(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-07
(54)【発明の名称】低温球
(51)【国際特許分類】
F17C 13/08 20060101AFI20230228BHJP
【FI】
F17C13/08 302Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022540638
(86)(22)【出願日】2020-12-08
(85)【翻訳文提出日】2022-07-29
(86)【国際出願番号】 US2020063823
(87)【国際公開番号】W WO2021138004
(87)【国際公開日】2021-07-08
(32)【優先日】2019-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520244016
【氏名又は名称】クライオポート,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100163061
【氏名又は名称】山田 祐樹
(72)【発明者】
【氏名】リー,ベン
(72)【発明者】
【氏名】ボーリンガー,ブレット
【テーマコード(参考)】
3E172
【Fターム(参考)】
3E172AA03
3E172AA06
3E172AB11
3E172BA04
3E172BB06
3E172BB12
3E172BB17
3E172BD05
3E172CA29
3E172CA30
3E172DA04
3E172DA10
3E172JA05
(57)【要約】
周囲温度より低い温度で液体または気体を貯蔵および/または輸送する極低温貯蔵システムのための方法、装置、およびデバイス。極低温貯蔵システムは、筐体アセンブリを有する。極低温貯蔵システムは、筐体アセンブリ内に配置されたデュワーを有する。筐体アセンブリは、デュワーと筐体アセンブリとの間に摩擦をほとんどからまったく提供しないように構成されてもよい。筐体アセンブリは、極低温貯蔵システムの移送中のデュワーの衝撃吸収および/または振動減衰のために構成されてもよい。
【選択図】
図17
【特許請求の範囲】
【請求項1】
極低温貯蔵システム用の筐体アセンブリであって、
第1の筐体と、
前記第1の筐体に結合された第1のパディングコンポーネントと、
前記第1の筐体の反対側に配置された第2の筐体であって、前記第1の筐体に結合するように構成されている、第2の筐体と、
前記第1の筐体に結合された第2のパディングコンポーネントと、
を備え、
前記第1の筐体および前記第2の筐体は、その中でデュワーを受け入れるように構成されている、
筐体アセンブリ。
【請求項2】
前記第1の筐体および前記第2の筐体の内部に完全に囲まれるように構成された外側ドームをさらに備える、請求項1に記載の筐体アセンブリ。
【請求項3】
前記外側ドームの内部に配置された複数のボール要素をさらに備える、請求項2に記載の筐体アセンブリ。
【請求項4】
請求項3に記載の筐体アセンブリと、
前記外側ドームに配置された前記デュワーであって、前記複数のボール要素とのみ接触している、前記デュワーと、
を備える、極低温貯蔵システム。
【請求項5】
前記第1のパディングコンポーネントがガスケットであり、前記第1の筐体が窪みを備え、前記ガスケットが前記窪みに配置されている、請求項2に記載の筐体アセンブリ。
【請求項6】
前記第1のパディングコンポーネントは、前記第1の筐体の遠位端に近接して配置された開口部を備え、前記外側ドームは、前記開口部に圧入されるように構成されている、請求項5に記載の筐体アセンブリ。
【請求項7】
複数のパディングコンポーネントをさらに備え、前記複数のパディングコンポーネントは、前記第1のパディングコンポーネントおよび前記第2のパディングコンポーネントを含み、前記複数のパディングコンポーネントは前記外側ドームの周りに配置され、前記複数のパディングコンポーネントの各パディングコンポーネントは、前記外側ドームの半径方向の外面に実質的に垂直である、請求項2に記載の筐体アセンブリ。
【請求項8】
前記第1の筐体および前記第2の筐体がそれぞれ、半径方向内側のリングおよび半径方向外側のリングを備え、前記筐体アセンブリは、
前記第1の筐体の前記半径方向外側のリングと前記半径方向内側のリングとの間において前記第1の筐体に結合された第1の支持管であって、窒素ガスで満たされた、第1の支持管と、
前記第1の筐体の前記半径方向外側のリングと前記半径方向内側のリングとの間において前記第2の筐体に結合された第2の支持管であって、窒素ガスで満たされた、第2の支持管と、
前記第1の筐体の前記半径方向内側のリングの周りに配置された第1の複数のパッドアセンブリであって、前記第1の複数のパッドアセンブリの各パッドアセンブリが前記第1のパディングコンポーネントを含む、第1の複数のパッドアセンブリと、
前記第2の筐体の前記半径方向内側のリングの周りに配置された第2の複数のパッドアセンブリであって、前記第2の複数のパッドアセンブリの各パッドアセンブリが前記第2のパディングコンポーネントを含む、第2の複数のパッドアセンブリと、
をさらに備える、請求項1に記載の筐体アセンブリ。
【請求項9】
前記第1の複数のパッドアセンブリおよび前記第2の複数のパッドアセンブリの各パッドアセンブリが、前記第1の筐体または前記第2の筐体のそれぞれの半径方向内側のリングに結合されたパッドハウジングを含む、請求項8に記載の筐体アセンブリ。
【請求項10】
前記第1のパディングコンポーネントの第1の半径方向内面の周りに配置された第1の複数のボール移送デバイスと、
前記第2のパディングコンポーネントの第2の半径方向内面の周りに配置された第2の複数のボール移送デバイスと、
をさらに備え、
前記第1の複数のボール移送デバイスおよび前記第2の複数のボール移送デバイスの各ボール移送デバイスは、ばね、カップ、およびボールベアリングを備え、
前記ばねはそれぞれの筐体と前記カップとに結合されており、
前記ボールベアリングは前記カップの内部に配置されており、
前記ボールベアリングは前記デュワーに接触するように構成されている、
請求項1に記載の筐体アセンブリ。
【請求項11】
半径方向外側の面を備えるデュワーと、
前記デュワーを収容するように構成された筐体アセンブリであって、
実質的に球形の空洞と半径方向内側の面とを備える外側ドームと、
前記外側ドームの前記半径方向内側の面と前記デュワーの前記半径方向外側の面との間に配置された複数のボール要素と、を備える、筐体アセンブリと、
を備える、極低温貯蔵システム。
【請求項12】
前記デュワーは球形として形成され、前記デュワーが前記筐体アセンブリの内部で傾斜、角度付け、または回転されたときに前記デュワーを受動的に安定化する前記デュワーの底部内に重心または質量を有する、請求項11に記載の極低温貯蔵システム。
【請求項13】
前記筐体アセンブリは、筐体およびパディングコンポーネントをさらに備え、前記パディングコンポーネントは、前記筐体と前記外側ドームとの間に配置されている、請求項11に記載の極低温貯蔵システム。
【請求項14】
前記パディングコンポーネントは、前記筐体の窪みに配置されたガスケットである、請求項13に記載の極低温貯蔵システム。
【請求項15】
複数のパディングコンポーネントをさらに備え、前記複数のパディングコンポーネントは、前記パディングコンポーネントを含み、前記複数のパディングコンポーネントは、前記外側ドームの半径方向外面の周りに配置されている、請求項13に記載の極低温貯蔵システム。
【請求項16】
前記パディングコンポーネントは、前記筐体に結合された第1のパディング部分と、前記第1のパディング部分と前記外側ドームの半径方向外面との間に配置された第2のパディング部分とを備え、前記第1のパディング部分は、前記第2のパディング部分の第2の剛性よりも大きい第1の剛性を含む、請求項15に記載の極低温貯蔵システム。
【請求項17】
前記デュワーは、三次元で回転し、前記複数のボール要素にのみ接触する球形のデュワーである、請求項11に記載の極低温貯蔵システム。
【請求項18】
極低温貯蔵システムを組み立てる方法であって、
外側ドームの第1の部分を複数のボール要素で満たすステップと、
前記外側ドームの前記第1の部分に球形デュワーを配置するステップであって、前記球形デュワーが前記複数のボール要素と接触する、ステップと、
前記外側ドームの第2の部分を前記外側ドームの前記第1の部分に結合するステップと、
を含む、方法。
【請求項19】
第1の筐体に結合された第1のパディングコンポーネントに前記外側ドームを配置するステップと、
前記第1の筐体に第2の筐体を結合し、前記第1の筐体と前記第2の筐体との間に前記外側ドームを完全に囲むステップであって、前記第2の筐体と前記外側ドームとの間に第2のパディングコンポーネントが配置される、ステップと、
をさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記外側ドームを第1の筐体と第2の筐体との間に配置するステップであって、前記第1の筐体と前記外側ドームの半径方向外側の面との間、および前記第2の筐体と前記半径方向外側の面との間において、前記半径方向外側の面の周りに複数のパディングコンポーネントが配置され、各パディングコンポーネントが、前記外側ドームの前記半径方向外側の面に実質的に垂直である、ステップ
