(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-08
(54)【発明の名称】硬化性組成物およびその基材を接着するための方法
(51)【国際特許分類】
C08L 101/10 20060101AFI20230301BHJP
C08G 59/50 20060101ALI20230301BHJP
C08G 18/48 20060101ALI20230301BHJP
C08L 63/00 20060101ALI20230301BHJP
【FI】
C08L101/10
C08G59/50
C08G18/48
C08L63/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022527699
(86)(22)【出願日】2019-11-15
(85)【翻訳文提出日】2022-05-12
(86)【国際出願番号】 CN2019118724
(87)【国際公開番号】W WO2021092881
(87)【国際公開日】2021-05-20
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】タン、チョンミン
(72)【発明者】
【氏名】チェン、ヨンチュン
(72)【発明者】
【氏名】シュイ、シウチン
(72)【発明者】
【氏名】チェン、ホンユイ
(72)【発明者】
【氏名】シー、コー
(72)【発明者】
【氏名】ワン、ナン
(72)【発明者】
【氏名】モン、チンウェイ
【テーマコード(参考)】
4J002
4J034
4J036
【Fターム(参考)】
4J002AA031
4J002CD052
4J002CH051
4J002EX076
4J002FD146
4J002FD156
4J002GJ01
4J002GJ02
4J034CA13
4J034CD15
4J034HA01
4J034HA07
4J034HC22
4J034HC46
4J034HC52
4J034HC61
4J034HC71
4J034HC73
4J034KA01
4J034KB02
4J034KC17
4J034KD02
4J034KE02
4J034QB14
4J034RA08
4J036AA01
4J036AD08
4J036DC03
4J036DC04
4J036DD08
4J036FB10
4J036FB16
4J036JA06
(57)【要約】
硬化性組成物、具体的には、シラン変性ポリマーと、エポキシ末端基を末端に有するエポキシ樹脂とを含む二成分型組成物が記載されており、組成物は、少なくとも1つのシラン基および少なくとも2つのアミン基を有する硬化相溶化剤をさらに含む。硬化性組成物は、増強された接着強度および良好な破断点伸びを呈する。硬化性組成物を基材の表面上に適用するための方法も提供される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
硬化性組成物であって、
少なくとも1つのシラン変性ポリマーと、
エポキシ基を末端に有する少なくとも1つのエポキシ樹脂と、を含み、
前記組成物が、同じ分子内に少なくとも1つのシラン基および少なくとも2つのアミン基を有する硬化相溶化剤をさらに含む、硬化性組成物。
【請求項2】
前記硬化性組成物が、成分Aおよび成分Bを含む二成分型硬化性組成物であり、前記シラン変性ポリマーおよび前記硬化相溶化剤が、前記成分Aに含有され、前記エポキシ樹脂が、前記成分Bに含有される、請求項1に記載の硬化性組成物。
【請求項3】
前記シラン変性ポリマーが、以下の式Iで表され、
R
1
m(R
2O)
(3-m)Si-R
7-(ポリマー主鎖)-R
8-SiR
3
n(R
4O)
(3-n)式I
式中、前記ポリマー主鎖が、ポリオールから誘導されるか、または少なくとも1つのポリイソシアネートおよび少なくとも1つのポリオールから誘導され、任意選択的に、少なくとも1つの-R
9-SiR
5
s(R
6O)
(3-s)で官能化され、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、およびR
6の各々が、独立して、水素原子またはC
1-C
6アルキル基を表し、m、n、およびsの各々が、0、1、または2の積分を表し、R
7、R
8、およびR
9の各々が、独立して、直接結合、-O-、二価(C
1~C
6アルキレン)基、-O-(C
1~C
6アルキレン)基、(C
1~C
6アルキレン)-O-基、-O-(C
1~C
6アルキレン)-O-基、-N(R
N)-(C
1~C
6アルキレン)基、または-C(=O)-N(R
N)-(C
1~C
6アルキレン)基を表し、R
Nが、水素原子またはC
1-C
6アルキル基を表す、請求項1に記載の硬化性組成物。
【請求項4】
前記硬化相溶化剤が、以下の式IIで表される化合物であり、
【化1】
式中、R
10が、NH
2(C
1-C
6アルキレン)-、(NH
2)
2CH-、(NH
2)
3C-、(NH
2-C
1-C
6アルキレン)
2CH-、(NH
2-C
1-C
6アルキレン)
3C-、(NH
2)
2CH(C
1-C
6アルキレン)-、(NH
2)
3C(C
1-C
6アルキレン)-、(NH
2-C
1-C
6アルキレン)
2CH(C
1-C
6アルキレン)-、および(NH
2-C
1-C
6アルキレン)
3C(C
1-C
6アルキレン)-からなる群から選択され、
R
11が、-(C
1-C
6アルキレン)-、-NH-(C
1-C
6アルキレン)-、-NH-NH-(C
1-C
6アルキレン)-、-NH-(C
1-C
6アルキレン)-NH-、-NH-(C
1-C
6アルキレン)-NH-(C
1-C
6アルキレン)-、および-NH-(C
1-C
6アルキレン)-NH-(C
1-C
6アルキレン)-NH-からなる群から選択され、
R
12およびR
13の各々が、独立して、水素原子またはC
1-C
6アルキル基で任意選択的に置換されたC
1-C
6アルキル基、C
1-C
6アルコキシ基、ハロゲン原子、C
2-C
6アルケニル基、C
2-C
6アルキニル基、-Si(C
1-C
4アルキル)
3、-Si(C
1-C
4アルコキシ)
3、-Si-{O-[Si(C
1-C
4アルコキシ)
3]
3、-(C
1-C
6)アルキレン-Si(C
1-C
4アルキル)
3、-(C
1-C
6)アルキレン-Si(C
1-C
4アルコキシ)
3、または-(C
1-C
6)アルキレン-Si-{O-[Si(C
1-C
4アルコキシ)
3]
3を表し、
tが、0、1、または2の整数を表すが、
但し、式IIで表される前記化合物に少なくとも2つの窒素原子が存在するということを条件とする、請求項1に記載の硬化性組成物。
【請求項5】
前記硬化相溶化剤が、
【化2】
からなる群から選択される、請求項1に記載の硬化性組成物。
【請求項6】
前記硬化性組成物が、式IIで表される前記硬化相溶化剤以外にいずれの追加の硬化剤または相溶化剤も含まない、請求項4に記載の硬化性組成物。
【請求項7】
式IIで表される前記硬化相溶化剤の含有量が、前記硬化性組成物の総重量に基づいて、4.8重量%~20重量%である、請求項4に記載の硬化性組成物。
【請求項8】
前記ポリマー主鎖が、少なくとも1つのポリイソシアネートおよび少なくとも1つのポリオールから誘導され、
前記ポリイソシアネートが、少なくとも2つのイソシアネート基を含むC
4-C
12脂肪族ポリイソシアネート、少なくとも2つのイソシアネート基を含むC
6-C
15脂環式または芳香族ポリイソシアネート、少なくとも2つのイソシアネート基を含むC
7-C
15芳香脂肪族ポリイソシアネート、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択され、
前記ポリオールが、少なくとも2つのヒドロキシル基を含むC
2-C
16脂肪族多価アルコール、少なくとも2つのヒドロキシル基を含むC
6-C
15脂環式または芳香族多価アルコール、少なくとも2つのヒドロキシル基を含むC
7-C
15芳香脂肪族多価アルコール、100~5,000の分子量および1.5~5.0の平均ヒドロキシル官能価を有するポリエステルポリオール、100~5,000の分子量および1.5~5.0の平均ヒドロキシル官能価を有するポリエーテルポリオール、ならびにそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項3に記載の硬化性組成物。
【請求項9】
前記エポキシ樹脂が、
エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ポリプロピレングリコール、ジメチロールシクロヘキサン、ネオペンチルグリコール、ジブロモネオペンチルグリコール、ヒマシ油、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、ソルビトールもしくはグリセロール、またはアルコキシル化グリセロールもしくはアルコキシル化トリメチロールプロパンのグリシジルエーテル、
水素化ビスフェノールA、FもしくはA/F、または環水素化液体ビスフェノールA、FもしくはA/F樹脂のグリシジルエーテル、
ビスフェノールA樹脂、ビスフェノールAP樹脂、ビスフェノールF樹脂、ビスフェノールK樹脂、フェノール-ホルムアルデヒドノボラック樹脂、アルキル置換フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、クレゾール-ヒドロキシベンズアルデヒド樹脂、ジシクロペンタジエン-フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン置換フェノール樹脂、およびそれらの組み合わせのグリシジルエーテルからなる群から選択される、請求項1に記載の硬化性組成物。
