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特表2023-508946自宅ベースの眼科用途のための光干渉断層撮影患者整列システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-06
(54)【発明の名称】自宅ベースの眼科用途のための光干渉断層撮影患者整列システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 3/10 20060101AFI20230227BHJP
【FI】
A61B3/10 100
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022538931
(86)(22)【出願日】2020-09-02
(85)【翻訳文提出日】2022-08-10
(86)【国際出願番号】 US2020070486
(87)【国際公開番号】W WO2021134087
(87)【国際公開日】2021-07-01
(31)【優先権主張番号】62/953,827
(32)【優先日】2019-12-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.FIREWIRE
(71)【出願人】
【識別番号】520501023
【氏名又は名称】アキュセラ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】窪田 良
(72)【発明者】
【氏名】ブシェミ, フィリップ エム.
【テーマコード(参考)】
4C316
【Fターム(参考)】
4C316AA01
4C316AA03
4C316AA06
4C316AA09
4C316AA13
4C316AA25
4C316AB02
4C316AB06
4C316AB11
4C316AB16
4C316FA04
4C316FA06
4C316FA07
4C316FA09
4C316FA18
4C316FB29
4C316FC01
4C316FY01
4C316FY10
(57)【要約】
網膜データを測定するための改良された光干渉断層撮影のシステムおよび方法が、提示される。システムは、小型であり、自宅内監視を提供し、患者が自身を測定することを可能にするための自動化を有し得る。一実施形態において、眼の網膜を測定するための光干渉断層撮影(OCT)システムは、測定ビームを発生させるための光源と、複数の光学要素と、検出器とを備えているOCT干渉計と、固視標的と、複数の光学要素および固視標的に動作可能に結合されたプロセッサとを備え、プロセッサは、網膜から反射される前記光ビームの強度に応答して、前記眼の屈折誤差を補償する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼の網膜を測定するための光干渉断層撮影(OCT)システムであって、前記OCTシステムは、
測定ビームを発生させるための光源と、複数の光学要素と、検出器とを備えているOCT干渉計と、
固視標的と、
前記複数の光学要素および前記固視標的に動作可能に結合されたプロセッサと
を備え、
前記プロセッサは、前記網膜から反射される前記光ビームの強度に応答して、前記眼の屈折誤差を補償する、OCTシステム。
【請求項2】
眼の網膜を測定するための光干渉断層撮影(OCT)システムであって、前記OCTシステムは、
OCT干渉計であって、前記OCT干渉計は、検出器と、1つ以上の光ビームを発生させるように構成された光源のうちの1つ以上を備えている光源と、前記光源に結合された複数の光学要素とを備え、前記複数の光学要素は、前記1つ以上の光ビームを前記網膜に方向付け、前記検出器において干渉信号を発生させる、OCT干渉計と、
固視標的と、
3軸平行移動ステージであって、前記3軸平行移動ステージは、前記OCT干渉計の位置への前記眼に対して前記複数の光学要素および前記固視標的を平行移動させ、前記眼の屈折誤差を補償する、3軸平行移動ステージと、
プロセッサと
を備え、
前記プロセッサは、前記網膜から反射された前記1つ以上の光ビームの強度に応答して、前記眼の屈折誤差を補償するために、前記複数の光学要素および前記固視標的を位置付けるための前記3軸平行移動ステージに動作可能に結合されている、OCTシステム。
【請求項3】
ピーク強度は、前記検出器を用いて測定された前記網膜から反射された光のピーク強度を備え、随意に、前記ピーク強度は、前記OCT干渉計の測定アームと参照アームとの間の干渉を測定することなく、前記検出器を用いて測定されたピークを備えている、請求項2に記載のOCTシステム。
【請求項4】
前記複数の光学要素は、前記3軸平行移動ステージを用いて支持されたレンズを備え、前記レンズは、前記屈折誤差を補正するために、前記3軸平行移動ステージに対する第4軸に沿った移動を伴って、前記3軸平行移動ステージに結合されている、請求項2に記載のOCTシステム。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記3軸平行移動ステージの1つ以上の軸に沿った前記固視標的の移動に応答して、前記レンズから前記眼の角膜までの頂点間距離を実質的に固定するために前記第4軸に沿って前記レンズを平行移動させるための命令で構成されている、請求項4に記載のOCTシステム。
【請求項6】
前記OCT干渉計は、参照アームと、測定アームとを備え、前記測定アームは、前記測定アームの光路に沿ってレンズの方に向けられた端部を備えている光ファイバを備え、前記端部および前記レンズは、前記3軸平行移動ステージ上で平行移動するように構成されている、請求項5に記載のOCTシステム。
【請求項7】
前記端部および前記レンズは、光路差に応答して前記端部および前記レンズを移動させるために前記プロセッサに動作可能に結合され、前記端部および前記レンズは、前記測定アームと前記参照アームとの間の前記光路差を補正するために第5の軸に沿って移動するように、前記3軸平行移動ステージに結合されている、請求項6に記載のOCTシステム。
【請求項8】
前記プロセッサは、
複数の屈折誤差に関連付けられた前記固視標的に対する複数の位置にレンズを平行移動させることと、
前記複数の位置の各々における前記強度を決定することと、
ピーク強度に対応する前記レンズの位置を決定することと、
前記ピーク強度に対応する前記位置に前記レンズを設置することと
を行うための命令で構成されている、請求項2に記載のOCTシステム。
【請求項9】
前記レンズは、前記眼の屈折誤差を補償するために、固視標的および前記OCT干渉計の少なくとも一部に対して移動可能であり、前記OCT干渉計は、非一過性コンピュータ読み取り可能な媒体をさらに備え、非一過性コンピュータ読み取り可能な媒体は、左眼の屈折誤差補償と右眼の屈折誤差補償とに関連付けられたデータを記憶するように構成されている、請求項8に記載のOCTシステム。
【請求項10】
前記命令は、前記右眼の前記記憶された屈折誤差データおよび前記左眼の前記記憶された屈折誤差データに応答して前記レンズを調節することを前記プロセッサに行わせる、請求項9に記載のOCTシステム。
【請求項11】
前記眼の位置を測定するためのセンサをさらに備え、前記センサは、前記OCT干渉計を前記眼と整列させるように前記3軸平行移動ステージを移動させるための命令で構成された前記プロセッサに結合されている、請求項2に記載のOCTシステム。
【請求項12】
前記センサは、カメラを備え、前記カメラは、前記眼の前部分を撮像し、調節可能レンズと前記固視標的との間に延びている軸に関する前記眼の位置を決定し、前記プロセッサは、前記カメラに動作可能に結合され、前記カメラからの信号および前記画像に応答して前記眼の位置を決定し、随意に、前記画像は、前記眼の瞳孔の画像、前記眼の角膜から反射された光のプルキニェ画像、または前記眼から反射されるレーザビームの画像のうちの1つ以上を備えている、請求項2に記載のOCTシステム。
【請求項13】
前記プロセッサは、前記眼の位置に応答して前記眼の網膜上の測定領域を調節するための命令で構成されている、請求項11に記載のOCTシステム。
【請求項14】
前記プロセッサは、前記眼の位置に応答して網膜厚の出力マップを調節するように構成されている、請求項11に記載のOCTシステム。
【請求項15】
前記OCT干渉計は、時間ドメインOCT干渉計、掃引源OCT干渉計、スペクトルドメインOCT干渉計、または多重反射率OCT干渉計のうちの1つ以上を備えている、請求項2に記載のOCTシステム。
【請求項16】
前記1つ以上の光源は、複数の光源を備え、前記複数の光源は、複数のVCSELを備え、回路網は、スペクトル範囲を拡張するために、前記複数のVCSELの各々を順次アクティブにするように構成されている、請求項2に記載のOCTシステム。
【請求項17】
前記1つ以上の光ビームは、可変波長を備え、回路網は、前記回路網からの駆動電流を用いて前記波長を変動させるように構成されている、請求項2に記載のOCTシステム。
【請求項18】
光路差(OPD)を補償するための可動コリメータをさらに備え、随意に、前記可動コリメータは、光ファイバの端部と、レンズとを備え、前記光ファイバの前記端部は、OCT干渉計の測定アームの光ファイバの端部を備え、前記レンズは、前記光ファイバに対して位置付けられ、前記光ファイバからの光ビームを実質的にコリメートする、請求項2に記載のOCTシステム。
【請求項19】
OCTシステムであって、前記OCTシステムは、
プロセッサと、前記プロセッサに結合された複数の電気構成要素とを備えているプリント回路基板と、
支持体であって、前記支持体は、その上に搭載された複数の光学系モジュールを備え、前記複数の光学系モジュールは、スキャナと、固視標的と、前記スキャナおよび前記固視標的に結合された1つ以上のレンズとを備えている、支持体と、
前記支持体に結合され、3つの軸に沿って前記支持体を平行移動させるように構成された複数のアクチュエータと、
複数の光ファイバと、複数の光ファイバ結合器と、光ファイバ参照アームと、測定アームの光ファイバ部分とを備えている干渉計モジュールと、
前記プリント回路基板、前記支持体、および前記干渉計モジュールを封入している外部筐体と
を備えている、OCTシステム。
【請求項20】
前記外部筐体は、接眼レンズ、ヘッドレストまたは顎レストのうちの1つ以上を備えている患者支持体に結合され、前記支持体は、前記アクチュエータが前記支持体の上に支持された前記構成要素を前記眼と整列するように移動させることに応答して、前記外部筐体および前記患者支持体に対して移動するように構成されている、請求項19に記載のOCTシステム。
【請求項21】
前記支持体は、プレートを備え、前記プレートは、その上に搭載された前記複数の光学系モジュールを有する、請求項19に記載のOCTシステム。
【請求項22】
前記OCTシステムは、基部を備え、前記干渉計モジュールは、前記基部内に位置している、請求項19に記載のOCTシステム。
【請求項23】
前記複数の光ファイバは、掃引源レーザに結合された源光ファイバを備え、随意に、前記掃引源レーザは、前記筐体の内側に位置している、請求項19に記載のOCTシステム。
【請求項24】
前記複数の光ファイバは、前記筐体内に位置している第1および第2のアーム結合器から、前記筐体の外側に位置している一対の平衡検出器まで延びている一対の光ファイバを備え、前記第1および第2のアーム結合器は、前記参照アームを前記測定アームの光ファイバ部分に結合し、随意に、前記一対の平衡検出器は、前記プリント回路基板上の前記プロセッサに動作可能に結合されている、請求項19に記載のOCTシステム。
【請求項25】
前記測定アームの前記光ファイバ部分は、前記筐体内の前記光ファイバ参照アームに結合された光学結合器から前記筐体の外側の端部まで延び、前記端部は、前記ユーザの眼に向かって測定光ビームを方向付けるようにレンズに結合されている、請求項19に記載のOCTシステム。
【請求項26】
前記複数の光ファイバは、掃引源レーザに結合された位相監視光ファイバを備え、前記位相監視光ファイバは、前記筐体内に位置している結合器から前記筐体の外側に位置している端部まで延び、前記端部は、前記掃引源レーザから放出される光の位相を測定するためのエタロンおよび位相検出器に光学的に結合され、随意に、前記位相検出器は、前記プリント回路基板上の前記プロセッサに動作可能に結合されている、請求項19に記載のOCTシステム。
【請求項27】
前記複数の光ファイバは、一対の光強度監視ファイバを備え、前記一対の光学監視ファイバは、前記筐体内に位置している結合器から一対の光学監視検出器まで延び、前記一対の光学監視検出器は、前記掃引源レーザのパワーを独立して測定するように構成され、随意に、前記一対の光学監視検出器は、前記プリント回路基板上の前記プロセッサに動作可能に結合されている、請求項19に記載のOCTシステム。
【請求項28】
プロセッサと、命令を記憶している非一過性コンピュータ読み取り可能な媒体とをさらに備え、前記命令は、前記プロセッサによって実行されると、
眼の位置を決定することと、
前記複数のアクチュエータのうちの1つ以上をアクティブにすることによって、前記支持体を移動させ、前記固視標的を前記眼と整列させることと、
前記眼の屈折誤差に関して前記1つ以上のレンズを調節することと、
光路距離に関して前記1つ以上のレンズを調節することと、
前記眼に関連付けられた網膜データを入手することと
を前記プロセッサに行わせる、請求項19に記載のOCTシステム。
【請求項29】
前記屈折誤差に関して1つ以上のレンズを調節することは、
前記1つ以上のレンズを屈折誤差の範囲に関連付けられた複数の位置に平行移動させることと、
前記複数の位置の各々における前記網膜から反射された測定ビームの強度を決定することと、
ピーク強度信号を決定することと、
前記1つ以上のレンズを前記ピーク強度信号と対応するように位置付けることと
を含む、請求項28に記載のOCTシステム。
【請求項30】
光路距離に関して前記1つ以上のレンズを調節することは、
複数の位置までの前記光路距離を調節することと、
前記複数の位置におけるOCT干渉信号の信号対雑音比を決定することと、
前記OCT干渉信号のピーク信号対雑音比を決定することと、
前記1つ以上のレンズを前記ピーク信号対雑音比と対応する位置に設置することと
を含む、請求項28に記載のOCTシステム。
【請求項31】
ユーザの眼を測定するためのOCTシステムであって、前記OCTシステムは、
前記眼に可視である固視標的と、
前記眼の網膜厚を測定するように構成されたOCT干渉計と、
前記眼の角膜から反射するように配置された複数の光源であって、前記複数の光源は、前記角膜からの前記複数の光源の反射を含むプルキニェ画像を発生させる、複数の光源と、
前記角膜から反射された前記プルキニェ画像の位置を測定するためのセンサと、
前記プルキニェ画像に応答して前記眼の位置を決定するように前記センサに動作可能に結合されたプロセッサと、
3軸平行移動ステージと
を備え、
前記3軸平行移動ステージは、前記プロセッサの制御下で、前記OCT干渉計の少なくとも一部を前記眼と整列するように移動させるように構成されている、OCTシステム。
【請求項32】
前記プロセッサは、X方向またはY方向のうちの1つ以上において、前記OCT干渉計の少なくとも一部を前記眼と整列するように移動させるための命令で構成されている、請求項31に記載のOCTシステム。
【請求項33】
センサは、前記プルキニェ画像を捕捉するためのセンサアレイを備えているカメラを備え、前記プロセッサは、前記複数の光源の反射に応答して前記眼の位置を決定するための命令で構成され、随意に、前記カメラは、CMOSセンサアレイを備えている、請求項31に記載のOCTシステム。
【請求項34】
センサは、前記複数の光源の反射に応答して前記眼の位置を決定するための象限検出器または位置感受性検出器のうちの1つ以上を備えている、請求項31に記載のOCTシステム。
【請求項35】
前記プロセッサに結合されたスキャナをさらに備え、前記スキャナは、前記プルキニェ画像に応答して網膜厚のマップを発生させ、前記眼の位置を記録するために、前記眼の網膜のエリアの全てにわたって、前記OCT干渉計の測定ビームを走査する、請求項31に記載のOCTシステム。
【請求項36】
前記プロセッサは、前記網膜厚のマップおよび前記眼の位置を出力するように構成されている、請求項35に記載のOCTシステム。
【請求項37】
前記プロセッサは、前記眼の位置に応答して前記網膜厚のマップの位置を調節するように構成されている、請求項35に記載のOCTシステム。
【請求項38】
前記プロセッサは、前記眼の位置に応答して前記網膜上の走査パターンの位置を調節するように構成されている、請求項31に記載のOCTシステム。
【請求項39】
前記プロセッサは、前記プルキニェ画像内の前記反射の場所に応答して、前記OCT測定ビームに関連する前記眼のXY位置を決定するための命令で構成され、前記眼のXY位置は、前記OCT測定ビームに対して横方向の場所に対応し、随意に、前記XY位置の各々は、前記プルキニェ画像の複数の光源の反射間の中心場所に対応し、随意に、前記中心場所は、前記プルキニェ画像の第1の対の反射間の中間点および第2の対の反射間の中間点に対応する、請求項31に記載のOCTシステム。
【請求項40】
前記プロセッサは、前記プルキニェ画像内の前記反射間の距離に応答して、前記眼のZ位置を決定するための命令で構成され、前記Z位置は、前記OCT測定ビームに沿った距離に対応する、請求項39に記載のOCTシステム。
【請求項41】
前記プロセッサは、前記眼の位置に応答して約0.75mm以下の量の誤差で前記網膜を自動的に走査するための命令で構成されている、請求項31に記載のOCTシステム。
【請求項42】
前記固視標的の照明が、重複し、前記複数の光源の照明が、前記OCT測定ビームを用いた前記網膜の走査と重複する、請求項31に記載のOCTシステム。
【請求項43】
前記網膜の走査領域は、約1mm~約3mmの範囲内を横断する寸法を備え、A走査の数は、約0.5秒~約3秒の範囲内の時間にわたる約5,000回のA走査~約40,000回のA走査を備え、安全一時停止は、約2~約10秒の範囲内である、請求項31に記載のOCTシステム。
【請求項44】
光路が、前記固視標的と前記眼との間に延び、前記OCT干渉計測定ビームは、前記光路と重複し、前記複数の光源は、前記光路の周囲に分配されている、請求項31に記載のOCTシステム。
【請求項45】
前記複数の光源は、レーザビームを発生させるためのレーザを備え、前記画像内の前記反射されたレーザビームの位置は、光軸に沿った前記眼の位置に対応する、請求項31に記載のOCTシステム。
【請求項46】
前記複数の光源は、第1の複数の光源と、第2の光源とを備え、前記第1の複数の光源は、前記角膜から反射されると、パターンを発生させるように構成され、前記第2の光源は、レーザを備え、前記画像内の前記反射されたレーザビームの位置は、光軸に沿った前記眼の位置に対応する、請求項31に記載のOCTシステム。
【請求項47】
走査ミラーからの前記測定ビームを反射し、前記プルキニェ画像および前記固視標的からの光を透過させるように構成された第1のビームスプリッタと、前記プルキニェ画像からの光を前記センサに反射し、前記固視標的からの光を透過させるように構成された第2のビームスプリッタとをさらに備えている、請求項31に記載のOCTシステム。
【請求項48】
前記プルキニェ画像を発生させるための前記複数の光源は、約700~800nmの範囲内の波長を備え、前記固視標的は、約500~700nmの範囲内の波長を備え、前記OCT測定ビームは、約800~900nmの範囲内の複数の波長を備えている、請求項47に記載のOCTシステム。
【請求項49】
前記プルキニェ画像を発生させるための前記複数の光源は、3~8個の光源を備え、随意に、前記複数の光源は、3~8個の発光ダイオードを備えている、請求項47に記載のOCTシステム。
【請求項50】
前記複数の光源は、レーザビームを発生させるためのレーザを備え、前記画像内の前記反射されたレーザビームの位置は、光軸に沿った前記眼の位置に対応する、請求項47に記載のOCTシステム。
【請求項51】
眼の網膜を測定する方法であって、前記方法は、
前記眼の角膜から標的頂点間距離にレンズを整列させることと、
前記レンズを複数の位置に反復的に移動させ、ピーク強度位置を決定し、前記眼の屈折誤差を補正することと、
網膜OCTデータを入手することと
を含む、方法。
【請求項52】
前記レンズが前記ピーク強度に対応する位置に設置されているとき、光路距離を反復的に調節し、OCT干渉信号のピーク信号対雑音比を決定することをさらに含む、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記頂点間距離に前記レンズを整列させることは、前記眼の測定された位置に応答して、前記レンズを前記眼の角膜に関して移動させることを含む、請求項51に記載の方法。
【請求項54】
ユーザの前記角膜を複数の光で照明し、プルキニェ画像を発生させることをさらに含む、請求項51に記載の方法。
【請求項55】
前記プルキニェ画像の位置に応答して、XY平行移動に伴って前記レンズを側方に移動させ、OCT測定ビームを前記眼の瞳孔と整列させることをさらに含む、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
屈折誤差を補正することは、
前記レンズおよびOCT光学系を屈折誤差補正位置の範囲全体にわたって移動させることと、
前記屈折誤差補正位置の範囲全体にわたるピーク強度信号を決定することと、
前記レンズおよび前記OCT光学系を前記ピーク強度信号と対応する場所に位置付けることと
を含む、請求項51に記載の方法。
【請求項57】
網膜データを入手することが、自動的に実施される、請求項51に記載の方法。
【請求項58】
前記眼のXY位置を能動的に追跡することをさらに含む、請求項51に記載の方法。
【請求項59】
前記眼と整列させるように前記レンズを移動させることをさらに含む、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
OCTシステムであって、前記OCTシステムは、
支持体であって、前記支持体は、その上に搭載された複数の光学系モジュールを備え、前記複数の光学系モジュールは、スキャナと、固視標的と、前記スキャナおよび前記固視標的に結合された1つ以上のレンズとを備えている、支持体と、
前記支持体に結合され、3つの軸に沿って前記支持体を平行移動させるように構成された複数のアクチュエータと
を備え、
屈折誤差を補正するためのレンズが、前記支持体を用いて支持され、前記支持体に対して第4軸に沿って移動可能である、複数のアクチュエータと
OCTシステム。
【請求項61】
1つ以上のプロセッサと、命令とをさらに備え、前記命令は、前記1つ以上のプロセッサによって実行されると、
前記固視標的を第1の場所に位置付けることと、
前記固視標的が前記第1の場所にある間に第1のRTデータを捕捉することと、
前記固視標的を第2の場所に位置付けることと、
前記固視標的が前記第2の場所にある間に第2のRTデータを捕捉することと
を前記OCTシステムに行わせる、請求項60に記載のOCTシステム。
【請求項62】
前記命令は、前記第1のRTデータと前記第2のRTデータとをコンパイルし、RTマップを発生させることを前記1つ以上のプロセッサにさらに行わせる、請求項61に記載のOCTシステム。
【請求項63】
眼の網膜を測定するためのOCTシステムであって、前記OCTシステムは、
OCT測定ビームを用いて網膜データを測定するための干渉計と、
前記ビームに対して複数の位置に移動するように構成された視覚固視標的と、
前記眼の位置を測定するための位置センサと、
前記干渉計、前記固視標的、および前記位置センサに動作可能に結合されたプロセッサでと
を備え、
前記プロセッサは、前記固視標的を前記複数の位置に移動させ、前記複数の位置の各々における前記眼の位置と前記網膜データとを測定するための命令で構成されている、OCTシステム。
【請求項64】
前記位置センサは、プルキニェ画像を発生させるように配置された複数の光源と、前記プルキニェ画像を捕捉するための画像センサとを備えている、請求項63に記載のOCTシステム。
【請求項65】
前記OCT測定ビームは、前記固視標的の前記複数の位置の各々において前記位置センサに対して実質的に固定されたままである、請求項63に記載のOCTシステム。
【請求項66】
前記プロセッサは、前記固視標的の前記複数の位置に応答して網膜厚マップを発生させるための命令で構成されている、請求項65に記載のOCTシステム。
【請求項67】
前記網膜厚マップは、前記固視標的の前記複数の位置に対応する複数の領域を備えている、請求項66に記載のOCTシステム。
【請求項68】
前記網膜厚マップは、5~20個の領域を備え、前記固視標的の複数の場所は、5~20個の領域を備えている、請求項67に記載のOCTシステム。
【請求項69】
前記OCTシステムは、前記OCT測定ビームを前記網膜の複数の場所に移動させるためのスキャナを備えていない、請求項68に記載のOCTシステム。
【請求項70】
前記OCTビームを前記固視標的の前記複数の位置の各々のための複数の網膜位置まで走査するためのスキャナをさらに備えている、請求項63に記載のOCTシステム。
【請求項71】
