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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-08
(54)【発明の名称】磁気ゴーグルレンズ交換システム
(51)【国際特許分類】
   A61F 9/02 20060101AFI20230301BHJP
   G02C 5/00 20060101ALI20230301BHJP
   G02C 13/00 20060101ALI20230301BHJP
【FI】
A61F9/02 352
G02C5/00
G02C13/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022540322
(86)(22)【出願日】2020-12-30
(85)【翻訳文提出日】2022-08-25
(86)【国際出願番号】 US2020067434
(87)【国際公開番号】W WO2021138400
(87)【国際公開日】2021-07-08
(31)【優先権主張番号】62/955,979
(32)【優先日】2019-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/776,936
(32)【優先日】2020-01-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/118,141
(32)【優先日】2020-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516313911
【氏名又は名称】スパイ オプティック インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】SPY OPTIC INC.
【住所又は居所原語表記】1896 Rutherford Rd., Carlsbad, California 92008, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】シソン,ブリタニー
(72)【発明者】
【氏名】フレンズリー,クリストファー
【テーマコード(参考)】
2H006
【Fターム(参考)】
2H006DA04
(57)【要約】
ゴーグルレンズは、枠体と、枠体のそれぞれの側端部に配置された一対のフレーム係合部材とを有するゴーグルフレームと共に使用するように構成される。ゴーグルレンズは、レンズリムと、使用者がレンズ要素を通して見ることができるように透明なレンズ要素とを含む。一対のレンズ係合部材は、レンズリムのそれぞれの側端部に結合される。一対のレンズ係合部材は、一対のフレーム係合部材のそれぞれと選択的に係合可能である。一対のレンズ係合部材は、レンズリムに結合された第1の要素と、一対のフレーム係合部材のそれぞれとの選択的な係合および係合解除を容易にするために第1の要素に移動可能に結合された第2の要素とを備える係止レンズ係合部材を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレーム開口部の周りに延在し、
上部と
ノーズブリッジセグメントを有する下部と、
互いに対向する関係で前記上部と前記下部との間に延在する一対の側部であって、各側部が、それぞれの側部内に延在する係合スロットを含む、一対の側部と
を有するフレームと、
前記フレームに結合された第1の磁気吸引式コネクタと、
一対の係止タブであって、各係止タブが、前記一対の側部のそれぞれに移動可能に接続され、係止解除位置と係止位置との間で移行する、一対の係止タブと、
前記フレームに着脱可能に係合可能なレンズであって、前記レンズが前記フレームに係合されたときに前記フレーム開口部の少なくとも一部の上に延在するようなサイズであるレンズと、
前記レンズに結合された第2の磁気吸引式コネクタであって、前記フレームに対して所定の向きで前記レンズが前記フレームに隣接して配置されたときに前記第1の磁気吸引式コネクタと磁気的に係合可能な第2の磁気吸引式コネクタと、
互いに離間した関係で前記レンズに結合された一対の取付体であって、各取付体は、前記レンズが前記フレームに係合され、前記一対の係止タブが前記係止位置にあるときに、前記一対の係合スロットのそれぞれに受容され、前記一対の係止タブのそれぞれと係合可能であるようなサイズおよび構成である、一対の取付体と