をさらに含む、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
この出願は、2019年12月30日に出願された「CRYOSPHERE」と題された米国非仮出願第16/730,506号の優先権および利益を主張する。米国出願第16/730,506号は、2018年1月9日に出願された「CRYOSPHERE」と題された米国非仮出願第15/865,589号の一部継続出願であり、その優先権を主張し、その利益を主張し、これらの各出願の全体は、全体に参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本明細書は、周囲温度よりも低い液体または気体を低温で貯蔵、輸送および/または送るためのシステム、デバイスまたは装置に関する。
【背景技術】
【0003】
実験室の技術者、科学者、医師や看護師などの医療専門家、およびその他の技術者は、温度制御に液体または気体を利用して、商品を極低温で保管し、病院、実験室、および/または研究施設などの様々な施設に輸送し得る。商品の輸送中、商品は極低温に保たれる。さらに、技術者および/または専門家は、商品を冷蔵または極低温で保持するために使用されるデュワーに商品を保管する。デュワーは、オープンバケット、フラスコ、および/または自己加圧タンクを含むいくつかの異なる形態をとることがある。デュワーは、壁の間に真空がある二重壁の金属またはガラスフラスコであってもよい。これにより、壁の間に断熱がもたらされる。
【0004】
技術者または専門家は、デュワーに商品、ならびに液体または気体を充填し、輸送用材料を使用してデュワーを梱包し得る。次いで、技術者または専門家が、デュワーを含むパッケージを荷送人に提供し、開梱される最終的な目的地に内容物が運ばれる。但し、液体または気体はゆっくりと沸騰するため、デュワーはその上部に、気体を逃がすように設計された開口部を有し得る。また、輸送中にデュワーが傾いたり横転したりして、デュワーから液体や気体が流出し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、デュワー内の液体または気体を、輸送中の蒸発および流出から保護するためのシステム、デバイスまたは装置が必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
概して、本明細書に記載されている主題の一態様は、極低温貯蔵システムに具体化されている。極低温貯蔵システム(「貯蔵システム」)は、液体または気体を貯蔵および/または輸送する。貯蔵システムは、デュワーを受け入れるように構成された筐体アセンブリを有する。貯蔵システムは、筐体アセンブリ内に配置されたデュワーを有する。筐体アセンブリは、貯蔵システムの輸送中にデュワーが回転するときに、デュワーの外面にほとんどからまったく摩擦を与えないように構成されている。筐体アセンブリは、貯蔵システムの輸送中のデュワーの衝撃吸収および/または振動減衰のために構成されている。
【0007】
これらおよび他の実施形態は、任意選択で、以下の特徴のうちの1つまたは複数を含んでいてもよい。筐体アセンブリは、外側ドームを含んでいてもよい。外側ドームは、その中に配置された複数のボール要素を含んでいてもよい。デュワーは、複数のボール要素上に配置されてもよく、貯蔵システムの輸送中にのみボール要素に接触してもよい。外側ドームは、第1の筐体と第2の筐体との間に配置されてもよい。第1の筐体および第2の筐体は、それぞれパディングコンポーネントに結合されてもよい。パディングコンポーネントは、衝撃吸収および/または振動減衰のために構成されてもよい。
【0008】
筐体アセンブリは、衝撃吸収および/または振動減衰のために構成された様々なコンポーネントを含んでいてもよい。筐体アセンブリは、パディングコンポーネント、ネットアセンブリ、ネットおよびスプリングアセンブリ、窒素ガスを含む支持管を含む支持管アセンブリなどを含んでいてもよい。
【0009】
筐体アセンブリは、コンポーネントと球形デュワーとの間に摩擦をほとんどからまったく提供しないように構成された様々なコンポーネントを含んでいてもよい。筐体アセンブリは、複数のパッドアセンブリ、複数のボールベアリング、複数の移送ローラ、複数のボール移送デバイス、複数のボール要素などを含んでいてもよい。
【0010】
本発明の他のシステム、方法、特徴、および利点は、以下の図および詳細な説明を検討すれば当業者には明らかであろう。図示される構成部品は、必ずしも縮尺通りではなく、本発明の重要な特徴をよりよく示すために誇張されている場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一態様による、例示的な低温貯蔵システムを示す。
【
図2】本発明の一態様による、筐体内に配置された球状デュワーを示す。
【
図3】本発明の一態様による、筐体内で回転する球状デュワーを示す。
【
図4】本発明の一態様による、液体または気体を挿入することを可能にする開いた球状デュワーを示す。
【
図5】本発明の一態様による、
図1の低温貯蔵システムの断面図を示す。
【
図6A】
図6Aは、本発明の一態様によるペイロード領域内の液体または気体を異なる向きで示す。
【
図6B】
図6Bは、本発明の一態様によるペイロード領域内の液体または気体を異なる向きで示す。
【
図6C】
図6Cは、本発明の一態様によるペイロード領域内の液体または気体を異なる向きで示す。
【
図7】発明の一態様による、
図1の低温貯蔵システムの例示的な蒸気プラグである。
【
図8A】本発明の一態様による、
図1の低温貯蔵システムの例示的な波形ネックチューブである。
【
図8B】本発明の一態様による、
図1の低温貯蔵システムのデュワーに接続された波形ネックチューブを示す。
【
図9】本発明の一態様による、
図1の低温貯蔵システムの例示的なボール移送デバイスである。
【
図10】本発明の一態様による、
図1の極低温貯蔵システムの筐体アセンブリを示す図である。
【
図11】本発明の一態様による、
図1の極低温貯蔵システムの筐体アセンブリを示す図である。
【
図12】本発明の一態様による、
図1の極低温貯蔵システムの筐体アセンブリを示す図である。
【
図13】本発明の一態様による、
図1の極低温貯蔵システムの筐体アセンブリを示す図である。
【
図14】本発明の一態様による、
図1の極低温貯蔵システムの筐体アセンブリを示す図である。
【
図15】本発明の一態様による、
図1の極低温貯蔵システムの筐体アセンブリを示す図である。
【
図16】本発明の一態様による、
図1の極低温貯蔵システムの筐体アセンブリを示す図である。
【
図17】本発明の一態様による、
図1の極低温貯蔵システムの筐体アセンブリを示す図である。
【
図18】本発明の一態様による極低温貯蔵システムを組み立てる方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書では、液体窒素などの液体または気体を輸送および貯蔵するためのシステム、装置、およびデバイスが開示される。システム、装置またはデバイスは、液体を貯蔵および輸送する低温貯蔵システムであってもよい。本明細書で説明する主題の特定の実施形態は、以下の利点のうちの1つまたは複数を実現するために実装され得る。
【0013】
低温貯蔵システムは筐体を有していてもよく、筐体は、低温に耐え得るように、ポリマー材料から作られる。即ち、ポリマー材料は、脆さに対して耐性があり、低温において粉砕の影響を受けにくい。筐体は、液体または気体を含むデュワーを保持するかまたは吊り下げてもよい。さらに、筐体は、デュワーを取り囲んで衝突からデュワーを保護する。筐体は、デュワーを自由に吊り下げたり保持したりし、これにより、デュワーは、筐体の内側に影響を与えることなく筐体内を自由に回転および/または移動し得る。さらに、デュワーは球状であってもよく、受動的な安定性を有する。つまり、デュワーは、開口部の真向かいに位置する重心と、重心の近くのデュワーの底部またはその近くにある質量中心とを有するため、傾けたときに、直立位置または垂直位置に維持されるか、または戻る。筐体内で自由に回転できることと、受動的な安定性を有することとにより、デュワーは筐体の向きに関係なく直立したままになって漏出を防止する。さらに、デュワーを直立させて安定させることにより、低温貯蔵システムはデュワー内の液体の蒸発量を低減する。例えば、低温貯蔵システムは、デュワー内の窒素蒸発率を低下させ、輸送中のデュワーの寿命を延ばす。
【0014】
他の利点および長所としては、筐体が、デュワーへのアクセスを提供する複数の面を有するため、液体または気体を挿入および/または除去するためのデュワーの開口部への物理的なアクセスが改善されることが含まれる。さらに、デュワーは、デュワー内部の温度を伝達および監視する電子デバイスを備えていてもよく、デュワーが自由に回転するときに筐体とデュワーとの間の摩擦量を減らす接続デバイスを備える。