前記プロセッサは、前記固視標的の前記複数の位置の各々からの網膜厚データを組み合わせ、網膜厚マップまたは網膜画像のうちの1つ以上を発生させるための命令で構成されている、請求項70に記載のOCTシステム。
【請求項72】
前記スキャナは、前記複数の固視標的位置の各々に関して前記複数の網膜位置を用いて前記網膜のエリアを走査するように構成され、前記複数の固視標的位置の各々を用いて走査された前記網膜のエリアは、網膜厚マップまたは前記網膜画像のうちの1つ以上のエリアより小さい、請求項71に記載のOCTシステム。
【請求項73】
前記OCTシステムは、単眼OCTシステムを備えている、請求項1-72のいずれか1項に記載のOCTシステム。
【請求項74】
スキャナが、軌道を用いて前記網膜に沿って測定ビームを走査するように構成されている、請求項1-73のいずれか1項に記載のOCTシステムまたは方法。
【請求項75】
前記1つ以上の光源は、約20nm~約100nmの波長の範囲にわたって前記源によって放出される波長を掃引するように構成されている、請求項1-74のいずれか1項に記載のOCTシステムまたは方法。
【請求項76】
前記1つ以上の光源は、ミラーを移動させ、前記波長を走査するように構成されたMEMS同調可能VCSELを備えている、請求項1-75のいずれか1項に記載のOCTシステムまたは方法。
【請求項77】
前記プロセッサは、前記網膜の3D断層撮影画像を発生させるための命令で構成されている、請求項1-76のいずれか1項に記載のOCTシステムまたは方法。
【請求項78】
走査ミラーが、OCT干渉計の測定アームと参照アームとの間の光路差を調節するために平行移動するように構成され、随意に、前記ミラーに結合されたアクチュエータが、0.5~2.5Nの範囲内の力と0.5ミクロンを超えない分解能とで前記ミラーを駆動するように構成されている、請求項1-77のいずれか1項に記載のOCTシステムまたは方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本願は、本参照によってその全体として組み込まれる2019年12月26日に出願され、「OPTICAL COHERENCE TOMOGRAPHY PATIENT ALIGNMENT SYSTEM FOR HOME BASED OPHTHALMIC APPLICATIONS」と題された米国仮特許出願第62/953,827号の35 U.S.C. Section 119(e)(米国特許法第119条(e))下の利益を主張する。
【0002】
本願の主題は、その開示全体が参照することによって本明細書に組み込まれる2019年6月20日に出願され、「MINIATURIZED MOBILE, LOW COST OPTICAL COHERENCE TOMOGRAPHY SYSTEM FOR HOME BASED OPHTHALMIC APPLICATIONS」と題され、第WO 2019/246412号として公開されたPCT特許出願第PCT/US2019/038270号にも関する。
【背景技術】
【0003】
眼は、光を屈折させ、網膜上に画像を形成する角膜および水晶体を有する。網膜は、その上に形成された画像に応答して、電気信号を発生させ、これらの電気信号は、視神経を介して脳に伝送される。網膜の窩および黄斑は、網膜の他のエリアに関して錐体の増加した密度を有し、鮮明ではっきりした視覚を提供する。残念ながら、網膜の疾患は、たとえ角膜および水晶体等の眼の他の部分が健康でも視覚に悪影響を及ぼし得る。
【0004】
網膜厚は、網膜の健康を診断および監視するために使用されることができる。網膜血管疾患および他の疾患または病状を診断された多くの患者は、上昇した網膜厚を有し、薬剤を服用するか、または薬剤で治療される。黄斑浮腫は、多くの場合、糖尿病等の他の疾患に関連する上昇した網膜厚の例である。黄斑浮腫は、例えば、加齢黄斑変性症、ブドウ膜炎、網膜血管系の閉塞、および緑内障等の他の疾患に関連し得る。治療がそれに応じて修正され、視覚が温存され得るように、薬剤が効いていない場合、または再投与を要求する場合を迅速に把握することが役立つであろう。網膜厚を測定するために使用される1つのアプローチは、光干渉断層撮影(OCT)である。
【0005】
残念ながら、多くの以前のOCTシステムは、過度に複雑かつ高価であり、毎週または毎日等の定期的に網膜厚を監視するためにはあまり好適ではない。眼の以前の標準処置は、網膜厚を測定する医療提供者への受診を伴うが、そのような受診は、スケジューリングおよび予約を要求し、特に毎週または毎日行われる場合、高価になり得る。以前のOCTシステムの多くは、自宅内監視または移動式保健医療にはあまり好適ではない。そのような以前のシステムは、典型的に、人が容易に運べるものより重量があり、患者とともに移動するためにはあまり好適ではない。加えて、以前のOCTシステムは、理想的であろうものよりも複雑であり、日常使用および落下等の危険のために、あまり好適ではない。OCTシステムの以前のコストは、典型的患者が支払い得るものを超え得る。さらに、以前のOCTシステムの使用は、訓練を受けたオペレータを要求し得る。上記の理由により、網膜厚の自宅内監視は、以前の標準処置として採用されておらず、網膜疾患を患う患者の以前の処置は、多くの事例において理想を下回り得る。
【0006】
上記に照らして、網膜厚を測定するための改良されたOCTシステムおよび方法を有することが役立つであろう。理想的には、そのようなシステムは、小型で、ハンドヘルド式であり、自宅内監視を提供し、患者が自身を測定することを可能にし、患者によって取り扱われるために十分にロバストであろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書に開示される光干渉断層撮影(OCT)システムおよび方法は、網膜厚の自宅内ならびに移動監視を可能にする。網膜厚を測定することが具体的に参照されるが、本明細書に開示されるOCTシステムおよび方法は、顕微鏡検査、計量学、航空宇宙、天文学、電気通信、内科的治療、医薬品、皮膚病学、歯科医学、ならびに心臓病学等の多くの分野における用途を見出すであろう。
【0008】
いくつかの実施形態では、OCTシステムは、干渉計と、位置センサと、3軸平行移動ステージと、眼の整列を促進し得る、眼の測定された位置に応答して、干渉計の少なくとも一部を、眼と整列するように、3軸平行移動ステージ上で移動させるための命令で構成されている、プロセッサとを備えている。いくつかの実施形態では、OCTシステムは、患者が、レンズが、OCT干渉計の光学要素を備え、また、OCT測定ビームを透過させる、レンズを通して固視標的を視認するためのレンズに結合される、固視標的を備えている。いくつかの実施形態では、プロセッサは、眼の屈折誤差を補償するために、レンズと固視標的との間の距離を変更するための命令で構成される。プロセッサは、3軸平行移動ステージを移動させ、位置センサを用いて測定される眼の側方位置に応答して、レンズを眼と側方に整列させ、位置センサに応答して、角膜からの標的頂点間距離にレンズを位置付けるための命令で構成される。
【0009】
いくつかの実施形態では、プロセッサは、3軸平行移動ステージを用いて固視標的およびレンズを移動させ、レンズを固視標的に対して移動させ、屈折誤差を補償し、レンズと角膜との間の頂点間距離を維持するための命令で構成される。いくつかの実施形態では、頂点間距離が、レンズを固視標的に向かって移動させることによって維持される間、固視標的は、眼に向かって移動させられ、近視を矯正する。いくつかの実施形態では、頂点間距離を維持するように、3軸平行移動ステージは、3つのアクチュエータを用いて移動させられ、レンズは、第4のアクチュエータを用いて移動させられる。
【0010】
いくつかの実施形態では、プロセッサは、固視標的およびレンズを複数の屈折誤差に対応する複数の位置に平行移動させ、複数の場所の各々において眼から反射されるビームの発光強度を測定するための命令で構成される。プロセッサは、複数の場所の各々における発光強度に応答して、屈折誤差の補正に対応する、レンズと固視標的との間の距離を決定することができる。いくつかの実施形態では、発光強度は、測定アームと参照アームとの間の干渉を伴うことなく、検出器において測定されるOCTビームのピーク発光強度を含む。いくつかの実施形態では、OCT干渉計の測定アームと参照アームとの間の光路差(OPD)が、第5のアクチュエータを用いて調節される。代替として、OCT測定ビームは、レンズおよび固視標的が、平行移動ステージならびにレンズの適切な移動を用いてOCT測定のために位置付けられているとき、OPDを調節することなく、OCT測定を実施するための十分なコヒーレンス長を備え得る。
【0011】
いくつかの実施形態では、眼の網膜を測定するためのOCTシステムは、OCT測定ビームを用いて網膜データを測定するための干渉計と、ビームに対して複数の位置に移動するように構成された視覚固視標的と、眼の位置を測定するための位置センサとを備えている。プロセッサが、干渉計、固視標的、および位置センサに動作可能に結合され、その中でプロセッサは、固視標的を複数の位置まで移動させ、複数の位置の各々において眼の位置ならびに網膜データを測定するための命令で構成される。
(参照による組み込み)
【0012】
本明細書に述べられる全ての公開文書、特許、および特許出願は、各個々の公開文書、特許、または特許出願が、参照することによって組み込まれるように具体的かつ個別に示された場合と同一の程度に、参照することによって本明細書に組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本発明の新規の特徴が、添付の請求項において具体的に記載される。本発明の特徴および利点のより深い理解が、本発明の原理が利用される、例証的実施形態を記載する以下の詳細な説明ならびに付随の図面を参照することによって、取得されるであろう。
【0014】
図1A図1Aは、ヒトの眼の簡略図を示す。
【0015】
図1B図1Bは、いくつかの実施形態による、ユーザの眼を測定するための単眼光干渉断層撮影(OCT)デバイスの斜視図を示す。
【0016】
図2図2は、いくつかの実施形態による、患者が複数の時点において網膜厚(RT)を測定し、結果を通信することを可能にするシステムの概略図を示す。
【0017】
図3A図3Aは、いくつかの実施形態による、Bluetooth(登録商標)通信を利用する、ハンドヘルド式光干渉断層撮影デバイスを示す。
【0018】
図3B図3Bは、いくつかの実施形態による、汎欧州デジタル移動電話方式(GSM(登録商標))を利用する、ハンドヘルド式OCTデバイスを示す。
【0019】
図4図4は、いくつかの実施形態による、ユーザの眼を測定するための両眼OCTデバイスの斜視図を示す。
【0020】
図5図5は、いくつかの実施形態による、ハンドヘルド式ユニット本体内の種々の構成要素を図示する両眼OCTデバイスのブロック図を示す。
【0021】
図6図6は、いくつかの実施形態による、両眼のOCTとともに実装され得る光学構成の概略図を示す。
【0022】
図7図7は、いくつかの実施形態による、光学レイアウト基板上に構成される光学構成のブロック図を示す。
【0023】
図8図8は、いくつかの実施形態による、モジュール式両眼OCTの斜視図を示す。
【0024】
図9図9は、いくつかの実施形態による、両眼OCTデバイスの斜視/切取内部図を示す。
【0025】
図10図10は、いくつかの実施形態による、両眼OCTデバイスの別の斜視/切取内部図を示す。
【0026】
図11図11は、いくつかの実施形態による、眼球位置センサを備えている両眼OCTデバイスの俯瞰/切取内部図を示す。
【0027】
図12図12は、いくつかの実施形態による、眼のプルキニェ画像を発生させるために使用される光源および位置センサの斜視/切取内部図を示す。
【0028】
図13図13は、いくつかの実施形態による、位置センサを備えている自由空間光学系の俯瞰図を示す。
【0029】
図14-1】図14A図14B図14C、および図14Dは、いくつかの実施形態による、光軸に関して眼の位置を決定するように眼球位置センサを用いて捕捉され得る画像を示す。
図14-2】図14A図14B図14C、および図14Dは、いくつかの実施形態による、光軸に関して眼の位置を決定するように眼球位置センサを用いて捕捉され得る画像を示す。
【0030】
図15図15A図15B、および図15Cは、いくつかの実施形態による、眼に最も近接しているレンズとユーザの眼との間の種々のアイレリーフ距離において眼球位置センサを用いて捕捉される複数の光源の位置を示す。
【0031】
図16A図16Aは、いくつかの実施形態による、両眼OCT等の本明細書に説明されるようなOCTシステムによって実施され得る前処理等の処理のフロー図を示す。
【0032】
図16B図16Bは、いくつかの実施形態による、図16Aのフロー図の前処理によって取得される種々のプロットを示す。
【0033】
図17図17は、いくつかの実施形態による、網膜厚の複数の出力マップを示す。
【0034】
図18A図18Aは、いくつかの実施形態による、単眼OCTデバイスの斜視/切取内部図を示す。
【0035】
図18B図18Bは、図18Aにおけるような単眼OCTデバイスのヘッド部分の斜視/切取内部図を示す。
【0036】
図18C図18Cは、図18A-18Bにおけるような単眼OCTデバイスのヘッド部分の斜視/切取内部図を示す。
【0037】
図18D図18Dは、図18A-18Cにおけるような単眼OCTデバイスのヘッド部分の斜視/切取内部図を示す。
【0038】
図18E図18Eは、図18A-18DにおけるようなOCTデバイスの基部部分の斜視/切取内部図を示す。
【0039】
図19図19は、いくつかの実施形態による、OCTデバイスを用いて網膜厚を測定するためのサンプルフロー図を示す。
【0040】
図20A図20Aは、いくつかの実施形態による、選択的に移動可能な固視標的を示す。
【0041】
図20B図20Bは、いくつかの実施形態による、網膜厚(「RT」)マップを示す。
【0042】
図21図21は、いくつかの実施形態による、網膜厚マップを発生させるためのサンプルフロー図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0043】
本発明の種々の実施形態が、本明細書に示され、説明されているが、そのような実施形態が、実施例としてのみ提供されることが、当業者に明白となるであろう。多数の変形例、変更、および代用が、本発明から逸脱することなく、当業者に想起され得る。本明細書に説明される本発明の実施形態に対する種々の代替が、採用され得ることを理解されたい。例えば、網膜等のサンプルの厚さを測定することが参照されるが、本明細書に開示される方法および装置は、身体の他の組織ならびに非組織物質等の多くのタイプのサンプルを測定するために使用されることができる。網膜厚のマップを発生させることが参照されるが、本明細書に開示される方法および装置は、断面または断層撮影画像等の網膜サンプルの画像を発生させるために使用されることができる。
【0044】
本開示されるシステムおよび方法は、以前のOCTアプローチを用いた組み込みのために非常に好適である。OCT干渉計は、時間ドメインOCT干渉計、掃引源OCT干渉計、スペクトルドメインOCT干渉計、または多重反射率OCT干渉計のうちの1つ以上を備え得る。限定された範囲の掃引および複数のVCSELの使用を伴う掃引源VCSELが、参照されているが、光源は、約20nm~約100nmまたはそれを上回る波長の範囲にわたって掃引することが可能な、MEMS同調可能VCSEL等の任意の好適な光源を備え得る。VCSEL等の1つを上回る掃引光源を使用した実施形態に関して、複数の掃引光源、例えば、VCSELは、VCSEL等の2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、またはそれを上回る掃引光源等、任意の好適な数の掃引光源を備え得る。網膜厚マップが、参照されているが、いくつかの実施形態では、OCT測定システムおよび装置は、網膜の3D断層撮影画像を発生させるように構成される。いくつかの実施形態では、網膜の3D断層撮影画像は、2~10マイクロメートルの範囲内のOCT測定ビームに沿った空間分解能(「軸方向分解能」)を伴う、例えば、5~10nmの範囲内の分解能を伴う、網膜の高分解能画像を含む。
【0045】
本開示されるシステムおよび方法は、多くの方法において構成されることができる。いくつかの実施形態では、OCTシステムは、一方の眼が測定され、他方の眼が、固視刺激等の刺激を提示される、両眼デバイスを備えている。代替として、OCTシステムは、例えば、一度に一方の眼が測定され、測定された眼のみが、固視刺激を提示され、他方の眼が、遮眼子で被覆され得る、単眼デバイスを備え得る。
【0046】
本明細書に開示される小型OCTシステムは、網膜厚の測定等の多くの以前の臨床検査との併用のために非常に好適である。ある場合には、OCTシステムは、患者によって、または医療提供者によって使用される。多くの事例において、患者は、自身をシステムと整列させることができるが、別のユーザは、患者とシステムを整列させ、測定を行うことができる。いくつかの実施形態では、OCTシステムは、追加の情報を医療提供者に提供するように以前のソフトウェアおよびシステムと統合され、網膜厚の変化に応答して、アラートを提供することができる。アラートは、随意に、薬剤の変更、投与量、または薬剤を服用するリマインダ等の是正措置がとられるべきであるときに、患者、介護者、および医療提供者に送信される。
【0047】
本明細書で使用されるように、用語「網膜厚(RT)」は、患者の網膜厚を評価するために使用される層間の網膜厚を指す。RTは、例えば、網膜の前面と外境界膜との間の網膜厚に対応し得る。
【0048】
本明細書で使用されるように、用語「網膜層厚(RLT)」は、網膜の1つ以上の光学的に検出可能な層の厚さを指す。網膜の光学的に検出可能な層は、例えば、外境界膜と網膜色素上皮との間に延びている網膜厚を備え得る。
【0049】
図1Aは、ヒトの眼の簡略図を示す。光は、角膜10を通して眼に進入する。虹彩20は、光が水晶体30に進むことを可能にする瞳孔25のサイズを変動させることによって、通過することを可能にされる光の量を制御する。前房40は、眼圧(IOP)を決定する房水45を含む。水晶体30は、結像のために光を集束させる。水晶体の焦点性質は、水晶体を再成形する筋肉によって制御される。集束光は、硝子体液55で充填される硝子体腔50を通して通過する。硝子体液は、眼の全体的形状および構造を維持する。光は、次いで、感光性領域を有する網膜60上に到達する。特に、黄斑65は、視覚面の中心において光を受光することに関わる網膜のエリアである。黄斑内で、窩70は、光に対して最も敏感な網膜のエリアである。網膜上に到達する光は、視神経80に、次いで、処理のために脳にパスされる、電気信号を発生させる。
【0050】
いくつかの障害が、眼の光学性能の低減を生じさせる。ある場合には、眼圧(IOP)は、高すぎるか、または低すぎるかのいずれかである。これは、例えば、前房内の房水の高すぎるまたは低すぎる産生率によって引き起こされる。他の場合では、網膜は、薄すぎる、または厚すぎる。これは、例えば、網膜内の流体の蓄積に起因して生じる。異常な網膜厚(RT)に関連する疾患は、例えば、緑内障および黄斑浮腫を含む。ある場合には、RTの健康な範囲は、厚さ175μm~厚さ225μmである。一般に、IOPまたはRTのいずれかの異常は、多くの眼科疾患の存在を示す。加えて、IOPまたはRTは、眼科治療もしくは他の手技に応答して変動する。したがって、眼科疾患の診断のためにIOPおよび/またはRTを測定し、所与の患者のための治療の有効性を査定するための手段を有することが、望ましい。ある場合には、1つ以上の網膜層の厚さ、例えば、複数の層の厚さを測定することが、望ましい。
【0051】
本明細書に開示されるシステムおよび方法は、複数の時点においてRTまたはRLTを測定するための光干渉断層撮影(OCT)の使用に関する。例えば、患者は、複数の時点において自身のRTまたはRLTを測定し、経時的に緑内障もしくは黄斑浮腫等の眼科疾患の進行を追跡する。別の実施例として、患者は、複数の時点において自身のRTまたはRLTを測定し、医薬品もしくは他の治療に対する自身の応答を追跡する。ある場合には、本システムは、RTまたはRLTの1つ以上の最近の測定値が前の測定値から有意に逸脱すると、アラートを生産する。ある場合には、本システムは、患者または患者の医師に変化を警告する。いくつかの事例では、本情報は、患者と医師との間の経過観察予約をスケジューリングし、例えば、眼科疾患の治療を試行する、処方された治療を中断する、または追加の検査を行うために使用される。
【0052】
図1Bは、いくつかの実施形態による、ユーザの眼を測定するための単眼光干渉断層撮影(OCT)デバイス100の斜視図を示す。OCTデバイス100は、ヘッド202と、基部204と、それらの間のネック206とを含む。ヘッド202は、いくつかの実施形態では、ヘッド202の関節運動を可能にする、結合具208によってネック206に接続される。ヘッドは、光学モジュールを封入する、筐体と、走査モジュールと、他の関連する回路網およびモジュールとを用いて被覆され、OCTデバイス100がユーザの眼を、一度に一方の眼ずつ測定することを可能にし得る。
【0053】
いくつかの実施形態では、ヘッド202はさらに、レンズ210と、アイカップ212と、1つ以上のLEDライト214とを含む。レンズ210は、1つ以上の光源を、ヘッド202内から眼の網膜上に集束するように方向付けるように構成され得る。アイカップ212は、患者の頭部を定置し、それによって、走査および検査のために患者の眼を位置付けるように構成され得る。アイカップ212は、突出部分216が患者の眼に隣接して位置し、患者の頭部がOCTデバイス100に対して適切に配向されると、(例えば、患者のこめかみに隣接して)頭部の側面に沿って延び得るように、回転可能であり得る。アイカップ212は、アイカップ212の回転配向を検出するように構成される、センサに結合され得る。いくつかの実施形態では、OCTデバイス100は、アイカップ212の回転配向を検出し、それによって、患者が、走査および測定のためにその右眼または左眼を提示しているかどうかを決定するように構成される。より具体的には、いくつかの実施形態では、アイカップ212の突出部分216は、患者の右のこめかみまたは左のこめかみのいずれかに隣接するように延び、それによって、測定されている患者の眼を決定し得る。いくつかの実施形態では、アイカップ212は、患者支持体を備えている。患者支持体は、ヘッドレストまたは顎レストを備えている、もしくは、代替として、または組み合わせにおいてのいずれかで、アイカップ212を伴い得る。
【0054】
いくつかの実施形態では、結合具208は、ヘッド202をネック206に接続し、結合具を中心とした枢動移動を可能にする。結合具208は、実施形態による、堅性、関節運動式、回転式、または枢動式であり得る、任意の好適な結合具であり得る。いくつかの事例では、結合具は、ねじ山付き締結具と、ねじ山付きナットとを含み、ヘッドをネックに対して所望の配向において緊締する。ねじ山付きナットは、手によって動作可能であってもよく、刻み付きノブ、蝶ナット、星形ナット、またはある他のタイプの手動で動作される緊締機構を備え得る。結合具は、代替として、ネックに対するヘッドの角度の調節を可能にする、任意の好適な部材を備え得、カム、レバー、戻り止めを含んでもよく、代替として、または加えて、粗面化表面、頂部および谷部、表面テクスチャ、ならびに同等物等の摩擦増加構造を含み得る。
【0055】
図2は、いくつかの実施形態による、患者が複数の時点においてRTまたはRLTを測定し、結果を通信することを可能にする、システムの概略図を示す。患者は、ハンドヘルド式OCTデバイス100を覗き込み、RTまたはRLTの測定値を取得する。いくつかの実施形態では、ハンドヘルド式OCTデバイスは、光学系102と、光学系を制御し、それと通信するための電子機器104と、バッテリ106と、伝送機108とを備えている。いくつかの事例では、伝送機は、有線伝送機である。ある場合には、伝送機は、無線伝送機である。ある場合には、ハンドヘルド式OCTデバイス100は、無線通信チャネル110を介して、患者のスマートフォンまたは他のポータブル電子デバイス上のモバイル患者デバイス120に結果を通信する。ある場合には、無線通信は、Bluetooth(登録商標)通信を介する。いくつかの実施形態では、無線通信は、Wi-Fi通信を介する。他の実施形態では、無線通信は、当業者に公知である任意の他の無線通信を介する。
【0056】
ある場合には、結果は、RTの完全に処理された測定値である。ある場合には、OCTデータの全ての処理が、ハンドヘルド式OCTデバイス上で実施される。例えば、いくつかの実施形態では、ハンドヘルド式OCTデバイスは、OCT光波形が電子表現に転換されることを可能にする、ハードウェアまたはソフトウェア要素を含む。ある場合には、ハンドヘルド式OCTデバイスはさらに、電子表現の処理を可能にし、例えば、RTの測定値を抽出する、ハードウェアまたはソフトウェア要素を含む。
【0057】
ある場合には、結果は、OCT測定値から取得される未加工光波形の電子表現である。例えば、いくつかの実施形態では、ハンドヘルド式OCTデバイスは、OCT光波形が電子表現に転換されることを可能にする、ハードウェアまたはソフトウェア要素を含む。ある場合には、これらの電子表現は、次いで、例えば、RTの測定値を抽出するためのさらなる処理のために、モバイル患者デバイスにパスされる。
