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特表2023-509348ウール、特にミネラルウールから製造された遮断製品を調製するための装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-08
(54)【発明の名称】ウール、特にミネラルウールから製造された遮断製品を調製するための装置
(51)【国際特許分類】
   D01G 23/08 20060101AFI20230301BHJP
   D04H 1/4209 20120101ALI20230301BHJP
   D04H 1/4226 20120101ALI20230301BHJP
   D04H 1/732 20120101ALI20230301BHJP
   B05B 1/26 20060101ALI20230301BHJP
   B05B 7/26 20060101ALI20230301BHJP
   B05C 11/10 20060101ALI20230301BHJP
   D01G 9/08 20060101ALI20230301BHJP
   D01G 23/00 20060101ALI20230301BHJP
【FI】
D01G23/08 C
D04H1/4209
D04H1/4226
D04H1/732
B05B1/26 A
B05B7/26
B05C11/10
D01G9/08
D01G23/00
D01G23/08 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022535755
(86)(22)【出願日】2020-12-18
(85)【翻訳文提出日】2022-07-20
(86)【国際出願番号】 FR2020052551
(87)【国際公開番号】W WO2021123679
(87)【国際公開日】2021-06-24
(31)【優先権主張番号】1915097
(32)【優先日】2019-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502425053
【氏名又は名称】サン-ゴバン イゾベール
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100217179
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 智史
(74)【代理人】
【識別番号】100210697
【弁理士】
【氏名又は名称】日浅 里美
(72)【発明者】
【氏名】アレクシア ミシェル
(72)【発明者】
【氏名】ダビド ルイ
【テーマコード(参考)】
3B151
4F033
4F042
4L047
【Fターム(参考)】
3B151AA14
3B151AA29
3B151AB07
3B151AB13
3B151AC42
3B151CA13
4F033BA01
4F033BA05
4F033DA01
4F033EA01
4F033GA03
4F033GA10
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4F033JA03
4F033JA06
4F033LA09
4F033NA01
4F033QB02Y
4F033QB07
4F033QB12Y
4F033QB20
4F033QD02
4F033QD15
4F033QE05
4F033QE15
4F033QF07Y
4F033QF21X
4F033QF21Y
4F042AB04
4F042BA06
4F042BA08
4F042BA11
4F042CB03
4F042CB08
4F042CB10
4F042CB27
4L047AA01
4L047AA05
4L047AA06
4L047AB02
4L047BD01
4L047CB05
4L047CB06
4L047CC14
4L047EA01
(57)【要約】
【課題】ウールから製造された遮断製品を調製するための装置の提供。
【解決手段】ウールから製造された遮断製品を調製するための装置であって、前記装置が、筐体を備え、この筐体は、キャリアガス流及び小塊又はフレークの形態のウールが導入される入口開口部と、筐体内に乱流ガス流を発生させることができる少なくとも1つの手段と、出口ガス流と混合されたフレークが放出される出口開口部とを含み、前記装置が、筐体内に配置された少なくとも1つの偏向要素をさらに備え、この偏向要素は、小塊又はフレークの形態のウールを通気する乱れを作り出すことを特徴とする、装置。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウールをベースとした遮断製品を調製するための装置(10)であって、前記装置が、チャンバ(100)を備え、このチャンバは、