【0015】
図1は、様々な実施形態による、極低温貯蔵システム100の斜視図を示し、
図2は、極低温貯蔵システム100の断面図を示す。低温貯蔵システム(「貯蔵システム」)100は、筐体102、二重壁フラスコなどのデュワー104、および蒸気プラグ106を含む。筐体102は、三次元(3D)であり、立方体として成形されてもよい。筐体102は、立方体、四面体、十二面体または八面体などの任意のタイプの三次元物体として成形することができ、筐体102が低温で粉砕しないようにポリマー材料から作製してもよい。
【0016】
筐体102は、複数の側面108または面を有する。側面108は、デュワー104を取り囲むまたは囲う閉じた筐体を形成する。側面108は、他の側面に接続して筐体102を形成し、デュワー104を取り囲む平面または格子状の表面であってもよい。デュワー104が筐体102内に存在するように、デュワー104が筐体102の空洞に挿入または配置される。複数の側面108は、1つまたは複数の締結具を使用して互いにスナップ留めしてもよい。複数の側面108は、例えば、1つまたは複数のコーナー112で一緒にスナップ留めしてもよい。いくつかの実装形態では、筐体は、複数のモジュール部品から形成され得る。複数のモジュール部品を一緒に接続および/または固定して筐体102を形成してもよい。複数の側面は、1つまたは複数の筐体開口部110を有してもよい。1つまたは複数の筐体開口部110は、円形であってもよく、および/またはデュワー開口部と同じ形状に形成されてもよい。1つまたは複数の筐体開口部110により、筐体102内でデュワー104が回転するときにデュワー104へのアクセスがもたらされる。したがって、デュワー104の開口部402は、筐体102の向きに関係なくアクセスすることができる。
【0017】
例えば、筐体102は、立方体として成形され、6つの側面108を有する。各側面は、コーナー112で少なくとも別の側面に接続される。各側面に、筐体開口部110がある。筐体開口部により、デュワー開口部が筐体102の側面で筐体開口部110と位置合わせされたときに、蒸気プラグ106およびデュワー開口部へのアクセスが可能になる。したがって、デュワーが筐体の空洞内で回転すると、1つまたは複数の筐体開口部110がデュワー開口部と整列するとき、1つまたは複数の筐体開口部110により、蒸気プラグ106およびデュワー開口部へのアクセスがもたらされる。
【0018】
筐体102は、内部骨格114および外部骨格116を有していてもよい。外部骨格116は、衝突、振動および/または衝撃からデュワー104を保護する。例えば、外部骨格116は、筐体102が出荷または貯蔵されるときに、デュワー104を他のボックスまたはトラックの側面などの他の物体から分離する。内部骨格114は、筐体102内にデュワー104が配置される空洞を形成する。デュワー104を空洞内で回転させることができるように、デュワー104は、内部骨格114の空洞内に吊り下げられ、配置され、または他の方法で配置されてもよい。
【0019】
貯蔵システム100は、筐体102とデュワー104との間に接続されたボール移送デバイス900を含み得る。ボール移送デバイス900は、筐体102に対するデュワー104の動きを容易にする。ボール移送デバイス900は、筐体102とデュワー104との間にある内部指骨または翼202に位置決めされ、摩擦のない、またはほぼ摩擦のない表面を提供してもよい。ボール移送デバイス900は、デュワー104と筐体102との間の摩擦を最小化または排除し、それにより、デュワー104は、筐体102内で自由に移動または回転することができる。
図9は、ボール移送デバイス900の構造をさらに説明する。
【0020】
貯蔵システム100は、デュワー104を含む。デュワー104は、二重壁フラスコであってもよく、球状または他の任意の多面体として形作られてもよい。デュワー104は、筐体102の中央空洞内の中央に配置されてもよく、中央空洞内で自由に回転および/または移動し得る。デュワー104は、例えば
図3に示されるように、中心垂直軸線306を中心として方向302、304に、または他の任意の方向に三次元的に回転し得る。
【0021】
デュワー104は、内壁504、外壁502、および開口部402を有する。例えば
図4に示すように、貯蔵システム100は、開口部402に挿入されていくらかの気体を逃がしながらデュワー104を封止または部分的に封止し得る蒸気プラグ106などのプラグを有していてもよい。開口部402は、デュワー104内にある空洞またはペイロード領域506に繋がる。
図5は、デュワー104の断面図におけるペイロード領域506を示す。デュワー104は、内壁504と外壁502との間に真空を形成して、周囲温度未満で液体または気体を保持または貯蔵し得る。デュワー104は、ポンプアウトポート412を有していてもよい。ポンプアウトポート412は、デュワー104の内壁504と外壁502との間に真空を生成するために使用されてもよく、これによって、内壁504と外壁502との間の空間が完全に排出され得る。
【0022】
デュワー104は、内壁504と外壁502との間に真空を備えた内壁504および外壁502を有する。外壁502は、液体または気体をペイロード領域506に挿入または配置することを可能にする開口部402を有する。開口部402は、デュワー104が受動的に安定化されるときに開口部402が直立したままであるように、デュワー104の重心または質量中心512の反対側に位置決めされてもよい。開口部402は、デュワー104のペイロード領域506から気体が逃げることを可能にし、デュワー104内における気体膨張を緩和する。
【0023】
内壁504は、デュワー104内のペイロード領域506を形成および/または囲む。ペイロード領域506は、デュワー104の上部508から底部510まで縦方向に延在するデュワー104内の円筒状の空洞であってもよい。ペイロード領域506は、周囲温度未満の液体または気体を保持または格納する。ペイロード領域506の底部にまたはそれを取り囲んで吸収性材料606が設けられていてもよい。吸収性材料606は、ペイロード領域506内の温度を周囲温度より低く維持することができる。
【0024】
デュワー104は、上部508および下部510を有する。上部508は、開口部402が配置される場所であり、デュワー104の受動的な安定化のために直立のままである。底部510は、重心または質量中心512を含む。重心または質量中心512がデュワー104の底部510内に配置されているので、デュワー104は、重心または質量中心512の周りで安定し、これによってデュワー104が直立したままになる。筐体102の向きに関係なく、重心または質量中心512の周りにデュワー104を安定させることにより、貯蔵システム100は、液体または気体の蒸発の量および/または速度を低減し、および/または吸収材、例えば、窒素の蒸発速度が低下する。液体もしくは気体および/または吸収材の蒸発の量および/または速度は、例えば
図6A~
図6Cに示されるように、液体または気体602の断面積604a~cの量に基づく。加えて、受動的な安定化を行うことにより、デュワー104は、輸送業者が輸送用コンテナ内の使用可能なスペースまたは空のボリュームに最も適合する筐体102に任意の形状を使用することを可能にする任意の形状の筐体102に封入され得るので、輸送用コンテナ内の輸送密度の量を増加させる。
【0025】
図6Aは、デュワー104が直立しているときのデュワー104のペイロード領域506内の液体または気体602および吸収材606を示す。吸収材606は、デュワー104のペイロード領域506の底部内またはその周囲に位置決めされてもよい。ペイロード領域506が直立または垂直であるため、デュワー104が直立している場合、液体または気体602の断面積604aは、直径Dを有する。ペイロード領域506が、例えば
図6Bおよび
図6Cに示されるように、角度付けまたは傾斜された場合、液体または気体602は、ペイロード領域506が直立または垂直である場合の断面積602a、Dよりも大きいD+ΔDの断面積604b~cをそれぞれ有する。ペイロード領域506が傾斜または角度付けされると、断面領域604aの形状は、ペイロード領域506の円筒形の性質により円形から断面領域604b~cの楕円形状に移行する。楕円形の断面積604b~cのサイズは、角度が増加するにつれて増加する。増大した断面積602b~cは、液体または気体602の蒸発の速度および/もしくは量の増大、ならびに/または吸収材606の燃焼の速度または量の増大をもたらす。増大した断面積604b~cは、液体または気体602のより多くをより高温の媒体に曝し、吸収材606が液体または気体602を冷却するためのより速い燃焼速度を引き起こす。さらに、ペイロード領域506が傾けられると、液体および/または気体は、デュワー104の開口部402からこぼれるか、またはそこから逃れ得る。さらに、液体または気体602がこぼれるか、および/または断面積602b~cが増加すると、部分的な真空が生成され、温風が引き込まれて平均温度がさらに上昇し、液体または気体602を冷却する吸収材606の燃焼速度が速くなる。
