(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-09
(54)【発明の名称】血管監視カラー
(51)【国際特許分類】
A61B 8/06 20060101AFI20230302BHJP
A61B 5/026 20060101ALI20230302BHJP
【FI】
A61B8/06
A61B5/026 140
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022534232
(86)(22)【出願日】2021-01-08
(85)【翻訳文提出日】2022-07-19
(86)【国際出願番号】 US2021012702
(87)【国際公開番号】W WO2021142262
(87)【国際公開日】2021-07-15
(32)【優先日】2020-01-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591013229
【氏名又は名称】バクスター・インターナショナル・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BAXTER INTERNATIONAL INCORP0RATED
(71)【出願人】
【識別番号】501453189
【氏名又は名称】バクスター・ヘルスケヤー・ソシエテ・アノニム
【氏名又は名称原語表記】Baxter Healthcare S.A.
【住所又は居所原語表記】Thurgauerstr.130 CH-8152 Glattpark (Opfikon) Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100140453
【氏名又は名称】戸津 洋介
(72)【発明者】
【氏名】グロフ, パティ, アン
(72)【発明者】
【氏名】ステューダー, ジェームズ, ダグラス
(72)【発明者】
【氏名】マクピーク, ダニエル, ロバート
(72)【発明者】
【氏名】コスレル, グラント, ロバート
(72)【発明者】
【氏名】コ, ベンジャミン, リー
(72)【発明者】
【氏名】ウィットコウスキー, シャノン, エム.
(72)【発明者】
【氏名】リッツォーニ, マリア, カテリーナ
【テーマコード(参考)】
4C017
4C601
【Fターム(参考)】
4C017AA11
4C017AB10
4C017AC23
4C601DD03
4C601DE01
4C601EE09
4C601EE11
4C601FF01
4C601FF02
4C601GA01
4C601GC01
4C601GC04
4C601GC07
(57)【要約】
血管監視システムは、患者の血管の周りに配置されるように構成されたカラーと、カラーに結合されるトランスデューサとを含む。カラーは、患者の血管の周りを包んで閉鎖形態に維持されるストラップによって、形成されてもよい。トランスデューサは、患者の血管を介して送信される超音波信号を放出するように構成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
血管監視システムであって、
患者の血管の周りに配置されるように構成されたカラーと、
前記カラーに結合されるトランスデューサであって、前記患者の血管を介して送信される超音波信号を放出するように構成された、トランスデューサと、
を備える、血管監視システム。
【請求項2】
前記カラーが、隣接する組織に縫合されて前記カラーを前記患者の血管の周りに固定的に配置するように適合された少なくとも1つの小穴を含む、請求項1に記載の血管監視システム。
【請求項3】
前記カラーが、前記トランスデューサを受け入れるようなサイズおよび形状にされたプローブホルダを含む、請求項1または2に記載の血管監視システム。
【請求項4】
前記トランスデューサが、前記プローブホルダとの摩擦嵌めによって前記カラーに結合される、請求項3に記載の血管監視システム。
【請求項5】
前記カラーが、40~80のデュロメータの、インプラントグレードの液状シリコンゴム(LSR)および高コンシステンシーシリコーンゴム(HCR)のうちの少なくとも1つで作られている、請求項1~4のいずれか一項に記載の血管監視システム。
【請求項6】
前記カラーが、前記患者の血管の吻合部位の周りに配置されるように構成されている、請求項1~5のいずれか一項に記載の血管監視システム。
【請求項7】
前記カラーが、前記患者の血管の吻合部位の上流および前記患者の血管の前記吻合部位の下流のうちの1つである位置に配置されるように構成されている、請求項1~5のいずれか一項に記載の血管監視システム。
【請求項8】
前記トランスデューサが、前記カラーに取り外し可能に結合される、請求項1~7のいずれか一項に記載の血管監視システム。
【請求項9】
血管カラーであって、
開口部を有する円筒形の本体部分であって、前記開口部が、患者の血管の周りに配置されるようなサイズおよび形状にされた内径を有する、本体部分と、
プローブホルダであって、トランスデューサを受け入れるように構成された、プローブホルダと、
少なくとも1つの取付けタブと、
を備える、血管カラー。
【請求項10】
前記内径が、1.0mm~4.0mmである、請求項9に記載の血管カラー。
【請求項11】
前記トランスデューサが、前記患者の血管を介して送信される超音波信号を放出するように構成されている、請求項9または10に記載の血管カラー。
【請求項12】
血管監視システムであって、
患者の血管の周りに配置されるように構成されたカラーであって、開放形態から閉鎖形態に移行するように構成された、カラーと、
前記カラーに結合されるトランスデューサであって、前記患者の血管を介して送信される超音波信号を放出するように構成された、トランスデューサと、
を備える、血管監視システム。
【請求項13】
前記カラーが、前記カラーを前記閉鎖形態に維持するように構成された少なくとも1つの閉鎖構造を含む、請求項12に記載の血管監視システム。
【請求項14】
前記少なくとも1つの閉鎖構造が、第1の小穴および第2の小穴を含む、請求項13に記載の血管監視システム。
【請求項15】
前記少なくとも1つの閉鎖構造が、隣接する組織に縫合されて前記カラーを前記患者の血管の周りに固定的に配置するように適合されている、請求項13または14に記載の血管監視システム。
【請求項16】
前記カラーが、前記トランスデューサを受け入れるようなサイズおよび形状にされたプローブホルダを含む、請求項12~15のいずれか一項に記載の血管監視システム。
【請求項17】
前記トランスデューサが、前記プローブホルダとの摩擦嵌めによって前記カラーに結合される、請求項16に記載の血管監視システム。
【請求項18】
前記カラーが、40~80のデュロメータの、インプラントグレードの液状シリコンゴム(LSR)および高コンシステンシーシリコーンゴム(HCR)のうちの少なくとも1つで作られている、請求項12~17のいずれか一項に記載の血管監視システム。
【請求項19】
前記カラーが、前記患者の血管の吻合部位の周りに配置されるように構成されている、請求項12~18のいずれか一項に記載の血管監視システム。
【請求項20】
前記カラーが、前記患者の血管の吻合部位の上流および前記患者の血管の前記吻合部位の下流のうちの1つである位置に配置されるように構成されている、請求項12~18のいずれか一項に記載の血管監視システム。
【請求項21】
前記トランスデューサが、前記カラーに取り外し可能に結合される、請求項12~20のいずれか一項に記載の血管監視システム。
【請求項22】
血管カラーであって、
開放形態から閉鎖形態に移行するように構成された本体部分であって、前記閉鎖形態において開口部を有し、前記開口部が、患者の血管の周りに配置されるようなサイズおよび形状にされた内径を有する、本体部分と、
プローブホルダであって、トランスデューサを受け入れるように構成された、プローブホルダと、
少なくとも1つの取付けタブと、
を備える、血管カラー。
【請求項23】
前記取付けタブが、前記開放形態から前記閉鎖形態に移行された後に前記カラーを前記閉鎖形態に保持するように適合された閉鎖特徴を含む、請求項22に記載の血管カラー。
【請求項24】
前記本体部分が、閉鎖力が前記カラーに加えられたときに前記本体部分が前記開放形態から前記閉鎖形態に移行することを可能にする可撓性/柔軟性の材料から作られている、請求項22または23に記載の血管カラー。
【請求項25】
血管監視システムであって、
患者の血管の周りに配置されるように構成されたストラップと、
前記患者の血管の周りで前記ストラップを閉鎖形態に維持するように構成された留め具と、
前記ストラップに結合されるトランスデューサであって、前記患者の血管を介して送信される超音波信号を放出するように構成された、トランスデューサと、
を備える、血管監視システム。
【請求項26】
