(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-06
(54)【発明の名称】シートを捲縮するための方法および装置
(51)【国際特許分類】
A24C 5/01 20200101AFI20230227BHJP
A24B 3/14 20060101ALI20230227BHJP
【FI】
A24C5/01
A24B3/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022539666
(86)(22)【出願日】2020-11-11
(85)【翻訳文提出日】2022-06-28
(86)【国際出願番号】 EP2020081711
(87)【国際公開番号】W WO2021136612
(87)【国際公開日】2021-07-08
(32)【優先日】2019-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】ベルトルド マッシミリアノ
(72)【発明者】
【氏名】フランチェスキ マッテオ
(72)【発明者】
【氏名】グイドッティ エンリコ
(72)【発明者】
【氏名】ナタリ ルカ
(72)【発明者】
【氏名】プレスティア イヴァン
(72)【発明者】
【氏名】ユテュリー ジェローム
(72)【発明者】
【氏名】ライマン ディルク ギュンター
【テーマコード(参考)】
4B043
4B144
【Fターム(参考)】
4B043BB13
4B144CB32
(57)【要約】
本発明は、捲縮前に、厚さ(11)、水分、組成、および幅を有するシート(2)を捲縮するための方法に関し、方法は、- 得ることであって、以下、o シートの厚さ(11)、o シートの水分、o シートの組成、o シートの幅、の中から一つの捲縮前のシート(2)特性を得ることと、- シート(2)を捲縮して、複数の波形をシート(10)上に形成することであって、捲縮は、o それらの間にニップ(6)を画定する一対の捲縮ローラー(4、5)を提供することであって、ニップ(6)は、ニップサイズ(14)を有する、提供すること、o シート(2)をニップ(6)内に挿入すること、を含む、捲縮することと、- 捲縮後にシート(10)の捲縮後特性を評価することと、- 得られる捲縮前のシート(2)特性の一つに基づいて、および評価された捲縮後のシート(10)特性に基づいて、ニップサイズ(14)を変化させることと、を含む。本発明はまた、シート(2)を捲縮するための装置(1)に関する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
捲縮前に、厚さ、水分、組成、および幅を有するシートを捲縮するための方法であって、前記方法が、
- 得ることであって、以下、
o 前記シートの前記厚さ、
o 前記シートの前記水分、
o 前記シートの前記組成、
o 前記シートの前記幅、の中から一つの捲縮前のシート特性を得ることと、
- 前記シートを捲縮して、複数の波形を前記シート上に形成するすることであって、前記捲縮が、
o それらの間にニップを画定する一対の捲縮ローラーを提供することであって、前記ニップが、あるニップサイズを有する、提供すること、
o 前記シートを前記ニップ内に挿入すること、を含む、捲縮することと、
- 捲縮後に前記シートの捲縮後特性を評価することと、
- 得られた前記捲縮前のシート特性の一つに基づいて、および評価された前記捲縮後のシート特性に基づいて、前記ニップサイズを変化させることと、を含む、方法。
【請求項2】
前記シートが、アルカロイドを含有する材料シート、またはプラスチックシートである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記シートが、捲縮前に、機械的特性、粘着性、温度を有し、前記方法が、
- 判定することであって、以下、
o 前記シートの前記機械的特性、
o 前記シートの前記温度、
o 前記シートの前記粘着性、の中から一つの追加の捲縮前のシート特性を判定することと、
- 前記判定された追加のシートの捲縮前特性の一つに基づいて、前記ニップサイズを変化させることと、を含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
捲縮後に前記シートの捲縮後特性を評価することが、捲縮後に前記シート上に形成された複数の波形の特性を評価することを含む、請求項1~3の一つ以上に記載の方法。
【請求項5】
前記複数の波形が、あるピッチおよびある振幅を有し、前記複数の波形の特性を評価することが、
- 前記複数のうちの少なくとも一つの波形の前記ピッチまたは前記振幅を評価することを含む、請求項4の一項に記載の方法。
【請求項6】
前記複数のうちの少なくとも一つの波形の前記ピッチまたは前記振幅を評価することが、少なくとも一つの波形のプロファイルを判定することを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
- 前記シートの前記評価された捲縮後特性に基づいて、前記シートの少なくとも一部分を除去することを含む、請求項1~6の一つ以上に記載の方法。
【請求項8】
- 前記得られた前記捲縮前のシート特性の一つに基づいて、第一のニップサイズを設定することと、
- 前記シートの前記評価された捲縮後のシート特性に基づいて、前記第一のニップサイズを調整して第二のニップサイズを設定することと、を含む、請求項1~7の一つ以上に記載の方法。
【請求項9】
捲縮前に、
・ 厚さ、
・ 水分、
・ 組成、
・ 幅、の中の捲縮前特性を有するシートを捲縮するための装置であって、
前記装置が、
- 搬送方向に沿って前記シートを搬送するように適合された搬送装置と、
- 前記シートを捲縮して、複数の波形を前記シート上に形成するための一対の捲縮ローラーであって、前記一対の捲縮ローラーが、それらの間にニップを画定し、前記ニップが、あるニップサイズを有する、一対の捲縮ローラーと、
- 前記シートの捲縮後特性を評価するように適合されたセンサーであって、前記センサーが、前記一対の捲縮ローラーの前記搬送方向の下流に位置する、センサーと、
- 以下の:
o 前記シートの前記捲縮前特性の一つを評価し、前記評価された捲縮前特性の一つの信号関数を送信するように適合されたセンサーであって、前記センサーが、前記一対の捲縮ローラーの前記搬送方向の上流に位置する、センサー、
o 前記シートの前記捲縮前特性の一つに対するデータを含有するメモリ、のうちの一つと、
- 前記評価された捲縮前特性の一つの信号関数を受信する、または捲縮前特性の一つに対するデータを取得するように適合された制御ユニットと、
- 前記ニップサイズを変化させるための第一のアクチュエータと、
- 前記評価されたシートの捲縮前特性の一つに基づいて、または取得された前記捲縮前特性の一つに対するデータに基づいて、および前記評価された前記シートの捲縮後特性に基づいて、前記第一のアクチュエータを起動するように適合されたフィードバック制御ループシステムと、を備える、装置。
【請求項10】
前記シートの前記捲縮前特性のうちの一つを評価するように適合された前記センサーが、前記シートの前記厚さを測定するように適合されたセンサーを含み、前記センサーが、
- 前記シートと接触するホイールまたはスケートを含む機械センサー、
- 前記シート上に電磁ビームを当てるための光学センサー、
- 干渉計、のうちの一つ含む、前記シートの前記厚さを測定するように適合される、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記シートの前記捲縮後特性の一つを評価するように適合された前記センサーが、前記複数の波形の特性を評価するように適合されたセンサーを含む、請求項9または10に記載の装置。
【請求項12】
前記複数の波形の特性を評価するように適合された前記センサーが、
- レーザープロファイラを含む、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記制御ユニットが、前記レーザープロファイラに接続され、前記制御ユニットが、前記レーザープロファイラによって得られたプロファイルの振幅またはピッチを判定するように適合される、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
- 前記シートが位置する環境の周囲温度を測定し、前記測定された周囲温度を表す信号を発するように適合された周囲温度センサー、
- 前記シートが位置する前記環境の周囲相対湿度を測定し、前記測定された周囲相対湿度を表す信号を発するように適合された周囲湿度センサー、
- 所与の場所における前記シートの粘着性を測定し、前記測定された粘着性を表す信号を発するように適合された粘着性センサー、
- 前記シートの透明度を測定し、前記測定された透明度を表す信号を発するように適合された透明度センサーであって、前記透明度センサーが、前記一対の捲縮ローラーの下流に位置する、透明度センサー、のうちの一つを含む、請求項9~13の一つ以上に記載の装置。
【請求項15】
前記シートの少なくとも一部分を処分するための第二のアクチュエータを含み、前記フィードバック制御ループシステムが、前記シートの前記評価された捲縮前特性に基づいて、または前記捲縮前特性の一つに対して取得されるデータに基づいて、または前記評価された捲縮後特性に基づいて、前記第二のアクチュエータを起動するように適合される、請求項9~14の一つ以上に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートを捲縮するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、加熱非燃焼式製品などのエアロゾル発生物品の製造では、多くの場合、ロッド形態の構成要素が使用される。構成要素は、エアロゾル形成基体およびフィルター要素を含み得る。フィルター要素およびエアロゾル形成基体のうちの一方または両方は、ロッドを通した気流を提供するための複数のチャネルを含み得る。複数のチャネルは、材料シートを捲縮し、またその結果としてロッド内の材料を集合してチャネルを形成することによって提供されてもよい。こうした実施例において、捲縮したシートは一般的に、実質的に連続的なシートを捲縮することによって形成される。
【0003】
捲縮されるこの材料、すなわち、連続的なシートは、エアロゾル発生物品の分野では、例えば、再構成されたたばこ、またはキャストリーフ、ポリ乳酸によって作製されたシート、または綿のシートなどの均質化したたばこであってもよい。
【0004】
