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特表2023-509449エレクトロルミネセンス画像をキャプチャおよび/または処理するための方法、システム、および画像処理デバイス、ならびに航空機
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-08
(54)【発明の名称】エレクトロルミネセンス画像をキャプチャおよび/または処理するための方法、システム、および画像処理デバイス、ならびに航空機
(51)【国際特許分類】
   G06T 5/00 20060101AFI20230301BHJP
   H04N 5/222 20060101ALI20230301BHJP
   H02S 50/15 20140101ALI20230301BHJP
   B64C 13/18 20060101ALI20230301BHJP
   B64D 47/08 20060101ALI20230301BHJP
   B64U 10/25 20230101ALI20230301BHJP
   B64U 10/10 20230101ALI20230301BHJP
   B64U 20/87 20230101ALI20230301BHJP
   H04N 23/60 20230101ALI20230301BHJP
   H04N 23/695 20230101ALI20230301BHJP
【FI】
G06T5/00 705
H04N5/222 100
H02S50/15
B64C13/18 E
B64D47/08
B64U10/25
B64U10/10
B64U20/87
H04N23/60 500
H04N23/695
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022540945
(86)(22)【出願日】2020-12-30
(85)【翻訳文提出日】2022-07-25
(86)【国際出願番号】 SG2020050790
(87)【国際公開番号】W WO2021137764
(87)【国際公開日】2021-07-08
(31)【優先権主張番号】10201914038S
(32)【優先日】2019-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SG
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522263644
【氏名又は名称】クァンティファイド・エナジー・ラボス・ピーティーイー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】カール・ゲオルク・ベドルジハ
(72)【発明者】
【氏名】ヨン・シェン・クー
(72)【発明者】
【氏名】ヤン・ワン
【テーマコード(参考)】
5B057
5C122
5F151
【Fターム(参考)】
5B057BA02
5B057CA08
5B057CA12
5B057CA16
5B057CB08
5B057CB12
5B057CB16
5B057CC01
5B057CD03
5B057CE02
5B057DA07
5B057DB02
5B057DB09
5C122DA12
5C122EA37
5C122EA63
5C122FA01
5C122FH11
5C122FH18
5C122FH20
5C122GC52
5C122GD11
5C122HB01
5C122HB06
5F151KA08
(57)【要約】
PVアレイ40のエレクトロルミネセンス(EL)画像1910をキャプチャし、処理する方法400が、本明細書で開示される。記載される実施形態において、方法400は、航路に沿って飛行して、PVアレイ40の対応するPVアレイサブセクション512bのEL画像1910をキャプチャするように航空機20を制御するステップと、キャプチャされたEL画像のうちの少なくともいくつかから、それぞれの画像品質パラメータを導出するステップと、PVアレイサブセクション512bのEL画像1910をキャプチャするためのそれぞれの画像品質パラメータに基づいて、航路に沿って航空機の飛行速度を動的に調節するステップと、PVアレイサブセクション512bの複数のフレーム1500をEL画像1910から抽出するステップと、抽出されたフレーム2100の中から、PVアレイサブセクション512bの最も高い画像品質を有する基準フレームを判断するステップと、基準フレームへの、抽出されたフレーム2100の画像整列を実施して、画像整列されたフレーム2130を生成するステップと、画像整列されたフレーム2130を処理して、基準フレームよりも高い解像度を有する、PVアレイサブセクション512bの改良画像2140を生じるステップとを含む。この方法のためのシステム、画像処理デバイス、および航空機も開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
PVアレイのエレクトロルミネセンス(EL)画像を処理する方法であって、
前記EL画像から、前記PVアレイのPVアレイサブセクションの複数のフレームを抽出するステップであって、前記PVアレイサブセクションは、前記PVアレイの1つまたは複数のPVモジュールを含む、ステップと、
前記抽出されたフレームの中から、前記PVアレイサブセクションの、最も高い画像品質を有する基準フレームを判断するステップと、
前記基準フレームに合わせた、前記抽出されたフレームの画像整列を実施して、画像整列されたフレームを生成するステップと、
前記画像整列されたフレームを処理して、前記基準フレームよりも高い解像度を有する、前記PVアレイサブセクションの改良画像を生じさせるステップと、を含む方法。
【請求項2】
前記画像から前記フレームを抽出するステップは、
前記画像中の、各PVモジュールのそれぞれのコーナー点を判断するステップと、
各PVモジュールの前記識別されたコーナー点に基づいて、各PVモジュール用のそれぞれのフレームを構築するステップと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記画像中の、各PVモジュールのそれぞれのコーナー点を判断するステップは、
異なる画像中で繰り返される特定のPVモジュールの前記それぞれのコーナー点をクラスタ化するステップと、
それぞれのコーナー点の各クラスタについてのそれぞれの平均化位置を計算するステップと、を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
最も高い画像品質を有する基準フレームを判断するステップは、前記フレームの鮮鋭度、信号対ノイズ比、および完全性のうちの少なくとも1つに基づいて、各フレームの前記画像品質を評価するステップを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
画像整列を実施する前に、前記抽出されたフレームを積層配列の中に並べるステップをさらに含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記PVモジュールの前記それぞれのコーナー点は前記積層配列中に積み上げられ、画像整列を実施するステップは、前記抽出されたフレーム中の各PVモジュールの前記それぞれのコーナー点を、前記基準フレーム中の前記PVモジュールの対応するコーナー点に合わせて整列するステップを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記画像整列されたフレームを処理するステップは、各フレーム中の前記PVモジュールに従って、前記画像整列されたフレームをグループ化するステップと、画像整列されたフレームの各グループに対して画像平均化を実施して、各PVモジュール用のそれぞれの改良フレームを取得するステップとを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記画像平均化は、重み付き画像スタック平均化、および/または深層畳み込みニューラルネットワーク構造に基づく、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記PVアレイサブセクション中の各PVモジュールの位置に従って、各改良フレームを、水平インデックスおよび垂直インデックスに関連付けるステップと、前記改良フレームを、その水平および垂直インデックスに従って並べて、前記PVアレイサブセクションの前記改良画像を生じさせるステップとをさらに含む、請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
各改良フレームのそれぞれの画像強度をスケーリングするステップをさらに含む、請求項7から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記PVアレイサブセクションの前記改良画像を、前記PVアレイサブセクションのベースマップ上にマップするステップをさらに含み、前記ベースマップは各PVモジュールのジオロケーションを含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記改良画像を前記ベースマップ上にマップするステップは、前記改良画像中の前記PVアレイサブセクションを、前記ベースマップ中の前記PVアレイサブセクションに合わせて整列するように、前記改良画像を配向させるステップを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記PVアレイサブセクションの各EL画像は画像識別子を含み、前記改良画像を配向させるステップは、
特定のEL画像の前記画像識別子を、そのPVモジュールが前記特定のEL画像中に現れる各改良フレームに関連付けるステップと、
各改良フレームに関連付けられた前記画像識別子に基づいて、前記改良画像の配向を判断するステップと、を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ジオロケーションはGPS座標を含む、請求項11から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記複数のフレームは、前記PVアレイサブセクションの連続するフレームである、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
PVアレイのEL画像を処理するための画像処理デバイスであって、
画像プロセッサを備え、前記画像プロセッサは、
前記EL画像から、前記PVアレイのPVアレイサブセクションの複数のフレームを抽出することであって、前記PVアレイサブセクションは、前記PVアレイの1つまたは複数のPVモジュールを含む、抽出することと、
前記抽出されたフレームの中から、前記PVアレイサブセクションの、最も高い画像品質を有する基準フレームを判断することと、
前記基準フレームに合わせた、前記抽出されたフレームの画像整列を実施して、画像整列されたフレームを生成することと、
前記画像整列されたフレームを処理して、前記基準フレームよりも高い解像度を有する、前記PVアレイサブセクションの改良画像を生じさせることと、を行うように構成される、画像処理デバイス。
【請求項17】
前記画像プロセッサは、
前記画像中の、各PVモジュールのそれぞれのコーナー点を判断すること、および
各PVモジュールの前記識別されたコーナー点に基づいて、各PVモジュール用のそれぞれのフレームを構築することによって、前記画像から前記フレームを抽出するようにさらに構成される、請求項16に記載の画像処理デバイス。
【請求項18】
前記画像プロセッサは、
異なる画像中で繰り返される特定のPVモジュールの前記それぞれのコーナー点をクラスタ化すること、および
それぞれのコーナー点の各クラスタについてのそれぞれの平均化位置を計算することによって、前記画像中の、各PVモジュールのそれぞれのコーナー点を判断するようにさらに構成される、請求項17に記載の画像処理デバイス。
【請求項19】
前記画像プロセッサは、前記フレームの鮮鋭度、信号対ノイズ比、および完全性のうちの少なくとも1つに基づいて、各フレームの前記画像品質を評価することによって、最も高い画像品質を有する基準フレームを判断するようにさらに構成される、請求項16から18のいずれか一項に記載の画像処理デバイス。
【請求項20】
前記画像プロセッサは、画像整列を実施する前に、前記抽出されたフレームを積層配列の中に並べるようにさらに構成される、請求項16から19のいずれか一項に記載の画像処理デバイス。
【請求項21】
前記PVモジュールの前記それぞれのコーナー点は前記積層配列中に積み上げられ、前記画像プロセッサは、前記抽出されたフレーム中の各PVモジュールの前記それぞれのコーナー点を、前記基準フレーム中の前記PVモジュールの対応するコーナー点に合わせて整列することによって、画像整列を実施するようにさらに構成される、請求項20に記載の画像処理デバイス。
【請求項22】
前記画像プロセッサは、各フレーム中の前記PVモジュールに従って、前記画像整列されたフレームをグループ化することによって、前記画像整列されたフレームを処理することと、画像整列されたフレームの各グループに対して画像平均化を実施して、各PVモジュール用のそれぞれの改良フレームを取得することとを行うようにさらに構成される、請求項16から21のいずれか一項に記載の画像処理デバイス。
【請求項23】
前記画像プロセッサは、重み付き画像スタック平均化、および/または深層畳み込みニューラルネットワーク構造に基づいて、画像平均化を実施するようにさらに構成される、請求項22に記載の画像処理デバイス。
【請求項24】
前記画像プロセッサは、前記PVアレイサブセクション中の各PVモジュールの位置に従って、各改良フレームを、水平インデックスおよび垂直インデックスに関連付けることと、前記改良フレームを、その水平および垂直インデックスに従って並べて、前記PVアレイサブセクションの前記改良画像を生じさせることとを行うようにさらに構成される、請求項22または23に記載の画像処理デバイス。
【請求項25】
前記画像プロセッサは、各改良フレームのそれぞれの画像強度をスケーリングするようにさらに構成される、請求項22から24のいずれか一項に記載の画像処理デバイス。
【請求項26】
前記画像プロセッサは、前記PVアレイサブセクションの前記改良画像を、前記PVアレイサブセクションのベースマップ上にマップするようにさらに構成され、前記ベースマップは各PVモジュールのジオロケーションを含む、請求項16から25のいずれか一項に記載の画像処理デバイス。
【請求項27】
前記画像プロセッサは、前記改良画像中の前記PVアレイサブセクションを、前記ベースマップ中の前記PVアレイサブセクションに合わせて整列するように、前記改良画像を配向させることによって、前記改良画像を前記ベースマップ上にマップするようにさらに構成される、請求項26に記載の画像処理デバイス。
【請求項28】
前記PVアレイサブセクションの各EL画像は画像識別子を含み、前記画像プロセッサは、
特定のEL画像の前記画像識別子を、そのPVモジュールが前記特定のEL画像中に現れる各改良フレームに関連付けること、および
各改良フレームに関連付けられた前記画像識別子に基づいて、前記改良画像の配向を判断することによって、前記改良画像を配向させるようにさらに構成される、請求項27に記載の画像処理デバイス。
【請求項29】
前記ジオロケーションはGPS座標を含む、請求項26から28のいずれか一項に記載の画像処理デバイス。
【請求項30】
前記複数のフレームは、前記PVアレイサブセクションの連続するフレームである、請求項16から29のいずれか一項に記載の画像処理デバイス。
【請求項31】
PVアレイのEL画像をキャプチャするためのカメラを有する航空機の動きを制御する方法であって、
航路に沿って飛行して、前記PVアレイの対応するPVアレイサブセクションのEL画像をキャプチャするように前記航空機を制御するステップと、
前記キャプチャされたEL画像のうちの少なくともいくつかから、それぞれの画像品質パラメータを導出するステップと、
前記PVアレイサブセクションの前記EL画像をキャプチャするための前記それぞれの画像品質パラメータに基づいて、前記航路に沿って前記航空機の飛行速度を動的に調節するステップと、を含む方法。
【請求項32】
前記画像品質パラメータはSNR走査因子およびモーションブラー走査因子を含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記SNR走査因子は、目標SNR、測定SNR、および前記PVアレイサブセクションの特定のPVモジュールを含む、キャプチャされたEL画像の推定数に依存する、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記モーションブラー走査因子は、測定されたオブジェクト偏向と、既定の最大オブジェクト偏向の比である、請求項32または33に記載の方法。
【請求項35】
前記それぞれの画像品質パラメータに基づいて、前記航路に沿って前記航空機の飛行速度を動的に調節するステップは、
前記SNR走査因子および前記モーションブラー走査因子のうちの最小に基づいて、目標飛行速度を導出するステップと、
前記航空機の現在の飛行速度を、前記目標飛行速度に一致するように動的に調節するステップと、を含む、請求項31に記載の方法。
【請求項36】
前記目標飛行速度を導出するステップは、
前記SNR走査因子および前記モーションブラー走査因子のうちの前記最小を、前記航空機の現在の飛行速度に適用して、目標走査速度を導出するステップと、
前記目標走査速度が前記航空機の最大飛行速度を下回る場合、前記目標走査速度を前記目標飛行速度として選択するステップとを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記目標走査速度が前記航空機の前記最大飛行速度を超える場合、前記最大飛行速度を前記目標飛行速度として選択するステップをさらに含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
ユーザ入力因子に基づいて前記目標飛行速度を調節するステップをさらに含む、請求項35から37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記PVアレイの対応するPVアレイサブセクションのEL画像をキャプチャするために、前記航空機を、前記航路に沿って飛行するように制御するのに先立って、1つまたは複数のPVモジュールによって前記PVアレイから発せられたEL信号を検出するステップをさらに含む、請求項31から38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記航空機を初期位置まで操縦するステップをさらに含み、前記航空機のヨー軸および前記カメラの光学軸は、前記EL信号を検出する前は、地面に対して垂直である、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記航空機を前記EL信号のロケーションまでナビゲートするステップをさらに含む、請求項39または40に記載の方法。
【請求項42】
