(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-08
(54)【発明の名称】過酸化水素蒸気発生器、これを具備する空間滅菌装置及び滅菌方法
(51)【国際特許分類】
A61L 9/02 20060101AFI20230301BHJP
A61L 2/20 20060101ALI20230301BHJP
A61L 9/01 20060101ALI20230301BHJP
A61L 101/22 20060101ALN20230301BHJP
【FI】
A61L9/02
A61L2/20 106
A61L9/01 B
A61L101:22
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022541288
(86)(22)【出願日】2020-08-18
(85)【翻訳文提出日】2022-08-03
(86)【国際出願番号】 KR2020010970
(87)【国際公開番号】W WO2021137381
(87)【国際公開日】2021-07-08
(31)【優先権主張番号】10-2020-0000254
(32)【優先日】2020-01-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0060600
(32)【優先日】2020-05-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0078344
(32)【優先日】2020-06-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522266564
【氏名又は名称】ヒュオンス メディテック カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】HUONS MEDITECH Co., LTD.
【住所又は居所原語表記】6F, 14, Galmachi-ro 288Beon-gil Jungwon-gu, Seongnam-si Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】イ サン マン
(72)【発明者】
【氏名】キム カン ヒュン
(72)【発明者】
【氏名】カン イン ハン
【テーマコード(参考)】
4C058
4C180
【Fターム(参考)】
4C058AA12
4C058BB07
4C058JJ16
4C058JJ22
4C058JJ24
4C180AA07
4C180CA03
4C180EA53X
4C180GG03
4C180HH05
4C180KK05
(57)【要約】
本発明は、過酸化水素蒸気発生器、これを具備する空間滅菌装置及び滅菌方法に関するもので、内部に空間が形成され、上部にノズルユニットと吐出口が形成された蒸発チャンバと、前記蒸発チャンバの内側下部に形成され、積層配列される複数個の加熱部と過酸化水素移送管が備えられた蒸発部と、前記蒸発チャンバの下部に形成され、外部空気を吸入及び吐き出して前記蒸発部に送気する給気部とを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に空間が形成され、上部にノズルユニットと吐出口が形成された蒸発チャンバと、
前記蒸発チャンバの内側下部に形成され、積層配列される複数個の加熱部と過酸化水素移送管が備えられた蒸発部と、
前記蒸発チャンバの下部に形成され、外部空気を吸入及び吐き出して前記蒸発部に送気する給気部と、
を含むことを特徴とする過酸化水素蒸気発生器。
【請求項2】
前記蒸発チャンバの外側に形成され、熱線が形成された加熱胴体をさらに具備し、
前記過酸化水素移送管は、前記加熱胴体の内部に装着されることを特徴とする請求項1に記載の過酸化水素蒸気発生器。
【請求項3】
前記複数個の加熱部は、
第1加熱部と第2加熱部で構成され、
前記過酸化水素移送管は、
前記第2加熱部と第1加熱部との間に積層配置されることを特徴とする請求項1に記載の過酸化水素蒸気発生器。
【請求項4】
前記複数個の加熱部は、
高熱流体が流れるチューブと、前記チューブの外面に多数個形成された放熱フィンからなることを特徴とする請求項1に記載の過酸化水素蒸気発生器。
【請求項5】
前記給気部は、
一側には前記蒸発チャンバの下部開口孔に通じるように結合する排気口が形成され、他側には吸気口が形成されたファンハウジングと、
前記ファンハウジングの内部に装着され回転するファンと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の過酸化水素蒸気発生器。
【請求項6】
前記蒸発チャンバは、
前記蒸発部の上部に対応する位置に熱風プレートが形成されることを特徴とする請求項1に記載の過酸化水素蒸気発生器。
【請求項7】
前記ノズルユニットは、
両端が開口され、内部には通路が形成され、一側に過酸化水素液が流入する液供給孔が形成され、内部通路に空気を分散して排出するエアー分散部が形成されたノズル本体と、
前記ノズル本体に結合し、前記ノズルが嵌め結合するノズル固定部が形成されたノズルホルダーと、
