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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-06
(54)【発明の名称】カバーを有する非空気圧式タイヤ
(51)【国際特許分類】
   B60C 7/00 20060101AFI20230227BHJP
   B60C 19/00 20060101ALI20230227BHJP
   B60C 1/00 20060101ALI20230227BHJP
【FI】
B60C7/00 H
B60C19/00 K
B60C1/00 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022540680
(86)(22)【出願日】2020-11-16
(85)【翻訳文提出日】2022-07-28
(86)【国際出願番号】 US2020060737
(87)【国際公開番号】W WO2021137958
(87)【国際公開日】2021-07-08
(31)【優先権主張番号】62/954,764
(32)【優先日】2019-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515168916
【氏名又は名称】ブリヂストン アメリカズ タイヤ オペレーションズ、 エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パール、リチャード エス.
【テーマコード(参考)】
3D131
【Fターム(参考)】
3D131AA02
3D131AA28
3D131AA60
3D131BB19
3D131BC22
3D131CC03
3D131CC04
3D131LA40
(57)【要約】

非空気圧式タイヤは、第1の直径を有する下部リングと、第1の直径よりも大きい第2の直径を有する上部リングと、を含む。上部リングは、下部リングと実質的に同軸である。非空気圧式タイヤタイヤは、下部リングと上部リングとの間に延在する支持構造体を更に含む。非空気圧式タイヤはまた、支持構造体の第1の側部の少なくとも一部分を覆う環形状を有する可撓性カバーを含み、可撓性カバーの下部分は、円周方向突起部の上方の領域に対して軸方向外向きに突起する円周方向突起部を含む。
【選択図】図5

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非空気圧式タイヤ、リム、及びカバーアセンブリであって、
非空気圧式タイヤであって、
第1の直径を有する下部リングと、
前記第1の直径よりも大きい第2の直径を有する上部リングであって、前記下部リングと実質的に同軸である、上部リングと、
前記下部リングと前記上部リングとの間に延在する支持構造体と、を含む、非空気圧式タイヤと、
前記非空気圧式タイヤの前記下部リングに接続されたリムと、
前記非空気圧式タイヤの第1の側部に接続された上部カバーであって、
前記上部カバーが、前記支持構造体の少なくとも一部を覆う環形状を有し、
前記上部カバーの下部分が、前記円周方向突起部の上方の領域に対して軸方向外向きに突起する円周方向突起部を含む、上部カバーと、
前記上部カバーに接続された下部カバーであって、前記上部カバーの前記円周方向突起部を受容する後面上に配置された円周方向溝を有する、下部カバーと、を備える、アセンブリ。
【請求項2】
前記上部カバーが、複数の位置において前記非空気圧式タイヤに取り付けられている、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
複数の位置において前記非空気圧式タイヤに取り付けられた円形ワイヤを更に備え、前記上部カバーが、前記円形ワイヤに取り付けられている、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記上部カバーの前記円周方向突起部が、ワイヤによって画定される、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記上部カバーが、可撓性材料で構築されている、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記下部カバーが、前記非空気圧式タイヤに直接取り付けられている、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記下部カバーが、前記リムに直接取り付けられている、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項8】
