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特表2023-509492少なくとも第1のカプセル及び第2のカプセルを含む、オプトエレクトロニックコンポーネントのためのカプセル系及びこの種のカプセル系を含むオプトエレクトロニックコンポーネント
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-08
(54)【発明の名称】少なくとも第1のカプセル及び第2のカプセルを含む、オプトエレクトロニックコンポーネントのためのカプセル系及びこの種のカプセル系を含むオプトエレクトロニックコンポーネント
(51)【国際特許分類】
   H10K 39/10 20230101AFI20230301BHJP
   H10K 50/00 20230101ALI20230301BHJP
   H05B 33/04 20060101ALI20230301BHJP
【FI】
H01L31/04 120
H05B33/14 A
H05B33/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022541663
(86)(22)【出願日】2021-01-05
(85)【翻訳文提出日】2022-07-26
(86)【国際出願番号】 DE2021100001
(87)【国際公開番号】W WO2021139853
(87)【国際公開日】2021-07-15
(31)【優先権主張番号】102020200053.0
(32)【優先日】2020-01-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512286163
【氏名又は名称】ヘリアテク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】HELIATEK GMBH
【住所又は居所原語表記】Treidlerstrasse 3, 01139 Dresden, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110002664
【氏名又は名称】弁理士法人相原国際知財事務所
(72)【発明者】
【氏名】アンダーソン, マーヴ
(72)【発明者】
【氏名】エリット, ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】ゲオルク, ユーディット
(72)【発明者】
【氏名】マイスナー, ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】ヴィヒテンダール, ラルフ
【テーマコード(参考)】
3K107
5F151
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107CC21
3K107CC23
3K107EE41
3K107EE42
3K107EE45
3K107EE46
3K107EE49
3K107EE50
3K107FF15
5F151AA01
5F151AA08
5F151AA10
5F151AA11
5F151CB11
5F151CB12
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5F151FA04
5F151FA06
5F151FA14
5F151JA02
5F151JA27
(57)【要約】
本発明は、少なくとも第1のカプセル(3)及び第2のカプセル(4)を含む、オプトエレクトロニックコンポーネント(2)のためのカプセル系(1)、特に二重カプセルであって、第1のカプセル(3)は、少なくとも第1の接続材料(7)が間に取り付けられた状態で、オプトエレクトロニックコンポーネント(2)の前側の少なくとも前側バリア層(5)と、オプトエレクトロニックコンポーネント(2)の裏側の少なくとも裏側バリア層(6)とから形成され、第2のカプセル(4)は、少なくとも第2の接続材料(10)が間に取り付けられた状態で、オプトエレクトロニックコンポーネント(2)の前側の少なくとも前側保護層(8)と、オプトエレクトロニックコンポーネント(2)の裏側の少なくとも裏側保護層(9)とから形成される。第1のカプセル(3)は、オプトエレクトロニックコンポーネント(2)を、第1のカプセル(3)が第1の端領域(11)だけオプトエレクトロニックコンポーネント(2)から突出するように取り囲み、及び第2のカプセル(4)は、第1のカプセル(3)を、オプトエレクトロニックコンポーネント(2)と共に、第2のカプセル(4)が第2の端領域(12)だけ第1のカプセル(3)の第1の端領域(11)を越えて突出するように取り囲む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも第1のカプセル(3)及び第2のカプセル(4)を有する、オプトエレクトロニックコンポーネント(2)のためのカプセル系(1)、特に二重カプセルであって、前記第1のカプセル(3)は、少なくとも1つの第1の接続材料(7)が間に配置された状態で、前記オプトエレクトロニックコンポーネント(2)の前面上の少なくとも1つの前側バリア層(5)と、前記オプトエレクトロニックコンポーネント(2)の裏面上の少なくとも1つの裏側バリア層(6)とから形成され、前記第2のカプセル(4)は、少なくとも1つの第2の接続材料(10)が間に配置された状態で、前記オプトエレクトロニックコンポーネント(2)の前記前面上の少なくとも1つの前側保護層(8)と、前記オプトエレクトロニックコンポーネント(2)の前記裏面上の少なくとも1つの裏側保護層(9)とから形成される、カプセル系(1)、特に二重カプセルにおいて、
前記第1のカプセル(3)は、前記オプトエレクトロニックコンポーネント(2)を、前記第1のカプセル(3)が第1の端領域(11)だけ前記オプトエレクトロニックコンポーネント(2)を越えて突出するように取り囲み、及び前記第2のカプセル(4)は、前記オプトエレクトロニックコンポーネント(2)を含む前記第1のカプセル(3)を、前記第2のカプセル(4)が第2の端領域(12)だけ前記第1のカプセル(3)の前記第1の端領域(11)を越えて突出するように取り囲むことを特徴とするカプセル系(1)、特に二重カプセル。
【請求項2】
前記第1のカプセル(3)は、前記オプトエレクトロニックコンポーネント(2)の範囲全体にわたって形成され、前記第2のカプセル(4)は、前記第1のカプセル(3)の範囲全体にわたって形成され、及び/又は前記第1のカプセル(3)の前記第1の端領域(11)は、前記オプトエレクトロニックコンポーネント(2)の周囲に形成され、且つ/若しくは前記第2のカプセル(4)の前記第2の端領域(12)は、前記第1のカプセル(3)の周囲に形成され、好ましくは、前記第1の端領域(11)の幅(13)は、前記オプトエレクトロニックコンポーネント(2)の端に応じて異なって形成され、及び/又は前記第2の端領域(12)の幅(14)は、前記第1のカプセル(3)の端に応じて異なって形成されることを特徴とする、請求項1に記載のカプセル系(1)。
【請求項3】
前記第1のカプセル(3)の前記少なくとも1つの前側バリア層(5)及び前記少なくとも1つの裏側バリア層(6)は、異なる材料及び/若しくは異なる数の層から形成され、且つ/又は前記第2のカプセル(4)の前記少なくとも1つの前側保護層(8)及び前記少なくとも1つの裏側保護層(9)は、異なる材料及び/若しくは異なる数の層から形成されることを特徴とする、請求項1又は2に記載のカプセル系(1)。
【請求項4】
