IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ マクドナルド デットワイラー アンド アソシエイツ インコーポレーテッドの特許一覧

特表2023-508874燃料補給ツールおよび燃料補給ツール組み込みシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-06
(54)【発明の名称】燃料補給ツールおよび燃料補給ツール組み込みシステム
(51)【国際特許分類】
   B64G 1/10 20060101AFI20230227BHJP
   B64G 1/40 20060101ALI20230227BHJP
   B64G 1/36 20060101ALI20230227BHJP
   B64G 1/64 20060101ALI20230227BHJP
   B64G 1/22 20060101ALI20230227BHJP
   B64G 4/00 20060101ALI20230227BHJP
【FI】
B64G1/10 500
B64G1/40 200
B64G1/36
B64G1/64 600
B64G1/22
B64G4/00 105
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022537381
(86)(22)【出願日】2020-12-21
(85)【翻訳文提出日】2022-07-28
(86)【国際出願番号】 CA2020051779
(87)【国際公開番号】W WO2021119851
(87)【国際公開日】2021-06-24
(31)【優先権主張番号】62/951,502
(32)【優先日】2019-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508365953
【氏名又は名称】マクドナルド デットワイラー アンド アソシエイツ インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ターナー,アンドリュー ポール
(72)【発明者】
【氏名】サチデフ,テイ
(72)【発明者】
【氏名】オギルビー,アンドリュー スコット
(72)【発明者】
【氏名】パーネク,ナタリ―
(72)【発明者】
【氏名】フィッシャー,スティーブ
(72)【発明者】
【氏名】ハニーブラウン,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】グランディー,ドリュー アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】ニフォ,ビクター
(57)【要約】
本開示は、適応可能および調整可能な機構一式を操作するために視覚ベースのフィードバックおよび燃料補給ツールに埋め込まれているセンサからのフィードバックを使用して、クイック接続安全バルブを設置することを通して、本来は軌道上での整備のために準備されていない衛星の様々な設計および寸法の充填/排出バルブの遠隔操作による軌道上での燃料補給を容易にするロボット制御される衛星燃料補給ツールおよび関連するロボット制御されるサポートおよびサイト準備ツールに関連する。燃料補給ツールはオープンアーキテクチャを有して、燃料補給ツール視覚システムが充填/排出バルブおよび充填/排出バルブに係合されている燃料補給ツールのセクションを見ることを可能にする。サポートツールは、ブランケットカッタツール、ブランケットハンドラツール、ワイヤカッタツール、把持ツールを含み、サイト準備ツールは、Bナット取り外しツールおよびクラッシュシール取り外しツールを含む。これらのツールのそれぞれは、回転およびトルクを様々なツールに伝達するために、ロボットアームのエンドエフェクタにインターフェース接続されている共通基部構造を含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サービサ宇宙機からクライアント宇宙機に流体を移送する方法であって、前記クライアント宇宙機は、タンクと前記タンクに連結される充填排出バルブとを含み、前記充填排出バルブは、前記充填排出バルブを開閉するためのバルブ作動ナットを含み、前記流体は、燃料および酸化剤からなる群から選択され、
j.前記充填排出バルブのアクセスバルブキャップを取り外すステップと、
k.前記取り外し動作が正常に行われたという感知確認を提供するステップと、
l.前記サービサ宇宙機の安全バルブと推進剤の供給源との間に流体接続を確立するステップと、
m.前記接続が確立されたという感知確認を提供するステップと、
n.流体が前記充填排出バルブへと流入することを許容し、流体が前記充填排出バルブから流出することを許容しない安全な流体カップリングを提供するために、前記安全バルブを前記充填排出バルブに取り付けるステップと、
o.前記安全バルブが設置されたという感知確認を提供するステップと、
p.前記バルブ作動ナットを作動させることで前記充填排出バルブを開放するステップと、
q.前記作動ナットが作動されたという感知確認を提供するステップと、
r.前記安全バルブを通して前記タンクへと流体を移送するステップと、
を実行するように前記サービサ宇宙機のロボットアームに指示することを備える方法。
【請求項2】
感知確認を提供するという前記ステップb)、d)、f)、およびh)は、リアルタイムの視覚的画像によって提供されるフィードバックと、戦略的に配置されるセンサからのフィードバックとの組み合わせを使用して達成され、前記アクセスバルブキャップ、前記安全バルブ、流体ライン、前記充填排出バルブおよびバルブ作動ナットの位置を監視および感知する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
クライアント衛星に配置される1以上の推進剤貯蔵タンクと流体接続している1以上の充填排出バルブにアクセスすることで前記クライアント衛星の燃料補給を行う方法であって、
a)1以上の安全バルブと、
b)燃料補給ツールであって、少なくとも1つのカメラと、回転可能レンチと、オープンアーキテクチャ構造とを含む燃料補給ツール視覚システムを有し、前記燃料補給ツールが充填/排出バルブと係合している際に、前記カメラの視野は、係合している前記充填/排出バルブと、前記燃料補給ツールの前記回転可能レンチと、前記充填/排出バルブに設置されている安全バルブのカップリングナットとを包含するようにされ、前記燃料補給ツールの選択される可動コンポーネントに、燃料補給作業中に前記選択される可動コンポーネントの位置を感知するために、戦略的に配置されるセンサを含む、燃料補給ツールと、
c)前記クライアント衛星が前記燃料補給ツールを受け入れる準備をし、前記燃料補給作業において補助するためのサポートツール一式と、を収納しているサービサ宇宙機であって、
a)その近位端で前記サービサ宇宙機に取り付けられているロボットアームと、
b)前記クライアント衛星を前記サービサ宇宙機に固定して接続するための係留装置と、
c)前記サービサ宇宙機から前記クライアント衛星へと推進剤を移送するための推進剤移送システムと、
a)推進剤カップリングであって、前記推進剤カップリングを通して前記クライアント衛星に推進剤を移送するための前記推進剤移送システムに接続されているエンドエフェクタに取り付けられている推進剤カップリングと、が取り付けられている前記サービサ宇宙機を使用して前記燃料補給の方法は行われ、
前記燃料補給の方法は、
h)サービサ衛星を前記クライアント衛星と近接するように操作し、係留装置を使用して前記クライアント衛星を前記サービサ衛星に固定して係留させるステップと、
i)前記ロボットアームに、前記ツールと前記サポートツールを順番に捕捉して、前記充填/排出バルブを覆っている任意のオブジェクトを緩めて取り外すように指示することで、前記充填/排出バルブを露出させるステップであって、任意のオブジェクトが取り外されると、前記ツールを収納する、前記充填/排出バルブを露出させるステップと、
j)前記充填排出バルブが露出された後、前記サービサ宇宙機の前記安全バルブと推進剤タンクとの間に流体接続が確立されるように構成されている前記燃料補給ツールを捕捉するように前記ロボットアームに指示するステップであって、捕捉されたら、前記ロボットアームに安全バルブを捕捉するように指示し、これにより、前記推進剤移送システムを前記安全バルブに接続する、前記ロボットアームに指示するステップと、
k)前記燃料補給ツール視覚システムによって得られるリアルタイムの視覚的画像と1以上のセンサからのフィードバックに基づいて、前記充填排出バルブの燃料補給ニップルに前記安全バルブを設置するように前記ロボットアームに指示するステップと、
l)推進剤を、前記推進剤が前記ツールおよび安全バルブを通過して、前記クライアント衛星まで移送するステップと、
m)推進剤が移送されたら、ツールを前記充填/排出バルブから切り離すことで前記推進剤移送システムを切り離すように前記ロボットアームに指示するステップと、
n)前記係留装置を前記クライアント衛星から外すステップと、
を備える、燃料補給の方法。
【請求項4】
前記1以上のセンサの出力を記録することを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記センサは、1以上のマイクロスイッチ、および1以上のポテンショメータ、またはそれらの任意の組み合わせである、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記センサは、マイクロスイッチであって、1以上のマイクロスイッチからの前記フィードバックは、前記燃料補給作業中のその特定の時間の前記マイクロスイッチの状態である、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記マイクロスイッチは、捕捉中に前記安全バルブを感知し、燃料補給作業中に前記充填/排出バルブの前記燃料補給ニップルに接触する前記安全バルブの安全バルブカップリングナットを感知するように前記充填/排出バルブに前記安全バルブを設置するタスクが課された機構内に配置される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
流体をクライアント衛星に移送するためにサービス側宇宙機に取り付けられているシステムであって、前記クライアント衛星は、タンクと充填排出バルブとを含み、前記タンクは、前記充填排出バルブに連結され、前記充填排出バルブは、前記充填排出バルブを開閉するための作動ナットと、前記充填排出バルブ上にアクセスバルブキャップとを有し、
h)前記サービス側宇宙機の流体タンクから前記クライアント衛星の前記タンクへと流体を移送するための流体移送手段であって、前記流体は、燃料および酸化剤からなる群から選択される、流体移送手段と、
i)前記アクセスバルブキャップを取り外して交換するため、流体ラインを前記充填排出バルブに連結および前記充填排出バルブから分断するため、および前記バルブ作動ナットを作動させて前記流体バルブを開閉するためのツール手段と、
j)前記ツール手段と前記充填排出バルブとの間の相対的変位を判定するための第1感知手段と、
k)前記充填排出バルブにアクセスして操作し、その後、流体ラインに連結および前記流体ラインから分断する後続のステップ中に前記充填排出バルブの状態を判定するための第2感知手段と、
l)燃料補給中および燃料補給後に漏洩に対する1以上の独立したシールを有する安全バルブとの安全な流体カップリングを提供するための、前記充填/排出バルブに取り付け可能な安全バルブと、
m)前記ツール手段を前記充填排出バルブに対して位置付けるための、前記ツール手段に接続可能な位置付け手段と、
n)前記第1および第2感知手段からのフィードバックに基づいて前記位置付け手段および前記ツール手段の作業を制御するための、前記第1および第2感知手段、前記位置付け手段、および前記ツール手段と通信している制御手段と、
を備える、システム。
【請求項9】
前記ツール手段は、
前記アクセスバルブキャップを緩め、前記バルブ作動ナットを開閉するように作動し、流体ラインを前記充填排出バルブに連結し、前記充填排出バルブから分断するための第1ツールと、
前記アクセスバルブキャップを取り外すための第2ツールと、
を含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記ツール手段は、前記充填排出バルブからクラッシュシールを取り除くための第3ツールを含む、請求項8または9に記載のシステム。
【請求項11】
前記第1感知手段は、前記ツール手段と前記充填排出バルブとの間の前記相対的変位を監視する視野を有するように配置されている視覚システムである、請求項8、9、または10に記載のシステム。
【請求項12】
前記第2感知手段は、
前記充填排出バルブと係合している前記第1および第2ツールを含む作業スペースを包含する視野を有するように配置されている視覚システムと、
流体移送作業中に選択される可動コンポーネントの位置を感知して記録する前記ツール手段に埋め込まれている感知手段と、
の組み合わせである、請求項8から11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記感知手段は、1以上のマイクロスイッチ、1以上のポテンショメータ、またはそれらの任意の組み合わせである、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記感知手段は、マイクロスイッチであり、1以上のマイクロスイッチからの前記フィードバックは、前記燃料補給作業中のその特定の時間の前記マイクロスイッチの状態である、請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
クライアント衛星の燃料タンクと流体接続している1以上の充填/排出バルブで燃料補給される前記クライアント衛星の前記1以上の充填/排出バルブを開閉するためにサービサ宇宙機に取り付けられる燃料補給ツールであって、前記1以上の充填/排出バルブは、第1軸に沿って同軸上に整列している回転可能で静的な機構を有し、前記サービサ宇宙機は、安全バルブおよび前記充填/排出バルブに燃料を通過させる前の燃料補給中に前記充填/排出バルブに設置される、収納される前記安全バルブを含み、さらに、燃料補給作業中に前記安全バルブに結合されるように構成されている燃料補給システムを含み、
a)ターゲット充填排出バルブの前記充填排出バルブ本体およびトルク反作用平面に位置合わせおよびクランプするための機構Aを備える燃料補給ツール構造と、
回転可能レンチであって、
前記回転可能レンチの開閉のための機構B1と、
前記レンチの回転のための機構B2であって、前記レンチを開閉するための機構B1が従属的に取り付けられている機構B2と、
前記回転可能レンチの高さ調整のための機構Cと、
を備え、
前記機構B2は機構Cに取り付けられ、必要に応じて、前記機構A、B1、B2、およびCは、前記回転可能レンチを回転させることによって誘導されるトルクが前記トルク反作用平面を介して前記バルブ本体で反作用を受けることを確実にするトルク反作用ループを形成する下部構造を形成する、回転可能レンチと、
b)前記燃料補給システムを、係合している前記ターゲット充填排出バルブの燃料補給ニップルに接続するための機構Dであって、前記下部構造と、サイドプレートによって前記下部構造に接続されている上部プレートとに接続されて、燃料補給ツール構造の全体を形成する機構Dと、
前記上部プレートに接続され、前記サービサ宇宙機に取り付けられているロボットアームに取り付けられているロボットエンドエフェクタに把持されて結合するように構成されているエンドエフェクタインターフェースと、
捕捉中に前記安全バルブを感知し、燃料補給作業中に前記充填/排出バルブの前記燃料補給ニップルに接触する前記安全バルブの安全バルブカップリングナットを感知する、機構D内に配置されている1以上のセンサと、
前記燃料補給ツール構造に取り付けられている少なくとも1つのカメラを含むツール視覚システムであって、前記燃料補給ツールが充填/排出バルブと係合する際に、前記少なくとも1つのカメラの視野が、前記燃料補給作業中のように、係合している前記充填/排出バルブと、前記燃料補給ツールの前記回転可能レンチと、前記安全バルブのカップリングナットとを包含するように、前記下部構造はオープンアーキテクチャを有し、前記回転可能レンチ、前記充填/排出バルブ、および前記安全バルブの全ての状態は、マイクロスイッチの状態と、前記少なくとも1つのカメラからのリアルタイムの画像との組み合わせを使用して感知および/または監視することができるツール視覚システムと、
を含む燃料補給ツール構造を備える、燃料補給ツール。
【請求項16】
前記センサは、マイクロスイッチであり、1以上のマイクロスイッチからのフィードバックは、前記燃料補給作業中のその特定の時間の前記マイクロスイッチの状態である、請求項16に記載のツール。
【請求項17】
前記センサは、1以上のマイクロスイッチ、1以上のポテンショメータ、またはそれらの任意の組み合わせである、請求項16に記載のツール。
【請求項18】
クライアント衛星に燃料補給するためのシステムであって、
a)サービサ宇宙機であって、
その近位端で前記サービサ宇宙機に取り付けられているロボットアームと、前記ロボットアームの遠位端に取り付けられているエンドエフェクタと、
前記クライアント衛星を前記サービサ宇宙機に固定して係留させるための係留装置と、
推進剤移送システムと、
推進剤カップリングであって、前記推進剤カップリングを通して前記クライアント衛星に推進剤を移送するための前記推進剤移送システムに連結されている前記エンドエフェクタに取り付けられている推進剤カップリングと、
センサシステムおよび前記少なくとも1つのカメラからのフィードバックに基づいて前記燃料補給作業を制御するために、前記ロボットアームと、前記エンドエフェクタと、前記推進剤移送システムと、前記燃料補給ツールと通信している制御システムと、
前記サービサ宇宙機と遠隔通信するための通信システムと、
が取り付けられているサービサ宇宙機と、
b)前記サービサ宇宙機であって、
請求項13、14、または15に記載の前記燃料補給ツールと、
1以上の安全バルブであって、燃料を前記安全バルブおよび充填/排出バルブに通す前の燃料補給中に前記充填/排出バルブに設置され、前記推進剤カップリングは、前記1以上の安全バルブに結合するように構成されており、前記1以上の安全バルブは、前記エンドエフェクタによってピックアップされ、前記エンドエフェクタに結合されるように構成されている、1以上の安全バルブと、
前記エンドエフェクタによってピックアップされ、前記エンドエフェクタに結合されるように構成されているサイト準備ツール一式であって、前記燃料補給ツールを受け入れるために前記クライアント衛星を準備するために選択されるタスクを行うように構成されているサイト準備ツールと、
前記エンドエフェクタによってピックアップされ、前記エンドエフェクタに結合されるように構成されている燃料補給サポートツール一式であって、前記安全バルブを受け入れるために前記充填/排出バルブを準備するように前記充填/排出バルブと係合するように構成されている燃料補給サポートツールと、
を収納している前記サービサ宇宙機と、
を備えているシステム。
【請求項19】
クライアント衛星の燃料補給を準備するためのサポートツール一式であって、
それぞれが特定の機能を有するツール一式であって、各ツールは、駆動軸と、その特定の機能のために構成されているツールセクションとを有するツール一式と、
前記ツール先端部一式のそれぞれが恒久的に取り付けられている共通ツール基部であって、
サービス側衛星に取り付けられているロボットアームの遠位端に取り付けられているエンドエフェクタによるロボット把持のために構成されている、その片側に把持インターフェースを有する筐体であって、前記把持インターフェースは、グラプル固定具を含み、前記筐体の他方側には、ツールが取り付けられて、前記ツールの前記駆動軸を受け入れるように構成されている筐体と、
前記ロボットアームの前記エンドエフェクタに配置されている駆動アクチュエータ機構を介して、任意のツール先端部の機能を実行するために使用される2つのツール機構駆動インターフェースであって、前記2つのツール機構駆動インターフェースのうちの1つは、前記サポートツールのそれぞれの特定のツール先端部を駆動するために使用され、第2の方は、前記ロボットアームによって把持されていない場合、前記共通基部を保持するための拘束収納機構を駆動するために使用される、2つのツール機構駆動インターフェースと、
ツール機能の作動のために、前記ツール機構駆動入力インターフェースの1つから前記ツール駆動軸にツール機構ギアトレインインターフェースを介して回転およびトルクを伝達する、前記筐体内に配置されているツール機構ギアトレインと、
拘束機構「能動的半部」であって、使用されておらず、前記エンドエフェクタから分離されている場合、前記拘束機構に前記共通基部を保持する際に使用するための前記第2ツール機構駆動インターフェースに連結されて駆動される拘束機構「能動的半部」と、を含む共通ツール基部と、を備えるサポートツール一式。
【請求項20】
前記拘束機構は、前記共通基部に保持されている前記ツールを受け入れ、前記共通基部の前記拘束機構「能動的半部」と係合してロックするように構成されている受動的ロック機構を有する、前記サービス側宇宙機に固定されているレセプタクル筐体を備える、請求項20に記載のサポートツール一式。
【請求項21】
前記共通基部および前記レセプタクル筐体は、前記レセプタクル筐体に前記共通基部を挿入してロックする作業中に、前記ロボットアームが前記共通基部を前記レセプタクル筐体に整列させることを視覚的に支援する視覚的手がかりを含む、請求項20または21に記載のサポートツール一式。
【請求項22】
前記サポートツール一式は、それぞれが共通基部およびそれに取り付けられているツール先端部を含み、各ツール先端部は、特定の装置動作を有するサイト準備ツールを含み、前記ツール先端部共通構造は、前記共通基部にボルト固定されるように構成されているインターフェースを有する筐体と、前記2つの機構駆動インターフェースのうちの1つと係合するために前記共通基部に挿入される、前記筐体から延び出る部分を有する雌ねじ付き駆動軸と、前記筐体の内側に配置されている前記駆動軸の部分にねじ込み式に設置されている前進雄ねじ付きロッドと、前記共通構造の遠位端に配置されている一連の入力リンケージおよび一連の出力リンケージと、を含み、前記駆動軸の回転により、前記前進ねじ付きロッドの直線移動を引き起こし、これは次に一連の入力リンケージを動かし、これは次に前記装置の動作機構の一部を形成するピボット接続されている出力リンケージを任意のツール先端部の特定の点を中心に旋回させて、運動の方向に応じて、前記装置の動作機構を開閉させる、請求項20、21、または22に記載のサポートツール一式。
【請求項23】
前記装置の動作機構が、切断作用を提供するために前記出力ピボット接続出力リンケージの遠位端と一体的に形成されている一対の切断剪断機であるように、前記サポートツールは、サーマルブランケット剪断装置である、請求項23に記載のサポートツール一式。
【請求項24】
前記装置の動作機構が、サーマルブランケット片を把持して取り除くための把持動作を提供するために前記出力ピボット接続出力リンケージの遠位端と一体的に形成されている一対のブランケットパドルであるように、前記サポートツールは、サーマルブランケットハンドリング装置である、請求項23に記載のサポートツール一式。
【請求項25】
前記装置の動作機構が、ワイヤを把持して切断するための把持動作を提供するために前記出力ピボット接続出力リンケージの遠位端と一体的に形成されているワイヤリング把持機構を有する一対のワイヤカッタ剪断機であるように、前記サポートツールは、ワイヤカッタおよび把持ツールである、請求項23に記載のサポートツール一式。
【請求項26】
