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特表2023-509406障害物に対するロボットの回避のためのエッジ経路の選択方法、チップ及びロボット
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  • 特表-障害物に対するロボットの回避のためのエッジ経路の選択方法、チップ及びロボット 図1
  • 特表-障害物に対するロボットの回避のためのエッジ経路の選択方法、チップ及びロボット 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-08
(54)【発明の名称】障害物に対するロボットの回避のためのエッジ経路の選択方法、チップ及びロボット
(51)【国際特許分類】
   G05D 1/02 20200101AFI20230301BHJP
【FI】
G05D1/02 H
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022539184
(86)(22)【出願日】2020-11-24
(85)【翻訳文提出日】2022-06-24
(86)【国際出願番号】 CN2020131190
(87)【国際公開番号】W WO2022000961
(87)【国際公開日】2022-01-06
(31)【優先権主張番号】202010614362.5
(32)【優先日】2020-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520347351
【氏名又は名称】珠海一微半導体股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】AMICRO SEMICONDUCTOR CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Room 2706,3000 Huandao East Road,Hengqin New District,Zhuhai,Guangdong 519000(CN)
(74)【代理人】
【識別番号】100142365
【弁理士】
【氏名又は名称】白井 宏紀
(72)【発明者】
【氏名】李 明
【テーマコード(参考)】
5H301
【Fターム(参考)】
5H301AA01
5H301AA10
5H301BB11
5H301BB14
5H301CC03
5H301CC06
5H301CC10
(57)【要約】
障害物に対するロボットの回避のためのエッジ経路の選択方法、チップ及びロボットであって、その方法は、まずロボットが障害物を回避するためのエッジ予測経路を計画し、且つ予め設定されたナビゲーション経路上でガイド条件を満たす既定変曲点を選択するステップであって、ロボットをガイドして最終的なナビゲーション目標点に移動させるための変曲点の接続により構成されるナビゲーション経路がロボットに予め設定されるステップと、次いで各エッジ予測経路上の全てのエッジ行動点と同一のナビゲーション経路上のガイド条件を満たす既定変曲点との距離情報に基づき、このナビゲーション経路に対する乖離程度が最も小さいエッジ予測経路を選択し、それによりロボットは障害物に衝突した後にこの選択されたエッジ予測経路のエッジ方向に走行して、障害物を回避することができるステップと、を含む。これにより、ロボットの障害物回避過程における衝突回数を減少させ、ロボットが前記ナビゲーション経路から逸脱しすぎることも避けて、ロボットのスマート化レベルを向上させる。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
まずロボットが障害物を回避するためのエッジ予測経路を計画し、且つ予め設定されたナビゲーション経路上でガイド条件を満たす既定変曲点を選択するステップであって、ロボットをガイドして最終的なナビゲーション目標点に移動させるための変曲点の接続により構成されるナビゲーション経路がロボットに予め設定されるステップと、
次いで各エッジ予測経路上の全てのエッジ行動点と同一のナビゲーション経路上のガイド条件を満たす既定変曲点との距離情報に基づき、このナビゲーション経路に対する乖離程度が最も小さいエッジ予測経路を選択し、それによりロボットは障害物に衝突した後にこの選択されたエッジ予測経路のエッジ方向に走行して、障害物を回避することができるステップと、を含むことを特徴とする、障害物に対するロボットの回避のためのエッジ経路の選択方法。
【請求項2】
予め設定されたナビゲーション経路上でガイド条件を満たす既定変曲点を選択する前記ステップは、
まず前記ナビゲーション経路から1つの目標変曲点を選択し、次にこの目標変曲点及びこの目標変曲点から開始して前記ナビゲーション経路のナビゲーション進行方向に沿って順次設置された1つ又は2つの変曲点に前記最終的なナビゲーション目標点が存在するか否かをそれぞれ判断することにより、ガイド条件を満たす既定変曲点を選択するステップであって、
前記ナビゲーション経路のナビゲーション進行方向は、ロボットをガイドして前記最終的なナビゲーション目標点に移動させるためのロボットナビゲーション方向であり、前記最終的なナビゲーション目標点は前記ナビゲーション経路の終点でもあり、前記ナビゲーション経路における1つの変曲点に属するステップを含む、ことを特徴とする、請求項1に記載のエッジ経路の選択方法。
【請求項3】
前記目標変曲点から開始して前記ナビゲーション経路のナビゲーション進行方向に沿って順次設置された2つの変曲点に前記最終的なナビゲーション目標点が存在しないと判断した場合、ガイド条件を満たす前記既定変曲点は、前記目標変曲点と、前記ナビゲーション経路においてこの目標変曲点から開始して前記ナビゲーション経路のナビゲーション進行方向に沿って順次設置される2つの変曲点とを含むことを決定し、
前記目標変曲点から開始して前記ナビゲーション経路のナビゲーション進行方向に沿って連続して設置された第1変曲点又は第2変曲点が前記最終的なナビゲーション目標点であると判断した場合、ガイド条件を満たす前記既定変曲点は、前記ナビゲーション経路において、前記目標変曲点から開始して前記ナビゲーション経路のナビゲーション進行方向に沿って前記最終的なナビゲーション目標点まで配列される全ての変曲点を含むことを決定し、該全ての変曲点にも前記目標変曲点及び前記最終的なナビゲーション目標点が含まれ、第1変曲点は前記ナビゲーション経路のナビゲーション進行方向において前記目標変曲点に隣接して設置され、第2変曲点は前記ナビゲーション経路のナビゲーション進行方向において第1変曲点に隣接して設置され、
前記ナビゲーション経路上で選択された目標変曲点が前記最終的なナビゲーション目標点であると判断した場合、ガイド条件を満たす前記既定変曲点は前記最終的なナビゲーション目標点のみであることを特徴とする、請求項2に記載のエッジ経路の選択方法。
【請求項4】
予め設定されたナビゲーション経路上で目標変曲点を選択するステップは、ロボットの現在位置を中心とし、且つロボットの現在位置との最大距離を第1既定距離閾値としたグリッド座標で構成された変曲点比較領域を確立するステップと、
この変曲点比較領域が1つの前記変曲点のみを有する場合、この前記変曲点を選択して前記目標変曲点としてマーキングするステップと、
この変曲点比較領域に2つ以上の前記変曲点が存在する場合、ロボットの現在位置との距離が第1既定距離閾値より小さい変曲点のうち、前記ナビゲーション経路のナビゲーション進行方向に沿って前記最終的なナビゲーション目標点に最も近い変曲点を選択して、前記目標変曲点としてマーキングするステップと、
この変曲点比較領域に前記変曲点がない場合、前記ナビゲーション経路のナビゲーション進行方向に沿って、前記ナビゲーション経路上でロボットが最新にマーキングした目標変曲点に隣接する変曲点を選択して新規目標変曲点としてマーキングするステップと、を含み、
ロボットの現在位置と前記変曲点のうち1つとの距離が第2既定距離閾値より小さい場合、ロボットの現在位置がこの前記変曲点と重なったと決定し、第2既定距離閾値は第1既定距離閾値より小さい、ことを特徴とする、請求項3に記載のエッジ経路の選択方法。
【請求項5】
各エッジ予測経路上の全てのエッジ行動点と同一のナビゲーション経路上のガイド条件を満たす既定変曲点との距離情報に基づき、このナビゲーション経路に対する乖離程度が最も小さいエッジ予測経路を選択し、それによりロボットは障害物に衝突した後にこの選択されたエッジ予測経路のエッジ方向に走行して、障害物の回避を実現する前記ステップは、
前記エッジ予測経路は左エッジ予測経路と右エッジ予測経路を含み、左エッジ予測経路のエッジ方向と右エッジ予測経路のエッジ方向は逆であるステップと、
前記ナビゲーション経路のガイド条件を満たす既定変曲点から左エッジ予測経路上の同じエッジ行動点までの距離を計算し、さらにこれらの距離を加算することにより、エッジ行動点のガイド条件を満たす既定変曲点に対して生成した左側局所距離の和を取得し、次いで前記計算ステップを繰り返すことにより左エッジ予測経路上の各エッジ行動点のガイド条件を満たす既定変曲点に対して生成した左側局所距離の和を取得し、
さらにこれらの左側局所距離の和を加算することにより、左エッジ予測経路のガイド条件を満たす既定変曲点に対して生成した左側距離の総和を取得し、該総和は左エッジ予測経路の前記ナビゲーション経路に対する乖離程度を示すために用いられるステップと、
同時に、前記ナビゲーション経路のガイド条件を満たす既定変曲点から右エッジ予測経路上の同じエッジ行動点までの距離を計算し、さらにこれらの距離を加算することにより、エッジ行動点のガイド条件を満たす既定変曲点に対して生成した右側局所距離の和を取得し、次いで前記計算ステップを繰り返すことにより右エッジ予測経路上の各エッジ行動点のガイド条件を満たす既定変曲点に対して生成した右側局所距離の和を取得し、
さらにこれらの右側局所距離の和を加算することにより、右エッジ予測経路のガイド条件を満たす既定変曲点に対して生成した右側距離の総和を取得し、該総和は右エッジ予測経路の前記ナビゲーション経路に対する乖離程度を示すために用いられるステップと、
左側距離の総和が右側距離の総和より大きい場合、右エッジ予測経路が、前記ナビゲーション経路に対する乖離程度が最小のエッジ予測経路であると決定し、右エッジ予測経路を選択し、それによりロボットは障害物に衝突した後にこの選択された右エッジ予測経路のエッジ方向に走行して、障害物を回避することができるステップと、
右側距離の総和が左側距離の総和より大きい場合、左エッジ予測経路が、前記ナビゲーション経路に対する乖離程度が最小のエッジ予測経路であると決定し、左エッジ予測経路を選択し、それによりロボットは障害物に衝突した後にこの選択された左エッジ予測経路のエッジ方向に走行して、障害物を回避することができるステップと、を含み、
右側距離の総和が小さいほど、右エッジ予測経路の前記ナビゲーション経路に対する乖離程度が小さく、左側距離の総和が小さいほど、左エッジ予測経路の前記ナビゲーション経路に対する乖離程度が小さいことを特徴とする、請求項1又は4に記載のエッジ経路の選択方法。
【請求項6】
前記ナビゲーション経路は1組の規則的に分布する変曲点を接続して構成され、前記ナビゲーション経路において、前記ナビゲーション経路のナビゲーション進行方向に沿って設定された変曲点の計画番号は順次インクリメントされ、
ガイド条件を満たす前記既定変曲点の計画番号は順次インクリメントされ、前記目標変曲点の計画番号より小さい変曲点はロボットがすでにトラバースした変曲点としてマーキングされ、
前記最終ナビゲーション目標点の計画番号が最大であり、前記ナビゲーション経路のナビゲーション進行方向において、前記最終ナビゲーション目標点に近い変曲点ほど、対応する計画番号が大きくなることを特徴とする、請求項4に記載のエッジ経路の選択方法。
【請求項7】
さらに、ロボットが前記ナビゲーション経路に従って走行し始めた後、既定時間内にロボットが位置する座標位置の変化量が距離安定閾値より大きいか否かを判断し、大きければロボットを制御して前記エッジ予測経路を計画し、そうでなければロボットを制御してエッジ方向を変更し、ロボットを現在確定されたエッジ方向と逆の方向に沿って走行させるステップであって、現在決定されたエッジ方向はロボットの通電起動時に予め設定されたエッジ方向及び前回選択した前記ナビゲーション経路に対する乖離程度が最も小さいエッジ予測経路のエッジ方向を含むステップを含み、
ロボットが障害物を回避するためのエッジ方向が逆である2つのエッジ予測経路を計画できないと判断した場合、ロボットを制御して現在決定されたエッジ方向と逆の方向に沿って走行させ、
距離安定閾値はロボットの本体直径の大きさに設定されることを特徴とする、請求項1又は5に記載のエッジ経路の選択方法。
【請求項8】
前記エッジ予測経路の計画方法は、
ロボットが障害物に現在衝突した後、障害物情報を予めマーキングしたグリッド地図上に衝突点をマーキングするステップ1と、
ステップ1の現在マーキングされた衝突点の近傍において、エッジ障害物回避の条件を満たすグリッドを選択し、且つ選択されたグリッドをロボットが障害物のエッジに沿って走行するためのエッジ行動点としてマーキングすることにより、これらのエッジ行動点は前記エッジ予測経路を構成するステップ2と、を含むことを特徴とする、請求項7に記載のエッジ経路の選択方法。
【請求項9】
前記ステップ2は、
ステップ1の現在マーキングされた衝突点との距離関係が最も近い距離条件を満たす障害物点を検索するステップ21と、
ステップ21で検索された障害物点の近傍において、予備エッジ条件を満たすグリッドを検索するステップ22と、
予備エッジ条件を満たすグリッドの数が第2既定グリッド数に達したと統計した場合、これらの予備エッジ条件を満たすグリッドのうち前記最適なエッジ条件を満たすグリッドを選択し、前記エッジ障害物回避の条件を満たすグリッドとしても選択するステップ23と、
ステップ23で選択された前記最適なエッジ条件を満たすグリッドを新規衝突点としてマーキングし、且つロボットが障害物のエッジに沿って走行するための対応するエッジ予測経路上の新規計画されたエッジ行動点として追加し、同時にこの新規衝突点を前記ステップ1で現在マーキングされた衝突点として更新し、
障害物回避のための既定グリッド数であるエッジ行動点をマーキングするまでステップ21に戻って実行するステップ24と、を含み、
ステップ21において最も近い距離条件を満たす障害物点を検索できない場合、前記エッジ予測経路を計画できないと決定するか、又は、ステップ22において予備エッジ条件を満たすグリッドを検索できない場合、前記エッジ予測経路を計画できないと決定することを特徴とする、請求項8に記載のエッジ経路の選択方法。
【請求項10】
前記ステップ23において、前記最適なエッジ条件を満たすグリッドは、前記予備エッジ条件を満たすグリッドのうちロボットの現在位置との接続線が障害物のエッジに最も近いとして選択されるグリッドを含み、
