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特表2023-508985結晶性及び液晶性25-ヒドロキシ-コレスタ-5-エン-3-硫酸ナトリウム、並びにその調製方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-06
(54)【発明の名称】結晶性及び液晶性25-ヒドロキシ-コレスタ-5-エン-3-硫酸ナトリウム、並びにその調製方法
(51)【国際特許分類】
   C07J 9/00 20060101AFI20230227BHJP
   A61K 31/575 20060101ALI20230227BHJP
   A61P 3/06 20060101ALI20230227BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20230227BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20230227BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20230227BHJP
   A61P 17/06 20060101ALI20230227BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20230227BHJP
【FI】
C07J9/00 CSP
A61K31/575
A61P3/06
A61P29/00
A61P1/16
A61P13/12
A61P17/06
A61P9/10 101
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022539174
(86)(22)【出願日】2020-12-23
(85)【翻訳文提出日】2022-08-23
(86)【国際出願番号】 US2020066947
(87)【国際公開番号】W WO2021133976
(87)【国際公開日】2021-07-01
(31)【優先権主張番号】62/954,279
(32)【優先日】2019-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508027589
【氏名又は名称】デュレクト コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ミクスズタル,アンドルー
(72)【発明者】
【氏名】ジョンストーン,ショーン
(72)【発明者】
【氏名】ホルツ-マルホランド,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ロペス,フラヴィオ
(72)【発明者】
【氏名】サード,ホワード
(72)【発明者】
【氏名】リー,ジエ
(72)【発明者】
【氏名】ゴンザレス,マリオ
(72)【発明者】
【氏名】パレント,ステファン ディー.
(72)【発明者】
【氏名】ヒューストン,トラヴィス リー
(72)【発明者】
【氏名】ウェンスロー,ロバート
【テーマコード(参考)】
4C086
4C091
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086AA04
4C086DA11
4C086GA13
4C086GA15
4C086MA01
4C086MA05
4C086NA14
4C086ZA45
4C086ZA75
4C086ZA81
4C086ZA89
4C086ZB11
4C086ZC33
4C091AA01
4C091BB06
4C091CC01
4C091DD01
4C091EE03
4C091FF01
4C091GG01
4C091HH01
4C091JJ03
4C091KK01
4C091LL01
4C091MM03
4C091NN01
4C091PA02
4C091PA05
4C091PB05
4C091QQ01
4C091RR08
4C091SS05
(57)【要約】
本明細書において25HC3Sナトリウムの結晶性及び液晶性形態が記載される。本開示は、25HC3Sナトリウムの形態I、II、III、V、IX、XI及びXIII、並びにそれらの組み合わせを含む。前記形態又はそれらの組み合わせの医薬製剤、並びに疾患、例えば高コレステロール血症、高トリグリセリド血症及び脂肪蓄積及び炎症と関係する状態(例えば非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、アルコール性肝炎、急性腎傷害(AKI)、乾癬及びアテローム性動脈硬化症)を治療又は予防する方法が、本明細書においてさらに開示される。25HC3Sを調製する方法も提供される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
結晶性25HC3Sナトリウム。
【請求項2】
結晶性25HC3Sナトリウムの水和物。
【請求項3】
結晶性25HC3Sナトリウムの形態I。
【請求項4】
結晶性25HC3Sナトリウムの形態II。
【請求項5】
結晶性25HC3Sナトリウムの形態XI。
【請求項6】
無水の結晶性25HC3Sナトリウム。
【請求項7】
形態XIIIの結晶性25HC3Sナトリウム。
【請求項8】
形態IXの結晶性25HC3Sナトリウム。
【請求項9】
高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、並びに脂肪蓄積及び炎症と関係する状態の1つ以上を治療する方法であって、請求項1から8のいずれか一項に記載の有効量の25HC3Sナトリウムの化合物を、それを必要とする患者に投与するステップを含む、方法。
【請求項10】
請求項1から8のいずれか一項に記載の25HC3Sナトリウム、及び少なくとも1種の薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物。
【請求項11】
高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、並びに脂肪蓄積及び炎症と関係する状態の1つ以上を治療する方法であって、請求項10に記載の有効量の25HC3Sナトリウムの医薬組成物を、それを必要とする患者に投与するステップを含む、方法。
【請求項12】
非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、アルコール性肝炎、急性腎傷害(AKI)、乾癬及びアテローム性動脈硬化症の治療のための、請求項1から8のいずれか一項に記載の有効量の25HC3Sナトリウムの化合物を、それを必要とする患者に投与するステップを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、アルコール性肝炎、急性腎傷害(AKI)、乾癬及びアテローム性動脈硬化症の治療のための、請求項10に記載の有効量の25HC3Sナトリウムの医薬組成物を、それを必要とする患者に投与するステップを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
形態Iの25HC3Sナトリウム、形態IIの25HC3Sナトリウム、形態IIIの25HC3Sナトリウム、形態Vの25HC3Sナトリウム、形態IXの25HC3Sナトリウム、形態XIの25HC3Sナトリウム及び形態XIIIの25HC3Sナトリウムの2種以上を含む組成物。
【請求項15】
5-コレステン-3β,25-ジオール-3-硫酸金属塩を製造する方法であって、
少なくとも1種の溶媒中で25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-オールを少なくとも1種の硫酸化剤と接触させて、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩を製造するステップであって、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩が前記少なくとも1種の溶媒中で低い溶解度を有する、ステップ、及び
25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩を少なくとも1種の金属塩と接触させて5-コレステン-3β,25-ジオール3-硫酸金属塩を製造するステップ
を含む、方法。
【請求項16】
5-コレステン-3β,25-ジオール3-硫酸ナトリウム塩を製造する方法であって、
少なくとも1種の溶媒中で25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-オールを三酸化硫黄-ピリジン錯体と接触させて、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸ピリジニウム塩を製造するステップであって、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸ピリジニウムが前記少なくとも1種の溶媒中で低い溶解度を有する、ステップ、及び
25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸ピリジニウム塩をナトリウム塩と接触させて5-コレステン-3β,25-ジオール3-硫酸ナトリウム塩を製造するステップ
を含む、方法。
【請求項17】
5-コレステン-3β,25-ジオール3-硫酸金属塩を製造する方法であって、
(3β)-コレスタ-5-エン-3-オールを少なくとも1種の硫酸化剤と接触させて第1の(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩を製造するステップ、
第1の(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩を有機塩基と接触させて第2の(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩を製造するステップ、
少なくとも1種の界面活性剤の存在下で第2の(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩を酸化させて25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-(5,6-エポキシ)-3-硫酸有機カチオン塩を製造するステップ、
25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-(5,6-エポキシ)-3-硫酸有機カチオン塩から25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩を脱酸素によって発生させるステップ、及び
25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩を少なくとも1種の金属塩と接触させて5-コレステン-3β,25-ジオール3-硫酸金属塩を製造するステップ
を含む、方法。
【請求項18】
25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-スルファート、及び
硫酸化デスモステロール
を含む組成物。
【請求項19】
25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-スルファート、及び
5-コレステン-3β-25-ジオール-ジスルファート
を含む組成物。
【請求項20】
少なくとも1種の溶媒中で25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-オールを硫酸化して、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-スルファートを製造するステップであって、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-スルファートが前記少なくとも1種の溶媒中で低い溶解度を有する、ステップ、及び
25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-スルファートを前記溶媒中で沈殿させるステップ
を含む方法。
【請求項21】
25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-スルファート、並びに
約18.3分の高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)保持時間を含む第1の化合物、約37.7分のHPLC保持時間を含む第2の化合物、又はそれらの任意の組み合わせ、及び約7.7分のHPLC保持時間を含む25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-スルファートを含む、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-オールの硫酸化からの副生成物
を含む組成物であって、
第1の化合物、第2の化合物及び25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-スルファートが、緩衝液を含む第1の移動相及び1種以上の有機溶媒を含む第2の移動相を用いて約45℃で作動するC8固定相を含むHPLCによって分離される、組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年12月27日に出願された米国特許仮出願第62/954,279号に対する優先権の利益を主張し、その出願の開示は参照によって本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
コレステロール代謝物、5-コレステン-3β-25-ジオール-3-スルファート(「25HC3S」)は、脂質生合成を低下させて、コレステロール分泌及び分解を増加させ、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症並びに脂肪蓄積及び炎症と関係する状態(例えば非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、アルコール性肝炎、急性腎傷害(AKI)、乾癬及びアテローム性動脈硬化症)の治療及び予防に対して有用であり得ることが、以前に示されている。
【0003】
コレステロールは、細胞膜の作製及び修復、並びにステロイドホルモン及びビタミンDの合成のために身体によって使用され、肝臓中で胆汁酸に転換される。コレステロールには、外生的及び内生的な供給源の両方がある。平均的なアメリカ人は約450mgのコレステロールを毎日消費し、肝臓及び他の組織中でさらに500mg~1,000mgを産生する。別の供給源は、毎日、腸へ分泌される500mg~1,000mgの胆汁性コレステロールであり、約50パーセントは再吸収される(腸肝循環)。
【0004】
高い血清脂質レベル(高コレステロール血症及び高トリグリセリド血症)は、動脈壁中のコレステロールの蓄積に関連し、NAFLD及びアテローム性動脈硬化症をもたらすことがある。アテローム性動脈硬化症を特徴づけるプラークは血流を抑制し、血栓形成を促進し、究極的には心臓発作及び/又は卒中によって死又は重い身体障害の原因となる場合がある。高脂血症の治療に対して幾つかの治療剤が開発されており、医師によって広く処方されている。不幸にも、患者のわずか約35%しか、現在入手可能な療法に対して反応しない。
【0005】
非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)は米国において最も一般的な肝臓病である。この状態は、肥満、II型成人発症型糖尿病、座ってばかりの生活様式、及び高脂肪の食事と関連する。妥当な治療ステップが取られる場合、NAFLD、脂肪肝のより早い段階は可能性として可逆的である。しかしながら、未検査で放置されると、それが治療するのがはるかに難しい、肝細胞の炎症(非アルコール性脂肪性肝炎、又はNASH)に進行することがある。治療されないと、NASHは、肝臓組織の不可逆的瘢痕(脂肪壊死)をもたらし、肝硬変、肝不全及び肝臓癌の原因となる可能性がある。
【0006】
25HC3Sは、薬学的に許容される塩、例えばナトリウム塩として開示されている(例えば米国特許第10,144,759号及びOgawaら, Steroids, 74, 81-87 (2009))。結晶性固体は、非晶質の固体より加工、保管及び安定性について好都合な傾向がある。しかしながら、エネルギー論的には、適切な結晶性固体の即座の形成が容易であるとは限らず、多形によって、特定の医薬品有効成分の安定な結晶性固体を作成することが非実用的になる場合がある。本明細書において、本発明者らは、安定な無水物、溶媒和物及び水和物を含む結晶性25HC3Sナトリウム、並びに液晶性25HC3Sナトリウムを開示する。25HC3Sを調製する方法も提供される。
【発明の概要】
【0007】
本開示の一部の態様において、結晶性25HC3Sナトリウムが提供される。
【0008】
本開示の一部の態様において、安定な結晶性25HC3Sナトリウムが提供される。
【0009】
本開示のさらなる態様において、結晶性25HC3Sナトリウムの水和物が提供される。
【0010】
本開示のなおさらなる態様において、結晶性25HC3Sナトリウムの一水和物が提供される。
【0011】
本開示のなおさらなる態様において、結晶性25HC3Sナトリウムの二水和物が提供される。
【0012】
本開示のさらなる態様において、結晶性25HC3Sナトリウムの可変の水和物が提供される。
【0013】
本開示の一部の態様において、無水の結晶性25HC3Sナトリウムが提供される。
【0014】
本開示のさらなる態様において、結晶性25HC3Sナトリウムの形態I、形態II、形態III、形態IX、形態XI及び形態XIIIが提供される。
【0015】
本開示のさらなる態様において、液晶性25HC3Sナトリウムが提供される。
【0016】
本開示の一部の態様において、25HC3Sナトリウムのメソフェーズが提供される。
【0017】
本開示のさらなる態様において、形態V 25HC3Sナトリウムが提供される。
【0018】
本開示のなおさらなる態様において、25HC3Sナトリウムの形態I、25HC3Sナトリウムの形態II、25HC3Sナトリウムの形態III、25HC3Sナトリウムの形態V、25HC3Sナトリウムの形態IX、25HC3Sナトリウムの形態XI又は25HC3Sナトリウムの形態XIIIの2種以上の混合物が提供される。
【0019】
本開示の一部の態様において、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、並びに脂肪蓄積及び炎症と関係する状態、例えば非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、アルコール性肝炎、急性腎傷害(AKI)、乾癬又はアテローム性動脈硬化症の1つ以上を治療する方法であって、結晶性又は液晶性メソフェーズ25HC3Sナトリウムの有効量の化合物又はその医薬組成物を、それを必要とする患者に投与するステップを含む方法が提供される。
【0020】
本開示のさらなる態様において、結晶性25HC3Sナトリウム又は液晶性25HC3Sナトリウム若しくは両方、及び少なくとも1種の薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物が提供される。
【0021】
本開示のさらなる態様において、結晶性25HC3Sナトリウム 形態I、結晶性25HC3Sナトリウム 形態II、結晶性25HC3Sナトリウム 形態III、液晶性 25HC3Sナトリウム 形態V、結晶性25HC3Sナトリウム 形態IX、結晶性25HC3Sナトリウム 形態XI又は結晶性25HC3Sナトリウム 形態XIIIの2種以上の混合物及び少なくとも1種の薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物が提供される。
【0022】
本開示の態様は、また25HC3Sを調製する方法を含む。幾つかの事例において、方法は25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-オールを硫酸化剤と接触させて25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩を生ずるステップ、及び25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩を少なくとも1種の金属塩と接触させて5-コレステン-3β,25-ジオール3-硫酸金属塩を生ずるステップを含む。
【0023】
幾つかの事例において、硫酸化剤は、三酸化硫黄錯体、硫酸化合物、スルホン酸化合物及びスルホナート化合物から選ばれる。幾つかの事例において、硫酸化剤は三酸化硫黄-ピリジン錯体である。幾つかの事例において、硫酸化剤は、三酸化硫黄ジメチルホルムアミド、三酸化硫黄トリエチルアミン及び三酸化硫黄トリメチルアミンから選ばれる。幾つかの事例において、硫酸化試薬は硫酸及び無水酢酸及びピリジンである。幾つかの事例において、硫酸化試薬は三酸化硫黄トリエチルアミン及びピリジンである。幾つかの事例において、硫酸化試薬は、クロロスルホン酸及びピリジン並びにクロロスルホン酸及び2,6-ルチジンから選ばれる。幾つかの事例において、硫酸化試薬はクロリド硫酸エチル(ethyl chlorosulfonate)である。幾つかの事例において、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩は、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸ピリジニウム塩である。幾つかの事例において、硫酸化試薬は、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-オールとの接触前に無水物と接触させられる。幾つかの事例において、無水物は、無水酢酸、トリフルオロ酢酸無水物及びトリフル酸無水物から選ばれる。幾つかの事例において、硫酸化試薬は、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩の存在下で25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-オールと接触させられる。ある事例において、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩は、粒子(例えば先の反応又は精製された反応バッチにおいて生成された種結晶)として存在する。
【0024】
ある事例において、硫酸化試薬は、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-オールと接触させる前に特性評価される。ある事例において、硫酸化試薬は1H-NMRによって特性評価される。幾つかの事例において、硫酸化試薬の特性評価は、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-オールと接触させる前の硫酸化試薬の分解の程度を決定することを含む。ある事例において、硫酸化試薬の分解の程度の決定は、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-オールと接触させる前に硫酸化試薬中の不純物の量を決定することを含む。
【0025】
幾つかの事例において、方法は、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩を生じた後、未反応の硫酸化剤をクエンチすることを含む。幾つかの事例において、未反応の硫酸化剤のクエンチは、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩を生じた後に反応混合物に水を添加することを含む。ある事例において、未反応の硫酸化剤のクエンチは、反応混合物に対する水の添加、続いて反応混合物に対する少なくとも1種の塩基ピリジンの添加を含む。幾つかの事例において、少なくとも1種の塩基は、トリアルキルアミン、例えばトリエチルアミン又はトリメチルアミンから選択される。幾つかの事例において、少なくとも1種の塩基は2,6-ルチジン又はピリジンから選択される。ある事例において、塩基はピリジンである。幾つかの事例において、反応混合物中の未反応の硫酸化剤は、ゆっくりかき混ぜながらクエンチされる。
【0026】
幾つかの事例において、方法は、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩を少なくとも1種の金属塩と接触させる前に、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩を精製することを含む。幾つかの事例において、精製された25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩は、70%以上、例えば80%以上、90%以上、95%以上、98%以上又は99%以上の純度を有する。
【0027】
ある事例において、精製された25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩は、硫酸化の1種以上の副生成物(例えば25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-オールの硫酸化からの副生成物)を有し、1種以上の副生成物は、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩に対して、5%w/w以下、4%w/w以下、3%w/w以下、2%w/w以下又は1%w/w以下の量で存在する。幾つかの事例において、ビス硫酸化生成物(すなわち、5-コレステン-3β-25-ジオール-ジスルファート)は、精製された25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩組成物中に、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩に対して、5%w/w以下、4%w/w以下、3%w/w以下、2%w/w以下又は1%w/w以下の量で存在する。
【0028】
幾つかの事例において、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩は液体クロマトグラフィーによって精製される。幾つかの事例において、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩の精製は、シリカゲル固定相、及び少なくとも1種の塩基を含む移動相を用いる液体クロマトグラフィーを含む。幾つかの事例において、少なくとも1種の塩基はピリジンである。
【0029】
幾つかの事例において、液体クロマトグラフィーから集められた1つ以上の画分が合わせられてもよい。幾つかの事例において、合わせた画分が濃縮されてもよい。ある事例において、合わせた画分は、蒸留によって濃縮される。ある事例において、合わせた画分は真空下で濃縮される。ある事例において、合わせた画分は、真空下で蒸留によって濃縮される。幾つかの事例において、合わせた画分は、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩と接触させられる。ある事例において、合わせた画分は、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩の1つ以上の粒子と接触させられる。幾つかの事例において、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩(例えば25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩の粒子)は、合わせた画分の蒸留中に25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩の添加によって、合わせた画分と接触させられる。幾つかの事例において、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩は、合わせた画分の蒸留の後に25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩の添加によって、合わせた画分と接触させられる。幾つかの事例において、合わせた画分は濃縮され、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩の粒子及び少なくとも1種の溶媒を含む組成物と接触させられる。
【0030】
幾つかの事例において、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸金属塩を製造する方法は、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩を、少なくとも1種のナトリウム塩と接触させることを含む。幾つかの事例において、少なくとも1種のナトリウム塩は、酢酸ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、塩化ナトリウム、水酸化ナトリウム及びナトリウムメトキシドから選ばれる。ある事例において、方法は25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸ピリジニウム塩をヨウ化ナトリウムと接触させて25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸ナトリウム塩を製造することを含む。
【0031】
幾つかの事例において、25-ヒドロキシ-3β-コレステン-5-エン-3-スルファートを調製する方法は、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-オールを三酸化硫黄-ピリジン錯体と接触させて25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸ピリジニウム塩を製造するステップ、及び25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸ピリジニウム塩を少なくとも1種のナトリウム塩と接触させて5-コレステン-3β,25-ジオール3-硫酸ナトリウム塩を製造するステップを含む。
【0032】
幾つかの事例において、25-ヒドロキシ-3β-コレステン-5-エン-3-スルファートを調製する方法は、(3β)-コレスタ-5-エン-3-オールを硫酸化剤と接触させて第1の(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩を製造するステップ、第1の(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩を有機塩基と接触させて第2の(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩を製造するステップ、少なくとも1種の界面活性剤の存在下で第2の(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩を酸化して25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-(5,6-エポキシ)-3-硫酸有機カチオン塩を製造するステップ、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩を25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-(5,6-エポキシ)-3-硫酸有機カチオン塩から脱酸素によって発生させるステップ、及び25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩を少なくとも1種の金属塩と接触させて5-コレステン-3β,25-ジオール3-硫酸金属塩を製造するステップを含む。
【0033】
幾つかの事例において、硫酸化剤は、三酸化硫黄錯体、硫酸化合物、スルホン酸化合物及びスルホナート化合物から選ばれる。幾つかの事例において、硫酸化剤は三酸化硫黄-ピリジン錯体である。幾つかの事例において、硫酸化剤は、三酸化硫黄ジメチルホルムアミド、三酸化硫黄トリエチルアミン、及び三酸化硫黄トリメチルアミンから選ばれる。幾つかの事例において、硫酸化剤は、硫酸及び無水酢酸及びピリジンである。幾つかの事例において、硫酸化剤は、クロロスルホン酸及びピリジンから選ばれる。幾つかの事例において、硫酸化剤は、クロロスルホン酸及び2,6-ルチジンから選ばれる。幾つかの事例において、硫酸化剤は、クロリド硫酸エチルから選ばれる。幾つかの事例において、第1の(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩は(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸ピリジニウム塩である。
【0034】
幾つかの事例において、第1の(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩と接触させられる有機塩基は、ヒドロキシド塩基から選ばれる。幾つかの事例において、ヒドロキシド塩基は、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド及びテトラメチルアンモニウムヒドロキシドから選ばれる。幾つかの事例において、第2の(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩は、テトラエチルアンモニウムカチオン塩、テトラブチルアンモニウムカチオン塩、テトラプロピルアンモニウムカチオン塩及びテトラメチルアンモニウムカチオン塩から選ばれる。
【0035】
事例において、第2の(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩は、少なくとも1種の界面活性剤の存在下で酸化される。幾つかの事例において、第2の(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩の酸化は、第2の(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩を、酸化剤及び少なくとも1種の界面活性剤を有する組成物と接触させるステップを含む。ある事例において、第2の(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩を酸化させて25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-(5,6-エポキシ)-3-硫酸有機カチオン塩を製造するステップは、第2の(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩を少なくとも1種の界面活性剤の存在下でペルオキシ一硫酸カリウムを有する組成物と接触するステップを含む。幾つかの事例において、少なくとも1種の界面活性剤は、非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤及び両性イオン界面活性剤から選ばれる。非イオン界面活性剤は、非イオン界面活性剤の中でもとりわけポリオキシエチレングリコールエーテル界面活性剤(例えばポリオキシエチレングリコールオクチルフェノールエーテル)、ポリオキシエチレングリコールソルビタンアルキルエステル、ソルビタンアルキルエステル、ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコールのブロックコポリマーから選ばれてもよい。陰イオン界面活性剤は、陰イオン官能性頭部基、例えばスルホナート、ホスファート、スルファート又はカルボキシラート頭部基含有界面活性剤を有する界面活性剤から選ばれてもよい。例えば陰イオン界面活性剤は、陰イオン界面活性剤の中でもとりわけ、硫酸アルキル例えばラウリル硫酸アンモニウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、ペルフルオロオクタンスルホナート、パーフルオロノナノアート、パーフルオロオクタノアート、直鎖アルキルベンゼンスルホナート、アルキル-アリールエーテルホスファート、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、リグノスルホネート又はステアリン酸ナトリウムから選ばれてもよい。陽イオン界面活性剤は、陽イオン官能性頭部基、例えばピリジニウム又は第四級アンモニウム頭部基を有する界面活性剤から選ばれてもよい。例えば陽イオン界面活性剤は、セチルトリメチルアンモニウム水素スルファート、テトラブチルアンモニウム硫酸水素塩、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムヨージド、テトラブチルホスホニウムブロミド、テトラオクチルアンモニウムブロミド、テトラオクチルアンモニウムヨージド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリエチルアンモニウムブロミド、ベンジルセチルジメチルアンモニウムクロリド及びベンジルセチルジメチルアンモニウムブロミドから選ばれてもよい。双性イオン界面活性剤は、陽イオン中心及び陰イオン中心の両方、例えばスルタイン(sultaine)(例えば3-[(3-コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]-1-プロパンスルホナート)又はベタイン(例えばコカミドプロピルベタイン)を含む。ある事例において、界面活性剤は、Extran laboratoryの石鹸、La Parisienneの石鹸又はDL-α-トコフェロールメトキシポリエチレングリコールスクシナート(例えばTPGS-750-M2)である。
【0036】
幾つかの事例において、第2の(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩は少なくとも1種の界面活性剤の存在下で酸化剤及び少なくとも1種のケトンと接触させられる。幾つかの事例において、方法は、別個の酸化反応混合物中の少なくとも1種の界面活性剤の存在下で、酸化剤(例えばペルオキシ一硫酸カリウム)を少なくとも1種のケトンと接触させるステップ、及び酸化反応性混合物を第2の(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩と接触させるステップを含む。ある事例において、方法は、水の存在下で第2の(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩を酸化するステップを含む。幾つかの事例において、少なくとも1種のケトンはテトラヒドロチオピラン-4-オン1,1-ジオキシド及びハロゲン化ケトンから選ばれる。幾つかの事例において、ハロゲン化ケトンは、1,1,1-トリフルオロ-2-ブタノン、4,4-ジフルオロシクロヘキサンオン、2-2-2-4'-テトラフルオロアセトフェノン及び1,1,1-トリフルオロアセトンから選ばれる。ある事例において、少なくとも1種のケトンは1,1,1-トリフルオロ-2-ブタノンである。
【0037】
