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特表2023-509103類似団地群生成部を有する共同住宅時価推定システム及び推定方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-06
(54)【発明の名称】類似団地群生成部を有する共同住宅時価推定システム及び推定方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0283 20230101AFI20230227BHJP
   G06Q 50/16 20120101ALI20230227BHJP
【FI】
G06Q30/02 490
G06Q50/16
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022567025
(86)(22)【出願日】2021-04-22
(85)【翻訳文提出日】2022-07-06
(86)【国際出願番号】 KR2021005066
(87)【国際公開番号】W WO2021235712
(87)【国際公開日】2021-11-25
(31)【優先権主張番号】10-2020-0061359
(32)【優先日】2020-05-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522271764
【氏名又は名称】コリア リアル エステート ボード
【氏名又は名称原語表記】KOREA REAL ESTATE BOARD
【住所又は居所原語表記】(Sinseo-dong) 291,Innovalley-ro,Dong-gu,Daegu 41068,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】キム、デ ファン
(72)【発明者】
【氏名】チェ、ジン ホ
(72)【発明者】
【氏名】パク、グァ ヨン
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB01
5L049CC27
(57)【要約】
コンピュータを含む演算処理手段によって実行されるプログラム形態からなり、共同住宅の時価を推定するシステムであって、公示価格情報、市場価格情報及び住宅特性情報を収集して保存するデータベース部(100)と、前記データベース部(100)の住宅特性情報を用いて、対象住宅と類似した不動産を類似団地群として選別する類似団地群生成部(200)と、前記類似団地群生成部(200)で選別された類似団地群についての前記データベース部100の各情報から特性不一致事例及び価格異常値事例を除去する価格情報整備部(300)と、前記類似団地群の中で対象住宅の類似事例を抽出する類似事例抽出部(400)と、前記類似事例抽出部で抽出された類似事例から対象住宅の価格を推定する最終価格算定部(500)とを含む。
【選択図】 図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを含む演算処理手段によって実行されるプログラム形態からなり、共同住宅の時価を推定するシステムであって、
公示価格情報、市場価格情報及び住宅特性情報を収集して保存するデータベース部と、
前記データベース部の住宅特性情報を用いて対象住宅と類似した不動産を類似団地群として選別する類似団地群生成部と、
前記類似団地群生成部で選別された類似団地群についての前記データベース部の各情報から特性不一致事例及び価格異常値事例を除去する価格情報整備部と、
前記類似団地群の中で対象住宅の類似事例を抽出する類似事例抽出部と、
前記類似事例抽出部で抽出された類似事例から対象住宅の価格を推定する最終価格算定部とを含む
ことを特徴とする類似団地群生成部を有する共同住宅時価推定システム。
【請求項2】
前記共同住宅は、アパート、長屋及び多世帯住宅の中で少なくとも一つを含む
請求項1に記載の類似団地群生成部を有する共同住宅時価推定システム。
【請求項3】
前記データベース部の市場価格情報は、取引事例価格、評価事例価格及び地域調査事例価格の中で少なくとも一つの価格を含む
請求項1に記載の類似団地群生成部を有する共同住宅時価推定システム。
【請求項4】
前記データベース部の住宅特性情報は、所在地情報、団地情報、世帯数情報、階情報、専用面積情報、構造情報、使用承認日情報及び敷地持分情報の中で少なくとも一つを含む
請求項1に記載の類似団地群生成部を有する共同住宅時価推定システム。
【請求項5】
前記類似団地群生成部は、住宅特性情報の中で、対象住宅が属する団地に対して腐朽度条件、団地規模条件及び距離条件が既設定の範囲を満たす団地を類似団地群として選別する
請求項1に記載の類似団地群生成部を有する共同住宅時価推定システム。
【請求項6】
前記腐朽度条件は、対象住宅が属する団地との使用承認日の差が既設定の基準値以下である
請求項5に記載の類似団地群生成部を有する共同住宅時価推定システム。
【請求項7】
前記団地規模条件は、対象住宅が属する団地との総世帯数の差が既設定の基準値以下である
請求項5に記載の類似団地群生成部を有する共同住宅時価推定システム。
【請求項8】
前記距離条件は、対象住宅が属する団地との離隔距離が既設定の基準値以下である
請求項5に記載の類似団地群生成部を有する共同住宅時価推定システム。
【請求項9】
前記価格情報整備部は、公示価格情報と住宅特性情報とが異なる事例を除去する特性不一致事例除去部を含む
請求項1に記載の類似団地群生成部を有する共同住宅時価推定システム。
【請求項10】
前記価格情報整備部は、アパート売買価格指数または長屋・多世帯住宅売買価格指数を活用し、実取引時点まで時点修正された共同住宅公示価格と実取引価格の比である下式の現実化率:
(数1)
現実化率=時点修正公示価格/実取引価格
が既設定の範囲外である事例情報を除去する価格異常値事例除去部を含む
請求項1に記載の類似団地群生成部を有する共同住宅時価推定システム。
【請求項11】
前記類似事例抽出部は、前記類似団地群の市場価格情報の中で類似事例を抽出する条件が適用される抽出条件適用部と、前記抽出条件適用部で抽出された事例の中で優先順位条件を適用して対象住宅の類似事例を抽出する優先順位条件適用部とを含む
請求項1に記載の類似団地群生成部を有する共同住宅時価推定システム。
【請求項12】