【0026】
貯蔵システム100内のデュワー104は、筐体102の向きに関係なくデュワー104を直立位置に維持する受動的な安定化を有するので、デュワー104内のペイロード領域506は、デュワー104が傾けられ、回転され、および/またはそうでなければ角度付けされたときに、直立位置を維持するか、または直立位置に戻る。したがって、貯蔵システム100は、デュワー104が直立位置および/または垂直位置に戻るか、またはそれを維持するように、デュワー104を直立位置に維持すること、および/またはデュワー104を受動的に調整することによって、液体または気体602の蒸発の量および/または速度を低減し、吸収材料606の燃焼速度を低減する。さらに、窒素であり得る吸収材料606の燃焼速度を低下させることにより、デュワー104の動的保持時間が増加する。動的保持時間は、デュワー104が輸送中に内部温度を-150℃以下に維持する時間である。
【0027】
貯蔵システム100は、蒸気プラグ106を含む。
図4、
図7は、蒸気プラグ106を示す。蒸気プラグ106は、ハンドル部分408およびネック410を有していてもよい。ハンドル部分408は、ユーザが蒸気プラグ106を時計回りまたは反時計回りの方向に捩じって、ネック410の少なくとも一部を開口部402に挿入することを可能にするハンドルまたはグリップを有していてもよい。蒸気プラグ106は取り外し可能であってもよい。即ち、蒸気プラグ106は、デュワー104の開口部402に挿入されて、デュワー104を閉鎖または部分的に閉鎖し、ペイロード領域506へのアクセスを防止し得る。ハンドル部分408および/またはネック410は、ポリマーまたはグラスファイバの様な材料などの非導電性材料から作製されてもよい。
【0028】
蒸気プラグ106は、例えば
図4に示されるように、時計回りおよび/または反時計回りに回転または捩じられてもよい。例えば、蒸気プラグ106は、開口部402に挿入されると時計回りに回転して、開口部402内に蒸気プラグ106を固定し、反時計回りに回転して、開口部402から蒸気プラグ106を取り外して、ペイロード領域506に液体または気体を挿入することができる。別の例では、蒸気プラグ106は、開口部402内に挿入されると反時計回りに回転して、開口部402内に蒸気プラグ106を固定し、時計回りに回転して、開口部402から蒸気プラグ106を取り除くことができる。蒸気プラグ106は、ペイロード領域506内の液体が蒸発するときに圧力が蓄積するのを防ぐために気体が逃げることを可能にする間隙が残るように、開口部402に挿入されてもよい。
【0029】
図7に示すように、蒸気プラグ106は、ロックデバイス704を有していてもよい。ロックデバイス704は、蒸気プラグ106のネック上に位置決めされ得る。ロックデバイス704は、デュワー104のペイロード領域506の上部内側部分内の1つまたは複数の他の磁石とインターロック(interlock)する、1つまたは複数の磁石であってもよい。磁石は反対の極性を有していてもよく、蒸気プラグ106がデュワー104内の特定の位置で回されると、磁石はデュワー104内の蒸気プラグをロックする。逆に、蒸気プラグ106がその軸を中心に別の位置まで回転すると、磁石の反対の極性により蒸気プラグがデュワー104から押し出され得る。
【0030】
ロックデバイス704は、蒸気プラグ106がペイロード領域506内に挿入されるとロックする。蒸気プラグ106とデュワー104のペイロード領域506の内側部分との間に間隙があり得るので、デュワー104が異なる方向に向けられ、または回転されると、ロックデバイス704は、蒸気プラグ106をデュワー104と共に適所にロックして、蒸気プラグ106が脱落するのを防止する。蒸気プラグ106とデュワー104との間の間隙は、ペイロード領域506内の気体の膨張または液体の蒸発により気体が逃げることを可能にし、ペイロード領域506内に圧力が蓄積するのを防ぐ。
【0031】
貯蔵システム100は、蒸気プラグ106のネック410内に位置決めされ、埋め込まれ、もしくは含まれ、またはネック410に接続され得る電子熱電対702を含み得る。電子熱電対702は、デュワー104内の温度を測定および監視する電子デバイスまたはセンサであってもよい。電子熱電対702は、無線プロトコルを使用して、スマートデータロガーなどの別の電子デバイスと無線送信および/または通信することができる。電子熱電対702は、スマートデータロガーに通信して温度を提供し得、および/または温度を監視するためにスマートデータロガーから命令を受信し得る。スマートデータロガーは、温度を表示するか、またはユーザまたは別の電子プラットフォームに温度を伝達してもよい。これは、他の個人によるデュワー104内の温度のリアルタイム監視を可能にする。
【0032】
貯蔵システム100は、蒸気プラグ106のネック510内に配置、埋め込み、または含まれ得る、または接続され得る電子配向センサ706を含んでいてもよい。電子配向センサ706は、ジャイロスコープなどのデュワー104内の配向を測定する電子デバイスまたはセンサであってもよい。電子配向センサ706は、無線プロトコルを使用して、スマートデータロガーなどの別の電子デバイスと無線送信および/または通信してもよい。電子配向センサ706は、配向データおよび/または角速度データをスマートデータロガーに通信および提供してもよく、および/または配向を監視するためにスマートデータロガーから命令を受け取ってもよい。スマートデータロガーは、配向を表示するか、ユーザまたは別の電子プラットフォームに配向を伝えてもよい。これにより、他の個人によるデュワー104の配向のリアルタイム監視が可能になる。
【0033】
貯蔵システム100は、例えば
図8A~
図8Bに示されるように、波形ネックチューブ800を含み得る。波形ネックチューブ800は、薄壁であってもよい。波形ネックチューブ800は、内壁504をデュワー104の外壁502に接続する。波形ネックチューブ800は、ネックチューブの全体の高さを低減するが、直線ネックチューブと同じように、熱を伝導する経路の全長を維持する。波形ネックチューブ800は、熱伝導を提供する蛇行経路802を有し得る。ネックチューブの高さを低くするが、経路全体の長さを真っ直ぐなネックチューブと同じに保つことにより、波形ネックチューブ800は、デュワー104の全体的なサイズを低減する。さらに、熱伝導の経路全体の長さを真っ直ぐなネックチューブと同じに保つことにより、波形ネックチューブ800は、デュワー104に伝導される熱の量を低減する。したがって、波形ネックチューブ800は、同様の全経路長の直線ネックチューブよりも短いネックチューブ(例えば、全体の高さまたはサイズが短い)で同じ熱伝導を提供する。例えば、波形ネックチューブ800の高さは5.08~7.62cm(2~3インチ)の長さであり得るが、熱伝導の全体の経路長は、薄壁波形ネックチューブに沿った蛇行経路であり得るので、熱伝導の全体の経路長は、15.24cm(6インチ)長であってもよい。
【0034】
貯蔵システム100は、例えば
図9に示すように、ボール移送デバイス900を含む。ボール移送デバイス900は、内部指骨(inner phalange)または翼(wing)202において筐体102に接続されてもよい。ボール移送デバイス900は、筐体102とデュワー104との間に連結を提供し、デュワー104が筐体102の空洞内で自由に回転することを可能にし得る。
【0035】
ボール移送デバイス900は、ヘッド902および本体904を有してもよい。ヘッド902および本体904は、円筒として形作られてもよい。ヘッド902の直径は、本体904の直径より大きくてもよい。ボール移送デバイス900は、内部指骨または翼202の穴または開口部に挿入されてもよい。例えば、本体904は、開口部に挿入されてもよく、ヘッド902は、内部指骨または翼202の開口部の周りにシールを形成してもよい。ヘッド902および本体904は、ボールベアリング906およびばね908が存在する開口部および空洞を有していてもよい。
【0036】
ボール移送デバイス900は、ボールベアリング906、カップ910、およびボール移送デバイス900の空洞内に着座または静止するばね908を有していてもよい。ボールベアリング906は、上部および底部を有していてもよい。ボールベアリング906の上部は、ボール移送デバイス900のヘッド902から突出してもよい。デュワー104が筐体102の空洞内に着座されると、突出するボールベアリング906の上部がデュワー104に接触する。ボールベアリング906は、筐体102とデュワー104との間の摩擦を最小にし、デュワー104が筐体102内で自由に回転または移動できるようにする。ボールベアリング906は、摩擦のない、または摩擦の少ない表面を提供する。本体904の空洞内にあるボールベアリング906の底部は、ばね908と係合するカップ910に静止していてもよい。
【0037】