【0058】
ある場合には、患者は、患者モバイルアプリ上でRTまたはRLT測定の結果および分析を受信する。いくつかの実施形態では、結果は、測定の結果が正常または健康範囲外であることを患者に警告する、アラート122を含む。ある場合には、結果はまた、測定値124の表示も含む。例えば、ある場合には、RTまたはRLTの測定は、257μmの結果を生産する。いくつかの事例では、本結果は、正常または健康範囲外である。これは、本システムにアラートを生産させ、患者モバイルアプリ上に257μmの測定値を表示させる。いくつかの実施形態では、アラートは、治療医師等の医療提供者に伝送される。いくつかの実施形態では、結果はまた、複数の時点にわたる患者のRTまたはRLTの履歴を示す、チャート126も含む。
【0059】
いくつかの事例では、患者モバイルデバイスは、通信手段130を介して、測定の結果をクラウドベースまたは他のネットワークベースの記憶および通信システム140に通信する。いくつかの実施形態では、通信手段は、有線通信手段である。いくつかの実施形態では、通信手段は、無線通信手段である。ある場合には、無線通信は、Wi-Fi通信を介する。他の場合では、無線通信は、セルラーネットワークを介する。なおも他の場合では、無線通信は、当業者に公知である任意の他の無線通信を介する。具体的実施形態では、無線通信手段は、クラウドベースまたは他のネットワークベースの記憶および通信システムへの伝送もしくはそこからの受信を可能にするように構成される。
【0060】
クラウドの中に記憶されると、具体的実施形態では、結果は、次いで、他のデバイスに伝送される。ある場合には、結果は、第1の通信チャネル132を介して、患者のコンピュータ、タブレット、または他の電子デバイス上の患者デバイス150に伝送される。いくつかの実施形態では、結果は、第2の通信チャネル134を介して、患者の医師のコンピュータ、タブレット、または他の電子デバイス上の医師デバイス160に伝送される。ある事例では、結果は、第3の通信チャネル136を介して、別のユーザのコンピュータ、タブレット、または他の電子デバイス上の分析デバイス170に伝送される。いくつかの実施形態では、結果は、第4の通信チャネル138を介して、患者管理システムまたは病院管理システム180に伝送される。ある場合には、デバイスの各々は、本明細書に説明されるような関連機能を実施するための適切なソフトウェア命令を有する。
【0061】
具体的実施形態では、第1の通信チャネルは、有線通信チャネルまたは無線通信チャネルである。ある場合には、通信は、イーサネット(登録商標)を介する。他の場合では、通信は、ローカルエリアネットワーク(LAN)または広域ネットワーク(WAN)を介する。なおも他の場合では、通信は、Wi-Fiを介する。さらに他の場合では、通信は、当業者に公知である任意の他の有線または無線通信を介する。いくつかの実施形態では、第1の通信チャネルは、クラウドベースまたは他のネットワークベースの記憶および通信システムへの伝送もしくはそこからの受信を可能にするように構成される。ある場合には、第1の通信チャネルは、クラウドベースまたは他のネットワークベースの記憶および通信システムからの受信のみを可能にするように構成される。
【0062】
ある場合には、第2の通信チャネルは、有線通信チャネルまたは無線通信チャネルである。いくつかの事例では、通信は、イーサネット(登録商標)を介する。具体的実施形態では、通信は、ローカルエリアネットワーク(LAN)または広域ネットワーク(WAN)を介する。他の実施形態では、通信は、Wi-Fiを介する。さらに他の実施形態では、通信は、当業者に公知である任意の他の有線または無線通信を介する。ある場合には、第2の通信チャネルは、クラウドベースまたは他のネットワークベースの記憶および通信システムへの伝送もしくはそこからの受信を可能にするように構成される。いくつかの実施形態では、第2の通信チャネルは、クラウドベースまたは他のネットワークベースの記憶および通信システムからの受信のみを可能にするように構成される。
【0063】
具体的な場合では、第3の通信チャネルは、有線通信チャネルまたは無線通信チャネルである。いくつかの事例では、通信は、イーサネット(登録商標)を介する。他の事例では、通信は、ローカルエリアネットワーク(LAN)または広域ネットワーク(WAN)を介する。なおも他の事例では、通信は、Wi-Fiを介する。さらに他の事例では、通信は、当業者に公知である任意の他の有線または無線通信を介する。いくつかの実施形態では、第3の通信チャネルは、クラウドベースまたは他のネットワークベースの記憶および通信システムへの伝送もしくはそこからの受信を可能にするように構成される。ある場合には、第3の通信チャネルは、クラウドベースまたは他のネットワークベースの記憶および通信システムからの受信のみを可能にするように構成される。
【0064】
いくつかの実施形態では、第4の通信チャネルは、有線通信チャネルまたは無線通信チャネルである。ある場合には、通信は、イーサネット(登録商標)を介する。他の場合では、通信は、ローカルエリアネットワーク(LAN)または広域ネットワーク(WAN)を介する。なおも他の場合では、通信は、Wi-Fiを介する。さらに他の場合では、通信は、当業者に公知である任意の他の有線または無線通信である。いくつかの事例では、第4の通信チャネルは、クラウドベースまたは他のネットワークベースの記憶および通信システムへの伝送もしくはそこからの受信を可能にするように構成される。他の場合では、第4の通信チャネルは、クラウドベースまたは他のネットワークベースの記憶および通信システムからの受信のみを可能にするように構成される。
【0065】
RTまたはRLTの決定は、多くの場所において実施されることができる。例えば、RTまたはRLTの決定は、ハンドヘルド式OCTデバイス上で実施される。ある場合には、RTまたはRLTの決定は、スマートフォンもしくは他のポータブル電子デバイスによって等、ハンドヘルド式OCTデバイスに対して近傍の場所において実施される。いくつかの実施形態では、RTまたはRLTの決定は、クラウドベースの記憶および通信システム上で実施される。いくつかの事例では、ハンドヘルド式OCTデバイスは、測定データを圧縮し、圧縮された測定データをクラウドベースの記憶および通信システムに伝送するように構成される。代替として、または組み合わせにおいて、OCTデバイスに動作可能に結合されるモバイルデバイス等、OCTシステムの他の構成要素は、例えば、測定データを圧縮し、圧縮された測定データをクラウドベースの記憶および通信システムに伝送するように構成されることができる。
【0066】
いくつかの実施形態では、患者は、患者デバイス150上でRTまたはRLT測定の結果および分析を受信する。いくつかの事例では、結果は、測定の結果が正常または健康範囲外であることを患者に警告する、アラート152を含む。ある場合には、結果はまた、測定値154の表示も含む。例えば、ある場合には、RTまたはRLTの測定は、257μmの結果を生産する。本結果は、正常または健康範囲外である。ある場合には、これは、本システムにアラートを生産させ、患者アプリ上に257μmの測定値を表示させる。具体的な場合では、結果はまた、複数の時点にわたる患者のRTまたはRLTの履歴を示す、チャート156も含む。ある場合には、患者デバイスはまた、患者が従うための命令158も表示する。いくつかの事例では、命令は、患者にその医師を受診するように指示する。いくつかの実施形態では、命令は、患者の氏名、直近のRTまたはRLT測定の日付、およびその医師への次のスケジューリングされた受診を含む。他の場合では、命令は、より多くの情報を含む。なおも他の場合では、命令は、より少ない情報を含む。
【0067】
いくつかの実施形態では、患者の医師は、医師デバイス160上でRTまたはRLT測定の結果および分析を受信する。いくつかの事例では、結果は、測定の結果が正常または健康範囲外であることを医師に警告する、アラート162を含む。ある場合には、結果はまた、患者の測定値が正常または健康範囲外であることを医師に通知する、アラート164も含む。いくつかの実施形態では、アラートは、医師が患者に電話し、予約をスケジューリングする、または医療支援を提供するという示唆を含む。いくつかの実施形態では、結果はまた、医師の患者のそれぞれのために直近の測定値および履歴測定値を示す表示166も含む。例えば、いくつかの事例では、RTまたはRLTの測定は、257μmの結果を生産する。本結果は、正常または健康範囲外である。ある場合には、これは、本システムにアラートを生産させ、医師アプリ上に257μmの測定値を表示させる。具体的な場合では、医師デバイスはまた、医師の患者のそれぞれのために連絡先および履歴情報168も表示する。
【0068】
いくつかの実施形態では、他方のユーザは、分析デバイス170上でRTまたはRLT測定の結果および分析を受信する。いくつかの事例では、他方のユーザは、新しい形態の治療の有効性を調査する、研究者である。他の場合では、他方のユーザは、特定の医師または介護施設の転帰を監視する監査員である。患者のプライバシを保護するために、ある場合には、分析デバイスは、所与の患者の情報のサブセットのみを受信するように制限される。例えば、サブセットは、所与の患者についてのいかなる個人識別情報も含まないように制限される。ある場合には、結果は、多数の異常または不健康な測定値が具体的時間周期内で取得されていることを警告する、アラート172を含む。ある場合には、結果は、患者の母集団を横断した、測定値の1つ以上のグラフ表現174を含む。
【0069】
ある場合には、分析デバイス上の結果および分析は、医師が確認した診断等の疾患情報を含む。ある場合には、結果および分析は、年齢、性別、遺伝情報、患者の環境についての情報、喫煙歴、患者が罹患した他の疾患等の匿名患者データを含む。ある場合には、結果および分析は、処方された薬剤のリスト、治療履歴等の患者のための匿名治療計画を含む。ある場合には、結果および分析は、RTまたはRLT測定の結果等の測定結果、視覚機能検査、もしくは治療過程への患者の服薬遵守度を備えている。ある場合には、結果および分析は、電子診療記録からのデータを含む。ある場合には、結果および分析は、患者の医療提供者によって入手されるOCT走査の結果等の患者の医療提供者への受診からの診断情報を含む。
【0070】
いくつかの実施形態では、患者の臨床、病院、または他の医療提供者は、患者管理システムもしくは病院管理システム180上でRTまたはRLT測定の結果および分析を受信する。ある場合には、本システムは、患者の電子診療記録を含む。ある場合には、結果および分析は、患者の医療提供者に、提供者が患者のための治療計画を更新することを可能にするデータを提供する。いくつかの事例では、結果および分析は、提供者が早期外来診療を患者に呼び掛けることを決定することを可能にする。いくつかの事例では、結果および分析は、提供者が外来診療を延期することを決定することを可能にする。
【0071】
いくつかの実施形態では、患者デバイス、医師デバイス、および分析デバイスのうちの1つ以上のものは、本明細書に説明されるように、それぞれ、患者デバイス、医師デバイス、もしくは分析デバイスの機能を実施するための命令を含む、ソフトウェアアプリを含む。
【0072】
図3Aは、いくつかの実施形態による、近距離無線通信を利用するハンドヘルド式OCTデバイスを示す。いくつかの実施形態では、ハンドヘルド式OCTデバイス100は、光学系102と、光学系102を制御し、それと通信するための電子機器と、バッテリ106と、無線伝送機108とを備えている。ある場合には、無線伝送機は、Bluetooth(登録商標)伝送機である。いくつかの事例では、1つ以上のRTもしくはRLT測定からの結果は、患者または患者によって指定される別の人物等の認定ユーザが、スマートフォンもしくは他のポータブル電子デバイス上の患者モバイルデバイスを開くまで、ハンドヘルド式OCTデバイス上に記憶される。開かれると、患者モバイルデバイスは、ハンドヘルド式OCTデバイスとの無線通信を確立する。ある場合には、通信は、Bluetooth(登録商標)無線通信チャネル110を介する。いくつかの事例では、ハンドヘルド式OCTデバイスは、Bluetooth(登録商標)チャネルを介して、結果を患者のスマートフォンまたは他のポータブル電子デバイス上のモバイル患者デバイス120に通信する。
【0073】
いくつかの事例では、結果は、測定の結果が正常または健康範囲外であることを患者に警告する、アラート122を含む。具体的実施形態では、結果はまた、測定値124の表示も含む。例えば、RTまたはRLTの測定は、ある場合には、257μmの結果を生産する。本結果は、正常または健康範囲外である。ある場合には、これは、本システムにアラートを生産させ、患者モバイルアプリ上に257μmの測定値を表示させる。具体的実施形態では、結果はまた、複数の時点にわたる患者のRTまたはRLTの履歴を示す、チャート126も含む。
【0074】
ある場合には、患者モバイルデバイスは、無線通信手段130を介して、測定の結果をクラウドベースまたは他のネットワークベースの記憶および通信システム140に通信する。いくつかの事例では、無線通信は、Wi-Fi通信である。他の場合では、Wi-Fi通信は、セキュアWi-Fiチャネルを介する。なおも他の場合では、無線通信は、セルラーネットワークを介する。具体的実施形態では、セルラーネットワークは、セキュアセルラーネットワークである。他の実施形態では、伝送された情報が、暗号化される。ある場合には、通信チャネルは、クラウドベースまたは他のネットワークベースの記憶および通信システムへの伝送もしくはそこからの受信を可能にするように構成される。ある場合には、データは、スマートフォンまたは他のポータブル電子デバイスがWi-Fiもしくはセルラーネットワークに接続するまで、スマートフォンまたは他のポータブル電子デバイス上に記憶される。
【0075】
ある場合には、患者モバイルデバイスは、患者モバイルデバイスが最後に開かれてから過剰に多くの時間が経過したときに、患者または患者によって指定される別の人物に通知する特徴を有する。例えば、ある場合には、本通知は、患者が、その医師または他の医療提供者によって設定される測定スケジュールによる要求に応じた、直近のRTもしくはRLTの測定値を入手していないため、生じる。他の場合では、通知は、ハンドヘルド式OCTデバイスが過剰に多くの測定の結果を記憶しており、データを患者のスマートフォンに伝送する必要があるため、生じる。具体的実施形態では、患者モバイルデバイスは、クラウドベースまたは他のネットワークベースの記憶および通信システムと通信し、患者データの完全なセットを表示する。
【0076】
図3Bは、いくつかの実施形態による、スマートフォン等のユーザデバイスに依拠することなく、クラウドベースの記憶および通信システムと直接通信することが可能である、ハンドヘルド式OCTデバイスを示す。いくつかの実施形態では、ハンドヘルド式OCTデバイス100は、光学系102と、光学系102を制御し、それと通信するための電子機器と、バッテリ106と、無線伝送機108とを備えている。ある場合には、無線伝送機は、GSM(登録商標)伝送機である。いくつかの事例では、1つ以上のRTもしくはRLT測定からの結果が、ハンドヘルド式OCTデバイス上に記憶される。ある場合には、GSM(登録商標)伝送機は、無線通信チャネル114を介してクラウドベースまたは他のネットワークベースの記憶および通信システム140との無線通信を確立する。具体的な場合では、無線通信は、GSM(登録商標)無線通信チャネルを介する。他の実施形態では、本システムは、第3世代(3G)または第4世代(4G)モバイル通信規格を利用する。そのような場合では、無線通信は、3Gまたは4G通信チャネルを介する。
【0077】
具体的実施形態では、患者モバイルデバイス120は、クラウドベースまたは他のネットワークベースの記憶および通信システム140から無線通信手段130を介して測定の結果を受信する。ある場合には、無線通信は、Wi-Fi通信を介する。ある場合には、Wi-Fi通信は、セキュアWi-Fiチャネルを介する。他の場合では、無線通信は、セルラーネットワークを介する。ある場合には、セルラーネットワークは、セキュアセルラーネットワークである。具体的事例では、伝送された情報が、暗号化される。いくつかの実施形態では、通信チャネルは、クラウドベースまたは他のネットワークベースの記憶および通信システムへの伝送もしくはそこからの受信を可能にするように構成される。
【0078】
クラウドベースまたは他のネットワークベースの記憶および通信システムから取得されると、RTもしくはRLT測定の結果は、いくつかの事例では、患者モバイルアプリ内で閲覧される。ある場合には、結果は、測定の結果が正常または健康範囲外であることを患者に警告する、アラート122を含む。いくつかの事例では、結果はまた、測定値124の表示も含む。例えば、ある場合には、RTまたはRLTの測定は、257μmの結果を生産する。本結果は、正常または健康範囲外である。具体的実施形態では、これは、本システムにアラートを生産させ、患者モバイルアプリ上に257μmの測定値を表示させる。いくつかの実施形態では、結果はまた、複数の時点にわたる患者のRTまたはRLTの履歴を示す、チャート126も含む。
【0079】
ある場合には、患者モバイルデバイスは、患者モバイルデバイスが最後に開かれてから過剰に多くの時間が経過したときに、患者または患者によって指定される別の人物に通知する特徴を有する。例えば、ある場合には、本通知は、その医師または他の医療提供者によって設定される測定スケジュールによる要求に応じた、直近のRTもしくはRLTの測定値を入手していないため、生じる。他の場合では、通知は、ハンドヘルド式OCTデバイスが過剰に多くの測定の結果を記憶しており、データを患者のスマートフォンに伝送する必要があるため、生じる。具体的実施形態では、患者モバイルデバイスは、クラウドベースまたは他のネットワークベースの記憶および通信システムと通信し、患者データの完全なセットを表示する。
【0080】
ある場合には、ハンドヘルド式OCTデバイスは、近距離伝送機と、GSM(登録商標)、3G、または4G伝送機との両方を備えている。いくつかの事例では、近距離伝送機は、Bluetooth(登録商標)伝送機である。ある場合には、ハンドヘルド式OCTデバイスは、Bluetooth(登録商標)無線通信チャネルを通して、スマートフォンまたは他のポータブル電子デバイス上の患者モバイルデバイスと直接通信する。いくつかの実施形態では、ハンドヘルド式OCTはまた、GSM(登録商標)、3G、または4G無線通信チャネルを通して、クラウドベースもしくは他のネットワークベースの記憶および通信システムと通信する。具体的な場合では、クラウドベースのシステムは、次いで、Wi-Fi、セルラー、または他の無線通信チャネルを通して、患者モバイルデバイスと通信する。代替として、Bluetooth(登録商標)伝送機は、ドッキングステーションの中に内蔵される。いくつかの事例では、これは、スマートフォンを欠いている患者のためのより古いデバイスの使用を可能にする。ある場合には、ドッキングステーションはまた、ハンドヘルド式OCTデバイスのバッテリを充電するための手段も含む。
【0081】
ある場合には、図3Aおよび3Bのハンドヘルド式OCTデバイスは、眼に近接近して保持されるように構成される。例えば、具体的実施形態では、本デバイスは、眼から200mm以下の距離に検出器を伴って眼の正面で保持されるように構成される。他の実施形態では、本デバイスは、眼から150mm以下、100mm以下、または50mm以下の距離に検出器を伴って眼の正面で保持されるように構成される。具体的事例では、ハンドヘルド式OCTデバイスはさらに、光源、光学要素、検出器、および回路網を支持するための筐体を備えている。ある場合には、筐体は、ユーザの手の中で保持されるように構成される。ある場合には、ユーザは、眼の正面で本デバイスを保持し、光ビームを眼の中に方向付ける。いくつかの事例では、本デバイスは、測定されている眼を測定するためのセンサを含む。例えば、具体的実施形態では、本デバイスは、筐体の配向に応答して測定される眼を決定するための加速度計またはジャイロスコープを含む。本デバイスは、随意に、筐体に結合されるオクルージョン構造と、測定される眼を決定するセンサとを含む。オクルージョン構造は、他方の眼が測定されている間に一方の眼をオクルードさせる。ある場合には、本デバイスは、光ビームと網膜の一部を整列させるための視認標的を含む。例えば、具体的実施形態では、本デバイスは、光ビームと眼窩を整列させるための視認標的を含む。ある場合には、視認標的は、光ビームである。ある場合には、視認標的は、発光ダイオードである。他の場合では、視認標的は、垂直空洞面発光レーザ(VCSEL)である。なおもさらなる場合では、視認標的は、当業者に公知である任意の視認標的である。
【0082】
本明細書に説明される光学構成要素は、当業者によって理解されるであろうように、本明細書に説明されるように縮小された物理的サイズおよび質量をハンドヘルド式OCTデバイスに提供するように、小型化されることが可能である。
【0083】
多くの実施形態では、図3Aおよび3Bのハンドヘルド式OCTデバイスは、ユーザによって片手で容易に操作されるために十分に小さく、十分に軽量である。例えば、多くの実施形態では、本デバイスは、約100グラム~約500グラムの範囲内の質量を有する。多くの実施形態では、本デバイスは、約200グラム~約400グラムの範囲内の質量を有する。多くの実施形態では、本デバイスは、約250グラム~約350グラムの範囲内の質量を有する。具体的実施形態では、本デバイスは、約80mm~約160mmの範囲内を横断する最大距離を有する。具体的実施形態では、本デバイスは、約100mm~約140mmの範囲内を横断する最大距離を有する。具体的実施形態では、本デバイスは、約110mm~約130mmの範囲内の幅を有する。いくつかの実施形態では、横断する最大距離は、ある長さを備えている。いくつかの実施形態では、本デバイスは、その長さ未満の幅を有する。具体的実施形態では、本デバイスは、約40mm~約80mmの範囲内の幅を有する。具体的実施形態では、本デバイスは、約50mm~約70mmの範囲内の幅を有する。具体的実施形態では、本デバイスは、約55mm~約65mmの範囲内の幅を有する。
【0084】
図4は、いくつかの実施形態による、ユーザの眼を測定するための両眼OCTデバイス4900の斜視図を示す。両眼OCTデバイス4900は、その両方とも本図では視界から非表示にされている、OCT測定システムに光学的に結合される第1の調節可能レンズ4916-1と、ハンドヘルド式ユニット本体4903(例えば、筐体)内に構成される第1の固視標的とを備えている。同様に、第2の調節可能レンズ4916-2は、OCT測定システムおよび第2の固視標的(非表示にされている)に光学的に結合され得る。第1の調節可能レンズ4916-1が、固視標的を提供し、ユーザの眼の網膜厚を測定するように構成される、第1の自由空間光学系の一部であり得る一方、第2の調節可能レンズ4916-2は、両眼OCTデバイス4900内の構成要素の数を低減させるように、固視標的のみを提供するように構成される、第2の自由空間光学系の一部であり得る。例えば、両方の自由空間光学系が、ユーザに固視標的を提供する一方、自由空間光学系のうちの一方のみが、ユーザが他方の眼を測定し得るように、ユーザが第1の眼を測定した後に、両眼OCTデバイス4900が、上下逆に方向転換される、すなわち、反転され得るにつれて、網膜厚を測定するために使用される。
【0085】
両眼OCTデバイス4900は、本実施形態では、ハンドヘルド式ユニット本体4903の外部上でアクセス可能である、瞳孔間距離(IPD)調節機構4905を備えている。本実施形態では、IPD調節機構4905は、2つの構成要素、すなわち、アイカップ4901-1および4901-2がユーザの顔の上に静置すると、ユーザがユーザの眼の正面に両眼OCTデバイス4900を設置するときに、ユーザの瞳孔のIPDに合致するようにレンズ4916-1と4916-2との間の距離を調節する、第1の構成要素4905-1を備えている。
【0086】
本IPDは、医療従事者によって設定され、ユーザが自宅で網膜厚を測定するための位置に係止されることができる。代替として、IPDは、ユーザ調節可能であり得る。スイッチ4904が、ユーザの屈折、すなわち、眼鏡処方に合致するように、レンズ4916-1および4916-2を調節するために使用され得る。代替として、タブレット等のモバイルデバイスが、患者の各眼の屈折をプログラムするために使用されることができる。例えば、ユーザは、一方の眼で第1の固視標的を、別の眼で第2の固視標的を固視してもよく、可動レンズは、ユーザの屈折に対して調節され得る。スイッチ4904は、ハンドヘルド式ユニット本体4903内のレンズ4916-1および4916-2のアセンブリを選択的に調節し、レンズ4916-1および4916-2の位置付けを変化させ得る。これらの位置は、医療従事者によってデバイスに入力され、本明細書に説明されるような配向センサからの配向に加えて、プロセッサ内に記憶されることができる。本デバイスは、反転されることができ、プロセスは、繰り返されることができる。代替として、または加えて、眼毎の処方は、プロセッサ内に記憶されることができ、レンズは、配向センサの配向に応答して、眼毎に適切な屈折に調節されることができる。