前記抽出条件適用部は、既設定の期間内の市場価格情報を抽出する第1抽出条件、対象住宅との面積差が既設定の範囲内の情報を抽出する第2抽出条件、及び対象住宅に対して複数の市場価格情報が存在すれば、最新情報のみを抽出する第3抽出条件を順次適用して類似事例を抽出する
請求項11に記載の類似団地群生成部を有する共同住宅時価推定システム。
【請求項13】
前記優先順位条件適用部は、同じ団地の事例を類似団地事例より先に抽出する第1優先順位条件、基準時点を中心に事例時点が既設定の期間内である事例を先に抽出する第2優先順位条件、及び同じ面積事例、同じ坪型事例及び類似面積事例の順に先に抽出する第3優先順位条件を順次適用して類似事例を抽出する
請求項11に記載の類似団地群生成部を有する共同住宅時価推定システム。
【請求項14】
前記最終価格算定部は、抽出された事例価格の現実化率を団地別に算術平均して各団地の平均現実化率を算出する団地別平均現実化率算出部を含む
請求項1に記載の類似団地群生成部を有する共同住宅時価推定システム。
【請求項15】
前記最終価格算定部は、現実化率で対象住宅の公示価格を割って事例別試算価格を算出する事例別試算価格算定部を含む
請求項14に記載の類似団地群生成部を有する共同住宅時価推定システム。
【請求項16】
前記最終価格算定部は、最終価格を算定するに先立ち、対象住宅が属する団地に対する類似団地の平均現実化率の差を活用して現実化率補正値を算出する価格決定部を含む
請求項15に記載の類似団地群生成部を有する共同住宅時価推定システム。
【請求項17】
前記価格決定部は、平均現実化率差が既設定の基準値以下の場合、現実化率補正値は1.000にする
請求項16に記載の類似団地群生成部を有する共同住宅時価推定システム。
【請求項18】
前記価格決定部は、下式の平均現実化率差:
(数2)
現実化率補正値=対象団地の平均現実化率/類似団地の平均現実化率
が既設定の基準を超えれば、下記の式によって現実化率補正値を算出する
請求項16に記載の類似団地群生成部を有する共同住宅時価推定システム。
【請求項19】
前記価格決定部は、事例別試算価格を、下式:
【数3】
(ここで、dist及びdistは対象土地と1番事例及び5番事例との間の直線距離であり、price及びpriceは1番事例及び5番事例の‘事例別試算価格’である)
のように、対象団地との距離の逆数で加重平均して最終試算価格を算出する
請求項16に記載の類似団地群生成部を有する共同住宅時価推定システム。
【請求項20】
前記最終価格算定部は、最終抽出された事例の件数が既設定の範囲に相当すれば、良好、普通、及び不十分の中で一つの信頼等級を付与する信頼等級付与部を含む
請求項18に記載の類似団地群生成部を有する共同住宅時価推定システム。
【請求項21】
前記信頼等級付与部は、現実化率補正値を適用した事例別試算価格が既設定の個数以上であれば、信頼等級を一等級下げて付与する
請求項20に記載の類似団地群生成部を有する共同住宅時価推定システム。
【請求項22】
コンピュータを含む演算処理手段によって実行されるプログラム形態からなり、共同住宅の時価を推定する方法であって、
データベース部が、公示価格情報、市場価格情報及び住宅特性情報を収集して保存するS1段階と、
類似団地群生成部が、前記データベース部の住宅特性情報を用いて、対象住宅と類似した不動産を類似団地群として選別するS2段階と、
価格情報整備部が、前記類似団地群生成部で選別された類似団地群についての前記データベース部の各情報から特性不一致事例及び価格異常値事例を除去するS3段階と、
類似事例抽出部が、前記類似団地群の中で対象住宅の類似事例を抽出するS4段階と、
最終価格算定部が、前記類似事例抽出部で抽出された類似事例から対象住宅の価格を推定するS5段階とを含む
ことを特徴とする類似団地群生成部を有する共同住宅時価推定方法。
【請求項23】
コンピュータ上でソフトウェアによる情報を処理するハードウェアと結合し、請求項22に記載の類似団地群生成部を有する共同住宅時価推定方法を実行させるためにコンピュータ可読の記録媒体に保存された
ことを特徴とするコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は共同住宅時価推定システム及び推定方法に関する。具体的には、類似団地群生成部を有する共同住宅時価推定システム及び推定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
政府は、不動産市場の安定、投機予防及び住居福祉強化などのために各種の不動産政策を施行して運営している。不動産政策の効果を診断し、地域的状況変化などを把握するために時価推定の必要性が増大している。
【0003】
よって、本出願人は、特許文献1:韓国特許登録第10-1762888号で、‘類似価格圏及び実取引価格を用いた不動産時価算定システム及び方法’を提示したことがある。
【0004】
しかし、不動産実取引申告が義務化し、関連情報が蓄積するのに伴い、不動産時価推定のための基礎情報が備えられたが、虚偽申告、事情介入、地域別・類型別取引偏重などによって実取引情報の整備及び補完が必要な状況であった。
【0005】
特に、類似事例を正確に抽出する基準を提示することができなかったから、不正確に抽出された類似事例に基づいて最終算出された価格の信頼度も低下する問題点があった。
【0006】
また、共同住宅の場合、類似事例を抽出するために、各団地別類似程度を考慮しなければならないが、従来技術はこのような方式で共同住宅の類似事例に近付くことができなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】韓国特許登録第10-1762888号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明による類似団地群生成部を有する共同住宅時価推定システム及び推定方法は次のような解決課題を有する。
第一、類似団地群を生成するための条件を具体的に提示しようとする。
第二、類似事例を抽出するための優先順位を具体的に提示しようとする。
第三、全国共同住宅の時価を客観的基準によって一括して推定することにより、実取引虚偽売物検証、出来値指標生産などに活用して不動産市場管理及び調査・統計業務を体系化・客観化しようとする。
第四、投機地域指定及び分譲市場管理、政策導入シミュレーションの遂行など、各種の政府政策支援などに活用しようとする。
