(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-08
(54)【発明の名称】PTENコピー数を判定する方法
(51)【国際特許分類】
C12Q 1/6851 20180101AFI20230301BHJP
C12N 15/12 20060101ALN20230301BHJP
【FI】
C12Q1/6851 Z
C12N15/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022541666
(86)(22)【出願日】2021-01-06
(85)【翻訳文提出日】2022-07-05
(86)【国際出願番号】 EP2021050136
(87)【国際公開番号】W WO2021140125
(87)【国際公開日】2021-07-15
(32)【優先日】2020-01-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391008951
【氏名又は名称】アストラゼネカ・アクチエボラーグ
【氏名又は名称原語表記】ASTRAZENECA AKTIEBOLAG
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100138911
【氏名又は名称】櫻井 陽子
(72)【発明者】
【氏名】ドハーティ,ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】ラブルス,ポール
(72)【発明者】
【氏名】ステントン,ダニエル
【テーマコード(参考)】
4B063
【Fターム(参考)】
4B063QA01
4B063QQ02
4B063QQ03
4B063QQ08
4B063QQ20
4B063QQ42
4B063QR08
4B063QR55
4B063QR62
4B063QS25
4B063QS32
4B063QS34
4B063QX02
(57)【要約】
PTENコピー数を判定する方法が記載される。当該方法は、3つ以上のPTEN遺伝子座及び2つ以上の参照遺伝子を、デジタルPCRによって同時に増幅することを含み得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象由来のサンプルにおいてPTENコピー数を判定する方法であって:
3つ以上のPTEN遺伝子座及び2つ以上の参照遺伝子を、デジタルPCRによって同時に増幅することと;
PTEN増幅の、参照遺伝子増幅に対する比率を算出することと;
前記サンプルについてのPTENコピー数を、前記比率に基づいて判定することと
を含む方法。
【請求項2】
PTEN増幅の前記比率は:
増幅されたPTEN遺伝子座の数で割った、全てのPTENコピーの濃度対:
増幅された参照遺伝子の数で割った、全ての参照遺伝子コピーの濃度
の比率である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
PTEN増幅の前記比率は:
個々のPTEN遺伝子座のコピーの濃度対:
個々の参照遺伝子のコピーの濃度
の比率である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
個々のPTEN遺伝子座のコピーの濃度対:
個々の参照遺伝子のコピーの濃度
の比率を判定することをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記PTENコピー数は、前記比率の二倍である、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記3つ以上のPTEN遺伝子座は、イントロン2、イントロン3、及びイントロン6の少なくとも2つを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記3つ以上のPTEN遺伝子座は、イントロン2、イントロン3、及びイントロン6を、そして場合によっては1つ以上の追加的なPTEN遺伝子座を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
第1の参照遺伝子のコピーの濃度対:
第2の参照遺伝子のコピーの濃度
の比率を判定することをさらに含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記サンプルの一部を、非腫瘍起源の対応するサンプルで希釈することをさらに含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記サンプルは、フレッシュな凍結腫瘍組織を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記サンプルは、セルフリーDNAを含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記サンプルは、ホルマリン固定パラフィン包埋腫瘍又は疑われる腫瘍組織を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記参照遺伝子は、B3GNT2、ERCC3、OR5T1、RUFY2、及びCC2D1Bの少なくとも1つを含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
