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特表2023-509109光起電性封止材用の改善された分子設計を有するα-オレフィンインターポリマー
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  • 特表-光起電性封止材用の改善された分子設計を有するα-オレフィンインターポリマー 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-07
(54)【発明の名称】光起電性封止材用の改善された分子設計を有するα-オレフィンインターポリマー
(51)【国際特許分類】
   C08F 210/02 20060101AFI20230228BHJP
   C08F 4/64 20060101ALI20230228BHJP
   C08L 23/08 20060101ALI20230228BHJP
【FI】
C08F210/02
C08F4/64
C08L23/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022534690
(86)(22)【出願日】2020-12-17
(85)【翻訳文提出日】2022-07-05
(86)【国際出願番号】 US2020065761
(87)【国際公開番号】W WO2021133640
(87)【国際公開日】2021-07-01
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2019/128574
(32)【優先日】2019-12-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TEFLON
(71)【出願人】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(72)【発明者】
【氏名】ウー、カオシアン
(72)【発明者】
【氏名】ハーバースベルガー、ブライアン エム.
(72)【発明者】
【氏名】デローブ、ジョナサン イー.
(72)【発明者】
【氏名】カルヤラ、トーマス ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】スン、ヤーピン
(72)【発明者】
【氏名】コン、ロンチュアン
【テーマコード(参考)】
4J002
4J100
4J128
【Fターム(参考)】
4J002BB051
4J002EK086
4J002EU198
4J002EX017
4J002FD146
4J002FD158
4J002FD207
4J002GQ00
4J100AA02P
4J100AA19Q
4J100CA04
4J100DA04
4J100FA08
4J100JA43
4J128AA01
4J128AB00
4J128AC01
4J128AC27
4J128BA00A
4J128BB01B
4J128BC12B
4J128BC25B
4J128EA01
4J128EB02
4J128EB07
4J128EC02
4J128FA02
4J128FA09
4J128GA06
4J128GA26
4J128GB01
(57)【要約】
以下の特性:a)0.30以上の総不飽和/1000C、b)3.0以下の分子量分布(MWD)、c)8.0以下のTGIC広がりパラメータB1/4、を含むエチレン/α-オレフィンインターポリマーを含む、組成物。エチレン/α-オレフィン/インターポリマーを調製するための溶液重合プロセスであって、1つの反応器内で、150℃以上の反応器温度で、エチレン、α-オレフィン、溶媒、及び本明細書に記載されるような金属錯体を含む反応混合物を重合することを含む、溶液重合プロセス。1つ以上のオレフィン系ポリマーを含むポリマー組成物のTGIC広がりパラメータB1/xを決定する方法。
【選択図】なし

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の特性:
a)0.30以上の総不飽和/1000C、
b)3.0以下の分子量分布(MWD)、
c)8.0以下のTGIC広がりパラメータB1/4、を含むエチレン/α-オレフィンインターポリマーを含む、組成物。
【請求項2】
前記エチレン/α-オレフィンインターポリマーが、0.860g/cc以上の密度を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記エチレン/α-オレフィンインターポリマーが、0.900g/cc以下の密度を有する、請求項1又は請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記インターポリマーが、[(ビニル/1000C)(Mn)]が5×10(g/mol)以上である生成物を更に含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記インターポリマーが、[(ビニル/1000C)/(ビニリデン/1000C)]の比が2.0以上であることを更に含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記エチレン/α-オレフィンインターポリマーが、ビニル%が50%以上であることを更に含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記組成物が、ペルオキシド及びシランカップリング剤を更に含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記組成物が、架橋助剤を更に含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物から形成された少なくとも1つの構成要素を含む、物品。
【請求項10】
前記物品が、フィルムである、請求項9に記載の物品。
【請求項11】
前記物品が、太陽電池モジュールである、請求項9に記載の物品。
【請求項12】
エチレン/α-オレフィン/インターポリマーを調製するための溶液重合プロセスであって、前記プロセスが、1つの反応器内で、150℃以上の反応器温度で、エチレン、α-オレフィン、溶媒、及び以下のa)から選択される金属錯体を含む反応混合物を重合することを含み、
a)以下の構造1から選択されるビフェニルフェノール金属錯体:
【化1】
Mは、Zr又はHfであり、前記金属は、+2、+3、又は+4の形式酸化数にあり、
nは、0、1、又は2であり、
nが1である場合、Xは、単座配位子又は二座配位子であり、
nが2である場合、各Xは、独立して選択された単座配位子であり、
前記金属錯体は、全体的に電荷中性であり、
-Z-及び-Z-の各々は、独立して、-O-、-S-、-N(R)-、又は-P(R)-から選択され、
及びRは、独立して、-H、(C~C40)-ヒドロカルビル、(C~C40)ヘテロヒドロカルビル、-Si(R、-Ge(R、-P(R、-N(R、-OR、-SR、-NO、-CN、-CF、RS(O)-、RS(O)-、(RC=N-、RC(O)O-、ROC(O)-、RC(O)N(R)-、(RNC(O)-、ハロゲン、式(I)を有するラジカル、式(II)を有するラジカル、及び式(III)を有するラジカルからなる群から選択され、
【化2】
式中、R31~35、R41~48、及びR51~59の各々は、独立して、(C~C40)ヒドロカルビル、(C~C40)ヘテロヒドロカルビル、-Si(R、-Ge(R、-P(R、-N(R、-N=CHR、-OR、-SR、-NO、-CN、-CF、RS(O)-、RS(O)-、(RC=N-、RC(O)O-、ROC(O)-、RC(O)N(R)-、(RNC(O)-、ハロゲン、又は-Hから選択され、
2~7、R9~16の各々は、独立して、(C~C40)ヒドロカルビル、(C~C40)ヘテロヒドロカルビル、-Si(R、-Ge(R、-P(R、-N(R、-N=CHR、-OR、-SR、-NO、-CN、-CF、RS(O)-、RS(O)-、(RC=N-、RC(O)O-、ROC(O)-、RC(O)N(R)-、(RNC(O)-、ハロゲン、又は-Hから選択され、
Lは、(C~C40)ヒドロカルビレン又は(C~C40)ヘテロヒドロカルビレンであり、前記(C~C40)ヒドロカルビレンが、構造1における2つのZ基(Lが結合している)を連結する、1個の炭素原子~10個の炭素原子のリンカー主鎖を含む部分を有するか、又は前記(C~C40)ヘテロヒドロカルビレンが、構造1における前記2つのZ基を連結する、1個の原子~10個の原子のリンカー主鎖を含む部分を有し、前記(C~C40)ヘテロヒドロカルビレンの前記1個の原子~10個の原子のリンカー主鎖の前記1~10個の原子の各々は、独立して、炭素原子又はヘテロ原子基であり、各ヘテロ原子基は、独立して、O、S、S(O)、S(O)、Si(R、Ge(R、P(R)、又はN(R)であり、構造1における各R、R、及びRは、独立して、(C~C30)ヒドロカルビル、(C~C30)ヘテロヒドロカルビル、又は-Hである、溶液重合プロセス。
【請求項13】
前記プロセスが、150℃以上の反応器温度で、2.5×10以上の全体的な触媒効率[(総触媒金属グラム)当たりの(インターポリマーグラム)]を有する、請求項12に記載のプロセス。
【請求項14】
前記プロセスが、0.860~0.900g/ccのエチレン/α-オレフィンインターポリマー密度で、2.5×10以上の全体的な触媒効率[(総触媒金属グラム)当たりの(インターポリマーグラム)]を有する、請求項12又は13に記載のプロセス。
【請求項15】
1つ以上のオレフィン系ポリマーを含む、ポリマー組成物のTGIC広がりパラメータB1/xを決定する方法であって、以下のステップ:
a)前記ポリマー組成物を有機溶媒に溶解して、ポリマー溶液を形成するステップ、
b)前記ポリマー溶液の少なくとも一部を、グラファイトを含む支持材料を含むカラムに注入するステップ、
c)前記支持材料を、0.1℃/分以上の速度で冷却するステップ、
d)前記支持材料の温度を上昇させて、前記ポリマー組成物の前記ポリマー(複数可)を溶出させるステップ、
e)「dwi/dT対温度」プロファイルを生成するステップ、
f)前記プロファイル(dwi/dTi対温度)の最大高さについて、前記最大高さの1/x(x>1)での前記プロファイルの幅を計算するステップ、
g)前記プロファイルの前記最大高さでの温度(Tp)を決定するステップ、
h)EICOSANE/iPP/HDPE参照から、(150.0℃の溶出温度での)HDPEピーク高さの1/xでのHDPEのピーク幅(1/xでのピーク幅)を計算するステップであって、前記基準が、ステップa)~g)に従って、TGICによって分析される、計算するステップ、
i)前記B1/xを、以下の式:
【数1】
に基づいて計算するステップ、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2019年12月26日に出願された国際出願第CN2019/128574号に対する優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
光起電性封止材用に設計されたポリマーは、多くの要件を満たす必要がある。認定試験及び使用中に電気構成要素及び配線の動きを防止するため、高分子材料は、最大85℃の温度で有意に流動しないようにする必要がある。これを達成するための1つの手段は、この温度を超える融点を有する半結晶性ポリマーを含むことである。しかしながら、高光学透明度及び低弾性率などの他の封止材料の要件は、低結晶化度ポリマーで最適化される。これらの要件のバランスをとるために、典型的には、エチレン-酢酸ビニルコポリマー(ethylene-vinyl acetate copolymer、EVA)又はポリオレフィンエラストマー(polyolefin elastomer、POE)などの低結晶化度ポリマーが、ペルオキシド系反応性硬化パッケージと併せて使用される。低結晶化度ポリマーは、高透明度及び低弾性率を提供するが、硬化パッケージは、ポリマーにネットワークを形成させ、高温で機械的安定性を提供する架橋反応を促進する。この架橋反応は、典型的には、150℃で行われるモジュール積層中に起こる。
【0003】
このペルオキシド硬化パッケージの含有は、ペルオキシドが分解し、押出機内での架橋反応を開始するのを防止するために、フィルム押出プロセスを低温で行う必要があるため、追加の設計矛盾をもたらす。押出中の発熱は、押出の速度及びポリマー粘度に関係し、高粘度及び高押出速度は、より多くの熱を発生させる。したがって、ペルオキシド硬化性組成物を押出するために、低粘度樹脂を、低速で押出することが好ましい。しかしながら、低押出速度は経済的に不利であり、低粘度は、典型的には、低分子量樹脂の使用を介して達成される。通常、低分子量樹脂は、効率的に架橋され得ず、必要なレベルの架橋に達するために、モジュール積層プロセスにおいて、ペルオキシド硬化パッケージのより高い充填量又はより長い時間を必要とする。これらの解決策はいずれも、費用がかかり、非効率的である。
【0004】
光起電性封止材に使用されている従来のポリマーに対して、高速で押出することができ、かつ高度に架橋できる新しいポリマーの必要性が存在する。欧州特許第2958151(B1)号は、太陽電池封止材用の樹脂組成物を開示し、それは、良好な架橋、良好な耐熱性、及び良好な透明性を有するものとして開示されている。樹脂組成物は、次の関係:N×V≧10を満たすエチレン/α-オレフィンコポリマーを含有し、式中、Nは、コモノマーに由来する分岐数であり、Vは、コポリマー中のビニル及びビニリデンの総数である(例えば、段落[0030]及び[0031]を参照)。ここで、Vは、0.17以上である。また、出願公開第2012009688(A)号(機械翻訳)も参照されたく、これは、0.22の不飽和(ビニル、ビニリデン、シス及びトランスビニレン、三置換ビニレン)の総量、0.860~0.920g/ccの密度、及び8.0以下のMz/Mnを有するエチレン/α-オレフィンコポリマーを含有する、ソーラー封止組成物を開示している。ソーラー封止材用の追加のポリマー組成物が、次の参考文献:欧州特許第2637217(B1)号(部分的に、2~10未満のMFR、0.865~0.884g/ccの密度、及び60~85のショアA硬度を含み、MWDが1.2~3.5であり得る、エチレン/α-オレフィンコポリマーを含有する組成物)、及び米国特許第8581094号(部分的に、約0.90g/cc未満の密度、約95℃未満の融点、及び約150メガパスカル未満の2%割線弾性率を含むポリオレフィンコポリマーを含有する組成物)に開示されている。しかしながら、これらの参考文献は、高押出速度及び高架橋度を実現するための新しい樹脂設計を促進するものではない。高押出速度及び高架橋度を促進するそのような組成物の必要性が依然として存在する。この必要性は、本発明によって満たされた。