前記下部カバーが、前記リムに直接取り付けられた少なくとも1つのコネクタに取り付けられている、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項9】
前記下部カバーが、円盤である前面を有する、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項10】
前記下部カバーが、環である前面を有する、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項11】
非空気圧式タイヤの側部を覆う方法であって、前記方法が、
非空気圧式タイヤを提供することであって、前記非空気圧式タイヤが、
第1の直径を有する下部リングと、
前記第1の直径よりも大きい第2の直径を有する上部リングであって、前記下部リングと実質的に同軸である、上部リングと、
前記下部リングと前記上部リングとの間に延在する支持構造体と、を含む、提供することと、
リムを提供することと、
前記リム上に前記非空気圧式タイヤを装着することと、
環形状を有する上部カバーを提供することであって、前記上部カバーが、下部円周方向突起部の上方の領域に対して軸方向外向きに突起する下部円周方向突起部を有する、提供することと、
前記上部カバーを前記非空気圧式タイヤに接続することと、
後面上に配置された円周方向溝を有する下部カバーを提供することと、
前記上部カバーの前記下部円周方向突起部を前記下部カバーの前記円周方向溝に挿入することによって、前記下部カバーを前記上部カバー上に取り付けることと、を含む、方法。
【請求項12】
前記上部カバーを提供することが、後面上に配置された複数の突起部を有する上部カバーを提供することを含み、前記上部カバーの前記非空気圧式タイヤへの前記接続が、前記非空気圧式タイヤの前記支持構造体間に前記上部カバーの前記突起部を挿入することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記上部カバーの前記非空気圧式タイヤへの前記接続が、ワイヤを前記非空気圧式タイヤに取り付け、前記上部カバーを前記ワイヤに取り付けることを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
軸方向に延在するボルトで前記下部カバーを前記リムにボルト留めすることを更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
半径方向に延在するボルトで前記下部カバーを前記リムにボルト留めすることを更に含む、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、カバーを有する非空気圧式タイヤに関する。より具体的には、本開示は、2片のカバーを有する非空気圧式タイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
タイヤが非膨張状態又は膨張不足状態で走行することを可能にする様々なタイヤの構造が開発されている。非空気圧式タイヤは膨張を必要としないが、「ランフラットタイヤ」は、パンクし、加圧空気の完全又は部分的な喪失を経験した後で、長期間、比較的高速で動作し続けることができる。非空気圧式タイヤは、複数のスポーク、ウェビング、又は下部リングを上部リングに接続する他の支持構造体を含み得る。
【発明の概要】
【0003】
一実施形態では、非空気圧式タイヤ、リム、及びカバーアセンブリが提供される。アセンブリは、第1の直径を有する下部リングと、第1の直径よりも大きい第2の直径を有する上部リングと、を有する、非空気圧式タイヤを含む。上部リングは、下部リングと実質的に同軸である。非空気圧式タイヤタイヤはまた、下部リングと上部リングとの間に延在する支持構造体を含む。アセンブリは、非空気圧式タイヤの下部リングに接続されたリムを更に含む。アセンブリはまた、非空気圧式タイヤの第1の側部に接続された上部カバーを含む。上部カバーは、支持構造体の少なくとも一部を覆う環形状を有する。上部カバーの下部分は、円周方向突起部の上方の領域に対して軸方向外向きに突起する円周方向突起部を含む。アセンブリは、上部カバーに接続された下部カバーを更に含む。下部カバーは、上部カバーの円周方向突起部を受容する後面上に配置された円周方向溝を有する。
【0004】
別の実施形態では、非空気圧式タイヤの側部を覆う方法が提供される。本方法は、第1の直径を有する下部リングと、第1の直径よりも大きい第2の直径を有する上部リングと、を有する、非空気圧式タイヤを提供することを含む。上部リングは、下部リングと実質的に同軸である。非空気圧式タイヤタイヤはまた、下部リングと上部リングとの間に延在する支持構造体を有する。本方法は、リムを提供することと、リム上に非空気圧式タイヤを装着することと、を更に含む。本方法はまた、環形状を有し、かつ上部カバーを非空気圧式タイヤに接続する、上部カバーを提供することを含む。上部カバーは、下部円周方向突起部の上方の領域に対して軸方向外向きに突起する下部円周方向突起部を有する。本方法は、後面上に配置された円周方向溝を有する下部カバーを提供することと、上部カバーの下部円周方向突起部を下部カバーの円周方向溝に挿入することによって、下部カバーを上部カバー上に取り付けることと、を更に含む。
