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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-07
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21K 9/232 20160101AFI20230228BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20230228BHJP
   F21V 23/06 20060101ALI20230228BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20230228BHJP
   F21Y 103/10 20160101ALN20230228BHJP
【FI】
F21K9/232
F21V23/00 140
F21V23/06
F21Y115:10
F21Y103:10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022540820
(86)(22)【出願日】2020-12-21
(85)【翻訳文提出日】2022-07-01
(86)【国際出願番号】 EP2020087434
(87)【国際公開番号】W WO2021136708
(87)【国際公開日】2021-07-08
(31)【優先権主張番号】20150072.5
(32)【優先日】2020-01-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン ボムメル ティース
(72)【発明者】
【氏名】ヒクメット リファット アタ ムスターファ
【テーマコード(参考)】
3K014
【Fターム(参考)】
3K014AA01
(57)【要約】
総合色温度CTtotを有する光を放出するように構成された発光デバイスであって、発光デバイスは、少なくとも1つの第1の発光ダイオード(LED)フィラメント及び少なくとも1つの第2のLEDフィラメントであって、少なくとも1つの第1のLEDフィラメント及び少なくとも1つの第2のLEDフィラメントの各々は、細長い支持体、及び基板上に取り付けられた発光ダイオードのアレイを備える、少なくとも1つの第1のLEDフィラメント及び少なくとも1つの第2のLEDフィラメントと、少なくとも第1のLEDフィラメント及び少なくとも1つの第2のLEDフィラメントを個別に制御するためのコントローラと、を備え、少なくとも1つの第1のLEDフィラメントは、第1の色温度CT1の光を放出するように構成され、第1の色温度は、CT low~CT highの第1の色温度範囲で制御可能であり、少なくとも1つの第2のLEDフィラメントは、第2の色温度CT2の光を放出するように構成され、第2の色温度は、CT low~CT highの第2の色温度範囲で制御可能であり、コントローラは、総合色温度CTtotを第1の総合色温度CTtot,1から第2の総合色温度CTtot,2に制御するように構成され、この制御は、総合色温度CTtotを変化させている間に、第1の色温度と第2の色温度との差ΔCTが一定にならないように、事前選択された制御スキームに従って、第1の色温度及び第2の色温度を制御することにより行われる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
総合色温度CTtotにて光を放出するように構成された発光デバイスであって、前記発光デバイスは、
少なくとも1つの第1の発光ダイオード(LED)フィラメント、及び少なくとも1つの第2のLEDフィラメントであって、
前記少なくとも1つの第1のLEDフィラメント及び前記少なくとも1つの第2のLEDフィラメントの各々は、細長い支持体、及び前記支持体上に取り付けられた発光ダイオードのアレイを備える、少なくとも1つの第1のLEDフィラメント及び少なくとも1つの第2のLEDフィラメントと、
前記少なくとも第1のLEDフィラメント及び前記少なくとも1つの第2のLEDフィラメントを個別に制御するためのコントローラと、を備え、
前記少なくとも1つの第1のLEDフィラメントは、第1の色温度CTの光を放出するように構成され、前記第1の色温度は、CT low~CT highの第1の色温度範囲で制御可能であり、
前記少なくとも1つの第2のLEDフィラメントは、第2の色温度CTの光を放出するように構成され、前記第2の色温度は、CT low~CT highの第2の色温度範囲で制御可能であり、
前記コントローラは、前記総合色温度CTtotを第1の総合色温度CTtot,1から第2の総合色温度CTtot,2に制御するように構成され、前記制御は、前記CTtotを前記CTtot,1から前記CTtot,2に変化させている間に、前記第1の色温度と前記第2の色温度との差ΔCTが一定にならないように、事前選択された制御スキームに従って、前記第1の色温度及び前記第2の色温度を独立して制御することにより行われる、発光デバイス。
【請求項2】
CT low及びCT lowは、2500K未満、好ましくは2400K未満、より好ましくは2300K未満であり、及び/又はCT high及びCT highは、2700K超、好ましくは2900K超、より好ましくは3500K超である、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項3】