【0087】
構成要素4905-1および4905-5の両方は、医療提供専門家が手動で回転させる、1つ以上のホイールとして実装され得る。代替として、IPD調節機構4905は、電動式であり得る。本点について、構成要素4905-1および4905-5は、ハンドヘルド式ユニット本体4903内のモータを作動させ、ユーザがスイッチを方向付ける方向に基づいて、ハンドヘルド式ユニット本体4903内の歯車を回転させる、方向スイッチとして構成され得る。
【0088】
スイッチ4904は、両眼OCTデバイス4900の集束を調節するために使用されることができる。例えば、レンズ4916-1および4916-2の調節によってもたらされる焦点変化が、レンズ4916-1および4916-2の調節によって屈折力の慣用単位(例えば、ジオプタ)で測定され得るためである。ジオプタスイッチ4906もまた、ハンドヘルド式ユニット本体4903内のモータを作動させ、医療従事者がスイッチを方向付ける方向に基づいて、ハンドヘルド式ユニット本体4903内の歯車を回転させ、両眼OCTデバイス4900の屈折力を調節する、方向スイッチを備え得る。両眼OCTデバイス4900が、電子デバイスを備え得るため、両眼OCTデバイス4900は、両眼OCTデバイス4900の給電を制御するための電源スイッチを備え得る。
【0089】
アイカップ4901-1および4901-2の各々は、測定の間の眼の位置の調節を可能にするように、筐体にねじ式に搭載され、結合されることができる。本開示に関連する研究は、アイカップが医療従事者によって調節され、本明細書に説明されるような網膜厚測定のための眼の十分に再現可能な位置付けを可能にするように定位置に係止され得ることを示唆する。代替として、または組み合わせて、プルキニェ画像センサ等の眼球位置センサが、眼からOCT測定システムまでの距離を決定するために使用されることができる。
【0090】
両眼OCTデバイス4900は、自宅内測定のため、およびユーザが両眼OCTシステムを旅行に持って行くための適切な寸法ならびに重量を備え得る。例えば、両眼OCTシステムは、好適な長さと、好適な幅と、好適な高さとを備え得る。長さは、ユーザ視認方向に対応する軸に沿って延びていることができる。長さは、約90mm~約150mmの範囲内、例えば、約130mmであることができる。幅は、長さに対して側方に延びていることができ、約90mm~約150mmの範囲内、例えば、約130mmであることができる。高さは、例えば、約20mm~約50mmの範囲内であることができる。両眼OCTシステムの重量は、約1ポンド~2ポンド、例えば、0.5kg~約1kgの範囲内であることができる。
【0091】
両眼OCTデバイス4900は、落下されるように構成されることができる。例えば、両眼OCTデバイスは、約30cmの高さから落下され、例えば、測定の反復性以下の測定された網膜厚の変化を伴う、正確に網膜厚測定を実施するように、依然として機能するように構成されることができる。両眼OCTシステムは、例えば、ガラス破損からの安全上の危険をもたらすことなく、約1メートルの高さから落下されるように構成されることができる。
【0092】
図5は、いくつかの実施形態による、ハンドヘルド式ユニット本体4903内の種々の構成要素を図示する、両眼OCTデバイス4900のブロック図を示す。例えば、両眼OCTデバイス4900は、自由空間光学系4910-1および4910-2を備えている。自由空間光学系4910-1および4910-2の各々は、ユーザの網膜厚が測定されている間に、ユーザが標的を固視/凝視することを可能にし、両眼固視を提供するように、他方の眼を用いた固視を可能にする、その個別の眼のための固視標的4912を備えている。固視標的は、LED等の光源を用いて後方照明される開口(例えば、円盤形の照明標的を形成するための円形開口)を備え得るが、十字形または他の好適な固視刺激も、使用され得る。自由空間光学系4910-1および4910-2はまた、それぞれ、レンズ4916-1および4916-2を備えている、それぞれ、屈折誤差(RE)補正モジュール4911-1および4911-2を備え得る。これらのレンズは、適切な眼の屈折誤差に対応する事前プログラムされた位置まで移動させられることができる。自由空間光学系モジュール4910-1および4910-2内の周辺基板4915-1および4915-2は、それぞれ、電動式ステージ4914-1および4914-2に対する電子制御を提供し、両眼OCTデバイス4900の固視標的を視認する個別の眼の屈折誤差を補正する。
【0093】
本明細書に議論されるように、両眼OCTデバイス4900は、ユーザの顔の上に両眼OCTデバイス4900を快適に静置するために使用され得る、アイカップ4901-1および4901-2を備え得る。それらはまた、ユーザが両眼OCTデバイス4900の中を凝視するにつれて、外部光を遮断するように構成され得る。アイカップ4901はまた、医療提供専門家、随意に、ユーザが、ハンドヘルド式ユニット本体4903に対してアイカップ4901-1および4901-2を往復して移動させることを可能にし、ユーザの顔の上にアイカップを快適に位置付け、測定のために各眼を適切に位置付ける、アイカップ調節機構4980-1および4980-2を備え得る。
【0094】
いくつかの実施形態では、両眼OCTデバイス4900は、単一のVCSELまたは複数のVCSEL4952を備えている、ファイバ干渉計モジュール4950を備えている。1つ以上のVCSEL4952は、ファイバマッハ・ツェンダー干渉計4951に光学的に結合される、ファイバ分配モジュール4953に光学的に結合される。複数のVCSEL4952を備えている実施形態では、VCSELSは、それぞれ、光のスペクトル範囲を拡張するために、複数の中の他のVCSEL4952と異なる波長の範囲を備え得る。例えば、各VCSEL4952は、ある持続時間にわたって波長のある範囲にわたって掃引される、レーザ光をパルス化し得る。各VCSEL4952の掃引範囲は、本明細書に説明されるような複数の中の別のVCSEL4952の隣接掃引範囲に部分的に重複し得る。したがって、複数のVCSEL4952の波長の全体的掃引範囲が、より大きい波長掃引範囲まで延長され得る。加えて、複数のVCSEL4952からのレーザ光の発射は、連続的であり得る。例えば、複数のVCSEL4952のうちの第1のVCSELが、ある持続時間にわたって第1の波長にわたってレーザパルスを掃引し得る。次いで、複数のVCSEL4952のうちの第2のVCSELが、ある類似持続時間にわたって第2の波長にわたってレーザパルスを掃引し、次いで、第3のVCSELが掃引する等であり得る。
【0095】
VCSEL4952からのレーザ光は、ファイバ分配モジュール4953に光学的に伝達され、そこで、レーザ光の一部が、メイン電子基板4970内の分析のためにファイバコネクタ4960に光学的に伝達される。ファイバコネクタ4960は、ファイバ分配モジュール4953からファイバコネクタモジュール4960まで複数の光ファイバを接続し得る。レーザ光の別の部分が、光路距離補正(OPD)モジュール4940に光学的に伝達され、最終的に、ユーザの眼への送達およびマッハ・ツェンダー干渉計の測定アームの一部を用いたユーザの眼の測定のために自由空間網膜厚光学系4910-1に伝達される。例えば、OPD補正モジュール4940は、電動式ステージ4942を作動させ、ユーザの眼と、マッハ・ツェンダー干渉計の結合器と、1つ以上のVCSEL4952との間の光路距離を変化させるように、メイン電子基板4970によって制御される、周辺基板4943を備え得る。OPD補正モジュール4940はまた、ユーザの眼への送達の前にVCSEL4952からのレーザ光をコリメートする、ファイバコリメータ4941を備え得、ファイバコリメータは、OPD補正モジュール4940を用いて平行移動させられることができる。
【0096】
コントローラインターフェース4930が、ユーザ入力を受信し、両眼OCT測定システムを制御するために使用され得る。コントローラインターフェースは、第1のコントローラインターフェース4930-1と、第2のコントローラインターフェース4930-2とを備え得る。コントローラインターフェース4930は、本明細書に説明されるように、ユーザが一連のステップを開始し、眼を整列させ、網膜を測定することを可能にする、トリガボタン機構を備え得る。
【0097】
加えて、両眼OCTデバイス4900は、あるパターン(例えば、そのそれぞれが、下記により詳細に解説される、停止および進行軌道、星形軌道、連続軌道、ならびに/もしくはリサジュー軌道)において1つ以上のVCSEL4952からのレーザ光を走査する、スキャナモジュール4990を備え得る。例えば、スキャナモジュール4990の周辺基板4991が、ユーザの眼に対して光干渉断層撮影(OCT)を実施するためのパターンでVCSEL4952からのパルスレーザ光を走査するようにスキャナモジュール4990に指示する制御信号を受信するように、メイン電子基板4970に通信可能に結合され得る。走査モジュール4990は、ファイバコリメータ4941からレーザ光を受光し、レーザ光の走査パターンを提供する自由空間2次元スキャナ4993にレーザ光を光学的に伝達する、シーリング窓4992を備え得る。2次元スキャナは、例えば、2軸検流計または2軸静電スキャナ等の本明細書に説明されるようなスキャナを備え得る。存在するとき、シーリング窓4992は、埃および/または湿気がない状態で両眼OCTデバイス4900の内部構成要素を保つために使用され得る。レーザ光は、次いで、走査レーザ光が、自由空間RT光学系4910-1を介してユーザの眼に入力され得るように、光学系4994を中継するように光学的に伝達される。本点について、走査レーザ光は、赤外光が、ホットミラー、走査ミラーに向かって後方反射され、コリメーションレンズに結合される光ファイバ先端の中に集束され得るように、ホットミラー4913に伝達され得る。ホットミラー4913は、概して、可視光を透過し、赤外光を反射し、例えば、ダイクロイックショートパスミラーを備え得る。
【0098】
スキャナおよび関連付けられる光学系は、網膜の任意の好適に定寸された領域を走査するように構成されることができる。例えば、スキャナは、例えば、約1.5~3mmの範囲内を横断する最大距離を備えている面積にわたって網膜を走査するように構成されることができる。網膜の走査領域は、例えば、眼の測定された位置に基づいてマップを整列させることによって、例えば、整列誤差を補償するために、例えば、OCTシステムに関連する眼の側方位置付けにおいて最大0.5mmの整列のわずかな誤差を考慮するために、網膜厚のマップより大きい面積を備え得る。網膜上のOCT測定ビームのサイズは、約25ミクロン~約75ミクロンの範囲内であり得る。いくつかの実施形態では、ミラーは、秒あたり約50mm~秒あたり約200mmの範囲内の網膜上の走査率で連続軌道を用いて走査される。A走査の間のビームの変位は、例えば、約2~10ミクロンの範囲内であり得る。複数のA走査毎のビームは、重複することができる。1つ以上のVCSELが複数のVCSELを備えている、実施形態では、複数のVCSELは、複数のVCSELのそれぞれからの測定ビームが、以前の走査と網膜上で重複するように、A走査毎に順次走査されることができる。例えば、第1のA走査からの複数のVCSELのそれぞれからの順次発生されたビームの各々は、軌道に沿った第2のA走査からの複数のVCSELのそれぞれからの順次発生されたビームの各々と重複することができる。
【0099】
本明細書に説明されるように、両眼OCTデバイス4900は、構成要素4905-1および/または4905-2を介したIPD調節を備え得る。これらの構成要素は、自由空間光学系モジュールの間の分離距離を変化させ、IPDを調節するように、自由空間光学系モジュール4910-1および4910-2の作動を実施する、手動平行移動ステージIP調節モジュール4982に通信可能に結合され得る。
【0100】
メイン電子基板4970は、種々の構成要素を備え得る。例えば、光検出器4972は、ファイバコネクタ4960を通してVCSEL4952から方向付けられるレーザ光、ならびにユーザの眼から反射される干渉光を受光するために使用され得る。ファイバコネクタ4960は、複数の光ファイバ、例えば、4本の光ファイバを、複数の検出器、例えば、5つの検出器に結合する、モジュール4961を備え得る。ファイバコネクタ4960はまた、本明細書に示され、説明されるように、ユーザの眼から後方反射される光を位相ラップする際に使用され得る、干渉計クロックボックス4962(例えば、エタロン)を備え得る。光検出器4972によって受光されると、光検出器4972は、光を、メイン電子基板4970および/または別の処理デバイス上で処理されるべき電子信号に変換し得る。複数の光検出器は、例えば、ファイバマッハ・ツェンダー干渉計に結合される平衡検出器対、クロックボックス検出器、および一対の電力測定検出器のうちの2つの検出器を備え得る。
【0101】
メイン電子基板4970は、両眼OCTデバイス4900を別の処理システムに通信可能に結合する、電力を両眼OCTデバイス4900に提供する、および/または両眼OCTデバイス4900のバッテリを充電し得る、通信電力モジュール4973(例えば、ユニバーサルシリアルバス、すなわち、「USB」)を備え得る。当然ながら、両眼OCTデバイス4900は、例えば、Wi-Fi、Bluetooth(登録商標)、イーサネット(登録商標)、FireWire等を含む、両眼OCTデバイス4900から別のデバイスに情報を通信するために使用され得る他のモジュールを備え得る。
【0102】
メイン電子基板4970はまた、VCSEL4952がユーザの眼に向かって発射される方法および時間を指示する、VCSEL駆動電子機器4971を備え得る。メイン電子基板4970上の他の構成要素は、(例えば、外部処理システムから)両眼OCTデバイス4900に伝送されている、両眼OCTデバイス4900内の種々の構成要素から受信されている、および/または両眼OCTデバイス4900内の種々の構成要素から受信されている、それぞれ、アナログならびにデジタル信号を処理する、および/または発生させるために使用され得る、アナログブロック4974ならびにデジタルブロック4975を備えている。例えば、周辺フィードバックボタン4932は、アナログブロック4974および/またはデジタルクロック4975によって処理されるアナログ信号を発生させ得、これは、ひいては、周辺基板4943を介して電動式ステージモジュール4942を刺激するために使用される、制御信号を発生させ得る。代替として、または加えて、アナログブロック4974は、後続のデジタル信号処理(例えば、FFT、位相ラッピング分析等)のためにデジタルブロック4975によってデジタル信号に変換され得るように、光検出器4972からのアナログ信号を処理し得る。
【0103】
図6は、いくつかの実施形態による、両眼のOCT4900を伴って実装され得る光学構成5100の概略図を示す。光学構成5100は、光学結合器5126を介して結合されるファイバである1つ以上のVCSEL4952を備えている。上記に議論されるように、1つ以上のVCSEL4952は、発射されたときに波長のある範囲にわたって掃引され得る。複数のVCSEL4952を用いた実施形態に関して、波長は、VCSEL4952の全体的掃引範囲内で増加するように、複数の中の別のVCSEL4952の波長掃引範囲に部分的に重複し得る。ある事例では、本全体的掃引範囲は、およそ850nmを中心とする。1つ以上のVCSEL4952からのレーザ光は、ファイバ結合器5126を通して光ファイバライン5127に伝搬され、そこで、別の光学結合器5118が、2つの異なる経路に沿って1つ以上のVCSEL4952からの光学エネルギーの一部を分割する。
【0104】
第1の経路では、光学エネルギーのおよそ95%が、別の光学結合器5119に光学的に伝達され、光学エネルギーのおよそ5%が、光学結合器5120に光学的に伝達される。第2の経路では、光学エネルギーは、光学結合器5120を介して、さらにもう一度分割される。本点について、光学結合器5120からの光学エネルギーのおよそ75%が、エタロンを備えているファブリ・ペロー干渉計等の干渉計を通して位相補正検出器5101-1に伝達される。エタロンおよび検出器は、光学クロック5125の構成要素を備え得る。光学クロック5125は、例えば、単一のエタロンを備え得る。エタロンは、略平行平面を備え、レーザビームの伝搬方向に対して傾転され得る。表面は、コーティングされた、またはコーティングされていない表面を備え得る。材料は、好適な厚さを伴う任意の好適な光透過性材料から成ってもよい。例えば、エタロンは、約0.25mm~約5mm、例えば、約0.5mm~約4mmの範囲内の厚さを備え得る。エタロン表面の反射率は、約3%~約10%の範囲内であり得る。エタロンは、レーザビーム伝搬方向に対して傾転される、例えば、約5度~約12度の範囲内の角度で傾転されることができる。エタロンのフィネスは、例えば、約0.5~約2.0の範囲内、例えば、約0.5~1.0の範囲内であり得る。エタロンは、光学ガラス等の任意の好適な材料から成ってもよい。エタロンの厚さ、屈折率、反射率、および傾転角は、クロックボックス検出器において略正弦波光学信号を提供するように構成されることができる。約0.5~2.0の範囲内のフィネスは、本明細書に説明されるような位相補償に非常に適している略正弦波検出器信号を提供することができるが、より高いフィネス値を伴う実施形態が、効果的に利用されることができる。
【0105】
いくつかの実施形態では、クロックボックスは、複数のエタロンを備え得る。本アプローチは、1つ以上のVCSELが、複数のVCSELを備え、複数のエタロンが、追加の位相およびクロック信号情報を提供する、実施形態において役立ち得る。例えば、クロックボックスは、光が、第1のエタロン、次いで、第2のエタロンを通して、連続的に伝送されるように配置される、第1のエタロンおよび第2のエタロン、例えば、クロックボックス信号の周波数混合を提供し、掃引源の位相を測定するために使用される検出器ならびに関連付けられる回路の数を減少させ得る、直列構成を備え得る。代替として、複数のエタロンは、複数の検出器に結合される複数のエタロンを伴う平行構成で配置されることができる。
【0106】
位相補正検出器5101-1は、光学クロック5125からの光信号を使用し、本明細書に説明されるような1つ以上のVCSEL4952からの光の位相ラッピングを介して、1つ以上のVCSEL4952の位相を合致させることによって、ユーザの眼5109-1から反射される光の位相を補正し得る。光学結合器5120からの光学エネルギーの残りの25%が、光学的安全性のために検出器5101-2に光学的に伝達され得る。例えば、検出器5101-2は、デバイスの配向に応じて、ユーザの眼5109-1または5109-2に伝達されている光学エネルギーの量を決定するために使用され得る。両眼OCTデバイス4900が、検出器5101-2がユーザの眼を損傷させ得る過剰に多くの光学エネルギーを受光していることを決定する場合には、両眼OCTデバイス4900は、VCSEL4952を動作停止させる「強制停止スイッチ」として動作し得る。代替として、または加えて、両眼OCTデバイス4900は、検出器5101-2を監視し、レーザ安全性ならびに/もしくは信号処理のために必要と見なされるようなVCSEL4952からの光学エネルギーを増加または減少させ得る。OCTデバイスは、改良された眼の安全性のために冗長測定を提供するための第2の安全検出器5101-3を備え得る。
【0107】
光学結合器5119に伝達される光学エネルギー(例えば、1つ以上のVCSEL4952からの光学エネルギーのおよそ95%)はまた、2つの経路に沿って分割され、残りの光学エネルギーのおよそ99%が、ファイバに沿って光学結合要素5122に光学的に伝達され、残りの光学エネルギーのおよそ1%もまた、両眼OCTデバイス4900のレーザ安全性のために検出器5101-3に光学的に伝達される。光学結合器5122に伝達される光学エネルギーの一部は、光学結合器5122によって、マッハ・ツェンダー干渉計の2つの光路ループ5110と5111との間で、例えば、それぞれおよそ50%に分割され得る。光路ループ5110は、ユーザの眼5109-1の網膜厚測定のための参照光学信号(例えば、光路ループ5111を通してユーザの網膜から反射される測定信号)を提供するための干渉計の参照アームを備え得る。
【0108】
光学ループ5111を通して伝達される光学エネルギーの一部は、マッハ・ツェンダー干渉計の測定アームに沿ってユーザの左眼5109-1に伝達される。例えば、ユーザの眼5109-1に伝達されている光学エネルギーは、OPD補正モジュール4940を通して通過し、両眼OCTデバイス4900の適切な干渉計に任意の光路距離補正を実施し得る。本光は、次いで、ユーザの眼5109-1が(例えば、固視経路5106-1に沿って)固視標的4912-1を固視している間に、ユーザの眼5109-1の網膜厚を測定するように、スキャナモジュール4990の走査ミラー5113を介してユーザの眼5109-1を横断して走査され得る。
【0109】
固視標的4912-1は、LED5102-1を用いて後方照明されることができ、光は、光学要素5103-1および5105-1と、ホットミラーとを備えているダイクロイックミラー5115を通して、光路5106-1に沿って伝搬され得る。ある事例では、固視の標的はまた、標的を固視している間に軽減をユーザの眼5109-1に提供するように、照明停止部5104を含み得る。
【0110】
眼5109-1のユーザの網膜に衝突する光は、OPD補正モジュール4940、走査ミラー5113、集束要素5114、ダイクロイックミラー5115、および光学要素4916-1によって確立される経路に沿って、光学ループ5111を通して、光学結合器5122に戻るように、後方反射され得る。本事例では、光学結合器5122は、反射された光学エネルギーを光学ループ5110に分割された光学エネルギーと結合し得る、光学結合器5121に反射された光学エネルギーを光学的に伝達し得る。光学結合器5121は、次いで、網膜厚測定が実施され得るように、その光学エネルギーを平衡検出器の5101-4および5101-5に光学的に伝達し得る。そうすることで、光学結合器5121は、干渉信号が平衡検出器上で位相がずれて到着するように、その光学エネルギーを検出器5101-1および5101-4の各々に対するおよそ50%に分割し得る。
【0111】
光は、ダイクロイックミラー5115を介してユーザの眼5109-1に方向付けられている複数の光学要素5112および5114を通して集束され、光学要素4916-1を介してユーザの網膜上に集束され得る。走査ミラー5113からの光およびユーザの眼5109から反射される光は両方とも、概して、赤外光を反射し、可視光を透過させるように構成されるホットミラー4913を備え得る、ダイクロイックミラー5115から反射するものとして示される。
【0112】
本実施例から分かり得るように、ユーザの右眼5109-2は、示される配向を用いて1つ以上のVCSEL4952からいずれの光学エネルギーも受光しない。むしろ、ユーザの右眼5109-2は、別のLED5102-2を用いて後方照明され得る、標的4912-2を用いた両眼固視のために使用される。標的4912-2は、標的4912-1とサイズおよび形状が類似し、両眼固視を提供するように、類似光学系を用いて眼に提示されることができる。本点について、ユーザの右眼5109-2はまた、類似光学強度と、分離距離と、光路5106-1に沿った光学系までの寸法とを備えている、光学要素4916-2、5105-2、5103-2、および照明停止部5104を通した光路5106-2に沿って、標的4912-2を固視し得る。
【0113】
両眼OCTシステム4900は、光学構成要素を測定されているユーザのためのカスタマイズされた構成まで移動させるように構成されることができる。レンズ4916-1は、屈折、例えば、測定されている眼の眼鏡処方に従って、光路5106-1に沿って調節されることができる。レンズ4916-1は、レンズ4916-1を調節し、固視標的4912-1を合焦させるように、かつOCT干渉計の測定ビームをユーザの網膜上に集束させるように、コンピュータ、ユーザ、または他の制御下で移動させられることができる。例えば、レンズは、矢印5144で示されるように平行移動させられることができる。レンズ4916-2は、レンズ4916-1を調節し、固視標的4912-2をユーザの網膜上に合焦させるように、コンピュータ、ユーザ、または他の制御下で移動させられることができる。例えば、レンズは、矢印5148で示されるように平行移動させられることができる。OPD補正モジュール4950は、矢印で示されるように、ミラー5113に向かって、かつそこから離れるように、軸方向に平行移動させられることができる。OPD補正モジュール5146は、測定されているユーザの眼のために測定アームと参照アームとの間の光路差を適切に位置付けるように、コンピュータ制御下で移動させられることができる。瞳孔間距離は、光路5106-1に向かって、かつそこから離れるように、光路5106-2を平行移動させることによって、調節されることができる。
【0114】