本出願は、2020年1月7日出願の米国仮特許出願第62/957,913号明細書の優先権を主張し、この出願の内容は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
PTEN(phosphatase and tensin homologue deleted on chromosome ten)は、乳癌、前立腺癌、子宮内膜癌、卵巣癌、脳癌、皮膚癌、甲状腺癌、肺癌、膀胱癌、及び結腸癌、並びに黒色腫、神経膠芽腫、及びリンパ腫が挙げられる多種多様なヒト癌において変異しているか、又は欠失している瘍抑制因子である。実際に、PTENは、癌において最も一般的に変異している癌抑制遺伝子の1つである。PTENは、タンパク質及び脂質を修飾するホスファターゼである。ほとんどのホスファターゼとは異なり、PTENの主要な基質は、ホスホイノシチド3キナーゼ(PI3K)の活性化によって生成されるイノシトールリン脂質である。PI3Kによって生成されるイノシトールリン脂質は、Akt、mTORに、そして最終的に、細胞生存及びタンパク質翻訳の下流活性化に至る。したがって、PTENは、PI3K/Aktシグナル伝達の重要なネガティブ調節因子であり、腫瘍抑制において重要な役割を果たす。腫瘍発生の間に、PTENの変異及び欠失が生じ、酵素活性を不活化して、細胞増殖の増大及び細胞死の引下げに至る。癌におけるPTEN変異の保有率は、PTENへの遺伝的変化の例を同定する重要性を明白に示している。
【0003】
PTENコピー数の低下は、PTEN発現及び/又は酵素活性の損失を反映し得る。PTENコピー数を判定するほとんどの方法が、一度に1つのみの遺伝子座を考慮するので、調査した遺伝子座以外の遺伝子座での欠失を正確に反映し得ない。したがって、PTENコピー数を判定する方法の向上が所望される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
一態様において、対象由来のサンプルにおいてPTENコピー数を判定する方法が:3つ以上のPTEN遺伝子座及び2つ以上の参照遺伝子を、デジタルPCRによって同時に増幅することと;PTEN増幅の、参照遺伝子増幅に対する比率を算出することと;サンプルについてのPTENコピー数を、比率に基づいて判定することとを含む。
【0005】
PTEN増幅の比率は、以下の比率であり得る:増幅されたPTEN遺伝子座の数で割った、全てのPTENコピーの濃度対:増幅された参照遺伝子の数で割った、全ての参照遺伝子コピーの濃度。
【0006】
PTEN増幅の比率は、以下の比率であり得る:個々のPTEN遺伝子座のコピーの濃度対:個々の参照遺伝子のコピーの濃度。一部の実施形態において、方法はさらに、以下の比率を判定することを含む:個々のPTEN遺伝子座のコピーの濃度対:個々の参照遺伝子のコピーの濃度。
【0007】
PTENコピー数は、比率の二倍であり得る。
【0008】
3つ以上のPTEN遺伝子座は、イントロン2、イントロン3、及びイントロン6の少なくとも2つを含み得る。3つ以上のPTEN遺伝子座は、イントロン2、イントロン3、及びイントロン6を、そして場合によっては1つ以上の追加的なPTEN遺伝子座を含み得る。
【0009】
一部の実施形態において、方法は、以下の比率を判定することをさらに含み得る:第1の参照遺伝子のコピーの濃度対:第2の参照遺伝子のコピーの濃度。
【0010】
一部の実施形態において、方法は、サンプルの一部を、非腫瘍起源の対応するサンプルで希釈することをさらに含み得る。
【0011】
サンプルとして、フレッシュな凍結腫瘍組織が挙げられ得る。サンプルとして、セルフリーDNAが挙げられ得る。サンプルとして、ホルマリン固定パラフィン包埋腫瘍又は疑われる腫瘍組織が挙げられ得る。
【0012】
参照遺伝子として、B3GNT2、ERCC3、OR5T1、RUFY2、及びCC2D1Bの少なくとも1つが挙げられ得る。
【0013】
他の特徴、目的、及び利点が、説明及び図面から、そして特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1A】1ngの入力でのクラスター形成の例である。グラフの底部の各円は、固有の参照遺伝子座を含有する小滴を表しており、このアッセイにおいて、2つの標的参照遺伝子座がある。グラフの左側の3つの円の各々が、PTEN遺伝子座を含有する小滴を表す。円の外側の小滴が、複数の遺伝子座由来の標的を含有する。
【
図1B】より高い入力(おおよそ5ng)でのクラスター形成の例である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本明細書中に記載されるのは、サンプル中の複数の、例えば2つ以上のPTEN遺伝子座を同時に測定することによって、PTENコピー数を判定する方法である。複数のPTEN遺伝子座を同時に測定することによって、本方法は、普通であれば気付かれ得ないPTEN欠失の例を正確に同定して、PTEN欠失の範囲をより正確に定量化することができる。また、本方法は、フレッシュな凍結組織サンプル、セルフリーDNAサンプル、及びホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)組織サンプルが挙げられる種々のサンプル源に適用可能である。
