(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-08
(54)【発明の名称】多機能マイクロ流体制御・検出チップ
(51)【国際特許分類】
G01N 35/00 20060101AFI20230301BHJP
G01N 37/00 20060101ALN20230301BHJP
【FI】
G01N35/00 D
G01N37/00 101
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022537199
(86)(22)【出願日】2021-11-01
(85)【翻訳文提出日】2022-06-14
(86)【国際出願番号】 CN2021127908
(87)【国際公開番号】W WO2022116758
(87)【国際公開日】2022-06-09
(31)【優先権主張番号】202011375534.4
(32)【優先日】2020-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522238251
【氏名又は名称】南京▲嵐▼▲ゆい▼生物科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】▲許▼ 行尚
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ 杰弗瑞
【テーマコード(参考)】
2G058
【Fターム(参考)】
2G058BA01
2G058CC09
2G058DA07
2G058EA14
(57)【要約】
本発明は多機能マイクロ流体制御・検出チップを開示する。検出チップはチップ本体を含み、チップ本体にサンプル注入キャビティ、サンプル定量キャビティ、サンプル溢流キャビティ、希釈液貯蔵キャビティ、希釈液定量キャビティ、希釈液溢流キャビティ、定量混練キャビティ、反応キャビティ及び通気孔が設けられ、サンプル注入キャビティに検出されるサンプルを注入し、マイクロ流路を通ってサンプル定量キャビティに進入し、余分なサンプルはサンプル溢流キャビティに進入し、希釈液貯蔵キャビティ内の希釈液はマイクロ流路を通って希釈液定量キャビティに進入し、余分な希釈液は希釈液溢流キャビティに進入し、反応キャビティは1つ又は複数の反応チャンバ及び1つのサンプル空白室を含み、サンプル定量キャビティ内のサンプルと希釈液定量キャビティ内の希釈液とは、定量混練キャビティで混練された後に、マイクロ流路を通って反応チャンバに進入して反応試薬と反応して検出を待つとともに、サンプル空白としてサンプル空白室に進入して検出を待つ。本発明は、サンプルの使用量を効果的に削減し、検出結果の正確性を向上させ、複数の指標を同時に検出することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チップ本体を含み、チップ本体にサンプル注入キャビティ、サンプル定量キャビティ、サンプル溢流キャビティ、希釈液貯蔵キャビティ、希釈液定量キャビティ、希釈液溢流キャビティ、定量混練キャビティ、反応キャビティ及び通気孔が設けられ、
前記サンプル注入キャビティには、検出される反応サンプルを注入可能であり、マイクロ流路によって前記サンプル定量キャビティに接続され、反応サンプルは前記サンプル注入キャビティから前記サンプル定量キャビティに進入可能であり、余分な反応サンプルは前記サンプル溢流キャビティに進入し、
前記希釈液貯蔵キャビティはマイクロ流路によって前記希釈液定量キャビティに接続され、希釈液は前記希釈液貯蔵キャビティから前記希釈液定量キャビティに進入可能であり、余分な希釈液は前記希釈液溢流キャビティに進入し、
前記反応キャビティは1つ又は複数の反応チャンバ及び1つのサンプル空白室を含み、
前記サンプル定量キャビティ内の反応サンプルと前記希釈液定量キャビティ内の希釈液とは、前記定量混練キャビティで混練された後に、混練液が、マイクロ流路を通って反応チャンバに進入してその中の反応試薬と反応して検出を待つとともに、混練液はサンプル空白としてサンプル空白室に進入して検出を待ち、
前記反応チャンバと前記サンプル空白室の三次元サイズは同一であり、
前記サンプル空白室のチャネルは反応チャンバのチャネルよりも広く、
前記定量混練キャビティ内の反応サンプルと希釈液の定量比は1:30未満である、ことを特徴とする多機能マイクロ流体制御・検出チップ。
【請求項2】
前記サンプル定量キャビティは第1のサンプル定量キャビティと第2のサンプル定量キャビティとを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の多機能マイクロ流体制御・検出チップ。
【請求項3】
前記反応キャビティは等距離に分布される反応チャンバをいくつか含む、ことを特徴とする請求項1に記載の多機能マイクロ流体制御・検出チップ。
【請求項4】