を備えるゴーグル。
【請求項2】
前記第1の磁気的に取り付け可能なコネクタは、前記フレームの前記上部に結合され、前記ゴーグルは、前記フレームの前記ノーズブリッジセグメントに結合された第3の磁気吸引式コネクタをさらに備える、請求項1に記載のゴーグル。
【請求項3】
前記第2の磁気吸引式コネクタに対して離間した関係で前記レンズに結合された第4の磁気吸引式コネクタをさらに備える、請求項2に記載のゴーグル。
【請求項4】
前記一対の係止タブの各々は、その外面上に形成された複数の隆起部を含む、請求項1に記載のゴーグル。
【請求項5】
前記一対の係止タブの各々は、前記フレームに対して独立して並進可能である、請求項1に記載のゴーグル。
【請求項6】
各取付体は、シャフトと、前記シャフトに結合された遠位ヘッドとを含み、前記遠位ヘッドは、前記シャフトに対して拡大されている、請求項1に記載のゴーグル。
【請求項7】
各係止タブは、その中に形成された凹部を含む、請求項1に記載のゴーグル。
【請求項8】
前記第1の磁気吸引式コネクタは磁石である、請求項1に記載のゴーグル。
【請求項9】
前記第2の磁気吸引式コネクタは、金属材料から形成される、請求項8に記載のゴーグル。
【請求項10】
枠体と
前記枠体に結合された第1の磁気吸引式コネクタと
を備えるフレーム組立体と、
前記フレーム組立体に着脱可能に係合可能なレンズ組立体であって、
レンズと、
前記レンズに結合された第2の機械吸引式コネクタと
を備えるレンズ組立体と
と備えるゴーグルであって、
前記レンズ組立体は、第1の磁気モードおよび第2の機械モードを含む2つの係合モードを介して前記レンズ組立体と前記フレーム組立体との間の係合を容易にするために所定の係合向きで前記フレーム組立体に対して配置可能であり、前記第1の磁気モードは、前記第1の機械吸引式コネクタと前記第2の機械吸引式コネクタとの間の磁気結合を含み、前記第2の機械モードは、前記フレーム組立体と前記レンズ組立体との間の機械的連結を含む、
ゴーグル。
【請求項11】
前記レンズ組立体および前記フレーム組立体は、前記第2の機械モードで係合されている前記レンズ組立体および前記フレーム組立体から独立して、前記第1の磁気モードを介して係合可能である、請求項10に記載のゴーグル。
【請求項12】
前記フレーム組立体は、係止解除位置と係止位置との間で前記フレームに対して移動可能な係止タブを含み、前記係止タブは、前記レンズ組立体と前記フレーム組立体との間の前記機械的連結を容易にするために前記レンズ組立体と係合するように前記係止位置にある、請求項10に記載のゴーグル。
【請求項13】
前記係止タブは、その外面に形成された複数の隆起部を含む、請求項12に記載のゴーグル。
【請求項14】
前記レンズ組立体は、前記レンズ組立体と前記フレーム組立体との間の前記機械的連結を容易にするために前記フレーム組立体の一部と係合するように構成された取付体を含む、請求項10に記載のゴーグル。
【請求項15】
前記フレームは、その中に形成され、前記取付体を受容されるように構成されたチャネルを含む、請求項14に記載のゴーグル。
【請求項16】
前記取付体は、シャフトと、前記シャフトに結合された遠位ヘッドとを含み、前記遠位ヘッドは、前記シャフトに対して拡大されている、請求項14に記載のゴーグル。
【請求項17】
前記第1の磁気吸引式コネクタに対して離間した関係で前記フレームに結合された第3の磁気吸引式コネクタをさらに備える、請求項10に記載のゴーグル。
【請求項18】
前記第2の磁気吸引式コネクタに対して離間した関係で前記レンズに結合された第4の磁気吸引式コネクタをさらに備える、請求項17に記載のゴーグル。
【請求項19】
前記第1の磁気吸引式コネクタは磁石である、請求項10に記載のゴーグル。
【請求項20】
前記第2の磁気吸引式コネクタは、金属材料から形成される、請求項19に記載のゴーグル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願への相互参照]
本出願は、その全内容が参照により本明細書に完全に組み込まれる、2019年12月31日に出願されたMAGNETIC GOGGLE LENS CHANGING SYSTEM」と題する米国仮出願第62/955,979号に関するものであり、その利益を主張する。