前記PVアレイの前記1つまたは複数のPVモジュールによって発せられた前記EL信号を検出するステップは、前記航空機を機体のヨー軸の周りで回転させ、その間、前記EL信号が検出されるまで、同時に前記カメラの光学軸角度を増大させるステップを含む、請求項39から41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
前記カメラの光学軸角度は0°から70°まで増大される、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記カメラの光学軸角度は、低下するピッチ速度で増大される、請求項42または43に記載の方法。
【請求項45】
前記航空機は低下するヨー速度で回転する、請求項42から44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
前記航空機を回転させる前に、前記航空機を、既定の高度まで操縦するステップをさらに含む、請求項42から45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
前記カメラの視野(FOV)を、前記対応するPVアレイサブセクションに合わせて整列するステップをさらに含み、このステップは、
前記対応するPVアレイサブセクション中の基準PVモジュールのそれぞれのキー点を判断すること、
前記カメラのFOVが、前記対応するPVアレイサブセクションに合わせて整列されるための目標整列点を、前記それぞれのキー点から導出すること、
前記それぞれのキー点を前記目標整列点に合わせて整列するために透視変換を実施すること、および
前記透視変換に基づいて、前記航空機を、前記対応するPVアレイサブセクションに相対して操縦することによって行われる、請求項31から46のいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
前記カメラのFOVを、前記対応するPVアレイサブセクションに合わせて整列するステップは、前記航空機を適切な高度まで操縦するステップをさらに含み、前記対応するPVアレイサブセクションは、前記適切な高度での前記カメラのFOV内の既定のサイズ比のところにある、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記対応するPVアレイサブセクションは、前記既定のサイズ比において、前記カメラのFOVの80%~90%を占める、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
測定された画像鮮鋭度に従って、前記カメラのフォーカスを動的に調節するステップをさらに含む、請求項31から49のいずれか一項に記載の方法。
【請求項51】
前記航空機は、前記カメラの光学軸と整列された光源をさらに含み、前記方法は、前記PVアレイの前記EL画像をキャプチャする間を除いて、前記光源に動力供給するステップをさらに含む、請求項31から50のいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
PVアレイのEL画像をキャプチャするためのカメラと、
航空機の動きを作動させるための推進デバイスと、
前記カメラおよび前記推進デバイスに通信可能に結合されたコントローラと、を備える航空機であって、前記コントローラは、
航路に沿って飛行して、前記PVアレイの対応するPVアレイサブセクションのEL画像をキャプチャするように前記航空機を制御することと、
前記キャプチャされたEL画像のうちの少なくともいくつかから、それぞれの画像品質パラメータを導出することと、
前記PVアレイサブセクションの前記EL画像をキャプチャするための前記それぞれの画像品質パラメータに基づいて、前記航路に沿って前記航空機の飛行速度を動的に調節することと、を行うように構成される、航空機。
【請求項53】
前記画像品質パラメータはSNR走査因子およびモーションブラー走査因子を含む、請求項52に記載の航空機。
【請求項54】
前記SNR走査因子は、目標SNR、測定SNR、および前記PVアレイサブセクションの特定のPVモジュールを含む、キャプチャされたEL画像の推定数に依存する、請求項53に記載の航空機。
【請求項55】
前記モーションブラー走査因子は、測定されたオブジェクト偏向と、既定の最大オブジェクト偏向の比である、請求項53または54に記載の航空機。
【請求項56】
前記コントローラは、前記それぞれの画像品質パラメータに基づいて、前記航路に沿って前記航空機の飛行速度を動的に調節するようにさらに構成され、これは、
前記SNR走査因子および前記モーションブラー走査因子のうちの最小に基づいて、目標飛行速度を導出することと、
前記航空機の現在の飛行速度を、前記目標飛行速度に一致するように動的に調節することと、によって行われる、請求項52に記載の航空機。
【請求項57】
前記コントローラは、前記目標飛行速度を導出するようにさらに構成され、これは、
前記SNR走査因子および前記モーションブラー走査因子のうちの前記最小を、前記航空機の現在の飛行速度に適用して、目標走査速度を導出することと、
前記目標走査速度が前記航空機の最大飛行速度を下回る場合、前記目標走査速度を前記目標飛行速度として選択することとによって行われる、請求項56に記載の航空機。
【請求項58】
前記コントローラは、前記目標走査速度が前記航空機の前記最大飛行速度を超える場合、前記最大飛行速度を前記目標飛行速度として選択するようにさらに構成される、請求項57に記載の航空機。
【請求項59】
前記コントローラは、ユーザ入力因子に基づいて前記目標飛行速度を調節するようにさらに構成される、請求項56から58のいずれか一項に記載の航空機。
【請求項60】
前記コントローラは、
1つまたは複数のPVモジュールによって前記PVアレイから発せられたEL信号を検出することであって、前記PVアレイはアレイ軸を有し、前記1つまたは複数のPVモジュールは、前記アレイ軸に合わせて整列され、平面を含む、検出することと、
前記PVアレイの前記アレイ軸を判断することと、
前記推進デバイスを動的に調節して、前記カメラの光学軸を、前記1つまたは複数のPVモジュールの平面に対して垂直になるように整列しながら、前記カメラを、前記アレイ軸に沿って、前記PVアレイの前記EL画像をキャプチャするように制御することと、を行うようにさらに構成される、請求項52から59のいずれか一項に記載の航空機。
【請求項61】
前記コントローラは、前記EL信号を突き止める前に、前記航空機を初期位置にセットするようにさらに構成され、これは、
前記推進デバイスを動的に調節して、前記航空機のヨー軸を、地面に対して垂直になるようにセットすることと、
前記カメラの光学軸を、地面に対して垂直になるように動的に調節することと、によって行われる、請求項60に記載の航空機。
【請求項62】
前記コントローラは、前記航空機を前記EL信号のロケーションまでナビゲートするように、前記推進デバイスを動的に調節するようにさらに構成される、請求項60または61に記載の航空機。
【請求項63】
前記コントローラは、前記航空機を機体のヨー軸の周りで回転させ、同時に、前記EL信号が突き止められるまで、前記カメラの光学軸角度を増大させるように前記推進デバイスを動的に調節することによって、前記PVアレイの前記1つまたは複数のPVモジュールによって発せられた前記EL信号を突き止めるようにさらに構成される、請求項60から62のいずれか一項に記載の航空機。
【請求項64】
前記カメラの光学軸角度は0°から70°まで増大される、請求項63に記載の航空機。
【請求項65】
前記カメラの光学軸角度は、低下するピッチ速度で増大される、請求項63または64に記載の航空機。
【請求項66】
前記航空機は低下するヨー速度で回転する、請求項63または64に記載の航空機。
【請求項67】
前記コントローラは、前記航空機を回転させる前に、前記航空機を既定の高度まで操縦するように、前記推進デバイスを動的に調節するようにさらに構成される、請求項63から66のいずれか一項に記載の航空機。
【請求項68】
前記コントローラは、前記カメラの視野(FOV)を、前記対応するPVアレイサブセクションに合わせて整列するようにさらに構成され、これは、
前記対応するPVアレイサブセクション中の基準PVモジュールのそれぞれのキー点を判断することと、
前記カメラのFOVが、前記対応するPVアレイサブセクションに合わせて整列されるための目標整列点を、前記それぞれのキー点から導出することと、
前記それぞれのキー点を前記目標整列点に合わせて整列するために透視変換を実施することと、
前記透視変換に基づいて、前記航空機を、前記対応するPVアレイサブセクションに相対して操縦するように、前記推進デバイスを動的に調節することと、によって行われる、請求項60から67のいずれか一項に記載の航空機。
【請求項69】
前記コントローラは、前記航空機を適切な高度まで操縦するように、前記推進デバイスを動的に調節することによって、前記カメラのFOVを、前記対応するPVアレイサブセクションに合わせて整列するようにさらに構成され、前記対応するPVアレイサブセクションは、前記適切な高度での前記カメラのFOV内の既定のサイズ比のところにある、請求項68に記載の航空機。
【請求項70】
前記対応するPVアレイサブセクションは、前記既定のサイズ比において、前記カメラのFOVの80%~90%を占める、請求項69に記載の航空機。
【請求項71】
前記コントローラは、測定された画像鮮鋭度に従って、前記カメラのフォーカスを動的に調節するようにさらに構成される、請求項60から70のいずれか一項に記載の航空機。
【請求項72】
前記カメラの光学軸と整列された光源をさらに備え、前記コントローラは、前記PVアレイの前記EL画像をキャプチャする間を除いて、前記光源に動力供給するようにさらに構成される、請求項60から71のいずれか一項に記載の航空機。
【請求項73】
カメラを有する航空機によってキャプチャされた、PVアレイサブセクションのEL画像から、PVアレイのPVアレイサブセクションの改良画像を取得する方法であって、
航路に沿って飛行して、前記PVアレイの対応するPVアレイサブセクションのEL画像をキャプチャするように前記航空機を制御するステップと、
前記キャプチャされたEL画像のうちの少なくともいくつかから、それぞれの画像品質パラメータを導出するステップと、
前記PVアレイサブセクションの前記EL画像をキャプチャするための前記それぞれの画像品質パラメータに基づいて、前記航路に沿って前記航空機の飛行速度を動的に調節するステップと、
前記PVアレイサブセクションの複数のフレームを前記EL画像から抽出するステップと、
前記抽出されたフレームの中から、前記PVアレイサブセクションの、最も高い画像品質を有する基準フレームを判断するステップと、
前記基準フレームに合わせた、前記抽出されたフレームの画像整列を実施して、画像整列されたフレームを生成するステップと、
前記画像整列されたフレームを処理して、前記基準フレームよりも高い解像度を有する、前記PVアレイサブセクションの改良画像を生じさせるステップと、を含む方法。
【請求項74】
PVアレイのPVアレイサブセクションのEL画像をキャプチャし、処理するためのシステムであって、
PVアレイのEL画像をキャプチャするためのカメラと、
航空機の動きを作動させるための推進デバイスと、
前記カメラおよび前記推進デバイスに通信可能に結合されたコントローラと、を含む航空機であって、前記コントローラは、
航路に沿って飛行して、前記PVアレイの対応するPVアレイサブセクションのEL画像をキャプチャするように前記航空機を制御することと、
前記キャプチャされたEL画像のうちの少なくともいくつかから、それぞれの画像品質パラメータを導出することと、
前記PVアレイサブセクションの前記EL画像をキャプチャするための前記それぞれの画像品質パラメータに基づいて、前記航路に沿って前記航空機の飛行速度を動的に調節することと、を行うように構成される、航空機と、
画像プロセッサを含む画像処理デバイスであって、前記画像プロセッサは、
前記EL画像から、前記PVアレイのPVアレイサブセクションの複数のフレームを抽出することであって、前記PVアレイサブセクションは、前記PVアレイの1つまたは複数のPVモジュールを含む、抽出することと、
前記抽出されたフレームの中から、前記PVアレイサブセクションの、最も高い画像品質を有する基準フレームを判断することと、
前記基準フレームに合わせた、前記抽出されたフレームの画像整列を実施して、画像整列されたフレームを生成することと、
前記画像整列されたフレームを処理して、前記基準フレームよりも高い解像度を有する、前記PVアレイサブセクションの改良画像を生じさせることと、を行うように構成される、画像処理デバイスとを備えるシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、太陽電池(PV)アレイのエレクトロルミネセンス(EL)画像をキャプチャし、処理するための方法、EL画像をキャプチャするための航空機、およびEL画像を処理するための画像処理デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
ソーラーパネルが、全世界で広く使用されている。ただし、高い初期設備投資費用のせいで、用地に設置されたソーラーパネルは、投資に対する収益を保証するために、一定期間、適切および効率的に作用しなければならない。したがって、用地に設置されたソーラーパネルの品質を維持することが重要である。ソーラーファーム(または概して、太陽電池(PV)工場)におけるソーラーパネルの大規模配置、および家屋の屋根の上など、ソーラーパネルの遠隔配置のせいで、しばしば、個々のソーラーパネルの性能を監視することは難しい。視覚、熱(赤外線)、紫外線(UV)蛍光、光ルミネセンス(PL)およびエレクトロルミネセンス(EL)撮像など、様々な撮像技術が、ソーラーパネルの欠陥を検出するのに利用可能である。たとえば、EL検査が、品質管理のためにPV製造中に使われる。
【0003】
EL測定のために、ソーラーパネルのPVモジュールが、電源に接続され、順方向バイアス下に置かれる。発せられた近赤外線光は、近赤外線波帯中で感度の高いカメラでキャプチャされる。現地検査のために、EL撮像もサンプリングベースで使われてきた。現地EL検査のための一般的方法のうちの1つは、可動トレーラーを使うものである。この方法では、暗室を運ぶ可動トレーラーは現地で配置される。トレーラーの中の暗室での測定のために、PVモジュールが、設置された位置から降ろされる。この方法は、制御された環境で確実にPVモジュールのEL測定が行われるようにする。ただし、PVモジュールは撤去されなければならないので、この方法を使う大規模検査は、時間を消費し、実現可能でない。さらに、モジュールの取扱い中に欠陥をもたらす危険性がある。
【0004】
EL検査の別の方法が、三脚に載せられたカメラを使って夜間に、あるいは日中に、ロックイン電流制御を用いて実施される。この方法は、支持フレームからのPVモジュールの撤去を要求しないが、やはり時間を消費し、高度に労働集約的である。さらに、三脚に載せられたカメラから画像をキャプチャするという制限から、キャプチャされた画像の視点および強度歪みが生じ得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、既存の従来技術において言及された問題のうちの少なくとも1つに対処する解決策を提供すること、および/または有用な代替を世間に提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様によると、PVアレイのエレクトロルミネセンス(EL)画像を処理する方法が提供される。この方法は、(i)EL画像から、PVアレイのPVアレイサブセクションの複数のフレームを抽出するステップであって、PVアレイサブセクションは、PVアレイの1つまたは複数のPVモジュールを含む、ステップと、(ii)抽出されたフレームの中から、PVアレイサブセクションの、最も高い画像品質を有する基準フレームを判断するステップと、(iii)基準フレームに合わせた、抽出されたフレームの画像整列を実施して、画像整列されたフレームを生成するステップと、(iv)画像整列されたフレームを処理して、基準フレームよりも高い解像度を有する、PVアレイサブセクションの改良(enhanced)画像を生じさせるステップと、を含む。
【0007】
記載される実施形態は、低解像度で単色の画像、およびビデオを、薄暗い光の条件の下で、または夜間など、自然光がない所でとることができ、それでも、欠陥のあるPVモジュールを識別するように、解像度が改善され、ノイズが低減した画像を生じることができる。概して、および平均化が使われる場合、処理される画像中のノイズの規模は、おおよそ、平均された画像の数の平方根だけ低減することができる。その結果、概して、より高い画像品質の改良画像が達成され得る。
【0008】
具体的には、画像からフレームを抽出するステップは、画像中の、各PVモジュールのそれぞれのコーナー点を判断するステップと、各PVモジュールの識別されたコーナー点に基づいて、各PVモジュール用のそれぞれのフレームを構築するステップとを含み得る。
【0009】
具体的な実施形態では、画像中の、各PVモジュールのそれぞれのコーナー点を判断するステップは、異なる画像中で繰り返される特定のPVモジュールのそれぞれのコーナー点をクラスタ化するステップと、それぞれのコーナー点の各クラスタについてのそれぞれの平均化位置を計算するステップとを含み得る。
【0010】
好ましくは、最も高い画像品質を有する基準フレームを判断するステップは、フレームの鮮鋭度、信号対ノイズ比、および完全性のうちの少なくとも1つに基づいて、各フレームの画像品質を評価するステップを含み得る。
【0011】
方法は、画像整列を実施する前に、抽出されたフレームを積層配列の中に並べるステップも含み得る。さらに、PVモジュールのそれぞれのコーナー点は、積層配列の中に積み上げることができ、画像整列を実施するステップは、抽出されたフレーム中の各PVモジュールのそれぞれのコーナー点を、基準フレーム中のPVモジュールの対応するコーナー点に合わせて整列するステップを含み得る。
【0012】
画像整列されたフレームを処理するステップは、各フレーム中のPVモジュールに従って、画像整列されたフレームをグループ化するステップと、画像整列されたフレームの各グループに対して画像平均化を実施して、各PVモジュール用のそれぞれの改良フレームを取得するステップとを含み得ることが想定される。
【0013】
その上、画像平均化は、重み付き画像スタック平均化、および/または深層畳み込みニューラルネットワーク構造に基づき得る。
【0014】
方法は、PVアレイサブセクション中の各PVモジュールの位置に従って、各改良フレームを、水平インデックスおよび垂直インデックスに関連付けるステップと、改良フレームを、その水平および垂直インデックスに従って並べて、PVアレイサブセクションの改良画像を生じさせるステップとをさらに含み得る。
【0015】
方法は、各改良フレームのそれぞれの画像強度をスケーリングするステップも含み得る。さらに、方法は、PVアレイサブセクションの改良画像を、PVアレイサブセクションのベースマップ上にマップするステップも含み得る。ベースマップは、各PVモジュールのジオロケーションを含み得る。