前記第1のカプセル(3)は、少なくとも2つの前側及び/若しくは裏側バリア層(5、6)、特に異なる特性を有するバリア層(5、6)から形成され、且つ/又は前記第2のカプセル(4)は、少なくとも2つの前側及び/若しくは裏側保護層(8、9)、特に異なる特性を有する保護層から形成され、前記第1のカプセル(3)は、好ましくは、湿気及び/又は酸素に対する保護を形成し、且つ前記第2のカプセル(4)は、機械的保護を形成することを特徴とする、請求項1~3の何れか1項に記載のカプセル系(1)。
【請求項5】
結合層は、前記オプトエレクトロニックコンポーネント(2)と、前記第1のカプセル(3)との間に配置され、且つ/若しくは結合層は、前記第1のカプセル(3)と、前記第2のカプセル(4)との間に配置され、及び/又は平坦化層は、前記オプトエレクトロニックコンポーネント(2)と、前記第1のカプセル(3)との間に配置されることを特徴とする、請求項1~4の何れか1項に記載のカプセル系(1)。
【請求項6】
前記第1のカプセル(3)の層厚は、20μm~400μm、好ましくは50μm~200μmであり、且つ/若しくは前記第2のカプセル(4)の層厚は、50μm~1000μm、好ましくは100μm~500μmであり、並びに/又は前記第1の接続材料(7)及び/若しくは前記第2の接続材料(10)の層厚は、10μm~300μm、好ましくは20μm~100μmであることを特徴とする、請求項1~5の何れか1項に記載のカプセル系(1)。
【請求項7】
前記第1の端領域(11)の前記幅(13)は、5mm~200mm、好ましくは20mm~50mmであり、及び/又は前記第2の端領域(12)の前記幅(14)は、5mm~100mm、好ましくは8mm~40mmであることを特徴とする、請求項1~6の何れか1項に記載のカプセル系(1)。
【請求項8】
前記第1のカプセル(3)の前記層厚は、部分的に前記第1の端領域(11)に向かって、好ましくは5mm~60mm、好ましくは20mm~30mmの前記第1の端領域(11)の幅(21)まで減少し、及び/又は前記第2のカプセル(4)の前記層厚は、部分的に前記第2の端領域(12)に向かって、好ましくは5mm~50mm、好ましくは8mm~20mmの前記第2の端領域(12)の幅(22)まで減少することを特徴とする、請求項1~7の何れか1項に記載のカプセル系(1)。
【請求項9】
前記少なくとも1つのバリア層(5、6)及び/又は前記少なくとも1つの保護層(8、9)は、UV保護層、反射防止層、防湿及び/若しくは抗酸素層並びに/又は好ましくは耐ひっかき性を増大させるための機械的保護層であることを特徴とする、請求項1~8の何れか1項に記載のカプセル系(1)。
【請求項10】
前記少なくとも1つの前側バリア層(5)及び/若しくは前記少なくとも1つの裏側バリア層(6)は、ポリアクリレート(PA)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)及び熱可塑性ポリウレタン(TPU)からなる群から選択される材料を含み、好ましくは、前記前側及び/若しくは裏側バリア層(5、6)の前記材料は、被覆されており、且つ/又は前記少なくとも1つの前側保護層(8)及び/若しくは前記少なくとも1つの裏側保護層(9)は、エチレンビニルアセテート(EVA)、ポリアクリレート(PA)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)及び熱可塑性ポリウレタン(TPU)からなる群から選択される材料を含み、前記前側及び/若しくは裏側保護層(8、9)の前記材料は、好ましくは、被覆されていることを特徴とする、請求項1~9の何れか1項に記載のカプセル系(1)。
【請求項11】
前記第1の接続材料(7)及び/又は前記第2の接続材料(10)は、好ましくは、1成分又は2成分組成物における、アクリレート、エポキシド及びポリウレタンからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1~10の何れか1項に記載のカプセル系(1)。
【請求項12】
前記第1の端領域(11)及び/若しくは前記第2の端領域(12)、特に前記第1の端領域(11)の端及び/若しくは前記第2の端領域(12)の端は、シールされ、且つ/又は少なくとも2つのオプトエレクトロニックコンポーネント(2)は、前記カプセル系(1)中にまとめてカプセル化され、好ましくは、少なくとも2つのオプトエレクトロニックコンポーネント(2)は、それぞれ前記第1のカプセル(3)によって個別にカプセル化され、且つ前記第2のカプセル(4)によってまとめてカプセル化されることを特徴とする、請求項1~11の何れか1項に記載のカプセル系(1)。
【請求項13】
電極(18)、対電極(19)及び少なくとも1つの光活性層(26)を有する層系(20)を有する、請求項1~12の何れか1項に記載のカプセル系(1)、特に二重カプセルを有するオプトエレクトロニックコンポーネント(2)、好ましくはフレキシブルオプトエレクトロニックコンポーネント(2)であって、前記少なくとも1つの光活性層(26)は、前記2つの電極(18、19)間に配置される、オプトエレクトロニックコンポーネント(2)、好ましくはフレキシブルオプトエレクトロニックコンポーネント(2)。
【請求項14】
前記第1のカプセル(3)及び/又は前記第2のカプセル(4)の下に配置され、且つ少なくとも部分的に前記オプトエレクトロニックコンポーネント(2)の前記電極(18)及び/又は前記対電極(19)と導電接触する少なくとも1つのバスバー(15)を有し、前記少なくとも1つのバスバー(15)は、前記第2のカプセル(4)の外部の接続ボックス(17)と少なくとも1つの接点素子(16)によって導電接触することを特徴とする、請求項13に記載のオプトエレクトロニックコンポーネント(2)。
【請求項15】
光起電素子、特に太陽電池であることを特徴とする、請求項13又は14に記載のオプトエレクトロニックコンポーネント(2)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも第1のカプセル及び第2のカプセルを有する、オプトエレクトロニックコンポーネントのためのカプセル系と、かかるカプセル系を含むオプトエレクトロニックコンポーネントとに関する。
【背景技術】
【0002】
オプトエレクトロニクスは、光学及び半導体エレクトロニクスの分野で構成される。それは、特に、電子的に生成されたエネルギから光の伝送への又は光の伝送からエネルギへの変換を可能にするシステム及び方法を含む。オプトエレクトロニックコンポーネント、特に有機光起電素子及び有機発光ダイオード(OLED)は、電気エネルギを生成するか又は電気エネルギを光の伝送に変換する。
【0003】
有機オプトエレクトロニックコンポーネント、特に有機太陽電池は、少なくとも1つの光活性層を有する薄層の連続からなり、これらは、好ましくは、真空中で堆積されるか又は溶液から加工される。電気接続は、金属層、透明導電性酸化物及び/又は透明導電性ポリマーを介してなされ得る。有機層の真空蒸着は、多層太陽電池、特にタンデム又はトリプルセルの製造の場合に特に有利である。先行技術において、有機シングル又はタンデムセルが開示されている。独国特許出願公開第102004014046号明細書は、相互に積み上げられた1つ又は複数のpi、ni及び/又はpinダイオードで構成される有機層からなる光起電コンポーネント、特に太陽電池を開示している。
【0004】