【発明の概要】
【0005】
以下の特性:
a)0.30以上の総不飽和/1000C、
b)3.0以下の分子量分布(molecular weight distribution、MWD)、
c)8.0以下のTGIC広がりパラメータB1/4、を含むエチレン/α-オレフィンインターポリマーを含む、組成物。
【0006】
エチレン/α-オレフィン/インターポリマーを調製するための溶液重合プロセスであって、当該プロセスが、1つの反応器内で、150℃以上の反応器温度で、エチレン、α-オレフィン、溶媒、及び以下のa)から選択される金属錯体を含む反応混合物を重合することを含み、
a)以下の構造1から選択されるビフェニルフェノール金属錯体:
【化1】
Mは、Zr又はHfであり、金属は、+2、+3、又は+4の形式酸化数にあり、
nは、0、1、又は2であり、
nが1である場合、Xは、単座配位子又は二座配位子であり、
nが2である場合、各Xは、独立して選択された単座配位子であり、
金属錯体は、全体的に電荷中性であり、
-Z-及び-Z-の各々は、独立して、-O-、-S-、-N(R)-、又は-P(R)-から選択され、
及びRは、独立して、-H、(C~C40)-ヒドロカルビル、(C~C40)ヘテロヒドロカルビル、-Si(R、-Ge(R、-P(R、-N(R、-OR、-SR、-NO、-CN、-CF、RS(O)-、RS(O)-、(RC=N-、RC(O)O-、ROC(O)-、RC(O)N(R)-、(RNC(O)-、ハロゲン、式(I)を有するラジカル、式(II)を有するラジカル、及び式(III)を有するラジカルからなる群から選択され、
【化2】
式中、R31~35、R41~48、及びR51~59の各々は、独立して、(C~C40)ヒドロカルビル、(C~C40)ヘテロヒドロカルビル、-Si(R、-Ge(R、-P(R、-N(R、-N=CHR、-OR、-SR、-NO、-CN、-CF3、RS(O)-、RS(O)-、(RC=N-、RC(O)O-、ROC(O)-、RC(O)N(R)-、(RNC(O)-、ハロゲン、又は-Hから選択され、
2~7、R9~16の各々は、独立して、(C~C40)ヒドロカルビル、(C~C40)ヘテロヒドロカルビル、-Si(R、-Ge(R、-P(R、-N(R、-N=CHR、-OR、-SR、-NO、-CN、-CF、RS(O)-、RS(O)-、(RC=N-、RC(O)O-、ROC(O)-、RC(O)N(R)-、(RNC(O)-、ハロゲン、又は-Hから選択され、
Lは、(C~C40)ヒドロカルビレン又は(C~C40)ヘテロヒドロカルビレンであり、(C~C40)ヒドロカルビレンが、構造1における2つのZ基(Lが結合している)を連結する、1個の炭素原子~10個の炭素原子のリンカー主鎖を含む部分を有するか、又は(C~C40)ヘテロヒドロカルビレンが、構造1における2つのZ基を連結する、1個の原子~10個の原子のリンカー主鎖を含む部分を有し、(C~C40)ヘテロヒドロカルビレンの1個の原子~10個の原子のリンカー主鎖の1~10個の原子の各々は、独立して、炭素原子又はヘテロ原子基であり、各ヘテロ原子基は、独立して、O、S、S(O)、S(O)、Si(R、Ge(R、P(R)、又はN(R)であり、構造1における各R、R、及びRは、独立して、(C~C30)ヒドロカルビル、(C~C30)ヘテロヒドロカルビル、又は-Hである、溶液重合プロセス。
【0007】
1つ以上のオレフィン系ポリマーを含む、ポリマー組成物のTGIC広がりパラメータB1/xを決定する方法であって、当該方法が、以下のステップ:
a)ポリマー組成物を有機溶媒に溶解して、ポリマー溶液を形成するステップ、
b)ポリマー溶液の少なくとも一部を、グラファイトを含む支持材料を含むカラムに注入するステップ、
c)支持材料を、0.1℃/分以上の速度で冷却するステップ、
d)支持材料の温度を上昇させて、ポリマー組成物のポリマー(複数可)を溶出させるステップ、
e)「dwi/dT対温度」プロファイルを生成するステップ、
f)プロファイル(dwi/dTi対温度)の最大高さについて、最大高さの1/x(x>1)でのプロファイルの幅を計算するステップ、
g)プロファイルの最大高さでの温度(Tp)を決定するステップ、
h)EICOSANE/iPP/HDPE基準から、(150.0℃の溶出温度での)HDPEピーク高さの1/xでのHDPEのピーク幅(1/xでのピーク幅)を計算するステップであって、参照が、ステップa)~g)に従って、TGICによって分析される、計算するステップ、
i)B1/xを、以下の式:
【数1】
に基づいて計算するステップ、を含む、方法。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】TGIC温度較正のための溶出温度の外挿を示すグラフである。実線は、実験データであり、破線は、2つの等温ステップに対する溶出温度の外挿である。
図2】EICOSANE/iPP/HDPE混合物のTGICクロマトグラムである。
図3】エチレン-オクテンコポリマーの溶出ピーク温度(Tp)対オクテン重量%の相関を示すグラフである。
図4】本発明のPOE(POE A)のTGICプロファイルのグラフである。
図5】比較POE(POE C)のTGICプロファイルのグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
改善された硬化性能及び良好な押出性を提供するエチレン/α-オレフィン/インターポリマー設計が見出された。総不飽和中のより高いビニル画分及びインターポリマー中の狭いコモノマー分布が、ガラスへの改善された接着性を提供することも見出された。
【0010】
上述のように、以下の特性:
a)0.30以上の総不飽和/1000C、
b)3.0以下の分子量分布(MWD)、
c)8.0以下のTGIC広がりパラメータB1/4、を含むエチレン/α-オレフィンインターポリマーを含む組成物が提供される。
【0011】
上記組成物は、本明細書に記載されるような2つ以上の実施形態の組み合わせを含み得る。エチレン/α-オレフィンインターポリマーは、本明細書に記載されるような2つ以上の実施形態の組み合わせを含み得る。
【0012】
上記TGIC広がりパラメータB1/4は、エチレン/α-オレフィンインターポリマーのコモノマー分布の呼吸の指標である。より小さいB1/4値は、より狭いコモノマー分布を示す。一実施形態、又はそれぞれが本明細書に記載される2つ以上の実施形態の組み合わせでは、TGIC広がりパラメータB1/4は、7.5以下、又は7.0以下、又は6.5以下、又は6.0以下、又は5.5以下、又は5.0以下、又は4.8以下、又は4.6以下、又は4.4以下、又は4.2以下、又は4.0以下、又は3.8以下である。一実施形態、又はそれぞれが本明細書に記載される2つ以上の実施形態の組み合わせでは、TGIC広がりパラメータB1/4は、1.5以上、又は2.0以上、又は2.2以上、又は2.4以上、又は2.6以上、又は2.8以上、又は3.0以上、又は3.2以上である。
【0013】
一実施形態、又はそれぞれが本明細書に記載される2つ以上の実施形態の組み合わせではエチレン/α-オレフィンインターポリマーは、0.860g/cc以上、又は0.861g/cc以上、又は0.862g/cc以上、又は0.863g/cc以上、又は0.864g/cc以上、又は0.865g/cc以上、又は0.866g/cc以上、又は0.867g/cc以上、又は0.868g/cc以上、又は0.869g/cc以上、又は0.870g/cc以上(1cc=1cm)の密度を有する。一実施形態、又はそれぞれが本明細書に記載される2つ以上の実施形態の組み合わせでは、エチレン/α-オレフィンインターポリマーは、0.900g/cc以下、又は0.890g/cc以下、又は0.888g/cc以下、又は0.886g/cc以下、又は0.885g/cc以下、又は0.884g/cc以下、又は0.883g/cc以下、又は0.882g/cc以下、又は0.880g/cc以下、又は0.878g/cc以下の密度を有する。
【0014】
一実施形態、又はそれぞれが本明細書に記載される2つ以上の実施形態の組み合わせでは、エチレン/α-オレフィンインターポリマーは、0.32以上、又は0.35以上、又は0.40以上、又は0.45以上、又は0.50以上、又は0.52以上、又は0.54以上、又は0.56以上の総不飽和/1000Cを有する。一実施形態、又はそれぞれが本明細書に記載される2つ以上の実施形態の組み合わせでは、エチレン/α-オレフィンインターポリマーは、1.00以下、又は0.95以下、又は0.90以下、又は0.85以下、又は0.80以下、又は0.78以下、又は0.76以下、又は0.74以下、又は072以下、又は0.70以下の総不飽和/1000Cを有する。
【0015】
一実施形態、又はそれぞれが本明細書に記載される2つ以上の実施形態の組み合わせでは、エチレン/α-オレフィンインターポリマーは、1.6以上、又は1.7以上、又は1.8以上、又は1.9以上、又は2.0以上の分子量分布(MWD=Mw/Mn)を有する。一実施形態、又はそれぞれが本明細書に記載される2つ以上の実施形態の組み合わせでは、エチレン/α-オレフィンインターポリマーは、2.9以下、又は2.8以下、又は2.7以下、又は2.6以下、又は2.5以下、又は2.4以下、又は2.3以下、又は2.2以下の分子量分布MWDを有する。
【0016】
一実施形態、又はそれぞれが本明細書に記載される2つ以上の実施形態の組み合わせでは、インターポリマーは、[(ビニル/1000C)(Mn)]が、5.0×10(g/mol)以上、又は6.0×10(g/mol)以上、7.0×10(g/mol)以上、7.5×10(g/mol)以上、又は8.0×10(g/mol)以上、又は8.5×10(g/mol)以上、又は9.0×10(g/mol)以上、又は9.5×10(g/mol)以上、又は10×10(g/mol)以上である生成物を更に含む。一実施形態、又はそれぞれが本明細書に記載される2つ以上の実施形態の組み合わせでは、インターポリマーは、[(ビニル/1000C)(Mn)]が、30×10(g/mol)以下、又は20×10(g/mol)以下、)、又は18×10(g/mol)以下、又は16×10(g/mol)以下、又は14×10(g/mol)以下、又は12×10(g/mol)以下である生成物を更に含む。
【0017】
一実施形態、又はそれぞれが本明細書に記載される2つ以上の実施形態の組み合わせでは、インターポリマーは、[(ビニル/1000C)/(ビニリデン/1000C)]の比が、2.0以上、又は2.2以上、又は2.4以上、又は2.6以上、又は2.8以上、又は3.0以上、又は3.1以上、又は3.2以上、又は3.3以上、又は3.4以上であることを更に含む。一実施形態、又はそれぞれが本明細書に記載される2つ以上の実施形態の組み合わせでは、インターポリマーは、[(ビニル/1000C)/(ビニリデン/1000C)]の比が、6.0以下、又は5.5以下、又は5.0以下、又は4.8以下、又は4.6以下、又は4.4以下、又は4.2以下、又は4.0以下、又は3.8以下であることを更に含む。
【0018】
一実施形態、又はそれぞれが本明細書に記載される2つ以上の実施形態の組み合わせでは、エチレン/α-オレフィンインターポリマーは、50%以上、又は52%以上、又は54%以上、又は56%、又は58%以上、又は60%以上、又は62%以上のビニル%を更に含む。ビニル%=[(ビニル/1000C)/(総不飽和/1000C)]×100。
【0019】
一実施形態、又はそれぞれが本明細書に記載される2つ以上の実施形態の組み合わせでは、組成物は、ペルオキシド及びシランカップリング剤を更に含む。一実施形態、又はそれぞれが本明細書に記載される2つ以上の実施形態の組み合わせでは、組成物は、架橋助剤を更に含む。
【0020】
任意の一実施形態、又はそれぞれが本明細書に記載される2つ以上の実施形態の組み合わせの組成物から形成される少なくとも1つの構成要素を含む物品も提供される。一実施形態、又はそれぞれが本明細書に記載される2つ以上の実施形態の組み合わせでは、物品は、フィルムである。一実施形態、又はそれぞれが本明細書に記載される2つ以上の実施形態の組み合わせでは、物品は、太陽電池モジュールである。
【0021】
エチレン/α-オレフィンインターポリマーは、重合形態で、エチレン及びα-オレフィンを含む。α-オレフィンは、脂肪族又は芳香族化合物のいずれかであり得る。α-オレフィンは、好ましくはC~C20脂肪族化合物、好ましくはC~C16脂肪族化合物、及びより好ましくはC~C10脂肪族化合物である。好ましいC~C10脂肪族α-オレフィンとしては、プロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテン、及び1-デセン、より好ましくは1-オクテンが挙げられる。
【0022】