前記液供給孔に結合し、外部の過酸化水素液貯蔵筒に連結されたホースが結合する液供給ニップルと、
と含むことを特徴とする請求項1に記載の過酸化水素蒸気発生器。
【請求項8】
前記ノズル本体には前記液供給孔と通じる液吐出路が内部に形成され、末端には吐出孔が形成され、ノズル本体の下端に突き出して形成されるノズルが含まれることを特徴とする請求項7に記載の過酸化水素蒸気発生器。
【請求項9】
前記エアー分散部は、
通路内周面に形成される環状の段差と、前記環状の段差に放射状に形成されるエアホールが形成され、
前記エアホールと通じるようにノズル本体の内部に形成され、エアーが移送されるエアー移送路が形成され、前記エアー移送路の末端開口孔は、前記ノズルの周辺に形成されることを特徴とする請求項7に記載の過酸化水素蒸気発生器。
【請求項10】
前記エアー分散部のエアー移送路の開口孔は、ノズルの吐出孔より上部に位置するように形成され、ノズルの外周縁に円周方向に多数のエアー移送路の開口孔が形成されることを特徴とする請求項9に記載の過酸化水素蒸気発生器。
【請求項11】
前記ノズルホルダーは、
ノズル本体に結合する開口部が上部に形成され、内部にはエアー移送路から送気されたエアーが満たされるエアーチャンバが形成され、
前記ノズル固定部は、
前記エアーチャンバの底部中心に形成され、ノズルの先端が結合するノズル嵌め孔と、
前記ノズル嵌め孔の周辺に多数形成され、エアーが移送されるエアースロットと、
前記エアースロットの末端に通じるように形成され、前記ノズル嵌め孔に対して傾斜させるエアー吐出ホールが多数形成されてなることを特徴とする請求項7に記載の過酸化水素蒸気発生器。
【請求項12】
前記ノズル嵌め孔に通じてノズル固定部の外側に向かって直径が拡張してラッパ状である液滴生成部を含み、
前記液滴生成部の傾斜面にエアー吐出ホールが形成されることを特徴とする請求項11に記載の過酸化水素蒸気発生器。
【請求項13】
請求項1乃至請求項12のいずれか一項に記載の過酸化水素蒸気発生器を具備し、
内部に収容空間を有し開閉可能な蓋が備えられた筐体と、
前記筐体の上部に形成される吐出ホールと、
前記過酸化水素蒸気発生器に過酸化水素を供給する過酸化水素貯蔵タンクと、
過酸化水素を加圧吐き出させるコンプレッサーと、
を含んでなる空間滅菌装置。
【請求項14】
内部に収容空間を有し、開閉可能な蓋が備えられた筐体と、
前記筐体の上部に形成される吐出ホールと、
前記筐体の内部に形成される過酸化水素蒸気発生器と、
前記過酸化水素蒸気発生器に過酸化水素を供給する過酸化水素貯蔵タンクと、
過酸化水素を加圧吐き出させるコンプレッサーと、
を含み、
前記過酸化水素蒸気発生器は、
内部に空間が形成され、上部にノズルユニットと吐出口が形成された蒸発チャンバと、
前記蒸発チャンバの内側下部に形成され、積層配列される複数個の加熱部、前記蒸発チャンバの外側に形成され、熱線が形成された加熱胴体、及び前記加熱胴体の内部に装着され、過酸化水素が移送される過酸化水素移送管が形成された蒸発部と、
前記蒸発チャンバの下部に形成され、外部空気を吸入及び吐き出して前記加熱部に送気する給気部と、
を含むことを特徴とする空間滅菌装置。
【請求項15】
内部に収容空間を有し、開閉可能な蓋が備えられた筐体と、
前記筐体の上部に形成される吐出ホールと、
前記筐体に形成され、通気性を有するように形成される打孔部と、前記打孔部と通じるように装着されるフィルター部と、
前記筐体の内部に形成される過酸化水素蒸気発生器と、
前記過酸化水素蒸気発生器に過酸化水素を供給する過酸化水素貯蔵タンクと、
過酸化水素を加圧吐き出させるコンプレッサーと、を含み、
前記過酸化水素蒸気発生器は、
内部に空間が形成され、上部にノズルユニットと吐出口が形成された蒸発チャンバと、
前記蒸発チャンバの内側下部に形成され、積層配列される複数個の加熱部と前記複数個の加熱部の間に過酸化水素が移送される過酸化水素移送管が積層配列される蒸発部と、
前記蒸発チャンバの下部に形成され、外部空気を吸入及び吐き出して前記加熱部に送気する給気部と、
を含むことを特徴とする空間滅菌装置。
【請求項16】
前記給気部は、
一側には前記蒸発チャンバの下部開口孔に通じるように結合する排気口が形成され、他側には吸気口が形成されたファンハウジングと、
前記ファンハウジングの内部に装着され回転するファンと、を含むことを特徴とする請求項14または15に記載の空間滅菌装置。
【請求項17】
前記蒸発チャンバは、
前記蒸発部の上部に対応する位置に熱風プレートが形成されることを特徴とする請求項14または15に記載の空間滅菌装置。
【請求項18】
前記ノズルユニットは、
両端が開口され、内部には通路が形成され、一側に過酸化水素液が流入する液供給孔が形成され、内部通路に空気を分散して排出するエアー分散部が形成されたノズル本体と、
前記ノズル本体に結合し、前記ノズルが嵌め結合するノズル固定部が形成されたノズルホルダーと、
前記液供給孔に結合し、外部の過酸化水素液貯蔵筒に連結されたホースが結合する液供給ニップルと、
を含むことを特徴とする請求項14または15に記載の空間滅菌装置。
【請求項19】