本発明の解決課題は以上で言及したものに限定されず、言及しなかった他の解決課題は下記の記載から当業者に明らかに理解可能であろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明はコンピュータを含む演算処理手段によって実行されるプログラム形態からなり、共同住宅の時価を推定するシステムに関する。
【0010】
本発明による類似団地群生成部を有する共同住宅時価推定システムは、公示価格情報、市場価格情報及び住宅特性情報を収集して保存するデータベース部と、前記データベース部の住宅特性情報を用いて対象住宅と類似した不動産を類似団地群として選別する類似団地群生成部と、前記類似団地群生成部で選別された類似団地群についての前記データベース部の各情報から特性不一致事例及び価格異常値事例を除去する価格情報整備部と、前記類似団地群の中で対象住宅の類似事例を抽出する類似事例抽出部と、前記類似事例抽出部で抽出された類似事例から対象住宅の価格を推定する最終価格算定部とを含む。
【0011】
本発明において、前記共同住宅は、アパート、長屋及び多世帯住宅の中で少なくとも一つを含むことができる。
【0012】
本発明において、前記データベース部の市場価格情報は、取引事例価格、評価事例価格及び地域調査事例価格の中で少なくとも一つの価格を含むことができる。
【0013】
本発明において、前記データベース部の住宅特性情報は、所在地情報、団地情報、世帯数情報、階情報、専用面積情報、構造情報、使用承認日情報及び敷地持分情報の中で少なくとも一つを含むことができる。
【0014】
本発明において、前記類似団地群生成部は、住宅特性情報の中で、対象住宅が属する団地に対して腐朽度条件、団地規模条件及び距離条件が既設定の範囲を満たす団地を類似団地群として選別することができる。
【0015】
本発明による前記腐朽度条件は、対象住宅が属する団地との使用承認日の差が既設定の基準値以下であることができる。
【0016】
本発明による前記団地規模条件は、対象住宅が属する団地との総世帯数の差が既設定の基準値以下であることができる。
【0017】
本発明による前記距離条件は、対象住宅が属する団地との離隔距離が既設定の基準値以下であることができる。
【0018】
本発明による前記価格情報整備部は、公示価格情報と住宅特性情報とが異なる事例を除去する特性不一致事例除去部を含むことができる。
【0019】
本発明による前記価格情報整備部は、アパート売買価格指数または長屋・多世帯住宅売買価格指数を活用し、実取引時点まで時点修正された共同住宅公示価格と実取引価格の比である現実化率が既設定の範囲外である事例情報を除去する価格異常値事例除去部を含むことができる。
【0020】
(数1)
現実化率=時点修正公示価格/実取引価格
【0021】
本発明による前記類似事例抽出部は、前記類似団地群の市場価格情報の中で類似事例を抽出する条件が適用される抽出条件適用部と、前記抽出条件適用部で抽出された事例の中で優先順位条件を適用して対象住宅の類似事例を抽出する優先順位条件適用部とを含むことができる。
【0022】
本発明による前記抽出条件適用部は、既設定の期間内の市場価格情報を抽出する第1抽出条件、対象住宅との面積差が既設定の範囲内の情報を抽出する第2抽出条件、及び対象住宅に対して複数の市場価格情報が存在すれば、最新情報のみを抽出する第3抽出条件を順次適用して類似事例を抽出することができる。
【0023】
本発明による前記優先順位条件適用部は、同じ団地の事例を類似団地事例より先に抽出する第1優先順位条件、基準時点を中心に事例時点が既設定の期間内である事例を先に抽出する第2優先順位条件、及び同じ面積事例、同じ坪型事例及び類似面積事例の順に先に抽出する第3優先順位条件を順次適用して類似事例を抽出することができる。
【0024】
本発明による前記最終価格算定部は、抽出された事例価格の現実化率を団地別に算術平均して各団地の平均現実化率を算出する団地別平均現実化率算出部を含むことができる。
本発明による前記最終価格算定部は、現実化率で対象住宅の公示価格を割って事例別試算価格を算出する事例別試算価格算定部を含むことができる。
【0025】
本発明による前記最終価格算定部は、最終価格を算定するに先立ち、対象住宅が属する団地に対する類似団地の平均現実化率の差を活用して現実化率補正値を算出する価格決定部を含むことができる。
本発明による前記価格決定部は、平均現実化率差が既設定の基準値以下の場合、現実化率補正値は1.000にすることができる。
【0026】
本発明による前記価格決定部は、平均現実化率差が既設定の基準を超えれば、下記の式によって現実化率補正値を算出することができる。
【0027】
(数2)
現実化率補正値=対象団地の平均現実化率/類似団地の平均現実化率
【0028】
本発明による前記価格決定部は、事例別試算価格を、次の式のように、対象団地との距離の逆数で加重平均して最終試算価格を算出することができる。
【0029】
【数3】
【0030】
(ここで、dist及びdistは対象土地と1番事例及び5番事例との間の直線距離であり、price及びpriceは1番事例及び5番事例の‘事例別試算価格’である。)
【0031】
本発明による前記最終価格算定部は、最終抽出された事例の件数が既設定の範囲に相当すれば、良好、普通、及び不十分の中で一つの信頼等級を付与する信頼等級付与部を含むことができる。
【0032】
本発明による前記信頼等級付与部は、現実化率補正値を適用した事例別試算価格が既設定の個数以上であれば、信頼等級を一等級下げて付与することができる。
【0033】
本発明は、コンピュータを含む演算処理手段によって実行されるプログラム形態からなり、共同住宅の時価を推定する方法であって、データベース部が、公示価格情報、市場価格情報及び住宅特性情報を収集して保存するS1段階と、類似団地群生成部が、前記データベース部の住宅特性情報を用いて、対象住宅と類似した不動産を類似団地群として選別するS2段階と、価格情報整備部が、前記類似団地群生成部で選別された類似団地群についての前記データベース部の各情報から特性不一致事例及び価格異常値事例を除去するS3段階と、類似事例抽出部が、前記類似団地群の中で対象住宅の類似事例を抽出するS4段階と、最終価格算定部が、前記類似事例抽出部で抽出された類似事例から対象住宅の価格を推定するS5段階とを含む。
【0034】