エアロゾル発生物品で使用する捲縮したシートを製造するための方法および装置は、当業界で公知である。捲縮したシートを製造する公知の方法は一般的に、一対の交互配置されたローラー間に実質的に連続的なシートを供給して、複数の捲縮波形を連続的なシートに適用することを伴う。捲縮したシートはその後、集合されて、複数の軸方向チャネルを有する連続的なロッドを形成する。次いでロッドは巻かれて、より小さいセグメントへと切断されて、エアロゾル発生物品用のエアロゾル発生基体またはフィルターを形成する。
【0005】
捲縮プロセスは、エアロゾル発生物品の効果的な製造プロセスにとって重要である。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、捲縮前に、厚さ、水分、組成および幅を有するシートを捲縮するための方法に関し、方法は、シートの厚さ、シートの水分、シートの組成、シートの幅の中から一つの捲縮前のシート特性を得ることを含む。方法は、シートを捲縮して、複数の波形をシート上に形成することをさらに含んでもよく、捲縮は、それらの間にニップを画定する一対の捲縮ローラーを提供することであって、ニップは、ニップサイズを有する、提供することと、シートをニップ内に挿入することとを含む。方法は、捲縮後にシートの捲縮後特性を評価することをさらに含み得る。方法はまた、得られる捲縮前のシート特性の一つに基づいて、および評価された捲縮後のシート特性に基づいて、ニップサイズを変化させることを含み得る。
【0007】
本発明はまた、捲縮前に、厚さ、水分、組成、および幅の中からの捲縮前特性を有するシートを捲縮するための装置に関する。装置は、搬送方向に沿ってシートを搬送するように適合された搬送装置と、シートを捲縮して、複数の波形をシート上に形成するための一対の捲縮ローラーであって、それらの間にニップを画定し、当該ニップは、ニップサイズを有する、一対の捲縮ローラーとを備える。装置はまた、シートの捲縮後特性を評価するように適合されたセンサーを備えてもよく、センサーは、一対の捲縮ローラーの搬送方向の下流に位置する。装置はまた、以下の、すなわち、シートの捲縮前特性の一つを評価し、評価された捲縮前特性の一つの信号関数を送信するように適合されたセンサーであって、一対の捲縮ローラーの搬送方向の上流に位置する、センサー、およびシートの捲縮前特性の一つに対するデータを含有するメモリ、のうちの一つを備えてもよい。装置は、当該評価された捲縮前特性の一つの信号関数を受信する、または捲縮前特性の一つに対するデータを取得するように適合された制御ユニットをさらに備え得る。方法はまた、ニップサイズを変化させるための第一のアクチュエータと、評価されたシートの捲縮前特性の一つに基づいて、または取得された捲縮前特性の一つに対するデータに基づいて、および評価されたシートの捲縮後特性に基づいて、第一のアクチュエータを起動するように適合されたフィードバック制御ループシステムとを備え得る。
【0008】
材料シートは、それらの間にニップを形成する二つの捲縮ローラーの間で捲縮される。捲縮に起因して、複数の波形がシート上に形成される。シートの捲縮前特性の第一の評価は、捲縮ローラーの上流で実施される。シートの捲縮後特性の第二の評価は、捲縮ローラーの下流で実施される。第一の上流評価は、シートの厚さ、シートの水分、シートの組成、シートの幅のうちの一つに関する。第二の下流評価は、波形によって付与されたシートの特性、例えば、シート上の複数の波形の特性に関する。必要に応じて、ニップサイズは、シートの評価された捲縮後特性およびシートの得られる捲縮前特性に基づいて変化させ得る。このようにして、ニップサイズは、捲縮前および捲縮後の両方に存在するシートの特性に依存するため、最適な捲縮のための連続的なフィードバックループが実施され得る。シート上の捲縮の効果をモニターしてもよく、ニップサイズは、捲縮したシートの特定の条件に適合され得る。
【0009】
本明細書で使用される「シート」という用語は、その厚さより実質的に大きい幅および長さを有する薄層状の要素を意味する。シートの幅は、10ミリメートルよりも大きいことが好ましく、約20ミリメートルまたは約30ミリメートルよりも大きいことがより好ましい。シートの幅は、約60ミリメートル~約300ミリメートルから成ることがなおより好ましい。シートの厚さは、約50マイクロメートル~300マイクロメートルから成ってもよく、約100マイクロメートル~約250マイクロメートルから成ってもよく、約175マイクロメートル~約250マイクロメートルから成ってもよく、約130マイクロメートル~約220マイクロメートルから成ってもよい。
【0010】
本明細書で使用される「ロッド」という用語は、エアロゾル発生物品の二つ以上の構成要素を備える、実質的に円筒状、長円形または楕円形の断面の円筒状の要素を意味する。
【0011】
本発明による「エアロゾル発生物品」は、その中でたばこ材料などのアルカロイドを含有する材料が燃焼されるのではなく加熱されてエアロゾルを形成する物品の形態であってもよい。エアロゾル発生物品は、アルカロイドを含有するエアロゾルが、燃焼または加熱することなく、例えばたばこ抽出物、または他のニコチン源からのアルカロイドを含有する材料から発生される物品である。本発明によるエアロゾル発生物品は、全体に、組み立てられたエアロゾル形成物品であってもよい。本発明によるエアロゾル発生物品は、エアロゾルを生成するための組み立てられた物品を提供するために一つ以上の他の構成要素と組み合わされる、エアロゾル発生物品の構成要素であってもよい。一例は、加熱式喫煙装置の消耗品部品である。
【0012】
「アルカロイドを含有する材料」は、一つ以上のアルカロイドを含有する材料である。アルカロイドはニコチンを含んでもよい。ニコチンは、例えばたばこの中に見いだされうる。
【0013】
アルカロイドは、塩基性の窒素原子を主に含有する天然の化合物の群である。この群はまた、中性特性を有する一部の関連する化合物、および弱酸性特性を有する一部の関連する化合物さえも含む。類似の構造の一部の合成化合物もアルカロイドと呼ばれる。炭素、水素、窒素に加えて、アルカロイドはまた、酸素、硫黄、より稀には塩素、臭素、リンなどの他の元素も含有する場合がある。
【0014】
アルカロイドは植物を含む多種多様な生物体によって生成されている。アルカロイドは酸塩基抽出によって、これらの生物体の粗抽出物から精製することができる。カフェイン、ニコチン、テオブロミン、アトロピン、ツボクラリンはアルカロイドの例である。
【0015】
本明細書で使用される「均質化したたばこ材料」という用語は、アルカロイドニコチンを含有する、粒子状たばこを凝集することによって形成された材料を意味する。それ故に、アルカロイドを含有する材料は、均質化したたばこ材料とすることができる。
【0016】
均質化したたばこ材料の最も一般的に使用される形態は、再構成たばこシートおよびキャストリーフである。均質化したたばこ材料シートを形成するプロセスは一般的に、たばこ粉末と結合剤を混合してスラリーを形成する工程を含む。その後、たばこウェブを作り出すためにスラリーが使用される。例えば、粘性のあるスラリーを、移動する金属ベルト上にキャストすることによって、いわゆるキャストリーフを製造する。別の方法として、再構成たばこを作り出すために、粘度が低くかつ含水量が高いスラリーを、製紙と似たプロセスで使用することができる。
【0017】
シートを作製する他の形態も可能である。
【0018】
均質化したたばこ材料のシートは、たばこ組成物を形成するために、粒子状たばこ(例えば、再構成されたたばこ)またはたばこ粒子状ブレンド、湿潤剤、および水性溶剤を使用して形成され得る。
【0019】
均質化したたばこシートは、たばこの他に、結合剤を含んでもよい。均質化したたばこシートは、グアーおよびグリセリンなどのエアロゾル形成体を含んでもよい。
【0020】
本明細書で使用される「捲縮したシート」という用語は、複数の波形を有するシートを意味する。「捲縮」という用語は、材料のシート上の複数の波形の形成プロセスを意味する。材料シートは、構造化された表面の生成に関する、本質的に平坦な材料シート、または以前に加工されていない材料シートであることが好ましい。しかしながら、既に波形を含むシートの捲縮も想定され得る。シート上の波形は、捲縮ローラーによって形成され得る。捲縮ローラーは、その表面上に波形を含み得る。
【0021】
本明細書で使用される「波形」という用語は、波形フランクによって結合された交互のピークとトラフから形成された複数の隆起を意味する。これには、矩形波プロファイル、正弦波プロファイル、三角波プロファイル、鋸歯状波プロファイル、またはこれらの任意の組み合わせを有する波形が挙げられるが、これらに限定されない。波形は、捲縮ローラーなどのローラー上、またはシート上に画定され得る。ローラー上の波形は、ローラーの外表面に形成された複数の隆起を意味する。シート上の波形は、シートを、シート自体を伸展することなく平面上に置いたときの複数の隆起を指す。
【0022】
本明細書で使用される「実質的に噛み合う」という用語は、第一の捲縮ローラーおよび第二の捲縮ローラーによって形成される一対のローラーに言及する場合、第一の捲縮ローラーおよび第二の捲縮ローラーの波形が少なくとも部分的にかみ合うことを示す。これには、ローラーの一方または両方の波形が対称的または非対称的な配設が含まれる。捲縮ローラーの波形は、実質的に整列されてもよく、または少なくとも部分的にオフセットされてもよい。第一の捲縮ローラーまたは第二の捲縮ローラーの一つ以上の波形のピークは、第一の捲縮ローラーおよび第二の捲縮ローラーの他方の単一の波形のトラフと交互配置され得る。第一の捲縮ローラーおよび第二の捲縮ローラーの一方の実質的にすべての波形のトラフが各々、第一の捲縮ローラーおよび第二の捲縮ローラーの他方の単一の波形のピークを部分的に受容するように、第一の捲縮ローラーおよび第二の捲縮ローラーの波形が交互配置されることが好ましい。
【0023】
「捲縮ローラー」は、シートを捲縮するために使用されるローラーである。捲縮ローラーは、外表面および回転軸を画定する。外表面は、複数の波形を含む。波形は、外表面の周りに半径方向に延びることが好ましい。波形は、捲縮ローラーの表面上の円周を画定することが好ましい。本明細書で使用される「捲縮ローラーの直径」とは、捲縮ローラーの回転軸に対して直角を成す平面に沿った断面によって画定される直径の中で最大の直径と考えられる。
【0024】
本明細書で使用される「第一の回転軸を有する第一の捲縮ローラーと第二の回転軸を有する第二の捲縮ローラーとの間の距離」とは、それらのそれぞれの第一の回転軸と第二の回転軸との間の距離を指す。
【0025】
本明細書で使用される「長軸方向」という用語は、シートの長さに沿って、またはそれと平行に延びる方向を指す。
【0026】
本明細書で使用される「幅」という用語は、加工中のシートの搬送方向に対して直角を成す方向を指す。
【0027】
本明細書で使用される波形の「ピッチ値」という用語は、特定の波形のピークのいずれかの側におけるトラフ間、または二つの隣接する波形の二つの隣接するピーク間、のいずれかの横方向距離を指す。シート上の波形の場合、ピッチ値は、シートを、シート自体を伸展することなく平面上に置いた構成で計算される。
