(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-07
(54)【発明の名称】単結晶炉のホットゾーンヒータ及び単結晶炉
(51)【国際特許分類】
C30B 15/18 20060101AFI20230228BHJP
F27D 11/06 20060101ALI20230228BHJP
F27B 14/14 20060101ALI20230228BHJP
H05B 6/10 20060101ALI20230228BHJP
H05B 3/40 20060101ALI20230228BHJP
【FI】
C30B15/18
F27D11/06 A
F27B14/14
H05B6/10 371
H05B3/40 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022538790
(86)(22)【出願日】2021-09-24
(85)【翻訳文提出日】2022-06-21
(86)【国際出願番号】 CN2021120451
(87)【国際公開番号】W WO2022068700
(87)【国際公開日】2022-04-07
(31)【優先権主張番号】202011053337.0
(32)【優先日】2020-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522248559
【氏名又は名称】西安奕斯偉材料科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】XI’AN ESWIN MATERIAL TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Room 1-3-029, No.1888 South Xifeng Rd., Hi-Tech Zone Xi’an, Shaanxi 710100, P.R.China
(71)【出願人】
【識別番号】522248560
【氏名又は名称】西安奕斯偉硅片技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】XI’AN ESWIN SILICON WAFER TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】1888 South Xifeng Rd., Hi-Tech Zone Xi’an, Shaanxi 710100, P.R.China
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】楊 文武
(72)【発明者】
【氏名】シム、 ボクチョル
【テーマコード(参考)】
3K059
3K092
4G077
4K046
4K063
【Fターム(参考)】
3K059AB23
3K059AD03
3K059AD05
3K059CD78
3K092PP09
3K092QA02
3K092RD11
3K092VV22
4G077AA02
4G077BB03
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4G077EG16
4G077PE03
4G077PE04
4G077PE08
4G077PE12
4K046AA01
4K046BA05
4K046CD02
4K046CD12
4K046DA05
4K063AA04
4K063BA12
4K063CA01
4K063CA03
4K063FA34
(57)【要約】
本開示は、単結晶炉のホットゾーンヒータ及び単結晶炉を提供し、前記単結晶炉のホットゾーンヒータは、エッジメインヒータ及び補助ヒータを含み、前記エッジメインヒータ及び前記補助ヒータは、何れも両端が開口される筒状構造であり、前記エッジメインヒータ及び前記補助ヒータは、何れも対向する頂部開口端及び底部開口端を含み、前記補助ヒータが前記エッジメインヒータ外にスリーブ設置され、且つ前記補助ヒータの頂部開口端が前記エッジメインヒータの頂部開口端外に伸び出される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エッジメインヒータ及び補助ヒータを含み、前記エッジメインヒータ及び前記補助ヒータは、何れも両端が開口される筒状構造であり、前記エッジメインヒータ及び前記補助ヒータは、何れも対向する頂部開口端及び底部開口端を含み、前記補助ヒータが前記エッジメインヒータ外にスリーブ設置され、且つ前記補助ヒータの頂部開口端が前記エッジメインヒータの頂部開口端外に伸び出される、単結晶炉のホットゾーンヒータ。
【請求項2】
前記補助ヒータは、
前記エッジメインヒータを周回するように設けられる保護ケースと、
前記保護ケース内に収納される電磁誘導コイルと
を含む、請求項1に記載の単結晶炉のホットゾーンヒータ。
【請求項3】
前記保護ケースは、互いに係合する内ケース及び外ケースを含み、前記内ケース及び前記外ケースは、何れも筒状をなし、前記内ケースは、前記エッジメインヒータの外周側に被設され、前記外ケースは、前記内ケース外にスリーブ設置されて、前記内ケースとの間に空洞が形成され、前記内ケースは、前記外ケースと協働して前記空洞を形成する第一内側壁を含み、前記電磁誘導コイルは、前記空洞内に収納されるとともに、前記内ケースの頂部開口端から前記内ケースの底部開口端に向かって前記第一内側壁に螺旋状に巻き付けられ、且つ前記電磁誘導コイルの両端がそれぞれ前記保護ケース外に伸び出される、請求項2に記載の単結晶炉のホットゾーンヒータ。