【0005】
更に別の実施形態では、カバーを有する非空気圧式タイヤが提供される。非空気圧式タイヤは、第1の直径を有する下部リングと、第1の直径よりも大きい第2の直径を有する上部リングと、を含む。上部リングは、下部リングと実質的に同軸である。非空気圧式タイヤタイヤは、下部リングと上部リングとの間に延在する支持構造体を更に含む。非空気圧式タイヤはまた、支持構造体の第1の側部の少なくとも一部分を覆う環形状を有する可撓性カバーを含み、可撓性カバーの下部分は、円周方向突起部の上方の領域に対して軸方向外向きに突起する円周方向突起部を含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
添付の図面では、以下の詳細な説明と共に、特許請求される本発明の例示的実施形態を説明する構造が例解される。同様の要素は、同一の参照番号で特定される。単一の構成要素として示される要素は、多数の構成要素に置き換えられ得、多数の構成要素として示されている要素は、単一の構成要素に置き換えられ得ることが理解されるべきである。図面は正確な縮尺ではなく、特定の要素の比率が例解のために誇張されている場合がある。
図1】非空気圧式タイヤ及びホイールアセンブリの一実施形態の斜視図である。
図2】上部カバーを有する非空気圧式タイヤ及びリムアセンブリの部分斜視図である。
図3図2に示すように、上部カバーを有する非空気圧式タイヤ及びリムアセンブリの断面図である。
図4】上部カバー及び下部カバーを有する非空気圧式タイヤ及びリムアセンブリの斜視図である。
図5図4に示すように、上部カバー及び下部カバーを有する非空気圧式タイヤ並びにリムアセンブリの部分断面図である。
図6】非空気圧式タイヤ及びホイールアセンブリの代替的な実施形態の斜視図である。
図7】上部カバーを有する、図6の非空気圧式タイヤ及びリムアセンブリの斜視図である。
図8図7の上部カバーの斜視図である。
図9図7に示すように、上部カバーを有する非空気圧式タイヤ及びリムアセンブリの部分断面図である。
図10】上部カバー及び下部カバーを有する、図6の非空気圧式タイヤ及びリムアセンブリの斜視図である。
図11図10の下部カバーの断面図である。
図12図10に示すように、上部カバー及び下部カバーを有する非空気圧式タイヤ並びにリムアセンブリの部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下は、本明細書において採用される選択用語の定義を含む。これらの定義には、用語の範囲に該当し、実施のために使用され得る構成要素の様々な例及び/又は形態が含まれる。例は、限定的であることを意図しない。用語の単数形及び複数形は、いずれも定義の範囲内であり得る。
【0008】
「軸方向の」及び「軸方向に」は、タイヤの回転軸と平行する方向を指す。
【0009】
「円周方向の」及び「円周方向に」は、軸方向に対して垂直であるトレッドの表面の外周部に沿って延在する方向を指す。
【0010】
「半径方向の」及び「半径方向に」は、タイヤの回転軸に対して垂直である方向を指す。
【0011】
本明細書で使用するとき、「トレッド」は、通常の膨張度及び通常の荷重において、道路又は地面と接触するタイヤの部分を指す。
【0012】
以下の説明で使用される同様の用語によって一般的なタイヤ構成要素が説明されるが、当然のことながら、用語は若干異なる含意を有するため、当業者は、以下の用語のうちのいずれか1つが、一般的なタイヤ構成要素の説明に使用される別の用語と単に交換することができるとは見なさないであろう。
【0013】
本明細書では、方向は、タイヤの回転軸を基準にして述べられる。「上向きの」及び「上向きに」という用語は、タイヤのトレッドに向かう一般方向を指し、「下向きの」及び「下向きに」は、タイヤの回転軸に向かう一般方向を指す。それ故に、「上方」及び「下方」又は「上」及び「下」などの相対的な方向指示用語が要素に関連して使用されるとき、「上方」又は「上」の要素は、「下方」又は「下」の要素よりトレッド面に接近した間隔で配置される。加えて、「上」又は「下」などの相対的な方向指示用語が要素に関連して使用されるとき、別の要素の「上」にある要素は、他の要素よりトレッド面に接近している。
【0014】