前記サンプル定量キャビティ内の反応サンプルと前記希釈液定量キャビティ内の希釈液とは、それぞれがマイクロ流路I、マイクロ流路IIを介して前記定量混練キャビティに進入して混練された後に、前記混練液は順にマイクロ流路III、マイクロ流路IVを介して前記反応チャンバ及び前記サンプル空白室に進入し、前記マイクロ流路I、マイクロ流路II及びマイクロ流路IIIは、それぞれ、対応する液体が流出するチャンバに対して前記チップ本体の中心位置に近い変曲点を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の多機能マイクロ流体制御・検出チップ。
【請求項5】
前記定量混練キャビティ及び前記反応キャビティは、それぞれ通気孔と連通している、ことを特徴とする請求項1に記載の多機能マイクロ流体制御・検出チップ。
【請求項6】
前記定量混練キャビティ内の反応サンプルと希釈液の定量比は1:50である、ことを特徴とする請求項1に記載の多機能マイクロ流体制御・検出チップ。
【請求項7】
前記反応試薬は凍結乾燥法を用いて作製された凍結乾燥ビーズである、ことを特徴とする請求項1に記載の多機能マイクロ流体制御・検出チップ。
【請求項8】
前記凍結乾燥ビーズの半径は0.5mm~1mmにある、ことを特徴とする請求項7に記載の多機能マイクロ流体制御・検出チップ。
【請求項9】
前記サンプル定量キャビティとサンプル溢流キャビティの間のマイクロ流路に、チップの外部に接続されるサンプル通気チャネルがさらに設けられ、前記希釈液定量キャビティと前記希釈液溢流キャビティの間のマイクロ流路にも、チップの外部に接続される希釈液通気チャネルが設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の多機能マイクロ流体制御・検出チップ。
【請求項10】
前記チップは扇形構造である、ことを特徴とする請求項1に記載の多機能マイクロ流体制御・検出チップ。
【請求項11】
前記チップはチップ上層及びチップ中層をさらに含み、前記チップ本体は下層に位置する、ことを特徴とする請求項1に記載の多機能マイクロ流体制御・検出チップ。
【請求項12】
前記チップ本体の両側にスティッチング係止位置それぞれが設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の多機能マイクロ流体制御・検出チップ。
【請求項13】
前記チップ本体は、生化学項目、免疫項目、核酸分子項目及び血液凝固項目を検出するために使用可能である、ことを特徴とする請求項1に記載の多機能マイクロ流体制御・検出チップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は体外マイクロ流体制御・検出の分野に属し、特に多機能マイクロ流体制御・検出チップに関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロ流体制御・検出チップの技術は、生物学的、化学的、医学的分析過程におけるサンプル製造、反応、分離、検出などの基本操作ユニットをミクロンスケールのチップに集積し、分析過程全体を自動的に完了するものである。生物学、化学、医学などの分野で大きな可能性がある。
【0003】
しかしながら、従来の技術におけるマイクロ流体制御・検出チップの技術は、実際の使用において、構造が複雑で、サンプルの使用量が多く、検出結果の精度が十分ではなく、希釈液定量キャビティとサンプル定量キャビティの体積比が小さすぎ、製造コストが高いなどのいくつかの欠陥が存在する。現在、市販されている遠心式マイクロ流体制御・検出チップは、多くの血液サンプル注入量が必要とされ、乳児、特に新生児、重症患者の臨床的血液サンプリング検出に適用されず、且つ効果的な品質制御機能を欠いている。そのため、構造が簡単で、1回のサンプル注入が少なく、小さい体積上で複数の指標の検出を実現可能であり、製造コストが低く、大量生産に適し、検出結果がより高精度であるとともに、チップ組み立てによってマルチサンプルの検出を行うことができる遠心式検出チップを開発する必要がある。
【発明の概要】
【0004】
本発明の目的は、従来のマイクロ流体制御・検出チップの技術缺陷を克服するために、サンプルの使用量を削減して検出結果の正確性をさらに向上させることができる多機能マイクロ流体制御・検出チップを提供することにある。
【0005】
本発明は、上記の技術目的を実現するために、次の技術案を採用する。
多機能マイクロ流体制御・検出チップはチップ本体を含み、チップ本体にサンプル注入キャビティ、サンプル定量キャビティ、サンプル溢流キャビティ、希釈液貯蔵キャビティ、希釈液定量キャビティ、希釈液溢流キャビティ、定量混練キャビティ、反応キャビティ及び通気孔が設けられ、
サンプル注入キャビティには、検出される反応サンプルを注入可能であり、マイクロ流路によってサンプル定量キャビティに接続され、反応サンプルはサンプル注入キャビティからサンプル定量キャビティに進入可能であり、余分な反応サンプルはサンプル溢流キャビティに進入し、