自由空間光学系モジュール4910-2は、LED5102-2、固視標的4912-2、レンズ5103-2、開口5104-2、レンズ5105-2、またはレンズ4916-2等の1つ以上の構成要素を光路5106-2に沿って備え得る。自由空間光学系モジュール4910-2は、矢印5142で示されるように、瞳孔間距離を調節するように、光路5106-1に沿って位置する光学構成要素に向かって、かつそこから離れるように側方に平行移動させられることができる。自由空間網膜厚光学系モジュール4910-1は、LED5102-1、固視標的4912-1、開口5104-1、ミラー5116、レンズ5105-1、ミラー5115、またはレンズ4916-1等の光路5106-1に沿って位置する1つ以上の構成要素を備え得る。OPD補正モジュール5146は、干渉計の測定アームの光ファイバと、光ファイバから光を実質的にコリメートするため、かつ網膜から光ファイバの中に光を集束させるためのレンズ5112とを備え得る。
【0115】
図7は、いくつかの実施形態による、光学レイアウト基板5150上に構成される光学構成5100のブロック図を示す。例えば、両眼OCTデバイス4900は、ほぼ平面に沿って延びている複数の層を伴って構成されてもよく、その層の各々は、特定の機能を実施するように構成され得る。本事例では、光学レイアウト基板5150は、光学構成要素の振動を減少させるために使用され得る、光学構成5100のための支持体を提供する。光学基板5150は、本明細書に説明されるように、光ファイバモジュールの筐体内に封入される複数の構成要素を備え得る。筐体5153内に封入され、基板上に支持される複数の構成要素は、結合器5118、結合器5119、結合器5120、結合器5121、結合器5122、光ファイバ5110を備えている参照アーム、およびそれらの任意の組み合わせのうちの1つ以上を備え得る。1つ以上のVCSEL4952は、筐体内に封入され得る。結合器5120から延びている複数の光ファイバは、筐体を通して適切な検出器まで延び、例えば、クロックボックス検出器5101-1および安全検出器5101-2に結合することができる。結合器5119から延びている光ファイバは、第2の安全検出器5101-3に結合され、筐体5153を通して延びていることができる。結合器5119から延びている第2の光ファイバは、光学結合器5122を用いてサンプルを測定するように、干渉計に結合されることができる。サンプル測定アームの光ファイバ部分は、結合器5122から延び、例えば、筐体5153を通して光路差補正モジュール4940まで延びている。
【0116】
プリント回路基板は、いくつかの処理デバイス(例えば、図50の駆動電子機器4971を含む、メイン電子基板49700)が、1つ以上のVCSEL4952を駆動するために、光学レイアウト基板5150を伴って構成されるコネクタ5152に接続するケーブル5151を通して、光学レイアウト基板5150に結合し得る、電子機器面に沿って延びている支持層を提供し得る。
【0117】
図8は、いくつかの実施形態による、両眼OCT4900のモジュール式実施形態の斜視図を示す。例えば、両眼OCT4900のメイン電子基板4970は、光学レイアウト基板5150上の光学構成要素を封入する筐体4903に搭載される、プリント回路基板(PCB)5160として実装され得る。PCB5160は、電力および電子機器を提供し、光学レイアウト基板5150の光学構成5100を制御し得る。PCB5160はまた、周辺基板4932-1、4932-2、4943、4914-1、および4914-2を含む、またはそれに通信可能に結合され得る。両眼OCTデバイス4900はまた、光学レイアウト基板5150上に搭載され、メイン電子基板4970に通信可能に結合する、自由空間光学系モジュールを備え得る。光学系基板上に搭載される自由空間光学系モジュールは、本明細書に説明されるようなモジュール4910-1、モジュール4910-2、またはOPD補正モジュール4940のうちの1つ以上を備え得る。自由空間モジュール4910-2は、光学レイアウト基板5150に関連して移動し、瞳孔間距離を調節するように構成されることができる。OPD補正モジュールは、光学レイアウト基板5150に対して移動するように構成されることができる。
【0118】
干渉計モジュール4950は、本明細書に説明されるような光ファイバの結合器と、1つ以上のVCSEL4952とを備え得る。メイン電子基板4970または周辺基板のうちの1つは、VCSEL4952を駆動する電子機器を備え得る。光学レイアウト基板5150上の光ファイバに光学的に結合されている、1つ以上のVCSEL4952は、レーザ光を光学レイアウト基板5150上の光ファイバに伝搬する。ユーザの眼から反射されるレーザ光は、PCB5160に伝搬されることができ、そこで、光検出器4972は、反射レーザ光を検出し、アナログブロック4974による処理のために光を電子アナログ信号に変換する。
【0119】
いくつかの実施形態では、光学レイアウト基板5150は、減衰を両眼OCT4900に提供する。例えば、両眼OCT4900が落下されることになった場合、光学レイアウト基板5150を伴って構成される減衰機構が、両眼OCT4900の衝撃への任意の振動効果を補償し、その構成要素(例えば、光学レイアウト基板5150、PCB5160、干渉計モジュール4950、およびそれぞれの構成要素)を保護し得る。搭載プレート5150は、類似減衰機構を備え得る。
【0120】
図9は、いくつかの実施形態による、両眼OCT4900の斜視/切取内部図を示す。本図では、光学レイアウト基板5150、PCB5160、および干渉計モジュール4950は、両眼OCT4900の筐体4903内に構成される小型形態で機械的にともに結合される。本図から分かり得るように、固視標的4912-1および4912-2(例えば、LED光)は、ユーザがユーザの眼に近接して両眼OCT4900を設置するときに、それぞれ、レンズ4916-1および4916-2を通してユーザに可視である。VCSEL4952からのレーザ光は、固視標的4912-1と同一の光路の一部に沿って伝搬する。したがって、ユーザが固視標的4912-1および4912-2を凝視するとき、1つ以上のVCSEL4952からのレーザ光は、ユーザの眼を通して伝搬し、ユーザの網膜厚を決定するための後続の処理のために光学レイアウト基板5150に後方反射するように動作可能である。
【0121】
図10は、いくつかの実施形態による、両眼OCT4900の別の斜視/切取内部図を示す。本図では、光学レイアウト基板5150のみが、VCSEL4952、ファイバ結合器5126、検出器5105-1-5105-5、ファブリ・ペロー光学クロック5125、および光学結合器5118-5122の構成を示すように図示される。光学レイアウト基板5150はまた、スプライサ5170を備え得る。
【0122】
図11および12は、いくつかの実施形態による、眼球位置センサを備えている、両眼OCTシステム4900を示す。図11は、いくつかの実施形態による、眼球位置センサ5610を備えている、両眼OCT4900の俯瞰/切取内部図を示す。図12は、眼のプルキニェ画像を発生させるために使用される複数の光源5615および位置センサの斜視/切取内部図を示す。眼球位置センサ5610は、アレイセンサ、線形アレイセンサ、1次元アレイセンサ、2次元アレイセンサ、相補型金属酸化膜(CMOS)2次元アレイセンサ、象限検出器、または位置感受性検出器のうちの1つ以上を備え得る。眼球位置センサ5610は、眼の角膜からの光の反射からのプルキニェ画像等の眼の画像をセンサ上に形成するように、レンズと組み合わせられることができる。眼球位置センサは、図4-10を参照して説明される両眼OCTシステム等の本明細書に開示される実施形態のうちのいずれかに組み込まれることができる。
【0123】
示される図では、光学構成5100は、光ファイバ結合部(例えば、図6のファイバループ5110および5111)ならびに光学結合器5118-5122、および本明細書に説明されるような他のファイバ構成要素の上方の光学レイアウト基板5150上に搭載される。したがって、本明細書に説明されるような1つ以上の自由空間光学構成要素は、その下のファイバ構成要素に光学的に結合され得る。
【0124】
示されるように、自由空間光学系モジュール4910-1および4910-2は、概して、それぞれ、ユーザの眼5109-1および5109-2と整列される。自由空間光学系モジュール4910-1と4910-2との間の距離は、ユーザのIPDに従って調節され得る。いくつかの実施形態では、本調節は、両眼OCT4900がユーザに保有されている間に、ユーザのために維持される。例えば、ユーザは、ある時間周期にわたる自宅使用のために両眼OCT4900を使用する患者であり得る。ユーザに保有されている間に正しい網膜厚が測定されることを確実にするために、両眼OCT4900は、ユーザがIPDを調節することを防止し得る。同様に、両眼OCT4900はまた、ユーザがOPD補正モジュール4940を介してOPDを調節することを防止し得る。
【0125】
本図から分かり得るように、固視標的4912-1および4912-2(例えば、LED光標的)は、それらの個別の自由空間光学系モジュール4910-1および4910-2の種々の光学要素を通して通過する。OPD補正モジュール4940は、本明細書に説明されるように、1つ以上のVCSEL4952からレーザ光を受光し、走査ミラー4990に向かって光を方向付ける。走査ミラー4990からの光は、レンズを通して通過し、ダイクロイックミラー5115によってレンズ4916-1を通してユーザの眼5109-1に反射される。
【0126】
図12に示されるように、第1の光源と、第2の光源とを備えている、複数の光源5615が、プルキニェ画像を発生させるために使用される。追加の光源は、プルキニェ画像を発生させるために使用されてもよく、例えば、4つの光源が、略直交軸に沿って位置することができる。複数の光源は、多くの方法で構成されることができ、LED、導波管、開口、または光ファイバのうちの1つ以上を備え得、眼の角膜から反射されたときにパターンの仮想画像を形成するように、三角形、長方形、プラチドディスク、もしくは同等物等のパターンで配置されることができる。複数の光源からの光は、眼に向かって方向付けられ、レンズ4916-1に向かって角膜の前面上の涙液膜から反射される。角膜から反射された光線は、眼球位置センサ5610上に眼の画像を形成するように、ビームスプリッタ5115およびレンズ5105-1を通して透過される。ミラー5116が、眼球位置センサ5610に向かって複数の光源から光を反射するように、光路5106-1に沿って位置することができ、ミラー5116は、固視標的からの緑色光等の可視光を透過させるように構成されることができる。
【0127】
眼球位置センサ5610の複数の光源5615は、多くの方法において構成されることができる。いくつかの実施形態では、複数の光源は、プルキニェ反射等の反射を生成する、レーザを備えている。レーザは、光軸の側面に位置付けられ、レーザビームは、ある角度で光軸を交差するように配向されることができる。レーザの空洞が、レーザビームを傾斜させるために光軸に対して傾斜される、またはレンズ、プリズム、もしくはミラーが、レーザビームを光軸に対して傾斜させるために使用される、またはそれらの組み合わせが行われることができる。レーザは、光軸に対して角度付けられるため、これは、Z距離の変動に伴って角膜を横断して移動するであろう。角膜からのレーザ反射が、固視光および光軸の中心に関連付けられる既知のピクセルまたはピクセルの群の第1のプルキニェ画像上で心合されると、整列が、達成される。本開示に関連する研究は、本アプローチが、OCTデバイスの光軸に沿った改良された整列、例えば、Z軸に沿った改良された整列を提供し得ることを示唆する。いくつかの実施形態では、レーザビーム源は、Z軸に沿った眼の変位に伴って、他の光源を越えたレーザビームの変位を増大させるように、他の光源より大きい傾斜角を伴って光軸と交差するように構成される。
【0128】
いくつかの実施形態では、傾斜したレーザビームが、複数の光源と組み合わせられる。そのような実施形態では、プルキニェ画像反射の場所は、光軸に対する眼の側方位置、例えば、X、Y位置を決定するために使用されることができ、プルキニェ画像内のレーザビームの位置は、例えば、光軸に沿った眼の位置、例えば、眼のZ位置を決定するために使用されることができる。
【0129】
代替として、複数の光源は、単一の光源を備え得る。例えば、傾斜したレーザビームは、例えば、レーザビームの反射が画像の正しい位置において出現するとき、プルキニェ画像内の他の反射を伴うことなく、眼の位置を決定するために使用されることができる。
【0130】
位置センサ5610に結合される光学要素は、測定干渉計の光路の1つ以上の構成要素と、固視標的とを備え得る。1つ以上のVCSELからの光が、本明細書に説明されるように、走査ミラー5113から反射され、レンズ5114を通して透過され、ダイクロイックミラー5115からレンズ4916-1に向かって反射され、眼に向かって方向付けられることができる。固視標的4912-1からの光が、固視のために患者の網膜上に画像を提供するように、レンズ5105-1を通して方向付けられ、ミラー5115およびレンズ4916-1を通して眼に向かって透過されることができる。ダイクロイックビームスプリッタ等のビームスプリッタ5116が、複数の光源5615から眼球位置センサ5610に向かって光を反射し、固視標的から可視光を透過させるために、レンズ5105-1と固視標的4912-1との間に位置することができる。
【0131】
光源の波長は、多くの方法で構成されることができるが、いくつかの実施形態では、プルキニェ画像を発生させるための複数の光源は、約700~800nmの範囲内の波長を備え、固視標的は、約500~700nmの範囲内の波長を備え、OCT測定ビームは、約800~900nmの範囲内の複数の波長を備えている。ミラー5115は、800nmを上回る光を反射し、800nmを下回る光を透過させるように構成される、ホットミラーまたはダイクロイックビームスプリッタを備え得る。ビームスプリッタ5116は、700nmを上回る光を反射し、700nmを下回る光を透過させるように構成される、ダイクロイックミラーを備え得る。いくつかの実施形態では、1つ以上のVCSELからの光は、800nm~900nmの範囲内の波長を備え、プルキニェ画像を発生させるための複数の光源5615は、約700nm~800nmの範囲内の波長を備え、固視標的は、約400nm~約700nmの範囲内、例えば、約500nm~700nmの範囲内の波長を備えている。
【0132】
図13は、いくつかの実施形態による、自由空間光学系4910-1の俯瞰図を示す。レーザ光が、自由空間光学系4910-1に入射するにつれて、ダイクロイックミラー5115からユーザの眼5109-1(図示せず)に向かって光学要素4916-1を通して反射される。光は、ユーザの眼5109-1に衝突し、光学要素4916-1に向かって戻るようにその網膜から反射する。反射レーザ光は、ダイクロイックミラー5115からOPD補正モジュールに向かって反射される。複数の光源からの光は、ダイクロイックミラー5116から眼球位置センサ5610に向かって反射される。眼球位置センサ5610は、本明細書に説明されるような眼の位置まで、本明細書に説明されるようなプロセッサに動作可能に結合される。代替実施形態では、眼球位置センサ5610は、位置5201に位置することができ、光は、本明細書に説明されるようなプルキニェ画像等の眼の画像を眼球位置センサ上に形成するように、レンズ5202を通して透過されることができる。
【0133】
図4-13を参照して説明される両眼OCTデバイス4900の構成要素は、当業者に明白であろうように、小型OCTデバイスを提供するように組み合わせられることができる。
【0134】
両眼OCTデバイス4900は、図2、3A、および3Bのハンドヘルド式OCTデバイス100を備え得、通信回路を備え、本明細書に説明されるようなモバイル患者デバイス120等の1つ以上の外部デバイスに動作可能に結合するように構成され得る。本接続は、本明細書に説明されるように、例えば、USBコネクタを用いた有線、または、例えば、Bluetooth(登録商標)を用いた無線であり得る。モバイル患者デバイス120は、検出器5101-1-5101-5からの信号のうちの1つ以上のものを処理し、例えば、本明細書に説明されるようなA走査および網膜マップを発生させるように構成されることができる。
【0135】
図4-13は、両眼OCTデバイス4900を参照するが、両眼OCTデバイス4900の1つ以上の構成要素が、本明細書に説明されるような単眼OCTデバイス100を構築するために使用されることができる。例えば、瞳孔間距離(「IPD」)を調節するように除去され得る、自由空間光学系モジュール4910-2および関連付けられる平行移動ステージは、含まれなくてもよく、アイカップは、眼を被覆し、周囲光を遮断するように構成され得る。そのような実施形態では、ユーザは、本明細書に説明されるように、デバイスを反転させ、第2の眼を測定することができる。代替として、または組み合わせて、遮眼子が、不透明な材料で測定されていない眼を被覆し、測定されていない眼への注意散漫を回避するように、提供されることができる。スイッチが、信号をプロセッサに提供し、測定されている眼、および本明細書に説明されるように測定されている眼を参照して記録されるデータを決定するように、遮眼子に結合されることができる。
【0136】
図14A-14Dは、いくつかの実施形態による、光軸5106-1に関連する眼の位置を決定するように眼球位置センサ5610を用いて捕捉され得る、画像を示す。画像のそれぞれでは、角膜から反射された複数の光源の画像が、示される。角膜から反射された光の画像が示されるが、眼球位置センサは、例えば、瞳孔位置撮像構成等の他の構成も備え得る。4つの光源のそれぞれの位置が、示される。例えば、図14Aは、ユーザが固視標的を固視するときに、眼が由空間光学系4910-1と整列されるように、瞳孔不一致が0mmであり、軸状にある画像を示す。眼の位置は、眼球位置検出器5610上に結像される複数の光源の場所に応答して、決定されることができる。一般に、場所のオフセットは、OCTシステムの光軸に関連する眼の平行移動に対応する。図14B、14C、および14Dは、両眼OCTデバイス4900の測定側の光軸が眼と完全には整列されない、事例を図示する。より具体的には、図14Bは、X軸に沿った約0.5ミリメートルの眼の角膜の整列誤差を示す。図14Cは、X軸に沿った約1.0mmの整列誤差を示し、図14Dは、X軸に沿った1.5の整列誤差を示す。類似変位誤差が、Y軸に沿って計算されることができる。これらの変位誤差は、X軸およびY軸、例えば、これらの軸が、両眼OCT測定システム等のOCT測定システムの光軸を横断する平面に沿って延びている、X、Y座標参照を用いた眼の位置に沿って、眼球位置センサ5610を用いて決定されることができる。
【0137】
図15A-15Cは、いくつかの実施形態による、眼に最も近接しているレンズとユーザの眼5109-1との間の種々のアイレリーフ距離において眼球位置センサ5610を用いて捕捉される複数の光源の位置を示す。一般に、複数の光源の画像の間隔は、増加するレリーフ距離とともに減少する。より具体的には、図15Aは、ユーザの眼5109とOCT測定システムとの間のおよそ16mmの距離における複数の源から反射される光のプルキニェ画像を示す。図15Bは、およそ21mmの距離における位置センサ5610からの画像を示す。図15Cは、ユーザの眼5109とOCT測定システムとの間のおよそ26mmの距離における位置センサからの複数の光源の画像を示す。複数の光源の間の間隔は、増加するレリーフ距離とともに減少する。
【0138】
本明細書に説明されるようなプロセッサは、X、Y、およびZ軸におけるアイレリーフ距離を決定するように、眼球位置センサ5610に結合されることができる。プロセッサは、測定される眼を決定し、位置センサデータを眼の座標参照系に適切にマップするように、配向センサに結合されることができる。例えば、センサ5610からの眼のXおよびY位置は、OCTシステムが反転構成を備えているときに反転されることができ、眼の測定された位置は、ユーザの参照フレームに適切に変換されることができる。センサを用いて捕捉される画像は、意図された位置からのX、Y、およびZオフセットの組み合わせ、例えば、X、Y、ならびにZ軸に沿った0整列誤差を備え得る。
【0139】
本明細書に説明されるように、角膜からのレーザ反射が、固視光の第1のプルキニェ画像および光軸の中心に関連付けられる既知のピクセルまたはピクセルの群上に心合されると、整列が、達成される。いくつかの実施形態では、傾斜したレーザビームが、複数の光源と組み合わせられる。そのような実施形態では、プルキニェ画像反射の場所は、光軸に対する眼の側方位置、例えば、X、Y位置を決定するために使用されることができ、プルキニェ画像内のレーザビームの位置は、例えば、光軸に沿った眼の位置、例えば、眼のZ位置を決定するために使用されることができる。
【0140】
再び図15A-15Cを参照すると、複数の光源が、傾斜したレーザビームを含むとき、レーザビームは、検出器上で結像され、画像内に出現することができる。角膜が、公称の位置、例えば、図15Bに示されるように、21mmの眼レリーフを伴って位置付けられると、反射されたレーザビームが、4つの反射の中心に出現するであろう。眼が、例えば、図15Aに示されるように、OCTデバイスにより近接して位置付けられると、反射されたレーザビームは、他の光源から反射されるドットの中心の第1の側に出現するであろう。眼が、例えば、図15Cに示されるように、OCTデバイスからより遠くに位置付けられているとき、反射されたレーザビームは、第1の側の反対の反射されるドットの中心の第2の側に出現するであろう。反射されたレーザビームの位置は、他の光源から反射された光の位置との組み合わせにおいて、光軸、例えば、Z軸に沿って眼を位置付けるために使用されることができる。
【0141】
測定された眼球位置のうちの1つ以上のものは、命令をユーザに提供するために使用されることができる。例えば、ユーザは、OCT測定システムに動作可能に結合されるモバイルデバイスから聴覚命令を受信し、眼が本明細書に説明されるようなOCT網膜厚測定のための好適な窓内に位置するまで、眼を左、右、上、または上に移動させ得る。例えば、本システムは、眼がOCT測定システムの光軸の約0.5mm以内まで移動すると、OCT測定を入手するように構成されることができる。固視標的のうちの1つ以上のものは、視覚合図をユーザに提供するように構成されることができる。例えば、固視標的のうちの1つ以上のものは、測定された眼が十分に整列されるときに、色を変化させるように構成されることができる。例えば、固視標的は、十分に整列されていないときの黄色から十分に整列されたときの緑色に色を変化させることができる。いくつかの実施形態では、両方の固視標的は、OCTシステムが眼と十分に整列するときに、色を変化させることができる。本明細書に説明されるような固視標的を照明するLEDの各々は、2つ以上の発光波長、例えば、黄色および緑色波長を備え得る。
【0142】
図16Aは、いくつかの実施形態による、両眼OCT等の本明細書に説明されるようなOCTシステムによって実装され得る、前処理等の処理のフロー図6200を示す。未加工クロック信号6201が、本明細書に説明されるような掃引源のA走査掃引の間に位相補償モジュールの検出器から受信される。未加工クロック信号は、掃引源光ビームのサンプリングされた部分が、本明細書に説明されるようなエタロン等の干渉計を通して通過された後に、検出器からのアナログ値を備え得る。未加工A走査サンプル6202が、本明細書に説明されるようなOCT測定システムの平衡検出器から受信される。いくつかの実施形態では、クロック信号は、A走査を正確にサンプリングし、本明細書に説明されるような掃引源の波長掃引率の変動を補正するために、A走査信号と同期して捕捉される。未加工クロック信号は、ヒルベルト変換を用いて変換されることができ、結果として生じる位相情報は、線形化され、再サンプリングベクトル6204を発生させるために使用されることができる。再サンプリングベクトルを発生させるための再サンプリングは、チャープ補正もしくは位相補正のうちの1つ以上のものを含み得る。
【0143】
短時間フーリエ変換(STFT)が、未加工クロック信号に適用され、時間周波数図で可視化されることができる。画像6205は、未加工クロック信号上のチャープの非線形位相を図示する。画像6206は、再サンプリングベクトルで未加工クロック信号を再サンプリングした後の類似情報を示す。画像6205および画像6206に関して提供される本動作は、チャープ補正の有効性を示すために例証的である。画像6207は、未加工クロック信号に適用されるFFTの結果を示し、ピークの広がりを図示する。ピークの広がりは、光学クロックからのチャープ信号の非線形位相に起因し得る。画像6208は、画像6206と同様に、クロック信号の位相変動を減少させるために類似するクロック信号を再サプリングした後のFFTの結果を示し、ピークの広がりは、有意に低減される。いくつかの実施形態では、再サプリングは、未加工A走査6202に適用され、画像6502、6206、6207、および6208を参照して説明される追加のステップは、実施されず、これらの画像は、再サンプリングの有用性を図示するように提供される。
【0144】