前記第1の色温度範囲及び前記第2の色温度範囲は重なり合っている、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項4】
前記第1の総合色温度CTtot,1について、前記第1の色温度CTは、前記第2の色温度CTに等しい、請求項3に記載の発光デバイス。
【請求項5】
前記第1の色温度範囲及び前記第2の色温度範囲は一致する、請求項3又は4に記載の発光デバイス。
【請求項6】
前記コントローラは、各LEDフィラメントの前記LEDのアレイを同時に制御することにより、前記第1の色温度及び前記第2の色温度を変化させるように構成されている、請求項1乃至5の何れか一項に記載の発光デバイス。
【請求項7】
前記コントローラは、各LEDフィラメントの前記LEDのアレイを個別に制御することにより、前記第1の色温度及び前記第2の色温度を変化させるように構成されている、請求項1乃至6の何れか一項に記載の発光デバイス。
【請求項8】
前記総合色温度を増加させるために、前記事前選択された制御スキームは、
第1ステージにおいて、前記差ΔCTを増加させることと、
後続の第2ステージにおいて、前記差ΔCTを低減させることと、を含む、請求項1乃至7の何れか一項に記載の発光デバイス。
【請求項9】
前記第2ステージは、前記少なくとも1つの第1のLEDフィラメントの前記色温度が、少なくとも400K、好ましくは少なくとも500K、より好ましくは少なくとも600Kだけ増加されたときに開始される、請求項8に記載の発光デバイス。
【請求項10】
前記第1のLEDフィラメントの総数は、前記第2のLEDフィラメントの総数よりも大きい、請求項1乃至9の何れか一項に記載の発光デバイス。
【請求項11】
前記第1のLEDフィラメントの総数は、前記第2のLEDフィラメントの総数よりも小さい、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項12】
前記第1のLEDフィラメント及び前記第2のLEDフィラメントの前記LEDは、白色光を放出するように構成されている、請求項1乃至11の何れか一項に記載の発光デバイス。
【請求項13】
前記第1のLEDフィラメント及び前記第2のLEDフィラメントの前記LEDは、赤色LED、緑色LED、及び青色LEDである、請求項1乃至12の何れか一項に記載の発光デバイス。
【請求項14】
レトロフィット電球であって、請求項1乃至13の何れか一項に記載の少なくとも1つの発光デバイスと、前記少なくとも1つの第1のLEDフィラメント及び前記少なくとも1つの第2のLEDフィラメントを少なくとも部分的に取り囲む透過性外囲器と、前記電球をソケットに電気的及び機械的に接続するためのコネクタとを備える、レトロフィット電球。
【請求項15】
少なくとも1つの第1のLEDフィラメントと、少なくとも1つの第2のLEDフィラメントとを備え、総合色温度CTtotを有する光を放出するように構成された、発光デバイスを制御するための方法であって、前記方法は、
前記少なくとも1つの第1のLEDフィラメントの第1の色温度と、前記少なくとも1つの第2のLEDフィラメントの第2の色温度とを制御し、それにより、前記総合色温度が事前設定値に至るように制御するステップを含み、
前記制御するステップは、前記総合色温度を変化させている間に、前記第1の色温度と前記第2の色温度との差が一定にならないように、事前選択された制御スキームに従って実行される、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばレトロフィット電球内で使用される、LEDフィラメント、すなわち、支持体基板上に配置されているLEDの線形アレイに関する。具体的には、本発明は、色制御可能なLEDフィラメントに関する。
【背景技術】
【0002】
白熱ランプは、LEDベースの照明ソリューションによって、急速に置き換えられつつある。しかしながら、白熱電球の外見を有するレトロフィットランプを持つことが、ユーザによって評価され、望まれている。この目的のために、単純に、ガラスに基づく白熱ランプを製造するためのインフラストラクチャを利用して、フィラメントを、白色光を放出するLEDに置き換えることができる。構想のうちの1つは、そのような電球内に配置される、LEDフィラメントに基づく。これらのランプの外観は、装飾性に優れて見えるため、高く評価されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
照明分野で周知のとおり、減光可能な白熱電球の色温度は、電球が減光されるにつれて変化する。しかしながら、LEDは、典型的には、駆動電流が低減されるにつれて、色温度がより冷たくなる。したがって、LED光源を、白熱電球と同じように単純に減光することが、色温度の変化に関して、白熱電球と比較して不自然な結果をもたらす。したがって、減光時にレトロフィット白熱電球の色温度変化を模倣する、心地よい外観を有する色温度制御可能なLEDフィラメントを有することが望ましい。
【0004】
典型的には、LEDフィラメントの色温度が調整され得る色温度変更可能ランプでは、全てのフィラメントが同じ外観を有する。
【0005】
