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特表2023-508893WHEPドメイン融合による目的タンパク質の水溶性増進方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-06
(54)【発明の名称】WHEPドメイン融合による目的タンパク質の水溶性増進方法
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/62 20060101AFI20230227BHJP
   C12N 15/12 20060101ALI20230227BHJP
   C12N 15/54 20060101ALI20230227BHJP
   C07K 14/47 20060101ALI20230227BHJP
   C07K 19/00 20060101ALI20230227BHJP
   C12N 15/63 20060101ALI20230227BHJP
   C12N 1/21 20060101ALI20230227BHJP
   C12N 1/20 20060101ALI20230227BHJP
   C12P 21/02 20060101ALI20230227BHJP
【FI】
C12N15/62 Z ZNA
C12N15/12
C12N15/54
C07K14/47
C07K19/00
C12N15/63 Z
C12N1/21
C12N1/20 A
C12P21/02 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022537446
(86)(22)【出願日】2020-12-21
(85)【翻訳文提出日】2022-08-10
(86)【国際出願番号】 KR2020018837
(87)【国際公開番号】W WO2021125917
(87)【国際公開日】2021-06-24
(31)【優先権主張番号】10-2019-0171057
(32)【優先日】2019-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】509016896
【氏名又は名称】インダストリ-アカデミック コオペレーション ファウンデイション, ヨンセイ ユニヴァーシティ
【氏名又は名称原語表記】Industry-Academic Cooperation Foundation, Yonsei University
(74)【代理人】
【識別番号】100108833
【弁理士】
【氏名又は名称】早川 裕司
(74)【代理人】
【識別番号】100162156
【弁理士】
【氏名又は名称】村雨 圭介
(74)【代理人】
【識別番号】100176407
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 理啓
(72)【発明者】
【氏名】ベイク リン ソン
(72)【発明者】
【氏名】ジン ヒー リー
(72)【発明者】
【氏名】ヨン ソク キム
(72)【発明者】
【氏名】ユ チョル チョン
【テーマコード(参考)】
4B064
4B065
4H045
【Fターム(参考)】
4B064AG01
4B064CA02
4B064CC24
4B064DA01
4B064DA13
4B065AA26X
4B065AA90Y
4B065AB01
4B065AC14
4B065BA02
4B065CA24
4B065CA44
4B065CA46
4H045AA10
4H045AA20
4H045BA10
4H045BA41
4H045CA40
4H045EA20
4H045EA50
4H045FA74
(57)【要約】
本発明は、目的タンパク質の発現効率を増進させるための融合タンパク質に関する。より詳しくは、hEPRS(Glutamyl-proll-tRNA synthetase from human)のWHEPドメイン(EPRSタンパク質の中間部分に位置したWHEPドメインTRS-1、TRS-2、TRS-3と3つのドメインを連結するリンカーを含む)である。本発明によるhEPRSのWHEPドメインは、目的タンパク質の大腸菌における発現のために融合タンパク質として使用されるとき、目的タンパク質の水溶性が向上した。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒト由来グルタミル-プロリルtRNA合成酵素(hEPRS、human Glutamyl-prolyltRNA synthetase)から分離したドメインの配列を含むことを特徴とする、目的タンパク質の発現効率を増進させるためのペプチド。
【請求項2】
前記ドメインは、TRS-1(配列番号1)及びTRS-2(配列番号2)を含むことを特徴とする、請求項1に記載のペプチド。
【請求項3】
前記ドメインは、TRS-3(配列番号3)をさらに含むことを特徴とする、請求項2に記載のペプチド。
【請求項4】
前記ペプチドは、前記ドメインのそれぞれの配列を連結するためのリンカー(Linker)配列をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のペプチド。
【請求項5】
前記リンカー配列は、配列番号4または5で表示されるものである、請求項4に記載のペプチド。
【請求項6】
前記ペプチドは、目的タンパク質の発現効率を増進させるためのタグ(tag)配列をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のペプチド。