前記ストラップが、隣接する組織に縫合されて前記ストラップを前記患者の血管の周りに固定的に配置するように適合された少なくとも1つの小穴を含む、請求項25に記載の血管監視システム。
【請求項27】
前記ストラップが、前記トランスデューサを受け入れるようなサイズおよび形状にされたプローブホルダを含む、請求項25または26に記載の血管監視システム。
【請求項28】
前記トランスデューサが、前記プローブホルダとの摩擦嵌めによって前記ストラップに結合される、請求項27に記載の血管監視システム。
【請求項29】
前記ストラップが、インプラントグレードの液状シリコンゴム(LSR)、高コンシステンシーシリコーンゴム(HCR)、HDPE、Nusil4750、Nusil4840、および熱可塑性物質のうちの少なくとも1つで作られている、請求項25~28のいずれか一項に記載の血管監視システム。
【請求項30】
前記ストラップが、前記ストラップの前記閉鎖形態において、前記患者の血管の吻合部位の周りに配置されるように構成されている、請求項25~29のいずれか一項に記載の血管監視システム。
【請求項31】
前記ストラップが、前記ストラップの前記閉鎖形態において、前記患者の血管の吻合部位の上流および前記患者の血管の前記吻合部位の下流のうちの1つである位置に配置されるように構成されている、請求項25~29のいずれか一項に記載の血管監視システム。
【請求項32】
前記トランスデューサが、カラーに取り外し可能に結合される、請求項25~31のいずれか一項に記載の血管監視システム。
【請求項33】
血管ストラップであって、
第1の端および第2の端を有する、細長いストラップ本体と、
前記第1の端の近くで始まって前記ストラップ本体に沿って配置された、複数のサイズ決め穴と、
前記ストラップ本体の前記第2の端に隣接して配置された、閉鎖突起であって、
前記閉鎖突起が、前記複数のサイズ決め穴のうちのサイズ決め穴を通して圧力嵌めされるようなサイズおよび形状にされており、
前記閉鎖突起が、前記サイズ決め穴を通して圧力嵌めされたときに、前記血管ストラップを閉鎖形態に維持するように構成されており、
前記閉鎖形態が、患者の血管の周りに配置されるようなサイズおよび形状にされた内径を有する円筒形の形状を形成する、閉鎖突起と、
プローブホルダであって、トランスデューサを受け入れるように構成された、プローブホルダと、
少なくとも1つの取付けタブと、
を備える、血管ストラップ。
【請求項34】
前記内径が、1.0mm~4.0mmである、請求項33に記載の血管ストラップ。
【請求項35】
前記トランスデューサが、前記患者の血管を介して送信される超音波信号を放出するように構成されている、請求項33または34に記載の血管ストラップ。
【請求項36】
血管監視システムであって、
開放形態から閉鎖形態に移行するように構成されたストラップであって、前記閉鎖形態にあるときにカラーを形成し、前記カラーが、患者の血管の周りに配置されるように構成された、ストラップと、
前記カラーに結合されるトランスデューサであって、前記患者の血管を介して送信される超音波信号を放出するように構成された、トランスデューサと、
を備える、血管監視システム。
【請求項37】
前記ストラップが、前記ストラップを前記閉鎖形態に維持するように構成された少なくとも1つの閉鎖構造を含む、請求項36に記載の血管監視システム。
【請求項38】
前記少なくとも1つの閉鎖構造が、締め具、留め具、およびバンドを含む、請求項37に記載の血管監視システム。
【請求項39】
前記少なくとも1つの閉鎖構造が、突起およびサイズ決め穴を含む、請求項37に記載の血管監視システム。
【請求項40】
前記ストラップが、前記トランスデューサを受け入れるようなサイズおよび形状にされたプローブホルダを含む、請求項36~39のいずれか一項に記載の血管監視システム。
【請求項41】
前記トランスデューサが、前記プローブホルダとの摩擦嵌めによって前記ストラップに結合される、請求項40に記載の血管監視システム。
【請求項42】
前記ストラップが、インプラントグレードの液状シリコンゴム(LSR)、高コンシステンシーシリコーンゴム(HCR)、HDPE、Nusil4750、Nusil4840、および熱可塑性物質のうちの少なくとも1つで作られている、請求項36~41のいずれか一項に記載の血管監視システム。
【請求項43】
血管ストラップであって、
ベース部分と、
前記ベース部分から延びるサドル部分であって、近位端と2つの各遠位端とを有する、サドル部分と、
前記サドル部分の前記各遠位端から延びる2つの各バンド部分であって、前記サドル部分および前記2つの各バンド部分が、患者の血管の周りに配置されるようなサイズおよび形状にされた、2つの各バンド部分と、
前記ベース部分内に形成されたプローブホルダであって、トランスデューサを受け入れるように構成された、プローブホルダと、
を備える、血管ストラップ。
【請求項44】
前記トランスデューサが、前記患者の血管を介して送信される超音波信号を放出するように構成されている、請求項43に記載の血管ストラップ。
【請求項45】
前記血管ストラップが、隣接する組織に縫合されて前記ストラップを前記患者の血管の周りに固定的に配置するように適合された少なくとも1つの小穴を含む、請求項43または44に記載の血管ストラップ。
【請求項46】
前記プローブホルダが、受口を含み、前記受口が、前記トランスデューサが前記プローブホルダの前記受口との摩擦嵌めによって前記ストラップに結合されるような、サイズおよび形状にされている、請求項43~45のいずれか一項に記載の血管ストラップ。
【請求項47】
カラーが、40~80のデュロメータの、インプラントグレードの液状シリコンゴム(LSR)および高コンシステンシーシリコーンゴム(HCR)のうちの少なくとも1つで作られている、請求項43~46のいずれか一項に記載の血管ストラップ。
【請求項48】
前記サドル部分および前記2つの各バンド部分が、前記血管ストラップが閉鎖されて血管の周りでカラーを形成したときに前記カラーの内径が1.0mm~4.0mmになるような、サイズにされている、請求項43~47のいずれか一項に記載の血管ストラップ。
【請求項49】
前記ストラップが、前記ストラップを閉鎖形態に維持するように構成された少なくとも1つの閉鎖構造を含む、請求項43~48のいずれか一項に記載の血管ストラップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]関連出願
本出願は、2020年1月10日に出願された「VASCULAR MONITORING COLLAR」と題する米国特許仮出願第62/959,587号および2020年6月11日に出願された「VASCULAR MONITORING COLLAR」と題する米国特許仮出願第63/037,772号の利益および優先権を主張し、これらは両方とも、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
[0002]整形および再建手術は、例えば乳房再建において、通常、遊離皮弁を使用する。遊離皮弁組織手術では、遊離皮弁(例えば、組織および/または筋肉、ならびにその組織および/または筋肉の関連する動脈および静脈)が、身体の1つの部分またはドナー部位から取り外されて、身体の別の部分またはレシピエント部位に再び付けられる。移植された組織および/または筋肉の、動脈および静脈は、次いで、移植された遊離皮弁(例えば、組織および/または筋肉)内の血液循環を達成するために、本来の動脈および静脈に吻合される。
【0003】
[0003]遊離皮弁組織を本来の組織に吻合することは、典型的には、顕微鏡可視化下を含む微小血管技術を使用して行われる。以前の年には、いくつかの外科用器具および技術が、吻合を補助するために開発されている。吻合を作り出すための1つの知られたシステムは、米国特許第7,192,400号明細書に記載されている吻合カプラであり、この米国特許第7,192,400号明細書の開示は、参照により本明細書に組み込まれる。この吻合カプラは、外科医がより容易かつ効果的に2つの血管端を互いに接合することを可能にする外科用器具である。カプラは、リングの形状の2つの締め具部分の使用を伴い、当該締め具部分上には、付けられる血管の切り口それぞれが固定される。各締め具部分にはまた、それら部分を、ひいては血管を互いに閉鎖して接続するために、一連のピン、およびそれらピンを受け入れるための対応する穴が設けられる。
【0004】
[0004]遊離皮弁手術は成功の歴史を有するが、皮弁不全という非常に望ましくない結果が依然として可能性として残っている。皮弁不全の主な原因のうちの1つは、遊離皮弁がレシピエント部位に再び付けられた後に皮弁組織に供給される血液の不足である。一般的に皮弁内の循環を妨害するものには、血管閉塞、出血、または感染が含まれる。皮弁組織に十分な血液が供給されないとき、組織壊死が生じる。しかしながら、皮弁が十分な循環を受けていないことを、十分に早期に認識できる場合、その皮弁は、保存または救済され得る。血流の不足が認識された後に皮弁を救済するための時間枠は、非常に小さい。したがって、移植された皮弁における血流のあらゆる不足を迅速に認識することが重要である。