【請求項10】
前記シラン変性ポリマーが、10~90重量%の硬化性組成物を含み、前記エポキシ樹脂が、5~70重量%の前記硬化性組成物を含む、請求項1に記載の硬化性組成物。
【請求項11】
可塑剤の量が、前記硬化性組成物の総重量に基づいて、30重量%以下であり、充填剤の量が、15重量%以下である、請求項1に記載の硬化性組成物。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載の硬化性組成物を基材の表面上に適用するための方法であって、
(1)前記シラン変性ポリマー、前記エポキシ樹脂、および前記硬化相溶化剤を組み合わせて、前駆体ブレンドを形成するステップと、
(2)前記前駆体ブレンドを基材の表面上に適用するステップと、
(3)前記前駆体ブレンドを硬化させるか、または前記前駆体ブレンドが硬化することを可能にするステップと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、硬化性組成物、具体的には二成分型硬化性組成物と、それを基材の表面上に適用するための方法とに関する。硬化性組成物は、増強された接着強度および良好な破断点伸びを呈する。
【背景技術】
【0002】
シラン変性ポリマー(SMP)は、シリル化ポリマーとしても知られ、多用途で高価値の工業用樹脂であり、多種多様な用途に広く受け入れられている。シラン変性ポリマー(SMP)系接着剤/シーラントは、低VOC、無異性体および無気泡、性能特性および耐久性のバランスの良さなどの多くの利点により、ますます人気が高まっている。具体的に言うと、SMP系接着剤は、より高い接着強度を呈し、かつ追加の塗料またはコーティング材料で上塗りすることができるという点で、シリコーン系接着剤よりも優れている。さらに、SMP系接着剤は、ポリウレタンプレポリマーを配合した接着剤よりも耐久性において優れている。
【0003】
SMP系接着剤/シーラントは、プレハブ建設(PC)、住宅装飾、輸送[車両、船舶、自動車、航空機、および高速鉄道(HSR)]、工業用アセンブリ、および家庭用品など、様々用途で使用されている。しかしながら、これらの用途は、通常、特に輸送、工業用アセンブリ、および家庭用品について、高い接着強度を必要とする。例えば、かなりの数の顧客が、5.0MPaより高い接着強度および約100%の破断点伸びを有するSMP系接着剤を求めている。市販されているSMP系接着剤の多くは約3.0~4.0MPaの低接着強度しか達成することができないため、機械的強度に対するこのように高い要件は、一般に、SMP系接着剤にとって大きな課題であると考えられる。充填剤、樹脂比率、接着促進剤、および触媒などの要因を修正するために、多くの研究者によって数多くの努力がなされてきたが、これらの先行技術の研究のいずれも、5.0MPaという高い接着強度を達成することはできない。
【0004】
特定の理論に限定されることなく、既存のSMP系接着剤の低接着強度が、SMP相とこれと組み合わせて使用される他の相との間にいずれの化学的結合も存在しないことが少なくとも部分的に原因であると考えられる。先行技術の二成分型(2K)接着剤組成物は、
図1に示されており、様々な添加剤(硬化剤、触媒、反応促進剤、界面活性剤など)および相溶化剤の組み込みが、SMP相とエポキシ相との間にほとんどまたは全く化学的結合を確立しないため、得られるブレンドが、化学的に単離したSMP相およびエポキシ相を含み、したがって低凝集性および低接着強度を呈する。
【0005】
本発明者らは、継続的な探索の後、驚くべきことに、上記目標の1つ以上を達成することができる二成分型組成物を開発した。具体的には、硬化および相溶化の両方の機能を有する特定の化合物が本出願の2K硬化性組成物に含まれる場合に、接着強度を所望のレベルまでさらに増強することができることが見出された。
【発明の概要】
【0006】
本開示は、独特の硬化性組成物、具体的には硬化性二成分型組成物と、硬化性組成物を基材の表面上に適用するための方法とを提供する。
【0007】
本開示の第1の態様では、本開示は、硬化性組成物、具体的には、
少なくとも1つのシラン変性ポリマーと、
エポキシ末端基を末端に有する少なくとも1つのエポキシ樹脂と、
同じ分子内に少なくとも1つのシラン基および少なくとも2つのアミン基を有する硬化相溶化剤と、を含む、二成分型硬化性組成物を提供する。
【0008】
本開示の第2の態様では、本開示は、当該硬化性組成物を基材の表面上に適用するための方法であって、(1)シラン変性ポリマー、エポキシ樹脂、および硬化相溶化剤を組み合わせて、前駆体ブレンドを形成するステップと、(2)前駆体ブレンドを基材の表面上に適用するステップと、(3)前駆体ブレンドを硬化させるか、または前駆体ブレンドが硬化することを可能にするステップと、を含む、方法を提供する。
【0009】
前述の一般的な説明および以下の詳細な説明の両方は、例示的かつ説明的なものにすぎず、特許請求されるように、本発明を限定するものではないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】先行技術の2K硬化性組成物の概略図である。
【
図2】本明細書に記載の2K硬化性組成物のある実施形態の概略図である。
【
図3】本開示のある実施形態に従ってSMPを調製するためのヒドロシリル化反応の反応機構を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
特に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術的および科学的用語は、本発明が属する分野の当業者によって通常理解されるのと同じ意味を有する。また、本明細書に記載されるすべての刊行物、特許出願、特許、および他の参考文献は、参照により組み込まれる。
【0012】
本明細書で開示されるように、「および/または」は、「および、または代替として」を意味する。特に記載がない限り、すべての範囲は、終点を含む。特に記載がない限り、すべてのパーセンテージおよび比率は重量に基づいて計算され、すべての分子量は数平均分子量である。
【0013】
本開示の様々な実施形態によれば、本開示の硬化性組成物は、シラン変性ポリマーを有する成分(A)およびエポキシ樹脂を有する成分(B)を含む「二成分」、「二部分」、または「二パッケージ」型の組成物である。本開示の文脈において、「部分(A)」、「成分(A)」、「シラン変性ポリマー成分(A)」、および「シラン変性ポリマー部分(A)」という用語は、互換的に使用することができ、シラン変性ポリマーが含有される成分を指し、「部分(B)」、「成分(B)」、「エポキシ樹脂部分(B)」、および「エポキシ樹脂成分(B)」という用語は、互換的に使用することができ、エポキシ樹脂が含有される成分を指す。成分(A)および成分(B)は、別々に輸送および保管され、基材の表面に適用される少し前または直前に組み合わされる。本開示の一実施形態によれば、硬化相溶化剤は、成分(A)に含まれる。
【0014】
一度組み合わされると、エポキシ樹脂中のエポキシ末端基、SMP中のシラン/シロキサン基、硬化相溶化剤中のアミン基およびシラン/シロキサン基、ならびに他の添加剤または反応剤に含有される任意の他の反応基などの、各成分の反応基が、互いに反応してSMP-エポキシ樹脂の化学的に統合した組み合わせを確立する。本開示の様々な実施形態によれば、一度組み合わされると、SMP相は、硬化相溶化剤を介してエポキシ樹脂と化学的に結合される。特定の理論に限定されることなく、本開示の例示的な実施形態が
図2に示されている。
図2において、SMP相およびエポキシ樹脂相がエポキシ-SMP相に統合していることが示されているが、これは、SMP分子およびエポキシ樹脂分子が直接共有結合で結合していることを意味するものではなく、硬化相溶化剤の作用によって2つの相の統合が達成され得ることを仮定していることに留意されたい。
図1と
図2との比較は、本出願の化学的に統合された組み合わせと先行技術の化学的に単離された系との違いを明確に示している。本開示の最も好ましい実施形態によれば、硬化性組成物は、硬化剤および相溶化剤の両方の機能を達成するための硬化相溶化剤のみを含み、当該硬化相溶化剤以外にいずれの追加の硬化剤または相溶化剤も含まない。すなわち、SMP相およびエポキシ樹脂相の化学的統合は、硬化相溶化剤の唯一の作用によって達成され、統合プロセスのために追加の試薬は必要とされない。
【0015】
特定の理論に限定されることなく、本開示の組成物における特別に設計された硬化相溶化剤の組み込みが、SMP-エポキシ樹脂の化学的に統合された組み合わせを有効に達成することができるため、その良好な伸び特性を保持しながら、得られる組成物の接着強度を5.0MPaという高いレベル、さらに8MPaまで増強することに成功することができると考えられる。
【0016】
