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特表2023-509210標的組織を評価するためのカテーテル超音波デバイスおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-07
(54)【発明の名称】標的組織を評価するためのカテーテル超音波デバイスおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/24 20060101AFI20230228BHJP
   A61B 17/04 20060101ALN20230228BHJP
【FI】
A61F2/24
A61B17/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022542252
(86)(22)【出願日】2020-12-21
(85)【翻訳文提出日】2022-09-07
(86)【国際出願番号】 IB2020062287
(87)【国際公開番号】W WO2021140398
(87)【国際公開日】2021-07-15
(31)【優先権主張番号】62/959,837
(32)【優先日】2020-01-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521013769
【氏名又は名称】エドワーズ ライフサイエンシーズ イノベーション (イスラエル) リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】アサフ・シャロン
(72)【発明者】
【氏名】ヤロン・ケイダー
(72)【発明者】
【氏名】アヴィヴ・ガロン
(72)【発明者】
【氏名】タル・シェプス
(72)【発明者】
【氏名】ヤロン・ヘルマン
【テーマコード(参考)】
4C097
4C160
【Fターム(参考)】
4C097AA27
4C097BB01
4C097BB04
4C097BB09
4C097CC01
4C097CC05
4C097DD01
4C097DD09
4C097DD10
4C097EE06
4C097EE08
4C097MM09
4C097SB10
4C160CC03
4C160CC22
(57)【要約】
インプラント(20)が、ルーメン(44)を囲む壁部(28)を備える。送達ツール(8)が、カテーテル(22)、制御アセンブリ(64)、および超音波ツール(36)を備える。カテーテルは、被験者内に経腔的に前進可能であり、遠位開口を有する。インプラントは、カテーテルを経由して送達され得る。制御アセンブリは、遠位開口から外へと壁部の少なくとも一部分(70)を前進させることが可能であり、被験者の組織の部位に対して対接状態にこの部分を配置するようにカテーテルを操縦することが可能である。この部位は、この部分から遠位方向におよび遠位開口の対向側に配設される。超音波ツールは、(i)ルーメン内におよびこの部分に対面するように超音波送受信機を位置決めし、(ii)この部分を通して超音波エネルギーを送信することによりこの部位の撮像を容易にすることが可能である。アンカードライバが、この部分をアンカーが貫通しこの部位中にアンカーを駆動することにより組織に対してインプラントをアンカー固定することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験者の組織と共に使用するためのシステムであって、
・ルーメンを囲む壁部を備えるインプラントと、
・送達ツールであって、
-前記組織まで経腔的に前進可能であり、遠位開口を備える遠位部分を有するカテーテルであって、前記インプラントは、前記カテーテルを経由して前記組織へ送達されるように構成される、カテーテルと、
-体外制御アセンブリであって、
前記遠位開口から出るように前記壁部の少なくとも一部分を前進させるように構成され、
前記組織の部位に対して対接状態に前記壁部の前記部分を配置するように前記遠位部分を操縦するために前記遠位部分に対して動作可能に結合され、前記部位は、前記壁部の前記部分から遠位方向におよび前記遠位開口の対向側に配設される、
体外制御アセンブリと、
-超音波ツールであって、
前記カテーテル内において前進可能であり、
前記超音波ツールの遠位端部に超音波送受信機を備え、
前記インプラントの前記ルーメン内に位置し前記壁部の前記部分に対面する位置に前記超音波送受信機を位置決めするように構成され、
前記壁部の前記部分を通り前記部位中に超音波エネルギーを送信することにより前記部位の撮像を容易化するように構成される、
超音波ツールと、
を備える、送達ツールと、
・組織アンカーと、
・前記壁部の前記部分を貫通し前記部位内へ前記組織アンカーを駆動することにより、前記組織に対して前記インプラントをアンカー固定するように構成されたアンカードライバと、
を備える、システム。
【請求項2】
前記カテーテルは、前記組織へと経大腿的におよび経中隔的に前進可能であるように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記カテーテルの前記遠位部分は、放射線不透過性である、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記アンカードライバは、前記インプラントが前記組織に配設される状態において、前記カテーテルを通り前記インプラントまで前記組織アンカーを前進させるように構成される、請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記超音波送受信機は、反射超音波エネルギーを検出するように構成され、前記反射超音波エネルギーは、前記超音波送受信機により送信され前記部位から反射される前記超音波エネルギーの一部であり、
前記超音波ツールは、
回路およびユーザインターフェースを備える超音波コントローラであって、前記超音波送受信機により検出された前記反射超音波エネルギーの解析を容易にするように構成される、超音波コントローラと、
前記超音波送受信機により検出された前記反射超音波エネルギーを表すデータを前記超音波送受信機から前記超音波コントローラへ中継するように構成されたコネクタと、
をさらに備える、請求項1から4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記超音波送受信機は、前記部位から前記壁部の前記部分を通過して反射される反射超音波エネルギーを検出するように構成される、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記送達ツールは、アンカーチャネルをさらに備え、前記アンカーチャネルは、
遠位アパーチャにて終端する長手方向空洞部を画成し、
前記遠位アパーチャを備える前記アンカーチャネルの遠位領域が前記ルーメン内に配設されるように、前記カテーテルを貫通して延在し、
前記カテーテルおよび前記ルーメンの中において前進可能である、請求項1から6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記アンカーチャネルは、
前記アンカーチャネルの遠位領域が前記ルーメン内に配設され、前記遠位領域が前記遠位アパーチャを備え、
前記アンカーチャネルにより、前記部位における前記壁部の前記部分の位置決めが容易になる
ように、前記カテーテルを貫通して延在するように構成される、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記アンカードライバは、
前記組織アンカーに対して結合された状態において、前記組織アンカーが前記壁部の前記部分に到達するような様式で、前記インプラントの前記ルーメン内へと前記組織アンカーを前進させるように前記長手方向空洞部を通り前記インプラントまで前進可能であり、
前記カテーテルの近位開口を経由して前記長手方向空洞部から除去可能である、請求項7に記載のシステム。
【請求項10】
前記超音波送受信機は、
前記超音波送受信機が前記壁部の前記部分に対面するように、前記長手方向空洞部を通り前記インプラントの前記ルーメン内へと前進可能であり、
前記カテーテルの前記近位開口を通り前記長手方向空洞部から除去可能である、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記アンカードライバは、前記超音波送受信機が前記長手方向空洞部を通り配設されない場合にのみ、前記長手方向空洞部を通り前記インプラントまで前進可能である、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記超音波ツールは、前記アンカーチャネルを備え、
前記超音波送受信機は、前記アンカーチャネルの前記遠位領域に配設され、
前記アンカーチャネルは、前記インプラントの前記ルーメン内であり前記壁部の前記部分に対面する位置に前記超音波送受信機を位置決めするように構成される、請求項9に記載のシステム。
【請求項13】
前記超音波送受信機は、リングとして形状設定され、前記リングは、当該リングを貫通する通路を画成する、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記アンカードライバは、前記組織アンカーに対して結合された状態において、前記組織アンカーが前記壁部の前記部分に到達するような様式で、前記通路に通して前記組織アンカーを前進させるように、前記長手方向空洞部を通り前記インプラントまで前進可能である、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記インプラントは、弁輪形成構造体を含み、前記弁輪形成構造体は、前記壁部により画成されたスリーブを備える、請求項1から14のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項16】
前記弁輪形成構造体は、収縮部材および調節機構をさらに備え、
前記調節機構は、作動された場合に前記収縮部材に対して張力を印加するように構成され、
前記収縮部材は、前記調節機構を作動させることにより張力印加される場合に、前記弁輪形成構造体の長さを調節するように構成される、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
・非生物シミュレーションの心臓の血管内にインジケータワイヤを配置するステップと、
・アンカー送達システムを使用して、前記血管に隣接する前記心臓の組織の一部分に向かって組織アンカーを送達するステップであって、前記アンカー送達システムは、前記アンカー送達システムの一部分に超音波感知素子を備える、ステップと、
・前記アンカー送達システムの前記部分の位置を判定するステップであって、
-前記インジケータワイヤの範囲内に前記アンカー送達システムの前記部分を配置することにより前記超音波感知素子によって発生する超音波場の変化を計測することと、
-前記計測により、前記アンカー送達システムの前記部分と前記インジケータワイヤの一部分との間の距離を算出することと、
によって、判定するステップと、
を含む、方法。
【請求項18】
組織の前記部分は、前記非生物シミュレーションの弁輪の組織を含み、
前記方法は、前記弁輪まで弁輪形成構造体を前進させるステップをさらに含み、前記弁輪形成構造体は、当該弁輪形成構造体を貫通するルーメンを画成するように形状設定され、
組織の前記部分へ前記組織アンカーを送達する前記ステップは、前記弁輪形成構造体の前記ルーメン内から前記弁輪の組織の一部分まで前記組織アンカーを送達するステップを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記組織アンカーを送達する前記ステップは、前記組織アンカーを使用して前記心臓の弁輪に弁輪形成構造体を植え込むステップを含む、請求項17または18に記載の方法。
【請求項20】
前記弁輪形成構造体は、ルーメンを画成するように形状設定され、前記組織アンカーを送達する前記ステップは、前記弁輪形成構造体の前記ルーメンに通して前記アンカー送達システムの前記部分を移動させるステップと、前記弁輪形成構造体の前記ルーメン内から組織の前記部分中に前記組織アンカーを展開するステップと、を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記アンカー送達システムの前記部分と前記インジケータワイヤの前記部分との間の前記距離の算出が、所定の閾値に対する前記距離の比較を含む、請求項17から20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記組織アンカーを送達する前記ステップは、所定の閾値に対する前記距離の前記比較に応答して、および/または前記距離が前記所定の閾値未満であるという判定に応答して、組織の前記部分中に前記組織アンカーを展開するステップを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記組織アンカーは、第1の組織アンカーを規定し、前記方法は、
組織の前記部分中に前記組織アンカーを展開する前記ステップの後に、前記アンカー送達システムの前記部分の前記位置を判定することにより組織の第2の部分へ前記アンカー送達システムの前記部分を移動させるステップと、
前記所定の閾値に対する前記距離の前記比較に応答して組織の前記第2の部分中に第2の組織アンカーを展開するステップと、
をさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記第2の組織アンカーを展開する前記ステップは、前記距離が前記所定の閾値未満であるという前記判定に応答して、組織の前記第2の部分中に前記第2の組織アンカーを展開するステップを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
シミュレーション中の組織にインプラントを植え込むための方法であって、
-カテーテルを備える送達ツールを使用して前記組織まで前記インプラントまたは前記インプラントの一部分を経腔的に前進させるステップであって、前記カテーテルは、遠位開口を備える遠位部分を有する、ステップと、
-前記遠位開口が前記組織の部位にまたはその付近に配設されるように、前記カテーテルの前記遠位部分を操縦するために前記カテーテルの前記遠位部分に対して動作可能に結合された制御アセンブリを使用するステップと、
-前記組織の前記部位にまたはその付近に超音波ツールの超音波送受信機を位置決めするステップと、
-前記超音波ツールを使用することにより前記組織の前記部位を評価するステップであって、前記超音波ツールを使用して、
・前記部位に超音波エネルギーを送信し、
・前記部位から反射された反射超音波エネルギーを検出する、ステップと、
-その後に、アンカードライバを使用して、前記組織の前記部位まで組織アンカーを駆動することにより前記組織に対して前記インプラントをアンカー固定するステップと、
を含む、方法。
【請求項26】
前記組織は、心臓弁の弁輪の組織を含み、
前記インプラントは、壁部により囲まれたルーメンを有する弁輪形成構造体を含み、
前記組織の前記部位を評価する前記ステップは、前記弁輪形成構造体の前記ルーメンの内部から前記超音波送受信機を使用して、前記壁部を通過し前記部位まで超音波エネルギーを送信するステップを含み、
前記組織に対して前記インプラントをアンカー固定する前記ステップは、前記弁輪の前記組織に対して前記弁輪形成構造体の前記壁部の一部分をアンカー固定するステップを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記部位から反射された反射超音波エネルギーの前記検出は、前記壁部の前記部分を通過して反射されて戻る反射超音波エネルギーの検出を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記超音波ツールの前記超音波送受信機は、前記超音波ツールの遠位領域に配設され、
前記壁部の前記部分は、前記インプラントの前記ルーメン内からの前記壁部に対して押力を印加するために、前記超音波ツールを使用して前記組織の前記部位に対して対接状態に保持され、
前記組織アンカーの前記駆動は、前記超音波送受信機により画成された通路に通して前記組織アンカーを駆動することを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記アンカードライバは、前記組織に対して前記インプラントをアンカー固定する場合に、前記超音波ツールと同軸状である、請求項25から28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記組織アンカーは、前記組織に対して前記インプラントをアンカー固定する場合に、前記超音波ツールの遠位領域と同軸状である、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記組織に対して前記インプラントをアンカー固定しつつ、前記超音波ツールおよび前記アンカードライバを同時に使用するステップをさらに含む、請求項29または30に記載の方法。
【請求項32】
前記組織の前記部位中に前記組織アンカーを駆動することにより前記組織に対して前記インプラントをアンカー固定しつつ、前記超音波ツールを使用して前記組織の前記部位を評価することを継続するステップをさらに含む、請求項29または30に記載の方法。
【請求項33】
前記超音波ツールは、コネクタと、回路およびユーザインターフェースを備える超音波コントローラと、をさらに備え、
前記方法は、
-前記コネクタを使用して、前記超音波送受信機により検出された前記反射超音波エネルギーを表すデータを前記超音波送受信機から前記超音波コントローラへ中継するステップと、
-前記超音波コントローラの前記回路を使用して、前記反射超音波エネルギーを解析するステップと、