ある事例において、第2の(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩の酸化は、第2の(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩を少なくとも1種の酸化性種と接触させるステップを含む。幾つかの事例において、少なくとも1種の酸化性種はジオキシランから選ばれる。幾つかの事例において、ジオキシランは、第2の(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩を有する組成物中インサイチューで発生する。幾つかの事例において、ジオキシランは別々に(例えば別個の反応容器、例えばフラスコ)中)発生し、次いで、第2の(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩を有する組成物と接触させられる。
【0038】
ある事例において、第2の(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩は、少なくとも1種の塩基の存在下で酸化される。ある事例において、少なくとも1種の塩基は弱塩基から選ばれる。幾つかの事例において、少なくとも1種の塩基は、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、カリウムフェノキシド、クエン酸ナトリウム緩衝剤、リン酸ナトリウム緩衝剤、ギ酸カリウム及び酢酸カリウムから選ばれる。ある事例において、少なくとも1種の塩基は炭酸水素カリウムである。
【0039】
幾つかの事例において、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-(5,6-エポキシ)-3-硫酸有機カチオン塩からの25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩の発生は、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-(5,6-エポキシ)-3-硫酸有機カチオン塩を亜鉛と接触させることによる脱酸素を含む。ある事例において、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-(5,6-エポキシ)-3-硫酸有機カチオン塩は、少なくとも1種のハロゲン化物及び少なくとも1種の酸の存在下で亜鉛と接触させられる。幾つかの事例において、少なくとも1種のハロゲン化物はヨウ素及び金属ハロゲン化物から選ばれる。幾つかの事例において、金属ハロゲン化物はヨウ化ナトリウム及びヨウ化リチウムから選ばれる。幾つかの事例において、少なくとも1種の酸は弱酸から選ばれる。幾つかの事例において、少なくとも1種の酸は、酢酸、塩酸、クエン酸、パラトルエンスルホン酸、ギ酸及びメタンスルホン酸から選ばれる。幾つかの事例において、方法は、酢酸の存在下で25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-(5,6-エポキシ)-3-硫酸有機カチオン塩を亜鉛と接触させて25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩を発生させるステップを含む。
【0040】
幾つかの事例において、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸金属塩を製造する方法は、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩を少なくとも1種のナトリウム塩と接触させるステップを含む。幾つかの事例において、少なくとも1種のナトリウム塩は、酢酸ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、塩化ナトリウム、水酸化ナトリウム及びナトリウムメトキシドから選ばれる。ある事例において、方法は、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸ピリジニウム塩をヨウ化ナトリウムと接触させて25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸ナトリウム塩を製造するステップを含む。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1】結晶性25HC3Sナトリウム形態IのXRPD回折図(diffractogram)である。
図2】結晶性25HC3Sナトリウム形態IIのXRPD回折図である。
図3】液晶性25HC3Sナトリウム形態VのXRPD回折図である。
図4】液晶性25HC3Sナトリウム形態VのXRPD回折図である。
図5】結晶性25HC3Sナトリウム形態IXのXRPD回折図である。
図6】結晶性25HC3Sナトリウム形態XIのXRPD回折図である。
図7】結晶性25HC3Sナトリウム形態XIのXRPD回折図である。
図8】結晶性25HC3Sナトリウム形態XIIIのXRPD回折図である。
図9】結晶性25HC3Sナトリウム形態XIIIのXRPD回折図である。
図10】結晶性25HC3Sナトリウム形態Iのインデキシング(indexing)の結果である。
図11】結晶性25HC3Sナトリウム形態Iのサーモグラムである。
図12】結晶性25HC3Sナトリウム形態Iの温度可変XRPD実験を示す図である。
図13】結晶性25HC3Sナトリウム形態I及び結晶性25HC3Sナトリウム形態XIIIの湿度可変XRPD実験を示す図である。
図14】結晶性25HC3Sナトリウム形態Iの脱水からのXRPD回折図である。
図15】結晶性25HC3Sナトリウム形態Iの脱水からのXRPD回折図(拡大図)である。
図16】結晶性25HC3Sナトリウム形態IIとしてのDVS等温線を示すグラフである。
図17】結晶性25HC3Sナトリウム形態II(99:01アセトニトリル(ACN)/H2Oスラリー、0.21 aw、3日)のインデキシングの結果を示す図である。
図18】結晶性25HC3Sナトリウム形態II(95:05 EtOH/H2Oスラリー、0.30 aw、10日)のインデキシングの結果を示す図である。
図19】結晶性25HC3Sナトリウム形態II(アセチトンスラリー、55℃、1日)のインデキシングの結果を示す図である。
図20】およそ4°2θからおよそ11°2θに示された図17-19においてインデキシングしたスラリーについての、結晶性25HC3Sナトリウム形態IIのXRPDピーク位置変動性を示す図である。
図21】およそ13°2θからおよそ21.5°2θに示された図17-19においてインデキシングしたスラリーについての、結晶性25HC3Sナトリウム形態IIのXRPDピーク位置変動性を示す図である。
図22】結晶性25HC3Sナトリウム形態IIの湿度可変XRPD実験を示す図である。
図23】およそ7.5°2θからおよそ10.2°2θに示された、湿度可変XRPDによって観察された結晶性25HC3Sナトリウム形態IIのXRPDピーク位置変動性を示す図である。
図24】結晶性25HC3Sナトリウム形態IIのTGAサーモグラムである。
図25】結晶性25HC3Sナトリウム形態IIのDSCサーモグラムである。
図26】結晶性25HC3Sナトリウム形態IIのサイクルDSC実験を示す図である。
図27】結晶性25HC3Sナトリウム形態IIの温度可変XRPD実験を示す図である。
図28】液晶性25HC3Sナトリウム形態VのTGAサーモグラムである。
図29】液晶性25HC3Sナトリウム形態VのDSCサーモグラムである。
図30】結晶性25HC3Sナトリウム形態XIII(70℃の真空に2日間曝露した結晶性25HC3Sナトリウム形態I及び形態XIIIの混合物から発生した)のインデキシングの結果を示す図である。
図31】結晶性25HC3Sナトリウム形態III及び形態IXのXRPD回折図である。
図32】結晶性25HC3Sナトリウム形態IIIのインデキシングの結果を示す図である。
図33】溶液中の結晶性25HC3Sナトリウム形態IXの1HNMRスペクトルである。
図34】溶液中の25HC3Sナトリウムの1HNMRスペクトルである。
図35】結晶性25HC3Sナトリウム形態IIIのXRPD回折図である。
図36】結晶性25HC3Sナトリウム形態IのXRPD回折図である。
図37】結晶性25HC3Sナトリウム形態IのXRPD回折図である。
図38】結晶性25HC3Sナトリウム形態IのXRPD回折図である。
図39】結晶性25HC3Sナトリウム形態I及び形態XIIIのXRPD回折図である。
図40】結晶性25HC3Sナトリウム形態XIIIのXRPD回折図である。
図41】結晶性25HC3Sナトリウム形態XIIIのXRPD回折図である。
図42】結晶性25HC3Sナトリウム形態IIのXRPD回折図である。
図43】結晶性25HC3Sナトリウム形態IIのXRPD回折図である。
図44】結晶性25HC3Sナトリウム形態IIのXRPD回折図である。
図45】結晶性25HC3Sナトリウム形態III及び形態IX混合物のXRPD回折図である。
図46】結晶性25HC3Sナトリウム形態IIのXRPD回折図である。
図47】液晶性25HC3Sナトリウム形態VのXRPD回折図である。
図48】液晶性25HC3Sナトリウム形態VのXRPD回折図である。
図49】結晶性25HC3Sナトリウム形態IIIのXRPD回折図である。
図50】結晶性25HC3Sナトリウム形態IIIのXRPD回折図である。
図51】結晶性25HC3Sナトリウム形態IXのXRPD回折図である。
図52】結晶性25HC3Sナトリウム形態IIIのXRPD回折図及び拡大図である。
図53】結晶性25HC3Sナトリウム形態IのXRPD回折図である。
図54】結晶性25HC3Sナトリウム形態IIのXRPD回折図である。
図55】結晶性25HC3Sナトリウム形態IのXRPD回折図である。
図56】液晶性25HC3Sナトリウム形態VのXRPD回折図である。
図57】重水素化アセトン中の三酸化硫黄ピリジンの3つの異なる試料の1HNMRスペクトルである。
図58図58Aは、重水素化アセトン中21%の不純物を含む三酸化硫黄-ピリジンの試料の1H-NMRスペクトルの8.1及び9.3ppmの間の領域の拡大図である。図58Bは、重水素化アセトン中33%の不純物を含む三酸化硫黄-ピリジンの試料の1H-NMRスペクトルの8.1及び9.3ppmの間の領域の拡大図である。図58Cは、重水素化アセトン中36%の不純物を含む三酸化硫黄-ピリジンの試料の1H-NMRスペクトルの8.1及び9.3ppmの間の領域の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
結晶性及び液晶性25-ヒドロキシ-3β-コレステン-5-エン-3-スルファート(25HC3S)
結晶性25HC3Sナトリウム及び液晶性25HC3Sは、X線粉末回折によって容易に分析される。X線粉末回折パターンは、X軸に°2θ(回折角)及びY軸に強度を有するx-yグラフである。X軸は、またBraggの法則、2dsinθ=nλ(式中、dはd-間隔であり、λは入射X線波の波長である)によって回折角と関係づけられるd-間隔の形態とすることができる。パターンは、結晶性25HC3Sナトリウムを特性評価するのに使用することができるピークを含む。別段の定めがない限り、ピークは、それらのY軸強度ではなくX軸のそれらの位置によって言及される。試料の配向により、1つの機器の1つの試料に存在するピークが、機器に対する試料の配向により、異なる機器で得られる別の試料中には存在しないことがあることもまた起こり得る。
【0043】
X線粉末回折からのデータは、結晶形態を特性評価する幾つかの方法で使用されてもよい。例えば回折計から出力されるX線粉末回折パターン全体が25HC3Sナトリウムを特性評価するのに使用されてもよい。しかしながら、そのようなデータのより小さな部分集合もまた、25HC3Sナトリウムを特性評価するのに適切であり得るし、通常は適切である。例えばそのようなパターンからの1つ以上のピークの集合体が、結晶性25HC3Sナトリウムを特性評価するのに使用されてもよい。本出願において、報告されるピーク値はすべて、実施例16及び実施例17において述べるようにCuKα線を用いた°2θである。実際には、単一のX線粉末回折ピークでさえしばしば、そのような結晶形態を特性評価するのに使用することができる。本明細書における結晶性25HC3SナトリウムがX線粉末回折パターンの「1つ以上のピーク」を特性評価され、そのようなピークが列挙される場合、一般に意味するのは、列挙されたピークの任意の組み合わせが結晶性25HC3Sナトリウムを特性評価するのに使用することができるということである。さらに、他のピークがX線粉末回折パターン中に存在するという事実は、その特性評価を一般に否定しないか、そうでなければ制約することはない。
【0044】
ピーク強度の変動性に加えて、また、X軸のピークの位置に変動性があってもよい。しかし、この変動性は、通常、特性評価の目的のためにピークの位置を報告する場合、説明することができる。X軸に沿ったピークの位置のそのような変動性は、いくつかの起源(例えば試料調製、粒子サイズ、含水量、溶媒含有率、機器パラメーター、データ分析ソフトウェア及び試料配向)に由来し得る。例えば異なる条件の下で調製された同じ結晶性材料の試料は、少し異なる回折図を与えてもよく、異なるX線機器は異なるパラメーターを使用して操作し得て、これらは同じ結晶性固体とは少し異なった回折パターンをもたらし得る。
【0045】
変動性のそのような起源により、°2θのピーク値の前に「約」という語を使用してX線回折ピークを記述することは一般的である。本明細書において報告されるデータの目的として、その値は一般に±0.1°2θである。これが一般に意味するところは、よく保全された機器では、ピーク測定の変動性が±0.1°2θであると予想されることである。特に断らなければ、本明細書において引用されるX線粉末回折ピークは、一般に±0.1°2θのこの変動性を含めて報告され、本明細書において開示される場合、「約」という語が存在しようとしまいと一般にそのような変動性を含めて報告されるように意図されるが、しかしながら、変動性は、幾つかの事例において、機器の条件によって±0.2°2θにも、又ははるかに大きくにもなり得る。
【0046】
本明細書において記載のように、化合物25-ヒドロキシ-3β-コレステン-5-エン-3-スルファート(25HC3S)は、[(3S,10R,13R,17R)-17-[(1R)-5-ヒドロキシ-1,5-ジメチル-ヘキシル]-10,13-ジメチル-2,3,4,7,8,9,11,12,14,15,16,17-ドデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]スルファート、式Iの化合物を指す:
【0047】
【化1】
【0048】
本開示は、結晶性25HC3Sナトリウム又は液晶性形態の異なる結晶形態を識別するために「形態」という用語を使用する。形態の差異は、構造、例えばX線粉末回折、性質、例えば吸湿性又は温度特性、及び/又は両方に見い出すことができる。用語「形態I」の使用は、形態Iの結晶性25HC3Sナトリウムを意味する。同様に、「形態II」は、形態IIの結晶性25HC3Sナトリウムを意味する。同様に、形態III、形態IX、形態XI及び形態XIIIは、それぞれ形態III、形態IX、形態XI及び形態XIIIの結晶性25HC3Sナトリウムを意味する。形態Vは、液晶相にある25HC3Sナトリウムの形態を意味する。
【0049】
発生した固体が、偏光顕微鏡法及びX線粉末回折の1つ以上によって観察された。独特の結晶性X線粉末回折パターンを示す材料は、これらの材料に関連するピークの目視検査に基づき、本開示において述べる名称を与えた。
【0050】
表1は、本開示において25HC3Sナトリウムの報告される形態を得るために実行された実験のうちのいくつか、すなわち実施例1-36と関連した実験を要約する。
【0051】
アスタリスク(*)を有する表1中のセルは、形態I、形態II、形態III、形態V、形態IX、形態XI又は形態XIIIの1つではない固体が同定されたことを示す。
【0052】
表1中の時間、温度及び湿度は近似である。偏光顕微鏡法によって直交偏光を用いて試料を見た場合、用語「B」は複屈折を意味し、「NB」は非複屈折を意味する。溶媒に基づく方法を、表1に述べる様々な溶媒及び条件を使用して結晶性25HC3Sナトリウムについて選別のために使用した。溶媒又は溶媒混合物を使用する方法は、例えば溶液冷却、蒸発、逆溶媒添加、及び懸濁(スラリー)を含んでいた。これらの方法の変形には、少数の可能性を挙げるとしたら、溶媒、溶媒混合物、逆溶媒、温度、冷却速度、濃度、添加の比率、及び混合する順序の変化を含むことができる。
【0053】
【表1】
【0054】
水和状態への水分活性(aw)の効果は、各種水性溶媒混合物の競合的な水分活性トリチュレーション(water activity trituration)実験(スラリー)によって研究することができる。結果として得られる固体相はX線粉末回折によって特性評価することができる。実験は各種awで物理的に安定な形態を確立することができる。水分活性はまた、RH %=aw x 100という相対湿度と関係付けることができる。したがって、固体状態の安定性に対してスラリー実験における無水/水和物系の安定性を直接に関連付けることが可能である。制御された水分活性でのスラリー技法は、無水/水和物系において物理的に安定な形態を迅速に予想する正確な方法を提供することができる。水分活性実験からの結果は表2に提供され、およそ室温で行われた。時間、温度及び湿度は近似である。表1と同様に、偏光顕微鏡法によって直交偏光を用いて見た場合、用語「B」は複屈折を意味する。
【0055】
【表2】
【0056】
いくつかのX線粉末回折パターンがインデキシングされた。「インデキシング」とは、本明細書において使用される場合、一般に回折パターン中のピーク位置を与えられた結晶学的単位格子のサイズ及び形状を求めるプロセスを指す。この用語は、個々のピークへのミラー指数ラベルの帰属からその名称を取っている。例えばパターン中のピークがすべて単一の単位格子によってインデキシングされる場合、これは試料が単一の結晶相を含んでいるという強い証拠となり得る。インデキシングという解法があれば、単位格子体積は直接に計算され、それらの溶媒和状態を求めるのに有用になり得る。インデキシングはまた、結晶形態の説明にもなり得、その相について特定の熱力学的状態の点ですべての利用可能なピーク位置の要約を提供し得る。
【0057】
結晶性25HC3Sナトリウムの幾つかの安定な結晶形態--形態I、II、IX、XI及びXIII、並びに1つの液晶形態、形態Vが本明細書において報告される。本開示において、「安定である」とは、形態が所与の一組の条件下で別の形態に容易に相互転化しないことを意味する。準安定の形態は、しかしながら、ある条件に曝露されると、容易に転化することができる。したがって、一組の条件(例えば湿度)下で安定な形態は、別の一組の条件下で安定でなくてもよい。すべての形態が本明細書においてインデキシングできるとは限らなかった。さらに、形態IIIは形成した準安定の形態であり、形態IXの出発原料であり得る。準安定であるが、形態IIIは、XRPDのための単離に十分に安定であった。
【0058】
多くの事例において、安定な結晶性25HC3Sナトリウムを含む結晶性25HC3Sナトリウムが提供される。結晶性25HC3Sナトリウムの例は、無水結晶性25HC3Sナトリウム、結晶性25HC3Sナトリウムの水和物及び結晶性25HC3Sナトリウムの溶媒和物を含む。
【0059】
結晶性25HC3Sナトリウムの水和物は一水和物、二水和物、及び可変的な水和物を含む。25HC3Sナトリウムの液晶性水和物も本明細書において提供される。
【0060】
幾つかの事例において、結晶性25HC3Sナトリウムの水和物は、(i)約2.8°2θ未満、例えば約2.1°2θ及び2.6°2θの間のピーク、(ii) 約4.3°2θ及び4.6°2θの間のピーク、(iii) 約5.0°2θ及び5.5°2θの間のピーク、(iv) 約8.6°2θ及び9.1°2θの間のピーク、及び(v)約15.0°2θ及び15.3°2θの間のピークの1つ以上を含むX線粉末回折パターンを特徴とし得る。これら及び他の事例において、結晶性25HC3Sナトリウムの水和物は、(i) 約2.1°2θ及び約2.3°2θの間のピーク、及び(ii)約9.9°2θ及び約10.0°2θの間のピークの1つ以上を含むX線粉末回折パターンを特徴とし得る。
【0061】
幾つかの事例において、無水結晶性25HC3Sナトリウムは、(i) 約4.5°2θ及び約4.8°2θの間のピーク、(ii) 約9.8°2θ及び約9.9°2θの間のピーク、(iii) 約14.1°2θ及び約14.3°2θの間のピーク、及び(iv)約16.1°2θのピークの1つ以上を含むX線粉末回折パターンを特徴とし得る。
【0062】
多くの事例において、結晶性25HC3Sナトリウム形態Iは本開示において提供される。形態Iは結晶性25HC3Sナトリウムの二水和物である。形態Iは、表1に述べるように調製されてもよい。例えばアセトン/H2O溶液中の25HC3Sナトリウムをスラリー化し、加熱し、溶液を除去し、水を添加し、周囲温度で放置して、結果として形態Iが得られる。形態Iはまたメタノールから調製されてもよい。形態Iの調製は、実施例20-23にさらに記載され、形態XIIIを含む混合物中での調製は実施例24に記載される。以下の表3は、形態Iを製造する実施例を、対応するXRPD回折図と互いに関連付ける。
【0063】
【表3】
【0064】
表4は、図55に見られるピークを示すが、表3中の他の図のピークは、図自体に提示される。
【0065】
【表4】
【0066】
結晶性25HC3Sナトリウムの形態Iは、X線粉末回折を含む各種分析技法によって特性評価されてもよい。形態IのX線粉末回折パターン又はその一部が、形態Iを同定するのに使用されてもよい。形態Iは、単独で又は一緒に形態Iの存在を同定するのを支援し得る様々なX線粉末回折ピークを含む。例えば多くの事例において、形態Iは、約2.1°2θのピークを含むX線粉末回折パターンを特徴とし得る(この中のすべての回折図がそのような低い角度のピークを表すとは限らない)。約2.1°2θのピークに加えて、X線粉末回折パターンは、例えば約5.4°2θ、約6.5°2θ、約10.8°2θ、及び約15.0°2θに1つ以上のピークを含み得る。
【0067】
多くの事例において、形態Iは、約2.1°2θ、約6.5°2θ及び約10.8°2θにピークを含むX線粉末回折パターンを特徴とし得る。X線粉末回折パターンは、幾つかの事例において、約9.9°2θ、約15.0°2θ及び約15.6°2θに1つ以上のピークをさらに含んでもよい。
【0068】
図1は、X軸が0°2θで始まり40°2θまでの形態Iの代表的試料のX線粉末回折パターンであるが、図53は、しかし、約3°2θ及び約39°2θの間の同じパターンを示す。図1図53のいずれも、例えば形態Iを特性評価するのに使用することができる。
【0069】
形態Iは、約38%及び約70% RHの相対湿度で、及びその間の相対湿度で安定であると思われる。したがって、形態Iは、約0.38及び約0.70 awの水分活性、及びその間の水分活性を有する水性溶媒混合物中のスラリーに由来する。高温又は0%RHの近くの湿度条件に曝露された場合、形態Iは形態XIIIに脱水する。形態Iは吸湿性であり、0.73 awを超える水分活性条件で形態Vと呼ばれる液晶を形成すると考えられる。
【0070】
形態IのX線粉末回折パターンは成功裡にインデキシングされ、パターンが単一の結晶相を表すことを示す(図10)。インデキシングの結果では、25HC3Sナトリウムの6分子を含む単斜晶系の単位格子を有する。4544.7Å3(±5%)の単位格子体積は、結果として757Å3(±5%)の式単位体積(6分子/格子)になり、水和物と矛盾しない。形態Iの式単位体積は、およそ52Å3、無水形態の形態XIIIの式単位より大きい。体積の差異は、2mol/mol以内の水を収容する十分な余地を提供する。参考として、1個の水分子は約22Å3を占める。
【0071】
形態Iのサーモグラムは図11に示される。TGAサーモグラムは、130℃までに8%の減量を与え、これは、DSCサーモグラム(図11)において幅の広い脱水吸熱と同時に生じる。消失が揮発水によると仮定すると、減量はおよそ2.4mol/molの水に対応する。図11のDSC曲線は、また168℃及び182℃付近の吸熱を示す。これらの事象は分解に関係する。
【0072】
形態Iの脱水は形態XIIIへの形態転化をもたらす。転化は、温度可変のX線粉末回折実験(図12)を用いて裏付けられ、170℃に加熱し、次いで135℃に降下させる場合、形態XIIIを示す(図12のパターン5)。同じ実験の間に、二硫酸水素三ナトリウム、Na3H(SO4)2として同定された分解物は、170℃によって明白であった。これらの結果は図11中の形態Iのサーモグラムと矛盾しない。
【0073】
主に形態I及び少量の形態XIIIで構成される混合物について、湿度可変のX線粉末回折実験を図13に提示する。試料が分析のために調製された実験室の湿度は15%相対湿度(「RH」)であった。材料は、X線粉末回折分析中に増大し、次いで低下する湿度に曝露された。材料は25%~85% RHにわたる湿度条件で形態Iと同定された。しかし、0%RHに曝露したら直ちに、材料は、形態XIIIに部分的に逆向きに脱水した。0%RHで形態XIIIへの完全脱水は、20分後に明白であった。真空下の0%RH又は70℃のいずれの曝露によっても、形態Iは形態XIIIに脱水した。図14及び図15は、形態Iが形態XIIIに脱水する材料のX線粉末回折パターンを比較する。
【0074】
実質的に純粋な形態Iがさらに開示される。「実質的に純粋な」とは、本明細書において記載の場合、本明細書において、一般に、可能性として、微量レベルの結晶性25HC3Sナトリウム、液晶性形態の25HC3Sナトリウム又は非晶質25HC3S、例えば非晶質25HC3Sナトリウムの他の形態以外にさほどの量を含まずに存在する形態を指す。微量レベルの例は、存在する25HC3Sナトリウムの合計量(重量基準で)に対して合計で約10%以下、5%、2%、1.5%、1%、0.5%、0.25%、0.1%以下を含む。
【0075】
実質的に純粋な形態II結晶性25HC3Sナトリウムを含む形態II結晶性25HC3Sナトリウムは、本開示の多くの事例に提供される。形態IIは、結晶性25HC3Sナトリウムの可変的な水和物である。含水率は、典型的には25HC3Sナトリウムの1モル当たり約3モル以下の水が存在する。幾つかの事例において、25HC3Sナトリウムに対する水のモル含有率は、約1~3であり、例えば約2~3を含む。形態IIは、表1に述べるように調製されてもよい。例えばアセトン中で25HC3Sナトリウムをスラリー化し、窒素下で乾燥させると、形態IIをもたらす。形態IIもまた、実施例27-30に述べるように調製されてもよい。以下の表5は、形態IIを製造する実施例を、対応するXRPD回折図と互いに関連付ける。
【0076】
【表5】
【0077】
表6は図46に見られるピークを示すが、表5中の他の図のピークは、図自体に提示される。
【0078】
【表6】
【0079】
形態IIは、X線粉末回折を含む様々な分析技法によって特性評価されてもよい。形態IIのX線粉末回折パターン又はその一部が、形態IIを同定するのに使用されてもよい。形態IIは、単独で又は一緒に形態IIの存在を同定するのを支援し得る様々なX線粉末回折ピークを含む。多くの事例において、形態IIは、約2.3°2θのピークを含むX線粉末回折パターンを特徴とし得る。約2.3°2θのピークに加えて、X線粉末回折パターンは、例えば約4.5°2θの1つ以上のピーク、約5.0°2θ及び約5.1°2θの、及びその間のピーク、約5.9°2θ及び約6.1°2θの、及びその間のピーク、並びに約14.8°2θ及び約15.1°2θの、及びその間の少なくとも1つのピークを含み得る。
【0080】
多くの事例において、形態IIは、約2.3°2θ及び約5.0°2θのピークを含むX線粉末回折パターンを特徴とし得る。X線粉末回折パターンは、幾つかの事例において、約4.5°2θ、約5.9°2θ、約9.1°2θ、及び約15.1°2θに1つ以上のピークを含んでもよい。
【0081】
図2は、X軸が約0°2θで始まり約40°2θまでの形態IIの代表的試料のX線粉末回折パターンであるが、図54は、しかし、約3°2θ及び約39°2θの間の同じパターンを示す。図2又は図54のいずれも、形態IIを特性評価するのに使用することができる。
【0082】
形態IIは温度及び湿度の様々な条件下で安定である。形態II及び実質的に純粋な形態IIの両方が本明細書において記載される。形態IIは約21%~約30% RHの範囲の相対湿度で安定である。したがって、形態IIは、0.21及び0.30 awの、及びその間の水分活性を有する水性溶媒混合物中のスラリーから発生した。そのようにして調製された可変的な水和物は動力学的に安定に見える。形態IIは、高温又は低湿度条件に曝露された場合に、形態転化をしないで無水状態に脱水することがわかった。完全に水和された状態において、形態IIは、およそ3mol/molの水を収容するように見える(図16は、85%RHでの形態IのDVS収着等温線を示す)。75%RH以上に拡大して曝露すると、形態IIは25HC3Sナトリウムの液晶性形態Vに転化する。
【0083】
様々な実験から得られた形態IIの幾つかのX線粉末回折パターンは、成功裡にインデキシングされた(図17図18及び図19)。これらのインデックスは、形態IIの単位格子体積が、変動する量の水を収容するために変化し、したがって、形態IIは可変的な水和物であることを示す。これらのパターンの差異は、ピークの位置における変動に起因し、観察されたピークに対してある範囲が存在することを示唆する(図18及び19)。図20及び21は、スラリーのX線粉末回折パターンの拡大した領域である。X線粉末回折ピーク位置が単位格子パラメーターの直接の結果であるとすれば、1つのX線粉末回折パターンは、可変的な水和及び格子定数への効果により必ずしもすべての条件下の結晶形の代表ではない。X線粉末回折パターンは、形態IIの同じ結晶相の個別の状態と考えなければならない。一般的傾向は、ピークが、格子体積の増加とともにより小さな散乱角へシフトすることである。異方性歪みは、幾つかのピークが格子体積の増加とともにより大きい散乱角へシフトする原因となる。幾つかのピーク位置は、格子体積の変化に対して他のものより敏感である。格子体積の変化に敏感なピークは、特定の試験片について格子体積を求めるために有用になり得る。移動するピークは、目視検査によって定性的に異なるように見えるX線粉末回折パターンをもたらすが、しかし結晶相の変化を示さない。
【0084】
幾つかのX線粉末回折パターンが、周囲温度及び0%~85% RHにわたる異なるRH条件で実施例18に一般的に従って実行されたインサイチュー湿度可変X線粉末回折実験によって形態IIについて取得された。実験は、格子が水を収容するために膨張/収縮する、水収着によって規定される単位格子体積の変動を求めるためのシステムアプローチを提供する。予想されたように、形態変化は生じなかった、しかしながら、単位格子体積の差異によるパターン間のピークシフトは観察された(図22及び図23)。ピークはより高い湿度でより小さな散乱角へシフトし、単位格子体積は相対湿度に正比例し、恐らく水を組み込むために増大することを示唆する。
【0085】
図16において提供されるDVS等温線は、同じ相対湿度条件で形態IIの含水率変動性を示し、動力学的な形態安定性は湿度可変X線粉末回折によって示された。形態IIは、5~55% RHからおよそ3.5重量%(1mol/molの水)、55~85% RHから7重量%(2mol/molの水)、85~95% RHからさらに7重量%を得た。機器は85%RHを超えて時間切れになったが、もしこの条件でより長く放置されれば、さらなる水収着の可能性があり得ることが示唆される。ヒステリシスが脱着時に観察された。材料は形態II及び形態Vの混合物として回収され同定された。X線粉末回折によると、形態IIは、乾燥窒素の下4日までの間、又は0%RHで35日までの間保管して不変のままであった。形態Vへの転化は、75%RHへの曝露で35日以内に生じた。
【0086】
得られた3つのインデキシング溶液のうちで、形態IIのインデキシングの結果から観察された単位格子体積は、図17に提供される。斜方晶系単位格子が12分子の25HC3Sナトリウムを含むと仮定すると、756Å3の式単位体積は、無水形態、形態XIIIの式単位よりおよそ50Å3大きい。これは9066.5Å3(±5%)の単位格子体積に対して対応する。体積の差異は、2mol/mol以内の水を収容する十分な余地を提供する。
【0087】
熱により、150℃までで、5及び6%の減量が、TGAによって観察される(参照:図24)。消失が揮発水によると仮定すると、減量は、およそ1.5及び1.8mol/molの水にそれぞれ対応する。消失はDSC中の幅の広い脱水吸熱と同時に生じる(図25)。DSC曲線は、また167℃及び189℃の近くで吸熱を示す。これらの事象は分解に関係する。
【0088】
形態IIのサイクルDSC実験は、図26に示される。幅の広い脱溶媒和吸熱は、水和物について予想されるように、130℃(トレース1)までの第1の加熱サイクル中に観察される。しかしながら、冷却(トレース2)、又は130℃までの第2の加熱(トレース3)で事象は観察されない。これは、形態変化は脱水を起こさず、一旦130℃に再加熱されたら、材料は水を含んでいないことを示唆する。次いで、試料は、167℃及び188℃の近くの吸熱によって証拠づけられるように分解しながら進む。高温での脱水による形態IIの動力学的安定性が、実施例19(図27)に一般的に従って実施された温度可変X線粉末回折実験を用いて、裏付けられた。形態IIは、135℃でX線粉末回折によってなお観察される。したがって、温度可変X線粉末回折及びサイクルDSC実験の両方からの結果は、完全脱水によって形態IIを維持することができることを示す。同じ温度可変X線粉末回折実験の間に、二硫酸水素三ナトリウム、Na3H(SO4)2として同定された分解物は、170℃によって明白であった。
【0089】
幾つかの事例において、結晶性25HC3Sナトリウムの、実質的に純粋な形態XIを含む形態XIが提供される。形態XIは、表1に述べるように調製されてもよい結晶性25HC3Sナトリウムの水和物である。例えば形態XIは、ジエチルエーテル中でスラリー化し、周囲条件に14日間曝露し、濾過し、窒素下で乾燥させることにより調製されてもよい。それは、このように安定形で調製されてもよい。さらに、実施例37は形態XIの調製を示す。形態XIは、X線粉末回折を含む様々な分析技法によって、特性評価されてもよい。形態XIのX線粉末回折パターン又はその一部が、形態XIを同定するのに使用されてもよい。形態XIは様々なX線粉末回折ピークを含み、単独で又は一緒に形態XIの存在を同定するのを支援することができる。
【0090】
多くの事例において、形態XIは、約2.6°2θのピークを含むX線粉末回折パターンを特徴とし得る。約2.6°2θのピークに加えて、X線粉末回折パターンは、例えば約3.1°2θ、約3.5°2θ及び約14.5°2θに1つ以上のピークを含み得る。形態XIのX線粉末回折パターンは図6及び図7にある。図6又は図7のいずれも形態XIを特性評価するのに使用されてもよい。
【0091】
幾つかの事例において、形態V、実質的に純粋な形態Vを含む25HC3Sナトリウムのリオトロピックメソフェーズ(また液晶としても公知の)が、本明細書において提供される。リオトロピックメソフェーズは溶媒の存在によって誘発される。さらに、濃度及び温度はそれらの相転移の決定的な因子である。形態Vは表1に述べるように調製されてもよい。例えば透明で粘性のあるゲルが、水、0.73awを超える水分活性を有する水性溶媒混合物、メタノール及びDMSOから形成された。特異的に水、0.73awを超える水分活性を有する水性溶媒系、及びメタノールからゲルとして形成された形態Vは、不規則なX線粉末回折パターンを示した。形態I又はIIのいずれも75%RH又はそれを超える相対湿度に曝露された場合、形態Vもまた形成した。これらのゲルは、典型的には偏光顕微鏡下で、例えば2枚のスライドガラス間でスライドさせる剪断力が印加されるまで複屈折を示さなかった。光学的複屈折は、少なくとも一次元の秩序を有する秩序相を示唆する。材料の流動も観察された。さらに、例えば実施例34、35及び36に述べるように、形態Vが調製されてもよい。
【0092】
メソフェーズは複屈折を特徴とし、非晶質固体又は等方性液体に存在せず、結晶性固体のほとんどすべての事例に存在する。さらに、材料は、押すと液体のように流れるが、固体のように破壊や破砕はしない。メソフェーズに典型的なように、形態VのX線粉末回折パターンは、散漫なバックグラウンド(図3)に重なったわずかなピークを示す。
【0093】
多くの事例において、形態Vは、約2.2°2θのピークを含むX線粉末回折パターンを特徴とし得る。約2.2°2θのピークに加えて、X線粉末回折パターンは、例えば約4.4°2θ、約6.6°2θ及び約8.8°2θに1つ以上のピークを含み得る。
【0094】
多くの事例において、形態Vは、約2.2°2θ、約6.6°2θのピーク、並びに約4.0°2θ及び約6.0°2θの、及びその間の単一ピークを含むX線粉末回折パターンを特徴とし得る。幾つかの事例において、X線粉末回折は、約8.8°2θ、約9.9°2θ及び約14.9°2θに1つ以上のピークをさらに含み得る。形態VのX線粉末回折パターンは図3及び図4にある。図3又は図4のいずれも形態Vを特性評価するのに使用されてもよい。
【0095】
形態Vは、TGA(図28)によって147℃までに7%の減量を示し、これはDSC(図29)で幅の広い脱水吸熱と同時に生じる。分解と関連した事象は、148℃を超えると明白である。
【0096】
形態Vの物理的安定性は、周囲条件で25日間保管して、X線粉末回折によって観察される変化を示さなかった。さらに、材料は、1日間の55℃及び真空に対する曝露で、形態Vのままであった。したがって、安定な形態Vがまた本明細書において開示される。以下の表7は、形態Vを製造する実施例を、対応するXRPD回折図と互いに関連付ける。
【0097】
【表7】
【0098】
表8は、図56に見られるピークを示すが、表8中の他の図(other figures)のピークは、図自体(figures themselves)に提示される。
【0099】
【表8】
【0100】
多くの事例において、実質的に純粋な形態XIII結晶性25HC3Sナトリウムを含む形態XIII結晶性25HC3Sナトリウムが提供される。形態XIIIは無水であり、130℃、70℃かつ真空、又は0%RH近くの湿度条件への曝露で、形態Iの脱水によって観察された。周囲条件下では、形態XIIIは、形態Iに迅速に水和する。形態XIIIはまた、表1に述べるようにアセトニトリル/H2O溶液に溶解させ、乾燥させることによって見られた。形態XIIIはまた、例えば実施例25及び26に述べるように調製されてもよい。
【0101】
形態XIIIのX線粉末回折パターンは成功裡にインデキシングされ、パターンが単一の結晶相(図30)を表わすことを示す。インデキシングの結果では、25HC3Sナトリウムの6分子を含む単斜晶系単位格子を有する。したがって、705Å3(±5%)の式単位体積は無水形態と矛盾せず、いずれのさらなる溶媒又は水分子を収容することができず、4230.8Å3(±5%)の単位格子体積を有する。
【0102】
多くの事例において、形態XIIIは、約2.3°2θのピークを含むX線粉末回折パターンを特徴とし得る。約2.3°2θのピークに加えて、X線粉末回折パターンは例えば約4.6°2θ、約9.3°2θ、約14.3°2θ、及び約15.0°2θの1つ以上のピークを含み得る(図8及び図9)。
