(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-07
(54)【発明の名称】ノードデバイスのネットワークにおけるノードデバイスのロケーションアドレスを決定する方法及びこのようなノードデバイス
(51)【国際特許分類】
H04W 8/26 20090101AFI20230228BHJP
H04W 84/10 20090101ALI20230228BHJP
H05B 47/18 20200101ALI20230228BHJP
H05B 47/19 20200101ALI20230228BHJP
【FI】
H04W8/26 110
H04W84/10 110
H05B47/18
H05B47/19
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022540821
(86)(22)【出願日】2020-12-22
(85)【翻訳文提出日】2022-08-25
(86)【国際出願番号】 EP2020087616
(87)【国際公開番号】W WO2021136723
(87)【国際公開日】2021-07-08
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2020/070151
(32)【優先日】2020-01-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(32)【優先日】2020-04-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】ハン ミンチアン
【テーマコード(参考)】
3K273
5K067
【Fターム(参考)】
3K273PA06
3K273QA31
3K273RA16
3K273RA17
3K273TA52
3K273TA54
3K273TA63
3K273UA15
3K273UA22
3K273VA07
5K067AA21
5K067BB21
5K067DD17
5K067EE12
5K067FF07
(57)【要約】
ネットワーク(10)のノードデバイス(21、22...26)のロケーションアドレスを決定する方法及びノードデバイスが提供される。ノードデバイス(21、22...26)は、細長いトラック(12)に沿って配置され、ノード間距離(d)によって互いに地理的に離間する。各ノードデバイス(21、22...26)は、短距離通信インターフェース(20)を含む。ノードデバイス(22)は、メッセージ(27)に含まれる既知のロケーションアドレスを有するすぐ隣のノードデバイス(21)からメッセージ(27)を受信する。受信ノードデバイス(22)は、メッセージ(27)において受信したロケーションアドレスに基づいて自身のロケーションアドレスを決定する。その後、受信ノードデバイス(22)は、自身の決定されたロケーションアドレスを含むさらなるメッセージ(28)をさらなるノードデバイス(23)に送信し、さらなるノードデバイス(23)が、同様に自身のロケーションアドレスを決定することを可能にしてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動作可能に相互接続されるノードデバイスのネットワークにおけるノードデバイスのロケーションアドレスを決定する方法であって、ノードデバイスは、細長いトラックに沿って異なるロケーションに配置され、ノード間距離によって互いに地理的に離間し、各ノードデバイスは、固有の識別子を有し、ノード間通信のための短距離通信インターフェースを含み、当該方法は、
ノードデバイスによって、前記短距離通信インターフェースを用いて、前記トラックに沿った既知のロケーションアドレスを有するすぐ隣のノードデバイスからメッセージを受信するステップであって、前記メッセージは、前記すぐ隣のノードデバイスの前記ロケーションアドレスを含む、ステップと、
前記ノードデバイスによって、前記受信したメッセージにおける前記ロケーションアドレスに基づいて、前記トラックに沿った自身のロケーションアドレスを決定するステップと、
前記ノードデバイスによって、前記短距離通信インターフェースを用いてさらなるメッセージを送信するステップであって、前記さらなるメッセージは、前記ノードデバイスの前記決定されたロケーションアドレスを含む、ステップと、
前記ノードデバイスのさらなるすぐ隣のノードデバイスによって、前記短距離通信インターフェースを用いて、前記さらなるメッセージを受信するステップと、
前記さらなるすぐ隣のノードデバイスによって、前記受信したさらなるメッセージにおける前記ロケーションアドレスに基づいて、前記トラックに沿った自身のロケーションアドレスを決定するステップと、
前記さらなるすぐ隣のノードデバイスによって、前記短距離通信インターフェースを用いて、前記さらなるすぐ隣のノードデバイスの前記決定されたロケーションアドレスを含むメッセージを送信するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記決定するステップは、当該ノードデバイスによって、当該ノードデバイスにロケーションアドレスが割り当てられていない場合に実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ノードデバイスのロケーションアドレスは、前記トラックに沿った当該ノードデバイスの相対的ロケーションに対応するストリング番号を含み、前記決定するステップは、前記ストリング番号を順次適応させることを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
ノードデバイスのロケーションアドレスは、当該ノードデバイスの地理的座標を含み、前記メッセージは、前記ノード間距離及び前記トラックの地理的方向を含み、前記決定するステップは、前記すぐ隣のノードデバイスの前記地理的座標、前記ノード間距離及び前記トラックの前記地理的方向から当該ノードデバイスの地理的座標を算出することを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
前記メッセージは、ロケーションが決定される必要があるノードデバイスの数に関連する数情報を含み、
ロケーションアドレスを決定した場合、前記数情報は、当該ノードデバイスによって、ロケーションが決定される必要があるノードデバイスの数を1少なく示すように適応され、
前記数情報が、ロケーションが決定される必要があるさらなるノードデバイスがないことを示す場合、前記さらなるメッセージの送信は終了される、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記数情報は、ある範囲の数字、アルファベット、英数字を含み、前記適応は、前記範囲の次の位置を算出することを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記細長いトラックの一端におけるノードデバイスが、当該ノードデバイスにロケーションアドレスを割り当てることによって開始ノードデバイスとして選択される、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
当該方法は、前記開始ノードデバイスにおいてメッセージに前記数情報を含めることを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
当該方法は、ノードデバイスによって、自身のロケーションアドレス及び固有の識別子をバックエンドサーバに報告するステップを含む、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記ノードデバイスによって報告するステップは、自身のロケーションアドレスを決定すること、及び前記バックエンドサーバによる問い合わせのいずれかに応答して実行される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記ノードデバイスは、前記さらなるメッセージを送信した後、自身の短距離通信インターフェースをオフする、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