有機オプトエレクトロニックコンポーネント、特に有機光起電素子又は有機受光素子は、空気、特に酸素及び/又は湿気、特に水との直接接触が原因で非常に短い寿命を示し、したがってバリア層及び/又はカプセル化による十分な保護を施さなければならない。有機オプトエレクトロニックコンポーネント、特に有機光起電素子は、そのため、湿気及び/又は酸素と、オプトエレクトロニックコンポーネントの層系、特に層系の有機光活性層との接触を防止するために、湿気及び/又は酸素からの保護用バリア、特にカプセルを必要とする。
【0005】
有機オプトエレクトロニックコンポーネントは、湿気及び酸素の侵入並びに機械的損傷の両方に対して保護層又はカプセルの適用によって保護され得る。この目的のために、異なる特性を有する特定のフィルム及び層が知られているが、これらは、コストが高く、さらに被覆が極めて複雑であり、高い要求を満たす利用可能なフィルムは、わずかにのみある。さらに、被覆動作中、カプセル化されたオプトエレクトロニックコンポーネントの隅部は、層の剥離並びにそれに伴う湿気及び/又は酸素の侵入に対して保護されなければならない。隅部及び端部は、この目的のために複雑な方法でシールされる。保護層を設けたフレキシブル太陽電池が知られており、これらは、通常、積層体又はフィルム複合体であり、内部コンポーネントを外的影響から保護し、且つ外部からの確実な電気的接触を可能にする。特に良好な湿気バリアが必要である場合、材料に対する要求が厳しい。
【0006】
特許文献1は、湿気及び/又は酸素透過性の低い1つ又は複数のバリア層と、1つ又は複数のシーリング層とを含むオプトエレクトロニックコンポーネント用多層フィルムを開示している。
【0007】
特許文献2は、少なくとも1つのバリア層及び少なくとも1つの平坦化層を含む層の連続を有する多層カプセル化を開示しており、バリア層及び平坦化層は、共に、バリア層より低い水浸透性を有し、且つオプトエレクトロニックコンポーネントは、カプセルを有する。
【0008】
特許文献3は、太陽電池の保護を改善する方法及び機器を開示している。機器は、太陽電池のための個々のカプセルを有し、カプセル化された太陽電池は、太陽電池の少なくとも片側に少なくとも1つの保護層を有し、少なくとも1つの保護層は、基本的に無機材料から形成される。
【0009】
特許文献4は、有機オプトエレクトロニックコンポーネントを開示しており、有機オプトエレクトロニックコンポーネントは、その上に少なくとも1つの層系が配置された基板と、少なくとも1つの層系上の多層バリア層とを有する。
【0010】
特許文献5は、有機オプトエレクトロニックコンポーネントを開示しており、これは、湿気及び酸素から有機オプトエレクトロニックコンポーネントを保護するための真空堆積保護層を有する。
【0011】
しかしながら、先行技術の欠点は、バリア層及び/又はカプセル化から得られる端領域及び端部が外的影響、特に湿気及び/又は酸素から十分に保護されないことである。端領域及び端部は、折れ曲がり又はしわの結果として特に壊れやすいか又は少なくともひび割れる可能性があり、それは、オプトエレクトロニックコンポーネントの保護を低減させ、したがってその寿命を短縮させる。さらに、相互に堆積されるバリア層を単純に平面的に結合するのみでは、適切なバリア機能が提供されない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】欧州特許出願公開第2927985号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第102016106846号明細書
【特許文献3】国際公開第2008/014492号
【特許文献4】米国特許出願公開第2007/0216300号明細書
【特許文献5】米国特許第6,765,351号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって、本発明の目的は、前述の欠点が発生せず、オプトエレクトロニックコンポーネントの外的影響からのよりよい保護が特に保証される、少なくとも第1のカプセル及び第2のカプセルを有する、オプトエレクトロニックコンポーネントのためのカプセル化要素及びかかるカプセル系を有するオプトエレクトロニックコンポーネントを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この目的は、特許請求の範囲の独立請求項の主題によって達成される。有利な構成は、従属請求項から明らかとなるであろう。
【0015】
この目的は、少なくとも第1のカプセル及び第2のカプセルを有する、オプトエレクトロニックコンポーネントのためのカプセル系、特に二重カプセルであって、第1のカプセルは、少なくとも1つの第1の接続材料が間に配置された状態で、オプトエレクトロニックコンポーネントの前面上の少なくとも1つの前側バリア層と、オプトエレクトロニックコンポーネントの裏面上の少なくとも1つの裏側バリア層とから形成され、第2のカプセルは、少なくとも1つの第2の接続材料が間に配置された状態で、オプトエレクトロニックコンポーネントの前面上の少なくとも1つの前側保護層と、オプトエレクトロニックコンポーネントの裏面上の少なくとも1つの裏側保護層とから形成される、カプセル系、特に2重カプセルが提供されることにおいて特に達成される。第1のカプセルは、ここで、オプトエレクトロニックコンポーネントを、第1のカプセルが第1の端領域だけオプトエレクトロニックコンポーネントを越えて突出するように取り囲み、及び第2のカプセルは、ここで、オプトエレクトロニックコンポーネントを含む第1のカプセルを、第2のカプセルが第2の端領域だけ第1のカプセルの第1の端領域を越えて突出するように取り囲む。第2のカプセルはここで、第1のカプセルの上に配置され、特に、少なくとも1つの前側保護層は少なくとも1つの前側バリア層の上に配置され、少なくとも1つの裏側保護層は、少なくとも1つの裏側バリア層の上に配置される。
【0016】
好ましくは、本発明に従い、カプセル系が異なるゾーン、特にカプセルゾーンを有する場合に当てはまり、この場合、カプセルゾーンは、特に異なる機能を果たし、好ましくは複数の材料特性が何れか2つの前側層と裏側層との間で分配される。好ましくは、特定の幅の第1の端領域を有する第1のカプセルにより、オプトエレクトロニックコンポーネントへの水の拡散は、少なくとも大部分が防止され、加えて、特定の幅の第2の端領域を有する第2のカプセルにより、第1のカプセル、したがってオプトエレクトロニックコンポーネントの機械的保護が確保される。より具体的には、張り出し分の第1の端領域及び張り出し分の第2の端領域は、湿気及び/又は酸素が第2のカプセル及び第1のカプセルを通してオプトエレクトロニックコンポーネントに浸透することを防止できる。第1のカプセルの第1の端領域の幅及び第2のカプセルの第2の端領域の幅は、特に、第1の端領域及び/又は第2の端領域の拡散長さが、湿気及び/又は酸素のカプセルの内部、特にオプトエレクトロニックコンポーネントへの侵入を防止するのに十分であるように形成される。
【0017】
接続材料とは、特に、ある要素が別の要素に固定、特に結合され、特に2つの層が相互に結合されて、これらが相互に密着して接合されるようにする材料、好ましくは接着剤又は材料の層、特に接着剤の層を意味すると理解されたい。
【0018】
オプトエレクトロニックコンポーネント、特に光起電素子の前面並びにまたそれに対応して前側バリア層及び前側保護層は、オプトエレクトロニックコンポーネントの、所期の通りに太陽光に向かう面を意味すると理解されたい。したがって、オプトエレクトロニックコンポーネント、特に光起電素子の裏面並びにまた及びそれに対応して裏側バリア層及び裏側保護層は、オプトエレクトロニックコンポーネントの、所期の通りに太陽光と反対を向く面を意味すると理解されたい。