【0103】
多くの事例において、形態XIIIは、約2.3°2θ、約5.4°2θ、約9.3°2θ、及び約11.6°2θのピークを含むX線粉末回折パターンを特徴とし得る。幾つかの事例において、X線粉末回折パターン、は、約4.6°2θ及び約15.0°2θに1つ以上のピークをさらに含み得る。図8又は図9のいずれも形態XIIIを特性評価するのに使用されてもよい。
【0104】
主に形態I及び少量の形態XIIIで構成される混合物についての湿度可変X線粉末回折実験が図13に提示される。材料は、X線粉末回折分析中に増大し、次いで低下する湿度に曝露される。これらの結果は、形態I及びXIIIは迅速に相互転化する証拠を提供する。形態I及びXIIIの混合物は14%RHで明白であった。形態XIIIは、25%RHに到達する前に形態Iに水和することを示した。逆に、形態Iは、0%RHに曝露されると、形態XIIIに数分内に脱水し、その条件下で安定なままであることを示した。
【0105】
本開示の多くの事例において、25HC3Sナトリウムの実質的に純粋な結晶性溶媒和物を含む結晶性25HC3Sナトリウムの溶媒和物が提供される。
【0106】
多くの事例において、実質的に純粋な形態III結晶性25HC3Sナトリウムを含む形態III結晶性25HC3Sナトリウムが提供される。形態IIIは結晶性25HC3Sナトリウムのエタノール溶媒和物である。形態IIIのX線粉末回折パターンは、図35図49及び図50で述べられる。形態IIIはエタノールを含む実験からのみ結晶化した。形態IIIは準安定であり、周囲条件で形態IIに脱溶媒和する。58℃及び真空に終夜、又は130℃の温度曝露される場合、それは、別の無水形態、形態IX(図31)に脱溶媒和する。形態IIIの調製は、実施例38-39においてさらに記載される。
【0107】
表9は、図50に見られるピークを示すが、図35及び49のピークは図自体に提示される。
【0108】
【表9】
【0109】
形態IIIのX線粉末回折パターンは成功裡にインデキシングされ、パターンは図32に見られるような単一の結晶相を表わすことを示す。インデキシングの結果では、2分子の25HC3Sナトリウムを含む三斜晶系単位格子を有する。したがって、768Å3の式単位体積はモノエタノラートと矛盾しない。体積は、およそ63Å3、無水形態、形態XIIIの式単位より大きい。体積の差異は、1mol/mol以内のエタノールを収容する十分な余地を与え、さらに形態IIIがモノエタノラートであることを示唆する。
【0110】
多くの事例において、形態IIIは、約4.9°2θのピークを含むX線粉末回折パターンを特徴とし得る。表9において約4.9°2θにピークは見られないが、図52のその回折図の拡大した図は、約4.9°2θにピークの存在を示す。約4.9°2θのピークに加えて、X線粉末回折パターンは、例えば約6.3°2θ、約7.8°2θ及び約9.8°2θに1つ以上のピークを含み得る。
【0111】
多くの事例において、形態IIIは約4.9°2θ及び約6.3°2θのピークを特徴とし得る。幾つかの事例において、X線粉末回折パターンは、約7.8°2θ、約9.8°2θ、約13.3°2θ及び約15.5°2θに1つ以上のピークをさらに含み得る。形態IIIは、図35のX線粉末回折パターンを特徴とし得る。
【0112】
多くの事例において、形態IXに関して、形態IXは、約4.9°2θのピークを含むX線粉末回折パターンを特徴とし得る。X線粉末回折パターンは、例えば約7.9°2θ、約11.2°2θ、約14.1°2θ、約16.1°2θ、及び約16.6°2θに1つ以上のピークを含み得る。
【0113】
多くの事例において、形態IXは、約2.2°2θ、約4.9°2θ及び約7.9°2θのピークを含むX線粉末回折パターンを特徴とし得る。X線回折パターンは、幾つかの事例において、約14.1°2θ、約16.1°2θ及び約16.6°2θに1つ以上のピークをさらに含み得る。形態IXはさらに図5を特徴とし得る。
【0114】
残余の有機溶媒、例えばエタノールは観察されなかった。TGAによって観察された145℃までの1.6%の減量は、恐らく水の揮発による。一致する脱水吸熱はDSCによって明白であり、150℃を超える事象は分解に関係する。形態IXは、実施例32及び実施例33に述べるように調製されてもよい。図5は実施例32に対応し、図51は実施例33に対応する。
【0115】
表10は、図51に見られるピークを示すが、図5のピークはその図に提示される。
【0116】
【表10】
【0117】
本開示はまた、本明細書において開示される結晶性25HC3Sナトリウムを含む医薬組成物に関する。そのような医薬組成物は、1種以上の薬学的に許容される賦形剤及び本開示に述べる結晶性25HC3Sナトリウムで構成される。そのような医薬組成物は、経口で投与され、又は例えば即時、緩徐及び徐放性の経口製剤を含む、非経口的に、局所に、経鼻的に、眼部に、光学的に、舌下に、直腸で、経膣的などで、任意の有効な従来の単位剤形として送達されるように構成されてもよい。
【0118】
本開示は、25HC3Sナトリウムの形態の、例えば結晶性25HC3Sナトリウム形態の互いとの、及び/又は25HC3Sナトリウムのリオトロピック形態との混合物をさらに含む。例えば結晶性25HC3Sナトリウム形態I、結晶性25HC3Sナトリウム形態II、液晶性25HC3Sナトリウム形態V、結晶性25HC3Sナトリウム形態IX、結晶性25HC3Sナトリウム形態XI、又は結晶性25HC3Sナトリウム形態XIIIの2種以上の混合物が提供される。そのような混合物中に存在する各形態の量は、例えば約0.01重量%~約99.9質量重量%の範囲である。他の範囲は、約0.1重量%~約95重量%、約0.1重量%~約90重量%、約0.1重量%~約85重量%、約0.1重量%~約80重量%、約0.1重量%~約75重量%、約0.1重量%~約70重量%、約0.1重量%~約65重量%、約0.1重量%~約60重量%、約0.1重量%~約55重量%、約0.1重量%~約50重量%、約0.1重量%~約45重量%、約0.1重量%~約40重量%、約0.1重量%~約35重量%、約0.1重量%~約30重量%、約0.1重量%~約25重量%、約0.1重量%~約20重量%、約0.1重量%~約15重量%、約0.1重量%~約10重量%を含む。他の範囲は、約0.1重量%~約9重量%、約0.1重量%~約8重量%、約0.1重量%~約7重量%、約0.1重量%~約6重量%、約0.1重量%~約5重量%、約0.1重量%~約4重量%、約0.1重量%~約3重量%、約0.1重量%~約2重量%、約0.1重量%~約1重量%を含む。さらなる範囲は、約0.1重量%~約0.9重量%、約0.1重量%~約0.8重量%、約0.1重量%~約0.7重量%、約0.1重量%~約0.6重量%、約0.1重量%~約0.5重量%、約0.1重量%~約0.4重量%、約0.1重量%~約0.3重量%、及び約0.1重量%~約0.2重量%を含む。さらなる範囲は、約0.01重量%及び約0.1質量重量%の間に含まれる。さらなる範囲は、約0.01重量%及び約0.09重量%、約0.01重量%~約0.08重量%、約0.01重量%~約0.07重量%、約0.01重量%~約0.06重量%、約0.01重量%~約0.05重量%、約0.01重量%~約0.04重量%、約0.01重量%~約0.03重量%及び約0.01重量%~約0.02重量%の間に含まれる。そのような混合物は、また1種以上の薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物中に存在してもよい。
【0119】
本開示は、ヒトの疾患、例えば。高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、及び脂肪蓄積及び炎症と関係する状態(例えば非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、アルコール性肝炎、急性腎傷害(AKI)、乾癬及びアテローム性動脈硬化症)の1つ以上の治療のための、有効量の結晶性25HC3Sナトリウム、及び/又は本開示の結晶性25HC3Sナトリウムを含む医薬組成物を用いる、方法及び使用をさらに含む。
【0120】
25-ヒドロキシ-コレステン-5-エン-3-スルファート(25HC3S)を調製する方法
上に要約されるように、本開示は、また25-ヒドロキシ-コレステン-5-エン-3-スルファート、例えば25-ヒドロキシ-3β-コレステン-5-エン-3-スルファート(25HC3S)を調製する方法を提供する。本明細書において教示の多くは3β位のスルファートを包含するが、本開示の教示はまた、一般に、3α位のスルファートにも適用可能である。本明細書において記載の25-ヒドロキシ-3β-コレステン-5-エン-3-スルファートを調製する主題方法の各ステップにおいて使用される成分は、所望に応じて精製された組成物又は粗製の組成物であってもよい。用語「精製された」とは、例えば反応混合物の濾過又は水性後処理などの、少なくとも幾つかの単離又は精製プロセスが行なわれた組成物を指すその従来の意味において使用される。ある事例において、精製は、液体クロマトグラフィー、再結晶、蒸留(例えば共沸蒸留)及び他のタイプの化合物精製の少なくとも1つを含む。例えば本明細書において記載の化合物は、クロマトグラフィーの手段、例えば高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)、超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)、薄層クロマトグラフィー、フラッシュカラムクロマトグラフィー及びイオン交換クロマトグラフィーによって精製されてもよい。イオン性樹脂に加えて、順相及び逆相を含む任意の適切な固定相が使用されてもよい。移動相は極性溶媒及び無極性溶媒から選ぶことができる。幾つかの事例において、移動相は極性溶媒を含む。幾つかの事例において、極性溶媒は、クロロホルム、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、ジクロロエタン、アセトン、ジオキサン、酢酸エチル、ジメチルスルホキシド、アニリン、ジエチルアミン、ニトロメタン、アセトニトリル、ピリジン、イソプロパノール、エタノール、メタノール、エチレングリコール、酢酸及び水から選ばれる。幾つかの事例において、移動相は無極性溶媒を含む。幾つかの事例において、無極性溶媒は、ジエチルエーテル、トルエン、ベンゼン、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテル及び四塩化炭素から選ばれる。参照:例えばIntroduction to Modern Liquid Chromatography, 2nd Edition, ed. L. R. Snyder and J. J. Kirkland, John Wiley and Sons, 1979、and Thin Layer Chromatography, ed. E. Stahl, Springer-Verlag, New York, 1969。
【0121】
幾つかの事例において、反応混合物は、本明細書において記載の方法の後続のステップにおいて、反応混合物の精製又は他の後処理が行なわれていない粗製混合物として使用される。ある事例において、粗製混合物は、十分な純度の目的の化合物を含み、例えばここで反応混合物は、クロマトグラフィー(例えばHPLC又はSFC)、核磁気共鳴法(例えば1H NMR又は13C NMR)又はその組み合わせによって決定して粗製の反応混合物(存在する場合、溶媒とは別に)に対して70%以上、例えば75%以上、例えば80%以上、例えば85%以上、例えば90%以上、例えば95%以上、例えば97%以上、例えば99%以上、例えば99.5%以上、例えば99.9%以上、例えば99.99%以上の、及び99.999%以上を含む純度の目的の化合物を含む。幾つかの事例において、目的の化合物は、粗製の反応混合物(存在する場合、溶媒とは別に)に対して30重量%以上、例えば40重量%以上、例えば50重量%以上、例えば60重量%以上、例えば70重量%以上、例えば75重量%以上、80重量%以上、例えば85重量%以上、例えば90重量%以上、例えば95重量%以上、例えば例えば97重量%以上、例えば99重量%以上、例えば99.5重量%以上、例えば99.9重量%以上、例えば99.99重量%以上の、及び粗製の反応混合物に対して99.999重量%以上を含み、5重量%~99.999重量%、例えば30重量%~99.99重量%、40重量%~99.9重量%、50重量%~99重量%、70重量%~95重量%、75重量%~90重量%、80重量%~99重量%又は80重量%~95重量%の範囲であってもよい量において、反応混合物中に存在する。幾つかの事例において、目的の化合物は、粗製の反応混合物(存在する場合、溶媒とは別に)、粗製の反応混合物に対して30mol%以上、例えば40mol%以上、例えば50mol%以上、例えば60mol%以上、例えば70mol%以上、例えば75mol%以上, 例えば80mol%以上、例えば85mol%以上、例えば90mol%以上、例えば95mol%以上、例えば97mol%以上、例えば99mol%以上、例えば99.5mol%以上、例えば99.9mol%以上、例えば99.99mol%以上、及び99.999mol%以上を含んで反応混合物中に存在し、30mol%~99.999mol%、例えば50mol%~99mol%、70mol%~95mol%、75mol%~90mol%、80mol%~99mol%又は80mol%~95mol%の範囲であってもよい。
【0122】
本開示による25-ヒドロキシ-3β-コレステン-5-エン-3-スルファートの金属塩([(3S,10R,13R,17R)-17-[(1R)-5-ヒドロキシ-1,5-ジメチル-ヘキシル]-10,13-ジメチル-2,3,4,7,8,9,11,12,14,15,16,17-ドデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]硫酸金属塩)を調製する方法は、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-オールを硫酸化剤と接触させて25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩を製造するステップ、及び25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩を少なくとも1種の金属塩と接触させて5-コレステン-3β,25-ジオール3-硫酸金属塩を製造するステップを含む(スキームIa)。
【0123】
【化2】
【0124】
【化3】
【0125】
25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-オールは硫酸化剤と接触させることにより硫酸化される(スキームIA1)。幾つかの事例において、硫酸化試薬は、三酸化硫黄錯体、硫酸化合物、スルホン酸化合物、及びスルホナート化合物から選ばれる。幾つかの事例において、硫酸化試薬は、三酸化硫黄ジメチルホルムアミド、三酸化硫黄トリエチルアミン、及び三酸化硫黄トリメチルアミンから選ばれる。幾つかの事例において、硫酸化試薬は、硫酸及び酢酸無水物及びピリジンからを含む。幾つかの事例において、硫酸化試薬は三酸化硫黄トリエチルアミン及びピリジンを含む。幾つかの事例において、硫酸化試薬は、1)クロロスルホン酸及びピリジン、並びに2)クロロスルホン酸及び2,6-ルチジンから選ばれる。幾つかの事例、において、硫酸化試薬はクロリド硫酸エチルである。
【0126】
25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-オールは、-10℃~50℃、例えば-5℃~45℃、例えば-4℃~40℃、例えば-3℃~35℃、例えば-2℃~30℃、例えば-1℃~25℃の範囲の、及び0℃~20℃を含む温度で硫酸化されてもよい。反応は、0.1時間~72時間、例えば0.2時間~48時間、例えば0.3時間~24時間、例えば0.4時間~21時間、例えば0.5時間~20時間、例えば0.6時間~19時間、例えば0.7時間~18時間、例えば0.8時間~17時間、例えば0.9時間~16時間の、及び1時間~15時間を含む範囲の継続期間行なわれてもよい。25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-オールに対して使用される硫酸化剤の量は変動してもよく、0.001当量以上、例えば0.01当量以上、例えば0.1当量以上、例えば0.2当量以上、例えば0.3当量以上、例えば0.4当量以上、例えば0.5当量以上、例えば0.6当量以上、例えば0.7当量以上、例えば0.8当量以上、例えば0.9当量以上、例えば1当量以上、例えば1.1当量以上、例えば1.2当量以上、例えば1.3当量以上、例えば1.4当量以上、例えば1.5当量以上、例えば1.6当量以上、例えば1.7当量以上、例えば1.8当量以上、例えば1.9当量以上、例えば2当量以上、例えば3当量以上、例えば4当量以上、例えば5当量以上であってもよく、10当量以上を含み、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-オールに対して0.001当量~10当量、例えば0.1当量~10当量、0.1当量~8当量、0.1当量~5当量、0.5当量~10当量、0.5当量~8当量、0.5当量~5当量、0.9当量~10当量、0.9当量~8当量、0.9当量~5当量、1.3当量~10当量、1.3当量~8当量、1.3当量~5当量、1.5当量~10当量、1.5当量~8当量、1.5当量~5当量、2当量~10当量、2当量~8当量、2当量~5当量、又は1当量~2当量、1当量~1.5当量、又は1.1~1.2当量の範囲であってもよい。
【0127】
幾つかの事例において、方法は、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-スルファート生成物が低い溶解度を示す少なくとも1種の溶媒中で25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-オールを硫酸化するステップを含む。幾つかの事例において、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-オールは、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-スルファート生成物が、100mmol/L以下、例えば90mmol/L以下、例えば80mmol/L以下、例えば70mmol/L以下、例えば60mmol/L以下、例えば50mmol/L以下、例えば40mmol/L以下、例えば30mmol/L以下、例えば20mmol/L以下、例えば10mmol/L以下の溶解度を示す少なくとも1種の溶媒中で硫酸化され、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-スルファート生成物が5mmol/L以下の溶解度を示す少なくとも1種の溶媒中で25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-オールを硫酸化するステップを含む。幾つかの事例において、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-オールは、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-スルファート生成物が形成後に沈殿する少なくとも1種の溶媒中で硫酸化される。幾つかの事例において、少なくとも1種の溶媒は、クロロホルム、塩化メチレン、アセトン、アセトニトリル、トルエン、テトラヒドロフラン及びメチルテトラヒドロフランから選ばれる。
【0128】
幾つかの事例において、方法は、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-オールのビス硫酸化を低減又は排除するのに十分な方式で25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-オールを硫酸化するステップを含む。幾つかの事例において、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-オールは硫酸化され、ビススルファート生成物(すなわち、5-コレステン-3β-25-ジオール-ジスルファート、構造IA)は、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-オールを硫酸化剤と接触させることにより形成された反応生成物の10重量%以下、例えば9重量%以下、例えば8重量%以下、例えば7重量%以下、例えば6重量%以下、例えば5重量%以下、例えば4重量%以下、例えば3重量%以下、例えば2重量%以下、例えば1重量%以下、例えば0.5重量%以下、例えば0.1重量%以下、例えば0.01重量%以下、例えば0.001重量%以下である量で形成され、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-オールが硫酸化され、ビススルファート生成物が0.0001重量%以下である量で形成される場合を含み、10重量%~0.001重量%、例えば10重量%~0.1重量%、10重量%~1重量%、10重量%~2重量%、8重量%~0.001重量%、8重量%~0.1重量%、8重量%~1重量%、8重量%~2重量%、6重量%~0.001重量%、6重量%~0.1重量%、6重量%~1重量%、6重量%~2重量%、4重量%~0.001重量%、4重量%~0.1重量%、4重量%~1重量%、4重量%~2重量%、3重量%~0.001重量%、3重量%~0.1重量%、3重量%~1重量%、2重量%~0.001重量%、2重量%~0.1重量%又は2重量%~1重量%の範囲であってもよい。
【0129】
幾つかの事例において、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-スルファートと形成される5-コレステン-3β-25-ジオール-ジスルファートの重量比は、10:1以上、例えば25:1以上、例えば50:1以上、例えば100:1以上、例えば、例えば250:1以上、例えば500:1以上、例えば1000:1以上、例えば2500:1以上、例えば5000:1以上、例えば10,000:1以上、例えば25,000:1以上、例えば50,000:1以上、例えば100,000:1以上、例えば106:1以上、例えば107:1以上、例えば108:1以上であり、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-スルファートと形成された5-コレステン-3β-25-ジオール-ジスルファートの重量比が109:1以上である場合を含み、10:1の重量比~109:1の重量比、例えば10:1の重量比~106:1の重量比、10:1の重量比~103:1の重量比、10:1の重量比~100:1の重量比、100:1の重量比~109:1の重量比、100:1の重量比~106:1の重量比、100:1の重量比~103:1の重量比、250:1の重量比~109:1の重量比、250:1の重量比~106:1の重量比、250:1の重量比~103:1の重量比、500:1の重量比~109:1の重量比、500:1の重量比~106:1の重量比、500:1の重量比~103:1の重量比、103:1の重量比~109:1の重量比、103:1の重量比~106:1の重量比又は250:1の重量比~103:1の重量比の範囲であってもよい。
【0130】
【化4】
【0131】
幾つかの事例において、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-オールを硫酸化する場合、形成される5-コレステン-3β-25-ジオール-ジスルファートは、少なくとも1種の溶媒に可溶化されたままである。幾つかの事例において、5-コレステン-3β-25-ジオール-ジスルファートは少なくとも1種の溶媒中で高い溶解度を有する。幾つかの事例において、5-コレステン-3β-25-ジオール-ジスルファートは、少なくとも1種の溶媒中で500mmol/L以上、例えば600mmol/L以上の、例えば700、mmol/L以上、例えば800mmol/L以上の、例えば900mmol/L以上の溶解度を示し、少なくとも1種の溶媒中で1mol/L以上の溶解度を含む。
【0132】
ある事例において、方法は、ビススルファート生成物(すなわち、5-コレステン-3β-25-ジオール-ジスルファート)から25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-スルファート生成物を分離するステップをさらに含む。幾つかの事例において、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-スルファート生成物は真空濾過によってビススルファート生成物から分離される。幾つかの事例において、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-スルファート生成物は25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-スルファート生成物の再結晶によってビススルファート生成物から分離される。幾つかの事例において、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-スルファート生成物はクロマトグラフィー(例えばシリカカラム)によってビススルファート生成物から分離される。
【0133】
幾つかの事例において、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-オールは、5.0~8.0、例えばpH5.1~7.9、例えばpH5.2~7.8、例えばpH5.3~7.7、例えばpH5.4~7.6、例えばpH5.5~7.5、例えばpH5.6~7.4、例えばpH5.7~7.3、例えばpH5.8~7.2、例えばpH5.9~7.1の範囲のpHを有する反応混合物中で硫酸化され、pH6.0~7.0を有する反応混合物中で25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-オールを硫酸化するステップを含む。
【0134】
幾つかの事例において、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-オールは、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩の存在下で硫酸化される。ある事例において、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩は、粒子(例えば先の反応又は精製された反応バッチにおいて生成された25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩の種結晶)として存在する。幾つかの事例において、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩(例えば粒子としての)の存在下で25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-オールを硫酸化するステップは、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩が存在しない場合の溶解度と比較して、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-オールとの硫酸化剤の反応によって生成された25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩の溶解度を低減するのに十分である。ある事例において、反応混合物中で生成した25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩の溶解度は、添加される25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩が存在しない場合の溶解度と比較して、5%以上、例えば10%以上、例えば25%以上、例えば50%以上、例えば75%以上、例えば90%以上低減され、生成された25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩の溶解度の99%以上の低減によることを含む。反応混合物に添加される25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩の粒子のサイズは変動してもよく、0.01mm以上、例えば0.025mm以上、例えば0.05mm以上、例えば0.075mm以上、例えば0.1mm以上、例えば0.25mm以上、例えば0.5mm以上、例えば0.75mm以上、例えば1mm以上、例えば2mm以上、例えば3mm以上、例えば4mm以上の、及び5mm以上を含む寸法(例えば長さ、幅又は直径)を有していてもよい。幾つかの事例において、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩の粒子は、硫酸化剤を25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-オールと接触させた直後に反応混合物に添加される。幾つかの事例において、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩の粒子は、硫酸化剤を25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-オールと接触させた、1分以上、例えば5分以上、例えば10分以上、例えば15分以上、例えば20分以上、例えば30分以上、例えば40分以上、例えば50分以上後に反応混合物に添加され、硫酸化剤を25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-オールと接触させた60分以上後に25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩の粒子を反応混合物に添加するステップを含む。
【0135】
ある事例において、硫酸化剤は25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-オールと接触させる前に特性評価される。幾つかの事例において、硫酸化剤の特性評価は、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-オールとの接触前の硫酸化剤の分解の程度を決定するステップを含む。ある事例において、硫酸化試薬の分解の程度の決定は、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-オールとの接触前の硫酸化試薬中の不純物の量を決定するステップを含む。
【0136】
幾つかの事例において、硫酸化剤の分解はプロトン核磁気共鳴分光法(1HNMR)によって決定される。硫酸化剤のプロトンNMR分光法は少なくとも1種の重水素化溶媒中で行なわれてもよい。ある事例において、少なくとも1種の重水素化溶媒は重水素化アセトン((CD3)2CO)である。ある事例において、少なくとも1種の重水素化溶媒は重水素化ベンゼン(C6D6)ではない。ある事例において、少なくとも1種の重水素化溶媒は重水素化アセトニトリル(CD3CN)ではない。ある事例において、少なくとも1種の重水素化溶媒は重水素化クロロホルム(CD3Cl)ではない。
【0137】
幾つかの事例において、分解の程度を決定する方法は、1HNMRスペクトルにおいて9.2ppm~9.3ppmの化学シフトの1つ以上のピークを積分するステップ、及び積分ピークに対して硫酸化剤の不純物レベルを計算するステップを含む。ある事例において、分解の程度を決定する方法は、1HNMRスペクトルにおいて約9.25ppmの化学シフトの1つ以上のピークを積分するステップ、及び積分ピークに対して硫酸化剤の不純物レベルを計算するステップを含む。幾つかの事例において、硫酸化剤の不純物レベルが所定の閾値未満である場合、例えば不純物レベルをプロトンNMRスペクトルにおいて9.2ppm~9.3ppmの化学シフトの1つ以上のピークを積分することにより決定して、25%以下、例えば24%以下、例えば23%以下、例えば22%以下、例えば21%以下、例えば20%以下、例えば19%以下、例えば18%以下、例えば17%以下、例えば16%以下、例えば15%以下、例えば14%以下例えば13%以下、例えば12%以下、例えば11%以下、例えば10%以下、例えば9%以下、例えば8%以下、例えば7%以下、例えば6%以下、例えば5%以下、例えば4%以下、例えば3%以下例えば2%以下である場合、不純物レベルが、プロトンNMRスペクトルにおいて9.2ppm~9.3ppmの化学シフトの1つ以上のピークを積分することにより決定して1%以下である場合を含めて、硫酸化剤を25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-オールと接触させる。幾つかの事例において、不純物レベルが所定の閾値を超える場合、例えば不純物レベルが、プロトンNMRスペクトルにおいて9.2ppm~9.3ppmの化学シフトの1つ以上のピークを積分することにより決定して25%以上、例えば26%以上、例えば27%以上、例えば28%以上、例えば29%以上、例えば30%以上、例えば31%以上、例えば32%以上、例えば33%以上、例えば34%以上である場合、不純物レベルがプロトンNMRスペクトルにおいて9.2ppm~9.3ppmの化学シフトの1つ以上のピークを積分することにより決定して35%以上である場合を含めて、硫酸化剤を25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-オールと接触させない。
【0138】
ある事例において、生じた25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-スルファート生成物は1種以上の副生成物を含む。幾つかの事例において、副生成物は5-コレステン-3β-25-ジオール-ジスルファートである。幾つかの事例において、5-コレステン-3β-25-ジオール-ジスルファート副生成物は、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-オールの硫酸化によって生成された組成物中に25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-スルファートに対して10重量%以下、例えば9重量%以下、例えば8重量%以下、例えば7重量%以下、例えば6重量%以下、例えば5重量%以下、例えば4重量%以下、例えば3重量%以下、例えば2重量%以下、例えば1重量%以下、例えば0.5重量%以下、例えば0.1重量%以下、例えば0.01重量%以下、例えば0.001重量%以下の量、存在し、5-コレステン-3β-25-ジオール-ジスルファート副生成物が0.001重量%以下の量、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-オールの硫酸化によって生成された組成物中に存在し、0.1重量%~50重量%、例えば0.5重量%~20重量%又は1重量%~12重量%の範囲であってもよい場合を含む。幾つかの事例において、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-スルファートと形成された5-コレステン-3β-25-ジオール-ジスルファート副生成物の重量比は、10:1以上、例えば25:1以上、例えば50:1以上、例えば100:1以上、である、例えば例えば250:1以上、例えば500:1以上、例えば1000:1以上、例えば2500:1以上、例えば5000:1以上、例えば10,000:1以上、例えば25,000:1以上、例えば50,000:1以上、例えば100,000:1以上、例えば106:1以上、例えば107:1以上、例えば108:1以上であり、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-スルファートと形成された5-コレステン-3β-25-ジオール-ジスルファートの重量比が109:1以上である場合を含む。幾つかの事例において、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-スルファート及び形成された5-コレステン-3β-25-ジオール-ジスルファートの重量比は、10:1~109:1、例えば100:1~108:1、例えば1000:1~107:1の範囲であり、10000:1~106:1を含む。
【0139】
本開示の態様は、また25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-スルファート及び5-コレステン-3β-25-ジオール-ジスルファートを有する組成物を含み、組成物中に、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-スルファートに対して、5-コレステン-3β-25-ジオール-ジスルファートは、10重量%以下、例えば9重量%以下、例えば8重量%以下、例えば7重量%以下、例えば6重量%以下、例えば5重量%以下、例えば4重量%以下、例えば3重量%以下、例えば2重量%以下、例えば1重量%以下、例えば0.5重量%以下、例えば0.1重量%以下、例えば0.01重量%以下、例えば0.001重量%以下の量、存在し、0.001重量%以下を含み、10重量%~0.001重量%、例えば10重量%~0.1重量%、10重量%~1重量%、10重量%~2重量%、8重量%~0.001重量%、8重量%~0.1重量%、8重量%~1重量%、8重量%~2重量%、6重量%~0.001重量%、6重量%~0.1重量%、6重量%~1重量%、6重量%~2重量%、4重量%~0.001重量%、4重量%~0.1重量%、4重量%~1重量%、4重量%~2重量%、3重量%~0.001重量%、3重量%~0.1重量%、3重量%~1重量%、2重量%~0.001重量%、2重量%~0.1重量%、又は2重量%~1重量%の範囲であってよい。
【0140】
幾つかの事例において、組成物は、10:1以上、例えば25:1以上、例えば50:1以上、例えば100:1以上、例えば例えば250:1以上、例えば500:1以上、例えば1000:1以上、例えば2500:1以上、例えば5000:1以上、例えば10,000:1以上、例えば25,000:1以上、例えば50,000:1以上、例えば100,000:1以上、例えば106:1以上、例えば107:1以上、例えば108:1以上の、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-スルファート及び5-コレステン-3β-25-ジオール-ジスルファートの重量比を含み、組成物中の25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-スルファートと5-コレステン-3β-25-ジオール-ジスルファートの重量比が109:1以上である場合を含む。幾つかの事例において、組成物は、10:1~109:1、例えば100:1~108:1、例えば1000:1~107:1の範囲の、10000:1~106:1を含む、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-スルファート及び5-コレステン-3β-25-ジオール-ジスルファートの重量比を含む。