前記サポートツール一式は、充填/排出バルブBナットが取り外される際に生成されるクラッシュされたシールを取り除くためのクラッシュシール取り外しツールを含み、前記クラッシュシール取り外しツールは、前記共通基部とそれに取り付けられているクラッシュシール取り外しツール先端部とを含み、それに取り付けられているクラッシュシール取り外しツール先端部は、前記共通基部にボルト固定されるように構成されているインターフェースと、前記2つの機構駆動インターフェースのうちの1つを係合するように前記共通基部に挿入される部分を有する雌ねじ付き回転可能駆動軸と、前記雌ねじ付き駆動軸に部分的に入り、その中で相互に移動可能な雄ねじ付きプランジャとを含み、前記プランジャは、ピボット点と共にピボット接続されている一対のフレックスジョーリンケージを含む、遠位プランジャ面を有し、前記フレックスジョーリンケージは、それぞれ遠位フレックスジョー先端部を有し、前記フレックスジョーリンケージは、ツール先端基部構造に固定して取り付けられているケージの開口部を通って延び、前記駆動軸が回転すると、プランジャは後方へ移動して前記駆動軸に入り、前記プランジャが移動している間、前記フレックスジョーリンケージの前記ピボット点は前記プランジャと共に動き、前記フレックスジョー先端部を閉鎖および後退させ、前記充填/排出バルブのバルブ軸と接触し、前記充填/排出バルブ軸に沿って引き込み、前記フレックスジョー先端部は、前記充填/排出バルブ軸に対してプリロードされ、前記クラッシュシールに引っ掛かり、前記フレックスジョー先端部と前記遠位プランジャ面との間の前記ケージに閉じ込められているところで力によって緩められるまで引き込まれ、前記駆動軸の逆方向への回転は、前記フレックスジョー先端部を開き、前記プランジャ面を前方に押して前記クラッシュシールを前記ケージから押し出すことにより、前記ツール先端部から前記クラッシュシールを排出する、請求項20、21、または22に記載のサポートツール一式。
【請求項27】
前記サポートツール一式は、Bナット取り外しツールを含み、前記Bナット取り外しツールは、前記共通基部と、それに恒久的に取り付けられているBナット取り外しツール先端部とを含み、前記Bナット取り外しツール先端部は、前記共通基部に恒久的に取り付けられているツール先端基部構造と、前記2つの機構駆動インターフェースのうちの1つと係合するための前記共通基部に挿入される部分を有する駆動軸と、前記駆動軸の遠位端に連結されているばねレンチフィンガと、前記ばねフィンガの近位端で前記ばねレンチフィンガへのキー接続を有して、前記駆動軸の回転軸に沿った運動のみを可能にするコレットと、を含み、前記コレットは、前記コレットの外径にスロットを有し、ピンキャリア筺体に包囲され、前記スロット内を延びる前記ピンキャリア筺体に取り付けられているカムピンを含み、前記ピンキャリア筺体は、ラチェットディスクと前記先端基部構造との間のキー機構によって前記ラチェットディスクの回転が制限されている、プリロードばねによってラチェットディスクインターフェースにて前記ピンキャリア筐体に対してプリロードをかけることを介して前記ラチェットディスクによる回転から遅延し、前記ピンキャリア筺体が前記駆動軸とともに回転するために、前記ピンスロットの端部が前記コレットに強制的に前記ばねフィンガを前記Bナット上で前記Bナットの六角機構に抗して閉鎖させ、継続的な駆動軸の回転が前記ピンキャリア筺体の回転を引き起こすまで、前記コレットは、前記ピンスロットの前記カムピンによって駆動されながら軸方向前方へと動かなければならず、前記ラチェットディスクインターフェースのプリロードばねのプリロード力が克服されて、ランプ機構を有する前記ピンキャリア筐体表面がランプ機構を有する前記ラチェットディスク表面上で繰り返し摺動することを可能にしながら、前記コレットは前記ばねフィンガおよびBナットを取り囲んでおり、これにより、FDVから前記Bナットのねじを外し、前記駆動軸の回転を逆転させることにより前記コレットを後退させ、前記ばねフィンガが開くことを可能にして、前記Bナットはもはや含まれなくなり、廃棄できるようになる、請求項20、21、または22に記載のサポートツール一式。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、軌道上での推進剤補給作業中に人工衛星の充填/排出バルブに安全にアクセスし、開閉するための方法、システム、およびツールに関する。より具体的には、ツールは、補給のために設計されている衛星だけでなく、本来は補給のために準備されていない衛星の推進剤補給のために設計されている。本開示は、初期の補給中に衛星に残されたコンポーネントが原因で、本来は初期の補給後の補給に備えていない衛星の推進剤補給を容易にするように特に設計されている。
【背景技術】
【0002】
現在、運用中の多く衛星は、有限の量の推進剤を考慮して設計されており、推進剤が補給される可能性に対して設計されていない。その設計思想は、搭載された推進剤の供給を使用し尽くした後の衛星交換に依存していた。衛星を交換する費用を考慮すると、推進剤は終了に近いがその他の点では機能しているか、または投入異常を起こしたことがあるか、または計画通りの稼働のために本来意図されていたよりも機動されたかのいずれかの衛星に推進剤を補給できることは非常に有利であり、結果として、それらの稼働寿命を数年または多数年も延長するだろう。全てのGEO通信衛星の半分もの数が、それらのサブシステムの全てまたはほとんどがまだ機能的である状態で、それらの10年から15年の寿命を終了すると推定されており、慎重に予算組みされた推進剤の積載量が枯渇することのみによって、衛星の廃棄が強いられる。現在の経済モデルを使用すると、1つの任務でこれらの寿命末期の衛星に推進剤を補給する能力は、それらの各耐用年数を3年から5年延長し、その結果、各衛星の差し替えを打ち上げるために非常に高い資本コストを費やす必要性を遅らせるだろう。衛星によっては、打ち上げされた直後に一次推進システムの故障または打ち上げ機の上段に関連する故障に見舞われるものもある。これらの場合、簿価全体は償却されなくてはならず、保険業者によって補償金が運用者に支払われる。衛星は保険業者の資産となり、最終的には墓場軌道または再突入軌道において廃棄されなくてはならない。もしこれらの資産の1つに推進剤を補給して、対地同期軌道の軌道ステーションに移動させることを可能にし、その寿命を5年から10年ほど延長することができるのならば、宇宙機の価値のほとんどまたは全てが再生可能となる。
【0003】
加えて、新しい長期持続衛星の概念が提案されており、モジュール式衛星は、発電、誘導、制御、およびペイロードモジュールをサポートする基底構造で構成されており、これらのいくつかまたは全ては、現在の衛星よりも極めて長期になり得る寿命にわたって交換または追加できる。これらの衛星は、推進剤の初期の補給からのみならず、長年の運用にわたる繰り返しの補給任務からも恩恵を受ける。
【0004】
重要な技術的問題点は、これらの衛星がロボットによる整備のために設計されていないことであり、このような任務が技術的に可能であるとは一般的に認められていない。具体的には、殆どの衛星は、打ち上げ前に一度充填されて、二度と開いたり操作したりすることがないと意図されている、推進剤の充填および排出バルブ(またはFDV)を考慮して設計されている。このように、遠隔で軌道内でこれらのFDVにアクセスすることは、いくつかの主要な課題を呈し、それぞれがロボット制御で達成することが難しい、以下のいくつかの作業を含むだろう。保護用サーマルブランケットを切断および取り外すこと、バルブの周りに手で巻き付けられたいくつかのロックワイヤを取り外すこと、外側および内側バルブキャップのねじを外して取り外すこと、燃料充填ラインをバルブニップルに結合させること、バルブを機械的に作動さること、および推進剤の補給が完了したら、内側バルブキャップを交換すること。軌道上での整備は、過去30年にわたって多くの研究の対象となってきた。廃棄および交換ではなく、宇宙資産を維持するという考えは、様々なアイデアやプログラムを惹きつけてきた。これまでのところ、本概念は、ソーラーマックスおよびハッブル宇宙望遠鏡の修理任務、パラパB2およびウェスターの救出任務、ならびに国際宇宙ステーションの組み立ておよび整備にそれなりの成功をもたらすことができる有人宇宙計画にしか居場所が見つかっていない。
【0005】
運用中の静止軌道上の宇宙機のロボットによる捕獲と整備は、これまで実証されたことはない。最近まで、推進剤を保持するステーションに補給する目的で、準備が整っていない衛星の推進システムにアクセスする問題を解決できる技術は開示されていなかった。今日の軌道にある人工衛星の大部分は、軌道推進剤の補給を念頭に置いて設計されておらず、推進システムへのアクセスは、打ち上げ前に地球上で人間によってアクセスされるように設計されている。推進剤を補給する目的でクライアント宇宙機の推進システムにアクセスするために必要な技術は、依然として非常に低い技術成熟度レベルであり、一般的に、整備任務の成功に対する主たる障害であると考えられている。
【0006】
宇宙機推進システムのために使用される燃料をある供給源から他へと移動させることは、関係する液体の腐食性および爆発性の性質に起因して非常に危険である。例えば、二元推進剤システムにおいて燃料と酸化剤との不用意な混合は即時燃焼を引き起こすので、二元推進剤ベースの燃料のための液体移送システムは、偶発的な混合が確実に起こらないようにする必要がある。準備が整っていない衛星で推進剤補給作業が行われている最中に様々なタイプ/サイズの衛星FDVを開閉するために設計されているツールのシステムを提供すれば非常に有利となり得、ほんの数例を挙げると、シーリングキャップアセンブリの取り外し、クライアント衛星への推進剤ホースの連結/分断、新しいシーリングキャップアセンブリの設置等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0007】
既存の衛星のFDVは、異なる寸法と動作概念のいくつかの設計形式がある。したがって、このような推進剤補給システムの経済的利益を最大化するためには、単一のツールを使用してFDVの設計の最も幅広い選択肢の補給を可能にするために、最小質量の最小数のツールがいかなる任務にも携行されるべきである。限られたセンサのホストに依存することとは対照的に、もし視覚的手段を使用して燃料補給ツール機能の様々な側面を評価および制御できれば、さらに質量および運用上の利点が生じる。
【0008】
補給システムが、補給される衛星のFDVの可能な限り最大の配置にうまく関与できれば、さらなる利点を実現でき、このことは、FDV間の可能な限り最小の間隔に対応できるということによって例示される。
【0009】
2011年12月13日に発行されたグライニュースキーらに発行された米国特許第8074935号明細書は、ロボットアームと、整備される衛星上の燃料充填バルブへのアクセス、開放および閉鎖に必要とされる、ロボットアームのエンドエフェクタに取り付けることができる適当なツールと、ツールおよび様々な燃料充填バルブキャップが保管されるツール容器の保管および取出しステーションとを含む、サービス側宇宙機から準備が整っていない衛星に燃料補給するためのシステムおよび方法を開示している。燃料補給作業の前に取り外して燃料補給後に戻さなくてはいけない充填排出バルブを構成する異なるサイズのコンポーネントのために、いくつかの目立たないソケットが含まれている。充填排出バルブ(FDV)の取り外し可能な機構と係合している間、ソケットは取り外される全体部分を覆う。加えて、この燃料補給ツールは、整備される様々な充填排出バルブの取り外し可能または作動可能な機構の垂直/縦軸位置の変動に対応できなかった。
【0010】
ロバーツらに発行された米国特許第9567111号明細書は、サービサ衛星によるクライアント衛星の推進剤補給中に充填/排出バルブにアクセスするためのシステムおよびツールを開示している。この装置は、FDVにフィットする2つから3つのカムレンチを使用して、1つのレンチは動かすことができない平面に係合し、他方のレンチは取り外し可能なバルブコンポーネントの回転可能機構に係合している。このシステムの利点は、ディファレンシャルギアボックスを使用することを介して、固有のトルクバランスを提供することにある。レンチはまた、広い範囲でトルク機構のサイズおよび形状(反作用平面、六角、平面付きラウンド、四角)に対応できるように構成されており、2倍のトルクマージンを考慮して設計されている。
【0011】
上記の両方のシステムの欠点は、バルブとツールが一般的に隠されているため、ツールの状態またはバルブの状態が感知されないことである。後者のシステムのカムレンチは、異なるサイズの機構上で2つの高さで動作する2つの対向する対として働き、それぞれが基部のバルブ本体およびより高い位置の作動ナットに向かって閉鎖するにつれてカムの回転接触によって引き起こされる複雑なヒンジ係合に依存している。カムレンチの両方の対の係合は、同時にしか起こることができず、これは、カムレンチの1つの対が他方に対して作用することによってしかトルクを生成できないディファレンシャルを介して反対方向に駆動されるからである。このアプローチの強みは、広範囲のサイズと広範囲の形状に対応する能力と、固有のトルクバランスであるが、このことは、係合が正確にいつ起こり始めたのか、または実際に起こり始めたかどうかを判断することも不可能にするため、FDV機構の正確な状態を判断することができない。あるFDVサプライヤからの新しい情報は、作動ナットの開放方向への過度な回転は、作動ナットの保持機構の不具合につながる恐れがあり、続いて、作動ナットが意図しない取り外し、および捕獲されない破片の発生につながる恐れがあることを指摘した。その結果、超過しないように作動ナットの最大回転に関する新しい要求事項が作られた。これは、バルブ状態の感知の強化の必要性に直接的につながる。
【発明の概要】
【0012】
本明細書中には、適応可能および調整可能な機構一式を操作するために視覚ベースおよびセンサベースのフィードバックを使用して、クイック接続安全バルブを設置することを通して、本来は軌道上での整備のために準備されていない衛星の様々な設計および寸法のFDVの遠隔操作による軌道上での燃料補給を容易にするシステムおよび装置が開示されている。
【0013】
サービサ宇宙機からクライアント宇宙機に流体を移送する方法であって、前記クライアント宇宙機は、タンクと前記タンクに連結される充填排出バルブとを含み、前記充填排出バルブは、前記充填排出バルブを開閉するためのバルブ作動ナットを含み、前記流体は、燃料および酸化剤からなる群から選択され、
a.前記充填排出バルブのアクセスバルブキャップを取り外すステップと、
b.前記取り外し動作が正常に行われたという感知確認を提供するステップと、
c.前記サービサ宇宙機の安全バルブと推進剤の供給源との間に流体接続を確立するステップと、
d.前記接続が確立されたという感知確認を提供するステップと、
e.流体が前記充填排出バルブへと流入することを許容し、流体が前記充填排出バルブから流出することを許容しない安全な流体カップリングを提供するために、前記安全バルブを前記充填排出バルブに取り付けるステップと、
f.前記安全バルブが設置されたという感知確認を提供するステップと、
g.前記バルブ作動ナットを作動させることで前記充填排出バルブを開放するステップと、
h.前記作動ナットが作動されたという感知確認を提供するステップと、
i.前記安全バルブを通して前記タンクへと流体を移送するステップと、を実行するように前記サービサ宇宙機のロボットアームに指示することを備える方法が提供されている。
【0014】
感知確認を提供するという前記ステップb)、d)、f)、およびh)は、リアルタイムの視覚的画像によって提供されるフィードバックと、戦略的に配置されるセンサからのフィードバックとの組み合わせを使用して達成され、前記アクセスバルブキャップ、前記安全バルブ、流体ライン、前記充填排出バルブおよびバルブ作動ナットの位置を監視および感知してもよい。
【0015】
クライアント衛星に配置される1以上の推進剤貯蔵タンクと流体接続している1以上の充填排出バルブにアクセスすることで前記クライアント衛星の燃料補給を行う方法であって、
a)1以上の安全バルブと、
b)燃料補給ツールであって、少なくとも1つのカメラと、回転可能レンチと、オープンアーキテクチャ構造とを含む燃料補給ツール視覚システムを有し、前記燃料補給ツールが充填/排出バルブと係合している際に、前記カメラの視野は、係合している前記充填/排出バルブと、前記燃料補給ツールの前記回転可能レンチと、前記充填/排出バルブに設置されている安全バルブのカップリングナットとを包含するようにされ、前記燃料補給ツールの選択される可動コンポーネントに、燃料補給作業中に前記選択される可動コンポーネントの位置を感知するために、戦略的に配置されるセンサを含む、燃料補給ツールと、
c)前記クライアント衛星が前記燃料補給ツールを受け入れる準備をし、前記燃料補給作業において補助するためのサポートツール一式と、を収納しているサービサ宇宙機であって、
a)その近位端で前記サービサ宇宙機に取り付けられているロボットアームと、
b)前記クライアント衛星を前記サービサ宇宙機に固定して接続するための係留装置と、
c)前記サービサ宇宙機から前記クライアント衛星へと推進剤を移送するための推進剤移送システムと、
d)推進剤カップリングであって、前記推進剤カップリングを通して前記クライアント衛星に推進剤を移送するための前記推進剤移送システムに接続されているエンドエフェクタに取り付けられている推進剤カップリングと、が取り付けられている前記サービサ宇宙機を使用して前記燃料補給の方法は行われ、
前記燃料補給の方法は、
a)サービサ衛星を前記クライアント衛星と近接するように操作し、係留装置を使用して前記クライアント衛星を前記サービサ衛星に固定して係留させるステップと、
b)前記ロボットアームに、前記ツールと前記サポートツールを順番に捕捉して、前記充填/排出バルブを覆っている任意のオブジェクトを緩めて取り外すように指示することで、前記充填/排出バルブを露出させるステップであって、任意のオブジェクトが取り外されると、前記ツールを収納する、前記充填/排出バルブを露出させるステップと、
c)前記充填排出バルブが露出された後、前記サービサ宇宙機の前記安全バルブと推進剤タンクとの間に流体接続が確立されるように構成されている前記燃料補給ツールを捕捉するように前記ロボットアームに指示するステップであって、捕捉されたら、前記ロボットアームに安全バルブを捕捉するように指示し、これにより、前記推進剤移送システムを前記安全バルブに接続する、前記ロボットアームに指示するステップと、
d)前記燃料補給ツール視覚システムによって得られるリアルタイムの視覚的画像と1以上のセンサからのフィードバックに基づいて、前記充填排出バルブの燃料補給ニップルに前記安全バルブを設置するように前記ロボットアームに指示するステップと、
e)推進剤を、前記推進剤が前記ツールおよび安全バルブを通過して、前記クライアント衛星まで移送するステップと、
f)推進剤が移送されたら、前記燃料補給ツールを前記充填/排出バルブから切り離すことで前記推進剤移送システムを切り離すように前記ロボットアームに指示するステップと、
g)前記係留装置を前記クライアント衛星から外すステップと、を備える、燃料補給の方法。
【0016】
前記方法は、前記1以上のセンサの出力を記録することを含んでもよい。
【0017】
前記センサは、1以上のマイクロスイッチ、および1以上のポテンショメータ、またはそれらの任意の組み合わせであってもよい。
【0018】
前記センサは、マイクロスイッチであってもよく、1以上のマイクロスイッチからの前記フィードバックは、前記燃料補給作業中のその特定の時間の前記マイクロスイッチの状態である。
【0019】
前記マイクロスイッチは、捕捉中に前記安全バルブを感知し、燃料補給作業中に前記充填/排出バルブの前記燃料補給ニップルに接触する前記安全バルブの安全バルブカップリングナットを感知するように前記充填/排出バルブに前記安全バルブを設置するタスクが課された機構内に配置されてもよい。
【0020】
本開示は、流体をクライアント衛星に移送するためにサービス側宇宙機に取り付けられているシステムであって、前記クライアント衛星は、タンクと充填排出バルブとを含み、前記タンクは、前記充填排出バルブに連結され、前記充填排出バルブは、前記充填排出バルブを開閉するための作動ナットと、前記充填排出バルブ上にアクセスバルブキャップとを有し、
a.前記サービス側宇宙機の流体タンクから前記クライアント衛星の前記タンクへと流体を移送するための流体移送手段であって、前記流体は、燃料および酸化剤からなる群から選択される、流体移送手段と、
b.前記アクセスバルブキャップを取り外して交換するため、流体ラインを前記充填排出バルブに連結および前記充填排出バルブから分断するため、および前記バルブ作動ナットを作動させて前記流体バルブを開閉するためのツール手段と、
c.前記ツール手段と、前記充填排出バルブとの間の相対的変位を判定するための第1感知手段と、
d.前記充填排出バルブにアクセスして操作し、その後、流体ラインに連結および前記流体ラインから分断する後続のステップ中に前記充填排出バルブの状態を判定するための第2感知手段と、
e.燃料補給中および燃料補給後に漏洩に対する1以上の独立したシールを有する安全バルブとの安全な流体カップリングを提供するための前記充填/排出バルブに取り付け可能な安全バルブと、
f.前記ツール手段を前記充填排出バルブに対して位置付けるための、前記ツール手段に接続可能な位置付け手段と、
g.前記第1および第2感知手段からのフィードバックに基づいて前記位置付け手段および前記ツール手段の作業を制御するための、前記第1および第2感知手段、前記位置付け手段、および前記ツール手段と通信している制御手段と、を備える、システムを提供する。
【0021】
前記ツール手段は、
前記アクセスバルブキャップを緩め、前記バルブ作動ナットを開閉するように作動し、流体ラインを前記充填排出バルブに連結し、前記充填排出バルブから分断するための第1ツールと、
前記アクセスバルブキャップを取り外すための第2ツールと、を含んでもよい。
【0022】
前記ツール手段は、前記充填排出バルブからクラッシュシールを取り除くための第3ツールを含んでもよい。
【0023】
前記第1感知手段は、前記ツール手段と前記充填排出バルブとの間の前記相対的変位を監視する視野を有するように配置されている視覚システムであってもよい。
【0024】
前記第2感知手段は、
前記充填排出バルブと係合している前記第1および第2ツールを含む作業スペースを包含する視野を有するように配置されている視覚システムと、
流体移送作業中に選択される可動コンポーネントの位置を感知して記録する前記ツール手段に埋め込まれている感知手段と、の組み合わせである。
【0025】
本開示は、クライアント衛星の燃料タンクと流体接続している1以上の充填/排出バルブで燃料補給される前記クライアント衛星の前記1以上の充填/排出バルブを開閉するためにサービサ宇宙機に取り付けられる燃料補給ツールであって、前記1以上の充填/排出バルブは、第1軸に沿って同軸上に整列している回転可能で静的な機構を有し、前記サービサ宇宙機は、安全バルブおよび前記充填/排出バルブに燃料を通過させる前の燃料補給中に前記充填/排出バルブに設置される、収納される前記安全バルブを含み、さらに、燃料補給作業中に前記安全バルブに結合されるように構成されている燃料補給システムを含み、
a)ターゲット充填排出バルブの前記充填排出バルブ本体およびトルク反作用平面に位置合わせおよびクランプするための機構Aを備える燃料補給ツール構造と、
回転可能レンチであって、
前記回転可能レンチの開閉のための機構B1と、
前記レンチの回転のための機構B2であって、前記レンチを開閉するための機構B1が従属的に取り付けられている機構B2と、
前記回転可能レンチの高さ調整のための機構Cと、を備え、
前記機構B2は機構Cに取り付けられ、必要に応じて、前記機構A、B1、B2、およびCは、前記回転可能レンチを回転させることによって誘導されるトルクが前記トルク反作用平面を介して前記バルブ本体で反作用を受けることを確実にするトルク反作用ループを形成する下部構造を形成する、回転可能レンチと、
b)前記燃料補給システムを、係合している前記ターゲット充填排出バルブの燃料補給ニップルに接続するための機構Dであって、前記下部構造と、サイドプレートによって前記下部構造に接続されている上部プレートとに接続されて、燃料補給ツール構造の全体を形成する機構Dと、
前記上部プレートに接続され、前記サービサ宇宙機に取り付けられているロボットアームに取り付けられているロボットエンドエフェクタに把持されて結合するように構成されているエンドエフェクタインターフェースと、
捕捉中に前記安全バルブを感知し、燃料補給作業中に前記充填/排出バルブの前記燃料補給ニップルに接触する前記安全バルブの安全バルブカップリングナットを感知する、機構D内に配置されている1以上のセンサと、