【0019】
カプセルの端領域とは、特に、特に別のカプセルのオプトエレクトロニックコンポーネントの下又はその中に配置される別の要素の領域を越えてその範囲が突出する、すなわち別の要素よりその範囲が大きい領域を意味すると理解されたい。
【0020】
本発明の好ましい実施形態において、第1のカプセル、好ましくは第1のカプセルの前面及び/若しくは裏面は、少なくとも2つのバリア層、好ましくは2つのバリア層若しくは好ましくは3つのバリア層から形成され、且つ/又は第2のカプセル、好ましくは第2のカプセルの前面及び/若しくは裏面は、少なくとも2つの保護層、好ましくは2つの保護層若しくは好ましくは3つの保護層から形成される。本発明の好ましい実施形態において、少なくとも1つの接続材料は、それぞれの場合に連続するバリア層及び/又は連続する保護層間に塗布され、少なくとも1つの接続材料の種類は、それぞれの場合に異なり得る。
【0021】
バリア層とは、特に、化学物質、汚染物質、湿気及び/又は酸素、特に大気酸素に対する保護、特にバリアを形成する層を意味すると理解されたい。バリア層は、特に、外的影響、特に大気酸素及び/又は湿気の浸透を防止するための層である。特に好ましい実施形態において、バリア層は、保護層でもある。
【0022】
保護層とは、特に、機械的耐久性、特に耐ひっかき性を増大させるための層及び/又はフィルタ層、特にUVフィルタを有する層を意味すると理解されたい。特に好ましい実施形態において、保護層は、バリア層でもある。
【0023】
オプトエレクトロニックコンポーネント又はカプセルの端とは、特に、オプトエレクトロニックコンポーネント又はカプセルの端領域、特にオプトエレクトロニックコンポーネント又はカプセルの、その最大の水平範囲の幾何学平面内に配置される端を意味すると理解されたい。
【0024】
本発明の好ましい実施形態において、オプトエレクトロニックコンポーネントは、LED、OLED、光起電素子、特に太陽電池、有機光起電素子、特に有機太陽電池又は受光素子、特に有機受光素子である。
【0025】
本発明の好ましい実施形態において、第1のカプセル、特に第1のカプセルの前面及び/又は第2のカプセル、特に第2のカプセルの前面は、可視波長範囲の光を少なくともほとんど透過させ、特に少なくともほとんど透光させる。本発明の好ましい実施形態において、少なくとも1つの前側バリア層、少なくとも1つの前側保護層並びに第1及び第2の接続材料は、可視波長領域の光を少なくともほとんど透光させる。
【0026】
本発明の好ましい実施形態において、第1のカプセル及び/又は第2のカプセルは、所期の通りに太陽光に向かう側において少なくとも部分的に透明な形態である。本発明の好ましい実施形態において、第1のカプセルの少なくとも1つの前側バリア層及び第2のカプセルの少なくとも1つの前側バリア層は、少なくとも部分的に透明な形態である。
【0027】
少なくとも第1のカプセル及び第2のカプセルを有する、オプトエレクトロニックコンポーネントのための本発明のカプセル系は、先行技術と比較して有利である。有利には、カプセル系は、外的影響、特に環境影響及び機械的損傷からオプトエレクトロニックコンポーネントを特に良好に保護する。有利には、第1のカプセルの端及び/又は隅部は第2のカプセルで被覆され、それによって保護される。有利には、カプセルの端は、剥離から保護される。有利には、オプトエレクトロニックコンポーネントの寿命が延びる。有利には、異なる特性は、少なくとも第1のカプセルと第2のカプセル層との間において、特に異なる特性を有するバリア層及び/又は保護層によって分配される。有利には、特定のバリア層及び/又は保護層の供給業者への依存が低い。有利には、異なるカプセル及び/又はカプセルの層間の要求の分配によって可能となる。有利には、電気接点の接続は、ほとんど第1のカプセルの外及び第2のカプセルの下に延びる接点素子によって行われ、それによって第1のカプセルのバリアに係わる複雑さが軽減される。有利には、カプセル系は、簡単に、フレキシブルに、低コストで、特にロールツーロール方式で製造可能である。ロールツーロール方式とは、特に、フレキシブルポリマーフィルム又は金属箔のシート上に堆積されるフレキシブルな電子コンポーネントの製造を意味すると理解されたい。特にポリマーフィルム、例えばPET又はPENからなるロール上の基板が繰り出され、加工され、最終的に再びロール状にされる。電子コンポーネントの形成のために、材料がこの基板上に特に蒸着、印刷、コーティング、スパッタリング又はプラズマ成膜によって堆積される。ロールツーロール方式とは、特に、個々のコンポーネントが連続的に加工される連続加工方式を意味すると理解されたい。
【0028】
本発明に関連して、他の素子、特に他の層の上に塗布、堆積又は形成された素子、特に層とは、1つの素子と他の素子との直接接触又は特に両方間に配置された別の層による間接接触を意味すると理解されたい。
【0029】
本発明の1つの発展形態によれば、第1のカプセルは、オプトエレクトロニックコンポーネントの範囲全体にわたって形成され、第2のカプセルは、第1のカプセルの範囲全体にわたって形成され、及び/又は第1のカプセルの第1の端領域は、オプトエレクトロニックコンポーネントの周囲に形成され、且つ/若しくは第2のカプセルの第2の端領域は、第1のカプセルの周囲に形成され、好ましくは、第1の端領域の幅は、オプトエレクトロニックコンポーネントの端に応じて異なって形成され、及び/又は第2の端領域の幅は、第1のカプセルの端に応じて異なって形成される。
【0030】
本発明の好ましい実施形態において、第1のカプセル及び/又は第2のカプセルの隅部には、丸みが付けられている。
【0031】
本発明の1つの発展形態において、第1のカプセルの少なくとも1つの前側バリア層及び少なくとも1つの裏側バリア層は、異なる材料及び/若しくは異なる数の層から形成され、且つ/又は第2のカプセル層の少なくとも1つの前側保護層及び少なくとも1つの裏側保護層は、異なる材料及び/若しくは異なる数の層から形成される。
【0032】
本発明の1つの発展形態において、第1のカプセルは、少なくとも2つの前側及び/若しくは裏側バリア層、特に異なる特性を有するバリア層から形成され、且つ/又は第2のカプセルは、少なくとも2つの前側及び/若しくは裏側保護層、特に異なる特性を有する保護層から形成され、第1のカプセルは、好ましくは、湿気及び/又は酸素、特に大気酸素に対する保護を形成し、且つ第2のカプセルは、機械的保護を形成する。
【0033】
本発明の1つの発展形態において、結合層は、オプトエレクトロニックコンポーネントと、第1のカプセルとの間に配置され、且つ/若しくは結合層は、第1のカプセルと、第2のカプセルとの間に配置され、及び/又は平坦化層は、オプトエレクトロニックコンポーネントと、第1のカプセルとの間に配置される。
【0034】
本発明の好ましい実施形態において、結合層は、オプトエレクトロニックコンポーネントと、第1のカプセルとの間に配置され、且つ/又は結合層は、第1のカプセルと、第2のカプセルとの間に配置され、モノマー、オリゴマー若しくはポリマー形態のシロキサン/ポリシロキサン、エポキシド、特にエポキシ樹脂、アクリレート/ポリアクリレート、特にポリメチルメタクリレート(PMMA)、スチレン/ポリスチレン、ウレタン/ポリウレタン若しくはこれらの誘導体からなる群から選択される材料で構成される。
【0035】