【請求項7】
前記目的タンパク質は、抗原、抗体、細胞受容体、酵素、構造タンパク質、血清及び細胞タンパク質からなる群から1種以上選ばれることを特徴とする、請求項1に記載のペプチド。
【請求項8】
前記抗原は、新種コロナウイルス(SARS-CoV-2)、インフルエンザウイルスのヘマグルチニン(HA)、呼吸器細胞融合ウイルス(RSV、Respiratory Syncytial Virus)及びニパウイルス(Nipha virus)からなる群から1種以上選ばれることを特徴とする、請求項7に記載のペプチド。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項によるペプチドをコーディングするポリヌクレオチド。
【請求項10】
目的タンパク質をコーディングするポリヌクレオチドと、
前記目的タンパク質をコーディングするポリヌクレオチドの5'-末端に結合された請求項1~8のいずれか1項に記載のペプチドをコーディングするポリヌクレオチドと、を含む発現ベクター。
【請求項11】
請求項10に記載の発現ベクターに形質転換された宿主細胞。
【請求項12】
前記宿主細胞は、大腸菌(E.coli)であることを特徴とする、請求項11に記載の宿主細胞。
【請求項13】
(A)目的タンパク質をコーディングするポリヌクレオチド及び前記ポリヌクレオチドの5'-末端に結合された請求項1~5のいずれか1項のペプチドをコーディングするヌクレオチドを含む発現ベクターを製造する段階と、
(B)前記発現ベクターを宿主細胞に導入して形質転換体を製造する段階と、
(C)前記形質転換体を培養して組換え目的タンパク質の発現を誘導し、これを得る段階と、を含む水溶性目的タンパク質の生産方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、目的タンパク質の発現効率を増進させるための融合タンパク質に関する。より詳細には、hEPRS(Glutamyl-prolyl-tRNA synthetase from human)のWHEPドメイン(EPRSタンパク質の中間部分に位置したWHEPドメインTRS-1、TRS-2、TRS-3と3つのドメインを連結するリンカーを含む)に関する。本発明によるhEPRSのWHEPドメインは、目的タンパク質の大腸菌での発現のために融合タンパク質として使用されるとき、目的タンパク質の受容性が向上した。
【背景技術】
【0002】
生命工学技術によって生産されるタンパク質では、一般的に、免疫調節及び酵素阻害剤並びにホルモンなどの医薬及び研究用タンパク質と、診断用タンパク質や反応添加酵素などの産業用タンパク質に大別することができ、この2種類のタンパク質を中心に生産工程技術開発及び産業化が推進されている。特に、組換え微生物技術を用いて有用な組換えタンパク質を生産するとき、遺伝情報がよく知られており、様々なベクターシステムを構築しており、比較的安価な培地で早く高濃度で培養できるという長所を持つ大腸菌が研究または商業的目的で多様に使用されている。
【0003】
大腸菌で組換えタンパク質を生産するにあたり、強力な誘導性(inducible)プロモーターを備えた様々な発現ベクターが開発されて外来タンパク質の生産に用いられてきた。しかし、宿主細胞として大腸菌を用いる場合、製造しようとするタンパク質が大腸菌内のタンパク質分解酵素によって分解されて収率が低くなる場合が多く、特に分子量が10kDa以下の小さなサイズのポリペプチドの発現においてこのような傾向が激しいことが知られている。それだけでなく、一般的に大腸菌は、タンパク質の転写(transcription)と転移(translation)がほぼ同時に起こるため、組換えタンパク質の過剰発現時に不溶性凝集体(inclusion body)を形成する場合が多く、凝集体として発現したポリペプチドの場合、折りたたみ(folding)中間体が分子相互間のジサルファイド結合(intermolecular disulfide bond)または疎水性相互作用(hydrophobic interaction)によって宿主細胞の他のタンパク質不純物[シャペロン(chaperon)、リボソーム(ribosome)、初期因子など]と非選択的に結合することにより、目的ポリペプチドの凝集体内の純度が低下するという短所がある。また、このように発現したタンパク質を活性型にするためには、グアニジン-塩酸塩(Guanidine hychloride)や尿素(urea)などの変性体を使用して溶解させた後に希釈する再折りたたみ(refolding)過程を経なければならないが、このとき、タンパク質が活性型に折りたたまれないなど生産歩留まりが減少するという問題点がある(Marston FA et al.,Biochem J240(1):1-12、1986)。
【0004】
本発明者らは、WHEPドメインの融合たんぱく質としての水溶性増進能力を確認する研究を行った。優先的に、1つのWHEPドメインのみを持つTRS-1、TRS-2と、3つのWHEPドメイン(TRS-1、TRS-2、TRS-3)、リンカーを含む多重WHEPドメイン(multiple WHEP domain;EPRSと称する)を作製した。そして、3種類の融合たんぱく質の目的タンパク質水溶性増進能力を確認してみた。3つの融合タンパク質のうち多重WHEPドメインの水溶性増進能力が最も優れていることを確認し、本発明を完成させた。