カップ910は、ボールベアリング906の底部とばね908との間を連結し、その結果、ボールベアリング906の上部に力が加えられると、ボールベアリング906の下部はカップ910を押し、それにより、ばね908に下向きの力が加わり、ばね908が収縮する。これにより、筐体102内においてデュワー104が自由に回転することができ、筐体102は貯蔵および/または輸送中の衝撃および振動を吸収することができる。デュワー104がボールベアリング906を押すと、ばね908がさらに収縮する一方で、ボールベアリング906はさらに本体904の空洞に入る。これにより、デュワー104が剛性を維持する代わりに押し合うことができ、衝撃または振動が吸収される。衝撃または振動を引き起こす事象が過ぎると、ばね908は、戻りまたは拡張して元の状態に戻り、筐体102の空洞内にデュワー104を位置決めしたままにする。さらに、1つまたは複数のボールベアリング906により、デュワー104は回転または角度付けされることができ、それにより、デュワー104は、筐体102の向きに関係なく、受動的に安定化され、直立のままである。
【0038】
ばね908は、筐体102への衝撃または振動により、デュワー104がボールベアリング906に外向きの力を加えるときなど、ボールベアリング906に下向きの力が加えられると収縮し得る。例えば、筐体102が移動、シフト、または落下すると、筐体102に振動力が作用する。デュワー104が振動力に応答して移動またはシフトする場合、デュワー104は、ボール移送デバイス900に外向きの力を及ぼし得、筐体102に激しく接触する代わりに、デュワー104は、ボールベアリング906に力を及ぼし、それによって、本体904の空洞内に後退し、ばね908を収縮させ、力を吸収させる。
【0039】
ここで
図10を参照すると、様々な実施形態による貯蔵システム1000が示されている。貯蔵システム1000は、デュワー104および筐体アセンブリ1002を備えている。筐体アセンブリ1002は、第1の支持リング1010および第2の支持リング1020を備えている。第1の支持リング1010は、第2の支持リング1020の反対側に配置されてもよい。第1の支持リング1010および第2の支持リング1020は、同じ形状(例えば、レースウェイなど)を含んでいてもよい。各支持リング1010、1020は、複数のボール移送デバイス1030を含む。複数のボール移送デバイス1030の各ボール移送デバイスは、
図9のボール移送デバイス900に従ってもよい。様々な実施形態では、ボール移送デバイス1030は、ボールベアリングなどを含んでいてもよい。
【0040】
筐体アセンブリ1002は、第1のエンドプレート1040および第2のエンドプレート1050をさらに含んでいてもよい。第1のエンドプレート1040は、第2のエンドプレート1050の反対側に配置されている。第1の支持リング1010は、第1のエンドプレート1040に結合され、第2の支持リング1020は、締結具、接着剤などの当技術分野で知られている任意の方法によって第2のエンドプレート1050に結合される。各エンドプレート1040、1050は平らであってもよい。各支持リング1010、1020は、各エンドプレート1040、1050の隣接する表面に対してある角度で傾斜した表面を含んでいてもよい。例えば、第1の支持リング1010の内面は、デュワー104の遠位にある第1の支持リングの表面に対して鋭角で配置されていてもよい。複数のボール移送デバイス1030は、傾斜面の周りに配置されていてもよい。様々な実施形態では、ボール移送デバイス1030は、デュワー104の外面に実質的に接する点でデュワーに接触していてもよい。本明細書で言及される「実質的に接する」は、接線方向+/-15度である。
【0041】
筐体アセンブリ1002は、複数のばね1060をさらに含んでいてもよい。複数のばね1060のうちの第1の複数のばねは、第1のエンドプレート1040と第1の支持リング1010との間に配置されていてもよく、複数のばね1060のうちの第2の複数のばねは、第2のエンドプレート1050と第2の支持リング1020との間に配置されていてもよい。複数のばね1060は、貯蔵システム1000の移送中の衝撃吸収のために構成されていてもよい。
【0042】
筐体アセンブリ1002は、第1のエンドプレート1040と第2のエンドプレート1050との間に配置された複数のロッド1070をさらに含んでいてもよい。複数のロッド1070の各ロッドは、締結具、接着剤などの当技術分野で知られている任意の方法によって、第1のエンドプレート1040および第2のエンドプレート1050に結合されていてもよい。複数のロッド1070は、デュワー104が複数のボール移送デバイス1030の各ボール移送デバイスと接触することを確実にすることによって、デュワー104を第1の支持リング1010と第2の支持リング1020との間に固定するように構成されていてもよい。
【0043】
筐体アセンブリ1002は、貯蔵システム1000の移送中に外力からデュワー104を保護するように構成されていてもよい。例えば、ボール移送デバイス1030は、デュワーとほぼ摩擦のない接触を提供し得るので、筐体アセンブリ1002内で自由に回転することができる。複数のばね1060は、外力が筐体アセンブリに加えられたときに衝撃吸収を提供し得る。
【0044】
ここで
図11を参照すると、様々な実施形態による、筐体アセンブリ1102が示されている。筐体アセンブリ1102は、第1の支持管1110および第2の支持管1120を備える。第1の支持管1110は、第2の支持管1120の反対側に配置されていてもよい。様々な実施形態では、第1の支持管1110および第2の支持管1120は、ポリエステル、ナイロン、ビニールなどを備えていてもよく、これらでできていてもよい。第1の支持管1110および第2の支持管1120は、気体または液体で満たされ得る。気体または液体は、温度変化と同じ体積を維持するように構成されていてもよい(つまり、気体または液体は、温度変化に応じて収縮または膨張しなくてもよい)。様々な実施形態では、第1の支持管1110および第2の支持管1120は、窒素ガスで満たされていてもよい。
【0045】
筐体アセンブリ1102は、複数のパッドアセンブリ1130をさらに備えている。複数のパッドアセンブリ1130内の各パッドは、パディングコンポーネント(padding component)およびパッドハウジングを備えていてもよい。例えば、複数のパッドアセンブリ1130のパッドアセンブリ1132は、パディングコンポーネント1133およびパッドハウジング1135を備えている。パディングコンポーネント1133は、プレートなどを備えていてもよい。パディングコンポーネント1133は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、熱可塑性ポリマーなどのような可撓性材料でできていてもよい。パッドハウジング1135は、パディングコンポーネント1133を受け入れるように構成されたレセプタクルを備えていてもよい。パディングコンポーネント1133は、圧入、締結具、接着などの当技術分野で知られている任意の方法によって、パッドハウジング1135に取り外し可能に結合するように構成されていてもよい。
【0046】
筐体アセンブリ1102は、第1の筐体1140および第2の筐体1150をさらに備えている。第1の筐体1140は、第2の筐体1150の反対側に配置されていてもよい。第1の筐体1140および第2の筐体1150は、それぞれの支持管を受け入れるように構成されていてもよい。例えば、第1の支持管1110は、圧入、締結具、接着などの当技術分野で知られている任意の方法によって第1の筐体1140に結合されている。第1の支持管1110は、第1の筐体1140内に収容されている。第1の筐体1140は、第1の支持管を所定の位置に固定していてもよい。様々な実施形態では、各筐体は、半径方向外側のリング、半径方向内側のリング、および複数のフランジを備えていてもよい。例えば、第2の筐体1150は、半径方向外側のリング1152、半径方向内側のリング1154、および複数のフランジ1156を備えている。複数のフランジ1156の各フランジは、半径方向内側のリング1154から半径方向内側に延在していてもよい。複数のフランジ1156は、半径方向内側のリング1154の周りに実質的に等距離に配置されていてもよい。複数のフランジ1156内の各フランジは、複数のパッドアセンブリ1130内のそれぞれのパッドアセンブリにヒンジ結合するように構成されていてもよい。
【0047】
複数のパッドアセンブリ1130は、(
図10に示されるように)デュワー104を受け入れるように構成されていてもよい。デュワー104は、それぞれのパッドアセンブリのパッドにのみ接触するように構成されていてもよい。複数のパッドアセンブリ1130内の各パッドは、デュワーが周りを回転するためのほぼ摩擦のない表面として機能し得る。第1の支持管1110および第2の支持管1120は、筐体アセンブリ1102およびデュワー104を備える貯蔵システムの移送中に外力からの衝撃を吸収するように構成されていてもよい。第1の筐体1140および第2の筐体1150は、筐体102(