前記ノズル本体には、前記液供給孔と通じる液吐出路が内部に形成され、末端には吐出孔が形成され、ノズル本体の下端に突き出して形成されるノズルが含まれることを特徴とする請求項18に記載の空間滅菌装置。
【請求項20】
前記エアー分散部は、
通路内周面に形成される環状の段差と、前記環状の段差に放射状に形成されるエアホールが形成され、
前記エアホールと通じるようにノズル本体の内部に形成され、エアーが移送されるエアー移送路が形成され、前記エアー移送路の末端開口孔は、前記ノズルの周辺に形成されることを特徴とする請求項18に記載の空間滅菌装置。
【請求項21】
請求項13に記載の空間滅菌装置を利用して滅菌する方法であって、
給気部のファンがオン(on)駆動され、第2加熱部と第1加熱部がオン(on)作動し、温度センサーが温度をチェックする予熱段階と、
コンプレッサーがオン(on)作動し、排出バルブがオン(on)作動して残量排出を実施し、定量ポンプがオン(on)作動し、排出バルブはオフ(off)され、定量ポンプとコンプレッサーがオフ(off)される噴射段階と、
ヒーターはオフ(off)され、スクラバーがオン(on)作動する滅菌段階と、
蒸発チャンバの内部温度を確認し、給気部のファンがオフ(off)状態となり、スクラバーがオフ(off)状態となるクーリング及び終了段階と、
を含むことを特徴とする空間滅菌装置を利用した滅菌方法。
【請求項22】
請求項14または15に記載の空間滅菌装置を利用して滅菌する方法であって、
給気部のファンがオン(on)駆動され、第2加熱部と第1加熱部がオン(on)作動し、温度センサーが温度をチェックする予熱段階と、
コンプレッサーがオン(on)作動し、排出バルブがオン(on)作動して残量排出を実施し、定量ポンプがオン(on)作動し、排出バルブはオフ(off)され、定量ポンプとコンプレッサーがオフ(off)される噴射段階と、
ヒーターはオフ(off)され、スクラバーがオン(on)作動する滅菌段階と、
蒸発チャンバの内部温度を確認し、給気部のファンがオフ(off)状態となり、スクラバーがオフ(off)状態となるクーリング及び終了段階とを含むことを特徴とする空間滅菌装置を利用した滅菌方法。
【請求項23】
前記予熱段階は、
前記蒸発チャンバの内部温度が70℃以上であるかを確認する段階を含み、
前記クーリング及び終了段階は、
温度センサーがチェックして蒸発チャンバの内部温度が40℃以下であるかを確認する段階を含むことを特徴とする請求項22に記載の空間滅菌装置を利用した滅菌方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化学滅菌剤の一種である過酸化水素を用いて被滅菌物を滅菌処理することができる過酸化水素蒸気発生器、これを具備する空間滅菌装置及び滅菌方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に医療器具などの滅菌・消毒は、通常、高圧力下で飽和された蒸気を用いる高圧蒸気滅菌法を利用するか、高温・高湿・高圧を必要とせず器具や物質に損傷を与えない化学物質を用いるガス滅菌法などで行われている。
【0003】
過酸化水素は、微生物の水準を減少させるだけでなく、傷をきれいにして免疫系と多様な身体復旧システムが感染又は損傷を解決可能であることが確認された以後、過酸化水素は強力な酸化剤として使用されてきた。初期に該殺菌及び消毒の目的で使用された該溶液は、皮膚に直接塗布する方法で始めた。しかし、この方法は、目標とする微生物などを酸化させると同時に、身体に直接的な損傷を巻き起こした。従って、この濃度を調節しながら使用する方法で、その溶液の使用目的と方法に従ってその形態を決めて使用された。
【0004】
エアロゾルやガス状態の過酸化水素を空気を浄化する用途で使用している。現在、病院や研究所、薬品及び食べ物の製造工程など、滅菌が必要な場所に過酸化水素蒸気が広く使用されている。
【0005】
過酸化水素は、ガス形態が液体状態より抗菌剤として多くの利点を有する。先ず、濃度が低くても露出時間によって非常に効果的で、多様な微生物と細菌に対して効果的である。様々な研究によって、過酸化水素は、マイコバクテリウム、ウイルス、菌類、胞子、原生動物などに対して効果的なことが知られている。しかし、滅菌が必要な場所の空間的特性と達成すべき微生物の水準、また、空間に噴射した過酸化水素ガスが凝結することを防止する問題、空間内部施設に過酸化物ガスが損傷を与えられるといった様々な要因などの複雑な多変数の問題点を解決するための多様な方法が提示されている。
【0006】
その一例として、過酸化水素溶液を装置内で高温の熱源と会わせて強制的に蒸発させ、液体状態の過酸化物を気体状態に相変化させると同時に、これを適切に運搬するキャリアガスを用いて蒸発された過酸化水素を移動させて使用する方法が知られている。この場合、大気圧状態、常温の過酸化水素混合液を熱くエネルギーを加えた蒸発用金属板に直接接触させて瞬間的に蒸発させるようになる。
【0007】
一方、最近は、キャリアガス自体の温度を高くして過酸化水素混合液を蒸発させる方法が知られている。
【0008】