【0002】
[連邦政府による資金提供を受けた研究/開発の記載]
該当なし
【0003】
[技術分野]
本開示は、一般に、ゴーグルに関し、より詳細には、本開示は、容易かつ迅速にゴーグルフレームに着脱可能に接続可能なサイズおよび構成のゴーグルレンズを有するゴーグルに関する。
【背景技術】
【0004】
スノーボード、スキー、スカイダイビング、パラグライディングなどのような多くのスポーツまたは野外活動中に自身の目を保護するために、ゴーグルを着用し得る。典型的には、ゴーグルは、フレームと、フレームの前面に固定的に装着されたレンズと、フレームの後面に取り付けられた快適性および吸汗性のためのパッドと、ゴーグルを使用者の頭部に固定するためのバンドとから構成される。ゴーグルは、使用者がレンズを通して見るように、バンドが使用者の頭部の周りに延在した状態で使用者の眼を覆って配置され得る。
【0005】
一般的にすべてのゴーグルがこの基本設計を共有しているが、特定のスポーツまたは野外活動に特化したまたは好ましいレンズを着用することによって、そのスポーツまたは活動中にゴーグルを着用する経験が向上し得ることが分かっている。例えば、レンズの色のバリエーションは、着用者の環境の明るさおよびコントラストの知覚、ならびに着用者の奥行き知覚および特定の色を知覚する能力に影響を及ぼす場合がある。さらに、レンズは、着色されてもよいし、ゴーグルの全体的な美的魅力を向上させる他の属性を有してもよい。
【0006】
ゴーグルフレームに固定されたレンズは、ゴーグルの全体的な使用を制限し得る。例えば、所与のレンズの機能的属性は、特定の環境条件での使用に適している場合がある。例えば、濃く着色されたレンズは、非常に明るい条件では有用であるが、より暗い条件では有用でない場合がある。逆に、薄く着色されたレンズは、より暗い条件では有用であるが、より明るい条件ではあまり有用でない可能性がある。さらに、所与のレンズの美的属性は、使用者の美的魅力が変化するにつれて、その使用者の好みから外れる場合がある。追加的に、特定のスポーツまたは野外活動中、ゴーグル上のレンズが、割れたり、傷ついたり、ひび割れしたりして破損することは一般的である。
【0007】
したがって、レンズ一体化の従来のゴーグルを所有する着用者が、ゴーグルに異なるレンズを装着したり、ゴーグルの破損したレンズを交換したりすることを望む場合、完全に新しいゴーグルを購入してそれに慣れること、またはゴーグルを製造業者または専門店に持ち込んでレンズを交換してもらう必要があり得る。
【0008】
したがって、対応するゴーグルフレームとの迅速かつ容易な係合に対応することができるゴーグルレンズが当該技術分野において必要とされている。本開示の様々な態様は、以下でより詳細に説明されるように、この特定のニーズに対処する。
【発明の概要】
【0009】
本開示の様々な態様は、着脱可能なレンズを含み得る、スノースポーツ(例えば、スノーボード、スノースキーなど)で使用するためのゴーグルを対象とする。レンズは、磁気接続を介して、および機械式スライドロック機構を通して、ゴーグルフレームに着脱可能に接続され得る。磁気接続は、レンズをゴーグルフレームに対して容易に位置合わせまたはアラインすることを可能にし、スライドロック機構は、ゴーグルフレームとレンズとの間の取り付けをより確実にし得る。磁気による取り付けと機械式の取り付けとを組み合わせることで、スノースポーツに参加しているときによくあるように、使用者が手袋を着用中、ゴーグルフレームに対するレンズの取り付けまたは取り外しが可能になり得る。
【0010】
本開示の一実施形態によれば、ゴーグルフレーム開口部の周りに延在するゴーグルフレームを備えるゴーグルが提供される。少なくとも1つの磁気吸引式(magnetically attractable)フレームコネクタがゴーグルフレームに結合される。レンズは、ゴーグルフレームに隣接して配置可能であり、レンズは、レンズがゴーグルフレーム開口部に隣接して配置されたときにゴーグルフレーム開口部の上に延在するようなサイズおよび構成である。少なくとも1つの磁気吸引式レンズコネクタは、レンズに結合され、レンズをゴーグルフレームに磁気的に接続するために少なくとも1つのフレームコネクタに磁気的に接続可能である。レンズには一対の取付体(attachment body)が接続されている。ゴーグルフレームには一対の係止タブが摺動可能に接続され、各係止タブは、係止解除位置と係止位置との間で移行するものであり、係止タブが係止解除位置から係止位置に移動されると、一対の取付体のそれぞれに係合する。