【0005】
従来知られている大腸菌において水溶性発現が難しいタンパク質を発現するため、融合タンパク質としてTRS-1、TRS-2、EPRSを使用し、目的タンパク質としてGreen Fluorescent Protein(GFP)を使用して水溶性を比較した。確認の結果、hEPRSのWHEPドメインを含む融合タンパク質の中では、EPRSが水溶性の上昇に最も大きく寄与することが確認された。EPRSによる水溶性増進効果は、他の目的タンパク質であるInterferon beta(IFN-b)、Tev protease、Heat-labile enterotoxin subunit B(LTB)を使用して追加確認された。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、WHEPドメインを融合パートナーとして用いて目的タンパク質の水溶性及び折りたたみを向上させることができるペプチド、組換えタンパク質生産用発現ベクターまたは遺伝子構造体(gene construct)を提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、目的タンパク質の受容性を有意的に増加させることができるWHEPドメインの構成を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、前記発現ベクターに形質転換されるか、または遺伝子構造体(gene construct)が挿入された組換え微生物及びこれを用いた組換えタンパク質の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、ヒト由来グルタミル-プロリルtRNA合成酵素(hEPRS、human Glutamyl-prolyltRNA synthetase)から分離したドメインの配列を含むことを特徴とする目的タンパク質の発現効率を増進させるためのペプチドが提供される。
【0010】
本発明の好ましい一実施例によれば、前記ドメインは、TRS-1(配列番号1)及びTRS-2(配列番号2)を含み、最も好ましくは、前記ドメインは、TRS-1(配列番号1)及びTRS-2(配列番号2)を含んでもよい。
【0011】
本発明の前記ペプチドは、前記ドメインのそれぞれの配列を連結するため、リンカー(Linker)配列をさらに含んでもよく、前記リンカー配列は、配列番号3で表示されてもよい。
【0012】
また、前記ペプチドは、目的タンパク質の発現効率を増進させるためのタグ(tag)配列をさらに含んでもよい。
【0013】
本発明において、前記目的タンパク質は、抗原、抗体、細胞受容体、酵素、構造タンパク質、血清及び細胞タンパク質からなる群から1種以上選ばれてもよく、前記抗原は、新種コロナウイルス(SARS-CoV-2)、インフルエンザウイルスのヘマグルチニン(HA)、呼吸器細胞融合ウイルス(RSV、Respiratory Syncytial Virus)及びニパウイルス(Nipha virus)からなる群から1種以上選ばれてもよい。本発明の最も好ましい実施例によれば、前記抗原は、呼吸器細胞融合ウイルス(RSV、Respiratory Syncytial Virus)である。
【0014】
本発明は、さらに前記ペプチドをコーディングするポリヌクレオチドを提供する。
【0015】
本発明の一実施例によれば、目的タンパク質をコーディングするポリヌクレオチド、及び前記目的タンパク質をコーディングするポリヌクレオチドの5'-末端に結合された第1項~第8項のいずれか1項のペプチドをコーディングするポリヌクレオチドを含む発現ベクターが提供される。
【0016】
本発明の他の実施例によれば、前記発現ベクターに形質転換された宿主細胞が提供され、前記宿主細胞は、大腸菌(E.coli)であってもよい。
【0017】
本発明は、水溶性目的タンパク質の生産方法を提供し、当該方法は(A)目的タンパク質をコーディングするポリヌクレオチド及び前記ポリヌクレオチドの5'-末端に結合された第1項~第5項のいずれか1項のペプチドをコーディングするヌクレオチドを含む発現ベクターを製造する段階、(B)前記発現ベクターを宿主細胞に導入して形質転換体を製造する段階、及び(C)前記形質転換体を培養して組換え目的タンパク質の発現を誘導し、これを得る段階を含んでもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によるWHEPドメインを融合パートナーとして用いた組換えタンパク質の製造方法は、目的タンパク質の水溶性及び発現率を向上させ、様々な目的タンパク質の医療用及び産業用としての開発及び生産に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、TRS-1、TRS-2、EPRSを融合タンパク質として使用するようにデザインした発現用プラスミド。Multiple cloning site(MCS)に目的タンパク質を挿入し、精製のためのhistidine tag(6X His),融合タンパク質と目的タンパク質の切断のためTev protease recognition site(TEV site)を含む。
図2図2は、EPRSによるGFPの受容性発現向上及び活性を測定したイメージである。
図3図3は、EPRSによるInterferon-beta(IFN-b)の受容性発現向上及び活性を測定したイメージである。