をさらに含む、請求項25から32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記反射超音波エネルギーを解析する前記ステップは、前記回路においてデータ解析プログラムを動作させるステップを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記反射超音波エネルギーを解析する前記ステップは、前記ユーザインターフェースに表示された画像を評価するステップを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
前記組織アンカーは、第1の組織アンカーであり、
前記組織の前記部位は、前記組織の第1の部位であり、
前記組織の前記部位中への前記組織アンカーの前記駆動は、前記組織の前記第1の部位中に前記第1の組織アンカーを駆動することを含み、
前記組織に対して前記インプラントをアンカー固定する前記ステップは、前記組織の前記第1の部位中に前記第1の組織アンカーを駆動した後に、前記組織の前記第1の部位とは異なる前記組織の第2の部位中に第2の組織アンカーを駆動するステップをさらに含む、請求項25から35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記インプラントは、収縮部材を備え、
前記方法は、前記収縮部材に張力印加することにより前記組織の形状またはサイズを調節するステップをさらに含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記インプラントは、弁輪形成構造体を含み、前記弁輪形成構造体は、前記弁輪形成構造体のスリーブを画成するように形状設定された壁部を有し、前記弁輪形成構造体は、前記スリーブの少なくとも一部分に沿って延在する収縮部材を備え、
前記方法は、前記収縮部材に張力印加することにより前記弁輪形成構造体の長さを調節するステップをさらに含む、請求項36に記載の方法。
【請求項39】
前記収縮部材に対する前記張力印加は、調節機構を作動させることにより前記収縮部材に張力印加することを含む、請求項37または38に記載の方法。
【請求項40】
前記調節機構は、前記収縮部材に対して結合された回転可能なスプールを備え、
前記調節機構を作動させることによる前記収縮部材に対する前記張力印加は、前記スプールを回転させることを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
(i)前記組織の前記第1の部位中に前記第1の組織アンカーを駆動した後に、および(ii)前記組織の前記第2の部位中に前記第2の組織アンカーを駆動する前に、
前記遠位開口が前記組織の前記第2の部位にまたはその付近に配設されるように、前記カテーテルの前記遠位部分を操縦するステップと、
前記超音波ツールを使用することにより前記組織の前記第2の部位を評価するステップであって、
前記超音波ツールを使用して前記第2の部位に超音波エネルギーを送信し、
前記第2の部位から反射された反射超音波エネルギーを検出する、ステップと、
をさらに含む、請求項40に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2020年1月10日に出願された「Catheter ultrasound devices and methods for assessing targeted tissue」と題するSharonらの米国仮特許出願第62/959,837号に基づく優先権を主張するものである。この仮特許出願は、参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
例えば虚血性心疾患などにより引き起こされる心臓弁の弁輪拡張は、弁が閉じたときに弁尖同士が完全に接合するのを妨げる。心室から心房内への血液の逆流により、1回拍出量の上昇および心拍出量の低下が結果としてもたらされ、心房の容量過負荷および圧力過負荷に続発する心室の脆弱化が最終的にもたらされる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本概要は、いくつかの例を提示することを目的とするものであり、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。例えば、本概要の一例に含まれる任意の特徴は、特許請求の範囲でそれらの特徴が明示されない限り、特許請求の範囲が必須とするものではない。また、本開示の本概要および他の箇所の例の中で説明される特徴、構成要素、ステップ、及びコンセプト等は、様々な様式で組み合わせることが可能である。本開示の他の箇所に記載されるような様々な特徴およびステップが、本章で概説される例に含まれる場合がある。
【0004】
本明細書では、被験者の組織にインプラントを植え込むための装置、システム、技術、及び方法等の例を説明する。
【0005】
いくつかの適用例では、体外制御アセンブリが、その遠位開口が組織の部位の対向側に配設されるように、カテーテルの遠位部分を操縦するために使用される。いくつかの適用例では、インプラントの壁部の一部分が、この部位の対向側に配置されることが可能であり、超音波ツールが、例えば壁部のこの部分を通り前出の部位へと超音波エネルギーを送信し前出の部位から反射された超音波エネルギーを検出することによって、組織の前出の部位を評価するために使用され得る。
【0006】
いくつかの適用例では、アンカードライバが、壁部の前出の部分を貫通し組織の前出の部位中に組織アンカーを駆動することにより、組織に対してインプラントをアンカー固定するために使用され得る。
【0007】
いくつかの適用例では、いくつかの態様が、長手方向空洞部を画成するアンカーチャネルと、遠位アパーチャを備える遠位領域と、を備える。アンカードライバは、組織アンカーに対して結合された状態において、遠位領域がインプラント内に配設され、遠位アパーチャが壁部の前出の部分に配設された状態において、長手方向空洞部を通りインプラントまで遠位方向に前進され得る。例えば、壁部の前出の部分は、組織の前出の部位に対して対接状態に壁部の前出の部分を保持するためにアンカーチャネルを使用しつつ、組織の前出の部位に対してアンカー固定され得る。
【0008】
いくつかの適用例では、いくつかの態様が、インプラントのルーメン内におよび壁部の前出の部分に対面するように超音波ツールの超音波送受信機を位置決めすることを含む。
【0009】
例えば、超音波送受信機は、リングとして形状設定され、このリングは、当該リングを貫通する通路を画成し得る。組織アンカーは、アンカードライバに対して結合された状態においてこの通路を通り前進されて、壁部の前出の部分に到達し得る。このようにすることで、アンカードライバは、超音波送受信機がインプラントのルーメン内に留まる間に、空洞部を通り通路を通り前進され得る。
【0010】
任意には、アンカードライバおよび超音波ツールは、アンカードライバまたは超音波ツールの一方のみが所与の時点において長手方向空洞部内に配設され得るように、寸法設定され得る。かかる適用例では、アンカードライバは、超音波ツールが長手方向空洞部に貫通して配設されていない場合にのみ、長手方向空洞部を通りインプラントまで前進可能となるように構成されることが可能であり、したがって、超音波ツールおよびアンカードライバは、前出の組織部位を評価し次いで前出の組織部位に対してアンカー固定するために交互に前進され引き抜かれ得る。いくつかのかかる適用例では、アンカーチャネルは、空洞部からの超音波ツールの引抜きと、その後の空洞部を通りインプラントまでのアンカードライバの前進と、の最中に、組織の前出の部位に対して対接状態に壁部の前出の部分を保持するために使用される。
【0011】
いくつかの適用例では、2つ以上のアンカーが、組織の対応する2つ以上の部位に対してインプラントの壁部の対応する2つ以上の部分をアンカー固定するために使用される。いくつかのかかる適用例では、超音波ベース評価が、これらの部位のそれぞれに対して実施される。
【0012】
いくつかの適用例では、態様が、コネクタを使用して、超音波送受信機により検出された反射超音波エネルギーを表すデータを超音波送受信機から超音波コントローラへ中継することを含む。超音波コントローラは、このデータを解析するために使用され得る。
【0013】
いくつかの適用例では、組織は、心臓の弁輪の組織を含むことが可能であり、インプラントは、弁輪形成構造体を含むことが可能である。いくつかの適用例では、組織に対してインプラントをアンカー固定することは、弁輪の組織に対して弁輪形成構造体の壁部の一部分をアンカー固定することを含み得る。いくつかのかかる適用例では、弁輪形成構造体は、弁輪形成構造体のスリーブに沿って延在する収縮部材(例えば収縮ワイヤ及び収縮ライン等)を備えることが可能であり、弁輪形成構造体の調節機構が、収縮部材に張力印加することによりスリーブを収縮させるように構成され得る。
【0014】
いくつかの適用例では、インプラントおよび/または弁輪形成構造体は、壁部もしくは内方ルーメンを有さない設計またはスリーブ無し設計であることが可能であり、例えば、インプラントおよび/または弁輪形成構造体は、複数のアンカーに対して接続された(例えば複数のアンカーに通された等)収縮部材(例えば収縮ワイヤ及び収縮ライン等)を備えるおよび/または収縮部分からなることが可能である。
【0015】
いくつかの適用例では、態様が、被験者の心臓の血管内にインジケータワイヤを配置することと、インジケータワイヤに電流を通すことによりインジケータワイヤに対して物理的場を発生させることと、を含む。例えば、この物理的場は、静電場、電磁場、電場、または磁場を含むことが可能である。
【0016】
いくつかの適用例では、態様が、アンカー送達システムを使用して、血管に隣接する組織の一部分に向かって組織アンカーを送達することを含む。しばしば、アンカー送達システムは、アンカー送達システムの一部分に感知素子を備える。いくつかの適用例では、感知素子は、インジケータワイヤの範囲内にアンカー送達システムの一部分を配置することによりアンカー送達システムのこの部分の位置を判定するために使用される。例えば、この部分の位置は、物理的場の変化を計測することにより判定され得る。
【0017】
いくつかの適用例では、態様が、被験者の心臓の血管内にインジケータワイヤを配置することと、インジケータワイヤの範囲内にアンカー送達システムの前出の部分を配置することにより超音波感知素子を使用して超音波場を発生させることと、を含む。例えば、アンカー送達システムは、アンカー送達システムの一部分に超音波感知素子を備えることが可能である。いくつかのかかる適用例では、前出の部分のこの位置は、超音波場の変化を計測することにより判定され得る。
【0018】
いくつかの適用例では、態様が、アンカー送達システムの前出の部分とインジケータワイヤの一部分との間の距離を算出することを含む。例えば、この距離を算出することは、所定の閾値に対してこの距離を比較することを含み得る。
【0019】
いくつかの適用例では、態様が、弁輪形成構造体のルーメンに通してアンカー送達システムの前出の部分を移動させることと、弁輪形成構造体のルーメン内から組織の前出の部分中に組織アンカーを展開することと、を含む。例えば、組織アンカーは、所定の閾値に対するこの距離の比較に応答して組織の前出の部位中に展開され得る。
【0020】
したがって、一適用例によれば、被験者の組織と共に使用するためのシステムおよび/または装置が提供される。このシステムおよび/または装置は、インプラントおよび送達ツールを備える。いくつかの適用例では、インプラントは、複数のアンカーに対して接続された(例えば複数のアンカーに通された、直接的に接続された、及び動作的に接続/結合された等)収縮部材(例えば収縮ワイヤ及び収縮ライン等)を備える。いくつかの適用例では、インプラントは、ルーメンを囲む壁部を備える。いくつかの適用例では、インプラントは、ルーメンおよび/または壁部を備えない。
【0021】
送達ツールは、組織まで経腔的に前進可能であり、遠位開口を備える遠位部分を有するカテーテルを備える。インプラントは、カテーテルを経由して組織へ送達されるように構成され得る。また、送達ツールは、体外制御アセンブリを備える。この制御アセンブリは、遠位開口から出るようにインプラントの少なくとも一部分(例えば壁部の一部分、インプラントの長さ、収縮部材の一部分、及びアンカー等)を前進させるように構成され得る。また、制御アセンブリは、組織の部位に対して対接状態にインプラントのこの部分(例えば壁部の部分及びインプラントの長さ等)を配置するように遠位部分を操縦するために遠位部分に対して動作可能に結合され得る。この部位は、インプラントのこの部分(例えば壁部の部分及びインプラントの長さ等)から遠位方向におよび遠位開口の対向側に配設される。
【0022】
いくつかの適用例では、送達ツールは、超音波ツールをさらに備える。超音波ツールは、カテーテル内において前進可能であり、遠位端部に超音波送受信機を備えることが可能である。いくつかの適用例では、超音波ツールは、インプラントの前出の部分に対面する位置に超音波送受信機を位置決めしインプラントの前出の部分を通り前出の部位中に超音波エネルギーを送信することにより部位の撮像を容易化するように構成される。いくつかの適用例では、インプラントの前出の部分が、ルーメンを有するインプラントの壁部の一部分である場合に、超音波ツールは、インプラントのルーメン内に位置しインプラントの壁部の前出の部分に対面する位置に超音波送受信機を位置決めし、(例えばルーメン内から)壁部のこの部分を通り前出の部位中に超音波エネルギーを送信することにより前出の部位の撮像を容易化するように構成される。
【0023】
システムおよび/または装置は、組織アンカーおよびアンカードライバをさらに備え得る。アンカードライバは、壁部の前出の部分を貫通し前出の部位内へ組織アンカーを駆動することにより、組織に対してインプラントをアンカー固定するように構成され得る。
【0024】
一適用例では、カテーテルは、組織へと経大腿的におよび経中隔的に前進可能であるように構成される。
【0025】
一適用例では、カテーテルの遠位部分が放射線不透過性を有する。
【0026】
一適用例では、アンカードライバは、インプラントが組織に配設される状態において、カテーテルを通りインプラントまで組織アンカーを前進させるように構成される。
【0027】
一適用例では、超音波送受信機は、反射超音波エネルギーを検出するように構成され、反射超音波エネルギーは、超音波送受信機により送信され前出の部位から反射される超音波エネルギーの一部である。超音波ツールは、回路およびユーザインターフェースを備える超音波コントローラを備えることが可能である。この超音波コントローラは、超音波送受信機により検出された反射超音波エネルギーの解析を容易にするように構成される。超音波ツールは、超音波送受信機により検出された反射超音波エネルギーを表すデータを超音波送受信機から超音波コントローラへ中継するように構成されたコネクタを備えることが可能である。
【0028】
一適用例では、超音波送受信機は、前出の部位から壁部の前出の部分を通過して反射される反射超音波エネルギーを検出するように構成される。
【0029】
一適用例では、送達ツールは、アンカーチャネルを備え、アンカーチャネルは、遠位アパーチャにて終端する長手方向空洞部を画成する。アンカーチャネルは、アンカーチャネルの遠位領域がインプラントの前出の部分に(例えばインプラントのルーメン内に、インプラントの側部に対接して、及びインプラントに隣接して等)配設されるように、カテーテルを貫通して延在し得る。いくつかの適用例では、遠位領域は、遠位アパーチャを備える。いくつかの適用例では、アンカーチャネルは、カテーテルおよびインプラントのルーメン内において前進可能である。
【0030】
一適用例では、アンカーチャネルは、アンカーチャネルの遠位領域がルーメン内に配設され、遠位領域が遠位アパーチャを備え、アンカーチャネルにより、前出の部位における壁部の前出の部分の位置決めが容易になるように、カテーテルを貫通して延在するように構成される。
【0031】
一適用例では、アンカードライバは、組織アンカーに対して結合された状態において、前出の部位中に組織アンカーを前進させるように長手方向空洞部を通り前出の部位まで前進可能であり、カテーテルの近位開口を経由して(組織アンカーに対して結合されていても組織アンカーから結合解除されていても)長手方向空洞部から除去可能である。
【0032】
一適用例では、アンカードライバは、組織アンカーに対して結合された状態において、組織アンカーが壁部の前出の部分に到達するような様式で、インプラントのルーメン内へと組織アンカーを前進させるように長手方向空洞部を通りインプラントまで前進可能であり、カテーテルの近位開口を経由して長手方向空洞部から除去可能である。
【0033】
一適用例では、超音波送受信機は、超音波送受信機が壁部の前出の部分に対面するように、長手方向空洞部を通りインプラントのルーメン内へと前進可能であり、カテーテルの近位開口を通り長手方向空洞部から除去可能である。
【0034】
一適用例では、アンカードライバは、超音波送受信機が長手方向空洞部を通り配設されない場合にのみ、長手方向空洞部を通りインプラントまで前進可能である。
【0035】
一適用例では、超音波ツールは、アンカーチャネルを備え、超音波送受信機は、アンカーチャネルの遠位領域に配設され、アンカーチャネルは、前出の部位のある位置に超音波送受信機を位置決めするように構成される。前出の部位のこの位置は、インプラントのルーメン内でありインプラントの壁部の前出の部分に対面する位置であることが可能である。
【0036】
一適用例では、超音波送受信機は、リングとして形状設定され、このリングは、当該リングを貫通する通路を画成する。
【0037】
一適用例では、アンカードライバは、組織アンカーに対して結合された状態において、組織アンカーがインプラントの前出の部分(例えばインプラントの壁部の前出の部分)に到達するような様式で、通路に通して組織アンカーを前進させるように、長手方向空洞部を通りインプラントまで前進可能である。
【0038】
一適用例では、インプラントは、弁輪形成構造体を備える。一適用例では、弁輪形成構造体は、壁部により画成されたスリーブを備える。
【0039】