【0028】
本明細書で使用される波形の「振幅値」という用語は、そのピークから最も深い直接隣接したトラフの最も深い地点までの波形の高さを指す。例えば、ローラーにおける波形の場合、波形の振幅は、半径方向に沿って測定されてもよい。半径方向は、ローラーの回転軸とピークまたはトラフを接続する半径に沿った方向である。半径は、回転軸に対して直角を成す。トラフの高さは、回転軸とトラフの最も深い地点との間の半径方向に沿った距離として測定される。ピークの高さは、回転軸とピークの最も高い地点との間の半径方向に沿った距離として測定される。したがって、「振幅値」は、ピークの高さとトラフの高さとの間の差である。シート内の波形の場合、振幅値は、シートを、シート自体を伸展することなく平面上に置いた構成で計算される。シート波形の振幅は、第一の平面と第二の平面との間の距離として計算され、第一の平面は、第二の平面と平行である。第一の平面は、波形のピークと接触し、第二の平面は、ピークに隣接するトラフの最も深い地点と接触している。
【0029】
波形がシート上に形成される場合、隆起は互いに平行であってもよい。隆起は、捲縮中にシートが搬送される方向に平行であってもよい。隆起は、捲縮中にシートが搬送される方向と0度~45度の角度を形成し得る。
【0030】
本明細書で使用される「フランク角度」という用語は、特定の波形の波形フランク間の角度を指す。 フランク角度は、すべての波形について同じであってもよい。さらに、一つ以上の波形は、半径方向を中心に非対称であってもよい。
【0031】
本明細書で使用される「ニップ」という用語は、一対の捲縮ローラーを形成する、第一の捲縮ローラーと第二の捲縮ローラーとの間に存在するギャップを指す。捲縮されるシートは、動作中にニップを通過する。第一の捲縮ローラーおよび第二の捲縮ローラーは、第一の回転軸および第二の回転軸をそれぞれ画定する。さらに、第一の捲縮ローラーは第一の外表面を画定し、第二の捲縮ローラーは第二の外表面を画定する。ニップは、ニップサイズを画定する。ニップのサイズは、第一の回転軸または第二の回転軸に対して直角を成す平面に沿った第一および第二の捲縮ローラーの各断面に対して画定される。各断面において、ニップサイズは、第一の捲縮ローラーと第二の捲縮ローラーとの間の所与の相対位置に対する、第一の外表面と第二の外表面との間の最小のユークリッド距離である。ニップは、第一の捲縮ローラーおよび第二の捲縮ローラーの相対回転中にサイズが変化し得る。第一の捲縮ローラーおよび第二の捲縮ローラーの両方の表面が、第一の回転軸および第二の回転軸を中心とした回転に対して回転不変である場合、ニップサイズは一定であってもよく、または変化してもよい。さらに、ニップサイズは、ローラーの幅に沿って一定であってもよく、または変化してもよい。各断面に対して、二つのニップサイズがあることが好ましい。ニップサイズはまた、ローラーの幅に沿って変化し得る。捲縮ローラーの回転軸に沿った二つの異なる位置で取られた二つの断面は、異なるニップサイズを示し得る。
【0032】
各断面のニップサイズは、一定であることが好ましい。ニップサイズは、断面のすべての間で一定であることが好ましい。一定のニップサイズにより、シートの幅にわたって材料の一定の加工を得ることが可能になる。
【0033】
しかしながら、本発明はまた、シート材料における一定の捲縮プロファイルが、ニップサイズがローラーの中心に向かってわずかに大きいことを必要とするように、ローラーが使用中にわずかに曲がり得ることも企図している。
【0034】
「粘着性」という用語は、シートの接着特性または凝集特性について言及する。接着とは、異種の粒子または表面が互いに付着する傾向であり、凝集とは、類似または同一の粒子または表面が互いに付着する傾向を指す。シートの粘着性は、測定装置とローラーから巻き出されたシートとの間の距離を測定するように適合されたLIDAR(レーザー画像検出と測距)を使用して測定され得る。LIDARは、シートの巻き出された部分に面するように位置付けられる。シートの巻き出された部分はローラーから直ちに取り外されるため、「粘着性ではない」シートはLIDARに最も近い距離を有する。LIDARとシートの巻き出された部分との間の距離は、粘着性が増大すると増大する。
【0035】
以下において、「上流」または「下流」という用語は、シートの移動または搬送方向を言及する。
【0036】
本明細書で使用される、シートに言及される「集合した」または「集合する」という用語は、シートがロッド形態へと巻き込まれ、またはシートの搬送方向に実質的に対して横断方向に圧縮または収縮することを指す。
【0037】
本明細書で使用される「水平」および「垂直」という用語はそれらの標準的な意味を有する。
【0038】
以下の特性、すなわち、所与の厚さ、水分、組成、および幅を有するシートが本発明の装置内に提供される。上記の特性は、シートの「捲縮前特性」として包括的に呼ばれる。捲縮前特性は、シート内で実質的に均一であってもよく、またはシートの異なる位置において変化してもよい。シートの厚さ、水分、組成、および幅は、所与の範囲内、各特性の範囲内に含まれ得る。
【0039】
シートは、二つの対向する表面を画定し、対向する表面は、シートの対向する側面を画定する。
【0040】
シートは、ボビンを巻き出すことによって提供されることが好ましい。
【0041】
シートの捲縮前特性の少なくとも一つが得られる。得られる捲縮前特性の一つは、シートの厚さであってもよい。得られる捲縮前特性の一つは、シートの水分であってもよい。得られる捲縮前特性の一つは、シートの幅であってもよい。得られる捲縮前特性の一つは、シートの組成であってもよい。
【0042】
組成は、シートの成分などのシートの化学的組成を指し得る。例えば、組成は、シートのブレンドを含み得る。シートのブレンドは、シートがアルカロイドを含有する材料シートである場合に適用可能である。この場合、シートは、予め決定されたブレンドを得るために、アルカロイドを含有する材料をブレンドして作製される。アルカロイドを含有する材料は、たばこ材料であり得る。複数のたばこタイプが一緒にブレンドされることが好ましい。例えば、少なくとも二つの異なるたばこタイプが一緒にブレンドされる。「たばこタイプ」という用語は、たばこの異なる品種のうちの一つを意味する。本発明に関して、これらの異なるたばこタイプは、ブライトたばこ、ダークたばこ、アロマティックたばこの三つの主な群に区別される。これらの三つの群の間の区別は、たばこがたばこ製品において、さらに加工される前に受けるキュアリングプロセスに基づく。
【0043】
ブライトたばこは、概して大きく明るい色の葉を有するたばこである。本明細書を通して、「ブライトたばこ」という用語はフルーキュアリングされたたばこに対して使用される。ブライトたばこの例としては、中国産のフルキュアたばこ、フルキュアブラジルたばこ、米国産のフルキュアたばこ(バージニアたばこなど)、インド産のフルキュアたばこ、タンザニア産のフルキュアたばこ、または他のアフリカ産のフルキュアたばこが挙げられる。ブライトたばこは、糖対窒素の比が高いことによって特徴付けられる。感覚的な見方からは、ブライトたばこはキュアリング後に、スパイスが効いていて活気のある感覚を伴うたばこタイプである。本発明によると、ブライトたばこは、葉の乾燥重量基準で約2.5パーセント~約20パーセントの還元糖の含有量を有する、かつ葉の乾燥重量基準で約0.12パーセント未満の総アンモニア含有量を有するたばこである。還元糖は、例えばグルコースまたはフルクトースを含む。総アンモニアは、例えばアンモニアおよびアンモニア塩を含む。
【0044】
ダークたばこは、概して大きく暗い色の葉を有するたばこである。本明細書を通して、「ダークたばこ」という用語はエアキュアリングしたたばこに対して使用される。追加的に、ダークたばこは発酵していてもよい。主に噛みたばこ、嗅ぎたばこ、葉巻たばこ、パイプブレンド用に使用されるたばこも、この範疇に含まれる。感覚的な見方からは、ダークたばこは、キュアリング後、スモーキーでダークシガータイプの感覚を伴うたばこタイプである。ダークたばこは糖対窒素の比が低いことによって特徴付けられる。ダークたばこの例は、バーレーマラウイまたは他のアフリカンバーレー、ダークキュアブラジルガルパオ、サンキュアまたはエアキュアインドネシアカストリ(Kasturi)である。本発明によると、ダークたばこは、還元糖の含有量が葉の乾燥重量基準で約5パーセント未満、かつ総アンモニア含有量が葉の乾燥重量基準で約0.5パーセント以下であるたばこである。
【0045】
アロマティックたばこは、しばしば小さい明るい色の葉を有するたばこである。本明細書を通して、「アロマティックたばこ」という用語は、芳香成分含有量、例えば精油の含有量が高い他のたばこに対して使用される。感覚的な見方からは、アロマティックたばこは、キュアリング後、スパイスが効いていて芳しい感覚を伴うたばこタイプである。アロマティックたばこの例には、グリークオリエント、オリエンタルトルコ、セミオリエントたばこがあるが、ファイアキュアード、ペリクなどのUSバーレー、ルスティカ、USバーレー、またはメリーランドもある。
【0046】
追加的に、ブレンドは、いわゆるフィラーたばこも含んでもよい。フィラーたばこは特定のたばこのタイプではないが、ブレンドで使用されるその他のたばこタイプを補完するために主に使用される、かつ最終製品に特定の特徴的な芳香の方向性をもたらさないたばこタイプを含む。フィラーたばこの例は、他のたばこタイプの茎、中肋、または葉柄である。具体的な一例は、フルーキュアリングされたブラジル産の葉柄下部のフルーキュアリングされた茎であってもよい。
【0047】
たばこ葉は、たばこの各タイプ内でさらに等級分けされ、例えば原産地、タバコ植物での葉の位置、色、表面性状、サイズ、形状に関して等級分けされる。たばこ葉のこれらの特徴および他の特徴は、たばこブレンドを形成するために使用される。たばこのブレンドは、同じタイプまたは異なるタイプに属するたばこの混合物であり、これによってたばこブレンドは凝集した特定の特徴を有する。この特徴は、例えば加熱または燃焼された時、独特の味わいまたは特定のエアロゾルの組成である可能性がある。ブレンドは、一方と他方の所与の比率の特定のたばこタイプおよび等級を含む。
【0048】
本発明によると、同じたばこタイプ内の異なる等級は、各ブレンド構成要素のばらつきを低減するためにクロスブレンドされてもよい。本発明によると、特定の所定の特徴を有する望ましいブレンドを実現するために異なるたばこ等級が選択される。例えば、ブレンドは、均質化したたばこ材料の乾燥重量基準あたりの還元糖、総アンモニア、総アルカロイドの標的値を有してもよい。総アルカロイドは、例えばニコチンおよび一般的でないアルカロイド(ノルニコチン、アナタビン、アナバシン、ミオスミンを含む)である。