キャリアガス流及び小塊又はフレークの形態のウールが導入される入口開口部(101)、前記ガス流は前記チャンバ(100)中で乱流にさらされる、と、
出口ガス流と混合されたフレークが放出される出口開口部(103)と
を含み、
前記装置が、前記ガス流を偏向させるための手段をさらに備え、この手段は、前記チャンバ中での前記ウールの滞留時間を増加させることを可能にし、小塊又はフレークの形態のウールを通気する乱れを作り出すことを特徴とする、前記装置(10)。
【請求項2】
前記偏向手段が、前記チャンバ内に配置された少なくとも1つのデフレクター要素(200)を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記デフレクター要素が、前記チャンバの内壁から延びる偏向面(210)を含む、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記デフレクター要素が、偏向面と、前記チャンバの内壁に前記偏向面を接続する少なくとも1つのアーム(213)とを含む、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記偏向面が二次元の平板(211)である、請求項3又は4に記載の装置。
【請求項6】
前記偏向面が三次元部品(212)である、請求項3又は4に記載の装置。
【請求項7】
前記デフレクター要素が、前記チャンバの2つの内壁の間に配置された交差部材(220)を含む、請求項2に記載の装置。
【請求項8】
前記交差部材が凹凸(222)及び/又は開口部を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記チャンバが、ランダムに選ばれた少なくとも2つのデフレクター要素(210)を含む、請求項3~8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記偏向手段が、前記入口開口部(101)を通って前記チャンバに入ってくる前記ガス流の主な方向と前記出口開口部(103)との少なくとも1つの部分的なずれを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記入口開口部を通って前記チャンバに入ってくる前記ガス流の主な方向と前記出口開口部とのずれが、完全である、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記偏向手段が、前記チャンバの内壁によって作り出された少なくとも1つの障害物を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記チャンバが、前記入口開口部用の入口面(100a)、前記出口開口部用の出口面(100b)、2つの側面(100c)、上面(100d)、及び下面(100e)を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記チャンバが、前記入口開口部用の入口面(100a)、2つの側面(100c)、上面(100d)、及び下面(100e)を含み、前記上面及び前記下面は、前記出口開口部として機能するスペースを残しつつ、互いに向けて収束するように設計されている、請求項1~12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
前記チャンバが、5~90dmの体積を有する、請求項1~14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
前記チャンバが、少なくとも前記入口開口部の面積が前記入口面の面積と異なるようなものである、請求項13又は14に記載の装置。
【請求項17】
請求項1~16のいずれか一項に記載のウールをベースとした遮断製品を調製するための装置に接続された、ガス流を発生させるための手段Pを含む、遮断材スプレーシステムであって、ガス流を発生させるための前記手段Pが、ウールのフレークが混合されたガス流を供給することができる、遮断材スプレーシステム。
【請求項18】