本発明の1つの発展形態において、第1のカプセルの層厚は、20μm~400μm、好ましくは50μm~200μmであり、且つ/若しくは第2のカプセルの層厚は、50μm~1000μm、好ましくは50μm~500μm若しくは好ましくは100μm~500μmであり、並びに/又は第1の接続材料及び/若しくは第2の接続材料の層厚は、10μm~300μm、好ましくは20μm~150μm若しくは好ましくは20μm~100μmである。カプセルが複数の層を有する場合、相互に関する個々の層は、等しい層厚又は異なる層厚を有し得る。
【0036】
本発明の好ましい実施形態において、第1のカプセルの層厚は、1μm~2000μm、好ましくは1μm~1000μm、好ましくは1μm~100μm、好ましくは1μm~10μm、好ましくは5μm~1000μm、好ましくは10μm~1000μm、好ましくは10μm~500μm、好ましくは10μm~200μm、好ましくは10μm~100μm、好ましくは20μm~200μm、好ましくは20μm~100μm、好ましくは20μm~100μm、好ましくは50μm~500μm、好ましくは50μm~200μm又は好ましくは50μm~100μmである。
【0037】
本発明の好ましい実施形態において、第2のカプセルの層厚は、10μm~2000μm、好ましくは10μm~1000μm、好ましくは10μm~500μm、好ましくは10μm~100μm、好ましくは10μm~200μm、好ましくは10μm~100μm、好ましくは20μm~200μm、好ましくは20μm~100μm、好ましくは20μm~100μm、好ましくは50μm~500μm、好ましくは50μm~200μm又は好ましくは50μm~100μmである。本発明の好ましい実施形態において、第2のカプセルの層厚は、少なくとも100μm、好ましくは少なくとも1000μm又は好ましくは少なくとも2000μmである。
【0038】
本発明の好ましい実施形態において、カプセル系は、フレキシブル特性を有し、カプセル系の弾性(弾性係数)は、80,000psi~360,000psi、好ましくは100,000psi~300,000psi、好ましくは120,000psi~260,000psi又は好ましくは100,000psi~200,000psiである。
【0039】
本発明の1つの発展形態において、第1の端領域の幅は、5mm~200mm、好ましく5mm~100mm、好ましくは10mm~100mm、好ましくは10mm~80mm、好ましくは10mm~50mm、好ましくは10mm~30mm、好ましくは20mm~100mm若しくは好ましくは20mm~50mmであり、及び/又は第2の端領域の幅は、5mm~100mm、好ましくは5mm~50mm、好ましくは5mm~40mm、好ましくは5mm~30mm、好ましくは8mm~50mm、好ましくは8mm~40mm、好ましくは8mm~30mm、好ましくは10mm~80mm、好ましくは10mm~50mm、好ましくは10mm~40mm、好ましくは10mm~30mm若しくは好ましくは20mm~40mmである。
【0040】
本発明の1つの発展形態において、第1のカプセルの層厚は、部分的に第1の端領域に向かって、好ましくは5mm~60mm、好ましくは20mm~30mmの第1の端領域の幅まで好ましくは連続的又は不連続的に減少し、及び/又は第2のカプセルの層厚は、部分的に第2の端領域に向かって、好ましくは5mm~50mm、好ましくは8mm~20mmの第2の端領域の幅まで好ましくは連続的又は不連続的に減少する。
【0041】
本発明の1つの発展形態において、少なくとも1つのバリア層及び/又は少なくとも1つの保護層は、UV保護層、反射防止層、防湿及び/又は抗酸素、特に抗大気酸素層及び/又は特に耐ひっかき性を増大させるための機械的保護層である。
【0042】
本発明の1つの発展形態において、少なくとも1つの前側バリア層及び/若しくは少なくとも1つの裏側バリア層は、ポリアクリレート(PA)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)及び熱可塑性ポリウレタン(TPU)からなる群から選択される材料を含み、好ましくは、前側及び/若しくは裏側バリア層の材料は、被覆されており、且つ/又は少なくとも1つの前側保護層及び/若しくは少なくとも1つの裏側保護層は、エチレンビニルアセテート(EVA)、ポリアクリレート(PA)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)及び熱可塑性ポリウレタン(TPU)からなる群から選択される材料を含み、前側及び/若しくは裏側保護層の材料は、好ましくは、被覆されている。
【0043】
本発明の好ましい実施形態において、少なくとも1つのバリア層及び/又は少なくとも1つの保護層は、コーティングを有し、コーティングは、特定の機能的特性をバリア層及び/又は保護層に付与する。本発明の好ましい実施形態において、少なくとも1つのバリア層及び/又は少なくとも1つの保護層は、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、フッ化ポリビニリデン(PVDF)、フッ化ポリビニル(PVF)若しくはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)又はAl、ITO(酸化インジウム錫)、SiO、TiO若しくはZrOで被覆されている。
【0044】
本発明の好ましい実施形態において、第1のカプセル及び/又は第2のカプセルは、少なくともほとんど電気的に絶縁されている。
【0045】
本発明の1つの発展形態において、第1の接続材料及び/又は第2の接続材料は、好ましくは、1成分又は2成分組成物における、アクリレート、エポキシド及びポリウレタンからなる群から選択される。本発明の好ましい実施形態において、第1の接続材料及び/又は第2の接続材料は、好ましくは、UV硬化又は熱硬化による硬化性材料、好ましくは架橋性材料である。
【0046】
カプセルの接続材料とは、特に、層、特にバリア層及び/又は保護層を相互に且つ/又はオプトエレクトロニックコンポーネントに結合するため、特に接着剤によって結合するための材料を意味すると理解されたい。
【0047】
本発明の好ましい実施形態において、第1の接続材料及び/又は第2の接続材料は、モノマー、オリゴマー又はポリマー形態のシロキサン/ポリシロキサン、エポキシド、特にエポキシ樹脂、アクリレート/ポリアクリレート、特にポリメチルメタクリレート(PMMA)、スチレン/ポリスチレン、ウレタン/ポリウレタン又はその誘導体からなる群から選択される。
【0048】
本発明の好ましい実施形態において、第1の接続材料及び/又は第2の接続材料は、硬化及び/又は架橋を促進するための開始剤及び/又は触媒を含む。
【0049】
本発明の好ましい実施形態において、第1のカプセルの第1の端領域の層厚は、1μm~100μm、好ましくは10μm~50μm若しくは好ましくは10μm~30μmであり、且つ/又は第2のカプセルの第2の端領域の層厚は、1μm~100μm、好ましくは10μm~50μm、好ましくは10μm~30μmである。
【0050】
本発明の1つの発展形態において、第1の端領域及び/又は第2の端領域、特に第1の端領域の端及び/又は第2の端領域の端は、シールされる。
【0051】
本発明の1つの発展形態において、少なくとも2つのオプトエレクトロニックコンポーネントは、カプセル系中にまとめてカプセル化され、好ましくは、少なくとも2つのオプトエレクトロニックコンポーネントは、それぞれ第1のカプセルによって個別にカプセル化され、且つ第2のカプセルによってまとめてカプセル化される。
【0052】