【0049】
例えば、ブライトたばこは、等級Aのたばこ、等級Bのたばこ、および等級Cのたばこを含んでもよい。等級Aのブライトたばこは、等級Bのブライトたばこおよび等級Cのブライトたばことはわずかに異なる化学的特性を有する。アロマティックたばこは、等級Dのたばこおよび等級Eのたばこを含み、等級Dのアロマティックたばこは、等級Eのアロマティックたばことはわずかに異なる化学的特性を有する。例証のために記すと、たばこブレンドの可能な標的値は、例えば乾燥重量基準で総たばこブレンドの約10パーセントの還元糖の含有量とすることができる。選択した標的値を達成するために、70パーセントのブライトたばこと30パーセントのアロマティックたばこを、たばこブレンドを形成するために選択してもよい。ブライトたばこの70パーセントは、等級Aのたばこ、等級Bのたばこ、および等級Cのたばこの中から選択され、アロマティックたばこの30パーセントは、等級Dのたばこ、および等級Eのたばこの中から選択される。ブレンドの中に含まれる等級A、B、C、D、Eのたばこの量は、たばこブレンドの標的値を満たすように、等級A、B、C、D、Eのたばこの各々の化学的組成に依存する。
【0050】
様々なたばこタイプは異なる化学的特性を有する。たばこ葉の中には300を超える化学成分が存在すると考えられる。同じたばこタイプの中でも、異なる等級では化学的組成が異なる場合もある。たばこの化学成分は、遺伝子、農作業、土壌のタイプおよび栄養素、気象条件、植物の病気、葉柄の位置、収穫、およびキュアリング手順の影響を受ける場合がある。
【0051】
得られる捲縮前特性の一つは、例えば、適切なセンサーを使用して測定され得る。センサーは、捲縮前特性をリアルタイムで測定することが好ましい、すなわち、シートの捲縮前特性は、シートの加工中に測定されることが好ましい。シートの捲縮前特性を測定することは、少なくとも所定の位置におけるシートの特性を測定すること、すなわち、少なくともシートの第一の部分の捲縮前特性を測定することを意味する。捲縮前特性の一つを測定するための任意のセンサーは、捲縮ローラーの上流に位置付けられることが好ましい。
【0052】
同じ捲縮前特性を測定するための一つ以上のセンサーを使用して、シートの捲縮前特性を測定することができる。シートの同じ捲縮前特性は、一つの位置またはより多くの位置において測定されてもよい。二つ以上の場所で測定される場合、各測定によりデータが生成され、データは収集される。異なる測定値から収集されたデータは、統計的に組み合わせられてもよい。同じ特性のすべての捲縮前測定値の平均を実施してもよい。
【0053】
厚さが測定される場合、厚さセンサーが使用されてもよい。
【0054】
厚さセンサーは、機械センサーを含み得る。厚さセンサーは、光学センサーを含み得る。厚さセンサーは、機械センサーおよび光学センサーを含んでもよい。
【0055】
水分が測定される場合、水分センサーが使用されてもよい。水分センサーは、坪量センサーを含み得る。
【0056】
幅が測定される場合、距離センサーが使用されてもよい。
【0057】
捲縮前特性は、データベースによって得られてもよい。本発明の方法は、データベースにアクセスし、データベースから、シートの捲縮前特性の一つに対するデータを取得することを含むことが好ましい。データベースは、捲縮前特性、すなわち、捲縮前のシートの厚さ、水分、組成、または幅のうちの一つ以上を含み得る。一つ以上の捲縮前特性に対するデータは、データベースが存在するアクセス可能なメモリ内に保存されてもよい。
【0058】
捲縮前特性は、ユーザーの入力によって得られてもよい。パネルまたは他の入力装置が提供されてもよく、ユーザー、例えば、オペレータは、シートの捲縮前特性の値を入力してもよい。さらに、捲縮前特性の一つに関連するデータは、例えば代表的なコードなど、シートで作製されたボビンに設けられたデータをスキャンして得ることができる。
【0059】
捲縮前特性は、遠隔信号によって得られてもよい。無線または有線のデータ伝送が、捲縮前特性を入力するために行われてもよい。
【0060】
シートの二つ以上の捲縮前特性が得られることが好ましい。シートの水分が得られることが好ましい。シートの厚さが得られることが好ましい。シートの水分および厚さが得られることが好ましい。
【0061】
シートは、搬送方向に沿って搬送される。搬送は、任意の適切な手段、例えば、ローラーを介して引っ張ることによって実施することができる。搬送は、約50メートル/分~約400メートル/分から成るシート速度で実施されることが好ましい。
【0062】
さらに、シートは捲縮される。捲縮は、第一の捲縮ローラーおよび第二の捲縮ローラーとして示される、一対の捲縮ローラーを使用して実施される。第一の捲縮ローラーおよび第二の捲縮ローラーは、一方が他方に隣接して位置付けられ、ニップが第一の捲縮ローラーと第二の捲縮ローラーとの間に形成される。第一の捲縮ローラーは、第一の回転軸および第一の外表面を画定する。第二の捲縮ローラーは、第二の回転軸および第二の外表面を画定する。第一の回転軸および第二の回転軸は、互いに平行であることが好ましい。第一の回転軸および第二の回転軸は、水平であることが好ましい。第一の捲縮ローラーおよび第二の捲縮ローラーは、シート全体が第一の捲縮ローラーと第二の捲縮ローラーとの間で捲縮され得るように、シートの幅以上の幅を有することが好ましい。第一の回転軸に対して直角を成す平面に沿った第一の外表面の断面は、円周であることが好ましい。第二の回転軸に対して直角を成す平面に沿った第二の外表面の断面は、円周であることが好ましい。第一の捲縮ローラーまたは第二の捲縮ローラーのうちの少なくとも一つは、波形を含む。波形は、第一の外表面上または第二の外表面上に形成されることが好ましい。波形は、第一の外表面と第二の外表面の両方に形成されることが好ましい。第一の捲縮ローラーまたは第二の捲縮ローラー上の、またはその両方上の波形は、シートが第一の捲縮ローラーと第二の捲縮ローラーとの間のニップの中に挿入されるときにシートと接触する。シート上の波形の作用に起因して、シートがニップを通過するときに、シート上に対応する波形が形成される。第一の捲縮ローラーおよび第二の捲縮ローラーの両方が波形を含む場合、第一の捲縮ローラーおよび第二の捲縮ローラーは、それらの波形の少なくとも一部が実質的に交互配置されるように設計および配設されてもよい。
【0063】
別の方法として、第一の捲縮ローラーおよび第二の捲縮ローラーのうちの一方のみが波形を含んでもよく、第一の捲縮ローラーおよび第二の捲縮ローラーの他方は、本質的に滑らかな外表面を有してもよい。この滑らかな外表面は円筒状であってもよい。
【0064】
あるいは、第一の捲縮ローラーおよび第二の捲縮ローラーの両方は、対応しないセクション内に波形を含んでもよい。第一の捲縮ローラーは、波形を有するセクションと、波形を有さないセクションとを含み得る。波形を有するセクションは、第一の外表面上の波形を有さないセクションに隣接していることが好ましい。第二の捲縮ローラーは、波形を有するセクションと、波形を有さないセクションとを含み得る。波形を有するセクションは、第二の外表面上の波形を有さないセクションに隣接していることが好ましい。こうした構成では、第一の捲縮ローラーおよび第二の捲縮ローラーが互いに面するとき、第一の捲縮ローラーの波形を有するセクションは、第二の捲縮ローラーの捲縮を有さないセクションと面する。第一の捲縮ローラーおよび第二の捲縮ローラーと接触する材料シートの各々の部分について、第一の捲縮ローラーおよび第二の捲縮ローラーのうちの一方のみが、材料シートのその部分の上に捲縮波形を形成する。
【0065】
第一の捲縮ローラー上、または第二の捲縮ローラー上の波形は、すべて同じピッチを有することが好ましい。波形が第一の捲縮ローラーおよび第二の捲縮ローラーの両方に存在する場合、それらはすべて同じピッチを有することがより好ましい。さらに、第一の捲縮ローラーまたは第二の捲縮ローラーにおけるすべての波形は、同じ振幅を有することが好ましい。
【0066】
第一の捲縮ローラーと第二の捲縮ローラーとの間のニップサイズは、約100マイクロメートル~約300マイクロメートルから成ることが好ましい。ニップサイズが小さすぎる、すなわち、100マイクロメートルより小さいニップサイズは、シートを損傷する場合がある。大きすぎるニップサイズは、シートを適切にさらに加工するため、例えば、シートをロッドに集合するのに十分にシートを捲縮しない場合がある。
【0067】
第一の捲縮ローラー、または第二の捲縮ローラーのいずれか、またはその両方の隆起のピッチは、200マイクロメートル~1500マイクロメートルから成ることが好ましい。ピッチは、800マイクロメートル~1200マイクロメートルから成ることがより好ましい。
【0068】
本発明で使用することができる捲縮ローラーの一実施形態は、同じ出願人による国際公開第2018/189325号に記載される。第一の捲縮ローラーまたは第二の捲縮ローラーにおけるすべての波形は、同じフランク角度を有することが好ましい。第一の捲縮ローラーまたは第二の捲縮ローラーにおけるすべての波形は、同じ振幅を有することが好ましい。第一の捲縮ローラーまたは第二の捲縮ローラーにおけるすべての波形は、同じピッチを有することが好ましい。
【0069】
第一の捲縮ローラーまたは第二の捲縮ローラーにおける波形は、約0.1ミリメートル~約1.5ミリメートルから成る振幅を有し得る。
【0070】
第一の捲縮ローラーと第二の捲縮ローラーとの間のニップは、所与のニップサイズを有する。ニップサイズは、第一の回転軸または第二の回転軸に対して直角を成す平面に沿って取られた所与の断面に対して、第一の捲縮ローラーおよび第二の捲縮ローラーの回転中に変化することが好ましい。ニップサイズは、第一の値と第二の値との間のステップ関数であることが好ましい。第一の値と第二の値との間の「ジャンプ」の前後で、ニップサイズは、一定であることが好ましい。
【0071】
ニップサイズは、とりわけ、第一の捲縮ローラーと第二の捲縮ローラーとの間の距離によって、および第一の捲縮ローラーと第二の捲縮ローラーの直径によって判定される。
【0072】
捲縮プロセス中、シートは、第一の捲縮ローラーと第二の捲縮ローラーとの間に形成されるニップを通過する。第一の捲縮ローラーおよび第二の捲縮ローラーは、所与のパターンを有するシート材料上に捲縮波形を形成する。シート上の波形は、第一の捲縮ローラーおよび第二の捲縮ローラー上の波形のパターンによって決定されるパターンを有する。シート上の波形はまた、ピッチおよび振幅を画定する。シート上の波形の振幅およびピッチは、シートの可撓性および弾性に起因して、第一の捲縮ローラーまたは第二の捲縮ローラー上の波形の振幅およびピッチとは異なる場合がある。
【0073】
