(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-07
(54)【発明の名称】活性化体積のグラフィック表示
(51)【国際特許分類】
A61N 1/372 20060101AFI20230228BHJP
G06T 19/20 20110101ALI20230228BHJP
G06T 15/00 20110101ALI20230228BHJP
【FI】
A61N1/372
G06T19/20
G06T15/00 501
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022540840
(86)(22)【出願日】2020-12-22
(85)【翻訳文提出日】2022-07-01
(86)【国際出願番号】 US2020066628
(87)【国際公開番号】W WO2021138153
(87)【国際公開日】2021-07-08
(32)【優先日】2020-01-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507020152
【氏名又は名称】メドトロニック,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100119781
【氏名又は名称】中村 彰吾
(72)【発明者】
【氏名】バリン,ルーカス
【テーマコード(参考)】
4C053
5B050
5B080
【Fターム(参考)】
4C053KK10
5B050BA09
5B050BA13
5B050CA07
5B050DA10
5B050EA07
5B050EA13
5B050EA18
5B050EA28
5B050FA02
5B050FA09
5B050FA13
5B050FA14
5B050GA08
5B080AA14
5B080AA19
5B080BA02
5B080CA01
5B080DA06
5B080FA02
5B080GA00
(57)【要約】
本開示は、三次元(3D)メッシュ構造の頂点を操作することによってVOAの視覚的表示をレンダリングすることを対象とする。一例では、コンピューティングデバイスの処理回路は、調整可能な頂点を有する3Dメッシュ構造を受信し得る。処理回路は、1つ以上の刺激パラメータ値によって画定される活性化組織と非活性化組織との間の交点に従って、3Dメッシュ構造の調整された形状を生成するように頂点を調整し得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理回路によって、リード線の複数の電極に関連付けられた三次元メッシュ構造を受信することであって、前記三次元メッシュ構造が、前記三次元メッシュ構造上の場所に対応する複数の頂点を含む、受信することと、
前記処理回路によって、活性化組織と非活性化組織との間の交点に従って、前記三次元メッシュ構造の調整された形状を生成するように前記複数の頂点のうちの1つ以上の頂点を調整することと、
前記処理回路によって、前記三次元メッシュ構造の前記調整された形状の視覚的表現を出力するように表示インターフェースを制御することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記複数の頂点のうちの前記1つ以上の頂点を調整することが、
前記複数の頂点のうちの少なくとも2つの頂点を互いに平行に調整することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記処理回路によって、活性化組織と非活性化組織との間の前記交点を画定する組織活性化データを受信することであって、前記組織活性化データが、1つ以上の刺激パラメータ値又は電場データのうちの少なくとも一方に基づく、受信することと、
前記処理回路によって、前記組織活性化データをグラフィックスメモリ内の場所に記憶することと、を更に含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記グラフィックスメモリから前記組織活性化データにアクセスすることと、
頂点シェーダを介して、前記組織活性化データに従って前記頂点を調整することと、を更に含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記三次元メッシュ構造が、複数の異なる活性化組織区域をモデル化するように構成された単一のメッシュを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記処理回路が、グラフィックス処理ユニット(GPU)を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記処理回路によって、前記三次元メッシュ構造を画定するデータをグラフィックスメモリ内の場所に記憶することを更に含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記三次元メッシュ構造が、円筒形部分又は少なくとも部分的に球形の部分のうちの少なくとも一方を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記処理回路によって、1つ以上の刺激パラメータ値を受信することであって、
前記1つ以上の刺激パラメータ値が、電極極性情報を含み、
前記三次元メッシュ構造の円筒形部分が、電極カソード場所に対応するように構成され、前記三次元メッシュ構造の前記少なくとも部分的に球形の部分が、電極アノード場所に対応するように構成されている、受信することを更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記三次元メッシュ構造の前記調整された形状が、前記リード線によって送達可能な電気刺激に対応し、かつ1つ以上の刺激パラメータ値に応じた神経活性化体積(VNA)を表す、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記処理回路によって、前記三次元メッシュ構造を識別することと、
前記複数の頂点を判定するために前記三次元メッシュ構造をセグメント化することと、
前記複数の頂点をグラフィックスメモリ内の場所に記憶することと、を更に含み、
前記三次元メッシュ構造を受信することが、
グラフィックスメモリ内の前記場所から前記複数の頂点を受信することを更に含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記表示インターフェースが、タッチスクリーンインターフェースを含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成された処理回路を備えるコンピューティングデバイス。
【請求項14】
命令を中に記憶した非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、前記命令が、実行されるときに、1つ以上のプロセッサに、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法を少なくとも実行させる、非一時コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]
本出願は、2020年1月3日に出願され、かつ「GRAPHICAL DISPLAY OF VOLUME OF ACTIVATION」と題する米国特許出願第16/733,936号の優先権を主張するものであり、当該米国特許出願の内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002]
開示される技術は、電気刺激に関し、より詳細には、電気刺激パラメータに対する活性化区域の体積のグラフィック表示レンダリングに関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]
電気刺激装置は、慢性疼痛、振戦、パーキンソン氏病、うつ病、てんかん、尿失禁若しくは便失禁、性的機能不全、肥満、又は胃不全麻痺などの多様な症状又は状態を治療するために、患者に電気刺激を送達するために使用され得る。一般に、刺激装置は電気パルスの形態で電気刺激を送達する。刺激装置は、患者の脳、脊髄、骨盤神経、末梢神経、又は胃に関連付けられた標的場所に近接して位置する電極を含む1つ以上のリード線を介して電気刺激を送達することができる。したがって、刺激は、脳深部刺激(deep brain stimulation、DBS)、脊髄刺激(spinal cord stimulation、SCS)、骨盤刺激、胃刺激、末梢神経刺激、筋肉刺激などの異なる用途で使用され得る。
【0004】
[0004]
電気刺激の効力を改善するために、リード線及び電極を有する刺激装置は、能力及び複雑さが増大している。例えば、いくつかのリード線セットは、異なる軸方向位置に配設されたリング電極を担持する軸方向リード線、及び電極の平面アレイを担持するいわゆる「パドル」リード線を含む。概して、医師は、電気刺激を定義するために、いくつかのプログラム可能なパラメータの値を選択する。例えば、医師は、1つ以上のリード線によって担持される電極の組み合わせを選択し、選択された電極に極性を割り当て、電流、電圧などの振幅、パルス幅、パルスレートなどを選択し得る。加えて、最新の刺激装置は、電極のより多数の組み合わせ、より大きなパラメータ範囲、及び、刺激パルスをインターリーブすることによって複数の構成を同時に送達する能力を有する傾向がある。いくつかの事例では、刺激装置は、複数のプログラムに従って電気刺激を送達し得る。これらの要因は、医師が特定の患者又は疾患状態に合わせて調整する能力を増加させるが、デバイスパラメータの最適化に関わる負担も同様に増加している。
【0005】
[0005]
例えば、医師は、直感又は何らかの特異な方法論に基づいて組み合わせを手動で指定することによって、電極の組み合わせを試験し得る。次いで、医師は、刺激の送達後に各組み合わせの効力及び副作用に関するメモを記録し得る。いくつかの場合には、効力は、診察室内で直ちに観察され得る。例えば、脊髄刺激は、患者のフィードバックに基づいて観察され得る感覚異常及び副作用を生み出し得る。他の場合には、副作用及び効力は、DBSの場合に時々あるように、プログラムが長期間適用されるまでは明らかにならないことがある。患者のフィードバックを受け取り、かつ/又は医師が症状を観察すると、次いで、医師は、試験された刺激プログラムを比較し、それらから選択することが可能であり得る。
【0006】
[0006]
いずれの場合でも、リード線及び電極を使用する電気刺激は、患者の標的化組織区域、及びいくつかの事例では、特定のニューロン又は神経経路を活性化するように設計された刺激のパラメータに応じて形成される電場を作り出す。すなわち、通電された電極によって生み出される電場は、患者の様々な区域を標的とし、活性化するように制御される。活性化区域は、一般に、活性化体積(volume of activation、VOA)、又はより具体的な例では、神経活性化体積(volume of neural activation、VNA)若しくは活性化組織体積(volume of tissue activated、VTA)などと称される。すなわち、VOAは、一般に、VNA、VTA、刺激場モデル(stimulation field model、SFM)、電気刺激場(electrical stimulation field、ESF)、又はそれらの組み合わせを表し得る。いずれにしても、そのような活性化の詳細は医師に視覚的に伝達され得るため、医師が、どの区域が特定の刺激プログラムによって活性化され得るか又は活性化され得ないかを視認し、検討し、理解し得る。
【発明の概要】
【0007】
[0007]
概して、本開示には、予測される活性化組織と非活性化組織との間の交点を画定する刺激パラメータに基づいて、三次元(three-dimensional、3-D)メッシュ構造の頂点を操作することによってVOAの視覚的表現をレンダリングするためのデバイス、システム、及び技術が記載される。本開示の技術は、グラフィックス処理ユニット(graphics processing unit、GPU)などの専用グラフィックスレンダリングデバイス、中央処理ユニット(central processing unit、CPU)、又はそれらの組み合わせを使用して適用され得る。例えば、GPUの処理回路は、グラフィックスメモリ内の事前定義された場所から取り出された3-Dメッシュ構造などの3-Dメッシュ構造を識別することができる。GPUは、活性化組織と非活性化組織との間の交点に従って3-Dメッシュ構造の頂点を調整することによって、3-Dメッシュ構造を、推定されたVOAに沿うように変化させ得る。いずれの場合でも、GPUの処理回路は、推定されたVOAの視覚的表現として表示するために、沿わせた3-Dメッシュ構造をグラフィカルにレンダリングし得る。
【0008】
[0008]
いくつかの例では、方法は、処理回路によって、リード線の複数の電極に関連付けられた三次元メッシュ構造を受信することを含み、三次元メッシュ構造は、三次元メッシュ構造上の場所に対応する複数の頂点を含む。本方法は、処理回路によって、活性化組織と非活性化組織との間の交点に従って、三次元メッシュ構造の調整された形状を生成するように複数の頂点のうちの1つ以上の頂点を調整することを更に含む。本方法は、処理回路によって、三次元メッシュ構造の調整された形状の視覚的表現を出力するように表示インターフェースを制御することを更に含む。
【0009】
[0009]
いくつかの例では、コンピューティングデバイスは、リード線の複数の電極と関連付けられた三次元メッシュ構造を受信する処理回路を含み、三次元メッシュ構造は、三次元メッシュ構造上の場所に対応する複数の頂点を含む。加えて、処理回路は、活性化組織と非活性化組織との間の交点に従って、三次元メッシュ構造の調整された形状を生成するように複数の頂点のうちの1つ以上の頂点を調整し得る。加えて、処理回路は、三次元メッシュ構造の調整された形状の視覚的表現を出力するように表示インターフェースを制御することができる。
【0010】
[0010]
いくつかの例では、コンピュータ可読媒体は、プロセッサに、リード線の複数の電極と関連付けられた三次元メッシュ構造を受信させる命令を含み、三次元メッシュ構造は、三次元メッシュ構造上の場所に対応する複数の頂点を含む。加えて、プロセッサに、活性化組織と非活性化組織との間の交点に従って、三次元メッシュ構造の調整された形状を生成するように複数の頂点のうちの1つ以上の頂点を調整させる命令を含むコンピュータ可読媒体。加えて、プロセッサに、三次元メッシュ構造の調整された形状の視覚的表現を出力するように表示インターフェースを制御させる命令を含むコンピュータ可読媒体。
【0011】
[0011]
いくつかの例では、本開示は、活性化体積(VOA)をレンダリングするためのコンピューティングデバイスを提供し、コンピューティングデバイスは、リード線の複数の電極に関連付けられた三次元メッシュ構造を受信するための手段であって、三次元メッシュ構造は、三次元メッシュ構造上の場所に対応する複数の頂点を含む、受信するための手段と、組織活性化データ若しくは刺激パラメータ値よって画定された活性化組織と非活性化組織との間の交点及び/又は電場データに従って、三次元メッシュ構造の調整された形状を生成するように複数の頂点のうちの1つ以上の頂点を調整するための手段と、三次元メッシュ構造の調整された形状の視覚的表現を出力するようにユーザインターフェースを制御するための手段と、を提供するように構成された1つ以上のプロセッサを備える。
【0012】
[0012]
開示される技術の1つ以上の例の詳細が、添付の図面及び以下の記載において説明される。開示される技術の他の特徴、目的及び利点は、記載及び図面から、並びに特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
[0013]
【
図1】コンピューティングデバイスとインターフェース接続し得る例示的な刺激システムを例示する概念図である。
【
図2】本開示に記載の例示的な技術のうちの1つ以上を実行するように構成された、
図1の例示的なコンピューティングデバイスのブロック図である。
【
図3】1つ以上のリード線を介した電気刺激の送達のための例示的な刺激装置を例示するブロック図である。
【
図4】
図2のコンピューティングデバイスによって提示される例示的なユーザインターフェースを例示する概略図である。