再サンプリングベクトルは、再サンプリングされたA走査6203を発生させるように、A走査データに適用される。再サンプリングされたA走査は、個々のA走査6209の強度値を発生させるように、高速フーリエ変換等の変換を受ける。上記のプロセスは、複数のA走査を発生させるように繰り返されることができる。複数のA走査は、複数のA走査を含む、再サンプリングされたA走査出力6210を発生させるように、再サンプリングされることができる。再サンプリングされた出力は、本明細書に説明されるような網膜厚を決定するために使用されることができる。
【0145】
図16Bは、いくつかの実施形態による、図16Aのフロー図6200の前処理によって取得される種々のプロットを示す。単一のA走査6301は、A走査信号6301によって示されるような網膜6302の層に対応する反射を備えている。網膜6302は、内境界膜(「ILM」)、神経線維層、神経節細胞層、内網状層、外網状層、外境界膜、ヘンレ線維、外側セグメント、楕円体ゾーン、相互嵌合ゾーン、網膜色素上皮(「RPE」)、ブルッフ複合体、後皮質硝子体、内顆粒層、外顆粒層、および筋様体ゾーンを含む、いくつかの層および構造から成る。単一のA走査6301を参照して分かり得るように、網膜からの反射信号は、ILMに対応する第1のピークと、RPEに対応する第2のピークとを備えている。網膜厚は、ILMとRPEとの間の分離距離に基づいて決定されることができる。いくつかのA走査6303は、深度における網膜の反射率を備えている、組み合わせられた、および/またはオーバーサンプリングされた波形データ6304を発生させるように、サンプリングされる、ならびに/もしくは組み合わせられることができる。例えば、100~1,000回のA走査が、取得され、A走査の間に測定ビームの場所に対応する網膜の領域において網膜厚を発生させるように、例えば、700のサンプルが、再サンプリングおよび/またはオーバーサンプリングされることができる。再サンプリングされた、および/または組み合わせられたデータ6304は、対応するピークに基づくRPEならびにILMの場所、および網膜厚を決定するために使用される2つの反射率ピークの間の距離を決定するために、使用されることができる。
【0146】
図17は、いくつかの実施形態による、網膜厚の複数の出力マップ7700を示す。複数の画像は、本明細書に説明されるようにディスプレイ上に示され得る。複数の出力マップは、第1日の第1のOCT測定からの第1の出力マップ7710と、第2日の第2のOCT測定からの第2の出力マップ7712と、第3日の第3のOCT測定からの第3の出力マップ7714と、第4日の第4のOCT測定からの第4の出力マップ7716と、第5日の第5のOCT測定からの第5の出力マップ7718とを備え得る。
【0147】
差異マップ7750が、以前の測定と選択された測定との間の差異を示す。ユーザインターフェースは、ユーザがマップを選択するためのユーザ入力を受信するための命令を備え得る。例えば、カーソルを用いた、具体的な日からのマップのユーザ選択に応答して、プロセッサは、基準マップと選択されたマップとの間の差異マップを発生させるための命令で構成される。
【0148】
複数の出力マップおよび差異マップの各々は、複数のセクタを備えている。複数のセクタは、複数の環状セクタで境界される中心セクタを備え得る。複数の環状セクタは、内側環状セクタと、外側環状セクタとを備え得る。環状セクタの各々は、左象限、右象限、上象限、および下象限等の4つの象限を備え得る。網膜厚は、各セクタに示される数値を伴って複数のセクタの各々に表示され、セクタ毎に網膜厚に従って着色されることができる。色分けは、各セクタ内で連続的である、または実際の網膜厚測定に応答してグラデーションを付けられることができる。
【0149】
差異マップ7750は、多くの方法で構成されることができ、複数のセグメント毎に数値を伴って示される厚さの変化を示す、マップ7752を備え得る。厚さの変化は、厚さの変化に従って、差異マップのセクタ毎に色分けされることができる。差異マップは、セクタの断面積および厚さの変化に基づいて計算され得る、特定のセクタに関する網膜の体積の変化を示す、差異マップを備え得る。
【0150】
患者識別子等の追加のデータが、差異マップの各々とともに提供されることができる。また、本明細書に説明されるような網膜のOCT走査の間に、OCT測定システムに対する眼の整列もある。例えば、平均整列、および本明細書に説明されるようなX、Y、ならびにZ座標参照のうちの1つ以上のものが、マップとともに示され、マップの座標への適切な変換が、ディスプレイ上に示される。マップは、多くの方法で指示されることができ、数値、または厚さ等の値に対応する色等、色を含み得る。いくつかの実施形態では、マップは、マップを発生させるために使用されるデータの信頼度を査定することに役立ち得る、データ品質等の値に対応する数値または色等のデータ品質のインジケータを備えている、代替として、または組み合わせて、マップは、例えば、ゼロ整列誤差に対応する場所を中心としてマップを中心に置くように、本明細書に説明されるように眼の測定された位置に応答して調節されることができる。
【0151】
図4-13は、両眼OCTデバイスを参照するが、これらの構成要素のうちの1つ以上のものが、単眼もしくは両眼であり得る、本明細書に説明されるような、小型OCTデバイス100に組み込まれることができる。図4-13を参照して説明される両眼OCTデバイス4900の構成要素は、当業者に明白となるであろうように、組み合わせられ、小型単眼OCTデバイス100を提供することができる。いくつかの実施形態では、小型OCTデバイスは、台の上に搭載されるように構成される。いくつかの実施形態では、小型OCTデバイス100は、本明細書に説明されるように、内部平行移動ステージを備え、患者の眼とOCTビームを自動的に整列させる。
【0152】
単眼OCTデバイス100は、本明細書に説明されるように、図2、3A、および3Bのハンドヘルド式OCTデバイス100を備え得、通信回路網を備え得、モバイル患者デバイス120等の1つ以上の外部デバイスに動作可能に結合するように構成され得る。本接続は、本明細書に説明されるように、例えば、USBコネクタを用いて有線である、または、例えば、Bluetooth(登録商標)を用いて無線であることができる。モバイル患者デバイス120は、例えば、本明細書に説明されるように、検出器5101-1-5101-5からの信号等、検出器5101-1-5101-5の検出器からの信号のうちの1つ以上のものを処理し、A走査マップおよび網膜マップを発生させるように構成されることができる。
【0153】
図18A-18Dは、単眼OCTデバイス100の斜視切取内部図を示す。いくつかの実施形態では、OCTデバイス100は、ヘッド202と、基部204と、ヘッドを基部に継合する、ネック206とを含む。いくつかの実施形態によると、ヘッド202は、単一のアイカップ4901を含み、一度に単一の眼を測定することを促進する。アイカップの突出部分216が、本明細書に説明されるように、ユーザの眼をデバイス100に整列させるために提供され、代替として、検査されている眼がユーザの右眼または左眼であるかどうかを検出するために使用されることができる。他の形状のアイカップ4901も、本明細書において考えられ、例えば、アイカップ4901は、対称的であってもよく、赤外線センサ等の1つ以上のセンサが、走査されている眼を決定するために、患者の鼻もしくは他の顔の特徴を検出するために使用されることができる。ヘッドは、本明細書に説明されるように、OCTデバイス100内に含まれる光学系のための可動支持体を提供する、光学系支持体1802を含む。
【0154】
アイカップ4901は、多くの方法において構成されることができるが、いくつかの実施形態では、アイカップ4901は、測定の間、患者が支持体上に患者の頭部および眼を静置し得る、患者支持体を備えている。いくつかの実施形態では、平行移動ステージおよび光学系が、移動するように構成される一方、アイカップ4901等の患者支持体は、例えば、ネック206ならびに基部204からの支持を受けて、実質的に固定されたままである。アイカップ4901が、示されているが、患者支持体は、例えば、顎レストまたはヘッドレストのうちの1つ以上等、追加のもしくは代替構造を備え得る。
【0155】
レンズ4916は、固視標的を提供し、ユーザの眼の網膜厚を測定するように構成される、自由空間RT光学系4910の一部であり得る。レンズ4916は、本明細書に説明されるように、ユーザの屈折に合致するように調節可能であり得る。
【0156】
ヘッド202は、本明細書の図4および5に関連して図示され、説明される構成要素等の種々の構成要素を含む。例えば、OCTデバイス100は、本明細書に説明されるようなRE補正モジュール4911を備え得る、自由空間RT光学系4910を含む。自由空間RT光学系4910は、本明細書に説明されるように、固視標的4912と、ホットミラーとを含み得る。光学系支持体1802は、光学系構成要素をX方向、Y方向、またはZ方向のうちの1つ以上のものにおいて移動させるように構成されている、電動式ステージ1803を備え得る。光学系支持体は、光学系支持体を移動させ得る、モータ、線形アクチュエータ、スライダ、または任意の構造によって駆動され得る。
【0157】
いくつかの実施形態では、レンズ変位モータ1804が、レンズをZ方向において前進または後退させ、RE補正ならびに/もしくはOPD距離を調節するように構成される。他のモータが、光学系とユーザの眼の整列のために、レンズ頂点と、X軸に沿った平行移動のためのXモータ1806と、Y軸に沿った平行移動のためのYモータ1808と、Z軸に沿った平行移動のためのZモータ1810とを調節するために提供され得る。いくつかの実施形態では、整列は、OCTデバイス100によって自動的に行われる。追加の電動式構成要素が、自動集束調節のために光学系を調節し得る。
【0158】
OCTデバイス100は、本明細書に説明されるように、あるパターンにおける、1つ以上のVCSELからのレーザ光を走査する、キャナモジュール4990を含み得る。スキャナモジュール4990は、本明細書に説明されるように、周辺基板4915と、シーリング窓と、自由空間2dスキャナと、中継光学系とを含み得る。OCTデバイス100はさらに、本明細書に説明されるように、周辺基板4915と、電動式ステージおよびOPDモータ1812、ファイバコリメータ4941とを含み得る、OPD補正モジュール4940を含み得る。OCTデバイスは、加えて、本明細書に説明されるように、ファブリ・ペロークロックボックスを含み得る。OCTデバイス100は、限定ではないが、スキャナモジュール4990、再補正モジュール4911、および固視標的4912を含み得る、本明細書の実施形態に関連して説明されるもの等、他の構成要素を含み得る。
【0159】
図18Eは、メイン電子基板4970を含み得る、OCTデバイス100の基部204を示す。いくつかの実施形態では、メイン電子基板4970が、ヘッド内に位置付けられる一方、他の実施形態では、これは、ネック、基部内に位置付けられる、または頭部、ネック、ならびに/もしくは基部の任意の組み合わせの中に位置し得る、複数の部片において提供される。
【0160】
基部204はさらに、本明細書に説明されるように、ファイバコネクタ4960と、ファブリ・ペロークロックボックス4962とを含み得る。いくつかの実施形態では、基部204は、1つ以上のファイバVCSEL4952と、1つ以上のファイバマッハ・ツェンダー干渉計と、ファイバ分配回路網とを含み得る、ファイバ干渉計モジュール4950を含む。本明細書にさらに説明されるように、VCSELからのレーザ光は、ファイバ分配モジュール4953に光学的に伝達され、レーザ光の一部が、メイン電子基板4970内の分析のために、ファイバコネクタ4960に光学的に伝達される。VCSELからのレーザ光の別の部分は、OPD補正モジュール4940に、最終的には、ユーザの眼を測定するためにユーザの眼への送達のための自由空間RT光学系4910に光学的に伝達される。
【0161】
スキャナおよび関連付けられる光学系は、本明細書に説明されるように、網膜の任意の好適に定寸された領域を走査するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、スキャナおよび関連付けられる光学系は、自動集束のために構成される。いくつかの実施形態では、スキャナおよび関連付けられる光学系は、自動整列のために構成される。いくつかの実施形態では、レンズおよび/またはOPD補正モジュール4940は、Z方向における線形変位のために構成される。
【0162】
いくつかの実施形態では、自動集束(AF)システムが、患者のための自動集束を提供するために提供される。いくつかの実施形態では、自動捕捉(AC)システムが、本デバイスがユーザの眼と適切に整列されるとユーザの眼を自動的に捕捉するために提供される。いくつかの実施形態によると、OCTシステム100は、ユーザの眼を調節し、それに整列させ、OCTデバイス100の屈折誤差および光路差を調節するように構成される。いくつかの実施形態では、OCT光学系のREおよび位置が、調節される。他の実施形態では、REおよびOPDが、調節される。
【0163】
使用時、XY整列画像が、ユーザに表示され得る。XY整列画像は、ユーザの眼の角膜上に表示される、1つ以上のプルキニェ画像を含んでもよく、OCT光学系の位置は、X、Y、およびZ方向のうちの1つ以上のものにおいて移動させられる。いくつかの実施形態では、レンズ変位モータは、レンズの位置をZ方向において調節し、頂点間距離(例えば、OCTレンズと角膜との間の距離)を補正するように構成される。いくつかの実施形態では、プロセッサは、距離調節を実施し、ある場合には、自動的に、単眼OCTデバイス100のOCT光学系を焦点画像をユーザのために正確に表示するように整列させることによって、RE信号強度を反復することによってREを補正するように構成される。
【0164】
屈折誤差を測定するための光源および補償が、多くの方法において構成されることができる。いくつかの実施形態では、光源は、本明細書に説明されるように、1つ以上のVCSELを備え得る。VCSELは、光の安全性に適合するように適切なエネルギーを用いて適切な時間にパルス化されることができる。REを測定するための光源は、非コヒーレント光源を備え得る。例えば、VCSELは、発振閾値を下回るように駆動され、光の非コヒーレント源を提供するためのスーパールミネセントダイオードとして使用されることができる。代替として、別個の光源が、干渉計の測定区間と、光ファイバの端部から放出される光非コヒーレント光とを備えている、光ファイバに結合されることができる。
【0165】
OCTデバイス100の基部204は、情報を受信する、情報を伝送する、本デバイスに給電する、および/またはOCTデバイス100の使用に関連付けられる情報を収集するように構成される、構成要素を含み得る。いくつかの実施形態では、基部は、本明細書に説明されるように、関連付けられる電子機器に加えて、ファイバ干渉計モジュール4950を含む。基部は、交流電力または直流電力等を通して、電力をOCTデバイス100に提供する、電力供給源を含み得る。基部は、転倒に耐えるように安定した方法においてネックおよびヘッドを支持するための安定したプラットフォームを提供する。いくつかの実施形態では、基部は、OCTデバイス100の重心に影響を及ぼし、加重構造を用いることなくOCTデバイスの安定性を改良する、1つ以上の加重構造を含み得る。
【0166】
再び図18B、18C、および18Dを参照すると、これは、図18Aにおけるような、OCTデバイスの実施形態の斜視/切取内部図を示す。
【0167】
いくつかの実施形態では、OCTデバイス100は、本明細書に説明されるように、OCT測定システムに光学的に結合される調節可能レンズ4916と、固視標的4912とを有する、ヘッド202を含む。自由空間RT光学系4910は、本明細書に説明されるように、ユーザが一方の眼を用いて固視することを可能にする、固視標的4912を備えている。
【0168】
自由空間RT光学系4910はまた、レンズ4916を備えている、本明細書に説明されるようなRE補正モジュール4911を備え得る。レンズは、ユーザの眼の屈折誤差に対応する、事前プログラムされた位置に移動させられることができる。周辺基板4915が、本明細書に説明されるように、OCTデバイス100の固視標的4912を視認するユーザの眼の屈折誤差を補正するような、電動式ステージ1803の電子制御を提供することができる。
【0169】
いくつかの実施形態では、OCTデバイス100は、本明細書に説明されるように、単一のVCSELまたは複数のVCSEL4952を備えている、ファイバ干渉計モジュール4950を備えている。ファイバ干渉計モジュール4950内の1つ以上のVCSELが、本明細書に説明されるように、ファイバ分配モジュールに光学的に結合され、さらに、ファイバマッハ・ツェンダー干渉計4951に結合される。1つ以上のVCSELは、本明細書に説明されるように駆動され、動作され得る。
【0170】
スキャナモジュール4990および関連付けられる光学系は、本明細書に説明されるように、網膜の任意の好適に定寸された領域を走査するように構成されることができる。
【0171】
いくつかの実施形態によると、OCTデバイス100は、患者に提供されることに先立って患者のために具体的に構成されることなく、患者に提供されることができる。例えば、OCTデバイス100は、OCTデバイス100を特定のユーザのためにプログラミングすることなく、購入、ユーザに送達、貸与、賃貸、または販売され得る。これは、ユーザが保有する前にOCTデバイス100のユーザ設定についてのいかなる以前の知識も伴わずにOCTデバイス100を新しいユーザに提供することを促進する。OCTデバイス100は、本明細書に説明されるように、任意の通信方法論を通して、遠隔アクセス、データ転送、または構成に関して設定され得る。
【0172】
いくつかの実施形態によると、OCTデバイス100は、自動捕捉(AC)システムおよび自動集束(AF)システムのうちの1つ以上のものを使用する。いくつかの実施形態によると、OCT光学系の一部の屈折誤差および位置のみが、調節される。いくつかの実施形態によると、屈折誤差およびOPDが両方とも、調節される。
【0173】
いくつかの実施形態では、OCTデバイス100は、一度に単一の眼を調節し、単一の眼を測定することによって、ユーザの眼を自動的に調節する。例えば、XY整列が、本明細書に説明されるように、ユーザの角膜から反射されたプルキニェ画像を利用することによって、実施される。ユーザは、その視線を固視標的上に固定させ得、自由空間RT光学系4910は、自由空間RT光学系4910とユーザの眼を整列させるために、アクチュエータ、モータ、または同等物によって光学系支持体を移動させることによって、左、右、上、下、中、ならびに/もしくは外に移動させられることができる。
【0174】
いくつかの実施形態によると、1つ以上のLED214が、自由空間RT光学系4910とユーザの眼のXY整列を促進するための照明を提供する。いくつかの実施形態では、走査ビームが、瞳孔平面の近傍で枢動し、眼内で結像される。光学系は、瞳孔平面の近傍の場所に1つ以上の走査ミラーを結像し、ビームは、結像された場所において枢動する。走査ミラーが、参照されているが、いくつかの実施形態では、走査は、例えば、ジンバル構成を用いて2つの軸を中心として枢動する、単一のミラーによって提供される。
【0175】
いくつかの実施形態では、OCTデバイス100は、光学系支持体上に搭載される構成要素と眼を整列させるための平行移動ステージ1803を備えている。平行移動ステージ1803は、光学系支持体をXYZ平行移動ステージ等の3つの軸の各々に沿って移動させるように構成されている、3軸平行移動ステージを備え得る。平行移動ステージ1803は、Xモータ1806等のX軸アクチュエータに結合される、X軸等の第1の軸に沿った平行移動を提供し得る。平行移動ステージは、Yモータ1808等のY軸アクチュエータに結合される、Y軸等の第2の軸に沿った平行移動を提供し得る。移動ステージは、Zモータ1810等のZ軸アクチュエータに結合される、Z軸等の第3の軸に沿った平行移動を提供し得る。本明細書に説明されるように、XおよびY軸は、概して、眼の中へのOCT測定ビーム経路に対して横方向の平面に沿った平行移動に対応し、Z軸は、OCT測定ビーム経路に沿った移動に対応する。
【0176】
いくつかの実施形態では、OCTデバイスは、追加の光学要素の3軸平行移動ステージに対する移動を提供するように、平行移動ステージを用いて支持される、追加のアクチュエータを備えている。例えば、レンズ変位モータ1804等の第4のアクチュエータが、レンズ4916を移動させるように構成されることができる。第5のアクチュエータが、OPD補正部4940に結合されることができる。第5のアクチュエータは、OPDモータ1812を備え得る。第5のアクチュエータは、干渉計の測定アームと参照アームとの間の光路差を調節するようにOPDアセンブリ4940を移動させるように構成されることができる。OPDアセンブリは、干渉計の測定アームからの光ファイバの端部と、コリメーションレンズとを備え得、その両方とも、干渉計の測定アームの光路長を調節するように移動するように構成される。
【0177】
いくつかの実施形態では、OCTデバイス100は、屈折誤差を補正する。本明細書に説明されるように、OCTデバイス100は、(光ファイバ等からの)OCTビームを、角膜を通して網膜に透過し、検出器が、反射された光の強度を測定する。光学系支持体の平行移動は、自由空間RT光学系4910を患者に向かった方向、例えば、Z方向において平行移動させ得る。いくつかの実施形態では、(レンズ4916を含む)自由空間RT光学系4910が、平行移動ステージの移動を用いてユーザに向かって平行移動すると、レンズ4916が、レンズ変位モータの作動を用いて光学系支持体に対して反対方向において移動し、それによって、レンズとユーザの角膜との間の実質的に一定である頂点間距離を維持する。反対方向における変位が、図18Cに矢印で示される。実質的に一定である頂点間距離は、約+/-1.5mm以内で一定に留まる距離を含み得る。
【0178】
前面レンズ、例えば、レンズ4916、すなわち、レンズ変位モータ等の第4のアクチュエータを伴うレンズ4916-1の本移動はまた、眼の屈折誤差を補償するように固視標的の両眼離反運動を調節するように、固視標的とレンズとの間の距離を変更させる。例えば、平行移動ステージが、固視標的、例えば、固視標的4912-1を眼に向かって移動させると、前面レンズが、固視標的に向かって移動し、近視を矯正する標的の両眼離反運動を提供しながら、また、OCTビームの両眼離反運動を屈折補正に対応するように設定する。RE補正モジュール4911-1の本協調された移動およびZアクチュエータを用いた平行移動ステージの平行移動は、頂点間距離が実質的に一定である距離に維持される一方、屈折誤差が調節されることを可能にする。
【0179】
いくつかの実施形態では、OCT平行移動ステージおよび前面レンズの本協調された移動が、OCTデバイス100が、OCTコヒーレンス信号に依拠することなく最も強力な集束を設定することを可能にする。レンズ4916は、自由空間RT光学系4910を移動させること等によって利用可能な屈折誤差の範囲を横断して平行移動する一方、レンズ4916をユーザの角膜から実質的に一定である距離に維持し得る。自由空間RT光学系4910を患者に向かって移動させ、レンズ4916を対応する速度および/または距離を用いて移動させることによって、屈折誤差は、光信号の最も強い強度が眼から戻るように受信される自由空間RT光学系4910の位置を決定することによって、補正されることができる。いくつかの事例では、説明されるように、屈折誤差を補正するステップは、OPD調節に影響を及ぼさない。自由空間RT光学系4910を移動させ、反射された光強度を測定するプロセスが、OCT光源からの光ビームの最も強い強度信号を決定するために反復されることができる。いくつかの実施形態では、OPDの補正は、屈折誤差の補正が、OPD補正部4940の平行移動を用いて確立されると、行われることができる。しかしながら、いくつかの実施形態では、OCT測定光ビームは、OPD補正を伴うことなく実質的な干渉信号を提供するための十分なコヒーレンス長を含む。代替として、または組み合わせにおいて、いくつかの実施形態では、反射された光干渉信号強度は、例えば、本デバイスのコヒーレンス長内に心合されるように、反復によって調節される。
【0180】
いくつかの実施形態によると、REが較正されると、本情報が、後の再現のためにメモリ内または遠隔デバイス上に記憶され得る。例えば、自由空間RT光学系4910の位置が、ユーザの眼の後の走査のために、メモリ内に記憶され、ユーザに関連付けられてもよい。ユーザ識別、RE較正に対応する眼の識別、日付、時間、および他の情報等の追加のデータが、特定のユーザの特定の眼のためのRE補正に関連して記憶され得る。ある場合には、RE較正は、一度のみ実施される必要がある。他の場合では、RE較正は、ユーザの眼の走査の数未満である、回数実施される。例えば、RE較正は、2回の眼の走査毎、または3回の眼の走査毎、もしくは4回の眼の走査毎、または5またはそれを上回る眼の走査毎に1回、実施され得る。
【0181】