【0141】
幾つかの事例において、副生成物は硫酸化デスモステロール(構造IB)である。
【0142】
【化5】
【0143】
幾つかの事例において、硫酸化デスモステロール([(3S,8S,9S,10R,13R,14S,17R)-17-[(1R)-1,5-ジメチルヘキサ-4-エニル]-10,13-ジメチル-2,3,4,7,8,9,11,12,14,15,16,17-ドデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]スルファート)は、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-オールの硫酸化によって生成された組成物中に25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-スルファートに対して、10重量%以下、例えば9重量%以下、例えば8重量%以下、例えば7重量%以下、例えば6重量%以下、例えば5重量%以下、例えば4重量%以下、例えば3重量%以下、例えば2重量%以下、例えば1重量%以下、例えば0.5重量%以下、例えば0.1重量%以下、例えば0.01重量%以下、例えば0.001重量%以下の量、存在し、硫酸化デスモステロールが25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-オールの硫酸化によって生成された組成物中に25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-スルファートに対して0.001重量%以下の量、存在する場合を含み、0.1重量%~10重量%、例えば0.2重量%~5重量%又は0.3重量%~3重量%の範囲であってよい。幾つかの事例において、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-スルファートと形成された硫酸化デスモステロールの重量比は、10:1以上、例えば25:1以上、例えば50:1以上、例えば100:1以上、例えば例えば250:1以上、例えば500:1以上、例えば1000:1以上、例えば2500:1以上、例えば5000:1以上、例えば10,000:1以上、例えば25,000:1以上、例えば50,000:1以上、例えば100,000:1以上、例えば106:1以上、例えば107:1以上、例えば108:1以上であり、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-スルファートと形成された硫酸化デスモステロールの重量比が109:1以上である場合を含む。幾つかの事例において、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-スルファート及び形成された硫酸化デスモステロールの重量比は、10:1~109:1、例えば100:1~108:1、例えば1000:1~107:1の範囲であり、10000:1~106:1を含む。
【0144】
本開示の態様はまた、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-スルファート及び硫酸化デスモステロールを有する組成物を含み、硫酸化デスモステロールは、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-スルファートに対して10重量%以下、例えば9重量%以下、例えば8重量%以下、例えば7重量%以下、例えば6重量%以下、例えば5重量%以下、例えば4重量%以下、例えば3重量%以下、例えば2重量%以下、例えば1重量%以下、例えば0.5重量%以下、例えば0.1重量%以下、例えば0.01重量%以下、例えば0.001重量%以下の量、組成物中に存在し、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-スルファートに対して0.001%w/w以下を含み、10重量%~0.001重量%、例えば10重量%~0.1重量%、10重量%~1重量%、10重量%~2重量%、8重量%~0.001重量%、8重量%~0.1重量%、8重量%~1重量%、8重量%~2重量%、6重量%~0.001重量%、6重量%~0.1重量%、6重量%~1重量%、6重量%~2重量%、4重量%~0.001重量%、4重量%~0.1重量%、4重量%~1重量%、4重量%~2重量%、3重量%~0.001重量%、3重量%~0.1重量%、3重量%~1重量%、2重量%~0.001重量%、2重量%~0.1重量%、又は2重量%~1重量%の範囲であってよい。
【0145】
幾つかの事例において、組成物は、10:1以上、例えば25:1以上、例えば50:1以上、例えば100:1以上、例えば、例えば250:1以上、例えば500:1以上、例えば1000:1以上、例えば2500:1以上、例えば5000:1以上、例えば10,000:1以上、例えば25,000:1以上、例えば50,000:1以上、例えば100,000:1以上、例えば106:1以上、例えば107:1以上、例えば108:1以上の25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-スルファート及び硫酸化デスモステロールの重量比を含み、組成物中の25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-スルファートと硫酸化デスモステロールの重量比が109:1以上である場合を含む。幾つかの事例において、組成物は、10:1~109:1、例えば100:1~108:1、例えば1000:1~107:1の、及び10000:1~106:1の範囲を含む25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-スルファート及び硫酸化デスモステロールの重量比を含む。
【0146】
幾つかの事例において、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-スルファート組成物中に存在する25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-オールの硫酸化の副生成物は熱分解生成物である。幾つかの事例において、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-スルファート組成物の成分が液体クロマトグラフィー(例えばHPLC)によって分離される場合、副生成物は相対的な保持時間によって同定される。ある事例において、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-スルファート組成物の成分が、C8固定相を用いて約45℃で作動し、緩衝液(例えばリン酸ナトリウムの水性緩衝液)を含む第1の移動相、及び1種以上の有機溶媒(参照:例えば以下の表13及び14)を含む第2の移動相を用いて組成物の成分を分離するHPLCによって分離される場合、副生成物は、硫酸化デスモステロール、約18.3分の保持時間を有する化合物である。幾つかの事例において、第1の移動相は水性緩衝液である。ある事例において、第1の移動相はリン酸ナトリウムを含む。幾つかの事例において、第2の移動相は、酢酸メトキシプロピル、アセトニトリル及びメタノールの1種以上から選ばれる。幾つかの事例において、第1の移動相の流速は約1.0mL/分である。幾つかの事例において、第2の移動相の流速は約1.0mL/分以上である。幾つかの事例において、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-スルファートは同じHPLC条件下で約7.7分の保持時間を有する。幾つかの事例において、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-スルファート組成物の成分がC8固定相を用いて約45℃で作動し、緩衝液(例えばリン酸ナトリウムの水性緩衝液)を含む第1の移動相、及び1種以上の有機溶媒(参照:例えば以下の表13及び14)を含む第2の移動相を用いて組成物の成分を分離するHPLCによって分離される場合、副生成物は約37.7分の保持時間を有する化合物である。理論によって束縛されたくないが、約37.7分の保持時間を有する化合物はデスモステロールであると考えられる。幾つかの事例において、第1の移動相は水性緩衝液である。ある事例において、第1の移動相はリン酸ナトリウムを含む。幾つかの事例において、第2の移動相は、酢酸メトキシプロピル、アセトニトリル及びメタノールの1種以上から選ばれる。幾つかの事例において、第1の移動相の流速は約1.0mL/分である。幾つかの事例において、第2の移動相の流速は約1.0mL/分以上である。幾つかの事例において、また、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-スルファートは同じHPLC条件下で約7.7分の保持時間を有し、その結果、硫酸化デスモステロールは約2.4(=18.3/7.7)の相対的保持時間を有し、デスモステロールであると考えられる化合物は約4.9(=37.7/7.7)の相対的保持時間を有する。
【0147】
本開示の態様は、また25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-スルファート及び25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-オールの硫酸化の1種以上の副生成物を有する組成物を含む。幾つかの事例において、1種以上の副生成物が、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-スルファートに対して、10重量%以下、例えば9重量%以下、例えば8重量%以下、例えば7重量%以下、例えば6重量%以下、例えば5重量%以下、例えば4重量%以下、例えば3重量%以下、例えば2重量%以下、例えば1重量%以下、例えば0.5重量%以下、例えば0.1重量%以下、例えば0.01重量%以下、例えば0.001重量%以下の、0.001重量%以下を含む量、組成物中に存在し、0.1重量%~5重量%、例えば0.2重量%~10重量%又は0.3重量%~15重量%の範囲であってもよい。幾つかの事例において、組成物は、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-スルファート、及び25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-スルファートに対して、0.0001重量%~10重量%、例えば0.005重量%~9.5重量%、例えば0.001%~9.0重量%、例えば0.05重量%~8.5重量%、例えば0.1重量%~8.0重量%、例えば0.5重量%~7.5重量%、例えば1重量%~7重量%、例えば1.5重量%~6.5重量%の範囲の、及び2重量%~6重量%を含む量の1種以上の副生成物を含む。
【0148】
幾つかの事例において、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-スルファートと形成された1種以上の副生成物の重量比は、10:1以上、例えば25:1以上、例えば50:1以上、例えば100:1以上、例えば例えば250:1以上、例えば500:1以上、例えば1000:1以上、例えば2500:1以上、例えば5000:1以上、例えば10,000:1以上、例えば25,000:1以上、例えば50,000:1以上、例えば100,000:1以上、例えば106:1以上、例えば107:1以上、例えば108:1以上であり、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-スルファートと形成された1種以上の副生成物の重量比が109:1以上である場合を含む。幾つかの事例において、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-スルファート及び形成された1種以上の副生成物の重量比は、10:1~109:1、例えば100:1~108:1、例えば1000:1~107:1の範囲であり、10000:1~106:1を含む。
【0149】
幾つかの事例において、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩は25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸ピリジニウム塩である(スキームIA2)。
【0150】
【化6】
【0151】
ある事例において、硫酸化剤は、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-オールと接触させる前に無水物と接触させられる。幾つかの事例において、無水物は、無水酢酸、トリフルオロ酢酸無水物及びトリフル酸無水物から選ばれる。25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-オールに対して無水物の量は変動してもよく、0.001当量以上、例えば0.2当量以上、例えば0.3当量以上、例えば0.4当量以上、例えば0.5当量以上、例えば0.6当量以上、例えば0.7当量以上、例えば0.8当量以上、例えば0.9当量以上、例えば1当量以上、例えば1.1当量以上、例えば1.2当量以上、例えば1.3当量以上、例えば1.4当量以上、例えば1.5当量以上、例えば1.6当量以上、例えば1.7当量以上、例えば1.8当量以上、例えば1.9当量以上、例えば2当量以上、例えば3当量以上、例えば4当量以上、例えば5当量以上であってもよく、10当量以上を含み、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-オールに対して、0.001当量~10当量、例えば0.1当量~10当量、0.1当量~8当量、0.1当量~5当量、0.5当量~10当量、0.5当量~8当量、0.5当量~5当量、0.9当量~10当量、0.9当量~8当量、0.9当量~5当量、1.3当量~10当量、1.3当量~8当量、1.3当量~5当量、1.5当量~10当量、1.5当量~8当量、1.5当量~5当量、2当量~10当量、2当量~8当量、2当量~5当量、0.1当量~1.5当量、0.5当量~1.1当量又は0.1当量~1当量の範囲であってもよい。
【0152】
幾つかの事例において、方法は、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩を生成した後、未反応硫酸化剤をクエンチ(すなわち、非活性化)するステップを含む。幾つかの事例において、硫酸化剤のクエンチは反応混合物に水を添加するステップを含む。25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-オールと接触させられる硫酸化剤の量に対する、反応混合物に添加される水の量は変動してもよく、1当量以上、例えば2当量以上、例えば3当量以上、例えば4当量以上、例えば5当量以上、例えば6当量以上、例えば7当量以上、例えば8当量以上、例えば9当量以上、例えば10当量以上、例えば15当量以上、例えば20当量以上であってよく、25当量以上を含んでもよい。
【0153】
ある事例において、未反応硫酸化剤の反応性のクエンチは、反応混合物に水を添加し、続いて少なくとも1種の塩基を添加するステップを含む。幾つかの事例において、少なくとも1種の塩基は、トリアルキルアミン、例えばトリメチルアミン又はトリエチルアミンである。幾つかの事例において、少なくとも1種の塩基は2,6-ルチジンである。ある事例において、少なくとも1種の塩基はピリジンである。水を添加して1分以上、例えば5分以上、例えば10分以上、例えば15分以上、例えば30分以上、例えば45分以上、例えば60分以上、例えば90分以上、例えば120分以上、例えば150分以上、例えば180分以上、例えば210分以上後に、反応混合物に水を添加して240分以上後を含めてピリジンが反応混合物に添加されてもよい。ある事例において、ピリジンは、水を添加して60分後に反応混合物に添加される。反応混合物に添加されるピリジンの量は、硫酸化剤の量に対して変動してもよく、0.001当量以上、例えば0.005当量以上、例えば0.01当量以上、例えば0.05当量以上、例えば0.1当量以上、例えば0.5当量以上、例えば1当量以上、例えば2当量以上、例えば3当量以上、例えば4当量以上、例えば5当量以上、例えば6当量以上であってもよく、10当量以上を含む。
【0154】
幾つかの事例において、反応混合物中で未反応の硫酸化剤はゆっくりかき混ぜながらクエンチされる。ある事例において、ゆっくりかき混ぜながらの未反応硫酸化剤のクエンチは、反応混合物中で未反応硫酸化剤の集合体を維持するのに十分な方式で反応混合物を撹拌するステップを含む。幾つかの事例において、反応混合物のゆっくりしたかき混ぜは、クエンチ中に、未反応硫酸化剤の集合体が10%以下、例えば9%以下、例えば8%以下、例えば7%以下、例えば6%以下、例えば5%以下、例えば4%以下、例えば3%以下、例えば2%以下、例えば1%以下サイズ低減するのに十分であり、反応混合物がゆっくりかき混ぜられてクエンチ中に未反応硫酸化剤の集合体が0.1%以下にサイズ低減する場合を含む。ある事例において、反応混合物のゆっくりしたかき混ぜは、クエンチング中に未反応硫酸化剤の集合体が反応フラスコの底にとどまるのに十分である。ある事例において、反応混合物のゆっくりしたかき混ぜは、未反応の硫酸化剤の集合体が、かき混ぜられた反応混合物の撹拌ボルテックス中にほとんど乃至全く存在しないためには十分である。
【0155】
幾つかの事例において、方法は、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩を少なくとも1種の金属塩と接触させる前に25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩を精製するステップを含む。幾つかの事例において、精製された25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩は、97%以上の純度、例えば98%以上の純度、例えば99%以上の純度、例えば99.5%以上の純度、例えば99.7%以上の純度、例えば99.9%以上の純度を有し、99.99%以上の純度を含む。ある事例において、精製された25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩は、硫酸化の1種以上の副生成物(例えば25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-オールの硫酸化からの副生成物)を有し、1種以上の副生成物は、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩に対して、5%w/w以下、例えば4%w/w以下、例えば3%w/w以下、例えば2%w/w以下、例えば1%w/w以下の量で、例えば0.9%w/w以下、例えば0.8%w/w以下、例えば0.7%w/w以下、例えば0.6%w/w以下、例えば0.5%w/w以下、例えば0.4%w/w以下、例えば0.3%w/w以下、例えば0.2%w/w以下、例えば0.1%w/w以下、例えば0.05%w/w以下、例えば0.01%w/w以下の量で存在し、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩に対して0.001%w/w以下の量での存在を含む。幾つかの事例において、ビス硫酸化生成物(すなわち、5-コレステン-3β-25-ジオール-ジスルファート)は、精製された25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩組成物中に25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩に対して、1%w/w以下の量、例えば0.9%w/w以下、例えば0.8%w/w以下、例えば0.7%w/w以下、例えば0.6%w/w以下、例えば0.5%w/w以下、例えば0.4%w/w以下、例えば0.3%w/w以下、例えば0.2%w/w以下、例えば0.1%w/w以下、例えば0.05%w/w以下、例えば0.01%w/w以下の量、存在し、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩に対して0.001%w/w以下の量で存在することを含む。
【0156】
幾つかの事例において、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩は液体クロマトグラフィーによって精製される。幾つかの事例において、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩の精製は、シリカゲル固定相を使用する液体クロマトグラフィー(例えばシリカゲルプラグカラム、5質量当量以上)を含む。幾つかの事例において、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩は、シリカゲル固定相、及びピリジンを含む移動相を使用して精製される。ある事例において、移動相は、塩化メチレン、メタノール及びピリジンを含む。ある事例において、移動相は、塩化メチレン-メタノール(85:15)及びピリジン(1%)の混合物を含む。
【0157】
幾つかの事例において、固定相から集められた1つ以上の画分は合わせられてもよい。幾つかの事例において、合わせた画分は濃縮されてもよい。ある事例において、合わせた画分は蒸留によって濃縮される。ある事例において、合わせた画分は真空下で濃縮される。ある事例において、合わせた画分は真空下の蒸留によって濃縮される。
【0158】
幾つかの事例において、合わせた画分は、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩の1つ以上の粒子(例えば25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩の先に精製された試料からの粒子)と接触させられる。幾つかの事例において、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩の粒子の、合わせた画分との接触は、合わせた画分中の25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩を沈殿させるのに十分である。幾つかの事例において、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩の粒子の、合わせた画分との接触は、合わせた画分の蒸留中に粒子を添加するステップを含む。幾つかの事例において、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩の粒子は、合わせた画分を蒸留する前に合わせた画分に添加される。幾つかの事例において、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩の粒子は、合わせた画分を蒸留している間に蒸留開始後、例えば1分以上、例えば5分以上、例えば10分以上、例えば15分以上、例えば20分以上、例えば30分以上、例えば40分以上、例えば50分以上に合わせた画分に添加され、合わせた画分の蒸留開始後60分以上に25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩の粒子を合わせた画分に添加するステップを含む。ある事例において、合わせた画分は、定圧下で蒸留され、例えばここで、圧力は、10%以下、例えば9%以下、例えば8%以下、例えば7%以下、例えば6%以下、例えば5%以下、例えば4%以下、例えば3%以下、例えば2%以下、例えば1%以下、及び0.1%以下を含めて、変化する。幾つかの事例において、蒸留中の圧力は、10inHg以下、例えば9inHg以下、例えば8inHg以下、例えば7inHg以下、例えば6inHg以下、例えば5inHg以下、例えば4inHg以下、例えば3inHg以下、例えば2inHg以下、例えば1inHg以下、例えば0.5inHg以下、例えば0.1inHg以下、例えば0.05inHg以下、0.01inHg以下を含めて、変化する。幾つかの事例において、合わせた画分は、減圧下で蒸留され、圧力は、15inHg~30inHg、例えば17.5inHg~27.5inHg、例えば20inHg~25inHg、例えば21inHg及び24inHgの間に維持され、22inHg~23inHgの圧力での維持を含む。
【0159】
幾つかの事例において、合わせた画分は真空下で濃縮され、濃縮され合わせた画分は、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩の粒子を含む組成物と接触させられる。ある事例において、濃縮され合わせた画分は、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩の粒子及び少なくとも1種の溶媒を含む組成物と接触させられる。ある事例において、少なくとも1種の溶媒は、テトラヒドロフラン、例えば2-メチルテトラヒドロフランから選ばれる。濃縮され合わせた画分は、0.001分以上の継続期間にわたって、例えば0.005分以上にわたって、例えば0.01分以上にわたって、例えば0.05分以上にわたって、例えば0.1分以上にわたって、例えば0.5分以上にわたって、例えば1分以上にわたって、例えば2分以上にわたって、例えば3分以上にわたって、例えば4分以上にわたって、例えば5分以上にわたって、例えば10分以上にわたって、例えば15分以上にわたって、例えば30分以上にわたって、例えば45分以上にわたって、及び60分以上を含んで、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩の粒子を含む組成物と接触させられてもよい。ある事例において、合わせた画分は、2-メチルテトラヒドロフラン中に25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩を含む組成物に滴下される。
【0160】
幾つかの事例において、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩は金属塩と接触させられて、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸金属塩を製造する(スキームIB1)。
【0161】
【化7】
【0162】
幾つかの事例において、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸金属塩を製造する方法は、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩を、少なくとも1種のナトリウム塩と接触させるステップを含む。幾つかの事例において、少なくとも1種のナトリウム塩は、酢酸ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、塩化ナトリウム、水酸化ナトリウム及びナトリウムメトキシドから選ばれる。25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩は、-10℃~75℃、例えば-5℃~70℃、例えば-4℃~65℃、例えば-3℃~60℃、例えば-2℃~55℃、例えば-1℃~50℃、例えば0℃~45℃、例えば5℃~40℃の範囲の、及び10℃~35℃を含む温度で金属塩と接触させられてもよい。
【0163】
反応は、0.1時間~72時間、例えば0.2時間~48時間、例えば0.3時間~24時間、例えば0.4時間~21時間、例えば0.5時間~20時間、例えば0.6時間~19時間、例えば0.7時間~18時間、例えば0.8時間~17時間、例えば0.9時間~16時間の範囲の、及び1時間~15時間を含む継続期間行なわれてもよい。使用される金属塩の量は、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩に対して変動してもよく、0.0001当量以上、例えば0.001当量以上、例えば0.01当量以上、例えば0.1当量以上、例えば0.2当量以上、例えば0.3当量以上、例えば0.4当量以上、例えば0.5当量以上、例えば0.6当量以上、例えば0.7当量以上、例えば0.8当量以上、例えば0.9当量以上、例えば1当量以上、例えば1.1当量以上、例えば1.2当量以上、例えば1.3当量以上、例えば1.4当量以上、例えば1.5当量以上、例えば1.6当量以上、例えば1.7当量以上、例えば1.8当量以上、例えば1.9当量以上、例えば2当量以上、例えば3当量以上、例えば4当量以上、例えば5当量以上であってもよく、10当量以上を含み、0.001当量~10当量、例えば0.1当量~10当量、0.1当量~8当量、0.1当量~6当量、0.1当量~4当量、0.1当量~3当量、1当量~10当量、1当量~8当量、1当量~6当量、1当量~4当量、1当量~3当量、1.5当量~10当量、1.5当量~8当量、1.5当量~6当量、1.5当量~4当量、1.5当量~3当量、2当量~10当量、2当量~8当量、2当量~6当量、2当量~4当量、又は2当量~3当量、1当量~100当量、1当量~5当量、1当量~2当量の範囲であってもよい。
【0164】
幾つかの事例において、方法は、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸ピリジニウム塩をヨウ化ナトリウムと接触させて25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸ナトリウム塩を製造するステップを含む(スキームIB2)。
【0165】
【化8】
【0166】
幾つかの事例において、25-ヒドロキシ-3β-コレステン-5-エン-3-スルファートを調製する方法は、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-オールを三酸化硫黄-ピリジン錯体と接触させて25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸ピリジニウム塩を製造するステップ、及び25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸ピリジニウム塩をナトリウム塩と接触させて5-コレステン-3β,25-ジオール3-硫酸ナトリウム塩を製造するステップを含む(スキームIb)。
【0167】
【化9】
【0168】
幾つかの事例において、25-ヒドロキシ-3β-コレステン-5-エン-3-スルファートを調製する方法は、(3β)-コレスタ-5-エン-3-オールを硫酸化剤と接触させて第1の(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩を製造するステップ、第1の(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩を有機塩基と接触させて第2の(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩を製造するステップ、少なくとも1種の界面活性剤の存在下で第2の(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩を酸化させて25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-(5,6-エポキシ)-3-硫酸有機カチオン塩を製造するステップ、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩を、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-(5,6-エポキシ)-3-硫酸有機カチオン塩から脱酸素によって発生させるステップ、及び25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩を少なくとも1種の金属塩と接触させて5-コレステン-3β,25-ジオール3-硫酸金属塩を製造するステップを含む(スキームIIa)。
【0169】
【化10】
【0170】
幾つかの事例において、コレステロールは硫酸化剤を用いて硫酸化される(スキームIIA1)。幾つかの事例において、硫酸化剤は、三酸化硫黄錯体、硫酸化合物、スルホン酸化合物、及びスルホナート化合物から選ばれる。幾つかの事例において、硫酸化剤は三酸化硫黄-ピリジン錯体である。幾つかの事例において、硫酸化剤は、三酸化硫黄ジメチルホルムアミド、三酸化硫黄トリエチルアミン及び三酸化硫黄トリメチルアミンから選ばれる。幾つかの事例において、硫酸化剤は硫酸及び無水酢酸及びピリジンである。幾つかの事例において、硫酸化剤はクロロスルホン酸及びピリジンから選ばれる。幾つかの事例において、硫酸化剤はクロロスルホン酸及び2,6-ルチジンから選ばれる。幾つかの事例において、硫酸化剤はクロリド硫酸エチルから選ばれる。
【0171】
コレステロールは、0℃~100℃、例えば5℃~95℃、例えば10℃~90℃、例えば15℃~85℃、例えば20℃~80℃、例えば25℃~75℃の範囲の、及び30℃~70℃を含む温度で硫酸化されてもよい。反応は、0.1時間~72時間、例えば0.2時間~48時間、例えば0.3時間~24時間、例えば0.4時間~21時間、例えば0.5時間~20時間、例えば0.6時間~19時間の範囲の、及び0.7時間~18時間を含む継続期間行なわれてもよい。使用される硫酸化剤の量は、コレステロールに対して変動してもよく、0.0001当量以上、例えば0.001当量以上、例えば0.01当量以上、例えば0.1当量以上、例えば0.2当量以上、例えば0.3当量以上、例えば0.4当量以上、例えば0.5当量以上、例えば0.6当量以上、例えば0.7当量以上、例えば0.8当量以上、例えば0.9当量以上、例えば1当量以上、例えば1.1当量以上、例えば1.2当量以上、例えば1.3当量以上、例えば1.4当量以上、例えば1.5当量以上、例えば1.6当量以上、例えば1.7当量以上、例えば1.8当量以上、例えば1.9当量以上、例えば2当量以上、例えば3当量以上、例えば4当量以上、例えば5当量以上であってもよく、10当量以上を含み、0.001当量~10当量、例えば0.1当量~10当量、0.1当量~8当量、0.1当量~6当量、0.1当量~4当量、0.1当量~3当量、1当量~10当量、1当量~8当量、1当量~6当量、1当量~4当量、1当量~3当量、1.5当量~10当量、1.5当量~8当量、1.5当量~6当量、1.5当量~4当量、1.5当量~3当量、2当量~10当量、2当量~8当量、2当量~6当量、2当量~4当量、2当量~3当量、1当量~30当量、1当量~5当量又は1当量~2当量の範囲であってもよい。
【0172】
【化11】
【0173】
幾つかの事例において、第1の(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩は、(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸ピリジニウム塩である(スキームIIA2)。
【0174】
【化12】
【0175】
幾つかの事例において、第1の(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩(構造IIA)は、有機塩基と接触させられて第2の(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩(構造IIB)を製造する(スキームIIB1)。
【0176】
【化13】
【0177】
幾つかの事例において、第1の(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩と接触させられる有機塩基は、ヒドロキシド塩基から選ばれる。幾つかの事例において、ヒドロキシド塩基は、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド及びテトラメチルアンモニウムヒドロキシドから選ばれる。幾つかの事例において、第2の(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩は、テトラエチルアンモニウムカチオン塩、テトラブチルアンモニウムカチオン塩、テトラプロピルアンモニウムカチオン塩及びテトラメチルアンモニウムカチオン塩から選ばれる。幾つかの事例において、有機塩基は、第1の(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩と、-10℃~75℃、例えば-5℃~70℃、例えば-4℃~65℃、例えば-3℃~60℃、例えば-2℃~55℃、例えば-1℃~50℃の範囲の、及び0℃~15℃を含む温度で接触させられる。反応は、0.1時間~72時間、例えば0.2時間~48時間、例えば0.3時間~24時間、例えば0.4時間~21時間、例えば0.5時間~20時間、例えば0.6時間~19時間、例えば0.7時間~18時間、例えば0.8時間~17時間、例えば0.9時間~16時間の範囲の、及び1時間~15時間を含む継続期間行なわれてもよい。使用される有機塩基の量は、第1の(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩に対して変動してもよく、0.0001当量以上、例えば0.001当量以上、例えば0.01当量以上、例えば0.1当量以上、例えば0.2当量以上、例えば0.3当量以上、例えば0.4当量以上、例えば0.5当量以上、例えば0.6当量以上、例えば0.7当量以上、例えば0.8当量以上、例えば0.9当量以上、例えば1当量以上、例えば1.1当量以上、例えば1.2当量以上、例えば1.3当量以上、例えば1.4当量以上、例えば1.5当量以上、例えば1.6当量以上、例えば1.7当量以上、例えば1.8当量以上、例えば1.9当量以上、例えば2当量以上、例えば3当量以上、例えば4当量以上、例えば5当量以上であってもよく、10当量以上を含み、0.001当量~10当量、例えば0.1当量~10当量、0.1当量~8当量、0.1当量~6当量、0.1当量~4当量、0.1当量~3当量、1当量~10当量、1当量~8当量、1当量~6当量、1当量~4当量、1当量~3当量、1.5当量~10当量、1.5当量~8当量、1.5当量~6当量、1.5当量~4当量、1.5当量~3当量、2当量~10当量、2当量~8当量、2当量~6当量、2当量~4当量、2当量~3当量、1当量~10当量、1当量~5当量又は1当量~2当量の範囲であってもよい。
【0178】
ある事例において、方法は第1の(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩をテトラブチルアンモニウムヒドロキシドと接触させて(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸テトラブチルアンモニウムカチオン塩(構造IIB1)を発生させるステップを含む(スキームIIB2)。
【0179】
【化14】
【0180】
幾つかの事例において、第2の(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩は、酸化されて25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-(5,6-エポキシ)-3-硫酸有機カチオン塩(構造IIC)を製造する(スキームIIC1)。
【0181】
【化15】
【0182】