【
図5】
図3の例示的な刺激リード線などの例示的な刺激リード線を例示する概念図である。
【
図6A】リード線の周方向に沿って1つ以上の電極を有する例示的な刺激リード線の断面図である。
【
図6B】リード線の周方向に沿って1つ以上の電極を有する例示的な刺激リード線の断面図である。
【
図6C】リード線の周方向に沿って1つ以上の電極を有する例示的な刺激リード線の断面図である。
【
図7】
図2のコンピューティングデバイスの例示的な動作を例示するフロー図である。
【
図8】電場モデルを生成及び提示するためのコンピューティングデバイスの例示的な動作を例示するフロー図である。
【
図9】3-Dメッシュ構造の例示的な頂点位置を例示する概念図である。
【
図10】本開示の1つ以上の技術による、推定されたVOAに沿わせた1つ以上の例示的な円筒形メッシュ構造を例示する概念図である。
【
図11】本開示の1つ以上の技術に従ってンダリングされた例示的な神経活性化マップの断面図である。
【
図12】本開示の1つ以上の技術による、調整された頂点位置を有する3-Dメッシュ構造の例を例示する概念図である。
【
図13】
図1のコンピューティングデバイスによって提示される例示的なユーザインターフェースを例示する概略図である。
【
図14】
図1のリード線に関する3-D場ビューを提示するユーザインターフェースを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[0027]
本開示は、表示インターフェースを介して表示するために、VOAの二次元(two-dimensional、2-D)又は三次元(3-D)表現をグラフィカルにレンダリングするためのデバイス、システム、及び技術を対象とする。例えば、CPU又はGPUなどの専用グラフィックスレンダリングデバイスは、個別に定義された刺激パラメータに基づいて3-Dメッシュ構造の形状を操作することによって、VOAの視覚的表現を生成し得る。
【0015】
[0028]
いくつかの事例では、レンダリングアルゴリズムは、開示されるレンダリングアルゴリズムと併せて、又はそれからは独立して、グラフィック表示のために推定されたVOAをレンダリングするように実行され得る。そのような事例では、コンピューティングデバイスは、例えば、ユーザ入力に応答して、様々なレンダリングアルゴリズムを切り替えるように構成され得る。例えば、医師は、特定の事例において、コンピューティングデバイスにVOAをレンダリングすることを要求し得、コンピューティングデバイスは、マーチングスクエア法、マーチングキューブ法、デバイディングキューブ法、マーチングテトラヘドラ法、又はVOAをレンダリングするための他の類似のアルゴリズムなどのレンダリングアルゴリズムを使用し得る。
【0016】
[0029]
一例として、コンピューティングデバイスは、活性化の臨界を有する組織繊維間の場所を判定し得る。コンピューティングデバイスは、活性化組織と非活性化組織との間の活性化区域を判定するために仮想3-D空間内の点を通ってロックステップをマーチングする、マーチングキューブアルゴリズムを実行し得る。各点において、CPUは、最終メッシュ構造を組み立てるためにCPUが使用する複数の個々の三角形メッシュ構造の各々についてメモリルックアップを実行し得る。次いで、CPUは、最終メッシュ構造をグラフィックスレンダリングデバイスに転送し得る。そのような例では、コンピューティングデバイスは、そのようなアルゴリズムを実行するために使用される処理電力及びメモリの量に起因して、VOAをレンダリングするのに遅い場合があり、タブレットコンピュータなどの携帯型デバイスの電池電力を急速に消費する場合がある。このようにして、マーチングキューブなどのアルゴリズムを使用してVOAをレンダリングすることは、特に医師の視点から、計算コストが高く、非効率的であり、極端に実行不可能であることが分かる。
【0017】
[0030]
本開示の様々な技術によれば、コンピューティングデバイスは、可変3-Dメッシュ構造を使用して表示するために、グラフィックスレンダリングデバイス又はCPUを活用してVOAをモデル化することによって、VOAをレンダリングすることに関する効率を高め得る。したがって、本開示の技術は、事前定義された可変3-Dメッシュ構造を変化させて3-Dメッシュ構造の調整された形状を生成するために、GPU又はCPUの処理回路などの処理回路を利用することを含む。例えば、GPUは、様々な他の幾何学的属性を含め、円筒形メッシュ構造、球形メッシュ構造、部分的に円筒形若しくは球形のメッシュ構造、(例えば、カスタム描画形状を有する)アモルファスメッシュ構造、又はそれらの任意の組み合わせなどの1つ以上の3-Dメッシュ構造を、メモリから取り出し得る。
【0018】
[0031]
いくつかの例では、処理回路は、推定されたVOAデータ項目を受信し、及び/又は推定されたVOAデータ項目をメモリに記憶し得る。例えば、処理回路は、推定されたVOAデータ項目を定義する刺激パラメータデータ(例えば、振幅値、極性値、リード線ジオメトリデータなど)及び/又は電場データ値(例えば、閾値)を判定し得る。処理回路は、推定されたVOAデータ項目を、事前定義されたグラフィックスメモリ場所などのメモリデバイスに記憶し得る。
【0019】
[0032]
いくつかの例では、CPU又はGPUの処理回路は、モデルへの入力として1つ以上の刺激パラメータ値を使用する電場モデルからの出力に基づいて電場閾値を判定し得る。いくつかの事例では、CPU又はGPUの処理回路は、活性化場モデルを画定するデータを生成するために、ニューロンモデル(例えば、リード線に近接する患者神経組織の1つ以上の特性を示すもの)を電場モデルに適用し得る。GPUは、推定されたVOAデータ項目(例えば、電場閾値、活性化場モデルデータなど)のうちの1つ以上をグラフィックスメモリに記憶し得る。いくつかの例では、処理回路は、推定されたVOAデータ項目をシステムメモリに記憶し得る。そのような例では、CPU又はGPUの処理回路は、推定されたVOAをグラフィカルにレンダリングする際の後続のアクセス及び利用のために、推定されたVOAデータ項目のうちの1つ以上をシステムメモリからグラフィックスメモリに転送するように作用し得る。
【0020】
[0033]
加えて、処理回路は、特定の3-Dメッシュ構造を画定するデータを受信し得る。例えば、CPUは、ユーザインターフェースを介して、3-Dメッシュ構造を画定するデータを含むユーザ入力を受信し得る。CPUは、そのようなデータを、システムメモリ又はグラフィックスメモリなどの事前定義されたメモリ場所に記憶し得る。いくつかの例では、処理回路は、ソフトウェアインストール及び/又はソフトウェア更新の一部として1つ以上の3-Dメッシュ構造を受信し得、CPUは、受信されたデータを、システムメモリ又はグラフィックスメモリなどの事前定義されたメモリ場所に記憶し得る。すなわち、GPU、CPU、テクスチャマッピングユニット(texture mapping unit、TMU)などの1つ以上の処理ユニットの処理回路は、グラフィックスメモリ又はシステムメモリに3-Dメッシュ構造データを移入し得る。いずれの場合も、処理回路は、事前定義されたメモリ場所から1つ以上の特定の3-Dメッシュ構造のメッシュデータを取り出し得る。
【0021】
[0034]
いくつかの例では、CPU88又はグラフィックスプロセッサ2などの処理回路は、初期3-Dメッシュ構造を識別し得る。例えば、初期3-Dメッシュ構造は、三角形を含む、円筒形状を形成する単一の3-D円筒形メッシュを含み得る。CPU88又はグラフィックスプロセッサ2など処理回路は、複数の頂点を判定するために3-Dメッシュ構造をセグメント化し得る。例えば、頂点は、3-Dメッシュに対して確定された複数の2-Dスライスの交点に基づいて判定され得る。次いで、CPU88又はグラフィックスプロセッサ2などの処理回路は、複数の頂点をグラフィックスメモリ8内の場所に記憶し得る。例えば、仮想空間に画定された頂点座標などの頂点は、テクスチャメモリ10に記憶され得る。そのような例では、推定されたVOA表現をレンダリングするように準備するとき、CPU88又はグラフィックスプロセッサ2などの処理回路は、グラフィックスメモリ8から3-Dメッシュ構造を受信し得る。
【0022】
[0035]
一例では、CPU88又はグラフィックスプロセッサ2などの処理回路は、グラフィックスメモリ8内の事前定義されたメモリ場所から複数の頂点を受信し得る。複数の頂点は、3-Dメッシュ構造を画定し得る。事前定義されたメモリ場所は、頂点座標及び/又は3-Dメッシュ構造(例えば、単一メッシュ構造を画定する三角形データ)を記憶するように構成されたメモリ場所であり得る。いくつかの例では、CPU88の処理回路などの処理回路は、ユーザインターフェース98を介したユーザ入力に基づいて3-Dメッシュ構造を受信し得る。いずれにしても、CPU88又はグラフィックスプロセッサ2などの処理回路は、メモリから受信するか、又は他の方法で外部ソースから3-Dメッシュ構造を受信し得るため、処理回路は、3-Dメッシュ構造の調整された形状を生成し得る。例えば、グラフィックスプロセッサ2などのGPUは、本開示の様々な技術による、1つ以上の初期3-Dメッシュ構造又は前回に調整された3-Dメッシュ構造の頂点を調整することによって、3-Dメッシュ構造の調整された形状を生成し得る。
【0023】
[0036]
いくつかの事例では、3-Dメッシュ構造は、リード線の電極と関連付けられ得る。例えば、処理回路は、グラフィックスメモリ又はシステムメモリにも記憶され得るリード線に関する、ジオメトリ、極性、及び他のパラメータ値に応じて、特定の3-Dメッシュ構造の初期サイズ及び形状を識別し得る。こうして、3-Dメッシュ構造の初期サイズ及び形状は、通電された電極及び推定されたVOAを少なくとも初期に包絡するか又は取り囲むことができる。そのような例では、処理回路は、本明細書で更に記載のある特定のデジタル「シュリンクラップ」プロセスを実行するために、初期3-Dメッシュ構造と電場臨界又は推定されたVOAとの間の初期バッファ空間など、仮想要素間の仮想空間の事前定義された量を少なくとも初期に割り振り得る。
【0024】
[0037]
いくつかの例では、処理回路は、3-Dメッシュ構造上の場所に対応する頂点の座標を判定するために3-Dメッシュ構造をセグメント化し得る。例えば、GPUは、3-Dメッシュ構造を通して仮想2-Dスライス又は3-Dスライスを確定し得る。いくつかの例では、スライスの数は、リード線のリング電極の数と一致する。そのような例では、GPUは、3-Dメッシュ構造の頂点を、仮想スライスが3-Dメッシュ構造の表面領域の区画と交差する離散場所として画定し得る。こうして、セグメント化された3-Dメッシュ構造に沿った各離散場所は、仮想3-D空間に特に固定されたそれぞれの座標位置を有するものとして画定され得る。
【0025】
[0038]
いくつかの例では、GPUは、刺激パラメータ値によって画定される電位場のモデルに基づいて、初期3-Dメッシュ構造の初期頂点場所を判定し得る。電位場のモデルは、Finite Element Analysis(FEA)シミュレータ、COMSOL(登録商標)シミュレータなどの場シミュレータを使用して生成され得る。電位場モデルデータは、電場データとして役割を果たし得る。更に、電位場のモデルは、初期に3-Dボクセルグリッドとしてグラフィックスメモリに記憶され得る。いくつかの例では、GPUは、電圧場を介して、2-Dスライス、又はいくつかの場合では3-Dスライスを確定するために、電圧場の3-Dボクセルグリッドをスライスし得る。例えば、GPUは、刺激リード線に沿った接点に対応する場所でボクセルグリッドを通るスライスを確定し得る。次いで、2-Dスライス又は3-Dスライスは、各スライスの平面に沿って初期3-Dメッシュ構造の頂点を調整するのに使用され得る。頂点は、VOAのモデルを取得するために本開示の1つ以上の技術に従って調整され得る。
【0026】
[0039]
こうして、GPUは、3-Dメッシュ構造の調整された形状を生成するために、特定の電場データ及び/又は他の刺激パラメータデータ(例えば、組織活性化値)を利用して3-Dメッシュ構造の頂点を調整する、様々なグラフィックス動作を実装し得る。例えば、GPUの処理回路は、推定されたVOAの表面に向かう平面に沿って半径方向内向きに各頂点のそれぞれの座標位置を起点として各頂点をスライドさせることによって、セグメント化された3-Dメッシュ構造の頂点位置を調整し得る。いくつかの例では、処理回路は、調整された頂点位置と、電場臨界を画定するデータ、又はいくつかの事例では、1つ以上の刺激パラメータ値によって画定される活性化組織と非活性化組織との間の交点との位置が合うまで、座標位置を内向きスライドさせ得る。
【0027】
[0040]
いくつかの例では、GPUは、セグメント化された3-Dメッシュ構造の頂点位置を調整し、及び/又は複数の頂点位置を互いに並行に操作し得る。こうして、GPUは、CPU又はGPUが電場及び/又は刺激パラメータデータから推定したVOAをシュリンクラップするように、受信された3-Dメッシュ構造の頂点を並行に調整し得る。いずれにしても、GPUは、3-Dメッシュ構造の調整された形状を画定する調整された頂点座標を判定し得る。このようにして、GPUは、出力されると、推定されたVOAを視覚的に表す3-Dメッシュ構造の調整された形状を生成し得る。
【0028】
[0041]
いくつかの例では、GPUは、推定されたVOAの視覚的表現を表示デバイスに出力するために表示インターフェースを制御し得る。例えば、GPUは、表示デバイスを介して、等角図などの調整された形状の3-Dビュー、及び/又は指定された視野角2-Dビュー若しくは調整された形状の区画化切断図などの調整された断面図、又はユーザによって定義された任意の他の所望のVOAの視覚的表現を出力するように表示インターフェースを制御することができ、VOAの視覚的表現は、3-Dメッシュ構造の調整された形状を含むか、又はさもなければ3-Dメッシュ構造の調整された形状から導出される。一例では、3-Dメッシュ構造の調整された形状は、VNAを表し得る。そのような例では、VNAは、1つ以上の刺激パラメータ値に応じて、リード線によって送達可能な電気刺激に対応し得る。
【0029】
[0042]
本開示のいくつかの技術について、本開示の特定の行為又は技術を実行する特定の処理回路(例えば、CPU、GPUなど)を参照して記載されているが、本開示の技術は、そのように限定されず、本開示の技術が、CPUの処理回路、又はCPU-GPUシステムなどの複数のプロセッサシステムの処理回路など、代替又は追加の処理回路を使用して適用され得ることが当業者には理解されよう。非限定的な例では、CPU-GPUシステム内の処理回路は、1つ以上の3-Dメッシュ構造を画定するデータ座標を受信し得る。CPUは、ユーザインターフェースを介して様々な3-Dメッシュ構造を画定するユーザからなど、ユーザ入力に基づいて3-Dメッシュ構造データ座標を受信し得る。
【0030】
[0043]
いくつかの例では、CPUは、独立した生成によって、教師あり学習アルゴリズムなどの機械学習モデルを実装することによって、及び/又はユーザ入力に基づいてなど、様々な3-Dメッシュ構造を画定するデータ座標を自動的に生成及び記憶し得る。CPUは、3-Dメッシュ構造に対応するデータを、事前定義されたグラフィックスメモリ場所、又はいくつかの事例ではシステムメモリなどのメモリに記憶させ得る。加えて、CPUは、刺激パラメータデータ、電極及びリード線ジオメトリなどの他のデータをシステムメモリ内に、又はテクスチャメモリなどの事前定義されたグラフィックスメモリ場所に記憶し得る。いくつかの事例では、本明細書で使用される「処理回路」という用語は、CPU-GPUシステムのジョイント処理回路を指し得る。しかしながら、いくつかの事例では、様々な処理ユニットは、別個の処理ユニットを備え得る専用処理回路を有し得る。
【0031】
[0044]
本開示は、1つ以上の利点を提供し得る。例えば、活性化体積のレンダリングは、マーチングキューブ、デバイディングキューブ、マーチングテトラヘドラなどのようなアルゴリズムを介してCPU上で活性化体積をレンダリングするのとは対照的に、三次元メッシュ構造の頂点を調整するGPU上でより迅速かつ効率的に行い得る。ユーザは、ユーザインターフェース上のVOAの側面図、断面図、完全な3-Dビューなどをより容易に視認し得る。このようにして、ユーザインターフェースは、様々な処理ユニット及びメモリユニットにわたってリソースを戦略的に割り振る効率的な方式で、複雑な電極アレイジオメトリを有するリード線を含む例であっても、VOAを例示することが可能であり得る。加えて、起点メッシュは、単一の3-Dメッシュ構造を再利用することに起因して、他のアルゴリズムと比較して、より鮮明に見え、及び/又はより平滑な陰影を有し得る。