従来の過酸化水素の蒸発方式は、熱風とアトマイザーノズルを用いて単純噴射するか、熱板に落として瞬間蒸発される量を熱風で噴射する方式であったが、その方式は、過酸化水素を蒸発させられる量が少なくて大きな空間の滅菌のための濃度への到達が難しく、大きな空間を滅菌するためには、多くの時間と多くの装備が投入されるという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、従来技術の問題点を解消するために案出されたもので、エアクッションを形成する空気が供給され、蒸発される坑菌流体として過酸化水素または水の混合溶液がノズルを通じて特定の流動特性を有しチャンバに供給され、該二つの流体が適切なエネルギー交換が可能な形態を有するために蒸発チャンバ内部の複雑な構造を単純化し、既存の方法に対して必要な蒸発チャンバの体積を減らして、効率的に過酸化水素蒸気を生成するチャンバを具備する過酸化水素蒸気発生装置を提供することにその目的がある。
【0010】
また、本発明は、短時間内で多量の過酸化水素を蒸発させることができ、時間短縮と装備効率の極大化を可能にすることができる。
【0011】
また、本発明は、蒸発のためのコイルの形状の蒸発パイプ、ピンヒーターとの配置構造、熱風プレート及びノズルを含む。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の本発明の目的は、内部に空間が形成され、上部にノズルユニットと吐出口が形成された蒸発チャンバと、前記蒸発チャンバの内側下部に形成され、積層配列される複数個の加熱部、前記蒸発チャンバの外側に形成され、熱線が形成された加熱胴体、及び前記加熱胴体の内部に装着され、過酸化水素が移送される過酸化水素移送管が形成された蒸発部と、前記蒸発チャンバの下部に形成され、外部空気を吸入及び吐き出して過酸化水素蒸気発生器に送気する給気部とを含む過酸化水素蒸気発生器によって達成されることができる。
【0013】
前記複数個の加熱部は、第1加熱部と第2加熱部で構成され、前記過酸化水素移送管は、前記第2加熱部と第1加熱部の間に積層配置されることもできる。前記複数個の加熱部のそれぞれは、高熱流体が流れるチューブと、前記チューブの外面に多数個形成された放熱フィンからなることを特徴とする。
【0014】
前記給気部は、蒸発チャンバの下部開口孔に通じるように結合する排気口が一側に形成され、他側には吸気口が形成されたファンハウジングと、前記ファンハウジングの内部に装着され回転するファンとを含むことを特徴とする。
【0015】
前記蒸発チャンバは、前記蒸発部の上部に対応する位置に熱風プレートが形成されることを特徴とする。
【0016】
前記ノズルユニットは、両端が開口され、内部には通路が形成され、一側に過酸化水素液が流入する液供給孔が形成され、内部通路に空気を分散して排出するエアー分散部が形成されたノズル本体と、前記ノズル本体に結合し、前記ノズルが嵌め結合するノズル固定部が形成されたノズルホルダーと、前記液供給孔に結合し、外部の過酸化水素液貯蔵筒に連結されたホースが結合する液供給ニップルとを含むことを特徴とする。
【0017】
前記ノズル本体には前記液供給孔と通じる液吐出路が内部に形成され、末端には吐出孔が形成され、ノズル本体の下端に突き出して形成されるノズルが含まれることを特徴とする。
【0018】
上記の本発明の目的は、内部に収容空間を有し、開閉可能な蓋が備えられた筐体と、前記筐体の上部に形成される吐出ホールと、前記過酸化水素蒸気発生器に過酸化水素を供給する過酸化水素貯蔵タンクと、過酸化水素を加圧吐き出させるコンプレッサーとを含んでなる空間滅菌装置によって達成されることができる。
【0019】
上記の本発明の目的は、内部に収容空間を有し、開閉可能な蓋が備えられた筐体と、前記筐体の上部に形成される吐出ホールと、前記筐体の内部に形成される過酸化水素蒸気発生器と、前記過酸化水素蒸気発生器に過酸化水素を供給する過酸化水素貯蔵タンクと、過酸化水素を加圧吐き出させるコンプレッサーとを含み、前記過酸化水素蒸気発生器は、内部に空間が形成され、上部にノズルユニットと吐出口が形成された蒸発チャンバと、前記蒸発チャンバの内側下部に形成され、積層配列される複数個の加熱部、前記蒸発チャンバの外側に形成され、熱線が形成された加熱胴体、及び前記加熱胴体の内部に装着され、過酸化水素が移送される過酸化水素移送管が形成された蒸発部と、前記蒸発チャンバの下部に形成され、外部空気を吸入及び吐き出して前記加熱部に送気する給気部とを含むことを特徴とする空間滅菌装置によって達成されることができる。
【0020】
また、本発明の目的は、内部に収容空間を有し、開閉可能な蓋が備えられた筐体と、前記筐体の上部に形成される吐出ホールと、前記筐体に形成され、通気性を有するように形成される打孔部と、前記打孔部と通じるように装着されるフィルター部と、前記筐体の内部に形成される過酸化水素蒸気発生器と、前記過酸化水素蒸気発生器に過酸化水素を供給する過酸化水素貯蔵タンクと、過酸化水素を加圧吐き出させるコンプレッサーとを含み、前記過酸化水素蒸気発生器は、内部に空間が形成され、上部にノズルユニットと吐出口が形成された蒸発チャンバと、前記蒸発チャンバの内側下部に形成され、積層配列される複数個の加熱部と前記複数個の加熱部の間に過酸化水素が移送される過酸化水素移送管が積層配列される蒸発部と、前記蒸発チャンバの下部に形成され、外部空気を吸入及び吐き出して前記加熱部に送気する給気部とを含むことを特徴とする空間滅菌装置によって達成されることができる。
