IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エス・エム・エス・ジーマーク・アクチエンゲゼルシャフトの特許一覧

特表2023-508899ロールスタンド内のロール構成を変更するための方法とロールユニット
<>
  • 特表-ロールスタンド内のロール構成を変更するための方法とロールユニット 図1A
  • 特表-ロールスタンド内のロール構成を変更するための方法とロールユニット 図1B
  • 特表-ロールスタンド内のロール構成を変更するための方法とロールユニット 図2A
  • 特表-ロールスタンド内のロール構成を変更するための方法とロールユニット 図2B
  • 特表-ロールスタンド内のロール構成を変更するための方法とロールユニット 図3A
  • 特表-ロールスタンド内のロール構成を変更するための方法とロールユニット 図3B
  • 特表-ロールスタンド内のロール構成を変更するための方法とロールユニット 図4
  • 特表-ロールスタンド内のロール構成を変更するための方法とロールユニット 図5
  • 特表-ロールスタンド内のロール構成を変更するための方法とロールユニット 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-06
(54)【発明の名称】ロールスタンド内のロール構成を変更するための方法とロールユニット
(51)【国際特許分類】
   B21B 31/08 20060101AFI20230227BHJP
   B21B 31/10 20060101ALI20230227BHJP
【FI】
B21B31/08 A
B21B31/10 A
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022537476
(86)(22)【出願日】2020-12-07
(85)【翻訳文提出日】2022-06-24
(86)【国際出願番号】 EP2020084786
(87)【国際公開番号】W WO2021122074
(87)【国際公開日】2021-06-24
(31)【優先権主張番号】102019220327.2
(32)【優先日】2019-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390035426
【氏名又は名称】エス・エム・エス・グループ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】プルスト・ホルガー
(72)【発明者】
【氏名】ツヴィンクマン・ローター
(72)【発明者】
【氏名】シュヴァルツ・クリストフ
(57)【要約】
本発明は、ロールスタンド内のロール構成をカセット構造に変更するための方法であって、ロールスタンドが、少なくとも2つのワークロール(3)を有し、構成変更時、ロールスタンドの少なくとも1つのワークロール(2)が、交換セットとしてのロールユニットに交換され、交換セットが、少なくとも3つの交換ロールを有し、これら交換ロールは、全てが、共通のカセット(5)内に支承され、このカセットの外形が、少なくとも部分的にそれぞれ交換すべきワークロール(3)のチョック(4)の外形に実質的に一致するものに関する。本発明は、更に、この方法を実施するための交換セットの形態のロールユニットに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロールスタンド内のロール構成を変更するための方法であって、ロールスタンドが、少なくとも2つのワークロール(3)を有し、構成変更時、ロールスタンドの少なくとも1つのワークロール(2)が、交換セットとしてのロールユニットに交換され、交換セットが、少なくとも3つの交換ロールを有し、これら交換ロールは、全てが、共通のカセット(5)内に支承され、このカセットの外形が、少なくとも部分的にそれぞれ交換すべきワークロール(3)のワークロールチョック(4)の外形に実質的に一致すること、を特徴とする方法。
【請求項2】
構成変更が、4ハイ又は6ハイロールスタンドで実施されること、を特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ワークロール(3)の交換が、その直径がそれぞれ交換すべきワークロール(3)の直径よりも小さいワークロール(3’)を有する交換セットによって実施されること、を特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
交換セットの垂直に配置された全ての交換ロールのロール直径の和が、交換すべきワークロール(3)の最大又は最小の直径にほぼ又は完全に一致すること、を特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
交換セットが、第1及び第2の補助ロール(6,7)を有すること、を特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
第1の補助ロール(6)が、交換セットのワークロール(3’)よりも大きい直径を備え、好ましくは、第2の補助ロール(7)が、交換セットのワークロール(3’)に一致する直径を備えること、を特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の方法を実施するための交換セットとしてのロールユニットであって、このロールユニットが、ワークロール(3’)と第1及び第2の補助ロール(6,7)を有し、これらロールが、共通のカセット(5)内に支承され、カセット(5)が、ワークロール(3’)と補助ロール(6,7)用の2つの軸受ハウジングを有し、これら軸受ハウジングが、それぞれ、ロールスタンドのワークロールチョック(4)の外形に実質的に一致する外形を備えること、を特徴とするロールユニット。