本発明は、コンピュータ上でソフトウェアによる情報を処理するハードウェアと結合し、本発明による類似団地群生成部を有する共同住宅時価推定方法を実行させるためにコンピュータ可読の記録媒体に保存されたコンピュータプログラムから具現されることができる。
【発明の効果】
【0035】
本発明による類似団地群生成部を有する共同住宅時価推定システム及び推定方法は次のような効果を有する。
第一、各団地別腐朽度条件、団地規模条件及び距離条件を適用して類似団地群を生成する効果がある。
第二、類似事例を抽出するために、抽出条件適用部及び優先順位条件適用部を備え、時価を推定すべき対象住宅に適した類似事例を抽出する効果がある。
第三、不動産市場に適正時価水準を提供して一般的取引指標を生成し、透明な取引秩序を確立する効果がある。
第四、不動産調査統計及び市場管理業務の遂行の際に検証用途などに活用して業務の効率性及び正確性を向上させる効果がある。
第五、実取引情報の活用度を高め、取引事例の適正性診断などによる制度改善を先循環させる効果がある。
本発明の効果は以上で言及したものに限定されず、言及しなかった他の効果は下記の記載から当業者に明らかに理解可能であろう。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】本発明による類似団地群生成部を有する共同住宅時価推定システムの全体的な構造を示す図である。
図2】本発明による類似団地群生成部の作動アルゴリズムを示す図である。
図3】本発明による価格情報整備部において、特性不一致事例除去部の作動アルゴリズムを示す図である。
図4】本発明による価格情報整備部において、価格異常値事例除去部の作動アルゴリズムを示す図である。
図5】本発明による類似事例抽出部において、抽出条件適用部の作動アルゴリズムを示す図である。
図6】本発明による類似事例抽出部において、優先順位条件適用部の作動アルゴリズムを示す図である。
図7】本発明による最終価格算定部の作動アルゴリズムを示す図である。
図8】本発明による共同住宅時価推定システムを事例と対比した対比図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明はコンピュータを含む演算処理手段によって実行されるプログラム形態からなり、共同住宅の時価を推定するシステムに関する。
【0038】
本発明による類似団地群生成部を有する共同住宅時価推定システムは、公示価格情報、市場価格情報及び住宅特性情報を収集して保存するデータベース部と、前記データベース部の住宅特性情報を用いて、対象住宅と類似した不動産を類似団地群として選別する類似団地群生成部と、前記類似団地群生成部で選別された類似団地群についての前記データベース部の各情報から特性不一致事例及び価格異常値事例を除去する価格情報整備部と、前記類似団地群の中で対象住宅の類似事例を抽出する類似事例抽出部と、前記類似事例抽出部で抽出された類似事例から対象住宅の価格を推定する最終価格算定部とを含む。
発明の実施のための形態
【0039】
以下、添付図面に基づき、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施することができるように本発明の実施例を説明する。本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に理解することができるように、後述する実施例は本発明の概念及び範囲を逸脱しない範疇内で多様な形態に変形可能である。同一または類似の部分は図面でできるだけ同じ図面符号で示す。
【0040】
本明細書で使われる専門用語はただ特定の実施例を言及するためのものであり、本発明を限定しようとするものではない。ここで使われる単数の形態は、文句がこれとはっきりと反対の意味を示さない限り、複数の形態も含む。
【0041】
本明細書で使われる“含む”の意味は、特定の特性、領域、整数、段階、動作、要素及び/または成分を具体化し、他の特定の特性、領域、整数、段階、動作、要素、成分及び/または群の存在や付加を除くものではない。
【0042】
本明細書で使われる技術用語及び科学用語を含むすべての用語は本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が一般的に理解する意味と同じ意味を有する。辞書に定義された用語は関連技術文献と現在開示された内容に合う意味を有するものにさらに解釈され、定義しない限り、理想的なまたは非常に公式的な意味に解釈されない。
【0043】
本明細書で説明する実施例は、ハードウェア側面またはソフトウェア側面の中で少なくとも一側面を有することができる。本明細書で、部(unit)、モジュール(module)、装置(apparatus)、システム(system)は、プロセス、客体(object)、実行ファイル、実行スレッド、プログラム及び/またはコンピュータであることができる。
【0044】
以下では図面に基づいて本発明を説明する。参考までに、図面は本発明の特徴を説明するために一部が誇張して表現されることもある。この場合、本明細書の全体趣旨に基づいて解釈されることが好ましい。
【0045】
本発明はコンピュータを含む演算処理手段によって実行されるプログラム形態からなり、時価を推定する対象共同住宅(以下、‘対象住宅’という)の時価を推定するシステムに関する。
【0046】
本発明で、共同住宅とは、「不動産価格公示に関する法律」第2条第2項による共同住宅を意味し、建築法上‘アパート’、‘長屋’及び‘多世帯住宅’が含まれる。
よって、本発明による共同住宅は、アパート、長屋及び多世帯住宅の中で少なくとも一つを含むことができる。
【0047】
本発明による類似団地群生成部を有する共同住宅時価推定システムは、データベース部100、類似団地群生成部200、価格情報整備部300、類似価格圏生成部300、類似事例抽出部400、及び最終価格算定部500を含む。
本発明によるデータベース部100は、公示価格情報、市場価格情報及び住宅特性情報を収集して保存することができる。
【0048】
本発明による類似団地群生成部200は、データベース部100の住宅特性情報を用いて、対象住宅と類似した不動産を類似団地群として選別することができる。
【0049】
本発明による価格情報整備部300は、類似団地群生成部200で選別された類似団地群についての前記データベース部100の各情報から特性不一致事例及び価格異常値事例を除去することができる。
【0050】
本発明による類似事例抽出部400は、類似団地群の中で対象住宅の類似事例を抽出することができる。