希釈液貯蔵キャビティはマイクロ流路によって希釈液定量キャビティに接続され、希釈液は希釈液貯蔵キャビティから希釈液定量キャビティに進入可能であり、余分な希釈液は希釈液溢流キャビティに進入し、反応キャビティは1つ又は複数の反応チャンバ及び1つのサンプル空白室を含み、
サンプル定量キャビティ内のサンプルと希釈液定量キャビティ内の希釈液とは、定量混練キャビティで混練された後に、混練液は、マイクロ流路を通って反応チャンバに進入し、その中の反応試薬と反応して検出を待つとともに、混練液はサンプル空白としてサンプル空白室に進入して検出を待つ。
【0006】
サンプル定量キャビティは第1のサンプル定量キャビティと第2のサンプル定量キャビティとを含む。
【0007】
反応キャビティは等距離に分布される反応チャンバをいくつか含む。
【0008】
反応チャンバとサンプル空白室の体積は同一である。
【0009】
サンプル定量キャビティ内の反応サンプルと希釈液定量キャビティ内の希釈液とは、それぞれがマイクロ流路I、マイクロ流路IIを介して定量混練キャビティに進入して混練された後に、混練液は順にマイクロ流路III、マイクロ流路IVを介して反応チャンバ及びサンプル空白室に進入し、マイクロ流路I、マイクロ流路II及びマイクロ流路IIIは、それぞれ、対応する液体が流出するチャンバに対してチップ本体の中心位置に近い変曲点を含む。
【0010】
サンプル空白室のチャネルは反応チャンバのチャネルよりも広い。
【0011】
定量混練キャビティ及び反応キャビティとは、それぞれ通気孔と連通している。
【0012】
定量混練キャビティ内の反応サンプルと希釈液の定量比は1:30未満である。
【0013】
好ましくは、定量混練キャビティ内の反応サンプルと希釈液の定量比は1:50である。
【0014】
反応試薬は凍結乾燥法を用いて作製された凍結乾燥ビーズである。
【0015】
凍結乾燥ビーズの半径は0.5mm~1mmにある。
【0016】
サンプル定量キャビティとサンプル溢流キャビティの間のマイクロ流路に、チップの外部に接続されるサンプル通気チャネルがさらに設けられ、希釈液定量キャビティと希釈液溢流キャビティの間のマイクロ流路にも、チップの外部に接続される希釈液通気チャネルが設けられる。
【0017】
チップは扇形構造である。
【0018】
チップはチップ上層及びチップ中層をさらに含み、チップ本体は下層に位置する。
【0019】
チップ本体の両側にスティッチング係止位置それぞれが設けられる。
【0020】
チップ本体は、生化学項目、免疫項目、核酸分子項目及び血液凝固項目を検出するために使用可能である。
【0021】
上記の技術案によれば、本発明は次の利点を有する。
本発明は、反応サンプルと希釈液の定量配合比を1:30未満であるように設計し、必要に応じて反応サンプルと希釈液の適切な割合を選択し、反応サンプルと希釈液の割合を決定した後に、固定構造のマイクロ流体制御・検出チップを設計することによって、使用中に、異なる検出指標に必要な試薬のレシピを変更するだけで、1つのチップ設計テンプレートが異なる項目又は項目の組み合わせ指標の臨床的検出を満たすことを実現することができる。
【0022】
本発明のいくつかの反応チャンバとサンプル空白室の三次元サイズは同一であるため、体積は同一で、反応時に反応サンプルに進入する体積と希釈液に進入する体積はいずれも同一であるため、サンプル空白室を1つだけ設ければ、いくつかの反応チャンバの検出指標の組み合わせの効果的な品質制御を実現するとともに、チップの構造を簡素化し、コストを削減することができる。
【0023】
本発明のサンプル空白室は反応チャンバのアレイの末端に位置し、反応チャンバと1つのマイクロ流路を共有し、また、サンプル空白チャンバ及び混練液溢流室とすることができ、且つ、サンプル空白は反応サンプルと希釈液の混練液であり、検出結果はサンプル自体の影響を排除し、更に、サンプル空白の検出値は反応チャンバに進入するサンプル及び希釈液の量が十分であるか否かを検出することができ、検出結果の精度の向上と検出有効性の判断の二重の機能を兼ねる。
【0024】
本発明の採血量は少なく、1回のサンプル注入で1滴の血だけで複数の指標の同時検出を実現可能であり、血液サンプルの使用量は市販されている一般製品のわずか1/10~1/5であり、特に新生児及び放射線療法、化学療法などの原因による採血が困難な長期腫瘍患者の臨床的検出に適用される。
【0025】
本発明のチップは扇形構造であり、その左右の両側縁に2つのチップをスティッチングするためのスティッチング係止位置それぞれが設けられ、且つ3つのチップは1つの円形チップを形成可能であり、1回で3つのサンプルを検出し、検出サンプルの数量を大幅に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明の多機能マイクロ流体制御・検出チップの全体構造模式図である。