本開示の様々な実施形態によれば、本開示の硬化性組成物は、接着剤、シーラント、コーティング、またはコンクリートであり得る二成分型組成物であり、好ましくは2K接着剤または2Kシーラントである。本開示の硬化性組成物を基材の表面上に適用して、そのコーティングフィルム、コンクリート層、またはシーラント層を形成し、物理的/化学的保護、音/熱/照射バリア、充填材料、支持/運搬/建設構造、装飾層、またはシーリング/密閉/防水層の機能を達成することができる。加えて、本開示の硬化性組成物が接着剤として使用される場合、それは、2つ以上の同一または異なる基材を共に接着するために使用することができる。本開示のある実施形態によれば、基材は、金属、石積み、コンクリート、紙、綿、繊維板、板紙、木材、織布または不織布、エラストマー、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル、ポリエチレンカーボネート、合成および天然ゴム、シリコン、およびシリコーンポリマーからなる群から選択される少なくとも1つの部材である。本開示の別の実施形態によれば、基材は、ポリメチルメタクリレート、ポリプロピレンカーボネート、ポリブテンカーボネート、ポリスチレン、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリウレタン、ポリイミド、およびそれらのコポリマーからなる群から選択されるポリマー基材である。本開示の別の実施形態によれば、基材は、木材、ポリスチレン、ナイロン、およびアクリロニトリル-ブタジエン-スチレンからなる群から選択される。
【0017】
シラン変性ポリマー(SMP)
本開示の様々な実施形態によれば、成分(A)は、シラン変性ポリマーを含む成分である。SMPは、シラン基を有するポリマーであり得る。例えば、SMPは、以下の式Iで表すことができ、
R1
m(R2O)(3-m)Si-R7-(ポリマー主鎖-R8-SiR3
n(R4O)(3-n)式I
式中、ポリマー主鎖は、ポリオールから誘導されるが、より好ましくは、少なくとも1つのポリイソシアネートおよび少なくとも1つのポリオールから誘導され、任意選択的に、少なくとも1つの-R9-SiR5
s(R6O)(3-s)で官能化され、R1、R2、R3、R4、R5、およびR6の各々は、独立して、水素原子またはC1-C6アルキル基を表し、m、n、およびsの各々は、0、1、または2の積分を表し、R7、R8、およびR9の各々は、独立して、直接結合、-O-、二価(C1~C6アルキレン)基、-O-(C1~C6アルキレン)基、-N(RN)-(C1~C6アルキレン)基、または-C(=O)-N(RN)-(C1~C6アルキレン)基を表し、RNは、水素原子またはC1-C6アルキル基を表す。
【0018】
本開示のある実施形態によれば、ポリマー主鎖は、ポリエーテルポリオールまたはポリエステルポリオールから誘導され得る。本開示の好ましい実施形態によれば、ポリマー主鎖は、上述のように、少なくとも1つのポリイソシアネートと少なくとも1つのポリオールとの反応から誘導されるポリウレタン主鎖である。
【0019】
本開示の文脈において、「シラン変性」、「ヒドロシリル化」、および「シリル化」は、基「R1
m(R2O)(3-m)Si-R7-」、「-R8-SiR3
n(R4O)(3-n)」、および「-R9-SiR5
s(R6O)(3-s)」のSMPにおけるポリマー主鎖への結合を指し、すべての上述のシリコーン含有置換基(基R1-、R2O-、R3-、R4O-、R5-、およびR6O-が、実際には水素、ヒドロキシル、アルキル、またはアルコキシ基を指すとしても)、総称して「シラン基」と呼ばれる。上述の「R1
m(R2O)(3-m)Si-R7-」および「-R8-SiR3
n(R4O)(3-n)」は、SMPの末端に結合した末端基を表し、-R9-SiR5
s(R6O)(3-s)は、ポリマー主鎖の中間体繰り返し単位に結合した少なくとも1つの側基を表す。
【0020】
本開示の文脈において、C1-C6アルキル基は、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、sec-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、i-ペンチル、tert-ペンチル、ネオペンチル、およびn-ヘキシルを含み、C1~C6アルキレンは、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンタメチレン、およびヘキサメチレンを含む。
【0021】
本開示のあまり好ましくない実施形態によれば、ポリマー主鎖は、ポリオールから誘導され、式Iで表されるSMPは、ポリオール(すなわち、ポリマー主鎖)に結合した少なくとも1つの反応性キャッピング基(例えば、アリル基など)をヒドロシリル化反応を通してトリアルコキシシラン基と反応させることによって、またはポリイソシアネートをポリオールと反応させてポリウレタン中間体、すなわちポリマー主鎖を形成し、これを次にシラン化剤で官能化することによって調製してもよい。
【0022】
本開示の好ましい実施形態によれば、ポリウレタン中間体は、イ本開示の好ましい実施形態によれば、ポリウレタン中間体は、イソシアネート末端基を有するポリウレタン鎖であり、シラン化剤は、一端にシラン基を含み、他端にイソシアネート-反応基(ヒドロキシルまたはアミン基など)を含む。本開示の文脈において、アミン基は、一級または二級アミン基であり得る。
【0023】
本開示の別の好ましい実施形態によれば、ポリウレタン中間体は、ヒドロキシル末端基を有するポリウレタン鎖であり、シラン化剤は、一端にシラン基を、他端にイソシアネート基を含む。
【0024】
様々な実施形態では、ポリマー主鎖(ポリウレタン鎖)を調製するためのポリイソシアネート化合物は、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂肪族、脂環式、芳香族、またはヘテロアリール化合物である。好ましい実施形態では、ポリイソシアネート化合物は、少なくとも2つのイソシアネート基を含むC4-C12脂肪族ポリイソシアネート、少なくとも2つのイソシアネート基を含むC6-C15脂環式または芳香族ポリイソシアネート、少なくとも2つのイソシアネート基を含むC7-C15芳香脂肪族ポリイソシアネート、およびそれらの組み合わせからなる群から選択され得る。別の好ましい実施形態では、好適なポリイソシアネート化合物には、m-フェニレンジイソシアネート、2,4-トルエンジイソシアネートおよび/もしくは2,6-トルエンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)の様々な異性体、カルボジイミド変性MDI生成物、ヘキサメチレン-1,6-ジイソシアネート、テトラメチレン-1,4-ジイソシアネート、シクロヘキサン-1,4-ジイソシアネート、ヘキサヒドロトルエンジイソシアネート、水素化MDI、ナフチレン-1,5-ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、またはそれらの混合物が含まれる。一般に、ポリイソシアネート化合物の量は、SMPおよび得られる硬化性組成物の実際の要件に基づいて変動してもよい。例えば、1つの例証的な実施形態として、ポリイソシアネート化合物の含有量は、SMPの総重量に基づいて、15重量%~60重量%、または20重量%~50重量%、または23重量%~40重量%、または25重量%~38重量%であり得る。
【0025】
本開示の一実施形態によれば、ポリマー主鎖のための、またはポリウレタン主鎖を調製するためのポリオールは、少なくとも2つのヒドロキシル基を含むC2-C16脂肪族多価アルコール、少なくとも2つのヒドロキシル基を含むC6-C15脂環式または芳香族多価アルコール、少なくとも2つのヒドロキシル基を含むC7-C15芳香脂肪族多価アルコール、100~5,000の分子量および1.5~5.0の平均ヒドロキシル官能価を有するポリエステルポリオール、100~5,000の分子量を有するポリ(C2-C10)アルキレングリコールまたは複数の(C2-C10)アルキレングリコールのコポリマーであるポリエーテルポリオール、100~5,000の分子量を有するポリカーボネートジオール、ならびにそれらの組み合わせからなる群から選択され得、少なくとも2つのアミノ基を含むC2~C10ポリアミン、少なくとも2つのチオール基を含むC2~C10ポリチオール、少なくとも1つのヒドロキシル基および少なくとも1つのアミノ基を含むC2-C10アルカノールアミンからなる群から選択される追加のコモノマーも使用され得る。好ましい実施形態によれば、ポリオールは、ポリエーテルポリオールである。様々な実施形態では、ポリオールとして使用されるポリエーテルポリオールは、100~5,000g/モルの分子量を有し、終点値120、150、180、200、250、300、350、400、450、500、550、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000、2100、2200、2300、2400、2500、2600、2700、2800、2900、3000、3100、3200、3300、3400、3500、3600、3700、3800、3900、4000、4100、4200、4300、4400、4500、4600、4700、4800、4900、および5000g/モルのうちの任意の2つを組み合わせて得られる数値範囲の分子量を有してもよい。様々な実施形態では、ポリエーテルポリオールは、1.5~5.0の平均ヒドロキシル官能価を有し、終点値1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、および5.0のうちの任意の2つを組み合わせて得られる数値範囲の平均ヒドロキシル官能価を有してもよい。