一適用例では、弁輪形成構造体は、収縮部材および作動可能調節機構をさらに備え、調節機構は、作動された場合に収縮部材に対して張力を印加するように構成され、収縮部材は、調節機構を作動させることにより張力印加される場合に、弁輪形成構造体の長さを調節するように構成される。
【0040】
一適用例によれば、被験者の組織にインプラントを植え込むための方法が提供される。この方法は、カテーテルを備える送達ツールを使用して組織までインプラント(またはその一部分)を経腔的に前進させることを含む。カテーテルは、遠位開口を備える遠位部分を有する。この方法は、組織の部位に/部位の付近に位置するインプラントの部分に隣接してまたは近傍に超音波ツールの超音波送受信機を位置決めすることをさらに含む。この方法は、この部位に超音波エネルギーを送信しこの部位から反射された反射超音波エネルギーを検出するために超音波ツールを使用することにより、組織の部位を評価することをさらに含む。
【0041】
この方法は、遠位開口が組織の前出の部位に配設されるように、カテーテルの遠位部分を操縦するためにカテーテルの遠位部分に対して動作可能に結合された体外制御アセンブリを使用することを含むことが可能である。また、制御アセンブリは、遠位開口外へと露出されたインプラントの部分を組織の前出の部位に対して対接状態に保持するために使用することも可能である(およびこの方法は、遠位開口から露出されたインプラントの部分を組織の前出の部位に対して対接状態に保持することを含み得る)。
【0042】
いくつかの適用例では、この方法は、インプラントの前出の部分を通して前出の部位へ超音波エネルギーを送信し前出の部位から反射された反射超音波エネルギーを検出するために超音波ツールを使用することにより、組織の前出の部位を評価することを含む。
【0043】
また、この方法は、その後に、アンカードライバを使用して、インプラントの前出の部分を貫通し組織の前出の部位中に組織アンカーを駆動することにより組織に対してインプラントをアンカー固定することを含む。いくつかの適用例では、インプラントの前出の部分は、インプラントの壁部の部分、インプラントのスリーブの部分、インプラントの側部の部分、インプラントの長さ、インプラントのある面積、インプラントの構成要素、及び組織アンカー(例えば組織アンカーのすべてまたは一部分)等であることが可能である。
【0044】
いくつかの適用例では、組織は、被験者の心臓の弁輪の組織を含み、インプラントは、弁輪形成構造体を含み、組織に対してインプラントをアンカー固定することは、弁輪の組織に対して弁輪形成構造体の一部分をアンカー固定することを含む。
【0045】
いくつかの適用例では、インプラントの前出の部分は、インプラントの壁部の一部分であり、組織の前出の部位から反射された反射超音波エネルギーを検出することは、壁部の前出の部分を通り反射されて戻る反射超音波エネルギーを検出することを含む。いくつかの適用例では、インプラントは、インプラントの壁部により囲まれたルーメンを備え、超音波ツールまたは超音波ツールの超音波送受信機は、前出の部位中に超音波エネルギーを送信する場合および/または前出の部位から反射された超音波エネルギーを検出する場合に、インプラントのルーメンの内部に位置決めされる。
【0046】
いくつかの適用例では、アンカードライバは、組織に対してインプラントをアンカー固定する場合に超音波ツールと同軸状である。いくつかの適用例では、組織アンカーは、組織に対してインプラントをアンカー固定する場合に、超音波ツールおよび/または超音波送受信機の遠位領域および/または遠位端部と同軸状である。
【0047】
いくつかの適用例では、この方法は、組織に対してインプラントをアンカー固定しつつ、超音波ツールおよびアンカードライバを同時に使用することをさらに含む。いくつかの適用例では、この方法は、組織の前出の部位中に組織アンカーを駆動することにより前出の組織に対してインプラントをアンカー固定しつつ、超音波ツールを使用して組織の前出の部位を評価することを継続することをさらに含む。
【0048】
いくつかの適用例では、超音波ツールの超音波送受信機は、超音波ツールの遠位領域に配設され、組織の前出の部位に対して対接状態にインプラントの前出の部分を保持することは、超音波ツールを使用して前出の部分に対して押力を印加することを含み(いくつかの適用例では、任意には、これはルーメン内から行われ得る)、組織アンカーを駆動することは、超音波送受信機により画成された通路に通して組織アンカーを駆動することを含む。
【0049】
一適用例では、カテーテルを使用して組織へインプラントを経腔的に前進させることは、カテーテルを使用して組織へインプラントを経大腿的に前進させることを含む。一適用例では、カテーテルを使用して組織へインプラントを経腔的に前進させることは、カテーテルを使用してこの組織へインプラントを経中隔的に前進させることを含む。
【0050】
いくつかの適用例では、この方法は、アンカーチャネルの遠位領域が前出の部位にまたはその付近に配設されるように、アンカーチャネルを位置決めすることを含み、アンカーチャネルは、長手方向空洞部を画成し、遠位領域は、遠位アパーチャを備え、遠位アパーチャは、インプラントの前出の部分に配設される。この方法は、組織アンカーに対して結合された状態において、遠位アパーチャが前出の部位にまたはその付近に配設される状態において、長手方向空洞部を通り前出の部位までアンカードライバを遠位方向に前進させることをさらに含み得る。
【0051】
いくつかの適用例では、前出の組織に対してインプラントをアンカー固定することは、組織の前出の部位にインプラントの前出の部分を保持するためにアンカーチャネルを使用しつつ、組織の前出の部位に対してインプラントの前出の部分をアンカー固定することを含む。
【0052】
いくつかの適用例では、超音波送受信機を位置決めすることは、遠位アパーチャが前出の部位に配設された状態で、長手方向空洞部を通り超音波ツールを遠位方向に前進させることを含む。
【0053】
いくつかの適用例では、この方法は、長手方向空洞部を通りインプラントまで遠位方向にアンカードライバを前進させる前に、アンカーチャネルを使用して組織の前出の部位にインプラントの前出の部分を保持しつつ、カテーテルの近位開口を通り長手方向空洞部から超音波送受信機を引き抜くことを含む。
【0054】
いくつかの適用例では、超音波ツールは、コネクタと、回路およびユーザインターフェースを備える超音波コントローラと、を備え、この方法は、コネクタを使用して、超音波送受信機により検出された反射超音波エネルギーを表すデータを超音波送受信機から超音波コントローラへ中継することと、超音波コントローラの回路を使用して、反射超音波エネルギーを解析することと、を含む。
【0055】
いくつかの適用例では、反射超音波エネルギーを解析することは、回路においてデータ解析プログラムを動作させることを含む。一適用例では、反射超音波エネルギーを解析することは、ユーザインターフェースに表示された画像を評価することを含む。
【0056】
いくつかの適用例では、組織アンカーは、第1の組織アンカーであり、インプラントの前出の部分は、インプラントの第1の部分であり、前出の部位は、前出の組織の第1の部位であり、前出の組織の前出の部位中への組織アンカーの駆動は、前出の組織の第1の部位中に第1の組織アンカーを駆動することを含む。これは、第1の組織アンカーがインプラントの第1の部分に対して接続/結合されている間に(またはそれにより)実施され得る。さらに、前出の組織に対してインプラントをアンカー固定することは、前出の組織の第1の部位中に第1の組織アンカーを駆動した後に、前出の組織の第2の部位中に第2の組織アンカーを駆動することをさらに含み得る。これは、第2の組織アンカーがインプラントの第2の部分に対して接続/結合されている間に(またはそれにより)実施され得る。
【0057】
いくつかの適用例では、第1の部位は、弁輪の左線維三角に位置し、前出の組織に対するインプラントのアンカー固定は、左線維三角にて第1の部位中に第1の組織アンカーを駆動することを含む。
【0058】
いくつかの適用例では、第1の部位は、弁輪の右線維三角に位置し、前出の組織に対するインプラントのアンカー固定は、右線維三角にて第1の部位中に第1の組織アンカーを駆動することを含む。
【0059】
いくつかの適用例では、インプラントは、弁輪形成構造体を備え、弁輪形成構造体は、収縮部材(例えば収縮ワイヤ、収縮縫合糸、及び収縮ライン等)を備える。一適用例では、この方法は、収縮部材に張力印加することにより天然弁の弁輪のサイズを調節することを含む。一適用例では、この方法は、収縮部材に張力印加することにより弁輪形成構造体の長さを調節することを含む。
【0060】
いくつかの適用例では、インプラントは、弁輪形成構造体を備え、インプラントの壁部が、弁輪形成構造体のスリーブを画成するように形状設定され、弁輪形成構造体は、スリーブの少なくとも一部分に沿って延在する収縮部材を備える。一適用例では、この方法は、収縮部材に張力印加することにより天然弁の弁輪サイズを調節することを含む。この方法は、収縮部材に張力印加することにより弁輪形成構造体の長さを調節することを含み得る。
【0061】
いくつかの適用例では、収縮部材に張力印加することにより天然弁の弁輪のサイズを調節することは、調節機構を作動させることにより収縮部材に張力印加することを含む。
【0062】
いくつかの適用例では、収縮部材に張力印加することにより構造体の長さを調節することは、調節機構を作動させることにより収縮部材に張力印加することを含む。
【0063】
いくつかの適用例では、調節機構は、収縮部材に対して結合された回転可能スプールを備え、調節機構を作動させることによる収縮部材に対する張力印加は、スプールを回転させることを含む。
【0064】
いくつかの適用例では、この方法は、(i)組織の第1の部位中に第1の組織アンカーを駆動した後に、および(ii)組織の第2の部位中に第2の組織アンカーを駆動する前に、遠位開口が組織の第2の部位にまたはその付近に配設されるように、カテーテルの遠位部分を操縦することと、組織の第2の部位にまたはその付近にインプラントの第2の部分を保持することと、組織の第2の部位を評価することであって、第2の部位に超音波エネルギーを送信し第2の部位から反射された反射超音波エネルギーを検出する両方のために超音波ツールを使用することにより、評価することと、を含む。
【0065】
いくつかの適用例では、組織の第2の部位中に第2の組織アンカーを駆動することは、超音波送受信機がカテーテル内に留まり、インプラントの第2の部分にまたはその付近に位置する状態において、組織の第2の部位中に第2の組織アンカーを駆動することを含む。
【0066】
いくつかの適用例では、組織の第2の部位を評価することは、組織の第1の部位の評価と組織の第2の部位の評価との間にカテーテルからおよび/または天然心臓弁の近傍から超音波送受信機を除去することなく、組織の第2の部位を評価することを含む。
【0067】
いくつかの適用例では、この方法は、(i)組織の第1の部位を評価した後に、および(ii)組織の第1の部位中に第1の組織アンカーを駆動する前に、インプラントのルーメンから超音波送受信機を引き抜くことと、(i)組織の第1の部位中に第1の組織アンカーを駆動した後に、および(ii)組織の第2の部位を評価する前に、
インプラントからアンカードライバを引き抜くことと、
その後、超音波送受信機が第2の部位に対面するように、インプラントのルーメン内に超音波送受信機を前進させることと、を含む。
【0068】
上記の方法は、生きている動物に対して、または死体、死体心、及びシミュレータ(例えば刺激されている身体部分、心臓、及び組織等)等に対してなどシミュレーションに対して実施することが可能である。
【0069】
一適用例によれば、被験者の組織にインプラントを植え込むための方法がさらに提供される。インプラントは、ルーメンを囲む壁部を備える。この方法は、カテーテルを備える送達ツールを使用して組織までインプラントを経腔的に前進させることを含み、カテーテルは、遠位開口を備える遠位部分を有する。この方法は、遠位開口が組織の部位にまたはその対向側に配設されるように、カテーテルの遠位部分を操縦するためにカテーテルの遠位部分に対して動作可能に結合された体外制御アセンブリを使用することを含む。いくつかの適用例では、制御アセンブリは、遠位開口から露出されたインプラントの部分を組織のこの部位に対して対接状態に保持するために使用され得る(およびこの方法は、遠位開口から露出されたインプラントの部分を組織のこの部位に対して対接状態に保持することを含み得る)。
【0070】
この方法は、インプラントのルーメン内におよび壁部の前出の部分に対面するように超音波ツールの超音波送受信機を位置決めすることをさらに含む。この方法は、壁部の前出の部分を通り前出の部位中に超音波エネルギーを送信し、前出の部位から反射された反射超音波エネルギーを検出するために超音波ツールを使用することによって、組織の前出の部位を評価することをさらに含む。
【0071】
また、この方法は、その後に、アンカードライバを使用して、壁部の前出の部分を貫通し組織の前出の部位中に組織アンカーを駆動することにより、組織に対してインプラントをアンカー固定することを含み得る。
【0072】
前出の組織が被験者の心臓の弁輪組織を含む一適用例では、インプラントは、弁輪形成構造体を含み、前出の壁部は、弁輪構造体の壁部であり、組織に対してインプラントをアンカー固定することは、弁輪の組織に対して弁輪形成構造体の壁部の一部分をアンカー固定することを含む。
【0073】
一適用例では、組織の前出の部位から反射された反射超音波エネルギーの検出は、壁部の前出の部分を通り反射されて戻る反射超音波エネルギーを検出することを含む。
【0074】
一適用例では、超音波ツールの超音波送受信機は、超音波ツールの遠位領域に配設され、組織の前出の部位に対して対接状態に壁部の前出の部分を保持することは、超音波ツールを使用してルーメン内から前出の部分に対して押力を印加することを含み、組織アンカーを駆動することは、超音波送受信機により画成された通路に通して組織アンカーを駆動することを含む。
【0075】
一適用例では、カテーテルを使用して組織へインプラントを経腔的に前進させることは、カテーテルを使用して組織までインプラントを経大腿的に前進させることを含む。
【0076】
一適用例では、カテーテルを使用して組織までインプラントを経腔的に前進させることは、カテーテルを使用して組織までインプラントを経中隔的に前進させることを含む。
【0077】
一適用例では、この方法は、アンカーチャネルの遠位領域がルーメン内に配設されるように、アンカーチャネルを位置決めすることを含み、アンカーチャネルは、長手方向空洞部を画成し、遠位領域は、遠位アパーチャを備え、遠位アパーチャは、壁部の前出の部分に配設される。この方法は、組織アンカーに対して結合された状態において、遠位アパーチャが壁部の前出の部分に配設される状態において、長手方向空洞部を通りインプラントまでアンカードライバを遠位方向に前進させることをさらに含み得る。
【0078】
一適用例では、組織に対してインプラントをアンカー固定することは、組織の前出の部位に対して対接状態に壁部の前出の部分を保持するためにアンカーチャネルを使用しつつ、組織の前出の部位に対して壁部の前出の部分をアンカー固定することを含む。
【0079】
一適用例では、超音波送受信機を位置決めすることは、遠位アパーチャが壁部の前出の部分に配設された状態で、長手方向空洞部を通り超音波ツールを遠位方向に前進させることを含む。
【0080】
一適用例では、この方法は、長手方向空洞部を通りインプラントまで遠位方向にアンカードライバを前進させる前に、アンカーチャネルを使用して組織の前出の部位に対して対接状態に壁部の前出の部分を保持しつつ、カテーテルの近位開口を通り長手方向空洞部から超音波送受信機を引き抜くことを含む。
【0081】
一適用例では、超音波ツールは、コネクタと、回路およびユーザインターフェースを備える超音波コントローラと、を備え、この方法は、コネクタを使用して、超音波送受信機により検出された反射超音波エネルギーを表すデータを超音波送受信機から超音波コントローラへ中継することと、超音波コントローラの回路を使用して、反射超音波エネルギーを解析することと、を含む。
【0082】
一適用例では、反射超音波エネルギーを解析することは、回路においてデータ解析プログラムを動作させることを含む。一適用例では、反射超音波エネルギーを解析することは、ユーザインターフェースに表示された画像を評価することを含む。
【0083】
一適用例では、組織アンカーは、第1の組織アンカーであり、壁部の前出の部分は、壁部の第1の部分であり、前出の部位は、組織の第1の部位であり、壁部の前出の部分を貫通して組織の前出の部位中への組織アンカーの駆動は、壁部の第1の部分を貫通し組織の第1の部位中に第1の組織アンカーを駆動することを含む。さらに、組織に対してインプラントをアンカー固定することは、壁部の第1の部分を貫通して組織の第1の部位中に第1の組織アンカーを駆動した後に、壁部の第2の部分を貫通し組織の第2の部位中に第2の組織アンカーを駆動することをさらに含み得る。
【0084】
一適用例では、第1の部位は、弁輪の左線維三角に位置し、組織に対するインプラントのアンカー固定は、壁部の第1の部分を貫通して左線維三角にて第1の部位中に第1の組織アンカーを駆動することを含む。
【0085】
一適用例では、第1の部位は、弁輪の右線維三角に位置し、組織に対するインプラントのアンカー固定は、壁部の第1の部分を貫通して右線維三角にて第1の部位中に第1の組織アンカーを駆動することを含む。
【0086】
一適用例では、インプラントは、弁輪形成構造体を備え、壁部は、弁輪形成構造体のスリーブを画成するように形状設定され、輪形成構造体は、スリーブの少なくとも一部分に沿って延在する収縮部材を備え、この方法は、収縮部材に張力印加することにより構造体の長さを調節することを含む。
【0087】
一適用例では、収縮部材に張力印加することにより構造体の長さを調節することは、調節機構を作動させることにより収縮部材に張力印加することを含む。