【0005】
[0005]身体内に配置または留置される代わりに典型的にはペン状デバイスの遠位先端に恒久的に配置される、手持ち式ドップラプローブは、血流監視において有用であるが、それら手持ち式ドップラプローブは、いくつかの欠点にさいなまれている。手持ち式プローブの1つの欠点は、それら手持ち式プローブが、血管の周りに信頼性をもって配置することができないことである。
【0006】
[0006]微小血管手術後、血流が所望のレベルで維持されていることと、血栓症などの問題が起きていないこととを確認するために、手術部位を監視することが非常に重要である。血栓症が起きた場合、移植された組織は死ぬであろう。微小血管手術を受けた血管を通る血流の機能を監視する、他の間接的な手段も、たいてい不十分である。例えば、表面温度測定、経皮PO2監視、フォトプレチスモグラフィ、およびレーザードップラ流量計が使用されてきた。しかしながら、これらの手法は、一般に、皮弁のアクセス可能な露出部分を必要とする。さらに、埋没遊離組織移植、および口内の皮弁は、これらの方法によって効果的に監視することができない。
【発明の概要】
【0007】
[0007]本開示は、吻合部位における血管開存性を確認するために血流を検出することについてのアクセス性、検出および/または信頼性を改善するために、血管監視システム、デバイスおよび方法と共に使用することができる、改善された血管監視ストラップおよびカラーを提供する。
【0008】
[0008]本明細書に記載の主題の態様は、単独で、または本明細書に記載の1つ以上の他の態様との組合せにおいて、有用であり得る。本開示の第1の例示的な態様では、血管監視システムは、患者の血管の周りに配置されるように構成されたカラーと、カラーに結合されるトランスデューサとを含む。トランスデューサは、患者の血管を介して送信される超音波信号を放出するように構成される。
【0009】
[0009]前述の態様のいずれか1つ以上と組み合わせて使用することができる、本開示の別の例示的な態様によれば、カラーは、隣接する組織に縫合されてカラーを患者の血管の周りに固定的に配置するように適合された、少なくとも1つの小穴を含む。
【0010】
[0010]前述の態様のいずれか1つ以上と組み合わせて使用することができる、本開示の別の例示的な態様によれば、カラーは、トランスデューサを受け入れるようなサイズおよび形状にされたプローブホルダを含む。
【0011】
[0011]前述の態様のいずれか1つ以上と組み合わせて使用することができる、本開示の別の例示的な態様によれば、トランスデューサは、プローブホルダとの摩擦嵌めによってカラーに結合される。
【0012】
[0012]前述の態様のいずれか1つ以上と組み合わせて使用することができる、本開示の別の例示的な態様によれば、カラーは、40~80のデュロメータの、インプラントグレードの液状シリコンゴム(liquid-silicon rubber:「LSR」)および高コンシステンシーシリコーンゴム(high-consistency silicone rubber:「HCR」)のうちの少なくとも1つで作られる。
【0013】
[0013]前述の態様のいずれか1つ以上と組み合わせて使用することができる、本開示の別の例示的な態様によれば、カラーは、患者の血管の吻合部位の周りに配置されるように構成される。
【0014】
[0014]前述の態様のいずれか1つ以上と組み合わせて使用することができる、本開示の別の例示的な態様によれば、カラーは、患者の血管の吻合部位の上流および患者の血管の吻合部位の下流のうちの1つである位置に配置されるように構成される。
【0015】
[0015]前述の態様のいずれか1つ以上と組み合わせて使用することができる、本開示の別の例示的な態様によれば、トランスデューサは、カラーに取り外し可能に結合される。
【0016】
[0016]本明細書に記載の主題の態様は、単独で、または本明細書に記載の1つ以上の他の態様との組合せにおいて、有用であり得る。本開示の第2の例示的な態様では、血管カラーは、開口部を有する円筒形の本体部分であって、開口部が、患者の血管の周りに配置されるようなサイズおよび形状にされた内径を有する、本体部分を含む。血管カラーは、プローブホルダと、少なくとも1つの取付けタブと、も含む。プローブホルダは、トランスデューサを受け入れるように構成される。
【0017】
[0017]前述の態様のいずれか1つ以上と組み合わせて使用することができる、本開示の別の例示的な態様によれば、内径は、1.0mm~4.0mmである。
【0018】
[0018]前述の態様のいずれか1つ以上と組み合わせて使用することができる、本開示の別の例示的な態様によれば、トランスデューサは、患者の血管を介して送信される超音波信号を放出するように構成される。
【0019】
[0019]本明細書に記載の主題の態様は、単独で、または本明細書に記載の1つ以上の他の態様との組合せにおいて、有用であり得る。本開示の第3の例示的な態様では、血管監視システムは、患者の血管の周りに配置されるように構成されたカラーを含む。カラーは、開放形態から閉鎖形態に移行するように構成される。血管監視システムは、カラーに結合されるトランスデューサも含む。トランスデューサは、患者の血管を介して送信される超音波信号を放出するように構成される。
【0020】
[0020]前述の態様のいずれか1つ以上と組み合わせて使用することができる、本開示の別の例示的な態様によれば、カラーは、カラーを閉鎖形態に維持するように構成された少なくとも1つの閉鎖構造を含む。
【0021】
[0021]前述の態様のいずれか1つ以上と組み合わせて使用することができる、本開示の別の例示的な態様によれば、少なくとも1つの閉鎖構造は、第1の小穴および第2の小穴を含む。
【0022】
[0022]前述の態様のいずれか1つ以上と組み合わせて使用することができる、本開示の別の例示的な態様によれば、少なくとも1つの閉鎖構造は、隣接する組織に縫合されてカラーを患者の血管の周りに固定的に配置するように適合されている。
【0023】
[0023]前述の態様のいずれか1つ以上と組み合わせて使用することができる、本開示の別の例示的な態様によれば、カラーは、トランスデューサを受け入れるようなサイズおよび形状にされたプローブホルダを含む。
【0024】
[0024]前述の態様のいずれか1つ以上と組み合わせて使用することができる、本開示の別の例示的な態様によれば、トランスデューサは、プローブホルダとの摩擦嵌めによってカラーに結合される。
【0025】
[0025]前述の態様のいずれか1つ以上と組み合わせて使用することができる、本開示の別の例示的な態様によれば、カラーは、40~80のデュロメータの、インプラントグレードの液状シリコンゴム(liquid-silicon rubber:「LSR」)および高コンシステンシーシリコーンゴム(high-consistency silicone rubber:「HCR」)のうちの少なくとも1つで作られる。
【0026】
[0026]前述の態様のいずれか1つ以上と組み合わせて使用することができる、本開示の別の例示的な態様によれば、カラーは、患者の血管の吻合部位の周りに配置されるように構成される。
【0027】
[0027]前述の態様のいずれか1つ以上と組み合わせて使用することができる、本開示の別の例示的な態様によれば、カラーは、患者の血管の吻合部位の上流および患者の血管の吻合部位の下流のうちの1つである位置に配置されるように構成される。
【0028】
[0028]前述の態様のいずれか1つ以上と組み合わせて使用することができる、本開示の別の例示的な態様によれば、トランスデューサは、カラーに取り外し可能に結合される。
【0029】
[0029]本明細書に記載の主題の態様は、単独で、または本明細書に記載の1つ以上の他の態様との組合せにおいて、有用であり得る。本開示の第4の例示的な態様では、血管カラーは、開放形態から閉鎖形態に移行するように構成された本体部分を含む。本体部分は、閉鎖形態において開口部を有し、開口部は、患者の血管の周りに配置されるようなサイズおよび形状にされた内径を有する。血管カラーは、プローブホルダと、少なくとも1つの取付けタブと、も含む。プローブホルダは、トランスデューサを受け入れるように構成される。
【0030】
[0030]前述の態様のいずれか1つ以上と組み合わせて使用することができる、本開示の別の例示的な態様によれば、取付けタブは、開放形態から閉鎖形態に移行された後にカラーを閉鎖形態に保持するように適合された閉鎖特徴を含む。
【0031】
[0031]前述の態様のいずれか1つ以上と組み合わせて使用することができる、本開示の別の例示的な態様によれば、本体部分は、閉鎖力がカラーに加えられたときに本体部分が開放形態から閉鎖形態に移行することを可能にする可撓性/柔軟性の材料から作られる。