1つの好ましい実施形態によれば、ポリオールは、500~1,200cSt、または600~1,100cSt、または700~1,000cSt、または800~950cSt、または850~920cStの平均動粘度を有し、10~100mgKOH/g、または12~90mgKOH/g、または15~80mgKOH/g、または16~70mgKOH/g、または17~60mgKOH/g、または18~50mgKOH/g、または19~40mgKOH/g、または20~30mgKOH/g、または25~28mgKOH/gのOH数を有する。本開示の好ましい実施形態によれば、ポリエーテルポリオールは、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリ(2-メチル-1,3-プロパングリコール)、およびポリ(エチレンオキシド-プロピレンオキシド)グリコールなどのそれらの任意のコポリマーからなる群から選択される。本開示の別の好ましい実施形態によれば、ポリエーテルポリオールは、少なくとも1つの(C2-C10)アルキレングリコールまたはそのコポリマーを含んでもよく、例えば、ポリエチレンポリオールは、ポリエチレン、(メトキシ)ポリエチレングリコール(MPEG)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ(プロピレングリコール)、ポリテトラメチレングリコール、ポリ(2-メチル-1,3-プロパングリコール)、または一級ヒドロキシル末端基もしくは二級ヒドロキシル末端基を有するエチレンエポキシドとプロピレンエポキシドとのコポリマー(ポリエチレングリコール-プロピレングリコール)からなる群から選択されてもよい。
【0026】
本開示のある実施形態によれば、ポリエーテルポリオールは、触媒の存在下での、プロピレンオキシド(PO)、エチレンオキシド(EO)、ブチレンオキシド、テトラヒドロフラン、2-メチル-1,3-プロパングリコール、およびそれらの混合物から選択される1つ以上の直鎖状または環状のアルキレンオキシドの、適切なスターター分子との重合によって調製され得る。典型的なスターター分子には、分子内に少なくとも1つ、好ましくは1.5~3.0のヒドロキシル基を有するか、または1つ以上の一級アミン基を有する化合物が含まれる。分子中に少なくとも1つ、好ましくは1.5~3.0のヒドロキシル基を有する好適なスターター分子は、例えば、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブテンジオール、1,4-ブチンジオール、1,5-ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4-ビス(ヒドロキシメチル)-シクロヘキサン、1,2-ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、1,3-ビス(ヒドロキシメチル)-シクロヘキサン、2-メチルプロパン-1,3-ジオール、メチルペンタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジブチレングリコール、ポリブチレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、ヒマシ油、例えば、グルコース、ソルビトール、マンニトール、およびスクロースなどの糖化合物、多価フェノール、フェノールとホルムアルデヒドとのオリゴマー縮合生成物およびフェノールとホルムアルデヒドとジアルカノールアミンとのマンニッヒ縮合物などのレゾール、ならびにまたメラミンを含む群から選択される。分子中に1つ以上の一級アミン基を有するスターター分子は、例えば、アニリン、EDA、TDA、MDA、およびPMDAからなる群から、より好ましくはTDAおよびPMDAを含む群から選択されてもよく、最も好ましくはTDAであってもよい。TDAを使用する場合、すべての異性体を、単独で、または任意の所望の混合物において使用することができる。例えば、2,4-TDA、2,6-TDA、2,4-TDAおよび2,6-TDAの混合物、2,3-TDA、3,4-TDA、3,4-TDAおよび2,3-TDAの混合物、ならびに上記のすべての異性体の混合物も使用することができる。ポリエーテルポリオールを調製するための触媒には、アニオン重合用の水酸化カリウムなどのアルカリ触媒、またはカチオン重合用の三フッ化ホウ素などのルイス酸触媒が含まれ得る。好適な重合触媒には、水酸化カリウム、水酸化セシウム、三フッ化ホウ素、またはヘキサシアノコバルト酸亜鉛もしくは四ホスファゼニウム化合物などの二重シアン化物錯体(DMC)触媒が含まれ得る。本開示の好ましい実施形態では、出発材料ポリエーテルポリオールには、ポリエチレン、(メトキシ)ポリエチレングリコール(MPEG)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ(プロピレングリコール)、ポリテトラメチレングリコール、ポリ(2-メチル-1,3-プロパングリコール)または一級ヒドロキシル末端基もしくは二級ヒドロキシル末端基を有するエチレンエポキシドとプロピレンエポキシドとのコポリマー(ポリエチレングリコール-プロピレングリコール)が含まれる。
【0027】
本開示の好ましい実施形態によれば、ポリイソシアネートの量は、ポリオールに含まれるヒドロキシル基の総モル量および任意の追加の添加剤または調整剤に対して、イソシアネート基が化学量論的モル量で存在するように適切に選択される。本開示のある実施形態によれば、ポリウレタン中間体(PU主鎖)は、2~50重量%、好ましくは6~49重量%、好ましくは8~25重量%、好ましくは10~20重量%、より好ましくは11~15重量%、最も好ましくは12~13重量%のNCO含有量を有する。
【0028】
ポリイソシアネートとポリオールとの間の反応は、イソシアネート基とヒドロキシル基との間の反応を促進し得る1つ以上の触媒の存在下で発生してもよい。理論に限定されることなく、触媒には、例えば、グリシン塩;三級アミン;トリアルキルホスフィンおよびジアルキルベンジルホスフィンなどの三級ホスフィン;モルホリン誘導体;ピペラジン誘導体;アセチルアセトン、ベンゾイルアセトン、トリフルオロアセチルアセトン、エチルアセトセテートなどとBe、Mg、Zn、Cd、Pd、Ti、Zr、Sn、As、Bi、Cr、Mo、Mn、Fe、Co、およびNiなどの金属とから得ることができるものなどの様々な金属のキレート;塩化第二鉄および塩化第二スズなどの強酸の酸性金属塩;有機酸とアルカリ金属、アルカリ土類金属、Al、Sn、Pb、Mn、Co、Ni、およびCuなどの様々な金属との塩;有機カルボン酸のスズ(II)塩、例えば、スズ(II)ジアセテート、スズ(II)ジオクタノエート、スズ(II)ジエチルヘキサノエート、およびスズ(II)ジラウレートなどの有機スズ化合物、ならびに有機カルボン酸のジアルキルスズ(IV)塩、例えば、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズマレート、およびジオクチルスズジアセテート;有機カルボン酸のビスマス塩、例えば、ビスマスオクタノエート;3価および5価のAs、Sb、およびBiの有機金属誘導体、ならびに鉄およびコバルトの金属カルボニル;またはそれらの混合物が含まれ得る。一般に、本明細書で使用される触媒の含有量は、ゼロ超であり、成分(A)の総重量に基づいて、最大3.0重量%、好ましくは最大2.5重量%、より好ましくは最大2.0重量%である。
【0029】
シラン基(特に、「R1
m(R2O)(3-m)Si-R7-」、「-R8-SiR3
n(R4O)(3-n)」および「-R9-SiR5
s(R6O)(3-s)」)をSMPに導入するために使用されるシラン化剤は、シラン-Xの式で表すことができ、式中、X基は、水素、ヒドロキシル、アミン基、イミン基、イソシアネート基、ハロゲン原子(例えば、塩素、臭素、またはヨウ素)、ケトキシマト、アミノ、アミド、酸アミド、アミノキシ、メルカプト、またはアルケニルオキシ基であってもよい。好適なシラン化剤の例としては、γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ-アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、γ-アミノフェニルトリメトキシシラン、アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、アミノエチルアミノプロピルトリエトキシシラン、アミノエチルアミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、アミノエチルアミノメチルメチルジエトキシシラン、(3-アミノプロピル)-ジエトキシ-メチルシラン、(3-アミノプロピル)-ジメチル-エトキシシラン、(3-アミノプロピル)-トリメトキシシラン、N-((β-アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、γ-アミノプロピルジメチルメトキシシラン、N-((β-アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、(アミノエチルアミノメチル)フェネチルトリメトキシシラン、N-((β-アミノエチル)-γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-(6-アミノヘキシル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-11-アミノウンデシルトリメトキシシラン、N-((β-アミノエチル)-γ-アミノプロピルエチルジエトキシルシラン、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0030】