【0016】
具体的な実施形態では、改良画像をベースマップ上にマップするステップは、改良画像中のPVアレイサブセクションを、ベースマップ中のPVアレイサブセクションに合わせて整列するように、改良画像を配向させるステップをさらに含み得る。
【0017】
さらに、PVアレイサブセクションの各EL画像は画像識別子を含むことができ、改良画像を配向させるステップは、特定のEL画像の画像識別子を、そのPVモジュールが特定のEL画像中に現れる各改良フレームに関連付けるステップと、各改良フレームに関連付けられた画像識別子に基づいて、改良画像の配向を判断するステップとを含み得る。
【0018】
ジオロケーションは、GPS座標を含み得る。
【0019】
その上、複数のフレームは、PVアレイサブセクションの連続するフレームであってよい。
【0020】
第2の態様によると、PVアレイのEL画像を処理するための画像処理デバイスが提供される。画像処理デバイスは画像プロセッサを含み、画像プロセッサは、EL画像から、PVアレイのPVアレイサブセクションの複数のフレームを抽出することであって、PVアレイサブセクションは、PVアレイの1つまたは複数のPVモジュールを含む、抽出することと、抽出されたフレームの中から、PVアレイサブセクションの、最も高い画像品質を有する基準フレームを判断することと、基準フレームに合わせた、抽出されたフレームの画像整列を実施して、画像整列されたフレームを生成することと、画像整列されたフレームを処理して、基準フレームよりも高い解像度およびそれよりも低いノイズレベルを有する、PVアレイサブセクションの改良画像を生じさせることと、を行うように構成される。
【0021】
画像プロセッサは、画像中の、各PVモジュールのそれぞれのコーナー点を判断すること、および各PVモジュールの識別されたコーナー点に基づいて、各PVモジュール用のそれぞれのフレームを構築することによって、画像からフレームを抽出するようにさらに構成され得る。
【0022】
好ましくは、画像プロセッサは、異なる画像中で繰り返され得る、特定のPVモジュールのそれぞれのコーナー点をクラスタ化すること、およびそれぞれのコーナー点の各クラスタについてのそれぞれの平均化位置を計算することによって、画像中の、各PVモジュールのそれぞれのコーナー点を判断するようにさらに構成され得る。
【0023】
画像プロセッサはまた、フレームの鮮鋭度、信号対ノイズ比、および完全性のうちの少なくとも1つに基づいて、各フレームの画像品質を評価することによって、最も高い画像品質を有する基準フレームを判断するようにさらに構成され得る。
【0024】
さらに、画像プロセッサは、画像整列を実施する前に、抽出されたフレームを積層配列の中に並べるようにさらに構成され得る。
【0025】
さらに、PVモジュールのそれぞれのコーナー点は積層配列中に積み上げられてよく、画像プロセッサは、抽出されたフレーム中の各PVモジュールのそれぞれのコーナー点を、基準フレーム中のPVモジュールの対応するコーナー点に合わせて整列することによって、画像整列を実施するようにさらに構成され得る。
【0026】
具体的な実施形態では、画像プロセッサは、各フレーム中のPVモジュールに従って、画像整列されたフレームをグループ化することによって、画像整列されたフレームを処理することと、画像整列されたフレームの各グループに対して画像平均化を実施して、各PVモジュール用のそれぞれの改良フレームを取得することとを行うようにさらに構成され得る。
【0027】
その上、画像プロセッサは、重み付き画像スタック平均化、および/または深層畳み込みニューラルネットワーク構造に基づいて、画像平均化を実施するように構成され得る。
【0028】
画像プロセッサは、PVアレイサブセクション中の各PVモジュールの位置に従って、各改良フレームを、水平インデックスおよび垂直インデックスに関連付けることと、改良フレームを、その水平および垂直インデックスに従って並べて、PVアレイサブセクションの改良画像を生じさせることとを行うようにも構成され得る。
【0029】
画像プロセッサは、各改良フレームのそれぞれの画像強度をスケーリングするように構成され得る。
【0030】
画像プロセッサは、PVアレイサブセクションの改良画像を、PVアレイサブセクションのベースマップ上にマップするようにさらに構成され得る。ベースマップは次いで、各PVモジュールのジオロケーションを含むことができる。さらに、画像プロセッサは、改良画像中のPVアレイサブセクションを、ベースマップ中のPVアレイサブセクションに合わせて整列するように、改良画像を配向させることによって、改良画像をベースマップ上にマップするように構成され得る。
【0031】
さらに、PVアレイサブセクションの各EL画像は画像識別子を含むことができ、画像プロセッサは、特定のEL画像の画像識別子を、そのPVモジュールが特定のEL画像中に現れる各改良フレームに関連付けること、および各改良フレームに関連付けられた画像識別子に基づいて、改良画像の配向を判断することによって、改良画像を配向させるように構成され得る。
【0032】
ジオロケーションは、GPS座標を含み得る。さらに、複数のフレームは、PVアレイサブセクションの連続するフレームであってよい。
【0033】
第3の態様によると、PVアレイのEL画像をキャプチャするためのカメラを有する航空機の動きを制御する方法が提供される。この方法は、航路に沿って飛行して、PVアレイの対応するPVアレイサブセクションのEL画像をキャプチャするように航空機を制御するステップと、キャプチャされたEL画像のうちの少なくともいくつかから、それぞれの画像品質パラメータを導出するステップと、PVアレイサブセクションのEL画像をキャプチャするためのそれぞれの画像品質パラメータに基づいて、航路に沿って航空機の飛行速度を動的に調節するステップとを含む。
【0034】
有利には、キャプチャされたEL画像のうちの少なくともいくつかから導出された画像品質パラメータに従って航空機の飛行速度を動的に調節することによって、航空機は、その飛行速度を、より良好な信号対ノイズ比または画像鮮明度など、より高い画像品質をもつEL画像をキャプチャすることが可能なように調節することができる。
【0035】
画像品質パラメータは、SNR走査因子およびモーションブラー走査因子を含み得る。具体例では、SNR走査因子は、目標SNR、測定されたSNR、およびPVアレイサブセクションの特定のPVモジュールを含む、キャプチャされたEL画像の推定数に依存し得る。
【0036】
一方、モーションブラー走査因子は、測定されたオブジェクト偏向と、既定の最大オブジェクト偏向の比であってよい。
【0037】
好ましくは、それぞれの画像品質パラメータに基づいて、航路に沿って航空機の飛行速度を動的に調節するステップは、SNR走査因子およびモーションブラー走査因子のうちの最小に基づいて、目標飛行速度を導出するステップと、航空機の現在の飛行速度を、目標飛行速度に一致するように動的に調節するステップとを含み得る。
【0038】
さらに、目標飛行速度を導出するステップは、SNR走査因子およびモーションブラー走査因子のうちの最小を、航空機の現在の飛行速度に適用して、目標走査速度を導出するステップと、目標走査速度が航空機の最大飛行速度を下回り得る場合、目標走査速度を目標飛行速度として選択するステップとを含み得る。
【0039】
方法は、目標走査速度が航空機の最大飛行速度を超える場合、最大飛行速度を目標飛行速度として選択するステップをさらに含み得る。
【0040】
方法は、ユーザ入力因子に基づいて目標飛行速度を調節するステップも含み得る。
【0041】
さらに、方法は、PVアレイの対応するPVアレイサブセクションのEL画像をキャプチャするために、航空機を、航路に沿って飛行するように制御するのに先立って、1つまたは複数のPVモジュールによってPVアレイから発せられたEL信号を検出するステップをさらに含み得る。
【0042】
方法は、航空機を初期位置まで操縦するステップも含むことができ、ここで、航空機のヨー軸およびカメラの光学軸は、EL信号を検出する前は、地面に対して垂直であってよい。
【0043】
さらに、方法は、航空機をEL信号のロケーションまでナビゲートするステップを含み得る。
【0044】
具体的な実施形態では、PVアレイの1つまたは複数のPVモジュールによって発せられたEL信号を検出するステップは、航空機を車両のヨー軸の周りで回転させ、その間、EL信号が検出され得るまで、カメラの光学軸角度を同時に増大させるステップを含み得る。
【0045】
カメラの光学軸角度は、0°から70°まで増大され得る。カメラの光学軸角度は次いで、低下するピッチ速度で増大され得ることが想定される。好ましくは、航空機は、低下するヨー速度で回転してもよい。
【0046】
方法は、航空機を回転させる前に、航空機を、既定の高度まで操縦するステップをさらに含み得る。
【0047】
方法は、対応するPVアレイサブセクション中の基準PVモジュールのそれぞれのキー点を判断すること、カメラの視野(FOV)が、対応するPVアレイサブセクションに合わせて整列されるための目標整列点を、それぞれのキー点から導出すること、それぞれのキー点を目標整列点に合わせて整列するために透視変換を実施すること、および透視変換に基づいて、航空機を、対応するPVアレイサブセクションに相対して操縦することによって、カメラのFOVを、対応するPVアレイサブセクションに合わせて整列するステップも含む。
【0048】
さらに、カメラのFOVを、対応するPVアレイサブセクションに合わせて整列するステップは、航空機を適切な高度まで操縦するステップをさらに含むことができ、ここで、対応するPVアレイサブセクションは、適切な高度でのカメラのFOV内の既定のサイズ比のところにあってよい。
【0049】
対応するPVアレイサブセクションは、既定のサイズ比において、カメラのFOVの80%~90%を占め得る。
【0050】
さらに、方法は、測定された画像鮮鋭度に従って、カメラのフォーカスを動的に調節するステップをさらに含み得る。
【0051】
航空機は、カメラの光学軸と整列された光源をさらに含むことができ、方法は、PVアレイのEL画像をキャプチャする間を除いて、光源に動力供給するステップをさらに含み得る。
【0052】
第4の態様によると、PVアレイのEL画像をキャプチャするためのカメラと、航空機の動きを作動させるための推進デバイスと、カメラおよび推進デバイスに通信可能に結合されたコントローラとを含む航空機が提供される。コントローラは、航路に沿って飛行して、PVアレイの対応するPVアレイサブセクションのEL画像をキャプチャするように航空機を制御することと、キャプチャされたEL画像のうちの少なくともいくつかから、それぞれの画像品質パラメータを導出することと、PVアレイサブセクションのEL画像をキャプチャするためのそれぞれの画像品質パラメータに基づいて、航路に沿って航空機の飛行速度を動的に調節することとを行うように構成される。
【0053】
画像品質パラメータは、次いで、SNR走査因子およびモーションブラー走査因子を含むことができる。好ましくは、SNR走査因子は、目標SNR、測定されたSNR、およびPVアレイサブセクションの特定のPVモジュールを含む、キャプチャされたEL画像の推定数に依存し得る。
【0054】
一方、モーションブラー走査因子は、測定されたオブジェクト偏向と、既定の最大オブジェクト偏向の比であってよい。
【0055】
好ましくは、コントローラは、SNR走査因子およびモーションブラー走査因子のうちの最小に基づいて、目標飛行速度を導出すること、および航空機の現在の飛行速度を、目標飛行速度に一致するように動的に調節することによって、それぞれの画像品質パラメータに基づいて、航路に沿って航空機の飛行速度を動的に調節するようにさらに構成され得る。
【0056】
コントローラは、SNR走査因子およびモーションブラー走査因子のうちの最小を、航空機の現在の飛行速度に適用して、目標走査速度を導出すること、および目標走査速度が航空機の最大飛行速度を下回り得る場合、目標走査速度を目標飛行速度として選択することによって、目標飛行速度を導出するようにも構成され得る。
【0057】
さらに、コントローラは、目標走査速度が航空機の最大飛行速度を超える場合、最大飛行速度を目標飛行速度として選択するように構成され得る。
【0058】
コントローラは、ユーザ入力因子に基づいて目標飛行速度を調節するようにも構成され得る。
【0059】
その上、コントローラは、1つまたは複数のPVモジュールによってPVアレイから発せられたEL信号を検出することであって、PVアレイはアレイ軸を有し、1つまたは複数のPVモジュールは、アレイ軸に合わせて整列され、平面を含み得る、検出することと、PVアレイのアレイ軸を判断することと、推進デバイスを動的に調節して、カメラの光学軸を、1つまたは複数のPVモジュールの平面に対して垂直になるように整列しながら、アレイ軸に沿って、PVアレイのEL画像をキャプチャするようにカメラを制御することと、を行うようにさらに構成され得る。
【0060】
さらに、コントローラは、推進デバイスを動的に調節して、航空機のヨー軸を、地面に対して垂直になるようにセットすること、およびカメラの光学軸を、地面に対して垂直になるように動的に調節することによって、EL信号を突き止める前に航空機を初期位置にセットするように構成され得る。
【0061】
コントローラは、航空機をEL信号のロケーションまでナビゲートするように、推進デバイスを動的に調節するようにも構成され得る。
【0062】
コントローラは、EL信号が突き止められ得るまで、カメラの光学軸角度を同時に増大させながら、航空機を車両のヨー軸の周りで回転させるように推進デバイスを動的に調節することによって、PVアレイの1つまたは複数のPVモジュールによって発せられたEL信号を突き止めるようにさらに構成され得る。
【0063】
カメラの光学軸角度は、0°から70°まで増大され得る。具体的には、カメラの光学軸角度は次いで、低下するピッチ速度で増大され得る。好ましくは、航空機は、低下するヨー速度で回転してもよい。
【0064】
コントローラは、航空機を回転させる前に、航空機を既定の高度まで操縦するように、推進デバイスを動的に調節するようにさらに構成され得る。
【0065】
さらに、コントローラは、対応するPVアレイサブセクション中の基準PVモジュールのそれぞれのキー点を判断すること、カメラの視野(FOV)が、対応するPVアレイサブセクションに合わせて整列されるための目標整列点を、それぞれのキー点から導出すること、それぞれのキー点を目標整列点に合わせて整列するために透視変換を実施すること、および透視変換に基づいて、航空機を、対応するPVアレイサブセクションに相対して操縦するように、推進デバイスを動的に調節することによって、カメラのFOVを、対応するPVアレイサブセクションに合わせて整列するように構成され得る。
【0066】
コントローラは、航空機を適切な高度まで操縦するように、推進デバイスを動的に調節することによって、カメラのFOVを、対応するPVアレイサブセクションに合わせて整列するようにも構成されてよく、ここで、対応するPVアレイサブセクションは、適切な高度でのカメラのFOV内の既定のサイズ比のところにあってよい。
【0067】
対応するPVアレイサブセクションは、既定のサイズ比において、カメラのFOVの80%~90%を占め得る。
【0068】
コントローラは、測定された画像鮮鋭度に従って、カメラのフォーカスを動的に調節するようにさらに構成され得る。
【0069】
さらに、航空機は、カメラの光学軸と整列された光源をさらに含むことができ、コントローラは、PVアレイのEL画像をキャプチャする間を除いて、光源に動力供給するようにさらに構成され得る。
【0070】
第5の態様によると、カメラを有する航空機によってキャプチャされた、PVアレイサブセクションのEL画像から、PVアレイのPVアレイサブセクションの改良画像を取得する方法が提供される。この方法は、(i)航路に沿って飛行して、PVアレイの対応するPVアレイサブセクションのEL画像をキャプチャするように航空機を制御するステップと、(ii)キャプチャされたEL画像のうちの少なくともいくつかから、それぞれの画像品質パラメータを導出するステップと、(iii)PVアレイサブセクションのEL画像をキャプチャするためのそれぞれの画像品質パラメータに基づいて、航路に沿って航空機の飛行速度を動的に調節するステップと、(iv)PVアレイサブセクションの複数のフレームをEL画像から抽出するステップと、(v)抽出されたフレームの中から、PVアレイサブセクションの、最も高い画像品質を有する基準フレームを判断するステップと、(vi)基準フレームに合わせた、抽出されたフレームの画像整列を実施して、画像整列されたフレームを生成するステップと、(vii)画像整列されたフレームを処理して、基準フレームよりも高い解像度を有する、PVアレイサブセクションの改良画像を生じさせるステップとを含む。
【0071】
第6の態様によると、PVアレイのPVアレイサブセクションのEL画像をキャプチャし、処理するためのシステムが提供される。このシステムは、航空機および画像処理デバイスを含む。航空機は、PVアレイのEL画像をキャプチャするためのカメラと、航空機の動きを作動させるための推進デバイスと、カメラおよび推進デバイスに通信可能に結合されたコントローラとを含み、コントローラは、航路に沿って飛行して、PVアレイの対応するPVアレイサブセクションのEL画像をキャプチャするように航空機を制御することと、キャプチャされたEL画像のうちの少なくともいくつかから、それぞれの画像品質パラメータを導出することと、PVアレイサブセクションのEL画像をキャプチャするためのそれぞれの画像品質パラメータに基づいて、航路に沿って航空機の飛行速度を動的に調節することと、を行うように構成される。画像処理デバイスは画像プロセッサを含み、画像プロセッサは、EL画像から、PVアレイのPVアレイサブセクションの複数のフレームを抽出することであって、PVアレイサブセクションは、PVアレイの1つまたは複数のPVモジュールを含む、抽出することと、抽出されたフレームの中から、PVアレイサブセクションの、最も高い画像品質を有する基準フレームを判断することと、基準フレームに合わせた、抽出されたフレームの画像整列を実施して、画像整列されたフレームを生成することと、画像整列されたフレームを処理して、基準フレームよりも高い解像度およびを有する、PVアレイサブセクションの改良画像を生じさせることと、を行うように構成される。
【0072】
例示的な実施形態を、添付の図面を参照して記載する。
【図面の簡単な説明】
【0073】
図1】UAVがPVアレイのEL画像をキャプチャするための例示的なセットアップを示す図である。
図2】EL画像をキャプチャし、処理するためのシステムのシステムアーキテクチャを示すブロック図であり、システムは図1のUAVを含む。
図3図2のシステムの一部である光学サブシステムを示す図である。
図4図2のシステムによって実施される、EL画像をキャプチャし、処理するための例示的な方法のフローチャートである。
図5図4の例示的な方法の一部としてPOINT機能を実施するUAVの概略図である。
図6図4の例示的な方法の一部としてFIND機能の第1の一部を実施するUAVの概略図である。