前記エッジ経路の選択方法を実行する過程において、ロボットの現在位置は不変であることを特徴とする、請求項9に記載のエッジ経路の選択方法。
【請求項11】
前記ステップ23は、
前記予備エッジ条件を満たすグリッドの統計数が第2既定グリッド数に達した時、これらの前記予備エッジ条件を満たすグリッドとロボットの現在位置との相対位置関係に基づき、これらのグリッドのうちロボットの現在位置との接続線が障害物のエッジに最も近いグリッドを選択することにより、前記エッジ障害物回避の条件を満たすことを含むことを特徴とする、請求項10に記載のエッジ経路の選択方法。
【請求項12】
前記予備エッジ条件を満たすグリッドとロボットの現在位置との相対位置関係の計算方法は、
ロボットの現在位置を原点とし、ロボットの本体右側方向をX軸正方向、ロボットの現在の前進方向をY軸正方向として、ロボット座標系を確立するステップであって、ロボットの現在位置はロボットの本体中心が位置する地図位置と等価であるステップと、
ロボット座標系において、前記各最適なエッジ条件を満たすグリッドのロボット座標系の原点に対する座標値及び角度値をそれぞれ算出するステップと、を含むことを特徴とする、請求項11に記載のエッジ経路の選択方法。
【請求項13】
前記衝突点は前衝突点と、左衝突点と、右衝突点と、を含み、
ロボットの本体左前部に左衝突検出器が設置され、該左衝突検出器は、ロボットの進行方向左側に衝突した障害物を検出するために用いられ、それによりロボットが障害物のエッジに沿って反時計回りにエッジ走行する時に本体左側に衝突した障害物を検出し、且つ対応する方向における障害物上の衝突点を左衝突点としてマーキングするために用いられ、
ロボットの本体右前部に右衝突検出器が設置され、該右衝突検出器は、ロボットの進行方向右側に衝突した障害物を検出するために用いられ、それによりロボットが障害物のエッジに沿って時計回りにエッジ走行する時に本体右側に衝突した障害物を検出し、且つ対応する方向における障害物上の衝突点を右衝突点としてマーキングするために用いられ、
左衝突検出器及び右衝突検出器はロボットの本体の左右両側に対称に設置され、ロボットの正面が障害物に衝突すると、左衝突検出器及び右衝突検出器を同時にトリガして検出し、且つ対応する方向における障害物上の衝突点を前衝突点としてマーキングし、それによりロボットが同一位置でマーキングした前衝突点、左衝突点、右衝突点をいずれもロボットが真正面に衝突した障害物の輪郭線の接線上に位置させ、障害物の輪郭線はグリッド地図上にマーキングして形成されることを特徴とする、請求項12に記載のエッジ経路の選択方法。
【請求項14】
これらの前記予備エッジ条件を満たすグリッドとロボットの現在位置との相対位置関係に基づき、これらのグリッドのうちロボットの現在位置との接続線が障害物のエッジに最も近いグリッドを選択する前記ステップは、
前記ステップ1において現在マーキングされた衝突点が前記左衝突点である場合、ロボットの現在位置に対して障害物のエッジに沿って反時計回りに分布し、且つ前記ロボットの現在位置に対する角度値が最大の前記予備エッジ条件を満たすグリッドを前記最適なエッジ条件を満たすグリッドとして選択し、それにより前記最適なエッジ条件を満たすグリッドは前記右エッジ予測経路として接続され、ロボットの基準エッジ方向も反時計回りであると決定されるステップと、
前記ステップ1において現在マーキングされた衝突点が前記右衝突点である場合、ロボットの現在位置に対して障害物のエッジに沿って時計回りに分布し、且つ前記ロボットの現在位置に対する角度値が最小の前記予備エッジ条件を満たすグリッドを前記最適なエッジ条件を満たすグリッドとして選択し、それにより前記最適なエッジ条件を満たすグリッドは前記左エッジ予測経路として接続され、ロボットの基準エッジ方向も時計回りであると決定されるステップと、を含むことを特徴とする、請求項13に記載のエッジ経路の選択方法。
【請求項15】
前記ステップ21において、前記最も近い距離条件を満たす障害物点は、
第1既定検索領域内で前記ステップ1において現在マーキングされた衝突点に最も近く且つ衝突点としてマーキングされていないとして検索された障害物点を含み、
第1既定検索領域は、前記ステップ1において現在マーキングされた衝突点を中心とし、且つ前記ステップ1で現在マーキングされた衝突点との最大距離が第1既定グリッド数であることが確立された格子領域であり、
前記ステップ24を実行する前、前記ステップ1の現在マーキングされた衝突点とは、ロボットが前記ステップ1を実行することによって障害物点が予めマーキングされたグリッド地図上にマーキングされた第1衝突点であり、
前記ステップ24を実行した後、前記ステップ1で現在マーキングされた衝突点とは、ロボットが最新に実行した前記ステップ24でマーキングされた新規衝突点であることを特徴とする、請求項10又は14に記載のエッジ経路の選択方法。
【請求項16】
前記ステップ22と前記ステップ23の間に、
前記予備エッジ条件を満たすグリッドを統計するたびに、この前記予備エッジ条件を満たすグリッドとロボットの現在位置との相対位置関係を算出するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項15に記載のエッジ経路の選択方法。
【請求項17】
前記ステップ22において、前記予備エッジ条件を満たすグリッドは、
前記ステップ21で検索された障害物点の近傍の8つのグリッドのうち、選択された前記障害物点及びすでに前記ステップ24で計画されたエッジ行動点以外のロボットがトラバースしてマーキングしたグリッドを含むことを特徴とする、請求項16に記載のエッジ経路の選択方法。
【請求項18】
プログラムコードが記憶されるチップであって、該プログラムコードはチップによって実行される時に請求項1から17のいずれか一項に記載のエッジ経路の選択方法を実現することを特徴とする、チップ。
【請求項19】
該ロボットの本体左前部に左衝突検出器が設置され、該左衝突検出器は、ロボットの進行方向左側に衝突した障害物を検出するために用いられ、それによりロボットが障害物のエッジに沿って反時計回り方向にエッジ走行する時に本体左側に衝突した障害物を検出するために用いられ、
該ロボットの本体右前部に右衝突検出器が設置され、該右衝突検出器は、ロボットの進行方向右側に衝突した障害物を検出するために用いられ、それによりロボットが障害物のエッジに沿って時計回りにエッジ走行する時に本体右側に衝突した障害物を検出するために用いられ、
該ロボットに請求項18に記載のチップが設置され、前記チップはそれぞれ左衝突検出器及び右衝突検出器に接続され、ロボットは請求項1から17のいずれか一項に記載のエッジ経路の選択方法を実行するように構成されることを特徴とする、ロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はロボットがエッジ走行する技術分野に関し、特に障害物に対するロボットの回避のためのエッジ経路の選択方法、チップ及びロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
ロボットのナビゲーション制御とは、ロボットを制御して地図上の1つの座標点から別の座標点まで走行させることであり、一般的にはまず地図から1つの経路を検索し、次にその経路に基づいて目標点に到達するまで走行させるものである。しかしながら従来の視覚センサロボット掃除機においては、地図の精度が劣り、地図における障害物のマーキングが正確でなく、さらにロボットがナビゲーション中にナビゲーション経路に沿って正確に走行できないなどの要因の影響により、ロボットがナビゲーション中に障害物に衝突しやすい。
【0003】
現在、如何にして正確な方向を探してこれらの障害物を迅速に回避するかは、ロボットのナビゲーションプロセスにおける課題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記課題を解決するために、本発明は、予測に基づいて計画された左右エッジ経路のうち正確なエッジ方向を選択してロボットを制御し正確なエッジ方向に沿って障害物を迅速に回避することができる障害物に対するロボットの回避のためのエッジ経路の選択方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
まずロボットが障害物を回避するためのエッジ予測経路を計画し、且つ予め設定されたナビゲーション経路上でガイド条件を満たす既定変曲点を選択するステップであって、ロボットをガイドして最終的なナビゲーション目標点に移動させるための変曲点の接続により構成されるナビゲーション経路がロボットに予め設定されるステップと、次いで各エッジ予測経路上の全てのエッジ行動点と同一のナビゲーション経路上のガイド条件を満たす既定変曲点との距離情報に基づき、このナビゲーション経路に対する乖離程度が最も小さいエッジ予測経路を選択し、それによりロボットは障害物に衝突した後にこの選択されたエッジ予測経路のエッジ方向に走行して、障害物を迅速に回避することができるステップと、を含む、障害物に対するロボットの回避のためのエッジ経路の選択方法である。これにより、ロボットの障害物回避過程における衝突回数を減少させ、ロボットがナビゲーション経路から逸脱しすぎることも避けて、ロボットの効率的なエッジ障害物回避機能を実現し、ロボットのスマート化レベルを向上させる。
【0006】
さらに、予め設定されたナビゲーション経路上でガイド条件を満たす既定変曲点を選択する前記ステップは、まず前記ナビゲーション経路から1つの目標変曲点を選択し、次にこの目標変曲点及びこの目標変曲点から開始して前記ナビゲーション経路のナビゲーション進行方向に沿って順次設置された1つ又は2つの変曲点に前記最終的なナビゲーション目標点が存在するか否かをそれぞれ判断することにより、ガイド条件を満たす既定変曲点を選択するステップであって、前記ナビゲーション経路のナビゲーション進行方向は、ロボットをガイドして前記最終的なナビゲーション目標点に移動させるためのロボットナビゲーション方向であり、前記最終的なナビゲーション目標点は前記ナビゲーション経路の終点でもあり、前記ナビゲーション経路における1つの変曲点に属するステップを含む。該技術的解決手段はロボットのナビゲーション経路上に連続して設定された3つの変曲点に前記ナビゲーション経路の終点が存在するか否かを判断することにより、ロボットをガイドして前記最終的なナビゲーション目標点に移動させることができる代表的な変曲点をスクリーニングし、前記ナビゲーション経路と前記エッジ予測経路との相違度合いを比較するために用いることもできる。
【0007】
さらに、前記目標変曲点から開始して前記ナビゲーション経路のナビゲーション進行方向に沿って順次設置された2つの変曲点に前記最終的なナビゲーション目標点が存在しないと判断した場合、ガイド条件を満たす前記既定変曲点は、前記目標変曲点と、前記ナビゲーション経路においてこの目標変曲点から開始して前記ナビゲーション経路のナビゲーション進行方向に沿って順次設置される2つの変曲点とを含むことを決定し、前記目標変曲点から開始して前記ナビゲーション経路のナビゲーション進行方向に沿って連続して設置された第1変曲点又は第2変曲点が前記最終的なナビゲーション目標点であると判断した場合、ガイド条件を満たす前記既定変曲点は、前記ナビゲーション経路において、前記目標変曲点から開始して前記ナビゲーション経路のナビゲーション進行方向に沿って前記最終的なナビゲーション目標点まで配列される全ての変曲点を含むことを決定し、該全ての変曲点にも前記目標変曲点及び前記最終的なナビゲーション目標点が含まれ、第1変曲点は前記ナビゲーション経路のナビゲーション進行方向において前記目標変曲点に隣接して設置され、第2変曲点は前記ナビゲーション経路のナビゲーション進行方向において第1変曲点に隣接して設置され、前記ナビゲーション経路上で選択された目標変曲点が前記最終的なナビゲーション目標点であると判断した場合、ガイド条件を満たす前記既定変曲点は前記最終的なナビゲーション目標点のみであることを決定する。該技術的解決手段が開示するガイド条件を満たす既定変曲点は前記ナビゲーション経路のナビゲーション方向特徴を表すことができ、ナビゲーション経路の終点の影響という要因を十分に考慮しており、それにより後続のエッジ予測経路とナビゲーション経路の差異程度に対する計算量を簡略化する。
【0008】
さらに、予め設定されたナビゲーション経路上で目標変曲点を選択するステップは、ロボットの現在位置を中心とし、且つロボットの現在位置との最大距離を第1既定距離閾値としたグリッド座標で構成された変曲点比較領域を確立するステップと、この変曲点比較領域が1つの前記変曲点のみを有する場合、この前記変曲点を選択して前記目標変曲点としてマーキングするステップと、この変曲点比較領域に2つ以上の前記変曲点が存在する場合、ロボットの現在位置との距離が第1既定距離閾値より小さい変曲点のうち、前記ナビゲーション経路のナビゲーション進行方向に沿って前記最終的なナビゲーション目標点に最も近い変曲点を選択して、前記目標変曲点としてマーキングするステップと、この変曲点比較領域に前記変曲点がない場合、前記ナビゲーション経路のナビゲーション進行方向に沿って、前記ナビゲーション経路上でロボットが最新にマーキングした目標変曲点に隣接する変曲点を選択して新規目標変曲点としてマーキングするステップと、を含み、ロボットの現在位置と前記変曲点のうち1つとの距離が第2既定距離閾値より小さい場合、ロボットの現在位置がこの前記変曲点と重なったと決定し、第2既定距離閾値は第1既定距離閾値より小さい。該技術的解決手段は、選択された前記目標変曲点が、ナビゲーション領域内の一部でロボットをガイドして前記ナビゲーション経路の終点方向へ移動させる役割を備える。
【0009】