【請求項4】
前記内ケースの頂部開口端に段差状の第一辺部が設けられ、前記外ケースの頂部開口端縁に段差状の第二辺部が設けられており、前記第一辺部と前記第二辺部との段差構造が互いに重ね接続され、前記内ケースの底部開口端縁に段差状の第三辺部が設けられ、前記外ケースの底部開口端縁に段差状の第四辺部が設けられており、前記第三辺部と前記第四辺部との段差構造が互いに重ね接続される、請求項3に記載の単結晶炉のホットゾーンヒータ。
【請求項5】
前記電磁誘導コイルは、複数のスパイラルを含み、前記内ケースの第一内側壁に複数の第一支持体が設けられており、隣接する2つの前記スパイラルの間に1つの前記第一支持体が設けられる、請求項3に記載の単結晶炉のホットゾーンヒータ。
【請求項6】
前記エッジメインヒータは、
第一筒状構造をなすヒータ本体と、
筒状カバー体であり、前記ヒータ本体外に被設され、且つ少なくとも前記ヒータ本体の頂部開口端、前記ヒータ本体の底部開口端及び前記ヒータ本体の外周面を覆う絶縁保護カバーと
を含む、請求項1に記載の単結晶炉のホットゾーンヒータ。
【請求項7】
前記ヒータ本体は、複数のU型加熱柱ユニットを含み、複数の前記U型加熱柱ユニットは、前記第一筒状構造となるように順次に接続されて周回され、隣接する2つのU型加熱柱ユニットのうち、一方のU型加熱柱ユニットの開口が前記第一筒状構造の頂部開口端に向き、他方のU型加熱柱ユニットの開口が前記第一筒状構造の底部開口端に向くことで、前記ヒータ本体の輪郭がへび型曲線構造をなすようにしている、請求項6に記載の単結晶炉のホットゾーンヒータ。
【請求項8】
各々の前記U型加熱柱は、
互いに平行する2本の縦方向直加熱柱であって、延在方向が前記第一筒状構造の軸線方向に平行する2本の縦方向直加熱柱と、
前記2本の縦方向直加熱柱の間に接続される弧状又は直線状の横向加熱柱と
を含み、
2本の前記縦方向直加熱柱の間には、前記第一筒状構造の周方向に隙間があり、前記第一筒状構造の周方向における前記隙間の幅は、前記第一筒状構造の周方向における前記縦方向直加熱柱の幅以上である、請求項7に記載の単結晶炉のホットゾーンヒータ。
【請求項9】
前記第一筒状構造の周方向における前記縦方向直加熱柱の幅は15~20mmであり、前記縦方向直加熱柱の横断面面積は150~200mm
2であり、且つ前記第一筒状構造の頂部開口端から底部開口端までの前記縦方向直加熱柱の長さは320~350mmである、請求項8に記載の単結晶炉のホットゾーンヒータ。
【請求項10】
前記絶縁保護カバーの内側壁には、前記ヒータ本体を支持するための複数の第二支持体が設けられており、各々のU型加熱柱ユニットにおける2本の前記縦方向直ヒータの間の隙間内には、少なくとも1つの前記第二支持体が設けられる、請求項7に記載の単結晶炉のホットゾーンヒータ。
【請求項11】
複数の第二支持体は、交互に設けられる複数の第一支持柱及び複数の第二支持柱を含み、前記第一支持柱は、前記頂部開口端に開口を向けるU型加熱柱ユニットにおける2本の縦方向直加熱柱の間の隙間内に設けられ、前記第二支持柱は、前記底部開口端に開口を向けるU型加熱柱ユニットにおける2本の縦方向直加熱柱の間の隙間内に設けられている、請求項10に記載の単結晶炉のホットゾーンヒータ。
【請求項12】
前記絶縁保護カバーは、第一カバー体及び第二カバー体を含み、
前記第一カバー体は、前記ヒータ本体の頂部開口端を遮蔽する環状の頂部遮蔽板と、前記ヒータ本体の外周側を周回し且つ前記頂部遮蔽板に固定接続される側面遮蔽板とを含み、複数の前記第一支持柱は、前記頂部遮蔽板の周方向に沿って均一に分布され、前記側面遮蔽板の内側壁に固定され、
前記第二カバー体は、前記ヒータ本体の底部開口端を遮蔽する環状の底部遮蔽板と、前記底部遮蔽板の周方向に沿って均一に分布される複数の前記第二支持柱とを含み、複数の前記第二支持柱は、前記底部遮蔽板に固定され、
複数の前記第二支持柱は、前記第一カバー体と前記第二カバー体とを係合させるように、前記側面遮蔽板内に挿入される、請求項11に記載の単結晶炉のホットゾーンヒータ。
【請求項13】
前記絶縁保護カバーは、第一カバー体及び第二カバー体を含み、
前記第一カバー体は、前記ヒータ本体の底部開口端を遮蔽する環状の底部遮蔽板と、前記ヒータ本体の外周側を周回し且つ前記底部遮蔽板に固定接続される側面遮蔽板とを含み、複数の前記第二支持柱は、前記底部遮蔽板の周方向に沿って均一に分布され、前記側面遮蔽板の内側壁に固定され、
前記第二カバー体は、前記ヒータ本体の頂部開口端を遮蔽する環状の頂部遮蔽板と、前記頂部遮蔽板の周方向に沿って均一に分布され、前記頂部遮蔽板に固定される複数の前記第一支持柱とを含み、
複数の前記第一支持柱は、前記第一カバー体と前記第二カバー体とを係合させるように、前記側面遮蔽板内に挿入される、請求項11に記載の単結晶炉のホットゾーンヒータ。
【請求項14】
前記ヒータ本体には、少なくとも第一電極コネクタ及び第二電極コネクタが更に接続されており、前記第一電極コネクタ及び前記第二電極コネクタは、前記ヒータ本体の対向する両側にそれぞれ位置し、前記絶縁保護カバーには、少なくとも第一開口及び第二開口が設けられており、前記第一電極コネクタは、前記第一開口から貫通され、前記第二電極コネクタは、前記第二開口から伸び出される、請求項6に記載の単結晶炉のホットゾーンヒータ。
【請求項15】