図7図6のFIND機能の第2の一部を実施するUAVの概略図である。
図8図6および図7のFIND機能のプロセスおよび結果を示す概略図である。
図9図4の例示的な方法の一部としてALIGN機能が実施される前にカメラのFOVが整列されていない、PVストリングの上をホバリングするUAVの斜視図である。
図10図4の例示的な方法の一部としてALIGN機能が実施された後でカメラのFOVが整列された、PVストリングの上をホバリングするUAVの斜視図である。
図11図9による、カメラのFOVが整列されていないカメラの視点からのEL画像を示す図である。
図12図10による、カメラのFOVが整列されたカメラの視点からのEL画像を示す図である。
図13図11による、カメラのFOVが整列されていないコントローラの視点からのEL画像の概略図である。
図14図12による、カメラのFOVが整列されたコントローラの視点からのEL画像の概略図である。
図15図15A図15Fを含む、図4の例示的な方法の一部としてのSCAN機能中にカメラによってキャプチャされたPVストリングの、一連の6つの連続するEL画像を示す図である。
図16】PVストリングに合わせた画像整列が実施された後の、図15の一連のEL画像の概略図である。
図17】2点間偏向を示す、図15からの2つの連続するEL画像の概略図である。
図18A図4の例示的な方法の一部としてSCAN機能を実施する間、時間とともに低下するUAVの現在の飛行速度を示す線グラフである。
図18B図4の例示的な方法の一部としてSCAN機能を実施する間、時間とともに増大するUAVの現在の飛行速度を示す線グラフである。
図19A図4の例示的な方法の一部としてAUTO機能を実施するUAVの時間経過を示す概略図である。
図19B図4の例示的な方法の一部としてAUTO機能を実施するUAVの時間経過を示す概略図である。
図19C図4の例示的な方法の一部としてAUTO機能を実施するUAVの時間経過を示す概略図である。
図19D図4の例示的な方法の一部としてAUTO機能を実施するUAVの時間経過を示す概略図である。
図19E図4の例示的な方法の一部としてAUTO機能を実施するUAVの時間経過を示す概略図である。
図20図19のAUTO機能中にキャプチャされる、記憶されたEL画像用のファイル構造の概略図である。
図21A図4の例示的な方法の一部としてのFREEZE機能中に3つの連続するEL画像から抽出されるフレームの概略図である。
図21B図4の例示的な方法の一部としてのFREEZE機能中に3つの連続するEL画像から抽出されるフレームの概略図である。
図21C図4の例示的な方法の一部としてのFREEZE機能中に3つの連続するEL画像から抽出されるフレームの概略図である。
図22図21のFREEZE機能の一部として抽出されたフレームに対して実施される画像改良ステップの概略図である。
図23図22の画像改良ステップから取得された改良フレームのピクセル強度ヒストグラムを示す図である。
図24図21図23のFREEZE機能によって生成された改良EL画像の概略図である。
図25A図4の例示的な方法の一部としてのMAP機能の第1の一部中にPVモジュールが2つの行および2つの列に並べられた改良EL画像の概略図である。
図25B】2つの行および3つの列に並べられたPVモジュールを有する改良EL画像をもつ、図25Aに対する代替の概略図である。
図25C】2つの行および5つの列に並べられたPVモジュールを有する改良EL画像をもつ、図25Aに対する代替の概略図である。
図26図25A図25CのMAP機能の第2の一部の間にベースマップ上にマップされる改良EL画像の概略図である。
図27図26のMAP機能の第3の一部において、PVストリングに沿ってカメラのFOVの中心位置を近似するためのSCAN機能中のUAVの概略図である。
図28A図27のMAP機能の第4の一部におけるストリング整列方法を使って例示的なベースマップ上にマップされる例示的な改良EL画像の概略図である。
図28B図28Aの第4の一部に対する代替としてモジュール整列方法を使って例示的なベースマップ上にマップされる例示的な改良EL画像の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0074】
以下の説明は、説明のための具体例を含む。これらの具体例に対する変形および改変が可能であり、本開示の範囲内であることが、当業者には諒解されよう。特定の実施形態の図面および以下の説明は、先行する要約の一般性から切り離されるべきでない。
【0075】
図1は、建物の屋根の上に設置されたPVアレイ10のEL画像をキャプチャするための、例示的なEL検査装置またはセットアップ100を示す。本実施形態では、PVアレイ10は、3つのPVストリング12を含む。各PVストリング12は、5つのPVモジュール14からなる2つの行を含む。PVストリング12は、PVストリング12の縦軸に沿って各行の中に並べられ、そうすることによって、PVアレイ10は、PVストリング12の縦軸に沿って走るアレイ軸10aを有する。PVストリング12は、PVストリングの電気出力を結合するコンバイナボックス16に接続される。コンバイナボックス16はインバータボックス(図示せず)に接続され、このボックスは次いで、送電網に接続される。インバータボックスは、混合電気出力を送電網にフィードする前に、混合電気出力をDCからACにコンバートする。このようにして、PVモジュール14によって生成された電気が送電網にフィードされる。EL検査中、PVアレイ10は送電網から切断される。
【0076】
セットアップ100は、3つのチャネル34を含むスイッチャボックス32をさらに含む。PVアレイ10の各PVストリング12は、スイッチャボックス32のそれぞれのチャネル34に接続される。セットアップ100は、スイッチャボックス32に接続された電源36をさらに含む。電源は、最大1000ボルトの電気、およびPVモジュール14の短絡電流の10%に等しい最小電流を、各PVストリング12に供給するように構成される。チャネル34を選択的にアクティブ化することによって、現地作業員30が、PVストリング12を順方向バイアス条件下に置く電力源36からの電流を、PVストリング12に選択的に供給する。順方向バイアス条件に置かれると、エレクトロルミネセンス(EL)として知られる場合もある、PVストリング12中の1つまたは複数のPVモジュール14は光を発し、したがって、航空機(たとえば、無人航空機(UAV)20)の光学サブシステムによって検出されるEL信号を生じる。
【0077】
図1において、作業員30は、正常に動作しているPVアレイ10が、予想されるよりも少ない電気を生成していることに気づく。視覚検査も、赤外線検査も、この理由を示していない。PVアレイ10を送電網から切断し、スイッチャボックス32を介してPVアレイ10を電源36に電気的に接続した後、作業員30は、EL検査のためにPVストリング12のEL画像をキャプチャするようにUAV20を配置するよう、アシスタント22に命令する。UAV20は、本体210と、UAV20を飛行させるために本体210に取り付けられた推進デバイス230と、EL画像をキャプチャするための、本体210に搭載された光学サブシステム220とを含む。
【0078】
本実施形態ではアシスタント22が与えられるが、作業員30がアシスタント22の助けなしでUAV20を配置し得ることは明らかである。さらに、複数のPVストリング12が1つのチャネル34に接続されてよいことにも留意されたい。たとえば、PVアレイ10のすべての3つのPVストリング12が、単一のチャネル34に接続されてよい。このシナリオでは、すべての3つのPVストリング12が、同時に順方向バイアス条件下に置かれ、PVアレイ10全体のEL画像がキャプチャされる。特に、電源36によって供給される電流の量は、各チャネル34がそれぞれのPVストリング12に接続されているときと比較して、このシナリオではより低いが、このことは、順方向バイアス条件下に置かれているPVストリング12に影響しない。
【0079】
さらに、より大型のPVアレイが複数のコンバイナボックス16を含む場合があり、ボックス16はその場合、インバータボックス(図示せず)に接続される。代替として、PVアレイ10はコンバイナボックス16を含まない場合があり、代わりに、PVストリング12がインバータボックスに直接接続される。
【0080】
好ましくは、各PVストリング12には、PVモジュール14の短絡電流の100%が供給される。ただし、こうである必要はない。たとえば、各PVストリング12には、PVモジュール14の短絡電流の60%に等しい電流が供給される場合がある。複数の注入電流での、同じPVアレイサブセクションの測定値が、PVモジュール14の電気的プロパティを推定するのに、および電流依存欠陥を識別するのに使われてよい。
【0081】
図2は、画像をキャプチャし、処理するシステム200のシステムアーキテクチャを示す。システム200は、無人航空機(UAV)20および画像処理デバイス260を含む。光学サブシステム220、および推進デバイス230に加え、UAV20は、機上処理サブシステム240および電力源242(たとえば、バッテリー)をさらに含む。電力源242は、光学サブシステム220、推進デバイス230、および機上処理サブシステム240に接続され、それらに電力供給する。機上処理サブシステム240は、光学サブシステム220および推進デバイス230に通信可能に結合され、様々な機能を実施するために光学サブシステム220および推進デバイス230を制御するように構成される。
【0082】
光学サブシステム220について、最初に図3を参照して記載する。光学サブシステム220は、光学軸222aをもつカメラ222を含み、本実施形態では、カメラ222は、単色ビデオ記録をとるように動作可能なビデオカメラである。カメラ222は、近および/または短赤外線(NIR、SWIR)EL波帯中で感度が高く、そのような波帯中でEL画像をキャプチャするのに適している。カメラ222は、NIR/SWIR EL波帯中での使用にやはり適した集束レンズ223を含む。レンズ223(たとえば電動フォーカスレンズ、電圧制御ポリマーレンズまたは液体レンズ)により、機上処理サブシステム240は、レンズ223からPVアレイ10までの距離に依存して、レンズ223のフォーカスを調節することができる。カメラ222は、どの望まれない光スペクトルもフィルタ除去するためのレンズフィルタ(図示せず)をさらに含む。
【0083】
光学サブシステム220は、光学距離測定デバイス(光検出および測距デバイス(LIDAR)224など)をさらに含む。LIDARの光学軸(224a)は、カメラ222の光学軸222aに合わせて整列される。LIDAR224は、PVアレイ10から光学サブシステム220までの距離を測定するように動作可能である。
【0084】
光学サブシステム220は、集束された光源(レーザー226など)をさらに含む。レーザーの光学軸(226a)も、カメラ222の光学軸222aに合わせて整列される。レーザー226は、可視スペクトルの光を発するように準備され、レーザーからの光干渉を最小限にするカメラの視野(FOV)以下のビーム拡散を有する。さらに、レーザー226は、低電力動作を可能にし、狭波帯の光を発し、作業員30によって容易に識別される集束形状を作成する。集束形状は非対称であり、このことは、作業員30が、カメラ222がどこを指しているかを識別するのを、およびまた、カメラのFOVの回転を識別するのを手助けする。
【0085】
光学サブシステム220は、UAV20の本体210に光学サブシステム220を取り付ける単軸ジンバル228(図2に示す)をさらに含む。機上処理サブシステム240は、カメラ222の光学軸222aを1自由度(すなわち、ピッチ)で上げ/下げするように、ジンバルを制御する。
【0086】
代替として、光学サブシステム220は、カメラ222の光学軸222aを調節するためのさらなる自由度(ヨー、ロール)を可能にし、FOVの強化された安定性を提供するように、2軸または3軸ジンバルを介して本体210に搭載されてよい。さらに、レーザー226によって作成された集束形状は対称的であってよい。LEDが、レーザー226の代わりに使われてもよい。レンズ223のフォーカスは調節可能であり、機械的または電気的のいずれかで駆動されてよい。
【0087】
図2を参照して、推進デバイス230について次に記載する。推進デバイス230は、UAVを飛行させ、航空機のヨー軸210a(図1参照)の周りを回転させるなどの空中操縦を実施させるように、それぞれのモータ234によって駆動されるプロペラ232の4つのセットを含む。ヨー軸210aは、UAV20が直立しているときに本体210の中央部を走る垂直軸である。
【0088】
機上処理サブシステム240は、コントローラ250およびメモリユニット252を含む。コントローラは、メモリユニット252に記憶された命令のセットに従って5つの機能(FOCUS、POINT、FIND、ALIGN、SCAN、AUTO)を実行するように構成される。コントローラ250は、PVアレイ10からLIDAR224までの距離、ならびにカメラの視野を含む情報を、光学サブシステム220から受信する。光学サブシステム220から受信された情報を使って、コントローラ250は、機能POINT、FIND、FOCUS、ALIGN、SCANおよびAUTOアルゴリズムを実行するように光学サブシステム220および推進デバイス230を操作するように構成される。EL画像がキャプチャされると、UAV20はそのベースに戻って、EL画像を、さらに処理するために画像処理デバイス260に転送する。
【0089】
画像処理デバイス260は、機能FREEZEおよびMAPを実行するように構成される。画像処理デバイス260は、フレーム抽出モジュール270、画像改良モジュール280、マッピングモジュール290、および画像プロセッサ300を含む。画像処理デバイス260は、EL画像を入力としてとり、PVアレイ10の改良EL画像を出力する。
【0090】
航空機の各構成要素の動作について、以下のセクションにおいてより詳しく記載する。
【0091】
図4は、システム200によってEL画像をキャプチャし、処理する例示的な方法400についてのブロック図である。例示的な方法400について、適用可能な場合、対応する図5図26Bとともに記載する。本実施形態では、UAV20は、好ましくは夜間に、または低自然光条件下で実施される、PVアレイ40のEL検査を実施するように配置される。PVアレイ40は、PVアレイ40がより多くのPVモジュールを含むことを除いて、PVアレイ10と同様である。PVアレイ10からのそれぞれのセットのコンバイナボックス(図示せず)が、現場作業員30によって制御されるスイッチャボックス532に接続される。
【0092】
方法400のステップ410において、コントローラ250はPOINT機能を実行する。図5は、POINT機能を実施するUAV20の概略図500である。UAV20が配置されると、コントローラ250は、レーザー226に電力を供給するように電力源242を制御するように構成される。作業員30は、レーザー226によって照射されるエリア530を見つけ、カメラ222がどこを指しているかを識別する。レーザーは、レーザー226への意図しない直接的な眼の露出があったとしても、現場作業員30がいかなる眼障害も被らない、安全な範囲(レーザー:クラス1または2)内である光強度を有する。レーザー226は、UAV20の動作のほとんどの間、スイッチオンされている。こうすることにより、作業員30は、特に、どのPVストリングが現在、順方向バイアス下にあるかが明白でないとき、カメラ222がどこを指しているかを素早く識別することができる。カメラ222によって、キャプチャされたEL画像の中にレーザー226が現れないように、レーザー226は、UAV20がSCAN機能を実行する直前にオフにされる。
【0093】
作業員30は、アクティブ化されている/開いているチャネルに従って、どのPVストリングが順方向バイアス下に置かれるかを作業員30に知らせるストリング接続図を照会する。本実施形態では、ストリング接続図は誤りを含み、作業員30は、特定のチャネルについて、PVストリング512aが順方向バイアス下に置かれていることを知らされる。実際には、別のPVストリング512bが順方向バイアス下に置かれており、PVストリング512bの1つまたは複数のPVモジュール514bがEL信号を発する。PVストリング512a、512bは、PVアレイ40の一部であり、PVアレイ40のPVアレイサブセクション512a、512bとも呼ばれる。
【0094】
特定のチャネルをアクティブ化した後、作業員30は、航路520に沿ってUAV20をPVストリング512aへ手動でガイドする。作業員30は、PVストリング512aによってEL信号が発せられていることに気づき、ストリング接続図に誤りがあると推論する。順方向バイアス下にある、すなわちEL信号を発しているPVストリング512bのロケーションを判断するために、作業員30は、FIND機能を開始するよう、コントローラ250に指示する。
【0095】
作業員30は、UAV20をPVストリング512aへ手動でガイドする必要はないことに留意されたい。作業員30は、UAV20の配置の直後にFIND機能を開始してよく、そうすることによってPOINT機能を回避する。代替として、コントローラ250は、UAV20が配置されると、自動的にFIND機能を開始するように構成されてもよい。
【0096】
方法400のステップ420において、コントローラ250はFIND機能を実行する。図6は、FIND機能の第1の一部を実施するUAV20の概略図600である。留意すべきこととして、作業員30および照射エリア530は図6a(および後続図面)に示されていない。FIND機能の第1の一部は、UAV20を初期位置にセットすることを伴う。開始すると、コントローラ250は、UAVのヨー軸210aが地面に対して垂直である初期位置へUAV20を操縦するように、推進デバイス230を動的に調節するように構成される。コントローラ250は、カメラの光学軸222aも地面に対して垂直になるか、言い換えると、UAV20のすぐ下のエリアをカメラの視野が示すようにジンバル228を動的に調節するようにさらに構成される。この位置において、光学軸222aは0°の角度を有する。
【0097】
さらに、コントローラ250は、UAV20を(UAVのヨー軸210aに沿って)、地面から既定の高度610まで操縦するように、推進デバイス230を動的に調節するようにさらに構成される。
【0098】
図7は、FIND機能の第2の一部を実施するUAV20の概略図700である。FIND機能の第2の一部は、UAV20のすぐ下のエリアから始まり、外側へらせん運動する掃引経路中でPVアレイ40の掃引を実施することを伴う。掃引を実施するために、コントローラ250は、UAVのヨー軸210aの周りでUAV20を回転させる(矢印710参照)ように、推進デバイス230を動的に調節するように構成される。コントローラ250は、カメラの光学軸角度を同時に増大する(720)ようにさらに構成される。これにより、カメラのFOVがUAV20から外側へ動く。回転720との組合せで、カメラの走査経路はらせん810を形成する。これを図8に示すが、この図は、FIND機能の第2の一部の結果を示す概略図800を示す。