【0016】
血漿に由来する患者サンプルは、循環フリーDNA(cfDNA)収量が非常に低い。多くの場合、DNAサンプル全体が、次世代配列決定(NGS)ライブラリ反応に加えられなければならない。また、腫瘍に由来するDNA(ctDNA)は、多くの場合、血漿サンプル内に通常見出されるcfDNAと比較して、より小さな画分中に存在する。これらの交絡因子に起因して、血漿中の遺伝子欠失の検出は、非常に困難となる。NGSによって検出されるコピー数結果の精度を確実にするようなddPCR等の技術による直交確認(orthogonal confirmation)があることが有益である。
【0017】
実施形態において、デジタルPCR(例えばddPCR)が、単一の実験において複数のPTEN遺伝子座を同時に増幅するのに用いられる。続いて、増幅された材料が定量化される。定量化はコピー数を示す。特に、増幅及び定量化は、遺伝子座単位で生じるので、コピー数は、各遺伝子座にて独立して測定される。ゆえに、1つのみの遺伝子座に影響を与える変化を、複数の遺伝子座に影響を与える変化から区別することができる。
【0018】
一部の実施形態において、ddPCRが、PTEN遺伝子座を増幅して定量化するのに用いられる。ddPCRは、複数の遺伝子座の同時増幅と共に、各遺伝子座の独立した検出を可能にする。さらに、同じサンプル由来の1つ以上の参照遺伝子もまた同時に増幅されて、PTEN遺伝子座と共に定量化される。知られており、且つ安定したコピー数を有する参照遺伝子が選択されて、PTENコピー数の変化についての比較が実現する。また、測定された参照遺伝子の相違は、ゲノム不安定性が高いサンプルを示し得る。
【0019】
一部の実施形態において、増幅された材料の定量化は、単位容量あたりの標的DNAのコピーの濃度として表される。続いて、PTEN遺伝子座のコピー及び参照遺伝子のコピーの測定濃度が比較されて、サンプル中のPTENコピー数(CN)に達し得る。
【0020】
一部の実施形態において、全PTEN遺伝子座の総濃度が、参照遺伝子の総濃度と比較されて、PTENコピー数が判定される。例えば、3つのPTEN遺伝子座及び2つの参照遺伝子が用いられる場合、
PTEN CN=((PTEN濃度(コピー/μL)/3)/(参照遺伝子濃度(コピー/μL)/2))*2
【0021】
一部の実施形態において、各PTEN遺伝子座の濃度は、参照遺伝子の濃度と比較されて、PTENコピー数が判定される。一部の実施形態において、各PTEN遺伝子座の濃度は、参照遺伝子の各々の濃度と比較されて、PTENコピー数が判定される。この技術は、各遺伝子座でのコピー数の独立した測定を実現する。例えば、3つのPTEN遺伝子座及び2つの参照遺伝子が用いられる場合、
PTEN(遺伝子座1)CN=((PTEN遺伝子座1濃度(コピー/μL))/(参照遺伝子1濃度(コピー/μL))*2
PTEN(遺伝子座1)CN=((PTEN遺伝子座1濃度(コピー/μL))/(参照遺伝子2濃度(コピー/μL))*2
PTEN(遺伝子座2)CN=((PTEN遺伝子座2濃度(コピー/μL))/(参照遺伝子1濃度(コピー/μL))*2
PTEN(遺伝子座2)CN=((PTEN遺伝子座2濃度(コピー/μL))/(参照遺伝子2濃度(コピー/μL))*2
PTEN(遺伝子座3)CN=((PTEN遺伝子座3濃度(コピー/μL))/(参照遺伝子1濃度(コピー/μL))*2
PTEN(遺伝子座3)CN=((PTEN遺伝子座3濃度(コピー/μL))/(参照遺伝子2濃度(コピー/μL))*2である。
【0022】
第1の参照遺伝子のコピーの濃度は、内部対照としての1つ以上の追加的な参照遺伝子のコピーの濃度と比較され得る(例えば、
((参照遺伝子1濃度(コピー/μL))/(参照遺伝子2濃度(コピー/μL))*2)。
【0023】
参照遺伝子において30%以上の変異があるサンプルは、ゲノム不安定性を示し得る。そのような場合には、実験を、様々な参照遺伝子を用いて繰り返すことができる。
【0024】
一部の実施形態において、PTEN遺伝子座は、イントロン2、イントロン3、及びイントロン6を含み得る。PTEN遺伝子座は、イントロン2、イントロン3、及びイントロン6の2つ以上であり得る。参照遺伝子は、B3GNT2、ERCC3、OR5T1、RUFY2、及びCC2D1Bを含み得る。
【0025】
一部の実施形態において、サンプルは、腫瘍起源又は疑われる腫瘍起源のものである。腫瘍起源又は疑われる腫瘍起源のサンプルは、場合によっては、非腫瘍起源のマッチするサンプルと比較され得る。
【0026】
サンプルがFFPE組織である一部の実施形態において、FFPE損傷の様々なレベル(軽度、中程度、重度)を反映する対照を用いて、試験されるサンプルが比較され得る。
【実施例】
【0027】
以下の例は実例であり、限定であることは意図されない。他の実施形態は、以下の特許請求の範囲内に含まれる。