請求項1~14の何れか一項に記載の単結晶炉のホットゾーンヒータを含む、単結晶炉。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本開示は、2020年9月29日に中国で出願された中国特許出願第202011053337.0号の優先権を主張し、その内容の全ては、参照により本開示に組み込まれる。
本開示は、半導体ウェーハの技術分野に関し、特に単結晶炉のホットゾーンヒータ及び単結晶炉に関する。
【背景技術】
【0002】
単結晶シリコンの引き上げに、単結晶炉を使用する必要があり、特製の石英坩堝内でポリシリコン原料を溶かしてから、種結晶を使用して単結晶シリコンの結晶棒を引き上げる。半導体シリコンウェーハの品質がますます高まるにつれて、結晶引き上げ中の結晶棒の結晶欠陥の制御に対する要求がより高くなっている。単結晶炉の内部構造は、ホットゾーン(Hot Zone)を形成し、ホットゾーンの構造及び性能が、結晶棒の品質に直接影響するため、ホットゾーンの設計が、極めて重要になっている。
【0003】
単結晶炉にとっては、ヒータの設計がホットゾーンの設計の核心の1つである。ヒータは、メインヒータ及び底部ヒータに分けられ、メインヒータは、エッジヒータとも呼ばれ、坩堝の側面に設けられ、底部ヒータは、坩堝の底部に設けられる。ここで、エッジメインヒータは、単結晶炉の主な熱出力を担い、ポリシリコン材料の溶解段階及び後期の結晶棒の結晶成長(body)段階の両方でいずれも重要な役割を果たし、その形状及び加熱領域の大きさは、結晶引き上げ炉の温度場に直接影響し、更に結晶棒の品質に影響する。
【0004】
しかしながら、関連技術では、ホットゾーン内のエッジメインヒータの加熱領域が小さくて、加熱が均一ではなく、一定の温度場を保証するためには、消費電力が増加してしまい、コスト節約に不利となり、そして、エッジメインヒータは、一般的に抵抗ヒータであり、その温度上昇が遅く、加熱応答時間が長く、材料溶解段階にかかる時間が長いため、時間コストが大幅に増加するとともに、1つの抵抗ヒータでは、溶融シリコン液面の固液気の三相点の温度場の安定性が保証され難く、温度場が不安定になると、局所的な熱衝撃が形成されるため、結晶棒の無欠陥成長に不利となってしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記課題を解決するために、本開示の実施例は、良好な加熱効果、速い温度上昇、安定したホットゾーン温度等の特徴を有し、結晶成長中の結晶棒の無欠陥成長に有利であり、結晶棒の歩留まりを向上させる単結晶炉のホットゾーンヒータ及び単結晶炉を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の実施例によって提供される技術案は、以下の通りである。
【0007】
単結晶炉のホットゾーンヒータであって、エッジメインヒータ及び補助ヒータを含み、前記エッジメインヒータ及び前記補助ヒータは、何れも両端が開口される筒状構造であり、前記エッジメインヒータ及び前記補助ヒータは、何れも対向する頂部開口端及び底部開口端を含み、前記補助ヒータが前記エッジメインヒータ外にスリーブ設置され、且つ前記補助ヒータの頂部開口端が前記エッジメインヒータの頂部開口端外に伸び出される。
【0008】
選択的に、前記補助ヒータは、
前記エッジメインヒータを周回するように設けられる保護ケースと、
前記保護ケース内に収納される電磁誘導コイルと
を含む。
【0009】
選択的に、前記保護ケースは、互いに係合する内ケース及び外ケースを含み、前記内ケース及び前記外ケースは、何れも筒状をなし、前記内ケースは、前記エッジメインヒータの外周側に被設され、前記外ケースは、前記内ケース外にスリーブ設置されて、前記内ケースとの間に空洞が形成され、前記内ケースは、前記外ケースと協働して前記空洞を形成する第一内側壁を含み、前記電磁誘導コイルは、前記空洞内に収納されるとともに、前記内ケースの頂部開口端から前記内ケースの底部開口端に向かって前記第一内側壁に螺旋状に巻き付けられ、且つ前記電磁誘導コイルの両端がそれぞれ前記保護ケース外に伸び出される。
【0010】
選択的に、前記内ケースの頂部開口端に段差状の第一辺部が設けられ、前記外ケースの頂部開口端縁に段差状の第二辺部が設けられており、前記第一辺部と前記第二辺部との段差構造が互いに重ね接続され、前記内ケースの底部開口端縁に段差状の第三辺部が設けられ、前記外ケースの底部開口端縁に段差状の第四辺部が設けられており、前記第三辺部と前記第四辺部との段差構造が互いに重ね接続される。
【0011】
選択的に、前記電磁誘導コイルは、複数のスパイラルを含み、前記内ケースの第一内側壁に複数の第一支持体が設けられており、隣接する2つの前記スパイラルの間に1つの前記第一支持体が設けられる。
【0012】
選択的に、前記エッジメインヒータは、
第一筒状構造をなすヒータ本体と、
筒状カバー体であり、前記ヒータ本体外に被設され、且つ少なくとも前記ヒータ本体の頂部開口端、前記ヒータ本体の底部開口端及び前記ヒータ本体の外周面を覆う絶縁保護カバーと
を含む。
【0013】
選択的に、前記ヒータ本体は、複数のU型加熱柱ユニットを含み、複数の前記U型加熱柱ユニットは、前記第一筒状構造となるように順次に接続されて周回され、隣接する2つのU型加熱柱ユニットのうち、一方のU型加熱柱ユニットの開口が前記第一筒状構造の頂部開口端に向き、他方のU型加熱柱ユニットの開口が前記第一筒状構造の底部開口端に向くことで、前記ヒータ本体の輪郭がへび型曲線構造をなすようにしている。
【0014】
選択的に、各々の前記U型加熱柱は、
互いに平行する2本の縦方向直加熱柱であって、延在方向が前記第一筒状構造の軸線方向に平行する2本の縦方向直加熱柱と、