【
図2】本発明の多機能マイクロ流体制御・検出チップにおけるチップ本体の正面構造模式図である。
【
図3】本発明の多機能マイクロ流体制御・検出チップにおけるチップ本体の斜視構造模式図である。
【
図4】本発明の多機能マイクロ流体制御・検出チップ全体の斜視構造の正面模式図である。
【
図5】本発明の多機能マイクロ流体制御・検出チップ全体の斜視構造の背面模式図である。
【
図6】本発明の多機能マイクロ流体制御・検出チップによりスティッチングされた円盤式多機能マイクロ流体制御・検出チップの組み立て構造模式図である。
【
図7】本発明の多機能マイクロ流体制御・検出チップによりスティッチングされた円盤式多機能マイクロ流体制御・検出チップの全体構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照しながら、本発明の技術案を詳細に説明する。ここで説明される具体的実施形態は、本発明を説明するためのものにすぎず、本発明を限定するものではないことを理解すべきである。本願の範囲は、これらの実施形態によって限定されず、特許請求の範囲に従う。より明確な説明を提供し、当業者が本願の出願内容を理解できるようにするために、図面中の各部分は、必ずしもそれらの相対的寸法に従って描かれておらず、図面を簡潔にするために、ある寸法と他の関連する寸法との割合は、強調表示され誇張されており、且つ関連しない又は重要でない詳細部分も完全には描かれていない。
【0028】
図1~4に示すように、本発明の多機能マイクロ流体制御・検出チップは型の射出成形で作製され、検出デバイスと配合して使用可能である。検出チップは扇形の構造であり、好ましくは、円形の3分の1のサイズであり、即ち、左右両側の延長線が交差してなす挟角は120度であり、扇形の構造は円形の一部であってもよく、残りの部分は必要に応じて自分で設計して他の部分を追加してもよい。
【0029】
本発明の多機能マイクロ流体制御・検出チップは上、中、下の3つの層を含み、
図1に示すように、上から下に、順にケーシングとしてのチップ上層1、シール層としてのチップ中層2及びチップ本体3としての下層チップである。
【0030】
チップ上層1には、
図1に示すように、上層サンプル注入キャビティ貫通孔261、上層希釈液貯蔵キャビティ貫通孔262及び1組の上層反応キャビティ貫通孔263が設けられる。上層サンプル注入キャビティ貫通孔261及び上層希釈液貯蔵キャビティ貫通孔262はチップ上層1の中心に近い位置に位置し、上層反応チャンバ貫通孔263はチップ上層1の上縁の内側に等距離に配列して分布される。上層サンプル注入キャビティ貫通孔261はサンプルを添加するために用いられ、上層希釈液貯蔵キャビティ貫通孔262と上層反応キャビティ貫通孔263とは、それぞれが希釈液貯蔵キャビティ12及び各反応キャビティに対応する。
【0031】
チップ中層2には、
図1に示すように、中層サンプル注入キャビティ貫通孔264、中層希釈液貯蔵キャビティ貫通孔265、1組の通気貫通孔266及び1組の位置決め孔貫通孔267が設けられる。中層サンプル注入キャビティ貫通孔264及び中層希釈液貯蔵キャビティ貫通孔265はチップ中層2の中心に近い位置に位置し、それぞれがチップ上層1の上層サンプル注入キャビティ貫通孔261及び上層希釈液貯蔵キャビティ貫通孔262に対応し、通気貫通孔266及び位置決め孔貫通孔267は中層サンプル注入キャビティ貫通孔264及び中層希釈液貯蔵キャビティ貫通孔265よりも順にチップ中層2の中心位置から離れ、通気貫通孔266は下層チップ本体3上の1組の通気孔I 221、通気孔II 222に対応し、位置決め孔貫通孔267は下層チップ本体3上の1組の位置決め孔25に対応する。
【0032】
チップ本体3は、
図1~3に示すように、サンプル注入キャビティ4、サンプル定量キャビティ、サンプル溢流キャビティ11、希釈液貯蔵キャビティ12、希釈液定量キャビティ15、希釈液溢流キャビティ16、定量混練キャビティ17、反応キャビティ及び通気孔I 221、通気孔II 222が設けられ、各チャンバの間は、いずれもマイクロ流路により接続される。
【0033】
サンプル注入キャビティ4及び希釈液貯蔵キャビティ12はチップ本体3の中心に近い位置に位置し、サンプル注入キャビティ4の頂部にサンプルカバー5が設けられ、サンプルカバー5に検出されるサンプルを注入可能なサンプル注入口6が設けられ、希釈液貯蔵キャビティ12内に希釈液カプセル13が設けられ、底部に希釈液を注入可能な穿刺構造14が設けられる。