【0088】
一適用例では、調節機構は、収縮部材に対して結合された回転可能スプールを備え、調節機構を作動させることによる収縮部材に対する張力印加は、スプールを回転させることを含む。
【0089】
一適用例では、この方法は、(i)壁部の第1の部分を貫通して組織の第1の部位中に第1の組織アンカーを駆動した後に、および(ii)壁部の第2の部分を貫通して組織の第2の部位中に第2の組織アンカーを駆動する前に、遠位開口が組織の第2の部位の対向側に配設されるように、カテーテルの遠位部分を操縦することと、組織の第2の部位に対して対接状態に壁部の第2の部分を保持することと、組織の第2の部位を評価することであって、壁部の第2の部分を通り第2の部位中に超音波エネルギーを送信し第2の部位から反射された反射超音波エネルギーを検出する両方のために超音波ツールを使用することにより、評価することと、を含む。
【0090】
一適用例では、壁部の第2の部分を貫通して組織の第2の部位中に第2の組織アンカーを駆動することは、超音波送受信機がインプラントのルーメン内に留まり壁部の第2の部分に対面する状態において、壁部の第2の部分を貫通して組織の第2の部位中に第2の組織アンカーを駆動することを含む。
【0091】
一適用例では、組織の第2の部位を評価することは、組織の第1の部位の評価と組織の第2の部位の評価との間にインプラントのルーメン内から超音波送受信機を除去することなく、組織の第2の部位を評価することを含む。
【0092】
一適用例では、この方法は、(i)組織の第1の部位を評価した後に、および(ii)壁部の第1の部分を貫通して第1の組織アンカーを駆動する前に、インプラントのルーメンから超音波送受信機を引き抜くことと、(i)壁部の第1の部分を貫通して組織の第1の部位中に第1の組織アンカーを駆動した後に、および(ii)組織の第2の部位を評価する前に、
インプラントからアンカードライバを引き抜くことと、
その後、超音波送受信機が壁部の第2の部分に対面するように、インプラントのルーメン内に超音波送受信機を前進させることと、を含む。
【0093】
上記の方法は、生きている動物に対して、または死体、死体心、シミュレータ(例えば刺激されている身体部分、心臓、及び組織等)等に対してなどシミュレーションに対して実施することが可能である。
【0094】
一適用例によれば、以下を含む方法がさらに提供される。すなわち、
被験者の心臓の血管内にインジケータワイヤを配置することと、
インジケータワイヤに電流を通すことによりインジケータワイヤに対して物理的場を発生させることと、
アンカー送達システムを使用して、血管に隣接する心臓の組織の一部分に向かって組織アンカーを送達することであり、アンカー送達システムが、アンカー送達システムの一部分に感知素子を備える、送達することと、
アンカー送達システムのこの部分の位置を判定することであって、
インジケータワイヤの範囲内にアンカー送達システムのこの部分を配置することにより物理的場の変化を計測すること、および
この計測により、アンカー送達システムのこの部分とインジケータワイヤの一部分との間の距離を算出すること
により、判定することと、を含む。
【0095】
一適用例では、血管内にインジケータワイヤを配置することは、心臓の冠動脈内にインジケータワイヤを配置することを含む。
【0096】
一適用例では、血管内にインジケータワイヤを配置することは、心臓の冠静脈内にインジケータワイヤを配置することを含む。
【0097】
一適用例では、物理的場を発生させることは、静電場を発生させることを含む。
【0098】
一適用例では、物理的場を発生させることは、電磁場を発生させることを含む。
【0099】
一適用例では、物理的場を発生させることは、電場を発生させることを含む。
【0100】
一適用例では、物理的場を発生させることは、磁場を発生させることを含む。
【0101】
一適用例では、感知素子は、超音波センサを含む。
【0102】
一適用例では、組織アンカーを送達することは、組織アンカーを使用して被験者の心臓の弁輪に弁輪形成構造体を植え込むことを含む。
【0103】
一適用例では、弁輪形成構造体は、収縮部材(例えば収縮ワイヤ、収縮ライン、及び収縮縫合糸等)および1つまたは複数の組織アンカーを備える。
【0104】
一適用例では、弁輪形成構造体は、ルーメンを画成するように形状設定され、組織アンカーを送達することは、弁輪形成構造体のルーメンに通してアンカー送達システムの前出の部分を移動させることと、弁輪形成構造体のルーメン内から組織の前出の部位中に組織アンカーを展開することと、を含む。
【0105】
一適用例では、弁輪形成構造体は、ルーメンまたはスリーブを備えない。
【0106】
一適用例では、アンカー送達システムの前出の部分とインジケータワイヤの前出の部分との間の距離を算出することは、所定の閾値に対してこの距離を比較することを含む。
【0107】
一適用例では、組織アンカーを送達することは、所定の閾値に対する前出の距離の前出の比較に応答して組織の前出の部分中に組織アンカーを展開することを含む。
【0108】
一適用例では、組織アンカーを送達することは、前出の距離が所定の閾値未満であるという判定に応答して、組織の前出の部分中に組織アンカーを展開することを含む。
【0109】
一適用例では、組織アンカーは、第1の組織アンカーを規定し、この方法は、
組織の前出の部分中に組織アンカーを展開した後に、アンカー送達システムの前出の部分の位置を判定することにより組織の第2の部分へアンカー送達システムの前出の部分を移動させることと、
所定の閾値に対する前出の距離の比較に応答して組織の第2の部分中に第2の組織アンカーを展開することと、
を含む。
【0110】
一適用例では、第2の組織アンカーを展開することは、前出の距離が所定の閾値未満であるという判定に応答して、組織の第2の部分中に第2の組織アンカーを展開することを含む。
【0111】
上記の方法は、生きている動物に対して、または死体、死体心、及びシミュレータ(例えば刺激されている身体部分、心臓、及び組織等)等に対してなどシミュレーションに対して実施することが可能である。
【0112】
一適用例によれば、以下を含む方法がさらに提供される。すなわち、
被験者の心臓の血管内にインジケータワイヤを配置することと、
アンカー送達システムを使用して、血管に隣接する心臓の組織の一部分に向かって組織アンカーを送達することであり、アンカー送達システムが、アンカー送達システムの一部分に超音波感知素子を備える、送達することと、
アンカー送達システムのこの部分の位置を判定することであって、
インジケータワイヤの範囲内にアンカー送達システムのこの部分を配置することにより超音波感知素子によって発生された超音波場の変化を計測すること、および
この計測により、アンカー送達システムのこの部分とインジケータワイヤの一部分との間の距離を算出すること
により、判定することと、を含む。
【0113】
一適用例では、血管内にインジケータワイヤを配置することは、心臓の冠動脈内にインジケータワイヤを配置することを含む。
【0114】
一適用例では、血管内にインジケータワイヤを配置することは、心臓の冠静脈内にインジケータワイヤを配置することを含む。
【0115】
一適用例では、組織の前出の部分は、被験者の弁輪の組織を備え、この方法は、弁輪まで弁輪形成構造体を前進させることを含み、弁輪形成構造体は、当該弁輪形成構造体を貫通するルーメンを画成するように形状設定され、組織の前出の部分に組織アンカーを送達することは、弁輪形成構造体のルーメン内から弁輪の組織の一部分まで組織アンカーを送達することを含む。
【0116】
一適用例では、組織アンカーを送達することは、組織アンカーを使用して被験者の心臓の弁輪に弁輪形成構造体を植え込むことを含む。
【0117】
一適用例では、弁輪形成構造体は、収縮部材(収縮ワイヤ、収縮ライン、及び収縮縫合糸等)および1つまたは複数の組織アンカーを備える。
【0118】
一適用例では、弁輪形成構造体は、ルーメンを画成するように形状設定され、組織アンカーを送達することは、弁輪形成構造体のルーメンに通してアンカー送達システムの前出の部分を移動させることと、弁輪形成構造体のルーメン内から組織の前出の部分中に組織アンカーを展開することと、を含む。
【0119】
一適用例では、弁輪形成構造体は、ルーメンまたはスリーブを備えない。
【0120】
一適用例では、アンカー送達システムの前出の部分とインジケータワイヤの前出の部分との間の距離の算出は、所定の閾値に対してこの距離を比較することを含む。
【0121】
一適用例では、組織アンカーを送達することは、所定の閾値に対する前出の距離の比較に応答して、組織の前出の部分中に組織アンカーを展開することを含む。
【0122】
一適用例では、組織アンカーを送達することは、前出の距離が所定の閾値未満であるという判定に応答して、組織の前出の部分中に組織アンカーを展開することを含む。
【0123】
一適用例では、組織アンカーは、第1の組織アンカーを規定し、この方法は、
組織の前出の部分中に組織アンカーを展開した後に、アンカー送達システムの前出の部分の位置を判定することにより組織の第2の部分へアンカー送達システムの前出の部分を移動させることと、
所定の閾値に対する前出の距離の比較に応答して組織の第2の部分中に第2の組織アンカーを展開することと、
を含む。
【0124】
一適用例では、第2の組織アンカーを展開することは、前出の距離が所定の閾値未満であるという判定に応答して、組織の第2の部分中に第2の組織アンカーを展開することを含む。
【0125】
上記の方法は、生きている動物に対して、または死体、死体心、及びシミュレータ(例えば刺激されている身体部分、心臓、及び組織等)等に対してなどシミュレーションに対して実施することが可能である。
【0126】
本発明は、その適用例の以下の詳細な説明を図面と共に参照することによってより十分に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0127】
図1】いくつかの適用例による一例のインプラントおよび被験者の組織へインプラントを送達するための一例の送達ツールを備えるマルチコンポーネントシステムを示す概略図である。
図2A】いくつかの適用例による、一例の送達ツールが心臓の心組織にて一例のインプラントを展開するために使用されているのを示す概略図である。
図2B】いくつかの適用例による、一例の送達ツールが心臓の心組織にて一例のインプラントを展開するために使用されているのを示す概略図である。
図2C】いくつかの適用例による、一例の送達ツールが心臓の心組織にて一例のインプラントを展開するために使用されているのを示す概略図である。
図2D】いくつかの適用例による、一例の送達ツールが心臓の心組織にて一例のインプラントを展開するために使用されているのを示す概略図である。
図2E】いくつかの適用例による、一例の送達ツールが心臓の心組織にて一例のインプラントを展開するために使用されているのを示す概略図である。
図2F】いくつかの適用例による、一例の送達ツールが心臓の心組織にて一例のインプラントを展開するために使用されているのを示す概略図である。
図2G】いくつかの適用例による、一例の送達ツールが心臓の心組織にて一例のインプラントを展開するために使用されているのを示す概略図である。
図2H】いくつかの適用例による、一例の送達ツールが心臓の心組織にて一例のインプラントを展開するために使用されているのを示す概略図である。
図2I】いくつかの適用例による、一例の送達ツールが心臓の心組織にて一例のインプラントを展開するために使用されているのを示す概略図である。
図2J】いくつかの適用例による、一例の送達ツールが心臓の心組織にて一例のインプラントを展開するために使用されているのを示す概略図である。
図2K】いくつかの適用例による、一例の送達ツールが心臓の心組織にて一例のインプラントを展開するために使用されているのを示す概略図である。
図2L】いくつかの適用例による、一例の送達ツールが心臓の心組織にて一例のインプラントを展開するために使用されているのを示す概略図である。
図2M】いくつかの適用例による、一例の送達ツールが心臓の心組織にて一例のインプラントを展開するために使用されているのを示す概略図である。
図3A】いくつかの適用例による、心組織に対する一例の超音波ツールの位置を示す概略図である。
図3B】いくつかの適用例による、心組織に対する一例の超音波ツールの位置を示す概略図である。
図3C】いくつかの適用例による、心組織に対する一例の超音波ツールの位置を示す概略図である。
図3D】いくつかの適用例による、心組織に対する一例の超音波ツールの位置を示す概略図である。
図3E】いくつかの適用例による、心組織に対する一例の超音波ツールの位置を示す概略図である。
図3F】いくつかの適用例による、心組織に対する一例の超音波ツールの位置を示す概略図である。
図4】いくつかの適用例による、一例のインプラントと被験者の組織へインプラントを送達するための一例の送達ツールとを備えるマルチコンポーネントシステムを示す概略図である。
図5A】いくつかの適用例による、一例の送達ツールが心臓の心組織にて一例のインプラントを展開するために使用されているのを示す概略図である。
図5B】いくつかの適用例による、一例の送達ツールが心臓の心組織にて一例のインプラントを展開するために使用されているのを示す概略図である。
図5C】いくつかの適用例による、一例の送達ツールが心臓の心組織にて一例のインプラントを展開するために使用されているのを示す概略図である。
図5D】いくつかの適用例による、一例の送達ツールが心臓の心組織にて一例のインプラントを展開するために使用されているのを示す概略図である。
図5E】いくつかの適用例による、一例の送達ツールが心臓の心組織にて一例のインプラントを展開するために使用されているのを示す概略図である。
図5F】いくつかの適用例による、一例の送達ツールが心臓の心組織にて一例のインプラントを展開するために使用されているのを示す概略図である。
図5G】いくつかの適用例による、一例の送達ツールが心臓の心組織にて一例のインプラントを展開するために使用されているのを示す概略図である。
図5H】いくつかの適用例による、一例の送達ツールが心臓の心組織にて一例のインプラントを展開するために使用されているのを示す概略図である。
図5I】いくつかの適用例による、一例の送達ツールが心臓の心組織にて一例のインプラントを展開するために使用されているのを示す概略図である。
図5J】いくつかの適用例による、一例の送達ツールが心臓の心組織にて一例のインプラントを展開するために使用されているのを示す概略図である。
図6】いくつかの適用例による、組織にてインプラントを植え込むための一例の方法の少なくともいくつかのステップを概略的に示す流れ図である。
図7A】いくつかの適用例による、アンカー送達システムの一部分の位置を検出するための一例のシステムの概略図である。
図7B】いくつかの適用例による、アンカー送達システムの一部分の位置を検出するための一例のシステムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0128】
図1を参照する。この図は、インプラント20と、被験者の組織へインプラントを送達するための送達ツール8と、を備えるマルチコンポーネントシステム10の概略図である。本願の全体を通じて、システム10のインプラントは、弁輪形成構造体を備えるものとして説明される。本明細書において参照される一例の弁輪形成構造体は、スリーブおよび/またはルーメンを備えるものである。しかし、いくつかの適用例では、必要な変更を加えて、本明細書において説明されるシステム、装置、方法、及び技術等が、他の弁輪形成構造体および/または他のタイプのインプラントの植込みを容易にするために使用することが可能である点に留意されたい。
【0129】
インプラント20は、1つの可能なインプラントの一例であり、ルーメン44を囲む壁部28を備える。例えば図示するように、インプラント20は、スリーブ30を備え、壁部28は、ルーメン44を囲む管状側壁部を画定し得る。いくつかの適用例では、図示するように、ルーメン44は、細長ルーメンである(例えばインプラント20の内部が細長ルーメンとして形状設定される)。いくつかの適用例では、壁部28は、(例えば管状側壁部に加えて)インプラント20の遠位端壁部34を画定する。
【0130】
図1は、インプラント20がツール8のカテーテル22内に部分的に配設され、インプラントの遠位部分62がカテーテルの遠位開口26から露出された、システム10の遠位部分を示す。いくつかの適用例では、インプラント20は、細長インプラントであり、これに沿ってインプラント軸d12が定められる。インプラント20がスリーブ30を備える場合には、インプラント軸はスリーブ軸とみなすことが可能である。しばしば、図示するように、遠位部分62は、軸d12に沿って配設される。カテーテル22は、インプラント20が植え込まれることとなる組織へと経腔的/経血管的に前進され(例えば経大腿的におよび/または経中隔的に前進され)、遠位開口26を経由して組織へインプラントを送達するために使用されるように構成される。
【0131】
体外制御アセンブリ64が、例えば組織までのカテーテル22の前進を容易にするためなどに、カテーテル22の遠位部分25を操縦するためにこの遠位部分に対して動作可能に結合される。例えば図示するように、体外制御アセンブリ64は、1つまたは複数のハンドル82および操縦制御要素84を備えることが可能であり、このハンドル82および操縦制御要素84は、オペレータによるカテーテル22(例えばカテーテル22の遠位部分25)の操縦および/またはインプラント20の操作を容易にするように構成される。
【0132】