さらに、各エッジ予測経路上の全てのエッジ行動点と同一のナビゲーション経路上のガイド条件を満たす既定変曲点との距離情報に基づき、このナビゲーション経路に対する乖離程度が最も小さいエッジ予測経路を選択し、それによりロボットは障害物に衝突した後にこの選択されたエッジ予測経路のエッジ方向に走行して、障害物の回避を迅速に実現する前記ステップは、前記エッジ予測経路は左エッジ予測経路と右エッジ予測経路を含み、左エッジ予測経路のエッジ方向と右エッジ予測経路のエッジ方向は逆であるステップと、前記ナビゲーション経路のガイド条件を満たす既定変曲点から左エッジ予測経路上の同じエッジ行動点までの距離を計算し、さらにこれらの距離を加算することにより、エッジ行動点のガイド条件を満たす既定変曲点に対して生成した左側局所距離の和を取得し、次いで前記計算ステップを繰り返すことにより左エッジ予測経路上の各エッジ行動点のガイド条件を満たす既定変曲点に対して生成した左側局所距離の和を取得し、さらにこれらの左側局所距離の和を加算することにより、左エッジ予測経路のガイド条件を満たす既定変曲点に対して生成した左側距離の総和を取得し、該総和は左エッジ予測経路の前記ナビゲーション経路に対する乖離程度を示すために用いられるステップと、同時に、前記ナビゲーション経路のガイド条件を満たす既定変曲点から右エッジ予測経路上の同じエッジ行動点までの距離を計算し、さらにこれらの距離を加算することにより、エッジ行動点のガイド条件を満たす既定変曲点に対して生成した右側局所距離の和を取得し、次いで前記計算ステップを繰り返すことにより右エッジ予測経路上の各エッジ行動点のガイド条件を満たす既定変曲点に対して生成した右側局所距離の和を取得し、さらにこれらの右側局所距離の和を加算することにより、右エッジ予測経路のガイド条件を満たす既定変曲点に対して生成した右側距離の総和を取得し、該総和は右エッジ予測経路の前記ナビゲーション経路に対する乖離程度を示すために用いられるステップと、左側距離の総和が右側距離の総和より大きい場合、右エッジ予測経路が、前記ナビゲーション経路に対する乖離程度が最小のエッジ予測経路であると決定し、右エッジ予測経路を選択し、それによりロボットは障害物に衝突した後にこの選択された右エッジ予測経路のエッジ方向に走行して、障害物を迅速に回避することができるステップと、右側距離の総和が左側距離の総和より大きい場合、左エッジ予測経路が、前記ナビゲーション経路に対する乖離程度が最小のエッジ予測経路であると決定し、左エッジ予測経路を選択し、それによりロボットは障害物に衝突した後にこの選択された左エッジ予測経路のエッジ方向に走行して、障害物を迅速に回避することができるステップと、を含み、右側距離の総和が小さいほど、右エッジ予測経路の前記ナビゲーション経路に対する乖離程度が小さく、左側距離の総和が小さいほど、左エッジ予測経路の前記ナビゲーション経路に対する乖離程度が小さい。該技術的解決手段は、エッジ予測経路のエッジ行動点とナビゲーション経路における特定の経路ノードとの間の距離の和を比較することにより、エッジ予測経路とナビゲーション経路との相違度合いを決定し、さらに相違度合いが小さいエッジ予測経路の対応するエッジ方向を、ロボットのエッジ障害物回避における最適な方向として選択することで、ロボットが障害物の回避過程中において既定ナビゲーション経路から逸脱しすぎることを避ける。
【0010】
さらに、前記ナビゲーション経路は1組の規則的に分布する変曲点を接続して構成され、前記ナビゲーション経路の開始点からその終点までに対応する前記ナビゲーション経路のナビゲーション進行方向において、設定された変曲点の計画番号は順次インクリメントされ、ガイド条件を満たす既定変曲点の前記計画番号は順次インクリメントされ、前記目標変曲点の計画番号より小さい変曲点はロボットがすでにトラバースした変曲点としてマーキングされ、前記最終ナビゲーション目標点の計画番号が最大であり、前記ナビゲーション経路のナビゲーション進行方向において、前記最終ナビゲーション目標点に近い変曲点ほど、対応する計画番号が大きくなる。該技術的解決手段は、番号付け方式によって前記ナビゲーション経路上の全ての変曲点を整理して区別し、システムソフトウェアが変曲点を識別して処理しやすく、ガイド条件を満たす前記既定変曲点の選択を加速し、ロボットのエッジ方向の選択速度を向上させる。
【0011】
さらに、ロボットが前記ナビゲーション経路に従って走行し始めた後、既定時間内にロボットが位置する座標位置の変化量が距離安定閾値より大きいか否かを判断し、大きければロボットを制御して前記エッジ予測経路を計画し、そうでなければロボットを制御してエッジ方向を変更し、ロボットを現在確定されたエッジ方向と逆の方向に沿って走行させるステップであって、現在決定されたエッジ方向はロボットの通電起動時に予め設定されたエッジ方向及び前回選択した前記ナビゲーション経路に対する乖離程度が最も小さいエッジ予測経路のエッジ方向を含むステップを含み、ロボットが障害物を回避するためのエッジ方向が逆である2つのエッジ予測経路を計画できないと判断した場合、ロボットを制御して現在決定されたエッジ方向と逆の方向に沿って走行させ、距離安定閾値はロボットの本体直径の大きさに設定される。エッジ障害物回避に失敗して同じ位置に閉じ込められることだけではなく、ロボットが前記エッジ予測経路を計画できないために無効なエッジ障害物回避行動を引き起こし、ロボットが誤ったエッジ方向においてエッジからますます離れることを避ける。
【0012】
さらに、前記エッジ予測経路の計画方法は、ロボットが障害物に現在衝突した後、障害物情報を予めマーキングしたグリッド地図上に衝突点をマーキングするステップ1と、ステップ1の現在マーキングされた衝突点の近傍において、エッジ障害物回避の条件を満たすグリッドを選択し、且つ選択されたグリッドをロボットが障害物のエッジに沿って走行するためのエッジ行動点としてマーキングすることにより、これらのエッジ行動点は前記エッジ予測経路を構成するステップ2と、を含む。該技術的解決手段は、ロボットが障害物に衝突した後、エッジ走行を起動する前に、現在マーキングされた衝突点の近傍でエッジ障害物回避の条件を保持するグリッドを探すことにより、その後、ロボットは対応するグリッドが計画した障害物回避経路に従ってエッジ走行することができ、ロボットの衝突回数を削減し、ナビゲーションによる障害物回避を加速する。
【0013】
さらに、前記ステップ2は、ステップ1の現在マーキングされた衝突点との距離関係が最も近い距離条件を満たす障害物点を検索するステップ21と、ステップ21で検索された障害物点の近傍において、予備エッジ条件を満たすグリッドを検索するステップ22と、予備エッジ条件を満たすグリッドの数が第2既定グリッド数に達したと統計した場合、これらの予備エッジ条件を満たすグリッドのうち前記最適なエッジ条件を満たすグリッドを選択し、前記エッジ障害物回避の条件を満たすグリッドとしても選択するステップ23と、ステップ23で選択された前記最適なエッジ条件を満たすグリッドを新規衝突点としてマーキングし、且つロボットが障害物のエッジに沿って走行するための対応するエッジ予測経路上の新規計画されたエッジ行動点として追加し、同時にこの新規衝突点を前記ステップ1で現在マーキングされた衝突点として更新し、障害物回避のための既定グリッド数のエッジ行動点をマーキングするまでステップ21に戻って実行するステップ24と、を含み、ステップ21において最も近い距離条件を満たす障害物点を検索できない場合、前記エッジ予測経路を計画できないと決定するか、又は、ステップ22において予備エッジ条件を満たすグリッドを検索できない場合、前記エッジ予測経路を計画できないと決定する。該技術的解決手段は、ステップ21からステップ24を繰り返し実行することにより、合理的なグリッド数の範囲内で、計画された前記エッジ障害物回避の条件を満たすグリッドを新規衝突点としてマーキングし、ロボットが障害物のエッジの周囲を走行するエッジ予測経路を計画することができ、ロボットが地図上の障害物のエッジを基にエッジ走行する経路を予測することに役立つ。
【0014】
さらに、前記ステップ23において、前記最適なエッジ条件を満たすグリッドは、前記予備エッジ条件を満たすグリッドのうちロボットの現在位置との接続線が障害物のエッジに最も近いとして選択されるグリッドを含み、前記エッジ経路の選択方法を実行する過程において、ロボットの現在位置は不変である。該技術的解決手段は決定されたグリッドで構成されたエッジ予測経路を障害物の輪郭線に最大限近づけることができる。
【0015】
さらに、前記ステップ23は、前記予備エッジ条件を満たすグリッドの統計数が第2既定グリッド数に達した時、これらの前記予備エッジ条件を満たすグリッドとロボットの現在位置との相対位置関係に基づき、これらのグリッドのうちロボットの現在位置との接続線が障害物のエッジに最も近いグリッドを選択することにより、前記エッジ障害物回避の条件を満たすことを含む。該技術的解決手段は一定の統計数を満たす前提で、合理的な長さのエッジ予測経路を計画し、ロボットナビゲーションによる障害物回避の処理効率を向上させる。
【0016】
さらに、前記予備エッジ条件を満たすグリッドとロボットの現在位置との相対位置関係の計算方法は、ロボットの現在位置を原点とし、ロボットの本体右側方向をX軸正方向、ロボットの現在の前進方向をY軸正方向として、ロボット座標系を確立するステップと、ロボット座標系において、前記各最適なエッジ条件を満たすグリッドのロボット座標系の原点に対する座標値及び角度値をそれぞれ算出するステップと、を含む。ロボットローカル座標系を利用して、計画されたグリッド座標計算に参加し、関連グリッドの座標計算を合理的で正確なものにする。
【0017】
さらに、前記衝突点は前衝突点と、左衝突点と、右衝突点と、を含み、ロボットの本体左前部に左衝突検出器が設置され、該左衝突検出器は、ロボットの進行方向左側に衝突した障害物を検出するために用いられ、それによりロボットが障害物のエッジに沿って反時計回りにエッジ走行する時に本体左側に衝突した障害物を検出し、且つ対応する方向における障害物上の衝突点を左衝突点としてマーキングするために用いられ、ロボットの本体右前部に右衝突検出器が設置され、該右衝突検出器は、ロボットの進行方向右側に衝突した障害物を検出するために用いられ、それによりロボットが障害物のエッジに沿って時計回りにエッジ走行する時に本体右側に衝突した障害物を検出し、且つ対応する方向における障害物上の衝突点を右衝突点としてマーキングするために用いられ、左衝突検出器及び右衝突検出器はロボットの本体の左右両側に対称に設置され、ロボットの正面が障害物に衝突すると、左衝突検出器及び右衝突検出器を同時にトリガして検出し、且つ対応する方向における障害物上の衝突点を前衝突点としてマーキングし、それによりロボットが同一位置でマーキングした前衝突点、左衝突点、右衝突点をいずれもロボットが真正面に衝突した障害物の輪郭線の接線上に位置させ、障害物の輪郭線はグリッド地図上にマーキングして形成される。ロボットが、異なる障害物の間を検知してエッジ走行することに適応する。
【0018】
さらに、これらの前記予備エッジ条件を満たすグリッドとロボットの現在位置との相対位置関係に基づき、これらのグリッドのうちロボットの現在位置との接続線が障害物のエッジに最も近いグリッドを選択する前記ステップは、ロボットの前記ステップ1において現在マーキングされた衝突点が前記左衝突点である場合、ロボットの現在位置に対して障害物のエッジに沿って反時計回りに分布し、且つ前記ロボットの現在位置に対する角度値が最大の前記予備エッジ条件を満たすグリッドを前記最適なエッジ条件を満たすグリッドとして選択し、それにより前記最適なエッジ条件を満たすグリッドは前記右エッジ予測経路として接続され、前記右エッジ予測経路のエッジ方向は反時計回りであるステップと、前記ステップ1において現在マーキングされた衝突点が前記右衝突点である場合、ロボットの現在位置に対して障害物のエッジに沿って時計回りに分布し、且つ前記ロボットの現在位置に対する角度値が最小の前記予備エッジ条件を満たすグリッドを前記最適なエッジ条件を満たすグリッドとして選択し、それにより前記最適なエッジ条件を満たすグリッドは前記左エッジ予測経路として接続され、前記左エッジ予測経路のエッジ方向は時計回りであるステップと、を含む。本技術的解決手段はロボットが最も正確なエッジ方向条件下で障害物を回避することをサポートするエッジ予測経路、ロボットが障害物のエッジの周囲を時計回り又は反時計回りに運動することをサポートするグリッドを計画することを実現する。障害物の形状特徴に基づいてロボットがエッジ走行する経路を計画することを実現し、ロボットが障害物を回避する過程において衝突する回数を効果的に減少させ、ロボットの障害物回避速度を加速する。
【0019】
さらに、前記ステップ21において、前記最も近い距離条件を満たす障害物点は、第1既定検索領域内で前記ステップ1において現在マーキングされた衝突点に最も近く且つ衝突点としてマーキングされていないとして検索された障害物点を含み、第1既定検索領域は、前記ステップ1において現在マーキングされた衝突点を中心とし、且つ前記ステップ1で現在マーキングされた衝突点との最大距離が第1既定グリッド数であることが確立された格子領域であり、前記ステップ24を実行する前、前記ステップ1の現在マーキングされた衝突点とは、ロボットが前記ステップ1を実行することによって障害物点が予めマーキングされたグリッド地図上にマーキングされた第1衝突点であり、前記ステップ24を実行した後、前記ステップ1で現在マーキングされた衝突点とは、ロボットが最新に実行した前記ステップ24でマーキングされた新規衝突点である。該技術的解決手段により選択された障害物点は、障害物とロボットの衝突箇所の輪郭形状を囲むために用いられ、ロボットが後続のエッジ走行過程中において障害物から離れすぎることを避ける。
【0020】
さらに、前記ステップ22と前記ステップ23の間に、前記予備エッジ条件を満たすグリッドを統計するたびに、この前記予備エッジ条件を満たすグリッドとロボットの現在位置との相対位置関係を算出するステップをさらに含む。該技術的解決手段はロボットをガイドして正確なエッジ方向に向かって走行させるためのグリッドをスクリーニングさせるように、後続のステップを加速する。
【0021】
さらに、前記ステップ22において、前記予備エッジ条件を満たすグリッドは、前記ステップ21で検索された障害物点の近傍の8つのグリッドのうち、選択された前記障害物点及びすでに前記ステップ24で計画されたエッジ行動点以外のロボットがトラバースしてマーキングしたグリッドを含む。ロボットが予備エッジ条件を満たすグリッドを通行できることを保証するだけではなく、ロボットのエッジ走行領域の重複率を減少させる。
【0022】
プログラムコードが記憶されるチップであって、該プログラムコードはチップによって実行される時に前記エッジ経路の選択方法を実現する。
【0023】
ロボットであって、該ロボットの本体左前部に左衝突検出器が設置され、該左衝突検出器は、ロボットの進行方向左側に衝突した障害物を検出するために用いられ、それによりロボットが障害物のエッジに沿って反時計回り方向にエッジ走行する時に本体左側に衝突した障害物を検出するために用いられ、該ロボットの本体右前部に右衝突検出器が設置され、該右衝突検出器は、ロボットの進行方向右側に衝突した障害物を検出するために用いられ、それによりロボットが障害物のエッジに沿って時計回りにエッジ走行する時に本体右側に衝突した障害物を検出するために用いられ、該ロボットに前記チップが設置され、前記チップはそれぞれ左衝突検出器及び右衝突検出器に接続され、ロボットは前記のエッジ経路の選択方法を実行するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1図1は本発明の実施例が提供する障害物に対するロボットの回避のためのエッジ経路の選択方法の基本概念を示すフローチャートである。