細長いトラックに沿って異なるロケーションに配置され、ノード間距離によって互いに地理的に離間する、動作可能に相互接続されるノードデバイスのネットワークにおいて動作するように構成される、ノードデバイスであって、当該ノードデバイスは、固有の識別子を有し、ノード間通信のための短距離通信インターフェースを含み、当該ノードデバイスは、プロセッサを含み、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の方法に従って動作するように構成される、ノードデバイス。
【請求項13】
前記短距離通信インターフェースは、カメラとディスプレイの組み合わせ、有線通信インターフェース及び無線通信インターフェースのうちの1つを含む、請求項12に記載のノードデバイス。
【請求項14】
請求項12に記載のノードデバイスを少なくとも1つ含む、スマートライトポール等の電気又は電子デバイス。
【請求項15】
少なくとも1つのプロセッサで実行された場合、前記少なくとも1つのプロセッサに請求項1乃至11のいずれか一項に記載の方法を実行させる命令を記憶するコンピュータ可読記憶媒体を含む、コンピュータプログラムプロダクト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、ノードデバイスのコミッショニングの分野に関し、より具体的には、動作可能に相互接続されるノードデバイスのネットワークにおけるノードデバイスのロケーションアドレス(location address)を決定する方法及びノードデバイスのネットワークにおいて動作するためのノードデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、データ通信ケイパビリティを有する、照明デバイス及びIoT(Internet of Things)デバイス、並びにeMTC(enhanced Machine-Type Communication)をサポートするデバイス等、電気又は電子デバイスが、複数の相互接続されるデバイスから成るネットワークに展開されることが多くなっている。
【0003】
一般にノードデバイス又は端末デバイスと呼ばれる、これらのデバイスは、ノードデバイス間通信(inter-node device communication)とも呼ばれる、ノードデバイス間のみの通信のための、トランシーバモジュール等、短距離通信インターフェース(short range communication interface)を含み、バックエンドデバイス又はバックエンドサーバ等、リモートデバイスとのデータ交換のための、ネットワークアダプタ又はトランシーバモジュール等、長距離通信インターフェース(long range communication interface)を含むことがある。
【0004】
短距離通信インターフェースは、例えば、無線ネットワークのための指定されたZigBee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、及びWiFiベースのプロトコル、並びにDALI(登録商標)(Digital Addressable Lighting Interface)、DSI(Digital Serial Interface)、DMX(Digital Multiplex)、KNX(及びKNXベースのシステム)等の有線バスネットワーク、並びに独自の(proprietary)通信技術及びプロトコル等、ネットワーク化されたデバイス又はノードによってデータを交換するためのネットワークプロトコルに従って動作してもよい。
【0005】
長距離通信インターフェースは、例えば、指定された2G/3G/4G/5Gセルラー通信等、無線モバイル通信規格、並びに長距離ワイドエリアネットワーク(Long Range Wide Area Network:LoRaWAN)、及び狭帯域IoT(Narrowband IoT:NB-IoT)等の他の長距離無線通信技術、又は独自の通信技術、並びに/又は有線データ交換通信技術に従って動作してもよい。
【0006】
例えば、照明システム、とりわけ、街路照明システム等の屋外照明システムは、ノードデバイスのネットワークとして接続される多数のスマートライトポール(smart light pole)を含むことがある。一般に、すべてのスマートポールは、バックエンドデバイスに接続される。バックエンドデバイスは、スマートポールに設置される様々な電子デバイスを介してスマートポールによって提供されるすべての機能性、例えば、電力消費統計(power consumption statistic)、ポールローカリゼーションマップ(pole localization map)、環境アラート(environmental alert)、表示内容制御(display content control)等を管理することができる。
【0007】
スマートポールが正しく機能し、バックエンドデバイスによって正確に管理されるために、スマートポールは、設置後、ネットワークにコミッショニング又はクレームされる(commissioned or claimed)必要がある。コミッショニング前に、バックエンドデバイスは、一般的に、スマートポールのインターネットプロトコル(IP:Internet Protocol)アドレス及び/又は識別情報(ID)を知るが、上記の情報をスマートポールの特定のロケーションに関連させることはできない。スマートポールのコミッショニングは、バックエンドデバイスが、スマートポールのロケーション(location)の知識を得、当該ロケーションをIP又はIDによって識別されるスマートポールに関連付ける又は関連させることを可能にする。その後、バックエンドは、すべてのスマートポールをマップ上に可視化し、それに応じてスマートポールのロケーション認識動作(location-aware operation)を実行することができる。
【0008】
例えば、世界のある地域において、スマートポールのコミッショニングは、スマートポールが、コミッショニング中にスマートポールの地理的座標をバックエンドデバイスに報告することができるGPS(Global Positioning System)デバイス等のローカリゼーションデバイス(localization device)を備える場合に自動的に行われることができる。しかしながら、この方法は、新しいハードウェアが必要とされるのでスマートポールに追加コストを加える。
【0009】
さらに、世界の地域によっては、スマートポールにローカリゼーションデバイスを備えることが禁止される可能性がある。スマートポールにおいてローカリゼーションサービス(localization service)をサポートしない場合、コミッショニングは、設置者によって現場で一本ずつ(pole by pole)手作業で行われなければならない。設置者は、手を使ってスマートポールのロケーションを記録し、これを公衆通信網等を介してバックエンドデバイスに報告するため、かなりの余計な手間がかかり、間違いを起こしやすい。
【0010】
US2012/0059622A1は、システム内の街灯のごく一部が、自身の実際の固定位置を検出して記憶するように構成され、それによって基準点として機能するアンカーノードである街灯監視システムを開示している。さらに、他の街灯は、ブラインドノードと呼ばれ、実際の固定位置を有さないが、アンカーノードの座標を使用し、それらに対する自信の距離を推定して自身の位置を導出することができる。ブラインドノードの距離推定は、閾値までの小さな距離についてそれぞれのブラインドノードで測定される受信信号強度インディケーション(RSSI)を使用して行われることができ、リンク量子化技術は、街灯の典型的な配置を利用する。街灯間の推定された距離は、粗い推定及び最も近い可能な「実」位置へのさらなる位置調整のために所定の距離のカテゴリに割り当てられることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、とりわけ、例えば、スマートポールとして配置される多数のノードデバイスを含む屋外又は街路照明システム等、相互接続されるノードデバイスのネットワークとして構成されるノードデバイスの自動コミッショニングをサポートするために、ネットワーク内のノードデバイスのロケーションアドレスを取得する方法が真に必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本開示の第1の態様では、動作可能に相互接続されるノードデバイスのネットワークにおけるノードデバイスのロケーションアドレスを決定する方法であって、ノードデバイスは、細長いトラック(elongated track)に沿って異なるロケーションに配置され、ノード間距離(inter-node distance)によって互いに地理的に離間し、各ノードデバイスは、固有の識別子を有し、ノード間通信(inter-node communication)のための短距離通信インターフェース(short range communication interface)を含み、当該方法は、