本明細書(明細書および特許請求の範囲を含む)において、「操縦可能な」という用語は、例えば屈曲を達成するために体外コントローラを使用することなどにより、能動的に操縦可能であることを意味する。(これは、被験者の身体を通る前進の最中に抗力に応答して屈曲し得る、可撓性を有するが操縦不能な要素とは対照的なものである。)このようにして、遠位部分25は、インプラント20の1つまたは複数の部分70(例えば壁部またはその部分、スリーブまたはその部分、収縮部材またはその部分、アンカーまたはその部分、側部またはその部分、構成要素またはその部分、長さ、幅、及び面積等)を、組織の1つまたは複数の部位68に対して対接状態に配置するように操縦され得る。これらの各部位の各々は、(i)インプラントの各部分から遠位方向に、および(ii)遠位開口26の対向側に配置され得る。
【0133】
いくつかの適用例では、図示するように、インプラント20は、組織の対応する複数のアンカー固定部位68(例えば第1の部位68a及び第2の部位68b等)に対して複数のアンカー52をアンカー固定することにより組織に対してアンカー固定される。いくつかの適用例では、インプラントの部分70(例えば第1の部分70a及び第2の部分70b等)が、例えばインプラントの対応する複数の部分にて対応する複数のアンカー52をアンカー固定することなどにより、組織の対応する複数のアンカー固定部位68(例えば第1の部位68a及び第2の部位68b等)に対してアンカー固定される。
【0134】
いくつかの適用例では、第1の部分70aは、スリーブ30の遠位部分62内に配置され得る。いくつかの適用例では、図2A図2Kに示すように、第1の部分70aは、スリーブ30の遠位端壁部34に配置される。
【0135】
いくつかの適用例では、カテーテル22は、組織へ経大腿的におよび経中隔的に前進可能となるように構成される。これは、組織へカテーテル22を前進させるための他の手段および/またはアプローチを排除することを意味しない。
【0136】
いくつかの適用例では、カテーテル22の遠位部分25は、組織の所望の部位における、組織の所望の部位に対接した、または組織の所望の部位の付近における遠位部分25の位置決めを容易にするために、放射線不透過性を有する、および/または1つまたは複数の別個の放射性不透過性マーカを備える。また、これは、組織の部位68に対接した壁部の部分70の配置を容易にするためにも使用され得る。
【0137】
いくつかの適用例では、送達ツール8は、チャネル軸d14に沿って配設された長手方向空洞部50を画定するアンカーチャネル18をさらに備える。チャネル18は、カテーテル22内において前進可能である(例えば摺動可能である、及び螺入可能である等)。
【0138】
チャネル18は、インプラント20のカテーテル22およびルーメン44の両方の中において前進可能であり得る。かかる適用例において、スリーブ30は、(例えば軸d12が軸d14と同一線上に位置するように)しばしばチャネル18と同心状である。
【0139】
いくつかの適用例では、(例えば手術室内または隣室内における)植込みの前に、チャネル18の遠位領域24がスリーブ30内に装填され、インプラント20がカテーテル22内に装填される。このようにして、チャネル18の遠位アパーチャ19を備える遠位領域24は、遠位領域24がインプラント20のルーメン44内に配設されるように、カテーテル22の近位開口からカテーテルの遠位部分25までカテーテル22内を遠位方向に前進され得る。
【0140】
図示するように、チャネル18は、アンカーチャネル18の遠位アパーチャ19を備える遠位領域24がインプラント20のルーメン44内に配設され、長手方向空洞部50が遠位アパーチャにて終端するように、カテーテル22を貫通して延在する。
【0141】
いくつかの適用例では、アンカーチャネル18は、例えばIflahらの米国特許出願公開第2018/0049875号明細書に記載されるように(また、これに必要な変更を加えて)、インプラント20の直接的な展開を容易にするように構成される。この出願公開は、参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの適用例では、スリーブ30は、スリーブ(例えばスリーブの各部分70)が、例えばカテーテル22の操縦などによりアンカーチャネル18を移動させることによって定位置へと移動されるように、可撓性材料を備える。例えば、スリーブ30は、ポリエチレンテレフタレート(例えばDacron(登録商標)など)などを含む編組布メッシュを備えることが可能である。以降においてさらに詳細に説明されるように、インプラント20に対するアンカーチャネル18の位置により、各部分70が規定され得る。例えば、ルーメン44内におけるアンカーチャネル18の初期位置では、第1の部分70aは、(例えば空洞部50を経由して前進されることとなる第1のアンカーを受けるインプラントの部分であることにより)遠位アパーチャ19の対向側に規定され得る。また、ルーメン内におけるアンカーチャネルの第2の位置では、第2の部分70bは、(例えばルーメンを経由して前進されることとなる第2のアンカーを受けるインプラントの部分であることにより)遠位アパーチャの対向側に規定され得る。
【0142】
いくつかの適用例では、インプラント20は、可撓性細長収縮部材42(例えば収縮ワイヤ、収縮ライン、及び収縮縫合糸等)を備える。いくつかの適用例では、図示するように、インプラント20は、可撓性細長収縮部材42を備える弁輪形成構造体を備える。収縮部材42は、スリーブ30の少なくとも一部分に沿って延在するように構成されることが可能であり、これにより、部材42が沿うように延在するスリーブの部分は、スリーブの収縮部分として規定され得る。しかし、いくつかの適用例では、この収縮部材はスリーブを有さずに用いられ、例えば収縮部材が(例えば目穴もしくはアンカーの他の部分を貫通して、または他の様式でアンカーに対して接続/結合されて)アンカーに対して直接的に接続および/または結合されてもよく、収縮部材の収縮により、スリーブまたはさらにはファブリックすら必要とすることなく組織アンカーおよびしたがって弁輪を異なる(例えばより小さい)形状/構成へと整えることが可能である。本明細書の他の箇所で説明される収縮部材は、ワイヤ、リボン、ロープ、またはバンドを備えることが可能であり、例えばニチノール、ポリエステル、ステンレス鋼、またはコバルトクロムなどの可撓性および/または超弾性材料を備えることが可能である。いくつかの適用例では、収縮部材または収縮ワイヤは、放射線不透過性材料を備える。いくつかの適用例では、収縮部材は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)で被覆される。いくつかの適用例では、収縮部材は、ロープ構造体を形成するように相互に巻き付けられた複数のワイヤを備える。
【0143】
(例えばインプラント20が弁輪形成構造体を備える場合を含む)いくつかの適用例では、図示するように、この構造体は、構造体の収縮および拡張を助長する作動可能調節機構40をさらに備える。調節機構40は、収縮部材の端部部分にて収縮部材に対して結合される。調節機構40は、作動されると、収縮部材に対して張力を印加し、これによりインプラントおよび/または弁輪形成構造体の長さが調節される。いくつかの適用例では、調節機構40は、カプリング66(例えば縫合糸、接着剤、及び固定具等)によりスリーブ30に対して結合され得る。いくつかの適用例では、調節機構40は、スリーブ30の外方側部表面に対して結合される。
【0144】
インプラント20が調節機構40を備えるいくつかの適用例では、システム10は、調節機構の一部分に対して結合された可撓性長手方向ガイド部材46(例えばワイヤ、ライン、及びガイド等)を備える。ガイド部材46は、調節機構40からカテーテル22を通り(例えばカテーテルの平行なサイドルーメンを通り)近位方向に延在し、被験者の体外からアクセス可能な近位端部を有する。
【0145】
インプラント20が収縮部材42を備えるいくつかの適用例では、インプラントは、別個の調節機構を備えず、代わりに収縮部材は、例えばインプラントに対して基準力を印加する間などに、例えば調節ツールなどを使用して近位方向に引くことにより張力印加される。かかる適用例では、ロック部材またはロック(例えばクリップ、固定具、ステープル、クリンパー、及びクランプ等)が、印加された張力にロックするように収縮部材42に対してロックされ得る。いくつかのかかる適用例では、ロック部材は、インプラントの構成要素であり、したがってインプラントの他の部分と同時に被験者の中へ導入される。任意には、ロック部材は、被験者内へのインプラントの導入後に、例えば調節ツールなどと共に導入され得る。本明細書において説明されるような別個の調節機構を有さないインプラントは、スリーブおよび/またはルーメンを備えることが可能であり、あるいはスリーブを有さないまたはルーメンを有さないことが可能である(例えば、スリーブまたはファブリックを有さない収縮部材および組織アンカーを備える等が可能である)。
【0146】
図2A図2Mを参照する。これらの図は、いくつかの適用例による、ツール8が被験者の心臓90の心組織92にてインプラント20を展開するために使用されているのを示す概略図である。
【0147】
本明細書において、以下、システム10は、とりわけ心組織92へインプラント20を前進させるためにおよび心組織に対してインプラントをアンカー固定するために使用されるものとして説明される。いくつかの適用例では、組織92は、心臓90の弁輪88の組織を含む。いくつかの適用例では、インプラント20は、弁輪形成構造体を備え、いくつかのかかる用途では、組織92に対するインプラントのアンカー固定は、弁輪88の組織に対して弁輪構造体の壁部28をアンカー固定することを含む。しかし、これは、必要な変更を加えて弁輪88および/または他の組織に対して代替的なインプラントを展開するためのシステム10の使用を排除することを意味しない。
【0148】
インプラント20は、カテーテル22を経由して心組織92へほぼ経腔的に送達される。図2Aでは、僧帽弁への経大腿経中隔アプローチが図示されるが、本発明の範囲は、僧帽弁、心臓内の他の位置(例えば心弁の位置)、および身体の他の位置に対する代替的なアプローチを含む。
【0149】
いくつかの適用例では、インプラント20は、カテーテル22内に予め配設されたインプラントと共にカテーテル22を前進させることによって送達される。任意には、カテーテル22が最初に前進され、その後にインプラント20がカテーテルを通り前進されることが可能である。いくつかのかかる適用例では、インプラント20は、インプラント20内部に予め配設されたアンカーチャネル18の遠位領域24と共に前進され得る。いくつかのかかる適用例では、アンカーチャネル18は、インプラント20の前進後に、インプラント20内部に導入され得る。
【0150】
カテーテル22の遠位部分25は、体外制御アセンブリ64を使用することにより、心組織92の第1の部位68aの対向側の位置へと操縦されて、第1の部位は、(i)インプラントの第1の部分70aから遠位方向に(例えばスリーブ30の壁部の遠位側に、及び端壁部34から遠位方向に等)、および(ii)カテーテルの遠位開口26の対向側に配設され得る(図2A図2B)。同様に、いくつかのかかる適用例では、第1の部位68aは、第1の部分70aの対向側に配設されることにより規定され得る。
【0151】
いくつかの適用例では、部位68は、組織へインプラント20および/またはアンカー52を前進させる前に事前規定され得る。例えば、部位68は、心臓90の解剖学的標識点(例えば線維三角または交連部)との関連において規定され得る。任意には、各部位68は、植込みの最中にその場限りにおいて、単純にインプラントおよび/または組織アンカーがアンカー固定されることとなる部位として規定され得る。
【0152】
いくつかの適用例では、部分70は、組織へインプラント20を前進させる前に事前規定され得る。例えば、部分70は、インプラント20の寸法(例えば長さ)に関連して規定され得るものであり、および/またはインプラントの別個の部分または構成要素であることが可能である。任意には、インプラント20自体は、部分70を別個の部分として規定しなくてもよく、代わりに各部分70が、植込みの最中にその場限りにおいて、単純に組織に対してアンカー固定されることとなるインプラントの部分および/または構成要素(例えばアンカーチャネル18の遠位アパーチャ19の対向側に位置するインプラントの部分)として規定され得る。
【0153】
いくつかの適用例では、図示するように、組織に対して(例えば第1の部位68aに対して)アンカー固定されることとなるインプラント20の第1の部分が、スリーブ30の遠位端壁部34である。すなわち、いくつかの適用例では、第1の部分70aは、インプラントの遠位端部または遠位端壁部34に位置する。
【0154】
いくつかの適用例では、図2A図2Bに示すように、(例えばカテーテル22の操縦による)アンカーチャネルの移動により、第1の部分70aが第1のアンカー固定部位68aに向かって送られる。いくつかの適用例では、壁部28の少なくとも第1の部分70aを備える遠位部分62(例えば遠位端壁部34)が、カテーテル22の開口26から外に前進される。
【0155】
インプラント20が調節機構40を備えるいくつかの適用例では、図2Aに示すように、調節機構は、インプラントの前進の最中にインプラントに対して遠位側に(すなわちインプラントの正面に)配設される。例えば、調節機構40は、インプラント軸、または軸d12上に(例えばスリーブ30と同一線上に)配設され得る。いくつかのかかる適用例では、機構40は、機構40が、軸d12と同一線上に位置する状態からスリーブ30と並んで配設される状態(図2B)へと移動(例えば並進移動)することが可能になるようにスリーブ30に対して結合される。
【0156】
いくつかの適用例では、1つまたは複数のカプリング66(例えば縫合糸等)は、スリーブ30に対して調節機構40を可撓的におよび/または関節動作可能に結合することによりこの機構の並進移動を助長する。いくつかの適用例では、ガイド部材46は、機構40を位置変更するために張力印加されるまたは弛緩される。
【0157】
いくつかの適用例では、(1)経腔送達のためにインプラントの断面直径を小さく保持するために、機構40が軸d12上に配設される(例えばスリーブと同一線上に配設される)間に組織へインプラント20を前進させることと、(2)例えばスリーブの端壁部34を弁輪88の心房表面に対接状態に配設することが可能となるように、その後にインプラント軸から離れるように機構40を移動させること(図2C)と、が有利である。
【0158】
いくつかの適用例では、アンカーチャネル18は、インプラントの遠位端部または他の部分に対して押力を印加する。いくつかの適用例では、アンカーチャネル18は、スリーブ30内から遠位端壁部34に対して押力を印加する。いくつかのかかる適用例では、チャネル18による端壁部34に対して印加される押力により、カテーテル22の遠位開口26外へと第1の部分70aを前進させることが容易となる。このようにして、壁部の第1の部分70a(例えば遠位端壁部34)は、アンカーチャネル18の遠位領域24がルーメン44内に配設され、アンカーチャネル18の遠位アパーチャ19が第1の部分70aに配設されるように、心組織92の第1の部位68aに対接状態に位置決めされる(図2C)。
【0159】
図示するように、インプラントの第1の部分70a(例えば遠位端壁部34)は、(i)この第1の部分70aから遠位方向におよび(ii)カテーテルの遠位開口26の対向側に配設された第1の部位68aに対して対接状態に配置され得る(図2C)。いくつかのかかる適用例では、チャネル18による第1の部分70aに対して印加される押力により、例えば組織92とアパーチャ19との間に部分70aを挟むことなど、組織の第1の部位68aに対して対接状態に部分70aを保持することが容易になり、例えばそれにより、部位68aは、チャネル18により部分70aが対接状態に保持される部位として規定される。
【0160】
図2Cに示すように、送達ツール8は、第1の部位68aに超音波エネルギーを送信することによりこの部位の撮像を容易にする超音波ツール36をさらに備える。いくつかの適用例では、超音波ツール36は、インプラントの第1の部分70aを経由して(例えば壁部を経由して)第1の部位68a中に超音波エネルギーを送信することによりこの部位の撮像を容易にする。典型的には、図示するように、超音波ツール36は、遠位端部37に超音波送受信機38を有する。
【0161】
インプラントが壁部を備え、アンカーがこの壁部を組織(例えば側壁部、及びルーメンを囲むまたは画成する壁部等)に対して固定するために壁部を貫通するいくつかの適用例では、(例えば超音波ツールがインプラントのルーメン内部に位置する場合になど)この壁部が超音波ツールおよび/または超音波送受信機と組織または組織の部位との間に保持されるように、超音波ツールおよび/またはその超音波送受信機を位置決めすることと、組織部位に対して対接状態にインプラントの壁部を保持することと、この部位を撮像することとが、障害物及び血管等を回避しながら、組織に対する(例えば天然心臓弁の弁輪に対する)インプラントの位置決めおよびアンカー固定を最適化することに有利に役立ち得る。これはアンカーが壁部を貫通し組織中へ駆動されて組織に対してインプラントを固定する場合に、ならびに同様にその後の部位にとっておよびアンカー固定作業にとって、壁部が理想的なまたは最適化された位置に保持されるのを確保するのに役立ち得る。超音波ツールがインプラントのルーメン内部に位置決めされる場合には、撮像の最中に超音波ツールがルーメン内に囲まれることによるさらなる利点(例えば組織への外傷的干渉の低下、及び送受信機の保護等)が得られ得る。
【0162】
超音波ツール36は、アンカーチャネル18の長手方向空洞部50内において所望の位置へ(例えば組織の部位にまたはその付近に)遠位方向に前進され得る。例えば、いくつかの適用例では、超音波ツール36は、アンカーチャネル18の長手方向空洞部50内において、インプラント20のルーメン44内であり壁部の第1の部分70aに対面する位置へ遠位方向に前進され得る(図2C)。いくつかの適用例では、超音波ツール36は、例えば超音波送受信機38がチャネル18のアパーチャ19を介して超音波エネルギーを送信することが可能となるように位置決めされるように、遠位アパーチャ19が組織部位におよび/または第1の部分70aに配設された状態で、長手方向空洞部50を通り遠位方向に前進される。いくつかの適用例では、超音波ツール36は、超音波ツールの遠位端部が遠位アパーチャ19とほぼ同一平面内に位置するように、遠位方向に前進される。いくつかの適用例では、図2Cに示すように、超音波ツール36は、超音波送受信機38の少なくとも一部分が遠位アパーチャ19を通り遠位方向に突出するように、遠位方向に前進される。
