(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-07
(54)【発明の名称】オープンオフィスにおける占有者をカウントするためシングルピクセルサーモパイル及びパッシブ赤外線センサからのデータを融合するシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
H05B 47/13 20200101AFI20230228BHJP
【FI】
H05B47/13
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022539149
(86)(22)【出願日】2020-12-11
(85)【翻訳文提出日】2022-08-22
(86)【国際出願番号】 EP2020085802
(87)【国際公開番号】W WO2021130034
(87)【国際公開日】2021-07-01
(32)【優先日】2019-12-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-01-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】ムルティ アブヒシェック
(72)【発明者】
【氏名】クマル ロヒット
(72)【発明者】
【氏名】ユー ジン
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273PA03
3K273QA28
3K273SA02
3K273SA22
3K273SA38
3K273SA39
3K273SA57
3K273SA60
3K273TA03
3K273TA15
3K273TA41
3K273TA52
3K273TA54
3K273TA78
(57)【要約】
環境における占有を決定するためのシステムが提供される。システムは、複数のセンサバンドルを含み、各バンドルは、存在センサ及びモーションセンサを含む。システムはさらに、各センサバンドルと通信するコントローラを含む。コントローラは、存在トリガとしてセンサバンドルのうちの1つを、人が存在センサの視野内に存在する場合に指定するように構成される。コントローラはさらに、モーショントリガとしてセンサバンドルのうちの1つを、人がモーションセンサの視野内で動いている場合に指定するように構成される。コントローラはさらに、存在トリガ及びモーショントリガの両方であるセンサバンドルのトリガバンドルカウントを決定するように構成される。コントローラはさらに、トリガバンドルカウントに基づいて環境の占有カウントを決定するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
環境における占有を決定するためのシステムであって、
複数のセンサバンドルであって、各センサバンドルは、
存在信号を生成するように構成される存在センサと、
モーション信号を生成するように構成されるモーションセンサと、
を含む、複数のセンサバンドルと、
各センサバンドルと通信するコントローラであって、当該コントローラは、
存在トリガとしてセンサバンドルのうちの1つを、前記存在信号及び存在ディテクタに基づいて、1人以上の人が前記センサバンドルの前記存在センサの視野内に存在する場合に指定し、前記存在ディテクタは、前記存在信号を分析するために当該コントローラによって用いられる基準を含む、
モーショントリガとしてセンサバンドルのうちの1つを、前記モーション信号及びモーションディテクタに基づいて、1人以上の人が前記センサバンドルの前記モーションセンサの視野内で動いている場合に指定し、前記モーションディテクタは、前記モーション信号を分析するために当該コントローラによって用いられる基準を含む、
存在トリガ及びモーショントリガの両方であるセンサバンドルのトリガバンドルカウントを決定する、及び
占有カウントモジュールを介して、1つ以上のトリガバンドルカウントを1つ以上の占有カウントと相関させることに基づいて前記環境の占有カウントを決定する、
ように構成される、コントローラと、
を含む、システム。
【請求項2】
前記モーションディテクタは、モーション閾値を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記モーションディテクタは、分析期間を含み、前記分析期間は、前記コントローラが1人以上の人が前記モーションセンサの視野で動いているかどうかを判断するために前記モーション信号を分析する時間長である、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記存在ディテクタは、1人以上の人が前記存在センサの視野に存在するかどうかを判断するためにステップ分析モジュールを含み、前記ステップ分析モジュールは、
前記存在信号及びステップ関数を畳み込むことによって畳み込み存在信号を生成する、及び