本発明の好ましい実施形態において、機能層は、少なくとも部分的に第1のカプセルと第2のカプセルとの間及び/又はオプトエレクトロニックコンポーネントと第1のカプセルとの間に配置され得、これは、好ましくは、カラー層、フィルタ層及び/又は接着剤層である。
【0053】
本発明の好ましい実施形態において、カプセル系は、少なくとも1つの別のカプセルを有し、好ましくは第3のカプセルを有し、この場合には第3のカプセルが第2のカプセルを取り囲むか、又は第3のカプセル及び第4のカプセルを有し、この場合には第3のカプセルが第2のカプセルを取り囲み、第4のカプセルが第3のカプセルを取り囲む。本発明の好ましい実施形態において、第3のカプセルは、少なくとも1つの接続材料が間に配置された状態で、オプトエレクトロニックコンポーネントの前面上の少なくとも1つの前側保護層と、オプトエレクトロニックコンポーネントの裏面上の少なくとも1つの裏側保護層とから構成され、第3のカプセルは、好ましくは、第2のカプセルを、第3のカプセルが端領域だけ第2のカプセルの第2の端領域を越えて突出するように取り囲む。
【0054】
本発明の目的は、特に前述の実施例の1つによる、本発明のカプセル系、特に二重カプセルを有するオプトエレクトロニックコンポーネント、好ましくはフレキシブルオプトエレクトロニックコンポーネントが、提供されることでも達成される。オプトエレクトロニックコンポーネントに関して得られる利点は、特に、カプセル系に関連してすでに述べた事項である。オプトエレクトロニックコンポーネントは、電極、対電極及び少なくとも1つの光起電層を備える層系を有し、少なくとも1つの光起電層は、2つの電極間に配置される。
【0055】
本発明の好ましい実施形態において、光起電素子は、少なくとも1つの光起電層を有するセル、特にCISセル、CIGSセル、GaAsセル若しくはSiセル、ペロブスカイトセル又は有機光起電素子(OPV)を含み、これらは、有機太陽電池と呼ばれる。
【0056】
有機光起電素子とは、特に、少なくとも1つの光起電層を有する光起電素子、特にポリマー有機光起電素子又は低分子型有機光起電素子を意味すると理解されたい。これらは、非蒸発性であり、そのため、溶液からのみ塗布できることは、ポリマーの特徴であるが、低分子は、通常、蒸発性であり、ポリマーのように液体として又は蒸着法、特に真空蒸着によって堆積させることもできる。有機光活性層は、特に、可視光の放射、UV放射及び/又はIR放射によって励起子(電子正孔対)が形成される光活性層である。有機材料は、ここで、薄膜又は小さい体積の形態で箔に印刷、ボンディング、コーティング、蒸着又は他の何れかの方法で堆積される。
【0057】
本発明の特に好ましい実施形態において、少なくとも1つの光活性層は、有機材料、好ましくは有機低分子又は有機高分子、特に好ましくは有機低分子から形成される。
【0058】
低分子とは、特に、単分散モル質量が100~2000g/molであり、標準圧力(人間の周囲大気の空気圧)及び室温において固相である非重合性有機分子を意味すると理解されたい。より具体的には、低分子は、光活性であり、「光活性」とは、分子が光の入力によるその帯電状態及び/又は偏向状態を変化させることを意味すると理解されたい。
【0059】
本発明の好ましい実施形態において、オプトエレクトロニックコンポーネントは、基板、特に箔を有し、オプトエレクトロニックコンポーネントの層系は、基板上に配置される。
【0060】
本発明の1つの発展形態において、オプトエレクトロニックコンポーネントは、少なくとも1つのバスバー、好ましくは2つのバスバーを有し、少なくとも1つのバスバーは、第1のカプセル及び/又は第2のカプセルの下に配置され、且つ少なくとも部分的にオプトエレクトロニックコンポーネントの電極及び/又は対電極と導電接触し、少なくとも1つのバスバーは、第2のカプセルの外部の接続ボックスと少なくとも1つの接点素子によって導電接触する。
【0061】
バスバーとは、特に、電気接点の接触のため、電気エネルギの中央分配器として入力及び出力線に好ましくは少なくとも1つの電極及び/又は少なくとも1つの対電極によって導電接続される構成を意味すると理解されたい。バスバーは、特に、リボン、ストリップ、プレート又は金属層等の平坦な形態である。
【0062】
接続ボックスとは、特に、オプトエレクトロニックコンポーネントを外部回路に接続するための要素を意味すると理解されたい。接続ボックスは、特に、オプトエレクトロニックコンポーネントの少なくとも1つの保護層の下に配置された少なくとも1つのバスバーを電気回路に導電接続する役割を果たす。
【0063】
本発明の好ましい実施形態において、接点素子、特に導電接点素子は、少なくともほとんど第1のカプセルと第2のカプセルとの間に配置され、オプトエレクトロニックコンポーネントの層系に第1のカプセルを通して導電接触される。
【0064】
本発明の1つの発展形態において、オプトエレクトロニックコンポーネントは、光起電素子、特に太陽電池である。
【0065】
本発明の好ましい実施形態において、光起電素子の複数のセルは、一緒に配置され、直列に接続される。各セルは、好ましくは、独自の電極及び対電極を有する。直列接続は、あるセルの電極を次のセルの対電極に電気的に接続することによって行われる。
【0066】
オプトエレクトロニックコンポーネントとは、特に、光起電素子であると理解されたい。光起電素子とは、特に、光起電セル、特に太陽電池を意味すると理解されたい。光起電素子は、好ましくは、直列又は並列に接続され得る複数の光起電セルから形成される。複数の光起電セルは、オプトエレクトロニックコンポーネント内に様々な方法で配置及び/又は接続され得る。
【0067】
本発明の好ましい実施形態において、少なくとも1つのバスバーは、電極又は対電極に直接取り付けられており、好ましくは導電接続されている。代替的な好ましい実施形態において、導電層は、少なくとも1つのバスバーと、電極又は対電極との間に配置される。
【0068】
本発明の好ましい実施形態において、オプトエレクトロニックコンポーネントは、フレキシブルオプトエレクトロニックコンポーネントである。本発明の好ましい実施形態において、フレキシブルオプトエレクトロニックコンポーネントは、フレキシブル光起電素子、特にフレキシブル有機光起電素子である。
【0069】
フレキシブルオプトエレクトロニックコンポーネントとは、特に、特定の領域においてしなやかであり、且つ/又は伸張性のあるオプトエレクトロニックコンポーネントを意味すると理解されたい。
【0070】
以下では、図面を参照して本発明を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0071】
図1】オプトエレクトロニックコンポーネントの層系の実施例の断面概略図である。
図2】カプセル系を備えるオプトエレクトロニックコンポーネントの実施例の断面概略図である。
図3】カプセル系を備えるオプトエレクトロニックコンポーネントの実施例の断面概略図である。
図4】カプセル系内にカプセル化された複数のオプトエレクトロニックコンポーネントの実施例の断面概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0072】
実施例は、特に、ロールツーロール方式で製造されるオプトエレクトロニックコンポーネントに関する。
【0073】
図1は、オプトエレクトロニックコンポーネント2の層系20の実施例の断面概略図を示す。
【0074】