【0032】
[0045]
図1は、リード線が患者50の脳18に埋め込まれた例示的なシステムを例示する概念図である。
図1に示されるように、システム30は、埋め込み型医療デバイス(implantable medical device、IMD)20、リード線24、及び患者50内に埋め込まれたリード線14を含む。この例では、リード線14は、患者50の頭蓋を通って入り、DBSを送達するために脳18内に埋め込まれる。リード線14の1つ以上の電極は、脳18の周辺の解剖学的区域に電気パルスを提供する。いくつかの例では、脳18の複数の解剖学的区域を刺激するために、2つ以上のリード線14が患者50の脳18内に埋め込まれ得る(例えば、患者50のそれぞれの半球に位置するリード線)。
【0033】
[0046]
いくつかの例では、コンピューティングデバイス19(以下、「デバイス19」)は、UIを医師又は患者に提供するハンドヘルドデバイス、携帯型コンピュータ、又はワークステーションの形態で提供され得る。医師又は患者は、デバイス19を介して、ユーザインターフェースと対話してIMD20又は神経刺激装置の刺激パラメータをプログラミングする。いくつかの例では、デバイス19は、IMD20をプログラミング及び制御するための外部プログラマ、例えば、電気刺激装置として機能することができる医療デバイスであり得る。IMDは本明細書に記載されるが、デバイス19は、他の例では、外部医療デバイスとインターフェース接続し得る。
【0034】
[0047]
加えて、IMD20のDBSへの適用が
図1に描写されているが、患者に電気刺激を送達して、1つ以上のリード線を組み込んだ電気刺激装置は、多様な症状又は状態(例えば、慢性疼痛、振戦、ハンチントン病、パーキンソン病、てんかん、尿失禁又は便失禁、性的機能障害、肥満、胃不全麻痺、運動障害など)を治療するために使用され得る。例えば、刺激は、異なる治療用途(例えば、深部脳刺激(DBS)、脊髄刺激(SCS)、骨盤刺激、胃刺激、末梢神経刺激、筋肉刺激など)に供するために、電極アレイジオメトリを介して送達され得る。1つ又は2つのリード線を介したDBSは、本開示全体を通して例示の目的で記載されるが、本明細書に記載のように、開示される技術を限定するものとみなされるべきではない。
【0035】
[0048]
例えば、DBSは、疾患又は障害として現れる脳内の機能不全神経活動を治療するために使用され得る。電気刺激が脳のそのような状態を治療することができる理由を説明する正確なメカニズムは完全には判明していないが、これらの疾患の症状は、電気刺激で緩和又は解消され得る。脳18のある特定の解剖学的区域は、ある特定の脳障害の症状を生み出す原因である。例えば、脳18内のSubstantia Nigraと称される解剖学的区域を刺激することにより、患者50が経験する震戦の数及び大きさを低減し得る。他の例としては、視床下核、淡蒼球内節、腹側中間核、又は不確帯の刺激が挙げられる。これらのような解剖学的区域は、リード線14の埋め込み及びIMD20のプログラミング中に医師によって標的化される。埋め込み中、医師は、リード線をこれらの区域に可能な限り近接して位置決めしようと試みる。
【0036】
[0049]
典型的なDBSリード線は、リード線14などのリード線の長手方向軸に沿って位置する1つ以上のリング電極を含む。各リング電極は、リード線の全周にわたって延在する。したがって、リング電極からの電流は、活性電極から半径方向全方向に伝搬する。結果として生じる刺激場は、すべての方向にある特定の距離内で脳18の解剖学的区域に到達する。刺激場は、標的解剖学的区域に到達し得るが、刺激場はまた、非標的解剖学的区域に影響を及ぼし、望ましくない副作用を生み出し得る。より複雑な電極アレイジオメトリでリード線を埋め込むことは、刺激場をカスタマイズするのに役立ち得る。例えば、刺激場は、特定の解剖学的構造をより選択的に標的とするために、より指向性に基づいて送達され得る。特定の角度位置で電極を選択することによって、場は、一般に、リード線の全側面ではなく、リード線の一方の側面に限定され得る。
【0037】
[0050]
リード線14は、特定の電極アレイジオメトリを有する。
図1の例では、リード線14は、4つの電極「レベル」を含み、すなわち、リード線の長さに沿った異なる軸方向位置にある。各レベルは、一般に、リング状に配置された4つの電極を含む。しかしながら、電極は互いに非連続である。電極は、セグメント化電極又は電極セグメントと称され得る。各電極は、リード線14内のそれぞれの導電体に結合されている。したがって、リード線14は、リード線14の近位端からそれぞれの電極まで延在する複数の導電体を含む。
【0038】
[0051]
システム30はまた、複数のリード線14、又は他の形状及びサイズのリード線上の電極を含み得る。UI98は、医師が各リード線を同時にプログラミングすることを可能にするか、又は医師が各リード線を別個にプログラミングすることを要求し得る。例として、本開示全体を通してDBS用途で使用するためのリード線14が記載されているが、リード線14又は他のリード線は、患者50内の任意の他の場所に埋め込まれ得る。例えば、リード線14は、脊髄、陰部神経、仙骨神経、又は刺激され得る任意の他の神経若しくは筋肉組織の近くに埋め込まれ得る。いくつかの例では、UI98は、任意のタイプの電気刺激(例えば、SCS、骨盤神経刺激など)の刺激パラメータをプログラミングするために使用され得る。
【0039】
[0052]
各電極は、
図1の実施例では、一般に、円形の断面を有するリード線14の周方向に沿って異なる角度位置に位置決めされる。各電極は、刺激エネルギーが異なる軸方向及び角度位置でリード線から送達され得るように、独立して選択可能である。いくつかの例では、リード線14は、複雑な電極アレイジオメトリと単純な電極アレイジオメトリの組み合わせを含み得る。リード線14によって担持される電極を選択的に活性化することにより、脳18の標的解剖学的区域の周囲の刺激場を隔離するために、リード線14の特定の側に向けられ得るカスタマイズ可能な刺激場を生み出し得る。
【0040】
[0053]
複雑な電極アレイジオメトリは、一般に、電極が共通の平面又は軸を共有し得る単純な電極アレイジオメトリとは対照的に、複数の非平面位置又は非同軸位置における刺激電極の配置を指す。複雑な電極アレイジオメトリの例は、リード線の長さに沿って異なる軸方向位置に、並びにリード線の周方向に沿って異なる角度位置に位置決めされた電極のアレイを含み得る。いくつかの例では、電極は、リング電極の非連続的な円弧状セグメントと類似に見える場合がある。複雑な電極アレイジオメトリを有するリード線は、電極セグメントの複数のリングを含み得る。リング電極は、異なる軸方向位置に配設され得る。一例では、リード線14は、リード線14の遠位端を起点とし、リード線の軸方向長さに沿って近位に移動するリング電極と、第1の軸方向位置及び異なる円周方向位置にある3つの電極と、第2の軸方向位置及び異なる円周方向位置にある3つの電極と、別のリング電極とを含み得る。所与のリング内の電極セグメントは、異なる角度位置に配設され得る。いくつかの例では、初期電極組み合わせは、所与のレベルのすべての電極及び別のレベルのすべての電極によって形成されるリングを含み得る。例えば、1つの軸方向電極レベル内の異なる角度位置にあるすべての電極は、「+」電極として選択され得、異なる軸方向電極レベル内の異なる角度位置にあるすべての電極は、「-」電極として選択され得る。いくつかの例では、単極電極リングが選択され得る。加えて、リード線は、円筒形であってもよく、又は直径が多様化する円形断面を有してもよい。
【0041】
[0054]
複雑な電極アレイジオメトリの例は、リード線の複数の平面又は面上に位置決めされた電極のアレイである。例示として、電極のアレイは、パドルリード線の対抗する平面上に、又はリード線の長手方向軸を横切る平面内の多角形断面を有するリード線の複数の面上に位置決めされ得る。更なる例として、電極は、球形、半球形、又はほぼ丸みを帯びた表面を画定するリード線上の異なる軸方向及び角度位置に配置され得る。いくつかの例では、リード線は、画定された形状を有し得、又は解剖学的構造に少なくとも部分的に沿うことが可能であり得る。
【0042】
[0055]
単純な電極アレイジオメトリの例は、リード線の長さに沿って異なる軸方向位置に分散されたリング電極のアレイであり、複雑な電極アレイジオメトリの例は、リード線の長さに沿って異なる軸方向位置に、並びにリード線の周方向に沿って異なる角度位置に位置決めされた電極のアレイである。
【0043】
[0056]
リード線14を用いて指向性又は不規則な刺激場を生み出すことにより、システム30が脳18のある特定の解剖学的区域を効果的に治療することが可能になる。刺激場の中心は、不要な刺激を回避するか、又は不正確に位置するリード線を補償するために、リード線14から離れるように移動し得る。リード線はまた、脳18又は他の刺激部位内でわずかに移動し得るので、カスタマイズ可能な刺激場は、患者50の刺激要求の変化に応じて、より長い持続時間の有効な電気刺激を提供し得る。
【0044】
[0057]
医師が、最小限の副作用を提供する電極の組み合わせを見つけるために、リード線14の各電極を体系的に選択する必要がある場合、リード線14を介した刺激の送達をプログラミングすることは、入り組んでかつ複雑な動作であることがあり、医師にとって困難であり得る。医師は、電極のある特定の一般的な区域を手動で選択する能力を依然として望む場合があるが、医師が、リード線及び推定されたVOAを異なる位置から視認し、電極ビュー又は場ビューで軸方向及び回転又は並進制御を操作することが可能である場合、プログラミング時間が短縮され得る。加えて、医師は、デバイス19が患者50内の刺激場を生み出す刺激パラメータを自動的に生成するように、場ビュー内の刺激場を操作するか又は初期に画定することさえ可能であり得る。そのような例では、デバイス19は、本開示の1つ以上の技術に従って、VOAの視覚的レンダリングを生成し得る。いくつかの例では、ユーザがVOAの視覚的表現を操作し得るため、ユーザはリード線を回転させ、したがってUI98を介して推定されたVOAを回転させ得る。
【0045】
[0058]
そのような例では、グラフィックスプロセッサ2は、3-Dメッシュ構造の調整された形状に基づいて、推定されたVOAを画定するデータを判定し得る。そのような例では、調整された形状が、調整された形状を回転、伸長などするためにデバイス19が使用することができる3-Dメッシュデータによって画定され得るため、グラフィックスプロセッサ2は、ユーザがVOA形状を回転又は伸長しようと試みるたびに新しいメッシュを再生成することなく、推定されたVOAの異なる視点を示すために調整された形状を再利用し得る。加えて、デバイス19は、リード線及び電極の組み合わせのパラメータを使用して、同様の方式でリード線及び電極の視覚的表現をレンダリングし得る。他の事例では、マーチングキューブアルゴリズムは、そのような物体の静的性質に起因して鉛及び電極の組み合わせをレンダリングするために使用され得るが、推定されたVOAは、本明細書に開示されるように、単一の円筒形メッシュ構造などの単一の3-Dメッシュ構造を使用してレンダリングされ得る。
【0046】
[0059]
図2は、本開示に記載の例示的な技術のうちの1つ以上を実行するように構成されたデバイス19のブロック図である。
図2の例では、デバイス19は、CPU88、システムメモリ90、グラフィックスプロセッサ2、グラフィックスメモリ8、遠隔測定インターフェース108、及びユーザインターフェース(user interface、UI)98を含む。
【0047】
[0060]
いくつかの例では、ユーザ(例えば、医師、臨床医、患者など)は、デバイス19と対話して、IMD20をプログラミング及び制御し得る。いくつかの例では、デバイス19は、データ分析及び/又はデータ記憶を実行するように構成された、クラウドサーバなどのリモートサーバを含み得る。別の例では、デバイス19は、ハンドヘルドデバイス、携帯型コンピュータ、又はワークステーションの形態で提供され得る。例えば、デバイス19は、IMD20の刺激パラメータをプログラミングするために、医師又は患者がUI98を介して対話するコンピュータタブレットプログラマであり得る。したがって、本明細書に記載のUI98の様々な態様は、医師プログラマ、患者プログラマ、又はその両方の形態で提供され得る。医師プログラマは、ほとんど又はすべてのパラメータに対する調整、プログラムの刺激の生成、診断情報の視認など、ほとんど又はすべてのプログラミング機能を使用し得る。患者プログラマは、異なるインターフェースを有し、医師プログラマと比較して、刺激を定義するいくつかのパラメータに限定される調整、所定のプログラムの選択、及び/又は刺激をオン及びオフにすることなど、限定された機能性を有し得る。
【0048】
[0061]
デバイス19がクラウドサーバなどのリモートデータサーバを含む例では、デバイス19は、別のコンピューティングデバイス又は医療デバイスから刺激パラメータデータを受信し、デバイス19上に推定されたVOAのグラフィック描写をレンダリングし、又はいくつかの事例では、推定されたVOAを表す3-Dメッシュ構造の調整された形状のデータを生成し、調整された形状データをプログラマなどの別のコンピューティングデバイスに送信し得る。次いで、他のコンピューティングデバイス(例えば、プログラマ)のグラフィックスレンダリングデバイスは、表示のために3-Dメッシュ構造の調整された形状をレンダリングし得る。
【0049】
[0062]
別の例では、デバイス19は、刺激パラメータデータ又は電場データをリモートサーバに送信するプログラマを含み得、リモートサーバは、3-Dメッシュ構造の調整された形状のデータを生成し、データをデバイス19に返信し得、デバイス19は、表示インターフェース26を介して、調整された形状の視覚的表現をレンダリングし得る。
【0050】
[0063]
CPU88は、デバイス19の動作を制御する汎用プロセッサ又は専用プロセッサなどの処理回路を備え得る。ユーザは、1つ以上のソフトウェアアプリケーションを実行するようにCPU88に命令する入力をデバイス19に提供し得る。CPU88上で実行するソフトウェアアプリケーションは、例えば、グラフィカルユーザインターフェース(graphical user interface、GUI)アプリケーション、グラフィックス編集アプリケーション、又は別のプログラムを含み得る。例えば、CPU88は、医師が電極構成又は刺激プログラムを選択し、特定の刺激プログラム又は電極構成に対応するVOAを更に視覚化することを可能にするソフトウェアアプリケーションを実行し得る。いくつかの例では、CPU88は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、DSP、ASIC、FPGA、又は他の同等の離散又は集積論理回路を含み得る。いくつかの例では、CPU88が本開示の技術を実行するように構成され得るため、CPU88は、メッシュ構造の頂点を操作する。そのような例では、CPU88は、頂点の調整された位置などのメッシュ構造の調整された形状に関する情報をグラフィックスプロセッサ2に通信し得る。以下に記載のように、グラフィックスプロセッサ2は、調整された形状データをグラフィックスメモリ8に記憶し得る。次いで、グラフィックスプロセッサ2又はCPU88は、3-Dメッシュ構造の調整された形状の視覚的表現を表示28に出力するために、表示インターフェース26を制御し得る。
【0051】
[0064]
いくつかの例では、1つのソフトウェアアプリケーションは、Medtronic,Inc.、Minneapolis,MNによって開発されたSureTune(登録商標)を含み得る。SureTune(登録商標)は、個々の接点の周囲のVOAをモデル化するために使用される治療計画プラットフォームである。加えて、プラットフォームは、VOAを生成するために、有限要素シミュレーションに結合されたニューロンモデルを適用することができる。いくつかの例では、本開示の技術は、SureTune(登録商標)プラットフォーム又はそれと類似のプラットフォーム上で実行され得る。そのような例では、円筒形三角形メッシュ構造などの3-Dメッシュ構造は、グラフィックスプロセッサ2ではなく、CPU88にロードされ得る。加えて、ユーザは、円筒形メッシュ調整技術とマーチングキューブ技術との間で切り替えることなどによって、ソフトウェアアプリケーションを使用して様々なレンダリング手法間で切り替えることが可能であり得る。