ペルオキシド(少なくとも1つの「-O-O-」基を含有する)は、好ましくは、有機ペルオキシド、例えば、t-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキシルカーボネート、ジ-ブチルブチルペルオキシド、t-ブチル-クミルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、2,5ジメチル-2,5-ジ-(t-ブチルペルオキシ)ヘキサン、ジ-(t-ブチル-ペルオキシ-イソプロピル)ベンゼン、t-ブチルペルオキシベンゾエート、1,1-ジ-(t-ブチルペルオキシ)-3,3,5-トリメチル-シクロヘキサン、2、5-ジメチル-2、5-ジ(t-アミルペルオキシ)-ヘキサン、2、5-ジメチル-2、5-ジ(t-ブチル-ペルオキシ)ヘキシン-3、2、5-ジメチル-2、5-ジ(t-アミルペルオキシ)ヘキシン-3、ジ-t-アミルペルオキシド、1,3-ジメチル-3-(t-ブチル-ペルオキシ)ブタノール、1、3-ジメチル-3-(t-アミルペルオキシ)ブタノール、及びこれらの開始剤のうちの2つ以上の混合物などである。例えば、AkzoNobel製のTRIGONOXペルオキシド、ARKEMA製のLUPEROXペルオキシドを参照されたい。
【0023】
シランカップリング剤としては、ビニルトリメトキシシラン及び3-(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレートが挙げられるが、これらに限定されない。架橋助剤としては、トリアリルシアヌレート、トリアリルホスフェート、トリアリルイソシアヌレート、及び1,3,5,7-テトラビニル-1,3,5,7-テトラメチルシクロテトラシロキサンが挙げられるが、これらに限定されない。本発明の組成物はまた、UV安定剤、酸化防止剤、及びこれらの組み合わせなどの1つ以上の添加剤を含み得る。
【0024】
一実施形態、又はそれぞれが本明細書に記載される2つ以上の実施形態の組み合わせでは、本発明の組成物は、モノマー(複数可)の種類及び/若しくは量、Mn、Mw、Mz、MWD、V0.1、V100、RR(V0.1/V100)、又はこれらの任意の組み合わせなどの、1つ以上の特徴において、エチレン/α-オレフィンインターポリマーとは異なる熱可塑性ポリマーを更に含む。ポリマーとしては、エチレン系ポリマー、プロピレン系ポリマー、及びオレフィンマルチブロックインターポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。好適なエチレン系ポリマーとしては、直鎖状低密度ポリエチレン(linear low density polyethylene、LLDPE)、極低密度ポリエチレン(very low density polyethylene、VLDPE)、超低密度ポリエチレン(ultra-low density polyethylene、ULDPE)、均質に分岐した直鎖状エチレン系ポリマー、及び均質に分岐した実質的に直鎖状のエチレン系ポリマー(すなわち、均質に分岐した長鎖分岐状エチレンポリマーである)が挙げられるが、これらに限定されない。プロピレン系ポリマーの例としては、ポリプロピレンホモポリマー及びプロピレン/エチレンコポリマーが挙げられる。
【0025】
エチレン/α-オレフィン/インターポリマーを調製するための溶液重合プロセスも提供され、当該プロセスは、1つの反応器内で、150℃以上の反応器温度で、エチレン、α-オレフィン、溶媒、及び上記発明の概要(Summary of the Invention、SOI)において記載されるような、構造1から選択される金属錯体を含む反応混合物を重合することを含む。
【0026】
本発明のプロセスは、本明細書に記載されるような2つ以上の実施形態の組み合わせを含み得る。ビフェニルフェノール金属錯体は、本明細書に記載されるような2つ以上の実施形態の組み合わせを含み得る。本明細書で使用される場合、R1=R、R2=R、R3=Rなどである。また、「a(1)からa(n)まで」が連続した数を表す、Ra(1)~Ra(n)という表記法は、Ra(1)、Ra(2)、Ra(3)、...、Ra(n)を指す。例えば、R31~R35は、R31、R32、R33、R34、R35を指し、R51~R59は、R51、R52、R53、R54、R55、R56、R57、R58、R59を指す。式(I)~(III)の各々では、波線は、それぞれの式(R又はR基)と、ビフェニルフェニル金属錯体の残部との間の付着(結合)を示す。
【0027】
一実施形態、又はそれぞれが本明細書に記載される2つ以上の実施形態の組み合わせでは、構造1について、Lは、-(CH-(式中、n=2~4である)、-CHC(R)CH-(式中、R及びRは、それぞれ独立して、(C~C40)ヒドロカルビル、(C~C40)ヘテロヒドロカルビル、又は-Hである)、又は-CHGe(RCH-又は-CHSi(RCH-(式中、各Rは、独立して、-H、(C~C40)ヒドロカルビル、(C~C40)ヘテロヒドロカルビル、-Si(R、-Ge(R、-P(R、-N(R、-OR、-SR、-NO、-CN、-CF、RS(O)-、RS(O)-、(RC=N-、RC(O)O-、ROC(O)-、RC(O)N(R)-、及び(RNC(O)-からなる群から選択され、構造1中の各R、R、及びRは、独立して、(C~C30)ヒドロカルビル、(C~C30)ヘテロヒドロカルビル、又は-Hである)のいずれかである。
【0028】
一実施形態、又はそれぞれが本明細書に記載されるような2つ以上の実施形態の組み合わせでは、構造1について、Lは、-CHC(R)CH-(式中、R及びRは、それぞれ独立して、(C~C40)ヒドロカルビル、(C~C40)ヘテロヒドロカルビル、又は-Hである)、又は-CHGe(RCH-若しくは-CHSi(RCH-(式中、各Rは、独立して、-H、(C~C40)ヒドロカルビル、及び(C~C40)ヘテロヒドロカルビルからなる群から選択される)のいずれかである。
【0029】
一実施形態、又はそれぞれが本明細書に記載される2つ以上の実施形態の組み合わせでは、構造1について、-Z-及び-Z-の各々は、-O-である。
【0030】
一実施形態、又はそれぞれが本明細書に記載される2つ以上の実施形態の組み合わせでは、構造1について、R及びRは、同一であり、式(I)を有するラジカル、式(II)を有するラジカル、及び式(III)を有するラジカルからなる群から、更に式(II)を有するラジカルから選択される。
【0031】
一実施形態、又はそれぞれが本明細書に記載される2つ以上の実施形態の組み合わせでは、構造1について、n=2であり、各Xは同じであり、非置換アルキルである。
【0032】
一実施形態、又はそれぞれが本明細書に記載される2つ以上の実施形態の組み合わせでは、反応混合物は、ボレートを含む助触媒-1と、アルモキサンを含む助触媒-2とを更に含む。
【0033】
一実施形態、又はそれぞれが本明細書に記載される2つ以上の実施形態の組み合わせでは、プロセスは、155℃以上、又は160℃以上、又は165℃以上、又は170℃以上、又は175℃以上、又は180℃以上、又は185℃以上、又は186℃以上、又は187℃、又は188℃以上、又は189℃以上、又は190℃以上の反応器温度で、2.5×10以上、又は2.6×10以上、又は2.8×10以上、又は3.0×10以上、又は3.2×10以上、又は3.4×10以上、又は3.6×10以上、又は3.7×10以上、又は3.8×10以上、又は3.9×10以上、又は4.0×10以上、又は4.1×10以上、又は4.2×10以上の全体的な触媒効率[(総触媒金属グラム)当たりの(インターポリマーグラム)]を有する。
【0034】
一実施形態、又はそれぞれが本明細書に記載される2つ以上の実施形態の組み合わせでは、プロセスは、0.860~0.900g/cc、又は0.865~0.890g/cc、又は0.868~0.880g/cc(1cc=1cm)のエチレン/α-オレフィン/インターポリマー密度で、2.5×10以上、又は2.6×10以上、又は2.8×10以上、又は3.0×10以上、又は3.2×10以上、又は3.4×10以上、又は3.6×10以上、又は3.7×10以上、又は3.8×10以上、又は3.9×10以上、又は4.0×10以上、又は4.1×10以上、又は4.2×10以上の全体的な触媒効率[(総触媒金属グラム)当たりの(インターポリマーグラム)]を有する。
【0035】
一実施形態、又はそれぞれが本明細書に記載される2つ以上の実施形態の組み合わせでは、プロセスは、155℃以上、又は160℃以上、又は165℃以上、又は170℃以上、又は175℃以上、又は180℃以上、又は185℃以上、又は186℃以上、又は187℃、又は188℃以上、又は189℃以上、又は190℃以上の反応器温度で実行される。一実施形態、又はそれぞれが本明細書に記載される2つ以上の実施形態の組み合わせでは、プロセスは、250℃以下、又は240℃以下、又は230℃以下、又は220℃以下、又は210℃以下、又は200℃以下の反応器温度で実行される。
【0036】
「置換基」という用語は、対応する非置換化合物の炭素原子又はヘテロ原子に結合している水素原子(-H)の、置換基(R)による置換を指す。「R」という表記法は、ヘテロ原子又は少なくとも1つのヘテロ原子を含む化学基を指す。「置換」という用語は、対応する非置換化合物の炭素原子又はヘテロ原子に結合している少なくとも1つの水素原子(-H)が、置換基(R)によって置換されることを意味する。
【0037】
「ヘテロ原子」という用語は、水素又は炭素以外の原子を指す。「ヘテロ原子基」という用語は、ヘテロ原子又は1つ以上のヘテロ原子を含有する化学基を指す。ヘテロ原子基の例としては、O、S、S(O)、S(O)2、Si(R3、P(R、N(R、-N=C(R、-Ge(R-、又は-Si(R-(式中、各R及び各Rは、独立して、非置換(C~C30)ヒドロカルビル、又はHであり、各Rは、非置換(C~C30)ヒドロカルビルである)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0038】
「-H」という用語は、別の原子に共有結合している水素又は水素ラジカルを意味する。「水素」、H、及び「-H」は、互換性があり、明記されていない限り、同じことを意味する。
【0039】
「(C~C40)ヒドロカルビル」という用語は、1~40個の炭素原子の炭化水素ラジカルを意味し、「(C~C40)ヒドロカルビレン」という用語は、1~40個の炭素原子の炭化水素ジラジカルを意味し、各炭化水素ラジカル及び各炭化水素ジラジカルは、芳香族又は非芳香族、飽和又は不飽和、直鎖又は分岐鎖、環式(単環式及び多環式、縮合及び非縮合多環式を含み、二環式を含む、3個以上の炭素原子)又は非環式であり、非置換であるか、若しくは1つ以上のRによって置換されている。
【0040】
「ヘテロ炭化水素」という用語は、1個以上の炭素原子がヘテロ原子で置換されている分子又は分子骨格を指す。「(C~C40)ヘテロヒドロカルビル」という用語は、1~40個の炭素原子のヘテロ炭化水素ラジカルを意味し、「(C~C40)ヘテロヒドロカルビレン」という用語は、1~40個の炭素原子のヘテロ炭化水素ジラジカルを意味し、各ヘテロ炭化水素は、1つ以上のヘテロ原子を有する。ヘテロヒドロカルビルのラジカルは、炭素原子又はヘテロ原子上にあり、ヘテロヒドロカルビルのジラジカルは、(1)1個若しくは2個の炭素原子、(2)1個若しくは2個のヘテロ原子、又は(3)1つの炭素原子及び1つのヘテロ原子上にあり得る。各(C~C40)ヘテロヒドロカルビル及び(C~C40)ヘテロヒドロカルビレンは、非置換又は(1つ以上のRによって)置換、芳香族又は非芳香族、飽和又は不飽和、直鎖又は分岐鎖、環式(単環式及び多環式、縮合及び非縮合多環式を含む)又は非環式であり得る。
【0041】
「ハロゲン原子」又は「ハロゲン」という用語は、フッ素原子(F)、塩素原子(Cl)、臭素原子(Br)、又はヨウ素原子(I)のラジカルを意味する。「ハロゲン化物」という用語は、フッ化物(F-)、塩化物(Cl-)、臭化物(Br-)、又はヨウ化物(I-)といったハロゲン原子のアニオン形態を意味する。
【0042】
1つ以上のオレフィン系ポリマーを含む、ポリマー組成物のTGIC広がりパラメータB1/xを決定する方法であって、当該方法が、上記SOIに記載されるステップを含む、方法も提供される。本方法は、本明細書に記載されるような2つ以上の実施形態の組み合わせを含み得る。
【0043】
一実施形態、又はそれぞれが本明細書に記載される2つ以上の実施形態の組み合わせでは、組成物は、組成物の重量に基づいて、50重量%以上、又は60重量%以上、又は70重量%以上、又は80重量%以上、又は85重量%以上の1つ以上のオレフィン系ポリマーを含み、更に50重量%以上、又は60重量%以上、又は70重量%以上、又は80重量%以上、又は85重量%以上の1つのオレフィン系ポリマー、更にエチレン/α-オレフィンインターポリマーを含む。
【0044】
一実施形態、又はそれぞれが本明細書に記載される2つ以上の実施形態の組み合わせでは、組成物は、組成物の重量に基づいて、90重量%以上、又は92重量%以上、又は94重量%以上、又は96重量%以上、又は98重量%以上、又は99重量%以上の1つ以上のオレフィン系ポリマーを含み、更に90重量%以上、又は92重量%以上、又は94重量%以上、又は96重量%以上、又は98重量%以上、又は99重量%以上の1つのオレフィン系ポリマー、更にエチレン/α-オレフィンインターポリマーを含む。
【0045】
一実施形態、又はそれぞれが本明細書に記載される2つ以上の実施形態の組み合わせでは、組成物は、1つのオレフィン系ポリマーのみを含む。更なる実施形態では、オレフィン系ポリマーは、エチレン/α-オレフィンインターポリマーである。
【0046】
一実施形態、又はそれぞれが本明細書に記載される2つ以上の実施形態の組み合わせでは、支持材料は、支持材料の重量に基づいて、10重量%以上、又は20重量%以上、又は30重量%以上、又は40重量%以上、又は50重量%以上、又は60重量%以上、又は70重量%以上、又は80重量%以上、又は85重量%以上のグラファイトを含む。
【0047】
一実施形態、又はそれぞれが本明細書に記載される2つ以上の実施形態の組み合わせでは、支持材料は、支持材料の重量に基づいて、90重量%以上、又は92重量%以上、又は94重量%以上、又は96重量%以上、又は98重量%以上、又は99重量%以上のグラファイトを含む。
【0048】
定義
相反する記載がない限り、文脈から暗黙的に、又は当該技術分野において慣習的でない限り、全ての部及びパーセントは、重量に基づき、全ての試験方法は、本開示の出願日の時点で現行のものである。