前記チャンバが、第二のパイプを前記出口開口部に接続することができるように設計されている、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記遮断製品(L)の密度が、ガラスウールをベースとした製品については約5~15kg/mであり、ロックウールをベースとした製品については約15~50kg/mである、請求項17又は18に記載の遮断材スプレーシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
先行技術
本発明は、遮断製品を通気するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ミネラルウールは、多孔性で弾性の構造を与える絡み合ったミネラルファイバーを含むことから、非常に良好な熱及び音の遮断材である。そのような構造は、空気をトラップし、騒音を吸収するか、又は弱めることを可能にする。さらに、ミネラルウールは、主に、鉱物材料から、特に、天然材料又は再生品(再生ガラス)から製造され、したがって、環境上のバランスという観点から、魅力的である。そして、ミネラルウールは、元々が不燃性である材料をベースとしていることから、火を燃やしたり、炎を広げたりすることがない。好ましくは、ミネラルウールは、ガラスウール又はロックウールから選択される。
【0003】
センチメートルスケールの粒子を形成する絡み合った繊維の小さい束の形態を取り、結合剤が束における繊維の結束を確保しない、バラ詰めタイプの製品が存在する。
【0004】
バラ詰めミネラルウールの製造は、少なくとも以下の工程を有する:
- ガラスなどの原材料を溶融炉中で溶融する工程、
- 繊維化する工程、
- ミネラルウールのマットを形成する工程、
- グラインディング加工を用いて小塊形成(nodulation)する工程。
【0005】
バラ詰めミネラルウールの製造は、さらに、以下の工程を含んでもよい:
- 小塊形成の前、それと同時、若しくはその後に、帯電防止剤及び/若しくは結束剤などの剤でコーティングする工程、並びに/又は
- 袋詰めする工程。
【0006】
小塊形成工程の終わりに、ミネラルウールは、小塊又はフレークの形態である。したがって、ミネラルウールを、それを広げることにより、それを吹きつけることにより、又はキャビティを充填するようにそれを用いることにより、バラ詰め遮断製品、又はバラ詰め遮断材などとして用いることができる。バラ詰め遮断材は、建築の分野において、小粒子の形態で提供される様々な材料に相当し、そのテクスチャは、粒状からフレーク状まで様々である。
【0007】
ミネラルウールは、有利には、小塊又はフレークの形態で、バラ詰め遮断製品の主構成成分として、開発が成されていないか又はアクセスが困難である屋根裏スペースの床など、アクセスが困難であるスペースのために用いられる。
【0008】
これらのバラ詰め遮断製品は、一般的に、遮断製品を出口管から表面にスプレーするか又はキャビティ中に注入することができる吹き付け機を用いる機械的な吹き付けによって、適用される。
【0009】
したがって、バラ詰め遮断製品は、主として、屋根裏スペースなどの遮断されるべきスペース中に直接それらをスプレーすることにより、又は壁のキャビティ中にそれらを注入することにより、敷設される。
【0010】
バラ詰め遮断製品は、吹き付け遮断製品としても知られている。
【0011】
吹きつけられた遮断製品は、熱橋を回避し、それにより熱性能を向上させるために、可能な限り均質である必要がある。しかし、遮断製品が吹き付けられる際、出口管の径に関わらず、小塊又はフレークの形態のミネラルウールは、完全には均質ではない。得られる遮断製品の熱伝導率は、最適化されない。
【0012】
この点に関して、図1に示されるように、入口開口部2及び出口開口部3を備えたチャンバ1が存在し、そこではフレーク4は、チャンバを出る前の既定の時間、通気される。
【0013】
しかし、これらのウール通気チャンバには、ウールのフレークの良好な通気を可能にするために大きいという欠点がある。しかし、大きいチャンバは、かさ高くて重く、使用することを困難にする。
【発明の概要】
【0014】
発明の概要
本発明は、フレークのより良好な通気のために乱流が作り出されるチャンバを提供することによって、先行技術により知られている通気チャンバの問題を解決しようとする。
【0015】