この問題に対する解決策の1つが、放出光を放出するための光透過性エンクロージャと、エンクロージャに接続された口金とを含むランプとして、米国特許出願公開第2018/0328543(A1)号に提示されている。少なくとも1つの第1のLEDフィラメント及び少なくとも1つの第2のLEDフィラメントが、エンクロージャ内に位置している。第1のLEDフィラメントは、第1の相関色温度(correlated color temperature、CCT)を有する光を放出し、第2のLEDフィラメントは、第2の相関色温度を有する光を放出し、これらが複合されて放出光が生成される。ランプが減光される場合、コントローラが動作して、放出光の相関色温度を変化させる。この文献では、ランプの動作が、減光可能な白熱電球に関連する色の変化を模倣できるように、2つの異なるカラーポイントを有する2つの異なるタイプのフィラメントを使用してランプを減光させ、同時に色を変化させることを可能にしている。本明細書で使用される場合、減光は、ランプから放出される光の光束が低下されることを意味する。しかしながら、米国特許出願公開第2018/0328543(A1)号は、より高い色温度での心地よい炎のようなフィラメントの外見の消失に対処することができない。
【0006】
国際公開第19197394(A1)号では、発光ダイオード(LED)フィラメントランプは、長手方向軸Aに沿って長さLにわたって延びる少なくとも1つのフィラメントを備え、LEDフィラメントは、長手方向軸に沿って延びる複数のLEDのアレイと、複数のLEDを少なくとも部分的に囲む封入材とを備え、封入材は、ルミネッセント材料を含み、長手方向軸に垂直な横軸Bに沿った封入材の厚さTL、及び封入材内のルミネッセント材料の濃度CLのうちの少なくとも1つが、長手方向軸に沿った少なくとも1つのフィラメントの長さLの少なくとも一部分にわたって変化し、これにより、少なくとも1つのLEDフィラメントから放出される光の色温度CTLは、少なくとも1つのLEDフィラメントの長さにわたって、少なくとも該一部分に沿って変化する。
【0007】
したがって、上述の問題に対処できる代替的解決策が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の目的は、白熱ランプと同様のより耐久性のある炎のような外観を得るために、照明デバイスの心地よい外観を維持しながら、この問題を克服し、LEDフィラメント照明デバイスを提供することである。
【0009】
この目的及び他の目的は、独立請求項1における特徴を有する、照明デバイスを提供することによって達成される。従属請求項において、好ましい実施形態が定義される。
【0010】
本発明の第1の態様によれば、総合色温度を有する光を放出するように構成された発光デバイスが提供され、発光デバイスは、少なくとも1つの第1の発光ダイオード(LED)フィラメント及び少なくとも1つの第2のLEDフィラメントであって、少なくとも1つの第1のLEDフィラメント及び少なくとも1つの第2のLEDフィラメントの各々が、細長い基板及び基板上に取り付けられた発光ダイオードのアレイを備える、少なくとも1つの第1のLEDフィラメント及び少なくとも1つの第2のLEDフィラメントと、少なくとも第1のLEDフィラメント及び少なくとも1つの第2のLEDフィラメントを個別に制御するためのコントローラと、を備える。少なくとも1つの第1のLEDフィラメントは、第1の色温度の光を放出するように構成され、第1の色温度は、CT low~CT highの第1の色温度範囲で制御可能であり、少なくとも1つの第2のLEDフィラメントは、第2の色温度の光を放出するように構成され、第2の色温度は、CT low~CT highの第2の色温度範囲で制御可能であり、コントローラは、総合色温度(CTtot)を第1の総合色温度(CTtot,1)から第2の総合色温度(CTtot,2)に制御するように構成され、この制御は、CTtotをCTtot,1からCTtot,2'に変化させている間に、第1の色温度と第2の色温度との差(ΔCT)が一定にならないように、事前選択された制御スキームに従って、第1の色温度及び第2の色温度を制御することにより行われ、この差は、また、総合色温度(CTtot)の変化とも称される。
【0011】
「色温度を制御する」とは、本明細書では、放出光の波長が制御されてもよいことと、色スペクトルにおける波長並びに白色光を含んでもよいこととが意図されている。各LEDフィラメントは、1つの単一の(均質な)色、又はいくつかの別個の(不均質な)色を放出するように構成されてもよい。
【0012】
本発明では、非一定のΔCTは、大部分の時間において第2の色温度を第1の色温度よりも低く保つことにより実現される。特に、端点、すなわちCTtot,1及びCTtot,2において、第2の色温度は、第1の色温度に等しくてもよい。第2の色温度を第1の色温度よりも低下させるか又は最大でも等しく保つことにより、第2のフィラメントは、炎のような外見を、恒常的に、又は少なくとも照明デバイスの減光中のより長い継続時間にわたって、のいずれかで維持してもよい。したがって、コントローラは、より望ましい(例えば、炎のような)外観をもたらしながら、LEDフィラメント照明デバイスにより放出される総合色温度を効率的に制御し得る。
【0013】
本発明は、照明デバイスの第1のフィラメント及び第2のフィラメントの各々から放出される光の色温度が、1つ以上の事前選択された制御スキームに従って制御されて、LEDフィラメント照明デバイスから放出される光の色を制御する多様な形をもたらし得るという点で更に有利である。