【0032】
[0032]本明細書に記載の主題の態様は、単独で、または本明細書に記載の1つ以上の他の態様との組合せにおいて、有用であり得る。本開示の第5の例示的な態様では、血管監視システムは、患者の血管の周りに配置されるように構成されたストラップと、患者の血管の周りでストラップを閉鎖形態に維持するように構成された留め具と、ストラップに結合されるトランスデューサとを含む。トランスデューサは、患者の血管を介して送信される超音波信号を放出するように構成される。
【0033】
[0033]前述の態様のいずれか1つ以上と組み合わせて使用することができる、本開示の別の例示的な態様によれば、ストラップは、隣接する組織に縫合されてストラップを患者の血管の周りに固定的に配置するように適合された、少なくとも1つの小穴を含む。
【0034】
[0034]前述の態様のいずれか1つ以上と組み合わせて使用することができる、本開示の別の例示的な態様によれば、ストラップは、トランスデューサを受け入れるようなサイズおよび形状にされたプローブホルダを含む。
【0035】
[0035]前述の態様のいずれか1つ以上と組み合わせて使用することができる、本開示の別の例示的な態様によれば、トランスデューサは、プローブホルダとの摩擦嵌めによってストラップに結合される。
【0036】
[0036]前述の態様のいずれか1つ以上と組み合わせて使用することができる、本開示の別の例示的な態様によれば、ストラップは、インプラントグレードの液状シリコンゴム(「LSR」)、高コンシステンシーシリコーンゴム(「HCR」)、高密度ポリエチレン(high density polyethylene:「HDPE」)、Nusil4750、Nusil4840、および熱可塑性物質のうちの少なくとも1つのうちの少なくとも1つで作られる。
【0037】
[0037]前述の態様のいずれか1つ以上と組み合わせて使用することができる、本開示の別の例示的な態様によれば、ストラップは、そのストラップの閉鎖形態において、患者の血管の吻合部位の周りに配置されるように構成される。
【0038】
[0038]前述の態様のいずれか1つ以上と組み合わせて使用することができる、本開示の別の例示的な態様によれば、ストラップは、そのストラップの閉鎖形態において、患者の血管の吻合部位の上流および患者の血管の吻合部位の下流のうちの1つである位置に配置されるように構成される。
【0039】
[0039]前述の態様のいずれか1つ以上と組み合わせて使用することができる、本開示の別の例示的な態様によれば、トランスデューサは、カラーに取り外し可能に結合される。
【0040】
[0040]本明細書に記載の主題の態様は、単独で、または本明細書に記載の1つ以上の他の態様との組合せにおいて、有用であり得る。本開示の第6の例示的な態様では、血管ストラップは、第1の端および第2の端を有する、細長いストラップ本体と、第1の端の近くで始まってストラップ本体に沿って配置された、複数のサイズ決め穴と、ストラップ本体の第2の端に隣接して配置された、閉鎖突起とを含む。閉鎖突起は、複数のサイズ決め穴のうちのサイズ決め穴を通して圧力嵌めされるようなサイズおよび形状にされており、閉鎖突起は、サイズ決め穴を通して圧力嵌めされたときに、血管ストラップを閉鎖形態に維持するように構成される。閉鎖形態は、患者の血管の周りに配置されるようなサイズおよび形状にされた内径を有する円筒形の形状を形成する。さらに、血管ストラップは、プローブホルダと、少なくとも1つの取付けタブとを含む。プローブホルダは、トランスデューサを受け入れるように構成される。
【0041】
[0041]前述の態様のいずれか1つ以上と組み合わせて使用することができる、本開示の別の例示的な態様によれば、内径は、1.0mm~4.0mmである。
【0042】
[0042]前述の態様のいずれか1つ以上と組み合わせて使用することができる、本開示の別の例示的な態様によれば、トランスデューサは、患者の血管を介して送信される超音波信号を放出するように構成される。
【0043】
[0043]本明細書に記載の主題の態様は、単独で、または本明細書に記載の1つ以上の他の態様との組合せにおいて、有用であり得る。本開示の第7の例示的な態様では、血管監視システムは、開放形態から閉鎖形態に移行するように構成されたストラップを含む。ストラップは、閉鎖形態にあるときにカラーを形成し、カラーは、患者の血管の周りに配置されるように構成される。血管監視システムは、カラーに結合されるトランスデューサも含む。さらに、トランスデューサは、患者の血管を介して送信される超音波信号を放出するように構成される。
【0044】
[0044]前述の態様のいずれか1つ以上と組み合わせて使用することができる、本開示の別の例示的な態様によれば、ストラップは、ストラップを閉鎖形態に維持するように構成された少なくとも1つの閉鎖構造を含む。
【0045】
[0045]前述の態様のいずれか1つ以上と組み合わせて使用することができる、本開示の別の例示的な態様によれば、少なくとも1つの閉鎖構造は、締め具、留め具、およびバンドを含む。
【0046】
[0046]前述の態様のいずれか1つ以上と組み合わせて使用することができる、本開示の別の例示的な態様によれば、少なくとも1つの閉鎖構造は、突起およびサイズ決め穴を含む。
【0047】
[0047]前述の態様のいずれか1つ以上と組み合わせて使用することができる、本開示の別の例示的な態様によれば、ストラップは、トランスデューサを受け入れるようなサイズおよび形状にされたプローブホルダを含む。
【0048】
[0048]前述の態様のいずれか1つ以上と組み合わせて使用することができる、本開示の別の例示的な態様によれば、トランスデューサは、プローブホルダとの摩擦嵌めによってストラップに結合される。
【0049】
[0049]前述の態様のいずれか1つ以上と組み合わせて使用することができる、本開示の別の例示的な態様によれば、ストラップは、インプラントグレードの液状シリコンゴム(「LSR」)、高コンシステンシーシリコーンゴム(「HCR」)、高密度ポリエチレン(「HDPE」)、Nusil4750、Nusil4840、および熱可塑性物質のうちの少なくとも1つで作られる。
【0050】
[0050]本明細書に記載の主題の態様は、単独で、または本明細書に記載の1つ以上の他の態様との組合せにおいて、有用であり得る。本開示の第8の例示的な態様では、血管ストラップは、ベース部分と、ベース部分から延びるサドル部分とを含む。サドル部分は、近位端と2つの各遠位端とを有する。血管ストラップは、サドル部分の各遠位端から延びる2つの各バンド部分も含む。サドル部分および2つの各バンド部分は、患者の血管の周りに配置されるようなサイズおよび形状にされている。さらに、血管ストラップは、ベース部分内に形成されたプローブホルダであって、プローブホルダが、トランスデューサを受け入れるように構成された、プローブホルダを含む。
【0051】
[0051]前述の態様のいずれか1つ以上と組み合わせて使用することができる、本開示の別の例示的な態様によれば、トランスデューサは、患者の血管を介して送信される超音波信号を放出するように構成される。
【0052】
[0052]前述の態様のいずれか1つ以上と組み合わせて使用することができる、本開示の別の例示的な態様によれば、血管ストラップは、隣接する組織に縫合されてストラップを患者の血管の周りに固定的に配置するように適合された、少なくとも1つの小穴を含む。
【0053】
[0053]前述の態様のいずれか1つ以上と組み合わせて使用することができる、本開示の別の例示的な態様によれば、プローブホルダは、受口でを含み、受口が、トランスデューサがプローブホルダの受口との摩擦嵌めによってストラップに結合されるような、サイズおよび形状にされたている。
【0054】
[0054]前述の態様のいずれか1つ以上と組み合わせて使用することができる、本開示の別の例示的な態様によれば、カラーは、40~80のデュロメータの、インプラントグレードの液状シリコンゴム(liquid-silicon rubber:「LSR」)および高コンシステンシーシリコーンゴム(high-consistency silicone rubber:「HCR」)のうちの少なくとも1つで作られる。
【0055】
[0055]前述の態様のいずれか1つ以上と組み合わせて使用することができる、本開示の別の例示的な態様によれば、サドル部分および2つの各バンド部分は、血管ストラップが閉鎖されて血管の周りでカラーを形成したときにカラーの内径が1.0mm~4.0mmになるような、サイズにされている。
【0056】
[0056]前述の態様のいずれか1つ以上と組み合わせて使用することができる、本開示の別の例示的な態様によれば、ストラップは、ストラップを閉鎖形態に維持するように構成された少なくとも1つの閉鎖構造を含む。
【0057】
[0057]したがって、本開示の利点は、血流データのアクセス性を改善することである。
