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特表2023-5092762つの電圧源により給電される直流回路遮断用スイッチ
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  • 特表-2つの電圧源により給電される直流回路遮断用スイッチ 図1
  • 特表-2つの電圧源により給電される直流回路遮断用スイッチ 図2
  • 特表-2つの電圧源により給電される直流回路遮断用スイッチ 図3
  • 特表-2つの電圧源により給電される直流回路遮断用スイッチ 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-08
(54)【発明の名称】2つの電圧源により給電される直流回路遮断用スイッチ
(51)【国際特許分類】
   H01H 39/00 20060101AFI20230301BHJP
【FI】
H01H39/00 C
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022525635
(86)(22)【出願日】2019-12-05
(85)【翻訳文提出日】2022-07-01
(86)【国際出願番号】 SI2019000009
(87)【国際公開番号】W WO2021091497
(87)【国際公開日】2021-05-14
(31)【優先権主張番号】P-201900212
(32)【優先日】2019-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SI
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521460424
【氏名又は名称】イーティーアイ エレクトロエレメント、ディー.オー.オー.
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】コプリフセク、ミティア
(72)【発明者】
【氏名】レバール、ブラーネ
(57)【要約】
本発明は、電気回路を遮断するためのスイッチに関し、電気回路では、2つの電圧源(S1、S2)および少なくとも1つの負荷(L)は一体化され、相互に接続され、本発明の目的は、必要なときにそのような電気回路を迅速かつ効率的に遮断することであり、その結果、前記遮断後、負荷と前記電圧源のいずれかとの間の潜在的な接触はそれぞれ排除されなければならず、さらにまた、前記負荷と、前記負荷と電気的に相互接続されてよい、任意の他の負荷または電気回路との間の潜在的相互作用はそれぞれ、同じく排除されなければならない。この目的のために、主電気伝導体(10)は、両方の電圧源(S1、S2)と追加電気伝導体(11)により橋絡された前記負荷(L)との間の領域内にあり、追加電気伝導体(11)は、前記電圧源(S1、S2)と、さらにまた前記負荷(L)と電気的に並列に接続され、スイッチの活動化前に、すなわち、電気回路(1)の正常動作中にギャップ(G)によって遮断され、その結果として電気を通さず、溶融部材(21)を伴う一体化された電気ヒューズ(2)を伴う電気伝導性分岐(12)は、両方の電圧源(S1、S2)の間にある領域(100)内の2つの互いに離して配置された接続点(100’、100”)で前記主伝導体(10)に並列に接続され、一方、前記接続点(100’、100”)の間の中間領域(1000)内に前記主伝導体(10)は、取外し可能部位(10’)を備え付け、取外し可能部位(10’)は、事前に決定された各条件で主伝導体(10)から離して取外し可能であり、前記追加電気伝導体(11)内のギャップ(G)の中に不可逆的に移動可能であり、前記追加電気伝導体(11)は、これによって電気伝導性になり、一方同時に、主電気伝導体(10)は、自身から前記部位(10’)を取り除いたときに電気を通さなくなる。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流回路(1)を遮断するためのスイッチであって、2つの直流電圧源(S1、S2)は、前記直流回路(1)内部に一体化され、互いに直列に接続され、両方とも主電気伝導体(10)を介して少なくとも1つの電気負荷(L)と電気的に接続されるスイッチにおいて、前記主電気伝導体(10)は、前記電圧源(S1、S2)と追加電気伝導体(11)により橋絡された前記負荷(L)の間の領域内にあり、前記追加電気伝導体(11)は、前記電圧源(S1、S2)と、さらにまた前記負荷(L)と電気的に並列に接続され、前記スイッチの活動化前に、すなわち前記直流回路(1)の正常動作中にギャップ(G)によって遮断され、その結果として電気を通さず、溶融部材(21)を伴う一体化