【0011】
レンズコネクタは磁石であり得る。レンズコネクタは、金属材料であり得る。フレームコネクタは磁石であり得る。フレームコネクタは、金属材料であり得る。
【0012】
フレームは、一対のチャネルを含み得、対のチャネルのそれぞれの中で各係止タブが並進可能である。各係止タブは、指把持体および係止体を含み得、指把持体は、ゴーグルフレーム開口部の外側に延在し、係止体は、ゴーグルフレーム開口部内に延在する。各係止体は、U字形の凹部を含み得る。各取付体は、取付体チャネルを少なくとも部分的に画定する傾斜部を含み得、各取付体は、一対の係止タブのそれぞれのU字形の凹部内に受容され得る。各係止タブは、レンズコネクタがゴーグルフレームコネクタに磁気的に結合され、係止タブが係止位置に移動されるとき、取付体チャネル内に受容され得る。
【0013】
各取付体は、シャフトおよびヘッドを含み得、シャフトは、ヘッドとレンズとの間に配置される。各シャフトは、ヘッドから延在する第1の縁部と、第1の縁部から延在する第2の縁部とを含み得、第1の縁部および第2の縁部は、90度を上回る角度を画定する。
【0014】
レンズは、凸状の外面と、対向する凹状の内面とを含み得る。各取付体は、凹状の内面から離れるように延在し得る。
【0015】
別の実施形態によれば、ゴーグルフレーム開口部を画定し、ゴーグルフレームに結合された少なくとも1つの磁気吸引式フレームコネクタと、ゴーグルフレームに摺動可能に接続された一対の係止タブとを有するゴーグルフレームと共に使用するためのレンズ組立体が提供される。レンズ組立体は、ゴーグルフレームに隣接して配置可能なレンズを含む。レンズは、レンズがゴーグルフレーム開口部に隣接して配置されるとき、ゴーグルフレーム開口部の上に延在するようなサイズおよび構成である。レンズ組立体は、レンズに結合され、レンズをゴーグルフレームに磁気的に接続するために少なくとも1つのフレームコネクタに磁気的に接続可能な少なくとも1つの磁気吸引式レンズコネクタをさらに含む。レンズには一対の取付体が接続されている。各取付体は、レンズをフレームに機械的に接続するために、係止タブのそれぞれと係合可能である。
【0016】
別の実施形態によれば、レンズと、レンズに結合された少なくとも1つの磁気吸引式レンズコネクタと、レンズに接続された一対の取付体と共に使用するためのゴーグルフレーム組立体が提供される。ゴーグルフレーム組立体は、レンズと相補的なサイズのゴーグルフレーム開口部の周りに延在するゴーグルフレームを含む。少なくとも1つの磁気吸引式フレームコネクタは、ゴーグルフレームに結合され、少なくとも1つの磁気吸引式レンズコネクタに磁気的に接続可能である。ゴーグルフレームには一対の係止タブが摺動可能に接続される。各係止タブは、係止解除位置と係止位置との間で移行し、レンズがゴーグルフレームに隣接して配置され、係止タブが係止解除位置から係止位置に移動されると、一対の取付体のそれぞれに係合する。
【0017】
本開示は、以下の詳細な説明を参照し、添付の図面と併せて読むことによって最もよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本明細書に開示される様々な実施形態のこれらおよび他の特徴および利点は、以下の説明および図面に関してより良く理解されるであろう。
図1】ゴーグルフレームからレンズを取り外した状態のゴーグルの上面斜視図である。
図2】ゴーグルフレームおよびレンズ組立体の上面斜視図である。
図3】レンズをゴーグルフレームに接続するために使用される係止タブの上面斜視図である。
図4】係止タブの上面図である。
図5】係止タブの正面図である。
図6】係止タブの端面図である。
図7】レンズに結合され、係止タブと係合可能に構成された取付体の上面図である。
図8】レンズをゴーグルフレームに取り付けるシーケンスを示す上面斜視図である。
図9】レンズをゴーグルフレームに取り付けるシーケンスを示す上面斜視図である。
図10】レンズをゴーグルフレームに取り付けるシーケンスを示す上面斜視図である。
【0019】
同じ要素を示すために、図面および詳細な説明を通して共通の参照番号が使用される。