【0058】
[0058]本開示の別の利点は、血管開存性を確認するための血流の検出を改善することである。
【0059】
[0059]本開示の別の利点は、吻合部位における血流の遠隔監視を実現することである。
【0060】
[0060]その上、本開示のさらなる利点は、遊離皮弁内の不十分な血流に起因する、遊離皮弁不全および重篤な有害事象の発生を低減することである。
【0061】
[0061]本開示のさらに別の利点は、遊離皮弁内の不十分な血流または循環の早期検出のためのシステム、デバイス、および/または方法を提供することである。
【0062】
[0062]開示された血管監視カラーの追加の特徴および利点は、以下の詳細な説明および図に記載されており、かつそれらから明らかになるであろう。本明細書に記載の特徴および利点は、すべてを含むものではなく、特に、多くの追加の特徴および利点は、図および説明を考慮すると当業者には明らかであろう。また、いずれの特定の実施形態も、本明細書に列挙された利点のすべてを有する必要はない。さらに、本明細書で使用される言葉は、主に読みやすさおよび教授目的のために選択されており発明の主題の範囲を限定するためではないということに、留意すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【
図1】本開示の例示的な実施形態によるプローブリードワイヤシステムの概略図である。
【
図2】本開示の例示的な実施形態による、カラーに結合されたトランスデューサを有する、血管カラーの斜視図である。
【
図3A】本開示の例示的な実施形態による、一の状態の、患者の血管の周りに配置される血管カラーおよびトランスデューサを示す図である。
【
図3B】本開示の例示的な実施形態による、別の状態の、患者の血管の周りに配置される血管カラーおよびトランスデューサを示す図である。
【
図3C】本開示の例示的な実施形態による、さらに別の状態の、患者の血管の周りに配置される血管カラーおよびトランスデューサを示す図である。
【
図4A】本開示の例示的な実施形態による、カラーに結合されたトランスデューサを有する、開放形態にある別の例示的な血管カラーの斜視図である。
【
図4B】本開示の例示的な実施形態による、閉鎖形態にある
図4Aの斜視図血管カラーである。
【
図5A】本開示の例示的な実施形態による、一の状態の、患者の血管の周りに配置される血管カラーおよびトランスデューサを示す図である。
【
図5B】本開示の例示的な実施形態による、別の状態の、患者の血管の周りに配置される血管カラーおよびトランスデューサを示す図である。
【
図5C】本開示の例示的な実施形態による、さらに別の状態の、患者の血管の周りに配置される血管カラーおよびトランスデューサを示す図である。
【
図6】本開示の例示的な実施形態による、血管カラーを形成する血管ストラップの斜視図である。
【
図7A】本開示の例示的な実施形態による、血管カラーを形成する血管ストラップの斜視図である。
【
図7B】本開示の例示的な実施形態による、血管カラーを形成する血管ストラップの正面図である。
【
図7C】本開示の例示的な実施形態による、7C-7C線に沿った
図7Bの血管ストラップの断面図である。
【
図8A】本開示の例示的な実施形態による、一の状態の、血管カラーを形成するために患者の血管の周りに配置される血管ストラップおよびトランスデューサを示す図である。
【
図8B】本開示の例示的な実施形態による、別の状態の、血管カラーを形成するために患者の血管の周りに配置される血管ストラップおよびトランスデューサを示す図である。
【
図9A】本開示の例示的な実施形態による、一の状態の、血管カラーを形成するために患者の血管の周りに配置される血管ストラップおよびトランスデューサを示す図である。
【
図9B】本開示の例示的な実施形態による、別の状態の、血管カラーを形成するために患者の血管の周りに配置される血管ストラップおよびトランスデューサを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0064】
[0075]上述したように、血管監視カラーは、吻合部位における血管開存性を確認するために血流を検出することについての、アクセス性、検出、および/または信頼性を改善するために設けられる。遊離皮弁手術は成功の歴史を有するが、皮弁不全という非常に望ましくない結果が依然として可能性として残っている。皮弁不全の主な原因のうちの1つは、遊離皮弁がレシピエント部位に再び付けられた後に皮弁組織に供給される血液の不足である。一般的に皮弁内の循環を妨害するものには、血管閉塞、出血、または感染が含まれる。皮弁組織に十分な血液が供給されないとき、組織壊死が生じる。しかしながら、好適には、本明細書に開示される血管監視カラーは、組織壊死の前に遊離皮弁が保存または救済され得るように、遊離皮弁内の不十分な血流または循環の早期検出を可能する。
【0065】
[0076]上記の血管監視カラーを使用して、吻合部位、吻合部位の上流、または吻合部位の下流で血流を監視して、遊離皮弁移植微小血管再建などの外科的処置の血管開存性を確認することができる。病院の手術室または麻酔後回復室などの様々な環境で監視システムと共にカラーを使用して、手術中および手術後の両方で、血流を検出し血管開存性を確認する(現場または遠隔で)ことができる。遊離皮弁移植を使用して、患者自身の組織を使用して癌のための手術および損傷から身体部分を造り直すことができる。例には、乳房再建、舌再建、顎および頬再建、外傷損傷後の手および足再建などが含まれる。典型的には、微小血管吻合は、皮弁の成功を決定する、手術の重要なポイントである。吻合部位での血流の監視機能を提供することによって、本明細書に開示される血管監視カラーは、皮弁組織内の低血流または血流不足の早期検出を可能にし、それによって、医師(例えば外科医)が、壊死が起こり遊離皮弁が使用不可能になる前に、修正措置をとることを可能にする。
【0066】
[0077]血管監視カラーは、国際出願US2018/061191号明細書(「Vascular Monitoring System,Device and Method」)に記載されているものなどの、複数構成要素プローブシステムを含む流れ監視システムと共に使用することができ、この国際出願US2018/061191号明細書の開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0067】
[0078]
図1に示すように、プローブアセンブリ100は、プローブ監視システムに接続され得る、プローブコネクタ110を含むことができる。プローブアセンブリ100はまた、患者の身体または衣服への(例えば縫合糸を介した)取付けのために構成された、縫合糸スリーブ120を含むことができる。縫合糸スリーブ120は、ヒトの皮膚との接触に適した医療グレードの材料、例えばUSPグレードVまたはVIの材料で構成することができる。例えばパッチおよび接着パッドの使用を含む、様々な代替のアプローチを使用して、プローブアセンブリ100を皮膚に取り付けるかまたは導くことができる。縫合糸スリーブ120、接着パッド、または代替のアプローチは、パッドまたは代替のアプローチを皮膚から取り外すのに必要な力がプローブを取り外すのに必要な力よりも大きくなければならないように、皮膚に取り付けられてもよい。
【0068】
[0079]プローブコネクタ110から延びるのは、プローブワイヤ130である。プローブワイヤ130の端には、カラー(
図2から
図8Bを参照されたい)および/またはカラー内に結合(例えば圧力嵌め)されたドップラプローブもしくはトランスデューサなどの、「プローブの端」構成要素140がある。一例では、「プローブの端」構成要素140は、別個のカラーに取り外し可能に結合されたトランスデューサを含むことができる。別の例では、「プローブの端」構成要素140は、カラーおよびトランスデューサアセンブリ(
図2から
図8Bを参照されたい)であってもよい。
【0069】
[0080]
図2は、例示的な「プローブの端」構成要素140aを示す。
図2に示すように、カラー200は、小穴210aおよび210bを含むことができ、当該小穴210aおよび210bは、臨床医のための把持面を提供するのであり、
図3Bおよび
図3Cにさらに示すようにカラー200を隣接する組織に固定することも可能にする。カラー200は、ドップラプローブまたはトランスデューサ230を受け入れるように構成された、プローブホルダ220も含む。一例では、ドップラプローブまたはトランスデューサ230は、プローブホルダ220内に圧力嵌めされてもよい。プローブホルダ220は、カラー200の長手方向軸に対して所定の距離および所定の角度でドップラプローブまたはトランスデューサ230を取り外し可能に保持するように構成された、受口を含むことができる。プローブホルダ220の受口は、八角形または六角形の輪郭を有してもよい。例えば、八角形または六角形の輪郭は、ドップラプローブまたはトランスデューサ230との摩擦係合のための、複数の面を提供することができる。一例では、ドップラプローブまたはトランスデューサの角度は、おおよそ、カラー200の平坦な端面から30度、したがってカラー200の長手方向軸から120度であってもよい。別の例では、角度は、カラー200の平坦な端面から30度~60度、したがってカラー200の長手方向軸から120~150度であってもよい。