図4図4はEPRSによるTev proteaseの受容性発現向上及び活性を測定したイメージである。
図5図5は、EPRSによるmultimeric proteinの受容性発現向上を確認したイメージである。その他に、multimericタンパク質を大腸菌内で発現し、EPRSによるタンパク質の水溶性発現率増加効果をさらに確認した。Heat-labile enterotoxinは、pentamerをなすタンパク質で、同様に大腸菌において水溶性の発現が難しいことが知られている。このタンパク質は、EPRSと融合して発現確認した結果、direct formよりもEPRSが融合したformの方がはるかに水溶性発現率を増加させることを確認した。
図6図6は、WHEPドメインとEPRSの融合形態を示す模式図である。
図7図7は、本発明の一実施例によってCOVID-19のRBDとS1とのEPRS融合発現を確認したイメージである。
図8図8は、本発明の一実施例によってRSV F-bacterioferritinとのEPRS融合発現を確認したイメージである。
図9図9は、本発明の一実施例によってLTB-JEVED3とのEPRS融合発現を確認したイメージである。
図10図10は、TEV proteaseを処理したEPRS-LTBのサイズ排除クロマトグラフィーを示す。
図11図11は、EPRS-LTB-JEVED3のサイズ排除クロマトグラフィーを示す。
図12図12は、TEV proteaseを処理したEPRS-LTB-JEVED3のサイズ排除クロマトグラフィーを示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明者らは、hEPRSのWHEPドメインを含む融合タンパク質の中では、EPRSが水溶性の上昇に最も大きく寄与することを確認し、本発明を完成した。
【0021】
本発明によれば、WHEPドメインを融合パートナーとして用いて目的タンパク質の水溶性及び折りたたみを向上させることができるペプチド、組換えタンパク質生産用発現ベクターまたは遺伝子構造体(gene construct)が提供される。
【0022】
本発明において「ベクター(vector)」とは、DNA組換え実験において目的とするDNA断片を宿主菌などに導入させて増殖できるDNAを指し、クローニング用運搬体(cloning vehicle)とも言うが、ベクター(vector)DNAは、制限酵素などで切断して開環し、ここに目的とするDNA断片を挿入して連結して宿主菌に導入させる。目的とするDNA断片を連結したベクターDNAは、宿主菌が増殖されることにより、複製して菌の分裂とともに各嚢細胞に分配されて目的とするDNA断片を代々維持して連結していき、例えば、プラスミド(plasmid)、ファージ染色体を使用してもよい。
【0023】
前記ベクターの選択、作製、形質転換及び組換えタンパク質の発現などの方法は、本願発明が属する技術分野の当業者であれば容易に行うことができ、通常の方法において一部の変形も本発明に含まれる。
【0024】
本発明において「形質転換(transformation)」とは、外部から与えられた遺伝物質であるDNAによって個体または細胞の形質が遺伝的に変化することを意味する。
【0025】
前記ベクターの宿主細胞内への運搬(導入)は、当業界に広く知られた運搬方法を使用してもよい。前記運搬方法は、例えば、微細注入法、カルシウムホスフェト沈殿法、電気穿孔法、リポソーム-媒介形質感染法、遺伝子バンバードメントなどを使用してもよいが、これに限定されるものではない。)、PEGなどの化学的処理方法、遺伝子銃(gene gun)などを使用してもよい。
【0026】
前記形質転換体培養時の培養条件は、宿主細胞によって慣用されるものを適当に選択して用いてもよい。培養時に細胞の生育とタンパク質の大量生産に適合するように温度、培地のpH及び培養時間などの条件を適切に調節してもよい。
【0027】
本発明において宿主細胞は、当業界で通常用いられる宿主細胞を用いてもよく、好ましくは、大腸菌を用いてもよい。
【実施例
【0028】
以下、本発明の図面を参照して実施例を詳細に説明する。本発明の利点及び特徴、そしてそれらを達成する後述の実施例を参照すれば明確になるだろう。しかし、本発明は、以下に開示される実施例に限定されるのではなく、互い異なる様々な形態で具現されてもよく、単に本実施例は、本発明の開示を完全にするようにし、本発明が属する技術分野で通常の知識を持つ者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は、請求項の範疇によって定義されるだけである。明細書の全体において同じ参考符号は、同じ構成要素を指す。
【0029】
特に定義のない限り、本明細書で使用されるすべての用語(技術及び科学的用語を含む)は、本発明が属する技術分野で通常の知識を持つ者に共通して理解できる意味で使用できるだろう。また、一般的に使用される事前に定義されている用語は、明らかに特に定義されていない限り、理想的にまたは過度に解釈されない。本明細書において使用される用語は、実施例を説明するためのものであり、本発明を制限しようとするものではない。本明細書において、単数形は文言に特に言及しない限り、複数形も含む。
【0030】
[実施例1]
実施例1-1.タンパク質発現ベクターの作製