【0099】
例を挙げると、初期位置において、UAVは、地上10mの高さでホバリングする。カメラの光学軸角度が0°から70°にされると、(以下の数式(a)の正弦法則の関係式を使って)55メートルの放射エリアが観察される。カメラ222は、60°の写角を有する。その結果、地面の方を直接指すビューに対して、視野は10mになる(数式(b))。したがって、25mの半径を有するPVアレイ40をカバーするには、3回転で十分である。
【0100】
【数1】
【0101】
【数2】
【0102】
留意すべきこととして、カメラの光学軸角度は、低下するピッチ速度で増大される。ジンバル228の視点からは、ジンバルのピッチ速度は、増大するピッチ角度で低下される。走査経路810は、2πに半径が乗算されて増大するので、カメラのFOVは、その最後の回転において、5倍大きい距離(2π・5m≒31;2π・25m≒157m)に沿って移動する。その結果、カメラの回転710またはヨー速度は、最後の回転において5倍低くなるように調節される。
【0103】
カメラのヨー速度は、露出時間中にフレーム中で容認可能なモーションブラーの量に依存する。10個のピクセルの露出中の最大偏向に対して、7msの露出時間および640pxの水平センサー解像度、22m/sのヨー速度が可能である(数式(c))。282m(5m、15m、25mの半径での3つの円の合計)の全らせんに対して近似された移動距離を用いると、方法FINDは、順方向バイアス下のPVストリングが検出されない場合、最大13秒かかり得る。機能FINDが進行中の間、コントローラ250は、順方向バイアスされたPVストリング512bの特徴がないか、カメラ222によってキャプチャされた画像をチェックする。機能FINDは、PVストリング512bからEL信号が検出されると、停止する。EL検出が行われると、コントローラ250は、UAV20をEL信号まで操縦するように、推進デバイス230を動的に調節するように構成される。このように、EL信号は、UAV20をガイドするための光マーカーとして使われている。
【0104】
【数3】
【0105】
方法400のステップ430において、コントローラ250はFOCUS機能を実行する。コントローラ250は、LIDAR224からのPVストリング512b中の1つまたは複数のPVモジュールまでの距離に関する情報を、カメラ222から受信する。コントローラ250は、カメラレンズのフォーカスを維持するために、測定された距離に従って、カメラレンズ223と焦点との間の距離を、カメラレンズ223と撮像対象との間の距離に一致させるように、カメラのフォーカスを動的に調節するように構成される。
【0106】
方法400のステップ440において、コントローラ250は、図9図14に関連して次に記載するALIGN機能を実行する。図9および図10は、それぞれ、カメラのFOVがPVストリング512bに合わせて整列されていない、および整列されたPVストリング512bの上をホバリングするUAV20の斜視図900、1000である。図11および図12は、それぞれ、カメラのFOVが整列されていない、および整列された、カメラ222の視点からのEL画像1100、1200である。図13および図14は、コントローラ250の視点からのEL画像1100、1200の概略図1300、1400である。
【0107】
図9を参照すると、カメラのFOV910は、PVストリング512bに対して整列されていない。カメラのFOV910は、方法400がSCAN機能に進み得る前に、(図10に示すように)PVストリング512bに合わせて整列されなければならない。
【0108】
コントローラ250は、(図11に示すように)カメラ222からEL画像1100を受信する。EL画像1100は、背景1110、すなわち地面と比較して、1つまたは複数のPVモジュール514bによって発せられたEL信号により明るく見える(光強度がより高い)PVストリング512b(またはPVストリング512bの一部分)を含む。コントローラ250は、アルゴリズムを適用して、カメラのFOV910がPVストリング512bに対して整列されていないと判断する。アルゴリズムは、明るいPVストリング512bと暗い背景1110との間の強度差を使用して、PVストリング512bの(または基準PVモジュール514bの)位置および配向を検出する。具体的には、および図13を参照すると、アルゴリズムは、PVストリングの縁1310を検出し、縁1310からキー点1320(たとえば、モジュールコーナー点)を導出する。アルゴリズムは次いで、整列不良およびいかなる角度または視点歪みも最小限にする各キー点1320に対応する、整列された点1330のセットを判断する。整列された点1330は、より上の、およびより低い水平インジケータ1340上にセットされる。
【0109】
さらに、アルゴリズムは、PVストリング512bを、カメラのFOV910内の既定のサイズ比にする、PVストリング512bに相対するUAV20の適切な高度も判断する。既定のサイズ比は、UAV20の位置発振に対する許容誤差を認めるように、PVストリング512bの最上部および最下部と、画像境界1410との間の約5~10%の空間を保つように設定される。言い換えると、PVストリング512bは、既定のサイズ比において、カメラのFOVの80%~90%を占める。
【0110】
アルゴリズムは次いで、キー点1320を(図14に示すように)整列された点1330に合わせて整列するための透視変換を判断する。コントローラ250は次いで、透視変換に基づいて、ジンバル228および推進デバイス230に対して適切な調節を行うように構成される。図14に見ることができるように、カメラのFOV910はPVストリング512bに合わせて整列され、PVストリング512bは、カメラのFOV910内で既定のサイズ比にある。整列されると、カメラの光学軸はPVストリングの平面に対して垂直である。PVストリングは1つまたは複数のPVモジュール514bを含むので、PVストリングの平面は、1つまたは複数のPVモジュールの平面からなる。1つまたは複数のPVモジュールの平面は、日光を受けるように準備された面として定義される。
【0111】
留意すべきこととして、コントローラ250は、SCAN機能が進行中の間、繰り返しALIGN機能を実行するように構成される。これにより、SCAN機能中にEL画像がキャプチャされている間、カメラの光学軸は確実にPVストリングの平面に対して垂直になる。有利には、これにより、視点歪みが最小限になり、カメラ222による、キャプチャされたEL画像の画像解像度が増す。さらに、カメラ222は、EL画像にわたってより一貫したフォーカスでEL画像をキャプチャできるようになる。さらに、各PVモジュール514bからのEL強度が正確にキャプチャされ、これは分析目的のために重要である。
【0112】
留意すべきこととして、コントローラ250がEL画像1200中でPVストリング512bの端1210を検出しない場合、コントローラ250は、PVストリング512bの端1210がEL画像1200の中に入るまでUAV20をPVストリングの縦軸10a(図1参照)に沿って操縦するように、推進デバイス230を調節するように構成される。
【0113】
ステップ450において、コントローラ250は、図15図17に沿って次に記載されるSCAN機能を実行する。図15は、PVストリング512b沿いの異なる位置でカメラ222によってキャプチャされたPVストリング512bの一連1500の6つの連続するELフレームをそれぞれ示す図15A図15Fを含む。留意すべきこととして、PVモジュール1510が複数回、すなわち図15A図15Eに現れる見込みがあるように、ELフレームが重なる。
【0114】
大型PV設備およびUAV20の限られた飛行時間を検討するとき、走査速度が、システム効率を判断する際に重大なパラメータになる。長いカメラ露出時間は通常、より良好な画像品質、すなわちより良好な信号対ノイズ比(SNR)をもたらす。ただし、速い走査速度と結び付いた長いカメラ露出時間は、画像品質を低減するモーションブラーを引き起こす。一方、短いカメラ露出時間は、過度のノイズをもつEL画像をもたらすが、これは特に注入電流が低いときであり、注入電流が低いと画像品質も低下する。
【0115】
PVモジュール1510が図15A図15Fに現れるので、(後の段階における)画像平均化に利用可能な、PVモジュール1510の5つのフレーム(やはり後の段階において抽出される)がある。画像平均1520のSNRは、おおよそ、画像平均化に利用可能なフレームの数(nframes)の平方根で増大する。言い換えると、画像平均1520の画像ノイズは、画像平均を作成するのに使われるフレームの数で低減する。画像平均化に利用可能なフレームの数は、走査速度にも依存するので、コントローラ250によってリアルタイムで算出される。
【0116】
さらに、SCAN機能中にALIGN機能が繰り返し実行されていても、SCAN機能を通してカメラのFOVが完全に安定したままであることは難しい。UAV20に対して働く外部の力(風など)によるUAV20の位置発振を考慮すると、特にそうである。これは図16において明白であり、この図は、図15A図15FのEL画像の、PVストリング512bに合わせた画像整列が実施された後の一連1500の概略図である。UAV20の位置的発振は、PVストリング512bに沿ったEL画像の間の2点間偏向において明白である。位置発振がALIGN機能によって軽減される(かつ、ほとんど矯正される)間、走査速度のどの計算も、ノイズおよびモーションブラーを制限するとともに、この偏向を考慮に入れなければならない。
【0117】
ノイズの制限:
コントローラ250は、SCAN機能中にオプティカルフロー分析(たとえばLucas-Kanade方法)を実施するように構成される。カメラ222によってキャプチャされる、図15A図15Fの各フレームについて、コントローラ250は、現在のフレームの中のキー点を算出し、現在のフレームの中のキー点を、先行フレームの中のキー点と比較して、偏向ベクトルの長さを判断する。
【0118】
図17は、2点間偏向を示すPVストリング512bの2つの連続するEL画像(すなわち、図15Dおよび図15E)の概略図1700である。図15Eの先行EL画像は点線で示し、現在のEL画像Fは太い線で示す。画像中心1720におけるオブジェクト1710の偏向は、図15Dおよび図15EのEL画像の中の検出されたキー点の平均偏向から算出される。この偏向ベクトルの長さは、df2fと呼ばれる。
【0119】
コントローラ250は、画像中心1720を通るとともに偏向角度である直線1730を算出する。直線1730は、画像境界1740と交点1750、1760において交差する。交点1750、1760の間の距離は、画像面を通って移動されたオブジェクト距離を表す。コントローラ250は次いで、偏向ベクトルの長さdf2fと、交点1750、1760の間の距離の比をとることによって、nframesを算出する。
【0120】
画像品質に対するノイズの影響は、SNRで量子化され得る。
【0121】
【数4】
【0122】
本実施形態では、SNRは以下のように算出される。キャプチャされたOtsuの方法が、暗い背景1110と、1つまたは複数のPVモジュール514bによって発せられたEL信号のせいでより明るく見えるPVストリング512b(またはPVストリング512bの一部分)との間の閾(tOtsu)を取得するのに使われる。「Signal」値は、閾、すなわちtOtsuよりも明るいすべてのピクセルの強度を平均することによって取得される。「Noise」値は、同様の、または匹敵する撮像パラメータ(たとえば露出時間、センサー温度および利得)で順にとられた複数の画像のピクセルの標準偏差の平均から、EL測定の前に取得される。
【0123】
SNR依存走査速度因子(または単にSNR走査因子)、すなわちfSNRが、式(2)を使って現在の走査速度に対して適用されて、画像平均1520のSNR、すなわちSNRframeが確実に目標SNR、すなわちSNRtargetと一致するようにする。
【0124】
【数5】
【0125】
たとえば、SNRtargetは、ラボ測定用に45に設定される。カメラ露出時間は、SNRframeを5(屋外測定のための最小要件)に保つように、SCAN機能中に調節される。コントローラ250は次いで、画像平均化のために25個のEL画像が利用可能である(nframe=25)と推定する。式(1)に基づいて、以下の数式(d)の関係式が成り立つ。言い換えると、現在の走査速度は、現在の値の56%まで低減されるべきである。本質的に、走査速度を下げると、画像平均1520を作成するのに利用可能なフレームの数(nframes)が増える。
【0126】
【数6】
【0127】
モーションブラーの制限:
モーションブラーの影響を避けるために、フレームの露出中のオブジェクト偏向(dexp)は、所定の最大値(dexp_max)も下回るべきである。露出時間あたり0.75ピクセルの値が提案される。フレーム間偏向(df2f)は、式(3)に従って、2つのフレーム(tf2f)と露出時間(texp)との間の時間差を使って、露出時間偏向(dexp)にスケーリングされ得る。
【0128】
【数7】
【0129】
モーションブラー依存走査因子(fblur)は、式(4)に示すように、最大オブジェクト偏向dexp_maxと現在のオブジェクト偏向dexpの比に等しい。
【0130】
【数8】
【0131】
式(5)に示すように、両方の因子(fSNR、fblur)のうちの最小から、走査速度因子(fscan)が取得される。
scan=min(fSNR,fblur) (5)
【0132】
高いEL画像品質を保証するために、最大設定走査速度、すなわちvqualityが、式(6)を使って取得される。
quality=min(vmax,fscan・vcur) (6)
【0133】
最大設定走査速度、すなわちvqualityは、高いEL画像品質が依然として達成され得る最大走査速度を定義する。
【0134】
式(6)に従って、走査速度因子、すなわちfscanを現在の飛行速度、すなわちvcurで乗算することによって、目標走査速度が算出される。目標走査速度がUAV20の最大飛行速度、すなわちvmaxを下回る場合、目標走査速度は、最大設定走査速度、すなわちvqualityとして選択される。言い換えると、UAV20が、その最大飛行速度、すなわちvmaxまで、より速く動くことができるとしても、これはEL画像の画像品質を低減することになるので、最大設定走査速度、すなわちvqualityは、最大飛行速度vmaxを下回るように設定される。
【0135】
最大設定走査速度が、UAV20の最大飛行速度、すなわちvmaxを超える場合、最大飛行速度、すなわちvmaxが、最大設定走査速度、すなわちvqualityとして選択される。
【0136】
目標飛行速度、すなわちvtargetは、最大設定走査速度、すなわちvquality、およびユーザ入力因子、すなわちfuserから、式(7)に従って取得される。
target=vquality・fuser (7)
【0137】
ユーザ入力因子、すなわちfuserは、作業員30によってリモートに制御されるジョイスティックの偏向から取得され、0%~100%にわたる。100%において、目標飛行速度、すなわちvtargetは、単に最大設定走査速度、すなわちvqualityである。
【0138】
UAV20のけいれん様の動きを最小限にするために、平滑化技法が目標飛行速度、すなわちvtargetに適用される。本実施形態では、指数移動平均が、式(8)に従って設定速度、すなわちvsetを取得するのに使われる。αは、0~100%の範囲内の平滑因子である。
set=(α・vcur)+((1-α)・vtarget) (8)
【0139】
SCAN機能の2つの例示的な実施形態について、SCAN機能に従ってそれぞれ時間とともに低下し、増大する、UAV20の現在の飛行速度、すなわちvcurを示す線グラフ1800a、1800bである図18Aおよび図18Bを参照して次に記載する。両方の実施形態に対して、ユーザ入力因子、すなわちfuserは100%とされ、UAV20の最大飛行速度、すなわちvmaxは9m/sとされる。
【0140】
図18Aを参照すると、時間=1sにおいて、およびUAV20が6m/sの現在の飛行速度、すなわちvcurで動くと、コントローラ250は、50%の走査速度因子、すなわちfscan1を式(5)から取得する。走査速度因子が100%を下回る場合、これは、UAV20が、UAV20がそうすべきであるよりも速く動いていることを示す。コントローラ250は次いで、目標走査速度が3m/sであると判断する。目標走査速度がUAV20の最大飛行速度、すなわちvmaxを下回るので、目標走査速度は、式(6)に従って最大設定走査速度、すなわちvqualityとして選択される。
【0141】
留意すべきこととして、ユーザ入力因子、すなわちfuserが100%であるので、最大設定走査速度、すなわちvqualityも、式(7)に従って目標飛行速度、すなわちvtargetである。
【0142】
コントローラ250は次いで、目標飛行速度、すなわちvtargetが達成されるまで、航空機の現在の飛行速度を動的に低下させる。式(8)による平滑化技法は、UAV20のけいれん様の動きを最小限にするために適用され、これは、6m/s(時間=1sにおける)から3m/s(時間=2sにおける)までの、UAV20の現在の飛行速度、すなわちvcurの滑らかな遷移に見ることができる。
【0143】
時間=2sにおいて、コントローラ250は、100%の走査速度因子、すなわちfscan2を式(5)から取得する。この時点で、UAV20の現在の飛行速度、すなわちvcurは、最大設定走査速度、すなわちvqualityと一致する。
【0144】
図18Bを参照すると、時間=1sにおいて、およびUAV20が3m/sの現在の飛行速度、すなわちvcurで動くと、コントローラ250は、150%の走査速度因子、すなわちfscan1を式(5)から取得する。走査速度因子が100%を上回る場合、このことは、UAV20が、要求される画像品質と依然として合致しながら、50%より速く動き得ることを示す。コントローラ250は次いで、目標走査速度が4.5m/sであると判断する。
【0145】
目標走査速度は、UAV20の最大飛行速度、すなわちvmaxを下回るので、最大飛行速度、すなわちvmaxを最大設定走査速度、すなわちvqualityとして選択するのではなく、目標走査速度が、最大設定走査速度、すなわちvqualityとして、式(6)に従って選択される。
【0146】
同様に、ユーザ入力因子、すなわちfuserが100%であるので、最大設定走査速度、すなわちvqualityも、式(7)に従って目標飛行速度、すなわちvtargetである。式(8)による平滑化技法がやはり、UAV20のけいれん様の動きを最小限にするために適用される。
【0147】
コントローラ250は次いで、目標飛行速度、すなわちvtargetが達成されるまで、航空機の現在の飛行速度、すなわちvcurを動的に増大させる。時間=2sにおいて、コントローラ250は、100%の走査速度因子、すなわちfscan2を式(5)から取得する。この時点で、UAV20の現在の飛行速度、すなわちvcurは、最大設定走査速度、すなわちvqualityと一致する。