された電気ヒューズ(2)を伴う電気伝導性分岐(12)は、両方の前記電圧源(S1、S2)の間にある領域(100)内の2つの互いに離して配置された接続点(100’、100”)で前記主電気伝導体(10)に並列に接続され、一方、前記接続点(100’、100”)の間の中間領域(1000)内に前記主電気伝導体(10)は、取外し可能な部位(10’)を備え付け、前記取外し可能な部位(10’)は、事前に決定された各条件で前記主電気伝導体から離して取外し可能であり、前記追加電気伝導体(11)内のギャップ(G)の中に不可逆的に移動可能であり、前記追加電気伝導体(11)は、これによって電気伝導性になり、一方同時に、前記主電気伝導体(10)は、自身から前記部位(10’)を取り外したときに電気を通さなくなることを特徴とするスイッチ。
【請求項2】
前記主電気伝導体(10)の前記部位(10’)は、パイロスイッチ(3)によって前記追加電気伝導体(2)内の前記ギャップ(G)の中に移動可能であることを特徴とする、請求項1に記載のスイッチ。
【請求項3】
前記パイロスイッチ(3)は、センサ(4)によって活動化されることを特徴とする、請求項2に記載のスイッチ。
【請求項4】
前記パイロスイッチ(3)の活動化のために使用される前記センサ(4)は、加速度検出センサであることを特徴とする、請求項3に記載のスイッチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの負荷、および2つの互いに直接に接続された電圧源を備える直流電気回路を遮断するのに適したスイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
これに関して本発明は、必要なときにそのような電気回路を迅速かつ効率的にどのように遮断するかという問題に基づき、前記遮断後、負荷と前記電圧源のいずれかとの間の各電位接触は、排除されなければならず、さらにまた、前記負荷と、前記負荷と電気的に相互接続されてよい任意の他の負荷または電気回路との間の各電位相互作用もまた排除されなければならない。
【0003】
詳細には、電動車両の分野では、単一電圧源によって給電する代わりに、車両は、2つの電圧源により給電しなくてはならないという義務がある。すなわち、そのような取り組み方法によれば、前記電圧源の一方が故障していても依然として車両に給電できる。しかしながら、車両の分野ではさらにまた非常事態の場合、電気回路を即座に遮断しなければならないことが常に要求され、これは、たとえば衝突または車両への他の損傷により、別の状況で変則的な回路、すなわち短絡が制御されずに確立することにつながり、その結果、火の発生につながる可能性があるので重要である。
【0004】
単一電圧源を伴う直流電気回路を遮断するためのスイッチは、国際公開第2019/177546号(特許文献1)で開示されている。そのような従来技術の概念は、主電気伝導体の一次分岐または二次分岐を介して直流または交流の電気回路、および前記電圧源と接続された少なくとも1つの電気負荷を提供し、代替電気伝導体は、主電気伝導体の前記分岐の少なくとも一方と接続され、その結果、事前に規定された各状況で、すなわち事前に決定された各条件を満たすことにより、前記分岐は物理的に遮断され、そのとき、前記分岐にすでに存在するような電流は、次いで前記代替電気伝導体を通して向きを変えられる。主電気伝導体の対応する分岐と並列に接続された前記代替電気伝導体は、2つの相互に整列した部位から構成され、これらの部位はそれぞれ、それ自体が主電気伝導体の対応する分岐と接続され、これらの部位の間には、電気絶縁ギャップが存在し、主電気伝導体の前記分岐は、機械的に取外し可能であり、電気伝導性部位を含み、この部位は、事前に規定された状況では、すなわち対応する機械的衝撃によって、事前に規定された各条件を満たすことにより前記分岐の残りの部分から離して取外し可能であり、代替伝導体の両方の部位の間にある前記ギャップの中に不可逆的に移動可能であり、代替伝導体は、これによって橋絡され、電気的伝導性になる。前記電気伝導体に加えて、さらにまた事前に規定された各条件が満たされたときに事前に規定された状況でトリガされるのに適した、主伝導体の前記弱くなった分岐の前記取外し可能な部位に近接して配列された花火式アクチュエータが予見され、その結果、前記部位は、次いで前記花火式アクチュエータによって前記分岐から機械的に離して取外し可能であり、代替伝導体の両方の部位の間にある前記ギャップの中に移動可能である。