本開示のあまり好ましくない実施形態によれば、ポリマー主鎖は、ポリオールのみから誘導され、好ましくは、ポリエーテルポリオールまたはポリエステルポリオールである。ポリマー主鎖は、ヒドロキシル基、グリシジル基、アリル基、またはそれらの組み合わせなどの2つ以上の末端基でエンドキャップされ得る。ヒドロシリル化反応は、上述のポリオール鎖の末端基とシラン化剤のX基との間で発生して、SMPを形成し得る。ヒドロシリル化反応の機械的スキームを
図3に示し、ここで、シラン化剤はSiH(OC
2H
5)
3である。
【0031】
本開示の好ましい実施形態によれば、ポリマー主鎖は、ポリイソシアネートとポリオールとの反応から誘導されるポリウレタン主鎖である。ポリマー主鎖は、ヒドロキシル基またはイソシアネート基などの2つ以上の末端基でエンドキャップされ得る。シリル化反応は、上述のポリウレタン鎖の末端基とシラン化剤のX基との間で発生して、SMPを形成し得る。
【0032】
本開示の一実施形態によれば、シラン化剤のモル含有量は、SMPが1.2~4.0、好ましくは1.5~3.0、より好ましくは1.8~2.5、およびより好ましくは2.0~2.2のシラン官能価を有するように選択される。
【0033】
一般に、SMPの量は、得られる硬化性組成物の実際の要件に基づいて変動してもよい。1つの例証的な実施形態として、SMPの含有量は、硬化性組成物の総重量に基づいて、10重量%~90重量%、または10重量%~85重量%、または10重量%~80重量%、または10重量%~75重量%、または10重量%~70重量%、または20重量%~65重量%、または30重量%~60重量%、または40重量%~58重量%、または50~56重量%、または52重量%~55重量%であり得る。
【0034】
エポキシ樹脂
本開示の様々な実施形態では、成分(B)は、少なくとも1つ、好ましくは2つのエポキシ末端基を有するエポキシ樹脂を含む。
【0035】
エポキシ樹脂は、エポキシ官能価を含有する任意のポリマー材料であり得る。反応性エポキシ官能価を含有する化合物は、幅広く変動してもよく、エポキシ官能価を含有するポリマーまたは2つ以上のエポキシ樹脂のブレンドが含まれる。エポキシ樹脂は、飽和または不飽和、脂肪族、脂環式、芳香族、または複素環式であり得、置換され得る。いくつかの実施形態では、エポキシ樹脂は、ポリエポキシドを含み得る。ポリエポキシドは、2つ以上のエポキシ部分を含有する化合物または化合物の混合物を指す。ポリエポキシドは、ポリエポキシドと鎖延長剤との反応生成物である部分的に先進型のエポキシ樹脂を含み、反応生成物は、1分子当たり平均2つ以上の未反応エポキシド単位を有する。脂肪族ポリエポキシドは、エピハロヒドリンとポリグリコールとの反応から調製され得る。脂肪族エポキシドの他の特定の例としては、トリメチルプロパンエポキシド、およびジグリシジル-1,2-シクロヘキサンジカルボキシレートが挙げられる。他の化合物には、例えば、多価フェノールのグリシジルエーテル(すなわち、1分子当たり平均2つ以上の芳香族ヒドロキシル基を有する化合物)などのエポキシ樹脂が含まれる。
【0036】
一実施形態では、本開示の硬化性組成物に利用されるエポキシ樹脂には、エピハロヒドリンおよびフェノールまたはフェノールタイプの化合物から生成されるそれらの樹脂が含まれる。フェノールタイプの化合物には、1分子当たり平均2つ以上の芳香族ヒドロキシル基を有する化合物が含まれる。フェノールタイプの化合物の例としては、ジヒドロキシフェノール、ビフェノール、ビスフェノール、ハロゲン化ビフェノール、ハロゲン化ビスフェノール、水素化ビスフェノール、アルキル化ビフェノール、アルキル化ビスフェノール、トリスフェノール、フェノール-アルデヒド樹脂、ノボラック樹脂(ホルムアルデヒドなど、フェノールと単純アルデヒドとの反応生成物である)、ハロゲン化フェノール-アルデヒドノボラック樹脂、置換フェノール-アルデヒドノボラック樹脂、フェノール-炭化水素樹脂、置換フェノール-炭化水素樹脂、フェノール-ヒドロキシベンズアルデヒド樹脂、アルキル化フェノール-ヒドロキシベンズアルデヒド樹脂、炭化水素-フェノール樹脂、炭化水素-ハロゲン化フェノール樹脂、炭化水素アルキル化フェノール樹脂、またはそれらの組み合わせが挙げられる。具体的には、フェノールタイプの化合物には、レゾルシノール、カテコール、ヒドロキノン、ビスフェノールA、ビスフェノールAP(1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1-フェニルエタン)、ビスフェノールF、ビスフェノールK、テトラブロモビスフェノールA、フェノール-ホルムアルデヒドノボラック樹脂、アルキル置換フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、クレゾール-ヒドロキシベンズアルデヒド樹脂、ジシクロペンタジエン-フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン置換フェノール樹脂、テトラメチルビフェノール、テトラメチル-テトラブロモビスフェノール、テトラメチルトリブロモビスフェノール、およびテトラクロロビスフェノールAが含まれる。いくつかの実施形態では、本組成物のエポキシ樹脂は、少なくとも1.5、少なくとも3、またはさらに少なくとも6の官能価を有し得る。
【0037】
いくつかの実施形態では、エポキシ成分(B)に利用されるエポキシ樹脂には、エピハロヒドリンおよびアミンから生成されるそれらの樹脂が含まれる。好適なアミンには、ジアミノジフェニルメタン、アミノフェノール、キシレンジアミン、アニリン、またはそれらの組み合わせが含まれる。
【0038】
いくつかの実施形態では、エポキシ成分に利用されるエポキシ樹脂には、エピハロヒドリンおよびカルボン酸から生成されるそれらの樹脂が含まれる。好適なカルボン酸には、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸および/もしくはヘキサヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、イソフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、またはそれらの組み合わせが含まれる。
【0039】
いくつかの実施形態では、エポキシ樹脂は、上述のように、1つ以上のエポキシ樹脂と、1つ以上のフェノールタイプの化合物および/または1分子当たり平均2つ以上の脂肪族ヒドロキシル基を有する1つ以上の化合物との反応生成物である先進型エポキシ樹脂である。代替的に、エポキシ樹脂は、炭化水素骨格、好ましくはC1-C40炭化水素骨格、および1つ以上のカルボキシル部分、好ましくは2つ以上、最も好ましくは2つを有する化合物であるカルボキシル置換炭化水素と反応してもよい。C1-C40炭化水素骨格は、直鎖または分岐鎖のアルカンまたはアルケンであり得、任意選択的に酸素を含有する。脂肪酸および脂肪酸二量体は、有用なカルボン酸置換炭化水素に数えられる。脂肪酸には、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、オクタン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、パルミトール酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エルシン酸、ペンタデカン酸、マルガリン酸、アラキジン酸、およびそれらの二量体が含まれる。
【0040】
いくつかの実施形態では、エポキシ樹脂は、ポリエポキシドと、2つ以上のイソシアネート部分またはポリイソシアネートを含有する化合物との反応生成物である。例えば、そのような反応で生成されるエポキシ樹脂は、エポキシ末端ポリオキサゾリドンであり得る。
【0041】
1つの特定の実施形態では、エポキシ樹脂成分は、臭素化エポキシ樹脂とフェノール性ノボラックエポキシ樹脂とのブレンドである。
【0042】
本出願の様々な実施形態によれば、エポキシ樹脂は、100~20,000グラム/モル(g/モル)、または500~15,000g/モル、または800~12,000g/モル、または1,000~10,000g/モル、または2,000~9,000g/モル、または3,000~8,000g/モル、または4,000~7,000g/モル、または5,000~6,000g/モルの分子量を有する。本出願の様々な実施形態によれば、エポキシ樹脂は、1.2~10、または2~9、または3~8、または4~7、または5~6のエポキシ官能価を有する。一般に、エポキシ樹脂の量は、得られる硬化性組成物の実際の要件に基づいて変動してもよい。例えば、1つの例証的な実施形態として、エポキシ樹脂の含有量は、硬化性組成物の総重量に基づいて、5重量%~70重量%、または7重量%~68重量%、または10重量%~65重量%、または11重量%~60重量%、または12重量%~50重量%、または14~40重量%、または15重量%~30重量%、または17重量%~25重量%、または18重量%~22重量%であり得る。
【0043】
硬化相溶化剤
本開示の文脈において、硬化相溶化剤は、同じ分子内に少なくとも1つのシラン基および少なくとも2つのアミン基を有し、そのため硬化剤および相溶化剤の両方の機能を呈し得る化合物を指す。本出願の最も好ましい実施形態によれば、特別に定義された硬化相溶化剤は、硬化性組成物中に存在する唯一の化合物であり、硬化剤および相溶化剤の機能を達成することができ、硬化性組成物は、当該硬化相溶化剤以外にいずれの追加の硬化剤または相溶化剤も含まない。