いくつかの随意の実施形態によると、OPDは、本明細書に説明されるように、例えば、OPD補正部4940およびOPDモータ1812等のOPDアクチュエータの平行移動を用いて調節される。いくつかの実施形態では、OPDは、RE補償が実施された後、調節される。いくつかの実施形態では、OPDは、干渉計をアクティブ化し、掃引源OCTを提供し、OPD補正部の平行移動に応答した忠実度(例えば、信号の強度)を決定することによって調節される。ある場合には、初期信号対雑音比が、ある閾値を上回る場合、OPD設定は、走査された眼に関して適切である。初期の信号対雑音比が閾値を下回る場合には、OPDモータが、アクティブ化されてもよく、OPD補正モジュール4940は、信号対雑音比が閾値を上回る場所まで、Z方向において平行移動させられ得る。ある場合には、OPD補正モジュール4940は、信号対雑音比が閾値を上回るまで、1mm等の距離だけ、または1mm単位で平行移動させられ得る。いくつかの実施形態によると、信号対雑音比は、OPD補正モジュール4940の各Z場所において決定され、ピーク信号対雑音比が、決定される。いくつかの実施形態では、OPD補正モジュール4940は、ピーク信号対雑音比と一致するように位置する。
【0182】
いくつかの実施形態によると、OPD補正部4940は、結合器5122からの光ファイバの端部および(図6に示されるような)コリメーションレンズ5112が、光学系支持体に対して固定されたままであるように、存在していない。そのような実施形態では、システムプロセッサは、平行移動ステージを用いて光学系支持体を平行移動させることによってOCT干渉信号を改良するための命令で構成されることができる。本開示に関連する研究は、光学系支持体の平行移動が、OPD補正部を実装するために使用され得ること、および光学系支持体の移動が、患者の網膜上の屈折補償ならびに測定ビームのサイズの変化をもたらすであろうことを示唆する。OPD補正部4940が利用不可能であるそれらの実施形態では、OCTデバイス100は、最初に、実質的に一定である頂点間距離での屈折補償を調節し得る。屈折補償が決定されると、OCTデバイス100は、干渉信号の改良された信号対雑音比を提供するために、OCTシステムの測定アームの長さを調節ように、平行移動ステージを用いて光学系支持体を平行移動させ得る。いくつかの実施形態によると、本システムが眼と整列され、屈折誤差補償が決定され、OPDが平行移動ステージの移動を用いて調節されると、OCTデバイス100は、網膜のOCT干渉データを入手し、網膜厚データを決定する準備ができるであろう。
【0183】
代替として、OPDアクチュエータは、固視標的が屈折誤差を補償するように調節される間、最も強い干渉信号を入手するように調節されることができる。
【0184】
いくつかの実施形態によると、OCTデバイス100は、位置センサを用いてユーザの眼のXY位置を追跡することによって、ユーザ移動を能動的に追跡することができる。いくつかの実施形態では、OCTデバイス100は、例えば、平行移動ステージのXY移動を用いて、自由空間RT光学系4910の能動的な追跡およびXY制御を通してユーザの眼の位置を補償するように自動調節し得る。代替として、または組み合わせにおいて、OCTデバイス100は、ユーザの眼と位置センサの整列を監視することができ、走査の間に、整列データが容認可能なパラメータの外に該当する場合、検査は、繰り返されることができる。例えば、整列データは、走査の時間の間、整列の寸法に関連付けられる、整列距離、整列時間、整列割合、整列角度、またはいくつかの他のデータを備え得る。これらの値のうちの1つ以上のものが、所定の範囲の外側にある場合、ユーザは、1つ以上の値が所定の範囲内になるまで、走査を繰り返すようにプロンプトされることができる。
【0185】
図19は、いくつかの実施形態による、OCTデバイスを用いて眼を走査するためのプロセスステップ1900を示す。ステップ1902において、前面レンズが、本明細書に説明されるように、位置センサを用いて頂点間距離を標的化された頂点間距離に設定するように整列される。いくつかの実施形態によると、固視標的が、ユーザが凝視するために提示される一方、眼の位置が、頂点間距離を決定するために測定される。本デバイスは、ユーザの角膜上に、プルキニェ画像を発生させるためのグリッド等の1つ以上の光もしくは他の好適なパターンを含む、パターンを透過し得る。本デバイスは、プルキニェ画像に応答して眼とOCT光学系を整列させるように、光学系支持体をX方向、Y方向、またはZ方向のうちの1つ以上のものにおいて移動させ得る。いくつかの実施形態では、OCT光学系は、1つ以上の走査ミラーを瞳孔平面の近傍の場所、および画像の場所に結像し、眼内の対応する枢動を、平行移動ステージ上のOCT光学系を用いて平行移動させる。
【0186】
ステップ1904において、本デバイスは、本明細書に説明されるように、例えば、前面レンズと固視標的との間の距離の調節を用いて屈折誤差を補正する。いくつかの実施形態によると、OCT光源からのビームが、ユーザの眼の中に透過され、検出器が、ユーザの網膜から反射されたビームの強度を測定するであろう。いくつかの実施形態では、ビーム強度は、干渉計の測定アームおよび参照アームから干渉信号を捕捉することなく測定される。光学系支持体に結合される平行移動ステージのアクチュエータは、自由空間光学系およびレンズ変位モータの組み合わせられた変位が、前面レンズを患者の眼から実質的に一定である距離に留まらせるように、自由空間光学系を患者の眼に向かって、またはそれから離れるように移動させ、レンズ変位モータは、前面レンズを反対方向において移動させ、頂点間距離を実質的に維持する。本システムは、眼の屈折補償を決定するように、自由空間光学系およびレンズの移動に応答して、網膜から反射される光の強度を決定し得る。本システムは、自由空間光学系およびレンズの移動に応答して、ピーク反射率信号を決定し得る。本システムは、ピーク反射率信号を決定するために反復し得る。反射率信号は、検出器に反射されているOCTビームの輝度に基づいてもよい。いくつかの実施形態では、光ファイバの端部および対応するコリメーションレンズは、網膜上への光ビームの最良な集束が、ピーク反射率信号に対応するように、共焦点構成を備えている。
【0187】
ステップ1906において、本デバイスは、本明細書に説明されるように、例えば、干渉計の測定アームの光ファイバの端部の移動を用いて、OPDを補正する。いくつかの実施形態によると、OPDが、調節され、OCTデータの忠実度(例えば、干渉信号の信号対雑音比)が、決定される。OPD調節が、反復され、OCTデータの最高忠実度(例えば、最高信号対雑音比)が、決定される。いくつかの実施形態によると、OCTシステムの測定アームの光ファイバの端部は、ユーザの眼から離れるようにZ方向において平行移動させられ、OCTデータの忠実度を増大させる。いくつかの実施形態では、近視を補償するために前面レンズの頂点間距離を実質的に固定された応対に維持すること、光学系支持体を眼に向かって移動させ、前面レンズと固視標的との間の分離距離を減少させることは、干渉計の測定アームの光路長、例えば、測定アーム光ファイバの端部と網膜との間お距離を減少させる。しかしながら、近視の人は、眼の拡大された軸長を有する傾向にあるため、測定アームからの光ファイバの端部を網膜から離れるように移動させられることは、いくつかの実施形態では、干渉信号を増大させる。いくつかの実施形態では、測定光ファイバの端部の本移動は、光学系支持体およびその上に支持される構成要素(例えば、前面レンズ、固視標的、光ファイバの端部、ならびに対応するコリメーションレンズ)を平行移動ステージを用いて移動させることによって提供され、測定経路長を増大させることができる。代替として、OPD補正は、本明細書に説明されるように、第5のアクチュエータを用いて駆動されるOPD調節を用いて光ファイバの端部およびコリメーションレンズを移動させるために使用されることができる。
【0188】
ステップ1908において、本デバイスは、本明細書に説明されるように、例えば、掃引源OCTシステムからの干渉信号を用いて網膜厚データを入手する。RTデータが、本明細書に説明されるように、位置センサデータに応答して、眼の整列に応答して自動的に入手され得る。RTデータは、例えば、屈折補償が決定された後に自動的に入手され得る。RTデータは、OPD補正が決定された後、自動的に入手され得る。RTデータは、RE補正およびOPD補正が両方とも決定された後、自動的に入手され得る。RTデータは、ボタンの押動等による、手動の作動によって入手され得る。RTデータは、例えば、遠隔デバイスからの信号、または音声のアクティブ化に応答して入手され得る。
【0189】
ステップ1910において本デバイスは、本明細書に説明されるように、例えば、網膜厚データを遠隔デバイスに送信する。
【0190】
図20Aは、いくつかの実施形態による、固視標的2000および対応する網膜場所を移動させる、複数の位置を示す。いくつかの実施形態では、移動する固視標的の位置が、OCTの実効走査範囲を拡張するために使用される。複数の場所において固視標的を提示し、複数の標的場所の各々に関して網膜のエリアを走査することによって、対応する面積のそれぞれからの網膜OCTデータが、組み合わせられ、走査される網膜の総面積を拡大させることができ、本総走査面積は、例えば、網膜厚マップおよび画像を発生させるために使用されることができる。代替として、固視標的の複数の位置は、走査ミラーを用いることなく、網膜厚マップを発生させるために使用されることができる。そのような実施形態では、固視標的の複数の位置の各々は、網膜厚マップの領域に対応する。網膜厚データが、これらの位置の各々に関して取得され、網膜厚マップを発生させるために使用される。いくつかの実施形態では、眼球位置センサデータは、網膜厚マップ上の網膜厚データの対応する場所を調節するために使用される。
【0191】
いくつかの実施形態では、固視標的の場所を変更した後、プロセッサは、その固定場所に関するOCT網膜データを入手する前に、X寸法およびY寸法において再度整列するための命令で構成される。例えば、瞳孔の中心の場所が、新しい固視標的場所に伴って変化する場合、プロセッサは、瞳孔でのOCT測定ビームのクリッピングを減少させるように、OCTデバイスを、OCTビームを瞳孔内にほぼ心合させるように平行移動させるように構成されることができる。
【0192】
固視標的2000は、本明細書に説明されるように、OCTデバイスを具備し得る。いくつかの実施形態によると、固視標的は、ユーザが網膜の異なる部分を測定するために試験されている眼を移動させ、走査の面積を拡大することを助長するために、OCTデバイス内で移動させられる。いくつかの実施形態によると、固視標的は、OCTデバイス内のディスプレイ上で生成され、固視標的は、ディスプレイ上で可動である。固視標的は、本明細書に説明されるもの等、任意の好適な標的であってもよく、ユーザがその視線を固定するための点、十字線、画像、記号、絵文字、または任意の他のタイプの標的を含み得る。
【0193】
固視標的のための対応する網膜場所が、破線で示される。網膜場所の境界は、中心リング2002と、第1のリング2004と、第2のリング2006とを含み得る。正方形面積または長方形面積と一致する境界等、他の配置が、本明細書において可能性として考えられ、想定される。
【0194】
いくつかの実施形態によると、可動固視標的2000の第1の場所は、リング2002によって境界されるものに対応する、中心場所2008を備えている。固視標的が、中心場所2008に位置する間、ユーザの眼は、固視標的を固視し、OCTデバイスは、網膜を走査し、その場所および対応する領域2002に関するOCT測定データを発生させることができる。いくつかの事例では、ユーザが、中心リング2002を固視すると、OCTシステムは、網膜の中心を走査し、中心場所2008に関連付けられるOCT測定データを発生させるであろう。
【0195】
固視標的は、場所2010、場所2012、場所2014、および場所2016の各々に対応する複数の場所等、他の離散場所に移動し得る。いくつかの実施形態では、これらの場所は、網膜厚マップ上に示される網膜の領域に対応する。これらの場所の各々に関するOCT測定データが、取得されることができる。本データは、網膜厚マップを発生させるため、または走査される網膜のエリアを拡張するため、およびそれらの組み合わせのために使用されることができる。
【0196】
OCTシステムは、ユーザの眼のRTデータを収集するために固視標的を表示するための1個、2個、5個、12個、20個、またはそれを上回る離散位置を事前決定し得る。いくつかの実施形態では、RTデータは、ユーザの眼のRTマップを発生させるために、収集、コンパイル、および使用される。RTマップは、所望に応じた任意のレベルの粒度を備え得る。例えば、より多い数の走査およびより多い詳細を伴うRTマップが、新しいユーザに関して発生され得る一方、より少ない数の走査およびより少ない粒度を伴うRTマップが、更新されたRTマップとして既存のユーザに提供され得る。
【0197】
いくつかの実施形態では、OCTデバイスは、網膜の1つ以上の面積を走査し、網膜のエリア全体ではなく、網膜のあるエリアについてのデータを提供する、OCT測定データを発生させる。これらの実施形態では、OCTデバイスは、網膜の着目エリアと一致する固視標的場所の一部を利用し得る。実施例として、OCTデバイスが、眼を右に回転させる、固視標的を提示する場合、OCTデバイスは、網膜の右側と一致する網膜のエリアを走査することができる。いくつかの実施形態では、OCTデバイスまたは遠隔のコンピューティングリソースは、OCT測定データに基づいてRTマップもしくは網膜画像を発生させることができる。
【0198】
いくつかの実施形態によると、光学系は、ビームを瞳孔の中心に維持するように平行移動させられ得る。例えば、眼が回転するにつれて、瞳孔は、事実上、平行移動し、眼球位置センサを用いて測定されることができる。言い換えると、眼は、瞳孔の後方にある、回転中心を中心として回転する。したがって、眼が、回転するにつれて、瞳孔は、平行移動を近似する。OCTビームは、いくつかの実施形態では、OCTビームが瞳孔内に心合されたままであり、測定ビームのクリッピングを減少させるように、それに応じて平行移動ステージを用いて平行移動させられ得る。
【0199】
いくつかの実施形態によると、固視標的は、所定の位置を通してゆっくりと移動し、網膜の持続的走査が、眼が固視標的に追従するにつれて捕捉される。いくつかの実施形態では、OCT測定データは、1対1でRTマップに対応する。すなわち、1つ以上の固視標的場所における(例えば、掃引源ビームを用いた)網膜の各OCT走査は、RTマップの区域に対応し得る。いくつかの実施形態では、網膜の走査の数は、RTマップ上の区域の数より多いことも、少ないこともある。
【0200】
図20Bは、複数の網膜走査が網膜の種々の領域にわたるRTデータを生産する、RTマップを図示する。複数の厚さ値が、RTマップ上に示され、各厚さのエントリが、網膜のエリアに対応する、固視標的の単一の位置に対応し得る。いくつかの実施形態によると、複数の厚さ値は、それぞれ、固視標的の所定の位置に対応し得る。いくつかの実施形態では、複数の厚さ値は、網膜の複数の走査の組み合わせに基づいて発生される。例えば、厚さ値は、網膜のエリアの複数の走査の平均または加重平均の結果であり得る。
【0201】
図21は、いくつかの実施形態による、眼の網膜を測定するための方法2100を示す。方法2100は、以下のステップを含む。
【0202】
ステップ2102は、固視標的を複数の位置に移動させる。
【0203】
ステップ2104は、眼の位置および複数の位置の各々において網膜OCTデータを測定する。
【0204】
ステップ2106は、位置センサを用いて眼の位置を測定する。位置センサは、プルキニェ画像を発生させるように配置された複数の光源と、プルキニェ画像を捕捉するための画像センサとを備え得る。
【0205】
ステップ2108は、固視標的の複数の位置および複数の標的場所の各々における網膜OCTデータに応答して、網膜厚マップを発生させる。
【0206】
図21は、いくつかの実施形態による、方法2100を示すが、当業者は、多くの適合例および変形例を認識するであろう。例えば、ステップは、任意の好適な順序において実施され、ステップのうちのいくつかは、省略され、ステップのうちのいくつかは、繰り返されることができ、ステップのうちのいくつかは、サブステップを含み得る。
【0207】
いくつかの実施形態では、OCT測定ビームは、固視標的の複数の位置の各々において位置センサに対して実質的に固定されたままである。
【0208】
いくつかの実施形態では、網膜厚マップは、固視標的の複数の位置に対応する複数の領域を備えている。
【0209】
いくつかの実施形態では、網膜厚マップは、5~20個の領域を備え、固視標的の複数の場所は、5~20個の領域を備えている。
【0210】
いくつかの実施形態では、OCTシステムは、OCT測定ビームを網膜の複数の場所に移動させるためのスキャナを備えていない。
【0211】
いくつかの実施形態では、OCTシステムはさらに、OCTビームを、固視標的の複数の位置の各々に関して複数の網膜位置に走査するためのスキャナを備えている。例えば、スキャナは、複数の固視標的位置の各々に関して複数の網膜位置で網膜のエリアを走査するように構成されることができ、複数の網膜位置の各々において走査された網膜のエリアは、網膜厚マップまたは網膜画像のうちの1つ以上の面積未満である。
【0212】
いくつかの実施形態では、OCT測定ビームは、光路距離を補償するために、圧電駆動モータ上に搭載される走査ミラーに透過される。例えば、OCT測定ビームを反射し、固視標的に透過させるように構成される、ホットミラーが、XYZ平行移動ステージの位置が実質的に固定されたままである間、光路差を調節するために平行移動するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、ミラーの平行移動は、固視標的からの光の通過等、透過光の通過が実質的に改変されないままであり、随意に、光が、ミラーを通して位置センサに透過されるであろう。OPDを調節するようにOCT測定ビームを反射するであろう。
【0213】
いくつかの実施形態では、OCTビームは、方向およびOPDが両方とも調節され得る、マイクロミラー/マイクロレンズアセンブリを通して走流される。いくつかの実施形態では、ビーム半径もまた、変動される。マイクロ光学系アセンブリは、サブミクロンの分解能を伴う圧電駆動部を含む、線形駆動部のセットの上に搭載され得る。そのような駆動部は、インターネットにおいて、dtimotors.com上で説明されるように、DTI motorsから商業的に利用可能である。
【0214】
そのようなシステムは、いくつかの実施形態によると、1Nの駆動力が、駆動力であるように、減少された駆動力に依拠し得る。
【0215】
いくつかの実施形態では、駆動力は、0.5ニュートン(N)~2.5Nの範囲内であり、分解能は、0.5ミクロンを超えない。いくつかの実施形態では、応答時間は、0.1秒あたり1mmまたはそれより速い。本レンズアセンブリは、本明細書に説明されるように、信号対雑音比を増加させるように、マイクロコントローラまたはFPGA等のプロセッサを用いて制御されることができる。いくつかの実施形態では、レンズアセンブリは、網膜上のOCT測定ビームをディザリングするように構成される。
【0216】
本明細書で使用されるように、用語「患者」および「ユーザ」は、同義的に使用される。
【0217】
本明細書で使用されるように、用語「OCTデバイス」および「OCTシステム」は、同義的に使用される。
【0218】
本明細書に説明されるように、本明細書に説明および/または例証される、コンピューティングデバイスならびにシステムは、大まかには、本明細書に説明されるモジュール内に含まれるもの等のコンピュータ読み取り可能な命令を実行することが可能である、任意のタイプもしくは形態のコンピューティングデバイスまたはシステムを表す。それらの最も基本的構成において、これらのコンピューティングデバイスは、それぞれ、少なくとも1つのメモリデバイスと、少なくとも1つの物理的プロセッサとを備え得る。
【0219】
本明細書で使用されるように、用語「メモリ」または「メモリデバイス」は、概して、データならびに/もしくはコンピュータ読み取り可能な命令を記憶することが可能である、任意のタイプまたは形態の揮発性または不揮発性記憶デバイスもしくは媒体を表す。一実施例では、メモリデバイスは、本明細書に説明されるモジュールのうちの1つ以上のものを記憶、ロード、ならびに/もしくは維持し得る。メモリデバイスの実施例は、限定ではないが、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SSD)、光ディスクドライブ、キャッシュ、そのうちの1つ以上のものの変形例もしくは組み合わせ、または任意の他の好適な記憶メモリを含む。
【0220】
加えて、本明細書で使用されるように、用語「プロセッサ」または「物理的プロセッサ」は、概して、コンピュータ読み取り可能な命令を解釈ならびに/もしくは実行することが可能である、任意のタイプまたは形態のハードウェアによって実装される処理ユニットを指す。一実施例では、物理的プロセッサは、上記に説明されるメモリデバイス内に記憶される、1つ以上のモジュールにアクセスする、ならびに/もしくはそれを修正し得る。物理的プロセッサの実施例は、限定ではないが、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、中央処理ユニット(CPU)、ソフトコアプロセッサを実装する、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、そのうちの1つ以上のものの一部、そのうちの1つ以上のものの変形例もしくは組み合わせ、または任意の他の好適な物理的プロセッサを含む。
【0221】
別個の要素として例証されているが、本明細書に説明および/または例証される方法ステップは、単一のアプリケーションの一部を表し得る。加えて、いくつかの実施形態では、これらのステップのうちの1つ以上のものは、コンピューティングデバイスによって実行されると、コンピューティングデバイスに、方法ステップ等の1つ以上のタスクを実施させ得る、1つ以上のソフトウェアアプリケーションもしくはプログラムを表す、またはそれに対応し得る。
【0222】
加えて、本明細書に説明されるデバイスのうちの1つ以上のものは、データ、物理的デバイス、ならびに/もしくは物理的デバイスの表現を1つの形態から別のものに変換させ得る。加えて、または代替として、本明細書に列挙されるモジュールのうちの1つ以上のものは、コンピューティングデバイス上で実行する、コンピューティングデバイス上でデータを記憶する、ならびに/もしくはコンピューティングデバイスと別様に相互作用することによって、プロセッサ、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、および/または物理的コンピューティングデバイスの任意の他の部分をコンピューティングデバイスの1つの形態からコンピューティングデバイスの別の形態に変換し得る。
【0223】
本明細書において使用されるように、用語「コンピュータ読み取り可能な媒体」は、概して、コンピュータ読み取り可能な命令を記憶または搬送することが可能である、任意の形態のデバイス、キャリア、もしくは媒体を指す。コンピュータ読み取り可能な媒体の実施例は、限定ではないが、搬送波等の伝送タイプ媒体、磁気記憶媒体等の非一過性タイプ媒体(例えば、ハードディスクドライブ、テープドライブ、およびフロッピー(登録商標)ディスク)、光学記憶媒体(例えば、コンパクトディスク(CD)、デジタルビデオディスク(DVD)、ならびにBLU-RAY(登録商標)ディスク)、電子記憶媒体(例えば、ソリッドステートドライブおよびフラッシュメディア)、ならびに他の分配システムを含む。
【0224】
当業者は、本明細書に開示されるいかなるプロセスまたは方法も、多くの方法において修正され得ることを認識するであろう。本明細書に説明および/または例証されるプロセスパラメータならびにステップのシーケンスは、一例として与えられるにすぎず、所望に応じて変動され得る。例えば、本明細書に例証および/または説明されるステップは、特定の順序において示される、もしくは議論され得るが、これらのステップは、必ずしも例証または議論される順序において実施される必要があるわけではない。
【0225】
本明細書に説明および/または例証される種々の例示的方法はまた、本明細書に説明もしくは例証されるステップのうちの1つ以上のものを省略する、もしくは開示されるものに加えて、追加のステップを含み得る。さらに、本明細書に開示されるような任意の方法のステップが、本明細書に開示されるような任意の他の方法のうちのいずれか1つ以上のステップと組み合わせられることができる。
【0226】
本明細書に説明されるように、プロセッサは、本明細書に開示される任意の方法の1つ以上のステップを実施するように構成されることができる。代替として、または組み合わせにおいて、プロセッサは、本明細書に開示されるような1つ以上の方法の1つ以上のステップを組み合わせるように構成されることができる。
【0227】