幾つかの事例において、第2の(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩の酸化は第2の(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩を、酸化剤及び少なくとも1種の界面活性剤を有する組成物と接触させるステップを含む。
【0183】
幾つかの事例において、少なくとも1種の界面活性剤は、非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤及び両性イオン界面活性剤から選ばれる。非イオン界面活性剤は、種々の非イオン界面活性剤の中でもポリオキシエチレングリコールエーテル(例えばポリオキシエチレングリコールオクチルフェノールエーテル)、ポリオキシエチレングリコールソルビタンアルキルエステル、ソルビタンアルキルエステル、ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコールのブロックコポリマーから選ばれてもよい。陰イオン界面活性剤は、陰イオン性官能性頭部基を有する界面活性剤、例えばスルホナート、ホスファート、スルファート又はカルボキシラート頭部基含有界面活性剤から選ばれてもよい。例えば陰イオン界面活性剤は、種々の陰イオン界面活性剤の中でも、アルキル硫酸塩、例えばラウリル硫酸アンモニウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、パーフルオロオクタンスルホナート,パーフルオロノナノアート、パーフルオロオクタノアート、直鎖アルキルベンゼンスルホナート、アルキルアリールエーテルホスファート、ナトリウムラウリルエーテルスルファート、リグノスルホネート又はステアリン酸ナトリウムから選ばれてもよい。陽イオン界面活性剤は、陽イオン官能性頭部基、例えばピリジニウム又は第四級アンモニウム頭部基を有する界面活性剤から選ばれてもよい。例えば陽イオン界面活性剤は、セチルトリメチルアンモニウム水素スルファート、テトラブチルアンモニウム硫酸水素塩、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムヨージド、テトラブチルホスホニウムブロミド、テトラオクチルアンモニウムブロミド、テトラオクチルアンモニウムヨージド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリエチルアンモニウムブロミド、ベンジルセチルジメチルアンモニウムクロリド又はベンジルセチルジメチルアンモニウムブロミドから選ばれてもよい。双性イオン界面活性剤は、陽イオン中心及び陰イオン中心の両方、例えばスルタイン(例えば3-[(3-コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]-1-プロパンスルホナート)又はベタイン (例えばコカミドプロピルベタイン)を含む。ある事例において、界面活性剤は、Extran laboratoryの石鹸、La Parisienneの石鹸又はDL-α-トコフェロールメトキシポリエチレングリコールスクシナート(例えばTPGS-750-M2)である。
【0184】
使用される界面活性剤の量は、第2の(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩に対して変動してもよく、幾つかの事例において、0.0001当量以上、例えば0.001当量以上、例えば0.01当量以上、例えば0.1当量以上、例えば0.2当量以上、例えば0.3当量以上、例えば0.4当量以上、例えば0.5当量以上、例えば0.6当量以上、例えば0.7当量以上、例えば0.8当量以上、例えば0.9当量以上、例えば1当量以上、例えば1.1当量以上、例えば1.2当量以上、例えば1.3当量以上、例えば1.4当量以上、例えば1.5当量以上、例えば1.6当量以上、例えば1.7当量以上、例えば1.8当量以上、例えば1.9当量以上、例えば2当量以上、例えば3当量以上、例えば4当量以上、例えば5当量以上の界面活性剤が使用され、10当量以上の界面活性剤を含み、0.001当量~10当量、例えば0.1当量~10当量、0.1当量~8当量、0.1当量~6当量、0.1当量~4当量、0.1当量~3当量、1当量~10当量、1当量~8当量、1当量~6当量、1当量~4当量、1当量~3当量、1.5当量~10当量、1.5当量~8当量、1.5当量~6当量、1.5当量~4当量、1.5当量~3当量、2当量~10当量、2当量~8当量、2当量~6当量、2当量~4当量、2当量~3当量、0.1当量~5当量、0.15当量~1当量又は0.2当量~0.3当量の範囲であってもよい。
【0185】
幾つかの事例において、第2の(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩の酸化は、少なくとも1種の界面活性剤の存在下で第2の(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩を酸化剤及び少なくとも1種のケトンと接触させるステップを含む。
【0186】
幾つかの事例において、少なくとも1種のケトンはテトラヒドロチオピラン-4-オン1,1-ジオキシド及びハロゲン化ケトンから選ばれる。幾つかの事例において、ハロゲン化ケトンは、1,1,1-トリフルオロ-2-ブタノン、4,4-ジフルオロシクロヘキサノン、2-2-2-4'-テトラフルオロアセトフェノン、及び1,1,1-トリフルオロアセトンから選ばれる。ある事例において、少なくとも1種のケトンは1,1,1-トリフルオロ-2-ブタノンである。使用されるケトンの量は、主題反応の酸化剤に対して変動してもよく、1当量以上、例えば2当量以上、例えば3当量以上、例えば4当量以上、例えば5当量以上、例えば6当量以上、例えば7当量以上、例えば8当量以上、例えば9当量以上、例えば10当量以上、例えば15当量以上、例えば20当量以上、例えば25当量以上、例えば30当量以上、例えば35当量以上であってもよく、50当量以上のケトンを含み、1当量~50当量、例えば1当量~35当量、1当量~25当量、1当量~15当量、1当量~10当量、1当量~8当量、1当量~5当量、2当量~50当量、2当量~35当量、2当量~25当量、2当量~15当量、2当量~10当量、2当量~8当量、2当量~5当量、4当量~50当量、4当量~35当量、4当量~25当量、4当量~15当量、4当量~10当量、4当量~8当量、1当量~50当量、2当量~25当量又は5当量~10当量の範囲であってもよい。
【0187】
ある事例において、ケトンは、使用の前にさらに精製される。例えばケトンは使用前に蒸留によって精製されてもよい。幾つかの事例において、ケトンの反応性は精製が必要となり得るかどうか判断するために試験される(例えば1HNMRによって不純物に関して試験される)。
【0188】
ある事例において、第2の(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩の酸化は、少なくとも1種の界面活性剤及び水の存在下で、第2の(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩を、酸化剤及び少なくとも1種のケトンと接触させるステップを含む。存在する水の量は、反応混合物の25%w/v以上を含む、反応混合物の0.0000001%w/v以上、例えば0.000001%w/v以上、例えば0.00001%w/v以上、例えば0.0001%w/v以上、例えば0.001%w/v、例えば0.01%w/v以上、例えば0.1%w/v、例えば0.05%の重量v以上、例えば0.1%w/v以上、例えば0.5%w/v以上、例えば1%w/v以上、例えば5%w/v以上、例えば10%w/v以上、例えば15%w/v以上の範囲で変動してもよく、0.0000001%w/v~25%w/v、例えば0.0000001%w/v~15%w/v、0.0000001%w/v~10%w/v、0.0000001%w/v~5%w/v、0.0000001%w/v~1%w/v、0.001%w/v~25%w/v、0.001%w/v~15%w/v、0.001%w/v~10%w/v、0.001%w/v~5%w/v、0.001%w/v~1%w/v、0.1%w/v~25%w/v、0.1%w/v~15%w/v、0.1%w/v~10%w/v、0.1%w/v~5%w/v、0.1%w/v~1%w/v、1%w/v~25%w/v、1%w/v~15%w/v、1%w/v~10%w/v、1%w/v~5%w/v、0.1%w/v~50%w/v、0.1%w/v~10%w/v又は0.5%w/v~1%w/vの範囲であってもよい。
【0189】
第2の(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩は、-25℃~50℃、例えば-20℃~45℃、例えば-15℃~40℃、例えば-10℃~35℃、例えば-5℃~30℃、例えば-1℃~25℃の範囲の、及び0℃~15℃を含む温度で酸化されてもよい。ある事例において、第2の(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩は、0℃~5℃の温度で酸化される。反応混合物がある量の水を含む場合、反応は-10℃~50℃、例えば-5℃~45℃、例えば0℃~40℃、例えば0℃~35℃、例えば0℃~30℃、例えば0℃~25℃、例えば0℃~20℃、例えば0℃~15℃である、及び0℃~10℃を含む温度で行なわれてもよい。
【0190】
第2の(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩は、5~7.5の範囲のpH、例えば5.5~7.0のpHで酸化されてもよく、5.5~6.5のpHを含む。幾つかの事例において、反応混合物が水(例えば二相の溶媒系中で)を含む場合には、pHは、5.0~6.0、例えばpH5.0~5.9、例えばpH5.0~5.8、例えばpH5.0~5.7、例えばpH5.0~5.6の範囲であり、pH5.0~5.5を含む。
【0191】
反応は、0.1時間~72時間、例えば0.2時間~48時間、例えば0.3時間~24時間、例えば0.4時間~21時間、例えば0.5時間~20時間、例えば0.6時間~19時間、例えば0.7時間~18時間、例えば0.8時間~17時間、例えば0.9時間~16時間の範囲の、及び1時間~15時間を含む継続期間行なわれてもよい。
【0192】
幾つかの事例において、第2の(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩は、少なくとも1種の界面活性剤の存在下で、ペルオキシ一硫酸カリウム及び少なくとも1種のケトンを有する組成物と、インサイチューで接触させられる。幾つかの事例において、方法は、少なくとも1種の界面活性剤の存在下でペルオキシ一硫酸カリウムを少なくとも1種のケトンと接触させて、別個の酸化反応性混合物を形成するステップ、及び酸化反応性混合物を第2の(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩に添加するステップを含む。これらの事例において、ペルオキシ一硫酸カリウムは、酸化反応性混合物を第2の(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩と接触させる前に0.1分以上例えば1分以上、例えば2分以上、例えば3分以上、例えば5分以上の、及び10分以上を含む継続期間、少なくとも1種の界面活性剤の存在下で少なくとも1種のケトンと接触させられ、時間は2分~180分、例えば3分~120分又は4分~60分の範囲であってもよい。ある事例において、ペルオキシ一硫酸カリウムは少なくとも1種の界面活性剤の存在下で少なくとも1種のケトンと接触させられて別個の酸化反応性混合物を形成し、直ちに酸化反応性混合物を第2の(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩と接触させてもよい。酸化反応性混合物は、-10℃~50℃、例えば-5℃~45℃、例えば-4℃~40℃、例えば-3℃~35℃、例えば-2℃~30℃、例えば-1℃~25℃の範囲の、及び0℃~15℃を含む温度で形成されてもよい。酸化反応性混合物が第2の(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩と直ちに接触させられない場合、酸化反応性混合物は、-10℃~50℃、例えば-5℃~45℃、例えば-4℃~40℃、例えば-3℃~35℃、例えば-2℃~30℃、例えば-1℃~25℃の範囲の、及び0℃~15℃を含む温度で維持されてもよい。
【0193】
幾つかの事例において、方法は、酸化反応性混合物を第2の(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩に添加するステップをさらに含む。幾つかの事例において、方法は、酸化反応性混合物を第2の(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩に滴下するステップを含む。幾つかの事例において、酸化反応性混合物は、測定された量の第2の(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩に添加される。測定された量は、連続的に又は所定時間間隔(例えば30秒毎、1分毎、2分毎、3分毎、5分毎、又は他の何らかの間隔)で添加されてもよい。幾つかの事例において、酸化反応性混合物は、制御された添加によって、例えば機械式制御又はコンピューター制御ポンプ、例えばシリンジポンプを用いて第2の(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩に添加される。幾つかの事例において、方法は、酸化反応性混合物を発生させるステップ、及び第2の(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩を含む組成物を酸化反応性混合物に添加するステップを含む。幾つかの事例において、方法は、第2の(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩を酸化反応性混合物に滴下するステップを含む。幾つかの事例において、第2の(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩は、測定された量の酸化反応性混合物に添加される。測定された量は、連続的に又は所定時間間隔(例えば30秒毎、1分毎、2分毎、3分毎、5分毎、又は他の何らかの間隔)で添加されてもよい。幾つかの事例において、第2の(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩は、制御された添加によって、例えば機械式制御又はコンピューター制御ポンプ、例えばシリンジポンプを用いて酸化反応性混合物に添加される。
【0194】
ある事例において、第2の(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩の酸化は、第2の(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩を少なくとも1種の酸化性種と接触させるステップを含む。幾つかの事例において、少なくとも1種の酸化性種はジオキシランから選ばれる。幾つかの事例において、ジオキシランは、第2の(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩を有する組成物中でインサイチューで生じる。幾つかの事例において、ジオキシランは別々に(例えば別個の反応容器、例えばフラスコ中に)生じ、第2の(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩を有する組成物に添加される。
【0195】
ある事例において、第2の(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩は少なくとも1種の塩基の存在下で酸化される。ある事例において、少なくとも1種の塩基は弱塩基から選ばれる。幾つかの事例において、少なくとも1種の塩基は、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、カリウムフェノキシド、クエン酸ナトリウム緩衝剤、リン酸ナトリウム緩衝剤、ギ酸カリウム及び酢酸カリウムから選ばれる。ある事例において、少なくとも1種の塩基は炭酸水素カリウムである。幾つかの事例において、少なくとも1種の塩基は、経時的に、例えば塩基が所定時間間隔(例えば30秒毎、1分毎、2分毎、3分毎、5分毎、又は他の何らかの間隔)で添加される測定された量の反応混合物に添加されてもよい。幾つかの事例において、少なくとも1種の塩基は水を有する組成物であってもよい。組成物中に存在する塩基が、組成物の0.0000001%w/v以上、例えば0.000001%w/v以上、例えば0.00001%w/v以上、例えば0.0001%w/v以上、例えば0.001%w/v以上、例えば0.01%w/v以上、例えば0.05%w/v以上、例えば0.1%w/v以上、例えば0.5%w/v以上、例えば1%w/v以上、例えば5%w/v以上、例えば10%w/v以上、例えば15%w/v以上であってもよく、組成物の25%w/v以上を含み、0.0000001%w/v~25%w/v、例えば0.0000001%w/v~15%w/v、0.0000001%w/v~10%w/v、0.0000001%w/v~5%w/v、0.0000001%w/v~1%w/v、0.001%w/v~25%w/v、0.001%w/v~15%w/v、0.001%w/v~10%w/v、0.001%w/v~5%w/v、0.001%w/v~1%w/v、0.1%w/v~25%w/v、0.1%w/v~15%w/v、0.1%w/v~10%w/v、0.1%w/v~5%w/v、0.1%w/v~1%w/v、1%w/v~25%w/v、1%w/v~15%w/v、1%w/v~10%w/v、1%w/v~5%w/v、0.1%w/v~20%w/v、0.2%w/v~15%w/v又は0.3%w/v~10%w/vの範囲であってもよい。ある事例において、少なくとも1種の塩基は水性炭酸水素カリウム組成物であってもよい。
【0196】
ある事例において、第2の(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩は、セチルトリメチルアンモニウム水素スルファート(CTAHS)の存在下でオキソンと接触させ、続いてトリフルオロブタノン及び硫酸水素カリウムを添加して25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-(5,6-エポキシ)-3-硫酸有機カチオン塩を形成することにより酸化される(スキームIIC2)。
【0197】
【化16】
【0198】
ある事例において、方法は、第2の(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩を用いて、例えば反応混合物中、セチルトリメチルアンモニウム水素スルファート(CTAHS)の存在下で、ペルオキシ一硫酸カリウム及びトリフルオロブタノンを第2の(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩と接触させることによってインサイチューで酸化性種を形成するステップを含む。ある事例において、第2の(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩を用いるインサイチューでの酸化性種の形成は、第2の(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩を用いてインサイチューでジオキシランを形成するステップを含む。
【0199】
ある事例において、方法は、別個の反応中でジオキシランを形成し、第2の(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩にジオキシランを添加するステップを含む。これらの事例において、ペルオキシ一硫酸カリウムは、反応性組成物を第2の(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩と接触させる前に、0.1分以上、例えば1分以上、例えば2分以上、例えば3分以上、例えば5分以上の、及び10分以上を含む継続期間、セチルトリメチルアンモニウム水素スルファート(CTAHS)の存在下でトリフルオロブタノンと接触させられてもよく、時間は、0.01分~120分、例えば0.1分~90分又は0.5分~60分の範囲であってもよい。ある事例において、ペルオキシ一硫酸カリウムは、セチルトリメチルアンモニウム水素スルファート(CTAHS)の存在下でトリフルオロブタノンと接触させられて酸化反応性組成物を形成してもよく、これは直ちに第2の(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩と接触させられる。
【0200】
25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-(5,6-エポキシ)-3-硫酸有機カチオン塩は脱酸素されて、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩(構造IID)を製造する(スキームIID1)。
【0201】
【化17】
【0202】
幾つかの事例において、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-(5,6-エポキシ)-3-硫酸有機カチオン塩からの25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩の発生は、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-(5,6-エポキシ)-3-硫酸有機カチオン塩を亜鉛と接触させることによる脱酸素を含む。ある事例において、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-(5,6-エポキシ)-3-硫酸有機カチオン塩は、少なくとも1種のハロゲン化物及び少なくとも1種の酸の存在下で亜鉛と接触させられる。幾つかの事例において、少なくとも1種のハロゲン化物はヨウ素及び金属ハロゲン化物から選ばれる。幾つかの事例において、金属ハロゲン化物はヨウ化ナトリウム及びヨウ化リチウムから選ばれる。幾つかの事例において、少なくとも1種の酸は弱酸から選ばれる。幾つかの事例において、少なくとも1種の酸は、酢酸、塩酸、クエン酸、パラトルエンスルホン酸、ギ酸及びメタンスルホン酸から選ばれる。
【0203】
25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-(5,6-エポキシ)-3-硫酸有機カチオン塩を脱酸素するのに使用される試薬の量は変動してもよく、幾つかの事例において、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-(5,6-エポキシ)-3-硫酸有機カチオン塩に対して0.0001当量以上、例えば0.001当量以上、例えば0.01当量以上、例えば0.1当量以上、例えば0.2当量以上、例えば0.3当量以上、例えば0.4当量以上、例えば0.5当量以上、例えば0.6当量以上、例えば0.7当量以上、例えば0.8当量以上、例えば0.9当量以上、例えば1当量以上、例えば1.1当量以上、例えば1.2当量以上、例えば1.3当量以上、例えば1.4当量以上、例えば1.5当量以上、例えば1.6当量以上、例えば1.7当量以上、例えば1.8当量以上、例えば1.9当量以上、例えば2当量以上、例えば3当量以上、例えば4当量以上、例えば5当量以上の、10当量以上を含む試薬が使用され、0.001当量~10当量、例えば0.1当量~10当量、0.1当量~8当量、0.1当量~6当量、0.1当量~4当量、0.1当量~3当量、1当量~10当量、1当量~8当量、1当量~6当量、1当量~4当量、1当量~3当量、1.5当量~10当量、1.5当量~8当量、1.5当量~6当量、1.5当量~4当量、1.5当量~3当量、2当量~10当量、2当量~8当量、2当量~6当量、2当量~4当量、2当量~3当量、1当量~20当量、1当量~10当量又は4当量~6当量の範囲の試薬が使用される。
【0204】
25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-(5,6-エポキシ)-3-硫酸有機カチオン塩は、-10℃~75℃、例えば-5℃~70℃、例えば-4℃~65℃、例えば-3℃~60℃、例えば-2℃~55℃、例えば-1℃~50℃の範囲の、及び0℃~25℃を含む温度で脱酸素されてもよい。反応は、0.1時間~72時間、例えば0.2時間~48時間、例えば0.3時間~24時間、例えば0.4時間~21時間、例えば0.5時間~20時間、例えば0.6時間~19時間、例えば0.7時間~18時間、例えば0.8時間~17時間、例えば0.9時間~16時間の範囲の、及び1時間~15時間を含む継続期間行なわれてもよい。
【0205】
ある事例において、方法は、ヨウ素及び酢酸の存在下で25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-(5,6-エポキシ)-3-硫酸有機カチオン塩を亜鉛と接触させて、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩を発生させるステップを含む(スキームIID2)。
【0206】
【化18】
【0207】
幾つかの事例において、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩(構造IID)は、金属塩と接触させられて25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸金属塩(構造IIE)を製造する(スキームIIE1)。
【0208】
【化19】
【0209】
幾つかの事例において、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸金属塩を製造する方法は、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩を少なくとも1種のナトリウム塩と接触させるステップを含む。幾つかの事例において、少なくとも1種のナトリウム塩は、酢酸ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、塩化ナトリウム、水酸化ナトリウム及びナトリウムメトキシドから選ばれる。25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩は、-10℃~75℃、例えば-5℃~70℃、例えば-4℃~65℃、例えば-3℃~60℃、例えば-2℃~55℃、例えば-1℃~50℃、例えば0℃~45℃、例えば5℃~40℃の、及び10℃~35℃を含む温度で金属塩と接触させられてもよい。
【0210】
反応は、0.1時間~72時間、例えば0.2時間~48時間、例えば0.3時間~24時間、例えば0.4時間~21時間、例えば0.5時間~20時間、例えば0.6時間~19時間、例えば0.7時間~18時間、例えば0.8時間~17時間、例えば0.9時間~16時間の範囲の、及び1時間~15時間を含む継続期間行なわれてもよい。使用される金属塩の量は、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩に対して変動してもよく、0.0001当量以上、例えば0.001当量以上、例えば0.01当量以上、例えば0.1当量以上、かもしれない、例えば0.2当量以上、例えば0.3当量以上、例えば0.4当量以上、例えば0.5当量以上、例えば0.6当量以上、例えば0.7当量以上、例えば0.8当量以上、例えば0.9当量以上、例えば1当量以上、例えば1.1当量以上、例えば1.2当量以上、例えば1.3当量以上、例えば1.4当量以上、例えば1.5当量以上、例えば1.6当量以上、例えば1.7当量以上、例えば1.8当量以上、例えば1.9当量以上、例えば2当量以上、例えば3当量以上、例えば4当量以上、例えば5当量以上であってよく、10当量以上を含み、0.001当量~10当量、例えば0.1当量~10当量、0.1当量~8当量、0.1当量~6当量、0.1当量~4当量、0.1当量~3当量、1当量~10当量、1当量~8当量、1当量~6当量、1当量~4当量、1当量~3当量、1.5当量~10当量、1.5当量~8当量、1.5当量~6当量、1.5当量~4当量、1.5当量~3当量、2当量~10当量、2当量~8当量、2当量~6当量、2当量~4当量、2当量~3当量、1当量~20当量、1当量~10当量又は1当量~7当量の範囲であってもよい。
【0211】
幾つかの事例において、方法は、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸ピリジニウム塩をヨウ化ナトリウムと接触させて25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸ナトリウム塩を製造するステップを含む(スキームIIE2)。
【0212】
【化20】
【0213】
項目
本開示は、以下の非限定的な1つ以上の項目によってさらに記載することができる。
【0214】
項目1. 結晶性25HC3Sナトリウム。
【0215】
項目1. 結晶性25HC3Sナトリウム。
【0216】
項目2. 結晶性25HC3Sナトリウムの水和物。
【0217】
項目3. 結晶性25HC3Sナトリウムの一水和物。
【0218】
項目4. 結晶性25HC3Sナトリウムの二水和物。
【0219】
項目5. 結晶性25HC3Sナトリウムの可変的な水和物。
【0220】
項目6. 結晶性25HC3Sナトリウムの形態I。
【0221】
項目7. 約2.1°2θにピークを含むX線粉末回折パターンを有する、項目2-6のいずれか一項に記載の結晶性水和物。
【0222】
項目8. 約5.4°2θ、約6.5°2θ、約10.8°2θ及び約15.0°2θに1つ以上のピークをさらに含む、項目1又は7に記載の結晶性水和物。
【0223】
項目9. 10℃/分の速度で周囲温度から130℃に加熱した場合、約8%の減量を有する、項目7-8及び85-86のいずれか一項に記載の結晶性水和物。
【0224】
項目10. 項目2-9及び項目85-86のいずれか一項に記載の25HC3Sナトリウムのじっし実質的に純粋な結晶性水和物。
【0225】
項目11. 約4544.7Å3±5%の単位格子体積を有する、項目2-10及び項目85-86のいずれか一項に記載の結晶性水和物。
【0226】
項目12. 単斜晶系単位格子を有する、項目2-11及び項目85-86のいずれか一項に記載の結晶性水和物。
【0227】
項目13. 項目2-12及び項目85-86のいずれか一項に記載の安定な結晶性水和物。
【0228】
項目14. 約38%~約70%の相対湿度で安定である、項目13に記載の安定な結晶性水和物。
【0229】
項目15. 結晶性25HC3Sナトリウムの形態II。
【0230】
項目16. 含水率が、25HC3Sナトリウムの1モル当たり約3モル以下の水である、項目2又は5に記載の結晶性水和物。
【0231】
項目17. 含水率が、25HC3Sナトリウムの1モル当たり約2モル~約3モルの水である、項目2又は5に記載の結晶性水和物。
【0232】
項目18. 含水率が、25HC3Sナトリウムの1モル当たり約1モル~約3モルの水である、項目2又は5に記載の結晶性水和物。
【0233】
項目19. 約2.3°2θにピークを含むX線パターンを有する、項目15-18のいずれか一項に記載の結晶性水和物。
【0234】
項目20. 約4.5°2θに1つ以上のピーク、約5.0°2θ及び約5.1°2θの、及びその間のピーク、約5.9°2θ及び約6.1°2θの、及びその間のピーク、並びに約14.8°2θ及び約15.1°2θの、及びその間のピークを含むX線パターンをさらに含む、項目2又は19に記載の結晶性水和物。
【0235】
項目21. 項目15-20及び項目87-88のいずれか一項に記載の25HC3Sナトリウムの実質的に純粋な結晶性水和物。
【0236】
項目22. 項目15-21及び項目87-88のいずれか一項に記載の安定な結晶性水和物。
【0237】
項目23. 約21%~約30%の範囲の相対湿度で安定である、項目22に記載の安定な結晶性水和物。
【0238】
項目24. 結晶性25HC3Sナトリウムの形態XI。
【0239】
項目25. 約2.6°2θにピークを含むX線粉末回折パターンを有する項目2及び24のいずれか一項に記載の25HC3Sナトリウムの結晶性水和物。
【0240】
項目26. 約3.1°2θ、約3.5°2θ及び約14.5°2θに1つ以上のピークをさらに含むX線粉末回折パターンを有する、項目2又は25に記載の結晶性水和物。
【0241】
項目27. 項目24-26のいずれか一項に記載の25HC3Sナトリウムの実質的に純粋な結晶性水和物。
【0242】
項目28. 項目24-27のいずれか一項に記載の安定な結晶性水和物。
【0243】
項目29. 無水結晶性25HC3Sナトリウム。
【0244】
項目30. 形態XIIIの結晶性25HC3Sナトリウム。
【0245】
項目31. 約2.3°2θにピークを含むX線粉末回折パターンを有する項目1、29又は30に記載の結晶性25HC3Sナトリウム。
【0246】
項目32. 約4.6°2θ、約9.3°2θ、約14.3°2θ及び約15.0°2θに1つ以上のピークを含むX線粉末回折パターンを有する、項目1又は31に記載の結晶性25HC3Sナトリウム。
【0247】
項目33. 単位格子が約4230.8Å3±5%の体積を有する、項目1、29又は30に記載の結晶性25HC3Sナトリウム。
【0248】
項目34. 項目29-33及び項目91-92のいずれか一項に記載の安定な結晶性25HC3Sナトリウム。
【0249】
項目35. 結晶性25HC3Sが約0%~約14% RHの範囲の相対湿度で安定である、項目29-34及び項目91-92のいずれか一項に記載の結晶性25HC3Sナトリウム。
【0250】
項目36. 結晶性25HC3Sが70℃以上の温度で安定である、項目29-35及び項目91-92のいずれか一項に記載の結晶性25HC3Sナトリウム。
【0251】
項目37. 単位格子が単斜晶系である、項目29-36及び項目91-92のいずれか一項に記載の結晶性25HC3Sナトリウム。
【0252】
項目38. 項目30-37及び項目91-92のいずれか一項に記載の実質的に純粋な結晶性25HC3Sナトリウム。
【0253】
項目39. 形態IXの結晶性25HC3Sナトリウム。
【0254】
項目40. 約4.9°2θにピークを含むX線粉末回折パターンを有する、項目1又は39に記載の結晶性25HC3Sナトリウム。
【0255】
項目41. 約7.9°2θ、約11.2°2θ、約14.1°2θ、約16.1°2θ及び約16.6°2θに1つ以上のピークをさらに含む、項目1又は39に記載の結晶性25HC3Sナトリウム。
【0256】
項目42. 25HC3Sナトリウムの液晶。
【0257】
項目43. 25HC3Sナトリウムのメソフェーズ。
【0258】
項目44. 25HC3Sナトリウムの形態V。
【0259】
項目45. 約2.2°2θにピークを含むX線粉末回折パターンを有する、項目1又は44に記載の液晶性材料。
【0260】
項目46. 約4.4°2θ、約6.6°2θ及び約8.8°2θに1つ以上のピークをさらに含む、項目1又は45に記載の結晶性材料。
【0261】
項目47. 項目42-46及び項目89-90のいずれか一項に記載の実質的に純粋な結晶性25HC3Sナトリウム。
【0262】
項目48. 項目42-46及び項目89-90のいずれか一項に記載の安定な結晶性25HC3Sナトリウム。
【0263】
項目49. 図1と実質的に同じX線粉末回折パターン及び図11において示されるのと実質的に同じTGAサーモグラムの少なくとも1つを有する、項目1又は6に記載の結晶性25HC3Sナトリウム。
【0264】
項目50. 図53と実質的に同じX線粉末回折パターン、及び図11において示されるのと実質的に同じTGAサーモグラムの少なくとも1つを有する、項目1又は6に記載の結晶性25HC3Sナトリウム。
【0265】
項目51. 図2と実質的に同じX線粉末回折パターン、及び図24において示されるのと実質的に同じTGAサーモグラムの少なくとも1つを有する、項目1又は15に記載の結晶性25HC3Sナトリウム。
【0266】
項目52. 図54と実質的に同じX線粉末回折パターン、及び図24において示されるのと実質的に同じTGAサーモグラムの少なくとも1つを有する、項目1又は15に記載の結晶性25HC3Sナトリウム。
【0267】
項目53. 図3と実質的に同じX線粉末回折パターン、及び図28において示されるのと実質的に同じTGAサーモグラムの少なくとも1つを有する、項目1又は44に記載の結晶性25HC3Sナトリウム。
【0268】
項目54. 図4と実質的に同じX線粉末回折パターン、及び図28において示されるのと実質的に同じTGAサーモグラムの少なくとも1つを有する、項目1又は44に記載の結晶性25HC3Sナトリウム。
【0269】
項目55. 図5と実質的に同じX線粉末回折パターンを有する、項目1又は39に記載の結晶性25HC3Sナトリウム。
【0270】
項目56. 図6と実質的に同じX線粉末回折パターンを有する、項目1又は24に記載の結晶性25HC3Sナトリウム。
【0271】
項目57. 図7と実質的に同じX線粉末回折パターンを有する、項目1又は24に記載の結晶性25HC3Sナトリウム。
【0272】
項目58. 図8と実質的に同じX線粉末回折パターンを有する、項目1又は30に記載の結晶性25HC3Sナトリウム。
【0273】
項目59. 図9と実質的に同じX線粉末回折パターンを有する、項目1又は35に記載の結晶性25HC3Sナトリウム。
【0274】
項目60. 高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、及び脂肪蓄積及び炎症と関係する状態の1つ以上を治療する方法であって、項目1-59又は64のいずれか一項に記載の、有効量の25HC3Sナトリウムの化合物を、それを必要とする患者に投与するステップを含む、方法。
【0275】
項目61. 項目1-59、64、68-83及び85-96のいずれか一項に記載の25HC3Sナトリウム、並びに少なくとも1種の薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物。
【0276】
項目62. 高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、及び脂肪蓄積及び炎症と関係する状態の1つ以上を治療する方法であって、項目61に記載の、有効量の25HC3Sナトリウムの医薬組成物を、それを必要とする患者に投与するステップを含む、方法。
【0277】
項目63. 脂肪蓄積及び炎症と関係する状態が非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)を含む、項目60又は62に記載の方法。
【0278】
項目64. 安定な結晶性25HC3Sナトリウム。
【0279】
項目65. 項目1-59、64、68-83及び85-96のいずれか一項に記載の、有効量の25HC3Sナトリウムの化合物を、それを必要とする患者に投与するステップを含む、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、アルコール性肝炎、急性腎傷害(AKI)、乾癬及びアテローム性動脈硬化症を治療する、項目60に記載の方法。