前記2本の縦方向直加熱柱の間に接続される弧状又は直線状の横向加熱柱と
を含み、
2本の前記縦方向直加熱柱の間には、前記第一筒状構造の周方向に隙間があり、前記第一筒状構造の周方向における前記隙間の幅は、前記第一筒状構造の周方向における前記縦方向直加熱柱の幅以上である。
【0015】
選択的に、前記第一筒状構造の周方向における前記縦方向直加熱柱の幅は15~20mmであり、前記縦方向直加熱柱の横断面面積は150~200mm2であり、且つ前記第一筒状構造の頂部開口端から底部開口端までの前記縦方向直加熱柱の長さは320~350mmである。
【0016】
選択的に、前記絶縁保護カバーの内側壁には、前記ヒータ本体を支持するための複数の第二支持体が設けられており、各々のU型加熱柱ユニットにおける2本の前記縦方向直ヒータの間の隙間内には、少なくとも1つの前記第二支持体が設けられる。
【0017】
選択的に、複数の第二支持体は、交互に設けられる複数の第一支持柱及び複数の第二支持柱を含み、前記第一支持柱は、前記頂部開口端に開口を向けるU型加熱柱ユニットにおける2本の縦方向直加熱柱の間の隙間内に設けられ、前記第二支持柱は、前記底部開口端に開口を向けるU型加熱柱ユニットにおける2本の縦方向直加熱柱の間の隙間内に設けられている。
【0018】
選択的に、前記絶縁保護カバーは、第一カバー体及び第二カバー体を含み、
前記第一カバー体は、前記ヒータ本体の頂部開口端を遮蔽する環状の頂部遮蔽板と、前記ヒータ本体の外周側を周回し且つ前記頂部遮蔽板に固定接続される側面遮蔽板とを含み、複数の前記第一支持柱は、前記頂部遮蔽板の周方向に沿って均一に分布され、前記側面遮蔽板の内側壁に固定され、
前記第二カバー体は、前記ヒータ本体の底部開口端を遮蔽する環状の底部遮蔽板と、前記底部遮蔽板の周方向に沿って均一に分布される複数の前記第二支持柱とを含み、複数の前記第二支持柱は、前記底部遮蔽板に固定され、
複数の前記第二支持柱は、前記第一カバー体と前記第二カバー体とを係合させるように、前記側面遮蔽板内に挿入される。
【0019】
選択的に、前記絶縁保護カバーは、第一カバー体及び第二カバー体を含み、
前記第一カバー体は、前記ヒータ本体の底部開口端を遮蔽する環状の底部遮蔽板と、前記ヒータ本体の外周側を周回し且つ前記底部遮蔽板に固定接続される側面遮蔽板とを含み、複数の前記第二支持柱は、前記底部遮蔽板の周方向に沿って均一に分布され、前記側面遮蔽板の内側壁に固定され、
前記第二カバー体は、前記ヒータ本体の頂部開口端を遮蔽する環状の頂部遮蔽板と、前記頂部遮蔽板の周方向に沿って均一に分布され、前記頂部遮蔽板に固定される複数の前記第一支持柱とを含み、
複数の前記第一支持柱は、前記第一カバー体と前記第二カバー体とを係合させるように、前記側面遮蔽板内に挿入される。
【0020】
選択的に、前記ヒータ本体には、少なくとも第一電極コネクタ及び第二電極コネクタが更に接続されており、前記第一電極コネクタ及び前記第二電極コネクタは、前記ヒータ本体の対向する両側にそれぞれ位置し、前記絶縁保護カバーには、少なくとも第一開口及び第二開口が設けられており、前記第一電極コネクタは、前記第一開口から貫通され、前記第二電極コネクタは、前記第二開口から伸び出される。
【0021】
単結晶炉であって、上記のような単結晶炉のホットゾーンヒータを含む。
【発明の効果】
【0022】
本開示の実施例が奏する有益な効果は、以下の通りである。
本開示の実施例による単結晶炉のホットゾーンヒータ及び単結晶炉は、エッジメインヒータ及び補助ヒータを含み、補助ヒータの設置により、以下の役割を果たすことができ、即ち、温度を急速に上昇させて材料を溶解し、結晶棒の結晶成長(body)段階で、エッジメインヒータに対する温度補償を行うとともにエッジメインヒータと連携してシリコン融液表面の固液気の三相点の温度場の安定性を共同で保証し、結晶棒の無欠陥成長に寄与し、それに、当該補助加熱装置は、エッジメインヒータの加熱電力を分担し、ヒータ全体の使用寿命を延長させることができる。また、関連技術における単結晶炉のホットゾーンヒータに比べて、本開示の実施例による単結晶炉のホットゾーンヒータ及び単結晶炉は、大きな加熱領域及び高いエネルギー変換率のヒータを有するので、一定の温度場を保証する条件で、更に省エネであり、コストが節約され、そして、エッジメインヒータと補助ヒータとが連携して動作して、ヒータの調節範囲以及び調節精度が向上される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】
図1は、本開示の実施例による単結晶炉のホットゾーンヒータの全体構造を示す断面概略図である。
【
図2】
図2は、本開示の実施例による単結晶炉のホットゾーンヒータにおける補助ヒータの全体外観を示す概略図である。
【
図3】
図3は、本開示の実施例による単結晶炉のホットゾーンヒータにおける補助ヒータの内ケース及び電磁誘導コイルの構造を示す概略図である。
【
図4】
図4は、本開示の実施例による単結晶炉のホットゾーンヒータにおけるエッジメインヒータの全体構造を示す概略図である。
【
図5】
図5は、本開示の実施例による単結晶炉のホットゾーンヒータにおけるエッジメインヒータのヒータ本体の構造を示す概略図である。
【
図6】
図6は、本開示の実施例による単結晶炉のホットゾーンヒータにおける第二カバー体の構造を示す概略図である。
【
図7】