【発明を実施するための形態】
【0020】
添付の図面に関連して以下に記載される詳細な説明は、磁気ゴーグルレンズ組立体の特定の実施形態の説明として意図されており、開発または利用され得る唯一の形態を表すことは意図されていない。説明は、図示された実施形態に関連して様々な構造および/または機能を記載するが、同じまたは同等の構造および/または機能が、本開示の範囲内に包含されることも意図される異なる実施形態によって達成され得ることが理解されるべきである。第1(first)および第2(second)などの関係用語の使用は、そのようなエンティティ間の任意の実際のそのような関係または順序を必ずしも要求または暗示することなく、あるエンティティを別のエンティティと区別するためにのみ使用されることがさらに理解される。
【0021】
ここで図面を参照すると、これらの図面は、本開示の好ましい実施形態を例示することを目的としており、限定することを目的としているものではなく、ゴーグルフレーム組立体14と着脱可能に係合するように特に構成および適合されたゴーグルレンズ組立体12を有するゴーグル10が示されている。ゴーグルレンズ組立体12は、磁気引力および機械的相互接続によってゴーグルフレーム組立体14と係合可能であり得る。磁気引力は、ゴーグルフレーム組立体14に対してレンズ組立体12を位置合わせまたはアラインし得るとともに、レンズ組立体12がゴーグルフレーム組立体14に磁気的に係合したときに可聴および触覚の感覚を使用者に提供し得る。機械的相互接続は、レンズ組立体12とゴーグルフレーム組立体14との間のより確実な取り付けを提供し得る。さらに、レンズ組立体12およびゴーグルフレーム組立体14の構成は、スノースポーツに参加している間のゴーグル10の使用中によくあるように、使用者が手袋を着用している最中でも、ゴーグルフレーム組立体14に対してレンズ組立体12を取り付けまたは取り外しすることを可能にし得る。
【0022】
ゴーグルフレーム組立体14からゴーグルレンズ組立体12を迅速かつ容易に取り外すことができることで、使用者は、予想される環境条件に適したゴーグルレンズ組立体12を利用することができる。例えば、明るい条件では暗いゴーグルレンズを使用し得、代替的に、暗い照明条件では薄く着色されたレンズを使用し得る。さらに、あるゴーグルレンズ組立体12を別のゴーグルレンズ組立体12と交換して、ゴーグル10全体に異なる外観または見た目を与え得る。このように、交換可能なゴーグルレンズは、ゴーグル組立体10の全体的な商業的魅力を高める。さらに、交換可能なレンズにより、使用者は、壊れたレンズ組立体12を新しいレンズ組立体12と交換することができるため、使用者は、全く新しいゴーグル10を購入する必要がない。
【0023】
一実施形態によれば、ゴーグルフレーム組立体14は、中央フレーム開口部18を一周し、ゴーグルフレーム組立体14が使用者の顔に快適にフィットすることを可能にする曲率(curvature)を規定する本体16を含む。本体16は、一対の側方部分22の間に延在する上部20と、使用者の鼻の上に延在するように構成されたブリッジ部26が中央に位置する下部24とを含み得る。本体16の少なくとも一部は、着用者が着用したときのゴーグル10のフィット感および快適性を高めるために、可撓性材料から形成され得る。例示的な可撓性材料としては、プラスチック(例えば、ポリウレタン)、ゴム、または当技術分野で既知の他の材料が挙げられる。
【0024】
一実施形態によれば、本体16は、その中に形成された一対のチャネル28を含み、チャネル28は、チャネル28を介して本体16に摺動可能に接続された対応する一対の係止タブ30を収容する。各チャネル28は、それぞれの側方部分22に位置し得る。一実施形態によれば、各側方部分22は、互いに接続され、チャネル28を集合的に画定する一対のプレート32を含む。プレート32の各対は、係止タブ30と相互作用し得、本体16に対する係止タブ30の様々な位置に関連付けられ得る突起、輪郭、凹部などを含み得る。例えば、係止タブ30の位置には、以下により詳細に説明するように、係止解除位置、係止位置、および中間位置が含まれ得る。
【0025】