【0049】
本明細書で使用される場合、「組成物」という用語は、組成物、並びに組成物の材料から形成される反応生成物及び分解生成物を含む材料の混合物を含む。いかなる反応生成物又は分解生成物も、典型的には、微量又は残留量で存在する。
【0050】
本明細書で使用される場合、「ポリマー」という用語は、同じ種類又は異なる種類のモノマーを重合することにより調製されるポリマー化合物を指す。したがって、ポリマーという総称は、ホモポリマーという用語(微量の不純物がポリマー構造に組み込まれ得るという理解の下に、1種類のみのモノマーから調製されるポリマーを指すために用いられる)、及び本明細書で以下で定義されるようなインターポリマーという用語を含む。触媒残留物などの微量の不純物は、ポリマー中に及び/又はポリマー内に組み込まれ得る。典型的には、ポリマーは、非常に少量(「ppm」量)の1つ以上の安定剤で安定化される。
【0051】
本明細書で使用される場合、「インターポリマー」という用語は、少なくとも2つの異なる種類のモノマーの重合によって調製されるポリマーを指す。したがって、インターポリマーという用語は、コポリマーという用語(2つの異なる種類のモノマーから調製されるポリマーを指すために用いられる)、及び2つを超える異なる種類のモノマーから調製されるポリマーを含む。
【0052】
本明細書で使用される場合、「オレフィン系ポリマー」という用語は、(ポリマーの重量に基づいて)50重量%又は過半重量パーセントの、エチレン又はプロピレンなどの、オレフィンを重合形態で含み、任意選択的に1つ以上のコモノマーを含み得るポリマーを指す。
【0053】
本明細書で使用される場合、「プロピレン系ポリマー」とういう用語は、重合形態で、(ポリマーの重量に基づいて)過半重量パーセントのプロピレンを含み、任意選択的に1つ以上のコモノマーを含み得るポリマーを指す。
【0054】
本明細書で使用される場合、「エチレン系ポリマー」という用語は、重合形態で、(ポリマーの重量に基づいて)50重量%又は過半重量パーセントのエチレンを含み、任意選択的に1つ以上のコモノマーを含み得るポリマーを指す。
【0055】
本明細書で使用される場合、「エチレン/α-オレフィンインターポリマー」という用語は、重合形態で、(インターポリマーの重量に基づいて)50重量%又は過半重量パーセントのエチレン、及びα-オレフィンを含むランダムインターポリマーを指す。
【0056】
本明細書で使用される場合、「エチレン/α-オレフィンコポリマー」という用語は、重合形態で、2つのみのモノマー種類として、(コポリマーの重量に基づいて)50重量%又は過半量のエチレンモノマー、及びα-オレフィンを含むランダムコポリマーを指す。
【0057】
本明細書で使用される場合、「溶液重合」という用語は、重合溶媒にモノマー(複数可)並びに生成されるポリマーを溶解させる重合プロセスを指す。一実施形態では、反応器圧力は、1000psig以下である。
【0058】
本明細書で使用される場合、「反応混合物」という用語は、1つ以上のモノマーの種類、溶媒、及び金属錯体を含む混合物を指す。典型的には、反応混合物はまた、1つ以上の助触媒及び水素(H)を含む。
【0059】
重合プロセスに関し本明細書で使用される場合、「全体的な触媒効率(総触媒金属g当たりの10≦6gのポリマーの単位)」という用語は、同じ重合プロセス(又は重合実行)中に使用される触媒金属(例えば、1つ以上の金属錯体からの金属(複数可))の総供給速度(例えば、lb/時間)で除した、重合プロセス(又は重合実行)中に形成されるポリマーの生成速度(例えば、ポンド/時)を指す。典型的には、重合は、定常状態プロセスである。
【0060】
本明細書で使用される場合、「シランカップリング剤」という用語は、少なくとも1つの「Si」原子、及び少なくとも1つの「-CH-」基、及び/又は少なくとも1つの「-CH」基を含有する化合物を指し、この化合物は、2つの材料間、例えば、ポリマーと無機材料との間に化学連結を形成する。
【0061】
本明細書で使用される場合、「太陽電池(又は光起電性セル)」という用語は、太陽光照射を電気に変換するデバイスを指す。太陽電池は、典型的には、配列パターンで提示される。
【0062】
本明細書で使用される場合、「太陽電池モジュール(又はソーラーパネル又はソーラーモジュール)」という用語は、太陽電池の組立体を備える光起電性パネルを指す。
【0063】
本明細書で使用される場合、「積層(laminating)」、「積層(lamination)」という用語、及び同様の用語は、複数の層状材料が、熱及び圧力、並びに任意選択的な真空を含む条件下で、一緒に結合されるプロセスを指す。
【0064】
「含む(comprising)」、「含む(including)」、「有する(having)」という用語、及びそれらの派生語は、それらが具体的に開示されているか否かにかかわらず、任意の追加の構成要素、ステップ、又は手順の存在を排除することを意図するものではない。疑義を回避するために、「含む(comprising)」という用語の使用を通じて特許請求される全ての組成物は、相反する記載がない限り、ポリマーであろうとなかろうと、任意の追加の添加剤、アジュバント、又は化合物を含み得る。対照的に、「から本質的になる」という用語は、操作性に必須ではないものを除外し、任意の後続の詳述の範囲から、任意の他の構成要素、ステップ、又は手順を排除する。「からなる」という用語は、具体的に規定又は列挙されていない任意の構成要素、ステップ、又は手順を排除する。
【0065】
いくつかの組成物の特徴を列挙する
A]以下の特性:
a)0.30以上の総不飽和/1000C、
b)3.0以下の分子量分布(MWD)、
c)8.0以下のTGIC広がりパラメータB1/4、を含むエチレン/α-オレフィンインターポリマーを含む、組成物。
B]エチレン/α-オレフィンインターポリマーが、0.860g/cc以上、又は0.861g/cc以上、又は0.862g/cc以上、又は0.863g/cc以上、又は0.864g/cc以上、又は0.865g/cc以上、又は0.866g/cc以上、又は0.867g/cc以上、又は0.868g/cc以上、又は0.869g/cc以上、又は0.870g/cc以上(1cc=1cm)の密度を有する、上記A]に記載の組成物。
C]エチレン/α-オレフィンインターポリマーが、0.900g/cc以下、又は0.890g/cc以下、又は0.888g/cc以下、又は0.886g/cc以下、又は0.885g/cc以下、又は0.884g/cc以下、又は0.883g/cc以下、又は0.882g/cc以下、又は0.880g/cc以下、又は0.878g/cc以下の密度を有する、上記A]又はB]に記載の組成物。
D]エチレン/α-オレフィンインターポリマーが、0.32以上、又は0.35以上、又は0.40以上、又は0.45以上、又は0.50以上、又は0.52以上、又は0.54以上、又は0.56以上の総不飽和/1000Cを有する、上記A]~C](A]からC]まで)のいずれか1つに記載の組成物。
E]エチレン/α-オレフィンインターポリマーが、1.00以下、又は0.95以下、又は0.90以下、又は0.85以下、又は0.80以下、又は0.78以下、又は0.76以下、又は0.74以下、又は072以下、又は0.70以下の総不飽和/1000Cを有する、上記A]~D]のいずれか1つに記載の組成物。
F]エチレン/α-オレフィンインターポリマーが、50%以上、又は52%以上、又は54%以上、又は56%、又は58%以上、又は60%以上、又は62%以上のビニル%を更に含む、上記A]~E]のいずれか1つに記載の組成物。
G]エチレン/α-オレフィンインターポリマーが、100%以下、又は95%以下、又は90%以下、又は85%以下、又は80%以下、又は以下又は78%76%以下、又は74%以下、又は72%以下、又は70%以下、又は68%以下、又は66%以下のビニル%を更に含む、上記A]~F]のいずれか1つに記載の組成物。
H]エチレン/α-オレフィンインターポリマーが、[(ビニル/1000C)(Mn)]が、5.0×10(g/mol)以上、又は6.0×10(g/mol)以上、7.0×10(g/mol)以上、7.5x10(g/mol)以上、又は8.0×10(g/mol)以上、又は8.5×10(g/mol)以上、又は9.0×10(g/mol)以上、又は9.5×10(g/mol)以上、又は10×10(g/mol)以上である生成物を更に含む、上記A]~G]のいずれか1つに記載の組成物。
I]エチレン/α-オレフィンインターポリマーが、[(ビニル/1000C)(Mn)]が、30×10(g/mol)以下、又は20×10(g/mol)以下、)、又は18×10(g/mol)以下、又は16×10(g/mol)以下、又は14×10(g/mol)以下、又は12×10(g/mol)以下である生成物を更に含む、上記A]~H]のいずれか1つに記載の組成物。
J]エチレン/α-オレフィンインターポリマーが、[(ビニル/1000C)/(ビニリデン/1000C)]の比が、2.0以上、又は2.2以上、又は2.4以上、又は2.6以上、又は2.8以上、又は3.0以上、又は3.1以上、又は3.2以上、又は3.3以上、又は3.4以上であることを更に含む、上記A]~I]のいずれか1つに記載の組成物。
K]エチレン/α-オレフィンインターポリマーが、[(ビニル/1000C)/(ビニリデン/1000C)]の比が、6.0以下、又は5.5以下、又は5.0以下、又は4.8以下、又は4.6以下、又は4.4以下、又は4.2以下、又は4.0以下、又は3.8以下であることを更に含む、上記A]~J]のいずれか1つに記載の組成物。
L]エチレン/α-オレフィンインターポリマーが、0.30以上、又は0.32以上、又は0.34以上、又は0.36以上の(ビニル/1000C)量を更に含む、上記A]~K]のいずれか1つに記載の組成物。
M]エチレン/α-オレフィンインターポリマーが、0.60以下、又は0.58以下、又は0.56以下、又は0.54以下の(ビニル/1000C)量を更に含む、上記A]~L]のいずれか1つに記載の組成物。
N]エチレン/α-オレフィンインターポリマーが、0.06以上、又は0.08以上、又は0.10以上の(ビニリデン/1000C)量を更に含む、上記A]~M]のいずれか1つに記載の組成物。
O]エチレン/α-オレフィンインターポリマーが、0.20以下、又は0.18以下、又は0.16以下の(ビニリデン/1000C)量を更に含む、上記A]~N]のいずれか1つに記載の組成物。P]エチレン/α-オレフィンインターポリマーが、0.42以上、又は0.44以上、又は0.46以上の[(ビニル/1000C)+(ビニリデン/1000C)]の合計を更に含む、上記A]~O]のいずれか1つに記載の組成物。
Q]エチレン/α-オレフィンインターポリマーが、0.61以下、又は0.60以下、又は0.59以下の[(ビニル/1000C)+(ビニリデン/1000C)]の合計を更に含む、上記A]~P]のいずれか1つに記載の組成物。
R]エチレン/α-オレフィンインターポリマーが、2.0g/10分以上、又は4.0g/10分以上、又は6.0g/10分以上、又は8.0g/10分以上、又は10.0g/10分以上、又は12.0g/10分以上、又は14.0g/10分以上、又は15.0g/10分以上のメルトインデックス(I2)を有する、上記A]~Q]のいずれか1つに記載の組成物。
S]エチレン/α-オレフィンインターポリマーが、60g/10分以下、又は50g/10分以下、又は45g/10分以下、又は40g/10分以下、又は38g/10分以下、又は36g/10分以下、又は34g/10分以下、又は32g/10分以下のメルトインデックス(I2)を有する、上記A]~R]のいずれか1つに記載の組成物。
T]エチレン/α-オレフィンインターポリマーが、5.0以上、又は5.5以上、又は6.0以上、又は6.2以上、又は6.4以上、又は6.6以上、又は6.8以上、又は7.0以上、又は7.2以上、又は7.4以上、又は7.6以上のI10/I2を有する、上記A]~S]のいずれか1つに記載の組成物。
U]エチレン/α-オレフィンインターポリマーが、30.0以下、又は25.0以下、又は20.0以下、又は15.0以下、又は10.0以下、又は9.0以下、又は8.8以下、又は8.6以下、又は8.4以下、又は8.2以下、又は8.0以下のI10/I2を有する、上記A]~T]のいずれか1つに記載の組成物。
V]エチレン/α-オレフィンインターポリマーが、12,000g/mol以上、又は14,000g/mol以上、又は16,000g/mol以上、又は18,000g/mol以上、又は20,000g/mol以上、又は22,000g/mol以上、又は24,000g/mol以上の数平均分子量Mnを有する、上記A]~U]のいずれか1つに記載の組成物。
W]エチレン/α-オレフィンインターポリマーが、50,000g/mol以下、又は45,000g/mol以下、又は40,000g/mol以下、又は38,000g/mol以下、又は36,000g/mol以下、又は34,000g/mol以下、又は32,000g/mol以下、又は30,000g/mol以下の数平均分子量Mnを有する、上記A]~V]のいずれか1つに記載の組成物。
X]エチレン/α-オレフィンインターポリマーが、38,000g/mol以上、又は40,000g/mol以上、又は42,000g/mol以上、又は44,000g/mol以上、又は46,000g/mol以上、又は48,000g/mol以上、又は50,000g/mol以上の重量平均分子量Mnを有する、上記A]~W]のいずれか1つに記載の組成物。
Y]エチレン/α-オレフィンインターポリマーが、80,000g/mol以下、又は75,000g/mol以下、又は70,000g/mol以下、又は68,000g/mol以下、又は66,000g/mol以下、又は64,000g/mol以下、又は62,000g/mol以下、又は60,000g/mol以下の重量平均分子量Mnを有する、上記A]~W]のいずれか1つに記載の組成物。