図2図2は本発明の別の実施例による障害物に対するロボットの回避のためのエッジ経路の選択方法の具体的なステップフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に本発明の実施例における図面を参照しながら、本発明の実施例における技術的解決手段については詳細に説明する。さらに各実施例については説明するために、本発明は図面を提供する。それらの図面は本発明の開示内容の一部であり、それは主に実施例について説明するために用いられるとともに、明細書の関連記載を組み合わせて実施例の動作原理を説明することができる。それらの内容を併せて参考とすることにより、当業者であればその他の可能性がある実施形態及び本発明の利点を理解することができる。図中の構成要素は実際の長さの比率に従って描かれておらず、類似した構成要素の符号は、通常、類似した構成要素の表示に用いられる。
【0026】
本発明の説明において、理解すべきこととして、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」等の用語が指示する方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づくものであり、本発明の実施を説明しやすくし、説明を簡略化するためのものに過ぎず、対象の装置や素子が特定の方位を有し、特定の方位で構成され及び操作されるべきであることを指示又は暗示するものではなく、従って本発明を限定するものと理解すべきではない。
【0027】
前記ロボットはエッジ走行する過程において、異なる障害物に遭遇し、室内環境についての説明を効果的に簡略化し、経路計画において合理的な対応ポリシーを提供するために、室内障害物に対して以下の処理を行う。一つ目は、障害物と壁との距離が、前記ロボットが通行する最小距離を満たさない限り、ロボットはスムーズに通過できないため、壁障害物として処理することである。2つ目は、2つの障害物同士の距離が近く、前記ロボットをスムーズに通過させることができない場合、その2つを1つの障害物と見なして処理することができることである。3つ目は、本願のロボットナビゲーション領域は主に室内部屋領域であり、障害物は室内部屋領域内の移動ロボットと衝突可能な物体であり、移動しているロボットが物体と衝突する点を衝突点と定義することである。
【0028】
図1に示すように、本発明の実施例が開示する障害物に対するロボットの回避のためのエッジ経路の選択方法はステップS101と、ステップS102と、ステップS103とを含む。
【0029】
ステップS101は、ロボットをガイドして最終的なナビゲーション目標点に移動させるための変曲点の接続により構成されるナビゲーション経路がロボットに予め設定され、次いでステップS102に進み、最終的なナビゲーション目標点はナビゲーション経路の終点であり、ナビゲーション経路における1つの変曲点に属するステップである。なお、ナビゲーション経路はロボットが走行する前に既に計算され、グリッド地図において複数の線分が接続されてなるものであり、これらの線分は変曲点で交差し、グリッド地図のナビゲーション経路は変曲点を用いて説明することができ、従って、ロボットがナビゲーション経路に沿って進む過程において、ロボットはナビゲーション方向に向かって、現在の1つの変曲点から開始して、同じナビゲーション経路における次の変曲点にトラバースし、最終的なナビゲーション目標点まで進む。
【0030】
ステップS102は、ロボットが障害物に衝突したことを検出した後、ロボットが障害物を回避するためのエッジ予測経路を計画し、且つ予め設定されたナビゲーション経路上でガイド条件を満たす既定変曲点を選択し、次いでステップS103に進み、前記ロボットが障害物を回避するためのエッジ予測経路はエッジ方向が逆である2種類のエッジ予測経路を含み、それぞれ左エッジ予測経路及び右エッジ予測経路であるステップである。ロボットが障害物のエッジに沿って走行するモードは左エッジモードと右エッジモードに分けられ、左エッジモードにいてロボットは障害物のエッジに沿って時計回りに運動し、右エッジモードにおいてロボットは障害物のエッジに沿って反時計回りに運動することから、ロボットがエッジ走行を起動する時にロボットが障害物を回避するためのエッジ方向が逆である2種類のエッジ予測経路を計画する。
【0031】
ステップS103は、各エッジ予測経路上の全てのエッジ行動点と同一のナビゲーション経路上のガイド条件を満たす既定変曲点との距離情報に基づき、このナビゲーション経路に対する乖離程度が最も小さいエッジ予測経路を選択し、それによりロボットは障害物に衝突した後にこの選択されたエッジ予測経路のエッジ方向に走行して、障害物を迅速に回避することができるステップである。本実施例において、予め設定された前記ナビゲーション経路は障害物の分布と関係がなく、前記ナビゲーション経路の既定変曲点は、最終的なナビゲーション目標点を終点として設定された経路ノードであり、これらのガイド条件を満たす既定変曲点を基準量とし、前記ステップS102で計画された候補エッジ予測経路から、このナビゲーション経路との差異程度が最も小さいエッジ予測経路を判断して選択するためのものであり、次いでロボットが障害物に衝突した後にこの選択されたエッジ予測経路に従って走行するように制御するが、ロボットが実際に走行するエッジ経路は必ずしも予測計画に従って実行されるものではなく、予測計画の経路にはやはり一定の誤差が存在するため、例えば障害物のエッジに沿って反時計回り又は時計回りに運動するというように、大まかな経路を示し合理的に走行可能なエッジ方向を明確にするに過ぎず、これにより、本実施例では、ロボットが障害物に衝突した後、選択したエッジ予測経路に従ったエッジ方向に走行することにより迅速なエッジ障害物回避を実現する。
【0032】
なお、ナビゲーション経路はロボットがナビゲーションを起動する前に設定され、ロボットが前記ナビゲーション経路に沿って前記最終的なナビゲーション目標点に進む過程において、障害物に衝突して前記ナビゲーション経路に沿って走行し続けることを停止した場合、ロボットが障害物を回避するためのエッジ方向が逆である2つのエッジ予測経路を計画し、且つナビゲーション経路に対する乖離程度が最も小さいエッジ予測経路を選択し、そしてロボットにエッジ走行モードを起動させ、それによりロボットは障害物に衝突した後に、ナビゲーション経路に対する乖離程度が最も小さく且つ選択されたエッジ予測経路に対応するエッジ方向に走行することにより迅速な障害物回避を実現する。本実施例においては、前記ステップに基づいて、このナビゲーション経路に対する乖離程度が最も小さいエッジ予測経路を最も早いエッジ経路として選択し、それによりロボットは障害物に衝突した後にこの最も早いエッジ経路のエッジ方向を選択して走行することにより、迅速な回避を実現し、ロボットの障害物回避過程における衝突回数を減少させ、ロボットが前記ナビゲーション経路から逸脱しすぎることも避けて、ロボットの効率的なエッジ障害物回避機能を実現し、ロボットのスマート化レベルを向上させる。
【0033】
好ましい例として、前記ナビゲーション経路上の全ての変曲点に番号を付け、前記ナビゲーション経路の開始点の計画番号は0であり、後の変曲点の計画番号は順次積算され、前記ナビゲーション経路の終点の計画番号は最大となるように保持する。具体的には、前記ナビゲーション経路は1組の規則的に分布する変曲点を接続して構成され、前記ナビゲーション経路の開始点からその終点までに対応する前記ナビゲーション経路のナビゲーション進行方向において、設定された変曲点の計画番号は順次インクリメントされる。ガイド条件を満たす既定変曲点の前記計画番号は順次インクリメントされ、前記目標変曲点の計画番号より小さい変曲点はロボットがすでにトラバースした変曲点としてマーキングされる。前記最終ナビゲーション目標点の計画番号が最大であるため、前記ナビゲーション経路のナビゲーション進行方向において、前記最終ナビゲーション目標点に近い変曲点ほど、その計画番号が大きくなる。本実施例は番号付け方式によって前記ナビゲーション経路上の全ての変曲点を整理して区別し、システムソフトウェアが変曲点を識別して処理しやすく、ガイド条件を満たす前記既定変曲点の選択を加速し、ロボットのエッジ方向の選択速度を向上させる。
【0034】
好ましい例として、ステップS102において、予め設定されたナビゲーション経路上でガイド条件を満たす既定変曲点を選択する前記ステップは、まず前記ナビゲーション経路から1つの目標変曲点を選択し、この目標変曲点はロボットが現在位置で障害物に衝突し、且つエッジ障害物回避動作モードを起動する(前記エッジ経路選択方法を実行する)時に選択されたガイド作用を有する変曲点であり、ロボットの現在位置が更新され変更された時、この目標変曲点も変更され、次にこの目標変曲点及び前記ナビゲーション経路のナビゲーション進行方向に沿って順次設定された1つ又は2つの変曲点に前記最終的なナビゲーション目標点が存在するか否かをそれぞれ判断することにより、ガイド条件を満たす既定変曲点を選択するステップを含む。注意すべきことは、この目標変曲点から前記ナビゲーション経路のナビゲーション進行方向に沿って設定された隣接する変曲点が前記最終的なナビゲーション目標点である場合、前記ナビゲーション経路の終点であると判断し、判断を継続する必要がないことである。前記ナビゲーション経路のナビゲーション進行方向は、ロボットをガイドして前記最終的なナビゲーション目標点に移動させるためのロボットナビゲーション方向である。前記最終的なナビゲーション目標点はナビゲーション経路の終点でもあり、前記ナビゲーション経路における1つの変曲点に属する。本実施例はロボットのナビゲーション経路上に連続して設定された3つの変曲点に前記ナビゲーション経路の終点が存在するか否かを判断することにより、ロボットをガイドして前記最終的なナビゲーション目標点に移動させることができる代表的な変曲点をスクリーニングし、前記ナビゲーション経路と前記エッジ予測経路との相違度合いを比較するために用いることもできる。
【0035】
具体的には、前記目標変曲点から開始して前記ナビゲーション経路のナビゲーション進行方向に沿って順次設定された2つの変曲点に前記最終的なナビゲーション目標点が存在しないと判断した場合、ガイド条件を満たす前記既定変曲点が前記ナビゲーション経路上で選択された1つの目標変曲点と、この目標変曲点から開始して前記ナビゲーション経路のナビゲーション進行方向に沿って順次設定された2つの変曲点とを含むことを決定し、前記ナビゲーション経路においてこの目標変曲点の後に順次設定された2つの前記変曲点は連続的に配列されるものであり、それらの計画番号はインクリメントされ且つ目標変曲点の計画番号より大きく、この目標変曲点及びその後の2つの前記変曲点はいずれもロボットの現在位置の前方にあり、ロボットをガイドして前記最終的なナビゲーション目標点まで迅速に移動させる役割を備える。
【0036】
前記目標変曲点から開始して前記ナビゲーション経路のナビゲーション進行方向に沿って設定された前記目標変曲点に隣接する変曲点が前記最終ナビゲーション目標点であると判断した場合、即ち、前記目標変曲点から開始して前記ナビゲーション経路のナビゲーション進行方向に沿って連続的に設定された第1変曲点が前記最終ナビゲーション目標点であると判断した場合、ガイド条件を満たす前記既定変曲点は、前記ナビゲーション経路において、前記目標変曲点から開始して前記ナビゲーション経路のナビゲーション進行方向に沿って前記最終的なナビゲーション目標点まで配列される全ての変曲点を含むことを決定し、この時に前記目標変曲点から開始して前記ナビゲーション経路のナビゲーション進行方向に沿って前記最終的なナビゲーション目標点まで配列される全ての変曲点は、前記目標変曲点及び前記最終的なナビゲーション目標点のみを有し、この時、すでに第1変曲点が終点と判断されているため、前記目標変曲点から開始して前記ナビゲーション経路のナビゲーション進行方向に沿って第1変曲点のみが設定され、第2変曲点が設定しない。
【0037】
前記目標変曲点から開始して前記ナビゲーション経路のナビゲーション進行方向に沿って連続的に設定された第2変曲点が前記最終ナビゲーション目標点であると判断した場合、ガイド条件を満たす前記既定変曲点が前記ナビゲーション経路において、前記目標変曲点から開始して前記ナビゲーション経路のナビゲーション進行方向に沿って前記最終的なナビゲーション目標点まで配列される全ての変曲点を含むことを決定し、この時に前記目標変曲点から開始して前記ナビゲーション経路のナビゲーション進行方向に沿って前記最終的なナビゲーション目標点まで配列される全ての変曲点は3つあり、前記目標変曲点と、前記最終的なナビゲーション目標点と、及びそれらの間の前記ナビゲーション経路上に設定された1つの変曲点とを含む。
【0038】
なお、第1変曲点は前記ナビゲーション経路のナビゲーション進行方向において前記目標変曲点に隣接して設定され、第2変曲点は前記ナビゲーション経路のナビゲーション進行方向において第1変曲点にも隣接して設定される。
【0039】
前記ナビゲーション経路上で選択された目標変曲点が前記最終的なナビゲーション目標点であると判断した場合、ガイド条件を満たす前記既定変曲点が前記最終的なナビゲーション目標点のみを有することを決定する。
【0040】
以上の判断結果をまとめると、本実施例が提供するガイド条件を満たす既定変曲点は前記ナビゲーション経路のナビゲーション方向特徴を表すことができ、ナビゲーション経路の終点の影響という要因を十分に考慮しており、それにより後続のエッジ予測経路とナビゲーション経路の差異程度に対する計算量を簡略化する。
【0041】
上記好ましい例に基づき、予め設定されたナビゲーション経路上で前記目標変曲点を選択する前記ステップは、ロボットの現在位置を中心とし、且つロボットの現在位置との最大距離を第1既定距離閾値としたグリッド座標で構成された変曲点比較領域を確立するステップを含む。
【0042】
この変曲点比較領域が1つの前記変曲点のみを有する場合、この前記変曲点を選択して前記目標変曲点としてマーキングし、目標変曲点とロボットの現在位置との距離を近づけることに役立ち、後続で選択されたエッジ予測経路が前記ナビゲーション経路から逸脱しすぎることを避ける。なお、この目標変曲点の計画番号より小さい全ての変曲点を、ロボットがすでにトラバースした変曲点として設定する。
【0043】
この変曲点比較領域に2つ以上の前記変曲点が存在する場合、ロボットの現在位置との距離が第1既定距離閾値より小さい変曲点のうち、即ち、前記ナビゲーション経路がこの変曲点比較領域にカバーされる経路の一部の変曲点のうち、前記ナビゲーション経路のナビゲーション進行方向に沿って前記最終的なナビゲーション目標点に最も近い変曲点を選択して、前記目標変曲点としてマーキングし、即ち、ロボットの現在位置との距離が第1既定距離閾値より小さい全ての変曲点のうち計画番号が最大の変曲点をロボットの前方の目標変曲点として選択し、ロボットがこの目標変曲点に向かって前進し前記最終的なナビゲーション目標点へのナビゲーション速度を加速するようにすることができ、なお、この目標変曲点の計画番号より小さい全ての変曲点を、ロボットがすでにトラバースした変曲点として設定する。