タンパク質発現ベクターとしてpGE-LysRS発現ベクターを使用した(Choi SI et al.,Protein solubility and folding enhancement by interaction with RNA,PLoS ONE(2008),3:e2677)。pGE-LysRSは、T7 promoterによって発現が調節され、LysRS遺伝子をNde1とMCS(Kpn1-BamH1-EcoRV-Sal1-Hind3)にある切断位置のいずれかを使用して切り取り、その位置にTRS-1、TRS-2、またはEPRSを挿入してpGE-TRS-1、pGE-TRS-2、pGE-EPRS発現ベクターを作製した。そして、各発現ベクターのC末端位置に目的タンパク質を挿入し、TRS-1、TRS-2、EPRSが融合した目的タンパク質発現ベクターを作製した(図1)。目的タンパク質としては、GFP、IFN-b、Tevプロテアーゼ、LTBが使用された。このように作製された発現ベクターは、pGE-GFP、pGE-TRS-1-GFP、pGE-TRS-2-GFP、pGE-EPRS-GFP、pGE-IFN-b、pGE-EPRS-IFN-b、pGE-Tev、pGE-EPRS-Tev、pGE-LTB、pGE-EPRS-LTBである。
【0031】
実施例1-2.タンパク質発現及びSDS-PAGEによる精製様相を確認
製造されたタンパク質発現ベクターをBL21(DE3)-pLysSまたはSHuffle(登録商標) T7competent cellに形質転換させて培養した。すべての形質転換された大腸菌は、50ug/mlのアンピシリンが含まれたLB培地で培養し、pLysSが含まれた大腸菌は、34ug/mlのクロラムフェニコールが追加されている培地で培養した。培養温度は、タンパク質ごとに異なり、16-37℃の条件で培養した。大腸菌のOD600値が0.5以上になると、T7プロモーターを活性化させるためにIPTGを0uM~1mMレベルで入れ、タンパク質が十分に生産されるように、IPTGを入れてから、16-37℃では3時間、25℃では5時間、16-24℃では16時間程度を培養した。十分に培養された大腸菌は、遠心分離して上清液を除去した後に保管した。次に、LB培地の5mlに該当する大腸菌収穫物にPBS0.3mlを入れて超音波粉砕を行って溶解物(lysate)を作製した。そして、溶解物を遠心分離して水溶性分画(soluble fraction)と不溶性分画(pellet fraction)に分け、総溶解物、水溶性分画、不溶性分画を区分してSDS-PAGEで分析した。
【0032】
実施例1-3.タンパク質発現及び精製
製造されたpGE-GFP、pGE-TRS-1-GFP、pGE-TRS-2-GFP、pGE-EPRS-GFP、pGE-IFN-b、pGE-EPRS-IFN-b、pGE-Tev、pGE-EPRS-Tev発現ベクターをBL21(DE3)-pLysS水溶性細胞(competent cell)に形質転換させて培養した。すべての形質転換された大腸菌は、50ug/mlのアンピシリンと34ug/mlのクロラムフェニコールが含まれたLBで培養した。大腸菌のOD600値が0.5以上になると、T7プロモーターを活性化させるためにIPTGを1mMレベルで入れ、タンパク質が十分に生産されるように、IPTGを入れてから30℃で6時間程度を培養した。十分に培養された大腸菌は遠心分離して上清液を除去した後に保管した。
【0033】
得られた大腸菌収穫物にPBSを入れて超音波粉砕し、溶解物を作製した。そして、溶解物を遠心分離して水溶性分画のみを得た後、Ni2+-クロマトグラフィー法を用いて精製し、精製されたタンパク質は、PBSに透析(dialysis)し、Centriprepを活用して濃縮させた。
【0034】
実施例1-4.GFP活性測定
単位細胞あたり作製されたGFPタンパク質の活性を測定するための実験を行った。タンパク質発現完了後、遠心分離して上清液が除去された大腸菌培養体をPBSに入れて超音波粉砕して溶解物を作製した。その後、溶解物を遠心分離して水溶性分画のみを得た後、分光光度計で蛍光を測定し、GFPの実際の活性を測定した(図2)。
【0035】
Green fluorescent protein(GFP)は、大腸菌内で単独発現時に不溶性で作製されるタンパク質として知られている。融合タンパク質なしに単独発現されたdirect GFPとTRS-1、TRS-2、EPRSが融合した融合タンパク質を大腸菌で発現後、発現様相を確認した結果、すべての融合タンパク質においてdirect GFPより水溶性発現率が増加する様相を示し、特にEPRSが融合したGFPの水溶性発現率が非常に高く増加する結果を確認した。
【0036】
培養容量あたり発現されたGFP活性を測定した結果、TRS-2が融合したGFPは、direct GFPと類似したレベルの蛍光活性を示し、TRS-1、EPRSが融合したGFPは、さらに高いレベルの蛍光活性を示した。
【0037】
これを通じてTRS-1、TRS-2、EPRSによって目的タンパク質であるGFPの水溶性発現量が増加することを確認し、作製されたタンパク質の活性があることを確認した。
【0038】
実施例1-5.IFN-beta活性測定