ニップサイズは、例えば、第一のアクチュエータによって変化させることができる。第一のアクチュエータは、第一の捲縮ローラーと第二の捲縮ローラーとの間の距離を変化させることによって、ニップサイズを変化させ得る。例えば、リニアドライブが存在してもよい。リニアドライブは、第一の捲縮ローラー、または第二の捲縮ローラー、またはその両方の回転軸の位置を変化させ得る。傍心機構は回転してもよく、回転運動において、第一の捲縮ローラー、または第二の捲縮ローラー、またはその両方の回転軸の位置を変化させ得る。ニップサイズの変動は、ニップサイズ±50マイクロメートルの範囲内であってもよい。ニップサイズは、元のニップサイズの20パーセント~50パーセント、なおより好ましくは20パーセント~30パーセントで変化してもよい。
【0074】
第一の捲縮ローラーおよび第二の捲縮ローラーの搬送方向の下流において、シートの特性が評価される、例えば、シート上に形成された波形の特性が評価される。この目的のために、装置は、捲縮ローラーによってシート内に形成される波形の特性の一つを検出するためのセンサーを備えてもよい。センサーは、光学センサー、例えば、赤外線またはレーザーセンサーであってもよい。光学センサーは、シートの一方の側面上に光エミッタ、およびシートの他方の側面上に光レシーバを含み得る。光学センサーは、レーザープロファイラを含んでもよい。
【0075】
シートの「捲縮後特性」とは、少なくとも捲縮後のシートの特性を意味する。捲縮後特性は、シート上に形成された波形の特性であってもよい。波形より多くの特性を評価することも可能である。波形の特性とは、捲縮ローラーによってシート上に形成されるパターンの任意の特性を意味する。特性は、例えば、シート上に形成される波形の数、シート上に形成される波形のピッチ、シート上に形成される波形の振幅、シート上に形成される波形のフランク角度、シート上に形成される波形の安定性、および他のものであってもよい。シート上の波形は、とりわけ、ピッチ、振幅、フランク角度、および他の幾何学的パラメータを画定する所与の幾何学的パターンを有する。「波形の安定性」とは、これらの幾何学的特性の経時的安定性を意味する、すなわち、ある特性は、ある時間後にその値が実質的に変化しないかまたある時間間隔内で変化する場合、安定である。捲縮後特性は、捲縮したシートを集合して形成されたロッドの直径であってもよい。ロッドの直径は、捲縮の深さ、すなわち、シート上に形成された波形の振幅などのシートの特性に依存する。捲縮後特性は、捲縮したシートを集合することによって得られる形成されたロッドの引き出し抵抗であってもよい。他の要因の中でも特に、引き出し抵抗は、シート内に形成された、ロッド内に「空気チャネル」を形成する波形に依存する。
【0076】
シートの捲縮後特性の評価は、シートが捲縮された後に実施される。シートの捲縮後特性の評価は、少なくともある位置におけるシートの捲縮後特性を評価することを意味する。
【0077】
シートの捲縮後特性の評価は、リアルタイムで実施されることが好ましい。捲縮後特性は、異なる時点において評価されることが好ましい。捲縮後特性の評価は、シートが移動する間に所与の頻度でチェックされることが好ましい。統計量は、異なる時点における同じ捲縮後特性のすべての評価に基づいて計算され得る。
【0078】
シートの捲縮後特性を評価することは、シートの捲縮後特性を測定することを含むことが好ましい。シートの捲縮後特性を評価することは、シート上に形成された波形の特性を評価することを含むことがより好ましい。シート上に形成された波形の特性を評価することは、波形の特性を測定することを含むことが好ましい。波形の特性を測定することは、センサーによって波形の特性を測定することを含むことがより好ましい。
【0079】
一つのセンサーを使用して、捲縮したシートの捲縮後特性を測定し得る。いくつかのセンサーを使用して、捲縮したシートの捲縮後特性を測定してもよい。
【0080】
シートの捲縮後特性は、捲縮したシートの一つの位置において評価されてもよい。シートの捲縮後特性は、捲縮したシートのいくつかの位置において評価されてもよい。複数の場所において評価される場合、各判定によりデータが生成され、データは収集される。異なる判定から収集されたデータは、統計的に組み合わせられてもよく、例えば、統計量は、シート上の異なる場所における同じ捲縮後特性のすべての判定に基づいて計算され得る。シートの同じ捲縮後特性のすべての判定の平均が実施され得る。
【0081】
シートの捲縮後特性の評価は、ニップサイズを適合させるために使用される。シートの捲縮後特性の値に応じて、ニップサイズが最適ではないと判定される場合がある。ニップサイズが最適であるかどうかの判定はまた、得られるシートの捲縮前特性の一つにも依存する。得られる捲縮前特性の一つの各値に対して、シートの捲縮後特性の所与の値が期待され得る。したがって、シートの捲縮後特性のこの期待値は、シートの捲縮前特性に依存する。シートの捲縮後特性の評価値が期待値と異なる場合、ニップサイズを変化させることが好ましい。「期待値」は、期待値の範囲も意味する。
【0082】
例えば、所与の得られる捲縮前のシート厚さに対して、特定のニップサイズが一次的に設定される。しかしながら、捲縮後のシートの捲縮後特性を評価した後、シートの捲縮後特性値、例えば、シート上の波形の特性が所望の範囲外であるため、一次的に設定されたニップサイズが最適ではないと分かる場合がある。したがって、本発明によれば、ニップサイズは、捲縮前の厚さに基づく一次的な設定後に、シートの評価された捲縮後特性に基づいて調整される。
【0083】
得られる捲縮前特性の一つに基づいて、およびシートの評価された捲縮後特性に基づいて、ニップサイズを変化させる工程は、以下のうちの一つを含み得る。捲縮前特性および捲縮後特性の両方に基づく単一の変動工程を実施してもよい。二つのサブ工程で行われる変動工程は、変動が捲縮前特性に基づいて行われる第一のサブ工程、および変動が捲縮後特性に基づいて行われる第二のサブ工程で実施され得る。第一のサブ工程および第二のサブ工程は、逆転させてもよい、すなわち、変動が捲縮後特性に基づいて行われる第一のサブ工程、および変動が捲縮前特性に基づいて行われる第二のサブ工程が実施されてもよい。
【0084】
捲縮したシートは、エアロゾル発生物品で使用されることが好ましい。捲縮したシートは、エアロゾル発生物品の構成要素の形成に使用されることが好ましい。
【0085】
捲縮プロセスは、捲縮ローラーの間でプレスされるシートを形成する材料に関連して様々な効果を生成する。
【0086】
効果の第一の範囲は、例えば、材料の捲縮したシートは、捲縮されていないシートよりもロッドへとより簡単に圧縮され得るという事実など、後続の製造プロセス中に生じる。さらに、より予測可能な結果が得られる。
【0087】
材料の捲縮したシートがロッドへと圧縮され、かつエアロゾル発生物品に追加されると、効果の第二の範囲は捲縮に関する(ユーザーの喫煙の体験など)。より具体的には、捲縮プロセスは、エアロゾル発生物品を透過する空気と、材料の捲縮したシートとの間の接触、および引き出し抵抗(RTD)に影響を与える。
【0088】
しかしながら、非最適または準最適な捲縮プロセスは、材料の捲縮したウェブを過度に弱くする場合がある。非最適または準最適なプロセスは、材料の捲縮したシートからロッド内の透過空気への物質の放出を妨げ、ならびにRTD値に悪影響を与え得る。
【0089】
正しいニップサイズは、シートの正しい捲縮に関連する。ニップサイズは、他のパラメータの中でも特に、捲縮したシートが正しい「捲縮レベル」を有するかどうかに関係し得る。シートの後続の加工工程では、正しい「捲縮レベル」が重要である。例えば、正しい量の捲縮により、シートが、破損することなくロッド形態へと集合されるのに十分に「折り畳み可能」となり得る。正しい捲縮レベルによって、「折り畳み可能な」シートが構造的損傷を含むことが回避され得る。例えば、シートを巻くとき、後者が正しい捲縮レベルよりも小さく捲縮される場合、シートを形成する材料は、ロッドへと集合されてラッパー内に包まれた後に、ラッパーに抵抗し得る膨張力を示し得る。これは、シートがロッドを適切に形成することを妨げる。さらに、低い捲縮レベルはまた、シートを曲げる能力に影響を与え得る。一方で、シートが正しい捲縮レベルよりも多く捲縮される場合、シートは構造的損傷を呈する場合がある。シートを形成する材料の小さな部分が、形成されたロッドから取り外されてもよい。小さな部分は、エアロゾル発生物品の内部を移動し得る。小さな部分はまた、ロッドを加工する機械内を移動し得る。これにより、機械クリーニングのダウンタイムが増加する可能性がある。したがって、正しい捲縮レベルは、シートの折り畳み特性と損傷の不在または最小化との間のバランスである。
【0090】
正しい捲縮レベルは、シートの捲縮後特性に関連する。正しい捲縮レベルは、捲縮プロセスによって形成された波形によって引き起こされるシートの特性に関連することが好ましい。正しい捲縮レベルは、シート上の波形の特性に関連し得る。例えば、捲縮レベルは、捲縮ローラーによってシート上に形成された波形の振幅を評価して判定される。捲縮後に評価される波形の特性は、少なくともシート上に形成された波形の振幅であることが好ましい。
【0091】
したがって、捲縮プロセスのフィードバックループ制御システムは、本発明に従って、捲縮プロセスの前および捲縮プロセスの後に、シートの特性に関連するデータを受信して実施されることが好ましい。例えば、フィードバックループ制御システムは、第一の捲縮ローラーおよび第二の捲縮ローラーの上流および下流に位置するセンサーを含み得る。フィードバックループシステムは、第一のアクチュエータに命令するために第一のアクチュエータに接続されることが好ましい。フィードバックループ制御システムは、プロセス中に常に最適化され得るように、ニップサイズを調整する能力を有する。
【0092】
例えば、得られる捲縮前特性各々に対して、経験的データにより、所与の捲縮後特性が期待される。捲縮後特性の値の範囲が期待され得る。ルックアップテーブルまたはデータベースは、所与の捲縮前特性に対して、捲縮後特性の期待値が取得されるように形成され得る。こうした捲縮後特性の期待値の範囲が取得され得る。経験的データより、捲縮後特性の期待値または値の範囲から、ニップサイズ値が関連付けられることが好ましい。次いで、第一の捲縮ローラーおよび第二の捲縮ローラーは、関連するニップサイズがそれらの間に存在するように配設される。次いで、シートは、関連するニップサイズを使用して捲縮される。期待される捲縮後特性が次いで評価される。評価された捲縮後特性が期待されるものと異なる場合、ニップサイズを変化させる。これはまた、入力としてのいくつかの捲縮前特性にも当てはまり、選択された複数の捲縮前特性に対して、所与の捲縮後特性がまず取得され、次いで評価されるように、多次元テーブルが存在してもよい。