図1から)などのような筐体に結合するように構成されていてもよい。様々な実施形態では、筐体アセンブリ1102は、筐体アセンブリ1002よりも軽量であってもよい。様々な実施形態では、筐体アセンブリ1102は、筐体アセンブリ1002よりも大きな衝撃吸収を提供してもよい。
【0048】
ここで
図12を参照すると、様々な実施形態による、筐体アセンブリ1202の一部が示されている。筐体アセンブリ1202は、第1の筐体1210を備えている。第1の筐体1210は、球冠などのような形状であってもよい。筐体アセンブリは、第1の筐体1210の内面の周りに配置された複数の移送ローラ1230をさらに備えている。複数の移送ローラ1230は、第1の筐体1210内のネットアセンブリ1240によって懸架されている。
【0049】
様々な実施形態では、ネットアセンブリ1240は、複数のケーブル1242を備えている。複数のケーブル1242は、複数の移送ローラ1230に結合され、対応する貯蔵システムの移送中に複数の移送ローラ1230が第1の筐体と接触しないように、複数の移送ローラを懸架するように構成されている。複数のケーブル1242は、弾性ケーブル、鋼ケーブルなどであってもよい。筐体アセンブリ1202は、複数のばね1250をさらに備えている。複数のばね1250内の各ばねは、複数の移送ローラ1230内のそれぞれの移送ローラに結合されている。様々な実施形態では、複数のばね1250のうちの2つ以上のばねが、複数の移送ローラ1230内のそれぞれの移送ローラに結合されていてもよい。様々な実施形態では、複数の移送ローラ1230内の移送ローラは、ばねなしに結合され、および/またはネットアセンブリ内の複数のケーブル1242によって完全に懸架されていてもよい。
【0050】
様々な実施形態では、筐体アセンブリ1202は、第2の筐体をさらに含んでいてもよい。第2の筐体は、第1の筐体1210に従ってもよい。第2の筐体は、第1の筐体1210の反対側に配置されていてもよい。筐体アセンブリ1202は、(
図1に示されるように)デュワー104を受け入れるように構成されていてもよい。筐体アセンブリ1202は、それぞれの貯蔵システムの転送中に、デュワーを第1の筐体1210および第2の筐体から離れて懸架されるように構成されていてもよい。
【0051】
様々な実施形態では、複数の移送ローラ1230内の各移送ローラは、ハウジングおよびボールベアリングを備えている。例えば、移送ローラ1232は、ハウジング1234およびベアリング1236を備えている。ベアリング1236は、ハウジング1234内に配置されている。ベアリング1236は、ハウジング1234から外側に突出している。ベアリング1236は、ほぼ摩擦のない外面を提供し得る。ベアリング1236は、デュワー(例えば、
図1からのデュワー104)が、それぞれの貯蔵システムの移送中に筐体アセンブリ1202内で自由に回転することを可能にするように構成されていてもよい。
【0052】
ここで
図13を参照すると、様々な実施形態による、筐体アセンブリ1302の一部が示されている。筐体アセンブリ1302は、筐体1310を備えている。筐体1310は、ボックス形状などを含んでいてもよい。筐体1310は、実質的に半球形の窪み、球およびキャップの窪みなどの窪み1312を画定してもよい。筐体アセンブリ1302は、窪み1312内に配置されたパディングコンポーネント1340をさらに備えている。パディングコンポーネント1340は、発泡体、ゴムなどのような可撓性材料を含んでいてもよい。筐体アセンブリ1302は、パディングコンポーネント1340の内面の周りに配置された複数のボール移送デバイス1330をさらに備えている。複数のボール移送デバイス1330内の各ボール移送デバイスは、ボール移送デバイス900を含んでいてもよい(
図9から)。
【0053】
様々な実施形態では、筐体アセンブリ1302は、デュワーの移送中の二重衝撃吸収のために構成されている。例えば、外力が筐体アセンブリ1302に加えられると、複数のボール移送デバイス1330は、複数のボール移送デバイス1330内の各ボール移送デバイスのばねを介して衝撃の一部を吸収してもよい。同様に、ばねが圧縮されると、デュワーは、外力からの衝撃の一部を吸収し得るパディングコンポーネント1340に接触してもよい。
【0054】
様々な実施形態では、複数のボール移送デバイス1330内の各ボール移送デバイスは、パディングコンポーネント1340内に配置されてもよく、パディングコンポーネント1340に結合され、および/または筐体1310に結合されてもよい。複数のボール移送デバイス1330内の各ボール移送デバイスは、パディングコンポーネント1340の内面1342から外向きに突出していてもよい。通常の移送条件下では、デュワー(例えば、デュワー104)は、複数のボール移送デバイス1330にのみ接触していてもよい。外力を受けると、デュワー(例えば、デュワー104)は、パディングコンポーネント1340および/または複数のボール移送デバイス1330の一部に接触し得る。
【0055】
様々な実施形態では、筐体アセンブリ1302は、筐体1310の側面に結合された締結具1350をさらに備えていてもよい。締結具1350は、ラッチなどの当技術分野で知られている任意の締結具であってもよい。締結具1350は、隣接する筐体の嵌合締結具と係合するように構成されていてもよい。様々な実施形態では、隣接する筐体は、筐体1310による。筐体アセンブリ1302は、第1の筐体(例えば、筐体1310)および第2の筐体(例えば、筐体1310)を含んでいてもよい。第1の筐体および第2の筐体は、様々な実施形態に従って、貯蔵システムの一部としてデュワー(例えば、
図1からのデュワー104)を完全にカプセル化するように構成されていてもよい。
【0056】
様々な実施形態では、筐体アセンブリ1302は、締結具レセプタクル1352をさらに含んでいてもよい。締結具レセプタクル1352は、嵌合筐体(例えば、筐体1310)のそれぞれの締結具(例えば、締結具1350)に固定するように構成されていてもよい。締結具1350および締結具レセプタクル1352は、筐体アセンブリ1302がそれぞれのデュワー(例えば、デュワー104)を完全に封入することを確実にしてもよい。
【0057】
ここで
図14を参照すると、様々な実施形態による、筐体アセンブリ1402の一部が示されている。筐体アセンブリ1402は、筐体1410を備えている。筐体1410は、ボックス形状などを含んでいてもよい。筐体1410は、実質的に半球形の窪み、球およびキャップの窪みなどの窪み1412を画定してもよい。筐体アセンブリ1402は、窪み1412内に配置されたパディングコンポーネント1440をさらに備えている。パディングコンポーネント1440は、発泡体、ゴムなどのような可撓性材料を備えていてもよい。筐体アセンブリ1402は、パディングコンポーネント1440の内面の周りに配置された複数のボール要素1430をさらに備えている。複数のボール要素1430内の各ボール要素は、パディングコンポーネント1440に埋め込まれていてもよい。複数のボール要素1430内の各ボール要素は、パディングコンポーネント1440内で自由に回転するように構成されていてもよい。
【0058】
複数のボール要素1430内の各ボール要素は、パディングコンポーネント1340の内面1442から外向きに突出していてもよい。通常の移送条件下では、デュワー(例えば、デュワー104)は、複数のボール要素1430にのみ接触してもよい。外力を受けると、デュワー(例えば、デュワー104)は、パディングコンポーネント1440および/または複数のボール要素1430の一部に接触してもよい(即ち、複数のボール要素1430内の各ボール要素は、パディングコンポーネント1440を変形させるように構成されていてもよい)。
【0059】
様々な実施形態では、筐体アセンブリ1402は、筐体1410の側面に結合された締結具1450をさらに備えていてもよい。締結具1450は、ラッチなどの当技術分野で知られている任意の締結具であってもよい。締結具1450は、隣接する筐体の嵌合締結具と係合するように構成されていてもよい。様々な実施形態では、隣接する筐体は、筐体1410による。筐体アセンブリ1402は、第1の筐体(例えば、筐体1410)および第2の筐体(例えば、筐体1410)を備えていてもよい。第1の筐体および第2の筐体は、様々な実施形態に従って、貯蔵システムの一部としてデュワー(例えば、
図1からのデュワー104)を完全にカプセル化するように構成されていてもよい。
【0060】
様々な実施形態では、筐体アセンブリ1402は、締結具レセプタクル1452をさらに備えていてもよい。締結具レセプタクル1452は、嵌合筐体(例えば、筐体1410)のそれぞれの締結具(例えば、締結具1450)に固定するように構成されていてもよい。締結具1450および締結具レセプタクル1452は、筐体アセンブリ1302がそれぞれのデュワー(例えば、デュワー104)を完全に封入することを確実にしてもよい。
【0061】
ここで