Z]エチレン/α-オレフィンインターポリマーが、1.6以上、又は1.7以上、又は1.8以上、又は1.9以上、又は2.0以上の分子量分布(MWD=Mw/Mn)を有する、上記A]~Y]のいずれか1つに記載の組成物。
AA]エチレン/α-オレフィンインターポリマーが、2.9以下、又は2.8以下、又は2.7以下、又は2.6以下、又は2.5以下、又は2.4以下、又は2.3以下、又は2.2以下の分子量分布MWDを有する、上記A]~Z]のいずれか1つに記載の組成物。
BB]エチレン/α-オレフィンインターポリマーについて、α-オレフィンが、C~C20α-オレフィン、更にC~C10α-オレフィンである、上記A]~AA]のいずれか1つに記載の組成物。CC]エチレン/α-オレフィンインターポリマーについて、α-オレフィンが、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、又は1-オクテン、更にプロピレン、1-ブテン、又は1-オクテン、更に1-ブテン又は1-オクテン、更に1-オクテンから選択される、上記A]~BB]のいずれか1つに記載の組成物。
DD]エチレン/α-オレフィンインターポリマーが、エチレン/α-オレフィンコポリマーである、上記A]~CC]のいずれか1つに記載の組成物。
EE]エチレン/α-オレフィンインターポリマーが、以下:エチレン/プロピレンコポリマー、エチレン/ブテンコポリマー、又はエチレン/オクテンコポリマー、更にエチレン/ブテンコポリマー、又はエチレン/オクテンコポリマー、更にエチレン/オクテンコポリマーから選択される、上記A]~DD]のいずれか1つに記載の組成物。
FF]組成物が、組成物の重量に基づいて、50.0重量%以上、又は55.0重量%以上、又は60.0重量%以上、又は65.0重量%以上、又は70.0重量%以上、又は75.0重量%以上、又は80.0重量%以上、又は85.0重量%以上、又は90.0重量%以上、又は92.0重量%以上、又は94.0重量%以上のエチレン/α-オレフィンインターポリマーを含む、上記A]~EE]のいずれか1つに記載の組成物。
GG]組成物が、組成物の重量に基づいて、95.0重量%以上、又は95.5重量%以上、又は96.0重量%以上、又は96.5重量%以上、又は97.0重量%以上、又は97.5重量%以上、又は98.0重量%以上、又は98.1重量%以上のエチレン/α-オレフィンインターポリマーを含む、上記A]~FF]のいずれか1つに記載の組成物。
HH]組成物が、組成物の重量に基づいて、100.0重量%以下、又は99.8重量%以下、99.6重量%以下、又は99.4重量%以下、又は99.2重量%以下、又は99.0重量%以下、又は98.8重量%以下、又は98.6重量%以下、又は98.4重量%以下、又は98.3重量%以下のエチレン/α-オレフィンインターポリマーを含む、上記A]~GG]のいずれか1つに記載の組成物。
II]組成物が、1つ以上のポリマー特性において、エチレン/α-オレフィンインターポリマーとは異なる第2のエチレン/α-オレフィンインターポリマーを更に含み、更に1つ以上のポリマー特性が、コモノマー含有量、I2、I10/I2、Mn、Mw.Mz、MWD、又はこれらの組み合わせから選択され、更に1つ以上のポリマー特性が、Mn、Mw、Mz、MWD、又はこれらの組み合わせから選択される、上記A]~HH]のいずれか1つに記載の組成物。
JJ]第2のエチレン/α-オレフィンインターポリマーが、0.860~0.890g/cc、又は0.865~0.888g/cc、又は0.865~0.885g/ccの密度を有する、上記II]に記載の組成物。
KK]第2のエチレン/α-オレフィンインターポリマーが、0.5~50g/10分、又は1.0~20.0g/10分、又は5.0~10.0g/10分のメルトインデックス(I2)を有する、上記II]又はJJ]に記載の組成物。
LL]第2のエチレン/α-オレフィンインターポリマーについて、α-オレフィンが、C~C20α-オレフィン、更にC~C10α-オレフィンである、上記II]~KK]のいずれか1つに記載の組成物。
MM]第2のエチレン/α-オレフィンインターポリマーについて、α-オレフィンが、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、又は1-オクテン、更にプロピレン、1-ブテン、又は1-オクテン、更に1-ブテン又は1-オクテン、更に1-オクテンから選択される、上記II]~LL]のいずれか1つに記載の組成物。
NN]第2のエチレン/α-オレフィンインターポリマーが、エチレン/α-オレフィンコポリマーである、上記II]~MM]のいずれか1つに記載の組成物。
OO]第2のエチレン/α-オレフィンインターポリマーが、以下:エチレン/プロピレンコポリマー、エチレン/ブテンコポリマー、又はエチレン/オクテンコポリマー、更にエチレン/ブテンコポリマー、又はエチレン/オクテンコポリマー、更にエチレン/オクテンコポリマーから選択される、上記II]~NN]のいずれか1つに記載の組成物。
PP]TGIC広がりパラメータB1/4が、7.5以下、又は7.0以下、又は6.5以下、又は6.0以下、又は5.5以下、又は5.0以下、又は4.8以下、又は4.6以下、又は4.4以下、又は4.2以下、又は4.0以下、又は3.8以下である、上記A]~OO]のいずれか1つに記載の組成物。
QQ]TGIC広がりパラメータB1/4が、1.5以上、又は2.0以上、又は2.2以上、又は2.4以上、又は2.6以上、又は2.8以上、又は3.0以上、又は3.2以上である、上記A]~OO]のいずれか1つに記載の組成物。
[RR]組成物が、ペルオキシド及びシランカップリング剤を更に含む、上記II]~QQ]のいずれか1つに記載の組成物。
SS]ペルオキシドとシランカップリング剤との重量比が、0.5以上、又は1.0以上、又は1.5以上、又は2.0以上、又は2.5以上、又は3.0以上、又は3.5以上、又は4.0以上である、上記A]~RR]のいずれか1つに記載の組成物。
TT]ペルオキシドとシランカップリング剤との重量比が、7.0以下、又は6.5以下、又は6.0以下、又は5.5以下、又は5.0以下、又は4.5以下である、上記A]~SS]のいずれか1つに記載の組成物。
UU]組成物が、架橋助剤を更に含む、上記A]~TT](AからTTまで)のいずれか1つに記載の組成物。
VV]架橋助剤が、組成物の重量に基づいて、0.05重量%以上、又は0.10重量%以上、又は0.15重量%以上、又は0.20重量%以上、又は0.25重量%以上、又は0.30重量%以上、又は0.35重量%以上、又は0.40重量%以上、又は0.45重量%以上、又は0.50重量%以上の量で存在する、上記UU]に記載の組成物。
WW]架橋助剤が、組成物の重量に基づいて、3.00重量%以下、又は2.50重量%以下、又は2.00重量%以下、又は1.50重量%以下、又は1.00重量%以下、又は0.80重量%以下、又は0.70重量%以下、又は0.60重量%以下の量で存在する、上記UU]又はVV]に記載の組成物。
XX]ペルオキシドと助剤との重量比が、0.5以上、又は0.8以上、又は1.0以上、又は1.1以上、又は1.2以上、又は1.3以上、又は1.4以上、又は1.5以上、又は1.6以上、又は1.8以上である、上記UU]~WW]のいずれか1つに記載の組成物。
YY]ペルオキシドと助剤との重量比が、3.0以下、又は2.8以下、又は2.6以下、又は2.4以下、又は2.3以下、又は2.2以下、又は2.0以下である、上記UU]~XX]のいずれか1つに記載の組成物。
ZZ]助剤とシランカップリング剤との重量比が、1.0以上、又は1.2以上、又は1.4以上、又は1.6以上、又は1.8以上、又は2.0以上である、上記UU]~YY]のいずれか1つに記載の組成物。
A3]助剤とシランカップリング剤との重量比が、3.6以下、又は3.4以下、又は3.2以下、又は3.0以下、又は2.8以下、又は2.6以下、又は2.4以下である、上記UU]~ZZ]のいずれか1つに記載の組成物。
B3]組成物が、組成物の重量に基づいて、0.05重量%以上、又は0.10重量%以上、又は0.15重量%以上、又は0.20重量%以上、又は0.25重量%以上、又は0.30重量%以上、又は0.35重量%以上、又は0.40重量%以上、又は0.45重量%以上、又は0.50重量%以上、又は0.55重量%以上、又は0.60重量%以上のペルオキシドを含む、上記A]~A3]のいずれか1つに記載の組成物。
C3]組成物が、組成物の重量に基づいて、5.00重量%以下、又は4.50重量%以下、又は4.00重量%以下、又は3.50重量%以下、又は3.00重量%以下、又は2.50重量%以下、又は2.00重量%以下、又は1.50重量%以下、又は1.00重量%以下のペルオキシドを含む、上記A]~B3]のいずれか1つに記載の組成物。
D3]組成物が、組成物の重量に基づいて、0.05重量%以上、又は0.10重量%以上、又は0.15重量%以上、又は0.20重量%以上のシランカップリング剤を含む、上記A]~C3]のいずれか1つに記載の組成物。
E3]組成物が、組成物の重量に基づいて、3.00重量%以下、又は2.50重量%以下、又は2.00重量%以下、又は1.50重量%以下、又は1.00重量%以下、又は0.80重量%以下、又は0.60重量%以下のシランカップリング剤を含む、上記A]~D3]のいずれか1つに記載の組成物。
F3]組成物が、組成物の重量に基づいて、99.0重量%以上、又は99.1重量%以上、又は99.2重量%以上、又は99.3重量%以上のインターポリマー、ペルオキシド、及びシランカップリング剤の合計を含む、上記A]~E3]のいずれか1つに記載の組成物。
G3]組成物が、組成物の重量に基づいて、100.0重量%以下、又は99.9重量%以下、99.8重量%以下、又は99.7重量%以下、又は99.6重量%以下、又は99.5重量%以下のインターポリマー、ペルオキシド、及びシランカップリング剤の合計を含む、上記A]~F3]のいずれか1つに記載の組成物。
H3]組成物が、UV安定剤、酸化防止剤、又はこれらの組み合わせから選択される少なくとも1つの添加剤を更に含む、上記A]~G3]のいずれか1つに記載の組成物。
I3]少なくとも1つの添加剤が、組成物の重量に基づいて、0.01重量%以上、又は0.02重量%以上、又は0.03重量%、又は0.04重量%以上、又は0.06重量%以上、又は0.08重量%以上、又は0.10重量%以上の量で存在する、上記H3]に記載の組成物。
J3]少なくとも1つの添加剤が、組成物の重量に基づいて、2.00重量%以下、又は1.50重量%以下、又は1.00重量%以下、又は0.80重量%以下、又は0.60重量%以下、又は0.40重量%以下、又は0.20重量%以下の量で存在する、上記H3]又はI3]に記載の組成物。
K3]上記A]~J3]のいずれか1つに記載の組成物から形成された、架橋組成物。
L3]組成物が、5.00以上、又は5.10以上、又は5.15以上、又は5.20以上5.22以上、又は5.24以上、又は5.26以上、又は5.28以上の「MH-ML」値を有する、上記K3]のいずれか1つに記載の組成物。
M3]組成物が、84%以上、又は85%以上、又は86%以上のゲル含有量(4+12分)を有する、上記K3]又はL3]に記載の組成物。
N3]上記A]~M3]のいずれか1つに記載の組成物から形成された少なくとも1つの構成要素を含む、物品。
O3]物品が、フィルム、更に押出フィルム及び/又はキャストフィルム、更に押出フィルムである、N3]に記載の物品。
P3]物品が、太陽電池モジュールである、N3]に記載の物品。
Q3]太陽電池モジュールを形成するプロセスであって、当該プロセスが、2つのフィルム層の間に太陽電池の配列を積層することを含み、各フィルム層が、独立して、上記A]~M3]のいずれか1つに記載の組成物から形成される、プロセス。
R3]各フィルム層が、同じ組成物から形成される、上記Q3]に記載のプロセス。
S3]エチレン/α-オレフィン/インターポリマーを調製するための溶液重合プロセスであって、当該プロセスが、1つの反応器内で、150℃以上の反応器温度で、エチレン、α-オレフィン、溶媒、及び以下のa)から選択される金属錯体を含む反応混合物を重合することを含む、溶液重合プロセス。
a)発明の概要(SOI)において上に記載されるような、以下の構造1から選択される、ビフェニルフェノール金属錯体:
【化3】
T3]構造1について、Lが、-(CH)n-(式中、n=2~4である)、-CHC(R)CH-(式中、R及びRは、それぞれ独立して、(C~C40)ヒドロカルビル、(C~C40)ヘテロヒドロカルビル、又は-Hである)、又は-CHGe(RCH-若しくは-CHSi(RCH-(式中、各Rは、独立して、-H、C~C40)ヒドロカルビル、(C~C40)ヘテロヒドロカルビル、-Si(R、-Ge(R、-P(R、-N(R、-OR、-SR、-NO、-CN、-CF、RS(O)-、RS(O)-、(RC=N-、RC(O)O-、ROC(O)-、RC(O)N(R)-、及び(RNC(O)-からなる群から選択される)、のいずれかであり、並びに
構造1において各R、R、及びRが、独立して、(C~C30)ヒドロカルビル、(C~C30)ヘテロヒドロカルビル、又は-Hである、上記S3]に記載のプロセス。
U3]構造1について、-Z-及び-Z-の各々が、-O-である、上記S3]又はT3]に記載のプロセス。V3]構造1について、R又はRのうちの少なくとも1つが、式(II)を有するラジカル又は式(I)を有するラジカルから選択される、上記S3]~U3]のいずれか1つに記載のプロセス。
W3]構造1について、R及びRは、同一であり、式(I)を有するラジカル、式(II)を有するラジカル、及び式(III)を有するラジカルからなる群から選択される、上記S3]~V3]のいずれか1つに記載のプロセス。
X3]構造1について、R=R=式(II)を有するラジカルである、上記S3]~W3]のいずれか1つに記載のプロセス。
Y3]構造1の式(II)について、R43=R46=非置換アルキル、更に非置換(C~C10)アルキル、更に非置換(C~C)アルキル、更に非置換(C~C)アルキル、更に非置換(C~C)アルキル、更にt-ブチルである、上記X3]に記載のプロセス。