【0148】
留意すべきこととして、コントローラ250は、PVストリング512bの対向端が検出されるまで、SCAN機能を連続的に実施する。PVストリング512bの対向端が検出されると、コントローラ250はSCAN機能を終了し、EL画像がメモリユニット252に記憶される。
【0149】
ステップ460において、コントローラ250は、AUTO機能を実行するように構成される。図19は、図19A図19Eを含み、PVアレイ40のELビデオ画像をキャプチャするUAV20の時間経過を示す概略図である(図5のPVアレイ40を例として使う)。PVアレイ40は、PVストリングの2つの行1810、1820を含むように示されている。コントローラ250は、電源36およびスイッチャボックス532に(ワイヤレス接続を介して)通信可能に結合され、それらを制御することができ、ボックス532は、PVアレイ40に電気的に接続される。
【0150】
t1において、図19Aに示すように、UAV20は、第1の行1810の端1810aにおいてスタートし、第1のPVストリング1812aのEL画像を走査方向1830でキャプチャする。PVストリング1812aの端1814aを検出すると、コントローラ250は、スイッチャボックス532に、現在のチャネルを閉じ、次のPVストリング、すなわち1812b用に次のチャネルを開くよう命令するように構成される。留意すべきこととして、PVストリング1812bに注入される電流は、PVストリング1812aと同じレベルに維持される。プロセスは、図19Bに示すように、コントローラ250が、t2においてPVストリングの第1の行1810の対向端1810bにある最後のPVストリング1812fに達したことを検出するまで続く。
【0151】
t3において、図19Cに示すように、コントローラ250は、PVストリング1812fに注入される電流を下げるよう、電源36に命令するように構成される。注入電流を下げる目的は、より高い現在のEL画像との比較のために、低電流EL画像をキャプチャするためである。コントローラ250は次いで、走査方向1830と反対である走査方向1840にUAV20を動かすように、推進デバイス230を動的に調節する。UAV20は、走査方向1840に沿って動き、第1の行1810の中のPVストリングのEL画像を、より低い注入電流でキャプチャする。
【0152】
図19Dは、t4において、UAV40がPVストリングの第1の行1810の端1810aに達したことをコントローラ250が検出することを示す。この時点で、コントローラ250は、第2の行1820の第1のPVストリング1820aを順方向バイアス下に置くために現在のチャネルを閉じ、次のチャネルを開くよう、スイッチャボックス532に命令するように構成される。コントローラ250は、PVストリング1820aによって発せられたEL信号を突き止めるためにFIND機能を実行するようにさらに構成される。留意すべきこととして、PVストリング1820aは、FIND機能中はカメラのFOV内にあり、コントローラ250は、PVストリング1820aを突き止めることができる。
【0153】
図19Eのt5において、コントローラ250は、UAV20をPVストリング1820aへナビゲートするように構成される。UAV20がPVストリング1820aに達すると、コントローラ250は、SCAN機能をもう一度実行するように構成される。第2の行1820中のPVストリングのEL画像は、第1の行1810の中のPVストリングのEL画像をキャプチャする(t1~t4において詳述した)のに使われるのと同様のプロセスを使ってキャプチャされる。留意すべきこととして、コントローラ250は、SCAN機能の持続時間を通してALIGN機能を実行するように構成される。キャプチャされたEL画像は、メモリユニット252に記憶される。
【0154】
図20は、記憶されたEL画像のためのファイル構造の概略図1900である。ファイル構造は、記憶されたEL画像1910と、追加メタデータ1920を含む付加ブロックとを含む。メタデータ1920は、ヘッダ1930および主部1940に分離される。ヘッダ1930は、EL画像1910が保存される前にEL画像1910に対して適用される画像修正方法についての情報を含む。画像修正方法は、暗電流減算、フラットフィールド修正、不良ピクセル置換、およびレンズ歪み除去を含む。主部1940は、カメラ露出時間および利得、UAVジオロケーション、カメラ配向(ヨー、ピッチ、ロール)、注入電流、電圧、ならびにチャネル情報を含む画像依存データを記憶する。
【0155】
カメラ222は、8ビットよりも大きいビット深度(たとえば14または16ビット)で、EL画像1910をキャプチャ/デジタル化する。こうすることにより、単色8ビットセンサーの255個の明度きざみにおいてよりも精密に、画像強度範囲を分解することができる。ファイルサイズを削減するために、8ビット画像に基づく画像エンコーダが使われる。各EL画像1910のより上の、およびより低い強度範囲が、メタデータ1920に記憶される。より上の、およびより低い強度範囲は、カメラ222によってキャプチャされた各EL画像1910の有効ダイナミックレンジから取得される。範囲は、あらゆる8ビットEL画像を、元のより高い深度のカメラ画像のそれぞれのより低い、およびより上の強度範囲にスケーリングするのに使われ得る。
【0156】
UAV20がそのベースに戻ると、記憶されたEL画像が次いで、さらなる処理のために画像処理デバイス260に転送される。
【0157】
ステップ470において、画像処理デバイス260は、図21図24を参照して次に記載するFREEZE機能を実行する。簡潔のために、FREEZE機能は、PVストリング512bのみを含むEL画像の処理を参照して記載される。FREEZE機能は、あらゆるEL画像を同様に処理し得ることを理解されたい。
【0158】
FREEZE機能は、(i)フレーム抽出モジュール270によって実施されるフレーム抽出ステップと、(ii)画像改良モジュール280によって実施される画像改良ステップとを含む。
【0159】
図21図21A図21Cを含み、これらはそれぞれ、フレーム抽出ステップの一部として処理される、PVストリング512bの3つの連続するELフレーム画像2000a、2000b、2000cを示す。画像プロセッサ300は、すべての3つのELフレーム画像2000a、2000b、2000cから、PVストリング512bの中の各PVモジュール514bのそれぞれのコーナー点2010を判断するよう、フレーム抽出モジュール270に命令する。各PVモジュール514bの検出されたコーナー点は、各ELフレーム画像2000a、2000b、2000c中で黒ドット2012として示される。留意すべきこととして、本実施形態では、フレーム抽出モジュール270は、図21Aの第1のELフレーム画像2000a中の、特定のPVモジュール2016の特定のコーナー点2014を検出することができない。
【0160】
図21Aの第1のELフレーム画像2000a中で検出されたすべてのコーナー点2010が、図21Bの第2のELフレーム画像2000b中の空ドット2020として可視化されている。留意すべきこととして、空ドット2030は、それらに対応する、図21Aの第1のELフレーム画像2000a中の黒ドット2012と比較して、左にわずかにシフトされる。これは、2点間偏向の修正のせいである。局地的コーナー点密度が一定の閾(本実施形態では、2つの検出されたコーナー点2010で十分である)を超えると、画像プロセッサ300は、クラスタ点2022を生成するようにフレーム抽出モジュール270を制御する。クラスタ点の位置は、クラスタ点2022を生成するのに使われるコーナー点2010すべての平均をとることによって取得される。こうすることにより、有益には、個々のコーナー点の空間検出誤差が減る。
【0161】
図21Cを参照すると、EL画像2000c中のクラスタ点2030によって示されるように、ELフレーム画像の境界の外にクラスタ点2022が動くと、クラスタ点2022が記憶される。あまりにも多くのELフレーム画像が、クラスタ点にそれ以上、コーナー点2010を加えなくなると、ELフレーム画像の境界内のクラスタ点2022は破棄される。EL画像2000c中のクラスタ点2032など、ELフレーム画像の境界内のクラスタ点2022は、新たなコーナー点2010を加えるELフレーム画像と、コーナー点2010を加えないELフレーム画像の比が一定の閾を上回る限り保たれる。すべてのクラスタ点2022は次いで、矩形のような四辺形またはフレームを生成/構築するために、フレーム抽出モジュール270によってメッシュをかけられる。各フレームは、各フレーム中に含まれる、それぞれのPVモジュールのクラスタ点2022から構築される。
【0162】
図22は、フレーム抽出ステップから抽出されるフレーム2100が、画像改良ステップにおいて処理されることを示す。画像プロセッサ300は、水平および垂直モジュールインデックス2110を各フレーム2100に、PVストリング512b中でのその位置に従って割り当てるよう、画像改良モジュール280に命令する。たとえば、特定のPVモジュール2514に関連付けられている第1のフレームは第1の行、およびPVストリング512bの第1列の中で突き止められ、水平および垂直モジュールインデックス[1,1]を割り当てられる。
【0163】
画像プロセッサ300は、各フレームに含まれるPVモジュール514bに従って(または同様に、それらのモジュールインデックス2110に従って)フレーム2100をグループ化するように、画像改良モジュール280をさらに制御する。各フレーム2100は、4つのクラスタ点2022(それぞれ、「A」~「D」と印付けられる)を含む。各グループの中のフレーム2100は次いで、同じアルファベット(「A」~「D」)で印付けられたクラスタ点2022が互いの上に積み上げられるように、積層配列(スタックと呼ばれる)に並べられる。モジュールインデックス[1,1]を有する例示的なスタック2120が図22に示されている。
【0164】
画像改良モジュール280は、フレーム2100の一部ではないエリア2124を破棄するようにさらに構成される。
【0165】
例示的なスタック2120を例として使うと、画像改良モジュール280は、例示的なスタック2120内のフレーム2100から、最も高い画像品質を有する基準フレームを判断するようにさらに構成される。画像品質は、フレーム内のPVモジュール514bの鮮鋭度、SNRおよび完全性に基づいて評価される。
【0166】
画像改良モジュール280は、フレーム2100の画像整列を実施するようにさらに構成される。これは、「拡張相関係数を使うパラメトリック画像整列(Parametric Image Alignment using Enhanced Correlation Coefficient)」などの画像整列アルゴリズムを使って行われる。画像改良モジュール280は、例示的なスタック2120中の残りのフレーム2100を基準フレームに合わせて整列する。画像整列は、画像整列されたフレーム2130を取得するために、残りのフレーム中の「A」と印付けられたクラスタ点2022を、基準フレーム中の「A」と印付けられた、対応するクラスタ点2022に合わせて整列することによって行われる。
【0167】
画像改良モジュール280は、特定のPVモジュール2514の改良フレーム2140を取得するために、画像整列されたフレーム2130に対して画像平均化を実施するようにさらに構成される。画像平均化は、重み付き画像スタック平均化2032および/または専用深層畳み込みネットワーク構造2034などの超解像度ルーチンを使って実施される。改良フレーム2140は、基準フレームよりも高いSNR(すなわち、より低いノイズ)およびより高い解像度(最大で3の解像度向上因子)を有する。
【0168】
同じプロセスが、残りのスタックに対して繰り返されて、PVストリング512b中の残りのPVモジュール514b向けのそれぞれの改良フレームを取得する。画像プロセッサ300は、各改良フレームのそれぞれのコーナー点2010を判断するように、および改良フレーム中のどの残りの視点歪みも取り除くように、画像改良モジュール280をさらに制御する。
【0169】
画像プロセッサ300は、PVストリングの改良EL画像を生じるために、改良フレームを、それらのモジュールインデックス2110に従って並べるように、画像改良モジュール280をさらに制御する。PVストリング512b中のPVモジュール514bの間の距離が同様である場合、単一の改良EL画像が生じられる。2つのPVモジュール(PVモジュールのうちの1つが別個のPVストリング512cに属すことを示す)の間の大きい空隙2112のせいで距離が変わる場合、別個のPVストリング512c用に別個の改良EL画像が生じられる。
【0170】
画像改良モジュール280は、PVストリング512b中の最も暗いものから最も明るいPVモジュール514bまでの強度スペクトルを反映するために、各改良フレームの画像強度をスケーリングするようにさらに構成される。強度スケーリングは、PVモジュールの強度範囲の深さ解像度を低減するので、それぞれのPVモジュール514bに対する改良フレームが、PVストリングの改良EL画像と一緒に記憶される。
【0171】
画像処理の間、画像強度が実値または浮動小数点値で表される。得られた画像を視覚的に表示するとき、画像強度は、最も暗いものと、最も明るい表示可能値との間の明度値を割り当てられなければならない。過度の画像(またはピクセル)強度値をもつピクセルの影響を低減するために、最小数のピクセルを含む明度範囲(以前は有効ダイナミックレンジと呼んだ)が、最も低いピクセル強度ビン(点線2201a)および最も高いピクセル強度ビン(点線2201b)によって定義される。
【0172】
図23は、改良フレーム2140のピクセル強度ヒストグラムを示す。暗い背景および明るいEL信号のピクセル強度にそれぞれ対応する2つのピーク2200a、2200bを見ることができる。最も低いピクセル強度ビン(点線2201a)と最も高いピクセル強度ビン(点線2201b)との間の明度範囲が、多くのピクセルでは発生しないピクセル強度を除外するように定義される。図23において、最も低いピクセル強度ビンを下回るピクセル強度(点線2201aの左)が、最小値(0)に設定され、最も高いピクセル強度ビンを上回るピクセル強度(点線2201bの右)が、選ばれた精度(8ビット画像に対して2-1=255)に従って保存され得る最大値に設定される。間の画像強度は、定義された明度範囲の最小値(0)と最大値(255)の間でスケーリングされる。
【0173】
図24は、画像改良ステップが完了された後のPVストリング512bの改良EL画像2200を示すが、改良EL画像2200の解像度は、基準フレームの解像度よりも良好であることに留意されたい。留意すべきこととして、走査方向2210、すなわち左から右、右から左、上から下、またはどの他の組合せとも無関係に、改良EL画像2200は、EL画像2000a、2000b、2000cが、PVストリング512bに合わせて整列されたカメラのFOV910でキャプチャされるので、カメラのヨー(すなわち、光学軸222a)と常に整列する。参照しやすいように、黒色三角形2220が、改良EL画像2200がカメラのFOV910と整列された、改良EL画像2200の左下隅を示すのに使われる。
【0174】
既存の知られている方法が次いで、EL撮像に基づいて、PVストリング512bのどの欠陥PVモジュールも識別するように改良EL画像2200を処理するのに使われ得る。欠陥PVモジュールが識別されているので、欠陥PVモジュールのジオロケーションを知るのに役立つ場合がある。この目的のために、マッピングモジュール290が使われてよい。
【0175】
画像プロセッサ300は、図25図28に示すようにMAP機能を実行するように、マッピングモジュール290を制御する。マッピングモジュール290は、PVストリング512bの改良EL画像2200を、PVストリング2410のベースマップ上にマップするように構成される。改良EL画像2200からのPVストリング512b中のPVモジュール514b(およびしたがって、任意の欠陥PVモジュール)のロケーションを識別するために、フレーム依存時限ジオロケーション(時間、緯度、経度、高度など)およびカメラ配向(たとえばヨー、ピッチ、ロール)という情報が、SCAN機能の間にキャプチャされ、処理され、記憶される。この情報は、あらゆるキャプチャされたEL画像/ビデオのメタデータ1920の中に記憶される(図20参照)。
【0176】
画像プロセッサ300は、改良画像中のPVアレイサブセクションを、ベースマップ中のPVアレイサブセクションに合わせて整列するように、改良画像を配向させることによって、改良画像をベースマップ上にマップするように、マッピングモジュール290を制御する。改良EL画像2200中のPVストリング512bのジオロケーションは分かっているが、その配向(すなわち、カメラのヨー)は分からない場合、画像をベースマップレイヤ中のPVストリングと整列するために、黒色三角形2220に関して、4つの可能配向(0°、90°、180°、270°の回転)がある。商用のPVモジュールは概して、4×8、6×10または6×12セルのセルグリッドを有し、概して矩形であって方形ではない。そのようなケースでは、4つの配向のうちのただ2つ、すなわち黒色三角形2220に対して0°および180°の回転が妥当と思われる。これについては、図25A図25Bおよび図25Cを参照してさらに詳しく説明し、これらの図は、PVモジュールが2つの行、ならびにそれぞれ2つ、3つおよび5つの列に並べられた3つの改良EL画像2310、2320、2330を示す。
【0177】
図25Aの改良EL画像2310は、同じ数の行および列を有する。PVモジュール2314の形状により、4つの配向のうちの2つ(黒色三角形2220に対して90°および270°の回転)が、改良EL画像2310がそのPVストリングのベースマップ上にマップされると、改良EL画像2310を悪く歪ませる。
【0178】
図25Bの改良EL画像2320が方形形状を有するとしても、改良EL画像2320は、異なる数のPVモジュール2324をその行および列の中に有する。4つの配向のうちの2つ(黒色三角形2220に対して90°および270°の回転)において、行または列の中のPVモジュール2324の数は、ベースマップ中のそのPVストリングの同じ行または列の中のPVモジュール2324の数と一致しない。
【0179】
図25Cの改良EL画像2330は、2つの配向(黒色三角形2220に対して0°および180°の回転)を有して示されている。見ると分かるように、これらの2つの配向のみが、等しく歪んでいない画像をそのベースマップに合致させる。
【0180】
図26は、PVストリング512bのベースマップ2410上にマップされた改良EL画像2200を示す。PVストリング512bは縦軸(すなわち、図1のアレイ軸10a)を有し、カメラ222は、PVストリング512bのEL画像を、既定のサイズ比でキャプチャするように準備されるので、どのEL画像も、PVストリング512b全体をキャプチャするわけではない。具体的には、本実施形態では、PVストリング512bの11個のEL画像がキャプチャされる。各EL画像は、一意の画像識別子2420に関連付けられる。本実施形態では、各EL画像は、昇順で1~11と番号付けられる。