この目的のために、本発明は、ウールをベースとした遮断製品を調製するための装置であって、前記装置が、チャンバを備え、このチャンバは、キャリアガス流及び小塊又はフレークの形態のウールが導入される入口開口部と、出口ガス流と混合されたフレークが放出される出口開口部とを含み、ガス流は、前記チャンバ中で乱流にさらされ、前記装置が、ガス流を偏向させるための手段をさらに備え、この手段は、チャンバ中でのウールの滞留時間を増加させることを可能にし、小塊又はフレークの形態のウールを通気する乱れを作り出すことを特徴とする、装置に関する。
【0016】
本発明は、有利には、デフレクター要素により、前記チャンバにおいて作り出された乱れを増加させることを可能にする。この乱れの増加は、より良好な性能を有するように、遮断ウールのフレークをより良好に通気することを可能にする。しかし、これは、同一の性能を保持しつつ、チャンバのサイズを低減することも可能にする。したがって、よりコンパクトなチャンバにより、扱いがより容易になる。
【0017】
ある例によれば、偏向手段は、少なくとも1つのデフレクター要素を含む。
【0018】
ある例によれば、前記デフレクター要素は、チャンバの内壁から延びる偏向面を含む。
【0019】
ある例によれば、前記デフレクター要素は、偏向面と、チャンバの内壁に前記偏向面を接続する少なくとも1つのアームとを含む。
【0020】
ある例によれば、前記偏向面は二次元の平板である。
【0021】
ある例によれば、前記偏向面は三次元部品である。
【0022】
ある例によれば、前記デフレクター要素は、前記チャンバの2つの内壁の間に配置された交差部材を含む。
【0023】
ある例によれば、前記交差部材は凹凸及び/又は開口部を含む。
【0024】
ある例によれば、前記チャンバは、ランダムに選ばれた少なくとも2つのデフレクター要素を含む。
【0025】
ある例によれば、前記偏向手段は、入口開口部を通ってチャンバに入ってくるガス流の主な方向と出口開口部との少なくとも1つの部分的なずれを含む。
【0026】
ある例によれば、入口開口部を通ってチャンバに入ってくるガス流の主な方向と出口開口部とのずれは、完全である。
【0027】
ある例によれば、前記偏向手段は、前記チャンバの内壁によって作り出された少なくとも1つの障害物を含む。
【0028】
ある例によれば、前記チャンバは、5~90dmの体積を有する。
【0029】
ある例によれば、チャンバは、少なくとも入口開口部の面積が入口面の面積と異なるようなものである。
【0030】
本発明はさらに、ウールをベースとした遮断製品を調製するための本発明に係る装置に接続された、ガス流を発生させるための手段Pを含む、遮断材スプレーシステムであって、ガス流を発生させるための前記手段Pが、ウールのフレークが混合されたガス流を供給することができる、遮断材スプレーシステムに関する。
【0031】
ある例によれば、前記チャンバは、第二のパイプを出口開口部に接続することができるように設計されている。
【0032】
ある例によれば、遮断製品の密度は、ガラスウールをベースとした製品については約5~15kg/mであり、ロックウールをベースとした製品については約15~50kg/mである。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図面の説明
さらに特定の特徴及び利点は、添付の図面を参照して、完全に非限定的な表示として与えられるこれらの以下の説明から明白に明らかになるであろう。
図1図1は、先行技術によるウールをベースとした遮断製品を調製するための装置の概略図である。
図2図2、3及び5は、本発明によるウールをベースとした遮断製品を調製するための装置の概略図である。
図3図3及び14は、本発明による遮断材スプレーシステムの概略図である。
図4図4a、4b及び4cは、本発明によるウールをベースとした遮断製品を調製するための装置のチャンバの別形状の概略図である。
図5図2、3及び5は、本発明によるウールをベースとした遮断製品を調製するための装置の概略図である。
図6図6a、6b、7、8a~8dは、本発明によるウールをベースとした遮断製品を調製するための装置の第一の実施態様の概略図である。
図7図6a、6b、7、8a~8dは、本発明によるウールをベースとした遮断製品を調製するための装置の第一の実施態様の概略図である。
図8a図6a、6b、7、8a~8dは、本発明によるウールをベースとした遮断製品を調製するための装置の第一の実施態様の概略図である。