【0021】
前記給気部は、蒸発チャンバの下部開口孔に通じるように結合する排気口が一側に形成され、他側には吸気口が形成されたファンハウジングと、前記ファンハウジングの内部に装着され回転するファンとを含むことを特徴とする。
【0022】
上記の本発明の目的は、開始ボタンを作動させると、予熱段階、噴射段階、滅菌段階、クーリング及び終了段階の作動を順に進行する過酸化水素蒸気発生器を具備する空間滅菌装置を利用した滅菌方法によって達成されることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によると、短時間内で多量の過酸化水素を蒸発させることができ、時間短縮と装備効率が極大化されることができる。
【0024】
本発明によると、過酸化水素は、高熱のヒーティングを経て蒸気化されてノズルに供給され、ノズルで小さい粒子に分けられ、給気部を通じて供給された空気は、高温に加熱されて蒸発チャンバの内部で小さい粒子に分けられた過酸化水素と会ってさらに小さい粒子で形成されて外部に吐き出されるため、空間滅菌に効果的であるという利点がある。
【0025】
また、チャンバ内部で適切に熱い空気と過酸化水素液滴が不規則に混合されるものではなく、一定の形態であるエアクッションを形成することで制御し易く、チャンバ内部の耐久性の効率に肯定的な影響を及ぼすことになる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明に係る空間滅菌装置を示した斜視図である。
【
図2】本発明に係る空間滅菌装置を示した正面図である。
【
図3】本発明に係る空間滅菌装置における「過酸化水素蒸気発生器」を示した斜視図である。
【
図4】本発明に係る空間滅菌装置における「過酸化水素蒸気発生器」を示した分解斜視図である。
【
図5】本発明に係る空間滅菌装置における「過酸化水素蒸気発生器」に対する断面斜視図である。
【
図6】本発明に係る空間滅菌装置における「過酸化水素蒸気発生器」に対する一部分の分解斜視図である。
【
図7】他の実施例に係る「過酸化水素蒸気発生器」に対する斜視図である。
【
図8】本発明に係る空間滅菌装置における「ノズルユニット」に対する分解斜視図である。
【
図9】本発明に係る空間滅菌装置における「ノズルユニット」に対する断面斜視図である。
【
図10】本発明に係る空間滅菌装置における「ノズルユニット」に対する底面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明において、空間滅菌装置100は、内部に収容空間を有し、開閉可能な蓋が備えられた筐体110と、前記筐体110の上部に形成される吐出ホール122と、前記筐体110の内部に装着され、過酸化水素が貯蔵され、過酸化水素蒸気発生器に過酸化水素を供給する貯蔵タンク140と、前記筐体110の内側下部に装着され、圧縮空気をノズルに供給するコンプレッサー150と、前記貯蔵タンク140から供給される過酸化水素を蒸発させる過酸化水素蒸気発生器Aとを含んで構成される。
【実施例】
【0028】
以下、本発明の好ましい実施例を添付の図面に基づいて詳しく説明すると、以下の通りである。
【0029】
後述する用語は、本発明における機能を考慮して定義されたもので、これは、本発明の技術的思想に符合する概念と当該技術分野で通用又は通常認識される意味であると解釈されるべきことを明示する。
【0030】
また、本発明と関連した公知機能或いは構成に対する具体的な説明が本発明の要旨を曖昧にすると判断される場合は、その詳しい説明は省略する。
【0031】
ここで、添付の図面は、技術の構成及び作用に対する説明と理解の便宜及び明確性のために一部分を誇張又は簡略化して図示したもので、各構成要素が実際の大きさと正確に一致するものではない。
【0032】
図1は、本発明に係る空間滅菌装置を示した斜視図であり、
図2は、本発明に係る空間滅菌装置を示した正面図である。
【0033】
図1及び
図2に示すように、空間滅菌装置100は、内部に収容空間を有し、開閉可能な蓋が備えられた筐体110と、前記筐体110の上部に形成される吐出ホール122と、前記筐体110の内部に装着され、過酸化水素が貯蔵され、過酸化水素蒸気発生器に過酸化水素を供給する貯蔵タンク140と、前記筐体110の内側下部に装着され、圧縮空気をノズルに供給するコンプレッサー150と、前記貯蔵タンク140から供給される過酸化水素を蒸発させる過酸化水素蒸気発生器Aとを含んで構成される。
【0034】
前記筐体110は、内部に収容空間を有し、両側に開閉可能な蓋が備えられる。筐体110の上部には、メインボード及びコントロールボード116が装着され、制御パネル120と連結され、各種データの分散、伝達、貯蔵機能をする。
【0035】
前記筐体110の前面には開始ボタン124と工程表示ランプが備えられる制御パネル120が形成され、前面下部に通気性を有するように形成される打孔部と、前記打孔部に通じて前面後方に装着されるフィルター部130を含む。