- ノードデバイスによって、短距離通信インターフェースを用いて、トラックに沿った既知のロケーションアドレスを有するすぐ隣のノードデバイス(immediate neighbouring node device)からメッセージを受信するステップであって、メッセージは、すぐ隣のノードデバイスの前記ロケーションアドレスを含む、ステップと、
- ノードデバイスによって、受信したメッセージにおけるロケーションアドレスに基づいて、トラックに沿った自身のロケーションアドレスを決定するステップと、
- ノードデバイスによって、短距離通信インターフェースを用いてさらなるメッセージを送信するステップであって、さらなるメッセージは、ノードデバイスの決定されたロケーションアドレスを含む、ステップと、
- ノードデバイスのさらなるすぐ隣のノードデバイス(further immediate neighbouring node device)によって、短距離通信インターフェースを用いて、さらなるメッセージを受信するステップと、
- さらなるすぐ隣のノードデバイスによって、受信したさらなるメッセージにおけるロケーションアドレスに基づいて、トラックに沿った自身のロケーションアドレスを決定するステップと、
- さらなるすぐ隣のノードデバイスによって、短距離通信インターフェースを用いて、さらなるすぐ隣のノードデバイスの決定されたロケーションアドレスを含むメッセージを送信するステップと、
を含む、方法が提示される。
【0013】
本開示は、相互接続されるノードデバイスのネットワーク内のノードデバイスが、隣のノードデバイスの既知のロケーションアドレスから自身のロケーションアドレスを決定又は算出することができるという洞察に基づく。すべてのノードデバイスが細長いトラックに沿って順次又は順番に配置され、オプションとして、ノード間距離離間しているという事実は、ノードデバイスがこのようなロケーションアドレス決定を行うことを可能にする。
【0014】
まず、ノードデバイスは、すぐ隣のノードデバイスからメッセージを受信する。すぐ隣のノードデバイスのロケーションアドレスは既に知られており、受信したメッセージに含まれている。その後、ノードデバイスは、トラックに沿った自身のロケーションアドレスを決定するための基準点又は基準ロケーションアドレスとしてすぐ隣のノードデバイスの既知のロケーションアドレスを採用する。決定されたロケーションアドレスは、以下でさらに説明されるように、トラックに沿った相対的なロケーションアドレス又は明確な(definite)地理的座標であってもよい。
【0015】
その後、ノードデバイスは、自身の決定されたロケーションアドレスを含むさらなるメッセージを送信する。さらなるメッセージは、さらなる隣のノードデバイスによって受信され、同様にロケーションアドレスを決定するためにさらなる隣のノードデバイスによって使用されることになる。
【0016】
したがって、本開示の方法は、ネットワークに接続されるノードデバイスのロケーションアドレスが自動的に決定されることを可能にし、ロケーションアドレスの手動記録及び報告に起因するエラーを排除することができる。さらに、ローカリゼーションデバイス等の余分なハードウェアデバイスが必要とされず、ネットワーク全体のシステムコストを節約又は低減することもできる。決定されたロケーションアドレスは、それに応じてノードデバイスの制御又は管理のために及びコミッショニング目的のためにバックエンドサーバ等のリモート管理デバイスによって使用されてもよい。
【0017】
本開示の一実施形態において、決定するステップは、ノードデバイスによって、ノードデバイスにロケーションアドレスが割り当てられていない場合に実行される。
【0018】
コミッショニングされたノードデバイスが、隣のノードデバイスから誤ってメッセージを受信することによって再び自身のロケーションアドレスを決定することを試みるのを防止する目的で、ノードデバイスは、ロケーションアドレスがまだ割り当てられていない又は決定されていない場合にのみ自身のロケーションアドレスを決定することを試みる。ノードデバイスは、例えば、ノードデバイスのストレージデバイスにおけるロケーションアドレスのローカル可用性(local availability)又はバックエンドサーバからのコミッショニング確認メッセージ(commissioning confirmation message)の存在をチェックすることによって、ロケーションアドレスが割り当てられているかどうかを判断してもよい。
【0019】
本開示の一実施形態において、ノードデバイスのロケーションアドレスは、トラックに沿って配置されるノードデバイスのストリングにおけるノードデバイスの相対的ロケーション(relative location)に対応するストリング番号(string number)を含み、決定するステップは、ストリング番号を順次適応させること(successively adapting)を含む。
【0020】
ノードデバイスの相対的ロケーションは、バックエンドサーバがノードデバイスで所要の動作及び管理を実行するために、一部のアプリケーションでは、十分であることが想定され得る。この場合、ノードデバイスのロケーションアドレスは、トラックに沿ったノードデバイスのストリングにおけるノードデバイスの相対的ロケーションを示すストリング番号を含んでもよい。
【0021】
したがって、すぐ隣のノードデバイスの既知のロケーションアドレスからノードデバイスのロケーションアドレスを決定することは、シリアル番号を、受信ノードデバイスのシリアル番号となる、ストリングにおける次のものに順次適応させることを含む。これは、実装が非常に簡単であり、処理リソースをほとんど必要としない。
【0022】
例えば、番号1から始まる、1から1000まで連続的に番号付けされる、1000個のノードデバイスがトラックに沿って配置される場合、ノードデバイスにおいて相対的ロケーションアドレス595を示すメッセージを受信すると、例えば、受信ノードデバイスは、受信したロケーションアドレスを596に適応させることによって自身のロケーションアドレスを決定する。用語「番号(number)」又は「ストリング番号(string number)」は、数字並びに/又はアルファベット及び英数字のストリングにおける位置を含んでもよく、適応は、ストリングにおける次の位置を算出することを含んでもよいことを理解されたい。
【0023】
本開示の一実施形態において、ノードデバイスのロケーションアドレスは、ノードデバイスの地理的座標を含み、メッセージはさらに、ノード間距離及びトラックの地理的方向(geographic direction)を含み、決定するステップは、すぐ隣のノードデバイスの地理的座標、ノード間距離及びトラックの地理的方向からノードデバイスの地理的座標を算出することを含む。
【0024】
実際には、細長いトラックに沿ったノードデバイスの正確な地理的ロケーション、すなわち、地理的座標を知ることが必要な場合があり、これは、ノードデバイスのロケーションアドレスが地理的座標を含む、又は地理的座標で表現されることを意味する。すぐ隣のノードデバイスの地理的座標、ノード間距離及びトラックの地理的方向からノードデバイスの地理的座標を算出することも使用される必要がある。