図8b図6a、6b、7、8a~8dは、本発明によるウールをベースとした遮断製品を調製するための装置の第一の実施態様の概略図である。
図8c図6a、6b、7、8a~8dは、本発明によるウールをベースとした遮断製品を調製するための装置の第一の実施態様の概略図である。
図8d図6a、6b、7、8a~8dは、本発明によるウールをベースとした遮断製品を調製するための装置の第一の実施態様の概略図である。
図9図9a、9b、10は、本発明によるウールをベースとした遮断製品を調製するための装置の第二の実施態様の概略図である。
図10図9a、9b、10は、本発明によるウールをベースとした遮断製品を調製するための装置の第二の実施態様の概略図である。
図11図11a、11bは、本発明によるウールをベースとした遮断製品を調製するための装置の実施態様の変形の概略図である。
図12図12a、12b及び13は、本発明によるウールをベースとした遮断製品を調製するための装置の実施態様の概略図である。
図13図12a、12b及び13は、本発明によるウールをベースとした遮断製品を調製するための装置の実施態様の概略図である。
図14図3及び14は、本発明による遮断材スプレーシステムの概略図である。
図15図15a、15b、15c及び15dは、本発明によるウール種類材料の滞留時間を増加させるためのさらなる手段の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
発明の詳細な説明
図2及び3は、本発明によるウールをベースとした遮断製品を調製するための装置10を示す。この装置10は、入口開口部101及び出口開口部103を含むチャンバ100を備える。ガス流fは、入口開口部を介してチャンバ100へ導入され、このガス流fは、ガス流を発生させるための手段Pによって製造されたものである。入口開口部101は、フレーク又は小塊の形態のウールをチャンバへ導入するための手段によって、フレーク又は小塊の形態のウールLのチャンバへの導入も可能にする。フレーク又は小塊の形態のウールは、ロックウール又はガラスウール又はセルロースウールである。これらのミネラルウールの小塊又はフレークの長さは、0.05~5cm、特に、0.1~1cmである。これらのフレーク又は小塊は、小さい束、小さいロービング、又は「ピリング」の形態で絡み合った繊維から形成されている。したがって、ウール及びガス流は、ガス流を発生させるための手段P(吹き付け機のコンプレッサ)にそれ自体が接続されたパイプtを介してチャンバ100へ導入され、それによって、遮断材スプレーシステムが形成される。ウールは、ガス流へ前もって導入することができる。チャンバ100は、1つの向きの方向Aへのウールの同伴、及び方向Aに対して反対である逆向きの方向Bへのウールの同伴をチャンバ内に作り出すための手段を任意選択的に含み、それによって、チャンバ内には、方向Aへ同伴されるウールが逆向きの方向Bへ同伴されるウールと交差する、方向Aに対して垂直である少なくとも1つの面が存在する。1つの向きの方向Aへのウールの同伴、及び方向Aに対して反対である逆向きの方向Bへのウールの同伴をチャンバ内に作り出すための手段は、例えば、チャンバの形状及びサイズに依存する。
【0035】
いずれにしても、ガス流は、前記チャンバ100中で乱流にさらされる。
【0036】
チャンバ100については、後者は、入口開口部101及び出口開口部103がチャンバの対面上で配置されるように設計されている。したがって、入口開口部が入口面100aに配置される一方、出口開口部は出口面100bに配置される。好ましくは、入口開口部101及び出口開口部103は、互いに対向する。チャンバは、少なくとも入口開口部の面積が、入口面の面積と異なるようなものであり、これは、入口開口部の面積が入口面の面積より小さいことを意味する。好ましくは、入口開口部の面積は、入口面の面積の半分に等しく、好ましくは、入口面の面積の、3分の1、4分の1又は5分の1に等しい。好ましくは、出口開口部の面積も、出口面の面積と異なる。このチャンバ構造は、その中で循環するガス流を乱すことを可能にする。入口開口部が入口面と同じ面積を有しており、出口開口部が出口面と同じ面積を有しているチャンバの場合には、入るガス流は、ウールのフレークを通気するための乱流にさらされず、その流れは、入り、次いで、前記チャンバ中での滞留時間なしで出ていく。
【0037】