【0280】
項目66. 項目61に記載の有効量の25HC3Sナトリウムの医薬組成物を、それを必要とする患者に投与するステップを含む、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、アルコール性肝炎、急性腎傷害(AKI)、乾癬及びアテローム性動脈硬化症を治療する、項目65に記載の方法。
【0281】
項目67. 形態Iの25HC3Sナトリウム、形態IIの25HC3Sナトリウム、形態IIIの25HC3Sナトリウム、形態Vの25HC3Sナトリウム、形態IXの25HC3Sナトリウム、形態XIの25HC3Sナトリウム及び形態XIIIの25HC3Sナトリウムの2種以上を含む組成物。
【0282】
項目68. 図1と実質的に同じX線粉末回折パターンを有する25HC3Sナトリウムの形態I。
【0283】
項目69. 図53と実質的に同じX線粉末回折パターンを有する25HC3Sナトリウムの形態I。
【0284】
項目70. 図2と実質的に同じX線粉末回折パターンを有する25HC3Sナトリウムの形態II。
【0285】
項目71. 図54と実質的に同じX線粉末回折パターンを有する25HC3Sナトリウムの形態II。
【0286】
項目72. 図6又は図7と実質的に同じX線粉末回折パターンを有する25HC3Sナトリウムの形態XI。
【0287】
項目73. 図3と実質的に同じX線粉末回折パターンを有する25HC3Sナトリウムの形態V。
【0288】
項目74. 図4と実質的に同じX線粉末回折パターンを有する25HC3Sナトリウムの形態V。
【0289】
項目75. 図8と実質的に同じX線粉末回折パターンを有する25HC3Sナトリウムの形態XIII。
【0290】
項目76. 図9と実質的に同じX線粉末回折パターンを有する25HC3Sナトリウムの形態XIII。
【0291】
項目77. 図35と実質的に同じX線粉末回折パターンを有する25HC3Sナトリウムの形態III。
【0292】
項目78. 図5と実質的に同じX線粉末回折パターンを有する25HC3Sナトリウムの形態IX。
【0293】
項目79. 結晶性25HC3Sナトリウムの形態III。
【0294】
項目80. 結晶性25HC3Sナトリウムの溶媒和物。
【0295】
項目81. 結晶性25HC3Sナトリウムのエタノール溶媒和物。
【0296】
項目82. 約4.9°2θにピークを含むX線粉末回折パターンを有する項目1又は79に記載の結晶性溶媒和物。
【0297】
項目83. 約6.3°2θ、約7.8°2θ及び約9.8°2θに1つ以上のピークをさらに含む、項目1又は82に記載の結晶性材料。
【0298】
項目84. 形態Iの25HC3Sナトリウム、形態IIの25HC3Sナトリウム、形態IIIの25HC3Sナトリウム、形態Vの25HC3Sナトリウム、形態IXの25HC3Sナトリウム、形態XIの25HC3Sナトリウム及び形態XIIIの25HC3Sナトリウムの2種以上、並びに少なくとも1種の薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物。
【0299】
項目85. 約2.1°2θ、約6.5°2θ及び約10.8°2θにピークを含むX線粉末回折パターンを有する、結晶性25HC3Sナトリウムの形態I。
【0300】
項目86. 約9.9°2θ、約15.0°2θ及び約15.6°2θに1つ以上のピークをさらに含む、項目85に記載の結晶性25HC3Sナトリウムの形態I。
【0301】
項目87. 約2.3°2θ及び約5.0°2θにピークを含むX線粉末回折パターンを有する、結晶性25HC3Sナトリウムの形態II。
【0302】
項目88. 約4.5°2θ、約5.9°2θ、約9.1°2θ及び約15.1°2θに1つ以上のピークをさらに含む、項目87に記載の結晶性25HC3Sナトリウムの形態II。
【0303】
項目89. 約2.2°2θ、約6.6°2θのピーク、約4.0°2θ及び約6.0°2θの、及びその間の単一ピークを含むX線粉末回折パターンを有する結晶性25HC3Sナトリウムの形態V。
【0304】
項目90. 約8.8°2θ、約9.9°2θ及び約14.9°2θに1つ以上のピークをさらに含む、項目89に記載の結晶性25HC3Sナトリウムの形態V。
【0305】
項目91. 約2.3°2θ、約5.4°2θ、約9.3°2θ及び約11.6°2θにピークを含むX線粉末回折パターンを有する、結晶性25HC3Sナトリウムの形態XIII。
【0306】
項目92. 約4.6°2θ及び約15.0°2θに1つ以上のピークをさらに含む、項目91に記載の結晶性25HC3Sナトリウムの形態XIII。
【0307】
項目93. 約4.9°2θ及び約6.3°2θにピークを含むX線粉末回折パターンを有する結晶性25HC3Sナトリウムの形態III。
【0308】
項目94. 7.8°2θ、約9.8°2θ、約13.3°2θ及び約15.5°2θに1つ以上のピークをさらに含む、項目93に記載の結晶性25HC3Sナトリウムの形態III。
【0309】
項目95. 約2.2°2θ、約4.9°2θ及び約7.9°2θにピークを含むX線粉末回折パターンを有する結晶性25HC3Sナトリウムの形態IX。
【0310】
項目96. 約14.1°2θ、約16.1°2θ及び約16.6°2θに1つ以上のピークをさらに含む、項目95に記載の結晶性25HC3Sナトリウムの形態IX。
【0311】
項目97. 結晶性25HC3Sナトリウム又は液晶性25HC3Sナトリウム又は両方、及び少なくとも1種の薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物。
【0312】
項目98. 項目97に記載の医薬組成物、項目1-59、64、68-83及び85-96のいずれか一項を含む結晶性25HC3Sナトリウム又は液晶性25HC3Sナトリウム。
【0313】
項目99. 結晶性25HC3Sナトリウム又は液晶性25HC3Sナトリウムが、25HC3Sナトリウムの形態I及び25HC3Sナトリウムの形態IIの混合物を含む、項目97に記載の医薬組成物。
【0314】
項目100. 5-コレステン-3β,25-ジオール-3-硫酸金属塩を製造する方法であって、少なくとも1種の溶媒中で25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-オールを少なくとも1種の硫酸化剤と接触させて25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩を製造するステップ(ここで前記25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩は前記少なくとも1種の溶媒中で低い溶解度を有する)、及び25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩を少なくとも1種の金属塩と接触させて5-コレステン-3β,25-ジオール3-硫酸金属塩を製造するステップを含む、方法。
【0315】
項目101. 少なくとも1種の硫酸化剤が三酸化硫黄錯体である、項目100に記載の方法。
【0316】
項目102. 少なくとも1種の硫酸化剤が三酸化硫黄-ピリジン錯体である、項目101に記載の方法。
【0317】
項目103. 少なくとも1種の金属塩が酢酸ナトリウムである、項目100-102のいずれか一項に記載方法。
【0318】
項目104. 少なくとも1種の金属塩がヨウ化ナトリウムである、項目100-102のいずれか一項に記載の方法。
【0319】
項目105. 少なくとも1種の硫酸化剤が、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-オールと接触させる前に無水酢酸と接触させられる、項目100-104のいずれか一項に記載の方法。
【0320】
項目106. 5-コレステン-3β,25-ジオール3-硫酸ナトリウム塩を製造する方法であって、少なくとも1種の溶媒中で25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-オールを三酸化硫黄-ピリジン錯体と接触させて、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸ピリジニウム塩を製造するステップ(ここで前記25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸ピリジニウム塩は前記少なくとも1種の溶媒中で低い溶解度を有する)、及び25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸ピリジニウム塩をナトリウム塩と接触させて5-コレステン-3β,25-ジオール3-硫酸ナトリウム塩を製造するステップを含む、方法。
【0321】
項目107. ナトリウム塩が酢酸ナトリウムである、項目106に記載の方法。
【0322】
項目108. ナトリウム塩がヨウ化ナトリウムである、項目106に記載の方法。
【0323】
項目109. 5-コレステン-3β,25-ジオール3-硫酸金属塩を製造する方法であって、(3β)-コレスタ-5-エン-3-オールを少なくとも1種の硫酸化剤と接触させて第1の(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩を製造するステップ、第1の(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩を有機塩基と接触させて第2の(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩を製造するステップ、少なくとも1種の界面活性剤の存在下で第2の(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩を酸化させて25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-(5,6-エポキシ)-3-硫酸有機カチオン塩を製造するステップ、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-(5,6-エポキシ)-3-硫酸有機カチオン塩から25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩を脱酸素によって発生させるステップ、及び25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩を少なくとも1種の金属塩と接触させて5-コレステン-3β,25-ジオール3-硫酸金属塩を製造するステップを含む、方法。
【0324】
項目110. 少なくとも1種の硫酸化剤が三酸化硫黄錯体である、項目109に記載の方法。
【0325】
項目111. 少なくとも1種の硫酸化剤が三酸化硫黄-ピリジン錯体である、項目110に記載の方法。
【0326】
項目112. 有機塩基がテトラエチルアンモニウムヒドロキシドである、項目109-111のいずれか一項に記載の方法。
【0327】
項目113. 第2の(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩の酸化が、少なくとも1種の界面活性剤の存在下で第2の(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩を、酸化剤を含む組成物と接触させるステップを含む、項目109-112のいずれか一項に記載の方法。
【0328】
項目114. 少なくとも1種の界面活性剤の存在下で第2の(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩を、酸化剤及び少なくとも1種のケトンを含む組成物と接触させるステップを含む、項目113に記載の方法。
【0329】
項目115. 少なくとも1種のケトンが1,1,1-トリフルオロ-2-ブタノンである、項目114に記載の方法。
【0330】
項目116. 酸化剤及び少なくとも1種のケトンを含む組成物が、第2の(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩及び少なくとも1種の界面活性剤をさらに含む、項目114-115のいずれか一項に記載の方法。
【0331】
項目117. 第2の(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩の酸化が、少なくとも1種の界面活性剤の存在下で酸化剤及び少なくとも1種のケトンを含む組成物を、第2の(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩を含む第2の組成物と接触させるステップを含む、項目114-116のいずれか一項に記載の方法。
【0332】
項目118. 少なくとも1種の塩基の存在下で第2の(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩を酸化剤と接触させるステップを含む、項目114-117のいずれか一項に記載の方法。
【0333】
項目119. 少なくとも1種の塩基が炭酸水素カリウムである、項目118に記載の方法。
【0334】
項目120. 酸化剤がペルオキシ一硫酸カリウムである、項目113-119のいずれか一項に記載の方法。
【0335】
項目121. 少なくとも1種の界面活性剤がセチルトリメチルアンモニウム水素スルファートである、項目109-120のいずれか一項に記載の方法。
【0336】
項目122. 25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-(5,6-エポキシ)-3-硫酸有機カチオン塩からの25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩の発生が、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-(5,6-エポキシ)-3-硫酸有機カチオン塩を亜鉛と接触させるステップを含む、項目109-121のいずれか一項に記載の方法。
【0337】
項目123. 少なくとも1種のハロゲン化物及び少なくとも1種の酸の存在下で25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-(5,6-エポキシ)-3-硫酸有機カチオン塩を亜鉛と接触させるステップを含む、項目122に記載の方法。
【0338】
項目124. 少なくとも1種の酸が酢酸である、項目123に記載の方法。
【0339】
項目125. 少なくとも1種のハロゲン化物がヨウ素である、項目123-124のいずれか一項に記載の方法。
【0340】
項目126. 少なくとも1種の金属塩が酢酸ナトリウムである、項目109-125のいずれか一項に記載の方法。
【0341】
項目127. 少なくとも1種の金属塩がヨウ化ナトリウムである、項目109-125のいずれか一項に記載の方法。
【0342】
項目128. 25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-スルファート、及び硫酸化デスモステロールを含む組成物。
【0343】
項目129. 25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-スルファートと硫酸化デスモステロールの重量比が100:1~10000:1である、項目128に記載の組成物。
【0344】
項目130. 25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-スルファートと硫酸化デスモステロールの重量比が100:1~1000:1である、項目128に記載の組成物。
【0345】
項目131. 25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-スルファート、及び5-コレステン-3β-25-ジオール-ジスルファートを含む組成物。
【0346】
項目132. 25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-スルファートと5-コレステン-3β-25-ジオール-ジスルファートの重量比が100:1~10000:1である、項目131に記載の組成物。
【0347】
項目133. 25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-スルファートと5-コレステン-3β-25-ジオール-ジスルファートの重量比が100:1~1000:1である、項目131に記載の組成物。
【0348】
項目134. 25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-スルファートと5-コレステン-3β-25-ジオール-ジスルファートの重量比が250:1~500:1である、項目133に記載の組成物。
【0349】
項目135. 少なくとも1種の溶媒中で25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-オールを硫酸化して、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-スルファートを製造するステップであり、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-スルファートが少なくとも1種の溶媒中で低い溶解度を有する、ステップ、及び25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-スルファートを溶媒中で沈殿させるステップを含む方法。
【0350】
項目136. 25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-スルファートが少なくとも1種の溶媒中で100mmol/L以下の溶解度を有する、項目135に記載の方法。
【0351】
項目137. 25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-スルファートが、少なくとも1種の溶媒中で10mmol/L以下の溶解度を有する、項目136に記載の方法。
【0352】
項目138. 少なくとも1種の溶媒が、クロロホルム、塩化メチレン、アセトン、アセトニトリル、トルエン、テトラヒドロフラン及びメチルテトラヒドロフランから選ばれる、項目135-137のいずれか一項に記載の方法。
【0353】
項目139. 25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-オールの硫酸化が、少なくとも1種の溶媒中で可溶化したままである5-コレステン-3β-25-ジオール-ジスルファートを発生させる、項目135-138のいずれか一項に記載の方法。
【0354】
項目140. 25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-スルファートと発生した5-コレステン-3β-25-ジオール-ジスルファートの重量比が100:1~10000:1である、項目139に記載の方法。
【0355】
項目141. 25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-スルファートと発生した5-コレステン-3β-25-ジオール-ジスルファートの重量比が100:1~1000:1である、項目140に記載の方法。
【0356】
項目142. 5-コレステン-3β-25-ジオール-ジスルファートが少なくとも1種の溶媒中で高い溶解度を有する、項目139-141のいずれか一項に記載の方法。
【0357】
項目143. 5-コレステン-3β-25-ジオール-ジスルファートが少なくとも1種の溶媒中で500mmol/L以上の溶解度を有する、項目142に記載の方法。
【0358】
項目144. 25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-スルファート、並びに約18.3分の高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)保持時間を含む第1の化合物、約37.7分のHPLC保持時間を含む第2の化合物、又はそれら任意の組み合わせ、及び約7.7分のHPLC保持時間を含む25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-スルファートを含む25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-オールの硫酸化からの副生成物を含む組成物であって、第1の化合物、第2の化合物及び25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-スルファートは、緩衝液を含む第1の移動相及び1種以上の有機溶媒を含む第2の移動相を用いて約45℃で作動するC8固定相を含むHPLCによって分離することが可能である、組成物。
【0359】
項目145. 25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-スルファートと副生成物の重量比が100:1~10000:1である、項目144に記載の組成物。
【0360】
項目146. 25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-スルファートと副生成物の重量比が100:1~1000:1である、項目144に記載の組成物。
【0361】
項目147. 第1の移動相の流速が約1.0mL/分である、項目144-146のいずれか一項に記載の組成物。
【0362】
項目148. 第2の移動相の流速が約1.0mL/分である、項目144-147のいずれか一項に記載の組成物。
【0363】
項目149. 第1の移動相がリン酸ナトリウムを含む、項目144-148のいずれか一項に記載の組成物。
【0364】
項目150. 第2の移動相が、酢酸メトキシプロピル、アセトニトリル及びメタノールの1種以上から選ばれる、項目144-149のいずれか一項に記載の組成物。
【0365】
項目151. 25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-スルファート、並びに硫酸化デスモステロール、約37.7分のHPLC保持時間を含む第2の化合物又はそれらの任意の組み合わせ、及び約7.7分のHPLC保持時間を含む25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-スルファートを含む、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-オールの硫酸化からの副生成物を含む組成物であって、硫酸化デスモステロール、第2の化合物及び25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-スルファートは、緩衝液を含む第1の移動相、及び1種以上の有機溶媒を含む第2の移動相を用いて約45℃で作動するC8固定相を含むHPLCによって分離することが可能である、組成物。
【0366】
項目152. 25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-スルファートと副生成物の重量比が100:1~10000:1である、項目151に記載の組成物。
【0367】
項目153. 25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-スルファートと副生成物の重量比が100:1~1000:1である、項目151に記載の組成物。
【0368】
項目154. 第1の移動相の流速が約1.0mL/分である、項目151-152のいずれか一項に記載の組成物。
【0369】
項目155. 第2の移動相の流速が約1.0mL/分である、項目151-154のいずれか一項に記載の組成物。
【0370】
項目156. 第1の移動相がリン酸ナトリウムを含む、項目151-155のいずれか一項に記載の組成物。
【0371】
項目157. 第2の移動相が、酢酸メトキシプロピル、アセトニトリル及びメタノールの1種以上から選ばれる、項目151-156のいずれか一項に記載の組成物。
【0372】
項目158. 第2の化合物がデスモステロールである、項目151-157のいずれか一項に記載の組成物。
【0373】
項目159. 5-コレステン-3β,25-ジオール-3-硫酸金属塩を製造する方法であって、少なくとも1種の溶媒中で25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-オールを少なくとも1種の硫酸化剤と接触させて、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩を製造するステップであり、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩が少なくとも1種の溶媒中で低い溶解度を有する、ステップ、及び25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩を少なくとも1種の金属塩と接触させて5-コレステン-3β,25-ジオール3-硫酸金属塩を製造する、方法。
【0374】
項目160. 25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-オールと接触させる前に硫酸化試薬が1HNMR(プロトン核磁気共鳴)分光法によって特性評価される、項目159に記載の方法。
【0375】
項目161. 25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-オールと接触させる前に、硫酸化試薬中に存在する不純物の量を決定することにより、硫酸化試薬の分解の程度を決定するステップを含む、項目160に記載の方法。
【0376】
項目162. プロトン核磁気共鳴分光法によって1HNMRスペクトルにおいて硫酸化試薬中の不純物の存在を示す化学シフトの1つ以上のピークを積分することによって硫酸化試薬の分解の程度が決定される、項目161に記載の方法。
【0377】
項目163. 硫酸化剤のプロトン核磁気共鳴分光法が少なくとも1種の重水素化溶媒中で行なわれる、項目162に記載の方法。
【0378】
項目164. 少なくとも1種の重水素化溶媒が重水素化アセトンである、項目163に記載の方法。
【0379】
項目165. 少なくとも1種の重水素化溶媒が、重水素化ベンゼン、重水素化アセトニトリル又は重水素化クロロホルムではない、項目164に記載の方法。
【0380】
項目166. プロトンNMRスペクトルにおいて9.2ppm~9.3ppmの化学シフトの1つ以上のピークを積分するステップ、及び積分ピークに基づいて硫酸化剤の不純物レベルを計算するステップを含む、項目162-165のいずれか一項に記載の方法。
【0381】
項目167. プロトンNMRスペクトルにおいて約9.25ppmの化学シフトの1つ以上のピークを積分するステップを含む、項目166に記載の方法。
【0382】
項目168. 25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-オールが25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩の粒子の存在下で硫酸化剤と接触させられる、項目159-167のいずれか一項に記載の方法。
【0383】
項目169. 25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩の粒子が0.1mm以上の平均粒子幅を有する、項目168に記載の方法。
【0384】
項目170. 未反応の硫酸化剤をクエンチするステップをさらに含む、項目159-169のいずれか一項に記載の方法。
【0385】
項目171. 未反応の硫酸化剤のクエンチが反応混合物を水と接触させるステップを含む、項目170に記載の方法。
【0386】
項目172. 1当量以上の水が反応混合物と接触させられる、項目171に記載の方法。
【0387】
項目173. 未反応の硫酸化剤のクエンチが反応混合物を水及びピリジンと接触するステップを含む、項目171-172のいずれか一項に記載の方法。
【0388】
項目174. 反応混合物を水と接触させた後の所定期間の後にピリジンが反応混合物と接触させられる、項目173に記載の方法。
【0389】
項目175. 未反応硫酸化剤の反応性がゆっくりかき混ぜながらクエンチされる、項目170-174のいずれか一項に記載の方法。
【0390】
項目176. 25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩を精製するステップをさらに含む、項目159-175のいずれか一項に記載の方法。
【0391】
項目177. 25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩が液体クロマトグラフィーによって精製される、項目176に記載の方法。
【0392】
項目178. 25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩が、シリカゲル固定相及びピリジンを含む移動相を含む液体クロマトグラフィーによって精製される、項目177に記載の方法。
【0393】
項目179. 移動相が塩化メチレン、メタノール及びピリジンを含む、項目178に記載の方法。
【0394】
項目180. 液体クロマトグラフィーから集められた画分が合わせられ蒸留によって濃縮される、項目178-179のいずれか一項に記載の方法。
【0395】
項目181. 液体クロマトグラフから集められた画分が合わせられ真空下で濃縮される、項目178-179のいずれか一項に記載の方法。
【0396】
項目182. 濃縮画分が、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩の1つ以上の粒子と接触させられる、項目180-181のいずれか一項に記載の方法。
【0397】
項目183. 25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩の粒子が合わせた画分の蒸留中に接触させられる、項目182に記載の方法。
【0398】
項目184. 真空下で合わせた画分を濃縮するステップ、並びに
濃縮画分を、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩の粒子及び少なくとも1種の溶媒と接触させるステップを含む、項目182に記載の方法。
【0399】
項目185. 少なくとも1種の溶媒が2-メチルテトラヒドロフラン、ヘプタン又はその組み合わせから選ばれる、項目184に記載の方法。
【0400】
項目186. 少なくとも1種の溶媒が2-メチルテトラヒドロフランである、項目184-185のいずれか一項に記載の方法。
【0401】
項目187. 約2.8°2θ未満にピークを含むX線粉末回折パターンを有する、項目2に記載の結晶性25HC3Sナトリウムの水和物。
【0402】
項目188. 約2.1°2θ及び約2.6°2θの間にピークを含む回折パターンを有する、項目187に記載の結晶性25HC3Sナトリウムの水和物。
【0403】
項目189. 約2.1°2θ及び約2.3°2θの間にピークを含む回折パターンを有する、項目188に記載の結晶性25HC3Sナトリウムの水和物。
【0404】
項目190. 約4.3°2θ及び約4.6°2θの間にピークを含むx-粉末回折パターンを有する、項目2、187又は188のいずれか一項に記載の結晶性25HC3Sナトリウムの水和物。
【0405】
項目191. 約5.0°2θ及び約5.5°2θの間にピークを含むX線粉末回折パターンを有する、項目2、187、188、189又は190のいずれか一項に記載の結晶性25HC3Sナトリウムの水和物。
【0406】
項目192. 約8.6°2θ及び約9.1°2θの間にピークを含むX線回折パターンを有する、項目2、187-191のいずれか一項に記載の結晶性25HC3Sナトリウムの水和物。
【0407】
項目193. 約15.0°2θ及び約15.3°2θの間にピークを含むX線粉末回折パターンを有する、項目2、187-192のいずれか一項に記載の結晶性25HC3Sナトリウムの水和物。
【0408】
項目194. 約9.9°2θ及び約10.0°2θの間にピークを含むX線粉末回折パターンを有する、項目2又は188のいずれか一項に記載の結晶性25HC3Sナトリウムの水和物。
【0409】
項目195. 約4.5°2θ及び約4.8°2θの間にピークを含むX線粉末回折パターンを有する、項目29、30又は39のいずれか一項に記載の無水結晶性25HC3Sナトリウム。
【0410】
項目196. 約9.8°2θ及び約9.9°2θの間にピークを含むX線粉末回折パターンを有する、項目29、30、39又は195のいずれか一項に記載の無水結晶性25HC3Sナトリウム。
【0411】
項目197. 約14.1°2θ及び約14.3°2θの間にピークを含むX線粉末回折パターンを有する、項目29、30、39、195又は196のいずれか一項に記載の無水結晶性25HC3Sナトリウム。
【0412】
項目198. 約16.1°2θにピークを含むX線粉末回折パターンを有する、項目29、30、39、195、197又は197のいずれか一項に記載の無水結晶性25HC3Sナトリウム。
【実施例
【0413】
実験
以下の実施例は、当業者に本発明の製造の方法及び使用についての完全な開示及び説明を提供するために述べられ、本発明者らが自身の発明と考えるものの範囲を限定するようには意図されず、以下の実験が実施される実験すべて又は唯一であることを表わす意図もない。使用される数(例えば量、温度など)に関して正確さを保証する努力がなされたが、しかし、幾つかの実験誤差及び乖離は考慮されるべきである。
【0414】
実施例1-19は、表1及び実施例20、21、22、24、25、26、27、28、29、31、32、34、35、37及び38に従って調製した試料と関連する。実施例23、30、33、36及び39は記述の通りに調製し、XRPDパターンを実施例40に従って集め、これらの実施例のために本開示において報告される分析データは他にない。
【0415】
[実施例1]
選別で使用した25HC3Sナトリウムの分析
およそ10グラムの25HC3Sナトリウムを選別に使用した。X線の粉末回折分析によると、材料は水和物の物理的混合物(形態I及び形態II)であると同定される。溶液の1HNMRスペクトルは化学構造と矛盾しない(参照:25HC3Sの1HNMR構造の実施例としての図34)。混合物は、カールフィッシャー滴定による6.1重量%の水を含んでいた。これはおよそ1.8mol/molの水に対応する。DVS等温線は、材料が吸湿性であることを示唆する。混合物から、およそ5重量% 5~25% RH(1.5mol/molの水)、6重量% 25~85% RH(1.8mol/molの水)、さらに6重量% 85~95% RHが得られた。材料を回収し、X線粉末回折によって、優勢的に、8.8°(2θ)付近に追加のピークを有する形態Iとして同定した。ピークは、形態Vによると考えられる。
【0416】
TGAでは、DSCにおいて幅の広い脱水吸熱と同時に生じる128℃までに5.4%の減量を与えた。DSC曲線は、また167℃及び184℃の付近に吸熱を示した。これらの事象は分解に関係していた。ホットステージ顕微鏡検査では、58℃及び112℃の間の脱水、続いて163℃の近くの分解と矛盾しなかった。
【0417】
130℃に短い間混合物を曝露することで、形態I、II及びXIIIの混合物をもたらした。さらに、形態IIと関連するピークがシフトした。75%RHに対する10日間の曝露で、主に形態I、及びX線粉末回折によると4.4°2θ及び8.8°2θの付近にさらなる2つのピークが生じ、ピークは形態Vによると考えられた。
【0418】
[実施例2]
一般的選別法
溶媒又は溶媒混合物を使用する方法としては、溶液冷却、蒸発、逆溶媒添加及び懸濁(スラリー)を含む。これらの方法の変形には、少数の可能性を挙げるとしたら、溶媒、溶媒混合物、逆溶媒、温度、冷却速度、濃度、添加の比率、及び混合する順序の変化を含むことができる。生じた固体を偏光顕微鏡法によって観察し及び/又はX線粉末回折によって分析した。
【0419】
実施例3-7に選別の特定の方法を述べる。方法及び結果は、例えば本開示の表1及び図に要約した。
【0420】
[実施例3]
逆溶媒添加
溶液を逆溶媒と接触させた。溶媒系の溶解度を下げ、結晶化を誘発するのを支援するためにこれらの逆溶媒添加を行った。
【0421】
[実施例4]
冷却及び徐冷
選択した溶媒又は溶媒/逆溶媒系の溶液を調製した。核形成を誘発しようとして、冷蔵庫内で室温より低く、様々な長さの時間、これらの溶液を冷やした。固体の存在又は欠如が注目された。固体についての観察に際して、材料の分析、単離については十分な量で行なった。存在する量が不十分な場合、冷凍機でさらに冷却を実行した。試料を分析のために、含湿又は乾燥した粉末のいずれかとして単離した。
【0422】
[実施例5]
迅速蒸発
選択した溶媒中で溶液を調製し、溶解を助けるためにアリコート添加間でかき混ぜた。混合物が目視観察によって判断して完全溶解に到達したら、溶液を0.2μmナイロンフィルターに通して濾過し、蓋を外したバイアルで周囲条件で、又は窒素下の周囲温度で蒸発させた。形成した固体は評価のために単離した。
【0423】
[実施例6]
ゆっくりした蒸発
選択した溶媒中で溶液を調製し、溶解を助けるためにアリコート添加間でかき混ぜた。混合物が目視観察によって判断して完全溶解に到達したら、溶液を0.2μmナイロンフィルターに通して試料バイアルへ濾過した。バイアル開口部には箔をかぶせ穴を3個開け、周囲条件で蒸発させた。評価のために、形成した固体を単離した。
【0424】
[実施例7]
スラリー
過剰固体が存在するように、所与の溶媒に十分な固体を添加することにより、溶液を調製した。次いで、混合物を、周囲温度又は高温のいずれかで封止したバイアル中でかき混ぜた。所与の長さの時間の後、分析のために固体を単離した。
【0425】
[実施例8]
示差走査熱量測定法(DSC)
Mettler-Toledo DSC3+示差走査熱量計を使用して、示差走査熱量測定法分析を実行した。オクタン、サリチル酸フェニル、インジウム、スズ及び亜鉛を使用して、温度校正を実行した。試料は、気密封止した又は開放式のアルミニウムDSCパンに入れ、重量を記録した。試料パンとして構成された秤量アルミニウムパンをセルの参照側に置いた。10℃/分の勾配速度で試料を-30~250℃で分析した。参照温度(X軸)でサーモグラムをプロットしたが、結果は試料温度に従って報告した。
【0426】
[実施例9]
動的蒸気収着/脱着(DVS)
VTI SGA-100蒸気収着アナライザーで湿分収着/脱着データを収集した。NaCl及びPVPを校正標準として使用した。試料は分析前に乾燥させなかった。窒素パージの下、5%~95% RHの範囲にわたり10%RH増分で収着及び脱着のデータを収集した。分析に使用した平衡基準は、3時間の最大平衡時間、5分で0.0100%未満の重量変化であった。試料の初期の含水率に対してデータを補正しなかった。
【0427】
[実施例10]
ホットステージ顕微鏡検査