【0044】
本開示のある実施形態によれば、硬化相溶化剤は、以下の式IIで表される化合物であり、
【化1】
式中、R
10は、NH
2(C
1-C
6アルキレン)-、(NH
2)
2CH-、(NH
2)
3C-、(NH
2-C
1-C
6アルキレン)
2CH-、(NH
2-C
1-C
6アルキレン)
3C-、(NH
2)
2CH(C
1-C
6アルキレン)-、(NH
2)
3C(C
1-C
6アルキレン)-、(NH
2-C
1-C
6アルキレン)
2CH(C
1-C
6アルキレン)-、および(NH
2-C
1-C
6アルキレン)
3C(C
1-C
6アルキレン)-からなる群から選択され、R
11は、-(C
1-C
6アルキレン)-、-NH-(C
1-C
6アルキレン)-、-NH-NH-(C
1-C
6アルキレン)-、-NH-(C
1-C
6アルキレン)-NH-、-NH-(C
1-C
6アルキレン)-NH-(C
1-C
6アルキレン)-、および-NH-(C
1-C
6アルキレン)-NH-(C
1-C
6アルキレン)-NH-からなる群から選択され、R
12およびR
13の各々は、独立して、水素原子または任意選択的にC
1-C
6アルキル基で置換されたC
1-C
6アルキル基、C
1-C
6アルコキシ基、ハロゲン原子、C
2-C
6アルケニル基、C
2-C
6アルキニル基、-Si(C
1-C
4アルキル)
3,-Si(C
1-C
4アルコキシ)
3、-Si-{O-[Si(C
1-C
4アルコキシ)
3]
3、-(C
1-C
6)アルキレン-Si(C
1-C
4アルキル)
3、-(C
1-C
6)アルキレン-Si(C
1-C
4アルコキシ)
3、または-(C
1-C
6)アルキレン-Si-{O-[Si(C
1-C
4アルコキシ)
3]
3を表し、tは、0、1、または2の整数を表すが、但し、式IIで表される化合物に少なくとも2つの窒素原子が存在することを条件とする。硬化相溶化剤が、少なくとも2つの一級アミン基、または少なくとも2つの二級アミン基、または1つ以上の一級アミン基および少なくとも1つの二級アミン基、またはそれらの組み合わせを含んでもよいことに特に留意されたい。
【0045】
本開示のある実施形態によれば、硬化相溶化剤は、
【化2】
からなる群から選択される。
【0046】
1つの例証的な実施形態として、式IIで表される硬化相溶化剤の含有量は、硬化性組成物の総重量に基づいて、4.8重量%~20重量%、または5重量%~18重量%、または6重量%~16重量%、または6.5~14重量%、または6.8重量%~12重量%、または7重量%~10重量%、または7.5重量%~9重量%、または7.8重量%~8.8重量%、または8重量%~8.5重量%である。
【0047】
硬化相溶化剤は、成分AおよびBから独立した成分として供給および伝達され得るか、または成分AもしくはBに含有され得るかのいずれかであり得る。本開示の好ましい実施形態によれば、硬化相溶化剤は、成分Aに、すなわち、SMPとのブレンドとして含有される。
【0048】
本開示の好ましい実施形態によれば、SMP、エポキシ樹脂、および硬化相溶化剤の量は、総エポキシ官能価の総アミン官能価に対するモル比が1:0.95~0.95:1の範囲になり得るように特別に選択され、SMP樹脂のエポキシ樹脂に対するモル比は、10:1~1:3である。
【0049】
添加剤
本開示の様々な実施形態では、硬化性組成物は、触媒;ビニル-Si[O-(C1-C4)アルキル]などの水分捕捉剤;鎖延長剤;架橋剤;粘着付与剤;フタル酸エステル、非芳香族二塩基酸エステルおよびリン酸エステル、二価アルコールを有する二塩基酸のポリエステル、ポリプロピレングリコールおよびその誘導体、ポリスチレンなどの可塑剤;レオロジー調整剤、抗酸化剤;炭酸カルシウム、カオリン、タルク、シリカ、二酸化チタン、ケイ酸アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、およびカーボンブラックなどの充填剤;着色剤;顔料;界面活性剤;炭化水素、酢酸エステル、アルコール、エーテル、およびケトンなどの溶媒;希釈剤;難燃剤;滑り止め剤;帯電防止剤;防腐剤;殺生物剤;UV安定剤;チキソトロープ剤;水素化ヒマシ油、有機ベントナイト、ステアリン酸カルシウムなどの垂れ防止剤、ならびにそれらの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される1つ以上の添加剤をさらに含んでもよい。これらの添加剤は、既知の方式および量で使用される。これらの添加剤は、独立した成分として伝達および保管され得、成分(A)および(B)の組み合わせの少し前または直前にポリウレタン組成物に組み込まれ得る。代替的に、これらの添加剤は、エポキシ基、アミノ基、およびシラン基などの反応性基に対して化学的に不活性である場合、成分(A)および(B)のいずれかに含有されてもよい。
【0050】
上述の触媒は、エポキシ基、アミノ基、およびシラン基などの反応性基間の相互作用をさらに加速または増強し得る触媒物質を指す。それは、硬化触媒としても知られており、各々独立して、または2つ以上の種の組み合わせで使用され得る。代表的な触媒には、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズアセトアセテート、チタンアセトアセテート、チタンエチルアセトアセテート錯体およびテトライソプロピルチタネート、カルボン酸ビスマス、オクト酸亜鉛、ブロック化三級アミン、ジルコニウム錯体、ならびにスズ組成物およびケイ酸のアミン触媒およびルイス酸触媒の付加物の組み合わせが含まれる。
【0051】
本開示の好ましい実施形態によれば、本開示の硬化性組成物は、硬化性組成物の総重量に基づいて、30重量%以下の可塑剤、または28重量%未満、または25重量%未満、または24重量%未満、または20重量%未満、または18重量%未満、または15重量%未満、または12重量%未満、または10重量%未満、または8重量%未満、または5重量%未満、または2重量%未満を含む。本開示の別の好ましい実施形態によれば、本開示の硬化性組成物は、可塑剤を含まない。本開示の別の好ましい実施形態によれば、本開示の硬化性組成物は、硬化性組成物の総重量に基づいて、15重量%以下の充填剤、または12重量%未満、または10重量%未満、または8重量%未満、または6重量%未満、または4重量%未満、または2重量%未満を含む。本開示の別の好ましい実施形態によれば、本開示の硬化性組成物は、ヒドロキシルシラン化合物を含まない。本出願の様々な態様によれば、伸び比率を保持しながら、接着強度の改善を達成することに成功した。
【0052】
一度組み合わせると、シラン変性ポリマー、エポキシ樹脂、および硬化相溶化剤が互いに反応し、徐々に硬化して目標層または構造を形成する。硬化プロセスは、例えば、0℃以上、好ましくは20℃以上、より好ましくは60℃以上、および最も好ましくは80℃以上、同時に300℃以下、好ましくは250℃以下、より好ましくは200℃以下、および最も好ましくは180℃以下の温度で実施してもよい。硬化プロセスは、例えば、望ましくは0.01バール以上、好ましくは0.1バール以上、より好ましくは0.5バール以上、同時に望ましくは1000バール以下、好ましくは100バール以下、およびより好ましくは10バール以下の圧力で実施してもよい。硬化プロセスは、SMP-エポキシ組成物を硬化させるのに十分な所定の時間実施してもよい。例えば、硬化時間は、望ましくは1分以上、好ましくは10分以上、より好ましくは100分以上の間であってもよく、同時に、望ましくは24時間以下、好ましくは12時間以下、およびより好ましくは8時間以下であってもよい。
【0053】
成分Aおよび成分Bの未硬化ブレンドは、バッチプロセスまたは連続プロセスによって1つ以上の基材に適用してもよい。未硬化ブレンドは、重力鋳造、真空鋳造、自動圧力ゲル化(APG)、真空圧力ゲル化(VPG)、注入、フィラメントワインディング、注入(例えば、レイアップ注入)、トランスファ成形、プリプレル、浸漬、コーティング、ポッティング、カプセル化、噴霧、ブラッシングなどの技術によって適用されてもよい。
【実施例】
【0054】
ここで、本発明のいくつかの実施形態を、以下の実施例において説明する。しかしながら、本開示の範囲は、当然ながら、これらの実施例に記載される配合に限定されない。むしろ、実施例は単に本開示の発明に関する。
【0055】
実施例で使用された原材料の情報を以下の表1に列挙する。
【表1】
【0056】
調製実施例:SMPの調製
Voranol(商標)4000LM(4000g)を、室温でN2防護した三つ口フラスコに添加し、窒素流下で110oCで4時間加熱した。フラスコ内の物質を80oCに冷却した後、T12(2.0g)およびIPDI(296.4g)をその中に添加し、さらにフラスコを80oCで4時間加熱した。次に、SCA-3303(156.93g)をフラスコに添加し、混合物を80oCで4時間加熱した。反応後、得られたSMPを密封ボトルに移し、さらなる特性評価、配合、および試験を行なった。
【0057】
比較実施例1~3、5~6、14~15、ならびに本発明の実施例4、7~13、および16
表2に列挙する配合に従って、異なる二成分型硬化性組成物を調製し、ここで、実施例1~3、5~6、14~15は、本開示によって特別に選択された硬化相溶化剤を含まない比較実施例であり、SMP樹脂は、上述の調製実施例で調製された。
【0058】