【0014】
CT low及びCT lowは、最初の差がΔCTstartであり、和がCTtot,1である、制御スキームの開始点に対応することに留意されたい。したがって、CTtot,1及びΔCTstartは、同じ時点に対応する。同じ論理に従い、CT high及びCT highは、最後の差がΔCTendであり、和がCTtot,2である、制御スキームの終了点に対応する。したがって、CTtot,2及びΔCTendは、同じ時点に対応する。
【0015】
一実施形態では、第1のLEDフィラメントの総数は、第2のLEDフィラメントの総数より多くてもよい。上記の実施形態と同様に、この実施形態は、より容易にかつより低い強度で照明デバイスの高CTtotに到達することから利益を得ている。
【0016】
代わりに、別の実施形態では、第1のLEDフィラメントの総数は、第2のLEDフィラメントの総数より少なくてもよい。この実施形態は、LEDフィラメント照明デバイスに、より「レトロな」外観を提供し得るという点で有利である。
【0017】
更に別の実施形態では、同数の第1のLEDフィラメント及び第2のLEDフィラメントがあり、それが、より均質な外観をもたらし得る。
【0018】
いくつかの実施形態によれば、CT lowとCT lowとの差、すなわちΔCTstartは、好ましくは500K未満、より好ましくは300K未満、最も好ましくは100K未満である。
【0019】
いくつかの実施形態によれば、CT highとCT highとの差、すなわちΔCTendは、好ましくは500K未満、より好ましくは300K未満、最も好ましくは100K未満である。
【0020】
一実施形態によれば、CT low及びCT lowは、好ましくは1800~2500K、より好ましくは2000~2400K、最も好ましくは2100~2300Kの範囲にある。
【0021】
典型的な「エジソン」スタイルの白熱ランプは、約2700Kの全点灯温度を有し、全点灯の約10%において、温度2200Kまで、又は更に低い温度まで減光することが一般的に知られている。白熱枝付き燭台ランプは、約10%の点灯において、より暖かい1800Kまで減光し得る。したがって、第1のフィラメント及び第2のフィラメントの「低い」色温度に関する上述の範囲は、LEDフィラメント照明デバイスの暖かくフラム(flam)のような外観を保証する。
【0022】
一実施形態によれば、CT high及びCT highは、好ましくは2700~4500K、より好ましくは2900~4000K、最も好ましくは3000~3500Kの範囲にある。
【0023】
第1の色温度範囲は、第2の色温度範囲と重なり合っていてもよい。これは、両方のタイプのフィラメントのより均質な色温度の結果として、美的により優れているという利点を提供し得る。そうしない場合は、非常に異なる色温度に起因して、2つの異なるタイプのフィラメントが、ユーザの肉眼で区別できるようになる場合がある。代わりに、第1の色温度範囲と第2の色温度範囲とが同じであってもよい。この場合、第1の色温度及び第2の色温度の制御経路は異なっていてもよいが、始点(CT low及びCT low)、及びそれらの終点(CT high及びCT high)は互いに重なり合っていてもよい。
【0024】
いくつかの実施形態によれば、CTtot,1において、CT lowがCT lowに等しい場合がある。これは、第1のLEDフィラメント及び第2のLEDフィラメントが、それらの初期色温度が等しくなるように制御されることを伴う。加えて又は代わりに、CTtot,2において、CT highがCT highに等しい場合がある。これは、第1のLEDフィラメント及び第2のLEDフィラメントが、それらの最終色温度が等しくなるように制御されることを伴う。
【0025】
第1のLEDフィラメント及び第2のLEDフィラメントの色温度は、様々な方式で制御されてもよい。例えば、コントローラは、各LEDフィラメントの全てのLEDを同時に制御することにより、第1の色温度及び第2の色温度を変化させるように構成され得る。換言すれば、LEDフィラメントの全てのLEDが、同じ色温度の光を放出するように制御される。これは、フィラメント上の全てのLEDの均一な制御をもたらし得る。代わりに、コントローラは、各LEDフィラメントのLEDを個別に制御することにより、第1の色温度及び第2の色温度を変化させるように構成されている。換言すれば、LEDフィラメントのLEDの1つのサブセットが、1つの色温度の光を放出してもよく、別のサブセットが別の色温度の光を放出してもよい。これは、LED別の制御につながり得る。
【0026】
一実施形態では、総合色温度を増加させるために、事前選択された制御スキームは、第1ステージにおいて、第2の色温度を維持しながら若しくは低減させながら、又は僅かに増加させながら、第1の色温度を増加させることにより、第1の色温度及び第2の色温度の差ΔCTを増加させることと、後続の第2ステージにおいて、第2の色温度を増加させながら、第1の色温度を維持する若しくは低減させる、又は僅かに増加させることにより、第1の色温度及び第2の色温度の差ΔCTを低減させることと、を含む。第1の色温度を単独で増加させることにより、典型的な白熱ランプを減光した場合に予想されるものと同様に、照明デバイスの炎のような外観が、より長い持続時間にわたって維持され得る。ユーザが強度を更に増加させることを望む場合、第2のフィラメントの色温度を増加させて、LEDフィラメント照明デバイスの総合色温度を増加させ、その強度が増加されているときに白熱ランプの挙動を模倣してもよい。