前記燃料補給ツール構造に取り付けられている少なくとも1つのカメラを含むツール視覚システムであって、前記燃料補給ツールが充填/排出バルブと係合する際に、前記少なくとも1つのカメラの視野が、前記燃料補給作業中のように、係合している前記充填/排出バルブと、前記燃料補給ツールの前記回転可能レンチと、前記安全バルブのカップリングナットとを包含するように、前記下部構造はオープンアーキテクチャを有し、前記回転可能レンチ、前記充填/排出バルブ、および前記安全バルブの全ての状態は、マイクロスイッチの状態と、前記少なくとも1つのカメラからのリアルタイムの画像との組み合わせを使用して感知および/または監視することができる視覚システムと、を含むツール燃料補給ツール構造を備える、燃料補給ツールを提供する。
【0026】
前記センサは、マイクロスイッチであってもよく、1以上のマイクロスイッチからのフィードバックは、前記燃料補給作業中のその特定の時間の前記マイクロスイッチの状態である。
【0027】
前記センサは、1以上のマイクロスイッチ、1以上のポテンショメータ、またはそれらの任意の組み合わせであってもよい。
【0028】
本開示は、クライアント衛星に燃料補給するためのシステムであって、
a)サービサ宇宙機であって、
その近位端で前記サービサ宇宙機に取り付けられているロボットアームと、前記ロボットアームの遠位端に取り付けられているエンドエフェクタと、
前記クライアント衛星を前記サービサ宇宙機に固定して係留させるための係留装置と、
推進剤移送システムと、
推進剤カップリングであって、前記推進剤カップリングを通して前記クライアント衛星に推進剤を移送するための前記推進剤移送システムに連結されている前記エンドエフェクタに取り付けられている推進剤カップリングと、
センサシステムおよび前記少なくとも1つのカメラからのフィードバックに基づいて前記燃料補給作業を制御するために、前記ロボットアームと、前記エンドエフェクタと、前記推進剤移送システムと、前記燃料補給ツールと通信している制御システムと、
前記サービサ宇宙機と遠隔通信するための通信システムと、
が取り付けられているサービサ宇宙機と、
b)前記サービサ宇宙機であって、
前記燃料補給ツールと、
1以上の安全バルブであって、燃料を前記安全バルブおよび充填/排出バルブに通す前の燃料補給中に前記充填/排出バルブに設置され、前記推進剤カップリングは、前記1以上の安全バルブに結合するように構成されており、前記1以上の安全バルブは、前記エンドエフェクタによってピックアップされ、前記エンドエフェクタに結合されるように構成されている、1以上の安全バルブと、
前記エンドエフェクタによってピックアップされ、前記エンドエフェクタに結合されるように構成されているサイト準備ツール一式であって、前記燃料補給ツールを受け入れるために前記クライアント衛星を準備するために選択されるタスクを行うように構成されているサイト準備ツールと、
前記エンドエフェクタによってピックアップされ、前記エンドエフェクタに結合されるように構成されている燃料補給サポートツール一式であって、前記安全バルブを受け入れるために前記充填/排出バルブを準備するように前記充填/排出バルブと係合するように構成されている燃料補給サポートツールと、
を収納している前記サービサ宇宙機と、
を備えているシステムを提供する。
【0029】
本開示は、クライアント衛星の燃料補給を準備するためのサポートツール一式であって、
それぞれが特定の機能を有するツール一式であって、各ツールは、駆動軸と、その特定の機能のために構成されているツールセクションとを有するツール一式と、
前記ツール先端部一式のそれぞれが恒久的に取り付けられている共通ツール基部であって、
サービス側衛星に取り付けられているロボットアームの遠位端に取り付けられているエンドエフェクタによるロボット把持のために構成されている、その片側に把持インターフェースを有する筐体であって、前記把持インターフェースは、グラプル固定具を含み、前記筐体の他方側には、ツールが取り付けられて、前記ツールの前記駆動軸を受け入れるように構成されている筐体と、
前記ロボットアームの前記エンドエフェクタに配置されている駆動アクチュエータ機構を介して、任意のツール先端部の機能を実行するために使用される2つのツール機構駆動インターフェースであって、前記2つのツール機構駆動インターフェースのうちの1つは、前記サポートツールのそれぞれの特定のツール先端部を駆動するために使用され、第2の方は、前記ロボットアームによって把持されていない場合、前記共通基部を保持するための拘束収納機構を駆動するために使用される、2つのツール機構駆動インターフェースと、
ツール機能の作動のために、前記ツール機構駆動入力インターフェースの1つから前記ツール駆動軸にツール機構ギアトレインインターフェースを介して回転およびトルクを伝達する、前記筐体内に配置されているツール機構ギアトレインと、
拘束機構「能動的半部」であって、使用されておらず、前記エンドエフェクタから分離されている場合、前記拘束機構に前記共通基部を保持する際に使用するための前記第2ツール機構駆動インターフェースに連結されて駆動される拘束機構「能動的半部」と、を含む共通ツール基部と、を備えるサポートツール一式を提供する。
【0030】
前記拘束機構は、前記共通基部に保持されている前記ツールを受け入れ、前記共通基部の前記拘束機構「能動的半部」と係合してロックするように構成されている受動的ロック機構を有する、前記サービス側宇宙機に固定されているレセプタクル筐体を備える。
【0031】
前記共通基部および前記レセプタクル筐体は、前記レセプタクル筐体に前記共通基部を挿入してロックする作業中に、前記ロボットアームが前記共通基部を前記レセプタクル筐体に整列させることを視覚的に支援する視覚的手がかりを含む。
【0032】
前記サポートツール一式は、それぞれが共通基部およびそれに取り付けられているツール先端部を含み、各ツール先端部は、特定の装置動作を有するサイト準備ツールを含んでもよく、前記ツール先端部共通構造は、前記共通基部にボルト固定されるように構成されているインターフェースを有する筐体と、前記2つの機構駆動インターフェースのうちの1つと係合するために前記共通基部に挿入される、前記筐体から延び出る部分を有する雌ねじ付き駆動軸と、前記筐体の内側に配置されている前記駆動軸の部分にねじ込み式に設置されている前進雄ねじ付きロッドと、前記共通構造の遠位端に配置されている一連の入力リンケージおよび一連の出力リンケージと、を含み、前記駆動軸の回転により、前記前進ねじ付きロッドの直線移動を引き起こし、これは次に一連の入力リンケージを動かし、これは次に前記装置の動作機構の一部を形成するピボット接続されている出力リンケージを任意のツール先端部の特定の点を中心に旋回させて、運動の方向に応じて、前記装置の動作機構を開閉させる。
【0033】
前記装置の動作機構が、切断作用を提供するために前記出力ピボット接続出力リンケージの遠位端と一体的に形成されている一対の切断剪断機であるように、前記サポートツールは、サーマルブランケット剪断装置であってもよい。
【0034】
前記装置の動作機構が、サーマルブランケット片を把持して取り除くための把持動作を提供するために前記出力ピボット接続出力リンケージの遠位端と一体的に形成されている一対のブランケットパドルであるように、前記サポートツールは、サーマルブランケットハンドリング装置であってもよい。
【0035】
前記装置の動作機構が、ワイヤを把持して切断するための把持動作を提供するために前記出力ピボット接続出力リンケージの遠位端と一体的に形成されているワイヤリング把持機構を有する一対のワイヤカッタ剪断機であるように、前記サポートツールは、ワイヤカッタおよび把持ツールであってもよい。
【0036】
前記サポートツール一式は、充填/排出バルブBナットが取り外される際に生成されるクラッシュされたシールを取り除くためのクラッシュシール取り外しツールを含んでもよく、前記クラッシュシール取り外しツールは、前記共通基部とそれに取り付けられているクラッシュシール取り外しツール先端部とを含み、それに取り付けられているクラッシュシール取り外しツール先端部は、前記共通基部にボルト固定されるように構成されているインターフェースと、前記2つの機構駆動インターフェースのうちの1つを係合するように前記共通基部に挿入される部分を有する雌ねじ付き回転可能駆動軸と、前記雌ねじ付き駆動軸に部分的に入り、その中で相互に移動可能な雄ねじ付きプランジャとを含み、前記プランジャは、ピボット点と共にピボット接続されている一対のフレックスジョーリンケージを含む、遠位プランジャ面を有し、前記フレックスジョーリンケージは、それぞれ遠位フレックスジョー先端部を有し、前記フレックスジョーリンケージは、ツール先端基部構造に固定して取り付けられているケージの開口部を通って延び、前記駆動軸が回転すると、プランジャは後方へ移動して前記駆動軸に入り、前記プランジャが移動している間、前記フレックスジョーリンケージの前記ピボット点は前記プランジャと共に動き、前記フレックスジョー先端部を閉鎖および後退させ、前記充填/排出バルブのバルブ軸と接触し、前記充填/排出バルブ軸に沿って引き込み、前記フレックスジョー先端部は、前記充填/排出バルブ軸に対してプリロードされ、前記クラッシュシールに引っ掛かり、前記フレックスジョー先端部と前記遠位プランジャ面との間の前記ケージに閉じ込められているところで力によって緩められるまで引き込まれ、前記駆動軸の逆方向への回転は、前記フレックスジョー先端部を開き、前記プランジャ面を前方に押して前記クラッシュシールを前記ケージから押し出すことにより、前記ツール先端部から前記クラッシュシールを排出する。
【0037】
前記サポートツール一式は、Bナット取り外しツールを含んでもよく、前記Bナット取り外しツールは、前記共通基部と、それに恒久的に取り付けられているBナット取り外しツール先端部とを含み、前記Bナット取り外しツール先端部は、前記共通基部に恒久的に取り付けられているツール先端基部構造と、前記2つの機構駆動インターフェースのうちの1つと係合するための前記共通基部に挿入される部分を有する駆動軸と、前記駆動軸の遠位端に連結されているばねレンチフィンガと、前記ばねフィンガの近位端で前記ばねレンチフィンガへのキー接続を有して、前記駆動軸の回転軸に沿った運動のみを可能にするコレットと、を含み、前記コレットは、前記コレットの外径にスロットを有し、ピンキャリア筺体に包囲され、前記スロット内を延びる前記ピンキャリア筺体に取り付けられているカムピンを含み、前記ピンキャリア筺体は、ラチェットディスクと前記先端基部構造との間のキー機構によって前記ラチェットディスクの回転が制限されている、プリロードばねによってラチェットディスクインターフェースにて前記ピンキャリア筐体に対してプリロードをかけることを介して前記ラチェットディスクによる回転から遅延し、前記ピンキャリア筺体が前記駆動軸とともに回転するために、前記ピンスロットの端部が前記コレットに強制的に前記ばねフィンガを前記Bナット上で前記Bナットの六角機構に抗して閉鎖させ、継続的な駆動軸の回転が前記ピンキャリア筺体の回転を引き起こすまで、前記コレットは、前記ピンスロットの前記カムピンによって駆動されながら軸方向前方へと動かなければならず、前記ラチェットディスクインターフェースのプリロードばねのプリロード力が克服されて、ランプ機構を有する前記ピンキャリア筐体表面がランプ機構を有する前記ラチェットディスク表面上で繰り返し摺動することを可能にしながら、前記コレットは前記ばねフィンガおよびBナットを取り囲んでおり、これにより、FDVから前記Bナットのねじを外し、前記駆動軸の回転を逆転させることにより前記コレットを後退させ、前記ばねフィンガが開くことを可能にして、前記Bナットはもはや含まれなくなり、廃棄できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
ここで、衛星FDVの遠隔操作のための機構の実施形態を、ほんの一例として、以下の図面を参照して説明する。
図1】FDVブラケット52上のFDV54の典型的な配置を示している。
図1A】機構A12を介してFDVの位置合わせが発生する領域である、トルク反作用平面58を含む領域におけるFDVの下側本体56を通る断面図である。
図1B】FDV54の側面図を示している。
図1C】FDVの個々の機構を示している。
図1D】バルブをキャップするコンポーネントを示している。
図2】燃料補給準備中の、FDV54に整列し、位置合わせされている燃料補給ツール10の斜視図である。
図2A】燃料補給準備中の、FDV54に整列し、位置合わせされている燃料補給ツール10の斜視図である。
図3A】機構A12の斜視図である。
図3B】顎部121、ローラ123、および把持部125の配置を示すために部分的に断面化されている下面の図である。
図4A】張力アセンブリ113および駆動リンク116、ロッカ117および接続リンク118を含む、機構A12の断面図である。
図4B】張力アセンブリ113および駆動リンク116、ロッカ117および接続リンク118を含む、機構A12の断面図である。
図4C】張力アセンブリ113および駆動リンク116、ロッカ117および接続リンク118を含む、機構A12の断面図である。
図5A】機構A12の適合性を集合的に実証しており、機構Aに固有のセルフセンタリング動作を示す一連の画像であり、バルブ本体32およびトルク反作用平面34への接触指126の最終着座前の初期の大きい横方向のオフセットが修正されている。
図5B】機構A12の適合性を集合的に実証しており、平行および鉛直の向きの両方で小さなバルブ本体32での閉鎖構成を示している。
図5C】機構A12の適合性を集合的に実証しており、平行および鉛直の向きの両方で小さなバルブ本体32での閉鎖構成を示している。
図5D】機構A12の適合性を集合的に実証しており、大きなバルブ本体32での閉鎖構成を示している。
図5E】機構A12の適合性を集合的に実証しており、大きなバルブ本体32での閉鎖構成を示している。
図5F】平行および鉛直の構成の両方でより大きなバルブ本体での閉鎖構成を示している。
図5G】平行および鉛直の構成の両方でより大きなバルブ本体での閉鎖構成を示している。
図6A】機構B114の斜視図である。
図6B】機構B114の斜視図である。
図6C】B1アクチュエータ取り付け配置の詳細を示す分解組立図である。
図7A】機構B114の正射影図である。
図7B】全ての回転中心を通る折り畳み断面である。
図8A】レンチ閉鎖の自動停止機構に関連するばねプランジャを示す機構B1の断面図である。
図8B】レンチ閉鎖の自動停止機構に関連するばねプランジャを示す機構B1の断面図である。
図8C】レンチ閉鎖の自動停止機構に関連するばねプランジャを示す機構B1の断面図である。
図8D】機構B1のギアトレインを示している。
図9A】コンプライアンス機構16の斜視図である。
図9B】機構B114との関係を含むコンプライアンス機構16の斜視図である。
図10A】コンプライアンス機構16の正射影図である。
図10B】コンプライアンス機構16の正射影図である。
図10C】コンプライアンス機構16の正射影図である。
図11A】機構B218の斜視図である。
図11B】コンプライアンス機構16との関係を含む機構B218の斜視図である。
図12A】機構B218の正射影図である。
図12B】機構B218の正射影図である。
図12C】機構B218の断面図である。
図12D】機構B218の断面図である。
図13A】時計回りおよび反時計回りの移動限界でのコンプライアンス機構16および機構B114を有する機構B218を示している。
図13B】時計回りおよび反時計回りの移動限界でのコンプライアンス機構16および機構B114を有する機構B218を示している。
図14A】機構C20の斜視図である。
図14B】機構B218との関係を含む機構C20の斜視図である。
図15】機構A12が機構C20に付設している領域を表す機構C20の異なる斜視図を示している。
図16A】安全バルブを示している。
図16B】安全バルブの内部コンポーネントを概念的に示している。
図17】機構D22の斜視図を示している。
図18】機構C20との関係を含む機構D22の異なる斜視図を示している。
図19】機構D22の分解組立図である。
図20】機構D22の分解組立図である。
図21】トランスミッション26の分解組立図である。
図22】入力ギアスタックを通る断面を示す図22Bを有する、トランスミッション26の上面図である。
図23A】トランスミッション26内の4層のギアのそれぞれを示している。
図23B】トランスミッション26内の4層のギアのそれぞれを示している。
図23C】トランスミッション26内の4層のギアのそれぞれを示している。
図23D】トランスミッション26内の4層のギアのそれぞれを示している。
図24】上部プレート479の下の燃料補給ツール10の断面図である。
図25】燃料補給ツール10の上面図であり、破断面が第1回転入力軸502のためのトランスファギア508を見せている。
図26】入力ギア454およびクイル軸509を見せているトランスミッション26の断面図であり、さらなる破断面が、トランスミッションリードねじ484を示している。
図27】本明細書に記載の全ての整備タスクを実行するために適切に装備されているロボットエンドエフェクタの概念を示している。
図28】燃料補給のためにクライアント衛星を準備するため、サービサ宇宙機によって使用される様々な独立したサポートツールの斜視および断面図を示している。
図29】燃料補給のためにクライアント衛星を準備するため、サービサ宇宙機によって使用される様々な独立したサポートツールの斜視および断面図を示している。
図30】燃料補給のためにクライアント衛星を準備するため、サービサ宇宙機によって使用される様々な独立したサポートツールの斜視および断面図を示している。
図31】燃料補給のためにクライアント衛星を準備するため、サービサ宇宙機によって使用される様々な独立したサポートツールの斜視および断面図を示している。
図32】燃料補給のためにクライアント衛星を準備するため、サービサ宇宙機によって使用される様々な独立したサポートツールの斜視および断面図を示している。
図33】燃料補給のためにクライアント衛星を準備するため、サービサ宇宙機によって使用される様々な独立したサポートツールの斜視および断面図を示している。
図34】燃料補給のためにクライアント衛星を準備するため、サービサ宇宙機によって使用される様々な独立したサポートツールの斜視および断面図を示している。
図35】燃料補給のためにクライアント衛星を準備するため、サービサ宇宙機によって使用される様々な独立したサポートツールの斜視および断面図を示している。
図36】燃料補給のためにクライアント衛星を準備するため、サービサ宇宙機によって使用される様々な独立したサポートツールの斜視および断面図を示している。
図37】左側パネルに斜視図を示し、右側のパネルにブランケットカッタツール650を含むサイト準備ツール先端部の断面図を示している。
図38】左側パネルに斜視図を示し、右側のパネルにブランケットハンドリングツール652を含むサイト準備ツール先端部の断面図を示している。
図39】左側パネルに斜視図を示し、右側のパネルにワイヤカッタツール654を含むサイト準備ツール先端部の断面図を示している。
図40】燃料補給前にFDVのBナットを取り外すために使用されるBナット取り外しツール先端部の斜視図を示し、左側パネルは完全に組み立てられたツールを示し、右側パネルは部分的に分解されたツールを示して内部コンポーネントのいくつかを示している。
図41】左側パネルに部分的な斜視図を示し、FDVと係合する前のBナット取り外しツール先端部の斜視図から取られた全断面図を示している。
図42】左側パネルに部分的な斜視図を示し、一旦FDV上のBナットと係合してからの運動の段階中のBナット取り外しツール608の斜視図から取られた全断面図を示している。
図43】左側パネルに部分的な斜視図を示し、一旦FDV上のBナットと係合してからの運動の段階中のBナット取り外しツール608の斜視図から取られた全断面図を示している。
図44】左側パネルに部分的な斜視図を示し、一旦FDV上のBナットと係合してからの運動の段階中のBナット取り外しツール608の斜視図から取られた全断面図を示している。
図45】左側パネルに部分的な斜視図を示し、一旦FDV上のBナットと係合してからの運動の段階中のBナット取り外しツール608の斜視図から取られた全断面図を示している。
図46】クラッシュシールの取り外しのためのクラッシュシール取り外しツール先端部700の斜視図である。
図47】クラッシュシール取り外しツール先端部700の様々な立面図(上側パネル)および断面線に沿って取られた関連する断面図(下側パネル)を示している。
図48】クラッシュシール取り外しツール先端部700の様々な立面図(上側パネル)および断面線に沿って取られた関連する断面図(下側パネル)を示している。
図49】クラッシュシール取り外しツール先端部700の様々な立面図(上側パネル)および断面線に沿って取られた関連する断面図(下側パネル)を示している。
図50】クラッシュシール取り外しツール先端部700の様々な立面図(上側パネル)および断面線に沿って取られた関連する断面図(下側パネル)を示している。
図51】関連するツール拘束レセプタクルの上に配置されているツール拘束機構の実施形態の斜視図である。
図52】ツール拘束機構の図51からの断面図である。
図53】ツール拘束機構の図51からの断面図である。
図54】燃料補給されるクライアント衛星に係留しているサービサ衛星を示す系統図であり、サービサ衛星に隔離されているFDVにアクセスするために必要な様々なサポートツールを示している。
図55】ロボットツールの動作を制御するために使用されてもよいコンピュータ制御システムの非限定的な例示的な例を示している。
図56A】燃料補給作業中にサービサ宇宙機80がクライアント衛星81と係合している際にサービサ宇宙機80によって取られるステップを詳細に説明するブロックフローチャートである。
図56B】燃料補給作業中にサービサ宇宙機80がクライアント衛星81と係合している際にサービサ宇宙機80によって取られるステップを詳細に説明するブロックフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本開示の様々な実施形態および態様が、以下で論じる詳細を参照して説明される。以下の説明および図面は、本開示の例示であり、本開示を限定するものとして解釈されるものではない。図面は、必ずしも縮尺通りではない。本開示の様々な実施形態の十分な理解を提供するために、多数の特定の詳細が説明されている。しかしながら、特定の例において、本開示の実施形態の簡潔な議論を提供するために、周知のまたは従来の詳細は記載されていない。
【0040】
本明細書で使用される場合、「comprises(備える)」および「comprising(備える)」という用語は、包括的で制限がなく、排他的ではないと解釈されるものである。具体的には、特許請求の範囲を含む本明細書で使用される場合、「comprises(備える)」および「comprising(備える)」という用語およびそれらの変形態様は、特定の機構、ステップ、またはコンポーネントが含まれることを意味する。これらの用語は、他の機構、ステップ、またはコンポーネントの存在を除外するものと解釈されるものではない。
【0041】
本明細書で使用される場合、「exemplary(例示的)」という用語は、「例、実例、または図として機能すること」を意味し、本明細書に開示される他の構成よりも好ましいまたは有利であると解釈されるべきではない。
【0042】
本明細書で使用される場合、「about(約)」および「approximately(およそ)」という用語は、粒子、混合物の組成、または他の物理的特質または特徴の寸法範囲と併せて使用されると、平均してほとんどの寸法が満たされているが、統計的には寸法がこの領域外に存在し得る実施形態を除外しないように、寸法の範囲の上限および下限に存在し得るわずかな変動をカバーすることを意味する。これらのような実施形態を本開示から除外することは意図していない。
【0043】
FDV作業現場、50