【0093】
捲縮後特性は、シート上に形成された波形の振幅であってもよい。したがって、捲縮前のシートの所与の厚さまたは水分に対して、データベース内で、波形の振幅の対応する期待値が取得される。経験的データから、期待される振幅値は、関連するニップサイズを用いて得られることが公知である。関連するニップサイズが設定され、シートが捲縮される。次いで、シート上に形成された波形の振幅が測定される。測定された振幅値が、期待値から「大き過ぎる」場合、すなわち、期待される振幅値と測定された振幅値との間の差が、絶対値で所与の閾値を上回る場合、ニップサイズを変化させる。
【0094】
方法は、捲縮中にニップサイズを変化させることを含むことが好ましい。捲縮ローラーの上流および下流で行われる評価は、製造プロセス中に特定の頻度で行われることが好ましい場合がある。例えば、評価は、1分当たり数回行われてもよい。評価は、1分~30分の間に一回行われてもよい。評価は、1分~15分毎に行われることが好ましい。捲縮前および捲縮後のデータは、連続的に収集されて評価されることが好ましい。ニップサイズは、製造プロセスを停止する必要なく、シートを捲縮する間に変化し得る。プロセスは、変化する周囲条件に適合され得る。プロセスは、シートの捲縮前特性の変化に適合され得る。
【0095】
シートはアルカロイドを含有する材料シートであることが好ましい。シートはプラスチックシートであることが好ましい。捲縮方法または装置は、アルカロイドを含有する材料のシート、例えば、均質化したたばこシートに使用されてもよく、シートは「粘着性」であり、比較的脆弱である。捲縮方法または装置は、弾性であるポリ乳酸(PLA)シートなどのプラスチックシートに使用され得る。
【0096】
シートは、機械的特性、粘着性、温度を有することが好ましい。方法は、シートの一つの追加の捲縮前特性を判定することを含むことが好ましい。シートの追加の捲縮前特性は、シートの機械的特性であり得る。「機械的特性」は、引張強さ、弾性率、弾性限界、最大伸長、硬度、溶融温度、ガラス転移、およびその他のうちの一つ以上を含み得る。シートの追加の捲縮前特性は、シートの温度であり得る。シートの追加の捲縮前特性は、シートの粘着性であり得る。方法は、判定された追加のシートの捲縮前特性の一つに基づいて、ニップサイズを変化させることを含み得る。方法は、シートの機械的特性に基づいて、ニップサイズを変化させることを含み得る。方法は、シートの温度に基づいて、ニップサイズを変化させることを含み得る。方法は、シートの粘着性に基づいて、ニップサイズを変化させることを含み得る。方法は、追加の捲縮前特性の中からの二つのパラメータの組み合わせに基づいて、ニップサイズを変化させることを含み得る。方法は、追加の捲縮前特性の中からの三つのパラメータの組み合わせに基づいて、ニップサイズを変化させることを含み得る。「シートの機械的特性、粘着性、温度」は、シートの追加の捲縮前特性と総称される。さらに、シートの他のパラメータが、列挙されたものに加えて、またはそれらに置換して判定されてもよい。これらのさらなるパラメータは、ニップサイズを変化させるための基礎として、本発明の方法において使用され得る。
【0097】
当然のことながら、シートは、所与の場所において追加の捲縮前特性を有する。これは、シートが、判定のために考慮されるシートの場所に応じて、異なる追加の捲縮前特性を有し得ることを意味する。例えば、シートの異なる部分は、異なる粘着性、温度、機械的特性を有してもよい。追加の捲縮前特性の少なくとも一つは、シートの所与の場所において判定されることが好ましい。判定は、例えば、適切なセンサーを使用して行われる。判定は、測定によって行われてもよい。別の方法として、捲縮前特性の一つは、ユーザーによって入力されてもよい。あるいは、シートの追加の捲縮前特性の一つは、メモリから取得されてもよい。例えば、シートの機械的特性は、以前のプロセス工程から既に公知であって、機械的特性に対するデータが取得されてもよい。この場合、測定は不要である。追加の捲縮前特性は、シートによって形成されるボビン上に位置付けられたバーコードをスキャンして読み取られてもよい。
【0098】
単一の追加の捲縮前特性を判定してもよい。複数の追加の捲縮前特性を判定してもよい。測定された追加の捲縮前特性、または判定された(例えば、ユーザーによって入力されたか、またはメモリ内で取得された)捲縮前特性の組み合わせは、ニップサイズを変化させるための基礎として使用され得る。判定された追加の捲縮前特性のタイプおよび数は、利用可能なセンサーのタイプおよび数に依存し得る。さらに、同じ追加の捲縮前特性に対して、単一の判定が行われてもよい。同じ追加の捲縮前特性に対して、複数の判定が行われてもよい。最終判定は、行われたすべての判定の統計的な組み合わせであってもよい。統計的な組み合わせは、同じ追加の捲縮前特性の判定の平均(平均値)を含み得る。ニップサイズは、これらの追加の捲縮前特性判定のうちの一つ以上に基づいて変化し得る。ニップサイズがシートに対して有する効果は、上述の追加の捲縮前特性に関連し得る。例えば、ニップサイズは、その機械的特性、粘着性、組成、温度または他のパラメータなど、捲縮される材料の特性に応じて異なる「捲縮効果」を有し得る。したがって、これらの追加の捲縮前特性はまた、最適なニップサイズの判定に関連し得る。さらに、追加の捲縮前特性は、プロセス条件に応じて変化し得、例えば、追加の捲縮前特性は、シートが位置する環境の温度または湿度に応じて変化し得る。追加の捲縮前特性は、捲縮プロセス中に変化し得るため、一つ以上の追加の捲縮前特性の関数としてのニップサイズの調整が好ましい。一例として、環境の温度または湿度は、シートの脆弱性を変化させ得、次いで、捲縮中のその挙動を変化させ得る。したがって、プロセス中の湿度または温度の変化は、最適な捲縮結果を維持するためにニップサイズの変化をトリガし得る。
【0099】
方法は、シートが捲縮中に位置する環境の周囲温度を測定することを含むことが好ましい。方法は、捲縮中にシートが位置する環境の周囲湿度を測定することを含むことが好ましい。方法は、シートを捲縮するための装置の一部分の装置温度を測定することを含むことが好ましい。方法は、周囲温度、または周囲湿度、または装置温度に基づいて、ニップサイズを変化させることを含むことが好ましい。以下において、「周囲温度、周囲湿度、装置温度」は、周囲パラメータと総称される。他のパラメータが「周囲パラメータ」に含まれてもよい。周囲パラメータの少なくとも一つは、適切なセンサーによって測定されることが好ましい。周囲パラメータ、すなわち、シートが位置する環境のパラメータは、シートパラメータに影響を与え、それ故にニップサイズがシート上に有する捲縮効果に影響を与え得る。利用可能なセンサーに応じて、周囲パラメータの一つが測定されてもよい。二つ以上の周囲パラメータが測定されてもよい。ニップサイズは、これらの周囲パラメータに応じて変化し得る。
【0100】
捲縮後にシートの捲縮後特性を評価することは、捲縮後にシート上に形成された複数の波形の特性を評価することを含むことが好ましい。
【0101】
捲縮プロセスは、シート上に波形、特に複数の波形を形成し、波形は、所与の振幅およびピッチを有する。シート上に形成された複数の波形の特性を評価する工程は、複数のうちの少なくとも一つの波形のピッチまたは振幅を評価することを含むことが好ましい。正しい捲縮レベルに到達したかどうかを判定するのに好ましい複数の波形の特性は、複数のうちの少なくとも一つの波形のピッチまたは振幅である。複数のうちのいくつかの波形のピッチまたは振幅が判定されることがより好ましい。いくつかの波形に対して判定されたピッチ値または振幅値の平均値が計算され得る。複数のうちの少なくとも一つの波形のピッチおよび振幅の両方が評価されてもよい。「波形のピッチまたは振幅を評価する」とは、波形のピッチまたは振幅の関数である値を評価することを意味する。
【0102】
評価されたピッチまたは評価された波形の振幅は、期待されるピッチ範囲または期待される振幅範囲とそれぞれ比較されることが好ましい。評価された振幅または評価されたピッチが、それぞれ、期待される振幅範囲外または期待されるピッチ範囲外である場合、ニップサイズを変化させる。いくつかの波形の平均ピッチ、またはいくつかの波形の平均振幅は、それぞれ、期待されるピッチ範囲または期待される振幅範囲と比較されることが好ましい。
【0103】
複数のうちの少なくとも一つの波形のピッチまたは振幅を評価することは、少なくとも一つの波形のプロファイルを判定することを含むことが好ましい。少なくとも一つの波形のピッチまたは振幅を評価することは、複数のうちのいくつかの波形のプロファイルを判定することを含むことがより好ましい。波形のプロファイルは、シートの搬送方向に対して直角を成して取られることが好ましい。波形のプロファイルは、実質的に、搬送方向に対して直角を成す平面によって所与の場所で取られるシートの断面によって画定されるプロファイルである。プロファイルは、交互のピークおよびトラフを画定することが好ましい。プロファイルのピークの振幅が評価されることが好ましい。平均振幅は、異なる波形の間の異なる振幅の平均を計算することによって計算されることが好ましい。平均振幅は、波形の特性であり得る。
【0104】
複数の波形の特性を評価することは、シートに沿った異なる場所において、または後続の時間間隔で、複数のうちの少なくとも一つの波形のピッチまたは振幅を収集すること、およびシートに沿った異なる場所において、または後続の時間間隔で収集された少なくとも一つの波形のピッチまたは振幅を比較することを含むことが好ましい。方法はまた、比較に基づいてニップサイズを変化させることを含むことがより好ましい。捲縮がシート上に有する影響を変化させ得るパラメータは、シート上に生成された波形の「安定性」である。「安定性」とは、シート上に形成された波形のピッチまたは振幅などの波形の特性が、捲縮ローラーによる形成のモーメントから実質的に同じままであることを意味する。第一の捲縮ローラーおよび第二の捲縮ローラーは、シート上に振幅およびピッチを有する波形を形成する。波形の特性がシート上で安定したままかどうか、例えば、振幅またはピッチが変化しているかどうか、または振幅およびピッチが変化しているかどうかをチェックすることが好ましい。波形の振幅またはピッチは、経時的に変化してもよく、すなわち、所与の時点で、特定の値を有してもよく、時間間隔の後、特定の値が変化してもよい。波形の振幅またはピッチは、測定が行われるシート場所に応じて変化してもよく、すなわち、所与の位置において、ピッチまたは振幅は、特定の値を有してもよく、別の場所では、ピッチまたは振幅は、異なる値を有してもよい。この差が閾値を上回る場合、すなわち、振幅値またはピッチ値が、その値の特定の割合よりも大きく変動する場合、ニップサイズは、例えば、より安定した波形が形成されるように、より小さなニップサイズに変化し得る。