【0027】
例えば、第1のフィラメントの色温度は、第2のフィラメントが2000Kに維持されながら、2000~2700Kに増加されてもよく、その後、第2の色温度は2700Kに増加される。
【0028】
このように、温度の移行中に、炎のような外見が維持され得る一方で、照明デバイスの総合色温度が増加される。
【0029】
第2ステージは、好ましくは、第1の色温度が、少なくとも400K、より好ましくは少なくとも500K、最も好ましくは少なくとも600Kだけ増加されたときに開始されてもよい。
【0030】
一実施形態によれば、事前選択された制御スキームは、第2の色温度とは独立に、第1の色温度を制御することを含む。
【0031】
この場合、一方のタイプのフィラメント(第1又は第2の何れか)は、他方のタイプがオンであるか又はオフであるかに無関係に、完全にオフ又はオンに切り替えられてもよい。これは、LEDフィラメント照明デバイスの総合色温度を、オンに切り替えられたフィラメントタイプの色温度範囲内で調整する可能性を提供することになる。「オン」フィラメントが第1のフィラメントである場合、総合色温度範囲はより高く、したがってよりクールな色合いとなる。「オン」フィラメントが第2のフィラメントである場合、照明デバイスの総合色温度はより低く、したがってより暖かみがでてくる。この場合、照明デバイスは、第2のフィラメントの色温度範囲に応じて、炎のような外観を、恒常的に、又は少なくともより長い継続時間にわたって、のいずれかで維持してもよい。
【0032】
LEDフィラメント及びコントローラは、単一のデバイス内に含まれてもよく、その結果、比較的コンパクトな色制御可能なLEDフィラメント照明デバイスがもたらされる。
【0033】
1つ又は複数のそのようなLEDフィラメント照明デバイスを、レトロフィット電球内に組み込むことができ、レトロフィット電球は、LEDフィラメントを少なくとも部分的に取り囲む透過性外囲器と、電球をソケットに電気的及び機械的に接続するためのコネクタとを更に含む。
【0034】
本発明は、請求項に列挙されている特徴の、全ての可能な組み合わせに関するものである点に留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0035】
次に、本発明のこの態様及び他の態様が、本発明の実施形態を示す添付図面を参照して、より詳細に説明される。
図1】複数のLEDフィラメントを含むレトロフィット電球を概略的に示す。
図2a】本発明の少なくとも1つの実施形態による、そのようなLEDフィラメントの上面図を示す。
図2b】本発明の異なる実施形態による、LEDフィラメントの側面図を示す。
図2c】本発明の異なる実施形態による、LEDフィラメントの側面図を示す。
図2d】本発明の異なる実施形態による、LEDフィラメントの側面図を示す。
図3a】色調整可能な白色光が放出されるLEDフィラメントの異なる実施形態を示す。
図3b】色調整可能な白色光が放出されるLEDフィラメントの異なる実施形態を示す。
図3c】色調整可能な白色光が放出されるLEDフィラメントの異なる実施形態を示す。
図4a】2つのLEDフィラメントを含み、一方が第1の色温度調整可能範囲を有し、他方が第2の色温度調整可能範囲を有する、レトロフィット電球を示す。
図4b】第1の色温度調整可能範囲を有する3つのLEDフィラメントと、第2の色温度調整可能範囲を有する3つのLEDフィラメントとを含んで、LEDフィラメントの総数が6個である、レトロフィット電球の上面断面図を示す。
図5a】発光デバイスの総合色温度を増加させるための異なる事前選択された制御スキームの例示的なプロットを示す。
図5b】発光デバイスの総合色温度を増加させるための異なる事前選択された制御スキームの例示的なプロットを示す。
図5c】発光デバイスの総合色温度を増加させるための異なる事前選択された制御スキームの例示的なプロットを示す。
図5d】発光デバイスの総合色温度を増加させるための異なる事前選択された制御スキームの例示的なプロットを示す。
図6】事前選択された制御スキームのステージを説明するフローチャートを示す。
図7】第1の色温度と第2の色温度との差(ΔCT)の、時間に対する変化のグラフを示す。
【0036】
図に示されるように、層及び領域のサイズは、例示の目的のために誇張されており、それゆえ、本発明の実施形態の一般的な構造を例示するように提示されている。同様の参照符号は、全体を通して、同様の要素を指す。
【発明を実施するための形態】
【0037】
ここで、本発明の現時点で好ましい実施形態が示されている添付図面を参照して、本発明が、以降でより完全に説明される。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で具現化されてもよく、本明細書に記載される実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態は、完全性及び網羅性のために提供され、当業者に本発明の範囲を完全に伝達するものである。
【0038】