【0070】
[0081]
図2に示すように、カラー200は、内径(D
C)240と、カラー幅(W
C)250とを有する。カラー200は、同様のサイズの血管(例えば、動脈または静脈)上にそのカラー200が嵌まるような、サイズおよび形状(例えばリング形状)にされてもよい。例えば、カラー200は、1.0mm~4.0mmの内径(D
C)240を有してもよい。カラー幅(W
C)250は、血管上での安定性をもたらすために2.5mm~5.0mmであってもよい。
【0071】
[0082]カラー200は、インプラントグレードの液状シリコンゴム(「LSR」)または高コンシステンシーシリコーンゴム(「HCR」)などの、シリコーンから作られてもよい。シリコーンは、40~80のデュロメータ(例えば、ショアA)および240~350ppiの引裂強さを有してもよい。上述のシリコーンは、カラー200が血管表面に適合することを可能にする。他の例では、カラー200は、高密度ポリエチレン(「HDPE」)から作られてもよい。あるいは、カラー200は、Nusil4750、Nusil4840、熱可塑性物質などから作られてもよい。カラー200は、他の可撓性または柔軟性の材料から作られてもよい。一例では、カラー200は、患者内に恒久的に埋め込まれる。さらに、カラーはまた、生体吸収性であってもよい。
【0072】
[0083]
図3A、
図3Bおよび
図3Cに示すように、カラー200のサイズおよび形状(例えば、リング形状である)は、同様のサイズの血管(例えば、動脈または静脈)上にカラー200が嵌まるように、適合されている。上述したように、カラーは、1.0mm~4.0mmの内径(D
C)240を有してもよい。一例では、カラー200の内径(D
C)240は、0.5mmサイズ刻みで提供されてもよい。カラー200は、顕微外科的および血管再建処置において通常遭遇する血管(例えば、静脈および動脈)に対応するようなサイズおよび形状にされていてもよく、かつ末梢血管系におけるそのような静脈および動脈の端々吻合に適合されていることが、理解されるべきである。例えば、
図3Aおよび
図3Bは、吻合の前に血管300の上に、かつその血管300に沿って前進させて配置されているカラー200を示す。カラー200は、カラー200が吻合部位、吻合部位の上流、または吻合部位の下流に位置付けられるように、吻合部位の近くに配置されてもよい。カラー200が、血管300に沿ってそのカラー200の意図された位置に配置された後、カラー200は、小穴210aおよび210bを隣接する組織に縫合することによって、隣接する組織に固定されてもよい。小穴210aおよび210bを隣接する組織に縫合することによって、
図3Cに示すようにドップラプローブ230の取り外しのための歪み緩和をもたらすのが有効であり得る。
図3Bおよび
図3Cは、カラー200、およびより詳細には小穴210aおよび210bを隣接する組織に取り付ける手段として、縫合糸305を示す。ステープル、クリップなどの他の取付け手段を使用してもよいことが理解されるべきである。
【0073】
[0084]
図4Aおよび
図4Bは、別の例示的な「プローブの端」構成要素140a、および例示的なカラー200を示す。
図4Aは、開放形態のカラー200を示し、一方、
図4Bは、閉鎖形態のカラー200を示す。
図2に示すカラー200と同様に、
図4Aおよび
図4Bに示すカラー200は、小穴210aおよび210bを含むことができ、当該小穴210aおよび210bは、臨床医のための把持面を提供するのであり、カラー200を隣接する組織に固定することも可能にする。例えば、臨床医は、カラー200を配置するとき、ピンセット、鉗子、または他の医療用具で小穴210aおよび/または210bを把持することができる。カラー200が所定の位置になった後、臨床医は、小穴210a、bを一緒に締め付けてカラー200を閉鎖して、2つの小穴210a、bを一緒に縫合してカラー200を閉鎖形態(
図5Bを参照されたい)で維持することができる。カラー200が血管の周りで閉鎖された後、臨床医は、小穴210aおよび/または210bを近くの組織に縫合することができる。カラー200は、ドップラプローブまたはトランスデューサ230を受け入れるように構成された、プローブホルダ220も含む。一例では、ドップラプローブまたはトランスデューサ230は、プローブホルダ220内に圧力嵌めされてもよい。プローブホルダ220は、カラー200が閉鎖形態にあるときに、カラー200の長手方向軸に対して所定の距離および所定の角度でドップラプローブまたはトランスデューサ230を取り外し可能に保持するように構成された、受口を含むことができる。一例では、ドップラプローブまたはトランスデューサ230の角度は、カラー200が閉鎖形態にあるとき、おおよそ、カラー200の平坦な端面から30度、したがってカラー200の長手方向軸から150度であってもよい。別の例では、角度は、カラー200の平坦な端面から30度~60度、したがってカラー200の長手方向軸から120~150度であってもよい。
【0074】
[0085]カラー200は、カラー200が開放形態と閉鎖形態との間で移行することを可能にする、可撓性または柔軟性の材料から作られてもよい。一例では、カラー200は、患者内に恒久的に埋め込まれる。さらに、カラー200はまた、生体吸収性であってもよい。例えば、
図4A、
図4B、
図5A、
図5B、および
図5Cに示すカラー200は、
図2、
図3A、
図3B、および
図3Cに示すカラー200と同じ材料特性を有してもよい。
【0075】
[0086]
図4Aに示すように、カラー200は、開放形態で始まるのであり、血管が吻合のために切断されてもいないし切られてもいない場合でも、血管に沿って配置され得る。例えば、カラー200を、切られていない血管に沿って配置して、その血管を通る血流を監視することができる。
図4Aおよび
図4Bに示すカラー200はまた、吻合の前に、または吻合が完了した後に血管に沿って前進させることができ、これは、好適に、外科手術中の融通性を与える。
図2、
図3A、
図3B、および
図3Cに示すカラー200と同様に、
図4Aおよび
図4Bのカラー200は、そのカラー200が吻合部位、吻合部位の上流、または吻合部位の下流に位置付けられるように、吻合部位の近くに配置されてもよい。
【0076】
[0087]
図5A、
図5Bおよび
図5Cは、カラー200を血管300上に配置することを示している。カラー200は、同様のサイズの血管300(例えば、動脈または静脈)上にカラー200が嵌まるような、サイズおよび形状(例えばクリップ形状)にされてもよい。例えば、カラー200は、閉鎖形態にあるとき、
図2のカラー200の内径と同様の、1.0mm~4.0mmの内径(D
C)240を有してもよい。一例では、閉鎖位置にあるカラー200の内径(D
C)240は、0.5mmサイズ刻みで提供されてもよい。カラー200は、顕微外科的および血管再建処置において通常遭遇する血管(例えば、静脈および動脈)に対応するようなサイズおよび形状にされていてもよく、かつ末梢血管系におけるそのような静脈および動脈の端々吻合に適合されていることが、理解されるべきである。カラー200が、血管300に沿ってそのカラー200の意図された位置に配置された後、カラー200は、カラー200が閉鎖形態にあるままとなるように、小穴210a、bを一緒に縫合することによって閉鎖されてもよい。カラー200はまた、小穴210aおよび/または210bを隣接する組織に縫合することによって、隣接する組織に固定されてもよい。小穴210a、bを隣接する組織に縫合することによって、
図5Cに示すようにドップラプローブ230の取り外しのための歪み緩和をもたらすのが有効であり得る。
図5Bおよび
図5Cは、カラー200を閉鎖形態に維持する手段として、縫合糸305を示す。カラー200を閉鎖形態に維持するために、ステープル、クリップなどの他の取付け手段を使用してもよいことが理解されるべきである。
【0077】
[0088]
図6は、カラーまたはストラップの別の実施形態600aを示す。例えば、
図6に示すように、ストラップ600aは、小穴610を含むことができ、当該小穴610は、臨床医のための把持面を提供するのであり、カラーまたはストラップ600aを隣接する組織に固定することも可能にする。カラーまたはストラップ400は、ドップラプローブまたはトランスデューサ230を受け入れるように構成された、プローブホルダ220も含む。
図2から