そのような概念は、単一電圧源を有する電気回路でうまく利用されてよいが、さらにまた2つの電源が一体化される回路で利用されないことがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2019/177546号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、直流回路を遮断するためのスイッチに関し、2つの直流電圧源は、前記回路内部に一体化され、互いに直列に接続され、両方とも主電気伝導体を介して少なくとも1つの電気負荷と電気的に接続される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、すでに言及した技術的問題は、前記主電気伝導体が前記電圧源と追加電気伝導体により橋絡された前記負荷の間の領域内にあるような方法で解決され、追加電気伝導体は、前記電圧源と、さらにまた前記負荷と電気的に並列に接続され、スイッチの活動化前に、すなわち電気回路の正常動作中にギャップによって遮断され、その結果として電気を通さない。他方では、溶融部材を伴う一体化された電気ヒューズを伴う電気伝導性分岐は、両方の電圧源の間にある領域内の2つの互いに離して配置された接続点で前記主伝導体に並列に接続される。前記主伝導体は、取外し可能な部位を備え付けた前記接続点の間の中間領域内にあり、前記取外し可能な部位は、事前に決定された各条件で主伝導体から離して取外し可能であり、前記追加電気伝導体内のギャップの中に不可逆的に移動可能であり、前記追加電気伝導体は、これによって電気伝導性になり、一方同時に、主電気伝導体は、自身から前記部位を取り除くときに電気を通さなくなる。
【0008】
本発明の好ましい実施形態では、主伝導体の前記部位は、好ましくはセンサによって活動化されるパイロスイッチによって追加伝導体内のギャップの中に移動可能である。センサは、一般に前記パイロスイッチの活動化に適した任意のセンサであり、やや好ましくは加速度検出センサである。
【0009】
添付図面で提示する実施形態に基づき、本発明についてについてさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】直流電気回路および対応する負荷に2つの電圧源によって正常にエネルギーを供給している間に前記電気回路を遮断するのに適した、概略的に描いた本発明によるスイッチである。
図2】センサから受信した信号に基づきパイロスイッチが活動化され電気回路が遮断された瞬間に描いた、図1によるスイッチである。
図3】主回路が遮断されたときに追加伝導体およびヒューズを通る別の電気回路が確立された瞬間に描いた、図1によるスイッチである。
図4】主回路が遮断され、追加伝導体およびヒューズを通る別の回路が確立されたときに前記ヒューズの溶融部材もまた遮断されるようになる別の状態での、図1によるスイッチである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明によるスイッチは、直流回路1を遮断するのに適しており、2つの直流電圧源S1、S2は、前記回路1内部に一体化され、互いに直列に接続され、両方とも主電気伝導体10を介して少なくとも1つの電気負荷Lと電気的に接続される。
【0012】
前記主電気伝導体10は、前記電圧源S1、S2と追加電気伝導体11により橋絡された前記負荷Lの間の領域内にあり、追加電気伝導体は、前記電圧源S1、S2と、さらにまた前記負荷Lと電気的に並列に接続され、スイッチの活動化前に、すなわち電気回路1の正常動作中にギャップGによって遮断され、その結果として電気を通さない。
【0013】
溶融部材21を伴う一体化された電気ヒューズ2を伴う電気的伝導性分岐12は、両方の電圧源S1、S2の間にある領域100内の2つの互いに離して配置された接続点100’、100”で前記主伝導体10に並列に接続される。
【0014】
前記接続点100’、100”の間の中間領域1000内に前記主伝導体10は、取外し可能な部位10’を備え付け、取外し可能な部位10’は、事前に決定された各条件で主伝導体10から離して取外し可能であり、前記追加電気伝導体11内のギャップGの中に移動可能であり、前記追加電気伝導体11は、これによって電気伝導性になり、一方同時に、主伝導体10は、自身から前記部位10’を取り除くときに電気を通さなくなる。前記取外し可能な部位10’、およびギャップGに近接する追加伝導体11の領域は、任意選択ですでに引用した従来技術(国際公開第2019/177546号(特許文献1))で使用される手法で本質的に設計される。
【0015】
図示する実施形態では、主伝導体10の前記部位10’は、加速度を検出するのに適したセンサ4によって活動化されるパイロスイッチ3によって追加伝導体12内のギャップGの中に移動可能である。
【0016】