「内側の」及び「内側に」という用語は、タイヤの赤道面に向かう一般方向を指し、「外側の」及び「外側に」は、タイヤの赤道面から離れ、タイヤの側部に向かう一般方向を指す。したがって、「内部」及び「外部」など相対的な方向用語が要素と関連して使用されるとき、「内部」要素は、「外部」要素よりもタイヤの赤道面の近くに離間配置される。
【0015】
図1は、非空気圧式タイヤ及びホイールアセンブリの一実施形態の斜視図である。アセンブリは、第1の直径を有する下部リング105と、第1の直径よりも大きい第2の直径を有する上部リング110と、を有する、非空気圧式タイヤ100を含む。上部リング110は、下部リング105と実質的に同軸である。複数のスポーク115は、下部リング105と上部リング110との間に延在している。
【0016】
複数のフィレット120は、各スポーク115の端部で、下部リング105と上部リング110との間に配置されている。複数のフィレット120は、下部フィレット120と、上部フィレット120と、を含む。下部フィレット120は、下部リング115に直接接触している。上部フィレット120は、上部リング110と直接接触している。代替的な実施形態では、フィレットは、省略され得る。
【0017】
代替的な実施形態(図示せず)では、複数の耳部は、隣接するスポークの対の間に配置され得る。各耳部は、開口部を含む。開口部は、ねじ山付き開口部又は滑らかな開口部であり得る。代替的な実施形態では、耳部は、省略され得る。別の代替的な実施形態では、スポークの代わりにウェビング又は他の支持構造体が採用され得る。
【0018】
例解された実施形態では、上部リング110の周りに円周方向トレッド125が配置されている。トレッド125は、溝、リブ、ブロック、ラグ、サイプ、スタッド、及び他の要素などの、トレッド要素を含み得る。剪断バンド若しくは他の剪断要素又は補強構造(図示せず)が、上部リング110とトレッド125との間に配置され得る。代替的な実施形態(図示せず)では、別々のトレッドが省略され得、代わりに、トレッド要素が上部リングに直接形成され得る。
【0019】
下部リング105及び上部リング110は、天然ゴム又は合成ゴムなどのポリマー材料、他のエラストマー材料で構築され得る。代替的に、下部リング105及び上部リング110は、ポリウレタン、ポリエステル、ナイロン、又はポリ塩化ビニル(polyvinyl chloride、PVC)などの、より硬いポリマー材料で構築され得る。スポーク115は、その中に配置された単一の補強材層を有するエラストマー材料で構築され得る。トレッド125及びフィレット120はどちらも、天然ゴム又は合成ゴムなどのエラストマー材料、他のエラストマー材料で構築され得る。
【0020】
アセンブリは、リム130を更に含む。下部リング105は、接着剤又は化学結合プロセスなどによって、リム130に取り付けられている。リム130は、複数のボルト(図示せず)を介して車両に取り付けられ得る。
【0021】
図2は、上部カバー135を有する非空気圧式タイヤ及びリムアセンブリの斜視図である。上部カバー135は、単にカバーとも称され得る。例解された実施形態では、上部カバー135は、非空気圧式タイヤ100の第1の側部の一部分を覆う環形状を有する。具体的には、上部カバー135は、スポーク115の一部分を覆う。上部カバー135は、下部リング105の直径よりも大きい内径を有する。例解された実施形態では、上部フィレット120、及びスポーク115の上部分は、上部カバー135によって覆われている一方で、下部リング105、下部フィレット120、及びスポーク115の下部分は、覆われていない。代替的な実施形態(図示せず)では、上部カバーは、上部フィレット、スポーク、下部フィレット、及び下部リングを覆うように寸法決めされている。
【0022】
一実施形態において、上部リング110は、上部カバー135によって覆われている。言い換えれば、上部カバー135の外径は、上部リング110の直径よりも大きい。代替的な実施形態では、上部リング110は、覆われていない。言い換えれば、上部カバー135の外径は、上部リング110の直径よりも小さい。同様に、一実施形態では、トレッド125の肩部領域は、カバー135によって覆われている一方で、代替的な実施形態では、トレッド125の肩部領域は、覆われていない。
【0023】
図3は、図2に示すように、上部カバーを有する非空気圧式タイヤ及びリムアセンブリの部分断面図である。例解された実施形態では、円形ワイヤ140は、複数の位置において非空気圧式タイヤ100に取り付けられている。一実施形態では、円形ワイヤ140は、上部リング110に接続されている。代替的な実施形態では、円形ワイヤ140は、スポーク115に接続されている。別の代替的な実施形態では、円形ワイヤ140は、トレッドの肩部などのトレッド125に接続されている。