図5Cにおいて説明した実施形態と同様に、ドップラプローブまたはトランスデューサ230は、プローブホルダ220内に圧力嵌めされてもよい。上述したように、プローブホルダ220は、ストラップ600aが血管の周りで閉鎖されているときに、カラーまたはストラップ600aの長手方向軸に対して所定の距離および所定の角度でドップラプローブまたはトランスデューサ230を取り外し可能に保持するように構成された、受口620を含むことができる。プローブホルダ220の受口620は、
図2から
図5Cに示すプローブホルダと同様のサイズおよび形状にされてもよい。例えば、プローブホルダ220は、ドップラプローブまたはトランスデューサ230との摩擦係合のための複数の面を提供する、八角形または六角形の輪郭を有してもよい。一例では、ドップラプローブまたはトランスデューサ230の角度は、ストラップ600aが血管の周りで閉鎖されているとき、おおよそ、カラーまたはストラップ600aの平坦な端面から30度~60度、したがってストラップ600aによって形成されるカラーの長手方向軸から120度~150度であってもよい。
【0078】
[0089]カラーまたはストラップ600aは、高密度ポリエチレン(「HDPE」)から作られてもよい。一例では、ストラップ600aは、インプラントグレードの液状シリコンゴム(「LSR」)または高コンシステンシーシリコーンゴム(「HCR」)などの、シリコーンから作られてもよい。シリコーンは、40~80のデュロメータ(例えば、ショアA)および240~350ppiの引裂強さを有してもよい。上述のシリコーンは、血管の周りでストラップ600aを閉鎖することに関連する応力に耐えることができる堅牢な材料を提供しながら、カラーまたはストラップが血管表面に適合することを可能にする。他の例では、ストラップ600aは、Nusil4750、Nusil4840、熱可塑性物質などから作られてもよい。ストラップ600aは、ストラップ600aが患者の血管の周りを包むように適合されるように、他の可撓性または柔軟性の材料から作られてもよい。一例では、ストラップ600aは、患者内に恒久的に埋め込まれるのであり、生体吸収性であってもよい。
【0079】
[0090]ストラップ600aが患者の血管の周りを包んでそのストラップ600aの閉鎖位置で維持されると、ストラップ600aは、閉鎖されたカラーに類似していてもよい。ストラップ600aは、ストラップ幅(W
S)650およびストラップ長さ(L
S)660を有する。ストラップ幅(W
S)は、血管上での安定性をもたらすために2.5mm~5.0mmであってもよい。ストラップ長さ(L
S)660は、ストラップ600aが血管の周りを包むことができるように十分に長くてもよく、ストラップ長さ(L
S)660はまた、閉鎖のために十分な長さを有してもよい(
図8Aおよび
図8Bを参照されたい)。例えば、ストラップ600aは、閉鎖されたときにストラップ600aがカラーを形成するような、サイズおよび形状にされていてもよく、当該カラーは、同様のサイズの血管(例えば、動脈または静脈)上に嵌まる。例えば、閉鎖されたストラップ600aによって形成されるカラーは、1.0mm~4.0mmの内径を有してもよい。一例では、ストラップ600aは、異なる血管サイズ(例えば、約0.5mm刻みで異なる血管サイズ)に対応するために約1.5mm刻みで提供されてもよい。ストラップ600aは、顕微外科的および血管再建処置において通常遭遇する血管(例えば、静脈および動脈)に対応するようなサイズおよび形状にされていてもよく、かつ末梢血管系におけるそのような静脈および動脈の端々吻合に適合されていることが、理解されるべきである。
【0080】
[0091]
図7A、
図7Bおよび
図7Cは、ストラップの別の例示的な実施形態600bを示す。ストラップ600bは、ベース部分710、サドル部分720、およびバンド部分730を含むことができる。プローブホルダ220は、ベース部分710の一部として形成されていてもよく、当該ベース部分710は、ストラップ600bに安定性をもたらし、ストラップ600bを操作して位置決めするときに臨床医のための把持面も提供する。サドル部分720は、近位端722と、2つの遠位端724a、bそれぞれとを有する。サドル部分720は、サドル部分の近位端722において、ベース部分710から延びてもよい。各端でサドル部分720から延びるのは、各バンド部分730である。例えば、サドル部分720の遠位端724a、bそれぞれから、対応する各バンド部分730が延びてもよい。
【0081】
[0092]サドル部分720と各バンド部分730とは、接合部725(例えば、サドル部分720の遠位端724a、bそれぞれ)で接触してもよい。ストラップ600bが最も開放された形態に広げられたとき、ストラップ600bの第1の端は、バンド部分730であり、サドル部分720の第1の部分、およびベース部分710が続き、次いでストラップ600bは、サドル部分730の第2の部分、および別の各バンド部分730に続く。
【0082】
[0093]一例では、サドル部分720は、ベース部分710から外側へ延び、血管の一部への接触面740を形成する。接触面740は、ボウル状またはたらい状の面を作り出す、反転されているかまたは逆さまのサドルのような形状にされてもよい。例えば、サドル部分720は、予め形成された接触面740を作り出すのに十分な剛性を維持しながら、可撓性であってもよい。あるいは、サドル部分720およびバンド部分730は、接触面740が水平面に隣接するときにストラップ600bが水平面に平坦に置かれるように、十分に可撓性かつ弾性であってもよい。
【0083】
[0094]
図7Bおよび
図7Cに示すように、ベース部分710は、高さ(H
BASE)750および幅(W
BASE)760を有する。高さ(H
BASE)750は、約2.25mmであってもよく、幅(W
BASE)760は、2.5mm~5.0mmであってもよい。より広幅のベース部分710は、血管上でのさらなる安定性をもたらすために実現されてもよい。
【0084】
[0095]さらに、サドル部分720は、約2.65mmであり得る、高さ(H
S)752を有する。(例えば接合部725における)サドル部分720の各端の間の距離764は、約4.0mmであってもよい。バンド部分730は、約6.0mmであり得る、高さ(H
BAND)754を有する。(
図7Bに示すように)ストラップ600bが弛緩位置にあって、特にサドル部分720がそのサドル部分720の形状を保持しているとき、バンド部分730の各端の間の距離766は、約5.0mmであってもよい。
【0085】
[0096]バンド部分は、約0.1mm~約0.3mmの壁厚(TBAND)770を有してもよい。壁厚(TBAND)770は、ストラップ600bのための閉鎖機構に基づいて選択され構成されてもよい。例えば、異なる閉鎖締め具は、異なる壁厚に適合し得る。さらに、壁厚(TBAND)770は、ストラップ600bの柔軟性、剛性、および/または耐久性を増加または減少させるように選択することができる。ストラップ600bは、約2.5mm~5.0mmの、バンド部分730の端の幅(WSTRAP)762を有してもよい。壁厚(TBAND)770と同様に、幅(WSTRAP)762は、ストラップ600bの柔軟性、剛性、および/または耐久性を増加または減少させるように選択することができる。さらに、幅(WSTRAP)762は、ストラップ600bのための閉鎖機構に基づいて選択され構成されてもよい。例えば、異なる閉鎖締め具は、異なるストラップ幅に適合し得る。
【0086】
[0097]サドル部分720およびバンド部分730の寸法は、異なる血管サイズのために調節することができる。例えば、バンド部分は、1.0mm~4.0mmの血管径を有する血管の周りでストラップ600bが閉鎖された後に、適切な閉鎖面を提供するのに十分な高さを有してもよい。ストラップ600abは、顕微外科的および血管再建処置において通常遭遇する血管(例えば、静脈および動脈)に対応するようなサイズおよび形状にされていてもよく、かつ末梢血管系におけるそのような静脈および動脈の端々吻合に適合されていることが、理解されるべきである。
【0087】
[0098]
図Bの7C-7C線に関する断面図である
図7Cに示すように、プローブホルダ220の受口620は、円筒形移行領域780を有する円錐形輪郭を有してもよい。円筒形移行領域780の直径は、0.015インチ~0.030インチ(例えば0.38mm~0.76mm)であってもよい。より小さい直径を有する円筒形移行領域780は、対応するドップラプローブまたはトランスデューサ230に対する、よりきつい握りまたは締付けを実現し得る。プローブホルダ220は、閉鎖されたストラップ600bによって形成されたカラーの長手方向軸から120~150度の角度782に向けられていてもよい。
【0088】
[0099]
図8Aおよび