電気回路1の正常動作により、前記負荷Lは、主電気伝導体を介して、2つの電源S1、S2によりエネルギーを供給される電気回路の中に一体化される。ヒューズ2の抵抗は、伝導体10、11の抵抗よりも本質的に高いので、そのような動作モードでは、分岐12を通る電流はまったくない、または少なくとも事実上ない。
【0017】
非常事態の理由のために、たとえば電気車両の衝突などにより回路1が遮断されることにより、すなわち事前に決定された各条件が満たされるとすぐに、センサ4は、前記パイロスイッチ3を活動化し、それにより、部位10’は、主伝導体10から取り除かれて追加伝導体11内のギャップGの中に移動することになる。その結果、一方では、主伝導体10は、両方の電源S1、S2の間にある自身の中間領域1000で遮断されるようになり、他方では、負荷Lは、追加伝導体11を通して確立された短絡の中に一体化されるようになり、追加伝導体11内のギャップGは、主伝導体10の前記部位10’により橋絡され、したがって電気伝導性がある。そのような場合、電流は、分岐12を通してだけ依然として流れてよく、これは、一方では、負荷L、さらにまた負荷Lとなんらかの方法で接続されてよい潜在的な他の負荷および電源の放電を可能にし、他方では、これはまた、ヒューズ2内の溶融部材21の加熱および溶融につながり、そのとき、分岐12もまた遮断され、電気を通さなくなる。そのとき、電気的に放電された負荷Lは、追加伝導体11を介して自身の電気回路の中に、実際は短絡の中に一体化され、一方、電源S1、S2は、追加伝導体11を介して別個の回路の中に一体化されたままであり、しかしながら、別個の回路は、電源S1、S2の間の中間領域で物理的に遮断され、明らかに電気を通さない。部位10’の長さは、主伝導体10から前記部位10’を除去するときに電気アークの発生を防止するのに十分であるべきであることを当業者は理解されよう。
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2023-02-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの負荷、および2つの互いに直接に接続された電圧源を備える直流電気回路を遮断するのに適したスイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
これに関して本発明は、必要なときにそのような電気回路を迅速かつ効率的にどのように遮断するかという問題に基づき、前記遮断後、負荷と前記電圧源のいずれかとの間の各電位接触は、排除されなければならず、さらにまた、前記負荷と、前記負荷と電気的に相互接続されてよい任意の他の負荷または電気回路との間の各電位相互作用もまた排除されなければならない。
【0003】
詳細には、電動車両の分野では、単一電圧源によって給電する代わりに、車両は、2つの電圧源により給電しなくてはならないという義務がある。すなわち、そのような取り組み方法によれば、前記電圧源の一方が故障していても依然として車両に給電できる。しかしながら、車両の分野ではさらにまた非常事態の場合、電気回路を即座に遮断しなければならないことが常に要求され、これは、たとえば衝突または車両への他の損傷により、別の状況で変則的な回路、すなわち短絡が制御されずに確立することにつながり、その結果、火の発生につながる可能性があるので重要である。
【0004】
単一電圧源を伴う直流電気回路を遮断するためのスイッチは、国際公開第2019/177546号(特許文献1)で開示されている。そのような従来技術の概念は、主電気伝導体の一次分岐または二次分岐を介して直流または交流の電気回路、および前記電圧源と接続された少なくとも1つの電気負荷を提供し、代替電気伝導体は、主電気伝導体の前記分岐の少なくとも一方と接続され、その結果、事前に規定された各状況で、すなわち事前に決定された各条件を満たすことにより、前記分岐は物理的に遮断され、そのとき、前記分岐にすでに存在するような電流は、次いで前記代替電気伝導体を通して向きを変えられる。主電気伝導体の対応する分岐と並列に接続された前記代替電気伝導体は、2つの相互に整列した部位から構成され、これらの部位はそれぞれ、それ自体が主電気伝導体の対応する分岐と接続され、これらの部位の間には、電気絶縁ギャップが存在し、主電気伝導体の前記分岐は、機械的に取外し可能であり、電気伝導性部位を含み、この部位は、事前に規定された状況では、すなわち対応する機械的衝撃によって、事前に規定された各条件を満たすことにより前記分岐の残りの部分から離して取外し可能であり、代替伝導体の両方の部位の間にある前記ギャップの中に不可逆的に移動可能であり、代替伝導体は、これによって橋絡され、電気的伝導性になる。