【0181】
画像平均化が改良フレームを生じるために特定のEL画像が使われるとき、画像プロセッサ300は、特定のEL画像の画像識別子2420を改良フレームに関連付けるよう、マッピングモジュール290にさらに命令する。たとえば、改良フレーム2430は、一意の数識別子「2」、「3」、「4」、「5」および「6」に関連付けられる。言い換えると、EL画像「2」、「3」、「4」、「5」、および「6」から抽出された対応するフレームが、改良フレーム2430を生じるための画像平均化に使われる。
【0182】
マッピングモジュール290は次いで、各改良フレームに関連付けられた画像識別子2420に基づいて、改良画像2200の配向を(2つの利用可能配向、すなわち黒色三角形2220に対して0°および180°の回転から)判断することができる。画像識別子「1」に関連付けられた改良フレームは、SCAN機能の終わりにキャプチャされるフレームを表す、画像識別子「11」に関連付けられた改良フレームとは反対に、SCAN機能のスタートにおいてキャプチャされるフレームを表す。
【0183】
ベースマップ2410内の改良EL画像2200の位置および配向についてのさらなるインジケータについて論じる。PVストリング512b沿いのカメラのFOV910の近似中心位置2440が、UAVの航路2450(飛行開始2452および飛行終了2454を含む)、飛行高度ならびにカメラ配向から算出され得る。
【0184】
図27は、PVストリング512b沿いのカメラのFOV910の中心位置2440を近似するためのSCAN機能中のUAV20の側面図を示す概略図2500である。UAV20は、dという、地面からの高度2510を有する。カメラ222は、αという、地面に対するピッチ角度2520で整列される。ピッチ角度2520は、地面に対する、PVストリング512bの傾き角度2530に合わせて整列される。カメラ222とPVストリング512bとの間の距離2540はdである。距離2540は、LIDAR示度から、またはFOCUS機能中にLIDAR224によって測定されると、すぐに入手可能である。UAV20とPVストリング512bとの間の水平距離2550はdxyである。水平距離2550は次いで、式(3)、すなわち
xy,1=d・cos(α) (9)
を使ってdに基づいて、または式(4)、すなわち
xy,2=(d-dpv)・tan(α) (10)
を使って、dおよび地面からのPVストリング512bの高さ2560、dpvに基づいてのいずれかで算出され得る。
【0185】
式(9)は、撮像対象の高さ(dpv)が既知であるか、または推定されることをdxy,2が要求するので、式(10)よりも好まれる。さらに、UAV20は、より長い飛行時間および天候の変化に対して誤りがあり得るdを気圧計によって推定する。
【0186】
図27を参照すると、カメラのFOV910の中心位置2440は、そのUAVの航路2450がわずかに下回る間、PVストリング512b内にある。高品質ロケーションデータおよび単純なPVストリング相互接続(PVストリング512bの場合である)があると、マッピングモジュール290は、さらなる入力なしで、改良EL画像2200をベースマップ2410上に正確にマップすることができる。より複雑なPVストリング相互接続および/または低品質ロケーションデータがある場合、PVストリングに対するさらなる入力が、測定数、スイッチャボックスチャネルならびにどのインバータボックスまたはコンバイナボックス16がどのスイッチャボックスチャネルに、およびどのときに接続されるかに関する情報を比較することにより取得される。
【0187】
図28Aは、ストリング整列方法を使って、例示的な改良EL画像2610が例示的なベースマップ2620上にマップされることを示す。図28Bは、モジュール整列方法を使って、例示的な改良EL画像2630が例示的なベースマップ2640上にマップされることを示す。
【0188】
図28Aを参照すると、ストリング整列方法のために、ベースマップ2620のコーナー点2622は既知であり、改良EL画像2610は、ベースマップ2620の上に概ね整列される。ベースマップが、改良EL画像2610の下に複数のPVストリングを含む場合、最も重複するエリアを改良EL画像2610と共有するPVアレイ2620が選ばれる。改良EL画像2610の4つのコーナー点2612が次いで、マッピングモジュール290によって、ベースマップ2620の中のPVストリングのコーナー点、および最も類似した配向に従って、2622にアフィンまたは視点整列される(2624)。
【0189】
図28Bを参照すると、本実施形態では、改良EL画像2630中のPVモジュールの数は、ベースマップ2640中のPVモジュールの数と一致しない。こうなるのは、改良EL画像が、走査されたPVストリングの一部のみから生成されるか、またはPVストリング内のPVモジュールの相互接続が規則的パターンに従わないときである。この場合、ベースマップ2640のコーナー点2642に加え、PVストリングの各行および列の中のモジュールの数が既知でなければならない。さらに、改良EL画像2630内のPVモジュールは、ベースマップ2640のPVモジュールと概ね整列されなければならない。画像プロセッサ300は次いで、改良EL画像2630中のコーナー点2632の偏向ベクトルから、ベースマップ2640中のPVモジュールのすべての対応するコーナー点2642へのアフィンまたは視点画像変換を取得するよう、マッピングモジュール290に命令する。画像プロセッサ300は、コーナー点2632とコーナー点2642の最も大きい重なりに基づいて、および最も類似した配向に従って、改良EL画像2630をベースマップ2640上にマップするよう、マッピングモジュール290にさらに命令する。
【0190】
改良EL画像2200、2610、2630がベースマップ2410、2620、2640上にマップされると、改良EL画像2200、2610、2630中で識別されるPVモジュール欠陥のジオロケーションについての情報(GPS座標など)が、修理作業および/またはメンテナンスのために、ベースマップ2410、2620、2640からすぐに識別され得る。
【0191】
有利には、記載した実施形態に鑑み、UAV20が、薄暗い光の条件下での、低解像度、単色ビデオをとることが可能であり、さらに向上された解像度および改良品質画像が、欠陥PVモジュールを識別するため、およびPVモジュール電力損失を推定するために生じられ得る。特に、機上処理サブシステム240は、UAV20を自律的にナビゲートし、例示的な方法400を実行することが可能である。
【0192】
さらに、フレーム依存時限ジオロケーション(たとえば、時間、緯度、経度、高度など)およびカメラ配向(たとえばヨー、ピッチ、ロール)などの情報が処理されるので、特定のEL画像のPVストリングのロケーションを確実および正確に生じ直すことが可能である。
【0193】
本明細書に記載した様々な実施形態は、限定的であると企図されるべきでないことに留意されたい。たとえば、UAV20は、追加距離測定のための超音波デバイスをさらに装備することができる。さらに、カメラ222は、順方向バイアス下でPVストリングの静止EL画像をキャプチャするか、またはPVストリングを代わりにビデオを記録することができる。さらに、単色センサーではなく、カラーセンサーが使われてよい。記載される実施形態は「PVストリング」を例として使うが、どの他のPV電気接続が使われてもよく、広くは、実施形態がどのPVアレイとともに使われてもよい。
【0194】
UAVのみでなく、ドローンなど、他のタイプの航空機が使われてよい。
【0195】
例示的な方法400は、すべての8つの機能、すなわち、FOCUS、POINT、FIND、ALIGN、SCAN、AUTO、FREEZE、MAPを含むものとして記載されているが、システム200は、機能のうちの任意の数を、任意の妥当な順序で実行し得ることが理解されよう。たとえば、代替実施形態では、どのPVストリングを検査するかについて、より強い制御を作業員30が望む場合があるので、機上処理サブシステム240は、AUTO機能を実行しなくてよい。この場合、作業員は、SCAN機能が完了された後、スイッチャボックス32および電源36を手動で制御し、したがってFINDまたはSCAN機能を開始する。画像処理デバイス260は、MAP機能なしでFREEZE機能を実行してもよい。
【0196】
さらに、方法400の間はいつも、特にSCAN機能が進行中である間、FOCUS機能が、キャプチャされたEL画像が高品質の鮮鋭度を確実に有するようにするために実行されてよい。代替として、UAV20とPVアレイ10との間の距離が狭い範囲内に保たれ得る場合、FOCUS機能は、まったく実行される必要はない。そのような実施形態では、制御されるフォーカス調節のない固定フォーカスレンズが、集束レンズ223の代わりに使われてよい。
【0197】
その上、代替実施形態では、UAV20は、最初にベースに戻ることなく、キャプチャされたEL画像を画像処理デバイス260にリモート転送することができる。
【0198】
さらに、所定の最大値(dexp_max)が最大1.5に設定されてよい。
【0199】
別の例では、レンズフィルタがレーザーからのどの光干渉もフィルタ除去するように準備される場合、レーザーは、オフにされる必要がなくてよい。
【0200】
さらに別の例では、UAV20がどの程度不安定であるように見えるかに依存して、UAV20の位置発振に対するより大きい許容誤差を可能にするために、SCAN機能中、既定のサイズ比が、PVストリング512bの最上部および最下部と、画像境界1410との間に約15%~20%(または、より一層高い、たとえば20%~25%)の空間を保つように設定されてもよい。
【符号の説明】
【0201】
10 PVアレイ
12 PVストリング
14 PVモジュール
16 コンバイナボックス
20 無人航空機(UAV)
32 スイッチャボックス
34 チャネル
36 電源、電力源
40 PVアレイ
100 セットアップ
200 システム
220 光学サブシステム
222 カメラ
223 集束レンズ、レンズ、カメラレンズ
224 光検出および測距デバイス(LIDAR)
226 レーザー
228 単軸ジンバル、ジンバル
230 推進デバイス
232 プロペラ
234 モータ
240 機上処理サブシステム
242 電力源
250 コントローラ
252 メモリユニット
260 画像処理デバイス
270 フレーム抽出モジュール
280 画像改良モジュール
290 マッピングモジュール
300 画像プロセッサ
512a PVストリング、PVアレイサブセクション
512b PVストリング、PVアレイサブセクション
512c PVストリング
514b PVモジュール
532 スイッチャボックス
1812a PVストリング
1812b PVストリング
1812f PVストリング
1814f PVストリング
1820a PVストリング
2016 PVモジュール
2314 PVモジュール
2324 PVモジュール
2410 PVストリング、ベースマップ
2514 PVモジュール
2620 PVアレイ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18A
図18B
図19
図20
図21A-21C】
図22
図23
図24
図25A
図25B
図25C
図26
図27
図28A
図28B
【手続補正書】
【提出日】2021-09-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
PVアレイのエレクトロルミネセンス(EL)画像を処理する方法であって、
前記EL画像から、前記PVアレイのPVアレイサブセクションの複数のフレームを抽出するステップであって、前記PVアレイサブセクションは、前記PVアレイの1つまたは複数のPVモジュールを含む、ステップと、
前記抽出されたフレームの中から、前記PVアレイサブセクションの、最も高い画像品質を有する基準フレームを判断するステップと、
前記基準フレームに合わせた、前記抽出されたフレームの画像整列を実施して、画像整列されたフレームを生成するステップであって、このステップは
前記抽出されたフレームを積層配列の中に並べることであって、前記PVモジュールのそれぞれのコーナー点が積み上げられる、並べること、および
前記抽出されたフレーム中の各PVモジュールの前記それぞれのコーナー点を、前記基準フレーム中の前記PVモジュールの対応するコーナー点に合わせて整列することによって行われる、ステップと、
前記画像整列されたフレームを処理して、前記基準フレームよりも高い解像度を有する、前記PVアレイサブセクションの改良画像を生じさせるステップと、を含む方法。
【請求項2】
前記画像から前記フレームを抽出するステップは、
前記画像中の、各PVモジュールの前記それぞれのコーナー点を判断するステップと、
各PVモジュールの前記識別されたコーナー点に基づいて、各PVモジュール用のそれぞれのフレームを構築するステップと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記画像中の、各PVモジュールのそれぞれのコーナー点を判断するステップは、
異なる画像中で繰り返される特定のPVモジュールの前記それぞれのコーナー点をクラスタ化するステップと、
それぞれのコーナー点の各クラスタについてのそれぞれの平均化位置を計算するステップと、を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
最も高い画像品質を有する基準フレームを判断するステップは、前記フレームの鮮鋭度、信号対ノイズ比、および完全性のうちの少なくとも1つに基づいて、各フレームの前記画像品質を評価するステップを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記画像整列されたフレームを処理するステップは、各フレーム中の前記PVモジュールに従って、前記画像整列されたフレームをグループ化するステップと、画像整列されたフレームの各グループに対して画像平均化を実施して、各PVモジュール用のそれぞれの改良フレームを取得するステップとを含む、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記画像平均化は、重み付き画像スタック平均化、および/または深層畳み込みニューラルネットワーク構造に基づく、請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記PVアレイサブセクション中の各PVモジュールの位置に従って、各改良フレームを、水平インデックスおよび垂直インデックスに関連付けるステップと、前記改良フレームを、その水平および垂直インデックスに従って並べて、前記PVアレイサブセクションの前記改良画像を生じさせるステップとをさらに含む、請求項またはに記載の方法。
【請求項8】
各改良フレームのそれぞれの画像強度をスケーリングするステップをさらに含む、請求項からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記PVアレイサブセクションの前記改良画像を、前記PVアレイサブセクションのベースマップ上にマップするステップをさらに含み、前記ベースマップは各PVモジュールのジオロケーションを含む、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記改良画像を前記ベースマップ上にマップするステップは、前記改良画像中の前記PVアレイサブセクションを、前記ベースマップ中の前記PVアレイサブセクションに合わせて整列するように、前記改良画像を配向させるステップを含む、請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記PVアレイサブセクションの各EL画像は画像識別子を含み、前記改良画像を配向させるステップは、
特定のEL画像の前記画像識別子を、そのPVモジュールが前記特定のEL画像中に現れる各改良フレームに関連付けるステップと、
各改良フレームに関連付けられた前記画像識別子に基づいて、前記改良画像の配向を判断するステップと、を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ジオロケーションはGPS座標を含む、請求項から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記複数のフレームは、前記PVアレイサブセクションの連続するフレームである、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
PVアレイのEL画像を処理するための画像処理デバイスであって、
画像プロセッサを備え、前記画像プロセッサは、
前記EL画像から、前記PVアレイのPVアレイサブセクションの複数のフレームを抽出することであって、前記PVアレイサブセクションは、前記PVアレイの1つまたは複数のPVモジュールを含む、抽出することと、
前記抽出されたフレームの中から、前記PVアレイサブセクションの、最も高い画像品質を有する基準フレームを判断することと、
前記基準フレームに合わせた、前記抽出されたフレームの画像整列を実施して、画像整列されたフレームを生成することであって、この生成することは
前記抽出されたフレームを積層配列の中に並べることであって、前記PVモジュールのそれぞれのコーナー点が積み上げられる、並べること、および
前記抽出されたフレーム中の各PVモジュールの前記それぞれのコーナー点を、前記基準フレーム中の前記PVモジュールの対応するコーナー点に合わせて整列することによって行われる、生成することと、
前記画像整列されたフレームを処理して、前記基準フレームよりも高い解像度を有する、前記PVアレイサブセクションの改良画像を生じさせることと、を行うように構成される、画像処理デバイス。
【請求項15】
前記画像プロセッサは、
前記画像中の、各PVモジュールのそれぞれのコーナー点を判断すること、および
各PVモジュールの前記識別されたコーナー点に基づいて、各PVモジュール用のそれぞれのフレームを構築することによって、前記画像から前記フレームを抽出するようにさらに構成される、請求項14に記載の画像処理デバイス。
【請求項16】
前記画像プロセッサは、
異なる画像中で繰り返される特定のPVモジュールの前記それぞれのコーナー点をクラスタ化すること、および
それぞれのコーナー点の各クラスタについてのそれぞれの平均化位置を計算することによって、前記画像中の、各PVモジュールのそれぞれのコーナー点を判断するようにさらに構成される、請求項15に記載の画像処理デバイス。
【請求項17】
前記画像プロセッサは、前記フレームの鮮鋭度、信号対ノイズ比、および完全性のうちの少なくとも1つに基づいて、各フレームの前記画像品質を評価することによって、最も高い画像品質を有する基準フレームを判断するようにさらに構成される、請求項14から16のいずれか一項に記載の画像処理デバイス。
【請求項18】