本体16は、本体16に形成され、それぞれのチャネル28と連通する一対の係合スロット34をさらに含み得る。係合スロット34は、以下でより詳細に説明されるように、レンズ組立体12をゴーグルフレーム組立体14に固定するためにレンズ組立体12に含まれる取付体を受容するように構成される。各係合スロット34は、本体16の前面から、それぞれのチャネルに向かって本体16内に延在する。一実施形態では、係合スロット34は、対応するチャネルに略垂直に延在し得る。
【0026】
上述したように、ゴーグルフレーム組立体14は、本体16に結合された一対の係止タブ30を含み得る。各係止タブ30は、係止解除位置と係止位置との間でそれぞれのチャネル28内で並進可能であり得る。係止解除位置では、係止タブ30は、レンズ組立体12を本体16に取り付けることまたはそれから取り外すことを可能にするように配置される。この点に関して、係止タブ30が係止解除位置にあるとき、係止タブ30は、ゴーグルフレーム組立体14に対するレンズ組立体12の機械的な取り付けまたは取り外しを妨げない。係止位置では、係止タブ30は、以下でより詳細に説明するように、レンズ組立体12を本体16に固定するためにレンズ組立体12の一部と係合するように配置される。
【0027】
一実施形態によれば、各係止タブ30は、指把持体36および係止体38を含む。指把持体36は、中央フレーム開口部18の外側に延在するように構成され、使用者が指で力を加えることができる構造を提供するようなサイズである。この点に関して、指把持体36は、使用者の指との係合を強化するために一連の隆起部40を含み得る。ゴーグル10の様々な実施形態が、使用者が手袋を着用している可能性のあるスノースポーツまたは他の活動に参加するときに使用され得ることを考慮すると、指把持体36は、特に、使用者が、手袋の着用中に指把持体36と係合し、指把持体36を係止解除位置と係止位置との間で移行させることができるようなサイズおよび構成であり得る。
【0028】
各係止タブ30は、本体16内のそれぞれのチャネル内に延在する係止体38をさらに含み得る。この点に関して、指把持体36は、本体16の外側に露出するように構成されているが、係止タブ30は、チャネル28内に存在することによって全体的に隠蔽され得る。各係止体38は、レンズ組立体12がゴーグルフレーム組立体14と係合されるときにレンズ組立体12の一部と係合するU字形の凹部42を含み得る。係止体38は、係止タブ30が本体16に対して動くときに摩擦停止部を提供するために本体16上の構造要素と相互作用し得る1つまたは複数の突起44をさらに含み得る。
【0029】
ゴーグル10は、本体16に結合された少なくとも1つの磁気吸引式フレームコネクタ46をさらに含み得る。例示的な実施形態では、ゴーグル10は一対のフレームコネクタ46を含み、一方のフレームコネクタ46は本体16の上部20の中央領域に結合され、他方のフレームコネクタ46はブリッジ部26の中間領域に結合され得る。フレームコネクタ46は、略中心軸に沿ってアラインされ得る。追加のフレームコネクタ46が、本体16の他の位置で本体16に結合され得ることが企図される。フレームコネクタ46は磁石であってもよいし、代替的に、フレームコネクタ46は、磁石に磁気的に引き付けられる非磁性金属材料から形成されてもよい。
【0030】
ゴーグルフレーム組立体14は、本体16の内面(すなわち、使用中に使用者に面する本体16の部分)上に延在し、ゴーグル10が着用されたときに使用者に接触するように配置され得る圧縮性ライナー48をさらに含み得る。圧縮性ライナー48は、発泡体または当該技術分野において既知の他の材料から形成され得、降水、氷、泥、または他の破片がゴーグル10と使用者との間の空間に入らないようにするために、本体16と使用者との間に障壁を形成するようなサイズおよび配置にされ得る。弾性ストラップ50は、本体16の側方部分22において本体16に接続され得、ストラップ50は、使用者にゴーグル10を固定するために使用者の頭部の周りに延在するように構成される。
【0031】
ここで図3を参照すると、ゴーグルレンズ組立体12は、概して、外側レンズ52と、外側貼着部54と、レンズフレーム56と、内側貼着部58と、内側レンズ60とを含む。一実施形態によれば、レンズフレーム56はレンズ開口部62を画定し、レンズフレーム56はレンズ開口部62を一周する。レンズ開口部62は、ゴーグルレンズ12が本体16に取り付けられたとき、レンズ開口部62が中央フレーム開口部18とアラインされて使用者がゴーグル10を通して見ることができるように、本体16によって画定された中央フレーム開口部18とサイズおよび形状が実質的に同様である。レンズフレーム56は、上部64と、一対の側方部分66と、使用中に使用者の鼻の上に延在するように成形されたブリッジ部を有する下部68とを含む。レンズフレーム56は、外側レンズ52および内側レンズ60が固定され得る構造を提供する。