【0025】
街路照明システムの場合、ノード間距離が地球の寸法に比べて比較的小さいことを考慮すると、算出(calculation)は、トラックの地理的方向に沿った地理的座標の算術的加算若しくは減算、又は三角関数の使用に単純化されてもよい。このような算出も比較的容易であり、処理に多くの又は特定のリソースを必要としない。
【0026】
ノードデバイスの算出された地理的座標は、ノードデバイスが地理的に位置するロケーションに関する正確なインディケーションを提供するために使用されてもよく、これにより、ノードデバイスの地理的座標の正確な知識を必要とする、ロケーション関連動作(location-related operation)が実行されることができる。
【0027】
本開示の一実施形態において、メッセージは、ロケーションが決定される必要があるノードデバイスの数に関連する数情報(number information)を含み、ロケーションアドレスを決定した場合、数情報は、ノードデバイスによって、ロケーションが決定される必要があるノードデバイスの数を1少なく示すように適応され、数情報が、ロケーションが決定される必要があるさらなるノードデバイスがないことを示す場合、さらなるメッセージの送信は終了される。
【0028】
ロケーションが決定される必要があるノードデバイスの数に関連する数情報は、メッセージを受信したノードデバイスが、数情報を列での次の順番に適応させることによって決定されるロケーションを有する最後のノードデバイスであるかどうかを判断することを可能にする。ロケーションが決定される必要がある他のノードデバイスがまだある場合、ここでは既に決定されたローカルアドレスを有する、ノードデバイスは、ノードデバイスの決定されたロケーションアドレスを含むさらなるメッセージを送信し、次の隣のノードデバイスが、それに応じて自身のロケーションを決定することを可能にする。そうでない場合、さらなるメッセージの送信は終了される。
【0029】
本開示の一実施形態において、数情報は、ある範囲の数字、アルファベット、英数字であり、適応は、範囲の次の位置を算出することを含む。
【0030】
ロケーションアドレスが決定されるべきであるノードデバイスの数を表す数情報は、様々なやり方で表現されてもよいことが想定され得る。最も単純なものは、ある範囲又は一連の数字であるが、アルファベット及び英数字等のより複雑なものも使用されてもよい。数情報は、ロケーションアドレスが決定されるべきであるノードデバイスがいくつ残っているかを示すように適応できるものであれば、インクリメント又はデクリメントされる順序に従って使用されてもよい。したがって、適応は、ロケーションアドレスを決定する必要がある1少ないノードデバイスがあることを示す、範囲内の次の位置を算出又は求めることを含む。
【0031】
数情報が、ロケーションアドレスを決定する必要があるさらなるノードデバイスがないことを示す場合、さらなるメッセージは送信されない。このようにして、ロケーションアドレスが既に決定されているノードデバイスにメッセージを送信することが効果的に防止される。
【0032】
本開示の一実施形態において、細長いトラックの一端におけるノードデバイスが、当該ノードデバイスにロケーションアドレスを割り当てることによって開始ノードデバイスとして選択される。
【0033】
方法を実施することを容易にするために、1つのノードデバイス、とりわけ、細長いトラックの端部におけるノードデバイスが、他のノードデバイスのロケーションアドレスが上記で述べられたように本開示に従って自動的に決定される前に、手動で最初にコミッショニングされる。開始ノードデバイスの手動コミッショニングは、開始ノードデバイスに地理的座標又は相対的ロケーションストリング番号を設定又は割り当てることを含んでもよい。オプションとして、トラックの地理的方向、及びノード間距離も、この時点で手動で開始ノードデバイスにコンフィギュレーションされてもよい。
【0034】
その後、開始ノードデバイスのロケーションアドレスは、次の隣のノードデバイスのトラックに沿ったロケーションアドレスを決定するために使用されてもよい。
【0035】
1つだけのノードデバイスの手動コミッショニングは、実際のアプリケーションで1000個以上、ましては1万個のノードデバイスの手動コミッショニングと比較してはるかに少ない労力で済み、多数のノードデバイスの手動コミッショニングよりもはるかに容易にエラーを回避するように正確に制御されることができる。
【0036】
本開示の特定の実施形態において、方法は、開始ノードデバイスにおいてメッセージに数情報を含めることを含む。
【0037】
これは、数情報が、ロケーションアドレスを決定し、それに応じてコミッショニングすることを必要とするネットワーク内のノードデバイスの数を示す正しい初期値を有することを保証するためである。開始ノードデバイスに続く各ノードデバイスのロケーションアドレスの決定と共に、数情報は、ある範囲の数字、アルファベット、英数字における次の位置へと、相応に適応される。数情報は最新のものに更新されていき、ロケーションアドレスが決定される必要があるノードデバイスを常に反映する。
【0038】
本開示の一実施形態において、方法はさらに、ノードデバイスによって、自身のロケーションアドレス及び固有の識別子をバックエンドサーバに報告するステップを含む。
【0039】
各ノードデバイスは、自身のロケーションアドレスを知った後、ロケーションアドレスを自身の固有の識別子と共にバックエンドサーバに報告することができ、バックエンドサーバは、ノードデバイスのロケーションアドレスを例えばノードデバイスのIPアドレスに関連させる又は関連付けることによって、ネットワーク内のノードデバイスをコミッショニングすることができる。このコミッショニングは、すべてのノードデバイスがバックエンドサーバによって正しく管理されることを保証する。
【0040】
本開示の一実施形態において、ノードデバイスによって報告するステップは、自身のロケーションアドレスを決定することに応答して実行される。代替的に、ノードデバイスによって報告するステップは、バックエンドサーバによる問い合わせ(inquiry)に応答して実行される。
【0041】
ノードデバイスは、決定されたロケーションアドレスを決定直後にバックエンドサーバに報告し、バックエンドサーバがネットワーク内のノードデバイスをコミッショニングすることを可能にし得ることが想定され得る。このようにして、バックエンドサーバは、斯かるノードデバイスからいかなるレポートも受信しないことによって、適切にコミッショニングされないノードデバイスを認識してもよい。
【0042】
代替的に、バックエンドサーバは、ノードデバイスの決定されたロケーションアドレスを収集するために、ノードデバイスに問い合わせメッセージ(inquiry message)を送信してもよい。これは、集合的ステップ(collective step)として行われることができ、効率が向上される。
【0043】
本開示の一実施形態において、ノードデバイスは、さらなるメッセージを送信した後、自身の短距離通信インターフェースをオフする。
【0044】
ロケーションアドレスが割り当てられていない近隣のノードデバイスによって常にメッセージが受信されることを保証する方策として、ノードデバイスは、例えば、バックエンドサーバからの指示により、又は自身のロケーションアドレスがバックエンドサーバに知られるようになり、決定されたロケーションアドレスを含むさらなるメッセージを送信した後、自らの判断で、自身の短距離通信インターフェースをオフすることができる。これは、ノードデバイスのロケーションアドレスの意図しない変更を防止することができる。
【0045】
本開示の第2の態様は、細長いトラックに沿って異なるロケーションに配置され、ノード間距離によって互いに地理的に離間する、動作可能に相互接続されるノードデバイスのネットワークにおいて動作するように構成される、ノードデバイスであって、当該ノードデバイスは、固有の識別子を有し、ノード間通信のための短距離通信インターフェースを含み、当該ノードデバイスは、プロセッサを含み、本開示の第1の態様の方法に従って動作するように構成される、ノードデバイスを提供する。