サンプル定量キャビティは第1のサンプル定量キャビティ9と第2のサンプル定量キャビティ10とを含み、第1のサンプル定量キャビティ9及び第2のサンプル定量キャビティ10はサンプル注入キャビティ4と連通しており、第1のサンプル定量キャビティ9及び第2のサンプル定量キャビティ10はサンプル注入キャビティ4よりもチップ本体3の中心位置から離れるため、チップ本体3が遠心デバイスにより駆動されて回転すると、サンプル注入キャビティ4内のサンプルは遠心作用でサンプル注入キャビティ4の底面端口を通過し、裏面流路を通って、次に表面流路を通って第1のサンプル定量キャビティ9及び第2のサンプル定量キャビティ10に向かって流れ、裏面流路の入口はサンプル注入キャビティ4の第1のサンプル定量キャビティ9に近い側の底部に位置し、表面流路の出口は第1のサンプル定量キャビティ9のチップ本体3の中心位置に近い側に位置し、裏面流路と表面流路は、裏面流路入口と表面流路出口との2点間に結線する中点で上下に垂直な流路により接続され、サンプル注入キャビティ4の底面にサンプルが裏面流路を流れるときに溢れ出すことを防止するサンプル注入キャビティ流路シールフィルム8が設けられる。第1のサンプル定量キャビティ9及び第2のサンプル定量キャビティ10は、上層血漿と下層血球系細胞のよりよい分離及び血漿サンプルの定量を実現するために設けられる。希釈液定量キャビティ15は希釈液貯蔵キャビティ12と連通しており、希釈液定量キャビティ15は希釈液貯蔵キャビティ12よりもチップ本体3の中心位置から離れる必要があるため、チップ本体3が遠心デバイスにより駆動されて回転すると、希釈液貯蔵キャビティ12内の希釈液は遠心作用で希釈液定量キャビティ15に向かって流れる。第1のサンプル定量キャビティ9及び第2のサンプル定量キャビティ10と希釈液定量キャビティ15との体積比により、反応サンプルと希釈液の混合割合が決められる。
【0034】
溢流キャビティはサンプル溢流キャビティ11と希釈液溢流キャビティ16とを含み、それぞれが第1のサンプル定量キャビティ9及び希釈液定量キャビティ15に接続される。サンプル溢流キャビティ11は第1のサンプル定量キャビティ9及び第2のサンプル定量キャビティ10よりもチップ本体3の中心位置から離れるため、チップ本体3が遠心駆動されて回転すると、第1のサンプル定量キャビティ9と第2のサンプル定量キャビティ10の容量を超えるサンプルは遠心力の付勢でサンプル溢流キャビティ11に流入する。希釈液溢流キャビティ16は希釈液定量キャビティ15よりもチップ本体3の中心位置から離れるため、チップ本体3が遠心駆動されて回転すると、希釈液定量キャビティ15の容量を超える希釈液は遠心力の付勢で希釈液溢流キャビティ16に流れる。
【0035】
第1のサンプル定量キャビティ9とサンプル溢流キャビティ11の間のマイクロ流路は、さらに1つのサンプル通気チャネル23を介してチップ外部に接続され、同様に、希釈液定量キャビティ15と希釈液溢流キャビティ16の間のマイクロ流路も、1つの希釈液通気チャネル24を介してチップ外部に接続される。通気チャネルを設けることで希釈液とサンプルの流れをより順調にすることができる。
【0036】
定量混練キャビティ17はそれぞれマイクロ流路I 191によって第1のサンプル定量キャビティ9及び第2のサンプル定量キャビティ10と連通しており、マイクロ流路II 192によって希釈液定量キャビティ15と連通しており、定量混練キャビティ17は第1のサンプル定量キャビティ9及び第2のサンプル定量キャビティ10と希釈液定量キャビティ15よりもチップ本体3の中心位置から離れる必要があり、定量のサンプルと定量の希釈液を混合して希釈した後に検出するために用いることができる。
【0037】
定量混練キャビティ17はマイクロ流路III 193及びマイクロ流路IV 194によって、各反応チャンバ18内の検出試薬と反応するように、混練液を反応キャビティにおける各反応チャンバ18に流入させる。反応キャビティは等距離に分布されるいくつかの反応チャンバ18及び流路末端に位置する1つのサンプル空白室21を含み、反応チャンバ18の体積はいずれも同一であり、内部に反応に必要な反応試薬が設けられ、反応試薬は凍結乾燥法を用いて作製された凍結乾燥ビーズであってもよく、それぞれの凍結乾燥ビーズの半径は0.5mm~1mmにあり、体積が非常に小さい反応試薬は同一サイズのチップにおける反応チャンバ18の担持量を増加させ、検出感度及び検出効率を効果的に向上させ、また、反応試薬は凍結乾燥ビーズを用いることにより、試薬貯蔵の有効期限を効果的に延長する。
【0038】
サンプル空白室21のチャネルは他の反応チャンバ18のチャネルよりも広く、さらにチップ混練液の溢流により多い貯蔵空間を提供可能である。検出結果に対する異なるサンプル自体の影響を排除し、反応チャンバ18に進入する反応サンプルと希釈液の量が十分であるか否かを検出し、検出結果をより高精度にするために、サンプル空白室21には定量混練キャビティ17の液体が進入可能である。また、本発明の多機能マイクロ流体制御チップにおけるサンプル空白室21は同時に混練液溢流室とすることができ、各反応チャンバ18で反応した後に、余分な混練液はサンプル空白室21に進入可能である。
【0039】
定量混練キャビティ17及びサンプル空白室21は、