図1は、外囲器11内に収容された少なくとも2つのLEDフィラメント100を含むレトロフィット電球10を示す。(以下でより詳細に説明される)LEDフィラメント100は、接続ワイヤ13を通して、コントローラ15、及び電気(又は機械)コネクタ12に接続されている。典型的な白熱電球と同様に、この図1では、電気コネクタ12は、ここでは、ランプ10を電気ソケット(図示せず)に接続するための、E26又はE27などのねじ込み式エジソン型コネクタである。本明細書では、レトロフィット電球及びランプは、同じものを指すために使用され、別段の記述がない限り、交換可能に用いられ得ることに留意されたい。
【0039】
本発明によれば、LED照明デバイス10は、第1の色温度範囲(CT low~CT high)で光を放出するように構成された少なくとも1つの第1のフィラメント100a(図4A)と、第2の温度範囲(CT low~CT high)で光を放出するように構成された少なくとも1つの第2のフィラメント100bとを備える。第1の色温度範囲及び第2の色温度範囲は、典型的には、第1の色温度が第2の色温度よりも高くなるように異なり得る。しかしながら、第1の色温度範囲は、第2の色温度範囲と重なり合っていてもよいことに留意することが重要である。これは、両方のタイプのフィラメントのより均質な色温度の結果として、美的により優れているという利点を提供し得る。そうしない場合は、非常に異なる色温度に起因して、2つの異なるタイプのフィラメントが、ユーザの肉眼で区別できるようになる場合がある。
【0040】
少なくとも1つの実施形態によれば、CT low及びCT lowは、2500K未満、好ましくは2400K未満、より好ましくは2300K未満であり、及び/又はCT high及びCT highは、好ましくは2700K超、より好ましくは2900K超、最も好ましくは3500K超である。
【0041】
また、色温度は特定の範囲にあり、例えば、CT low及びCT lowは、好ましくは1800~2500Kの範囲、より好ましくは2000~2400Kの範囲、最も好ましくは2100~2300Kの範囲にあってもよい。色温度範囲の高い方の端では、少なくとも1つの実施形態によると、CT high及びCT highは、好ましくは2700~4500Kの範囲、より好ましくは2900~4000Kの範囲、最も好ましくは3000~3500Kの範囲にあってもよい。
【0042】
本発明との関連において、図1に示される照明デバイスランプ10のLEDフィラメント100は、以下のように説明され得る。図2は、そのようなLEDフィラメント100を示す。LED110は、細長い支持体120、例えば基板の上に配置されている。本明細書では、「支持体」及び「基板」という用語は、交換可能に用いられる場合があり、他の記載がない限り、同じ意味を示すことに留意されたい。好ましくは、LEDフィラメント100は、長さL及び幅Wを有し、L>5Wである。LEDフィラメント100は、図2と同様の直線構成で、又は、例えば湾曲構成、2D/3D渦巻、若しくは螺旋などの、非直線構成で配置されてもよい。
【0043】
LEDフィラメント100は、複数のLED110を少なくとも部分的に覆う封入材150を更に含んでもよい。図2b及び図2dの側面概略図に示されるように、封入材150はまた、第1主表面130及び/又は第2主表面140のうちの少なくとも1つを少なくとも部分的に覆ってもよい。封入材150は、例えばシリコーンなどの、可撓性であり得るポリマー材料であってもよい。
【0044】
支持体120は、剛性(例えば、ポリマー、ガラス、石英、金属、若しくはサファイアから作製されているもの)、又は可撓性(例えば、ポリマー若しくは金属の、例えばフィルム若しくは箔で作製されているもの)であってもよい。
【0045】
剛性材料の支持体120が、LEDフィラメント100のより良好な冷却をもたらす場合があり、これは、LED110により生成された熱が剛性基板120により分散され得ることを意味する。
【0046】
可撓性材料の支持体120が、可撓性に起因して、LEDフィラメント100の美観を設計するための形状自由度を提供し得る。
【0047】
薄い可撓性材料(箔など)の熱管理は、剛性材料と比較すると、典型的には劣る場合があることに留意すべきである。しかしながら、これに対して、基板120として剛性材料を有することは、LEDフィラメント100の形状設計を制限し得る。
【0048】
支持体120は、第1主表面130及び反対側の第2主表面140を備えてもよい。LED110は、これらの表面のうちの少なくとも一方の上に配置される(図2a及び図2c)。
【0049】
支持体120は、半透明性又は好ましくは光透明性などの、光透過性であってもよい。透過性基板は、例えば、ポリマー、ガラス、石英などから構成されてもよい。
【0050】
光透過性基板の利点は、LED110から放出された光が基板120を通って伝搬し、実質的に全方向性の発光をもたらし得ることであり得る。
【0051】
透過性基板の場合、封入材150は、フィラメント100の両側に配置されてもよい。
【0052】
代わりに、支持体120は、光反射性であってもよい。この実施形態では、LED110によって放出された光は、LED110が配置されている基板の表面(130及び/又は140)から反射され、したがって、光がフィラメント基板120を伝搬することが妨げられる。
【0053】
更に、LED110は、例えば種々の色又はスペクトルの、LED光を放出するように構成されてもよい。封入材150は、LED光を少なくとも部分的に変換光に変換するように構成されたルミネッセント材料を含んでもよい。ルミネッセント材料は、無機蛍光体及び/又は量子ドット若しくは量子ロッドなどの、蛍光体であってもよい。