【0046】
本開示のノードデバイスは、すぐ隣のノードデバイスの既知のロケーションアドレスを参照し、本開示の方法に従って、自身のロケーションアドレスを自動的に決定することができる。
【0047】
本開示の一実施形態において、短距離通信インターフェースは、カメラとディスプレイの組み合わせ、並びに/又は、有線及び/若しくは無線通信インターフェース、又はこれらと同等のもののうちの1つを含む。
【0048】
一部のノードデバイス、とりわけ、スマートポールは、高解像度カメラ及びディスプレイ等のIoTデバイスを備えてもよい。カメラ及びディスプレイは、ノードデバイスのロケーションアドレスを含むメッセージを送信及び受信するための短距離通信インターフェースとして一緒に使用されてもよい。一例として、すぐ隣のノードデバイスは、自身のディスプレイに表示されるメッセージが埋め込まれたQR(Quick Response)コード等の画像を有することができ、ノードデバイスは、メッセージを抽出するために自身のカメラを使用してスキャンし、QRコードを捕捉することができる。
【0049】
このようにしてメッセージが受信されることは、余分な通信コストを伴わず、通信に必要とされる無線リソース(radio resource)を節約することもできる。
【0050】
代替的に、短距離通信インターフェースは、無線通信インターフェース(wireless communication interface)を含む。したがって、メッセージは、当該ノードデバイスとすぐ隣のノードデバイスとの間で無線通信チャネルを介して送信される。
【0051】
現在利用可能な無線通信インターフェースが、当該ノードデバイスとすぐ隣のノードデバイスとの間でメッセージを交換するために容易に使用されることができることが想定され得る。この場合、通信チャネルが2つのノードデバイス間に確立され、メッセージは、それぞれの無線送信プロトコル(wireless transmission protocol)に従って送信される。
【0052】
とりわけ、一例として、無線通信インターフェースは、セルラー通信インターフェース、ライトフィデリティインターフェース(light fidelity interface)、及びBluetooth(登録商標)のいずれかであり、受信メッセージは、当該ノードデバイスのみによってメッセージを受信させるための信号強度で送信される。
【0053】
メッセージは、すぐ隣のノードデバイスから当該ノードデバイスのみによって受信されることを意図されているので、送信は、当該ノードデバイスのみがメッセージを受信できることを保証するために、ある電力レベル及び信号強度を使用して実行される。これは、メッセージが常にトラックに沿って最も近いノードデバイスに送信され、正しい基準ロケーションアドレス、すなわち、すぐ隣のノードデバイスの既知のロケーションアドレスが、当該ノードデバイスのロケーションアドレスを決定するために使用されることを可能にする。
【0054】
本開示の第3の態様は、本開示の第2の態様のノードデバイスを少なくとも1つ含む、スマートライトポール(smart light pole)等の電気又は電子デバイスを含む。
【0055】
本開示の第4の態様は、少なくとも1つのプロセッサで実行された場合、少なくとも1つのプロセッサに本開示の上記の方法を実行させる命令を記憶するコンピュータ可読記憶媒体を含む、コンピュータプログラムプロダクトを含む。
【0056】
本開示の上述の及び他の特徴及び利点は、添付の図面を参照する以下の説明から最も良く理解されるであろう。図面において、同様の参照数字は、同一の部品又は同一の若しくは同等の機能若しくは動作を実行する部品を示す。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【
図1】本開示の一実施形態による細長いトラックに沿って設置されるスマートライトポールとして配置されるノードデバイスのネットワークを概略的に示す。
【
図2】本開示の一実施形態による、動作可能に相互接続されるノードのネットワークのノードデバイスのロケーションを決定するステップを、簡略化されたフロー図で示す。
【
図3】本開示による、動作可能に相互接続されるノードデバイスのネットワークにおいて動作するように構成されるノードデバイス又は端末デバイスの一実施形態を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0058】
ここで、本開示によって企図される実施形態が、添付の図面を参照してより詳細に述べられる。開示される主題は、本明細書に記載の実施形態のみに限定されると解釈されるべきではない。むしろ、図示される実施形態は、主題の範囲を当業者に伝えるために例示として提供される。
【0059】
本開示は、ネットワークのノードデバイスとして動作する動作可能に相互接続されるスマートライトポールを有するネットワークを参照して、以下に詳述される。当業者は、本開示がライトポールのネットワークに限定されず、背景技術のパートに示されるように、ネットワーク通信接続性が可能な多種多様なノードデバイスのネットワークに適用可能であることを理解するであろう。
【0060】
各ノードデバイスは、短距離通信インターフェースを備えて構成される。短距離通信インターフェースは、例えば、無線ネットワークのための指定されたZigBee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、及びWiFiベースのプロトコル、並びにDALI(登録商標)(Digital Addressable Lighting Interface)、DSI(Digital Serial Interface)、DMX(Digital Multiplex)、KNX(及びKNXベースのシステム)等の有線バスネットワーク、並びに有線又は無線の、独自の(proprietary)通信技術及びプロトコル等、ネットワーク化されたデバイス又はノードによってデータを交換するためのネットワークプロトコルに従って動作してもよい。短距離通信インターフェースは、典型的には、ブロードキャスト、ナローキャスト又はユニキャスト通信モードのいずれかで、ネットワーク内のノードデバイス間のデータ交換のために動作する。
【0061】
上記のように、短距離通信インターフェースは、ノードデバイスにおける高解像度カメラ及びディスプレイによって構成されてもよい。カメラ及びディスプレイは、ノードデバイスのロケーションアドレスを含むメッセージを送信及び受信するために一緒に使用されてもよい。
【0062】
また、一部の又はすべてのノードデバイスは、バックエンドサーバと通信するための長距離通信インターフェースを備えてもよい。バックエンドサーバも、長距離通信インターフェースを備えて構成される。長距離通信インターフェースは、典型的には、例えば、2G/3G/4G/5Gセルラー通信等、認可周波数帯(licensed frequency band)におけるモバイル通信システム技術、並びに長距離ワイドエリアネットワーク(Long Range Wide Area Network:LoRaWAN)、及び狭帯域IoT(Narrowband IoT:NB-IoT)通信等として知られる等、他の長距離無線通信技術に従って動作する。しかしながら、長距離通信インターフェースは、独自の無線通信プロトコル若しくは技術並びに/又は有線データ交換通信技術に従って動作してもよい。
【0063】
図1は、本開示の一実施形態による細長い直線及び/又は曲がりくねったトラック12に沿って設置されるスマートライトポールとして配置されるノードデバイスのネットワーク10を概略的に示している。
【0064】
スマートポール21、22...26は、例えば建設プロジェクトとして、都市又は郊外環境における高速道路、街路(street)、道路(road)又は小道(path)であり得る、細長いトラック12に沿って設置される。細長いトラック12は、トラック12の各部分に沿った地理的方向13を含む地理的ルートを示す建設プラン又は設置プランに従って地理的に予め定義されている。スマートポール21、22...26は、例えば、地理的距離「d」等、ノード間距離によって互いに等距離離間している。