図7は、本開示の実施例による単結晶炉のホットゾーンヒータにおける第一カバー体の構造を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本開示の実施例の目的、技術案及び利点をより明確にするためには、以下、本開示の実施例の図面を参照しながら、本開示の実施例の技術案を明確且つ完全に説明する。以下に説明される実施例は本開示の実施例の一部であり、すべての実施例ではないことは自明である。以下に説明される本開示の実施例に基づいて、当業者によって創造的な労働を払わずに得られる他の実施例は、全て本開示の保護範囲に含まれるものとする。
【0025】
特に定義しない限り、本開示に使用される技術用語又は科学用語は、当業者が理解できる通常の意味を有する。本開示に使用される「第一」、「第二」及び類似する用語は、いかなる順序、数量又は重要性を示すものではなく、異なる構成要素を区別するためのものに過ぎない。同様に、「一つ」、「一」又「当該」等の類似する用語も、数量を限定するものではなく、少なくとも一つが存在することを意味する。「含む」又は「包含」等の類似する用語は、当該用語の前に記載される素子又は部材が、当該用語の後に挙げられる素子又は部材及びその同等物を含むが、他の素子又は部材を排除しないことを意味する。「接続」又は「結合」等の類似する用語は、物理的又は機械的接続に限定されず、直接接続又は間接的接続に関わらず、電気的接続を含んでもよい。「上」、「下」、「左」、「右」等は、相対位置関係を示すだけであり、説明対象の絶対位置が変わると、当該相対位置関係も対応して変化する可能性がある。
【0026】
本開示の実施例による単結晶炉のホットゾーンヒータ及び単結晶炉の詳しい説明に先立って、関連技術を以下のように説明しておく必要がある。
関連技術では、ホットゾーン内のエッジメインヒータの加熱領域が小さくて、加熱が均一ではなく、一定の温度場を保証するためには、消費電力が増加してしまい、コスト節約に不利となり、そして、エッジメインヒータは、一般的に抵抗ヒータであり、その温度上昇が遅く、加熱応答時間が長く、材料溶解段階にかかる時間が長いため、時間コストが大幅に増加するとともに、1つの抵抗ヒータでは、溶融シリコン液面の固液気の三相点の温度場の安定性が保証され難く、温度場が不安定になると、局所的な熱衝撃が形成されるため、結晶棒の無欠陥成長に不利となってしまう。
【0027】
上記問題に対して、本開示の実施例は、良好な加熱効果、速い温度上昇、安定したホットゾーン温度等の特徴を有し、結晶成長中の結晶棒の無欠陥成長に有利であり、結晶棒の歩留まりを向上させる単結晶炉のホットゾーンヒータ及び単結晶炉を提供している。
【0028】
図1に示すように、本開示の実施例による単結晶炉のホットゾーンヒータは、
エッジメインヒータ10及び補助ヒータ20を含み、前記エッジメインヒータ10及び前記補助ヒータ20は、何れも両端が開口される筒状構造であり、前記エッジメインヒータ10及び前記補助ヒータ20は、何れも対向する頂部開口端及び底部開口端を含み、前記補助ヒータ20が前記エッジメインヒータ10外にスリーブ設置され、且つ前記補助ヒータ20の頂部開口端が前記エッジメインヒータ10の頂部開口端外に伸び出される。
【0029】
本開示の実施例による単結晶炉のホットゾーンヒータは、エッジメインヒータ10及び補助ヒータ20を含み、補助ヒータ20の設置により、以下の役割を果たすことができ、即ち、温度を急速に上昇させて材料を溶解し、結晶棒の結晶成長(body)段階で、エッジメインヒータに対する温度補償を行うとともにエッジメインヒータと連携してシリコン融液表面の固液気の三相点の温度場の安定性を共同で保証し、結晶棒の無欠陥成長に寄与し、それに、当該補助加熱装置は、エッジメインヒータの加熱電力を分担し、ヒータ全体の使用寿命を延長させることができる。また、関連技術における単結晶炉のホットゾーンヒータに比べて、本開示の実施例による単結晶炉のホットゾーンヒータ及び単結晶炉は、大きな加熱領域及び高いエネルギー変換率のヒータを有するので、一定の温度場を保証する条件で、更に省エネであり、コストが節約され、そして、エッジメインヒータと補助ヒータとが連携して動作して、ヒータの調節範囲以及び調節精度が向上される。
【0030】
一部の実施例において、
図1~
図3に示すように、前記補助ヒータ20は、保護ケース21及び電磁誘導コイル22を含み、前記保護ケース21は、前記エッジメインヒータ10を周回するように設けられ、前記電磁誘導コイルは、前記保護ケース21内に収納されている。
【0031】
上記実施例において、前記補助ヒータ20として電磁誘導ヒータが使用され、エッジメインヒータ10と電磁誘導補助ヒータ20とが連携して動作して、ヒータの調節範囲以及び調節精度が向上され、そして、抵抗ヒータに比べて、電磁誘導ヒータは、調節範囲及び調節精度が更に高いため、溶融シリコン液面の固液気の三相点の温度場の安定性をより一層に保証することができる。
【0032】
もちろん、実際の応用では、前記補助ヒータ20として、抵抗ヒータが使用されてもよい。
【0033】
また、一部の実施例において、
図1~
図3に示すように、前記保護ケース21は、互いに係合する内ケース23及び外ケース24を含み、前記内ケース23及び前記外ケース24は、何れも筒状をなし、前記内ケース23は、前記エッジメインヒータ10の外周側に被設され、前記外ケース24は、前記内ケース23外にスリーブ設置されて、前記内ケース23との間に空洞が形成され、前記内ケース23は、前記外ケース24と協働して前記空洞を形成する第一内側壁を含み、前記電磁誘導コイル22は、前記空洞内に収納されるとともに、前記電磁誘導コイル22は、前記内ケース23の頂部開口端から前記内ケース23の底部開口端に向かって前記第一内側壁に螺旋状に巻き付けられ、且つ前記電磁誘導コイル22の両端は、それぞれ電源コネクタ25となり、両端の電源コネクタ25がそれぞれ前記保護ケース21外に伸び出される。