【請求項8】
ワークロール(3’)と第1及び第2の補助ロール(6,7)が、カセット(5)の取付け位置で垂直に上下に配置されていること、を特徴とする請求項7に記載のロールユニット。
【請求項9】
交換セットの第2の補助ロール(7)とワークロール(3’)が、ほぼ同じ直径を備えること、を特徴とする請求項7又は8に記載のロールユニット。
【請求項10】
第1の補助ロール(6)が、交換セットのワークロール(3’)よりも大きい直径を備えること、を特徴とする請求項7~9のいずれか1項に記載のロールユニット。
【請求項11】
第1の補助ロール(6)が被動であること、を特徴とする請求項7~10のいずれか1項に記載のロールユニット。
【請求項12】
交換セットが、ワークロール(3’)及び/又は第1及び第2の補助ロール(6,7)を横から支持する支持ローラ(8)及び/又は支持軸受を有すること、を特徴とする請求項7~11のいずれか1項に記載のロールユニット。
【請求項13】
交換セットの被動のロールが、駆動ジャーナルアダプタ(9)を備えていること、を特徴とする請求項7~12のいずれか1項に記載のロールユニット。
【請求項14】
カセット(5)が、縦方向中心軸を中心として回転対称に形成されていること、を特徴とする請求項7~13のいずれか1項に記載のロールユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロールスタンド内のロール構成を変更するための方法に関する。本発明は、更に、この方法を実施するための交換セットとしてのロールユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
金属の平板製品を圧延するため、ストリップ厚さ縮小が特に重要である。このために必要な成形機は、水平ロールスタンドもしくはロールスタンドと呼ばれる。ロールスタンドは、熱間ストリップへのスラブの熱間圧延時及び冷間ストリップの冷間圧延のために使用される。この場合、寸法、ロール数及びロール配置に関して並びに技術的調整システムの装備に関して並びにロール冷却及びロール潤滑に関して異なる種々のロールスタンドが使用される。
【0003】
通常は、スタンド構造は、ロールの数と配置に応じて区別される。おそらく最も頻繁に使用されるスタンド構造は、2つのワークロールと2つのバックアップロールを備えるいわゆる4段ロールスタンド(クアトロ、4ハイミル)である。6段ロールスタンド(ゼクスト、6ハイミル)は、特に高い品質要求の高強度鋼を冷間圧延するためにしばしば選択される。これら6段ロールスタンドは、付加的な中間ロール及び場合によっては関連する支持装置を有する。同様に、比較的小さい直径を有するワークロールを備える18段ロールスタンド及び20段ロールスタンド(マルチロールスタンド、例えば18ハイミル)も普及している。これらロールスタンドは、高強度鋼を冷間圧延するために考慮される。
【0004】
ロールスタンドは、通常は、関連するワークロールチョックを有するワークロール対と、ワークロール曲げ装置及びワークロールシフト装置によってワークロールチョックをガイドするためのブロックと、関連するバックアップロールチョックを有するバックアップロール対と、ロールギャップ、即ち上のワークロールと下のワークロールの間のギャップを設定/調整するための圧下調整システムと、圧延荷重を測定するための荷重測定装置と、ロールハウジングと、駆動システムと、ワークロール冷却潤滑装置と、圧延材をガイドするための装置を有する。
【0005】
特殊な合金を有する鋼及び高強度等級の鋼を圧延するためには、金属ストリップのために要求される最終厚さを達成するために、小さいワークロール直径の使用が必要である。マルチロールスタンドは、小さい直径を有する相応のワークロールを備えるが、これら直径は、圧延材の許容可能な入側に関して限定されている。このような平板製品は、大抵は、圧延トレインの残りの生産の比較的小さい部分しか構成しないので、必要に応じて換装される4段ロールスタンド又は6段ロールスタンドだけがしばしば使用される。換装は、費用がかかる。
【0006】
金属ストリップを圧延するためのマルチロールスタンドの形態の典型的なロールスタンドは、例えば国際公開第2004052568号パンフレットから知られている。
【0007】
欧州特許第2451592号明細書から、換装時間を最小にしつつ1つのロールスタンドで種々の操作モード及びロール直径で圧延することができる4ハイ/6ハイ/18HSロールスタンドが知られている。この場合、4ハイ/6ハイスタンドのワークロールセットが、横の支持ローラを含めた中間ロールセットと、カセット構造の18HSスタンドのワークロールと、に交換されることが企図されている。4ハイ又は6ハイ構成からのマルチロールスタンドへのこのような改造は、比較的費用がかかる。基本的に乾燥時間を最小化するカセット構造にもかかわらず、駆動系、曲げ及びシフトシステム等を換装することが必要である。ロール構成の変更時、まず、中間ロールセットを導入する必要があり、次いで、小さい直径を有する新しいワークロールを導入する必要がある。
【0008】