図1図1A、および図1Bは、最小間隔でのFDV54の典型的な幾何学的配置を示している。図1Aには配置が示されており、FDVの第1対は垂直に整列して2.25インチ離れ、FDVの第2対も垂直に整列して2.25インチ離れている。第1および第2の垂直に整列した対は、対称的な千鳥状パターンで水平に2インチ間隔を空けている。各FDVバルブ本体56の基部および取り付けねじ頭のレベルより上に、一対のトルク反作用平面58があり、平面間の中央平面が3つの取り付けねじのうちの1つと整列していることに留意する。図1Aに示すように、充填排出バルブ58の狭い間隔は、制限されたアクセスエンベロープを作り出し、これを通して、FDV58の機構にアクセスするためにサービスロボットアームの燃料補給ツールを位置付けることができる。図1Cは、FDV54の関連機構、すなわちBナット64(バルブアクセスキャップとも知られている)、作動ナット62、トルク反作用平面58を有するバルブ本体56、取り付けフランジ66、および設置時に完成する溶接接続68の要点を示している。図1Dは、FDVニップル70と、バルブ、Bナット64、およびクラッシュシール702をキャップするコンポーネントとを示すFDVの分解図である。
【0044】
取付穴のパターンは等間隔で配置されているため、各FDVは3つの可能性のある向きのうちの1つで取り付けられることができ、最終的な取り付け構成は記録事項ではない。その結果、各バルブ例においてトルク反作用平面の3つの可能性のある向きが存在する。3つの可能性のある向きのそれぞれは、初期設置時の技術者にとっては満足のいくものであるだろうが、一部は他よりも扱いにくいこともあるため、可能性が低いとはいえ、可能である。4つの場所のそれぞれにおける可能性のある各向きを詳細に調べると、自動システムは、燃料補給ツールの接近方向に平行か垂直かいずれかであるトルク反作用平面に適応できなくてはならないことを明らかにする。いずれかの可能性ではなく、これら2つの相対的な向きの一方のみに頼ると、結果的に、システムは、可能性のあるいかなる設置構成におけるいかなるバルブのトルク反作用平面も確実に把持することができなくなる。
【0045】
また、示されている配置には2つの別々の設計のバルブがあり、バルブ本体の径と平面を横切る寸法の両方が2つの設計間で異なるということに留意する。これは、異なるサイズのねじ山接続を採用することによって、2つのバルブサイズによって実際に燃料回路と酸化剤回路とが区別される二元推進剤システムの典型であり、このような区別は、発射台で燃料注入の際に、酸化剤回路に燃料ラインを取り付けること、またはその逆によって、偶発的な混合のわずかな危険性をさらに減少させるものである。これは、機構A12にさらなる課題を提示し、機構A12の機能は、バルブ本体と位置合わせアライメントを行い、バルブ本体および反作用平面にクランプすることであり、そうすることで、レンチ回転機構によってかけられるトルクは、バルブ本体で反作用を受けることができ、FDV取り付けブラケットまたは溶接チューブ接続68への伝達を防止できるようになる。
【0046】
燃料補給ツール視覚システムベースオープンアーキテクチャ、40
保険可能とするためには、単一の障害点によって任務の成功が妨げられないことが必要である。そのため、燃料補給ペイロードのロボットオペレータは、各タスクが正常に完了したことを確認できること、または劣化状態下で任務を継続する能力を持つことができなくてはならない。
【0047】
燃料補給作業は、以下の2つのシナリオに分類できる。
1.例えば以下のようなFDVへの燃料補給ツール(RT)10の初期アライメント。
・外部カメラを使用することで、遠隔オペレータまたは自動制御システムが、RTを保持しているロボットアームの運動を作業現場での開始状態、すなわちRTが宇宙機デッキにタッチダウンすることへと導く手助けをするように支援すること。
2.例えば以下のようなFDV上にある状態でのツールの作業。
・FDVのBナットまたは作動ナットを使用してツール反作用機構の垂直アライメントを識別すること。
・ツール反作用機構がFDVのBナットまたは作動ナットと係合している時を識別し、FDV機構が実際に回転したことを確認すること。
【0048】
オペレータは、各タスクを感知するために最少で2つの選択肢を常に有するべきであり、これにより、以下が実現される。
・カメラビューで見たものが二次的情報源、すなわち、トルク測定値、回転数、スイッチ、ロボットアームフォースモーメントセンサ(FMS)出力等、によってサポートされているという信頼性をオペレータに提供する。
・規準外状態(照明、障害、カメラ異常、反射)において、追加情報がすぐに利用可能となる。
【0049】
実施されたトレード研究に基づくと、ターゲットFDVへのアライメントを確認する唯一の信頼できる方法は視覚的表示を通してであるため、アライメント作業中の基本的な主要感知はカメラであると明らかになった。これは、オープンアーキテクチャソリューションへと導き、これにおいてはFDVの周囲のツールボリュームはオープンなままとされて、カメラビューのアクセスを可能とする。補完的ツールで適切に実装された場合、FDVへの燃料補給ツールの初期アライメントを確実にするための同じ燃料補給ツール視覚システムベースのソリューションは、FDVの状態を継続的に監視するために理想的である。
【0050】
本開示は、燃料補給ツールの様々なアクセス、アライメント、クランプ動作、およびFDVのBナットおよび作動ナットの回転状態を実証できることを実証するためのオペレータフィードバックの主な情報源としての燃料補給ツール視覚システムベース感知のための主要要求事項を中心に設計されており、初期の粗いアライメントおよび位置合わせの準備、バルブ本体とトルク反作用平面への位置合わせの成功、回転と高さの両方での六角形機構への初期レンチ位置合わせ、六角機構の回転の成功、安全バルブ捕捉の確認、安全バルブカップリングナットのFDVへの初期アライメント、接触確認の包含、およびFDVねじ山接続での安全バルブカップリングナットの前進の確認を含むが、これらに限定されない。
【0051】
対地同期軌道での燃料補給ツール視覚システムベース感知の実施には、タスク、環境、および軌道への旅程に適したカメラが必要となる。ビデオ装置は、極端な温度範囲、放射線被曝、および環境の他の側面に対して敏感である傾向にあり、本用途への適合性を実証するために広範囲に及ぶ品質保証試験を必要とする。ほとんどのビデオ装置は、民生用または産業用用途向けに設計されており、対地同期環境の要求事項を満たすために、追加のシールドおよび/または材料置換のための再パッケージングまたは再加工が必要となる。つまり、設計に使用できる適格なビデオ装置の範囲は限られており、特にハンドヘルドコンピュータにおいて一般に存在している高度に小型化されたビデオ装置は、現在でも、予測できる将来でも、対地同期軌道での使用に適しそうにない。適格な装置は、消費者市場におけるそれらに同等の対応するものと比べて大きくなる傾向にある。
【0052】
複数のビデオストリームを管理することもその環境内では難易度が高く、そのタスクのために特別に作られたビデオ切り替え装置を必要とし、その結果、多数のカメラを伴ういかなるアプローチに対しても他のオーバーヘッドとなる。このように、この設計は単一動作カメラビューに基づいており、単一カメラビューが完全冗長バックアップを有する必要があるという重大な特質を持っている。
【0053】
カメラビューの動作を設計することは、FDV機構をいつでも見ることができ、ビューが遮られたり、過度に影になったりすることがないように、ターゲットFDVに対してほぼ完全に画像のバックグラウンドで動作しなくてはならない装置へと直接的に導かれる。この理由から、例えば、カメラビューの奥側からオープンエンドレンチを使用してねじると、ソケットを使用して上からねじるよりも有利である。
【0054】
本開示は、図2および図2Aに示されている。典型的なFDVブラケット52上に対称的なパターンで配置されている4つのFDV54のうちの1つを整備するプロセスにおいて燃料補給ツール10が描かれている。4つのFDV54のうちの1つは、燃料補給作業の途中で示され、Bナットが取り外され、安全バルブ350が取り付けられようとしているところであることに留意する。カメラシールド46の下のカメラ42は、各カメラが作業現場および燃料補給ツールとターゲットFDVとの間の全ての相互作用の全景を有するように、カメラブラケット44に配置されている。代替的には、主要および冗長カメラの対を単レンズとビームスプリッタで実装することもでき、このようにして、各カメラが他のカメラのために妥協したビューを持つというよりも、各カメラに理想的なビューを提供する。
【0055】
示されているカメラは、より広い意味での視覚システムを表している。燃料補給ツール視覚システムの全体は、人間のオペレータを対象とした単一カメラのように単純であってもよいし、自動化機械視覚基部システムにより適したカメラ、ライダー、およびレーザ距離計を含むがこれらに限定されない光学センサ一式を備えてもよい。加えて、単一カメラを、ロボットアーム上の他のツールまたは装置によって行われる詳細な光学的調査と併せて使用されてもよく、そのようにして、カメラビューは、コンピュータ生成3Dレンダリング内のターゲットFDVにツール位置を関連付ける。この意味で、燃料補給ツール視覚システムベースアーキテクチャは、燃料補給作業の連続的な状態を実証するために人間または機械のオペレータと併せて使用される任意の光学システムを包含している。
【0056】
また、図2で見られるのは、4つの接触球490であり、2つのタッチダウンロッド491および2つのタッチダウンアーム492に1つずつあり、タッチダウンロッドの1つはカメラブラケット44に取り付けられ、もう一方はタッチダウンブラケット493に取り付けられており、接触球の目的はロボットアーム84内の力/モーメントの感知および制御または他の手段を介して、燃料補給ツールとFDVブラケット52との間の接触を示すためである。示されている接触球、タッチダウンロッドおよびアームは、タッチダウン感知の手段を表すものであり、代替的には、近接感知および直接または間接手段のいずれかによるスイッチの機械的作動による感知を含むがこれらに限定されない他の技術を採用することもできる。
【0057】
図2Aは、燃料補給ツールエンドエフェクタインターフェース500の要素、すなわち、把持固定具501、第1回転入力軸502、第2回転入力軸503、電気コネクタ504、およびクイック接続ニップル505も示している。燃料補給ツールは、基本的に、それぞれが特定の機能を有する機構の集合、すなわち、バルブ本体56とトルク反作用平面58に位置合わせおよびクランプするための機構A12、レンチを開閉するための機構B114、レンチの回転のための機構B218、回転レンチの高さ調整のための機構C20、および燃料補給システムをターゲットFDVのニップルに接続するための機構D22で構成されている。各機構は1つの独立した作動を必要とするが、機構Dは例外で2つ必要とする。
【0058】
レンチを開閉するための機構B1は、レンチを回転させるための機構B2に従属的に取り付けられており、これは、次に、レンチを上昇させるための機構Cに取り付けられている。バルブ本体への位置合わせとクランプのための機構Aも機構Cに取り付けられている。この下部構造はトルク反作用ループを形成し、レンチを回転させることによって誘発されるトルクが、必要に応じてトルク反作用平面を介してバルブ本体で反作用を受けることを確実にする。この下部構造は、燃料補給送達システムおよび燃料補給ツール上部プレート479を含む機構Dに接続され、サイドプレート483へのボルトおよびピン接続によるエンドエフェクタインターフェースを含み、このようにして、燃料補給ツールアセンブリの全体または構造を形成する。
【0059】
多数の別々に制御される作動を必要とすることは、特に、それぞれが個別のアクチュエータを必要とする場合、個別のアクチュエータのドライブエレクトロニクスがロボットアームにあり、関連する相互接続がロボットアームおよび燃料補給ツールのエンドエフェクタの電気コネクタを個別に通過し得るため、この設計アプローチにとって不利とみなされることもある。
【0060】
ロボットアームのエンドエフェクタは、全燃料補給運用概念で使用されるツールの大部分が収納と収納解除のために1つのツール駆動入力と、機構の動作のために第2ツール駆動入力とが必要となる受動的な外部駆動装置であるため、最適には2つの外部ツール駆動部を有しており、受動ツール(以下で説明されるサイト準備および燃料補給サポートツール)は、サーマルブランケットの切断および操作、ロックワイヤの切断および除去、ならびにBナットおよびクラッシュシールの除去をするものを含むが、これらに限定されない。
【0061】
個別のアクチュエータ、関連するドライブエレクトロニクス、および分離可能な電気的相互接続の数を最小限にするために、燃料補給ツールエンドエフェクタインターフェースに隣接して移動可能に配置されているトランスミッション26を使用して、第1エンドエフェクタ回転駆動軸502を、機構A、機構B2、機構C、および機構Dに1つずつである4つの個別出力の1つに対して選択的に向ける。第2エンドエフェクタ回転駆動軸503は、伝達装置を作動させるために使用され、この作動は、第1ツール駆動入力に接続する機構をどれにするかを選択するためのものである。動力伝達装置は、任意選択で、燃料補給ツールの収納および収納解除等の燃料補給ツール内での追加の作動を行うための追加の機構を含んでもよい。
【0062】
前述の各機構、および本開示の他の要素は、以下の段落でさらに説明される。
【0063】
機構A、位置合わせおよびクランプ、12
図3A図3B、ならびに図4Aおよび図4Bを参照すると、機構Aは、下側スラスト玉軸受103と上側スラスト針状ころ軸受104との間にサポートされている入力軸102の時計回りの回転によって閉鎖運動で駆動され、前者はクランプする機構Aによって誘発される高いスラスト負荷のために選択され、後者は自由空間を通じて完全な開放位置に機構を駆動することに関与する比較的低いスラスト負荷のために選択されている。時計回りの回転は、張力筺体105、リードナット106、クロスピン108を有するピストン107、ばね109、スペーサ110および111、エンドキャップ112、およびリニア軸受レール114を備える張力アセンブリ113の上向き運動を誘発する。クロスピン108は、張力筺体105の両側のスロットを通過する。機構Aフレーム128に取り付けられているリニア軸受ブロック115は、張力アセンブリ113の運動をガイドし、入力軸102とのアライメントを維持する。エンドキャップ112とピストン107との間に配置されているばね109は、機構の残部がバルブ本体に接触して動きが停止した後、張力アセンブリの継続的な上向き運動を可能にし、このような継続的な運動は、ばねを圧縮して所定のレベルのクランプ負荷を生み出すために使用される。
【0064】
張力アセンブリの垂直の運動は、駆動リンク116、ロッカアーム117、および接続リンク118を介してプッシュロッド119の水平運動を誘発し、駆動リンク116は、クロスピン108に接続されている。プッシュロッド119は、機構Aフレーム128内に含まれるブッシング120内へとガイドされる。機構Aフレーム128は、機構A取り付けインターフェース129を介して燃料補給ツール10をFDV軸60に整列させるための構造的フレームワークを形成する。
【0065】
機構A顎部121は、本体128内に収容されているピボット122を中心に回転し、プッシュロッド119への接続によってローラブラケットがターゲットFDVに向かって前方へと駆動されるため、ローラブラケット124内に含まれるローラ123によって対称的に閉じるように駆動される。ローラ123は、ローラが顎部を閉鎖方向および開放方向の両方に駆動するように、顎部121内の閉鎖スロットの中で転がり、閉鎖スロットは、センタリングに分配されたストローク領域で高速で、その後クランプすることに費やされるストローク領域内でははるかにゆっくりとなる閉鎖運動を生み出すように形作られ、この後者の領域は、様々なサイズと向きのFDV本体に対応するように設計されている。クランプすることに費やされるこのストローク領域内でのゆっくりとなる閉鎖運動は、ローラブラケット124により良好な機械的メリットを提供する。
【0066】
顎部121はそれぞれ、およそ10度の間を自由に回転する2つの把持部125を備えている。各把持部は2つの接触指126を有し、顎部がFDV54の基部の周辺で閉じると、各把持部の1つの指が円筒面に接触し、もう一方がバルブ本体56のトルク反作用平面58に接触する。この配置は、把持部が2つの異なる向きでバルブ本体の径の範囲周辺で閉じることを可能にし、図5A図5B図5C図5D図5E図5F、および図5Gに描かれているように、トルク反作用平面は機構Aプッシュロッドに平行で、トルク反作用平面は機構Aプッシュロッドに垂直な状態となる。
【0067】
張力アセンブリ113に取り付けられている主要および冗長マイクロスイッチ127は、ばね109が所望の圧縮に達したら、状態を閉鎖から開放に変化させ、スイッチは、ラッチされた状態をオペレータに通知する。
【0068】
機構B1、レンチ閉鎖/開放、14
図6A図6B図6C図7A図7B図8A、および図8Bを参照すると、機構B1は、平行ねじクランプ配置において、対向する端部に右ねじと左ねじとを有するツインリードねじ150に基づくレンチ開閉装置であり、同様の方向のねじ山がアセンブリの各側にあり、アクチュエータ側に右ねじがあるようになっている。それぞれが2つの同様の方向のリードナット155を収容する2つのレンチ顎部154が、機構B1の各側の対応するリードねじのねじ山に取り付けられており、レンチ顎部がFDV軸60と交差する位置がリードねじの中心によって形成される線上にあるようにレンチ顎部は構成されている。各リードナット155は、ナットクランプ156によって保持され、リードナットは、レンチ顎部の平行配置を確立するために、初期設定中にレンチ顎部およびナットクランプ内で自由に回転する。その後、リードナットは、ナットクランプ、リードナット、およびレンチ顎部を通る穴をドリルで開け、ロッキングピン157を取り付けることにより、回転がロックされる。
【0069】
B1の作動が他の機構の運動から、最も注目すべきは、レンチの回転から独立する必要があることは、B1作動軸の運動の複雑性と相まって、この機構の個別のアクチュエータに十分な正当性を提供する。
【0070】
機構B1筺体152およびB1カバー153は、軸受172を介して各リードねじの中央ギア151を各筐体およびカバーに1つずつ取り囲んで配置し、アイドラ軸173およびアイドラ軸受174を介して2つのアイドラギア158を取り囲んで配置する。B1駆動入力ギア159は、カバー内で隣り合って配置されている一対の軸受172を介してサポートされ、その結果、駆動入力ギアの軸がB1筐体の開口部を通して露出可能にしている。図7Aを参照すると、B1駆動入力ギアは、露出した駆動軸上に、B1駆動アクチュエータ160のトルク反作用軸176を受け入れるように正確に製造されたトルク反作用凹部175を有し、本実施形態におけるトルク反作用凹部は、平面を有する軸の形態である。機構B1筐体152は、自己潤滑性材料製のパック形状のアダプタ161に同軸に取り付けられているB1駆動アクチュエータ160のための固有の取り付け構成を提供する。このアダプタは、機構B1筐体152内の対応する凹部162内に配置されて包含され、2つの保持クリップ163によってその中に保持される。アダプタには、ピンが同軸になるように、アダプタの反対側に放射状に配向されている2つのピン164が装着されている。B1筺体アクチュエータ凹部162は、半径方向に対向するピンを収容し、ピンによるアクチュエータアダプタの回転を15度ほど可能にするための切り欠きを有する。取り付け後プランジャガイド165、圧縮ばね166、および分岐ヘッド168を有するプランジャ167をそれぞれ備える2つのばねプランジャアセンブリは、分岐が半径方向に対向するピンにまたがる状態でB1筐体アクチュエータ凹部162に対して接線方向に配置されて、両方のばねプランジャアセンブリが、アクチュエータ軸の反対側のアクチュエータの端部から見て、アクチュエータアダプタに反時計回りのトルクを与えるようにする。レンチ顎部が対象物上で閉鎖したまたは閉鎖方向での移動終端に達した際、トルクは、半径方向に対向するピンがB1アクチュエータ凹部切欠きの一端に着座するように強制し、B1アクチュエータ凹部内のアクチュエータアダプタの集合的な嵌合および保持は、ばねプランジャアセンブリの配置と併せて、半径方向に対向するピンでアダプタに取り付けられているアクチュエータが、接線方向に配置されているばねプランジャに反してB1筺体アクチュエータ凹部内で時計回りに回転することを可能にする。
【0071】
分岐ヘッド168を有するばねプランジャの1つは、一対のマイクロスイッチ169と相互作用し、ばねプランジャが完全に伸長するとスイッチは閉じ、ばねプランジャが圧縮されると開くようになり、マイクロスイッチが開放状態に変化するとアクチュエータは停止するように命令される。この配置は、機構ストローク内の位置に関係なく、アクチュエータを所定のトルク値で停止させ、トルク値は、ばねプランジャのばねの選択によって決定される。
【0072】
レンチ顎部を通してB1筐体およびB1カバーに取り付けられている肩部ボルト171は、レンチ顎部の閉鎖方向への移動限界を画定する。
【0073】
B1筐体152上の2つの取り付け突起170は、取り付けのための手段を提供する。
【0074】
コンプライアンス機構、16
FDV本体にクランプした後の燃料補給ツールレンチ回転軸とFDV軸との間の残りのミスアライメントは、レンチがFDVにクランプされる際、およびレンチが回転する際にもFDVに側面荷重を誘発するおそれがある。側面荷重を最小限にするために、コンプライアンス機構によって、半径方向と接線方向との両方に、ばね中心コンプライアンスの狭い範囲が提供される。
【0075】
図9A図9B図10A図10B、および図10Cを参照すると、矩形カップリングプラットフォーム204は、各突起がプラットフォームの角部の周辺にあるように、プラットフォームの上側の2つの平行な第1縁部のそれぞれに沿って突出突起205の同軸対を特徴としている。突出突起205の同軸対の同様の配置は、第1縁部に垂直な2つの縁部に沿ってプラットフォームの下側に同様に置かれ、第1縁部はFDVの作業場に対して放射状に向けられ、第2縁部は作業場に対して接線方向に向けられる。ボールブッシング206は、プラットフォームの両側の突出突起に取り付けられ、ブッシングは、ボールブッシングの両端に置かれているブッシングサークリップ207によって突出突起に固定され、サークリップは、突出突起にまたがっている。
【0076】
精密軸208の第1対は、軸の少なくとも3mmが、ブッシングの同軸対の外端を越えて延びるように、プラットフォームの上側でボールブッシング内にブッシングの同軸対の対ごとに1つの軸がサポートされている。カップリングブラケット202は、カップリングブラケットの2つの側面のそれぞれに対称的に配置されている一対のダウンスイープ突起部203を介して、プラットフォームの上側で精密軸の第1対に取り付けられてまたがっており、一対のダウンスイープ突起部は、それらの間にある長さ調節可能なロッキング軸カラー210を収容するために間隔を空けており、軸カラーは、カップリングブラケットを一対のボールブッシングの間の精密軸に中央に固定するために使用されており、長さ調整可能なロッキング軸カラーの調整は、カップリングブラケットと精密軸の第1対との間の遊びをなくすために使用されている。プラットフォームの上側で精密軸の第1対のそれぞれに配置されている一対の圧縮ばね211は、それぞれがボールブッシング206とダウンスイープ突起部203との間に配置され、圧縮ばねのそれぞれは取り付け時に部分的に圧縮されるが、精密軸の第1対の軸に平行に、カップリングプラットフォームに対して、カップリングブラケット、軸、および軸カラーの、制限されたばね中心の両側性の運動を可能にする。
【0077】
精密軸209の第2対は、軸の少なくとも3mmが、ブッシングの同軸対の外端を越えて延びるように、プラットフォームの下側でボールブッシング内にブッシングの同軸対の対ごとに1つの軸がサポートされている。機構B114は、B1取り付け突起170を介して精密軸の第2対に取り付けられて、またがっている。取り付け突起は、軸ごとに2つの長さ調整可能なロッキング軸カラー210を介して、精密軸の第2対のそれぞれに、各取り付け突起のいずれかの側に1つ、軸の中央位置で固定され、長さ調整可能なロッキング軸カラーの調整は、機構B1と精密軸の第2対との間の遊びをなくすために使用されている。プラットフォームの下側で精密軸の第2対のそれぞれに配置されている一対の圧縮ばね211は、それぞれがボールブッシング206と長さ調整可能なロッキング軸カラー210との間に配置され、圧縮ばねのそれぞれは取り付け時に部分的に圧縮されるが、精密軸の第2対の軸に平行に、カップリングプラットフォームに対して、機構B1、軸、および軸カラーの、制限されたばね中心の両側性の運動を可能にする。トルクセル201は、カップリングブラケット202とトルクセルプレート200との間に取り付けられ、トルクセルプレートは、機構B2へのコンプライアンス機構の取り付けインターフェース212を含む。