【0044】
この変曲点比較領域に前記変曲点がない場合、前記ナビゲーション経路のナビゲーション進行方向に沿って、前記ナビゲーション経路上でロボットが最新にマーキングした目標変曲点に隣接する変曲点を選択して新規目標変曲点としてマーキングし、ロボットが最新にマーキングした目標変曲点は、ロボットが前回障害物と衝突した位置で前記ナビゲーション経路から選択してマーキングした目標変曲点であり、それにより目標変曲点のマーキング位置がロボットのナビゲーションを制御して終点に向ける点で基礎的な役割を果たし、ロボットをガイドして正確なエッジ方向へ移動させることに役立ち、後続の選択されたエッジ予測経路が前記ナビゲーション経路から逸脱しすぎることを避ける。従って本実施例は、予め設定されたナビゲーション経路上で選択された前記目標変曲点が、ナビゲーション領域内の一部でロボットをガイドして前記ナビゲーション経路の終点方向へ移動させる役割を備える。
【0045】
好ましくは、ロボットの現在位置と前記変曲点のうち1つとの距離が第2既定距離閾値より小さい場合、ロボットの現在位置がこの前記変曲点と重なったと決定し、即ち、ロボットがナビゲーション経路のこの変曲点位置に移動したことを示す。ただし、第2既定距離閾値は第1既定距離閾値より小さい。
【0046】
発明の別の実施例として、図2に示すように、障害物に対するロボットの回避のためのエッジ経路の選択方法を提供する。前記エッジ経路の選択方法はステップS201~ステップS210を含む。
【0047】
ロボットを起動し、この時にロボットシステムに通電して起動し、次いでステップS201に進む。
【0048】
ステップS201は、ロボットをガイドして最終的なナビゲーション目標点に移動させるための変曲点の接続により構成されるナビゲーション経路をロボットが予め計算して設定し、次いでロボットを制御して前記ナビゲーション経路に従って走行を開始させるステップである。ここで、本実施例においてロボットのデフォルトの初期エッジ方向は右エッジ方向であり、即ち、デフォルト状態でロボットが障害物に衝突すると、障害物の周囲をエッジに沿って時計回りに走行することができる。次いでステップS202に進む。
【0049】
ステップS202は、既定時間内にロボットが位置する座標位置の変化量が距離安定閾値より大きいか否かを判断し、大きければステップS203に進み、そうでなければステップS204に進むステップである。該ステップS202は、ロボットのナビゲーション過程又はエッジ障害物回避過程において、同じ場所でエッジ走行を繰り返し続けるか否かを判断するために用いられる。ただし、距離安定閾値はロボットの本体直径の大きさに設定される。
【0050】
ステップS203は、ロボットを制御してロボットが障害物を回避するための2つのエッジ予測経路を計画し、該2つのエッジ予測経路は順に計画される2種類のエッジ予測経路であるステップである。次いでステップS205に進む。本実施例において、ロボットが前方の障害物に衝突する時、この障害物のエッジはロボットの前進方向に対して左側エッジと右側エッジに分けられ、それによりロボットが障害物のエッジに沿って走行するモードは左エッジモードと右エッジモードに分けられ、左エッジモードにおいてロボットは障害物のエッジに沿って時計回りに運動し、右エッジモードにおいてロボットは障害物のエッジに沿って反時計回りに運動する。従って、前記2つのロボットが障害物を回避するためのエッジ予測経路は左エッジ予測経路と右エッジ予測経路を含み、左エッジ予測経路のエッジ方向と右エッジ予測経路のエッジ方向は逆である。
【0051】
ステップS204は、ロボットが障害物に複数回衝突して閉じ込められた状態にあることが決定すると、ロボットを制御してエッジ方向を変更し、ロボットを現在決定されたエッジ方向と逆の方向に沿って走行させる必要があるステップである。具体的には、前記既定時間内にロボットが位置する座標位置の変化量が前記距離安定閾値以下であると判断した場合、ロボットが前記ナビゲーション経路に従って移動する過程において障害物に衝突し、次いでロボットシステムのデフォルトのエッジ方向に従って現在位置において障害物の周囲をエッジ走行するか、又は、ロボットが前回計画された前記エッジ予測経路に従って障害物の周囲を走行する過程において、ロボットが障害物に複数回衝突して同じ位置に閉じ込められ、現在の障害物の回避に失敗した可能性があること、を示す。従って、ロボットを制御してエッジ方向を変更し、衝突時のエッジ方向と逆の方向を選択し、例えば現在実行している左エッジモードを右エッジモードに変更し、又は現在実行している右エッジモードを左エッジモードに変更することにより、ロボットを現在決定しているエッジ方向と逆の方向に沿って走行させ、障害物を回避する走行をよりスムーズに実行する必要がある。
【0052】
なお、ロボットのナビゲーション過程において、ロボットの初回のエッジ走行起動は衝突際に障害物のエッジを選択してエッジ走行を実行するものであるが、この方法はエッジ方向が不正確であるため障害物の回避に失敗しやすく、ロボットがエッジからますます遠くなるため、ロボットを制御してステップS203及びステップS204を実行して、障害物回避を加速する必要がある。
【0053】
ステップS205は、ロボットが障害物を回避するためのエッジ方向が逆である2つのエッジ予測経路をロボットが計画したか否かを判断し、計画していればステップS206に進み、そうでなければステップS204に進むステップである。ステップS205は、ロボットが正確なエッジ方向を算出したか否かを判断し、ロボットの効率的な障害物回避を実現するエッジ予測経路を計画するために用いられる。本実施例は、ロボットが障害物を回避するためのエッジ方向が逆である2つの前記エッジ予測経路をそれぞれ左エッジ予測経路及び右エッジ予測経路とする。
【0054】
ステップS206は、前記ナビゲーション経路のガイド条件を満たす既定変曲点から左エッジ予測経路上の同一のエッジ行動点までの距離を計算し、次にこのエッジ行動点と前記ナビゲーション経路上の全てのガイド条件を満たす既定変曲点との距離を加算し、それによりエッジ行動点がガイド条件を満たす既定変曲点に対して生成した左側局所距離の和を取得し、ここで、左エッジ予測経路はエッジ行動点を接続して構成されるものであり、同時に、前記ナビゲーション経路のガイド条件を満たす既定変曲点から右エッジ予測経路上の同一のエッジ行動点までの距離を計算し、次にこのエッジ行動点と前記ナビゲーション経路上のガイド条件を満たす既定変曲点との距離を加算し、それによりエッジ行動点がガイド条件を満たす既定変曲点に対して生成した右側局所距離の和を取得し、ここで、左エッジ予測経路はエッジ行動点を接続して構成されるものであり、次いで、ステップS207に進むステップである。
【0055】
ステップS207は、前記ステップS206を繰り返し実行することにより、左エッジ予測経路上の各エッジ行動点がガイド条件を満たす既定変曲点に対して生成した左側局所距離の和を取得し、同時に前記ステップS206を繰り返すことにより右エッジ予測経路上の各エッジ行動点がガイド条件を満たす既定変曲点に対して生成した右側局所距離の和を取得し、次いでステップS208に進むステップである。
【0056】
ステップS208は、これらの左側局所距離の和を加算し、左エッジ予測経路のガイド条件を満たす既定変曲点に対して生成した左側距離の総和を取得し、該総和は、左エッジ予測経路の前記ナビゲーション経路に対する乖離程度を示すために用いられ、同時にこれらの右側局所距離の和を加算し、右エッジ予測経路のガイド条件を満たす既定変曲点に対して生成した右側距離の総和を取得し、該総和は、右エッジ予測経路の前記ナビゲーション経路に対する乖離程度を示すために用いられ、次いでステップS209に進むステップである。
【0057】
ステップS209は、前記左側距離の総和が前記右側距離の総和より大きいか否かを判断し、大きければステップS210に進み、そうでなければステップS211に進むステップである。右側距離の総和が小さいほど、右側エッジ予測経路の前記ナビゲーション経路に対する乖離程度が小さく、左側距離の総和が小さいほど、左エッジ予測経路の前記ナビゲーション経路に対する乖離程度が小さい。
【0058】
ステップS210は、右エッジ予測経路を選択し、それによりロボットは障害物に衝突した後にこの選択された右エッジ予測経路のエッジ方向に走行して、障害物を迅速に回避することができるステップである。即ち、左側距離の総和が右側距離の総和より大きい場合、右側エッジ予測経路が、前記ナビゲーション経路に対する乖離程度が最小のエッジ予測経路であると決定し、ステップS203で計画された右エッジ予測経路を選択し、それによりロボットは障害物に衝突した後にこの選択された右エッジ予測経路のエッジ方向に走行して、障害物を迅速に回避することができる。ロボットが障害物を回避する過程において、予め設定されたナビゲーション経路から逸脱しすぎることを避ける。
【0059】
ステップS211は、左エッジ予測経路を選択し、それによりロボットは障害物に衝突した後にこの選択された左エッジ予測経路のエッジ方向に走行して、障害物を迅速に回避することができるステップである。即ち、右側距離の総和が左側距離の総和より大きい場合、左側エッジ予測経路が、前記ナビゲーション経路に対する乖離程度が最小のエッジ予測経路であると決定し、ステップS203で計画された左エッジ予測経路を選択し、それによりロボットは障害物に衝突した後にこの選択された左エッジ予測経路のエッジ方向に走行して、障害物を迅速に回避することができる。ロボットが障害物を回避する過程において、予め設定されたナビゲーション経路から逸脱しすぎることを避ける。
【0060】
ステップS204、S210、S211を実行する過程において、ロボットはすでにエッジ走行し、且つ障害物のエッジに沿って走行して、エッジ障害物回避の操作を実行しており、ロボットの位置が変化しているため、ロボットの現在位置をリアルタイムに更新する必要があり、次いでステップS202に戻り、ロボットがエッジ走行する過程において障害物回避に失敗したか否かの判断を継続する。
【0061】
ステップS201からステップS211に記載の実施例において、エッジ予測経路のエッジ行動点とナビゲーション経路における特定の経路ノード(目標変曲点及びその後に設定された変曲点)との間の距離差を比較することにより、エッジ予測経路とナビゲーション経路との相違度合いを決定し、さらに、相違度合いが小さい候補となるエッジ予測経路の基準エッジ方向を、ロボットのエッジ障害物回避における最適な方向として選択することで、ロボットが前記エッジ予測経路を計画できないために無効なエッジ障害物回避行動を引き起こし、ロボットが誤ったエッジ方向においてエッジからますます離れることを避ける。
【0062】
前記実施例における前記エッジ予測経路の計画方法において、その基本的な構想は予測的な経路計画方法であって、ステップS2031と、ステップS2032と、を含む。
【0063】
ステップS2031は、ロボットが障害物に衝突した後、又はロボットが現在のナビゲーション位置で障害物に衝突した後、障害物情報が予めマーキングされたグリッド地図上に衝突点をマーキングしてから、ステップS2032に進むステップである。ステップS2031を実行している時、現在マーキングされた衝突点は、現在衝突した地図上の障害物に対応するグリッドを衝突点としてマーキングしたものである。本発明の実施例において、エッジ走行を実行するロボットに複数の衝突検出器を設置することができ、一定の衝突強度値を予め設定することができ、衝突検出器の衝突強度が該閾値より大きい場合のみ該ロボットが障害物と衝突したと判断することができる。複数の異なる検出器における検出データの識別は、該閾値を用いて行うことができる。本実施例において、ロボットが障害物を検出すると、障害物の位置するグリッド座標を計算し且つ地図上の障害物に対応するグリッドを障害物点としてマーキングする。
【0064】
ステップS2032は、ステップS2031で現在マーキングされた衝突点の近傍において、エッジ障害物回避の条件を満たすグリッドを選択し、且つ選択されたグリッドを、ロボットが障害物のエッジに沿って走行するためのエッジ予測経路上に新規計画されたエッジ行動点としてマーキングし、即ち、エッジ障害物回避の条件を満たすこのグリッドは、ロボットが障害物に衝突した後に計画されるエッジ予測経路の構成部分を構成し、これらのエッジ行動点はロボットが障害物を回避するためのエッジ方向が逆である前記2種類のエッジ予測経路を構成し、該2種類のエッジ予測経路はロボットが左エッジモードを起動した際の左エッジ予測経路及びロボットが右エッジモードを起動した際の右エッジ予測経路を含み、左エッジモードにおいてロボットは障害物のエッジに沿って時計回りに運動し、右エッジモードにおいてロボットは障害物のエッジに沿って反時計回りに運動することから、ロボットがエッジ走行を起動する時にロボットが障害物を回避するためのエッジ方向が逆である2つのエッジ予測経路を計画するステップである。従って、本実施例はロボットが衝突障害物を検出した後、エッジ走行を起動する前に、現在マーキングされた衝突点の近傍でエッジ障害物回避の条件を保持するグリッドを探すことにより、その後にロボットは対応するグリッドで計画した障害物回避経路に従ってエッジ走行することができ、ロボットの衝突回数を削減し、ナビゲーションによる障害物回避を加速する。
【0065】
発明の実施例として、前記ステップS2032はステップ21~ステップ24を含む。ステップ21は、ステップS2031の現在マーキングされた衝突点との距離関係が最も近い距離条件を満たす障害物点を検索し、ここで、現在マーキングされた衝突点は前記実施例のステップS2031のグリッド地図上でマーキングされた衝突点であり、次いでステップ22に進むステップである。ステップ22は、ステップ21で検索された障害物点の近傍において、予備エッジ条件を満たすグリッドを選択し、次いでステップ23に進み、ここで障害物点の近傍とはこの障害物点を囲む8つのグリッドであるステップである。ステップ23は、予備エッジ条件を満たすグリッドの数が第2既定グリッド数に達したことを統計した場合、これらの予備エッジ条件を満たすグリッドのうち前記最適なエッジ条件を満たすグリッドを選択し、前記エッジ障害物回避の条件を満たすグリッドとしても選択し、次いでステップ24に進み、ここで、前記エッジ障害物回避の条件を満たすグリッドが、最も近い距離条件を満たす障害物点及び前記最適なエッジ条件を満たすグリッドであることを確立した上で、即ち、まずグリッドが最も近い距離条件を満たすか否かを決定し、次いでその上で、対応する選択されたグリッドが前記最適なエッジ条件を満たすか否かを決定する。ステップ24は、ステップ23で選択された前記最適なエッジ条件を満たすグリッドを、新規衝突点としてマーキングし、且つロボットが障害物のエッジに沿って走行するための対応するエッジ予測経路上の新規計画されたエッジ行動点として追加し、同時にこの新規衝突点を、ステップS2031で現在マーキングされた衝突点として更新し、ステップ21に戻り、障害物回避のための既定グリッド数であるエッジ行動点をマーキングするまで実行し、ここで、前記最適なエッジ条件を満たすグリッドは新規衝突点としてマーキングされ且つエッジ行動点の集合に保存され、これらのエッジ行動点は、ロボットの後続のエッジ方向を、ロボットの現在位置から開始して左エッジ方向及び右エッジ方向に分けることができ、左エッジ方向においてロボットは障害物のエッジに沿って時計回りに運動し、右エッジ方向においてロボットは障害物のエッジに沿って反時計回りに運動し、その後ロボットはこれらのエッジ行動点に基づいて障害物のエッジに沿って走行し、ロボットが正確な経路に沿って障害物を回避して、障害物に衝突することによる混乱から迅速に抜け出すことができる。ここで、ステップ21において最も近い距離条件を満たす障害物点を検索できない場合、前記左エッジ予測経路及び/又は前記右エッジ予測経路を計画できないと決定する。又は、ステップ22で予備エッジ条件を満たすグリッドを検索できない場合、前記左エッジ予測経路及び/又は前記右エッジ予測経路を計画できないと決定する。