別の従来技術は、米国特許第2039959号明細書、仏国特許出願公開第284657号明細書、特開昭05-228504号公報、米国特許第7481089号明細書及び米国特許出願公開第20060010951号明細書から知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】国際公開第2004052568号パンフレット
【特許文献2】欧州特許第2451592号明細書
【特許文献3】米国特許第2039959号明細書
【特許文献4】仏国特許出願公開第284657号明細書
【特許文献5】特開昭05-228504号公報
【特許文献6】米国特許第7481089号明細書
【特許文献7】米国特許出願公開第20060010951号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の根底にある課題は、最小限の換装費用で大きい直径を有するワークロールからより小さい直径を有するワークロールへロールスタンドを改造することを可能にするロール構成を変更するための方法及び装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
課題は、請求項1による方法の特徴と、請求項7によるロールユニットの特徴によって解決される。
【0012】
本発明の有利な形態は、従属請求項からわかる。
【0013】
本発明の見地によれば、ロールスタンド内のロール構成を変更するための方法は、好ましくは、ロールスタンドの少なくとも1つのワークロールが、交換セットとしてのロールユニットに置換され、交換セットが、少なくとも3つの交換ロールを有し、これら交換ロールが、共通のカセット内に支承され、このカセットの外形が、少なくとも部分的に交換すべきワークロールのチョックの外形に実質的に一致する、ロールスタンド内に提供される。これにより、別の改造措置を講じることなくカセットを換装すべきロールスタンドのロールハウジング内に取り付けることが可能である。
【0014】
本発明の意味のカセットとは、複数のロール又はローラを同時に軸受けするためのモジュールユニットと理解すべきである。
【0015】
本発明によるカセットは、交換セットのロール用の2つの軸受ハウジングと、必要な支持ローラ及び/又は支持軸受を有する。軸受ハウジングの外形は、取り外すべきワークロールチョックの外形に十分又は完全に一致するので、ワークロール変更のような構成変更は、数分以内に行なうことができる。
【0016】
ワークロールチョックとは、一般に、ロールスタンドに適合するワークロール用の軸受ハウジングであると理解する。
【0017】
好ましくは、交換セットのちょうど3つのロールと、付加的に必要な支持ローラ及び/又は支持軸受が、共に唯一のカセット内に支承されている。
【0018】
好ましくは、構成変更が、4ハイ又は6ハイロールスタンドで実施される。ワークロールの交換は、その直径がそれぞれ交換すべきワークロールの直径よりも小さいワークロールを有する交換セットによって実施することができる。
【0019】
本発明の範囲内で、前記構成変更は、デュオスタンド(2ハイ)で行なうこともできるので、このデュオスタンドは、次に、マルチロールスタンドに換装することができる。
【0020】
好ましくは、本発明による方法の場合、全てのワークロールが交換されるが、本発明の範囲内で、1つのワークロールしか対応するカセットに交換しないことも企図され得る。
【0021】
本発明による方法の好ましいバリエーションの場合、交換セットの全ての交換ロールのロール直径の和が、それぞれ交換すべきワークロールの最大又は最小の直径に一致すること、が企図されている。
【0022】
合目的に、交換セットが、少なくとも、第1及び第2の補助ロールを有し、好ましくは、第1の補助ロールが、交換セットのワークロールよりも大きい直径を備え、好ましくは、第2の補助ロールが、交換セットのワークロールに一致する直径を備える。
【0023】
本発明によるロールユニットは、合目的に、ワークロールと第1及び第2の補助ロールを有し、これらロールが、共通のカセット内に配置されている。この場合、補助ロールは、垂直なバックアップロールの機能を担う。本発明の意味の3重構成は、1つのワークロールと2つの補助ロールを有し、この場合、ワークロール及び/又は補助ロールを横からガイドするための必要な支持ロール及び/又は支持軸受は考慮されていない。
【0024】
本発明の範囲内で、このような3重構成も、横の支持ロール及び/又は支持軸受を有する。
【0025】
本発明の合目的な構成の場合、カセットが、ワークロールと補助ロール用の2つの軸受ハウジングを有し、これら軸受ハウジングが、それぞれ、ロールスタンドのワークロールチョックの外形に実質的に一致する外形を備えること、が企図されている。
【0026】
ワークロールと第1及び第2の補助ロールは、カセットの取付け位置で垂直に上下に配置されている。交換セットの第2の補助ロールとワークロールは、ほぼ同じ直径を備えることができる。好ましくは、第1の補助ロールは、交換セットのワークロールよりも大きい直径を備える。第1の補助ロールは、例えば、交換セットの被動のロールであり得る。
【0027】
前で既に述べたように、交換セットは、ワークロール及び/又は第1及び第2の補助ロールを横から支持する支持ローラ及び/又は支持軸受を有することができる。
【0028】
合目的に、交換セットの被動のロールは、駆動ジャーナルアダプタを備えている。駆動ジャーナルアダプタは、既存の駆動スピンドルのカップリング部に適合するように補助ロールのカップリングスリーブ直径を拡大する。