【0078】
機構B2、レンチ回転、18
機構B2は、レンチ開閉機構B1を、時計回りまたは反時計回りのいずれかの方向に70度のハードストップ制限アークを通して回転させるように設計されているレンチ回転装置であり、このようにして、60度の前後回転に合わせてB1機構を繰り返し開閉することにより、六角形の機構の完全な1回転を6段階の漸増で達成する。余分な10度は、命令された運動と移動終端との間のバッファ分である。漸増的な回転は、機構はFDV軸を囲むボリュームの片側を主に占めることを可能にし、このようにして、ボリュームの反対側に位置しているカメラを介して全体的な操作の鮮明なビューを可能にする。
【0079】
図11Aおよび図11B図12Aから図12D、ならびに図13Aおよび図13Bを参照して、セグメントギア257と、移動終端ピン260と、セグメントギアキャリア258と、トラックローラの第1対259と、それ自体がトラックローラの第2対263、テンショナヨーク262、張力ねじ264、およびディスクばね265を備えるテンショナアセンブリ261とを備えるセグメントギアアセンブリ256は、回転トラックプレート250の精密圧延面268と、トラックローラの第1対および第2対との間の接触およびプリロードとを介して、レンチ回転軸270を中心として回転するように拘束され、前者は外側精密圧延面に接触し、後者は内側に接触し、精密圧延面は、中央位置を中心にセグメントギアアセンブリのプラスマイナス35度の回転を可能にするために十分にアーク型で、精密圧延面によって形成されているリムの肥厚はアーク形成トラベルストップを超えた状態であり、レンチ回転軸は、精密圧延面によって画定される。
【0080】
機構B2駆動筺体253は、リードナット155およびナットクランプ156をサポートし、リードナットは、ロッキングピン157によって、B2駆動筺体およびナットクランプ内で回転に抗してロックされる。内部スプライン付きハブ252を有するB2駆動ギア251は、B2駆動筺体および回転トラックプレートに収容されている軸受254を介してサポートされている。セグメントギアアセンブリは、セグメントギアバンパ269およびスラストパッド255によってレンチ回転軸に沿って拘束され、前者は回転トラックプレートに取り付けられ、後者はB2駆動筺体に取り付けられている。
【0081】
マイクロスイッチスペーサ267によって分離されているマイクロスイッチ266の対は、セグメントギア内に取り付けられている移動終端ピンの可動域の各端近くの回転トラックプレートのスロットを介して積み重ねられた構成で取り付けられており、スロットは、マイクロスイッチの積み重ねられた対の調整を可能にし、そのようにして、それらは、自由状態から動作状態に変化し、精密圧延面によって形成されているリムの移動制限肥厚よりも前に、回転の終了を知らせる。エレベーション移動インジケータ271が回転トラックプレートに取り付けられている。
【0082】
機構C、レンチ上昇、20
機構Cは、レンチ回転機構B2のエレベーションステージであり、機構として機能するために機構B2の存在を必要とする。それ故、図14Aは、機構Cの部分のみを描いているが、図14Bは、同じ観点から、明確にする目的で機構B2を含んでいる。
【0083】
これらの図面、および別の観点から図15を参照すると、機構A129へのインターフェースを含む背面プレート300および中間プレート301が共に固定され、RT構造フレームの基礎を形成している。一対のリニア軸受レール303は、垂直に向けられ、背面プレート上に広く間隔を空けている背面プレートの内向き側に固定されている。一対のリニア軸受ブロック304は、各リニア軸受レール上で正確にガイドされる。直角ブラケット305は、ブロックごとに1つずつリニア軸受ブロックに取り付けられ、ブックエンドのように配置されて、ブラケットの各対が機構B218の回転トラックプレート250にまたがってサポートする。各リニア軸受レールの各端の背面プレートに取り付けられている一対の非金属バンパ306は、移動限界を画定する。
【0084】
一対の後退マイクロスイッチ307は、機構B218のエレベーション移動インジケータ271の移動上端近くで、背面プレートのスロットを介して取り付けられており、スロットは、非金属バンパと接触する前に、自由状態から動作状態に変化して、機構Cの上方向への運動の終了を知らせるように、後退マイクロスイッチの調整を可能にする。一対の拡張マイクロスイッチ311は、エレベーション移動インジケータ271の移動下端近くで、背面プレートのスロットを介して同様に取り付けられており、スロットは、非金属バンパと接触する前に、機構Cの下方向への運動の終了を同様に知らせるように、拡張マイクロスイッチの調整を可能にする。本システムおよびツールは、マイクロスイッチである感知手段を使用することが理解されるだろうが、他のタイプのセンサが使用されてもよいことが理解され、非限定的な例としては、ポテンショメータがある。
【0085】
中間プレート301内に取り付けられている軸受308は、機構B2スプライン軸309および機構Cリードねじ310をサポートし、スプライン軸は、B2駆動ギア251の内部スプライン付きハブ252に整列およびインターフェース接続し、このようにして、機構Cの位置にかかわらず、トルクをB2駆動ギアに伝達し、その可動域を通して機構Cを駆動するために、リードねじが機構B218のリードナット155と整列およびインターフェース接続する。
【0086】
機構D、FDV接続、22
機構D22は、安全バルブ350の取り付けを介して燃料補給システムをFDVニップル70に接続するために使用される。安全バルブ350は、二次逆止バルブを有する非ラッチ式クイック接続装置であり、Bナットが取り外された後、Bナットの代わりに恒久的にFDVに取り付けられるように設計されている。一旦取り付けられると、燃料または酸化剤を、FDVを通してクライアント宇宙機に通す安全な流体カップリングとして機能し、FDVの作動ナットのシートを超えた漏洩に対する2つの独立したシールを提供し、これは、それ自体がラインの主要なシールである。図16Aおよび図16Bを参照すると、安全バルブ350は、外部捕獲溝352、カップリングナット353、およびばね354を有するバルブ本体351を備え、バルブ本体は、完全に独立した逆止バルブ356と、カップリングの作用によって、またはカップリング後に流れるガスまたは液体を介して圧力をかけることによってのいずれかによって強制的に開かれる、本質的に別の逆止バルブである、クイック接続ニップル355とを特徴とする。
【0087】
クイック接続カップリングおよびニップルは非ラッチ型である。具体的には、戻り止めボールと溝との相互作用を介して共にラッチする、ラッチ式クイック接続として知られている、一般用途の圧倒的多数のクイック接続システムとは異なり、ロック動作は、ばね荷重式外部ロッキングカラーの軸方向の動きによって解放され、非ラッチ式クイック接続カップリングとニップルは、カップリングとニップルとの接続を維持するために外部からかけられる力を必要とする。他の実施形態では、ラッチ式クイック接続カップリングの設計を採用することもあり得るが、ここに提示されるように燃料補給ツールと共に使用される場合、ラッチ機能は余分である。
【0088】
安全バルブ355は、Bナットを取り外した後、燃料または酸化剤を通過させる前にFDVに取り付けるように設計されている。燃料または酸化剤が安全バルブ355を通って移送されると、安全バルブ355はクライアントバルブに残される。安全バルブ355のクイック接続カップリングは、後の時点でのクライアント衛星81のその後の燃料補給作業がより迅速かつ安全に行なわれることを可能にするとともに、燃料補給作業は、Bナットの取り外しもしくは再取り付け、または開放もしくは閉鎖のためのバルブ作動ナットの作動の必要がなくなり、バルブ作動ナットの機外への漏洩が逆止バルブとクイック切断カップリングとを通して軽減されているという追加の利点を有する。
【0089】
図17から図20に示すように、機構D22は、2つのキャリッジの2つの独立した同軸作動を特徴とし、以下、D1作動およびD2作動と呼ぶ。機構D2の作動は、安全バルブを捕獲して保持することに特化し、その後、カップリングおよびニップルを強制的に一緒にするために、クイック接続カップリング385の作動を介して、ロボットアームの推進剤送達システムを安全バルブに結合および分離する能力に特化する。機構D1の作動は、安全バルブを保管場所から取り外してFDVに取り付けるために、FDV軸に沿って安全バルブを捕捉して操作することに特化し、FDVの高さは、アクセスされるFDVの型による。D2作動は、結合/分離キャリッジアセンブリ380と安全バルブキャリッジアセンブリ367との間の運動を結果としてもたらす。機構D1の作動は、安全バルブキャリッジアセンブリと機構D基部プレート360との間の運動を結果としてもたらし、安全バルブキャリッジアセンブリはD2作動の全てのコンポーネントを持ち、D1とD2の作動は、第1方向と第2方向の両方のFDV軸に沿い、第1方向はFDVに向かい、第2方向は第1方向と反対である。
【0090】
本実施形態は、D2作動のために個別のアクチュエータを使用する。任意選択で、D2作動は、トランスミッション26内の追加の機構によって行われ得る。
【0091】
図19および図20を参照し、リニアガイドレール362の第1セットは、4つの調整可能な端部止め363および2つの二重マイクロスイッチアセンブリ364とともに、機構D基部プレート360に取り付けられ、マイクロスイッチアセンブリは、安全バルブキャリッジアセンブリの命令された運動を制限するように動作する。各二重マイクロスイッチアセンブリは、前進マイクロスイッチ417および後退マイクロスイッチ418を含む。
【0092】
安全バルブキャリッジアセンブリは、FDVに最も近く、FDV軸を中心に対称的に間隔を空けている安全バルブキャリッジの縁部に沿った2つのロッキングアームポスト370を有する安全バルブキャリッジ368を含み、ポストは、フランジ付きブッシング371に取り付けられている2つの対称的な安全バルブロッキングアーム372の短ストローク回転中心を形成し、ロッキングアームの遠位端は、安全バルブ本体の外部捕獲溝と適合性のある径を集合的に形成するように形作られており、ロッキングアームはそれぞれ、結合/分離キャリッジアセンブリに隣接する側に正確に形作られた作動スロット373を含む。リニアガイドブロック369、安全バルブセンサアセンブリ374、コンプライアントカップリングアセンブリ375、第1作動アクチュエータ376、マイクロスイッチストライカ377、およびリニアガイドレール378の第2セットは、全て安全バルブキャリッジに取り付けられ、リニアガイドブロックは、リニアガイドの第1セットを介して機構D基部プレートへの正確なアライメントを維持する。
【0093】
結合/分離キャリッジ381は、結合/分離キャリッジアセンブリのためのプラットフォームを形成し、FDVに最も近い縁部に沿ってFDV軸を中心に対称的に間隔を空けている2つのトラックローラ383を含み、トラックローラは、結合/分離キャリッジアセンブリと安全バルブキャリッジアセンブリとの間の第1方向の相対運動により、ロッキングアームが互いに向かって揺動し、安全バルブの外部ロック溝内に正確に嵌合させるように、ロッキングアームの作動スロットに存在し、精密スロットは、最初に閉鎖位置への迅速な閉鎖運動を生み出し、その後、結合/分離キャリッジアセンブリの継続的な運動を可能にしながら、ロッキングアームを閉鎖位置に維持するように形作られており、クイック接続カップリングとニップルとを完全に結合させようと試みる場合にのみ、継続的な運動が任意選択で実行される。
【0094】
また、結合/分離キャリッジには、リニアガイドブロック382、リードナット384、クイック接続カップリング385、トラベルストップ388を有するマニホールド386、および二重マイクロスイッチアセンブリ387が取り付けられており、リニアガイドブロックは、リニアガイドの第2セットを介して結合/分離キャリッジアセンブリと安全バルブキャリッジアセンブリとの間の正確なアライメントを確保し、リードナットは、機構D2アクチュエータへの接続を完了し、二重マイクロスイッチアセンブリは、マイクロスイッチストライカと相互作用して、第1方向の移動の終了を知らせる。
【0095】
安全バルブキャリッジアセンブリに対する第2方向への結合/分離キャリッジアセンブリの相対運動は、対応して、結合した場合にクイック接続カップリングおよびニップルを分離し、その後、安全バルブを完全に解放する。
【0096】
ロッキングアームの作動スロットの形状は、安全バルブキャリッジに対する結合/分離キャリッジの命令された運動が、ロッキングアームの形作られた端部が安全バルブの外部ロック溝に一致する場合のみ、完了できるようにされており、安全バルブの外部ロック溝は、アライメントを補助するために十分なリードインを有して形作られている。過度のミスアライメントは、ロックアームを外部ロック溝の代わりに安全バルブの外径周辺で閉鎖させ、D2作動を失速させ、結合/分離キャリッジが命令された運動を完了することを防止し、命令された運動は、D2作動の電流制限によって中止される。
【0097】
ロックアームの安全バルブの外部ロック溝とのアライメントをさらに補助するため、D2作動は、両方とも自己潤滑性材料のセンサ筺体405およびセンサ基部406、トリガプレート407、プライムおよび冗長ラッチ準備済みマイクロスイッチ408、圧縮ばね409、ならびに制限ピン410を備える安全バルブセンサアセンブリ374によって引き起こされ、圧縮ばねは、ロボットアームの性能、力モーメント感知能力および/または技術(ある場合)、ならびにFDV負荷制限を考慮して選択されたプリロードおよび最終荷重を有して取り付けられるように選ばれ、制限ピンは筐体内のスロット内で作用し、スロットはマイクロスイッチストロークと長さにおいて等しい。トリガプレートの片側に接触しているマイクロスイッチは、トリガプレートの反対側と安全バルブの上面との接触がインジケーションに十分なトリガプレートの運動を結果的にもたらす場合に状態が変化する。
【0098】
フレキシブルホース365はまた、図19および機構D基部プレート360の反対側に示され、基部プレートのスロットを通過してマニホールド386との接続を形成する直角フィッティングを含む。
【0099】
機構D基部プレート380と安全バルブキャリッジアセンブリ367との間のD1作動は、駆動ブラケット391内に収容されているギア392および軸受393を介して安全バルブリードねじ394を駆動するスプライン付き入力軸390の回転を介して達成され、駆動ブラケットは機構D基部プレートに固定して取り付けられている。リードねじの回転は、ガイド筐体396、筐体サポートガイドピン397、および接続ピン398内に含まれるリードナット395の直線運動を誘発し、コンプライアントカップリングアセンブリ375への接続を形成するガイドピンと接続ピンは、安全バルブキャリッジとD1作動との間の制限された両側性のばね中心コンプライアンスを可能にし、コンプライアンスは、両方とも自己潤滑性材料製のコンプライアンス筐体400およびコンプライアンス基部401内に含まれるシャトル402およびばね403の作用によって提供される。
【0100】
ガイド筺体に取り付けられ、安全バルブキャリッジに取り付けられているコンプライアンスストライカ416と相互作用するコンプライアンスマイクロスイッチ415は、安全バルブとFDVとの間の接触によって第1方向への安全バルブキャリッジアセンブリの運動が阻まれると状態が変わり、状態の変化は前進運動の終了を知らせる。このようにして、コンプライアンスマイクロスイッチは、安全バルブの取り付け準備ができていることを示すタッチセンサとして効果的に機能する。
【0101】
トランスミッション、26
トランスミッション26は、第1エンドエフェクタツール駆動入力を4つの駆動出力456のうちの1つに選択的に向けるために使用され、各ドライブ出力は、内部スプライン付きハブ457を有する回転ギアであり、内部スプライン付きハブは、機構A、B2、C、およびDのスプライン付き入力軸とサイズおよび相対位置に適合性がある。
【0102】
図21を参照すると、トランスミッション筐体450、上部カバー451、および下部カバー452は、4つの個別の層に配置されているトランスミッションギア453を取り囲み、サポートし、各層は、入力ギア454から出力ギア456にトルクを伝達するように設計されており、各層の入力ギアは、共通軸455上に配置されている。各入力ギアは、内部スプライン付きハブ457を特徴とし、サポート筐体459内の軸受458でサポートされている。それぞれ軸受とサポート筐体と有する入力ギアおよびスラストワッシャ460は、トランスミッション筐体内に積み重ねられて配置されて、上部および下部カバーに含まれており、そのようにして、スラストワッシャの1つは、積み重ね内の下部ギアと下部カバーとの間にあり、スラストワッシャの1つは、連続する各ギアとその下のサポート筐体との間にあり、スラストワッシャの1つは、上部ギアのサポート筐体と上部カバーとの間にある。出力ギアを含む残りのギアは、2つの軸受458にまたがって取り付けられており、1つの軸受はトランスミッション筺体に、もう1つは上部および下部カバーの1つにある。
【0103】
トランスミッションは、取り付けブラケットインターフェース467を介して移動可能に取り付けられる。トランスミッション筐体に取り付けられているリードナット468とナットクランプ469は、トランスミッションが作動するインターフェースを形成する。
【0104】
図22は、入力ギア、軸受、およびサポート筐体の積み重ねの断面図を含み、各サポート筐体は、中心穴を有するディスクの形態を有し、内径に全体リム461と、外径におよそ300度の円弧である部分リム462とを有しており、完全内側リムは、軸受用中空軸を形成し、部分的外側リムは、欠落しているセグメントを除いて、入力ギアのギア歯を覆うカバーを形成し、サポート筺体の外側リムの欠落しているセグメントは、入力ギアが他のギアと噛み合うことを可能にする。図21に見られるように、サポート筐体の部分的外側リムの外径は、3つの円筒溝463によって中断される。外径を介してサポート筐体を正確に位置付けるトランスミッション筺体内のボア464はまた、トランスミッション筺体ボアの軸に平行であり、ボアの円筒壁を打ち抜く穴465によって遮断されて、そのようにして、トランスミッション筺体ボア内でサポート筺体を回転させることにより、サポート筺体の外径上の各溝の軸をトランスミッション筺体の穴の軸と整列させることができるようになっている。トランスミッション筺体の穴内に嵌められている位置決めピン466は、ボアの全長に沿って位置決め機構を形成し、そのようにして、サポート筺体は、3つの回転配向のうちの1つにのみ設置できるようになっており、3つの配向のそれぞれは、3つの円筒溝の1つによって決定され、このようにして、入力ギアのサポート筺体の外側リム開口部が、各層の次のギアとアライメントを維持することができる。現在の実施形態では、2つの非隣接層が同様の出力方向を共有していることのみを理由として、ギアリングの4層には3つの溝で十分である。別の実施形態では、ギアリングの層ごとに1つの溝が必要であってもよい。加えて、全てのサポート筺体に全ての溝を含める唯一の理由は、適合性の1つである。代替的には、各サポート筐体は、対応して配置されている単一の溝を有して、特定の層のために作られ得る。
【0105】
図23Aから図23Dまでのそれぞれは、ギアリングの4層のうちの1つを通るトランスミッションの断面図を示している。各層には、入力ギアの1つ、1つまたは2つのアイドラギア、および出力ギアの1つが含まれる。
【0106】
図24は、リニアガイドブロック472およびトランスミッションブラケット470を介して2つのリニアガイドレール471に取り付けられているトランスミッション26を示している燃料補給ツール上部プレート479の直下の断面図である。リニアガイドレールはトランスミッションサポートプレート473に取り付けられ、サポートプレートは上部プレート479と中間プレート301との間にボルトおよびピン接続で位置付けおよびサポートされている。
【0107】
また図24には、リニアポテンショメータ476、ポテンショメータブラケット477、およびポテンショメータロッドブラケット476も示されている。トランスミッション26に取り付けられているポテンショメータロッドブラケットがトランスミッションとともに動き、その結果、その可動域内のトランスミッションの位置を報告する間、ポテンショメータブラケットを介して燃料補給ツール中間プレート301に取り付けられているリニアポテンショメータの本体は静止したままである。
【0108】
図25は、燃料補給ツールエンドエフェクタインターフェース500の要素、すなわち、把持固定具501、第1回転駆動入力502、第2回転駆動入力503、電気コネクタ504、およびクイック接続ニップル505を示している燃料補給ツール10の上面図である。クイック接続ニップルは、燃料チャネル513に取り付けられ、燃料チャネルは、機構D22のフレキシブルホース365への密封送達通路を提供する。図25の破断面は、第1回転駆動入力ギア507が、伝達ギア508およびクイル軸駆動ギア514を介して第1回転駆動入力をクイル軸509へと伝達することを明らかにし、ギアは伝達筺体515内にサポートおよび包囲されている。
【0109】
図26は、クイル軸509、クイル軸駆動ギア514、およびトランスミッション入力ギア454の積み重ねの断面図である。クイル軸は、中間プレート301の軸受510および軸受けリテーナ511によって下端に位置付けおよびサポートされている。クイル軸の上端は、クイル軸駆動ギア514の対応する内部スプラインに係合するクイル軸外部スプライン512によってサポートされている。クイル軸の長さに沿って略中間にある外部スプライン512の第2セットは、トランスミッションがトランスミッション可動域485の上端にある際、積み重ねの中の最も低いトランスミッション入力ギア454と係合するようにサイズ決めおよび位置決めされ、可動域は、第2外部スプラインが4つのトランスミッション入力ギアのそれぞれと係合を可能にするために十分である。図26の破断面は、第2回転入力503のトランスミッションリードねじ484およびトランスミッションに取り付けられているリードナット474を明らかにし、第2回転入力は可動域にわたってリニアガイド上でトランスミッションを駆動するために使用できるようになっている。
【0110】
図27は、燃料補給作業に必要なコンポーネント、すなわち、把持機構551、第1回転駆動ソケット552、第2回転駆動ソケット553、ロボット制御結合可能電力およびデータ信号コネクタ駆動電気コネクタ554、可動式クイック接続推進剤カップリング555、およびカメラ556を有する器用な精巧エンドエフェクタ550を概念的に示している。推進剤カップリング555は、ホースを介して推進剤移送システム960に上流に接続されている。カメラ556は、エンドエフェクタ550によって把持する前の燃料補給ツール10上の把持固定具501、および同様に、燃料補給サポートツール(608、609)またはサイト準備ツール(605、606、607)のいずれかをエンドエフェクタ550によって把持する前のグラプル固定具610の拡大図を提供する。燃料補給システムの一実施形態では、基準マークまたはマシンビジョンターゲット(不図示)が、上部プレート479上の把持固定具501に隣接して置かれている。このことは、コンピュータ制御システム800のプロセッサ830は、カメラ556から得られるターゲットのビデオストリーム画像に基づいて、把持固定具610の位置を計算することを可能にする。この位置は、自動制御システム830によるロボットアーム84の運動を、グラプルまたは把持固定具の把持準備のできている位置に導くために使用できる。代替的に、その基準マークのビデオ表示を人間の遠隔オペレータに表示することができ、ロボットアーム84の運動を把持準備のできている位置に導く。燃料補給サポートツール(608、609)およびサイト準備ツール(605、606、607)は、グラプル固定具610に隣接する共通ツール基部構造620上に基準マークまたはターゲットを同様に装備できる。これらのカメラ556はまた、ブランケットカッタツール605、ブランケットハンドリングツール606、ワイヤカッタツール607、Bナット取り外しツール608、およびクラッシュシール取り外しツール609のツール先端部の動作を監視するためにも使用され得る。