【0054】
LEDフィラメント100のLED110の各々は、図1に示すように白色光を放出し得る。LED110は、冷たい白色光又は暖かい白色光を放出してもよい。LED110は、封入材150によって覆われている青色LED又はUV LEDであってもよく、封入材150は、蛍光体粒子などのルミネッセント材料を含む。ルミネッセント材料は、LED110からの光の波長変換をもたらすことになり、この区画から放出される光は、青色/UV光と波長変換された光との混合から成る、白色光となる。白色光は、黒体ライン上の色温度を有してもよい。
【0055】
代わりに、又は同時に、図3a及び図3bに示されるように、LEDフィラメント100は、赤色(R)211、緑色212(G)、及び青色213(B)のLEDのグループ210を含んでもよく、RGB211、212、213のLEDの各々から放出された光が組み合わされて、冷たい色温度又は暖かい色温度を有する白色光が生成される。各グループにおける赤色211、緑色212、及び青色213のLEDは、図3aに示されるグループ210として配置され得る、又は図3bに示されるように、LEDフィラメント100の長手方向に順繰りに配置され得る。
【0056】
白色光は、調整可能な色温度を有し得る。これは、少なくとも2つの異なるタイプのLED、例えば赤色211及び青色213のLEDを含むことにより実現され得る。各タイプのLEDの相対強度を制御することによって、放出される光の色温度が制御されることができる。
【0057】
図3cは、色温度調整性を得るための別の手法を示す。この実施形態では、LEDフィラメント100は、1つのタイプのLED(例えば、青色LED213)のみを備えてもよく、代わりに、異なるタイプの封入材151、152、153などにより覆われた異なる領域をしてもよい。ここでも、異なる種類の封入材151、152、153などに関連付けられたLED110の相対強度を制御することにより、放出光の色温度が制御され得る。
【0058】
色制御可能なLEDは、複数のLEDグループ210を含んでもよく、その各々が、赤色LED211、緑色LED212、及び青色LED213を含んでもよい。
【0059】
LEDフィラメント100は、複数のサブフィラメントを備えてもよい。
【0060】
図4aは、2つのLEDフィラメント100a及び100bを備えるランプ10の一実施形態を示し、LEDフィラメントはそれぞれ、第1の色温度及び第2の色温度で光を放出するように構成されている。
【0061】
LEDフィラメントの総数、すなわち、LEDフィラメント照明デバイス10における第1のフィラメント100a及び第2のフィラメント100bの両方の合計は、好ましくは、2個超、より好ましくは4個超、最も好ましくは5個超、例えば6個又は8個である。
【0062】
様々な実施形態では、第1のLEDフィラメント100aの総数は、第2のLEDフィラメント100bの総数より大きくても、それより小さくても、又はそれと等しくてもよい。
【0063】
図4bは、第1のLEDフィラメント100aの数が、第2のLEDフィラメント100bの数に等しく、3つに等しい、本発明の一実施形態の上面図を示す。
【0064】
本発明の態様によれば、総合色温度を増加させるために、発光デバイス10のコントローラ15は、事前選択された制御スキームで動作する。図5a、図5b、及び図5cは、事前選択された制御スキームのステップを、色温度対時間のプロットとして概略的に示し、図6は、事前選択された制御スキームのステージを説明するフローチャートを示す。
【0065】
図5aに示すように、第1ステージでは、コントローラ15は、フィラメント100aの色温度をaからbに増加させる一方で、フィラメント100bの色温度をaに維持しており、これはそれぞれ、図6のステップS1及びS2として示される。後続の第2ステージでは、フィラメント100bの色温度をcからdに増加させる一方で、フィラメント100aの色温度をbに維持しており、これはそれぞれ、図6のステップS3及びS4として示される。
【0066】
図5bは、図5aに示されるものと僅かに異なる別の事前選択された制御スキームを示す。ここでは、第1ステージでは、フィラメント100aの色温度がaからbに増加される一方で、フィラメント100bの色温度はaからcに低減される。ここでも、図5bのこのステージは、それぞれ、図6におけるフローチャートのステップS1及びS2に対応する。後続の第2ステージでは、フィラメント100bの色温度が増加される一方で、フィラメント100aの色温度は、bからdに低減される。図5bのこのステージは、図6のステップS3及びS4に対応する。
【0067】
図5cは、事前選択された制御スキームの別の代替形態を示す。ここでは、第1ステージでは、フィラメント100aの色温度がaからbに増加される一方で、フィラメント100bの色温度は、aからcに僅かに増加される。ここでも、図5bのこのステージは、それぞれ、図6におけるフローチャートのステップS1及びS2に対応する。後続の第2ステージでは、フィラメント100bの色温度が増加される一方で、フィラメント100aの色温度は、bからdに僅かに増加される。図5bのこのステージは、図6のステップS3及びS4に対応する。「僅かに増加」という語は、ステージ1における第2の色温度及びステージ2における第1の色温度の増加が、それぞれ、第1の色温度及び第2の色温度の増加よりも少ないことを示す意図があることに留意すべきである。