他に注記されない限り、本明細書および請求項において使用されるように、用語「~に接続される」ならびに「~に結合される」(およびそれらの派生語)は、直接的接続ならびに間接的(すなわち、他の要素または構成要素を介した)接続の両方を可能にするものとして解釈されるものとする。加えて、本明細書および請求項において使用されるように、用語「a」または「an」は、「~のうちの少なくとも1つ」を意味するものとして解釈されるものとする。最後に、使用し易さのために、本明細書および請求項において使用されるように、用語「~を含む(including)」ならびに「~を有する(having)」(およびそれらの派生語)は、同義的であり、単語「~を備えている(comprising)」と同一の意味を有するものとする。
【0228】
本明細書に開示されるようなプロセッサは、本明細書に開示されるように、任意の方法の任意の1つ以上のステップを実施するための命令で構成されることができる。
【0229】
用語「第1」、「第2」、「第3」等が、本明細書では、事象のいかなる特定の順序またはシーケンスに言及することなく、種々の層、要素、構成要素、領域、もしくは区分を説明するために使用され得ることを理解されたい。これらの用語は、1つの層、要素、構成要素、領域、または区分を別の層、要素、構成要素、領域、もしくは区分から区別するために使用されるにすぎない。本明細書において説明されるような第1の層、要素、構成要素、領域、または区分は、本開示の教示から逸脱することなく、第2の層、要素、構成要素、領域、もしくは区分と称され得る。
【0230】
本明細書で使用されるように、用語「または(or)」は、物品を代替として、および組み合わせにおいて、包括的に指すために使用される。用語「および/または(and/or)」も、同様に使用される。
【0231】
本開示は、以下の付番される付記を含む。
【0232】
付記1.眼の網膜を測定するための光干渉断層撮影(OCT)システムであって、測定ビームを発生させるための光源と、複数の光学要素と、検出器とを備えている、OCT干渉計と、固視標的と、網膜から反射される光ビームの強度に応答して、眼の屈折誤差を補償するように、複数の光学要素および固視標的に動作可能に結合されたプロセッサとを備えている、OCTシステム。
【0233】
付記2.眼の網膜を測定するための光干渉断層撮影(OCT)システムであって、検出器と、1つ以上の光ビームを発生させるように構成された光源のうちの1つ以上を備えている光源と、光源に結合され、1つ以上の光ビームを網膜に方向付け、検出器において干渉信号を発生させる、複数の光学要素とを備えている、OCT干渉計と、固視標的と、OCT干渉計の位置への眼に対して複数の光学要素および固視標的を平行移動させ、眼の屈折誤差を補償するための3軸平行移動ステージと、網膜から反射された1つ以上の光ビームの強度に応答して、眼の屈折誤差を補償するように複数の光学要素ならびに固視標的を位置付けるための3軸平行移動ステージに動作可能に結合される、プロセッサとを備えている、OCTシステム。
【0234】
付記3.ピーク強度は、検出器を用いて測定された網膜から反射された光のピーク強度を備え、随意に、ピーク強度は、OCT干渉計の測定アームと参照アームとの間の干渉を測定することなく、検出器を用いて測定されたピークを備えている、付記2に記載のOCTシステム。
【0235】
付記4.複数の光学要素は、3軸平行移動ステージを用いて支持されたレンズを備え、レンズは、屈折誤差を補正するように3軸平行移動ステージに対する第4軸に沿った移動を伴って、3軸平行移動ステージに結合されている、付記2に記載のOCTシステム。
【0236】
付記5.プロセッサは、3軸平行移動ステージの1つ以上の軸に沿った固視標的の移動に応答して、レンズから眼の角膜までの頂点間距離を実質的に固定するために第4軸に沿ってレンズを平行移動させるための命令で構成されている、付記4に記載のOCTシステム。
【0237】
付記6.OCT干渉計は、参照アームと、測定アームとを備え、測定アームは、測定アームの光路に沿ってレンズの方に向けられた端部を備えている光ファイバを備え、端部およびレンズは、3軸平行移動ステージ上で平行移動するように構成されている、付記5に記載のOCTシステム。
【0238】
付記7.端部およびレンズは、プロセッサに動作可能に結合され、光路差に応答して端部およびレンズを移動させ、端部およびレンズは、3軸平行移動ステージに結合され、第5の軸に沿って移動し、測定アームと参照アームとの間の光路差を補正する、付記6に記載のOCTシステム。
【0239】
付記8.プロセッサは、レンズを、複数の屈折誤差に関連付けられた固視標的に対して複数の位置に平行移動させ、複数の位置の各々において強度を決定し、ピーク強度に対応するレンズの位置を決定し、レンズを、ピーク強度に対応する位置に設置するための命令で構成されている、付記2に記載のOCTシステム。
【0240】
付記9.レンズは、固視標的およびOCT干渉計の少なくとも一部に対して移動可能であり、眼の屈折誤差を補償し、OCT干渉計はさらに、左眼の屈折誤差補償と右眼の屈折誤差補償とに関連付けられたデータを記憶するように構成されている、非一過性コンピュータ読み取り可能な媒体を備えている、付記8に記載のOCTシステム。
【0241】
付記10.命令は、プロセッサに、右眼の記憶された屈折誤差データおよび左眼の記憶された屈折誤差データに応答して、レンズを調節させる、付記9に記載のOCTシステム。
【0242】
付記11.眼の位置を測定するためのセンサであって、OCT干渉計と眼を整列させるように3軸平行移動ステージを移動させるための命令で構成されている、プロセッサに結合されている、センサをさらに備えている、付記2に記載のOCTシステム。
【0243】
付記12.センサは、眼の前部分を撮像し、調節可能レンズと固視標的との間に延びている軸に関連する眼の位置を決定するためのカメラを備え、プロセッサは、カメラからの信号および画像に応答して、眼の位置を決定するように、カメラに動作可能に結合され、随意に、画像は、眼の瞳孔の画像、眼の角膜から反射された光のプルキニェ画像、または眼から反射されるレーザビームの画像のうちの1つ以上を備えている、付記2に記載のOCTシステム。
【0244】
付記13.プロセッサは、眼の位置に応答して眼の網膜上の測定領域を調節するための命令で構成されている、付記11に記載のOCTシステム。
【0245】
付記14.プロセッサは、眼の位置に応答して網膜厚の出力マップを調節するように構成される、付記11に記載のOCTシステム。
【0246】
付記15.OCT干渉計は、時間ドメインOCT干渉計、掃引源OCT干渉計、スペクトルドメインOCT干渉計、または多重反射率OCT干渉計のうちの1つ以上を備えている、付記2に記載のOCTシステム。
【0247】
付記16.1つ以上の光源は、複数の光源を備え、複数の光源は、複数のVCSELを備え、回路網は、スペクトル範囲を拡張するために、複数のVCSELの各々を順次アクティブにするように構成される、付記2に記載のOCTシステム。
【0248】
付記17.1つ以上の光ビームは、可変波長を備え、回路網は、回路網からの駆動電流を用いて波長を変動させるように構成される、付記2に記載のOCTシステム。
【0249】
付記18.光路差(OPD)を補償するための可動コリメータをさらに備え、随意に、可動コリメータは、光ファイバの端部と、レンズとを備え、光ファイバの端部は、OCT干渉計の測定アームの光ファイバの端部を備え、レンズは、光ファイバに対して位置付けられ、光ファイバからの光ビームを実質的にコリメートする、付記2に記載のOCTシステム。
【0250】
付記19.OCTシステムであって、プロセッサと、プロセッサに結合された複数の電気構成要素とを備えているプリント回路基板と、支持体上に搭載された複数の光学系モジュールを備えている、支持体であって、複数の光学系モジュールは、スキャナと、固視標的と、スキャナおよび固視標的に結合された1つ以上のレンズとを備えている、支持体と、支持体に結合され、3つの軸に沿って支持体を平行移動させるように構成された複数のアクチュエータと、複数の光ファイバと、複数の光ファイバ結合器と、光ファイバ参照アームと、測定アームの光ファイバ部分とを備えている干渉計モジュールと、プリント回路基板、支持体、ならびに干渉計モジュールを封入している外部筐体とを備えている、OCTシステム。
【0251】
付記20.外部筐体は、接眼レンズの1つ以上のものと、ヘッドレストまたは顎レストとを備えている、患者支持体に結合され、支持体は、アクチュエータがその上に支持される構成要素を眼と整列するように移動させることに応答して、外部筐体および患者支持体に対して移動するように構成される、付記19に記載のOCTシステム。
【0252】
付記21.支持体は、その上に搭載された複数の光学系モジュールを伴うプレートを備えている、付記19に記載のOCTシステム。
【0253】
付記22.OCTシステムは、基部を備え、干渉計モジュールは、基部内に位置している、付記19に記載のOCTシステム。
【0254】
付記23.複数の光ファイバは、掃引源レーザに結合される源光ファイバを備え、随意に、掃引源レーザは、筐体の内側に位置する、付記19に記載のOCTシステム。
【0255】
付記24.複数の光ファイバは、筐体内に位置する第1および第2のアーム結合器から、筐体の外側に位置する一対の平衡検出器まで延びている一対の光ファイバを備え、第1および第2のアーム結合器は、参照アームを測定アームの光ファイバ部分に結合し、随意に、一対の平衡検出器は、プリント回路基板上のプロセッサに動作可能に結合される、付記19に記載のOCTシステム。
【0256】
付記25.測定アームの光ファイバ部分は、筐体内の光ファイバ参照アームに結合される光学結合器から筐体の外側の端部まで延び、端部は、ユーザの眼に向かって測定光ビームを方向付けるようにレンズに結合される、付記19に記載のOCTシステム。
【0257】
付記26.複数の光ファイバは、掃引源レーザに結合される位相監視光ファイバを備え、位相監視光ファイバは、筐体内に位置する結合器から筐体の外側に位置する端部まで延び、端部は、掃引源レーザから放出される光の位相を測定するためのエタロンおよび位相検出器に光学的に結合され、随意に、位相検出器は、プリント回路基板上のプロセッサに動作可能に結合される、付記19に記載のOCTシステム。
【0258】
付記27.複数の光ファイバは、一対の光強度監視ファイバを備え、一対の光学監視ファイバは、筐体内に位置する結合器から一対の光学監視検出器まで延び、一対の光学監視検出器は、掃引源レーザのパワーを独立して測定するように構成され、随意に、一対の光学監視検出器は、プリント回路基板上のプロセッサに動作可能に結合される、付記19に記載のOCTシステム。
【0259】
付記28.プロセッサと、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、眼の位置を決定させ、複数のアクチュエータのうちの1つ以上をアクティブにすることによって、固視標的と眼を整列させるように支持体を移動させ、眼の屈折誤差に関して1つ以上のレンズを調節させ、光路距離に関して1つ以上のレンズを調節させ、眼に関連付けられた網膜データを入手させる、命令を記憶している非一過性コンピュータ読み取り可能な媒体とをさらに備えている、付記19に記載のOCTシステム。
【0260】
付記29.屈折誤差に関して1つ以上のレンズを調節するステップは、1つ以上のレンズを屈折誤差の範囲に関連付けられた複数の位置に平行移動させるステップと、複数の位置の各々における網膜から反射された測定ビームの強度を決定するステップと、ピーク強度信号を決定するステップと、1つ以上のレンズをピーク強度信号と対応するように位置付けるステップとを含む、付記28に記載のOCTシステム。
【0261】
付記30.光路距離に関して1つ以上のレンズを調節することは、複数の位置までの光路距離を調節するステップと、複数の位置におけるOCT干渉信号の信号対雑音比を決定するステップと、OCT干渉信号のピーク信号対雑音比を決定するステップと、1つ以上のレンズをピーク信号対雑音比と対応する位置に設置するステップとを含む、付記28に記載のOCTシステム。
【0262】
付記31.ユーザの眼を測定するためのOCTシステムであって、眼に可視である固視標的と、眼の網膜厚を測定するように構成されたOCT干渉計と、眼の角膜から反射し、角膜からの複数の光源の反射を含むプルキニェ画像を発生させるように配置された複数の光源と、角膜から反射されたプルキニェ画像の位置を測定するためのセンサと、プルキニェ画像に応答して、眼の位置を決定するように、センサに動作可能に結合されたプロセッサと、プロセッサの制御下で、OCT干渉計の少なくとも一部を眼と整列するように移動させるように構成されている、3軸平行移動ステージとを備えている、OCTシステム。
【0263】
付記32.プロセッサは、OCT干渉計の少なくとも一部をX方向またはY方向のうちの1つ以上において、眼と整列するように移動させるための命令で構成されている、付記31に記載のOCTシステム。
【0264】
付記33.センサは、プルキニェ画像を捕捉するためのセンサアレイを備えているカメラを備え、プロセッサは、複数の光源の反射に応答して、眼の位置を決定するための命令で構成され、随意に、カメラは、CMOSセンサアレイを備えている、付記31に記載のOCTシステム。
【0265】
付記34.センサは、複数の光源の反射に応答して、眼の位置を決定するための象限検出器または位置感受性検出器のうちの1つ以上を備えている、付記31に記載のOCTシステム。
【0266】
付記35.眼の網膜のエリアの全てにわたって、OCT干渉計の測定ビームを走査し、プルキニェ画像に応答して網膜厚のマップを発生させ、眼の位置を記録するためのプロセッサに結合されたスキャナをさらに備えている、付記31に記載のOCTシステム。
【0267】
付記36.プロセッサは、網膜厚のマップおよび眼の位置を出力するように構成される、付記35に記載のOCTシステム。
【0268】
付記37.プロセッサは、眼の位置に応答して網膜厚のマップの位置を調節するように構成される、付記35に記載のOCTシステム。
【0269】
付記38.プロセッサは、眼の位置に応答して網膜上の走査パターンの位置を調節するように構成される、付記31に記載のOCTシステム。
【0270】
付記39.プロセッサは、プルキニェ画像内の反射の場所に応答して、OCT測定ビームに関連する眼のXY位置を決定するための命令で構成され、眼のXY位置は、OCT測定ビームに対して横方向の場所に対応し、随意に、XY位置の各々は、プルキニェ画像の複数の光源の反射間の中心場所に対応し、随意に、中心場所は、プルキニェ画像の第1の対の反射間の中間点および第2の対の反射間の中間点に対応する、付記31に記載のOCTシステム。
【0271】
付記40.プロセッサは、プルキニェ画像内の反射間の距離に応答して、OCT測定ビームに沿った距離に対応する眼のZ位置を決定するための命令で構成されている、付記39に記載のOCTシステム。
【0272】
付記41.プロセッサは、眼の位置に応答して約0.75mm以下の量の誤差で網膜を自動的に走査するための命令で構成されている、付記31に記載のOCTシステム。
【0273】
付記42.固視標的の照明が、重複し、複数の光源の照明が、OCT測定ビームを用いた網膜の走査と重複する、付記31に記載のOCTシステム。
【0274】
付記43.網膜の走査領域は、約1mm~約3mmの範囲内を横断する寸法を備え、A走査の数は、約0.5秒~約3秒の範囲内の時間にわたる約5,000回のA走査~約40,000回のA走査を備え、安全一時停止は、約2~約10秒の範囲内である、付記31に記載のOCTシステム。
【0275】
付記44.光路が、固視標的と眼との間に延び、OCT干渉計測定ビームは、光路と重複し、複数の光源は、光路の周囲に分配されている、付記31に記載のOCTシステム。
【0276】
付記45.複数の光源は、レーザビームを発生させるためのレーザを備え、画像内の反射されたレーザビームの位置は、光軸に沿った眼の位置に対応する、付記31に記載のOCTシステム。
【0277】
付記46.複数の光源は、第1の複数の光源と、第2の光源とを備え、第1の複数の光源は、角膜から反射されると、パターンを発生させるように構成され、第2の光源は、レーザを備え、画像内の反射されたレーザビームの位置は、光軸に沿った眼の位置に対応する、付記31に記載のOCTシステム。
【0278】
付記47.走査ミラーから測定ビームを反射し、プルキニェ画像および固視標的から光を透過させるように構成された第1のビームスプリッタと、プルキニェ画像からセンサに光を反射し、固視標的から光を透過させるように構成された第2のビームスプリッタとをさらに備えている、付記31に記載のOCTシステム。
【0279】
付記48.プルキニェ画像を発生させるための複数の光源は、約700~800nmの範囲内の波長を備え、固視標的は、約500~700nmの範囲内の波長を備え、OCT測定ビームは、約800~900nmの範囲内の複数の波長を備えている、付記47に記載のOCTシステム。
【0280】
付記49.プルキニェ画像を発生させるための複数の光源は、3~8個の光源を備え、随意に、複数の光源は、3~8個の発光ダイオードを備えている、付記47に記載のOCTシステム。
【0281】
付記50.複数の光源は、レーザビームを発生させるためのレーザを備え、画像内の反射されたレーザビームの位置は、光軸に沿った眼の位置に対応する、付記47に記載のOCTシステム。
【0282】
付記51.眼の網膜を測定する方法であって、レンズを、眼の角膜から標的頂点間距離に整列させるステップと、レンズを複数の位置に反復的に移動させ、ピーク強度位置を決定し、眼の屈折誤差を補正するステップと、網膜OCTデータを入手するステップとを含む、方法。
【0283】
付記52.レンズがピーク強度に対応する位置に設置されているとき、光路距離を反復的に調節し、OCT干渉信号のピーク信号対雑音比を決定するステップをさらに含む、付記51に記載の方法。
【0284】
付記53.レンズを頂点間距離に整列させるステップは、眼の測定された位置に応答して、レンズを眼の角膜に関して移動させるステップを含む、付記51に記載の方法。
【0285】
付記54.ユーザの角膜を複数の光で照明し、プルキニェ画像を発生させるステップをさらに含む、付記51に記載の方法。
【0286】
付記55.プルキニェ画像の位置に応答して、XY平行移動に伴ってレンズを側方に移動させ、OCT測定ビームと眼の瞳孔を整列させるステップをさらに含む、付記54に記載の方法。
【0287】
付記56.屈折誤差を補正するステップは、レンズおよびOCT光学系を屈折誤差補正位置の範囲全体にわたって移動させるステップと、ピーク強度信号を、屈折誤差補正位置の範囲を横断して決定するステップと、レンズおよびOCT光学系をピーク強度信号と対応する場所に位置付けるステップとを含む、付記51に記載の方法。
【0288】
付記57.網膜データを入手するステップが、自動的に実施される、付記51に記載の方法。
【0289】
付記58.眼のXY位置を能動的に追跡するステップをさらに含む、付記51に記載の方法。
【0290】
付記59.眼と整列させるようにレンズを移動させるステップをさらに含む、付記58に記載の方法。
【0291】
付記60.OCTシステムであって、支持体上に搭載された複数の光学系モジュールを備えている、支持体であって、複数の光学系モジュールは、スキャナと、固視標的と、スキャナおよび固視標的に結合された1つ以上のレンズとを備えている、支持体と、支持体に結合され、3つの軸に沿って支持体を平行移動させるように構成された複数のアクチュエータであって、屈折誤差を補正するためのレンズが、支持体を用いて支持され、支持体に対して第4軸に沿って移動可能である、複数のアクチュエータとを備えている、OCTシステム。
【0292】
付記61.1つ以上のプロセッサと、1つ以上のプロセッサによって実行されると、OCTシステムに、固視標的を第1の場所に位置付けさせ、固視標的が第1の場所にある間に第1のRTデータを捕捉させ、固視標的を第2の場所に位置付けさせ、および固視標的が第2の場所にある間に第2のRTデータを捕捉させる、命令とをさらに備えている、付記60に記載のOCTシステム。
【0293】
付記62.命令はさらに、1つ以上のプロセッサに、第1のRTデータおよび第2のRTデータをコンパイルさせ、RTマップを発生させる、付記61に記載のOCTシステム。
【0294】
付記63.眼の網膜を測定するためのOCTシステムであって、OCT測定ビームを用いて網膜データを測定するための干渉計と、ビームに対して複数の位置に移動するように構成された視覚固視標的と、眼の位置を測定するための位置センサと、干渉計、固視標的、および位置センサに動作可能に結合されたプロセッサであって、固視標的を複数の位置まで移動させ、複数の位置の各々において眼の位置ならびに網膜データを測定するための命令で構成されている、プロセッサとを備えている、OCTシステム。
【0295】
付記64.位置センサは、プルキニェ画像を発生させるように配置された複数の光源と、プルキニェ画像を捕捉するための画像センサとを備えている、付記63に記載のOCTシステム。
【0296】
付記65.OCT測定ビームは、固視標的の複数の位置の各々において位置センサに対して実質的に固定されたままである、付記63に記載のOCTシステム。
【0297】
付記66.プロセッサは、固視標的の複数の位置に応答して網膜厚マップを発生させるための命令で構成されている、付記65に記載のOCTシステム。
【0298】
付記67.網膜厚マップは、固視標的の複数の位置に対応する複数の領域を備えている、付記66に記載のOCTシステム。
【0299】
付記68.網膜厚マップは、5~20個の領域を備え、固視標的の複数の場所は、5~20個の領域を備えている、付記67に記載のOCTシステム。
【0300】
付記69.OCTシステムは、OCT測定ビームを網膜の複数の場所に移動させるためのスキャナを備えていない、付記68に記載のOCTシステム。
【0301】
付記70.OCTビームを固視標的の複数の位置の各々のための複数の網膜位置まで走査するためのスキャナをさらに備えている、付記63に記載のOCTシステム。
【0302】
付記71.プロセッサは、固視標的の複数の位置の各々からの網膜厚データを組み合わせ、網膜厚マップまたは網膜画像のうちの1つ以上を発生させるための命令で構成されている、付記70に記載のOCTシステム。
【0303】
付記72.スキャナは、複数の固視標的位置の各々に関して複数の網膜位置を用いて網膜のエリアを走査するように構成され、複数の固視標的位置の各々を用いて走査された網膜のエリアは、網膜厚マップまたは網膜画像のうちの1つ以上のエリアより小さい、付記71に記載のOCTシステム。
【0304】
付記73.OCTシステムは、単眼OCTシステムを備えている、先行付記のいずれか1項に記載のOCTシステム。
【0305】
付記74.スキャナが、軌道を用いて網膜に沿って測定ビームを走査するように構成される、先行付記のいずれか1項に記載のOCTシステムまたは方法。
【0306】
付記75.1つ以上の光源は、源によって、約20nm~約100nmの波長の範囲にわたって放出される波長を掃引するように構成される、先行付記のいずれか1項に記載のOCTシステムもしくは方法。
【0307】
付記76.1つ以上の光源は、ミラーを移動させ、波長を走査するように構成されたMEMS同調可能VCSELを備えている、先行付記のいずれか1項に記載のOCTシステムもしくは方法。
【0308】
付記77.プロセッサは、網膜の3D断層撮影画像を発生させるための命令で構成されている、先行付記のいずれか1項に記載のOCTシステムまたは方法。
【0309】
付記78.走査ミラーが、OCT干渉計の測定アームと参照アームとの間の光路差を調節するために平行移動するように構成され、随意に、ミラーに結合されるアクチュエータが、0.5~2.5Nの範囲内の力および0.5ミクロンを超えない分解能を用いてミラーを駆動するように構成される、先行付記のいずれか1項に記載のOCTシステムまたは方法。
【0310】
本発明の好ましい実施形態が、本明細書に示され、説明されているが、そのような実施形態が、実施例としてのみ提供されることが、当業者に明白となるであろう。本発明が、本明細書内に提供される具体的実施例によって限定されることを意図していない。本発明は、前述の本明細書を参照して説明されているが、本明細書における実施形態の説明および図は、限定的意味で解釈されることを意味していない。多数の変形例、変更、および代用が、ここで、本発明から逸脱することなく、当業者に想起されるであろう。さらに、本発明の全ての側面が、種々の条件および変数に依存する、本明細書に記載される具体的描写、構成、または相対的割合に限定されないことを理解されたい。本明細書に説明される本発明の実施形態に対する種々の代替物が、本発明を実践する際に採用され得ることを理解されたい。したがって、本発明がまた、任意のそのような代替、修正、変形例、または均等物を網羅することとすることが想定される。以下の請求項が、本発明の範囲を定義すること、およびこれらの請求項ならびにそれらの均等物の範囲内の方法および構造が、それによって網羅されることが意図される。
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14-1】
図14-2】
図15
図16A
図16B
図17
図18A
図18B
図18C
図18D
図18E
図19
図20A
図20B
図21
【国際調査報告】