【0024】
上部カバー135は、円形ワイヤ140に取り付けられている。例解された実施形態では、上部カバーは、カバー135の頂部にあるフック形状の構成要素145によって画定された凹部を含む。フック形状の構成要素は、上部カバー145全体の周りに円周方向に延在し得るか、又は上部カバーの周りに離間された一連のフックの形態を取り得る。一実施形態では、上部カバー135及び円形ワイヤ145のうちの少なくとも1つが、可撓性構成要素であり、上部カバー135が、円形ワイヤ145上にスナップすることを可能にする。一実施形態では、上部カバー135は、0.5インチ~2インチ(1~5cm)の間のトレッド125の垂直変位を収容するのに十分に可撓性である。例えば、上部カバー135は、ガラス繊維、プラスチック、織物、アラミド、ゴム、又は他の可撓性材料で構築され得る。上部カバーは、メッシュとして形成され得るか、又は可撓性を高めるための複数の開口部を含み得る。
【0025】
代替的な実施形態(図示せず)では、上部カバーは、複数の位置において非空気圧式タイヤに直接取り付けられている。例えば、上部カバーは、非空気圧式タイヤにボルト留めされ得るか、又はクリップなどの取り外し可能な締結具で取り付けられ得る。別の代替的な実施形態では、上部カバーは、接着剤又は永久締結具によって非空気圧式タイヤに永久的に取り付けられ得る。
【0026】
図3において見ることができるように、上部カバー135の下部分は、円周方向突起部の上方の領域に対して軸方向外向きに突起する円周方向突起部150を含む。例解された実施形態では、上部カバー135の円周方向突起部150は、下部円形ワイヤ155によって画定される。代替的な実施形態では、円周方向突起部は、上部カバー135に成形され得る。円周方向突起部は、連続突起部であり得るか、又は複数の離間した突起部によって画定され得る。
【0027】
図4は、非空気圧式タイヤ100の第1の側部の一部を覆う、上部カバー135及び下部カバー160を有する、非空気圧式タイヤ並びにリムアセンブリの部分斜視図である。例解された実施形態では、下部カバー160は、下部リング105の第1の側部と、下部フィレット120と、スポーク115の下部分と、リム130と、を覆う円形円盤である。しかしながら、上部及び下部カバー135、160は、非空気圧式タイヤ100の異なる構成要素を覆うようにサイズ決めされ得ることを理解されたい。代替的な実施形態では、下側カバーは、環である。
【0028】
一実施形態では、下部カバー160は、金属、ポリエチレン、ポリプロピレン、ガラス充填プラスチック、又は他のプラスチックなどの剛性材料で構築されている剛性構成要素である。代替的な実施形態では、下部カバーは、省略され得る。
【0029】
例解された実施形態では、下部カバー160は、ボルト165によって複数の位置においてリム130に取り付けられている。したがって、下部カバー160は、非空気圧式タイヤ及びリムアセンブリに取り外し可能に取り付けられている。代替的な実施形態では、他の取り外し可能な締結具が用いられ得る。別の代替的な実施形態では、下部カバーは、接着剤又は永久締結具によって非空気圧式タイヤ及びリムアセンブリに永久的に取り付けられ得る。
【0030】
例解された実施形態は、リム130に取り付けられているものとして下部カバー160を示すが、下部カバーは、他の位置において取り付けられ得ることを理解されたい。例えば、下部カバーは、下部リング、下部フィレット、又はスポーク、又は他の支持構造体において非空気圧式タイヤに取り付けられ得る。
【0031】
図5は、図4に示すように、上部カバー及び下部カバーを有する非空気圧式タイヤ並びにリムアセンブリの部分断面図である。この図から見ることができるように、リム130は、ボルト165を受容するように構成されている開口部170を含み、したがって、下部カバー160が、リム130に直接取り付けられることを可能にする。例解された実施形態では、ボルト165は、リム130の周りに軸方向に延在する。代替的な実施形態では、ボルトは、半径方向に、又はある角度で延在し得る。一実施形態では、開口部170は、ねじ山付きである。代替的な実施形態では、開口部は、滑らかである。
【0032】
下部カバー160の後面は、上部カバー135の円周方向突起部150を受容する円周方向溝175を有する。下部カバー160は、下部カバー160の円周方向溝175を上部カバー135の円周方向突起部150上にスナップすることによって、又はそうでなければ、上部カバー135の下部円周方向突起部150を下部カバー160の円周方向溝175に挿入することによって、アセンブリに装着され得る。下部カバー160が上部カバー135に取り付けられた後、下部カバー160は、リム130にボルト留めされ得る。
【0033】