【0066】
従って本実施例は、ステップ21からステップ24を繰り返し実行することにより、合理的なグリッド数の範囲内で、計画された前記エッジ障害物回避の条件を満たすグリッドを新規衝突点としてマーキングし、ロボットが障害物のエッジの周囲を走行するエッジ予測経路を計画することができ、ロボットが地図上の障害物のエッジを基にエッジ走行する経路を予測することに役立つ。
【0067】
上記実施例の前記ステップ23において、前記最適なエッジ条件を満たすグリッドは、前記エッジ条件を満たすグリッドのうちロボットの現在位置との接続線が障害物のエッジに最も近いグリッドを選択し、即ち該ステップで選択されたグリッドとロボットの現在位置との接続線と、現在衝突している障害物の輪郭線の接線との夾角が最も小さいグリッド、又は、該ステップで選択されたグリッドとロボットの現在位置との接続線と、ロボット座標系の1つの座標軸との夾角が最も小さいように形成されるグリッド、を含み、前記最適なエッジ条件を満たすこれらのグリッドとロボットの現在位置との接続線と、ロボット座標系の別の座標軸との夾角が最も大きく、それにより該実施例は決定されたグリッドで構成されたエッジ予測経路を障害物の輪郭線に最大限近づけるように計画することができる。前記エッジ予測経路の計画過程において、ロボットの現在位置は不変である。
【0068】
特に、前記予備エッジ条件を満たすグリッドの統計数が第2既定グリッド数に達した時、これらの前記予備エッジ条件を満たすグリッドとロボットの現在位置との相対位置関係に基づき、これらのグリッドのうちロボットの現在位置との接続線が障害物のエッジに最も近いグリッドを選択することにより、前記エッジ障害物回避の条件を満たし、本実施例は一定の統計数を満たす前提で、合理的な長さのエッジ予測経路を計画し、相対位置の計算量を削減して、ロボットナビゲーションによる障害物回避の処理効率を向上させる。
【0069】
一般的に、前記予備エッジ条件を満たすグリッドとロボットの現在位置との相対位置関係の計算方法は、ロボットの現在位置を原点とし、ロボットの本体右側方向をX軸正方向、ロボットの現在の前進方向をY軸正方向として、ロボット座標系を確立することを含み、注意すべき点として、この座標系のX軸方向及びY軸方向は一意に固定されないが、ロボットの前進方向における位置決め問題を考慮する必要がある。本実施例は確立された上記ロボット座標系において、前記各最適なエッジ条件を満たすグリッドのロボット座標系の原点に対する座標値及び角度値をそれぞれ算出する。本実施例において、ワールド座標系はXOY、ロボット座標系はX’O’Y’であり、ロボットの中心点(ロボットの現在位置)はロボット座標系の原点であり、ワールド座標系におけるロボットの座標及び角度を決定する場合、従来技術における機械座標をワールド座標に変換する公式によって、各衝突点、障害物点、前記エッジ行動点のロボットの現在位置に対するワールド座標を換算することができる。本実施例はロボットローカル座標系を利用して計画されたグリッド座標計算に参加し、関連グリッドの座標計算を合理的で正確なものにする。
【0070】
好ましくは、前記衝突点は前衝突点と、左衝突点と、右衝突点と、を含む。コストの問題を考慮し、本実施例はロボットに2つの衝突検出器を設置し、この2つの衝突検出器の検出能力は完全に同じであってもよく、衝突検出器は障害物と衝突しなければ障害物の衝突点の検出を実現できないため、衝突検出器はロボットのベース前半分の180度の角度範囲内に設置する必要があり、該扇状面を二等分して、各部の角度値を90度にすることができる。ロボットの本体左前部に左衝突検出器が設置され、左衝突検出器は本実施例において本体左側の小扇面の弧線の中点に位置し、ロボットの進行方向左側に衝突した障害物を検出するために用いられ、具体的にはロボットが障害物のエッジに沿って反時計回り方向にエッジ走行する過程において、本体左側に衝突した障害物を検出し、且つ対応する方向における障害物上の衝突点を左衝突点としてマーキングするために用いられる。ロボットの本体右前部に右衝突検出器が設置され、右衝突検出器は本実施例において本体右側の小扇状面の弧線の中点に位置し、ロボットの進行方向右側に衝突した障害物を検出するために用いられ、ロボットが障害物のエッジに沿って時計回りにエッジ走行する時に本体右側に衝突した障害物を検出し、且つ対応する方向における障害物上の衝突点を右衝突点としてマーキングするために用いられる。左衝突検出器と右衝突検出器はロボットの本体の左右両側に対称に設置される。左右の衝突検出器の検出能力が完全に同じであるため、衝突がこの2つの小扇状面の境界点で発生した場合、該2つの小扇状面に位置する衝突検出器の衝突強度は同じであり、即ちロボットの正面が障害物に衝突すると、左衝突検出器及び右衝突検出器を同時にトリガして検出し、且つ対応する方向における障害物上の衝突点を前衝突点としてマーキングし、それによりロボットがマーキングした前衝突点、左衝突点、右衝突点をそれぞれロボットが真正面に衝突した障害物の輪郭線の接線上に位置させ、障害物の輪郭線はグリッド地図上にマーキングして形成される。ロボットが同じ障害物の異なるエッジを回ってエッジ走行することに役立ち、ロボットがエッジ走行する方式で異なる障害物を回避することに適応する。
【0071】
なお、同一のロボット座標系において、ロボットの本体中心が位置する地図位置がロボット座標系の原点と等価であれば、本実施例は、ロボットが同一の位置でマーキングする前衝突点、左衝突点、右衝突点がいずれもロボットの真正面に衝突した障害物の輪郭線の接線上に位置することを実現するために、ロボットの本体中心をロボットの現在位置である原点と見なす。ロボットが原点位置(0、0)で障害物に衝突した場合、左衝突点の座標を(-2、2)とすると、右衝突点の座標は(2、2)であり、前衝突点の座標は(0、2)である。従って、ロボットが原点位置(0、0)にあり、ロボットが座標(-2、2)の左衝突点で衝突を検出した場合、ロボットの進行方向左側が障害物に衝突したと判断する。ロボットが座標(2、2)の右衝突点で衝突を検出した場合、ロボットの進行方向右側が障害物に衝突したと判断する。ロボットが座標(0、2)の前衝突点で衝突を検出した場合、ロボットの進行方向が障害物に衝突したと判断する。
【0072】
同時に本実施例は上記衝突点から衝突検出器までの距離が遠いほど、衝突強度が小さく、各小扇状面内の衝突強度がいずれも該扇状面内の衝突検出器によって測定される場合、各扇状面間の交点は衝突発生後の衝突強度が最も小さい衝突点であり、即ち前記前衝突点である。以上をまとめると、衝突強度閾値は前記前衝突点の衝突強度よりいくらか小さく設定することができ、該閾値に基づいて、ロボットが障害物と衝突する時に1つの小扇状面内の衝突検出器の衝突強度だけが閾値より常に大きくなり、それによりロボットが同時に1つの衝突検出器のみを識別して障害物を検出し、ロボット前方の障害物に対する衝突検出器の領域的な検出を実現し、後続のエッジ方向の計画と判断を容易にする。ここで、該閾値の大きさは小扇状面の角度の変化に伴って変化し、小扇状面の角度は衝突検出器の数に関連し、従って該衝突強度閾値はロボットに設置される衝突検出器の数の変化に追従する必要がある。
【0073】
実施例として、これらの前記予備エッジ条件を満たすグリッドとロボットの現在位置との相対位置関係に基づき、これらのグリッドのうちロボットの現在位置との接続線が障害物のエッジに最も近いグリッドを選択する前記方法は以下を含む。
【0074】
ロボットの前記ステップS2031において現在マーキングされた衝突点が前記左衝突点である場合、ロボットの現在位置に対して障害物のエッジに沿って反時計回りに分布し、且つ前記ロボットの現在位置に対する角度値が最大で前記予備エッジ条件を満たすグリッドを前記最適なエッジ条件を満たすグリッドとして選択し、このグリッドと前記ロボットの現在位置との接続線は障害物の右側エッジに最も近く、それにより前記最適なエッジ条件を満たすこのグリッドは前記右エッジ予測経路に接続される。全体的に見て前記エッジ障害物回避の条件を満たすグリッドに等しく、それによりこのグリッドとロボットの現在位置との接続線はこの障害物のエッジに最も近く、それによりロボットのエッジ障害物回避の基準エッジ方向(反時計回り方向)を決定する。なお、ロボットが障害物のエッジに沿って走行する過程において、右エッジ行動が存在し、ロボットが障害物の右側エッジ(輪郭線)に沿って反時計回りに運動してもよく、即ち、ロボットの基準エッジ方向が反時計回り方向であると決定する。従って、まずロボットの現在位置に対して障害物のエッジに沿って反時計回りに分布する前記予備エッジ条件を満たすグリッドを決定して選択することで、ロボットが現在位置から開始して選択した前記最適なエッジ条件を満たすグリッドを順にトラバースするように制御する後続のプロセスに役立ち、障害物のエッジ(輪郭線)に沿って反時計回りに運動することを実現し、次いでこれを基礎としてこれらの要件を満たすグリッドの角度情報を計算することにより、前記ロボットの現在位置に対する角度値(前述の実施例で確立されたロボット座標系のX軸正方向に対して形成される夾角)が最大で前記予備エッジ条件を満たすグリッドを前記最適なエッジ条件を満たすグリッドとしてスクリーニングし、これは前記第2既定グリッド数の前記予備エッジ条件を満たすグリッドのうち、ロボットの現在位置との接続線がこの障害物のエッジに最も近いグリッドを選択することと等価であり、それにより前記エッジ障害物回避の条件を満たすグリッドを取得し、後続のエッジ走行過程におけるロボットは前記エッジ障害物回避の条件のグリッドにより計画されたエッジ予測経路に従って障害物のエッジ(輪郭線)に沿って反時計回りに運動し、一定のグリッド数の前記エッジ行動点を越えた後に障害物の右側エッジを越えることができる。注目すべきは、前記エッジ障害物回避の条件を満たすには、前記最も近い距離条件及び前記予備エッジ条件を同時に満たす必要があることである。
【0075】
同様に、ロボットの前記ステップS2031において現在マーキングされた衝突点が前記右衝突点である場合、ロボットの現在位置に対して障害物のエッジの周囲に時計回りに分布し、且つ前記ロボットの現在位置に対する角度値が最小の前記予備エッジ条件を満たすグリッドを前記最適なエッジ条件を満たすグリッドとして選択し、このグリッドと前記ロボットの現在位置との接続線は障害物の左側エッジに最も近く、それにより前記最適なエッジ条件を満たすこのグリッドは前記左エッジ予測経路として計画される。全体的に見て前記エッジ障害物回避の条件を満たすグリッドに等しく、それによりこのグリッドとロボットの現在位置との接続線はこの障害物のエッジに最も近く、それによりロボットのエッジ障害物回避の基準エッジ方向(時計回り方向)を決定する。なお、ロボットが障害物のエッジに沿って走行する過程において、左エッジ行動が存在し、ロボットが障害物の左側エッジ(輪郭線)に沿って時計回りに運動してもよく、すなわちロボットの基準エッジ方向が時計回り方向であると決定する。従って、まずロボットの現在位置に対して障害物のエッジに沿って時計回りに分布する前記予備エッジ条件を満たすグリッドを決定して選択することで、ロボットが現在位置から開始して選択したこれら前記エッジ条件を満たすグリッドを順にトラバースするように制御する後続の過程で、障害物のエッジ(輪郭線)に沿って時計回りに運動するように制御するのに役立ち、次いでこれを基礎としてこれらの要件を満たすグリッドの角度情報を計算することにより、前記ロボットの現在位置に対する角度値(前述の実施例で確立されたロボット座標系のX軸正方向に対して形成される夾角であり、ここでX軸正方向は同一の障害物の右側を指す)が最小の前記予備エッジ条件を満たすグリッドを前記最適なエッジ条件を満たすグリッドとしてスクリーニングし、これは前記第2既定グリッド数の前記予備エッジ条件を満たすグリッドのうち、ロボットの現在位置との接続線がこの障害物のエッジに最も近いグリッドを選択することと等価であり、それにより前記エッジ障害物回避の条件を満たすグリッドを取得し、且つ前記エッジ行動点がマーキングされ、後続のエッジ走行過程におけるロボットは前記エッジ行動点により計画されたエッジ予測経路に従って障害物のエッジ(輪郭線)に沿って時計回りに運動し、一定のグリッド数の前記エッジ行動点を越えた後に障害物の左側エッジを越えることができる。注目すべきは、前記エッジ障害物回避の条件を満たすには、前記最も近い距離条件及び前記予備エッジ条件を同時に満たす必要があることである。
【0076】
ここで、前記エッジ障害物回避の条件を満たすグリッドのロボットの現在位置(ロボットの本体中心)に対する角度の大きさは、前記エッジ障害物回避の条件を満たすグリッドのロボットの現在位置(ロボットの本体中心)に対する接続線のロボット座標系のX軸正方向に対する偏向角度であり、この偏向角度の大きさはX軸の設置位置に関連し、特に、X軸正方向の設置と障害物の分布位置との関係に関連し、選択した前記エッジ障害物回避の条件を満たすグリッドとロボットの現在位置との接続線が障害物のエッジに最も近いことを確保して、最短のエッジ予測経路を計画する。
【0077】
ロボットが衝突している障害物の形状輪郭及びその分布位置に制限されて、前記エッジ障害物回避の条件を満たすグリッドのロボットの現在位置(ロボットの本体中心)に対する接続線がX軸正方向に近づくほど対応する偏向角度が小さくなり、逆であれば大きくなるが、ロボットが前記エッジ障害物回避の条件を満たすグリッドを経過し障害物をスムーズに乗り越え、且つ障害物と頻繁に衝突しないことを保証する必要がある。本実施例は、ロボットが最適な角度方向に従って障害物を回避するためのエッジ予測経路、ロボットが障害物のエッジの周囲を時計回り又は反時計回りに運動するのをサポートするグリッドを計画すること、及び、障害物の形状特徴に基づいてロボットがエッジ走行する経路を計画することを実現することで、ロボットが後続の障害物回避に失敗する確率を低下させる。該技術的解決手段はエッジ方向の角度の極値を限定することにより、ロボットが障害物を回避する過程において衝突する回数を効果的に減少させ、ロボットの障害物回避速度を加速する。