【0052】
[0065]
システムメモリ90は、ランダムアクセスメモリ(random-access memory、RAM)、スタティックRAM(static RAM、SRAM)、ダイナミックRAM(dynamic RAM、DRAM)、不揮発性RAM(non-volatile RAM、NVRAM)、読み出し専用メモリ(read-only memory、ROM)、プログラマブル読み出し専用メモリ(programmable read only memory、PROM)、消去可能PROM(erasable PROM、EPROM)、電気的消去可能プログラマブルROM(electrically-erasable programmable ROM、EEPROM)、フラッシュメモリ、磁気データ媒体、光記憶媒体、又は任意の他のデジタル媒体などの、任意の揮発性、不揮発性、磁気、光、又は電気媒体を含み得る。システムメモリ90は、IMD20にダウンロードするために、電極の組み合わせ、電極の極性、及び刺激パラメータを指定するプログラムを記憶し得る。いくつかの例では、システムメモリ90は、電極の組み合わせ及び刺激パラメータの選択においてユーザを誘導するか、又は効力の評価のために電極の組み合わせ及び刺激パラメータを自動的に選択する評価シーケンスを記憶し得る。いくつかの例では、システムメモリ90は、特定のプログラムの効力情報を含み得る。加えて、システムメモリ90は、グラフィックスプロセッサ2の動作を制御するために、CPU88が実行し得るドライバを含み得る。
【0053】
[0066]
グラフィックスプロセッサ2は、GPU又は他の専用グラフィックスレンダリングデバイスを含み得る。グラフィックスプロセッサ2は、頂点シェーダ4などの様々な構成要素を含み得る。いくつかの例では、グラフィックスプロセッサ2は、ジオメトリシェーダ、フラグメントシェーダ、ピクセルプロセッサなどの他の構成要素を含み得る。いずれの場合も、グラフィックスプロセッサ2は、グラフィックスプリミティブ動作を実装し得、加えて、プログラマブルシェーディングを含み得る。いくつかの例では、頂点シェーダプログラムは、頂点シェーダ4上で実行され得る。いくつかの事例では、シェーダプログラムは、様々な画像アレイ動作を可能にするルーピング不動小数点演算又は長尺浮動小数点演算を実装し得る。
【0054】
[0067]
頂点シェーダ4は、一般に、2-D空間又は3-D空間内の頂点に対して動作する。いくつかの例では、頂点シェーダ4は、頂点位置を調整又は画定するときにオーバーサンプリング技術及び補間技術を実行し得る。いくつかの例では、頂点シェーダ4は、Open Graphics Library(OpenGL(登録商標))アプリケーションプログラムインターフェース(application program interface、API)で動作し得る。いくつかの例では、シェーダプログラムは、完全にCPU88上で実行することができる。OpenGL(登録商標)に加えて、頂点シェーダ4は、Direct3D(登録商標)、QuickDraw(登録商標)3D、Open Graphics Library Embedded Systems(OpenGL ES)API、WebGL API、RenderMan API、X3D API、Vulkan(商標)、Metal、又は任意の他の公開若しくは独自の標準的グラフィックスAPIなどの他のグラフィックスフレームワークで動作することができる。いくつかの例では、グラフィックスレンダリング命令を処理するために、CPU88は、グラフィックスプロセッサ2に(例えば、GPUドライバを通して)1つ以上のグラフィックスレンダリングコマンドを発行して、グラフィックスプロセッサ2にグラフィックスデータのレンダリングの一部又は全部を実行させ得る。いくつかの例では、レンダリングされるグラフィックスデータは、グラフィックスプリミティブのリスト、例えば、点、線、三角形、四辺形、三角形ストリップなどを含み得る。例えば、グラフィックスプロセッサ2は、三角形を含む円筒形3-Dメッシュ構造をレンダリングし得る。
【0055】
[0068]
グラフィックスメモリ8の例は、RAM、SRAM、DRAM、NVRAM、ROM、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ、磁気データ媒体、光記憶媒体、又は任意の他のデジタル媒体など、1つ以上の揮発性又は不揮発性メモリ又は記憶デバイスを含む。グラフィックスメモリ8は、グラフィックスプロセッサ2のローカルメモリ記憶デバイスであり得る。グラフィックスメモリ8は、テクスチャメモリ10、バッファオブジェクトメモリ12などを含み得る。いくつかの例では、バッファオブジェクトメモリ12は、テクスチャバッファ、頂点バッファなどを含み得る。加えて、テクスチャメモリ10は、刺激パラメータ値及び/又は電場データ値を記憶し得る。テクスチャメモリ10はまた、1つ以上の可変3-Dメッシュ構造のデータを記憶し得る。いくつかの例では、3-Dメッシュ構造は、3-D空間内の3-D位置によって画定されるエッジ又は頂点を有する、三角形メッシュなどの一組の接続されたプリミティブ多角形を含み得る。例えば、一組の接続された三角形は、単一の3-D円筒形メッシュ構造などの3-Dオブジェクトのモデルを提供し得る。こうして、処理回路は、1つ以上の刺激パラメータ値によって画定される活性化組織と非活性化組織との間の交点に従って、推定されたVOAを適合させるように3-Dオブジェクトを変化させ得る。
【0056】
[0069]
いくつかの例では、1つ以上の3-Dメッシュ構造は、CPU88からグラフィックスプロセッサ2にロードされ得る。グラフィックスプロセッサ2は、1つ以上のメッシュ構造をグラフィックスメモリ8に記憶し得る。いくつかの例では、グラフィックスプロセッサ2又はCPU88は、グラフィックスメモリ8内の1つ以上のメッシュ構造のメモリの量を事前に割り振り得る。割り振られるメモリの量は、初期3-Dメッシュ構造の分解能に依存する。例えば、グラフィックスプロセッサ2又はCPU88は、特定の数の調整可能な頂点を有する初期3-Dメッシュ構造(例えば、メッシュ円筒形構造)を画定し得る。一例では、グラフィックスプロセッサ2又はCPU88は、5,000個の頂点を有する特定の3-Dメッシュ構造を事前画定し得る。そのような例では、グラフィックスプロセッサ2又はCPU88は、3-Dメッシュ構造を画定するデータを記憶するために、グラフィックスメモリ8内のバッファを事前に割り振り得る。5,000個の頂点を含む例示的な例では、グラフィックスプロセッサ2又はCPU88は、各頂点を画定する座標の数及び各座標を記憶するのに使用されるメモリ空間の量に基づいて、バッファのサイズを判定し得る。例えば、各頂点は、特定の座標系(例えば、3軸座標系又はxyz座標系)によって画定され得る。加えて、各座標は、Xバイト数を使用し得る。こうして、グラフィックスプロセッサ2又はCPU88は、3-Dメッシュ構造を構成する座標数掛ける頂点数のX倍に等しいサイズを有する3-Dメッシュ構造データを記憶するために、バッファを事前に割り振り得る。非限定的かつ例示的な例では、グラフィックスプロセッサ2又はCPU88は、5,000個の頂点を有する3-Dメッシュ構造を画定するデータを記憶するためにグラフィックスメモリ8内に60,000バイトバッファを事前に割り振り得るが、メモリは、座標ごとに4つのバイトを利用し、各頂点は3つの座標を利用する。
【0057】
[0070]
いくつかの例では、CPU88は、VOAをグラフィカルにレンダリングするために、グラフィックスメモリ8に記憶された1つの3-Dメッシュ構造又は3-Dメッシュ構造の組み合わせを使用するようにグラフィックスプロセッサ2に命令し得る。いくつかの例では、メッシュ構造の初期形状が通電された電極のそれぞれの極性に基づいて画定され得るため、グラフィックスプロセッサ2は、初期VOA形状推定に沿う形状をグラフィックスメモリ8からロードする。
【0058】
[0071]
ディスプレイ28は、モニタ、テレビジョン、投影デバイス、液晶ディスプレイ(liquid crystal display、LCD)、プラズマディスプレイパネル、発光ダイオード(light emitting diode、LED)アレイ、有機LED(organic LED、OLED)、フ゛ラウン管(cathode ray tube、CRT)ディスプレイ、電子ペーパー、表面伝導電子放出ディスプレイ(surface-conduction electron-emitted display、SED)、レーザテレビディスプレイ、ナノ結晶ディスプレイ、又は別のタイプのディスプレイユニットを含み得る。ディスプレイ28は、デバイス19内に一体化され得る。例えば、ディスプレイ28は、携帯電話ハンドセット、タブレットコンピュータ、プログラマ、又はラップトップのスクリーンであり得る。代替的に、ディスプレイ28は、有線又は無線の通信リンクを介してデバイス19に結合されたスタンドアロンデバイスであり得る。例えば、ディスプレイ28は、ケーブル又は無線リンクを介してパーソナルコンピュータに接続されたコンピュータモニタ又はフラットパネルディスプレイであり得る。いくつかの例では、ディスプレイ28は、ユーザの指の存在及び/又はタッチを検出するように構成された存在感知要素を組み込んだタッチスクリーンディスプレイであり得る。
【0059】
[0072]
表示インターフェース26は、システムメモリ90又はグラフィックスメモリ8からデータを取り出し、調整された3-Dメッシュ構造などの生成された画像データによって表される画像を表示するようにディスプレイ28を構成し得る。いくつかの例では、表示インターフェース26は、システムメモリ90又はグラフィックスメモリ8から取り出されたデジタル値を、ディスプレイ28によって処理可能なアナログ信号に変換するように構成されたデジタル-アナログ変換器(digital-to-analog converter、DAC)を含み得る。いくつかの例では、表示インターフェース26は、処理のためにデジタル値をディスプレイ28に直接受け渡し得る。いずれにしても、CPU88及び/又はグラフィックスプロセッサ2などの処理回路は、3-Dメッシュ構造の調整された視覚的表現を表示28に出力するように表示インターフェース26を制御し得る。
【0060】
[0073]
ユーザは、有効な電極の組み合わせ及び刺激パラメータを識別するために、UI98を介してCPU88と対話し得る。いくつかの例では、UI98は、
図2に示されるように、表示インターフェース26を含み得る。いずれにしても、UI98は、ユーザ入力を受信し、調整された3-Dメッシュ構造のレンダリングを表示するために出力することが可能であるインターフェースを含み得る。UI98は、タッチスクリーンインターフェースを含み得る。例えば、表示インターフェース26は、ユーザの指の存在及び/又はタッチを検出するように構成されたタッチ入力を受信することが可能であるタッチスクリーンインターフェースを含み得る。
【0061】
[0074]
いくつかの例では、UI98のある特定の入力媒体は、回転コントローラ及び/又は軸方向コントローラを含み得る。例えば、軸方向コントローラは、ユーザが、電極の異なる組み合わせを選択することによって、電極組み合わせ又は刺激場をリード線の長さに沿って上下に移動させることを可能にし、一方、回転コントローラは、ユーザが、異なる角度位置で電極の組み合わせを選択することによって、電極組み合わせ又は刺激場をリード線の周囲を移動させることを可能にする。いくつかの例では、ユーザは2006年10月31日に出願され、かつ「PROGRAMMING INTERFACE WITH A CROSS-SECTIONAL VIEW OF STIMULATION LEAD WITH COMPLEX ELECTRODE ARRAY GEOMETRY」と題する、Goetzらによる、米国特許出願第11/591,188号に記載の回転コントローラ及び/又は軸方向コントローラを含むUI98と対話し得、当該米国特許出願の全体は、参照により本明細書に組み込まれる。加えて、CPU88は、有効な電極組み合わせを識別するために、評価シーケンスを使用して電極組み合わせのシーケンスのユーザ制御試験を実行し得る。CPU88は、一組の電極組み合わせを受信して、一組の電極組み合わせを一組のプログラムとして試験し、記憶し得る。いくつかの例では、CPU88は、メモリ90に記憶された評価シーケンスに従って電極組み合わせ探索アルゴリズムを実行し得る。いずれの場合でも、本開示の技術は、様々な試験、プログラム、又は評価シーケンスによって定義された刺激パラメータ値を使用して推定されたVOAをグラフィカルにレンダリングするために使用され得る。
【0062】
[0075]
いくつかの例では、CPU88は、遠隔測定インターフェース108を介してIMD20を制御し得、遠隔測定インターフェース108は別のデバイスに情報を送信するように構成された回路を含み得る。特に、CPU88は、遠隔測定インターフェース108を介してIMD20にプログラミング信号を送信し得る。電極組み合わせのシーケンスが進行するとき、プログラミング信号は、ユーザによって提供される制御入力と整合するレートで送信され得る。このようにして、ユーザは、電極組み合わせの変化における各増分の影響を迅速に観察し得る。すなわち、グラフィックスプロセッサ2の処理回路などの処理回路は、各増分変化時に推定されたVOAの視覚的表現をグラフィカルにレンダリングし得る。グラフィックスプロセッサ2は、円筒形メッシュ構造などの3-Dメッシュ構造の調整された形状を周期的にレンダリングし得る。いくつかの例では、グラフィックスプロセッサ2は、前回に調整された頂点を調整することなどによって、前回に調整された形状に対するVOA形状の変化を判定し得、又はいくつかの事例では、グラフィックスプロセッサ2は、元の3-Dメッシュ構造を使用して変化を判定し得る。別の例では、グラフィックスプロセッサ2は、刺激パラメータが変化するときに、刺激パラメータに応じて異なる3-D形状及び/又はサイズを使用し得る。
【0063】
[0076]
医師が所望の刺激場を画定するか、又はUI98から刺激場を変更するいくつかの例では、デバイス19は、所望の刺激場を生成するために、刺激発生器によって必要とされる刺激パラメータ値を自動的に生成し得る。次いで、デバイス19は、パラメータ値を、テクスチャメモリ10又はグラフィックスメモリ8内の別の場所などのメモリに記憶し得る。グラフィックスプロセッサ2又はCPU88の処理回路などの処理回路は、そのようなパラメータ値を使用して、活性化組織と非活性化組織との間の交点を判定し、交点に従って3-Dメッシュ構造の頂点を調整し得る。加えて、デバイス19は、遠隔測定インターフェース108を介して、パラメータ値をIMD20に送信し得る。
【0064】
[0077]
加えて、CPU88は、遠隔測定インターフェース108を介して、刺激パラメータデータを外部データサーバに送信し得る。例えば、CPU88は、本開示の1つ以上の技術に従って、推定されたVOAのデータ座標を判定するように構成されたクラウドサーバに刺激パラメータデータを送信し得る。こうして、外部データサーバは、記憶及び/又はその後の表示レンダリングのために、推定されたVOAデータ座標をCPU88に送信し得る。例えば、デバイス19の処理回路は、本開示の1つ以上の技術に従って、外部サーバから推定されたVOAデータ座標を受信し、3-Dメッシュ構造の調整された形状を生成し、表示のために調整された形状をレンダリングし得る。いくつかの事例では、デバイス19は、Medtronic,Inc.Minneapolis,MNによって開発されたMedtronic CareLink(登録商標)Networkによって提供されるものと類似のネットワーク技術を介して他のデバイスとインターフェース接続し得る。
【0065】
[0078]