【0051】
本発明による最終価格算定部500は、類似事例抽出部400から抽出された類似事例から対象住宅の価格を推定することができる。
【0052】
まず、本発明によるデータベース部100を説明する。
本発明によるデータベース部100は、公示価格情報収集部110、市場価格情報収集部120、及び住宅特性情報収集部130を含む。
本発明による公示価格情報収集部110で収集する公示価格情報は、共同住宅の公示価格情報を意味する。
【0053】
公示価格情報は「不動産価格公示に関する法律」第3条及び第10条による共同住宅公示価格情報を意味する。共同住宅公示価格とは、国土交通部長官が共同住宅に対して毎年公示基準日(1月1日)現在の適正価格を調査・算定して不動産価格公示に関する法律第24条による中央不動産価格公示委員会の審議を経て公示した情報を含む。
公示価格情報は比較事例別現実化率(適正時価に対する公示価格の比)の算出の際に直接的に活用される。
【0054】
本発明による市場価格情報収集部120で収集する市場価格情報は、取引事例価格、評価事例価格及び地域調査事例価格の中で少なくとも一つの価格を含むことができる。
【0055】
本発明による取引事例は、不動産取引申告などに関する法律第3条によって申告された共同住宅取引事例の中で国土交通部実取引価公開システムによって公開された事例を含む。
【0056】
本発明による評価事例は、鑑定評価及び鑑定評価士に関する法律第10条第4号によって法院に係属中の訴訟または競売のために共同住宅を評価した事例を含む。
【0057】
本発明による地域調査事例は、特定の調査人力が不動産価格公示及び統計関連業務を遂行しながら算定ないし検証した当該共同住宅に対する現価事例などを意味する。調査人力とは、例えば、韓国鑑定院の調査人力または韓国鑑定院から調査の委託を受けた人力などを含む。
【0058】
本発明による市場価格情報は、特性不一致事例除去及び価格異常値事例除去の過程を経た後、対象共同住宅の適正時価を推定するための比較事例抽出の際に直接的に活用可能である。
【0059】
本発明による共同住宅時価推定システムの説明のために、取引事例の取引時点、評価事例の評価時点、地域調査事例の調査時点を通称して‘事例時点’といい、取引事例の取引価格、評価事例の評価価格、地域調査事例の調査価格を通称して‘事例価格’という。
【0060】
本発明による住宅特性情報収集部130で収集する住宅特性情報は、所在地情報、団地情報、世帯数情報、階情報、専用面積情報、構造情報、使用承認日情報及び敷地持分情報の中で少なくとも一つを含むことができる。
【0061】
前記情報は公示価格情報と市場価格情報との間の基礎特性を比較・検討して物的不一致事例を除去する用途に活用され、団地別経過年数、世帯数及び距離によって類似集団を構築して事例抽出圏域を設定するのにも活用可能である。
次に、本発明による類似団地群生成部200を説明する。
類似団地群生成部200は、データベース部100の住宅特性情報を用いて、対象住宅と類似した不動産を類似団地群として選別することができる。
【0062】
本発明による共同住宅時価推定システムは、対象住宅と類似した不動産の市場価格情報を選定及び比較して対象住宅の時価を推定する。類似していない情報を抽出して比較する場合、個別特性差による価格差をより多く補正しなければならない。これは、当該補正値を把握して算出する過程で誤差が発生する可能性が増加するからである。したがって、選定された比較事例の類似性が高い場合に推定時価の正確性が向上することができる。
【0063】
このために、類似団地群生成部200は、住宅特性情報の中で、対象住宅が属する団地に対して腐朽度条件、団地規模条件及び距離条件が既設定の範囲を満たすように類似した団地を類似団地群として選別することが好ましい。
【0064】
すなわち、類似団地群生成部では、対象住宅が属する団地と腐朽度及び団地規模が類似し、地理的に近い団地を類似団地群として区画し、当該群集内でのみ比較事例を抽出することが好ましい。これにより、比較事例の類似性を確保することができる。ただ、アパートはアパート団地、長屋・多世帯住宅は長屋・多世帯住宅団地のみを類似団地群の生成に活用することが好ましい。
【0065】
本発明による‘腐朽度条件’は対象住宅が属する団地との使用承認日の差が既設定の基準値以下であることが好ましい。すなわち、腐朽度は団地別使用承認日を基準に判断する。よって、‘腐朽度が類似した団地’とは、対象住宅が属する団地に対して使用承認日の差が一定基準値(例えば、±5年)以下の団地を意味することができる。
【0066】
本発明による‘団地規模条件’は、対象住宅が属する団地との総世帯数の差が既設定の基準値以下であることが好ましい。すなわち、団地規模とは団地に属する総世帯数を意味し、団地別に多くの面積帯の住宅がある場合(例えば、専用面積64m、85mなど)、当該面積帯を全部含む総世帯数によって測定する。よって、‘団地規模が類似した団地’とは対象住宅が属する団地との世帯数差が一定基準値(例えば、±200世代)以下の団地を意味する。
【0067】
ただ、一定規模以上の大団地の間には規模の類似性が満たされると見なし、団地規模が一定規模(例えば、500世代)以上の団地は、当該団地の世帯数が対象住宅が属する団地より一定基準値(例えば、-200世代)以上の団地を類似団地と見なす。
一方、長屋及び多世帯住宅の場合には団地規模の類似性基準が排除される。
【0068】
本発明による‘距離条件’は対象住宅が属する団地との離隔距離が既設定の基準値以下であることが好ましい。すなわち、‘地理的に近い団地’とは対象住宅が属する団地との距離が一定基準値(例えば、2km)以内の団地を意味する。一方、邑または面地域の場合、共同住宅団地が相対的に希少であるという点に鑑みて、‘団地との距離が一定基準値以下’または‘当該邑面地域に属する団地’を地理的に近い団地と見なすこともできるであろう。
【0069】
本発明において、対象住宅が属する団地と腐朽度及び団地規模が類似し、地理的に近い団地は‘類似団地群’になり、類似団地群は比較事例を抽出する基本集団として活用される。
【0070】
例えば、対象住宅(デハンアパート1団地101棟101号)を中心に隣近の共同住宅団地が下記の表1のようにある場合、対象住宅が属する団地である1番団地を含めて、2番、3番及び6番団地のみが類似団地群になることができる。
【0071】