【0036】
前記制御パネル120には、各種ボタンが備えられると共に、工程段階を表示する表示部が備えられる。好ましくは、工程表示部はエルイーディー(RGB LED)で構成される。
【0037】
前記筐体110の後方には、スクラバー連結口112が複数個形成される。
【0038】
前記フィルター部130は、筐体110の打孔部に密着するプレフィルターと、プレフィルターに重なるヘパフィルターとで構成される。
【0039】
前記コンプレッサー150は、圧縮空気を高圧でノズルユニット8に供給する。
【0040】
前記貯蔵タンク140の上部一側には、残量排出のための排出バルブ142が形成される。前記排出バルブ142は、制御パネル120の作動信号に連動して開閉作動され、排出バルブ142が開放されることで過酸化水素及び空気残量が排出可能になる。
【0041】
過酸化水素は35%の濃度で使用するが、他の濃度の過酸化水素を使用することができ、これに限定するものではない。
【0042】
図3は、本発明に係る空間滅菌装置における「過酸化水素蒸気発生器」を示した斜視図であり、
図4は、本発明に係る空間滅菌装置における「過酸化水素蒸気発生器」を示した分解斜視図であり、
図5は、本発明に係る空間滅菌装置における「過酸化水素蒸気発生器」に対する断面斜視図であり、
図6は、本発明に係る空間滅菌装置における「過酸化水素蒸気発生器」に対する一部分の分解斜視図であり、
図7は、本発明に係る空間滅菌装置における「ノズルユニット」に対する分解斜視図であり、
図8は、本発明に係る空間滅菌装置における「ノズルユニット」に対する断面斜視図であり、
図9は、本発明に係る空間滅菌装置における「ノズルユニット」に対する底面斜視図である。
【0043】
図3~
図5に示すように、本発明に係る過酸化水素蒸気発生器Aは、内部に空間が形成され、上部にノズルユニット8と吐出口22が形成された蒸発チャンバ2と、前記蒸発チャンバ2の内側下部に形成され、積層配列される複数個の加熱部41、42と過酸化水素移送管5が備えられた蒸発部4と、前記蒸発チャンバ2の下部に形成され、外部空気を吸入及び吐き出して前記蒸発部4に送気する給気部6とを含んで構成される。
【0044】
前記蒸発チャンバ2は、六面体からなる筐体であり、下部の開口部から空気が流入して加熱しながら上昇し、上部の吐出口22を通じて排出される空気移動経路を有する。
【0045】
蒸発チャンバ2の中間部位には、蒸発部4の上部に対応する位置に熱風プレート26が形成される。熱風プレート26は、板状の形状で形成され、板状に多数の通孔262が形成されて蒸発部4を通過した後、上昇する加熱空気が熱風プレート26の多数の通孔262を通過して広範囲に分散しながら蒸発チャンバ2内に均一に供給、滞留することができるようになる。前記熱風プレート26は、熱風で高温に加熱されるため、蒸発チャンバ2内に小さい粒子に分けられなかった過酸化水素粒子が熱風プレート26に接触して小さい粒子に分けられるようにする。
【0046】
蒸発チャンバ2には、蒸発チャンバ2の内部温度を測定する温度センサー28を具備する。温度センサー28が温度をチェックして蒸発チャンバ2の内部温度が設定温度以上であるかを確認して、設定温度以上の場合、予熱段階の次の段階である噴射段階が実行されるようにし、温度センサー28がチェックして蒸発チャンバ2の内部温度が設定温度以下であるかを確認して、設定温度以下の場合にクーリング及び終了する。
【0047】
前記蒸発チャンバ2の内側下部に形成される複数個の加熱部41、42は、高熱流体が流れるチューブ410と、前記チューブ410の外面に多数個形成された放熱フィン430とからなる。
【0048】
チューブ410は、内部に熱線411が埋め立てられるか又は高温気体が供給されて発熱がなされるようになり、外面に多数形成された放熱フィン430により熱が発散されることができる。
【0049】
チューブ410は多様な形状を有することができ、一例として「U」字状であり、直線部位及び曲線部位にいずれも放熱フィン430が稠密に形成される。
【0050】
放熱フィン430は、薄い厚さでかつ熱伝導率の高い金属板であり、多数の放熱フィン430が並列に配置された後、チューブは放熱フィン430を貫通して結合する。
【0051】
前記複数個の加熱部41、42は、第1加熱部41と第2加熱部42とで構成され、前記過酸化水素移送管5は、前記第2加熱部42と第1加熱部41の間に積層配置される。
【0052】
前記過酸化水素移送管5が複数個の加熱部41、42の間に位置するため、給気される空気を加熱すると同時に過酸化水素移送管5を通じて移送される過酸化水素を高温に加熱するようになる。
【0053】
一方、
図7において、他の実施例に係る過酸化水素蒸気発生器A’は、蒸発チャンバ2の外側に形成され、熱線が形成された加熱胴体500と、前記加熱胴体500の内部に装着され、過酸化水素が移送される過酸化水素移送管5が形成されることができる。
【0054】
前記加熱胴体500は、鋳物からなるボックス部材であり、熱線が埋め立てられ外側に電線連結端子54が形成され、内部に過酸化水素移送管5が埋め立て形成される。
【0055】