前記畳み込み存在信号を1つ以上のピークについて分析し、前記ピークは、1人以上の人が前記存在センサの視野に存在することに対応する、
ように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
存在トリガとしての前記センサバンドルの指定は、前記畳み込み存在信号の前記ピークに基づく、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記モーションセンサは、パッシブ赤外線センサである、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記存在センサは、シングルピクセルサーモパイルである、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
環境における占有を決定するための方法であって、
複数の存在信号を生成することであって、各存在信号は、複数のセンサバンドルのうちの1つの存在センサに対応する、ことと、
複数のモーション信号を生成することであって、各モーション信号は、前記複数のセンサバンドルのうちの1つのモーションセンサに対応する、ことと、
コントローラを介して、存在トリガとしてセンサバンドルのうちの1つを、前記存在信号及び存在ディテクタに基づいて、1人以上の人が前記センサバンドルの前記存在センサの視野内に存在する場合に指定することであって、前記存在ディテクタは、前記存在信号を分析するために前記コントローラによって用いられる基準を含む、ことと、
前記コントローラを介して、モーショントリガとしてセンサバンドルのうちの1つを、前記モーション信号及びモーションディテクタに基づいて、1人以上の人が前記センサバンドルの前記モーションセンサの視野内で動いている場合に指定することであって、前記モーションディテクタは、前記モーション信号を分析するために前記コントローラによって用いられる基準を含む、ことと、
前記コントローラを介して、存在トリガ及びモーショントリガの両方であるセンサバンドルのトリガバンドルカウントを決定することと、
前記コントローラを介して、1つ以上のトリガバンドルカウントを1つ以上の占有カウントと、占有カウントモジュールを介して、相関させることに基づいて前記環境の占有カウントを決定することと、
を含む、方法。
【請求項9】
前記モーションディテクタは、モーション閾値を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記モーションディテクタは、分析期間を含み、前記分析期間は、前記コントローラが1人以上の人が前記モーションセンサの視野で動いているかどうかを判断するために前記モーション信号を分析する時間長である、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
当該方法は、
前記存在信号及びステップ関数を畳み込むことによって畳み込み存在信号を生成することと、
前記畳み込み存在信号を1つ以上のピークについて分析することであって、前記ピークは、1人以上の人が前記存在センサの視野に存在することに対応する、ことと、
を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
存在トリガとしての前記センサバンドルの指定は、前記畳み込み存在信号の前記ピークに基づく、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、オープンオフィス等、環境における占有者をカウントすることに関する。
【背景技術】
【0002】
現代のオープンオフィス環境は、典型的には、コネクテッド照明システム(connected lighting system)を介して電気的に接続される複数のスマート照明器具を含む。これらのスマート照明器具は、オープンオフィス環境からデータを収集するために様々なセンサを備えることが多い。様々な異なるセンサから収集される情報を使用することにより、オープンオフィスの様々な特性が決定されることができる。このような重要な特性の一つは、オフィス占有(office occupancy)である。
【0003】
コネクテッド照明システムに利用され得るセンサの一例は、シングルピクセルサーモパイル(SPT:single-pixel thermopile)である。SPTは、熱電対(thermocouple)を使用して視野内の温度を測定する。熱電対は、2つの異種導体、温接合部(hot weld)及び冷接合部(cold weld)からなる。熱電対上の温度差により電圧が生じる。熱電対の冷接合部は絶縁され、SPTのケース温度のみを測定する。温接合部は視野に露出され、視野内の人によって発せられる熱を吸収する。視野内の物体の温度は、物体温度Toとしてセンサによって報告される。センサは、周囲温度Taとしてケース温度も報告する。しかしながら、一次元のTo測定は、典型的には、占有者の正確なカウントを決定するのに十分なデータを含まない。