大腸菌で発現されたIFN-beta活性は、HEK-BlueTMIFN-α/βCells(InvivoGen)を用いて測定した。実験は、販売者のprotocolに合わせて行い、簡単にまとめると、次の通りである。96-well plateにIFN-betaによるsignaling pathwayを観察できるように変形されたHEK-blueTMIFN-α/βCells浮遊液180ulとIFN-betasample20ulを入れて37℃5%CO培養器でovernight培養する。翌日、HEK-blueTMIFN-α/βCellsで反応が現れたsupernatant20ulとQuantiBlueTMsolution180ulを混合し、37℃で30分~3時間ほど反応させた。反応が完了すれば、620-655nmの波長でspectrophotometerでレベルを測定した(図3)。
【0039】
Interferon beta(IFN-b)も大腸菌で不溶性として発現されるタンパク質で、融合タンパク質のないdirect IFN-bは、大腸菌で水溶性発現率が非常に低い特徴を示す。EPRSを融合タンパク質として使用したとき、融合タンパク質は、高い水溶性発現率を示した。
【0040】
精製されたIFN-bの活性をHEK-blueTMIFN-α/βCells(InvivoGen)で測定したとき、CHO cellで発現及び精製されたcommercial IFN-bが最も活性が高く、EPRSが融合したIFN-b融合タンパク質の活性がその次に高く現れた。DirectIFN-bの場合、最も低い活性を示した。
【0041】
これを通じて、EPRSによってIFN-bの水溶性及び活性型の発現が促進されることを確認した。
【0042】
実施例1-6.Tev protease活性測定
大腸菌で発現されたTevプロテアーゼの活性測定のためにSensoLyte(登録商標)520TEV Activity Assay Kit*Fluorimetric*キットを使用した。実験は、販売者のプロトコルに合わせて行い、簡単にまとめると、次の通りである。実験用Tevプロテアーゼと5-FAM/QXL(登録商標)520TEV基質を96wellに入れ、蛍光を1分ごと測定した。このときに測定する蛍光は、Ex/Em=490/520nmとする。Tevプロテアーゼによって基質が切られて蛍光が増加することになるが、これを用いてTevプロテアーゼの活性を測定した(図4)。
【0043】
Tobacco Etch Virus(TEV)のプロテアーゼは、商業的需要が高いタンパク質で、大腸菌内で組換えタンパク質として得にくいタンパク質の一種である。融合タンパク質がないとき、direct Tevプロテアーゼは、大腸菌で低い水溶性発現率を示し、EPRSを融合したときに水溶性発現率上昇効果を示した。大腸菌培養時に発現温度を下げたとき(20℃)direct TevプロテアーゼとEPRS-Tevプロテアーゼ双方で水溶性発現率が増加し、特にEPRS-Tevプロテアーゼの場合、90%以上の水溶性発現率を示した。
【0044】
精製したTevプロテアーゼの活性をTevプロテアーゼ活性分析キット(SensoLyte(登録商標)520 TEV Activity Assay Kit)で確認した結果、direct Tevプロテアーゼは、同量であるにもかかわらず活性が低く測定され、最も急速に酵素活性を示す構造は、EPRSが融合したEPRS-TEVであった。
【0045】
これを通じて、EPRSによるTevプロテアーゼの水溶性及び活性型の発現を確認した。
【0046】
[実施例2]
実施例2-1.タンパク質の発現及びSDS-PAGEによる水溶性確認
目的タンパク質としてSARS-CoV-2(COVID-19)のreceptor-binding domain(RBD)と相対的にサイズが大きいspike subunit1(S1)を使用して作製されたベクターは、pGE-EPRS-RBD、pGE-EPRS-S1である。
【0047】
製造されたタンパク質発現ベクターをそれぞれBL21またはHMS174competent cellに形質転換させて培養した。すべての形質転換された大腸菌は、50ug/mlのアンピシリンが含まれたLB培地で培養した。大腸菌のOD600値が0.5以上になると、T7プロモーターを活性化させるためにIPTGを0.5mMで入れた後、16℃で16時間程度を培養した。培養された大腸菌は、遠心分離して上清液を除去した後、-80℃で保管した。次に、LB培地の5mlに該当する大腸菌収穫物にlysis buffer[50mM Tris-Cl(pH7.5)、300mM NaCl、10%glycerol、2mM beta-mercaptoethanol、0.1%tween-20]0.3mlを入れて超音波粉砕して溶解物(lysate)を作製した。また、溶解物を遠心分離して水溶性分画(soluble fraction)と不溶性分画(pellet fraction)に分け、総溶解物、水溶性分画、不溶性分画を区分してSDS-PAGEで分析した。RBDとS1のサイズは、それぞれ27kDaと73kDaであり、EPRSと融合したサイズは、それぞれ49kDaと95kDaである(図7参照)。
【0048】
目的タンパク質としてRespiratory syncytial virus(RSV)Fusion(F)とnanoparticleのためのscaffoldタンパク質としてbacterioferritinを使用して作製されたベクターは、pGE-EPRS-RSVF-bacterioferritinである。
【0049】