【0028】
方法
参照プローブ選択
癌患者に由来するサンプルにおけるゲノム不安定性についての潜在性により、分析を実行して、いくつかの安定した遺伝子を、様々な癌徴候の全体にわたって同定して、標準参照として利用した。ゲノム安定性を、NGS試験に由来するコピー数推定値の二倍体(2つのコピーを示す)パーセントとして説明した。遺伝子を、二倍体スコアパーセントによってランク付けして、参照遺伝子に用いるための最良の候補を提供した。表1に示すように、いくつかの遺伝子を試験して、適した候補であることを見出した。
【0029】
【0030】
PTENプローブ選択
PTEN遺伝子座の選択は、cBioデータベースで入手可能なコピー数データを分析することによって判定した。手短に言うと、PTEN損失を確認した患者由来のデータを、プローブ選択のために分析した。PTEN損失の保有率が高い領域を選択した。1つの領域が、全患者データの全体にわたって欠失することは見出されなかったので、3つの異なる遺伝子座の組合せを選択して、アッセイの臨床感度を最大にした。標的PTEN遺伝子座の染色体座標を、データセット由来のセグメントファイルの染色体座標と比較することによって、設計は、データセット内の報告されるサンプルの99.3%(731/736)において、損失を潜在的に検出することを見出した。
【0031】
サンプル調製
試験サンプルを0.2ng/μLに希釈して、反応への合計1ngの入力とする。ポアソン統計を用いて、1ngの入力により、大部分の小滴が1つの標的を含有する分布が与えられるはずである。各小滴が1つの標的のみを含有するように入力濃度を操作することで、クラスター分離を理論的に増強し、これにより分析はより有効となろう(
図1A及び
図1B参照)。
【0032】
図1Aは、1ng入力でのクラスター形成の例を示しており、二重格納小滴の数が最小である点が注目される。青色の各円は、固有のPTEN遺伝子座を含有する小滴を表しており、このアッセイにおいて、3つの標的PTEN遺伝子座がある。緑色の各円は、固有の参照遺伝子座を含有する小滴を表しており、このアッセイにおいて、2つの標的参照遺伝子座がある。円の外側の小滴が、複数の遺伝子座由来の標的を含有する。
図1Bは、より高い入力(おおよそ5ng)でのクラスター形成の例を示しており、二重格納小滴の数の増大が、クラスター描写を混乱させ得る点が注目される。
【0033】
マスター混合物の調製
表2に記載される成分を一緒に混合して、ボルテックスによって十分に混合する。最初の濃度は、フォワードプライマー及びリバースプライマーの双方について9μM、そして各プローブについて5μMである。PTEN遺伝子座(FAMチャネル)又は参照遺伝子座(HEXチャネル)毎の入力容量の差異を用いて、シグナル振幅の差異を生じさせ、これがクラスター間で分離を生じさせる。反応の全容量は22μLであるが、20μLのみを小滴生成工程に用いる(残りの2μLは、デッド容量と考える)。
【0034】
【0035】
小滴生成
小滴生成を、BIO-RAD Automated Droplet Generatorを用いて実行する。本工程の間、メーカーの推奨に従う。本工程の出力は、おおよそ20,000滴を含有する40μL容量である。
【0036】
増幅
試験サンプルを小滴に分配した後に、反応の増幅を実行した。表3は、PTENコピー数アッセイに用いた熱サイクリングパラメータを概説する。
【0037】
【0038】
小滴リーディング
個々の小滴を、BIO-RAD QX200 Droplet Readerを用いて調べた。これらのリード由来のデータを、結果の呼出しに用いた。
【0039】
実施例1
腫瘍サンプル(FFPE)を、3つのPTEN遺伝子座及び2つの参照遺伝子(B3GNT2及びERCC3)にて、ddPCRによってアッセイした。サンプルを、100%の濃度にてアッセイして、非腫瘍材料による希釈を繰り返した。初期腫瘍細胞充実度(Initial tumor cellularity)は、70%であった。表4は、結果を要約する:
【0040】
【0041】
実施例2
ER+転移性乳癌患者由来の組織サンプル及び血漿サンプルを、フルベストラント及びカピバセルチブの第1相治験の間に収集した。一部の患者について、2つのサンプルを、様々な時点にて収集した(以下の表において「ベースライン」及び「それ以後」と指定した)。
【0042】
収集の時点にて、組織サンプルを、PTEN状況について、次世代配列決定(NGS)によって分析した。血漿(ctDNA)サンプルを、PTEN状況について、iCHOR CNAにより実行したローパス全ゲノム配列決定(LP-WGS)分析によって;そして別途、本明細書中に記載するddPCRによって分析した。結果を表5に要約する。
【0043】
【0044】
表5は、ctDNA LP-WGSによるPTEN状況の判定が、数人の患者をPTEN-コピーニュートラルとして誤って分類したことを示しており、これは、組織サンプルからNGSによって得た結果と一致しない。これに対し、ddPCR法は、組織サンプル結果と一律に一致した。腫瘍画分の推定は、LP-WGSデータのiCHOR CNA分析に由来した。
【国際調査報告】