【0034】
上記実施例において、電磁誘導コイル22の両端は、それぞれ電源コネクタ25となり、保護ケース21から伸び出されて交流電源に接続する。電磁誘導加熱の原理によれば、電磁誘導コイル22は、発生した誘導電気エネルギーを熱エネルギーに変換し、更に熱放射の方式で熱を石英坩堝内のシリコン材料に伝達する。前記保護ケース21は、電磁誘導コイル22を保護する目的を果たし、アルゴンフローによる補助ヒータ20内の電磁誘導コイル22に対する侵食及び電磁誘導コイル22へのSiO2の堆積を阻止し、補助ヒータ20の使用寿命を向上させているとともに、当該補助ヒータ20は、保温効果も有し、熱損失を低減して、より多くの熱をホットゾーン内の坩堝の内部に伝送し、ヒータのエネルギー変換効率を向上させている。
【0035】
一部の実施例において、
図1~
図3に示すように、前記内ケース23の頂部開口端に段差状の第一辺部2301が設けられ、前記外ケース24の頂部開口端縁に段差状の第二辺部2401が設けられており、前記第一辺部2301と前記第二辺部2401との段差構造が互いに重ね接続され、前記内ケース23の底部開口端縁に段差状の第三辺部2302が設けられ、前記外ケース24の底部開口端縁に段差状の第四辺部2402が設けられており、前記第三辺部2302と前記第四辺部2402との段差構造が互いに重ね接続される。
【0036】
上記実施例において、前記内ケース23と前記外ケース24とは、開口縁に段差構造が設けられて互いに重ね接続されることで、両者の間の相互係合を実現するようになっている。実際の応用では、前記内ケース23及び前記外ケース24の具体的な構造は、これに限定されない。
【0037】
また、一部の実施例において、
図1及び
図3に示すように、前記電磁誘導コイル22は、複数のスパイラルを含み、前記内ケース23の第一内側壁に複数の第一支持体26が設けられており、隣接する2つの前記スパイラルの間に1つの前記第一支持体26が設けられる。
【0038】
上記態様では、電磁誘導コイル22は、保護ケース21の内部に螺旋状に分布され、各巻きのスパイラルは、電磁誘導コイル22の総合的な機械的特性を向上させるために、何れも第一支持体26によって支持されてもよい。
【0039】
選択的に、前記第一支持体26は、支持柱構造であってもよいが、前記第一支持体の具体的な構造は、これに限定されない。
【0040】
また、関連技術では、単結晶炉のホットゾーン内のメインヒータは、坩堝の外周側に設けられ、保護装置がなく、アルゴンフロー雰囲気に直接曝されており、結晶引き上げ中にヒータの上面及び外面がアルゴンフローによって侵食され続け、メインヒータの使用寿命が大幅に短縮されてしまい、それに、該当する位置には、SiO2(二酸化ケイ素)の堆積が発生してしまい、SiO2が除去されるために、ヒータの寿命短縮にも繋がる。
【0041】
上記課題を解決するために、本開示の一部の実施例において、
図4に示すように、前記メインヒータ10は、ヒータ本体100及び絶縁保護カバー200を含み、前記ヒータ本体100は、単結晶炉のホットゾーン内の坩堝を周回するように設けられる第一筒状構造であり、頂部開口端、底部開口端、及び前記頂部開口端と前記底部開口端との間に位置する外周側面を含み、前記絶縁保護カバー200は、筒状カバー体であり、前記ヒータ本体100外に被設されるとともに、少なくとも前記第一筒状構造の頂部開口端、前記第一筒状構造の底部開口端及び前記第一筒状構造の外周側面を覆っている。
【0042】
本開示の実施例による単結晶炉のホットゾーンヒータは、ヒータ本体100外に絶縁保護カバー200が被設されていることで、当該絶縁保護カバー200がヒータ本体100の頂部開口端、底部開口端及び外周側面の全てを包んで覆うことができ、これにより、アルゴンフローによるヒータ本体100に対する侵食及びヒータ本体100へのSiO2の堆積を阻止し、ヒータの使用寿命を向上させているとともに、筒状の絶縁保護カバー200は、保温効果も有し、ヒータ本体100の熱損失を低減し、より多くの熱をホットゾーン内の坩堝の内部に伝送し、ヒータのエネルギー変換効率を向上させている。
【0043】
また、関連技術では、従来の単結晶炉のホットゾーンエッジメインヒータ10は、シート状筒体構造を含み、シート状筒体構造に複数のスリットが設けられて複数の羽根が形成され、各羽根の幅が広くて、エッジメインヒータ10の加熱電力は、羽根の横断面の大きさに関係しているため、エッジメインヒータ10の加熱電力と羽根の横断面積との関係は、以下の通りである。
【数1】
ここで、Pはエッジメインヒータ10の電力であり、Iは電流であり、Rは羽根の抵抗であり、ρは羽根の抵抗率であり、Sは羽根の横断面積であり、Lは羽根の長さである。
【0044】
式(I)及び式(II)によって、以下の式(III)が得られる。
【数2】
式(III)から分かるように、Sが大きくなると、加熱電力Pが低下する。したがって、羽根の横断面が大きいほど、ヒータの抵抗が小さくなり、ヒータの加熱電力が小さくなり、その結果、エッジメインヒータ10の加熱領域は非常に小さくなり、且つ加熱が均一ではなく、一定の温度場を保証するためには、消費電力が増加してしまい、コスト節約に不利となるとともに、結晶引き上げ中の結晶棒の酸素含有量の制御に不利であり、更に結晶棒全体の品質に影響を与えてしまう。