4番団地は使用承認日が5年以上の差があるので腐朽度が類似していなく、5番団地は対象団地との距離が2km以上離れているので地理的に近くない。また、7番及び8番事例は世帯数が200世代以上の差があり、小規模団地であるので類似していない。最後に、9番及び10番事例は住宅類型がアパートではないので類似団地群に含まれないであろう。
【0072】
【表1】
【0073】
一般に、不動産市場圏域は予め区画されるものではなく、時価推定対象の地理的位置及び代替材が存在する圏域によって変わることができる。本発明では、このような点に鑑みて対象住宅別に類似団地群を生成するようにする特徴を有する
次に、本発明による価格情報整備部300を説明する。
【0074】
価格情報整備は、市場価格情報の中で専門家の検証を経らなくて適正性の検討が必要な実取引情報に対する整備を意味する。取引事例の中には、申告対象の物的特性を誤って記載した事例、税金節減などのために虚偽申告された事例、家族間の取引など、特殊な事情が介入されて通常的な市場での価格とは乖離した事例などがあり得るので、これに対する検討及び整備が必要である。
【0075】
本発明では、価格情報整備のために、物的特性不一致事例を除去し、ひいては価格異常値事例を除去する過程により、既存に整備なしに使われていた実取引情報の適正性を高め、正確な時価を推定することができるようにした。
【0076】
本発明による価格情報整備部300は、公示価格情報と実取引情報とに含まれた住宅特性情報が異なる事例情報を除去する特性不一致事例除去部310を含むことができる。
【0077】
物的特性は対象住宅の価格を形成するのに影響を与える主要要因であるという点、物的特性不一致は活用資料の中でいずれか一つは間違いがある資料であるということを意味する点で、当該資料は適切な価格資料として活用することができないので、除去が必要である。
【0078】
物的特性不一致事例除去とは、公示価格資料と実取引資料に含まれている階、専用面積(以下‘面積’という)、構造、使用承認日などの情報が異なる資料を除去する段階を言う。
【0079】
例えば、実取引情報が下記の表2のようにある場合、1番事例は公示価格資料と実取引資料の面積が異なるので除去される。これは、当該資料の面積が互いに一定基準値(例えば、±0.2m)以上の差があるからである。2番事例の場合にも面積が異なると見なすことができるが、その差が一定基準値以下であるので面積差がないと見なす。3番及び4番事例は提示された物的特性が全部一致するので正常事例と判断する。5番事例は使用承認日が異なるので除去される。公示価格資料と実取引資料の一部が下記の表2のようにある場合、1番及び5番事例は物的特性不一致事例として除去されることができる。
【0080】
【表2】
【0081】
本発明による価格情報整備部300は、アパート売買価格指数または長屋・多世帯住宅売買価格指数を活用し、実取引時点まで時点修正された共同住宅公示価格と実取引価格の比である現実化率が既設定の範囲の外である事例情報を除去する価格異常値事例除去部320を含むことができる。
【0082】
価格異常値事例除去は、実取引情報の中で家族間の取引などの特殊な事情が介入されて過度に低価または高価で取引されたか、税金節減などのために取引価格を偽って申告するなど、通常的な市場で取引されたと認めにくい異常値を一定基準によって判断して除去する過程を意味する。
【0083】
価格異常値事例除去部は、現実化率が極端の場合または取引金額自体が極端に判断される場合を判断して除去する。このために、実取引情報の実取引価格に対する共同住宅公示価格の比(以下、‘現実化率’という)を算出する。
【0084】
(数4)
現実化率=時点修正公示価格/実取引価格
【0085】
現実化率は、アパート売買価格指数及び長屋・多世帯住宅売買価格指数を活用して取引時点まで時点修正された共同住宅公示価格(以下、‘時点修正公示価格’という)と実取引価格を活用して算出する。その後、類似団地群別に実取引資料を分類した後、同じ集団に属する実取引資料の現実化率分布を確認して異常値を判断する。
【0086】
‘アパート売買価格指数’とは、住宅法施行領第91条によって毎月発表される全国の共同住宅の中でアパート標本の価格変動率指数を意味する。時点修正の際に活用されるアパート売買価格指数は該当事例が属する市郡区によって選択し、月別売買価格指数を掛けて算定する。
【0087】
‘長屋・多世帯住宅売買価格指数’とは、住宅法施行領第91条によって毎月発表される全国の共同住宅の中で長屋及び多世帯住宅標本の価格変動率指数を意味する。時点修正の際に活用される長屋・多世帯住宅売買価格指数は該当事例が属する市道によって選択し、月別売買価格指数を掛けて算定する。
【0088】
異常値判断には統計的異常値除去によく活用されるIQR異常値判断技法などを活用し、また現実化率分布で、既設定の異常値基準(例えば、上下位5%)に相当する事例を異常値と判断して除去することもできる。
【0089】
ここで、IQRはInterQuartile Rangeの略語であり、統計学で第3四分位数(Q)と第1四分位数(Q)との差を意味し、IQR異常値判断技法とは、(Q1-1.5IQR未満)または(Q3+1.5IQR超過)に相当する値を異常値と判断する統計的技法を言う。
次に、本発明による類似事例抽出部400を説明する。
類似事例抽出部400は類似団地群の中で対象住宅の類似事例を抽出することができる。
【0090】
本発明による類似事例抽出部400は、前記類似団地群の市場価格情報の中で類似事例を抽出する条件を適用する抽出条件適用部410と、前記抽出条件適用部で抽出された事例の中で優先順位条件を適用して対象住宅の類似事例を抽出する優先順位条件適用部420とを含むことができる。
【0091】
類似団地群と言っても、対象住宅と個別的特性が完全に類似している比較事例が存在する可能性は希薄である。また、個別的特性が類似している事例と言っても、急激な市場変化があった場合、過去の取引事例などは適切な比較事例ではないこともできる。本発明では、このような問題を解決するために、面積、事例時点などを考慮して抽出条件及び抽出優先順位を設定することができる。
【0092】
本発明による抽出条件適用部410は、既設定の期間内の市場価格情報を抽出する第1抽出条件、対象住宅との面積差が既設定の範囲内の情報を抽出する第2抽出条件、及び対象住宅に対して複数の市場価格情報が存在すれば、最新情報のみを抽出する第3抽出条件を順次適用することにより類似事例を抽出することができる。