【0078】
実施例として、前記エッジ予測経路を計画する具体的なステップフローはステップS401~S408を含む。
【0079】
ステップS401は、ロボットが障害物に衝突した後、又はロボットが現在のナビゲーション位置で障害物に衝突した後、ロボットが障害物と衝突した点を衝突点と定義し、且つ障害物情報を予めマーキングしたグリッド地図上に衝突点をマーキングしてから、ステップS402に進むステップである。
【0080】
ステップS402は、ステップS401で現在マーキングされた衝突点を中心として、半径が第1既定グリッド数である第1既定検索領域を確立し、次いでステップS403に進むステップである。ここで、第1既定グリッド数は好ましくは3つのグリッドであり、ステップS402は前記ステップS401において現在マーキングされた衝突点から3つのグリッドの辺長より短い全てのグリッドを検索するために用いられ、グリッド間の距離の比較はグリッド座標点の距離の比較であってもよい。ロボットが後続のエッジ走行過程中において障害物から離れすぎることを避ける。
【0081】
ステップS403は、第1既定検索領域内でステップS401の現在マーキングされた衝突点に最も近く且つ衝突点としてマーキングされていない障害物点を最も近い距離条件を満たす障害物点として検索し、次いでステップS404に進むステップである。なお、前記エッジ行動点が計画される前に、前記ステップS401の現在マーキングされた衝突点は、ロボットが前記ステップS2031を実行することによって障害物点を予めマークしたグリッド地図上にマーキングされた衝突点であり、且つ障害物点を予めマーキングしたグリッド地図上の最初にマーキングされた衝突点である。ステップS403で選択された障害物点は、障害物とロボットの衝突箇所の輪郭形状を囲むために用いられる。
【0082】
好ましくは、前記ステップS403で最も近い距離条件を満たす障害物点が見つからない場合、ロボットの障害物回避のエッジ方向が逆である2種類のエッジ予測経路(前記左エッジ予測経路及び前記右エッジ予測経路)を計画できないと相次いで決定し、前記ステップS204に戻る。それにより逆のエッジ方向においてエッジ障害物回避走行を継続して実行する。
【0083】
ステップS404は、ステップS403で検索された障害物点の近傍において、前記障害物点及びすでに計画されたエッジグリッド点以外のロボットがトラバースしてマーキングしたグリッドを予備エッジ条件を満たすグリッドとして選択し、次いでステップS405に進むステップである。ここで、前記ステップS403で検索された障害物点の近傍の8つのグリッド範囲内において、ロボットがトラバースしてマーキングしたグリッドのうち前記障害物点及びすでに計画されたエッジグリッド点以外のグリッドを選択することにより、一方ではロボットが予備エッジ条件を満たすグリッドを通行できることを保証し、他方ではロボットが計画されたエッジ予測経路領域を繰り返し走行することを避けて、ロボットのエッジナビゲーション領域のトラバース重複率を減少させる。
【0084】
好ましくは、前記ステップS404で予備エッジ条件を満たすグリッドが見つからない場合、ロボットの障害物回避のエッジ方向が逆である2種類のエッジ予測経路を計画できないと相次いで決定し、前記ステップS204に戻る。それにより新しいエッジ方向においてエッジ障害物回避走行を継続して実行する。
【0085】
ステップS405は、前記ステップS404において予備エッジ条件を満たすグリッドの数を統計し、前記予備エッジ条件を満たすグリッドを統計するたびに、この前記予備エッジ条件を満たすグリッドとロボットの現在位置との相対位置関係を算出し、次いで、ステップS406に進むステップである。ロボットをガイドして正確なエッジ方向に向かって走行させるためのグリッドに対する後続のスクリーニングに役立つ。
【0086】
ステップS406は、ステップS405の統計数が第2既定グリッド数に達した時、これらの前記予備エッジ条件を満たすグリッドとロボットの現在位置との相対位置関係に基づき、ロボットの現在位置との接続線が障害物のエッジに最も近いグリッドを最適なエッジ条件を満たすグリッドとして選択し、次いでステップS407に進むステップである。該ステップS406でスクリーニングされた最適なエッジ条件を満たすグリッドはエッジ障害物回避の条件を満たすグリッドに属し、後続で合理的な長さのエッジ予測経路を計画するためにそのまま用いられ、相対位置の計算量を削減して、ロボットナビゲーションによる障害物回避の処理効率を向上させる。
【0087】
ステップS407は、ステップS406で選択されたグリッド点を新規衝突点としてマーキングし、且つロボットが障害物のエッジに沿って走行するための対応するエッジ予測経路に追加し、新規計画されたエッジ行動点としてマーキングし、このエッジ行動点をロボット内部のエッジ予測経路メモリに記憶して、ロボットが後続の走行をトラバースし、障害物を回避するために用いられ、同時にこの新規衝突点をステップS401で現在マーキングされた衝突点として更新し、ステップS408に進むステップである。
【0088】
ステップS408は、障害物回避のための既定グリッド数であるエッジ行動点をマーキングしたか否かを判断し、マーキングしていれば前記エッジ予測経路計画方法の実行を終了し、そして、ロボットが計画されたエッジ行動点までエッジ走行し、マーキングしていなければ前記ステップS402に戻り、前記ステップに従って更新後のステップS401の現在マーキングされた衝突点を介して、エッジ障害物回避の条件を満たすグリッドの選択を継続し、且つ選択されたグリッドをロボットが障害物のエッジに沿って走行するためのエッジ予測経路上の新規計画されたエッジ行動点としてマーキングする。ここで、ステップS408はロボット内部のエッジ予測経路メモリ全体に前記エッジ行動点が記憶されているか否かを判断するために用いられ、ロボットの現在位置から開始して、障害物回避のための既定グリッド数であるエッジ行動点は、現在位置で衝突する障害物を越えるエッジ予測経路を計画するのに十分である。なお、上記グリッドの選択及び計算は対応するグリッド座標点の選択及び演算と見なすことができる。
【0089】
前記ステップS401からステップS408を実行することにより、ステップS401でマーキングされた衝突点が前記右衝突点である場合、ロボットの現在位置に対して障害物のエッジの周囲に時計回りに分布し、且つ前記ロボットの現在位置に対する角度値が最小の前記予備エッジ条件を満たすグリッドを前記最適なエッジ条件を満たすグリッドとして選択することにより、この前記最適なエッジ条件を満たすグリッドを前記左エッジ予測経路として計画し、左エッジ行動が存在するロボットは障害物の左側エッジ(輪郭線)に沿って時計回りに運動する。前記ステップS401からステップS408を実行することにより、ステップS401でマーキングされた衝突点が前記左衝突点である場合、ロボットの現在位置に対して障害物のエッジの周囲に反時計回りに分布し、且つ前記ロボットの現在位置に対する角度値が最大で前記予備エッジ条件を満たすグリッドを前記最適なエッジ条件を満たすグリッドとして選択することにより、この前記最適なエッジ条件を満たすグリッドを前記右エッジ予測経路として計画し、右エッジ行動が存在するロボットは障害物の右側エッジ(輪郭線)に沿って反時計回りに運動する。従って、前記ロボットが障害物を回避するためのエッジ方向が逆である2つのエッジ予測経路はそれぞれ左エッジ予測経路及び右エッジ予測経路である。
【0090】
プログラムコードが記憶されるチップであって、該プログラムコードはチップによって実行される時に前記エッジ経路の選択方法を実現する。フローチャートに示されるか又は他の方式で説明される論理及び/又はステップは、例えば、論理機能を実現するための実行可能なコマンドの配列表と見なすことができ、任意のコンピュータ可読媒体に具体的において実現され、コマンド実行システムや装置や機器(例えばコンピュータに基づくシステム、プロセッサを含むシステム、又は他のコマンド実行システムや装置や機器からコマンドを取得し且つコマンドを実行することができるシステム)に供され、又はこれらの命令実行システムや装置や機器と組み合わせて使用される。本明細書において、「コンピュータ可読媒体」は、コマンド実行システムや装置や機器、またはこれらのコマンド実行システムや装置や機器と組み合わせて使用するためのプログラムを含み、記憶し、通信し、伝搬または送信することができる任意の装置であってもよい。コンピュータ可読媒体のより具体的な例(非網羅的なリスト)は、1つまたは複数の配線を有する電気的接続部(電子装置)、ポータブルコンピュータディスクカートリッジ(磁気装置)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、書き込み消去可能リードオンリメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、光ファイバ装置、およびポータブル光ディスクリードオンリメモリ(CDROM)を含む。さらに、コンピュータ可読媒体は、例えば紙または他の媒体を光学的にスキャンしてから、編集、解釈、または必要に応じて他の適切な方法で処理することによって前記プログラムを電子的に取得し、その後、コンピュータメモリに記憶することができるため、前記プログラムが印刷された紙または他の適切な媒体であってもよい。
【0091】
ロボットであって、該ロボットの本体左前部に左衝突検出器が設置され、該左衝突検出器は、ロボットの進行方向左側に衝突した障害物を検出するために用いられ、それによりロボットが障害物のエッジに沿って反時計回り方向にエッジ走行する時に本体左側に衝突した障害物を検出するために用いられ、且つ該ロボットの本体右前部に右衝突検出器が設置され、ロボットの進行方向右側に衝突した障害物を検出するために用いられ、それによりロボットが障害物のエッジに沿って時計回りにエッジ走行する時に本体右側に衝突した障害物を検出するために用いられ、該ロボットに前記チップが設置され、前記チップはそれぞれ左衝突検出器及び右衝突検出器に接続され、ロボットは前記エッジ経路選択方法を実行するように構成されるロボットである。それにより視覚センサロボットが視覚的にマーキングされた障害物が正確出ないことによりナビゲーション過程において障害物に衝突しやすいという課題を克服し、ロボットのエッジ障害物回避の効率を向上させる。ここで、左衝突検出器及び右衝突検出器はロボットの本体の左右両側に対称に設置され、ロボットの正面が障害物に衝突すると、左衝突検出器及び右衝突検出器を同時にトリガして検出し、且つ対応する方向における障害物上の衝突点を前衝突点としてマーキングし、それによりロボットが同一位置でマーキングした前衝突点、左衝突点、右衝突点をいずれもロボットが真正面に衝突した障害物の輪郭線の接線上に位置させ、障害物の輪郭線はグリッド地図上にマーキングして形成される。
【0092】
上記実施例は、本発明の技術構想および特徴を説明するためだけのものであって、その目的は当該業者が本発明の概要を理解して実施できるようにすることにあり、本発明の保護範囲を制限するためのものではない。本発明の主旨に基づいて行われた同等の変更や改良は、本発明の保護範囲内に含まれるべきである。
図1
図2
【手続補正書】
【提出日】2022-06-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
まずロボットが障害物を回避するためのエッジ予測経路を計画し、且つ予め設定されたナビゲーション経路上でガイド条件を満たす既定変曲点を選択するステップであって、ロボットをガイドして最終的なナビゲーション目標点に移動させるための変曲点の接続により構成されるナビゲーション経路がロボットに予め設定されるステップと、
次いで各エッジ予測経路上の全てのエッジ行動点と同一のナビゲーション経路上のガイド条件を満たす既定変曲点との距離情報に基づき、このナビゲーション経路に対する乖離程度が最も小さいエッジ予測経路を選択し、それによりロボットは障害物に衝突した後にこの選択されたエッジ予測経路のエッジ方向に走行して、障害物を回避することができるステップと、を含むことを特徴とする、障害物に対するロボットの回避のためのエッジ経路の選択方法。
【請求項2】
予め設定されたナビゲーション経路上でガイド条件を満たす既定変曲点を選択する前記ステップは、
まず前記ナビゲーション経路から1つの目標変曲点を選択し、次にこの目標変曲点及びこの目標変曲点から開始して前記ナビゲーション経路のナビゲーション進行方向に沿って順次設置された1つ又は2つの変曲点に前記最終的なナビゲーション目標点が存在するか否かをそれぞれ判断することにより、ガイド条件を満たす既定変曲点を選択するステップであって、
前記ナビゲーション経路のナビゲーション進行方向は、ロボットをガイドして前記最終的なナビゲーション目標点に移動させるためのロボットナビゲーション方向であり、前記最終的なナビゲーション目標点は前記ナビゲーション経路の終点でもあり、前記ナビゲーション経路における1つの変曲点に属するステップを含む、ことを特徴とする、請求項1に記載のエッジ経路の選択方法。
【請求項3】
前記目標変曲点から開始して前記ナビゲーション経路のナビゲーション進行方向に沿って順次設置された2つの変曲点に前記最終的なナビゲーション目標点が存在しないと判断した場合、ガイド条件を満たす前記既定変曲点は、前記目標変曲点と、前記ナビゲーション経路においてこの目標変曲点から開始して前記ナビゲーション経路のナビゲーション進行方向に沿って順次設置される2つの変曲点とを含むことを決定し、
前記目標変曲点から開始して前記ナビゲーション経路のナビゲーション進行方向に沿って連続して設置された第1変曲点又は第2変曲点が前記最終的なナビゲーション目標点であると判断した場合、ガイド条件を満たす前記既定変曲点は、前記ナビゲーション経路において、前記目標変曲点から開始して前記ナビゲーション経路のナビゲーション進行方向に沿って前記最終的なナビゲーション目標点まで配列される全ての変曲点を含むことを決定し、該全ての変曲点にも前記目標変曲点及び前記最終的なナビゲーション目標点が含まれ、第1変曲点は前記ナビゲーション経路のナビゲーション進行方向において前記目標変曲点に隣接して設置され、第2変曲点は前記ナビゲーション経路のナビゲーション進行方向において第1変曲点に隣接して設置され、
前記ナビゲーション経路上で選択された目標変曲点が前記最終的なナビゲーション目標点であると判断した場合、ガイド条件を満たす前記既定変曲点は前記最終的なナビゲーション目標点のみであることを特徴とする、請求項2に記載のエッジ経路の選択方法。