【0004】
コネクテッド照明システムに利用され得るセンサの第2の例は、パッシブ赤外線(PIR:Passive Infrared)センサである。PIRは、部屋のバイナリ占有(binary occupancy)(占有又は非占有)及びその視野内で見られる動き(movement)のタイプの両方を報告するために使用されることができる。具体的には、小動作(minor motion)、中動作(medium motion)、大動作(major motion)が報告され得る。PIRを備える照明器具がオフィス環境に設置され、コミッショニングされる場合、PIRは、小動作、中動作、大動作、及び無動作(no motion)に対応するイベントのカウントを生成する。動作カウントは、照明システムのネットワーキング接続に基づくサンプリングレートに従って生成される。
【0005】
US 2019303661 A1は、マルチ占有空間(multi-occupancy space)が少なくとも1人の個人によって占有されているかどうかを検出するための第1のディテクタと、マルチ占有空間内のそれぞれの複数の空間の各々に個人が存在するかどうかを検出するための複数の第2のディテクタとを含むシステムを開示している。コントローラは、第1のディテクタから導出される信号に基づいて個人がマルチ占有空間に存在するかどうかを監視するように構成される。少なくとも1人の個人の存在が、第1のディテクタから導出される信号に基づいて検出される場合、コントローラは、複数の第2のディテクタから導出される信号に基づいてマルチ占有空間の占有を決定する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示は、オープンオフィス等、環境における占有者(occupant)をカウントするための発明的システム及び方法に関する。システム及び方法は、シングルピクセルサーモパイル(SPT)等の存在センサ及びパッシブ赤外線(PIR)センサ等のモーションセンサによって収集されるデータを分析する。存在センサ及びモーションセンサによって収集されるデータを融合すること(fusing)は、より精度の高い占有カウンティングを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一般に、一態様において、環境における占有を決定するためのシステムが提供される。システムは、複数のセンサバンドル(sensor bundle)を含んでもよい。各センサバンドルは、存在センサ(presence sensor)を含んでもよい。存在センサは、存在信号を生成するように構成されてもよい。存在センサは、SPTであってもよい。
【0008】
各センサバンドルは、モーションセンサ(motion sensor)を含んでもよい。モーションセンサは、モーション信号を生成するように構成されてもよい。モーションセンサは、PIRセンサであってもよい。
【0009】
システムはさらに、コントローラを含んでもよい。コントローラは、各センサバンドルと通信してもよい。コントローラは、存在トリガ(presence triggered)としてセンサバンドルのうちの1つを、存在信号及び存在ディテクタ(presence detector)に基づいて、1人以上の人がセンサバンドルの存在センサの視野内に存在する場合に指定するように構成されてもよい。
【0010】
存在ディテクタは、1人以上の人が存在センサの視野に存在するかどうかを判断するためにステップ分析モジュール(step analysis module)を含んでもよい。ステップ分析モジュールは、存在信号及びステップ関数(step function)を畳み込むことによって畳み込み存在信号(convolution presence signal)を生成するように構成されてもよい。存在ディテクタはさらに、畳み込み存在信号を1つ以上のピークについて分析するように構成されてもよい。ピークは、1人以上の人が存在センサの視野に存在することに対応してもよい。さらに、存在トリガとしてのセンサバンドルの指定は、畳み込み存在信号のピークに基づいてもよい。
【0011】
コントローラはさらに、モーショントリガ(motion triggered)としてセンサバンドルのうちの1つを、モーション信号及びモーションディテクタ(motion detector)に基づいて、1人以上の人がセンサバンドルのモーションセンサの視野内で動いている場合に指定するように構成されてもよい。モーションディテクタは、モーション閾値(motion threshold)を含んでもよい。モーションディテクタは、分析期間を含んでもよい。
【0012】
コントローラはさらに、存在トリガ及びモーショントリガの両方であるセンサバンドルのトリガバンドルカウント(triggered bundle count)を決定するように構成されてもよい。
【0013】