前記電気伝導体に加えて、さらにまた事前に規定された各条件が満たされたときに事前に規定された状況でトリガされるのに適した、主伝導体の前記弱くなった分岐の前記取外し可能な部位に近接して配列された花火式アクチュエータが予見され、その結果、前記部位は、次いで前記花火式アクチュエータによって前記分岐から機械的に離して取外し可能であり、代替伝導体の両方の部位の間にある前記ギャップの中に移動可能である。そのような概念は、単一電圧源を有する電気回路でうまく利用されてよいが、さらにまた2つの電源が一体化される回路で利用されないことがある。さらに、米国特許出願公開第2019/0283626(A1)号明細書(特許文献2)には、HV(高電圧)エネルギー貯蔵機器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2019/177546号
【特許文献2】米国特許出願公開第2019/0283626(A1)号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、直流回路を遮断するためのスイッチに関し、2つの直流電圧源は、前記回路内部に一体化され、互いに直列に接続され、両方とも主電気伝導体を介して少なくとも1つの電気負荷と電気的に接続される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、すでに言及した技術的問題は、前記主電気伝導体が前記電圧源と追加電気伝導体により橋絡された前記負荷の間の領域内にあるような方法で解決され、追加電気伝導体は、前記電圧源と、さらにまた前記負荷と電気的に並列に接続され、スイッチの活動化前に、すなわち電気回路の正常動作中にギャップによって遮断され、その結果として電気を通さない。他方では、溶融部材を伴う一体化された電気ヒューズを伴う電気伝導性分岐は、両方の電圧源の間にある領域内の2つの互いに離して配置された接続点で前記主伝導体に並列に接続される。前記主伝導体は、取外し可能な部位を備え付けた前記接続点の間の中間領域内にあり、前記取外し可能な部位は、事前に決定された条件で主伝導体から離して取外し可能であり、前記追加電気伝導体内のギャップの中に不可逆的に移動可能であり、前記追加電気伝導体は、これによって電気伝導性になり、一方同時に、主電気伝導体は、自身から前記部位を取り除くときに電気を通さなくなる。
【0008】
本発明の好ましい実施形態では、主伝導体の前記部位は、好ましくはセンサによって活動化されるパイロスイッチによって追加伝導体内のギャップの中に移動可能である。センサは、一般に前記パイロスイッチの活動化に適した任意のセンサであり、やや好ましくは加速度検出センサである。
【0009】
添付図面で提示する実施形態に基づき、本発明についてについてさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】直流電気回路および対応する負荷に2つの電圧源によって正常にエネルギーを供給している間に前記電気回路を遮断するのに適した、概略的に描いた本発明によるスイッチである。
図2】センサから受信した信号に基づきパイロスイッチが活動化され電気回路が遮断された瞬間に描いた、図1によるスイッチである。
図3】主回路が遮断されたときに追加伝導体およびヒューズを通る別の電気回路が確立された瞬間に描いた、図1によるスイッチである。
図4】主回路が遮断され、追加伝導体およびヒューズを通る別の回路が確立されたときに前記ヒューズの溶融部材もまた遮断されるようになる別の状態での、図1によるスイッチである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明によるスイッチは、直流回路1を遮断するのに適しており、2つの直流電圧源S1、S2は、前記回路1内部に一体化され、互いに直列に接続され、両方とも主電気伝導体10を介して少なくとも1つの電気負荷Lと電気的に接続される。
【0012】
前記主電気伝導体10は、前記電圧源S1、S2と追加電気伝導体11により橋絡された前記負荷Lの間の領域内にあり、追加電気伝導体は、前記電圧源S1、S2と、さらにまた前記負荷Lと電気的に並列に接続され、スイッチの活動化前に、すなわち電気回路1の正常動作中にギャップGによって遮断され、その結果として電気を通さない。
【0013】
溶融部材21を伴う一体化された電気ヒューズ2を伴う電気的伝導性分岐12は、両方の電圧源S1、S2の間にある領域100内の2つの互いに離して配置された接続点100’、100”で前記主伝導体10に並列に接続される。
【0014】