図2に示すように、マイクロ流路を介して、それぞれ通気孔I 221、通気孔II 222と連通している。通気孔I 221、通気孔II 222は、
図3に示すように、チップ下層に位置するチップ本体3を貫通し、
図5に示すように、チップ本体3の背面から通気孔I 221及び通気孔II 222が見え、通気孔I 221及び通気孔II 222を設けることで液体の流れをより順調にする。
【0040】
前述の希釈液貯蔵キャビティ12に貯蔵された希釈液は液体状態で希釈液カプセル13にカプセル化され、希釈液カプセル13の底面にシールフィルムがあり、材質は穿刺可能な材料、例えば、プラスチック、アルミニウム箔又はアルミニウム-プラスチック複合材料などであり、検出時に、セットの検出機器はチップ上層1の上層希釈液貯蔵キャビティ貫通孔262を通じて希釈液カプセル13を押し、希釈液カプセル13の底面のシールフィルムを穿刺構造14に接触させ、希釈液カプセル13を破裂させ、内部の希釈液が流出する。
【0041】
前述のマイクロ流路I 191、マイクロ流路II 192及びマイクロ流路III 193のパイプ形状の設計は、毛細管現象及びサイホン作用を考慮して、実験需要に応じて設置され、マイクロ流路I 191の変曲点の位置はサンプル定量キャビティよりもチップ本体3の中心位置に近く、マイクロ流路II 192の変曲点の位置は希釈液定量キャビティ15よりもチップ本体3の中心位置に近く、マイクロ流路III 193の変曲点の位置は定量混練キャビティ17よりもチップ本体3の中心位置に近く、遠心作用が停止すると、毛細管現象により液体がマイクロ流路の変曲点に流れ、次に、遠心力を印加し、液体がサイホン作用で次のチャンバに流入し、サイホンバルブの役割を果たす。
【0042】
本発明の多機能マイクロ流体制御チップは、定量混練キャビティ17の左右両側に位置する1組の位置決め孔25をさらに含み、具体的には、チップ層間の位置精度を確保するために用いられ、チップ層と層の間は位置決め孔25によって一体に挿着される。
【0043】
図6及び
図7に示すように、本発明の多機能マイクロ流体制御チップは、チップ本体3の上縁の左右両側に位置するスティッチング係止位置20をさらに含み、具体的には、隣接する2つのチップをスティッチングするために用いられ、且つ最終的に3つの扇形チップ本体3をスティッチングして1つの円形チップを形成することができ、検出サンプルの数をさらに増加させる。
【0044】
本発明の多機能マイクロ流体制御・検出チップを使用するときの、具体的な過程は次のとおりである。全血サンプルは、上層サンプル注入キャビティ貫通孔261を介してサンプル注入キャビティ4に進入し、セットの検出機器を設置し、検出機器の希釈液解放構造は、上層希釈液貯蔵キャビティ貫通孔262を通して希釈液カプセル13を押し、希釈液カプセル13の底面のシールフィルムを穿刺構造14に接触させ、希釈液カプセル13を破裂させ、希釈液が流出する。遠心作用で、血液と希釈液は、それぞれ異なるマイクロ流路経路を流れ、血液サンプルは第1のサンプル定量キャビティ9及び第2のサンプル定量キャビティ10に進入し、余分な血液はマイクロ流路を介してサンプル溢流キャビティ11に進入し、血液サンプルは遠心により上層血漿と下層血球系細胞に分離し、下層血球系細胞は主に第1のサンプル定量キャビティ9に沈着し、希釈液はマイクロ流路を介して希釈液定量キャビティ15に進入し、希釈液定量キャビティ15内の余分な希釈液はマイクロ流路を介して希釈液溢流キャビティ16に進入する。通気チャネルを設けることで希釈液と血液サンプルの流れをより順調にし、遠心作用で異なる回転速度と遠心方向を設置可能であり、遠心が停止した後に、血漿と希釈液は毛細管現象でそれぞれマイクロ流路I 191とマイクロ流路II 192の変曲点に流れ、次に遠心力を印加し、サイホン作用で定量の血漿と希釈液を定量混練キャビティ17に進入させ、機器に対する厳格な遠心パラメータの設置により、血漿と希釈液を定量混練キャビティ17内に十分に混練させる。遠心動作が停止すると、混練液は、毛細管現象でマイクロ流路III 193の変曲点に流れ、次に遠心力を印加し、サイホン作用でマイクロ流路IV 194を介して順に各反応チャンバ18に進入する。余分な混練液はサンプル空白室21内に進入し、反応チャンバ18とサンプル空白室21の三次元サイズ及び体積は同一であり、反応チャンバ18の内部の固定試薬レシピは異なり、サンプル空白室21は混練液溢流室を兼ね、通気孔I 221、通気孔II 222を設けることで液体の流れをより順調にする。混練液は反応チャンバ18内でその中に予め設置された固定反応試薬(凍結乾燥ビーズ)を溶解し、十分に反応し、セットの検出機器の光路検出装置は、それぞれの反応室を光検出し、検出結果を算出する。
【0045】