製造されたタンパク質発現ベクターをShuffle T7 competent cellに形質転換させて培養した。すべての形質転換された大腸菌は、50ug/mlのアンピシリンが含まれたLB培地で培養した。大腸菌のOD600値が0.5以上になると、T7プロモーターを活性化させるためにIPTGを0.5mMで入れた後、20℃で6時間程度を培養した。培養された大腸菌は、遠心分離して上清液を除去した後、-80℃で保管した。次に、LB培地の5mlに該当する大腸菌収穫物にlysis buffer[50mM Tris-Cl(pH7.5)、200mM NaCl、10%glycerol、0.1%tween-20]0.3mlを入れて超音波粉砕して溶解物(lysate)を作製した。また、溶解物を遠心分離して水溶性分画(soluble fraction)と不溶性分画(pellet fraction)に分け、総溶解物、水溶性分画、不溶性分画を区分してSDS-PAGEで分析した。RSVF-bacterioferritinのサイズは、70kDaであり、EPRSと融合したサイズは、92kDaである(図8参照)。
【0050】
目的タンパク質として日本脳炎ウイルス構造内の5倍軸にpentamerで存在し、免疫誘導に重要な役割を果たすことが知られているenvelope proteinのdomain III(ED3)とpentameric scaffoldとしてheat-labile toxin B subunit(LTB)を使用して作製されたベクターは、pGE-EPRS-LTB-JEVED3である。
【0051】
製造されたタンパク質発現ベクターをShuffle T7 competent cellに形質転換させて培養した。すべての形質転換された大腸菌は、50ug/mlのアンピシリンが含まれたLB培地で培養した。大腸菌のOD600値が0.5以上になると、T7プロモーターを活性化させるためにIPTGを1mMで入れた後、20℃で6時間程度を培養した。培養された大腸菌は、遠心分離して上清液を除去した後、-80℃で保管した。次に、LB培地の5mlに該当する大腸菌収穫物にlysis buffer[50mM Tris-Cl(pH7.5)、300mM NaCl、10%glycerol]0.3mlを入れて超音波粉砕し、溶解物(lysate)を作製した。また、溶解物を遠心分離して水溶性分画(soluble fraction)と不溶性分画(pellet fraction)に分け、総溶解物、水溶性分画、不溶性分画を区分してSDS-PAGEで分析した。LTB-JEVED3のサイズは、24kDaであり、EPRSと融合したサイズは、46kDaである(図9参照)。
【0052】
実施例2-2.タンパク質の精製
Shuffle T7 competent cellに形質転換されたpGE-EPRS-LTB、pGE-EPRS-LTB-JEVED3発現ベクターは、50ug/mlのアンピシリンが含まれたLB培地で培養した。大腸菌のOD600値が0.5以上になると、IPTGを1mMレベルで入れた後、20℃で6時間程度を培養した。十分に培養された大腸菌は、遠心分離して上清液を除去した後、-80℃で保管した。
【0053】
収穫された大腸菌にA buffer[50mM Tris-Cl(pH7.5)、300mM NaCl、10%glycerol、5mM imidazole]を入れて超音波粉砕して溶解物を作製した。また、溶解物を遠心分離して水溶性分画のみを得た後、ニッケルクロマトグラフィー法を用いて精製し、精製されたタンパク質は、storage buffer[50mM Tris-Cl(pH7.5)、300mM NaCl、0.1mM EDTA]に透析(dialysis)し、amiconを活用して濃縮した。
【0054】
実施例2-3.サイズ排除クロマトグラフィーによる五量体確認
精製されたEPRS-LTBとEPRS-LTB-JEVED3タンパク質が五量体構造を形成するか検証するため、Superdex200 increase10/300 column(GE healthcare)を用いたサイズ排除クロマトグラフィー(size-exclusion chromatography;SEC)を行い、サイズが既知のマーカータンパク質でcalibrationをしてタンパク質のサイズを測定した。このときに使用されたバッファの組成は、[50mM Tris-Cl(pH7.5)、300mM NaCl]である。タンパク質は、EPRSが融合したものとTEV proteaseを処理してEPRSと目的タンパク質の間にあるtev cleavage siteが切断されてEPRSが除去されたタンパク質をすべて検証した。五量体のサイズにおいてピーク(peak)の立ち上がった分画は、SDS-PAGEで再び検証した。
【0055】
その結果、それぞれのタンパク質は、五量体予測サイズにおいてピークを示し(図10~12参照、左パネル)、そのピークの分画をSDS-PAGEにDTTのあるreduced状態とDTTのないnon-reduced状態で見下ろした時、似たサイズでバンドが現れることを確認した(図10~12参照、右パネル)。五量体をなしたとき、それぞれのサイズは、LTBは、約60kDa、EPRS-LTB-JEVED3は、約230kDa、LTB-JEVED3は、約125kDaである。したがって、EPRSの融合により大腸菌で目的タンパク質の水溶性を高めることができるだけでなく、タンパク質の適切な折りたたみを誘導することにより、多量体への組み立てが可能であることを確認した。
【配列表のフリーテキスト】
【0056】
配列番号1
TRS1
LYNRVAVQGDVVRELKAKKAPKEDVDAAVKQLLSLKAEYKEKTGQEYKPGNPP
【0057】
配列番号2
TRS1
LYDEVAAQGEVVRKLKAEKSPKAKINEAVECLLSLKAQYKEKTGKEYIPGQPP