【0105】
方法は、シートの評価された捲縮後特性に基づいて、シートの少なくとも一部分を除去することを含むことが好ましい。方法は、シートの評価された捲縮後特性、および得られるシートの捲縮前特性の一つに基づいて、シートの一部分を除去する工程を含むことが好ましい。シートは全体として除去されてもよく、またはシートの一部分のみが除去されてもよく、除去された部分を有さないシートの残りの部分は、さらに加工されてもよい。さらに加工されるシートの残りの部分は、所望の公差内で、波形の捲縮後特性などのシートの捲縮後特性を有する。例えば、シートの捲縮後特性の値がシートの所与の一部分の所与の範囲外である場合、捲縮前のシート特性に対して、捲縮したシートは不合格となり、さらには加工されない。あるいは、所与の範囲外のシートの捲縮後特性を有するシートの一部分のみが、切断されるか、または別の方法で除去される。このようにして、公差の範囲外の捲縮したシートの一部分が、できるだけ早く加工ラインから除去される。
【0106】
方法は、シートの製造日、捲縮中にシートが位置する環境の周囲温度、シート内に存在する繊維の長さ、捲縮中にシートが位置する環境の湿度、シートの機械加工可能性のいずれかに関連する、得られるシートの捲縮前特性の一つを取得することを含むデータベースを作成することを含むことが好ましい。このデータベースは、捲縮したシートまたは捲縮したシートを含む製造されたエアロゾル発生物品の構成要素のトレーサビリティ目的のために使用され得る。データベースを使用して、異なるパラメータ間の相関を生成してもよい。このようにして、捲縮前特性または周囲パラメータのいくつかのセンサーが装置内に存在しない場合、こうしたデータベースから、所望のシートパラメータ(すなわち、シートの捲縮前特性)または周囲パラメータの値を予測することができる。
【0107】
方法は、得られるシートの捲縮前特性の一つに基づいて、第一のニップサイズを設定することを含むことが好ましい。方法は、シートの評価された捲縮後特性に基づいて、第一のニップサイズを調整して第二のニップサイズを設定することをさらに含み得る。ニップサイズの調整は、二つの工程で実施されることが好ましい。ニップサイズはまず、シートの捲縮前特性に基づいて、第一の値に設定される。次いで、捲縮後特性が評価される。捲縮後特性が、得られる捲縮後特性に対して期待されるものではない場合、第一のニップサイズが調整される。第一のニップサイズは、第二のニップサイズになる。第二のニップサイズは、捲縮後特性に基づいて判定される。一般的に、捲縮前特性を考慮して、ニップサイズが正しく設定される、すなわち、第一のニップサイズは概して、シートに正しい捲縮レベルを与えるニップサイズである。しかしながら、第一のニップサイズが正しい捲縮レベルを与えないこうした場面では、ニップサイズは、捲縮後特性の評価後に変化させることができる。
【0108】
シートの捲縮前特性のうちの一つを評価するように適合されたセンーは、シートの厚さを測定するように適合されたセンサーを含むことが好ましい。シートの厚さを測定するためのセンサーは、シートと接触するホイールまたはスケートを含む機械センサーを含むことがより好ましい。シートの厚さを測定するためのセンサーは、電磁ビームをシート上に当てるための光学センサーを含むことが好ましい。シートの厚さを測定するためのセンサーは、干渉計を含むことが好ましい。一つのセンサーよりも多いセンサー、例えば、同じタイプの二つ以上のセンサー、例えば、二つの光学センサー、または異なるタイプの二つ以上のセンサー、例えば、光学センサーおよび機械センサーを使用して、シートの厚さを測定してもよい。
【0109】
機械センサーは、シートの上面上にホイールを転がすことを含み得る。機械センサーは、シートの上面と接触するスケートを含み得る。ホイールの高さまたはスケートの高さおよびそれらの変形は、チェックされ、シートの期待される厚さと比較されることが好ましい。比較は、予め設定された公差内で行われる。
【0110】
干渉計は、赤外光ビームなどの光ビームを材料シート上に、およびシートの下方に定置される高反射金属表面などの追加の表面上に当てるための光学光エミッタを含み得る。光ビームがシート上に当たると、光の一部がシートの上面によって戻るように反射され、一部の光がシートを通過し、金属シートによって反射される。反射された光は、検出され得る干渉パターンを形成し得る。干渉法から、シートの厚さは、シートの上面で反射された光と、干渉または位相差を生成するシートの下方の金属表面に反射された光との間の光学経路の差異から計算することができる。
【0111】
光学センサーは、シートの対向する二つの側面に位置する、LEDエミッタおよびレシーバを含み得る。LEDは、シートの一方の側面上に平行に、均一な態様で拡散LED光のビームを放射してもよく、光は、シートの他方の側面に位置するレシーバ、例えば、シートがその上で動作する基準ローラーによって検出される。基準ローラー位置は公知であるため、材料の厚さは、ロール位置と光学センサー測定値との間の差として計算される。
【0112】
シートの捲縮後特性を評価するためのセンサーは、複数の波形の特性を測定するように適合されたセンサーを含むことが好ましい。シート上の波形の特性を評価するためのセンサーは、レーザープロファイラを含むことが好ましい。レーザープロファイラは、実質的に線の形状を有するレーザー放射のビームを放射する。レーザープロファイラは、レーザー線が当たる物体のプロファイルを判定するように適合される。レーザープロファイラは、シートの搬送方向に対して実質的に直角を成すレーザー線を放射することが好ましい。レーザー線は、いくつかの波形に当たるのに十分な長さ(幅)であることが好ましい。レーザープロファイラは、搬送方向に対して直角を成す平面上のシートの断面のプロファイルを判定するように適合される。レーザープロファイルは、所与の頻度でプロファイルを取得することが好ましい。シートの捲縮中、レーザープロファイラは画像を形成するように適合される。画像は、シートに当たる各レーザー線に対する取得である、レーザープロファイラによる取得のシーケンスによって形成される。本発明で使用されるレーザープロファイラは、例えば、コントローラXG-X2800を使用するKeyence LJV7020である。各レーザー線によって得られるプロファイルに対して、レーザープロファイラは、平均振幅を得るように適合される。各レーザー線によって得られるプロファイルは、いくつかの波形のプロファイルを含む。
【0113】
制御ユニットは、レーザープロファイラに接続され、制御ユニットは、レーザープロファイラによって得られたプロファイルの振幅またはピッチを判定するように適合されることが好ましい。シートのプロファイルから、第一の捲縮ローラーおよび第二の捲縮ローラーによってシート上に形成された波形のピッチおよび振幅が判定され得る。
【0114】
装置は、シートが位置する環境の周囲温度を測定し、測定された周囲温度を表す信号を発するように適合された周囲温度センサーを含むことが好ましい。装置は、シートが位置する環境の周囲相対湿度を測定し、測定された周囲相対湿度を表す信号を発するように適合された周囲湿度センサーを含むことが好ましい。装置は、所与の場所におけるシートの粘着性を測定し、測定された粘着性を表す信号を発するように適合された粘着性センサーを含むことが好ましい。フィードバック制御ループは、周囲温度センサーによって発される信号に基づいて、第一のアクチュエータを起動するように適合されてもよい。フィードバック制御ループは、周囲湿度センサーによって発される信号に基づいて、第一のアクチュエータを起動するように適合されてもよい。フィードバック制御ループは、粘着性センサーによって発される信号に基づいて、第一のアクチュエータを起動するように適合されてもよい。追加のセンサーを有する利点は、本方法を参照して概説されている。
【0115】
装置は、シートの少なくとも一部分を処分するための第二のアクチュエータを含むことが好ましく、フィードバック制御ループシステムは、シートの測定された捲縮前特性に基づいて、または捲縮前特性のうちの一つに対して取得されるデータに基づいて、または評価された捲縮後特性に基づいて、第二のアクチュエータを起動するように適合されることが好ましい。第二のアクチュエータは、拒絶ゲートを含み得る。第二のアクチュエータは、シートの捲縮後特性が所定の範囲、所与の捲縮前特性内にないためにシートまたはシートの一部分を処分する必要がある場合に、起動されることが好ましい。
【0116】
制御ユニットは、シート、レーザープロファイラおよび第一のアクチュエータの捲縮前特性のうちの一つを測定するように適合されたセンサーと通信することが好ましい。さらに、制御ユニットは、ユーザーからの入力を受信するように適合されてもよい。制御ユニットは、シートの捲縮前特性が保存されるメモリにアクセスする能力を有し得る。制御ユニットは、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、またはコンピュータであってもよい。制御ユニットは、装置内に存在するすべての捲縮前センサーおよび捲縮後センサーと通信し、その結果、センサーからの信号が中央で精緻化され得ることが好ましい。制御ユニットは、測定値を保存することができるメモリを含むことが好ましい。制御ユニットはまた、例えば、キーボード、タッチスクリーン、ポインティング装置、またはボタンを介して、ユーザーから入力を受信してもよい。
【0117】
フィードバックループシステムは、周囲温度に対する信号に基づいて、第二のアクチュエータを起動するように適合されることが好ましい。フィードバックループシステムは、周囲相対湿度に対する信号に基づいて、第二のアクチュエータを起動するように適合されることが好ましい。フィードバックループシステムは、シートの粘着性に対する信号に基づいて、第二のアクチュエータを起動するように適合されることが好ましい。フィードバックループシステムは、異なるセンサーから届く複数の信号に基づいて、第二のアクチュエータを起動するように適合されることが好ましい。
【0118】
本発明のさらなる利点は、添付の図面への非限定的な参照とともに、その詳細な説明から明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【
図1】
図1は、材料の捲縮したシートを製造するための装置の概略側面図である。
【
図2】
図2は、
図1の装置の一部である、捲縮ローラー対の概略斜視図である。
【
図3】
図3は、材料シートが除去されてさらなる詳細が示されている、
図1の装置の概略側面図である。
【
図4】
図4は、
図1~3の装置を使用して捲縮した材料シートの断面における概略拡大正面図である。
【
図5】
図5は、
図1の装置の一部分のより詳細な概略側面図である。
【
図6】