【0111】
運用中、サービサ宇宙機80が係留装置950でクライアント衛星81を捕獲した後、およびFDV54を露出するための一連の作業でロボットアーム84およびサポートツールを使用してFDV作業現場50が準備された後、ロボットアーム84は、次に、燃料補給ツール10をFDV作業現場50に移動させ、選択されるFDV54軸と整列させ、その後、FDV軸に沿って近付き、燃料補給ツール10をFDVブラケット52上に効果的に下ろす。燃料補給ツール10の燃料補給ツール視覚システム40は、燃料補給ツール10のFDV54への正しいアライメントを感知し、タッチダウン感知システムの接触球490とFDVブラケット52との間の接触が、ロボットアーム84またはツール内の力/モーメント感知または他の手段によって感知されるまで、FDVブラケット52への接近を監視するための主要手段を提供する。
【0112】
その後、機構A12の作動は、機構A12がバルブ本体56およびトルク反作用平面58の周辺で対称的に閉鎖するようにして、燃料補給ツール10およびFDV54を最終アライメント状態にし、その結果、バルブ本体56およびトルク反作用平面58にクランプさせる。主にカメラ42からのビューを使用するオペレータは、最初にカメラ42からのビューを通して、機構B114がレンチの開閉のために十分に開いていることを確認してから、機構C20を使用して、レンチ顎部154を作動ナット62の中間高さ付近の位置へと下げる。レンチ回転のための機構B218は、その後、レンチ顎部154が、レンチ回転可動域の中間に最も近い作動ナット62の一対の平面と平行になるように調整される。その後、機構B114が閉鎖方向へと命令される。レンチ顎部154が閉じると、オペレータは、それぞれ機構B218および機構C20を使用して、レンチの回転またはレンチの高さをより正確なアライメントへとさらに調整するために中断してもよい。
【0113】
カメラ42からのビューを確認して、レンチ顎部154と作動ナット62との間のアライメントが良好であることが満たされたら、オペレータは、レンチ顎部154に完全に閉鎖するように命令し、ここで、機構B114が機構B114のプリロードマイクロスイッチ169によって決定されたプリセットレベルのトルクに達すると、閉鎖動作は自動的に停止する。一旦、作動ナット62がレンチ顎部154内に入ると、オペレータは、作動ナットが確実に閉鎖されるようにするために、あらかじめ設定されたレベルのトルクで時計回りの回転を命令する。これらの活動は、FDV54でのその後の任意の動作の前に、作動ナット62が完全に閉鎖されていることを確実にして、燃料補給のために準備する。あらかじめ設定されたレベルのトルクが加えられた後、作動ナット62が回転したかどうかにかかわらず、レンチの開閉、レンチの回転、およびレンチの上昇それぞれのための機構B114、機構B218、および機構C20を使用して、作動ナットが解放され、レンチ顎部154は、FDV54の上部にあるBナット64と同様のアライメントへと再構成される。作動ナット62について説明されたことと同じ方法論を使用して、Bナット54と整列して閉じた後、機構B218は反時計回り方向に作動される。作動ナット62とは異なり、Bナット64は、このステップを正常に完了するために回転しなくてはならない。燃料補給ツール10によるBナット64の十分な緩みを確保するために約4分の1回転の回転が必要であり、これは、レンチ顎部154の閉鎖、次にCCW回転、次に開放、そしてCW回転を繰り返すことによって達成される。
【0114】
次に、燃料補給ツール10は、Bナット取り外しツール608およびクラッシュシール取り外しツール609を使用して、Bナット64およびクラッシュシール702をそれぞれFDV54から取り外すために、サービサ宇宙機80に収納される。Bナット取り外しツール608およびクラッシュシール取り外しツール609を使用してサービサ宇宙機80上でBナット64およびクラッシュシール702が安全に取り外され、廃棄された後、ロボットアーム84は、サービサ宇宙機80上のその収納場所から再び燃料補給ツール10を捕捉し、これを使用して、同じくサービサ宇宙機80上の収納場所から安全バルブ350を捕捉する。安全バルブ収納場所で同じアプローチ方法を使用して、および同様に安全バルブ収納場所の基部の周辺を閉鎖させる機構A12を使用して、機構D22の安全バルブキャリッジアセンブリ367は、トリガプレート407が安全バルブ肩部357に接触するまで前進するように命令され、ラッチ準備済みマイクロスイッチ408を作動させる。
【0115】
結合/分離キャリッジアセンブリ380が、その後、前進することで、カメラ42からのビューからやって来る閉鎖動作の確認を伴って、ロッキングアーム372を安全バルブアセンブリ350の周辺で閉鎖させ、安全バルブアセンブリ350の外部ロック溝352にロックさせる。結合/分離キャリッジアセンブリ380はさらに前進して、安全バルブアセンブリ350のクイック接続355を燃料補給ツール10のクイック接続カップリング385に完全に結合し、二重マイクロスイッチアセンブリ387によって確認される。
【0116】
その後、機構B114、機構B218、および機構C20を使用して、安全バルブアセンブリ350を収納場所から解放するために、レンチ顎部154を安全バルブアセンブリ350のカップリングナット353の平面に整列させて、カップリングナット353で閉じ、所定の回転数でカップリングナット353を緩めて回転させ、ここで、カップリングナット353を緩めることは、安全バルブアセンブリ350のばね354によって提供されるカップリングナット353の軸方向運動によって調整される。安全バルブアセンブリ350は、その後、安全バルブキャリッジアセンブリ367を後退させることによって機構D22へと完全に後退し、安全バルブキャリッジアセンブリ367の後退マイクロスイッチ418によって確認される。安全バルブアセンブリ350をFDV作業現場50に戻し、再位置合わせを行い、FDVバルブ本体56およびトルク反作用平面58に再クランプした後、安全バルブアセンブリ350を有する安全バルブキャリッジアセンブリ367は、カップリングナット353がFDV54と接触するまで、FDV54に向かうように命令され、接触は、安全バルブばね354の圧縮によってカメラビューにおいて明白であるだけでなく、機構D22のコンプライアンスマイクロスイッチ415によっても示される。
【0117】
その後、機構B114、機構B218、および機構C20を使用して、レンチ顎部154をカップリングナット353の位置へと操作し、カップリングナット353で閉じ、進行のためにカメラ42からビューを監視しながらカップリングナット353をCW方向に繰り返し回転させる。安全バルブカップリングナット353とFDVニップル70との間の接触を示すためにコンプライアンスマイクロスイッチ415を作動させた同一のばね抵抗運動は、カップリングナット353およびFDVニップルのねじ山を共に押すように作用する小さな力が常に存在することを可能にする。
【0118】
一旦、安全バルブアセンブリ350がFDV54に取り付けられると、その後、機構B114、機構B218、および機構C20を使用して、その後の流体移送のために作動ナット62を完全に開くため、レンチ顎部154を作動ナット62に整列させ、所定の回転数で作動ナット62を緩めて回転させる。サービサ宇宙機80から燃料補給ツール10を通して、安全バルブアセンブリ350の逆止バルブ356を通してFDV54へ、そして、このようにしてクライアント宇宙機81へと流体移送が完了すると、その後、オペレータは、レンチ顎部154が作動ナット62に整列していることを確認し、必要に応じて、その後、機構B114、機構B218、および機構C20を使用して、レンチ顎部154を作動ナット62に整列させる。レンチ顎部154は、その後、流体移送の完了後に作動ナット62を完全に閉じるために、所定の回転数で作動ナット62を回転させるように命令される。その後、安全バルブアセンブリ350のクイック接続355が、燃料補給ツール10のクイック接続カップリング385から分離され、二重マイクロスイッチアセンブリ387によって確認されるまで、結合/分離キャリッジアセンブリ380は後退させられる。
【0119】
結合/分離キャリッジアセンブリ380を、その後、さらに後退させて、カメラ42からのビューからの開放動作を確認しながら、安全バルブアセンブリ350の外部ロック溝352からロッキングアーム372を完全に開放する。安全バルブアセンブリ350は、燃料補給が完了した後、クライアント宇宙機81上に残され、燃料補給ツール10は、続いて、サービサ宇宙機80上の安全バルブ固定具83に結合されて、サービサ宇宙機80に燃料補給ツール10を収納する前に安全バルブ固定具83を通して推進剤ホース980および燃料補給ツール10をパージする。
【0120】
サポートツール
図28から図36を参照し、燃料補給用サポートツール601は、燃料補給フローの特定ステップのために使用される独立ツールである。これらのツール601のそれぞれは、共通のツール基部構造603およびツールが必要とされる特定タスクのために設計されている特定のツール先端部を有する。共通のツール基部603は、いくつかのタスクの達成を可能にしつつ、特定の「アーム端部アセンブリ」を有するマニピュレーターシステムへの単一のロボットインターフェースを可能にする。共通の基部構造603は、サービサ宇宙機80に取り付けられているロボットアーム84のエンドエフェクタ550に位置している「アーム端部アセンブリ」によるロボットによる把持のために設計されたツールための把持インターフェースであるグラプル固定具610で構成されている(図54参照)。基部構造603は、「アーム端部アセンブリ」上にある駆動アクチュエータ機構を介して任意のツールの機能を実行するために使用されるツール機構駆動インターフェース612および613をさらに含む。本明細書中に記載の実施形態では、2つのツール機構駆動入力があり、そのうちの1つは各サポートツールの特定のツール先端部を駆動するために使用され、第2のものは、マニピュレーターシステムによって把握されていない場合に、ツールを保持するための「拘束」機構を駆動するためである。基部603は、回転およびトルクをツール機構駆動入力インターフェースの1つからツール機構ギアトレインインターフェース632を介してツール先端駆動軸634に伝達し、その先端部を作動させるためのツール機構ギアトレイン614を含む。基部603は、直接、または代替の実施形態では、代替の拘束機構の位置への他のギアトレイントランスミッションを通してのいずれかで、第2ツール機構駆動613インターフェースによって駆動される拘束機構「能動的半部」618を含む。基部603は、共通の基部603の構成コンポーネントを共に保持する構造620を含む。
【0121】
共通のツール基部603は、ツール先端部630へのインターフェースを有し、ツール先端部630は、ツール先端部からツール基部へのギアトレインインターフェース632およびツール先端部ボルト固定インターフェース638において、共通の基部ツール603の実例に恒久的に取り付けられている。このインターフェースは、ツール機構ギアトレインインターフェース632からツール先端駆動軸634への回転機械動力の伝達を可能にする機構を含む。ツール先端部の主構造636は、この実施形態では、ボルト固定インターフェース638を使用することによって、共通のツール基部603に固定して接続されている。
【0122】
燃料補給作業には、サポートツールに割り当てられているいくつかの機能がある。これらは、ブランケットカッタツール605、ブランケットハンドリングツール606、およびワイヤカッタツール607を含むサイト準備ツールを含む。3つのサイト準備ツールのツール先端部630はすべて同様に設計されており、それによって、それらは全て、それらの機能を実行するために単純なシザー作用リンケージを必要とする。燃料補給サポートツールは、Bナット取り外しツール608およびクラッシュシール取り外しツール609を含む。これらはそれぞれ下記で説明される。
【0123】
サイト準備ツール
図37から図39を参照すると、サイト準備ツール先端部、ブランケットカッタ650と、ブランケットハンドラ652と、ワイヤカッタ654とのそれぞれにおいて、ツール先端駆動軸634に雌ねじが切られており、駆動軸634に前進ねじ付きロッド640が取り付けられている。駆動軸634の回転は、前進ねじ付きロッド640のリニア運動を引き起こし、このことは、次に、一組の短い入力リンケージ642を動かし、このことは、次に、出力リンケージ644を、任意のツール先端部の特定の点を中心に旋回させて、運動の方向に応じて、装置の動作機構の開閉を引き起こす。これらの動作機構は、ブランケットカッタ650の切断剪断機645、ブランケットハンドラ652のピンセットグリップパドル646、およびワイヤカッタ654の把持機構647である。
【0124】
Bナット取り外しツール先端部
図40から図45を参照すると、Bナット取り外しツール先端部660は、動きを2つに段階分けする。最初に、コレット662は、ばねレンチフィンガ670がBナット六角672に接触するおよび/またはカムピン666がコレットスロット668の端部に到達するまで、コレット662のスロット668内を走るカムピン666に起因する駆動軸664の回転によって前方に駆動される。駆動軸664は、その後、回転を続けて、ラチェットディスク674のインターフェースを強制的に分離させ、ピンキャリア筺体676をコレット662とばねフィンガ670と共に回転させ、そうすることで、閉じたばねフィンガ670の形状によって捕獲されているBナット64は、FDV54からねじが外れる。Bナット64を廃棄するには、前述とは反対の方向に駆動軸664が回転される。ラチェットディスク678は、ピンキャリア676のこの方向の運動を制限し、コレット662を強制的に後退させ、レンチばねフィンガ670が開くことを可能にして、このようにして、Bナット64を解放する。
【0125】
ラチェットディスク678は、プリロードばね684でピンキャリア筺体676に対してプリロードがかけられている間、ツール先端基部構造680に対する回転に対してキー682付けされることによって、ピンキャリア筺体676の回転運動を制御する。ピンキャリア筺体676のラチェットディスク表面686および結合面688は、結合ランプ機構を有する。ラチェットディスク678をピンキャリア筐体676に対して押し付けるプリロードねじ684のプリロード下にありながら、入力トルクがランプを互いに摺動させるのに十分な場合のみ、ランプの浅い角度の表面が互いに対して摺動する一方向では、運動が可能であり、これは、Bナット64を取り外すためのツールの回転である。他方の方向では、ランプの急勾配な側面が係合し、その方向での相対運動が抑制されて、コレット662が動いてBナット64を解放することを可能にする。ラチェットディスクインターフェース674の抗力は、コレット662の軸方向運動が回転運動の前に発生することを可能にする。
【0126】
クラッシュシール取り外しツール
図46から図50を参照すると、クラッシュシール702は、FDVバルブ軸716に接着されてもよく、新しいクラッシュシール702を有する安全バルブ350を設置する前に取り外されなくてはならない。クラッシュシール取り外しツール先端部700を操作するには、駆動軸704が回転され、このことは、プランジャ706を後方へと駆動軸704内に平行移動させる。駆動軸704は雌ねじを有し、一方、プランジャ706は、それらがインターフェース708となる雄ねじを有する。プランジャ706が平行移動する間、フレックスジョーリンケージ712のピボット点710はプランジャ706と共に動き、フレックスジョー先端部714を閉鎖および後退させて、FDVバルブ軸716と接触させ、FDVバルブ軸716に沿って引き込む。フレックスジョー先端部714は、FDVバルブ軸716に対してプリロードがかけられ、それらがクラッシュシール702に引っ掛かり、クラッシュシール702が力ずくで緩められるまで一緒に引き込まれる。フレックスジョー先端部714がFDVバルブ軸716から自由になると、クラッシュシール702は、ツール先端基部構造719に接続され、次に、共通基部603に接続されるケージ718内に保持される。駆動軸704を逆方向に回転させると、フレックスジョー先端部714が開き、クラッシュシール702がツール先端部700から押し出されるが、プランジャ面720を前方に押し、クラッシュシール702がケージ718から押し出される。
【0127】
ツール拘束
図51から図53を参照すると、ツール拘束方法の実施形態は、ボールロック、クイック切り離し機構を使用することである。これは、エンドエフェクタからの入力機械運動を使用して、ツールの拘束ごとに能動的な機構を有する必要がなく、宇宙機での拘束と保持とを可能にする拘束である。サービサデッキ上の全てのツールで能動的な拘束機構が実行可能でない場合、このツール拘束方法では、サポートツールが第1ロボットアーム84によって保持されている間にサポートツールを拘束するための作動を提供する第2ロボットアームの必要性がなくなる。この機構では、ツール730の拘束体が、宇宙機732のロッキングインターフェース内に完全に係合するように、ロボットアームがツールを配置すると、ツールおよびサービス宇宙機の適切な視覚的手がかり734およびアーム制御ソフトウェアによって導かれて、第2ツール機構駆動613がツール上で回転する。この回転は、拘束体740内のアクチュエータースプラインによって、宇宙機側レセプタクル732内のリードねじ駆動軸738上のスプライン736に伝達される。駆動軸738を回転させると、ボールロックスリーブ742が前進させられ、宇宙機側レセプタクル732内の複数のボール744を拘束体748の刻み目746内へと強制的に前進させ、このようにして、拘束体748および取り付けられたツール拘束半部730を宇宙機側レセプタクル732内に保持する。ツールの拘束の視覚的な確認を提供するために、視覚的手がかりインジケータ752が提供される。ボールロックスリーブ742が前進すると、ボールロックスリーブ750上の突起が同時にツール内のばね荷重式インジケータ752を押し、このようにして、ボールロックスリーブ742が前進するにつれて、ばね荷重式インジケータ752をどんどん露出させる。ボールロックスリーブ742が拘束体748と完全に係合したときに視覚的表示がはっきりと見えるように、ばね荷重式インジケータ752はわかりやすくマークされている。拘束の切り離しは、第2トルク駆動部613の反対方向への回転を通して行われる。ブリーチロック式を含む、拘束の代替的な実施形態が可能である。
【0128】
燃料補給ツール(RT)での作業の詳細
図54は、サービサ宇宙機80およびサービサ宇宙機80によって燃料補給されるクライアント衛星81を示している。図55は、燃料補給ツール10の動作を制御するために使用されてもよいコンピュータ制御システムの非限定的な例示的例を示している。
【0129】
クライアント衛星81上の充填/排出バルブ54にアクセスするための本明細書中に開示されているツール10は、地球から直接発射される専用の燃料補給またはサービサ宇宙機80に取り付けられてもよい。
【0130】
システムはまた、(本明細書中にその全体が参照によって組み込まれている)2014年12月2日に発行された米国特許第8899527号明細書に記載されている二元または単元推進剤をサービス側衛星80からクライアント衛星81に移送するための推進剤移送システム960を含み、その目的は、遠隔オペレータとコンピュータ制御との組み合わせ下での推進剤を移送するための推進剤移送システム960(図54)を提供することである。このような専用のサービサ宇宙機80は、本明細書中にその特許のその全体が参照によって組み込まれている、2005年11月29日に発行された米国特許第6969030号明細書に記載されているような宇宙機ドッキング機構を含んでもよい。
【0131】
図54は、燃料補給ツール10に加えて、クライアント衛星81の燃料補給に関連する項目を示している。これらは、サービサ宇宙機80に加え、クライアント充填/排出バルブ54、ロボットアーム84、ロボットアーム84に接続されているエンドエフェクタ550、エンドエフェクタ550により解放可能に把持可能な燃料補給ツール10、推進剤移送システム960、エンドエフェクタ550に取り付けられている可動式クイック接続推進剤カップリング555、アーム84に沿って延びる推進剤出口ホース980、および地球940(またはスペースステーションまたは母船、いずれも遠隔操作制御の場所)に双方向無線リンク934を提供する通信システム930を含む。燃料補給ツール10、安全バルブ固定具83、安全バルブアセンブリ350のための収納ポスト82、ブランケットカッタツール605、ブランケットハンドリングツール606、ワイヤカッタツール607、Bナット取り外しツール608、およびクラッシュシール取り外しツール609を含むサポートツールのために収納ポイントが示されている。
【0132】
図54は、その近位端がサービス側宇宙機80に固定して取り付けられ、その遠位端がクライアント宇宙機81に解放可能に取り付けられている係留装置950を示している。一実施形態では、係留装置950は、係留装置950による把持と適合性がある、クライアント宇宙機81の外部に取り付けられているグラプル固定具501(図54には不図示)を有するロボットアーム84およびエンドエフェクタ550と同等の機能および性能のマニピュレーターアームからなる。第2実施形態では、係留装置は、米国特許第6969030号明細書に開示されているような宇宙機ドッキング機構からなり、この特許に記載されたドッキングインターフェースはクライアント宇宙機の外部に取り付けられる。係留装置は、図56Aおよび図56Bに記載されている燃料補給作業の開始前に、サービス側宇宙機80とクライアント衛星81との間に十分に堅固で耐荷重性の構造的接続を確立する必要がある。ロボットアーム84およびエンドエフェクタ550および整備ツールと、クライアント宇宙機81の表面または機構との相互作用が、クライアント宇宙機81のサービサ宇宙機80に対する相対位置および配向において材料変化を引き起こす負荷を生成しないように、十分な剛性がなければならない。
【0133】
加えて、サービサ宇宙機80は、862で示される推進剤フロー制御システムに加えて、ツール10とインターフェースされてもよい内蔵コンピュータ制御システム800(図55)を含んで、クライアント衛星81の推進剤タンク内の圧力に基づいてどの推進剤移送のモードが選択されたか応じて、選択された順序で推進剤移送作業中に開閉されるすべてのコンポーネントを駆動できるようになる。推進剤フロー制御システムとインターフェースしているコンピュータ制御システム800の存在により、推進剤移送プロセスは、ローカルミッションマネージャーによって自律的に制御されてもよいし、純粋な遠隔操作下にあることに加えて、混合遠隔操作/監視された自律性があってもよいように、ある程度のレベルの監視された自律性を含んでもよい。
【0134】
推進剤補給システムの一部を形成する例示的なコンピューターシステム800が示されている(図55)。システムは、図56Aおよび図56Bに示されているタスクの整備順序を通して、整備ツール(10、605、606、607、608、および609)および安全バルブアセンブリ350の取り扱いおよび操作することをはじめとした、ロボットアーム84の動きを制御するように構成およびプログラムされているコンピュータ制御システム825を含む。
【0135】
命令および制御システム800はまた、燃料補給ツール10およびサポートツールの動作を制御するために、ロボットアーム84およびそれに取り付けられているエンドエフェクタ550の動きを制御するように構成されている。これは、フロー制御システム、例えば、クライアント衛星81とのアプローチ、捕獲/ドッキング、および燃料補給作業中にサービサ宇宙機80によって行われる必要のある全ての作業を実施するための指示でプログラムされているサービサ宇宙機80に取り付けられているコンピュータとインターフェースされる上記と同じ命令および制御システムであってもよい。また、分離しているコンピューターシステムであってもよい。
【0136】