【0029】
好ましくは、カセットは、取り付け位置で水平な平面に対して対称もしくは被動の補助ロールの縦軸を中心として回転対称に形成されている。これにより、カセットを必要に応じて縦軸を中心として180°回転させて取り付けることが可能であるので、その場合は、例えば交換セットの第2の補助ロールと交換セットのワークロールの位置、又は、第1及び第2の補助ロールの位置を入れ替えることができる。これにより、摩耗に起因する後加工を遅らせることが可能である。
【0030】
カセットの対称構造により、上及び下のカセットの互いの交換も行なうことができる。
【0031】
本発明によるロールユニットは、有利には、シングルスタンドと、マルチスタンドを有する圧延設備の両方に対して、ワンウエイモードとリバーシングモードの両方で使用することができる。本発明による方法とロールユニットの両方が、特別なやり方で新規設備に装備する以外に、既存の圧延設備の改造又はアップグレードにも適している。
【0032】
本発明を、以下で図面に図示した実施例により説明する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1A】従来技術により換装された4ハイ又は6ハイロール構成の概略図
図1B】ワークロールが本発明によるそれぞれ1つの交換セットによって置換された、図1Aに図示したロール構成の概略図
図2A】ワークロールの駆動装置が概略的に図示された、図1Aに対応する概略図
図2B】交換セットもしくはカセットの駆動装置が概略的に図示された、図1Bに対応する図
図3A】ザックアップロールもしくは中間ロールが被動である、従来技術により換装された4ハイ又は6ハイロール構成の概略図
図3B図3Aによる配置のワークロールが本発明による交換セットもしくはカセットによって置換された、図3Aに示したロール構成の概略図
図4】オプションの支持ローラを含めた本発明による交換セットもしくはカセットの概略図
図5図4の線V-Vに沿った断面図
図6図4の線VI-VIに沿った断面図
【発明を実施するための形態】
【0034】
まず、図1A及び1Bを参照する。そこには、4ハイ又は6ハイ構成のロールスタンド1が図示されている。6ハイ構成の垂直なバックアップロール2’は、破線で示されている。本発明に関する以下の説明は、ロールスタンド1の可能な両構成に適用される。
【0035】
ロールスタンド1は、最も単純な場合、4ハイ構成として垂直な2つのバックアップロール2とその間に2つのワークロール3を有し、これらワークロールは、それぞれワークロールチョック4内に支承されている。
【0036】
本発明によれば、小さいワークロール直径を有する構成へのロールスタンド1の換装時、ワークロール3は、それぞれ、比較的小さい直径を有するワークロール3’、第1の補助ロール6及び第2の補助ロール7を有するカセット5によって置換される。カセット5は、更に、第1の軸受ハウジング5Aと第2の軸受ハウジング5Bを有し、これら軸受ハウジングは、それぞれワークロール3’と補助ロール6,7の終端を収容する。軸受ハウジングの形状は、実質的にワークロールチョック4の形状にそれぞれ一致するので、当該ワークロール3は、関連するワークロールチョック4と共に、別の換装又は改造措置を講じることなく交換することができる。図1Aによる構成の両ワークロール3は、それぞれカセット5によって置換される。即ち、図1Aの構成から図1Bによる構成にロールスタンド1を乾燥するため、全部で2つのカセット5の提供が必要である。
【0037】
図2A及び2Bによる実施例は、実質的に図1A及び1Bによる実施例に一致するが、ここでは、交換セットのない構成では、それぞれワークロール3が被動であり、交換セットのある構成では、それぞれ第1の補助ロール6が被動であることが企図されている。この場では、全ての実施例で同じ部品が同じ符号を備えていることを強調しておく。
【0038】
カセット5の垂直に配置された全てのロールの直径の和は、交換すべき被動のワークロール3の直径にほぼ一致する。カセット5の構造に関して、特に図4を参照する。図4からわかるように、カセット5は、比較的小さいワークロール3’と、その上にワークロール3’と一直線に垂直に配置された被動の第1の補助ロール6と、その上に一直線に配置された第2の補助ロール7を有し、この第2の補助ロールの直径は、ワークロール3’の直径にほぼ一致する。好ましくは、ワークロール3’と第2の補助ロール7は、同じ直径を備える。図4に図示したカセット5は、被動の補助ロール6の縦方向中心軸に対して回転対称に形成されている。一直線に垂直に配置されたロールのそれぞれは、それぞれ支持ローラ8によって横から支持されている。
【0039】
6ハイ構成のワークロール3の直径は、例えば約470~430mmとすることができ、これに対して、交換セットのワークロール3’の直径は、例えば140~120mmの直径を備えることができる。第1の補助ロール6は、例えば190~180mmの直径を備えることができ、これに対して、第2の補助ロール7の直径は、好ましくは交換セットのワークロール3’の直径に一致する。支持ローラ8は、例えば約120mmの直径を備えることができる。本発明によるロールユニットによって達成可能な圧延速度は、約100~2500m/minの間、好ましくは約1000~1500m/minの間の範囲内とすることができる。
【0040】