表2からわかるように、部分Aは、SMP樹脂、硬化相溶化剤(または比較実施例では硬化剤)、および水分捕捉剤を含有し、任意選択的に可塑剤および充填剤をさらに含み、部分Bは、エポキシ樹脂およびスズ触媒を含有する。部分Aおよび部分Bを、別々のスピードミキサにおいて2,000rpm/分の撹拌速度でその原料を混合することによって別々に調製した。部分Aおよび部分Bを、スピードミキサにおいて1,000rpm/分の撹拌速度で20秒間、1,500rpm/分で20秒間組み合わせて完全に混合してから、0.2KPaの圧力を有する真空ミキサにおいて1,000rpm/分で2分間さらに混合し、最後に、スピードミキサにおいて2,000rpm/分で20秒間混合した。上述の混合ステップの後、得られたブレンドを直接特性評価するか、または基材の表面上に適用してフィルムサンプルを生成した。
【0059】
実施例で調製されたサンプルを、以下の技術で特性評価した。
【0060】
A.上述の調製実施例で調製したSMPは、GPCが2つの混合Dカラム(7.8x300mm)およびAgilent屈折率検出器を備えたAgilent 1200モデルクロマトグラフを使用して実施されたことと、カラム温度が35Cであり、検出器の温度が35oCであり、流速が1.0mL/分であり、移動相がテトラヒドロフランであり、注入量が50μLであることと、分子量316,500~316,580g/モルの範囲のPLポリスチレンの狭い標準(品番:2010-0101)を使用して得た検量線に基づいて、Agilent GPCソフトウェアを用いて検出データを収集および解析したことと、という条件およびパラメータを使用してゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で特性評価された。
【0061】
SMPのMnが21,662で、Mwが41,081であると測定されたため、PDIが1.90であると計算できる。
【0062】
B.実施例1~17で調製されたサンプルの機械的特性を、ASTM D1708-06Aに従って特性評価した。ASTM D1708-06Aで導入された手順に従って、任意の実施例の硬化フィルムを犬の骨の形をした試験片にダイカットした。試験片をInstron 5566機器に固定し、50mm/分の一定速度で伸ばした。降伏点(ある場合)における荷重、試験中に試験片が担った最大荷重、破断時の荷重、および破断の瞬間の伸び(グリップ間の伸長)を記録した。試験片のせん断強度も、2.5cmx2.5cmの接着面積を用いてInstron 5566機器で測定した。測定結果も、表2にまとめる。
【表2】
【表3】
【表4】
【0063】
比較実施例と本発明の実施例との比較によって、硬化相溶化剤の導入が、弾性率(2.8MPaまで)、7.4MPaまでのせん断強度などの様々な機械的特性を著しく改善することができ、これが、エポキシとSMP樹脂との間の化学的結合形成に起因し得ることが示される。配合に添加される充填剤および可塑剤の相対量をさらに調整して、8.4MPaまでの高いせん断強度を達成することができる。
【0064】
反対に、比較実施例は、特別に設計された硬化相溶化剤を含まず、市販されている大部分のSMP系接着剤と非常に類似した接着強度を呈し、そのような低接着は、家庭用品における多くの顧客の要件を十分に満たすことができない。前の段落で紹介したように、家庭用品用接着剤は、より薄いフレーム領域を達成することができるように、約100%の破断点伸びを保持しながら、5.0MPaを超える接着強度を有することが必要である。一部の工業用組立品の顧客はまた、亜鉛めっき鋼およびステンレス鋼などの典型的な基材に対してより高い接着強度を有するSMP接着剤を求めることが多かった。
【手続補正書】
【提出日】2022-07-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
硬化性組成物であって、
少なくとも1つのシラン変性ポリマーと、
エポキシ基を末端に有する少なくとも1つのエポキシ樹脂と、を含み、
前記組成物が、同じ分子内に少なくとも1つのシラン基および少なくとも2つのアミン基を有する硬化相溶化剤をさらに含
み、
前記硬化性組成物が、成分Aおよび成分Bを含む二成分型硬化性組成物であり、前記シラン変性ポリマーおよび前記硬化相溶化剤が、前記成分Aに含有され、前記エポキシ樹脂が、前記成分Bに含有され、
硬化性組成物の重量に対して、30重量%未満の充填剤、及び20重量%未満の可塑剤を含む、硬化性組成物。
【請求項2】
前記シラン変性ポリマーが、以下の式Iで表され、
R
1
m(R
2O)
(3-m)Si-R
7-(ポリマー主鎖)-R
8-SiR
3
n(R
4O)
(3-n)式I
式中、前記ポリマー主鎖が、ポリオールから誘導されるか、または少なくとも1つのポリイソシアネートおよび少なくとも1つのポリオールから誘導され、任意選択的に、少なくとも1つの-R
9-SiR
5
s(R
6O)
(3-s)で官能化され、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、およびR
6の各々が、独立して、水素原子またはC
1-C
6アルキル基を表し、m、n、およびsの各々が、0、1、または2の積分を表し、R
7、R
8、およびR
9の各々が、独立して、直接結合、-O-、二価(C
1~C
6アルキレン)基、-O-(C
1~C
6アルキレン)基、(C
1~C
6アルキレン)-O-基、-O-(C
1~C
6アルキレン)-O-基、-N(R
N)-(C
1~C
6アルキレン)基、または-C(=O)-N(R
N)-(C
1~C
6アルキレン)基を表し、R
Nが、水素原子またはC
1-C
6アルキル基を表す、請求項1に記載の硬化性組成物。
【請求項3】
前記硬化相溶化剤が、以下の式IIで表される化合物であり、
【化1】
式中、R
10が、NH
2(C
1-C
6アルキレン)-、(NH
2)
2CH-、(NH
2)
3C-、(NH
2-C
1-C
6アルキレン)
2CH-、(NH
2-C
1-C
6アルキレン)
3C-、(NH
2)
2CH(C
1-C
6アルキレン)-、(NH
2)
3C(C
1-C
6アルキレン)-、(NH
2-C
1-C
6アルキレン)
2CH(C
1-C
6アルキレン)-、および(NH
2-C
1-C
6アルキレン)
3C(C
1-C
6アルキレン)-からなる群から選択され、
R
11が、-(C
1-C
6アルキレン)-、-NH-(C
1-C
6アルキレン)-、-NH-NH-(C
1-C
6アルキレン)-、-NH-(C
1-C
6アルキレン)-NH-、-NH-(C
1-C
6アルキレン)-NH-(C
1-C
6アルキレン)-、および-NH-(C
1-C
6アルキレン)-NH-(C
1-C
6アルキレン)-NH-からなる群から選択され、
R
12およびR
13の各々が、独立して、水素原子またはC
1-C
6アルキル基で任意選択的に置換されたC
1-C
6アルキル基、C
1-C
6アルコキシ基、ハロゲン原子、C
2-C
6アルケニル基、C
2-C
6アルキニル基、-Si(C
1-C
4アルキル)
3、-Si(C
1-C
4アルコキシ)
3、-Si-{O-[Si(C
1-C
4アルコキシ)
3]
3、-(C
1-C
6)アルキレン-Si(C
1-C
4アルキル)
3、-(C
1-C
6)アルキレン-Si(C
1-C
4アルコキシ)
3、または-(C
1-C
6)アルキレン-Si-{O-[Si(C
1-C
4アルコキシ)
3]
3を表し、
tが、0、1、または2の整数を表すが、
但し、式IIで表される前記化合物に少なくとも2つの窒素原子が存在するということを条件とする、請求項1に記載の硬化性組成物。
【請求項4】
前記硬化相溶化剤が、
【化2】
からなる群から選択される、請求項1に記載の硬化性組成物。
【請求項5】
前記硬化性組成物が
、前記硬化相溶化剤以外にいずれの追加の硬化剤または相溶化剤も含まない、請求項
1に記載の硬化性組成物。
【請求項6】
式IIで表される前記硬化相溶化剤の含有量が、前記硬化性組成物の総重量に基づいて、4.8重量%~20重量%である、請求項
3に記載の硬化性組成物。
【請求項7】
前記ポリマー主鎖が、少なくとも1つのポリイソシアネートおよび少なくとも1つのポリオールから誘導され、
前記ポリイソシアネートが、少なくとも2つのイソシアネート基を含むC
4-C
12脂肪族ポリイソシアネート、少なくとも2つのイソシアネート基を含むC
6-C
15脂環式または芳香族ポリイソシアネート、少なくとも2つのイソシアネート基を含むC
7-C
15芳香脂肪族ポリイソシアネート、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択され、
前記ポリオールが、少なくとも2つのヒドロキシル基を含むC
2-C
16脂肪族多価アルコール、少なくとも2つのヒドロキシル基を含むC
6-C
15脂環式または芳香族多価アルコール、少なくとも2つのヒドロキシル基を含むC
7-C
15芳香脂肪族多価アルコール、100~5,000の分子量および1.5~5.0の平均ヒドロキシル官能価を有するポリエステルポリオール、100~5,000の分子量および1.5~5.0の平均ヒドロキシル官能価を有するポリエーテルポリオール、ならびにそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項
2に記載の硬化性組成物。
【請求項8】
前記エポキシ樹脂が、
エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ポリプロピレングリコール、ジメチロールシクロヘキサン、ネオペンチルグリコール、ジブロモネオペンチルグリコール、ヒマシ油、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、ソルビトールもしくはグリセロール、またはアルコキシル化グリセロールもしくはアルコキシル化トリメチロールプロパンのグリシジルエーテル、
水素化ビスフェノールA、FもしくはA/F、または環水素化液体ビスフェノールA、FもしくはA/F樹脂のグリシジルエーテル、
ビスフェノールA樹脂、ビスフェノールAP樹脂、ビスフェノールF樹脂、ビスフェノールK樹脂、フェノール-ホルムアルデヒドノボラック樹脂、アルキル置換フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、クレゾール-ヒドロキシベンズアルデヒド樹脂、ジシクロペンタジエン-フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン置換フェノール樹脂、およびそれらの組み合わせのグリシジルエーテルからなる群から選択される、請求項1に記載の硬化性組成物。
【請求項9】
前記シラン変性ポリマーが、
硬化性組成物の10~90重量%
を占め、前記エポキシ樹脂が、
硬化性組成物の5~70重量%を占める、請求項1に記載の硬化性組成物。
【請求項10】
請求項1~
9のいずれか一項に記載の硬化性組成物を基材の表面上に適用するための方法であって、
(1)前記シラン変性ポリマー、前記エポキシ樹脂、および前記硬化相溶化剤を組み合わせて、前駆体ブレンドを形成するステップと、
(2)前記前駆体ブレンドを基材の表面上に適用するステップと、
(3)前記前駆体ブレンドを硬化させるか、または前記前駆体ブレンドが硬化することを可能にするステップと、を含む、方法。
【手続補正書】
【提出日】2022-11-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
硬化性組成物であって、
少なくとも1つのシラン変性ポリマーと、
エポキシ基を末端に有する少なくとも1つのエポキシ樹脂と、を含み、
前記組成物が、同じ分子内に少なくとも1つのシラン基および少なくとも2つのアミン基を有する硬化相溶化剤をさらに含み、
前記硬化性組成物が、成分Aおよび成分Bを含む二成分型硬化性組成物であり、前記シラン変性ポリマーおよび前記硬化相溶化剤が、前記成分Aに含有され、前記エポキシ樹脂が、前記成分Bに含有され、
硬化性組成物の重量に対して、
15重量%
以下の充填剤、及び
30重量%
以下の可塑剤を含む、硬化性組成物。
【請求項2】
前記シラン変性ポリマーが、以下の式Iで表され、
R
1
m(R
2O)
(3-m)Si-R
7-(ポリマー主鎖)-R
8-SiR
3
n(R
4O)
(3-n)式I
式中、前記ポリマー主鎖が、ポリオールから誘導されるか、または少なくとも1つのポリイソシアネートおよび少なくとも1つのポリオールから誘導され、任意選択的に、少なくとも1つの-R
9-SiR
5
s(R
6O)
(3-s)で官能化され、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、およびR
6の各々が、独立して、水素原子またはC
1-C
6アルキル基を表し、m、n、およびsの各々が、0、1、または2の
整数を表し、R
7、R
8、およびR
9の各々が、独立して、直接結合、-O-、二価(C
1~C
6アルキレン)基、-O-(C
1~C
6アルキレン)基、(C
1~C
6アルキレン)-O-基、-O-(C
1~C
6アルキレン)-O-基、-N(R
N)-(C
1~C
6アルキレン)基、または-C(=O)-N(R
N)-(C
1~C
6アルキレン)基を表し、R
Nが、水素原子またはC
1-C
6アルキル基を表す、請求項1に記載の硬化性組成物。
【請求項3】
前記硬化相溶化剤が、以下の式IIで表される化合物であり、
【化1】
式中、R
10が、NH
2(C
1-C
6アルキレン)-、(NH
2)
2CH-、(NH
2)
3C-、(NH
2-C
1-C
6アルキレン)
2CH-、(NH
2-C
1-C
6アルキレン)
3C-、(NH
2)
2CH(C
1-C
6アルキレン)-、(NH
2)
3C(C
1-C
6アルキレン)-、(NH
2-C
1-C
6アルキレン)
2CH(C
1-C
6アルキレン)-、および(NH
2-C
1-C
6アルキレン)
3C(C
1-C
6アルキレン)-からなる群から選択され、
R
11が、-(C
1-C
6アルキレン)-、-NH-(C
1-C
6アルキレン)-、-NH-NH-(C
1-C
6アルキレン)-、-NH-(C
1-C
6アルキレン)-NH-、-NH-(C
1-C
6アルキレン)-NH-(C
1-C
6アルキレン)-、および-NH-(C
1-C
6アルキレン)-NH-(C
1-C
6アルキレン)-NH-からなる群から選択され、
R
12およびR
13の各々が、独立して、水素原子また
はC
1-C
6アルキル基、C
1-C
6アルコキシ基、ハロゲン原子、C
2-C
6アルケニル基、C
2-C
6アルキニル基、-Si(C
1-C
4アルキル)
3、-Si(C
1-C
4アルコキシ)
3、-Si-{O-[Si(C
1-C
4アルコキシ)
3]
3、-(C
1-C
6)アルキレン-Si(C
1-C
4アルキル)
3、-(C
1-C
6)アルキレン-Si(C
1-C
4アルコキシ)
3、
若しくは-(C
1-C
6)アルキレン-Si-{O-[Si(C
1-C
4アルコキシ)
3]
3
で任意選択的に置換されたC
1
-C
6
アルキル基を表し、
tが、0、1、または2の整数を表すが、
但し、式IIで表される前記化合物に少なくとも2つの窒素原子が存在するということを条件とする、請求項1に記載の硬化性組成物。
【請求項4】
前記硬化相溶化剤が、
【化2】
からなる群から選択される、請求項1に記載の硬化性組成物。
【請求項5】
前記硬化性組成物が、前記硬化相溶化剤以外にいずれの追加の硬化剤または相溶化剤も含まない、請求項1に記載の硬化性組成物。
【請求項6】
式IIで表される前記硬化相溶化剤の含有量が、前記硬化性組成物の総重量に基づいて、4.8重量%~20重量%である、請求項3に記載の硬化性組成物。
【請求項7】
前記ポリマー主鎖が、少なくとも1つのポリイソシアネートおよび少なくとも1つのポリオールから誘導され、
前記ポリイソシアネートが、少なくとも2つのイソシアネート基を含むC
4-C
12脂肪族ポリイソシアネート、少なくとも2つのイソシアネート基を含むC
6-C
15脂環式または芳香族ポリイソシアネート、少なくとも2つのイソシアネート基を含むC
7-C
15芳香脂肪族ポリイソシアネート、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択され、
前記ポリオールが、少なくとも2つのヒドロキシル基を含むC
2-C
16脂肪族多価アルコール、少なくとも2つのヒドロキシル基を含むC
6-C
15脂環式または芳香族多価アルコール、少なくとも2つのヒドロキシル基を含むC
7-C
15芳香脂肪族多価アルコール、100~5,000の分子量および1.5~5.0の平均ヒドロキシル官能価を有するポリエステルポリオール、100~5,000の分子量および1.5~5.0の平均ヒドロキシル官能価を有するポリエーテルポリオール、ならびにそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項2に記載の硬化性組成物。
【請求項8】
前記エポキシ樹脂が、
エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ポリプロピレングリコール、ジメチロールシクロヘキサン、ネオペンチルグリコール、ジブロモネオペンチルグリコール、ヒマシ油、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、ソルビトールもしくはグリセロール、またはアルコキシル化グリセロールもしくはアルコキシル化トリメチロールプロパンのグリシジルエーテル、
水素化ビスフェノールA、FもしくはA/F、または環水素化液体ビスフェノールA、FもしくはA/F樹脂のグリシジルエーテル、
ビスフェノールA樹脂、ビスフェノールAP樹脂、ビスフェノールF樹脂、ビスフェノールK樹脂、フェノール-ホルムアルデヒドノボラック樹脂、アルキル置換フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、クレゾール-ヒドロキシベンズアルデヒド樹脂、ジシクロペンタジエン-フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン置換フェノール樹脂、およびそれらの組み合わせのグリシジルエーテルからなる群から選択される、請求項1に記載の硬化性組成物。
【請求項9】
前記シラン変性ポリマーが、硬化性組成物の10~90重量%を占め、前記エポキシ樹脂が、硬化性組成物の5~70重量%を占める、請求項1に記載の硬化性組成物。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載の硬化性組成物を基材の表面上に適用するための方法であって、
(1)前記シラン変性ポリマー、前記エポキシ樹脂、および前記硬化相溶化剤を組み合わせて、前駆体ブレンドを形成するステップと、
(2)前記前駆体ブレンドを基材の表面上に適用するステップと、
(3)前記前駆体ブレンドを硬化させるか、または前記前駆体ブレンドが硬化することを可能にするステップと、を含む、方法。
【国際調査報告】