横切る電気的接続を形成する、請求項33に記載の方法。
【請求項38】
前記接続部分を形成することは、前記接続部分内に少なくとも1つのチャネルを形成することを含み、
前記方法は、
前記第1の一連の溝の各溝、前記第2の一連の溝の各溝、及び、前記チャネル又は各チャネルの第1の面を、第1の材料でコーティングすることと、
前記第1の一連の溝の各溝、前記第2の一連の溝の各溝、及び、前記チャネル又は各チャネルの第2の面を、第2の材料でコーティングすることと、
前記チャネル又は各チャネルを、第3の材料で少なくとも部分的に充填することと、をさらに含む、請求項37に記載の方法。
【国際調査報告】