コントローラはさらに、トリガバンドルカウントに基づいて環境の占有カウント(occupancy count)を決定するように構成されてもよい。さらに、占有カウントは、占有カウントモジュール(occupancy count module)に基づいてもよい。占有カウントモジュールは、1つ以上のトリガバンドルカウントを1つ以上の占有カウントと相関させる(correlate)ように構成されてもよい。
【0014】
一般に、一態様において、環境における占有を決定するための方法が提供される。方法は、複数の存在信号を生成することを含んでもよい。各存在信号は、複数のセンサバンドルのうちの1つの存在センサに対応してもよい。
【0015】
方法はさらに、複数のモーション信号を生成することを含んでもよい。各モーション信号は、複数のセンサバンドルのうちの1つのモーションセンサに対応してもよい。
【0016】
方法はさらに、コントローラを介して、存在トリガとしてセンサバンドルのうちの1つを、存在信号及び存在ディテクタに基づいて、1人以上の人がセンサバンドルの存在センサの視野内に存在する場合に指定することを含んでもよい。
【0017】
方法はさらに、存在信号及びステップ関数を畳み込むことによって畳み込み存在信号を生成することを含んでもよい。
【0018】
方法はさらに、コントローラを介して、畳み込み存在信号を1つ以上のピークについて分析することを含み、ピークは、1人以上の人が存在センサの視野に存在することに対応してもよい。さらに、存在トリガとしてセンサバンドルを指定すること(designating)は、畳み込み存在信号のピークに基づいてもよい。
【0019】
方法はさらに、コントローラを介して、モーショントリガとしてセンサバンドルのうちの1つを、モーション信号及びモーションディテクタに基づいて、1人以上の人がセンサバンドルのモーションセンサの視野内で動いている場合に指定することを含んでもよい。モーションディテクタは、モーション閾値を含んでもよい。モーションディテクタは、分析期間を含んでもよい。
【0020】
方法はさらに、コントローラを介して、存在トリガ及びモーショントリガの両方であるセンサバンドルのトリガバンドルカウントを決定することを含んでもよい。
【0021】
方法はさらに、コントローラを介して、トリガバンドルカウントに基づいて環境の占有カウントを決定することを含んでもよい。さらに、占有カウントは、占有カウントモジュールを介して、1つ以上のトリガバンドルカウントを1つ以上の占有カウントと相関させることに基づいてもよい。
【0022】
様々な実装形態では、プロセッサ又はコントローラは、1つ以上の記憶媒体(本明細書では「メモリ」と総称される、例えば、RAM、PROM、EPROM、及びEEPROM等の、揮発性及び不揮発性のコンピュータメモリ、フロッピーディスク、コンパクトディスク、光ディスク、磁気テープなど)に関連付けられてもよい。一部の実装形態では、これらの記憶媒体は、1つ以上のプロセッサ及び/又はコントローラ上で実行されると、本明細書で論じられる機能の少なくとも一部を実行する、1つ以上のプログラムでエンコードされてもよい。様々な記憶媒体は、プロセッサ又はコントローラ内に固定されてもよく、あるいは、それらの記憶媒体上に記憶されている1つ以上のプログラムが、本明細書で論じられる様々な態様を実施するために、プロセッサ又はコントローラ内にロードされることができるように、可搬性であってもよい。用語「プログラム」又は「コンピュータプログラム」は、本明細書では、1つ以上のプロセッサ又はコントローラをプログラムするために採用されることが可能な、任意のタイプのコンピュータコード(例えば、ソフトウェア又はマイクロコード)を指すように、一般的な意味で使用される。
【0023】
上述の概念と、以下でより詳細に論じられる追加的概念との全ての組み合わせは(そのような概念が互いに矛盾しないという条件下で)、本明細書で開示される発明の主題の一部であると想到される点を理解されたい。特に、本開示の最後に記載されている特許請求される主題の全ての組み合わせは、本明細書で開示される発明の主題の一部であると想到される。また、参照により組み込まれるいずれかの開示にもまた現れ得る、本明細書で明示的に採用されている用語は、本明細書で開示される特定の概念と最も一致する意味が与えられるべきである点も理解されたい。
【0024】
様々な実施形態のこれらの及び他の態様は、以下に述べられる実施形態を参照して明らかになり、解明されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図面中、同様の参照文字は、一般に、異なる図の全体にわたって同じ部分を指す。また、図面は、必ずしも縮尺通りではなく、その代わり一般的に、様々な実施形態の原理を例示することに重点が置かれている。
【
図1】
図1は、一例による、占有カウンティングのためのシステムの概略図である。
【
図2】