本明細書に記載の技術は、医師が異なる電極セグメントの組み合わせを選択すると同時に、医師が様々なユーザインターフェースによって表示されるVOAを視覚化するのを支援するために、試験モード又は評価モード中に使用され得る。例えば、医師が選択されたパラメータ値によってどの解剖学的構造が活性化されるかを識別することができるように、1つ以上のリード線の電極及び/又は患者の解剖学的構造の表現に関して、視覚化されたVOAが提示され得る。こうして、本開示の技術は、プログラマ(例えば、医師プログラマ、患者プログラマ、外部プログラマなど)に実装され得る。以下に記載のように、本開示のレンダリング技術は、特定のタイプの刺激装置とともに使用することに必ずしも限定されず、例えば、経皮リード線を介して刺激を送達する他の刺激装置(例えば、外部刺激装置)と併せて使用され得る。
【0066】
[0079]
図2に例示する様々な構造は、バス32を使用して互いに通信するように構成され得る。バス32は、第3世代バス(例えば、HyperTransportバス又はInfiniBandバス)、第2世代バス(例えば、Advanced Graphics Portバス、Peripheral Component Interconnect(PCI)Expressバス、又はAdvanced eXtensible Interface(AXI)バス)又は別のタイプのバス若しくはデバイス相互接続など、多様なバス構造のうちのいずれかであり得る。
図2に示される異なる構成要素間のバス及び通信インターフェースの特定の構成は例示に過ぎず、同じ又は異なる構成要素を有するデバイス及び/又は処理ユニットの他の構成が、本開示の技術を実装するために使用され得ることに留意されたい。
【0067】
[0080]
図3は、1つ以上のリード線を介して電気刺激を送達するための例示的なIMD20を例示するブロック図である。
図3の例に示されるように、IMD20は、(
図1の)リード線14、処理回路70、メモリ72、刺激発生器80、スイッチデバイス82、及び遠隔測定インターフェース84を含む。IMD20は、1つ以上のリード線14によって担持される電極を介して電気刺激を送達する。
図3に例示する例では、リード線14は4つの電極レベルを含み、電極レベルの各々は、リード線14の周方向に沿って異なる角度位置に複数の非連続電極を含み得る。いくつかの例では、IMD20は、各々が1つ以上の電極を有する複数のリード線14を含み得る。いくつかの例では、処理回路70は、刺激発生器80によって生成されたパルスを様々な電極に印加するためにスイッチデバイス82を制御する。図示されていないが、スイッチデバイス82はまた、リード線14の電極を、処理回路70によって制御されるように、患者からの電気信号を感知するように構成されたIMD20内の感知回路に接続し得る。
【0068】
[0081]
メモリ72は、コンピュータ可読命令を含み、コンピュータ可読命令は、処理回路70によって実行されると、IMD20に様々な機能を実行させる。メモリ72は、RAM、ROM、NVRAM、EEPROM、フラッシュメモリ、又は任意の他のデジタル媒体など、任意の揮発性媒体、不揮発性媒体、磁気媒体、光媒体、又は電気媒体を含み得る。メモリ72は、プログラム、プログラム群、及び/又は動作命令を含み得る。各プログラムは、電極組み合わせ、電極極性、電流振幅又は電圧振幅、パルス幅、及びパルスレートに関して特定の刺激プログラムを定義する。プログラム群は、重複ベース又は非重複ベースで一緒に送達され得るプログラムの群を定義する。動作命令は、処理回路70の制御下でIMD20の一般的な動作を誘導する。
【0069】
[0082]
刺激発生器80は、1つ以上の電極を介して患者に送達するための刺激信号(例えば、パルス及び/又は連続波)を生み出す。いくつかの例では、刺激発生器80は、患者50に送達するための連続正弦波又は他の非パルス信号を生み出し得る。処理回路70は、1つ以上のプログラムによって指定された特定の刺激パラメータ(例えば、振幅、パルス幅、パルスレートなど)を適用するために、メモリ72に記憶されたプログラム及び/又はプログラム群に従って刺激発生器80を制御する。処理回路70は、マイクロプロセッサ、コントローラ、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor、DSP)、特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit、ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field-programmable gate array、FPGA)、又は同等の離散論理回路又は集積論理回路を含み得る。
【0070】
[0083]
刺激発生器80は、単一チャネル又は多重チャネル刺激発生器であってもよい。いくつかの例では、刺激発生器80及びスイッチデバイス82は、時間インターリーブ方式で複数チャネルを送達するように構成され得る。そのような例では、スイッチデバイス82は、異なる電極組み合わせにわたって刺激発生器80の出力を時分割多重化する役割を果たす。電極組み合わせを試験するために、処理回路70は、異なる電極組み合わせ間で刺激エネルギーを滑らかにシフトさせるように刺激発生器80を制御する。これに応答して、刺激発生器80は、1つの電極の組み合わせから別の電極の組み合わせに滑らかにシフトさせるために電極組み合わせの振幅を増分的に調整することによって、異なるプログラムの電極組み合わせ間でシフトする。
【0071】
[0084]
いくつかの例では、デバイス19は、ユーザが望ましい組み合わせを識別することができるように、IMD20を制御して電極組み合わせを試験する。遠隔測定インターフェース84は、プロセッサ回路70の制御下でIMD20とデバイス19との間の無線通信をサポートする。いくつかの例では、処理回路70は、遠隔測定インターフェース84を介してデバイス19から、振幅及び電極組み合わせなどの刺激パラメータの値を受信し、受信された刺激パラメータに応じて1つ以上の刺激パルスを送達し得る。いくつかの例では、電極組み合わせは、IMD20に結合された1つ以上のリード線14上に位置する1つ以上の電極のサブセットを含み得る。電極組み合わせはまた、選択されたサブセット内の電極セグメントの極性を指す。電極組み合わせ、電極極性、振幅、パルス幅、及びパルスレートはともに、リード線14を介してIMD20による電気刺激を送達するためのプログラムを定義する。特定の電極組み合わせを選択することによって、医師は、特定の解剖学的構造を標的とすることができ、振幅、パルス幅、及びパルスレートの値を選択することによって、医師は、電気刺激を最適化することができる。
【0072】
[0085]
こうして、デバイス19は、本開示の1つ以上の技術に従って、上記の刺激パラメータに基づいて推定されたVOAをレンダリングし、推定されたVOAの視覚的表現の連続的なリアルタイムシーケンスをレンダリングし得る。例えば、デバイス19が、刺激パラメータ設定の変化に応答して三次元メッシュ構造の形状を調整し得るため、グラフィックスプロセッサ2は、刺激パラメータ設定がリアルタイムで変化するときに三次元メッシュ構造の頂点を連続的又は自動的に調整する。
【0073】
[0086]
図4は、様々な電極組み合わせ、刺激パラメータなどに関するユーザからの入力を受信し得る例示的なUIを例示する概略図である。例えば、UI150は、ユーザが個々の電極、電極組み合わせ、及び刺激パラメータ値を選択し、側面図又は断面図のいずれかを使用して電極を視認する電極ビューを提示し得る。
図4の例では、UI150は、いくつかの例では、デバイス19などのデバイス114によって提供される。UI150は、4つの電極レベルを有する単一のリード線を示す表示115を含む。いくつかの例では、表示スクリーン115は、タッチスクリーンであり得る。この例では、各電極レベルは、リード線の周方向に沿って異なる角度位置に位置決めされた4つの電極を含む。UI150は、リード線の側面
図116と、リード線14のグラフィック表現など、リード線の選択されたレベルの断面
図120とを提供する。いくつかの例では、断面
図120は、同時に、リード線14のすべてのレベルからの電極ビューを含み得る。側面
図116は、リード線の一方の側面に沿った電極のすべてを示している。特に、側面
図116は、リード線の円周の約180度、及びリード線の遠位部分の軸方向長さを例示する2-D図である。
【0074】
[0087]
2つ以上のリード線14を含むシステムでは、UI150は、2つ以上のリード線のリード線表現を提供し得る。いくつかの例では、UI150は、ユーザが異なるビューモードを活性化することを可能にする「電場ビュー」ボタンを更に含み得る。場ビューモードでは、ユーザは、電極組み合わせ及び一組のパラメータ値によって生み出された刺激場の表現を操作し得る。CPU88の処理回路などの処理回路は、1つ以上の刺激パラメータ値によって画定される交点区域を判定するために、
図4に示される例示的なUIなどのUIを使用して受信されたデータを使用し得る。処理回路は、
図4に示されるUIなどのUIを介して受信された刺激パラメータ値を使用して、組織の活性化体積を判定し、次いで3-Dメッシュ構造の頂点を調整して、VOA、VNA、電場、刺激場、又は他の対象の刺激区域を視覚的に表す、3-Dメッシュ構造の調整された形状を生成し得る。こうして、CPU88の処理回路などの処理回路は、VOAが3-Dメッシュ構造の頂点を調整することによってレンダリングされ得る前に、VOAパラメータ(例えば、活性化組織区域、1つ以上の刺激パラメータ値によって画定される活性化組織と非活性化組織との間の臨界、活性化組織と非活性化組織との間の交点など)を最初に判定し得る。追加のユーザインターフェースは、開示される技術の文脈で記載され、いくつかの例では、デバイス19は、2006年10月31日に出願され、かつ「PROGRAMMING INTERFACE WITH A CROSS-SECTIONAL VIEW OF STIMULATION LEAD WITH COMPLEX ELECTRODE ARRAY GEOMETRY」と題する、Goetzらによる、米国特許出願第11/591,188号に記載のある特定のUIに似たある特定のUIを提供し得、当該米国特許出願の全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0075】
[0088]
図5は、例示的な刺激リード線14の例示する概念図である。
図5に示されるように、リード線14は、リード線ハウジング38の長さに沿って様々な軸方向位置に位置する4つの電極レベル40(40A~40D)を含む。例えば、電極レベルのうちの1つ以上は、リード線14の遠位端に位置し得る。本開示の様々な技術が、例えば、4つの電極レベルを参照して記載されているが、本開示の技術は、そのように限定されず、当業者には、本開示の趣旨に沿って任意の数の電極レベルが使用され得ることが理解されよう。例えば、リード線14は、8つの電極レベル、10個の電極レベル、16個の電極レベルなどを含み得、一部の又はすべてのレベルは、セグメント化された電極組み合わせを含む。すなわち、リード線14は、セグメント化された電極とリング電極との組み合わせを含み得る。非限定的な例では、リード線14は、1-3-3-1構成を有する4つの電極レベルを含み得る。この例では、リード線14の第1のレベル及び第4のレベルは、単一のリング電極を含み得るが、一方、中間レベルは各々、3つのセグメント化された電極を含み得る。本開示の様々な技術に従って、他の組み合わせが達成され得、VOAレンダリングアルゴリズムは、そのような組み合わせによって生み出されたVOAをレンダリングするように構成されている。別の例示的な例では、リード線14は、弾丸状先端電極を含み得る。加えて、弾丸状先端電極を有するリード線14は、電極リング及び/又はセグメント化された電極のレベルの混合を更に含み得る。
【0076】
[0089]
いくつかの例では、電極レベル40A~40Dは、リード線ハウジング38の長さに沿って等間隔に離間され得る。各電極は、実質的に長方形の形状であり得る。いくつかの例では、個々の電極は、代替的な形状(例えば、円形、楕円形、三角形など)を有し得る。いくつかの例では、電極レベル40は、リード線14の長手方向軸に沿って均一に離間していなくてもよい。例えば、電極レベル40C及び40Dは、約3ミリメートル(mm)離間していてもよく、電極40A及び40Bは、10mm離間していてもよい。
【0077】
[0090]
いくつかの例では、リード線14は、形状が実質的に円筒形であり得、したがって、予想されるVOA形状は、こうして画定され得る。例えば、3-Dメッシュは、リード線14の形状をミラーリングする円筒形3-Dメッシュとして選択され得る。いくつかの例では、リード線14は、実質的に直線かつ剛性であり得、又は脳18の標的解剖学的区域に到達するために1つ以上の湾曲を含み得る。いくつかの例では、リード線14は、平坦パドルリード線又は患者50のために形成された沿うことが可能なリード線と類似であり得る。いくつかの例では、リード線14は、リード線の長手方向軸に対して横方向に切って取られた多様な異なる多角形断面のうちのいずれかであり得る。加えて、リード線14は、いわゆる弾丸状ノーズの遠位先端、むき出しの先端などを有し得る。いずれにしても、3-Dメッシュ構造のサイズ及び形状は、リード線14の構成に基づいて選択され得る。例えば、アモルファス形状の3-Dメッシュ構造は、リード線14が弾丸状ノーズ遠位先端を有する場合に選択され得る。
【0078】
[0091]
リード線ハウジング38は、
図1のリード線24に直接続き得る。いくつかの例では、リード線ハウジング38は、リード線14を脳18に挿入されることを可能にする角度付きコネクタを含み得る。いくつかの例では、IMD20から刺激部位まで延伸するリード線全体が、連続したリード線本体を有し得る。リード線14は、近位コネクタ端部まで続き得る。いくつかの例では、コネクタ端部は、IMD20まで続く延伸部に差し込まれ得る。
【0079】
[0092]
いくつかの例では、リード線14は、刺激される解剖学的区域の近くにあると医師によって判定された場所で脳18内に埋め込まれ得る。各電極レベル40は、リード線ハウジング38の周方向に沿って異なる角度位置に位置する1つ以上の電極を有し得る。一例では、各電極レベル40は、4つの異なる角度位置に4つの別個の電極を含む。異なるレベルであるが同じ角度位置にある電極は、リード線14の長手方向軸に平行な方向に互いに位置合わせされ得る。
【0080】
[0093]
いくつかの例では、異なる電極レベルの電極は、リード線ハウジング38の周方向に沿って異なる角度位置で互い違いにされ得る。また、いくつかの例では、異なる電極レベルは、異なる数の電極を含み得る。加えて、リード線14は、リード線14の周方向に沿って非対称な電極位置、又は異なるサイズを有する同じレベルの電極を含み得る。これらの電極は、電極レベル間で円周方向に位置合わせされてもされなくてもよい半円形電極を含み得る。異なる数の電極を有する電極レベルの様々な組み合わせが企図される。
【0081】
[0094]
いくつかの例では、リード線ハウジング38は、リード線ハウジングの外側に沿って放射線不透過性ストライプ(図示せず)を含み得る。放射線不透過性ストライプは、患者50の組織内のリード線の向きに対するリード線14の横方向断面図において医師が電極を識別することを可能にする円周方向場所に対応する。いくつかの例では、医師は、患者50の画像に基づいてリード線14の向きを評価するために、1つ以上のマーカ(例えば、放射線不透過性ストライプ、タブ、戻り止めなど)を使用することができる。そのような例では、医師は、患者50内のリード線14の向きを判定するために、埋め込み中のリード線24に沿ったマーキングの位置に注目し得る。いくつかの例では、刺激パラメータをプログラミングするためにリード線14の向きが必要とされ得る。こうして、処理回路は、3-Dメッシュ構造の調整された形状を判定するために、電極及びリード線14構成に関する情報を使用し得る。例えば、グラフィックスプロセッサ2は、そのような情報を使用して、3-Dメッシュ構造の初期サイズを判定し得、起点3-Dメッシュ構造は、少なくともエネルギー電極を端点(例えば、最も高い点及び最も低い点の通電された電極)において包絡する。
【0082】
[0095]
図6A~
図6Cは、リード線の周方向に沿って1つ以上の電極を有する例示的な刺激リード線の横断面図である。
図4A~