前記画像プロセッサは、各フレーム中の前記PVモジュールに従って、前記画像整列されたフレームをグループ化することによって、前記画像整列されたフレームを処理することと、画像整列されたフレームの各グループに対して画像平均化を実施して、各PVモジュール用のそれぞれの改良フレームを取得することとを行うようにさらに構成される、請求項14から17のいずれか一項に記載の画像処理デバイス。
【請求項19】
前記画像プロセッサは、重み付き画像スタック平均化、および/または深層畳み込みニューラルネットワーク構造に基づいて、画像平均化を実施するようにさらに構成される、請求項18に記載の画像処理デバイス。
【請求項20】
前記画像プロセッサは、前記PVアレイサブセクション中の各PVモジュールの位置に従って、各改良フレームを、水平インデックスおよび垂直インデックスに関連付けることと、前記改良フレームを、その水平および垂直インデックスに従って並べて、前記PVアレイサブセクションの前記改良画像を生じさせることとを行うようにさらに構成される、請求項18または19に記載の画像処理デバイス。
【請求項21】
前記画像プロセッサは、各改良フレームのそれぞれの画像強度をスケーリングするようにさらに構成される、請求項18から2のいずれか一項に記載の画像処理デバイス。
【請求項22】
前記画像プロセッサは、前記PVアレイサブセクションの前記改良画像を、前記PVアレイサブセクションのベースマップ上にマップするようにさらに構成され、前記ベースマップは各PVモジュールのジオロケーションを含む、請求項14から21のいずれか一項に記載の画像処理デバイス。
【請求項23】
前記画像プロセッサは、前記改良画像中の前記PVアレイサブセクションを、前記ベースマップ中の前記PVアレイサブセクションに合わせて整列するように、前記改良画像を配向させることによって、前記改良画像を前記ベースマップ上にマップするようにさらに構成される、請求項22に記載の画像処理デバイス。
【請求項24】
前記PVアレイサブセクションの各EL画像は画像識別子を含み、前記画像プロセッサは、
特定のEL画像の前記画像識別子を、そのPVモジュールが前記特定のEL画像中に現れる各改良フレームに関連付けること、および
各改良フレームに関連付けられた前記画像識別子に基づいて、前記改良画像の配向を判断することによって、前記改良画像を配向させるようにさらに構成される、請求項23に記載の画像処理デバイス。
【請求項25】
前記ジオロケーションはGPS座標を含む、請求項22から24のいずれか一項に記載の画像処理デバイス。
【請求項26】
前記複数のフレームは、前記PVアレイサブセクションの連続するフレームである、請求項14から25のいずれか一項に記載の画像処理デバイス。
【請求項27】
PVアレイのEL画像をキャプチャするためのカメラを有する航空機の動きを制御する方法であって、
航路に沿って飛行して、前記PVアレイの対応するPVアレイサブセクションのEL画像をキャプチャするように前記航空機を制御するステップと、
前記キャプチャされたEL画像のうちの少なくともいくつかから、それぞれの画像品質パラメータを導出するステップであって、前記画像品質パラメータはSNR走査因子およびモーションブラー走査因子を含む、ステップと、
前記PVアレイサブセクションの前記EL画像をキャプチャするための前記それぞれの画像品質パラメータに基づいて、前記航路に沿って前記航空機の飛行速度を動的に調節するステップであって、このステップは
前記SNR走査因子および前記モーションブラー走査因子のうちの最小に基づいて、目標飛行速度を導出するステップと、
前記航空機の現在の飛行速度を、前記目標飛行速度に一致するように動的に調節するステップと、によって行われる、ステップとを含む方法。
【請求項28】
前記SNR走査因子は、目標SNR、測定SNR、および前記PVアレイサブセクションの特定のPVモジュールを含む、キャプチャされたEL画像の推定数に依存する、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記モーションブラー走査因子は、測定されたオブジェクト偏向と、既定の最大オブジェクト偏向の比である、請求項27または28に記載の方法。
【請求項30】
前記目標飛行速度を導出するステップは、
前記SNR走査因子および前記モーションブラー走査因子のうちの前記最小を、前記航空機の現在の飛行速度に適用して、目標走査速度を導出するステップと、
前記目標走査速度が前記航空機の最大飛行速度を下回る場合、前記目標走査速度を前記目標飛行速度として選択するステップとを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項31】
前記目標走査速度が前記航空機の前記最大飛行速度を超える場合、前記最大飛行速度を前記目標飛行速度として選択するステップをさらに含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
ユーザ入力因子に基づいて前記目標飛行速度を調節するステップをさらに含む、請求項27から31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記PVアレイの対応するPVアレイサブセクションのEL画像をキャプチャするために、前記航空機を、前記航路に沿って飛行するように制御するのに先立って、1つまたは複数のPVモジュールによって前記PVアレイから発せられたEL信号を検出するステップをさらに含む、請求項27から32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記航空機を初期位置まで操縦するステップをさらに含み、前記航空機のヨー軸および前記カメラの光学軸は、前記EL信号を検出する前は、地面に対して垂直である、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記航空機を前記EL信号のロケーションまでナビゲートするステップをさらに含む、請求項33または34に記載の方法。
【請求項36】
前記PVアレイの前記1つまたは複数のPVモジュールによって発せられた前記EL信号を検出するステップは、前記航空機を機体のヨー軸の周りで回転させ、その間、前記EL信号が検出されるまで、同時に前記カメラの光学軸角度を増大させるステップを含む、請求項33から35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記カメラの光学軸角度は0°から70°まで増大される、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記カメラの光学軸角度は、低下するピッチ速度で増大される、請求項36または37に記載の方法。
【請求項39】
前記航空機は低下するヨー速度で回転する、請求項36から38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記航空機を回転させる前に、前記航空機を、既定の高度まで操縦するステップをさらに含む、請求項36から39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記カメラの視野(FOV)を、前記対応するPVアレイサブセクションに合わせて整列するステップをさらに含み、このステップは、
前記対応するPVアレイサブセクション中の基準PVモジュールのそれぞれのキー点を判断すること、
前記カメラのFOVが、前記対応するPVアレイサブセクションに合わせて整列されるための目標整列点を、前記それぞれのキー点から導出すること、
前記それぞれのキー点を前記目標整列点に合わせて整列するために透視変換を実施すること、および
前記透視変換に基づいて、前記航空機を、前記対応するPVアレイサブセクションに相対して操縦することによって行われる、請求項27から40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記カメラのFOVを、前記対応するPVアレイサブセクションに合わせて整列するステップは、前記航空機を適切な高度まで操縦するステップをさらに含み、前記対応するPVアレイサブセクションは、前記適切な高度での前記カメラのFOV内の既定のサイズ比のところにある、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記対応するPVアレイサブセクションは、前記既定のサイズ比において、前記カメラのFOVの80%~90%を占める、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
測定された画像鮮鋭度に従って、前記カメラのフォーカスを動的に調節するステップをさらに含む、請求項27から43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
前記航空機は、前記カメラの光学軸と整列された光源をさらに含み、前記方法は、前記PVアレイの前記EL画像をキャプチャする間を除いて、前記光源に動力供給するステップをさらに含む、請求項27から44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
PVアレイのEL画像をキャプチャするためのカメラと、
航空機の動きを作動させるための推進デバイスと、
前記カメラおよび前記推進デバイスに通信可能に結合されたコントローラと、を備える航空機であって、前記コントローラは、
航路に沿って飛行して、前記PVアレイの対応するPVアレイサブセクションのEL画像をキャプチャするように前記航空機を制御することと、
前記キャプチャされたEL画像のうちの少なくともいくつかから、それぞれの画像品質パラメータを導出することであって、前記画像品質パラメータはSNR走査因子およびモーションブラー走査因子を含む、導出することと、
前記PVアレイサブセクションの前記EL画像をキャプチャするための前記それぞれの画像品質パラメータに基づいて、前記航路に沿って前記航空機の飛行速度を動的に調節することであって、動的に調節することは
前記SNR走査因子および前記モーションブラー走査因子のうちの最小に基づいて、目標飛行速度を導出することと、
前記航空機の現在の飛行速度を、前記目標飛行速度に一致するように動的に調節することと、によって行われる、動的に調節することと、を行うように構成される、航空機。
【請求項47】
前記SNR走査因子は、目標SNR、測定SNR、および前記PVアレイサブセクションの特定のPVモジュールを含む、キャプチャされたEL画像の推定数に依存する、請求項46に記載の航空機。
【請求項48】
前記モーションブラー走査因子は、測定されたオブジェクト偏向と、既定の最大オブジェクト偏向の比である、請求項46または47に記載の航空機。
【請求項49】
前記コントローラは、前記目標飛行速度を導出するようにさらに構成され、これは、
前記SNR走査因子および前記モーションブラー走査因子のうちの前記最小を、前記航空機の現在の飛行速度に適用して、目標走査速度を導出することと、
前記目標走査速度が前記航空機の最大飛行速度を下回る場合、前記目標走査速度を前記目標飛行速度として選択することとによって行われる、請求項46に記載の航空機。
【請求項50】
前記コントローラは、前記目標走査速度が前記航空機の前記最大飛行速度を超える場合、前記最大飛行速度を前記目標飛行速度として選択するようにさらに構成される、請求項49に記載の航空機。
【請求項51】
前記コントローラは、ユーザ入力因子に基づいて前記目標飛行速度を調節するようにさらに構成される、請求項46から50のいずれか一項に記載の航空機。
【請求項52】
前記コントローラは、
1つまたは複数のPVモジュールによって前記PVアレイから発せられたEL信号を検出することであって、前記PVアレイはアレイ軸を有し、前記1つまたは複数のPVモジュールは、前記アレイ軸に合わせて整列され、平面を含む、検出することと、
前記PVアレイの前記アレイ軸を判断することと、
前記推進デバイスを動的に調節して、前記カメラの光学軸を、前記1つまたは複数のPVモジュールの平面に対して垂直になるように整列しながら、前記カメラを、前記アレイ軸に沿って、前記PVアレイの前記EL画像をキャプチャするように制御することと、を行うようにさらに構成される、請求項46から51のいずれか一項に記載の航空機。
【請求項53】
前記コントローラは、前記EL信号を突き止める前に、前記航空機を初期位置にセットするようにさらに構成され、これは、
前記推進デバイスを動的に調節して、前記航空機のヨー軸を、地面に対して垂直になるようにセットすることと、
前記カメラの光学軸を、地面に対して垂直になるように動的に調節することと、によって行われる、請求項52に記載の航空機。
【請求項54】
前記コントローラは、前記航空機を前記EL信号のロケーションまでナビゲートするように、前記推進デバイスを動的に調節するようにさらに構成される、請求項52または53に記載の航空機。
【請求項55】
前記コントローラは、前記航空機を機体のヨー軸の周りで回転させ、同時に、前記EL信号が突き止められるまで、前記カメラの光学軸角度を増大させるように前記推進デバイスを動的に調節することによって、前記PVアレイの前記1つまたは複数のPVモジュールによって発せられた前記EL信号を突き止めるようにさらに構成される、請求項52から54のいずれか一項に記載の航空機。
【請求項56】
前記カメラの光学軸角度は0°から70°まで増大される、請求項55に記載の航空機。
【請求項57】
前記カメラの光学軸角度は、低下するピッチ速度で増大される、請求項55または56に記載の航空機。
【請求項58】
前記航空機は低下するヨー速度で回転する、請求項55から57のいずれか一項に記載の航空機。
【請求項59】
前記コントローラは、前記航空機を回転させる前に、前記航空機を既定の高度まで操縦するように、前記推進デバイスを動的に調節するようにさらに構成される、請求項55から58のいずれか一項に記載の航空機。
【請求項60】
前記コントローラは、前記カメラの視野(FOV)を、前記対応するPVアレイサブセクションに合わせて整列するようにさらに構成され、これは、
前記対応するPVアレイサブセクション中の基準PVモジュールのそれぞれのキー点を判断することと、
前記カメラのFOVが、前記対応するPVアレイサブセクションに合わせて整列されるための目標整列点を、前記それぞれのキー点から導出することと、
前記それぞれのキー点を前記目標整列点に合わせて整列するために透視変換を実施することと、
前記透視変換に基づいて、前記航空機を、前記対応するPVアレイサブセクションに相対して操縦するように、前記推進デバイスを動的に調節することと、によって行われる、請求項52から59のいずれか一項に記載の航空機。
【請求項61】
前記コントローラは、前記航空機を適切な高度まで操縦するように、前記推進デバイスを動的に調節することによって、前記カメラのFOVを、前記対応するPVアレイサブセクションに合わせて整列するようにさらに構成され、前記対応するPVアレイサブセクションは、前記適切な高度での前記カメラのFOV内の既定のサイズ比のところにある、請求項60に記載の航空機。
【請求項62】
前記対応するPVアレイサブセクションは、前記既定のサイズ比において、前記カメラのFOVの80%~90%を占める、請求項61に記載の航空機。
【請求項63】
前記コントローラは、測定された画像鮮鋭度に従って、前記カメラのフォーカスを動的に調節するようにさらに構成される、請求項52から62のいずれか一項に記載の航空機。
【請求項64】
前記カメラの光学軸と整列された光源をさらに備え、前記コントローラは、前記PVアレイの前記EL画像をキャプチャする間を除いて、前記光源に動力供給するようにさらに構成される、請求項52から63のいずれか一項に記載の航空機。
【請求項65】
カメラを有する航空機によってキャプチャされた、PVアレイサブセクションのEL画像から、PVアレイのPVアレイサブセクションの改良画像を取得する方法であって、
航路に沿って飛行して、前記PVアレイの対応するPVアレイサブセクションのEL画像をキャプチャするように前記航空機を制御するステップと、
前記キャプチャされたEL画像のうちの少なくともいくつかから、それぞれの画像品質パラメータを導出するステップと、
前記PVアレイサブセクションの前記EL画像をキャプチャするための前記それぞれの画像品質パラメータに基づいて、前記航路に沿って前記航空機の飛行速度を動的に調節するステップと、
前記PVアレイサブセクションの複数のフレームを前記EL画像から抽出するステップと、
前記抽出されたフレームの中から、前記PVアレイサブセクションの、最も高い画像品質を有する基準フレームを判断するステップと、
前記基準フレームに合わせた、前記抽出されたフレームの画像整列を実施して、画像整列されたフレームを生成するステップであって、このステップは、
前記抽出されたフレームを積層配列の中に並べることであって、前記PVモジュールのそれぞれのコーナー点が積み上げられる、並べること、および
前記抽出されたフレーム中の各PVモジュールの前記それぞれのコーナー点を、前記基準フレーム中の前記PVモジュールの対応するコーナー点に合わせて整列することによって行われる、ステップと、
前記画像整列されたフレームを処理して、前記基準フレームよりも高い解像度を有する、前記PVアレイサブセクションの改良画像を生じさせるステップと、を含む方法。
【請求項66】
PVアレイのPVアレイサブセクションのEL画像をキャプチャし、処理するためのシステムであって、
PVアレイのEL画像をキャプチャするためのカメラと、
航空機の動きを作動させるための推進デバイスと、
前記カメラおよび前記推進デバイスに通信可能に結合されたコントローラと、を含む航空機であって、前記コントローラは、
航路に沿って飛行して、前記PVアレイの対応するPVアレイサブセクションのEL画像をキャプチャするように前記航空機を制御することと、
前記キャプチャされたEL画像のうちの少なくともいくつかから、それぞれの画像品質パラメータを導出することと、
前記PVアレイサブセクションの前記EL画像をキャプチャするための前記それぞれの画像品質パラメータに基づいて、前記航路に沿って前記航空機の飛行速度を動的に調節することと、を行うように構成される、航空機と、
画像プロセッサを含む画像処理デバイスであって、前記画像プロセッサは、
前記EL画像から、前記PVアレイのPVアレイサブセクションの複数のフレームを抽出することであって、前記PVアレイサブセクションは、前記PVアレイの1つまたは複数のPVモジュールを含む、抽出することと、
前記抽出されたフレームの中から、前記PVアレイサブセクションの、最も高い画像品質を有する基準フレームを判断することと、
前記基準フレームに合わせた、前記抽出されたフレームの画像整列を実施して、画像整列されたフレームを生成することであって、この生成することは
前記抽出されたフレームを積層配列の中に並べることであって、前記PVモジュールのそれぞれのコーナー点が積み上げられる、並べること、および
前記抽出されたフレーム中の各PVモジュールの前記それぞれのコーナー点を、前記基準フレーム中の前記PVモジュールの対応するコーナー点に合わせて整列することによって行われる、生成することと、
前記画像整列されたフレームを処理して、前記基準フレームよりも高い解像度を有する、前記PVアレイサブセクションの改良画像を生じさせることと、を行うように構成される、画像処理デバイスとを備えるシステム。
【国際調査報告】