【0045】
本開示の一実施例において、
図4及び
図5に示すように、前記ヒータ本体100は、複数のU型加熱柱ユニット100Aを含み、複数の前記U型加熱柱ユニット100Aは、前記第一筒状構造となるように順次に接続されて周回され、隣接する2つのU型加熱柱ユニット100Aのうち、一方のU型加熱柱ユニット100Aの開口が前記頂部開口端に向き、他方のU型加熱柱ユニット100Aの開口が前記底部開口端に向くことで、前記ヒータ本体100の輪郭がへび型曲線構造をなすようにしている。
【0046】
選択的に、各々の前記U型加熱柱は、
互いに平行する2本の縦方向直加熱柱110であって、延在方向が前記第一筒状構造の軸線方向に平行する2本の縦方向直加熱柱110と、前記2本の縦方向直加熱柱110の間に接続される弧状又は直線状の横向加熱柱120とを含み、2本の前記縦方向直加熱柱110の間には、前記第一筒状構造の周方向に隙間Aがあり、前記第一筒状構造の周方向における前記隙間Aの幅は、前記第一筒状構造の周方向における前記縦方向直加熱柱110の幅以下である。
【0047】
上記態様では、ヒータ本体100の構造が改良され、前記ヒータ本体100は、端部同士を繋ぎ合わせられる複数のU型加熱柱ユニット100Aによって第一筒状構造が形成され、U型加熱柱ユニット100A内の加熱柱が、2本の縦方向直加熱柱110、及び弧状又は直線状の横向加熱柱120を含むように設計されており、このような加熱柱の構造において、関連技術におけるエッジメインヒータ10内の羽根構造に比べて、加熱柱の横断面が羽根の横断面寸法よりも小さくなり、且つ2本の前記縦方向直加熱柱110の間の隙間Aは、関連技術におけるエッジメインヒータ10内の羽根との間のスリットに比べて、隙間Aの寸法がスリットの寸法よりも大きくなる。こうして、加熱柱の横断面が小さくなって、ヒータの抵抗が増大し、ヒータの加熱電力が大きくなり、これにより、環状のU型加熱柱ユニット100Aの設計によって、ヒータによる加熱が更に均一になることを保証され、エッジメインヒータ10の加熱領域が大きくて、一定の温度場を保証する場合は、消費電力が低下し、コスト節約に有利であるとともに、結晶引き上げ中の結晶棒の酸素含有量の制御に有利であり、更に結晶棒全体の品質が向上される。
【0048】
また、説明すべきなのは、本開示の実施例において、単一の縦方向直加熱柱110の長さを増加させることで、加熱電力を更に増加させてもよい。
【0049】
一部の実施例において、前記第一筒状構造の周方向における前記縦方向直加熱柱110の幅は15~20mmであり、前記縦方向直加熱柱の横断面面積は、隣接する2本の縦方向直加熱柱の隙間の横断面面積以下であり、更に、前記縦方向直加熱柱の横断面面積は150~200mm2であり、且つ前記第一筒状構造の前記頂部開口端から前記底部開口端までの前記縦方向直加熱柱110の長さは320~350mmである。説明すべきなのは、実際の応用では、前記エッジメインヒータ10の具体的な構造としては、これに限定されなくてもよい。
【0050】
また、本開示による実施例において、
図4~
図7に示すように、前記絶縁保護カバー200の内側壁には、前記ヒータ本体100を支持するための複数の第二支持体300が設けられており、各々のU型加熱柱ユニット100Aにおける2本の前記縦方向直ヒータの間の隙間A内には、少なくとも1つの前記第二支持体300が設けられる。
【0051】
上記態様を使用した場合、ヒータ本体100としてU型加熱柱ユニット100Aが使用され、隣接する縦方向直加熱柱110の間の隙間Aが大きいため、その機械的特性が弱められる恐れがある。当該ヒータ本体100の耐衝撃性能を向上させ、その総合的な機械的特性を向上させるために、上記態様では、絶縁保護カバー200上に第二支持体300を設け、各々のU型加熱柱ユニット100Aにおける2本の縦方向直加熱柱110の間の隙間A内に当該第二支持体300を設けることで、保護ヒータ本体100を支持する役割が果たされるため、当該単結晶炉のホットゾーンヒータの耐衝撃性能をより良好にし、当該ヒータの総合的な機械的特性を向上させている。
【0052】
本開示による一部の実施例において、
図4~
図7に示すように、複数の第二支持体300は、交互に設けられる複数の第一支持柱310及び複数の第二支持柱320を含み、前記第一支持柱310は、前記頂部開口端に開口を向けるU型加熱柱ユニット100Aにおける2本の縦方向直加熱柱110の間の隙間A内に設けられ、前記第二支持柱320は、前記底部開口端に開口を向けるU型加熱柱ユニット100Aにおける2本の縦方向直加熱柱110の間の隙間A内に設けられている。
【0053】
上記実施例において、前記第二支持体300は、U型加熱柱ユニット100Aにおける2本の縦方向直加熱柱110の間の隙間A内に設けられる柱状構造、即ち支持柱であり、別の一部の実施例において、前記第二支持体300の構造としては、支持柱の構造に限定されず、例えば支持ブロック等の他の構造が使用されてもよい。
【0054】
また、本開示の一部の実施例において、
図4~