Z3]式(II)について、R41=R42=R44=R45=R47=R48=Hである、上記X3]又はY3]に記載のプロセス。
A4]構造1について、Lが、-CHC(R)CH-(式中、R及びRは、それぞれ独立して、(C~C40)ヒドロカルビル、(C~C40)ヘテロヒドロカルビル、又は-Hである)、又は-CHGe(RCH-、若しくは-CHSi(RCH-(式中、各Rは、独立して、-H、(C~C40)ヒドロカルビル、及び(C~C40)ヘテロヒドロカルビルから選択される)のいずれかである、上記S3]~Z3]のいずれか1つに記載のプロセス。
B4]構造1について、Lが、以下:
i)-CHSi(R)(R)CH-又は-CHGe(R)(R)CH-(式中、R及びRは、それぞれ独立して、(C~C30)ヒドロカルビル又は(C~C30)ヘテロヒドロカルビルである)、
ii)1、3-ジメチルプロパン-1、3-ジイル、
iii)ビス(メチレン)シクロヘキサン-1、2-ジイル、
iv)プロパン-1、3-ジイル、又は
iv)ブタン-1,4-ジイルから選択される、上記S3]~A4]のいずれか1つに記載のプロセス。
C4]構造1について、Lが、以下:
i)-CHSi(R)(R)CH-(式中、R及びRは、それぞれ独立して、非置換(C~C10)アルキル、更に非置換(C~C)アルキル、更に非置換(C~C)アルキル、更に非置換(C~C4)アルキル、更に非置換(C~C)アルキルである)、
ii)1、3-ジメチルプロパン-1、3-ジイル、又は
iii)ビス(メチレン)シクロヘキサン-1、2-ジイルから選択される、上記S3]~B4]のいずれか1つに記載のプロセス。
D4]構造1について、n=2であり、各Xは、同じであり、非置換アルキルである、上記S3]~C4]のいずれか1つに記載のプロセス。
E4]各Xが、非置換(C~C)アルキル、更に非置換(C~C2)アルキル、更にメチルである、上記D4]に記載のプロセス。
F4]構造1について、R10=R15である、上記S3]~E4]のいずれか1つに記載のプロセス。
G4]構造1について、R10=R15=ハロゲン、更にFである、上記S3]~F4]のいずれか1つに記載のプロセス。
H4]構造1について、R3=R6である、上記S3]~G4]のいずれか1つに記載のプロセス。
I4]構造1について、R3=R6=非置換アルキルである、上記S3]~H4]のいずれか1つに記載のプロセス。
J4]構造1について、R3=R6=非置換(C~C12)アルキル、更に非置換(C~C10)アルキル、更に非置換(C~C)アルキル、更に非置換(C~C)アルキル、更に非置換Cアルキルである、上記S3]~I4]のいずれか1つに記載のプロセス。
K4]構造1について、R2=R4=R5=R7=R9=R11=R12=R13=R14=R16=Hである、上記S3]~J4]のいずれか1つに記載のプロセス。
L4]構造1について、金属M=Zrである、上記S3]~K4]のいずれか1つに記載のプロセス。M4]構造式が、以下の構造(1a)又は(1b)から選択される、上記S3]~L4]のいずれか1つに記載のプロセス:
【化4】
N4]構造1が、構造(1a)である、上記M4]に記載のプロセス。
O4]反応混合物が、ボレートを含む助触媒-1と、アルモキサンを含む助触媒-2とを更に含む、S3]~N4]に記載のプロセス。
P4]プロセスが、155℃以上、又は160℃以上、又は165℃以上、又は170℃以上、又は175℃以上、又は180℃以上、又は185℃以上、又は186℃以上、又は187℃、又は188℃以上、又は189℃以上、又は190℃以上の反応器温度で、2.5×10以上、又は2.6×10以上、又は2.8×10以上、又は3.0×10以上、又は3.2×10以上、又は3.4×10以上、又は3.6×10以上、又は3.7×10以上、又は3.8×10以上、又は3.9×10以上、又は4.0×10以上、又は4.1×10以上、又は4.2×10以上の全体的な触媒効率[(総触媒金属グラム)当たりの(インターポリマーグラム)]を有する、上記S3]~O4]に記載のプロセス。
Q4]プロセスが、0.860~0.900g/cc、又は0.865~0.890g/cc、又は0.868~0.880g/ccのエチレン/α-オレフィン/インターポリマー密度で、2.5×10以上、又は2.6×10以上、又は2.8×10以上、又は3.0×10以上、又は3.2×10以上、又は3.4×10以上、又は3.6×10以上、又は3.7×10以上、又は3.8×10以上、又は3.9×10以上、又は4.0×10以上、又は4.1×10以上、又は4.2×10以上の全体的な触媒効率[(総触媒金属グラム)当たりの(インターポリマーグラム)]を有する、上記S3]~P4]に記載のプロセス。
R4]プロセスが、155℃以上、又は160℃以上、又は165℃以上、又は170℃以上、又は175℃以上、又は180℃以上、又は185℃以上、又は186℃以上、又は187℃、又は188℃以上、又は189℃以上、又は190℃以上の反応器温度で実行される、上記S3]~Q4]に記載のプロセス。
S4]プロセスが、250℃以下、又は240℃以下、又は230℃以下、又は220℃以下、又は210℃以下、又は200℃以下の反応器温度で実行される、上記S3]~R4]のいずれか1つに記載のプロセス。
T4]反応器が、連続撹拌槽反応器、ループ反応器、又はプラグ流反応器(又は管式反応器)、更に連続撹拌槽反応器又はループ反応器、更に連続撹拌槽反応器から選択される、上記S3]~S4]のいずれか1つに記載のプロセス。
U4]反応混合物が、水素(H2)を更に含む、上記S3]~T4]のいずれか1つに記載のプロセス。
V4]上記S3]~U4]のいずれか1つに記載のプロセスによって形成されたエチレン/α-オレフィンインターポリマーを含む組成物。
W4]1つ以上のオレフィン系ポリマーを含む、ポリマー組成物のTGIC広がりパラメータB1/xを決定する方法であって、当該方法が、SOIに記載されているようなステップを含む、方法。
X4]組成物が、組成物の重量に基づいて、50重量%以上、又は60重量%以上、又は70重量%以上、又は80重量%以上、又は85重量%以上、又は90重量%以上、又は92重量%以上、又は94重量%以上、又は96重量%以上、又は98重量%以上、又は99重量%以上の1つ以上のオレフィン系ポリマーを含む、上記W4]に記載の方法。
Y4]組成物が、組成物の重量に基づいて、100重量%以下、又は99重量%以下、又は98重量%以下、又は95重量%以下の1つ以上のオレフィン系ポリマーを含む、上記W4]又はx4]に記載の方法。
Z4]組成物が、1つのオレフィン系ポリマーのみを含む、上記W4]~Y4]のいずれか1つに記載の方法。
A5]エチレン系ポリマーが、エチレン/α-オレフィンインターポリマー、更にエチレン/α-オレフィンコポリマーである、上記Z4]のいずれか1つに記載の方法。
B5]支持材料が、支持材料の重量に基づいて、10重量%以上、又は20重量%以上、又は30重量%以上、又は40重量%以上、又は50重量%以上、又は60重量%以上、又は70重量%以上、又は80重量%以上、又は85重量%以上、又は90重量%以上、又は92重量%以上、又は94重量%以上、又は96重量%以上、又は98重量%以上、又は99重量%以上のグラファイトを含む、上記W4]~A5]のいずれか1つに記載の方法。
C5]支持材料が、支持材料の重量に基づいて、100重量%以下、又は99重量%以上、又は98重量%以上、又は95重量%以上、又は90重量%以上のグラファイトを含む、上記W4]~B5]のいずれか1つに記載の方法。
D5]方法のステップd)について、温度が、25℃から170℃、更に30℃から165℃、更に30℃から160℃に上昇する、上記W4]~C5]のいずれか1つに記載の方法。
E5]HDPEが、2.3~3.0、又は2.4~2.9、又は2.5~2.8のMWD、及び100,000~140,000g/mol、又は105,000~135,000g/mol、又は110,000~130,000g/mol、又は115,000~125,000g/molのポリエチレン等価で報告される重量平均分子量を有する、上記W4]~D5]のいずれか1つに記載の方法。
F5]B1/x値について、x=1.5~6、更にx=2~6、更にx=3~6、更にx=4~6である、上記W4]~E5]のいずれか1つに記載の方法。
G5)支持材料が、充填剤を更に含む、上記W4]~F5]のいずれか1つに記載の方法。
【0066】
試験方法
MDR試験
硬化特性を、Alpha TechnologiesのMoving Die Rheometer(MDR)2000 Eを使用して、ASTM D5289に従って、0.5度の弧で測定した。各組成物について、MDRに約4gのペレットを充填した。MDRを150℃で30分間実行し、所与の間隔で「時間対トルク」プロファイルを作成した。以下のデータを各MDRの実行に使用した:MH(dNm)、すなわち30分の試験間隔の間にMDRによって及ぼされた最大トルク(これは、通常30分の時点で及ぼされたトルクに対応する);ML(dNm)、すなわち30分の試験間隔の間にMDRによって及ぼされた最小トルク(これは、通常試験間隔の開始時に及ぼされたトルクに対応する);及びT90(MH値の90%に達するのに要する時間)。
【0067】
ゲル含有量試験
積層プロセス(実験の項参照)から調製された各硬化フィルムを、「3mm×3mm(約0.5g試料、Ws)」の小片に切断した。次いで、試料を金属メッシュに詰め(メッシュ番号は120、Wt1の重量)、これを、室温で24時間、100mlのキシレンを含有する250mlのガラス瓶に入れた。その後、金属メッシュ及び試料を、冷却器を装備した、350mlのキシレンを含有する500mlのフラスコに移した。撹拌しながら、沸騰キシレン中で5時間還流した後、詰められた試料をキシレンから取り出し、真空オーブンに入れ、試料が一定の重量に達するまで、真空下で2時間120℃で加熱した。最後に、試料を、重量Wt2の金属メッシュと共に秤量した。ゲル含有量を、等式:ゲル含有量=[(Wt2-Wt1)/Ws]100%によって計算した。使用されるキシレンは、99%以上の純度、並びにオルト、メタ、及びパラ異性体の混合物を有し、エチルベンゼンを含有し得るARグレードである。
【0068】
ゲル浸透クロマトグラフィー
クロマトグラフィーシステムは、内部IR5赤外線検出器(IR5)を装備したPolymerChar GPC-IR(スペイン、バレンシア)の高温GPCクロマトグラフで構成された。オートサンプラオーブンコンパートメントを摂氏160度に設定し、カラムコンパートメントを摂氏150度に設定した。カラムは、4つのAGILENT「Mixed A」30cm、20ミクロンの直線状混床式カラムであった。クロマトグラフィーの溶媒は、200ppmのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)を含有する1,2,4-トリクロロベンゼンであった。溶媒源を、窒素スパージした。使用された注入体積は、200マイクロリットルであり、流速は、1.0ミリリットル/分であった。
【0069】
GPCカラムセットの較正を、580~8,400,000の範囲の分子量を有する21個の狭い分子量分布のポリスチレン標準物質を用いて実施し、個々の分子量の間に少なくとも10倍の間隔を有する6つの「カクテル」混合物中に配置した。標準物質を、Agilent Technologiesから購入した。1,000,000以上の分子量については、「50ミリリットルの溶媒中0.025グラム」で、1,000,000未満の分子量については、「50ミリリットルの溶媒中0.05グラム」で、ポリスチレン標準物質を調製した。ポリスチレン標準物質を、摂氏80度で30分間穏やかに撹拌しながら溶解した。ポリスチレン標準物質ピーク分子量を、式1を使用して、ポリエチレン分子量に変換した(Williams and Ward,J.Polym.Sci.,Polym.Let.,6,621(1968)に記載されているように):
【数2】
式中、Mは、分子量であり、Aは、0.4315の値を有し、Bは、1.0に等しい。
【0070】
五次多項式を使用して、それぞれのポリエチレン同等較正点に適合させた。Aに対してわずかな調整(約0.375~0.445)を行い、カラム分解能及びバンド拡張効果を、線状ホモポリマーポリエチレン標準物質が120,000Mwで得られるように補正した。
【0071】
GPCカラムセットの合計プレートカウントを、デカン(50ミリリットルのTCB中0.04gで調製され、穏やかに撹拌しながら20分間溶解した)を用いて実施した。プレートカウント(式2)及び対称性(式3)を、200マイクロリットル注入で、以下の式:
【数3】
(式中、RVは、ミリリットルでの保持容量であり、ピーク幅は、ミリリットルであり、ピーク最大値は、ピークの最大高さであり、1/2高さは、ピーク最大値の1/2の高さである)、
【数4】
(式中、RVは、ミリリットルでの保持体積であり、ピークの幅は、ミリリットルであり、ピーク最大値は、ピークの最大位置であり、1/10の高さは、ピーク最大値の1/10の高さであり、後方ピークは、ピーク最大値よりも後の保持体積でのピークテールを指し、前方ピークは、ピーク最大値よりも先の保持体積でのピークフロントを指す)に従って測定した。クロマトグラフィーシステムのプレートカウントは、18,000超であるべきであり、対称性は、0.98~1.22であるべきである。
【0072】
試料を、PolymerChar「Instrument Control」ソフトウェアを用いて半自動様式で調製し、試料を、2mg/mlで重量標的化し、PolymerChar高温オートサンプラを介して、予め窒素をスパージしたセプタキャップ付バイアルに、溶媒(200ppmのBHTを含有)を添加した。試料を、「低速」振とう下で、摂氏160度で2時間溶解した。
【0073】