上部カバー135と下部カバー160との両方を用いることにより、破片が非空気圧式タイヤ100の開口に入るのを防止する。そのような破片は、タイヤに重量を加え、潜在的に、スポーク115又は他の構成要素を損傷する可能性がある。上部カバー135及び下部カバー160は、タイヤ100を縁石損傷から保護することもできる。上部カバー135及び下部カバー160はまた、タイヤ100をより空気力学的にし得る。
【0034】
上で説明したように、上部カバー135は、プラスチック又はゴムなどの半可撓性材料で構築され得る一方で、下部カバー160は、金属、ポリエチレン、ポリプロピレン、ガラス充填プラスチック、又は他のプラスチックなどの剛性材料で構築されている。したがって、上部カバー135は、スポーク115回転中に座屈又は屈曲する場合に、(単独で、又は下部カバー160と組み合わせて使用されるかにかかわらず)屈曲し得る。下部カバー160は、タイヤ100が所定の量を超えて屈曲する場合に、(単独で、又は上部カバー135と組み合わせて使用されるかにかかわらず)、「バンプ停止部」として機能し、トレッド125又は路面に接触し得る。
【0035】
図6は、非空気圧式タイヤ及びホイールアセンブリの代替的な実施形態の斜視図である。この実施形態では、非空気圧式タイヤ200は、非空気圧式タイヤ100と、又は上述の代替実施形態のいずれかと実質的に同じであり得る。したがって、非空気圧式タイヤ200は、更に詳細に説明されない。
【0036】
非空気圧式タイヤ200は、複数の耳部210がその上に配置されたリム205上に装着されている。耳部210の各々は、湾曲したスロット215を含む。代替的な実施形態では、各耳部は、スロットの代わりに円形穴を含む。例解された実施形態には6つの耳部が示されているが、任意の数の耳部が用いられ得ることを理解されたい。
【0037】
図7は、上部カバー220を有する、図6の非空気圧式タイヤ及びリムアセンブリの斜視図である。図8は、上部カバー220の斜視図である。この図において見ることができるように、上部カバー220は、軸方向内向きに延在する複数の突起部225を含む。突起部は、非空気圧式タイヤのスポーク間に嵌合するように寸法決めされており、追加の安定性を提供し、かつねじれを防止し得る。一実施形態では、突起部は、タイヤへの力嵌合取り付けを提供するように寸法決めされている。突起部は、突起部とスポークとの間の摩擦を増加させるために、テクスチャ加工された表面を有し得るか、又はその中に成形された特徴を有し得る。突起部225が一定の直径を有するものとして示されているが、代替的な実施形態では、突起部は、先細になり得る。代替的な実施形態では、突起部は、突起部とスポークとの間にクリアランスが存在するように、より小さい寸法を有する。
【0038】
上部カバー220の下部分はまた、円周方向突起部の上方の領域に対して軸方向外向きに突起する円周方向突起部230を含む。例解された実施形態では、上部カバー135の円周方向突起部230は、上部カバー135に成形される。代替的な実施形態では、円周方向突起部は、下部円形ワイヤによって画定され得る。円周方向突起部は、連続突起部であり得るか、又は複数の離間した突起部によって画定され得る。
【0039】
図9は、上部カバー220がその上に装着された状態の、非空気圧式タイヤ及びリムアセンブリの部分断面図である。一実施形態では、上部カバー135は、ガラス繊維、プラスチック、織物、アラミド、ゴム、又は他の可撓性材料で構築されている。上部カバーは、メッシュとして形成され得るか、又は可撓性を高めるための複数の開口部を含み得る。
【0040】
図10は、上部カバー220及び下部カバー235を有する、図6の非空気圧式タイヤ及びリムアセンブリの斜視図である。下部カバー235は、金属、ポリエチレン、ポリプロピレン、ガラス充填プラスチック、又は他のプラスチックなどの剛性材料で構築されている。この実施形態では、下部カバー235は、円盤として示されているが、それは、他の実施形態では、環であり得る。
【0041】
図11は、下部カバー235の断面図である。この図から見ることができるように、下部カバー235は、複数の開口部240を含む。下部カバー235はまた、後面上に配置された円周方向溝245を有する。
【0042】
図12は、図10に示すように、上部カバー220及び下部カバー235を有する非空気圧式タイヤ並びにリムアセンブリの部分断面図である。この図において見ることができるように、下部カバー235の円周方向溝245は、上部カバー220の円周方向突起部230を受容する。下部カバー235は、下部カバー235の円周方向溝245を上部カバー220の円周方向突起部230上にスナップすることによって、又はそうでなければ、上部カバー220の下部円周方向突起部230を下部カバー235の円周方向溝245に挿入することによって、アセンブリに装着され得る。下部カバーの端部235が上部カバー220に取り付けられた後、下部カバー235は、下部カバー235の開口部240を通って、耳部210のスロット215を通って、ボルト250を通過させることによって、リム205にボルト留めされ得る。