SPOT Insight(商標)カラーデジタルカメラを装備したLeica DM LP顕微鏡に搭載されたLinkamホットステージ(FTIR 600)を使用して、ホットステージ顕微鏡検査を実行した。USP融点標準を使用して、温度校正を実行した。ニートで又は鉱油を用いて調製した試料をカバーグラスに置き、試料の上に第2のカバーグラスを置いた。ステージを加熱しながら、10x 0.22又は20x 0.40開口数の対物レンズを使用し直交偏光子及び1次オーダー赤色補償板を用いて、各試料を目視観察した。SPOTソフトウェア(v. 4.5.9)を使用して、画像を捕捉した。
【0428】
[実施例11]
Karl Fischer
Mettler Toledo DL39 KF滴定器を使用して、水分測定のために電量式Karl Fischer(KF)分析を実行した。電量計の動作を点検するためにNIST追跡可能な水質基準(Hydranal Water Standard 1.0)を分析した。試料分析の前にブランク滴定を実行した。周囲条件で、測定量の試料を、事前乾燥させたバイアル中でおよそ1mLのHydranal-Coulomat ADに溶解させて試料を調製した。セプタムを通してKF電量計に全溶液を添加し、10秒間混合した。次いで、電気化学的酸化:2 I-→ I2 + 2e-によってヨウ素を製造する発生電極によって試料を滴定した。再現性を保証するために2回繰り返した。
【0429】
[実施例12]
偏光顕微鏡法
Motic SMZ-168を使用して、偏光顕微鏡法を実行した。直交偏光子を用いて倍率0.75から5.0倍まで10倍対物レンズを使用して、各試料を観察した。
【0430】
[実施例13]
1H NMR分光法
スペクトルデータ溶液で溶液1H NMRスペクトルを得た。
【0431】
[実施例14]
熱重量分析(TGA)
Mettler Toledo TGA/DSC3+アナライザーを使用して、熱重量分析を実行した。サリチル酸フェニル、インジウム、スズ及び亜鉛を使用して、温度校正を実行した。アルミニウムパンに試料を置いた。TG炉に開放式パンを挿入した。炉は窒素下で加熱した。各試料は10℃/分で周囲温度から350℃に加熱した。サーモグラムを参照温度(X軸)でプロットしたが、試料温度に従って結果を報告した。
【0432】
[実施例15]
X線粉末回折(XRPD)
透過又は反射モードのいずれかでXRPDパターン(回折図とも呼ばれる)を収集した。
【0433】
[実施例16]
透過
PANalytical X'Pert PRO MPD又はPANalytical Empyrean回折計を用いて長焦点微小焦点線源を使用して生成したCu線の入射光線を使用してX線粉末回折パターンを収集した。楕円形に傾斜した多層ミラーを使用して、試験片を通して検出器にCu KαX線を焦点に合わせた。分析前に、ケイ素試験片(NIST SRM 640e)を分析して、Si 111ピークの観察した位置がNIST保証位置と矛盾しないことを検証した。3μm厚のフィルム間に試料の試験片をはさみ、透過幾何形状で分析した。ビームストップ、短い散乱線除去拡張器、散乱線除去ナイフエッジを、空気によって発生するバックグラウンドを最小限にするために使用した。入射及び回折ビームのソーラースリットを、軸方向発散からのブロード化及び非対称性を最小限にするために使用した。試験片から240mmに位置する走査位置有感検出器(X'Celerator)及びData Collectorソフトウェアv. 2.2b又は5.5を使用して、回折パターンを収集した。使用した機器には無関係に、X'Pert PRO MPDとして標識付けした機器を用いて画像をすべて生成した。
【0434】
[実施例17]
反射
PANalytical X'Pert PRO MPD回折計を用いて長焦点微小焦点線源及びニッケルフィルターを使用して生成したCu Kα線の入射ビームを使用して、X線の粉末回折パターンを収集した。対称的Bragg-Brentano幾何形状を使用して、回折計を構成した。分析前に、ケイ素試験片(NIST SRM 640e)を分析して、Si 111ピークの観察した位置がNIST保証位置と矛盾しないことを検証した。試料の試験片をウエルに充填した。散乱線除去スリットを、空気によって発生するバックグラウンドを最小限にするために使用した。入射及び回折ビームのソーラースリットを、軸方向発散からのブロード化を最小限にするために使用した。試験片から240mmに位置する走査位置有感検出器(X'Celerator) 及びData Collectorソフトウェアv. 2.2bを使用して、回折パターンを収集した。
【0435】
[実施例18]
湿度可変(VH-XRPD)
PANalytical X'Pert PRO MPD回折計を用いて長焦点微小焦点線源及びニッケルフィルターを使用して生成したCu Kα線の入射ビームを使用して、X線の粉末回折パターンを収集した。回折計は対称的Bragg -Brentano幾何形状を使用して構成した。データを集め、Data Collectorソフトウェアv. 2.2bを使用して分析した。分析前に、ケイ素試験片(NIST SRM 640e)を分析して、Si 111ピークの観察した位置がNIST保証位置と矛盾しないことを検証した。試料の試験片は、ニッケル被覆銅ウエルに充填した。散乱線除去スリットを、空気によって発生するバックグラウンドを最小限にするために使用した。入射及び回折ビームのソーラースリットを、軸方向発散からのブロード化を最小限にするために使用した。試験片から240mmに位置する走査位置有感検出器(X'Celerator) 及びData Collectorソフトウェアv. 2.2bを使用して、回折パターンを収集した。
【0436】
Anton Paar温度湿度槽(THC)を、湿度の関数としてインサイチューX線粉末回折パターンを集めるのに使用した。試験片保持具の直下に位置するPeltier熱電素子を用いて試験片の温度を制御し、試験片保持具中に位置するプラチナ-100抵抗センサーを用いてモニターした。熱電素子に電力供給し、Data CollectorソフトウェアとインターフェースされたAnton Paar TCU 50によって制御した。
【0437】
湿度は、VTI社によって製作されたRH-200を用いて発生させ、窒素ガス流によって運んだ。THCの内部の試験片の隣に位置するRotronic HygroClipセンサーによって湿度及び温度をモニターした。
【0438】
[実施例19]
温度可変(VT-XRPD)
PANalytical X'Pert PRO MPD回折計を用いて長焦点微小焦点線源(long, fine-focus source)及びニッケルフィルターを使用して生成したCu Kα線の入射ビームを使用して、X線の粉末回折パターンを収集した。回折計は対称的Bragg -Brentano幾何形状を使用して構成した。データを集め Data Collectorソフトウェアv. 2.2bを使用して分析した。分析前に、ケイ素試験片(NIST SRM 640e)を分析して、Si 111ピークの観察した位置がNIST保証位置と矛盾しないことを検証した。試料の試験片をニッケル被覆銅ウエルに充填した。散乱線除去スリットを、空気の散乱によって発生するバックグラウンドを最小限にするために使用した。入射及び回折ビームのソーラースリットを、軸方向発散からのブロード化を最小限にするために使用した。試験片から240mmに位置する走査位置有感検出器(X'Celerator)を使用して、回折パターンを収集した。
【0439】
Anton Paar TTK 450ステージは、温度の関数としてインサイチューX線粉末回折パターンを集めるのに使用した。試験片保持具の直下に位置する抵抗加熱器を用いて試験片を加熱し、試験片保持具中に位置するプラチナ-100抵抗センサーを用いて温度をモニターした。加熱器に電力供給し、Data CollectorソフトウェアとインターフェースされたAnton Paar TCU 100によって制御した。
【0440】
[実施例20]
形態I-調製1
透明な溶液が得られるまで、25HC3Sナトリウム(164.6mg)及びメタノール(2mL)をホットプレート一式で75℃に加熱した。溶液をジクロロメタン20mLへ0.2μmナイロンフィルターを通して濾過した。これによってゲルが即時に沈殿し、これをアスピレーター減圧濾過によって収集した。ゲルは、単離後、形態Iに結晶化した。図36はこの調製物のXRPD回折図である。
【0441】
[実施例21]
形態I-調製2
64.5mgの25HC3Sナトリウム及びトルエン1mLを用いてスラリーを得た。室温でおよそ400RPMで21日間スラリーを磁気撹拌した。懸濁固体を沈降させ固体から過剰溶液をデカントすることにより、形態Iを得た。図37はこの調製物のXRPD回折図である。
【0442】
[実施例22]
形態I-調製3
41.9mgの25HC3Sナトリウム及びアセトン12mLを用いてスラリーを得た。85℃で短時間スラリーをホットプレート一式で加熱し、およそ200RPMで磁気撹拌した。熱源からスラリーを取り出し、およそ400RPMで磁気撹拌しながら水1mLを添加した。ほぼ完全な溶解に続いて、綿状の懸濁液が形成し、次いで、これは微細な樹枝状結晶に核形成した。スラリーを4日間撹拌したままにした。アスピレーター減圧濾過によって形態Iを収集し、およそ10分間窒素下で乾燥させた。図38はこの調製物のXRPD回折図である。
【0443】
[実施例23]
形態I-調製4
以下の動的蒸気収着試験を行なうことにより形態Iを得た:
【0444】
SMS(表面測定システム)DVS Intrinsicを使用して、動的蒸気収着(DVS)を測定した。表11にDVS試験のパラメーターを列挙する。
【0445】
【表11】
【0446】
上記のDVS試験から、化合物は吸湿性であることがわかり、出発原料は30%RH未満で7.0%の湿分、95%のRHで8.5%の水分を可逆的に吸収した。図355はこの調製物のXRPD回折図である。
【0447】
[実施例24]
形態I+形態XIII
586.6mgの25HC3Sナトリウム及び97:03v/vアセトニトリル/水10mLを用いてスラリーを得た。スラリーを室温で4日間およそ250RPMで磁気撹拌した。アスピレーター減圧濾過によって形態I+XIIIの混合物を収集し、窒素下でおよそ30分間乾燥させた。図39はこの混合物のXRPD回折図である。
【0448】
[実施例25]
形態XIII-調製1
形態I+XIII(実施例24から得られた)の混合物を真空下の70℃に2日間曝露することにより、形態XIIIを得た。図40はこの調製物のXRPD回折図である。
【0449】
[実施例26]
形態XIII-調製2
15%RHで単離した形態I+XIII(実施例24から得られた)の混合物を、25%、55%、75%、85%、75%、25%及び0%RHに連続的に曝露した。次の条件に移る前に各RH条件で最低1時間、材料を保持した。25%RHに一度曝露されると混合物は形態Iに転化し、55%、75%、85%、75%及び25%RHで形態Iのままであった。形態Iは、0%RHに達すると形態I+XIIIの混合物に転化した。形態I+XIIIの混合物は、0%RHへの継続的な曝露の20分以内に形態XIIIに転化した。図41はこの調製物のXRPD回折図である。
【0450】
[実施例27]
形態II-調製1
75.4mgの25HC3Sナトリウム及びアセトン20mLを用いてスラリーを得た。スラリーをおよそ400RPMで14日間室温で磁気撹拌した。アスピレーター減圧濾過によって形態IIを収集し、窒素下で短時間乾燥させた。図42はこの調製物のXRPD回折図である。
【0451】
[実施例28]
形態II-調製2
66.9mgの25HC3Sナトリウム及びアセトニトリルの19mLを用いてスラリーを得た。スラリーを室温で14日間およそ400RPMで磁気撹拌した。アスピレーター減圧濾過によって形態IIを収集し、窒素下で短時間乾燥させた。図43はこの調製物のXRPD回折図である。
【0452】
[実施例29]
形態II-調製3
75.4mgの25HC3Sナトリウム及びエタノール8mLを用いてスラリーを得た。スラリーを0.2μmナイロンフィルターに通して濾過し、透明な溶液が結果として得られた。固体がはっきり見えるまで、周囲条件で透明な溶液のアリコート4mLを蒸発させ、母液およそ0.1mLが残った。デカンテーションによって形態IIを収集した。図44はこの調製物のXRPD回折図である。
【0453】
[実施例30]
形態II-調製4
逆溶媒添加(ジメチルアセトアミド(DMA)溶媒及びメチルイソブチルケトン(MIBK)の逆溶媒)から形態IIを得た。逆溶媒法は以下の通りであった:DMA中で出発原料の濃縮ストックを調製した。溶液を撹拌し、沈殿を誘発するためにMIBKを迅速に添加した。遠心分離及び濾過で形態IIを得た後、XRPD分析のために固体を単離した。図46はこの調製物のXRPD回折図である。
【0454】
[実施例31]
形態III+形態IX
46.6mgの25HC3Sナトリウム及びエタノール0.5mLを用いてスラリーを得た。ホットプレート一式でスラリーを75℃で短時間加熱し、溶媒の収着を結果としてもたらした。熱源から形態III+IXの混合物を取り出し、窒素下でおよそ15分間乾燥させた。図45は、形態III及び形態IXの混合物のXRPD回折図である。
【0455】
[実施例32]
形態IX-調製1
形態III+IX(実施例31から得られた)の混合物を真空下58℃に1日間曝露することにより、形態IXを得た。図5はこの調製物のXRPD回折図である。
【0456】
[実施例33]
形態IX-調製2
20.3mgの25HC3Sナトリウムを3mLバイアルへ秤量した。エタノール3~4mLを含む20mLバイアルの内部にこの3mLバイアルを入れ、外側のバイアルは封止した。室温で12時間系を維持し、XRPDによって単離した固体を分析した。図51はこの調製物のXRPD回折図である。
【0457】
[実施例34]
形態V-調製1
85.1mgの25HC3Sナトリウム及びメタノール7mLを用いて濁った懸濁液を得た。懸濁液を0.2μmナイロンフィルターに通して濾過し、透明な溶液を得た。周囲条件で目視で乾燥するまで溶液を蒸発させることにより、形態Vを得た。図47はこの調製物のXRPD回折図である。
【0458】
[実施例35]
形態V-調製2
70.4mgの25HC3Sナトリウム及び水20mLを用いてスラリーを得た。およそ400RPMで14日間スラリーを磁気撹拌した。アスピレーター減圧濾過によって不透明なゲルを収集した。単離の後にゲルは形態Vに変換した。図48はこの調製物のXRPD回折図である。
【0459】
[実施例36]
形態V-調製3
逆溶媒添加(MeOH溶媒及びEtOAcの逆溶媒)によって形態Vを得た。逆溶媒法は以下の通りであった:MeOH中で出発原料の濃縮ストックを調製した。溶液を撹拌し、沈殿を誘発するためにEtOACを迅速に添加した。遠心分離及び濾過で形態Vを与えた後、XRPD分析のために固体を単離した。図56はこの調製物のXRPD回折図である。
【0460】
[実施例37]
形態XI
97.5mgの25HC3Sナトリウム及びジエチルエーテル20mLを用いてスラリーを得た。14日間およそ400RPMでスラリーを磁気撹拌した。アスピレーター減圧濾過によって形態XIを収集し、窒素下で乾燥させた。図6及び7はこの調製物のXRPD回折図である。
【0461】
[実施例38]
形態III-調製I
97mgの25HC3Sナトリウム及びエタノール8mLを用いて濁っている懸濁液を得た。懸濁液を約1日間周囲温度で放置して沈降させた。懸濁液を遠心分離機にかけ、デカンテーションによって含湿固体を収集した。図49はこの調製物のXRPD回折図である。
【0462】
[実施例39]
形態III-調製2
3mLガラスバイアルへ25HC3Sナトリウム(1.98mg)を秤量した。ガラスバイアルへEtOH(3mL)を添加して室温で懸濁液を生成し、50℃に加熱した。0.45μm PTFEフィルターを用いて溶液を50℃で濾過し、濾液を清浄なバイアルへ集めた。室温に溶液を冷却し、次いで-20℃で保管した。14,000RPMで5分間遠心分離機にかけることにより固体を単離し、次いで集め、XRPDによって分析した。図50はこの調製物のXRPD回折である。
【0463】
[実施例40]
実施例23、30、33、35及び36のXRPD分析
Panalytical X'Pert3 Powder XRPDを用いてSiゼロバックグラウンド保持具でXRPDを実行した。Panalytical 640 Si粉末標準に2θ位置を較正した。4分法をほとんどの試料に使用した。80分法を使用して、噴霧乾燥した分散安定試料を分析した。下の表12に実験で使用したXRPDの詳細を列挙する。
【0464】
【表12】
【0465】
25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-スルファートを調製するための一般合成手順
25HC3Sは様々な方法によって調製されてもよい。本明細書において25HC3Sを製造する例示の方法が含まれる。
【0466】
すべての温度は摂氏(℃)であり補正していない。試薬等級の薬品及び無水の溶媒は商業的ソースから購入し、他に言及しない限り、さらなる精製をすることなく使用した。製品の名称は、Biovia electronic lab notebookに含まれる命名ソフトウェアを使用して決定した。シリカゲルクロマトグラフィーは、Teledyne Isco instrumentsで事前パッケージ化された使い捨てのSiO2固定相カラムを使用し15~200mL/分の溶離液流速を用いて実行した。Agilent 1100シリーズ機器を使用して、DAD検出器(190nm~300nm)を用いて分析HPLCクロマトグラムを実行した。130℃でWaters Micromass ZQ検出器を用いて質量スペクトルを記録した。質量分析計は、陽イオンモードで作動するエレクトロスプレイイオン源(ESI)を装備し、0.3秒の走査時間を用いてm/z 150-750の間で走査するように設定した。HPLC/MSによってGemini-NX (5μM、2.0 x 30mm)で、H2O (0.03%(NH4)2CO3/ 0.375% NH4OH)中の5%~100%MeCNの高pH緩衝液勾配を使用し3.5分のラン(B05)として1.8mL/分で2.5分かけて、EVO C18 (5μM、3.0 x 50mm)でH2O(0.1%のHCOOH)中の5%~100%MeCNの低pH緩衝液勾配を使用して3.5分のラン(A05)として2.2mL/分で2.5分かけて生成物及び中間体を分析した。Bruker UltraShield 500 MHz/54mm instrument (BZH 43/500/70B, D221/54-3209)で1H NMRスペクトルを記録した。化学シフトは、1H NMRにおいてCDCl3として7.26ppm、DMSOd6として2.50ppm及びCD3ODとして3.31ppmに現われる溶媒ピークを参照する。
【0467】
[(3S,10R,13R,17R)-17-[(1R)-5-ヒドロキシ-1,5-ジメチル-ヘキシル]-10,13-ジメチル-2,3,4,7,8,9,11,12,14,15,16,17-ドデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]硫酸ナトリウムの合成
【0468】
【化21】
【0469】
乾燥した三首フラスコにピリジン三酸化硫黄錯体(12.45g、78mmol)を添加し、トルエン(1.5L)及び無水酢酸(7.2mL, 74.5mmol)中に固体を懸濁させた。20℃で40分間混合物を撹拌し、ピリジン(60mL, 745mmol)を添加した。20℃で20分間混合物を撹拌した。(3S,8S,9S,10R,13R,14S,17R)-17-[(1R)-5-ヒドロキシ-1,5-ジメチル-ヘキシル]-10,13-ジメチル-2,3,4,7,8,9,11,12,14,15,16,17-ドデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-オール(30g、74.5mmol)を固体として一度に添加した。20℃で23時間混合物を撹拌した。酢酸ナトリウム水溶液(10重量%、123mL、149mmol)を激しく撹拌しながら5分かけて滴下した。結果として得られる混合物を20℃で1時間撹拌した。溶媒をポンプで反応器から取り出し、ガラスフリット上に固体を集めた。ACN(700mL)を添加し、スラリーを3時間激しく撹拌した。反応器から同じフリット上にスラリーをポンプで取り出し、反応器中の残りの固体をACN(700mL)中に再懸濁させ、1時間撹拌し、その後、反応器からガラスフリットにポンプで移した。ジエチルエーテル(750mL)を用いてフリット中の固体をすすぎ、次いでDMF(800mL)中に懸濁させた。20℃で1時間混合物を撹拌した。懸濁液は濾過し、濾液を集めた。撹拌しながら、濾液にジエチルエーテル(3.2L)を添加した。真空濾過で結果として得られた固体を集め、濾過ケーキをジエチルエーテル(1L)を用いてすすいだ。減圧下で固体を乾燥させて固体(15g、40%)として表題化合物を与えた。1H NMR (500 MHz, MeOD) δ 5.56 - 5.32 (m, 1H), 4.17 (tt, J = 11.5, 4.8 Hz, 1H), 2.55 (dd, J = 4.9, 2.2 Hz, 1H), 2.47 - 2.29 (m, 1H), 2.14 - 2.06 (m, 2H), 2.01 (ddd, J = 12.4, 7.7, 5.1 Hz, 1H), 1.97 - 1.85 (m, 2H), 1.73 - 1.22 (m, 15H), 1.20 (s, 6H), 1.19 - 1.08 (m, 4H), 1.07 (s, 3H), 1.04 - 0.95 (m, 1H), 1.00 (d, J = 6.5 Hz, 3H), 0.76 (s, 3H); m/z: ES- [M]- 481.3; LCMS (B05); tR = 1.18 m.
【0470】
[(3S,10R,13R,17R)-17-[(1R)-5-ヒドロキシ-1,5-ジメチル-ヘキシル]-10,13-ジメチル-2,3,4,7,8,9,11,12,14,15,16,17-ドデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]硫酸ナトリウムの合成
【0471】
【化22】
【0472】
乾燥した三首フラスコに、三酸化硫黄ピリジン錯体(4.74g、29.8mmol)を添加した。トルエン(500mL)中に固体を懸濁させ、無水酢酸(2.61mL、27.67mmol)を一度に添加した。23℃で1時間結果として得られる混合物を撹拌した。ピリジン(20mL、248.4mmol)を添加し、混合物は5分間23℃で撹拌した。(3S,10R,13R,17R)-17-[(1R)-5-ヒドロキシ-1,5-ジメチル-ヘキシル]-10,13-ジメチル-2,3,4,7,8,9,11,12,14,15,16,17-ドデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-オール(10g、24.83mmol)を固体として一度に添加した。混合物を23時間23℃で撹拌した。MeOH(2.01mL、49.7mmol)を用いて反応を希釈し、1時間23℃で撹拌した。懸濁液を濾過し、固体をトルエン(2 x 200mL)で洗浄した。固体を集めて高真空下で乾燥させて固体を与えた。固体はACN(600mL)に部分的に溶解させ、ヨウ化ナトリウム(14.9g、99.3mmol)を添加した。23℃で10分間混合物を撹拌し、その後氷浴を用いて0℃に冷却し、1.5時間撹拌した。懸濁液を濾過し、冷たいACN(2 x 275mL)及びアセトン(2x200mL)を用いて固体を洗浄した。固体を集めて高真空下で乾燥させて固体(7.24g、57%)として表題化合物を与えた。1H NMR (500 MHz, MeOD) δ 5.56 - 5.32 (m, 1H), 4.17 (tt, J = 11.5, 4.8 Hz, 1H), 2.55 (dd, J = 4.9, 2.2 Hz, 1H), 2.47 - 2.29 (m, 1H), 2.14 - 2.06 (m, 2H), 2.01 (ddd, J = 12.4, 7.7, 5.1 Hz, 1H), 1.97 - 1.85 (m, 2H), 1.73 - 1.22 (m, 15H), 1.20 (s, 6H), 1.19 - 1.08 (m, 4H), 1.07 (s, 3H), 1.04 - 0.95 (m, 1H), 1.00 (d, J = 6.5 Hz, 3H), 0.76 (s, 3H); m/z: ES- [M]- 481.3; LCMS (B05); tR = 1.18 m.
【0473】
[(3S,10R,13R,17R)-17-[(1R)-5-ヒドロキシ-1,5-ジメチル-ヘキシル]-10,13-ジメチル-2,3,4,7,8,9,11,12,14,15,16,17-ドデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]硫酸ナトリウムの合成
【0474】
【化23】
【0475】
15Lジャケット付き反応器を60℃に加熱し、窒素を用いて1.5時間パージした。ジャケット温度を30℃に設定し、2-MeTHF(7L)を添加した。(3S,10R,13R,17R)-17-[(1R)-5-ヒドロキシ-1,5-ジメチル-ヘキシル]-10,13-ジメチル-2,3,4,7,8,9,11,12,14,15,16,17-ドデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-オール(495g、1.23mol)を添加し、2-MeTHF(6L)を用いてマンウェイ/ガラス器具をすすいだ。25℃に溶液を冷却し、追加の2-MeTHF(1L)を添加し、三酸化硫黄ピリジン錯体(234.8g、1.47mol)を添加した。28℃で24時間混合物を撹拌した。2-MeTHF(2L)を添加し、さらなる16時間混合物を撹拌し、20℃に冷却し濾過した。2-MeTHF(3.5L)を用いて固体をすすいだ。MeOH(6L)中のNaOH(118g、2.95mmol)の溶液に固体を入れた。1時間25℃で混合物を撹拌し、次いでセライトのプラグで濾過した。3.5Lに濾液を濃縮し、ジエチルエーテル(8L)を用いて希釈した。15℃に懸濁液を冷やし、濾過して固体(146.8g、24%)として表題化合物を与えた。1Lに濾液を濃縮し、ジエチルエーテル(4L)と再び混合した。真空濾過によって固体を集めて固体(68.5g、11%)として表題化合物を与えた。MeOH(2L)を用いてセライトを抽出し、500mLに濃縮し、ジエチルエーテル(3L)を用いて希釈し、真空濾過によって固体を集めて固体(53.3g、8.6%)として表題化合物を与えた。濾液(11.88g、2%)から第4の収穫を単離した。全収率:280.5g、45%。1H NMR (500 MHz, MeOD) δ 5.56-5.32 (m, 1H), 4.17 (tt, J = 11.5, 4.8 Hz, 1H), 2.55 (dd, J = 4.9, 2.2 Hz, 1H), 2.47 - 2.29 (m, 1H), 2.14-2.06 (m, 2H), 2.01 (ddd, J = 12.4, 7.7, 5.1 Hz, 1H), 1.97-1.85 (m, 2H), 1.73-1.22 (m, 15H), 1.20 (s, 6H), 1.19-1.08 (m, 4H), 1.07 (s, 3H), 1.04-0.95 (m, 1H), 1.00 (d, J = 6.5 Hz, 3H), 0.76 (s, 3H); m/z: ES- [M]- 481.3; LCMS (B05); tR = 1.18 m.
【0476】
[(3S,10R,13R,17R)-17-[(1R)-5-ヒドロキシ-1,5-ジメチル-ヘキシル]-10,13-ジメチル-2,3,4,7,8,9,11,12,14,15,16,17-ドデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]硫酸アンモニウムの合成
【0477】
【化24】
【0478】
0℃で無水DCM(20mL)中の(3S,10R,13R,17R)-17-(5-ヒドロキシ-1,5-ジメチル-ヘキシル)-10,13-ジメチル-2,3,4,7,8,9,11,12,14,15,16,17-ドデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-オール(100mg、0.25mmol)の撹拌溶液に三酸化硫黄ジメチルホルムアミド錯体(42mg、0.273mmol)を添加した。0℃で5時間混合物を撹拌し、次いで20℃に反応を暖めた。減圧下で混合物を濃縮して粗製の固体を得、これをカラムクロマトグラフィーによってシリカゲル(12gのカートリッジ)でDCM及びMeOHの混合物(0-20%)を用いて溶離して精製して低純度の表題化合物を得た。m/z: ES- [M-H]- 481.
【0479】
[(3S,8S,9S,10R,13R,14S,17R)-17-[(1R)-1,5-ジメチルヘキシル]-10,13-ジメチル-2,3,4,7,8,9,11,12,14,15,16,17-ドデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]硫酸ピリジン-1-イウムの合成
【0480】
【化25】
【0481】
オーブン乾燥させた丸底フラスコ中でトルエン(240mL)中に三酸化硫黄ピリジン錯体(4.53g、28.5mmol)を懸濁させた。無水酢酸(2.44mL)、続いてピリジン(20.8mL)を添加した。23℃で1時間反応を撹拌し、コレステロール(10g、25.9mmol)を固体として一度に添加した。18時間23℃で懸濁液を撹拌し、ガラスフリットで濾過し、トルエン(100mL)、続いてヘキサン(100mL)を用いて固体をすすいだ。クロロホルム(400mL)中に固体を懸濁させ、同じフリットで濾過した。クロロホルム(200mL)を用いてフリットをすすぎ、濾液を集めた。ヘキサンを用いて1.8Lに濾液を希釈し、1時間冷蔵庫に入れた。懸濁液を濾過し、ジエチルエーテル(100mL)を用いて固体をすすぎ、高真空下で乾燥させて固体(10.06g、71%)として表題化合物を与えた。1H NMR (500 MHz, MeOD) δ 8.89 (dd, J = 6.6, 1.4 Hz, 2H), 8.79-8.61 (m, 1H), 8.27-8.05 (m, 2H), 5.38 (d, J = 5.3 Hz, 1H), 4.13 (tt, J = 11.5, 4.7 Hz, 1H), 2.53 (ddd, J = 13.3, 5.0, 2.3 Hz, 1H), 2.43-2.28 (m, 1H), 2.12- 2.02 (m, 2H), 2.01-1.94 (m, 1H), 1.94-1.80 (m, 2H), 1.70-0.83 (m, 20H), 1.03 (s, 3H), 0.95 (d, J = 6.6 Hz, 3H), 0.88 (dd, J = 6.6, 1.9 Hz, 6H), 0.72 (s, 3H); m/z: ES- [M]- 465.3; LCMS (B05); tR = 1.40 m.
【0482】
[(3S,8S,9S,10R,13R,14S,17R)-17-[(1R)-1,5-ジメチルヘキシル]-10,13-ジメチル-2,3,4,7,8,9,11,12,14,15,16,17-ドデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]硫酸ピリジン-1-イウムの合成
【0483】
【化26】
【0484】
30℃でコレステロール(10g、25.9mmol)の2-MeTHF(250mL)中溶液に三酸化硫黄ピリジン錯体(4.53g、28.5mmol)を添加し16時間混合物を撹拌することによって、コレステロール硫酸ピリジニウム塩を調製した。次いで懸濁液を濾過し、固体を2-MeTHF(50mL)を用いてすすいで表題化合物を得た。
【0485】
[(3S,8S,9S,10R,13R,14S,17R)-17-[(1R)-1,5-ジメチルヘキシル]-10,13-ジメチル-2,3,4,7,8,9,11,12,14,15,16,17-ドデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]硫酸ナトリウムの合成
【0486】
【化27】
【0487】
モレキュラーシーブを介してアセトン(2.5mL)中の2,6-ルチジン(0.08mL、0.69mmol)の溶液にクロロスルホン酸(0.03mL、0.45mmol)を添加した。20℃で2分間溶液を撹拌し、その後0℃に冷却した。先にモレキュラーシーブで乾燥させておいたアセトン(5mL)中のコレステロール(100mg、0.26mmol)の溶液を滴下した。混合物を0℃で2時間撹拌し、その後16時間かけて20℃に暖めた。混合物を濾過し、固体を集めた。次いで、アセトン(10mL)中に固体を懸濁させ、泡立ちがおさまるまで、水性重炭酸ナトリウムを添加した。懸濁液を濾過し、MeOH(10mL)及びDCM(10mL)を用いて固体を研和した。減圧下で溶媒を除去し、固体を得た。ACN(30mL)を用いて固体を研和し、濾過し、濾液を凍結乾燥して固体(7.3mg、5.8%)として表題化合物を得た。1H NMR (500 MHz, DMSO) δ 5.31-5.19 (m, 1H), 4.10 (s, 1H), 3.87 - 3.78 (m, 1H), 2.42-2.31 (m, 1H), 2.13 (dd, J = 14.5, 7.6 Hz, 1H), 2.02 - 1.69 (m, 5H), 1.62-0.95 (m, 20H), 0.94 (s, 3H), 0.89 (d, J = 6.5 Hz, 4H), 0.84 (dd, J = 6.6, 2.5 Hz, 7H), 0.65 (s, 3H).
【0488】
[(3S,5S,8R,9S,10S,13R,14S,17R)-17-[(1R)-1,5-ジメチルヘキシル]-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]硫酸アンモニウムの合成
【0489】
【化28】
【0490】
ピリジン(5.00mL)中でコレステロール(300mg、0.772mmol)の溶液に三酸化硫黄ピリジン錯体(300mg、1.88mmol)を添加し、20℃で16時間懸濁液を撹拌した。シリカゲルクロマトグラフィー(24gのカートリッジ)によってDCM中のMeOH(5%のNH4OH)を用い、DCM及びMeOHの混合物(0-30%)を用いて溶離して残留物を精製して固体(314mg、84%)として表題化合物を得た。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 7.08 (s, 4H), 3.97-3.86 (m, 1H), 1.91 (dd, J = 12.5, 3.5 Hz, 1H), 1.86 - 1.71 (m, 2H), 1.69-1.55 (m, 3H), 1.55-1.41 (m, 3H), 1.38-1.25 (m, 5H), 1.25-0.90 (m, 15H), 0.88 (d, J = 6.6 Hz, 4H), 0.84 (dd, J = 6.6, 2.4 Hz, 7H), 0.74 (s, 3H), 0.62 (s, 3H); m/z: ES [M-NH4]- 467.3; HPLC (BEH Ambicarb/ACN 5- 100%) tR = 7.48分.
【0491】
[(3R,8S,9S,10R,13R,14S,17R)-17-[(1R)-1,5-ジメチルヘキシル]-10,13-ジメチル-2,3,4,7,8,9,11,12,14,15,16,17-ドデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]硫酸アンモニウムの合成
【0492】
【化29】
【0493】
ピリジン(5.00mL)中の(3R,8S,9S,10R,13R,14S,17R)-17-[(1R)-1,5-ジメチルヘキシル]-10,13-ジメチル-2,3,4,7,8,9,11,12,14,15,16,17-ドデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-オール(200mg、0.517mmol)の溶液に三酸化硫黄ピリジン錯体(206mg、1.29mmol)を添加した。20℃で16時間懸濁液を撹拌し、次いで、減圧下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(24.0gのカートリッジ)によって、MeOH中のDCM及び5%のNH4OHの混合物(0-30%)を用いて溶離して残留物を精製して固体(160mg、64%)として表題化合物を得た。1H NMR (500 MHz, DMSO) δ 7.07 (s, 4H), 5.18 - 5.14 (m, 1H), 4.32-4.27 (m, 1H), 2.40-2.29 (m, 1H), 2.16 (dt, J = 14.9, 2.4 Hz, 1H), 2.01 - 1.72 (m, 4H), 1.60-0.96 (m, 22H), 0.94 (s, 3H), 0.90 (d, J = 6.5 Hz, 3H), 0.84 (dd, J = 6.6, 2.4 Hz, 6H), 0.65 (s, 3H); m/z: ES [M-NH4]- 465.6; HPLC (BEH AmForm/ACN 5-100%) tR = 2.76分.
【0494】
[(3S,8S,9S,10R,13R,14S,17R)-17-[(1R)-5-ヒドロキシ-1,5-ジメチル-ヘキシル]-10,13-ジメチル-2,3,4,7,8,9,11,12,14,15,16,17-ドデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]硫酸ピリジニウムの合成
【0495】
【化30】
【0496】
無水トルエン(15.0mL)中の三酸化硫黄ピリジン錯体(125mg、0.782mmol)の懸濁液に無水酢酸(0.0704mL、0.745mmol)を添加した。20℃で40分間懸濁液を撹拌し、ピリジン(0.600mL)を添加した。20℃で20分間懸濁液を撹拌した。(3S,8S,9S,10R,13R,14S,17R)-17-[(1R)-5-ヒドロキシ-1,5-ジメチル-ヘキシル]-10,13-ジメチル-2,3,4,7,8,9,11,12,14,15,16,17-ドデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-オール(300mg、0.745mmol)を固体として一度に添加した。20℃で20時間懸濁液を撹拌した。混合物をガラスフリットで濾過して固体(329mg、92%の純度、72%の収率)として表題化合物を得た。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 8.99-8.88 (m, 2H), 8.65-8.53 (m, 1H), 8.13-7.97 (m, 2H), 5.30-5.20 (m, 1H), 3.93-3.71 (m, 1H), 2.41-2.32 (m, 1H), 2.18-2.08 (m, 1H), 2.02-1.71 (m, 5H), 1.59-0.95 (m, 20H), 1.05 (s, 6H), 0.94 (s, 3H), 0.90 (d, J = 6.4 Hz, 3H), 0.65 (s, 3H); m/z ES+ [M+H]+ 481.32; HPLC (DUR B) tR = 1.36分.