Mn(GPC)、Mw(GPC)、及びMz(GPC)の計算は、PolymerChar GPCOne(商標)ソフトウェア、各々の等間隔のデータ回収点(i)でベースラインを差し引いたIRクロマトグラム、及び式1からの点(i)の狭い標準較正曲線から得られるポリエチレン等価分子量を使用した、式4~6によるPolymerChar GPC-IRクロマトグラフの内部IR5検出器(測定チャンネル)を使用した、GPC結果に基づいた。式4~6は、以下の通りである:
【数5】
【0074】
経時的な偏差を監視するために、PolymerChar GPC-IRシステムで制御されたマイクロポンプを介して、各試料に流量マーカー(デカン)を導入した。この流量マーカー(flowrate marker、FM)を、試料内のそれぞれのデカンピーク(RV(FM試料))を、狭い標準較正(RV(FM較正済み))内のデカンピークのものとRV整合させることによって、各試料のポンプ流量(流量(見かけ))を直線的に補正するために使用した。次いで、デカンマーカーピークの任意の時間変化は、実行全体の流量(流量(実効))の線形シフトに関連していると推定した。
【0075】
流量マーカーピークのRV測定の最高精度を促進させるために、最小二乗当てはめルーチンを使用して、流量マーカー濃度クロマトグラムのピークを二次方程式に当てはめた。次いで、二次方程式の一次導関数を使用して、真のピーク位置を求めた。流量マーカーピークに基づいてシステムを較正した後、(狭い標準較正に関して)有効流量を、式7のように計算した:流量(実効)=流量(見かけ)(RV(FM較正済み)/RV(FM試料))(EQ7)。
【0076】
流量マーカーピークの処理を、PolymerChar GPCOne(商標)ソフトウェアを介して行った。許容される流量補正は、実効流量が、見かけ流量の+/-0.7%以内になるようにする。
【0077】
1H NMR法
試料調製。試料を、NORELL 1001-7、10mm、NMRチューブ内に、約130mgの試料を、3.25gの「0.001MのCr(AcAc)を含む、50/50重量のテトラクロロエタン-d2/パークロロエチレン」に添加することによって調製した。酸化を防止するために、チューブに挿入されたピペットを介して、Nを溶媒に約5分間バブリングすることによって試料をパージした。次に、チューブ管にキャップをし、TEFLONテープで封止し、次いで室温で一晩浸漬して、試料の溶解を促進した。保存中、調製の前後、Oへの曝露を最小にするために、試料をN2パージボックス内で保持した。試料を115℃で加熱し、ボルテックスして、均質性を確保した。
【0078】
データ取得パラメータ及びデータ分析。H NMRを、Bruker高温クライオプローブを装備した、Bruker AVANCE 600MHz分光計で、120℃の試料温度で実施した。総ポリマープロトンを定量化するためのスペクトル、対照スペクトルを得るための2つの実験を実行し、ポリマー鎖に関連する強いピークを抑制し、末端基の定量化のための高感度スペクトルを可能にする、二重プレサチュレーション実験を実行した。制御を、ZGパルス、4回のスキャン、SWH10,000Hz、AQ1.82s、D14sで実行した。二重プレサチュレーション実験を、変更されたパルスシーケンス、lc1prf2.zz、TD32768、64スキャン、DS2、SWH9,000Hz、AQ1.82s、D2s、D1312sを用いて実行した。不飽和測定を、以下に記載される方法に従って行った。ポリマー鎖からの共鳴下面積(すなわち、ポリマー中のCH、CH、及びCH3)を、上に記載された第1の実験(対照スペクトル)中に得られたスペクトルから測定した。4種類の主要な不飽和下面積(すなわち、ビニル、ビニレン、三置換、及びビニリデン)を、上に記載された第2の(プレサチュレーション)実験中に得られたスペクトルから測定した。両方のスペクトルを、溶媒からの共鳴下面積に対して正規化した。それぞれの不飽和のモルを、不飽和共鳴下面積を、その共鳴に寄与するプロトンの数で除することによって計算した。ポリマー中の炭素のモルを、ポリマー鎖のピーク下面積(すなわち、ポリマー中のCH、CH、及びCH)を、2で除することによって計算した。次いで、総不飽和の量を、総不飽和のモルとポリマー中の炭素のモルとの相対比として表し、1000炭素当たりの不飽和数で表現した。
【0079】
メルトインデックス
エチレン系ポリマーのメルトインデックス(I2)は、ASTM D-1238、条件190℃/2.16kgに従って測定される(メルトインデックス(I10)は、190℃/10.0kg)。I10/I2を、I10とI2との比から計算した。プロピレン系ポリマーのメルトフローレート(MFR)は、ASTM D-1238、条件230℃/2.16kgに従って測定される。
【0080】
ポリマー密度
ポリマー密度は、ASTM D-792に従って測定される。
【0081】
高温熱勾配相互作用クロマトグラフィー(HT-TGIC、又はTGIC)-TGIC広がりパラメータの決定
市販の結晶化溶出画分測定器(Crystallization Elution Fractionation instrument、CEF)(Polymer Char、スペイン)を使用して、TGIC測定を実施した(Cong,et al.,Macromolecules,2011,44(8),3062-3072)。CEF機器には、IR-5検出器が装備される。グラファイトを、HT-TGICカラム内の固定相として使用した(Freddy,A.Van Damme et al.,US8,476,076、Winniford et al.,US8,318,896.)。単一のグラファイトカラム(250×4.6mm)を、分離のために使用した。グラファイトを、乾式充填技法、続く乾式充填、続く湿式充填技法を使用して、カラムに充填した(Cong et al.,EP2714226B1及び引用された参考文献)。グラファイト(高結晶化度を有する実質的に非多孔質)を、Superor Graphiteから入手した。実験パラメータは以下の通りであった:トップオーブン/移送ライン/針温度150℃、溶解温度150℃、溶解撹拌設定2、ポンプ安定化時間15秒、カラム洗浄のためのポンプ流量0.500mL/m、カラム充填のポンプ流量0.300ml/分、安定化温度150℃、安定化時間(カラムへのプレ充填、充填前)2.0分、安定化時間(カラムへのポスト充填、充填後)1.0分、SF(可溶性画分)時間5.0分、150℃から30℃への冷却速度3.00℃/分、冷却プロセスの間の流量0.04ml/分、30℃から160℃への加熱速度2.00℃/分、等温時間160℃で10分間、溶出流量0.500mL/分、及び注入ループサイズ200マイクロリットル。冷却プロセス中の流量を、全てのポリマー画分が、冷却サイクルの終わりにカラム上に残留するように、グラファイトカラムの長さに従って調節した。
【0082】
試料は、PolymerCharオートサンプラにより150℃で120分間、ODCB中4.0mg/mlの濃度で調製した(以下に定義)。シリカゲル40(粒子径0.2~0.5mm、カタログ番号10181-3、EMD)を、160℃の真空オーブン内で乾燥させた。N2パージ能力を有するオートサンプラを装備したCEF機器の場合、シリカゲル40を、3つの「300×7.5mm」のGPCサイズのステンレス鋼カラムに充填し、シリカゲル40カラムを、CEF機器のポンプの入口に取り付けて、ODCBを乾燥させる。この「シリカゲルで乾燥させたODCB」を、ここで「ODCB」と称する。
【0083】
TGICデータを、PolymerChar(スペイン)の「GPC One」ソフトウェアプラットフォームで処理した。温度較正を、約2~6mgのEICOSANE、14.0mgのアイソタクチックホモポリマーポリプロピレンiPP(150,000~190,000g/モルのポリエチレン等価として報告される分子量Mw、3.6~4.0の多分散度(Mw/Mn)、ここで、iPPのDSC溶解温度は、158~159℃であると測定された(以下に本明細書で記載されるDSC法))の混合物で実施した。14.0mgの直鎖状ホモポリマーポリエチレンHDPE(コモノマー含有量ゼロ、115,000~125,000g/モルのポリエチレン等価として報告される重量平均分子量(Mw)、及び2.5~2.8の多分散度)を、7.0mLのODCBを充填した「10mLバイアル」に添加した。溶解時間は160℃で2時間であった。
【0084】
較正プロセスについて、EICOSANE、iPP、及びHDPEの溶液を使用した。30℃~150℃の範囲の溶出温度の場合、プロセスは以下のステップからなる。
1.加熱速度に従って、溶出中の等温ステップの各々の溶出温度を外挿する(図1に示される)。実線は実験データである。破線は、2つの等温ステップの溶出温度の外挿である。
2.遅延量を計算する。EICOSANEピークの最大値(y軸)が30.0℃の溶出温度と一致するように、IR測定チャンネルクロマトグラム(y軸)に対応する温度(x軸)をシフトさせる。遅延量は、温度差(30℃-EICOSANEピーク最大値の実際の溶出温度)を方法の加熱速度で割ってから溶出流量を掛けて算出する。
3.これと同じ遅延量調整で、記録した各溶出温度を調整する。
4.観察されたHDPE参照が150.0℃の溶出ピーク最高温度を有する一方、EICOSANE溶出ピーク最高温度が30.0℃に維持されるように、加熱速度を直線的にスケーリングする。EICOSANE/iPP/HDPE混合物のTGICクロマトグラムを図2に示す。
【0085】
少なくとも20のエチレンオクテンランダムコポリマーが、シングルサイト触媒を用いて作製され、36,000~150,000の範囲のMw(エチレン等価重量平均分子量)及び2.0~2.2の多分散度(MWD)を有する。各エチレンオクテンコポリマーの測定された溶出ピーク温度(Tp)及びコポリマーのオクテン含有量(重量%)は、図3で指定された相関に従う。分子量分布は参考文献に従って測定する(Cong et al.,Macromolecule,2011,44(8),3062-3072)。オクテン含有量は、(Liら、US7,608,668及び引用された参考文献)に従って13C NMRによって測定する。
【0086】
HT-TGICのポリマー試料についてのデータ処理
溶媒ブランク(高純度溶媒注入)をポリマー試料と同じ実験条件で実行した。ポリマー試料のデータ処理として、以下:各検出器チャンネルにおける溶媒ブランクの減算、較正プロセスに記載されるような温度外挿、較正プロセスから決定される遅延量を用いる温度補償、較正の加熱速度から計算されるような30℃~160℃の範囲への溶出温度軸の調整が挙げられる。
【0087】
クロマトグラム(IR-5検出器の測定チャンネル)を、PolymerChar「GPC One」ソフトウェアと統合した。ピークが、高溶出温度で平坦なベースライン(ブランク減算クロマトグラムではおおよそゼロ値)、及び可溶性画分(soluble fraction、SF)の高温側の検出器シグナルの最小又は平坦な領域に落ちる場合、可視的差異から直線のベースラインを引いた。
【0088】
iPPのHT-TGIC融点で指定されるホモポリマーポリプロピレンの融点は、示差走査熱量計(differential scanning calorimeter、DSC)を使用して決定される。線状ベースラインに関する最大熱流量での温度を、融点として使用した。線状ベースラインは、(ガラス転移温度を超える)溶融開始からかつ溶融終了までで構築する。温度を、室温から200℃まで10℃/分で上昇させ、200℃で5分間維持し、0℃まで10℃/分で低下させ、0℃で5分間維持し、次いで、温度を、0℃から200℃まで10℃/分で上昇させ、この2度目の加熱サイクルからデータを取得する。
【0089】
TGICプロファイルの広がりパラメータ、B1/xの計算
ここで、パラメータB1/xを、比較試料及び本発明の試料の両方におけるコモノマー分布の呼吸を定量化するためにTGIC測定値から定義した(例えば、図4を参照)。以下の手順は、TGIC測定値からB1/xを計算する方法について記載する。
1.上記のTGIC法に従って、試験試料及びEICOSANE/iPP/HDPE混合物の両方を同じ実行キューで実行する。
2.TGICクロマトグラム(dwi/dT対溶出温度(T)プロファイル)を生成する。
3.試験試料については、35.0℃~170.0℃の最高強度の各データ点を調査することによって、TGICクロマトグラム(dwi/dTi対温度)から最大高さを取得し、最大高さでのTGICクロマトグラムの対応する溶出温度を、プロファイル温度(Tp)として定義する。TGICクロマトグラムが複数のピーク(SFピークを除く)を有し、かつ複数のピークが正確に同じピーク高さを有する場合、最高溶出温度でのピークは、プロファイル温度(Tp)として定義される。プロファイル幅(1/xでの最大高さ)は、最大高さの1/xでの前方温度と後方温度との間の温度差として定義される。最大高さの1/xでの前方温度は、35.0℃から前方に調査され、最大高さの1/xでの後方温度は、170.0℃から逆方向に調査される。
4.EICOSANE/iPP/HDPE参照からのHDPEピーク高さ(1/xでのピーク幅)の1/xでのHDPEのピーク幅(150.0℃の溶出温度)の計算(図2を参照)。
5.次いで、以下の式に基づいて、B1/xが計算される:
【数6】
【0090】
TGIC広がりパラメータ(例えば、B1/4)は、エチレン/α-オレフィンインターポリマーのコモノマー分布の呼吸の指標である。より小さいB1/4値は、より狭いコモノマー分布を示す。狭いコモノマー分布(より小さいB1/x)は、PV封止剤配合におけるPOEの硬化効果に有利であることが見出された。TGICクロマトグラフィーは、コモノマー含有量及びその分布の特性を決定するための重要な技法である(図3参照)。TGICプロファイルにおける最大(質量強度)ピークの高さの特定の割合でのピーク幅(℃)を使用して、コモノマー分布の呼吸を定量化し得る。しかしながら、ピーク幅の絶対値はまた、クロマトグラフィー関連の実験的要因(Stregel,et al.,「Modern size-exclusion liquid chromatography,Wiley,2nd edition,Chapter 3)及び/又は樹脂コモノマー含有量によって影響を受ける可能性がある。今回の場合、コモノマー分布を、実験的要因及びポリマー中のコモノマー含有量からのバイアスを最小限に抑えるために、B1/xパラメータを使用することによって定義した。