図4Cに示されるように、リード線14の電極レベル40のうちの1つなどの1つの電極レベルは、1つ以上の電極を含むように示されている。
図6Aは、円周電極44を含む電極レベル42を示している。円周電極44は、電極レベル42全体を取り囲み、リング電極を形成する。円周電極44は、UIによって構成されるカソード又はアノードとして利用され得る。
【0083】
[0096]
図6Bは、3つの等しいサイズの電極54、56、及び58を含む電極レベル52を示している。各電極54、56、及び58は、電極レベル52の円周の約110度を取り囲む。いくつかの例では、約10度の空間が電極54、56、及び58を分離している。電極54、56、及び58は、刺激のためのアノード又はカソードとして独立してプログラムされ得る。
【0084】
[0097]
図6Cは、4つの電極62、64、66、及び68を含む電極レベル60を示している。各電極62~68は、円周の約80度を覆い、電極間の絶縁スペースは約10度である。いくつかの例では、最大10個以上の電極が電極レベル内に含まれ得る。いくつかの例では、リード線14の連続する電極レベルは、多様な電極レベル42、52、又は60を含み得る。このようにして、様々な刺激場形状が、患者50の脳18内で生み出され得る。加えて、円周電極は、それらのそれぞれのリード線の長さに沿って位置合わせされなくてもよい。更に、電極レベル内の電極の上記のサイズは単なる例であり、開示される技術は、例示的な電極サイズの電極と関連付けられたVOAをレンダリングすることに限定されない。また、隣接する電極間の絶縁スペース又は非電極表面領域は、多様なサイズであり得る。
【0085】
[0098]
いくつかの例では、空間は、約1度~約20度であり得る。より具体的には、空間は、約5度~約15度であり得る。より小さい空間は、より大きい体積の組織を刺激することを可能にし得る。いくつかの例では、円周電極サイズは、電極レベルの周方向に沿って多様であり得る。加えて、絶縁スペースのサイズも同様に多様であり得る。そのような非対称電極レベルは、ある特定の形状の刺激場を必要とする組織に埋め込まれたリード線に使用され得る。いくつかの例では、刺激パラメータ値は、絶縁スペース寸法などを含む、リード線及び電極構成に関する情報を含み得る。例えば、CPU88又はグラフィックスプロセッサ2の処理回路などの処理回路は、組織活性化データ及び/又は刺激パラメータ値を判定するために絶縁スペース寸法及び電極サイズを利用し得、処理回路は、組織の活性化体積を判定し、次いで、複数の頂点のうちの1つ以上の頂点を調整して、三次元メッシュ構造の調整された形状を生成するか、又は特定のリード線及び電極構成の電場データを判定するために、使用され得る。いくつかの例では、CPU88又はグラフィックスプロセッサ2の処理回路などの処理回路は、電極サイズ、間隔、及び場シミュレータ(例えば、COMSOL(登録商標)など)を使用して1つ以上の電位場モデルをいつ判定するかといった他のパラメータを含み得る。
【0086】
[0099]
図7は、3-Dメッシュ構造を使用してVOAの視覚的表現をレンダリングするための例示的な技術を例示するフロー図である(700)。
図7に示されるように、処理回路は、複数の頂点を含む3-Dメッシュ構造を受信し得る(702)。例えば、処理回路は、リード線の複数の電極に関連付けられた3-Dメッシュ構造を受信し得る。いくつかの例では、3-Dメッシュ構造は、3-Dメッシュ構造上の場所に対応する複数の頂点を含む。例えば、3-Dメッシュ構造は、単一の3-Dメッシュ構造を画定する頂点座標としてメモリに記憶され得る。いくつかの例では、3-Dメッシュ構造は、高さ又は半径情報などの幾何学的データによって画定され得る。例えば、テクスチャメモリ10は、円筒形3-Dメッシュ構造のデータを高さ及び半径情報として記憶し得る。いくつかの例では、グラフィックスプロセッサ2は、3-Dメッシュ構造を受信すると、様々なパラメータに応じて、3-Dメッシュのサイズを増加させることなどによって、幾何学的データパラメータを調整し得る。例えば、グラフィックスプロセッサ2は、リード線ジオメトリがある特定の長さ、幅などであるという情報をCPU88から受信し得、それにより、刺激パラメータデータに従って頂点を調整する前に3-Dメッシュ構造を初期にスケーリングし得る。いくつかの例では、処理回路は、メモリルックアップ動作から、ネットワークから、又はUI98を介してユーザから、3-Dメッシュ構造を受信し得る。
【0087】
[0100]
いくつかの例では、CPU88又はグラフィックスプロセッサ2などの処理回路は、頂点情報を判定するために3-Dメッシュ構造を使用して、2-Dスライス、又はいくつかの事例では3-Dスライスを生成し得る。例えば、グラフィックスプロセッサ2は、構造の複数の場所で3-Dメッシュ構造をセグメント化し得る。こうして、3-Dメッシュ構造は、メッシュ構造にわたって頂点を作り出すリング及び/又はセグメントに分割され得る。いくつかの例では、グラフィックスプロセッサ2は、生成されたスライスがメッシュ構造と交差する座標に対応する、3-Dメッシュ構造の長さに沿った複数の頂点を判定し得る。いくつかの事例では、グラフィックスプロセッサ2は、頂点座標をグラフィックスメモリ8及び/又はシステムメモリ90に記憶し得る。グラフィックスプロセッサ2は、利用可能な1つ又は複数のメモリデバイスの様々なメモリ制約に応じてメッシュ構造のスライスを生成し得る。すなわち、グラフィックスプロセッサ2は、2-Dスライス又は3-Dスライスを使用して、いくつかの頂点を生成し得るが、2-Dスライス又は3-Dスライスは、頂点情報を記憶するために割り振られたメモリデバイス(例えば、バッファオブジェクトメモリ12、テクスチャメモリ10、システムメモリ90など)中の利用可能なメモリ空間の量と一致するか又は少なくともそれより少ない。
【0088】
[0101]
いくつかの例では、グラフィックスプロセッサ2は、電位場のモデルに基づいて、初期3-Dメッシュ構造の初期頂点場所を判定し得る。電位場のモデルは、初期に、3-Dボクセルグリッドとしてグラフィックスメモリ8に記憶され得る。いくつかの例では、グラフィックスプロセッサ2は、2-Dスライス、又はいくつかの場合では3-Dスライスを確定するために、電圧場を通して電圧場の3-Dボクセルグリッドをスライスし得る。例えば、グラフィックスプロセッサ2は、リード線14に沿ったそれぞれの接点(例えば、電極)に対応する場所でボクセルグリッドを通るスライスを確定し得る。リング電極40を伴う例では、グラフィックスプロセッサ2は、各電極のボクセルグリッドを通る1つのスライスを確定し得る。
【0089】
[0102]
いくつかの例では、リード線14は、セグメント化された電極を有するセグメント化されたリード線を含み得る。そのような例では、グラフィックスプロセッサ2は、各セグメント化された電極に対応する電場データの複数の2-Dスライスを生成し得る。これらの2-Dスライスは、例えば、リード線14の長手方向軸と一致するラインを形成するように交差し得る。他の例では、2-Dスライスは、互いに平行であり、交差しなくてもよい。一例では、グラフィックスプロセッサ2は、各セグメント化された電極の2-Dスライスを生成し得る。いくつかの例では、グラフィックスプロセッサ2は、各接点のボクセルグリッドを通る複数のスライスを確定し得、ボクセルグリッドは各接点(例えば、電極)に対応する。例えば、グラフィックスプロセッサ2は、セグメント化された電極40を有するリード線14の各単一レベルにおいてボクセルグリッドを通る複数のスライスを確定し得る。リード線14の単一のセグメント化された電極レベルで複数のスライスのそのような確定を達成するための一例では、グラフィックスプロセッサ2は、スライスを回転させて、リード線14上の電極40接点ごとにリード線14のレベルの異なる角度位置(例えば、セグメント化された電極ごとに1つのスライス)と位置合わせし得る。リード線14の6つの電極セグメントを含む1つの例示的な例では、グラフィックスプロセッサ2は、リード線14のそのレベルの角度位置に対して60度離間した電位場ボクセルグリッドを通る6つのスライスを形成し得る。グラフィックスプロセッサ2は、リード線14の周りに360度の各スライスを確定するために、電場モデルを60度回転させ得る。すなわち、グラフィックスプロセッサ2は、セグメント化された部分がリード線14の周りに100%又は360度に及ぶと仮定して、リード線14の周りのセグメントのスパンを覆うために使用されるスライスの数に度数を掛けたものを判定し得る。いくつかの事例では、セグメント化された部分は、リード線14の100%に及ばなくてもよく、その場合、回転の度数は、それに応じて調整され得る。
【0090】
[0103]
セグメント化されたリード線を含むそのような例では、グラフィックスプロセッサ2は、リード線14の周りの3-D空間内の他の点における電位を判定するために、各スライス間を補間し得る。例えば、グラフィックスプロセッサ2は、セグメント化されたリード線の各セグメントのボクセルグリッドを通るスライスを形成し得る。次いで、グラフィックスプロセッサ2又はCPU88は、リード線14を取り囲む3-D空間内の任意の点の電位を補間するために、電場モデル(例えば、電圧電位ボクセルグリッド)を通って確定されたスライスを使用して補間技術を実行し得る。
【0091】
[0104]
こうして、グラフィックスプロセッサ2は、頂点調整を実行し、各スライスに対応する複数の3-Dメッシュ構造の調整された形状を生成し得る。すなわち、グラフィックスプロセッサ2は、個々のセグメントに対応する各スライスについて、
図7のプロセスを複数回実行し得る。いくつかの例では、グラフィックスプロセッサ2は、セグメント化されたリード線全体のVOAを視覚的に表す単一の3-Dメッシュ構造を形成するために、3-Dメッシュ構造の複数の調整された形状を組み合わせ得る。
【0092】
[0105]
いくつかの例では、CPU88は、組織活性化情報、生理学的パラメータ、患者の解剖学的構造データ、電極アレイジオメトリなどを使用して推定されたVOA形状に対して初期判定を実行し得る。例えば、CPU88は、VOAが、VOAの様々な点において様々な凹面を有するほぼ円筒形に見える可能性が高いと判定し得る。いくつかの例では、CPU88が形状推定情報をグラフィックスプロセッサ2に送信し得るため、グラフィックスプロセッサ2は、VOA形状推定を包絡し、最終的にはVOAデータに沿うように構成された3-Dメッシュ構造(例えば、大部分が円筒形、円筒の一部又は両端が部分的に球形など)の形状及びサイズを識別し得る。
【0093】
[0106]
加えて、CPU88がメッシュ構造の提案されたサイズを送信し得るため、メッシュ構造は、グラフィックスプロセッサ2が頂点調整を実行する前に、初期にVOAを包絡する。例えば、グラフィックスプロセッサ2が、グラフィックスメモリ8から、初期に大きいサイズを有する円筒形メッシュ構造をロードし得るため、グラフィックスプロセッサ2は、VOAに適合するようにメッシュ構造をシュリンクラップし得る。いくつかの例では、メッシュ構造の形状が中空3-D構造であり得るため、3-D構造の内部部分は、リード線ジオメトリと一致する。そのような事例では、頂点は、VOAの様々な凹部又は不規則性を考慮するために、VOAの外側部分に向かって半径方向内向きに、かつメッシュの中空部分から半径方向外向きにスライドされ得る。
【0094】
[0107]
いずれにしても、グラフィックスプロセッサ2は、例えば、前回に記憶されたメッシュ構造にスケーリング係数を適用することによって、メッシュ構造のサイズを判定し得るため、メッシュ構造のサイズは、少なくともリード線の通電された電極の端部を越えて延伸する。例えば、CPU88は、電極通電に関する詳細をグラフィックスプロセッサ2に提供し得、これには、位置決めされた高い点の電極、中間の電極、及び低い点の電極を有する所与のリード線の長さに沿った最も高い点及び最も低い点に通電された電極が含まれ、電極の一部又は全部がリード線14の長さに沿って通電され得る。
【0095】
[0108]
いくつかの例では、処理回路は、3-Dメッシュ構造の調整された形状を生成するために頂点を調整し得る(704)。例えば、グラフィックスプロセッサ2は、1つ以上の刺激パラメータ値によって画定される活性化組織と非活性化組織との間の交点に従ってメッシュ構造の調整された形状を生成するために、セグメント化されたメッシュ構造の頂点を調整し得る。例えば、各頂点は、各頂点が電気刺激の様々な入力設定によって画定された活性化組織と非活性化組織との交点に静止するまで半径方向内向きにスライドされ得る。例えば、z軸は、リード線14の長さに沿って長手方向に延伸するように画定され得る。こうして、グラフィックス処理は、頂点をリード線に向かって半径方向内向きにスライドさせるx座標及びy座標を調整し得る。例示的な例では、グラフィックスプロセッサ2は、グラフィックスメモリ8から組織活性化データにアクセスし得る。こうして、グラフィックスプロセッサ2は、組織活性化データ、電場データ、刺激テンプレートデータなどに応じて3-Dメッシュ構造の頂点を調整するために、OpenGLシェーダ又は他のシェーダプログラムなどの1つ以上の頂点シェーダ4を利用し得る。頂点は調整されるが、処理回路は、メッシュ全体を再描画する必要がない場合があり、これは、処理リソース及び時間を節約する。
【0096】
[0109]
いくつかの例では、グラフィックスプロセッサ2は、CPU88から組織活性化データを受信し得る。例えば、グラフィックスプロセッサ2は、活性化組織と非活性化組織との間の交点を画定する組織活性化データを受信し得、組織活性化データは、刺激パラメータ値及び/又は電場データに基づく。そのような例では、グラフィックスプロセッサ2は、組織活性化データをグラフィックテクスチャメモリ場所に記憶し得る。グラフィックスプロセッサ2は、VOAの視覚的表現をグラフィカルにレンダリングするために、組織活性化データを利用して、単一のメッシュ構造の頂点を半径方向内向きに調整し得る。すなわち、グラフィックスプロセッサ2は、異なるVOA(例えば、複数の組織及び/又は神経活性化区域)をモデル化するために、単一の円筒形メッシュ構造などの単一の3-Dメッシュ構造を利用し得る。いくつかの例では、単一の3-Dメッシュ構造は、円筒形部分及び/又はピルカプセル形状などの少なくとも部分的に球形部分を含み得る。
【0097】
[0110]
いくつかの例では、グラフィックスプロセッサ2は、テクスチャ10に記憶された組織活性化データに基づいて、セグメント化されたメッシュ構造の頂点を調整し得る。グラフィックスプロセッサ2は、シュリンクラッププロセスに似るように、各頂点を並列に操作することができる。いくつかの例では、グラフィックスプロセッサ2は、いくつかの頂点を並行して操作し得るが、他の頂点は、他の頂点調整の前又は後に操作され得る。いくつかの例では、グラフィックスプロセッサ2は、頂点を調整するために、OpenGL(登録商標)シェーダなどのシェーダプログラムを利用し得る。
【0098】
[0111]
いくつかの例では、CPU88の処理回路などの処理回路は、電極極性情報を含む刺激パラメータ値を受信し得る。そのような例では、CPU88は、グラフィックスプロセッサ2に、円筒形部分及び少なくとも球形部分を含む3-Dメッシュ構造を画定するデータを識別するように命令し得る。例えば、3-Dメッシュ構造は、1つ以上の電極カソード場所に対応する円筒形部分を含み得、3-Dメッシュ構造の少なくとも部分的に球形部分は、1つ以上の電極アノード場所に対応する。すなわち、電場及び/又は活性化場は、ある特定の電極極性によって生み出される予想される場を考慮して特定の形態をとる3-Dメッシュ構造を使用してモデル化され得る凹部又は不規則性を含み得る。
【0099】
[0112]
いくつかの例では、グラフィックスプロセッサ2の処理回路などの処理回路は、調整された形状の視覚的表現を出力するように表示インターフェース26を制御し得る(706)。例えば、処理回路は、3-Dメッシュ構造の調整された形状の視覚的表現を出力するために表示インターフェース26を制御し得る。いくつかの例では、UI98により、ユーザがリード線に対して異なる視点から電極を視認すること、及び/又はリード線上の電極を選択又は視認するために軸方向及び回転制御媒体の両方を作動させることが可能になり得る。そのような例では、グラフィックスプロセッサ2は、表示インターフェース26に、メッシュ構造の調整された形状又はメッシュ構造の断面を含むUI98を提供させ得るため、ユーザは、VOAが特定の電極の組み合わせ及び刺激プログラムに関連するため、推定されたVOAを異なる視点から視覚化し得る。例えば、ユーザがVOA及びリード線の視野を回転させ得るため、GPUは、所望の斜視図において、調整されたメッシュ構造ビューをVOAの視野に合致させるように回転させ得る。ユーザは、電極組み合わせ及び刺激プログラムの効率的な評価、選択、及びプログラミングを容易にするために、推定されたVOAの視覚的レンダリングを表示するUI98を利用し得る。