図6は、本発明による捲縮したシートの概略上面図である。
【
図7】
図7は、本発明の方法の段階を表すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0120】
図1において、エアロゾル発生物品(図面には示さず)のための材料の捲縮したシート10を製造するための装置1の基本レイアウトが概略側面図で示されている。
【0121】
材料のシートは、供給ボビン3によって供給される。供給ボビン3には、装置1を使用して捲縮される、材料2の平坦でかつ薄い層の「エンドレス」シートが提供されている。材料2は、均質化したたばこシートであってもよい。供給ボビン3に巻き取られた材料シート2は、厳密にいえばエンドレスではないが、材料シートの全長は数百メートルとすることができ、したがって、その幅よりもはるかに長い。さらに、連続的な捲縮プロセスが可能になるように、二つの連続的な供給ボビン3の間の引き継ぎ機構(図示せず)が提供されてもよい。
【0122】
装置1は、第一の捲縮ローラー4および第二の捲縮ローラー5を備える。第一の捲縮ローラーと第二の捲縮ローラーとの間に、ニップ6が形成される。ニップは、ニップサイズ14を画定する。第一の捲縮ローラー4は、第一の回転軸24を画定する。第二の捲縮ローラー5は、第二の回転軸25を画定する。第一の回転軸24および第二の回転軸25は各々、
図1および3の十字によって示され、
図2のその延長部に見ることができる。第一の回転軸24および第二の回転軸25は、平行かつ水平であることが好ましい。動作中、第一の捲縮ローラー4または第二の捲縮ローラー5のうちの一方が時計回りに回転し、第一の捲縮ローラーまたは第二の捲縮ローラーのうちの他方が反時計回りに回転することが好ましい。
【0123】
第一の捲縮ローラー4および第二の捲縮ローラー5は、複数の隆起または波形を含む、構造化された外表面を示す。図面では、波形は見えない。また、異なる配設が選択される、特に、第一の捲縮ローラー4または第二の捲縮ローラー5のうちの一方のみが構造化された表面を示すことも可能である。
【0124】
シート2は、捲縮されるために、第一の捲縮ローラー4と第二の捲縮ローラー5との間の、ニップ6内に挿入される。第一の捲縮ローラー4および第二の捲縮ローラー5の下流に、捲縮したシート10が形成され、波形は、捲縮ローラー4、5によって加えられる圧力によって生成される。
【0125】
シート2は、搬送装置7によって第一の捲縮ローラー4および第二の捲縮ローラー5に向かって搬送される。搬送装置7は、
図1、2、5および6で矢印8で示される、シート2の搬送方向を画定する。
【0126】
第一の捲縮ローラー4および第二の捲縮ローラー5の上流で、シート2の捲縮前特性が測定される。例えば、シート2の厚さ11が測定される。装置1は、捲縮前にシート自体の一つ以上の部分におけるシート2の厚さ11を測定するように適合された厚さセンサー9を含む。別の方法として、または追加的に、装置1は、捲縮前にシート自体の一つ以上の部分におけるシート2の水分を測定するように適合された水分センサー90を含む。
【0127】
さらに、装置1は、厚さセンサー9および水分センサー90と通信する制御ユニット100を含む。厚さセンサー9および水分センサー90は、シートの一部分の一つ以上における、シート2の厚さ11および水分をそれぞれ表す一つ以上の信号を制御ユニット100に送信するように適合される。
【0128】
第一の捲縮ローラー4および第二の捲縮ローラー5の下流には、レーザープロファイラ12などの波形の特性を検出するためのセンサーが位置する。センサー12が、その一部分のうちの一つ以上における、捲縮したシート10上に形成された波形のプロファイルを検出するように適合される実施例では、センサー12は、波形の特性を判定するように適合される。レーザープロファイラ12は、制御ユニット100と通信し、その一部分の一つ以上における捲縮したシート10のプロファイルを表す一つ以上の信号を制御ユニット100に送信するように適合される。
【0129】
明瞭にする目的のために材料のシートが図示されていない
図3でより良く見えるように、第一の捲縮ローラー4と第二の捲縮ローラー5との間のニップ6は調整可能である。装置1は、ニップサイズ14を変更するために使用される、
図3の矢印13によって示される第一のアクチュエータを含む。第一のアクチュエータ13は、第一の回転軸24と第二の回転軸25との間の距離を変化させ得る。第一のアクチュエータ13は、制御ユニット100によって送信される信号によって作動する。
【0130】
装置1はまた、
図3に矢印のみで示される第二のアクチュエータ15を備え、第二のアクチュエータ15は、レーザープロファイラ12から信号を受信した後に制御ユニット100によって生成される信号に基づいて、捲縮したシート10を処分するように適合される。第二のアクチュエータ15は、制御ユニット100に接続され、制御ユニット100は、レーザープロファイラ12が所与の時間間隔の範囲外の特性を有する捲縮したシート10上の波形のプロファイルを検出する場合に、第二のアクチュエータ15に信号を送信する。
【0131】
装置1はまた、シート2、捲縮したシート10および装置1が位置する環境の温度を測定するための温度センサー16、シート2、捲縮したシート10および装置1が位置する環境の相対湿度を測定するように適合された湿度センサー17、所与の場所におけるシート2または捲縮したシート10の温度を測定するように適合された温度センサー19を備えてもよい。すべてのセンサー16、17、19(
図3で見える)は、制御ユニット100に接続される。さらなるセンサーが存在してもよい。さらに、制御ユニット100は、データベースが存在するメモリ18を含む。データベース内には、シートの組成などのデータが存在する。
【0132】
さらに、メモリ18内には、シート上の捲縮ローラー4、5によって形成された波形の特性の期待値、シートの捲縮前特性に基づく期待値などの他のデータが保存される。例えば、
図7に示すように、波形の三つの期待される振幅が示されており、波形の期待される振幅それぞれは、シート2の捲縮前水分に対応する。センサー90による水分の測定値に応じて、捲縮振幅の異なる期待値が期待される。
【0133】
図4では、捲縮したシート10の拡大図が正面断面図で図示されている。捲縮したシート10は、「波状の」パターンを形成する、すべて20で示された複数の波形を含む。波形20は、所与の振幅23および所与のピッチ26を画定する。
【0134】
装置1は、本発明の方法に従って作動する。
【0135】
シート2は、供給ボビン3から巻き出され、装置1の第一の捲縮ローラー4と第二の捲縮ローラー5との間でニップ6に、材料2の単一の平坦な層として入る。材料シート2の加工は、第一のアクチュエータ13による二つの捲縮ローラー4、5の特定の距離の適切な定置によって、捲縮ローラー4と捲縮ローラー5との間に形成されているニップ6内で行われる。ニップ6のサイズ14は、典型的には、シート2がニップ6内でわずかに圧縮されるように、入ってくるシート2の厚さ11よりも小さい。
【0136】
ニップサイズ14は、厚さセンサー9および水分センサー90によって制御ユニット100に送信される信号に従って選択され、次いで制御ユニット100が、第一のアクチュエータ13を制御する。メモリ18およびその中に保存されるデータ、測定された厚さまたは水分のデータを使用して、制御ユニット100は、
図7に表すグラフに類似したグラフから、測定された厚さまたは水分の値に対する捲縮したシート10上に形成された波形の特性の期待値を取得する。
図7のグラフは、明瞭にする目的のためにグラフとして表されたルックアップテーブルの表現である。例えば、制御ユニット100は、シートの水分の測定値に対する波形の振幅23の期待値を取得する。したがって、ニップサイズ14をアクチュエータ13で適宜設定することで、期待通りの波型の特性が得られる可能性がある。
【0137】
第一の捲縮ローラー4および第二の捲縮ローラー5の設計に起因して、特に捲縮ローラー4、5の外表面の設計に起因して、ニップ6を通過する材料シート2はその上に形成された波形20を有する。シート10の一部分上の波形20の上面図を
図6に示す。
【0138】
レーザープロファイラ12は、所与の地点で捲縮したシート10のプロファイルを検出する。プロファイルを検出するために、
図6に示すように、レーザー線21が捲縮したシート10に当たってそれを照射する。レーザー線21は、搬送方向8に対して実質的に直角を成すことが好ましい。レーザープロファイラ12によるシート10の照射は、捲縮したシート10がアイドルローラー70(
図5を参照)上で回転する間に行われることが好ましい。レーザー線21は、波形20よりも多く照射するように、長さ数ミリメートルであることが好ましい。レーザープロファイラ12によって得られるプロファイルは、
図4に示す曲線と類似している。レーザープロファイラ12は、捲縮したシート10が搬送方向8に沿って移動する間に、いくつかのプロファイルを取得するように、所与の頻度でシート10を照射する。
【0139】
図4に示す各プロファイルについて、レーザープロファイラ12または制御ユニット100は、波形の振幅23を計算する。次いで、各プロファイルに対して、平均振幅を計算する。平均振幅は、対象の複数の波形20の特性である。平均振幅が、所与の測定された水分の所与の第一の範囲外である場合、センサー12は、制御ユニット100に信号を送信し、次いで、制御ユニット100が信号を第一のアクチュエータ13に送信してニップサイズ14を変更する。別の方法として、平均振幅は、制御ユニット100内で直接計算されてもよい。
【0140】
平均振幅23が第二の範囲外である場合、センサー12は、信号を制御ユニット100に送信し、次いで、制御ユニット100が信号を第二のアクチュエータ15に送信して、捲縮したシート10を処分する。平均振幅が制御ユニット100内で直接計算される場合、センサー12によって信号は送信されない。
【0141】
第一のアクチュエータ13はまた、センサー16、17、19のいずれかから届く信号に基づいて、ニップサイズ14を変化させるために動作されてもよい。第二のアクチュエータ15もまた、センサー16、17、19のいずれかから届く信号に基づいて、捲縮したシート10を処分するために動作し得る。
【0142】
センサー9、12、16、17、19、90からの信号は、捲縮プロセス全体中に所与の周波数で制御ユニット100に送信されることが好ましい。したがって、ニップサイズ14の連続的な調整が可能である。制御ユニット100は、センサー9、12、16、17、19、90と共に、フィードバック制御ループを画定する。
【0143】
シート10が処分されない場合、捲縮したシート10は、材料の捲縮したシート10がその上に巻き取られる製品ボビン27に供給される。
【国際調査報告】