オプトエレクトロニックコンポーネント2、特に有機光起電素子は、薄層の連続からなり、これは、層系20を含み、これは、好ましくは、真空中での蒸着によって又は溶液から堆積される少なくとも1つの光活性層26を含む。電気接続は、金属層、透明導電性酸化物及び/又は透明導電性ポリマーを介して実現され得る。有機層の真空蒸着は、複数の光起電素子、特にタンデム又はトリプルセルを製造する場合に特に有利である。
【0075】
このようなオプトエレクトロニックコンポーネント2の層系20が図1の実施例で示されている。オプトエレクトロニックコンポーネント2は、少なくとも2つの電極18、例えばITO及び19、例えばアルミニウムと、少なくとも1つの光活性層26を有する層系20とを有し、基板23、例えばポリマーフィルム上に少なくとも1つの吸収材があり、少なくとも1つの光活性層26が2つの電極18、19間に配置される。層系20は、正孔輸送層24と電荷キャリア層25とをさらに有し得る。電極18、19を有する層系20は、レーザによって構造化され得る。
【0076】
図2は、カプセル系1を備えるオプトエレクトロニックコンポーネント2の実施例の断面概略図を示す。同じであり、同じ機能を有する素子には、同じ参照番号が付与されているため、その点に関する前述の説明を参照されたい。この実施例において、オプトエレクトロニックコンポーネント2は、有機光起電素子である。
【0077】
オプトエレクトロニックコンポーネント2のためのカプセル系1、特に二重カプセルは、少なくとも第1のカプセル3及び第2のカプセル4を有し、第1のカプセル3は、少なくとも第1の接続材料7が間に配置された状態で、オプトエレクトロニックコンポーネント2の前面上の少なくとも1つの前側バリア層5と、オプトエレクトロニックコンポーネント2の裏面上の少なくとも1つの裏側バリア層6とから形成され、第2のカプセル4は、少なくとも第2の接続層10が間に配置された状態で、オプトエレクトロニックコンポーネント2の前面上の少なくとも1つの前側保護層8と、オプトエレクトロニックコンポーネント2の裏面上の少なくとも1つの裏側保護層9とから形成される。第1のカプセル3は、オプトエレクトロニックコンポーネント2を、第1のカプセル3が第1の端領域11だけオプトエレクトロニックコンポーネント2を越えて突出するように取り囲む。第2のカプセル4は、オプトエレクトロニックコンポーネント2を含む第1のカプセル3を、第2のカプセル4が第2の端領域12だけ第1のカプセル3の第1の端領域11を越えて突出するように取り囲む。オプトエレクトロニックコンポーネント2は、カプセル系1によってカプセル化され、全ての側で完全に囲い込まれる。端領域11、12は、ここでは異なり得る。
【0078】
その結果、カプセル系は、オプトエレクトロニックコンポーネント2を外的影響、特に環境影響及び機械的損傷から特に良好に保護する。その結果、特に、第1のカプセル3の端及び/又は隅部は、第2のカプセル4によって覆われ、剥離から保護される。有利には、バリア層5、6及び/又は保護層8、9の異なる特性は、少なくとも第1のカプセル3及び第2のカプセル4間で分配される。
【0079】
第1のカプセル3及び/又は第2のカプセル4の形成のためのバリア層5、6及び/又は保護層8、9は、当業者に既知の堆積方法、例えば原子層堆積法(ALD)、プラズマ支援原子層堆積法(PEALD)若しくはプラズマレス原子層堆積法(PLALD)により、化学気相成長(CVD)、プラズマ支援化学気相成長(PECVD)、プラズマレス化学気相成長法(PLCVD)により、且つ/又は代替的に他の適当な堆積方法により成膜され得る。
【0080】
本発明の1つの構成において、第1のカプセル3は、オプトエレクトロニックコンポーネント2の範囲全体にわたって形成され、第2のカプセル4は、第1のカプセル3の範囲全体にわたって形成され、及び/又は第1のカプセル3の第1の端領域11は、オプトエレクトロニックコンポーネント2の周囲に形成され、且つ/若しくは第2のカプセル4の第2の端領域12は、第1のカプセル3の周囲に形成され、第1の端領域11の幅13は、オプトエレクトロニックコンポーネント2の端に応じて異なって形成され、及び/又は第2の端領域12の幅14は、第1のカプセル3の端に応じて異なって形成される。
【0081】
本発明の他の構成において、第1のカプセル3の少なくとも1つの前側バリア層5及び少なくとも1つの裏側バリア層6は、異なる材料及び/若しくは異なる数の層から形成され、且つ/又は第2のカプセル4の少なくとも1つの前側バリア層8及び少なくとも1つの裏側バリア層9は、異なる材料及び/若しくは異なる数の層から形成される。
【0082】
本発明の他の構成において、第1のカプセル3は、少なくとも2つの前側及び/若しくは裏側バリア層5、6、特に異なる特性を有するバリア層5、6から形成され、且つ/又は第2のカプセル4は、少なくとも2つの前側及び/若しくは裏側保護層8、9、特に異なる特性を有する保護層8、9から形成され、第1のカプセル3は、好ましくは、湿気及び/又は酸素、特に大気酸素からの保護を形成し、且つ第2のカプセル4は、機械的保護を形成する。
【0083】
本発明の他の構成において、接着剤層は、オプトエレクトロニックコンポーネント2と第1のカプセル3との間に配置され、且つ/若しくは接着剤層は、第1のカプセル3と第2のカプセル4との間に配置され、及び/又は平坦化層は、オプトエレクトロニックコンポーネント2と第1のカプセル3との間に配置される。
【0084】
本発明の他の構成において、第1のカプセル3の層厚は、20μm~400μm、好ましくは50μm~200μmであり、且つ/若しくは第2のカプセル4の層厚は、50μm~1000μm、好ましくは100μm~500μmであり、並びに/又は第1の接続材料7及び/若しくは第2の接続材料10の層厚は、10μm~300μm、好ましくは20μm~100μmである。
【0085】
本発明の他の構成において、第1の端領域11の幅13は、5mm~200mm、好ましくは20mm~50mmであり、及び/又は第2の端領域12の幅14は、5mm~100mm、好ましくは8mm~40mmである。
【0086】
本発明の他の構成において、第1のカプセル3の層厚は、部分的に第1の端領域11に向かって、好ましくは5mm~60mm、好ましくは20mm~30mmの第1の端領域11の幅21まで減少し、及び/又は第2のカプセル4の層厚は、部分的に第2の端領域12に向かって、好ましくは5mm~50mm、好ましくは8mm~20mmの第2の端領域12の幅22まで減少する。
【0087】
本発明の他の構成において、少なくとも1つのバリア層5、6及び/又は少なくとも1つの保護層8、9は、UV保護層、反射防止層、防湿及び/若しくは抗酸素層並びに/又は好ましくは耐ひっかき性を増大させるための機械的保護層である。
【0088】
本発明の他の構成において、少なくとも1つの前側バリア層5及び/又は少なくとも1つの裏側バリア層6は、ポリアクリレート(PA)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)及び熱可塑性ポリウレタン(TPU)からなる群から選択される材料を含み、好ましくは、前側及び/若しくは裏側バリア層5、6の材料は、被覆されており、且つ/又は少なくとも1つの前側保護層8及び/若しくは少なくとも1つの裏側保護層9は、エチレンビニルアセテート(EVA)、ポリアクリレート(PA)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)及び熱可塑性ポリウレタン(TPU)からなる群から選択される材料を含み、前側及び/又は裏側保護層8、9の材料は、好ましくは、被覆されている。
【0089】