図2,4及び6からわかるように、本発明によるロールユニットの好ましいバリエーションの場合、第1の補助ロール6が被動のロールとして形成されていることが企図されている。このため、この第1の補助ロールは、図6からわかるように、一端に駆動ジャーナルアダプタ9を備えており、この駆動ジャーナルアダプタは、第1の補助ロール6のカップリングスリーブ10の直径を、駆動スピンドルの図示してないロール側のカップリング部に適合するように拡大する。これにより、交換すべきワークロールの駆動ジャーナルが通常は、伝達すべき駆動トルクに適合させた直径を備える状況が考慮される。
【0041】
本発明の図3A及び3Bに示したバリエーションの場合、中間ロール2がそれぞれ被動であることを企図することができる。この場合、換装すべきロール構成のワークロール3は、被動でない。従って、カセット5の形態の3重構成として設けられた交換セットを駆動することは必要ない。
【符号の説明】
【0042】
1 ロールスタンド
2 4ハイ構成のバックアップロールもしくは6ハイ構成の中間ロール
2’ 6ハイ構成のバックアップロール
3 換装すべきロールスタンドのワークロール
3’ 交換セットのワークロール
4 ワークロールチョック
5 カセット
5A 第1の軸受ハウジング
5B 第2の軸受ハウジング
6 第1の補助ロール
7 第2の補助ロール
8 支持ローラ
9 駆動ジャーナルアダプタ
10 カップリングスリーブ
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2021-07-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロールスタンド内のロール構成を変更するための方法に関する。本発明は、更に、この方法を実施するための交換セットとしてのロールユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
金属の平板製品を圧延するため、ストリップ厚さ縮小が特に重要である。このために必要な成形機は、水平ロールスタンドもしくはロールスタンドと呼ばれる。ロールスタンドは、熱間ストリップへのスラブの熱間圧延時及び冷間ストリップの冷間圧延のために使用される。この場合、寸法、ロール数及びロール配置に関して並びに技術的調整システムの装備に関して並びにロール冷却及びロール潤滑に関して異なる種々のロールスタンドが使用される。
【0003】
通常は、スタンド構造は、ロールの数と配置に応じて区別される。おそらく最も頻繁に使用されるスタンド構造は、2つのワークロールと2つのバックアップロールを備えるいわゆる4段ロールスタンド(クアトロ、4ハイミル)である。6段ロールスタンド(ゼクスト、6ハイミル)は、特に高い品質要求の高強度鋼を冷間圧延するためにしばしば選択される。これら6段ロールスタンドは、付加的な中間ロール及び場合によっては関連する支持装置を有する。同様に、比較的小さい直径を有するワークロールを備える18段ロールスタンド及び20段ロールスタンド(マルチロールスタンド、例えば18ハイミル)も普及している。これらロールスタンドは、高強度鋼を冷間圧延するために考慮される。
【0004】
ロールスタンドは、通常は、関連するワークロールチョックを有するワークロール対と、ワークロール曲げ装置及びワークロールシフト装置によってワークロールチョックをガイドするためのブロックと、関連するバックアップロールチョックを有するバックアップロール対と、ロールギャップ、即ち上のワークロールと下のワークロールの間のギャップを設定/調整するための圧下調整システムと、圧延荷重を測定するための荷重測定装置と、ロールハウジングと、駆動システムと、ワークロール冷却潤滑装置と、圧延材をガイドするための装置を有する。
【0005】
特殊な合金を有する鋼及び高強度等級の鋼を圧延するためには、金属ストリップのために要求される最終厚さを達成するために、小さいワークロール直径の使用が必要である。マルチロールスタンドは、小さい直径を有する相応のワークロールを備えるが、これら直径は、圧延材の許容可能な入側に関して限定されている。このような平板製品は、大抵は、圧延トレインの残りの生産の比較的小さい部分しか構成しないので、必要に応じて換装される4段ロールスタンド又は6段ロールスタンドだけがしばしば使用される。換装は、費用がかかる。
【0006】
金属ストリップを圧延するためのマルチロールスタンドの形態の典型的なロールスタンドは、例えば国際公開第2004052568号パンフレットから知られている。
【0007】
欧州特許第2451592号明細書から、換装時間を最小にしつつ1つのロールスタンドで種々の操作モード及びロール直径で圧延することができる4ハイ/6ハイ/18HSロールスタンドが知られている。この場合、4ハイ/6ハイスタンドのワークロールセットが、横の支持ローラを含めた中間ロールセットと、カセット構造の18HSスタンドのワークロールと、に交換されることが企図されている。4ハイ又は6ハイ構成からのマルチロールスタンドへのこのような改造は、比較的費用がかかる。基本的に乾燥時間を最小化するカセット構造にもかかわらず、駆動系、曲げ及びシフトシステム等を換装することが必要である。ロール構成の変更時、まず、中間ロールセットを導入する必要があり、次いで、小さい直径を有する新しいワークロールを導入する必要がある。
【0008】
別の従来技術は、米国特許第2039959号明細書、仏国特許出願公開第284657号明細書、特開昭05-228504号公報、米国特許第7481089号明細書及び米国特許出願公開第20060010951号明細書から知られている。