【0093】
第1抽出条件の場合、情報の適時性を確保するために、既設定の期間(例えば、最近1年以内)の市場価格情報を活用することができる。
第2抽出条件の場合、対象住宅との面積差が、例えば±30%以内の資料のみを活用することができる。
【0094】
第3抽出条件の場合、当該共同住宅に対して多くの市場価格情報が存在する場合、最新の情報のみを活用することができる。このような抽出条件は地域別共同住宅市場状況またはマクロ経済変化によって変わることができる。
【0095】
例えば、類似団地群内の市場価格資料が下記の表3のように存在する場合、事例2番、4番及び9番は抽出条件に合わないので比較事例抽出の際に排除される。2番事例は対象住宅に対して30%以上の面積差があるので、抽出の際に排除される。4番事例は当該共同住宅に対する最新取引事例が存在するので抽出の際に排除される。9番事例は事例時点(‘19.5.1)が基準時点(’20.7.1)から1年以上経過したので、抽出の際に排除される。他の事例は条件に合うので抽出が可能である。
【0096】
【表3】
【0097】
本発明による優先順位条件適用部420は、同じ団地の事例を類似団地事例より先に抽出する第1優先順位条件、基準時点を中心に事例時点が既設定の期間以内の事例を先に抽出する第2優先順位条件、及び同じ面積事例、同じ坪型事例及び類似面積事例の順に先に抽出する第3優先順位条件を順次適用することにより、類似事例を抽出することができる。
抽出条件に合う類似団地群内の事例の中でどの事例を優先的に抽出するかに対する優先順位設定が必要である。
【0098】
本発明では、第1優先順位条件として同じ団地の事例を類似団地の事例より先に抽出する。第2優先順位条件として基準時点を中心に事例時点が6ヶ月以内の事例を先に抽出する。
第3優先順位条件として、同じ面積事例>同じ坪型事例>類似面積帯事例の順に先に抽出する。
【0099】
ここで、‘同じ面積事例’とは、対象住宅と面積及び構造が同じ事例を意味する。‘同一坪型事例’とは、同じ面積事例ではないが、対象住宅との面積差が3.3m以下の事例を意味する。‘類似面積帯事例’とは、対象住宅との面積差が3.3mを超えながらも30%以下の事例を意味する。
仮に、第1、第2及び第3優先順位条件が全部同じ場合には、事例時点が基準時点に近い事例を優先的に抽出する。
【0100】
例えば、表3の事例を再びまとめた下記の表4で、1番、3番、5番、6番、7番、8番及び10番の事例は抽出条件に合う。この中で、同じ団地事例である1番及び3番事例が類似団地事例である5番、6番、7番、8番及び10番事例より先に抽出されることができる。
1番及び3番事例の中では6ヶ月以内の事例である1番事例が3番事例より先に抽出されることができる。
5番、6番、7番8番及び10番事例の中では、6ヶ月以内の事例である7番及び8番事例が5番、6番及び10番事例より先に抽出されることができる。
7番及び8番事例の中では、同じ坪型である7番事例が類似面積帯である8番事例より優先的に抽出されることができる。
【0101】
一方、5番、6番及び10番事例の中では、同じ面積(構造も同一であると仮定)事例である5番事例が一番優先的に抽出されることができる。
【0102】
【表4】
【0103】
抽出された事例が既設定の件数(例えば、5件)になった場合、抽出を終了する。本事例では、1番、3番、7番、8番、5番の順に5件の事例が抽出された。
本発明は、類似事例抽出部400で抽出された類似事例から対象住宅の価格を推定する最終価格算定部500を含む。
【0104】
本発明による最終価格算定部500は、抽出された事例価格の現実化率を団地別に算術平均して各団地の平均現実化率を算出する団地別平均現実化率算出部510を含む。
【0105】
団地別平均現実化率算出部510では、抽出された事例の現実化率を団地別に算術平均して各団地の平均現実化率を構築する。構築された平均現実化率は団地別に異なる現実化率差を補正するのに活用される。これは、現実化率が高い団地の事例を活用した場合、相対的に時価が低く推定される問題を解決するためである。
【0106】
例えば、下記の表5のように、デハンアパート1団地の取引事例である1番と3番事例の現実化率を算術平均すれば67.2%が算出され、同じ方法でデハンアパート2団地は65.9%が算出される。一方、ミンククアパート1団地は72.9%が算出される
【0107】
【表5】
【0108】
構築された団地別平均現実化率は価格決定部530で事例別試算価格算定部520で算定された事例別試算価格を補正するのに活用される。具体的過程は価格決定部530に関する部分で説明する。
本発明による最終価格算定部500は、現実化率で対象住宅の公示価格を割って事例別試算価格を算出する事例別試算価格算定部520を含む。
【0109】
事例別試算価格算定部520では、抽出された事例価格と時点修正された公示価格とを比較して現実化率を算出した後、当該現実化率で対象住宅の公示価格を割って事例別試算価格を算定する。
【0110】
ここで、‘現実化率’とは事例価格に対する時点修正公示価格の比を意味し、時点修正公示価格とは事例時点を基準に最近に公示された公示価格に当該公示価格公示日(例えば、1月1日)から事例時点までのアパート売買価格指数または長屋・多世帯住宅売買価格指数を掛けた値を意味する。
【0111】
対象住宅の現実化率が抽出事例の現実化率と類似しているという前提の下で、対象住宅公示価格を事例別現実化率で割れば対象住宅の適正時価を推定することができ、このように推定された価格を‘事例別試算価格’という。例えば、対象住宅の時点修正された公示価格(117,000,000ウォン)を1番事例の現実化率(0.656)で割れば事例別試算価格(178,354,000ウォン)が算定される(表6参照)。
【0112】
【表6】
【0113】
本発明による最終価格算定部500は、最終価格を算定するに先立ち、対象住宅が属する団地に対する類似団地の平均現実化率の差を活用して現実化率補正値を算出する価格決定部530を含む。
価格決定部530は、平均現実化率の差が既設定の基準値以下の場合、現実化率補正値を1.000にすることができる。
価格決定部530は、平均現実化率の差が既設定の基準値を超えれば、下記の式で現実化率補正値を算出することができる。
【0114】
(数5)
現実化率補正値=対象団地の平均現実化率/類似団地の平均現実化率
【0115】