【0065】
また、スマートライトポール21、22...26は、2つ以上のトラック12(図示せず)に設置されてもよく、この場合、各トラックに沿ったスマートライトポール21、22...26は、個別に本開示の方法に従って対処されてもよい。
【0066】
スマートポール21、22...26の一部又は全部は、長距離通信インターフェース19によって、インターネット14等、ネットワーク14を介してバックエンドサーバ18に接続されてもよい。バックエンドサーバ18は、メモリ又はリポジトリ15を含み、バックエンドサーバ18によってスマートポール21、22...26に割り当てられる例えばインターネットプロトコル(IP)アドレスを含むプロジェクトローカルネットワークデータを記憶する。さらに、バックエンドサーバ18は、長距離通信インターフェース19及びインターネット14を使用してスマートポール21、22...26とデータを交換するためのトランシーバ16を含み、スマートポール21、22...26をリモートで管理及び動作させるためのプロセス又はアプリケーション17を動かす。
【0067】
本開示の目的のために、各スマートライトポール21、22...26は、設置後、初めて電源を入れられた後、例えば、バックエンドサーバ18によって、動的ホスト構成プロトコル(DHCP:Dynamic Host Configuration Protocol)サービスを介して動的に割り当てられるIPアドレス等、固有のネットワーク識別子(NID:unique network identifier)が割り当てられると仮定される。
【0068】
スマートライトポール21、22...26は、製造業者によって割り当てられる、メディアアクセス制御(MAC:Media Access Control)アドレス又はシリアル番号(SN:serial number)等、自身の固有の識別子をバックエンドサーバ18に報告してもよい。バックエンドサーバ18は、例えば、電力消費統計、ポールローカリゼーションマップ、環境アラート、表示内容制御等、各スマートポール21、22...26のすべての機能性を管理及び動作させることができる。一部の動作は、トラック12に沿ったノードデバイス21、22...26のロケーションアドレスがバックエンドサーバ18に知られていることを必要とする。
【0069】
本開示による方法は、ノードデバイス、すなわち、スマートポール21、22...26が、自身のロケーションアドレスを決定し、これをバックエンドサーバ18に報告することを可能にし、バックエンドサーバ18が、ロケーションアドレスを含むノードデバイスをネットワーク10にコミッショニングして加え、その後スマートポール21、22...26を管理及び制御することができるようにする。
【0070】
図2は、本開示の一実施形態による、動作可能に相互接続されるスマートポールのネットワークのノードデバイスのロケーションアドレスを決定するステップを、簡略化されたフロー
図30で示している。
【0071】
準備ステップとして、すべてのスマートポール21、22...26は、スマートポール21、22...26が隣のスマートポール21、22...26からメッセージを受信できるようにオン及び調整される(tuned)、自身の短距離通信インターフェース20、とりわけ、無線受信機(radio receiver)、Li-Fi(light fidelity)受信機、又はカメラ等、受信機を有する。例えば、設定された閾値を超える無線信号強度インジケータ(RSSI:Radio Signal Strength Indicator)レベルのメッセージのみが受信されるように、又は、例えば、隣のノードデバイスのディスプレイに映し出されるコードのエラーフリー復号を可能にする特定の光レベルの光画像を受信するように調整される。
【0072】
ステップ31「開始ノードデバイスのロケーションアドレスを設定することによって開始ノードデバイスを手動でコミッショニング(Commissioning a starting node device manually by setting location address of the starting node device)」において、開始ポール21、又はイニシャライザポール(initializer pole)21とも称され得る、細長いトラック12の端部における、左端のスマートライトポール21等のノードデバイスが、例えば設置者又はフィールドエンジニアによって、手動でコミッショニングされる。
【0073】
手動コミッショニングは、ポールの地理的座標、又はトラック12に沿ったストリング又は列内のスマートポールの相対的ロケーションに対応するストリング番号等の相対的ロケーションであり得る、イニシャライザポール21のロケーションアドレスをコンフィギュレーションする。コンフィギュレーションされた又は割り当てられたロケーションアドレスは、バックエンドサーバ18に送信され、バックエンドサーバが、ロケーションアドレスを開始ノードデバイス21のIP又はIDに関連付け、これにより開始ノードデバイス21がコミッショニングされることを可能にする。
【0074】
ノード間距離「d」は、手動コミッショニング中に既に開始ノードデバイス21にコンフィギュレーションされてもよい。代替的に、ノード間距離「d」は、例えば、スマートポールが初めて電源を入れられた場合、又は後の段階で、スマートポールからのリクエストに応じて、バックエンドサーバ18からすべてのスマートポールに送信されてもよい。
【0075】
また、イニシャライザポール21は、設置者からトラック12の地理的方向を受信し、ノードデバイスにおいてローカルに記憶してもよい。イニシャライザポール21のコミッショニング中に、コミッショニングされるべきプロジェクト又は設置のポールの総数に関連する数情報が、イニシャライザポール21によって受信されてもよい。数情報は、本開示に従ってコミッショニング中にロケーションがまだ取得されるべきであるスマートポール22...26の数を決定するために使用されてもよい。
【0076】
数のフォーメーション(number formation)は、様々なやり方で、例えば、一連の数字、又はアルファベット、又は英数字として表現されてもよい。
【0077】
数情報の簡単で分かりやすい例は、ライトポールの総数を示す数であってもよい。一例として、1000個のライトポールがある設置プロジェクトの場合、イニシャライザポール21で割り当てられる数情報は、1000であってもよい。
【0078】
代替的に、数情報は、1、2、3、...、1000の数字の系列、又は英数字A1、A2、A3、...、A1000の系列、又は本開示の方法に従ってコミッショニングされるべきである、すなわち、ロケーションアドレスが決定されるべきであるノードデバイスが合計1000個あることを示す任意の他の系列を含んでもよい。
【0079】
上記の数情報は、ロケーションアドレスが決定されるべきであるノードデバイスがいくつ残っているかを示すように適応できるものであれば、インクリメント又はデクリメントされる順序に従って使用されてもよい。 上記のコンフィギュレーション情報(configuration information)は、開始ポール21のストレージデバイスに記憶されてもよい。
【0080】
ステップ32の「ノードデバイスによって、既知のロケーションアドレスを有するすぐ隣のノードデバイスからメッセージを受信(Receiving by node device a message from immediate neighbouring node device having a known location address)」において、イニシャライザポール21のすぐ次のスマートポール22等のスマートポールが、自身の短距離通信インターフェース20を用いて、イニシャライザポール21によって送信されるメッセージ27を受信する。
【0081】