【0100】
[0113]
いくつかの例では、UI98は、電極組み合わせ及びパラメータの誘導選択を可能にする自動誘導技術をサポートし得る。例えば、ユーザは、推定されたVOAの視覚的レンダリングを操作し得る。グラフィックスプロセッサ2は、本開示の技術に従って、ユーザ入力を処理し、新しいVOAレンダリングを表示させ得る。例えば、グラフィックスプロセッサ2は、最初に推定されたVOAとは異なるようにVOAを寸法直しするために、ユーザ入力に基づいて3-Dメッシュ構造の頂点を調整し得る。グラフィックスプロセッサ2の処理回路などの処理回路は、グラフィックスプロセッサ2に、寸法直しされたVOAに似せるように3-Dメッシュ構造の頂点を調整させたであろうある特定の電気刺激パラメータ値を判定し得る。次いで、CPU88処理回路などの処理回路は、電気刺激パラメータ値を提供したであろう刺激プログラムを判定し得る。このようにして、デバイス19の処理回路は、寸法直しされたVOA内のユーザ定義の頂点情報など、テクスチャメモリ10に記憶された調整された頂点情報から刺激パラメータ値を逆算し得る。
【0101】
[0114]
いくつかの例では、CPU88又はグラフィックスプロセッサ2の処理回路などの処理回路は、組織の活性化された体積を判定し得る。いくつかの例では、CPU88の処理回路などの処理回路は、ユーザインターフェース98を介して、新しい又は更新された刺激場の要求を指定するユーザ入力を受信し得る。次いで、CPU88又はグラフィックスプロセッサ2の処理回路などの処理回路は、要求された刺激場と合致する調整された3-Dメッシュ形状を生成するために、ユーザ選択パラメータ値又はデバイス19若しくはIMD20によって選択された自動選択パラメータ値に応じて頂点を調整し得る。CPU88又はグラフィックスプロセッサ2の処理回路などの処理回路が前回に調整された3-Dメッシュ形状に基づいて、調整された3-Dメッシュ形状を生成し得るため、前回に調整された3-Dメッシュ形状は、CPU88又はグラフィックスプロセッサ2の処理回路などの処理回路が新たに要求された刺激場に合致するように変化し得る初期形状として役割を果たす。
【0102】
[0115]
図8は、画定された刺激の電場モデルを計算及び表示するための例示的な技術を例示するフロー図である。
図8に示されるように、UI98は、電場を作り出すための患者の解剖学的構造データを受信する(872)。デバイス19は、解剖学的変数を満たすために、記憶された電場モデル方程式又は方程式セットに患者の解剖学的構造データに入力する(874)。いくつかの例では、デバイス19は、データ及び方程式から電場モデルを計算し得る(876)。電場は、組織多様性がリード線からの電流伝搬をある方向に変化させ得るため、電流がリード線14から伝搬することになる場所を表す。デバイス19は、患者の解剖学的構造データを電流伝搬を定義する電場モデル方程式で利用することができる。より具体的には、デバイス19は、電場が起点から離れた起点場所からどのように伝搬されるかを定義する電場モデル方程式を適用し得る。いくつかの例では、電場方程式は、リード線14に隣接する組織の物理的組織特性を使用し得、組織の物理的組織特性は、患者の解剖学的構造データセットに含まれ得る。この物理的組織特性は、リード線14からの異なる場所における導電率の差を表すために、不均一な組織を定義し得る。別の例では、物理的組織特性は、組織導電率がリード線14からのすべての場所と同じにモデル化される均一導電率モデルであり得る。この情報から、デバイス19は、推定された電場データを生成することが可能である。
【0103】
[0116]
いくつかの例では、電場モデルは、患者50に固有ではない一般的な組織特性を含み得る。いくつかの例では、電場方程式は、電場の行列又は他の数学的モデルを利用し得る。このようにして、電場が推定され、医師に対してモデル化され得る。それに応じて、医師は、刺激パラメータの振幅を増加又は減少させて、電場のサイズ及び/又は形状を変化させることが可能であり得るか、又はいくつかの事例では、医師は、電場を直接操作し得る。ユーザが電場に満足した場合、ユーザは、電場受容ボタンを選択して、刺激パラメータをIMD20に送信し得る。加えて、デバイス19は、刺激場から刺激パラメータを生成し、電場を推定する電場モデルを生成し得る。
【0104】
[0117]
いずれにしても、電場モデルは、刺激場内で、グラフィカルにレンダリングされ、電場として表示され得る。すなわち、UI98が刺激場を画定する刺激入力を医師から受信する(878)と、デバイス19は、
図7に記載のように、後続の視覚的レンダリングのために刺激場及び/又は電場に沿うように、1つ以上の3-Dメッシュ形状を調整し得る(880)。いくつかの例では、UI98は、刺激入力の変化を受信し得る(ブロック882の「はい」分岐)。例えば、医師は、刺激を変化させることを望み得る、すなわち、刺激が、自動動作によって変化し得る。そのような場合、CPU88又はグラフィックスプロセッサ2の処理回路などの処理回路は、次いで、刺激入力変化に基づいて視覚的レンダリングするために、メッシュ形状を調整するか、又は新しいメッシュ形状を調整し得る(880)。
【0105】
[0118]
医師が刺激入力変化を要求しない場合(ブロック882の「いいえ」分岐)、CPU88又はグラフィックスプロセッサ2の処理回路などの処理回路は、調整されたメッシュ形状を使用してVOAをレンダリングし得る(881)。すなわち、UI98は、VOAを表示し続け得る。いくつかの例では、UI98は、レンダリングプログラムを終了する決定を受信する(ブロック884の「はい」分岐)。次いで、CPU88の処理回路などの処理回路は、レンダリングプログラムを終了し得る(886)。
【0106】
[0119]
図9は、3-Dメッシュ構造900の例示的な頂点場所を例示する概念図である。メッシュ構造900は、推定されたVOA902を視覚的に表すために半径方向内向きに移動された頂点906を有する3-Dメッシュ構造の例示的な表現である。
図9の例示的な例では、3-Dメッシュ構造900は、円筒の両端に凹部を有するほぼ円筒形の形状として開始され得る。グラフィックスプロセッサ2は、2-Dスライス904(例えば、平行な点線)によって示される3-Dメッシュをセグメント化し得る。スライス904の数は、グラフィックスメモリ8内の利用可能なメモリがサポートすることができるのと同じ数のスライスであり得る。いくつかの例では、スライス904は、リング電極の数、又はセグメント化された電極のレベルの数と少なくとも一致し得る。他の例では、スライスは、各電極及び隣接する電極間の空間と交差するように提供され得る。
【0107】
[0120]
こうして、グラフィックスプロセッサ2は、1つ以上の刺激パラメータ値によって画定される活性化組織と非活性化組織との間の交点に従って、頂点位置906Aを半径方向内向きに(
図9の左から右に)スライドさせ得るが、頂点906Bは、VOA902を近似させてディスプレイ28を介して視覚的に表現及びレンダリングするために、半径方向外向きに(
図9の右から左に)スライドし得る。メッシュ構造900の半径は、任意の所与の軸方向位置で対称であるため、各頂点は、その軸方向位置におけるメッシュ構造900全体の周囲の半径に対応し得る。これは、リング電極に対して、及び/又はすべての円周電極が共通の極性で活性化されるときに、当てはまり得る。メッシュ構造900がリード線の周囲に沿って異なる円周位置に異なる電極を表す状況では、周方向の活性化電極又は非活性化電極に対してメッシュ構造900を調整するため、複数の頂点が、それぞれの円周場所でメッシュ構造900に提供され得る。
【0108】
[0121]
図9の例では、リード線14(明示的に示されていない)は、実線908によって表される軸などの軸に沿って含まれ得る。軸線908は、メッシュ構造900の中心を通過し得る。いくつかの例では、頂点906の座標は、軸線908に対して測定され得る。すなわち、頂点906の座標は、メッシュ構造900の中心を表す軸線908からの距離を含み得るため、頂点は、推定されたVOA902の視覚的表現を生成する際に、軸線908から半径方向内向き又は半径方向外向きに移動し得る。軸線908は、頂点906の調整の基準を提供する仮想又は不可視線であり得る。
図9の例に垂直線が示されているが、本開示の技術はそのように限定されず、当業者には、頂点が基準点若しくは線に向かって内向きに、又は基準点若しくは線から外向きにスライドされるいくつかの例では、垂直軸線908が、頂点906がどのように調整され得るかを例示するための視覚的表現として使用されることが理解されよう。加えて、軸線908は、線形経路に沿って基準点を形成するように配置された一連の点を含み得ることが理解されよう。いくつかの事例では、リード線14の電極がリード線14から突出して、リード線14がより線形でない構造を有する例などにおいて、一連の基準点は、非線形経路に沿って配置され得る。基準軸908及び/又は頂点906の座標は、リード線14の形状に少なくとも部分的に沿うように配置され得る。例えば、リード線14は、単一の球形電極(図示せず)を含み得、この場合、軸線908は、球体を形成し得る。頂点906は、球体軸線908に向かって内向きに、又は球体軸線908から離れて調整され得る。
【0109】
[0122]
図10は、本開示の1つ以上の技術による、推定されたVOA1000に沿わせた1つ以上の例示的な円筒形メッシュ構造を例示する概念図である。例示的な例として、
図10は、
図5のリード線14を例示しており、概して球体又は卵形状に似たVOAを生み出している。初期3-Dメッシュ構造に関係なく、他の形状であり得る。
図10の例では、3-Dメッシュ構造は、円筒形であり得、グラフィックスプロセッサ2は、各頂点において半径方向にスライドして調整された形状を生成し、この調整された形状は、ここでは、球形を有するこの特定の例における活性化組織と非活性化組織との交点に起因して、球形である。いくつかの例では、グラフィックスプロセッサ2は、頂点を調整するとき、頂点のうちの少なくとも2つを互いに平行に調整し得る。更に、
図10は、2つのVOAを例示している。そのような例では、グラフィックスプロセッサ2は、各VOAをグラフィカルにモデル化すること単一の3-Dメッシュ構造を使用し得るか、又はリード線14のそれぞれの有限区画ごとに1つの3-Dメッシュ構造など、複数のメッシュ構造を使用し得る。グラフィックスプロセッサ2は、刺激パラメータ値に基づいてそのような区画を判定し得る。こうして、グラフィックスプロセッサ2は、各構造の頂点を並列に調整し得るか、又は一度に1つの3-Dメッシュ構造の頂点を調整し得る。
【0110】
[0123]
図11は、本開示の1つ以上の技術に従ってレンダリングされた例示的なVNA1100の断面図である。例えば、VNA1100は、
図10に示されるVOAを生成するために使用される電気刺激パラメータに対応し得る。こうして、グラフィックスプロセッサ2は、本明細書に記載のニューロンモデル及び/又は電場モデルに従って調整された頂点を有する3-Dメッシュ構造を使用してVNA1100を生成し得る。断面図は、3-Dマップの断面を提供し得る。3-Dマップは、3-Dマップの他の断面を視認するために、ユーザインターフェースを介して受信された入力に基づいて回転され得る。
【0111】
[0124]
図12は、本開示の1つ以上の技術による、調整された頂点場所を有する例示的な3-Dメッシュ構造1208を例示する概念図である。
図12は、電極セグメント及びリング電極を有する例示的なセグメント化されたリード線1206を示している。
図12の例では、リード線1206は、リング電極1203を有する第1のレベルを有する。加えて、リード線1206は、電極1202A、1202B、1201A、及び1201Bを有する第2のレベル及び第3のレベルを有し、これらは、リード線のセグメント化された電極を例示している。
図12の例では、リード線1206は、リード線1206の反対側に追加の電極を有しているが、
図12の特定のビューの向きでは見ることができない。例えば、電極1202A及び1202Bを有する電極レベルは、リード線1206の反対側に第3の電極を有しているが、
図12の特定のビューでは見ることができない。同様に、電極1201A及び1201Bを有する電極レベルは、リード線1206の反対側に第3の電極を有しているが、
図12の特定のビューでは見ることができない。最後に、別のリング電極1200が、リード線1206の端部に向かって示されている。加えて、
図12は、リード線1206の様々な電極のカソード(-)及びアノード(+)極性を例示している。このリード線構成及びある特定の刺激パラメータ下では、グラフィックスプロセッサ2は、本開示の1つ以上の技術による、通電された電極の周囲の複数の3-Dメッシュ形状の頂点を操作するように構成されている。
図12は、例えば、刺激パラメータ値、電場データなどによって画定される組織活性化の区域の周囲をラップしている初期3-Dメッシュ構造(例えば、円筒形3-D構造)からそれぞれの場所で内向きに操作される、複数の3-Dメッシュ構造1208の頂点を示している。
【0112】
[0125]
いくつかの例では、グラフィックスプロセッサ2は、例えば、調整された形状の寸法の態様を示すために勾配陰影又は色を含むことによって、1つ又は複数の3-Dメッシュ構造1208を平滑化し得る。加えて、グラフィックスプロセッサ2は、
図12に示されるスライス線12010及び頂点を除去し得る。ユーザは、調整された形状全体にわたって線1210を有するビューと、スライス線1210を伴わない調整された形状を有するビューとの間で切り替え得る。一例では、グラフィックスプロセッサ2は、例えば、刺激パラメータ値、電場データ、及び/又は組織活性化データから判定されたVOAの臨界と頂点との位置が合うまで、初期頂点位置から電位場モデルのスライスに沿って内向きに3-Dメッシュ形状の頂点を操作することによって、調整された3-Dメッシュ形状1300を表示インターフェース26を介して、レンダリングし得る。例示目的のために、
図12は、刺激パラメータの第1のセットから推定されたVOAを表す3-Dメッシュの視覚を示し、3-Dメッシュ構造の頂点は、それに応じて調整され、調整された形状を作り出している。
【0113】
[0126]
いくつかの例では、電気刺激パラメータは、所望の刺激区域から自動的に提案され得る。そのような例では、推定されたVOAレンダリングは、推定されたVOAが電気刺激パラメータに基づいてどのように見えるかを示すために、生成され得る。例えば、
図13は、リード線14の場ビュー175を提示するUI172を例示している。いくつかの例では、UI172は、リード線14の対応する電極レベルと位置合わせされたリード線14の複数の断面図を提示し得る。
図13の例では、ユーザは、
図4のUI150などを通して初期電極組み合わせを選択し、電極組み合わせの場ビューに遷移している。場ビューでは、UI172は、電極組み合わせ及び一般的な組織特性によって送達される刺激に関連付けられたパラメータ値を考慮して、ユーザによって定義され、電極組み合わせによって生み出される刺激場178の表現を提示する。刺激場178のサイズ及び形状は、ヒト組織の一般的な物理的特性及びリード線14の電極の既知の物理的特性に基づいて確定され得る。そのような例では、CPU88の処理回路などの処理回路は、UI172によって画定された所望の刺激区域から電気刺激パラメータを自動的に判定し得る。
【0114】
[0127]
そのような例では、グラフィックスプロセッサ2は、本開示の1つ以上の技術に従って刺激場178をレンダリングし得る。例えば、グラフィックスプロセッサ2は、3-Dメッシュ構造の頂点を刺激場178に半径方向内向きに調整することによって刺激場を適合させるように、円筒形メッシュ構造などの3-Dメッシュ構造を適用し得る。刺激場178は、UI172を介して、本開示の様々な技術に従って調整された3-Dメッシュ構造の調整された形状に基づいてレンダリングされたリード線14に対して表示され得る。こうして、グラフィックスプロセッサ2は、調整された形状をUI172(例えば、例示的なユーザインターフェース98又は例示的なユーザインターフェース150)を介して表示28に出力するように、表示インターフェース26を制御し得る。