【0163】
超音波ツール36は、第1の部位68a中に超音波エネルギー35を送信することにより第1の部位68aを撮像するために使用される。いくつかの適用例では、超音波ツール36は、第1の部分70aを通り第1の部位68a中に超音波エネルギー35を送信することにより第1の部位68aを撮像するために使用される。すなわち、超音波エネルギーは、壁部28の第1の部分70aを通過することにより第1の部位68aに到達する。
【0164】
超音波送受信機38がアンカーチャネル18の空洞部50内に位置する状態において、送信された超音波エネルギーの一部分が、部位68aから送受信機へと反射されて戻り、この送受信機により、反射された超音波エネルギーが検出される。いくつかの適用例では、超音波送受信機38が、アンカーチャネル18の空洞部50内に位置し、第1の部分70aに対面している状態において、送信された超音波エネルギーの一部分が、(壁部28の部分70aを経由して)部位68aから送受信機へと反射されて戻り、この送受信機により、反射された超音波エネルギーが検出される。
【0165】
したがって、超音波ツール36は、(i)第1の部位68aがインプラントから遠位方向におよびカテーテル22の遠位開口26の対向側に配設され、(ii)超音波送受信機38が第1の部位68aに対面する位置に位置し(これは例えばインプラントのルーメン44内であり壁部の第1の部分70aに対面している位置であることが可能である)、(iii)(例えば第1の部分70aを経由して)超音波エネルギーが超音波送受信機による送信および超音波送受信機への反射戻りの両方をなされる状態において、超音波ツールが第1の部位68aを撮像するために使用され得るがゆえに、「進歩的」であるとみなすことができる。
【0166】
いくつかの適用例では、アンカーチャネル18(例えばその遠位アパーチャ19)は、第1の部位68aに対して対接状態に第1の部分70aを保持するために使用される。いくつかのかかる適用例では、超音波ツール36は、アパーチャ19が第1の部位68aに対して対接状態に第1の部分70aを保持している状態において、長手方向空洞部50を通り遠位方向に前進される。
【0167】
以降において本明細書でさらに説明されるように、アンカーチャネル18により第1の部位68aに対して対接状態に第1の部分70aを保持するおよび/またはアンカーチャネル18の遠位アパーチャ19を通り超音波ツール36の遠位端部37を延在させることにより、この部位を撮像するために超音波ツール36を使用することが容易になるという仮定が考えられる。
【0168】
典型的には、反射された超音波エネルギーは、超音波ツール36を使用することにより、超音波送受信機38によって検出された反射超音波エネルギーを表すデータ(以下、「データ」)へと変換される。いくつかの適用例では、図2Cに示すように、超音波ツール36は超音波コントローラ74をさらに備え、この超音波コントローラ74は、(例えば1つまたは複数のコネクタ72を介して)送受信機38に対して電子的に接続され、超音波送受信機38により検出された反射超音波エネルギーの解析を助長するように構成される。
【0169】
超音波コントローラ74は、回路75を備えることが可能であり、この回路75は、超音波データを評価および/または解析するために使用される。例えば、超音波コントローラ74は、回路75においてデータ解析プログラムを動作させるために使用される。代替的にはまたは追加的には、データを反映する画像が、オペレータによる評価のためにユーザインターフェース60(例えばモニタ及びスクリーン等)に表示され得る。
【0170】
超音波データの解析により、様々な解析出力パラメータが生成され得る。いくつかの適用例では、この解析パラメータは、超音波コントローラ74上に(例えば超音波コントローラ74のユーザインターフェース60に)表示され得る。特に、例えばデータの解析により、超音波エネルギーが送信される組織の深度が判明し得る。いくつかのかかる適用例では、少なくとも7mm(例えば7mm~20mm)の組織深度は、それ単体でまたは他のパラメータとの組合せにおいて、部位68が組織アンカー52のアンカー固定に適したものであることを示唆し得る。代替的にはまたは追加的には、このデータの解析により、超音波エネルギーが送信される組織の放射線濃度が判明し得る。いくつかのかかる適用例では、少なくとも60ハンスフィールド単位(HU)および/または600HU未満(例えば60HU~600HU)の放射線濃度は、それ単体でまたは他のパラメータとの組合せにおいて、部位68が組織アンカー52のアンカー固定に適したものであることを示唆し得る。いくつかの適用例では、放射線濃度上限の設定(例えば600HU)が、石灰化組織の特定および回避を容易にするために使用されてもよい。
【0171】
超音波データの解析により、超音波コントローラ74上に(例えば超音波コントローラ74のユーザインターフェース60に)警告メッセージとしてオペレータに対して表示され得る追加情報が提供され得る。例えば、超音波データの解析により、(i)超音波送受信機38が組織92の十分な近傍に配置していないこと(例えば組織を押圧していないこと)、(ii)血管58が組織の部位に存在すること、および/または(iii)インプラントの別の部分(例えば収縮部材42)がインプラントの部分70とこの部位との間に配設されていることが示唆され得る。超音波コントローラ74は、システム10と共に使用される特定のインプラント20および組織92に関連するものとして追加の警告メッセージを表示するように構成され得る。
【0172】
さらに、図3A図3Fを参照する。これらの図は、本発明のいくつかの適用例による、心組織92に対する超音波ツール36の様々な位置を示す概略図である。図示するように、超音波送受信機38は、超音波ツール36の遠位端部37がアンカーチャネルの遠位アパーチャ19まで延在するように、アンカーチャネル18の遠位領域24内に配設される。図示する例では、ツール36は、遠位端部37(例えば超音波送受信機38の一部分)が遠位アパーチャ19を貫通して(例えば第1の部分70aまで)突出するように配設される。このようにすることで、超音波エネルギー35は、(インプラントの第1の部分70aを貫通し得る)送受信機38から送信され、超音波エネルギーの一部分が、送受信機へと反射されて戻る(これもまたインプラントの部分70aを経由し得る)。送受信機38により検出される反射エネルギーは、組織部位にて組織に対してインプラントをアンカー固定するために、組織アンカー52を受ける特定の部位68の適性を判定するために使用される(例えばオペレータにより、例えばコントローラ74により容易化される)。
【0173】
いくつかの適用例では、図3Aに示すように、アンカーチャネル18(例えばその遠位アパーチャ19)が、組織92の部位68に対して対接状態に第1の部分70aを保持して、心組織92に対してスリーブ30を挟んで、使用される。超音波エネルギー35がこの組織を貫通し、エネルギーの一部分が送受信機38へ反射されて戻る。図3Aのチェックマークは、図3Aの特定の部位68が組織に対してスリーブ30をアンカー固定するのに適することを超音波データが示唆することを表している。
【0174】
図3B図3Fは、組織に対してスリーブ30をアンカー固定するのに適さないであろう様々な組織部位68を示し、この非適性は、超音波ツール36を使用して判定される。これらの図面のそれぞれにおいて、この非適性は、「X」で示される。
【0175】
図3B図3Eは、スリーブ30の部分70が、最適未満の厚さの組織92(例えば心臓弁の弁尖に位置する、図3B)または最適未満の密度の組織92(図3E)である部位68に対接して配置されているのを示す。かかる組織部位にインプラント20をアンカー固定することはしばしば望ましくない。なぜならば、例えばこれらの部位は、組織アンカー52を保持するのに十分な強度を有さない場合があるからである。
【0176】
図3Cは、壁部の第1の部分70aが、部位68に対して十分には直接接触状態に配置されていないのを示す。一般的には、部分70aは、例えば送受信機と部位68との間にインプラントの壁部を挟むなど、部位68に対して可能な限り近くに超音波送受信機を配置することを容易にするために、部位68と接触状態にあることが好ましい。かかる次善的位置決めは超音波ツールを使用して検出可能であり、かかる状況では装置および/またはインプラントは、位置変更が可能である。いくつかの適用例では(例えば本明細書において以降で説明されるシステム310が使用されるいくつかの適用例では)、超音波送受信機のかかる最適な配置が達成されたことを識別することにより、アンカー固定の最中にインプラントの壁部が組織の部位に対して対接状態に保持されることを確保することが容易になり得る。アンカー固定の最中にインプラントの壁部が組織の部位に対して対接状態に保持されることを確保することにより、組織92に対する組織アンカー52の最適なアンカー固定が容易になるという仮定が考えられる。
【0177】
図3Dは、スリーブ30の部分70が、血管58が位置する部位68に対して対接状態に配置されているのを示す。かかる組織部位にインプラント20をアンカー固定することは望ましくない場合がある。例えば、かかる部位中に組織アンカー52を駆動することにより、血管に対する損傷が引き起こされる結果となり、これにより外科合併症のリスクが上昇し得る。いくつかの適用例では、超音波コントローラ74は、血管58の存在をオペレータに示唆するように構成される。
【0178】
図3Fは、スリーブ30の部分70が、部分70と部位68との間にインプラント20の他の部分(例えば図示するように収縮部材42)を挟んでいるのを示す。かかる状況においてインプラント20をアンカー固定することは望ましくない場合がある。例えば、インプラント20の他の部分の存在が、インプラントのアンカー固定および/または機能に干渉する場合がある。例えばいくつかの適用例では、かかる状況でインプラント20をアンカー固定することは、理論上において収縮部材の機能に干渉し得る。
【0179】
図3B図3Fを参照として上記で説明したように、(超音波ツール36の回路75によるまたはオペレータによる)データの解析により、部位68がこの組織に対してインプラントをアンカー固定するのに不適であると示唆される場合には、制御アセンブリ64は、組織92の代替部位68へカテーテル22の遠位部分25を操縦するために使用され得る。アンカーチャネルが代替部位68にインプラントを位置決めするために使用される間、超音波ツール36は、図2Cを参照として上記で説明したように代替部位68を撮像するために使用される。いくつかの適用例では、超音波ツール36は、組織92に対してインプラントおよび/または組織アンカーをアンカー固定するのに適した部位であることをデータの解析が示唆するまで、複数の代替部位68を撮像するために使用され得る。
【0180】
図3Aを参照として上記で説明したように、部位68が組織に対してインプラントをアンカー固定するのに適することをデータが示唆する場合には、超音波送受信機38が、長手方向空洞部50からカテーテルの近位開口を通り引き抜かれる(いくつかの適用例では、超音波送受信機がインプラント20のルーメン44から引き抜かれる)。いくつかの適用例では、これは、必要な変更を加えて、例えば図2Dに示すように、アンカーチャネル18(例えばその遠位アパーチャ19)で部位68に対して対接状態に壁部28の第1の部分70aを保持(例えば押圧)しつつ行われる。
【0181】
図2Eに示すように、ツール8は、第1の部位68a中に組織アンカー52(例えばその組織貫通部分)を駆動することにより組織に対してインプラントをアンカー固定するように構成されたアンカードライバ16をさらに備える。インプラントがスリーブまたは他のルーメンを備える場合に、アンカー52は、インプラント20(例えばそのスリーブ30)の第1の部分70aを貫通して、次いで第1の部位68a中に駆動され得る。アンカードライバ16は、細長い可撓性のシャフトを備え得る(管状または他の設計であることが可能である)。いくつかの適用例では、ドライバ16は、Iflahらの米国特許出願公開第2018/0049875号明細書に記載されるようなもの(また、これに必要な変更を加えたもの)であることが可能であり、この出願公開は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0182】
いくつかの適用例では、システム10および/またはインプラント20は、複数の組織アンカー52を備え、これらはしばしば約5個~約20個のアンカーであり、例えば約10個または約16個のアンカーである。しばしば、しかし必ずしもではないが、アンカー52は、ステンレス鋼316LVMなどの生体適合性材料を含む。いくつかの適用例では、アンカー52はニチノールを含む。いくつかの適用例では、アンカー52は、非導電性材料で完全にまたは部分的に被覆される。
【0183】
いくつかの適用例では、図2E図2Fに示すように、ドライバ16は、超音波送受信機が長手方向空洞部50を貫通して配設されない間にのみ、この空洞部を通りインプラント20へ前進可能となる。すなわち、かかる適用例では、所与の時点において、超音波送受信機38またはアンカードライバ16のいずれかが、アンカーチャネル18の空洞部50を貫通して配設され得る。
【0184】
ドライバ16は、組織アンカー52に対して結合されている間に、チャネル18の長手方向空洞部50を通りインプラントへ前進され得る。いくつかの適用例では、ドライバ16は、アンカーが上述のようにアパーチャ19の対向側に位置するインプラントまたは壁部の第1の部分70aに到達するような様式で、アンカー52がドライバ16に対して結合されている間にこのアンカー52をインプラントのルーメン44内へ前進させる。
【0185】
上述のように、第1の部分70aは、ルーメン44内におけるチャネル18の位置により規定されることが可能であり、例えば第1の部分70aは、アパーチャ19の対向側に位置するものとして規定され得る。第1の部位68aは、インプラント20(例えばその第1の部分70a)がアンカー固定されるように意図される組織の部位であり、第1の部分70aから遠位方向に配設され得る。第1の部位68aは、カテーテル22の遠位開口26の対向側に位置し得る。したがって、第1の部分70aは、アパーチャ19と第1の部位68aとの間に配設されるインプラントの部分(例えばインプラントの壁部28の部分)であることが可能である。
【0186】
いくつかの適用例では、ドライバ16は、第1の部分70aが第1の部位68aに予め配設されている間に、アンカーチャネル18を通り第1の部分70aまでアンカー52を前進させる。いくつかの適用例では、図示するように、アンカーチャネル18(例えばその遠位アパーチャ19)は、(i)アンカードライバ16が空洞部50を通りインプラント20へ前進され(図2E)、(ii)壁部28の第1の部分70aが第1の部位68aに対してアンカー固定されるときに、このアパーチャと第1の部位68aとの間に第1の部分70aを挟みつつ、第1の部位68aに対して対接するように第1の部分70aを保持するために使用される。
【0187】
(i)部位68の撮像と、(ii)長手方向空洞部50からの超音波送受信機38の引抜きと、(iii)長手方向空洞部50を通りインプラント20まで遠位方向へのアンカードライバ16の前進と、(iv)組織の第1の部位68aに対する壁部28の第1の部分70aアンカー固定と、の間中にわたり、アンカーチャネル18で第1の部位68aに対して対接状態に壁部28の第1の部分70aを保持することは、インプラントが組織に対してアンカー固定される精度に寄与するという仮定が考えられる。すなわち、アンカーチャネル18を使用して第1の部位68aに対して対接状態に壁部28の第1の部分70aを安定的に保持することにより、超音波ツール36を使用して識別された特定の適切な部位68におけるインプラント20のアンカー固定が容易になる。
【0188】
ここまで、組織アンカー52は、第1の組織アンカー52aとして説明され、部分70は、第1の部分70aとして説明され、部位68は、第1の部位68aとして説明された。したがって、インプラント20をアンカー固定することは、壁部28の第1の部分70aを通り組織92の第1の部位68a内へと第1のアンカー52aを駆動することを含み得る。
【0189】
いくつかの適用例では、図2G図2Kに示すように、インプラント20をアンカー固定することは、壁部28の1つまたは複数の追加的な部分70の各部分を貫通して(例えば弁輪88の)組織92の追加的な部位の各部位中に追加の組織アンカー52を駆動することにより、これらの追加的な部位に対してこれらの追加的な部分70をアンカー固定することを含み得る。第1の部分70aおよび第1の部位68aを参照として本明細書において上記で説明したものと同様に、各追加的な部分70は各部位68に対して対接状態に保持され得、この部位は超音波ツール36を使用して撮像され、アンカー52はこの部位68に対してこの部分をアンカー固定するために使用される。しばしば、図3A図3Fを参照として本明細書において上述したように、反射超音波エネルギーを表すデータが、アンカー52をアンカー固定する前に各部位の適性を判定するために解析される。
【0190】
図2Gは、アンカードライバ16が引き抜かれており、スリーブ30の第2の部分70b(すなわち端壁部34の近位に位置するスリーブの部分)がスリーブに対してチャネル18を近位方向に引き戻すことによってチャネル18から放出されているのを示す。第1の組織アンカー部位と第2の組織アンカー部位との間に印加される張力に応じて、第1の部分70aと第2の部分70bとの間に配設されたスリーブ30のセクションは、管形状に留まり得るか、または平坦状になり得る。