図8Bは、ストラップ600aまたはストラップ600bなどのストラップを血管300の周りに配置することの例を示す。ストラップ600aおよび600bは、以下では一般にストラップ600とされる場合がある。
図8Aおよび
図8Bに示すストラップ600は、
図6に記載のストラップ600aの特徴の各々、ストラップ600bの特徴の各々、またはそれらの組合せを含むことができる。
図8Bに示すように、ストラップアセンブリ800は、ストラップ600が血管300の周りでカラーを形成するように、血管300の周りでストラップ600を閉鎖形態に維持する締め具810、留め具、バンド、または他の閉鎖機構を含むことができる。例えば、
図8Aおよび
図8Bは、血管300の周りを包んでカラーを形成している、ストラップ600を示す。ストラップ600によって形成されたカラーは、そのカラーが吻合部位、吻合部位の上流、または吻合部位の下流に位置付けられるように、吻合部位の近くに配置されてもよい。ストラップ600が、(例えば、ストラップ600がカラーを形成するように)血管300の周りを包んでそのストラップ600の閉鎖の向きで維持されて、血管300に沿ってそのストラップ600の意図された位置に配置された後、ストラップ600によって形成されたカラーは、小穴(
図6を参照されたい)を隣接する組織に縫合することによって、隣接する組織に固定されてもよい。
図3Cおよび
図5Cにおいて説明した実施形態と同様に、小穴を隣接する組織に縫合することによって、ドップラプローブの取り外しのための歪み緩和をもたらすのが有効であり得る。
【0089】
[0100]
図9Aおよび
図9Bは、
図8Bに示す締め具、留め具、またはバンドとは異なる閉鎖機構を有する、ストラップの別の例示的な実施形態600cを示す。例えば、ストラップ600cは、複数のサイズ決め穴910を含むことができ、当該複数のサイズ決め穴910は、ストラップ600cに沿って間隔をあけられており、閉鎖突起920上に嵌まったときにストラップ600cを閉鎖形態に維持するように適合されている。例えば、サイズ決め穴910は、それらサイズ決め穴910が閉鎖突起920上に圧力嵌まり得るような、サイズおよび形状にされてもよい。サイズ決め穴910は、異なる血管サイズ(例えば、約0.5mm刻みで異なる血管サイズ)に対応するために、各穴の間に約1.5mmの間隔でストラップ600cに沿って間隔をあけられていてもよい。各サイズ決め穴910間の間隔は、血管サイズの異なる間隔に対応するために、代わりに1.0mmまたは他のいくらかの間隔であってもよい。
【0090】
[0101]上述したように、本明細書に記載のストラップ600a、600b、および600cは、1つのストラップが1.0~2.0mmの血管のために構成され、別のストラップが2.0~3.0mmの血管のために構成され、および異なるストラップが3.0~4.0mmの血管のために構成されるように、特定の血管サイズのためのサイズおよび形状にされてもよい。異なる血管サイズのために適合された異なるストラップサイズまたは長さがある場合、サイズ決め穴910は、ストラップが0.2mm刻みで直径1.0~2.0mmの血管の周りにフィットするように調節されることができるように、より狭い間隔で配置されてもよい(例えば、サイズ決め穴910は、ストラップが1.0mm、1.2mm、1.4mm、1.6mm、1.8mm、および2.0mmの内径を有するカラーを形成するように調節されることができるように、構成され得る)。ストラップ600cが、顕微外科的および血管再建処置において通常遭遇する血管(例えば、静脈および動脈)に対応するようなサイズおよび形状にされていてもよく、かつ末梢血管系におけるそのような静脈および動脈の端々吻合に適合されていることと、サイズ決め穴910が、顕微外科的および血管再建処置において通常遭遇する血管(例えば、静脈および動脈)に対応するように配置されていてもよく、かつ末梢血管系におけるそのような静脈および動脈の端々吻合に適合されていることと、が理解されるべきである。
【0091】
[0102]突起920は、ストラップ600cを閉鎖形態に維持するように構成された、フランジまたはリップを含むことができる。例えば、サイズ決め穴910は、突起920がサイズ決め穴910に押し通されるように、突起920上に配置されかつ突起920上に圧力嵌めされてもよい。ストラップの材料は、サイズ決め穴が、そのサイズ決め穴の元の形状に弛緩して戻る前に、突起920のフランジまたはリップ上に嵌まるように拡張しおよび曲がることを、可能にし得る。突起920がサイズ決め穴910に押し通された後、フランジまたはリップは、ストラップ600cが開放位置へほどけるのを防止するように適合される。例えば、フランジまたはリップは、ストラップの、そのストラップの開放位置へ弛緩して戻る傾向に関連する力が、サイズ決め穴910が拡張しおよび曲がって突起920のフランジまたはリップ上に嵌まって戻ることを、引き起こすには不十分であるようなサイズおよび形状にされてもよい。ストラップ600cの材料と、サイズ決め穴910および突起の両方の幾何学的形状とは、臨床医が、臨床医の介入なしにストラップ600cが開放されるのを防止することもしながら、ストラップ600cを開放形態と閉鎖形態との間で操作することができるように、構成される。
【0092】
[0103]
図8Aおよび
図8Bに示すストラップと同様に、
図9Aおよび
図9Bに示すストラップは、
図6または
図7A~
図7Cに記載のストラップの特徴の各々を含むことができる。さらに、
図6、
図7A~
図7C、
図8A、
図8B、
図9A、および
図9Bに示すストラップは、閉鎖形態にあるとき、
図2、
図3A、
図3B、
図3C、
図4B、
図5B、および
図5Cに示すカラーと同様に向けられたカラーをストラップが形成するように構成および配置され得る。例えば、プローブホルダは、ストラップが閉鎖形態にあるときに、ストラップによって形成されたカラーの長手方向軸に対して所定の距離および所定の角度でドップラプローブまたはトランスデューサを取り外し可能に保持するように構成された、受口を含むことができる(例えば、ドップラプローブまたはトランスデューサの角度は、ストラップが閉鎖形態にあるとき、おおよそ、カラーの平坦な端面から30度、したがってストラップによって形成されたカラーの長手方向軸から120度であってもよい)。別の例では、角度は、ストラップ600の平坦な端面から30度~60度、したがって閉鎖されたストラップ600によって形成されたカラーの長手方向軸から120~150度であってもよい。
【0093】
[0104]カラーに挿入されたドップラプローブまたはトランスデューサなどのセンシングデバイスは、医師(例えば外科医)が、血流および/または血流速度を監視および解析して、手術の成功を判定し、および/または血管開存性を確認することを可能にする。
【0094】
[0105]超音波ドップラ監視に適した任意のトランスデューサをカラーと共に使用することができる。例示的な実施形態では、ドップラプローブまたはトランスデューサは、HDPEまたはシリコーンなどの承認された埋込み可能な材料で作られる。別の例では、トランスデューサ230は、圧電結晶を備える。トランスデューサ230は、カラー上で使用される対応するプローブホルダの寸法に適合する、任意のサイズであり得る。例えば、円形トランスデューサ230は、内面が円形の形状である受口によって、受け入れられるのに適している。別の例では、プローブホルダによって形成された受口620は、ドップラプローブまたはトランスデューサ先端とのよりしっかりした摩擦嵌めを実現するために、八角形または六角形(
図3Aを参照されたい)であってもよい。トランスデューサ230は、サイズ約0.5mm~約1mmの円形圧電結晶であってもよい。一例では、ドップラプローブまたはトランスデューサ230は、サイズ約0.5mm~約1mmの円形圧電結晶を有する先端、テフロン(登録商標)コート同軸ワイヤおよび金属コネクタを含む。
【0095】
[0106]本明細書に開示されるカラーまたはストラップに結合されるドップラプローブは、吻合部位における血流を検出し、ならびに吻合部位において手術中および手術後に血管開存性を確認するように、適合され得る。例えば、血流は、手術後約14日間まで検出することができる。
【0096】
[0107]本開示の多くの特徴および利点は、記載された説明から明らかであり、したがって、添付の特許請求の範囲は、本開示のすべてのそのような特徴および利点を網羅することを意図している。さらに、多数の修正および変更が当業者によって容易に想到されるので、本開示は、図示および説明した通りの厳格な構築および動作に限定されない。したがって、記載された実施形態は、例示的であって制限的ではないと考えられるべきであり、本開示は、本明細書で与えられた詳細に限定されるべきではなくて、現在または将来において予見可能か予見不可能かにかかわらず、以下の特許請求の範囲、およびそれら特許請求の範囲の均等なものの全範囲によって定義されるべきである。
【国際調査報告】