【0032】
貼着部42は、外側レンズ52をレンズフレーム56に固定するために使用され、内側貼着部58は、内側レンズ60をレンズフレーム56に固定するために使用される。一実施形態によれば、外側レンズ52および内側レンズ60は、レンズフレーム56の対向する表面に結合される。外側レンズ52および内側レンズ60の両方は、使用者がそれを通して見ることができるように構成された透明体であり得る。本明細書で使用される場合、「透明」という用語は、単に、使用者がレンズ52、60を通して少なくとも部分的に見ることができることを指す。この点に関して、外側レンズ52および内側レンズ60は透明であるが、外側レンズ52および内側レンズ60の一方または両方は、色合い、偏光、フィルム、または他の美的向上(例えば、色、反射率など)もしくは機能的向上(例えば、グレアの低減)が行われ得ることが理解される。色合い、偏光、または色の強化は、グレアまたは明るさの低減など、本質的に機能的なものであってもよいし、ゴーグル10の全体的な美的魅力を強化することを意図するものであってもよい。外側レンズ52および内側レンズ60は、ポリカーボネート、TRIVEX、または当技術分野で既知の他のレンズ材料から形成され得る。
【0033】
例示的な実施形態は、ゴーグルレンズ12を外側レンズ52および別個の内側レンズ60を有するものとして示しているが、他の実施形態は、外側レンズ52などの単一のレンズのみを含み得ることが理解される。
【0034】
ゴーグルレンズ組立体12は、本体16への磁気的および機械的接続を容易にするために、1つまたは複数の磁気レンズコネクタ70および1つまたは複数の取付体72をさらに含み得る。例示的なレンズ組立体12は、それに結合された一対の磁気レンズコネクタ70を含む。磁気レンズコネクタ70は、本体16上に位置する磁気フレームコネクタ46と磁気的に接続するようなサイズおよび構成である。この点に関して、1つの磁気レンズコネクタ70は、レンズフレーム56の上部に取り付けられており、本体16の上部に位置する磁気フレームコネクタ46に磁気的に接続可能であり得る。別の磁気レンズコネクタ70は、レンズフレーム56のブリッジ部分に取り付けられ得、本体16のブリッジ部分上に位置する磁気フレームコネクタ46に磁気的に接続可能であり得る。レンズコネクタ70は、略中心軸に沿ってアラインされ得る。追加のレンズコネクタ70は、レンズフレーム56の他の位置でレンズフレーム56に結合され得ることが企図される。レンズコネクタ70は磁石であってもよいし、代替的に、レンズコネクタ70は、磁石に磁気的に引き付けられる非磁性金属材料から形成されてもよい。この点に関して、一実施形態では、レンズコネクタ70およびフレームコネクタ46の両方が磁石であり得、別の実施形態では、レンズコネクタ70は磁石であるが、フレームコネクタ46は磁石ではなく、単にレンズコネクタに磁気的に引き付けられる金属材料である。さらに別の実施形態では、フレームコネクタ46は磁石であるが、レンズコネクタ70は磁石ではなく、単にフレームコネクタに磁気的に引き付けられる金属材料である。
【0035】
例示的なレンズ組立体12は、レンズフレーム56に結合された一対の取付体72をさらに含む。各取付体72は、シャフト74およびヘッド76を含み得、シャフト74は、ヘッド74と内側レンズ60との間に配置される。各シャフト74は、ヘッド76から延在する第1の縁部78と、第1の縁部78から延在する第2の縁部80とを含み得、第1の縁部78および第2の縁部80は、90度を上回る角度を画定する。
【0036】
各取付体72は、取付体チャネル82を少なくとも部分的に画定する第2の縁部78によって画定される傾斜部を含み得、各取付体72は、一対の係止タブ30のそれぞれのU字形の凹部42内に受容され得る。各係止タブ30は、レンズコネクタ70がゴーグルフレームコネクタ46に磁気的に結合され、係止タブ30が係止位置に移動されると、取付体チャネル82内に受容され得る。