【0191】
図2Hに示すように、第2の部分70bは、例えばカテーテル22の遠位部分25を位置変更することなどにより、第2のアンカー固定部位68bにて位置決めされることが可能であり、超音波ツール36は、アンカーチャネル18の遠位領域24に対して遠位方向に再度前進される。超音波ツール36の再前進は、部位68bにおける部分70bの位置決めの前または後に実施され得る。上述したように、アンカーチャネル18、アンカードライバ16、および超音波ツール36は、アンカードライバまたは超音波ツールの一方のみが所与の時点においてアンカーチャネル18の長手方向空洞部50内に配設され得るように、寸法設定され得る。アンカードライバ16が空洞部50から引き抜かれていることにより、超音波送受信機38は、空洞部を通り(例えば第2の部分70bに対面する)第2のアンカー固定部位および/またはインプラント20まで遠位方向に前進されることが可能となる。
【0192】
図2Hは、適切な部位68bが特定されるまで、カテーテル22の遠位部分25が複数の可能な組織部位に対して複数回にわたり位置変更され得ることを示す。
【0193】
いくつかの適用例では、第1の部位68aと第2の部位68bとの間の最大距離は、チャネル18から事前に放出されたスリーブ30の長さにより決定される。すなわち、いくつかの適用例では、カテーテル22の遠位部分25は、第1の組織アンカー52aを中心とするこの最大距離に等しい径を有する円弧内のいずれかの位置に位置する第2の部位68bへと位置変更され得る。
【0194】
図2Dを参照として本明細書において上述したように、図2Iは、超音波ツール36がアンカーチャネル18から引き戻されているのを示す。第1のアンカー52aについて説明したように、必要な変更を加えて、アンカーチャネル18(例えばその遠位アパーチャ19)は、超音波ツール36が引き抜かれ、アンカードライバ16が第2のアンカー52bと共に再度前進される間に、第2の部位68bに対して対接状態に第2の部分70bを保持するために使用され得る。
【0195】
さらに、第1のアンカー52aのアンカー固定と同様に、図2Jは、アンカードライバ16がアンカーチャネル18の空洞部50内において第2の部分70bへ遠位方向に前進されているのを示す。第1のアンカー52aのアンカー固定に関して上述したように、図2J図2Kは、第2の組織アンカー52bが壁部28の第2の部分70bを貫通して展開されている一例を示す。第2の組織アンカー52bは、第2のアンカーを駆動してスリーブ30の壁部28を貫通して第2の部位68bにて心組織92中へと通過させることによって展開され得る。
【0196】
図示するように、第2のアンカー52bは、第1のアンカー52aから(インプラント20に対して)近位方向に展開され得る。
【0197】
図2Mは、インプラント20(例えばスリーブ30)の全長が複数のアンカー52により弁輪88に対してアンカー固定されているのを示す。いくつかの適用例では、図示するように、インプラント20(例えばスリーブ30)は、右線維三角と左線維三角との間の弁輪の周囲にアンカー固定される。アンカー固定が完了した後に、チャネル18が引き抜かれる。いくつかの適用例では、カテーテル22もまた引き抜かれる。
【0198】
インプラント20が弁輪88に対してアンカー固定された後に、インプラント20(例えばスリーブ30またはその収縮部分)が、例えば収縮部材42に張力印加することなどによって収縮され得る。上記で説明したように、調節機構40は、例えばIflahらの米国特許出願公開第2018/0049875号明細書に記載されるように(また、これに必要な変更を加えて)、収縮部材42に張力印加することによってインプラント20(例えば弁輪形成構造体のスリーブ30)の長さを調節するように構成される。
【0199】
かかる適用例では、ガイド部材46は、チャネル18の(および任意にはさらにカテーテル22の)除去後にインプラント20に対して(例えば調節機構40に対して)結合された状態に留まり得る。図2Mに示すように、調節ツール47は、ガイド部材46に沿って(例えばその上をおよびそれに沿って)調節機構40まで前進され、調節機構を作動させるために使用され得る。調節ツール47は、回転ツールを備えることが可能であり、上述したように、調節機構40を作動(例えば回転)させることにより、収縮部材42に張力印加しおよびしたがってインプラント20(例えばスリーブ30等)を収縮させるように構成され得る。いくつかの適用例では、調節機構40は、収縮部材42が結合される回転スプールを備え、このスプールが逆回転することにより、収縮部材42の張力度合いが調節される。アンカー固定部位68に対して部分70をアンカー固定することにより、構造体の長さの調節(例えば短縮)によって、弁輪88の周囲長が調節(例えば短縮)される。
【0200】
いくつかの適用例では、インプラント20は、別個の調節機構を備えず、代わりに収縮部材は、例えばインプラントに対して基準力を印加しつつ、例えば調節ツールなどを使用して近位に引くことにより張力印加される。かかる適用例では、ロック部材またはロック(例えばクリップ、固定具、ステープル、クリンパー、及びクランプ等)が、印加された張力においてロックを行うように収縮部材42に対してロックされ得る。いくつかのかかる適用例では、ロック部材またはロックは、インプラントの構成要素であり、したがってインプラントの他の部分と同時に被験者の中へ導入される。任意には、ロック部材またはロックは、被験者内へのインプラントの導入後に、例えば調節ツールと共に導入され得る。本明細書において説明されるような別個の調節機構を有さないインプラントは、スリーブおよび/またはルーメンを備えることが可能であり、あるいはスリーブを有さないまたはルーメンを有さないことが可能である(例えば、スリーブまたはファブリックを有さない収縮部材および組織アンカーを備える等が可能である)。
【0201】
所望の構造体調節レベルが、例えば心エコー検査法(例えばドップラー心エコー検査法)および/または蛍光透視法を利用した弁の逆流度合いのモニタリングなどにより検出されると、調節ツール47およびガイド部材46は、心臓から引き抜かれる。典型的には、インプラント20は送達ツール8から装着解除され、送達ツールは、被験者の心臓90から経腔的に引き戻される。
【0202】
図4を参照する。この図は、いくつかの適用例による、インプラント20と、被験者の組織へインプラントを送達するための送達ツール308と、を備えるマルチコンポーネントシステム310の概略図である。
【0203】
指摘のある場合を除いて、システム310は、上述のシステム10と同等または同様であることが可能であり、必要な変更を加えてシステム10と同様の方法で使用され得る。例えば、これらのシステムにおいて同一名称を有する構成要素は、一般的に同様の特徴を共有し、相互に同様の機能を果たす。同一参照数字を有する構成要素は、一般的に送達ツール8と送達ツール308との間で互換的である。そのため、以降におけるシステム310の説明は、システム310に特有の特徴に焦点を当てる。
【0204】
送達ツール308は、超音波送受信機338およびアンカーチャネル318を備える超音波ツール336を備える。すなわち、システム10の超音波ツールは、システム10のアンカーチャネルとは別個であり、このアンカーチャネルに対して可動であるが、システム310の超音波ツールは、システム310のアンカーチャネルの一構成要素である。かかる適用例では、超音波送受信機338は、超音波ツール336の遠位端部337に(例えばチャネル318の遠位端部に)固定的に位置決めされ得る。かかる適用例では、しばしば、超音波ツール336は、送達ツール8のアンカーチャネル318を参照として本明細書において上述したものと同様の様式で、カテーテル22およびインプラント20の中において前進可能である。さらに上述のアンカーチャネル18と同様に、超音波ツール336(例えばそのアンカーチャネル318)は、組織部位68に対してインプラント20の複数の部分および/またはスリーブ30を押圧するために使用され得る。
【0205】
図4に示すように、超音波送受信機338は、貫通する通路56を画成するリングとして形状設定される(他の形状および構成もまた可能である)。超音波ツール336の遠位アパーチャ319は、チャネル318により画定され得るが、代替的にはまたは追加的には送受信機338により画定されてもよい。通路56は、長手方向空洞部50と連続するものであることが可能である。いくつかの適用例では、通路56は、空洞部50の内径の80パーセント以上の(例えば90パーセント以上の)大きさである内径を有する。例えば、通路56の内径は、空洞部50の内径とほぼ同一サイズであることが可能である。
【0206】
図5A図5Jを参照する。これらの図は、本発明のいくつかの適用例による、ツール308が心臓90の心組織92にてインプラント20を展開するために使用されているのを示す概略図である。
【0207】
図5A図5Bに示すように、超音波ツール336は、超音波送受信機338が、インプラントのルーメン44内に位置し、壁部の第1の部分70aに対面する状態において位置決めされ得る。図示するように、調節機構40がスリーブ軸d12と同一線上に位置する状態(図5A)から、スリーブ30に並んで配設される状態(図5B)への調節機構40の移動は、必要な変更を加えてツール8に関して説明したものと同様に達成され得る。
【0208】
図5Cに示すように、超音波ツール336(例えばそのチャネル318)は、組織92の部位68aに対してインプラント20の(例えば壁部28の)部分70aを挟み、部位中に超音波エネルギー35を送信する(例えば部分70aを経由して)ために使用され得る。超音波ツール336は、超音波ツール336がリングとして形状設定されることに関係なく、送達ツール8の超音波ツール36と同様に「前方対面」式であるとみなし得る。いくつかの適用例では、超音波送受信機338は、部位68に対して部分70を押圧するために使用され得る遠位アパーチャ319を画定する(図5C)。
【0209】
図5Bから図5Cへの移行において顕著な点は、送達ツール308においては超音波ツール自体がアンカーチャネルを備えるために、超音波ツールがアンカーチャネル内において前進されるステップが存在しない点である。
【0210】
図5Dは、組織アンカー52が第1の部分70aに到達するように、組織アンカー52に対して結合された状態のアンカードライバ16が長手方向空洞部50および通路56を通り前進されたところを示す。
【0211】
図5Cから図5Dへの移行において同様に顕著である点は、アンカードライバ16を部分70aに向かって前進させる前に超音波ツール336が引き抜かれるステップが存在しない点である。超音波ツール336がアンカーチャネル318を備え、通路56が空洞部50の遠位部分であることにより、アンカードライバ16は、超音波ツールにより画成された空洞部を通り前進され得、超音波ツールの事前除去が不要となる。組織アンカー52は、通路56を通り(および任意には部分70aを貫通し)部位68a中に駆動される(図5E)。
【0212】
送達ツール8とは対照的に、送達ツール308では、超音波ツール336およびアンカードライバ16の両方が、位置または部位に同時に配設され得る。ある適用例では、超音波ツール336およびアンカードライバ16の両方が、インプラント20のルーメン44内に同時に配設され得る。したがって、送達ツール308は、超音波ツール336またはアンカードライバ16のいずれかを交互に前進させる必要性を解消する。有利には、この構成により、超音波ツールおよびアンカードライバの使用を共にまたは同時に行うことが可能となり、例えば、組織内へのアンカーの進入および組織内への配置等を視覚化するために、アンカードライバが部位にて組織に対してアンカーを装着するときに超音波ツールを使用することが可能となり得る。超音波ツールおよびアンカードライバは、共に使用されるものとして相互に同軸状に構成され得る(および任意には、組織アンカーは、超音波ツールおよび/または送受信機の遠位領域または遠位端部と同軸状であることが可能である)。これは、組織に対するアンカーの視覚化および/または装着の改善を補助し得る。
【0213】
いくつかの適用例では、図2G図2Kの送達ツール8を参照として説明したものと同様に、送達ツール308は、組織92の追加的な部位に対して壁部28の1つまたは複数の追加の部分70をアンカー固定するために使用され得る。図5Fは、送達ツール308が、カテーテルの遠位部分25が位置変更される前に、第2のアンカー固定部位68bに第2の部分70bを位置決めするために超音波ツール336からスリーブ30の第2の部分70bを放出するために使用されているのを示す(図5F図5H)。送達ツール308の場合にはしばしば、図示するように、組織92の第2の部位68bは、インプラント20のルーメン44内から超音波送受信機38を除去することなく(すなわち第1の部位68aの評価と第2の部位の評価との間において超音波送受信機を除去することなく)評価される。
【0214】
図5I図5Jは、第2の組織アンカー52bが、アンカードライバ16を使用して空洞部50および通路56を通り前進され、第2の部分70bを貫通し第2の部位68b中に駆動されるのを示す。さらに、送達ツール308の場合には、図示するように、第2の組織アンカー52bは、壁部28の第2の部分70bを貫通し組織92の第2の部位68b中に駆動されることが可能であり、一方で超音波送受信機38は、インプラント20のルーメン44内に壁部の第2の部分に対面して留まる。
【0215】
インプラントが、例えば収縮部材42に張力印加することなどにより収縮されることが可能となる様式は、以降において本明細書で説明される送達ツール8と送達ツール308との間の相違点によってほぼ影響を被らず、したがって収縮は、図2L図2Mの送達ツール8を参照として上述されるように達成され得る。
【0216】
本明細書で説明および図示される実施形態は、多くの場合、天然心臓弁の弁輪組織に対してアンカー固定された、例えば弁輪形成バンドなどの弁輪形成構造体に関するものであるが、本明細書において開示される方法、技術、システム、及び装置等は、必要な変更を加えて、被験者の様々な組織に対する様々なインプラントのアンカー固定に関するものである。
【0217】
本明細書において開示される装置、システム、方法、及び技術等は、Iflahらの米国特許出願公開第2018/0049875号明細書、Brauonらの国際特許出願第PCT/IL2019/050777号(国際公開第2020/012481号として公開)、Kasherらの米国仮特許出願第62/949,392号、および/またはShepsらの米国特許第9,949,828号明細書に記載されるものとの組合せにおいて使用することが可能である。これらの特許文献は、参照により事実上本明細書に組み込まれる。
【0218】
図6を参照する。この図は、いくつかの適用例による、組織にインプラントを植え込むための一例の方法200の少なくともいくつかのステップを概略的に示す流れ図である。いくつかの適用例では、方法200は、送達ツール8および/または送達ツール308を使用して実施される。いくつかの適用例では、方法200は、被験者の心臓90の心組織92にてインプラントを植え込むために利用される。いくつかの適用例では、方法200はインプラント20に対して実施される。
【0219】
ルーメンを囲む壁部を有するインプラント(例えばインプラント20)は、しばしば送達ツール8または308などの送達ツール内において弁輪88などの組織まで前進される(ステップ202)。いくつかの適用例では、次いで超音波ツール36または336などの超音波ツールが、インプラント20中に前進される(ステップ204)。(任意には、超音波ツールは、インプラントの前進の最中にインプラント内に存在してもよい。)この送達ツールは、潜在的アンカー固定部位へと操縦され(ステップ206)、例えば図2Cおよび図5Cを参照として上述したように、インプラントの一部分(例えばインプラントの壁部またはスリーブの一部分等)が、この部位に対して押圧され得る(例えば対接状態に保持され得る)(ステップ208)。
【0220】
(例えば超音波ツール36の超音波送受信機38または超音波ツール336の超音波送受信機338を利用して)超音波エネルギーが送信され、これは、インプラントの一部分を経由して組織の部位へと送信され得る(ステップ210)。図2Cを参照として説明したように、超音波エネルギーの一部分(例えば部位からおよび/または壁部の部分を貫通して反射された超音波エネルギー)が検出される(ステップ212)。
【0221】
次いで、組織の部位が、インプラントをアンカー固定するためのアンカー固定部位としての適性について評価(例えば解析)される(ステップ214)。例えば、この部位は、図2Cおよび図3A図3Fを参照として説明されるように評価され得る。部位の評価の結果として、この部位がアンカー固定部位として不適切であることが判明した場合には、送達ツールは、他の潜在的アンカー固定部位へと操縦される(ステップ204)。
【0222】
部位の評価の結果として、この部位がアンカー固定部位として適することが判明した場合には、図2E図2Fを参照として説明されるように、インプラントの前出の部分がこの部位に対して例えばアンカードライバ16などを使用してアンカー固定される(ステップ218)。いくつかの適用例では、図2Dを参照として説明するように、超音波ツールは、組織の部位に対して壁部のこの部分をアンカー固定する前に、送達ツールから引き抜かれる(任意には、図5D図5Eを参照として説明されるように、超音波送受信機はインプラントのルーメン内に配設された状態で、および任意には撮像のために超音波ツールまたは超音波送受信機が使用された状態で、この部分が部位にアンカー固定される)。
【0223】
壁部の追加的な部分および/または組織の追加的な部位がアンカー固定するのに望ましいと識別された場合には(ステップ220)、送達ツールは、他の潜在的アンカー固定部位へと操縦される(ステップ206)。例えば、図2E図2Kを参照として説明されるように、複数の組織アンカー52が、組織に対してインプラントをアンカー固定するために使用され得る。