図2は、一例による、占有カウンティングのためのシステムのさらなる概略図である。
【
図4】
図4は、一例による、占有カウンティングのための方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本開示は、オープンオフィス等、環境における占有者をカウントするための発明的システム及び方法に関する。システム及び方法は、コネクテッド照明システムのセンサバンドルに各々含まれる、シングルピクセルサーモパイル(SPT)等の存在センサ及びパッシブ赤外線(PIR)センサ等のモーションセンサによって収集されるデータを分析する。2つ以上の異なるタイプのセンサによって収集されるデータを分析することは、特に占有者が長時間比較的じっと座っている場合、より精度の高い占有カウンティングを提供する。SPTの場合、PIRセンサの休止時間は、SPTのベースラインを求めるために使用される。このベースラインは、SPTが非占有視野(unoccupied field of view)を有することに対応する。SPTによって収集されるデータは、各SPTの視野における1人以上の人の存在(又は不在)を決定する、ステップ分析を使用して分析されてもよい。さらに、PIRセンサによって収集されるデータは、人が各PIRの視野で動いているかどうかを判断するために分析されてもよい。その後、システムは、センサが存在及びモーションの両方を検出しているセンサバンドルの数を合計し、この合計を推定占有カウント値と相関させる。
【0027】
図1及び
図2を参照すると、一態様において、環境110における占有を決定するためのシステム100が提供される。環境110は、占有を決定することが有利である屋内又は屋外エリアであってもよい。一例では、環境110は、オフィスビル内の個々のオフィスであってもよい。システム100は、環境110のための照明システムに電気的に接続されてもよい。照明システムは、環境110の占有に応答してもよい。ある例では、照明システムは、低占有の場合に1つ以上の照明器具を減光又は非アクティブにしてもよい。他の例では、照明システムは、高占有の場合に1つ以上の照明器具を明るく又はアクティブにしてもよい。
【0028】
システム100は、複数のセンサバンドル120を含んでもよい。センサバンドル120は、照明システムと併せて設置されてもよい。このような一例では、1つ以上のセンサバンドル120は、照明システムの1つ以上の照明器具のハウジングに取り付けられてもよい。
【0029】
各センサバンドル120は、存在センサ130を含んでもよい。存在センサ130は、存在信号160を生成するように構成されてもよい。存在信号160は、存在センサ130の視野190内の1人以上の人180の存在の電子的表現(electronic representation)であってもよい。存在センサ130は、SPTであってもよい。SPTは、温度の観点で存在信号160を生成する。SPTによって捕捉される例示的な存在信号160が、
図3A及び3Bに示されている。これらの例示的な信号において、測定された温度は、1人以上の人180の存在で顕著に増加する、すなわち「ステップアップ」する。他の例では、存在センサ130は、存在を検出することができる、任意のセンサ又は複数のセンサ(パッシブ又はアクティブ)であってもよい。ある例では、存在センサ130は、センサバンドル120の一部として、オフィス内の1人以上の人180の存在を検出するためにオフィス内に位置付けられる。センサバンドル120は、存在信号160を送信するように構成されてもよい。
【0030】
各センサバンドル120は、モーションセンサ140を含んでもよい。モーションセンサ140は、モーション信号170を生成するように構成されてもよい。モーション信号170は、モーションセンサ140の視野200内の1人以上の人180の動きの電子的表現であってもよい。モーションセンサ140は、PIRセンサであってもよい。他の例では、モーションセンサ140は、モーションを検出することができる、任意のセンサ又は複数のセンサ(パッシブ又はアクティブ)であってもよい。ある例では、モーションセンサ140は、オフィス内の1人以上の人180のモーションを検出するためにオフィス内に位置付けられる。モーション信号170は、各々検出されたモーションを「小」、「中」、又は「大」動作として指定するデータを含んでもよい。センサバンドル120は、モーション信号170を送信するように構成されてもよい。
【0031】
システム100はさらに、コントローラ150を含んでもよい。コントローラ150は、メモリ350及びプロセッサを含んでもよい。コントローラ150は、各センサバンドル120と通信してもよい。通信は、アプリケーションに応じて、有線及び/又は無線であってもよい。コントローラ150は、センサバンドル120によって送信される存在信号160を受信するように構成されてもよい。同様に、コントローラは、センサバンドル120によって送信されるモーション信号170を受信するように構成されてもよい。