【0091】
実験
市販ポリマー及び添加剤
エチレン/1-オクテンランダムコポリマー:密度0.873g/cc、I2 14g/10分(The Dow Chemical Company製XUS 38669ポリオレフィンエラストマー)。このコポリマーは、以下の表において「POE 669」として記載される。
【0092】
The Dow Chemical Company製ENGAGE 8407ポリオレフィンエラストマー、エチレン/1-オクテンランダムコポリマー:密度0.870g/cc、I2 30g/10分、以下の表においてPOE 407として記載される。
【0093】
TBEC:tert-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキシルカーボネート、Arkema製LUPEROX TBEC有機ペルオキシド。VMMS:3-(トリメトキシシリル)プロピル-メタクリレート、Dow Corning製シランカップリング剤。架橋助剤:トリアリルイソシアヌレート(TAIC)。
【0094】
ポリマー合成及び特性
インターポリマーを、油圧で満たされ、定常状態条件で操作される1ガロンの重合反応器内で、各々調製した。触媒及び助触媒を、表1に列挙する。溶媒、水素、触媒、及び助触媒を、表2A~2Cに概説されるプロセス条件に従って反応器に供給した。溶媒は、ExxonMobil Chemical Companyによって供給されたISOPAR Eであった。反応器温度を、反応器の出口又はその付近で測定した。インターポリマーを単離し、ペレット化した。
【0095】
POE特性を表3に要約する。1H NMRからの不飽和測定を表4に要約する。TGIC結果を表5に要約する。
【0096】
【表1】
【0097】
【表2】
【0098】
【表3】
【0099】
【表4】
【0100】
【表5】
【0101】
【表6】
【0102】
【表7】
【0103】
POEペルオキシド硬化配合物
POEペルオキシド硬化組成物を表6及び7に示す。ペルオキシド、助剤、及びシランを配合物に十分に混合することを可能にするために、ポリマーペレット(98.25重量%)を、硬化添加剤(1.00重量%のペルオキシド、0.50重量%の架橋助剤、及び0.25重量%のシランカップリング剤)と共に、封止可能なフッ素化高密度ポリエチレン瓶内に浸漬した。50℃で5時間、目視で液状の残留物の瓶への付着が見られなくなるまで浸漬(吸収)プロセスを行った。ペルオキシド、シラン、及び助剤が、ペレットによって均質に吸収されたことを確実にするために、吸収プロセス中に30分毎に、瓶を30秒間振とうした。
【0104】
積層試料製作
2つのわずかに異なる調製条件(以下のA及びB)を使用して、架橋POEフィルムを調製した。各調製には、PENERGY L036ラミネーターを使用した。
【0105】
A)ガラス基材を用いた積層プロセスによる試料調製(表6)。
ラミネーター内で、ペルオキシド、シラン、及び助剤を吸収した約「2.5gのペレット試料」を、PTFEフィルム(0.24mm厚さ)上、ガラス基材(3mm厚さ)の上面上に配置した。「1mm厚さ」を有する金属フレームを、スペーサとして試料の周りに配置して、架橋POEが約1mmの厚さを有することを確認した。次いで、別のPTFEフィルム(0.24mm厚さ)を試料の上面上に配置した。積層を、150℃の設定温度で行った。加熱プロセスとしては、以下の2つのステップ、第1のステップ:真空(-100kPa)下、無加圧で4分間の予熱、第2のステップ:1バールの加圧で12分間が挙げられる。積層サイクル後、更なるゲル測定のために架橋フィルムを取り出した。
【0106】
B)金属基材を用いた積層プロセスによる試料調製(表7)。
ラミネーター内で、ペルオキシド、シラン、及び助剤を吸収した約「2.5gのペレット試料」を、PTFEフィルム(0.24mm厚さ)上、金属基材(1.8mm厚さ)の上面上に配置した。「0.5mm厚さ」を有するPTFEフレームを、スペーサとして試料の周りに配置して、架橋POEが約0.5mmの厚さを有することを確認した。次いで、別のPTFEフィルム(0.24mm厚さ)を試料の上面上に配置した。積層を、150℃の設定温度で行った。加熱プロセスとしては、以下の2つのステップ、第1のステップ:真空(-100kPa)下、無加圧で4分間の予熱、第2のステップ:1バールの加圧で10分又は16分間が挙げられる。積層サイクル後、更なるゲル測定のために架橋フィルムを取り出した。
【0107】
積層後のガラスへの接着性の測定
フィルム(100mm×150mm×0.5mm)を、以下の条件:4分間の予熱、無加圧、100℃、100MPa及び100℃で2分を使用して、Lab Tech LP-S-50圧縮成形機を用いて、配合された樹脂ペレットの圧縮成形から調製した。成形後、フィルムを、ガラス基材(100mm×150mm×3mmの寸法)上に配置し、次いでポリエステルバックシートで被覆した。次いで、以下の条件:真空(-100kPa)下、無加圧で4分間の予熱、1バールの圧力で16分間を使用して、試料を、150℃での積層プロセス(ラミネーターSHUNHONG SH-X-1000)に供した。
【0108】
積層後、積層フィルム及びバックシートを更に切断し、各々「1インチ幅」及び「150mm長さ」を有する3つの細片に分割した。INSTRON 5565を使用して、3つの試験片について,積層フィルム及びバックシートをガラス基材から引き剥がすことによる「180°剥離試験」を実施した。3つの結果の平均を報告した。
【0109】
結果のまとめ
PV封止材フィルムの製作プロセスについて、配合された材料の加工性は、押出プロセス中のポリマーのせん断加熱によって制約される。PV封止材フィルム配合物中のペルオキシドは、110℃を超える温度で分解し、POEを架橋するため、RPM及び樹脂押出速度は、閾値を超えることができず、110℃を十分に超える樹脂溶融温度につながる。より高いメルトインデックスのPOE(すなわち、より低い粘度を有するPOE)は、より低粘度及び低減したせん断加熱に起因して、押出機での改善された加工性又はスループットを有し得ることが知られている。この場合、比較試料及び本発明の試料の両方を、配合物の優れた加工性を確保するために、比較的高いメルトインデックスを有するように選択した。しかしながら、高メルトインデックス樹脂について、架橋フィルムは、典型的には、比較的低い硬化度を有する。その結果、これらの高メルトインデックス樹脂の硬化効果を改善することが重要になる。
【0110】
異なる不飽和レベルを有するPOE間の硬化比較のために、同等のメルトインデックス/加工性、密度、MWD、及びコモノマー分布を有するPOEを含有する配合物の硬化効果を調査した(表6参照)。ここで、実施例1を、比較例1(約14dg/分のメルトインデックスを有するPOE)に対して比較し、実施例2を、比較例2(約30dg/分のメルトインデックスを有するPOE)に対して比較した。高不飽和POEを含有する本発明の組成物は、改善された(より大きな)MDRトルク変化(MH-ML)、及び「4+12分」の真空積層後のより大きなゲル含有量を明確に示した。
【0111】
表7の結果は、記載されたPOEから形成される封止材フィルム配合物の硬化効果を比較する。本発明の組成物(高い不飽和に加えて、狭いMWD、狭いコモノマー分布を有するPOE)は、改善されたMDRトルク変化(MH-ML)、並びに「4+10分」の真空積層後及び「4+16分」の真空積層後のより大きなゲル含有量を有する、最良の硬化性能を提供する。(総不飽和に対するビニル基のより高い割合、より高いビニル/ビニリデン比、より狭いコモノマー分布を有するPOEを含有する)本発明の組成物は、ガラスに対する良好な接着性を有することも注目に値する。
【0112】
【表8】
【0113】
【表9】
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2022-08-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の特性:
a)0.30以上の総不飽和/1000C、
b)3.0以下の分子量分布(MWD)、
c)8.0以下のTGIC広がりパラメータB1/4、を含むエチレン/α-オレフィンインターポリマーを含む、組成物。
【請求項2】
前記エチレン/α-オレフィンインターポリマーが、0.860g/cc以上の密度を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記エチレン/α-オレフィンインターポリマーが、0.900g/cc以下の密度を有する、請求項1又は請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記インターポリマーが、[(ビニル/1000C)(Mn)]が5×10(g/mol)以上である生成物を更に含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記インターポリマーが、[(ビニル/1000C)/(ビニリデン/1000C)]の比が2.0以上であることを更に含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記組成物が、ペルオキシド及びシランカップリング剤を更に含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記組成物が、架橋助剤を更に含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載の組成物から形成された少なくとも1つの構成要素を含む、物品。
【請求項9】
エチレン/α-オレフィン/インターポリマーを調製するための溶液重合プロセスであって、前記プロセスが、1つの反応器内で、150℃以上の反応器温度で、
エチレン、α-オレフィン、溶媒、及び以下のa)から選択される金属錯体を含む反応混合物を重合することを含み、
a)以下の構造1から選択されるビフェニルフェノール金属錯体:
【化1】
Mは、Zr又はHfであり、前記金属は、+2、+3、又は+4の形式酸化数にあり、
nは、0、1、又は2であり、
nが1である場合、Xは、単座配位子又は二座配位子であり、
nが2である場合、各Xは、独立して選択された単座配位子であり、
前記金属錯体は、全体的に電荷中性であり、
-Z-及び-Z-の各々は、独立して、-O-、-S-、-N(R)-、又は-P(R)-から選択され、
及びRは、独立して、-H、(C~C40)ヒドロカルビル、(C~C40)ヘテロヒドロカルビル、-Si(R、-Ge(R、-P(R、-N(R、-OR、-SR、-NO、-CN、-CF、RS(O)-、RS(O)-、(RC=N-、RC(O)O-、ROC(O)-、RC(O)N(R)-、(RNC(O)-、ハロゲン、式(I)を有するラジカル、式(II)を有するラジカル、及び式(III)を有するラジカルからなる群から選択され、
【化2】
式中、R31~35、R41~48、及びR51~59の各々は、独立して、(C~C40)ヒドロカルビル、(C~C40)ヘテロヒドロカルビル、-Si(R、-Ge(R、-P(R、-N(R、-N=CHR、-OR、-SR、-NO、-CN、-CF、RS(O)-、RS(O)-、(RC=N-、RC(O)O-、ROC(O)-、RC(O)N(R)-、(RNC(O)-、ハロゲン、又は-Hから選択され、
2~7、R9~16の各々は、独立して、(C~C40)ヒドロカルビル、(C~C40)ヘテロヒドロカルビル、-Si(R、-Ge(R、-P(R、-N(R、-N=CHR、-OR、-SR、-NO、-CN、-CF、RS(O)-、RS(O)-、(RC=N-、RC(O)O-、ROC(O)-、RC(O)N(R)-、(RNC(O)-、ハロゲン、又は-Hから選択され、
Lは、(C~C40)ヒドロカルビレン又は(C~C40)ヘテロヒドロカルビレンであり、前記(C~C40)ヒドロカルビレンが、構造1における2つのZ基(Lが結合している)を連結する、1個の炭素原子~10個の炭素原子のリンカー主鎖を含む部分を有するか、又は前記(C~C40)ヘテロヒドロカルビレンが、構造1における前記2つのZ基を連結する、1個の原子~10個の原子のリンカー主鎖を含む部分を有し、前記(C~C40)ヘテロヒドロカルビレンの前記1個の原子~10個の原子のリンカー主鎖の前記1~10個の原子の各々は、独立して、炭素原子又はヘテロ原子基であり、各ヘテロ原子基は、独立して、O、S、S(O)、S(O)2、Si(R)2、Ge(R)2、P(R)、又はN(R)であり、構造1における各R、R、及びRは、独立して、(C~C30)ヒドロカルビル、(C~C30)ヘテロヒドロカルビル、又は-Hである、溶液重合プロセス。
【請求項10】
1つ以上のオレフィン系ポリマーを含む、ポリマー組成物のTGIC広がりパラメータB1/xを決定する方法であって、以下のステップ:
a)前記ポリマー組成物を有機溶媒に溶解して、ポリマー溶液を形成するステップ、
b)前記ポリマー溶液の少なくとも一部を、グラファイトを含む支持材料を含むカラムに注入するステップ、
c)前記支持材料を、0.1℃/分以上の速度で冷却するステップ、
d)前記支持材料の温度を上昇させて、前記ポリマー組成物の前記ポリマー(複数可)を溶出させるステップ、
e)「dwi/dT対温度」プロファイルを生成するステップ、
f)前記プロファイル(dwi/dTi対温度)の最大高さについて、前記最大高さの1/x(x>1)での前記プロファイルの幅を計算するステップ、
g)前記プロファイルの前記最大高さでの温度(Tp)を決定するステップ、
h)EICOSANE/iPP/HDPE参照から、(150.0℃の溶出温度での)HDPEピーク高さの1/xでのHDPEのピーク幅(1/xでのピーク幅)を計算するステップであって、前記基準が、ステップa)~g)に従って、TGICによって分析される、計算するステップ、
i)前記B1/xを、以下の式:
【数1】
に基づいて計算するステップ、を含む、方法。

【国際調査報告】