【0224】
壁部のいずれの追加的な部分および/または組織のいずれの追加的な部位もアンカー固定するのに望ましくないと識別された場合には(ステップ220)、例えば図2L図2Mを参照として説明されるように、インプラント(例えばインプラント20)は、例えば収縮部材42に張力印加することにより収縮され得る。
【0225】
図7A図7Bを参照する。これらの図は、被験者の心臓90の血管122内に配置されるように構成されたインジケータワイヤ124を備える一例のシステム120の概略図である。インジケータワイヤ124は、僧帽弁86の治療が望まれる適用例の場合に冠動脈または冠静脈(例えば図示するような冠状静脈洞など)の中に位置決めされ得る。インジケータワイヤ124は、心臓の任意の適切な血管内に配置され得る点に留意されたい。図示するように、ワイヤ124は、弁輪88中に組織アンカー52を展開するために弁輪88に沿った適切な位置に向かってアンカー送達システム128の遠位部分を案内するように、弁86の弁輪88に隣接して位置決めされる。システム120は、アンカーが、弁輪88の組織92内で適切に展開され、弁尖組織内もしくは動脈壁内または任意の他の望ましくない組織内で意図せずに展開されることがないように、アンカー送達システム128の遠位端部の位置の示唆を与える。
【0226】
システム120は、被験者の心臓90の天然弁(例えば僧帽弁または三尖弁などの房室弁)を治療するためのものである。システム120を使用した本明細書において説明される方法、技術、動作、及びステップ等はいずれも、生きている動物に対して、または死体、死体心、及びシミュレータ(例えば刺激されている身体部分、心臓、及び組織等)等に対してなど非生物シミュレーションに対して実施することが可能である。
【0227】
インジケータワイヤ124は、例えば周囲ワイヤ124などのワイヤ124に対して物理的場126を発生させるように構成され得る。いくつかの適用例では、インジケータワイヤ124は、インジケータワイヤ124に電流を通す電気ワイヤに対して結合される。いくつかの適用例では、場126は電場を含む。いくつかの適用例では、場126は静電場を含む。いくつかの適用例では、場126は電磁場を含む。いくつかの適用例では、場126は磁場を含む。インジケータワイヤ124は、静電電位で帯電するか、または電磁シグネチャを増大させるために電流が流れることになる。
【0228】
いくつかの適用例では、本明細書において上述したマルチコンポーネントシステム10は、アンカー送達システム128を備える。本明細書において上述したように、システム10は、例えば弁輪形成構造体などのインプラント20を定位置に送達およびアンカー固定するために使用される。この構造体は、マルチコンポーネント管状システム10のアンカーチャネル18が通過するルーメン48を画成するスリーブ30を備える。アンカー送達システム128の遠位端部部分が、チャネル18の遠位端部部分を備える。チャネル18の遠位端部部分は、感知素子130を備える。いくつかの適用例では、感知素子130は、図示するようにリング形状を有する。いくつかの適用例では、感知素子130は、任意の他の適切な形状を画定するように形状設定される。いくつかの適用例では、感知素子130は、アンテナを備える。いくつかの適用例では、インプラント20は、感知素子130を備える。いくつかの適用例では、感知素子130は、超音波感知素子を備える。
【0229】
いくつかの適用例では、感知素子130は、(例えば解析及び視覚的表示等を目的として)物理的場126に関するデータを体外処理ユニットおよび/または体外モニタへ無線送信する。いくつかの適用例では、感知素子はワイヤに対して結合され、このワイヤは、物理的場126に関するデータを体外処理ユニットおよび/または体外モニタへ送信する。
【0230】
図7Bに示すように、アンカー送達システム128は、血管122に隣接する弁輪88の組織92の一部分に向かって組織アンカー52を送達する。アンカードライバ16が、アンカー52を送達し組織92に対してアンカーをアンカー固定するために使用される。図7Bは、組織中に展開された後のアンカー52を示す。展開前に、アンカー送達システム128の遠位部分、すなわち感知素子130を備えるチャネル18の遠位部分が、インジケータワイヤ124の範囲内に配置され、場126と接触状態になる。すなわち、ワイヤ124の物理的場126は、チャネル18が移動する間、静止状態に留まる。
【0231】
システム128の遠位部分の位置は、インジケータワイヤ124の範囲内にアンカー送達システム128の遠位部分を配置し、アンカー送達システム128のこの部分とインジケータワイヤ124の一部分との間の距離を算出することにより、物理的場126の変化を計測することによって判定される。すなわち、図7Bに示すような場126の変化は、表示、計測、および算出され、図7Aに示すようにワイヤ124の無歪み場126と比較される。歪み量は、チャネル18の遠位端部とワイヤ124との間の距離に相関する。この距離が所定の閾値未満であり、弁輪88に沿った適切な(すなわち弁尖または動脈壁などの望ましくない組織に沿わない)位置を示唆する場合には、次いでアンカー52が展開される。
【0232】
しばしば、アンカー送達システム128のこの部分とインジケータワイヤ124のこの部分との間の距離の算出は、所定の閾値に対するこの距離の比較を含む。所定の閾値は、物理的場126における歪み量に相関し得る。システム120は、感知素子130とワイヤ124との間の近傍性が所定の閾値に到達した場合には、術中の医師に対して示唆を与える。
【0233】
所定の閾値に対する距離の比較に応答して、アンカー52は、弁輪88の組織92内に展開される。いくつかの適用例では、組織アンカー52は、この距離が所定の閾値未満であるという判定に応答して展開される。アンカー52が弁輪88に沿った適切な位置に展開されると、アンカー送達システム128のチャネル18が、弁輪88に沿って組織92のアンカー部分へ移動され、場126の別の歪みが、チャネル18の遠位端部部分とワイヤ124との間の距離を算出するために計測される。この距離が閾値未満である場合には、別のアンカー52が、弁輪の組織92内において展開される。
【0234】
いくつかの適用例では、感知素子130は、超音波感知素子を備える。感知素子130が超音波感知素子を備える適用例では、インジケータワイヤ124は、物理的場126を発生させてもまたは発生させなくてもよい。むしろ、超音波感知素子は、超音波場を発生させ、チャネル18がインジケータワイヤ124の範囲内に来た場合に、ワイヤ124が近傍に位置することに起因する超音波感知素子により発生された超音波場の変化が、モニタリングされ算出され、それによりチャネル18の遠位端部とワイヤ124との間の距離が所定の閾値未満であるかどうかが判定される。
【0235】
すなわち、チャネル18の超音波場は、ワイヤ124が静止状態に留まる間、移動する。
【0236】
再び図7A図7Bを参照する。システム120は、心臓の右側を治療するためにも使用され得る点に留意されたい。インプラント20が三尖弁に沿って配置される適用例では、ワイヤ124は、右冠動脈内に位置決めされ得る。
【0237】
再び図7A図7Bを参照する。有利には、システム120は、動脈または静脈に対するアンカー送達システム128の上記部分の位置に関するより優れた示唆を術中の医師に対して提示し、したがって、アンカー送達の最中における血管に損傷を与える可能性を最小限に抑えるかまたは排除する。そのため、システム120は、被験者の安全性を向上させ、処置時間を短縮させる。
【0238】
再び図7A図7Bを参照する。いくつかの適用例では、システム10および120は、以下の参考文献の中の1つまたは複数に記載の1つまたは複数の技術との組合せにおいて使用される。これらの参考文献はいずれも、参照により事実上本明細書に組み込まれる。さらに、本開示および/または以下の参考文献において説明または示唆される技術、方法、動作、及びステップ等は、生きている動物に対して、または死体、死体心、及びシミュレータ(例えば刺激されている身体部分、心臓、及び組織等)等に対してなど非生物シミュレーションに対して実施することが可能である。
【0239】
米国特許出願公開第2010/0286767号明細書として公開された、2009年5月7日に出願されたZiporyらの米国特許出願第12/437,103号。例えば、(1)本願のシステム10および120は、必要な変更を加えて、Ziporyらの米国特許出願公開第2010/0286767号明細書の図2図3および/または図6A図12を参照として説明される技術を容易化するために使用され得る。(2)本願のアンカードライバ16は、必要な変更を加えて、Ziporyらの米国特許出願公開第2010/0286767号明細書のアンカードライバ68および/またはアンカー展開マニピュレータ24を備えることが可能であるか、またはそれらに相当するものであることが可能である。(3)本願の組織アンカー52は、必要な変更を加えて、Ziporyらの米国特許出願公開第2010/0286767号明細書のアンカー38を備えることが可能であるか、またはそれに相当するものであることが可能である。および/または、(4)本願のインプラントは、必要な変更を加えて、Ziporyらの米国特許出願公開第2010/0286767号明細書の弁輪形成リング22を備えることが可能であるか、またはそれに相当するものであることが可能である。
【0240】
米国特許出願公開第2010/0280604号明細書として公開された、2010年1月19日に出願されたZiporyらの米国特許出願第12/689,635号。例えば、(1)本願のシステム10および120は、必要な変更を加えて、Ziporyらの米国特許出願公開第2010/0280604号明細書の図2図3および/または図11A図17を参照として説明される技術を容易化するために使用され得る。(2)本願のアンカードライバ16は、必要な変更を加えて、Ziporyらの米国特許出願公開第2010/0280604号明細書のアンカードライバ68および/またはアンカー展開マニピュレータ24を備えることが可能であるか、またはそれらに相当するものであることが可能である。(3)本願の組織アンカー52は、必要な変更を加えて、Ziporyらの米国特許出願公開第2010/0280604号明細書のアンカー38を備えることが可能であるか、またはそれに相当するものであることが可能である。および/または、(4)本願のインプラントは、必要な変更を加えて、Ziporyらの米国特許出願公開第2010/0280604号明細書の弁輪形成リング22を備えることが可能であるか、またはそれに相当するものであることが可能である。
【0241】
国際公開第2013/069019号として公開された、2013年11月8日に出願されたShepsらの国際特許出願第PCT/IL2012/050451号。例えば、(1)本願のシステム10および120は、必要な変更を加えて、Shepsらの国際公開第2013/069019号の図14A図14Iを参照として説明される技術を容易化するために使用され得る。(2)本願のシステム10および120は、必要な変更を加えて、Shepsらの国際公開第2013/069019号のシステム10を備えることが可能であるか、またはそれらに相当するものであることが可能である。(3)本願のアンカードライバ16は、必要な変更を加えて、Shepsらの国際公開第2013/069019号のアンカー展開マニピュレータ61および/またはアンカードライバ36を備えることが可能であるか、またはそれらに相当するものであることが可能である。および/または、(4)本願のインプラントは、必要な変更を加えて、Shepsらの国際公開第2013/069019号の弁輪形成構造体222および/またはスリーブ26を備えることが可能であるか、またはそれに相当するものであることが可能である。
【0242】
国際公開第2014/064694号として公開された、2013年10月23日に出願された「Controlled steering functionality for implant-delivery tool」と題するShepsらの国際特許出願第PCT/IL2013/050860号。例えば、(1)本願のシステム10および120は、必要な変更を加えて、「Controlled steering functionality for implant-delivery tool」と題するこのPCT出願の図10A図10I図12A図14B図18A図18C図21図28図34、および図36を参照として説明される技術を容易化するために使用され得る。(2)本願のシステム10および120は、必要な変更を加えて、「Controlled steering functionality for implant-delivery tool」と題するこのPCT出願のシステム10を備えることが可能であるか、またはそれらに相当するものであることが可能である。(3)本願のアンカードライバ16は、必要な変更を加えて、「Controlled steering functionality for implant-delivery tool」と題するこのPCT出願のアンカー展開マニピュレータ61、アンカードライバ36、および/または展開要素2338を備えることが可能であるか、またはそれらに相当するものであることが可能である。および/または、(4)本願のインプラントは、必要な変更を加えて、「Controlled steering functionality for implant-delivery tool」と題するこのPCT出願の弁輪形成構造体222および/またはスリーブ26を備えることが可能であるか、またはそれに相当するものであることが可能である。
【0243】
国際公開第2014/064695号として公開された、2013年10月23日に出願された「Percutaneous tissue anchor techniques」と題するHermanらの国際特許出願第PCT/IL2013/050861号。例えば、(1)本願のシステム10および120は、必要な変更を加えて、「Percutaneous tissue anchor techniques」と題するこのPCT出願の図9A図9Cおよび/または図13A図13Dを参照として説明される技術を容易化するために使用され得る。(2)本願の組織アンカー52は、必要な変更を加えて、「Percutaneous tissue anchor techniques」と題するこのPCT出願の組織アンカー40を備えることが可能であるか、またはそれらに相当するものであることが可能である。および/または、(3)本願のアンカードライバ16は、必要な変更を加えて、「Percutaneous tissue anchor techniques」と題するこのPCT出願のアンカードライバ500、アンカードライバ236、展開マニピュレータ261、またはツール80を備えることが可能であるか、またはそれらに相当するものであることが可能である。
【0244】
国際公開第2020/012481号として公開された、2019年7月11日に出願された「Annuloplasty Systems and Locking Tools Therefor」と題するBrauonらの特許出願第PCT/IL2019/050777号。
【0245】
2019年12月17日に出願された「Annuloplasty and Tissue Anchor Technologies」と題するKasherらの米国仮特許出願第62/949,392号。
【0246】
本発明は、本明細書において上記に具体的に示し説明したものに限定されない点が、当業者には理解されよう。むしろ、本発明の範囲は、本明細書において上述した様々な特徴の組合せおよび下位組合せの両方を含み、さらに上記の説明を読むことにより当業者に想起されるような先行技術のものではない変形および修正を含む。
【符号の説明】
【0247】
8 送達ツール
10 マルチコンポーネントシステム、マルチコンポーネント管状システム
16 アンカードライバ
18 アンカーチャネル
19 遠位アパーチャ
20 インプラント
22 カテーテル
24 遠位領域
25 遠位部分
26 遠位開口
28 壁部
30 スリーブ
34 遠位端壁部
35 超音波エネルギー
36 超音波ツール
37 遠位端部
38 超音波送受信機
40 作動可能調節機構
42 可撓性細長収縮部材
44 ルーメン
46 可撓性長手方向ガイド部材
47 調節ツール
48 ルーメン
50 長手方向空洞部
52 アンカー
52a 第1の組織アンカー、第1のアンカー
52b 第2の組織アンカー、第2のアンカー
56 通路
58 血管
60 ユーザインターフェース
62 遠位部分
64 体外制御アセンブリ
66 カプリング
68 部位、アンカー固定部位、組織部位
68a 第1の部位、第1のアンカー固定部位
68b 第2の部位、第2のアンカー固定部位
70 部分
70a 第1の部分
70b 第2の部分
72 コネクタ
74 超音波コントローラ
75 回路
82 ハンドル
84 操縦制御要素
86 僧帽弁
88 弁輪
90 心臓
92 心組織
120 システム
122 血管
124 インジケータワイヤ、周囲ワイヤ
126 物理的場
128 アンカー送達システム
130 感知素子
308 送達ツール
310 マルチコンポーネントシステム
318 アンカーチャネル
319 遠位アパーチャ
336 超音波ツール
337 遠位端部
338 超音波送受信機
d12 インプラント軸、スリーブ軸
d14 チャネル軸
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G
図2H
図2I
図2J
図2K
図2L
図2M
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図5G
図5H
図5I
図5J
図6
図7A
図7B
【国際調査報告】