スマートポールの短距離通信インターフェース20がカメラ及びディスプレイを含む場合、イニシャライザポール21は、このステップの直前に自身のディスプレイをオンして、メッセージを含むQRコード等の画像が、イニシャライザポール21のディスプレイに表示され得るようにし、以後ターゲットポール(target pole)又はターゲットノードデバイス(target node device)とも称される、イニシャライザポール21のすぐ次のスマートポール22だけが、自身のカメラを用いて表示された画像をスキャンすることを可能にすることができる。
【0082】
また、短距離通信インターフェース20は、上述したように、無線通信インターフェースを含んでもよい。この場合、メッセージ27は、ポール21、22間に確立される通信チャネルを介してイニシャライザポール21からターゲットポール22に送信される。
【0083】
メッセージ27の無線送信の場合、メッセージは、スマートポールによって、メッセージが送信ポールのすぐ次のスマートポールによってのみ受信されることを可能にする信号強度で送信されることに留意されたい。
【0084】
メッセージは、例えば、ZigBee(登録商標)インターフェースが使用される場合、ZigBee inter-panメッセージであってもよい。代替的に、Li-Fiインターフェースが使用される場合、メッセージは、Li-Fiメッセージであってもよい。
【0085】
メッセージ27は、イニシャライザポール21のロケーションアドレスと、オプションとして、ロケーションアドレスが決定される必要があるノードデバイスの数に関連する数情報とを含む。
【0086】
イニシャライザポールのロケーションアドレスは既にコンフィギュレーションされ、バックエンドサーバ18に報告されているので、受信ノードデバイスは、メッセージ内の数情報を適応させなければならない。数情報の適応は、ロケーションアドレスを決定する必要がある1少ないノードデバイスがあることを示す、ストリング又は系列の次の位置を算出又は求めることを含んでもよい。
【0087】
1000個のスマートポールを有するプロジェクトの上記の例において、数情報が単純に1000という数で表現される場合、適応は、1000を1減らすこと、すなわち、数情報を999に適応させ、ロケーションアドレスが未決定のスマートポールが999個あることを示すことである。
【0088】
数情報が数字、アルファベット、又は英数字の系列を含む場合、適応は、例えば、A99からA100のように、系列の次の位置を求めることを含んでもよい。
【0089】
オプションとして、メッセージ27は、トラック12の地理的方向13も含んでもよい。例えば、トラック12全体に沿ったトラック延在方向が、メッセージ27において送信されてもよい。他方、メッセージ27は、ロケーションアドレス及び近傍のノードデバイスを判断しようとする、ターゲットノードデバイスをカバーするトラック12の部分の地理的方向のみを含んでもよい。
【0090】
また、ノードデバイス21、22...26からバックエンドサーバ18にリクエストメッセージを送ることによりバックエンドサーバ18から直接地理的方向13を取得することも可能である。
【0091】
オプションとして、ノード間距離「d」も受信メッセージ27に含まれてもよい。代替的に、ノード間距離「d」は、リクエストメッセージを送る等によりバックエンドサーバ18から取得されることも可能である。
【0092】
次に、ステップ33「ノードデバイスにロケーションアドレスが割り当てられていない場合、ノードデバイスによって、受信メッセージ内のロケーションアドレスに基づいて自身のロケーションアドレスを決定(Determining by node device its location address based on location address in received message, when no location address has been allocated to the node device)」において、ターゲットノードデバイス、すなわち、イニシャライザポール21のすぐ次のターゲットスマートポール22は、受信ノードデバイス22のロケーションアドレスがまだ割り当てられていない又は決定されていない場合にのみ、イニシャライザポール21の受信したロケーションアドレスを基準ロケーションアドレスとして使用することにより、自身のロケーションアドレスを決定する。
【0093】
ノードデバイスは、例えば、ノードデバイスのストレージデバイスにおけるロケーションアドレスのローカル可用性又はバックエンドサーバからのコミッショニング確認メッセージの存在又は同等のことをチェックすることによって、ロケーションアドレスが自身に割り当てられているかどうかを判断してもよい。ロケーションアドレスが割り当てられている場合、ノードデバイスは、直接隣のノードデバイスから受信したメッセージは処理される必要がないことを知る。すなわち、スマートポールは、もうそうする必要はないため、2度目の自身のロケーションを決定又は算出することを試みないであろう。
【0094】
スマートポールの正確な地理的座標を知ることは必ずしも必要でなくてもよい。実際には、例えばトラック12に沿ったそれぞれのノードデバイスの番号のストリングとして表現される、それらの相対的ロケーションを知ることが、一部のアプリケーションにとっては十分であり得る。この場合、ターゲットポールのロケーションアドレスの決定は、受信したストリング番号を順次適応させることを含んでもよい。
【0095】
一例として、開始ポールにシリアル番号1が割り当てられる場合、開始ポールのすぐ次のポールであるターゲットポールは、自身の相対的ロケーションはシリアル番号2等で示されることを判断することができる。
【0096】
スマートポールのロケーションアドレスが地理的座標で表現される場合、ターゲットスマートポール22は、イニシャライザポール21の既知のロケーションアドレス、ノード間距離「d」及びトラック12の地理的方向13を用いて、自身のロケーションアドレス、すなわち、自身の地理的座標を算出する。
【0097】
イニシャライザポールの地理的座標、トラックの地理的方向及びノード間地理的距離からのターゲットポールの地理的座標の導出は、当業者に知られている多くのやり方で行われることができることが想定され得、ここで詳述される必要はない。
【0098】
ターゲットノードデバイスの算出された地理的座標は、ターゲットノードデバイスが地理的にどこに位置しているかについての正確な又は実際のインディケーションを提供するために使用されてもよく、これにより、例えば、無人航空機(UAV:unmanned aerial vehicle)によってスマートポールに設置された故障した照明デバイスを交換する等の位置関連動作が実行されることができる。
【0099】
これに続いて、ステップ34「ノードデバイスによって決定されたロケーションアドレスを含むさらなるメッセージを送信(Transmitting a further message comprising determined location address by the node device)」において、ターゲットポール22は、ここではイニシャライザポールとして機能し、自身の決定されたロケーションアドレスを含むさらなるメッセージ28を送信し、これにより隣のポール、すなわち、ここではターゲットポールである、ポール22のすぐ次のポール23が、自身のロケーションアドレスをそれに応じて決定することを可能にする。現在のターゲットポール23は、上記のステップ32及び33に従って自身のロケーションを取得又は決定してもよい。
【0100】
ターゲットポールは、さらなるメッセージを送信する前に、受信したメッセージ内の数情報を参照することにより、ロケーションアドレスが決定される必要がある最後のポールであるかどうかをチェックすることができる。最後のポールである場合、当該ポールは、さらなるメッセージ28を送信しない。
【0101】
ステップ32及び33は、ネットワーク内のすべてのスマートポールのロケーションアドレスが決定されるまで、繰り返し実行されてもよい。
【0102】