【0009】
請求項1の前段部分による方法及び装置は、特開昭55-027473号公報から知られている。別の従来技術は、米国特許第2039959号明細書から知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】国際公開第2004052568号パンフレット
【特許文献2】欧州特許第2451592号明細書
【特許文献3】米国特許第2039959号明細書
【特許文献4】仏国特許出願公開第284657号明細書
【特許文献5】特開昭05-228504号公報
【特許文献6】米国特許第7481089号明細書
【特許文献7】米国特許出願公開第20060010951号明細書
【特許文献8】特開昭55-027473号公報
【特許文献9】米国特許第2039959号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の根底にある課題は、最小限の換装費用で大きい直径を有するワークロールからより小さい直径を有するワークロールへロールスタンドを改造することを可能にするロール構成を変更するための方法及び装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
課題は、請求項1による方法の特徴と、請求項によるロールユニットの特徴によって解決される。
【0013】
本発明の有利な形態は、従属請求項からわかる。
【0014】
本発明の見地によれば、ロールスタンド内のロール構成を変更するための方法は、好ましくは、ロールスタンドの少なくとも1つのワークロールが、交換セットとしてのロールユニットに置換され、交換セットが、少なくとも3つの交換ロールを有し、これら交換ロールが、共通のカセット内に支承され、このカセットの外形が、少なくとも部分的に交換すべきワークロールのチョックの外形に実質的に一致する、ロールスタンド内に提供される。これにより、別の改造措置を講じることなくカセットを換装すべきロールスタンドのロールハウジング内に取り付けることが可能である。
【0015】
本発明の意味のカセットとは、複数のロール又はローラを同時に軸受けするためのモジュールユニットと理解すべきである。
【0016】
本発明によるカセットは、交換セットのロール用の2つの軸受ハウジングと、必要な支持ローラ及び/又は支持軸受を有する。軸受ハウジングの外形は、取り外すべきワークロールチョックの外形に十分又は完全に一致するので、ワークロール変更のような構成変更は、数分以内に行なうことができる。
【0017】
ワークロールチョックとは、一般に、ロールスタンドに適合するワークロール用の軸受ハウジングであると理解する。
【0018】
好ましくは、交換セットのちょうど3つのロールと、付加的に必要な支持ローラ及び/又は支持軸受が、共に唯一のカセット内に支承されている。
【0019】
好ましくは、構成変更が、4ハイ又は6ハイロールスタンドで実施される。ワークロールの交換は、その直径がそれぞれ交換すべきワークロールの直径よりも小さいワークロールを有する交換セットによって実施することができる。
【0020】
本発明の範囲内で、前記構成変更は、デュオスタンド(2ハイ)で行なうこともできるので、このデュオスタンドは、次に、マルチロールスタンドに換装することができる。
【0021】
好ましくは、本発明による方法の場合、全てのワークロールが交換されるが、本発明の範囲内で、1つのワークロールしか対応するカセットに交換しないことも企図され得る。
【0022】
本発明による方法の好ましいバリエーションの場合、交換セットの全ての交換ロールのロール直径の和が、それぞれ交換すべきワークロールの最大又は最小の直径に一致すること、が企図されている。
【0023】
合目的に、交換セットが、少なくとも、第1及び第2の補助ロールを有し、好ましくは、第1の補助ロールが、交換セットのワークロールよりも大きい直径を備え、好ましくは、第2の補助ロールが、交換セットのワークロールに一致する直径を備える。
【0024】
本発明によるロールユニットは、合目的に、ワークロールと第1及び第2の補助ロールを有し、これらロールが、共通のカセット内に配置されている。この場合、補助ロールは、垂直なバックアップロールの機能を担う。本発明の意味の3重構成は、1つのワークロールと2つの補助ロールを有し、この場合、ワークロール及び/又は補助ロールを横からガイドするための必要な支持ロール及び/又は支持軸受は考慮されていない。
【0025】
本発明の範囲内で、このような3重構成も、横の支持ロール及び/又は支持軸受を有する。
【0026】
本発明の合目的な構成の場合、カセットが、ワークロールと補助ロール用の2つの軸受ハウジングを有し、これら軸受ハウジングが、それぞれ、ロールスタンドのワークロールチョックの外形に実質的に一致する外形を備えること、が企図されている。
【0027】
ワークロールと第1及び第2の補助ロールは、カセットの取付け位置で垂直に上下に配置されている。交換セットの第2の補助ロールとワークロールは、ほぼ同じ直径を備えることができる。好ましくは、第1の補助ロールは、交換セットのワークロールよりも大きい直径を備える。第1の補助ロールは、例えば、交換セットの被動のロールであり得る。
【0028】
前で既に述べたように、交換セットは、ワークロール及び/又は第1及び第2の補助ロールを横から支持する支持ローラ及び/又は支持軸受を有することができる。
【0029】