より詳細に説明すれば次のようである。
価格決定部530では、最終価格を算定するに先立ち、算出された団地別平均現実化率を活用して現実化率補正値を算出する。
【0116】
まず、対象住宅が属する団地に対する類似団地の平均現実化率の差が一定基準値(例えば、3%p)以下の場合、現実化率補正値は1.000にする。前記事例で、デハンアパート1団地と2団地の平均現実化率の差は1.3%p(=|67.2%-65.9%|)であるので有意な差がないものと見なして現実化率補正値を1.000にする。
【0117】
一方、平均現実化率差が一定基準値を超える場合、“対象団地の平均現実化率÷類似団地の平均現実化率”を現実化率補正値にする。例えば、ミンククアパート1団地はデハンアパート1団地に比べて平均現実化率が5.7%p(=|67.2%-72.9%|)高い。この場合、ミンククアパート1団地の事例別現実化率で割って算定した試算価格はデハンアパート1団地事例に比べて相対的に低く算出される問題が発生する。このような問題を解決するために、現実化率補正値0.922(=67.2%/72.9%)を適用して現実化率を高く算出することにより、事例別試算価格が低く算出される部分を補正する(表7参照)。
【0118】
【表7】
【0119】
1)対象住宅が属する団地と同じ団地であるので、現実化率補正値なし(=1.000)
2)対象住宅が属する団地との平均現実化率の差が一定基準値(3%p)未満であるので、現実化率補正値なし(=1.000)
3)現実化率補正値(0.922)=デハンアパート1団地平均現実化率(0.672)/ミンククアパート1団地平均現実化率(0.729)
【0120】
本発明による価格決定部530は、事例別試算価格を対象団地との距離の逆数で加重平均して最終試算価格を算出することができる。
【0121】
前記事例では、抽出された事例が5件であるので、事例別試算価格(対象住宅時点修正公示価格を補正された現実化率で割った価格)は5件が算出される。5件の事例別試算価格を対象団地との距離の逆数で加重平均(以下、‘距離加重平均’という)する。これは次のような式によってなされる。
【0122】
【数6】
(ここで、dist及びdistは対象土地と1番事例及び5番事例との間の直線距離であり、price及びpriceは1番事例及び5番事例の‘事例別試算価格’である。)
このような距離加重平均によって算出された価格は前記事例で174,224,000ウォンが算出される。
【0123】
本発明による最終価格算定部500は、最終抽出された事例の件数が既設定の範囲に相当すれば、良好、普通、及び不十分の中でいずれか一つの信頼等級を付与する信頼等級付与部540を含む。
信頼等級付与部540は、現実化率補正値を適用した事例別試算価格が既設定の個数以上であれば、信頼等級を一等級下げて付与することができる。
【0124】
例えば、最終抽出された事例が5件の場合に信頼等級‘良好’を、3件以上4件以下の場合に信頼等級‘普通’、2件以下の場合には‘不十分’を付与し、0件の場合には算定されない。
仮に、価格決定部530に現実化率補正値を適用した事例別試算価格が一定個数(例えば、3個)以上の場合、信頼等級を下げて調整することができる。
【0125】
一方、本発明はコンピュータを含む演算処理手段によって実行されるプログラム形態からなり、対象住宅の時価を推定する方法によって具現されることもできる。本発明において、共同住宅時価推定方法は共同住宅時価推定システムと発明のカテゴリーが異なるが、発明の本質的作動原理及び構成要素を共有する。ここで、重複する部分を排除し、要旨を主として説明する。
【0126】
本発明による類似団地群生成部を有する共同住宅時価推定方法は、データベース部100が、公示価格情報、市場価格情報及び住宅特性情報を収集して保存するS1段階と、類似団地群生成部200が、前記データベース部100の住宅特性情報を用いて対象住宅と類似した不動産を類似団地群として選別するS2段階と、価格情報整備部300が、前記類似団地群生成部200で選別された類似団地群についての前記データベース部100の各情報から特性不一致事例及び価格異常値事例を除去するS3段階と、類似事例抽出部400が、前記類似団地群の中で対象住宅の類似事例を抽出するS4段階と、最終価格算定部500が、前記類似事例抽出部で抽出された類似事例から対象住宅の価格を推定するS5段階とを含むことができる。
【0127】
一方、本発明はコンピュータプログラムの形態から具現されることができる。本発明は、コンピュータ上でソフトウェアによる情報を処理するハードウェアと結合し、本発明による類似事例抽出部を有する共同住宅時価推定方法を実行させるために、コンピュータ可読の記録媒体に保存されたコンピュータプログラムから具現されることができる。
【0128】
本発明で遂行される動作は、デジタル電子回路、またはコンピュータハードウェア、ファームウエア、またはそれらの組合せ内で実行可能である。特徴は、例えばプログラミング可能なプロセッサによる実行のために、機械可読の保存デバイス内の保存装置内で具現されるコンピュータプログラム製品で実行されることができる。そして、特徴は、入力データ上で動作して出力を生成することにより、前述した実施例の関数を遂行するための指示語のプログラムを実行するプログラミング可能なプロセッサによって遂行されることができる。前述した特徴は、データ保存システムからデータ及び指示語を受信するために、及びデータ保存システムにデータ及び指示語を伝送するために結合された少なくとも一つのプログラミング可能なプロセッサ、少なくとも一つの入力デバイス、及び少なくとも一つの出力デバイスを含むプログラミング可能なシステム上で実行可能な一つ以上のコンピュータプログラム内で実行されることができる。
【0129】
本明細書で説明する実施例及び添付図面は本発明の技術的思想の一部を例示的に説明するものに過ぎない。したがって、本明細書に開示された実施例は本発明の技術的思想を限定するためのものではなく説明するためのものであるので、このような実施例によって本発明の技術思想の範囲が限定されるものではないことは自明である。本発明の明細書及び図面に含まれた技術的思想の範囲内で当業者が容易に類推することができる変形例及び具体的な実施例はいずれも本発明の権利範囲に含まれるものに解釈されなければならないであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】