図15を参照すると、様々な実施形態による、貯蔵システム1500の一部および筐体アセンブリ1602の一部が示されている。貯蔵システム1500は、外側ドーム1510内に配置されたデュワー104を備えている。貯蔵システム1500は、外側ドーム1510とデュワー104との間に配置された複数のボール要素1530をさらに備えていてもよい。様々な実施形態では、外側ドーム1510は、第1のドーム部分1512および第2のドーム部分1514を備えている。第1のドーム部分1512は、締結具、ヒンジなどの当技術分野で知られている任意の方法によって第2のドーム部分1514に結合されていてもよい。第1のドーム部分1512は、第1のドーム部分1512の外面を通して配置された開口部1516をさらに備えていてもよい。第1のドーム部分1512および第2のドーム部分1514は、実質的に半球形などを含んでもよい。デュワー104は、貯蔵システム1500の移送中に外側ドーム1510内で自由に回転するように構成されていてもよい。外側ドーム1510は、金属、プラスチックなどの当技術分野で知られている任意の材料でできていてもよい。外側ドーム1510は、その中にデュワー104を受け入れるように構成された実質的に球形の空洞を画定してもよい。
【0062】
様々な実施形態では、複数のボール要素1530は、デュワー104の外面の表面積の少なくとも3分の1に接触するように構成されていてもよい。例えば、外側ドーム1510の第2のドーム部分1514は、複数のボール要素1530で満たされていてもよく、デュワー104の外面の表面積の少なくとも3分の1が複数のボール要素と接触することを確実にする。様々な実施形態では、貯蔵システム1500は、貯蔵システム1500の移送中にデュワー104の外面が複数のボール要素1530とのみ接触することを確実にするように構成されていてもよい。複数のボール要素1530内の各ボール要素は、プラスチック、金属などの当技術分野で知られている任意の材料でできていてもよい。様々な実施形態では、複数のボール要素1530内の各ボール要素は、プラスチックでできている。
【0063】
複数のボール要素1530内の各ボール要素は、ほぼ摩擦のない外面を提供してもよい。複数のボール要素1530内の各ベアリングは、デュワー104が、それぞれの貯蔵システムの移送中に、筐体アセンブリ1602の外側ドーム1510内で自由に回転することを可能にするように構成されていてもよい。
【0064】
ここで
図16を参照すると、様々な実施形態による、貯蔵システム1500の一部が示されている。貯蔵システム1500は、筐体アセンブリ1602をさらに備えていてもよい。筐体アセンブリ1602は、筐体1610を備えていてもよい。筐体1610は、ボックス、六角形などの当技術分野で知られている任意の形状を含んでいてもよい。筐体1410は、ボックス形状などを含んでいてもよい。筐体1610は、実質的に半球形の窪み、球およびキャップの窪みなどのような窪み1612を画定してもよい。筐体アセンブリ1602は、窪み1612内に配置されたパディングコンポーネント1640をさらに備えている。パディングコンポーネント1640は、発泡体、ゴムなどのような可撓性材料を含んでいてもよい。パディングコンポーネント1640は、ガスケットなどを備えていてもよい。筐体アセンブリ1602は、外側ドーム1510の一部(例えば、第1のドーム部分1512または第2のドーム部分1514)をさらに備えていてもよい。外側ドーム1510の一部は、窪み1612に配置され得、および/またはパディングコンポーネント1640に接触してもよい。外側ドーム1510の一部が窪み1612に配置された後、複数のボール要素1530(
図15から)が外側ドーム1510の一部に配置されてもよい。
【0065】
様々な実施形態では、パディングコンポーネント1640は、筐体1610の遠位面1614に近接して配置された開口部1642を備えていてもよい。本明細書で説明される「遠位面」は、様々な実施形態による、貯蔵システム1500の中心から遠位にある表面である。したがって、パディングコンポーネント1640は、外側ドーム1510の一部を受け入れるように、および/または圧入などを介して外側ドーム1510を所定の位置に固定するように構成されていてもよい。パディングコンポーネント1640は、接着剤などの当技術分野で知られている任意の方法によって筐体1610に結合されてもよい。
【0066】
様々な実施形態では、筐体アセンブリ1602は、筐体1610の遠位面1614に近接して配置された第2のパディングコンポーネント1650をさらに含んでいてもよい。第2のパディングコンポーネント1650は、貯蔵システム1500の移送中に外側ドーム1510が底に達する場合に追加の衝撃支持を提供するように構成されていてもよい。
【0067】
様々な実施形態では、筐体アセンブリ1602は、第1の筐体(例えば、筐体1610)および第2の筐体(例えば、筐体1610)を備えていてもよい。第1の筐体および第2の筐体は、
図13からの筐体アセンブリ1302などに記載されているように、締結具および締結具レセプタクルなどの当技術分野で知られている任意の方法によって一緒に結合されるように構成されていてもよい。
【0068】
ここで
図17を参照すると、様々な実施形態による、貯蔵システム1700の一部が示されている。説明を容易にするために、外側ドーム1710は透明であるように示されている。貯蔵システム1700は、筐体アセンブリ1702およびデュワー104を備えている。筐体アセンブリ1702は、筐体1810、外側ドーム1710、および複数のボール要素1730を備えている。
【0069】
様々な実施形態では、外側ドーム1710は、第1のドーム部分1712および第2のドーム部分1714を含んでいる。第1のドーム部分1712は、締結具、ヒンジなどの当技術分野で知られている任意の方法によって第2のドーム部分1714に結合されてもよい。例えば、第1のドーム部分1712は、第1のフランジ1713を含んでいてもよく、第2のドーム部分1714は、第2のフランジ1715を含んでいてもよい。第1のフランジ1713および第2のフランジ1715は、互いに隣接して配置されていてもよい。第1のフランジ1713は、締結具(例えば、締結具1717)などの当技術分野で知られている任意の方法によって第2のフランジ1715に結合されてもよい。第1のドーム部分1712および第2のドーム部分1714は、それぞれ、実質的に半球形などを含んでもよい。第1のドーム部分1712は、第1のドーム部分1512の外面を通して配置された開口部1516をさらに備えていてもよい。デュワー104は、貯蔵システム1700の移送中に外側ドーム1510内で自由に回転するように構成されていてもよい。外側ドーム1710は、金属、プラスチックなどの当技術分野で知られている任意の材料でできていてもよい。
【0070】
様々な実施形態では、複数のボール要素1730は、デュワー104の外面の表面積の少なくとも3分の1に接触するように構成されていてもよい。例えば、外側ドーム1710の第2のドーム部分1714は、複数のボール要素1730で満たされていてもよく、デュワー104の外面の表面積の少なくとも3分の1が複数のボール要素と接触することを確実にする。様々な実施形態では、貯蔵システム1700は、貯蔵システム1500の移送中にデュワー104の外面が複数のボール要素1530とのみ接触することを確実にするように構成されていてもよい。複数のボール要素1730内の各ボール要素は、プラスチック、金属などの当技術分野で知られている任意の材料でできていてもよい。様々な実施形態では、複数のボール要素1730内の各ボール要素は、プラスチックでできている。
【0071】
複数のボール要素1730内の各ボール要素は、ほぼ摩擦のない外面を提供してもよい。複数のボール要素1730内の各ベアリングは、貯蔵システム1700の移送中に、デュワー104が筐体アセンブリ1702の外側ドーム1710内で自由に回転することを可能にするように構成されていてもよい。
【0072】
様々な実施形態では、筐体アセンブリ1702は、複数のパディングコンポーネント1740をさらに備えている。複数のパディングコンポーネント1740は、外側ドーム1710の周りに配置されてもよい。様々な実施形態では、複数のパディングコンポーネント1740の各パディングコンポーネントは、外側ドーム1710の外面に対して実質的に垂直に配向されてもよい。複数のパディングコンポーネント1740の各パディングコンポーネントは、第1のパディング部分および第2のパディング部分を備えていてもよい。例えば、パディングコンポーネント1745は、第1のパディング部分1746および第2のパディング部分1748を備えている。第1のパディング部分1746は、接着剤、締結具などの当技術分野で知られている任意の方法によって、筐体1810の内面に結合されていてもよい。第2のパディング部分1748は、接着剤、締結具などの当技術分野で知られている任意の方法によって第1のパディング部分1746に結合されていてもよい。第2のパディング部分1748は、貯蔵システム1700の移送中に、筐体アセンブリ1702の外側ドーム1710の外面および/またはフランジに接触するように構成されていてもよい。
【0073】