図4aにおいて見ることができる第一の構成において、チャンバ100は、少なくとも2つの側面100c、上面100d、及び下面100eをさらに含む。したがって、この第一の構成において、側面から見たときに、チャンバは、正方形又は矩形又は台形の縦断面を有することがある。
【0038】
図4bにおいて見ることができる第二の構成において、チャンバ100は、少なくとも2つの側面100c及び上面100d及び下面100eを含む。出口面は、上面及び下面を考慮して省かれた。これは、上面100d及び下面100eが、出口面が不要になるように配置されることを意味すると理解される。この目的のために、チャンバが、側面から見たときに、三角形の縦断面を有するように、上面及び下面は配置される。この目的のために、上面及び下面は互いに向けて収束する。そのような三角形の縦断面は、上面及び下面の間の交点に出口開口部を配置することを可能にする。
【0039】
図4cにおいて見ることができる第三の構成において、チャンバ100は、少なくとも2つの側面100c、上面100d、及び下面100eを含む。出口面100bは、局所的に/部分的に三角形の縦断面を作り出すように収束する2つの部分の100b’に分割される。そのような三角形の縦断面は、出口面を形成する2つの部分の間の交点に出口開口部103を配置することを可能にする。
【0040】
チャンバは、好ましくは、5~90dmの体積を有することを可能にする寸法を有する。
【0041】
出口開口部103は、円形状103aなどの任意の形状を有してよい。好ましくは、出口開口部は、スロット103bの形態である。このスロットは、床の面に対して水平に延在する。このスロットは、チャンバの幅の一部に亘って、又はチャンバの幅全体に亘って延在する。このスロットの高さは0.1~1cmであり、好ましくは0.2~0.5cmである。
【0042】
スロット103bの利点は、フレークがより大きい幅に亘って放出されることを可能にし、これにより、大面積を被覆することを可能にすることである。フレークの出口流れは、スプレーする速度が、少なくとも15m/s、例えば、約20m/sであるようなものである。
【0043】
巧妙なことに、チャンバ100は、前記チャンバに入る流れを偏向させるための手段を含む。したがって、これらの偏向手段は、入るガス流を偏向させることができる。したがって、これらの偏向手段は、前記チャンバにおいて、フレーク又は小塊の形態のウールの滞留時間を長くするための手段である。
【0044】
第一の解決策によれば、チャンバ中でのウールの滞留時間を長くすることを可能にするこれらの偏向手段は、乱流ガス流を発生させるための手段として働く少なくとも1つのデフレクター要素200を含む。このデフレクター要素200は、前記チャンバ100内に延在する。これは、前記デフレクター要素200が、前記チャンバ100の任意の内壁から伸びていることを意味する。
【0045】
このデフレクター要素200は、有利には、入るガス流を偏向させて、チャンバ100内で循環するガス流の乱れを作り出すことを可能にする。これらの乱れは、乱れのレベルを増加させる不安定性を生み出す再循環点をもたらし、再循環の動きを作り出す。したがって、これらの再循環点は、剪断力が存在する場所である。ウールのフレークなどの遮断材料は、これらの剪断力によって、繊維を「通気すること」に対して寄与する大きな機械的応力にさらされる。再循環領域を通過させることにより、ミネラルウールが大きな応力にさらされる時間を大幅に増加させることができる。遮断材料のフレークのこの通気は、小塊又はフレークの形態のウール又はセルロースの密度を著しく低減することを可能にするが、特に、その構造を均質化することができる。驚くべきことに、本発明の通気工程に供されたウールの拡大及び/又は均質化は、既知の均質化プロセスによって得ることができるものよりはるかに良好である。
【0046】
通気されていないミネラルウールと比較して、熱性能の改善は、特に、同じ密度での熱伝導率の低下、又は同じ熱伝導率での密度の低下をもたらす。さらに、得られる遮断製品は、同じ密度及び厚さで、はるかに大きい空気抵抗を有する。通気工程後に得られた遮断製品は、特に、ガラスウールをベースとした製品について約5~15kg/m、ロックウールをベースとした製品について約15~50kg/mの低密度を有する。
【0047】