本発明の反応サンプルと希釈液の割合は固定し、割合は1:30未満であるように設計し、例えば、1:40、1:50などに設計し、実際の使用要求に応じて設計し、反応サンプルと希釈液の割合を決定した後に、固定構造のマイクロ流体制御チップを設計することによって、反応チャンバ18内の検出試薬レシピを変更するだけで、複数の指標の同時検出を実現可能であり、且つ採血量が少なく、1回のサンプル注入量は20μL(1滴の血)だけで複数の指標の同時検出を実現可能であり、血液サンプルの使用量は市販されている一般製品のわずか1/10~1/5であり、特に新生児及び放射線療法、化学療法などの原因による採血が困難な長期腫瘍患者の臨床的検出に適用される。反応キャビティのサンプル空白室21内の溶液と反応チャンバ18内の溶液との違いは、反応試薬を含まないこと、即ち、反応サンプルと希釈液を混練した混練液をサンプル空白とすることであり、この方法により、検出結果の確実性を大幅に向上させることができる。
【0046】
図2に示すように、反応サンプルと希釈液の割合を1:50に固定すると、遠心後に、定量の血漿4μLと定量希釈液200μLを混合した後に、同一の容量のいくつかの反応チャンバ18及びサンプル空白室21に進入させる。反応チャンバ18内の反応サンプルと希釈液の体積はいずれも同一であるため、サンプル空白室21を1つだけ設ければ、チップのいくつかの検出指標の効果的な品質制御を実現するとともに、チップの構造を簡素化し、コストを削減することができる。
【0047】
本発明の多機能マイクロ流体制御・検出チップは、生化学項目、免疫項目、核酸分子項目及び血液凝固項目を含む検出項目に使用可能である。具体的な生化学項目指標は、総ビリルビン、直接ビリルビン、総胆汁酸、総タンパク質、アルブミン、アルブミン/グロブリン、アラニンアミノトランスフェラーゼ、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、アルカリホスファターゼ、γ-グルタミルトランスフェラーゼ、カリウム、ナトリウム、塩素、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄、二酸化炭素、アンモニア、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼミトコンドリアアイソザイム(ASTm)、乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)、クレアチンキナーゼ(CK)、α-ヒドロキシ酪酸デヒドロゲナーゼ(α-HBD)、クレアチンキナーゼアイソザイム(CK-MB)、尿素窒素(BUN)、クレアチニン(Cr)、システイナーゼ阻害剤C(Cys C)、尿酸、新生児低酸素性虚血性脳症、グルコース、コレステロール、トリラウリン、遊離脂肪酸、リン脂質、CRP、α-フェトプロテイン、コリンエステラーゼ、ジアスターゼを含む。
【0048】
免疫項目指標は、心筋トロポニンI、プロカルシトニン、N末端脳性ナトリウム利尿ペプチド前駆体、甲状腺刺激ホルモン、総トリヨードチロニン、遊離トリヨードチロニン、総チロキシン、遊離チロキシン、エストラジオール、抗ミュラー管ホルモン、脳性ナトリウム利尿ペプチド、心臓型脂肪酸結合タンパク質、インターロイキン6、リポタンパク質関連ホスホリパーゼA2、血清アミロイドA、可溶性成長刺激発現遺伝子2タンパク質、クレアチンキナーゼアイソザイムCK-MB、ミオグロビンMyo、黄体形成ホルモン、卵胞刺激ホルモン、プロラクチン、テストステロン、プロゲステロン、25-ヒドロキシビタミンD3、25ヒドロキシビタミンD、免疫グロブリンG4、心筋トロポニンT、ミエロペルオキシダーゼ、アルドステロン、レニン、ホモシステイン、D-ダイマー、S100-βタンパク質、ガレクチン3、ヒト成長分化因子15、Pセレクチン、レニン活性、アンギオテンシンI、アンギオテンシンII、高感度心筋トロポニンIを含む。
【0049】
核酸分子項目指標は、肺炎マイコプラズマ、肺炎クラミジア、レジオネラ・ニューモフィラ、A型インフルエンザウイルス、B型インフルエンザウイルス、百日咳菌、肺炎レンサ球菌、呼吸器合胞体ウイルス、パラインフルエンザウイルス、ライノウイルス、呼吸器アデノウイルスを含む。
【0050】
血液凝固項目指標は、プロトロンビン時間PT、トロンビン時間TT、活性化部分トロンボプラスチン時間APTT、活性化血液凝固時間ACT、フィブリノーゲンFIB、フィブリン分解産物FDP、血液凝固因子Xa、ラッセル蛇毒時間(Russel’s viper venom time、RVVT)、アンチトロンビンIII(ATIII)、D-ダイマー(D-Dimer)を含む。
【0051】
本発明の非限定的な生化学検出の使用実施例では、まず、検出試薬を反応チャンバ18に固定し、凍結乾燥法を用いて、すなわち、凍結乾燥ビーズを作製し、それぞれの凍結乾燥ビーズの直径は0.5~1.0mmであり、4~8℃で乾燥保管する。具体的なステップは次のとおりである。