【0043】
図1図5は、下部カバー160と組み合わせて上部カバー135を例解し、図6~12は、下部カバー235と組み合わせて上部カバー220を例解するが、開示されたカバー、及びそれらのカバーの特徴は、交換可能であることを理解されたい。
【0044】
「含む(includes)」又は「含むこと(including)」という用語が、本明細書又は特許請求の範囲において使用される範囲まで、「含む(comprising)」という用語が特許請求項で移行句として採用される際の解釈と同様に包括的であることが意図される。更に、「又は(or)」という用語が採用される範囲において(例えば、A又はBなど)、「A、又はB、又はAとBとの両方とも」を意味することが意図されている。本出願人らが「A又はBの両方ではなく一方のみ」を示すことを意図する場合、「A又はBの両方ではなく一方のみ」という用語が採用されるであろう。したがって、本明細書における「又は」という用語の使用は、排他的ではなく、包括的である。Bryan A.Garner,A Dictionary of Modern Legal Usage 624(2d.Ed.1995)を参照。また、「中(in)」又は「中へ(into)」という用語が、本明細書又は特許請求の範囲において使用される範囲において、「上(on)」又は「上へ(onto)」を追加的に意味することが意図される。更に、「接続する(connect)」という用語が本明細書又は特許請求の範囲において使用される限りにおいて、「と直接接続する(directly connected to)」ことだけではなく、別の構成要素を介して接続することなどのように「と間接的に接続する(indirectly connected to)」ことも意味することが意図される。
【0045】
本出願をその実施形態の記述によって例解し、またその実施形態をかなり詳細に説明てきたが、添付の特許請求の範囲の範囲をこのような詳細に制限するか、又はいかなる形式でも限定することは、出願人らの本意ではない。追加の利点及び改良が、当業者には容易に明らかとなるであろう。したがって、そのより広い態様における本出願は、図示及び説明される、特定の詳細、代表的な装置及び方法、並びに例解的な実施例に限定されない。このため、出願人の一般的な発明概念の趣旨又は範囲から逸脱することなく、このような詳細からの逸脱がなされ得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2022-07-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非空気圧式タイヤ、リム、及びカバーアセンブリであって、
非空気圧式タイヤを提供することであって、前記非空気圧式タイヤが、
第1の直径を有する下部リングと、
前記第1の直径よりも大きい第2の直径を有する上部リングであって、前記下部リングと実質的に同軸である、上部リングと、
前記下部リングと前記上部リングとの間に延在する支持構造体と、を含む、提供することと、
前記非空気圧式タイヤの前記下部リングに接続されたリムと、
前記非空気圧式タイヤの第1の側部に接続された上部カバーであって、
前記上部カバーが、前記支持構造体の少なくとも一部を覆う環形状を有し、
前記上部カバーの下部分が、前記円周方向突起部の上方の領域に対して軸方向外向きに突起する円周方向突起部を含む、上部カバーと、
前記上部カバーに接続された下部カバーであって、前記上部カバーの前記円周方向突起部を受容する後面上に配置された円周方向溝を有する、下部カバーと、を備える、アセンブリ。
【請求項2】
複数の位置において前記非空気圧式タイヤに取り付けられた円形ワイヤを更に備え、前記上部カバーが、前記円形ワイヤに取り付けられている、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記上部カバーの前記円周方向突起部が、ワイヤによって画定される、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記下部カバーが、前記非空気圧式タイヤに直接取り付けられている、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記下部カバーが、前記リムに直接取り付けられた少なくとも1つのコネクタに取り付けられている、請求項1に記載のアセンブリ。

【国際調査報告】