【0058】
配列番号3
TRS3
LFDKVASQGEVVRKLKTEKAPKDQVDIAVQELLQLKAQYKSLIGVEYKP
【0059】
配列番号4
AEIGQNISSNSSASILESKS
【0060】
配列番号5
LSQSSDSSPTRNSEPAGLETPEAKV
【0061】
配列番号6
EPRS sequence
LYNRVAVQGDVVRELKAKKAPKEDVDAAVKQLLSLKAEYKEKTGQEYKPGNPPAEIGQNISSNSSASILESKSLYDEVAAQGEVVRKLKAEKSPKAKINEAVECLLSLKAQYKEKTGKEYIPGQPPLSQSSDSSPTRNSEPAGLETPEAKVLFDKVASQGEVVRKLKTEKAPKDQVDIAVQELLQLKAQYKSLIGVEYKP
【0062】
配列番号7
COVID-19RBD
FTVEKGIYQTSNFRVQPTESIVRFPNITNLCPFGEVFNATRFASVYAWNRKRISNCVADYSVLYNSASFSTFKCYGVSPTKLNDLCFTNVYADSFVIRGDEVRQIAPGQTGKIADYNYKLPDDFTGCVIAWNSNNLDSKVGGNYNYLYRLFRKSNLKPFERDISTEIYQAGSTPCNGVEGFNCYFPLQSYGFQPTNGVGYQPYRVVVLSFELLHAPATVCGPKKSTNLVKNKCVNFNF
【0063】
配列番号8
COVID-19S1
QCVNLTTRTQLPPAYTNSFTRGVYYPDKVFRSSVLHSTQDLFLPFFSNVTWFHAIHVSGTNGTKRFDNPVLPFNDGVYFASTEKSNIIRGWIFGTTLDSKTQSLLIVNNATNVVIKVCEFQFCNDPFLGVYYHKNNKSWMESEFRVYSSANNCTFEYVSQPFLMDLEGKQGNFKNLREFVFKNIDGYFKIYSKHTPINLVRDLPQGFSALEPLVDLPIGINITRFQTLLALHRSYLTPGDSSSGWTAGAAAYYVGYLQPRTFLLKYNENGTITDAVDCALDPLSETKCTLKSFTVEKGIYQTSNFRVQPTESIVRFPNITNLCPFGEVFNATRFASVYAWNRKRISNCVADYSVLYNSASFSTFKCYGVSPTKLNDLCFTNVYADSFVIRGDEVRQIAPGQTGKIADYNYKLPDDFTGCVIAWNSNNLDSKVGGNYNYLYRLFRKSNLKPFERDISTEIYQAGSTPCNGVEGFNCYFPLQSYGFQPTNGVGYQPYRVVVLSFELLHAPATVCGPKKSTNLVKNKCVNFNFNGLTGTGVLTESNKKFLPFQQFGRDIADTTDAVRDPQTLEILDITPCSFGGVSVITPGTNTSNQVAVLYQDVNCTEVPVAIHADQLTPTWRVYSTGSNVFQTRAGCLIGAEHVNNSYECDIPIG
【0064】
配列番号9
Heat-labile toxin B subunit(LTB)
APQTITELCSEYRNTQIYTINDKILSYTESMAGKREMVIITFKSGETFQVEVPGSQHIDSQKKAIERMKDTLRITYLTETKIDKLCVWNNKTPNSIAAISMKN
【0065】
配列番号10
Bacterioferritin
MKGDTKVINYLNKLLGNELVAINQYFLHARMFKNWGLKRLNDVEYHESIDEMKHADRYIERILFLEGLPNLQDLGKLNIGEDVEEMLRSDLALELDGAKNLREAIGYADSVHDYVSRDMMIEILRDEEGHIDWLETELDLIQKMGLQNYLQAQIREEG
【0066】
配列番号11
RSVF
QNITEEFYQSTCSAVSKGYLSALRTGWYTSVITIELSNIKENKCNGTDAKVKLIKQELDKYKNAVTELQLLMQSTPPTNNRARRGGSGGSGGSGFLGFLLGVGSAIASGVAVCKVLHLEGEVNKIKSALLSTNKAVVSLSNGVSVLTFKVLDLKNYIDKQLLPILNKQSCSISNIETVIEFQQKNNRLLEITREFSVNAGVTTPVSTYMLTNSELLSLINDMPITNDQKKLMSNNVQIVRQQSYSIMCIIKEEVLAYVVQLPLYGVIDTPCWKLHTSPLCTTNTKEGSNICLTRTDRGWYCDNAGSVSFFPQAETCKVQSNRVFCDTMNSLTLPSEINLCNVDIFNPKYDCKIMTSKTDVSSSVITSLGAIVSCYGKTKCTASNKNRGIIKTFSNGCDYVSNKGMDTVSVGNTLYYVNKQEGKSLYVKGEPIINFYDPLVFPSDEFDASISQVNEKINQSLAFIRKSDELL
【0067】
配列番号12
JEV Envelope domain III(ED3)
KGTTYGMCTEKFSFAKNPADTGHGTVVIELSYSGSDGPCKIPIVSVASLNDMTPVGRLVTVNPFVATSSANSKVLVEMEPPFGDSYIVVGRGDKQINHHWHKAG
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【配列表】
2023508893000001.app
【国際調査報告】