【0115】
[0128]
別の例では、
図14は、リード線14及び刺激場616に対して推定されたVOAの3-Dビューを提示するユーザインターフェース610を例示する図である。いくつかの例は、リード線14及び推定されたVOAの2-Dビューの提示を含むが、3-Dレンダリングも有用であり得る。刺激場616は、患者の解剖学的構造及び/又はリード線14に対して示され得る。ユーザインターフェース610は、UI98の例であり、プログラマ612は、デバイス19の例である。そのような例では、グラフィックスプロセッサ2は、本開示の1つ以上の技術による技術を使用して、等角図などのリード線の3-Dビューをレンダリングし得る。例えば、グラフィックスプロセッサ2は、セグメント化されたメッシュ構造の頂点を操作することによって3-Dメッシュ構造の調整された3-D形状を判定し得、頂点は、刺激場616に適合するように、かつ/又はリード線14及び電極に適合するように調整され得る。いくつかの例では、グラフィックスプロセッサ2は、グラフィックスメモリ8に、又はいくつかの事例ではシステムメモリ90に調整された3-D形状を記憶し得る。こうして、グラフィックスプロセッサ2は、次いで、刺激場並びに/又はリード線及び電極の仮想3-Dビューをレンダリングし得る。
【0116】
[0129]
本開示は、一般に刺激用途、より具体的には、DBS及びSCS用途に言及してきたが、そのような用途は、例示の目的で記載されており、本明細書に記載のように、開示される技術を限定するものとみなされるべきではない。開示される技術は、より一般的に、神経組織又は筋肉組織の活性化区域などの活性化の区域の表示のためにレンダリングするのに適用可能であり得、脊髄刺激、骨盤床刺激、脳深部刺激、皮質表面刺激、ニューロン神経節刺激、胃刺激、末梢神経刺激、又は皮下刺激の視覚的レンダリングを含む多様な状況に適用可能であり得る。また、開示される技術は、埋め込まれた刺激装置に関する視覚的レンダリングに必ずしも限定されず、例えば、経皮ポートを介して、埋め込まれたリード線に結合された外部刺激装置の文脈においても適用可能であり得る。加えて、本開示は、実質的に任意の数の軸方向及び角度電極位置を含む、多種多様な電極アレイジオメトリに適用可能であり得る。
【0117】
[0130]
加えて、電極アレイジオメトリは、リード線の長さに沿って異なる軸方向位置、並びにリード線の周方向に沿って異なる角度位置に位置決めされた電極のアレイを含み得る。いくつかの例では、電極は、従来のリング電極の非連続的な円弧状セグメントと類似に見える場合がある。複雑な電極アレイジオメトリを有するリード線は、電極セグメントの複数のリングを含み得る。各軸方向に位置決めされたリングは、異なる軸方向位置に配設される。所与のリング内の各電極セグメントは、異なる角度位置に配設される。リード線は、円筒形であってもよく、又は直径が多様化する円形断面を有してもよい。複雑な電極アレイジオメトリの別の例は、リード線の複数の平面又は面上に位置決めされた電極のアレイである。例示として、電極のアレイは、パドルリード線の対抗する面又は多角形断面を有するリード線の複数の面上に位置決めされ得る。また、特定の軸方向又は角度位置に位置決めされた電極は、他の電極と位置合わせされる必要はない。むしろ、いくつかの例では、電極は、千鳥状又はチェッカーボード状のパターンで配置され得る。
【0118】
[0131]
更に、単一のリード線は、様々な刺激用途において有用であり得るが、複数のリード線は、双方向DBS、SCS、又は胃、骨盤、若しくは末梢神経刺激のための多部位刺激などの他の用途において有用であり得る。それに応じて、電極組み合わせは、1つのリード線によって担持される電極間に形成されてもよく、電極組み合わせは、一対のリード線のうちの一方のリード線によって担持される電極間に形成されるか、又は異なるリード線上の電極間に形成されてもよく、並びに電極は、刺激装置ハウジングによって担持されてもよい。
【0119】
[0132]
本明細書に記載の技術は、医師プログラマ、患者プログラマ、又は両方と関連付けられたプログラミングインターフェース又は制御インターフェースに適用され得る。したがって、医師は、診察室内で医師プログラマを使用して、異なる電極組み合わせ及び刺激パラメータ値をプログラミングし、評価し得る。患者は、毎日の使用中に患者プログラマを使用して、パラメータ値を調整し、異なる電極の組み合わせを選択し得る。医師プログラマ又は患者プログラマは、スマートフォン又はタブレットデバイスと類似する、小型の携帯型ハンドヘルドデバイスであり得る。いくつかの例では、プログラマは、汎用デスクトップ又はラップトップコンピュータ、コンピュータワークステーション、又は専用デスクトッププログラミングユニットにおいて実装され得る。
【0120】
[0133]
加えて、本開示に記載のプログラミング機能性は、1つ以上の埋め込み型リード線又は1つ以上の経皮リード線に結合された外部刺激装置に結合された刺激装置をプログラミングするために使用され得る。加えて、デバイス19によって提供される評価技術は、医師プログラマ又は患者プログラマで使用され得る。
【0121】
[0134]
医師プログラマ、患者プログラマ、又は両方は、電極及びパラメータ値の手動選択のための電極ビューと、刺激場サイズ、位置又は形状の操作、その後の、所望の刺激場を近似させるための電極組み合わせ及びパラメータ値の自動プログラミングのための場ビューとの両方を提示する能力を含み得る。刺激場は、電極ビュー内の選択された刺激パラメータによって、又は最初に刺激場の輪郭を描いて画定することによって画定され得る。刺激場は、ソフトキー、タッチスクリーンキー、ハードキー、スクロールホイール、タッチパッド、ジョイスティック、マウス、トラックボール、又は他のデバイスを含む、多様な入力媒体によって操作され得る。
【0122】
[0135]
一般に、そのような入力デバイスは、リード線の異なる視点(例えば、側面、断面、同心軸、非ラップ2Dアレイなど)を提供し、単一の二次元側面図では見えない場合があるリード線の側面を観察するように斜視図の回転を可能にするために使用され得る。他の斜視図は、独立して、又は軸方向及び断面図と併せて、可能である。例えば、上方からリード線の長さを見下ろす傾斜ビューが可能である。加えて、リード線の両側を示すビューが可能である。
【0123】
[0136]
以下の例が、本明細書に記載されている。
実施例1.処理回路によって、リード線の複数の電極に関連付けられた三次元メッシュ構造を受信することであって、三次元メッシュ構造が、三次元メッシュ構造上の場所に対応する複数の頂点を含む、受信することと、処理回路によって、活性化組織と非活性化組織との間の交点に従って、三次元メッシュ構造の調整された形状を生成するように複数の頂点のうちの1つ以上の頂点を調整することと、処理回路によって、三次元メッシュ構造の調整された形状の視覚的表現を出力するように表示インターフェースを制御することと、を含む、方法。
【0124】
[0137]
実施例2.複数の頂点のうちの1つ以上の頂点を調整することが、複数の頂点のうちの少なくとも2つの頂点を互いに平行に調整することを含む、実施例1に記載の方法。
【0125】
[0138]
実施例3.処理回路によって、活性化組織と非活性化組織との間の交点を画定する組織活性化データを受信することであって、組織活性化データが、1つ以上の刺激パラメータ値又は電場データのうちの少なくとも1つに基づく、受信することと、処理回路によって、組織活性化データをグラフィックスメモリの場所に記憶することと、を更に含む、実施例1又は2に記載の方法。
【0126】
[0139]
実施例4.グラフィックスメモリから組織活性化データにアクセスすることと、頂点シェーダを介して、組織活性化データに従って頂点を調整することと、を更に含む、実施例3に記載の方法。
【0127】
[0140]
実施例5.三次元メッシュ構造が、複数の異なる活性化組織区域をモデル化するように構成された単一のメッシュを含む、実施例1~4のいずれか一例に記載の方法。
【0128】
[0141]
実施例6.処理回路が、グラフィックス処理ユニット(graphics processing unit、GPU)を含む、実施例1~5のいずれか一例に記載の方法。
【0129】
[0142]
実施例7.処理回路によって、三次元メッシュ構造を画定するデータをグラフィックスメモリ内の場所に記憶することを更に含む、実施例1~6のいずれかに記載の方法。
【0130】
[0143]
実施例8.三次元メッシュ構造が、円筒形部分又は少なくとも部分的に球形部分のうちの少なくとも1つを含む、実施例1~7のいずれか一例に記載の方法。
【0131】
[0144]
実施例9.処理回路によって、1つ以上の刺激パラメータ値を受信することであって、1つ以上の刺激パラメータ値が、電極極性情報を含み、三次元メッシュ構造の円筒形部分が、電極カソード場所に対応するように構成され、三次元メッシュ構造の少なくとも部分的に球形部分が、電極アノード場所に対応するように構成されている、受信することを更に含む、実施例8に記載の方法。
【0132】
[0145]
実施例10.三次元メッシュ構造の調整された形状が、リード線によって送達可能な電気刺激に対応し、かつ1つ以上の刺激パラメータ値に応じた神経活性化(volume of neural activation、VNA)の体積を表す、実施例1~9のいずれか一例に記載の方法。
【0133】
[0146]
実施例11.処理回路によって、三次元メッシュ構造を識別することと、複数の頂点を判定するために三次元メッシュ構造をセグメント化することと、複数の頂点をグラフィックスメモリ内の場所に記憶することと、を更に含み、三次元メッシュ構造を受信することが、グラフィックスメモリ内の場所から複数の頂点を受信することを更に含む、実施例1~10のいずれか一例に記載の方法。
【0134】
[0147]
実施例12.表示インターフェースが、タッチスクリーンインターフェースを含む、実施例1~11のいずれか一例に記載の方法。
【0135】
[0148]
実施例13.処理回路を備えるコンピューティングデバイスであって、処理回路が、リード線の複数の電極と関連付けられた三次元メッシュ構造を受信することであって、三次元メッシュ構造体が、三次元メッシュ構造上の場所に対応する複数の頂点を含む、受信することと、活性化組織と非活性化組織との間の交点に従って三次元メッシュ構造の調整された形状を生成するために、複数の頂点のうちの1つ以上の頂点を調整することと、三次元メッシュ構造の調整された形状の視覚的表現を出力するようにユーザインターフェースを制御することと、行うように構成されている、コンピューティングデバイス。
【0136】
[0149]
実施例14.処理回路が、複数の頂点のうちの少なくとも2つの頂点を互いに平行に調整することを行うように構成されている、実施例13に記載のコンピューティングデバイス。
【0137】
[0150]
実施例15.処理回路が、活性化組織と非活性化組織との間の交点を画定する組織活性化データを受信することであって、組織活性化データが、1つ以上の刺激パラメータ値又は電場データのうちの少なくとも一方に基づいている、受信することと、組織活性化データをグラフィックスメモリの場所に記憶することと、を行うように構成されている、実施例13又は14に記載のコンピューティングデバイス。
【0138】
[0151]
実施例16.処理回路が、三次元メッシュ構造を画定するデータをグラフィックスメモリ内の場所に記憶することを行うように構成されている、実施例13~15のいずれか一例に記載のコンピューティングデバイス。
【0139】
[0152]
実施例17.三次元メッシュ構造が、円筒形部分又は少なくとも部分的に球形部分のうちの少なくとも一方を含む、実施例13~16のいずれか一例に記載のコンピューティングデバイス。
【0140】
[0153]
実施例18.外部プログラマが、処理回路及びグラフィックスメモリを含む、実施例13~17のいずれか一例に記載のコンピューティングデバイス。
【0141】
[0154]
実施例19.中に命令を記憶する非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、命令が、実行されると、1つ以上のプロセッサに、少なくとも、リード線の複数の電極と関連付けられた三次元メッシュ構造を受信することであって、三次元メッシュ構造が、三次元メッシュ構造上の場所に対応する複数の頂点を含む、受信することと、活性化組織と非活性化組織との間の交点に従って三次元メッシュ構造の調整された形状を生成するために、複数の頂点のうちの1つ以上の頂点を調整することと、三次元メッシュ構造の調整された形状の視覚的表現を出力するようにデバイスインターフェースを制御することと、を行わせる、非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【0142】
[0155]
実施例20.命令が、1つ以上のプロセッサに、少なくとも、活性化組織と非活性化組織との間の交点を画定する組織活性化データを受信することであって、組織活性化データが、1つ以上の刺激パラメータ値又は電場データに基づいている、受信することと、組織活性化データをグラフィックスメモリ内の場所に記憶することと、を更に行わせる、実施例19に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【0143】
[0156]
本開示で説明される技術は、少なくとも部分的に、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの任意の組み合わせで実施され得る。例えば、記載の技術の様々な態様は、1つ以上のマイクロプロセッサ、DSP、ASIC、FPGA、又は任意の他の同等の集積論理回路若しくは離散論理回路、並びにそのような構成要素の任意の組み合わせを含む、1つ以上のプロセッサ又は処理回路内に実装され得る。「プロセッサ」又は「処理回路」という用語は、一般に、単独の、又は他の論理回路若しくは任意の他の同等の回路と組み合わせた、前述の論理回路のいずれかを指し得る。ハードウェアを含む制御ユニットはまた、本開示の技術のうちの1つ以上を実行し得る。例示的な例では、デバイス19の処理回路は、グラフィックスプロセッサ2及び/又はCPU88のハードウェア、ソフトウェア、又はファームウェア構成要素、あるいはそれらの組み合わせを含み得る。
【0144】
[0157]
そのようなハードウェア、ソフトウェア、及びファームウェアは、本開示に記載の様々な動作及び機能をサポートするために、同じデバイス内又は別個のデバイス内に実装され得る。加えて、記載のユニット、回路、又は構成要素のうちのいずれも、離散的であるが相互運用可能な論理デバイスとして、ともに又は別個に実装され得る。回路又はユニットとしての異なる特徴の描写は、異なる機能的態様を強調することを意図しており、そのような回路又はユニットが、別個のハードウェア又はソフトウェア構成要素によって実現されなければならないことを必ずしも暗示するものではない。むしろ、1つ以上の回路又はユニットに関連付けられた機能性は、別個のハードウェア構成要素若しくはソフトウェア構成要素によって実行され得、又は共通の若しくは別個のハードウェア構成要素若しくはソフトウェア構成要素内に一体化され得る。
【0145】
[0158]
本開示に記載の技術はまた、非一時的媒体として記載され得る命令を含有する、コンピュータ可読記憶媒体などのコンピュータ可読媒体に具現化又は符号化され得る。コンピュータ可読記憶媒体に埋め込まれた、又はコード化された命令は、例えば、命令が実行されるときに、プログラム可能プロセッサ、又は他のプロセッサに、本方法を実行させ得る。コンピュータ可読記憶媒体は、RAM、ROM、PROM、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ、ハードディスク、CD-ROM、フロッピーディスク、カセット、磁気媒体、光媒体、又は他のコンピュータ可読媒体を含み得る。
【0146】
[0159]
開示される技術の様々な例が記載されてきた。これらの例及び他の例は、下記の特許請求の範囲の範囲内である。
【国際調査報告】