【0037】
上述したゴーグル10の基本的な構造的特徴を用いて、および、特に図8図10を参照して、ゴーグル10の例示的な使用についての考察を提供する。使用者は、ゴーグルフレーム組立体14と共に使用するために利用可能ないくつかのゴーグルレンズ12を有し得る。使用者が特定のゴーグルレンズ12を選択すると、使用者は、ゴーグルレンズ12をゴーグルフレーム組立体14とアラインし、フレーム組立体14上の係止タブ30がそれぞれの係止解除位置にあることを確認する。特に、ゴーグルレンズ12は、内側レンズ60がゴーグルフレーム組立体14に面し、外側レンズ52がゴーグルフレーム組立体14から離れる方向に面するように配置される。さらに、磁気レンズコネクタ70は、対応する磁気フレームコネクタとアラインされ、レンズ取付体72は、本体16上のそれぞれの係合スロット34とアラインされる。
【0038】
レンズ組立体12は、磁気レンズコネクタ70と磁気フレームコネクタ46との間の磁気引力が、レンズ組立体12をフレーム組立体14に独立して結合するのに十分になるまで、本体16に近づくように移動される。この点に関して、磁気レンズコネクタ70と磁気フレームコネクタ46との間の磁気引力により、レンズ組立体12の取付体72が本体16上のそれぞれの係合スロット34内に受容された状態で、レンズ組立体12をフレーム組立体14に対して適切にアラインおよび位置合わせすることができ得る。
【0039】
次いで、係止タブ30は、それらのそれぞれの係止解除構成からそれらの係止構成に向かって移動される。より具体的には、各係止タブ30は、本体16に対して並進し、係止タブ30上の係止体38は、取付体72上の傾斜部に係合する。係止タブ30が係止位置に向かって進むと、係止体38は、係止体38が取付体72の取付体チャネル82内に受容され、取付体72が係止体38のU字形の凹部42内に受容されるまで、傾斜部に沿って移動する。係止タブ30がそれぞれの係止位置にあるとき、レンズ組立体12は、ゴーグルフレーム組立体14にしっかりと締結される。特に、レンズ組立体12は、磁気レンズコネクタ70およびフレームコネクタ46を介した磁気引力によってゴーグルフレーム組立体14に結合されるとともに、係止タブ30と取付体72との間の機械的係合によって接続される。
【0040】
レンズ組立体12を本体16から解放するために、係止タブ30は、本体16に対して並進することによって、それらの係止位置からそれらの係止解除位置に向かって移動される。係止タブ30が並進すると、係止体38が取付体チャネル82から移動して、係止タブ30の係止体38を対応する取付体72と係合解除する。この点に関して、レンズ組立体12とゴーグルフレーム組立体14との間の機械的相互接続は切断される。しかしながら、磁気引力は残っていてもよい。したがって、使用者は、レンズ組立体12とゴーグルフレーム組立体14との間の磁気引力に打ち勝つのに十分な力で、レンズ組立体12を本体16から引き離すことができる。
【0041】
レンズ組立体12とゴーグルフレーム組立体14との間の着脱可能な係合により、使用者は、あるゴーグルレンズ12を別のゴーグルレンズ12と迅速かつ容易に取り換えることができるようになる。好ましい色合いを有するレンズを取り付けるため、または破損したレンズを交換するためなどの機能上の理由でレンズを交換してもよいし、美的な理由でレンズを交換してもよい。このように、あるレンズを別のレンズに容易に交換する能力により、非常に用途の広いゴーグル10が得られる。さらに、係止タブ30を介して達成される機械的相互接続および磁気引力の使用により、使用者は、手袋の着用中に、本体16に対してレンズ組立体12を取り付けたり取り外したりすることができる。
【0042】
本明細書に示される詳細は、例示的な議論の目的のみのための例であり、本開示の様々な実施形態の原理および概念的態様の最も有用で容易に理解される説明であると考えられるものを提供するために提示されない。この点に関して、様々な実施形態の異なる特徴の基本的な理解のために必要とされる以上の詳細を示す試みは行われず、図面と共に考慮される説明は、これらが実際にどのように実装され得るかを当業者に明らかにする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】