【0032】
コントローラ150は、存在トリガとしてセンサバンドル120のうちの1つを、存在信号160及び存在ディテクタ210に基づいて、1人以上の人180がセンサバンドル120の存在センサ130の視野190内に存在する場合に指定するように構成されてもよい。存在ディテクタ210は、存在信号160を分析するためにコントローラ150によって用いられる、アルゴリズム及び変数等、基準(criteria)を含む。一例では、コントローラ150は、1人以上の人180の存在、それゆえ、占有視野(occupied field of view)190を示す存在ディテクタ210によって定義される基準について存在信号160を分析してもよい。同様に、コントローラ150は、センサバンドル120の存在トリガ指定(presence triggered designation)を、存在信号160及び存在ディテクタ210に基づいて、1人以上の人180が存在センサ130の視野190内にもはや存在しない場合に外す(remove)ように構成されてもよい。
【0033】
存在ディテクタ210は、1人以上の人180が存在センサ130の視野190に存在するかどうかを判断するためにステップ分析モジュール280を含んでもよい。ステップ分析モジュール280は、温度における1つ以上の「ステップアップ」及び「ステップダウン」について存在信号160を分析するように構成されてもよい。温度の「ステップアップ」は、人180が存在センサ130の視野190に入ることを示す可能性が高く、一方、「ステップダウン」は、人180が離れることを示す可能性が高い。例示的な存在信号160が、
図3A及び3Bに示されている。これらの例示的な信号において、測定された温度は、1人以上の人180が存在センサ160の視野にいる場合に顕著に増加、すなわち「ステップアップ」している。
【0034】
図3C及び3Dを参照すると、ステップ分析モジュール280は、存在信号160及びステップ関数300を畳み込むことによって畳み込み存在信号290を生成するように構成されてもよい。畳み込み存在信号290は、
図3Dに示されている。存在ディテクタ210はさらに、畳み込み存在信号290を1つ以上のピーク310について分析するように構成されてもよい。ピーク310は、1人以上の人180が存在センサ130の視野190に存在することに対応してもよい。
図3C及び3Dに示されるように、畳み込み存在信号290は、存在信号160の形状がステップ関数300に対応する場合、ピークとなる。より具体的には、畳み込み存在信号290は、「ステップアップ」中に最大値へとピークを取り310(又は頂点に達し(crest))し、「ステップダウン」中に最小値へと降下する(又は底値に達する(trough))ことになる。ピーク310検出のために畳み込み存在信号290をさらに処理することによって、コントローラ150は、「ステップアップ」又は「ステップダウン」が発生したかどうかを判断し、その後さらに、人180が存在センサ130の視野190に入った又は出たかどうかを判断してもよい。さらに、存在トリガとしてのセンサバンドル120の指定は、畳み込み存在信号290のピーク310に基づいてもよい。
【0035】
コントローラ150はさらに、モーショントリガとしてセンサバンドル120のうちの1つを、モーション信号170及びモーションディテクタ220に基づいて、1人以上の人180がセンサバンドル120のモーションセンサ140の視野200内で動いている場合に指定するように構成されてもよい。モーションディテクタ220は、モーション信号170を分析するためにコントローラ150によって用いられる、アルゴリズム及び変数等、基準を含む。同様に、コントローラ150は、センサバンドル120のモーショントリガ指定(motion triggered designation)を、モーション信号170及びモーションディテクタ220に基づいて、1人以上の人180がモーションセンサ140の視野200内でもはや動いていない場合に外すように構成されてもよい。
【0036】
一例では、コントローラ150は、1人以上の人180のモーション、それゆえ、モーションセンサ140の占有視野200を示すモーションディテクタ220によって定義される基準についてモーション信号170を分析してもよい。
【0037】
モーションディテクタ220は、モーション閾値260を含んでもよい。一例では、モーション信号170の振幅がモーション閾値260を超える場合、モーションセンサ140の視野200は、1人以上の人180によって占有されていると推定される。モーション信号170の振幅がモーション閾値260を超えない場合、視野200は、占有されていないと推定される。モーション閾値260は、視野200及び/又は環境110に従って最適化されてもよい。
【0038】