本発明の他の構成において、第1の接続材料7及び/又は第2の接続材料10は、好ましくは、1成分又は2成分組成物における、アクリレート、エポキシド及びポリウレタンからなる群から選択される。
【0090】
本発明の他の構成において、第1の端領域11及び/若しくは第2の端領域12、特に第1の端領域11の端及び/若しくは第2の端領域12の端は、シールされ、且つ/又は少なくとも2つのオプトエレクトロニックコンポーネント2は、カプセル系1中にまとめてカプセル化され、好ましくは、少なくとも2つのオプトエレクトロニックコンポーネント2は、それぞれ第1のカプセル3によって個別にカプセル化され、且つ第2のカプセル4によってまとめてカプセル化される。
【0091】
オプトエレクトロニックコンポーネント2は、カプセル系1、特に二重カプセルによってカプセル化される。オプトエレクトロニックコンポーネント2は、電極18、対電極19及び少なくとも1つの光活性層26を含む層系20を有し、少なくとも1つの光活性層26は、2つの電極18、19間に配置される。
【0092】
本発明の他の構成において、オプトエレクトロニックコンポーネント2は、少なくとも1つのバスバー15、好ましくは少なくとも2つのバスバー15を有し、これらは、第1のカプセル3及び/又は第2のカプセル4の下に配置され、少なくとも部分的にオプトエレクトロニックコンポーネント2の電極18及び/又は対電極19と導電接触し、少なくとも1つのバスバー15は、第2のカプセル4の外部の接続ボックス17と少なくとも1つの接点素子16によって導電接触する。
【0093】
本発明の他の構成において、オプトエレクトロニックコンポーネント2は、光電素子、特に太陽電池、好ましくはフレキシブル有機光起電素子である。
【0094】
1つの実施例において、カプセル系1は、以下のように製造され得る:この実施例において、カプセル系1は、まず、厚さ100μmのPETキャリア材料及び複数のSiO層からなるバリア層5、6を形成するための材料をロールから繰り出して、内側を全面積にわたり且つスロットダイ方式により、接続材料7としての厚さ50μmのアクリレート接着剤層でコーティングすることによって形成される。動作は、同じ材料から製作された第2のロールについて繰り返される。コーティングされたロールの両方は、そのため、アクリレート接着剤層でコーティングされた2つの面が相互に向かい合い、ロールの縁が重なるように積層系に供給される。オプトエレクトロニックコンポーネント2は、第3のロールから分離され、バリア層5、6間の積層系に送給されて、圧縮される。オプトエレクトロニックコンポーネント2は、例えば、長さ2m、幅30cmである。積層系内の圧縮後、接続材料7は、赤外線ランプでの加熱によって硬化される。これは、例えば、100℃、持続時間180秒で行うことできる。オプトエレクトロニックコンポーネント2は、このようにして、第1の端領域11を有する第1のカプセル3でカプセル化される。第2のカプセル4は、ほとんど第1のカプセル3のシーケンスをたどる。しかしながら、ここでは、保護層8、9を形成するための材料が適用される。この実施例において、機械的保護フィルムが使用されるが、直接的コーティングも代替として想定可能である。この実施例において、前側保護層8は、厚さ100μmのPETフィルムであり、オプトエレクトロニックコンポーネント2とは反対側に保護ラッカを有し、これは、耐候性を有し、UVブロック効果を有する。裏側保護層9は、PP同時押出成形物であり、層厚は、200μmである。両方のカプセルの接続材料7、10は、2成分ポリウレタン接着剤であり、硬化は、100℃、持続時間180秒の熱支援方式で行われるが、異なる第1の接続材料7及び第2の接続材料10を使用することも可能である。
【0095】
第1のカプセル3及び/又は第2のカプセル4は、代替的に、UV硬化、二重硬化、熱硬化及び/又は反応ガスによって硬化され得る。バリア層5、6及び/又は保護層8、9は、代替的に、印刷方式、好ましくはスクリーン印刷方式、プロッティング方式、インクジェット印刷方式若しくは3D印刷方式、スロットダイ方式、コンマバー方式又はナイフ塗装方式によって形成され得る。
【0096】
オプトエレクトロニックコンポーネント2の第1のカプセル3及び第2のカプセル4は、特に、ロールツーロール方式で実現可能である。
【0097】
図3は、カプセル系1を備えるオプトエレクトロニックコンポーネント2の実施例の断面概略図を示す。同じであり、同じ機能を有する素子には、同じ参照番号が付与されているため、その点に関する前述の説明を参照されたい。この実施例において、オプトエレクトロニックコンポーネント2は、有機光起電素子である。
【0098】
少なくとも1つのバスバー15が少なくとも部分的に電極18又は対電極19に導電接続される電気接点接続16は、以下のように実現され得る:ステップa)において、第1のカプセル3を有するオプトエレクトロニックコンポーネント2が提供され、オプトエレクトロニックコンポーネント2は、第1のカプセルの下に配置された少なくとも1つのバスバー15を有する。ステップb)では、少なくとも1つの開口は、第1のカプセル3に少なくとも1つのレーザビームによるレーザアブレーションによって形成されて、第1のカプセル3の下に配置された少なくとも1つのバスバー15が部分的に露出する。ステップc)では、少なくとも1つの開口に低融点はんだが導入され、導電性素子は、少なくとも1つの開口の、少なくとも1つのバスバー15の反対側に整列される。ステップd)では、誘導はんだ付けにより、導電性接点素子16が少なくとも1つの開口内に形成される。第2のカプセルを形成した後、接続ボックス17の導電接続のために、ステップe)では、少なくとも1つの接続開口は、第2のカプセル4に少なくとも1つのレーザビームによるレーザアブレーションによって形成される。ステップf)では、接続ボックス17に導電性接点素子16が導電接触する。レーザアブレーションのパラメータ、特にエネルギ密度、パルス持続時間、パルス波形、パルス周波数及び/又は少なくとも1つのレーザビームの波長は、材料及び第1のカプセル3及び/又は第2のカプセル4の層厚に応じて調整され、誘導はんだ付けのパラメータは、形成される接続素子の材料及び寸法に応じて調整される。
【0099】
図4は、カプセル系1内にカプセル化された複数のオプトエレクトロニックコンポーネント2の実施例の断面概略図を示す。同じであり、同じ機能を有する素子には、同じ参照番号が付与されているため、その点に関する前述の説明を参照されたい。
【0100】
本発明の1つの構成において、少なくとも2つのオプトエレクトロニックコンポーネント2は、カプセル系1中にまとめてカプセル化され、好ましくは、少なくとも2つのオプトエレクトロニックコンポーネント2は、それぞれ第1のカプセル3によって個別にカプセル化され、且つ第2のカプセル4によってまとめてカプセル化される。
【0101】
この実施例において、3つのオプトエレクトロニックコンポーネント2は、それぞれ第1のカプセル3によって個別にカプセル化され、その後、第1のカプセル3によって個別にカプセル化されたオプトエレクトロニックコンポーネント2は、第2のカプセル4によってまとめてカプセル化され、個々にカプセル化されたコンポーネント27が得られる。個々のオプトエレクトロニックコンポーネント2、特に個々の光起電素子は、ここでは、相互にライン素子28を介して導電接続される。オプトエレクトロニックコンポーネント2は、ここでは、並列又は直列に接続され得る。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】