様々な実施形態では、第1のパディング部分1746は、第2のパディング部分1748よりも剛性が高くてもよい。第1のパディング部分1746は、貯蔵システム1700の移送中の振動減衰のために構成されていてもよい。第2のパディング部分1748は、貯蔵システム1700の移送中の外力からの衝撃吸収のために構成されていてもよい。様々な実施形態では、第1のパディング部分1746および第2のパディング部分1748は、発泡体、ゴムなどの可撓性材料でできている。様々な実施形態では、第1のパディング部分は、ウレタンポリマー(例えば、合成粘弾性ウレタンポリマー)でできている。様々な実施形態では、第2のパディング部分1748は、ポリエチレンポリマーでできている。
【0074】
様々な実施形態に関して説明されているが、所与の実施形態からの任意の特徴は、代替の実施形態で利用され得、それでも本開示の範囲内にある。
【0075】
ここで
図18を参照すると、様々な実施形態による、貯蔵システムを組み立てる方法1900が示されている。この方法は、複数のボール要素を外側ドームの第1の部分に配置することを含む(ステップ1902)。外側ドームの第1の部分は、実質的に半球形であってもよい。複数のボール要素は、外側ドームの第1の部分の表面積の少なくとも3分の2を満たしてもよい。この方法は、外側ドームの第1の部分内に球形のデュワーを配置することをさらに含む(ステップ1904)。球形デュワーの半径方向の外面は、複数のボール要素とのみ接触していてもよい。この方法は、外側ドームの第2の部分を外側ドームの第1の部分に結合することをさらに含む(ステップ1906)。外側ドームの第2の部分は、実質的に半球形であってもよい。外側ドームの第2の部分は、外側ドームの第1の部分の遠位に配置された開口部を含んでいてもよい。球形デュワーは、複数のボール要素の外側ドーム内で自由に回転するように構成されていてもよい。
【0076】
この方法は、外側ドームを第1の筐体に配置することをさらに含んでいてもよい(ステップ1908)。第1の筐体は、パディングコンポーネントに結合されていてもよい。様々な実施形態では、第1の筐体は、筐体1610、筐体1810などに従ってもよい。この方法は、第2の筐体を第1の筐体に結合することをさらに含んでいてもよい(ステップ1910)。第2の筐体は、筐体1610、筐体1810などに従ってもよい。第1の筐体および第2の筐体は、外側ドームを完全にカプセル化してもよい。外側ドームおよび複数のボールベアリング要素は、球形デュワーが貯蔵システムの移送中に摩擦をほとんどまたはまったく経験しないことを可能にするように構成されていてもよい。第1の筐体および第2の筐体は、貯蔵システムの輸送中に球形デュワーの衝撃吸収および/または振動減衰を提供するように構成されていてもよい。
【0077】
方法/システムの例示的な実施形態を、例示的な形態で開示してきた。したがって、全体を通して使用される用語は、非限定的な方法で読まれるべきである。本明細書の教示に対する小さな修正は、当業者にはよく知られているが、本明細書で保証される特許の範囲内で制限されることを意図するものは、合理的な範囲内の進歩の範囲内にあるそのような全ての実施形態であると理解されるべきであり、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物を考慮しない限り、その技術はここに貢献し、その範囲は制限されない。
【手続補正書】
【提出日】2022-09-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
極低温貯蔵システム用の筐体アセンブリであって、
第1の筐体と、
前記第1の筐体に結合された第1のパディングコンポーネントと、
前記第1の筐体の反対側に配置された第2の筐体であって、前記第1の筐体に結合するように構成されている、第2の筐体と、
前記第1の筐体に結合された第2のパディングコンポーネントと、
を備え、
前記第1の筐体および前記第2の筐体は、その中でデュワーを受け入れるように構成されている、
筐体アセンブリ。
【請求項2】
前記第1の筐体および前記第2の筐体の内部に完全に囲まれるように構成された外側ドームをさらに備える、請求項1に記載の筐体アセンブリ。
【請求項3】
前記第1のパディングコンポーネントがガスケットであり、前記第1の筐体が窪みを備え、前記ガスケットが前記窪みに配置されている、請求項2に記載の筐体アセンブリ。
【請求項4】
前記第1のパディングコンポーネントは、前記第1の筐体の遠位端に近接して配置された開口部を備え、前記外側ドームは、前記開口部に圧入されるように構成されている、請求項3に記載の筐体アセンブリ。
【請求項5】
複数のパディングコンポーネントをさらに備え、前記複数のパディングコンポーネントは、前記第1のパディングコンポーネントおよび前記第2のパディングコンポーネントを含み、前記複数のパディングコンポーネントは前記外側ドームの周りに配置され、前記複数のパディングコンポーネントの各パディングコンポーネントは、前記外側ドームの半径方向の外面に実質的に垂直である、請求項2に記載の筐体アセンブリ。
【請求項6】
前記第1の筐体および前記第2の筐体がそれぞれ、半径方向内側のリングおよび半径方向外側のリングを備え、前記筐体アセンブリは、
前記第1の筐体の前記半径方向外側のリングと前記半径方向内側のリングとの間において前記第1の筐体に結合された第1の支持管であって、窒素ガスで満たされた、第1の支持管と、
前記第1の筐体の前記半径方向外側のリングと前記半径方向内側のリングとの間において前記第2の筐体に結合された第2の支持管であって、窒素ガスで満たされた、第2の支持管と、
前記第1の筐体の前記半径方向内側のリングの周りに配置された第1の複数のパッドアセンブリであって、前記第1の複数のパッドアセンブリの各パッドアセンブリが前記第1のパディングコンポーネントを含む、第1の複数のパッドアセンブリと、
前記第2の筐体の前記半径方向内側のリングの周りに配置された第2の複数のパッドアセンブリであって、前記第2の複数のパッドアセンブリの各パッドアセンブリが前記第2のパディングコンポーネントを含む、第2の複数のパッドアセンブリと、
をさらに備える、請求項1に記載の筐体アセンブリ。
【請求項7】
前記第1の複数のパッドアセンブリおよび前記第2の複数のパッドアセンブリの各パッドアセンブリが、前記第1の筐体または前記第2の筐体のそれぞれの半径方向内側のリングに結合されたパッドハウジングを含む、請求項6に記載の筐体アセンブリ。
【請求項8】
前記第1のパディングコンポーネントの第1の半径方向内面の周りに配置された第1の複数のボール移送デバイスと、
前記第2のパディングコンポーネントの第2の半径方向内面の周りに配置された第2の複数のボール移送デバイスと、
をさらに備え、
前記第1の複数のボール移送デバイスおよび前記第2の複数のボール移送デバイスの各ボール移送デバイスは、ばね、カップ、およびボールベアリングを備え、
前記ばねはそれぞれの筐体と前記カップとに結合されており、
前記ボールベアリングは前記カップの内部に配置されており、
前記ボールベアリングは前記デュワーに接触するように構成されている、
請求項1に記載の筐体アセンブリ。
【請求項9】
半径方向外側の面を備えるデュワーと、
前記デュワーを収容するように構成された筐体アセンブリであって、実質的に球形の空洞と半径方向内側の面とを備える外側ドームを備える、筐体アセンブリと、を備え、
前記デュワーは球形として形成され、前記デュワーが前記筐体アセンブリの内部で傾斜、角度付け、または回転されたときに前記デュワーを受動的に安定化する前記デュワーの底部内に重心または質量を有する、
極低温貯蔵システム。
【請求項10】
前記筐体アセンブリは、筐体およびパディングコンポーネントをさらに備え、前記パディングコンポーネントは、前記筐体と前記外側ドームとの間に配置されている、請求項9に記載の極低温貯蔵システム。
【請求項11】
前記パディングコンポーネントは、前記筐体の窪みに配置されたガスケットである、請求項10に記載の極低温貯蔵システム。
【請求項12】
複数のパディングコンポーネントをさらに備え、前記複数のパディングコンポーネントは、前記パディングコンポーネントを含み、前記複数のパディングコンポーネントは、前記外側ドームの半径方向外面の周りに配置されている、請求項10に記載の極低温貯蔵システム。
【請求項13】
前記パディングコンポーネントは、前記筐体に結合された第1のパディング部分と、前記第1のパディング部分と前記外側ドームの半径方向外面との間に配置された第2のパディング部分とを備え、前記第1のパディング部分は、前記第2のパディング部分の第2の剛性よりも大きい第1の剛性を含む、請求項12に記載の極低温貯蔵システム。
【請求項14】
前記デュワーは、三次元で回転する球形のデュワーである、請求項9に記載の極低温貯蔵システム。
【請求項15】
空洞を有する筐体と、
周囲温度未満の温度に温度制御された球形貯蔵容器であって、前記球形貯蔵容器は、前記筐体の前記空洞内に位置決めされるとともに、直立位置で受動的に安定するように構成されたペイロード領域を有する、球形貯蔵容器と、
を備える、貯蔵システム。
【国際調査報告】