合目的に、交換セットの被動のロールは、駆動ジャーナルアダプタを備えている。駆動ジャーナルアダプタは、既存の駆動スピンドルのカップリング部に適合するように補助ロールのカップリングスリーブ直径を拡大する。
【0030】
好ましくは、カセットは、取り付け位置で水平な平面に対して対称もしくは被動の補助ロールの縦軸を中心として回転対称に形成されている。これにより、カセットを必要に応じて縦軸を中心として180°回転させて取り付けることが可能であるので、その場合は、例えば交換セットの第2の補助ロールと交換セットのワークロールの位置、又は、第1及び第2の補助ロールの位置を入れ替えることができる。これにより、摩耗に起因する後加工を遅らせることが可能である。
【0031】
カセットの対称構造により、上及び下のカセットの互いの交換も行なうことができる。
【0032】
本発明によるロールユニットは、有利には、シングルスタンドと、マルチスタンドを有する圧延設備の両方に対して、ワンウエイモードとリバーシングモードの両方で使用することができる。本発明による方法とロールユニットの両方が、特別なやり方で新規設備に装備する以外に、既存の圧延設備の改造又はアップグレードにも適している。
【0033】
本発明を、以下で図面に図示した実施例により説明する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1A】従来技術により換装された4ハイ又は6ハイロール構成の概略図
図1B】ワークロールが本発明によるそれぞれ1つの交換セットによって置換された、図1Aに図示したロール構成の概略図
図2A】ワークロールの駆動装置が概略的に図示された、図1Aに対応する概略図
図2B】交換セットもしくはカセットの駆動装置が概略的に図示された、図1Bに対応する図
図3A】ザックアップロールもしくは中間ロールが被動である、従来技術により換装された4ハイ又は6ハイロール構成の概略図
図3B図3Aによる配置のワークロールが本発明による交換セットもしくはカセットによって置換された、図3Aに示したロール構成の概略図
図4】オプションの支持ローラを含めた本発明による交換セットもしくはカセットの概略図
図5図4の線V-Vに沿った断面図
図6図4の線VI-VIに沿った断面図
【発明を実施するための形態】
【0035】
まず、図1A及び1Bを参照する。そこには、4ハイ又は6ハイ構成のロールスタンド1が図示されている。6ハイ構成の垂直なバックアップロール2’は、破線で示されている。本発明に関する以下の説明は、ロールスタンド1の可能な両構成に適用される。
【0036】
ロールスタンド1は、最も単純な場合、4ハイ構成として垂直な2つのバックアップロール2とその間に2つのワークロール3を有し、これらワークロールは、それぞれワークロールチョック4内に支承されている。
【0037】
本発明によれば、小さいワークロール直径を有する構成へのロールスタンド1の換装時、ワークロール3は、それぞれ、比較的小さい直径を有するワークロール3’、第1の補助ロール6及び第2の補助ロール7を有するカセット5によって置換される。カセット5は、更に、第1の軸受ハウジング5Aと第2の軸受ハウジング5Bを有し、これら軸受ハウジングは、それぞれワークロール3’と補助ロール6,7の終端を収容する。軸受ハウジングの形状は、実質的にワークロールチョック4の形状にそれぞれ一致するので、当該ワークロール3は、関連するワークロールチョック4と共に、別の換装又は改造措置を講じることなく交換することができる。図1Aによる構成の両ワークロール3は、それぞれカセット5によって置換される。即ち、図1Aの構成から図1Bによる構成にロールスタンド1を乾燥するため、全部で2つのカセット5の提供が必要である。
【0038】
図2A及び2Bによる実施例は、実質的に図1A及び1Bによる実施例に一致するが、ここでは、交換セットのない構成では、それぞれワークロール3が被動であり、交換セットのある構成では、それぞれ第1の補助ロール6が被動であることが企図されている。この場では、全ての実施例で同じ部品が同じ符号を備えていることを強調しておく。
【0039】
カセット5の垂直に配置された全てのロールの直径の和は、交換すべき被動のワークロール3の直径にほぼ一致する。カセット5の構造に関して、特に図4を参照する。図4からわかるように、カセット5は、比較的小さいワークロール3’と、その上にワークロール3’と一直線に垂直に配置された被動の第1の補助ロール6と、その上に一直線に配置された第2の補助ロール7を有し、この第2の補助ロールの直径は、ワークロール3’の直径にほぼ一致する。好ましくは、ワークロール3’と第2の補助ロール7は、同じ直径を備える。図4に図示したカセット5は、被動の補助ロール6の縦方向中心軸に対して回転対称に形成されている。一直線に垂直に配置されたロールのそれぞれは、それぞれ支持ローラ8によって横から支持されている。
【0040】
6ハイ構成のワークロール3の直径は、例えば約470~430mmとすることができ、これに対して、交換セットのワークロール3’の直径は、例えば140~120mmの直径を備えることができる。第1の補助ロール6は、例えば190~180mmの直径を備えることができ、これに対して、第2の補助ロール7の直径は、好ましくは交換セットのワークロール3’の直径に一致する。支持ローラ8は、例えば約120mmの直径を備えることができる。本発明によるロールユニットによって達成可能な圧延速度は、約100~2500m/minの間、好ましくは約1000~1500m/minの間の範囲内とすることができる。