加熱胴体500の外部に過酸化水素移送管5の引入ポート51と引出ポート52がそれぞれ形成され、引出ポート52は、管路(図示せず)が連結されてノズルユニット8と連結される。したがって、熱線の加熱により加熱胴体500が加熱されることにより、過酸化水素移送管5の過酸化水素が蒸発されて小さい粒子に分けられるようになる。前記加熱胴体500は、ヒーティングコイルと共に鋳物で囲まれて形成されることができ、外部発熱を防ぐために放熱材質で囲むことが好ましい。放熱材質の一例としてマイカ(mica)を使用することができる。
【0056】
前記給気部6は、蒸発チャンバ2の下部開口孔に通じるように結合する排気口65が一側に形成され、他側には吸気口63が形成されたファンハウジング62と、前記ファンハウジング62の内部に装着され回転するBLDCファンとを含んで構成される。
【0057】
給気部6は、キャリアガスに該当する外部空気を過酸化水素蒸気発生器及び蒸発チャンバ2の内部まで送気する。
【0058】
前記過酸化水素移送管5は、過酸化水素が移送されるパイプであり、引入ポート51と引出ポート52が両側に形成され、螺旋状でなることで循環時間が長くなるようにし、熱交換により加熱されて蒸発効率が増大することができる。引出ポート52に連結された管路(図示せず)がノズルユニット8と連結されて過酸化水素が供給される。
【0059】
一方、ノズルユニット8は、蒸発チャンバ2の上部に装着され、吐出口22に近接して装着される。
【0060】
ノズルユニット8は、液滴状態の過酸化水素を噴射する。
【0061】
前記ノズルユニット8は、ノズル本体82、ノズルホルダー84、液供給ニップル86で構成され、ノズル本体82に空圧注入部(図示せず)が連結されて空気が注入される。
【0062】
さらに、過酸化水素蒸気発生器Aの過酸化水素移送管5の引出ポート52から供給される過酸化水素ガスがノズルユニット8に供給された後、蒸発チャンバ2に噴射される。
【0063】
ノズル本体82は、両端が開口され、内部には通路820が形成され、一側に過酸化水素液が流入する液供給孔821が形成され、内部通路820に空気を分散して排出するエアー分散部83が備えられる。
【0064】
ノズルホルダー84は、前記ノズル本体82に結合し、ノズル85が嵌め結合するノズル固定部842が形成される。
【0065】
液供給孔821に液供給ニップル86が結合し、液供給ニップル86には外部の過酸化水素液貯蔵筒(図示せず)に連結されたホースが結合する。
【0066】
ノズル本体82には、前記液供給孔821と通じる液吐出路822が内部に形成され、末端には吐出孔823が形成されてノズル本体82の下端に突き出して形成されるノズル85が備えられる。
【0067】
ノズル本体82の上部開口部には、ノズル空気供給チャンネル852が形成され、ノズル空気供給チャンネル852に通じるように連結され、ノズル本体82に通じるノズル空気移動チャンネル853が形成され、該ノズル空気供給チャンネル852とノズル空気移動チャンネル853を通じてコンプレッサー150で圧縮された空気が流入される。
【0068】
前記ノズル本体82のエアー分散部83は、通路内周面に形成される環状の段差832と、前記環状の段差832に放射状に形成されるエアホール833が備えられ、エアホール833と通じるようにノズル本体82の内部に形成され、エアーが移送されるエアー移送路834が備えられ、エアー移送路834の末端開口孔835はノズル85の周辺に形成される。
【0069】
エアー分散部83のエアー移送路834の開口孔835は、ノズル85の吐出孔823より上部に位置して形成され、ノズル85の外周縁に円周方向に多数のエアー移送路834の開口孔835が形成される。
【0070】
即ち、多数のエアー移送路834は、ノズル85の周辺に円周方向に配列される。本発明の実施例では、円周の半分までエアー移送路834の開口孔835が形成されるようにした。もちろんこれに限定される必要はない。したがって、多数のエアー移送路834を通じて同時に排出されるエアーがノズル85の外周縁に均等な噴射量で噴出することができる。
【0071】
ノズルホルダー84は、ノズル本体82に結合する開口部が上部に形成され、内部にはエアー移送路834から送気されたエアーが満たされるエアーチャンバ844が形成される。
【0072】
ノズル固定部842は、エアーチャンバ844の底部中心に形成され、ノズル85の先端が結合するノズル固定部842が形成される。そして、前記ノズル固定部842の周辺に多数のエアースロット845が形成され、これらの多数のエアースロット845を通じてエアーが移送されることができる。
【0073】
エアースロット845の末端にエアー吐出ホール847が通じるように形成され、前記ノズル固定部842に対して傾斜してエアー吐出ホール847が円周方向に多数形成される。
多数のエアースロット845を通じて噴出されるエアーがノズル固定部842に向かって噴出されるように方向設定されることが好ましい。
【0074】
また、ノズル固定部842に通じてノズル固定部842の外側に向かって直径が拡張してラッパ状でなる液滴生成部846が形成される。
【0075】