図7に示すように、前記絶縁保護カバー200は、第一カバー体210及び第二カバー体220を含み、前記第一カバー体210は、前記ヒータ本体100の頂部開口端を遮蔽する環状の頂部遮蔽板211と、前記ヒータ本体100の外周側を周回し且つ前記頂部遮蔽板211に固定接続される側面遮蔽板212とを含み、複数の前記第一支持柱310は、前記頂部遮蔽板211の周方向に沿って均一に分布され、前記側面遮蔽板212の内側壁に固定され、前記第二カバー体220は、前記ヒータ本体100の底部開口端を遮蔽する環状の底部遮蔽板221と、前記底部遮蔽板221の周方向に沿って均一に分布される複数の前記第二支持柱320とを含み、複数の前記第二支持柱320は、前記底部遮蔽板221に固定され、複数の前記第二支持柱320は、前記第一カバー体210と前記第二カバー体220とを係合させるように、前記側面遮蔽板212内に挿入される。
【0055】
上記実施例において、前記絶縁保護カバー200は、上下2つのカバー体、即ち第一カバー体210及び第二カバー体220からなり、このような構造によれば、カバー体がヒータ本体100に係止され易くなり、且つ2つのカバー体上に第一支持柱310及び第二支持柱320がそれぞれ設けられ、両者は、ヒータ本体100の骨格として、ヒータ本体100を支持及び保護する役割を果たす。
【0056】
本開示の別の一部の実施例において、前記絶縁保護カバー200は、第一カバー体210及び第二カバー体220を含み、前記第一カバー体210は、前記ヒータ本体100の底部開口端を遮蔽する環状の底部遮蔽板221と、前記ヒータ本体100の外周側を周回し且つ前記底部遮蔽板221に固定接続される側面遮蔽板212とを含み、複数の前記第二支持柱320は、前記底部遮蔽板221の周方向に沿って均一に分布され、前記側面遮蔽板212の内側壁に固定され、前記第二カバー体220は、前記ヒータ本体100の頂部開口端を遮蔽する環状の頂部遮蔽板211と、前記頂部遮蔽板211の周方向に沿って均一に分布される複数の前記第一支持柱310とを含み、複数の前記第一支持柱310は、前記頂部遮蔽板211に固定され、複数の前記第一支持柱310は、前記第一カバー体210と前記第二カバー体220とを係合させるように、前記側面遮蔽板212内に挿入される。
【0057】
説明すべきなのは、上述したのは、前記絶縁保護カバー200の例示的な実施例に過ぎず、実際の応用では、前記絶縁保護カバー200の具体的な構造は、特に限定されない。
【0058】
また、説明すべきなのは、前記絶縁保護カバー200は、選択的に、耐高温、耐腐食の絶縁材料、例えば半導体セラミック材質製であってもよい。
【0059】
また、前記第一筒状構造の前記頂部開口端から前記底部開口端までの前記縦方向直加熱柱の長さは、前記第一カバー体上の第一支持柱又は前記第二カバー体上の第二支持柱の長さに等しい。
【0060】
また、
図4~
図7に示すように、本開示の一実施例において、前記ヒータ本体100には、少なくとも第一電極コネクタ410及び第二電極コネクタ420が更に接続されており、前記第一電極コネクタ410及び前記第二電極コネクタ420は、前記ヒータ本体100の対向する両側にそれぞれ位置し、前記絶縁保護カバー200には、少なくとも第一開口201及び第二開口202が設けられており、前記第一電極コネクタ410は、前記第一開口201から貫通され、前記第二電極コネクタ420は、前記第二開口202から伸び出される。
【0061】
上記実施例において、在前記ヒータ本体100には、前記ヒータ本体100の電極と接続するための第一電極コネクタ410及び第二電極コネクタ420がそれぞれ設けられる。
【0062】
説明すべきなのは、一部の実施例において、前記ヒータ本体100には、少なくとも2つの電極コネクタが設けられているが、実際の応用では、前記ヒータ本体100上の電極コネクタの数量は、2つに限定されず、例えば、3つの電極コネクタが含まれてもよく、つまり、前記ヒータ本体100上のコネクタは、三相電気コネクタであってもよい。
【0063】
また、本開示の実施例は、本開示の実施例による単結晶炉のホットゾーンヒータを含む、単結晶炉を更に提供している。明らかなことに、本開示の実施例による単結晶炉も、本開示の実施例による単結晶炉のホットゾーンヒータが奏した有益な効果を奏することができるが、ここで繰り返して述べない。
【0064】
以下、いくつかの留意点について説明する。
(1)本開示の実施例の図面は、本開示の実施例に係る構造に関するものに過ぎず、他の構造については、通常の設計を参照すればよい。
(2)明瞭にするために、本開示の実施例を説明する図面において、層又は領域の厚さは拡大又は縮小されており、即ち、これらの図面は実際の比率で描かれているものではない。理解できることに、例えば層、膜、領域や基板のような部材が別の部材の「上」又は「下」にあると言及される場合、当該部材は、別の部材の「上」又は「下」に「直接」位置してよく、又は中間部材が介在してよい。
(3)矛盾のない場合、本開示の実施例及び実施例の特徴を組み合わせて新しい実施例を得ることが可能である。
【0065】
上記は、本開示の具体的な実施の形態に過ぎず、本開示の保護範囲は、これに限定されず、特許請求の範囲の保護範囲に準じるものとする。
【手続補正書】
【提出日】2022-06-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0046】
選択的に、各々の前記U型加熱柱は、
互いに平行する2本の縦方向直加熱柱110であって、延在方向が前記第一筒状構造の軸線方向に平行する2本の縦方向直加熱柱110と、前記2本の縦方向直加熱柱110の間に接続される弧状又は直線状の横向加熱柱120とを含み、2本の前記縦方向直加熱柱110の間には、前記第一筒状構造の周方向に隙間Aがあり、前記第一筒状構造の周方向における前記隙間Aの幅は、前記第一筒状構造の周方向における前記縦方向直加熱柱110の幅以上である。
【国際調査報告】