モーションディテクタ220は、分析期間270を含んでもよい。分析期間270は、コントローラ150が1人以上の人180がモーションセンサ140の視野200で動いているかどうかを判断するためにモーション信号170を分析する時間長である。一例では、モーション信号170が分析期間270の間にモーション閾値260を超えない場合、コントローラ150は、視野200は占有されていないと判断してもよい。
【0039】
モーションディテクタ220は、人間のモーション(human motion)についてモーション信号170を分析するのに有用な任意の他のアルゴリズム、値、又は変数を含んでもよい。
【0040】
コントローラ150はさらに、存在トリガ及びモーショントリガの両方であるセンサバンドル120のトリガバンドルカウント230を決定するように構成されてもよい。一例では、トリガバンドルカウント230は、存在トリガ及びモーショントリガの両方である環境110内のセンサバンドル120の合計である。他の例では、特定のセンサバンドル120は、環境条件又はセンサバンドル120の配置等、様々な理由のためにトリガバンドルカウント230から除外されてもよい。一例では、モーション信号は、1つ以上のピーク310についての畳み込み存在信号290等、存在センサデータを補正するために使用されてもよく、モーション信号は、環境内の視野におけるモーションについて分析され、モーションセンサもモーションを感知する場合、ピークは、1人以上の人180が存在センサ(130)の視野190に存在することに対応してもよい。
【0041】
コントローラ150はさらに、トリガバンドルカウント230に基づいて環境110の占有カウント240を決定するように構成されてもよい。さらに、占有カウント240は、占有カウントモジュール250に基づいてもよい。占有カウントモジュール250は、1つ以上のトリガバンドルカウント230を1つ以上の占有カウント240と相関させるように構成されてもよい。トリガバンドルカウント230と占有カウント240との相関関係(correlation)は、典型的には、占有カウント240がトリガバンドルカウント230の増加とともに増加する、直接的な関係となるであろう。さらに、相関関係は、環境におけるセンサバンドル120の配置に依存する可能性が高いであろう。一例では、占有カウントモジュール250は、3つのセンサバンドル120のトリガバンドルカウント230を、4人の人180の占有カウントと相関させてもよい。占有カウントモジュール250によって利用される相関関係は、コンピュータシミュレーション、履歴データ、又はこれらの組み合わせを介して決定されてもよい。
【0042】
一般に、一態様において、環境における占有を決定するための方法500が提供される。方法は、複数の存在信号を生成すること510を含んでもよい。各存在信号は、複数のセンサバンドルのうちの1つの存在センサに対応してもよい。
【0043】
方法はさらに、複数のモーション信号を生成すること520を含んでもよい。各モーション信号は、複数のセンサバンドルのうちの1つのモーションセンサに対応してもよい。
【0044】
方法はさらに、コントローラを介して、存在トリガとしてセンサバンドルのうちの1つを、存在信号及び存在ディテクタに基づいて、1人以上の人がセンサバンドルの存在センサの視野内に存在する場合に指定すること530を含んでもよい。
【0045】
方法はさらに、コントローラを介して、存在信号及びステップ関数を畳み込むことによって畳み込み存在信号を生成すること580を含んでもよい。
【0046】
方法はさらに、コントローラを介して、畳み込み存在信号を1つ以上のピークについて分析すること590を含み、ピークは、1人以上の人が存在センサの視野に存在することに対応してもよい。さらに、存在トリガとしてセンサバンドルを指定すること530は、畳み込み存在信号のピークに基づいてもよい。
【0047】
方法はさらに、コントローラを介して、モーショントリガとしてセンサバンドルのうちの1つを、モーション信号及びモーションディテクタに基づいて、1人以上の人がセンサバンドルのモーションセンサの視野内で動いている場合に指定すること540を含んでもよい。モーションディテクタは、モーション閾値を含んでもよい。モーションディテクタは、分析期間を含んでもよい。
【0048】
方法はさらに、コントローラを介して、存在トリガ及びモーショントリガの両方であるセンサバンドルのトリガバンドルカウントを決定すること550を含んでもよい。
【0049】
方法はさらに、コントローラを介して、トリガバンドルカウントに基づいて環境の占有カウントを決定すること560を含んでもよい。さらに、占有カウントは、占有カウントモジュールを介して、1つ以上のトリガバンドルカウントを1つ以上の占有カウントと相関させること570に基づいてもよい。
【0050】
本明細書で定義及び使用されるような、全ての定義は、辞書定義、参照により組み込まれる文書中での定義、及び/又は定義される用語の通常の意味を支配するように理解されるべきである。