各スマートポールが自身のロケーションアドレスを決定した後に、又はいくつかのスマートポール又はすべてのスマートポールのロケーションアドレスが決定された後の時点で実行されることができる、ステップ35「ノードデバイスによって、自身のロケーションアドレスをバックエンドサーバへ報告(Reporting by a node device its location address to the backend server)」において、スマートポール21、22...26のロケーションアドレスは、バックエンドサーバ18に報告され、バックエンドサーバ18は、スマートポールのロケーションアドレスを、スマートポールのIPアドレス又はID等、その固有の識別子に関連付け又は関連させ、これによりスマートポールをネットワークシステム10にコミッショニングすることができる。
【0103】
また、ロケーションアドレスの報告は、ノードデバイスの決定されたロケーションアドレスを収集するためにバックエンドサーバ18によってノードデバイス21、22...26に送られる問い合せメッセージに応答して実行されてもよい。これは、集合的ステップとして行われることができ、これにより効率が向上される。
【0104】
各スマートポール21、22...26を成功裏にコミッショニングした後、バックエンドサーバ18は、スマートポールに、当該スマートポールがネットワークにコミッショニングされたことを知らせる確認メッセージを送ってもよい。
【0105】
ステップ36「ノードデバイスによって短距離通信インターフェースをオフ(Switching off short range communication interface by the node device)」において、バックエンドサーバ18は、既にコミッショニングされているスマートポールに、その短距離通信インターフェース20をオフするように当該スマートポールにリクエストする指示を送ってもよく、これにより、コミッショニングされたスマートポールは、直接隣のスマートポールからのメッセージを受信することはなく、もうそうする必要はないため、2度目の自身のロケーションを決定又は算出することを試みないであろう。短距離通信インターフェースをオフする、又は少なくとも通信目的に対してディスエーブルにすることにより、トラックに沿って逆方向、すなわち、開始又はイニシャライザデバイスの方向におけるコミッショニングされたスマートポールへのメッセージの送信が、効果的に防止される。
【0106】
代替的に、決定されたロケーションアドレスを有するスマートポールは、さらなるメッセージ28を送信した後自発的に自身の短距離通信インターフェースをオフしてもよい。
【0107】
図3は、本開示による、動作可能に相互接続されるノードデバイスのネットワークにおいて動作するように構成されるノードデバイス又は端末デバイス40の一実施形態の図を概略的に示している。
【0108】
ノードデバイス40は、制御部又は制御デバイス41と、照明モジュール43、好ましくは、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)照明モジュール又は複数のLED照明モジュールを含む、照明器具又は照明デバイス42等の負荷とを含む。負荷の動作は、例えば、リモート又はバックエンドサーバ(図示せず)等の遠隔制御デバイスから又は遠隔制御デバイスを介して制御デバイス41により制御されてもよい。
【0109】
制御デバイス41は、ネットワーク内の別のノードデバイスとのメッセージ又はデータパケットの短距離無線(48)又は有線(49)交換、すなわち、いわゆるノード間デバイス通信のための第2のネットワークアダプタ又はトランシーバ(Tx/Rx 2)モジュール等の短距離通信インターフェース47を動作させる。ネットワーク化されたデバイス又はノードによってデータを交換するためのネットワークプロトコルは、無線ネットワークのためのZigBee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、及びWiFiベースのプロトコル、並びにDALI(登録商標)(Digital Addressable Lighting Interface)、DSI(Digital Serial Interface)、DMX(Digital Multiplex)、及びKNX(又はKNXベースのシステム)等の有線バスネットワーク、並びに他の独自のプロトコル等を含んでもよい。上述したように、光学カメラ及び光学ディスプレイが、短距離通信インターフェース47を構成してもよい。
【0110】
さらに、制御デバイス41は、遠隔制御デバイス又はバックエンドサーバとの直接無線メッセージ又はデータパケット交換45のための第1のネットワークアダプタ又はトランシーバ(Tx/Rx 1)モジュール等の長距離通信インターフェース44を動作させてもよい。長距離通信インターフェース44は、典型的には、例えば、2G/3G/4G/5Gセルラー通信等、認可周波数帯におけるモバイル通信システム技術、並びに長距離ワイドエリアネットワーク(Long Range Wide Area Network:LoRaWAN)、及び狭帯域IoT(Narrowband IoT:NB-IoT)通信等として知られる等、他の長距離無線通信技術に従って動作する。しかしながら、長距離通信インターフェース44は、独自の無線通信プロトコル又は技術に従って動作してもよい。
【0111】
「直接無線メッセージ交換(direct wireless message exchange)」という表現は、リモートサーバからノードデバイス40への無線通信チャネルを介した長距離通信インターフェース44によるデータのダウンリンク(DL:downlink)交換、及びノードデバイス40からリモートサーバ等への長距離通信インターフェース44によるデータのアップリンク(UL:uplink)を指す。
【0112】
長距離通信インターフェース44は、Ethernet(登録商標)接続及びインターネット等を介したデータ交換等、有線メッセージ交換46のために構成されてもよい。
【0113】
さらに、制御デバイス41は、少なくとも1つのマイクロプロセッサ(μP)又はコントローラ50と、とりわけ、動作ソフトウェア、例えば、ネットワークのノードデバイスをコミッショニングするためのプロジェクトローカルネットワークデータ52、本開示に従ってノードデバイスを動作させるためのコンピュータプログラムコード命令、ノードデバイス自体及び他のノードデバイスのアドレス情報53、例えば、ノードデバイスの識別子(ID)54、メディアアクセス制御(MAC)アドレス及び加入者情報等を記憶するための、少なくとも1つのデータリポジトリ又はストレージ又はメモリ51とを含む。リポジトリ51の代わりに、少なくとも1つのプロセッサ又はコントローラ50にアクセス可能な別のメモリ又はストレージが設けられてもよい。
【0114】
少なくとも1つのマイクロプロセッサ又はコントローラ50は、制御デバイス41の内部データ通信及び制御バス55を介して、長距離通信インターフェース44、短距離通信インターフェース47、及び少なくとも1つのリポジトリ又はストレージ51と通信可能にインタラクトし(interact)、制御する。長距離通信インターフェース44及び短距離通信インターフェース47は、ノードデバイスのロケーションアドレスを決定するために必要とされる、ノード間距離、トラックの地理的方向、隣のノードデバイスのロケーションアドレス、ロケーションアドレスが決定される必要があるノードデバイスの数に関連する数情報等、メッセージ及びデータを伝送/転送するために構成されてもよい。
【0115】
照明器具又は照明デバイス42は、データ通信及び制御バス55に接続し(56)、少なくとも1つのマイクロプロセッサ又はコントローラ50によってデータ通信及び制御バス55から制御される。
【0116】
当業者であれば、照明器具又は照明デバイス42以外に又はそれに加えて、モータ負荷、異なるタイプの(環境)センサ及び/又は測定機器等、任意の電気的負荷が制御バスに接続(56)されてもよいことを理解するであろう。
【0117】
本開示は、上記で開示される例に限定されず、任意のデータ通信、データ交換及びデータ処理環境、システム又はネットワークで使用するために、発明的技能を適用する必要なしに、添付の特許請求の範囲に開示される本開示の範囲を越えて当業者によって変更及び拡張されることができる。
【国際調査報告】