【0041】
図2,4及び6からわかるように、本発明によるロールユニットの好ましいバリエーションの場合、第1の補助ロール6が被動のロールとして形成されていることが企図されている。このため、この第1の補助ロールは、図6からわかるように、一端に駆動ジャーナルアダプタ9を備えており、この駆動ジャーナルアダプタは、第1の補助ロール6のカップリングスリーブ10の直径を、駆動スピンドルの図示してないロール側のカップリング部に適合するように拡大する。これにより、交換すべきワークロールの駆動ジャーナルが通常は、伝達すべき駆動トルクに適合させた直径を備える状況が考慮される。
【0042】
本発明の図3A及び3Bに示したバリエーションの場合、中間ロール2がそれぞれ被動であることを企図することができる。この場合、換装すべきロール構成のワークロール3は、被動でない。従って、カセット5の形態の3重構成として設けられた交換セットを駆動することは必要ない。
【符号の説明】
【0043】
1 ロールスタンド
2 4ハイ構成のバックアップロールもしくは6ハイ構成の中間ロール
2’ 6ハイ構成のバックアップロール
3 換装すべきロールスタンドのワークロール
3’ 交換セットのワークロール
4 ワークロールチョック
5 カセット
5A 第1の軸受ハウジング
5B 第2の軸受ハウジング
6 第1の補助ロール
7 第2の補助ロール
8 支持ローラ
9 駆動ジャーナルアダプタ
10 カップリングスリーブ
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロールスタンド内のロール構成を変更するための方法であって、ロールスタンドが、少なくとも2つのワークロール(3)を有し、構成変更時、ロールスタンドの少なくとも1つのワークロール(2)が、交換セットとしてのロールユニットに交換され、交換セットが、少なくとも3つの交換ロールを有し、これら交換ロールは、全てが、共通のカセット(5)内に支承され、このカセットの外形が、少なくとも部分的にそれぞれ交換すべきワークロール(3)のワークロールチョック(4)の外形に実質的に一致するものにおいて、
交換セットが、第1及び第2の補助ロール(6,7)とワークロール(3’)を有すること、及び、交換セットのワークロール(3’)と第1及び第2の補助ロール(6,7)が、カセット(5)の取付け位置で垂直に上下に配置されていること、を特徴とする方法。
【請求項2】
構成変更が、4ハイ又は6ハイロールスタンドで実施されること、を特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ワークロール(3)の交換が、その直径がそれぞれ交換すべきワークロール(3)の直径よりも小さいワークロール(3’)を有する交換セットによって実施されること、を特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
交換セットの垂直に配置された全ての交換ロールのロール直径の和が、交換すべきワークロール(3)の最大又は最小の直径にほぼ又は完全に一致すること、を特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
第1の補助ロール(6)が、交換セットのワークロール(3’)よりも大きい直径を備え、好ましくは、第2の補助ロール(7)が、交換セットのワークロール(3’)に一致する直径を備えること、を特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
少なくとも2つのワークロール(3)を有するロールスタンド内のロール構成を変更するための交換セットとしての、請求項1~のいずれか1項に記載の方法を実施するためロールユニットであって、構成変更時、ロールスタンドの少なくとも1つのワークロール(2)が、交換セットとしてのロールユニットに交換され、このロールユニットが、ワークロール(3’)と第1及び第2の補助ロール(6,7)を有し、これらロールが、共通のカセット(5)内に支承され、カセット(5)が、ワークロール(3’)と補助ロール(6,7)用の2つの軸受ハウジングを有し、これら軸受ハウジングが、それぞれ、ロールスタンドのワークロールチョック(4)の外形に実質的に一致する外形を備え、ワークロール(3’)と第1及び第2の補助ロール(6,7)が、カセット(5)の取付け位置で垂直に上下に配置されていること、を特徴とするロールユニット。
【請求項7】
交換セットの第2の補助ロール(7)とワークロール(3’)が、ほぼ同じ直径を備えること、を特徴とする請求項に記載のロールユニット。
【請求項8】
第1の補助ロール(6)が、交換セットのワークロール(3’)よりも大きい直径を備えること、を特徴とする請求項6又は7に記載のロールユニット。
【請求項9】
第1の補助ロール(6)が被動であること、を特徴とする請求項のいずれか1項に記載のロールユニット。
【請求項10】
交換セットが、ワークロール(3’)及び/又は第1及び第2の補助ロール(6,7)を横から支持する支持ローラ(8)及び/又は支持軸受を有すること、を特徴とする請求項のいずれか1項に記載のロールユニット。
【請求項11】
交換セットの被動のロールが、駆動ジャーナルアダプタ(9)を備えていること、を特徴とする請求項10のいずれか1項に記載のロールユニット。
【請求項12】
カセット(5)が、縦方向中心軸を中心として回転対称に形成されていること、を特徴とする請求項11のいずれか1項に記載のロールユニット。
【国際調査報告】