衛星燃料補給システムは、充填排出バルブでの燃料補給ツール操作の動作を見るための燃料補給ツール視覚システム40を含む。また、それは、一般的なロボットの状態認識およびブランケットカッタツール605、ブランケットハンドリングツール606、ワイヤカッタツール607、Bナット取り外しツール608、およびクラッシュシール取り外しツール609のツール先端部の動作を監視する目的のためのロボット視覚システム850を含む。また、それは、作業現場の位置合わせにも使用できる。この最後の機能には、ロボット視覚システムが、エンドエフェクタ550上の基準の命令フレームに対して、一般的な作業場内のオブジェクトの位置を決定するために使用される。この位置は、エンドエフェクタ550での基準のフレームに対する対象のオブジェクトの位置および配向として決定される。対象のオブジェクトは、サービサ宇宙機上のそれらの収納場所での燃料補給ツール10、燃料補給サポートツール(608、609)、およびサイト準備ツール(605、606、607)のいずれかの位置を含む。他の対象のオブジェクトは、クライアント宇宙機81上のFDV54の位置を含む。
【0137】
通信システム930は、ロボットアーム84とインターフェースされ、ロボット視覚システム850、燃料補給ツール視覚システム40、ロボットアーム84、ならびにしたがって、燃料補給およびサポートツールの(地球940またはその他の適切な場所からの)遠隔操作を可能にするように構成されている。視覚システムは、流体移送システム貯蔵タンクおよび配管システムをクライアント衛星81の充填/排出バルブに接続するために使用される流体移送カップリングに取り付けられている別個のマーカーと、流体移送作業に関連する全てのツール上のマーキングとを含んでもよい。
【0138】
これらのカメラは、遠隔操作型ロボット制御モード内で使用されてもよく、このモードでは、地球上の整備動作を制御するオペレータが、命令および制御コンソールの表示画面で作業現場の明確なビューを見る。代替モードでは、充填排出バルブのような要素の位置は、3Dポイントを抽出し、充填排出バルブまたはそこからロボットアーム保持ツール(多機能ツール、燃料補給ツール)が感知された6自由度座標にしたがってこれらの位置へと駆動できる作業現場の他の関連機構の位置と配向を決定するステレオカメラおよび視覚システムのいずれかによって決定されてもよい。
【0139】
ステレオカメラは、測定された3D点群を取得し、燃料補給作業現場の所望の機構または形状の保存されているCADモデルに基づいて所望のオブジェクトの姿勢を推定することによって、所望の6自由度座標がそこから取得できる、スキャンまたはフラッシュライダーシステムに置き換えることもできる。宇宙機が整備されることを意図して設計されたこれらの用途には、オギルビーら(オギルビー、A、ジャスティン・オールポート、マイケル・ハンナ、ジョン・ライマー、「軌道エクスプレス実証マニピュレーターシステム使用の自律衛星整備」、第9回宇宙における人工知能、ロボット工学、および自動化に関する国際シンポジウムの議事録(i-SAIRAS‘08)、カリフォルニア州ロサンゼルス、2008年2月25日~29日)に記載されたような単純なターゲットが、整備ロボットで単眼カメラと組み合わせて使用されて、充填排出バルブ54等の対象のアイテムの位置を特定し得る。最終的に、装置を位置決めするために使用されるロボットアームまたは装置84は、ツールと作業現場(例えば、充填排出弁54)との間の反力を測定することが可能なセンサまたは複数のセンサを含んでもよい。これらは、オペレータが遠隔操作制御することを支援するためにオペレータに対して表示できる、または自動力モーメント調整制御モードで使用でき、どちらも遠隔オペレータを支援、または監視下の自律制御モードで使用できる。
【0140】
上述のように、コンピュータ制御システム825は、ロボット視覚システム850、燃料補給ツール視覚システム40、推進剤移送システムのフロー制御システム862、およびロボットアーム84とインターフェースされている。ロボットアーム84とインターフェースされ、(エンドエフェクタ550にカメラ556を含むこともできる)ロボット視覚システム850、燃料補給ツール視覚システム40、ロボットアーム84、ロボットエンドエフェクタ550、ブランケットカッタツール605、ブランケットハンドリングツール606、ワイヤカッタツール607、Bナット取り外しツール608、クラッシュシール取り外しツール609、燃料補給ツール10、およびフロー制御システム862(図55)の(地球408からまたは他の任意の適切な場所からの)遠隔操作を可能にするように構成されている前述の通信システム930が提供される。このタイプのシステムは、特に遠隔制御が必要な宇宙ベースのシステムに非常に有利である。
【0141】
エンドエフェクタ550は、(ロボットアーム84と同様に)それ自体の埋め込まれているプロセッサを持ち、サービス側宇宙機のコンピュータから命令を受信する。エンドエフェクタ550はまた、電力およびデータを中央コンピュータから燃料補給ツール10へと渡す。燃料補給ツール10は、埋め込まれているコンピュータ/マイクロコントローラを持たないため、アクチュエータ命令はエンドエフェクタ550を介してコンピュータ制御システム825上流から受信する。エンドエフェクタ550埋め込みプロセッサはまた、燃料補給ツールカメラ40からのビデオ信号と、リニアポテンショメータ476およびマイクロスイッチ(127、169、266、307、311、364、387、408、415、417、および418)を含むがこれらに限定されないツールセンサーからのテレメトリーとを受信する。これらの感知された値は、エンドエフェクタ内の閉ループ制御システム機能で使用できる。それらはまた、全体的な軌道上制御のために命令および制御システム800に渡され、また、地球上または他の宇宙機内の人間の遠隔オペレータに対して表示することができる。
【0142】
本開示のいくつかの態様は、少なくとも部分的に、ソフトウェアにて具現化することができる。すなわち、本技術は、ROM、揮発性RAM、不揮発性メモリ、キャッシュ、磁気および光学ディスク、または遠隔ストレージ装置等のメモリに含まれる指示のシーケンスを実行する、コンピューターシステムまたはマイクロプロセッサー等のそのプロセッサに対応する他のデータ処理システムで行われることができる。さらに、指示は、コンパイルおよびリンクされたバージョン形式で、データネットワークによってコンピューティングデバイスにダウンロードすることができる。代替的に、上記のプロセスを行うためのロジックは、追加のコンピュータおよび/または大規模集積回路(LSI)、特定用途向け集積回路(ASIC)、または電気的消去可能なプログラム可能な読み取り専用メモリー(EEPROM)等のファームウェアのような個別のハードウェアコンポーネント等の機械可読媒体に実装され得る。
【0143】
上述のように、図55は、1以上のプロセッサ830(例えば、CPU/マイクロプロセッサー)、バス802、ランダムアクセスメモリー(RAM)および/または読み取り専用メモリー(ROM)を含んでもよいメモリ835、1以上の内部ストレージ装置840(例えば、ハードディスクドライブ、コンパクトディスクドライブ、または内部フラッシュメモリー)、電源845、1以上の通信インターフェース813、ならびに様々な入力/出力装置および/またはインターフェース860を含む、命令および制御システムの一部を形成する、コンピュータ制御システム825の例示的な非限定的な実装を提供する。
【0144】
図55には、各コンポーネントのうちの1つのみが示されているが、コンピュータ制御システム825に任意の数の各コンポーネントを含めることが可能である。例えば、コンピュータは典型的に、異なるデータストレージ媒体を含む。さらに、バス802は、全てのコンポーネント間で単体接続として示されているが、バス802は、2以上のコンポーネントをリンクする1以上の回路、装置、または通信チャネルを表してもよいことが理解されるだろう。例えば、パーソナルコンピューターでは、バス802は、多くの場合、マザーボードを含む、またはマザーボードである。
【0145】
一実施形態では、コンピュータ制御システム800は、宇宙で動作するように構成されている汎用コンピュータまたは任意の他のハードウェア等価物であってもよいし、またはそれらを含んでもよい。コンピュータ制御システム800はまた、1以上の通信チャネルまたはインターフェースの1つを通してプロセッサ530に接続されている1以上の物理的装置として実装されてもよい。例えば、コンピュータ制御システム800は、特定用途向け集積回路(ASIC)を使用して実装されることができる。代替的には、コンピュータ制御システム800は、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせとして実装されることができ、ここで、ソフトウェアは、メモリから、またはネットワーク接続によってプロセッサにロードされる。
【0146】
コンピュータ制御システム800は、プロセッサで実行されると、システムに本開示で説明されている1以上の方法を行わせる一連の指示でプログラムされてもよい。コンピュータ制御システム800は、示されているものよりもはるかに多いまたは少ないコンポーネントを含んでもよい。
【0147】
完全に機能するコンピュータおよびコンピューターシステムの文脈でいくつかの実施形態が説明されてきたが、当業者は、様々な実施形態が様々な形態のプログラム製品として流通されることができ、実際に流通を行うために使用される特定のタイプの機械またはコンピュータ可読媒体にかかわらず適用できることを理解するであろう。
【0148】
データ処理システムによって実行されると、システムに様々な方法を行わせる、ソフトウェアおよびデータを記憶するために、コンピュータ可読媒体を使用できる。実行可能なソフトウェアおよびデータは、例えば、ROM、揮発性RAM、不揮発性メモリ、および/またはキャッシュを含む様々な場所に記憶することができる。このソフトウェアおよび/またはデータの一部は、これらのストレージ装置のいずれか1つに記憶できる。概して、機械可読媒体には、機械(例えば、コンピュータ、ネットワーク装置、パーソナルデジタルアシスタント、製造ツール、1以上のプロセッサのセットを有する任意の装置など)によってアクセス可能な形態で情報を提供(すなわち、記憶および/または送信)する任意の機構を含む。コンピュータ可読媒体の例としては、とりわけ、揮発性および不揮発性メモリ装置、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリー(RAM)、フラッシュメモリー装置、フロッピーおよびその他のリムーバブルディスク、磁気ディスク記憶媒体、光記憶媒体(例えば、コンパクトディスク(CD))、デジタルバーサタイルディスク(DVD)等の記録可能および記録不可能なタイプの媒体が挙げられるが、これらに限定されない。指示は、搬送波、赤外線信号、デジタル信号等の、電気的、光学的、音響的、または他の形態の伝搬信号のためのデジタルおよびアナログ通信リンクで具現化できる。
【0149】
現在のシステムも、完全な自律動作のために構成されている。完全自律システムとは、その外部環境を測定して対応するシステムであり、完全自律性は、外部条件に対してシステム状態を非常に高い応答性で変化させることを必要とする条件下、または危険な状態を制御するための迅速な意思決定を必要とする条件のために、しばしば追求される。完全自律性の実装は、多くの場合、コストがかかり、しばしば予期されないまたは非常に不確実な環境を取り扱うことができない。人間のオペレータがシステム内で自律状態を開始できる監視された自律性は、人間の遠隔オペレータによって提供される柔軟性を有する、応答性のある自律型ローカルコントローラの利点を提供する。
【0150】
図56Aおよび図56Bに示されるブロックフローチャートは、燃料補給作業中に、クライアント衛星81と係合する際にサービサ宇宙機80によって取られるステップを詳細に説明している。
【0151】
4.3 作動ナットの締付け/閉鎖
a. 接触球490をFDVブラケット52にタッチダウンさせ、カメラ42からのビューを使用して、燃料補給ツール10が下がっていることと、機構Aの顎部121、中央およびクランプ12が完全に開いていることとの両方を確認する。
b. 機構A、中央およびクランプ12をトランスミッション26で選択し、リニアポテンショメータ477の読み出しを使用して選択されたことを確認する。
c. FDVトルク反作用平面58を機構A、中央およびクランプ12でクランプし、クランプされたマイクロスイッチ127を使用して、クランプ荷重が充填/排出バルブ、FDV54にかけられたことを確認する。
d. 機構C、レンチ上昇20をトランスミッション26で選択し、リニアポテンショメータ477の読み出しを使用して選択されたことを確認する。
e. カメラ42からのビューを使用して、レンチ顎部154が作動ナット62と一直線になるように、機構C、レンチ上昇20を調整する。運動中に移動終端マイクロスイッチ307を監視する。
f. 機構B1、レンチ閉鎖/開放14を使用して作動ナット62のレンチ顎部154を閉じ、カメラ42からのビューを監視しながら、プリロードマイクロスイッチ169を使用して状態を確認する。
g. 機構B2、レンチ回転18をトランスミッション26で選択し、リニアポテンショメータ477の読み出しを使用して選択されたことを確認する。
h. 機構B2、レンチ回転18を使用して作動ナット62を回転させる。回転中のカメラ42からのビューと、機構移動の終端におけるCW/CCWマイクロスイッチ266およびトルクセル201からの読み出しとを監視する。
i. 機構B1、レンチ閉鎖/開放14を使用してレンチ顎部154を作動ナット62から開き、カメラ42からのビューを監視しながら、プリロードマイクロスイッチ169を使用して状態を確認する。
【0152】
4.4 FDVのBナットシールを緩める
a. 機構C、レンチ上昇20をトランスミッション26で選択し、リニアポテンショメータ477の読み出しを使用して選択されたことを確認する。
b. カメラ42からのビューを使用して、レンチ顎部154がBナット64と一直線になるように、機構C、レンチ上昇20を調整する。運動中に移動終端マイクロスイッチ307を監視する。
c. 機構B1、レンチ閉鎖/開放14を使用してBナット64のレンチ顎部154を閉じ、カメラ42からのビューを監視しながら、プリロードマイクロスイッチ169を使用して状態を確認する。
d. 機構B2、レンチ回転18をトランスミッション26で選択し、リニアポテンショメータ477の読み出しを使用して選択されたことを確認する。
e. 機構B2、レンチ回転18を使用してBナット64を回転させる。回転中のカメラ42からのビューと、機構移動の終端におけるCW/CCWマイクロスイッチ266およびトルクセル201からの読み出しとを監視する。
f. 機構B1、レンチ閉鎖/開放14を使用してレンチ顎部154を作動ナット62から開き、カメラ42からのビューを監視しながら、プリロードマイクロスイッチ169を使用して状態を確認する。
g. 機構A、中央およびクランプ12をトランスミッション26で選択し、リニアポテンショメータ477の読み出しを使用して選択されたことを確認する。
h. FDVトルク反作用平面58から機構A、中央およびクランプ12のクランプを解除し、クランプされたマイクロスイッチ127を使用して、充填/排出バルブ、FDV54からクランプ荷重が取り除かれたことを確認する。
【0153】
7.2 宇宙機(S/C)の安全バルブ(SV)を捕捉する-クイック接続(QC)を結合する、フィッティングナットを解除する
a. 接触球490をサービサ宇宙機80にタッチダウンし、カメラ42からのビューを使用して、燃料補給ツール10が下がっていることと、機構Aの顎部121、中央およびクランプ12が完全に開いていることとを確認する。
b. 機構A、中央およびクランプ12をトランスミッション26で選択し、リニアポテンショメータ477の読み出しを使用して選択されたことを確認する。
c. 機構A、中央およびクランプ12で収納ポスト82をクランプし、クランプされたマイクロスイッチ127を使用して、クランプ荷重が収納ポスト82にかけられたことを確認する。
d. 機構D、FDV接続22をトランスミッション26で選択し、リニアポテンショメータ477の読み出しを使用して選択されたことを確認する。
e. ラッチ準備済みマイクロスイッチ408によって確認されるように、トリガプレート407が安全バルブ本体351の肩部357に接触するまで、安全バルブキャリッジアセンブリ367を前進させる。
f. 結合/分離キャリッジアセンブリ380の駆動を開始して、外部ロック溝352で完全に閉じるまでロッキングアーム372を閉じ、カメラ42からのビューを使用して、ロッキングアーム372が安全バルブアセンブリ350を固定したことを確認する。
g. 安全バルブアセンブリ350のクイック接続ニップル355がクイック接続カップリング385に完全に結合し、二重マイクロスイッチアセンブリ387によって確認されるまで、結合/分離キャリッジアセンブリ380を駆動し続ける。
h. 機構C、レンチ上昇20をトランスミッション26で選択し、リニアポテンショメータ477の読み出しを使用して選択されたことを確認する。
i. カメラ42からのビューを使用して、レンチ顎部154がカップリングナット353と一直線になるように、機構C、レンチ上昇20を調整する。運動中に移動終端マイクロスイッチ307を監視する。
j. 機構B1、レンチ閉鎖/開放14を使用して、カップリングナット353のレンチ顎部154を閉じ、カメラ42からのビューを監視しながら、プリロードマイクロスイッチ169を使用して状態を確認する。
k. 機構B2、レンチ回転18をトランスミッション26で選択し、リニアポテンショメータ477の読み出しを使用して選択されたことを確認する。
l. 機構B2、レンチ回転18でカップリングナット353を回転させる。回転中のカメラ42からのビューと、機構移動の終端におけるCW/CCWマイクロスイッチ266およびトルクセル201からの読み出しとを監視する。
m. 機構B1、レンチ閉鎖/開放14を使用してレンチ顎部154をカップリングナット353から開き、カメラ42からのビューを監視しながら、プリロードマイクロスイッチ169を使用して状態を確認する。
n. 機構B2、レンチ回転18をトランスミッション26で選択し、リニアポテンショメータ477の読み出しを使用して選択されたことを確認する。
o. カメラ42からのビューを使用して、機構B2、レンチ回転18をカップリングナット353上の新しい位置へと回転させる。
p. 安全バルブアセンブリ350が収納ポスト82から外れるまでステップj.からo.を繰り返す。
q. 機構B1、レンチ閉鎖/開放14を使用してレンチ顎部154をカップリングナット353から開き、カメラ42からのビューを監視しながら、プリロードマイクロスイッチ169を使用して状態を確認する。
r. 機構D、FDV接続22をトランスミッション26で選択し、リニアポテンショメータ477の読み出しを使用して選択されたことを確認する。
s. クライアント衛星81への移動のために安全バルブアセンブリ350が燃料補給ツール10の内部に収納されるように安全バルブキャリッジアセンブリ367を後退させ、安全バルブキャリッジアセンブリ367の後退マイクロスイッチ418を使用して確認する。
t. 機構A、中央およびクランプ12をトランスミッション26で選択し、リニアポテンショメータ477の読み出しを使用して選択されたことを確認する。
u. 収納ポスト82から機構Aのクランプを解除し、クランプされたマイクロスイッチ127を使用して、クランプ荷重が収納ポスト82から取り除かれたことを確認する。
【0154】
7.4 クライアントS/CにSVを取り付け‐SVフィッティングナットをクライアントFDVに締結
a. FDVブラケット52に接触球490をタッチダウンし、カメラ42からのビューを使用して、燃料補給ツール10が下がっていることと、機構Aの顎部121、中央およびクランプ12が完全に開いていることとの両方を確認する。
b. 機構A、中央およびクランプ12をトランスミッション26で選択し、リニアポテンショメータ477の読み出しを使用して選択されたことを確認する。
c. 機構A、中央およびクランプ12でFDV反作用平面58をクランプし、クランプされたマイクロスイッチ127を使用して、クランプ荷重が充填/排出バルブ、FDV54にかけられたことを確認する。
d. 機構D、FDV接続22をトランスミッション26で選択し、リニアポテンショメータ477の読み出しを使用して選択されたことを確認する。
e. カップリングナット353が充填/排出バルブ、FDV54に接触して、コンプライアンスマイクロスイッチ415によって確認されるまで安全バルブキャリッジアセンブリ367を前進させる。
f. 機構C、レンチ上昇20をトランスミッション26で選択し、リニアポテンショメータ477の読み出しを使用して選択されたことを確認する。
g. カメラ42からのビューを使用して、レンチ顎部154がカップリングナット353と一直線になるように、機構C、レンチ上昇20を調整する。運動中に移動終端マイクロスイッチ307を監視する。
h. 機構B1、レンチ閉鎖/開放14を使用してカップリングナット353上でレンチ顎部154を閉じ、カメラ42からのビューを監視しながら、プリロードマイクロスイッチ169を使用して状態を確認する。
i. 機構B2、レンチ回転18をトランスミッション26で選択し、リニアポテンショメータ477の読み出しを使用して選択されたことを確認する。
j. 機構B2、レンチ回転18でカップリングナット353を回転させる。回転中のカメラ42からのビューと、機構移動の終端におけるCW/CCWマイクロスイッチ266およびトルクセル201からの読み出しとを監視する。
k. 機構B1、レンチ閉鎖/開放14を使用してレンチ顎部154をカップリングナット353から開き、カメラ42からのビューを監視しながら、プリロードマイクロスイッチ169を使用して状態を確認する。
l. 機構B2、レンチ回転18をトランスミッション26で選択し、リニアポテンショメータ477の読み出しを使用して選択されたことを確認する。
m. カメラ42からのビューを使用して、機構B2、レンチ回転18をカップリングナット353上の新しい位置へと回転させる。
n. 安全バルブアセンブリ350が充填/排出バルブ、FDV54に締結されるまでステップh.からm.を繰り返す。
【0155】
7.7 燃料移送のためにバルブ作動ナットを開く
a. 機構C、レンチ上昇20をトランスミッション26で選択し、リニアポテンショメータ477の読み出しを使用して選択されたことを確認する。
b. カメラ42からのビューを使用して、作動ナット62がレンチ顎部154と一直線になるように機構C、レンチ上昇20を調整する。運動中に移動終端マイクロスイッチ307を監視する。
c. 機構B1、レンチ閉鎖/開放14を使用して作動ナット62上でレンチ顎部154を閉じ、カメラ42からのビューを監視しながら、プリロードマイクロスイッチ169を使用して状態を確認する。
d. 機構B2、レンチ回転18をトランスミッション26で選択し、リニアポテンショメータ477の読み出しを使用して選択されたことを確認する。
e. 機構B2、レンチ回転18を使用して作動ナット62を回転させ、燃料移送のために開く。回転中のカメラ42からのビューと、機構移動の終端におけるCW/CCWマイクロスイッチ266およびトルクセル201からの読み出しとを監視する。
【0156】
7.9 燃料移送後に作動ナットを閉じる
a. カメラ42からのビューを使用して、レンチ顎部154がまだ作動ナット62と一直線になっているかを確認する。
b. 機構B2、レンチ回転18を使用して作動ナット62を回転させる。回転中のカメラ42からのビューと、機構移動の終端におけるCW/CCWマイクロスイッチ266およびトルクセル201からの読み出しとを監視する。
c. 機構B1、レンチ閉鎖/開放14を使用してレンチ顎部154を作動ナット62から開き、カメラ42からのビューを監視しながら、プリロードマイクロスイッチ169を使用して状態を確認する。
【0157】
8.3 SVクイック接続から燃料補給ツール(RT)クイック接続を分離させて、クライアントバルブからRTを取り外す
a. 安全バルブアセンブリ350のクイック接続ニップル355がクイック接続カップリング385から完全に分離され、二重マイクロスイッチアセンブリ387によって確認されるまで、結合/分離キャリッジアセンブリ380の駆動を開始する。
b. 結合/分離キャリッジアセンブリ380を駆動し続けて外部ロック溝352からロッキングアーム372を開き、カメラ42からのビューを使用して、ロッキングアーム372が完全に開くことを確認する。