凍結ビーズの製造:自動ビーズ滴下機(廈門武門自動化科技有限公司、LC200-R)の液滴体積を調整し、試薬ビーズ1滴あたり2~100マイクロリットル(好ましくは、4マイクロリットル)の精度で、液体窒素が入ったセットの保温容器に入れ、同時に液面の高さなどのパラメータを調整し、機器のビーズ滴下を開始し、試薬を液体窒素に滴下して凍結ビーズを急速に形成し、液体窒素容器の底部に沈ませ、最後に凍結ビーズを凍結乾燥容器に注ぎ、さらに真空凍結乾燥する。
【0052】
凍結乾燥ビーズの製造:上記の凍結ビーズを真空凍結乾燥機(上海東富龍科技、LYO-0.5)に入れ、機器のパラメータを設定し、乾燥時間は24~28時間であり、凍結ビーズを脱水して凍結乾燥ビーズを形成し、完了後に取り出して密閉容器に入れる。
【0053】
本発明のマイクロ流体制御・検出チップの構造を固定し、反応サンプルと希釈液の割合を1:50に設計する。本発明の多機能マイクロ流体制御・検出チップを用いると、1回のサンプル注入で必要となる全血はわずか20μLで、セットの検出機器に入れると、希釈液は希釈液貯蔵キャビティ12から流出し、希釈液定量キャビティ15に進入し、余分な希釈液は希釈液溢流キャビティ16に進入し、全血サンプルを遠心した後に層分離し、血球系細胞は主に第1のサンプル定量キャビティ9に沈着し、第2のサンプル定量キャビティ10では血漿であり、定量の血漿4μLと定量希釈液200μLを定量混練キャビティ17で混合した後に、同一の容量の9つの反応チャンバ18及び1つのサンプル空白室21に進入し、混練液は反応チャンバ18でその中の固定反応試薬を溶解し、十分に反応し、セットの検出機器の光路検出装置は、それぞれの反応チャンバ18及びサンプル空白室21を光学検出し、検出結果を得る。
【0054】
9つの反応チャンバ18の検出結果は、サンプル空白室21の検出結果を差引き、結果に対する異なるサンプルの影響を排除し、反応チャンバ18に進入する反応サンプルと希釈剤の量が十分であるか否かを検出することもでき、検出結果の精度の向上と検出有効性の判断の二重の機能を兼ねる。
【0055】
本発明の血液サンプルの使用量は市販されている一般製品のわずか1/10~1/5であり、採血量が少なく、特に新生児及び放射線療法、化学療法などの原因による採血が困難な長期腫瘍患者の臨床的検出に適用される。マイクロ流体制御・検出チップの構造を固定し、反応サンプルと希釈液の割合を固定し、異なる検出指標に必要な試薬のレシピを変更するだけで、1つのチップ設計テンプレートが異なる項目又は項目の組み合わせの臨床的検出を満たすことを実現することができる。
【0056】
スティッチング係止位置20を設けることで3つのチップ検出チップを1つの円形の検出チップに組み立て可能であり、3つの異なるサンプルを同時に検出し、検出サンプルのフラックスを向上させることができる。
【0057】
【表1】
製品1及び製品2のサンプルと試薬の比は固定しないが、本発明は、チップを担体として、サンプルと試薬比の固定を実現し、次いで、チップの構造を固定し、反応セールの三次元サイズと体積が同一で、反応セールに進入するサンプル量が同一であることを確保し、異なる検出指標の試薬レシピを変更するだけで、チップ構造を固定し、型開のコストを削減し、大量生産に寄与することができる。
【0058】
【0059】
【0060】
【0061】
【0062】
【0063】
【0064】
【表3-6】
以上により、本発明の製品は優れた性能を達成することができ、製品の検出結果は正確で安定していることが分かる。
【0065】
上記は、本発明の好ましい実施例にすぎず、本発明を限定するためのものではなく、いずれの当業者も、本発明の原理及び主旨から逸脱することなく、これらの実施例に様々な変更、修正、置換及び変形を加えることができ、本発明の範囲は、特許請求の範囲及びそれらの同等物によって限定される。
【0066】
符号の説明
1.チップ上層、2.チップ中層、3.チップ本体、4.サンプル注入キャビティ、5.サンプルカバー、6.サンプル注入口、7.サンプル注入キャビティ流路、8.サンプル注入キャビティ流路シールフィルム、9.第1のサンプル定量キャビティ、10.第2のサンプル定量キャビティ、11.サンプル溢流キャビティ、12.希釈液貯蔵キャビティ、13.希釈液カプセル、14.穿刺構造、15.希釈液定量キャビティ、16.希釈液溢流キャビティ、17.定量混練キャビティ、18.反応チャンバ、191.マイクロ流路I、192.マイクロ流路II、193.マイクロ流路III、194.マイクロ流IV、20.スティッチング係止位置、21.サンプル空白室、221.通気孔I、222.通気孔II、23.サンプル通気チャネル、24.希釈液通気チャネル、25.位置決め孔、261.上層サンプル注入キャビティ貫通孔、262.上層希釈液貯蔵キャビティ貫通孔、263.上層反応キャビティ貫通孔、264.中層サンプル注入キャビティ貫通孔、265.中層希釈液貯蔵キャビティ貫通孔、266.通気貫通孔、267.位置決め孔貫通孔。
【国際調査報告】