【0051】
不定冠詞「a」及び「an」は、本明細書及び請求項において使用されるとき、そうではないことが明確に示されない限り、「少なくとも1つ」を意味するように理解されるべきである。
【0052】
語句「及び/又は」は、本明細書及び請求項において使用されるとき、そのように結合されている要素の「いずれか又は双方」、すなわち、一部の場合には接続的に存在し、他の場合には離接的に存在する要素を意味するように理解されるべきである。「及び/又は」で列挙されている複数の要素は、同じ方式で、すなわち、そのように結合されている要素のうちの「1つ以上」として解釈されるべきである。「及び/又は」の節によって具体的に特定されている要素以外の他の要素は、具体的に特定されているそれらの要素に関連するか又は関連しないかにかかわらず、オプションとして存在してもよい。
【0053】
本明細書及び請求項において使用されるとき、「又は」は、上記で定義されたような「及び/又は」と同じ意味を有するように理解されるべきである。例えば、リスト内の項目を分離する際、「又は」又は「及び/又は」は、包括的であるとして、すなわち、少なくとも1つを含むが、また、いくつかの要素又は要素のリストのうちの2つ以上を、オプションとして、列挙されていない追加項目も含むとして解釈されるものとする。その反対が明確に示される、「~のうちの1つのみ」若しくは「~のうちの厳密に1つ」、又は請求項で使用される場合の「~から成る」等の用語のみが、いくつかの要素又は要素のリストのうちの厳密に1つを含むことに言及する。一般に、用語「又は」は、本明細書で使用されるとき、「~のいずれか」、「~のうちの1つ」、「~のうちの1つのみ」、又は「~のうちの厳密に1つ」等の、排他性の用語に先行する場合にのみ、排他的選択肢(すなわち、「一方又は他方であるが、双方ではない」)を示すとして解釈されるものとする。
【0054】
本明細書及び請求項において使用されるとき、1つ以上の要素のリストを参照する語句「少なくとも1つ」は、その要素のリスト内の要素の任意の1つ以上から選択された、少なくとも1つを意味するが、必ずしも、その要素のリスト内で具体的に列挙されているそれぞれの要素のうちの、少なくとも1つを含むものではなく、その要素のリスト内の要素の、任意の組み合わせを排除するものではないことが理解されるべきである。この定義はまた、語句「少なくとも1つ」が言及する、その要素のリスト内で具体的に特定されている要素以外の要素が、具体的に特定されているそれらの要素に関連するか又は関連しないかにかかわらず、オプションとして存在してもよいことも可能にする。
【0055】
また、そうではないことが明確に示されない限り、2つ以上のステップ又は行為を含む、本明細書で特許請求されるいずれの方法においても、その方法のステップ又は行為の順序は、必ずしも、その方法のステップ又は行為が列挙されている順序に限定されるものではないことも理解されるべきである。
【0056】
特許請求の範囲においても上記明細書においても、「備える」、「含む」、「担持する」、「有する」、「含有する」、「関与する」、「保持する」、「~で構成される」等のすべての移行句は、非制限的、すなわち、含むがそれに限定されないことを意味すると理解されるべきである。「~からなる」及び「本質的に~からなる」といった移行句のみが、それぞれ、クローズド(closed)又は半クローズド(semi-closed)移行句である。
【0057】
いくつかの発明実施形態が、本明細書で説明及び図示されてきたが、当業者は、本明細書で説明される機能を実行するための、並びに/あるいは、その結果及び/又は利点のうちの1つ以上を得るための、様々な他の手段及び/又は構造体を、容易に構想することとなり、そのような変形態様及び/又は修正態様は、本明細書で説明される発明実施形態の範囲内にあるものと見なされる。より一般的には、本明細書で説明される全てのパラメータ、寸法、材料、及び構成は、例示であることが意図されており、実際のパラメータ、寸法、材料、及び/又は構成は、本発明の教示が使用される特定の用途に応じて変化することを、当業者は容易に理解するであろう。当業者は、通常の実験のみを使用して、本明細書で説明される特定の発明実施形態に対する、多くの等価物を認識し、又は確認することが可能であろう。それゆえ、上述の実施形態は、例としてのみ提示されており、添付の請求項及びその等価物の範囲内で、具体的に説明及び特許請求されるもの以外の発明実施形態が実践されてもよい点を理解されたい。本開示の発明実施形態は、本明細書で説明される、それぞれの個別の特徴、システム、物品、材料、キット、及び/又は方法を対象とする。更には、2つ以上のそのような特徴、システム、物品、材料、キット、及び/又は方法の任意の組み合わせは、そのような特徴、システム、物品、材料、キット、及び/又は方法が相互に矛盾しない場合であれば、本開示の発明の範囲内に含まれる。
【国際調査報告】