【請求項4】
予め設定されたナビゲーション経路上で目標変曲点を選択するステップは、ロボットの現在位置を中心とし、且つロボットの現在位置との最大距離を第1既定距離閾値としたグリッド座標で構成された変曲点比較領域を確立するステップと、
この変曲点比較領域が1つの前記変曲点のみを有する場合、この前記変曲点を選択して前記目標変曲点としてマーキングするステップと、
この変曲点比較領域に2つ以上の前記変曲点が存在する場合、ロボットの現在位置との距離が第1既定距離閾値より小さい変曲点のうち、前記ナビゲーション経路のナビゲーション進行方向に沿って前記最終的なナビゲーション目標点に最も近い変曲点を選択して、前記目標変曲点としてマーキングするステップと、
この変曲点比較領域に前記変曲点がない場合、前記ナビゲーション経路のナビゲーション進行方向に沿って、前記ナビゲーション経路上でロボットが最新にマーキングした目標変曲点に隣接する変曲点を選択して新規目標変曲点としてマーキングするステップと、を含み、
ロボットの現在位置と前記変曲点のうち1つとの距離が第2既定距離閾値より小さい場合、ロボットの現在位置がこの前記変曲点と重なったと決定し、第2既定距離閾値は第1既定距離閾値より小さい、ことを特徴とする、請求項3に記載のエッジ経路の選択方法。
【請求項5】
各エッジ予測経路上の全てのエッジ行動点と同一のナビゲーション経路上のガイド条件を満たす既定変曲点との距離情報に基づき、このナビゲーション経路に対する乖離程度が最も小さいエッジ予測経路を選択し、それによりロボットは障害物に衝突した後にこの選択されたエッジ予測経路のエッジ方向に走行して、障害物の回避を実現する前記ステップは、
前記エッジ予測経路は左エッジ予測経路と右エッジ予測経路を含み、左エッジ予測経路のエッジ方向と右エッジ予測経路のエッジ方向は逆であるステップと、
前記ナビゲーション経路のガイド条件を満たす既定変曲点から左エッジ予測経路上の同じエッジ行動点までの距離を計算し、さらにこれらの距離を加算することにより、エッジ行動点のガイド条件を満たす既定変曲点に対して生成した左側局所距離の和を取得し、次いで前記計算ステップを繰り返すことにより左エッジ予測経路上の各エッジ行動点のガイド条件を満たす既定変曲点に対して生成した左側局所距離の和を取得し、
さらにこれらの左側局所距離の和を加算することにより、左エッジ予測経路のガイド条件を満たす既定変曲点に対して生成した左側距離の総和を取得し、該総和は左エッジ予測経路の前記ナビゲーション経路に対する乖離程度を示すために用いられるステップと、
同時に、前記ナビゲーション経路のガイド条件を満たす既定変曲点から右エッジ予測経路上の同じエッジ行動点までの距離を計算し、さらにこれらの距離を加算することにより、エッジ行動点のガイド条件を満たす既定変曲点に対して生成した右側局所距離の和を取得し、次いで前記計算ステップを繰り返すことにより右エッジ予測経路上の各エッジ行動点のガイド条件を満たす既定変曲点に対して生成した右側局所距離の和を取得し、
さらにこれらの右側局所距離の和を加算することにより、右エッジ予測経路のガイド条件を満たす既定変曲点に対して生成した右側距離の総和を取得し、該総和は右エッジ予測経路の前記ナビゲーション経路に対する乖離程度を示すために用いられるステップと、
左側距離の総和が右側距離の総和より大きい場合、右エッジ予測経路が、前記ナビゲーション経路に対する乖離程度が最小のエッジ予測経路であると決定し、右エッジ予測経路を選択し、それによりロボットは障害物に衝突した後にこの選択された右エッジ予測経路のエッジ方向に走行して、障害物を回避することができるステップと、
右側距離の総和が左側距離の総和より大きい場合、左エッジ予測経路が、前記ナビゲーション経路に対する乖離程度が最小のエッジ予測経路であると決定し、左エッジ予測経路を選択し、それによりロボットは障害物に衝突した後にこの選択された左エッジ予測経路のエッジ方向に走行して、障害物を回避することができるステップと、を含み、
右側距離の総和が小さいほど、右エッジ予測経路の前記ナビゲーション経路に対する乖離程度が小さく、左側距離の総和が小さいほど、左エッジ予測経路の前記ナビゲーション経路に対する乖離程度が小さいことを特徴とする、請求項1に記載のエッジ経路の選択方法。
【請求項6】
前記ナビゲーション経路は1組の規則的に分布する変曲点を接続して構成され、前記ナビゲーション経路において、前記ナビゲーション経路のナビゲーション進行方向に沿って設定された変曲点の計画番号は順次インクリメントされ、
ガイド条件を満たす前記既定変曲点の計画番号は順次インクリメントされ、前記目標変曲点の計画番号より小さい変曲点はロボットがすでにトラバースした変曲点としてマーキングされ、
前記最終ナビゲーション目標点の計画番号が最大であり、前記ナビゲーション経路のナビゲーション進行方向において、前記最終ナビゲーション目標点に近い変曲点ほど、対応する計画番号が大きくなることを特徴とする、請求項4に記載のエッジ経路の選択方法。
【請求項7】
さらに、ロボットが前記ナビゲーション経路に従って走行し始めた後、既定時間内にロボットが位置する座標位置の変化量が距離安定閾値より大きいか否かを判断し、大きければロボットを制御して前記エッジ予測経路を計画し、そうでなければロボットを制御してエッジ方向を変更し、ロボットを現在確定されたエッジ方向と逆の方向に沿って走行させるステップであって、現在決定されたエッジ方向はロボットの通電起動時に予め設定されたエッジ方向及び前回選択した前記ナビゲーション経路に対する乖離程度が最も小さいエッジ予測経路のエッジ方向を含むステップを含み、
ロボットが障害物を回避するためのエッジ方向が逆である2つのエッジ予測経路を計画できないと判断した場合、ロボットを制御して現在決定されたエッジ方向と逆の方向に沿って走行させ、
距離安定閾値はロボットの本体直径の大きさに設定されることを特徴とする、請求項1に記載のエッジ経路の選択方法。
【請求項8】
前記エッジ予測経路の計画方法は、
ロボットが障害物に現在衝突した後、障害物情報を予めマーキングしたグリッド地図上に衝突点をマーキングするステップ1と、
ステップ1の現在マーキングされた衝突点の近傍において、エッジ障害物回避の条件を満たすグリッドを選択し、且つ選択されたグリッドをロボットが障害物のエッジに沿って走行するためのエッジ行動点としてマーキングすることにより、これらのエッジ行動点は前記エッジ予測経路を構成するステップ2と、を含むことを特徴とする、請求項7に記載のエッジ経路の選択方法。
【請求項9】
前記ステップ2は、
ステップ1の現在マーキングされた衝突点との距離関係が最も近い距離条件を満たす障害物点を検索するステップ21と、
ステップ21で検索された障害物点の近傍において、予備エッジ条件を満たすグリッドを検索するステップ22と、
予備エッジ条件を満たすグリッドの数が第2既定グリッド数に達したと統計した場合、これらの予備エッジ条件を満たすグリッドのうち前記最適なエッジ条件を満たすグリッドを選択し、前記エッジ障害物回避の条件を満たすグリッドとしても選択するステップ23と、
ステップ23で選択された前記最適なエッジ条件を満たすグリッドを新規衝突点としてマーキングし、且つロボットが障害物のエッジに沿って走行するための対応するエッジ予測経路上の新規計画されたエッジ行動点として追加し、同時にこの新規衝突点を前記ステップ1で現在マーキングされた衝突点として更新し、
障害物回避のための既定グリッド数であるエッジ行動点をマーキングするまでステップ21に戻って実行するステップ24と、を含み、
ステップ21において最も近い距離条件を満たす障害物点を検索できない場合、前記エッジ予測経路を計画できないと決定するか、又は、ステップ22において予備エッジ条件を満たすグリッドを検索できない場合、前記エッジ予測経路を計画できないと決定することを特徴とする、請求項8に記載のエッジ経路の選択方法。
【請求項10】
前記ステップ23において、前記最適なエッジ条件を満たすグリッドは、前記予備エッジ条件を満たすグリッドのうちロボットの現在位置との接続線が障害物のエッジに最も近いとして選択されるグリッドを含み、
前記エッジ経路の選択方法を実行する過程において、ロボットの現在位置は不変であることを特徴とする、請求項9に記載のエッジ経路の選択方法。
【請求項11】
前記ステップ23は、
前記予備エッジ条件を満たすグリッドの統計数が第2既定グリッド数に達した時、これらの前記予備エッジ条件を満たすグリッドとロボットの現在位置との相対位置関係に基づき、これらのグリッドのうちロボットの現在位置との接続線が障害物のエッジに最も近いグリッドを選択することにより、前記エッジ障害物回避の条件を満たすことを含むことを特徴とする、請求項10に記載のエッジ経路の選択方法。
【請求項12】
前記予備エッジ条件を満たすグリッドとロボットの現在位置との相対位置関係の計算方法は、
ロボットの現在位置を原点とし、ロボットの本体右側方向をX軸正方向、ロボットの現在の前進方向をY軸正方向として、ロボット座標系を確立するステップであって、ロボットの現在位置はロボットの本体中心が位置する地図位置と等価であるステップと、
ロボット座標系において、前記各最適なエッジ条件を満たすグリッドのロボット座標系の原点に対する座標値及び角度値をそれぞれ算出するステップと、を含むことを特徴とする、請求項11に記載のエッジ経路の選択方法。
【請求項13】
前記衝突点は前衝突点と、左衝突点と、右衝突点と、を含み、
ロボットの本体左前部に左衝突検出器が設置され、該左衝突検出器は、ロボットの進行方向左側に衝突した障害物を検出するために用いられ、それによりロボットが障害物のエッジに沿って反時計回りにエッジ走行する時に本体左側に衝突した障害物を検出し、且つ対応する方向における障害物上の衝突点を左衝突点としてマーキングするために用いられ、
ロボットの本体右前部に右衝突検出器が設置され、該右衝突検出器は、ロボットの進行方向右側に衝突した障害物を検出するために用いられ、それによりロボットが障害物のエッジに沿って時計回りにエッジ走行する時に本体右側に衝突した障害物を検出し、且つ対応する方向における障害物上の衝突点を右衝突点としてマーキングするために用いられ、
左衝突検出器及び右衝突検出器はロボットの本体の左右両側に対称に設置され、ロボットの正面が障害物に衝突すると、左衝突検出器及び右衝突検出器を同時にトリガして検出し、且つ対応する方向における障害物上の衝突点を前衝突点としてマーキングし、それによりロボットが同一位置でマーキングした前衝突点、左衝突点、右衝突点をいずれもロボットが真正面に衝突した障害物の輪郭線の接線上に位置させ、障害物の輪郭線はグリッド地図上にマーキングして形成されることを特徴とする、請求項12に記載のエッジ経路の選択方法。
【請求項14】
これらの前記予備エッジ条件を満たすグリッドとロボットの現在位置との相対位置関係に基づき、これらのグリッドのうちロボットの現在位置との接続線が障害物のエッジに最も近いグリッドを選択する前記ステップは、
前記ステップ1において現在マーキングされた衝突点が前記左衝突点である場合、ロボットの現在位置に対して障害物のエッジに沿って反時計回りに分布し、且つ前記ロボットの現在位置に対する角度値が最大の前記予備エッジ条件を満たすグリッドを前記最適なエッジ条件を満たすグリッドとして選択し、それにより前記最適なエッジ条件を満たすグリッドは前記右エッジ予測経路として接続され、ロボットの基準エッジ方向も反時計回りであると決定されるステップと、
前記ステップ1において現在マーキングされた衝突点が前記右衝突点である場合、ロボットの現在位置に対して障害物のエッジに沿って時計回りに分布し、且つ前記ロボットの現在位置に対する角度値が最小の前記予備エッジ条件を満たすグリッドを前記最適なエッジ条件を満たすグリッドとして選択し、それにより前記最適なエッジ条件を満たすグリッドは前記左エッジ予測経路として接続され、ロボットの基準エッジ方向も時計回りであると決定されるステップと、を含むことを特徴とする、請求項13に記載のエッジ経路の選択方法。
【請求項15】
前記ステップ21において、前記最も近い距離条件を満たす障害物点は、
第1既定検索領域内で前記ステップ1において現在マーキングされた衝突点に最も近く且つ衝突点としてマーキングされていないとして検索された障害物点を含み、
第1既定検索領域は、前記ステップ1において現在マーキングされた衝突点を中心とし、且つ前記ステップ1で現在マーキングされた衝突点との最大距離が第1既定グリッド数であることが確立された格子領域であり、
前記ステップ24を実行する前、前記ステップ1の現在マーキングされた衝突点とは、ロボットが前記ステップ1を実行することによって障害物点が予めマーキングされたグリッド地図上にマーキングされた第1衝突点であり、
前記ステップ24を実行した後、前記ステップ1で現在マーキングされた衝突点とは、ロボットが最新に実行した前記ステップ24でマーキングされた新規衝突点であることを特徴とする、請求項10に記載のエッジ経路の選択方法。
【請求項16】
前記ステップ22と前記ステップ23の間に、
前記予備エッジ条件を満たすグリッドを統計するたびに、この前記予備エッジ条件を満たすグリッドとロボットの現在位置との相対位置関係を算出するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項15に記載のエッジ経路の選択方法。
【請求項17】
前記ステップ22において、前記予備エッジ条件を満たすグリッドは、
前記ステップ21で検索された障害物点の近傍の8つのグリッドのうち、選択された前記障害物点及びすでに前記ステップ24で計画されたエッジ行動点以外のロボットがトラバースしてマーキングしたグリッドを含むことを特徴とする、請求項16に記載のエッジ経路の選択方法。
【請求項18】
プログラムコードが記憶されるチップであって、該プログラムコードはチップによって実行される時に請求項1から17のいずれか一項に記載のエッジ経路の選択方法を実現することを特徴とする、チップ。
【請求項19】
該ロボットの本体左前部に左衝突検出器が設置され、該左衝突検出器は、ロボットの進行方向左側に衝突した障害物を検出するために用いられ、それによりロボットが障害物のエッジに沿って反時計回り方向にエッジ走行する時に本体左側に衝突した障害物を検出するために用いられ、
該ロボットの本体右前部に右衝突検出器が設置され、該右衝突検出器は、ロボットの進行方向右側に衝突した障害物を検出するために用いられ、それによりロボットが障害物のエッジに沿って時計回りにエッジ走行する時に本体右側に衝突した障害物を検出するために用いられ、
該ロボットに請求項18に記載のチップが設置され、前記チップはそれぞれ左衝突検出器及び右衝突検出器に接続され、ロボットは請求項1から17のいずれか一項に記載のエッジ経路の選択方法を実行するように構成されることを特徴とする、ロボット。
【国際調査報告】