液滴生成部846は、上部から下部に行くほど拡管されるラッパ状であり、液滴生成部846の傾斜面にエアー吐出ホール847が形成される。したがって、エアー吐出ホール847を通じて吐き出される高圧の空気で過酸化水素粒子がさらに小さく分けられ、過酸化水素液滴が形成される。
【0076】
本発明の過酸化水素蒸気発生器を具備する空間滅菌装置の作動過程を説明する。
【0077】
定量ポンプに供給される過酸化水素は、過酸化水素移送管5に移送される過程で、加熱部41、42、または加熱胴体500を経ながら蒸気化されてノズルユニット8に供給される。すなわち、第2加熱部42の放熱フィン430の間を通過しながら加熱され、加熱された空気は過酸化水素移送管5の過酸化水素を粒子が分けられて蒸発可能な高い温度に加熱される。または、加熱胴体500の熱線の加熱により加熱胴体500が加熱されることで、加熱胴体500の内部に装着される過酸化水素移送管5の過酸化水素が蒸発されて小さい粒子に分けられるようになる。
【0078】
一方、コンプレッサー150は、圧縮空気を高圧でノズルユニット8に供給し、高圧の圧縮空気は、前記ノズル本体82のエアー分散部83に放射状に形成されるエアホール833に流入し、エアー移送路834に移送されて開口孔835に吐き出される。前記ノズル本体82にはノズルホルダー84が結合し、開口孔835に吐き出された高圧のエアーがノズルホルダー84のエアーチャンバ844に満たされ、エアースロット845の末端に形成されるエアー吐出ホール847を通じて高圧のエアーがノズル固定部842に向かってノズル85の外周縁に均等な噴射量で高圧の圧縮空気が噴出されて、ノズル85から噴射された過酸化水素粒子をさらに小さく分ける。
【0079】
一方、給気部6によって蒸発チャンバ2の内部に空気が流入される。前記流入された空気は蒸発部4を通過する。
【0080】
以後、第1加熱部41を通過して再加熱された空気は、上昇して熱風プレート26の多数通孔262を通過しながら広範囲に分散して蒸発チャンバ2内に均一に供給される。
【0081】
前記蒸発チャンバ2内の空気は、ノズルユニット8から噴射された過酸化水素ガスと接触する。ノズル85から噴射された液滴状態の過酸化水素は、高温の空気と接触し、高温の空気は、過酸化水素粒子を囲むようになりエアクッションを形成する。このようなエアクッションを形成した過酸化水素蒸気は、蒸発チャンバの吐出口22を通じて外部に排出される。
【0082】
図10は、本発明に係る過酸化水素蒸気発生器を利用した滅菌方法を示した工程フローチャートである。
【0083】
開始ボタンを作動させると、予熱段階、噴射段階、滅菌段階、クーリング及び終了段階の作動を順に進行する。
【0084】
[予熱段階(S1)]
給気部6のBLDCファンがオン(on)駆動される。
【0085】
第2加熱部42と第1加熱部41のヒーターがオン(on)作動する。
【0086】
温度センサー28が温度をチェックしてエンジン内部温度が設定温度以上であるかを確認し、設定温度以上の場合、次の段階である噴射段階が実行される。
【0087】
好ましい温度は、70℃以上である。
【0088】
[噴射段階(S2)]
噴射段階は、上記本発明の過酸化水素蒸気発生器を具備する空間滅菌装置の作動過程と同じ過程を経る。
【0089】
先ず、コンプレッサー150がオン(on)作動する。
【0090】
排出バルブ142がオン作動して残量排出を実施する。排出バルブ142は、ソルバルブであることができ、これに限定されるものではない。
【0091】
過酸化水素定量ポンプがオン作動し、排出バルブ142はオフされる。排出バルブ142のオン-オフ(オン(on)-off)作動は、設定された時間によって制御されることができる。過酸化水素定量ポンプがオン作動して過酸化水素が定量で過酸化水素移送管5に供給される。
【0092】
定量ポンプ(図示せず)とコンプレッサー150がオフ(off)される。
【0093】
[滅菌段階(S3)]
空間滅菌の設定された時間の間、待機する。
【0094】
以後、第2加熱部42と第1加熱部41のヒーターはオフ(off)される。
【0095】
その後、スクラバーがオン作動する。スクラバーの設定された時間の間にオン(on)動作する。
【0096】
[クーリング及び終了段階(S4)]
温度センサー28がチェックして蒸発チャンバ2の内部温度が設定温度以下であるかを確認し、設定温度以下の場合に、クーリング及び終了する。設定温度は、40℃以下が好ましい。
【0097】
以後、給気部6のBLDCファンがオフ(off)状態となり、スクラバーがオフ(off)される。
【0098】
本発明は、上述した実施例及び添付の図面によって限定されるものではなく、本発明の技術的思想から逸脱しない範囲内で例示されなかった様々な変形及び応用が可能なことはもちろん、構成要素の置換及び均等な他実施例に変更することができるため、本発明の特徴に対する変形及び応用と関連した内容は、本発明の範囲内に含まれると解釈されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0099】
本発明は、被滅菌物を滅菌処理するのに利用可能である。
【国際調査報告】