本発明によるチャンバの第二の利点は、それが、チャンバのサイズを最適化することを可能にすることである。具体的には、遮断材料で製造されたウールのフレークの通気をもたらすガス流の乱れを、チャンバ自体によって得ることができる。これは、チャンバの形状及び寸法が、再循環点を発生させるようなものであることを意味する。しかし、チャンバの寸法は、その体積又は質量を左右する。したがって、デフレクター要素を含むチャンバにおいて乱れを作り出すことが可能であるという事実は、ウールの通気の点で同じ性能を有しつつ、より小さい寸法、ひいてはより小さい体積をもつチャンバを設計することを可能にする。
【0048】
図5において見ることができる第一の実施態様において、デフレクター要素200は、チャンバ100の内壁から延びる偏向面210を含む。この偏向面210は、チャンバ100に入るガス流に対抗し、それによって乱れが作り出されるように用いられる。この偏向面は、様々な形態を取ってよい。
【0049】
第一の形態において、偏向面210は、図6a及び6bにおいて見ることができるように、平坦な二次元の平板211であるか、前記平板は壁から伸びている。この平板は、様々な形状を有していてよく、円形、卵形、正方形、矩形、平行六面体などの形状を有してよい。
【0050】
図7において見ることができる第二の形態において、偏向面210は、三次元部品212である。この三次元部品212は、面取りされた、又は面取りされていない、中実の、又は部分的に中空の、円錐形、ピラミッド形、平行六面体である、すなわち、ガス流を偏向させる/乱すことを可能にするあらゆる形状を有する部品である。
【0051】
これらの2つの形態については、偏向面は、チャンバ100の内壁から直接伸びていてよい。
【0052】
図8a及び8bにおいて見ることができる第一の変形において、前記デフレクター要素200は、その端部のうちの1つがチャンバ100の内壁に固定されて配置された少なくとも1つのアーム213をさらに含む。この固定は、接着又は溶接又はねじ込みによって達成することができ、またはアームは、前記チャンバと実質的に一体である。アームの第二の端部は、前記偏向面210を支えるために用いられる。
【0053】
第一の形態において、前記偏向面211を支持するアーム213は、好ましくは、その端部を介して前記偏向面211に固定される。
【0054】
第二の形態において、前記三次元部品212を支持するアーム213は、この三次元部品212の面のうちの1つから伸びている。
【0055】
アーム213を有することは、ガス流に対して前記偏向面210を配置するためのより多くの選択肢を提供する。したがって、前記偏向面210をチャンバ100のより中央に配置することができる。
【0056】
図8c及び8dにおいて見ることができる第一の変形の代替案において、デフレクター要素200は、第二のアーム213を含む。この第二のアームは、様々な方法で配置することができる。したがって、第二のアーム213が、第一のアームと平行に偏向面210から、又は反対側から伸びていてよいことが理解される。反対方向に伸びたアーム213を用いることは、乱れに変化をもたらす、ガス流の効果の下でのその変形のリスクを減らすという利点を有する。
【0057】
図9a及び9bにおいて見ることができる第二の実施態様において、デフレクター要素210は、チャンバの2つの壁の間に配置された交差部材220を含む。図9aは、入口面又は出口面からの交差部材210を示す。
【0058】
この交差部材220は、中実又は中空の円筒の形態、部分的にくり抜かれているか、くり抜かれていない半円筒の形態、L字形又はV字形の縦断面の形態であってよい。したがって、図10において見ることができるように、交差部材220は、それがガス流を乱すことを可能にする任意の形状を有していてよい。
【0059】
図11a及び11bにおいて見ることができる2つの実施態様の変形において、貫通キャビティ又は出口がないキャビティ又は突起などの凹凸222は、デフレクター要素210に配置される。これらの凹凸は、有利には、ガス流を乱すことを可能にする。
【0060】
図12a及び12bにおいて見ることができる実施態様において、チャンバは、デフレクター要素200を含む。図12aは、上壁からの視点を示す。2つの実施態様に記載されているようなこのデフレクター要素は、チャンバの入口開口部に面して配置される。
【0061】
巧妙なことに、用いられるデフレクター要素210の種類は、入口開口部101に依存する。具体的には、入口開口部101が円形状などを有する場合、第一の実施態様に記載されているようなデフレクター要素が用いられる。スロットの形態の開口部101の場合には、第二の実施態様によるデフレクター要素210が用いられる。
【0062】