【0497】
3β-25-ヒドロキシコレスタ-5-エンスルファート(1、ナトリウム塩として)の合成
【0498】
【化31】
【0499】
3β-25-ヒドロキシコレスタ-5-エンスルファートの調製-経路1
ピリジン(57ml)中に3β,25-ジヒドロキシコレスタ-5-エン(4.6g、0.011mol)及びトリエチルアミン(1.7ml、0.023mol)を懸濁させ、50℃に加熱した。三酸化硫黄トリメチルアミン錯体(3.2g、0.023mol)を添加し、混合物は24時間かき混ぜた。三酸化硫黄トリメチルアミン錯体(0.77g、0.006mol)をさらに添加し、混合物をさらに4時間かき混ぜた。50℃でジャケットを用いて、初期の体積の-20%まで反応混合物を蒸留した。シリカゲルクロマトグラフィー(11 0g)によって、酢酸エチル/メタノール/トリエチルアミン(90/9/1 v/v)混合物を用いて溶離して残留物を精製し、画分は、リンモリブデン酸染色を使用してTLC(4:1塩化メチレン: メタノール)によって分析した。3-及び25-スルファート位置異性体を含む画分を合わせ蒸発させた(浴温度<35℃)。アセトニトリル(25g)中で残留物(4.2g、0.0072mol)をスラリー化し、1N水酸化ナトリウム(7.2ml、30%の水酸化ナトリウム溶液から希釈した)を用いて1時間処理し、次いで濾過した。固体はアセトニトリル(25g)を用いてすすぎ、一定重量(2.77g)まで乾燥させた。3-及び25-硫酸ナトリウム塩(2.77g)の混合物を含む固体をエタノール(27.7g、10S)を用いて50℃で1時間研和し、次いで5℃で濾過した。単離した固体を一定重量(1.2g)まで乾燥させた。6:1アセトニトリル/水(10S)中に固体(1.2g)を30℃で30分間懸濁させ、次いで濾過した。濾過には約40分を必要とした一定重量(0.86g)まで固体を乾燥させ分析した。
【0500】
3β-25-ヒドロキシコレスタ-5-エンスルファートの調製-経路2-過剰の硫酸化剤
過剰の三酸化硫黄トリメチルアミン錯体をジスルファート形成への反応を促進するために使用した。3β,25-ジヒドロキシコレスタ-5-エンの3-ヒドロキシ基は約6倍、25-ヒドロキシルより硫酸化に対して反応性である。過剰の硫酸化剤を供給し高い転化率に反応を進めることで、より高い位置異性体純度のモノスルファートを与える。この結果はこれの合成時に観察された。ピリジン(75ml)中の3β,25-ジヒドロキシコレスタ-5-エン(4.1g)の溶液は、真空蒸留して50mlに体積を減らした。イソプロパノール(ジオールの再結晶からの)及び存在する湿分を除去するためにこれを実行した。トリエチルアミン(2当量)、次いで合計1.75当量の三酸化硫黄トリメチルアミン錯体を分割して(1.0、0.5及び0.25当量)、50℃で18時間の時間をかけて反応に添加し、反応を合計43時間行った。真空蒸留によって反応混合物を濃縮し、SiO2(10g)上に残留物を吸収した。SiO2カラムにSiO2を装入し、2-50%メタノール/酢酸エチル/1%トリエチルアミンを用いて溶離した。カラムからの好適な画分を合わせて蒸発させてジスルファート(3.1g、39.7%)及びモノスルファート(2.6g、44.7%)を与えた。3-スルファート及び25-スルファートの22:1混合物としてモノスルファートを得た。アセトニトリル(25g)中に固体を懸濁させ、1N水酸化ナトリウム(4.44ml)を用いて処理し、次いで濾過した。厚いゲルを形成したが、これは扱うのが難しく、濾過しなかった。生成物はアセトニトリル/水中の懸濁液であった。回転式蒸発によって40℃で溶媒を除去し、40℃で真空オーブン中で残留物を乾燥させた。アセトンを用いる固体の研和によって白い固体を与えた:1.27g、24.9%。この生成物は3β-硫酸化生成物のみを示したが、RRT 8.18(不明、2.0%)、RRT 15.17(ジオール、2.2%)及びRRT 16.70(不明、1.8%)のピークが混入していた。
【0501】
分取スケール合成
3β-25-ヒドロキシコレスタ-5-エンスルファート(1.ナトリウム塩として)の合成
【0502】
【化32】
【0503】
オーバーヘッド撹拌機を有する2L三首丸底フラスコに3β,25-ジヒドロキシコレスタ-5-エン(34)(30g、74.5mmol)及び乾燥ピリジン(500mL, Sigma-Aldrich, cat. #270970-1L, lot #SHBC6287V)を添加した。三酸化硫黄トリメチルアミン錯体(12.2g、89.4mmol、Sigma-Aldrich, cat. #135879-100G, lot # MKBH5585V)を一度に添加した。室温で懸濁液を終夜撹拌した。反応混合物を濃縮し、カラムクロマトグラフィーによって残留物を精製してトリエチルアミン塩(HPLC: 98.6%の純度)として25.9gの白い固体(59%)を与えた。ACN(1L)中のトリエチルアミン塩34.1(64g、110.1mmol)の懸濁液に1NNaOH(110mL、110.1mmol、NaOH、Fisher, cat. #S318-3, lot #034906)を添加し、室温で1時間混合物を撹拌した。固体を濾過し、ACN(1L)を用いて洗浄し、真空(P2O5)下で終夜乾燥させた。収率:51.5g、93%(HPLC: 98.6%の純度)。
【0504】
終夜撹拌した後、反応はゲル様の混合物であった。TLCは、大きい方のスポット(TLC:DCM中20%MeOH、Rf=0.4)として予想していた生成物を示し、少量のスポットとして出発原料(Rf>0.9)及び3b-25-ヒドロキシコレステロールジスルファート(Rf<0.1)の両方が伴った。シリカゲル(1kg、Sorbent Technologies, cat. #40930-2.5kg)を充填して寸法10cmx42cmのカラムを形成した。DCM(2.8L)中の1%のトリエチルアミン(Et3N, Fisher, cat #04885-4, lot #062833)を用いてカラムの平衡を達成した。粗製残留物をDCM(200mL)及びEt3N(20mL)中に溶解させ、これを直接カラムに装入した。トリエチルアミンは、生成物及びジスルファート(これは、生成物から除去するのが非常に難しいオレフィンを形成する)の分解を回避するこの段階で使用した。最初の溶離液は、DCM(1%のEt3N)(2L)、続いてDCM(1%Et3N)中の1%MeOH(1L)、DCM中の2%MeOH(1%Et3N)((3L)、DCM中の5%MeOH(1%Et3N)((1L)であった。生成物は、CH2Cl2中の2%MeOH(1%Et3N)で溶離し始めた。36℃未満で回転式蒸発を介して集めた画分を濃縮した(温度が45℃より高い場合、MeOHの存在下で生成物の分解が観察される)。選択した画分についてTLC及びNMRの両方を点検した。HPLC(Zorbax SB-18, 4.6 x 150mm, 5μm, 202nm、流速0.8mL/分):溶媒A:MeOH/5%ACN/7.4mM NH4OAc、溶媒B:H2O/5%ACN/7.4mM NH4OAc。勾配75%A及び25%Bから100%Aに。生成物:98.6%の純度、1.4%(出発原料34)。HPLC:Durashell C18(Agela Technologies, 4.6x50mm, 3mm, 100 A)、溶媒A:MeOH/5%ACN/7.4mM NH4OAc、溶媒B:H2O/5%ACN/7.4mM NH4OAc。生成物:98.6%の純度、1.4%(出発原料34)。
【0505】
大規模合成
3β-25-ヒドロキシコレスタ-5-エンスルファート(1、ナトリウム塩として)の合成
【0506】
【化33】
【0507】
キログラムスケール調製の概要
3β,25-ジヒドロキシコレスタ-5-エン(34)(2.6kg)及びピリジン(39.2kg)を合わせて、混合物を2つの50L反応器中でかき混ぜながら40℃に加熱した。混合物に三酸化硫黄トリメチルアミン(1.1kg)を添加し、40℃で反応が完了するまで6-12時間撹拌した。混合物を真空蒸留しながら最小撹拌体積に濃縮し、次いで、塩化メチレン及びトリエチルアミンを用いて希釈した。
【0508】
シリカゲルを充填した2.33ft3ステンレス鋼カラム(C-105)に塩化メチレン中の粗製反応混合物を添加し、塩化メチレン(1%メタノール及び1%トリエチルアミンを含む)を用いて溶離した。望まない生成物を含む画分を、廃棄物ドラムに集めた。所望の生成物を含む画分を集め、反応器中で濃縮した。
【0509】
所望の生成物を含む反応器にアセトニトリル、水及び水酸化ナトリウムを添加し、反応が完了したと判断されるまで、混合物をかき混ぜた。10-15℃に結果として得られたスラリーを冷却し濾過して化合物1を単離した。単離した化合物1のケーキをアセトニトリルを用いて洗浄し、次いで、一定重量を達成するまで真空下の40℃で乾燥させた。
【0510】
固体を濾過し、アセトニトリル(1L)を用いて洗浄し、真空(P2O5)下で終夜乾燥させた、収率:51.5g、93%(HPLC: 98.6%の純度)。
【0511】
考察
6時間後のHPLCによる反応混合物の分析は、44.1%の出発原料が残存することを示した。反応は完了したと考えられ、真空下で最小撹拌体積に蒸留した(ステップ5.3)。結果として得られた高粘度の残留物に、塩化メチレン及びトリエチルアミンを添加し、清浄な5ガロンのガラスカーボイに溶液を移した。溶液を終夜保持した後、密な固体がガラスカーボイ中で沈殿した。ベンチトップフィルターを使用して固体を濾別した。C-105カラムの上部に透明な濾液のおよそ1/3を添加した。先に酢酸エチル及びメタノールを用いてC-105カラムのシリカに流し、次いで、塩化メチレン溶離液中の1%トリエチルアミンを用いて平衡を保った。
【0512】
カラムの上部に粗製溶液を装入したら、溶離液を添加して約10psiの圧力を維持した。10-15分ごとに、カラムを出る溶離液をサンプリングした。ピリジン及び3β,25-ジヒドロキシコレスタ-5-エンは最初の2つの試料中に存在したが、しかし、第3の試料中でピリジン及び3β,25-ジヒドロキシコレスタ-5-エンに加えて3β-トリエチルアミン塩及び25-スルファート位置異性体を検出した。分離がほとんどできなかったので、極性溶離液(1%MeOH、1%NEt3及び98%DCM)を使用してカラムから残りの材料をすべて溶離した。濾液を濃縮し、カーボイからの粗製溶液の残りの3分の2と合わせた。蒸留の後、清浄なカーボイに粗製溶液を移した。カラムを出る溶離液を分析し、1.7%のメタノール(1H NMR面積%)を含んでいた。溶離液(塩化メチレン中の1%トリエチルアミン)を用いてカラムを平衡に保ち、メタノールについて分析した(0.25%メタノール、1H NMR面積%)。カーボイ中で固体がこの間に形成し始めた。スラリーを濾過し、清浄なカーボイに濾液を集めた。
【0513】
粗製溶液のおよそ3分の1を第2のC-105カラム上に装入した。溶離液をカラムに添加し、5psi未満に維持した。薄層クロマトグラフィー(TLC)による、カラムを出る溶離液の分析は、分離が起きていることを示した。TLCが3β,25-ジヒドロキシコレスタ-5-エンがもはや検出しなくなれば、1H NMRによって、3β-トリエチルアミン塩を25-スルファート位置異性体から分離したことを保証するために溶離液を分析した。溶離液を含むドラムから試料を取り出し、3β-トリエチルアミン塩の純度は85%であり、15%の25-スルファート位置異性体が存在した(1H NMR)。HPLC重量パーセンテージアッセイは、ドラム中に127gの3β-トリエチルアミン塩/25-スルファート位置異性体(85%の3β-トリエチルアミン塩)が集まったことを示した。精製された材料をわきに置いて、クロマトグラフィーによって、粗製溶液の残りの3分の2を精製した。C-105カラムのシリカにメタノールを用いて流し、次いで、塩化メチレン中の1%トリエチルアミンを用いて平衡に保った(再生後の溶離液中の1H NMR面積%によると0.2%メタノール)。
【0514】
1H NMRによってカーボイから沈殿した固体を分析し、塩化メチレンのトリエチルアミン(SO3NMe3試薬からの)との反応から生成した第四級アンモニウム塩と同定した。クロマトグラフィー中で塩化メチレン-トリエチルアミン錯体が形成されたが、濾過によって塩化メチレン-トリエチルアミン錯体を分離した。周囲条件下で塩の形成が生じ、ある事例では加圧環境で迅速であった。3β-トリエチルアミン塩のトリエチルアンモニウム部分が第四級アンモニウム塩と交換して第四級アンモニウム錯体及びトリエチルアミン塩酸塩を与え得る平衡の確立。塩化メチレン-トリエチルアミン錯体がより多く存在するので、平衡は、第四級アンモニウム錯体の形成に傾く。トリエチルアミン塩酸塩を単離して特性評価した。
【0515】
【化34】
【0516】
カーボイ中の粗製混合物の残りの3分の2のうち、3分の1を第4のカラムでクロマトグラフィーにかけた。全精製中、0-1psiに圧力を維持した。3β-トリエチルアミン塩の25-スルファート位置異性体からの分離は好結果であった:ドラム中の3β-トリエチルアミン塩の純度はHPLCによると99.79%であった。カラムからおよそ0.050kgの34.1を単離した。(HPLC重量パーセントアッセイ)。シリカゲルはメタノールを用いて浄化し、塩化メチレン中の1%トリエチルアミンを用いて再生した。再生後に存在するメタノールの量は0.44%(1H NMR面積%)であった。分離はこのカラムに関しては生じなかった。第4のカラムからの材料についてはそれ以上の精製を行わなかった。第3のカラムからの溶離液(3β-トリエチルアミン塩 約50g)を陽イオン交換にかけアセトニトリルへの溶媒交換から始めた。アセトニトリル、水及び30%の水酸化ナトリウムの添加後、スラリーをかき混ぜ、次いで終夜保持した。後撹拌の後、固体は反応器中に存在した。混合物を冷却し、新しい8.5"のベンチトップフィルターを使用して濾過した。新鮮なアセトニトリルを用いてケーキを洗浄し乾燥させた。1H NMRによって試料を分析し、第四級アンモニウム塩と一致するピークがスペクトル中に存在した。HPLCによると、25-スルファート位置異性体が存在した。
【0517】
第2のカラムからの溶離液を真空下で濃縮し、一定重量まで乾燥させた。1H NMRによる黄色粉末(540g)の分析は、塩化メチレン-トリエチルアミン第四級アンモニウム塩とモノスルファート化合物との比(3:1)を示した。3Lのジャケット付き反応器に粗生成物(540g)をすべて添加した。アセトニトリル(1400g)を添加し、スラリーを50±5℃に30分間加熱した。26℃にスラリーを冷却し、次いで濾過した。含湿ケーキを分析し、3β-トリエチルアミン塩/25-スルファート位置異性体と第四級アンモニウム塩との比は、約1:1であった。精製した固体及び新鮮なアセトニトリル(1400g)を反応器に戻した。45分後に水(200g)を添加し、15分間かき混ぜ、次いで濾過した。40℃で真空オーブン中で粒状粉を終夜乾燥させた。濾液を濃縮して乾固させ、残留物を乾燥させた材料と合わせ、3Lの反応器に両方を添加した。アセトニトリル(1500g)、1N水酸化ナトリウム(600g)及び30%水酸化ナトリウム(40g)を順次反応器に添加した。スラリーは48時間かき混ぜ、次いで、周囲温度で濾過した。一定重量(173g)までケーキを乾燥させ、HPLCによって分析した。
【0518】
化合物1から25-スルファート位置異性体を分離する精製
いくつかの溶媒を、化合物1から25-硫酸ナトリウム塩を除去するために調査した。極性溶媒に低純度の化合物1を溶解させた後、固体は回収されず、次いで、逆溶媒(エントリー1及び2、表13)を添加した。メタノールに材料を溶かし、次いでアセトニトリルを添加した後、最小限の固体が形成された。(エントリー3、表13)。2-プロパノールを使用して(エントリー4、表13)、メタノール及び水の混合物は形態変化をもたらし、それによって材料は、移動も濾過もしない高粘度のペーストになった。40-50℃でエタノールを用いて低純度の化合物1を研和すると、大半の25-スルファート位置異性体を除去するのに十分であった。(エントリー6、表13)。化合物1(1g)及びエタノール(10mL)の混合物を加熱還流し、冷却し濾過した。単離した材料(55%の回収)は、99.6%純度で、25-スルファート及び3β,25-ジヒドロキシコレスタ-5-エン生成物がそれぞれ0.1%及び0.3%に低下した。
【0519】
【表13】
【0520】
3β-トリエチルアミン塩の精製
トリメチルアミン及びトリエチルアミンとの反応性により塩化メチレンを排除するために3β-トリエチルアミン塩を精製した。90%の酢酸エチル、9%のメタノール及び1%のトリエチルアミンを含むアイソクラティック組成溶媒系を使用して、精製を達成した。
【0521】
SO3NMe3当量の最適化
完全に3β,25-ジヒドロキシコレスタ-5-エンを消費するか、又はビススルファート及び未反応の出発原料副生成物が最小限になるポイントに達するかどちらかに必要とされる、添加されるSO3NMe3錯体の量を決定した。トリエチルアミン(0.5S)を含むピリジン(18.6S)中の3β,25-ジヒドロキシコレスタ-5-エン(0.5g、1.0S)の溶液を50℃に加熱した。反応から試料を30分ごとに取り出し、続いてSO3NMe3錯体を添加した。SO3NMe3錯体の最終添加の後、合計24時間50℃でバイアルを撹拌した。(表14)。およそ1.75当量のSO3NMe3錯体が出発原料3β,25-ジヒドロキシコレスタ-5-エンの86.6%を消費するのに十分であった(試料7、表14)。2.5当量のSO3NMe3錯体を添加した後、完全に3β,25-ジヒドロキシコレスタ-5-エンを消費した。ビススルファートの形成は、反応が進行するにつれて3β,25-ジヒドロキシコレスタ-5-エンのモノ硫酸化を上回る。24時間後に3β-トリエチルアミン塩は完全にビススルファートに転化された。
【0522】
【表14】
【0523】
3β-25-ヒドロキシコレスタ-5-エンスルファート(1、ナトリウム塩として)の100グラムスケールの合成
ピリジン(15.6S)中の3β,25-ジヒドロキシコレスタ-5-エン(100g、1.0S)及びトリエチルアミン(0.5S)のスラリーを50℃に加熱した。SO3NMe3錯体(1.75当量、0.6S)を一度に添加した。混合物は5時間かき混ぜ、次いで、HPLCによって反応完了について分析した(試料1 - 3β-トリエチルアミン塩/25-スルファート位置異性体(67.1%)、3β,25-ジヒドロキシコレスタ-5-エン(12.2%)、ビススルファート(20.8%))。ジャケットを70℃に設定し、最初の体積の20%未満に反応を濃縮した。試料を取り出しHPLCによって安定性について分析した。(試料2 - 3β-トリエチルアミン塩/25-スルファート位置異性体(60.5%)、3β,25-ジヒドロキシコレスタ-5-エン(10.0%)、ビス-スルファート(29.5%))。モノスルファートの量は、蒸留の間に67.1%から60.5%に減少し、その一方でビスルファートの量は約9%増加した。3β,25-ジヒドロキシコレスタ-5-エンの量は蒸留中にあまり減少しなかった。
【0524】
固体は、48時間の後撹拌の後、反応器中に存在し、メタノール(0.5S)を添加しても固体は溶解しなかった。粗製材料(300g)をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製にかけ90%の酢酸エチル、9%のメタノール及び1%のトリエチルアミンを用いて溶離した。溶離液中でシリカゲル(2.4kg)をスラリー化して充填して、5.25" x 28"カラムを形成した。カラムに粗製混合物を移し、3日かけて精製を行った。1Lの画分に溶離液を集めた。画分1-7は、TLCによって検出される材料を含んでいなかった、画分8-11は、ピリジン及び3β,25-ジヒドロキシコレスタ-5-エンを含んでいた、画分12-20は、TLCによって検出される材料を含んでいなかった、画分21-22は未決定の化合物を含み、画分23-59は3β-トリエチルアミン塩/25-スルファート位置異性体を含んでいた。
【0525】
重量百分率分析法によって決定したカラムの後におよそ82gの3β-トリエチルアミン塩/25-スルファート位置異性体(56.5%の収率)を単離した。クロマトグラフィーの後、3β-トリエチルアミン塩/25-スルファート位置異性体の混合物を含んでいる溶離液をスラリーに濃縮し、2リットルの反応器に移した。溶媒をアセトニトリルに交換し、10℃にスラリーを冷却し、10分かけて1N水酸化ナトリウム(1.8S、82gの3β-トリエチルアミン塩/25-スルファート位置異性体を基準にして1当量)を添加した。スラリーは1時間かき混ぜ、次いで、濾過した。濾過は非常に速く、5分未満しか必要としなかった。真空下40℃で固体を一定重量まで乾燥させた(70g、陽イオン交換に対して99%の収率)。HPLCによって試料を分析し(試料1、表15)、25-スルファート位置異性体が5.1%で存在することを示した。2リットルの反応器に白い粉末(70g)を移し、1時間50℃でエタノール(700g)を用いてスラリー化した。スラリー混合物の増粘によって30分間撹拌した後に形態変化が観察された。10℃にスラリーを冷却し、1時間撹拌し、次いで10℃で濾過した。エタノール(170g)を用いて反応器をすすぎ、10℃に冷却し、次いで、ケーキ洗浄としてフィルターに移した。固体を一定重量(64.6g、92.3%の回収)まで乾燥させ、HPLCによって分析した(試料2、表15)。トリチュレーションの後、97.4%に化合物1の純度は改善されたが、25-スルファート位置異性体は1.6%であった。エタノール(581g、9S)中で1.5時間55℃で低純度の化合物1(64.6g、1.0S)をスラリー化した。10℃にスラリーを冷却し、次いで、濾過した。10℃でエタノール(84g)を用いて反応器及びケーキをすすぎ、真空下40℃で結果として得られた固体を一定重量まで乾燥させた(60.4g、5.9%のエタノールが存在する、87.9%の回収)。
【0526】
エタノールトリチュレーションの後、HPLCによって化合物1の試料を分析した(試料3、表15)。25-スルファート位置異性体は除去されたが、未知の1の量は0.9%に増大した。1リットルの反応器中で30℃で30分間、アセトニトリル(5S)及び水(0.9S)中で精製した材料(56.8g)をスラリー化した。スラリーはこの時間の間に硬い山(stiff peaks)を形成したが、しかし、FMIポンプを使用すると濾過装置にペーストは容易に移動した。新鮮なアセトニトリル(30g)を用いて反応器及びケーキをすすぎ、一定重量(54.5g、90.2%の回収)まで材料を乾燥させた。1H NMRによる分析は、エタノールは存在しないが、水が1.2重量%存在することを示した。最終材料の純度は99%超に改善された(試料4、表15)。RRT 1.68及び1.85の未知の不純物が、0.6%及び0.2%でそれぞれ存在した。残留水を考慮に入れると、100gの実証ランの化合物1の最終単離収率は、43.2%であった。
【0527】
【表15】
【0528】
3β,25-ジヒドロキシコレスタ-5-エンからの水の共沸除去
3β,25-ジヒドロキシコレスタ-5-エン(5g、1.0S)及びピリジン(15.6S、0.016%の水、エントリー1、表16)のスラリーを50℃に加熱した。含水量分析のために反応の試料を取り出した(0.29%、エントリー2、表16)。反応体積を50%低減し、含水率のためにサンプリングした(0.042%、エントリー3、表16)。留出物(39g)中で集めたピリジンの量を、反応器中の新鮮なピリジンと置き換えて、水に対して再びサンプリングした(0.027%、エントリー4、表16)。内部温度が50℃に到達したら、反応器にトリエチルアミン(0.5S)及びSO3NMe3(0.6S)を添加した。薄い白色のスラリーは15分内に透明な溶液になり、反応を50℃でかき混ぜた。IPC分析のために2時間及び3時間で試料を取り出した(エントリー1及び2、表17)。7.1%のみの3β,25-ジヒドロキシコレスタ-5-エンが2時間後に残った。SO3NMe3の添加前に水を共沸除去することで、出発原料の消費が改善した。
【0529】
【表16】
【0530】
【表17-1】
【0531】
粗製化合物1のエタノールトリチュレーション
【0532】
【化35】
【0533】
エタノール中に粗製化合物1を懸濁させ、55℃に加熱して1時間撹拌した。スラリー混合物を冷却し、濾過し、エタノールを用いて洗浄した。50℃で結果として得られたケーキを終夜乾燥させる。反応器へケーキを戻し、アセトニトリル及び水中に懸濁させた。混合物を30℃に加熱し、1時間撹拌する。次いで、混合物を15℃に冷却し、濾過し、アセトニトリル及び水(90:10)を用いて洗浄する。結果として得られたケーキを50℃で、一定重量が達成されるまで24時間以内で乾燥させる。HPLCによって、精製した化合物1の不純物含有率を決定した。(RRT 0.67 <0.05%、RRT 0.77 <0.05%、RRT 0.79 <0.05%、RRT 0.95 <0.05%、RRT 1.13 <0.05%、RRT 1.22 <0.05%、RRT 1.31 <0.05%、RRT 1.95=0.09%、RRT 2.09 <0.05%、RRT 2.67 <0.05%、RRT 2.75=0.05%、RRT 3.04 <0.05%、RRT 3.23=0.09%、RRT 3.64=0.3%、RRT 5.00 <0.05%、不純物の合計=1.1%。
【0534】
25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-スルファートを製造するための25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-オールの硫酸化からの副生成物の同定
トルエン中の三酸化硫黄ピリジン錯体を用いて25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-オールの組成物を23℃で1時間硫酸化して25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-スルファートを生成した。高性能液体クロマトグラフィーによって、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-スルファート生成物を調製する場合に反応混合物中で形成された化合物を分析した。表13及び14はHPLCクロマトグラフィー条件を提供する。表15は、三酸化硫黄ピリジン錯体を用いて25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-オールを硫酸化する場合に反応混合物中で形成されると同定された化合物の保持時間を列挙する。
【0535】
【表17-2】
【0536】
【表18】
【0537】
【表19】
【0538】
三酸化硫黄ピリジン硫酸化剤の純度の決定
重水素化溶媒中の三酸化硫黄ピリジンの試料についてプロトン核磁気共鳴分光法(1HNMR)を行なった。三酸化硫黄ピリジンは、湿分の存在により分解し得る無色の固体であり、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-オールを硫酸化する全収率及び再現性に影響を与え得る。3つのロット(A-C)からの三酸化硫黄ピリジンの試料を、重水素化アセトン((CD3)2CO)へ溶解させ、プロトンNMRスペクトルを500MHzのBruker分析装置を使用して記録した(図57)。NMRスペクトル中の8.1~9.3ppmの間の領域の拡大図を図58A-58Cに示す。図58A中のロットAのNMRスペクトルは、図58B及び58C中のロットB及びCのNMRスペクトルそれぞれより9.25ppmのピークが小さいことを示す。各スペクトル中の9.25ppmの積分ピークに基づいて、21%の不純物レベルをロットA(図58A)の硫酸化剤について算出し、33%の不純物レベルをロットB(図58B)の硫酸化剤について算出し、36%の不純物レベルをロットC(図58C)の硫酸化剤について算出した。
【0539】
25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-オールを硫酸化するためのプロセスパラメータ
ビス硫酸化生成物5-コレステン-3β-25-ジオール-ジスルファートの形成を最小限にし、制御する硫酸化反応の検討を行った。
【0540】
反応混合物中で25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-オールの粒子を用いる硫酸化
硫酸化反応の間に、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩は反応中にゲル様の固体として沈殿することが観察された。このコロイド性材料のいくらかはその粒子サイズにより反応混合物中で可溶化し得る。この溶解度効果を最小限にするために、生成物結晶形状を修正するために、反応に25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩の種結晶の添加を試験した。三酸化硫黄-ピリジン錯体の添加により反応が進むにつれて、硫酸化反応中に生成された25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩のゲル様の固体は、より大きい粒子サイズを有する非晶質スラリーに変わった。これによって、反応混合物中で生じた25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩の溶解度の制御が可能になった。これは、また反応混合物中でビス硫酸化生成物5-コレステン-3β-25-ジオール-ジスルファートの形成の最小限化をもたらした。
【0541】
25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-オールを2-メチルテトラヒドロフラン(30V)を用いて溶解させ、約35-40℃に加熱した。約20±5℃に溶液を冷却し、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩の種結晶を添加した。硫酸化剤、三酸化硫黄-ピリジン錯体を、互いに2時間離して4分割して添加した。スラリーに水(2当量)を添加し、1時間保持した。この時点で、かき混ぜは、最小ボルテックス深さまで低減した。2-メチルテトラヒドロフラン中のピリジン(2当量)を添加し、12時間以上スラリーを保持した。濾過によって粗製の25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩生成物を集めて、2-メチルテトラヒドロフラン-ピリジン(5%)を用いて洗浄した。ビス硫酸化生成物5-コレステン-3β-25-ジオール-ジスルファートの存在は、粗製生成物中に約2-5%であると推測された。
【0542】
未反応三酸化硫黄-ピリジン硫酸化試薬のクエンチ
過剰未反応三酸化硫黄-ピリジン硫酸化試薬のクエンチを、塩基性条件を維持し、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩生成物の加水分解を回避するために2当量の水及びピリジンを使用して評価した。表20の項目1-3において、水及びピリジンを同時に添加し、1時間保持し、次いで、真空濾過によって生成物を単離した。表20の項目4において、時間の延長を模倣するために保持時間を延ばした。試薬の加水分解とビス硫酸化の間の競合反応を制御するために、水を添加し1時間それを保持することにより試薬の加水分解を評価した。この手法は過剰な加水分解を最大限にした。次いで、生成物加水分解を最小限にするためにピリジンを添加した(項目5、表20)。表20で要約されるように、1時間の水の添加、続いてピリジンとの終夜混合によって、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩生成物の最高収率及び最低量のビス硫酸化生成物及びデスモステロール不純物を得た。
【0543】
過剰の未反応硫酸化試薬のクエンチ中に、ビス硫酸化生成物、5-コレステン-3β-25-ジオール-ジスルファートの形成と試薬クエンチとの間の競合においてかき混ぜ速度が役割を果たし得ることが決定された。高いかき混ぜ速度で、クエンチされていない三酸化硫黄-ピリジン錯体凝集体はばらばらになり、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩生成物とさらなる反応が可能になった。遅いかき混ぜ速度では、凝集した錯体は反応器の底に残り、この副反応を最小限にする。2-5%の範囲のこれらの反応条件の下でビス硫酸化生成物、5-コレステン-3β-25-ジオール-ジスルファートの形成が観察される。単離した粗製の25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩生成物は、さらなる精製に十分に安定であった。
【0544】
【表20】
【0545】
25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩生成物の液体クロマトグラフィー及び再結晶
25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩生成物を、シリカゲル(質量当量以上)固定相を用いるプラグカラム並びに塩化メチレン-メタノール(85:15)及びピリジン(1%)混合物の移動相を使用して精製した。シリカゲル(5質量当量)/DCM-ピリジン(1%)を用いて1:2比の直径-シリカゲルを有するクロマトカラムを調製した。カラムは、シリカゲル最上層を乱さないように注意深く調製した。粗製の25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩生成物を、塩化メチレン-メタノール(1:1)-ピリジン(1%)(2.4V)に溶解させ、溶液をカラムに添加し、塩化メチレン-メタノール(15%)-ピリジン(1%)(2V)を用いてすすいだ。塩化メチレン-メタノール(15%)-ピリジン(1%)(約75V)を用いてカラムを溶離した。約10Vの試料を取って、薄層クロマトグラフィー(移動相、塩化メチレン-メタノール 7:3、1滴のピリジン及びCAM染色)によってモニターした。25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩生成物を含む画分を合わせ、ビス硫酸化生成物を含む画分を除外した。
【0546】
25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩生成物を単離し、2つの異なるプロセスによって集めた画分から精製した:
【0547】
単離及び再結晶プロセス(IP)-A。定容技法の下でプラグカラムからの生成物を含む画分を濃縮した。2-メチルテトラヒドロフラン-ヘプタン(1:2)の最初の定容(28V)混合物に25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩生成物溶液を添加した - 25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩生成物の粒子種を、蒸留及び添加を同期させながら添加した。20-25in. Hgの間で圧力を維持した。これらの条件下で、生成物は直ちに沈殿し、蒸留中にスラリーとして残る。20-25℃にスラリー温度を調節し、最低1時間保持する。濾過によって生成物を集めて、2-メチルテトラヒドロフラン-ヘプタン(1:2)、続いてヘプタンを用いてすすぐ。24時間真空下の30-35℃で集めた材料を乾燥させた。
【0548】
単離プロセス(IP)-B。約7Vに真空下でプラグカラムからの生成物を含む画分を濃縮する。溶液は濁ったままか又は濁ったか、それとも固体が観察されたら、透明な溶液が得られるまで塩化メチレンを添加した。この濃縮25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩生成物溶液を、25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩の種を含んでいる2-メチルテトラヒドロフラン-ヘプタン(1:3)の混合物に約1時間~1.5時間で滴下した。20-25℃で1時間塩化メチレン-メタノール(1:1)(0.5V)を用いて容器中の生成物をすすいだ。スラリーを熟成した後、濾過によって生成物を集め、2-メチルテトラヒドロフラン-ヘプタン(1:3)、続いてヘプタンを用いてすすいだ。24時間真空下30-35℃で固体を乾燥させた。
【0549】
表21に、各単離及び再結晶プロセスによって得られた25-ヒドロキシ-(3β)-コレスタ-5-エン-3-硫酸有機カチオン塩生成物の純度を要約する。
【0550】
【表21】
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
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図22
図23
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図26
図27
図28
図29
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図31
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図33
図34
図35
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図40
図41
図42
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図44
図45
図46
図47
図48
図49
図50
図51
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図53
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図55
図56
図57
図58
【国際調査報告】