前記接続点100’、100”の間の中間領域1000内に前記主伝導体10は、取外し可能な部位10’を備え付け、取外し可能な部位10’は、事前に決定された条件で主伝導体10から離して取外し可能であり、前記追加電気伝導体11内のギャップGの中に移動可能であり、前記追加電気伝導体11は、これによって電気伝導性になり、一方同時に、主伝導体10は、自身から前記部位10’を取り除くときに電気を通さなくなる。前記取外し可能な部位10’、およびギャップGに近接する追加伝導体11の領域は、任意選択ですでに引用した従来技術(国際公開第2019/177546号(特許文献1))で使用される手法で本質的に設計される。
【0015】
図示する実施形態では、主伝導体10の前記部位10’は、加速度を検出するのに適したセンサ4によって活動化されるパイロスイッチ3によって追加伝導体12内のギャップGの中に移動可能である。
【0016】
電気回路1の正常動作により、前記負荷Lは、主電気伝導体を介して、2つの電源S1、S2によりエネルギーを供給される電気回路の中に一体化される。ヒューズ2の抵抗は、伝導体10、11の抵抗よりも本質的に高いので、そのような動作モードでは、分岐12を通る電流はまったくない、または少なくとも事実上ない。
【0017】
非常事態の理由のために、たとえば電気車両の衝突などにより回路1が遮断されることにより、すなわち事前に決定された各条件が満たされるとすぐに、センサ4は、前記パイロスイッチ3を活動化し、それにより、部位10’は、主伝導体10から取り除かれて追加伝導体11内のギャップGの中に移動することになる。その結果、一方では、主伝導体10は、両方の電源S1、S2の間にある自身の中間領域1000で遮断されるようになり、他方では、負荷Lは、追加伝導体11を通して確立された短絡の中に一体化されるようになり、追加伝導体11内のギャップGは、主伝導体10の前記部位10’により橋絡され、したがって電気伝導性がある。そのような場合、電流は、分岐12を通してだけ依然として流れてよく、これは、一方では、負荷L、さらにまた負荷Lとなんらかの方法で接続されてよい潜在的な他の負荷および電源の放電を可能にし、他方では、これはまた、ヒューズ2内の溶融部材21の加熱および溶融につながり、そのとき、分岐12もまた遮断され、電気を通さなくなる。そのとき、電気的に放電された負荷Lは、追加伝導体11を介して自身の電気回路の中に、実際は短絡の中に一体化され、一方、電源S1、S2は、追加伝導体11を介して別個の回路の中に一体化されたままであり、しかしながら、別個の回路は、電源S1、S2の間の中間領域で物理的に遮断され、明らかに電気を通さない。部位10’の長さは、主伝導体10から前記部位10’を除去するときに電気アークの発生を防止するのに十分であるべきであることを当業者は理解されよう。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流回路(1)を遮断するためのスイッチであって、2つの直流電圧源(S1、S2)は、前記直流回路(1)内部に一体化され、互いに直列に接続され、両方とも主電気伝導体(10)を介して少なくとも1つの電気負荷(L)と電気的に接続され、前記主電気伝導体(10)は、前記電圧源(S1、S2)と追加電気伝導体(11)により橋絡された前記負荷(L)の間の領域内にあり、前記追加電気伝導体(11)は、前記電圧源(S1、S2)と、さらにまた前記負荷(L)と電気的に並列に接続され、前記スイッチの活動化前に、すなわち前記直流回路(1)の正常動作中にギャップ(G)によって遮断され、その結果として電気を通さないスイッチにおいて、溶融部材(21)を伴う一体化された電気ヒューズ(2)を伴う電気伝導性分岐(12)は、両方の前記電圧源(S1、S2)の間にある領域(100)内の2つの互いに離して配置された接続点(100’、100”)で前記主電気伝導体(10)に並列に接続され、一方、前記接続点(100’、100”)の間の中間領域(1000)内に前記主電気伝導体(10)は、取外し可能な部位(10’)を備え付け、前記取外し可能な部位(10’)は、事前に決定された条件で前記主電気伝導体から離して取外し可能であり、前記追加電気伝導体(11)内の前記ギャップ(G)の中に不可逆的に移動可能であり、前記追加電気伝導体(11)は、これによって電気伝導性になり、一方同時に、前記主電気伝導体(10)は、自身から前記部位(10’)を取り外したときに電気を通さなくなることを特徴とするスイッチ。
【請求項2】
前記主電気伝導体(10)の前記部位(10’)は、パイロスイッチ(3)によって前記追加電気伝導体(2)内の前記ギャップ(G)の中に移動可能であることを特徴とする、請求項1に記載のスイッチ。
【請求項3】
前記パイロスイッチ(3)は、センサ(4)によって活動化されることを特徴とする、請求項2に記載のスイッチ。
【請求項4】
前記パイロスイッチ(3)の活動化のために使用される前記センサ(4)は、加速度検出センサであることを特徴とする、請求項3に記載のスイッチ。

【国際調査報告】