具体的には、この巧妙さは、形状が入口開口部のものに最も非常によく似ているデフレクター要素を用いることを可能にする:スロットの形態の入口開口部については交差部材の形態のデフレクター要素。したがって、形状が入口開口部の形状の相似変換であるデフレクターが用いられる。これは、デフレクターの見かけの面積、すなわち入口面の面と平行な面の上に投影されたデフレクターの面積が、入口開口部の面積と実質的に同一、好ましくは同一であることを意味する。
【0063】
この場合、デフレクター要素は、その性能を最大限にするために、入口開口部に面するように配置される。それにもかかわらず、デフレクター要素が、入口開口部の相似変換である形状を有していなくても、それを入口開口部に面して配置することは有利である。
【0064】
この実施態様の変形において、チャンバ100は、少なくとも2つのデフレクター要素210を含む。デフレクター要素のこの増加は、前記チャンバ中でのガス流の乱れを確実にすることを可能にする。
【0065】
したがって、この変形において、図13において見ることができるように、様々な種類のデフレクター要素を組み合わせることが可能である。
【0066】
第二の解決策によれば、チャンバ中でのウールの滞留時間を増加させるための偏向手段は、チャンバの特定の配置である。この第二の解決策において、ウールの滞留時間の増加は、チャンバ自体によって達成される。具体的には、入る流れを乱すことによって、フレークの滞留時間を増加させることが可能である。流れのこの乱れは、前記チャンバに入るガス流の経路上の1つ又は複数の障害物の存在の結果である。これ又はこれらの障害物は、様々な起源を有する。
【0067】
第一の起源によれば、入るガス流に対する障害物は、図15a及び15dにおいて見ることができるチャンバの形状に由来する。チャンバは、前記チャンバの少なくとも1つの壁が、入るガス流に部分的に面するような形状を有する。入るガス流に部分的に面するこの壁は、ガス流を少なくとも部分的に異なる方向に偏向させることによって、流れを乱すことを可能にする。
【0068】
第二の起源によれば、チャンバ中でのフレークの滞留時間を増加させるための障害物は、図15b及び15dの入口開口部と出口開口部とのずれの結果である。そのようなずれは、フレークを運ぶ入るガス流に対する自然の障害物を作り出すことを可能にし、入るガス流は、チャンバの内壁に衝突する。これは、ガス流の分散、ひいては乱れを生じさせる。
【0069】
チャンバ中でのフレークの滞留時間を増加させるための乱れの発生を可能にするのに必要なずれは、少なくとも、出口開口部が、入口開口部を通って入ってくるガス流と完全には対向しないことが必要であるようなものである。これは、入ってくるガス流が、それが強い主な方向、及び強度がより低い第二の方向に推進されることを意味する。したがって、出口開口部は、入ってくるガス流の主な方向と完全に対向しないように配置され、部分的な重なりが可能である。好ましくは、入口開口部と出口開口部の間に重なりがないように、出口開口部は配置される。
【0070】
図15cにおいて見ることができるように、出口開口部と入口開口部のサイズの違い(出口開口部は入口開口部より小さい)の結果として、偏向させ、チャンバ中での材料の滞留時間を増加させることも可能である。具体的には、より小さい出口開口部を有することによって、入る流れが、チャンバの内壁と少なくとも部分的に接触するという結果がもたらされ、この流れの転換、ひいては乱れが生じる。
【0071】
本発明の変形において、本発明によるチャンバは、エンドフィッティング、すなわち、それを通して遮断製品が被遮断領域に向けてスプレーされる要素として用いられない。この点に関して、チャンバは、遮断材スプレーシステムにおいて中間要素として用いられてよい。この目的のために、出口開口部103は、それに接続された第二のパイプt’を有するように設計され、装備される。この変形は、有利には、図14において見ることができるように、チャンバを地面に置いて、オペレーターがパイプt’だけを扱うことを可能にする。
【0072】
当然、本発明は示された例に制限されないが、当業者に明白であろう様々な方法において変更され、改変されることができる。
図1
図2
図3
図4a
図4b
図4c
図5
図6a
図6b
図7
図8a
図8b
図8c
図8d
図9a
図9b
図10
図11a
図11b
図12a
図12b
図13
図14
図15a
図15b
図15c
図15d
【国際調査報告】