c. 機構D、FDV接続22をトランスミッション26で選択し、リニアポテンショメータ477の読み出しを使用して選択されたことを確認する。
d. 完全に後退するまで安全バルブキャリッジアセンブリ367を後退させ、安全バルブキャリッジアセンブリ367の後退マイクロスイッチ418を使用して確認する。
e. 機構A、中央およびクランプ12をトランスミッション26で選択し、リニアポテンショメータ477の読み出しを使用して選択されたことを確認する。
f. FDVトルク反作用平面58から機構A、中央およびクランプ12のクランプを解除し、クランプされたマイクロスイッチ127を使用して、充填/排出バルブ、FDV54から クランプ荷重が取り除かれたことを確認する。
【0158】
9.1 サービサS/Cの「安全バルブ固定具」のクイック接続にRTクイック接続を結合する
a. 接触球490をサービサ宇宙機80にタッチダウンし、カメラ42からのビューを使用して燃料補給ツール10が下がっていることと、機構Aの顎部121、中央およびクランプ12が完全に開いていることとを確認する。
b. 機構A、中央およびクランプ12をトランスミッション26で選択し、リニアポテンショメータ477の読み出しを使用して、選択されたことを確認する。
c. 機構A、中央およびクランプ12で安全バルブ固定具83をクランプし、クランプされたマイクロスイッチ127を使用して、安全バルブ固定具83にクランプ荷重がかけられていることを確認する。
d. 機構D、FDV接続22をトランスミッション26で選択し、リニアポテンショメータ477の読み出しを使用して選択されたことを確認する。
e. トリガプレート407が安全バルブ固定具83の肩部に接触し、ラッチ準備済みマイクロスイッチ408により確認されるまで、安全バルブキャリッジアセンブリ367を前進させる。
f. 結合/分離キャリッジアセンブリ380の駆動を開始して、安全バルブ固定具83を完全に閉じるまでロッキングアーム372を完全に閉じ、カメラ42からのビューを使用して、ロッキングアーム372が安全バルブ固定具83を固定したことを確認する。
g. 安全バルブ固定具83のクイック接続ニップルがクイック接続カップリング385に完全に結合し、二重マイクロスイッチアセンブリ387によって確認されるまで、結合/分離キャリッジアセンブリ380の駆動を続ける。
【0159】
9.3 サービサS/Cの「安全バルブ固定具」のクイック接続からRTクイック接続を分離させる
a. 安全バルブ固定具83のクイック接続ニップルがクイック接続カップリング385から完全に分離され、二重マイクロスイッチアセンブリ387により確認されるまで、結合/分離キャリッジアセンブリ380を駆動し続ける。
b. 安全バルブ固定具83からロッキングアーム372を開くように機構D2を駆動し続け、カメラ42からのビューを使用して、ロッキングアーム372が完全に開いていることを確認する。
c. 機構D、FDV接続22をトランスミッション26で選択し、リニアポテンショメータ477の読み出しを使用して選択されたことを確認する。
d. 完全に後退するまで安全バルブキャリッジアセンブリ367を後退させ、完全に後退したマイクロスイッチ418を使用して確認する。
e. 機構A、中央およびクランプ12をトランスミッション26で選択し、リニアポテンショメータ477の読み出しを使用して選択されたことを確認する。
f. 安全バルブ固定具83から機構A、中央およびクランプ12のクランプを解除し、クランプされたマイクロスイッチ127を使用して、クランプ荷重が安全バルブ固定具83から取り除かれていることを確認する。
【0160】
精巧エンドエフェクタ(DEE)および整備ツールでの動作の詳細
本方法は、整備ツールを回収するための全体的な運用FFBDのステップ1.1、2.1、3.1、5.1、6.1、10.1で適用できる。
a. 収納場所でツール(例えば、Bナット取り外しツール608、クラッシュシール取り外しツール609、ブランケットカッタツール605、ブランケットハンドリングツール606、またはワイヤカッタツール607)のグラプル固定具610上に高く浮遊するようにロボットアーム84に命令する。
b. ツールグラプル固定具610の捕獲エンベロープ内に収まるようにロボットアーム84に命令する。
c. グラプル固定具610の遠位端が精巧エンドエフェクタ550の捕獲機構551の捕獲エンベロープ内に入るまで、アームを前方へと動かす。
d. 精巧エンドエフェクタ、DEE550の捕獲機構551でグラプル固定具610をしっかりつかむ。
e. 精巧エンドエフェクタ、DEE550で、ツールの拘束機構能動的半部618を元に戻す。
f. 収納場所から離れるようにアームに命令する。
【0161】
1.3 クライアントS/C上のブランケットを切断する
a. クライアント衛星81に移る。
b. ブランケットカッタツール605をサーマルブランケットに位置付ける。
c. ブランケットカッタツール605でブランケットを突き刺す。
d. ブランケットカッタツール605でブランケットを切断する。
e. ブランケットが完全に切断されるまでcおよびdを繰り返す。
f. クライアント81衛星から離れるようにアームに命令する。
【0162】
3.2~3.5 クライアントS/C上のBナットおよび作動ナットロックワイヤを切断する
a. クライアント81衛星に移る。
b. ロックワイヤにワイヤカッタツール607を位置付ける。
c. ワイヤカッタツール607でロックワイヤを切断する。
d. ワイヤが完全に切断されるまでbおよびcを繰り返す。
e. クライアント81衛星から離れるようにアームに命令する。
【0163】
5.2~5.5 クライアントS/CからBナットを取り外し、サービサにて廃棄する。
a. クライアント81衛星に移る。
b. Bナット取り外しツールワイヤ608を、充填/排出バルブ、FDV54に位置付ける。
c. Bナット取り外しツールワイヤ608をBナット64に着座させる。
d. Bナット64を捕獲する。
e. 充填/排出バルブ、FDV54からアームを離す。
f. サービサ80宇宙機に移る。
g. 廃棄場所にツールを位置付ける。
h. Bナット64を押し出すようにBナット取り外しツールワイヤ608に命令する。
i. 廃棄場所からアームを離す。
【0164】
6.2~6.5 クライアントS/Cからクラッシュシールを取り外し、サービサにて廃棄する。
a. クライアント81衛星に移る。
b. 充填/排出バルブ、FDV54にクラッシュシール取り外しツール609を位置付ける。
c. クラッシュシール702にクラッシュシール取り外しツール609に着座させる。
d. クラッシュシール702を捕獲する。
e. 充填/排出バルブ、FDV54からアームを離す。
f. サービサ80宇宙機に移る。
g. 廃棄場所にクラッシュシール取り外しツール609を位置付ける。
h. クラッシュシール702を押し出すようにツールに命令する。
i. 廃棄場所からアームを離す。
【0165】
本方法は、整備ツールを収納するための全体的な運用FFBDのステップ1.5、2.7、3.6、5.6、6.6、10.5で適用できる。
a. サービサ80宇宙機に移る。
b. 収納場所でツール(例えば、Bナット取り外しツール608、クラッシュシール取り外しツール609、ブランケットカッタツール605、ブランケットハンドリングツール606、またはワイヤカッタツール607)上に高く浮遊するようにアームに命令する。
c. ドッキング場所へとアームに命令する。
d. 精巧エンドエフェクタ、DEE550で、ツールの拘束機構能動的半部618を締結する。
e. ツールのグラプル固定具610を浮動化して精巧エンドエフェクタ、DEE550から解放する。
f. 収納場所から離れるようにアームに命令する。
【0166】
4.1、7.1 燃料補給ツールを回収する。
a. 収納場所で燃料補給ツール10上に高く浮遊するようにアームに命令する。
b. 燃料補給ツール10グラプル固定具610の捕獲エンベロープに収まるようにアームに命令する。
c. グラプルプローブがグラプルキャニスターの顎部内に収まるまでアームを前方へ動かす。
d. 精巧エンドエフェクタ、DEE550でグラプル固定具610をしっかりつかむ。
e. 精巧エンドエフェクタ、DEE550と、燃料補給ツール10との間で電気伝達を可能にする。
f. 精巧エンドエフェクタ、DEE550と、燃料補給ツール10との間で流体伝達を可能にする。
g. 精巧エンドエフェクタ、DEE550でツールの拘束抑制を元に戻す。
h. 収納場所から離れるようにアームに命令する。
【0167】
4.7、9.4 燃料補給ツールを収納する。
a. サービサ80宇宙機に移る。
b. 収納場所で燃料補給ツール10上に高く浮遊するようにアームに命令する。
c. ドッキング場所へとアームに命令する。
d. 精巧エンドエフェクタ、DEE550でツールの拘束抑制を締結する。
e. 精巧エンドエフェクタ、DEE550と、ツールとの間の電気伝達をできなくする。
f. 精巧エンドエフェクタ、DEE550と、ツールとの間の流体伝達をできなくする。
g. ツールのグラプル固定具610を浮動化して精巧エンドエフェクタ、DEE550から解放する。
h. 収納場所から離れるようにアームに命令する。
【0168】
本開示は、以下に概説されるように先に開示されたシステムよりも利点を有している。
【0169】
第1に、視覚システムベースのオープンアーキテクチャは、人間の遠隔オペレータまたは自動制御のいずれかによって命令される燃料補給作業において燃料補給ツール10によって達成されるFDVの各連続アクセス、クランプおよび回転状態の検証を可能にする。燃料補給作業の一部としてFDVの連続する各操作ステップが正常に完了したことの検証は、任務の要求事項を満たすためには不可欠である。
【0170】
第2に、視覚システムベースのアーキテクチャーは、任務計画内においてリアルタイムで個々の機構動作の微調整をサポートする。トルク反作用平面の配向または取り付け公差における変動等の、完成時の構成の未知の態様に関連するリスクが軽減され、様々な異なる作業現場を1つのツールで整備できるように、各機構はFDV作業現場に適応可能である。
【0171】
第3に、FDVに位置を合わせてクランプするための手段によって、1つの燃料補給ツールを広い範囲のFDVサイズと可能性のある全ての設置向きに適合させることができる。FDV作業現場の詳細な検証により、この適合性は任務の成功を確実にするために不可欠であることが明らかとなった。
【0172】
第4に、レンチの開閉、回転、高さ調整のためのこれらの機構を構成するレンチ機構は、広い範囲のFDVサイズと可能性のある全ての設置構成に合うように調整でき、操作ステップが正常に達成されたことを検証できるために重要な視覚システムを妨げずにレンチ動作を実行できる。
【0173】
第5に、クイック接続ニップルを有する安全バルブの使用は、燃料補給作業後にFDVを密閉する2つの独立した手段を提供する。クイック接続ニップルと安全バルブ内の直列の第2の別の逆止バルブとの組み合わせは、整備前に存在していた2つのレベルの密閉を復元する。
【0174】
第6に、クイック接続ニップルを有する安全バルブの使用は、連続した大幅に簡素化された燃料補給作業を容易にする。より具体的には、最も単純な形態では、クライアント衛星の第2燃料補給作業で、燃料補給作業は図56Bのステップ7.0で開始するだろう。
【0175】
第7に、クイック接続ニップルを有する安全バルブの使用は、ねじ山接続の上でいかなる回転作動も必要とせずに燃料補給する手段を提供する。これは、例えば、安全バルブが、FDVへのそのねじ接続の上において回転作動ナットを含む場合に発生し得るような、作動ナットだけでなく、安全バルブ本体全体の回転の可能性を排除することによる、先の開示に対する直接的な改善点である。
【0176】
第8に、ねじ付きカップリングナットを介する安全バルブの取り付けは、燃料補給ツールと安全バルブを有するロボットアームが位置合わせなしでFDVに接近する先に開示されたシステムとは異なり、燃料補給ツールが正常に位置合わせされ、ターゲットFDVにクランプされた後にのみ行われる。さらに、FDVへの安全バルブの取り付けは、ねじ係合の成功を確実にするために、コンプライアントカップリングナットと併せて、視覚的およびマイクロスイッチベースの感知の両方を含む。
【0177】
第9に、全体的な燃料補給システムおよび方法に関して、包括的な一式のツールは、視覚的およびその他のセンサ手段を通じて全てのステップのロバスト性が高く検証可能である手段および方法を提供する。ツール動作は全て、軌道上でリアルタイムに調整されて、機構許容誤差の作業現場での配置の変動に適応できるため、ロバスト性が高い。ブランケット、ロックワイヤ、およびFDVが操作される燃料補給作業の各ステップにおいて、センサ情報は、正常な動作または回復動作を行うために必要な情報の確認を可能にする。
【0178】
第10に、サポート整備ツールは、単一のロボットアームとエンドエフェクタの動作を通して、ピックアップ、電源供給、および収納される手段を有する。先行技術は、整備ツールを収納する手段は示したが、発射または輸送のために十分に拘束されていなかった。
【符号の説明】
【0179】
燃料補給ツールの実施形態は、図面を参照すると、以下のコンポーネントを備えている。
10:燃料補給ツール
12:機構A、センタおよびクランプ
14:機構B1、レンチ閉鎖/開放
16:コンプライアンス機構
18:機構B2、レンチ回転
20:機構C、レンチ上昇
22:機構D、FDV接続
26:トランスミッション
40:燃料補給ツール視覚システムベースアーキテクチャ
42:カメラ
44:カメラブラケット
46:カメラシールド
50:FDV作業現場
52:FDVブラケット
54:充填/排出バルブ、FDV
56:バルブ本体
58:トルク反作用平面
60:FDV軸
62:FDV作動ナット
64:Bナット
66:FDVフランジ
68:FDV溶接接続部
70:FDVニップル
80:サービサ宇宙機
81:クライアント
82:収納ポスト
83:安全バルブ固定具
84:ロボットアーム
102:機構“A”入力軸
103:スラスト玉軸受
104:スラスト針状ころ軸受
105:張力筺体
106:リードナット
107:ピストン
108:クロスピン
109:ばね
110:スペーサ
111:スペーサ
112:エンドキャップ
113:張力アセンブリ
114:リニア軸受レール
115:リニア軸受ブロック
116:駆動リンク
117:ロッカアーム
118:接続リンク
119:プッシュロッド
120:ブッシング
121:顎部
122:ピボット
123:ローラ
124:ローラブラケット
125:把持部
126:接触指
127:マイクロスイッチ
128:機構“A”フレーム
129:機構A取り付けインターフェース
150:B1リードねじ
151:リードねじ駆動ギア
152:B1筺体
153:B1カバー
154:レンチ顎部
155:リードナット
156:ナットクランプ
157:ロッキングピン
158:アイドラギア
159:B1駆動入力ギア
160:B1駆動アクチュエータ
161:B1アクチュエータアダプタ
162:B1筺体アクチュエータ凹部
163:保持クリップ
164:アクチュエータアダプタピン
165:プランジャガイド
166:プランジャばね
167:プランジャ
168:プランジャ分岐ヘッド
169:マイクロスイッチ
170:B1取り付け突起
171:肩部ボルト
172:軸受
173:アイドラ軸
174:アイドラ軸受
175:トルク反作用凹部
176:トルク反作用軸
200:トルクセルプレート
201:トルクセル
202:カップリングブラケット
203:ダウンスウィープ突出部
204:カップリングプラットフォーム
205:突出突起
206:ボールブッシング
207:ブッシングサークリップ
208:精密軸の第1対
209:精密軸の第2対
210:長さ調整可能ロッキング軸カラー
211:圧縮ばね
212:コンプライアンス機構取り付けインターフェース
250:回転トラックプレート
251:B2駆動ギア
252:内部スプライン付きハブ
253:B2駆動筺体
254:軸受
255:スラストパッド
256:セグメントギアアセンブリ
257:セグメントギア
258:セグメントギアキャリア
259:トラックローラの第1対
260:移動終端ピン
261:テンショナアセンブリ
262:テンショナヨーク
263:トラックローラの第2対
264:張力ねじ
265:ディスクばね
266:マイクロスイッチ
267:マイクロスイッチスペーサ
268:精密圧延面
269:セグメントギアバンパ
270:レンチ回転軸
271:高さ移動インジケータ
272:機構Aへのインターフェース
300:燃料補給ツール背面プレート
301:燃料補給ツール中間プレート
303:リニア軸受レール
304:リニア軸受ブロック
305:直角ブラケット
306:非金属バンパ
307:後退マイクロスイッチ
308:軸受
309:機構B2スプライン軸
310:機構Cリードねじ
311:拡張マイクロスイッチ
350:安全バルブアセンブリ
351:安全バルブ本体
352:外部ロック溝
353:カップリングナット
354:ばね
355:クイック接続ニップル
356:逆止バルブ
357:安全バルブ肩部
360:機構D基部プレート
361:ホースブラケット
362:リニアガイドレールの第1セット
363:調整可能端部止め
364:二重マイクロスイッチアセンブリ
365:フレキシブルホース
367:安全バルブキャリッジアセンブリ
368:安全バルブキャリッジ
369:リニアガイドブロック
370:ロッキングアームポスト
371:フランジ付きブッシング
372:ロッキングアーム
373:作動スロット
374:安全バルブセンサアセンブリ
375:コンプライアントカップリングアセンブリ
376:第1作動アクチュエータ
377:マイクロスイッチストライカ
378:リニアガイドレールの第2セット
380:結合/分離キャリッジアセンブリ
381:結合/分離キャリッジ
382:リニアガイドブロック
383:トラックローラ
384:リードナット
385:クイック接続カップリング
386:推進剤マニホールド
387:二重マイクロスイッチアセンブリ
388:トラベルストップ
390:スプライン付き入力軸
391:駆動ブラケット
392:ギア
393:軸受
394:安全バルブリードねじ
395:リードナット
396:ガイド筺体
397:ガイドピン
398:接続ピン
400:コンプライアンス筺体
401:コンプライアンス基部
402:シャトル
403:ばね
405:センサ筺体
406:センサ基部
407:トリガプレート
408:ラッチ準備済みマイクロスイッチ
409:ばね
410:制限ピン
415:コンプライアンスマイクロスイッチ
416:コンプライアンスストライカ
417:前進マイクロスイッチ
418:後退マイクロスイッチ
450:トランスミッション筺体
451:上部カバー
452:下部カバー
453:ギア
454:入力ギア
455:入力ギア共通軸
456:出力ギア
457:内部スプライン付きハブ
458:軸受
459:サポート筺体
460:スラストワッシャ
461:全体リム
462:部分リム
463:円筒溝
464:筐体ボア
465:位置決めピン穴
466:位置決めピン
467:トランスミッション筺体取り付けインターフェース
470:トランスミッションブラケット
471:リニアガイドレール
472:リニアガイドブロック
473:トランスミッションサポートプレート
474:リードナット
475:ナットクランプ
476:リニアポテンショメータ
477:ポテンショメータ取り付け具
478:ポテンショメータロッドブラケット
479:燃料補給ツール上部プレート
480:トランスミッションリードねじ
481:軸受
482:軸受リテーナ
483:燃料補給ツール側部プレート
484:トランスミッションリードねじ
485:トランスミッション可動域
490:接触球
491:タッチダウンロッド
492:タッチダウンアーム
493:タッチダウンブラケット
500:燃料補給ツールエンドエフェクタインターフェース
501:把持固定具
502:第1回転入力軸
503:第2回転入力軸
504:電気コネクタ
505:クイック接続ニップル
506:ターゲット
507:第1回転入力ギア
508:トランスファギア
509:クイル軸
510:軸受
511:リテーナ
512:クイル軸外部スプライン
513:燃料チャネル
514:クイル軸駆動ギア
515:伝達筺体
516:グラプル固定具プローブ
550:精巧エンドエフェクタ、DEE
551:捕獲機構
552:第1回転入力ソケット
553:第2回転入力ソケット
554:可動式電気コネクタ
555:可動式クイック接続推進剤カップリング
556:エンドエフェクタカメラ
601:整備サポートツール、汎用
603:一般ツール基部
605:ブランケットカッタツール
606:ブランケットハンドリングツール
607:ワイヤカッタツール
608:Bナット取り外しツール
609:クラッシュシール取り外しツール
610:グラプル固定具
612:ツール機構駆動インターフェース、一次
613:ツール機構駆動インターフェース、二次
614:ツール機構ギアトレイン
618:拘束機構能動的半部
620:一般ツール基部構造
630:汎用ツール先端部の実施形態
632:ツール機構ギアトレインインターフェース
634:ツール先端駆動軸
636:ツール先端一般構造
638:ツール基部からツール先端部のボルト固定インターフェース
640:前進ねじ付きロッド
642:入力リンケージ
644:出力リンケージ
645:切断剪断機
646:グリップパドル
647:ワイヤカッタ剪断機およびワイヤリンググリップ機構
650:ブランケットカッタツール先端部
652:ブランケットハンドリングツール先端部
654:ワイヤカッタツール先端部
660:Bナット取り外しツール先端部
662:コレット
664:駆動軸
666:カムピン
668:カムピン用スロット
670:ばねレンチフィンガ
672:Bナット六角ナット機構
674:ラチェットディスクインターフェース
676:ピンキャリア筺体
678:ラチェットディスク
680:ツール先端基部構造
682:キー機構
684:プリロードばね
686:ランプ機構を有するラチェットディスク表面
688:ランプ機構を有するピンキャリア筺体表面
700:クラッシュシール取り外しツール先端部
702:クラッシュシール、FDVの一部
704:駆動軸
706:プランジャ
708:駆動軸からプランジャのねじ付きインターフェース
710:ピボット点
712:フレックスジョーリンケージ
714:フレックスジョー先端部
716:FDVバルブ軸
718:ケージ
719:ツール先端基部構造
720:プランジャ面
730:ツール拘束、ツール側
732:ツール拘束、レセプタクル
734:視覚的手がかり
736:スプライン、レセプタクル
738:駆動軸
740:スプライン、ツール側
742:ボールロックスリーブ
744:ロックボール
746:ボール刻み目
748:拘束体
750:ボールロックスリーブ突出部
752:ばね荷重式インジケータ
800:命令および制御システム
802:バス
813:通信インターフェース
825:コンピュータ制御システム
830:プロセッサ
835:メモリ
845:電源
850:ロボット視覚システム
860:I/O装置およびインターフェース
862:推進剤移送フロー制御システム
930:通信システム
934:双方向無線リンク
940:地球
950:係留装置
960:推進剤移送システム
980:推進剤出口ホース
図1
図1A
図1B
図1C
図1D
図2
図2A
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図5G
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図8D
図9A
図9B
図10A
図10B
図10C
図11A
図11B
図12A
図12B
図12C
図12D
図13A
図13B
図14A
図14B
図15
図16A
図16B
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23A
図23B
図23C
図23D
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42
図43
図44
図45
図46
図47
図48
図49
図50
図51
図52
図53
図54
図55
図56A
図56B
【国際調査報告】