【0068】
点b及び点cは、(図5aのグラフに示されるように)時間的に一致するような点であってもよい。これは、図6では、ステップS1及びS2が時間的に厳密に一致し、ステップS3及びS4が同時に開始することを意味する。代わりに、フィラメント100bの色温度を増加させるステージ(図6のステップS3)は、フィラメント100aの色温度がその最大値(点b)に達した時点に対して、時間が先行していても又は遅延していてもよい。後者の代替形態によれば、これは、ステップS3及びS4が異なる時点で開始するという意味になる。図5bは、フィラメント100bの色温度の増加が、点bに対して時間的に遅延している制御スキームを示す。換言すれば、制御スキームの後者の実施形態では、図6のステップS3はステップS4に対して遅延している。
【0069】
図5dは、図5bに示されるものと同様の事前選択された制御スキームを示し、第1ステージでは、フィラメント100aの色温度がaからbに増加される一方で、フィラメント100bの色温度はaからcに低減され、後続の第2ステージでは、フィラメント100bの色温度が増加される一方で、フィラメント100aの色温度はbからdに低減される。しかしながら、図5dのグラフでは、CT low及びCT lowは重なり合わず、その結果、ΔCTstartはゼロより大きくなる。同様に、CT high及びCT highは重なり合わず、その結果、ΔCTendはゼロより大きくなる。好ましくは、CT lowとCT lowとの差(ΔCTstart)、及びCT highとCT highとの差(ΔCTend)は、500K未満、より好ましくは300K未満、最も好ましくは100K未満である。代替的な事前選択された制御スキームでは、図5a、図5b、図5c、及び図5dの異なる組み合わせ、並びに他の変形形態が生じ得る。
【0070】
事前選択された制御スキームの第2ステージは、第1の色温度が少なくとも400K、より好ましくは500K、最も好ましくは600Kだけ増加された後に実施されることが好ましい。図5a~図5dのグラフによれば、これは、「a-b>400K、又はa-b>500K、又はa-b>600K」という意味になる。
【0071】
図7は、第1の色温度と第2の色温度との差(ΔCT)の、時間に対する変化のグラフを示す。ΔCTは一定ではなく、時間と共に変化することが分かる。図6のステップ1及び2に記載されている事前選択された制御スキームの第1ステージでは、ΔCTは時間と共に増加する。しかしながら、図6のステップ3及び4に記載されている第2ステージが開始されると、ΔCTは時間と共に減少する。図7のグラフでは、ΔCTstart及びΔCTendは同じ値に対応せず、ΔCTstartはΔCTendよりも大きいことが観察される。しかしながら、代替的な実施形態では、ΔCTstartは、より大きくてもよく、又は代わりに、ΔCTendに等しくてもよい。ΔCTstart及び/又はΔCTendがゼロに等しくない場合、CT lowとCT low及び/又はCT highとCT highは重なり合わない。これは、図5のグラフでは、事前選択された制御スキームの点a及び/又は点dにおいて、CT lowはCT lowに等しくないこと、及び/又はCT highはCT highに等しくないことを意味する。したがって、図7のグラフに対応する実施形態は、図5dの事前選択された制御スキームに対応する。代わりに、ΔCTstart及び/又はΔCTendがゼロの場合、ΔCTstart及び/又はΔCTendはゼロではなく、CT lowとCT low及び/又はCT highとCT highは重なり合わない。CT lowとCT low、及びCT highとCT highの両方が重なる実施形態は、図5a~図5cに示される事前選択された制御スキームに対応する。また、ステージ1及び2におけるプロットの勾配は、等しい絶対値を有してもよい。この場合、事前選択された制御スキームのステージ1及びステージ2は、等しい速度で実行される。代わりに、それら勾配は、その絶対値が異なっていてもよい。この場合、ステージ1及び2が実行される速度は異なることになる。
【0072】
当業者は、本発明が、上述の好ましい実施形態に決して限定されるものではない点を、理解するものである。むしろ、多くの修正形態及び変形形態が、添付の請求項の範囲内で可能である。例えば、LEDフィラメントの数、及びそれらの詳細な構成は、本明細書に示されるものとは異なっていてもよい。
【0073】
更に、図面、本開示、及び添付の請求項を検討することにより、開示される実施形態に対する変形形態が、当業者によって理解され、特許請求される発明を実施する際に遂行され得る。請求項では、単語「備える(comprising)」は、他の要素又はステップを排除するものではなく、不定冠詞「1つの(a)」又は「1つの(an)」は、複数を排除するものではない。特定の手段が、互いに異なる従属請求項内に列挙されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが、有利には使用され得ないことを示すものではない。
図1
図2a
図2b
図2c
図2d
図3a
図3b
図3c
図4a
図4b
図5a
図5b
図5c
図5d
図6
図7
【国際調査報告】